湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5


NAXOS(品番順)



オペラ作品 歴史的録音 日本の作曲家 Naxos Japan
(日本企画)
ボックス・セット 映像
(DVD、Blu-ray)



※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
※一部の商品につき、通常のプレスCDから CD-Rへの仕様変更が進行中です。
現時点の正確な仕様に関しては、お問い合わせいただければ確認の上お答えいたします。
品番 内容 演奏者
8.570001
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第6番ヘ短調Op.80
弦楽四重奏曲第1番変ホ長調Op.12
弦楽四重奏曲第4番ホ短調Op.442
ニュージーランドSQ[エレーヌ・ポール(第1Vn、ダグラス・ベイルマン(第2Vn)、ジリアン・アンセル(Va)、ロルフ・ジェルステン(Vc)]
明るさばかりが強調されがちなメンデルスゾーン(1809-1847)の作品ですが、この弦楽四重奏曲集には、悲劇的な感情に富んだ起伏の激しい作品が多く含まれます。特に冒頭に置かれた第6番は亡くなる年(1847年)に書かれたもので、彼の良き理解者であった姉ファニーの死にショックを受けた際の悲痛な叫びが聞こえてくるかのようです。そよ風のように爽やかな第1番、感傷的な第4番との対比が楽しめるカップリングも見事な1枚です。
8.570002
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第2集
カプリッチョホ短調Op.81-3
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13
フーガ変ホ長調Op.81-4
弦楽四重奏曲第5番変ホ長調Op.44-3
ニュージーランドSQ
エレーヌ・ポール(第1Vn)/ダグラス・ベイルマン(第2Vn)/ジリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)
1830年、メンデルスゾーン(1809-1847)は高名な作曲家マルシュナーの前で、第2番となるOp.13の弦楽四重奏曲を演奏しました(作曲年代は第1番のOp.12より以前)。この曲は楽章構成やテーマの扱い方など、明らかにベートーヴェンの影響を受けていて、例えば終楽章に現れるレシタティーヴォ風の楽想は、ピアノ・ソナタ「テンペスト」や弦楽四重奏曲Op.132に酷似しているものです。第5番もこれまたベートーヴェンの作品との共通点が数多く指摘されている堅固な構成を持った大作。これらを聴くと「メンデルスゾーンの作品は何だか軽くて」などとは言えなくなってしまいます。「カプリッチョ」と「フーガ」は「4つの小品」として死後にまとめて出版されたものです。カプリッチョは1843年、フーガは1823年の作で、これは習作の弦楽四重奏曲変ホ長調の終楽章として書かれたものと言われています。
8.570003
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.44-1
主題と変奏Op.81-1/スケルツォOp.81-2
弦楽四重奏曲変ホ長調
ニュージーランドSQ[レン・ポール(第1ヴァイオリン)/ダグラス・ベイルマン(第2ヴァイオリン)/ギリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)]
ニュージーランドSQによるメンデルスゾーン(1809-1847)の弦楽四重奏曲、完結編です。第1集(8.570001)、第2集(8.570002)ともに高く評価されているこの曲集、今回はメインに第3番という円熟の作品を持ってくることで、またファンを増やすことでしょう。第3番のアンダンテ楽章の美しさは誰もが認めるところですが、ここでの彼らの演奏はまさに美音が滴り落ちるかの如く、耳に直接訴えかけてくるかのような説得力を有しています。14歳の時に書かれた番号なしの弦楽四重奏曲にも注目。終楽章の堂々たるフーガは、当時バッハたち先人の作品を研究し尽くした若き天才の面目躍如。まさに双葉より芳しの言葉が当てはまるのではないでしょうか。
8.570006(2CD)
ハルフテル:ピアノ作品集
たそがれ/陽気なマーチ/ピアノソナタ/スペイン風/あいさつ/ドゥルシネア姫のセレナーデ/キューバ風の2つの小品/前奏曲と舞曲/リカルド・ヴィニェスを悼んで/ソナタ"D・スカルラッティへのオマージュ"/秋のノクターン"ショパンの思い出"/トゥリーナへのオマージュ/モンポウへのオマージュ/R・ハルフテルへのオマージュ/乙女の組曲/ヴァレンシア〜パソドーブレ/パナデロス/ボレロとカチュチャ/子どものための3つの小品
ギレルモ・ゴンザレス(P)
マドリード出身の作曲家、エルネスト・アルフテルはドイツ系の音楽一家の家系に生まれマニュエル・デ・ファリャに師事しました。同じく作曲家のロドルフォ・アルフテルは兄、クリストバル・アルフテルは甥にあたります。このアルバムは彼の様々なピアノ曲を集めたもので、彼が敬愛したスカルラッティの影響を受けた「ピアノ・ソナタ」や、情熱的なリズムが魅力的な「ハヴァネラ」、「陽気なマーチ」、憂鬱だけどたまらなく美しい「ショパンの思い出」など、一度聴いたら忘れられない魅力的な曲ばかりです。
8.570008
ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集 第5集
実用の手引き I-IX]
ソニア・ルビンスキ(P)
ブラジル民謡を素材とするピアノ曲集であり、すべてが3分に満たない小品(短いものでは約30秒の曲も!)を集めて、9つの組曲風に仕立て上げた作品集。シンプルなメロディとリズムによる素朴な音楽が、次々に現れては消えていく一枚です。
8.570020
シベリウス:歌曲集第2集
交響詩「フィンランディア」〜フィンランディア讃歌
フィンランド・イェガタイ大隊行進曲
朝霧にぬれて/アテネ人の歌
歌いつぶした声/祖国に〜一つの力
カレリアの運命(愛国行進曲)(世界初録音)
橋の警備兵/ウースマーの人びとの歌
まぬけな蜘蛛の歌
クレルヴォの嘆き
3人の盲目の姉妹
おいで、おいで、恋人よ(世界初録音)
組曲「恋人」〜恋人よ、どこにいるの
おばあさんの誕生日の歌(世界初録音)
偵察団の行進曲/通学路
風よ、やさしく吹け(ペソネン編曲)
わが心の歌/カリオの教会の鐘
神の祝福(世界初録音)
名誉の讃歌、こだませよ
ハンヌ・ユルム(T)、ヨウニ・ソメロ(P)
第1集(8.570019)に続く第2弾は、世界初録音の4曲を含む作品集。作品番号別に録音・収録するのではなく、リサイタル風に曲を選ぶスタイルによって個々の歌の存在に再注目。2人のフィンランド人音楽家が、シベリウスに共感を込めて描き出します。
8.570010
D・スカルラッティ:ピアノソナタ全集第8集
ソナタK.181/L.194/P.253/ソナタK.496/L.372/P.332/ソナタK.420/L.Supplement 2/P.352/ソナタK.466/L.118/P.501/ソナタK.441/L.Supplement 39/P.375/ソナタK.87/L.33/P.43/ソナタK.96/L.465/P.210/ソナタK.426/L.128/P.128/ソナタK.127/L.186/P.198/ソナタK.462/L.438/P.474/ソナタK.382/L.Supplement33/P.508/ソナタK.485/L.153/P.490/ソナタK.101/L.494/P.156
リ・ソヨン(P)
汲めども尽きぬ泉のようなソナタ・シリーズですが、今回はアメリカ在住で、2004年コンサート・アーティスト・ギルド国際コンクール優勝を果たした若手ピアニストによる演奏によって、13曲を収録しています。
8.570019
シベリウス:歌曲集第1集
夕べに/春はいそぎ過ぎゆく/初めての口づけOp.37-1/黒いばら/逢引きからもどった娘/そよげ葦Op.36-4/それは夢か/3月の雪の上のダイヤモンド/川面に漂う流木/泳げ、青い鴨/山彦/帆走/おとめが野原で歌っている/あこがれ/静かな都会/セレナード/歌/初めての口づけJS57*/熱狂*/そよげ葦JS42*/日の出*/友情の花*/6つの歌/水仙/タイスへの讃歌
ハンヌ・ユルム(T)、ヨウニ・ソメロ(P)
シリーズ第1弾は世界初録音の5曲を含む、ファン必聴の選曲。フィンランドの中堅歌手がドラマを引き出すように歌い上げ、精神的に強いシベリウス像を描き出しています。*印=世界初録音。
8.570025
ファーナビー:ハープシコードのためのファンタジア(全集)
フィッツウィリアム・ヴァージナル曲集 〜 ファンタジア(6/320)/同(8/323)/同(5/82)/同(4/489)/同(12/343)/同(13/347)/同(10/313)/同(9/270)/同/別れのつらさ/4声のカンツォネッタ集〜私の気持ちをわかってくれ(G. ウィルソン編曲)/同〜ああ、あわれな我が心(11/330、ファーナビー編曲)/同〜天も照覧あれ(G.ウィルソン編曲)/作者不詳(ファーナビー編曲): 特定されていないパート・ソング(7/333)/同(3/340)
グレン・ウィルソン(harpsi)
バードやギボンズの陰に隠れてはいますが、実は同等の評価を受けていたファーナビーの作品集。エリザベス朝イングランドの代表的な作曲家であり、ヴァージナル(小型のハープシコード)の作曲家として古楽ファンには、ぜひ聴いていただきたい一枚です。演奏者自身が、曲の紹介や演奏にあたっての調律・装飾音の情報などを執筆しています。
8.570026
トゥリーナ:ピアノ作品集 第4集
小組曲第1集、第2集、
ミニアテュール、子どもの庭
ホルディ・マソ(P)
ファリア、アルベニス、グラナドス、モンポウらと共に、スペインのピアノレパートリーに多大なる貢献を果たしたトゥリーナのピアノ作品全集第4集です。 この曲集に収録されているのは「子どものための曲集」で、トゥリーナ自身の幼い頃の思い出が反映された小組曲など優しさとユーモアに溢れた親しみやすいものばかりです。シリーズを一貫して担当しているマソの切れ味鋭い演奏も魅力です。
8.570027
モーツァルト:管楽合奏による「魔笛」と「ティート」
魔笛…J.ハイデンライヒ(1753-1821)による管楽合奏版
(序曲/私たちは逃げましょう/私は鳥刺し/フム・フム・フム/可愛い子よ、お入りなさい/恋を知る男たちは/何と美しい絵姿/この道はあなたを目的へと導いていく/何と言う不思議な笛の音/ああ、何と美しい音色/徳と正義が/おお、イシスとオシリスの神よ/どうしたの?どうしたの?どうしたの?/誰でも恋の喜びを知っている/再びようこそ/愛しい人よ、もうあなたにお会いできないのですか?/娘か女か、パパゲーノはどちらがほしい/パ、パ、パ、パパゲーナ)

皇帝ティートの慈悲(抜粋)…J.トリーベンゼーによる管楽合奏版
(序曲/私を喜ばせるなら/ああ、やさしく抱き合おう/行進曲/この至高な帝位のただ一つの/ああ、これまでの愛に免じて/ああ、もし皇帝の座のまわりに/どうか保たせたまえ、神々よ)
ザキソニアン・管楽アカデミー
1782年、時の皇帝ヨーゼフ2世によって設立されたウィーン王立吹奏楽団。その高度な合奏能力に触発されて、当時流行のオペラの名アリアなどが数多く編曲され、貴族たちの耳を楽しませたのです。その代表作がこれらの編曲集。美しく巧妙につくられたアンサンブルスコアは、聴く喜びだけでなく、奏でる楽しみをも促すのでしょう。どの曲も溌剌とした雰囲気がたまりません。
8.570028
ハンドシキン(1747-1804):ヴァイオリン・ソナタ 第1番〜第3番、
6つの古いロシアの歌*
アナスタシア・ヒトルーク(Vn)、
ドミトリ・ヤクボフスキー(va)*、
キリル・エフトゥシェンコ(vc)*
ロシアの女帝エカテリーナ2世時代に、サンクト・ペテルブルク宮廷オーケストラの楽員となり、ロシアで最初のヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾと呼ばれたハンドシキン。収録された無伴奏ソナタ3曲でもその実力は証明され、ロシア音楽にまたひとつ、新しい光が灯ったと言えるでしょう。
8.570031
ヴィヴァルディ:四季(ピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲Op.8「四季」(J.ビーゲルによるピアノ独奏編曲版)、
マンドリン協奏曲ハ長調RV425(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
リュート協奏曲ニ長調RV93(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
ジェフリー・ビーゲル(P)
最強の名曲、ヴィヴァルディ(1678-1741)の四季をピアノ独奏で全曲演奏してしまったというCDです。元々Ricordi社(イタリアの大手出版社)よりピアノ版のスコアは出版されていたのですが、この録音にあたってピアニストのビーゲルは本来のスコアを研究し、より一層的確な装飾を付けくわえたというのですから、その思い入れは並大抵なものではありません。出来上がった音を聴いてみてください。鳥の囀り、雷鳴、人々の喜び、しんしん降り積もる雪などが、驚くほどに色鮮やかに描き出されていることに気がつくでしょう。映画でおなじみのマンドリン協奏曲も、ピアノで聴くと一味違います。
8.570033
オルフ:カルミナ・ブラーナ マリン・オールソップ(指)
ボーンマスSO&cho、
ハイクリフ少年cho、
ボーンマス交響青年cho、
クレア・ラター(S)、トム・ランドル(T)、
マルクス・アイヒェ(Br)
米英の比較的マニアックな作品から、徐々に名曲へとシフトしてきたオールソップの録音。名実共にナクソスが期待する指揮者の一人であり、この作品でも壮大さと叙情美を兼ね備えた演奏を聴かせてくれます。2人のイギリス人歌手と1人のドイツ人歌手も、語り口が見事。同時発売の吹奏楽版(8.570242)と比較するのもおもしろいでしょう。
8.570067
シューベルト・ドイツ語歌曲全集第27集(シューベルト:ロマン派の詩人による歌曲集第4集)
アムフィアラオスD166、
合戦のさなかの祈りD171、巡礼D778a、
夕映えOp.173No.6D627、
老年の歌Op.60No.1D778、
彼女の墓D736、墓掘人の郷愁D842、
森でD708、船乗りD694、
あふれる愛D854、
生き物たちの調べOp.111No.2D395、
マリアの像D623、3人の歌手D329、
母のための挽歌D616
フロリアン・ベーシュ(Br)、
ブルクハルト・ケーリンク(P)
今回のシューベルト(1797-1828)歌曲集は、4人の作風の違う詩人たち(ケルナー、リュッケルト、シュレーゲル兄弟)の詩に付けた曲を中心に選曲しています。政治的な側面を強調するケルナー、東洋的なものへと興味を移していったリュッケルト、哲学的、審美的で理論派の詩を書くシュレーゲル兄弟・・・。これらはシューベルトが新しいリートを創造するための大きな刺激となりました。
8.570068
シベリウス:歴史的情景
組曲「歴史的情景」第1番、
組曲「歴史的情景」第2番
ピエターリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
1899年、当時の帝政ロシアによる新聞への弾圧に対して企画された「新聞祭典の催し」。この時に書かれた愛国記念劇のための音楽は後に、この「歴史的情景第1番」と「フィンランディア」へと形を変えました。どちらもフィンランド人の愛国心をかきたてるものとして知られます。しかし「第2番」はその12年後に書かれたもので内容的にも音楽的にも大きなつながりは認められません。「クリスティアン2世」はシベリウス(1865-1957)の後期の書法を予感させる雄大な曲。とりわけ夜想曲の濃厚な美しさがたまりません。
8.570069
ラウタヴァーラ:アポテオシス〜交響曲第6番「ヴィンセンティアーナ」第4楽章の改編
マンハッタン三部作(白昼夢/悪夢/夜明け)
交響曲第8番「旅」
ピエタリ・インキネン(指)ニュージーランドSO
1980年生まれ、ヴァイオリンの腕も超一流、もちろん指揮者としても大活躍。期待の新鋭指揮者インキネンが、ナクソスでシベリウスに続いて取り組んだのがエイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-)です。中でも、本作の中心をなす交響曲第8番は、人生を交響的音楽になぞらえたというラウタヴァーラの真情がほとばしる雄大さがあります。この第8番は、2009年にインキネンの指揮で日本初演。
8.570073
タバコフ(1947- ):二つのフルートための協奏曲
ピアノ協奏曲
パトリック・ガロワ(Fl)、
フィリップ・ベルノール(Fl)、
ジャン=フィリップ・コラール(P)、
エミル・タバコフ(指)ビルケントSO
ブルガリア生まれのエミール・タバコフは指揮者と作曲家という二役をうまくこなしている音楽家です。2000年にフランス人フルート奏者パトリック・ガロワからの委嘱で作曲された「フルート協奏曲」は、ガロワに捧げられ、トルコ、ロシア、メキシコとブルガリアで演奏されて大成功を収めました。マラカスやタンバリン、タンブロ・ブルガロまで加えられたエキゾチックな編成の作品です。「ピアノ協奏曲」はトルコのアダナ・ロータリー・クラブの要請により、紀元前209年に創設されたトルコ軍を記念するために作曲されました。古典的な協奏曲の三楽章構成を踏襲している力作「ピアノ協奏曲」は、大編成のオーケストラのために書かれており、すでに何人かの名ピアニストを虜にしています。
8.570075
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲) ローラン・プティジラール(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O、ボルドー歌劇cho、
サミュエル・コールズ(Fl)
幻想的で古代ギリシャの美を思わせるこのバレエ音楽を、克明に音を描き出した新鮮なアプローチで演奏。ワインの生産地として有名な地方のオーケストラは、まだまだ知名度が低いもののなかなかの実力派。ロマンティック・オペラ的な表現も特徴です。
8.57088
マリピエロ:交響曲集第3集
交響曲第6番「弦楽のための」
交響曲第5番「エコーによるコンチェルタンテ」
交響曲第8番「小交響曲」
交響曲第11番「バグパイプ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
第1集(8.570878)、第2集(8.570879)ともに好評なマリピエロ(1882-1973)の交響曲集、この第3集は彼の作品の中でも最も演奏頻度の高い第6番「弦楽のための」が含まれています。フランス印象派の影響を受けていると言われる彼の作品ですが、実際に聴いてみると古典的なフォルムの中に実に多彩な表現が詰め込まれていることがわかるでしょう。彼は生涯を通じて旋律の魅力を追求したため、最後の交響曲である1969年に書かれた第11番「バグパイプ」にさえも、魅力あふれるメロディが横溢しています。」MARCO POLO8.223696より移行盤。
8.57093
ロッシーニ:序曲全集 第3集
歌劇「マオメット2 世」序曲(1822 年 ヴェニス版)
歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
歌劇「チェネレントラ」序

コントラバスのオブリガード付き「大序曲」
歌劇「マティルデ・ディ・シャブラン,または美女と鉄の心」序曲
歌劇「婚約手形」序曲
歌劇「タンクレディ」序曲
プラハSO
クリスティアン・ベンダ(指)

録音:2011年9月5-6日
2012年5月30-31日
有名な「チェネレントラ」を始めとした7 曲の序曲を収録。もちろん珍しい作品も含まれており、ロッシーニ好きならば感涙にむせぶこと間違いありません。冒頭の「マオメット2 世(メフメト2 世)」は1820 年の初演時には序曲はついておらず、1822 年の再演時に付け加えられたものです。他の序曲もお馴染みの作品ですが、トラック4 の「大序曲」だけは歌劇のためではなく、彼が学生時代にコントラバスのために書いた「独立した作品」です。劇的な風情と快活な表情を併せ持つ見事な転換が心地よい、いかにもロッシーニらしい音楽と言えそうです。
8.570094
バックス:ヴァイオリン・ソナタ 第2集
ヴァイオリン・ソナタ 第2番、
ヴァイオリンとピアノのためのバラード、

ヴァイオリン・ソナタ ト短調、
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調
ローレンス・ジャクソン(Vn)、
アシュレイ・ウェイス(P)
既発売のアルバム8.557540 で極めて印象深い演奏を聴かせたジャクソンによるバックス(1883-1953)のヴァイオリン・ソナタ第2 集です。メインとなる第2 番のソナタは第一次世界大戦に対する作曲家の懸念が表現されたもので、不安げな表情とある種の艶かしさが全曲を支配します。特に第2楽章で奇妙なワルツは、まさに「死の舞踏」とも言えましょう。「伝説」「バラード」はバックスの最盛期の作品。異国風かつ洗練されたドラマティックな作品です。1983年まで演奏されることのなかったヘ長調のソナタも聴き物です。

8.570109
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第8集
ソナタ第36番/ソナタ第19番/ソナタ第34番 
ロバート・バート(バロックLute)
ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイスが1750年(バッハの没年と同年)に亡くなったときには、ヴァイスはヨーロッパ最高のリュート奏者であり、ドイツ最高の音楽家の一人という名声につつまれていました。ヴァイスのリュート作品全集の最新巻では、舞曲の形式による三つの名作ソナタが収録されています。ソナタ第36番の第一楽章アルマンドの豪華さ、ソナタ第19番第一楽章アルマンドの途切れないメロディ、最も有名なソナタ第34番の終楽章の燃え盛るようなジーグと、表現内容は多岐に渡ります。全曲を通して、ヴァイスはリュートの響きを完全に引き出し、名人技巧を発揮させています。※ソナタのナンバリングは、「Das Erbe Deutscher Musik」の援助のもとに出版された全集楽譜によります。
8.570110(2CD)
コルンゴルト:映画音楽「シー・ホーク」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
映画音楽「愛憎の曲」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)
モスクワSO&cho、
イリーナ・ロミシェフスカヤ(S)、
アレクサンドル・ザゴリンスキー(Vc)
没後50年を迎えたコルンゴルトですが、さらに高く評価されていいハリウッド時代の音楽。中でもエロール・フリンが主演した「シー・ホーク」の音楽は、これまで組曲などで知られてきた名作であり、その全貌がようやくおよそ120分の全曲版として蘇りました。いずれも世界初全曲録音。
8.570113(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「トビト」 ヨアヒム・カルロス・マルティニ(指)
フランクフルト・バロックO(オリジナル楽器使用)、
ユンゲ・カントライ、マイヤ・ボーグ(S)、
リンダ・ペリッロ(S)、
バーバラ・ハニガン(S)、
アリソン・ブローナー(Ms)、
クヌート・ショッホ(T)、
シュテファン・マクロード(Bs)
「ギデオン」(8.557312-13)、「ナバル」(8.555276-77)などと同様、ヘンデルの死後にジョン・クリストファー・スミスが編作したものであり、旧約聖書続編の中にある「トビト記」をベースにした作品。とはいえ素材自体はほぼヘンデルの音楽であるため、聴いていて違和感があるわけではありません。ユンゲ・カントライがこだわりをもって録音・制作した貴重な音源だと言えるでしょう。
8.570118
シューベルト:断章を含むピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ 第1番ホ長調
ピアノ・ソナタ 第8番嬰へ短調
ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調 断章 D655
ピアノ・ソナタ ホ短調断章 D769a(D994)、
ピアノ・ソナタ ハ長調 D840「レリーク」
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
人懐こい表情と、徹底的に暗い深淵が奇妙な具合に同居しているのがシューベルトのピアノ・ソナタです。ここに収録されているのは、彼の1 番最初のソナタと、生涯半ばの3つの極めて実験的な断片、そして遺作として出版された最後の断片です。緊張感に満ちた曲が唐突に終焉を迎える時、聴き手は見知らぬ世界に放り出されたかのような不思議な身悶えにさいなまれることでしょう。
8.570119
タンスマン:クラリネット室内楽曲集
クラリネットと弦楽四重奏のための音楽
クラリネット,弦楽四重奏とピアノのための6つの音楽/
クラリネット、ハープと弦楽四重奏のための3つの小品/
弦楽四重奏のための三枚折り絵
ジャン=マルク・フェッサール(Cl&バスCl)、
エリアーヌ・レイェス(P)、
フランシス・ピエール(Hp)、
エリーゼSQ
ピアノ曲やギター曲が演奏され、日本でも知名度が上がっているタンスマン。1930年に作曲された「三枚折り絵」は弦楽合奏でも演奏される名作であり、1970年代と80年代に作曲された他の3作と共に、この作曲家独特のパリ的な感性が生きています。
8.570123
パーシケッティ:ディヴェルティメント Op.42、
詩篇 Op.53、
コラール前奏曲「おお目に見えぬ神よ」 Op.160、
ページェント Op.59、
仮面舞踏会 Op.102、
おお涼しい谷間 Op.118、
寓話 (ポエム) Op.121
デーヴィッド・エイモス(指)
LSO響の管楽器奏者たち
Harmonia Mundiから既発売の音源(1993年録音)を移行発売。吹奏楽ファン、管楽アンサンブル・ファンにはおなじみの作曲家による、魅力たっぷりの作品集。吹奏楽シーンでは有名なエイモスの指揮、響きが美しいロンドン響の管楽セクションという、理想的な演奏者による名演です。
8.570135
グエッラの写本第1集
序奏/聞いて、聞く
イダルゴ(1614-1685):愛しているのは誰?
痛みが増して/高く飛びあがれ
マリン(1619-1699):影への執着/厳しさから目をそむける/疲弊した創造力/気をつけて、不注意だから
イダルゴ(1612-1685):魚、獣、鳥/礼拝の栄光/イダルゴ:これは誰ですか?
イダルゴ:愛の壊れる先/信用は私への礼儀
マリン:私を殺せば私は死ぬ
イザベル・モナール(S)
マニュエル・ヴィラス(スペイン・バロック・ハープ)
最近発見されたばかりの、17世紀の後半にマドリッドで編纂されたグエッラの写本です。ミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)は1677年から王宮の礼拝堂の書記を務めた人で、この写本は当時流行していた歌を丹念に集めたもの。2人の音楽学者トレントとアルバレスによって発見され1998年に公表されました。スペイン王室、貴族、上流階級の作曲をたしなむ文化人たちによる100余りの小品集で、当時のスペインの音楽を肌で感じることができる興味深いものです。ほとんどは作曲家不詳ですが、中にはサルスエラの大家フアン・イダルゴや、ホセ・マリンなど作曲家名を特定できるものも含まれています。イザベル・モナールの表情豊かな歌に圧倒されます。
8.570136
ロースソーン(1905-1971):2つのヴァイオリンのための主題と変奏
弦楽四重奏曲第1番(主題と変奏)
弦楽四重奏曲第2番/弦楽四重奏曲第3番
マッジーニQ
1930年代から60年代にかけて作曲されたこの4作品はロースソーンの進化の足跡でもあり、これまでリリースされた多くの作品と比較してもテクニックが集約された要になるような存在。ブリテン、ベルク、シマノフスキなどさまざまな作曲家を引き合いに出したくなる音楽です。
8.570137
リスト:ピアノ曲全集 第27集
ドニゼッティのオペラによる編曲作品集、ルチアとパリジーナの2 つのモティーフによる演奏会用ワルツ S214/3/R155、「ルクレツィア・ボルジア」の回想(第2 稿) S400/R154、「ランメルモールのルチア」の回想 アンダンテ・フィナーレ S397/R151、「ランメルモールのルチア」より 葬送行進曲とカヴァティーナ S398/R152、「ファヴォリータ」より「優しき魂よ」のカヴァティーナ S400a、「ポルトガル王セバスティアン」より葬送行進曲
ウィリアム・ウォルフラム(P)
この曲集こそリスト(1811-1886)の真骨頂を味わうためのもの。 彼がオペラの名旋律をどのように料理したかが手にとるようにわかるはずです。原曲の良さを生かしつつも、 過剰なまでに装飾を重ねた結果あまりにも長すぎたため、出版社から「2つに分けるように」と言われてしまった 「ルチアの回想」や、演奏会用ワルツなど、これでもかと言わんばかりの妙技が炸裂です。超絶技巧を凝らしたパッセージを事もなげに弾き切るウォルフラムにも脱帽。
8.570138
プティジラール(1950- ):12人の寺院の守護者(ラジオ・フランス委嘱作品)
大管弦楽と弦楽のための詩(ラ・フィラテューラ[ミュールズ]委嘱作品)
ユーフォニア*
ローラン・プティジラール(指)
ボルドー・アキテーヌ国立O、リュブリャナRSO* 
パリを拠点に作曲家・指揮者として活躍。ナクソスにも「エレファント・マン」(8.557608-09)の録音があるプティジラールのオーケストラ作品は、メシアンや武満などと同様のデリケートさを持っています。現代フランスを代表する一人であり、特にベルリオーズが創作した未来小説「ユーフォニア」による作品が注目されます。
8.570139(3CD)
バード:私のネヴェル夫人の曲集(ヴァージナルのための42曲) エリザベス・ファー(ハープシコード)
この曲集は、バードが当時イギリスで人気のあった作曲家の作品を集めて編纂したいわばコンピレーション・アルバムです。ダンス、変奏曲、戦いの音楽、ガリアードなど多彩な曲を含み、16世紀イギリスの鍵盤作品の様式を俯瞰できるものとして貴重な曲集です。リブレットにはハープシコードを演奏するファー本人による詳細な解説(英語)が記されています。
8.570143
ブラームス:4手のためのピアノ作品集 第18集
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 Op.83(2台ピアノ版)
ヨアヒム(1831-1907):「シェークス
 ピアの『ヘンリー4 世』」のための序曲 Op.7(2 台ピアノ編)
ジルケ=トーマス・マティアス(P)
クリステァイン・ケーン(P)

録音: 2012 年10 月10-13 日 ドイツ ザントハウゼン,クララ・ヴィーク・アウディトリウム
ブラームス(1833-1897)はその大規模な管弦楽作品を書く時に、しばしば同じ作品を2 台ピアノ、または連弾のためにも書いていました。それはしばしば友人たちによって試演され曲の評判を諮るためのツールとしても使われていたのです。この第2番の協奏曲は1878 年に作曲が開始され、その3 年後の1881 年にウィーン近郊のプレスバウムで完成されました。完成直後にブラームス自身と友人のイグナーツ・ブリュルで演奏し、11 月の初公演(プラームスの独奏、A.エルケルの指揮)のために曲を練り直したのです。もちろん初演は大成功。オーケストラ伴奏版は彼の最初の師であるエドゥアルト・マルクスゼンに献呈されるとともに、この2 台ピアノ版も公開され、多くの聴衆やピアニストたちが練習にも利用できるようにと便宜が諮られたのでした。同時収録のヨアヒムの作品もブラームスによる編曲版で、原曲を聴く機会が失われている現在、この録音は貴重なものとして評価されることでしょう。
8.570145
オルウィン:合奏協奏曲第2番&第3番他
劇的序曲-ヴェニスのムーア人(編曲:P.レーン)…世界初録音
合奏協奏曲第2番
セレナード…世界初録音
7つのアイルランドの旋律<小さな赤いヒバリ/田舎の旋律/乙女の光線/リール-雌羊と曲がった角/上品な乙女/ため息/ジグ>…世界初録音
合奏協奏曲第3番
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
合奏協奏曲第1番を始めとした作品集(8.570704)での表情豊かな音楽を聴くだけで、「まだまだイギリスにはすごい作曲家がいるんだな」と驚かせてくれたオルウィン(1905-1985)ですが、ここでも、その劇的な音楽がたっぷり楽しめます。ヴェニスのムーア人とは、あのシェークスピアが描いたオセロのこと。もともとはブラスバンドのために書かれたものをP.レーンがが管弦楽へと編曲。オセロとデズデモーナを中心とした人間模様が激しい音楽で表出されています。他には、見事に練られた合奏協奏曲2曲と、極めて田園的な2つの作品を収録。合奏協奏曲第3番は、偉大なる指揮者ヘンリー・ウッドの没後20年を記念してBBCから依嘱された作品です。
8.570146
ロワイエ(1768-1852):協奏二重奏曲Op.31-1〜3
協奏二重奏曲Op.34-2
マッテオ・メーラ(G)、ロレンソ・ミケリ(G)
ジュリアーニやソルと並ぶ19世紀ギター作曲家の一人であり、親しみやすいメロディにもっと注目されていい存在。ギター音楽ファン以外にもおすすめしたいこの二重協奏曲集は、実に魅力的な音楽です。録音:24bit。
8.570148
W.H.ハリス(1883-1973):アンセム集
オッフェルトリウム「主よ、わたしの言葉に耳を傾け」/主の慈しみは世々とこしえに
美しき天界/愛の中の愛/栄光の王よ
わたしの魂よ、主をたたえよ
夕べの讃歌「夜が来りて」(世界初録音)/羊飼いたちは(世界初録音)
夕べの讃歌「おお、素晴らしき灯り」
心からの願い
わたしは門番に言った(世界初録音)
おお、主なる神よ、われらを連れ去りたまえ
ティモシー・バイラム=ウィッグフィールド(指)
ウィンザー城、聖ジョージ教会cho、
ロジャー・ジャッド(Org)
ウィンザー宮殿内の聖ジョージ教会でのオルガニスト在職中に、ウィリアム・ヘンリー・ハリスは三大聖歌合唱祭のための大規模作品やプロムスで初演された二曲に加えて、多数の聖歌隊とソロ・オルガンのための作品を作曲しました。初録音作品とともに、ハリスによる二大有名作品である、「美しき天界」と「主なる神よ、我らを連れ去りたまえ」が含まれています。両曲ともに、20世紀の英国教会音楽の頂点に位置するものであり、ハリスが三十年近く係わってきた同教会において、少年および男声聖歌隊によって録音されています。
8.570149
パーセル:劇場音楽集第1集
アムフィトリュオン,または2人のソシアZ.572、バーナビー・ウィッグ卿Z.589、ほどかれたゴルディウスの結び目Z.597、キルケーZ.575
ケヴィン・マロン(指)
アラディア・アンサンブル
たった36年の短い生涯に膨大な曲を残したイギリスの天才、パーセル(1659-1695)。まさにモーツァルトに匹敵する才能の持ち主でした。彼の劇場音楽のほとんどは晩年(!)の5年間に書かれたもので、陽気で騒がしい曲から荘厳な曲と、あらゆる要素を含んだ楽しい曲ばかりです。ロンド、メヌエット、シャコンヌなど舞曲の宝庫でもあります。
8.570150
シュターミッツ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ハ長調
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ト長調
ロバート・エイトケン(Fl)
ドナタス・カトクス(指)セント・クリストファーCO
マンハイム楽派の創立者であり、交響曲の形式の開拓者であったヨハン・シュターミッツ(1717-1757はオルガニストの父親から最初に音楽を教えられ、後にプラハのカレル大学で学びました。1741年にマンハイムに行き、1743年に同地の宮廷楽団の首席ヴァイオリン奏者に、1745年には楽長に昇格し、この小さな一地方楽団をヨーロッパで最も尊敬されるオーケストラの一つに育て上げたのです。50曲以上もの交響曲、室内楽曲、声楽曲が残されていますが、多くの協奏曲も作曲し、その中には14曲のフルート協奏曲も含まれています。当時のマンハイムの奏者たちの高い技巧を才能を物語る高度な技術を駆使したこれらの協奏曲は、とてもチャーミングで、同時代のクヴァンツの作品よりも若干自由度が高く、バロックと古典派の橋渡しとしての機能を持ち合わせています。また彼自身の血筋であるボヘミアの素朴で抒情的な面も感じられる特徴的な作風が魅力的です。彼の息子カール・シュターミッツも才能ある音楽家です。
8.570151
シューマン:3つの弦楽四重奏曲(第1番〜第3番) ファイン・アーツQ
「室内楽の年」と呼ばれる1842年に作曲され、メンデルスゾーンに献呈された3曲の弦楽四重奏曲は、シューマンの隠れた名品。第1番の冒頭から、この作曲家らしい詩情と哀愁に満ちあふれています。シカゴで誕生したベテラン四重奏団の演奏も見事です。
8.570178
M・ハイドン&シュターミッツ:ディヴェルティメント&オーボエ四重奏曲
M・ハイドン:ディヴェルティメントハ長調P.115
シュターミッツ:オーボエ四重奏曲ニ長調Op.8-1
オーボエ四重奏曲へ長調Op.8-3
オーボエ四重奏曲変ホ長調
アレッサンドロ・バッキーニ(コーラングレ,Ob)、
ヌォーボSQ、
ルカ・ステヴァナート(Cb)
8.570179
カーゲル(1931-):シナリオ
デュオドラメン/典礼
マウリツィオ・カーゲル(指)
ザールブリュッケンRSO、
マーガレット・チョーカー(S)、
ローラント・ヘルマン(Br)、
マーティン・ヒル(T)、
ロマン・ビショフ(Br)、
ワウト・オーステルカンプ(Bs)
リスボン・グルベンキアン合唱団 弦楽の演奏にブニュエル(映画監督)とダリの会話を重ねたユニークな「シナリオ」。マーラーから影響を受けた「デュオドラメン」(ソプラノ+バリトン)。やや規模の大きい編成による「典礼」。1980年代以降に書かれたこの3作品は、ユニークな実験的作風を端的に表しており、作曲者自身による指揮が、より信頼度を高めています。
8.570183
スタイナー:映画音楽集
「凡てこの世も青春も」「盗まれた青春」(ジョン・モーガンによる復元スコア)
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)モスクワSO&cho
MARCO POLO より移行盤。ジョン・モーガンのスコア再編による名画サントラ・シリーズ、ここではベティ・デイヴィス主演による2つの映画を取りあげています。スタイナーの音楽は本当に壮大でロマンティック(ワーグナーの楽劇を思わせる部分も)!そして作曲者のオリジナル・スケッチまでをあたって編纂作業をしたモーガンの仕事ぶりに脱帽です。「盗まれた青春」はゴージャス・オーケストレーション路線の典型的作品と言えましょう。
8.570186
ハーマン:キリマンジャロの雪他
キリマンジャロの雪(1952年)
5本の指(1952年)…世界初録音
ウィリアム・ストロンバーグ(指)モスクワSO
グレゴリー・ペック主演の名画と、ジェームズ・メイソン主演のスパイ映画の音楽を、サントラのスコアとフィルムから再現。直後にヒッチコック作品で有名になるハーマン(1911-1975)ですが、すでに独特のロマンティシズムが開花しています。「キリマンジャロの雪」はヘミングウェイの短編小説が原作で、映画としては若干冗長な面もありますが、付けられた音楽はとことんダイナミック。全編何かを予感させるわくわく感に満ちたものです。原盤MARCOPOLO。
8.570187
ニューマン:映画音楽集
「ノートルダムのせむし男」(ジョン・モーガン復元スコア)、「ボー・ジェスト」(ウィリアム・T・ストロンバーグ復元スコア)、組曲「イヴの総て」
ウィリアム・T・ストロンバーグ(指)モスクワSO&cho
MARCO POLOより移行盤。1939年に制作されたヴィクトル・ユゴー原作の映画「ノートルダムのせむし男」の音楽を担当したアルフレッド・ニューマン(1901-1970)は45回ものアカデミー賞ノミネート回数を誇る(9 回受賞!)映画音楽の天才です。かの有名な“20世紀FOX社の映画のオープニング”の勇壮なファンファーレも彼の代表的な仕事の一つです。
8.570188
ソルター(1896−1994)&デッサウ(1894-1979):映画音楽「フランケンシュタインの家」完全版(ジョン・モーガンによる復元スコア) ウィリアム・T・スタインバーグ(指)モスクワSO
MARCO POLO より移行盤。1996 年にこのアルバムが発売された際、音楽誌ではこぞって大絶賛。この音楽、ひたすら恐怖を煽るのだけど、その中にかすかに感じられる上質なユーモアと色彩豊かな効果音は、現代の耳にも存分に訴えかけるものがあります。冒頭のテーマ音楽から、もうすっかりはまること間違いなし。これは楽しい1枚です
8.570190
ロージャ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ハンガリー民謡の主題による変奏曲Op.4*、ヴァイオリンとピアノのための二重奏Op.7*、北部ハンガリー民謡と踊りOp.5、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタOp.40
フィリッペ・クィント(Vn)、ウィリアム・ウォルフラム(P)*
ロージャ(1907-1995)と言えば映画音楽が良く知られていますが、ここに収録されたのはハンガリーの民族色が濃く出た初期の 作品と、恐ろしい程に渋い後期の「無伴奏ヴァイオリンソナタ」です。のどかで耳に優しい変奏曲などの哀愁に満ちたメロデ ィの宝庫は聴き手の胸を熱くすることでしょう。そして無伴奏ヴァイオリンソナタの革新的な音色!ロージャに対する見方が 変わること間違いありません。
8.570191
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ − ミカリス・コンタサキス
[ポンセ:ギター・ソナタ第3番、
クレルキ:春への前奏曲 - タルレガを讃えて(世界初録音)、
マルタン:4つの小品、
クジェネーク:組曲 Op.164、
タルレガ:「椿姫」の主題による幻想曲、マリエータ(マズルカ)/マリア(ガヴォット)、
ハチャトゥリアン:ギターのための前奏曲
ミカリス・コンタサキス(G)
※2005年タルレガ国際ギター・コンクール優勝
2005年国際フランシスコ・タルレガ・ギター・コンクールに優勝した、ギリシャの若手によるリサイタル盤。手堅い演奏で音楽を切々と語り、さまざまなタイプの曲をじっくりと語り尽くすような一枚です。クレルキはデュッセルドルフでのコンタサキスの師であり、エリオット・フィスク門下のギタリストでもあります。
8.570192
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第2集
ロッシーニへのオマージュ Op.2/ドモンの思い出 Op.8/「マルタ」による演奏会用幻想曲 Op.19/ミニョンのガボットOp.16/ルーマニアのメロディ Op.47/「ザンパ」のモザイク Op.15/モスコヴィエンヌ Op.12/「運命の力」による演奏会用幻想曲 Op.1
ティアンワ・ヤン(Vn)、マルクス・ハドゥッラ(P)
自らも大ヴァイオリニストであったサラサーテ(1844-1908)は、超絶技巧を駆使した作品を多く作曲し、ヨーロッパから南北アメリカ、中近東、南アフリカなど広く世界を演奏旅行し聴衆を唸らせました。本収録作品はどれもがオペラのテーマを用いており、原曲の魅力を損なうことなくヴァイオリンが縦横無尽に歌いまくるというサラサーテならではの華やかさです。
8.570195
ボリス・チャイコフスキー(1925-1996):交響曲第1番
組曲「ざわめく森」*
組曲「ダンス・パーティの後」#
エドゥアルト・セロフ(指)ヴォルゴグラードPO、
キリル・エルショフ(指)サラトフ音楽院SO*,#、
ロリータ・アンゲルト(P)#
ショスタコーヴィチの影響を受けて1947年に作曲された交響曲をはじめ、すべて作曲者20代のときに書かれた作品。旧ソヴィエト時代にもレコードで存在を知ることはできましたが、ようやく再評価の兆しが見えてきています。このCDでは2つのオーケストラが演奏をしていますが、その意味でもロシア音楽ファンは必聴でしょう。
8.570198
ディッタースドルフ:<シンフォニア集その2>
シンフォニア ニ長調(Grave D6)
シンフォニア 変ホ長調(Grave Eb9)
シンフォニア イ長調(Grave A6)
アルバロ・カッスート(指)
リスボン・メトロポリタンO
ハイドン、モーツァルトと同時代を生きただけではなく、互いに影響し合った音楽家仲間として、さらなる再評価が望まれるディッタースドルフ。晩年に作曲されたニ長調の作品を聴くだけでも、それが過大評価ではないことがわかるでしょう。ポルトガルの音楽家たちが、爽快な演奏を聴かせます。
8.570199
ライマン:声楽作品集
バリトンと管弦楽のための「ツィクルス」 (パウル・ツェランの詩集「息の転回」による)、バリトンと管弦楽のための「クミ・オリ」 (パウル・ツェランの3つの詩と詩篇74、79、122の短詩による)、バリトンとピアノのための「棒はわれらの中に」*
ヤーロン・ヴィントミュラー(Br)、アクセル・バウニ(P)*、ギュンター・ヘルヴィッヒ(指)ザールブリュッケンRSO
人気急上昇、ロバート・クラフトによる精緻なシェーンベルク(1874-1951)の声楽作品集。「6つの歌Op.8」はかろうじて調性 感を保っているものの、それ以降の作品はまさに夢幻の響き。ストラヴィンスキーの弟子として知られシェーンベルクとも親 交のあったクラフトは、すでに多くのシェーンベルク作品の録音がありますが、この新録はまさに目の覚めるような素晴らし さ。極彩色からモノトーンまで響きの多彩さが味わえることでしょう。

8.570200
W・ペリー(1930-):「地中海遊覧記」〜マーク・トウェイン映画音楽集1980-1985年
ハックルベリー・フィンの冒険
まぬけのウィルソン/ミシシッピの生活
地中海遊覧記
失敗したキャンペーンの個人的な歴史
不思議な少年
ウィリアム・ペリー(指)
スロバキアPO、ローマPO、
ウィーンSO、ウィーン少年cho、
リチャード・ヘイマン(ハーモニカ)
地中海遊覧記」はアメリカで大人気の作家、マーク・トウェインの書いた初の旅行記です。19世紀、豪華蒸気船に乗ってカリフォルニア、パリ、ジェノバ、ベニス、ピサ、ローマ、ナポリ、ポンペイ、アテネ、クリミア半島とカイロを就航した優雅な話や、あの巨大テーマパークを彷彿させるミシシッピ川を運航する船の話などまさに良き時代の生活が目に浮かぶ音楽集です。ハーモニカ・ソロが泣かせてくれます。
8.570201
英国歌曲シリーズ第17集
アルウィン:6つの夜想曲、
バリトンとピアノのための歌曲集「蜃気楼」、
バリトンとピアノのための「6つの夜想曲」、
スラム・ソング、
ソプラノとピアノとアルト・リコーダーのための歌曲集「海の風景」、歌曲集「祈り」
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムス(Br)、
エリン・マナハン・トーマス(S)、
ジョン・ターナー(アルト・リコーダー)、
イアン・バーンサイド(P)
多才、多作で知られるアルウィン(1905-1985)ですが、歌曲の主要作品のほとんどは後半生に書かれたものです。ここに収録された歌曲は、どれもが彼自身が詩を選びぬいて丁寧に作曲されたものでまるでフォーレの歌曲を思わせるデリケートで儚い美しさを湛えています。「海の風景」と「祈り」を歌っているマナハン・トーマスは、その透明な美声で最近急激に注目を浴びている若手ソプラノ。NAXOSではラターのレクイエムのソロで知られています。
8.570202
ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集
フバイ:カルメンによる華麗なる幻想曲、ラフローエングリンのテーマによる二重奏、ストラヴィンスキー:マヴラよりパラシャのアリア(ドゥシュキン編)、ゴリホフ(1960-):アイナダマール(ゴリホフ&プルツマン編)*、ワイル:マック・ザ・ナイフ、プルツマン(1960-):R・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」より、パガニーニ:ロッシーニの歌劇「タンクレディ」より序奏と変奏曲、ビゼー:歌劇「真珠採り」〜聖なる寺院の奥深く(ロブ編)*、ラロ:歌劇「イスの王」〜オーバード(シゲティ編)
リヴィア・ソーン(Vn)、ベンジャミン・ロブ(P)、ジェフ・ヌッタール(Vn、Va*)
オペラの名アリアを独奏曲にする試みは古くから行われています。特にパガニーニとリストの偉業は後世の作曲家たちに大き な影響を与えました。原曲を一層華やかで技巧的なものにし一つの新しい作品とすることは作曲家にとっても、聞き手にとっ ても、意欲的で大きな喜びと言えるのです。このアルバムは近代の作曲家の編曲を中心としたもので、音楽が変貌するさまを ありありと感じることができることでしょう。ソーンの繊細な表現が曲に命を吹き込みます。
8.570210
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ集
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタト長調BWV1027、
トリオニ短調BWV583.トリオト短調BWV584、
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタニ長調BWV1028、
ハープシコードのためのソナタイ短調BWV967、
ハープシコードのためのソナタニ長調BWV963
ヴィオラ・ダ・ガンバソナタト短調BWV1029
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)・、
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ここに収録された作品は、バッハがライプツィヒで活躍していた頃に書かれたもので、豊かな楽想と緻密なアンサンブル、強烈な表現力が横溢した名曲揃いです。ちなみにここに収録された「トリオ」というのは、三重奏のことではなく「声部が3つ」という意味。本来はオルガンのために書かれた作品です。指揮者としても活躍中のハッキネンとペルコラの息のあったアンサンブルが見事です。
8.570211
グラズノフ:管弦楽作品集第18集
付随音楽「仮面舞踏会」/2つの小品Op.14
パ・ド・カラクテールOp.68
ロマンティックな間奏曲Op.69
グネーシン・アカデミーcho
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
最近は仮面舞踏会というと、ハチャトゥリアンの曲ばかりが有名になってますが、このグラズノフ(1865-1936)の作品も同じミハイル・レールモントフの作品を題材にしています。グラズノフはこの曲を1912〜13年に作曲し1917年に初演しました。しかし当時はこの題材が「風紀を乱す」とされ30年もの間上演禁止となってしまいました。ハチャトゥリアンが同じ題材に作曲したのは1941年。その頃にはグラズノフの作品は古くなってしまったのかも知れません。とは言うものの、ハチャトゥリアンのように直截的な悲劇性を感じさせることはありませんが、人の心に潜む狂気は存分に描き出されている秀逸な曲集です。
8.570215
マルティヌー:ピアノ作品全集第4集
7つのチェコ舞曲“ボロヴァー”、
リトルネッロ集、
スクラップ・ブックより第1番、即興的に、
ドゥムカ第2番“エレジー”、
アダージョ“イン・メモリアム”、
踊りの時、スクラップ・ブックより第2番、
ドゥムカ第1番“熟考”、
バガテル“やさしい小品”、ルヤーナ、
舟歌、ドゥムカ第3番、4つのムーヴメント、
前奏曲第1番“マルセイエーズの主題で”、
前奏曲第2番、不安解消のデュオ、
夜まで続く猫の行列、
小さなエヴァのための小品、
マズルカ“パデレフスキーへのオマージュ”、
T.S.F.のための、スケルツォ、無題前奏曲
ジョルジョ・コウクル(P)
大好評、マルティヌーのピアノ作品集の第4集です。独特の哀愁と作風の変遷が人気を呼んでいる彼のピアノ曲、今作のメインはパリで活躍した頃に書かれた「ボロヴァー」です。新古典派からジャズなど当時流行したイディオムを巧みに取り入れ、なおかつ民族的な味わいも感じさせる才気煥発の小さな組曲。これぞ若きマルティヌーの面目躍如と言った作品です。晩年に書かれた「アダージョ」は輝かしくロマンティックな曲。澄み切った心境が窺えます。
8.570216
セイシャス:チェンバロ・ソナタ集第2集
チェンバロ・ソナタ第3番ハ長調
チェンバロ・ソナタ第35番ホ短調
チェンバロ・ソナタ第16番ハ短調
チェンバロ・ソナタ第45番ト長調
チェンバロ・ソナタ第60番イ長調
チェンバロ・ソナタ第65番イ短調
チェンバロ・ソナタ第40番へ長調
チェンバロ・ソナタ第28番ニ短調
チェンバロ・ソナタ第33番変ホ長調
チェンバロ・ソナタ第53番ト短調
チェンバロ・ソナタ第39番ヘ長調
チェンバロ・ソナタ第78番変ロ長調
チェンバロ・ソナタ第47番ト長調
チェンバロ・ソナタ第58番イ長調
チェンバロ・ソナタ第20番ニ長調
.チェンバロ・ソナタ第38番ヘ長調
デボラ・ハラス(Cemb)
第1集(8.557459)が高い評価を受けたスカルラッティと同時代の作曲家、セイシャス(1704-1742)のチェンバロ・ソナタの第2集です。ご存知の通り、セイシャスが残した作品の多くは、1755年のリスボン大地震で失われてしまいました。現存しているのは、およそ100曲のソナタと若干の典礼作品のみです。しかし、この残された作品だけでも、聴き手に限りない喜びを与えてくれています。一聴してわかる通り、スカルラッティの作品よりも難しそうなパッセージに満ちており、ものすごく華やかで、聴き映えのする曲です。地響きがするような迫力のある演奏は、第1集と同じデボラ・ハラスによるものです。
8.570217(2CD)
ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「黄金時代」(全曲) ホセ・セレブリエール(指)
ロイヤル・スコティッシュO
ショスタコーヴィチ生誕100年におくるナクソスのトリは、魅力的な小品が多数あるバレエ音楽の全曲版。1930年に初演された際の記録をベースに、第3幕の冒頭には「二人でお茶を(タヒチ・トロット)」を挿入。アイヴズや20世紀ロシア(ソヴィエト)音楽を得意とする指揮者が、鮮烈に描き出す演奏です。
8.570221
チン(1957- ):管弦楽作品集
ヴァイオリン,チェロと管弦楽のための二重協奏曲
ヴァイオリンと弦楽のためのフォルモサの四季
チョー=リャン・リン(Vn)、
フェリックス・ファン(Vc)、
マイケル・スターン(指)カンザス・シティSO
全曲世界初録音 。台湾に生まれアメリカに学んだ作曲家による名刺代わり的なディスクは、献呈した2人が演奏する「二重協奏曲」と、台湾版の「四季」と言えるヴァイオリン協奏曲風の作品。民族色は薄く、内省的なロマンをたたえた作風です。
8.570222
タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲D.50*/同D.96/同D.80/同D.125/同D.28*
アリアドーネ・ダスカラキス(Vn)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
*印=世界初録音。「悪魔のトリル」や「コレルリ変奏曲」などヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリンの代名詞とも言えるタルティーニ作品。ヴァイオリン協奏曲もまた同様のテクニックを要し、舞曲風のリズムなども駆使した意欲的な作品集です。「さよならを言いましょう」という副題が付いた愛らしいD.125の第2楽章も聴きものです。
8.570230
リスト:ハンガリー狂詩曲集
ハンガリー狂詩曲 第1番(ピアノ版 第14番)、ハンガリー狂詩曲 第2番(ピアノ版 第2番)、ハンガリー狂詩曲 第3番(ピアノ版 第6番)、ハンガリー狂詩曲 第4番(ピアノ版 第12番)、ハンガリー狂詩曲 第5番(ピアノ版 第5番)、ハンガリー狂詩曲 第6番(ピアノ版 第9番)
アルトゥール・ファーゲン(指)ワイマール・シュターツカペレ
ハンガリー人として生まれながらも実はハンガリー語が話せなかったと言うリスト(1811-1886)が「ハンガリーの国民的英雄」と称賛されたのは晩年になってからでした。このハンガリー狂詩曲はハンガリーの民俗旋律を用いた作品で、まずはピアノのために書かれ幅広い人気を得たもの。後に名フルーティストで作曲家であるドップラーの協力を得て6 曲がオーケストレーションを施されました。ピアノの細かいパッセージのほとんどはフルートが受け持っているのもそのためでしょうか。
8.570231
モーツァルト:オラトリオ「悔悛するダヴィデ」K.469、
アンティフォナ「天の女王」K.108
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(S)、
クリスティナ・ヴァーリン(S)、
ローター・オディニウス(T)、
イモータル・バッハ・アンサンブル、
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO
1785年に「ウィーン音楽家協会」から慈善コンサートのための曲を依頼されたモーツァルト(1756-1791)ですが、当時の彼は時間的余裕がなく、未完で終わった「ハ短調ミサ」の素材をほとんどそのまま転用、2曲のアリアを加えて完成させたのが、この「悔悛するダヴィデ」です。いわばリサイクル作品ですが、当時ではよくあることで、この曲に対するモーツァルトの愛着の深さが伺いしれるというものです。
8.570233
ブラームス:交響曲第4番、 ハンガリー舞曲 第2/4/5/6/7/8/9 番 マリン・オールソップ(指)LPO
大好評、オールソップのブラームス(1833-1897)交響曲全集、ここに完結。音楽の細部までを徹底的に磨きあげた、まるで純米酒のような清冽な味わいのブラームスは聴き手に新しい驚きと感動をもたらすことでしょう。併録のハンガリー舞曲も聴きもの。「奇をてらうことなく正直」な演奏のすがすがしさ。まるで澄み渡った秋の空のような美しさです。
8.570234
ヴァンハル(1739-1813):フルート四重奏曲Op.7-2(Weinmann Vb:Bb1)
フルート四重奏曲Op.7-3(Weinmann Vb:G1)
フルート四重奏曲Op.7-6(Weinmann Vb:C1) ※全曲世界初録音
ウーヴェ・グロット(Fl)、
ジャナキ・ストリング・トリオ
1771年頃に作曲されたとされるフルート四重奏曲集は、当時まだ発展期だったこの楽器に大きな可能性を与えたもの。指揮者としてナクソスにもヴァンハル作品の録音があるグロットが、若手の弦楽トリオと組んでの一枚です。古典派音楽愛好家は必聴でしょう。
8.570236
グリーグ:管弦楽作品集 第4集
ペール・ギュント組曲第1番
ペール・ギュント組曲第2番 Op. 55
ビョルンソンの「漁夫の娘」による4 つの詩 Op. 21〜初めての出会い、
山の精とらわれし者 Op. 32 5、
6 つの歌 EG 177
インガー・ダム・イエンセン(S)、
パレ・クヌーセン(Br)、
ビャルテ・エンゲセト(指)マルメSO
イプセンの戯曲「ペール・ギュント」へのグリーグ(1843-1907)の付随音楽は、ノルウェーの伝説的人物を題材とした5 幕の劇 に付けられた26 曲からなる大作です。初演時から大成功を収め、とりわけ、この中から選んだ各4 曲からなる組曲は ノルウェーのみならず全世界の人々に愛されています。物語の方は実に荒唐無稽、略奪愛、冒険、魔物との戦い・・・そして 無償の愛。
8.570237
バガテルの3世紀
クープラン:クラヴサン組曲第2集〜バガテル
ベートーヴェン:エリーゼのためにwoO59
 バガテルOp.33No.3,4
 バガテルOp.119No.9,10,5
サン=サーンス:バガテルOp.3No.1-6
リャードフ:バガテルOp.30
 バガテルOp.53No.1-3
チェレプニン(1899-1977):バガテルOp.5No.1-10
デニソフ:バガテルOp.19No.1-7
リスト:調性のないバガテルS216a
バルトーク:バガテルOp.6No.14ワルツ(踊る恋人)
ユリア・ジルベルクァイト(P)
フランス語で「ささいな」という意味を持つピアノのための小品がバガテルです。とりわけ有名なのはベートーヴェンのあの「エリーゼ」でしょう。他にもこの表題のもとに多くの作曲家が愛らしく、また独創的な作品を書いています。ここに収録されたのは全36曲。サンーサーンスやデニソフ等の珍しい曲も含まれています。クープランからバルトークまで聴き通せば音楽の大きな流れが見えてくるはずです。 
8.570239
ペルト:無伴奏合唱のための音楽
トリオディオン (1998)/カイザルへの納めもの (マタイ伝 22章15-22節) (1997)/ヌンク・ディミッティス(ルカ伝 2章29-32節) (2001)/オードVII (メメント) 「カノン・ポカヤネン」より (1994)/わたしはまことの葡萄の木(ヨハネ伝15章1-14節) (1996)/石膏のつぼを持つ女(マタイ伝26章6-13節) (1997)/勝利の後で(1996/1998/神の母にして処女 (1990)
ノエル・エジソン(指)
エローラ・フェスティヴァル・シンガーズ
8.570240
ツェムリンスキー:シンフォニエッタ他
シンフォニエッタOp.23、交響的幻想曲「人魚姫」
ジェームズ・ジャッド(指)ニュージーランドSO
最近ようやく再評価されつつあるツェムリンスキー(1871-1942)の2つの作品です。交響的幻想曲「人魚姫」はアンデルセンの童話に想を得たもの。1905年にシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」と並んでウィーンで初演されましたが、聴衆の人気はシェーンベルクに集中。落胆した彼は、もう1楽章付け加えて「死の交響曲」とする事も考えましたが、結局それは果たせずに終わりました。そのほぼ30年後に書かれた「シンフォニエッタ」は、アメリカ亡命後のかなりモダンな作品で、ストラヴィンスキーやヒンデミットを思わせるシニカルさを持ちあわせています。
8.570241
アンティル:組曲「コロボリー」、
「アウトバック」序曲、
組曲「コロボリー」(歓迎式典/夕星のための踊り/雨の踊り/風の精霊/日が昇る/朝の星/トーテムの行列と閉会式)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
オーストラリアの作曲家、ジョン・アンティル(1904-1986)の最も知られた作品が、このバレエ音楽「コロボリー」です。この曲は、アボリジニの原住民たちの儀式であるコロボリーの音楽が元になっています。オーストラリアの音楽の起源ともみなされ、大いなる自然崇拝でもあるこれらの極彩色の音楽は、あのストラヴィンスキーの「春の祭典」をも思わせるほど豊かな描写に満ちています。
8.570242
オルフ/バード/リード:コンサート・バンド編曲集
オルフ(ジョン・クランス編):カルミナ・ブラーナ、
A.バード
(1856-1923)(ガンサー・シュラー編):管楽器のためのセレナーデ、
H.O.リード(b.1910):メキシコの祭り(コンサート・バンドのためのメキシコ民謡交響曲)
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
近年は吹奏楽編曲版が定番化しつつある「カルミナ・ブラーナ」ですが、13トラック・約27分となるこの録音は、アメリカの名門音楽学校に所属するアンサンブルが演奏。同時発売の原曲(8.570033)と共にご購入を。古典的な「セレナーデ」、華々しい「メキシコの祭り」も吹奏楽ファンにはおすすめです。
8.570243
吹奏楽のための名曲集
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」〜凱旋行進曲、
ストラヴィンスキー
:管楽器のためのシンフォニー集 − ドビュッシーの思い出のため(オリジナル1920年版)、
パーシケッティ
:交響曲第6番(バンドのための交響曲)、
ヴァインベルガー
:歌劇「バグパイプ吹きシュヴァンダ」〜ポルカとフーガ(バイナム編)、
コープランド
:交響詩「エンブレム」、
グレインジャー:子供のマーチ「丘を越えて彼方へ」、
ウォルトン
:戴冠式行進曲「王冠」(デュソイト編)
マイケル・J・コルバーン中佐(指)
大統領直属アメリカ海兵隊軍楽隊
日本でも人気のある、ウィンド・バンド(吹奏楽)のためのオリジナル作品と編曲を集めた一枚。アメリカのホワイトハウスを拠点に演奏を行う名門バンドで(1798年創設)、吹奏楽コンクールの自由曲やコンサートの選曲にも役立ちます。
8.570244
吹奏楽曲集
ドヴォルザーク:セレナード(ミケルソン編曲)*、
ギリンガム
(b.1947):ノー・シャドウ・オブ・ターニング*、
コルグラス
(b.1932):ナグワルの風(カルロス・カスタネーダの著作に基づく音楽のおとぎ話)、
リムスキー=コルサコフ
:熊蜂の飛行(ドナルド・ハンスバーガー編曲)
ラッセル・C・ミケルソン(指)
オハイオ州立大学ウィンドSO
*印=世界初録音。スウェアリンジェンなど吹奏楽シーンのスター作曲家を生み出した名門が、クラシック作品の珍しい編曲版や、大学創設者の追憶に捧げたギリンガム作品ほかオリジナル作品を演奏。吹奏楽ファンにはぜひともおすすめしたい一枚です。
8.570245
ルーセル:交響曲第3番
バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」(全曲)
ステファヌ・ドゥネーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュO
フランス印象派と新古典主義をミックスさせたようなルーセルの作品ですが、代表作とも言えるこの2曲はルーセル入門の一枚としても最適。日本ではル・サージュらとのプーランク録音が知られるドゥネーヴ(CDや来日公演ではステファン・ドヌーヴという表記)が、音楽監督を務めるオーケストラと運動性に満ちた音楽を生み出しています。
8.570249
ブゾーニ:ピアノ作品集第3集
バッハ(ブゾーニ編曲):トッカータ,アダージョとフーガBWV.546
3つの小品/バレエの情景第1番
バレエの情景第2番/2つの舞曲
バレエの情景第4番「演奏会用ワルツの形式で」
踊りのワルツ(ミカエル・フォン・ツァドラによるピアノ曲編曲)
インディアン日誌第1巻
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニの音楽のエッセンスは、イタリアとドイツの血筋の高度な統合にあります。つまり、感情と知性、想像と原理の融合であり、過去の音楽を再創造する試みもしばしば結び付けられています。ブゾーニ編曲のバッハ「トッカータ、アダージョとフーガ、BWV565」は、神技のような編曲であり、ブラームスやリストの編曲を踏襲しつつ、断然他を圧する名作です。「踊りのワルツ」はヨハン・シュトラウスの思い出に捧げられたもので、ウィンナ・ワルツの黄金時代へのオマージュです。ネイティブ・アメリカンのリズムとメロディを取り入れている「インディアン日誌」は、ブゾーニが1910年にアメリカを訪問した時に目撃した、苦境にあえぐ彼らの生活を描いたものです。
8.570250
ラウロ:ギター作品集第2集
パサーヘ・アラグエーニョ/アナ・フロレンシア/ペトロニーラ/アナ・クリスティーナ/ボルヘス:山の花々(ラウロ編)/パヴァーナ/ヴィルジリオ/ソナタ/カンシオン/モモティ/夜想曲/4 つの練習曲/たそがれ/ロマンツァ/メレンゲ/チリ風クエカ/オリエンテ/組曲(デュアルテへのオマージュ)
ビクトル・ビジャダンゴス(G)
1917年。この生まれた年を見て「難しそう」ともし思ってしまったとしたら、それは間違いです。 ベネズエラ生まれのラウロ(1917-1986)の作品はとても情熱的で親しみやすいものばかり。 彼の作品は、かのアンドレア・セゴビアも好んで取り上げたのですが、1950 年代当時は「アルゼンチンの作曲家」として紹介 されていたそうですが、以降知名度もあがり演奏会などで取り上げられることも多くなり、現在ではギターのレパートリーの 重要な一角を占めています。日曜日の昼さがりにまったりと聴きたい音楽です。
8.570251
ブローウェル:ギター作品集 第4集
コロムナス市(名前のない小品によるヴァリエーション)/種子への旅/新・単純な練習曲第1〜10 番/サウメル:8つのコントルダンス(ブローウェル編)/水のしずく/組曲第1番「古風に」、クレルチ(1965-):イェマヤ
グレアム・アンソニー・ディヴァイン(G)
1939年、キューバ生まれのブローウェルは、ギター曲に実験的な手法を取り入れ常に先鋭的な作品を発表することで知られて います。NAXOS ではすでに3 枚のアルバムをリリースしていますが、この第4 集では彼の16歳の時の作品「組曲第1 番」 から2004 年の作品までを収録しています。抽象的な曲名の通り、想像の中で広がる音楽の旅をお楽しみいただけることでし ょう。ブローウェルの親友、クレルチの作品も聞き物です。
8.570253
サンマルティーニ(1700/01-1775):宗教的カンタータ「イェルサレム」J-C122
心を尽くして(詩篇110:現・詩篇111)J-C B-5
交響曲変ホ長調J-C 25
交響曲ト短調J-C 56
ダニエレ・フェラーリ(指)
シンフォニカ・アンサンブル、
ステファノ・ロ・レ(Vn)、
フィリッポ・ラヴィッツァ(ハープシコード)、
シルヴィア・マペッリ(S)、
ミロスラヴァ・ヨルダノヴァ(Ms)、
ジョルジョ・ティボニ(T)
※全曲世界初録音。18世紀イタリア古典派の典型的な作曲家であり、バロック・カンタータの名残も残しているという麗しい2つの宗教曲。そして初期のハイドンを思わせる明快な響きが特徴の交響曲を収録しました。
8.570255
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第3集
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.1-3
交響曲第2番(ピアノ三重奏編)
アレグレット変ホ長調Hess48
ジリオン・トリオ
[ニナ・ティックマン(P)、イダ・ビーラー(Vn)、マリア・クリーゲル(Vc)]
ベートーヴェン(1770-1827)の初期の名作であるこのピアノ三重奏曲第3番は、1795年に公表され、カール・リヒノフスキー侯爵に捧げられました。リヒノフスキーはモーツァルトと同じ年に生まれ、友人、弟子として、そして高い音楽的素養を持った愛好家です。そしてモーツァルトの死後、ベートーヴェンがウィーンに来た際には自らパトロンを買って出て、田舎者丸出しのベートーヴェンを持ち家に住まわせハイドンの指導を受けるように取り計らったのでした。そんな時期に書かれているものですから、ハイドンの影響は至るところに感じられますが、それ以上に、反骨心とプライドの高さも感じられる愛すべき作品と言えるでしょう。交響曲第2番は1802年に書かれ、こちらもリヒノフスキーに献呈されています。耳の疾患に悩まされ始めた時期の曲とは思えない楽天的な明るさが漂っています。
8.570256
グラズノフ:5つのノヴェレッテ/弦楽五重奏曲 ファイン・アーツQ 、
ナサニエル・ローセン(Vc)
叙情的なロシア風のロマンに満ちたグラズノフ作品は、チャイコフスキーやラフマニノフがお好きな方なら間違いなく気に入るはず。ロシアのシューベルトと呼びたいくらい素晴らしいメロディが散りばめられ、アマチュアのアンサンブルにもおすすめしたい作品集です。
8.570258
ティントナー(1917-1999):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ*
ショパンの主題による変奏曲
前奏曲 − あこがれ
友の死に寄せて/ピアノ・ソナタ
2つのフーガ/悲劇的な音楽  
レン・ファン(P)、
チョー=リャン・リン(Vn)*

※全曲世界初録音
“作曲家”ゲオルク・ティントナーは、師であるヨゼフ・マルクスや、やはり作曲家としても活動したワインガルトナーらの影響を受け、20世紀ロマン派と呼ばれる作風でいくつかの作品を残しました。ここに収録された室内楽・器楽曲はスクリャービンやブラームスなどからヒントを得たもの。その誠実さに、彼の音楽作りの秘密を見たような印象を受けます。
8.570259
ブロッホ:4つのエピソード、
2つの詩曲、コンチェルティーノ、
モーダル組曲
ノアム・ブフマン(Fl)、
ユーリ・ガンデルスマン(Va)、
ダリア・アトラス(指)
イスラエルPOのソリストたち、
スロヴァキアRSO、
アトラス・カメラータO
ジュネーヴで生まれて1916年にアメリカに渡ったブロッホはニューヨーク、クリーヴランド、サン・フランシスコで音楽活動を続けながらも、生涯ユダヤ的な題材を扱った音楽を書き続けました。 しかし作風はその都度変化し、初期のロマンティックな作品から晩年の「モーダル組曲」のような新古典主義的な作品まで多種多様な表情を見せています。イスラエル生まれの女性指揮者、アトラスの味わい深い演奏で。
8.570260
スペイン音楽の「ドン・キホーテ」
ロドリーゴ:ドゥルシネアの不在 
ロマン(1945-):ドン・キホーテの復活、
バルビエリ
(1823-1894):ドン・キホーテ*、ゲラ(1952- ):ドン・キホーテの3つの時*、
ゴンバウ
(1906-1971):武装しつづけるドン・キホーテ*
ホセ・ラモン・エンシナール(指)
マドリッド・コミュニティO&cho、
ホセ・アントニオ・ロペス(Br)、
リリアン・モリアーニ(S)、
ビクトリア・マルチャンテ(S)、
セリア・アルセド(S)、
マリア・ホセ・スアレス(Ms)、
ビクトール・アリョーラ(Vn)、
フェルナンド・コボ(T)
スペインのシンボル的な存在であるドン・キホーテは、多くの音楽家にインスピレーションを与えていますが、そのテーマによるスペイン音楽を集めた一枚。ロドリーゴを除いて日本ではあまり知られていない作曲家であるものの、それぞれが叙情的な作風でアピール。ゲラの作品はサイレント映画のための音楽です。
8.570277(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲) イリヤ・カーラー(Vn)
ヴァイオリニストなら一度は挑みたい「絶対無比の究極の難曲」。それがバッハ(1685-1750)の無伴奏ソナタとパルティータです。ここで冴えた技巧を披露しているのは名手カーラー。パガニーニ、シベリウス、チャイコフスキーの3つの国際コンクールを制覇した彼は、冷静沈着な解釈と深い音色を持つヴァイオリニストとして知られますが、ここでも文句なしの音楽を聞かせてくれるのが流石です。
8.570279
チマローザ:序曲集第2集
歌劇「夢見るアルミダ」序曲、
歌劇「オレステ」序曲、
歌劇「ロンドンのイタリア女」序曲、
歌劇「アルタセルセ」序曲、
歌劇「インドのアレッサンドロ」序曲、
歌劇「女はいつも最悪の選択をする」序曲、
歌劇「キルケー」序曲、
歌劇「古代ローマの狂信者」序曲、
「ジャンニーナとバルナルドーネ」序曲
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
第1集8.570508も好評、チマローザのオペラ序曲集です。今回の作品も全曲としてはほとんど聴く機会のないものばかりで、ファンならずとも触手が動くこと間違いありません。チマローザのオペラは当時としては劇的で、斬新なメロディを駆使し安定した管弦楽法が高く評価されていました。そして序曲は全曲の特徴を端的に示すものであり、後に続くドラマへの期待を嫌がおうにも高めてくれるのです。
8.570280
ヴァンハル:交響曲集第4集
交響曲ホ短調(Bryane3)、
交響曲ハ長調(BryanC1)、
交響曲ハ長調(BryanC17)、交響曲変ホ長調(BryanEb1)
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
近年評価が高まりつつある、知られざる古典派の大家ヴァンハル(1739-1813)の交響曲集です。彼が残した交響曲は90以上ありますが、ここに収録されているのはハイドンが称賛したというホ短調と初期の作品3曲、併せて4曲です。大胆で力強く時には叙情的、なんとも想像力に富んだこれらの作品は聴けば聴くほどに面白く、ひとたび足を踏み入れたなら熱烈な愛好家への道を突き進むしかありません。
8.570282
プラッティ:6つのフルート・ソナタOp.3
フルート・ソナタニ長調Op.3-1
フルート・ソナタト長調Op.3-2
フルート・ソナタホ短調Op.3-3
フルート・ソナタイ長調Op.3-4
フルート・ソナタハ長調Op.3-5
フルート・ソナタト長調Op.3-6
パウル・ヴェールベルク(Fl)
クヌート・エーリク・スンドクヴィスト(Cb)
ハンス・クヌト・スヴェーン(Cemb)

録音:2005年5月30日-6月1日ノルウェイハスタード・クルトゥルフス
イタリア、パドヴァに生まれ、バイエルンのヴュルツブルクの司教の宮廷に仕えたジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1692-1763)。1711年に当時発明されたばかりの楽器「フォルテピアノ」のために書いたソナタでその名が知られています。1743年に出版されたこの6つのソナタは、当時のフルート奏者ピエトロ・フィリッポ・ディ・クルフトのために書かれた曲で、クルフト本人のことはほとんど知られていませんが、作品が極めて技巧的であることを考えても、クルフトが高い技術を持っていたことが推察されます。これらのソナタは後期バロックから初期の古典派への橋渡しとなる簡潔で革新的な形式で書かれており、第4番のカデンツァなどは、同じ時期のクヴァンツ作品を思わせる華麗な音楽です。遊び心たっぷりの通奏低音も優雅な彩りを添えています。
8.570283
R・シュトラウス:4つの最後の歌他
4つの最後の歌、
ブレンターノ歌曲集Op.68、
歌劇「ナクソス島のアリアドネ」序曲
ダンス・シーン
リカルダ・メルベート(S)、
ミヒャエル・ハラース(指)
ワイマール・シュターツカペレ
R・シュトラウス(1864-1949)の最高傑作の一つが、この「四つの最後の歌」であることに異論のある人はいないでしょう。彼の死の前年に描いたこの落日の音楽は人生の重みと儚さ、そして郷愁まであらゆるものを含んだ美し過ぎるもの。「夕暮れに」の最後で聴かれる鳥の囀りに涙せずにはいられません。時代に相反するかのようなコロラトゥーラの技術が光る「ブレンターノ歌曲」もシュトラウスらしさ満開です。
8.570284
ダウランド:リュート音楽集第4集
エリザベス女王のガイヤルド/女王のガイヤルドP.97/ダウランドの最初のガイヤルド/ジョン・ダウランドのガイヤルドP.21/嘆きP.60/蛙のガイヤルド/アロエ/ウォルシンガムのガイヤルド/ウォルシンガム/クラント/ガイヤルドP.27/もう一度帰っておいでやさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)P.60/ジョン・スーチ卿のガイヤルド/14.わが窓辺から去れ/目覚めよやさしい恋人よP.24/16.目覚めよ、やさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)/17.もしもある日/18.ガイヤルドP.35/19.ウィロビー卿の歓迎/20.ガイヤルド:彼女は許してくれるだろうか/21.こまどり/22.運命はわが敵/23.別れの辛さ/24.ガイヤルドP.20/25.デンマーク王のガイヤルド
ナイジェル・ノース(Lute)
シェイクスピアと同時代を生きた天才ダウランド(1563-1626)のリュート作品集です。彼は自分の音楽を何度も改訂したため、いくつもの曲集に同じ作品が散見されます。それはリュート自体が「発展途上」の楽器であったせいもあるのでしょう。このアルバムでは演奏者のノース自身が編曲した作品も含まれていて、あの有名な「もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ」もまた新たな喜びを持って聴くことができます。目を閉じればそこに400年前の雅な世界が広がります。
8.570285
スタンフォード:交響曲集第1集
交響曲第4番/交響曲第7番
デーヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO
名教師として20世紀英国の作曲家を多数輩出したスタンフォード。作曲家としてはアイルランドの血を音楽の中に生かし、英国版のブラームスやシューマンを思わせる作品を多数残しました。交響曲シリーズの第1弾では、ドイツ・ロマン派のエッセンスを集約したような2曲を収録しました。
8.570286
ロドリーゴ:ギター作品集第1集
スペイン風の3つの小品[ファンダンゴ/パッサカリア/サパテアード]、ソナタ・ジョコーサ、スペインの野辺を通って、トナディーリャ(ペペ・ロメロ編、2台ギター版)
ジェレミー・ジューヴ(G)、
ジュディカエル・ペロワ(G)
20世紀の最も偉大なスペインの作曲家の一人であるロドリーゴ(1901-1999)ですが、彼の作品と言えば「ギター協奏曲」ばかりが有名で、他の作品はまだまだ知名度が低いのが現状ですね。確かにギター・ソロのための作品はあまり数が多くないのですが、その作品のどれもが表現力豊かでスペイン情緒もたっぷり。ひらめきとチャレンジ精神に満ち溢れた曲がもりだくさんです。ファンの多い「スペインの野辺を通って」。名曲です。
8.570289
スタンフォード:交響曲集 第2集
交響曲 第2番 ニ短調「挽歌」、交響曲 第5番 ニ長調 Op.56
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)ボーンマスSO
エルガー以前の英国の偉大なる2 人の作曲家、パリーとスタンフォード(1852-1924)はまさに「英国近代音楽の父」。メンデルスゾーンやブラームスの影響を受けつつも英国の民謡や文学の香りを取り入れた独自の音楽を発展させたのです。スタンフォードの交響曲は全部で7 曲ありますが、残念なことに第3 番を除いては最近までほとんど忘れ去られていた存在と言っても過言ではありません。ここに収録された2 曲の作品はどちらもテニスンとミルトンの詩の引用をともなうものでブックレットには原詩も掲載されています。
8.570290
ブラームス:2つの狂詩曲
ワルツ集/3つの間奏曲
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
イェネ・ヤンドー(P)
「ヤンドーのブラームス」というだけで、ナクソス・ファンならその真摯な演奏が聞こえてくるはず。特に深みのある音色と語るようなアーティキュレーションは、この奏者ならではの味わいです。有名な作品ですので、彼の個性を感じ取れるでしょう。
8.570291
バッハ:鍵盤音楽集
半音階的幻想曲とフーガBWV.903
イタリア風のアリアと変奏BWV.989
幻想曲とフーガBWV.904
前奏曲とフーガBWV.894
フランス風序曲(パルティータ)ロ短調BWV.831
イェネ・ヤンドー(P)
ナクソスで多くの名録音を生み出したマエストロが、「ゴルトベルク変奏曲」(8.557268)に続いてJ.S.バッハ作品をリリース。端正なピアニズムから生まれる音楽はリズムやポリフォニーを実直に表現し、“ピアノで聴くバッハ”の喜びを味わえる一枚になりました。
8.570292
ソレル:ハープシコード・ソナタ全集第13集
ソナタ60ハ短調ソナタ、
ト長調ソナタ、ト長調(ロンド)、
ソナタ66ハ長調、
ソナタ68ホ長調、
ソナタ75ヘ長調、ソナタ76ヘ長調
ギルバート・ローランド(ハープシコード)
故サミュエル・ルビオ神父の40年に渡る献身的な働きにより、その作品が出版されたソレルですが、そのおかげで、現在では18世紀後半のスペインの作曲家の中でも最も重要な鍵盤曲作曲家として位置づけられているのはご存じの通りです。 このソナタ集を始めとしたスペインの民俗音楽や踊りの要素を取り入れた多くの作品は聴き手の心をつかんで離しません。ギルバート・ローランドの当シリーズは、この第13巻で完結となります。
8.570293
ワーグナー:ストコフスキー編曲集
楽劇「ラインの黄金」〜ヴァルハラ城への神々の入場 /楽劇「トリスタンとイゾルデ」の交響的合成、舞台神聖祝典劇「パルジファル」 第3幕の音楽/楽劇「ワルキューレ」〜ヴォータンの別れと魔の炎の音楽、ワルキューレの騎行
ホセ・セレブリエール (指)ボーンマスSO
どんな曲でも彼ならではのサウンドに作り変えてしまう事が可能だった20 世紀最大の指揮者ストコフスキー。彼の経歴のスタートを飾ったのはワーグナー(1813-1883)の音楽でした。彼はワーグナーの壮大な音楽を一層華麗にするためにその複雑なスコアに更に音を加え、想像を絶するほどの音の洪水を生み出したのです。当時の録音技術の向上とともに広まった「ストコ節」、この交響的変容は今でも多くの人に愛され続けています。
8.570294
アーノルド:管楽器室内楽曲集
管楽五重奏曲
2つのクラリネットのための二重奏曲I〜VI
夢の街(ハリスによる管楽五重奏用編曲:世界初録音)
ホブソンの選択〜序曲(ラドクによる管楽八重奏用編曲:世界初録音)
大幻想曲(世界初録音)
序曲(ラドクによる管楽八重奏用編曲:世界初録音)
フルート,クラリネットとピアノのための「ブルジョワ組曲」
映画音楽「船乗りというものは」〜スケルツェット(クラリネットとピアノ用編曲)
クラリネットのための幻想曲
フルートとクラリネットのための幻想曲(世界初録音)
フルート,オーボエとクラリネットのためのディヴェルティメント
管楽五重奏のための3つのシャンティー
イースト・ウィンズ
機知に富んだアーノルドの作風を生かした管楽器のための作品集。20世紀のモーツァルト、またはイギリスのプーランクと称したくなるほど魅力的な音楽であり、ほとんどがイギリスの名手たちのために書かれていますので、管楽器プレイヤーには喜ばれるはずです。
8.570295
カルウォヴィチ:交響詩集第2集
寄せては返す波Op.9/
悲しい物語(永遠への前奏曲)Op.13
永遠の歌Op.10
アントニ・ヴィト(指)
ニュージーランドSO
雪崩に巻き込まれ亡くなった悲劇の作曲家、カルウォヴィチの作品集第1集(8.570452)に続く第2集です。ヴァグナー、R・シュトラウスなどの濃厚な音が好きだったら必ずはまります。
8.570296
ウェーバー:序曲集
「オイリアンテ」序曲
「ペーター・シュモルとその隣人たち」序曲
「オベロン」序曲
「幽霊の支配者」序曲
付随音楽「トゥーランドット」のための序曲と行進曲より序曲と第2幕の行進曲
「プレチオーザ」序曲
「シルヴァーナ」序曲/「歓呼」序曲
「アブ・ハッサン」序曲
「魔弾の射手」序曲
アントニ・ヴィト(指)ニュージーランドSO
ロマン派初期の偉大なる作曲家ウェーバー。彼は生涯に数多くのオペラを作曲しましたが、現在では「魔弾の射手」「オイリアンテ」「オベロン」などの数曲ほどしか耳にする機会がありません。ここで聴ける序曲はどれも新鮮で興味深いもの。とりわけトラック5の「トゥーランドット」の付随音楽の楽しさと言ったら!元気一杯、名指揮者ヴィトの指揮でどうぞ。
8.570297
R・シュトラウス:愛と死の歌曲集
ひそやかな誘い Op.27No.3/おおあなたが私のものなら Op.26No.2/待ちわびて Op.10No.5/献呈 Op.10No.1/希望と失望 TrV98/赤いばら TrV119/物言わぬ花 Op.10No.6/二人の秘密をなぜ隠すのか Op.19No.4/ゲオルギーネ Op.10No.4/サフラン Op.10No.7/何も知らず Op.10No.2/私はお前を愛す Op.37No.2/夜の逍遥 Op.29No.3/ああ恋人よ、私は別れねばならない Op.21No.3/解き放たれ Op.39No.4/悲しみの歌より Op.15No.4/悲しみへの讃歌 Op.15No.3/わが心は沈黙す Op.19No.6/霧 TrV 65/万霊節 Op.10No.8/憩え、我が魂 Op.27No.1/
ヘドウィッグ・ファスベンダー(Ms)、ヒルコ・ドゥムノ(P)
豪奢な「ばらの騎士」?それとも激しすぎる「サロメ」?R・シュトラウスというと極彩色の音楽を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし彼の歌曲はもっと秘めやかで限りなく深い表現力を湛えたものばかりです。まるで魔法のスパイスのように振りかけられた官能性は、まるで媚薬のように聴き手の耳に忍び寄り熱い息を吹きかけるかのようです。
8.570298
メトネル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第3番Op.57“エピカ”、3つの夜想曲Op.16、おとぎ話Op.20 No.1 (ハイフェッツ編)
ローレンス・カヤレイ(Vn)、ポール・スチュワート(P)
最近、ピアノ作品が注目されているロシアの大作曲家メトネルの45分を超えるヴァイオリン・ソナタ第3番です。これはメトネルの作品の中でもとりわけ異彩を放つ大作で、次から次へと溢れだす美しいメロディは民謡風でもあり少しだけ陰鬱な表情を持ちつつも、そこはかとない郷愁を誘うことでしょう。カヤレイの演奏は曲の移り変わりを丹念に追いつつ、根底に流れる熱き情念もきっちり描き出したものです。
8.570299
メトネル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調Op.21
2つのカンツォーナとダンス
ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調Op.44
ローレンス・カヤレイ(Vn)、
ポール・スチュワート(P)
大好評の第1集(8.570298)に続く、カヤレイ、スチュワートのコンビによるメトネル(1880-1951)のヴァイオリンとピアノの作品集です。最も有名な作品の一つであるヴァイオリン・ソナタ第1番は酒の神バッカスの神話の影響を受けたと言われる「春のソナタ」として知られる作品。第2番は終楽章に美しい変奏曲を持つ抒情的な作品です。力強さとロマンティックな気分が交錯する「メトネルらしさ」を存分に味わえることでしょう。

8.570300(3CD)
ハイドン:オラトリオ「トビアの帰還」(1784年版) ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)、ゾフィー・カートホイザー(S)、アン・ハレンベリ(A)、アンドレス・J・ダーリン(T)、ニコライ・ボルチェフ(Bs)、ケルン声楽アンサンブル、アンドレアス・シュペリング(指)カペラ・アウグスティナ
ハイドン(1732-1809)の中期の作品であるこの「トビアの帰還」は傑作「天地創造」や「四季」に比べ、ほとんど演奏される機会はありません。音楽史的にもずっと忘れられた存在として扱われて来ましたがこのように精彩漲る演奏で聴いてみると「なぜもっと聴かれないのだろう?」と不思議に思うばかりです。この録音は合唱曲を2 曲追加した1784 年版を使用したもので、名ソプラノ、インヴェルニッツィ等の情感豊かな歌の素晴らしさも特筆ものです。
8.570308
ブライアン(1876-1972):交響曲第4番「勝利の歌(勝利の賛歌)」
交響曲第12番
エイドリアン・リーパー(指)
スロヴァキアRSO、
スロヴァキア・フィルハーモニーcho、
スロヴァキア国立歌劇場cho、
青年「エコー」cho、混声「カントゥス」cho、
チェコ・ブルノ・フィルハーモニーcho、
ヤナ・ヴァラーシュコヴァ(S)
生涯を通してドイツの音楽文化、文学、思想を崇拝していたブライアンは、第四交響曲「勝利の歌」を、ドイツの文化遺産が国家主義によって歪められつつあった時代に書き上げました。二組の合唱団、ソプラノと巨大編成管弦楽団を要するスコアのために書かれたこの作品は、二つの荒々しく力強い楽章が、瞑想的な緩徐楽章の前後に配された構成です。強大さと力強さを賛美する無慈悲な歌詞と、野性的な豪快さと暴力的で強烈な表現による音楽を用いたこの交響曲からは、ドイツが向かおうとしていた道に対するブライアンの黙示録的な幻視を聴き取ることが出来ます。単一楽章の交響曲第12番では、ブライアンは大管弦楽団を用いているものの、音楽語法は必要不可欠なものだけに切り詰められています。
8.570309
フィルハーモニカーの至芸
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ(エリーザベト・ヴァインツィール&エトムント・ヴェヒターによる2つのフルートとピアノ用編曲)、
クーラウ:2つのフルートとピアノのための大三重奏曲、
フランセ
:オウムの対話(フルートとアルト・フルートのための)、
サン・サーンス:タランテッラOp.6(フルート,クラリネットとピアノのための)、
プーランク:フルート・ソナタ
ヴォルフガング・シュルツ(Fl,アルトFl)、
マティーアス・シュルツ(Fl)、
ペーター・シュミードル(Cl)、乾まどか(P)
ウィーン・フィルの名手を紹介するシリーズの最新盤は、カール・ベームが指揮をしていた頃からのスター奏者であるシュルツと、彼の息子であるマティーアスのデュオが登場。モーツァルト作品の編曲など選曲もユニーク。仲間であるシュミードル、乾まどかのサポートも万全です。サン=サーンスとプーランクはヴォルフガングの演奏です。
8.570310
ヴィドール:オルガン名作集
交響曲第1番 Op.13 1〜第5楽章、
交響曲第2番 Op.13 2〜第4楽章、
交響曲第4番 Op.13 4〜第3楽章、
交響曲第3番 Op.13 3〜第5楽章、
3つの小品集より第2番「神秘的に」
バッハの思い出より第4曲/第5曲、
交響曲第6番Op.42 2〜第1楽章、
ゴシック交響曲〜第2楽章、
交響曲第5番〜第1楽章/第2楽章/第3楽章
ロベルト・デルカンプ(Org)
有名な「トッカータ」を含む18世紀の最大のオルガン作曲家ヴィドールの作品集です。オルガンの機能を最大限に生かした華やかで流麗な曲ばかり。“バッハの思い出”ではおなじみのメロディも使われています。そして、トッカータを含む交響曲第5番は全曲収録されています。このトッカータのテンポ設定については諸説ありますが、ヴィドール自身は適度な早さを望んでいたといわれます。この演奏はまさにそんなテンポで、落ち着いた風情が得も言われぬ美しさを醸し出しています。
8.570311
ブクステフーデ:オルガン作品集第6集
前奏曲 ト短調 BuxWV 150 /カンツォーナ ハ長調 BuxWV 160/今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 215、BuxWV 213/第1 旋法のマニフィカート BuxWV 204/前奏曲 ヘ長調 BuxWV 145/われ汝に感謝す、愛する主よ BuxWV 194/カンツォネッタ BuxWV 225/神もしわれらとともになかりせば BuxWV 222/前奏曲 ハ長調 BuxWV 136/わが愛する神に BuxWV 179/トッカータ ト長調 BuxWV 165/前奏曲 ト長調 BuxWV 162
ジュリア・ブラウン(Org) ※ネブラスカ州、オマハ、聖セシリア大聖堂、マーティン・パシ製オルガン使用
2007年、ブクステフーデ(1637-1707)没後300年の最後を飾るのはこの1 枚。北ドイツのオルガン音楽の隆盛を築き、ヘンデルやJ・S・バッハに多大なる影響を与えたブクステフーデの作品は即興性溢れる自由な作風で人気が急上昇しています。前作でもその磨き抜かれた技術が高く評価されたブラジルのオルガニスト、ジュリア・ブラウンによる演奏です。
8.570312
ブクステフーデ:オルガン作品集 第7集
前奏曲とフーガ イ短調 BuxWV158/前奏曲 ハ長調 BuxWV138/イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BuxWV188/カンツォネッタ ト短調 BuxWV173/今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV214/カンツォネッタ ハ長調 BuxWV167/アリアと3 つの変奏 イ短調 BuxWV249/汝のみこによりてのみ我汝に感謝す BuxWV195/クーラント・シンプルと8 つの変奏曲 BuxWV245/前奏曲とフーガ ヘ長調 BuxWV144/前奏曲 変ロ長調 BuxWV154(断片)/カンツォーナ ト長調 BuxWV170/前奏曲とフーガ ト短調 BuxWV163/
ジュリア・ブラウン(Org)
毎回好評を博しているブクステフーデ(1637?-1707)のオルガン作品集も今作で第7 集となります。今作はコラール前奏曲、コラール幻想曲、そして舞曲による変奏曲などの多彩な作品が並び、この作曲家の多くの面を垣間見ることができます。時々耳に残る奇妙な音色も彼ならではの特色。もともと鍵盤楽器のために書かれたBuxWV249 の変奏の華麗さもたまりません。演奏はおなじみジュリア・ブラウン。安定した技巧が魅力です。
8.570313
ラインベルガー:オルガン作品集第6集
ソナタ第14番ハ長調Op.165、
ソナタ第15番二長調Op.168、
ソナタ第16番嬰と短調Op.175
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
フルダ大聖堂リーガー=ザウアー製オルガン☆リヒテンシュタインで生まれミュンヘンで学び、ピアニスト、オルガニストとして活躍したラインベルガー(1839-1901)は生涯に渡って多くの作品を残しましたが、やはりその中心を占めるのはオルガン作品です。ソナタだけでも20曲あり、作風は穏健ですがロマン派の作曲家らしく凝った和声も見られ、どれもが壮麗で渋い美しさを湛えています。今回もリュプサムの名演でお聴きください。フルダ大聖堂の由緒あるオルガンの響きは感動ものです。
8.570314
ラインベルガー:オルガン作品集第7集
ソナタ第17番変ロ長調Op.181「幻想ソナタ」
前奏曲とフーガニ短調JWV10
モノローグOp.162(第1番コン・モートハ長調
第2番ポコ・アジタートイ短調
第3番アンダンテ・トランクィロホ長調
第4番アンダンティーノ変ホ短調
第5番アンダンテ・アマービレト長調
第6番ラルゴ・エスプレッシーヴォ変ロ短調)
ソナタ第18番イ長調Op.188
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
19世紀のオルガン音楽の大作曲家、ラインベルガー(1839-1901)のオルガン曲シリーズの第7集。今回は後期の傑作、第17番「幻想」と第18番を中心に収録しています。第17番の冒頭は何やら結婚行進曲を思わせる音の動きで始まりますが、曲が進むにつれその独創性に圧倒されることでしょう。深い情緒をたたえた第18番の導入部も美しさの極みです。そしてオススメはOp.162のモノローグ。暗闇にともる温かい炎のような音楽とでも言いましょうか。じんわり浸み入る小さな曲集です。
8.570315
ラインベルガー:オルガン作品集第8集
オルガン・ソナタ第19番ト短調Op.193、
前奏曲とフーガハ短調JWV16、
オルガン・ソナタ第20番ヘ長調Op.196「平和の祭典」
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
ロマン派のオルガン作曲家ラインベルガー(1839-1901)の代表作である、20曲のオルガン・ソナタの全曲録音がついに完成いたしました。演奏は今回もリュプサムでオルガンも同じフルダ教会のものです。彼の作品は、バッハのような明確な対位法に彩られたものではありませんが、メインとなる旋律を取り巻く旋律の複雑に絡み合う様が何とも魅力的な音楽です。今アルバムは19番と20番を収録。「平和の祭典」と題された第20番は、特定の式典のために書かれたのではなく、いくつかの賛美歌を用いられて作曲されたもの。厳かで平穏な美しい作品です。
8.570316
ショスタコーヴィチ:女ひとりOp.26(マーク・フィッツ=ジェラルドによる復元スコア) イリーナ・マタエワ(S)、
アンナ・キクナーゼ(Ms)、
ドミトリー・ヴォロパエフ(T)、
マルク・ファン・トンヘレン(歌)、
バルバラ・ブッフホルツ(テルミン)、
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)フランクフルトRS
その生涯に数多くの映画音楽を作曲したショスタコーヴィチ(1906-1975)。この「女ひとり」は第2作目にあたる1930年の作品です。メロディは「これでもか」と言うくらいに分かり易くシンプルでアイロニーに満ちています。とは言え、巨大ナオーケストラと多くの歌手、合唱、当時登場したばかりのテルミンまで使用するという大がかりな編成は当時の聴衆の度肝を抜いたことは間違いありません。今回の演奏にあたって、イリーナ夫人の公式承認を受けたフィッツ=ジェラルドの復元スコアを用い、その際には失われた序曲も加えています。
8.570318
S.S.ウェズリー(1810-1876):アンセム集
主のおかげで/恵み深い主に感謝せよ
永遠の平和を彼にもたらせたまえ
わたしの咎を洗い去り
おお、恵みと慈悲にあふれる神よ
天にいます神に向かって
主の父なる神をほめたたえよ
御前からわたしを退けず/荒れ野よ、荒地よ
クリストファー・ロビンソン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊、
ジョージ・ハンフリーズ(Br)、
ジェームズ・マクヴィニー(Org)
19世紀のイギリス、豊かなヴィクトリア時代を象徴するように平和で厳かな賛美歌を多数作曲したウェズリー。現在も英国国教会のスタンダードな教会音楽として歌い継がれていますが、由緒あるケンブリッジ大学所属の聖歌隊が、その本質を伝えてくれます。
8.570320
プレイエル:協奏曲集
協奏交響曲変ロ長調(Benton112)、
協奏交響曲イ長調(Benton114)、
ヴァイオリン協奏曲ニ長調(Benton103/103A)
デイヴィッド・ペリー(Vn)、
ヴィクトリア・チャン(Va)、
イザベラ・リッピ(Vn)、
マーカンド・ザーカー(指)ボルティモア室内O
高名なピアノ製作者として知られるプレイエル(1757-1831)は、ハイドンに作曲を師事、ヴァンハルにピアノを学びピアニストとして各地で活躍しました。このアルバムに収録された作品は、今までにほとんど知られていないものばかり。例えば、変ロ長調協奏交響曲は、彼がF.X.リヒターの代理人としてストラスブールで最初に働いた時に書かれた1760年代のもので、本来単一楽章とされていますが、第1楽章があったことは文献からも明らかで、ここでは、ヴィオラと鍵盤楽器のために書かれたスコアを元に復元した楽章を第1楽章として演奏しています。他にも珍しいヴァイオリン協奏曲など、緻密な研究に基づいた興味深い作品が並びます。
8.570321
ブラー協奏曲集
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
イリヤ・カーラー(Vn)、
ピエタリ・インキネン(指)ボーンマスSO
この2曲の協奏曲、曲も演奏も派手さは全くありません。とにかく滋養に満ちた味わい豊かな音楽が詰まっています。心に直接語りかけてくるようなカーラーのヴァイオリンの音色をしっかりと暖かく受け止めるインキネンの指揮。とりわけシューマンでの渋い美しさは絶品です。もちろんブラームスも初めて聴くかの如く新鮮な印象です。
8.570322
スヴェンセン:ノルウェー狂詩曲第1-4番
ロメオとジュリエットOp.18
ノルウェー狂詩曲第1番Op.17
ノルウェー狂詩曲第2番Op.19
ノルウェー狂詩曲第3番Op.21
ノルウェー狂詩曲第4番Op.22
ゾラハイダOp.11
ビャルテ・エンゲセト(指)南ユランSO
ノルウェーで生まれ指揮者、ヴァイオリニストとして活躍したスヴェンセン(1840-1911)は、グリーグの親友であり、ノルウェーの音楽発展に努めた人でした。彼の作風はロマン派の域を脱するものではなく、どれもがチャイコフスキー風の優しい肌ざわりを持っています。このノルウェー狂詩曲はタイトル通り、リストの「ハンガリア狂詩曲」に触発されたもので、要所要所に民謡的なメロディが使われた情感豊かな作品です。同時期に書かれた2つの作品も色彩豊かなもの。「ゾラハイダ」はワシントン・アーヴィングの書いた「アルハンブラ物語」に触発された作品。彼の出世作でもあります。
8.570323
ルーセル:交響曲第1番「森の詩」Op.7
交響的前奏曲「復活」Op.4
劇音楽「眠りの精」Op.13
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ステファン・ドヌーヴの前2作のルーセル(1869-1937)は、そのどちらもが世界中から高い評価を受けています。今回の交響曲集もそれを上回る称賛を与えられることは間違いありません。フランスの作曲家にしては、かなり重厚な音使いをすることで知られるルーセル。劇音楽は割合良く聴かれるのですが、交響曲はほとんど人気のない分野です。以前もデュトワやミュンシュらが録音してはいるのですが、このような素晴らしい演奏がもっと多く出てくれば聴く人も増えてくるのではないでしょうか。第1番の交響曲は1904年から1906年に書かれ、1908年に初演されました。「森の詩」という副題があるにも関わらず、表題音楽ではありません。確かに気分は4つの季節に基づいているのですが、描かれている風景を想像上で描写するのは聴き手の力量にまかされているのです。交響的前奏曲「復活」はトルストイの同名の小説を示唆したもの。木管楽器の表情豊かなメロディによって孤高の傑作は確かに音にされています。バレエ音楽を得意としたルーセルの面目躍如と言った「眠りの精」はG・ジャン=オーブリの劇のための表情豊かな作品です。
8.570338
カントルーブ:オーヴェルニュの歌 第2集
羊飼いのおとめと馬に乗った男/紡ぎ女/子どものために/しっ、しっ静かに/牧歌/向こうの谷間に 羊飼いよ、あなたが愛してくれるなら/野良犬め、あっちへ行け/さあ、まぐさをおやり 三部作(夏への捧げもの/月のような/夜明けへの讃歌) フランスの歌(抜粋) ブロンド娘のそばで/あるいは私は哀れと思うために行くでしょうか?/ばらの牧草地に/心地良い山頂/目覚めよ/あなた の前に少女が来たら
ヴェロニク・ジャンス(S)、セルジュ・ボド(指)リール国立O
第1集(8.557491)が大好評を博したヴェロニク・ジャンスによるオーヴェルニュの歌、その続編の登場です。このアルバム で「オーヴェルニュの歌」は完結です。類い稀なる美声と情感豊かな歌唱で故郷の歌を聴かせるジャンス。今回もその歌声は 至上の美しさを誇ります。ラヴェルとショーソンに絶賛されたと言うカントルーブ(1879-1957)の知られざる作品、「三部作」 と「フランスの歌」も収録。こちらもとても魅惑的です。
8.570339
ホルスト:ブルック・グリーン組曲
ヴァイオリンと管弦楽のための夜の歌
セント・ポール組曲
ヴィオラと室内管弦楽のための叙情的楽章
フルート,オーボエと弦楽のためのフーガ風協奏曲
2つのヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲
ハワード・グリフィス(指)
イングリッシュ・シンフォニア、
ジャニス・グレアム(Vn)、
サラ・ユーインズ(Vn)、
アンドリ・ヴィイトヴィッチ(Va)、
アナ・パイン(Fl)、
フィリップ・ハーマー(Ob)
民謡やバロック音楽などを素材として、小編成のオーケストラのために書かれている作品を集約。「惑星」とはまったく違った作曲者の顔があり、ホルストのイメージが大きく変わるかもしれません。アマチュア・オーケストラの選曲にも役立つ一枚です。
8.570340
アルウィン(1905-1985):ピアノ五重奏のためのラプソディ、
ヴァイオリンとヴィオラのための即興的ソナタ、
ヴィオラとピアノのためのバラード、
2つの歌、ブラックモアによる3つの歌、
ヴァイオリンとピアノのためのソナティネ、
弦楽四重奏のための「3つの冬の詩」、
リコーダーとピアノのための「トムへのシャコンヌ」
ギルバート・ローランド(ハープシコード)
映画音楽で知られるイギリスの作曲家、ウィリアム・アルウィンは管弦楽曲から、歌曲、器楽曲と多くのジャンルにたくさんの作品を残しています。彼は「音楽を頭で理解されるよりも心で受けとめること」を好んだロマンティストで、その作品も耳に心地よいものばかりです。 ここに収録された作品は1931年の「2つの歌」から1982年に書かれた「トムへのシャコンヌ」までで、50年に渡るアルウィンの作曲技法の成熟度を目の当たりにすることが可能です。
8.570341
チリのギター音楽集
コントレラス(1983-):トナーダ・アクエカーダ、
サリナス
(1951-):欠けた時間の組曲より「クリスタリーノ」、
レストゥッチ(1956-):替わるもの/樫の木/天人花、
サンチェス
(1965-):チロエティカ、
コントレラス
(1983-):帰還の歌/感覚と理由/私の母親の歌、
パッラ
(1961-):5つの古い歌、
サンチェス(1965-):ギター・ソナタ「ビオレタ・パッラへのオマージュ」
別れの歌
ホセ・アントニオ・エスコバル(G)
よほどの音楽好き、またはギター好きでも、ここに収録された作品を耳にすることはなかなか難しいのではないでしょうか。チリの現代作曲家たちによる様々な作品のなんと多彩で楽しいこと!情熱的で複雑なリズム、既存のスタイルを打破した独創的な音、これらが収束した「新しい音」の噴出です。若き名手エスコバルの妙技には全く聴き惚れるしかありません。
8.570346
ビンガム(1952- ):合唱曲集
血の中の塩/
闇もあなたに比べれば − 永遠の平和を彼にもたらせたまえ(S.ウェズリーによる)
最初の灯り/雪は降り積む/秘密の花園
スティーヴン・ジャクソン(指)
BBC交響cho、トーマス・トロッター(Org)
ファイン・アーツ・ブラス 現代イギリスの女性作曲家による声楽作品集ですが、ブリテンやティペットなどの流れを汲む作風であり、イギリスでは高い評価を得ています。自身がBBCシンガーズなどで歌っていたという経験から合唱曲のクオリティが高く、ノルウェーの怪談をベースに民謡の味わいを加えた「血の中の塩」など、代表作を集めました。
8.570347
ムーン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ(2006)、
沈められた(1999)、通過(1999)、
ゲルニカ(2003)、
インテル=メッ=ツォ(2006)、
トッカータ(2000)、抒情詩(1998)、
ピアノ・ファンタジー(1998)、
育児室(1996)、秘密(2005)、前奏曲
ベアタ・ムーン(P)
韓国系アメリカ人の女性作曲家ベアタ・ムーン(1969-)の自作自演集です。どれも過去の慣習にとらわれることのない自由な作風による音楽で、瞑想的な部分はとことん静かに、躍動的な部分は驚くほどに暴力的にと、さまざまな情感を湛えた小品の集合体はまるで大都市の風景のようにめまぐるしくその姿を変えて行きます。
8.570350
ロージャ:ヴァイオリン協奏曲 Op.24/ヴァイオリンとチェロのための協奏交響曲 Op.29* アナスタシア・ヒトルーク(Vn)、アンドレイ・チェクマゾフ(Vc)*、ドミトリ・ヤブロンスキ(指)ロシアSO
ハンガリーの作曲家、ロージャ(1907-1995)は映画音楽の大家として知られていますが、並行してコンサートホールのためにも積極的に曲を書きました。ハンガリーの民謡を巧みに取り入れた数々の作品はどれもが親しみやすくどこか懐かしい風情を保っています。ヴァイオリン独奏はアナスタシア・ヒトルーク。現在の若手有望株の中でも最もパッション溢れる演奏家の一人です。
8.570351
サリヴァン:パイナップル・ポール組曲(マッケラス編)/アイルランド交響曲 デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
喜歌劇「ミカド」でおなじみのイギリスの作曲家サリヴァン(1842-1900)の隠れた名曲です。とは言えこれはオリジナル作品ではなく、指揮者マッケラスがサリヴァンのオペレッタの中からバレエ曲だけを集めてまとめた楽しい曲集なのです。吹奏楽好きにもファンの多いこの曲をイギリスの名門オケの演奏で。ブックレットにはマッケラス自身の解説も収録しています。
8.570333
ワインベルク:チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番Op.21
チェロ・ソナタ第2番Op.63
無伴奏チェロ・ソナタ第1番Op.72
無伴奏チェロ・ソナタ第3番Op.106
ドミトリ・ヤブロンスキー(Vc)
リュウ・シン=ニ(P)
ワルシャワのユダヤ人家庭に生まれたワインベルク(1919-1996)は、最初ワルシャワ音楽院で学びますが、1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻のためにソヴィエト連邦へ亡命することとなります。ミンスクからタシュケント、そして最後はモスクワに定住し、亡くなる直前にロシア正教会に改宗しました。彼のチェロ・ソナタ(第2番はロストロポーヴィチのために作曲された)は、チェロの表現能力の限界までを使用しており、憂鬱さと抒情性、そして激しさを兼ね備えたもので、しばしばショスタコーヴィチの作品と比較されます。また無伴奏ソナタの第1番と第3番もやはりロストロポーヴィチに捧げられています。第1番は比較的コンパクトな作品ですが、第3番は規模、楽想ともに大きく、これは確かにJ.S.バッハの作品に比肩するものと言えるでしょう。
8.570353
ランジバラン:覚醒・エレジー他
覚醒/常動曲
チェロと弦楽合奏のためのエレジー
弦楽のためのエレジー
ヴァイオリン・デュオのための6つのカプリース
弦楽四重奏曲
セジョンのソリストたち
チェン・シ(Vn)、フランク・ホアン(Vn)、
ウェイン・リン(Vn)、ベス・グターマン(Va)
オーレ・アカホシ(Vc)
イラン生まれでアメリカにベースを置く作曲家、ランジバラン(1955-)の作品集です。「とても高貴で光り輝く思いつき」とアメリカの音楽ガイドでも大絶賛された彼の音楽は、好奇心に溢れた聴衆の心をうまく刺激するようです。戦争に関する平和の勝利を祝す「覚醒」、活発なエネルギーの放出が気持ちよい「常動曲」、命の循環を音で描いた「チェロと弦楽合奏のためのエレジー」そして、そこから派生したチェロのためのエレジー。どれもが何かに突き動かされるような煽情的な音楽です。ヴァイオリンの技法と音色を徹底的に追及した、「6つのカプリース」、生命と夢、その他儀式めいたもの全てを包括する弦楽四重奏曲も、屈強なる意志の力を感じさせる逸品です。
8.570354
シューベルト:4手のためのピアノ作品集第5集
ソナタハ長調D812Op.posth140「グラン・デュオ」、
4つのレントラーD814、
創作主題による変奏曲D813Op.35、6つの大行進曲とトリオD819Op.40〜第2番ト短調/第3番変ロ短調
アラン・シラー(p)
ジョン・ハンフリーズ(p)
シューベルト(1797-1828)のピアノ連弾曲の多くは、夏の間に書かれました。そのほとんどは彼が弟子(恐らく良家の娘)と連弾するためのものですが、中にはここに収録された「グラン・デュオ」のような大作も含まれます。この曲は連弾用としてよりも、交響曲の下案として書かれたのではないか?とも言われているほど規模が大きく確固たる構造を持つ作品で、全曲を弾きこなすのは至難の業です。
8.570355
スタンフォード:交響曲集第3集
交響曲第6番変ホ長調、
交響曲第3番へ短調「アイルランド風に」
デヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO
7曲もあるにもかかわらず「20世紀になった今では時代遅れの音楽だ」とされ忘れ去られてしまったスタンフォード(1852-1924)の交響曲。しかし第3番だけはその素朴で物悲しいメロディと雰囲気が愛されたのかずっと演奏され続け、彼の代表作の一つとしても認知されています。しかし第6番は作曲されてからの80年の間にたった2回ほど公式に演奏されたのみ。何ともったいないことでしょう!!!美しいメロディとハーモニーに彩られた作品、これはブーム到来の予感です。
8.570356
スタンフォード:交響曲集第4集
交響曲第1番変ロ長調
クラリネット協奏曲Op.80
デヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ボーンマスSO、
ロバート・プレーン(Cl)
8.570352
ハウエルズ(1892-1983):サー・パトリック・スペンス(世界初録音)
楽園への讃歌 
デーヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO、
バッハcho、クレア・ラター(S)、
ジェームズ・ギルクリスト(T)、
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ヴォーン・ウィリアムズやフィンジらと同じ作風を持つハウエルズは、CD時代になって特にクローズアップされた存在。「楽園への讃歌」は大規模な声楽曲の代表作であり、初録音となる「サー・パトリック・スペンス」は、ヴォーン・ウィリアムズの作風に似ている作品です。
8.570359
アルウィン:ピアノ作品集第1集
ソナタ・アッラ・トッカータ/緑の丘
クリケッティ・ミル
インドの音階による前奏曲とフーガ
真昼の霞/ハーヴェスト・ホーム
ファンシー・フリー/4月の朝/幻想的ワルツ
アシュリー・ウェイス(P)
オルウィンの創作活動において、ピアノ曲というのはかなり大きなウエィトを占めています。ここに収録された作品を聴いてもわかるように、オルウィン自身も並々ならぬ名ピアニストでした。なかでも11の小品からなる「幻想的ワルツ」はオルウィンの最も素晴らしい創造です。ショパン、ラヴェル、J・シュトラウス、そして作曲直前に訪れ影響を受けたグリーグ。彼らの面影を残しつつもオルウィン独自の方法でワルツの可能性を極限まで探索するものです。
8.570360
ベリオ:ヴァイオリン協奏曲第2.3.5番
ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.32、
ヴァイオリン協奏曲第3番ホ短調Op.44、
ヴァイオリン協奏曲第5番ニ長調Op.55
フィリッペ・クィント(Vn)、
カーク・トレヴァースロヴァキアRSO
若きヴァイオリニストの卵たちが、一度は演奏してみたいと願うのが、このベリオ(1802-1870)の協奏曲でしょう。技術的にも表現的にも心地良い困難さを必要とする演奏効果絶大なる作品です。パガニーニの影響が大きい2番と3番、そしてユーモラスな曲調が魅力的な第5番。若き俊英クィントの堂々たる模範的演奏で。
8.570361
J・C・バッハ:6つの鍵盤ソナタ集Op.17
ソナタト長調Op.17No.1、
ソナタハ短調Op.17No.2、
ソナタ変ホ長調Op.17No.3、
ソナタト長調Op.17No.4、
ソナタイ長調Op.17No.5、
ソナタ変ロ長調Op.17No.6
アルベルト・ノセ(P)
若きモーツァルトに多大な影響を与えたと言われるJ・C・バッハ(1735-1782)は、鍵盤奏者としても革新的で、従来のチェンバロよりも新しいフォルテ・ピアノに興味を抱いた最初の人として知られています。作風もどことなくロマン派を先取りしていてちょっとひねった曲を聴きたい方にはぴったりの1枚と言えるでしょう。2005年、スペインのサンタンデール国際コンクールのピアノ部門で金賞を受賞した期待の若手ピアニスト、ノセによる演奏です。
8.570366
(2CD)
マイール:オラトリオ「エンゲディの洞穴のダヴィデ」 メリット・オスターマン(Ms)、
コルネリア・ホラク(S)、市原愛(S)、
ジビラ・ドッフェ(S)、
クラウディア・シュナイダー(S)、
フランツ・ハウク(指&ハープシコード)、
シモン・マイールcho&アンサンブル
このところ再評価の高まる、バイエルン生まれのイタリアで活躍した作曲家マイール(1763-1845)ですが、今回はオラトリオをお届けいたします。1795年ベニスの慈善団体のために書かれた4連作の最後の曲で、聖書のエピソードの一つダヴィデとサウルの対立を扱ったものです。ソロも合唱も全て女声というのも興味深いところでしょう。この演奏には日本の才能溢れる期待の若手ソプラノ市原愛も参加、熱唱を聴かせます。
8.570368
D.スカルラッティ:ピアノ・ソナタ全集第9集
ソナタニ短調K.52/L.267/P.41、
ソナタニ短調K.77/L.158/P.10、
ソナタト長調K.79/L.80/P.204、
ソナタト短調K.111/L.130/P.99、
ソナタハ短調K.139/L.6/P.126、
ソナタハ長調K.170/L.303/P.164、
ソナタニ短調K.176/L.163/P.163、
ソナタニ長調K.277/L.183/P.275、
ソナタイ長調K.344/L.295/P.221、
ソナタハ長調K.340/L.105/P.420、
ソナタニ長調K.388/L.414/P.370、
ソナタハ長調K.398/L.218/P.493、
ソナタイ長調K.456/L.491/P.377
フランチェスコ・ニコローシ(P)
ナポリ楽派の歌劇作曲家、卓越したチェンバロ奏者、そしてオルガニストであったドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。555曲あるチェンバロソナタは、彼が音楽指導を行っていたポルトガル王女マリア=バルバラ(後のスペイン王妃)の練習用として書かれたもので、ほとんどが単一楽章で構成された短いものですが、そこに盛り込まれた技巧は多種多様で当時としてはとても実験的なものでした。現在のピアニストにとっても重要なアンコールピースであることは間違いありません。
8.570369
パヴロワ(1952- ):交響曲第5番
ピアノと弦楽オーケストラのための悲歌*
ウラディーミル・ジヴァ(指)
モスクワ放送チャイコフスキーSO、
ミハイル・シェスタコフ(Vn)、
アンドレイ・コロベイニコフ(P)*
既発売の交響曲集(8.557157、8.557566)で、その叙情性を広くアピールしたロシア出身の女性作曲家ですが、2006年に完成した交響曲第5番はスピリチュアルなテーマを扱った作品。また2007「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭でも好評だったコロベイニコフも加わっている「悲歌」は、題名の通り心に響く音楽です。
8.570370
トゥリーナ:ピアノ作品集第5集
スペインの物語第1集Op.20(1918)
スペインの物語第2集Op.47(1928)
古いスペインの記憶Op.48(1929)
シルエットOp.70(1931)
ホルディ・マソ(P)
マドリードで生まれ、パリでダンディに師事し、アルベニスやファリャと交流を深めスペイン国民楽派の創造に取り組んだトゥリーナ(1882-1949)。1914年に帰国してからはロマン派と印象主義の良いところを取り入れた独自のスペイン音楽を発表し、高い評価を得ています。ここに収録された「スペインの物語」はトゥリーナ自身が「特定の場所から喚起される特定の物語を思い起こさせる」ように書いたと語る作品集。その思いは他のどの曲にも見られるもので、どれを聴いてもスペインの乾いた風を感じさせます。シリーズを一貫して演奏しているマソは、ここでも自信漲る解釈を聴かせてくれます。
8.570371
シェリゴフスキ:喜劇的序曲、4つのポーランド舞曲、ピアノ協奏曲、管弦楽のための夜想曲、管弦楽のための協奏曲 ボグダン・チャピエフスキ(P)、アンナ・ジウコウスカ(Vn)、マリウス・スモリジ(指)ポズナ二PO
戦後のポーランド音楽の発展に大きく関与したシェリゴフスキ(1896-1963)の作品集です。第2次世界大戦の後ポズナニに留ま り、この地のオーケストラの指揮者として活躍。並行して作曲活動も活発に行いポーランド民謡を巧みに織り込んだ親しみや すい曲を多く生み出した彼こそ、近代ポーランド音楽の父と呼ぶにふさわしい人でしょう。ここに収録された作品はどれもが 新古典主義の影響を受けた確固たるもので、どっしりと満足感を与える重厚なサウンドも聴きどころです。
8.570377
ストラヴィンスキー:ピアノ作品集
ピアノ・ラグ・ミュージック、
サーカス・ポルカ、ピアノ・ソナタ、
セレナーデイ調、タンゴ、
4つの練習曲Op.7、スケルツォ、
ピアノ・ソナタ嬰へ短調
ヴィクトル・サンジョルジョ(P)

原盤Collins Classics
ストラヴィンスキー(1882-1971)のピアノ曲と言えば「ペトルーシュカ」あたりしか知られていないと言っても過言ではないでしょう。しかし彼は40年間に渡って常に異なった作風でピアノ曲を書き続けていました。どの曲も興味深いのですが、とりわけ最初期のスケルツォやソナタでのロマンティックな風景が、5年程経過しただけで「4つの練習曲」のような複雑なリズム・パターンに変容するのには驚くばかりです。
8.570378
フランツ&カール・ドップラー:フルートと管弦楽のための作品集
F&K・ドップラー:リゴレット幻想曲*、F・ドップラー:ハンガリー田園幻想曲 Op.26、F・ドップラー:アンダンテとロンド Op.25*、F・ドップラー:アメリカの主題による二重奏曲 Op.37*、F&K・ドップラー:華麗なるワルツ Op.33*、F・ドップラー:2つのフルートのための協奏曲 ニ短調*
パトリック・ガロア(指、FL)、瀬尾和紀(Fl)*、シンフォニア・フィンランディア
フルートを吹く人なら誰もが憧れる「ハンガリー田園幻想曲」で知られるフランツ・ドップラー(1821-1883)は、その弟カール(1825-1900)もまたフルートの名手であり、しばしば兄弟で共作をしたりと19世紀のフルート作品の発展に寄与したのです。彼らの作品のほとんどはリサイタルを念頭にし、ピアノの伴奏で書かれていますが、ここでは名手ガロアのたっての希望によりオーケストラ伴奏に編曲されたものを演奏しています。共演は日本期待の若手、瀬尾和紀。輝かしい音色が彩なす音の喜びが横溢しています。
8.570380
クロイツェル:ヴァイオリン協奏曲第17番-第19番
ヴァイオリン協奏曲第17番ト長調
ヴァイオリン協奏曲第18番ホ短調
ヴァイオリン協奏曲第19番ニ短調
アクセル・シュトラウス(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)
サン・フランシスコ音楽院O
クロイツェル(1766-1831フランス読みではクレゼール)は、フランス・ヴァイオリン楽派の基礎を作った人で、当時として先進的なヴァイオリンのヴィルトゥオーゾであったため、ベートーヴェンから第9番のソナタを献呈されたことで知られています。ただし、クロイツェル自身は演奏しなかったと言われていますが・・・。このアルバムで聴ける協奏曲はクロイツェルの作曲家としての最も脂の乗った時期に書かれたもので、彼の19曲ある協奏曲の最後の3曲となります(NAXOSでは彼の協奏曲を全曲リリースする予定です)。溢れるような旋律美はロマン派を先取りしていて、自由自在に歌うヴァイオリンの調べにはため息をつく他ありません。脈々と息づくヴァイオリン音楽の伝統を遡る喜びを味わってみてください。NAXOSイチオシの若手、アクセル・シュトラウスの素晴らしい演奏です。

8.570381
シューベルト:ミサ曲第6番変ホ長調D.950、
スターバト・マーテルト短調D.175
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO、
イモータル・バッハ・アンサンブル
シューベルト(1797-1828)が亡くなる年に書かれたミサ曲第6番はその荘厳な響きで知られていますが、このイェンセン&イモータル・バッハ・アンサンブルの演奏は曲の魅力を最大限に引き出し、天上的とも言える美しさで聴き手の心を揺さぶります。清澄な合唱に涙が溢れてくるかもしれません。意外なことですが、NAXOSにシューベルトの合唱曲がレパートリーとして登場するのはこのアルバムが初となります。
8.570382
D.スカルラッティ:宗教声楽作品集
テ・デウム、
ミサ・ブレヴィア「ラ・ステラ」(抜粋)、
チビタヴィット・ノス・ドミヌス、
ミサ・ブレヴィア「ラ・ステラ」(続き)“アニュス・デイ”、
マニフィカト、スターバト・マーテル
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
インモータル・バッハ・アンサンブル
スカルラッティは、現在では多数のハープシコード・ソナタの作曲家として知られています。しかし若い頃は、偉大なる父を見習うべく宗教合唱曲と世俗合唱曲の作品を多く書いていたのです。とりわけ有名な作品は「スターバト・マーテル」でしょう。10人の独唱と2つの五部合唱、オルガン、通奏低音のために書かれた古式ゆかしきスタイルと斬新なスタイルの融合を図った注目すべき曲、もちろん全ての声部は独立した動きを持ち、華やかで重厚な雰囲気を醸し出しています。
8.570396
バラキレフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番嬰へ短調Op.1、
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調(S.リャプノフ完成版)、
ロシア民謡による大幻想曲
アナスタシア・セイフェトディノーヴァ(P)、
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)ロシアSO
華麗で技巧的な小品「イスラメイ」で知られるバラキレフ(1837-1910)のピアノ協奏曲は、驚くほどに切なく哀愁を帯びたものでした。2曲とも若い時期の作品で、第1番は18歳、第2番は24歳くらいに書かれたものです。第2番は未完のまま放置され、1909年に作曲を再開するも結局完成されることなく終わった作品です(弟子のリャプノフが完成)。多少のぎこちなさが却って甘酸っぱい青春を感じさせる第1番、アダージョ楽章の切なさと華麗さが際立つ第2番(とりわけクライマックスのそそり立つような和音連打はラフマニノフ、チャイコを超えるかも)、どちらも聴きものです。ロシア民謡による大幻想曲はロシア音楽の普及に多大なる貢献を果たしているはずです。
8.570397
ボッテジーニ:大協奏曲嬰ヘ短調他
協奏的大ニ重奏曲*
弦楽のためのアンダンテ・ソステヌート
クラリネットとコントラバスのための二重奏曲
大協奏曲嬰へ短調
トーマス・マーティン(Cb)、
ホセ=ルイス・ガルシア(Vn)、
エマ・ジョンソン(Cl)、アンドリュー・リットン(指)ECO

*のみASV原盤による移行盤、他はオリジナル版初録音
オーケストラにとって、なくてはならない存在だけど決して主役になることはないコントラバス。この楽器に煌く光を当てたのが史上最高のコントラバス演奏家であったボッテジーニ(1821-1889)です。彼は楽器の可能性を追求し、極限まで音色の美しさを引き出すことに成功しました。ここに収録された大協奏曲嬰へ短調はその中でもとりわけ見事なもので、イタリア的な明るいメロディながらも、調性も冒険的で複雑な構成を持った意欲作です。
8.570398
ボッテシーニ:コントラバス協奏曲他
歌劇「エロとレアンドロ」前奏曲、
コントラバス協奏曲ハ短調(オリジナル版…弦楽合奏とコントラバス)、
歌劇「夜の悪魔」シンフォニア、
2台のコントラバスとオーケストラのためのパッショーニ・アモローソ、
ニ調のエレジー、
歌劇「アリババ」序曲、
チェロ,コントラバスと管弦楽のための「ベルリーニの清教徒からのテーマによる二重協奏曲
トーマス・マーティン(Cb)、
モリー・ウェルシュ(Vc)、
フランコ・ペトラッキ(Cb)、
マシュー・ギブソン(指)LSO
ASVCDDCA907より移行盤。コントラバスのパガニーニ、ボッテシーニ(1821-1889)の魅力を再発掘するシリーズです。このアルバムは、オペラにも堪能だった彼の歌心が満載された美しい曲ばかりが収録されています。3つの歌劇(ぜひとも全曲が聴いてみたい)の序曲をはじめ、ベルリーニのテーマによる協奏曲など、「こんなに美しい曲があったなんて」と驚かされてしまいます。
8.570399
ボッテシーニ:ルチアによる幻想曲
「ランメルモールのルチア」による幻想曲
エレジー第2番ホ短調「ロマンツァ・ドラマティカ」
序奏とボレロ/ロマンス「愛しの唇」
カプリッチョ・ブラヴーラ
二調のエレジー
「ベアトリーチェ・テンダ」による幻想曲
グランド・アレグロ「メンデルスゾーン風協奏曲」
トーマス・マーティン(Cb)、
アンソニー・ホルステッド(P)
8.570400
ボッテジーニ:「夢遊病の女」による幻想曲
ベッリーニの歌劇「夢遊病の女」による幻想曲、
ホ調のメロディ(感傷的なロマンス)、
アレグロ・カプリチォーゾ嬰へ短調「ショパン風に」、
メロディ「ジョヴィネット・インナモラート」、
世界の果てのすべて(原曲:ショパン「エチュード第19番嬰ハ短調Op.25No.7」)、
序奏とガヴォット、瞑想曲(バッハのエアによる)、
パイジェッロの「うつろな心」による変奏曲、
海を隔てて、「ロマンス」〜かって去ったところへ、
「老いたロビン・グレイ」による変奏曲(ボッテジーニ編)、
レヴェリ、「ヴェニスの謝肉祭」による序奏と変奏曲
トーマス・マーティン(Cb)、
アンソニー・ホールステッド(P)、
ジャクリン・フゲーレ(S)
かねてより名盤として名高いマーティンのボッテジーニ(1821-1889)作品集の第4集です。このシリーズはASVレーベルよりの移行盤であるため、いくつかの作品はNAXOS録音の8.557042(キャリントン演奏)と聴き比べが可能です。コントラバスの限界に挑むかのようなパッセージを存分にお聴きください。「夢遊病の女」による幻想曲では、さながら丸木橋を渡るかのような極限の高音での勝負が続きます。歌を伴う幾つかの曲での夢幻的な二重唱もため息ものです。※ASVCDDCA1053より移行盤
8.570401
20世紀のピアノ・ソナタ集
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1、
ヒンデミット:ピアノ・ソナタ第2番、
シェーンベルク:3つのピアノ曲、
ハルトマン:ピアノ・ソナタ「1945年4月27日」
アリソン・ブリュースター・フランチェッティ(P)
20世紀初頭における音楽の変化の激しさは誰もが知る通りです。極限まで肥大した和声と響き、それを一度壊して新たに構築された音形。流行が繰り返すかの如く、音の流れも変わっていきました。ここに収録された作品群はそんな流れの真っただ中にあるものばかり。十二音に行きつく前のシェーンベルクの作品や多くの示唆に富むハルトマンの作品など興味は尽きません。
8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペイン風」Op.82
アンダルシアのムーサたちOp.93〜第2番「エウテルペ」
サンルケーニャの娘の詩Op.28
古風な変奏曲Op.72
エヴァ・レオン(Vn)/ホルディ・マソ(P)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含まれているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピアノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵なアルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げられた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れています。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。
8.570403
コラージュ:ピーボディ協会創立150周年記念
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(ハインズリー編)、
シェーンベルク:主題と変奏、
バード(1856-1923):10の管楽器のための組曲、
ウールフェンデン
(1937- ):ガリモーフリー、
ホルシンガー
(1945- ):危険空域の制圧のため、
スーザ
:雷神
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
オーケストラ作品の編曲を中心に、シンフォニック・バンドのためのオリジナル作品を集めた一枚。ヒラリー・ハーンらを輩出したアメリカの名門音楽院バンドが力強い演奏を聴かせますが、後半のオリジナル作品は吹奏楽愛好家にとって聴きものでしょう。
8.570406
ガードナー:管弦楽作品集
ピアノ協奏曲第1番/交響曲第1番/序曲「ミッドサマー・エール」
ピーター・ドノホー(P)、デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
イギリス音楽好きにまたまたオススメの1枚です。ジョン・ガードナーは1917年生まれのイギリスの作曲家。名前は同じでもジェームズ・ボンドの作者ではありません。しかし彼の書く音楽はとてもスリリングでドラマティック。緊迫感漂うピアノ協奏曲の冒頭のテーマなどは映画音楽に使ったとしても全く違和感ないでしょう。イギリス情緒あふれる「ミッドサマー・エール」も美しい音楽です。
8.570408
バヨラス:弦楽のための作品集
交響曲第2番「鐘乳石」(タトラ山/城/私たちのガイド/マツォッハ/リディチェ/ヴィシェフラド/ユダヤ墓地/プラハ/デパーチャー)、動詞のための組曲、前奏曲とトッカータ、標識
ドナタス・カトクス(指)セント・クリストファーCO
リトアニアの作曲家バヨラスはカウナスで音楽の勉強を始め、最初はヴァイオリニストとして活躍しました。音楽大学を卒業した後、現在のリトアニア国立交響楽団に入団しましたが、当時からオーケストラのためにポピュラーソングを作曲し評判となったのです。それから作曲の専門の勉強をはじめたのですが、「堅い音楽」を書く間にも時折ポピュラーソングを書き続け、彼自身も演奏していたようです。バヨラスの作品はいくぶん自叙伝的な要素を持ち、根源はリトアニアの民俗音楽にあり、メロディは人間の情感に直接訴えかけるものです。
8.570409
チャイコフスキー:声楽作品全集第4集
愚かな者と言われつづけてOp.25No.6/共に歩く時間もなく/昨日の夜Op.60No.1/私はお前に何も話すまいOp.60No.2/許してOp.60No.8/木陰の窓の向こうにちらりとOp.60No.10/夜Op.60No.9/ナイチンゲール夜Op.60No.4/飾らない言葉Op.60No.5/ただ一つの言葉のために/カナリアOp.25No.4/春のように青いその瞳/なぜそんなにOp.16No.5/おお、おまえが知っていたらOp.60No.3/おお、その歌を歌ってくれOp.26No.4/和解Op.25No.1/祝福あれ、森よOp.47No.5/夕べOp.27No.4/それは早春のことだったOp.38No.2/騒がしい舞踏会の中でOp.38No.3/偉業Op.60No.11/ミニョンの歌Op.25No.3
リューバ・カザルノフスカヤ(S)、
リューバ・オルフェノヴァ(P)
100曲以上も書かれているのに、交響曲や管弦楽曲などに比べあまり知られることのないチャイコフスキー(1840-1893)の歌曲たち。しかし、どの曲も情感に満ちた語句を用い、細やかな感情を織り込みながら丹念に書かれています。まさに「オペラ作曲家」としての技量を全て注ぎ込んだ完成度の高い小宇宙のような曲を、カザルノフスカヤが深い共感を持って歌います。
8.570410
S.S.ウェズリー(1810-1876):オルガン作品集
序奏とフーガ(改訂版)
ラルゲット(室内オルガンのための3つの小品第2集より)
アンダンテ(室内オルガンのための3つの小品第2集より)
ヴォランタリー(グラーヴェとアンダンテ)
アンダンテ・カンタービレ
アンダンテ(室内オルガンのための3つの小品第1集より)
合唱曲(室内オルガンのための3つの小品第1集より)
ミュージカル・スタンダードよりアンダンテ
アンダンテ ホ短調
ホルズワーシー教会の鐘(変奏付きエア)
ジェームズ・マクヴィニー(Org …イギリス、
テンブリー、セント・マイケルズ教会、ヘンリー・ウィリス神父製オルガン使用)
イギリスのオルガニスト一家に育ったサミュエル・セバスティアン・ウェズリーは、メンデルスゾーンと彼が発掘したJ.S.バッハなどに影響を受け、19世紀イギリスを代表するオルガン曲を生み出しました。教会音楽の枠に囚われず、純粋な器楽曲としてオルガン作品を生み出したことも評価されています。
8.570412
スクリャービン:ピアノ作品集
ワルツ変ニ長調Op.posth.
ワルツへ短調Op.1
ポロネーズ変ロ短調Op.21
幻想曲ロ短調Op.28/2つの詩曲Op.32
悲劇的詩曲Op.34/悪魔的詩曲Op.36
ワルツ変イ長調Op.38
詩曲変ニ長調Op.41/3つの小品Op.52
アルバムの綴りOp.58
詩曲「炎に向かって」Op.72/2つの舞曲Op.73
シャイン・ワン(P)
スクリャービン(1872-1915)の珍しい初期作品から悪魔的様相を見せる晩年の作品まで全てを楽々と弾きこなすのは中国生まれのシャイン・ワン。確かなテクニックは勿論のこと色彩的な音楽を壮大に表現できる現代でも稀有の才能です。スクリャービン14歳の作品である2つのワルツからして油断して聴いている訳にはいきません。まっすぐな道を歩いていたのに、いつの間にか別の世界へ行ってしまうような不安感が漂う作品です。作品番号順に収録されているので聴き進むうちに聴き手の心は一層混迷の度合いを増していくことでしょう。
8.570413
バックス:ピアノ曲集 第4集(2台ピアノのための作品集)
祝典序曲(2台ピアノ版)/毒を入れられた噴水/"幸せな平野〜アイルランドの交響詩"/2台ピアノのためのソナタ/聖アンソニーを誘った悪魔/赤い秋/ハルダンゲル
マーティン・ロスコー(P)、
アシュリー・ウェイス(P)
アイルランドの近代作曲家バックスは伝説と自然、そしてロマンスをこよなく愛し、幻想的で神秘的な作品を多く残しました。彼の書いた音楽は例えようもなくロマンティックな雰囲気に満ちたものばかりで、彼が愛したアイルランドの風景と若いころに訪問したロシアの雰囲気が反映された魅力的な作品が揃っています。ここに収録された2台ピアノのための作品集ははとりわけ音の絡み合いが官能的で、曲の至るところに名ピアニスト、ハリエット・コーエンの面影が彷彿されることでしょう。
8.570414
フィンジ(1901-1956):英国歌曲シリーズ第16集
ある若者の訓戒/地球が朽ちるまで
おお眼にも美しい
ジョン・マーク・エインズリー(T)、
イアン・バーンサイド(P)
詩人トマス・ハーディの世界観を音楽に仕立て上げたフィンジの歌曲集は、まさにイギリスらしい抒情と、ときにシニカルな香りに包まれた名品。シューベルトの歌曲にも匹敵する名作を、エインズリーの新しい録音で。
8.570415
バークリー:弦楽四重奏曲第1〜3番
弦楽四重奏曲第1番Op.6、
弦楽四重奏曲第2番Op.15、
弦楽四重奏曲第3番Op.76
マッジーニSQ
バークリーの存在がイギリス音楽の系譜からは微妙に外れているように思うのは、彼が若いころパリで学び、新古典主義の影響を受けたからかもしれません。1935年に書かれた弦楽四重奏曲第1番は、ストラヴィンスキーとバルトークの存在が見え隠れします。1970年に書かれた第3番はそれまで彼が培ってきた作曲技法の全てが注ぎ込まれた力作で、力強い第1楽章に始まり、快活なスケルツォ、続く不気味なレント楽章を経て終楽章に至ります。
8.570416
スタンフォード:室内楽曲作品集
クラリネット・ソナタ、
クラリネットと弦楽四重奏のための“幻想曲第1番&第2番”、
クラリネットとピアノのための“3つの間奏曲”、
ピアノ三重奏曲“困難を克服して栄光を獲得する”・・・世界初録音
ロバート・プレーン(Cl)、
グールド三重奏団、
ミア・クーパー(Vn)、
デヴィッド・アダムス(Va)
近現代英国音楽史の幕開けを告げた、アイルランドの作曲家スタンフォードの室内楽作品集です。ブラームスの影響を受けつつも、アイルランドに伝わる民謡をさりげなく曲に取り入れたバランスの良い作風が魅力の彼の作品は交響曲から合唱曲まで多くの人に愛されています。このアルバムには彼の代表的な室内楽作品(世界初録音となるピアノ三重奏曲を含む)が収録されていて、特に晩年に書かれた“2つの幻想曲”の激しいコントラストには耳を奪われること必至です。
8.570417
フィンジ:カンタータ「ディエス・ナタリス」他
カンタータ「ディエス・ナタリス」
弦楽オーケストラのためのプレリュード
秋(エレジー)
テノールとオーケストラのための2つのソネット(私が考えるとき/時はすぐに)
ノクターン(新年の音楽)
器よさらば
ジェームス・ギルクリスト、
デヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO
あまり耳にする機会はないけれど、一度でも聴いたら心が囚われてしまう…そんな作品を「隠れた名作」を聴きたければ、このフィンジ(1901-1956)の一連の音楽をどうぞ。白く輝く光を帯びたように美しい「ディエス・ナタリス」。これはラテン語で「誕生の日」を意味し、イエス・キリストの誕生を祝したもので「クリスマス」とも訳されます。17世紀の詩人トラハーンの詩を用いた、汚れ無きみどり児を讃える歌は静かに心に染み入ります。ミルトンの詩による「2つのソネット」、そして「武器よさらば」も深い祈りの音楽と言えるでしょう。
8.570418
チャイコフスキー:バレエ組曲「眠りの森の美女」、
「白鳥の湖」、
「くるみ割り人形」(以上4手のためのピアノ編曲版)
ユリア・セーヴルス(p)、
アリーナ・ルシェツチズカヤ(p)
まるで白鳥が美しい娘に変身するように。原曲の持ち味を生かした上で更にデリケートな味わいを見せる各々の曲の何と魅力的なことでしょう!
8.570419
モーツァルト:ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番/第2番/第3番/第4番
ヤチェク・ムズィク(Hrn)、アニエスカ・ドゥチマル(指)ポーランド放送アマデウスCO
ポーランド生まれのホルン奏者、ムズィクは7 歳でピアノをはじめ、10代後半には熟練したジャズピアニストとして活動を始めましたが、18歳の時にフレンチホルンの魅力に取りつかれ、以降ポーランドからジュリアード音楽院に留学、更に研鑽を重ねました。帰国後ポーランド国内で多くのオーケストラで演奏しましたが、とりわけ有名なキャリアはツィメルマンの率いるポーランド祝祭管弦楽団で首席ホルン奏者に選ばれたことでしょう。現在はアメリカに移住、ますますその技巧に磨きをかけています。
8.570420
パロモ:声楽付きの作品集
ソプラノとクラリネット,管弦楽のための「心の歌」
ソプラノとギター,管弦楽のための「シンフォニア・グラナダ」
マリア・バーヨ(S)、
ホセ・ルイス・エステレス(Cl)、
ビセンテ・コベス(G)、
ルイス・ガルシア・モンテーロ(朗読)、
ジャン=ジャック・カントロフ(指)グラナダ市立O
心に沁み入るギター曲と歌曲集が話題となった第1集(8.557135)に続くスペインの作曲家パロモ(1938-)の作品集です。今作は管弦楽を伴う歌曲集で、名歌手バーヨのしみじみとした歌声が一抹の哀愁と清々しさを運びます。アラビア、ヘブライ音楽のメリスマを起源とする独特の歌唱とフラメンコの要素を含む真のアンダルシアの音楽がここにあります。
8.570421
ガスマン:オペラ序曲集
歌劇「重大な夜」序曲/歌劇「鳥を捕える人」序曲
歌劇「哲学と愛」序曲/歌劇「田舎の家」序曲
歌劇「伯爵令嬢」序曲
歌劇「ばかばかしい旅行者」序曲
歌劇「哲学者の愛」序曲/歌劇「職人の恋人」序曲
歌劇「狂人が作り出す多くのもの」序曲
歌劇「漁師の娘」序曲
シルヴィア・アリメナ(指)エクリプスCO
ボヘミアの作曲家、ガスマン(1729-1774)は当時グルックと比肩するほどのオペラ作曲家でした。あのモーツァルトも彼の事を高く評価したと言います。そんなガスマンは、創作の絶頂であったであろう1774年に馬車から落下するという不慮の事故に見舞われ、そのまま45歳の生涯を閉じてしまいます。彼がもしもっと長生きをしたならば、その名声は一層光り輝くものになっていたに違いありません。ここに収録したの序曲はどれも18世紀のオペラの序曲(シンフォニア)の特徴である急-緩-急のパターンに従ったもので、どれも明るく陽気で、美しく、ちょっぴり感傷的。ぜひ全曲を聴いてみたいと思わせる魅力的な作品ばかりです。
8.570425
バラダ:マリア・サビナ他
マリア・サビナ/ディオニシオ
スシ・サンチェス(ナレーター)、
アンヘル・セイツ(ナレーター)、
フェルナンド・テヘドール(ナレーター)、ルロス・ヒッポリト(ナレーター)、
ホセ・ラモン・エンシナール(指)
マドリッド・コミュニティO&cho
20世紀スペインのバルセロナに生まれた作曲家バラダ(1933-)の作品はこれまでもNAXOSからいくつかリリースされ、その強烈な個性は常に聴き手を魅了し続けています。今作は、「聖なるきのこ」を用いて幻視を行い世界の全てを見てしまう呪術師の悲劇をテーマにした「マリア・サビナ」と、1930年代に活躍した詩人ディオニシオ・リドルエホに捧げるカンタータの2編を収録。呪文までをもテキストに用いたアバンギャルドでエスニックな音楽です
8.570428
シマク:弦楽四重奏曲第2&3番他
弦楽四重奏曲第3番「天上の声」
ヴァイオリン・ソロのための「2対のひそやかな声」
ヴァイオリン・ソロのための「独り言I」
チェロ・ソロのための「独り言U」
ヴィオラ・ソロのための「独り言V」
弦楽四重奏曲第2番「ラディウス」
クロイツァーSQ
20代にアルバニアのティラナに赴き、研究生活と音楽活動を行った作曲家シマク(1958-)。彼自身、「その時に触れたその土地の民謡と古謡の数々はその後の創作活動に多大なる影響を与えた」と語るほどです。とは言え、そのメロディを作品中に引用することはなく、特質のみを音楽のイディオムに組み込んだそう。
8.570429
クラーク:管弦楽作品集
ヴァイオリン独奏のための「ペルナンブコ」、ヴァイオリンと弦楽合奏のための「奇跡のヴァイオリン」、ヴァイオリン独奏のための「楼蘭」、管楽アンサンブルのための「サムライ」、トランペット独奏のための「予感」、ヴァイオリンと管楽アンサンブルのための「黒い炎」
クリス・ディヴィス(指)イギリス海兵隊バンド、ピーター・シッパード・スケーヴェド(Vn)、イヴァン・ハッチンソン軍楽軍曹(Tp)
吹奏楽ファンならお馴染み、並外れた音楽性が高く評価されているイギリスの作曲家ナイジェル・クラーク(1960-)の作品集です。彼の音楽は絶えず多くの語法を駆使し、アンサンブルとソリストとの共同作業を要求、刺激的で挑戦的でありつつも、常に奏者と聴衆を満足させるのです。代表作「サムライ」は日本の美意識を根底においた生き生きとした作品。
8.570431(3CD)
ヘンデル:オラトリオ「セメレ」 エリーザベト・ショル(S)、
ユリア・シュミット(S)、
ルフ・ポプケン(C.T)、
ブリッタ・シュヴァルツ(A)、
アネッテ・マルケルト(A)、
クヌト・ショッホ(T)、カドモス,
クラウス・メルテンス(Bs)、
ジョアキム・カルロス・マルティーニ(指)
ユンゲ・カントライ、
フランクフルト・バロック・オーケストラ
人間の姿に身をやつしたジュピター、彼を愛し子を身ごもるセメレ、そして嫉妬するジュピターの妻ジュノー。ジュノーにそそのかされたセメレがジュピターに真の姿を問うた時、彼女はジュピターの雷光に当たって焼け死んでしまうのです。このよくある話(?)にヘンデル(1685-1759)は本当に神々しい音楽を付けました。見事なコロラトゥーラ・アリアと強力な合唱。まさに壮麗です。
8.570434
カラーチェ:マンドリン協奏曲第1番Op.113、
マンドリン協奏曲第2番Op.144、
ナポリ風狂詩曲Op.66、
ポロネーズOp.36、
小妖精の踊りOp.43
アリソン・スティーブンス(マンドリン)、
スティーヴン・デヴァイン(P)
マンドリンを演奏する人なら知らぬ者なしと言われる、ラファエル・カラーチェの作品集です。祖父ニコラが始めたギターの制作を父アントニオが引き継ぎ、リュートとマンドリンの制作で名を馳せたのは19世紀中頃でした。その息子であるラファエルは楽器制作だけでなく演奏家、作曲家としても成功し、世界中にマンドリンを普及させることに成功したのです。ここで聴かれる彼の作品は、まさに"マンドリンのシューベルト"とでも呼ぶような美しいメロディラインを持ったもので、マンドリン特有のトレモロ奏法を存分に生かした胸震わせる音楽です。カラーチェ工房は現在でも最高級のマンドリンメーカーとしての名前を誇っています。マンドリン奏者のアリソン・スティーブンスは、あの一世を風靡した名画「コレリ大尉のマンドリン」で実際の演奏を担当していた名手です。
8.570435
シュヴァルツ=シーリンク:管弦楽作品集
弦楽オーケストラのための序奏とフーガ、
交響曲ハ長調、シンフォニア・ディアトニカ*
ホセ・セレブリエール(指)
シュターツカペレ・ワイマール
同時代の作曲家たちが、競って12音音楽の可能性を探っていた時でも、ドイツの作曲家シュヴァルツ・シーリンク(1904-1985)は調性から目を背けることはありませんでした。例えば1948年に作曲された「序奏とフーガ」での極めて古典的な表情は、聞き手に大いなる安心感をもたらすことでしょう。1963年の作である「交響曲」もまた然り。大編成のオーケストラによる自由な響きは心地良い興奮をもたらしてくれるものです。*は世界初録音
8.570436
ハチャトゥリアン:交響曲第2番ホ短調「鐘」(1943)
.レールモントフ組曲(1959)(抜粋)
ロシアPO
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)

録音2006年11月18-23日ロシア放送TV&ラジオ・カンパニーKULTURA第5スタジオ
ハチャトゥリアン(1903-1978)の2番目の交響曲が構想されたのは1942年のことです が、実際に作曲されたのは1943年の夏でした。当時のロシアは戦争の真っ只中であり、 イヴァノヴォの作曲家組合の隠れ家で暮らしていた彼は、ここに思いの丈をぶつけたので す。そして出来上がった交響曲第2番は、同じ年に書かれたショスタコーヴィチの第8 番のように「怒り」や「戦争と暴力への抗議」といった側面も持っています。初演後、彼 は楽章の入れ替えや、金管の増強、一部短縮など、納得が行くまでこの作品を何度も改訂 し、1946年にはスターリン賞第一席を受賞するという栄誉も受けることとなります。曲 の構成は、重苦しい第1楽章で始まり、ピアノも交えた軽妙でエネルギッシュな第2楽章、 不気味なピアノとパーカッションのオスティナートに支えられた葬送行進曲を思わせる 第3楽章、そして第4楽章は金管の力強いファンファーレで始まり、少しずつ力を増しな がら、最後は鐘の音に彩られながら曲を閉じるという壮大なもの。サブタイトルの「鐘」 は、残念ながらこれは作曲家自身がつけたものではありませんが、曲の特質を良く表して います。「レールモントフ組曲」は“仮面舞踏会”で知られる文豪レールモントフのエピソ ードを、1954年にボリス・ラヴレニョフが劇化。ハチャトゥリアンが音楽を書き、その 後1959年に組曲にしたものです。ワルツを始めとした聞き覚えのあるメロディが耳に残 る、いかにもハチャトゥリアンらしい音楽です。
8.570437
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集 第1集
弦楽四重奏曲 第1番 変ロ短調 Op.4
弦楽四重奏曲 第3番 ニ短調 Op.7
カルペ・ディエムSQ
チャイコフスキーに学び、ラフマニノフとスクリャビンを育てたタネーエフ(1856-1915)。現在では交響曲が良く知られていますが、彼の本領は室内楽、それも作品番号を持つ6 曲の弦楽四重奏と言っても過言ではありません。いずれも作曲家円熟期の作品で、いかにもロシアらしい物憂げな情感に満ちた音楽です。夜更けにしっぽりとお聴きください。
8.570438
チャイコフスキー:歌曲全集第5集
いいえ、一度も呼ばないOp.28No.1/フランス語の歌詞による6つの歌Op.65/おおお前がそうできたらOp.38No.4/返事も言葉も挨拶もなくOp.28No.5/新しいギリシャの歌Op.16No.6/私の甘ったれやさんOp.27No.6/死者の歌Op.38No.5/あなたは私の夢だった/いいえ私の美しさを愛さないで/ハムレットOp.67a(抜粋)/おおその歌をうたっておくれOp.16No.3/私は彼女と一度も話をしなかったOp.25No.5/眠る前に夢見てOp.27No.1/見よ、あそこに雲がOp.27No.2/母は私を産んだのかOp.27No.5/みそさざいOp.28No.2/ドン・ファンのセレナードOp.38No.1
リューバ・カザルノフスカヤ(S)、
リューバ・オルフェノヴァ(P)
チャイコフスキー(1840-1893)の歌曲を全て網羅するというこのシリーズ。なんと聴き手にとって大きな喜びをもたらしてくれるのでしょう。興味深い曲が目白押しですが、とびきり面白いのがトラック10の「新しいギリシャの歌」。この歌では誰もが知っている怒りの日のメロディが効果的に使われています。カザルノフスカヤの歌はますます光り輝いています。
8.570439
ヴォーン・ウィリアムス:クリスマス・キャロル集
クリスマス・キャロルによる幻想曲、クリスマス・カンタータ「この日」
ジャニス・ワトソン(S)、ピーター・ホーレ(T)、スティーヴン・ガッド((Br)、グィルドフォード・コーラル・ソサエティ、聖キャサリン校cho、ヒラリー・デイヴァン=ウェットン(指)RPO
イギリス音楽を知りたければ、まずヴォーン・ウィリアムスを聴け!と言われるほどに彼の作品には英国らしさが詰まっています。特に声楽曲の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいもので、賛美歌をふんだんに用い、独自のオーケストレーションで味付けした華やかな音楽は合唱を聴く喜びをたっぷり味わうことができるでしょう。カンタータ「この日」の冒頭での晴れやかな声の交錯にまず耳を傾けてみてください。
8.570440
リース:ピアノ協奏曲集第3集
ピアノ協奏曲イ短調Op.132「イングランドでのお別れコンサート」
「ルール・ブリタニア」による大変奏曲
序奏と華麗なる変奏曲Op.170
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロット(指)ロイヤル・リヴァプールPO
現在ではすっかり忘れ去られてしまった感のあるリース(1784-1838)の作品ですが、彼が存命だった時代では「作曲家&ピアニスト」として驚くほどの人気があったのです。彼の師であったベートーヴェンとは違い、リースはその生涯の終り近くまでヨーロッパ全土で名手としての知名度を欲しいままにしていました。このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲」は1823年に作曲された彼の第7番目の協奏曲です。1813年からロンドンに住んでいた彼が故郷へ帰るにあたってのステージからの引退表明であり、その前に書かれた「『ルール・ブリタニア』による大変奏曲」と、Op.170の変奏曲もイングランドへのオマージュとなっています。ヒンターフーバーの輝くような美音にも注目してください。
8.570442
J・タヴナー:ピアノ作品集
ゾディアックス/イパコエ/パリン
マンドゥードルス/プラティルパ
2匹の猫へのメモリー
ラルフ・ファン・ラート(P)
長い間、神秘主義と正教会の影響(最近改宗したらしい?)を受けた作品を書き続けているタヴナー(1944-)ですが、彼のピアノ曲はあまり知られていません。2003年の「プラティルパ」が一番規模も大きくタヴナーらしい音に満ちていますが、注目は彼の飼っていた猫マーンドゥからインスピレーションを受けて書かれた「マンドゥードルス」。愛らしい曲ではありませんが、曲の終わりに一瞬だけあのメロディが・・・。
8.570443
ビラ=ロホ:協奏曲集
コンシエルト・プラテレスコ*、
セレナータ#、コンシエルト2(ヴァージョンB)
ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob)*、
アシエール・ポロ(Vc)#、
ニコラス・チュマチェンコ(指)
ソフィア・オルケスタ・デ・カメラ・レイナ
1940年生まれのビラ=ロホ(1940-)は、現代スペインの作曲家のなかでも最もダイナミックな作風の持ち主です。スペイン音楽の伝統をきちんと踏襲しつつ、新しい感覚を溶かしこんだ音は聴き手を不可思議な世界へと誘うのです。ここに収録された3曲の作品はどれもが個性的。コンシエルト・プラテレスコでは名手シェレンベルガーがオーボエを吹いています。
8.570444
フランスのフルート五重奏曲集
トゥルニエ(1879-1951):組曲Op.34
フローラン・シュミット:ロココ様式の組曲Op.84
ピエルネ:自由な変奏と終曲Op.51
フランセ:五重奏曲
ルーセル:セレナーデOp.30
ミラージュ五重奏団[ロバート・エイトケン(Fl)/エリカ・グッドマン(ハープ)/ジャック・イスラエリヴィチ(Vn)/タン・リ(Va)/ウィノナ・ゼレンカ(Vc)]
19世紀の世紀末ほど芸術が爛熟した時代はないと言われますが、芸術の都フランスでもその傾向は顕著でした。作曲家たちは文学と視覚芸術にインスピレーションを得て、独自の半音階主義的な音楽を創り上げていったのです。ここに収録されている作品は、確かにドビュッシーやラヴェルの深淵なる影響を感じさせますが、各々の曲の味わいは微妙に違うものがあり、これらを聴きとることは、まるで波間に散った色紙を拾い集めるような楽しさを味わわせてくれることでしょう。ハープ好きにはたまらないトゥルニエの作品が聴けるのも大きな喜びです。
8.570445
ヴィヴァルディ:宗教音楽全集第3集
マニフィカトRV610/611
サルヴェ・レジナRV617
協奏曲ニ短調「マドリガル風」RV129
ニシ・ドミヌスRV608/キリエRV587
モテト「正しい怒りの激しさに」RV626
カルラ・フータネン(S)
リン・マクマートリー(Ms)、
イヴ・レイチェル・マクロード(S)、
ジェニファー・エンス・モドロ(Ms)、
ケヴィン・マロンアラディア・アンサンブル
ヴィヴァルディ(1678-1741)の宗教音楽全集第3集は、マニフィカトを中心にした選曲です。まるでオペラのアリアを聴くかのような刺激的で力強いソロが散りばめられた表情豊かな作品は、聴き手を圧倒的感動へと導いてくれます。メゾ・ソプラノのマクマートリーの芯の太い美声にも惚れ惚れとしてしまいます。マロン率いるアラディア・アンサンブルの溌剌とした演奏にも感涙に耐えません。
8.570446
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜ニルセ・ゴンザレス
ホセ:ソナタ、
ポンセ:主題と変奏曲と終曲、
バッハ
:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003、
クレルチ:ヴォロで、和音の練習、
 タイの練習、
タレガ
:アデリタ、ソルへのマズルカ
ニルセ・ゴンザレス(G)
2006年のタレガ国際ギターコンクールで第1位を受賞した期待の若手ニルス・ゴンザレス。彼はマドリッドの王立音楽院でホセ・ルイス・ロドリーゴに学び、デュッセルドルフのシューマン音楽院ではホアキン・クレルチから教えを受けています。このリサイタルでは、バッハのソナタを中心に様々な作曲家の作品を演奏したもので、ゴンザレスはギターの持つ可能性を最大限に引き出した、色彩感あふれる音楽を聴かせてくれます。
8.570447
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜アルチョム・デルウォード
ビクタシェフ(1963-):「オルフェウス」〜詩曲*
オレクホフ
(1935-1998):トロイカ変奏曲
ルドネフ(1955-):古いライムの木
コシュキン
(1956-):「王子様のおもちゃ」組曲
アルチョム・デルウォード(G)
新人ギタリストの登竜門、ミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールの2006年度優勝者、アルチョム・デルウォードのデビュー盤です。彼はロシア、ロストフ・ナ・ドヌーに生まれ6歳からギターを始め、数々の世界コンクールにも入賞、すでに高く評価されている期待の新星です。演奏するのはもちろんロシアのギター作品集。トロイカ変奏曲にはとにかく泣けます。*=世界初録音。
8.570449
ダウランド:リュート作品集第3集
男と女/憂鬱なガイヤルド/サー・ジョン・スミスのアルマンド/ラッセル夫人のパヴァーヌ/リッチ夫人のガイヤルド/レイトン夫人のアルマンド/ブリジッド・フリートウッド夫人のパヴァーヌ/ナイト氏のガイヤルドクリフトン夫人のアルマンド/ケイス博士のパヴァーヌ/リール子爵のガイヤルド/ヘンリー・ギルフォード氏のアルマンド/デュランのパヴァーヌ/ダービー伯フェルディナンドのガイヤルド/アルマンド/私のバルバラ/ラウンド・バトル・ガイヤルド/アルマンドト長調/パヴァーヌハ短調/ダニエル・バチェラーのガイヤルド/アルマンドハ短調
ナイジェル・ノース(Lute)
シェークスピアと同時代を生きたダウランドのリュート作品集の第3集です。今回はアルマンド、ガイヤルド、パヴァーヌの3つの舞曲を中心に収録しています。80曲あまりのリュート独奏曲は生前にはほとんど出版されることはありませんでしたが、歌曲との関連性も高く、聴けば聴くほどに味わいが深まる曲ばかりです。「癒しの音楽」としてもおすすめできます。名手ナイジェル・ノースの滋味あふれる演奏で。
8.570450
ペンデレツキ:交響曲第8番「はかなさの歌」、
怒りの日、ダヴィデの詩篇より
ミカエラ・カウネ(S)、
アグニエスカ・レーリス(Ms)、
ヴォイテック・ドラボヴィチ(Br)、
アンナ・ルバンスカ(Ms)、
リシャルド・ミンキエヴィチ(T)、
ヤロスラフ・ブレク(Ms-Nr)、
アントニー・ヴィト(指)ワルシャワPO
、ワルシャワ国立フィルハーモニーcho
この盤が世界初録音となるペンデレツキ(1933-)の交響曲第8番です。19世紀から20世紀のドイツの詩人のテキストに基づいた声楽付きの作品(テクストはドイツ語)で、まるでマーラーの時代に先祖返りしたようなこの曲を、ペンデレツキはどのような思いで書いたのでしょうか?初期の作品「ダヴィデ詩篇より」と名作「怒りの日」との比較も興味深いでしょう。2007年3月に事故死したバリトン、ドラボヴィチを偲んで…。
8.570451
パーソンズ:第一の大礼拝・死者への応答
マニフィカト、
第一の大礼拝より「ヴェニテ」、
第一の大礼拝より「テ・デウム」、
死者への応答より「日々罪を犯す私を」、
第一の大礼拝より「ベネディクトゥス」、
死者への応答より「リベラ・メ・ドミノ」、
第一の大礼拝より「クリード」、
死者への応答より「わが贖い主は生きたまう」、
第一の大礼拝より「マニフィカト」、
第一の大礼拝より「ヌンク・ディミティス」、
アヴェ・マリア
バーナビー・スミス(指)
ヴォーチェ・カンタービレス
16世紀のイギリスの音楽家、R・パーソンズの生涯はほとんど知られることがありません。わずかな手掛かりはバードの前任者としてリンカーン主教座聖堂オルガニストの地位にあったこと、40半ばでこの世を去ったこと、そしてこのような美しい合唱作品を残したことでしょうか。彼の作品で唯一知られるのは、このアルバムの最後に収録された「アヴェ・マリア」ですが、このCDのリリースによりパーソンズの評価は見直され、ルネサンスの偉大なる作曲家へと列記されるでしょう。
8.570452
カルウォヴィチ:交響詩集第1集
スタヌスラフとアンナ・オシュヴィエチモヴィエOp.12、
リトアニア狂詩曲Op.11、
仮面舞踏会のエピソードOp.14
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワP
思いがけない事故に巻き込まれ、32歳の若さでこの世を去ってしまったポーランドの作曲家カルウォヴィチ(1876-1909)。近年評価が高まりつつあり、この傑出した才能の片鱗に触れれば触れるほど、その無念さが伝わるようで胸が痛くなります。このアルバムには彼の早すぎる晩年を彩る6つの交響詩の中から3曲を収録。多彩で想像力豊かな、音によるファンタジーをお聴きください。
8.570453
バッハ:ソプラノ独唱のための宗教カンタータ集
「いつわりの世よ、われ汝に頼らず」BWV52
「我はわが幸いに心満ちたり」BWV84
「わが心は血にまみれ」BWV199
「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」BWV51
シーリ・カロリーン・ソーンヒル(S)
ケルン・バッハ・ヴォーカル・アンサンブル
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
バッハの200ほどの教会カンタータの中でもとりわけ有名な「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」を含む4曲のソプラノ独唱のためのカンタータです。これらの作品は歌い手の美声を味わうとともに、実はソロ・トランペットの妙技を心行くまで堪能する曲でもあり、また、ヴァイオリン、ヴィオラ、オーボエの美しいオブリガードを聴く曲でもあります。シーリ・カロリーン・ソーンヒルはイギリス生まれのノルウェイのソプラノ歌手。すでにクイケンを始めとした多くの指揮者とのバッハのカンタータや、ブラームスのドイツ・レクイエムなどの録音で高い評価を受けています。透き通った湧水のような清冽な歌声です。
8.570454
レーガー:オルガン作品集第9集
「国王万歳」による変奏曲とフーガ
12の小品Op.65〜第1番-第6番
コラール前奏曲
コラール幻想曲集Op.40〜第2番「主よ汝の怒りにてわれを罰するなかれ」
ジョセフ・スティル(Org)
※トリーア教会ジョハネス・クライス・オルガン
驚くほどにカッコ良く始まる「国王万歳」は1900年頃に書かれた曲。恐らく、ヴィクトリア女王の長女であるヴィクトリア(ドイツ皇帝フリードリヒ3世妃)の60歳の誕生日記念として出版社から作曲を依頼されたようで、スコアには英語とドイツ語の両方のタイトルが付されています。1902年頃に書かれた12の小品は、オルガンの機能を目一杯に使って書かれており、精緻な響きに感嘆するばかりです。作品番号のないコラール幻想曲での瞑想的な美しさ、Op.40での弱音の保持など、オルガン好きにはたまらない曲ばかりです。
8.570455
レーガー:オルガン作品集第8集
コラール幻想曲「われらが神はかたき砦」Op.27
12の小品Op.80〜第7番スケルツォ嬰へ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第11-16番
12の小品Op.80〜第8番ロマンスイ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第17-23番
ロマンスイ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a〜第24-30番
前奏曲とフーガ嬰へ短調
序奏とパッサカリアニ短調
マルティン・ヴェルツェル(Org)
曲だけ聴いていると敬虔な人物を彷彿させるレーガー(1873-1916)ですが、実はかなり荒っぽい性格で、大食い、大酒飲み、喧嘩好きだったとされています。カトリックの教会でプロテスタントのコラールを演奏したりと、なかなかやんちゃな事ばかりしていて顰蹙を買うのも好きだったという彼、作品も至極複雑怪奇。しかし一度はまれば抜けだせない音楽です。
8.570456
シューマン:ロマンスとバラード 第1集Op.67、ロマンスとバラード 第2集Op.75、ロマンス第1集 Op.69、ロマンスとバラード第3集 Op.145、ロマンスとバラード第4集 Op.146、ロマンス第2集 Op.91 マーク・ミヒャエル・デ・スメト(指)アクアリウス
自らも合唱団を指揮し多くの合唱のための作品を書いたシューマン(1810-1856)ですが、現在でも良く知られているのは初期に書かれた「流浪の民」1 曲ではないでしょうか?ここに収録されているのは中期から晩年の作品で、重厚なロマンティシズムと深い静けさと説得力を持った通好みの曲が並んでいます。よく噛みしめて聴くとその魅力がじわじわ浸みて来るはずです。
8.570457
カタルーニャ地方のピアノ曲集
モンポウ(マソ編):歌と踊り 第13番、ヴィニェス:ヴェルレーヌ〜ひそやかに、ルエラ:祝祭ファンファーレ、モンサルヴァーチェ:ディヴェルティメント第2番、グラナドス:マズルカ、ニン=クルメル:3つのトナーダ 第2番、4 番、6番、マッシア:黒い池、ブランカフォルト:綱渡りのポルカ、アルベニス:舟歌、マラツ:スペイン風セレナーデ、グリニョン:魚たちの修道院、ヴィニェス:亡霊のようなメヌエット、マッシア:スケルツォ、セッラ:子守歌 モレーラ:踊り 第1番、ゲルハルド:2つのスケッチ、グラウ:舟歌、ゴルス:遠くで花開くアーモンドの木、サマコイス:サルダーナ、モンポウ:前奏曲 第12番
ホルディ・マソ(P)
カタルーニャと聞くと何を思い浮かべるでしょう? バルセロナ、ガウディ、音楽好きの人なら、カザルス、そして鳥の歌・・・・ しかしこの地方には、まだまだ素敵な音楽がたくさんあります。モンポウ、グラナドスをはじめとした作曲家による多彩なピ アノ曲はどれもが楽しく情熱的な思いを秘めています。自らも大ピアニストであったヴィニェスの珍しい作品にも注目です。
8.570458
デュロン:歌曲集
こちらにおいで、デヤーニラ/悪賢いキューピッド/愛に酔う少女/私、私がいる/これは何?裏切り?/愛してるジレタ/オルガン作りのソロ/あなたが望むなら愛して/4 月に花が咲くと/話していないと迷ってしまう/心よあなたはため息をつかない/優しい影に/火よ火よ、水よ水よ!/休ませて、休ませて/彼らのための威厳の歌/私が羊飼いの女ですから/優しいガラス/天よ、私は悲痛です/ああこの愛は私のもの
アラケル・アンドゥエサ(S)、マニュエル・ヴィラス(ダブル・ハープ)
中部スペインで生まれたデュロン(1660-1760)。若き頃の経歴は良くわかっておりませんが、才能ある若者であったことは想像に難くありません。オルガニストとして20 歳になる前にいくつかの重要なポストを与えられ、作曲家としても功績を残しました。このアルバムには16 の世俗歌曲、イタリア風の世俗カンタータからの1 曲、聖餐式のための2曲が収録されています。アンドゥエサの澄み切った歌声に心洗われます。
8.570459
グラウプナー:ハープシコードのためのパルティータ集
パルティータイ長調、
パルティータハ短調、
チャコーナイ長調、パルティータへ短調「冬」
芥川直子(ハープシコード)
バッハと同時代の作曲家、グラウプナー(1683-1760)はハープシコードの名手でした。彼は1723年に(バッハをさしおいて)トーマス教会のカントル職に選任されたのですが、彼の主君が手放さなかったため、その職はバッハのものになったと言われています。作曲家としては11の歌劇や100曲を超えるシンフォニアなど多数の作品を書きましたが、その多くは忘れ去られてしまいました。とはいえ、ここで聴ける壮大なる作品、とりわけ派手なチャコーナは多くの鍵盤作品の中でも最も素晴らしいものの一つです。
8.570460
スヴェインビョルンソン:牧歌、舞曲、
ピアノ三重奏曲イ短調*、
叙情小品集*、ピアノ三重奏曲ホ短調、
ヴァイオリン・ソナタヘ長調、舟歌ヘ長調
アウドゥール・ハフスタインスドーティル(Vn)、
シクルトゥール・ビャルキ・グンナルソン(Vc)*、
ニナ・マルケルト・グリムスドッティル(P)
スヴェインビョルンソン。あまり名前になじみはありませんが実はアイスランドの国歌を作曲した人物で、アイスランド作曲家の第一人者として讃えられています。ここに収録されたピアノ曲と室内楽曲は、彼の個性が良く表れたもので、同時代の音楽を敏感に反映し、繊細なタッチでデリケートな心象風景を描いています。2007年作曲家生誕160周年記念の録音です。
8.570461
アイアランド:ピアノ作品集第3集
ピアノ・ソナタ/独白
前奏曲第1番「低い音」
前奏曲第2番「妄想」
前奏曲第3番「聖なる少年」
前奏曲第4番「春の炎」
アーモンドの木/誕生日の朝に
緑の道(桜の木/いとひば/5月の椰子)
記憶のために/アンバレーの荒ぶる小川
昼と夜が同じ長さの日
春が待てない/ロンドン・ナイトのバラード
ジョン・レネハン(P)
20世紀のイギリス・ピアノ作品の中でも、とりわけ愛好家が多いのがこのアイアランド(1879-1962)の音楽です。文学への傾倒、異なる宗教への憧憬(中でもケルト神秘主義への関心の高さは目をひきます)。そして愛の道行きへの甘く苦しい思い。これらが入り混じった不思議な感情をオブラートで包んだ品の良い音楽です。ナイジェル・ケネディとの共演やジャズ演奏でも評価されるレネハンの説得力ある演奏で。
8.570462
リャプノフ:ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.61
交響曲第1番ロ短調Op.12
マキシム・フェドトフ(Vn)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
ピアノ協奏曲では、リストの面影を引きずっていたリャプノフ(1859-1924)ですが、1915年に作曲され1921年に改訂されたヴァイオリン協奏曲では一転、ロシアの郷愁を前面に出した壮大で抒情的な作品を書いています。フェドトフが鳴らす豪華なソロ・パート。甘美な第2主題、4分にも渡るそして強烈なカデンツァ。これを聴いて魅了されずに済む人がいるのでしょうか?もう一つの交響曲第1番は1887年に完成された曲で、まだバラキレフの影響が見られるものの、刺激的で堂々たる楽想を持つ雄大な作品です。
8.570463
ハチャトゥリアン:チェロ協奏曲ホ短調
チェロと管弦楽のための「コンチェルト・ラプソディ」
ドミートリー・ヤブロンスキー(Vc)
マキシム・フェドトフ(指)モスクワ市SO
ハチャトゥリアン(1903-1978)はこのチェロ協奏曲の他にも、ピアノとヴァイオリンのためにも協奏曲を1曲づつ書いています。この2曲は全体的に旋律美に溢れ躍動的な作品であるためか人気が高いのですが、1846年に作曲されたチェロ協奏曲は、ハチャトゥリアンが心血を注いだ作品であるのにもかかわらず、現在ではあまり演奏されることがありません。どうしても戦時の不安定な空気を反映しているせいか、全体的に重苦しく、オーケストラの華やかさも少々控えめになっているようで、確かに「剣の舞」のような絢爛豪華な音色を求める人にはちょっと物足りなく思えるのかもしれませんが、休みなく動き回るチェロの活躍ぶりと、丁寧に書かれたオーケストラ部分を味わってみると、やはりこの曲が20世紀を代表するチェロ協奏曲であることに異論を唱えることは不可能でしょう。1963年に作曲された「コンチェルト・ラプソディ」は名手ロストロポーヴィチに献呈されたもので、こちらは突き抜けたかのようなチェロの妙技をたっぷり堪能できる曲になっています。現代の名手ヤブロンスキーの燃えるような熱い演奏で。
8.570464
アルウィン:ピアノ作品集第2集
12の前奏曲/狩人の月
2つのアイルランド風の小品
コンテス・バルバレス(ポール・ゴーギャンへのオマージュ)
シンデレラ/睡蓮/夜の考え/動き
アシュリー・ウェイス(P)
ピアノ曲に対するアルウィン(1905-1985)のアプローチは基本的にロマン派のそれ。ドビュッシー、ラヴェルにおける印象主義と、リストやラフマニノフにおけるピアノ音楽の伝統を受けつつ、その上に彼らしい新たな表現を盛り込んだものです。若きピアニストの不慮の死を悼んで書かれた曲(トラック5)はまるでブラームスのように静謐な美しさを湛え、「狩人の月」はあのグレインジャーのように親しみ易さたっぷり。他にも彩り豊かな作品が並びます。
8.570465
リフレクションズ
スリーパー(1956-):トランペット協奏曲、
マスランカ(1943-):交響曲第3番〜交響的管楽アンサンブルのための
ギャリー・D・グリーン(指)
マイアミ市フロスト管楽アンサンブル、
クレイグ・モリス(Tp)
この2人の作曲家の名前は吹奏楽ファンには既におなじみでしょう。指揮者、作曲家として活躍するスリーパーの音楽は、「しばしば不可解」「豊かで抒情的」と評されます。このトランペット協奏曲は快活で技巧的。縦横無尽に動き回るトランペットには息を飲むばかりです。マスランカ作曲の「管楽アンサンブルのための交響曲第3番」はロッキー山脈やインドの風景が反映されているという色彩豊かな曲です。
8.570466
リスト:ピアノ曲全集第28集
ベートーヴェン:交響曲第9番リスト編曲による(2台ピアノ版)
:レオン・マッコーリー(第1P)、
アシュリー・ウェイス(第2P)
オーケストラの演奏を今のように気軽に聴くことのできなかった当時は、さまざまな作品がピアノ独奏や4手ピアノのために編曲されたものです。とは言え、このベートーヴェンの大作は合唱が入ることもあり、そうそう編曲の俎上に載せられるものではありませんでした。リスト(1811-1886)はピアノ独奏版とこの2台ピアノ版でこの曲を再構築しましたが、まあとにかく音が多い!終楽章などまさに音の激流です。そのせいでもないでしょうが、ある1か所で1小節省いてあるのはリストの遊び心なのでしょうか?
8.570467
英国歌曲集シリーズ第18集〜アイアランド:歌曲集
素晴らしきもの
トーマス・ハーディの詩による3つの歌
海熱/サン・マリーの鈴/放浪者
サンタ・キアーラ/あいびき(噴水のある庭で)
音楽の間に/マリーゴールド
私は12匹の雄牛を持っている
私たちは森に
トーマス・ハーディの5つの詩/代価
私の命が終わる時親しい人よ
サリー・ガーデン/すべてそして緩く
もしも売ることのできる夢があれば
ロデリック・ウィリアムス(Br)、
イアン・バーンサイド(P)
イギリスの品の良さを一身に集めたかのような美しい作品を残したアイアランド(1879-1962)。とりわけ管弦楽作品が良く知られていますが、彼の残した91曲の歌曲も、ほどよく抑制された表現の中に苦しく甘い切なさを感じさせる美しいものに満ちています。アンコールピースとして知られる「海熱」や素朴な「彼女の歌」など味わい深い歌ばかり。ウィリアムスの端正な歌声もはまっています。
8.570468
スカルラッティ:鍵盤音楽全集第11集 ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
8.570469
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第7番イ短調Op.9、ヴァイオリン協奏曲第10番変ロ短調Op.19
ヴァイオリン協奏曲第13番嬰へ短調/イ長調遺作
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)、
ニコラ・パスケ(指)
南西ドイツ放送カイザースラウテルンO
ボルドーで調香師の息子として生まれたローデ(1774-1830)は、幼い頃から卓越した音楽の才能を示し、13歳の時にパリへと上京し名ヴァイオリニスト、ヴィオッティの弟子となります。今は、彼の名前はヴァイオリンの練習曲を作曲した人としてのみ知られていますが、実はこんなに美しい協奏曲も書いていました。ローデ自身は演奏の際ポルタメントを多用し、まことに美しい音を奏でていたと言います。ちなみに若き名手、五島龍氏が現在使用しているヴァイオリンは、このローデが愛奏していたストラディヴァリウス「エクス・ピエール・ローデ」(1715年作)です。
8.570470(2CD)
バッハ:リュート=ハープシコードのための音楽集
組曲ト短調BWV995(BWV1011からの編曲)、
組曲ホ短調BWV996、
組曲ハ短調BWV997、
前奏曲,フーガとアレグロ変ホ長調BWV998、
前奏曲ハ短調BWV999、
フーガト短調BWV1000(BWV1001/iiからの編曲)、
組曲ホ長調BWV1006a(BWV1006からの編曲)、
ソナタニ短調BWV964(BWV1003からの編曲)、
変奏を伴うサラバンド
エリザベス・ファー(リュート=ハープシコード)
このリュート=ハープシコード(ラウテンクラヴィーア)は、ハープシコードにリュートの弦(ガット弦)を張った楽器と言われています。バッハ(1685-1750)が愛奏し、2台所有していたと文献には残っていますが、楽器が現存しない以上詳しいことはわかっておりません。この録音はその文献に基づいてキース・ヒルが復元した楽器を用いています。ふくよかな響きに耳を奪われます
8.570472
(2CD)
ダングルベール(1629-1691):ハープシコードのための組曲
組曲第1番ト長調/組曲第2番ト短調
組曲第3番ニ短調/組曲第4番ニ長調
エリザベス・ファー(ハープシコード、リュート=ハープシコード)
ダングルベールは17世紀に活躍したオルガニスト。ルイ14世にも仕えた人で、フランスにおけるクラヴサン奏法の確立者としても知られています。このアルバムは彼の代表作を収めたものです。前作のバッハが発売されるや否や、大評判となったリュート=ハープシコードの音色再び。今回は曲によってはハープシコードでも演奏されているので、一層その音色の特質が際立ちます。
8.570474
J・C・バッハ&J・C・F・バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲集
J・C・F・バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲イ長調YC91*、
J・C・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲ニ長調Op.13-2C63、
J・C・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲変ロ長調Op.13-4C65、
J・C・F・バッハ
:鍵盤楽器のための協奏曲変ホ長調YC90*
ザ・ミュージック・コレクション[スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ&指)、サイモン・スタンデイジ(Vn)、ニコレッテ・ムーネン(Vn)、トレヴァー・ジョーンズ(Va)、ジェニファー・ウォード・クラーク(Vc)]
大バッハの才能ある2人の息子たち、五男ヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732-1795)と末子ヨハン・クリスティアン(1735-1782)の作品集です。何と優美で上品、そして躍動的な作品群でしょう!このアルバムを聴けば誰もがそう感じるに違いありません。どちらかと言うと、クリスティアンの方が高く評価される傾向があるようですが、この4曲を聴く限り、作品に甲乙を付けることは不可能でしょう。(*は以前はJ・C・バッハの作とされていました。)
8.570475
クレメンティ:初期ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタハ長調Op.20
ピアノ・ソナタヘ長調WoO3
ピアノ・ソナタ変ホ長調Op.6-2
ピアノ・ソナタ変ロ長調Op.9-1
ピアノ・ソナタヘ長調Op.13-5
スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ)
フランスの宮廷音楽家として活躍したクレメンティ(1752-1832)は、モーツァルトのライバルとして知られ、また彼の初期のソナタは若いベートーヴェンに強い影響を与えました。当時のピアノ音楽の発展に寄与し、後のロマン派へと繋ぐ重要な作品を多く書き、それらの曲に見られる程良く駆使された技巧は、ピアノを学ぶ若き人たちの指の訓練としても重要な役割を担っています。この第3集には5曲のソナタを収録。演奏しているのはニューヨーク生まれの鍵盤奏者、アレクサンダー=マックス。彼女はフォルテピアノとクラヴィコードの演奏家として国際的な名声を得ており、世界中の教育機関で若い才能を指導していることでも知られる名手です。彼女による絶妙なプログラミングは、全ての曲を関連付け、実に興味深く聴かせてくれています。
8.570476
J.C.バッハ:鍵盤の為のソナタ集Op.5
ソナタ変ロ長調 Op.5-1 W.A1
ソナタニ長調 Op.5-2 W.A2
ソナタト長調 Op.5-3 W.A3
ソナタ変ホ長調 Op.5-4 W.A4
ソナタホ長調 Op.5-5 W.A5
ソナタハ短調 Op.5-6 W.A6
スーザン・アレクサンダー=マックス(クラヴィコード…1785年頃ヨハン・ヤコブ・ボーデヒテル製をベースに2006年ペーター・バヴィントンが製作)
J.S.バッハの第11子であるヨハン・クリスチャン(1735-1782)。彼が活躍したのは、もう前古典派と呼ばれる時代であり、ポリフォニー全開の父の頃とはかなり違う音楽が流行していたのでした。ギャラント様式、すなわち、複雑な対位法よりも明晰な音楽が好まれた時代であり、流麗な旋律とシンプルな和声を用いて書かれたこのJ.C.バッハの作品もそのまま若きモーツァルトに影響を与えたことは間違いありません。当時の楽器をモデルにしたフォルテピアノの想像以上に力強い音色が心に残ります。趣味の良い音楽とは、まさにこういうものでしょう。
8.570480
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第22集〜感傷主義の詩人たち第5集
泉のほとりの若者D.300、秋の夕べD.405、遠く去った人D.350、静かな国へD.403(第1稿)、
静かな国へD.403(第4稿)、漁夫の歌D.351(第1作)、耕す人の歌D.392、漁夫の歌D.562(第2作)、
秋の歌D.502、調和に寄せるD.394、隠遁所(第1作)D.393、秋の夜D.404、ハープとの別れD.406
、隠遁所(第2作)D.563、少年時代の喜びD.455、君の姿D.155、秘められた恋D.922、
春の神D.448、眠りに寄すD.447、よき羊飼いD.449、夜D.358、クローエに寄すD.363、愛の神々D.446
ヤン・コボウ(T)、
ウルリッシ・アイゼンロール(フォルテピアノ)
「感傷主義の詩人たち」のシリーズを締めくくる第6巻です。シューベルト(1797-1828)の時代には、多くの名詩人の詩作が本などの印刷物によって流布していたため、シューベルトも歌の材料に事欠くことがありませんでしたが、このシリーズ約130曲の歌の中には同じ詩を用いて2曲、3曲と書いたものもいくつか見られます。多くは単純な有節歌曲ですが、そこはさすがシューベルト。一見単純に見える曲の中にも微妙な変化を持たせ、まことに美しい作品を作り上げています。今回若々しい歌唱を聴かせるのは名テノール、ヤン・コボウ。素朴なフォルテピアノの音色に溶けあう柔らかい歌声と柔軟な表現力が素晴らしいです。
8.570481
ハイドン:2台のリラ・オルガニザータのための協奏曲集〜2つのリコーダー,2つのフルート,フルートとオーボエに編曲
協奏曲ハ長調Hob.VIIh:1(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)
奏曲ト長調Hob.VIIh:2(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ト長調Hob.VIIh:3(2つのフルート、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:4(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)
協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:5(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)
ダニエル・ロテルト&フィリップ・シュペートリンク(リコーダー)
ブノワ・フロマンジェ&インゴ・ネルケン(Fl)
クリスティアン・ホンメル(Ob)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルン室内O
ハーディ・ガーディに似た小型のオルガンである(手で円盤を回してこすり、鍵盤で音程を変える)リラ・オルガニザータのた めに書かれた5つの協奏曲は、この楽器が忘れ去られてしまったため、現在ではソロ・パートを他の楽器に置き換えて演奏す ることがほとんどです。このアルバムではフルートやリコーダー、そしてオーボエによって演奏されていますが、原曲の味わ いを損なうことは全くなく、むしろ新たな魅力を与えていると言っても過言ではないでしょう。
8.570482
ハイドン:協奏曲集
ホルン協奏曲第1番ニ長調Hob.XVIId:3、
ハープシコード協奏曲ニ長調Hob.XVIII:2、
ヴァイオリンとフォルテピアノのためのニ重協奏曲ヘ長調Hob.XVIII:6、
トランペット協奏曲変ホ長調Hob.XVIIe:1
ドミトリ・ババノフ(Hrn)、
ハラルド・ヘーレン(ハープシコード、フォルテピアノ)、
アリアドネ・ダスカラキス(Vn)、
ユルゲン・シュースター(Tp)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)、ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の協奏曲の中でもとりわけ有名なトランペット協奏曲、高度な技巧を要求するホルン協奏曲、オルガンでも演奏されるハープシコード協奏曲、そしてハイドンの唯一現存する二重協奏曲と、このアルバムもハイドン好きにはたまらない内容となっています。もちろん演奏は抜群の出来。各々の奏者たちを重鎮ミュラー=ブリュールがきりっと締めています。
8.570483
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲ハ長調Hob.VUa:1
ヴァイオリン協奏曲イ長調Hob.VUa:3
ヴァイオリン協奏曲ト長調Hob.VUa:4
アウグスティン・ハーデリッヒ(Vn)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の作品の中でも、トランペットやピアノ、チェロに比べてあまり人気のないのがこのヴァイオリン協奏曲でしょう。エステルハージ宮廷楽団の奏者トマジーニのために書かれた作品で、なかなか凝った節回しがあちらこちらにあり、爽快さと心地良さが駆け巡る楽しい曲ばかりです。この演奏は、重鎮ミュラー=ブリュールと1984年生まれの若手ヴァイオリニスト、ハーデリッヒの競演で弾むヴァイオリンをしっかり包み込む管弦楽の響きは極上です。
8.570485
ハイドン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第3番ヘ長調Hob.XVIII:3
ピアノ協奏曲第11番ニ長調Hob.XVIII:11
ピアノ協奏曲第4番ト長調Hob.XVIII:4
ピアノ協奏曲第9番ト長調Hob.XVIII:9
セバスティアン・クナウアー(P)、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
コロンCO
1971年ハンブルク生まれのピアニスト、セバスチャン・クナウアーは4歳でピアノを始め、アントルモン、シフ、エッシェンバッハ、ワイセンベルクなど錚々たるピアニストに教えを受け、13歳でオーケストラと初共演、以降世界各地でコンサートを行なっている俊英です。すでに多数のCD録音もありますが、NAXOSレーベルではこのハイドン(1732-1809)が初となります。重鎮ミュラー=ブリュールのサポートを受け、伸び伸びとした輝かしい音色で4曲の協奏曲を弾ききっています。
8.570486
ハイドン:鍵盤楽器のための協奏曲集
オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:1/ハープシコード協奏曲ハ長調Hob.XVIII:5/オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:8/ハープシコード協奏曲ヘ長調Hob.XVIII:7/オルガン協奏曲ハ長調Hob.XVIII:10
ハラルド・ヘーレン(Org)、ケティル・ハウサンド(Cemb)、ヘルムート・ミューラー=ブリュール(指)ケルンCO
ハイドン(1732-1809)の協奏曲の中でもとびっきりの多彩さを有しているのが、これらの鍵盤楽器のための作品でしょう。同時代のJ.C.F.バッハのロココ風趣味を併せ持つもの、モーツァルトのピアノ協奏曲に比肩する規模の大きいものなど汲めど尽きぬ魅力のある曲ばかりです。ここではハープシコード協奏曲とオルガン協奏曲を収録しました。第5番を除いては、どちらの楽器で演奏しても良いと指定されているこれらの曲ですが、オルガンをここまで軽やかに演奏するのは難易度が高いだろうな。と想像してしまいます。
8.570487
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第5番他
無窮動ハ長調Op.11
ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調(管弦楽パート…F.モンペリオ編)
ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲Op.13
イワン・ポチョーキン(Vn)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO

録音:2011年8月28-31日、2007年10月13-17日 モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」,第5スタジオ
19世紀前半、彗星の如く現れたスター・ヴァイオリニスト、パガニーニ(1782-1840)。悪魔に魂を売り渡したと噂される伝説的な超絶技巧の持ち主であり、優れた作曲家でもありました。その華麗な作品は同時代のみならず、後世にも強い影響を与えています。生涯に6曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しましたが、1830年頃に書かれたとされる第5番の協奏曲には独奏部分のみが現存しオーケストラ・パートはありませんでした(完成前にパガニーニが死亡したのでは?と言われています)。イタリアの音楽学者フェデリコ・モンペリオ(1908-1989)によるオーケストラ伴奏は、ヴァイオリンの輝く音色を存分に引き出しています。ヴァイオリンを演奏するポチョーキンは、1987年モスクワ生まれの超新星。7歳でオーケストラと共演、2005年にはモスクワ・パガニーニ国際コンクールで優勝するなどの輝かしい実績をあげている期待の人。たっぷりとした濃厚な歌い口は昨今のスタイリッシュな演奏とは一線を画したものと言えるでしょう。
8.570488
メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲第1番&第2番
弦楽五重奏曲第2番変ロ長調Op.87
弦楽五重奏曲第1番イ長調Op.18
メヌエット(弦楽五重奏曲第1番の初稿版第3楽章)
ファイン・アーツSQ
早熟の天才、メンデルスゾーン(1809-1847)はわずか17歳で、あの有名な「真夏の夜の夢」の序曲や、この弦楽五重奏の第1番を書き上げました。そしてその19年後(これは彼の死の2年前です)には第2番が作曲されました。どちらの曲も驚くほど豊富なメロディに満ちています。当初1番にはアンダンテがなかったのですが、彼の師であるリーツの死を悼み急遽第2楽章を作曲、本来の第2楽章を第3楽章にずらし、本来の第3楽章メヌエットが削除されました。当盤にはそのメヌエットもしっかり収録されています。
8.570489
フローラン・シュミット:ピアノ五重奏曲Op.51
トゥールダンシュにOp.97
ベルリン・ソロイスツ・アンサンブル
[ビルギッタ・ヴォーレンウェバー(p)、マティアス・ウォロング(第1vn)、ペトラ・シュヴィーガー(第2vn)、ウルリヒ・クネルツァー(va)、アンドレアスグリュンコルン(vc)、マティアス・ベッカー(ob)、リヒャルド・オベルマイヤー(cl)、フランク・ホルスト(fg)]
1901年から1908年に書かれた「ピアノ五重奏曲」は初期の作品だけあって、まだ先人の影響がかなり大きく感じられます。とはいえ、冒頭の厚いピアノの響きとともに立ち上がる不安な旋律は彼ならではのもの。湿り気を帯びた弦の響きに耳を傾けていると、1分50秒あたりから現れるピアノの独奏メロディが泣かせます。更に美しいのが第2楽章。作曲家自身も気に入っていたこの楽章、月の光の中で咲く青い花を思わせる耽美な曲。まさに印象派の音楽です。その40年後に書かれた「トゥールダンシュに」は、彼の特徴である神秘的な作風は影をひそめていますが、程良いユーモアと、抒情的な気分、そして情熱が混在するプーランクを思わせる名曲です。
8.570491
ル(1869-1960):弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第1番「マオリ」
弦楽四重奏曲第2番「マオリ伝説の4つの場面」
弦楽四重奏曲第3番「謝肉祭」
ドミニオンQ
オーストラリアに生まれたヒルは、生涯を欧米以外で過ごしたせいかマイナーな存在ですが、その音楽はドヴォルザークを思わせる美しい抒情に満ちあふれ、どうしてこんな曲が埋もれているのかと驚くほど。ぜひこの一枚で、ブームを巻き起こしてください。
8.570492(2CD)
ローマン:12のフルート・ソナタ集
ソナタ第1番ト長調
ソナタ第2番ニ長調
ソナタ第3番ハ短調
ソナタ第4番ト長調
ソナタ第5番ホ短調
ソナタ第6番変ロ短調
ソナタ第7番ト長調
ソナタ第8番イ長調
ソナタ第9番ハ長調
ソナタ第10番ホ短調
ソナタ第11番ト短調
ソナタ第12番ト長調
ヴェレーナ・フィッシャー(フラウト・トラヴェルソ)
クラウス=ディーター・ブラント(バロックVc)
レオン・バーデン(Cemb)
ヘンデルと同時代のスウェーデンのヴァイオリニスト、作曲家ローマン(1694-1758)(ルーマンとも表記される)のフルート・ソナタ集です。彼は若い頃と壮年期にイギリスとオーストリア、ドイツに旅行し、ヘンデルのオーケストラでヴァイオリンを弾くなど当時のヨーロッパの音楽を学んだ人です。帰国後は宮廷楽団を指揮、ヘンデルの影響を受けた音楽を数多く作曲、演奏しました。この12曲のフルートソナタは極めて優美で洗練された様式美を持った美しい作品です。
8.570494
ブクステフーデ:声楽作品集第2集
カンタータ「新たに生まれし御子」BuxWV.13、
カンタータ「主は我と共にありせば」BuxWV.15、
カンタータ「まことに彼はわれらの悩みを担いたもう」BuxWV.31、
カンタータ「汝らが言葉と行いで示すすべてを」BuxWV.4、
マニフィカトBuxWV.追加1
ヨハン・ロイター(Bs)、
エッベ・ムンク(指)
コペンハーゲン・ロイヤル・チャペルcho、
デュファイ・コレクティヴ
オルガン作品で知られるブクステフーデですが、声楽作品も120曲以上残しています。それらのほとんどがプロテスタントの宗教曲であり、作曲技法も曲によってかなり異なるものです。声楽コンチェルト、アリア、コラールの3種に分類されるのですが、どれも歌詞の意味を大切に保ち楽器と声の調和を完全なものとして構成されているのが見事です。
8.570496
ティペット:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第1番イ長調
弦楽四重奏曲第2番嬰ヘ長調
弦楽四重奏曲第4番
ティペットSQ
8.570497
ティペット:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第3番(1945-46)
弦楽四重奏曲第5番(1990-91)
ティペットSQ[ジョン・ミルズ(第1Vn)/ジェレミー・アイザック(第2Vn)/マキシン・ムーア(Va)/ボツィダール・ヴコティク(Vc)]
同じ団体による第1集(8.570496)をお聴きになった方ならおわかりの通り、この第2集もすばらしい出来栄えです。ティペット(1905-1998)にほれ込み、団体の名前に据えてしまうほどの若きイギリスの演奏家たちによるこの第3番と第5番の弦楽四重奏曲は、どちらもティペットが敬愛していたベートーヴェンの影響が見てとれます。後年のティペットに見られるような劇的な作風ではなく、ソナタ形式に基づき、要所要所で対位法を用いた、ある意味古典的なフォルムを用い、そこに現代的な味付けを施したこれらの曲は20世紀の室内楽作品の中でも極めて重要な作品として数えられることでしょう。
8.570499
L.モーツァルト:おもちゃの交響曲
シンフォニアト長調(EisenG8)
ベルヒテス・ガーデンの音楽「おもちゃの交響曲」
シンフォニアニ長調(EisenD15)
シンフォニアイ長調(EisenA1)
シンフォニアト長調「新ランバッハ交響曲」
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
昔はハイドンの作品として親しまれていた「おもちゃの交響曲」ですが本当はモーツァルトの父であるレオポルドが作曲した「カッサシオント長調」の中の第3・4・7楽章がこの曲の正体です(1951年にバイエルン州立図書館で全曲が発見されました)。この演奏は小編成のオーケストラにオカリナやバード・ホイッスル、ハーディ=ガーディを加えた手作り感たっぷりのもの。何だか聴いているだけで口元が緩んでくるような気がします。

8.570501
バロック・トランペット協奏曲集
トレッリ:トランペットのためのシンフォニア 二長調
アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調(トランペット用編)、ヘンデル:組曲 ニ長調、ファッシュ:協奏曲 ニ長調、ヘンデル:オーボエ協奏曲第3番 ト短調(トランペット用編)、ガブリエリ:トランペット・ソナタ第4番 ニ長調、テレマン:オーボエ協奏曲 ヘ短調 (トランペット用編)、ソナタ ニ長調
トーマス・ライナー(Tp)、セバスチャン・テウィンケル(指)南西ドイツ・プフォルツハイムCO
12歳の時にモーリス・アンドレの演奏を聴きトランペット奏者を志したという1969 年生まれのトーマス・ライナーは現在ソリスト、指揮者として全ヨーロッパで活躍しています。彼の演奏はとても表情豊かで遊び心もたっぷり、そして何より輝くような高音域は誰にも真似できません。このアルバムで彼は元来トランペットのために書かれた協奏曲と、オーボエのために書かれた曲を取り交ぜて演奏しています。
8.570502
ソル:ギター音楽集
12の練習曲Op.6、
幻想曲第2番Op.7、
6つのディヴェルティメントOp.8、
モーツァルトの「魔笛」の主題による序奏と変奏曲Op.9
ゴラン・クリヴォカピチ(G)
スペイン生まれのギタリスト&作曲家フェルナンド・ソル(1778-1839)は、ギターの歴史を彩る偉大な人物の一人です。彼の作品はギター演奏技術の向上を図るために書かれたものが多く、耳を傾けると、どの曲もさまざまな技巧をこらし巧妙に作られていることが良くわかるでしょう。有名な「魔笛の主題による変奏曲」はその最たるものです。
8.570503
ヴィラ=ロボス(1887-1959):ピアノ作品集第7集
アマゾナス(ピアノ版)
ギターのための5つの前奏曲(ピアノ版・・・J.V.ブランダーオ編)
ブラジル風バッハ第2番〜藪の思い出(踊り)
ワルツ・スケルツォ/地獄の踊り
あぶなくないフェジョアータ(豆と肉の料理)
おとぎ話/真心の歌/婚礼の随行
ワルツ・レント(断章)
ソニア・ルビンスキ(P)
一貫してブラジル出身の女流ルビンスキのピアノでリリースし続けてきた「ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集」も第7集に突入。「5つの前奏曲」の第1曲目のこの色彩の魔力!どんな大家のピアニストであろうとも、この音色はそう簡単には出せないでしょう。夕日色に光りながら暗く立ち昇るこの色合い、そしてドライでありながら感傷的なニュアンスは、祖国への思いを投影しているのはもちろんのこと、ルビンスキ自身の音色にないする鋭敏なセンスの賜物です。その証拠に続く第2曲目の冒頭のキラキラ光るタッチの美しさ!これこそ音のパレットの豊富さの実証に他なりません。ヴィラ・ロボスらしいエキゾシズムとは一線を画す作品「真心の歌」も聴きもの。こんな単純明快、土俗性丸出しの曲があったとは驚きですが、ルビンスキはその持ち味を生かしつつも軽薄な印象を全く与えないのは流石。【湧々堂】
8.570504
ヴィラ=ロボス:ピアノ曲集第8集
実用の手引きX/実用の手引きXI
イベリカラーベ
子どもの組曲第1集(1912)
子どもの組曲第2集(1913)
サントス侯爵夫人の嘆き(ピアノ編曲版)…世界初録音
実用の手引きIより抜粋
ソニア・ルビンスキ(P)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)のピアノ作品全集もいよいよ大詰め。あと2巻を残すのみとなりました。中心となる収録曲は「実用の手引き」です。すでに第5集(8.570008)でその一部が紹介され大好評を得た、彼のいわば「心の故郷」の曲集とでも言いましょうか。子どもたちが歌うような単純な楽想の中に計り知れないほどの深さを秘めた、独創性と愛に満ちた小品が「これでもか」とばかりに詰まっています。まさにヴィラ=ロボスの最高傑作です。
8.570505
偉大なる映画音楽集
ジョン・ウィリアムス:レイダース/失われたアーク《聖櫃》メイン・テーマ、
ジョン・バリー:愛と哀しみの果て
ダニー・エルフマン(ジョン・ワッソン編):スパイダーマン
ジョン・ウィリアムス:シンドラーのリスト
ハンス・ジマー(ジョン・ワッソン編):グラディエーター
カール・ディヴィス:チャンピオンズ 〜「チャンピオンのテーマ」「グランド・ナショナル」
ハワード・ショア:ロード・オブ・ザ・リング〜組曲「2つの塔」
ヴァンゲリス(アンディ・ヴィンター編):炎のランナー
モンティ・ノーマン(ニック・ライン編):ジェームス・ボンドのテーマ
ジェームズ・ホーナー:タイタニック メイン・テーマ
アラン・シルヴェストリ(カルヴァン・クースター編):フォレスト・ガンプ
ジョン・バリー(ニック・ライン編):ダンス・ウィズ・ウルブス
ジョン・ウィリアムス:ハリー・ポッターと賢者の石より組曲
カール・デイヴィス(指)ロイヤル・リヴァプールPO
絵空事とはわかっていても、ついつい涙し興奮してしまう名映画の名場面。そしてそれを彩る美しいメロディの数々。
8.570506
ブライアン(1876-1972):交響曲第2番、祝祭ファンファーレ トニー・ロウ(指)モスクワSO
32曲もの交響曲を作曲したことで知られるイギリスの近代作曲家ブライアンですが、彼の生前には、それらはほとんど演奏されることがありませんでした。 この第2番の交響曲はゲーテの「鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」に触発され書き始められましたが、後に早世した彼の最愛の娘のために捧げられました。16本のホルン、3組のティンパニ、2台のピアノ、オルガンを必要とする大規模な編成で奏される悲痛な行進曲は、まるでワーグナーのジークフリートの葬送曲を思い起こさせます。
※ MARCO POLOレーベルから既発売の音源です。
8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲イ短調
ピアノ三重奏曲第2番ホ調
ピアノ三重奏曲第3番ホ調
ヴァイオリンとピアノのための子守歌
ヴァイオリンとピアノのためのカヴァティーナ
ヴァイオリンとピアノのためのバガテル
「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
グールド・ピアノ三重奏団[ルーシー・グールド(Vn)、アリス・ニアリー(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)]
イギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年のコンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストーン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれました。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランドの幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言えるでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。
8.570508
チマローザ:序曲集第1集
歌劇「ヴォルドミーロ」序曲/歌劇「ストランバ男爵夫人」序曲/歌劇「伯爵の奇行」序曲/歌劇「秘密の結婚」(ウィーン版初録音)序曲 /歌劇「不誠実な誠実」序曲/歌劇「ドン・カレンドリーノの帰還序曲/歌劇「大工」序曲/歌劇「クレオパトラ」序曲/歌劇「饗宴」序曲/歌劇「太陽のおとめ(イダリーデ)」序曲/歌劇「信じやすい人」序曲/歌劇「みじめな劇場支配人」序曲
アレッサンドロ・アモレッティ(指)
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
MARCO POLOより移行盤。チマローザと言えば「秘密の結婚」が良く知られていますが、実はその生涯に約70作ものオペラを作曲しています。機知にあふれた生き生きとした陽気な音楽、美しいメロディは文豪ゲーテも大絶賛したと言われ、当時の全ヨーロッパの聴衆を魅了しました。残念なことに、現在ではチマローザのオペラの全貌を知ることは困難になってしまいましたが、ここに収められた序曲を聴くだけでも当時の熱狂ぶりが伝わることでしょう。
8.570509
ペンデレツキ:チェロと管弦楽のための作品集
3つのチェロと管弦楽のための合奏協奏曲第1番(2000)/チェロと管弦楽のためのラルゴ(2003)/チェロと管弦楽のためのソナタ(1964)
イワン・モニゲッティ(Vc)、アルト・ノラス(Vc)、ラファウ・クヴィアトコウスキ(Vc)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワ国立PO
ペンデレツキは、その時代ごとに作風を変えてきた人で、ここで聴ける3つの作品も、その時の気分が敏感に反映されています(現代に近い方がロマンティックだったりします)。モニゲッティとノラス、2人の名手と、ヴィトの競演が聴きどころです。
8.570510
期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ〜トーマ・ヴィロトー
リョベート:ソルの主題による変奏曲 Op.15、
タンスマン:カヴァティーナ、
ブローウェル
: オリシャたちの儀式、ヒナステラ
:ギター・ソナタ Op.47、
ディアンス
:トリアエラ
トーマ・ヴィロトー(G)
2006年のアメリカギター基金主催のコンクールで優勝したトーマ・ヴィロトーのデビュー・アルバムです。彼は1985年パリに生まれ、12歳から音楽を学び始めました。1998年にバルセロナのファン・ペドロ・カレーロ音楽院に入学、名ギタリストアルヴァーロ・ピエッリに師事しました。多数のマスタークラスに参加し研鑽を積み、その2年後にバルセロナ高等音楽院、そして2001年からはパリで、エコール・ノルマルにてポンセの下で学ぶ俊英です。
8.570511
D・スカルラッティ:鍵盤ソナタ全集第10集
ソナタニ長調K.29、ソナタニ短調K.18、
ソナタニ長調K.23、ソナタニ短調K.41、
ソナタニ長調K.29、
ソナタニ長調K.45、ソナタイ長調K.74、
ソナタホ短調K.81、ソナタニ短調K.90、
ソナタハ長調K.95、
ソナタホ長調K.134、ソナタホ長調K.136、
ソナタロ短調K.408、ソナタヘ短調K.555
コリーン・リー(P)
このアルバムで魅力的な演奏を聴かせてくれるのは、2005年のショパン国際コンクール入賞者のコリーン・リーです。非常に歯切れよく若々しい表現は、まるで清流を泳ぎ回る若鮎のようです。4楽章形式のニ短調ソナタ(トラック9)での陰鬱でためらいがちな風情もたまりません。
8.570516
リスト:ピアノ作品全集 第26集
巡礼の年 2年「イタリア」〜ダンテを読んで(ブレスキアーニ編)、ダンテ交響曲 (作曲家による2台ピアノと合唱版)
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ(P)、ガブリエラ・テシュ(指)ハンガリー放送児童cho
今作はあの大作「ダンテ交響曲」をリスト自身が、2 台のピアノと合唱のために編曲したものを中心に収録。リストの編曲の妙をじっくりと味わうのに最適です。神曲をもとにしたダイナミックな音楽は、2台ピアノで奏することにより迫力はそのままで精緻さ倍増。面白さも倍増です。児童合唱の清冽な歌声が彩りを添えます。
8.570517
リスト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番、
ピアノ協奏曲第2番、死の舞踏
エルダー・ネボルシン(P)、
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
エルダー・ネボルシンは1974年ウズベキスタン生まれ。サンタンデール国際ピアノコンクールなどの国際コンクールを制覇し、華々しい活動を行いいくつかのCDもリリースしている実力派なのです。NAXOSレーベルには既にラフマニノフの前奏曲集(8.570327)がありますが、このリスト(1811-1886)も文句なく素晴らしい演奏です。豪放な1番、真摯な2番、そして「死の舞踏」。ペトレンコの熱い指揮も嬉しい「燃える」リストをどうぞ。
8.570518
モーツァルト:ピアノ三重奏曲集第1集
ディヴェルティメント変ロ長調K.254、ピアノ三重奏曲第1番ト長調K.496、
ピアノ三重奏曲第3番変ロ長調K.502
クングスバッカ・ピアノ三重奏団[シモン・クラウフォード=フィリップス(P)、マリン・ブロマン(Vn)、イェスパー・スヴェドベリ(Vc)]
モーツァルト(1756-1791)の作品の中では、比較的地味な分野に入ってしまうピアノ三重奏曲集。しかし形式も曲の完成度の高さも極めて優れた作品群なのです。ピアノとヴァイオリンとチェロが対等に会話をするというのは、それまでの室内楽作品にはなかったことでもあり、その萌芽が見られる冒頭のチャーミングなディヴェルティメントから魅力がたっぷり。まさに宝石の山。ドイツ物に定評のあるクングスバッカ・ピアノ三重奏団の滋味あふれる演奏で。
8.570519
モーツァルト:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第4番ホ長調K.542、ピアノ三重奏曲第5番ハ長調K.548、
ピアノ三重奏曲第6番ト長調K.564、
ピアノ三重奏曲K.442(未完の楽章をM.シュタードラーが補筆)
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
ここに収録された3曲のピアノ三重奏曲は1788年に作曲されました。この年には最後の3曲の交響曲も書かれており、まさに円熟期の傑作と呼ぶに相応しい情熱溢れる名作と言えるでしょう。K.442の三重奏曲は未完に終わったものを、彼の没後友人であるシュタッドラーが補筆したものです。もともと1つの作品として書かれたものではなさそうですが、作曲時期はほぼ同じ頃とされています。この第1楽章における中間部の転調の妙はまさに天才の技に他なりません。演奏は第1集と同じ、クングスバッカ・ピアノ三重奏団。第3回メルボルン国際室内楽コンクールの覇者たちです。
8.570523
ピアシラ:天使のミロンガ/ブエノスアイレスの夏/バチンの少年/リベルタンゴ/オブリヴィオン/ロコへのバラード/組曲「ブエノスアイレスのマリア」 ヴァーサス・アンサンブル、エンリケ・モラタッラ(Vo)、マリア・レイ=ジョリー(S)、オラシオ・フェレール(朗読)
日本でも一大ブームを巻き起こし、すっかり定着した感のあるピアソラ(1921-1992)のタンゴ集です。ヒナステラに音楽理論を学びつつもタンゴの仕事を続けた彼ですが、一度はタンゴを捨てクラシックの作曲家の道を目指そうとしたといいます。しかしそれを阻止したのがN・ブーランジェ。以来、自身の中に沸き起こる「タンゴへの道」を追求し続けた孤高の人の傑作集です。
8.570524
ゲーゼ:ヴァイオリン・ソナタ第1番-第3番
ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.6
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調Op.21
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ロ長調Op.69
ハッセ・ボロプ(Vn)、ヘザー・コナー(P)
ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890)(ガーデと表記することもあります)は、デンマークの作曲家・指揮者・音楽教師です。コペンハーゲンの王室オーケストラでヴァイオリン奏者として活動を開始、自作の交響曲を演奏しようと楽譜を提出したのですが、そこでの演奏を拒否されてしまいました。失意を味わったゲーゼは、その楽譜を何とメンデルスゾーンに送ったところ、大好評を持って迎えられライプツィヒで初演してもらうことができたといいます。そんな彼の作品は恩人の影響を受けつつも、北欧の民謡を随所に取り入れた印象深いものばかり。とりわけこれらのヴァイオリン・ソナタに見られる旋律美は他の誰にも真似し得ないほどの光を放っています。
8.570525
ハイドンとアビンドン卿〜歌曲と室内楽作品集
教会と市街地
ハイドン
:フルート三重奏曲第4番ト長調
ハイドン
:この世で何も得ようとは思わない
ハイドン
:彼女は決して恋について語らない
アビンドン卿
:カントリー・ダンス
アビンドン卿:鳥とみつばち
ハイドン
:イギリス・トリオ第2番ト長調
「アビンドン卿による主題と変奏」
アビンドン卿:恋わずらいの心
アビンドン卿
:カントリー・ダンスとメヌエット
ハイドン
:イギリス・トリオ第1番ハ長調
ハイドン:精神の歌/
ハイドン
:氷柱が壁にかかるとき
デレク・マカロック、
カフェ・モーツァルト(ウィンザー)
名競走馬ポテイトーズの馬主としても知られる第4代アビンドン伯爵、ウィロービー・バーティはハイドンの友人として、またアマチュア作曲家としていくつかの作品を残しています。ここで聴けるそれらの作品はダウランドの面影も感じさせる素朴で愛らしいもの。マカロック率いるアンサンブル「カフェ・モーツァルト」のいかにも楽しげな演奏でお楽しみください。
8.570526
アレンスキー:ピアノ協奏曲へ短調他
ピアノ協奏曲へ短調Op.2、ロシア民謡による幻想曲Op.48、スヴォロフの思い出に、交響的スケルツォ
コンスタンティン・シチェルバコフ(P)、ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
R=コルサコフに師事し、その才能を早くから認められるも、その後独自の様式を確立することがなかったため恩師からも「あいつはその内忘れられてしまうさ」と揶揄されてしまったというアレンスキー(1861-1906)。確かに、民謡を多様した作品も、このピアノ協奏曲も、ちょっとショパンやチャイコフスキー風であったりと、ゴツゴツしたロシア風の音楽を好む人からは敬遠されがちな作曲家です。しかし、もう一度立ち止まってこの抒情味溢れる音楽を聴いてみてください。ああ、なんて清々しくて荘厳なのでしょう。と、言うわけで、決して「亜流」ではありません。
8.570527
タネーエフ:カンタータ「聖イオアン・ダマスキン(ダマスカスの聖ヨハネ)Op.1
協奏的組曲Op.29
イリヤ・カーレル(Vn)
グネーシン・アカデミーcho
トーマス・ザンデルリンク(指)ロシアPO
1883年、アントン・ルビンシテインの死を悼んで作曲されたカンタータ「聖イオアン・ダマスキン」。ロシア正教会では重要な聖人である聖イオアンは、聖像破壊運動に反対しイコンを擁護、教会の伝統を守った人として讃えられています。タネーエフ(1856-1915)は尊敬するルビンシテインをその聖人になぞらえ、極めて崇高なカンタータを作曲、故人への捧げものとしたのでしょう。協奏的組曲は、彼の友人であるヴァイオリニスト、シボールの依頼で書かれたもので、冒頭からヴァイオリンが艶めかしくも強靭なメロディを奏でる劇的で色彩的な曲。バッハやモーツァルトの時代に書かれたような単純な形式に見えてしまいますが、曲に含まれる「主題と変奏」だけを取り出してみても、その素晴らしい筆致に驚かざるを得ません。NAXOSが誇る名ヴァイオリニスト、カーレルの深みのある音色はこの曲の真価を存分に伝えてくれています。
8.570528
シュポア:ヴァイオリン協奏曲第6・8・11番
ヴァイオリン協奏曲第6番ト短調Op.28ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調Op.47「劇唱の形式で」
ヴァイオリン協奏曲第11番ト長調Op.70
シモーネ・ラムスマ(Vn)、
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
モーツァルト、ヴィオッティからベートーヴェンへと続く古典派の様式を一段と発展させ、ロマン派へと繋ぐ音楽を書いたシ ュポアの代表作ともいえるヴァイオリン協奏曲を3曲収録。ヴァイオリンを演奏するのは、2006年のインディアナポリス国際 ヴァイオリン・コンクールで第2位を得た若きオランダのヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマです。彼女の奏でるヴァイ オリンの音色はとても美しくしなやかで、シュポアの曲の持つ明るさにぴったり合った気持ちのよいものです。
8.570529
ルーセル:交響曲第2番他
交響曲第2番
交響詩「春の祭りに寄せて」/組曲へ調
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュO
作曲家でもあり、海軍軍人でもあったルーセル(1869-1937)は、その多感な時期にインドシナ半島へ航海したりするというように、なかなかに興味深い生涯を送った人物です。作風は古典主義と印象主義を良い具合にミックスさせ、独自の音楽を作り出しています。ここに収録された交響曲第2番は重厚で瞑想的。時折、管や打楽器の咆哮がありますが、全体的には湿った海風と波を思わせる渋さがたまりません。「春の祭りに寄せて」は、本来交響曲第2番へ使われるはずだった音楽です。
8.570530
W.F.バッハ:鍵盤作品集第2集
シンフォニアハ短調Fk15
フーガ第1番ハ長調Fk31/1
フーガ第2番ハ短調Fk31/2
ファンタジアホ短調Fk21
フーガ第3番ニ長調Fk31/3
フーガ第4番ニ短調Fk31/4
ファンタジアニ短調Fk19
フーガ第5番変ホ長調Fk31/5
フーガ第6番ホ短調Fk31/6
ファンタジアハ短調Fknv2
フーガ第7番変ロ長調Fk31/7
フーガ第8番ニ短調Fk31/8
ファンタジアイ短調Fk23
ファンタジアニ短調Fk18
ユリア・ブラウン(ハープシコード)
W.F.バッハ(1710-1784)の鍵盤曲集第2集です。すぐれたオルガン奏者でもあった彼は、従来の形式に新しさを組み込んだ独自の音楽を作り上げました。ここに収録されたファンタジアはどれも宝石のような美しさを湛え、フーガは驚くべき自由さに満ちています。100年ほど時代を先取りしたかのような当時としては「新しすぎた音楽」と言えるでしょう。
8.570531
アーノルド:序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」、ジョン・フィールドの主題による幻想曲 Op. 116、2台3手のピアノのための協奏曲 Op. 104、2台のピアノのための協奏曲 Op. 32 フィリップ・デイソン(P)、ケヴィン・サージェント(P)、エサ・ヘイッキラ(指)アルスターO
マルコム・アーノルドと言えば、豪快なオーケストラ・サウンドやユーモアのある音楽センスが有名な音楽家です。このアルバムはそのどちらの側面も楽しめる嬉しい1 枚でございます。豪快さでいえば「ベッカス〜」序曲。楽しさで言えばピアノ協奏曲。こちらは夫婦デュオのために書かれた愛情あるプレゼントです。ほのかに見え隠れするジャジーな味わいがたまりません。
8.570532
カプースチン:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第15番Op.127「幻想風ソナタ」、
ジャズ・スタイルによる24の前奏曲Op.53〜抜粋、
8つの演奏会用練習曲Op.40〜抜粋、
10のバガテルOp.59〜抜粋、
ピアノ・ソナタ第2番Op.54〜第2楽章
ジョン・サルモン(P)
7〜8年ほど前から急激に人気を博したロシアの作曲家カプースチン(1937-)。インプロヴィゼーションを全て楽譜に書き留めたジャズ風のクラシックとも言える独特な音楽が人気です。そのカプースチン作品がついにNAXOSに登場しました。名手サルモンは冒頭のソナタから飛ばしまくりです。今まで体験していなかった人はぜひこの機会に。とにかくイケます。はまります。
8.570533
星の歌〜近代カタルーニャの作品集
カザルス:マリアの薔薇の花冠
カザルス:きっととりなし給え聖母マリアよ
グラナドス:サルヴェ・レジーナ
カザルス:われは黒けれど
モレーラ:ナイチンゲール#
グラナドス:ロマンス
モレーラ:アヴェ・マリア#
グラナドス:宗教的情景#
ブランカフォート:愛の歌#
オルトラ(1922-):愛の歌より「エコ」#
オルトラ:愛の歌より「前奏曲」#
グラナドス:星々の歌#
ヴォイシズ・オブ・アセンション
デニス・キーン(指)
ダグラス・リーヴァ(P)、
マルク・クルチェク(Org)、
エリカ・キーセウェッター(Vn)

#=世界初録音
北東スペインの文化的都市、カタルーニャは古くから多くの芸術作品を育んだ肥沃の地です。この地に生を受けた音楽家は数多く、グラナドスやブランカフォート、そして名チェリスト、カザルスなど枚挙にいとまがありません。このアルバムは彼らの手による美しい小品を集めたものです。合唱好きが泣いて喜ぶカザルスの「マリアの〜」、そしてグラナドスの「星々の歌」はピアノと合唱とオルガンによる信じられないほど素晴らしい協奏曲です。世界初録音を多数含む涙ものの1枚です。
8.570534
バルトーク:バレエ音楽「木製の王子」 マリン・オールソップ(指)ボーンマスSO
「青ひげ」に続くオールソップのバルトーク(1881-1945)は、バレエ音楽「木製の王子」です。おとぎ話をそのままバレエにしたこの作品、ストラヴィンスキーやワーグナーの影響を受けたと言われる激しいリズムと重厚な響きを持ち、バルトークの最高傑作の一つとされています。オールソップの緻密な音作りが曲の魅力を引き立てています。
8.570535
ブリュメル:声楽作品集
三位一体の哲学をたたえよ、
祝福された聖母のミサ、
父の御母にして娘、栄光のおとめをたたえよ
スペキュラム・アンサンブル、
ロベルト・ディ・チェコ(C.T)、
クリスティアーノ・ヴァヴァーリャ(T)、
ニコラ・ボナッツィ(T)、
ステファーノ・シチアーレ(Bs)
オケゲムに学び、フランス、イタリアで活躍したフランドル楽派中期の作曲家ブリュメル(1460?-1515?)は、同時期の最も優秀な作曲家として人気を集めていました。彼はパリのノートルダム聖歌隊の指導者として、またフェラーラ宮廷の聖歌隊長として活躍し、高名な作曲家オブレヒトの跡を継ぎました。しかしフェラーラの礼拝堂が解散された1510年以降の足取りはつかめず、ローマで過ごした痕跡がわずかに認められる程度です。恐らくこの頃に書かれたのが、この「祝福された聖母のミサ」だと言われていますが真相はわかりません。
8.570538
ユーフォニウムと管弦楽のための作品集
ケヴィン・カスカ(1972-):マジェスティック・ジャーニー、
ジョン・ゴランド
(1946-1993):小品(A・フレイによるユーフォニウムと管弦楽版)、
ウラディーミル・コスマ
(1940-):ユーフォニウム協奏曲、
ケヴィン・カスカ
(1972-):バラード、
ピーター・グレアム
(1958-):ブリランテ、
フィリップ・スパーク(1951-):パントマイム(A・フレイによるユーフォニウムと管弦楽版)
アダム・フレイ(ユーフォニウム)、
ブルース・ハンゲン(指)ニュージーランドSO
音色がホルンやトロンボーンに似ているせいか、オーケストラの中ではあまり使われることのないこの楽器ですが、丸みのある中音域には何とも言えない味わいがあるのです。このアルバムでは名手アダム・フレイが自らの編曲も交えて吹きまくります。「ディーヴァ」のサウンドトラックで知られるウラジミール・コスマの協奏曲など珍しい曲もてんこ盛り!ファン必聴の1 枚です。
8.570539
イギリスのクラリネット
ゲルマン(1862-1936):ロマンス、
バックス):ソナタ、
ロクスバーグ
(1937-):4つのワーズワースのミニチュア、
フィンジ
(1901-1956):5つのバガテル、
ハールストン
(1876-1906):4つの性格的小品、
ペターソン
(1947-):独白Op.79、
W・ロイド・ウェッバー
(1914-1982):フレンシャムポンドにて、アリアと変奏、
ブリス:田園曲
ジョン・ブラッドベリ(Cl)、
ジェイムス・クライアー(P)
クラリネットの音色には、輝き、情熱、哀愁、それらが全て含まれています。それ故、全ての管楽器の中でも愛好され多くの作品が書かれています。とりわけイギリスではその傾向が顕著で、たくさんの作曲家たちがこの楽器のために名作を書いているのです。このアルバムはフィンジやバックスはもちろんのこと、知られざる作曲家たちの佳品がたっぷり詰まった極上の1枚です。
8.570540
ツェムリンスキー:チェロ・ソナタ他
チェロとピアノのための3つの小品[フモレスケ/歌/タランテラ]、
チェロとピアノのためのソナタイ短調、
クラリネット,チェロとピアノのための三重奏曲ニ短調
オトマール・ミュラー(Vc)、
クリストファー・ヒンターフーバー(P)、
エルンスト・オッテンザマー(Cl)
最近じわじわと人気が高まるツェムリンスキー(1871-1942)の音楽は、その粘りつくような半音階手法と狂おしいほどの官能性が印象的です。しかしここに収録された3つの作品は彼の若日に書かれたもので多少ブラームスの影響も感じられる、躍動的でさわやかな曲想に魅了されます。特にクラリネット三重奏曲はブラームスが出版社ジムロックに推薦したという作品で、彼の作品の中でも最も愛されるものの一つです。
8.570541
エルガー:パートソング集
甘い調べOp.53-1/私の心の奥深くOp.53-2/冬来たりなば春遠からじOp.53-3/碑銘Op.53-4/オラフ王の伝説よりの情景Op.30/眠る王子/驟雨Op.71-1/泉Op.71-2/私の愛は北の地にOp.18-3/丘の上の死Op.72/愛の嵐Op.73-1/セレナードOp.73-2/夕方の情景/行け私の歌よOp.57/バイエルンの高地から
クリストファー・ロビンソン(指)
ケンブリッジ大学室内cho、
イアン・ファーリントン(P)
エルガー(1857-1934)の合唱曲と言えば、大規模なオラトリオやカンタータは比較的良く演奏されますが、ここに収録されたパート・ソング(無伴奏合唱曲)は残念なことにあまり知られていないのが現状です。どの曲も繊細なハーモニーとさりげなくとも胸を打つメロディを用いて書かれていて、その上品さと味わい深さには舌を巻くほかありません。合唱マニア必聴。
8.570542
リンドベルイ:ピアノ作品全集
2台のピアノのための音楽(1976)
ピアノのための小品(1977)
ピアノのための3つの小品(1978)
PlayT(1979)/ひも(1988)
ジュビリー(2000)
エチュードNo.1(2001)
エチュードNo.2(2002)
マールテン・ファン・フェーン(第2ピアノ)、
ラルフ・ファン・ラート(P)
フィンランドの現代作曲家の1人、リンドベルイ(1958-)のピアノ作品集です。1970年代、および80年代の初めに書かれた曲と、21世紀になってから書かれた作品を収録。とりわけ1988年の「ひも」と2000年の「ジュビリー」の間に横たわる12年の年月は、彼の作曲語法が熟成するための充分な時間だったといえるでしょう。美しく妖しく煌く音色は、まるでメシアンの作品のような肌触りを感じさせます。
8.570543
ブゾーニ:ピアノ作品集第4集
前奏曲とフーガニ長調BWV532(原曲:バッハ)、
悲歌集K.249(危機のあとに、
イタリア風、
わが魂は汝に望みを託す、
トゥーランドットの居間、夜のワルツ、
夜曲)、子守歌-悲歌第7番K.252、
J・S・バッハによる幻想曲K.253、
トッカータK.287
ヴォルフ・ハーデン(P)
バッハ作品のトランスプリクションが知られるブゾーニ(1866-1924)ですが、彼の本質はここに収録された「悲歌集」にあると言っても過言ではありません。過去の作品をリライトすることで培った土壌に、敬愛するリストのエッセンスを加え、さらにオリジナリティを加算した作品群は、シェーンベルクに連なる先鋭さを有しています。
8.570544
バス・トロンボーンと吹奏楽のための作品集
ジェローム・ノーレ(1951-):深淵に光る星(マルク・リュース編)
マルク・リュース
(1963-):めまい
エリック・エワゼン(1954-):バス・トロンボーン協奏曲(ヴァージニア・アレン編)
マーク・ステッカー
(1935-):2歩下がって
イヴ・バウアー(バスTb)、
クロード・ケメッケル(指)
フランス空軍軍楽隊
これぞバス・トロンボーンの名技炸裂!のアルバムです。その深すぎる響きのため、あまりソロとして用いられることのない楽器ですが、4人の作曲家によるこれらの曲を聴いてみると、とにかく凄すぎて眩暈さえ覚えるほどです。ジャズっぽいノーレの曲、遊び心たっぷりのステッカーの曲(タイトルは彼の名前のコラージュになっているとか)など多彩。この楽器についてはまだまだ可能性は無限にありそうです。
8.570545
フォーレ:チェロとピアノのための音楽集
シシリエンヌOp.78/チェロ・ソナタ第2番Op.117
夢のあとにOp.7-1(P.カザルス編)/エレジーOp.24
ロマンスOp.69/子守歌Op.16(チェロとピアノ編)
蝶々Op.77/セレナーデOp.98
チェロ・ソナタ第1番/パヴァーヌOp.50(H.ビュッセル編)
イナ=エスター・ユースト・ベン=サッソン(Vc)
アラン・スターンフィールド(P)
エルサレムSOの首席チェロ奏者、および世界的ソリストとして活躍するイナ=エスター・ユースト・ベン=サッソンの弾く味わい深いフォーレ(1845-1924)のチェロ作品集です。彼女はフルニエに学び、ベルグラード国際チェロ・コンクールで優勝し、チェリビダッケを始めとした大指揮者とも数多く共演しています。フォーレの2曲のチェロ・ソナタはどちらも晩年に書かれた独特の渋い魅力を放つ作品として知られます。時は20世紀に入り、もともと緩やかだったフォーレの調性感はいよいよ希薄となり、その響きは水面を反射する光のように移ろっていきます。彼女はそんな繊細な流れを的確に捉え、流麗さを損なうことなく淡々と音にしていくのです。良く知られた「夢のあとに」などの初期の作品の編曲集はまた違った味わいがあり、こちらもフ
8.570548
ジェズアルド:マドリガル集第1巻
甘く優しい口づけよ/甘き愛をもって
マドンナ私はそうなってほしい
どのように生きることができようか
冷たいマドンナの乳房
マドンナは横たわっている
ああ、あまりにも賢明な誤り
そのように高貴な手の時は
愛は平和を求めない
何と喜ばしい。私の悲しみをつくることは
おお、甘き私の苦しみ
ティルシは死を望む
ティルシは自らの欲望を感じた
わが星をあなたは見ていますか
見ないで、見ないで
美しく芳香に満たされた花よ
幸せな春よ/正直なニンフたちが踊る
自然があなたに与えたばら
美しく小さな天使
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
ジェズアルド(1566-1613)=殺人者ということは広く知られています。不貞を働いた妻とその愛人を残忍な方法で殺害したものの、貴族であったため(ヴェノーサ公国君主、コンザ伯爵)罪には問われなかったジェズアルド。しかし彼の本当の心は永遠に理解されることはないのでしょう。当時は良くあることだったと言え、もしかしたら一生を罪の意識の中で過ごしていたのかもしれません。そんな彼の音楽は演奏不能なほどに難解だとも言われています。あまりにも大胆な半音階進行、予測不能な旋律、当時としては濃密過ぎるエロティックな表現。これらは彼の複雑な心情を反映しているのかもしれませんが、もしかしたら本当は独自の偉大なる才能だったのではないでしょうか?ここでは、彼の行いは全て忘れて、ただただ不思議な音楽に身を委ねてみることにしましょう。このシリーズは、ジェズアルドのマドリガル初の全曲録音となります。
8.570549
ジェズアルド:マドリガル集第2巻
親愛なる愛しいほくろ様
そして彼女は持っている
あなたが壊して緩めた/傷は浅い
私の胸は感傷的になる
最も優雅なベールで/悲しみが甘い時
私はすぐに死んでしまう
痛みが激しい時、私は無口になる
おお、これほどまでに大きな罰
おお甘き情熱/私が感じるがままに
この手ではない
たいまつか矢のどちらかで
雪のような白い手
あなたの残り香が/そして幸せの竪琴を
私は変わらない/輝く瞳に出会ったとき
私の光を消さないで/フランスの歌
ガリアルダ
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
数奇な運命を辿った作曲家、ジェズアルド(1566-1613)のマドリガル第2集です。これらは彼の2回目の結婚準備期間に発表されたもので、いつものように簡潔な書法の中に驚くほどの内容が込められています。テキストの原作者はよくわかりませんが、少なくとも3人の名前タッソー、グァリーニ、ダヴァロス(最初の妻の父)は確定することができるようです。どれも素晴らしい詩が用いられていますが、中でもトラック12の「私が感じるがままに」は当時とても有名で、当時の作曲家たちが競って、パロディ・ミサの中で用いています。演奏するのは、第1集(8.570548)と同じく、デリティエ・ムジケで、歌を担当するのは男性のみ。倒錯の音色がここにあります。
8.570550
アイアランド:クラリネットを含む室内楽作品集
クラリネット,チェロ,ピアノのための三重奏曲(S.フォックス編&改作)、
クラリネットとピアノのための幻想ソナタ、クラリネットとピアノのための「聖なる少年」、
クラリネットとフレンチ・ホルンと弦楽四重奏のための六重奏曲
ロバート・プレーン(Cl)、
ソフィア・ラーマン(P)、
アリス・ニアリー(Vc)、
デーヴィッド・パイアット(Hrn)、マッジーニSQ
その作風は終始ロマン派の域を出なかったと言われてしまうイギリスの作曲家アイアランド(1879-1962)。一時期はストラヴィンスキーにも傾倒したほどの進歩的な作風を示した彼ですが、ほどなくイギリス音楽の伝統に立ちかえり、教会音楽の旋法による素朴な作風を確立したのでした。クラリネットを使った作品には彼の良い面が上手く作用しているように思えます。穏やかで懐かしく、時には洒脱なこれらの作品を聴くことはイギリス音楽の愛好家だけでなく、全ての聴き手にとって心温まるひとときとなるでしょう。おなじみ「聖なる少年」のクラリネット版も収録。
8.570551
ヴァイス:リュート・ソナタ集第9集
ソナタ第52番ハ短調
ソナタ第32番ヘ長調/ソナタ第94番ト短調
ロバート・バート(Lute) 
※2004年アンドリュー・ラタフォード制作のリュー
ヴァイス(1687-1750)が亡くなった年(バッハと同年)、彼はヨーロッパの最も偉大なリュート奏者、最も才能ある音楽家の一人として賞賛されました。ヴァイスの時代のリュートはルネサンス時代のものよりも大型化し、奏法も複雑になり、もちろん書かれた曲も精緻極まるものでした。このアルバムに収録された第52番はその中でも規模が大きくさまざまな手法を用いて書かれており、実に聴き応えのある曲です。若干規模の小さい第94番、第32番とともにじっくりお楽しみください。
8.570553
アルベニス:ピアノ曲集 第2集
旅の思い出(海にて/伝説/朝の歌/アルハンブラ宮殿にて/ティエルラの門/入り江のざわめき/海辺にて)、
スペイン〜思い出、アスレーホス、
平原、ナバーラ(セヴラック補追完成版)
ギレルモ・ゴンザレス(P)
高い評価を受けている第1集(8.554311-12)に続く、アルベニスのピアノ作品集第2集です。今作はアルベニス初期の名曲で有名な「入り江のざわめき」を含む“旅の思い出”を中心とした選曲で、スペインの民間伝承曲からヒントを受けたものからショパン風の作品まで多彩な表情を見せてくれます。一転、晩年の作品である“アスレーホス”や“ナバーラ”は極めて独創的なメロディを持ち、その響きの斬新さと華やかさで多くの人々の心を捉えています。1974年からマドリード王立音楽院で教鞭を取るベテラン、ゴンザレスの揺るぎのない技巧はこれらの曲の持ち味を存分に生かした素晴らしいものです。
8.570554
ゴダール:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.131
ヴァイオリンとオーケストラのためのロマンティック協奏曲Op.35、
オーケストラのための「詩的な情景」Op.46
クロエ・ハンスリップ(Vn)、
カーク・トレヴァ(指)
チェコスロヴァキア国立コシツェPO
バンジャマン・ゴダール(1849-1895)の名前は訊いたことがなくとも、あの愛らしい「ジョスランの子守歌」を聴いたことがある人はいませんか?今ではこの曲ばかりが有名ですが、他にも多くの美しいメロディを駆使したピアノやヴァイオリンの曲を書いた人です。このアルバムでは大作であるヴァイオリン協奏曲を2曲収録。
8.570555
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽組曲集第1集
歌劇「イェヌーファ」より組曲(P.ブレイナー編)、
歌劇「ブロウチェク氏の旅」より組曲(P.ブレイナー編)
ペーター・ブレイナー(指)
ニュージーランドSO、
ヴェーサ=マッティ・レッパネン(Vn)
かの小澤征爾もテレビ番組の中で「ヤナーチェク(1854-1928):の音楽ほど面白いものはないです」と語っていたくらい色彩的で豊かな音楽。それをまたNAXOSの名編曲者&名指揮者ブレイナーがうまい具合にまとめたのがこのアルバムです。第1集は「イェヌーファ」と「ブロウチェク氏の旅」からの音楽集。実はこれらの作品、イェヌーファの方は比較的あらすじもわかりやすいのですが、ブロウチェク氏の方は、あまりにも凝った作りのためか却って筋立てが難解になってしまっています。しかしここで聴ける音楽は極めて明快。多用される弦のユニゾンが思いきり雰囲気を高めてくれます。
8.570556
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第2集
歌劇「カーチャ・カバノヴァー」より(ペーター・ブレイナー編)<序曲/ティホン、その時あたりに…/また自慢する…/間奏曲と歌/嵐が近い>、
歌劇「マクロプロス事件」より(ペーター・ブレイナー編)<死は私に触れていた/グレゴール、プルスの死因/それは何だか変ですよね?/私は頭が空っぽです。/本当にあなたが大好き/そう?>
ペーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
第1集(8.570555)に続く、ブレイナーによる華麗なる編曲で聴くヤナーチェク(1854-1928)のオペラ名旋律集です。今回取り上げられたのは、人妻の官能的な恋愛を描いた「カーチャ・カバノヴァー」と、ふとしたことで不老不死になってしまったオペラ歌手の物語「マクロプロス事件」の2演目。ここでもブレイナーの施した編曲の素晴らしさは言葉に尽くせません。例えば「カーチャ」でのクライマックス、カーチャが愛人の名を告げて嵐の中に飛びだして行く場面での、段階的な音の増やし方などは聴いているだけでぞくぞくしてしまいます。不気味さと、妙な明るさが入り混じる「マクロプロス」も聴きもの。不条理なのだけど許してしまいます。
8.570559
アイヴズ:アメリカ変奏曲/序曲と行進曲“1776”/彼らはここに!/古き家庭の日(バンドのための組曲)/インターカレッジ行進曲/フーガハ調/オメガ・ラムダ・カイ/イェルサレムは金/ギャンボリーの息子/ポストリュード ヘ調/カントリー・バンド行進曲/戦没将兵記念日/チャーリー・ラトレイジ/サーカス・バンド/メイン・ストリートの暴れ馬/行進曲第6番/オールコット家の人々 アメリカ海兵隊バンド
これを聴けばあなたもヴィクトリー!アイブズの様々な作品を集め、ストーリー性を持たせ一気に聴かせるという凝った企画盤。冒頭の「アメリカ変奏曲」から言葉に詰まるほど面白さ炸裂。原曲は歌曲だったりピアノ曲だったりと様々ですが、古き良きアメリカのざわめきを彷彿とさせるキッチュな音が詰まっています。
8.570560
アルウィン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番ニ短調、
弦楽四重奏曲第2番「春の水」、
弦楽四重奏曲第3番、
ノヴェレッテ
マッジーニQ[ロレーヌ・マカスラン(第1Vn)、デヴィッド・エンジェル(第2Vn)、マーティン・ウートラム(Va)、ミハウ・カズノフスキ(Vc)]
NAXOSレーベルから精力的にリリースされるアルウィン(1905-1985)の作品集。今回は弦楽四重奏曲集の登場です。1953年に作曲された第1番はとてもこの時期に書かれたとは思えないほど叙情的な風情を持っています。ツルゲーネフの小説にインスパイアされた第2番は1975年に作曲されたもの。第1番から22年の月日を経た貫禄が感じられることでしょう。彼の実質上最後の作品である第3番の強烈な冒頭と、それに反発するかのような穏やかなアダージョ、そして奇怪な舞曲らしきものも強烈な印象を残します。
8.570561
チャールズ・ウッド(1866-1926):マルコ受難曲、
ベアストウ(1874-1946):「舌もて語らしめよ」によるヴォランタリートッカータ-前奏曲
サイモン・ウォール(T)、
ジェームス・バーチャル(Br)、
エドワード・グリント(Bs)、
ルス・ジェンキンス(S)、
ジョナサン・ヴォーン(Org)、
ダニエル・ハイド(指)
ケンブリッジ・イエス・カレッジcho
近代英国音楽界の草分け的存在である、チャールズ・ウッド(1866-1926)はとりわけ教会音楽の分野で素晴らしい作品を残しました。マニフィカト、30を超える讃歌、テ・デウムなど多くの名作がありますが,この「マルコ受難曲」は1920年完成の作品で、ルター派のコラールなどの有名な讃美歌が散りばめられた荘大な曲です。英語で書かれた受難曲の代表作としても知られています。
8.570562
リスト:ピアノ作品全集第33集〜ワーグナー&ウェーバー・トランスクリプション集
《ワーグナー原曲》
歌劇「タンホイザー」序曲
歌劇「タンホイザー」から「夕星の歌」
歌劇「タンホイザー」と楽劇「ローエングリン」から2つの小品第1番「客たちのワルトブルクへの入場」
楽劇「マイスタージンガー」から「冬の静かな炉ばたで」
楽劇「ニーベルングの指環」から「ヴァルハラへの入場」
《ウェーバー原曲》
歌劇「魔弾の射手」序曲
スティーヴン・メイヤー(P)
娘コジマと、悪名高きワーグナーが結ばれると知った時、父であるリスト(1811-1886)の心情はいかがなものだったことでしょう?自らも奔放な恋愛を繰り返した彼だけに、色々と思うことは多かったに違いありません。そんな義父リストは、「息子」の作品を数多くピアノ独奏へと編曲しました。男女間の軋轢を重厚な音色であますことなく描いたワーグナーの楽劇は、内容的にも音楽的にもリストが興味を持ったことは間違いありません。ここで聞かれるピアノ版「愛の劇場」はコンパクトな響きとはいえ、ワーグナーの描きたかった世界をきちんと昇華しています。もちろんこれらの曲を弾きこなすには並大抵の技巧の持ち主では歯がたつわけもありません。そんな息苦しいまでの対決の後に聴くウェーバーは「楽しい」の一言に尽きるでしょう。
8.570563
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲TWV40:14-25
幻想曲第1番変ロ長調
幻想曲第2番ト短調/幻想曲第3番へ短調
幻想曲第4番ニ長調/幻想曲第5番イ長調
幻想曲第6番ホ短調
幻想曲第7番変ホ長調/幻想曲第8番ホ長調
幻想曲第9番ロ短調/幻想曲第10番ニ長調
幻想曲第11番ヘ長調/幻想曲第12番イ短調
アウグスティン・ヘイドリッヒ(Vn)
テレマン(1681-1767)のこの無伴奏作品は、恐らくアマチュアか学生のために書かれたものらしく、J.S.バッハの作品に比べると技巧的には比較的容易で、恐ろしい程の重音や低音などは要求されていません。にも関わらず、聴き手には存分な満足感を与える素晴らしい作品です。自由な楽想の展開、そして飛翔するメロディは何度聴いても飽きることがありません。演奏するのは、期待の若手ヘイドリッヒ。以前リリースのハイドンの協奏曲(8.570483)でも目の覚めるような秀演を聴かせた逸材です。
8.570564(2CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻24の前奏曲とフーガBWV870-893 リュック・ボーセジュール(ハープシコード)

録音:2011年8月8-11日,2012年6月5-9日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
あらゆる鍵盤楽器のための作品の中でも、最も偉大で最も学ぶべきところが多いとされるJ.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」。1巻と2巻があり、それぞれ全ての長調と短調が用いられた24の前奏曲とフーガで構成されています。このフーガの部分には、あらゆる技術と対位法が駆使されており、学習者だけではなく、全ての音楽愛好家たちが愛してやまない曲集として知られているのです。ここで見事なハープシコードを演奏しているリュック・ボーセジュールは、すでにNAXOSに第1集を2005年に録音していて(8.557625-26)、こちらも基本を丁寧に押さえつつ、豊かな表現を湛えた演奏として評価されていますが、この第2集は更に考え抜かれた解釈と、極めて自然なテンポが心地よい、聴けば聴くほどに味が出る見事なものとなっています。
8.570567
パスクッリ:オーボエとピアノのためのオペラ幻想曲集
ドニゼッティ「清教徒」に基づく幻想曲
ドニゼッティ「ファヴォリータ」の主題による協奏曲
ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」のテーマによる大協奏曲
マイヤーベーア「ユグノー教徒」に基づく幻想曲
「ナポリの思い出」よりスケルツォ・ブリランテ
イワン・パイソフ(Ob)、
ナタリア・シチェルバコワ(P)
パスクッリ(1842-1924)は彼の世代の中で最も有名なオーボエ奏者の一人です。何しろ彼は、1860年18歳の若さでパレルモ・コンセルヴァトワールのオーボエとコールアングレの教授に就任するほどでした。その際立つ名人芸は彼の書いた幾つかのオペラ編曲物をお聴きいただければ容易に想像がつくことでしょう。演奏者パイソフはボリショイ出身の名手。どんなパッセージも易々と吹きこなしてしまいます。
8.570568
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲他
マンフレッド交響曲
交響的バラード「ヴォエヴォーダ」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音 2007年6月20-21日イギリス リヴァプール,フィルハーモニック・ホール
ヴァシリー・ペトレンコは1976年生まれ。サンクトペテルブルク音楽院であのイリヤ・ムーシンやテミルカーノフに指示した、今後の活躍が期待される逸材です。演奏はなかなかに豪壮!ソ連時代の指揮者のような野太いサウンドよりも洗練されたスタイリッシュなフォルムの音楽作りを行なっていますが、決して平均的にグローバル化した音作りではなく、表情の押しの強さ、響きの濃厚さなど、ロシア音楽の醍醐味を満喫させてくれる点は無視できません。オケの統率力、牽引力も抜群!第2楽章冒頭の木管の細かな音型もポコポコと軽く浮遊せず、一音一音を強固に刻印。音を有機化させる意思がこんなところにまで浸透しているのです。ペトレンコの実力を最高に発揮されているのが終楽章。いくらでも下品に鳴らすことも可能なこの楽章を、美しいフォルムを維持したまま、芯が強くぶれないダイナミズム惜しげもなく披露。中間部の沈静に見るハーモニーの均衡とデリカシーも必聴。オルガン登場以降の呼吸の深さはもはや巨匠級!最近台頭している若手指揮者の中には、変に自己顕示が目立つ人もいますが、ペトレンコにはそんな嫌らしさがないのです。したがって音楽の凄みをそのものを堪能することが可能となったのです、抜群に巧いオケの機能美、音質も優秀さも特筆もの。【湧々堂】

8.570568
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲、
交響的バラード「ヴォエヴォーダ」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2007年6月20-21日イギリスリヴァプール,フィルハーモニック・ホール
“郷土色とグローバリズムとの完全な調和!”
ヴァシリー・ペトレンコは1976年生まれ。サンクトペテルブルク音楽院であのイリヤ・ムーシンやテミルカーノフに指示した、今後の活躍が期待される逸材です。演奏はなかなかに豪壮!ソ連時代の指揮者のような野太いサウンドよりも洗練されたスタイリッシュなフォルムの音楽作りを行なっていますが、決して平均的にグローバル化した音作りではなく、表情の押しの強さ、SOきの濃厚さなど、ロシア音楽の醍醐味を満喫させてくれる点は無視できません。オケの統率力、牽引力も抜群!第2楽章冒頭の木管の細かな音型もポコポコと軽く浮遊せず、一音一音を強固に刻印。音を有機化させる意思がこんなところにまで浸透しているのです。ペトレンコの実力を最高に発揮されているのが終楽章。いくらでも下品に鳴らすことも可能なこの楽章を、美しいフォルムを維持したまま、芯が強くぶれないダイナミズム惜しげもなく披露。中間部の沈静に見るハーモニーの均衡とデリカシーも必聴。オルガン登場以降の呼吸の深さはもはや巨匠級!最近台頭している若手指揮者の中には、変に自己顕示が目立つ人もいますが、ペトレンコにはそんな嫌らしさがないのです。したがって音楽の凄みをそのものを堪能することが可能となったのです、抜群に巧いオケの機能美、音質も優秀さも特筆もの。【湧々堂】
8.570569
ヒナステラ:チェロとピアノのための音楽全集
パンペアーナ第2番Op.21/5つのアルゼンチン民謡による歌曲集Op.10/プネーニャ第2番Op.45「パウル・ザッハーへのオマージュ」/チェロ・ソナタOp.49
マーク・コソワー(Vc)、ジェー・ウォン・オー(P)
20世紀のブエノスアイレスにおけるもっとも重要な作曲家で、ピアソラの師匠でもあるヒナステラ(1916-1983)。彼の作品はどれもが前衛的ですが、そこはかとなく郷愁を誘う曲も多くあります。このチェロとピアノのための作品集はまさに民族的な香りの高いもので、どことなくコダーイの曲も彷彿とさせるパンペアーナをはじめ、4つの楽章全てに歌が満ちている晩年の作品チェロ・ソナタほか、モダンさと懐古趣味の入り混じった不可思議な感触がたまりません。
8.570570
ハンガリーのチェロとピアノのための作品集
バルトーク:第1のラプソディ、
リスト:ノンネンヴェルトの僧房、
ポッパー
(1843-1913):マズルカOp.11No.3、
コダーイ
:アダージョ、
ドホナーニ
(1877-1960):ハンガリー牧歌Op.32d、
ポッパー
(1843-1913):セレナーデOp.54No.2、
ドホナーニ(1877-1960):チェロ・ソナタ変ロ短調Op.8、
ローザ
(1907-1995):無伴奏チェロのためのトッカータ・カプリチオーザOp.36
マーク・コソワー(Vc)、ジェー=ウォン・オー(P)
ヒナステラ(8.570569)でも素晴らしい演奏を聴かせてくれたコソワーとオーによるハンガリーのチェロ名曲集です。民謡をアレンジしたバルトークのラプソディや、大規模なドホナーニのソナタ、リストの「ノンネンヴェルトの僧房」、そしてサロン風のポッパーの作品など興味深い作品が並びます。中でも、ロージャの無伴奏作品は名人芸を駆使した驚異的な音楽です。
8.570571
W.F.バッハ:オルガン作品集
フーガト短調Fk.37/
コラール前奏曲Fk.38/1No.3「イエス、我が喜び」
フーガヘ長調Fk.33
コラール前奏Fk.38/1No.1「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」
フーガハ短調Fk.32/フーガハ短調
コラール前奏曲Fk.38/1No.「アダムの堕落によりて」
フーガヘ長調Fk.36「三重フーガ」
コラール前奏曲Fk.38/1No.6「わが神の欲したもうこと、つねに起こらん」
フーガハ短調
コラール前奏曲Fk.38/1No.7「我らキリストのともがら今喜びて」
フーガ変ロ長調
コラール前奏曲Fk.38/1No.5「われ汝に感謝す、主イエス・キリスト」
フーガニ長調
コラール前奏曲Fk.38/1No.2「日にして光なるキリスト」
フーガ変ロ長調/17.フーガイ短調
ジュリア・ブラウン(Org)
ゴットフリート&マリー・フックス・オルガン(パウル・フリッツ制作)
J.S.バッハの長男として生まれ、その音楽的才能を嘱望されながらも結局大輪の花を咲かすことなく生涯を閉じてしまったヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1780)。ヴァイマールに生まれ、ライプツィヒで教育を受け、1746年にハレの教会でオルガニストとして活躍しますが、就任の際の父のコネがあまりに強かったためか、父バッハの死後は、いろいろとうまく行かなくなってしまい、1746年に退任してからは、亡くなるまで放浪の日々を続けベルリンで死去しました。しかし、その自由を求める性格は音楽に反映されていて、ここで聴けるオルガン作品も、到底古典派の作品とは思えぬほどロマンティックで、柔軟な作風と形式を有しています。
8.570572
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲第1番&第2番
ピアノ五重奏曲第1番ハ短調Op.1
ピアノ五重奏曲第2番変ホ短調Op.26
ゴットリープ・ウォルフィッシュ(P)
エンソSQ<モーリーン・ネルソン(第1Vn)/ジョン・マルクス(第2Vn)/メリッサ・リードン(Va)/リチャード・ベルチャー(Vc)>

録音:2007年5月28.29日カナダオンタリオ,トロントCBC,グレン・グールド・スタジオ
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父に当たるドホナーニ・エルノ(1877-1960)の2つのピアノ五重奏曲です。1897年、オイゲン・ダルベールとともに学んでいたドホナーニは、ベルリンでピアニストとしてデビューするための準備を始め、ドイツとオーストリアでコンサートを行い、ハンス・リヒターの招きでロンドンに出かけ、ここでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏して、素晴らしい成功を収めます。その後、彼はリストを親しくなることを目論み、ロシアとアメリカを含むコンサート・ツアーを行い、その後は紆余曲折を経ながらもハンガリーの音楽の発展に力を尽くします。この1895年に書かれた第1番のピアノ五重奏曲は、ブラームスに絶賛されたという魅力的な作品です。確かにブラームスからの影響を強く受けたと思われる雰囲気が横溢し(特に第3楽章)、これは若き作曲家の意欲を示すとともに、その行く末を暗示させるかのようなドラマティックな側面も見せています。それに比べ、1914年に書かれた第2番の五重奏曲は、冒頭から重苦しく激しいもので、ドホナーニの作風の変化を目の当たりにすることができるでしょう。第3楽章のメロディも民謡調であり、第2主題はただただ厳粛です。名手ウォルフィッシュとエンソ弦楽四重奏団による迫力ある演奏は、聴くものの心を捉えてやみません。
8.570577(2CD)
バッハ:フーガの技法BWV1080
4声のコントラプンクトゥス1-5
4声のコントラプンクトゥス「フランス風のスタイル」6
拡大と縮小による4声のコントラプンクトゥス7
3声のコントラプンクトゥス8
12度4声のコントラプンクトゥス9
10度4声のコントラプンクトゥス10
4声のコントラプンクトゥス11
4声鏡像のコントラプンクトゥス12
3声鏡像のコントラプンクトゥス13
3つの主題による4声のフーガ19
8度のカノン15/8.10度のカノン16
12度のカノン17/反行の拡大カノン14
2台の鍵盤楽器のためのフーガ*
セルジオ・ヴァルトーロ(ハープシコード)
マッダレーナ・ヴァルトーロ(ハープシコード)*
バッハ(1685-1750)の未完の大作である「フーガの技法」は西洋の作曲技法の基礎を全て詰め込んだものとして知られます。様々な様式・技法による14曲のフーガと4曲のカノンは演奏的にも困難を極め、これまでにも多くの演奏家によって形作られてきていますが、このセルジオ・ヴァルトーロによる新録音は、最近公表された1751/1752年出版譜のファクシミリ版を用いたもので、その詳細な研究結果も含め、「フーガの技法の歴史」に一石を投じるものになるかもしれません。ヴァルトーロによる詳細な解説(英語)はwww.naxos.comからダウンロードできます。ちなみに、未完のフーガは曲の途中に置かれているので(バトラーの復元版と同じ順序)聴いていても取り残された気分になることはありません。
8.570579
ブクステフーデ:ハープシコード作品集第1集
トッカータト長調BuxWV165/暁の星はいと麗しかなBuxWV223/組曲ニ短調BuxWV233/フーガ変ロ長調BuxWV176/組曲ハ長調BuxWV226/アリアイ短調BuxWV249/カンツォーナハ長調BuxWV166/「我が愛する神に」からパルティータBuxWV179/カンツォネッタイ短調BuxWV225
ラルス・ウルリク・モーテンセン(ハープシコード)
以前DACAPOレーベルよりリリースされ好評を博したブクステフーデ(1637?-1707)の作品集がNAXOSスタンダードにて再発売されます。オルガン作品で有名なブクステフーデですが、ハープシコードのための作品もすばらしく精緻なものばかり。ここに収録された様々なスタイルの曲はどれも聴いて飽きることがありません。デンマークの名手モーテンセンの絶妙なテクニックをお楽しみください。原盤MARCOPOLO(DACAPO)8.224116。
8.570580
ブクステフーデ:ハープシコード音楽集第2集
アリア「宮廷風に」と12の変奏曲BuxWV247
組曲ト短調BuxWV242
フーガハ長調BuxWV174
クーラント・シンプルと8つの変奏曲BuxWV245
カンツォネッタト長調BuxWV171
組曲ホ短調BuxWV235
カンツォネッタト長調BuxWV170
わが魂よ今ぞ主をたたえよBuxWV215
ラルス・ウルリク・モーテンセン(Cemb)
ブクステフーデ(1637?-1707)と言えばオルガン作品ばかりが有名ですが、ハープシコードの作品もすばらしいものがたくさんあります。オルガンよりも各声部が聴きとり易いため、その複雑な対位法がよく理解できるのも嬉しいです。変奏曲でのモティーフ処理、そして組曲での各々の楽曲の統一性、これらを聴けば聴くほどにその完成度の高さに唸らざるを得ないでしょう。原盤DACAPO:8.224117からの移行盤。
8.570581
ブクステフーデ:ハープシコード作品集第3集
組曲イ長調BuxWV243
カンツォネッタニ短調BuxWV168
組曲ヘ長調BuxWV238
前奏曲ト長調BuxWV162
アリア「カプリッチョーサ」による32の変奏曲ト長調BuxWV250
ラルス・ウルリク・モーテンセン(ハープシコード)
DACAPO8.224118より移行盤。この第3集、一番の聴きどころは何と言っても「カプリッチョーサ」の変奏曲です。これぞまさにブクステフーデ(1637-1707)の「ゴルトベルク変奏曲」と申しても過言ではありません。鍵盤楽器におけるありとあらゆる技巧を駆使した30分近くにもなる華麗なる音絵巻。もし、あのピアニストが演奏していたならば、もっと有名になったと思われるスゴイ曲です。
8.570582
エネスコ:チェロ・ソナタ集
チェロとピアノのためのソナタ第1番へ短調Op.26No.1
チェロとピアノのためのソナタ第2番ハ長調Op.26
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)、
マルティン・チバ(P)
20世紀前半の偉大なるヴァイオリニスト、作曲家エネスコ(1881-1955)はその活動の初期の時代にたくさんの室内楽曲を書きました。このチェロ・ソナタ第1番も1898年頃に書かれたにもかかわらず、なぜか1935年まで公表されることはありませんでした。独自の作風が確立された第2番に比べると、ブラームスなどの影響を感じないわけでもありませんが、若々しい情熱に溢れた美しい作品です。チェロのブルイアーナの共感溢れた美音に心が震えます。
8.570583
フロロフ:ピアノとヴァイオリンのための作品集
ジョージ・W・マイヤー:いくらなんでも/フロロフ:エチュード第1番/アルメイダ(フロロフ編):愛の歌/フロロフ:スペインの幻想/カーン(フロロフによる2台のヴァイオリン編):煙が目にしみる/フロロフ:スケルツォ・スーヴェニール/ブルースのスタイルによる小品/ディヴェルティメント/古いスタイルによる二重奏/ジョプリン(フロロフよる2台のヴァイオリン編):イージーウィナーズ/アルメイダ(フロロフ編):メロディ/ガイス(フロロフ編):スウェーデンの別れのワルツ/フロロフ:ロマンス/フロロフ:ガーシュインのポーギーとベスのテーマによる演奏会用幻想曲
ニコラス・ケッケルト(Vn)、
ルドルフ・ヨアヒム・ケッケルト(Vn)、
クリスティーナ・ミラー(P)
ヴァイオリン教師と伴奏者を父母として生まれ、豊かな音楽環境の下で育ったフロロフ(1937-)。彼は作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト、そして教師として素晴らしい活動をしています。彼の作品にはしばしばジャズの要素が見られ……などと説明は抜きにして、とにかくこの1枚を聴いてください。まずは、あの有名な「煙が目にしみる」から!
8.570584
タネーエフ:管弦楽作品集
歌劇「オレステイア」序曲Op.6
歌劇「オレステイア」第3幕間奏曲「デルフォイのアポロ神殿」
アダージョ ハ長調
ロシアの主題による序曲
モスクワのプーシキン記念館の除幕の為のカンタータ
カンツォーナ*、序曲ニ短調
トーマス・ザンデルリンク(指)
ノヴォシビルスク・アカデミックSO
スタニスラフ・ヤンコフスキー(Cl)*
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニック室内cho
ロシアの作曲家、ピアニスト、教師および対位法の研究者セルゲイ・タネーエフ(1856-1915)の作品集です。このアルバムには彼の唯一のオペラである「オレステイア」からの長大な序曲を中心に、抒情性と対位法に彩られたいくつかの作品を収録しています。ロシア的なものを聴きたければ、トラック4や5がオススメです。どっしりとしたものを聴きたければトラック7などはいかがでしょう。チャイコフスキーのようなわかりやすい抒情性に、若干の男らしさを付け加えた思いきりの良い音楽が魅力です。

「オレステイア」序曲はオペラの序曲としては異例の20分を要する大作。構成的にも色彩的にも相当のこだわりが盛り込まれており冗長さを感じさせません。前半は一定のテーマが壮麗に発展し続け、マンフレッド交響曲のような劇的な盛り上がりを見せますが、後半は緩やかなテンポで清々しく陽の光をたっぷり浴びた明るい色彩を振り撒いて感動的。「アダージョ ハ長調」ではエルガーのような気高さも見せます。 【湧々堂】
8.570585
クラウス:歌劇「カルタゴのイーニアス」〜管弦楽作品集
1.プロローグ・序曲/2.プロローグ・ゼフィルスのバレ/3.プロローグ・ナイアードとトリトンの踊り/4.第1幕・序曲/5.カルタゴの行進曲/6.ガヴォット/7.第2幕・狩猟の呼び声/8.追いかけ合い/9.争いのエア/10.アーチェリーのコンテスト/11.嵐/12.第3幕・カルタゴの行進曲/13.ヌミディアの行進曲/14.カルタゴの娘たちの踊り/15.司祭の踊り/16.第4幕・ローマの兵士たちの行進曲/間奏曲/17.第5幕・序奏/18.バレ/19.メヌエット第1&第2/20.シャコンヌ
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
最近、急速に知名度が上がってきている「北欧のモーツァルト」ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)がとりわけ得意としていたのがオペラや劇音楽でした。この分野で彼がどれほどの偉業を成し遂げたのかは、このアルバムをお聴きいただければ即座にわかっていただけることと思います。この「カルタゴのイーニアス」は1781年に建立されたストックホルムの新しいオペラ・ハウスの?落としのためにと作曲を始めたものですが、負債を背負ったプリマドンナが、オーケストラのコンサートマスターである夫と共にスウェーデンから逃げてしまったという突然のアクシデントをきっかけに、クラウス自身が作品を見直し手を入れ続けたため、結局10年後の1791年になるまで初演されなかったという渾身の作品です。今や名指揮者として君臨するガロワの的確な演奏は、この曲の評価を揺るぎないものにしています。
8.570587
F.カルッリ&G.カルッリ:ギターとピアノのための作品全集第1集
ベートーヴェン(F.カルッリ編):モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」の主題による変奏曲Op.169
F&G.カルッリ:ロッシーニの主題による二重奏曲Op.233
 協奏的大二重奏曲イ長調Op.65
F.カルッリ:夜想曲ト長調Op.12
F&G.カルッリ:二重奏曲ニ長調Op.134
F.カルッリ:ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲
 ロッシーニの歌劇「アルミーダ」序曲
 ロッシーニの歌劇「セビリヤの理髪師」序曲
フランツ・ハラス(G)
デボラ・ハラス(P)
ナポリ生まれのフェルディナント・カルッリ(1770-1841)は最初チェロを学びましたが、20歳の時にギターと出会い、それ以降の人生をギターの研究と進歩のために捧げた人です。彼が生み出したギター奏法は現在でも受け継がれ、多くの学習者がその恩恵に与っているのです。彼は400を超えるギター曲を書きましたが、現在ではほとんどが散逸してしまい現存するのは僅かです。彼の息子グスタボ(1801-1876)も才能あるギタリストで、教師としても大成しました。第1集では、ロッシーニやベートーヴェンの編曲を中心に収録、まさに驚くべき曲の宝庫です。
8.570588
F.カルッリ(1770-1841)&G.カルッリ(1801-1876):ギターとピアノのための作品全集第2集

F.カルッリ:1-3.二重奏曲ハ長調Op.11
 二重奏曲ハ長調Op.150
 二重奏曲ト長調Op.151
 3つのワルツOp.32
F.&G.カルッリ:ロッシーニの主題によるメランジェと二重奏曲Op.236
F.カルッリ編曲:12.リーズの大行進曲ニ長調Op.168
 歌劇「チェネレントラ」序曲(ロッシーニ)
 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲(ロッシーニ)
F.カルッリ:大二重奏曲ホ短調Op.86
フランツ・ハラス(G)/デボラ・ハラス(P)
第1集(8.570587)で全国のギターファンの度肝を抜いたカルッリ親子の第2集の作品集です。今作は父カルッリの作品を中心に収録、ロッシーニやリーズの作品の編曲とオリジナル作品をたっぷりとお聞きいただけます。ずっと教育者としてしか認知されなかったカルッリですが、20世紀になってJ.ブリームやJ.ウィリアムスによって蘇演されてから、ようやく作曲家としての重大さが知られはじめてきたと言うことで、その間の空白期間は何とももったいないことです。二重奏での流麗なメロディを聴くと、その思いは一層強くなることでしょう。それほどまでに魅力的な作品たちです。
8.570589
フランツ・シュミット:交響曲第2番他
交響曲第2番変ホ長調
オルガンと16の管楽器と打楽器のための「フーガ・ソレムニス」
アンダース・ジョンソン(Org)
ヴァシリー・シナイスキ(指)マルメSO
1874年、プレスブルク(当時はハンガリーのポズソニー)で生まれたフランツ・シュミット(1874-1939)は、幼いころから天才ピアニストとしてハンガリーで活躍していましたが、14歳の時、父親が営む運送業が不正行為に加担していたとされ、一家はウィーンへ移住。そこで彼は当時ウィーンで活躍していた音楽家たちと親しくすることができました。彼はシェーンベルクと同じ年であったにも関わらず、生涯を通じて前衛的な音楽に手を染めることはなく、一生を通じて後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。この交響曲第2番は1911年から12年に書かれ翌年にウィーンで初演されました。フランツ・シャルクに献呈されていて、弦楽器の書法などから、当時「最も演奏困難な交響曲」の一つに数えられたほどです。大編成の管弦楽の響きが好きな人にはたまらない作品で、第2ヴァイオリンとクラリネットで開始される第1楽章の冒頭から劇的な色合いを帯びていて、時折聞こえる湧き上がるような金管の咆哮は、あの「7つの封印の書」の一節をも思い起こさせてくれます。何といってもこの曲の特徴的なところは第2楽章の長大な変奏曲でしょう。珍品「フーガ・ソレムニス」もすごくカッコイイ作品です。
8.570590(2CD)
老いのいたずら
ロッシーニ:老いのいたずら第7巻、
老いのいたずら第9集
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
37歳で最後(!)のオペラ「ウィリアム・テル」を発表後、44歳で引退表明、後は悠々自適の人生を送った幸せな作曲家ロッシーニ(1792-1868)。そんな彼が引退後に折にふれ書き綴ったピアノ曲や歌曲、室内楽の数々がこの「老いのいたずら」です。ほどよく肩の力の抜けたオシャレで楽しい小品ばかり。特に第7巻の録音はほとんどありません。貴重です。
8.570596
ロシアのオーボエ
ルフト(1813-1877):ロシア民謡の主題による幻想曲
リムスキー=コルサコフ:オーボエのための変奏曲ト短調(オーボエとピアノ版)
グリエール:小品集Op.35〜.第3番「歌」/第4番「アンダンテ」
アサフイェフ(1884-1949):オーボエとピアノのためのソナタ
チェレプニン(1873-1945):管楽器のためのスケッチOp.45〜第3番/第4番
ドラニシニコワ(1929-1994):詩曲、
ゴルロフ
(1926-):組曲
リムスキー=コルサコフ:歌劇「皇帝サルタンの物語」より「熊蜂の飛行」
イワン・パイソフ((Ob)、
ナタリア・シチェルバコワ(P)
150年以上に渡るロシアのオーボエ音楽の流れを楽しむ1枚です。19世紀のロシア・オーボエ界の重鎮だったルフトは、現在ではオーボエの練習曲のみが知られますが、ここで聴ける「ロシア民謡の主題による幻想曲」は、あの「赤いサラファン」を元にしたまばゆいばかりの作品です。他にはR・コルサコフから現代の作品まで抒情性と妙技を併せ持つものばかり。「熊蜂の飛行」の目も眩むような音の動きは感動ものです。
8.570597
F.X.リヒター:6つの大交響曲集
交響曲第4番ハ長調
響曲第59番変ロ長調
交響曲第69番イ長調
交響曲第82番ホ短調
交響曲第27番ト短調
響曲第5番ハ長調
アーポ・ハッキネン(指)
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
マンハイムの作曲家F.X.リヒター(1709-1789)の最も脂の乗った時期の大交響曲を6曲収録しました(第1集8.557818も好評発売中)。1744年に発表されたこれらの作品は、極めて整ったゆったりした楽章と、見事な対位法の粋を極めた早い楽章から出来ています。少しだけ遅く生まれたワーゲンザイル(1715-77)が当時の先端を行くスタイルを模索したのに比べ、リヒターはバロックの伝統を熟成させることに力を注ぎ、確固たる作品を作り上げて行きました。ハッキネンとヘルシンキ・バロックは作品の美質をこの上ないほど素晴らしく再現することに成功したのです。
8.570599
柳済準:シンフォニア・ダ・レクイエム他
シンフォニア・ダ・レクイエムOp.11
ヴァイオリン協奏曲第1番Op.10*
イ=ネ・キム(S)
ポーランド放送cho
カメラータ・シレシア
ウカシュ・ボロヴィチ(指)ポーランド放送SO
ソ・オック・キム(vn)
ピョートル・ボルコフスキー(指)ポドラシェPO*
1970年生まれの若き作曲家柳済準はソウルで生まれ幅広い音楽教育を受けました。作曲を姜碩煕とペンデレツキに学び、数多くの賞を受賞、韓国で最も才能ある作曲家の一人と目されています。08年に初演された「シンフォニア・ダ・レクイエム」はペンデレツキにも傑作と評価され、初演時には10分ものスタンディング・オベーションで迎えられました。荒れ狂うかの様な感情表現は若き才能をストレートに伝えるものでしょう。ロマン派の香り漂うヴァイオリン協奏曲の美しさにも耳が奪われます。

8.570600
馬思聡(マー・スツォン):ヴァイオリンとピアノのための音楽集第1集
跳龍燈「龍燈の踊り」(1953)、
山歌(1953)、牧歌(1944)、
内蒙組曲「モンゴルの内なる組曲」(1937)、
揺籃曲「子守歌」(1935)、
跳元宵「燈祭の踊り」(1952)、
阿美組曲(1981)、
第一廻旋曲「ロンド第1番」(1937)、
西藏音詩「チベットの音詩」(1941)
・シャオ=メイ・クー(Vn)、
ニン・ルー(P)
マ・シコン(1912-1987)(マー・スツォンとも表記される)は11歳のときにヴァイオリンを学ぶためフランスに留学し、1931年にはパリ音楽院に入学しています。中央音楽学院の院長も努めましたが、1966年の文化大革命で迫害を受け、アメリカに亡命。一生を終えるまでアメリカで過ごしました。彼の功績はここで聴けるように五音階を駆使した「いかにも中国のメロディ」をモティーフとし、個性的な音楽を作りあげたこと。フォーレを思わせるトラック7の美しい「子守歌」も、どことなくエキゾチックな味わいに満ちてます。
8.570601
シェン:春の夢他
ヴァイオリンとオーケストラ,中国の楽器のための「春の夢」
3つの幻想曲<第1番夢の歌/第2番チベットの大気/第3番カザフスタンの愛の歌>/チベット人の踊り<1.前奏曲/2.歌/3.チベット人の踊り>
チョーリャン・リン(Vn)、
葉聡(指)
シンガポール・チャイニーズ・オーケストラ、
アンドレ=ミシェル・シューブ(P)、
エリン・スヴォボーダ(Cl)、
ブライト・シェン(P)
中国系アメリカ人作曲家、シェンの作品集です。中国やチベット、あるいはカザフスタンの音楽を素材として用いた、まるで 金の糸で織られたような光り輝く音楽は、どこか儚げで夢の中のような響きを持っています。例えば「真夜中のベル」での、 絶妙に組み合わされた懐かしい音色の合間をよぎる不安気な音の塊は、聴き手の背中をぞくぞくさせる何かにほかなりません。 ともあれ、この特徴的な音は、さまざまな文化が行き交うアメリカにおいて絶大なる人気を誇っています。
8.570602
中国のピアノ曲集
瀏陽河/百鳥朝鳳/銀の雲は月を追う/日暮れの笛と鼓/穏やかな湖面に映る秋の月/赤い山椿が咲き誇る/月の光に照らされる2 つ目の泉/新しい命の祝福/児童組曲/荒波の音/さようなら/南海の兵士
ジー・チェン(P)
2008年のオリンピック開催で世界的に注目の集まる中国のピアノ音楽集です。独自の文明を誇る中国らしく、西の文化の象徴である「ピアノ」の音楽は20 世紀の前半まで書かれることはありませんでした。このアルバムに収録された作品も191 年から1949 に書かれたものです。多くの作品は有名な民謡や、中国の古くからのメロディを用いたもので華麗で親しみやすく、聴き手のイメージ通りの世界が広がります。
8.570603
ゲ・ガンリュ:バグダード陥落
弦楽四重奏曲第1番「賦」
弦楽四重奏曲第4番「天使の組曲」
弦楽四重奏曲第5番「バグダード陥落」
モダーン・ワークス[吉岡愛理(第1Vn)、福原真由紀(第2Vn)、ヴェロニカ・サラス(Va)、メデリーネ・シャピロ(Vc)
マニアの間で大反響を巻き起こしている中国作曲家シリーズにまた新たなレパートリーが加わりました。このアルバムは1954年、上海生まれのゲ・ガンリュ(葛甘孺)(1954-)の弦楽四重奏曲です。中国において最初のアバンギャルドの作曲家であり、アメリカのコロンビア大学から博士号を得たことでも知られる彼は、作品の中で東洋と西洋の音楽の特性を統合しようと試みを繰り返しています。1983年に書かれた第1番の四重奏曲からその独特の書法は際立っていますが、「天使の組曲」で現れる、ポルタメントとグリッサンドを多用し生み出された微分音は、不気味さを通り越してまるでシルクロードを越えて東方の世界を夢見るほどに神秘的です。その特徴的な音色は「バグダード陥落」でも顕著です。
8.570604
チョウ・ロン/チェン・イ:野草
チョウ・ロン:遡及(フルートと琴編)、
 ピアノゴング(ピアノとゴングによる)、
 タイピン・ドラム(ヴァイオリンとピアノによる)
チェン・イ:モノローグ(阿Q正伝による印象)、
 笙と琴のロマンス(ヴァイオリンとピアノ編)、
 中国古代舞曲
チョウ・ロン:野草(語りとチェロによる)、
鼓韻(クラリネット、ヴァイオリン、チェロとパーカッションによる)
北京ニュー・ミュージック・アンサンブル
[ニコラ・アタナソフ(Fl)/ナ・ウ(琴)/ミシェル・イップ(P)/カン・ガオ(ゴング&ヴァイオリン)/ケイト・リプソン(Cl)/周龍(ナレーター)/ユ・ヤン・チャオ(Vc)/エリー・マーシャル(指)]
1953年生まれの2人の中国人作曲家、チョウ・ロン(周龍)(1953-)とチェン・イ(陳怡)(1953-)の作品集です。音の一つ一つに強烈な存在感を持たせた感のある「遡及」、トッカータを聴いているかのような爽快感と躍動感に溢れる「ピアノゴング」、中国的な響きと言えばこの曲「タイピン・ドラム」など色彩豊かな周龍の作品に比べ、陳怡の作品は全体的に抒情性に満ちた優しげな表情が特徴的です。クラリネットとピアノの掛け合いで曲が進む「中国古代舞曲」の自由闊達な音楽は、聴き手に喜びをもたらすこと間違いありません。
8.570605
馬思聡(マー・スツォン):ヴァイオリンとピアノのための音楽集第2集
春の踊り(1953)/ロンド第2番(1950)
メロディ(1952)/秋の収穫祭の踊り(1944)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1984)
高山組曲(1973)/ロンド第3番(1983)
バラード(1952)/ロンド第4番(1983)
顧小梅[シャオ=メイ・クー](Vn)
魯寧[ニン・ルー](P)
第1集(8.570600)でその才能をまざまざと見せつけた中国の作曲家、馬思聡(1912-1987)の作品集第2集です。このアルバムにも興味深い作品ばかりが収録されています。1912年に広東省海豊県で生まれ、最初はフランスへ留学、パリ音楽院で学びます。その後、文化大革命で迫害を受けアメリカに亡命しました。1983年に「ロンド第4番」を作曲した直後、彼は日記の中で「私はいつ、この追放から解放されるのか誰もしりません」と胸が張り裂けんばかりのコメントを残しています。ここで聴ける彼の作品も、フランス風な流麗で移ろう和声と、中国音楽独特の五音階が入り混じっているものばかりで、その独特な味わいは聴くほどに深みを増すものばかりです。
8.570607
ピアノ協奏曲「黄河」・「梁山伯と祝英台」
ピアノ協奏曲「黄河」(星海(1905-1945):「黄河」大合唱による)〈作曲:殷承宗-Yin Chengzong(1941-)/盛礼洪-Sheng Lihong(1926-)/儲望華-ChuWanghua/劉庄-Liu Zhuang(1932-)/石叔誠-Shi Shucheng(1946-)/許斐星-Xu Feisheng〉<前奏曲:黄河の船頭の歌/黄河への頌歌/怒りの黄河/黄河を守れ>
陳剛-Gang Chen(1935-)/何占豪-Zhanhao He(1933-):ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台(バタフライ・ラヴァーズ)」(ピアノ協奏曲編…陳剛)
チェン・ジー(P)/
キャロリン・クァン(指)ニュージーランドSO

録音:2011年9月14-16日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
1939年に作曲家である?星海が、管弦楽と合唱のために書いたカンタータ「黄河」。こちらは7曲からなる壮大な合唱曲ですが、1969年の文化大革命の時期に、この中から4曲だけを抜粋し、当時の作曲家集団によってピアノ協奏曲へと編曲されました。毛沢東の妻、江青が大絶賛したというこの作品、1976年の「四人組」の失脚後は演奏がタブーとされ、一時期は「幻の曲」として珍重されていたものです。もう1曲の「梁山伯と祝英台」は本来、ヴァイオリン協奏曲として作られましたが、ここでは作曲家の一人、陳剛によって全く新しいピアノ協奏曲へと変貌させられています。豊かな文化に支えられた広大な国である中国。どのような状況に於いても、美しいものを愛する心は不変であることを願うばかりです。
8.570608
タン・ドゥン(譚盾):3つの音符のための交響詩(2012)
オーケストラル・シアターT"Xun"
管弦楽のための協奏曲-マルコ・ポーロより
タン・ドゥン(指)香港PO

録音:2012年2月27-29日ホンコン・カルチャー・センター・コンサート・ホール
現代中国を代表する作曲家、タン・ドゥン(-1957)。彼の活躍は国際的であり、指揮者としても広く活動しています。舞台作品から映画音楽まで幅広く手掛け、その作品の多くには中国の伝統楽器が用いられるなど、西洋音楽と東洋音楽の融合を図ることでも知られています。またそれに留まらず、珍しい楽器や奏法にも貪欲な興味を示し、水の音や紙から生まれる音色すらも、自らの音楽にとりいれています。このアルバムには2012年に書かれた、とびきりの新作も含む3つの作品が収録されています。彼の親しい友人である歌手プラシド・ドミンゴのために書かれた「3つの音符のための〜」、彼の作曲技法のエキスが存分に詰まった「管弦楽のための協奏曲」、そして彼の名を決定的にした「オーケストラル・シアター」。まるで映画を見ているような鮮明なイメージが浮かぶはずです。作曲家自身の指揮は、これらの曲に有無を言わせぬ説得力を齎していること間違いなし。
8.570609
葛甘孺(ゲ・ガンリュ):上海の回想他
上海の回想(2009)
第1部:幼年時代<静安時/ヴァイオリンの初心者/自転車の音楽/旅商人の歌I(刃物研ぎ)/ハエが飛び回る禿げ頭/旅商人の歌II(スイカ)/旅商人の歌III(ゆで豚)/旅商人の歌IV(煎り銀杏)/夏の夜のイカしたパーティ>
第2部:文化革命-目覚め<成長するヴァイオリニスト/混沌/革命行進曲/幻想曲/嘆き/15.目覚め>
バタフライ序曲(2012)
:マヤ・イワブチ(Vnソロ)
ロイヤル・スコテイッシュ・ナショナルO
葉聡(イェ・ツン)(指)

録音:2013年6月20.21日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
※世界初録音
上海で生まれ、アメリカのコロンビア大学で博士号を得た作曲家葛甘孺(ゲ・ガンリュ1954-)の作品集です。以前の弦楽四重奏曲では、微分音や特殊奏法を駆使した不思議なハーモニーで魅了しましたが、今作の「上海の回想」は自らの体験を基にした「大河ドラマ」のような作品となっています。5歳からヴァイオリンを始めた彼の幼い視点は、様々な街の音を拾いながら、少しずつ芸術家としての使命を見据えていきます。彼が生まれた1954年は、すでにヴァイオリンを学ぶことに対しての偏見があり、幼い彼がレッスンをするときには、両親は彼のヴァイオリンにミュート(弱音器)をつけなくてはいけなかったのです。そして勃発した「文化大革命」のため、高校卒業後に強制収容所に送られ農作業に従事するも、その才能が認められ、ヴァイオリニスト、作曲家として成功するのです。そんな思い出がきっちり描かれたこの作品が演奏されるだけでも、中国という国の良い変化が見て取れるのではないでしょうか。素晴らしい文化を有する国の将来に幸福があることを祈らずにはいられません。
8.570610
ブライト・シェン:炎立つ蜃気楼、他
1.歌と涙の踊り(2003/2013改編)
2.深紅の色(2004)
3.炎立つ蜃気楼(2012)
フイ・リー(琵琶…1)
トン・ウー(笙…1)
トレイ・リー(チェロ…1)
サ・チェン(ピアノ…1)
パイアス・チェン(マリンバ…2)
香港フィルハーモニック
ブライト・シェン(指)

録音2013年5月7.8日、2013年5月9日、2013年5月9.10日
上海出身のピアニスト、作曲家&指揮者ブライト・シェン(盛宗亮1955-)。彼は現代アメリカで活躍する作曲家の中でも最も人気があり、その作品はどれも注目を浴びています。ここに収録された3つの作品も、それぞれ溢れるばかりの物語と強烈なサウンドに満たされた印象的なものであり、彼の音楽を聴く楽しみがたっぷり詰まっていると言えるでしょう。2000年の夏、民族音楽収集のため、2か月間をシルクロードで過ごしたシェン。この体験から生まれたのが「歌と涙の踊り」です。ここでは出会った情景や音を直接的に用いるのではなく、あくまでも自らのフィルターを通した音楽で表現したとのことでした。「深紅の色」はマリンバが奏でる愛の詩。チベット高原の空気が感じられます。「炎立つ蜃気楼」は敦煌に眠る膨大な宝物からインスパイアされて書かれたもの。中国と中央アジアの文化の象徴たる音楽です。
8.570611
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」他
周龍:太鼓の韻(2003)
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」(2009)
周龍:エンライテンド(2005)
ニュージーランドSO
ダレル・アン(指)

録音:2013年6月4-6日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォーラー・センター
※世界初録音
ピューリッツァー賞を受賞したことでも知られる、中国で最も名声ある作曲家の一人、周龍(1953-)の作品集です。ブリガムヤング大学とシンガポールSOとの共同委託作品である「太鼓の韻」は日本の伝統的な太鼓(Taiguとは中国で太鼓を意味する)の歴史を紐解くものであり、もともと和太鼓の起源は仏教の教義、そして中国の宮廷儀式から生まれた「Taigu」の伝統に遡ることができるということで、ここから雅楽や能楽へ、またコミュニケーションの手段として、様々な形に発展していったのです。しかしながら、中国ではTaiguはほとんど生き残っておらず、唯一、唐王朝の宮廷音楽にその一部の断片が残っているだけだと言われます。この「太鼓の韻」ではそんな古代の芸術様式と、現在のオーケストラアンサンブルに多彩なパーカッション(初演時には日本の太鼓で演奏された)を加えることで、その伝統を振り返ります。広州SOの委託作品である「虎門1839」は陳怡(1953-)との共同作品で、これは1839年に広東省で行われた「アヘン1000トンの公開処分(焼却されたと言われている)」を記念した曲で、4楽章からなる刺激的な音楽です。3曲目のタイトル「エンライテンド」は「悟りを開く」という意味であり、原題世界の闘争と、平和、光と愛を描いた壮大な曲です。
8.570614
チェン・チーガン(陳其鋼):忘れられた魔法他
ピアノと管弦楽のための「二黄」(2009)
大弦楽合奏,ハープ,ピアノ,チェレスタ,ティンパニとパーカッションのための「失われた魔法」(2004)
二胡と管弦楽のための「失われた時」(2002)
イェン・チュン=チー嚴俊傑(P)
ヤン・ジェミン(二胡)、台湾ぽ(P)
リュー・シャオ=シャ呂紹嘉(指)

録音:2014年1月3-4日台湾台北,ナショナル・コンサート・ホール
※世界初録音
現代中国における作曲家の中でも「最も著名な人」として讃えられる陳其鋼(1951-)の作品集です。画家の家に生まれるも、文化大革命の粛清の嵐に巻き込まれ、26歳になるまで音楽を学ぶことが出来なかった彼ですが、1977年にようやく北京中央音楽院に入学、その7年後にはパリに留学し、4年間オリヴィエ・メシアンの弟子となりフランス風の様式を身につけながら、そのままフランス国籍を取得し、国際的に名を知られることとなりました。このアルバムに収録された3つの作品は、どれも比較的最近の作品で、ピアノ協奏曲である「二黄」はカーネギーホールからの委嘱作。中国のメロディを用いながらも、どこかラヴェルの協奏曲を思わせる豊かなメロディを持った曲となっています。珍しい編成を持つ「失われた魔法」は2008年にアラン・ギルバートとフランス放送フィルによって初演された曲で、こちらも洗練された美しさを誇っています。二胡の特徴的な響きを生かした「失われた時」も、中国伝来のメロディが生かされていますが、二胡奏者には超絶技巧が要求されるという難曲です。中国古来の響きと現代を繋ぐ注目作です。
8.570615
ゴードン・シーウェン・チン‐金希文:交響曲第3番「台湾」他
チェロ協奏曲第1番(2006)
交響曲第3番「台湾」(1996)
:ウェン=シン・ヤン(Vc)…
台湾フィルハーモニック
リュー・シャオチャ‐呂紹嘉(指)

録音:2014年1月5-7日台湾台北,ナショナル・コンサート・ホール
世界初録音
台湾を代表する現代作曲家の一人、ゴードン・チン(1957-)の作品集です。以前リリースされた「二重協奏曲」と「ファルモサの四季」(8.570221)でも、響きこそ前衛的でありながら、独特の叙情性を持つ音楽が展開されていましたが、このアルバムに収録された2つの作品も傾向は同じものであり、時として驚くほど美しい部分があったりと、興味の尽きない人であるといえるでしょう。古典的な3楽章形式を持つと見せかけて、実はそれぞれの楽章が結びついているという「チェロ協奏曲」は、各々の楽章にシェイクスピア、パスカル、サミュエル・ジョンソンの文章から取られた言葉が引用され、これらが曲の雰囲気を説明しています。「交響曲第3番」はバンクーバーSOの委嘱作で、台湾の長い歴史を踏まえた史実に基づくタイトルが付けられた楽章からは独創的な香りが漂います。打楽器が躍動する第1楽章、台湾のポピュラー・ソングが効果的に用いられた第2楽章、そしていかなる外界の力にも臆することのない民族性を表現した第3楽章。これらは強い意志を持ち、最後は英雄的な盛り上がりで曲を閉じるのです。
8.570616
中国のこだま〜スーザン・チャン:ピアノ・リサイタル
ツォウ・ロン‐周龍(1953-):ピアノベルズ(2012)
ドミン・ラム‐林樂培(1926-):チュウ・ジュン夫人の哀歌Op.12a(1964)
レクシーナ・ルーイ(1949-):ピアノのための音楽(1982)<魔法のベル/チェンジ/遠くの記憶/昔々>
タン・ドゥン‐譚盾(1957-):水彩による8つの思い出(1979)
周龍:モンゴル民謡による変奏曲(1980)
チェン・イ‐陳怡(1953-):北国の情景(2013)
スーザン・チャン(P)

録音:2014年8月17-20日USAオレゴン州ポートランド州立大学,リンカーン・パフォーマンス・ホール
※一部世界初録音
現代中国のピアノ曲…どんな作品を頭に思い浮かべますか?このアルバムには5人の作曲家による多彩な作品が収録されており、想像通りの曲から、意表をつく曲まで、まさに「新鮮な驚き」を得ることができるというものです。ピアノの内部奏法を駆使し、「誰も撞かずとも自然に鳴る鐘」の伝説を音にしたという「ピアノベルズ」は、ラヴェル風の響きを有していますし、モンゴル王に嫁がなくてはいけなくなった若い女性の悲劇を描いた「哀歌」では中国の古いメロディが効果的に使われています。カナダで高く評価されている女性作曲家ルーイの作品は、もともとピアノの練習用に書かれたものですが、各々の曲には独自の物語があります。このアルバムの中で最も有名なのがタン・ドゥンの「水彩による8つの思い出」でしょう。幼い頃の記憶に結びついた8つの曲は、聴き手の感情を強く揺さぶります。最後の2曲は世界初録音。最後の「北国の情景」はスーザン・チャンに捧げられた曲でもあります。
8.570617
許舒亞:管弦楽作品集〜インソレーション/クリスタル・サンセット他
インソレーション(1997-2014)
クリスタル・サンセット(1992)
.祖国へのこだま(1993)
ニルヴァーナ(2000)/ユン(2007)
リー・シューイン(S)
チェン・キリアン(Ms)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラブル(指)

録音:2014年8月24.25.27日オーストリアウィーン,オーストリア放送文化会館
※世界初録音
1961年に中国の北東部で生まれた作曲家、許舒亞(1961-)の作品集です。中国の「ニューウェイブ」作曲家であり、彼の作品は世界中で賞を獲得し、広く演奏されています。日本でも以前、サントリー音楽財団が開催したサマーフェスティヴァルで(1999年)彼の作品「虚/実〜12奏者のための」を演奏し、こちらも高い評価を受けています。このアルバムには1990年台から2007年までに書かれた5つの作品が収録されています。「インソレーション-日射量」は中国の古代神話にインスパイアされた作品で、猛暑の日に水を求める英雄の姿が描かれています。自然を征服する困難さと勇気が讃えられています。次の曲も「太陽賛歌」であり、日没時の独特の太陽光線が3つに分かれたオーケストラによって克明に描かれていきます。祖国への郷愁が描かれた「祖国へのこだま」、超越状態を表す「ニルヴァーナ」、民俗的なフレーズが効果的に配された、歌を伴う「ユン」と、多彩で独創的な世界観を味わってみてください。
8.570618
グァン・シァ:交響曲第2番「希望」(1999)
アース・レクイエム:第1番.星をみつめて:瞑想(管弦楽版)(1999/2008-09)
交響的バラード「悲しき夜明け」(2000)
ニュルンベルクSO
シャオ・エン邵恩(指)

録音2014年8月1-2日ドイツニュルンベルク,コングレスハレ,ムジークザール
※世界初録音
このアルバムに収録されている「交響曲第2番"希望"」は、中国の著名な作曲家、グアン・シァ(1957-)の代表作。彼は1985 年に中国中央音楽院を卒業し、数多くのテレビシリーズのサウンドトラックを手掛け、最近では中国国立SOのエグゼク ティブ・ディレクターを務めています。彼の交響曲第1番は1980年代半ばに書かれましたが、そちらはあまり話題になるこ とはありませんでした。しかし「希望」と題された第2番は、善と悪、闘争と持続性など人類の本質に光が当てられており、 各々の楽章に付されたタイトルも明るい未来を感じさせるなど、聴き手に明るい希望をもたらす音楽として愛されています。 「アース・レクイエム」は交響曲第2番と同じく1999年に書かれましたが、2008年5月に四川を襲った大地震の犠牲者を 悼むために、大幅な改作を行っています。この「瞑想」はもともと第4楽章に置かれていましたが、ここでは一つの楽章とし て独立させ、原曲の合唱などを全て省き、管弦楽のみで演奏する形に変えています。「悲しき夜明け」は第二次世界大戦終了後 の中国の物語。ワーグナーを思わせる壮麗なファンファーレが印象的な作品です。
8.570619
ウェン・デクィン:上海前奏曲他
チェロと管弦楽のための協奏曲「上海前奏曲」(2015)
管弦楽のための「牡丹亭幻想曲」(2013)
管弦楽のための「ばらの変奏曲」(2000)
ノスタルジア(2014):管弦楽版
愛の歌と川の歌(2010):管弦楽版
ブルーノ・ヴァインマイスター(Vc)
ウィーン放送SO
ゴットフリード・ラブル(指)

録音:2015年3月11.13.16日オーストリアウィーン,ORF放送クルターハウス
※世界初録音
長き伝統を誇る中国。ここに生まれる音楽は実に鮮やかで、また哲学的な深みを持っています。この1958年生まれ、中国=スイスの作曲家ウェンもそんな作品を書く作曲家の一人です。すでに中国とヨーロッパの批評家たちから大絶賛されている彼の作品は、どれも華やかで力強く、輝くような風合いを持っています。このアルバムに収録された5つの曲はそれぞれに特徴的な作風を有しており、東洋と西洋の文化の融合を諮った「上海前奏曲」、16世紀の作品をモティーフにした「牡丹亭幻想曲」、作曲者自身の苦難と悲しみから生まれたという「ばらの変奏曲」、フランス民謡を主題とした「ノスタルジア」、もともとはピアノ小品であったものを管弦楽版にした「愛の歌と川の歌」と、ため息がでるほどのゴージャスで磨きぬかれた響きが耳に残るものです。ウィーン放送SOによる濃密な演奏でお楽しみください。
8.570620
チン・ウェンチェン(1966-):作品集
ヴァイオリン協奏曲「山のふもとに」(2012)
チェロ協奏曲「夜明け」(2008)
ソーナー(チャルメラ)協奏曲「Calling for Phoenix」(1996/2010)
ファン・モンラ(Vn)
チン・リーウェイ(Vc)
チャン・ツェンユエン(ソーナー)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラプル(指)

録音:2016年3月7-14日
世界初録音
モンゴルのオルドスで生まれ、北京で活躍する作曲家チン・ウェンチェンの作品集。若い頃から民族音楽の研究に勤しみ、上海音 楽院で作曲を学んだ後、1998年から2001年にかけてドイツのエッセンに留学、現在は中国中央音楽院の教授を務める傍ら、 数多くの作品を発表。「中国で最も影響力のある作曲家」の一人です。 このアルバムには彼の3つの協奏曲を収録。上海音楽院の創立85周年のために作曲されたヴァイオリン協奏曲は、中国の山間 部に住む人々の民謡を取り入れたエネルギッシュな作品。チェロ協奏曲は中国の現代詩人、海子(Hai zi)の詩に基づいた描写 的な曲。最後は中国の伝統楽器ソーナー(チャルメラ)のための協奏曲の鄙びた音色で締めくくられます。
8.570621
タン・ドゥン 譚盾(1957-):ピアノ作品集
水彩による8つの思い出(1978/2002改訂)
C-A-G-E- (ジョン・ケージの思い出に)(1993)
フィルム・ミュージック・ソナタ(2016)
火(ラルフ・ファン・ラートに)(2020)…世界初録音
ブルー・オーキッド(ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」による変奏曲)(2020)
ラルフ・ファン・ラート(P)

録音:2020年8月24-25日
中国の長沙市に生まれた作曲家タン・ドゥン。西洋の様式を用いながらも東洋的要素を前面に出した作風と、特 殊な楽器を用いた管弦楽作品が知られます。ここで聴くことのできるピアノ曲もどれもが技巧的でドラマティック。「水 彩による8つの思い出」は中国の五音音階が効果的に用いられており、時折ドビュッシーを思わせる色彩豊かな響 きも感じられる組曲。続く「C-A-G-E-」は彼が師と仰ぐジョン・ケージへのオマージュ。ここでも中国的な音使いが印 象的。「フィルム・ミュージック・ソナタ」は映画音楽「The Banquet(邦題『女帝』)」からの4つの曲が用いられていま す。「トレース」は音と静寂のバランスが見事な曲。ピアニスト、ラルフ・ファン・ラートのために書かれた「火」では、タン・ ドゥンの最もヴィルトゥオーゾ的でドラマチックな面を味わえます。最後に置かれた「ブルー・オーキッド」はベートーヴェン のディアベッリ変奏曲の冒頭のモチーフが原型を留めぬほど様々な形に変奏され、鮮やかなドラマを作り上げました。 NAXOSレーベルで数々の現代作品を演奏するラルフ・ファン・ラートが繊細なタッチで全曲を聴かせます。
8.570627
チャン・ピン(1972-):Oriental Wash Painting 水墨画(4つの協奏曲による管弦楽組曲)
 第1曲: The Wind Washed Clouds 風に揉まれた雲(古筝とオーケストラのための協奏曲)
 第2曲: The Noble Fragrance 高貴な香り(二胡とオーケストラのための協奏曲)
 第3曲: The Movement of Wash Painting 淡彩画の楽章(琵琶とオーケストラのための協奏曲)
 第4曲: Blue Lotus 青い蓮(竹笛とオーケストラのための協奏曲)
ジ・ウェイ(古筝)
ユー・ホンメイ(二胡)
ツァン・キアン(琵琶)
ユアン・ファイファン(竹笛)
リン・タオ(指)中国国立SO

録音:2015年6月10日
世界初録音
北京中央音楽院の作曲部門で博士号を取得し、ベルリン芸術大学の客員研究員ととして派遣された才能ある 作曲家チャン・ピン。彼の代表作、中国の伝統楽器を紹介するための4つの協奏曲で構成された組曲「水墨 画」をお楽しみください。薄く溶いた絵の具を刷毛や大き目の筆で塗りつぶしていくウォッシュ技法を用いた「淡彩 画」は海や雲の色の濃淡を表現するのに最適な画法であり、複数の色を用いることで複雑な色彩を表現するこ とが可能です。ここで彼は中国の琴、二胡、琵琶、竹笛をそれぞれの楽章に使用し、中国独特の水墨画を思わ せる個性的な色合いを出すことに成功しています。独奏を担当する奏者たちは、それぞれ中国を代表する名手 たち。神秘的な響きを駆使しながら、見事な風景を描き出しています。北京の中国国立舞台芸術センターで行 われた世界初演コンサートを収録したアルバムです。
8.570628
ブライト・シェン(1955-):Let Fly 飛び立て-ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲(2013)*
オーケストラのための協奏曲『Zodiac Tale ゾディアック物語』(2006/2016改訂)
Suzhou Overture 蘇州序曲(2019)*
ダン・シュウ(Vn)
ブライト・シェン(指)
蘇州SO*、上海SO

録音:2018年3月19-20日上海シンフォニー・ホール、2019年8月28-30日金鶏湖コンサート・ホール、蘇州*
世界初録音
中国出身、アメリカを拠点に活躍する作曲家ブライト・シェン。このアルバムにはヴァイオリンが縦横無尽に豊か な旋律を奏でるヴァイオリン協奏曲と、楽しい『ゾディアック物語』、そして風景の描写が鮮やかな「蘇州序曲」の 3作品が収録されています。名手ギル・シャハムに献呈されたヴァイオリン協奏曲は「Let Fly 飛び立て」の副題 がつけられており、ここにはシャハムのイメージと、彼の娘フェイフェイ(中国語で飛ぶの同音異語)の名がかけられ ています。3つの楽章は切れ目なく演奏され、2楽章と3楽章の間にはカデンツァが置かれており、ここでは奏者 の自由な発想が求められます。『ゾディアック物語』は中国の干支をテーマにした作品。日本の干支には登場し ないネコも姿も描かれています。中国で最も長い歴史を誇る蘇州をテーマにした「蘇州序曲」では、この都市の 過去と現在の姿を鮮やかなオーケストラの色彩を駆使して描き出しています。

8.570703
パガニーニ:作品集(フリッツ・クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.7より第3楽章ロンド「ラ・カンパネッラ(鐘)」
ロッシーニの「シンデレラ」のアリア「悲しみよ去りゆけ」による序奏と変奏曲Op.12
常動曲ハ長調Op.11
24のカプリースOp.1より第13番変ロ長調
24のカプリースOp.1より第20番ニ長調
魔女たちの踊りOp.8
24のカプリースOp.1より第24番イ短調
ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲Op.13
フィリップ・クイント(Vn)、ドミトリー・コーガン(P)
パガニーニ(1782-1840)とクライスラー(1875-1962)。悪魔的で謎めいたパガニーニと、陽気で気さくなクライスラーと性格上は全く違うようでしたが、2人ともヴァイオリンの天才であったことは間違いありません。彼らはどちらも世界中を旅し、その妙技で聴衆を熱狂させました。この2人の才能が融合したこれらの作品、聴いていて楽しいことこの上ありません。冒頭の「ラ・カンパネッラ」も、原曲が一層パワーアップ。驚くこと間違いなしです。ロッシーニの作品による変奏曲も眩いばかりの演奏効果をもたらします。名手クイントの超絶技巧と柔軟な感性にも目を見張ることでしょう。
8.570704
アルウィン:管弦楽作品集
マスクのための序曲、
合奏協奏曲第1番変ロ長調、
田園幻想曲(世界初録音)、
5つの前奏曲、悲劇的インターリュード、
秋の伝説、
「スコットランド舞曲」組曲(インディアンの女王/イタリアの罠/ソーントン大佐のストラスペイ/パースシャーの狩り/湖の収益/カールトン・ハウス/アン・カーネギー嬢のホーンパイプ)
フィリップス・デュークス(Va)、
レイチェル・パンクハースト(コールアングレ)、
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
我が国で多く読まれている「イギリス音楽の手引き書」からも、三省堂の音楽辞書からもなぜか名前が抜け落ちているアルウィン。(1905-1985)しかし最近は彼の作品もどんどん認知されてきたように思えます。ここに収録された作品は比較的小規模ですがムードはたっぷり。コールアングレの響きが妙に切ない「秋の伝説」、一瞬喜ばしげな表情を見せる「マスク」序曲など淡い色彩感が心地よい曲ばかりです。
8.570705
オルウィン:ヴァイオリン協奏曲
組曲「令嬢ジュリー」(P.レーンによる管弦楽版)
喜ばしい出来事のためのファンファーレ
ロレイン・マカスラン(Vn)
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
オルウィン(1905-1985)の名は、クラシックの作曲家としてよりも、映画音楽の作曲家としての方が知られているかもしれません。彼は70以上の映画に200もの曲を書き、そのどれもが当時としては実験的な手法を取り、またそのスペキュタクラーな表現は観客を興奮させたのです(しかし彼の書いたスコアのほとんどは映画スタジオが破棄してしまい、現存するのはわずかであることは本当に残念)。そんなオルウィンのヴァイオリン協奏曲を聴いてみてください。こちらも熱狂的でロマンティックの極みです。ここでヴァイオリンを演奏するマカスランは「イギリスの若き世代の最も優秀なヴァイオリニストの一人」と称賛された女性演奏家です。とりわけ第2楽章での美しい音色が心に残ります。こんなに充実した曲なのに、オルウィンが生きている間に完全な形で演奏されることはなく(ピアノとヴァイオリン版のみ)、その後も1993年に一度レコーディングされただけで、まだコンサートで演奏されたことがないという不遇の作品だというから驚きです。「令嬢ジュリー」の組曲は、彼の最後の完成されたオペラからエピソードを取ったもの。ファンファーレは打楽器奏者J.ブレーズに敬意を表して書かれた作品です。
8.570706
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第3集
歌劇「利口な牝狐の物語」(P.ブレイナー編)
歌劇「死者の家から」(P.ブレイナー編)
ピーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
昨今のブームですっかり市民権を得たヤナーチェク(1854-1928)ですが、まだまだオペラとなると、言葉の問題もあってか「なかなかハードルが高いな」と思うのが心情ではないでしょうか?そんな方にオススメしたいのが、このNAXOSのシリーズです。第1集、第2集ともに大好評ですが、今回は何と言っても名作「利口な牝狐〜」が収録されているのが嬉しいところです。ヤナーチェクの作品の中でもとりわけ親しみ易いこのオペラ、どうぞたっぷりご堪能ください。もう1曲はシリアス極まりない「死者の家から」。ドストエフスキーの大作を元にした作品で、原曲の持つ極限まで張り詰めた緊張感が上手く表現されたすばらしい編曲となっております。ヤナーチェクの幻惑的な音楽のとりこになりそうです。
8.570707
トゥリーナ:歌曲集
ロペ・デ・ヴェガ礼讃Op.90
カンサシオン形式の歌Op.19
2つのカンシオンOp.38
3つの詩Op.81/3つのソネットOp.54
3つの歌Op.26<ロマンス/漁夫/韻文>
ヴォカリーズOp.74
アヴェ・マリアOp.95/三部作Op.45
カロリーナ・ウルリヒ(S)
デボラ・ハラス(P)
トゥリーナ(1882-1949)はマドリード音楽院で学んだ後、パリでV.ダンディに師事し、フランス風の様式を身につけながらも、アルベニス、ファリャとともにスペイン国民音楽の創造に取り掛かります。そんな彼は生涯に多くの歌曲を書いたにも拘わらず、その多くは現在忘れ去られてしまっています。しかし、ここで聴くこれらの歌曲は何と魅力的なことでしょう。どの曲も、美しく感情豊かな歌の線に、見事なピアノ伴奏が彩りを加えていくというもので、元気一杯でユーモラスな曲もあれば、陰鬱であったり、驚くほど情熱的であったりとひと時も耳を離すことができません。ここで切れ味の良い美声を聴かせるのは、チリ出身の若きソプラノ、ウルリヒです。彼女は2008-2009年の「Young Concert Artists International Auditions」で1位など多くの賞を受賞した期待の新鋭です。
8.570708
シェイクスピア劇場のための音楽
1.きけきけ、ひばり/2.水仙の花が顔をのぞかせだすと/3.まだらのひなぎく/4.富/5.もはや灼熱の太陽も怖れるな/6.吹きだまりの雪と同じぐらい白い芝生/7.ケンプのジグ/8.カリノ/9.それは恋する若者とその彼女/10.私が出会った時/11.私がどうすればよいのかあなたの恋人は知ってるの?/12.かわいいコマドリ/13.明日はバレンタイン・デー/14.そして彼はもう来ないの?/15.若い頃に恋愛をした/16.タールトンの復活/17.おーい、陽気なコマドリよ/18.貧しいひとは、溜息をついて(柳の歌)/19.私の愛しき人/20.来たれ死よ/21.“グリーンスリーブス”によるディヴィジョン/22.さらば親愛なる人よ/23.パキントンのポンド/24.言わずにいておくれ/25.おお、甘きオリヴァーよ/26.ちょっとだけ恋/27.シルヴィアは誰?/28.調子が悪い/29.お嬢さん、溜息をつかないで/30.私と一緒に暮らしにおいで/31.不平を言う時の悲しみ/32.おお死よ、私を眠りに/33.心の安らぎ/34.まだらの蛇よ/35.雄鶏とひなたち/36.水底深く父は眠る/37.ハンスドン夫人のパフ/38.蜂が密を吸うところ
レベッカ・ヒッキー(S)、
ジェラルド・プレイス(T)、
ドロシー・リネル(Lute)
ルネサンス時代の劇場にとって、音楽はとても重要な役割を演じました。何しろ現代のように大がかりなセットも、豪華な照明もありません。人々が劇を見て笑うのも、悲しむのも、またごちそうを食べる時にも常に雰囲気を高めるためには音楽が必要だったのです。ここに収録されたのはシェイクスピア劇のために書かれた様々な音楽です。ダウランド、バードや名も知れぬ作曲家たちの書いた作品は咲き誇るバラのように色とりどりです。
8.570709
クーラウ:ピアノソナタとソナチネ集
ソナタイ長調Op.59No.1
ソナタヘ長調Op.59No.2
ソナタハ長調Op.59No.3
ソナチネハ長調Op.20No.1
ソナチネト長調Op.20No.2
ソナチネヘ長調Op.20No.3
イェネ・ヤンドー(P)
ピアノを学ぶ人にはおなじみ、フリードリヒ・クーラウ(1786-1832)はドイツに生まれ、小さい頃井戸に落ちて失明するというハンディを負いつつもコペンハーゲンで作曲家、ピアニスト、教師として活躍しました。初期のベートーヴェンを思わせる素晴らしいピアノ協奏曲も書きましたが、何といっても愛らしいソナチネが知られています。
8.570710
クーラウ:ピアノのためのソナチネ集Op.55&88
ソナチネハ長調Op.55No.1
ソナチネト長調Op.55No.2
ソナチネハ長調Op.55No.3
ソナチネヘ長調Op.55No.4
ソナチネニ長調Op.55No.5
ソナチネハ長調Op.55No.6
ソナチネハ長調Op.88No.1
ソナチネト長調Op.88No.2
ソナチネイ短調Op.88No.3
イェネ・ヤンドー(P)
8.570713
ブレトン:室内楽曲集
ピアノ三重奏曲ホ長調、
4つのスペイン風小品
LOM・ピアノ・トリオ[ホアン・オルペッラ(Vn)、ホセ・モール(Vc)、ダニエル・リゴリオ(P)]
サラマンカ生まれのブレトン(1850-1923)は、現在では主にサルスエラの作曲家として知られています。なので、彼が室内楽を書いたということを知っている人はほとんどいないでしょう。このアルバムにはそんなレアな作品が2つ収録されています。一瞬、モーツァルトやベートーヴェンを思わせる典雅なピアノ・トリオ。対照的なスペイン情緒たっぷりの組曲。新たな発見をお約束する興味深い1枚です。
8.570714
オールソップ/「新世界」
ドヴォルザーク:交響的変奏曲、
交響曲第9番「新世界より」
マリン・オールソップ(指)
ボルティモアSO
ボルティモア交響楽団とオールソップによる3枚のドヴォルザーク・シリーズ。最初のアルバム「新世界」の登場です。ホールに漲る熱気をさらりとかわすオールソップの粛々とした指揮ぶりをご堪能ください。むやみに感傷に流され過ぎることのない第2楽章はとりわけ新鮮に感じられることでしょう。美しいメロディが次々と変容していく「交響的変奏曲」も美しさが満ち溢れています。
8.570715
ウルクッル:ギター作品集
友情、ロッシーニ「ウィリアムテル」の主題による序奏と変奏とコーダ、
主題と変奏Op.10、
ドニゼッティ「ベリサリオ」より「カヴァティーナ」、嘆き、
ベッリーニ「異国の女」,ニゼッティ「ローマの追放者」のアリアによるカプリッチョ、
ベッリーニ「海賊」より序奏と変奏曲
エウヘニオ・トバーリナ(G)
このウルクッル(不明、1830-1843年頃活躍)という偉大なる作曲家については、スペインで活躍した事と、素晴らしいギターのための作品を書いた事以外、何もわかりません。恐らくソルと同じ時代に活躍したのでしょうが、なぜ彼がここまで不当に忘れ去られてしまったのかさえもわからないのです。しかし、どうぞこのアルバムに収録された作品に耳を傾けてください。確かなる存在感を持って迫る音楽だけがあります。
8.570716
ムソルグスキー:展覧会の絵(スラットキン他、多数の編曲者による版)他
リスト:ピアノ協奏曲第1番*
ムソルグスキー:展覧会の絵
 プロムナード(D.W.オコーア編)
 小人(S.ゴルチャコフ編)
 プロムナード(W.ゲール編)
 古城(E.ナウモフ編)
 プロムナード(G.V.コイレン編)
 テュイリー(G.V.コイレン編)
 ブイドロ(V.アシュケナージ編)
 プロムナード(C.シンプソン編)
 卵の殻をつけた雛の踊り(L.カイリエ編)
 2人のユダヤ人(H.ウッド編)
 プロムナード(L.レオナルド編)
 リモージュの市場(L.フンテック編)
 カタコンブ(J.ボイド編)
 死者とともに死者の言葉で(M.ラヴェル編)
 ババヤガ(L.ストコフスキー編)
キエフの大門(D.ガンリー編)
アメリカ国家:星条旗(R.マテス編)
ペン・ペン(P)*、
レナード・スラットキン(指)
ナッシュビルSO&cho
展覧会の絵の管弦楽版というと、どうしてもラヴェルのものが頭に浮かびます。確かに、ストコフスキーを始めとした大勢のチャレンジャーが編曲を試みてはいるものの、なかなかラヴェルを超えるものは出てこないのが実情。ならばこれはどうでしょう?「豪華特上幕の内弁当」のような特選素材の盛り合わせは、全ての人を満足させるに違いありません。そうそう、リストでソリストを務めるペンペンはこの当時14歳の逸材です。
8.570717
フレスコバルディ:草稿からの鍵盤作品集
トッカータヘ長調/カッコウによるカプリッチョ/トッカータイ短調/半音階的リチェルカーレ/トッカータヘ長調/カンツォーナニ短調/クラントイ長調/トッカータハ長調/カプリッツォト短調/トッカータホ短調/カンツォーナニ短調/クラントト短調/ローマのマニスタのアリアによるパルティータ/カプリッツォト長調/トッカータト短調/クラントト長調/ファンタジアホ長調/トッカータ(&カンツォーナ)ト長調/クラントヘ長調/トッカータヘ長調
マルタ・フォルツ(ハープシコード)
1600年代のイタリアで最も有名だったオルガン、鍵盤音楽作曲家フレスコバルディ(1583-1643)の出版されずに終わった草稿集です。「彼の目指した音楽(テンポや装飾も含む)を探るための様々な研究と実験を行うためこの草稿はとても役立った」と演奏者であるフォルツは語ります。右手と左手の対話、自由なテンポ緩急などなど革新的なフレスコバルディが再現されました。
8.570718
チマローザ:ピアノ・ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタR.1-R.18(1-3.変ロ長調R.1
イ長調R.2/ニ長調R.3/ハ長調R.4
ニ長調R.5/ト長調R.6/ヘ長調R.7
イ長調R.8/ト短調R.9/ト短調R.10
変ロ長調「ペルフィディア」R.11/ハ短調R.12/イ長調R.13/ト長調R.14
イ長調R.15/ヘ長調R.16/変ホ長調R.17/イ長調R.18)

ヴィクトル・サンジョルジョ(P)

ヴィクトル・サンジョルジョ(P)☆18世紀後半のオペラ作曲家として知られるチマローザ(1749-1801)の知られざる鍵盤作品集です。およそ30年の間に65を超えるオペラを作曲するかたわら、これらのソナタに手を染めていたようですが、彼が何のために器楽曲を作曲したのかは不明です。1曲のソナタはどれも3〜5分程度の短いもので、スカルラッティの形式によく似ていますが、やはり時代のせいもあってか驚くほど表現豊かな楽想に満ちています。とりわけ速い楽章での流麗なメロディは目を見張るばかりの美しさです。
8.570719
マクミラン:十字架上の最後の七つの言葉
十字架上の最後の七つの言葉、キリストは勝利し給う、誰もあなたを罰した人はいなかった、ここに身を隠し(合唱版)
グレアム・ロス(指)ドミトリー・アンサンブル
2009年に50歳の誕生日を迎えるイギリスの作曲家、マクミランの1993年から2005年までの合唱作品を集めた記念すべき1枚です。アルバムの中核を成すのが、名作「十字架上の七つの言葉」です。BBCテレビの依嘱によって書かれたこの作品は4つの福音書の言葉からインスピレーションを受け、以降、様々な形として彼の他の作品にも影響を及ぼしています。美しく穏やかで抑制された合唱の響きを断ち切る荒々しい管弦楽、印象的なヴァイオリン・ソロなど、聴き手は一瞬足りとも緊張の糸を切るわけにはいきません。「私の音楽を、若き優れたドミトリー・アンサンブルの演奏で聴くのはとてもぞくぞくします。とりわけ指揮者グレアム・ロスは刺激的です。」と作曲家に言わしめた名演でどうぞ。
8.570720
ラ−エフ(1918-1982):交響曲第3番他
交響曲第3番(1964)
交響詩「レイリとメジヌン」(1947)
交響的エッチング「ドン・キホーテ」
ドミトリ・ヤブロンスキ(指)ロシアPO
8.570721
シマノフスキ:交響曲第2番変ロ長調Op.19、
交響曲第3番Op.27「夜の歌」
エヴァ・マルチク(Vn)、
リシャルド・ミンキェヴィチ(T)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
1910年に作曲された交響曲第2番はR.シュトラウスやレーガーの影響は見られるものの、冒頭の深い森を思わせる神秘的なメロディに絡む妖艶なヴァイオリンの調べはまさしくシマノフスキ(1882-1937)そのもの。そして合唱とテノールを伴う交響曲第3番はシマノフスキでなければ書けない独特の音楽。キリスト教、イスラム教、ペルシアの影響が感じられるエキゾチックで官能的な音の奔流です。こういう曲はヴィトにおまかせ。
8.570722
シマノフスキ:交響曲集
演奏会用序曲Op.12、交響曲第1番へ短調Op.15、
交響曲第4番「協奏交響曲」Op.60
練習曲変ロ短調Op.4-3(G.フィテルベルク編)
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(P)、
エヴァ・マルチク(Vn)、
マレク・マルチク(Va)、ワルシャワPO、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
最初の交響曲に、自ら「対位法、ハーモニーの怪物的管弦楽作品」とあだ名をつけたシマノフスキ。彼自身はワーグナーやR.シュトラウスの影響を否定したと言いますが、やはり初期の作品である「演奏会用序曲」には先人風の響きが感じられるのは仕方ないことでしょう。しかしその2年後に書かれた交響曲第1番には、彼独特の「肉感的なうねり感」がたっぷり。驚くほどに魅力的です。第4番の交響曲ではピアノが縦横無尽の活躍するストラヴィンスキー風の新古典主義音楽が楽しめます。特に終楽章での燃え上がるマズルカ風の音楽は一聴に値します。
8.570723
シマノフスキ:ハルナシェ他
ハルナシェ(3幕のバレエ・パントマイム)Op.55(1923-31)、
マンドラゴラ(パントマイム)Op.43(1920)、ポテムキン王子Op.51(1925)
ヴィエスワフ・オフマン(T)、アレクサンダー・ピンデラク(T)、エヴァ・マルシニク(Ms)、エヴァ・マルチク(Vn)、カジミエルツ・コシュラツ(Vc)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
シマノフスキ(1882-1937)のバレエ音楽「ハルナシェ」は1923年の構想から1931年の完成まで8年の歳月をかけ、1935年に初演された彼の代表作です。タトラ山脈で闊歩するハルナシュと彼が率いる盗賊団が結婚式から花嫁を略奪する物語。この作曲のためにシマノフスキは実際にタトラ山の保養地ザコパネを訪れて、現地の豊富な民謡と踊りを採取したのでした。彼はこの地に強く惹きつけられ1936年まで家を借り住んでいたといいます。3つの情景からなる「マンドラゴラ」は、ポーランド劇場でR.シュトラウスのナクソス島のアリアドネを上演する際のプレテキストとして書かれたものです。
8.570724
シマノフスキ:スターバト・マーテル他
スターバト・マーテルOp.53
来たれ創造主よOp.57
処女マリアへの連祷Op.59
喜びOp.37b/ペンテジレーアOp.18
イヴォナ・ホッサ(S)、
エヴァ・マルツィニエツィ(Ms)、
ヤロスワヴ・ブレンク(Br)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
数多ひしめくスターバト・マーテル(悲しみの聖母)の中でも、とりわけ人気があるシマノフスキ(1882-1937)の作品。神秘的な瞑想の中に一瞬漲る狂気の気配は、この時代ならではの爛れた美しさです。NAXOSレーベルには、すでにこの曲の録音(8.553687)がありますが、ここでヴィトの演奏を投入するということは、この録音がいかに自信に満ちたものかがご理解いただけることでしょう。
8.570725
ユーフォニアムとオーケストラのための作品集
ロッゲン(1948-):ユーフォニアムと弦楽と通奏低音のための協奏曲変ロ長調、
モーツァルト
:バスーン協奏曲変ロ長調k191(カデンツァ:D・ロッゲンとR・フレッシャー)、
ウェーバー
:バスーン協奏曲ヘ長調Op.75、
チャイコフスキー
:アンダンテ・カンタービレ(R・フレッシャー編)、
バリッサト
(1936-2007):室内オーケストラとユーフォニアムのための狂詩曲
ローランド・フレッシャー(ユーフォニアム)、
ドミニク・ロッゲン(指)カペラ・イストロポリターナ
1843年にワイマールで発明されたと言われる楽器、ユーフォニアム。ドイツやロシアの陸軍音楽隊では、しばしばバスーンのための作品をこの楽器で演奏するために編曲を行います。この録音はそのような編曲物から2つのオリジナル作品、そしてチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」や、モーツァルト、ウェーバーのバスーン協奏曲からの編曲などさまざまな変容をお楽しみいただけます。
8.570726
シンフォニック・ブラス
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」 〜凱旋行進曲(アラン・ファーニー編)、ブラームス:大学祝典序曲(デニス・ライト編)、ビゼー:歌劇「真珠採り」〜聖なる神殿の奥深く(ジェフ・リチャード編)、ビゼー:歌劇「カルメン」組曲(アラン・ファーニー編)、ホルスト:惑星〜「ジュピター」(ステイーヴン・ロバート編)、ビゼー:アルルの女〜ファランドール(ハワード・ロリマン編)、エルガー:エニグマ変奏曲〜ニムロッド(エリック・バル編)、ウォルトン:スピットファイアより「フーガ」(アラン・ファーニー編)、ガーシュウイン:歌劇「ポーギーとベス」より(アラン・ファーニー編)、ジョン・ウィリアムス:プライヴェート・ライアンより「戦没者たちへの賛歌」(クラス・ヴァン・デル・ウーデ編)、チャイコフスキー:序曲「1812年」(ロバート・キルズ編)
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
1816年に設立されたイギリスの名門、ブラック・ダイク・バンドがNAXOS に初登場。ノリのよさと抜群のアンサンブルで聴き手を魅了します。彼らの巧さは世界中の誰もが知るところ!小技の効いたアレンジも素晴らしく、原曲とは全く違う味わいが楽しくてたまりません。ブラスの限界に挑戦するかのような力演。最後のチャイコフスキーではじけまくります。
8.570727
カルメン・シンフォニー
ビゼー(セレブリエール編):カルメン・シンフォニー
レブエルタス(セレブリエール編):メキシカン・ダンス(世界初録音)
ヒナステラ:「スタンシア」組曲Op.8a
セレブリエール:夜の叫び(世界初録音)
ヴィラ・ロボス:管楽五重奏と管楽オーケストラのための合奏協奏曲
スーザ:星条旗よ永遠なれ
ホセ・セレブリエール(指)
アメリカ海兵隊バンド
大好評、NAXOSのWINDBANDCLASSICSシリーズ最新作は、何と名指揮者セレブリエール自ら編曲、指揮したカルメン・シンフォニーです。おなじみのメロディが次から次へと現れ、その都度奏者たちが名技を披露します。もちろん、それに続く南米音楽集も息を飲むような素晴らしさ。そして、アンコールでの「星条旗〜」の盛り上がり。これぞライヴのお手本です。
8.570735
オーボエ・ダモーレ協奏曲集
テレマン:協奏曲ト長調TWVG3
バッハ:協奏曲イ長調BWV1055
バッハ:協奏曲ニ長調BWV1053
テレマン:協奏曲イ長調TWVA2
トーマス・ステイシー(オーボエ・ダモーレ)、
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
ニューヨーク・フィルハーモニーのイングリッシュ・ホルン奏者として名高いトーマス・ステイシーは、その卓越した表現力が高く評価され、数々の録音でも名演を聴かせています。このアルバムでは楽器をオーボエ・ダモーレに持ち替え、芳醇で独特な音色を心行くまで楽しませてくれます。テレマンやバッハでの目も眩むばかりのパッセージや空に溶け込むように伸びて行く音。このユニークで郷愁を誘う楽器の魅力をご堪能ください。
8.570736
リスト:ピアノ曲全集第29集(リスト自身の編曲による2台ピアノのための交響詩編曲集)
交響詩「前奏曲」、
交響詩「オルフェウス」、
交響詩「マゼッパ」、交響詩「理想」
金沢多美(P)、ユヴァル・アドモニー(P)
リスト(1811-1886)が創始した、音で物語を描くという「交響詩」は同時代の評論家や聴衆に論争を巻き起こしたものの、彼以降の作曲家たちには多大なる影響を与えたことはご存知の通りです。その彼の13曲ある交響詩はその12曲が彼自身の手により2台ピアノ版へと編曲されています。管弦楽とはまた違った響きを楽しめるのが、このシリーズの素晴らしいところです。
8.570737
ニールセン:交響曲集第1集
交響曲第1番FS16Op.7、
交響曲第6番FS116「素朴な交響曲」
ミハエル・シェンヴァント(指)
デンマーク国立RSO
20世紀初頭のデンマークにおける最高の作曲家の一人、ニールセン(1865-1931)はほとんど全てのジャンルに作品を残しました。作風も当時の最先端を積極的に取り入れたため、後期ロマン派から印象主義、多調、半音階進行などありとあらゆる技法が使われています。このアルバムは、明るい陽射しと影が交錯する美しい交響曲第1番とまるで達観したかのような平穏さが感じられる第6番の組み合わせです。原盤MARCOPOLO(DACAPO)8.224169。
8.570738
ニールセン:交響曲集第2集
交響曲第3番「大らかな交響曲」
交響曲第2番「四つの気質」
インガー・ダム・イェンセン(S)、
ポール・エルミング(Br)、
ミハエル・シェンバント(指)
デンマーク国立RSO
いかにも北欧らしい響き満載のニールセン(1865-1931)の交響曲。なかでも第3番「大らか」は第3楽章に加わる男女のヴォカリーズや、ブラームス風の味わいを持つ終楽章が人気の的です。「胆汁質」「粘液質」「憂鬱質」「多血質」と名付けられた4つの楽章を持つ交響曲。標題音楽ではないと言われるものの、ちょっぴり自分の性格と比較してみるのも面白いかもしれません。DACAPO:8.224126からの移行盤。
8.570739
ニールセン:交響曲第4番「不滅」&第5番 ミハエル・シェンヴァント(指)
デンマーク国立放送SO
ニールセン(1865-1931)の最高傑作、交響曲第4番と第5番の組合せです。細部にまできっちりと目配りの効いた申し分のない演奏で、ニールセンの深い世界をじっくりと味わわせてくれるものです。単一楽章で書かれた雄大な第4番(不滅という副題を持つ)、途中で理不尽なほどに高らかに鳴り響く「スネアドラム」が耳に残ってはなれない第5番。どちらも劇的で不可思議な魅力に溢れています。耳に優しいメロディはあまりないのですが、一度はまったら抜け出すのは難しいのがニールセンの音楽でしょう。この音楽を攻略するのは困難ですが、聴き終えると何とも言えない爽快感を味わうことができるはず。
8.570744
モンサルヴァーチェ:ピアノ作品集第1集
3つの即興曲(1933)/シチリアーナ(1940)
3つのディヴェルティメント(1941)
リトモス(1942)
ラヴェルへのエレジー(1945)
さまよい(1950)
イヴェットのためのソナチネ(1961)
スケッチ(1966)
ピアノと弦楽合奏のための「妙なる調和」(1955)
ホルディ・マソ(P
フランシスコ・ギジェン(指)グラノジェルスCO
スペイン、ジローナ出身のハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)は20世紀のカタロニアにおける最も重要な作曲家の一人です。十二音技法と、アンティル諸島の音楽、メシアンなどのフランス音楽、ダンス音楽から、ラテン系、そしてラヴェルの血を受け継ぐジャズ音楽。これらが混然一体となった魅惑的な音楽は、一度聴いたら忘れることができないほどの強烈な印象を残します。ドビュッシー風の「3つの即興曲」から個性全開の音楽が続きます(トラック9の「ラヴェルへのエレジー」はこの第2曲から派生しています)。とても活発な「妙なる調和」は、まるでフランス6人組の音楽のような諧謔性も感じられます。現代的な響きの中に、何とも言えない親しみやすさを秘めた名曲の数々をお楽しみください。
8.570740
C.P.E.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタハ長調Wq.136,H.558
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタニ長調Wq.137,H.559
トリオ・ソナタト短調Wq.88,H.510
ドミトリー・コウゾフ(Vc)、
ピーター・ロウル(ハープシコード,P)
バッハの息子たちのなかでもとりわけ高く評価されているのがこのカール・フィリップ・エマヌエル(1714-1788)でしょう。生前は父よりも名声が高かったにもかかわらず、決して奢ることのない人柄が愛されていました。この3曲のソナタはどれもがテレマンの様式を受け継ぎながらもメロディがすばらしい霊感に溢れています。このアルバムでは、曲によってハープシコードとピアノを使い分け、表現に多彩な変化をつけています。
8.570741
レスピーギ:カンタータ「春」他
カンタータ「春」/アルメニアの詩人の語る4つの詩(アドリアーノによる室内楽伴奏版)〈いいえ、お前の息子は死んでいない
お母さんは焼きたてのパンのように
私は母、永遠の友/朝の輝き、公平な太陽〉
バレエ音楽「魔法の鍋」
リヒャルト・ハーン(Br)、
ミロスラフ・ドヴォルスキー(T)、
ヤナ・ヴァラスコヴァ(S)、
ウラディミール・クボウツィク(Bs)、
デニサ・スレプコウスカ(Ms)、
スロヴァキア・フィルハーモニーcho、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO、
スヴァキアRSOメンバー
ここに収録された3つの作品はそれぞれ独自の特色を持った興味深い作品です。古代アルメニアの旋律を効果的に用いた、カンタータ「春」、こちらもアルメニアの詩を用いつつも古い教会旋法のおかげで不思議な雰囲気を有している連作歌曲、そしてロシアの作曲家たちに敬意を払った「魔法の鍋」。どれもが大胆な管弦楽法と色彩豊かな音色で聴き手を魅了します。「ローマ三部作」だけがレスピーギ(1879-1936)ではありません。MarcoPolo8.223595(1-11)、8.223346(12-21)より移行盤。
8.570743
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第2集
ソナタハ長調Op.1-1/ソナタイ短調Op.1-2ソナチネ変ロ長調Op.5-1
ソナチネヘ長調Op.5-2
スーザン・カガン(P)
ご存知、ベートーヴェンの弟子、友人であったフェルディナント・リースの作品集第2集です。彼がソナタを作曲した当時は、 このジャンル自体が大きな転換期を迎えていた頃で、彼はハイドンやベートーヴェンの作品をお手本にしつつも独自の形式を 開発し、その独創性は後のシューベルト、シューマン、そしてショパンさえも予感させるものでした。第2集もスーザン・カ ガンの丁寧な演奏によって、知られざる作品が蘇ります。
8.570745
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第12集
ソナタ変ホ長調K.193/L.142/P.254
ソナタイ長調K.368/L.S.30/P.506
ソナタ二長調K.335/L.S.10/P.339
ソナタヘ短調K.387/L.175/P.415
ソナタヘ長調K.151/L.330/P.238
ソナタト長調K.547/L.S.28/P.551
ソナタイ長調K.323/L.95/P.411
ソナタハ長調K.309/L.454/P.333
ソナタヘ短調K.185/L.173/P.121
ソナタヘ短調K.186/L.72/P.46
ソナタホ長調K.163/L.63/P.206
ソナタト長調K.425/L.333/P.426
ソナタト短調K.426/L.128/P.128
ソナタト短調K.93/L.336/P.38
ソナタハ長調K.330/L.55/P.222
ソナタへ長調K.257/L.169/P.138
ソナタホ長調K.381/L.225/P.327
ソナタハ長調K.241/L.1802/P.431
ソナタヘ長調K.469/L.431/P.514
ゲルダ・シュトゥルーハル(P)
生涯に555曲の鍵盤用ソナタを書いたドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。このアルバムはNAXOSにおける第12集の録音となります。このシリーズは今まで全て別の演奏家を起用しているのが特長で、ここではウィーン生まれの若手ピアニスト、ゲルダ・シュトルーハルが切れ味鋭い演奏を聴かせます。彼女はユトレヒトで初期の音楽教育を受け、パフォーミング・アーツ・ウィーン(UMPAV)で更に研鑽を積んだ人。古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つという才媛です。
8.570746
サイグン:ピアノ作品集
アナトリアから
アクサク・リズムによる12の前奏曲
インジの本
アクサク・リズムによる10のスケッチ
ソナチネOp.15
ゼイネプ・ユチェバシャラン(P)
20世紀のトルコで最も有名なサイグン(1907-1991)は、自国の民俗音楽の収集、及び西洋音楽との融合。これらに力を尽くした作曲家として知られています。ここに収録されたピアノ曲は、どれもが特有の「足をひきずるようなリズム」を持ち、トルコの舞曲形式が使われています。「インジの本」での単純さ、そして散りばめられた魅力的な部分に心惹かれる人も多いでしょう。
8.570747
クララ・シューマン:歌曲全集
リュッケルトの詩による3つの歌曲
良き夜/6つの歌曲集Op.13
ユクンデによる6つの歌Op.23/宵の星
海辺にて/彼女の絵姿/民衆の歌
彼らは愛し合っていた(第1稿)
ローレライ/別れのつらさよ/我が星
別れのとき/すみれ/さすらい人
製材所のさすらい人/29.ワルツ
ドロテア・クラクストン(S)
ヒダィエット・ジェディカー(P) 
※クララ・シューマンのフォルテ・ピアノを使用
大なるピアニストで作曲家であり、またロベルト・シューマンの妻であり子どもたちの母であった クララ・シューマン(1819-1896)。彼女の書いた多くの作品は結婚前のものでした。なぜなら彼女は「夫 の書いたものにはかなわない」と自らの才能に対して懐疑的だったからです。もちろんロベルトは彼 女に作曲を勧め、書きあげた作品を交換しあったというから何ともステキな愛のやりとりと言うほか ありません。このアルバムは彼女が愛奏したピアノを用いて録音しました。控え目でつつましい音色 が魅力的です。
8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
二重協奏曲第1番ト短調Op.57-1
二重協奏曲第2番ホ短調Op.57-2
二重協奏曲第3番ニ長調Op.57-3
バレエ「スペインの王子」のモティーフによる6つの性格的小品
クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(Vn)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなどの他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せてくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせることがありません。
8.570752(2CD)
マイール:オラトリオ「トビアの結婚」 ラグエル…ユディス・スピーサー(S)
アンナ(ラグエルの妻)…マルグリート・ブフバーガー(S)
サラ(ラグエル夫妻の娘)…コルネリア・ホラク(S)
トビア・・・ステファニー・イラーニ(Ms)
大天使ラファエル…スザンヌ・ベルンハルト(S)
ジーモン・マイール・アンサンブル&cho
フランツ・ハウク(指)
すでにNAXOSからいくつもの作品がリリースされているジーモン・マイール(1763-1845)はバイエルンで生まれ、イタリアで活躍。そのため名前の表記もマイヤーであったり、マイールであったりと様々です。このオラトリオは旧約聖書の「トビト記」から題材を得たもので、ナフタリ族アシエルの家系、正義と真理の人で知られる盲目のトビトの息子、トビアと、神が決めた許嫁サラの物語。新婚の夫を7人も亡くしてしまい、悪魔に魅入られたと嘆くサラの両親、決して神への祈りを忘れることのないサラ、「彼女を救うためにはチグリス川で魚を捕えるように」とトビアに教える大天使ラファエル。と、聖書の通りに話は進んでいくのです。このオラトリオも、イタリアの有名な少女のための慈善院「メンディカンティ」の聖歌隊のために書かれているので、配役は全て女声によって歌われます。これもまた魅力的です。
8.570754
シューベルト:フルートとピアノのための音楽
アルペジョーネ・ソナタD.821(フルート編曲:U.グロット)/6つの歌曲(フルート編曲:T.ベーム)<おやすみD.911/菩提樹D.911-5/漁夫の娘D.957-10/セレナーデD.957-4/海辺でD.957-12/鳩の使いD.957-14>
「しぼめる花」による序曲と変奏曲
ウーヴェ・グロット(Fl)
マッテオ・ナポリ(P)
シューベルトの名曲、アルペジョーネ・ソナタは今までにも色々な楽器のためにと姿を変えてきました。もちろんフルートで 奏されることもしばしばです。「しぼめる花」による変奏曲はもともとフルートのために書かれた技巧的な作品で、指揮者でも あり、フルーティストでもあるグロットは申し分ない音楽性でこの作品を聴かせます。楽しいのはT.ベームの編曲による「6 つの歌曲」です。ここでのフルートは、本来のメロディから自由に飛翔した「新たな歌」を高らかに奏でます。感動的です。
8.570756
モンサルバーチェ:ピアノ作品集第2集
ホアキン・トゥリーナの思い出によるアレゴリア(1982)
左手のための3つの小品/ノアの方舟
シューベルティアーナ/秋の牧歌
ミロンガ/ヘネラリフェでの即興曲
5つの自由な鳥の歌
子守歌/オーリンクスの朝の歌
即興の要約/アルバイシン協奏曲
ホルディ・マソ(P)
フランシスコ・ギジェン(指)グラノジェルスCO
20世紀の最も重要な作曲家の一人、モンサルバーチェ(1912-2002)のピアノ作品集第2集です。第1集(8.570744)が彼の初期の作品を収録していたのに対し、こちらは後期の25年間の作品を集めたもの。極めて興味深い曲が並んでいます。左手のための作品や技術的には比較的容易なのに、実は凄く表現が難しい「ノアの方舟」、などこの作曲家の自由な感性を存分に楽しむことが可能です。「5つの自由な鳥の歌」は最初「かごに入れられた5羽の鳥」というタイトルが付けられていたとのことですが、作曲家自身が変更したのだとか。フランスの先人メシアンの影響も強く感じられる作品です。
8.570757
カサブランカス:ピアノ作品集
3つのディヴェルティメント(ピアノ・デュオ)
2つのピアノピース/アルバムの一葉
幼い頃の3枚続きの絵
3つのピアノピース/スケルツォ
3つの警句/トンボー
7つのエピグラム/前奏曲とフーガハ調
3つのバガテル
ホルディ・マソ(P)、ミケル・ビリャルバ(P)
カサブランカス(1956-)は現代スペインの作曲家の中でも独自の地位を築いています。歌曲や室内楽も作曲しますが、彼が一番好きなのはピアノです。彼のピアノへ注ぐ愛のある眼差しはショパンやスクリャビン、あるいはアルベニスやモンポウと同じです。ピアノという楽器の持つ可能性を極限まで引き出すこと、彼はそれを実現すべく曲を書くのです。
8.570758
バヨラス:交響的音楽集
シンフォニー・ディプティック(1984/1993)
ヴァイオリン協奏曲〜ライムンダス・カティリウスに捧ぐ(1998/2001)エクソダスT〜母の思い出に(1991/1994)
ルネス・マタイティテ(Vn)、
ギンタラス・リンケヴィチウス(指
)リトアニア国立SO
常に民族音楽と現代音楽の融合を図るリトアニアの作曲家、バヨラス(1934-)の作品集です。このアルバムに収録されている3つの作品は、どれも個性的で独特の妖しげな雰囲気を持っています。自作のオペラ「神の子羊」からテーマを転用した「シンフォニー・ディプティック」は管楽器を多用した力強い作品。ワーグナーの楽劇からの引用も聞こえてきます。ロマンティックなヴァイオリン協奏曲ではリトアニアの歌が引用されます。そして、バヨラスの母を偲んで書かれた「エクソダスT」は打楽器の多彩な響きが印象的な作品。1994年に一度上演されるも、2004年に曲の形を変更し再演。斬新な響きで聴衆を魅了したことで知られます。
8.570759
ドビュッシー:管弦楽作品集第1集
牧神の午後への前奏曲/海
バレエ音楽「遊戯」
子どもの領分(A.カプレ編)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
2007年の来日公演でも大成功を収めた準・メルクルとリヨン管弦楽団によるドビュッシー(1862-1918)の管弦楽全集の第1集です。昨年の発売時とはカップリングを変更しての再登場となります。
8.570761
ハイドン:交響曲集第33集
交響曲第25番ハ長調
交響曲第42番ニ長調
交響曲第65番イ長調
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア
着々と進行するNAXOSのハイドン(1732-1809)交響曲全集第33集です。今回は3曲を収録。あまり知られていない第25番は緩徐楽章を持たない3楽章形式の曲。第42番は劇的で鋭い感覚に支配された中期の傑作。そして機知と独創性に富んだ第65番は渋い輝きを放つ作品です。今回も最近活躍著しいガロワの指揮による、的確かつ爽やかな演奏でお届けいたします。
8.570763
シベリウス:交響詩集
交響詩「夜の騎行と日の出」Op.55
舞踏間奏曲第3番「パンとエコー」Op.53a
「ベルシャザール王の饗宴」より組曲Op.51〈東洋風の行列/孤独/夜曲/カドラの踊り〉
2つの管弦楽作品集〈森の精/舞踏間奏曲〉
付随音楽「死」Op.44&62〈悲しきワルツOp.44-1
鶴のいる風景Op.44-2
カンツォネッタOp.62a
ロマンティックなワルツOp.62b〉
ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
日本でも人気急上昇。インキネン得意のシベリウス(1865-1957)作品集です。日本での演奏会に於いてアンコールで奏され大好評だった「悲しきワルツ」のスタイリッシュな表現を聴くだけでもこの指揮者の並々ならぬ才能が伺い知れるというものでしょう。どことなくエキゾチックな「ベルシャザール王の饗宴」、神話の世界、北欧の夜明けなど表現力豊かなシベリウスの音楽が生き生きと目の前に立ち現れます。
8.570764
シューベルト:ミサ曲第4番ハ長調D452Op.48
ミサ曲第2番ト長調D167/ドイツ・ミサD872
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
インモータル・バッハ・アンサンブル
ライプツィヒCO
8歳から7年間、聖歌隊で活躍したシューベルト(1797-1828)はミサを知り尽くしていたため、自身でもいくつかの素晴らしい宗教作品を書きました。彼が完成させたミサ曲は6曲あり、第2番は1815年3月初めの作品でオーケストレーションの一部には彼の兄が手を加えているとも言われます。しかしその溢れ出る才能は到底汲みつくせるものではなく、簡素な中にも荘厳さを備え、また彼独自の豊かな歌心が随所に感じられます。本来の典礼文を少しだけ省略しているため、正式なミサ曲として用いることは困難ですが、そのせいで芸術的価値が損なわれるものではありません。1816年の6〜7月に書かれた第4番は1825年にようやくウィーンで初演されましたが、ベネディクトゥスは後の1823年に改作され、なぜか小さな編成に変えられてしまいました(こちらはD961の独立した番号が与えられています)ドイツ・ミサは1826年から27年に書かれたもの。一見、驚くほど極めて単純な曲に見えますが、晩年のシューベルトらしい奥深く美しいメロディに彩られた名作です。
8.570767
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調 Op.5
ヴァイオリン協奏曲第4番イ長調 Op.6
ヴァイオリン協奏曲第6番変ロ長調 Op.8
※カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
ニコラ・パスケ(指)イェナPO
ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として幅広い活動を行ったヴァイオリニスト、ピエール・ローデ(1774-1830)。以前NAXOSからリリースされた第7番と第10番の協奏曲(8.570469)で、その偉大な才能に開眼した人も多いことでしょう。今回もヴァイオリニスト、アイヒホルンによる3曲の協奏曲を聴いてみてください。優美さ、抒情性、冴え渡る技巧、そしhて流暢な音楽の流れ。まさにベートーヴェンやパガニーニに匹敵する素晴らしい作品がここにあります。第3番は壮大で悲痛な面持ち、第4番は端正、そしてスペイン訪問の際に書かれた第6番の素晴らしさと言ったら・・・全く言葉に尽くせません。ヴァイオリンの汲めども尽きぬ魅力がここにあります。各々の曲に付されたカデンツァはアイヒホルンによるもの。
8.570768
リスト:ピアノ作品全集第32集
旅人のアルバム他

旅人のアルバム第1巻「印象と詩」S156/R8<リヨン/ワレンシュタットの湖/泉のほとりで/ジュネーヴの鐘/ウィリアム・テルの礼拝堂/ジュネーヴの教会の詩編歌>
幻影S155/R11<センツァ・レンテッツァ・クアジ・アレグレット/ヴィヴァメンテ/シューベルトのワルツによる幻想曲>
アシュリー・ウェイス(P)
この「旅人のアルバム」は、1834年から1838年に作曲され1842年に完成。当時恋愛関係にあったマリー・ダグーと共に、パリからスイスへと旅行した時の感動を音楽にしています。スイスの美しい風景に感動したリスト(1811-1886)は、その強い印象をまるで絵画を描くようにピアノにぶつけました。力強く野心的な曲が並びますが、その後リストはなぜか、この曲集を「巡礼の年」に改定、いくつかの曲をそのまま残した上で大きく改変。こちらの「旅人のアルバム」は無きものとしてしまったのです。巡礼の年第1年(8.550548)と聴き比べてみるのも楽しいでしょう。「幻影」も1834年頃の若きリストによる作品ですが、驚くほど瞑想的で、リストらしい「派手さ」は見られません。曲だけ聴いていると晩年の作品のような佇まいを持つ不可思議な曲です。そのせいかあまり演奏される機会もなく、忘れられた曲集となってしまっています。
8.570765
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第1集
交響曲第1番、
幻想的なスケルツォ(世界初録音)、
アレンテージョ風の組曲第1番
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
20世紀前半のポルトガルにおいて、最も重要な作曲家がこのブランコ(1890-1955)です。NAXOSは彼の管弦楽作品を4巻のシリーズでリリースする予定で、こちらが第1弾となります。交響曲第1番はフランク、ブラームス、その他フランスの作曲家たちの影響を受けつつも、独自の作風をしっかり打ち出した荘大な作品です。「アレンテージョ風の組曲」はブランコが夏に過ごしたリスボンの南の地域の豊富な民族音楽に由来した楽しい曲集です。
8.570766
ロッシーニ:ピアノ作品全集第2集〜老いのいたずら第6巻「すばしこい子どもたちのためのアルバム」(抜粋)
私の朝の健康のための前奏曲/バロック風前奏曲/人よ汝が塵なることを思い出せ/充分な記念品:踊りましょう/ペーザロ人/苦悶のワルツ/わが妻への甘え/舟歌/楽しい汽車の小旅行のおかしな描写/ポルカ=マズルカのできそこない/謝肉祭の埋葬
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集が好評だったロッシーニの秘曲集「老いのいたずら」の第2集です。オペラの筆を折ったのち、日々書きためたロッシーニのいわば「音による随筆集」はどこもかしこも上品で洒落た味わいに満ちています。まるでサティの作品のようなひねったタイトルにも注目。トラック6の「苦悶のワルツ」などは聴いているとなんだか落ち着かない気分になること間違いなし。この曲は何を言いたいのだろう?と考えているだけで楽しい1枚です。
8.570773
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第1集
パルティータ(1931)
失われた楽園(1933-34)(第1部/第2部)
マルタイン・ファン・デン・フーク(P)、
ルーシー・シェルトン(S)、
サラ・ウォーカー(Ms)、
ジョン・ガリソン(T)、
オランダ・コンサートcho
クリストファー・リンドン=ギー(指)
アーネムPO
マルケヴィチ(1912-1983)のこの作品集は、以前MARCOPOLOで7集までリリースされていたものの再編集盤です。パルティータは実質上ピアノ協奏曲の形式を取る彼の20歳の時の作品です。オラトリオ「失われた楽園」はストラヴィンスキーのオイディプス王やペルセフォネとの関連も指摘される大作。作品が完成した3年後に作曲者自身の指揮でBBC交響楽団に於いて初演したという逸品です。
8.570774
バックス:交響的変奏曲、
左手のためのピアノコンチェルタンテ
アシュリー・ウェイス(P)、
ジェームス・ジャッド(指)ボーンマスSO
NAXOSではすっかりおなじみとなった、イギリスの作曲家バックス(1916-1953)。今作もピアノのための作品です。彼のピアノと管弦楽のための作品は5曲あり、そのどれもに例のごとく、愛する人ハリエット・コーエンの面影がだぶります。演奏に50分近くを要する「交響的変奏曲」は、それぞれの変奏部分にタイトルが付けられた音による叙事詩とも言える大作。聴き応えたっぷりです。かたや、小規模の「左手のための小協奏曲」はアイルランドの海辺の景観を思わせるロマンティックな曲。繊細で移ろいやすい和声、ハーモニーが魅力的です。
8.570775
ドビュッシー:海/夜想曲 〜「雲」「祭」
 牧神の午後への前奏曲、
細川俊夫
(1955-):循環する海
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO

録音 2007年8月
2005年9月に音楽監督に就任したフランスのリヨン国立管弦楽団とのドビュッシーを中心に収録したものです。細川俊夫氏による解説(英文) 付きです。
8.570776
メイエル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第5番Op.42(1977)
弦楽四重奏曲第6番Op.51(1981)
弦楽四重奏曲第8番Op.67(1985)
ヴィエニャフスキSQ[ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(Vn)/ミロスラフ・ボチェク(Vn)、レフ・バラバン(Va)、マチェイ・マズレク(Vc)]
1943年ポーランドのクラコフで生まれたメイエル(1943-)は、5歳からピアノ、11歳から作曲と音楽理論を学び、その後ペンデレツキとブーランジェの下で更なる研鑽を積みました。現在、ポーランド音楽協会の代表という要職にあり、国の内外に新作を委嘱するなど現代音楽の普及のための活発な活動をしています。この弦楽四重奏曲は、前衛的な作風から新古典的な様相へ移り変わった時期の作品で、1985年の第8番などは調性すら感じさせる懐古的な作品となっています。彼自身の言葉によると、幼い頃に自宅で催された室内楽コンサートの懐かしい思い出と、バルトークなどの新しい刺激が組み合わされて、これらの作品が出来上がったのだそうです。この録音がNAXOSデビューとなるヴィエニャフスキ弦楽四重奏団のスパイシーな演奏でどうぞ。
8.570777
ライネッケ:ゆりかごから墓場まで
管楽八重奏曲変ロ長調Op.216/
ゆりかごから墓場までOp.202(フルートとピアノ版…E・ケーラー編)
管楽六重奏曲変ロ長調Op.271
ボストン交響楽団の奏者たち[フェンウィック・スミス(Fl)、若尾圭介(Ob)、トーマス・マーティン(Cl)、クレイグ・ノードストローム(Cl)、ジョナサン・メンキス(Hrn)、リチャード・ランチ(Fg)、ローランド・スモール(Fg)、ヒュー・ヒントン(P)]
その生涯に、実に1000曲以上もの作品を書いたライネッケ(1824-1910)ですが、あまりにも堅実な作風のせいか(ブラームスの亜流とも揶揄される)、死後急速に忘れ去られてしまいました。しかし近年再評価が進み、その良質な室内楽作品は時々演奏会でも取り上げられるようになってきたのです。「ゆりかごから墓場まで」は本来ピアノ曲だったものをケーラーがフルートとピアノのために編曲したもの。シューマンを思わせる美しい作品です。Etceteraからの移行盤。
8.570778
カステルヌオーヴォ=テデスコ:2台ギターのための音楽全集第1集
ソナティナ・カノニカOp.196、
平均律ギター曲集(2台のギターのための24の前奏曲とフーガ)Op.199
ブラジル・ギター・デュオ[ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ]
その生涯に200以上もの作品を書いたカステルヌオーヴォ・テデスコ(1895-1968)ですが、そのどれもが親しみやすいメロディと明確な形式を用いているため、今でも多くの演奏家と聴き手を魅了して止みません。とりわけギター曲にはすばらしい物が多く聴き応えのある作品が並びます。ここに収録したのは、快活な「ソナティナ・カノニカ」、そしてJ.S.バッハへの深遠なる賞賛である「平均律ギター曲集」。これは対位法を極限まで駆使した大作です。
8.570779
カステルヌオーヴォ=テデスコ:2台ギターのための作品全集第2集
エレジー風フーガ/
平均律ギター曲集(2台のギターのための24の前奏曲とフーガ)Op.199〜レリュードとフーガ第13番ト長調-第24番ハ短調
ブラジル・ギター・デュオ(ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ)
これで、前作で半分だけ紹介した「平均律ギター曲集」の全貌が明らかになりました。この後半の12曲は1962年の5月14日から6月3日までの間に書きあげられたのですが、各々の曲のほとんどに完成した日が書き添えられていて、さながら「音による日記」の様相を呈しているのが興味深いところです。とりわけ、6月1日から3日にかけて書かれた第24番は、まるで彼の音楽人生全てを総括するような素晴らしい出来栄え。この曲集がギター・デュオのレパートリーの最高傑作として未来永劫大切にされることは間違いありません。
8.570780
ヒナステラ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第1番Op.20
弦楽四重奏曲第2番Op.26
弦楽四重奏曲第3番Op.40
エンソQ
ルーシー・シェルトン(S)
ヒナステラ(1916-1983)はあまり多くの作品を書いたわけではないので、3つの弦楽四重奏は作品番号こそ近いのですが、実は第1番は1948年、第2番は1958年、そして第3番は1973年の作と、実に25年ほどの年代の開きがあるのです。当然作風の変化も顕著です。民俗音楽を程良く取り入れた第1番は、バルトークやストラヴィンスキーを想起させる荒々しい音楽です。追い立てられるかのように始まる第2番は十二音技法を取り入れた自由な作品です。第3番はソプラノのソロを伴う曲で、あのシェーンベルクの作品にも似た「夜の雰囲気」を湛えた神秘的な作品です。ヒメネス、ロルカ、アルベルティのテキストが用いられています。どれもが悲劇的で、死を彷彿させる思い想念をやるせなさに満ちていますが、底知れぬ透明感も持ち合わせているところが素晴らしいのです。
8.570781
リゲティ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」(1953-54)
弦楽四重奏曲第2番(1968)
アンダンテとアレグレット(1950)
パーカーSQ[ダニエル・チョン(第1Vn)/カレン・キム(第2Vn)/ジェシカ・ボドナー(Va)/キム・キー=ヒュン(Vc)]
よく「猟奇的」と評されるリゲティ(1923-2006)の音楽。しかし彼の多彩な音楽を表現するにはこんな言葉で足りるはずがありません。例えば「2001年宇宙の旅」で使われたいくつかの彼の音楽は、作曲家の名前を知らずとも、映画を見た人には強烈なインパクトを与えているはずです。ここに収録された弦楽四重奏曲はリゲティの作品の中では、あまり知名度の高いものではありませんが、作曲家の特性を存分に伝えてくれることでしょう。初期に書かれた「アンダンテとアレグレット」はシェーンベルクを思わせる驚くほどメロディアスな作品です。
8.570782
ピアッティ:パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョOp.22
12のカプリースOp.25
ペ・スー(Vc)
イタリア、ベルガモでヴァイオリニスト、指揮者アントニオの息子として生まれたアルフレード・ピアッティ(1822-1901)の無伴奏作品集です。彼は父から最初にヴァイオリンのレッスンを受け、その後はドイツの作曲家&ヴァイオリニスト、モリークから作曲の指導を受けました。この「12のカプリース」は間違いなくパガニーニを意識して書かれたものだと思われますが、万遍なく配置されたチェロの超絶技巧はもちろんのこと、溢れるようなメロディが特徴的な素晴らしい曲集として評価されるに違いありません。演奏しているのはカナダ出身のペ・スーです。1696年製のストラディヴァリウス「ボンジュール」を貸与されている彼女はこの楽器を存分に鳴らし、ほとんど忘れ去られてしまった作曲家ピアッティの存在を現代へ蘇らせています。チェロ好き必聴!
8.570783
リャプノフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番変ホ短調Op.4
ピアノ協奏曲第2番ホ長調Op.38
ウクライナの主題による狂詩曲Op.28
ショレーナ・ツィンツァバーゼ(P)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
タネーエフに作曲を、フランツ・リストの門弟カール・クリントヴォルトにピアノを学んだ若き青年作曲家リャプノフ(1859-1924)は、モスクワ音楽院を卒業後、バラキレフに出会います。その影響を強く受けたリャプノフは、1885年にバラキレフの家へ身を寄せることになります。2人の芸術家はお互いに影響しあい、バラキレフの絶筆となったピアノ協奏曲第2番(未完)はリャプノフが補筆したことでも知られます。そんなリャプノフ自身のピアノ協奏曲第1番は、もちろんバラキレフに捧げられていて、重く垂れこめるようなメロディと、華々しい技巧がいかにもロシア風です。1909年に書かれたピアノ協奏曲第2番は、ピアノと管弦楽が優美に絡みあい、どことなくリストの作品の雰囲気を湛えていますが、いつしか彼が敬愛したバラキレフの協奏曲のメロディが現れます。1907年に作曲された「ウクライナの主題による狂詩曲」はブゾーニに献呈された技巧的で華やかな作品です。
8.570785
レーガー:弦楽三重奏&ピアノ四重奏全集第1集
弦楽三重奏曲イ短調Op.77b、
ピアノ四重奏曲ニ短調Op.113
アペルト・ピアノ四重奏団[ゲルノット・ジュスムート(Vn)、シュテファン・フェーラント(Vn)、ハンス=ヤーコプ・エッシェンブルク(Vc)、フランク=インモ・ツィヒナー(P)、フェリックス・シュヴァルツ(Va)]
レーガー(1837-1916)は、そのあまり長いとは言えない生涯に多くの室内楽作品を書きました。このアルバムには、1904年に作曲された弦楽三重奏曲と、1910年作のピアノ四重奏曲を収録しました。簡潔で明瞭な味わいを持つ三重奏曲と、ブラームスの影響を受けた重厚で深い表現が魅力的な四重奏曲。
8.570786
レーガー:弦楽三重奏&ピアノ四重奏曲全集第2集
ピアノ四重奏曲イ短調Op.133
弦楽三重奏曲ニ短調Op.141b
アペルト・ピアノSQ
8.570787
チャイコフスキー:ピアノ作品集
四季Op.37b
ピアノ・ソナタ嬰ハ短調Op.80
イリヤ・ラシュコフスキ(P)
“四季”の録音はすでに8.550223でリリースされていますが、ほぼ20年近く経て新しい“四季”の登場となりました。1曲ごとに込められた感情の揺れが、あまりにも見事で、ついつい聴き惚れることまちがいありません。
8.570788
ブルックナー:弦楽五重奏曲、他
弦楽五重奏曲ヘ長調(1878-79)
間奏曲ニ短調(1879)
弦楽四重奏曲ハ短調(1862)
ロンドハ短調(1862)
ファイン・アーツQ
ウィーンの著名なヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヘルメスベルガーの提案により書かれた弦楽五重奏曲は、あの第5番と第6番の交響曲と同じ時期に書かれました。編成こそ小さいものの、これは紛れもなく「交響曲」の様相を呈しています。何しろ第1主題を全部聴くまでもなく「ああ、これはブルックナーだな」と心から感じる事ができるはずですから。ちなみに第2楽章のスケルツォはトラック5の間奏曲に置き換えて演奏してもいいのだそうです。もう少し初期に書かれた弦楽四重奏曲はシューベルト風。
8.570789
ドラガタキス:ピアノ独奏曲全集
ノスタルジア*/蝶々*/小さなバラード*/ピアノ・ソナタ第1番/ピアノ・ソナタ第2番*/骨董品/回顧U/練習曲T*/練習曲U*/イネリア*/モノローグ第4番*  *=世界初録音
ロレンダ・ラモウ(
ギリシャの作曲家ドラガタキス(1914-2001)はイピロス出身、アテネのギリシャ国立音楽院でヴァイオリンを学びました。多くの賞を受賞しヴィオラ奏者としても活躍、和声の教授としても知られています。彼の作品はギリシャの伝統音楽を元にしたうえで新しい技術も反映させた革新的なもので、ここに収録されたピアノ独奏曲を聴けば彼が求めたものの一端を理解できるに違いありません。
8.570790
テュイレ:六重奏曲、ピアノ五重奏曲
六重奏曲変ロ長調Op.6
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.20
シャンティリー五重奏団[ピルミン・グレール(Fl)/フロリアン・グルーベ(Ob)/ヨハネス・ツール(Cl)/ドミトリィ・ババノフ(Hrn)/ベンチェ・ボガーニ(Fg)]
ジーリ四重奏団[マルコ・ロリアーノ(Vn)/ユディス・ハムツァ(Vn)/ルカ・サンツォ(Va)/ザビーネ・クラムス(Vc)]
ジャンルカ・ルイジ(P)
オーストリア出身の音楽教育家、作曲家テュイレ(本来はフランス系の家系なのでテュイユが正しい)はR.シュトラウスの親友として知られています。ミュンヘン楽派の一人として数えられることもありますが、作風はかなり保守的で、日本ではルドルフ・ルーイとの共著である音楽理論書『和声学』の方が知られているかもしれません。ここに収録された2曲の室内楽作品は比較的知られているもので、確かに六重奏曲はラインベルガーやリスト、ワーグナーの影響を受けていることは間違いありませんが、その後に書かれたピアノ五重奏曲はなかなか雄大で劇的な展開を有しています。
8.570791
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
劇的序曲Op.4
「から騒ぎ」演奏会組曲Op.11
フィリッペ・クイント(Vn)
カルロス・ミゲル・プリエト(指)ミネリアSO
1945年に作曲されたにも関わらず、このヴァイオリン協奏曲の全編に漂うのは馥郁たる後期ロマン派の妖艶なる香りです。天才少年として将来を嘱望されつつも、アメリカに亡命し、ハリウッドの映画音楽作曲家として活躍していたコルンゴルト(1897-1957)ですが、彼はいつでも「ドイツのクラシック作曲家」として認められることを望んでいました。この作品がハイフェッツの手で1947年に初演された時も「時代錯誤」という酷評を受けたのですが、彼自身としては大満足であったことでしょう。一時期すっかり忘れられていたのですが、最近になって多くの演奏家がこの曲を取り上げ、すっかり人気曲となったのは間違いありません。全曲を通じて、自身の映画音楽からの引用が見られますので、このまま、再度何かの映画音楽に使ってみるのも良いかもしれません。それほどまでに劇的で心惹かれる作品です。
8.570792
ブリッジ:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲ハ短調(ピアノ三重奏曲第1番)、
ピアノ三重奏曲第2番、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第1集、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第2集、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第3集
ジャック・リーベック(Vn)、
アレクサンダー・チャウシャン(Vc)、
アシュリー・ウェイス(P)
ギリス音楽の開拓者、フランク・ブリッジ(1879-1941)のピアノ三重奏のための作品集です。何と言っても、ここに収録されている3つの作品の作風の違いに驚かされることでしょう。1907年に書かれた第1番のピアノ三重奏曲はあくまでも自由で幻想的。その翌年の「9曲の小品」のまるで古典派の作品を思わせる端正な作風(ブリッジがヴァイオリンを教えていたハンブリー嬢のために書かれた作品)。1928-29年に書かれた第2番のピアノ三重奏曲の印象派的なゆらめきの音楽。
8.570794
メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」Op.61(英語歌唱)
1.序曲/2.スケルツォ/3.メロドラマ(第2幕情景1)/4.妖精の行進/5.まだら模様のへびさん/6.メロドラマ(第2幕情景2)/7.間奏曲/8.メロドラマ(第3幕情景1)/9.メロドラマ(第3幕情景2)/10.夜想曲/11.メロドラマ(第4幕情景1)/12.結婚行進曲/13.メロドラマ(第5幕情景1)/14.葬送行進曲/15.道化役者たちの踊り/16.メロドラマ(第5幕情景1)/17.終曲
ジェニー・ウォラーマン(S)
ペペ・ベッカー(S)
トム・ミソン(ナレーター)
エイドリアン・グローヴ(ナレーター)
エミリー・レイモンド(ナレーター)
アン・マリー・ピアッツァ(ナレーター)他
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
ヴァーシティ・ヴォイセズ
ノータ・ベネcho
この「夏の夜の夢」は、まず序曲が1826年に作曲されました。まず、17歳のメンデルスゾーン(1809-1947)が姉と楽しむためのピアノ連弾曲として書かれ、すぐに管弦楽版として編曲されています。その16年後、序曲に感銘を受けたプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命によって「夏の夜の夢の付随音楽」が書かれました。現在では序曲も再利用され、一緒に演奏されることが慣例となっています。しかしながら、彼が付けたメロドラマの部分は省略されることが多く、これでは曲の全貌を理解するにあたって片手落ちとなってしまうではありませんか。そこで当盤では(英語ではありますが)全部きちんと演奏しています。
8.570796
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第1集
ソナタへ短調Op.11-2、
ソナタ変ホ長調Op.11-1、
ソナチネイ短調Op.45
スーザン・カガン(P)
ベートーヴェンの弟子であり親友としてもおなじみ、フェルディナント・リース(1784-1838)ですが、彼の書いたこれらのピアノ曲は、シューベルトやその先のショパンを予見させる独創性に満ちた才気渙発な作品です。なかでも1811年から12年、彼がロシアへの演奏旅行中に書いた美しいソナチネは、内容がぎっしり詰まった名作と言えましょう。
8.570797
シベリウス:チェロとピアノのための作品集
フィンランディア(マッティ・マッコネン編)
10の小品よりOp.24No.8夜想曲(ライト・カルム編)
10の小品よりOp.24No.9ロマンス(ライト・カルム編)
マリンコニアOp.20、5つの小品よりOp.81No.2ロンド
5つの小品よりOp.75No.5樅の木(ライト・カルム編)
6つの歌曲よりOp.36No.1黒いばら
5つの歌曲よりOp.37No.5逢引きから戻った娘
5つの歌曲よりOp.37No.4それは夢か
5つの歌曲よりOp.37No.1初めての口づけ
ワルツ・トリステ(フリードリヒ・ヘルマン編)、
4つの小品よりOp.78No.2ロマンス、8つの小品よりOp.99No.3思い出
ユッシ・マッコネン(Vc)、
ライト・カルム(P)
あの勇壮果敢な名曲「フィンランディア」は聴いているだけで胸が躍ります。誰もが自分で演奏してみたくなるのも頷ける話です。実際ピアノ版も存在します。しかし、これをチェロとピアノで演奏しているなんて前代未聞ではありませんか。このアルバムを聴くときには、まず歌曲の編曲などからどうぞ。泣けます。そして最後に「フィンランディア」をどうぞ・・・。熱演です。熱いです。演奏することに意義がある。そんな一枚です。
8.570798
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲全集第5集
ファゴット協奏曲イ短調RV497
ファゴット協奏曲ハ長調RV473
ファゴット協奏曲ヘ長調RV491
ファゴット協奏曲ハ長調RV466
ファゴット協奏曲ハ長調RV469
ファゴット協奏曲ト短調RV496
タマーシュ・ベンコーチ(Fg)、
ベーラ・ドラホシュ(指)
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
イタリアにおける協奏曲の発展の中で、500もの作品を書いたヴィヴァルディ(1678-1741)。その中のおよそ39がファゴット向けに書かれています。聴き手には心地よいスリルをもたらすこれらの曲は、ソリストには優雅さと想像力と恐ろしいまでの超絶技巧を要求するのです。オーケストラの中のファゴットの音色は、まるで熱い鍋に香る柚子こしょうのような鋭いアクセントとなっています。
8.570799
ベック:交響曲集Op.3
交響曲ヘ長調Op.3-1(Callen13)
交響曲変ロ長調Op.3-2(Callen14)
交響曲ト短調Op.3-3(Callen15)
交響曲変ホ長調Op.3-4(Callen16)
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
マンハイム楽派の一人、フランツ・イグナツ・ベック(1734-1809)の交響曲集です。彼は父親から音楽の手ほどきを受け、様々な楽器を習得し、シュターミッツの弟子としてマンハイムの宮廷楽団の奏者となります。彼の才能があまりにも素晴らしかったのでしょう。同業者からいわれのない嫉妬と中傷を受け(例えば、決闘の相手が死んでしまったなど)、結局のところ、彼はマンハイムを離れヴェネツィアに移住することになります。そこから先も波乱の人生を送った彼の作品は、その生涯に似て、とても劇的で大胆さを備えています。大胆な和声進行、柔軟なリズム、これらが溶け合い絶妙な効果を持つこれらの作品。もっと聴きたい方は「6つの交響曲Op.1」(8.554071)もどうぞ。

8.570800
バッジーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
キャラブレーゼOp.34-6
3つの叙情小品集Op.41(夜想曲/スケルツォ/子守歌)
アラスの鐘Op.36
2つのサロン風小品集Op.12(出発/帰還)
2つの大練習曲集Op.49
3つのソナタ形式の小品集Op.44
悪魔のロンドOp.25
クロエ・ハンスリップ(Vn)、
カスパール・フランツ(P)
1818年にブレーシアに生まれたバッジーニ(1818-1897)は、ヴァイオリンの名手として名を馳せましたが、どうしても偉大なるパガニーニの影に隠れてしまい、とうとう後世に名が残ることがありませんでした。長年演奏旅行に飛び回っていましたが、結局イタリア戻って、ミラノ音楽院の最初の教授となりマスカーニとプッチーニを指導しました。彼の作品のほとんどはサロン風の小品ですが、これら曲たちの何と味わい深いことでしょう。最近めきめきと頭角を現してきたクロエ・ハンスリップの演奏でお楽しみください。
8.570822
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ全集
ソナタ第1番ヘ長調Op.6、
ソナタ第2番変ホ長調Op.45、
ソナタ第3番ヘ長調Op.46、
ソナチネハ長調Op.13-1、
ソナチネト短調Op.13-2
アレクサンダー・ドッシン(P)
組曲「道化師」の軽快な音楽でおなじみカバレフスキー(1904-1987)は、とりわけ子どもや若い人向けの作品を多く作曲し、芸術の大衆化を図ったことでも知られます。彼のピアノ・ソナタとソナチネは、概ね経歴の初めの頃に書かれたもので、それほど革新的な形式や個性的な和声を有している訳でもないのですが、名ピアニスト、ホロヴィッツやモイセイヴィチらに愛奏されたこともあり隠れた人気を誇っています。とりわけソナタの第3番は現在でも広く愛されています。要求される技巧はそれほどでもないのですが、極めて演奏効果の高い曲でもあります。
8.570824
クレスウェル:声の内部で
声の内部で/アラス!ハウ・スイフト
カサンドラの歌/カエア
マドレーヌ・ピラード(Ms)
ヴェサ=マッティ・レッパネン(Vn)
マイケル・カーガン(Tp)
デヴィッド・ブレムナー(トロンボーン)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
ニュージーランド、エディンバラ生まれのクレスウェル(1944-)は管弦楽曲から教会音楽まで、幅広い作品を書くことで広く注目されています。この「声の内部で」はソプラノとヴァイオリンそして管弦楽との刻一刻を移り変わる関係を音で描いた作品。注意深く聴くことで、その繊細な世界が見て取れる曲です。「私の声、あなたの声」のリフレインが強く心に残ります。カサンドラの歌は、スコットランドの詩人ロン・バトリンの詩を用いた歌曲集です。「カエア」はマオリ族の木製トランペットの名前。戦いの時に敵を恐れさせ、かつ戦士たちの士気を上げるために用いられる楽器です。曲名の通り心が浮き立つ音楽です。
8.570825
メンデルスゾーン=ヘンゼル:ピアノ作品集
アレグロ・モルトハ短調/小夜想曲ト短調
ピアノ・ソナタハ短調/歌 変ホ長調
ピアノ・ソナタト短調/アダージョ変ホ長調
アンダンテ・コン・モートホ長調
ソナタあるいはカプリッチョ
アレグロ・モルト・アジタートニ短調/これで終わり
ヒーザー・シュミット(P)
長い間、音楽史では弟の栄光のみが語られ、その脚注にひっそりと記されるばかりであった姉、ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)のピアノ作品集です。先にリリースされた歌曲集(8.570981)で、その才能の片鱗に触れた方も多いことでしょう。彼女は42年の生涯の内におよそ500もの作品を残し、弟フェリックスにも多大な影響を与えたにも関わらず、ただ女性というだけで、その作品はずっと軽んじられてきてしまいました。まずは先入観を一切捨てて、この雄弁な音楽に耳を傾けてください。本人は自分の作品を「主婦の片手間として扱ってほしい」と望んでいたといいますが、その言葉の奥底には溢れるほどの才能を持てあます天才の姿が見てとれるはずです。とりわけ短調の曲には、悲痛さと激情が溢れていて、まるでベートーヴェンの
8.570826
ドルネル:6つの組曲
組曲ホ短調、組曲イ長調、
組曲ニ長調、組曲イ短調、
組曲ト長調、組曲ホ短調
ムジカ・バロッカ、
リセテ・ダ・シルバ(ヴォイスフルート)、
マリア・マルティネス(ヴォイスフルート)、
マウリチオ・ブラリア(テオルボ)、
ニコラス・ストリングフェロー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ファン・エステベス(ハープシコード)
フランスの作曲家ドルネル(1680-1765)は、パリのいくつかの教会のオルガニストを務め、またクラヴサン奏者としても活躍したのですが、その生涯についてはあまり詳しく知られていません。しかしここに収録されたロココ様式の組曲は、どれもがしっとり潤いに満ちた音色と麗しいメロディに満たされたもの。作曲者の技量が透けてみえるような曲ばかりです。
8.570827
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78(C.エルデーイによるヴィオラ編)
ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調Op.120-1
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-2
ロベルト・ディアス(Va)、ジェレミー・デンク(P)
もともと渋い作品を書いていたブラームス(1833-1897)ですが、晩年になってその傾向は一層強まりました。ここに収録されたヴィオラ・ソナタは1894年に作曲されたもので、彼による最後のソナタ形式の作品でもあります。その少し前から創作意欲が衰えてしまっていたブラームス、一度は作曲活動を断念するのですが、1891年に名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトと知り合い、彼の演奏に感銘を受けたことで、また「作曲するぞ」という気持ちが芽生えます。これによって生まれたのがクラリネット三重奏曲op.114とクラリネット五重奏曲op.115、そしてクラリネット・ソナタop.120でした。1895年1月7日にウィーンでミュールフェルトのクラリネットとブラームス自身のピアノによって行われ、その直後に、このアルバムに収録されたヴィオラ版として作曲家自身の手で編曲が行われました。まるで秋の高く澄みきった空を思わせる深い曲調が今でも広く愛されている名曲です。ヴァイオリン・ソナタ第1番の編曲版は、ハンガリーの奏者エルデーイの編曲によるものです。移調されているせいか、原曲の持つ落ち着いた美しさが一層強調されています。
8.570828
フランツ・シュミット:交響曲第1番&ノートルダムより
交響曲第1番ホ長調
歌劇「ノートルダム」第1幕の管弦楽曲
ヴァシリー・シナイスキー(指)マルメSO
ウィーン音楽院でブルックナーに学んだフランツ・シュミット(1874-1939)(シェーンベルクと同じ年生まれ)は、晩年にこそ思索的な音楽を書いたとはいえ、終生ロマン派への憧憬を隠すことはありませんでした。ここで聴ける第1番の交響曲の何と美しいこと!「洗練されたブルックナー、喜び溢れるブラームス」と言った感じでしょうか。歌劇「ノートルダム」はユーゴーの小説に基づいた作品で、ノートルダム広場のせむし男の悲劇を描いています。
8.570829
ブロッホ:ヴィオラと管弦楽のための組曲他
バール・シャム(シャオ・ホンメイによるヴィオラと管弦楽編)(1923/2005)
ヴィオラと管弦楽のための組曲(1919)
ヘブライ組曲(1951
シャオ・ホンメイ(Va)
マリウシュ・スモリー(指)
MAVブダペストSO

録音:ブダペストハンガリー放送2010年9月17-18日、2011年11月22-23日
ブロッホ(1880-1959)の「バール・シェム」は、彼の「ユダヤの魂」を象徴するような作品であり、18世紀に開始された「敬虔主義運動・・・ハシディズム」の創始者バアル・シェム・トーブに着想を得た曲です。本来は1923年、ヴァイオリンとピアノのために書かれ、その16年後にヴァイオリンと管弦楽のために編曲されました。このアルバムでは、それを更にヴィオラのためにとヴィオラ奏者ホンメイ自身が移し替え、類稀れなる美音で聴かせます。調性は変更されていないので、演奏自体はかなりの困難を極めるものと想像されますが、ひたすた落ち着いた音色が美しく、また時には夢心地にと、この作品の新しい魅力をみせてくれています。また「ヘブライ組曲」、「ヴィオラと管弦楽のための組曲」のどちらも、やはりユダヤ的な題材を扱ったものであり、まさにブロッホの心の歌と言えるものです。
8.570831(2CD)
ビゼー:独奏ピアノのための作品全集
夜想曲ヘ長調/演奏会用大ワルツ変ホ長調/3つの音楽スケッチ<トルコ風ロンド/セレナード/奇想曲>
夜想曲ニ長調/演奏会用半音階的変奏曲
ワルツハ長調/4つの前奏曲
風変りなカプリス第1番嬰ハ短調
風変りなカプリス第2番ハ長調/華麗な主題
アルルの女第1組曲(ピアノ版)<前奏曲/メヌエット/アダジェット/カリヨン>
ラインの歌<暁/出発/夢想/ジプシー女/ないしょ話/帰還>
家族の店<瞑想曲/無言歌/カジルダ>
ヴェニス/無言歌ハ長調/海
幻想的な狩り
アルルの女第2組曲(ピアノ版)<パストラール/間奏曲/メヌエット/ファランドール>
ジュリア・セブルス(P)
ビゼー(1838-1875)の独奏ピアノのための作品を全て集めたアルバムです。これらは「ラインの歌」以外はほとんど耳にする機会がなく、なかでも「アルルの女」組曲の作曲家自身によるピアノ版の存在は、今までほとんど知られていませんでした。優れたピアニストであったビゼーの手になる作品はとても抒情的かつ技巧的なもので、美しい「夜想曲」から劇的な「演奏会用半音階的変奏曲」まで、さまざまなキャラクター・ピースを楽しむことができるでしょう。ここでピアノを演奏するセブルスは、オーロラ・デュオのメンバーで、チャイコフスキー(8.570418)とバラキレフ&グラズノフ(8.557717)のアルバムで見事な演奏を聞かせてくれている人です。
8.570833
ドホナーニ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ短調Op.2
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ短調Op.43
ミヒャエル・ルートヴィヒ(Vn)、
ジョアン・ファレッタ(指)ロイヤル・スコティッシュO
クストフ・フォン・ドホナーニの父であるエルノ・フォン・ドホナーニは2つの交響曲、2つのピアノ協奏曲、2つのヴァイオリン協奏曲などを作曲、しかしその曲のほとんどは不当に忘れられてしまいました。あまり聴く機会のないヴァイオリン協奏曲第1番は紛れもなく後期ロマン派の音楽で、その情緒たっぷりの旋律美はコルンゴルトの名曲にも匹敵するかも知れません。第2番の協奏曲は管弦楽にはヴァイオリン・パートがありません。
8.570838
シューベルト:ドイツ語歌曲集第29集
彼女が顔を赤らめるのを見たときD.153
ミノーナD.152/うずらのさえずりD.742
指物師の歌D.274
アーデルヴォルトとエンマD.211
朝の歌D.381/夕べの歌D.382
なぐさめD.523/父親殺しD.10
フェルディナント・フォン・ボスマー(T)、
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルト(1797-1828)歌曲集、今回のアルバムはあまり耳にすることのない作品が目白押しです。中でも注目したいのは、「アーデルヴォルトとエンマ」でしょう。この608小節からなる長大なバラードに関しては、「あまりにも説明的で長すぎる」という意見も出てきそうですが、至るところに散りばめられた劇的な表現と美しい対話は、やはり一聴に値するものでしょう。端正な歌い口が魅力的なテノール、ボスマーの品の良い歌唱が魅力的です。
8.570840
シュポア:コンチェルタンテ他
コンチェルタンテ第1番イ長調Op.48
コンチェルタンテ第2番ロ短調Op.88
ヴァイオリン二重奏曲ト長調Op.3-3
ヘニング・クラッゲルード(Vn)
オイヴィンド・ビョーラ(Vn)
オスロ・カメラータ
ステファン・バラット=ドゥーエ(指)バラット=ドゥーエCO
複数のソリストが活躍する「コンチェルタンテ」は、バロック時代にはよく作曲されたものの、ロマン派の時代になるとほとんど書かれることはありませんでした。ソリストはたった一人で大オーケストラに立ち向かい、眩いばかりの技巧を誇示するのが当たり前となったからです。そんな中でシュポア(1784-1859)は積極的に優れたコンチェルタンテを作曲し、ソリストたちの親密な対話を促したのです。当時の音楽界では、彼のメロディは上品過ぎて発展性がない。と揶揄されたということですが、例えばこのコンチェルタンテの第1番の冒頭での長調と短調が目まぐるしく交錯し、すばらしいハーモニーを作り上げていく場面などを目の当たりにするとベルリオーズやチャイコフスキーの音楽と比べても何の遜色もないと言ってしまっても良いほどではないでしょうか。演奏するのは、シベリウスやシンディングで優れた解釈を聴かせる名手クラッゲルードと、同じく北欧の名手で現ノルウェー国立オペラ管弦楽団コンサートマスター、オイヴィンド・ビョーラです。目を見張るばかりの美音が炸裂します。
8.570871(2CD)
グリーグ:ペール・ギュント(全曲版)、他
ペール・ギュント
南の修道院にてOp.20
ベルグリョートOp.42
ハンス・ヤコブ・サンド、
アン・マリト・ヤコブセ、
イサ・カタリナ・ゲリッケ他、
ビヤルテ・エンゲセト(指)マルメSO
あの有名な「朝」で始まるのは、ペール・ギュント組曲でして、この全曲盤は「朝」に行き着くまでに様々な物語を経なくてはいけません。山あり谷あり、とにかく楽しい物語を始めから楽しんでください。
8.570873
ピラティ:管弦楽ための協奏曲他
オーケストラのための協奏曲ハ長調、管弦楽のための3つの小品、
弦楽とピアノのための組曲、
ゆりかごにて
トマス・ネメック(P)、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO
MARCOPOLO8.225156より移行盤。1903年にナポリで生まれたピラティ(1903-1938)は、シェルシやダッラピッコラ、ペトラッシ、リエーティらと同世代に属する作曲家です。レスピーギやカセッラ、トスカニーニとも親交があり、35年の短い生涯を終えるまでに多数の作品を残しました。死後しばらく忘れられていましたが、最近再評価が進んでいます。作風はあくまでも穏やかで古典的。まるで映画音楽のように華やかな部分も持ち合わせています。
8.570874
ピッツェッティ:ピアノ協奏曲「真夏の歌」
「フェドーラ」前奏曲
ピアノ協奏曲「真夏の歌」
映画「炎の交響曲」〜カリビーア
スザンナ・ステファーニ・カエターニ(P)
ボリス・スタツェンコ(Br)
ケムニッツ州立歌劇場cho
オレグ・カエターニ(指)ロベルト・シューマンPO
MARCOPOLO8.225058より移行盤。このむせかえるようなロマンティックな音楽を多くの人に聴いていただけるのは、なんという大きな喜びなのでしょう!ピッツェッティが幸せの絶頂期にあった時に書かれたピアノ協奏曲「真夏の歌」は(残念ながらこの演奏には含まれていませんが)、イタリアの名ピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリのために作曲家自身がカデンツァを書いたことでも知られています。そしてダヌンツィオの悲劇「フェドーラ」による歌劇の情熱的な前奏曲と無声映画「炎の交響曲」のために書かれたカリビーアも聴きごたえのある名曲です。
8.570877
ガローファロ:ヴァイオリン協奏曲
ロマンティック交響曲
セルゲイ・スタドラー(Vn)
ジョエル・スピーゲルマン(指)新モスクワSO

※MARCO POLO8.225183移行盤
マリピエーロやカセッラ、ピッツェッティと同じ時期に生まれたイタリアの作曲家ガローファロ(1886-1962)の作品です。若き頃は神童ともてはやされ、多くのオルガン作品や宗教曲を作曲した人ですが、あまり表だった活動をしなかったため、すっかり忘れ去られてしまったという良くあるパターン。そんな作曲家を忘却の彼方から掬いあげたのがアメリカの作曲家=指揮者、スピーゲルマンだったのです。彼は1994年のモスクワ公演でこの作曲家の「ロマンティック交響曲」を演奏。聴衆から大絶賛されたのでした。ずっとMARCOPOLOレーベルで安定した人気を誇っていた魅力的なアルバムですが、この度NAXOSに再登場。確かに一度聴いたら忘れられなくなるほどの佳作です。
8.570875
ピッツェッティ:ピアノ三重奏曲&ヴァイオリン・ソナタ他
ピアノ三重奏曲イ長調/
4-6.ヴァイオリン・ソナタイ長調/
7-9.ヴァイオリンとピアノのための「3つの歌」
レイラ・ラショーニ(Vn)
ラースロー・フェニェー(Vc)
アルパスラン・エルチュンゲアルプ(P)
1921年にロンドンで刊行された「ミュージカル・タイムズ」誌上で「今日の最も偉大なるイタリアの作曲家」として紹介されたのは当時41歳のピッツェッティ(1880-1968)でした。とは言うものの、この時にはまだプッチーニは存命であり、音楽界で超大な影響力を誇っていたため、ピッツェッティの存在に目を留める人などほとんどおらず、彼がメジャーな作曲家となるにはまだまだ年月を要することでしょう。このアルバムに収められたヴァイオリン・ソナタはそんな絶賛を浴びる少し前に書かれたもので、戦争時の暗い不安を感じさせながらも、セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタとの共通性を感じさせる力強く輝かしい作品です。1925年に書かれたピアノ三重奏も同じ傾向を持つ曲で、なかなか親しみ易い楽想に満ちた美しい作品です。「3つの歌」は彼の娘、マリア・テレサに捧げられた比較的簡素な小品。ほっとするような静けさに満ちています。
8.570876
ピツェッティ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 第1番 イ長調(1906)
弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調(1932-33)
ライタSQ
<メンバー:レイラ・ラーソニー(第1ヴァイオリン)/ジェルジ・アルベルト(第2ヴァイオリン)/ラーシュロー・コロフヴァリ(Va)/ラーシュロー・フェンイェー(Vc)>
まるでドヴォルザーク?と聴きながらジャケットを見直してしまいそうな、第1番の弦楽四重奏曲。これを書いたのは、マリピエーロ、カセッラ、レスピーギと同世代のイタリアの作曲家ピツェッティ(1880-1968)です。彼はどちらかというと先進的な和声には嫌悪感を抱いていたようで、初期バロックやルネサンス音楽への回帰を目指していましたが、とはいうものの、抒情的な旋律を用い、和声も半音階的だったりと、かなり時代の風潮には忠実だったようです。さわやか香りを持つ前述の第1番に比べ、その約26年後に書かれた第2番は、明らかに後期ロマン派風の成熟した濃厚な音楽であり、ゆったりとした第1楽章では、おなじみのBACHの名前も音として引用されています。神秘的な音の流れは、そのまま第2楽章へと続き、見事な構造を持つスケルツォを経て、激しい終楽章へとなだれ込むのです。まさに「音のドラマ」です。
8.570878
マリピエーロ:交響曲集第1集
シンフォニア「海」、
交響曲第3番「鐘による」、
交響曲第4番「イン・メモリアル」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
MARCO POLOレーベルにて好評を博していたマリピエーロ(1883-1973)の交響曲集がついにNAXOSレーベルに移行しました。このアルバムは曲への興味もさることながら、アルメイダとモスクワ交響楽団の端正な演奏にもファンの多い1枚です。レスピーギに比べると「もっと人気があってもいいかな」と思えるマリピエーロ。この機会にぜひコレクションに加えてみませんか?
8.570879
マリピエロ:交響曲集第2集
静寂と死の交響曲
交響曲第1番「四季の如く4つのテンポで」
交響曲第2番「悲歌」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
同時代に活躍したレスピーギに比べると、どうしても知名度の点で劣ってしまうのですが、独自の作品を書いたという面では、このマリピエロ(1883-1973)の存在価値はとても高いものだと思われます。ここに収録された3つの作品のうち第1曲目は初期のもの。30歳のころに新古典派に目覚めた彼はそれまでに書いた作品を全て自己否定してしまった中の一つです。実はとても素晴らしいのですが・・・。それから20年を経て、番号付きの作品を書き始めた彼の作風の変化もお楽しみいただけます。
※MARCO POLO8.223603〜移行盤
8.570881
マリピエロ:交響曲集第4集
交響曲第7番「カンツォーネ風」
1つのテンポによる交響曲
シンフォニア・ペル・アンティジェニーダ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO

※8.223604MARCOPOLOより移行盤
イタリアの近代作曲家、マリピエロ(1883-1973)は番号なしの作品も含めると、全部で17曲もの交響曲を書いています。ここに収録された第7番を書いたあと、彼は少しの間番号なしの「シンフォニア」を書くことで自身の思いを整理したと言われていますが、この第7番も随分変わった佇まいの印象的な作品で、とりわけ重厚な第2楽章はレスピーギ好きにも一度は聴いていただきたいところです。シンフォニア・ペル・アンティジェニーダとは古代のテーベのpiffero吹き(木製のピッコロ)のシンフォニアの意味。複雑な構成の曲ですが、タイトル通りに笛が自由自在に歌うところが聴きものです。
8.570882
マリピエロ:交響曲集第5集
黄道十二宮の交響曲(1951)
交響曲第9番「悲嘆について」
交響曲第10番「アトロポス」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO

※MALCO POLO、8.223697より移行盤
MARCO POLOの人気シリーズであった、マリピエロ(1883-1973)の交響曲シリーズの掉尾を飾るアルバムとしてリリースされた1枚です。1993年の録音ですが、演奏、録音ともに申し分ありません。イタリアの新古典派の作曲家マリピエロは、生涯に番号の付いた交響曲を11曲書きましたが、その他に初期に3曲と、中期に3曲の「番号なし」の交響曲も書いています。この「黄道十二宮の交響曲」は1951年に書かれたもので、12の部分からなる曲は、四季の移り替わる気分を描き出すことに成功しています。この当時の彼は「交響曲」という言葉自体に嫌悪感を抱いていたようで、その気持ちは1964年に第8番が書かれるまで払拭されなかったようです。その次に書かれた第9番溌剌とした気分がトランペットに中断される部分はまるでオネゲル。そして第10番はヘルマン・シェルヘンに絶賛された作品で、ギリシア神話に登場する女神にちなんで命名されたものです。
8.570883
マリピエロ:「ゴルドーニの3つの喜劇」からの交響的断章
1幕のバレエ「ストラディヴァリオ」
管弦楽のための「チマロジアーナ」
管弦楽のための「ガブリエリアーナ」
:トーマス・メイジャー(Vn)…4/スイス・イタリア語放送管弦楽団/クリスティアン・ベンダ(指)

※MARCO POLO8.225118より移行盤
マリピエロ(1883-1973)は既に知られている通り、音楽学者としての顔と、作曲家としての顔。その2つをうまく使い分けていたようです。このアルバムに収録されているのはオリジナル作品が2つと、編曲作品が2つで、彼の個性の両面を味わえます。ヴェネツィア共和国の劇作家ゴルドーニの喜劇のために書いた3つの断章と、バレエ「ストラディヴァリオ」ではモダンな響きが楽しめ、「チマロージアーナ」と「ガブリエーリアーナ」では清々しい原曲に絡みつく色彩豊かな管弦楽の響きを堪能できます。彼は作曲家として、ほとんど独学でスタイルを確立できたのは、モンテヴェルディとヴィヴァルディの音楽を徹底的に研究したという成果があるのでしょう。
8.570888
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタハ長調Op.1-2
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-3
ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.1-1
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-4
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
ヴァイオリンの奏法はその大部分がイタリアで発展しましたが、バロックの時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖とされるのがこのルクレールです。なかなか激しい気性の持ち主であったそうで、何者かに惨殺されるという悲惨な最期を遂げた人ですが、その作品も優雅で上品な音作りの反面、複雑なポリフォニーを駆使した超絶技巧が混じっていたりと中々侮れません。この曲集は彼の初期の作品で、多くの技術的挑戦とユーモアに満ちた華麗な曲集です。ハノーヴァー・バンドやエイジ・オブ・エンライントメントなどで活躍した名手たちによる納得のアンサンブルでお聴きください。
8.570889
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタOp.1
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-5
ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.1-6
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.1-7
ヴァイオリン・ソナタト長調Op.1-8
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)/アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ローレンス・カミングス(ハープシコード)
コレルリの開拓したヴァイオリン・ソナタの形式をフランスで更に発展させたルクレール(1697-1764)の作品は、当時の例に漏れることなく通奏低音のパートなどはかなり自由に書かれていて、どのように演奏するかは奏者の判断と技術に委ねられています。既に発売済みの第1集(8.570888)でその才能の片鱗を見せつけてくれたヴァイオリニストのバターフィールドとマクギリ、ヴレイカミングスの3人はこのすこぶる単純なスコアから無限の可能性を引き出し、素晴らしい音の饗宴として披露してくれます。即興演奏が当たり前だった時代の音楽は何と伸び伸びと楽しいものなのでしょう。次作も期待しています。
8.570890
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-11
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-10
ヴァイオリン・ソナタロ短調Op.1-12
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-9
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
第1番から第8番まで聴いてきて、これらの作品の虜になってしまった人も多いのではないでしょうか?形式に縛られた古典派の作品や、感情移入たっぷりになりがちなロマン派の作品、はたまた聴き手の感性までをも必要とする現代の作品に比べると、ルクレール(1697-1764)の時代の作品を演奏する時には、いかに奏者たちが楽しんでいるかがよくわかるのです。装飾音も伴奏も本筋を逸脱しなければOK。しかし、それは却って演奏家たちのセンスが試されているとも言えますね。この9番から12番のソナタも変幻自在の楽想を持ち、遅い楽章と早い楽章は目を見張るほどの対比が与えられており、その効果はまさに目を見張るものがあります。第1集(8.570888)と第2集(8.570889)を未聴の方はお早目に。
8.570891
ブゾーニ:ピアノ作品集第5集
バッハ(ブゾーニ編):前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552「聖アンナのフーガ」、
ブゾーニ
:6つの練習曲Op.16、6つの小品Op.33b、
 ショパンのハ短調前奏曲による10の変奏曲Op.22(1922年改編版)
ヴォルフ・ハーデン(P)
イタリア生まれとはいえ、母方がドイツ系であったり、生涯ほとんどドイツで過ごしたせいもあったりでブゾーニ(1866-1924)の音楽に横溢するのは紛れもなくドイツの精神です。とりわけバッハの音楽への傾倒が知られ、オルガン曲の編曲のような直截的なものから、明らかに影響を受けたと思われる対位法を駆使した作品まで数多くのバッハの残り香が感じられる曲を残しています。このアルバムでは、ブゾーニらしいバッハの編曲物と、ショパンの前奏曲による変奏曲、そしてオリジナルの曲を楽しむことができます。ブゾーニらしい多彩な表現をお楽しみいただけます。
8.570892
ロビン:オルガン作品集
空に目を向けよ(初稿)(2001)
環の反射(2007-2008)<環の踊り/環の風/ハイフン1/環の反射/ハイフン2/環の調べ/遠くの環>
3つの夢の元素(2004)<第1番「口絵」/第2番「脹らむもの」/第3番「ミステリー」>
空に目を向けよ(第2稿)
ジャン=バティスト・ロビン(Org)
※サン・ルイ・アン・リル教会のオルガン/サン・テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガン>
1976年生まれの若きオルガニスト、ロビン(1976-)の作品集です。演奏家としての彼の腕前はクープランの「教区のためのミサ曲」(8.557741-42)で伺い知ることができますが、作曲家としての才能に触れる事はまた違った驚きに満ちています。彼の作品は強さと詩的な情感を兼ね備えていて、オルガンの性能を知り尽くした者にしか書き得ない新しい音の構造を伴っています。2台のオルガンの音色比べも楽しい「空に目を向けよ」での力強い音のアラベスクや、カンザス大学の委嘱作である「環の反射(リフレティング・サークル)」での飽くなき音色への追求に耳をすますと、彼がどんなものをオルガンの音色で描きたいのかが理解できるでしょう。また終始ミステリアスな雰囲気の漂う「3つの夢の元素」は従来のオルガンのイメージを覆すほどの斬新な作品です。
8.570893
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第3集
ボレロOp.30
ソルチコ・ドゥルパラギーレOp.39
アンダルーサのセレナーデOp.10
さようなら、わが山々よ-スペイン舞曲Op.37
眠りOp.11/6.夢Op.4
序奏とファンダンゴOp.40
幻想曲-カプリース
子守歌と祈りOp.17/信頼Op.7
グノーの「ミレイユ」によるカプリースOp.6
スコットランドの歌Op.34
チリの鳥たち/14.別れOp.9
楊天堝(Vn)
マルクス・ハドゥッラ(P)
ヴァイオリンの名手で、超絶的な技巧を駆使した華やかな作品を数多く書いたサラサーテ。しかし、彼の作品をまとめて聴いてみようとすると、実はあまり録音が多くないことに気が付きます。そんなサラサーテの作品に光を当てたのがこのシリーズです。この第3集には、最近出版されたばかりの「チリの鳥たち」(トラック13)も収録。この曲はサラサーテが1871年に南米ツアーを行った時に作曲したもので、高い声で鳴き交わす極彩色の南国の鳥たちが見事に描かれています。思わず窓を開けて、空を見上げたくなるような楽しい曲です。ヴァイオリンを演奏するのはおなじみの楊天堝。現代最高の「サラサーテ弾き」の彼女の美音を心行くまでお楽しみください。全てのヴァイオリン好きに贈る極上の1枚です。
8.570894
スウェーリンク:ハープシコード作品集
前奏曲(幻想曲)SwWV265/「戦いの神マルス」による変奏曲SwWV321/ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV258/フィリッピのパヴァーヌSwWV329(フィリップス作、スウェーリンク編)/「わが青春の日は既に過ぎたり」による変奏曲SwWV324/ドリア旋法によるトッカータSwWV286/「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」による変奏曲SwWV299/イオニア旋法によるエコー・ファンタジーSwWV253/「もしも運命の女神に愛されるなら」による変奏曲/パッサメッツォ・モデルノSwWV326/涙のパヴァーヌSwWV328(ダウランド作、スウェーリンク編)/いざ来れ異教徒の救い主よ(ルター作コラール、オジアンダーによる和声付け)/第1旋法による4声のファンタジア(作者不詳)
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
ネーデルランドのオルガニストであったスウェーリンク(1562-1621)は、様々な素晴らしいオルガンとハープシコードの作品を残しました。変奏曲の形式の発展に力を尽くしたことで知られ、対位法の扱いはもちろんのこと、フーガの発展性などには、バッハを先取りする斬新な作風が見てとれます。3曲目に置かれた「半音階的幻想曲」の冒頭などを聴いていると、とても16〜17世紀に書かれた音楽とは思えないくらいです。多くの変奏曲も収録されていますが、そのどれもが美しい唐草模様に彩られたメロディの宝庫と言えましょう。最後に置かれた2曲の作品は、スウェーリンクの作ではありませんが、当時編纂された曲集に彼の作品とともに収録されているもので、恐らくスウェーリンクの創造心にも影響を与えているものと思われます。
8.570895
R.シュトラウス:家庭交響曲、他
家庭交響曲、メタモルフォーゼン
アントニ・ヴィト(指)
ワイマール・シュターツカペレ
自分のプライヴェートまでを音楽にするのか!と眉をひそめる人も多いかも知れません。この交響曲、確かに書き過ぎちゃっています。のんびり屋で夢見がちな夫(R.シュトラウス(1864-1949)自身と思われる)、快活でおしゃべりな妻(パウリーネでしょう)、かわいい子ども、彼らは全て音で表現され、諍いも睦みあいも全て克明に描かれています。特に第3楽章での濃厚な夫婦の愛の場面では頬が赤らんでしまうことでしょう。あまりにも情報量の多いスコアをきちんと再現するのは本当に困難なのか、あまり実演で取り上げられることもない難曲として知られています。対照的に置かれた悲痛なメタモルフォーゼンは戦争で破壊されたドイツを目の当たりにした晩年の彼の心情を映した作品です。ベートーヴェンの「英雄交響曲」の葬送行進曲をモティーフにした鎮魂歌で、バーバーのアダージョに匹敵する美しさです。
8.570896
R.シュトラウス:ピアノ三重奏曲第1番&第2番他
ピアノ三重奏曲第1番イ長調 AV37(1877)
ピアノ三重奏曲第2番ニ長調 AV53(1878)
セレナーデ ト長調 AV168(1882)
祝典行進曲 ニ長調 AV178(1886)
ピアノ四重奏のための2つの小品(1893)<アラビア風の踊り/小さい愛の歌>
コンチェルタンテ AV157(1875頃)
アメリア・ピアノ三重奏団
<相沢吏江子(P)/アンジー・クレストン(Vn)/イアソン・ダックレス(Vc)>
マックス・マンデル(Va)
破壊的な音響と、華美かつ複雑過ぎるオーケストレーション。そんな大げさな音楽で好き嫌いが分かれてしまうのがR・シュトラウス(1864-1949)です。しかしここに収録された10代から20代終わりにかけてかかれた優美な室内楽作品は、彼のイメージを一新するのに役立つことでしょう。これらの一連の音楽は、彼の父が敬愛していたモーツァルトやベートーヴェンをモデルとして書かれていて、とりわけ13歳の時に書かれた第1番のピアノ三重奏曲は、煌めく創造力と抒情性に満ちています。しかしそのまま大人しく年を重ねなかったのが彼のスゴイところ。1893年に書かれた“アラビア風の踊り”は、全くあの“7つのヴェールの踊り”を彷彿させるものですし、“小さい愛の歌”は込み入った三角関係を予感させてくれるのですから。
8.570897
モーツァルト:フリーメイソンのための音楽全集
カンタータ「汝、宇宙の魂に」K.429/アダージョヘ長調K.410/クラリネットとバセットホルンのためのアダージョ変ロ長調K.411/結社員の旅K.468/今日こそ共に、愛する兄弟よK.483/汝ら、われらの新しき指導者よK.484/フリーメイソンの喜びK.471/フリーメイソンのための葬送音楽K.477/カンタータ「無限なる宇宙の創り主を崇敬する汝らが」K.619/アダージョとフーガハ短調K.546/.ヨハネ分団の儀式のための讃歌K.148/フリーメイソンのための小カンタータ「われらが喜びを高らかに告げよ」
ユン=フーン・ヘオ(T)、
ロベルト・パーテルノストロ(指)
カッセル・シュポア室内O
フリーメイソンのためにモーツァルトが書いた作品を網羅したアルバムです。「秘密結社のための音楽な んて」と、なんとなくぞくぞくした雰囲気が漂いますが、音楽は極めて美しく、怪しさを求める人は肩透 かしを食らうこと間違いありません。自由、平等、博愛をモットーにした団体にふさわしい折り目正しい 曲ばかりです。ちなみに歌劇「魔笛」もフリーメイソンに関係があると言われていますが、なにしろ「秘 密」なので詳しいところはわかりません。

8.570925
ロージャ:ヴィオラ協奏曲他
ヴィオラ協奏曲Op.37
ハンガリー風セレナーデOp.25
ギラド・カルニ(Va)、
マリウス・スモリジ(指)ブダペストSO
55年にも渡るハリウッド映画との関係にあってもロージャ(1907-1995)の「ハンガリー精神」は全く消耗することはありませんでした。それはこの2作を聴けば全ての人が思うでしょう。ヴィオラ協奏曲は1979年に若きズッカーマンのために書かれた作品で、しなやかで収斂性のある楽想に満ちています。「ハンガリー風セレナーデ」は特徴的なメロディを持ち、伸びやかで生き生きとした音楽です。
8.570926
モーツァルト:荘厳ミサ曲ハ長調KC1.20
マイール:テ・デウムニ長調
モーツァルト:荘厳ミサ曲ハ長調KC1.20(偽作)
マイール:テ・デウムニ長調
プリスカ・エセル=シュトライト(S)
メリット・オスターマン(A)
アンドレアス・ヒルトライター(T)
イェルク・シュナイダー(T)
ロベルト・メルヴァルト(Bs)他
ジモン・マイールcho
フランツ・ハウク(Org)
フランツ・ハウク(指)
インゴルシュタット・グルジアCO
「荘厳ミサ曲ハ長調」…ジーモン・マイール(1763-1845)は1802年にこの曲を書き写した時に「モーツァルト作」と表紙に記しました。この作品が本当にヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)、あるいは彼の父親レオポルドの作品であるのかは永遠の謎になってしまいましたが、いずれにしても、この曲がマイールによって上演された時には聴衆から大絶賛を浴びたのです。一方、マイール自身による祝祭的なテ・デウムは、1805年のミラノ大聖堂で行われたナポレオンの戴冠式のために書かれたもので、マイールの伝記作家ジローラモ・カルビは、この曲を傑作と宣言したほどの魅力的な作品です。
8.570927
マイール:ベルガマスク協奏曲他
フルート,クラリネット,バセット・ホルン,ピッコロと管弦楽のための協奏曲ニ長調「ベルガマスク協奏曲」
ハープシコード協奏曲ハ長調
3つのヴァイオリンと管弦楽のためのトリオ・コンチェルタンテイ短調
ナタリー・シュウェイブ(フルート&ピッコロ)…1.4/アンドレア・スタインバーグ(クラリネット&バセット・ホルン)…2-4/アントニオ・スピラー(Vn)…8/イー・リー(Vn)…8/ダフィト・ファン・ダイク(Vn)…8/バイエルン・クラシカル・プレイヤーズ/フランツ・ハウク(チェンバロ…5-7&指揮)
ドイツ生まれながらも、イタリアで活躍。結局は「イタリア・オペラの父」とまで言われた作曲家シモーネ・マイール(1763-1845ドイツ語読みではジモン・マイヤー)。前述の通り、70曲ほどのオペラが知られてますが、他にも多くの管弦楽曲と器楽曲を書いています。このアルバムでは3つの協奏曲を聴くことができますが、中でも注目は4つの楽器のための協奏曲ニ長調でしょう。1820年頃に作曲されたこの曲は1978年にようやく出版され、その際に補筆を施したハインリッヒ・バウアーによって「ベルガマスク協奏曲」のタイトルをつけられたようです。ベートーヴェン、もしくはハイドンの影響が感じられますが、各々の楽器ののびやかな響きはとても気持ちのよいものであり、最終楽章での変奏曲のソロの扱いも見事です。エレガントなハープシコード協奏曲、輝かしい曲想を持つトリオ・コンチェルタンテも、オペラ作曲家ならではの歌い回しに陶然となることでしょう。
8.570928
アルファーノ:ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト他
ヴァイオリン,チェロとピアノのためのコンチェルト(1932)
チェロ・ソナタ(1925)
エルミラ・ダルヴァロヴァ(Vn)
サミュエル・マギル(Vc)、
スコット・ダン(P)
最近では、プッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」の補筆者としてのみ知られるアルファーノ(1875-1954)ですが、彼自身才能に溢れた作曲家でもありました。その作品のほとんどはオペラでしたが、ここで聴けるような大規模な室内楽も素晴らしい出来栄えを誇っています。「コンチェルト」と題されたピアノ三重奏曲には、バスク地方の民族音楽と、漂うような抒情性が相俟って、独自の美しい響きが醸し出されています。冒頭から恐ろしいほどの緊張感を漲らせたチェロ・ソナタはドビュッシーやラヴェルの影響も感じさせる流麗さも兼ね備えています。これらの曲の狂おしいほどの美しさには息が止まる思いがすることでしょう。
8.570929
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第1集
交響曲第1番ニ短調Op.75
ジーガOp.61-3(管弦楽編)
カンツォネッタOp.65-2(管弦楽編)
アンダンテOp.69-2(チェロと管弦楽編)
ノットゥルノOp.70-1(管弦楽編)
アンドレア・ノフェリーニ(Vc)、
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
名ピアニストで(指)者、そして19世紀後半の最も主要なイタリアの作曲家であるマルトゥッチ(1856-1909)は、当時の「オペラ万能主義」から脱却を試みた最初の一人です。(指)者としての彼は、「トリスタンとイゾルデ」のイタリア初演を(指)しているのですが、作曲家としての彼はあえてオペラを作曲することはせず、純粋器楽音楽の復興を目指し、交響曲や協奏曲、室内楽曲を数多く作曲しました。この交響曲第1番は、ちょっと聴くとまるでブラームスのような、分厚い響きと熱いうねりを帯びた大作です。まるで歌曲のような4曲の小品がまた絶品です。
8.570930
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第2集
交響曲第2番ヘ長調Op.81、
題と変奏Op.58(ピアノと管弦楽編曲版)、
ガヴォットOp.55-2(管弦楽編曲版)、
タランテッラOp.44-6(管弦楽編曲版)
リア・デ・バルベリース(P)、
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
ベルカントから純音楽へ・・・「オペラではないイタリア音楽の再生」を図ったマルトゥッチ(1856-1909)。彼の最高傑作の一つ、交響曲第2番です。この曲は1904年に完成されたブラームスとシューマンへの思い入れを感じさせる堂々たる大曲です。当時「演奏反対運動」が巻き起こったにも拘らずマルトゥッチは各地で初演を断行、以降はこの曲を愛したトスカニーニによって演奏が引き継がれたという曲、交響曲としての完成された形と、メロディ、語法全てがバランス良く集積された聴き応えのあるものになっています。
8.570931
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第3集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.40
追憶の歌(管弦楽伴奏版)
ジュズアルド・コッジ(P)
シルヴィア・パジーニ(Ms)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
その生涯に1曲もオペラを書くことがなく、初期に書いたミサ曲なども長らく上演されなかったマルトゥッチ(1856-1909)の唯一愛されている声楽曲が、この「追憶の歌」です。当時のイタリアでは管弦楽伴奏の連作歌曲というものの存在が知られておらず(彼は恐らくベルリオーズの「夏の夜」は知っていたと思われますが)その面でもきわめて珍しい作品として評価されることでしょう。曲の雰囲気は「四つの最後の歌」にも似た甘やかでデリケートなもの。幽かに胸が締め付けられるような黄昏の美しさを存分に湛えています。ピアノ協奏曲は23歳の若き時期の作品です。
8.570932
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第4集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.66
楽興の時とメヌエット(弦楽オーケストラ編)
ノヴェレッタOp.82-2(管弦楽編)
セレナータOp.57-2(管弦楽編)
東洋の色彩Op.44-3(管弦楽編)
ジェズアルド・コッギ(P)
フランチェスコ・ダ・ヴェッキア(指)
ローマSO
ピアノ協奏曲は、あのマーラーが生前最後にカーネギー・ホールで行った演奏会のプログラムに含まれていたことで知られています。当時、すでに体調が悪化していたであろう彼にとっては、この大曲を指揮するのはかなり大変だったのではないでしょうか?第1楽章は演奏時間こそ20分と長いものの、次々と現われては消えていく雄大で美しいメロディを追うだけでも楽しいですし、それに続く夢のように美しい第2楽章ラルゲットと、華やかで息詰まるようなオケとピアノの対決が楽しめる第3楽章も聴きどころ満載です。後期ロマン派の最後の輝きを存分にお楽しみください。余白に収められた小品も、これまた味わい深くて何だか得した気分です。
8.570933
ロッシーニ:序曲全集第1集
歌劇「泥棒かささぎ」序曲
歌劇「セミラーミデ」序曲
歌劇「イギリスの女王エリザベス」序曲(歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲)
歌劇「オテッロ」序曲
歌劇「コリントの包囲」序曲
シンフォニアニ長調「コンヴェンテッロ」
歌劇「エルミオーネ」序曲*
プラハ・フィルハーモニックCho*
クリスティアン・ベンダ(指)
プラハ・シンフォニアO

録音:2011年9月5-6日チェコプラハ
NAXOSの膨大なレパートリーの中にありそうでなかったのが、ロッシーニ歌劇の序曲全集です。もちろん有名曲を一通りつまんだアルバム(8.550236)など、一部の曲は楽しめたのですが、折角ならば全曲を聴いてみたいと熱望するファンの声に応えて、この度4枚からなる全集を企画、その第1集となるのがこちらというわけです。さて、冒頭から聴いてみてください。抜けの良い録音と闊達なるベンダの指揮は、耳をわくわくさせること間違いなし。第3曲目はタイトルこそ「イギリスの女王エリザベス」ですが、使い回しの多いロッシーニのこと、今では「セビリアの理髪師」の序曲として知られているものです。
8.570934
ロッシーニ:序曲全集第2集
歌劇「ウィリアム・テル」序曲
歌劇「エドゥアルドとクリスティーナ」序曲
歌劇「幸運な間違い」序曲
歌劇「絹のはしご」序曲
歌劇「デメートリオとポリビオ」序曲
歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
シンフォニアニ長調「ボローニャ」
歌劇「シジスモンド」序曲
クリスティアン・ベンダ(指)プラハSO

録音:2011年9月5-6日、2012年5月30.31日
ロッシーニ(1792-1868)の素晴らしいウイットと創造性が、この序曲シリーズにくまなく発揮されています。これらの序曲の役割は、喜劇的な面と悲劇的な面の両方の要素を、色鮮やかなオーケストレーションで描き出し、これから始まる壮大な物語への道しるべと成すことにありますが、このベンダの演奏はそれらの要望を見事なまでにかなえていると言えるでしょう。ここでは5台のチェロ独奏部分を含む4つの楽章からなる、大規模な序曲である「ウィリアム・テル」、彼の作品の中でも最も人気を誇る「絹のはしご」序曲などの有名作から、オペラ自体もほとんど演奏されることのない「デメートリオ」や「シジスモンド」などの珍しい作品まで、ファンならずとも聞き逃せないものばかりを収録しています。

8.570938
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番&第2番 ファイン・アーツQ
クリスティーナ・オルティス(P)
独自の和声感と調性を追求したためか、晩年の作品はある意味「捉えどころのない美しさ」に満ちているフォーレ(1845-1924)の音楽。この2曲のピアノ五重奏曲もまさにそんな音楽です。第1番は中期から後期への過渡期に書かれていて、境目はぼやけていても、メロディラインはしっかりしています(もちろんそれを取り巻く音の流れはとめどなく流動的ですが)。晩年近くに書かれた第2番になると、更に音楽は晦渋の度合いを深めていくのです。さざめくピアノのアルペジョと、本来の拍子とずらした拍を用いることで感じる浮遊感(ヘミオラといいます)、そしてぼやけた調性。耳がなじむまでに少々時間を必要とするかも知れませんが、一度この世界に慣れてしまうと、まるで暖かい水の中で体を丸めているかのような安らぎを覚えることでしょう。
廉価盤にしておくのは勿体ないほどの名演!「第1番」冒頭のピアノのアルペジョからその幻想的なニュアンスの引き込まれます。オルティーズの極美のピアノに乗せ、強固な集中力で曲の核心に食い入ろうとするファイン・アーツQの響きが絶妙に溶け合い至福の空間が生まれます。第1楽章の第2主題に入るとますます感傷的なニュアンスに深みが加わり、ソロ部分ととハーモニーの交差の妙も聴きもの。終楽章はベートーヴェンの「第9交響曲」の喚起の歌にヒントを得たとされる楽想の構築力と相まってアンサンブルの凝縮度が最高次元にまで高められ手応え十分。アンサンブルの素晴らしさとフォーレの作風との完全なる融合を一層強く感じさせるのが至高の名作「第2番」。聴覚に障害を持ったフォーレがこの作品の込めた熱い思いが内面から昏々と湧き立ち、第1楽章ではそのフォーレ自身の心情を映すかのようにさまよい続けるフレーズが淀みなく迫ります。決して気負わずにしなやかな推進力を見せる第2楽章、弦のユニゾンで色彩のゆらぎを感じさせる第3楽章など、作品の高みに相応しい妙技の連続です。  【湧々堂】
8.570939
ガーシュウイン:クラリネットと弦楽のための作品集
ポーギーとベス組曲
ピアノ協奏曲ヘ長調より第2楽章
パリのアメリカ人(抜粋)
3つの前奏曲
※全てF.ヴィラールによるクラリネットと弦楽合奏編
ミシェル・ルチエック(Cl)
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
ガーシュウイン(1898-1937)のゴキゲンな音楽をクラリネットで演奏することにより、作曲家のジャズへの愛、またポピュラー音楽とクラシック音楽の融合がこれほどまでに顕著となるとは誰しも思っても見なかったことでしょう。例えば、「ポーギーとベス組曲」の中のサマータイムでの泣きたくなるほどの切なさの表現力を聴いてみてください。本来クラリネットのために書かれたと言われたら信じない人はいないほどの出来栄えです。このクラリネットの能力を持ってすれば、ピアノ協奏曲にもピアノは不要。まさに恐るべき世界が広がっています。「3つの前奏曲」もスゴイの一言です。編曲者のヴィラールのセンスの良さと、クラリネットのルチエックの抜群のリズム感、そして指揮のガロワの包容力。これらが全て溶け合った奇跡の1枚の誕生です。
8.570941
ルビンシュテイン:ピアノ作品集
主題と変奏Op.88(1871)
折句第2番Op.114(1890)
ヨゼフ・バノヴェツ(P)

※全て世界初録音
アントン・ルビンシュテイン(1829-1894)はロシア人ピアニストとしてはじめて世界的名声を博し、またサンクトペテルブルク音楽院を開設し、1859年にはロシア音楽協会を開設するなど、以降のロシアのピアノ界に多大なる影響を与えた人です。また歌劇、交響曲からピアノ曲までとあらゆるジャンルにたくさんの作品を残したのですが残念なことに、「ヘ調のメロディ」や「天使の夢」の小さなピアノ曲以外はほとんど忘れ去られてしまいました。ここでは、シューマンの「交響練習曲」に触発されて書かれた「主題と変奏」と、サロン風な「折句」第2番でその才能をじっくり味わってみてください。「折句」とは聞き慣れない言葉ですが、今でいう「縦読み」のようなもので、並んだ文章の頭だけを読んでいくと他の文が浮かびあがる仕掛けのようなものです。こちらもシューマンが好んだ手法ですが、このルビンシュテインの作品には曲を献呈した相手の名である「S-O-F-I-A」の音が織り込まれているということです。
8.570942
ルビンシテイン:ピアノ作品集第2集(1852-1894)
ロシア風セレナーデロ短調(1879頃)
2つのメロディOp.3(1852)<ヘ長調/ロ長調>
ドレスデンの思い出Op.118(1894)<シンプリシタス/情熱的に/ノヴェレッテ/カプリース/夜想曲/ポロネーズ>
ロマンスと即興曲Op.26(1854/58)
折句第1番Op.37(1856頃)
ジョセフ・バノヴェツ(P)
ピアノ作品集第1集(8.570941)が好評のロシアのピアニスト&作曲家、アントン・ルビンシテイン(1829-1894)の作品集です。この第2集は23歳の時に書かれた、有名な「へ調のメロディ」から、亡くなる年に書かれた「ドレスデンの思い出」まで、作曲家の長い経歴を慮る作品を網羅しています。演奏するのは、GRAMMY賞も受賞した名手、バノヴェツ。彼の明晰なピアニズムによって、どの曲にもくまなく光が当てられています。トラック1の「ロシア風セレナーデ」の重苦しくも切ないメロディは、いかなる時もロシア風ですが、どことなく日本の演歌に通じるものがあるような気がしませんか?また、相変わらず色々な物が織り込まれている「折句」での甘い囁き風のメロディにも心惹かれます。
8.570943
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第4集
ピアノとクラリネット,チェロのための三重奏曲Op.38(七重奏曲Op.20の作曲者による編曲)
ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」(クラリネット版)
イブ・ハウスマン(Cl)
マリア・クリーゲル(Vc)
ニーナ・ティクマン(P)
ベートーヴェン(1770-1827)のピアノ三重奏曲第4集は、クラリネットを含む2つの作品です。七重奏曲から編曲された三重奏曲は、1799年に初演され、1800年には慈善コンサートで演奏されました、この時はモーツァルトやハイドンの作品と共にこの曲を演奏、すぐさま大きな反響を呼んだそうです。あまりの人気で色んなアレンジが施されたため、ベートーヴェン自身が「著作権侵害」(当時はまだこんな言葉はない)を心配して、出版者に早く出版するように持ちかけたそうです。とはいえ、彼自身もこのように編曲していたのですが・・・)。もう一つの曲は「街の歌」として知られる有名な作品です。簡潔な形式の中に充実の音楽が詰まった名作で、クラリネットの艶やかな音色で演奏されると、また違った味わいが感じられます。
8.570944
F.クープラン:ヴィオラ・ダ・ガンバのための組曲
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第1組曲ホ短調<前奏曲/アルマンド・レジェール/クーラント/サラバンド・グラーヴェ/ガヴォット/ジーグ/パッサカリアとシャコンヌ>
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第2組曲イ長調<前奏曲/フガート/葬儀/白いシャツ>
クラヴサンのための第27組曲<上品な女/けしの実/中国風/頓智>
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)

録音:2011年5月16-18日フィンランドカルヤー,聖カテリーネ教会
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、多くの音楽家を排出したクープラン家でもとりわけ有名な存在であり、オルガニストとしてルイ14世の御前演奏を行うほか、数多くのクラヴサン(フランス語でチェンバロを表わす)のための作品を残しています。基本的に鍵盤音楽の作曲家として知られていますが、コンセールと呼ばれる多くの室内楽作品も残しています。このヴィオール組曲は1728年に出版されたクープラン晩年の作品で、フランス組曲の形式に、イタリア風の形式をわずかに盛り込んだ意欲作で、この年に亡くなったマラン・マレを偲んで書いたと言われています。クラブサンのための第27組曲は、ヨーロッパにおける中国への関心が現れた作品。当時の人々におけるアジアのイメージがそこはかとなく感じられる興味深い音楽です。静かな午後、お茶でもしながら聴きたい1枚です。
8.570946
アーバン・レクイエム
S・リンドロース(1968-):スピン・サイクル
サン=サーンス
:序奏とロンド・カプリチオーソ(フルート、クラリネットと管楽オーケストラ版…L・ブロック編)
E・ウィテカー(1970-)」10月
M・コルグラス(1932-):4本のサクソフォンと管楽オーケストラのための「アーバン・レクイエム」
ショスタコーヴィチ:
ロシアとキルギスの主題による序曲(G・ドゥカー編)
スーザ
:聖なる殿堂の貴族たち
キャスリン・トーマス・アンブル(Fl)、
ロバート・フィッツァー(Cl)、
ジェームス・アンブル(Sax)、
アレン・コーディングレイ(Sax)、
ケント・エンジェルハート(Sax)、
ジョセフ・キャレイ(Sax)、
スティーヴン・L・ゲージ(指)
ヤングスタウン州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
ヤングスタウン州立大学では、毎年275人以上の学生が、室内楽からジャズまで各々好きなジャンルのバンドに参加、多くの作曲家に作品を委嘱したり演奏したりと精力的に活動を行うユニークな活動を行っています。メイン収録曲の「アーバン・レクイエム」を作曲したのはピューリツァー賞を受賞したコルグラス。サクソフォン・カルテットに限界までの技術を要求した鮮烈な作品です。
8.570948
オアナ:十弦ギターの為の作品集
ティエント/日が昇れば/月時計
グラハム・アンソニー・デヴァイン(G)
モロッコ生まれの作曲家、オアナ(1913-1992)は本来はユダヤ系の血筋を持ちながらも、父親がジブラルタル(イベリア半島のイギリス領土)出身だったため、イギリス国籍を取得しました。パリで学び、ドビュッシーとファリャから強く影響を受け、一時期はローマでカセッラにも学び、少しずつ独自の作風を模索、円熟期には、フラメンコとアフリカの民族音楽、そして中世音楽にも魅了されるなど、様々な風土の影響を受けた情熱的な作品を多く書いています。ギターの作品も多く書いていて、どれもスペインの音楽に現代的な味付けを施した熱い曲ばかり。ここでは名主デヴァインの弾く十弦ギターの深い響きを心行くまで堪能することができるでしょう。
8.570949
オーストラリアのギター音楽集
エドワーズ(1943-):ブラックワトル・カプリース
ホートン(1954-):石碑
スカルソープ(1929-):フロム・カカドゥ
エドサーズ:ギター・ダンス(A.ウォルターによるギター編)
クーネ(1956-):素晴らしい感情および壮大なデザインの閉じた世界
ディーン(1961-):ゴヤからの3つのカプリチョ
スカルソープ:夢の中へ(ギター編)
スカルソープ:ジリル(S.ウィングフィールドによるギター編)
アレクサンドル・チボルスキー(G)
ようやく最近になって、オーストラリアのクラシック・ギター界が世界的に重要な存在になってきました。これには、名ギタリスト、ジョン・ウィリアムズ(1941年生まれ)が自国の作曲家に「ギターの曲を書いてほしい」と委嘱したことが大きな要因でしょうか。また、同国の著名な弦楽器奏者、スモールマンがギター制作に乗り出したことも特筆すべき事項でしょう。現在では、彼の制作した楽器は世界中のギタリストの羨望の的となっています。そんなオーストラリアのギター作品を演奏するのは、2006年の東京国際ギター・コンクールで優勝、高い評価を受けたチボルスキー。彼の美しく透明で、リュートにも似たギターの音はこれらの作品の本質と聴きどころを聴き手に確実に届けています。
8.570950
A.スカルラッティ:冥界からのエウリディーチェ他
カンタータ「冥界からのエウリディーチェ」
チェロ・ソナタ第2番ハ短調
ハープシコードのためのトッカータイ長調
永遠なる聖処女の嘆き1-6
アルス・リリカ・ヒューストン
アンサンブル「アルス・リリカ」のNAXOSデビュー盤です。2曲の世界初録音を含むこのスカルラッティ(1660-1725)の作品集はファンにとってまたとない贈り物となることでしょう。「冥界からのエウリディーチェ」は最も素晴らしいソロ・カンタータの一つで、通奏低音の伴奏に乗ってソプラノが自由な装飾を伴う美しいアリアを歌います。絶望から希望まで幅広い感情を表現した見事な歌唱に惚れぼれすること間違いありません。もう一つの「永遠なる聖処女の嘆き」は彼の2つだけ残存するラテン語のオラトリオの一つ。完結でわかりやすいメロディが魅力です。2曲の器楽曲がこれまた絶品です。
8.570951
ムーザス:空想映画のための音楽他
空想映画のための音楽、
最初の主題、モノローグ〜コールアングレのための協奏曲、
弦楽オーケストラのための「思考の形式」、
弦楽オーケストラのための「明晰な夢」
クリスティアーナ・パンテリドゥ(コールアングレ)、
ミルトス・ロジアディス(指)ソフィアPO
ギリシャの作曲家ムーザス(1962-)。彼はイメージに関連する音楽については天才的な手腕を発揮、多くの振り付け師とコラボレーションを図ったり、短編映画、テレビやコマーシャル、ドキュメンタリーの音楽など多数を書いています。どの曲も聴いているだけで、どんどん妄想が膨らんでいくのを感じられることでしょう。なかでも、コールアングレの響きが異様な雰囲気を醸し出す「モノローグ」は秀逸です。
8.570956
モンポウ:ピアノ作品集第5集
ドン・ペリンプリン(モンサルヴァーチェとの共作)(1955)
バレエ(1946)
「月の光」によるグロッサ(1946)
ロマンス(1944)
モデラート・エスプレッシーヴォ(1946)
「月の光」による幻想曲(1946)
ヴァイオリンとピアノによる「標高」
チェロとピアノによる「橋」
4手による「3つの子守歌」
ホルディ・マソ(P)
マルク・オリウ(Vn)
ホアン=アントニ・ピッチ(Vc)
マリザ・ルイス・マガルディ(P)

※全て世界初録音
このアルバムは、パリに20年近く滞在したモンポウ(1893-1987)が、バルセロナへ帰国した後の1944年から1955年の間に書かれたピアノ曲を収録しています。これらは出版されなかった作品で、このマソの演奏が世界初録音となります。バレエ音楽「ドン・ペリンプリン」のピアノ版は2007年に公表されたもので、12曲からなる短い小品からなっています。ロルカの戯曲「庭のドンとベリーサの恋」を下敷きにしたこのバレエは、舞台美術家シャヴィエル・コルの発案で、マーキス・デ・クエヴァスのバレエ団によって依頼されたものです。このバレエは1956年5月8日にリセウ劇場で初演されました。しかし、実のところモンポウは、初演までにオーケストレーションを間に合わせることが出来ず、友人であるモンサルバーチェに助けを求める他ありませんでした。モンサルヴァーチェはオーケストレーションを施した上で、2曲のダンスを追加し、初演に間に合わせることができたのです。時としてプーランクやワーグナーを思わせるロマンティックな個所もありますが、やはりモンポウらしい音楽で、スペイン風でエキゾチックな味わいです。
8.570958
ローデ:練習曲の形式による24のカプリース
.ハ長調/イ短調/ト長調/イ短調/ニ長調
変ロ短調/イ長調/嬰ヘ短調/ホ長調
嬰ハ短調/ロ長調/嬰ト短調/変ト長調
変ホ短調/変ニ長調/変ロ短調/変イ長調
ヘ短調/変ホ長調/ハ短調/変ロ長調/ト短調
ヘ長調/ニ短調
アクセル・シュトラウス(Vn)
1774年、ボルドーで生まれたローデ(1774-1830)は13歳の時にパリへ行き、すぐにヴィオッティの愛弟子となりました。恐らく1790年にデビューを飾り、オーケストラにも参加するようになります。以降様々な音楽家と知り合いになった彼はヨーロッパ全土で演奏会を行い、またヴァイオリンのための作品を数多く作曲、後進の演奏家たちにも多大なる影響を与えました。この24のカプリースは、彼の代表作として知られ、今でもヴァイオリンを学ぶ人たちがパガニーニを演奏する前段階の練習曲として愛用しています。技術だけでなく旋律美に溢れた良質の作品です。
8.570959
ジャクソン:合唱作品集
偉大なる聖職者を見よ
聖なる日のためのミサ
タントゥム・エルゴ/レクイエム
ザ・ロード/マニフィカト
ヌンク・ディミティス/私は感謝を捧げる
サルヴェ・レジナ
リディア旋法によるマニフィカト
リディア旋法によるヌンク・ディミティス
テ・デウム/ユビラーテ
ローラ・オルドフィールド(S)、
エミリー・ビーハン(S)、
ピーター・ダヴォーレン(T)、
フランシス・ウィリアムス(T)、
ヘンリー・ジョーンズア、
デヴィッド・デ・ウィンター(T)、
ユリアン・デブロイル(Br)、
デヴィッド・グード(Br)、
ジェレミー・フィルセル(Org)、
ロドルファスcho、レイフ・オールウッド(指)
オルガン音楽集(8.554773)での深い精神性が高く評価されているイギリスの作曲家(1934-)ジャクソン。この合唱曲集も彼の好きなフランス音楽の影響が感じられる感動的な作品が盛り沢山です。フォーレ、デュリュフレの形式を引き継いだ清冽なレクイエムをはじめ、輝かしい「偉大なる聖職者を見よ」などとろけるような和声感が美しい小さな合唱曲、近現代の合唱曲が好きな方にはたまらない1枚と言えるでしょう。
8.570960
レーガー:オルガン作品集第10集
前奏曲とフーガホ短調Op.85-4
52のやさしいコラール前奏曲より<第39番天にいますわれらの父よ/第40番高き天より、われは来たり/第41番目覚めよと、呼ぶ声あり/第42番われは神より離れず/第43番何ゆえにわれは悩むや/第44番神のみわざはよきかな>
前奏曲とフーガ嬰ト短調
52のやさしいコラール前奏曲より<第45番ただ愛する神の摂理にまかす者/第46番ただ愛する神の摂理にまかす者/第47番目覚めよ、わが心/第48番わが終わりの近きをだれぞ知らん/第49番暁の星のいと美しきかな/第50番幸いなるかな、おお魂の友よ/第51番イエスは来たれり/第52番おお、いかに喜びに満ちたるか、汝ら信仰深き者>
コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」
マルティン・ヴェルツェル(Org)
※トリーア教会ヨハネス・クライスオルガン
レーガー(1873-1916)の「52のやさしいコラール前奏曲」は彼のオルガン作品の中でも重要な位置を占めているものです。1902年に作曲され、プロテスタントの良く知られた讃美歌が元になっており、中にはバッハのコラールなどでおなじみのメロディもあり、なかなか聴きごたえがあります。タイトルに「やさしい」とありますが、なかなかどうして。どれも凝った作風で一筋縄ではいかないところがさすがレーガーです。さすがに半音階的な和声は姿を潜めていますが、いつものような「網の目のような対位法」が散りばめられていて、複雑怪奇な物が好きな人にはたまらない作品群と言えるのです。第1-10番までは8.553927、第11-30番までは8.570455で聴くことができます。独立した3つの作品もこれまた素晴らしく、こちらは完全に近代の音楽で、和声的にも音楽的にもすこぶる充実しています。
8.570961
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第32集(パート・ソング第1集)
人生の喜び「交際上手」D.609
埋葬の歌「今や肉体を埋めた」D.168
復活祭の歌「死に勝ちたまいし救い主イエス・キリスト」D.168a
世界の創造主たる神Op.112-2/D.986
嵐の中の神Op.112-1/D.985
無限なるものに寄せる讃歌Op.112-3/D.232
夕映えD.236
何千もの星がきらめくD.642
太陽に寄せてD.439
婚礼の焼肉Op.104D.930
祝日の奉献式Op.146/D.763
祈りOp.139/D.815、踊りD.826
シビラ・ルーベンス(S)
ジルケ・シュヴァルツ(S)
レジーナ・ヤコビ(A)
インゲボルク・ダンツ(A)
マルクス・シェーファー(T)
マークス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マルクス・フライグ(Bs)
マークス・シュミードル(Bs)、
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの歌曲を語る上で避けて通れないのが、このパートソング集です。親しい友人たちとの集まりで披露されたであろうこれらの歌は、独唱のための曲に比べると気楽で身近な題材から取られたものが多く、彼の社会生活をあれこれ想像する材料としても興味深いことでしょう。曲によっては、ピアノ伴奏を備えた壮大なカンタータであったり、単純なメロディを用いたカノンであったりとその趣は本当に様々です。トラック10の「婚礼の焼肉」などはタイトルだけ訊くとユーモラスですが、実は・・・小さな「魔弾の射手」そのもの。3人の登場人物の掛け合いはまるでオペラのようで、なかなか聴き応えがあります。あと2枚のアルバムが予定されるこのシリーズ。
8.570962
シューベルト:パートソング集第2集
自然の中の神D.757/詩篇第23番Op.132D.706
人生D.269b/羊飼いの娘D.513/自然の喜びD.422
サリエリ氏の50歳の誕生日を祝してD.407
光と愛D.352/アンティゴーネとエディプスOp.6-2D.542
そよ風が吹くD.725/
フォーグルの誕生日のためのカンタータ「春の朝」D.666
アリ・ベイ哀悼歌D.140/ゴンドラを漕ぐ人Op.28D.809
挽歌Op.52-4D.836/舟人の歌D.835
セレナードOp.135D.920
シビラ・ルーベンス(S)…1-3.13.17/ジルケ・シュヴァルツ(S)…1.2.9.10.12.15.17/レジーナ・ヤコビ(A)…1-3.11.13.15.17/インゲボルク・ダンツ(A)…1-3.13.15.17/ヒルデガルド・ヴィーデマン(A)…17/マルクス・シェーファー(T)…4-6.8.9.11.12.14.16/マークス・ウルマン(T)…4-8.14.16/トーマス・E・バウアー(Bs)…4-6.8.12.14.16/マークス・フレイグ(Bs)…10/マルクス・シュミードル(Bs)…4.5.14.16/ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの珍しい合唱アンサンブルのための作品集第2集です。この中の男声のための曲集は知れ渡っていますが、女声のための作品はほとんど知られていません。しかしシューベルトはそんな女声のためのアンサンブルに極めて野心的な作品を多く書いたのです。讃美歌による曲から、彼が教えていた女生徒の誕生日を祝う曲まで、さまざまな歌がひしめいています。添えられたピアノの伴奏もどれも巧妙に書かれていて、シューベルトを聴く楽しみ満載の1枚となっています。厳選された歌手たちの楽しげな表情にもご注目ください。
8.570963
シュポア:複弦楽四重奏曲第1集
複弦楽四重奏曲第1番ニ短調Op.65(1823)
複弦楽四重奏曲第2番変ホ長調Op.77(1827)
フォード・アンサンブル《第1四重奏団》[ジャニス・グラハム(Vn)/ヘレナ・ウッド(Vn)/アンドリー・ヴィルトヴィチ(Va)/キャロライン・デール(Vc)]
《第2四重奏団》[ニコル・ウィルソン(Vn)/アリソン・ドッズ(Vn)/アレクサンダー・ゼムトフ(Va)/ジュリア・グラハム(Vc)]
ヴァイオリニスト、指揮者としてヨーロッパ全土を席巻したルイス・シュポア(1784-1859)は、その生涯に48曲の弦楽アンサンブルのための作品を書きました。その中でも特異なものが、ここに収録された「複弦楽四重奏曲」です。楽器の編成はメンデルスゾーンの八重奏曲と同じなのですが、シュポア自身の言葉によると「メンデルスゾーンの作品は2つの四重奏の協調ではなく、8つの楽器の全てが同等に書かれているので、意味合いが全く違う」のだそうです。彼がヴァイオリニスト、アンドレアス・ロンベルク(高名なチェリスト、ベルンハルト・ロンベルクの従兄)と弦楽四重奏曲を演奏した時に、「2つの弦楽四重奏団が共に響きあったらどんなに素晴らしい音楽ができるのだろう」と思いついたのだとか。そんな工夫が凝らされた厚みのある響きをどうぞお楽しみください。2つの弦楽四重奏団の各々の奏者が紡ぎ出す音。ある時にはぶつかり合い、ある時には溶け合いつつ耳を通り過ぎていく。という稀有な体験があなたを待っています。
8.570964
サン=サーンス:管楽器のための音楽集
デンマークとロシアの歌による奇想曲Op.79
クラリネット・ソナタ変ホ長調Op.167
オーボエ・ソナタニ長調Op.166
ファゴット・ソナタト長調Op.168
ロマンス変ホ長調Op.67(ホルンとピアノ編)
フルート,クラリネットとピアノのための「タランテッラ」Op.6
カナダ・ナショナル・アーツ・センター管楽五重奏団
[ヨハンナ・グフレエール(Fl)/チャールズ・ハマン(Ob)/キムボール・サイクス(Cl)/ローレンス・ヴァイン(Hrn)/クリストファー・ミラー(Fg)]
ステファヌ・ルムラン(P)
生涯に驚くほど多くの作品を書いたのに、穏健な作風が災いしてか、どう考えてもその一部しか知られていないサン=サーンス(1835-1921)。しかし、このアルバムに収録された味わい深い室内楽曲を聴いてみると、「もっと聴いてみたい」という気持ちになる人が多いのではないでしょうか。3つのソナタはどれも彼の最期の年に書かれた曲で、澄み切った美しさと深い諦観に満ちています。とは言え、クラリネット・ソナタの終楽章での目まぐるしい楽想の変化などには、天才の閃きを感じずにはいられません。カナダの名五重奏団と、カサドシュ国際コンクールの受賞ピアニストによる魅力的な演奏で、この滋味溢れる佳曲の花束をお聴きください。
8.570965
シュルホフ:弦楽四重奏のための音楽集
弦楽四重奏曲第1番(1924)
5つの小品(1923)
弦楽四重奏曲第2番(1925)
アヴィヴQ[セルゲイ・オストロフスキ(第1Vn)/エフゲニア・エプシュタイン(第2Vn)/シュリ・ウォーターマン(Va)/レイチェル・マーサー(Vc)]
チェコの作曲家、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)。ユダヤ系の血を引いていた彼の作品は、ナチス・ドイツによって「退廃音楽」の烙印が押されてしまい、演奏されることも出版されることもなく、彼の死後はずっと忘れ去られてしまいました。しかし、最近の「退廃音楽復興」の流れに乗り、彼の作品もようやく注目されるようになってきたと言えそうです。彼の弦楽四重奏曲は1920年代の最も脂の乗った時期に書かれています。未だ活動の制約を受ける前の彼のとても前衛的な作品で、ジャズのリズムを取り入れたり、特殊奏法を取り入れたり、バルトーク風な風情を見せたりと興味深いものばかりです。どことなく民族音楽的で、決して調性感がなくなるところがないのも、彼の音楽の聴き易さを助長している原因でしょう。5つの異なるスタイルで書かれた「5つの小品」での生真面目さを装ったアイロニカルな表情もたまりません。
8.570966(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(オリジナル楽器使用) ローラ・アルビノ(S)、
ニルス・ブラウン(T)、
ジェニファー・エンス・モドロ(Ms)、
ペーター・マホン(C.T)、
イヴ・レイチェル・マックリード(S)、
ジェイソン・ネデッキー(Br)、
バド・ローチ(T)、ジェニー・サッチ(S)、
シーン・ワトソン(Br)、
ケヴィン・マロン(指)アラディア・アンサンブル
「メサイア」の3年前に書かれたこの「エジプトのイスラエル人」、初演は大失敗だったと伝えられています。理由は、華々しいアリアがなくお目当ての歌手が出なかったせいだ、とか聖書のテキストをそのまま使ったからだとか、様々あるようですが、逆に言えばこれほどまでに合唱に重点の置かれた作品もなく、管弦楽の真に迫る描写も見事過ぎると言えましょう。通常カットされる第1部(キャロライン王妃の葬送アンセムHWV264より流用)も演奏されている貴重な2枚組です。
8.570968
アメリカン・タペストリー
スミス:星条旗(J.ウィリアムズによる吹奏楽編)
ジェンキンス
:アメリカ序曲
ハンソン
:「メリー・マウント」組曲(J.ボイドによる吹奏楽編)
ガーシュウィン
:ラプソディー・イン・ブルー(D.ハンスバーガーによるピアノと吹奏楽編)
タッカー:セレモニアル・ファンファーレ(リメンブランスの主題による)
ブライアント:レイディアント・ジョイ
ベネット:古いアメリカ舞曲による組曲
スーザ
:ワシントン・ポスト
リチャード・シュスタ(P)、
ユージン・ミリアーロ・コーポロン(指)
ローンスター・ウィンド・オーケストラ
このアルバムは吹奏楽好きの方のみならず、全ての音楽好きにおすすめしたい最強の1枚です。100年に渡るアメリカのウィンド・バンドのレパートリーの中でもとりわけ注目を浴びそうなのが冒頭のジョン・ウィリアムズ編曲「アメリカ国歌」でしょう。そしておなじみベネット、ハンソンの作品が勢揃い。聴きほれること請け合いです。そしてトリを飾るのはもちろんスーザの名曲「ワシントン・ポスト」!
8.570974
ヴュータン:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
ファンタジア・アパッショナータOp.35
バラードとポロネーズOp.38
ファンタジー・カプリースOp.11
アメリカへの挨拶Op.56全てヴァイオリンと管弦楽編
ミッシャ・ケイリン(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)スロヴァキアRSO
音楽を愛する職人の家系に生まれたヴュータン(1820-1881)は、地元の音楽家からヴァイオリンの手ほどきを受け、6歳で公開デビューを果たし、ブリュッセルではシャルル・ド・ベリオに師事するようになり、一層その腕に磨きをかけました。ローデ、ベリオからヴィエニアフスキー、クライスラーへと、その名人芸の橋渡しをした偉大なるヴィルトゥオーゾであり、その技巧の冴えから「小さなパガニーニ」と異名を取るまでの人気者になりました。華麗な技が炸裂する彼の作品は今でも広く愛されています。ここではその中から4曲をお聴きいただきましょう。ロシア滞在中に書かれた「ファンタジア・アパッショナータ」、緊張感溢れる「ポロネーズ」や「カプリース」、そしておなじみのメロディが印象的な「アメリカへの挨拶」と、多様な音色を聴くことができます。
8.570976
カバレフスキー:前奏曲全集
4つの前奏曲Op.5
24の前奏曲Op.38
6つの前奏曲とフーガOp.61
アレクサンダー・ドッシン(P)
24の前奏曲と言えば、ショパンの名作を思い浮かべる人も多いことでしょうが、あの独特の形式は後世の作曲家たちに様々な影響を与えていることは間違いありません。このカバレフスキー(1904-1987)の同名曲は、ロシア民謡のメロディを元にした様々な性格を持つ作品群で、ショパンと同じく全ての調性で書かれています。どの曲もとても個性的で、はっとするほどに美しいメロディが散りばめられています。演奏は、ソナタ(8.570822)でもその能力を存分に見せつけたドッシン。ここでも曲の素晴らしさをしっかりと伝えてくれています。
8.570977
イザイ:弦楽三重奏曲「シメイ」他
2つのヴァイオリンの為のソナタイ短調遺作
弦楽三重奏曲「シメイ」遺作
無伴奏チェロの為のソナタOp.28
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
バルド・メンセン(Vn)
ラース・アネルス・トムテル(Va)
オーレ=エイリク・リー(Vc)
イザイ(1858-1931)と言えば、6つの無伴奏ソナタがとりわけ有名ですが、このベルギーの作曲家はヴァイオリンの更なる可能性について常に探究を怠ることはありませんでした。ここで聴ける「2つのヴァイオリンの為のソナタ」でのぞくぞくするような音楽的緊張感を味わってしまうと、もうイザイの魔力から逃れることは不可能でしょう。このソナタは1915年にベルギーのエリザベート王妃のために書かれていて(彼女はイザイにヴァイオリンを教わっていた)、実際に演奏されたかはわかりませんが、何ともロマンティックな響きを持っています。1927年に書かれた弦楽三重奏は、イザイの死後に初演されました。あまり演奏されることのない秘曲ですが、どことなくドビュッシー風の音も感じられる魅力的な作品です。最近めきめきと頭角を表しているクラッゲルードと彼を取り巻く仲間たちの、とろけるような名演でどうぞ。
8.570978
シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)
ヴァイオリン・ソナタ第2番「ソナタ風」(1968)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1994)
ヴァイオリン・ソナタ(1955)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
第1番のソナタは1963年に作曲されたもので、ショスタコーヴィチの影響を受けつつも、十二音で書かれ、また敬愛するバッハの名前も引用されていたりと実験的かつ破壊的。「2010年の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第2次予選に、この曲が入っていた」これだけで話題になるほど、演奏も解釈も難しい作品です。第2番のソナタは単一楽章で書かれ「ソナタ風」と題されながらも、より散文的で緊張感を湛えています。第3番のソナタは1994年に作曲されたもの。彼の良き理解者であるルボツキーによって、シュニトケ(1934-1998)の60歳の誕生記念に初演されました。番号のないソナタ(2つの楽章)は、学生時代に作曲されたもので、シュニトケの死後に発見されました。シンプルな外見に中身がぎゅっと濃縮されています。
8.570979
オネゲル:映画音楽集
リゲイン(二番芽)第1組曲
「罪と罰」組曲
ヒマラヤの悪魔(2つの交響的楽章)
観念
ジャック・チャムケーテン(オンドマルトノ)、
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO&cho

MARCO POLO
*8.223466,8.223467より移行盤
8.570981
メンデルスゾーン=ヘンゼル:歌曲集第1集
6つの歌曲集Op.1/7つの歌曲集Op.7
アイヒェンドルフ歌曲集/面影
ドロテア・クラクストン(S)、バベッテ・ドルン(P)
歌曲やピアノ曲など500以上も作品を残したにもかかわらず、弟フェリックスの光り輝く天才の影に隠れてしまったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)の愛すべき歌曲の登場です。彼女が愛した詩人たち、主にゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフなどの詩に感性豊かな曲をつけた彼女の才能を改めて賛美いたしましょう。繊細で内省的で叙情的。とロマン派音楽の特徴を全て兼ね備えた珠玉の作品を歌うのはクラクストン。クララ=シューマンの歌曲集(8.570747)でも胸ふるえる歌唱を聴かせてくれた名ソプラノです。
8.570985
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)
妖精の口づけ〜「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)
協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキーの面目躍如と言った感のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれたドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(8.570978)で鮮烈な演奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もある痛快な音楽を演奏しています。
8.570984
リスト:ピアノ作品全集第30集
「イタリアの夜会」〜メルカダンテのモティーフによる6つの慰み
パガニーニ大練習曲よりS141
ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗な即興曲S150/R29
ロッシーニの主題による7つの華麗な変奏曲S149/R28
ジャンルカ・ルイジ(P)
リスト(1811-1886)は自身の超絶技巧を誇示するために、同時代の多くの作曲家の作品を自らの手で華麗なピアノ曲へと変貌させました。このメルカダンテのモティーフによる「イタリアの夜会」は1838年に作曲されたもので、リストがこの曲を演奏することで、当時初演されたメルカダンテの歌劇「誓い」の評判をより一層高めることに成功したと言われます。1840年代にヴェルディの作品が台頭してくるまでは確かにメルカダンテが一番のオペラ作曲家でした。パガニーニ大練習曲は、曲集の中に有名な「ラ・カンパネラ」を含むもので、きらめくような超絶技巧が散りばめられています。(CDにはS140と表記がありますが実際はS141の改訂版による演奏です。ご了承ください)他にはロッシーニとスポンティーニの主題による作品も収録。いずれも13歳の時に書かれた才気あふれる華麗な作品です。
8.570985
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)
妖精の口づけ〜「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)
協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(Vn)
マーク・ウェイツ(P)
「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキーの面目躍如と言った感のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれたドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(8.570978)で鮮烈な演奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もある痛快な音楽を演奏しています。
8.570986
ドルネル(1680?-1757?):リコーダー、フルート、通奏低音のための室内楽曲集
四重奏のためのソナタ
ソナタ第4番ニ長調Op.2「ラ・フォルクレ」
クラヴサン組曲より第5組曲ハ長調
ソナタ第2番ニ長調Op.3「成功」
第3組曲ホ短調Op.2
ソナタ第7番ニ短調「3を越えて」Op.3
ソナタ第3番ロ短調Op.3
パッサカリア
8.570987
ルトスワフスキ他:ヴァイオリン作品集
ルトスワフスキ:レシタティーヴォとアリオーソ、すぐに、
シマノフスキ
:三部作Op.30、
ルトスワフスキ:パルティータ、
ヤナーチェク
:ヴァイオリン・ソナタJWVII/7
アリアドネ・ダスカラキス(Vn)、
ミリ・ヤンポルスキ(P)
東ヨーロッパの激動期を生きた3人の作曲家のヴァイオリン作品を集めた1枚です。第2次大戦後のポーランド作曲界の主要人物トスワフスキ、彼に影響を与えた近代ポーランド音楽の祖の一人、シマノフスキ、そしてモラヴィア国民楽派ヤナーチェク。彼らの作品を丹念に紐解いていけば、西洋音楽のメロディ、和声、リズムがおよそ150年の間にどのように変遷を遂げたのかをつぶさに知ることができるでしょう。
8.570988
ハチャトゥリアン:ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ変ロ短調
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ニコラス・ケッケルト(Vn)、
ホセ・セレブリエール(指)RPO
近年には珍しいほどこの作品の土俗的な雰囲気をふんだんに盛り込んだ演奏で、セレブリエールの精緻な伴奏とともに熱い共感を示した名演となっています。些細なアゴーギクにも濃密にロマンのうねりが注入され、決して音の線は太くはありませんが、聴き手の琴線に響く力を持ち合わせています。その共感が本物であることは、ピアノ協奏曲同様に独特のメランコリーを湛えた、ヴァイオリン協奏曲の第2楽章で一層明らか。気分に流されない折り目正しいフレージングと美音が心に染みます。終楽章の切れ味も見事。  【湧々堂】
8.570990
モーツァルト:ディヴェルティメント第11番ニ長調K251
ディヴェルティメントK334
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
ケルン室内O

録音:2011年9月13-16日ドイツケルン,ドイツ放送カンマームジークザール
2012年1月に逝去したミュラー=ブリュールの最後の録音です。ヘルマン・アーベントロートの弟子として1964年以来、アーベントロートが創設したケルン室内Oの指揮者として活躍、NAXOSのドイツ古典派のレパートリーの拡充に努め、常に質実剛健、いぶし銀の美しさを思わせる演奏を聴かせたブリュールですが、2007年のバッハのカンタータと、ハイドンのいくつかの協奏曲の録音以来は、ほとんど指揮活動から遠ざかったいた彼を、指揮台に呼び戻したのが、このモーツァルトの2つのディヴェルティメントだったのです。そして、まるで天上の響きのような優美な2曲を残し、彼は光溢れる世界へと旅立っていきました。今頃はバッハやモーツァルトと音楽を語りあっているのでしょうか。
8.570991
ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲集
1楽章のヴァイオリン協奏曲ト短調Op.3
ヴァイオリン協奏曲「ハンガリー風」Op.11
キム・スーヤン(Vn)
ミヒャエル・ハラース(指)ワイマール・シュターツカペレ
メンデルスゾーンにヴァイオリンを学び、ワイマールでコンサートマスターを務め、まずリストとワーグナーと親しくなり、その後シューマンやブラームスを知ってからは一転、リストやワーグナーを批難するという、まさに「我が道を行った」音楽家ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)。現在での彼の名前は、どちらかというと演奏家としてのみ知られていますが、ここで聴けるような極めて音楽性の高い作品も書いていたのです。1851年に書かれリストに献呈されたヴァイオリン協奏曲はメンデルスゾーンの影響を強く受けていて、要所にみられる泣かせるメロディがたまりません。1857年に書かれたOp.11の協奏曲は、長大な第1楽章と、極めて技巧的で民族的な味わいを持つフィナーレが特徴的。この演奏困難な作品を2006年ハノーヴァー国際コンクール優勝者のキムが余裕で弾ききっています。これはため息ものの1枚です。
8.570993
ドビュッシー:管弦楽作品集第2集
「ペレアスとメリザンド」交響曲(M.コンスタン編)、
ベルガマスク組曲〜月の光(A.カプレ編)、
夜想曲、英雄の子守歌、
練習曲集(M.ジャレル編)〜第9番「反復する音符のための」/第10番「対比的な響きのための」/第12番「和音のための」
準・メルクル(指)
フランス国立リヨンO、
ライプツィヒMDR放送cho
準・メルクルによるドビュッシーの第2集です。こちらは「夜想曲」以外は全て他の人による編曲版が収録されています。オペラやピアノ曲での特徴ある響きをどのように管弦楽へと置き換えているのか、興味の尽きないところです。以前リリースされていた「夜想曲」にはシレーヌが収録されていなかったので、ここでようやく全貌が明らかになりました。合唱を伴う幽玄で茫洋とした響きのなかから沸き起こる明確な旋律線に思わずはっとさせられます。
8.570994
ブルッフ:交響曲第1番&第2番
交響曲第1番変ホ長調Op.28
交響曲第2番ヘ短調Op.36
ミヒャエル・ハラース(指)ワイマール・シュターツカペレ
第1番の交響曲は1868年に完成され、ブラームスに捧げられています。明らかにシューマンやメンデルスゾーンの影響が認められるものの、変ホ長調特有の壮大な響きに乗って、美しいメロディが楽器を変えて次々に展開されていきます。活発な第2楽章、チェロ、オーボエ、クラリネット、ヴィオラによって旋律が受け継がれていく悠々とした第3楽章、そしてリズミカルで精緻に書かれた終楽章、と、聴きごたえは充分です。この交響曲が大成功したのを受けて1870年に書かれた第2交響曲(こちらはヨアヒムに捧げられた)、一層重量感のある作品です。第1楽章の第1主題は、少々悲しげですが、曲が盛り上がるにつれて情熱的な雰囲気へと変化していきます。静かな第2楽章、そして、まさに「歓喜の歌」である輝かしい終楽章。ブラームスの交響曲第1番が「ベートーヴェンの第10交響曲」ならば、こちらはもしかしたら「第9.5番」と呼んでもよいかもしれません。
8.570995
ドヴォルザーク:交響曲第6番他
交響曲第6番ニ長調Op.60
夜想曲ロ長調Op.40
スケルツォ・カプリチオーソOp.66
マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
交響曲第9番(8.570714)、第7.8番(8.572112)に続くマリン・オールソップのドヴォルザーク・シリーズ第3弾です。今回もライブ録音による、彼女の入念で精緻な解釈を楽しむことができるでしょう。この第6番はドヴォルザーク(1841-1904)が1880年に作曲したもので、彼の交響曲の中では最初に出版されたため、当初は「第1番」とされていました。7番〜9番に比べると知名度は低いものの、ボヘミアの豊富な民謡をふんだんに使った爽やかな音楽は、しばしばブラームスの交響曲第2番と比較されるほどに充実した書法を持っています。夜想曲は、彼の弦楽四重奏曲第4番の緩徐楽章を編曲したもので、穏やかな美しさに満ちています。スケルツォ・カプリチオーソは、名指揮者ニキシュが愛奏したことで知られる祝典的な雰囲気に満ちた華やかな作品です。
8.570996
ロスラヴェツ:チェロとピアノの為の作品集
チェロ・ソナタ第1番(1921)
瞑想曲(1921)
チェロ・ソナタ第2番(1922)
白き娘たちの踊り
ヴィオラ・ソナタ第1番(チェロとピアノ編)(1926)
ラチェザール・コストフ(Vc)
ヴィクトル・ヴァルコフ(P)
モスクワ音楽院で作曲を学ぶも、同時代の印象派の影響を強く受けたため、ロシアの音楽家の中でも特異で革新的な曲を残したロスラヴェツ(1880-1944)。このアルバムに収録された作品は、とりわけアヴァンギャルドで神秘的な音に満たされています。彼はアーノルト・シェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》について最初のロシア語論文を執筆したことでも知られており、音列にも非常なこだわりを見せた人です。あまりにも前衛的だったためか、1930年代に起こった「ソ連社会主義の芸術路線」の波にのまれ、一時は忘れ去られてしまいました。そんな彼の作品が見直されたのは、彼の姪であるエフロシーニャの尽力によってであり、最近では彼自身の名誉も回復され、作品の演奏機会も多くなっています。
8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3
ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1
ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
ニュージーランド・ピアノQ[リチャード・マップ(P)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(Vn)/ドナルド・モーリス(Va)/ダヴィッド・チッケリング(Vc)]
童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳にしてこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だって、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こそハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピアニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせてもくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わすところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。
8.570999
ヒナステラ:ポポル・ヴー(マヤ世界の創造)
バレエ音楽「エスタンシア」Op.8より
クレオール舞踊組曲Op.15(S.コーエン管弦楽編)
バレエ音楽「パナンビ」Op.1より
交響的三部作「オジャンタイ」Op.17
ポポル・ヴー(マヤ世界の創造)Op.44
ジセル・ベン=ドール(指)LSO
エルサレムSO、
BBCウェールズ・ナショナルO

※一部世界初録音
アルゼンチン生まれの大作曲家ヒナステラ(1916-1983)の5つの作品です。彼の作品の中でもとりわけ知られる「エスタンシア」と「パナンビ」、インカ文明から霊感を得た「オジャンタイ」、ピアノ曲として書かれた「クレオール舞踊組曲」、そして8年間の作曲期間を経ても、なおも未完成で終わってしまったマヤ神話をもとにする大作「ポポル・ヴー」。とどれもが野性味と強烈な色彩を放つ魅力的な曲です。思わず体が動きだしてしまいそうな刺激的な音楽は、同じアルゼンチンの名産であるタンゴとはまた違う直截的なエネルギーに満ちています。このジセル・ベン=ドールの演奏は、録音当時世界初録音だった2つの作品を含む、ヒナステラのパイオニア的存在。世界を元気にするために、もう一度ブームを巻き起こしたい熱き名演の登場です。

8.571203
コープランド:「アパラチアの春」組曲
 交響的頌歌
クレストン:交響曲第3番Op.48「3つの秘義」
ディヴィッド・リット(Tb)
レイモンド・ディヴィス(Vc)
スーザン・グルキス・アッサディ(Va)
セス・クリムスキー(Fg)
チャールズ・バトラー(Tp)
ジェラール・シュウォーツ(指)シアトルSO
2人の作曲家による傾向の違う作品を並べることにより、近代アメリカの全貌が見えてくるようなアルバムです。コープランドの「アパラチアの春」組曲は、現在では「知らぬ者はない」と言ってもよいほどの名曲であり、1945年にピューリッツァー賞を受賞したことで更に名声を高めたことでも知られています。「交響的頌歌」はボストンSO50周年の記念としてクーセヴィツキーから委嘱されたもので、音楽の精神そのものに捧げられる音楽です。かたやクレストン(1906-1985)は、本名をジュゼッペ・グットヴェッジョというイタリア系のアメリカ人。教師としては高く評価されましたが、その作品は1960年代頃から忘れられてしまいました(かろうじて一部の作品が残っています)。しかし、この交響曲第3番はグレゴリオ聖歌にインスパイアされたという感動的なキリストの物語を描いたもの。保守的な作風とはいえ、やはり感動を呼ぶ曲を書くというのは素晴らしいことなのではないでしょうか。
8.571204
ドラッテル:悲しみは憂鬱ではない
炎の踊り-クラリネット協奏曲/リリス
炎の中に/Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(Cl)
スコット・ゴフ(Fl)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイオリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるようになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並びます。名手シフリンのクラリネットも最高です。
8.571208
ヘンデル:合奏協奏曲集Op.6 他
ヘンデル:合奏協奏曲 Op.6〜ト長調 Op.6-1 HWV319
 ト短調 Op.6-6 HWV324
 ヘ長調 Op.6-9 HWV327
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」Op.10-3 RV428
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ニ短調 H425
スコット・ゴフ(Fl)
サイモン・ジェームス(第1Vn)
マイケル・ミロポスルキー(第2Vn)
テレサ・ベンシューフ(Vc)
キンベリー・ルス(ハープシコード)
ジェラール・シュワルツ(指)シアトルSO
シアトルSOの主要な奏者たちをソリストとして演奏されたバロックの名曲の数々です。ヘンデルの合奏協奏曲は、バランスの取れた響きと、渋めの音色が魅力的。最近はどちらかというと軽快で刺激的な録音の多いヘンデル作品ですが、この演奏はある種の懐かしさを感じさせてくれます。エレガントなヴィヴァルディの「ごしきひわ」とC.P.E.バッハで煌めくように美しいフルートを吹いているゴフは2011年までシアトルSOの首席を務めていた人で、彼は42 シーズンに渡ってこのオーケストラで活躍していました。味わい深い音色がたまりません。
8.571251
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第1集〜ベートーヴェン:ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1
ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
イディル・ビレット(P)
トルコの女性ピアニスト、イディル・ビレットのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1集です。ここでは作品番号Op.2の2つのソナタと、ソナチネ・アルバムでおなじみの「小さいソナタ」Op.49の2曲です。Op.1はベートーヴェンが23〜25歳頃に作曲、またOp.49も、出版こそ1805年になってからですが、作曲されたのは25〜27歳頃と、初期の作品群です。まだハイドンなどの影響も感じられますが、ヘ短調のスケールの大きさは、さすがベートーヴェンです。このアルバムでは、ビレットはフォルティシモを極力使わず、抑制された表現でこれらのソナタを奏します。この穏やかで感覚的な響きは本当に魅力的です。彼女の師が、あのヴィルヘルム・ケンプであったことを誰もが納得することでしょう。
8.571252
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第2集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第1集
交響曲第1番ハ長調 S464/R128
交響曲第2番ニ長調 S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1985−1986年
原盤:EMIエレクトローラ
ベートーヴェンが30歳に完成させた交響曲第1番と、32歳に完成させた第2番は、まだハイドンやモーツァルトの影響が強く感じられるものの、第2番に後の「第九」のメロディに似た楽想が使われていたりと、なかなか侮れない作品となっています。とはいえ、まだ管弦楽法に熟知するまでに至っていなかったこともあり、もともとのスコア自体がそんなに複雑なわけでもないので、例えリスト(1811-1886)がピアノ独奏用に編曲したとは言え、それほど「難しそう」に感じられないのはご愛敬といったところでしょうか。ビレットはいつもの如く独特のテンポ設定で曲を作っていきます。スコアの隅々まで見通せそうなクリアな演奏です。
8.571253
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第3集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第1集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO
鬼才ビレットのベートーヴェン・シリーズ。こちらは2008年に録音されたピアノ協奏曲集です。ベートーヴェン25歳の時に完成された、壮大な楽想を持つ第1番の協奏曲ハ長調。23歳前に書かれていたものの、出版の順番が遅くなったせいで第2番とされる初々しい変ロ長調。これらは第3番以降の独自性こそないものの、はっとするような転調や、指定されたカデンツァ、ティンパニの連打など「やはりベートーヴェン」と思わせる部分が随所に用意された聴き応えのある作品です。ビレットは故郷アンカラのビルケントSOと息のあった演奏を聴かせます。名手アントニ・ヴィトの絶妙のサポートも見事です。
8.571254
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第4集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第2集
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 Op.2-3
ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1
ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン、この第2集では初期の2つのソナタと、中期のソナタのカップリングです。第3番は、冒頭の右手の重音が思いの他ピアニスト泣かせ。ここを軽やかに弾くのは結構大変!他にも難所続出の「甘く見てはいけない曲」です。もちろんビレットは何のためらいもなく、さくさく弾き切って、ベートーヴェンが伝えたかったことを存分に見せてくれています。第5番は「悲愴」と同じハ短調のソナタ。第2楽章の美しさも含めて「悲愴」との関連性も見受けられる、もっと聴かれてもいい作品です。終楽章の軽快なパッセージが心地よいです。第18番は、しばしば「狩り」と呼ばれ、第1楽章に現れる「運命の動機」が特徴的な作品です。終楽章のタランテラは、まるで指が縺れるのでは。と危惧してしまいますが、そこもビレット。こちらも難なく弾きこなしています。
8.571255
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第5集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第3集
ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3
ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53
ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調 Op.79
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン・ソナタ第3集。明るい長調の3曲が収録されています。初期の作品の中では大規模な構造を持つ第7番は、ベートーヴェンの拘り(粘着性とも)を現わす、第1楽章での執拗なまでの下降音形や、終楽章の問いかけとも思える音形が癖になる力作です。第3楽章の優美なメヌエットが耳に優しく感じられます。ハ長調の「ワルトシュタイン」は言わずと知れた名作。ここではビレット節が炸裂します。メリハリのある強弱、くせのある歌わせ方、などなど普通の人がやったら確実に叱られそうな音楽を紡いでいきます。第25番は、この時期の作品としては小規模なもので、ピアノを習っていた人にはおなじみの曲ですが、これがやはり、きちんと演奏しようとすると結構難しいものです。右手と左手の連携や、アクセントの付け方に一癖も二癖もある作品です。ビレットの演奏はもちろん文句ありません。さらりと終わる終楽章が愛らしいです。
8.571256
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第6集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集 第2集
交響曲 第4番 変ロ長調 S464/R128
交響曲 第5番 ハ短調 S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1985年
原盤:EMIエレクトローラ
ピアノ1台でベートーヴェンの交響曲を演奏してみたい。かのリスト(1811-1886)が考えた壮大なる計画。今までにも数多くのピアニストがその試みを音にしてきました。もちろん、どこかでもたついていたら、かっこよさは半減してしまいます。ただただ技術的に難しいだけでなく、オーケストラの音色を感じさせてくれないといけないのですが、ビレットはこの命題を見事にクリアしています。交響曲第4番の冒頭は、引き延ばした音で本当に思わせぶりに始まるので、ピアノで再現するのは困難。しかしビレットは「何かを予感させるかのように」気持ちをぐいぐい引っ張ってくれます。もちろん軽快な第1主題では、オーケストラもたじたじとなるほどの華やかな音楽が炸裂します。第4楽章の早いパッセージはピアノ向きですが、音の厚みが半端ではないので演奏はかなり困難です。そして第5番はおなじみ「運命」。この迫力は、まさにため息ものです。
8.571257
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第7集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集 第2集
ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO

録音:2008年
ビレットとヴィトのコンビによる、なんとも重量級のベートーヴェンが生まれました。第3番の1楽章の長い提示部は、まさに交響曲を聴いているかのような味わい。ワクワク感が最高潮に達したところで登場するピアノ。決して焦ることなく、着々と音楽を進めて行く様は、本当に聴いていて気持ちの良いものです。第2主題も過度に歌わせることなく、あくまでも無骨さを崩さないところがビレット流。この人は、流麗さが求められるところを、敢えてゴツゴツ表現するのですね。そんなビレットが演奏する第4番がまた面白いのです。「こんなに力強くこの曲を演奏するか?」と思わせるところが彼女らしさなのかもしれません。ヴィトの指揮も、ベートーヴェンの「漢」ぶりを引き立てています。
8.571258
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第8集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第4集
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
イディル・ビレット(P)
イディル・ビレットのスゴイところは、それがどんなに難曲であろうとも、顔色ひとつ変えることすらなく弾きこなしてしまうところでしょう。また独特のテンポ感があり、それも興味深いところと言えそうです。このアルバムに収録された3曲は、どれもベートーヴェンのソナタの中でも最高峰に位置する作品で、技巧、表現ともども、一筋縄ではいきません。それを彼女は独自の世界観を持って構築していきます。妙に醒めた感のある「熱情」、これ以上ないほどにねっとりと演奏される「第28番」の第3楽章、第31番の透明感溢れる第1楽章は、あえて素っ気なさで対応するなど、ビレット節炸裂。そして28番、第31番ともども大空に向かって高く伸びて行くような終楽章のフーガ。
8.571259
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第9集〜ベートーヴェン=リスト編曲ピアノ独奏による交響曲集第3集
交響曲第7番イ長調S464/R128
交響曲第8番ヘ長調S464/R128
イディル・ビレット(P)

録音:1986年
原盤:EMIエレクトローラ
最近、リスト(1811-1886)が編曲したベートーヴェンの交響曲を手掛けるピアニストが増えてきましたが、やはりこういう曲は「けれんみのない」人が演奏してもつまらなくなってしまうものです。その点ビレットならば問題なし。ベートーヴェンとリスト双方の美味しい部分をじっくり味わうことができるというものです。このアルバムに収録されているのは、人気急上昇中の第7番と、比較的簡素な形式を持つ第8番の2曲です。第7番は華やかな主題が出て来るまでに、かなりの長い時間を要するのですが、この部分をピアノで演奏すると、どうしても単調になりがちなところを、ビレットは上手い具合に飽きさせず聴かせてくれています。最も荒々しい曲調を持つ終楽章は意外にも静かですが、これは彼女のいつものやり方です。第8番は細部にまで手が入った編曲であり、ビレットはその音を漏らさず聴かせてくれています。優美なはずの第3楽章メヌエットも、予想外の表情を見せています。これは面白いです。
8.571260
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第10集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5集
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1
ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2
ピアノ・ソナタ第13番変長調 Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番「月光」Op.27-2
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェンを聴く時は、少しだけ固定観念を振り払う必要がありそうです。何しろ彼女は美しいメロディを美しく歌わせることにはあまり興味がないようですし、早いパッセージを流麗に演奏することにもあまり気合いを入れていないようなのですから。さて、このソナタ集に収録されている4曲ではどんな演奏を聞かせてくれるのでしょうか?まず「ソナタ・アルバム」でおなじみの若干平易に書かれているOp.14の2つのソナタを聴いてみてください。万が一、ピアノ学習者がこの真似をしたとしたら即叱られてしまうことでしょう。独創的過ぎて少々ついていけない人もいるのでは。そして、ともに「幻想曲風」という副題がついたOp.27の2つのソナタでは、ビレットの自由自在な解釈を味わうことができます。切れ目なく奏される第1番での目まぐるしく変化する曲想、そして誰もが知っている「月光」ソナタでの揺らぎなき幻想。一歩一歩踏みしめるかのような堅実な終楽章も味わい深いものがあります。
8.571261
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第11集〜ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第3集
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
合唱幻想曲 ハ短調 Op.80
イディル・ビレット(P)
エツゲチャン・ジェンチェル(S)
ギュルベン・エジシュク・チャヤン(S)
セマ・バイサル(A)
チャン・セルハト・サイギ(T)
エティム・デミール(T)
アリ・シナン・ギュルセン(Bs)
トルコ国立ポリフォニックcho
アントニ・ヴィト(指) ビルケントSO
ポーランドの名指揮者ヴィトの堅固なサポートを聴くもよし。ソロでは独自の世界観を表出するビレットが、協奏曲ではどんな我がままで指揮者を振り回すのかを聴きとるのもよし。トルコのオーケストラの爆演を楽しむもよし・・・。思いの他端正な第1楽章も良いですが、濃厚なるビレット節を聴きたければ第2楽章がオススメです。もちろん第3楽章では大団円に向かって突っ走ります。そうそう、あまり演奏されることのない「合唱幻想曲」が想像以上に良い曲だと再認識することもできるでしょう。
8.571262
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第12集〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第6集
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第27番ホ長調Op.90
イディル・ビレット(P)
第4番変ホ長調の軽快なテーマで始まる、このビレットによるソナタ第6集には、大人気の第8番「悲愴ソナタ」が含まれています。ビレットがあの第2楽章をどんなに美しく演奏するだろうか?と想像するだけで楽しいものですが、実際の演奏は、テンポをほどよく揺らす、不思議なアコーギクを与えた味わい深いものとなっています。その傾向は第27番の第2楽章にも見られ、通常は優しく優しく扱う主題を、ビレットは敢えてぎこちなく(?)演奏することで、やはり曲に不思議な奥行を与えています。
8.571263
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第13集〜ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第4集
交響曲第3番変ホ長調「英雄」
イディル・ビレット(P)

録音:1986年
原盤:EMIエレクトローラ
「フランス革命の際、ナポレオンに共感して曲を書きあげたものの、彼が即位したという知らせを受けて、激怒したベートーヴェン(1811-1886)が表紙を破り取った」という逸話がまことしやかに伝えられているこの第3番の交響曲。逸話を差し引いて考えても全編を通じて勇壮かつ創意工夫の見られる見事な作品です。リストはこの壮大な作品を見事にピアノ独奏作品へと移し替えました。どこもかしこも素晴らしい出来ですが、中でも変奏曲形式で書かれた終楽章が聴きものです。この主題はそのままベートーヴェン自身がピアノのための変奏曲としても作曲しているので、これと聴き比べるのも「通の楽しみ」と言えるでしょう。ビレットの演奏はどこを聴いても文句なし。
8.571264(2CD)
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第14集&第15集
ベートーヴェン(リスト編):交響曲第6番 「田園」
交響曲第9番「合唱付き」
イディル・ビレット(P)
ここで聴けるのは、第6番「田園」と第9番「合唱」で、どこから聴いても驚くことばかり。オーケストラの響きを余すことなくピアノで表現するなんて、まさに魔術師ですね。さて、このビレットの演奏。第9のおなじみのテーマが驚くほど遅いテンポで演奏されたりと、特異な世界を形成しています(例えばシチェルバコフの演奏と聴き比べていただければ面白いかもしれません)。指揮者で言えばクレンペラー?とにかく個性的です。
8.571266
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第16集〜ソナタ集 第7集
ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 Op.10-2
ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 Op.26
ピアノ・ソナタ 第15番「田園」ニ長調 Op.28
イディル・ビレット(P)
ヴィルヘルム・ケンプとアルフレッド・コルトー。この全く方向性の違う個性を持つ2人のピアニストを師とする、トルコの女性ピアニスト、ビレットのベートーヴェン。ここでも彼女は独創的な解釈を聴かせます。若干地味目な第6番での巧妙な音運び。第12番の第3楽章「葬送行進曲」での不気味な響き、続く終楽章での朴訥とした音楽の流れ(決して下手なわけではないはず)。第15番、第1楽章での激しすぎるクライマックス。伝統、慣習に囚われない自由なベートーヴェンがここにあります。
8.571267
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第17集〜ソナタ集 第8集
ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 Op.22
ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 Op.31-1
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 Op.31-2
イディル・ビレット(P)
この第8集には、ピアノを学ぶ人なら避けては通れない3つのソナタが収録されています。最初の重音が食わせ者、第11番の第1楽章や、出だしのタイミングが難しい第16番の第1楽章の冒頭、そして流麗な終楽章が魅力の「テンペスト」。これらを演奏する際に、このビレットの演奏はとても参考になるのではないでしょうか?彼女の演奏はスタイリッシュではなく、どちらかと言うと音を一つ一つ確かめながら鳴らしていくようなものですが、これが何とも言えない味わいがあるのです。本当に力強いベートーヴェンです。
8.571268
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第18集〜ベートーヴェン:ソナタ集第9集
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調Op.81a「告別」
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
イディル・ビレット(P)
トルコの名ピアニスト、ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・ソナタ集。こちらは「告別」ソナタと晩年のソナタ、第30番、第32番のカップリングです。朴訥とした語り口と、不思議な味わいの音色、そして深みのある歌心。これはまさに彼女の資質そのものです。どんなに早く流麗なパッセージにおいても、その姿勢を崩すことがないのは見事としか言いようがありません。「告別」の終楽章でのノンレガート奏法はある意味グールドを超えるかもしれません。
8.571269
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第19集〜ソナタ集 第10集
ピアノ・ソナタ 第22番ヘ長調 Op.54
ピアノ・ソナタ 第24番嬰へ長調 Op.78
ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」
イディル・ビレット(P)
ビレットのベートーヴェン・ソナタ集、第10集の目玉は何と言っても、大作「ハンマークラヴィーア」ですが、その前に変則的な構成を持つ2つのソナタをお聴きください。あまり日のあたる機会の多くない第22番の見事な構造に驚かされ「こんなすごい曲だったのか」とため息をつき、ベートーヴェンの美メロの極致とも言える「嬰ヘ長調」ソナタ(令嬢テレーゼに献呈)の柔らかい響きに胸打たれましょう。そしてお待ちかね第29番。第1楽章のたっぷりとした響き、諧謔的な第2楽章、そして第3楽章のこだわり抜かれた音楽ですっかりお腹一杯になったあと(この楽章は、本当にヘビー級)デザートで出されるのがまた濃厚な味のフーガ。ベートーヴェンの凄さをとことん味わうことができる1枚です。
8.571270
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第1集
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
イディル・ビレット(P)
アントニ・ヴィト(指)ビルケントSO

録音:
協奏曲のレパートリーだけでも100曲以上。驚異のレパートリーを誇るトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。ここでは、極めてオーソドックスな2つの協奏曲を華麗に弾きこなします。2曲とも、滝のようになだれ落ちる冒頭のパッセージが魅力的ですが、陰鬱さの中に激しい情熱を秘めたシューマン、凛とした表情と熱い心を併せ持つグリーグと、その表現はかなり違いを際立たせないといけません。ビレットの演奏は全く文句なし。そして、オーケストラをまとめるのはNAXOSきっての名手、アントニ・ヴィト。どちらの曲も終楽章の盛り上がりが半端ではありません。
8.571271
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第2集
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第3番変ホ長調*
イディル・ビレット(P)
エミール・タバコフ(指)
ビルケントSO

録音:2004年、2007年*
トルコの名女性ピアニスト、ビレットによるチャイコフスキーの2つの協奏曲です。さて、このアルバム、あまり聴く機会のない第3番が聴けるのも注目です。最初、チャイコフスキーは交響曲として構想したこの作品。どうにも手に負えなくなってピアノ協奏曲へと書き変えたというもので、現存するのは第1楽章「アレグロ・ブリランテ」のみですが、この曲が何ともスゴイものです。まるで重戦車のような迫力を持つ作品を、ビレットは重々しいタッチでぐいぐい鳴らします。バックをしっかり守るのが、こちらも迷(?)指揮者タバコフ。細かいことなんてどうでもよくなるような、ボリュームたっぷりの音。ずっしり来ます。ロシアのオケとはまた違った不思議な味わいをどうぞ。
8.571272
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第3集
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
 左手の為のピアノ協奏曲#
イディル・ビレット(P)
ジャン・フルネ(指)ビルケントSO

録音:1999年、1998年*、1996年#
チャイコフスキーでは、重厚で脂ぎったロシアの大地を思わせてくれるような演奏を聴かせるビレットですが、このフランス物でも、なかなか個性的な演奏を繰り広げていて、まことに興味深いものとなっています。サン=サーンスの5番の協奏曲は、別名「エジプト風」とも呼ばれる異国情緒たっぷりの曲。とりわけ第2楽章での不思議な響きは中近東の妖しい空気を思い起こさせるものです。ビレットはテンポを遅めに取り、濃厚な音楽を聴かせます(終楽章では一転、爽やかで晴れやかな表情を見せ、この作曲家がフランス生まれだったことに想い至らせるのですが)。ラヴェルの2曲の協奏曲も、何とも独特な解釈で、一度は聴いておきたい演奏です。名指揮者フルネが独自の音楽を聴かせるところも素晴らしいです。

8.571273
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第4集
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
ピアノ協奏曲第2番イ長調
死の舞踏ニ短調*
イディル・ビレット(P)
エミール・タバコフ(指)ビルケントSO

録音:2004年6月、2007年5月*
“豊麗な音彩!遂にリストらしいリストが出現!”
ビレットは、初期のナクソスのピアノ録音で頻繁に登場したピアニストですが、その類稀な個性を誇るピアニズムを真剣に語った例を見たことがありません。よく目にする名前ゆえ、「そつなく弾きこなすピアニスト」というイメージが付いてしまったせいでしょうか?
このたび新たにリリースされたエディションは、過去の録音の焼き直しではなく新登場のものばかり。驚くべきことにその中に凡庸な演奏など一つもなく、まさに衝撃の連続!まさにビレットの魅力を再認識するチャンス到来と言えましょう。特に、作品の様式と香りを最大限に引き出す才能は尋常ではなく、このリストでも、メカニックに疾走する最近の潮流とは逆行して、どっしりと腰を据え、当時のピアノ音楽の頂点に君臨するリストの誇らしげな威容を湛えたスケール感満点の演奏を展開。久々にブルーノ・ワルターのモーツァルトを聴いてほっとするのと同じような心持ちにさせるのです。
「協奏曲第1番」は終始テンポを遅めにとり、弾き飛ばしは一切無く、深い打鍵に豊穣なロマンを徹底注入した豪奢な演奏。思わず「これだ!」と声を上げたくいなるリストらしいリストが眼前に聳え立ちます。アダージョの部分では潤いに満ちたタッチが詩情を広げ、弱音でも決して音が痩せずに音楽の輪郭を克明に表出。トライアングルの囁きで開始する第3楽章冒頭はリズムのなんと粋なこと!そして、綺麗ぶらずにありったけの色彩ニュアンスを臆せず引き出す潔さ!第4楽章はこれ以上は不可能と思えるほどの音楽内容の豊富さで、まさに「本当のヴィルトゥオーゾとはこういうことよ!」と言わんばかりの意地をぶつけます。無理やり上から叩きつけるのではなく芯から共鳴するタッチはオケに埋没する素振りもみせず、コーダにおいては感覚的な輝きと作品へ共感の熱さが極限に達し、かつなない熱い感動に襲われること必至です!
そうなると当然「協奏曲第2番」にも期待が掛かりますが、これがその期待を更に上回る名演奏!些細なフレーズでも末端までたっぷりと響かせ、1:47からの濃密で豪奢な打ち込みは前代未聞。第3部や行進曲調の第4部、第5部の強烈な打鍵も一切妥協がなく、それでいていきり立つのではなくまさに女王の貫禄で平伏させる力を誇ります。しかしなんといっても聴きものは第6部のグリッサンド!!こんなに全ての音が泡立ちなが寄せては返すグリッサンドらしいグリッサンドがかつてあったでしょうか?コーダではテンポを落とし、渾身の思いを荘重なニュアンスに込めて締めくくり、その余韻はいつまでも消えません。
続く「死の舞踏」がこれまた壮絶!全編凶気スレスレで、冒頭はまさに雷鳴ごとき大轟音で開始。この作品のこれでもかというグロテスクさを敬遠する方でも、ここまでやられたら降参するしかないでしょう。ただ、それだけなら他に並ぶ演奏は存在するかもしれません。ビレットの訴求力の高さは、単なるテクニックのはけ口として利用したり、聴き手をあっと言わせようという魂胆によるものではなく、音楽の持ち味をありのままに表出しなければ気が済まないという一途さががベースになっているように思われ、それゆえに心に迫る演奏として再現されるのではないでしょうか?
豪華絢爛で味わい深いリストらしいリストを久しく聴いていないとお嘆きの方、これは必聴です!【湧々堂】
8.571274
イディル・ビレット/アーカイブ・エディション第1集
ラヴェル:グロテスクなセレナード
 夜のガスパール
ストラヴィンスキー:5本の指で
 子どもたちのワルツ
 ペトルーシュカからの3楽章
イディル・ビレット(P)
何でも演奏可能なビレットによる、胸のすくようなラヴェルとストラヴィンスキー作品集です。冒頭の「グロテスクなセレナード」から飛ばしてます。若干テンポを落とし、メロディをくっきり浮かび上がらせた「夜のガスパール」のオンディーヌ、郷愁さえ感じさせる絞首台、不気味さ炸裂のスカルボ・・・。ついつい聞き惚れてしまいます。ストラヴィンスキーも格別の味わいであり、最近演奏される機会の多い、ペトルーシュカからの3楽章も、独特な内声の浮かび上がらせ方によって、全く新しい作品のように聴かせる技はさすがです。
8.571275
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第4集
ショパン:マズルカ 第1番 イ短調 Op.17-4
 マズルカ 第3番 ロ長調 Op.56-
スクリャービン:ピアノ・ソナタ.第10番 ハ長調 Op.70
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ.第2番 ニ短調 Op.14
 ピアノ・ソナタ.第7番変ロ長調 Op.83
イディル・ビレット(P)
幅広いレパートリーで知られるトルコの名ピアニスト、イディル・ビレット。このアルバムは彼女が名プロデューサー、イルハン・ミナログルとともにFinnadar レーベルへ多くの録音を重ねていた時期のものです。主に電子音楽や現代音楽を中心としたLP レコードをリリースしていたレーベルですが、ビレットはウェーベルンやブーレーズ、ブークーレシュリエフなどの意欲的な作品を録音する傍ら、ショパンやプロコフィエフなどの「標準的な」レパートリーも録音し、これらも高い評価を受けたのでした。また、このディスクは、当時「最も音の良い」録音方式であった「direct-to-disc」を採用したものとしても知られるものです。
8.571276
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第3集〜ニュー・ライン・ピアノ
ブークーレシュリエフ(1925-1997):アルキペルW Op.10
カスティリオーニ(1932-1996):カンジアンティ
ブローウェル(1939-):ピアノとフォルテのソナタ
ミマールオール(1926-):セッション
イディル・ビレット(P)
ビレットによる現代作品集です。一言で現代と言っても、その音楽はとても幅広いのですが、ここでビレットはなかなか興味深い作品をぶつけてきました。ビレットは1972年にFinnadarレーベルへ録音を開始したのですが、ここは、ワーナー傘下で現代音楽(とりわけ電子音楽)有数のアトランティック・レコードと提携関係にあったため、当時活躍していた現代作曲家たちがこぞってLPをリリースしていたのです。そんな関係で、彼女も最先端の音楽を奏することになり、この1976年録音の希少盤が出来上がることになったのです。トッカータの進化系のようなブークーレシュリエフやブローウェルの作品は、いかにも彼女らしいと頷けますが、ミマールオールの「セッション」もなかなかの大作です。この曲はルイジ・ノーノばりのテープを用いた扇動的な作品で、時としてピアノの音色が頭から飛んでしまうかのような、多元的な音楽で(この作品はビレットのために書かれています)、機械的に処理されたオーケストラの響きなどを巻き込みながら、コラールにも似たピアノの音色で終焉を迎えます。
8.571277
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第4集
ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
ウェーベル:ピアノのための変奏曲Op.27
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第2番
イディル・ビレット(P)
あのポリーニが、ブーレーズのピアノ・ソナタ第2番で注目を浴びたのは1978年の来日公演の時でした。超難解と言われる「ゲンダイオンガク」を事もなく弾きこなす若者(当時)に息を飲んだ人も多かったのでは。とはいえ、ブーレーズがこの曲を書いたのは1948年のことであり、1950年には初演されているのだから、当然様々なピアニストが手掛けていたことは間違いないのです。その中にビレットがいたとは・・・。この録音は1972年、ポリーニよりも1歳年上の彼女が31歳の時。確かに現代曲をバリバリ弾いていた人だから、全く不思議はないのだけれど、やはりこうして実際の演奏を聴いてみると、「すごい人がいるものだ」と感嘆せずにはおれません。他にはベルク、ウェーベルンとおなじみの作品を2曲。
8.571278
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第5集マーラー&フランク:室内楽作品集
マーラー:ピアノ四重奏曲イ短調
フランク:ピアノ五重奏曲ヘ短調
イディル・ビレット(P)
ロンドンSQ

録音:1980年
ビレットの幅広いレパートリーを示す、珍しい室内楽作品の演奏です。マーラーの作品は、彼がウィーン音楽院に在学していた16歳の頃に書かれた単一楽章の曲で、作曲科の試験に提出するために書かれたとされています。本来は4楽章形式で構想されたと言われますが、第3楽章スケルツォの断片が残っているのみで、他は紛失したようです。この楽章のみ、未亡人アルマの遺品から発見されました。後年の作風のような重厚さは見られないものの、終わり近くに現れるヴァイオリンの悲劇的なカデンツァが未来を予見させます。もう1曲のフランクは、渋さの権化のような作品ですが、ビレットの演奏は、フランク特有の旋律美を面白いほどに感じさせてくれる説得力あるものです。またロンドン弦楽四重奏団も素晴らしい。現れては消える緊張感漲るメロディを追っていくうちに、この曲が好きになること間違いなし。
8.571279
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第6集
シューマン:幻想小曲集Op.12
ブラームス:3つの間奏曲Op.117
イディル・ビレット(P)
ビレット17歳の瑞々しい感性が光るブラームスとシューマンの作品集です。彼女の驚異的な才能は、トルコの議会をさえも動かして、当時不可能であった海外渡航を認めさせたのであり、7歳でパリ音学院に留学してからも、その才能の発露は留まることを知りませんでした。アルゲリッチと同じ年、そしてポリーニよりも一つ年上の彼女がもしショパン国際コンクールに参加していたなら・・・現在の日本での彼女の人気はもっと大きなものだったのかもしれません。しかしそんな「if」は不要です。この録音は、3日間のセッションで行われましたが、編集時に「その部分だけ」を演奏しなおして繋いだため、彼女にしてみれば出来上がりに不満があったようで、その数年後のプロコフィエフの録音では「全曲を弾き直して」統合性のとれた音楽を記録することに成功したと言います。
8.571280
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第5集
チャイコフスキー:協奏的幻想曲ト長調 Op.56
ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(原典版)*
イディル・ビレット(P)
ホセ・セレブリエール(指)
エミール・タバコフ(指)*
ビルケントSO
最近のビレットはますますその技巧に磨きをかけているようで、このアルバムから聞こえてくる音楽も芳醇の極みと言えるでしょう。まず、チャイコフスキー(1840-1893)の秘曲、協奏的幻想曲は1884年に書かれた2楽章形式からなるピアノ協奏曲です。どうしても彼のピアノ協奏曲は第1番以外はあまり耳にする機会がないのだけれども、実はどれもなかなかの力作であり、なぜ人気が出ないのか不思議に思う人も多いのではないでしょうか。この演奏、とにかくセレブリエールが指揮するオーケストラが絶品。ひたすら力強く曲を盛り上げます。第2番は1879年から1880年にかけて作曲され、N.ルビンシテインに献呈されたもので、こちらもとても美しく技巧的なのですが、第2楽章のチェロとヴァイオリンの二重奏があまりにも長すぎて、ジロティがカットしてしまったりと、少々不幸な生い立ちを持つ曲です。ただ、少々残念なのは、どちらの曲も、美しいメロディが多すぎること。あまりの美メロの連続に、どこを「お気に入り」にすればよいのかわかりません。そんな毎日フレンチのフルコースを食べているかのような贅沢な悩みに浸るのもよいものです。
8.571281
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第7集
ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調 Op.13
 ピアノ・ソナタ第3番ハ短調 Op.19
リスト:暗い雲
 悲しみのゴンドラ第1稿
スクリャービン:5つの前奏曲Op.74
ラフマニノフ:幻想小曲集Op.3-2 前奏曲ハ短調「鐘」
イディル・ビレット(P)
トルコ、イスタンブール出身のプロデューサー、イルハン・ミマログルに見出されたイディル・ビレットは、Finnadarレーベルのために様々な曲を録音しました。それはベルリオーズ=リストの「幻想交響曲」からテープとピアノのための作品集(8.571276で聴けます)まで多岐に渡っています。さて、このアルバムに収録されているのは1978年から1979年にかけて録音されたミャスコフスキーを中心とした6つの作品です。ミャスコフスキーのソナタは、どちらも彼の初期の頃の作品で、第2番では有名な「怒りの日」のモティーフが印象的に使われています。単一楽章で書かれていて、スクリャービンの影響も感じさせる技巧的な曲です。リストの2つの曲は無調を感じさせる晩年のもので、静かな音の中に凝縮した世界が描かれています。スクリャービンは短いながらも印象的な作品であり、ラフマニノフは最近注目の華やかな曲。どれもが聴きどころたっぷりです。
8.571282
ディル・ビレット/ソロ・エディション第1集
リスト:ピアノ・ソナタロ短調S178/R21
パガニーニによる大練習曲S141/R3b
イディル・ビレット(P)
トルコが誇る女性名ピアニスト、イディル・ビレットの名前はNAXOSファンにとってすでにおなじみです。世界中のオーケストラ、指揮者と共演し、また膨大なレパートリーを持つ事でも知られてます。このシリーズにはそんな彼女の姿を知るのに格好のアイテムが揃っています。とりわけリストは彼女が最も得意としている作曲家であり、ここでも冴えた技巧を遺憾なく発揮しています。パガニーニ練習曲は1987年の録音ですが、ソナタは2010年の最新録音です。
8.571283
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第8集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
ディル・ビレット(P)
時には「やり過ぎ?」とも思える濃厚な味付けがたまりません。「悲愴」での第1楽章の冒頭部分の歌い込み、一つ一つ音を愛おしむかのように甘く美しい第2楽章、軽やかさの中とどっしりした風情を併せ持つ終楽章。また「ハンマークラヴィーア」では恐ろしいまでの輝かしい音色と壮大なる迫力で聴き手を魅了します。ベートーヴェンの激情を見事なまでに引き出した名演です。
8.571284(2CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第9集&第10集〜ベルリオーズ
ベルリオーズ(リスト編):幻想交響曲
ベルリオーズ(リスト編):イタリアのハロルド*
イディル・ビレット(P)
ルーセン・グーンズ(Va)*

録音:1978年、2011年*
ビレットが演奏するベルリオーズ=リスト(1811-1886)の幻想交響曲は、NAXOSにも録音があり(8.550725)、こちらもとても評判が高いのですが、こちらの録音はそれよりも14年前の演奏です。彼女はこのリスト版を演奏するにあたって、ベルリオーズの原曲をよく研究し、リストが編曲した際の原曲との微妙な相違点を修正していることで知られていますが、この録音でもそれは顕著に現れています。後年の演奏よりも若干軽やかさとぎこちなさが同居していますが、よくぞここまで!という妙技は変わりありません。もう1曲の「イタリアのハロルド」は2011年の最新録音です。ヴィオラをともなうこの交響詩を全曲演奏してしまうというだけでも偉業なのですが、これがまた随分と良くできていて、ついつい聴き入ってしまいます。どうしても統一感が不足がちな原曲よりもまとまりがあり、一気に聴きとおすことが可能です。
8.571286
リスト:12の練習曲 S136/R1(1826)
3つの演奏会用練習曲 S144/R5
2つの演奏会用練習曲 S145/R6
リゴレット・パラフレーズ S434/R267
歌劇「タンホイザー」序曲 (ワーグナー原曲)
イディル・ビレット(P)
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビューし、以降半世紀に渡ってその技巧と音楽性を発展させ続けています。そんな彼女の最新録音はリストの練習曲とパラフレーズという「いかにも」というものです。「12の練習曲」はリスト(1811-1886)15歳の時の作品。後に「超絶技巧練習曲」として煌めく技巧を駆使した作品として改訂されますが、ここではもう少し素朴、かつ平易な音使いとなっています。しかし、至るところに流麗なパッセージが使われていて、単なる少年の習作として切って捨てることは不可能な素晴らしい作品です。演奏会用練習曲は、それぞれ単独でも奏される魅力的な作品で、確固たる技巧と表現力の持ち主でないと、これらの曲の真の姿を描き出すことはできないでしょう。そして2つのパラフレーズ作品は、これぞリスト!と言える華やかさ。音符の多さに圧倒されること間違いありません。
8.571287
イディル・ビレット/ソロ・エディション第3集
リスト
:12の大練習曲集S137/R2a(1837)
イディル・ビレット(P)
リストの数ある作品の中でも「超絶技巧練習曲」はとりわけ人気を誇っています。しかし、一般に知られるこの作品が成立するまでに、2段階の成長過程があったことをご存知でしょうか?まず最初は、15歳の時に出版した「12の練習曲」で、こちらは天才の萌芽はあるものの、まだまだ小手調べと言ったところです。そして次が26歳の時に改定したこの「12の大練習曲」で、その後、幾度かの改定を経て、41歳に出版された第3稿が、通常聴かれる「超絶技巧練習曲」です。このアルバムの第2稿はとりわけ演奏困難な作品であり、リスト自身でなければ完璧に演奏することは無理だとされ、これまでに録音もほとんど存在しない(リスト全集などを除けば)「幻の」作品です。曲ごとに様々な違いがあり、興味は尽きませんが、後に「マゼッパ」と命名される第4曲は特に聴きもの。リストが自らの技巧の限界を追求しながら書いたであろう、難しすぎるヴァージョンを、易々と弾きこなすビレットは、もしかしたらリストを超える存在なのかもしれません。
8.571288
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第11集
サイグン(1907-1991):ピアノ協奏曲第1番*…世界初録音
サイグン:アクサク・リズムによる12の前奏曲集*
ジャン・フランセ(1912-1997):ピアノ・ソナタ(ビレットに捧ぐ)
アルカン(1813-1888):鉄道Op.27
バラキレフ(1837-1910):イスラメイ
イディル・ビレット(P)
アフメト・アドナン・サイグン(指)
オーケストラ・コロンヌ

※*のみモノラル録音
今でこそ、トルコの作曲家アフメト・アドナン・サイグンの作品は、耳にする機会が比較的多いのですが、この演奏が行われた1958年当時は、まだまだ広くは認められていませんでした。そんな彼のピアノ協奏曲を堂々たる身のこなしで演奏したのが、17歳の若きピアニスト、イディル・ビレットだったのです。サイグン自身の指揮と彼女の演奏により、この曲の持つ雄弁な表現法と、独創的で知的なイディオムが広く知れることとなり、聴衆たちは、作曲家と演奏者ともどもに熱い拍手を送ったのです。また、フランス屈指の技術を持つオーケストラ・コロンヌの役割も大きなもので、このような新しい音楽を演奏すること自体、冒険であったはずですが、彼らは期待以上の働きをしています。サイグンの信頼を得たビレットは、ソロ作品でも素晴らしい演奏をしていて、それは「12の前奏曲」で目の当りにすることができるでしょう。フランセの作品もビレットのために書かれたもので、こちらはウィットに富んだ軽やかな、いかにも「フランス風」の曲。アルカンとバラキレフの2曲は超絶技巧のオンパレード。ビレットでなくしては成立しない1枚といえるでしょう。
8.571289
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第12集
ラフマニノフ:楽興の時Op.16
コレッリの主題による変奏曲Op.42
13の前奏曲Op.32〜第1番ハ長調/第5番ト長調/第12番嬰ト短調
イディル・ビレット(P)
『私の師であるナディア・ブーランジェは、私がラフマニノフの第3番の協奏曲を演奏するように依頼を受けた時、「大惨事が起きるから」と反対しました。しかし、私はラフマニノフの音楽の中に偉大なる貴族性を認めたのです。その後、私が「コレッリの主題による変奏曲」を演奏した時、ようやく彼女は完全に意見を変え始めたのです。…イディル・ビレット回顧録(2006)より』 彼女のラフマニノフに意見するのだとしたら、それはブーランジェ自身がラフマニノフに反感を持っていたのでは?と勘ぐってしまいたくなるような、説得力のある演奏です。重厚なタッチと技巧、漲る情緒。ラフマニノフの雄大な楽想を表現するのに、ビレットほどふさわしい人はいないのではないでしょうか?その後の彼女による協奏曲を始めとした一連の演奏を聴けば、それは一目瞭然です。
8.571291
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第4集〜シューマン:作品集
アベッグ変奏曲 Op.1
ピアノ・ソナタ.第2番 ト短調 Op.22
幻想曲ハ長調 Op.17/トッカータ.ハ長調Op.7
イディル・ビレット(P)
ますます意欲的に活動を続けるイディル・ビレットの最新録音です。ここでは、“内省的”とされるシューマンのピアノ曲を、極めて鮮烈に演奏し、エキサイティングな「ビレット・ワールド」を見せつけてくれます。快速テンポが印象的な「アベッグ変奏曲」、彼女があまりにも易々と演奏するために、演奏上においても、表現上においても、この曲の持つ困難さが全く感じられないという稀有なる名演「ピアノ・ソナタ第2 番」、いつものように意表を突く表現が魅力的な「幻想曲」、流麗さの中に潜む砂利の感覚を楽しむ「トッカータ」と、ビレットならではの解釈が溢れています。
8.571292
イディル・ビレット/ソロ・エディション第5集
シューマン:クライスレリアーナOp.16
花の曲Op.19
ウィーンの謝肉祭の道化
イディル・ビレット(P)

録音:2012年1月トルコアンカラ,ビルケント・シンフォニー・ホール
NAXOSを代表する名ピアニスト、ビレットの最新録音はシューマンの3つの名曲です。昨年はリストの超絶技巧練習曲をバリバリ演奏し、その闊達ぶりをとことん見せつけた彼女ですが、今作では趣向を変え、何とも艶めかしいシューマンを聴かせています。「クライスレリアーナ」はご存知の通り、E.T.A.ホフマンの書いた音楽評論集からインスピレーションを受けた作品で、「花の曲」はジャン・パウルの文学に触発された小さな作品。そして「ウィーンの謝肉祭の道化」は、シューマンが実際に楽しんだ謝肉祭の賑やかな様子を幻想的に描いた曲で、自身の「蝶々」からの引用もある興味深い作品です。どれも文学と音楽の融合という、まさにシューマンの命題そのものの曲であり、演奏者の個性がにじみ出やすいことでも知られています。ビレットは曲の特徴をしっかり捉え、各々の性格を見事に弾き分けることに成功しています。
8.571291
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第4集〜シューマン:作品集
アベッグ変奏曲 Op.1
ピアノ・ソナタ.第2番 ト短調 Op.22
幻想曲ハ長調 Op.17/トッカータ.ハ長調Op.7
イディル・ビレット(P)
ますます意欲的に活動を続けるイディル・ビレットの最新録音です。ここでは、“内省的”とされるシューマンのピアノ曲を、極めて鮮烈に演奏し、エキサイティングな「ビレット・ワールド」を見せつけてくれます。快速テンポが印象的な「アベッグ変奏曲」、彼女があまりにも易々と演奏するために、演奏上においても、表現上においても、この曲の持つ困難さが全く感じられないという稀有なる名演「ピアノ・ソナタ第2 番」、いつものように意表を突く表現が魅力的な「幻想曲」、流麗さの中に潜む砂利の感覚を楽しむ「トッカータ」と、ビレットならではの解釈が溢れています。
8.571295
イディル・ビレット/アーカイヴ・エデイション第13集/ブラームス
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24
パガニーニの主題による変奏曲第1集
パガニーニの主題による変奏曲第2集
イディル・ビレット(P)

録音:1961年11月MONOパリアベ・ワグラム
トルコの期待を一身に集め、世界へと羽ばたき始めたイディル・ビレット20歳の時の録音です。力強いタッチと見事なテクニックはレコード会社のプロデューサーを含む多くの人々を魅了し、すぐさま多くの録音がこの世に生まれて来たのでした。このブラームス(1834-1897)もそんな1枚です。変奏曲というジャンルは、確かにピアニストの資質を諮るためには最適であることを再認識させてくれる、まさにテクニックと表現の「万華鏡」のような1枚です。ブラームスらしい内声が充実したパッセージを易々と弾きこなすビレット、やはりただ者ではありません。
8.571296
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第14集
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83
バルトーク:ルーマニア民謡舞曲第1番-第6番Sz56
 組曲Op.14Sz62
 ミクロコスモス第6巻第148番-第153番「6つのブルガリアのリズムによる舞曲」
 アレグロ・バルバロSz49
イディル・ビレット(P)

録音:1961年11月(MONO)パリワグラム
1961年、当時新進気鋭のピアニストであったイディル・ビレットの全てが凝縮した、すばらしいプロコフィエフとバルトークの一連の作品です。録音当時20歳であった彼女ですが、この演奏には彼女の資質の全て…巧みなテクニックと柔軟なタッチ、そして優れた音楽性…が表出されたものであり、嵐のようなプロコフィエフと諧謔性に富んだバルトークは、確かにこの世代のピアニストの中でも群を抜く演奏であると言えるでしょう。
8.571298
イディル・ビレット/ソロ・エディション第6集〜シューマン:作品集
色とりどりの小品Op.99
幻想小曲集Op.12
イディル・ビレット(P)

録音:1983年、2000年
トルコのアンカラに生まれ、3歳からピアノを始め瞬く間に頭角を現したというイディル・ビレット。NAXOSファンならずとも、知らぬ者のない名手です。このビレット・エディションはそんな彼女の偉大なる足跡を辿るものであり、デビュー間もなくの「天才少女」の頃の演奏から、つい最近の円熟の演奏までを幅広くカバー。彼女の多彩なレパートリーと類い稀なる技巧を存分に味わうことができるシリーズです。このシューマンは彼女の壮年期の演奏であり、感情の起伏の大きな素晴らしい演奏です。「色とりどりの小品」での曲ごとに変わる風景、幻想小曲集での内省的な表現。これらの造形美は聴き手の期待を裏切ることがありません。とりわけ、シューマンの特徴とも言える「内声部が美しく立ち上がる部分」の巧みな処理は他の追随を許しません。
8.571300
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション 第15集
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
ピアノ・ソナタ.第14番 ハ短調 K457
ピアノ・ソナタ.第11番 イ長調 K331*
イディル・ビレット(P)

録音:
2000年9月23日 フランス フェネトランジュ音楽祭 ライブ、1993年10月21日 フランス リール音楽祭 ライブ*
トルコの名手ビレットによる、ちょっと風変りなモーツァルト。彼女のベートーヴェンヤモーツァルトの解釈はとても斬新であり、それは例えばテンポであったり、アコーギクであったりと、どれもなかなか興味深いものです。ここで演奏されているのはモーツァルトの作品の中でもとりわけ激しい表情を見せるハ短調のソナタと幻想曲。そして最終楽章に「トルコ行進曲」を持つ優雅なイ長調のソナタ。楽想がめまぐるしく変化するハ短調の幻想曲と、第24番のピアノ協奏曲を彷彿させるソナタでの、きわめて即興的なフレーズの処理や、イ長調ソナタの第1楽章(変奏曲形式)での、同じく遊び心たっぷりの表現など、彼女が単なる名手ではないことを物語っています。
8.571301
イディル・ビレット/ソロ・エディション第7集〜シューマン:作品集
蝶々Op.2/謝肉祭Op.9
アラベスクOp.18/森の情景Op.82
イディル・ビレット(P)

録音2013年5月
ますます精力的な活動を続けるトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。このシューマン(1810-1856)は彼女の最新録音となります。機知に富んだ「蝶々」の冒頭部を聴いただけで彼女の円熟度が理解できるのではないでしょうか?そしてピアニストの持つ表現力が試される「謝肉祭」。彼女の演奏はこの曲集から極めて夢幻的なイメージを引き出しています。シューマンの思い描いた「フロレスタンとオイゼビウス」の二面性も余すことなく描かれているようです。音が絡みつく「アラベスク」の美しさ、そして一見易しい音楽に見えるも実は更に深い内容を持つ「森の情景」での神秘的な表現もたまりません。
8.571302
イディル・ビレット:ソロ・エディション第8集
スクリャービン:3つの小品Op.2第1番練習曲嬰ハ短調
12の練習曲Op.8/幻想曲ロ短調Op.28
イディル・ビレット(P)

録音:2014年3月ベルギーナミュール,シャトー・ド・フラウィンヌ
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット。数々の偉業をこなし、世界的な名声を獲得しています。彼女の演奏はいつも個性的で、狂おしいほどに好きになるか、もしくは激しく拒否反応を起こすか…のどちらかになるようです。そんな彼女にぴったりのレパートリーがこのスクリャービン。もともと、麻薬的な魅力を持つこれらの作品ですが、これをどのように料理しているかをぜひご自分の耳でお確かめください。

8.571303(2CD)
イディル・ビレット:アーカイヴ・コレクション第16/17集
ブラームス:交響曲第3番(I.ビレット編)
ハンガリー舞曲第1番/第2番/第3番/第4番/第6番/第7番
交響曲第4番(I.ビレット編)
パガニーニ変奏曲Op.35<第1巻/第2巻>
カプリッチョOp.76-1/カプリッチョOp.76-5
イディル・ビレット(P)

録音:1972〜1997年
「幼いころから、私はラジオやレコードを聴いては、交響曲をピアノ用に編曲していました。その頃、まだ楽譜は読めませんでしたが、全て暗記しており、特にベートーヴェンの交響曲は子供の頃から全てを知っていました」と語るイディル・ビレット。この2枚組には「ベートーヴェンではない」ブラームス(1834-1897)の2曲の交響曲の彼女自身によるピアノ編曲版が収録されています。指揮者を目指す学生は、学習のために「スコアをそのままピアノで演奏する」ことも求められますと言いますが、やはりピアニストであるビレットの編曲は、どこもかしこも破綻のないものであり、その素晴らしい仕上がりには驚くほかありません。他には、こちらも演奏困難なことで知られる「パガニーニ変奏曲」とライブ収録のハンガリー舞曲、そしてアンコールで演奏された深みのあるカプリッチョ2曲。思わず「すごい!」と声が出てしまうこと間違いありません。
8.571305
イディル・ビレット:室内楽エディション第1集
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.44
交響的練習曲Op.13
イディル・ビレット(P)
ボルサンSQ4
<エセン・キヴラク(第1ヴァイオリン)/オルグ・キジレイ(第2ヴァイオリン)/エフダル・アルトゥン(Va)/チャ・エルチャ(Vc)>

録音:2014年5月ドイツザンドハウゼン-ハイデルベルククララ・ヴィーク・アウディトリウム
トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの最新録音はシューマン(1810-1856)のピアノ五重奏曲と交響的練習曲という組み合わせ。このピアノ五重奏曲が素晴らしい出来栄え。思いの他落ち着いたテンポ設定と、たっぷりとした美しい音色は、シューマンのこの悩ましい世界を完璧に表現しています。共演しているボルサン弦楽四重奏団は2005年に設立されたトルコのアンサンブルですが、アルバン・ベルク四重奏団やジュリアード四重奏団のマスタークラスに参加し、その技術と表現力に磨きをかけた人たち。このシューマンではビレットの錚々たるピアノと真っ向から立ち向かい、納得の演奏を繰り広げています。後半の「交響的練習曲」はビレットの個性的な持ち味が炸裂。ねっとりと聞かせるビレット節をたっぷりとお楽しみください。なお遺作の5曲は曲中に挟みこまれる形で演奏されています。
8.571306
ビレット・コンチェルト・エディション第6集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番ハ長調K415
ピアノ協奏曲第17番ト長調K453
イディル・ビレット(P)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
パトリック・ガロワ(指)

録音:2014年12月17-18日UKロンドンニューサウスゲート,セント・ポール教会
NAXOSが誇る名手イディル・ビレットの最新録音はモーツァルト(1756-1791)の2つのピアノ協奏曲です。今回のバックを務めるのは、古典派作品の解釈で高く評価され、すっかり指揮者としての威厳を身につけたパトリック・ガロワ。彼が振るロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの軽やかな音色をバックに、ビレットが独自の解釈に基づいた旋律を優雅に奏でていきます。最近はこの時代の作品のテンポを速めに取るのが流行ですが、彼女は決して浮き足だつことなく、着実に一つ一つの音を鳴らすことで、モーツァルトの意思を諮っているかのようです。なんとも不思議な味わいのモーツァルト。これはくせになります。
8.571310
イディル・ビレット〜ソロ・エディション第9集
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ.ニ短調BWV903
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
フランス組曲第5番ト長調BWV81
イギリス組曲第3番ト短調BWV808
イディル・ビレット(P)

録音:2015年4月24-26日ベルギーナミュール,シャトー・ド・フラウィンヌ
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット(マルタ・アルゲリッチと同じ年!)。数々の偉業を成し遂げ、世界的な名声を獲得しています。このアルバムは、4歳の彼女にバッハの音楽を教えてくれたというミタット・フェンメンの思い出に捧げられています。優れた教師であったフェンメンは彼女にエドウィン・フィッシャーが弾く平均律クラヴィーア曲集第2巻の「前奏曲とフーガへ短調」の78回転レコードを聞かせたのだそうで、それ以来バッハの音楽は彼女の人生の一部になっているのだそうです。そんな彼女によるこのバッハは、ペダルをほとんど使用せず、明快で強靭なタッチが特徴的。時折浮かび上がる旋律線が妙に残像として焼きつくような面白いものです。グールドは「フィッシャーのようには弾きたくない」と言っていたそうですが、フィッシャーを聴いてバッハに目覚めたビレットが、ある意味グールドのような自由な演奏をしているのも面白いところではないでしょうか。
8.571319
イディル・ビレット:室内楽エディション第2集
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ロデリック・フォン・ベニクセン(Vc)
イディル・ビレット(P)

録音:2014年9月23-24日ベルギーナムール
トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの室内楽エディション第2集はブラームス(1833-1897)の2曲のチェロ・ソナタです。ここでチェロを演奏しているのはヨーロッパの名だたる芸術家の家系に生まれたロデリック・フォン・ベニクセンです。彼は12歳でオーケストラと共演し、学生時代にパブロ・カザルスのマスタークラスを受講し、フルニエ、ナヴァラらからも指導を受けています。ビレットとベニクセンはお互いがブーランジェの学生であったパリで出会い、友人となり、何度も共演を重ねています。このブラームスも2人が得意としていた曲であり、1970年11月のコンサートのプログラムでも第1番を演奏したという記録が残っています。それから40年以上の年月を経た二人の奏でる音楽をどうぞお聴きください。
8.571320
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション第18集
ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34
イディル・ビレット(P)
ロンドンSQ<メンバー:カール・ピーニ(Vn)/ベネディクト・クラフト(Vn)/ルーセン・ギュネス(Va)/ロジャー・スミス(Vc)>

録音:1980年1月ロンドン
確かな存在感を持って浮かび上がるビレットのピアノの音色は、ブラームス(1833-1897)のこの作品に極めて独特なスパイスを振りかけているようです。この夜の演奏は、シューマンの五重奏曲とこのブラームスでしたが、当時のイギリスの新聞紙上でも絶賛されました。やはりここでもロンドンSQの豊かな響きと、ビレットの主張の強いピアノについて触れられていて、若い頃から彼女の演奏には一本の筋が通っていたのだということを再認識できるのではないでしょうか。彼女とロンドンSQの演奏は他にもマーラーとフランク(8.571278)があり、こちらも息詰まるような白熱した音楽を聴くことができます。
8.571349(2CD)
イディル・ビレット:協奏曲エディション 第7/8集〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集
【CD1】
ピアノ協奏曲 第15番変ロ長調 K450
ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 K491
【CD2】
ピアノ協奏曲 第25番ハ長調 K503
(第1楽章カデンツァ:イディル・ビレット)
ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 K595
イディル・ビレット(P)
ジョン・ギボンズ(指)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ

録音:2015年10月29日…CD1(ピアノ:スタインウェイ)
2018年9月30日…CD2(ピアノ:シゲル・カワイ)
イディル・ビレットによるモーツァルトの4曲のピアノ協奏曲。第15番と第24番は、以前リリースされた12枚組の BOX(バッハ&モーツァルト・エディション…8.501206)に収録されていましたが、今回は2018年に録音された 第25番と第27番を加えての2枚組として登場。柔らかい曲調が魅力的な第27番では、ビレットはゆったりとし たテンポで大きく旋律を歌わせるなど、ここでもユニークな表現で曲を聴かせます。第25番のカデンツァはビレット 自身によるものであることにも注目です。 2019年11月に78歳の誕生日を迎えたイディル・ビレット。ますます音楽性に磨きがかかっています。
8.571351
モーリス・ジェイコブソン:主題と変奏
モザイク(1949)
セルシー・ローン(チェロとピアノ版)(1946)
組曲「音楽室」(1935)<素朴なバレエ/サラバンド/バガテル/茶色の研究/川の音楽>
主はわが羊飼い(1936)
ロマンティックな主題と変奏(主題…1910/変奏…1944)
雅歌(1946)
哀歌(チェロとピアノ版)(1941)
回転木馬(1946)
ユモレスク(チェロとピアノ版)(1948)
主題と変奏(ピアノ・デュオ版)(1943-1947)
ジュリアン・ジェイコブソン(P)
ジェニファー・ジョンストン(Ms)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
マリコ・ブラウン(P)

録音:2013年1月11日、2013年2月3日UKストーク・ダベルノン,メニューイン・ホール
イギリスの音楽家モーリス・ジェイコブソン(1896-1976)は多くの面で非常に優れており、「突出した才能を持つ音楽家」と評されました。演奏家としては、幼い頃からバッハの平均律とベートーヴェンの32のピアノソナタを自在に弾きこなし、王立音楽大学では第一次世界大戦で中断されながらも、ホルストとスタンフォードの協力者であり、また偉大なるテノール、ジョン・コーツの伴奏者として注目され、キャスリーン・フェリアの才能にも着目したということです。第二次世界大戦後には、更に活動の幅を広げ、それはナショナル・ユース・オーケストラの創立や、様々な出版物の編集、ディレクターを行い、音楽祭での審査員を務め、英国だけでく、カナダ、香港にも強い影響力を及ぼしていました。そんな多忙な彼ですが、生涯に450曲もの作品を残したのは、まさに驚異的なことだったに違いありません。このアルバムには1935年から1949年までに書かれた作品を収録。戦時中の困難な生活を乗り越えて書かれた、ちょっと風変わりな作品を彼の息子であるピアニスト&作曲家ジュリアンが中心となって演奏。この知られざる作曲家の魅力を丹念に描き出しています。
8.571352
イギリスのチェロ作品集
ウィリアム・ブッシュ(1901-1945):チェロとピアノのための組曲
ケネス・レイトン(1929-1988):パルティータOp.35
ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.66
アーノルド・クック(1906-2005):チェロ・ソナタ第2番
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2010年2月18日、2009年4月3日、2008年10月9日、2005年10月
※BMSより移行盤
イギリスの近代音楽は、最近人気が出てきたとは言え、まだまだその全貌が知られているわけではありません。たとえばこのアルバムに収録されている4人の作曲家については、その名前すらご存知ない方も多いのではないでしょうか。これらの作品はイギリス国内でもほとんど演奏される機会を持たず、1960年代の始めに「前衛音楽」が省みられたときにも、古風すぎる作風ゆえ、その網から漏れ出してしまったという経歴を持ちます。その上、いくつかの作品は、作曲家自身によって「習作である」とみなされ公開もされなかったというもので、ここで録音され、多くの人に聴いてもらえる機会を持つことは、格別大きな意義を持つものではないでしょうか。曲ごとのコントラストが美しいブッシュの組曲、教会音楽の作曲家として知られるレイトンの陰鬱なパルティータ、平和主義者であったと言われるワーズワースのブラームス風のソナタ(ぎりぎり調性を保っている)、6つの交響曲で知られるクックの新古典派を思わせる快活なソナタ。どれもが独特な味わいを有しています。
8.571353
スティル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番
弦楽四重奏曲第2番
弦楽四重奏曲第3番
弦楽四重奏曲第4番
ヴィリアーズSQ
<メンバー:ジェームズ・ディキンソン(第1ヴァイオリン)/ヒガシタマキ(第2ヴァイオリン)/カルメン・フローレス(Va)/ニコラス・ストリングフェロー(Vc)>

録音:2013年7月18.19日、2014年1月20.21日 UKロンドン、聖シラス殉教者教会
ロンドンの音楽的な家庭に生まれたロバート・スティル(1910-1971)。父と祖父はロンドンで名高い弁護士であり、16歳亡くなった弟と、オーストラリアに移住した姉がいました。イートン・カレッジ、オックスフォード大学・トリニティ・カレッジで教育を受け、芸術学学士・芸術学修士・音楽学学士の称号を得ます。また作曲家としてだけでなく、テニスにも優れた腕前を見せ、アマチュア・プレイヤーとして活躍していました。その後も作曲を続け、交響曲第3番はユージン・グーセンスに高く評価され、オックスフォード大学から博士号を受けています。円熟期には刺激的な不協和音や無調も使われていますが、全体的に穏やかであり、同世代のイギリスの作曲家たちの美点をうまく取り入れたきらりと光る美しさを持っているものです。
8.571354
マルコム・スミスの思い出
ロビン・ホロウェイ(1943-):6手のための大英雄行進曲(1982/1997)
 1997年5月23日、マルコム・スミス氏がブージー&ホークス社を離れたときを記して
レスリー・ハワード(1948-):ピアノのための演奏会用幻想曲「ラディゴア」Op.40
ロバート・マシュー=ウォーカー(1939-):幻想的ソナタ「ハムレット」(ピアノ・ソナタ第3番)(1980)
ヘンデル:オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」HWV55から「Come, but keep thy wonted state」(L.ハワード編曲)(2010)
ハンフリー・サール(1915-1982):ピアノ・ソナタOp.21*
ジョン・リル(第1ピアノ)
レスリー・ハワード(P)
マーク・ベッビントン(P)
ジュリアン・ジェイコブソン(P)

録音:2013年9月12日、,2004年1月8日 5UKストーク・ド・アベルノン,メニューイン・ホール
※*以外=世界初録音
そもそもマルコム・スミス(1932-2011)って誰?というところから始まるこの1枚。彼はイギリスのクラシック音楽界を牽引した人で、多くのプロモーション活動を行い、またストラヴィンスキー、ヴォーン・ウィリアムス、ブリテン、バーンスタインなど偉大な作曲家たちの個人的な友人であり保護者でした。英国音楽教会の副会長を務め、またロイヤル・フィルハーモニー協会の終身会員であり、いくつもの合唱団をサポートしていました。彼はよく「私はあなたを助けてもよいですか?」と電話をかけたといい、それに応えた人々は彼への感謝の気持ちを忘れることはありませでんした。何より彼は1969年から、世界に名だたる楽譜出版社ブージー&ホークスのライブラリ・マネージャーとして、20世紀音楽の発展に寄与した功績が大きく、数多くの作曲家たちは彼に敬意を払っていたのです。このアルバムの1曲目のホロウェイの行進曲には、マルコムのお気に入りの作品のいくつか…エルガーの「エニグマ」、ディーリアスの「アパラチア」、リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」などいくつかの曲が引用されたおり、これは彼の退職を祝したパーティで演奏されたものです。他の作曲家たちもスミスと関係深い人ですが、なかでもレスリー・ハワードは、世界初の「フランツ・リスト全作品」の演奏者としても知られる日本でもなじみの深い人で、この全集にもスミスの協力があったのかと思うと、まことに感慨深いものがあります。
8.571355
ピアノ五重奏曲集
ブリッジ(1879-1941):ピアノ五重奏曲ニ短調H49a(1904/1912)
スコット(1879-1970):ピアノ五重奏曲第1番(1911頃)
ラファエル・テッローニ(P)
ビンガムSQ<スティーヴ・ビンガム(第1ヴァイオリン)/マーク・メッセンジャー(第2ヴァイオリン)/ブレンダ・スチュワート(Va)/ミリアム・ロウバリー(Vc)>

録音:1989年9月4-6日ロンドンチョーク・ファーム,聖サイラス・ザ・マーター
※BMSよりの移行盤
数多いイギリスの作曲家の中でも「独自の前衛音楽」を書くことに拘ったとされるフランク・ブリッジ。その理由は、他の作曲家たちがイギリス民謡に依拠しても、彼はヨーロッパの新音楽を好み、こちらから着想を得ていたからだとされているようです。しかし彼の作風が前衛的になったのは、第1次世界大戦の後のことであり、若い頃はスタンフォードやブラームスなどの影響がよくわかる極めてロマンティックな作品を書いていました。このピアノ五重奏もそんな作品の一つで、全編抒情的で、時にはラフマニノフを思わせるような力強いロマンティシズムが漲っています。ブリッジと同じ年に生まれたシリル・スコットは、生前あまり顧みられなかった人ですが、最近になって評価が高まっていることで知られています。彼の作品はどれも控えめな美しさに満ちていて、幾分ドビュッシーを思わせる印象派風の和声があったりと、なかなか侮れないものばかりです。この「ピアノ五重奏曲」も冒頭では静かな水面を思わせる音楽なのですが、曲が進むにつれ、少しずつ不可解な世界が形成されていきます。この境目はとても曖昧で、いつしか迷いの森に足を踏み入れてしまったかのよう。神秘的なものを愛したという作曲家の、好みの片鱗が見えるような極めて豊かな音楽です。
8.571356
パトリック・スタンドフォード:交響曲第1番「四季-イギリスの1年」(1972)
チェロ協奏曲(1974)
幻想への前奏曲(ナイアドス)(1980)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)

録音:2011年11月23-24日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
「あれ?いつからスタンフォード(1939-2014)はこんなにキャッチーな作品を書いたのだろう?」と不思議に思い、作曲家の名前を見直したら“スタンドフォード”でした。と笑うに笑えない出会いをしてしまったのが、ほぼ10年前。あれは大人気を博した「クリスマス・キャロル交響曲」(8.557099)でした。それ以降、何となく気になっていた作曲家でしたが、今回は更に先鋭的な「交響曲第1番」とチェロ協奏曲をお届けいたします。スタンドフォードは南ヨークシャーの炭鉱地域で生まれ、幼い頃からBBCラジオで様々な音楽に親しんできました。エゴン・ヴェレシュやシェーンベルクの音楽に興味を抱き、やがてロンドンのギルドホール音楽学校で、エドムンド・ラッブラに師事します(すでに20世紀音楽に精通していた彼は、すぐれたアレンジャーとして活躍していたといいます)。第1交響曲は幾分実験的であり、彼が自らの作風の確立を目論んでいるときに書かれたもので、爆発的な力の放出と奇妙な静けさが同居している音楽です。チェロ協奏曲はブラームスの「ドイツ・レクイエム」からインスパイアされた音楽で、チェリストのウォルフィッシュに捧げられています。もともと交響曲第2番の楽章であった「幻想への前奏曲」は神話からエピソードを取ったもので、水の精への永遠の憧れを聴くことができます。
8.571357
サーストン・コネクション〜クラリネットとピアノのための英国音楽集
バックス(1883-1953):クラリネット・ソナタ(1934)
ロジャー・フィスク(1910-1987):クラリネット・ソナタ(1941)*
イアイン・ハミルトン(1922-2000):3つの夜想曲Op.6(1949-1950)*
ヒュー・ウッド(1932-):楽天の鳥によるパラフレーズOp.26(1985)
リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):協奏的二重奏曲
ニコラス・コックス(Cl)
イアン・バックル(P)

録音:2011年8月31日.9月1日イングランドリヴァプール,ザ・フライアリー
*…世界初録音
イギリスの名クラリネット奏者フレデリック・サーストン(1901-1953)を取り巻く作品集です。サーストンは7歳からクラリネットをはじめ、王立音楽大学で学び、チャールズ・ドレイパーに師事、ロイヤル・フィルハーモニー管やBBC放送管などとの共演を経てBBC響の首席クラリネット奏者に就任、1946年に退団した後は室内楽に力を注ぎました。彼が初演した作品は数多く、このアルバムに収録された曲のほかにも、アイアランドの幻想曲やロースソーンのクラリネット協奏曲、ヒンデミットやコープランドの作品までと多岐に渡ります。彼のキャラクターはとても親しみ易いもので、友人によると「天然のコメディアン」であり、常に友人たちの輪の中心にいた人物でもあります。また、ウッドとベネットの作品はイギリスの伝統を引き継ぐものであり、とりわけベネットの二重奏曲はこのアルバムの奏者コックスの委嘱作で、鮮烈な印象を持つものです。
8.571358
ケネス・レイトン:パルティータ/エレジー他、チェロのための室内楽曲全集
パルティータOp.35(1959)
エレジーOp.5(1949)
無伴奏チェロ・ソナタOp.52(1967)
アレルヤ、われらが過越の子羊(1981)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2009年4月8日、010年2月18日UKストーク・ダバノン,メニューイン・ホール
イギリス近現代音楽作品のリリースについて、他の追随を許さないのもNAXOSの特徴といえましょうか。このケネス・レイトン(1928-1988)の作品集もそんな1枚。作曲家の名前の知名度はさておき、もう一つのイギリスのレーベルCHANDOSとNAXOSが挙って彼の作品を録音しているのです。レイトンはオックスフォードのクィーンズ・カレッジの学生だった20歳のときに、最初の独奏チェロのための作品を書きました。その3楽章からなるヘ短調の作品は、残念ながら現在完全な形では残っていませんが、その雰囲気はOp.5の「エレジー」への受け継がれています。この曲の中には、彼の先達であるレイフ・ヴォーン・ウィリアムズやフィンジ、ハウエルズらの影響が強く反映されています。そのおよそ10年後に書かれた「パルティータ」は躍動的な部分と内省的な部分が交錯する個性的な作品です。1959年の無伴奏チェロ・ソナタは、明らかにJ.S.バッハへのオマージュですが、曲自体からはバッハらしさは微塵も感じられず、荒涼たる世界のみが広がります。彼の2番目の妻のために書かれた「アレルヤ」の神秘的な佇まいも印象的です。
8.571359
モーラン:民謡編曲集
1-6.6つのノーフォーク民謡(1924
7.北海の地/8.高きドイツ
9.水夫と若きナンシー
10.小さな乳母
11.楽しい荷馬者屋
12.牧師と従業員
13.牢獄の歌
14-19.6つのサフォーク民謡(1932)
20-26.ケリー州からの歌(1950)
エイドリアン・トンプソン(T)…17.18.20-26
マーカス・ファーンズワース(Br)…1-6.7-13.14-16.19
ジョン・タルボット(P)
ウェーブリッジ男声合唱団のメンバー(クリスティーネ・ベスト…指)…9.11.13

録音:2010年5月20.27日,10月6日コブハム,ストーク・ダベルノン,イェフディ・メニューイン・ホール
※BMSレコードよりの移行盤
1894年にロンドンに生まれるも、育ったのはノーフォーク。そのためアイルランドと強い絆を持っていた作曲家モーラン(1894-1950)。彼の作品は日本でも一部の愛好家に深く愛されています。幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び英国王立学校に入学した彼は、スタンフォードに師事しましたが、ヴォーン・ウィリアムズの作品にも強く感銘を受けたのです。第1次世界大戦で重傷を負ったものの、それを乗り越え、以降自身のためにノーフォーク州を始めとした各地の民謡収集を始めます。イギリスの田舎の精神を反映させたこれらの素朴な音楽は、海に生きる船乗りと、大地を耕す農民、その双方の気分を完璧に反映させたもので、それらは表情豊かな男声の歌唱によって、時にはシリアスに、時には情熱的に伝わってきます。
8.571360
ホディノット:情景:歌曲集と民謡集
アングルシー島の5つの風景Op.87(1975)
グラモーガンからの2つの歌(1990)
銀色の猟犬Op.121(1985)
人は常に愛を抱いていないといけないOp.152-3(1994)
トウィの風景Op.190(2006)
6つのウェールズ民謡(1982)<
クレア・ブース(S)
ニッキー・スペンス(T)
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(Br)
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(P)
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(ピアノ・プリモ)&マイケル・ポロック(ピアノ・セカンド)

録音2009年10月14日
2009年10月29日
2010年2月18日
ウェールズにおいて、最初に国際的な知名度を得たクラシック音楽作曲家が、このアラン・ホディノット(1929-2008)だとされています。彼はウェールズのバーゴッドで生まれ、カーディフ大学で学び、アーサー・ベンジャミンに個人的に支持しました。1954年にチェルトナム音楽祭で初演された「クラリネット協奏曲」(ジェルヴァース・ドゥ・ペイエの独奏、ジョン・バルビローリ指揮ハレ管)が大好評で迎えられ、彼の名が知られるようになり、様々な音楽家や団体から作品委嘱を受けるようになり、この栄誉は彼が亡くなるまで続いたのです。彼はオペラから管弦楽作品、室内楽曲、歌曲などさまざまな作品を書き、どれもが高く評価されましたが、ここで聞ける「ウェールズ民謡」をもとにした作品群は、彼の円熟期から晩年に書かれたもので、一層の深みを有しています。中でも「トウィの風景」は彼の最後の作品で、彼の生涯を締めくくるエピローグのようなもの。男女の声が絶え間なく語りかけてくる神秘的で幻想的な音楽です。
8.571361
チェロとピアノのためのイギリス音楽集
ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.66(1959)*
ワーズワース:夜想曲Op.29(1946)
 スケルツォ変ホ長調Op.42(1949)
 チェロ・ソナタ.ハ長調Op.70
ジョセフ・ホルブルック(1878-1958):幻想的ソナタト短調Op.19(1904)
ウィリアム・ブッシュ(1901-1945):チェロとピアノのための組曲(1943)*
ブッシュ:メモリー(1944)
 エレジー(1944)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2008年10月9日、2010年2月18日 UKストーク・ダベルノンメニューイン・ホール
*=8.571352に既収録
既に発売されている「チェロとピアノのためのイギリス音楽集」(8.571352)で紹介した4人の作曲家の中から2人、ブッシュとワーズワース、そしてもう一人、ホルブルックの作品(こちらは他レーベルで既発)を再編したこのアルバムは、最近かなり注目を浴びてきたとはいえ、まだまだ知られていないイギリス音楽の隅の部分に光を当てるものとして評価できるでしょう。ワーズワースはたくさんの作品を書いた人ですが(同名の詩人とは別の人)、その作品の全てが残されているわけではありません。彼の夜想曲は、もともとヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれた曲ですが、ここではチェロで奏されています。2曲のチェロ・ソナタは憂鬱さと美しさの間を揺れ動き、聴き手の心をしばし波立たせます。ホルブルックの印象的なソナタは、情熱的でありロマンティックです。イギリスに帰化したドイツ人の両親の元に生まれたブッシュは、ピアニストとして活躍しましたが、第2次世界大戦で心に傷を負い、1945年に44歳という若さでこの世を去ってしまったのでした。亡くなる前年の2つの作品の幽玄な美しさには言葉を失います。
8.571362
クック:弦楽のためのソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1951)
ヴィオラ・ソナタ(1936-1937)
チェロ・ソナタ第2番(1980)
スザンヌ・スタンツェライト(Vn)
モーガン・ゴフ(Va)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2005年10月2.9.16日UKロンドン,グィルドホール音楽演劇学校,音楽ホール
※世界初録音:
2005年に98歳でその生涯を閉じた作曲家、アーノルド・クック(1906-2005)。彼はイギリスのゴマーサルに生まれ、ケンブリッジ大学で歴史を学ぶも、音楽の道を志し、1929年からベルリン音楽アカデミーでヒンデミットに師事、ピアノと作曲を学んだという人です。1930年代には、その作品が高く評価され、数多くの演奏会が催され、いくつかの賞も獲得しましたが、それらは主に管弦楽作品の評価であって、ここで聞けるような室内楽作品はあまり重要視されることはなく、ほとんど忘れられてしまったのでした。この3つのソナタもそのような作品群で、1940年に出版された「ヴィオラ・ソナタ」の初々しい機動力と、その40年後の作品である「チェロ・ソナタ」の憂愁に溢れた渋さの違いを楽しむだけでも、このアルバムを聴く価値があると言えるでしょう。現代作品とは言え、聴いていてふっと安心できる音楽に満たされているところが素晴らしいの一言です。
8.571363(3CD)
ソラブジ:ピアノ作品集
《CD1.初期作品集》
1-2.2つの小品<温室で/トッカータ>
3.スペイン幻想曲
4.ワルツ・ファンタジー「J・シュトラウスを讃えて」
5-7.3つのパスティーシュ
8.ア・ラ・ミレ・ド・ソラブジ「月の光に」
《CD2.夜想曲集》
1.香り高い庭/2.ジャミ(夜想曲)
3.グリスタン(ばらの庭)
《CD3.独断的な作品集》
1.オプス・クラヴィチェンバリスティクム-T.序奏-II.前奏曲・コラール
2-4.前奏曲、間奏曲とフーガ
5.ハロルド・ラトランドのための断片
6.小さな幻想
7.より隠された、この問題の残りの部分を探し求める
8.聖ベルトラン・ド・コマンジュ-彼は塔で笑っていた
マイケル・ハーバーマン(P)

録音:1979年6月…CD1:1.2.3.6,CD3:1.5,1980年6月…CD1:5.7,CD2:1,1980年3月5日…CD3:6,1982年…CD2:2ニューヨークペントハウス/1984年…CD1:4,CD3:2.3.4.8オハイオロッキー・リヴァーライヴ収録/1993年10月8日…CD1:8,CD2:3ワシントンD.C.アメリカ・カトリック大学,アメリカ・リスト教会フェスティヴァルライヴ収録/1995年1月22日…CD3:7バルティモアウォルフィールド・ピアノ
※British Music Societyよりの移行盤
独学で作曲とピアノを学んだというソラブジ(1892-1988)の作品は、あまりの個性の強さのためか、聴き手は「ものすごく好きになる」か、もしくは「見てみなかったふりをする」のどちらかのスタンスを取るようです。その理由の一つは作品の長さです。「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」(読むだけでも難しい)は全曲演奏するだけで4〜5時間かかりますし、「交響変奏曲」は9時間近くに及びます。そして楽譜の複雑さにおいても有名で「その譜面を見ているだけでも楽しい」という人が少なからずいます。そんな作品ですから、当然演奏できるピアニストも限られていますが、このハーバーマンは、ソラブジが自作の演奏を認めた数少ない「公認ピアニスト」であり、特にパスティーシュ第3番「子犬のワルツ」は、これまでも、また今後も彼以上に上手く弾ける人はいないだろう。と言われるほどの名演です。あの名曲がこんな姿に…。CD1の初期の作品は、まだまだ形が読み取れますが、CD2.3になると、あまりにも独自性が強く、足を踏み入れることすら躊躇ってしまいますが、これらを笑って聴けるようになると「クラシックおたく上級者」として認定されることは間違いありません。そして、笑って弾けるようになったとしたら…。それはもう新たな扉を開くことになるのでしょう。
8.571366
ボーエン:弦楽四重奏曲第2番ニ短調Op.41(1918頃)
弦楽四重奏曲第3番ト長調Op.46(b)(1919)
バス・クラリネットと弦楽四重奏のための幻想的五重奏曲Op.93(1932)
ティモシー・ラインズ(バスCl)
アルカェウスSQ<アン・フーリー(Vn1)/ブリジェット・デイヴィー(Vn2)/エリザベス・ターンブル(Va)/マーティン・トーマス(Vc)>

録音:2001年12月16.18.20日UK.ケント,トンブリッジ・スクール,リサイタル・ホール
ヨーク・ボーエン(ボウエン1884-1961)はロンドン生まれの作曲家。若い頃はサン=サーンスに「イギリスの若き作曲家の中で最も注目すべき存在」と絶賛され、第1次世界大戦の前までは、ピアニスト、作曲家として素晴らしい活躍をしました。しかし、大戦後は彼のような「後期ロマン派」風の音楽を書く人は排除されてしまい、結局は忘れられてしまったのです。最近になって再評価が進み、とりわけ「24の前奏曲」などのピアノ曲や、ヴィオラ・ソナタ(8.572580)などは、その独特の香り高い雰囲気が静かに愛されています。このアルバムに収録された2つの弦楽四重奏曲は、どちらも比較的初期の作品で(第1番の四重奏は恐らく破棄されてしまったようです)古典的な形式に則って書かれています。第2番は「カーネギー・トラスト賞」を受賞した作品で、あのユージン・グーセンスに献呈されています。第3番も作曲時期はそれほど変わらないのですが、更に深化した表情を聴くことができます。幻想的五重奏曲は、更に味わいのある音楽であり、バス・クラリネットを用いた点でも珍しく、輝かしいイギリス音楽の系譜に付け加えられるべき名曲と言えそうです。
8.571367
ジョン・マッケイブ:ピアノ作品集
変奏曲Op.22(1963)
朝の歌(スタディ第4番)(1970)
ガウディ(スタディ第3番)(1970)
5つのバガテル(1964)
モザイク(スタディ第6番)(1980)*
ハイドン変奏曲(1983)*
ジョン・マッケイブ(P)

録音:1998年3月21-28日ロンドンビショップゲイト・ホールBMSより移行盤
※*…世界初録音
先頃、惜しまれつつこの世を去った、作曲家、ピアニスト、ジョン・マッケイブ(1939-2015)。彼は2010年に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を開催して、ピアニストの活動から事実上の引退宣言をしていました。そんなマッケイブのこのアルバムは、1998年に録音された「自作自演集」です。もともとBMS=BritishMusicSociety(マッケイブが会長を務める、イギリスの知られざる作曲家を紹介するために設立されたレーベル)に録音されたアルバムであり、まさにマッケイブを知るための1枚なのです。各々の作品については、聞いていただくのが一番なのですが、かの名ピアニスト、ジョン・オグドンがマッケイブの作品に心酔したことからもわかる通り、超絶技巧を駆使し、また極めて学究的で、細部も考え抜かれた精巧かつ複雑な音楽が展開されているものばかりです。まるで巨大な建造物を思わせるマッケイブの作品、ぜひ体験してみてください。とりわけ演奏時間に30分近くを要する「ハイドン変奏曲」の圧倒的な音の羅列は一度味わったらやめられません。ただし、そのハイドンの主題はかなり変形されているので、探し出すまでに曲が終わってしまうかも知れませんが。
8.571368
ジョン・ジュベール:瞬間の時他
失われた時-弦楽のための変奏曲Op.99(1984)
シンフォニエッタOp.38(1962)
瞬間の時‐バリトンと弦楽合奏のための歌曲集Op.110(1987)(詩:D.H.ローレンス)
クリストファー・ハイロンズ(ソロVn)
ピエール・ジュベール(ソロVn)
ポール・アーデン=テイラー(Ob)

アンナ・エヴァンス(Ob)
キース・ルバック(Fg)
クリスティーン・プレドータ(Fg)
スティーブン・ロバーツ(Hrn)
ジェームズ・ブック(Hrn)
ヘンリー・ハーフォード(Br)
イングリッシュ・ストリング・オーケストラ
ウィリアム・ボウトン(指)

録音:1987年4月23-25日イングランドワーウィック大学・アーツ・センター
※BMSより移行盤
ケープタウンで生まれ、奨学金を得てロンドンの王立音楽アカデミーで学んだ作曲家ジュベール(1927-)。イギリスで作曲家、大学講師として名声を高めました。幼い頃の彼は画家を志望していましたが、15歳頃からパフォーマーとして音楽に興味を持ち、いくつかの作品を書き上げたのです。このアルバムに収録された「Tempsperdu-失われた時」はマルセル・プルーストの同名の長編小説に触発されたものですが、この曲を作曲する際には、前述の「若い頃に手がけた弦楽合奏のための2つの曲」をもう一度呼び起こし、新たにサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタからのフレーズを組み合わせ、美しい変奏曲に創り上げたというものです。「シンフォニエッタ」はバーミンガム美術館で開催されたコンサートのために書かれた快活な作品。各々の楽器が活躍します。「瞬間の時」は「チャタレー夫人の恋人」で知られるD.H.ローレンスの詩を元にした歌曲。大学教授の妻であったフリーダと、禁断の恋に陥ったローレンスが、駆け落ちの末に放浪していた時期に書かれた詩は、頽廃的でありながらも、強い意志に貫かれているものです。
8.571369
レノックス・バークリー:ピアノ・ソロとデュエット曲集
6つの前奏曲Op.23(1945)<第1番:Allegro/第2番:Andante/第3番:Allegro moderato/第4番:Allegretto/第5番:Allegro/第6番:Allegro>
ピアノ・ソナタOp.20(1941-1945)<第1楽章:Moderato/第2楽章:Presto/第3楽章:Adagio/第4楽章:Introduction and Allegro>
5つの短い小品Op.4(1934頃)<第1番:Andante/第2番:Allegro moderato/第3番:Moderato/第4番:Moderato/第5番:Allegro>
ピアノ連弾のためのソナチネOp.39(1954)<第1楽章:Allegro moderato/第2楽章:Andante/第3楽章:Allegro>
連弾のための「主題と変奏」Op.73(1968)
連弾のための「パルム・コート・ワルツ」Op.81-2(1971)
ラファエル・テッローニ(P)
ノーマン・ビーディー(第2P)

録音:1993年4月7.8日ロンドンギルドホール音楽演劇学校
※BMSからの移行盤
オックスフォード出身の作曲家レノックス・バークリー(1903-1989)のピアノ作品集です。20代の頃パリに留学し、高名なナディア・ブーランジェに音楽を学んだというだけあって、彼の作品からは至るところからフランス音楽の影響を感じることができるのです。その作品には微妙な陰影と、シンプルな旋律、そしてアイデア豊かなリズム感覚があり、どれも忘れられない美しさを誇っています。彼のピアノ曲の中で最初に書かれたのはトラック11-15の「5つの短い小品」で、こちらは本当に小さく、ちょっぴりプーランク風の香りも感じさせるもの。気まぐれな旋律と安定した歌、これらが撚り合わさって楽しい世界が生まれます。また彼は2台ピアノと連弾のための作品も書いていますが、これらの作曲時期は活動の初期から晩年に至るまで、人生のほとんどをおおっています。もちろんその作風は少しずつ変化していきますが、どれも複雑なテクスチュアを丹念に整理した明快なものとなっています。これこそがバークリーの本領発揮といったところでしょうか。
8.571370
マッケイブ:作曲家、ピアニスト、指揮者
交響曲第1番「エレジー」(1965
リストの主題による幻想曲(1967)
カプリッチョ(習作第1番)(1969)
ソステヌート(習作第2番)(1969)
チューニング(1985)
ジョン・スナズホール(指)LPO
ジョン・マッケイブ(P、指)スコットランド・ナショナル・ユース・オーケストラ

録音1967年5月3-4日イングランドエセックス,バーキング・アセンブリー・ホール…1-3,1977年、1986年1月4日スコットランドグラスゴー・シティ・ホール
※世界初録音
ジョン・マッケイブ(1939-)はリヴァプール生まれの作曲家、ピアニスト、そして指揮者です。日本では比較的ピアニストとしての知名度が高く、1970年代に録音されたハイドンのピアノ・ソナタ全集(DECCA)は、類い稀なる完璧さを誇るコレクションとして人気を獲得したのでした。しかし、彼は7曲の交響曲をはじめ、15曲の協奏曲、その他たくさんのピアノ曲や、舞台音楽など多岐に渡る作品を書いた作曲家でもあります。ピアニストとしては2010年に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を行い、事実上の引退宣言をした彼ですが、ファンはまだまだその活躍を期待しています。このアルバムでは、彼の60年代の作品を中心に収録、なかでも「チューニング」は彼の唯一の「指揮者」としての演奏です。その音楽は素晴らしく有機的で、常に感情豊かであり、時として爆発的なエネルギーを放射するもの。かなり入り組んだ音楽ですが、魅力的な響きを有しています。
8.571371
フランシス・シャグラン:交響曲集
交響曲第1番(1946-1959/1965改編)
交響曲第2番(1965-1971)
マルティン・ブラビンズ(指)BBC響

録音:2014年11月14.15日ロンドンBBCメディア・ヴェール第1スタジオ
※世界初録音
ルーマニア出身、イギリスの作曲家、フランシス・シャグラン(1905-1972)。一時期はフランスのエコールノルマル音楽院でポール・デュカスとナディア・ブーランジェに師事、その時にアレクサンドル・パウッケルという本名を、深い悲しみ、悔しさなどの意味を持つ「chagrin」に改めたのと言います。そんなシャグランの2曲の交響曲は、彼が手掛けていた映画音楽にも似た重厚で骨太な音楽です。第1番は長い推敲を経て(その間病気にも苦しめられた)書き上げられた作品で、シャグランの強い内なる叫びが表現されています。第1楽章も第2楽章もゆったりとしたテンポが取られ、聞き手も音の波の中で懊悩するほかありません。激しい第3楽章ではまさに苦悩にもまれるが如く、厳しい音楽が続きます。終楽章は少し軽快になりますが、やはり最後まで気を抜けません。交響曲第2番はもう少し色彩的で、打楽器や金管が激しく応酬しあう興味深いものです。こちらの方が第1番よりも(若干)聴きやすいかもしれません。音楽がいつも聴き手の心を癒すとは限らないということを実感させてくれる1枚です。
8.571372
ジョン・アイアランド:弦楽オーケストラのための音楽
チェロ・ソナタト短調(M.フォーブスによるチェロと弦楽オーケストラ編)
夏の夕べ(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
サルニア-第2曲五月の朝に(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
独白(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
バガテル(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
子守歌(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
カヴァティーナ(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
牧草地組曲(弦楽オーケストラ編…J.アイアランド、G.ブッシュによる弦楽オーケストラ編)*
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
オーケストラ・オブ・ザ・スワン
デヴィッド・カーティス(指)

録音:2015年6月26日、2015年7月5日 イングランド,シップストン・オン・ストゥールタウンゼンド・ホール
*以外=世界初録音
スタンフォードからドイツ音楽の古典を学び、フランス音楽や新古典派の音楽からも影響を受けたというアイアランド(1879-1962)の作風は、他のイギリスの作曲家たちの心の拠り所であった民謡風のものではなく、もっと印象派やロシア風の雰囲気を備えています。1923年に作曲されたチェロ・ソナタは、彼の全作品の中でも最も情熱的で激しい表現力を持ち、とりわけ第2楽章の甘く切ないメロディは、どちらかというと控えめなアイアランドらしからぬ力強さを感じさせます。他の作品は、原曲がピアノ独奏、もしくはヴァイオリンとピアノのために書かれたもので、親しみ易いメロディが魅力的です。最後の「牧草地国曲」は1932年の作品で、英国ナショナル・ブラス・バンド選手権のために書かれています。これらの曲のいくつかはラジオやテレビ番組で使われ、現在でも愛されています。名手ウォルフィッシュのチェロは、これらの作品の魅力を存分に引き出しています。
8.571373
ウィリアム・ヘンリー・スクワイア:チェロとピアノのための小品集
ロマンスOp.5-1(1890)
ガヴォット・ユモレスクOp.6(1890)
舞踏会の情景Op.8(1890)
セレナードOp.15(1892)/メヌエットOp.19-3(1893)/マズルカOp.19-4(1893)
ゴンドリエラOp.20-2(1895)
素朴な踊りOp.20-5(1895)
シャンソネットOp.22(1896)
タランテッラOp.23(1896)/告別(ロマンス)(1896)
ツィグ=ツィグ(ハンガリー風の踊り)(1898)
ブーレOp.24(1902)/フモレスクOp.26(1902)
カンツォネッタ(1903)/東洋風の踊り(1903)
エレジー(1903)/マドリガル(1903)
道化芝居(1903)/祈り(1904)
オリヴァー・グレッドヒル(Vc)
今井正(P)

録音:2015年10月26-27日イングランドロンドン,バーンズ,聖ポール学園ワスン・ホール
1890年代後半から1920年代後半にかけて、英国で活躍したチェロ奏者ヘンリー・スクワイア(1871-1963)。11歳で王立音楽院の奨学金を得て、エドワード・ハウエルにチェロを学び、ハウエルの死後は音楽学校の教師を務め、またコヴェントガーデンとクィーンズ・ホールOの首席チェロ奏者としても活躍しました。HMV(1898-1914)と英コロンビア(1914-1929)に200曲以上の録音を残しており、日本では、その中のヘンデルの「ラルゴ」やマリの「金婚式」などが良く知られています。実は、彼自身も若い頃(18歳から33歳くらいまでの間)に、数多くのコンサート・ピースを作曲していて、これらは彼の持ち味であるポルタメント(2つの音の間を滑らかに繋げて、情感を込める奏法)が多用された、親しみやすく平易な作風のものばかり。ピアノ伴奏を務めている今井正氏はロンドン在住。独奏と室内楽の両面で活躍している人です。
8.571374
フリッカー(1920-1990):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番Op.8(1848-1849)*
弦楽四重奏曲第2番Op.20(1952-1953)
弦楽四重奏曲第3番Op.73(1976)*
アダージョとスケルツォ(1943)
アダージョ*
スケルツォ(アレグロ)*
ヴィラーズSQ
[ジェームズ・ディケンソン(第1Vn)
東環樹(第2Vn)
カルメン・フローレス(Va)
ニコラス・ストリングフェロー(Vc)]

録音:2015年10月15.16日、2016年7月16日、2016年1月6日
*=世界初録音
名ホルン奏者デニス・ブレインの友人としても知られるイギリスの作曲家ピーター・ラシーヌ・フリッカーの弦楽四重奏曲集。セント・ポール大聖堂の学生だった彼はオルガン演奏に興味を持ち、特に対位法の研究に力を注ぎ、20代後半まではコンサート・オルガン奏者として活躍していました。1940年に軍隊に入隊、この時期にはピアノ曲を作りつつ、弦楽四重奏曲の萌芽ともいえるアダージョとスケルツォの作曲に着手します。その後、Op.5の管楽五重奏曲が、ブレインをはじめとした奏者たちによって録音され、フリッカーの名前が世界的に知られるようになり、1949年に作曲した交響曲第1番は、栄誉ある“クーセヴィッツキー賞”を獲得、彼のキャリアが決定付けられました。そんな時期に初演されたこの弦楽四重奏曲第1番は「万人受けするものではないが特有のスタイルを持っている」と音楽誌で評されるなど、その才能は多くの人から注目され、彼も多くの作品を次々に発表します。しかし、保守的な作風に終始拘ったためか、徐々に忘れられてしまい、現在ではその作品のほとんどは演奏される機会もありません。2010年代以降、少しずつ復権がが進んでいる作曲家です。
8.571375(2CD)
マルコム・ウィリアムソン:オルガン音楽集
平和の小品(1970-1971
炎の復活(1959)*
エディト・シトウェルの碑文(1966)
聖なる小キャロル(1971-1972)
エレジー‐JFK(1964)
「わが父の世界」による幻想曲(1975)*
中世の聖なるミサ(1973)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2016年2月17-18日ロンドンイングランドセント・ジョン・エヴァンゲリスト教会

*=世界初録音
オーストラリアの最も著名な音楽家の一人、マルコム・ウィリアムソン(1931-2003)。と言っても彼は20歳代でイギリスに 移住、その後イギリスでオルガニスト、聖歌隊指揮者として活躍したこともあり(副業でナイトクラブでピアノを弾いていたこ ともある)、英国教会音楽の伝統もきっちり受け継いでいます。大指揮者エイドリアン・ボールトも彼の作品を擁護し、強力な 支援者となるなど、多くの音楽家たちからも支持され、1960年代には「英国で最も委嘱作品の多い作曲家」と賞賛を受けて います。1975年にはアーサー・ブリスの後任として王室音楽監督(女王の音楽師範)に任命、これは英国人以外の音楽家とし ての初の栄誉でもありました。彼の作品はあらゆるジャンルに渡っていますが、なかでも、このアルバムに収録された一連の 「オルガンのための宗教曲」が良く知られており、これらはどれもメシアンの影響も感じられるドラマティックで華麗な雰囲 気を有しています。
8.571377
アーサー・ベンジャミン(1893-1960)/エドガー・ベイントン(1880-1956):歌曲集
ベンジャミン:1.The Piper-笛吹き(1923)
Man and Woman-男と女(1924)
To Phillis, Milking Her Flock(1924)-フィリスへ、彼女は群れの乳を搾る
Diaphenia(1924)-ダイアフィニア
Hey Nonny No!(1923)
3つのギリシャの歌(1934)
3つの印象(1925)
The Mouse(1923)-ねずみ
The Moon(1923)-月
Wind's Work(1935)-風の仕事
Shepherd's Holiday(1936)-羊飼いの休日
Before Dawn(1924)-夜明け前に
Song of the Banana Carriers(1957)-バナナ売りの歌
Jan(1947)-ジャン
Linstead Market(1947)-リンドス市場
ベイントン:20.Slow, Slow, Fresh Fount(1920)-ゆっくりと、ゆっくりと、新鮮な泉
The Joyous Wanderer(1925)-喜ばしい放浪者*
Gifts(1924)-贈り物
The Little Waves of Breffny(1927)-ブレフェニーの小さな波
Shooting Star-シューティング・スター
Strings in the Earth-大地の弦
Dawn(1924)-夜明け
.Laughing Rose(1921)-微笑むばら
Roseen-Dhu(1912)
A Nosegay(1929)-花束
Young Love Lies Dreaming(1928)-夢をかなえる若き愛
To the Children(1923)-子供たちへ
Lullaby(1912)-子守歌
Frolic(1920)-戯れ
A Christmas Carol(1938)-クリスマス・キャロル
Love On My Heart From Heaven Fell(1928)-天国から私の心への愛
Sanctuaries(1924)-聖域
.A Cradle Song(1928)-子守歌
They Went Forth(1918)-彼らは前進した
Twilight(1923)-薄暮
A Casualty(1919)-負傷者
The Triumph of Maeve-メーヴの勝利
The Twilight People-薄暮の人々
スーザン・ビックリー(Ms)
クリストファー・ギレット(T)
ウェンディ・ヒスコックス(P)

録音:2017年3月28-29日
*以外=世界初録音
オーストラリアのシドニーで生まれたベンジャミンと、ロンドンで生まれたベイントン。2人は直接的な関係はありませんが、人類に対する 真の愛と、幅広い文化に対する好奇心を持ち、2人とも第一次世界大戦のトラウマに巻き込まれたという共通の体験を持っていま す。収録された作品はどれも2分足らずの小さな歌ですが、才能あるピアニストであったベンジャミンの作品には力強いリズムと活気が あり、ベイントンの作品には詩への鋭敏な感受性が見受けられます。多彩な表現に彩られた近代歌曲集は、聴き手の耳を捉えま す。
8.571378
ブッシュ&ホロヴィッツ:歌曲集
ジェフリー・ブッシュ(1920-1998):歌曲集「偉大なる神秘」(1985)…世界初録音
ベン・ジョンソンによる3つの歌曲(1952)
プロヴァンス風キュイジーヌ(1982)…世界初録音
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-):12.フォアグラ(1974)…世界初録音
ロマンス(1975/2016改編)…世界初録音
愛の庭(2014)…世界初録音
レディ・マクベス(1970)
3月11日まで(1995)…世界初録音
悪意のあるマドリガル(1970)…世界初録音
ブッシュ:さくらんぼのような唇への愛(1984)…世界初録音
動物園のアーキー(1994)…世界初録音
イエスタディ(ケイのための9つの歌(1990)…世界初録音
スザンナ・フェアバーン(S)
マシュー・シェルホーン(P)

録音:2016年12月19-21日
英国近現代の2人の作曲家、ジェフリー・ブッシュとジョーゼフ・ホロヴィッツの歌曲集。16世紀、17世紀の詩と文学を愛したブッ シュは、自身の歌曲にもこの時代の詩を用いることが多く、これらの端正な言葉が現代的なメロディで歌われる時に起きる微妙な ずれが彼の作品の特徴でもあります。(同時代の詩には著作権の問題があり、彼は使用を好まなかったようです)しかし、彼の 孫ケイにささげられた「イエスタディ」では1917年生まれのコーズリーの詩を使用。彼はこのコミカルな文体をとりわけ愛していたようで す。「動物園のアーキー」は様々な仕掛けが施された小曲集。秩序のない言葉遊びでもあります。 もう一人のホロヴィッツはウィーンで生まれ、12歳の時に家族とともにイギリスに移住してきた人。ユーモラスな曲調の中に、時折 ウィーン風の甘さが感じられます。どの曲も声の魅力が丁寧に生かされています。
8.571379
スタンデール・ベネット(1816-1875):室内楽作品集
六重奏曲 嬰ヘ短調 Op.8(1835)
室内三重奏 Op.26(1839)
弦楽四重奏曲 ト長調 WoO17(1831)…世界初録音
ヴィラーズSQ【ジェームズ・ディケンソン(Vn1)、東 環樹(Vn2)、カルメン・フォレス(Va)、ニック・ストリングフェロー(Vc)】
ジェレミー・ヤング(P)
レオン・ボッシュ(Cb)

録音:2018年1月3-5日UK マンチェスター、ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック
1816年、シェフィールドでオルガニストの父のもとに生まれたスタンデール・ベネット。早くに父を亡くしたため、祖父のもとで 音楽の手ほどきを受けました。10歳で王立音楽アカデミーに特待生として入学、10年間に渡りヴァイオリンとピアノ、作曲 を学び、在学中に書いた「ピアノ協奏曲」は、彼自身の独奏で初演。これを聴いたメンデルスゾーンはその才能に注目 し、ベネットをドイツに招待します。その後、彼はイギリスで演奏活動を行いながらも頻繁にドイツを訪れ、ライプツィヒでは シューマンとも親交を結び、お互いに強い友情で結ばれました。このアルバムにはベネットの3つの室内楽作品を収録。ピ アノを伴う六重奏曲は、明らかにメンデルスゾーンの影響が表れていますが、スケールの大きさではメンデルスゾーンを上回 るほどの強い感情表現を伴った力作です。他には三重奏曲と、世界初録音となる弦楽四重奏曲を収録。こんなに美し い曲があったのかと驚きの連続の1枚です。
8.571380
グレース・ウィリアムズ(1906-1977):室内楽作品集
ヴァイオリン・ソナタ(1930/1938改訂)
オーボエ、トランペット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための六重奏曲(1931)
9つの楽器のための組曲(1934)
オーボエとクラリネットのためのロマンス(1940頃)
左手のピアノのためのサラバンド(1958)
2台のヴァイオリンと追加チェロのためのロンド・フォー・ダンシング(1970)
マデリーン・ミッチェル(Vn&指)
ロンドン室内アンサンブル
【メンバー】
コンスタンティン・ラプシン(P)
デヴィッド・オーウェン・ノリス(P)
キャスリン・トーマス(Fl)
ジョン・アンダーソン(Ob)
アンドリュー・スパーリング(Cl)…8-10,(バス・クラリネット)
ブルース・ノックルズ(Tp)
ゴードン・マッケイ(Vn)
ロジャー・チェイス(Va)
サラ=ジェーン・ブラッドリー(Va)
ジョセフ・スプーナー(Vc)
リンダ・ホートン(Cb)

録音:2018年3月28日、2018年6月27日、2018年7月24日
世界初録音
「20世紀におけるウェールズの最も重要な女性作曲家の一人」と目されるグレース・ウィリアムズ。幼いころから聖歌 隊で歌い、ピアノとヴァイオリンを学んだという彼女は、カーディフ大学を卒業後、王立音楽大学でレイフ・ヴォーン・ ウィリアムズに師事。1930年にはウィーンで1年間勉強するための奨学金を獲得、ほぼ毎夜劇場に出かけ、オペラ を見続けたというエピソードを持っています。作曲家としては、学生時代からいくつか作品を書きましたが、初期の作 品のほとんどが散逸してしまいその全貌を知ることはできません。このアルバムには1930年以降に書かれた室内楽 作品を収録。バルトークやショスタコーヴィチを思わせる「ヴァイオリン・ソナタ」、彼女が愛したトランペットが活躍する 「六重奏曲」、ストラヴィンスキー風の「9つの楽器のための組曲」などの1930年代の作品と、ヴァイオリン教本のた めに書かれた「ロンド」など晩年の作品をバランスよく配した興味深い1枚です。
8.571382
ハウエルズ(1892-1983):ピアノ作品集 第1集
幻想曲(1917)
夢見る道化師(1918)
わが主ヘアウッドのガリアード(1949)
フィンジ - 彼の安息(1956)
夏の牧歌(1911)
シチリアーナ(1958)
パヴァーヌとガリアード(1964)
ペトリュス組曲(1967-1973)
マシュー・シェルホーン(P)

録音:2019年8月19-21日
メニューイン・ホール,ストークダバノン,サリー,UK
世界初録音
20世紀英国の作曲家ハーバート・ハウエルズのピアノ曲集。幼い頃、家にあったアップライトピアノを妹と共に奏でることが 最初の音楽教育だったというハウエルズは、グロスター大聖堂のオルガン奏者ハーバート・ブルワーに学ぶとともに、ここで 机を並べたアイヴァー・ガーニーと終生に渡る友情を結びました。後に宗教曲作曲家として名を馳せることになるハウエル ズですが、このアルバムでは王立音楽大学で学ぶ以前に書かれた初期作品『夏の牧歌』から、ドビュッシーを思わせる 「幻想曲」、晩年の成熟した作風に拠る『ペトリュス組曲』まで8作品を収録。全てが世界初録音であり、またハウエルズ の作曲スタイルの変遷がくまなく捉えられています。1977年ヨークシャー生まれのピアニスト、シェルホーンが作品の魅力を 伝えます。
8.571383
ハーバート・ハウエルズ:ピアノ作品集 第2集
鹿がため息をつくように(1963)
アラブの歌(1908)/野の花へ(1908)
ロマンス(1908)/メロディ(1909)
伝説(1909)/選ばれた旋律(1920)*
マージーの旋律(1924)
田舎の行列(1928)
小さな踊りの本(1928)
水夫の旋律(1930)/3つの旋律(1932)
ウルズラのためのメヌエット(1935)
少女たちのための散歩道(1938)
2少年たちのための散歩道(1938)
今もいつも(メヌエット風に)(1967)
ピアノ・ソナチネ(M.シェルホーン編)(1971)
マシュー・シェルホーン(P)

録音:2021年12月21日-23日
※*以外=世界初録音
20世紀英国の作曲家ハーバート・ハウエルズ。グロスタシャーのリドニーで生まれ、アマチュアのオルガニストだった父の下、幼い頃から音楽の才能を発揮しま した。グロスター大聖堂のオルガン奏者ハーバート・ブルワーに師事し、英国王立音楽大学に入学、ここではスタンフォードらから教えを受けました。円熟期 以降は宗教音楽の作曲に力を注いだことでも知られます。この第2集もハウエルズの研究者であるマシュー・シェルホーンがピアノを演奏。10代に作曲された 詩的な雰囲気を持つ小品から、英国風の洒落た旋律を持つ「田舎の行列」、晩年の神秘的な舞曲「今もいつも」まで多彩な作品を通じて、ハウエルズの 作風の変遷を辿ることができます。アルバムにはシェルホーンが編集した1971年作曲の「ピアノ・ソナチネ」も含まれるなど、貴重な音源を含む作品集に仕 上がっています。 マシュー・シェルホーンは1977年生まれの英国のピアニスト。幅広いレパートリーを持つだけでなく、現代英国の作曲家の作品を中心に、100曲以上の初 演を行うなど現代音楽の探求にも力を注いでいます。

8.571401(2CD)
イディル・ビレット:ソロ・エディション 第10/11集〜ドビュッシー:練習曲,前奏曲集他
映像 第1集/映像 第2集
レントより遅く
練習曲集 第1集&第2集
ベルガマスク組曲/ピアノのために
喜びの島/前奏曲集 第1巻
イディル・ビレット(P)

録音:2018年4月19-21日、2019年5月8-10日
1941年生まれの名手イディル・ビレット。2018年と2019年に録音されたばかりの彼女の最新アルバムはド ビュッシーの作品集。印象派を代表する作品「映像」や「前奏曲集 第1巻」での絶妙なペダル使いによる多彩 な音色、超絶技巧の持ち主であるビレットならではの巧みな演奏が光る「練習曲」、ビレットらしいユニークでゴ ツゴツした表現が面白い「レントより遅く」「喜びの島」など、古典から現代まで幅広い時代の作品に精通する彼 女ならではのアプローチが光ります。年齢を重ねても全く技巧は衰えることなく、一層表現に深みが増したビレッ ト、その進化から目を離せません。
8.571408
ビレット・コンチェルト・エディション 第10集
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番&第22番
イディル・ビレット(P)
エンデル・サクプナル(指)
ブルサ地域国家SO

録音:2019年11月28日
1941年トルコ生まれのイディル・ビレット。彼女は未だ楽譜を読むことができない4歳の頃からバッハとモーツァルト を愛し、ラジオで聴いたり自身でも奏でていたといいます。1949年にはパリでヴィルヘルム・ケンプに会い、将来一 緒にコンサートでモーツァルトを弾くことを約束。4年後の1953年に2人は約束を実現させ「2台のピアノのための 協奏曲」を演奏し、パリのシャンゼリゼ劇場で2400人の聴衆を熱狂させました。このようにモーツァルト作品が体 の一部になっているビレット、この2019年のトルコにおける演奏会でも、木訥なタッチで愛情あふれるモーツァルト を披露しています。

8.572006(2CD)
バッハ:チェンバロ独奏のための協奏曲集
協奏曲ニ長調BWV972/協奏曲ト長調BWV973
協奏曲ト短調BWV975/協奏曲ハ長調BWV976
協奏曲ヘ長調BWV978/協奏曲ト長調BWV980
協奏曲ハ長調BWV977/協奏曲ト短調BWV983
協奏曲ト長調BWV986/協奏曲ロ短調BWV979
協奏曲ニ短調BWV974/協奏曲ハ短調BWV981
協奏曲変ロ長調BWV982/協奏曲ハ長調BWV984
協奏曲ニ短調BWV987/協奏曲ト短調BWV985
前奏曲とフーガイ短調BWV894
エリザベス・ファー(ハープシコード)
バッハのワイマール時代に作曲された一つのジャンルがこの「独奏鍵盤楽器のための協奏曲集」。ヴィヴァルディやマルチェッロなどのイタリアの作曲家のヴァイオリン協奏曲などをチェンバロやオルガンで一人で演奏できるように編曲したもので、バッハがイタリアで体験した新しい音楽を自らの作曲技法に取り込むにも大きな役割を背負った作品群です。そのうちチェンバロ用の曲が16曲、オルガン用の曲が6曲現存していて、ここではチェンバロ用の16曲を名手エリザベス・ファーが説得力ある解釈とゆるぎない技巧で演奏しています。最後に収録されているBWV894のプレリュードとフーガは、逆に後年、フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲BWV1044の第1楽章と第3楽章へと転写された作品です。
8.572009
フランク:弦楽四重奏曲&弦楽五重奏曲
弦楽四重奏曲ニ長調FWV9
ピアノ五重奏曲へ短調FWV7
ファイン・アーツSQ
クリスティーナ・オルツィス(P)
ただただ何も考えずに音楽だけを聴いていたい。そんな時にオススメしたいのがフランクの室内楽作品です。余計な表題や形式などにとらわれることなく、ひたすらゆったりとした時間に身を任せるという贅沢な気分になれること間違いありません。弦楽四重奏曲は1889年から1890年の間に書かれた作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの影響も受けてはいますが、随所に現れる独特な節回しは、少しでもフランク(1822-1890)を知る人にとっては極めて懐かしいものとして耳に残ることでしょう。もちろん循環形式を用いて書かれています。1878年から79年にかけて書かれたピアノ五重奏曲はサン=サーンスに献呈されていますが彼は初演時のピアノ・パートを受け持ったものの、終演の際、献呈されたスコアを残したままステージから去ってしまったと言われています。恐らくサン=サーンスには晦渋過ぎたのかもしれませんが、一見冷たそうに見えるこの曲も聴きこめば聴きこむほどに味が増してきます。フォーレの五重奏曲と同じくオルツィスのピアノとファイン・アーツ四重奏団の演奏で。
8.572010
期待の新進演奏家シリーズ/ジェニファー・スタム〜ロッラ:ヴィオラ・ソナタ集
ヴィオラ・ソナタ第1番変ホ長調 Op.3-1
ヴァイオリンとヴィオラの為の二重奏曲イ長調 Op.18-1
ヴィオラ・ソナタ第2番ニ短調 Op.3-2
カプリッチョ第1番 ヘ長調
カプリッチョ第2番変ホ長調
カプリッチョとアル
ペジョト長調/ヴィオラ・ソナタハ長調
ジェニファー・スタム(Va)
コニー・シー(P)
リザ・フェルシュトマン(Vn)
若きヴィオラ奏者、ジェニファー・スタムははカレン・タトル、今井信子らに師事し、2005年度のジュネーヴ国際音楽コンクール、ヴィオラ部門で2位を獲得、世界的にその名を知られるようになりました。最近ではカーネギー・ホールやウィグモア・ホールを始め世界各国で演奏会を開き、ロンドンの王立音学院で教鞭を執るなど多彩な活躍をしています。ここで彼女が演奏している作品を書いたロッラ(1757-1841)はイタリアの名手で、パガニーニの師としても知られています。いかにもイタリア風の快活で光輝くような音楽は、スタムの「オパールのような輝きを帯びた音色」にぴったりとマッチ。
8.572013
ピッツェッティ:夏の協奏曲、他
夏の協奏曲(1928)<朝の祈り/夜想曲/ガリアルドと終曲>、ソフォクレスの「オイディプス王」への3つの交響的前奏曲(1904)、悲劇「クリテムネストラ」の2つの前奏曲より(1962-64)…世界初録音、管弦楽のための三部作「パンアテネの祭り」(1936)<前奏曲/パラスアテナの人々がダンスを踊る/行列の行進曲>…世界初録音
マイロン・ミカイリディス(指)
テッサローニキ州立SO
968年4月(ピッツェッティの死から2か月後)、音楽学者ウォーターハウスは「カセッラおよびマリピエーロと並ぶイタリア現代作曲家であるピッツェッティ(1880-1968)」に対する讃美の文章を発表しました。彼は1940年代にはファシズム政権と親しかったり、「皇紀2600年奉祝曲」(交響曲イ調)を作曲したりとユニークな経歴の持ち主でもあります。このアルバムには、彼の40年に及ぶ創作活動から生まれた珠玉の作品の中から世界初録音を含む4曲を収録しています。バロックの形式を踏襲した「夏の協奏曲」、初期の作品の中でもきわめて独創的な「交響的前奏曲」、他晩年の作品まで、現在決して人気が高いとは言えないピッツェッティの作品の偉大なる片鱗が明らかになることでしょう。
8.572014
ブライアン:交響曲第11番&第15番他
演奏会序曲「勇気のために」(1902-06)
喜劇序曲「メリーハート博士」(1911-12)
交響曲第11番(1954)
交響曲第15番(1960)
トニー・ロウ(指)、
エイドリアン・リーパー(指)、
アイルランド国立SO

※MARCO POLO8.223588移行盤
ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)(本名はウィリアム)は、独学で音楽を学び、小さな教会のオルガニストを務めていました。20歳になる前にエルガーの合唱曲に接し、当時の新作音楽を熱心に支持するようになります。作曲を始めた当初は、その作品を多くの聴衆に支持され順風満帆な作曲家人生を送るかと思われましたが、様々な事情でドロップ・アウト。生涯に32曲の交響曲を書きながらも、その作品はほとんど忘れ去られてしまい、現在でもごく一部の熱狂的なファンによって、偉大なる彼の業績が伝えられているに過ぎません。このアルバムには2つの交響曲と、彼のお気に入りであった「メリーハート博士」(変奏曲の形式で書かれている)、そして豪壮な「勇気のために」が収録されています。これを聴くことで一層ファンが増えること間違いありません。
8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
協奏的大ニ重奏曲Op.49
「ランメルモールのルチア」の主題による幻想曲Op.46
創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a
アダージョ・レリジオーゾOp.44
オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35
2つのサロン風小品Op.47-1
2つのサロン風小品Op.47-2
アナスタシア・ヒトルーク(Vn)
エリザベータ・コペルマン(P)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかっていません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者もいません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイオリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって21世紀に甦りました。
8.572020
ブライアン:交響曲集
交響詩「イン・メモリアム」(1910)
祝典舞曲/交響曲第17番(1960-1961)
交響曲第32番(1968)
エイドリアン・リーパー(指)
アイルランド国立SO

※MARCO POLO、8.223481より移行盤
1950年代までは、「謎の作曲家」とされていたハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)。彼はその生涯に32曲の交響曲を始め、管弦楽作品、オペラなど多くの作品を書いています。彼は才能に恵まれながらも、あまり勤勉でなかったためか、作品が上演されることがあまりなく、そのために一部の熱狂的なファンを除いては、その存在すらも忘れ去られかけていました。しかし、彼の最大の作品「交響曲第1番」が1961年にアマチュアを中心としたオーケストラで上演されるやいなや、そのあまりにも破天荒な曲が評判を呼び、再び脚光を浴びた人として知られています。このアルバムには2つの管弦楽作品と2つの交響曲が収録されています。さすがに第1番ほどの大掛かりな仕掛けはないにしても、交響詩「イン・メモリアム」の冒頭のファンファーレを聴くだけでも、確かに心躍る音楽です。この機会に再度見直してみたい作曲家です。
8.572022
ワイズマン:いろいろな声〜子供のための管弦楽入門 ヘイリー・ウェステンラ(独唱)、
スティーヴン・フライ(語り手)、
デビー・ワイズマン(指)RPO
新しい“青少年のための管弦楽入門”を書いてみたらどうだろう…ロイヤルPOのジェネラル・マネージャー、イアン・マクレイの一言で、すべては始まりました。ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」に代わる作品が生まれても良い時期ではないだろうかというこの提案に、イギリスのテレビ・映画界で積極的な活動を続ける女流作曲家デビー・ワイズマンが応えて生まれたのが、この「いろいろな声」です。作詞家のドン・ブラックが基本ストーリーを構想し、作家のアンドルー・ブレンナーがそれを脚色、さらにロビン・ショーがイメージ豊かなイラスト(初演時に舞台のスクリーンに投影されました)を描いて作品が完成しました。作曲者自身の指揮によって行われた初演では、イギリスを代表する俳優スティーヴン・フライがナレーションを担当し、ニュージーランドが生んだ世界的歌姫ヘイリーが純粋無垢な声で主題歌を歌いました。その演奏をライブ収録したのが、このCDです。
8.572023
ルイエ:リコーダー・ソナタ集
リコーダー・ソナタ ニ短調 Op.2-3
リコーダー・ソナタ ト長調 Op.1-3
リコーダー・ソナタ ハ短調 Op.3-5
リコーダー・ソナタ ハ長調 Op.1-6
リコーダー・ソナタ.ヘ短調 Op.4-2
リコーダー・ソナタ 変ホ長調 Op.3-7
リコーダー・ソナタ イ短調 Op.1-1
リコーダー・ソナタ ホ短調 Op.3-12
ダニエル・ロテルト(リコーダー)
ヴァネッサ・ヤング(Vc)
シェティル・ハウグサン(Cemb)
同時代に「ルイエ」と言う名前の音楽家が3人いたため、このジャン・バティスト・ルイエ(1688-1720)は、同名の従兄と区別するため、生まれ故郷の名をとって「ヘントのルイエまたはガンのルイエ」と呼ばれます。生涯のほとんどをフランスで過ごし、リヨンの大司教に仕えた事が知られる以外、彼の人生はほとんどわかっていません。しかし、数多くのフルートのための作品と、リコーダー作品は、今なお、高い人気を誇っています。コレッリのヴァイオリン・ソナタに影響を受け、そこに名人芸を加味したこれらの曲は、当時流行のイタリア様式とフランス様式を融合した、洗練された音楽です。ロテルトの素朴で暖かい音色は、聴いていてそこはかとない幸福感をもたらします。
8.572024
マルティヌー:ピアノ作品全集第6集
12のエスキース第1集H.203
戯シリーズ1H.205、
遊戯シリーズ2H.206
3つの抒情的小品H.98
ブラック・ボトムH.165
海辺の夕暮れH.128
無言歌ニ短調H.46
夜想曲H.95、悲しい歌ニ短調H.36
ジョルジョ・コウクル(P)
コウクルの弾くマルティヌーの第6集です。ピアニスト、コウクルは第4集をリリースしたあと、マルティヌーの失われた作品や、未発表の作品などを精力的に研究し、3枚分のCDに収録できるだけの作品を発掘したというのですから、まさにこれは歴史的偉業と讃えてもよいでしょう。ここに収録されているのは、マルティヌーのパリ時代の作品が中心ですが、例えば2セットずつまとめて作曲された「12のエスキース」や「遊戯」は出版される際にばらばらにされたため、「遊戯」の前半と「エスキース」の後半は忘れられてしまったとか。まだまだ、その全貌が知られているとは言い難いマルティヌーの魅力をすみからすみまで掘り起こしてくれるコウクルに感謝です。
8.572025
マルティヌー:ピアノ作品全集第7集
金髪姫のおとぎ話H.28
アンデルセンのおとぎ話からH.42
バラード-ショパンの最後の和音H.56
メリー・クリスマス1941H.286bis
小さな子守歌H.122bis
舞曲H.177/憑いている列車H.258
前奏曲H.178
牛の角から生まれたフォックストロット
春H.127ter/子供のための4つの小品H.221
一本の指を使ってH.185*
ジョルジオ・コウクル(P)/キアラ・ソラリ=コウクル(P)*
NAXOSが力を入れているコウクルによるマルティヌーのピアノ作品集もついに第7集となりました。10曲の世界初録音を含むこの曲集には若きマルティヌーがおとぎ話を元にして書いた2つの組曲で始まります。1910年に書かれた「金髪姫のおとぎ話」良く知られる「三匹のくま」が原型のように見えますが、実は若きマルティヌーが恋した少女にあてて書いたものだろうと推測されています。最初の曲はR.シュトラウスのエレクトラからの引用が現れたりとかなり攻撃的な曲調になっています。もっと広く聴かれて欲しい作曲家です。
8.572027
コルンゴルト:歌曲集第1集
3つの歌曲Op.22
不滅であることOp.27
道化師の歌Op.29
4つのシェイクスピアの歌Op.31
12の歌「神と父によって」
6つの歌Op.9〜第4番-第6番
追憶/ヴェスペレ/旅の歌/天才
ブリッタ・シュタルマイスター(S)
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
クラウス・シモン(P)
幼い頃から音楽の才能を示し、15歳の頃にはすでにプロの作曲家として活動していたコルンゴルト(1897-1957)。しかし彼は時代の波に揉まれ、その才能を存分に発揮することは結局かなわず、彼としては意に添わなかったであろう「映画音楽」の分野での活動が、ハリウッド音楽の源流とまでになったのは本当に皮肉なことでした。ここに収録された歌曲は彼が生涯を通じて愛していた分野です。とりわけ珍しいのは、彼が13〜14歳の頃に書いた「若き歌」です。1911年に父親へのクリスマス・プレゼントとして書かれた12の歌(本当はOp.5とされていた)は、彼の父親の意に添わず「歌の中に美徳なし」とされてしまい、結局Op.5は別の曲に付され、この歌曲集は出版の機会を失ってしまったのです。良い曲なのですが…。
8.572029
F.X.リヒター:室内ソナタ集第1集(1764)
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第1番ニ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第2番ト長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第3番イ長調
パウリーナ・フレッド(Fl)
ヘイディ・ペルトニエミ(Vc)
アーポ・ハッキネン(Cemb)
シンフォニア集(8.557818)でその典雅な世界へ聴き手を誘った、マンハイム楽派の作曲家フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)の室内ソナタ集です。時代的には複雑なバロック様式から、装飾の少ないギャラント様式へと移り変わる頃に活躍した人ですが、この1764年にニュルンベルクで公表された一連のソナタ集は、まだバロックのトリオ・ソナタの伝統に基づくものです。この12のソナタはヴァイオリン(もしくはフルート)、チェロの序奏付きのチェンバロ・ソナタとして書かれたものですが、実際に演奏してみるとヴァイオリンでは若干演奏不能な個所があり、これらの曲はフルートで演奏するべきではないかと思われます。北欧の名手たちによる春の陽だまりのようなどこもかしこも柔らかく美しい音楽です。
8.572030
F.X.リヒター:フルート、チェロとチェンバロのためのソナタ第2集〜室内ソナタ第4番-第6番(1764)
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第4番ハ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第5番ヘ長調
フルート,チェロとチェンバロのためのソナタ第6番ト短調
前奏曲ハ長調/アンダンテヘ長調
パウリーナ・フレッド(Fl)
ヘイディ・ペルトニエミ(Vc)
アーポ・ハッキネン(Cemb)
フランツ・クサーヴァー・リヒター(1709-1789)は、18世紀の作曲家でマンハイム楽派の最も重要な代表者の一人です。彼の作品はこの時代としては、かなり独創的であり、声部の処理や表情豊かなハーモニーには驚かされるばかりです。このソナタ集は第1集(8.572029)に続くもので、ここでもバロックのトリオ・ソナタの伝統に根差しつつも、それだけに留まることのない新しい時代の息吹を感じさせるソナタを聴くことができます。またこのアルバムには、彼の2つの鍵盤作品も収録。これらの作品は、どの楽器のために書かれたのかは不明ですが、当時の南ドイツやオーストリアのオルガンは足鍵盤を持たない簡便なものが多かったため、こういったオルガンの練習用に書かれたものではないか?と考える人もいます。ただし、このアルバムではハープシコードで演奏されています。まだまだ研究余地の多い作曲家だけに、これから先が楽しみです。
8.572031
ペンデレツキ:ウトレーニャ
ウトレーニャ(朝課)<第1部キリストの埋葬/第2部キリストの復活>
イヴォナ・ホッサ(S)、
アグニエツカ・レーリス(Ms)、
ピョートル・クシェヴィチ(T)、
ピョートル・ノヴァツキ(Bs)、
ゲンナジー・ベズベンコフ(Bs)、
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワ少年cho、ワルシャワPO
1962年に発表された「スターバト・マーテル」、そして1963年の「ルカ受難曲」に連なるペンデレツキ(1933-)の宗教的合唱作品である「ウトレーニャ」の登場です。始めてこの曲を聴いた人は、地の底から響くような合唱に身震いすることでしょう。しかし用いられた詩は、ロシア正教の早朝礼拝の典礼文だというから驚きです。(この曲を朝から聴くのは少々勇気がいることでしょう)第1部(名指揮者オーマンディに捧げられた)でキリストの埋葬を描き、第2部ではその復活を描いています。衝撃的な大音量に圧倒される部分も多いのですが根底を貫いているのは静かな神への祈り。聴き終わった時の脱力感がたまりません。
8.572032
ペンデレツキ:クレド
クレド(1998)<1.われは唯一の神を信ず/2.あなたは我ら人類のため/3.そしてあなたは/4.そして苦しみを受け/5.あなたの十字架を私たちは崇めます/6.そして聖書に書かれていたとおり/7.我は信ずる、主なる聖霊を/8.罪の赦しのためとしての/9.よみがえりと来世の命を待ち望む>
母校ヤゲロニカ大学をたたえるカンタータ(1964)
イヴォナ・ホッサ(ソプラノ1)
アガ・ミコライ(ソプラノ2)
エヴァ・ヴォラク(A)
ラファウ・バルトミンスキー(T)
レミギウシュ・ルコムスキ(Bs)
アントニ・ヴィト(指)
ワルシャワ・フィルハーモニーO&cho
ワルシャワ少年cho
1960年代のペンデレツキ(1933-)を知る人が、この「クレド」を聴いたら、あまりのロマンティックさに目を丸くするかもしれません。何しろ、冒頭から切なく激しくとも美しい響きに満ち、調性から逸脱することもないのですから。この音楽性の変容を拒否する人もいるかもしれませんが、祈りの心を伝えるには、このような調和に満ちた音楽も必要なのでしょう。「ペンデレツキらしさ」を求める人は、その30年ほど前に書かれたカンタータをどうぞ。こちらにはおなじみの破壊的な音が横溢しています。
8.572033
期待の演奏家シリーズ/ペトリット・チェクギター・リサイタル
バッハ:ソナタ第2番BWV.1003(W.デスパリー編)
レゴンディ(1822-1872):練習曲第6番ニ短調
レゴンディ
:練習曲第4番ホ長調
アセンツィオ
(1908-1979):バレンシア風組曲)
ロドリーゴ(1901-1999):ギターのための牧歌
ペトリット・チェク(G)
またもや、ぴっちぴちの若手ギタリストのご紹介です。2007年、ミケーレ・ピッタルーガ・ギター・コンクールの優勝者チェク。彼は1985年ブリズレン生まれの23歳。2002年にザグレブに移り音楽の勉強を続けました。この頃より各地のコンクールを次々と制覇国際的にも注目を浴び始めました。最近ではバルエコやブローウェルらの指導も受け、ますます期待を一身に集めている人です。ここではバッハ、ロドリーゴなど多面的な作品を熱演。天から与えられた才能を見せ付けます。
8.572034(2CD)
バルバトル:ハープシコードのための音楽集
クラヴサンのための小品集第1集第1番-第8番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第5番ト長調/ガヴォット・ロンドト短調/ソナタト長調>
エスクリナック
ラモー:歌劇「ピグマリオン」より(バルバトル編)<序曲/パントマイム/ジグ/コントルダンス>
クラヴサンのための小品集第1集第9番-第17番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第2番ヘ長調/メヌエット第1番&第2番/ソナタヘ長調「カッコウ」/バディヌイ長調/ソナタ第6番ヘ長調>
前奏曲/マルセイエーズによる行進曲と「サ・イラ」
エリザベス・ファー(ハープシコード)
「自由・平等・同胞愛」を基本的理念に掲げたフランス革命は、それまでの市民の生活を一変させました。貴族たちの支配する社会から民主主義へ。毎夜ロココ調の音楽を奏でていた宮廷音楽家たちも、貴族たちと運命を共にするか、またはいつしか革命家を演奏するようになっていきます。そんな激動の時代を生きたバルバトルの作品は、まさに「音で聴くフランスの変遷」と言えるでしょう。オルガニストの父を持つ18人兄弟の16番目の息子であった彼は、父の友人であったクロード・ラモー(ジャン・フィリップの弟)の弟子となり、その才能を伸ばしていきます。その後、ヴェルサイユでの華々しい活躍中に革命に巻き込まれ、奇跡的に処刑をまぬがれたものの、亡くなるまでの10年間は貧困生活を送ったのでした。アルバムの最後に収録されている「行進曲」は1792年に書かれたもの。
8.572036
シューベルト:ドイツ語歌曲集第31集/疾風怒濤期の詩人たち
シューベルト:古いスコットランドのバラード「エドワード」D.923(第2版)、真夜中にD.464、義務と愛D.465、クローエに寄すD.462、婚礼の歌D.463、万霊節の日のための連祷D.343、真珠D.466、オルフェウスの歌D.474、ハガールの嘆きD.5、私のクラヴィアに寄せてD.342、ある兵士に寄せる挽歌D.454、朝焼けに寄せるリラD.273、ロルマ(第1作)D.327、歌「そんなにも快く」D.284、死に寄せてD.518、ますD.550(第4版)
ツムシュテーク(1760-1802):ハガールの嘆き
カロリーネ・メルツァー(S)、
コンスタンティン・ヴォルフ(バス=バリトン)、
ウルリヒ・アイゼンロール(P)
1767年からおよそ20年続いた「疾風怒濤」の時代は文学史上重要な時期とされ、理性に対する感情の優越を主張し、それまでの古典的な形式からロマン派へと続く、強い感情を持ち合わせた作品が多く生まれたことでも知られています。文学ではシラーやゲーテ、音楽では中期のハイドンがこの時期に活躍、それぞれ個性的な作品を書いています。ここに収められたのは、その時期に書かれた詩にシューベルト(1797-1828)が作曲した歌曲です。中でも興味深いのはバラード「エドワード(エドヴァルト)」。第3稿の決定稿と違い、第2稿では最後まで母と息子が一緒に歌うことはありません。母を歌うメルツァーの恨み節も聴きもの。心が芯まで冷える思いを味わうことができるでしょう。
8.572037
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲集
ァイオリン協奏曲第3番ロ短調Op.61
ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調Op.20
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ長調Op.58
ファニー・クラマジラン(Vn)
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
当時としては独創的な作品を作ったにも拘わらず、その穏健な作風のせいか、イマイチ評価されにくい、フランスの作曲家、サン=サーンス(1835-1921)です。彼の書いた曲はどれも精巧で、才能に溢れていて、すごく心に残るメロディも多くあるのですが、あまりにも良い曲過ぎるのでしょうか。気持ち良さとともに、耳をすり抜けてしまうことがしばしばです。有名なヴァイオリン協奏曲第3番の第2楽章も、切なく歌うヴァイオリンが心に深くしみ入ります。演奏者は、2005年のフリッツ・クライスラー・コンクールで優勝したフランス生まれのクラマジラン。繊細な音色と強靭な表現で、曲の真実の姿をあますことなく伝えます。
8.572038
リース:フルートとピアノのための作品集
感傷的なソナタOp.169
序奏とポロネーズOp.119
フルートとピアノのためのソナタト長調Op.87
ポトガルの讃歌による変奏曲Op.152-1
ウーヴェ・グロット(Fl)
マッテオ・ナポリ(P)
ベートーヴェンの弟子であり、また古典派とロマン派を繋ぐ作曲家として人気の高いリース(1784-1838)。彼は交響曲作家、あるいはピアノ曲の作曲家として良く知られていますが、室内楽もなかなか素晴らしいものを残しています。その中で、フルートの小品は、主に教養あるアマチュア演奏家のために書かれたもので、魅惑的なメロディと煌めくようなピアノ伴奏が魅力です。これらの4つの作品は彼がイギリスへ旅行した頃(1813-1823年)の作品とされ、極めて充実した内容を持っています。当時はこのような作品が数多く書かれたのでしょうが、やはりベートーヴェンの弟子たるプライドもあったのでしょうか。単なる技巧的な作品だけでは終わらないところがさすがです。
8.572039
レンディーネ:交響曲集
交響曲第1番、
交響曲第2番「アンドラ」(世界初録音)
マウリツィオ・コンティ(指)
オルケストラ・ナショナル・クラシカ・ダンドラ(ONCA)
声楽作品集「受難と復活」(8.557733)が、その斬新な作風で一部のファンの間に衝撃を与えたイタリアの作曲家レンディーネ(1954-)。今作では管弦楽作品でその真価を問います。交響曲第1番は、まるで映画音楽のように色彩的で迫力ある音楽が展開する作品。もちろんメロディも調性もしっかり有しています。第2番は、フランスとスペインに挟まれた小国アンドラ政府からの委嘱作。この国の自然、文化、伝統を音で表現した意欲作です。
8.572040
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第1集
ピアノ三重奏曲 第26番 嬰ヘ短調 Hob.XV:2
ピアノ三重奏曲 第24番 ニ長調 Hob.XV:24
ピアノ三重奏曲 第25番 ト長調 Hob.XV:25
10-11.ピアノ三重奏曲 第31番 変ホ長調 Hob.XV:31
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
マリン・ブローマン(Vn)/イェスパー・スヴェドベルグ(Vc)/サイモン・クローフォード・フィリップス(P)>
ハイドンはその生涯にピアノ三重奏曲を41曲以上書いたとされています。ここに収録された4曲は、ハイドンの創作の絶頂期である1794年から1795年にかけて作曲されたもので、2回目のロンドン訪問を行った時期です。小規模ながらも、熟達の書法を見せるこれらの作品はロンドン在住の未亡人レベッカ・シュレーターのために書かれ、彼女に捧げられています。彼女の存在は、60歳を越えたハイドンの創作意欲を高め、作品の上にも大いなる実りをもたらした事は間違いありません。事情が許せば、結婚も考えていたというハイドンですが、残念ながら彼には「本妻」がいたため、それは叶うことのない夢に終わりました。全曲に漂う夢のような甘い雰囲気は、そんな気持ちを現わしているのかもしれません。
8.572041
R・シュトラウス:ヨゼフ伝説、他
「ばらの騎士」組曲Op.59,TrV227d
「影のない女」による交響的幻想曲TrV234a
ヨセフ伝説からの交響的断章TrV231a
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の「ばらの騎士」を聴いたことがあっても、「影のない女」までは中々手が届かない人が多いのではないでしょうか。ましてや、中期の隠れた迷作「ヨーゼフ伝説」に至っては、そんな作品あったの?くらいにしか認識されておりません。モーツァルトの「魔笛」を意識して書かれた「影のない女」は、魔界と人間界を行き来して織りなされるファンタジー色溢れる作品で、当然オーケストラの書法も凝ったものとなっていて、壮麗さと透明さを併せ持つ素晴らしい響きに満ちています。かたや「ヨーゼフ伝説」は、あのディアギレフの依頼によって書かれた1時間ほどのバレエ音楽。シュトラウスはその中から3分の1ほどの曲を新たに汲み上げ、この魅力的な作品へと昇華させました。これらを演奏するのはNAXOS期待の女性指揮者ジョアン・ファレッタです。「ばらの騎士」組曲では金管楽器の咆哮に若干の不満が感じられるものの、「影のない女」の厚みのある響き、それに相対するかのような「ヨーゼフ伝説」での室内楽的な透明感あふれる音色は言葉に尽くせないほどの満足感が得られます。
8.572048
ツェムリンスキー:抒情交響曲Op.18、
ベルク:抒情組曲〜3つの小品(弦楽合奏版)
ローマン・トレーケル(Br)、
トワイラ・ロビンソン(S)、
ハンス・グラーフ(指)ヒューストンSO
しい人を奪われたマーラーに対して、終生尊敬と恨みの思いを抱き続けたであろうツェムリンスキー(1871-1942)の代表作であるこの曲は、テキストこそインドの詩を用いてはいるものの、明らかに「大地の歌」の影の中にあるのは周知の事実です。2人の独唱者によって歌われる狂おしい愛の世界を彩る管弦楽の響きは、爛れた果物の甘さと香りそのもの。爛熟した時代を克明に映し出した「大人のための童話」です。そして、この曲から生まれたベルク(1885-1935)の抒情組曲の頃、世界は暗黒の時代を迎えていくことになります。
8.572050
ストコフスキー:交響的編曲集第2集
バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV565
アリオーソBWV1056/目覚めよと呼ぶ声ありBWV645
主イエスキリストわれ汝を呼ぶBWV639
トッカータ、アダージョとフーガハ長調BWV564より「アダージョ」
我がイエスいかばかりの魂の痛みBWV487/神はわが堅き砦BWV80
主よ人の望みの喜びよ
平均律クラヴィア曲集第1集第24番前奏曲ロ短調BWV869
シチリアーノBWV1017
パレストリーナ:キリストよわれらは御身をあがめ
バード:パヴァーヌとジグ
ラーク:トランペット・ヴォランタリー
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲より「メヌエット」
マッテゾン:ハープシコード組曲第5番ハ短調より「エア」
ハイドン:弦楽四重奏曲ヘ長調〜「アンダンテ・カンタービレ」
バッハ:平均律クラヴィア曲集第1集より第2番フーガハ短調BWV847
ホセ・セレブリエール(指)ボーンマスSO
ストコフスキーは、バッハの作品をおよそ40曲、現代の華麗な管弦楽作品へと変身させました。第1 集(8.557883)での多彩な響きで驚いた耳を更に驚愕させるこの第2集には、バッハ以外の作曲家の作 品も収録、オーケストラの芳醇な音色がどっしりと詰まっています。セレブリエールの繰り出す魔術 のような棒さばきはまさに、あの有名な幻想的映画を彷彿させますね。 愛の喜びが一杯に詰まった幸せの歌、これ以上美しいものがあるだろうか?
8.572051
シューベルト:管弦楽版「死と乙女」
弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」(アンディー・シュタイン編曲管弦楽版)
交響曲第8番ロ短調「未完成」(ブライアン・ニューボールドによる4楽章版)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
「死と乙女」の編曲版と言えばマーラーのものがよく知られていますが、あちらは弦楽合奏版。こちらは、4本のホルン、2本のトランペット、およびティンパニーまでを用いた大規模な編成で再構築されています。従来の形で慣れている人にはかなり違和感を与えるでしょう。しかしシュタインは「この素晴らしい室内楽から新しい交響曲を形成しようと試みた」と語ります。確かに聴き込むうちにこれが本来の姿に違いないと思えてくるではありませんか。未完成交響曲にはシューベルト(1797-1828)の手帳に書かれていた断片をもとにしたスケルツォと、ロザムンデのための音楽の断片を用いた終楽章が付け加えられています。これが真の形だ!と信じるのは聴き手の自由に任されています。
8.572059
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第2集
交響曲第2番(1926-1955)
ゲーラ・ジュンケイロの読書の後に
人工楽園
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
2008年にリリースした第1集(8.570765)が大好評。ポルトガルの知られざる巨匠、フレイタス・ブランコの管弦楽作品集第2 集は、交響曲第2番を中心に収録した1枚です。この曲はグレゴリオ聖歌、ブルックナーのスケルツォ、セザール・フランク、 ドビュッシーなど様々な音楽から影響を受けているようで、異なった要素を絶妙に組み合わせた噛みごたえのある作品と言え るでしょう。R.シュトラウスの交響詩を思わせる「ゲーラ〜」、阿片愛好家の告白から喚起された「人工楽園」、どれもがブラ ンコの最高傑作と言えるでしょう。
8.572060
期待の新人演奏家シリーズ〜マーティン・ダイラ/ギター・リサイタル
ロドリーゴ:スペインの野辺を通って、タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲、
ニコラス・モウ:ミュージック・オブ・メモリー、ポンセ:ソナタ・ロマンティカ「シューベルトへのオマージュ」
マルツィン・ディラ(G)
ポーランド生まれの若きギタリスト、マルツィン・ディラの注目すべきアルバムです。彼は1996年から2007年までに国際的なギター・コンクールで19回も1等賞を受賞するという快挙を成し遂げ、現在ではクラクフとカトヴィチェ、コブレンツの音楽学校の教授をしています。スペイン、メキシコ、ポーランド、そしてイギリスの4つの国のギター作品を演奏、曲にあったすばらしい演奏を聞かせます。
8.572061
ニエミネン:フルート協奏曲「パロマー」他
「パロマー」(フルート協奏曲)(2001)<日没/夜、古代の人々と鳥たち>、
「影を通して、古えの声を聞く」(クラリネット協奏曲)(2002)、
薄暮の小道(1995)
パトリック・ガロワ(Fl)、
ミッコ・ラーサッカ(Cl)、
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
フィンランドの現代作曲家、ニエミネン(1953-)の作品集です。彼の音楽はどんな「主義」とも一致することはありません。見たまま、経験したままを音として表わす、いわば「音楽による絵画」です。このフルート協奏曲はパトリック・ガロワのために書かれた作品で、古代のメロディが現代的なフォルムを纏って立ち現れます。庭でさえずる鳥の声、星のささやきなどを歌うフルートの音色を柔らかく包み込む多彩な楽器群。この親密で透明な空気感がたまりません。
8.572062
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第30番変ホ長調Hob.XV:30
ピアノ三重奏曲第27番ハ長調Hob.XV:27
ピアノ三重奏曲第28番ホ長調Hob.XV:28
ピアノ三重奏曲第29番変ホ長調Hob.XV:29
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
【マリン・ブロマン(Vn)
ジェスパー・スヴェドベリ(Vc)
シモン・クロウフォード=フィリップス(P)】
ハイドンの室内楽作品は、その巧み過ぎる作曲語法が却って音楽ファンを遠ざけている傾向があり、これらのピアノ三重奏曲も「好きな人にはたまらない」曲集であっても、大抵の人は「ちょっとねぇ」と敬遠してしまうのではないでしょうか。しかし、実際に聞いてみると、その独創性と多様性にはまることは間違いありません。このクングスバッカ・ピアノ三重奏団の演奏は第1集(8.572040)でも見事なハイドン像を構築していましたが、この第2集でも、4つの作品の関連性を紐解きながら、素晴らしい解釈でこれらを演奏しています。第27番から29番までは、第1集と同じく、ロンドンで出版されたもの。ロンドンで名ピアニストとして評判をとっていたテレーズ・ジャンセン(当時25歳?)に献呈されています。第30番はイギリスからウィーンに戻ってきた1976年に書かれたもので、熟練の香りが漂う名品です。この曲は誰にも献呈されていません。
8.572063
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第3集
ピアノ三重奏曲第21番ハ長調Hob.XV:21
ピアノ三重奏曲第22番変ホ長調Hob.XV:22
ピアノ三重奏曲第23番ニ短調Hob.XV:23
ピアノ三重奏曲第14番変イ長調Hob.XV:14
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
【メンバー:マリン・ブローマン(Vn)
イェスパー・スヴェドベルグ(Vc)
サイモン・クローフォード=フィリップス(P)】
第1集(8.572040)、第2集(8.572062)に続くクングスバッカ・ピアノ三重奏団によるハイドンのピアノ三重奏曲、第3集です。第21番から第23番までは1793年から94年にかけて作曲されたとされていて、出版は訪問先のロンドンで行われました。一度はエステルハージ家から離れるも、結局は楽長に再就任したハイドンですが、この2つの曲も、当時のエステルハージ公ニクラウス2世の妻マリーに捧げられています。円熟した曲想とピアニスティックな書法が見られる整った作品群です。第14番はその少し前に書かれたもので、ピアノ・パートに比重が置かれた作品です。第2楽章のアダージョの美しさは絶品です。
8.572064
期待の新人演奏家シリーズ〜ラファエル・アギーレ・ミニャーロ/ギター・リサイタル
ソル:幻想曲Op.16、
イベール
:アリエッテ、フランセーズ、プーランク:サラバンド、
オアナ(1913-1992):ティエント、
ラウタヴァーラ
:パルティータ、
ヴィラ=ロボス
:練習曲第7番、練習曲第12番、
クレルチ
(1965-):センティミエント、
 イェマヤ、スケールの練習曲、
タルレガ
:ベニスの謝肉祭による変奏曲
ラファエル・アギーレ・ミニャーロ(G)
2007年国際タルレガ・ギター・コンクールの優勝者アギーレ=ミニャーロは、1984年マラガに生まれ7歳からギターを始めました。マスタークラスでは、ブローウェルやバルエコ、D・ラッセルなどに指導を受け、各地のコンクールで次々と勝利を重ね、その才能に磨きをかけています。このアルバムではソルの「うつろな心」変奏曲や、ラウタヴァーラのモダンな作品などを思いのままに演奏、変幻万化の表情を見せてくれます。
8.572065
パイジェルロ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調
ピアノ協奏曲第3番イ長調
ピアノ協奏曲第5番ニ長調
フランチェスコ・ニコロージ(P)
ルイジ・ピオヴァーノ(指)カンパニアCO
1740年イタリアのタラントに生まれたパイジェルロ(1740-1816)は、もともと神学校で歌手として認められ、後に幕間劇を書き作曲家として名声をあげてからオペラの作曲に勤しみました。ナポリで一連の成功作を発表し、1776年にエカチェリーナ2世に招かれサンクトペテルブルクの宮廷に赴き8年間を過ごします。この間にあの「セヴィリアの理髪師」を作曲し一世を風靡したのですが、パイジェルロが没した年に、同じ題材でロッシーニが書いたオペラの方が人気が出てしまい、以降彼の作品のほとんどは忘れ去られてしまったのです。このピアノ協奏曲はモーツァルトを意識して書かれたとされますが、どちらかというと自らの技巧の誇示のためでなく、後援者である貴族たちのために書かれたもののようですが、随所に現れる卓越したピアノの書法と類い稀なる美しいメロディはこれらの作品の存在価値を否が応でも高めてくれています。
8.572066
ヘルマン:「3つの狂詩曲」「組曲ニ短調」他
《ヘルマン》
3つのヴァイオリンのためのブルレスケト長調Op.9
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第1番ニ短調Op.2
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第2番ト長調Op.5
3つのヴァイオリンのための狂詩曲第3番イ長調Op.13
ヴァイオリンとチェロのための華麗なる大二重奏曲ト短調Op.12
3つのヴァイオリンのための組曲ニ短調Op.17
《アイヒホルン》
パガニーニの「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲:世界初録音
ロッシーニの「モーゼ」の主題による華麗なる変奏曲:世界初録音
レート・クッペル(Vn)
アレクシア・アイヒホルン(Vn,Va)
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
フリードリヒ・ヘルマン(1828-1907)の作品は、現代ではヴァイオリンとヴィオラを学ぶ人たちの必須アイテムです。彼はメンデルスゾーンが設立したライプツィヒのコンセルヴァトワールで学び、1848年にはここの教授に任命されました。多くの作品を書いていますが、曲よりもヴァイオリン奏法について書いた著作の方が知られているのは何とももったいない話です。冒頭の民謡「かわいいアウグスティン」のメロディを使った3台のヴァイオリンによるブルレスケでの魔法のような音は、一度聴いたら忘れられない感動です。一方、ヨハン・ポール・アイヒホルン(1787-1861)の作品は、全て世界初録音。ここで素晴らしいヴァイオリンを演奏しているアレクシアとフリーデマンの係累にあたるとか・・・。
8.572067
タネーエフ:交響曲第2番&第4番
交響曲第2番変ロ長調(V.ブロクによる補筆完成版)
交響曲第4番ハ短調Op.12
トーマス・ザンデルリンク(指)
ノヴォシビルスク・アカデミックSO
「ロシアのバッハ」として、ラフマニノフやチャイコフスキーも一目置いていたタネーエフ(1856-1915)の交響曲を2曲お聴きください。未完に終わった第2番の交響曲は、モスクワ音楽院の学生だった時に書き始められた若書きの作品です。教師であったチャイコフスキーは1875年に書きあげられた第1楽章で彼の天分を認め、全曲書きあげるように説得したのですが、結局2年経っても完成せず、1877年に終楽章のスケッチが出来ただけでした。第1楽章はアントン・ルービンシュタインによってモスクワで演奏されたのですが、ルービンシュタインのお気に召さなかったようで、チャイコフスキーは「あまり気にしないように」と助言したそうです。その20年後に書かれた第4番の交響曲は、タネーエフの最も素晴らしい管弦楽作品の一つです。
8.572068
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第1集
オスナ・エンカルナチオン修道院写本のソナタ*
サンタ・クララ修道院写本のソナタ*
モンセラート修道院写本のソナタ
ペドロ・カザルス(P)

※*=世界初録音
1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラは、父親がオルガン奏者、おじがサルスエラ作曲家という音楽一家に育ちました。父から音楽の手ほどきを受けた彼は、16歳の時に当時経済的聴きにあったセビリヤを離れ、マドリッドで活動を始めます。しかし経済的な援助をしてくれていたおじが2年後に亡くなると、またセビリヤに戻り、大聖堂のオルガン奏者として父親の後を引き継ぎ、数多くの鍵盤楽器用ソナタを書きました。NAXOSでは彼の170ほどある現存する作品を3集にわけて全てリリースする予定です。
8.572069
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第2集
モンセラート修道院写本のソナタ
<第6番ホ短調/3-4.第7番ヘ長調…世界初録音/第8番ハ長調…世界初録音/第9番イ短調…世界初録音/第10番ハ長調…世界初録音/第11番イ長調…世界初録音/第12番ヘ長調…世界初録音>
ワシントンD・C国会図書館写本のソナタ<第1番ハ短調/第2番変ロ長調>
ペドロ・カザルス(P)
第1集(8.572068)に続く、1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラのソナタ集です。今回はモンセラート修道院とワシントンDCの国会図書館で保存されていた譜面に基づいた演奏です。研究者でもあるペドロ・カザルスによると、彼の作風は主題や構造の複雑さで3つの期間に分けることができるそうで、最後の作品はワシントンDCに保存されている6つのソナタ(作曲家存命中の1780年に出版)のようですが、まだ彼の全貌が見えてくるまでには時間がかかりそうです。
8.572073
ガルシア・アブリル:アストゥーリアスの母〜アストゥーリアス語歌曲コレクション
ヴァケイラス、私の戸口の前で立ち止まらないで、昨日泉の前であなたを見た.私は港に上陸する、私は水兵ではない、彼女は私に向かって叫んだ、ナランホ・デ・ブルネス山、叫ぶな娘よ叫んではいけない、失われた星、坊や眠りなさい、雷鳥の歌、オレンジの蕾が花開く、水の精よさようなら、アストゥーリアスの母
ホアキン・ピクサーン(T)、
ローサ・トレス=パルド(P)
1933年、生ハム「ハモンセラーノ」で知られるスペインの小都市テルエルで生まれたガルシア・アブリルはマドリッドで学び、協奏曲、管弦楽曲など多くの作品を作曲、現代スペインを代表する大作曲家となっています。この歌曲集では同じくスペインの一都市アストゥーリアスの民族音楽を元に、その特徴的な地形(複雑な海岸線、聳え立つ険しい山地)を音楽によって描くことに成功しています。しかしながらアストゥーリアス語と訊くと、何だか難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれませんが、ここで聴ける歌はどれも人懐こくて親しみ易いものばかり。聴いたら誰もが好きになってしまうに違いありません。
8.572074
トーニ:室内楽作品集
「墓場なき死者」による3つの習作Op.31(1950)、フルート・ソナタOp.35(1953)、
ヴァイオリン・ソナタOp.37(1955)*、
ギターとチェロのための小品(1959)*、
フルートとギターのための5つの小品(1975/76)、弦楽三重奏曲(1978/80)、
ピッコロのための2つの前奏曲(1980/81)
ローナ・ウィンザー(S)、
エクス・ヌォーヴォ・アンサンブル、
アルド・オルヴィエート(P)、
ダニエレ・ルッジエリ(フルート&ピッコロ)、
カルロ・ラッツァーリ(Vn)、
マリオ・パラディン(Va)、
カルロ・テオドーロ(Vc)、
ピエロ・ボナグーリ(G)
*=世界初録音。カミッロ・トーニ(1922-1993)は20世紀イタリアの作曲家です。若き頃にはカセッラたちと学び、様々な技法を習得しました。(ピアノはアンフォッシとミケランジェロに学んでいます)しかし彼の作風は後期ロマン派の様式を有し、そこには明らかにシェーンベルクの影響が見て取れます。このアルバムには彼の30年間の仕事が収められていて、彼の愛した詩人や作曲技法を伺い知ることができます。サルトルの詩を用いた「3つの習作」は、歌のメロディはフランス風で全音階的ではなく半音階的。4つの音符の音列を用いて曲を発展させることに力を注いでいるようです。
8.572075
ルエダ:ピアノ作品集
メフィスト(1999)
ピアノ・ソナタ第1番「水の戯れ」(1991)
インヴェンション(抜粋)(2003)
ピアノ・ソナタ第2番「ケチャック」(2005)
24のインターリュード(2003)
アナンダ・スカルラン(P)
現代スペインで最も精力的にピアノ曲を作っているのは、このヘスース・ルエダ(1961-)ではないでしょうか?とはいえ、彼のピアノ曲はまだまだ録音されることがほとんどありません。そうです!ここに収録された作品を聴いてみてください。例えばあのラヴェルと同名の「水の戯れ」はいかがでしょう。ラヴェルでは七色の色彩を放っていた水が、このルエダの作品では、まるで体中に浴びせかけられるようなな直截的な音楽が楽しめます。インヴェンションでの落ち着かない動きは、まるで小動物を見ているかのよう。全てに広範囲な技巧と絶妙なペダリングを求められる演奏困難な作品ばかりですが、その効果は存分にあらわれています。これはスゴイ。
8.572076
ブレトン:アンダルシアの情景、他
アンダルシアの情景
「グスマン・エル・ブエノ」より前奏曲
「ドロレス」より前奏曲/
「ガリン」〜前奏曲とサルダナ
「テルエルの恋人たち」〜前奏曲
アルハンブラにて
ミゲル・ロア(指)マドリッド・コミュニティO
現在ではほとんど忘れ去られてしまったサルスエラの巨匠、ブレトン(1850-1923)の音楽。あまりにも親しみやすい音楽だったから、却って嫌われてしまったのでしょうか?1875年から1896年(彼が最も名声を得ていた時期)に書かれた4つの序曲もさることながら「アンダルシアの情景」の、いかにも。といったスペイン臭さにまみれる楽しさと言ったら!これはもう「スペインのアンダーソン」とでも呼ぶ他ありません。トラック2がオススメです。
8.572077
ブゾーニ:ピアノ作品集第6集
リスト=ブゾーニ:「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
ピアノ・ソナタへ短調Op.20K204
前奏曲とアルペジョの練習曲K297
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニ(1866-1924)のピアノ作品集第6集は、彼の初期の作品から2つの大きな作品を中心に収録しています。リストの「幻想曲とフーガ」はもともとリストがマイアベーアの「予言者」のメロディを基に作曲したオルガン曲で、リスト自身「2台ピアノ」での演奏は想定していたようですが、まさかピアノソロに編曲されるとは思いもよらぬものだったのではないでしょうか。ブゾーニの編曲はリストの原曲にほとんど忠実なもので、もちろん技術的にも困難なものを要求していることは間違いありません。彼の編曲の腕前を存分に堪能できるはずです。ピアノ・ソナタはブゾーニが10代半ばに書きあげた大作ですが、1980年代まですっかり忘れ去られていました。ロマン派後期の音楽の特徴溢れる意欲的な曲で、ブラームスと、アントン・ルービンシュタイン双方の影響を感じさせる劇的で壮大なロマンティシズムに溢れています。前奏曲とアルペジョの練習曲は、不安気な音が交錯する晩年の作品。飛び交う音の粒を支える不気味な低音部が一種異様な雰囲気を醸し出しています。
8.572078
フバイ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調「コンチェルト・ドラマティーク」Op.21
チャールダーシュの情景第3番「マロシュ川」Op.18
チャールダーシュの情景第4番「おいでよカティ」Op.32
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調Op.90
クロエ・ハンスリップ(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)ボーンマスSO
ハンガリー生まれと言っても、実はユダヤ系ドイツ人であるフバイ(1858-1937)(本名はオイゲン・フーバー)。フランス語圏で生活していた二十歳の頃から、好んで「マジャル風」の姓名を名乗るようになったそうで、すっかりハンガリーの作曲家として定着しています。ヨアヒムに教えを受けた名ヴァイオリニストとして活躍し、ヴュータンと親交を結ぶ他に、演奏活動ではチェリスト、ダヴィッド・ポッパーと室内楽演奏のパートナーを組んでいました。第1番の協奏曲は1884年に作曲され、ヨアヒムに捧げられています。名手カール・フレッシュも絶賛した情熱的な作品です。第2番は1900年前後の作品で、輝かしい行進曲調の主題で始まります。ヴァイオリンのメロディは一層情熱的になり、美しいラルゲットを経て、喜ばしい終楽章を迎えます。
8.572082
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
ショスタコーヴィチの交響曲第11番は、1905年の「血の日曜日事件」を題材とした切れ目なく演奏される4つの楽章からなる作品です。映画音楽を得意とするショスタコーヴィチ(1906-1975)の面目躍如と言った曲で、4本のホルン、多くの打楽器、チェレスタ、ハープなど大編成のオーケストラを用いて阿鼻叫喚の地獄絵図を描いています。革命歌や自作の合唱曲からの引用も多く極めて政治色の強い作品であるために、ソ連崩壊後までは正しく評価されていなかったと言われています。ペトレンコの演奏は悲惨さを直接描くというよりも、この曲に冷徹な眼差しを注ぎ、極めて客観的に演奏することで却って悲劇的な雰囲気を醸し出すことに成功したと言えるのではないでしょうか。
8.572083
ブレイク:ピアノと弦楽器のための作品集
ヴァイオリン・ソナタOp.586、
ヴァイオリンとピアノのためのペニリオンOp.571、
ピアノ四重奏曲Op.179、
ヴァイオリンとピアノのためのジャズダンスOp.520a
マデリーヌ・ミッチェル(Vn)、
ハワード・ブレイク(P)、
ジャック・ロトスタイン(Vn)、
ケニス・エセックス(Va)、
ペーター・ウィルソン(Vc)
ハワード・ブレイク(1938-)の名前を知らなくても、あの映画「スノーマン」の物悲しいメロディだったら知っている人も多いのではないでしょうか?映画音楽の作曲家として高名な人で多数の曲を書いていますが、ここで聴けるのはどちらかと言うとクラシック寄りの作品です。天性のメロディストらしく、どれもが美しく伸びやかな旋律に満たされています。ピアノ四重奏曲はまるでフォーレの作品を聴いているかのような錯覚にとらわれるかも知れません。静かな癒しをもたらしてくれそうな1枚です。
8.572088
リース:ピアノ協奏曲集第4集
ピアノ協奏曲第5番ニ長調「田園風」Op.120
ピアノ協奏曲第4番ハ短調Op.115
序奏と華麗なるロンドWoO54
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロット(指)ボーンマスSO
AXOSのリース(1784-1838)のピアノ協奏曲もこれで第4集目となります。第5番のタイトル「田園風」は、彼自身が名付けたもので、彼の3曲あるタイトル付きの協奏曲の中の1曲ですが、他の2曲とは違い、最初に出版されたスコアに付されていたものです。このタイトルを聴いて誰もが思い出すのは、ベートーヴェンの「田園交響曲」でしょう。もちろんリースもこの曲を良く知ってはいましたが、別に影響されたわけではないようで、当時のボヘミアとオーストリアには、「牧歌的」なイディオムがそこら中にあったと考える方が正しいようです。タイトル通り、平和で美しい音楽です。もろん、時として爆発する瞬間もありますが。それに比べ、ハ短調の協奏曲は調性の特性もあってか、かなり劇的に始まりますが、終楽章が予想外にのどかなのも面白いところです。1835年に書かれたロンドは、当時流行の「自らの技巧を誇示するために最適」な作品。こんな良いものが出版されなかったのが不思議です。
8.572089
ヴィット:交響曲ハ長調「イェーナ」他
交響曲ハ長調「イェーナ」
交響曲イ長調/フルート協奏曲ト長調Op.8
パトリック・ガロワ(Fl&指)
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ
ベートーヴェンと同じ年に生まれたドイツの作曲家、チェリスト、ヴィット(1770-1836)の交響曲をどうぞ。これを聴いたらあまりの素晴らしさに打ちのめされること間違いありません。彼はカントールの息子として生まれ、ロゼッティに学び、チェロ奏者として活躍、1793年と1794年にはクラリネット奏者のヨゼフ・ピールとともに演奏旅行をし、1796年にはウィーンで大喝采を浴びました。ヴュツルブルク劇場の音楽監督も務め、劇場用に多くのオペラを書きましたが、残念なことにそのほとんどは失われてしまったのです。知名度こそありませんが、これらの楽曲の楽しい事。音が艶々し、どこもかしこもぴかぴか磨きあげられているかのようです。
8.572093
ヴァイオリン・ソナタ集
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタト長調
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタロ短調P.110
グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ
フレデリーケ・サイス(Vn)
モーリス・ランメルツ・ファン・ビューレン(P)
20世紀の偉大なる作曲家3人のあまり知られていないヴァイオリン・ソナタを3曲集めたアルバムです。ラヴェルのソナタは厳粛な美と悦楽のブルースの幸せな出会いの歌。彼の最後の室内楽曲として知られます。レスピーギの作品はこんなにも素晴らしいのに、必要以上に軽視されてしまっています。グラナドスの単一楽章のソナタはスペインの民俗音楽とロマン派音楽の美しき融合です。演奏しているサイスはオランダ出身の若手女性奏者。2005年ロン・ティボー国際コンクールの覇者です。しなやかな音楽性が魅力的です。
8.572095
トヴェイト:管楽合奏のための音楽集
シンフォニア・ディ・ソフィアトーリ
クリスティアン・フレデリック王子の名誉行進曲
ブルックの古いミル
自由への賛歌
シンフォニエッタ・ディ・ソフィアトーリOp.203
ハルダンゲルの100の旋律Op.151より(ノードハゲン編)〈第2組曲「15の山の歌」より
第4組曲「結婚組曲」より
第5組曲「トロール」より〉
ビャルテ・エンゲセト(指)
ノルウェー王国海軍軍楽隊
2008年はノルウェーの作曲家トヴェイト(1908-1981)の生誕100年でもありました。あまり知られていないですが、かなり気の毒なエピソードの多い人で積雪によって書斎が倒壊し、その10年後、今度は自宅火事で焼失、書きためた多くの作品が燃え尽きてしまったという悲運の作曲家です。NAXOSでは彼の作品を積極的に復興、録音していますが、このアルバムはそれらを吹奏楽で演奏するというちょっと変わり種。夢のように儚くて美しい曲が、新たな装いで甦る瞬間にぜひお立ち会いください。
8.572096
ガルビス:チストゥとピアノのための作品集
古き時代のサン・ゼバスティアンの6つの歌(チストゥとピアノ編)
バスク組曲第1番/バスク組曲第2番
4つのゾルツィコ/山の影
4つの伝統的なギプコアの踊り(チストゥとピアノ編)お集まりの皆様に挨拶を!
ホセ・イグナシオ・アンソレーナ(チストゥ&タンブリル)
アルバロ・センドージャ(P)
「チストゥって何?」と思われた方も多いのではないでしょうか?これはバスクに伝わる舞曲用の小型のフルートです。3つの穴を持ち片手で演奏できるため、空いたもう片方の手で打楽器などが演奏可能という優れものです(ちなみにビゼーの「アルルの女」の“ファランドール”で使われるガルベも同種の楽器です)。バスクの作曲家ガルビス(1901-1989)は、鄙びた音色を持つこの楽器とピアノ、そして、こちらもバスクの特有の楽器であるタンブリル(双頭のドラム)の音色を合わせ、実に楽しい音楽を作り上げました。ここで演奏しているのは、バスク地方で最も名高いチストゥ奏者(タンブリル奏者でもあります)ホセ.I.アンソレーナ。聴いているだけで元気になれそうな楽しい1枚です。
8.572097
ヒル(1869-1960):弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第4番ハ短調
弦楽四重奏曲第6番ト長調「子どもたち」
弦楽四重奏曲第8番イ長調
ドミニオンSQ

8.572102
地に平和を〜クリスマス・アンソロジー
ホルスト:クリスマスの朝
ジュベール(1927-):かくも麗しいバラはない
マティアス:サー・クリスマス
ハウエルズ:ここに小さな扉がある/穢れなきバラ
フィンジ:地に平和を
ウォーロック:3つのキャロル[ティルリー・ティルロー/バルラロウ/プラタナスの木の下で]
レイトン(1929-1988):キリスト降誕祭の賛歌
ラター:なんて甘い音楽
ガードナー:明日は踊りましょう
マティアス:ひとりのみどり子が生まれた
ヴォーン・ウィリアムズ:四季の民謡〜「冬」<子どもたちのクリスマスの歌/クリスマスの宴の歌/ベツレヘムにて/神の祝福>
ジュリア・ドイル(S)
ロデウィック・ウィリアムス(Br)
マーク・ウィリアムス(Org、チェレスタ、P)
ロンドン市cho
デイヴァン・ウェットン(指)ボーンマスSO
1年で最も大切な祝祭日であるクリスマスのために古来から様々な合唱作品が書かれてきたのはご存知の通りです。荘厳な祈りから小さな子どもたちの素朴な歌まで、この神聖な日のために数えきれないほど多くの歌が歌われてきました。イギリスのキャロルは、最初は13世紀頃にフランスから伝えられた小さな舞曲が発祥。14世紀から15世紀に100曲あまりが作曲され主に女子修道院で歌われたようです。そんな素朴な歌が、時代を経るに従って複雑な声部を纏い、壮麗な形へと発展していくのですが、その根底に流れるのは全て「喜び、感謝」の気持ちです。街の喧噪を離れ、一人静かに良き日に思いを馳せるための極上の1枚です。
8.572103
ホワイトボーン:ルミノシティーと合唱作品集
コレギウム・レガーレ<マニフィカト/ヌンク・ディミティス>
アレルヤ・ユビラーテ/4.デズモンド・ツツの祈る人
彼は別れの精神で私に施す
生命の水の純粋な川/永遠の休息
公正さと明るさはただ一つ
ここには音も言葉もない
ルミノシティ<ルクス・イン・テネブリス/変わりゆく情景/沈黙/生物/ダイヤモンドの城/美についての問い/全てのものは全て善く>
クリストファー・ジレット(T)
アンドラーデ・レヴァイン(va)
ヘンリー・パークス(org)
デズモンド・ツツ(ナレーター)
ステファン・ジョーンズ(ターンブーラ)
アンドリュー・カー(perc)
マシュー・ベリー(指)コモーショ
サクソフォンと合唱音楽の作曲家として主にBBCで活躍するイギリスの現代作曲家、ホワイトボーン(1963-)の感動的な合唱作品集です。このアルバムではケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団のために書かれた最新の作品を始め、古代の詩から、インドの古典詩、そして南アフリカの平和主義家で1984年のノーベル平和賞受賞者であるデズモンド・ムピロ・ツツをフィーチャーした祈りの歌まで、様々な表情の作品を聴くことができます。彼の音楽は本当に単純明快で、複雑なハーモニーを重んじるのではなく、その気になれば一緒に祈りを捧げるのも可能なほどに判りやすいメロディです。聴き手の心にまっすぐに飛び込んでくる美しいメロディを演奏するのは、オクスフォード室内合唱団の中でも現代的レパートリーを得意とするグループ、コモーショです。
8.572104
パリー:別れの歌
詩篇第122番「私は歓喜した」Op.51
グレート・サーヴィス〜「マニフィカト」
グレート・サーヴィス〜「ヌンク・ディミティス」
別れの歌/人々よ私の言葉を聞きたまえ
ユディト〜長き間エジプトの豊穣な土地で
エルサレム
マーク・ローリンソン(Br)
マンチェスター大聖堂cho
ジェフリー・マキンソン(org)
クリストファー・ストークス(指)
イギリス音楽の伝統をしっかりと受け継ぐこれらの合唱音楽を作ったのはヒューバート・パリー卿(1848-1918)。彼の名前は現代でこそ忘れ去られてしまいましたが、イギリス国内では不動の人気を誇っています。まるで教会の中に光が降り注ぐような荘厳な数々の合唱曲は、人間の心の根源に眠る何かを呼び起こすかのような高揚感を味わわせてくれるでしょう。ウィリアム・ブレイクの詩のために創られた「エルサレム」は吹奏楽のレパートリーとしてもおなじみです。
8.572105
期待の新進演奏家シリーズ〜ニコラス・アルトシュテット
ピエルネ:チェロ・ソナタヘ短調Op.46
ブーランジェ(1887-1979):3つの小品
ダンディ:歌Op.19(チェロとピアノ編)
チェロ・ソナタOp.84
ピエルネ:エクスパンシオンOp.21/カプリースOp.16
ニコラス・アルトシュテット(Vc)、ジョゼ・ガラルド(P)
1982年生まれのアルトシュテットは、すでにいくつかのCDもリリースしている期待の若手チェリストです。ベルガメンシチコフとゲリンガスに師事し、2005年ドイツ音楽コンクール、及びシュトゥットガルト国際チェロ・コンクール、そして2006年アダム国際コンクールなどいくつものコンクールでも優勝。その実力は誰もが認めるところです。このNAXOSでのデビュー盤はピエルネとダンディ、ブーランジェの作品を演奏しています。ロマン派と印象派の境目にあるかのようなピエルネのチェロ・ソナタ、古いフランスの舞曲形式を踏襲したダンディの作品、薄氷の上に築かれるかのような繊細な面持ちのブーランジェの作品と、同じ「フランス音楽」とひとくくりにはできないような多彩な表情を持った曲たちを、柔軟な歌い口と艶やかな音色で歌いあげてます。
8.572106
ランペル:室内楽作品集
弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタ
弦楽六重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、
前奏曲とシャコンヌ「バッハへのオマージュ」
パリジー四重奏団
セバスティアン・リスレル(P)、
ウプサラ・チェンバー・ソロイスツ、
レジス・パスキエ(Vn)、
エマニュエル・シュトロッセ(P)、
アンリ・ドマルケット(Vc)
ウェーデンの現代作曲家、ランペルの作品集です。「音楽は聴く前から始まっていて、最後の音が消えてもずっと続いている」という考えを持つ彼の説を具現化したとも言える作品群は、それぞれ「既にある作品への敬意を示すこと」としての体裁を持っています。例えばそれは、タイトル通りのバッハの賛辞であったり、弦楽六重奏はあからさまにシェーンベルクの影をなぞっていたりと、古典派の形式の再現であったり、なかなか興味深いものを備えています。聴きながら「何かを探す」ことに熱中しそうな48分をお届けいたします。
8.572107
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第13集
ソナタ.イ長調K.65/L.195/P.142
同ニ長調K.160/L.15/P.131
同ト長調K.125/L.487/P.152
同ホ短調K.232/L.62/P.317
同ニ長調K.416/L.149/P.454
同ト長調K.71/L.81/P.17
同ニ長調K.164/L.59/P.274
同ト短調K.35/L.386/P.20
同ニ長調K.534/L.11/P.538
同ハ短調K.22/L.360/P.78
同ヘ長調K.205/L.S.23/P.171
同変ロ長調K.529/L.327/P.533
同ニ長調K.491/L.164/P.124
同ロ短調K.197/L.147/P.124
同ホ長調K.28/L.373/P.84
同ハ短調K.363/L.160/P.104
ワン・チューファン(P)
大大好評、ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)の同第13集です。NAXOSでは各々のアルバム毎に違うピアニストを起用し、それぞれの個性も打ち出しています。今回演奏しているのは、中国の若き才能、ホワン・チューファン。彼女は2005年のクリーヴランド国際ピアノ・コンクールで1位を獲得し、ヴァン・クライバーン国際コンクールではファイナリストとなった注目の人です。すでに世界的な演奏活動を行っており、日本でも室内楽のコンサートを開いています。全体的にしっとりとした風情があり、重みのある打鍵、美しい音色が印象的。大人の風格を感じさせてくれます。
8.572108
隠された空き地他
G.ジェイコブ(1895-1984):組曲変ロ長調(シンフォニック・ウィンド・バンド版)(1979)
J.スタンプ(1954-):隠された空き地に〜イン・ザ・ヒド・クリアリング(2001)
コープランド:リンカーンの肖像(管楽アンサンブル版・・・ビーラー編)(1942)
グレインジャー
:楽しい鐘の音(バッハ:カンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」BWV208による編曲)
グレインジャー
:カントリー・ガーデンズ(スーザ編)
ガーシュウイン
:キャットフィッシュ・ロウ(D.ハンスバーガー編)
アルヴィン・チアー(ナレーター)、
ジョー・エッラ・トッド(S)、
デリック・フォックス(Br)、
トーマス・オニール(指)
ミズーリ大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
最近のNAXOSが力を入れている「吹奏楽」のジャンルにまた新たな名盤が登場いたしました。今作もマニアにはたまらない選曲となっています。ジェイコブの「組曲」は最初ブラスのために書かれましたが、後にもう少し大きな編成へと書き直されたもので、何とも親しみやすい作品です。「隠された空き地に」は、このバンドの指揮者オニールのために書かれた作品。作曲家と指揮者の友情を描いたということです。他の編曲集はまさに妙技の一言。グレインジャー、スーザ、バッハ、ガーシュウインらの才能が混然一体となったスゴイ音が楽しめます。
8.572109
パッセージ〜吹奏楽のための音楽
シュワントナー(1943-):反動(2004)、
グレイ(1949-):パッセージ(2005)、
バセット(1923-):キルスティンのための子守歌(1985)、
トゥリン(1947-):ノアのための子守歌(2007)、
ジヴコヴィッチ(1962-):地球の中心からのおとぎ話(2007)
ヨゼフ・アレッシ(Tb)、
ベンジャミン・トス(Perc)、
グレン・アドシット(指)ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブルはその卓越した技術と革新的なプログラミングで、現在最も注目を浴びている団体の一つです。今までに11の作品の世界初演を行い、その作曲者はシュワントナー、コルグラス、タワー、ブライト・シェン、他錚々たる顔ぶれです。共演したソリストもトロンボーンのJ.アレッシ、ユーフォニアムのJ.ジャクソンをはじめとした現代最高の奏者たちばかり。今回のアルバムでも、アレッシが驚くほどの名技を披露しています。トスのパーカッションも涙が出るほどスゴイ。
8.572110
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第33集(パート・ソング第3集)
酒宴の歌「友よ、輪になれ」D75
愛の精(第2作)Op.11-3/D747
夜うぐいすOp.11-2D724
酒宴の歌「さあ、みんな陽気にやれ」D267
坑夫の歌D268/小さい村D641
ポンスの歌D277/今過ぎ去る現在D710
酒宴の歌「兄弟たちわれらが人生の行路」Op131-2D148
弁護士D37/春の歌(第2作)Op.16-1D740
美しき夜にOp.81-3D903/墓(第3作)D377
月の光D875/矛盾Op.105-1D865a
夜の明かりOp.134D89
マルクス・シェーファー(T)
マーカス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マーカス・フライク(Bs)
マルクス・シュミードル(Bs)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
第1集(8.570961)、第2集(8.570962)が大好評、シューベルト(1797-1828)のパート・ソングの第3集です。ここに収録されているのは、全て男声のための作品です。当時のドイツの風潮からしても、女声を含んだ曲に比べると男声のための作品の方がレヴェルが高いことは否めません。男たちは事あるごとに酒場に集い、歌っては友好を深め、また愛国心を深めていたに違いありません。「歌う社会」はほとんどの町の中で形成され、彼らのアンサンブルのための曲は幾つあっても足りなかったことでしょう。もちろんシューベルト自身がその「歌う社会」の中の住人だったことも忘れてはいけません。そんな理由で(女性としては悔しいですが・・・)このような素晴らしい作品が数多く生まれてきたのです。
8.572111
偉大なる映画音楽集2
D.エルフマン:「バットマン」メインテーマ
H.マンシーニ
:「ピンク.パンサー」メインテーマ
L.シフリン
:ミッション・インポシッブル組曲
F.レイ:「ある愛の詩」よりテーマ
J.ウィリアムス:「ジュラシック・パーク」よりテーマ
N.ロータ:「ロメオとジュリエット」メインテーマ
J.ウィリアムス
:「スーパーマン」よりマーチ
G.ヤレド:イングリッシュ・ペイシェント
N.ロータ:ゴッド・ファーザー
J.ウィリアムス
:「スーパーマン」より愛のテーマ
K.バデルト:「カリブの海賊」メインテーマ
S.マイヤーズ:「ディアハンター」よりイントロダクションとカバティーナ
C.デイヴィス
:「フランス軍中尉の女」メインタイトルテーマ
S.ワーベック
:「シェイクスピアの愛」メインテーマ
カール・デイヴィス(指)ロイヤル・リヴァプールPO
これは文句なしに楽しめる1枚です。どの曲もほんの2秒聴いただけで映画の名場面が目の前に浮かびます。どきどきするような「バットマン」や「スーパーマン」のテーマ、弦のすすり泣きで、ついつい涙ぐんでしまいそうな「ある愛の詩」や「ゴッドファーザー」。どこから聴いても驚きと感動が押し寄せてきます。「ジュラシック・パーク」もあの有名なメロディが出てくると背中がぞくぞくすること請け合いです。カール・デイヴィスの編曲は原曲の持ち味を一切壊すことなく、その上にゴージャス感を付けくわえています。第1集(8.570505)も好評発売中。
8.572112
ドヴォルザーク:交響曲第7番&第8番
交響曲第7番ニ短調Op.70
交響曲第8番ト短調Op.88
マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
マリン・オールソップによるドヴォルザーク(1841-1904)交響曲シリーズの第2弾です。今回は第7番と第8番の2曲です。1985年に作曲された第7番は、ブラームスの第3番の交響曲が随所に認められるも、極めてスラヴ的で甘酸っぱい感情を有した名作です。第2楽章の天上的な美しさに聴きほれる人も多いはずです。かたや第8番は同じくブラームスの第4番との関係性が指摘されることもありますが、旋律のひなびた美しさはドヴォルザークならではのもの。かつては「イギリス」と呼ばれることもありましたが、現在ではその名はほとんど使われません。牧歌的な第1楽章、溌剌とした第2楽章、つい一緒になって歌ってしまいたくなる第3楽章のテーマ、そして自由な間奏曲の形式で書かれた終楽章と聴きどころ満載です(フルート好きにはたまらない場所があるのもブラームスの4番と共通していますね)。オールソップの演奏は、一音たりともおろそかにしない、恐ろしく緊密なもの。全ての音がクリアに聞こえてくる様子には驚く他ありません。
8.572113
20世紀の児童合唱集
H.スケンプトン:ブタが飛べた
ブリテン:コーパス・クリスティ・キャロル
タヴナー:われらの父よ
ヴォーン=ウィリアムズ
:フィデルのための挽歌
P.M.ディヴィス:はしけの番人
ブリテン:5月/コルプ:花の歌
ブリス:ハタオリドリは悲嘆を満足させる
ラター:大地の美のために
ベネット:昆虫の世界
モウ:
キャリコのパイ他
ロナルド・コルプ(指)
ニュー・ロンドン児童cho、
アレクサンダー・ウェリス(P)
児童合唱。その穢れのない澄んだ声は何世紀にも渡って教会音楽の中で好んで使われてきました。しかしここに収録された作品は、子どもたちの可能性を更に伸ばしつつ、新しいジャンルへ挑戦する喜びを感じさせてくれるものばかりです。14人の作曲家たちによる楽しくて魅力的な作品を歌うのはニュー・ロンドン児童合唱団。驚くほど見事なハーモニーと子どもらしいユニークな表現に驚くほかありません。
8.572114
シューベルト:ミサ曲第5番変イ長調D678
マニフィカト.ハ長調D486
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(S)
ベッティナ・ランチ(A)/リ・ミンウ(T)
ドミニジュ・ケーニガー(Bs)
イモータル・バッハ・アンサンブル
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO
シューベルト(1797-1828)のミサ曲の中でも「最も美しく創造的」と言われる第5番です。未完成交響曲と同じ時期に書かれた作品で、管楽器、とりわけ木管楽器の扱いには目を見張るものがあります。流動的なハーモニーが魅力的で、何より全編に曇りなき明るさが満ちているのが特徴です。大気を漂うようなキリエ。躍動感溢れるグローリア、例外的な悲しみを帯びたサンクトゥス、ソリストたちの清冽な歌唱が印象的なアニュス・デイと聴きどころ満載です。ブルックナーのミサ曲にも通じる重厚な風格も帯びています。マニフィカトはスコアに1816年9月の記載がありますが、その前年に書かれた可能性が示唆されています。ルカ伝のマリアが神に感謝する祈り言葉がテキストに使われた祝祭的な曲で一部にオリジナルの聖歌が使われています。モルテン・シュルト=イェンセンの真摯かつ手慣れた指揮棒が、全曲を鮮やかに描きだします。
8.572118
フランツ・シュミット:交響曲第4番ハ長調
「軽騎兵の歌」による変奏曲
ヴァシリー・シナイスキー(指)マルメSO
NAXOSのフランツ・シュミット・シリーズもこれで第4集。今作は、1932〜33年に書かれた交響曲第4番がメインです。この頃のシュミット(1874-1939)は、私生活でも悲しい事件続きで、もともと不安定だった健康状態まで悪化してしまいました。中でも最初の結婚でもうけた一人娘エマ(1899年生まれ)が、初めての出産で命を落としてしまったことが、かなりの打撃だったようです。そのため、この交響曲第4番は、娘エマへのレクイエムであり、曲全体にも胸が張り裂けるような悲しみが漂っています。1楽章形式ですが、全体は4つの部分に分けることができ、第1部の終わりで聴こえてくる波打つようなハープは、天使の羽ばたきとも思える美しさです。第2部では葬送行進曲風の楽想、第3部では壮大なフーガ、そして第4部で最初の主題が帰ってきて、この充実した全曲をしめくくります。かたや、1930年にクレメンス・クラウスの指揮によりウィーン・フィルで初演された「軽騎兵の歌」による変奏曲は軽快な主題と重厚なハーモニーが楽しめる、後期ロマン派特有のまったり感と聞きごたえに満ちた作品です。
8.572119
フランツ・シュミット:交響曲第3番他
交響曲第3番イ長調/シャコンヌニ短調
ワシリー・シナイスキー(指)マルメSO
オーストリアで活躍した作曲家、フランツ・シュミット(1874-1939)の第3番の交響曲です(第1番と第2番は8.570828、8.570589で発売中)。この作品は1927〜28年にシューベルト生誕100年の記念祭のために作曲され、ウィーンPOに捧げられています。古典的な形式で書かれていますが、曲想はとても感傷的で、とりわけ第1楽章は半音階進行を多用した流動的なテーマに彩られ、不安定でとりとめのないメロディは、どことなく聴き手を落ち着かなくさせるでしょう。落ち着いた第2楽章、活動的なスケルツォを経て、終楽章はコラールのような重々しいテーマで幕を開けます。Allegrovivaceに転じてからもせわしなく動く低音部は強迫観念のように耳から離れることがありません。併録のシャコンヌは1933年にクレメンズ・クラウス指揮のウィーンPOによって初演された作品。古風な旋律が豊かな音で彩られていく様からは、まるで奇跡のような美しさを感じさせます。
8.572120
エネスコ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.24-1
組曲第3番「即興的小品」Op.18〜<コラール/鐘の夜想曲>
組曲第2番ニ長調Op.10
マテイ・ヴァルガ(P)
20世紀最高のヴァイオリニストの一人、ジョルジェ・エネスコ(1881-1955)。彼はパリで学び、自作にルーマニア民俗音楽を取り入れたことでも良く知られています。彼のピアノ曲はあまり知られていませんが、魅力的な作品が多く、このアルバムが再評価のきっかけになることを祈るばかりです。1924年に作曲されたピアノ・ソナタは彼が休暇で訪れたカルパチア山で完成させたもので、第2楽章の特徴的なリズムが印象的な作品です。調性感は弱いものの、得も言われぬ抒情性を帯びたメロディは聴き手を引きつけて離しません。組曲は、もう少し前に書かれた作品ですが、こちらもかなり個性的。例えば「鐘の夜想曲」での倍音を模した響きはありそうでなかった音色です。後のメシアンを予感させる多元的な音色とでも言えましょうか。
8.572121
ハイドン:ミサ曲第1集スターバト・マーテルHob.XXbis アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
スティーヴン・サンズ(T)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
レーベル・バロックO
1761年、西部ハンガリー有数の大貴族、エステルハージ家の副楽長という仕事を得たハイドン(1732-1809)ですが、当時老齢だった楽長のグレゴール・ヴェルナーが1766年に死去した後、ようやく楽長へと昇進することができました。その最初の大きな仕事として作曲されたのが、有名な第3番のチェレンシス・ミサと、この「スターバト・マーテル」でした。これは、ハイドンの前任者であるヴェルナーが確立した、聖金曜日にGrabmusik(「重大な音楽」)を演奏するという伝統を継承したためで、ハイドンは入念な準備をして素晴らしい作品を作り上げました。当時はペルゴレージやスカルラッティの同名作品が書かれており、この作品もそれらに肩を並べる壮麗で美しい曲となっています。
8.572122
ハイドン:ミサ曲集第2集
ミサ曲第3番ハ長調「聖チェチリアのミサ」Hob.XXII:5
キリエ/グローリア
クレド/サンクトゥス
ベネディクトゥス/アニュス・デイ
ニューヨーク・トリニティ教会cho
J.オーウェン・バーディック(指)レーベル・バロックO
このミサ曲はハイドン(1732-1809)がエステルハージ公のために書いた最初のミサ曲です。スターバト・マーテル(8.572121)と同様に、当時のウィーンの様式で1766年頃に書き始められました。最初は恐らくキリエとグローリアのみが演奏されたようですが、後の1770年代中ごろになって、クレド以降が付け加えられたらしいと研究が進んでいます。明快で荘厳な合唱で始まるキリエはすぐに快活な表情を持ち、ソロで歌われる「クリステ・エレイゾン」をはさみ、精巧なフーガへと進んでいきます。次の長いグローリアは8つの部分に分けられ、華麗な祈りの音楽が展開されます。「クレド」、「サンクトゥス」「ベネディクトゥス」と続き、最後は「アニュスデイ」の「ドナ・ノビス・パーチェム」の大フーガで曲を締めくくります。まさに感動的な音楽がここにあります。
8.572123
ハイドン:ミサ曲第3集
ミサ曲第6番ト長調「聖ニコライ・ミサ」Hob.XXII:6
ミサ曲第11番ニ短調「ネルソン・ミサ」Hob.XXII:11
アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
スティーヴン・サンズ(T)
ダニエル・ムトル(T)
リチャード・リポルド(Bs)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
レーベル・バロックO
エステルハージ候ニコラウスの聖名日のために作曲された、初期の傑作「聖ニコライミサ」は1772年の作品です。この年は、あの有名な「告別交響曲」が書かれた年。ニコラウス侯の夏の休暇が例年よりも延びてしまったことに対して、その作品で不満を訴えたハイドン(1732-1809)。その意向を汲んで楽員たちを解放したニコラウス侯。そのお礼も込めてこのミサ曲が書かれたとも言われています。もう1曲は、ハイドン自身が「深き悲しみのミサ」と呼んだ劇的な作品です。ネルソン率いる艦隊がナポレオンの艦隊を打ち破ったという報を訊いたハイドンが、その感激のあまり、ベネディクトにトランペットのファンファーレを付け加えたことから「ネルソン・ミサ」と呼ばれます。この演奏は、オリジナル楽器によるもので、既発のドラホシュ盤(8.554416)との聴き比べも興味深いところです。
8.572124
ハイドン:ミサ曲第4集
ミサ曲第8番ハ長調「ミサ・チェレンシス」(マリアツェル・ミサ)Hob.XXII:8
ミサ曲第10番ハ長調「戦時のミサ」Hob.XXII:9
アン・ホイット(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ニール(T)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)ルベル・バロックO
マリアツェル修道院のために書かれたミサ曲「ミサ・チェレンシス」は1782年に作曲されましたが、この当時ハイドン(1732-1809)はほとんどミサ曲を書くことがありませんでした。この曲より以前に書かれたのは1775年頃の小オルガン・ミサですし、この曲の次に書かれたのは1796年の「戦時のミサ」です。そのどちらも宮廷のために書かれたのではないところも面白いところです。曲は輝かしく大規模で、楽器の使い方などにも独自性があり、ハイドンの校訂者として名高いランドンはこの曲をとても高く評価しています。もう1曲の「戦時のミサ」はオーストリアがナポレオンの脅威にさらされていた1796年に作曲されたもので、ティンパニの使い方が特徴的な名曲です。
8.572125
ハイドン:ミサ曲第5集
ミサ曲第2番変ホ長調「祝福された聖処女マリアへの讃美のミサ(大オルガンミサ)」Hob.XXII:4
ミサ曲第8番変ロ長調「オッフィーダの聖ベルナルドの賛美のミサ」Hob.XXII:10
アン・ホイット(S)
ルーシエン・ブラケット(A)
ヘイティン・チン(A)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
スティーヴン・サンズ(T)
ダニエル・ムトル(T)
リチャード・リポルド(Bs)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ドンショク・シン((Org)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ルベル・バロックO
1768〜69年頃、ハイドン(1732-1809)がエステルハーツィ候ニコラウスに仕え始めた頃に書かれた「ミサ曲第2番」はアイゼンシュタットのベルク教会のために作曲されたとされています(聖母マリアの祝日のために演奏された後は、聖ヨゼフの日にも使いまわされたようです)。全編に渡ってオルガンが活躍するため「大オルガンミサ」と呼ばれます。ハイドン自身がオルガンを演奏し、喝采を浴びたのではないでしょうか?曲調も全体的に明るく、快活で喜びに満ちた美しいものです。そのほぼ30年後に書かれた「オッフィーダの聖ベルナルドの賛美のミサ」は、サンクトゥスの部分に古い聖歌が使われていることで「ハイリゲ・ミサ」としても知られています。一度はロンドンに永住しようと考えたハイドンですが、結局ウィーンに戻り、この曲が書かれた1796年にはエステルハーツィ家の楽長に再就任、2代目当主のために書かれたミサ曲です。合唱パートがとりわけ充実していて、60歳を超えたハイドンの旺盛な創作意欲が感じられる傑作です。
8.572126
ハイドン:ミサ曲集第6集
ミサ曲第1番ヘ長調「ミサ・ブレヴィス」Hob.XXII:1
ミサ曲第12番変ロ長調「ハルモニー・ミサ」Hob.XXII:14*
アン・ホイット(S)
ジュリー・リストン(S)
リチャード・リポルド(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ルベル・バロックO

ナコル・パルマー(S)*
ニーナ・ファイア(S)*
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)*
ダニエル・ムトル(T)*
マシュー・ヘンスラッド(T)*
アンドリュー・ノーレン(Bs)*
ニューヨーク・トリニティ教会cho*
ジェーン・グローヴァー(指)ルベル・バロックO*
「ミサ・ブレヴィス」とは「小さなミサ」という意味。1749年、変声期を迎えた17歳のハイドン(1732-1809)はそれまで活躍していた聖歌隊を去らなくてはいけませんでした。この時、彼が今までの音楽的成果を表すために作曲したのがこの曲だと言われています。知識不足を補うため、彼は当時有名な作曲家であったポルポラに会い、イタリアの音楽様式について学んだのもこの時期です。小さいながらも充実した書式で書かれた溌剌とした音楽です。一方、第12番「ハルモニー・ミサ」は1802年、70歳の時の作品。ハイドン最後のミサ曲で、すでに「天地創造」や「四季」などの傑作をものにしていた彼ならではの堂々とした作品です。1802年9月8日。エステルハージ公爵夫人の命名日を祝う日のための演奏会で初演されました。ここでいう「ハルモニー」とは木管合奏の意味。充実した管楽器の響きが随所に現れる感動的な大作です。ニューヨーク・トリニティ教会合唱団の艶やかな歌声が胸に迫ります。ミサ曲の番号表記は、ブライトコプフ社の旧全集での通し番号に拠ります。
8.572127
ハイドン:ミサ曲集第7集
ミサ・ブレヴィス.ヘ長調Hob.XXII:1(1805年復元版)
ミサ曲第11番変ロ長調「天地創造ミサ」Hob.XXII:13*
アン・ホイット(S)/ジュリー・リストン(S)
リチャード・リポルド(Bs)
ナコル・パルマー(S)/ニーナ・ファイア(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ムトル(T)
マシュー・ヘンスラッド(T)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
オーウェン・バーディック(指)
ジェーン・グローヴァー(指)*
ルベル・バロックO
1805年、73歳を迎えたハイドン(1732-1809)は、若かりし頃に書いた「ミサ・ブレヴィス」にフルート、クラリネット、ファゴット、トランペット、そしてティンパニを加え、豊かな響きに改作しました。これは当時彼の作品を出版していたブライトコップ&ヘルテル社の依頼に応じて、若書きの作品に手を加えたのですが、結局のところ出版されることはなかったようです。もう1曲の「天地創造ミサ」は、オラトリオ「天地創造」の引用があるため、この名前で呼ばれます。女帝マリア・テレジアの聖名日である1801年9月13日に初演された晩年の作品で、流麗なメロディと力強さに溢れた秀作です。
8.572128
ハイドン:ミサ曲集第8集
ミサ曲第5番変ロ長調「神なる聖ヨハネのミサ・ブレヴィス」(小オルガン・ミサ) Hob.XXII:7*
ミサ曲第10番変ロ長調「テレジア・ミサ」Hob.XXII:12
アン・ホイット(S)*
ドンショク・シン(Org)*
ニューヨーク・トリニティ教会cho*
オーウェン・バーディック(指)ルベル・バロックO*

ナコル・パルマー(S)
キルステン・ゾレク=アヴェラ(A)
ダニエル・ムトル(T)
アンドリュー・ノーレン(Bs)
ニューヨーク・トリニティ教会cho
ジェーン・グローヴァー(指)
レーベル・バロックO
ハイドン(1732-1809)のミサ曲全集の第8集です。こちらでシリーズは完結となります。「小オルガンミサ」は1775年頃の作曲で、エステルハージ家の本拠地であるアイゼンシュタットの「慈悲の友修道会」のために書かれています。この教会の修道士たちは、医者としても高い能力を有していて、音楽の治癒力にも絶大なる信頼を置いていました(現在でもリハビリ施設のある病院として知られています)。ハイドンも胃の万能薬を始め、ハーブティー、歯磨き粉などを与えられたそうです。この教会はとても小さかったため、ミサも必然的に小さいものとなったようです。もう1曲の「テレージア・ミサ」はフランツ1世の妃マリア・テレージアのために書かれたと言われていますが、現在ではこれは否定されています。彼女は献呈を受けたのではなく、溺愛するハイドンのミサ曲を自ら蒐集し、コレクションの中に加えていたのでした。1799年、ハイドンの円熟期の充実したミサ曲です。なおミサ曲の番号表記は旧全集に拠っています
8.572129
ワイルド・ナイツ!〜吹奏楽のための作品集
ティケリ(1958-):ワイルド・ナイツ!(2007)、
ズベイ
(1964-):シャドウ・ダンス(2006)、
ブリアント(1972-):ダスク(2004)、
エテザディ
(1973-):アナヒタ(2005)<夜間飛行/ナイトメア/眠りと静寂〜光の到来>、
マッケイ(1973-):ソプラノ・サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲<前奏曲/フェルト/金属/木材/フィナーレ>
ヴィンセント・グノジェク(ソプラノSax)、
スコット・ワイズ(指)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル
カンザス大学吹奏楽部の素晴らしい演奏で、21世紀に書かれたバリバリ新作をぶいぶい聴いてしまう凄アルバムです。多くの受賞歴のあるティケリの「ワイルド・ナイツ」はエミリー・ディキンソンの詩に触発された愉快な曲。マッケイのソプラノ・サックス協奏曲は、彼の師であるコリリアーノのクラリネット協奏曲へ敬意を払ったという作品。他にも夜の女神「アナヒタ」を描いたエテザディ、ブリアント、ズベイと吹奏楽マニアにはおなじみの作曲家の渾身の作が並びます。
8.572130
ハイドン:交響曲集第34集
交響曲第62番ニ長調Hob.I:62
交響曲変ロ長調Hob.I:107(シンフォニアA)
交響曲変ロ長調Hob.I:108(シンフォニアB)
序曲「変わらぬまこと」Hob.Ia:15
序曲「薬剤師」
ケヴィン・マロン(指)トロントCO
ハイドン交響曲集ここに完結。
8.572135
ルーセル:交響曲第4番イ長調Op.53
交響詩「フランドル狂詩曲」Op.56
小組曲Op.39
小管弦楽のためのコンセールOp.34
シンフォニエッタOp.52
ステファン・ドヌーヴ(指
)ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
フランスの作曲家ルーセル(1869-1937)は海軍での活躍も有名です。1889年と1890年にフリゲート艦イフジェニー号でインドシナ近海を航海したことは、後の作曲家人生に大きな発展をもたらしたことは間違いありません。この第4番の交響曲は1934年に作曲され、1935年にアルベール・ヴォルフ指揮コンセール・パドルーによりパリにて初演されました。リズミカルで明瞭な形式を持っていた第3番の作風を継承し、さらにより多くの楽想を加えた厳粛な美が感じられる音楽です。第1楽章の冒頭の柔らかな弦のメロディと活発なテーマの対比、そして第2楽章の多彩な木管楽器の使い方はルーセルの音楽の特徴とも言えるものでしょう。「フランドル狂詩曲」は1936年に作曲され、その年の12月12日にエーリッヒ・クライバーに初演されています。ルーセルのフランドルの祖先への敬意が表された作品で16世紀から17世紀に採取された5つのベルギー民謡をもとにした快活な音楽です。
8.572136
ジェズアルド:マドリガル集第3集
あなたは私が死ねばいいと思っている(パート1)
死んだ方がいいの?(パート2)
悲しいかな、絶望的な生活
私は元気がない。そして死ぬ
あなたの曇りのない目の美しさで
悲しいかな、残酷で情け容赦のないもの
愛の甘き精神
私の心はため息をついている(パート1)
おお、悪しき生まれの悪しきメッセージ(パート2)
見てください、私の太陽が輝くのを
私はあなたを愛してない、そんな言葉を投げかけないで
愛の奇蹟(パート1)
そして私は焼け焦げそう(パート2)
残酷な悲しみ
彼女は泣いている、悲しくて
耐え難い苦痛が私を殺す
もし私があなたの慈悲深さを知ったなら
ああ、それはすでに残酷だった
最高に甘きため息(6声)
わが人よ、もし私を殺すなら
どのように私の心は生きることができるか(5声部のカンツォネッタ)
月桂樹の陰で(5声部のカンツォネッタ)
マルコ・ロンギーニ(指)
デリティエ・ムジケ
1595年に出版されたジェズアルド(1566-1613)のマドリガル第3集は、彼のスタイルの変化が顕著に現れているものとして知られています。彼は当時の主要な詩人の作を用いることはせず、無名の作家、及び、匿名の作家の詩を用いることを好みました。これは詩の人気に頼ることなく、音楽の力で、詩にドラマ性と、すばらしい表現力を抱かせることができるジェズアルドならではのチョイスに他なりません。どの曲もタイトルから驚くものばかりですが、内容も音楽も摩訶不思議。とろとろと粘り気のある響きが耳にいつまでも残ります。第1集(8.570548)、第2集(8.570549)も大好評。必要以上に見捨てられてしまった音楽家の全貌がいよいよ明らかになりつつあります。
8.572137
ジェズアルド:マドリガル集第4巻(1596)
清らかな澄んだ光よ
時には正直な欲望に
私は沈黙の中で静かでならなければならない(第1部)
無駄に、残酷に(第2部)
あなたは私に何をしているの?
この残酷で信心深き女性
私が思ったのと同じように(第1 部)
おお、ここまで残酷な愛(第2 部)
わが心よ、ああ、泣くことはない(第1 部)
だから私を傷つけないで(第2 部)
ルッツァッスキ(1545-1607):4 声のトッカータ(オルガン・ソロ)
我が主の顔は死に覆われている
最後に溜息をつき、私は死ぬ(第1 部)
人生は死を歓迎する(第2 部)
彼女は結局のところ/私の心を伝えよう
見よ従って私は死ぬだろう(第1 部)
ああすでに私は血の気が引く(第2 部)
私の心は燃えている
あなたの心に小さな愛があれば
太陽は明るく(6声-第1 部)
わが光よ、戻っておいで(6声-第2部)
マルコ・ロンギーニ(指)デリティエ・ムジケ
「高貴なる殺人者」として歴史に名を残す大作曲家、ジェズアルド(1566-1613)のマドリガル集の第4 集です。この曲集には、妻とその恋人を殺害するという大事件を起こした後に書かれた、ジェズアルドの苦悩が伺われる曲が含まれており、他にも死の影に覆われた作品など、全体的に暗く重々しい色調となっています。もちろん彼特有の予期せぬ不協和音や、激しい感情表現、半音階的語法が顕著であり、時代の流れからはみだしてしまった悲しい天才を物語るかのような、ドラマティックな音楽が奏でられます。今作もデリティエ・ムジケによる迫真の演奏です。
8.572138
ショスタコーヴィチ:女友だち、他
映画音楽「女友だち」完全版Op.41(フィッツ=ジェラルドによる復元版)
劇音楽「ブリタニアを支配せよ!」Op.28
劇音楽「スペインに敬礼」Op.44
交響的断章(交響曲第9番の第1楽章)(1945年未完)
:セリア・シーン(テルミン)
カミル・バルチェウスキ(Bs)
カメラータ・シレシア
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)ポーランド国立放送カトヴィツェSO
映画音楽「女友だち」。この映画は3人の少女が成長し、南北戦争で看護婦として活躍する物語。社会主義の体制の中での女性の社会進出を描いた興味深い内容でもあります。いつものようにF=ジェラルドによる復元版を使用したこの演奏は、いつものように絢爛豪華なオーケストレーションで聴き手を魅了します。この盤は他にも世界初録音となる3つの作品が含まれています。交響的断章は、交響曲第9番のスケッチと考えられ、こちらもまことに興味深い内容です。
8.572139
パロモ:わが寂しき庭園
わが寂しき庭園(ギターと声楽編)
マドリガルと5つのセファルディの歌(声楽とギター編)
シエンフエゴスの協奏曲
演奏:マリア・バーヨ(S)
ペペ・ロメロ(G)
ロメロ・ギター四重奏団
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)
セビーリャ王立SO
心沸き立つギターの音色、夢引き裂くかのような歌声、どことなくエキゾチックなメロディ、これらを聴いて背中がぞくぞくしない人はいないでしょう。名歌手マリア・バーヨとペペ・ロメロによってこの世に生を受けた歌曲たちは、夜の寂しさと妖艶さの中に微かに香る狂気までをも、恐ろしいまでに表現し尽くしています。また、ペペ・ロメロ率いるギター・カルテットと熱血指揮者、デ・ブルゴスの共演による「シエンフエゴスの協奏曲」も聴きもの。前半を聴いて瞑想的になり過ぎてしまったと思ったらぜひ最後まで聴きとおしてください。
8.572141
トゥリーナ:ピアノ作品集第6集
リトモス(舞踏幻想曲)Op.43(1928)
5つの音の幻想曲Op.83(1934)
イタリア風幻想曲Op.75(1932)
映画の幻想曲Op.103(1945)
時計の幻想曲Op.94(1943)
幻想詩曲Op.98(1944)
ホルディ・マソ(P)
「幻想」は心が持つ不思議な能力です。最近の出来事から、過去の思い出までありとあらゆることを一瞬に思い起こし、また現実の世界から、遠く離れた世界へと瞬時に旅をすることが可能な能力なのです。このトゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集第6集はそんな幻想的な作品を集めたもの。幼年期のとめどもない空想、大人になってからの極めて現実的な空想、などなど、その描かれた世界はさまざまです。伝統的なアンダルシアの音楽とフランス印象主義の作風が微妙に入り組んだ独自の音による風景が目の前に広がります。名手ホルディ・マソが紡ぐ「音による不思議な物語」をお楽しみください。
8.572142
モンポウ:ピアノ作品集第6集
物乞いの哀歌/浜辺の工場
浜辺の思い出/浜辺の地域
砂地の道/5つの印象
ラ・ガリガの隠遁地
霧の中の田園地帯
荒野の田園地帯/登山ルート
田舎に帰ってきた少女
庭の小道/モンセニー
エコー/山の印象
思想/2つの小前奏曲
前奏曲/2つのアラベスク
銀紙を張ったプール
らくだから降りた3人の王の踊り
キリスト降誕の歌と踊り/時間
低地の踊り
ホルディ・マソ(P)

※全て世界初録音
カタルーニャ出身、20世紀を代表するスペインの作曲家の一人、モンポウ(1893-1987)のピアノ作品集です。このアルバムに収録されているのは全て世界初録音。ピアニスト、ホルディ・マソがモンポウの家などから最近発見したという作品を演奏したものです。これらは全て1910年から1918年の間に書かれたもので、まだ未発達とはいえ、すでに独自の音楽性が出来つつあったモンポウの並はずれた才能を示すものと言えるでしょう。マソはすでにスペインのピアノ音楽のオーソリティとして知られていますが、このモンポウの録音によって、より高く評価されることは間違いありません。
8.572154
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第4集
レブス<前奏曲/ダンス/ジグ/ヴァリアション/フーガ/パレード>/7-11.讃歌/死への讃歌<前奏曲/第1の讃歌-労働への讃歌/第2の讃歌-春への讃歌/第3の讃歌/死への讃歌>
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCOPOLO8.223724より移行盤
大好評のマルケヴィチ(1912-1983)管弦楽曲集シリーズの第4作です。ここでは彼の作品の中で最も不可解で興味をそそられる2つの曲が中心です。興行師レオニード・マシーンに依頼されて作曲したにも関わらず、どうしたわけか上演されることのなかったバレエ「レブス」。そして「讃歌」と名付けられているのに、内容は極めて世俗的な作品(これはマルケヴィチの実験的な作品と言われています)です。どうしても、ストラヴィンスキーやプロコフィエフの筋肉質の音楽を想起させられますが、やはり曲に現れる独特のポリリズムと多調性はマルケヴィチならではのもの。同時多発的な音の爆発には心地良さすら感じます。
8.572150
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第3集
ワシントンDC国会図書館写本のソナタ
第3番イ長調/第4番ト短調
第5番嬰へ短調/第6番ホ短調
ペドロ・カザルス(P)
知られざる作曲家、ブラスコ・デ・ネブラ(1750-1784)のソナタ全集の完結編です。第1集(8.572068)、第2集(8.572069)に続くこの第3集は、ワシントンDCの国会図書館で保存されていたソナタを収録しています。このソナタは全て2楽章形式で、各々対称的な楽想を持っています。温和な緩徐楽章に続く、高い技術が要求される早い楽章。形式は定型に沿っていますが、メロディは高度に洗練されていて、決して冗長になることはありません。
8.572151
イギリス声楽作品集第19集〜ガーニー:歌曲集
下り坂で/ハナッカーの水車屋
ハンサムなマーリ伯/桜の木
.ここは聖なる都市/5つのエリザベス歌曲
7つのサフォーの歌より「リンゴの果樹園」
月の下の全ての夜/ラトミアン・シェパード
私は父と雪かきをするだろう
最後の時間/キャスリーン・ニー・フーリハン
ゆりかごの歌/ドーニーのフィドル/雪
歌い手/時/いスタイルの墓碑銘/船
筆記体/快く私は注記を変更する/碑銘
私が死にゆく時施行すること
汝は我が目を喜ばせた
ボートのきしみ/光の外
スーザン・ビックリー(Ms)/イアイン・バーンサイド(P)
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴォー・ガーニーは、第1次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始めとした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。彼はずっと双極性障害に苦しみ、また戦争で体調を崩し、最期は結核で亡くなるのですが、その一生を覆った暗い影は彼の音楽にも反映されているようで、300を超える歌曲のどれもが仄暗い色合いを帯びています。しかし、その落ち着いた色合いは聴き手の心を何か透明なもので満たしてくれることでしょう。
8.572152
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第2集
新時代/シンフォニエッタへ調/シネマ序曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
大指揮者として知られるマルケヴィチ(1912-1983)。しかし、第二次世界大戦前は「恐るべき才能を持った作曲家」として認知されていました。その作品は全て20代に書かれ(彼はなぜか29歳で作曲をやめてしまう)そのどれもが目を見張るほどの完成度を備えています。彼の資質が最も良く表出されているのは「シンフォニエッタ」でしょう。炸裂するエネルギー、時折見せる神秘的な表情、など枚挙にいとまがありません。「シネマ序曲」は1931年の作品。レオニード・マシーンが構想した映画(結局作られなかった)のためのバレエ作品です。複雑なリズムとサイレンなどの特殊楽器を駆使したこの曲、とても19歳の若者の手になるものとは思えません。MARCO POLO8.223653より移行盤。
8.572153
マルケヴィチ:管弦楽作品集第3集
愛の歌/イカロスの飛翔/合奏協奏曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
MARCOPOLOで大好評!早熟過ぎた天才指揮者、マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品全集第3集のNAXOS移行盤が登場です。各々の作品に見られる切れ味鋭い才能の表出を心行くまでご堪能ください。大作であるバレエ音楽「イカルスの飛行」、1933年にこの曲が初演された時、あまりの大胆さに会場は騒然となりました。そこに居合わせたミヨーは「音楽が発展した日」と宣言したというからスゴイものです。スクリャビンのカオスをより濃厚にした感のある「愛の歌」での言葉にならない「むず痒さ」もたまりません。「合奏協奏曲」はこの録音が世界初。発売当時大変な話題となったものです。
8.572155
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第5集
偉大なるロレンツォ(1940)/詩篇
ルーシー・シェルトン(S)
カペラ・カロリーナ
クリストファー・リンドン=ジー(指)
アルンヘムPO

※MARCO POLO*8.572155からの移行盤
名指揮者マルケヴィチ(1912-1983)の作曲家としての才能は、管弦楽作品だけに留まることはありません。ここに収録された2つの作品も壮大かつ難解なものとして、永遠に歴史に残ることでしょう。「偉大なるロレンツォ」はイタリアのルネサンス期におけるメディチ家最盛時の当主、ロレンツォ・デ・メディチを題材にした作品です。学問や芸術に造詣が深く、彼の庇護の元でルネサンス文化が花開いたと言っても間違いではありません。7つの詩篇を使って書かれた「詩篇」はマルケヴィチ21歳の時の作品です。彼は音楽のたゆまぬ進行のためには、聖書の言葉を書きかえることも厭わず、極めて独創的かつ前衛的な作品を書きあげています。まさに「恐るべき子ども」ここにありです。
8.572156
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第6集
ある男の彫刻<1.前奏曲
装飾されたコラール
ソナタT:レント
ソナタU:アンダンティーノ
ソナタV:スケルツォ/ソナタW:ロンド>
ルーシー・シェルトン(S)
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCO POLO8.225054より移行盤
マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品第6集は、当時、創作力の頂点にあった彼の渾身の作である「ある男の彫刻」を収録。スイスの詩人、小説家であるチャールズ・フェルディナント・ラミュ(ストラヴィンスキーの「兵士の物語」も彼の台本による)のテキストを用いて1939年に書かれたものの、1982年、マルケヴィチの死の直前までタイトルすら付けられていませんでした。マルケヴィチはストラヴィンスキーの作品をこよなく愛し、彼の指揮した「兵士の物語」は今でも永遠の名盤として語り継がれていますが、自作の方は第2部も書かれることなく忘れ去られてしまったのです。緊張感溢れるドラマ仕立ての音楽。身の毛のよだつほどの迫力です。
8.572157
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第7集
ピアノ協奏曲(1929)/カンタータ
イカロス(1932/1943)
マルテイン・ファン・デン・フーク(P)・
ニーンケ・オーステンレイク(S)
オランダ・コンサート男声cho

クリストファー・リンドン=ジー(指)
アルンヘムPO

※8.225076、MARCO POLOより移行盤
マルケヴィチ(1912-1983)の作品は聴けば聴く程にその凄さに震撼せざるを得ません。この第7集でも驚異的な才能に驚かされるばかりです。1曲目は彼が16歳の時に書いた協奏曲。ちょっと人を食ったような表情を見せるピアノの動きはプロコフィエフでもなくバルトークでもない暴力的で、かつ魅力的なものです。メロディの美しさを求める人には向かない音楽ですが、この恐ろしいまでの機動力を有した作品が16歳の少年の手から生まれたというのは、確かに恐ろしいことです。カンタータはバレエ・ルセの委嘱に拠って書かれた作品。コクトーのテキストに基づいています。「イカロス」は第3集(8.572153)に収録された「イカロスの飛行」を再構築したものです。やはりバレエ・ルセのプロジェクトのために1932年に作曲、翌1933年に初演された作品でしたが、出来上がりが気に入らなかったのか破棄してしまったものを、その約10年後に改作したものです。
8.572158
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第8集
バッハ:音楽の捧げもの…マルケヴィチによる3つの管弦楽群と四重奏による編曲版(1949-1950)
3声のリチェルカーレ
主題と変奏/ソナタ/6声のフーガ(リチェルカーレ)
レミ・ボーデ(Vn)
ダーク・ライメス(Cemb)
イェローン・リューリンク(Vc)
ハンス・ファン・ルーネン(Fl)
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCOPOLO8.225120より移行盤
バッハの「音楽の捧げもの」管弦楽編曲と言えば、あの有名なウェーベルンの「6声のリチェルカーレ」の冒頭の響きを思いだす人が多いことでしょう。しかし、このマルケヴィチ(1912-1983)の編曲はもっと大掛かりで、色彩豊かな曲へと変貌しています。彼はこの作品を、一つの「交響曲」として解釈し、完全に自らの語法に変換した上で、バッハの作品を再構築したのでした。曲全体は3群の管弦楽と4人のソリストを交えた大規模な編成で奏され、複雑な対位法も見事に処理されています。全てが緊密に絡み合い、一つたりとも無駄な音符はありません。あまりにも素晴らしい世界です。
8.572159
ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲集
ピアノ四重奏曲ニ長調Op.23
ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.87
ヘレナ・シュチャロヴァ=ウェイセル(P)
ドヴォルザーク(1841-1904)の室内楽作品の中でも、これらのピアノ四重奏曲はほとんど知られていません。しかしこの2曲の完成度の高さには目を見張るものがあります。1875年、34歳の時に作曲した第1番は、同じ年に書かれたピアノ三重奏曲と合わせ、彼が音楽家として輝かしい経歴を歩み始めた頃の意欲溢れる作品です。冒頭からめまぐるしく長調と短調のメロディが入れ替わり、落ち着かない気分の中にひっそりと忍びこむ懐かしい郷愁がたまりません。第2番は1889年の作品。こちらはチャイコフスキーと親交を結んだ時期で、曲も一層の叙情性を帯びています。洗練された土臭さとも言える独特の風情がたまりません。
8.572160
ベートーヴェン:ピアノ変奏曲集
創作主題による15の変奏曲とフーガ「エロイカ変奏曲」Op.35
ハイベルのバレエ「妨げられた結婚」の「ヴィガノのメヌエット」の主題による12の変奏曲WoO68
ウラニツキーのバレエ「森の娘」からロシア舞曲による12の変奏曲WoO71
サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通り」の主題による10の変奏曲WoO73
ジュースマイアーの歌劇「スレイマン2世、または3人のサルタン妃」による8つの変奏曲WoO76
創作主題による6つの変奏曲ニ長調Op.76
ユ・ヨンユク(P)
一つの主題を「これでもか」とばかりに変化、発展させ素晴らしい音楽を構築するのが「変奏曲」です。この分野が得意な作曲家って何となく凝り性で粘着系のイメージがありませんか?その最たる人が言わずと知れたベートーヴェン(1770-1827)(バッハやブラームスもそうですね)。彼の変奏曲はあまりにも見事で非のつけどころすらありません。このアルバムの中で最も有名な曲は第1曲目のものでしょう。このテーマは交響曲第3番「英雄」の終楽章として知られていますが、もともとはバレエ音楽「プロメテウスの創造物」からのメロディです。あの勇壮なテーマが15の変奏曲となり耳を喜ばせてくれます。おまけに深遠なフーガまで付いてくるという豪華さ。全6曲を楽しめば、満漢全席、もしくはフレンチフルコースの食べ放題くらいのお腹一杯感を味わえます。2007年、ボンのベートーヴェン・コンクールで1位を獲得した韓国のピアニストによる極上の演奏です。
8.572161
メンデルスゾーン&バッハ:モテット集
メンデルスゾーン:マニフィカトニ長調
 弦楽の為のシンフォニア第12番ト短調〜第1楽章
バッハ:マニフィカトニ長調/
メンデルスゾーン:アヴェ・マリアOp.23-2
バーガー・ラッド(T)、イェール・ヴォクステット、
サイモン・キャリントン(指)
イェール・コレギウム・プレイヤーズ
極めて才能ある10代の若き音楽家、メンデルスゾーンが宗教曲を書く際、自らのお手本にしたのは、当時ほとんど忘れ去られてしまっていたJ.S.バッハ、および彼の息子C.P.E.バッハの作品でした。聖母マリアの賛美の歌である輝かしい「マニフィカトニ長調」は何とメンデルスゾーン13歳の作品。ホルンなどの使い方はバロックの様式をそのまま継承し、J.S.バッハの作品から幾獏かのモティーフを拝借、ちゃっかり自作の中に忍び込ませているところなど、なかなかのやり手です。トラック7に置かれた「弦楽の為のシンフォニア」のフーガは、同じ時期に書かれた彼の全くのオリジナル。半音階を多用したメロディが不可思議な気分を喚起します。1830年に書かれたアヴェ・マリアはすっかりメンデルスゾーンらしさを身につけたもの。後の「エリア」に続く壮麗な作品です。
8.572162
C.P.シュターミッツ&ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲集
C.P.シュターミッツ(1745-1801):ヴィオラ協奏曲第1番ニ長調
ホフマイスター(1754-1812):ヴィオラ協奏曲ニ長調
 ヴィオラ協奏曲変ロ長調
ヴィクトリア・チャン(Va)
マーカンド・ザーカー(指)
ボルティモア室内O
マンハイム楽派の傑出した音楽家であるシュターミッツと、出版事業でも知られるホフマイスター。彼らの作品は、どうしても同時代の天才、モーツァルトの影に隠れがちですが、こうして改めて聴いてみると、その独自性溢れる音楽には感嘆せずにはおれません。父ヨハンから音楽教育を受け、パリでヴァイオリニストとして活躍したシュターミッツの作品は、超絶技巧をふんだんに使った華麗なもの。オーケストラ・パートの充実した書法も魅力的です。かたやホフマイスターの作品は、どちらかというと簡潔な書法で書かれ、優雅さが際立つものです。「すばらしく深く、対話に満ちた音」とボルティモアの新聞評で絶賛された女性ヴィオリスト、チャンの演奏で。
8.572163
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調Op.10(1918)
弦楽四重奏曲第3番ハ長調Op.16(1920)
アマールSQ
【アンナ・ブルンナー(第1Vn)
イゴール・ケーラー(第2Vn)
ハンネス・ベールツヒ(Va)
ペテル・ソモダリ(Vc)】
卓越したヴィオラの腕前を持ち、また、ヴァイオリニストとしても存分な才能を発揮した作曲家ヒンデミット(1895-1963)。彼は生涯7つの弦楽四重奏曲を書き、実質上、「シュポアの後継者」足りうるドイツの弦楽四重奏作曲家として讃えられるはずです。しかしながら、その作品を聴く機会は本当に少なく、同じ「新古典派主義」のバルトークに比べると録音の数も驚くほど些少なのは一体なぜなのでしょうか?さて、そんなヒンデミットの弦楽四重奏曲全集の最初を飾るのは第2番と第3番の組み合わせです。1918年に書かれた第2番は、彼の戦争経験が暗く影を落とした作品です。もちろん先人の影響は受けているものの、音楽はもっと簡潔であり、また、多くのことを語っています。驚くほど抒情的な第2楽章の変奏曲は、何かのパロディなのでしょうか。その2年後に書かれた第3番は、わずか2日間で書いたとされ、ドナウエッシンゲン音楽祭で華々しい成功を収めた作品です。こちらは若々しいエネルギーに満ちた情熱的な音楽で、彼の室内楽の中でも最高傑作のひとつです。
8.572166
ウィルビー:息もつけないハレルヤ、他
息もつけないハレルヤ(2008)、パガニーニ変奏曲(1991)、
邪悪なソネット第4番「もし神が私たちを生き残らせるなら彼の王国は来るでしょうか?」、シラノ、
ブロンテ・ミサ「メモリー」(断章)(2007)、アメイジング・グレイス:交響的変奏(2006)、
ユーフォニアム協奏曲(1995)
フィリップ・ゴールト(Br)、
フィリップ・ウィルビー(Org)、
ヨーゼフ・クック(Tub)、
デイヴィッド・ソーントン(ユーフォニアム)、
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
2008年リリースのシンフォニック・ブラスが大好評!(これは演奏も選曲もどちらも秀逸でした)。で、今回のブラック・ダイク・バンドはウィルビー(1949-)の作品集で勝負です。近年のブラスバンドの発展に大きく寄与しているウィルビーですが、実はあまり作品がCD化されていません。こうしてまとめて聴けるだけでも素晴らしいのに、演奏はブラック・ダイク。「パガニーニ変奏曲が聴けるだけでも嬉しいです!」(あるウィルビー好きの声)。
8.572164
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第5番Op.32(1923)
弦楽四重奏曲第6番変ホ長調(1943)
弦楽四重奏曲第7番変ホ長調(1945)
演奏:アマールSQ
<アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン)/イゴール・ケーラー(第2ヴァイオリン)/ハンネス・ベールツヒ(Va)/ペテル・ソモダリ(Vc)>

録音:スイスチューリヒ,スイス放送DRS,大ホール2010年4月、2009年2月
もともとヴァイオリンとヴィオラの卓越した演奏技術を持ち、1920年には自ら「アマール弦楽四重奏団」を結成して8年間の活動中に、自身の第2番の初演を行うなど、ヒンデミット(1895-1963)における弦楽四重奏というジャンルは、かなり強力な立ち位置を占めていたことは間違いありません(しかし1945年の第7番を最後に、彼が弦楽四重奏を書かなかったのは少々不思議な気がします)。1923年の第5番は、不協和音と厳格な対位法が同居する洗練された作品です。終楽章のパッサカリアで、主題が発展していく様をぜひお聴きください。1943年の第6番はまさに彼の創作の頂点をなす作品で、以前の作品からの引用と、緊密な展開が楽しめる音楽です。若干わかりやすい和声に終始している面も注目です。第7番はエール大学で「実用音楽」論を唱えていた時、アマチュアのチェリストであった彼の妻や、学生が弾くことも考慮して書かれた作品で、こちらは更に聴きやすさを増した音楽が特徴です。
8.572165
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.2(1814-1915
弦楽四重奏曲第4番Op.22(1921)
アマルSQ
<アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン…第4番,第2ヴァイオリン…第1番)/イゴール・ケラー(第1ヴァイオリン…第1番,第2ヴァイオリン…第4番)/ハンネス・ベルトゼヒ(Va)/ペテル・ソモダーリ(Vc)>

録音:2009年12月6-8日スイスチューリヒ,DRSスイス放送大ホール
優れたヴィオラ奏者でもあったヒンデミット(1895-1963)は、1920年から8年に渡って自らが結成した「アマル弦楽四重奏団」でヴィオラを演奏していました。そのためか、全部で7曲ある弦楽四重奏曲でも、ヴィオラが大活躍し、曲想に深い陰影を与えています。このアルバムで聴ける2曲の四重奏曲は、彼が新古典主義や即物主義の作風を確立する以前の作品で、まだまだ美しいメロディを聞き取ることが可能です。とりわけ第1番は後期ロマン派の雰囲気を継承した調性感たっぷりの耳に優しい音楽です。第4番はかなり先進的で、激しさも抱いています。シリーズを通して素晴らしいヒンデミットを演奏している「アマル弦楽四重奏団」は、ヒンデミット生誕100年を記念して、1995年に創立されたアンサンブル。ヒンデミット作品の優れた解釈に拠って、歴史的な名前を授与されました。
8.572166
ウィルビー:息もつけないハレルヤ、他
息もつけないハレルヤ(2008)、パガニーニ変奏曲(1991)、
邪悪なソネット第4番「もし神が私たちを生き残らせるなら彼の王国は来るでしょうか?」、シラノ、
ブロンテ・ミサ「メモリー」(断章)(2007)、アメイジング・グレイス:交響的変奏(2006)、
ユーフォニアム協奏曲(1995)
フィリップ・ゴールト(Br)、
フィリップ・ウィルビー(Org)、
ヨーゼフ・クック(Tub)、
デイヴィッド・ソーントン(ユーフォニアム)、
ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
2008年リリースのシンフォニック・ブラスが大好評!(これは演奏も選曲もどちらも秀逸でした)。で、今回のブラック・ダイク・バンドはウィルビー(1949-)の作品集で勝負です。近年のブラスバンドの発展に大きく寄与しているウィルビーですが、実はあまり作品がCD化されていません。こうしてまとめて聴けるだけでも素晴らしいのに、演奏はブラック・ダイク。「パガニーニ変奏曲が聴けるだけでも嬉しいです!」(あるウィルビー好きの声)。
8.572167
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番&第9番
交響曲第5番ニ短調「革命」Op.47
交響曲第9番変ホ長調Op.70
ヴァシリー・ペトレンコ(指)ロイヤル・リヴァプールPO
最近注目の若手指揮者の中でも、とりわけ有望株の一人であるヴァシリー・ペトレンコ。その活躍は目覚ましく、彼が指揮したチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」(8.570568)は2009年のグラモフォン・アウォードも受賞、ますます目が離せない存在となっています。このショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲集の第2集は有名な第5番と第9番のカップリングです。重苦しい雰囲気を持つ第5番、諧謔的な第9番と、そのキャラクターは対照的ですが、スタイリッシュで現代的な感覚が盛り込まれているところは変わりありません。
8.572168
J.タヴナー:聖母マリアより
聖母マリアより(2005)…世界初録音、
誕生日の眠り(1999)、
おお動ずることなく(1990)、
出生(1985)、マリアへの賛歌(2005)…世界初録音、
おお汝の温和な光(2000)、
天使(1985/96)
ジェームス・マックヴィニー(Org)、
スティーヴン・バーキエタ(Br)、
サイモン・トーマス・ジェイコブス(Org)、
ティモシー・ブラウン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
ずっと昔から、聖母マリアの美しさと気高さは多くの芸術家たちによって表現されて来ました。現代イギリスの作曲家タヴナー(1944-)も彼独自の神秘的な音楽語法によって様々な角度から聖母マリアを賞賛します。世界初録音の「聖母マリアより」は10の部分からなる合唱曲集。聖歌とはまた違う不安気な音の動きが特徴的な「言葉は肉となり」(トラック1)が終わると、突然輝かしい音のシャワーが降り注ぐかのような「ノエル」へと移って行きます。全編不安と喜びが交錯するかのような、不思議な感覚を味わえることでしょう。
8.572169
ディキンスン:オルガン作品全集
ケンブリッジ・ポストリュード、前奏曲「神の御子は今宵しも」によるポストリュード、オルランド・ギボンズの賛美歌46番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌20番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌34番による前奏曲、トッカータ、「大聖堂の殺人」の瞑想曲、ピアニッシモの練習曲、哀歌、3つの言明、鐘、パラフレーズ1、青いバラの変奏曲(J.ベイトに捧ぐ)、.ミレニアム・ファンファーレ
ジェニファー・ベイト(Org)
1934年生まれのイギリスの作曲家ディキンスン(1934-)。同姓同名のミステリー作家とは別人ですが、この人も多くの著作があり、またピアニストとしても活躍しています。彼の父親フランクはコンタクトレンズの専門家で、アメリカ及び南アフリカでのコンタクトレンズの普及と研究に生涯を捧げた人です。と、同時に才能あるオルガニストであったため、息子ピーターも自然に音楽に親しみ、素晴らしい作品を作り上げたのでしょう。彼の50年近くの歩みがこの1枚に凝縮されています。
8.572170
アミーロフ:管弦楽作品集
交響的ムガーム「シュール」(1948)
アゼルバイジャン・ムガーム(1948)
グリスタンのバヤティ・シラーズ(1971)
アゼルバイジャン・カプリッチョ(1961)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
アゼルバイジャンの作曲家、アミーロフ(1922-1984)の作品集です。父親は有名な「ハナンデ」(ムガーム歌手)で、タールの作曲家・演奏家であり、彼も幼少の時から民謡を聴いて育ち、成長してからは民俗音楽の研究家としても名を成しました。多くの作品を残し、中でもここに収録されている「シュール」は彼の特質をよく表した作品として知られています。即興的で豊富なメロディは、まるで目の前でカラフルな踊りと歌が展開されているかのように、生き生きとしていて、聴く者に底知れぬ力を与えてくれます。とりわけ1973年にモスクワで行われた演奏会では、彼の第3交響曲と、「グリスタン」が演奏され、聴衆から大喝采を浴びたといいます。アゼルバイジャン特有の言語と、クラシック音楽の語法が巧みに融合された音楽は、満場の聴衆を興奮させたことでしょう。
8.572173
レーガー:クラリネット・ソナタ全集
クラリネット・ソナタ第1番変イ長調Op.49-1
クラリネット・ソナタ第2番嬰ヘ短調Op.49-2
クラリネット・ソナタ第3番変ロ長調Op.107
ジャネット・ヒルトン(Cl)
ヤコプ・フィッケルト(P)
レーガー(1873-1916)の3曲あるクラリネット・ソナタの全集です。第1番と第2番のソナタは、ブラームスのクラリネット・ソナタに触発されて書いたとされますが、曲の雰囲気はかなり違い、妙に懐かしいメロディと複雑な転調が組み合わせられた曲で、なかなか美しさを理解するには時間がかかりそうな作品です。彼の個人的な教師であったリントナーが紹介したクラリネット奏者、キュルマイヤーのために書かれており、キュルマイヤーも演奏に際して、この曲を丹念に研究したということです。第3番のソナタは形式こそ古典的ですが、曲想はもっと自由で、禁欲的なクラリネットと、演奏困難とも言えるピアノ・パートが見事な対話を繰り広げています。
8.572174
メシアン:ミの為の詩、他
歌曲集「ミの為の詩」(ソプラノと管弦楽版)第1集/第2集
忘れられた捧げ物/ほほえみ
アンネ・シュヴァネヴィルムス(S)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
愛と信頼、死および永遠、そして鳥の歌。これらはメシアン(1908-1992)にとって、永遠のテーマです。「忘れられた捧げもの」は彼にとって最初に公表された管弦楽作品で、「捧げもの」とはキリストの無償の愛。それを忘れてしまい罪を重ねる人間の姿、忘れない為の聖体秘跡、これらが音によって描かれます。「ミの為の詩」はメシアンによる極めてシンボリックな愛の歌。最初の妻クレア・デルボスに捧げられた9つの神秘的なテキストによります。もちろん「ほほえみ」では随所に鳥の声が聞こえてきます。メシアン入門としても最適なこの1枚。準・メルクルの紡ぐ柔らかいオーケストラの音色と、硬質な響きを持つシュヴァネヴィルムスのソプラノは聴き手を陶酔の世界へと連れていきます。
8.572175
マルティヌー:ピアノ作品全集第5集
ポルカ集1916年H.101、5つのワルツ集H.5
ジョルジョ・コウクル(P)
全て世界初録音。世界中の音楽誌で大絶賛されているコウクルのマルティヌー・ピアノ音楽全集の第5集です。この曲集はマリティヌー(1890-1959)の活躍の初期に書かれた未出版の作品や、新発見の作品を集めた貴重なもので、マルティヌーの音楽の源泉を辿るにふさわしい大変意義のあるディスクとなっています。26歳の時のポルカは平易な技術で書かれた親しみやすいもの。こちらも初期に書かれた(らしい)ワルツは、もう少し複雑な表情を有しています(この頃の彼は作曲と並行してヴァイオリン奏者として活躍を始め、しばしばヨーロッパへ行き、印象派の音楽の影響を受けたりと公私ともに忙しかったようです)。コウクルの演奏はいつものように圧倒的な迫力と情感豊かな響きを備えたものです。
8.572176
バラダ:カプリチョス第2番-第4番
カプリチョス第2番(2004)
カプリチョス第4番「ジャズ風に」(2007)
カプリチョス第3番「国際義勇軍への賛辞」(2005)
アンドレス・カルデネス(Vn,指)
ジェフリー・ターナー(Cb)
ローレンス・ロー(指)
ピッツバーグ・シンフォニエッタ
スペイン生まれの異色作曲家、レオナルド・バラダ(1933-)の作品はどれも一癖も二癖もある独特なもので、それは交響曲であっても、オペラであっても、いつなんどきも強い主張をしているものですから、聴き手としては黙って通り過ぎるわけにはいきません。今作はカプリチョス(狂詩曲)と題された1連の組曲です。自由なラテンアメリカのダンス音楽集である第2番、ボランティアの軍隊へ敬意をあらわすための5つの小曲からなる第3番、そしてジャズのイディオムを持つ第4番。暴力的なパワーを持ちながらも、どこか足取りがふらつくような、ユーモラスさと悪魔的な嘲笑を持ち合わせた作品群です。
8.572177
ボッシ:オルガン作品集
主題と変奏Op.115
5つの小品より「神聖なる家」Op.132-4
英雄的小品Op.128
5つの小品〜「喜びの時」Op.132-5
聖フランチェスコの3つの契機〜「炎熱」Op.140-1
小協奏曲ハ短調Op.130a
聖フランチェスコの3つの契機〜「つばめたちとの対話」Op.140-2
ピエール・ダミアーノ・ペレッティ(Org)
イタリアのオルガニスト、エンリコ・ボッシ(1861-1925)の作品集です。当時のイタリアはオペラ全盛でありましたが、彼は終生オルガニストとして活躍、「イタリア器楽曲復興」に貢献した人です。また、ボッシはプッチーニの親友であり、多くの示唆を彼から受けたことでも知られています。このアルバムは、彼の素晴らしいオルガン作品を収録したもので、フランクから受け継がれた重厚な音に、ドビュッシーの印象派的な響きを加えたこの時代特有の音色を心から堪能できることでしょう。これらの曲をあますことなく弾ききったオルガニスト、ペレッティは1974年生まれの新進気鋭。ウィーンを中心に世界中を飛び回る名手です。
8.572178
ジョンソン:王子のアルメイン
王子のアルメイン,マスク-コラント
パヴァン第1番ハ短調
ガリアルド「私のマイルドメイズ嬢の喜び」
パヴァン第2番ヘ短調
2つのアルメイン/高貴な男
魔女の踊り/パヴァン第3番ハ短調
3つのアルメイン/妖精の踊り
幻想曲/ガリアルド
ストレンジ嬢のアルメイン
パヴァン第4番(N.ノースによる改編)
王子の仮面、第1、第2、第3の踊り
3つのアルメイン
サテュロスの踊り(N.ノースによる改編)
ナイジェル・ノース(Lute)
ジェイムズ1世王朝の宮廷リュート奏者として知られるジョンソンの作品集です。彼の父ジョン・ジョンソン(1583?-1633)も音楽家として有名でした。ダウランドとほとんど同時期に活躍し、パヴァン、アルメイン、ガリアルドなど古い形式を踏襲しながらも、9コースリュート(ルネサンスの調弦法に基づく分類)の可能性を極限まで生かした精緻で感傷的な肌触りのよい音楽を残しています。演奏するのは、おなじみナイジェル・ノース。オリジナル曲の中に、彼が改編した曲も組み込み、すばらしい演奏効果をあげています。なおジャケットに描かれた絵は、彼が仕えたジェイムズ1世の息子、ヘンリーで、第1曲の「王子のアルメイン」などは彼のために書かれた作品です。
8.572185
ニュージーランドのギター音楽集
リルバーン:17のギターのための小品(全集として初録音)、
 ギターのための出版されなかった小品集(初録音)、
 4つのカンツォーナ(初録音)、
フォーカー:組曲、夢見るプロスペロウ
グンター・ヘルビッヒ(G)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランドの作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとりわけ大切にしています。
8.572186
ステンハンマル:セレナードヘ長調Op.31
セレナードヘ長調Op.31(改訂版)
フローレスとブランセフロールOp.3
イタカOp.21
カンタータ「歌」Op.44〜「インターリュード」
前奏曲とブーレ…世界初録音
カール=マグヌス・フレドリクソン(Br)
ハンヌ・コイヴラ(指)イェヴレSO
スウェーデンの作曲家、ステンハンマル(1871-1927)の作品集です。彼はドイツで学びワーグナーの影響を受けながらも、スウェーデン民謡をモティーフとした「北欧風」の音楽を追求。後期ロマン派の重厚さを残したまま、独自の作風を確立することに成功した人です。この盤に収録された「セレナード」はちょうど自らの方向性が固まってきた頃の作品で、一度1913年に完成させたものの1919年に手直しを加え(曲の調性などを変えたり)、より透明度の高い、簡潔さと力強さを併せもつ交響的な曲となっています。他には2つの声楽を伴う作品も聴きもの。架空の島「イターキ」について歌う「イタカ」での流れるような音楽の美しさが耳に残ります。
8.572187
ホフマイスター:コントラバス四重奏曲第2番ニ長調
 コントラバス四重奏曲第3番ニ長調
 コントラバス四重奏曲第4番ニ長調
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ(N.デューカによるコントラバス編)
ノルベルト・デューカ(Cb)
エルネ・セベスチャン(Vn)
ヘルムート・ニコライ(Va)
マーティン・オステルターグ(Vc)
フィリップ・モル(P)
1754年、ローテンブルクで生まれたッフマイスターは14歳の時に法律を学ぶためウィーンに移り、その後音楽を学ぶためにハンガリーへと移住しました。作曲の勉強をしながら、楽譜出版の事業も起こし、ハイドンやモーツァルトの作品の出版を行ったのです(現在のC.F.Peters社も彼が創業)。作曲家としても交響曲、協奏曲、器楽曲など多くの作品を残しました。このコントラバス四重奏曲は、第1ヴァイオリンで奏する部分をコントラバスが担うという変わり種。本来こまわりの効かない楽器が、こんなにも悠然とメロディを奏でるところを想像するだけで、あまりの愛らしさに抱きしめたくなってしまうほどです。ここで演奏しているデューカ本人による編曲の「アルペジョーネ・ソナタ」は全く違和感のない美しさ。音色に絶妙の深みも加わり、良い味出してます。
8.572188
セルヴェ/ギス/レオナール/ヴュータン:ヴァイオリンとチェロによるグラン・デュオ集
ギス(1801-1848)&セルヴェ(1807-1866):「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の旋律による華麗にして協奏的な変奏曲Op.38
レオナール(1819-1890)&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「アフリカの女」による演奏会用大二重奏曲第4番
レオナール&セルヴェ:演奏会用大二重奏曲第3番
ヴュータン&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大二重奏曲
 ベートーヴェンの主題による演奏会用大二重奏曲第2番
 演奏会用大二重奏曲第1番
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
「チェロのパガニーニ」との異名を取るベルギー生まれの作曲家セルヴェ。彼はチェロとヴァイオリンとのデュエットを作曲するために、当時、隆盛を誇っていた3人のヴァイオリニストたちに協力を仰ぎました。その結果生まれた6曲のデュエットを収録した興味深い1枚です。名手たちの力を出し合ったこれらの作品は、当時流行していたメロディを用いた上、チェロとヴァイオリンのお互いの音色と技巧をとことん生かしたもので、この仕上がりには作曲家たちも聴衆も大満足だったに違いありません。もちろん演奏するためにはチェロ、ヴァイオリンそれぞれに再難関の技巧を要求されますが、ここで演奏する2人は息のぴったりあった極上の演奏を聴かせます。
8.572189
メシアン:歌曲集「ハラウィ」他
3つのメロディ/ハラウィ-愛と死の歌
エトナ・レジツェ・ブルーン(S)
クリストファー・ニーホルム・ヒルディグ(P)
メシアン(1908-1992)の2つの連作歌曲集を。実はどちらの曲も、彼が大切にしていた家族の損失が作曲のモティベーションとなっているのです。「3つのメロディ」は3年前に亡くなった彼の母親への思いが結晶したもの。そして「ハラウィ」は最初の妻クレア・デルボスが詩に至る病を得た頃に書かれたもの。しかし、どちらの作品にも失意の念はなく、あるのは限りない希望と法悦の感覚だけ。メシアンにおける「死」と「愛」の感覚が端的に感じられる名作と言えるでしょう。煌びやかなピアノ・パートと色彩感豊かな声の饗宴、そして感覚が麻痺するほどに強烈な言葉遊びをどうぞお楽しみください。
8.572190
パウル・クレツキ:作品集
ピアノ協奏曲ニ短調Op.22(1930)(J.ノリス,Jrによるオーケストラ補筆版)
3つの前奏曲Op.4(1923)
3つの出版されなかったピアノ小品
幻想曲ハ短調Op.9(1924)
ジョセフ・バノウェツ(P)
トーマス・ザンデルリンク(指)ロシアPO
フルトヴェングラーには「息子のように」扱われて、作曲家と指揮者としてはトスカニーニに称賛された才能ある音楽家、パウル・クレツキ(1900-1973)の作曲家としての真価を問う1枚です。ここに収録された作品は、全てピアニストに技術的限界を突き付けるような困難さを有しています。冒険的で即興的、時として調性をも逸脱せんばかりの創造性は、20世紀の最も素晴らしいピアノ協奏曲の一つとして数えられることでしょう。本来は正式なスコアとしててBreitkopf社から出版されるはずでしたが、出版されることなく破棄されてしまいました。この録音は、もともと2台ピアノ版として出版されたものに新たなオーケストレーションを施し、華やかな協奏曲として再構築したものが演奏されています。他にも個性的なピアノ・ソロ作品が聴ける興味深いアルバムです。
8.572191
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽の為の作品集第1集
ツィゴイネルワイゼンOp.20
スペイン風アリアOp.18(ヴァイオリンと管弦楽編)
ミラマール=ソルツィーコOp.42(ヴァイオリンと管弦楽編)
ペテネラスOp.35(ヴァイオリンと管弦楽編)
ノクターン・セレナードOp.45
ビバ・セビーリャOp.38(ヴァイオリンと管弦楽編)
「白衣の婦人」による幻想曲Op.3
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナバーラSO
すすり泣くようなヴァイオリンが印象的な「ツィゴイネルワイゼン」で知られるサラサーテ(1844-1908)。しかし、彼の他の作品は想像以上に知られていないのが実情です。サラサーテは、1844年にスペインのパンプローナで生まれました。父は連隊の楽団指導者で、幼いパブロにヴァイオリンを教えましたが、才能に溢れた息子はすぐに父を追い越し、もっと技術を磨くためにマドリッドに移ります。彼の早熟な才能は時のスペイン女王イザベラ2世に認められ、支援を受けてパリ音楽院に留学し、それ以降は優れたヴァイオリニストとして活躍することになります。彼の作品のほとんどは、ヴァイオリンと管弦楽のために書かれ、スペインの民族音楽や舞曲を取り入れた華やかなものとなっています。
8.572192
オネゲル:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタニ短調H.3(1912)
ヴァイオリン・ソナタ第1番H.17(1916-1918)
ヴァイオリン・ソナタ第2番H.24(1919)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタニ短調H.143(1940)
ローレンス・カヤレイ(Vn)
ポール・スチュワート(P)
フランスで生まれ、6人組の中心人物であったオネゲル(1892-1955)は、専ら大規模なオラトリオや管弦楽作品などでその作品が知られますが。ここで聴くヴァイオリン・ソナタではかなり内省的な一面を見せてくれるかのようです。彼は生涯にヴァイオリン・ソナタを4曲(番号付きはそのうち2曲)作曲し、その時期はおよそ30年にまたがっています。最初に書かれた番号なしの二短調のソナタは、まだ調性を保っており、先人の影響下にあることが良くわかります。しかし、その4〜6年後に書かれた第1番のソナタは調性も付されることなく、独自の道を歩み出したオネゲルの姿が見えてくるかのような仕上がりです。とは言え、やはり随所に見られるノスタルジックな味付けは、彼の心情を表しているかのようです。1919年に書かれた第2番も、流動的な旋律に織り込まれた感傷的な気分が耳に残ります。1940年の無伴奏ヴァイオリン・ソナタでも、身の引き締まるような厳しい音の中に、やはりどことなく懐かしげな感情が織り込まれています。
8.572193
プロコフィエフ:吹奏楽によるロメオとジュリエット(抜粋)
1.組曲第2番序奏
2.モンタギュー家とキャピュレット家
3.組曲第3番朝の踊り
4.組曲第2番少女ジュリエット
5.組曲第1番仮面
6.組曲第1番ロメオとジュリエット
7.組曲第3番乳母
8.組曲第2番僧ローレンス
9.組曲第2番踊り
10.組曲第1番ティボルトの死
11.組曲第2番別れの前のロメオとジュリエット
12.組曲第3番朝の歌
13.組曲第2番ジュリエットの墓の前のロメオ
14.組曲第3番ジュリエットの死
編曲:S.H.ギスケ…1-4.7.10/F.リュードランド…5.8.9.12.13/R.ギリエ…6.11.14
ビャルテ・エンゲセト(指)
エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド
ロコフィエフ(1891-1953)のバレエ音楽を吹奏楽とパーカッションで。そんな試みを音にしたのがこのアルバムです。ノルウェーの誇る名バンド「エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド」の冴え渡るアンサンブルには驚くばかりです。彼らは、すでにコンサートでもこのヴァージョンを2年近くに渡って上演してて、常に満場の人気を得ており、この曲を楽団のレバートリーとして定着させているのです。このユニークなプロジェクトに参加した3人の編曲者は、すでに様々な作品の編曲で知られている人たちで、長年この楽団とも関係があり、もちろんブラスバンドについて完璧な知識を持っている人たちです。彼らは原曲の味わいを全く損なうことなく、名曲に新たな姿を与えました。
8.572194
フローラン・シュミット:ピアノ作品集
影Op.64/幻影Op.70
バレエ音楽「サロメの悲劇」Op.50bis(作曲家自身によるピアノ版)…世界初録音
ヴァンサン・ラルデル(P)
フローラン・シュミット(フランツではない)(1870-1958)は、ドイツ系フランス人の家庭に生まれ、パリ音楽院で学び、印象主義の影響から出発しました。一時期フォーレとともに、独立音楽協会を結成しフランス音楽の発展に寄与しましたが、「サロメの悲劇」がストラヴィンスキーの称賛を受けるなどで、ロシア音楽にも傾倒。亡くなる寸前まで作曲を続け、オペラ以外の分野で夥しい作品を残しています。曲を作る際、様々な素材からインスピレーションを得るのが常で、Op.64はラヴェルの「夜のガスパール」から、そしてOp.70はリストとドビュッシーの作品から影響を受けていると言われています。「サロメの悲劇」の作曲家によるピアン版はこの盤が世界初録音。音の多さで知られるこれらの曲を、期待の新鋭ピアニスト、ラルデルが妖艶かつ冷徹に弾きこなしています。
8.572195
チャピ:ファンタジア・モリスカ、
交響曲ニ短調
ホセ・ラモン・エンシナール(指)
マドリッド・コミュニティO
ルペルト・チャピ(1851-1909)と言えばサルスエラの作曲家だと思っていましたが、まさかこのような素晴らしい管弦楽曲を書いていたとは驚きです。ファンタジア・モリスカ(ムーア風幻想曲)は彼が率いていた軍楽隊のために作曲されましたが、6年後に管弦楽ヴァージョンに改訂されたもので、とことん明るい曲調が魅力です。ウィ−ン古典派の香りも漂う交響曲も聴きもの。豊かなメロディと極彩色の音が踊る素晴らしい作品です。
8.572196
アルベニス:ピアノ作品集第3集
6つのスペイン風ダンスOp.37、
6つの小さなワルツOp.25、
6つのサロン風マズルカOp.66
ギレルモ・ゴンザレス(P)
アルベニス(1860-1909)のピアノ作品集第3集は、舞踏のための組曲を集めました。スペイン風、ワルツ、ポーランド風のマズルカと曲想は様々ですが、全ての曲には、生きる喜びが散りばめられ、肉感的でちょっと妖艶な香りが漂っています。20歳の頃に書かれた「ワルツ集」での初々しさもすてきですし、アルベニスらしさがよく出ている「スペイン風ダンス」の情熱的な感触もたまりません。1885年頃書かれた「サロン風マズルカ」はショパンの影響が感じられる作品で、タイトルには各々の曲を献呈された「お金持ちの娘さん」の名前が付けられています。演奏はおなじみゴンザレス。文句なしに楽しめます。
8.572197
ヘンデル:鍵盤楽器のための組曲集第1集
組曲第1番イ長調HWV426
組曲第2番ヘ長調HWV427
組曲第3番ニ短調HWV428
組曲第4番ホ短調HWV429
フィリップ・エドワード・フィッシャー(P)
ヘンデル(1685-1759)の鍵盤楽器のための組曲は、多数の曲があるにも拘わらず、残念なことに現代ではあまり知られてはいません。しかし、ここに収録した1720年作のいわゆる「8つの大きな組曲」はヘンデルによる紛れもない傑作です。恐らく、組曲第5番HWV.430の終曲が「調子のよい鍛冶屋」として知っている人はいるでしょうが、他の曲も素晴らしいものばかり。精緻極まる対位法、伝統を打ち破る新しい形式の中に、イタリア風の気取った楽想を盛り込んだ聴き応えたっぷりの1枚です。このアルバムは第1組曲の1番から4番までを収録しています。ピアノで演奏するヘンデルには異論もあるでしょうが、この瀟洒な響きは一聴の価値があります。
8.572198
ガブリエリ:鍵盤音楽作品集
第1旋法のプラエアンブラ
第1旋法のリチェルカーレ(第2集)
クレキヨン:「はかない喜びのために」によるリチェルカーレ(第5集)
第1旋法のトッカータ
パッサ・メッツォ・アンティコによるカプリッチョ(第3集)
ラッスス:「ある日シュザンヌが」によるカンツォーナ(第5集)
「クイ・ラ・ディーラ」によるカンツォーナ(第6集)
第9旋法のトッカータ(第1集)
第1旋法のリチェルカーレ(第3集)
第4旋法のプラエアンブラ
第4旋法のリチェルカーレ(第2集)
クレキヨン:「フレイスとガイヤルド」によるカンツォーナ(第5集)
フェラボスコ:「私は若い娘」によるマドリガーレ(第3集)
第10旋法のトッカータ(「トランシルヴァニア人」から)
第1旋法のリチェルカーレ(第2集)
リチェルカーレ・アリオーソ(第5集)
第3旋法のリチェルカーレ(第2集)
カンツォン・アリオーサ(第3集)
ローレ:「別れの時には」によるマドリガル(第3集)
グレン・ウィルソン(Cemb、スピネット)
イタリアのルネサンス期において、最も影響力があったとされるジョヴァンニ・ガブリエリ(1532/33-1585)。彼の叔父にあたるのが、このアンドレア・ガブリエリです。彼の若い頃については、ほとんど知られていませんが、聖マルコ大寺院のオルガニストの座を争って敗れ、1557年にヴェネツィア共和国カンナレジオ地区のオルガニストになったことはわかっています。イタリアの鍵盤音楽の発展に大きく寄与し、フーガ、リチェルカーレ、トッカータなどに優れた作品を残しています。合唱音楽を始め、多くの作品を残しましたが、自作の出版に対してはかなり慎重で、彼の作品が世に出回るようになったのは死後のことでした。華やかな中に落ち着きのある優雅な曲集です。

8.572204
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第3集
ソナタハ長調Op.9-2
ソナタ嬰ヘ短調「不運」Op.26/夢Op.49
スーザン・カガン(P)
名ピアニストであり、ベートーヴェンの友人、そして伝記制作者として知られるフェルディナント・リース(1784-1838)のピアノ・ソナタ集です。彼はクレメンティからハイドン、モーツァルトへとピアノ音楽が変遷していく中、独自の方法でピアノ・ソナタを作曲し始めました。彼の作風はそのままシューベルトやメンデルスゾーンなどのロマン派へと続いて行くものです。ハ長調のソナタは威厳のあるポロネーズで始まり、情緒的な第2楽章、悲痛な第3楽章を経て、快活な終楽章へと続きます。巧みな転調などは、古典派の作品には見られないものです。「不運」と題された嬰ヘ短調のソナタは、ベートーヴェンからの影響が見て取れます。第1楽章の構成などはほとんどそのまま「悲愴ソナタ」ですし、第2楽章にも第3楽章からも「ベートーヴェンらしさ」が漂います。ただ、リースはベートーヴェンほどの破壊力を持つことはなく、あくまでも上品な嘆きに留まってしまったところが不運だったと言えるでしょう。単一楽章で書かれた「夢」は6つの部分からなる事実上のソナタです。1813年に訪れたロンドンで自身の活動を広く知らしめるために書いた作品で、翌年に発表したところ大きな成功を収めることになりました。
8.572206
マルティヌー:ピアノ協奏曲集第1集
ピアノ協奏曲第3番H.316
ピアノ協奏曲第5番変ロ長調(ファンタジア・コンチェルタンテ)H.366
ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノH.269
ジョルジョ・コウクル(P)
アルトゥール・ファーゲン(指)
ボフスラフ・マルティヌーPO
チェコの作曲家、マルティヌー(1890-1959)の知られざるピアノ作品集を全て録音するという快挙を成し遂げたNAXOSですが、どうせならマルティヌーのピアノ協奏曲も全部お聴きいただく計画を立てています。このアルバムには2つの協奏曲と1938年に作曲されたコンチェルティーノを収録。どの曲も印象主義と原始的な躍動感が絶妙にブレンドされた個性的な音楽です。演奏はおなじみコウクル。マルティヌー研究家でもある彼の表現は、作曲家の友人であったフィルクシュニーの演奏と並び、スタンダードな形として後世に残ることでしょう。
8.572207
マーラー:交響曲第1番「巨人」 マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
オールソップの演奏には、弱々しい感情ではなく、突き進む強さがあります。これは女性指揮者だからこその強さかもしれません。第1楽章の悠然さ、第2楽章の決然とした響き、重々しい第3楽章、そしてはち切れんばかりのパワーを込めた終楽章。これは見事なマーラーです。
8.572208
イギリスのヴィオラ・ソナタ集
ジェイコブ:ヴィオラ・ソナタ
アイアランド:チェロ・ソナタ(L.ターティスによるヴィオラとピアノ編)
アーノルド:ヴィオラ・ソナタOp.17
ディーリアス(:チェロ・ソナタ(M.アウトラムによるヴィオラとピアノ編)
バークリー:ヴィオラ・ソナタOp.22
マーティン・アウトラム(Va)
ジュリアン・ロルトン(P)
このアルバムには、20世紀イギリスのヴィオラ・ソナタが5曲収録されています。その内の2曲はチェロ・ソナタからの編曲ですが、これもまた味わい深いものです。90年近くの長き生涯を生き抜いたジェイコブのソナタは、1978年に作曲されています。活動的な第1楽章と諧謔的な第2楽章を経て、現れる第3楽章の何と美しい事。現代では失われてしまった「平穏な世界」へのオマージュとも言える音楽です。宗教と自然に触発されたアイアランドのソナタ、映画音楽の分野でもおなじみのアーノルドの移り気なソナタ、単一楽章で書かれ、恐ろしいまでの完成度を見せるディーリアスのソナタ、ナディア・ブーランジェから強く影響を受けたバークリーのソナタと、各々多彩な表情を見せてくれます。
8.572209
ストラーチェ:チェンバロのための音楽集(1664年のコレクションからの選集)
シャコンヌ/パッサカリアハ短調
戦いのバッロ/トッカータ
「ラ・モニカ」による変奏曲
第5のパッシによるパルティータ
「ア・ラ・ミ・レ」によるパッサカリア
スパニョレッタによるアリア/コレンテ
「イル・パッソ・エ・メッツォ」によるカプリッチョ
フォリア/アルトロ・パッソ・エ・メッツォ
芥川直子(Cemb)
ベルナルド・ストラーチェは、1660年頃にイタリアで活躍した作曲家ですが、彼の作品の楽譜のほとんどは2度の地震によって消失してしまいました。とはいえ、ここに収録された1664年の作品集は、彼の作品というだけでなくイタリアのチェンバロ作品としても歴史的に大変貴重なものです。当時は巨匠フレスコバルディの影響力が強く、残念なことに彼の知名度が上がることはありませんでしたが、創作力の高さ、対位法の明暗、音楽の生命感など、最近では高い評価を得てきています。ドイツで活躍するチェンバロ奏者、芥川直子のソノリティに優れた立体感を感じさせる演奏で、これらの作品が生き生きと甦ります。ストラーチェと面識のあったといわれているチェンバロ製作者、カルロ・グリマルディの1697年作の忠実なコピー楽器を使用しています。
8.572210
マルガリティス&ペティレク:ピアノ作品集
マルガリティス:1.練習曲第1番(1901)
ギリシャ狂詩曲(1902)
組曲「青春」Op.4(1908-1921)
ソネチネOp.5(1922)/詩Op.10(1923)
2つのギリシア風田園曲Op.18(1927)
フェリックス・ペティレク:6つのギリシャ風狂詩曲
アポストロス・パリオス(P)
ギリシャ生まれのマルガリティス(1895-1953)のピアノ作品集です。彼は演奏家、教師、そして作曲家として高名で、ドイツのロマン主義とフランスの印象主義の良いところを取り込んだバランスの良い作品を数多く発表しました。「音楽普遍性」の精神を高く掲げ、シューマンやドビュッシーが追求した夢幻の世界を構築しています。冒頭の練習曲だけは、比較的、奇抜な音の動きをしていますが、他は聴きやすく愛らしいものばかりです。同時に収録されている「6つのギリシャ風狂詩曲」の作曲家、ペティレク(1892-1951)はブルノ生まれのウィーンの作曲家。29歳の時にマルガルティスと出会い、その後友情を深めた人です。その縁もあってか、アテネでピアノと作曲を教えるなど、ギリシャの音楽の発展に寄与した人としても知られます。
8.572211
ペンデレツキ:ヴィオラ協奏曲(1983)
チェロ協奏曲第2番(1982)
グリゴリー・ジスリン(Va)
タチアナ・ヴァシリエヴァ(Vc)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
かのレディオ・ヘッドのトム・ヨークが「ペンデレツキのチェロ協奏曲いいじゃん」と言ったとかで、一時期CDの売り切れが続いたというのは本当の話ですが、さて彼は第1番と第2番、どちらが良いと言ったのでしょうか?このアルバムに収録された第2番は1982年に名チェリスト、ロストロポーヴィチのために書かれたもので、ベルリン・フィル創立100周年記念の委嘱作品となっています。切れ目なく演奏される1楽章形式の作品で、刺激的な音は影をひそめ、豊かな調和と劇的な力は感じられるものの、やはり不安な感情を拭うことはできません。その1年後に書かれたヴィオラ協奏曲は、冒頭の表現力豊かなモノローグが耳に残る緊張感溢れる作品です。20分ほどの短い時間にぎっしり中身の詰まっています。
8.572212
ペンデレツキ:シンフォニエッタ・カプリッチョ他
古い形式による3つの小品(1963)
セレナード(1997)
シンフォニエッタ第1番(1992)
24の弦楽器のための間奏曲(1973)
オーボエと弦楽オーケストラのための奇想曲(1964)*
シンフォニエッタ第2番(1994)#
アルトゥール・パフレフスキ(Cl)#
ジャン・ルイス=カペッツァーリ(Ob)*
アントニ・ヴィト(指)
ワルシャワ・フィルハーモニック室内O
常に高い評価を受けているヴィトによるペンデレツキ・シリーズです。今作は、彼の約30年間にわたる6つの作品を収録していて、ペンデレツキ(1933-)の多彩な魅力を万遍なく楽しむことができる構成になっています。1963年に書かれた「古い形式による3つの小品」は、もともと映画のために構想された作品で、明らかに後期ロマン派風のバロック作品のバスティーシュです。当時の若い作曲家は前衛的なスタイルを持ちながらも、このような作品を書くことで自らの音楽技法を認めさせたのです。その翌年に書かれた「奇想曲」は明らかに現代に属するもの(それもペンデレツキの最も過激なスタイル)で、各々の楽器がつぶやきつつ、絡み合う様を見事に描いたものです。最近は懐古的な作風へと変化していると言われる彼の音楽ですが、1990年代の作品を聴いてみていただければ、その見解に納得がいくかもしれません。
8.572213
ヒンデミット:室内楽作品集
クラリネットとピアノ・トリオの為の四重奏曲
クラリネットとピアノの為のソナタ
チェロとピアノの為の3つのやさしい小品
クラリネット,2つのヴァイオリン,ヴィオラとチェロの為の五重奏曲Op.30
シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン[アンネット・フォン・ヘーン&エリザベス・グラス(Vn)、/ヘルトム−ト・ローデ(Va)、フランク・ドッジ(Vc)、ラース・ウーターズ・ファン・デン・オウデンウェイェル(Cl)、ヤ=フェイ・チュアング(P)]
作曲家、指揮者、ヴィオラ奏者として知られるヒンデミット(1895-1963)ですが、彼は他にも、ヴァイオリン、ピアノ、クラリネットなど様々な楽器を易々と演奏できる腕の持ち主で、当然彼の書いた器楽曲や室内楽曲は、楽器の構造を存分に知りつくした機能的なものとなりました。このアルバムでは主にクラリネットが大活躍する作品を収録。シリアスな場面からユーモラスな場面まで縦横無尽にメロディを吹きまくるクラリネットの妙技には驚く他ありません。オランダの名手オウデンウェイェルの深く美しい音色でこの知的な作品をお楽しみください。
8.572216
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集第2集
カルメン幻想曲Op.25
グノーの「ロメオとジュリエット」による演奏会用幻想曲Op.5
ロシアの歌Op.49(ヴァイオリンと管弦楽編)
ナイチンゲールの歌Op.29(ヴァイオリンと管弦楽編)
狩りOp.44
ホタ・デ・パブロOp.52(ヴァイオリンと管弦楽編)
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナバーラSO
有名な「カルメン幻想曲」で始まるこのアルバムは、NAXOS期待の新人、1987年生まれの楊天堝によるサラサーテ(1844-1908)の管弦楽とヴァイオリンのための作品集第2集になります。冒頭から素晴らしい緊張感と美音に満ちた彼女の演奏に引き込まれない人はいないでしょう。彼女はNAXOSのサラサーテ録音を一手に引き受けていますが、リリースが進むごとに成熟度が高まるのはさすが!少女時代から数多くのコンクールを制覇し、アイザック・スターンに学び、13歳でパガニーニの「24の狂詩曲」を録音、世界各国のオーケストラとも共演する彼女の今後が本当に楽しみです。サラサーテは一部の曲のみばかりが知られますが、こんなに良い曲があるとは!と驚かれた人も多いはず。情熱的な曲をもっと聴きたい方は第1集(8.572191)か、ピアノとヴァイオリンのための作品集の第1集(8.557767)、第2集(8.570192)もどうぞ。
8.572217
J.C.F.バッハ:交響曲第6番ハ長調HWT/6
交響曲第10番変ホ長調HWT/10
交響曲第20番変ロ長調HWT/20
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒ室内O
子だくさんであったJ.S.バッハの下から2番目の息子、J.C.F.バッハ(1732-1795)は、ビュッケブッルクの宮廷音楽家となったため「ビュッケブルクのバッハ」と呼ばれます。どちらかというと地味な活動をしたためか、同時代の評論家からは、あまり良い評価を受けなかったのですが、それは他の兄弟たちが個性的過ぎたせいもあったためで、彼自身、決して音楽家として才能がなかったのではありません。ここで聴くことのできる3つの交響曲はどれも上品で、機知に富み、充分に「バロックから古典派への橋渡し」を担うことのできる名作と言えるでしょう。
8.572218
ロシアの歌曲集
ムソルグスキー:蚤の歌
 牡山羊-世俗のお話/いたずらっ子
 神学生/死の歌と踊り<子守歌/セレナード/トレパーク/司令官>
キュイ:プーシキンの詩による25の歌曲〜<第17番ツァールスコエ=セロの彫像/第11番お前とあなた>
リムスキー=コルサコフ:2つの歌Op.49 第2番「予言者」
4つの歌Op.40 第3番悲歌「静かな夜に夢見たこと」
4つの歌Op.3 第4番「グルジアの丘の上で」
5つの歌Op.51 第5番「どんよりとした日が終わり」
バラキレフ:舟歌/君の歌が聞こえた時
 愚かものと言われつづけて
 ヘブライのメロディ
ボロディン:不思議の園/まちがった音符
 私の涙から/暗い森の歌
ミハイル・スヴェトロフ(Bs)
パヴリーナ・ドコヴスカ(P)
「ロシア5人組」の名歌曲をとことん味わう1枚です。ロシア歌曲と言えば、深みと凄みを併せ持った男の低い声がぴったりで、ここでは10年以上ボリショイ歌劇場の主要なソリストを務めたスヴェトロフが素晴らしい声を聞かせてくれます。有名なムソルグスキーの「死の歌と踊り」を始め、リムスキー=コルサコフ、バラキレフ、ボロディン、そして珍しいキュイの作品まで、とことん低音に塗れる喜びを味わうことが可能です。「蚤の歌」のような皮肉たっぷり、力でぐいぐい押す曲も見事ですが、トラック12のような、優しさに溢れる曲での包み込むような包容力に胸がきゅんとしてしまう瞬間もステキです。
8.572219
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第10集
ソナタ第28番ヘ長調「有名な海賊」
ソナタ第40番ハ長調
ロジ伯爵の死を悼むトンボー
ロバート・バート(Lute)
NAXOSの人気シリーズ、ヴァイス(1687-1750)のリュート作品集もついに第10集を数えました。シリーズを通して深い解釈を聴かせるロバート・バートの冴え渡る技巧も、ますます深化を遂げています。このアルバムでは2曲のソナタを中心に収録。どちらもかなり規模の大きな作品で、静けさの中に周到に張り巡らされた音の迷宮を彷徨う楽しみを味わうことができるでしょう。「有名な海賊」と題された第28番のソナタは、恐らく1719年頃の作品で、その前年に海上で戦死した「黒ひげ」と呼ばれる海賊の追悼の意味で書かれた作品といわれていますが、詳しいことはよくわかっていません。最後の曲に名前の残るロジ伯爵は、実は素晴らしいリュート奏者で、当時「リュートの王子」と呼ばれた名手です。もし彼が貴族でさえなかったら、後世に残る音楽家になっていたに違いありません。ヴァイスも多大なる影響を受けており、伯爵が亡くなった時に音による賛辞を送ったのです
8.572220
ブランカフォート:ピアノ作品全集第5集
5つの夜想曲/フォーレへのオマージュ
2つの曲<素朴な曲/断続的な曲>
サルダナ・シンフォニカ/強迫観念
パラウ・ソリタの乙女/トゥリーナへの3つの忠告
エレジー
小さな手のための小品集<パートブラリを飾るイラスト/間奏曲/サイエントロジー/ワルツ/マーチ/エリザベスの歌/インマ/カミラから/ユージニア/礼儀/お気に入りのギャロップ>
ミケル・ビリャルバ(P)/ミゲル・オリウ(P)
ブランカフォート(1897-1987)のピアノ作品全集も第5番目のリリース、こちらが最終巻となります。ピアニストのビリャルバが作曲家の遺族に直接交渉し、未出版のスコアを借り出して、この録音が実現したのです。どの作品も珍しいのですが、とりわけフォーレの作品からインスピレーションを受けたであろう「夜想曲」の美しいこと。第1番と第2番は大いなる自然への憧憬で、第1番の不明瞭な調性感は聴き手を即座に夜の世界へと引き込みます。第3番と第5番はより抽象的な世界感に支配されていて、聴き手も感覚を研ぎ澄ませなくてはいけません。第2番は若き日への懐古。第4番は諦観に支配されているようです。ある時期のブランカフォートは挫折感を味わい、自らを翼の切り取られた鳥と称しましたが、ここで聴ける彼の音楽にはどれも真の魂が宿っているように思われてなりません。
8.572221
ベートーヴェン:弦楽五重奏曲集
弦楽五重奏曲ハ長調Op.29
弦楽五重奏曲ハ短調Op.104
フーガニ長調Op.137
ジル・シャロン(Va)
ファインアーツQ[ラルフ・エヴァンス(Vn)/エフィム・ボイコ(Vn)/チャウンシー・ペターソン(Va)/ヴォルフガンク・ロイファー(Vc)]
かなりのベートーヴェン・ファンでもなかなか手を出さないジャンルの一つ、弦楽五重奏曲をお聴きいただきましょう。何しろ、4曲ある弦楽五重奏のうち、1曲はこの盤にも収録されている単一楽章のフーガOp.137であり、Op.4とされる1曲は、自身の八重奏曲Op.103のベートーヴェン自身による編曲であり、またOp.104は自作のピアノ三重奏曲Op.1-3を誰かが編曲したもの。純然たる弦楽五重奏は1800年〜01年に書かれたOp.29の1曲だけというわけです。こんな扱いだけど、決してベートーヴェンが手を抜いたというわけではないという事は、このアルバムを聴いていただければ納得するはずです。弦楽四重奏に、ヴィオラが1本加わるだけでこんなにも幽玄な音色が生まれる事実を再確認。そしてベートーヴェンの精緻な書法に改めて敬服。ファインアーツSQとヴィオラのシャロンの織り成す見事な演奏にうっとり。そして、飛ぶように駆け抜けるフーガに耳を奪われる・・・まさに通向けの音楽です。
8.572222
フックス:セレナード第1番ニ長調 Op.9
セレナード第2番ハ長調 Op.14
アンダンテ・グラジオーソとカプリッチョOp.63
クリスティアン・ルートヴィヒ(指)ケルン室内O
目の前に一瞬にして田園風景が広がるかのような、これらのセレナード。この曲を作曲したローベルト・フックス(1847-1927)は、ブラームスに大絶賛されたにも拘わらず、死後1年もしないうちにほとんど聴衆から忘れ去られてしまったと言います。確かに彼の作品は、その時代の潮流からは乗り遅れ、また同世代のブルックナーの影響(ワーグナーの流れ)も全く見いだせず、ただ単に「耳当たりの良い音楽」として評価されてしまったのは頷けます。しかし、教師としての腕は確かであり、彼の音楽は秘かに次世代の作曲家たち、マーラー、ツェムリンスキー、コルンゴルトへ受け継がれていったことは間違いありません。
8.572224
ヘンデル:オラトリオ「アレクサンダーの饗宴」 ガーリンデ・ゼーマン(S)/クヌート・ショッホ(T)
クラウス・メルテンス(Bs)/ユンゲ・カントライ
ヨアヒム・カルロス・マルティーニ(指)
フランクフルト・バロックO(オリジナル楽器使用)
ヘンデル(1685-1759)は晩年になって精力的にオラトリオを作曲しました。この「アレクサンダーの饗宴」もそんな中のひとつです。この作品は1736年ロンドンで初演された時、1300人もの観客が大興奮したというもので、1697年ドライデンが書いたアレクサンダー大王を讃える詩が元になっています。愛と戦い、そして祝宴。これらが見事に音で表現された華やかなオラトリオです。しかし現代では、その幕間に演奏された合奏協奏曲ばかりが有名で、本来のオラトリオが演奏されることはほとんどなくなってしまいました。初演時、ヘンデルは理想的なソプラノ歌手を得るためにイギリス中を探しまわり、結果、見つけたのはアンナ・マリア・ストラーダ(ルール・ブリタニアを作曲したトマス・アーンの未来の妻)で、彼女はこの公演の成功に大きく貢献しました。このアルバムには合奏協奏曲は含まれていませんが、その曲は8.550158で聴くことができます。
8.572225
チャイコフスキー:18のピアノのための小品Op.72
[1.即興曲ヘ短調/2.子守歌/3.やさしい非難/4.性格的舞曲/5.瞑想曲/6.踊りのためのマズルカ/7.演奏会用ポロネーズ/8.対話/9.少しシューマン風に/10.幻想的スケルツォ/11.火花のワルツ/12.いたずらっ子/13.田舎のエコー/14.悲しい歌/15.少しショパン風に/16.5拍子のワルツ/17.遠い昔/18.踊りの情景、トレパークへの誘い]
コンスタンティン・シャムライ(P)
数多くのピアノ曲を作曲したチャイコフスキーですが、この「18の小品」は、彼の最晩年、死の半年前に完成させた極めて完成度の高い曲集です。1曲1曲が、よくあるようなサロン風の小品とは一味違った深い味わいを持ち、詩情豊かで独創的な世界を構築しています。友人や同僚に捧げられた曲や内省的な曲が多く見受けられるのは、少しだけ人生に疲れていたチャイコフスキーが、自らの辞世の句として書いたのかもしれません。ここで素晴らしいピアノを聴かせるのは、2008年シドニー国際ピアノ・コンクールの入賞者、コンスタンティン・シャムライです。彼の演奏は、悲観的になりがちなこの曲集の表現に若々しい息吹を与えています。なお、管弦楽版の第10曲「幻想的スケルツォ」を耳にしたことがある人もいるかもしれません。これは、チャイコフスキーが交響曲「人生」として構想し、途中で投げ出してしまった作品を、後に作曲家ボガティリェフが拾い上げ、4楽章形式の交響曲として創り上げた際、第3楽章に取り入れたヴァージョンです。
8.572226
ブリス:組曲「クリストファー・コロンブスの探検」(編曲:アドリアーノ)
.「27人の漂流者」〜3つのオーケストラのための小品
「2つの世界の男」〜バラザ(ピアノと管弦楽、男声合唱のための演奏会的小品)
「2つの世界の男」より
シルビア・カポヴァ(P)
スロヴァキア・フィルハーモニーcho
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO

※MARCOPOLO*8.223315より移行盤
アーサー・ブリスは第1次世界大戦後のイギリスで活躍した「恐るべき子どもたち」の一人。初期の作風はかなり先鋭的でしたが、中期以降は保守的な作風に転向。バレエ音楽や劇音楽、そして映画音楽の分野で目の覚めるような作品を数多く書いています。彼は1935年から映画音楽の作曲をはじめ、最初に手掛けた「来たるべき世界」の音楽で大成功をおさめ、当時の聴衆に「映画音楽の重要性」というものをはっきり認識させたと言います。このアルバムに収録された「コロンブスの冒険」と「2つの世界の男たち」は1940年代の作品、「27人の漂流者」は1950年代の作品で、エキゾチックなメロディと刺激的なリズムに彩られた快活な曲が並びます。「コロンブスの冒険」はあまりにも映画の脚本が不条理なせいか、現在ではフィルム自体を見ることはできません。しかし、ここに付けられたブリスの音楽があまりにも見事だったことから、1990年に指揮者アドリアーノが自筆スコアも研究しつつ、新たな組曲として再構築したものです。「2つの世界の男たち」はヨーロッパで音楽を学んだアフリカ人作曲家・ピアニスト、キセンガの物語。「バラザ」は映画の冒頭、キセンガが弾く自作の協奏曲として作曲されたもの。ブリスはこれらの曲にアフリカ的な要素を組み込むため、本物の東アフリカの音楽をいくつか聴き、異国的な雰囲気を取り入れるのに成功しました。
8.572227
シベリウス:交響曲第4番、第5番 ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
日本でますます人気急上昇中。巨匠の道を歩き始めた感のある若手気鋭指揮者インキネンのシベリウス(1865-1957)・交響曲ツィクルス第2弾です(第1集は8.572305)。当盤に収録されているのは、最も曲想が晦渋な第4番と祝祭的な雰囲気に満ちた第5番です。1911年に完成された第4番は、当時体調不良を訴えていたシベリウスの気分がそのまま反映された作品。寒々とした荒涼な風景の中をよぎる一抹の風のような不気味さが見え隠れします。一転1915年に作曲された第5番は彼の50歳の誕生日の祝賀式典に演奏するために書かれた曲。春の訪れを感じさせるような暖かさを抱いています。対称的な2つの作品を、インキネンは見事に描き分けています。
8.572228(2CD)
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」 エリヤ…ラルフ・ルーカス(Bs)
寡婦…ルート・ツィーザク(S)
天使/女王イゼベル…クラウディア・マーンケ(Ms)
オバデヤ/アハブ…クリストフ・ゲンツ(T)
少年…ルイゼ・ミュラー(トレブル)
ライプツィヒMDR放送cho
準・メルクル(指)ライプツィヒMDR響
イスラエルの神ヤハウェに仕える預言者を描いた、メンデルスゾーン(1809-1847)最後の完成作品であるオラトリオ「エリア」。1836年に初演された「パウロ」を越える物を書くために、ルターが訳したドイツ語聖書をもとに作成された台本を練り上げ、感動的な音楽が付けられています。旧約聖書の「列王記」に記されたエリアは、徹底した預言者であり、正しき言葉を伝えるためには、権力者から民衆まで、この世の全てを敵に回すことも厭わないほど激しい人物でした。しかし、メンデルスゾーンは、彼の中に理想の指導者の姿を見出し、音楽で余すことなく描き切ったのです。準・メルクルは現代最高の歌い手たちとともに、この素晴らしいオラトリオを理想的な形で現代に問います。
8.572230
ファンファーレと序曲
オーウェン・リード(1910-):序曲1940(編曲:W.バーツ)
フサ(1921-):スメタナ・ファンファーレ
ネリベル(1919-1996):歌劇「リブシェ」ファンファーレ
オーウェン・リード:追悼のファンファーレ
フサ:プラハ1968年のための音楽
オーウェン・リード:ルネサンス
W.シューマン:ジョージ・ワシントン・ブリッジ
ニコラス・ファルコ(ナレーター)
ウィリアム・バーツ(指)
ラトガーズ・ウインド・アンサンブル
W.バーツとラトガーズ・ウインド・アンサンブルのコンビによる様々な吹奏楽作品の録音は、これまでにも多くのファンの心を鷲掴みにしてきたのですが、今回NAXOSから登場するアルバムも注目の的になること間違いありません。2006年から2008年に録音されたこの曲集は「メキシコの祭」でおなじみの作曲家O.リードの作品や、こちらもファンにはおなじみフサの大作「プラハ1968年のための音楽」など吹奏楽マニアにとって感涙ものの曲大盛りの1枚となっています。とりわけ印象深い「追悼のファンファーレ」は全ての人に聴いてもらいたい問題作と言えるでしょう。
8.572231
ミレニアム・カノン
プッツ(1972-):ミレニアム・カノン(M.スペード編)
ニューマン(1972-):私の手は都市
キュスター(1973-):失われた峡谷
マッキー(1973-):カワセミ
ホルスト:鍛冶屋-前奏曲とスケルツォ
ゴーブ(1958-):去りゆく日
ジョン・P・リンチ(指)
ジョージア大学ウィンド・アンサンブル
このアルバムに収録された作品を書いたのは、ほとんどが1970年代生まれの若手作曲家たち。さすが、瑞々しい感性に裏打ちされた曲ばかりです。やはりこういう曲は「自分たちで演奏してみたい」と思わせるのがツボ。壮麗でカッコいい「ミレニアム・カノン」などはその最たる曲と言えましょう。他にも大いなる自然賛歌ともいえるニューマンの曲、豪壮な岩山を描いたキュスターの曲、嵐が去った後に巣から飛び立つカワセミに希望を託したというマッキーの曲、など個性豊かです。非の打ちどころなきジョージア大学ウィンド・アンサンブルの演奏で。
8.572233
アレンスキー:ピアノ作品集
6つの小品Op.53(1901)
4つの練習曲Op.41(1896)
12の練習曲Op.74(1905)
6つのエスキース「海の近くで」Op.52
アダム・ニーマン(P)
1861年にロシア・ノヴゴロドで生まれたアレンスキー(1861-1906)は幼い頃から音楽の勉強を始め、10歳になる頃には幾つものピアノ曲や歌曲を作曲していました。18歳の時から作曲をリムスキー=コルサコフに師事し、対位法とフーガをペテルブルク音楽院で学び、1882年には素晴らしい成績で音楽院を卒業しています。このアルバムに収められた様々なピアノ曲は、彼の素晴らしい才能を目の当たりにするものばかり。メロディにおける天賦の感受性は、まさに先人ショパンやシューマンを思わせるほどに見事で、この美質はそのままラフマニノフや、後に対立するも、スクリャービンへと受け継がれています。多くの作曲家から影響を受け、また影響を与えたためか、独自性が乏しく感じられてしまう部分もありますが、じっくり聴いてみると良さがわかってくることでしょう。
8.572235
マルコプーロス:オルフェウスの典礼
オルフェウスの典礼<オリュムポスのオルフェウス/感謝の歌-アポロへの頌歌/オルフェウスの手の中のリラ/ガイア、母なる地球/空への賛歌/海への賛歌/ハイペリオン/黄泉の国のオルフェウス/エウリディーチェは待つ/愛は来た/クーレーテス-コリバントス/バッカスのダンス/オルフェウスと復讐の女神/ピエリアのミューズ/愛の方法に/おお、プュシス-自然への賛歌/運命/寺院のオルフェウス/感謝の歌-エピローグ>
ホセ・ヴァン・ダム(B-Br)/エレナ・ケレッシーディ(S)/フィリップ・シェフィールド(ナレーター)/アリエール・ヴァリボーズ(hp)/マルク・グローウェルス(fl)/エドヴィヒ・アブラス(指)フランダース歌劇場SO・cho
自然環境の復活を求める預言者=音楽家を描くこのオラトリオは、合唱、ソリスト、ナレーター、大オーケストラの他にリュートやリラ、ハープ、ピアノを用いた多彩でわかりやすい音楽が魅力です。このCDの冒頭2分間だけ聴いただけで、あまりにも陽気で特徴的な音楽に心がときめくはずです。名バリトン、ホセ・ファン・ダムの歌唱も、否が応でもこの曲の興奮度を高めてくれます。この曲が1992年に書かれたとは・・・何とも不思議な思いに捉われてしまいます。
8.572236
タイベルク:交響曲第3番&ピアノ三重奏曲
交響曲第3番(1943)
ピアノ三重奏曲ヘ長調(1935-36)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
ミヒャエル・ルートヴィヒ(Vn)、
ローマン・メキヌコフ(Vc)、
チャン・ヤ=フェイ(P)
ウィーン生まれの作曲家タイベルク(テュベルク)(1893-1944)。彼は、母親がピアニスト、父親はヴァイオリニストという音楽一家にうまれ、幼い頃から音楽家になることを運命付けられたような人でした。この交響曲第3番は移住先であるアバツィア(現クロアチア領オバツィア)で1943年書かれたもので、マーラーの第7番の交響曲を思わせる重厚な作品となっています。当時、ムッソリーニの失脚により、イタリアはナチス・ドイツの支配下におかれたため、アバツィアに住むタイベルクもその影響を受けざるを得ませんでした。彼自身もユダヤの血を引いていたため、その翌年アウシュビッツに送還され悲劇の死を遂げることになってしまったタイベルク。しかし彼の作品は、ヤン・クーベリックの息子ラファエルに拠って演奏され、忘却の淵に沈むことは避けられたのです。
8.572237
マルコプーロス:図形の動きに
24のフィリチオス・ダンスより第13番「ネメシス」*
図形の動きに(ピアノ協奏曲)
フルート、弦楽とハープのためのトリプティク
コンチェルト・ラプソディ/小幻想曲
2つの古風なスケッチ〜第2番哀歌
太陽に照らされた風景
マルク・グローウェルス(Fl)
ディミトリ・パパテオドロウ(P)
ツァハリアス・スピリダキス(リラ)
ダリア・オウツィエル(P)
ソフィー・アランク(ハープ)
ブラッセルズ・ヴィルトゥージ
ブラッセルズ・フィルハーモニー、フランダースSO*
フランダース歌劇場SO
ミシェル・ティルキン(指)*
エドヴィグ・アブラス(指)
イアニス・レオニダキス(指)
壮大なカンタータ「オルフェウスの典礼(8.572235)」で、その溢れるばかりのリリシズムとネオ・ロマンティシズムで聴き手を驚かせたマルコプーロスの作品集です。彼の愛するリラとオーケストラの美しき共鳴、まるで神話の神が吹くかのようなフルートの調べなど、どの作品にも古代の息吹が生き生きと感じられます。ピアノ協奏曲の形式をとる「図形の動きに」では、どことなく感傷的なメロディを彩るモダンな響きが包み、夢幻的な空間が造り出されています。聴いているうちに何となく敬虔な気持ちになってしまいます。
8.572238
ロゲール:室内楽作品集
クラリネット五重奏曲Op.116
ピアノ・ソナタOp.43/ピアノ三重奏曲Op.77
アイルランド民謡による変奏曲Op.58
ロバート・プレーン(Cl)、ルーシー・グールド(Vn)
ミア・クーパー(Vn)k、デイヴィッド・アダムス(Va)
アリス・ニアリー(Vc)、エミリー・バイノン(Fl)
ベンジャミン・フリス(P)
1895年、オーストリアで生まれウィーンで育ったロゲール(1895-1966)は、シェーンベルクの下で学び1923年から1938年まではウィーンの音楽院で教鞭をとりました。しかしその後アメリカに行き、1945年にはアメリカ国籍を取り、ニューヨークとワシントンで活動を始めます。彼の作品は多くの演奏家たちに支持され、例えば名指揮者クーベリックやE.ラインスドルフらが積極的に彼の作品を演奏会で取り上げています。作風は後期ロマン派の挑発的な和声と保守的な形式をうまくミックスさせたもので、曲によってはまるでブラームスの作品のような渋い佇まいを有しています。また「アイルランド民謡による変奏曲」は1939年にアイルランドを訪問した際の強い印象を表現したもので、フルートの郷愁に満ちた音色が耳に残ります。ここでフルートを演奏しているバイノンはロイヤル・コンセルトヘボウの首席奏者。NAXOS初登場となります。
8.572241
リスト:ピアノ作品全集第31集〜ベルリーニのオペラ編曲集
ベルリーニの「夢遊病の女」の主題による幻想曲S393/R132
ノルマの回想S394/R133
ベルリーニの歌劇「清教徒」の回想S390/R129
ヘクサメロン(演奏会用小品)-「清教徒」の行進曲による華麗な大変奏曲S392/R131
ウィリアム・ウォルフラム(P)
オペラの中の名旋律を用いて、華麗なピアノ作品に仕上げることは、19世紀のピアニストたちにとって必要不可欠な腕の見せ所でした。なかでもリスト(1811-1886)は自らの超絶技巧を惜しげもなく注ぎ込み、数々の作品をこの世に送りだしたのです。このアルバムはベルリーニの美しいメロディをふんだんにつかった聞きごたえのある曲が並びます。なかでも「ノルマの回想」はピアニストの限界に挑戦する難所が次々と出現する、難攻不落の名曲。ウォルフラムの妙技をとくとお聴きください。また、秘曲「ヘクサメロン」はオペラ「清教徒」の中のメロディに、リストの他、ショパン、タールベルク、エルツ、チェルニー、ピクシスの6人の作曲家が変奏曲を書き、リストがまとめたもの。各々の作曲家の個性を楽しみながら、音の奔流に耳を傾けてみてください。
8.572242
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブルの至芸
ヒンデミット:交響曲変ロ調
ホルスト:吹奏楽のための組曲第1番
シュワントナー(1943-):そしてどこにも山の姿はない
グレインジャー:リンカンシャーの花束
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
すでに2枚のアルバムをNAXOSからリリースしているアメリカのピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル、今回もバラエティ豊かな選曲でファンを魅了します。吹奏楽好きにはたまらないホルストの組曲や、これも外せないグレインジャーの「リンカンシャーの花束」はもちろんのこと、曲の存在は知られているのだけど、あまり耳にする機会がないヒンデミットの「交響曲変ロ調」など、まさに文句の付けどころのないほどの出来栄えです。
8.572243
ルーセル:蜘蛛の饗宴、他
バレエ音楽「蜘蛛の饗宴」Op.17第1部/第2部
オペラ・バレエ「パドマーヴァティ」第1幕より第1組曲/第2幕より第2組曲
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
印象主義から新古典主義へと進んだルーセル(1869-1937)の初期の名作「蜘蛛の饗宴」です。この作品はもっぱら作曲家自身が編纂した「交響的断章」が知られ、この全曲が演奏される機会はあまりありません。曲は印象主義そのものであり濃密な管弦楽法が特徴的です。1912年に芸術劇場の委嘱によって書かれたバレエ作品で、ファーブルの「昆虫記」からインスピレーションを受けていて、庭に巣を作った蜘蛛と、蜘蛛のエサとなる昆虫たち、その蜘蛛を狙うカマキリ。そして神秘的なカゲロウの羽化からその死までを精緻な書法で描いた、音による博物誌です。ルイ・ラロイの台本によるオペラ「パドマーヴァティ」は野性味あふれる異国的な音楽。本編には歌が挿入されますが、こちらは管弦楽組曲のみです。なかなか上演される機会のない幻のバレエです。ドヌーヴの演奏は闊達で色彩豊か。
8.572244
ムーヴィーブラス〜映画でおなじみのアノ曲
バーンスタイン:ウェスト・サイド物語<序曲/ジェット・ソング/なにか起こりそう/ブルース/パブ/マンボ/マリア/アメリカ/こっそりと/一つの手、一つの心/トゥナイト/アレグロ/アイ・フィール・プリティ/恋は永遠に/クラプキ巡査/フィナーレ>
バーバー:弦楽のためのアダージョOp.11
J.ウィリアムズ(1932-)/J.ゴールドスミス(1929-2004)/
D.アーノルド(1962-):スペース・ブラス<スーパーマン「メイン・テーマ」/E.T.「メイン・テーマ」/スター・トレック「オープニング・テーマ」/スター・トレック「コラール」/スター・トレック「終わりのテーマ」/インペンデンス・ディ「メイン・テーマ」/アポロ13号「メイン・テーマ」/未知との遭遇「メイン・テーマ」>/
J.ウィリアムズ:インディ・ジョーンズ「メイン・テーマ」
エルフマン(1953-):ザ・シンプソンズ「メイン・テーマ」
F.ミカリッツィ(1939-)/大野雄二(1941-):ルパン三世「メイン・テーマ」
ゴマラン・ブラス・クインテット[マルコ・ブライト(tp)/マルコ・ピエロボン(tp)/ニーロ・カラクリスティ(Hrn)/ジアンルーカ・シピオーニ(tb)/オズワルド・プレーダー(tuba)]
1999年、イタリアの金管楽器奏者5名によって結成されたゴマラン・ブラス・クインテット。それから僅か2年後、「パッサウ管楽器国際コンクール」で優勝し一躍世界中の注目を集めました。ロジャー・ボボを始めとした同業の奏者たちや、ズービン・メータら大指揮者もこぞって絶賛。輝かしい音色とともに知名度は急上昇中のアンサンブルです。そんな彼らが満を持して演奏するのが、映画で使われた名曲の数々です。これらの曲のほとんどが、メンバーのトランペット奏者M.ピエロボンによって、曲の特性が存分に生かされた編曲を施され、とても楽しい曲として生まれ変わっています。日本人にはおなじみの「ルパン三世」のテーマの変貌ぶりに、ぜひ驚いてみてください。
8.572245
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタニ長調 Op.1-13 HWV371
ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.1-3 HWV361
.ヴァイオリン・ソナタニ短調 Op.1-1 HWV359a
ヴァイオリン・ソナタト短調 Op.1-6 HWV364a
ヴァイオリン・ソナタト長調 Op.1-13 HWV358
アンダンテイ短調 HWV412
アレグロハ短調 HWV408
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.1-12 HWV370
ヴァイオリン・ソナタト短調 Op.1-10 HWV368
ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.1-14 HWV372
ヴァイオリン・ソナタホ長調 Op.1-15 HWV373
アンサンブル・ヴィンテージ・ケルン
<メンバー:アリアドネ・ダスカラキス(Vn)/ライナー・ジッパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ジェラルド・ハンビッツァー(ハープシコード)>
ヘンデルのヴァイオリン・ソナタとひとくくりに言っても、その数え方に異論があり、なかなか全貌が見えてこないのが実情です。本来はOp.1として出版された15の独奏ソナタのうち、ヴァイオリンと通奏低音のために書かれた曲を指しますが、出版当時から偽作と思われるものが含まれていたり、後に自筆稿と思われる曲が発見されたりと、どんなに研究を重ねてもわからないことが多いものです。ここに収録された9曲と小品2つは最新の研究結果に基づく「全集」であり、例えばHWV408のアレグロなどは、HWV362のリコーダー・ソナタと同じ素材が使われていたりもします。どちらにしても、研究結果は横に置いておいて、この麗々しい作品集を楽しもうではありませんか。オリジナル・ピッチの落ち着いた響きは、モダン楽器と一味違う独特な空気感を持ち、儚げな音の漣は300年ほど前の優雅な宮廷へと聴き手を連れていってくれるでしょう。
8.572246
期待の新進演奏家シリーズ/マイケル・アンガーオルガン・リサイタル
ブクステフーデ:前奏曲とフーガホ短調BuxWV142/
バッハ:「バビロン川のほとりに」BWV653
 「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」BW662
 前奏曲とフーガイ短調BWV543
リテーズ(1909-1991):12のオルガン小品〜第1番「前奏曲」
 前奏曲と舞踏フーガ
ヴィドール:オルガン交響曲第7番Op.42-3より第2楽章
メシアン:主の降誕〜第9曲神はわれらのうちにいましたもう
マイケル・アンガー(Org)
武蔵蔵野市国際オルガンコンクールは4年に1回開催され、この2008年が第6回目にあたるアジア唯一のオルガン国際コンクールです。27カ国から152名のエントリーがあり、この激戦を勝ち抜いたのがカナダ生まれのマイケル・アンガーでした。彼はすでにアメリカやオランダでのコンクールで高い評価を受けていて、今回の武蔵野でもその手腕を存分に発揮した形となりました。この演奏は優勝後すぐに録音されたもので、ブクステフーデの劇的な作品に始まり、最後はメシアンで締めくくるという絶妙のプログラム。大いなる将来性に期待できる演奏家の誕生を目の当たりにする、静かな興奮に満ちた1枚と言えるでしょう。
8.572247
ソヴィエトとロシアのヴィオラ音楽集
クリュコフ(1902-1960):ヴイオラ・ソナタOp.15
ワシレンコ(1872-1956):ヴィオラ・ソナタ
Op.46
フリード(1915-):ヴィオラ・ソナタOp.62-1
クレイン(1913-1996):ヴィオラ・ソナタ
ボグダーノフ=ベレゾフスキー(1903-1971):ヴィオラ・ソナタOp.44
イーゴリ・フェドトフ(va)
レオニード・ヴェシュアイツェル(p)
ゲイリー・ハモンド(p)
ほとんど耳にすることのないロシア、ソヴィエトの作曲家たちの、これまた渋いヴィオラ・ソナタ集です。通して聴いてみると各々の作曲家たちの個性の違いが際立つ面白いアルバムとなっています。これらの曲の中には、ロマン主義の叙情性とスクリャービン、ショスタコーヴィチの明らかな影響、そしてロシアらしい感傷性とわずかに感じられるフランスの空気がごちゃ混ぜになって含まれていて、それを感じ取るのがとても楽しいひと時となるに違いありません。フェドトフとヴェシュアイツェルはこれがNAXOSへのデビュー盤となります。瑞々しい才能の発見も楽しい限りです。
8.572248
北国の風
アップルバウム(1918-2000):ハイ・スピリッツ〜コンサート・バンドのための短い序曲
コルグラス(1932-):ドリーム・ダンサー
クチャルチク(1953-):会議の要求
クレシャ(1954-):アンサンブル
フリードマン(1922-2005):ローレンシア台地の雰囲気
メシアン:異国の鳥たち
ウォレス・ハラディ(Sax)、
シモン・ドッキング(P)、
トニー・ゴメス(指)トロント・ウィンド・オーケストラ
20世紀の作曲家たちによる様々なスタイルの吹奏楽作品その他を集めたゴキゲンな1枚です。トロント・ ウィンド・オーケストラの目の覚めるような技にも釘付けになりますが、ソロを担当している奏者たちに も注目です。この分野ではおなじみの作曲家コルグラスの作品で素晴らしいサックスを受け持つのはカナ ダの若き奏者ハラディです。メシアンで鮮烈なピアノを弾いているのはオーストラリアの現代曲を得意と する若手ドッキング。白熱した力がぶつかる時に溢れ出るエネルギーの凄まじさを体験してください。
8.572249
ヒナステラ:パブロ・カザルスの主題による変奏曲Op.48
協奏的変奏曲Op.23
弦楽五重奏と弦楽オーケストラのためのパブロ・カザルスの主題による変奏曲Op.46
ジセル・ベン=ドール(指)LSO
伝説的名チェリストで作曲家でもあるカザルスと親友であったヒナステラ(1916-1983)は、カザルスの生誕100周年の記念祝賀祭のために一つの変奏曲を作曲しました。最初は弦楽五重奏と弦楽オーケストラという編成で書き上げたのですが、当時ワシントン・ナショナルSOの音楽監督であったロストロポーヴィチから「作品を世界初演したい」という申し出があり、ヒナステラは作品をより大きな編成へと生まれ変わらせ、一層の輝きを与えたのです。この曲を作曲するにあたって、彼がどれほどカザルスに敬意を払っていたかは、後にBoosey&Hawkes社から出版される際に付された「作曲家ノート」に詳しく綴られています。もちろん曲の中にも偉大なるチェリストの面影はいたるところに散見され、とりわけ第4曲での「鳥の歌」の扱いは永遠なる友情の証しとして強く印象に残ります。
8.572250
レブエルタス:ラ・コロネラ他
ラ・コロネラ…世界初録音
旅行記(1938)/コロリネス(1932)*
ジセル・ベン=ドール(指)
サンタ・バーバラSO、イギリスCO*
メキシコ、ドゥランゴ州のサンチャゴ・パパスキアーロに生まれたレブエルタス(1899-1940)の扇情的な作品集です。彼は指揮者、ヴァイオリニストとして活躍し、1929年からはカルロス・チャベスの招きでメキシコSOの指揮者助手を6年間務め、同時代のメキシコ音楽の普及に努めました。最期は貧困のうちに若くして世を去ってしまいましたが、長生きすれば、もっともっと楽しい音楽を書いていたに違いありません。彼の音楽は通俗的なものを孕みながらも、常に革新的で不協和音に満ちています。しかしどこもかしこも「メキシコ的」であり、熱く昂るリズムが激しく煌めくのです。世界初録音となる「ラ・コロネラ(女性大佐)」は4つの部分からなるバレエ音楽です。第1部は1900年代の上流社会、第2部は独裁政治における労働者階級の生活を鋭く描きだします。第3部に現れる優雅なワルツは、あのベルリオーズの舞踏会を思わせるほどに、陳腐な美しさの影に潜む嫌な感じを表現しています。そして第4部は戦いの場面。鋭く切り裂くようなトランペットの咆哮は戦死者たちへの弔いの音楽です。
8.572251
マルティヌー:ピアノ三重奏曲全集
5 つの小品(ピアノ三重奏曲 第1番)(1930)
ピアノ三重奏曲 第2番 ニ短調(1951)
牧歌集/ピアノ三重奏曲第3番ハ長調(ザ・グレート)(1951)
アーバー三重奏団
【ドミトリー・ヴォロヴィエフ(P)
ティーヴン・シップス(Vn)
リチャード・アーロン(Vc)】

録音:2010年8月30日-9月3日 チェコ ピルゼン,チェコ放送
チェコの作曲家マルティヌー(1890-1959)の室内楽作品は、そのバランスの良い響きと斬新な和声が20世紀音楽好きの耳を引き付けています。このピアノ三重奏曲もどれもが魅力的であり、書かれた時代を反映した興味深い作品です。1930年の第1番は、5 つの部分からなる小品集として想起され、一つ一つが独立した表情を持っています。パリでストラヴィンスキーに絶賛された、まさに新古典派の作風を持つ生き生きとした楽しい音楽です。第2番と第3番は1951年にアメリカで作曲され、一層興味深い作品となっています。音楽の進行は、親しみやすい主題と、ゆっくりした哀歌が突然交代するというまさに予測不可能なもので、現代人の不安を見事に抉り出したかのような深さを感じさせます。チェコで活躍するアーバーピアノ三重奏団の革新的な演奏です。
8.572254
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1集
カントゥス・ドロリスOp.78
3つの悲しき小品Op.106-1「悲歌」
ロマンスニ長調Op.79-1
アルバムの綴りOp.81-2
古い方法Op.89-1/セレナーデOp.89-2
古風な組曲Op.10
3つの悲しき小品Op.106-3「アンダンテ・レリジオーゾ」
ワルツト長調Op.59-3(第1稿)
ワルツホ短調Op.59-4
ワルツト長調OP.59-3(第2稿)
エアOp.81-1/子守歌Op.106-2
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
2005年の雪深い10月のある日、オスロの古い図書館にて、シンディング(1856-1941)の宝石のような小品集を録音することが決まりました。グリーグに比肩するほどの素晴らしい作曲家のはずなのに、留学先のドイツでナチスに協力したため、祖国ノルウェーからは「反逆者」の烙印を押されてしまったシンディング。確かに彼の交響曲はドイツ系の香りがしますが、このヴァイオリンの小品集はノスタルジックでセンチメンタル。まさに北欧の香りがそこかしこに漂っています。わずか数百グラムの古いヴァイオリンとヨハン・スヴェンセンが愛用した古いグランドピアノを使って演奏されたこれらの作品の何と味わい深いこと!ヴァイオリン協奏曲(8.557266)で説得力たっぷりの演奏を披露した若き名手クラッゲルードの冴え渡る技巧と甘やかな表現力はここでも光り輝いています。
8.572255
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第2集
前奏曲Op.43-3/ロマンスニ長調Op.100
夕べの歌Op.89-3
春のささやき(ピアノ・ソロ)Op.32-3
ロマンスホ短調Op.30/古い様式のソナタOp.99
エレジーOp.61-2/バラードOp.61-3
夕べの気分Op.120a
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
クラッゲルードとイーレ・ハドランの演奏するシンディングのヴァイオリン作品集第2集。先に発売された第1集(8.572254)が大好評。甘い旋律と夢見るようなハーモニーは、この作曲家になじみのない人の心にも強烈な印象を植え付けたようです。このアルバムには、これまたとびきり愛らしい小品と、ロマンティックなヴァイオリン・ソナタ、そして有名過ぎる「春のささやき」などが収録されています。シンディング(1856-1941)は若き頃ヴァイオリンもピアノも学びはしたものの、演奏家として活動するには技術が足りないことを自覚。指揮者としての道も諦めてしまい、早いうちから作曲家としてのみ音楽活動にかかわることを決意したといいます。彼は一生涯、後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。ただ、独自の作風を確立しなかったことも非難されたこともあってか「古風な様式のソナタ」では4分の7拍子や4分の5拍子などの変拍子を使ってみたりもしていますが、やはりスタイルを大きく逸脱することはなく、以降の作品も、変わることなく美しい響きで満たされています。晩年は様々な要因で悲惨な生活を強いられた彼ですが、彼の音楽はこれから復興の一途をたどるに違いありません。
8.572256
ユダヤの冬の旅
花婿のための歌/灼熱の/歌
ヴィルナ/暖炉のそばで
どんな時に救い主は来るの?
.ラビは私たちに幸せを
干しブドウとアーモンド/イェルサレム
菩提樹/バラライカを弾こう
モイシェレ、わが友/もしユダヤ人の妻が
あなたの白き星の下で/Khatskele
天から見下ろす/ラビ・エルメレヒ
時計/幼児の頃/小さな孤児
小さな少年は彼らを導く/幼児は生まれた
カディッシュ
マーク・グランヴィル(Bs-Br)
アレクサンダー・ナップ(P)
この曲集は、ホロコーストの悲劇をシューベルトの「冬の旅」になぞらえ、ユダヤのメロディで繋いでいくものです。無垢な幼年期から静かな老年期までの人生の旅の途中に深く暗い亀裂を作ったゲットーでの体験。そしてユダヤ人というだけで迫害されることの不条理。人々が虐殺され、生まれ育った街が破壊されるのを目の当たりにするという、決して癒されることのない心の苦痛を背負いながら、歌手グランヴィルとピアニストのナップは歌いながら旅を続けていきます。
8.572258
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調 k563
弦楽三重奏曲ト長調 K.anh.66(K562e) ― アレグロ(断章)
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
ラーシュ・アネルス・トムテル(Va)
クリストフ・リヒター(Vc)
モーツァルト32歳の時に作曲されたディヴェルティメント変ホ長調は、高い音楽性と流麗な曲想を持つにも拘わらず、なぜかあまり聴かれることがありません。そもそもディヴェルティメントは自由な形式を持つ楽しい曲であるはずなのに、この作品は恐ろしいまでの精緻な作曲技法が施されており、各楽器の演奏技術も高いものが要求され、ちょっとやそこらで演奏できるようなものではありません。それだけに、聴き手も大いなる喜びと緊張感を同時に味わうこととなる、まことにもって「一筋縄ではいかない」作品なのです。モーツァルトのフリーメーソン仲間であり、よくお金を借りていた友人プーフベルクの依頼であったことや、変ホ長調という調性、また「三」重奏であるということ(3はフリーメーソンにとって重要な数字)から、フリーメーソンのための曲とも言われています。
8.572259
ステンハンマル:ピアノ協奏曲第1番&第2番 ニクラス・シーヴェレフ(P)
マリオ・ヴェンツァーゴ(指)マルメSO
ストックホルムでピアノと作曲を学び、最初はピアニストとしてデビューしたスウェーデンの作曲家ステンハンマル(1871-1927)。1897年からは指揮者としても活動を始め、1900年にはストックホルム王室歌劇場の楽長に就任したほどの才能の持ち主でした。この2曲のピアノ協奏曲は、そんな彼の全ての才能を目の当たりにできる素晴らしいものです。1893年に書かれた第1番はブラームス風でもあり、チャイコフスキー風でもあるという、まさに後期ロマン派の音楽。そして1904年から1907年に書かれた第2番は、ピアノとオーケストラの緊張感に満ちた対話で始まり、少しずつ劇的な流れへと変化していきます。めまぐるしく変化する楽想からは一時たりとも耳を離すことができません。ピアニストのシーヴェレフのテクニックは感嘆ものですが、指揮をしているヴェンツァーゴの圧倒的な存在感にも注目。あまりにも独創的なブルックナーを振ることで知名度がぐんぐん上がっているという通好みの人です。
8.572260
E.アルフテル:サイレント・フィルムの為の音楽「カルメン」(1926)
スペイン北部の村、エリゾンドにて
ドン・ホセはカスティーリャを通ってアンダルシアへ
アンダルシアにて/セヴィリアにて
タリファにて/ガウシン村からロンダへ
ロンダにて
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)
フランクフルトRSO
1926年にジャック・フェーデ監督によって制作された無声映画「カルメン」は、当時の人気NO.1女優ラクウェル・メリエをカルメン役、無名の青年ルイ・レルクがドン・ホセを演じ、他にも素晴らしいキャストと、全てアンダルシア地方で行われたロケが話題となった作品です。この映画のためにアルフテル(1905-1989)が書いた音楽は、ビゼーのものよりも暗く情熱的で、暴力的。人間の業をより深く描き切ったものとして注目されることでしょう。
8.572261
ディーリアス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタロ長調遺作(1892)
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1905-15)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1923)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1930)
スーザン・スタンツェライト(Vn)
グスターフ・フェニェー(P)
イギリスを代表する作曲家というと、必ずディーリアスの名前が挙がりますが、両親はドイツ人であり、活躍したのはパリであったことを考えると、もう少し違う見方をしてもいいのかも知れません。彼のヴァイオリン・ソナタはレパートリーとしてはあまり知られていませんが、じっくり聴いてみると様々な発見があります。破棄されてしまったソナタを含めると、作曲年代は1892年から1930年と、彼の経歴の全てにまたがり、フランスの印象主義の香りから後期ロマン派、そしてアメリカ民謡までをも内包し、雄弁なメロディと精緻なピアノ・パートを備えたという恐るべき音楽。オーケストラ曲ばかりがディーリアスではありません。
8.572262
グラナドス:室内楽曲集
ピアノ三重奏曲Op.50
ピアノ五重奏曲ト短調Op.49
ゴィエスカスより間奏曲(G.カサドによるピアノ三重奏編)
ロムピアノ三重奏団[ホアン・オルペッラ(Vn)、ホセ・モール(Vc)、ダニエル・リゴリーオ(P)]
マニュエル・ポルタ・ガリェゴ(Vn)、
ホアキン・リケルメ・ガルシア(Va)
ファリャ、アルベニスと並ぶスペイン近代の大作曲家グラナドス(1867-1916)は、その生涯に(あまり知られていませんが)室内楽を1ダース程度書いています。ここではその中からピアノ三重奏曲およびピアノ五重奏曲をお届けいたします。彼の作風は「新しいロマン派」とも呼べるもので、この1984年頃から書き始められた2つの室内楽作品も、温和で美しい曲調に終始します。柔らかい分散和音で始まるピアノ三重奏は、彼が愛したムーア風やハンガリー風のメロディを織り込みながらも、全体的にはサロン風の優しい音楽が展開されていきます。第3楽章の「デュエット」での抒情的な味わいは、シューベルト風ですらあります。ピアノ五重奏曲は緊張感に満ちた音楽で、こちらもやはりエキゾチックな雰囲気を持っていますが、やはり全体的にはロマンティック。第2楽章の鄙びた佇まいが心を捉えます。「ゴィエスカス」からの間奏曲は、カサドによる編曲版で、こちらは心行くまで「スペイン風」の音楽を楽しめます。
8.572263
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタヘ長調IllyNo.28
ピアノ・ソナタヘ短調IllyNo.9
ピアノ・ソナタハ短調IllyNo.18&4
ピアノ・ソナタハ長調IllyNo.57
ピアノ・ソナタ変ロ長調IllyNo.32
ピアノ・ソナタト長調IllyNo.53
ピアノ・ソナタニ長調IllyNo.45(カタログではホ長調と記載)
ピアノ・ソナタハ長調IllyNo.98
マッテオ・ナポリ(P)
ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の楽長、ペテルブルクのロシア宮廷の楽長を歴任し(この時期、ボルトニャンスキーを育てた)、劇作家ゴルドーニとの共同作業であるオペラ・ブッファの作曲で名を挙げたガルッピ(1706-1785)は、優れたチェンバロ奏者としても活躍。チェンバロのための多くのソナタも残しています。しかしオペラばかりが知られていて、これらのソナタはほとんど顧みられることがないのは何故なのでしょう?大部分は出版さえされなかった不遇な作品群です。しかし、彼はそれまでのソナタの形式を変えた功労者でもあり、また各曲は良く歌うメロディと華麗勇壮な楽想を持ったもの。スカルラッティや若きモーツァルトを彷彿させる名曲揃いです。
8.572264
クラリネット・ハイヴ
1-4.ピアソラ:タンゴの歴史(B.エドワーズによるクラリネット四重奏編)
5-8.ハービソン(1938-):トリオ・ソナタ(2本のクラリネットとバス・クラリネット編)
9-11.シュラー(1925-):デュオ・ソナタ
12.トーマス・E=バーカー(1954-1988):シングル・シックス
13-19.パーシケッティ:セレナーデ第13番Op.95
20.ジポリン(1959-):ハチの巣
テオドーレ・シェーン(バスCl…1-12.20)、(第2Cl…13-19)
ローラ・アーダン(第1クラリネット…6-11.20)、(第2クラリネット…1-8)
リチャード・モラレス(第1Cl…1-4.13-19)
ティモシー・パラダイス(第1Cl…5-8)、(第2クラリネット…20)
ジェームズ・オグニベーネ(バセット・ホルン…1-4)
エヴァン・ジポリン(バスCl…20)
このアルバムの最後に収録されている、ジポリンの「ハチの巣」をタイトル名にした、ちょっとオシャレなクラリネット・アルバムです。様々なサイズのクラリネットのために書かれた20世紀の作品を、まるでハチが蜜を集めるかのように並べてあります。耳にする機会の多いピアソラの「タンゴの歴史」も、クラリネット・アンサンブルで聴くと、感傷的な音色のせいか、いい具合に鋭角さが取れて、まことに穏やかで美しい作品へと変貌するのが興味深いところです。全ての楽章に「速く」と書かれたハービソンのトリオ・ソナタも楽しい曲です。他にもジャズ風味あり、古典的な作品ありと、クラリネット
の可能性を極限まで追求した作品がぎっしり詰まっています。
8.572265
甘き欲望にとりつかれ
ノートルダムのレパートリー<ペロタン(1180-1225):アレルヤ、われは援助を与え/ペロタン:すべての国々は見たり>
作者不詳:女吟遊詩人たち<騎士よ、私はあなたの元へ/私は若く可愛らしい/忍耐強く、私のだんなさま/もし誰かが私を見ていたら/黒髪の彼は私を修道院から連れ去ってくれない/誰も私を慰めてくれない/甘き欲望に取りつかれ>/
ノートルダムのレパートリー<ペロタン:王たちは座り/作者不詳:クラウズラ「死は」/レオナン(1150-1201):われ汝を遣わして孤児とはせず>
ボー・ホルテン(指)ムジカ・フィクタ
女性作曲家、演奏家が注目されはじめたのは20世紀になってから。それまでは、よほどの事がない限り、どんなに才能があった女性がいたとしても、その才能は過小評価され、埋もれてしまったのです。特に中世は教会でも俗世でも男性が中心。女性が活躍する場はほとんど与えられていませんでした。しかし、ノートルダムの宗教曲レパートリーにも、吟遊詩人たちの歌の中にも女声にふさわしいものが数多くありましたし、歌詞の内容も女性たちの切実な願望が隠されているものがたくさんあるのです。そうです!女性たちが歌っていなかったはずはありません。通常耳にする男性の裏声とは違う、切れ味鋭い女声のアンサンブルは、体の芯を心地良く刺激してくれるでしょう。
8.572266
タンスマン:ピアノ作品集
24の間奏曲/小組曲(1917-1919)
エリアンヌ・レイエ(P)
ポーランドに生まれ、パリに移住した作曲家タンスマン(1897-1986)。彼はポーランドで学んだ後、フランスに移住。当時の保守的なポーランドの音楽環境を離れたことや、ラヴェルやストラヴィンスキーに影響されたことで、その創造性を自由に発揮し次々に活躍の場を広げていきます。パリにいた時は、「フランス六人組」に参加するように説得されたほど(断ったそうです)、フランスに馴染んだのですが、彼自身は自らを「ポーランドの作曲家」と呼んでいました。しかし、ユダヤの血をひいていたため、迫害を逃れ1941年にアメリカ合衆国に亡命。終戦後はパリに戻ったものの、当時流行していた前衛音楽になじむことができず、次第にその創作能力は衰えてしまったのです。このアルバムに収録されているのは彼の全盛期に書かれたピアノ曲です。極めて精緻に書かれた24の間奏曲、そして表情豊かな小組曲、しゃれた雰囲気を湛えたワルツ、と、彼の実力が存分に発揮された色とりどりの作品集をご堪能下さい。
8.572267
C-A.ベリオ:独奏ヴァイオリンのための作品集第1集
ヴァイオリンのための12の情景または狂詩曲Op.109(分かれ目/ポルカ/トカゲ/出発/フーガ/バナー/狂詩曲/サルタレッラ/女王/ロシア風マーチ/心配ごと/慰め)
9つの習作(アレグロ・アジタート/アレグロ・モデラート/モデラート/エネルジーコ/メロディ/ガルナール/マーチ/アレグロ・ヴィヴァーチェ/古えの名人を模して)、前奏曲または序奏Op.Post
ベラ・フリストヴァ(Vn)
協奏曲でおなじみ、C-A.ベリオ(1802-1870)の独奏作品集。ここで目の覚めるような演奏を披露するのは2007年のマイケル・ヒル国際ヴァイオリン・コンクールで第1位を獲得したニュージーランドの新星、ベラ・フリストヴァです。すでに国際的な活躍の場も多く、彼女の才能には多くの人々が多大な期待を寄せています。冴え渡るテクニックはもちろんのこと、デリケートでありながらも、芯のしっかりした美音がすこぶる魅力的です。所有するヴァイオリンはルイ・クラスナーが所有していた1655年製のアマーティです。
8.572270
ビゼー:カンタータ「クロヴィスとクロティルド」
テ・デウム
カタリーナ・ヨヴァノヴィチ(S)
フィリップ・ドー(T)
マーク・シュネイブル(Bs)
パ・ド・カレーcho
ジャン=クロード・カザドシュ(指)リール国立O
この魅力的な作品は、1857年に若きビゼー(1838-1875)が、かの有名な「ローマ賞」を受賞した作品です。ローマ賞(フランス語:PrixdeRome)は、芸術を専攻する学生に対してフランス国家が授与した奨学金付留学制度で、1663年、ルイ14世によって創設され、1968年廃止されるまで継続しましたが(音楽賞は1803年に追加)、これを受賞するために多くの芸術家が苦難の涙を流したことはいうまでもありません。そんな激戦をくぐり抜けたこのカンタータ。なかなかの名作ですが、残念なことに楽譜が失われてしまい、1988年に再発見されるまで演奏されることはありませんでした。フランク族のクローヴィス王と彼の妻クロティルデがキリスト教へ改宗するまでを描いた物語です。そして、その受賞の翌年、1857年に書かれた「テ・デウム」では驚くほどの円熟をみせているあたりが、天才作曲家たる所以でしょうか。
8.572271
ピアソラ:シンフォニア・ブエノス・アイレス
シンフォニア・ブエノス・アイレスOp.15
バンドネオン,弦楽オーケストラ、パーカッションのための協奏曲「アコンカグア」
ブエノスアイレスの四季(L.デシャトニコフによるヴァイオリンと弦楽編)
ダニエル・ビネッリ(バンドネオン)
楊天堝(Vn)
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)
ナッシュヴィルSO
現在、ピアソラ(1921-1992)を知らない人はいないでしょう。彼の名前は、すっかりアルゼンチン・タンゴと同義語になり、誰もがあの哀愁漂うメロディを頭の中に思い描くのです。この盤に収録されている「シンフォニア・ブエノスアイレス」は華麗なるオーケストラをバックにバンドネオンが妖しく歌います。ここでは、彼が20代の頃に5年間私的に師事したヒナステラの影響も存分に生かされた、豊かな色彩を感じさせる力作です。アンデス山脈最高峰の山の名前を取った「アコンカグア」は見事なバンドネオン協奏曲。アグレッシヴな音が魅力的。「ブエノスアイレスの四季」はヴァイオリンとオーケストラ版で、バンドネオンとはまた違った味わいが楽しめます。
8.572272
カプースチン:8つの演奏会用練習曲<前奏曲/夢/トッカティーナ/思い出/冗談/パストラーレ/間奏曲/フィナーレ>
ジャズ・スタイルによる24の前奏曲
カテリーネ・ゴルデラーゼ(P)
最近までまだこのロシアの作曲家についての情報はほとんどなく、さる名手が「ピアノ・ソナタ第2番」の日本初演をすると言う時の会場の興奮などは、今でも伝説となって生きているほどです。また、最近人気の若手ピアニストが、デビュー前の時代に、テレビに出演して演奏した「演奏会用練習曲〜夢」を聴いて涙した人も多かったと聞きます。そんなカプースチン。最近では、彼の知名度も飛躍的にあがり、本人の自作自演CDリリースや、楽譜の出版なども相俟って、この「ジャズ様式のクラシック音楽」も日常に溶け込むものとなっています。彼の作品は聴いてみてもわかる通り、とても華麗であり、ジャズのインプロヴィゼーションもふんだんに使われている(ように思える)のですが、実はその細かい音符は、全て楽譜に書きこまれたものであり、フリージャズなどのような奏者に一任されているものではありません。これは、彼がジャズに興味を持った当時のロシアの音楽事情に拠るものなのでしょうが、精緻に書き込まれた音符を元に、奏者が自由に想像を働かせて、自らの世界を演出するのですから、これほど贅沢なものはないのかもしれません。空気中を煌めきながら乱舞する音に包まれる愉悦感こそ、カプースチン(1937-)を聴く喜びの一つと言えるでしょう。
8.572274
カルウォヴィチ:セレナードOp.2
ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.8
イリヤ・カーラー(Vn)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
ポーランドの作曲家カルウォヴィチ(1876-1909)は、リトアニア州ヴィリニュスに生まれ、ワルシャワでヴァイオリンを学んだ後、ドイツに留学。アルトゥール・ニキシュに指揮法を学びつつ、いくつかの作品を書いています。シマノフスキと並ぶ「ポーランドの新進気鋭の作曲家」として期待されるも、33歳、これからの時にタトラ山で雪崩に巻き込まれその生涯を終えてしまいました。彼の華麗な作品は一度でも聴いたら耳に残るのでしょう。作品の録音数があまり多くないにも拘わらず、熱心なファンが多いことで知られています。中でも「ヴァイオリン協奏曲」は聴かせどころも多く、華やかさと甘美さを併せ持つ名品です。ヴァイオリンを担当するのはおなじみイリヤ・カーラー。文句なしの超絶技巧で難なく弾き切っています。ヴィトについては何も言う事がありません。
8.572275
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集第3集
モーツァルトの歌劇「魔笛」による演奏会用幻想曲Op.54
ナヴァラOp.33(2台のヴァイオリンと管弦楽による)
ムイニエラOp.32
グノーの歌劇「ファウスト」による新しい幻想曲Op.13
ヴェネツィア風舟歌Op.46(ヴァイオリンと管弦楽版)
序奏とカプリース・ホタ
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナヴァールSO
「非常に才能ある若いヴァイオリン奏者」楊天堝によるサラサーテ(1844-1908)の管弦楽とヴァイオリンのための作品集もこれで3集目となります。彼女はすでにピアノとヴァイオリンのための作品集を2枚リリースしているので、これで合計5枚!サラサーテに関して彼女の右に出る者はいないはずです。今回のアルバムも、サラサーテの華麗な音楽と彼女の素晴らしい技巧をとことん楽しんでもらえるはずです。冒頭の「魔笛による幻想曲」だけでも驚くばかりの楽しさです。スペイン風の「序奏とカプリース・ホタ」での捲るめくスピード感、美しいメロディが次々に現れる「ファウストによる幻想曲」など唖然とするばかり。極めつけは「ナヴァラ」の楊天堝による多重録音!
8.572276
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集第4集
序奏とタランテラOp.43(ヴァイオリンと管弦楽編)
サン・フェルミンのホタOp.36(ヴァイオリンと管弦楽編)
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」による演奏会用幻想曲Op.51(ヴァイオリンと管弦楽編)
ウェーバーの「魔弾の
射手」による演奏会用幻想曲Op.14(ヴァイオリンと管弦楽編)
パンプローナのホタOp.50(ヴァイオリンと管弦楽編)
スコットランドの歌Op.34(ヴァイオリンと管弦楽編)
夢Op.53(ヴァイオリンと管弦楽編)/8.森のエスプリOp.48
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナヴァールSO

録音:2009年11月9-13日スペインパンプローナ,バラナイン・コンサート・ホール
歴史上「最も成功したヴァイオリニスト」サラサーテ。「彼の音色は美しく、プログラムは常に新鮮で人気があった」と名手ヴィエニャエフスキが語り、またルジェロ・リッチも「彼の最も際立った特徴は純粋で魔法のような音色であった」と語ります。そんなサラサーテの「ヴァイオリンと管弦楽のための音楽集」はこの第4集で締めくくられますが、有名な「序奏とタランテラ」を冒頭に置くことで、その華麗さが一層印象付けられる仕組みになっています。奇跡のように美しいメロディ、驚くばかりの左手のテクニックなど、まさに「目の眩むばかり」の技巧を駆使した名曲です。モーツァルトやウェーバーのメロディが散りばめられた「演奏会用幻想曲」や、スペインらしさが際立つ「ホタ」、イザイに捧げられた「スコットランドの歌(エコセーズ)」他、魅力的な小品が目白押しです。ヴァイオリンはもちろん楊天堝。滑らかな音色、表現力。どこをとっても文句なしです。
8.572277
アンデルセン:練習曲とサロン音楽集
チャルディ(1818-1877):「ロシアの謝肉祭」のためのカデンツァ/
ダンストレム(1812-1897):スウェーデン・ポルスカ歌曲集よりOp.50(アンデルセン編)
8つの講義の小品Op.55〜<第4番水車小屋/第5番伝説/第8番タランテラ>
フルートのための24の練習曲Op.15より<第3番ト長調/第24番ニ短調>
オペラ・トランスクリプション集Op.14〜第5番モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
フルートのためのコンチェルトシュテュック第2番Op.61(フルートとピアノ編)
カイル・ツァッポ(Fl)
A・マシュー・マッツォーニ(P)
「フルートのショパン」と異名をとるデンマーク生まれのヨアヒム・アンデルセン(1847-1909)はフルートを吹く人ならば知らない人はいないと言ってもよいでしょう。様々な逸話の持ち主ですが、彼の残したフルートのためのエチュードOp.15は今でもフルートを学ぶ人にとっての宝物です。しかし、彼の名前が忘れられてしまったのは、一重に作品が残っていないからなのかも知れません。1847年に生まれた彼はオーボエ奏者の父親から音楽の手ほどきを受け、13歳の時に公開演奏会を開き、22歳の時にデンマーク王立Oのフルート奏者になりました。その後世界中で研鑽を積み、1882年にビルゼがベルリン・フィルハーモニーを創立した時にはフルーティストの一人として名前を連ねています(当時のベルリン・フィルのプログラムでも彼の名前がソリストとして挙げられています)。ここで聴ける様々の作品は、それぞれに技巧をこらしつつも、耳当たりのよいものばかり。演奏しているツァッポは、作曲家の伝記付き作品目録の著者で、ピオリアSOの首席フルート奏者です。
8.572278
ミヨー:クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲Op.157b他
クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲Op.157b
スカラムーシュOp.165d
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.40
クラリネットのためのソナチネOp.100
春Op.18
シネマ幻想曲「屋根の上の牡牛」Op.58b
ジャン=マルク・フェサール(Cl)
フレデリック・プラシー(Vn)
エリアンヌ・レイエ(P)
フランス6人組の一人、ミヨー(1892-1974)は膨大な作品を残した事で知られています。それは、演奏会用の曲、映画音楽、吹奏楽までありとあらゆるジャンルに渡り、作風も曲によって様々。とにかく攻略しがいのある作曲家です。若い頃、仕事の関係でブラジルに滞在していたこともあってか、驚くほど情熱的な面が顔を出すこともあったり、新古典派的な機能的な面もあったり、また亡命後のアメリカでは、ロマンティックさも加わるという面白さ。このアルバムでは、どちらかというと明るく楽しい曲を中心に収録。もとはモリエールの喜劇「空飛ぶお医者さん」の音楽を改変した「スカラムーシュ」、もともとはチャップリンの無声映画のために書かれた「屋根の上の牡牛」。どちらもブラジルの香りが漂う名曲です。他の曲もステキ。とにかくイケテル1枚です。
8.572279
シューベルト:ミサ曲第1番&第3番
ミサ曲第1番ヘ長調D.105
ミサ曲第3曲変ロ長調D.324
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(S)
ベッティナ・ランチ(A)/リ・ミンウ(T)
アシャフ・レヴィチン(Bs)
イモータル・バッハ・アンサンブル
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
ライプツィヒCO
シューベルト(1797-1828)のミサ曲第1番は、彼が17歳の時の作品です。当時の彼は小学校の教師として働いていましたが、どうもこちらにはあまり熱心ではなく、その熱意は全て作曲活動へ向いていたようです。個人的にサリエリに作曲を習うも、書いた曲のほとんどは「モーツァルトやハイドンの真似」と酷評され、それはそれで悩みの種だったようで、彼は驚くほどの作品を仕事の合間に書きあげたのです。それでも、ようやくこのミサ曲はサリエリからお墨付きをもらうことができ、彼はどんなに自信をつけたことでしょう。なるほど、曲の完成度は驚くほどに高く、後年の感傷的な面も併せ持つ素晴らしい作品です。第3番はその翌年に書かれており、一年で更に進化を遂げた若者の姿と才能を彷彿させるものです。
8.572280
ヴァインベルク:独奏チェロのための音楽全集第1集
24の前奏曲Op.100(1969)
無伴奏チェロ・ソナタ第1番Op.72(1960)
ジョゼフ・フェイゲルソン(Vc)

※世界初録音
最近、様々なレーベルからヴァインベルク(1919-1996)のチェロ作品集がリリースされるようになりましたが、この録音時(1996年)は、この演奏が世界初録音でした。そんなヴァインベルクの独奏チェロのための24の前奏曲は、バッハの平均律、および、ショパンやショスタコーヴィチの「24の前奏曲」と同じ目的を持って書かれたものです。それはもちろん調性の関係性を探ることだけでなく、楽器の特性を深く研究し、音楽様式と技術の頂点を極めることなのは間違いありません。名手ロストロポーヴィチに捧げられています。1960年に書かれた無伴奏チェロ・ソナタは3つの楽章からなる完成度の高い傑作です。ゆったりと瞑想的な第1楽章、諧謔的とも言える第2楽章、そして爆発的な昂りを見せる第3楽章、と聴きどころたっぷり。ロシア音楽好きの間で高く評価されていたソナタです。これらはまさに、1台のチェロの持つ無限の可能性をとことん引き出した20世紀の名作と言えるでしょう。30年以上のキャリアを持つ名手、フェイゲルソンによる納得の演奏です。
8.572281
ヴァインベルク:独奏チェロのための作品集第2集
無伴奏チェロ・ソナタ第2番Op.86(1964)
無伴奏チェロ・ソナタ第3番Op.106(1971)無伴奏チェロ・ソナタ第4番Op.140(1986)
無伴奏チェロ・ソナタ第4番より第1楽章(1985年、オリジナル・ヴァージョン)
ジョゼフ・フェイゲルソン(Vc)

※全て世界初録音
巷でもじわじわファンが増えつつあるヴァインベルク(1919-1996)のチェロ作品集。なぜ知られていなかったかについては、ただ単に「録音が少なくて聴く機会がなかったから」に尽きるのではないでしょうか。この盤は全て世界初録音。最近、他レーベルでも挙ってこれらの作品を録音していますが、やはり系統的に聴くのならNAXOSがオススメです。ショスタコーヴィチ、マーラー、プロコフィエフたち、先人の残滓を感じさせる強烈で感傷的な作品群です。
8.572284
ボッテジーニ:ロッシーニの主題による幻想曲他
ロッシーニの主題による幻想曲
パッション・アモローザ
大ニ重奏曲第2番
2台のコントラバスのための協奏曲(ピアノ伴奏編)
トーマス・マーティン(Cb)
ティム・コップ(Cb)
クリストファー・オールドファーザー(P)
「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれるボッテジーニ(1821-1889)は1821年にイタリア北部、クレマで生まれました。彼は5歳から音楽を学び、教会の聖歌隊で歌い、そして地方のオーケストラでティンパニを演奏していました。ここに収録された2つのコントラバスのための作品は、彼が学生時代に書いたもので、どれも楽器の特性を存分に生かしたすばらしいものとなっています。「ロッシーニの主題による幻想曲」は激しいタランテラで始まり、感傷的な中間部を経て、また嵐のようなフィナーレで曲を閉じます。華麗なパッション・アモローザと、ピアノ伴奏とは言え、とてもかっこよい協奏曲。そして大二重奏曲は2台のコントラバスのみのオリジナル版にて演奏。どの曲も低音楽器ならではの深い音色にしびれてしまうことでしょう。
8.572285
ロージャ:シンフォニー・コンサートへの序曲Op.26a(改訂版)
チェロと管弦楽のための狂詩曲Op.3*
ハンガリー風夜想曲Op.28
3つのハンガリーの情景<
マーク・コソワー(Vc)
マリウス・スモリジ(指)ブダペストSO

※2…世界初録音
ハンガリーの作曲家、ミクロス・ロージャ(1907-1995)の管弦楽作品集第3弾です。ハリウッドの映画音楽のようなダイナミックな響きと、ハンガリーの民族性がマッチした色彩豊かな作品は、すでに多くのファンを獲得していますが、今作も期待に違わぬ素晴らしさです。眩暈をもよおすほど悩ましいチェロの狂詩曲。1956年に起きたハンガリーの暴動にインスパイアを受け、当時契約していたMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の仕事の合間に作曲された「シンフォニー・コンサートへの序曲」は、ハンガリーから追放された彼の友人たちに捧げられました。
8.572286
ラッブラ:弦楽四重奏曲第2番変ホ調Op.73
声と弦楽四重奏のための「アモレッティ」Op.43
アヴェ・マリア・グラティア・プレナ
単一楽章のピアノ三重奏曲Op.68
チャールズ・ダニエルズ(T)
マーティン・ラスコー(P)、マッジーニQ
イギリスの作曲家ラッブラ(1901-1986)は、14歳の時、最初は鉄道員として働きましたが、シリル・スコットの音楽を知り、1920年彼の教えを乞うために奨学生となり、その翌年には王立音楽院に入学、スコットやホルストに音楽を本格的に学んだという経歴を持っています。彼は11曲の交響曲を始め、4つの弦楽四重奏曲など多くの室内楽曲、そして声楽曲などを作曲し、20世紀のイギリス音楽の中心的人物としての地位を確立しました。ここに収録された弦楽四重奏曲第2番は1952年5月の初演された意欲的な作品で、ホルストやヴォーン=ウィリアムスの影響を受けながらも、根底にあるのはベートーヴェンへの尊敬の思いです。またラッブラはイギリス中世の時代にも関心が深く、しばしば自作にもエリザベス朝時代の雰囲気を取り込んでいます。ここに収録された「アモレッティ」はエドマンド・スペンサー(1552?〜1599)の愛の詩を用いたもので弦楽合奏と歌のために書かれた情熱的な曲で、これは恐らくラッブラの2番目の妻となるアントワネットのために書かれたものと推測され、(彼女は有能なヴァイオリニストだった)精神的な美しさと肉感的な響きが融合された聴きごたえのある作品です。
8.572287
ディキンスン:ユニコーンより「子守歌」
ヨハネの黙示録のためのミサ曲
ラーキンズ・ジャズ(ライヴ・アナログ・レコーディング)
ピアノ・デュオのための「5つの偽作」
ピアノのための「5つの初期の小品」
独奏フルートのための「エア」
独奏フルートのための「メタモルフォーシス」
ドビング・デューク(Fl)
ピーター・ディキンスン(P)
ジョン・フリンダース(P)
ヘンリー・ハーフォード(ナレーター)
ナッシュ・アンサンブル
ライオネル・フレンド(指)
ドナルド・リーヴス(ナレーター)
ジョー・マッグス(S)
メリエル・ディキンソン(Ms)
セント・ジェイムズ・シンガーズ
ジェームズ・ホランド(パーカッション)
ディヴィッド・ジョンソン(パーカッション)
ジョン・アレイ(P)/アイヴォー・ボルトン(指)
イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の作品は、まるで万華鏡を覗くかのように、曲によってスタイルが違います。例えば、以前リリースされたオルガン作品集(8.572169)での古典的な雰囲気を頭の中に準備してから、ここに収録された「ヨハネの黙示録のためのミサ曲」を聴くと、そのあまりの違いに驚いてしまうことでしょう。典礼文を死者たちの叫びが直接響いてくるような響きに載せて描いた音楽は、あまりにも衝撃的で、その恐ろしい様相に打ちひしがれてしまう人もいるかも知れません。かたや「5つの偽作」は同時期の大作曲家たちの作風を揶揄しています。イギリスの大詩人、フィリップ・ラーキンの告別式で演奏された「ラーキンズ・ジャズ」は11の部分からなるナレーターとアンサンブルのための作品です。現代的な響きの中に溶け込むジャジーな音色は妙な気分を否が応でも盛り上げます。
8.572288
L.バークリー:室内楽曲集
ホルン三重奏曲Op.44
フルートとピアノのためのソナチネ
ヴィオラ・ソナタニ短調Op.22
オーボエ,クラリネット,ホルン,ファゴット,ピアノのための五重奏曲
ラファエル・テッローニ(P)
スーザン・スタンツェライト(Vn)
スティーヴン・スターリング(Hrn)
パトリック・ウィリアムズ(Fl)
モーガン・ゴフ(Va)
ニュー・ロンドン・チェンバー・アンサンブル[メラニー・レッジ(オーボエ)/ネイレ・アシュウォース(Cl)/ステファン・スターリング(Hrn)/アダム・マッケンジー(Fg)]9
オックスフォード出身の作曲家、レノックス・バークリー(1903-1989、息子のマイケルも作曲家)は、生涯に100以上のほとんど全てのジャンルに渡る作品を書き、イギリス近現代音楽の発展に寄与しました。少々地味な作風のせいか、あまり聴かれる機会は多くありませんが、ここに収録されたホルン三重奏曲は、彼の代表作として時折演奏されています。名ホルン奏者、デニス・ブレインのために書かれたこの作品は、聴いてみるとわかるとおりなかなかの充実した音楽で、友好的なテーマで始まる第1楽章、哀切な第2楽章、そしてモーツァルト風の主題が様々に変奏されていく第3楽章と、一切ムダのない凝縮された書法で書かれています。晩年に書かれたピアノ五重奏曲は、この頃の彼が十二音技法を採用していたこともあり、極めて難解な音に終始していますが、絡み合う各楽器のメロディにはどことなく解放感もあり、なかなか侮れない音楽となっています。
8.572289
ファーガソン:ピアノ・ソナタヘ短調他
ピアノ・ソナタヘ短調Op.8(1938-1940)
発見Op.13<溶けて行く夢/自由の都市/バビロン/ジェーン・エレン/発見>
5つのバガテルOp.9
2台のピアノのためのパルティータOp.5b
ラファエル・テッローニ(P)
フィリダ・バニスター(C.A)
ワディム・ピースマン(P)
北アイルランド、ベルファスト生まれの作曲家、ファーガソン(1908-1999)は幼い頃から早熟で、14歳の彼の評判を聞きつけたピアニスト、ハロルド・サミュエルがロンドンに呼びたいと両親に申し出たほどでした。イギリスに渡った彼はフィンジらと共に、ヴォーン・ウィリアムスの教えを受け、イギリス風の作風を身につけました。実際に作曲に勤しんでいたのは1928年から1959年までの短い間で、声楽曲を含む19の作品のみが公表されています。このアルバムには1935年から1944年までの作品が収録されていて、中でも連作歌曲集「発見」は本来テノールのための歌曲ですが、名アルト歌手キャスリーン・フェリアが愛した曲として知られています。
8.572290
スコット:ヴァイオリン・ソナタ第1番,第3番他
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.59
ソナタ・メロディカ
ヴァイオリン・ソナタ第3番
クレア・ホウィック(Vn)
ソフィア・ラーマン(P)
近年再評価の気運が高まるイギリスの近代作曲家、シリル・スコットのヴァイオリン・ソナタです。彼はイングランド北部のオクストン出身で、古代ギリシャ研究家の父を持ち、幼い頃から音楽に親しみ21歳で最初の交響曲を完成させています。91歳という長命を得て、亡くなる2週間前まで作曲活動を続けましたが、保守的な作風を貫いたためか、亡くなる頃の彼の評価は決して高いものとは言えず、そのまま忘れ去られそうになってしまいましたが、印象派を思わせる美しい音楽は一度聴くと忘れえぬ魅力を持つ故か、熱狂的なファンも多く、最近は演奏される機会も増えてきました。ヴァイオリン・ソナタは彼の室内楽作品の中で重要な部分を占める曲で、とりわけ黙想的な第1番のソナタは彼の初期の作品の中でも最も成功しているものです。これを聴いてスコットのファンになった人は、MARCOPOLO(8.223485)で管弦楽作品を聴くことができます。
8.572291
イギリスの女性作曲家たち
エセル・スミス(1858-1944):ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.7
エリザベス・マコンキー(1907-1994):3つの前奏曲
イレーネ・レジーナ・ウィエニアウスカ(ポルドウスキ):ヴァイオリン・ソナタニ短調
フィリス・テイト(1911-1987):三部作
エセル・バーンズ(1874-1948):狩り
クレア・ホウィック(Vn)
ソフィア・ラーマン(P)
部の愛好家や研究者の尽力のおかげで、最近になって、ようやくイギリスの音楽は広く普及してきたと思われますが、これが「イギリスの女性作曲家」となると知名度はまだまだ低いのが現状です。このアルバムには、19世紀終わりから20世紀を生きた5人の女性作曲家のヴァイオリン作品を収録しました。およそ80年の間に彼女たちは様々な音楽を書き、人知れずこの世を去っていきました。これらの音楽の何と芳しいこと。決して女性の地位が高くはなかった時代において、彼女たちは音楽でのみ自らの声を伝えていたのでしょうか?
8.572292
マティアス:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.15
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.94
ヴァイオリン・ソナタ(1952)…世界初録音
サラ・トリッキー(Vn)
イワン・リュウェリン=ジョーンズ(P)
1934年、ウェールズのウィットランドで、グラマースクールの校長を務める父と、ピアノ教師の母のもとに生まれたマティアス(1934-1992)は、3歳でピアノを演奏し、5歳から作曲を始め、ロンドンの王立音楽院でレノックス・バークリーから作曲を学びます。現代に生きながらも、常に古典を尊敬し、創作する作品も調性を逸脱することはなく、聴きやすい曲から、新古典派的な作品まで幅広く残しています。彼の最初の作品は「弦楽のためのディヴェルティメント」で、こちらは1958年に初演され、BBCでも放送されましたが、このアルバムに収録された1952年のヴァイオリン・ソナタは彼の学生時代の習作で(未発表)、とても挑戦的で、野心に満ちた曲です。
8.572293
ヴィルトゥオーゾ・ヴィオラ
ベンジャミン(1893-1960):ラヴェルの墓
エネスコ:演奏会用小品
ファンタジア・クロマティカ(原曲:J.S.バッハの「半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903」コダーイ編曲)
ジョンゲン(1873-1953):序奏と踊りOp.102
ヴュータン:無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ
ヴュータン:エレジーOp.30
パガニーニ:大ヴィオラのためのソナタ(カデンツァ:A.アラッド)
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ショア(1896-1985):スケルツォ
ロジャー・チェイス(Va)/大滝美知子(P)
「ヴァイオリンでもなく、チェロでもない中間の大きさ」というイメージの付きまとうヴィオラですが、一度この音色にはまってしまうと、もう後には戻れないほどの魔力がある楽器です。特に中音域から低音域の艶やかさと、絶妙な表現力はどんな言葉を持ってしてでも表すことはできません。そんなヴィオラの魅力を存分に楽しむ1枚がこれ。もともとヴィオラのために書かれた曲と、他の楽器のために書かれた曲を聴き比べるのも楽しいでしょう。通好みの人が愛する作曲家ジョンゲンの珍しい作品も収録されています。またバッハの曲をコダーイが編曲したトラック3もオススメです。見事なヴィオラを演奏するチェイスはロンドン生まれでカナダで学んだ人。優れた室内楽プレイヤーとして世界中で絶賛されています。
8.572294
メンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」 ルート・ツィーザク(S)
モイチャ・エルトマン(S)
クリスティアン・エルスナー(T)
準・メルクル(指)
ライプツィヒMDR響&cho
メンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲第2番は印刷技術発明400年を祝う式典のために書かれ、1840年に完成。実際には彼の交響曲の中で4番目に完成されたものですが、出版の関係で第2番の番号が付されています。独唱、合唱、オルガンを用いた壮大な作品ですが、なぜかあまり人気のでないところが不思議でもあります。たしかに金管楽器で奏される冒頭のテーマは口ずさむのに少々勇気が要りますが・・・。この曲は当初は交響曲ではなく「交響カンタータ」というジャンルで想定されました(確かに前半のシンフォニアの部分だけでも、充分に1曲の交響曲として成り立つだけの分量があります)。メンデルスゾーンは初演後、この曲に改定を加え、現在演奏されるのはほとんどがこちらの改定版で、この準・メルクル盤も改定稿を使用しています。全てが念入りに整理され、すっきりとした音色と、厚みのあるハーモニーが愉悦感をもたらすこと間違いありません。
8.572295
ナルブタイテ:「神の御母」による3つの交響曲(2002-03)
序/第1の交響曲:主の天使がマリアに告げる
第2の交響曲:ベツレヘムにて
第3の交響曲:悲しみの聖母/祈り
カロベルタス・セルヴェニカス(指)
リトアニア国立SO
ナウス国立cho、エイジャ室内cho
バルト諸国の1つであるリトアニア生まれの女性作曲家、ナルブタイテ(1956-)はその幽玄な作風と神秘的な感覚に満ちた音楽で知られています。1970年後半に作曲家としてデビューし、世界各国で演奏される機会も多い彼女の曲ですが、実際にはなかなか音として聴く機会がなく、この演奏がリリースされることを喜ぶファンは多いはずです。「神の御母による3つの交響曲」は2002年から2003年にかけてブランデンブルクの州立Oに依嘱された作品で、キリストとマリアの3つのエピソードが描かれています。序と終わりの祈りのテキストは、中世ドイツの女性作曲家ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの手によるもので、この凝った構成にも熟考の跡が伺われます。
8.572296
ドビュッシー:管弦楽作品集第3集
管弦楽のための映像
ピアノのために-第2番「サラバンド」(ラヴェ編)
ダンス(スティリー風タランテッラ)(ラヴェル編)
スコットランド行進曲(管弦楽編曲版)
レントよりも遅く
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
第3集に収録されている「管弦楽のための映像」はドビュッシーが心身ともに疲れていたスランプの時期の作品。もともと2台ピアノと管弦楽のために書かれていて、曲順も違っていました。曲が完成するまでに6年半を要し、最終的に現在の形に落ち着いたという苦心作です。とは言え、イギリス、フランス、スペイン民謡から素材を取ったわかりやすいメロディと、印象派特有の神秘的な響きが交錯、そして脈打つリズムは多分に南国的要素も備えています。特に「イベリア」は単独でも演奏されるほどの人気曲です。
8.572297
ドビュッシー:管弦楽作品集第4集
聖セバスティアンの殉教<交響的断章(ユリの庭/法悦の踊りと第1幕の終曲/受難/よき羊飼い)/第2幕魔法の部屋より前奏曲/第3幕偽りの神の懐柔よりファンファーレ第1/第3幕偽りの神の懐柔よりファンファーレ第2>
バレエ音楽「カンマー」(C.ケクランによる管弦楽補筆編)
リア王(J.ロジェ=デュカスによる管弦楽編)<ファンファーレによる序曲/リア王の眠り>
セーヌ・リリック「放蕩息子」より「行列と踊りの歌」
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
1911年にドビュッシー(1862-1918)が、イタリアの台本作家ダヌンツィオとの合作の上、作曲した5幕からなる神秘劇「聖セバスチャンの殉教」は、すばらしい力作であったにも拘わらず、上演時間が長すぎること(5時間超え)や、衣装の問題、饒舌過ぎる台本などの理由で賛否両論を巻き起こし、結局のところ、それ以降完全版で上演されることは滅多になくなってしまった作品です。このアルバムは、後に編曲された「交響的断章」に劇音楽からのファンファーレを加えたもの。神秘性よりも、どちらかというと流麗さが際立つ音楽です。他に劇音楽を2作、1884年にローマ賞を獲得したカンタータ「放蕩息子」から1曲を収録。準・メルクルとリヨン管は、いかなる時でも曲の姿を正確に捉えて、説得力ある演奏を聞かせます。
8.572298
ミヨー:歌曲集「アリッサ」他
歌曲集「アリッサ」〜アンドレ・ジッドの「狭き門」による組曲Op.9
歌曲集「愛は歌う」Op.409*
キャロル・ファーリー(S)
ジョン・コンステイブル(P)

*=世界初録音
フランス六人組の中心人物であったミヨー(1892-1974)は、その生涯に数多くの名曲を生み出しました。このアルバムにはそんなミヨーの最後のスコアであり、かつ最も興味深い歌曲集「愛の歌」の世界初録音が含まれています。この「愛は歌う」は様々な詩人たちの愛の主題による言葉を、短くも完結な音楽で紡ぎ出し、微妙な感情の揺れを見事なまでに音にしています。ジッドの狭き門による連作歌曲「アリサ」と、彼が雑誌で見つけたテキストを元にした「ユダヤの詩」もドビュッシーを思わせる多感な表現が魅力的です。
8.572299
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ第4集
ピアノ・ソナタニ長調Op.9-1
ピアノ・ソナタ変イ長調Op.141
スーザン・カガン(P)
NAXOSではおなじみのリース(1784-1838)のシリーズです。リースはベートーヴェンにピアノを学び、ピアニストとしてヨーロッパ各地を演奏旅行しました。彼の作品は師の影響を受けつつも、とても独創的であり、また確立された個性を有しています。ニ長調のソナタは、1808年に作曲された若き頃の作品です。フランス滞在時の1811年に出版されています。ニ長調という明るい調性を見事に生かした快活な第1楽章は、確かに古典派とロマン派を繋ぐ豊かな発想が感じられます。特徴的なリズムを持つ第2楽章、そして終楽章は見事な変奏曲となっています。この曲の中に「18世紀の良き音」を聴くことができるでしょう。変イ長調のソナタはリースの最後から2番目のソナタです。1826年に書かれ、彼の作曲技法の頂点を極めるものとして聴きどころの多い作品です。静けさと平穏に満たされたように見える第1楽章にも様々なドラマが隠されています。

8.572300
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ第5集
ピアノ・ソナタ イ長調 Op.114
ピアノ・ソナタ 変イ長調 Op.176
ピアノ・ソナタ ロ短調 WoO11
スーザン・カガン(P)
全部で14曲あるこれらの作品中、今作は1823年頃に書かれたOp.114と最後の作品であるOp.176(1832年作)、そして恐らく1800年代初頭に書かれたであろう最初の作品WoO11の3曲を収録しています。ロ短調ソナタは明らかにベートーヴェンの影響が感じられますが、どことなく未熟な感が否めないのは仕方ないところでしょう。やはり後期の作品は練られたもので安心して耳を傾けることができるというものです。かのロベルト・シューマンは1835年に「新音楽雑誌」で、フェルディナント・リースと、ベートーヴェンについて言及。リースについては「注目に値する独創性」と称賛しています。古典派からロマン派へ。この時代に生きた作曲家は誰しも多かれ少なかれ、この波に揉まれたに違いありません。
8.572303
ドホナーニ:童謡による変奏曲他
交響的小品Op.36(1933)
童謡の主題による変奏曲Op.25(1914)
組曲嬰ヘ短調Op.19(1908-09)
エルダー・ネボルシン(P)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
エルンスト(エルネ)・フォン・ドホナーニ(1877-1960)は、ハンガリー屈指の作曲家、指揮者、ピアニスト、そして教師でした。息子たちは、それぞれ指揮者、法学者として活躍していることでも知られています。彼の作品は、すでにNAXOSでも協奏曲集(8.570833)、チェロ作品集(8.554468)の2種類がリリースされていますが、今作は組曲形式の3つの作品お聴きいただけます。なかでも聴きものは「童謡の主題による変奏曲」でしょう。まるでマーラーを思わせる大掛かりな序奏に導かれて始まるのは、あのおなじみの「きらきら星」のメロディです。これを聴いて「う〜ん、やられた」と思う人が何人いるのか楽しみです。もちろん変奏曲の部分の面白いこと。どこへ飛ばされるのか一瞬たりとも気が抜けません。まるでハリウッド映画を見ているかのような爽快感を味わえます。
8.572304
ヴォーン・ウィリアムズ:劇音楽「すずめばち」(アリストファネス組曲)
ピアノ協奏曲ハ調
イギリス民謡組曲(G.ジェイコブ編)
ランニング・セット
アシュリー・ウェイス(P)
ジェイムス・ジャッド(指)ロイヤル・リヴァプールPO
「すずめばち」は古代ギリシアを代表する喜劇作家、アリストファネスの劇をギリシア語で上演することとなったケンブリッジ大学の演劇部が、ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958)に付随音楽の作曲を依頼し生まれたものです。機知にとんだ音楽とイギリス民謡の見事な融合は彼にしか書き得ないもので、中でも「行進曲」でのユーモラスな曲想には思わず口元が緩むことでしょう。ピアノ協奏曲は、あのバックスの恋人であったピアニスト、ハリエット・コーエンの演奏を想定して書かれたもので、かなり先進的に書かれていますが、当時の聴衆や批評家からは高く評価されることがなく、その後の1946年に「2台ピアノのための協奏曲」として改変を図り、その際、そっと忍びこませていた友人バックスの交響曲の引用も「彼に気が付いてもらえなかった」という理由でその部分は取り除いてしまいました。そんな紆余曲折を経た作品ではありますが、その重厚な仕上がりの中には、時折バッハやブゾーニの影響を感じられたりと、イギリス音楽好きにはたまらない音楽となっています。
8.572305
シベリウス:交響曲第1番、第3番 ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
日本でもおなじみ、ピエタリ・インキネンによるシベリウス(1685-1957)。いよいよ交響曲の登場です。まずは第1番からお聴きください。いつものような透明感溢れるオーケストラの響き、そして湧き上がるような感情の迸り。まさに「これは名演だ」と心から叫ばずにいられません。1899年に書かれた第1番は、表題こそ付いてないものの、終楽章には「幻想風に」と記されていたりと、かなり物語性を帯びた曲です。誰もが想像する北欧の大自然を音にすればこんな感じで間違いないでしょう。インキネンは曲の随所にメリハリを持たせ、テンポ良く進めていきます。そして、金管を思い切り歌わせ、弦を可能な限りまで揺らめかせ、シベリウスをこれ以上ないほどに丁寧に表現しています。もっと簡素な趣きを持つ第3番では、爽やかな風を思わせる第1楽章で始まり、曲の最後まで緊張感が途切れることがありません。
8.572306
期待の新進演奏家シリーズ/ガブリエル・ビアンコギター・リサイタル
シューベルト:涙の賛美D.711(メルツ編曲)
メルツ:吟遊詩人の調べOp.13〜<カプリッチョ/タランテラ> 悲歌
 ハンガリー風幻想曲Op.65-1
バッハ
:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長調BWV1005(ギター編曲)<アダージョ/フーガ/ラルゴ/アレグロ・アッサイ>
コシュキン(1956-):ギターのためのソナタ
ガブリエル・ビアンコ(G)
各界で熱き視線を一身に浴びる「NAXOS期待の新進演奏家シリーズ」に、フランス生まれの若きギタリストの登場です。彼の名前はガブリエル・ビアンコ。2008年GFA国際コンクールの第1位を獲得した俊英です。5歳からギターをはじめ、20歳の時にパリのコンセルヴァトワールで一等賞を得て卒業。15歳から世界各地でコンサートを行い高い評価を受けています。繊細な音色と良く回る指、そして旋律の歌わせ方は絶品。このアルバムに収録されたメルツの作品でのすすり泣くような表現には思わず絶句するほどの才能の煌めきを感じます。
8.572307
ベンダ:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第10番ヘ短調 Lee III:73
ヴァイオリン・ソナタ第14番変ホ長調 Lee III:41
ヴァイオリン・ソナタ第23番ハ短調 Lee III:9
ヴァイオリン・ソナタ第32番ホ長調 Lee III:50
ヴァイオリン・ソナタ第28番ヘ長調 Lee III:63
ハンス=ヨアヒム・ベルク(バロックVn)
芥川直子(Cemb)
著名な音楽一家であるベンダ家に生まれたフランツ・ベンダ(1709-1786)は、父からオーボエなどの楽器を習い、地元の教会のカントールからオルガン、作曲、唱歌を学び、教会の聖歌隊員となるという、極めて理想的な少年時代を送りました。ドレスデンの宮廷に仕えていた時に、フルート作品で知られるクヴァンツと出会い、後のフリードリヒ2世となるプロイセン王子に紹介され、そこで認められます。彼は本当に才能あるヴァイオリニストであり、批評家C.バーニーは「偉大な天才」と評したと言います。そんな彼のヴァイオリン作品は、時代的にもバロックから古典派への移行期であったため、不要な装飾を排した明晰でわかりやすいものが多く、伸びやかで明るい楽想に満ちています。
8.572309
バッハ:半音階幻想曲とフーガ他
半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903
パルティータ第4番ニ長調BWV828<序曲/アルマンド/クーラント/アリア/サラバンド/メヌエット/ジグ>
イギリス組曲第3番ト短調BWV808<前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/ガボット1.2/ジグ>
リサ・グード・クロフォード(ハープシコード…ルッカーズ1624年製ウンターリンデン美術館所蔵)
バッハ(1685-1750)の鍵盤曲の中でも、特に有名ですばらしい作品を3つ集めてみました。1720年頃に書かれた「半音階的幻想曲とフーガ」は、現在では自筆譜が失われてはいるものの、多くの弟子たちが書き移し、教材として使われていたため、人によって装飾などに違いが発生してしまいました。しかし、本来の和声進行などは損なわれることなく、彼の最も雄大で精緻な作品の一つとして愛されています。パルティータは、本来、変奏曲のように主題が一刻一刻と変化していく曲、フランス風組曲は一定の舞曲の配列をもった小曲集です。どれも難易度はとても高いものですが、アメリカの名ハープシコード奏者クロフォードは、歴史的価値を持つ楽器から深みのある素晴らしい響きを引き出し、自由度の高い柔軟な解釈を聴かせてくれます。
8.572310
マルティヌー:歌曲集第2集
愛とキスを続けてH.27
朝早く、私は外で草を刈るH.49
ねぐらの庭でH.77/月H.135
炎の男H.71/2 つの歌H.21
パステルH.8/昔H.69
レッド・セヴン・キャバレーのための3 つの歌H.129
私は古い公園を愛するH.79
眠る人H.19/冬の夜H.26
復活祭のキャロルH.230
ヤーナ・ワリンゲローヴァ(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音2010 年3 月17 日、2013 年1 月15 日
第1 集(8.572588)の歌曲集で、マルティヌー(1890-1959)の表現した摩訶不思議な世界を垣間見せてくれたメゾ・ソプラノのワリンゲローヴァとピアノのコウクル。今回もたっぷりと味わい深い歌を披露しています。チェコで生まれたマルティヌーは、幼い頃から様々な音楽や書に親しみ、その内面世界を広げていたといいます。才能に気が付いた周囲の人の勧めでプラハ音楽院に入学するも、学校の授業には満足できず、結局は退学処分になってしまうほどでしたが、そんな時にも彼の音楽的興味は成長を続け、一時期はパリで印象派の影響を受けたり、アメリカで創作活動を続けたりと、多彩な活動をしていきます。彼はあまりにも数多くの作品を残したため、人々の興味は交響曲や一部の管弦楽作品、そしてオラトリオなどの合唱作品に向けられるのみで、数多くある歌曲はなかなか演奏の機会に恵まれていないのが実情です。しかし、彼の歌曲には当時のプラハの文化的香りと、ヤナーチェクやドヴォルザークとは異なる独自の旋律美に溢れていて、この面白さに気がついたあなたは、もうすっかりマルティヌーの虜になっているのです。
8.572312
イルゲンス=イェンセン:交響曲二短調(原典版)(1942)*
エアー(1959)/パッサカリア(1928)
ビャルテ・エンゲセト(指)
ボーンマスSO

※*=世界初録音
ノルウェーの作曲家イルゲンス=イェンセンは最初オスロ大学で文献学を学んでいましたが、ニルス・ラーセンからピアノも学んでいました。25歳を過ぎて作曲を始めるようになり、オラトリオや管弦楽作品で幾つかの賞を獲得します。このアルバムに収録された「パッサカリア」は1928年のシューベルト100年祭作曲コンクールの北欧地区予選で第2位を獲得し、ストラヴィンスキーやトスカニーニの注目を浴びるのです。彼のただ一つの交響曲は第二次世界大戦への憂いと、人間と自然界についての考察が反映されています。ここでは彼が創案したとおりの3楽章形式で演奏されています。そして短いながらも印象的な「エア」の美しさも特筆ものです。
8.572313
グラナドス:ピアノ作品集第1集
スペイン舞曲集Op.37,DLRI:2
ホタ・バレンシアにおける即興曲(A.M.マルティネス編)
ダグラス・リーヴァ(P)
NAXOS屈指のラテン系ピアニスト、リーヴァによるグラナドス(1867-1916)のピアノ作品集の第1集です。NAXOSにはローサ・トレス・バルドによるスペイン舞曲集の録音が既にありますが(8.554313)、やはりここは、他の作品のほとんどを演奏しているリーヴァで聴きたいと思う人が多いはず。もちろん期待に違わぬ鮮やかな切り口でこの魅力的な小品集を聴かせてくれます。通常と違う曲順にもドキドキしてしまいます。マスネ、サン=サーンス、グリーグ、キュイら大作曲家たちが絶賛したという魅力あふれる小さな曲たち。どの曲もスペインの熱き風を運んでくるようです。
8.572314
カミロ・シューマン:チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番ト短調Op.59
小協奏曲Op.20
チェロ・ソナタ第2番ハ短調Op.99
マリア・クリーゲル(Vc)
フランチェスコ・ピエモンテージ(P)
1872年、ザクソンに生まれたカミロ・シューマン(1872-1946)の作品集です。彼の父クレメンスは、町の音楽監督であったため、カミロは生まれた時から音楽に包まれていて、幼い頃からいくつもの楽器を自由自在に操れたといい、12歳の時には地域の管学アンサンブルの指揮者にも選ばれるほど卓越した才能を発揮していました。17歳の時、ライプツィヒ芸術学院に入学、作曲をライネッケ、音楽理論をヤーダスゾーン、そしてピアノをツヴィンツァーに学びます。その後、アイゼナハでオルガニストとして活躍、ガブリエリから当時最先端であったレーガーの作品まで多くの曲を演奏したことで知られています。このアルバムで聴けるチェロ作品は、どうしてもラフマニノフやブラームスの影響を免れませんが、とは言え彼のメロディメーカーとしての資質と、ピアノ・パートの名人芸を聴きとることができるでしょう。チェロを奏するのはNAXOSおなじみのクリーゲルです。
8.572315
ロッシーニ:ピアノ作品全集第3集老いのいたずら第5集「幼い子供たちのためのアルバム」
最初の聖体拝受/素朴なテーマと変奏、同じく…/イタリアのサルタレッロ/ムーア風前奏曲/憂鬱なワルツ/すぐに効く鎮痛剤/イタリア風無邪気さ、フランス風純真さ/痙攣した前奏曲/1861年度のヴェネツィアの潟の干満!/やれやれ!小さなえんどう豆よ/バター炒め/ロマンティックな挽き肉料理
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集(8.570590-91)、第2集(8.570766)で素晴らしい演奏を披露したマランゴーニの美しいタッチはここでも健在。ロッシーニのユーモアに満ちた小さな曲たちを、どれも表情豊かに聴かせてくれています。どの曲も興味深いのですが、とりわけロッシーニらしいのが10曲目から12曲目の3つの作品。グルメで知られる彼らしく、大好きな食べ物を賛美した内容となっています。えんどう豆について曲を書くなんて、あのサティも顔負けのユニークさ。こんな楽しい曲集がなぜあまり知られていないのか不思議なところです。
8.572316
ブリス:ジョン・ブロウの主題による瞑想曲<1.序:主は私の羊飼いである-私は悪を恐れない/2.瞑想T:彼は私を憩いの水辺に導く/3.瞑想U:あなたの鞭と杖は私を慰める/4.瞑想V:子羊/5.瞑想W:主は私の魂をいきかえらせる/6.瞑想X:主は私を緑の牧場に伏させる/7.間奏:例え私は死の影の谷を歩むとも/8.終曲:私の住まいは主のもとに>/変容的変奏曲<9.元素/10.バレエ/11.表明/12.憶測/13.間投詞/14.スケルツォT/15.熟考/16.ポロネーズ/17.葬列/18.一休み/19.スケルツォU/20.二重奏/21.C.DとA.Dに捧ぐ/22.肯定> デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指
)ボーンマスSO
「色彩交響曲」で知られるイギリスの作曲家、ブリス(1891-1975)の渾身の大作です。1955年にヴァーノン・ハンドリーの指揮するロンドンSOによって初演されています。彼の親友ジョージ・ダンナットが描いた3枚の連作絵画から触発された作品で、凝った管弦楽法も素晴らしく、巨大な力と情熱にもみくちゃにされる素晴らしい音楽です。各々の曲には聖書からの言葉がタイトルとして付けられていますが、本当は極めて個人的な思いに満ちたもの。第1次世界大戦で失われた若き命への個人的な賛辞(自らの兄弟も含まれます)が溢れています。
8.572317
リュッティ:レクイエム オリヴィア・ロビンソン(S)、
エドワード・プライス(Br)、バッハcho
ジェーン・ワッツ(Org)
デイヴィッド・ヒル(指)サザン・シンフォニア
スイス生まれの作曲家リュッティ(1949-)のレクイエムです。彼はチューリヒでピアノとオルガンを学び、その後イギリスで当地のchoを聴き、その高い技術に深く感動し「彼らのために合唱曲を書こう」と決意しました。それ以来、宗教曲を含む数多くの合唱曲を発表、それらはイギリスとアメリカのchoによって広く愛唱されています。このレクイエムはソプラノとバリトン独唱、2組の聖歌隊、弦楽合奏、ハープおよびオルガンのために書かれたもので「残された人の感情をほぐすために、言葉は強い力を持っていない。しかし、音楽ならば、死の後に何が私たちを待っているのかを存分に説明してくれる」と作曲家が語っています。
8.572318
プロコフィエフ:ロメオとジュリエットOp.64(抜粋)
(V.ボリソフスキーによるヴィオラとピアノ編曲 )
第1幕<序曲/第1場 街の目覚め/第2場 少女ジュリエット/第2場 メヌエット-客人たちの登場/第2場 仮面/第2場 騎士たちの踊り/第2場 マーキュシオ/第2場 バルコニーの情景>
第2幕<第1場 謝肉祭/第1場 マンドリンを手にした踊り/第2場 ローレンス僧庵でのロメオ/第3場 マーキュシオの死/第3場 タイボルトの死>
第3幕<第3場 朝のセレナーデ/第3場 百合の花を手にした娘たちの踊り>
第4幕 エピローグ:別れの情景とジュリエットの死
マシュー・ジョーンズ(Va)
リヴカ・ゴラーニ(Va)
マイケル・ハンプソン(P)
現在、プロコフィエフ(1891-1953)の全作品の中でもとりわけ愛されているのが、この「ロメオとジュリエット」でしょう。もともとの台本はハッピーエンドで終わることになっていて、その理由は「死者は踊ることができない」というものでした。しかし、悲劇的な結末でも、踊りで表現することで、原作通りの結末に変更したというものです。初演は酷評でしたが、プロコフィエフ自身はこの曲を大層気に入っていたようで、管弦楽組曲の他、ピアノ独奏組曲までも作られています。このヴィオラ版を作ったのは、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の演奏で知られる「ベートーヴェン弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者、ボリソフスキー(1900-1972)を中心にした仲間たち。彼らは作曲家もうなるであろうほどの名編曲で、この名作に新たな光を当てたのです。
8.572319
シナジー〜吹奏楽のための作品集
ドアティ(1954-):独奏クラリネットとシンフォニック・バンドのための「ブルックリン橋」
バリット(1962-):クラリネットとパーカッションのための「協奏的二重奏曲」
ギリングハム(1947-):4つの打楽器とウィンド・アンサンブルのためのコンチェルティーノ
J.M.ディヴィッド(1978-):幻想的練習曲第2巻
マクアリスター(1969-):独奏クラリネットと管楽アンサンブルのための「ブラック・ドッグ」
ジョン・ブルース・イエ(Cl)(バセット・ホルン)
テレサ・ライリー(Cl)、モリー・イエ(Perc)
ロバート・W・ランベロウ(指)
コロンビア州立大学ウィンド・アンサンブル
近頃NAXOSファンの間で大流行中のドアティの作品がここでも聴けます。その「ブルックリン橋」はニューヨークの素晴らしい風景を描写したもの。クラリネットの妙技に耳を奪われつつ、彼のスピード感溢れる作曲技法にも魅せられてしまうという見事な曲です。バリットの「協奏的二重奏曲」はジャズやポピュラー音楽に親和性を求めた曲。ギリングハムのコンチェルティーノは4人のパーカッション奏者と管楽アンサンブルの見事な融合が楽しめます。ディヴィッドの「交響的練習曲」は現代作曲家リゲティの作品を思わせる練習曲は複雑で独特なリズム・パターンを持ち、曲に付けられた短いタイトルを見事に音にあらわした小品集です。最後のマクアリスターの「ブラック・ドッグ」はレッド・ツェッペリンの歌に触発されたラプソディで、クラリネットの長いソロ・カデンツァから始まるスリリングな作品です。どの曲も高度な技巧とアンサンブルを要求するものばかりですが、この名門アンサンブルは期待通り、高水準の演奏を聴かせてくれます。
8.572320(2CD)
ヴァインベルク(1919-1996):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.12
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Op.15
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 Op.37
ヴァイオリン・ソナタ 第4番 Op.39
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 Op.53
ヴァイオリン・ソナタ 第6番 Op.136Bis
ヴァイオリンのためのソナチネ Op.46
グリゴリー・カリノフスキ(Vn)
タティアナ・ゴンチャローヴァ(P)

録音:2010年4月5日、2010年4月22日、2010年9月22日、2010年10月21日、2010年3月17日、2010年12月17日、2010年11月4日
ショスタコーヴィチに比肩する、20世紀後半におけるロシアの優れた作曲家の一人として、最近人気が高まるヴァインベルク。いくつかの レーベルが挙って彼の作品をリリース、NAXOSからも何曲かの交響曲をはじめ、チェロ作品を中心とした器楽曲のアルバムがリリースさ れています。彼は交響曲や弦楽四重奏曲を手掛ける前に、ヴァイオリン・ソナタを書くということが「自身の作曲技法やイディオムを深化 させるのに役立つ」と考えていたようで、これらの6曲のソナタは、彼の作曲技法の変遷を知る上でも、大変興味深い作品群と捉えられ ています。控えめな曲想で始まる第1番、感情表出が大きくうねる第2番を経て、ショスタコーヴィチの影響が強く感じられる第3番では ユダヤ的な作風が現れます。各楽章の変化が面白い第4番、彼の最高傑作とされる第5番、デュオという形式を放棄したかのような独 特な音楽である第6番(最初は「無伴奏ヴィオラソナタ第4番」と同じ作品番号が誤って付されていた)と、個性的な曲が並びます。 民謡風のメロディを持つ「ソナチネ」は耳馴染みのよい古典的な旋律をもち、彼の全作品の中でも演奏される機会の多い曲です。
8.572322
シューベルト:ドイツ語歌曲全集35〜希少作品、断章、違稿版集
異国から来た乙女D117
ピアノを弾くラウラD388(第1稿)
ラウラへの歓喜D577
バスのための歌曲のスケッチD1a
アンドレアス・シラー氏の命名日にD83
ドイツの勝利に寄せてD81/人生の夢D39
子供の歌D596(断章)/私の父の墓でD496
ゆりかごの中の男の子D579(第2稿)
愛を知る者だけがD513a
タルタロスの群れD396(未完)
ミニョン「このままの姿でいさせて下さい」D469(未完の断章)
リートのスケッチイ短調D555
大ハレルヤD442(バージョンA)
ヨハネ福音書D607/戦の歌D443(独唱版)
水の上の精霊の歌(第1作)D484
シビラ・ルーベンス(S)
デトレフ・ロート(Br)
レト・クッペル(Vn)
ペーター・リーム(Vn)
ダニエル・グロギュラン(Vc)
ウータ・ユングヴィルト(Hp)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
「歌曲の王」シューベルトの全リート作品を録音するという偉大なるプロジェクトの完結編です。全てに渡って高水準の演奏を収録するというコンセプトはこのアルバムでも変わることはありません。完全版を目指すNAXOSレーベルとしては、スケッチも洩らさず収録します。歌詞がなければチェロで歌わせ、途中で楽譜が終われば、歌もそこで終わり。そんな潔さの中に思いもかけぬ美しいものが見え隠れしています。ルーベンスとロートの2人の歌唱も万全。おなじみのアイゼンロールの他、ハープやヴァイオリンが最終巻に華を添えます。
8.572323
スーク:幻想曲ト短調 Op.24
おとぎ話Op.16
幻想的スケルツォOp.25
ミヒャエル・ルートヴィヒ(Vn)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
ドヴォルザークに学び、その娘婿となったヨゼフ・スーク(1874-1935)。彼の作品は、初期の物こそブラームスやドヴォルザークを手本としていますが、少しずつドビュッシーら印象派の影響と、マーラー、R・シュトラウスら後期ロマン派の影響が見え隠れするようになり、どちらかと言うとチェコの国民楽派の作品とは一線を画した、極めてロマンティックな曲を残したことで知られています。この「おとぎ話」は彼の代表作ですが、ここでは珍しい他の2曲に注目。ヴァイオリン独奏を伴う技巧的な「幻想曲」、そして彼の心象風景を描いたと言われる「幻想的スケルツォ」と、どちらも充実した管弦楽法と懐かしいメロディに満ちた美しい作品です。
8.572325
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスムOp.44第1巻
速く/できるだけ活発に
活発に/早く、しかし優雅に
歩くテンポより少し早く。表情豊かに
活発に中庸のテンポで、更に中庸に
極度に早く
やや活発に、中庸のテンポで、
そして優雅に
3つの小品からなる組曲<前奏曲/活発に中庸のテンポで/活発に中庸のテンポで、そして歌うように>
4つの小品からなる組曲<前奏曲/フーガ/ゆるやかに音を保持して>
急速に/急速に/序奏とフーガ
急速に/活発に/急速に
活発に、心をこめて/急速に/急速に
アレッサンドロ・マラゴーニ(P)
グラドゥス・アド・パルナッスム。この名前はドビュッシーの「子どもの領分」の中の1曲でおなじみでしょう。しかしこの名前の由来をご存知ですか?もともとは芸術や文化の聖地、ギリシャにある「パルナッソス山」への梯子という意味で、クレメンティ(1752-1832)は自らの練習曲にこの名前を当てました。この当時は指のために書かれた練習曲がとても少なく、ひたすら機械的に指を鍛えることができるこの曲集は「芸術を極めるための近道」として学習者たちに重用されたのです。ドビュッシーは、愛娘がこの曲を練習している姿を見て、少々皮肉を込めて自作に引用したというわけです。ただ、練習曲として聴くにはもったいないほどの高い音楽性を秘めた曲集でもあることは確かです。
8.572326
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスム Op.44 第2巻
3つの小品からなる組曲<第25番 序/第26番 シャコンヌ/第27番 情熱をもって速く>
第28番 活発に/第29番 速く、しかしはなはだしくなく
第30番 急速に/第31番 元気に速
第32番 活発に/第33番 シャコンヌ
第34番 急速に/第35番 急速に
第36番 急速に、しかしはなはだしくなく
5つの小品からなる組曲<第37番 前奏曲/第38番 ほどよく快速に/第39番 悲しい情景/第40番 フーガ/第41番 終曲>
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集(8.572325)での、表現力豊かな演奏が高い評価を持って迎えられたマランゴーニによる、クレメンティ(1752-1832)の「グラドゥス・アド・パルナッスム」の第2集です。作曲家、演奏家、教師、そして音楽出版、そして楽器製造まで手掛けたマルチ音楽家、クレメンティのこの練習曲は、本当に一筋縄ではいきません。例えば、このアルバムに収録された冒頭の3曲、第25番から第27番は、これだけでも一つの曲集として成立するほどのクォリティを持っています。もちろん、それはほんの小手調べ。まだまだ多彩な曲が手薬煉引いて待っているのですから。
8.572327
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスムOp.44第2巻(続き)・第3巻
3つの小品からなる組曲<第42番情熱的に早く/第43番フーガ/第44番速く>
第45番序奏とフーガ/第46番速く
第47番非常に速く/第48番活発に
第49番急速に、しかしはなはだしくなく
第50番活発に/5つの小品からなる組曲<第51番序/第52番中くらいの速さで/第53番非常に速く/第54番2つの主題によるフーガ/第55番急速に>
3つの小品からなる組曲<第56番幅広く悲しげに/第57番フーガ/第58番急速に>
第59番速く、しかしはなはだしくなく
4つの小品からなる組曲<第60番序/第61番速く、感情をこめて/第62番序/第63番カノン>
第64番急速に/第65番速く、力強く
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)

録音:2011年2月15-16日イタリアイヴレア、バロック・ホール・オブ・ザ・SMC
全3巻100曲に及ぶ「グラドゥス・アド・パルナッスム」は、単なる練習曲集というよりも、古典派のピアノ曲の集大成と言ってもよいほどの充実した内容を持っています。いずれも、無味乾燥な指のための練習曲ではなく、バッハ風のフーガであったり、ロマン派を先取りしたような抒情的な曲であったりと、その多彩さには驚くほかありません。とはいえ、どの曲にもくまなく音階練習や、オクターヴ、内声を浮き上がらせる練習など、ピアノ上達への手引きが盛り込まれています。この当時の曲を完璧に弾くなら、この曲集をきっちり学べばばっちりです。もちろん聴くだけでも存分に楽しさを味わえるはず。
8.572328
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスム第4集〜グラドゥス・アド・パルナッスムOp.44第3巻-続きから
5つの小品からなる組曲<第66番やや快速に、生き生きと/第67番カノン/第68番急速に/第69番フーガ/第70番スケルツォ>
6つの小品からなる組曲<第71番速く/第72番生き生きと/第73番カノン/第74番2つの主題によるフーガ/第75番カノン/第76番終曲>
5つの小品からなる組曲<第77番やや速く/第78番非常に速く/第79番中くらいから適度に速く/第80番奇想曲/第81番終曲>
6つの小品からなる組曲<第82番スケルツォ/第83番中くらいの速さで/第84番歩くような速さで-カノン/第85番急速に活気をもって/第86番あまり速すぎないで/第87番終曲>
5つの小品からなる組曲<第88番気楽にのんびりと、歌うように/第89番急速に/第90番フーガ/第91番やや急速に/第92番終曲>
第93番速く/第94番ストラヴァガンツァ
第95番ヴィッツァリア/第96番興奮して速く
第97番スケルツォ/第98番快活に速く
第99番非常に速く/第100番ごく活発に
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)

録音:2011年11月14-16日イタリアイヴレア、バロック・ホール・オブ・ザ・SMC
全3巻100曲に及ぶ「グラドゥス・アド・パルナッスム」の完結編となります。クレメンティ(1752-1832)の全生涯における“最大の成功作”であり、批評家からも大絶賛されたこの作品は、クレメンティ自身の飽くない探究の賜物であり、また55年にも及ぶ改訂と編集は、バロック期から古典派、ロマン派へと移り変わる音楽の潮流をもはっきり示した問題作と言えるでしょう。一連の練習曲として聴くよりも、スカルラッティに匹敵する「ソナタ集」として聴くのもあり。もちろん厳格なる「練習曲集」として聴くのもOKです。確かに、マランゴーニの確固たる技術と表現は単なる演奏曲の域を超えたものです。
第1集…8.572325/第2集…8.572326/第3集…8.572327
8.572329
ゲディーニ:ピアノ曲全集第1集
マズルカ(1908)/29のカノン
「信仰」の言葉による主題と変奏
踊りながら綱渡りをするサーカスの踊り子
小さい料理人のメヌエット/ガヴォット
9つの小品<悲歌/ほとんどふざけるように/リトネッロ風/夜曲/家族のアルバム/アラベスク/ワルツのテンポで/ユモレスク/幻想風前奏曲>
メヌエット=カリカチュア
マッシモ・ジュゼッペ・ビアンキ(P)
イタリアの近現代作曲家、ゲディーニ(1892-1965)のピアノ曲をお聴きください。彼が50年に渡って書いた全作品を2枚のアルバムに収録、こちらが第1集となります。彼はトリノでオルガン、ピアノ、チェロを学んだ後、1911年にエンリコ・ボッシに師事、作曲家、指揮者として活動する傍ら、音楽院で多くの弟子を育てています。ここに収録されたのは、1908年から1916年頃の初期の作品で、新鮮で自発的な作風を備えています。どの曲も工夫が凝らされており、例えば「信仰」の言葉による主題と変奏は、イタリア語で信仰を表す、Fede〜F(ヘ)E(ホ)D(ニ)E(ホ)が音として組み込まれているというもの。リストやシューマンが良く使った手法ですが、彼は更に現代的な音として、素晴らしい変奏曲を創り上げました。今回の録音は、彼の娘であるマリア・グラツィア・ゲディーニがこの演奏のために楽譜を用意したもので、全て世界初録音となります。
8.572330
ゲディーニ:ピアノ作品全集第2集
ソナチネニ長調(1913)/
5つの音符のための4つの小品「プレリーリャ」(1922)
ピアノ・ソナタ変イ長調(1922)
幻想曲(1927)
対位法のディヴェルティメント(1940)
カプリッチョ(1943)
「鹿が水の泉を求めるように」によるリチェルカーレ(1956)
アレグレット(1957)
マッシモ・ジュゼッペ・ビアンキ(P)
ボローニャでエンリコ・ボッシに学び、作曲家、指揮者として活動。トリノ音楽院とパルマ音楽院で長年作曲を教え、1951年から1962年までミラノ音楽院の院長を務めた作曲家ゲディーニ(1892-1965)の知られざるピアノ作品集第2集です。ここでは作曲年代が40年以上に渡る8つの作品を聴くことができます。初期のソナチネは、まるでロマン派の作品であり、アルペジョを駆使したその美しさに誰もがため息をつくのではないでしょうか?しかしその9年後の「プレリーリャ」は何とも解読不能な作品で、旋律より色彩の豊かさを楽しむものと言えるでしょう。他の作品もぜひ聴いてみてください。ゲディーニの多彩な世界にはまること間違いありません。第1集(8.572329)もご一緒に。
8.572331
ピアソラ・ベスト・タンゴ
ブエノスアイレスの四季<ブエノスアイレスの夏/ブエノスアイレスの秋/ブエノスアイレスの冬/ブエノスアイレスの春>
ロコへのバラード/6.天使のミロンガ
天使の死/天使の復活/さらばパリ/
アルフレイド・ゴビの肖像/
アディオス・ノニーノ/同一の罰/
ピカソ/グアルディア・ヌエバ/
センティード・ウニコ全てA.デレ=ヴィーネによるピアノ独奏編
アキレス・デレ=ヴィーネ(P)
哀愁、情熱、切望、情感、これらが全て含まれたピアソラの音楽は、どのような編成で演奏しても、独特の魅力を発揮するものですが、ピアノ1台で演奏するピアソラは、まるでジャケットに描かれた女性の引き締まった太もものように健康的で躍動的です。しか妖艶さを失うことはなく、囁くようなピアニシモは、まるで耳たぶに息を吹きかけられるような色っぽさです。ここでピアノを演奏するデレ=ヴィーネはクラウディオ・アラウの弟子で、数々のコンクールで入賞歴を誇るヴェテランです。このアルバムでは全て彼自身の編曲によるもので、ピアソラの音楽を余すことなくピアノへと移し替えています。
8.572332
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲イ長調他
アリアト長調 P.32(編曲:S.ディ・ヴィットリオ)
ヴァイオリン協奏曲イ長調 P.49(補筆:S.ディ・ヴィットリオ)
弦楽のための組曲P.41(復元:S.ディ・ヴィットリオ)
ロッシーニアーナP.148
ラウラ・マルツァドーリ(Vn)
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指)
ニューヨーク室内O
ローマ三部作の強烈な色彩感で知られるイタリアの作曲家レスピーギ(1879-1936)。もともとヴァイオリン奏者として活躍しただけあって、その生涯に何曲かのヴァイオリンの協奏的作品を書いてはいますが、この1903年に着手された最初のイ長調の協奏曲は、2楽章までは完成させたものの、第3楽章はピアノ伴奏のまま、結局完成されることなく忘れられてしまったものです。24歳の血気溢れる新進作曲家は、この作品でヴィヴァルディとメンデルスゾーンに立ち返ろうと意気込んだだけあって、なかなか良い作品であることは間違いありません。2010年の蘇演にあたり、指揮者のヴィットーリオは、スコアを丹念に洗い出し、若干未熟な第1楽章と第2楽章のオーケストレーションにも手を加え、レスピーギたる作品へと昇華させました。この録音にあたり、他の2曲にも編曲を加え、レスピーギ自身の改編である「ロッシーニアーナ」も演奏することで大作曲家への敬意を表しています。
8.572333
ディ・ヴィットーリオ:シンフォニア第1番&第2番他
オーヴェルトゥーラ・レスピーギアーナ(2008)
シンフォニア第2番「ロスト・イノセンス」(2000)
女声合唱のための「アヴェ・マリア」(1998)
シンフォニア第1番「アイソレーション」(1999)
クラリネット・ソナタ第1番(1998)
レスピーギcho
ベンジャミン・バロン(Cl)
ニューヨーク室内O
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指)
※一部世界初録音
第1曲目の冒頭。まさに「おおっ」と叫びたくなるレスピーギへのオマージュ。音の扉を開けるごとに目まぐるしく世界が変わっていきます。これが何とも気持ちよいのです。パレルモで生まれ、ニューヨークで美術と古代哲学を学んだディ・ヴィットーリオ(1967-)は、ローマとフィレンツェ、ロンドンで(指)を始めます。その後ニューヨークでオットリーノ・レスピーギ室内Oを(指)し、注目を浴びました。ここに収録された作品は、彼の様々なスタイルを垣間見せてくれるもので、前述のレスピーギのようなイタリア風のものから、交響曲第2番に見られるドイツ的な語法、ルネサンス風の和声で書かれた瞑想的で女性的な「アヴェ・マリア」、ヴィヴァルディからの影響を受けているという「交響曲第1番」、捉えどころのないメロディなのだけど、どこかしら整っている「クラリネット・ソナタ」。全部聴いたら、もう一度最初から聴いてみたくなる作曲家です。
8.572334
フレイタス・ブランコ:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1907)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1938)
ヴァイオリンとピアノのための前奏曲(1910)
カルロス・ダマス(Vn)
アンナ・トマシク(P)
ポルトガルの詩人、フェルディナント・ペソアがその作品を発表した時、そのモダニズムはまだ国内で理解されることはなく、ある意味預言者のような役割を果たしていていたといわれています。音楽もまた然り。ブランコ(1890-1955)より少し前に生まれた作曲家、アルフレード・ケイルやビアンナ・ダ・モッタは明らかにフランスとドイツ音楽の影響を受けていて、それを足掛かりにポルトガルの近代音楽の基礎を築いたため、後に続くブランコらの初期の作品も、明らかに「フランクの落とし子」である風貌を兼ね備えていたのです。ここで聴ける第1番のソナタの冒頭は、まさにフランクそのもの。しかしブランコはその後に独自の路線を歩み、第2番のソナタでは、はっきりと個性を打ち出すことに成功しています。その間をつなぐ「前奏曲」のもどかしいまでの美しい音楽は、一皮むけようとする作曲家が身を震わせている姿を見るかのような淫靡な喜びすら感じさせます。

8.572335
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11(ショパン・ナショナル・エディション原典版使用)
ポーランドの歌による幻想曲Op.13
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」Op.14
エルダー・ネボルシン(P)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
NAXOSには、既にセーケイとビレット(ブレイナー盤もありました)の録音があるショパンの協奏曲第1番。しかし2010年のショパン・イヤーに合わせて新録音を出すことになりました。このネボルシンとヴィトの録音、もちろん演奏自体も素晴らしいものですが、何と言っても「ナショナル・エディション」のスコアを用いているところに注目です。ポーランドが国家の威信をかけて、50年かけてショパンの作品を全て見直し出版した「原典版」は、これまでの資料を全て詳細に研究し、今までになかった事実を見せてくれる、ファンにとっては涙が出るほど嬉しいものです。この協奏曲第1番では「これまで150年使われてきたスコアとパート譜は、ショパン自身が書いたものとはかけ離れていた」という衝撃的な内容が明かされています。これを聴いてみると、「ショパンは管弦楽法に疎かった」という既成概念が覆されることでしょう。確かに冒頭から充実した響きに満たされた素晴らしいものとなっています。
協奏曲はまず最新のナショナル・エディション原典版の響きが聴きもの。オケの導入部から従来のものとはアーティキュレーション、アクセント、強弱対比などがかなり異なりますが、ヴィトの熟練の棒によってそれらが説明調にならずに、陰影に富んだ演奏として立ち昇ります。ピアノとのブレンド感も増しており、今までのまったりとした伴奏は何だったのでしょうか?そしてネボルシンのピアノがこれまた絶品!一切奇を衒わずに堂々と切り込み、その響きは威圧的でも女性的でもない、実に均整の取れた神々しさ。響きのバランスの良さは過去のディスクでも実証済みですが、この何もしていないようでいて確固とした存在感を示す打鍵には、一気に惹きこまれます。第1主題はそのタッチの美しさに唖然。表面的な甘美な響きではなく、凛と襟を正した風格と歌のセンスが一体となって、確実に心に食い入るのです。第2主題以降もタッチの粒立ちが良く、自己をひけらかそうとする様子を全く見せないので、フレーズの意味がますます確信を持って迫るのです。第2楽章冒頭のネボルシンのピアノはまさにエレガンス!符点音符のリズムを蔑ろにしないので、持ち前の美音が感覚美に終始せずに作品のフォルムに大きさを感じさせます。3:21からのフレーズで一瞬左手の声部を強調させますが、これぞセンスの塊!終楽章も非の打ち所なし!主題の4小節目最後の符点音符をノリに任せて16分音符としてサラッと流す愚かしさはもちろんなし。そして登場する副主題!ここにはネボルシンの魅力のすべてが凝縮されており、これ以上にこの単純なメロディを毅然と息づかせることなど出来ましょうか?コーダの緊張感には息を飲むばかりで、この曲はシューマンの協奏曲以上に深い内容を湛えているのでは?という思いを禁じえないほど、圧倒的な訴求力!スコアのハンの問題のみならず、ピアニストと指揮者の音楽性、ナクソスのピアノ録音に対する適応性が渾然一体となった大推薦盤です!カップリングの2曲も期待を裏切りません。軽い作品でも、完璧なテクニックと美音をデモンストレーションに利用することは皆無で、誠心誠意、作品の持ち味表出に専念するという当たり前の行為を本当に実践しているピアニストはそう多くはないでしょう。「ポーランドの歌による幻想曲」は第2部(トラック6)の起伏に富んだニュアンスのリアリティが特に聴きもの。「クラコヴィアク」は、技巧面でも響きの綿でも一切淀みを生じないネボルシンの凄さを再認識。オケの発言力にもご注目を。 【湧々堂】
8.572336
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
(ショパン・ナショナル・エディション原典版使用)
「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏
曲変ロ長調Op.2
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズOp.22
エルダー・ネボルシン(P)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
第1番(8.572335)に続く、ショパン(1810-1849)の新原典版による第2番の協奏曲です。こちらも、演奏者はヴィトとネボルシン。既存の版との聴き比べも楽しいですし、ただただ演奏に浸るのもいいでしょう。ヴィトはショパンのスコアを、まるでマーラーのように重厚に響かせ、聴き手に多大なる満足を与えてくれます。カップリングの2曲も素晴らしい演奏。どうしても技術面が空回りしがちな初期の作品が、堂々とした名曲として立ち現れます。「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ」のオーケストラパートも、占める割合は少ないとは言え、強烈な存在感を示しています。
8.572341
期待の新進演奏家シリーズ〜ユンイ・キン
唐壁光(1920-):瀏陽河(王建中によるピアノ編)
モーツァルト(1756-1791):デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調Op.42D.845
ハイドン:ピアノ・ソナタ第33番ハ短調Hob.XVI:20
グラナドス:わら人形、ゴヤ風な情景
スクリャービン:ワルツ変イ長調Op.38
フリードマン:ミュージック・ボックスOp.33No.3
リスト:12の超絶技巧練習曲第10番ヘ短調S139/R2b
プリエト:ハエン2008
ユンイ・キン(P)
2008年ハエン国際コンクールの覇者、ユンイ・キンは1992年、中国生まれの17歳。すでに中国国内では天才ピアニストとして知らない人がないくらいの人気者です。彼女の演奏はとても個性的。もちろん輝くような音色と超絶技巧は備えていますが、作り出す音の響きが何ともユニークなのです。例えばモーツァルトのK.573。この曲の主題である「デュポールのメヌエット」だけ取ってみても、テンポの揺らし方や独特のペダリングから醸し出される響きは、彼女の並々ならぬ才能を感じさせてくれるものです。古典から現代作品まで様々な作品を揃えたこの1枚は、まさに彼女の音楽の総合カタログ。
8.572342
サザン・ハーモニー
カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲(D.ハンスバーガーによる吹奏楽編)
スティーヴンス(1951-):3楽章の交響曲
グランサム
(1947-):サザン・ハーモニー
ローリゼン(1943-):「おお大いなる神秘」(H.R.レイノルズによる吹奏楽編)
コープランド
(:エル・サロン・メヒコ(E.ズヴァーノによる吹奏楽編)
ラッセル・C・ミッケルソン(指)
リチャード・L・ブラッティ(指)
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーは現在最も素晴らしいと評されるアンサンブルです。彼らはミッケルソン教授の下、日夜新たなレパートリーの拡充に励んでいます。今回のNAXOSへの録音は、これまた吹奏楽ファンにはたまらない選曲となっています。カバレフスキーの最初のオペラである「コラ・ブルニョン」の序曲での溌剌としたリズムと多彩な音色が見事なまでに再現されているのを聴いて驚かない人はいないでしょう。また、誰もが知っているコープランドの「エル・サロン・メヒコ」も最初からこの編成で書かれていたと思わせるほどの見事な演奏。もちろん神聖さに満ちたローリゼンの作品も素晴らしい出来栄えです。スティーヴンスとグランサムの曲はオリジナルです。楽しさに満ちたスゴイ1枚です。
8.572343
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第5集
ピアノ三重奏曲第11番ト長調「W.ミュラーの“私は仕立て屋カカドゥ”の主題による変奏曲」Op.121a
ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調「大公」Op.97
ピアノ三重奏曲第9番変ホ長調Wo038
ニーナ・ティクマン(P)
イダ・ビーラー(Vn)
マリア・クリーゲル(Vc)

録音:209年4月ドイツザントハウゼン,クララ・ヴィーク・アウディトリウム
ベートーヴェンの数多い室内楽作品の中でも、とびきりの人気を誇るのがピアノ三重奏曲第7番「大公」です。この大公とはベートーヴェンの弟子でありパトロンだった貴族で、1803年頃に知り合って以降、1824年までの20年あまり交友関係にあり、ベートーヴェンは彼のために、この「大公」をはじめ、ピアノ・ソナタ「告別」や「ミサ・ソレムニス」など14曲を献呈しています。大公自身も作曲を行った上に、優れたアマチュア・ピアニストであり、ベートーヴェンが心から信頼を寄せた数少ない友人の一人であったことは間違いありません。このアルバムは、その「大公」をメインに、第9番とされている変ホ長調の作品と、むやみに重苦しい前奏がついた楽しい変奏曲である第11番を収録。見事さの中にも、ベートーヴェンのちょっとリラックスした表情が見えるステキな1枚に仕上がっています。
8.572344
ショパンの弟子たち
《ミクーリ(1819-1897)》
 2つのポロネーズOp.8〜第1番ト短調
 10のピアノ小品集Op.24〜<ルーマニア風/練習曲/カンティレーナ/即興曲>
 2つのポロネーズOp.8〜第2番変イ長調《テレフセン(1823-1874)》
 ワルツ変ニ長調Op.27
 即興曲ト長調Op.38
 小さな物乞いOp.23
 4つのマズルカOp.3
《フィルチ(1830-1845)》
 即興曲第1番変ト長調
 マズルカ変ホ長調Op.3-3
 ヴェネツィアの別れ/舟歌変ト長調
 言葉のないロマンス
 即興曲第2番変ロ短調
《グートマン(1819-1882)》
 夜想曲変イ長調Op.8-1
 鳥たちの目覚め、牧歌Op.44
 ボレロOp.35
フベルト・ルトコフスキ(P)
れたピアニストが、そのまま優れた教師であるとは決して言えませんが、ショパンは「本当に素晴らしい才能を持った者」に自らの音楽を伝えていたようです。ショパンより9歳年下のミクーリは、「ショパンのピアノ奏法の継承者」と言われてますが、第1番のポロネーズで見られる和声はかなり独特で、また先進的。洗練されているとは言い難いかもしれませんが、今、こうして聴いてみるとかなり面白いと言えるでしょう。ノルウェイのピアニスト、テレフセンは2年半待ってショパンに弟子入りを許されたという人。その後パリで大勢し、確固たる地位を築きました。フィルチは11歳から4年間だけショパンに師事したのですが、残念なことに15歳の時に肺結核で世を去ってしまします。タッチもショパンに似ていたそうですが、この即興曲第1番は、ショパンそのものを彷彿させる繊細な作品で、せめてあと20年生きていれば、ピアノ界の歴史を塗り替えていたかもしれません。そしてグートマンはショパンとは違い、大柄で力強い人だったそうで、ショパンは彼に「スケルツォ第3番」を献呈しています。ショパンが心から信頼を寄せていた人物の一人です。
8.572345
ヴィドール:歌曲集「海の歌」他
歌曲集「海の歌」Op.75
夜/果てしない悲しみ
神秘的な夜/おやすみメリテ
あなたはこの甘き時を忘れてしまった
マイケル・バンディ(Br)
ジェレミー・フィルセル(P)
壮麗なオルガン作品で知られるヴィドール(1844-1937)が、こんなに素晴らしい歌曲を書いていたとは、誰が知っていたでしょうか?実は彼多くのジャンルに渡って100曲近くの作品を残していますが、そのほとんどは現在忘れ去られてしまいました。まずは、この歌曲集「海の歌」を聴いてみてください。フォーレよりもベルリオーズの作品に似た、しっかりとした骨組みを持つ歌曲集です。柔軟で力強いピアノパート、波間を揺蕩うかのような夢見がちな歌声。しかしこれら14曲の歌曲は、調性や曲順に至るまで入念に準備され、見事な構成を持っているのです。これを聴いて作曲家の名前が即座に出てくる人は恐らくいないでしょう。他に、別のスタイルで書かれた5曲の歌曲も収録。これは聴きものです。
8.572346
ヴィエルヌ:歌曲集「愛の詩」他
歌曲集「愛の詩」Op.48
プシュケOp.33/絶望のバラードOp.61
マイケル・バンディ(Br)
ジェレミー・フィルセル(P)
フランク、ヴィドールに学び、多くのオルガン曲を残したヴィエルヌ(1870-1937)は、ほとんど全盲に近かったにも拘わらず、パリのノートルダム大聖堂のオルガニストを務め、通算1750回目の演奏会の最中に演奏台で倒れ、67歳の生涯を閉じました。そんな彼はオルガン曲だけでなくこんなにチャーミングな歌曲も書いていました。この「愛の詩」は各々3〜4曲が、フランス革命歴による四季に分けられて並べられています。自然の大きな営みの前には、人間など無力な存在に過ぎない・・・どこか頽廃的で美しい歌曲集です。
8.572347
トゥルヌミール:歌曲集
英知Op.34/歌曲集「詩曲」Op.32
孤独/自然は胸を躍らせて
宗教的対話Op.50
クレア・シートン(S)
マイケル・バンディ(Br)
ヘレン・クレイフォード(P)
ボルドー生まれの作曲家トゥルミヌール(1870-1939)はパリ音楽院でフランクにオルガンを学び、サント・クロティルド教会のオルガニストとして活躍しました。作曲家としては、「神秘的なオルガン作品を書いた人」としてのみ知られていますが、実は彼、室内楽やオペラ、オラトリオの作曲ばかりか、8曲の交響曲までをも書いています。そのほとんどは出版されることもなく、今に至っているのですが(交響曲のうち7曲はMARCO POLOレーベルに録音あり)、これらがもっと聴かれるようになる日もそう遠くはないでしょう。このアルバムに収録されている歌曲も、2つの作品を除いては公表されることもなく、忘れ去られていた存在です。ほとんどが彼の初期の作品ですが、どれも詩的であり、また不可解な美しさを持った曲として耳に残るでしょう。多くは象徴派の詩人、アルベール・サマンの詩を用いられており、美しい言葉と緊密に結びついた極めて繊細な音楽が展開されています。見事な歌唱を聴かせるバンディは、イギリスで学んだバリトンですが、フランス歌曲を得意としていて、NAXOSには、他にもヴィドール(8.572345)やヴィエルヌ(8.572346)の録音があります。
8.572348
マクスウェル=デイヴィス:交響曲第1番(1976)
ラスベガスのメイヴィス(1997)
マクスウェル=デイヴィス(指)
BBCフィルハーモニーO

※Collins Classicsより移行盤
1973年当時、豊かな自然に溢れたオークニー諸島に移住していたマックスウェル=デイヴィス(1934-)は、ジョージ・マッカイ・ブラウンの詩に触発された小さな作品を構想します。この地の風景と、圧倒的な海の存在感を描くべく書かれた「ブラック・ペンテコスト」というその曲ができた時、作曲家自身も、これが大きな交響曲になるとは思ってもいなかったと言います。そのほぼ3年後、4つの楽章を持つ「交響曲第1番」として完成したこの作品には、彼らしい魔術的雰囲気と、混沌とした風景がないまぜとなった創造性に満ちた音楽が溢れています。ディヴィス自身は「シベリウスの5番の和音で終わる」と説明していますが、その面影が聞き取れるでしょうか?「ラスベガスのメイヴィス」は1995年、彼が自作を演奏するためにアメリカを訪れた時の印象を描いたもの。メイヴィスとは彼の名前をコンピューターに登録する際、この短縮形の方が都合が良かったからだそうです。
8.572349
P・M・・デイヴィス:交響曲第2番(1980)
聖トーマスよ,目覚めよ(1969)
マックスウェル・デイヴィス(指)
BBC・フィルハーモニック

※Collins Classicsより移行盤(1991年,1994年リリース)
現代的な手法と神秘主義、これらの相反する観念を見事に音楽上で結びつけることに成功したイギリスの作曲家マクスェル・デイヴィス(1934-)。このアルバムでは彼の「海の交響曲」と呼ぶべき第2交響曲を存分に楽しむことが可能です。彼自身がこの作品のために数多くの示唆的な言葉を寄せています。自宅の窓から見える海について、また海を渡る風について、波の波形について・・・。もちろん彼はそんな目に見える事象を忠実に音楽でなぞるわけもなく、独特のフィルターを通して、全く別のものとして再現します。しかし出来上がった音楽には巨大な波や、点在する岩など、海以上の物を感じられます。まさに自然への畏怖が感じられるのではないでしょうか。もう1曲の「聖トーマスよ、目覚めよ」は作曲家が第ニ次世界大戦中の記憶を呼び覚ましたという、不穏なパロディです。曲が進むにつれ「フォックストロット」(舞曲の一種)と名付けられた意味がわかることでしょう。
8.572350
マックスウェル・デイヴィス:交響曲第3 番(1984)
クロス・レーン・フェア
マーク・ジョーダン(ノーザンブリアン・パイプ)
ロブ・リー(バウロン)
マックスウェル・ディヴィス(指)
BBCフィルハーモニック

※Coliins Classics より移行盤
様々な要素をたくさん詰めたマックスウェル・デイヴィス(1924-)の作品は、熱狂的なファンを多く生み出していますが、この交響曲第3 番と、クロス・レーン・フェアは、まさに「カオス的な美しさ」に満ち溢れた作品といえるでしょう。交響曲第3 番はルネサンス建築にも似た構造を持ち、静謐な中世の聖歌と、劇的な感情が交錯する中に漂う幻影と鳥の声、激しい波が打ち寄せる海岸の風景などが見え隠れします。聴き手は自由な幻想を巡らせ、音の流れに身を任せるばかり。「クロス〜」は、作曲家が子ども時代に訪れた遊園地の思い出に触発された作品で、アイルランドの伝統楽器と室内オーケストラのための小粋な曲です。
8.572351
マックスウェル・デイヴィス:交響曲第4番(1989)
交響曲第5番(1994
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)
スコットランド室内O
フィルハーモニアO

※CollinsClassicsより移行盤
驚くほど特異な世界を描き出す作曲家マックスウェル・デイヴィス(1934-)。彼の8曲ある交響曲はどれもストーリー性を持ち、それは荒れ狂う海であったり、何層にも塗り重ねられた雲の色であったり、と聴き手の想像力を限界まで酷使するわかりやすさと難解さを合わせ持つものです。このアルバムに収録された第4番と第5番は対照的な作風を持っていて、第4番は、形式こそ古典的でありながらも、そこにはひたすら音を重ね合わせた抽象的な世界が存在するという曲で、広大な砂漠をさまようかのような幻想的な雰囲気を味わうことができそうです。単一楽章で書かれた第5番は、音の蠢きの中に様々な風景が描きこまれていて、そこには近代的な街並みも、波のうねりも全て封じ込められています。何かを想いながら音を聴くのが好きな人に。
8.572352
マックスウェル・デイヴィス:交響曲第6番(1996)
時と大鴉(1995)
オークニーの結婚式と日の出(1984)*
ジョージ・マキルファム(バグ・パイプ)*
ピーター・マックスウェル・ディヴィス(指)
ロイヤルPO

録音:1996年8月7-8日ロンドントゥーティング,オール・セインツ教会、1991年12月16日ロンドンアビー・ロード第1スタ
ジオ
※Collins Classics…移行盤
1996年前半に作曲された「交響曲第6番」は演奏時間に50分近くを要する大作です。国連発足50周年の記念として委嘱された作品で、3つの楽章からなる神秘的な音楽です。第1楽章はゆったりとした序奏で始まりますが、そのうち何やら騒がしくなり諧謔的なメロディが交錯し、静と動が捻じれながら進行していきます。第2楽章も基本的にアダージョですが、動的なイメージの強い音楽です。そして第3楽章ではデイヴィスの特徴とも言える「反発する世界観」が炸裂。曲全体として遅いテンポを取りながらも、時に爆発する音が聴き手にカタルシスをもたらすのです。スコットランドの画家ジョン・ベラミーの絵画からインスピレーションを得た「時と大鴉」、バグパイプの素朴な音色と鄙びたメロディが妙なこそばゆさを醸し出す「オークニーの〜」…ボストン・ポップス・オーケストラのために書かれた…の全3曲。
8.572353
マクスウェル=ディヴィス:ストラスクライド協奏曲第3番&第4番
ホルン,トランペットと管弦楽のためのストラスクライド協奏曲第3番
クラリネットと管弦楽のためのストラスクライド協奏曲第4番
ロバート・クック(Hrn)
ピーター・フランクス(Tp)
ルイス・モリソン(Cl)
ピーター・マクスウェル=デイヴィス(指)
スコットランド室内O

録音:1991年7月スコットランドエディンバラ,アッシャー・ホール
※Collins Classicsより移行盤
マックスウェル・デイヴィス(1934-)が集中的に取り組んだ、様々な楽器のための協奏曲である「ストラスクライド協奏曲」は、スコットランド西部にある県「ストラスクライド」の地域協議会とスコットランド室内管の委嘱により書かれ始めたもので、1987年から1996年までの間に10曲が作曲されました。このアルバムでは、1989年に書かれたホルン、トランペットを使った第3番、1990年に書かれたクラリネットを使った第4番を聴くことが出来ます。デイヴィスは奏者たちとも緊密に連絡を取り、彼らの技術を最大限に生かせるように入念な曲造りを施し、どれもが素晴らしい効果をあげています。独奏楽器が活躍はもちろんのこと、彩り豊かなパーカッションとのやり取りも素晴らしく、またデイヴィスが愛するマリンバの響きもいたるところで聴くことができるという、まさに彼における「20世紀の締めくくり」シリーズであると言えるでしょう。
8.572354
マクスウェル・デイヴィス(1934-):ヴァイオリン&ヴィオラと弦楽オーケストラのためのストラスクライド協奏曲 第5番(1991)
.フルートとオーケストラのためのストラスクライド協奏曲第6番(1991)
ジェームズ・クラーク(Vn)
キャサリン・マーウッド(Va)
デイヴィッド・ニコルソン(Fl)
スコットランド室内O
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)



録音:1993年7月
スコットランド エディンバラ,アッシャー・ホール
※Collins Classicsより移行盤
マックスウェル・デイヴィスによる渾身の曲集である「ストラスクライド協奏曲」の第5番と第6番です。ここに収録されている2曲は、古典的な形式に準拠したもので、第5番のヴァイオリンとヴィオラのための曲は、あのモーツァルトの協奏交響曲 K364からインスピレーションを受けたものです。もちろん曲自体は先鋭的ですが、独奏楽器と管弦楽との親密な対話は、複雑かつ精妙な音の絵を描いています。第6番はブリューゲルの絵画がヒントになっているというもので、伴奏のオーケストラにはフルート、オーボエ、ヴァイオリンは含まれず、その代わりバス・クラリネットとグロッケンシュピール。タンブリン、クラヴェスを配置し、絶妙かつ軽妙な響きを醸し出しています。全体的に穏やかで神秘的な雰囲気に終始しますが、時に爆発的なエネルギーの放出が印象的な作品です。
8.572355
マクスウェル・デイヴィス:コントラバスと管弦楽のためのストラスクライド協奏曲第7 番(1992)
ファゴットと管弦楽のためのストラスクラ
イド協奏曲第8 番(1993)
未熟なトウモロコシのための期間-マクドナルド・ダンス(1993)
ダンカン・マックタイア(Cb)
ウルスラ・レヴュー(Fg)
ジェームズ・クラーク(Vn)
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)
スコットランドCO

録音: 1993年9月
※Collins Classics より移行盤
マクスウェル・デイヴィス(1934-)の代表作の一つ「ストラスクライド協奏曲集」。このアルバムにはコントラバスのための第7番と、ファゴットのための第8 番が収録されています。もちろん若干難解であり、曲の全貌を捉えるためには、全身全霊を持ってこれに対峙しなくてはなりません。全ての箇所に緊張の糸が張り巡らされていますが、とはいえ、時折聞こえてくる甘美な響きを一度でも耳にしてしまうと、離れ難くなるのがこの作曲家のいつものやり方と言えるでしょうか。ファゴットのための協奏曲はせわしない音型で始まりますが、ソロが始まると緩やかな音楽へと変貌します。不可思議で魅惑的な音楽です。トラック6 はマクスウェル・デイヴィスの60 歳の誕生日と、スコットランド室内管幻樂団の創立21 周年の両方を祝すために書かれた作品で、寂しげなヴァイオリンの旋律がやがてリズミカルな面持ちに変貌しながらエネルギーを蓄えていきます。やがて最初の静かな楽想が戻りますが、最後は賑やかに曲を閉じるというものです。
8.572356
マクスウェル・ディヴィス:ストラスクライド協奏曲第9番&第10番他
ストラスクライド協奏曲第9番Op.170(1994)
ストラスクライド協奏曲第10番Op.179(1996)
キャロリッシマOp.168(1994)
デイヴィッド・ニコルソン(ピッコロ)
エリザベス・ドゥーナー(アルトFl)
モーリス・チェッカー(コールアングレ)
ヨーゼフ・パチェビッツ(エスCl)
ルート・エリス(バスCl)
アリソン・グリーン(コントラFg)
スコットランド室内O
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)

録音:1996年11月23-24日スコットランドグラスゴー,シティ・ホール
※Collins Classicsより移行盤
孤高の作曲家マクスウェル・デイヴィス(1934-)の「ストラスクライド協奏曲集」。今回は第9番と第10番です。スコットランド室内Oのメンバーたちのために書かれたこれらの協奏曲、第9番は“あまり注目を浴びることのない管楽器奏者”たちのための作品です。この曲を作った時、ディヴィスは彼の自宅のあるオークニーの海の景色を想定していたと言います。11月の垂れ込める雲、灰色の海・・・これらがぼんやりと反映される印象深い音楽です。第10番は“オーケストラのための”作品で、全てのメンバーが輝けるように周到に準備された精妙な協奏曲であり、戦い、勝利の意志が感じられる力強い音楽です。「キャロリッシマ」はオーケストラのためのセレナーデで、彼の友人であるイェンス・ヘーゲル(当時のデンマーク領事)の妻の50歳の誕生日を記念して書かれました。タイトルは彼女の名前「キャロル」から取られています。
8.572357
P.M.デイヴィス:ピアノ協奏曲(1997)
世俗的な至福(1966-1969)
キャスリーン・ストット(P)
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)
ロイヤルPO

録音:1997年11月12日ロンドンキルバーン,アウグスティン教会、1993年3月ロンドントゥーティング、全霊教会
※Collins Classics原盤
キャサリン・ストットは現在イギリスで最も尊敬されているピアニストの一人であり、ソロだけでなく、室内楽奏者としても活躍、また音楽大学で教鞭を執るなど活発な活動をしています。このマックスウェル・デイヴィス(1934-)のピアノ協奏曲は1997年に彼女のために書かれたものです。多くの作曲家と違い、なかなかピアノとヴァイオリンのための協奏曲を書かなかったデイヴィスですが、それはどうも納得できるソリストに出会わなかったためのようで、1985年にはアイザック・スターンのためにヴァイオリン協奏曲を、そして1997年には前述のキャサリン・ストットのためにピアノ協奏曲を作曲したのでした。デイヴィスらしい変幻自在な楽想を持った作品であり、もちろん初演時のソリストはストットが務め、聴衆と批評家からは大きな賛辞を得たのです。一方「世俗的な至福」は中世、ルネサンス音楽の雰囲気を感じさせる静かなレントで始まる音楽。交響曲作家として名を挙げる前に書かれた、宗教的な感覚を現代的センスで包み込んだ神秘的な作品です。どちらも作曲家自身の指揮による納得の演奏です。
8.572358
マクスウェル・ディヴィス:バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」他
バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」
チャット・モス
オーハイ・フェスティバル序曲
マクスウェル・ディヴィス(指)
BBCフィルハーモニック

録音:1991年7月12.13日チェルトナム国際音楽祭、タウン・ホール、1995年7月11.12日マンチェスターBBC,第7スタジオ(アレンジ)、1994年7月22日マンチェスターBBC,第7スタジオ
※Collins Classicsからの移行盤
このバレエ音楽「キャロライン・マティルダ」は1991年に初演され、高く評価された作品です。物語はイギリスで生まれ、デンマーク王クリスチャン7世に嫁いだ王妃マティルダ(デンマークではカロリーネ・マティルデ)の悲劇的な逸話をもとにしたものです(このお話は映画化されたり、オペラ化されたりと、比較的良く知られています)。夫に愛されることのなかったマティルダと、王の侍医であったストルーエンセの関係が描かれており、精神的に綻びのあったクリスチャン7世に取り入ることで、権力を握ったストルーエンセと彼に惹かれたマティルダという2人の関係は半ば公のものでしたが、このようなスキャンダルが反感を買わないわけもなく、結局ストルーエンセは逮捕され、マティルダはハノーファーに亡命、ここで病を得て生涯を閉じます。実に23歳という若さでした。さて、こんな物語にデイヴィスがつけた音楽は皮肉たっぷりであからさまなものでした。まるでバロック時代と間違うほどの曲から、孤独に震える終曲まで、音だけ聞いていてもお腹一杯になるはずです。
8.572359
マクスウェル・デイヴィス:黒いペンテコステ/石の連祷
黒いペンテコステ(1979)
石の連祷(1973)-死の家からのルーン
デッラ・ジョーンズ(Ms)
ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Br)
BBCフィルハーモニック
マクスウェル・デイヴィス(指)

録音:1992年9月マンチェスター,BBC第7スタジオ
※Colllins Classicsより移行盤
21世紀におけるイギリスの作曲家の中で、最も尊敬されている人…それはこのマクスウェル・デイヴィス(1934-)かも知れません。彼は前衛的な世代でも抜きん出た才能を持っていますが、同時に過去の大作曲家、エルガー、ティペットやブリテンらの正統的な後継者としての一面も有しています。彼は45年近くもオークニー諸島に住み、ここの風景に触発され、難解でありながらも素晴らしい作品を書き続けています。「黒いペンテコステ」は、同じく彼の作品である「イエローケーキ」と同じく環境破壊についての熱の篭った嘆願であり、マーラーの「大地の歌」やツェムリンスキーの「叙情交響曲」と同じラインにある作品と位置づけてもよいのかもしれません。曲はサイモン・ラトルとフィルハーモニア管によって1982年に初演されています。各楽器の色彩的な音色とメゾ・ソプラノによる歌唱は衝撃的でもあり感傷的でもあります。「石の連投」もやはりオークニー諸島の物語。新石器時代の古墳の壁に刻まれた碑文-ヴァイキングの略奪-に触発された、幽玄な風景を連想させる不思議な曲です。
8.572362
マクスウェル・デイヴィス:ベルテンの炎他
ベルテンの炎(1995)
潮の変わり目(1992)第1部:最初の生活/第2部:創造の始まり-活気つく生活/第5部:最悪の事態が起こる可能性-全ての自然が汚染され/第6部*:留意される警告-蘇る自然-低下する逆行>
日曜の朝(1994)
マイケル・ヴィナーのための「旋律上のスレノディ」(1989)
チャールズ卿のためのパヴァン(1992)
マンチェスター大聖堂少女Cho&少年Cho*
マンチェスタ*
マンチェスター・グラマー・スクールCho*
BBCフィルハーモニック
マクスウェル・デイヴィス(指)

録音1995年7月11.12日
1992年9月
1994年7月22日イングランドマンチェスター,BBC北第7スタジオ
1991年7月12.13日イングランド第47回チェルトナム国際音楽祭ライブ録音
※Collins Classicsからの移行盤
このアルバムはマクスウェル・デイヴィス(1934-)の1990年代の様々な作品を収録したものです。「ベルテンの炎」は1995年の作品で、当初は「振付詩」と銘打たれたBBCフィルと作曲家のコラボ作品ですが、この初演は失敗に終わってしまいました。様々なアイデアが盛り込まれた意欲的な作品でしたが、どうもたくさんのことを盛り込みすぎて難解になってしまったようで、それが失敗に終わった原因の一つなのではないかと推測したくなる作品です。このベルテンというのは、ヨーロッパに古くからある「火祭り」のことで、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のように、春の女神を讃え、多産と土地の豊饒を祝うものです。曲は穏やかさと暴力的な面をかわるがわる示しながら、素晴らしい盛り上がりを見せてくれます。うって変わって「潮の変わり目」は環境汚染の脅威を訴えるものであり、少年少女たちの無垢な声を用いて、静かな警鐘を鳴らすというものです。他、いつものようなマクスウェル・デイヴィスの軽めの作品もお楽しみに。
8.572363
マックスウェル・デイヴィス:ピッコロ協奏曲(1996)
トランペット協奏曲(1988)*
マックスウェルのリールとノーザンライト
5枚のクレーの絵#
スチュワート・マキルワム(ピッコロ)
ジョン・ウォレス(Tp)
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指)
ロイヤルPO
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO*
フィルハーモニアO#

録音:1998年5月18日ロンドン,聖アウグスティン教会、1990年4月スコットランド,グラスゴウ・シティ・ホール、1994年12月3日ロンドン全霊教会
※Collins Classicsからの移行盤
その作品は難解な内容を持ち、音も限りなく神秘的。そんなマックスウェル・ディヴィス(1934-)ですが、時として極めて親しみ深い作品を書いていたりもします。このアルバムに収録された「5つのクレーの絵」は画家パウル・クレーの絵からインスピレーションを受け、グラマースクールの子どもたちのために書かれた作品で、1959年に作曲、上演されてから一度はスコアが紛失するも、1976年に復元、好んで演奏されています。各々の曲は短いのですが、鳥の声や独奏楽器の活躍など、聴きどころの多い作品です。2つの協奏曲は彼らしい作風で、感覚的に訴えかけてくる曲と言えましょうか。トラック7は彼の個人的独白であり、これまた不思議な魅力に満ちています。
8.572364
ジェイコブ:リコーダーを含む室内楽曲集
アルト・リコーダーと弦楽のための組曲(リコーダーと弦楽四重奏編)
ソプラノ・リコーダーのためのソナチネ
ソプラノ・リコーダーのためのソナタ
リコーダー・コンソート
ソプラノ・リコーダーとピアノのための変奏曲
ソプラノ・リコーダー、ヴァイオリン、チェロとハープシコードのためのトライフル
アナベル・ナイト(リコーダー)
ロビン・ビッグウッド(p&Cemb)
マッジーニSQ
デイヴィッド・エンジェル(Vn)
ミハウ・カズノフスキ(Vc)
フォンタネッラ・リコーダー五重奏団のメンバー
何人かの特別な例をのぞくと、リコーダーを専門とする奏者は現代に書かれた作品を演奏することはありません。しかし、これらの曲を聴いてしまったら、その考えは改めた方がいいな。と思うに違いありません。イギリスの作曲者、ゴードン・ジェイコブ(1895-1984)は数多くの作品で知られるとともに、優れた教育者です。彼は様々な楽器のための協奏曲を書くことで、奏者たちの能力を引き出すことに成功したのでした。ここでリコーダーを吹いているアナベル・ナイトも彼の教え子で、師の思いをそのまま受け継いだ闊達な演奏を聴かせます。時には郷愁を誘い、ある時は鋭く空気を引き裂くかのような音色をお聴きください。2作の世界初録音を含む興味深い1枚です。
8.572365
タルレガ:ギター作品集
前奏曲集/2人の姉妹(ワルツ)
マズルカ第1番「アデリタ」
マズルカ第3番「マリエタ」/マズルカ第2番ト調
ガボット「マリア」/アルハンブラの思い出
ポルカ「バラ」/ポルカ「ペピータ」
アラビア風奇想曲/ワルツ「パキート」
大ワルツ/朝の歌/ワルツ「イザベル」
ワルツ二調/パヴァーナ
アラード(1815-1888)=タルレガ編:華麗な練習曲
マッツ・ベリストレム(G)
ヘビースモーカーで超絶技巧を愛し、究極のロマンチストであったギター界のカリスマ、タルレガ(1852-1909)。彼の名前を訊いたことがないとしても、「アルハンブラ宮殿の思い出」を知らない人はいないでしょう。彼はショパンやベートーヴェンのピアノ曲をギター用に編曲したり、ロマン派的なギター音楽の潮流にスペイン的な要素を復活させたりと、八面六臂の活躍をしました。このアルバムには彼の代表的なギター作品を収録。前奏曲集の中には、良く知られる「涙」も含まれています。ワルツ「2人の姉妹」の冒頭部は彼が生涯愛したショパンのメロディもさりげなく使われていたりします。ここで素晴らしい演奏を聴かせるベリストレムは、作曲家自身が所有していた1888年の楽器を復刻した現代の楽器で、タルレガの音楽の持つ陰影を美しく描き出しでいます。もちろん「くわえたばこ」なしです。
8.572366
ソーレ:ヴァイオリンとピアノの為の作品集
村人たちの情景Op.50
ロサンゼルスの思い出Op.11
東洋の思い出Op.63
蝶々Op.40-3
幻想的スケルツォOp.9
美智・ウィアンコ(Vn)
ディーナ・ヴァインシュテイン(P)
フランスに生まれ、8歳から、フランス国内だけでなくイギリス、ドイツ、オーストリア、イタリアで演奏活動を行い、20歳の時にアメリカ合衆国でデビューしたという神童ヴァイオリニスト、エミール・ソーレ(1852-1920)。彼はシャルル・ド・ベリオに学んだという記録はあるものの、学校で特別な教育を受けたことはほどんどありません。アメリカで、ベネズエラのピアニスト、テレサ・カレーニョと結婚しますが、2年で離婚。その後は様々な国で教鞭を取りつつ、最後はロンドンで定住しました。100曲以上のヴァイオリン曲を書き、そのどれもが色彩的で、微妙な陰影に満ちています。クライスラーのように底抜けな派手ではなく、もっと内省的で粘りのある音楽です。カリフォルニア出身の実力派ヴァイオリニスト、美智・ウィアンコによる情熱的な演奏は、この知られざる作曲家にくまなく光を当てます。
8.572367
マイアーベーア:カンツォネッタ、シャンソンとリート集
思い出/私の一日/ばらの花が開く時
6つのイタアのカンツォネッタ
目に見えぬ女性/レイチェルとナフタリ
バラード/バルコニーにて/洗礼
聖ヨゼフと悪女/5月の歌/ネッラ
いで、美しき漁夫の娘よ/ばらよ、ゆりよ、鳩よ
恋人の歌の響きを聴くと/ズライカ
ミーナ-ヴェネツィアの舟漕ぎの歌
朝の風/心の庭/シロッコ/春が隠れて
シヴァン・ローテム(S)
ジョナサン・ザーク(P)
歌劇作曲家として知られるマイアーベーア(1791-1864)のとても美しい歌曲集です。彼はユダヤ系の裕福な銀行家の家に生まれましたが、父方の姓はベーア、母方の姓がマイアーであり、ユダヤのしきたりである「母方尊重」の意図を汲んだのか、祖父の遺産を相続する際に両家の複合姓である「マイアーベーア」と名乗るようになったのだそうです。兄弟には天文学者ヴィルヘルムと劇作家ミヒャエルがおり、コノアルバムのトラック22と25はミヒャエルの詩による歌曲です。
8.572368
ボッケリーニ:6つのチェロ・ソナタ(A.ピアッティ編)
チェロ・ソナタ第1番イ長調G.13
チェロ・ソナタ第2番ハ長調G.6
チェロ・ソナタ第3番ト長調G.5
チェロ・ソナタ第4番変ホ長調G.10
チェロ・ソナタ第5番ヘ長調G.1
チェロ・ソナタ第6番イ長調G.4
フェドール・アモソフ(Vc)、スン・ジェンル(P)
1771年にロンドンで発表されたこの6曲のソナタは、本来チェロと通奏低音のために書かれていました。それを1870年代にイタリアの名チェリスト、アルフレード・ピアッティがチェロとピアノのために編曲。彼自身が素晴らしい技巧の持ち主だったせいもあり、もともと聴き応え(弾き応え)たっぷりの原曲が、一層輝かしい作品へと変身しています。ボッケリーニ特有の滑るようなパッセージはそのまま、竹を割ったような決然とした響きが耳にも新鮮です。ここで演奏するロシア出身のチェリスト、アモソフは、2007年クヌシェヴィツキー・コンクールを始めとした多くの国際コンクールの覇者。若々しく溌剌とした音色で聴き手を魅了します。
8.572369
20-21世紀ギリシャのフルート作品集
アントニノウ(1935-):ミケーレのためのラメント
テルザキス(1938-):2つのメルヒェン
ロゴテティス(1921-1994):グローブス
コウナディス(1924-):「魔法にかけられた譜面台」より「ブルース」
イオアニディス(1930-):断片U
アダミス(1929-):メリスマ
クールーポス(1942-):悲歌
ポルプーダキス(1974-):エオリアの悲歌
ツァンガリス(1956-):アナウンス
コッソーナ(1976-):デゥアスラッシス
クーメンダキス(1959-):私を忘れてください
カトリーン・ゼンツ(Fl)
シャラ・イアコビドウ(Cemb)
アンゲリカ・カタリオウ(Ms)…
ギリシャの現代フルート作品集です。作曲家の名前には、全くと言っていいほど馴染みがありませんが、収録されている音楽は本当に多種多彩。特殊奏法、古代のメロディ、民謡など、様々な要素が入り混じり、その音色は、ある時は優しくそして神秘的に耳を掠めていくのです。無伴奏のソロから多重録音、チェンバロとのアンサンブル、声との交合など変化に富んだ選曲は、フルートという楽器の可能性を更に広げることは間違いありません。
8.572370
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第3集
交響曲第3番(1944)
マンフレッドの死(1906)
アレンテジャーナ組曲第2番(1927)
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
20世紀のポルトガルにおいて、最も重要な作曲家の一人フレイタス・ブランコ(1890-1955)。彼はとても若い時期に作曲を始めましたが、高度かつ精巧な作曲技法を身に付けるためにベルリンで学び、その後パリで過ごしたせいか、最初の交響曲が完成した時は既に34歳になっていました。この第3番の交響曲は1930年から1944年に渡って書かれたもので、冒頭の雰囲気はまるでブルックナーを思わせる荘厳で雄大な仕上がりになっています。第2楽章は簡素な形式の上を極めて滋味深い音楽が流れていきます。対する第3楽章は少し暴力的。胸をかきむしるかのような弦の響きは唐突に断ち切られ、荒々しい音に飲みこまれてしまうかのようです。そして快活な終楽章は目が覚めるような鮮やかさです。初期の作品、「マンフレッドの死」は若干習作の域を出ないようですが、16歳の作品としては上々でしょう。とても親しみやすいアレンテジャーナ組曲第2番が気に入った方は、第1集(8.570765)で第1番をお聴きください。
8.572371
チマローザ:レクイエムト短調 アドリアーナ・クチェロヴァ(S)
テレジア・クルツリャコヴァ(A)
ルドヴィット・ルーダ(T)
グスタフ・バラーチェク(Bs)
ルーチニカcho
カーク・トレヴァー(指)カペラ・イストロポリターナ
ナポリ生まれのチマローザ(1749-1801)は、ロッシーニが登場するまでは「オペラ・ブッファの第一人者」として知られていました。70曲ほどある彼のオペラはどれも楽しく軽妙なもので、とりわけ旋律の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。有名なオーボエ協奏曲なども、美しいメロディ全開で人気が高く、それはこのレクイエムも例外ではありません。彼は生涯に4曲ほどのレクイエムを書いていますが、この作品は1878年頃のもので、彼がロシアの女帝エカテリーナ2世の招きでペテルブルクに行っていた時に、当時滞在していたフランス大使の妻の逝去を悼み作曲されたと言われています。随所にオペラティックな展開が見られる華やかなもので、美しいメロディもふんだんに使われています。結局彼はロシアで活動することは諦め、ウィーンで活躍しますが、イタリアに戻ったところで反逆罪に問われ、悲惨な晩年を送ることになるのです。
8.572372
ヒナステラ:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲 第2番 Op.50(1980)
チェロ協奏曲 第1番 Op.36(1968)
マーク・コソワー(Vc)
ローター・ツァグロゼク(指)
バンベルクSO
活動した時代だけを見れば、完全に「現代音楽作曲家」の範疇に入るはずのヒナステラ(1916-1983)。しかし彼の曲はそんな枠には収めることのできない、伝統的で古典的な美質を持っています。この2つのチェロ協奏曲は、彼の最も革新的で、技術的で、かつ素晴らしい作品と言えるでしょう。1978年に彼の2番目の妻であるA・ナトーラによって初演された第1番の協奏曲は、挑発的でラテンのリズムをふんだんに用いた作品。第2番は10年目の結婚記念日のために書かれた作品で、こちらはまさにジャングルの喧騒を描いたような素朴で力強い音楽。打楽器の熱いリズムが胸を焦がします。
8.572373
マルティヌー:ピアノ協奏曲集第2集
ピアノ協奏曲第4番「呪文」H.358
ピアノ協奏曲第1番ニ長調H.349
ピアノ協奏曲第2番H.237
ジョルジオ・コウクル(P)
アルトゥール・ファーゲン(指)
ボフスラフ・マルティヌーPO
あまり聞いたことのない曲のCDを再生する時に、何だかわくわくする人も多いでしょう。このマルティヌー(1890-1959)の曲は、タイトルからして胸がドキドキしませんか?もちろん最初の音が飛び出してきた途端、魅惑されてしまうことは間違いありません。まるで鐘の音のように光り輝く音の粒、溢れる躍動感。そして未知への不安感。それら全てがきちんとおさまっています。この曲は1956年に完成、マルティヌーではおなじみのピアニスト、フィルクシュニーと、ストコフスキーに拠って初演されています。第1番の協奏曲は1925年に書かれたもので、とても聞きやすい作品。難解さはほとんどありません。バロック風の味わいを持つ終楽章がチャーミングです。1934年に書かれた第2番の曲は第1楽章の堂々とした開始部も見事ですが、終楽章での超絶技巧は息がとまるほどの驚きを与えてくれることでしょう。
8.572374
期待の新進演奏家シリーズ/マリヤ・キム/ピアノ・リサイタル
シューマン:パガニーニの奇想曲による6つの練習曲Op.3
シューマン:パガニーニの奇想曲による6つの演奏会用練習曲Op.10
フモレスケOp.20
マリヤ・キム(P)

録音:2009年12月10-12日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
ウクライナ、セヴァストポリの音楽一家に生まれたマリヤ・キム。6歳の時に母タチアナ・キムからピアノを習い始め、セヴァストポリの音楽学校に入学、1998年にハノーヴァー音楽大学でウラディーミル・クライネフに学び、その後ワルシャワのショパン音楽大学でピョートル・パレチニに師事しています。パレデフスキー国際ピアノコンクールやブゾーニ国際ピアノコンクールなど数々の国際コンクールに上位入賞を果たし、最近ではロサンゼルスのイトゥルビ国際コンクールで第1位を獲得しています。ソリストとしてもモスクワ・フィル、韓国国立SO、アマデウス室内O、他、世界中の楽団と共演を果たしています。このアルバムは2008年に開催されたソウル国際コンクールの優勝記念として録音されたもので、シューマンの作品の中でも比較的珍しい曲集をセレクトしているところに独自性を感じさせます。もちろん激ウマです。
8.572375
シューマン:チェロとピアノの為の音楽集
アダージョとアレグロOp.70
幻想小曲集Op.73(チェロとピアノ編)
ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ短調 Op.105(J.W.ネレッケによるチェロとピアノ編)
おとぎの絵本Op.113
3つのロマンスOp.94
クララ・シューマン(1819-1896):3つのロマンスOp.22(J.W.ネレッケによるチェロとピアノ編)
カリーネ・ゲオルギアン(Vc)
ヤン・ウィレム・ネレッケ(P)
チェロの豊かな音色と、抒情性、表現力の高さを実感するのに、このシューマン(1810-1856)の作品集ほどふさわしいものは他にありません。しかし、皮肉なことにシューマンはチェロのためにほとんど曲を残していないのは、なんという不思議なことなのでしょう。ここに収録されている作品も、こんなにチェロの音色がふさわしいのに、本来はホルンのためであったり、オーボエのために書かれていたり。あまりにも内省的な音色は、シューマンと共鳴が強すぎたのでしょうか。トラック15から17のクララの3つの曲は1853年7月、ヨアヒムに献呈された作品ですが、夫ロベルトの作品と緊密に絡み合う内容を持ちつつも、彼女独自の個性を出していると、ヨアヒムから絶賛されたものです
8.572376
バルトーク:ピアノ作品集第6集
4つの小品 BB27(1903)<左手のための練習曲/幻想曲 その1/幻想曲 その2/スケルツォ>
交響詩「コッシュート」より
葬送行進曲 BB31(1903/05)/断片 BB38(1905)
2つのエレジー Op.8b,BB49(1909)
ピアノの初歩<第1番 /第2番 /第3番 対話 /第4番 対話 /第5番 /第6番 /第7番 民謡 /第8番 /第9番 /第10番 民謡 /第11番 メヌエット /第12番 豚飼いの踊り /第13番 民謡 /第14番 /第15番 婚礼の踊り /第16番 農民の踊り /第17番 /第18番 ワルツ>
イェネ・ヤンドー(P)
バルトーク(1881-1945)の初期のピアノ作品集です。22歳の時に書かれた4つの小品は、明らかにリストの影響を受けてることは間違いありません。第1番「左手のための練習曲」での輝かしい超絶技巧の表出は、まさに「当時の」彼がピアニストとして目指していた到達点なのでしょう。管弦楽のために書いた交響詩「コッシュート」(19世紀のハンガリーの偉大なる革命家)からの葬送行進曲も未発表のリスト作品だと言われても、そんなに違和感がありません。それから少し時を経た1909年に書かれた「2つのエレジー」はタイトル通り陰鬱な雰囲気を湛えた内省的な作品です。ただ、やはりリストの最晩年の作品と言われても「そんなものかな」と思えてしまうのはご愛敬。やはりもっと民謡風な作品を求めてしまうのは仕方ありません。「ピアノの初歩」は楽しい教育用教材です。
8.572377
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲集第2集
弦楽三重奏曲ト長調Op.9-1
弦楽三重奏曲ニ長調Op.9-2
弦楽三重奏曲ハ短調Op.9-3
コダーイ弦楽合奏団のメンバー
[アッティラ・ファルヴェイ(Vn)、ヤーノシュ・フェヘールヴァーリ(Va)、ジェルジ・エーデル(Vc)]
27〜28歳。この頃のベートーヴェン(1770-1827)は次第に深刻となる耳の病に悩まされ続けていました。しかし、創作熱は衰えることなく、数多くのピアノ曲や室内楽が生まれていた時期でもあります。とはいえ、弦楽三重奏というスタイルはとても珍しく(ハイドンの曲は編成が違う)、なぜ彼が弦楽四重奏でなく、三重奏で、こんなにも充実した作品を書いたのかは良く分かっていません。弦楽四重奏に比べると、ヴァイオリンが1台少なくなるだけですが、透明度は飛躍的にアップし、スリリングな局面も多くなります。そうなると曲の仕上がりは奏者たちの腕にかかってきますが、そこは安心。名門コダーイ弦楽合奏団のメンバーによる納得の演奏です。これぞ知られざる名作。
8.572378
スズキ・エヴァーグリーン第1集
きらきら星変奏曲/軽くこげよ(蝶々)
風の歌(こぎつねこんこん)
ロビーおばさんに言っといで(むすんでひらいて)
おいで子どもたち
五月の歌(かすみか雲か)
ロング・ロング・アゴーイ長調
アレグロイ長調/無窮動イ長調
無窮動ニ長調/アレグレット
アンダンティーノ/エチュード
バッハ:メヌエット第1番
 メヌエット第2番
 メヌエット第3番
シューマン:楽しき農夫
ゴセックのガボット/見よ勇者は帰る
バッハ:ミュゼット/ウェーバー:狩人の合唱
ロング・ロング・アゴート長調
ブラームス:ワルツ/ヘンデル:ブーレ
シューマン:二人の擲弾兵
パガニーニ:魔女たちの踊り
トマ:ミニョンよりガボット/リュリ:ガボット
ベートーヴェン:メヌエットト長調
ボッケリーニ:メヌエット
西崎崇子(Vn)
レンス・デニス(P)
NAXOSの創始者クラウス・ハイマンの妻であり、また優れたヴァイオリニストである西崎崇子氏。彼女は父親、信二氏の手ほどきで4歳からヴァイオリンを始めました。信二氏はスズキ・メソードの創始者である鈴木慎一氏の親友でもあったため、2人で試行錯誤しながらヴァイオリンの上達法を研究しました。もちろん彼女はスズキ・メソードの第1期生としてそれを吸収、素晴らしいヴァイオリンの才能が花開いたのです。この第1巻は、最初にヴァイオリンに触れる子どもたちが手掛ける曲を収録。きらきら星や、むすんでひらいてなどの小さな曲を一つ一つ仕上げることで、幼い子どもは達成感と情操を身につけていきます。このシリーズは、全て西崎氏の模範演奏に続き、原曲が収録されています。
8.572379
スズキ・エヴァーグリーン第2集
マルティーニ:ガボット
バッハ:メヌエットト長調-ト短調(鈴木版)
 メヌエットト長調-ト短調(原曲)
 ガボットト短調(鈴木版)
 序曲ト短調よりガボット(原曲)
ドヴォルザーク:ユモレスク(鈴木版)
 ユモレスク(原曲)
ベッカー(1833-1884):ガボット
バッハ:管弦楽組曲第3番〜ガヴォットI,II(鈴木編)
 管弦楽組曲第3番〜ガヴォットI,II(原曲)
 無伴奏チェロ組曲第3番〜第5楽章ブーレーI-II(鈴木編)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番〜第5楽章ブーレーI-II(原曲)
西崎崇子(Vn)
テレンス・デニス(P)
第2集は、少し上達した人のための曲集です。18世紀のイタリアの作曲家、マルティーニのガボットを始め、バッハのおなじみの曲(これらはピアノを学ぶ時にも必須)や、ドヴォルザークのユモレスクなど、弾ける喜びが随所に溢れた選曲となっています。とりわけ、無伴奏チェロ組曲からの編曲を演奏できる喜びは測り知れないものがあることでしょう。
8.572380
スズキ・エヴァーグリーン第3集
ザイツ(1848-1918):ヴァイオリン協奏曲第2番Op.13(ヴァイオリンとピアノ編)
 ヴァイオリン協奏曲第5番Op.22(ヴァイオリンとピアノ編)
シューベルト(1797-1828):子守歌(ヴァイオリンとピアノ編)
 子守歌(原曲)
ブラームス子守歌(ヴァイオリンとピアノ編)
 子守歌(原曲)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356〜第1楽章(ヴァイオリンとピアノ編)
 ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356〜第1楽章(原曲)
 ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356〜第3楽章(ヴァイオリンとピアノ編)
 ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356〜第3楽章(原曲)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043より第1楽章(第2ヴァイオリン)
 2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043〜第1楽章(原曲)
西崎崇子(Vn)
テレンス・デニス(P)
第3集にもなると、小さいながらも協奏曲がレパートリーに加わります。フリードリヒ・ザイツは1848年生まれのヴァイオリニストです。デッサウの宮廷音楽家として活躍し、1884年からは指揮者としても活動しました。彼は優れた教師でもあり、生徒たちに当時最高の技術を手ほどきしたことで知られています。彼の作品を学ぶことで、19世紀のヴァイオリン技術を伺い知ることができるのです。シューベルトとブラームスの美しい子守歌は心の栄養です。そしてバッハやヴィヴァルディの協奏曲は、弾き手に輝かしい自信を与えてくれるでしょう。
8.572381
スズキ・エヴァーグリーン第4集
バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番〜第5曲ガヴォットI,II(ヴァイオリンとピアノ編)
 無伴奏チェロ組曲第6番〜ガヴォットI,II(原曲)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356〜第2楽章(ヴァイオリンとピアノ編)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲Op.3-6RV356より第2楽章(原曲)
 ヴァイオリン協奏曲Op.12-1RV317(ヴァイオリンとピアノ編)
 ヴァイオリン協奏曲Op.12-1RV317(原曲)
ウェーバー:カントリー・ダンス(ヴァイオリンとピアノ編)
ディッタースドルフ:ドイツ舞曲(ヴァイオリンとピアノ編)
ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタニ短調Op.2-7〜ジーグ(ヴァイオリンとピアノ編)
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043〜第1楽章(第1ヴァイオリン)
 2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043〜第1楽章(原曲)
西崎崇子(Vn)
テレンス・デニス(P)
第4集では更なる音楽性と技術の向上を目指します。バッハの無伴奏チェロ組曲の中で第6番は特異な作品として知られています。普通のチェロではなく、通常のチェロに高音弦(E弦)をもう1本足した5弦の楽器チェロ・ピッコロ(普通のものよりも小さい)のために書かれたとされ、指使いなどもハイ・ポジションを多様するために難しくなっています。これをヴァイオリンで演奏することは、かなりの困難を伴うことでしょう。しかし、この曲を完璧に演奏できても、まだまだ油断はできません。しかし、音楽の楽しさと奥深さが面白いように理解できるのではないでしょうか。
8.572382
スズキ・エヴァーグリーン第5集
コレッリ:ヴァイオリン・ソナタニ短調「ラ・フォリア」Op.5-12(鈴木版)
 ヴァイオリン・ソナタニ短調「ラ・フォリア」Op.5-12(原曲)
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第3番ヘ長調
フィオッコ:アレグロ
ラモー:ガヴォット(ヴァイオリンとピアノ編)
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番ニ長調
西崎崇子(Vn)
テレンス・デニス(P)
フランソワ・フェルナンデス(バロックVn)
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
第5巻では、ヘンデルとコレッリのソナタを学びましょう。「ラ・フォリア」とはイベリア半島起源の舞曲です。もともとの意味は「狂気」や「常軌を逸した」というようなもので、とても騒がしい曲であったようですが、時代とともに洗練され、17世紀では、憂いを帯びたメロディを次々に変奏していく曲として定着しました。とりわけ、このコレッリの曲は名曲として知られています。このメロディは、後にラフマニノフが自らのピアノ曲でも用いたものです。鈴木版は、少しだけ演奏し易くしてあるものの、曲の持つイメージを損なうことなく、やはり演奏する喜びに溢れたものとなっています。ヘンデルのソナタは原曲のまま。高い芸術性とテクニックが求められます。
8.572383
スズキ・エヴァーグリーン第6集
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421〜第3楽章メヌエット(ヴァイオリンとピアノ編)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421〜第3楽章メヌエット(原曲)
コレッリ:クーラント(ヴァイオリンとピアノ編)
 合奏協奏曲ヘ長調Op.6-9〜第3楽章クーラント(原曲)
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041(ヴァイオリンとピアノ編)
 ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041(原曲)
 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007〜第7楽章ジーグ(ヴァイオリン編)
 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007〜第7楽章ジーグ(原曲)
 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007〜第3楽章クーラント(ヴァイオリン編)
 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007〜第3楽章クーラント(原曲)
コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ.ニ長調Op.5-1〜第3楽章アレグロ
コレッリ:ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.5-1〜第3楽章アレグロ
西崎崇子(Vn)、テレンス・デニス(P)
エデルSQ、マリア・クリーゲル(Vc)
第6集では、更に様々なレパートリーの拡充を目指します。ここでもバッハの無伴奏チェロ組曲からのいくつかの曲を学ばなくてはいけません。指のためにはコレッリやヘンデルの作品を。またアンサンブルの習熟のために、モーツァルトの弦楽四重奏からのメヌエット。とは言え、ここまで来ると音楽を奏でる喜びは体中に浸透していることでしょう。
8.572385
ドビュッシー:4手ピアノのための初期作品集
「春」組曲/ディヴェルティシメント
インテルメッツォ/交響曲ロ短調
「バッカスの勝利」組曲〜ディヴェルティシメント/アンダンテ/断章1:マーチとバッカナーレ-アレグロ・コン・フォーコ/断章2:マエストーソ-アレグロ・コン・フォーコ
ディアーネ序曲
放蕩息子〜抒情的情景
アドリエンネ・ソーシュ&イーヴォ・ハーグ・ピアノ・デュオ
ドビュッシー(1862-1918)と言えば、まず頭に浮かぶのが「印象派の音楽」ですが、彼も10代の頃にはブラームス風?の作品を書いていました。それがここに収録された交響曲ロ短調です。1880年頃に書かれたこの曲は、残念ながらオーケストレーションされず、また1933年まで未発表でしたが、このロマンティックで初々しいメロディは(とりわけ第2楽章)充分に聴く価値があるものです。ローマに滞在していた1887年に書かれた「春」はボッティチェッリの名画からインスピレーションを受けた作品で、女性合唱、ピアノ、管弦楽のために書かれたものです。現在はビュッセルの管弦楽編曲版が良く演奏されますが、この連弾版は、名ピアニストでもあったドビュッシーの別の面を見せてくれるかのような、まばゆい光と音の戯れに満ちたものです。
8.572389
ガルシア・アブリル:ギター音楽集
地中海幻想曲(1987)
ギターのための組曲「エヴォカシオン」-アンドレス・セゴビアへのオマージュ(1981)
ソナタ・デル・ポルティコ(1994)
3つの都会的な前奏曲(1995)
フランシスコ・ベルニエ(G)
ガルシア・アブリル(1933-)は1933年、スペイン中東部、アラゴン州の都市テルエルで生まれました。1952年から1955年にフラッツィに作曲、ポール・ヴァン・ケンペンに管弦楽法などを学び、1964年には奨学金を得てローマのサンタ・チェチリア国立音楽院アカデミーに留学します。スペインで数多くの賞を受賞し、国際的にも広く活躍している作曲家です。彼のギター作品は、地中海の雰囲気と、活発なリズム。そして印象主義の香りを内包したもので、どれもが「伝説のギタリスト」アンドレアス・セゴビアへのオマージュ的な意味も持っています。ギタリスト、ベルニエはミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールで優勝した他、20を超える国際コンクールの入賞歴を持つ実力派です。
8.572390
期待の新進演奏家シリーズ/イリーナ・クリコヴァ
ポンセ:ギター・ソナタ第3番(1927)
タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲(1972)
ポンセ:子午線のソナチネ(1930)
ブローウェル:ジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏曲(1984)
ホセ:ソナタ(1933)
イリーナ・クリコヴァ(G)
2008年のアレッサンドリアのミケーレ・ピッタルガ国際ギターコンクールで優勝、その才能を全世界に認めさせた才媛、イリーナ・クリコーヴァのデビュー・アルバムです。ここに収録された作品は全て20世紀になって書かれたもの。古典的なフォルムを備えた曲からジャズ的要素満載の曲まで幅広い表現が求められています。曲の解釈、音色、そして表現力全てにおいて完璧。聴衆の心を捉えて離すことのない強烈な個性を備えた彼女のギターの魅力の片鱗が、この曲集から感じ取れることでしょう。例えば、ラジオ・フランス・ギターコンクールの委嘱作であるブローウェルの「ジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏」は、ジャズ的な主題を敢えて古典的な舞曲として変化させたもの。まずは、こういうひねくれた作品に真っ向から挑む彼女の心意気を感じてみてください。
8.572392
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
ショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲演奏に、新しい可能性を示すヴァシリー・ペトレンコ。待望の第3集の登場です。今回の第8番は、第2次世界大戦中に書かれ、その曲調のあまりの暗さに初演当時はとても評判が悪く、その上1948年には「ジダーノフ批判」の対象となり、1960年まで演奏が禁止されてしまったという曰く付きの作品です。ショスタコーヴィチ自身も非難されることを覚悟していたのか、自らの作品について相反する発言をし、作品の意図の理解の妨げとなったことでも知られています。作品には、常に寒々とした空気が漂い、あらゆるものを残酷に打ち倒す、野蛮で暴力的な雰囲気が満ちています。第2楽章で少しだけ明るさが感じられるものの、最後まで悲劇的な音に満ちていますが、あの皮肉屋のショスタコーヴィチの事ですから、これらの重苦しい音楽にも何かの意図が含まれているのかも知れません。
8.572396
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第3番 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO&cho
ますます期待が高まるペトレンコ&リヴァプール・フィルのショスタコーヴィチ(1906-1975)交響曲シリーズも、これで第5集となりました。今作は少々肩の力を抜いてお楽しみいただける第1番と第3番というラインナップです。とはいえ、これがまた一筋縄ではいかない代物ですが。交響曲第1番は、レニングラード音楽院作曲科の卒業制作曲であり、当時「現代のモーツァルト」とまで讃えられたという作品です(とはいえ、あまりにも独創的な内容であったため、当時の教官たちはおかんむりだったそうですが)。交響曲第3番は最終楽章に合唱が用いられた「祝祭的な」作品であり、平和的な雰囲気を表現したと作曲家自身が述べていますが、これもどこまでが本意なのでしょう?さて、ペトレンコの演奏はこれらの若書きの作品に正面から向かいあったもので、とりわけ第1番での爽快感は群を抜いています。第3番は緊張感の持続と、合唱を伴う最終部のはじけっぷりが気持ちよく、ちょっと釈然としない気持ちを残しつつも(それは曲のせいかもしれません)ショスタコーヴィチを聴いた満足感に浸れることは間違いありません。
8.572398
シュトックハウゼン:2人のピアニストのための「マントラ」 ペストヴァ/メイエ・ピアノ・デュオ/クセーニャ・ペストヴァ(P)/パスカル・メイエ(ピアノ)/ヤン・パニス(電子楽器)
この曲を作曲した頃のシュトックハウゼン(1928-2007)は、それ以前の不確定性を持った音楽を離れ、記譜法へと回帰していました。とは言っても、もちろん楽譜に書かれたことをそのまま演奏すれば、彼の意図した曲になるわけではなく、様々な要素が必要で、常に緊張感に満ちたものであることは間違いないのですが。「マントラ」は1970年に大阪万博で来日したシュトックハウゼンが、「何か」を得て作曲したとされていますが、それは常人には理解不能。彼のいうマントラは13のフォルメル(短い音楽的素材)からなり、ピアノの音は、変調機で歪められ、電子音と呼応します。そして様々な変遷を経て、果ては大宇宙へと拡散する?のだとか。ま、何も言わずに聴いてみてください。録音も優秀です。
8.572399
イタリアのクラリネット組曲集
ロンゴ(1864-1945):組曲Op.62
ブゾーニ(1866-1924):組曲K.88
スコントリーノ(1850-1922):6つのボツェッ

フルガッタ(1860-1933):組曲Op.44
セルジオ・ボシ(Cl)
リッカルド・バルトリ(P)
20世紀前半、レスピーギやマリピエロ、カゼッラたちが現れるまで、イタリアの器楽曲はどうしてもオペラの勢いに押されてしまいがち。しかし、そんな中でも一部の作曲家たちは「伝統と現代性の妥協点」を探るべく、クラリネットとピアノのための優れた組曲を作曲しました。このアルバムに収録されたのは、そんな作品たち。古典的形式を極めたロンゴ、印象派の影響を強く受けているスコントリーノ、後期ロマン派の香り漂うフルガッタ。そして情緒的で感傷的なブゾーニのエレジー。と個性はさまざまですが、どの曲もクラリネットの音の持つ独特の憂愁を見事に生かした歌心溢れる作品となっています。

8.572400
ボリス・チャイコフスキー:作品集
室内オーケストラのための4つの前奏曲
組曲「ぶた飼いの王子さま」
組曲「幸福の長靴」
キリル・エルショフ(指)
ルースカヤ音楽院チェンバー・クワイア・ソロイスツ
ムジカ・ヴィーヴァCO
ボリス・アレクサンドロヴィッチ・チャイコフスキー(1925-1996)は、ロシアの作曲家ですが、あのピョートル・イリイチ・チャイコフスキーとの親戚関係はありません。彼はロストロポーヴィチとも親しい交友関係があり、多くのチェロ用作品をロストロポーヴィチに献呈しています。またロシアでは今でも人気のある作曲家で、このNAXOSからも交響曲(8.557727)とピアノ作品集(8.570195)がリリースされています。彼は1954年から1958年の間に、アンデルセンの話に基づいた5つのラジオ・ドラマ用付随音楽を作曲しました。しかし、このスコアは作曲家が急死した7年後に失われてしまい、それは2003年まで発見されることがありませんでした。ここではその中から3組を取り上げ、もう一度音として蘇らせています。管弦楽作品ではかなり晦渋な作風を見せる人ですが、このおとぎ話のための音楽はとてもわかりやすいもので、とりわけ今回の演奏では歌の部分を全て削除して音楽のみを再現、この無垢な世界を再現することに成功しました。
8.572402
タンスマン:クラリネット協奏曲(1957)
オーボエ,クラリネットと弦楽のための小協奏曲(1952)
弦楽のための6つの楽章(1962/63)
ジャン=マルク・フェサール(Cl)
ローラン・デッカー(Ob)
ミロスラフ・ヤチェク・ブワスチク(指)
シレジア室内O
ポーランド生まれでパリに定住、第2次世界大戦中はアメリカで活動し、また終戦後にパリに戻った作曲家タンスマン(1897-1986)。彼の作風は基本的に新古典主義ですが、晩年になるにつれてポーランドの民族意識が強く全面に押し出されるようになりました。このアルバムに収録されているのは彼の円熟期の作品で、フランス風の柔らかい楽想と、民謡風の和声が聞こえてくる独自の世界観を有したものです。クラリネット協奏曲の流麗な旋律美、そして終楽章に使われるポーランド舞曲は耳を捉えて離しません。また、極めて精緻に書かれた「弦楽のための6つの楽章」での有機的に結びついた各々の部分は、この作曲家の飽くなき探求心を物語るかのようです。
8.572403
グリーグ:管弦楽作品集第6集
2つの悲しい旋律Op.34
2つのメロディOp.53
組曲「ホルベアの時代より」Op.40
2つの抒情小品Op.68
2つのノルウェーの旋律Op.63
抒情組曲Op.54
ビャルテ・エンゲセト(指)マルメSO
NAXOSの人気シリーズの一つ、グリーグの管弦楽作品集の第6集です。汲めども尽きぬ北欧メロディの宝庫、今作も心洗われるような美音揃いです。この作品集のいくつかは、原曲がピアノ曲であったり、またノルウェーの民族音楽に起源を見ることができます。最初に置かれた「2つの悲しい旋律」は、もともと歌曲からの編曲で、「春」(過ぎし春)の哀切なメロディはとりわけ有名ですが、この曲はノルウェイではしばしば葬儀の時にも奏されるもので、原曲の歌詞は、年老いた人が、この世を去る前の最後の春を迎え、風景や暖かい陽光に感謝の祈りを捧げている詩であることを知る人はあまりいないのではないでしょうか?他のどの曲も、北欧の豊かな自然を感じさせる、ちょっと胸が痛むものばかり。とびきりの弦の調べは、人の声をも凌駕します。
8.572405
シチェドリン:管弦楽のための協奏曲
管弦楽のための協奏曲第4番「輪舞」
管弦楽のための協奏曲第5番「4つのロシアの歌」
クリスタル・グスリ
キリル・カラボワツ(指)ボーンマスSO

※全て世界初録音
ロシアの現代作曲家シチェドリン(1932-)は小さな町アレクシンで幼い頃を過ごしましたが、そこでは川に浮かぶボートからいつもアコーディオンやバラライカ、人々の歌う声や、時には、葬式で嘆く人々の声すらも聞こえてきたと彼は述べています。このアルバムに収録された3つの作品は、全て彼の幼年期の思い出に基づいた曲でノスタルジックな雰囲気を湛えています。「輪舞」は古いスラブのお祭りの風景です。若者たちの歌と踊りが聞こえてきますが、どれも本物のロシア民謡ではなく、シチェドリンの空想の中にある音で構成されています。「4つのロシアの歌」は1曲だけ本当のロシア民謡が使われています。これはリムスキー=コルサコフも自身の民謡集に収めたものですが、ここでは現代的な衣装を纏って目の前に現れます。「クリスタル・グズリ」は彼の友人でもあった武満徹の記念祭のために書かれた曲で、シチェドリンの武満に対する強烈な賛美が表現されています。
8.572406
韓国のピアノ作品集
朴泳姫(1945-):水の波紋(1971)
尹伊桑(1917-1995):5つの小品(1958)
 インターリューディウムA(1982)
姜碩熙(1934-):ピアノの為のスケッチ(1966)
Uzong Choe(1968-):プレリュード第2、第7、第8番
Kim,Chung-gil(1934-):幼年時代の思い出より抜粋(1982)
クララ・ミン(P)
5人の主要な韓国の作曲家たちによる先鋭的なピアノ作品集です。最近は韓流がブームとは言え、この分野はまだまだ未開拓。この5人の中でも、よく知られている名前は尹伊桑くらいではないでしょうか?ただし、彼は政治的理由から祖国を離れ、ドイツに帰化し、その地で生涯を終えています。このアルバムには彼の初期の作品である「5つの小品」と円熟期の作品「インターリューディウム」を収録しています。シェーンベルクに連なるドイツの音楽に近いものがありますが、あくまでも根底には祖国への憧憬があるようです。ダイナミックな作品、静かな作品、それぞれ若きピアニスト、クララ・カンが共感を持って演奏しています。
8.572407
イギリスのヴィオラ作品集
ブリス:ヴィオラ・ソナタ(1933)
ディーリアス:ヴァイオリン・ソナタ第3番〜L.ターティスによるヴィオラとピアノ編
ブリッジ:ヴィオラとピアノのための小品集
 アレグロ・アパッショナート/セレナーデ
 思い出/ゴンドリエラ/沈思せる人
 ノルウェーの伝説/子守歌
エニコ・マジャール(Va)、今井正(P)
ヴィオラの特徴的な音色・・・それはしばしば悲しげと表現されたり、内省的で感傷的と銘打たれたり・・・と、とにかく同族のヴァイオリンに比べて控え目な評価を与えられがちです。作曲家ブリッジに至っては、自らが才能あるヴィオラ奏者であったにも拘わらず、この楽器のための作品はほとんど作曲しなかったというから驚きです。ここで聴けるブリス以外の楽曲のほとんどは他の楽器のために書かれた作品をヴィオラ用に編曲したものですが、こうして聴いてみると実に味のある音楽に仕上がっていると思います。まさに濡れたように輝く音色がぴったりはまっています。ここでピアノを担当している今井氏は才能ある日本のピアニスト。
8.572408
マクスウェル・ディヴィス:組曲「ボーイフレンド」他
.組曲「ボーイフレンド」(1971)<
組曲「肉体の悪魔」(1971)
7つのイン・ノミネ(1965)
イエローケーキのレヴュー(1980)より:ピアノ・インターリュード
アクエリアス(アンサンブル)
ニコラス・クレオバリー(指)
ペーター・マクスウェル・ディヴィス(P)

録音1989年10月
※Collins Classicsからの移行盤
あの一連の「ストラスクライド協奏曲」では難解で晦渋な作風を見せているマックスウェル・デイヴィス(1934-)ですが、このアルバムに収録されている劇音楽や映画音楽での彼の作風は180°違うものもあり、この作曲家の振れ幅の大きさには唖然とする他ないでしょう。最も初期の作品である「7つのイン・ノミネ」はルネサンス時代の作曲家ジョン・タヴァナーのミサ曲のメロディから派生したメロディが様々に形を変えて行くものです。組曲「ボーイフレンド」と「肉体の悪魔」はどちらも鬼才ケン・ラッセルの映画のためのものですが、ここにデイヴィスは、究極にパロディ化した音楽を充てているのが面白いところです。本編の映画を見たくなる人も多いかもしれませんが、もしかしたら現在は(あまりにも過激な映像のため?)入手は困難かもしれません。もちろんオークニー、メインランドの近くで発見された「イエローケーキ」も入手は不可能です。
8.572409
マリピエロ:自然の印象T
自然の印象U/自然の印象V
間隔と静寂T/間隔と静寂
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

※一部世界初録音
最近人気急上昇中のイタリアの近代作曲家マリピエロ(1882-1973)。このアルバムは、いくつかの世界初録音を含む彼のカタログの隙間を埋める貴重なものとなっています。自然の印象三部作の第1番は、まだ印象派の影響が見て取れる色彩的な曲。ドビュッシーを思わせる柔らかい和声も聞こえてくる美しい作品です。1914年から15年作曲の第2番は荒々しさが加わり、何とも生命力溢れる曲となっています。そして第3番は1921年から22年に作曲されたもので、中でも「カプリのタランテラ」はストラヴィンスキーとまでは言わないものの、命の根源に迫るかのような激しさも見せてくれます(とはいえ、レスピーギにも近いかも)。象徴的なタイトルを持つ「間隔と静寂」も幽玄な作風が見られ、とりわけ第1番の静けさと力強さの対比は見事であり、マリピエロの管弦楽法の素晴らしさを体感することができるでしょう。
8.572410
フェラーラ:前奏曲/悲劇的幻想曲
嵐の夜/ブルレスカ
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
イタリアの指揮者、作曲家、音楽教育家であるフランコ・フェラーラ(1911-1985)の作品集です。イタリア、パレルモに生まれ、幼い頃から音楽を学び、5歳の時には、ピアノ・ソナタ(のようなもの)を作り上げ、家族を驚かせたと言います。家族と共にボローニャへ移住、コンソリーニにヴァイオリンを学び、ノルディオにピアノと作曲を学びます。彼は良きピアニストであり、また素晴らしいヴァイオリニストでした。イタリア各地で演奏活動を行ううちに、何人かの指揮者・・・グアルニエリ、トスカニーニ、マリヌッツィ・・・と出会い衝撃を受けたのです。そしてグアルニエリの奨めで指揮者に転向、1938年にフィレンツェ歌劇場でデビューし、1944年には聖チェチーリア音楽院Oの常任指揮者になります。しかし、その後体調を崩し、後進の指導や映画音楽の作曲などに専念しました。多くの才能ある指揮者を育て、また多くの映画音楽を(指)するなど、イタリアの音楽界にとって、なくてはならない人なのです。ここに収録された4つの作品は、そんな彼の活動を音にしたかのような劇的で華麗、そして表現力豊かな力作揃い。そのまま映画が何本も撮れそうな雰囲気に満ちた佳曲です。
8.572411
ペトラッシ:ディヴェルティメントハ長調
パルティータ
4つの宗教的賛歌
劇的マドリガル「死者の合唱」
カルロ・プテッリ(T)
ダヴィデ・マルヴェスティオ(Bs)
リリコ・シンフォニコ・ロマーノCho
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO

録音:2012年2月26-27日、2007年3月18-19日、2011年11月27-28日
最近人気のカゼッラやピツェッティより少し後の世代に属するイタリアの作曲家ペトラッシ(1904-2003)。新古典派主義の影 響をもろに受けた初期の作品は極めて旋律的ですが、その後無調や十二音技法を用いた作風へと移行し、これらを丹念に融合 した独自の音楽を多く発表した人です。指揮者としても活躍し、1959 年には来日もしています。長い生涯を送ったことや、 新古典主義から十二音を使ったことなど、ストラヴィンスキーとの共通点も多く指摘されますが、ここでは1930 年代から40 年代の彼の作品に焦点を合わせることで、彼の創作の出発点を探ることにしましょう。とりわけ有名な「死者の合唱」は神秘 的な美しさを備えた名曲です。
8.572413
カセッラ:交響曲第1番ロ短調Op.5他
交響曲第1番ロ短調Op.5(世界初録音)
ピアノ,ティンパニ,パーカッションと弦楽のためのOp.69
デシレ・スクックリア(P)
アントニオ・セラヴォーロ(Perc)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
最近、人気が復興しつつあるイタリアの作曲家、カセッラ(1883-1947)の管弦楽作品を4枚のアルバムに収録するシリーズの第1作です。世界初録音となる交響曲第1番は、作曲家の23歳の誕生日の前日に完成された作品です。パリ音楽院でフォーレに作曲を学んだ彼らしく、先人の影響も多分に認められますが、至るところに若き自信のようなものも感じられ、独自の道を切り開こうとする青年の苦悩が散りばめられているかのようです。暗く垂れこめた雲の間から光が射すかのように美しい第2楽章に心惹かれぬ人はいないでしょう。かたや1943年に作曲された「協奏曲」はまるで筋肉が収斂するかのようなメカニカルで躍動的な音楽です。40年ほどの年月を経ると人はこのように変化していくのですね。しかし終楽章にはまたロマンティックな風景に立ち返ります。これが彼における原風景なのかもしれません。
8.572414
カゼッラ:交響曲第2番ハ短調Op.12他
交響曲第2番ハ短調Op.12…世界初録音
ピアノとオーケストラのための「深夜に」Op.30bis
ユ・ソンヒ(P)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
1910年4月17日、マーラー自身の指揮による「復活交響曲」がフランスのシャトレ劇場に鳴り響きました。その時、ドビュッシーは途中で退場してしまいましたが、若き作曲家カゼッラ(1883-1947)の体は興奮で打ち震えていたのです。そして強い感銘を受けたカゼッラがこの交響曲を書いたのは当然の成り行きと言えるでしょう。最初の音、そして打ち鳴らされる鐘の音。これはまさにマーラーそのもの。人間の苦悩を一身に背負ったかのような悲痛な表情を見せています(この交響曲は結局公表されることなく、すっかり忘れ去られてしまっていたものですが、あまりにもマーラーの影響が強いことに気づいた彼自身が封印してしまったのでしょうか?)。イタリア人でありながら、ドイツ音楽へ深く傾倒した彼の根底には、こういう事情があったようです。同じく公表されることのなかった、彼の第1番の交響曲は8.572413で聴くことができます。
8.572415
カゼッラ:交響曲第3番他
シンフォニア(交響曲第3番) Op.63(1939-1940)
英雄のエレジーOp.29(1916)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO
NAXOSのカゼッラ(1883-1947)・シリーズは回を重ねる毎に少しづつ人気が高まってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲第3番は、、第1番、第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き動かされることがなかったとのことですが、シカゴSOの創立50周年の記念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じられますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッラ独特の音楽です。
8.572416
カゼッラ:作品集
声楽と管弦楽のための「五月の夜」Op.20…世界初録音
チェロ協奏曲Op.58
ピアノと少管弦楽のためのD.スカルラッティの音楽によるディヴェルティメント「スカルラッティアーナ」<シンフォニア/メヌエット/カプリッチョ/パストラーレ/終曲>
アリヴィア・アンドレイニ(Ms)
アンドレア・ネフェリーニ(Vc)
ユ・ソンヒ(P)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
NAXOSレーベルが力を注ぐ、アルフレード・カゼッラ(1883-1947)の作品集。今回は声楽曲とチェロ協奏曲、そして彼が研究していたスカルラッティの音楽に基づいた管弦楽作品と、広範囲に渡る曲を収録しました。「5月の夜」はストラヴィンスキーの「春の祭典」に触発されて書かれた作品で、不可解な月の光が広がる夜から、光溢れる夜明けまでを入念に描いています。同じくストラヴィンスキーのプルチネルラを思わせる「スカルラッティアーナ」、タイトルこそは付されていないものの、新古典主義的な音の動きを持つ1934年に書かれたチェロ協奏曲、と、カゼッラが目指した音楽の方向が見えるような曲ばかりが選ばれています。
8.572417
ルエダ:交響曲第3番他
交響曲第3番「ルース」(2004-2007)<火/水/大地/大気/光へ向かって>
架空の旅「フランシスコ・ゲレーロの思い出に」(1998)
マキシミアーノ・バルデス(指)アストゥーリアスSO
ピアノ曲集(8.572075)で、その破壊的な音を聴衆に知らしめたマドリッド生まれの作曲家ルエダ(1961-)の管弦楽作品集です。彼は2004年にスペインの文化省から全国音楽賞を授賞され、その活動が世界的に知られることになりました。この第3番の交響曲は彼が愛するパワーと色彩が充満した作品で、全ての物質を構成するとされる四大元素の考えを基にした深遠で色彩感豊かな曲です。この曲は2004年に書き始められましたが、様々な改定を経て2008年に決定稿が作られます。この演奏はそのスコアを用いたものです。第3楽章の「大地」は、ホルストの名曲「惑星」へのオマージュとして書かれていて、初演当時から高い評価を受けています。「架空の旅」は、彼がバスク地方の温泉ホテルに滞在していた時に書かれた作品。夜の散歩中に目にした山や川から強い感銘を受け、主人公の性格描写に反映させたというものです。
8.572418
R.アルフテル:室内楽作品集第1集
…霧の来客…韻をふまない言葉Op.44(1981)
ピアノ・ソナタ第1番Op.16(1947)
牧歌Op.18(1940)
ピアノ・ソナタ第2番Op.20(1951)
エグロガ(牧歌)Op.45(1982)
ピアノ・ソナタ第3番Op.30(1967)
マドリッド・コミュニティ管のソリストたち<メンバー>シンタ・バレア(Fl)
フランシスコ・ホセ・セゴビア(P)
ビクトル・アリオラ(Vn)
ビセンテ・フェルナンデス(Ob)
マリア・エレナ・バリエントス(P)
マドリード生まれのロドルフォ・アルフテル(1900-1987)はドイツ人の父親とカタロニア人の母親の間に生まれ、音楽を愛する母親の影響で音楽家になりました。同じく作曲家のエルネストは弟クリストバルは甥にあたります。作曲は独学で学んだと言われますが、彼はほとんどのジャンルの音楽を書きあげ、またスペイン近代音楽の発展にも大きく寄与した人です。このアルバムにはピアノ・ソナタと室内楽が収録されています。1981年、彼が81歳の時にメキシコの芸術アカデミーから委嘱された「霧の来客」はスペインのロマン派の詩人グスターボ・アドルフォ・ベッケルに霊感を得た作品です。フルートとピアノのために書かれています。ピアノ・ソナタは円熟の時期に書かれた闊達な作品で詩的情緒とラテンのリズムが融合した興味深い作品です。
8.572419
R.アルフテル:室内楽作品集 第2集

ジーガ Op.3(1930)
3つの短編作品(1951)
エル・エスコリアールの2つのピアノ・ソナタ Op.2(1928)
アントニオ・マチャドを讃えて Op.13(1944)
ディヴェルティメント Op.7a(1935)
迷宮 Op.34(1972)
カプリッチョ Op.40(1978)
祝勝歌 Op.42(1979)
セクエンシア Op.39(1977)
マドリッド・コミュニティ管のソリストたち
[ミゲル・アンゲル・ヒメネス(G)、ベアトリス・ミラン(Hp)、フランシスコ・ホセ・セゴビア(P)、シンタ・バレア(Fl)、ビセンテ・フェルナンデス(Ob)、メレア・メイヤー (Cl)、フランシスコ・マース(Fg)、セザール・アセンシ(Tp)…、ビクトル・アリオラ(Vn)、パウロ・ヴィエイラ(Vn)、アレクサンドル・トロチンスキー(Va)、ラファエル・ドミニケス(Vc)]
マヌエル・コベス(指)
スペインで生まれ、メキシコでも活躍した作曲家ロドルフォ・アルフテル(1900-1987)の室内楽作品集第2集です。古き伝統と、新世界の影響を受けつつ、ほぼ独学で曲を書き上げたことで知られています。第1集(8.572418)で聴くことができるピアノ・ソナタも魅力的ですが、こちらの第2集はもっと多彩な楽器で奏する彼の音楽が楽しめます。ルネッサンスやスカルラッティなどの古典からの引用が感じられるかと思えば、舞曲のリズムが際立つ作品もあり、一時も飽きることがありません。演奏者たちの素晴らしい表現にも脱帽です。
8.572420
R.アルフテル:室内楽作品集第3集
弦楽四重奏曲Op.24(1957-1958)
チェロ・ソナタOp.26(1959-1960)
3つの楽章Op.28(1962)
8つのティエントOp.35(1973)
ブレトンSQ
<アン=マリー・ノース(第1ヴァイオリン)/アントニオ・チャルデナス(第2ヴァイオリン)/イワン・マーティン(Va)/ベアテ・アルテンブルク(Vc)>
ジョン・ストーク(Vc)
フランシスコ・ホセ・セゴビア(P)
第1集(8.572418)、第2集(8.572419)で、その類い稀なる世界を見せてくれたロドルフォ・アルフテル(1900-1987)。この第3集では、弦楽四重奏曲で幕を開けます。古典的な4楽章形式を取り、十二音を用いた色彩的な移ろいを伴う、活動的な第1楽章から何とも魅力的な音楽が展開されます。第2楽章の冒頭で奏される美しいチェロの調べは周囲の嘲笑めいた音にかき消され、活発なダンスであるスケルツォを経て、力強い終楽章を迎えます。作曲家が書いた唯一つのチェロ・ソナタはヒスパニックのリズムに彩られたもので、抒情的な旋律と刺激的な動きが絶妙に組み合わされた曲。ゆったりとした楽章での暖かい表現は美しさの極みです。彼の2番目の弦楽四重奏曲である「3つの楽章」と実質的に3番目の弦楽四重奏曲である「8つのティエント(試み)」は、この形式の「極限の姿」を模索する上で生まれたものでしょうか。実験的な音の連なりの中にも、美しいメロディが散見されるところが、この作曲家の特徴なのかもしれません。
8.572421
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集第2集
弦楽四重奏曲第2番ハ長調 Op.5
弦楽四重奏曲第4番イ長調 Op.11
アkルペ・ディエムSQ
[チャールズ・ウェザービー(Vn1)/ウェイ・ユー(Vn2)/コリン・フジワラ(Va)/ウェンディ・モートン(Vc)]
タネーエフ(1856-1915)は生涯に11曲の弦楽四重奏曲を書いていますが、初期の作品には最初番号を付さなかったこともあり、混乱を招いています。1番と呼ばれているものは実際に5番目に作曲された曲であり、この盤に収録された2番は6番目の作品です。第2番は1895年にトルストイ家に滞在していた時に作曲されました。ベートーヴェンを思わせる重厚さと、歌心に溢れた作品です。第4番は1899年に書かれた曲で、彼の弦楽四重奏曲の中でも最も劇的な表情を持っています。激しい不協和音で始まり、痛烈なメロディーが続きます。第2楽章は優雅なディヴェルティメントであり、第3楽章はしっとりとした歌に満たされています。そして快活な終楽章で締めくくられるこの作品、もっと演奏される機会が多くてもいいのではないでしょうか?
8.572422
ブゾーニ:ピアノ作品集第7集
ゴルトマルクの歌劇「マーリン」の主題による協奏的トランスクリプション
コルネリウスの歌劇「バグダードの理髪師」の主題による幻想曲
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」による練習曲第1番「スタッカート」
ワーグナーの楽劇「神々の黄昏」より第3幕「ジークフリートの葬送行進曲」
ソナチネ第3番「子供のために」
ソナチネ第6番「ビゼーのカルメンによる室内幻想曲」
多声演奏の訓練のための5つの小品
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニ(1866-1924)はイタリアの作曲家として認知されていますが、その生涯のほとんどをドイツで過ごし、晩年はベルリン芸術アカデミーで作曲の教鞭もとっていました。彼はピアノのヴィルトゥオーソとして活躍、そのピアノ作品もリストに負けず劣らず絢爛たるものばかりです。このアルバムに収録された曲は、全てオペラとの関係を持っていて、それは直接的なトランスプリクションの時もあれば、華麗なパラフレーズの時もあります。あまりにも華麗になってしまった場合は、演奏時の困難さを考慮してか、「練習曲」としての体裁を取っているところも面白いものです。モーツァルトのセレナードを基にした練習曲は、ちょっと聴くととても軽やかで簡単そうに聴こえますが、実は5声部を弾き分けなくてはいけないという、ゴドフスキーもびっくりの難しい曲だったりします。ジークフリートの葬送行進曲は、ほぼ原曲を忠実になぞっていますが、やはりブゾーニらしくひねった編曲をしています。「この曲をもしリストがピアノ独奏に編曲していたらどんな風になっていただろう?」と考えながら聴くのも楽しいものです。ブゾーニのピアノ作品のシリーズを全て受け持つハーデンの冴えた技巧は、ここでも光ります。
8.572423
ヴァイグル:死の島、6 つの幻想曲 他
6つの幻想曲(1942)
死の島(1903)…世界初録音
絵画とお話 Op.2(1909)…世界初録音
復讐の女神の踊り(1937-38)…世界初録音
夜の幻想曲集 Op.13(1911)
ジョセフ・バノヴェツ(P)
カール・ヴァイグル(1881-1949)はウィーンの後期ロマン派の作曲家です。彼は上流階級出身の両親の元で、幼い頃から音楽に親しみ、一時期はツェムリンスキーから作曲の手ほどきも受けていました。ウィーン大学に進み、音楽学を学びながら、ウェーベルンやシェーンベルクとも交友関係を結びます。1903年には「創造的音楽家協会」を設立し、その会員として、当時の最先端の音楽の初演に携わります。この頃に書かれた「死の島」は、あの有名なベックリンの絵に触発されたもので、同じ絵を題材としたラフマニノフやレーガーの曲とは、また違った雰囲気を有しています。マーラーの第7 交響曲を彷彿させる「夜の幻想曲集」も秀逸。しかし、ナチスの台頭とともにアメリカに亡命し、故国への思いが募るとともに、その作品も懐古的となり、最晩年に書かれた「6 つの幻想曲」には良き時代へのオマージュとも思える郷愁が漂っています。
8.572424
ヴォーン・ウィリアムズ:われらに平和を与えたまえ他
ドナ・ノビス・パーチェム(われらに平和を与えたまえ)<アニュス・デイ/叩け、叩け、太鼓を/和解/2人の老兵への哀歌/天使は死の外に/誰からも愛された人>

サンクタ・シヴィタス(聖なる市民)<私は魂だった/そして、私は天が開くのを見た/そして、私は天使が太陽の前に立つのを見た/大いなるバビロンは崩壊した/神は、あなたがたのために/そして私は新しい天国を見た/したがって、神の御座の前に彼らが来る/私は穢れなき河を見た/聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな/天も地も全て栄光に満ち>
クリスティーナ・ピエール(S)
マシュー・ブルック(Br)
アンドリュー・ステープルズ(T)
マシュー・ブルック(Br)
ウィンチェスター大聖堂少年聖歌隊
ウィンチェスター・カレッジ・クィリスターバッハcho
デイヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO
ホルストの大親友でもあったイギリスの大作曲家、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)の声楽作品集です。彼は民謡の採集や教会音楽の研究を通して、英国国教会の伝統を身につけましたが、「感覚と知識を超えて位置するもの」・・・象徴的なものにも敏感で、伝統と革新を統合した独自の作風を作りだした人でもあります。ここに収録された2つの声楽作品集は、そんなヴォーン・ウィリアムズの思いが込められた曲です。1936年の「ドナ・ノビス・パーチェム」は人類への警告と祈願です。ウォルト・ホイットマンおよびジョン・ブライト、そして聖書から採られたテキストは、人類が成熟して争いが無くなるまでへの願いが込められています。ソプラノ、バリトン独唱と合唱、オルガンというかなり大規模な編成で歌われ、時折、ソプラノが絶望的な爆発の中で祈りの歌を歌い続けます。1926年の「サンクタ・シヴィタス」も大編成の作品で、神の偉大なる秘跡を描いた強烈で壮大な大作です。
8.572425
アルウィン:室内楽作品集
クラリネット・ソナタ/オーボエ・ソナタ
ヴィオラ・ソナタ…世界初録音
オーボエとハープのための組曲
弦楽三重奏曲
対話<前奏曲/ロマンス/コラール/フゲッタ/アリオーソ/カリヨン/インテルメッツォ/カプリッチョ>
ロバート・プレーン(Cl)
ルーシー・グールド(Vn)
ソフィア・ラーマン(P)
サラ・フランシス(オーボエ)
サラ・ジェーン・ブラッドリー(Va)
ルーシー・ウェイクフォード(Hp)
エルミタージュ弦楽三重奏団
膨大な作品を残したイギリスの作曲家アルウィン(1905-1985)。室内楽作品はその中でも重要な役割を占めることは間違いないでしょう。このアルバムには、1934年から1962年までに作曲された6つの作品を収録しています。クラリネット・ソナタでは緩やかなメロディーが用いられていますが、その作風は後期になるに従って、少しずつ収斂し、より仄暗い世界へと傾いていくのです。まだ諧謔性のあるオーボエ・ソナタ、そして暗き雲が立ち込めるかのようなヴィオラ・ソナタなど、渋い音楽好きにはたまらない曲集でしょう。「対話」と称された短い8つの曲は、無駄な物が一切ない、厳しく美しい世界です。
8.572426
イギリス歌曲シリーズ第20集〜バターワース作品集
1-6.「シュロップシャーの若者」からの6つの歌<今、木々の中でもいちばん美しい桜の木/私が21歳だった時/私の瞳を見ないでください/もうこれ以上考えるな、若者よ/多くの若者たち/うちの馬どもは鋤いているだろうか>/7-11.11のサセックス民謡より第7番-第11番<元気な若い水夫は私を招く/日曜日には17歳/霧の中を彷徨う/真実の恋人の告別/タリーのズボン>/12-16.ブレドン・ヒルとその他の歌<ブレドン・ヒル/おお、なんと晴れやかな空と平原/若者が切なる悩みにため息をつく時/夏の虚ろな草原で/後悔の思いで私の心は一杯だ>/17.君のために飾りを作ろう/18.あなたのキスがこわい/19.安らかに/20.安息/21-26.11のサセックス民謡より第1番-第6番<あちらに美しき創造物を建てよう/鍛冶屋が私を呼ぶ/23.愛の種をまこう弁護人はある日外出した/来たれ、もう一人の私/26.かっこう>
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
イアイン・バーンサイド(P)
NAXOSが精力的にリリースを続ける「イギリス歌曲集シリーズ」は今作で20を数えます。フィンジやブリテンなど珠玉の作品を耳にして、イギリス音楽の魅力に取りつかれた人も多いことでしょう。このバターワース(1885-1916)の作品も聴けば聴くほどに味わい深いものです。彼は最初、弁護士になるべく勉強を始めますが、イートン・カレッジからオックスフォード大学トリニティ・カレッジに進む中で、ヴォーン・ウィリアムスと出会い音楽の道を志します。残念なことに、第1次世界大戦で若き命を散らしてしまい、また気に入らない作品は破棄してしまったため、残された作品は本当に少ないのですが、どれも清々しい青春の息吹のようなものが漂う穏健で美しいものばかり。名バリトン、ロデリック・ウィリアムズの伸びやかな声は聴き手の胸を熱い感傷で満たすことでしょう。
8.572427
バッハ:ギターのための編曲集
パルティータ第2番ハ短調 BWV826(T.マヌキアン編)
リュート組曲ハ短調 BWV997(T.ホップストック編)
前奏曲,フーガとアレグロBWV998(T.ホップストック編)
協奏曲ニ長調 BWV972 (原曲:ヴィヴァルディ)(J.ペロワ編)
ジュディカエル・ペロワ(G)
バッハの作品はその限りない可能性に惹かれるのか、数多くの作曲家たちによって様々な編曲が試みられています。ギターのために編曲を試みた最初の作曲家は、名ギタリストでもあったタルレガでした。タルレガはバッハの対位法や色調の多様さを見事にギターへと置き換えることに成功、次世代の作曲家たちに多くの示唆を与えたのです。そんな中、パルティータ第2番を編曲したのがマヌキアンでした。彼は鍵盤楽器のために書かれたこの曲を、完璧にギターへと移し替えることに成功しています。ホップストックの手による2つの作品も、もともとギターのために書かれたかのように、ぴったりとマッチしています。そして、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をバッハ鍵盤独奏曲へと編曲したBWV972をギターへと移し替えたのは、演奏者であるペロワ自身。こちらも何も文句のない仕上がりです。演奏しているペロワは1973年パリ生まれの名手で、2003年からジェレミー・ジューヴと「パリ・ギター・デュオ」を創設し活動、世界中で好評を博しています。深みのある美しい音色が魅力的です。
8.572428
セヴラック:ピアノ作品集第2集
ひなたで水浴びする女たち(バニュルス=シュル=メルの思い出)
騒ぎたてるニンフ、または不謹慎な牧神(ダンス・ノクトゥルヌ)
夾竹桃の下で
休暇の日々から第1集<シューマンへの祈り/城と公園-1:おばあさまが撫でてくれる/城と公園-2:小さなお隣さんたちが訪ねてくる/城と公園-3:教会のスイス人に扮装したトト/城と公園-4:ミミは侯爵夫人の扮装をする/城と公園-5:公園でのロンド/城と公園-6:古いオルゴールが聞こえるとき/城と公園-7:ロマンティックなワルツ>
休暇の日々から第2集(3つの小品)<ショパンの泉/鳩たちの水盤(ブランシュ・セルヴァ補筆)/2人の騎兵>
ホルディ・マソ(P)
スペイン貴族に連なる旧家に生まれたセヴラック(1872-1921)のピアノ曲は、どこか懐かしく、また、普通のフランス音楽とは一味違った雰囲気を有しています。それは彼の郷里ラングドック(南フランスの地中海に面した地域)の響きであり、彼が師事したアルベニスの影響も少なからずあるのでしょう。その作品はどれも柔和な光を帯び、また明るく屈託のないもので、演奏に要求される技巧もそれほど高いものではありません。最近ピアノ曲の再評価は進みつつありますが、どちらかというとフランス系の演奏者が多く取り上げていたのですが、このNAXOS盤では、スペイン音楽を得意とするホルディ・マソが力強くこれらの曲を歌い上げていて、セヴラック作品の持つ多面性に光をあてているかのようです。シューマンから影響を受けたと言われる「休暇の日々から」は、第7曲の「ロマンティックなワルツ」がよく知られていますが、やはり全曲聴いてこそ、この作曲家の真価を理解できるのではないでしょうか。
8.572429
セヴラック:ピアノ作品集第3集
大地の歌-7部からなる農耕詩(1900)<序曲/耕作/種蒔き/夜のおとぎ話/雹/刈り入れ時/終曲:婚礼の斐>
セヴラック:ポンパドゥール夫人へのスタンス(1907)
演奏会用の華麗なワルツ「はっか摘み」(1907)
ピアノ・ソナタ変ロ短調(1899)
ホルディ・マソ(P)

録音:2011年10月8-9日スペインヤフレ,アウディトリウム
フランスのピアノ曲を語る上で、決して忘れてはいけない存在がこのセヴラック(1872-1921)です。彼は、自身の作品に印象派の洗練された優雅さを纏わせるのではなく、南フランスの土と風の香りを漂わせることを好み、「田舎の音楽家」と呼ばれることも喜んでいたと言います。この第3集の中心を成すのは、まさにその呼び名にふさわしい組曲「大地の歌」です。1900年に作曲された作品で、古代ローマの詩人ウェルギリウスの「農耕詩」が元となっています。至るところに師であるヴァンサン・ダンディの影響も垣間見えますが、独自性も追求された興味深い曲集です。1899年のピアノ・ソナタには当時相次いで失った彼の父と若い妹への思いが反映されたものです。こんなセヴラックを極めたい方には第1集(8.555855),第2集(8.572428)もあり。
8.572430(2CD)
シューマン:ゲーテのファウストからの情景WoO3 懸念、天使、贖罪の女…イヴォナ・ホッサ(S)
グレートヒェン、罪深き女、困窮…クリスティーネ・リボー(S)
アマリアの女、欠乏…アンナ・ルバンスカ(A)
マルテ、エジプトのマリア、罪障、栄光の聖母…エヴァ・マルシニク(A)
アリエル、法悦の神父…ダニエル・キルヒ(T)
ファウスト、マリア崇拝の博士、天使に似た神父…ヤーッコ・コルテカンガス(Br)
メフィストフェレス、悪霊、瞑想の神父…アンドリュー・ガンゲスタッド(Bs)

ワルシャワ少年cho
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
悪魔に魂を売り渡したファウスト博士の伝説を基に、ゲーテが書きあげた戯曲は様々な芸術家に影響を与え、19世紀の作曲家たちも挙ってこの物語に曲を付けています。中でも「神秘の合唱」はマーラーの第8番の第2部とリストの「ファウスト交響曲」でご存知の方も多いでしょう。このシューマンの作品はゲーテの物語から「死と変容」というテーマを読み取ったもので、彼の最高傑作のひとつと言われています。早いペースで曲を書き上げる彼にしては、構想から完成まで9年間の長い年月をかけ、じっくりと曲想を練っています。最初に書かれたのは神秘の合唱の部分から。まずクライマックスを仕上げてから、物語を遡るように音楽を書き進め、1853年に序曲が書かれて、雄大なる物語が完成しました。1856年にその生涯を閉じたシューマンですが、最後の3年間は創作することが不可能だったため、この年が実質的に彼の最後の「生きている証」をなったのです。
8.572432
リスト:ピアノ作品全集第35集〜ロシアの作曲家によるトランスクリプション集
チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」〜ポロネーズ S429/R262
 2つのロシアのメロディ(アラベスク) S250/R102<第1 曲 アリャビエフ:ロマンス「うぐいす」/第2 曲 ブラホフ:ボヘミアのシャンソン>
別れ-ロシア民謡 S251/R104
サンクト・ペテルブルクのアマチュア作曲家のマズルカ S384/R115
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」〜チェルケッスク行進曲(第2 稿) S406/R164
ボロディン:ポルカへの前奏曲 S207a/R297
ブルハコフ:ロシア風ギャロップ S478/R143
キュイ:タランテラS482/R147
ダルゴムィジスキー:タランテラ S483/R148
ルビンステイン:おお,永遠にこうしていられれば Op.34-9 S554/R239
ルビンステイン:アシュラ Op.32-6 S554/R239
ウィルホルスキー:かつては-ロマンス(第2 稿) S577/R291
アレクサンダー・ドッシン(P)
ハンガリー生まれの作曲家&ピアニスト、リストについては、もう今更語ることもなさそうですが、この曲集に含まれている作品などを聴いてみると、まだまだ知られざる面が多いのではないか・・・と思ってしまいます。ヨーロッパ中をその華麗なる技巧で熱狂の渦に巻き込んだリストは、1843年から1847年にかけて、何度かロシアも訪れています。その際、出会った作曲家や、インスピレーションを受けた音楽をいくつか編曲し、自らのレパートリーに加えたのです。その中にはグリンカやキュイ、ボロディンといった知名度の高い人の作品もあれば、「アマチュア作曲家」によるマズルカも含まれていました。1847年、彼が最後にロシアを訪れた時に出会ったカロリーネ侯爵夫人は、その後の彼の生涯に大きな影響を与えたことはご存知の通りです。
8.572433
バード:チェンバロのためのファンタジー全集
作者不詳=バード編:前奏曲ト長調(F:第117番)
 ファンタジート長調 第2番(MB:28巻第62番/F:第261番)
 ファンシーの前奏曲イ短調(MB:27巻第12番/F:第100番)
 ファンタジーイ短調(MB:27巻第13番/F:第52番)
 前奏曲ハ長調(MB:27巻第24番/F:第103番/N:36番)
 ファンタジーハ長調 第2番(MB:27巻第25番/F:第103番/N:36番)
 ファンタジート短調(MB:55巻第55番)
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラト長調(MB:28巻第64番/F:第101番/N:9番)
 ド・ミ・レ(MB:28巻第65番/F:第102番)
ブル(1563-1628)=バード編:前奏曲:ドリック・ミュージック(MB:14巻第59番)
 ファンタジーニ短調(MB:28巻第46番/N:41番)
作者不詳=バード編:前奏曲(MB:55巻第3番)
 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ ヘ長調(MB:28巻第58番)
 前奏曲ト短調(MB:17巻第1番/P:第1番)
 ファンタジート長調 第3番(MB:27巻第63番/F:第8番)
 ファンタジーハ長調 第1番(MB:27巻第26番/N:第29番)

※MB=ムジカ・ブリタニカのヴァージナル曲集/
F=フィッツウィリアム・ヴァージナル曲集
P=パーセニア
N=私のネヴェル夫人の曲集
グレン・ウィルソン(Cemb)
イングランドで活躍したルネサンス音楽の作曲家、ウィリアム・バード(1539/40-1623)は、トマス・タリスに師事し、王室礼拝堂のオルガニスト兼聖歌隊長として活躍した人です。しかし当時はイギリス国教会とカトリックが混在していたため、宗教的弾圧を受け、1585年にはブラックリスト(国教忌避者の名簿)に名が記載されてしまうほどでした。しかし、どちらの宗教にも熟知していたため、両方の典礼音楽を手掛け、最終的にはカトリックの擁護者から手厚い保護を受けエセックスで晩年を過ごし、そこで亡くなります。彼は宗教音楽だけでなく、ヴァージナル(当時は鍵盤楽器を全てこう呼んだ)曲も多く残し、また同時代の作曲家たちのヴァージナル曲も含めて、いくつかの曲集として編纂、貴族や愛好家たちを喜ばせました。この当時のファンタジアとは、ロマン派に見られるような自由な形式ではなく、曲の冒頭の主題が次々と模倣されるフーガのようなもので、舞踏音楽としての意味合いも持っていたようです。
8.572436(2CD)
メシアン:聖体秘跡の書
アドロ・テ(汝を讃えん)/生命の泉
身を隠し給う神/信仰の行為
我らの生れしみどり子
マンナと生命のパン
復活させられた人々と命の光
聖体の秘蹟の制定/闇
キリストの復活
復活したキリスト、マグダラのマリアに現れる
聖変化/水の二つの壁
聖体拝受前の祈り/恩寵の喜び
聖体拝受後の祈り/さまざまな現存
捧げものと最後のアレルヤ
ポール・ジェイコブス(Org)
※ニューヨーク,聖母マリア教会のオルガン
シアン(1908-1992)最後のオルガン作品である「聖体秘跡の書」は18の部分からなる深淵で長大な曲です。当時のメシアンは70歳を優に超え、完成に8年を要したオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」の初演を終えたばかりでしたが、創作意欲は全く衰えることもなく、この見事な曲を1年で書き終えたのです。この曲には彼の宗教観が全て注ぎ込まれ、荘重なるコラール、即興的な部分、体中に浸みわたる三和音が絶え間なく交錯し陶酔の境地へと聴き手を誘います。もちろん彼が愛した鳥の声も至るところから聞こえてきます。米国の名オルガニスト、ジェイコブスの光舞い降りるような神々しい演奏で。
8.572438
魅惑のバリトン〜ラド・アタネリ、オペラ・アリアを歌う
ヴェルディ:「アッティラ」より第2幕「フン族と休戦だ...永遠の美しい栄光の頂から...私の運命のさいは投げられた」
ロッシーニ(1791-1868):「セヴィリヤの理髪師」より第1幕「私は町の何でも屋」
モーツァルト:「フィガロの結婚」より第3幕「裁判は勝った!と…こちらが指をくわえて」
 「ドン・ジョヴァンニ」より第2幕「さあおいで、窓辺へ」
 「ドン・ジョヴァンニ」より第1幕「酒の歌」
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より第1幕「無残な、縁起でもない」
 「ラ・ファヴォリータ」より第2幕「だが、邪な者どもの嫉妬と怒りは私の頭上に…よいかレオノーラ、そなたの足下に」
ヴェルディ:「エルナーニ」より第3幕「私の青春時代の」
 「シチリアの夕べの祈り」より第3幕「富を手にして」
レオンカヴァッロ:「ザザ」より第2幕「良いザザ、私の良き時間」
マスネ:「エロディアード」より第2幕「はかない幻」
ビゼー「カルメン」より第2幕「皆さんに乾杯をお返しします(闘牛士の歌)」
アラキシュヴィリ(1878-1953):ショタ・ルスタヴェルツェの伝説より「神に感謝せん」
ラド・アタネリ(Br)
ロドヴィコ・ツォッケ(指)ヴュルテンベルクPO
近年急速に評価が高まっているグルジア出身のバリトン歌手ラド・アタネリのNAXOSデビュー盤です。彼はこのアルバムのためにヴェルディからマスネまで様々なオペラのアリアを選び見事なまでにキャラクターを歌い分けています。91年にはバルセロナ国際声楽コンクール、続いてウィーンのヴェルヴェデーレ国際声楽コンクールにも入賞し世界的に注目を浴びた彼は、すでにムーティ、コンロン、レヴァインなど著名な指揮者の下で数多くのオペラを歌いその実力は証明済み。ここでも艶やかな美声を存分に聴かせてくれています。ヴェルディを得意としていますが他の役柄もばっちり。ぜひ押さえておきたい人です。
8.572439
ウルフ・ラウンズ
ドアティ(1954-):月への梯子(2006)
マスランカ(1943-):トロンボーンとウィンド・アンサンブルのための協奏曲(2007)
ラウズ(1949-):ウルフ・ラウンズ-オオカミの巡回(2006)
グレン・バシャム(Vn)
ティム・コナー(Tb)、
ギャリー・D・グリーン(指)
マイアミ市フロスト管楽アンサンブル
。ドアティの「月への梯子」は1930年代のマンハッタンの高層建築、及び都市風景を彷彿させる印象深い作品です。ヴァイオリン・ソロと管楽八重奏、そしてコントラバスのために書かれていて、ちょっと気怠く、またオシャレな雰囲気を醸し出しています。マスランカのトロンボーン協奏曲は、2006年に死去した彼の友人であったフルーティスト、クリスティーネ・N・カポーティの思い出のために書かれています。高い空へと昇っていくようなトロンボーンの音色が心に浸み入ります。ラウズの「オオカミ」はオオカミの習性を「循環的な」音楽で示したもの。せわしなく動き回る音がなんとも落ち着かない気分を醸し出しています。
8.572440
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第1.4.8番他
2つの詩曲Op.32
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.6
2つの詩曲 Op.44
3つの小品 Op.45〜第2番「幻想的詩曲」
4つの小品 Op.51〜第3番「翼のある詩曲」
2つの小品 Op.59より第1番「詩曲」
ピアノ・ソナタ第4番嬰へ長調 Op.30
2つの詩曲 Op.63/2つの詩曲 Op.69
2つの詩曲 Op.71
ピアノ・ソナタ第8番Op.66
アレクサンドル・ギンジン(P)
10年ほど前、リストの編曲したシューベルトなどの超絶技巧系のレパートリーを引っ提げて、颯爽とデビューした若手ピアニスト、アレクサンドル・ギンジン。その後多くの経験をして、今回NAXOSレーベルに登場しました。演奏するのはスクリャービン(1872-1915)。初期の作品から晩年の作品までをソナタを中心に上手く組み合わせています。若い頃、右手を酷使し過ぎたためピアニストとしては挫折、以降作曲を志したというスクリャービン(この頃に第1番のソナタが書かれました)。1900年頃からニーチェに心酔し、作風をより神秘的なものへと変化させていきます。第8番のソナタは、番号こそ最後ではありませんが、実際に作曲されたのは第10番よりも後であり、実質上彼の最後のソナタとなります。無調とはいうものの、その和声は妖艶な響きを持つ難解な美しさを帯びています。
8.572441
グリーグ:弦楽四重奏曲ト短調 Op.27(A.エルダルによる弦楽オーケストラ編)
 弦楽四重奏曲ヘ長調(A.エルダルによる弦楽オーケストラ編)
ヌールハイム(1931-2010):ランデヴー
ステファン・バラット=ドゥーエ(指)
オスロ・カメラータ
グリーグの完成された唯一の弦楽四重奏曲であるト短調(第1番は紛失、第3番は未完で、この作品は実質第2番にあたるもの)は、1877年から1878年にかけて作曲されました。当時、妻との関係悪化やその他の人間関係に疲れていたグリーグは、ハルダンゲル地方に自分自身のために建てた作業小屋に籠ることで、瞑想と精神集中にふけることができました。彼は、夏の夜に心から愛する湖のほとりを歩くことで、自らの心と向かい合い、新たな楽想を得たのでしょう。出来上がったこの弦楽四重奏曲は、漲る気迫と、美しい民謡調の旋律が交錯するもので、それまで大切に積み上げてきた民謡への愛着と、西洋音楽への回帰の両方が感じられる見事な作品となったのです。このアルバムでは、1892年に書かれた未完の第3番とともに、弦楽合奏に編曲された版をお聞きいただくことができます。一層高らかに歌い上げられる感情の発露は、聴き手の心を強く揺さぶります。同時収録のヌールハイムの作品は、20世紀を象徴するかのような、聴き手に痛みを突き付ける音楽。
8.572442
シェーンベルク:組曲 Op.29
室内交響曲 第1番 Op.9(A.ウェーベルンによるフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ編)
ザーイル・アンサンブル
[アルフォンソ・ルビオ(Fl)、ジャビエル・トリゴス(Cl)、ミゲル・アンヘル・ルイス(Cl)、ペペ・ベニテス(バスCl)、ホアン・エスピナ(Vn)、マリー・テレサ・ナワラ(Va)、ディーター・ネル(Vc)、オスカー・マルティン(P)]
フアン・ガルシア・ロドリゲス(指)
最も革新的な作曲家の一人、シェーンベルク(1875-1951)の室内楽作品を2曲。7楽器のための組曲は1924年から26年にかけて彼の2番目の妻ゲルトルートへの結婚プレゼントとして作曲されました。それぞれの楽器はピアノを介して綿密に関連付けられていて、曲の構成は古典的なフォルムを持ちながらも、基本的に無調。当時流行のダンス音楽を模したリズミカルな部分も持ち合わせているという興味深いものです。室内交響曲第1番は、1906年の作品で、まだ後期ロマン派の情緒をどことなく匂わせています。本来15人の奏者のために書かれていますが、この演奏は、ウェーベルンによる更に凝縮された編曲で、ピアノが入ることで、いつも聴き慣れた曲とは、また違った雰囲気が醸し出されています。
8.572443
スペインの哀歌セファルディのロマンスと歌曲集
小さなアーモンドの木
私の最愛の娘/私の前にあるこの山
ヘンルーダの小枝
死よ、あなたは私たち全てを招く
少女よなぜ泣くの/来て、私の愛しい人
4年間愛してる/今植物たちが成長している
美しき鳥よ/眠れ、眠れ
海に立つ塔/私の心はアラビアに
ねむれ、ねむれ、わが息子
扉を開けて、可愛い人/ニムロド
ホセ・フェッレーロ(指)
カペラ・アンティクァ・デ・チンチラ
1942年、イベリアに残っていた最後のイスラム政権は、スペインにおける大規模な排撃によって滅ぼされました。住民たちは祖国を追われ、その多くは南ヨーロッパから中東、北アフリカのオスマン帝国の領域へ移住したのです。彼らをセファルディと呼び、その子孫は今でも世界中で活躍しています。このアルバムに収められたのは、そんな人たちの愛した音楽です。彼らは、記憶の中に残る失われた母国の歌や葬式での挽歌、そして生活に即した歌を、あたかも元からスペインにあったかのように、スペインの言葉で歌い、伝えていくことにしたのです。そして時の流れとともに、言葉や楽器、音楽が追加され、バルカン半島、トルコ、モロッコへと伝わり、独特の様相を帯び「エンデチャー(哀歌)」と呼ばれるようになりました。ここに収録されているのは、そういった時の流れを超えて伝えられてきた歌たちです。
8.572444
オッテ:響きの書
第1部〜第12部
ラルフ・ファン・ラート(P)
ハンス・オッテ(1926-2007)をご存知ですか?彼は若い頃からピアノとオルガン演奏に格別の才能を示し、ヒンデミットから作曲を学んでいます。その後、印象派作品に特に造詣が深いピアニスト、ワルター・ギーゼキングと親交を結び、強く影響を受けました。1959年にラジオ・ブレーメンの音楽監修担当となり、すぐに歴史的な2つの現代音楽祭を開催。自らも作曲家として活動しながら、同世代の作曲家たち…シュトックハウゼンやメシアン、ナンカロウ、ライリー、ライヒ…を積極的に紹介したことで知られます。彼の作品は、どちらかと言うと電子音楽や、もっと難解な曲が多いのですが、この「響きの書」だけは、なぜか静かで美しい音に満たされているのです。演奏は、現代作品の解釈において高く評価されているラルフ・ファン・ラートです。ドビュッシーでもなく、メシアンでもなく、ナイマンでもない、永遠に続くかのような不可思議なピアノの響き。ひたすらそんな音と向き合う67分。これは素晴らしい体験です。
8.572445
マウロ・ジュリアーニ:2台ギターのための作品集
ロッシーニの歌劇《どろぼうかささぎ》序曲
大協奏的変奏曲Op.35
ロッシーニの歌劇《セヴィリアの理髪師》
序曲
ロッシーニの歌劇《チェネレントラ》序曲
ロッシーニの歌劇《コリントの包囲》序曲
協奏的変奏曲Op.130
3つの協奏的ポロネーズOp.137
ジェフリー・マクファデン(G)
マイケル・コルク(G)

録音:2015年5月3-5日カナダオンタリオ聖ジョン・クリソストム教会
ナポリ王国に生まれた19世紀における“クラシック・ギターのヴィルトゥオーゾ”マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)。「ギ ターのベートーヴェン」とも称される彼は、25歳の時に家族を残したままウィーンに出向き、ここを地盤として活躍し、自 作を出版、ヨーロッパ全土に演奏旅行に出かけるなど名声を博しました。彼はハイドンの76歳の誕生日を祝うコンサートに 出演し、またベートーヴェンの第7交響曲の初演時にはチェリストとして参加したとも言われています。1819年には経済的 な理由でウィーンを発ちイタリアに戻りましたが、この時にロッシーニとパガニーニに出会い、三人が共同でコンサートに出 演したという記録もあり、この時の交友から4曲のロッシーニ作品の編曲が行われたようです。ロッシーニのキャリアを形 作った《どろぼうかささぎ》をはじめ、現代でも人気を獲得しているこれら歌劇の序曲が、余すことなくギターの音色に移し 変えられているのには驚くばかりです。オリジナル作品の「大協奏的変奏曲」はギターのテクニックを全て駆使した難曲。ポ ーランド舞曲を元にした「ポロネーズ」はエレガントなメロディと躍動的なリズムが漲る魅力的な作品です。NAXOSお馴染 みのギタリスト、マクファデンとコルクの2人が織り成す華やかな音色をお楽しみください。
8.572446
ヒル:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第5番変ホ長調「同盟国」
弦楽四重奏曲第7番イ長調
弦楽四重奏曲第9番イ短調
ドミニオンSQ
オーストラリアの作曲家、アルフレッド・ヒル(1869-1960)の弦楽四重奏曲第3集です。彼は1880年代の終わりにライプツィヒで学び、ドイツの伝統にオーストラリアの味付けを施したいくつかの作品を作曲。これらは一度聴くと忘れられない強烈な印象を残しています。今回の作品も面白い物ばかりですが、表題付きの第5番はとりわけユニークです。4つの楽章はそれぞれ、フランス、アメリカ、イタリア、イギリス(第1次大戦中に同盟国だった国家)を表していて、後に交響曲第11番として書き直されたものです。国としてのキャラクターが強く出ているわけでもありませんが、こういう考え方もあるんだな。と面白く聴くことができるでしょう。第7番は荘厳に始まり、第9番はゆったりと始まり、少しだけ印象派の香りを感じさせる音ですが、旋律は決して乱れることもなく常に平穏な世界に終始します。安心してお聴きいただける美しい作品です。
8.572447
グラズノフ:管弦楽作品集第19集
1幕のバレエ「恋愛合戦」Op.61
<1.序奏と情景T/2.レチタティーフとマイム/3.サラバンド/4.ファランドールと情景U/5.マリオネットの踊り/6.情景V/7.情景W&X/8.ヴァリアシオン/9.情景Y、行進曲/10.情景Z、大ワルツ/11.情景[-XI/
12.農夫と農婦の舞踏曲/13.グラン・パ・ド・フィアンセ/14.ヴァリアシオン/15.ラ・フリカッセ>
ホリア・アンドレースク(指)ヤシ・モルドバPO

※MARCO POLO*8.220485より移行盤
ARCOPOLOで発売時、大変な話題となったグラズノフ(1865-1936)の秘曲がついにNAXOSに登場します。この1900年に初演されたバレエ「恋愛合戦(別題…女の試み)」は、公爵家の娘イザベラが、婚約者の真の愛を確かめるために、小間使いに変装し誘惑するというお話。付された音楽は重厚なロシア風味ではあるものの、徹底的にフランスのロココ調を模しているという面白い作品です。この精緻な総譜は、グラズノフの師であるリムスキー・コルサコフにも称賛されました。ワルツを始めとした美しいメロディが満載。もっと多くの方に聴いて欲しい隠れた名曲です。
8.572447
グラズノフ:管弦楽作品集第19集
1幕のバレエ「恋愛合戦」Op.61
<1.序奏と情景T/2.レチタティーフとマイム/3.サラバンド/4.ファランドールと情景U/5.マリオネットの踊り/6.情景V/7.情景W&X/8.ヴァリアシオン/9.情景Y、行進曲/10.情景Z、大ワルツ/11.情景[-XI/
12.農夫と農婦の舞踏曲/13.グラン・パ・ド・フィアンセ/14.ヴァリアシオン/15.ラ・フリカッセ>
ホリア・アンドレースク(指)ヤシ・モルドバPO

※MARCO POLO*8.220485より移行盤
ARCOPOLOで発売時、大変な話題となったグラズノフ(1865-1936)の秘曲がついにNAXOSに登場します。この1900年に初演されたバレエ「恋愛合戦(別題…女の試み)」は、公爵家の娘イザベラが、婚約者の真の愛を確かめるために、小間使いに変装し誘惑するというお話。付された音楽は重厚なロシア風味ではあるものの、徹底的にフランスのロココ調を模しているという面白い作品です。この精緻な総譜は、グラズノフの師であるリムスキー・コルサコフにも称賛されました。ワルツを始めとした美しいメロディが満載。もっと多くの方に聴いて欲しい隠れた名曲です。
8.572448
バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」
<悪党は少女を窓辺に立たせる/少女は年老いた伊達男を誘惑する/少女は若い男を誘惑する/少女は役人を誘惑する/少女は役人のためにゆっくり踊り始める/踊りは終わる、役人は少女を追いかけまわす>
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ジョナサン・パステルナック(指)LSO
ロンドンSOと若手指揮者、パステルナックによるバルトークとブラームスです。指揮者パステルナックはニューヨーク生まれ。16歳の時に奨学金を得て、マンハッタン音楽院で学びます。ネーメ・ヤルヴィ、デーヴィッド・ジンマン、ヨルマ・パヌラなど錚々たる顔ぶれから教えを受け、2002年バルセロナのカダケス国際指揮者コンクール(第1回優勝者はジャナンドレア・ノセダ)で第2位を獲得。将来が期待される新鋭です。このアルバム、そんな彼の若々しい情熱が満ち溢れた好演で、おどろおどろしさよりもシャープさを前面に出したバルトーク、見通しの良いすっきりとしたブラームスと、これらの曲に食傷気味の耳にも新鮮な風をお届けいたします。
8.572449
ナイトハルト:宮廷歌人と彼の「涙のベール」
カンティレーナ「おんどり」
私は全ての尺度を越えて悲しむ/夏と冬
クラウスラ
歌え、黄金のめんどりよ-ダンス「僧侶」
来たれ、甘い夏の天候よ
優雅な女性はこの名誉に値する
私は夫など望んでいない/私は花を悼む
ヘダメルスコール
すべてのすべての夏の長いこと
神よ、高く賛美します/死ぬ死ぬ
アンサンブル・レオーネス
<メンバー:マルク・レヴォン(指揮、ヴォーカル、リュート、ギター、ヴィエール)/エルス・ヤンセンス=ファンミュンスター(ヴォーカル)/バティスト・ロマン(ヴィエール、バグパイプ、ヴォーカル)>
中世後期。ミンネゼンガーとはドイツの宮廷歌人で、徳の高い貴婦人をあがめ、その人のために愛の歌を歌うという役を担っていました。そんな時代、ナイトハルト(1185?-1240?)は最も人気のある宮廷歌人のひとりとして知られています。とはいえ、詩人でありミュージシャン、所謂「シンガーソングライター」であった彼の歌は素朴で、ある時は暴力的であり、また時にはエロティックであり、宮廷文化を伝えつつも、また一味違った「市井の音楽」として人気を博したのです。憂鬱さを歌うかと思えば、必要に応じて舞曲を演奏、また季節の風物詩を取り入れた歌の数々は、当時の生活を彷彿させる興味深いものです。このアルバムに収録されている作品は「フランクフルト・フラグメント」と呼ばれる資料から修復したもので、少なくとも5人の作曲家の名前が認められますが、大部分はナイトハルトのものであろうと推測されています。1000年近くの長い年月を経て蘇る中世の響きは聴き手を不思議な気分にさせてくれること間違いありません。
8.572450
ルトスワフスキ:ラスト・コンサート
パルティータ(ヴァイオリンと管弦楽編)
インターリュード/チェーンII
花の歌と花のお話<夜の美人/バッタ/ヴェロニク/野ばら、サンザシ、藤の花/カメ/バラ/ワニ/天使/蝶々>
チェーンT
フジコ・イマジシ(Vn)
ヴァルディン・アンダーソン(S)
ヴィトルト・ルトスワフスキ(指)
ニュー・ミュージック・コンサーツ
偉大なるポーランドの作曲家、ルトスワフスキ(1913-1994)は自作を表現するにあたって最高の演奏家でもありました。作曲する際も当時流行の前衛主義などの周囲のやり方に惑わされることなく、常に彼独自の思想に基づいており、常に新しい形式を開発し、またそれを推し進めたことで知られています。彼が追求した形式の一つに「チェーン」というものがありますが、これは偶然性や不確定な繰り返しなど様々な要素を含み、真意を表現するのは並大抵のことではありません。ここで聴ける「チェーンT」と「チェーンU」はまさにこの形式の最良の姿と言えるでしょう。パルティータは比較的演奏される機会の多い作品ですが、ここは作曲家の意図が120%伝わる演奏で聴いてみたいものです。仄暗く神秘的な音色に終始する「花の歌と花のお話」も興味深い連作歌曲集です。ルトスワフスキはこのコンサートの3か月と2週間後にこの世を去りましたが、ここには全く感傷めいたものはありません。常に前進する芸術家の意思が強く感じられます。
8.572451
カロミリス:狂詩曲、交響詩集
狂詩曲第1番(G.ピエルネによる管弦楽版)
狂詩曲第2番「夜の歌」(B.フィデツィスによる管弦楽版)
抒情詩<アフロディーテの出現/スパルタの聖処女/初めての雨>
聖ルークス修道院にて
ミナスの反乱、エーゲ海の海賊
勇敢な女性の死
ジュリア・ソーグラクー(S)
エヴァ・コタマニドウ(ナレーター)
ロシア国立シンフォニック・カペラ
バイロン・フィデツィス(指)カルロヴィ・ヴァリSO
「ギリシア音楽の父」として称賛される作曲家カロミリス(1883-1962)。もともとはオスマン帝国スミルナ出身、イスタンブールで音楽を学びましたが、ウィーンに留学後はアテネに在住。アテネに国民音楽院を創設し、ギリシア音楽の発展を目指しました。民謡に基づくオペラや交響曲が有名です。ワーグナーとリムスキー=コルサコフを賛美していたといい、自身の作風もドラマティックで重厚なものとなっています。このアルバムには、ピエルネが管弦楽用に編曲した狂詩曲や、朗読を伴う「聖ルークス修道院にて」など6つの作品が収録されています。作品はギリシアの民族音楽のリズムと複雑な対位法を多用した、独特の息の長い旋律線を持つ特異なものばかり。どことなく東洋的な雰囲気も漂わせるという、まさに百花繚乱の世界です。
8.572452
スタンフォード:室内楽作品集
ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調Op.35(1889)
伝説(1893)
6つのアイルランドの幻想Op.53より第3番「ジグ」(1894)
6つのアイルランドの幻想Op.53より第5番「ハッシュ・ソング」(1894)
ピアノ四重奏曲第2番ハ短調
Op.133(J.ディブル編集)世界初録音
グールド・ピアノ三重奏団
<ルーシー・グールド(Vn)/アリス・ネアリー(Vc)/ベンジャミン・フリス(P)>
デイヴィッド・アダムス(Va)
雄大な森、はたまた広大な田園地帯。そんな開放的な場所で大きく伸びをしたくなるような清々しい音楽。スタンフォード(1852-1924)の室内楽には、いつもそんな雰囲気が漂っています。イギリス音楽の祖、スタンフォードはドイツ・ロマン派の作風を模範としながらも、アイルランド民謡を取り入れた独自の音楽を数多く残しました。その中でも室内楽は大きな位置を占め、その叙情詩的な美しさは、水彩画のような淡い色合いを帯びています。このアルバムに収録されたピアノ三重奏曲第1番は、ハンス・フォン・ビューローに捧げられており、優雅この上ない作品です。それ以外の作品はこちらが世界初録音。とりわけ、1913年に作曲されるも、長い間顧みられることのなかった第2番のピアノ三重奏曲の秘められた美しさにはため息をつく他ありません。ちょっとブラームス風の響きを感じさせるも、描かれている世界は彼独自のもの。このグールド・トリオの蘇演により、私たちはまた一つの名作を手に入れました。
8.572453
ブレイク:メアリーの受難&キリスト降誕の4つの歌
メアリーの受難Op.577(2006)
キリスト降誕の4つの歌Op.415(1990)
パトリシア・ロザリオ(S)
ロバート・ウィリアム・ブレイク(トレブル)
リチャード・エドガー=ウィルソン(T)
ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(bs-Br)
ブラス・オブ・ロイヤル・フィルハーモニック
ロンドン・ヴォイシズ
ハワード・ブレイク(指)LPO
数々の映画音楽で知られるハワード・ブレイク(1938-)のオラトリオ「メアリー(マリア)の受難」は、聖母マリアの目を通して描かれたイエス・キリストの一生の物語です。ソプラノ・ソロとボーイ・ソプラノ、合唱とオーケストラ(改訂版ではここにテノールとバリトン・ソロが加えられた)で歌われる受胎告知からキリストの復活までの出来事は、時に激しく、時に優しく心に染みいるように歌われます。映画音楽を得意とするブレイクだけあって、常に響きは美しく、耳に心地良いものとなっています。ソプラノ・ソロを歌うのはパトリシア・ロザリオ。現在のイギリスにおいて宗教曲、現代曲を歌わせたら右に出る者はいない名歌手です。その16年前に作曲された「キリスト降誕の4つの歌」は金管の伴奏と合唱とテノールで歌われる素朴な歌曲集。こちらはマリアの喜びが全編に溢れる美しい曲です。
8.572454
サン=サーンス:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番ホ短調 Op.112
弦楽四重奏曲第2番ト長調 Op.153
ファイン・アーツSQ
[ラルフ・エヴァン(Vn)/エフィム・ボイコ(Vn)/ニコロ・エウゲルミ(Va)/ヴォルフガンク・ラウファー(Vc)]
フランス音楽の基礎を作ったとされるサン=サーンス(1835-1921)。偉大な作曲家でありながら、あまりにも長く生き過ぎたためか、時代の波に乗り遅れてしまい、現在では決して高く評価されているとは言えません。多くの作品を書いたのですが、聴かれるのはその中のほんの一部。例えばこんなに美しい弦楽四重奏曲たちも、ひっそりと埋もれているのが正直なところです。彼が初めて弦楽四重奏のジャンルに手を付けたのは64歳の時でした。イザイに捧げられたこの第1番は、確かに印象派のようなもやもやした響きは見てとれなくとも、透明感と切なさが溢れた佳曲です。第2番はサン=サーンス83歳の時の作品です。当時の潮流とは全くかけ離れた、まるでモーツァルトのような古典的な語法を用いて書かれていますが、独特の転調などは、やはりこの時代の音楽であることを感じさせます。どちらも渋く通好みの作品ですが、なぜか心に残ってしまいます。ロマン派の作品を得意とするファイン・アーツSQの柔らかい表現は、これらの曲の真の姿を見せてくれるでしょう。
8.572455
トゥリーナ:ピアノ作品集第7集
旅のアルバム Op.15
ビアヘ・マリティモ Op.49
回想曲 <風景/海/サルダーナ>
マロールカ Op.44/葉書 Op.58
ホルディ・マソ(P)
ホルディ・マソによるトゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集第7集は、なんとも楽しい「旅のアルバム」で幕を開けます。この初期の作品はスペイン風の音を持ちながらも、ドビュッシーの影響を感じさせる柔らかい響きも持ち合わせています。何より香りのよい風が吹き抜けるような爽やかさが自慢です。「ジブラルタル」ではどこかで聴いたメロディも使われていて、こちらも興味深いところです。続く作品も、どれもが旅の風景を切り取ってきたかのような、表現力豊かなものばかり。「回想曲」で描かれているのはカタロニアの風景であり。「葉書」で描かれるのはバスクの風景です。美しいピアノの音色に耳を傾けながら、スペイン旅行を楽しめそうです。
8.572456
セルバンテス:キューバ舞曲集
3つの衝撃/高級な夜の女
葬儀/魔女/キューバへの別れ
帰郷/クリクリ/失われた夢/
笑い/オマージュ/回転木馬
アルメンダレス/即興的に
もう踊らないで/意思/メッセージ
キスマーク/思い出/孤独
友情/招待/中断/嫉妬深い女
アーメン/おいっ!/.はい、これからも
それは必要/もう泣かないで
冷たいシャワー/さわらないで
ジグザグ/偉大なる女性/親密な
あなたから遠く離れて
彼は去り、もう戻らない/魂の融合
私はあなたを愛し抜く/えっ?なぜ?
アルバロ・センドージャ(P)
ラテン・アメリカのピアノ音楽における重要人物であるセルバンテス(1847-1905)の作品集です。彼の母国キューバの文化と国家のアイデンティティを反映させた作風は、当時の聴衆に大うけであり、コンサートホールだけでなく、舞踊音楽としても重要な役割を担っています。この「キューバ舞曲集」は、作曲年代などはっきりしたことは分かっていませんが、まさにエッセイ風の趣きを持ち、楽譜にはちょっとした思い付きなども書き込まれているという、興味深い作品集です。何より、どの曲も楽しさ満点。どの曲も1〜2分と短く、どこかスコット・ジョプリンを思わせる軽快なリズムの曲があったり、ショパンを思わせるしっとりとしたマズルカ風の曲があったりと、変化に満ちた38曲です。一度聴いたら必ずはまります。
8.572457
ヨアヒム・ニコラス・エッゲルト:交響曲第1番&第3番他
付随音楽「スペインのムーア人、もしくは幼年時代の選択」-序曲*
交響曲第3番変ホ長調(1807)*
付随音楽「スヴェント・スチューレとマルタ・レイヨンフーヴッド」(1812)
交響曲第1番ハ長調(1804頃-1805)
イェヴレSO
ジェラール・コルステン(指)

録音:2009年11月23-27日
2014年3月10-14日スウェーデンイェヴレ・コンサートホール
*以外=…世界初録音
ドイツで生まれ、スウェーデンで活躍した古典派の作曲家と言われて、ヨーゼフ・マルティン・クラウスの名前が思い浮かぶ人はかなりの音楽通でしょう。しかし、さらにニコラス・エッゲルト(1779-1813)の名前までを知っている人はまずいないのではないでしょうか。そんなエッゲルトは、ドイツのバルト沖に浮かぶリューゲン島の靴屋の息子として生まれました。11歳になるまで教育を受けることはなく、ようやく地元のオルガニストが彼を引き取り、音楽理論、ヴァイオリン、鍵盤楽器、ハープを教えることとなります。その後は紆余曲折を経て、1803年にスウェーデンに到着、当時は既にマルティン・クラウスも世を去っていたため、彼は才能ある作曲家としてこの地で活躍することとなります。指揮者としても有能だった彼は、ストックホルムの聴衆にベートーヴェン、ハイドンのオラトリオやモーツァルトの魔笛などを次々と紹介していき、また自作も好評を持って迎えられたのです。このアルバムには彼の2つの交響曲と、劇音楽を収録。時にはメンデルスゾーンの雰囲気さえをも感じさせる見事な音楽には、感嘆するばかりです。
8.572458
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(管弦楽版)
交響曲第2番ホ短調Op.27
レナード・スラットキン(指)デトロイトSO
1897年に満を持して発表した「第1交響曲」の初演が大失敗に終わってしまったラフマニノフ(1873-1943)、そのショックでしばらく作曲の筆が止まってしまったのですが、何とか立ち直り1900年に書いた「ピアノ協奏曲第2番」は大成功を収め、ようやく作曲家としての自信を取り戻したのでした。しかし、第2番の交響曲に着手するのはそのほぼ6年後。公私ともに充実した頃合いを見計らうかのように書かれたこの曲は、どこもかしこもドラマティックで素晴らしいメロディに溢れています。陰鬱で幅広い楽想を持つ第1楽章、ホルンの動機が印象的な第2楽章スケルツォ、そしてこの曲の白眉とも言える美しすぎる第3楽章、劇的な盛り上がりを見せる最終楽章と、どこから聴いても真の名曲たる風格を備えています。
8.572459
シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番イ短調 D537
ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D664
幻想曲 ハ長調 D.760「さすらい人幻想曲」
エルダー・ネボルシン(P)
NAXOSが誇る期待のピアニストの一人、エルダー・ネボルシンによるシューベルト(1797-1828)です。リストやドホナーニ、ラフマニノフという技巧派の曲から、ショパンの協奏曲という究極のロマンティックな作品までと、どれもが曲の持つ魅力を最大限に引き出すことに成功した演奏として人気の高い彼、今回のアルバムでは、今までとはまた一味違う端正な面を見せてくれます。選ばれた3曲は、シューベルト作品の中でもとりわけ人気の高いもので、20歳という比較的初期の作品ながら、作曲者本人も気に入っていた第4番(第2楽章は第20番にそのまま転用された)と、流麗で親しみやすい第13番、そして最高傑作として知られる「さすらい人幻想曲」という選曲は、演奏家の資質を聴きとるだけでなく、シューベルトのエッセンスを楽しむためにも最良のプログラムと言えるでしょう。大満足の1枚です。
8.572460
ショパンの弟子たちによるヴァイオリンとピアノのための作品集
ミクーリ(1819-1897):大二重奏曲イ長調 Op.26
テレフセン(1823-1874):ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.19
テレフセン:ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調 Op.37
フィルチ(1830-1845):アレグレットと変奏
ヴォイテク・プロニエヴィチ(Vn)
アレクサンドル・ヤコビツェ=ギトマン(P)
既にリリースされている「ショパンの弟子たち」(8.572344)は、ショパンの後継者たちのしられざるピアノ作品を集めたアルバムでしたが、こちらはもっと珍しい、彼らのヴァイオリン作品を集めたものです。今回もミクーリ、テレフセン、フィルチの3人の才能ある弟子たちが登場します。直接ショパンから教えを受けているとはいえ、その当時はワーグナーやリスト、そしてパガニーニらの音楽の影響も見逃せません。1860年に書かれたミクーリの二重奏曲は「パガニーニのライバル」と称されたリピンスキーに捧げられた曲。思いの他革新的な音楽ですが、ピアノ書法の至るところに、やはりショパンの香りを感じます。テレフセンの作品は、ショパンよりもベートーヴェンとグリーグらしさを感じさせ、確実に時代の流れを思い起こさせることでしょう。15歳でその生涯を閉じてしまったフィルチの作品は、まだまだ荒削りですが、匂い立つような才能を感じさせるものです。
8.572461
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調Op.93 ワシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管によるショスタコーヴィチ(1906-1975)交響曲全集の第4集です。今作は、最高傑作と言われる第10番になります。作品は多くの謎を孕み、色々なものが織り込まれていると言われていますが、作曲家自身も明言を避けているように、そのあたりは永遠の謎とされています。1953年にムラヴィンスキーが初演して以来、多くの指揮者たちがこの曲の本質を描きだすべく願っていますが、ペトレンコの演奏は、また新たな一石を投じることになるでしょう。第4楽章、燃えます。ペトレンコは完全にショスタコーヴィチを手中に収めました!
8.572462
イサシ:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第1番ト長調Op.11(1911/1914改訂)
弦楽四重奏曲第5番ハ短調Op.32(1921)
ヴァイオリン・ソナタヘ短調Op.25(1917)*
イサシSQ<アンナ・ボヒガス(第1ヴァイオリン)/エネコイツ・マルティネス(第2ヴァイオリン)/カーステン・ドーバーズ(Va)/テレサ・バレンテ(Vc)>
アンナ・ボヒガス(Vn)*
マルタ・サバレタ(P)*

録音:2009年11月30日-12月3日フランスル・シャトー・ダルカング
2013年9月21-22日スペインビルバオ,アリアーガ・コンセルヴァトリー
※全てカルスティン・ドバースによる補筆完成版…世界初録音
スペイン、ビルバオ出身のアンドレス・イサシ(1890-1940)の弦楽四重奏曲集も、この第3集で完結となります。19歳から留学していたベルリンで師事したフンパーディンクの影響は、1914年に故郷ビルバオに戻っても変わることなく、晩年に至るまで、その豊かなメロディに自然の音を取り入れた美しい作品を数多く書き残しました。ただ、当時のスペインではこの作風は受け入れられず、結局これらは忘れられてしまうことになったのです。彼はベルリンに到着する際、ビルバオ時代の作品は全て破棄するつもりだったようですが、このアルバムに収録された第1番は、自身で改訂しストックホルムで発表されたもので、ゆったりとした風情が印象的な四重奏曲です。第5番はブラームスに捧げられた作品で、彼の死後2年を経た1942年に初演されました。こちらは雄弁で起伏に富んだ主題を持つ第1楽章と、切ない風情を持つ第2楽章がとりわけ印象的です。またヴァイオリン・ソナタからはリヒャルト・シュトラウスの影響も感じられます。ゆったりと包み込むような暖かさに満ちた音楽です。
8.572463
イサシ:弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲 第0番ホ短調 Op.83(1908)
弦楽四重奏曲 第2番イ短調 Op.27(1920)…世界初録音
イサシSQ【アンナ・ボヒガス(Vn)、シドニー・ボーガモント(Vn)、カーステン・ドーバーズ(Va)、マティアス・ヴァインマン(Vc)】
スペイン、ビルバオ(北部の都市)出身のアンドレス・イサシ(1890-1940)。現在ではほとんど忘れ去られてしまった作曲家ですが、ここで聴ける弦楽四重奏曲はなんとロマンティックで美しいのでしょうか?スペインらしさよりもドイツ・ロマン派、もしくは北欧音楽の情緒を湛えているのは、彼が師事したフンパーディンクの影響によるものでしょう。グリーグやドヴォルザークにも似た楽想を持つ「弦楽四重奏曲0 番」(死後出版)は、とりわけ若々しい息吹が感じられる佳作です。その12 年後に書かれた第2番は、一転モダンな音楽となっています。この曲の第3 楽章に現れるフーガは、組曲第2 番の第3 楽章が発展したもので、こちらは管弦楽作品集(8.557584)で原型を聴くことが可能です。NAXOS レーベルは、イサシの弦楽四重奏曲の3 集からなる全集を刊行予定です。
8.572464
イサシ:弦楽四重奏曲集 第2集
弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.31(1921)
弦楽四重奏曲 第3番 ホ短調 Op.30(1921…未完)
アリア.ニ長調:アンダンテ
スケルツェット.ヘ短調
前奏曲 イ長調 「四月の騎手」Op.51-1(1934)
イサシSQ[アンニック・ルーシン(Vn)/アンナ・ボヒガス(Vn)/カーステン・ドーバーズ(Va)/イヴァン・シフォロー(Vc)]

録音: 2011年12月18-22 日
※全て世界初録音
スペイン、ビルバオで生まれた作曲家アンドレス・イサシ(1890-1940)。若い頃ベルリンに留学し、フンパーディンクに師事したためか彼の作品には後期ロマン派の影響が強くみられます。しかし当時のスペインではこのようなドイツ的な音楽はあまり人気を得ることもなく、一時はピアニストとして活動するも、結局は小さな村で鳥の声の研究をしながらひっそりと暮らしたのでした。彼の音楽はここで聴ける弦楽四重奏でもわかる通り、表情豊かで美しいものです。第4 番はまるでルクーやドビュッシーのような洗練されたメロディと雄弁なテーマを持つ、絶妙にコントロールされた柔らかい作品です。各楽器の対話は活発であり、時には半音階的な和音に彩られながら曲が進んでいきます。未完に終わった第3 番は、幅広く劇的な序奏からめまぐるしく表情を変えて行き、途中で荘厳なフーガとなります。最後に置かれた3 つの小さな曲については、ほとんど詳細がわかりませんが、どれも考え抜かれた精緻な筆致を持った作品です。
8.572465
ヴォーン・ウィリアムズ:宗教的合唱曲作品集
モテット「旋風からの声」/真理のために勇敢に
ミサ曲ト短調
3つの合唱による讃歌<復活祭のための讃歌/クリスマスのための讃歌/聖霊降臨祭のための讃歌>
ジョージ5世の死を悼む涙
飛行体の車輪のヴィジョン/正義の精神
賛美のコラール
ティモシー・ブラウン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
アショク・グプタ(Org)
ジェイムズ・マクヴィニー(Org)
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)が1921年から22年にかけて作曲したト短調ミサは彼の宗教作品の中でもとりわけ有名です。英国後期ルネッサンスの様式と、彼自身の対位法への興味が融合した大作で、無伴奏の合唱のみで歌われます。しかし、このアルバムで興味深いのは、今までほとんど顧みられることのなかったいくつかの作品です。本来はオーケストラと合唱のために書かれた「3つの合唱による讃歌」(今回はオルガン伴奏による)や、オルガンと混声合唱のために書かれた「飛行体の車輪のヴィジョン」はほとんど耳にする機会がありません。この作品は彼の友人であった聖マイケル教会のオルガニスト、ハロルド・ダークのために書かれたもので、オルガン・パートには超絶技巧が要求されています。出所は旧約聖書のエゼキエル書で、そこに書き記された謎の飛行物体についての音楽です。
8.572466
レーガー:オルガン作品集第11集
12の小品Op.80〜第1-6番&第9-12番Op.80 <第1番前奏曲/第2番フゲッタ/第3番カンツォネッタ/第4番ジーグ/第5番アヴェ・マリア/第6番間奏曲/第9番無窮動/第10番間奏曲/第11番トッカータ/第12番フーガ>
13のコラール前奏曲Op.79b<第1番神よ、私を見捨てないでください/第2番われらが神は堅き砦/第3番主よ、今足を止めて/第4番永遠なる朝の光/第5番平和と喜びに満ちて私は出立する/第6番私の近しき最後について/第7番復活せよ、汝復活せよ/第8番キリストは死から復活する/第9番キリストは我が主である/第10番平和と喜びに満ちて私は出立する/第11番全ての神に感謝せよ/第12番主よ、今足を止めて/第13番なぜ私が悲しむ必要があるのか>
ハンス=ユルゲン・カイザー(Org)
※フルダ教会リーガー=ザウアー・オルガンを演奏
大量にあるにも拘わらず、レーガー(1873-1916)のオルガン作品があまり聴かれることがないのは、曲の渋さも原因の一つではないでしょうか?このアルバムに収録されている曲を聴いていると、そのような思いを拭うことができません。オルガンというと「華やかな降り注ぐ音」というイメージがありますが、これらの曲はもっと内省的で、外に向かってパワーを放出するのではなく、ひたすら内面の充実を図っているかのような印象を受けるからです。と言うのも、H.リーマンに作曲を学んでいた頃、若きレーガーはいくつかのオルガン作品を彼のもとに送り、その才能を認められたのですが、兵役を済ませて戻ったレーガーはすっかりうらぶれてしまい、自宅で両親と共に静養しなくてはいけなくなってしまいました。13のコラール前奏曲はそんな頃に書き始められた作品ですから、内省的になってしまうのも頷けるというものです。
8.572467
マルティヌー:フルートを含む室内楽曲集
フルート,ヴァイオリンとピアノのためのソナタH.254
フルートとピアノのためのソナタH.306
ピアノと木管楽器のための六重奏曲H.174
フルート,チェロとピアノのためのソナタH.300
ハルデン・マーティンソン(Vn)
ジョン・フェッリロ(Ob)
トーマス・マーティン(Cl)
リチャード・ランティ(Fg)
スザンヌ・ネルソン(Fg)
ロンダ・ライダ(Vc)
フェンウィック・スミス(Fl)、サリー・ピンカス(P)
チェコの作曲家、マルティヌー(1890-1959)の室内楽作品集です。フルートとヴァイオリン、ピアノのためのソナタH.254は1936年パリで作曲され、高名なるフルーティスト、マルセル・モイーズの妻に捧げられた曲です。コンパクトな4つの楽章からなり、プーランク風の軽快さも感じさせます。H.306のフルート・ソナタはナチス・ドイツの迫害を逃れ、ニューイングランドで書かれたもの。ニューヨークでは、クーセヴィッツキが彼を擁護し、落胆していたマルティヌーの力になったのです。ここで彼は、この土地固有の鳥の声(ヨタカ)に興味を持ち、終楽章ではその声が取り入れられています。1929年に書かれた六重奏曲H.174は12月のパリを連想させる曲。民謡からジャズまで様々な音楽が聞こえてきます。1944年に書かれた三重奏曲の自由な作風も期待通り。
8.572468
ショーソン:ヴァイオリン&ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲 ニ長調 Op.21
ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.3
スティーヴン・シップス(Vn)
エリック・ラーセン(P)
ウィハンSQ
メドウマウント・トリオ
ショーソン(1855-1899)の協奏曲ニ長調は、協奏曲と名付けられてはいるものの、実際はピアノと弦楽四重奏と、もう1台のヴァイオリンからなる六重奏曲です。偉大なヴァイオリニスト、イザイに献呈されており、初演も彼がヴァイオリン・パートを演奏、聴衆と批評家たちの心に強い印象を与え、この曲の人気を瞬時に揺るぎないものとしたのです。それ以来、フランスの室内楽曲の中でもとりわけ重要な作品の一つとなり、今に至っています。柔らかな和声に支配された美しいメロディは一瞬足りとも緊張感を失うことなく、全ての楽器が心を合わせ大いなる歌を紡いでいきます。第2楽章の物憂げなシシリエンヌは、フォーレの曲よりも儚げで移ろいやすい佇まいを持っています。第3楽章の胸をふるわせるような不安さ、終楽章での縺れ合うような音の動き。どこを切ってもフランス風味が溢れています。初期の作品であるピアノ三重奏曲も美しさの極みです。
8.572469
マニング:マンチェスター・キャロル
キャロル・シンガーズ・キャロル
素晴らしい語り/待降節のキャロル
クリスマスの花/受胎告知
クリスマス・ツリー/レット・イット・ビー・コールド
奇跡/天使/新しい子どもが生まれた
藁の金/メアリーのキャロル/子どもたちの名
それをナザレスと呼ぶ/我は信ず/今の歌
リチャード・タナー(指)マンチェスター・キャロラーズ
2007年に作曲された、21世紀の新しい時代のクリスマスの歌です。サシャ・ジョンソン・マニング(1963-)は、「どんなに世界は変わって行こうとも、感謝と謙虚さを失わず、常に純真な心を大切にしよう」という願いをこれらの愛らしい歌に込めたと言います。子ども時代の発見と驚きを見失いがちな大人のための音で聴く絵本です。
8.572470
独奏クラリネットのための音楽集
ヴィトマン(1973-):幻想曲
細川俊夫(1955-):EDI
ベリオ(1925-2003):歌
ライマン(1936-):ソロ
ルリエー(1882-1966):マイム
デニソフ(1929-1996):クラリネット・ソナタ
ゲール(1932-):モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディの戦い」によるパラフレーズOp.28
プスール(1929-2009):マドリガルT
レーマン(1937-):モザイク
ニーデル(1957-):テラコッタ
ジョリヴェ(1905-1974):アセーズ
エドゥアルド・ブルンナー(Cl)
スイスで生まれのドイツ系クラリネット奏者、エドゥアルド・ブルンナー。彼はモーツァルトやクロンマー、ウェーバーなど古典作品の名演ですでに良く知られていますが、現代作品にも意欲的に取り組んでいます。世界の名だたる作曲家に新作を依頼し次々と初演を行っている彼は、その驚異的な技術と表現力で、この楽器のためのレパートリーを飛躍的に広めることに成功しています。特筆すべきは、彼の紡ぎ出す音色の美しさで、どのような特殊奏法を行っても、その全てが圧倒的な存在感と説得力を持ち、かつて聞いたこともないような新しい共鳴を発見するスリリングな驚きを味わわせてくれるのです。収録されたどの曲も特徴的な美しさを持っていますが、一番の注目は細川俊夫による「EDI」でしょうか。曲のタイトル「EDI」はブルンナーのファーストネームの短縮形であり、作曲家と演奏家の親密さをも表しています。無音の部分に深い意味を込めるという、作曲家独特の思想はこの曲にも生きています。
8.572471
イタリアの歌曲とバラード集
トスティ:マリア/かわいい唇/最後の歌
 四月/君なんかもう/夏の月/セレナード
 理想
マスカーニ:セレナータ
トスティ:マレキアーレ/夢/暁は光から
 去りゆくことは少し死ぬこと
ドナウディ(1879-1925):ああ私の愛する人の
ステファーノ・セッコ(T)
デイヴィッド・アブラモウィッツ(P)
トスティの歌曲は聴きたいと思っても、実はあまり録音がないことで有名。何人かの名歌手たちが手掛けてはいるものの「これ」と言ったオススメ盤はなかなかありません。この盤に収録された歌曲のほとんどはトスティの作品で、彼が活躍した19世紀後半のイタリアでは、家庭の客間に家族や友人たちが集って、御自慢ののどを聴かせるのが大流行(今で言うとカラオケパーティのようなものでしょうか)。そんな時に手軽に歌えて、なおかつ芸術性の高いこれらの歌曲は引く手数多の大人気となったのです。ほとんどの歌のテーマは「愛」。時として燃え上がり、時として失われる愛。燃える瞳、暖かい腕、そして心ときめかす甘い唇。そういうものが、甘いメロディに乗ってじっくり歌われます。
8.572472
ドビュッシー&メシアン:2台のピアノのための音楽
ドビュッシー:白と黒で
メシアン:アーメンの幻影(1943)
ラルフ・ファン・ラート(第1ピアノ)
ヘコン・アウストベ(第2ピアノ)
ともに戦時中に書かれた2つの「2台のピアノのための音楽」です。第一次世界大戦中に書かれたドビュッシーの「白と黒で」は、その第2曲目に戦争の影響がはっきり表れています。タイトルについては、鍵盤の白と黒、そしてそれを混ぜ合わせた灰色がイメージされているといい、そちらもなかなか意味深です。活動的な第1曲、フランソワ・ヴィヨンの詩による第2曲、ドルレアンの詩による第3曲から出来ています。メシアンの作品は、深淵なる宗教的な瞑想の曲で、2台のピアノの役割が明確に分かれています。リズミックで華やかさを表現する第1ピアノはイヴォンヌ・ロリオが演奏し、メシアン(1908-1992)は第2ピアノでメロディと表現を担当するというものでした。この演奏では、2人の「現代音楽ピアニスト」が素晴らしい解釈を聞かせています。
8.572473
ケクラン:ペルシアの時Op.65
1.旅立ちの前のひるね/2.キャラバン(ひるね中の夢)/3.暗がりの山登り/4.すがすがしい朝、高い山間にて/5.町を望む /6.街道を横切る/7.夜の歌 /8.テラスから見る月の光/9.夜明けの歌/10.真昼の日差しを受けるばらの花/11.石像の泉の近くの日陰で/12.アラベスク/13.日暮れ時の丘陵/14.語り部/15.夜の平穏、墓地にて/16.真夜中のイスラム教修道増たち
ラルフ・ファン・ラート(P)
フランク、フォーレ、ドビュッシーら先人の影響を受けながらも、伝統的なハーモニーと作曲技法を独自に拡大し、時には無調の作品までをも書いたフランスの作曲家ケクラン(1867-1950)。彼は良き教師でもあり、近代和声学、対位法の著作も残し、また映画からもインスピレーションを受けるなど、多方面に渡って影響を及ぼした人でもありました。彼は夜になると望遠鏡で星を眺め、宇宙の神秘を解明しようと試み、またある時は神話や旅行記、未知の国についての書物を熱心に読んでいたともいいます。そんな知識人であり夢想家であった彼ならではのピアノ曲がこの傑作「ペルシアの時」です。「ピエール・ロティの『イスパーンの方へ』に基づくピアノのための組曲」という副題をもち、彼の特徴でもある静謐さと、東洋的な雰囲気が横溢した16曲からなる組曲で、時に聞こえてくる古代の響きや、砂漠の熱い風が感じられる、今の慌ただしい時間を忘れさせてくれるかのような音たちが蠢いています。こういう曲を演奏させたら右に出る者はいないであろう、ラルフ・ファン・ラートがさらりと弾いてのけています。
8.572474
ピアノ五重奏曲集
バックス:ピアノ五重奏曲ト短調
ブリッジ:ピアノ五重奏曲ニ短調H49a
アシュリー・ウェイス(P)
ティペットSQ
2曲の対照的なイギリスのピアノ五重奏曲を、アシュリー・ウェイスとティペットSQの素晴らしい演奏でお楽しみください。バックス(1883-1953)の作品は、1914年から15年にかけての彼の円熟期に書かれたもの。批評家エドウィン・エヴァンスに捧げられています。初演時にピアノを演奏したのは、おなじみハリエット・コーエン(彼のパートナー)。彼女がバックスに与えたモティベーションは測りしれないほどの大きさであったことを実感せざるを得ない作品です。一方、ブリッジ(1879-1940)の五重奏は、1904年から05年に書かれた最も初期の曲です。彼自身は出来上がりに不満があり、1912年に大幅な改訂を加えています。有名な「コベット賞」(イギリスの金満家が設立した若き作曲家のための賞)に応募するための試行錯誤が窺われますが、それはそれで若き情熱の発露と言えるのではないでしょうか。
8.572475(2CD)
カベソン:ティエントとバリエーション全集
ティエント集-新式タブラチュアによる曲集(1557)より
8 つのティエント集-Obras de musica(1578)より
ティエント集-Obras de musica より(続き)
バリエーション集-Obras de musica〜バリエーション集-新式タブラチュアによる曲集〜フーガ-Obras de musica より
6 つの音によるティエント-Musica nova(1540)より
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
アントニオ・デ・カベソン(1510-1566)はスペインのルネサンス時代の作曲家、オルガニストです。彼は幼児期に失明したものの、素晴らしい音楽的才能を発揮し、オルガンと鍵盤楽器のための作品を数多く残しました。当時はジョスカン・デ・プレの音楽が流行していて、カベソンも彼の声楽曲を鍵盤楽器用に編曲したものもありますが、一方、当時としては先鋭的な技法を用い、後のバロック音楽を先取りするかのような作品も数多くあります。彼の代表作であるティエントとは、イベリア半島に発生したポリフォニー様式の器楽作品の様式で、スペイン語の「触れる」という意味のtentar が語源と言われていて、その起源はフォリア(狂乱を表す舞曲)や、民謡にさかのぼることができます。形式は変化に富んでいますが、カベソンの曲は即興的な前奏とリチェルカーレを元にした、比較的厳格なもので、オルガン音楽の発達にも多大なる貢献をしています。
8.572477
アントニオ&ホアン&エルナンド・デ・カベソン:グロサ集
《アントニオ・デ・カペソン(1510-1566)》
恋をお望みの方は/サーナ・メ・ドミネ/憐れみたまえ/私は神が何かを与える時に行く/私の最後のため息/オザンナ(ジョスカン・デ・プレの「ミサ・ロム・アルメ」第6旋法より)/緑の美しい木/小さな楽しみは私を選ぶ/はかない喜びのために/シュザンヌはある日/私は死を持続する/私の熱烈なため息/別れの時には/フランス風カンシオン/誰かが教えてくれる/パンジェ・リングァ・デ・ウレダ
《エルナンド・デ・カベソン(1541-1602)》
シュザンヌはある日/甘き思い出-デュルス・メモワール/めでたし、海の星よ-アヴェ・マリス・ステラ/小さな楽しみは私を選ぶ
《ホアン・デ・カベソン(?-1566)》
私は嘆き悲しむ/
《アントニオ・デ・カベソン》
破壊から呼び出され
グレン・ウィルソン(ハープシコード)

録音:2012年6月1-3日シチリアピアナ・デグリ・アリバネージ,聖マリー・ホデゲトリア教会
幼児期に失明するも、オルガニストとして大成し、カルロス1世、フェリペ2世の主任オルガニストとして仕え、2度に渡ってヨーロッパを旅行するなど、スペインの鍵盤音楽の発展に多大なる貢献を果たしたアントニオ・デ・カベソンの音楽は、豊かなポリフォニーと即興的なフレーズに満ちた創造的なものです。彼の主要な作品は「ティエントと変奏曲全集」(8.572475-76)で聴くことができますが、このアルバムでは彼の息子エルナンドとその弟ホアンの作品を配することで、16世紀のスペイン鍵盤音楽への理解が一層深まるのではないでしょうか?この「グロサ」は当時流行していたシャンソンやマドリガルなどの世俗歌曲からの転用、また宗教的なものが極めて整理された状態で含まれているものです。当時の音楽を研究する上でも貴重な資料であると言えるでしょう。もちろん何も考えずにこのゆったりとした音楽に身を任せるのも一興です。
8.572480
エドゥアルド・フランク:ピピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.22
チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.42
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.23
サミュエル・アシュケナージ(Vn)
イェフダ・ハナニ(Vc)
ジェームズ・トッコ(P)

録音:2009年11月2-4日、2009年11月7日、2010年5月7-8日
プロイセン王国の州都であったヴロツワフ(現在はポーランド領)の裕福な銀行家の家庭に生まれたエドゥアルド・フランク(1817-1893)。彼はメンデルスゾーンに音楽を師事するだけでなく、親しい友人として彼と連弾コンサートを催すなど、強い影響を受けました。またシューマンとも親交を結んだことでも知られています。彼の作品は聴いてわかる通り、当時の気風を見事に表現したロマンティックなものばかりですが、何しろ彼はピアニストとしてだけでなく、教師としても優秀であったため、こちらの仕事に時間を取られてしまい、作曲する時間を存分に作ることができなかったようで、それが現在の知名度の低さに結びついているようです。ここでじっくり彼の作品に耳を傾けてみてください。溢れるばかりの旋律に満ちた三重奏、見事な構成を持つチェロ・ソナタ、そして美しすぎるヴァイオリン・ソナタ。ため息ものです。
8.572481
ペンデレツキ:聖アーダルベルト讃歌(1997)
ケルビムの歌(1986)
ソロモンの雅歌(1973)
コスモゴニア(1970)/ストロフィ(1959)
オルガ・パシェチニク(S)
ラファウ・バルトミンスキー(T)
トーマス・コニエチュニー(Bs)
イェジー・アルティズ(ナレーター)
ワルシャワ・フィルハーモニーCho
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
NAXOSの人気シリーズ、ヴィトのペンデレツキ(1933-)作品集。今回は合唱曲を5曲お届けいたします。今作も収録曲の作曲年代は40年に渡り、その作風の変遷を確かめることができる趣向になっています。1997年の「聖なるアーダルベルトの賛歌」は、まるでヴェルディの宗教曲を聴いているかのような平易で美しい和声を用いた曲です。聖ダニエル讃歌(8.557980に収録)と対をなす作品で、描かれているのは8世紀のプラハの人々のために殉教した司祭アーダルベルトの業績です。曲ごとに時代が戻っていく仕掛けとなっており、最後に置かれたストロフィは、彼が名声を確立した作品で、ギリシャ語、ヘブライ語、ペルシャ語のテキストと、断片的なフルートの音、パーカッションの応酬は、まさに「ゲンダイオンガク」そのものと言えそうな音楽です。この作品で、ポーランド作曲家同盟の第2回青年作曲家コンクールの第1位を獲得した若き作曲家は、その時どんな方向性を夢見ていたのでしょうか。
8.572482
ペンデレツキ:フォノグラミ・ホルン協奏曲、他
1.フルートと室内オーケストラのための「フォノグラミ」(1961)
2.オーケストラのための「ヤコブ目覚めし時」(1974)
3.弦楽オーケストラと打楽器のための「アナクラシス」(1960)
4.オーケストラのための「デ・ナトゥラ・ソノリス T」(1966)
5.ハープシコード,エレキ・ギター,ベース・ギター,ハープ,コントラバスとオーケストラのための「パルティータ」(1971…改編1991)
6.ホルンとオーケストラのための「ホルン協奏曲"冬の旅"」(2008…改編2009)
ウルズラ・ヤニク(Fl)…1
ジェニファー・モントン(Hrn))…6
エルジュビェタ・ステファンスカ(Cemb)…5
ミハル・ピンダキエヴィツ(エレキG)…5
コンラッド・クビッキ(ベースG)…5
バルバラ・ヴィトコウスカ(Hp)…5
イェルジ・チェムブルジンスキ(Cb)…5
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
2008年にペンデレツキ(1933-)自身の指揮によって日本初演が行われたホルン協奏曲(独奏は名手ヴラトコヴィチ)は、その幾分懐古的な音使いと、ホルンの超絶技巧が相俟って、すぐさま人気作品となり、瞬く間にCD リリースも行われ、多くの人たちが「現代におけるペンデレツキの存在価値」について思いを馳せるきっかけとなりました。このホルン協奏曲は、初演時から幾分の改編を経て、2010年に録音されたもの。当時の熱狂ぶりから一歩離れた冷静な聴き方ができるのではないでしょうか?他の5 つの作品は、60年代の“尖ったペンデレツキ”を中心に選曲。ヴィトによる安定感のある演奏は、ペンデレツキ・サウンドの変遷をじっくり味わわせてくれること間違いありません。こてこてのゲンダイオンガクからジャズの影響、インプロヴィゼーション、そしてネオ・ロマンティシズム。ペンデレツキの語法は、まるで流れる水のような柔軟さを持っています。
8.572483
レンツ:イングウェ
「天は語る」…第7番 ミステリウム - イングウェ
第1小節から/第90小節から/第113小節から/第179小節から/第314小節から/第357小節から/第465小節から第487小節から
ゼーン・バンクス(エレクトリック・ギター)
正直、解説も何も読まずにこれを聴いた時、「あれ?プレスミス?」と思ってしまうかもしれません。注意深くアーティストなどを見れば間違いないことはすぐにわかるのですが。この作品はルクセンブルク生まれの作曲家、ジョルジュ・レンツ(1965-)の連作「天は語る・・・」の一つの部分です。タイトルの「イングウェ」とはアポリジニの言葉で「夜」の意味。聖書や天文学などと精神性を結びつけた観念的な作品で、8.557019で第3番と4番を聴くことができ、こちらもボーイ・ソプラノやシンバルなどを使った独特の音が展開されていますが、この第7番で使われているのは、なんとエレクトリック・ギター。ジミヘンとオーストリアの砂漠に広がる広大な夜の風景をイメージしているのだそうです・・・。ギターを弾いているのは、1986年生まれの若きギタリスト、バンクス。天はついにエレキ・ギターまでをも味方につけたようです。
8.572484
シヴォリ:12のエチュード・カプリース&ジェノワーズ他
無伴奏ヴァイオリンのための「12のエチュード・カプリース」Op.25
ジェノワーズ-最初のカプリー
スペイン風フォリアOp.29
フルヴィオ・ルシアーニ(Vn)
マッシミリアーノ・モッテルレ(P)
カミッロ・シヴォリ(1815-1897)。現在では、この名前はほとんど忘れ去られてしまってますが、存命中は「パガニーニが認めた唯一の弟子」として、世界中から注目を集め、また絶賛されたヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストであり、また作曲家、ヴァイオリンの収集家として知られていました。彼の演奏は信じられないほどに技巧的であり華麗で、1846年にはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のイングランド初演を行うなど、同時代の作品の普及にも広く務めました。またその後の人生も波瀾万丈に富んでいて、それだけで1冊の本が楽々かけるほどのエピソードを持っていた人でもあります(余談ですが、彼の若いころの肖像画はメンデルスゾーンに似た面影を有していたりします)。そんなシヴォリによるこれらの作品は、まさにパガニーニを凌駕するほどの、抒情性と超絶技巧を駆使したものです。また、ピアノが活躍する「ジェノワーズ」や「スペイン風フォリア」も聴きものです。
8.572485
マルティヌー:バレエ音楽「調理場のレヴュー」他
ハープシコードと小オーケストラのための協奏曲 H246(1935)
室内音楽 第1番(夜の祭り) H376(1959)
ラウンド H200(1930)
調理場のレヴュー(バレエ・ジャズ)(1927)H161 (バレエ完全版…クリストファー・ホグウッド監修)
ロバート・ヒル(ハープシコード)
クラウス・サイモン(指,P)
ホルスト-シンフォニエッタ
マルティヌー(1890-1959)がイマイチ知名度を上げられないのは、もしかしたらあまりにも作品数が多すぎて、聴くべき曲がわからないからなのかも知れません。そんな時は、やっぱり楽しい曲から攻めてみませんか?この「調理場のレヴュー」などは入門曲としてうってつけ。結婚を控えたポットと蓋ですが、泡だて器が横やりを入れ、そこに布巾が介入、ほうきも交えてのケンカが始まります。最終的には仲直りをするという物語ですが、なんといっても音楽が楽しいこと!タンゴ、チャールストンなど当時流行の音楽が至るところに使われています。組曲版としての上演機会は稀にありますが、残念ながら、バレエとしては、初演以降忘れられてしまっていたもので、今回、ホグウッドによる綿密な校訂のもと、この全曲盤が蘇ったのです。ハープシコード協奏曲は、マルセル・ド・ラクール(パリ国立高等音楽院にチェンバロ科を設立した人物)に献呈され、初演もラクールが行いました。プーランクの「田園のコンセール」にもひけを取らないほどの、ネオクラシカル調の精彩に満ちた名作です。
8.572486
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽
マリン・オールソップ(指)
ボルティモアSO
バルトーク(1881-1945)作品の中でも、とびきりの人気を誇る2つの作品をオールソップ&ボルティモアSOの極上の演奏で。祖国ハンガリーの政治状況の悪化を嘆く59歳の彼は、アメリカへ亡命しますが、そこは決して居心地のいい場所ではありませんでした。健康状態も悪化、意気消沈していた彼の創作意欲に再び火をつけたのが、彼の友人たちが仕組んだと言われる「ボストンSOからの作曲委嘱」だったのです。バルトークはそれに応え、この「管弦楽のための協奏曲」を作曲。彼自身もすっかり意欲を取り戻し、その後も音楽活動を続けることができたのでした。もう1曲の「弦チェレ」は彼が55歳の時の作品で、民俗音楽の研究に没頭していた頃に書かれたもの。チェレスタが入ることで曲に神秘性を深みが与えられているのは、インドネシアノガムランの音色が念頭にあったと言われています。楽器の音色を純粋に楽しみたい人にもオススメの1枚です。
8.572487
カルウォヴィチ:交響曲ホ短調 「復活」Op.7
「ビアンカ・ダ・モレナ〜白い鳩」付随音楽Op.6
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
日本にも熱狂的なファンが存在するカルウォヴィチ(1876-1909)。NAXOS4枚目となるこのアルバムは、彼の最も野心作と言われる「復活交響曲」です。1901年頃から作曲を始め2年後に完成、ベルリンで初演されたこの作品、逆らえぬ運命に対して、悲劇から勝利までの魂の精神的な戦いを描いたというもので、マーラーの「復活」を思い起こさせますが、語法的には、ブルックナーやR.シュトラウス、チャイコフスキーに近いものです。曲の最後はテインパニの勇ましい響きに導かれ、高らかなコラールと金管の咆哮で幕を閉じます。合唱なしでも充分です。ヴィトとワルシャワ・フィル、この曲を演奏するのにこれ以上ふさわしい組み合わせはないでしょう。第2楽章のため息が出そうなチェロの独奏、たっぷりとした弦の厚み、輝かしい管楽器、そしてスケールの大きな音楽。
8.572488
アジアの弦楽四重奏曲集
周龍-Long Zhou(1953-):秦の歌(1982)
チナリー・ウン(1942-):スパイラルV(1990)
高平-Gao Ping(1970):明るい光と雲の影(2007)
武満徹:ア・ウェイ・ア・ローン(1981)
譚盾:8つのカラー<第1番:京劇/第2番:影/第3番:桃色の女優/第4番:黒い踊り/第5番:禅/第6番:太鼓と銅鑼/第7番:曇り/第8番:赤いソナ>
ニュージーランドSQ
<メンバー:ヘレーネ・ポール(Vn)/
ダグラス・ベイルマン(Vn)
/ギリアン・アンセル(Va)/
ロルフ・イェルツェン(Vc)>

録音::2010年7月21-24日カナダオンタリオ,聖アン教会
日本が誇る「タケミツ」を含む5人のアジアの作曲家による弦楽四重奏曲集です。琴の音を模したピツィカートが印象的な「秦の歌」、カンボジア生まれのチナリー・ウンの作品は、西洋音楽の形式の中に仏教思想を盛り込んだものです。四川省生まれのガオ・ピンはピアニストとしても有名で、日本にも来日しそのテクニックを披露していますが、ここでは不思議な響きを持った音楽を聴かせます。武満については、今さら紹介の必要もないでしょう。この作品は東京クァルテットの結成10周年記念の委嘱作です。譚盾の作品は、彼が1986年にニューヨークに来て初めて書いた曲集。幼年期の思い出から無調音楽まで様々なシーンが描かれた絵画的な小品集です。ニュージーランド弦楽四重奏団の演奏によって、異文化融合が一層際立っています。
8.572489
ブロシュ:ミサ・カンタータ他
ミサ・カンタータ(1999)
聖母マリア(1998)*/冷淡な歌(2009)
キリスト教会のブルース(1990/2005)
キリスト教会のポストリュード(2008)
イェルク・ワシンスキ(男声ソプラノ&ヴォーカル)
フェルナンド・クァトロッキ(指)
パデレフスキーPO
ジャック・デュプリース(Va)
デイヴィッド・コウルター(ミュージック・ソウ)
トーマ・ブロシュ(グラス・ハーモニカ、クリスタル・バシェット、キーボード、クリスタル・ベル、ウォーターホン、ベル、オンドマルトノ)

※*を除いて世界初録音
トーマ・ブロシュ(1962-)。彼の名前を聞いて思いだすのはオンド・マルトノ?それともグラス・ハーモニカでしょうか?とにかく「レアな楽器」を紹介することにかけては類を見ないアーティストとして知られ、クラシックだけではなくレディオ・ヘッドとコラボしたり、映画のサウンド・トラックに登場したりと八面六臂の活躍をしている人です。さあ、このアルバムはそんな彼の全てを丸ごと楽しむ1枚です。男声ソプラノの響きを生かした美しいミサ曲、そして様々な楽器の奇妙な音のオンパレードですが、これが何とも面白く、まるで氷の世界を彷徨っているような感じを受けるのではないでしょうか。
8.572490
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集 第2集
ピアノ・ソナタ変ロ長調 Illy No.14
ピアノ・ソナタニ短調 Illy No.2
ピアノ・ソナタハ短調 Illy No.34
ピアノ・ソナタハ長調 Illy No.27
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Illy No.24
.ピアノ・ソナタニ短調 Illy No.56
ピアノ・ソナタニ長調 Illy No.1
マッテオ・ナポリ(P)
第1集(8.572263)で、その多彩な音楽性の一部を確かめることができた18世紀初頭のヴェネツィアの音楽家ガルッピ(1706-1785)ですが、この第2集でも驚くばかりの素晴らしい作品を楽しむことができるでしょう。彼は最初オペラ・ブッファ作曲家としてデビューしましたが、処女作は不出来で、記録的な大失敗をしてしまったため、当時、傑出した教育者として知られるアントニオ・ロッティに教えを受け、チェンバロ奏者として名を上げたあと、もう一度オペラの作曲を試みたという努力家でもありました。彼は少なくとも80曲以上の鍵盤ソナタを作曲しましたが、生前に発表されたのはわずか12曲のみでした。そのうち、1781年にロンドンで刊行された「チェンバロの慰め」の6曲が比較的知られていますが、他の曲はまだまだ未知の領域に属しています。スカルラッティの名残りを感じさせる曲から、モーツァルトを予感させる曲まで興味深い作品が次々と登場します。
8.572491
ヴァレンティナ・リシッツァ/ピアノ・リサイタル
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
シューマン:子どもの情景Op.15
タールベルク:「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲Op.63
リスト:死の舞踏S525/R188
ヴァレンティナ・リシッツァ(P)

録音:2008年5月3-4日ドイツハノーヴァー,ベートーヴェンザール
世界中の批評家、聴衆から「電撃的なピアニスト」、「善意の天使による演奏」と絶賛される若きウクライナのピアニスト、ヴァレンティナ・リシッツァ。NAXOSにも彼女が伴奏として参加したCD(8.572506)があり、その才能の片鱗を知ることはできたのですが、「もっともっと聴きたい」とフラストレーションのたまりがちな1枚でもありました。今作では、そんな彼女の多彩な才能をたっぷりと味わっていただけることと思います。力強いベートーヴェン、一転してロマンティックの極みとも言えるシューマン。この2作品だけでも彼女の表現の幅広さを実感していただけるはずです。超絶技巧を知りたければタールベルクを聴いてみてください。その恐ろしいほどの指の回り方に舌を巻くことでしょう。そして最後のリスト。彼女がなぜ「恐ろしいまでの才能」と称賛されているのかが直感でわかるはずです。
8.572492
フェルディナンド・パエール:オラトリオ「聖なる墓碑」
マイール(1763-1845):序曲
パエール:オラトリオ「聖なる墓碑、イエス・キリストの受難」
マッデレーナ…コルネリア・ホラーク(S)
ジョヴァンニ…ベネッサ・バルコウスキ(A)
ニコデモ…トーマス・マイケル・アレン(T)
ジュセッペ・ダルマテア…ジェンス・ハーマン(Bs)
ミリアム・クラーク(S)
ヴァレル・バルナ=サバドゥス(A)
クラウス・ステップバーガー(T)
トーマス・スティンメル(Bs)
ジモン・マイールCho&アンサンブル
フランツ・ハウク(指)

録音:2008年9月3-7日 ドイツ インゴルシュタット,マリア・デ・ビクトリア教会
フェルディナンド・パエール(1771-1939)は1771年にパルマで生まれ、彼の父から最初の音楽の手ほどきを受け間ました。彼は同時代に活躍したシモン・マイールとともにその時代の「重要なオペラ作曲家」に位置付けられ、数多くのオペラを残しています。この作品はオペラではなくオラトリオであり、しばしば2 つの作品であると伝えられているものです。1803年にウィーンで初演された時は、ぶっきら棒にキリストの死から始まり、天使たちの合唱が続きます。受難の部分ははりつけの描写、復活、最後の審判に協力で表現的な音楽が与えられています。この盤では、マイールの書いた序曲を付けることで、この音楽を比類なき物語へと昇華させています。演奏はマイールの一連の演奏でおなじみのフランツ・ハウク。共感と緊張に満ちた名演を聴かせています。
8.572494
スズキ・エヴァーグリーン第7集
エクルズ(1675-1745):ヴァイオリン・ソナタト短調
グレトリ(1675-1745):タンブーラン(ヴァイオリンとピアノ編)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005よりラルゴ(ヴァイオリンとピアノ編)
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005よりラルゴ(原曲)
 ヴァイオリン・ソナタホ短調BWV1023より第1楽章(鈴木編)
 ヴァイオリン・ソナタホ短調BWV1023より第1楽章(原曲)
プニャーニ:ラルゴ・エスプレッシーヴォ
ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタホ短調
西崎崇子(Vn)
テレンス・デニス(P)
イリヤ・カーラー(Vn)
ゲオルク・エッガー(Vn)
ボリス・クレイナー(P)
第7集でまず学ぶのは、イギリスの作曲家エクルズの作品です。エクルズについてはほとんど知られてませんが、このソナタは何とも美しいメロディに満たされています。活発なグレトリのタンブーランは、移り変わる曲想が魅力的です。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタにも触れてみましょう。いつの日にか、ピアノの手助けなしに挑戦してください。クライスラーが愛したプニャーニの作品もステキです。そしてヴェラチーニの堂々たるソナタを仕上げれば、もうあなたは素晴らしいヴァイオリニストです。

8.572497
アイアランド:ヴァイオリン・ソナタ第1番&第2番他
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調
チェロ・ソナタト短調
ルーシー・グールド(Vn)
アリス・ニアリー(Vc)
ベンジャミン・フリス(P)
イギリスの実業家、ウォルター・ウィルソン・コベット(1847-1937)が開催した室内楽コンクールに入賞することは、当時のイギリスの若き作曲家たちにとって大きな励みとなりました。もちろんアイアランド(1879-1962)もそんな中の一人。彼は1907年のコンクールに作品(幻想トリオ)を提出し2等賞を獲得。コベットから多くの言葉をかけてもらい、喜んだアイアランドはヴァイオリン・ソナタをコベットに献呈したのです。第1番のソナタはどことなくフランス風の趣きを持った30分を越える大作。とりわけ第2楽章の幻想的なロマンスが耳に残ります。第2番はさらに流動的なメロディが印象的な作品です。チェロ・ソナタは幅広く歌うチェロ・パートが美しく、各楽章の色合いの対比も楽しい曲です。
ピアノ三重奏曲集でも素晴らしい演奏を聴かせてくれたグールド・ピアノ・トリオのメンバーによるソナタ集。シンプルなテーマを素直に展開させながら、フランス印象派風のタッチで丹念に色彩が紡ぎだされるアイランドの音楽の魅力をここでも痛感。ヴァイオリン・ソナタ第1番は、フランス的なパステル調の色彩と詩情が顕著で、グールドの細やかな演奏が、他の作品の亜流を感じさせない、初めて聴く気がしない親しみやすさを持って聴き手に迫ります。第2番は、より立体的な構成感を深めていますが、テーマのしなやかな展開の妙は変わりません。特に第2楽章、夜の帳からほんの僅かに光が差し込むメロディアスな曲想は実に感動的!そんな中でも、音楽的な起承転結を持たせているのも流石。アイアランドの音楽は、英国の田園風景を思わせるノスタルジックなメロディーを散りばめただけの音楽ではない、独自の深みを湛えていることをこの演奏から感じていただければ幸いです。【湧々堂】
8.572498
マーラー:交響曲「大地の歌」 ヘーネ・ヘンシェル(Ms)
グレゴリー・クンデ(T)
ハンス・グラーフ(指)ヒューストンSO
マーラーの「大地の歌」は「テノールとアルト、オーケストラのための交響曲」という副題を持っています。この曲が書かれたのは1908年ですが、その前年に長年務めたウィーン宮廷歌劇場を辞任、長女の死、そして自らの心臓病の診断と、かなり心が折れる事項が続いたのです。そして、彼もまた「第9のジンクス・・・ブルックナーやベートーヴェンが第9までしか書けなかったこと」を信じていました。そのためか、この曲には番号を与えることなく、ただの「交響曲」もしくは「連作歌曲」としての位置づけを与えたのでしょう。酒に溺れ、秋の静けさにな泣き、愛しき大地に別れを告げる者。曲全体に漂う厭世観、そして甘酸っぱい青春への回想は、終楽章の結びの言葉「ewig(永遠に)・・・」と共に、痛いほどに胸に迫ります。
8.572499
ショパン:歌曲全集
17の歌曲集Op.74
不思議な力/ドゥムカ(寂しき小唄)
ショパンのマズルカによる歌曲(ポーリーヌ・ヴィアルト=ガルシア編)<16歳(マズルカ第31番変イ長調Op.50-2)/私を愛して(マズルカ第23番ニ長調Op.33-2)/小鳥(マズルカ第47番イ短調Op.68-2)/コケット(マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1)>
オルガ・パシシュニュク(S)
ターリャ・パシシュニュク(P)
ショパン(1810-1849)はその生涯に、折りに触れて歌曲を書いていましたが、結局のところ出版することはありませんでした。理由はわかりませんが、もしかしたらこれらは彼の個人的心情の表れだったのではないでしょうか?ショパンの死後、友人のフォンタナが遺稿を整理し、16曲をまとめて作品74として出版します。その後、シュレジンガーがもう一曲追加し17曲としてまとまりました。このアルバムではその後に発見された2曲も歌われています。ピアノ曲とは違い、ほとんどが単純な有節歌曲で素朴なものですが、実に味わい深い音楽であることに間違いありません。このアルバムでは、ショパンの友人で才能ある女性作曲家ポーリーヌ・ヴィアルドがショパンのマズルカに歌詞をつけ「歌曲に設えた」作品も4曲歌われています。パシシュニク姉妹のチャーミングな演奏が知られざるショパンの姿を生き生きと伝えます。

8.572500
カステルヌオーヴォ=テデスコ:シェイクスピア序曲集第1集
ジュリアス・シーザーOp.7
じゃじゃ馬ならしOp6
アントニーとクレオパトラOp.134
真夏の夜の夢Op.108
コリオレイナスの悲劇Op.135
十二夜Op.73全て世界初録音)
アンドリュー・ペニー(指)
西オーストラリアSO
イタリア系ユダヤ人の家に生まれ、高い教養を持った彼は、シェークスピアの文学をこよなく愛していました。多くの作品に曲をつけ、その中には2つのオペラや、多数の歌曲とソネット、そしてこのシリーズで聴くことができる11の序曲などがそれにあたります。勇壮なファンファーレに先導されるジュリアス・シーザーの物語、メンデルスゾーンのアプローチとはかなり異なる「真夏の夜の夢」など、どれも極彩色のオーケストラをフルに鳴らした聴き応えのある曲です。ギター音楽の作曲家として認知されていますが、それだけではありません。彼の底力はすごいです。
8.572501
カステルヌオーヴォ=テデスコ:シェイクスピア序曲集第2集
お気に召すままOp.166
ヴェニスの商人Op.76/空騒ぎOp.164
キング・ジョンOp.111/冬の叙事詩Op.80
アンドリュー・ペニー(指)
西オーストラリアSO
ニュー・ミュージック・コンサーツ
1集(8.572500)で、その劇的で壮大な音楽に驚かされた人も多いことでしょう。カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)のシェイクスピア序曲集の第2集です。まるで映画を見るかのように、シェークスピアの名作の各々場面を彷彿させ、ここまで想像を膨らませるだけの音楽を書くには、相当作品を読み込んでいたのでしょう。「お気に召すまま」ではアーデンの森に響き渡る角笛の音で幕を開けます。羊飼いたちと主人公たちの恋愛騒動は、まるでワーグナーを思わせる森のささやきと共に描かれていくのです。トスカニーニに献呈された「ヴェニスの商人」では重苦しい弦のユニゾンで幕を開けます。聴き手は、シャイロックとアントニオのやりとりを頭の中で描きながら音楽に没頭できます。他の3曲も素晴らしい描写力です。
8.572503
イギリスのリコーダー音楽集
レイン(1950-):古風な組曲
アーノルド(1921-2006):リコーダーのためのコンチェルティーノOp.41a(F.レーン編)
ピットフィールド(1903-1999):リコーダー協奏曲
グレグソン(1945-):リコーダー,弦楽ハープと打楽器のための「3つのマティスの印象」*
ライオン(1938-):リコーダーのためのコンチェルティーノ
ピットフィールド:リコーダーと弦楽合奏のための「3つの海の上のスケッチ」
パロット(1916-):前奏曲とワルツ
バラード(1947-):レシピ
ジョン・ターナー(リコーダー)
ギャヴィン・サザーランド(指)
エドワード・グレクソン(指)*
ロイヤル・バレエ・シンフォニア

リコーダーと言えば、ルネッサンスの時代から変わることのない極めてシンプルな楽器です。しかしそこから出てくる音の多彩なこと。ここではそんな楽器のために書かれた現代の作品をご紹介いたしましょう。この録音のために編曲されたアーノルドのコンチェルティーノや、レイン作曲の「古風な組曲」、これらを始めとした数々の作品は、現代的な響きの中に、どこか鄙びた懐かしさを秘めた味わいです。
8.572504
偉大なる英国の讃歌集
パリー:「恵みを受けし二人のセイレーン」
スタンフォード:二重合唱のためのマニフィカト変ロ長調
スタイナー:私は主を見た
ネイラー:声は言った、叫べと
ウォルトン:十二使徒
ホルスト:今こそ主よ、僕を去らせたまわん
フィンジ:見よ満ち足りた最後の生贄
ジェレミー・フィルセル(Org)
ジェレミー・バックハウス(指)
ヴァサーリ・シンガーズ
荘厳で華麗な合唱曲を聴きたかったら、まずこのアルバムを手にしてみてください。英国の伝統を受け継いだ聖歌の数々を、国内人気1のヴァサーリ・シンガーズが熱き共感を持って歌いあげています。バリーの美しい抒情詩から始まり、19世紀から20世紀のイギリスを代表する7人の作曲家たちの「思い思いの神への賛辞」が並べられています。スタンフォードの華麗すぎる「マニフィカト」、オルガニスト、スタイナーの荘厳な「私は主を見た」、イギリスのオペラ作曲家ネイラーの力強い無伴奏合唱、「ベルシャザルの饗宴」で知られるウォルトンの「十二使徒」、シンプルな響きが魅力的なホルスト、そして最後は日本でも人気急上昇、フィンジの感動的な曲で締めくくるという、何とも贅を尽くした1枚です。
8.572505
ハード:ポップ・カンタータ
ジョナ・マン・ジャズ(1966)
プロディガル(1989)/おんどりのラグ
スインギン・サムソン/キャプテン・コラムの子どもたち
ジョン・アディソン(ナレーター)
アレクサンダー・ウェルズ(P)
ロンドン児童cho
ニュー・ロンドンOのメンバーロナルド・コープ(指)
1928年グロスター生まれのマイケル・ハード(1928-2006)はオックスフォードで音楽を学び、1953年から1956年まで英国海兵隊の音楽学校で作曲を教えました。その後は、2006年に亡くなるまで、ハンプシャーで音楽教育と作曲に力を注いだ人です。この「子どものための合唱曲集」は彼が最も得意とした分野で、詩や言葉への鋭い感覚と、歌いやすいメロディが顕著です。何と言っても、演奏する子どもたちの溌剌とした表情がたまりません。聖書の物語がジャズに生まれ変わった「ヨナ・マン・ジャズ」、全編スウィングで歌われる「プロディガル」「スウィング・サムソン」など、さまざまなお話が楽しい音として表現されています。
8.572506
トランペット編曲集
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
シューマン:幻想小曲集Op.73
ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120
バーバー:4つの歌<尼僧はヴェールをとる/年老いし男の秘密/この輝かける夜に/夜想曲>
※全てC.モリスによるトランペット編曲
クレイグ・モリス(Tp&フリューゲル・ホルン)
ヴァレンティーナ・リシッツァ(P)
トランペットの名手、クレイグ・モリス自身の編曲で新たに生まれ変わった4曲の名作です。最初のドビュッシーの「ベルガマスク組曲」は、ピアノのために書かれた曲ですが第3曲目の「月の光」はオーケストラで演奏されることも多いものです。しかし、ここではトランペットとピアノという全く違った色合いで、この名曲が供されます。シューマンの幻想小曲集はヴィオラやチェロ、オーボエ、クラリネットなどで奏され、またブラームスのソナタはもともとクラリネットかヴィオラで奏されるために書かれていますが、トランペットというのは、前例を見ないのではないでしょうか。そしてバーバーの4つの恋の歌も、トランペットと言うのは全く新しい切り口でしょう。しかしながらどの曲もあまりにもぴったりはまっていて、全く無理のない音楽として仕上がっているのには驚く他ありません。ここでピアノを担当しているリシッツァも知る人ぞ知る名手。まさに「新しい音の海への船出」という言葉がぴったりのステキな1枚です。
8.572509
サルヴァ:3つのアリア 他
室内オーケストラとチェロのための協奏曲
チェロとピアノのための3つのアリア
チェロとピアノのための小組曲
スロヴァキアの合奏協奏曲第3番
2台のチェロのための8つの前奏曲
ユージン・プロチャク(Vc)
ヤン・スラヴィク(Vc)
ノーラ・スクタ(P)
ユレイ・チズマロヴィチ(Vn)
ベルナデッテ・シュナフスカ(Org)
マリアン・レヤヴァ(指)スロヴァキアRSO
現代スロヴァキアの作曲家、サルヴァ(1937-1995)の刺激的な作品集です。彼は幼年期から作曲に興味を示し、ジリナ音楽院でチェロ、ピアノ、アコーディオンを学びます。またヤン・ジマーに個人的に作曲の教えを受け、ブラティスラヴァの芸術学院で1958年から1960年まで研究を続けましたが、ここの保守的な雰囲気は、彼の気質に合うことがなく、ポーランドのカトヴィツェへと活動の場を移し、ようやく満足の行く研究をすることができたと言います。ペンデレツキ、グレツキらから影響を受けた彼の作品は、幼い頃から親しんだ郷里の民族音楽と、現代的な美学を併せ持ち、豊かな音響と破壊的なパワーが横溢したものです。このアルバムは、彼のチェロ作品を収録。とりわけチェロの音色を愛していたという作曲家渾身の曲を聴くことができます。
8.572510
クリスマスの子守歌とキャロル
伝承曲:イエスの庭
ダーク(1888-1976):わびしき真冬に
ティーフェンバッハ(1960-):子守歌
ホルスト:おねむりなさい、いとしい子よ
伝承曲:コヴェントリー・キャロル
ブリテン:キャロルの祭典より間奏曲
伝承曲:新しいクリスマス
作曲家不詳:天国の熾天使
伝承曲:うまやのなかに
伝承曲:このすてきな香りはなんだろう?
伝承曲:神の子がお生まれになった
トゥルニエ(1879-1951):6つのノエル
ヘッド(1900-1976):ベツレヘムへの小道
伝承曲:不思議の森
ウィッチャー(1931-):ピープル、ルック・イースト!
ヌルミ(1948-):今宵、ベツレヘムにて
サルツェード(1885-1961):「アデステ・フィデレス」による演奏会用変奏曲
伝承曲:甘き喜びのうちに
伝承曲:まぶねのなかで
伝承曲:幼児キリストの子守歌
伝承曲:ウェックスフォードのキャロル
モニカ・ウィッチャー(S)
ジュディ・ローマン(Hp)

※12.17:オリジナル曲、他はすべてジュディ・ローマンによる編曲
ハープの響きは、なぜにこんなにも心を落ち着かせるのでしょう?まるで柔らかな羽のように、幼児を眠らせ、子を抱く母親までもを安らかな眠りに導くかのようです。ここに収録されているのは、12世紀から現代まで、およそ9世紀に渡るクリスマスの音楽を集めています。オリジナル曲以外は、ハーピストであるジュディ・ローマンの編曲によるものです。何と美しい、そして微笑ましい音楽。
8.572511
夜の中に〜現代の合唱作品集
エリック・ウィテカー(1970-):3つの花の歌-第2番「あなたの手のユリとともに」(1991)
スティーブン・ポールズ(1949-):日の終わり(2006)
ディヴィッド.N.チャイルズ(1969-):新月(2007)
アルヴォ・ペルト(1935-):もう少し長い路(2001)
ウィテカー:金の夜(2009)
チャイルズ:優しい夜のなかには(2011)…世界初録音
ジョン・タヴナー(1944-):神殿のヴェール-あなたは光で自身を覆う(2004)
アビー・ベティニス(1980-):宵の明星に(2005)
モルテン・ローリゼン(1943-):夜想曲第3番-この輝ける夜に(2005)
フランク・ティケリ(1958-):ここに輝く星がある(2000)
ディヴィッド.N.チャイルズ(指)
ヴォックス・ヒューマナ

録音:2011年10月3-5日テキサス,ダラス,ハイランド・パーク・ユナイテッド・メソジスト教会
このアルバムには、美しくも、どこか仄暗さを秘めた現代合唱作品が収録されています。ガルシア・ロルカの詩を用いたウィテカーの作品はゆっくりとしたテンポに乗って、複雑な調性による抒情的なメロディが歌われます。「ニ長調」で書かれたシンプルなポールズの作品、痛みすら伴うチャイルズの「新月」、慈悲深いペルトの作品(オルガン・パートも含む)などなど、合唱好きにはたまらない曲で満たされています。心が痛い時、この響きに耳を澄ましてみてください。ダラスに拠点を置く「ヴォックス・ヒューマナ」の暖かい歌声があなたをそっと包んでくれるはず。
8.572514
イギリス歌曲シリーズ第21集
ヴェナブルス:愛の翼の上でOp.38
ヴェネチア歌曲集-愛の声Op.22
真夜中の哀歌Op.6
壊れる、壊れる…壊れるOp.33-5
11月のピアノOp.33-4
命の短き要約Op.33-
歪んだ飛行Op.28-1
真夜中にOp.28-2
かばOp.33-6/モールヴァンにてOp.24
キスOp.15
アンドリュー・ケネディ(T)
イアイン・バーンサイド(P)
※世界初録音含む
NAXOSの人気シリーズ、イギリス歌曲集も第21集を迎え、いよいよ佳境に入って来た感があります。今回の作曲家は1955年生まれのイアン・ヴェナブルス(1955-)。彼はリバプールで生まれ、地元の大学で学んでいます。その後トリニティ・カレッジで音楽を学び、現在「イギリス有数の声楽曲作曲家」としての地位を築き、アーサー・ブリス協会の取締役でもあります。彼の書く曲は、もちろん現代的な響きや、様式を踏襲することもありますが、基本的に調性を逸脱することなく常に暖かさと仄暗さを帯びています。アンドリュー・ケネディの憂いを含んだ声が、またこれらの曲調にぴったりなことは言うまでもありません。世界初録音を含む意欲的な選曲にも注目です。
8.572515
ソレール:鍵盤楽器のためのソナタ集 第1番-第15番
ソナタ 第1番 イ長調/ソナタ 第2番 変ホ長調
ソナタ 第3番 変ロ長調/ソナタ 第4番 ト長調
ソナタ 第5番 ヘ長調/ソナタ 第6番 ヘ長調
ソナタ 第7番 ハ長調/ソナタ 第8番 ハ長調
ソナタ 第9番 ハ長調/ソナタ 第10番 ロ短調
ソナタ 第11番 ロ長調/
ソナタ 第12番 ハ長調「コドルニツから」
ソナタ 第13番 ト長調/ソナタ 第14番 ト長調
ソナタ 第15番 ニ短調
マルティナ・フィリャク(P)
カタルーニャの作曲家、オルガニスト。23歳でエル・エスコリアル修道院の聖職者となり、その後の31年間はひたすら祈りと瞑想にあてるという禁欲的な生活を送ったと言われています。そのような生活の中で、150曲ほどのチェンバロ・ソナタを含む500曲以上の作品を書き続けました。D.スカルラッティに学んだとされていますが、その真贋はわかっていません。ソレール(1729-1783)のソナタはスペイン国王カルロス三世の王子ガブリエルのために書かれたとされていますが、これらのソナタがどの楽器のために書かれたのかは断定できません。ほとんどはチェンバロのためのようですが、3楽章や4楽章で書かれたものは当時最先端の楽器であったフォルテ・ピアノのためであった可能性もあります。ここでは、ルビオ番号(20世紀初頭の研究者)に従って並べられています。生活は質素でしたが、音楽は驚くほど雄弁です。
8.572516
ソレル:鍵盤楽器のためのソナタ集第16番-第27番
ソナタ第16番変ホ長調/ソナタ第17番変ホ長調
ソナタ第18番ハ短調/ソナタ第19番ハ短調
ソナタ第20番嬰ハ短調/ソナタ第21番嬰ハ短調
ソナタ第22番変ニ長調/ソナタ第23番変ニ長調
ソナタ第24番ニ短調/ソナタ第25番ニ短調
ソナタ第26番ホ短調/ソナタ第27番ホ短調
ヴェスタルド・シムクス(P)
※2009年第55回マリア・カナルス国際ピアノコンクール第1位
カタルーニャの作曲家、ソレル(1729-1783)のソナタ集です。第1集(8.572515)の15曲とともに、ケンブリッジのフィッツウィリアム博物館所蔵の原稿による演奏で、この27曲分のスコアのみが、彼の真筆とされています。これらのソナタは、いくつかの例外を除くと、2つの同じ調性のソナタが対になっていて、どれもエレガントな"遅い部分"と、極めて活動的でよく動く「速い部分」が見事なコントラストを形成していて、この第2集のソナタはすべてその法則に当てはまり、実質6曲のソナタと見た方がよさそうです。とにかくまだまだ研究の余地のある興味深いこれらの作品を、2009年マリア・カナルス国際ピアノ・コンクールの覇者シムクスが見事な技巧で聴かせてくれます。
8.572517
マリピエロ:ピアノ作品集(1909-1921)
カルヴァルカーテ-乗り物(1921)*
月に寄せる小詩集(1909-1910)
秋の前奏曲(1914)
3つの古風な舞曲(1909-1910 頃)*
リム・リラ(P)

録音: 2012年2月9-10日 USA カリフォルニア,ルーカスフィルム Ltd,スカイウォーカー・サウンド
*=世界初録音:
最近、ようやく復興の兆しが見えてきたイタリアの作曲家ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(1882-1973)。このアルバム
では彼の青年期から壮年期にかけてのピアノ曲を聴くことができます。マリピエロ自身が記した友人への書き込みによると、彼はピアニストたちに対して、複雑な思いを抱いていたようで、彼らを「奇妙な敵」と呼びながらも、「何一つ悪意を抱いていない」など愛とも憎しみとも取れる言葉が書き連ねてあるのです。彼は作曲家としては珍しくピアノを正式に学んだことがなかったにもかかわらず(ヴァイオリンは6 歳から演奏していた)、25 歳のマリピエロによる最初の作品は「ピアノのための6つの小品」でした。以降も、彼は自身における「奇妙な敵」と戦い続け、驚くほどに華麗なテクニックを駆使し、時にはユニーク、あるいはシニカルな作品を書いていきます。1910年頃に書かれた「3 つの古風な舞曲」はその親しみやすさから人気を獲得、また「秋の前奏曲」や「月に寄せる小詩集」は、イタリアの音楽雑誌の付録として出版され、この多彩で繊細な音楽はたくさんの聴衆から高く支持されたのです。しかしこの曲に見られる陰鬱さは、彼の後の作品をも覆う一種の暗さでもあるのかもしれません。1921年の「カルヴァルカーテ-乗り物」は「つかの間のアイデア」とされ、風変わりなユーモアに満たされています。まだまだ全容解明は難しそうなマリピエロのピアノ曲。少しずつでも楽しんでいただければと思います。
8.572519(2CD)
ベートーヴェンと彼の師たち
ベートーヴェン:4手ピアノの為のソナタニ長調 Op.6
ネーフェ(1748-1798):モーツァルトの「魔笛」からの6つのやさしい小品…世界初録音
ベートーヴェン:ワルトシュタイン伯爵の主題による8つの変奏曲ハ長調 WoO67
アルブレヒツベルガー(1736-1809):前奏曲とフーガ変ロ長調…世界初録音
ベートーヴェン:3つの行進曲Op.45
 「君を思いて」による6つの変奏曲WoO74*…世界初録音
ハイドン:ディヴェルティメントヘ長調「師匠と弟子」Hob.XVIIa:1
ベートーヴェン:大フーガ変ロ長調 Op.134
マリア・フェラント(S)*
ドミートリー・ラフマノフ(フォルテピアノ)
カレン・ブライアント(フォルテピアノ)
幼いベートーヴェンが飲んだくれの父親から過酷な音楽教育を受けていたのは、半ば伝説化された逸話ですが、一方、優れた師匠たちにも恵まれていたようです。とりわけ彼を可愛がったのがネーフェでした。彼はボンの宮廷オルガニストであり、後進の指導を熱心に行った人で、自身も作曲家として高く評価されていました。このアルバムでは、ベートーヴェンを中心に、彼を取り巻く何人かの先人たちの「連弾の為のフォルテピアノ作品集」をお聴きいただけます。恐らくベートーヴェン自身も演奏したであろうこれらの作品は、いくつかの世界初録音を含んでおり、大変興味深く、また貴重なものばかりです。
8.572521
フルートとパーカッションのための音楽集第2集
ライサイト(1958-):ボッサではない/2.マクドナルド(1958-):悪魔のダンス/3-5.ファー(1968-):ケンバン・スリング<バリ/日本/インド>/6.ジョリヴェ(1905-1974):30分/7.アンドニャン(1978-):喜びへの憧れ/8.キラリ(1954-):ミニアチュア/9.マクドナルド:前奏曲第1番/10-11.ヤンセンス(1939-):エリザー/12.安倍圭子(1937-):道/13.ドゥヴレーズ(1929-):モビール/14.メルテンス(1953-):Inergys/15.ロサウロ(1952-):2つの小品より「別れの歌」
マルク・グローウェルス(Fl)
サラ・モーラドグロー(パーカッション&ヴォイス)
ローラ・ケサダ(第2フルート)
サイモン・ドレイクマン(第2マリンバ)
ジャッキー・コペンズ(第2マリンバ)
ピアソラから「タンゴの歴史」を献呈されたベルギーの名手、グローウェルがまたまたスゴイCDをリリースしました。あまりにも独創的な演奏をするために、常に賛否両論を巻き起こすグローウェルですが、今回のアルバムはいかがでしょうか?今回も珍しい作品が目白押し。世界中から選りすぐった、ここでしか聴けない作品ばかりが並んでいます。こちらが初体験の人は、第1集(8.557782)にもぜひ耳を傾けてください。
8.572522
ハルヴォルセン&ブルーニ:作品集
ヨハン・ハルヴォルセン(1864-1935):ヘンデルの主題によるサラバンドと変奏
パッサカリア(原曲:ヘンデルの組曲第7番ト短調HWV432)
ノルウェーの旋律による演奏会用カプリース
アントニオ・バルトロメオ・ブルーニ(1757-1821):6つの協奏的二重奏曲第4巻》
二重奏曲第1番変ホ長調
二重奏曲第2番ト短調-長調
二重奏曲第3番変ロ長調
二重奏曲第4番ニ長調
二重奏曲第5番ハ長調
二重奏曲第6番ヘ長調
ナターリア・ロメイコ(Vn)
ユーリ・ジスリン(Va)
大作曲家と呼ばれる一部の人の影には、重要な働きをしたにも関らず、死後忘れられてしまった星の数ほどの作曲家たちが存在します。このアルバムに収録された2人の作曲家も、どちらかと言えば後者に属するでしょう。と、言ってもハルヴォンセンは比較的名前が知られていて、偉大なるヴァイオリニストであったと同時に、ノルウェーの音楽発展にも寄与しました。中でも、この「サラバンド」と「パッサカリア」はバロック時代の音楽に新しい息吹を与えた名作。腕自慢のヴァイオリニストが、しばしばコンサートで取り上げているようです。ブルーニに至っては、ほとんど知られていません。イタリアのクネオで生まれ、23歳でパリへ移住。ヴァイオリニストとしての名声を確立し、デ・ムッシュ劇場のヴァイオリニストの地位を得てからオペラの作曲、指揮にも手を染め、その後はオペラ・コミークの責任者となり、20曲ほどの自作で大評判を取った人です。最終的にはイタリアにできた新劇場の監督となり、祖国で生涯を終えました。そんなブルーニの作品は、驚くほどに劇的で優美な旋律を持っています。こんなに美しい曲があるとは!と驚くことでしょう。
8.572523
ブゾーニ:ピアノ協奏曲Op.39 ロベルト・カッペッロ(P)
ルカ・マレンツィオcho
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO
イタリアの作曲家、フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924)が書いた唯一のピアノ協奏曲は、史上稀に見る破天荒なものでした。全5楽章、演奏時間は約80分、そして終楽章には男声合唱が入るというこの曲、もちろんピアノ・パートは演奏困難を極め、その上、曲もイマイチまとまりがなく、初演時ドイツの批評家からは「イタリア的な要素が入ってる」と言われ、イタリアの批評家からは、「ワーグナー風であり、終楽章もドイツ語だ」と批判される始末。歌詞はなんとアラーの神を讃えていたりしますし・・・。日本では、その存在は知られていたものの、なかなか演奏される機会がなく、ようやく2001年になって、あの超絶技巧で知られるアムランがようやく全曲初演を行ったというまさに珍曲中の珍曲ですが、この多種多様なものが流布する現在では、とりわけ奇異な存在と位置づける必要もありませんね。1976年、ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝した真のブゾジーニ弾き、カッペッロの納得の演奏でどうぞ。
8.572524
カカバーゼ:「幻の聴き手たち」他
「人魚」<魅惑の時/潜む危険/救出するケルビム>
「ロシアン・タブロー」<母なるヴォルガ/1917年/マトリョーシカ人形の踊り>
「シャツの歌」
「アラビアン・ラプソディ組曲」<マラケシュ/空想/サルタンの祭り>
「幻の聴き手たち」<旅人のメッセージ/屋敷の神秘/旅人は帰る/屋敷の怒り/再会/エピローグ>
キット・ヘスケス=ハーヴェイ(ナレーター)
クレア・マッカルダン(Ms)
マデリン・イーストン(Vn)
サラ=ジェーン・ブラッドリー(Va)
ボジダル・ヴコティッチ(Vc)
ベン・グリフィス(Cb)
クリスチャン・ウィルソン(P&Org)
ベン・フルブルック(Perc)
ジョージ・ヴァス(指)他
イギリス、アルトリンチャム出身の作曲家カカバーゼ(1955-)は5歳でピアノを始め、その後コントラバスを学びます。10代の初めから作曲を始め、合唱作品や室内楽、音楽劇などを書いています。ロンドンの王立ホロウェイ・カレッジで音楽を専攻し、ブライアン・デニスに作曲を師事、数年学んだ後、ギリシャや中東のダンスに興味を持ち、踊りながら教えるようになりました。そのエキゾチックなメロディと特徴的なリズムは彼女の創造力と漲る血潮を刺激したようで、ここで聴ける作品にもその影響が色濃く漂っています。一度聴いたら決して忘れられない、強い印象と切ない感傷を残す魅力的な曲集です。
8.572525
ペルト:ピアノ作品集
ピアノ・ソナチネ Op.1-1
ピアノ・ソナチネ Op.1-2
パルティータ Op.2<トッカーティナ/フゲッタ/ラルゲット/オスティナート>
アリヌシュカの回復による変奏曲
アリーナのために
アンア・マリアのために…世界初録音
ラメンターテ
ラルフ・ファン・ラート(P)
ジョアン・ファレッタ(指)
オランダ放送室内フィルハーモニー
「現代人の心の癒し」として、その作品が幅広い人気を得ている現代作曲家アルヴォ・ペルト(1935-)。しかし、このアルバムから最初に聴こえてくるのは、メカニカルで他動的な音楽です。そんな「ソナチネ」は1950年代の終わり、彼が20代の頃の作品でした。しかしその作風はソヴィエト政府の怒りを買う事になり、模索を重ねた結果、彼は「西洋音楽の根底」へ回帰することとなります。使われる音符は少なくなり、リズムは単純になっていきます。そして「アリーナのために」では無調も捨て去り、2006年の「アンナ・マリアのために」ではまるでモーツァルトか、リチャード・クレイダーマンのピアノ曲のような明快さを得ています。2002年に書かれた「ラメンターテ」はインドのアーティスト、A.カプーアの彫刻「Marsyas」にインスパイアされた作品で、ここでは、いつもの静謐なペルトだけではなく、激しい音の応酬も聞こえてくる音による記念碑です。
8.572527
ラテン・アメリカのギター音楽集
ポンセ:前奏曲
ロメロ(1913-1996):天使のタンゴ
ブローウェル:子守歌
ポンセ:ギター・ソナタ第3番より第2楽章
モレル(1931-):師匠/バリオス:大聖堂
カントラル:時計(V.コベスによるギター編)
ロメロ:グァサ
イラディエル(1809-1865):ラ・パロマ(V.コベスによるギター編)
コベス(1982-):チェリタンゴ
バリオス:ワルツOp.8No.4
ラミレス:アルフォンシーナと海
ピアソラ:バチンの少年(V.コベスによる声楽、ナレーター、ギターとピアノ編)
ビンセント・コベス(G)
エンリケ・モレンテ(ヴォーカル)
オラシオ・フェラー(ナレーター)
エステバン・オカーニャ(P)
1982年生まれのギタリスト、コベスによるラテン・アメリカ・ギター作品集です。彼は1997年から伝説のギタリスト、ペペ・ロメロに学び、その後世界中で演奏旅行を行い、多くのオーケストラとも共演しています。2008年にはモスクワのチャイコフスキー音楽院からルービンシュタイン・メダルを授与されていますNAXOSにはバロモの録音(8.570420)があり、こちらも好評を博しています。この演奏、お聴きいただければわかる通り、粒立ちのはっきりした明晰な音と、迸るような情熱に満ちた表情が素晴らしく、思い切り感情移入できそうです。おすすめはトラック14の「アルフォンシーナと海」。泣けます。
8.572528
ファンファーレ、カプリッチョとラプソディ
ネルソン(1929-):ケネディ・センターのためのファンファーレ
 中世組曲<レオナンへのオマージュ/ペロタンへのオマージュ/マショーへのオマージュ>
タル(1935-1994):テューダー朝の聖歌によるスケッチ
バーカー(1923-2006):サクソフォン四重奏とバンドのためのカプリッチョ
ボイセン(1968-):吹奏楽と打楽器のための交響曲第1番
タル:トランペットと吹奏楽のためのラプソディ
シカゴ・サクソフォン四重奏団
ヴィンチェ・ディマルティーノ(Tp)
インディアナ州立大学ファカルティ・ウィンズ
インディアナ州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
ケント州立大学ウィンド・アンサンブル
ジョン・ボイド(指)
ケネディ・センターの25周年記念のために書かれたファンファーレで幕を開けるこのアルバム。多種多様なインスピレーションから生まれた様々なスタイルの吹奏楽作品をお届けします。中世の3人の作曲家に敬意を表して書かれた「中世組曲」は、原曲の持つ中世的で敬虔な雰囲気が活かされた、得も言われぬ曲。思わず背筋が伸びることでしょう。「テューダーの聖歌によるスケッチ」はヴォーン・ウィリアムスと同じ聖歌を用いて書かれていますが、こちらは何とも現代風。炸裂するパーカッション、激しいリズムが遠くから聴こえる鐘の音と溶け合います。サクソフォン四重奏が縦横無尽に活躍する「カプリッチョ」、トランペットが高らかに響き渡る「ラプソディ」、悲しげで緊張感溢れるシャコンヌを含む「交響曲」。どれも吹奏楽の限界に挑戦するかのような難曲揃いです。
8.572529
ストレンジ・ユーモア
マッキー(1973-):ストレンジ・ユーモア
ドアティ(1954-):レイズ・ザ・ルーフ(ティンパニと
吹奏楽編)
ドアティ:ブルックリン橋
サイラー(1961-):天国の猟犬<私は夜になって、彼を逃がす/金色の星の入り口/小さな子どもの目に映る/自然-私と分かち合う/私の膝に自分自身を打ちすえる/私は彼、汝求める人>
トッド・クインラン(ティンパニ)
モーリーン・ハード(Cl)
ウィリアム・バーツ(指)
ラトガーズ・ウインド・アンサンブル
3人のアメリカ現代作曲家による「イカした作品集」です。マッキーの「ストレンジ・ユーモア」は元来、弦楽四重奏とジャンベのための作品で、アフリカの太鼓のリズムと、中近東の民謡を用いた「音楽の文化の融合」を目指しているといいます。この編曲において、曲は更に熱くなっています。ドアティの2つの作品はどちらも協奏曲風の体裁を取っていて、「レイズ・ザ・ルーフ」ではティンパニ、「ブルックリン・ブリッジ」ではクラリネットが活躍します。「レイズ・ザ・ルーフ」はエンパイヤ・ステート・ビルディングの高さに敬意を払い、「ブルックリン・ブリッジ」ではニューヨークシティを四方から見渡すパノラマの風景を描いています。サイラーの「天の猟犬」はイギリスの詩人、フランシス・トンプソンの同名の詩からインスピレーションを得た作品で、神の救いを求めて精神世界を旅する魂を描いたものです。伝統あるラトガーズ・ウィンド・アンサンブルによる渾身の演奏です。
8.572530
バクリ:ピアノ・ソナタ第2番他
前奏曲とフーガOp.91
ピアノ・ソナタ第2番Op.105
最愛の古典Op.100 第1番「バロック組曲」
最愛の古典Op.100 第2番「ソナティナ・クラシカ」
最愛の古典Op.100 第3番「2声のためのアリオーソ・バロックとフーガ・モノディア」
2つの叙情的スケッチOp.103
小前奏曲
芸術の幼年期<夜想曲第1番/ワルツ/夜想曲第2番/夜想曲第3番/即興曲第1番/即興曲第2番/夜想曲第4番>
音の主題による小変奏曲
エリアンヌ・レイエ(P)
1961年フランス、パリに生まれ、1980年にパリ高等音楽学校に入学、作曲を学んだニコラ・バクリ(1961-)。3年後には有名な「ローマ大賞」を獲得しイタリアへ留学します。フランスで最も嘱望される作曲家として活躍し、これまでに数多くの作品を書いています。彼の作品は、カテゴライズするのは難しいものですが、彼自身は、自らの音楽を「ネオ・ロマンティックではなく、ロマンティックであり、ネオ・モダニズムではなく、モダニズムだ」と語ります。確かにそれぞれが機知に富み、劇的で表現豊かなものです。このアルバムに収録された曲は、とりわけ古典に回帰した作風を持ち(例えいかなる個人的理由があろうとも)、表面上はとても聴きやすいものです。
8.572533
ヴィオラとピアノのための作品集
マルティヌー:ヴィオラ・ソナタ H355
コダーイ:アダージョ(ヴィオラとピアノ編)
ドホナーニ:ヴァイオリン・ソナタ 嬰ハ短調 Op.21(S.J.ブラッドリー編)
ヨアヒム:ヘブライの旋律 Op.9
エネスコ:コンチェルトシュトゥック
サラ=ジェーン・ブラッドリー(Va)
アンソニー・ヒューイット(P)
NAXOSの「地味ながらも極めて人気の高いシリーズ」として定着しているヴィオラ作品集。今作は抒情性と妙技、そして民族風な味付けを施された作品を集めた1枚です。マルティヌーが1955年に作曲しヴィオラ・ソナタはところどころに不思議な和音が顔を出すものの、全体的にはノスタルジックな雰囲気に満たされた親しみ易い音楽です。コダーイの夢見るように美しいアダージョは、彼の初期の作品で、ヴァイオリン、ヴィオラどちらでも演奏が可能です。ドホナーニの表現力豊かな作品は、彼がこの手の音楽の扱いに長けていたことを証明するものですし、ヨアヒムの「ヘブライの旋律」もなかなかの名曲です。エネスコのペーソス溢れる作品も聴きものです。
8.572540
内省、熟考のための詩編とモテット集
ウィリアム・クロチュ(1775-1847):詩編第47番
ヨハネス・エッカルト(1553-1611):マリアが教会へ行く時
ジェームズ・マクミラン(1959-):詩編第96番より「新しい歌」
アイヴァー・アトキンス(1869-1953):詩編第2番
ジョン・タヴナー(1944-):子羊
プーランク:「悔悛のための4つのモテット」〜第2番「わが庭のぶどうは刈り取られ」
バリー・ローズ(1934-):詩編第121番
トーマス・ハンフォース(1867-1948):詩編第145番
ポール・ハリー(1952-):キリスト、その栄光は天を満たす
プーランク:「悔悛のための4つのモテットより」第1番「恐れおののき、われは願う」
アトキンス:詩編第96番
チャールズ・スタンフォード(1852-1924):テ・デウム・ラウダムス変ロ長調
ジョン・スタイナー(1840-1901):神は世界を愛された
シュテファン・パウルス(1949-):巡礼者の賛歌
アトキンス:詩編第107番
エドワード・カトラー(1831-1916):詩編第27番
ジョナサン・ハーヴェイ(1939-2012):主よ、忘れたもうな
ジョージ・クーパー(1820-1876):詩編第19番
エローラ・セント・ジョンズCho
マイケル・ブロス(Org)
ノエル・エジソン(指)

録音:2011年4月29日-5月1日カナダオンタリオ,聖ジョン教会
神を賛美するための合唱曲集はなぜこんなにも真摯な思いに満ちているのでしょう。それは、プロテスタント、カトリック、東方正教会、中世の伝統に則り整然と歌い上げられるそれぞれの曲に、本当に数多くの人々の思いが宿っているからなのです。古くは16世紀の作品から、現代イギリス、フランス、スコットランドなどの作曲家たちの生み出した作品までその色合いは様々です。荘厳さと敬虔さを併せ持つこれらの曲。シンプルな響きを持つものもあれば、驚くほど複雑な対位法を有しているものもあり、その見事さには驚くばかり。神の存在を感じながら聞いてみてください。
8.572541
バッハ:名アリアと合唱曲集
もろびとよ歓呼して神を迎えよBWV51
ロ短調ミサ曲BWV232より「いと高き処に神に栄光あれ」
ロ短調ミサ曲BWV232より「地に平和を」
ロ短調ミサ曲BWV232より「高き天なる神に」
ロ短調ミサ曲BWV232より「主の御名において」
ロ短調ミサ曲BWV232より「いと高きところにホザンナ」
われ喜びて十字架を担うBWV56
喜ばしい安息、好ましい魂の歓喜BWV170
マタイ受難曲BWV244より「来たれ、娘たちよ、われとともに嘆け」
マタイ受難曲BWV244より「われは汝にわが心を捧げん」
マタイ受難曲BWV244より「おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け」
マタイ受難曲BWV244より「憐れみたまえ,わが神よ」
マタイ受難曲BWV244より「ああ,血と傷にまみれし御頭」
マタイ受難曲BWV244より「われに返せ,わがイエスをば!」
マタイ受難曲BWV244より「われらは涙ながらここにひざまずき」
われ満ちたれりBWV82
ロ短調ミサ曲BWV232より「平和をわれに」
ドレスデン室内cho
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
ケルンCO
ドイツの重鎮指揮者、ヘルムート・ミュラー=ブリュールが丹精込めて演奏してきたバッハの声楽作品の中から、良いところをセレクトして1枚のアルバムにまとめました。誰もが知っている曲よりは、少し地味だけど、絶対聴いておきたいカンタータからの名アリアと、大作「マタイ」と「ロ短調ミサ」からの聴きどころを収録。バッハの宗教音楽を聴く喜びを存分に味わうことができるようになっています。
8.572548
ザドール:5つのコントラスツ・子どものための交響曲他
弦楽,ブラスのためのアリアとアレグロ
管弦楽のための5つのコントラスツ
子どものための交響曲<アレグロ・モデラート/おとぎ話/軍楽セレナード/農場>
ハンガリー奇想曲
チャールダッシュ狂詩曲
マリウス・スモリジ(指)
MAVブダペストSO
ザロール・ユージン(1894-1977)はハンガリーのバータセクに生まれ、幼い頃から音楽の才能を発揮、とりわけピアノなどの鍵盤楽器の技術には目覚ましいものがありあmした。16歳の時にR.ホイベルガーと共にウィーンで学び、その後ライプツィヒに移住。そこでレーガーの弟子となります。ミュンスター大学で博士号を獲得、新ウィーン音楽院で教鞭を執ります。1928年には大学を退官、1977年に亡くなるまで作曲に専念し、4曲の交響曲を始めとした数多くの作品を残しています。彼は珍しい楽器を好んだことでも知られ、ツィンバロンやアコーディオンなどのためにも協奏曲を作曲しました。映画音楽の作曲家としても知られています。このアルバムにはそんなザドールの様々な曲を収録。まさに映画音楽ばりの迫力を持つ「5つのコントラスツ」、彼自身の子どもたちのために作曲された「子どものための交響曲」(・・・なんとも機知に富んだ楽しい作品!)ハンガリーの血が騒ぐ奇想曲、狂詩曲。などなど魅力的な曲が並びます。
8.572549
ザドール:エレジーと舞曲、他
エレジーと舞曲(1954)
オーボエ協奏曲(1975)
弦楽のためのディヴェルティメント(1954)
管弦楽のためのスタディ
ラースロー・ハダディ(Ob)
マリウス・スモリジ(指)MAVブダペストSO

録音:2011年9月9-11日ブダペストハンガリー放送第6スタジオ
ユージン・ザドール(1894-1977ハンガリー名…ザードル・イェネー)はハンガリーのバータセクに生まれ、アメリカ合衆国に移住した作曲家です。音楽を学んだのはウィーンとライプツィヒで、マックス・レーガーにも師事したことがあり、重厚な作風はここで身につけたといってもよいでしょう。1921年からは新ウィーン音楽院で教え、1935年からはブダペスト音楽院でも教鞭を執ります。しかし第二次世界大戦が勃発するとアメリカへ行き、映画音楽の分野でも大きな貢献を果たしました。彼の作風は「椿姫とルルの間」のようなスタイルとされ、伝統的な音色と20世紀のイディオムが融合した独自の作品がいくつも生み出されています。牧歌的な「エレジーと舞曲」、快活で表情豊かな「オーボエ協奏曲」と「ディヴェルティメント」、管弦楽の可能性の極限を追求したかのような「スタディ」と、ヴァラエティ豊かな音が詰まっています。彼の作品が気に入った方は同じ演奏家による作品集(8.572548)もどうぞ。更に色とりどりの刺激がお待ちしております。
8.572550
プレイエル:交響曲とフルート協奏曲
交響曲変ロ長調(Benton125)
交響曲ト長調(Benton130)
フルート協奏曲ハ長調(Benton106)*
パトリック・ガロワ(指&Fl*)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
オーストリアで生まれ、ハイドンに学び、そのまま行けばベートーヴェンの良き先輩として活躍したであろうプレイエル(1757-1831)ですが、1783年にフランスに移り、名前を改名してから(以前はプライエルであった)は、ロンドンで成した財で邸宅を購入、そして師であるハイドンの楽譜を出版するために立ち上げた音楽出版社が成功を呼び、ついにはピアノ制作会社までをも設立するに至ったというのですから、人生全く何が起こるかわかりません。こんな多彩な活躍をした彼ですが、その作品数もとても多く、一時期はヨーロッパにおいて「最も有名な作曲家」として知られていたほどであり、ここで聴ける2つの交響曲などからは、その才能を存分に感じることができるでしょう。彼の唯一のフルート協奏曲であるハ長調の作品も、きらめくような美しさを備えています。最近は指揮者として活躍している名手ガロワですが、ここでは文句なしのフルートを聴かせます。
8.572553
インス:交響曲第5番「ガラタサライ」他
ホット,レッドコールド,ヴィブラント(1992)
交響曲第5番「ガラタサライ」(2005)
言葉のないレクイエム(2004)
赤外線の前
トゥライ・ウヤル(S)
レヴェント・ギュンドゥズ(T)
アニル・キルキイルディズ(Boy-S)
トルコ文化省cho
セルヴァ・エルデナー(ヴォーカル)
オルカ・クンタサル(S)
ギュヴェンチ・ダギュストゥン(Br)
ネヴァ・オズゲン(ケメンチェ)
アリ・チャブク(タンブール)
カムラン・インス(指)ビルケントSO
トルコ系アメリカ人の作曲家、カムラン・インス(1960-)はイスタンブール工科大学で作曲を教えながら、活発な創作活動を行っています。彼の音楽はどれもエネルギーに満ち、聴く者を自然に元気にさせる力を備えています。交響曲第5番「ガラタサライ」はトルコの最も有名なサッカー・チームの創立100年を祝して作曲されたものです。トルコ国中にサポーターを持ち、2006-07シーズンには稲本潤一も所属していたという強豪。どれほど祝祭ムードを盛り上げても足りることはありません。インスはそんな希望を120%かなえたようです。「通常の彼の作品よりは穏健である」と評されてはいますが、合唱とソプラノ、テノール、ボーイ・ソプラノの独唱を従えたオーケストラの巨大な音響は、聴き手の心を守り立てるには充分過ぎるほどです。「ホット、レッド、コールド、ヴィブラント」はミニマル・ミュージックの爽快感に若干の衝撃が加わった曲。スパイスの効いた逸品です。「言葉のないレクイエム」は2003年に起こったイスタンブールへのテロリストによる爆撃を悼み書かれた曲。こちらは少数民族の歌い手による悲しげな歌で始まり、大音量で断絶されるまでそれは続きます。攻撃、混乱、パニックが音で表され、祈りの歌で曲を閉じます。
8.572554
インス:コンスタンティノープルの陥落
トルコの民族楽器と声楽の為の協奏曲(2002/2009)
交響曲第2番「コンスタンティノープルの陥落」
ピアノ協奏曲(1984)
赤外線のみ(1985)
ネヴァ・オズゲン(ケメンチェ)
ヴェラレッティン・ビジェル(ネイ)
アリ・ベクタス(ズールナー1)
セブデット・アクデニス(ズールナー2)
ビルケント・ユースcho
カムラン・インス(指)
イシン・メティン(指)
ビルケントSO
とことんまで、トルコにこだわる作曲家インス(1960-)。今回のアルバムでもそのポリシーが炸裂。強烈な音世界を見せてくれます。まずは民族音楽と楽器を用いた「協奏曲」から。日本でもおなじみのあの音色がふんだんに使われていて、妖しい雰囲気満点の音楽となっています。メインの交響曲第2番は、古代から続いたローマ帝国が滅亡するきっかけとなった1453年に起きた戦いを描いたもの。現在のイスタンブルの前身である、東ローマ帝国の首都であった都市コンスタンティノープルが、オスマン帝国のメフメト2世の侵攻により陥落するまでの情景です。こちらは民族楽器は使われていないのですが、東洋的で哀調を帯びたなメロディや、迫力たっぷりな戦いの場面はイヤというほど耳に残ることでしょう。最後は無情感を残して曲を閉じます。暴力的な音と打楽器的な扱いを受けるピアノが面白い「ピアノ協奏曲」、作曲家が編愛する「赤外線」の音楽、と、どれも興味深い曲ばかり。
8.572555
ラッブラ:弦楽四重奏曲第1,3,4番
弦楽四重奏曲第1番ヘ短調Op.35
弦楽四重奏曲第3番Op.112
弦楽四重奏曲第4番Op.150
マッジーニSQ
[ジーナ・マッコーマック(Vn)、デヴィッド・エンジェル(Vn2)、マーティン・オートラム(Va)、マイケル・カズノフスキ(Vc)]
イギリスの作曲家ラッブラ(1901-1986)の弦楽四重奏曲は、すでに第2番(8.572286)がリリースされており、その夢幻的な響きに心奪われた方も多いことでしょう。このアルバムでは、彼が作曲した残りの3曲を収録。さらにラッブラの世界に入り込むための格好の1枚となりました。第1番は、ホルストが亡くなった1934年に作曲を始め、その年に初演されました。しかし彼は終楽章がどうしても気に入らず、ヴォーン=ウィリアムズの奨めもあり、1946年になって新しい物を差し替えています。このアルバムでは、その1946年版を収録しています。第3番以降は少し神秘的な雰囲気も感じられる音楽です。
8.572556
コルネリウス:歌曲全集第1集
6つの歌Op.1
悲しみと慰めOp.3
花嫁の歌
ベルタにOp.15
ラインの歌<第1番:はるか遠くに/第2番:便りOp.5-1/第3番:ラインに/第4番:記憶>
3つの歌Op.4
クリスティーナ・ランドシャーマー(S)
マルクス・シェーファー(T)
マティアス・ハウスマン(Br)
マティアス・ヴァイト(P)

録音:2010年9月19日、2010年1月13日、2011年24-25日、2010年1月12日、,2011年2月12日,4月18日、2010年1月15日…27-29ドイツミュンヘン,バイエルン放送第2スタジオ
少年時代から歌曲を書き始めるも、正式に作曲を学び始めたのは17歳になってからというドイツの作曲家コルネリウス(1824-1874)。彼はリストやR.ワーグナーに心酔ワーグナーの影響を強く受けた歌劇作品を書きましたが、結局のところ「新ドイツ楽派」の配下に入ることはせず、独自の路線を貫き通したのでした。彼は器楽曲よりも声楽曲を好み、約100曲ほどの歌曲と、20曲以上の二重唱、そして男声合唱曲などを書きましたが、これらのほとんどは自身のテキストを用いるなど、文学的素養も高かった人でした。NAXOSは彼の歌曲を全曲リリースし、この忘れられた天才を再度この世に蘇らせます。精緻なピアノ・パートに支えられた生き生きとしたメロディは、確かに想像力豊かな音楽家の手になるものです。
8.572557
コルネリウス:歌曲全集 第2集
6 つの歌 Op.5〜<第2番:眠る子に/第3番:見知らぬ人/第4番:頌歌/第5番:信じられないこと/第6番:役割>
孤独な涙は何をするの?(1848)
なぜバラの花は青白く?(1862 頃)
3つのソネット(1859-1861)
夕暮れの想い(1861)
回想(1862)
夕べの想い(第1稿,1862)
夕べの想い(第2 稿,1863)
落日(1862)/幼い子(1862)
恵まれた(1862)/幻影(1865)
盗賊の兄弟(1868-1869)
湖で(1848)/私の心の奥深く(1862)
クリスティーナ・ランドシャーマー(S)…3.5
マルクス・シェーファー(T)…1.13.14.18
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(Br)…6.7.11.12.15.19.20.21
マティアス・ハウスマン(Br)…2.8-10.16.17
マティアス・ヴァイト(P)

録音: 2010 年1 月.9 月.12 月.2011 年2 月.4 月 ミュンヘン バイエルン放送 第2 スタジオ
1824 年にマインツで生まれ、ベルリン、ヴァイマール、ウィーン、ミュンヘンを経て、50 歳になる直前にマインツで没した作曲家コルネリウス(1824-1874)。ワーグナーやリストと親交を結んだものの、その作品にはあまり先人たちの影響は感じられず、極めて独奏的な作品を多く残しました。若い頃は俳優を目指していたのですが、彼を応援していた父の死後は音楽の道を志し、歌劇「バグダッドの理髪師」で成功を収めた後は、良き家庭人として過ごしたということです。彼の作品のほとんどは歌曲であり、そのテキストも彼自身の手によるものが多いのですが、ここに収録されている曲は様々な詩人のテキストが用いられています。時にワーグナー的な和声を映し出している曲もありますが、全体的には、控えめな伴奏と移ろいやすい旋律を持つセンシティヴな曲が多く、聴き手にもある種の緊張感を要求する「大人のための」歌曲と言えるでしょう。
8.572558
コルネリウス:歌曲全集第3集
3つの歌(1848)<春に/夜明けの歌/朝の風>
羊飼いの夜の歌/月明かりの夜
頭痛を治すためのプレジオサの魅力
小さな蜂/夏の中の春
私は悲しさの腕の中にいるようだ
ヒルシュラインは森へ散歩に行った
3つの二重唱曲Op.6(1861-1862)
4つの二重唱曲Op.16
来たれ、去れ、死よ/別離と忌避
星の夜に/裏切られた愛/君と僕
海で/2つの目は丘の上を見渡し
裏切り者の死
クリスティーナ・ランツハーマー(S)
マルクス・シェーファー(T)
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(Br)
マティアス・ハウスマン(Br)
マティアス・ヴァイト(P)

録音:2010年1月,9月,2011年2月ドイツミュンヘン,バイエルン放送第2スタジオ
マインツで生まれ、その地で没したペーター・コルネリウス(1824-1874)。彼は作曲だけでなく詩作の才能にも恵まれており、数多く残された歌曲に用いられたのはほとんどが自作の詩であったことでも知られています。しかしながらこの第3集には、友人や同時代の詩人たちの詩を用いた、様々な面持ちの歌曲たちが収録されています。これまでほとんど顧みられたことのない二重唱も聴きものです。微笑とユーモアを持つエミール・クーの詩や、格調高いアイヒェンドルフの詩など、その響きにも耳を傾けたいところです。彼の作品の特徴は、どんなに深い悲しみに打ちひしがれていたとしても、またどんなに喜びに胸がときめいていたとしても、決して自分を見失うことのない、程よい節度が感じられるところにあるのではないでしょうか?
8.572559
クライスラー&ジンバリスト:弦楽四重奏曲他
クライスラー:弦楽四重奏曲イ短調(1919)
ジンバリスト(1890-1985):弦楽四重奏曲ホ短調(1931/1959改編)
イザイ:夕べのハーモニーOp31(1924)*…世界初録音
ファインアーツSQ
[ラルフ・エヴァンス(Vn)、エフィム・ボイコ(Vn)、ニコロ・ユージェルミ(Va)、ヴォルフガンク・ラウファー(Vc)]
オーティス・クレーバー(指)フィルハーモニック・オーケストラ・オブ・エウロペ*
伝説のヴァイオリニストたちによる弦楽四重奏曲をじっくりと。クライスラーについては、もう説明の必要もないでしょう。3歳からヴァイオリンを学び、作曲は一時期ブルックナーにも師事していたという彼、その演奏はもちろんのこと、数々の愛らしい作品も良く知られています。とは言え、彼が弦楽四重奏曲を書いていたとは!…とは言え、この曲は思いの他シリアスであり、そんな点が却って人気をなくしてしまったのかもしれません。ジンバリストも名ヴァイオリニストであり、クライスラーの友人でした。ロシアでユダヤ系の家庭に生まれ、1911年にボストンSOと共演してからアメリカに定住、素晴らしい活動をしています。2人ともイザイを大変尊敬したいたと言い、このアルバムにはそんなイザイの知られざる作品「夕べのハーモニー」も収録されています。世紀末音楽とは全く違った世界に属する音がここにあります。
8.572560
リスト:ピアノ作品全集第34集
ファウスト交響曲(2台ピアノ版S647/R369 (S108/R425 第2稿による)
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ(ヴィットーリオ・ブレスキアーニ&フランチェスコ・ニコロージ)
マルクス・ウルマン(T)
ユルゲン・プッシュベック(指)
ヴァイマール・リスト音楽院室内cho
男声セクション
愛と波乱に満ちた生涯を送った、名ピアニスト&作曲家フランツ・リスト(1811-1886)。彼は多くのピアノ曲だけでなく「交響詩の創始者」としても偉大なる足跡を残しています。そんな彼の代表作の一つ「ファウスト交響曲」の2台ピアノ版の登場です。1830年代にベルリオーズからゲーテの「ファウスト」を奨められ愛読していたリストですが、1852年、ベルリオーズから「ファウストの劫罰」を献呈されたのを機に、1854年に管弦楽のための「3人の人物描写」を書きワイマールで初演。その3年後に合唱部分を書き加えます。2台ピアノ版の編曲は1862年に行われ、その後1874年には第2楽章「グレトヒェン」のピアノ独奏版も作られています。その後、幾度となく手を加え、最終的な改訂は1880年に行われています。大掛かりな作品ですが、2台ピアノで聴いても、原曲に匹敵するほどの色彩感が感じられるのはさすがリストと言う他ありません。もちろん最終部分には男声合唱を準備し、この演奏家泣かせの大作をとことん表現し尽くしているのも素晴らしいの一言です。
8.572564
ヴィラ=ロホチェロのための作品集
ソナタ第2番(2009)
哀歌(バージョンB)(2008)
オラシオン・セレーナ(2004)
エクスプレシオーネス<彼は私の感覚をひととき停止させた/喜びと愛と/私の心に燃えて/幸せな夜に/こんなに穏やかな愛に満ちた/彼の優しい手で/赤裸々な精神の自由>
アシエル・ポロ(Vc)
アマイア・ジピチラーヤ(P)
ラファエル・ロメオ(Vo)
ゲラルド・ロペス・ラグーナ(P)
スペインの現代作曲家の中でも最もダイナミックな作品を書くことで知られるヴィラ=ロホ(1940-)のチェロ作品集です。以前リリースの協奏曲集(8.570443)でも、その少々不気味な音楽が癖になったものですが、このチェロ作品集も負けず劣らず個性的です。「オラシオン・セレーナ(穏やかな祈り)」は2004年にマドリッドで勃発した同時多発テロの犠牲者に捧げる哀歌であり、自らの存在価値を問われるような深遠な曲調です。聖ヨハネの言葉を元にした「エクスプレシオーネス」は痛みすら覚えるようなチェロによる慟哭です。同じく“慟哭”の音楽「哀歌」ではフラメンコ歌手ロメロと、多重録音によるチェロ・アンサンブルの果てなき応酬が繰り広げられます。悲痛な歌には救いもないようです。
8.572565
期待の新進演奏家シリーズ〜フローリアン・ラルース
ダウランド:ファンシー
 涙のパヴァアーヌ
ダウランド:ファンタジア
レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリース
ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ
ダンジェロ(1955-):2つのリディア調の歌
コスト(1806-1883):ル・デパル-劇的幻想曲Op.31
フローリアン・ラルース(G)
2009年、アメリカ・ギター財団による国際コンクールの覇者、フローリアン・ラルースの受賞記念アルバムです。彼は1988年に生まれ8歳からギターを学び、すでに多くのコンクールに参加、その実力は少しずつ認められている逸材です。このアルバムでは、類い稀な技巧を示すかのように、広い範囲の時代から選曲されており、この見事な選曲にこそ彼の自信が見て取れるではありませんか。ダウランドの落ち着いた響きに漂う大人の風格、優雅なレゴンディでの滑らかな音作り、そして憂愁ただようホセのソナタ、時の隙間から一つ一つ音を紡ぎ出すかのようなダンジェロの作品、様々な曲想が楽しめるコストの「劇的幻想曲」と、後から後から湧きだす才能の迸りが魅力です。
8.572566
パガニーニ:ギターの為の43の小品集「気まぐれ」MS43 ニス・スン=ホ・ジャンセンス(G)
完璧なるヴァイオリンの巨匠、パガニーニ(1782-1840)は実はギターの名手でもありました。彼は100を超えるギターの作品を残し、この楽器の発展にも存分に寄与したのでした。この「きまぐれ(ギリビッツィ)」は1820年の秋にボット氏の魅力的な娘「ナポリの少女」のためにかかれた43の短い曲集で、当時巷に溢れていたロッシーニ、パイジェッロ、ジュスマイヤー、モーツァルト、ジュリアーニ、そしてパガニーニ自身の曲をモチーフに、技巧的で華やかな世界を繰り広げたものです。少女の名前はわかっていませんが、恐らく優秀な弾き手であり、パガニーニは心から楽しんでこの曲を書いたのではないでしょうか?ここで演奏しているスン=ホ・ジャンセンスは2005年にカーネギー・ホールでデビューした新鋭ギタリスト。彼の手にかかれば、弾けない曲などなさそうです。
8.572567
ウィリアム・ペリー:偉大なる無声映画時代の音楽集
ジェミニ・コンチェルト<序奏と旅の音楽/ダブリン:ケルティック・エアと道をはずれたリール/ベルリン:キャバレー・マーチとベルリンの歌/モスクワ:夜更けのトロイカとロマンス/ウィーン:多調のポルカとウィーンの酒のワルツ/ニューヨーク:ブロードウェイ・バレエと終曲>
サイレント・イヤーズ:ピアノと管弦楽のための3つの狂詩曲<最愛のローグ/血と砂/ゴールド・ラッシュ>
映画から見つけた6つのタイトル・テーマ<トロントのワイルド・ナイツ-「ダンス序曲」/ディジョンのレインコート-ワルツ/天使のアンジェラス-セレナーデ/河の上の橋-行進曲/黒いマリーゴールド-夜想曲/ドッグスターへの航海-シリアスな終曲>
アンブラ・アルベック(Vn&Va)
フィオナ・アルベック(P)
マイケル・チャートック(P)
ヘレン・カーンズ(S)
ポール・フィリップス(指)アイルランド国立SO
アメリカの作曲家、ピアニスト、ウィリアム・ペリー(1930-)。彼はニューヨーク市の近代美術館映画部の音楽監督を12年間務め、サイレント映画のためのピアノ伴奏を作り、また100作以上の映画音楽を作曲しました。また彼が音楽をつけたテレビ・シリーズ「サイレント・イヤーズ」は、オーソン・ウェルズとリリアン・ギッシュ(サイレント時代の名女優)の活躍もあって、世界中の至るところに古典的なサイレント映画の美しさを広め、エミー賞を受賞することとなったのです。彼の「ジェミニ・コンチェルト」は、大先輩であるコルンゴルトがあの有名なヴァイオリン協奏曲を作曲した時と同じように、自らの7つの映画音楽からテーマを拾い上げ、起伏のある音楽を作り上げています。
8.572568
ドビュッシー:管弦楽作品集第5集
おもちゃ箱(A.カプレによる管弦楽版)
6つの古代墓碑銘(E.アンセルメによる管弦楽版)
版画第1番「パゴダ」(A.カプレによる管弦楽版)
版画第2番「グラナダの夕べ」(P=H.ビュッセルによる管弦楽版)
喜びの島(B.モリナーリによる管弦楽版)
バッカスの勝利(M.F.ガイヤールによる管弦楽編)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
準・メルクルとリヨン響によるドビュッシー(1862-1918)の管弦楽作品集第5集です。このアルバムにはドビュッシーが他の楽器のために書いたか、もしくは未完に終わってしまったかの作品を、他の作曲家がオーケストラ用に編曲したものを集めています。娘クロード=エマに捧げられるも、ピアノ譜のままで初演されずに終わってしまった「おもちゃ箱」、もともとは付随音楽「ビリティスの歌」を編曲した「6つの古代墓碑銘」の再編曲、その他、ドビュッシーの新しい世界が広がります。準・メルクルはいつもながらの的確な指示で、これらを色彩豊かに描きだします。
8.572569
ドホナーニ:弦楽四重奏曲第3番イ短調 Op.33
弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op.7
アヴィヴSQ
【セルゲイ・オストロフスキー(第1ヴァイオリン)/エフゲニア・エプシュタイン(第2ヴァイオリン)/ナタン・ブラウド(Va)/ラケル・マーサー(Vc)】
ハンガリー出身の作曲家ドホナーニ・エルネー(1877-1960 作品を発表するときはエルンスト・フォンとドイツ語名を名乗っていた)は、指揮者、ピアニスト、教育者として活躍し、作曲家としても多くの作品を残しています。バルトークと同世代でありながら、その作風は対照的であり、彼は亡くなるまで、19世紀ロマン派の伝統を忠実に守り続けたことでも知られます。とはいえ、このアルバムに収録された2つの四重奏曲は、その作曲年代におよそ25年の開きがあり、その作風もかなり変化していることが見てとれるでしょう。1899年に書かれた第1番は、ブラームス風の美しいメロディに、ハンガリーの民族要素を少しだけ加えた表情豊かな作品で、ちょっとだけドヴォルザークの雰囲気も感じさせる面白い曲です。それに比べ、1926年に書かれた第3番は、より洗練された構造と、新古典派風の活気に満ちた楽想が自慢の曲。冒頭こそロマン派風ですが、ぶつかりながらはじけ飛ぶ音の粒は、満たされない気持ちを語るかのように、何かを強く訴えかけてきます。近代音楽を得意とするアヴィヴ弦楽四重奏団は、この複雑な作品を、すみからすみまで風通しよく聴かせます。
8.572570
ブライアーズ:ピアノ協奏曲他
ヘンデルの晩課より
ランブル・オン・コルトナ
ピアノ協奏曲(ソルウェイ・キャナル)
ラルフ・ファン・ラート(P)
カペラ・アムステルダム
オットー・タウスク(指)オランダ放送室内フィルハーモニー
1994年に「タイタニック号の沈没」を発表、世界中に衝撃を与えたイギリス生まれの作曲家、ギャビン・ブライアーズ(1943-)。彼はもともとベーシストとして活躍したのですが、ある時、ジャズの演奏と決別し、アメリカに渡って作曲を学びます。彼の作風は、その時々に変化し、ある時は実験的であり、ある時は瞑想的な作品を生み出しています。このピアノ協奏曲は、ピアノと管弦楽、合唱までを交えた規模的には大きな作品ですが、内容は「ソルウェイ運河」と題されているとおり、一日中運河を眺めているかのような、穏やかで印象派的な世界が展開されています。茫洋としたオーケストラの響きにに時折アクセントを付けるピアノの音色、その川の流れの中を合唱(詩はスコットランドのE.モーガン)が入り込み、音の風景を塗りつぶしていきます。混沌とした響きの中に、何となく突き刺さるものが感じられる作品です。他の2曲はピアノの独奏曲です。こちらも単なるヒーリング・ミュージックとは一線を画すものです。
8.572571
ベンゲレル:コンチェルタンテ他
コンチェルタンテ(1994)
パーカッションと弦楽のための音楽(2005)
秋のコンサート(2005)
ポルタ・フェラーダの二重協奏曲
ジャウメ・トレント(G)
フィリップ・スピセー(Perc)
マノン・フィリップ(Vn)
メロディー・ジオ(Vc)
ダニエル・トジ(指)
ペルピニャン地方音楽院O

全て世界初録音
1931年バルセロナ生まれのシャビエ・ベンゲレル(1931-)。彼は幼い頃にスペイン内戦(1936-1939年)に巻き込まれ、両親とともにチリに亡命、1954年までスペインに戻ることはありませんでした。彼はほとんど独学で作曲を学びましたが、バルトークやストラヴィンスキーなどの当時の先鋭的な作品からも強く影響を受けたようです。1959年にセリエ技法で作曲した「友人と恋人のカンタータ」はその翌年にケルンのISCM(国際現代音楽協会)で演奏され高く評価され、また、1977年にはルイジ・ダッラピッコラ賞を受賞するなど、国際的な知名度を得ています。このアルバムはそんな彼の魅力的な作品を4曲収録しています。長年彼の作品を演奏している「良き仲間」たちによるライヴ録音は、聴衆の熱気も含め、この作曲家の本質をあますことなく伝えてくれます。
8.572573
期待の新進演奏家シリーズ〜アントニー・バリシェフスキー
D.スカルラッティ:ソナタホ長調K.135/ニ短調K.1
ラヴェル:ラ・ヴァルス(ピアノ独奏版)
ドビュッシー:映像第2集
マテオス:オリオン
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番(1931年版)
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
アントニー・バリシェフスキー(P)
1988年ウクライナ生まれのピアニスト、アントニー・バリシェフスキーは1999年にブカレストで開催されたエネスク・コンクールを始め、たくさんのコンクールで入賞を重ねている実力派です。まだまだ素材的には未知数ですが、ここで聴ける演奏からは、やはり「何か違うもの」が感じられないでしょうか?冷徹なスカルラッティは、ホロヴィッツの名演に匹敵するほどですし、ラヴェルのラ・ヴァルスからは仄暗い狂気すら漂ってきます。幾重にも塗り重ねられたドビュッシーの彩色、そして荒ぶる技巧が炸裂するラフマニノフのソナタ、目を見張るばかりのストラヴィンスキー、星の煌めきにも似たマテオスのマリオン・・・。さて、彼はこれからどのような芸術家になっていくのでしょうか?
8.572574
ロス・ハリス:交響曲第2番(2006)〜ヴィンセント・オサリヴァンの詩による
交響曲第3番(2008)
マドレーヌ・ピラード(S)
マルコ・レトーニャ(指)オークランドPO

※世界初録音
ニュージーランドの作曲家、ロス・ハリス(1945-)はクライスト・チャーチとウェリントンで学び、30年以上に渡ってヴィクトリア大学で教鞭を執った後、2004年に早期退職をして、現在ではフリーランスで活躍。オペラや管弦楽曲など多くの作品を書いています。このアルバムには彼の交響曲を2つ収録。彼の「しばしば美しく、時には恐ろしい」作品をじっくり味わってみてください。交響曲第2番は、第一次世界大戦中、戦地の女性と恋に落ち、脱走したニュージーランド兵をテーマにしたヴィンセント・オサリヴァンの詩を題材にしたもので、壮大なファンファーレに聴きほれていると、瞬時に地獄のような世界へと突き落とされる「油断ならない」音楽です。交響曲第3番はマルク・シャガールの絵画に触発された作品で、クレズマー(ユダヤの伝統音楽)風の響きを挟み込みながら、詩的で幻想的な音楽が展開されます。2曲とも各楽章は速度表示のみが記される素っ気ないものですが、内容は驚くほどに豊かで雄弁さを誇っています。オークランドPOのために作曲され、ニュージーランドの権威ある「SOUNZコンテンポラリー賞」を受賞しています。
8.572575
エルンスト:ヴァイオリン作品集
魔王Op.26
ロッシーニの主題による華麗な変奏曲Op.4
無伴奏ヴァイオリンのための重音奏法の6つの練習曲
フレーズの芸術Op.16より第14番変ニ長調(S.ヘラー原曲)
エレジー/ヴァイオリンのためのトリオ
ヴェニスの謝肉祭Op.18
ヨーゼフ・シュパチェク(Vn)
ゴードン・バック(P)

録音:2010年3月17-19日モーンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
モラヴィア生まれのヴァイオリニスト、作曲家ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(1812-1865)は9歳の頃からヴァイオリンを始めるもすぐに才能を発揮。神童と呼ばれるまでになりました。しかし1928年に衝撃的な体験…パガニーニの演奏を聴くこと…で、超絶技巧演奏に目覚め、練習風景を見せなかったと言われるパガニーニの演奏を耳コピするなどして苦心の末にその作品を再現。作曲家本人の前で「ネル・コル・ピウによる変奏曲」を演奏しパガニーニを驚愕させたというエピソードが残っています。そんな彼の作品はもちろんパガニーニを彷彿させるものであり、そのほとんどはオペラのメロディをトランスプリクションしたものですが、トラック1の「魔王」のような、凄すぎる技巧を誇示した作品も目立ちます。トラック12の「ヴェニスの謝肉祭」もよく知られたメロディです。
8.572576
グローガウの歌の本
T:キリストはよみがえられ
U:ねずみのしっぽ
V:おお喜んで、しかし遠慮して
W:激しくドアを叩かないで
X:明けの明星/Y:いつも
Z:みじめなもの、あなたは私を受け入れる
[:美しきバラ/\:私は嬉しい
]:くじゃくの尾
XI:灼熱の中、私の心は燃えている
XII:企み/XIII:愛しいエリーゼライン
XIV:起き上がれ、愛らしい少女
XV:大きな憧れ/XVI:猫の足
XVII:我らは聖霊を待ち望む
XVIII:小鳥たちの方法
XIX:エゼルの王冠
XX:ああ神さま、おいくらですか
マルティン・フンメル(Br)
アンサンブル・ドルチェ・メロス

録音:2010年8月9-12日ドイツハイルスブロン.レフェクトリウム
このほとんど知られることのないこの歌曲集は、シレジア地方の西に位置するポーランドの町グウォグフ(ドイツ名がグローガウ)の小さな修道院で1480年頃に編纂された292曲からなる写本です。この都市は当時、様々な国の文化が入り乱れており、中央ヨーロッパの縮図とも言える重要な都市として機能していました。精緻な装飾を施された美しいこの楽譜には、祈りの歌や、恋の歌、そして器楽曲、舞曲など様々な種類の小曲が含まれていて、当時の流行や文化を知るための貴重な手がかりとなるものです。これらはプロの音楽家たちが演奏するためではなく、ちょっとした教育を受けた愛好家や学生によって演奏されたと推測され、研究家の間でも資料の宝庫として大切にされています。
8.572577
パロモ:ドゥルシネア…「騎士の恋」への幻想的カンタータ
1.風車/2.騎士のファンファーレ/3.夜明けの歌/4.ドン・キホーテのバラード/5.風車への戦い/6.セギーディリャ/7.ドン・キホーテとサンチョ/8.アブラカダブラ/9.ドゥルシネアのバラード/10.終曲
ドゥルシネア…アインホア・アルテタ(S)
テレサ・パンサ…キエリ・ローゼ・カッツ(MS-)
サンチョ・パンサ…ブルクハルト・ウルリヒ(T)
ドン・キホーテ…アルチュン・コチニャン(Bs)ミゲル・アンゲル・ゴメス・マルティネス(指)
ベルリン・ドイツ・オペラO&cho
17世紀に流行していた騎士道物語。セルバンテスが描いた「ドン・キホーテ」はそのパロディ小説だという説もあります。確かに勇敢な騎士に憧れた老人、ドン・キホーテは、奇行ばかりが目に付きますが、実は正義感に溢れた熱血な人。永遠に愛を追い求め、悪を砕く・・・そんなところが今でも愛されているに違いありません。この物語は多くの画家や音楽家に影響を与え、様々な名作を生み出していますが、このパロモ(1938-)の作品は、彼の行いを壮大なカンタータとして描いています。様々な場面を想起させるために多彩な管弦楽を駆使し、ペーソス溢れる物語を生き生きと表出するパロモの才能。恐ろしいまでに冴えています。
8.572578
コープ:弦楽四重奏曲第1番「バスタード」
スティーヴ・メインワーリングの詩による「お国事情」
弦楽四重奏曲第2番
マーク・ワイルド(T)
マッジーニSQ
[スザンヌ・スタンジライト(Vn1)/デヴィッド・エンジェル(Vn2)/マルティン・オウトラム(Va)/ミカル・カズノウスキ(Vc)]
イギリスの作曲家、ロナルド・コープ(1951-)の作品集です。彼は合唱曲の大家であり(NAXOSでも「子どもの為の合唱曲集」(8.572113)で彼の曲を聞くことができます)、これらが高く評価されているため、今回室内楽の収録が実現したのだそうです。弦楽四重奏第1番のタイトル「The Bustard」とは野鴈の意味。体長1メートルを越える大きな鳥が優雅に飛行し、ダンスする様を見事に捉えています。第2番は男の子が生まれた喜びを表している生き生きとした作品です。そして「お国事情」は弦楽四重奏を伴う歌曲集。ちょっと皮肉っぽい歌詞がたまりません。イギリス物の解釈では定評のあるマッジーニSQによる、渾身の演奏です。
8.572579
イギリスのヴィオラ作品集
クラーク(1886-1979):ヴィオラ・ソナタ
ウォルトン:2つの小品(M.ジョーンズによるヴィオラとピアノ編)…世界初録音<カンツォネッタ/スケルツェット>
ブリッジ:4つの小品(V.L.ジェイコブによるヴィオラとピアノ編)<子守歌/セレナーデ/エレジー/ゆりかごの歌>
バックス:伝説
ブリス:間奏曲(W.フォーブスによるヴィオラとピアノ編)…世界初録音
ヴォーン・ウィリアムズ:ヴィオラとピアノのためのロマンス
ホランド(1878-1947):組曲ニ長調…世界初録音
マシュー・ジョーンズ(Va)
マイケル・ハンプソン(P)
NAXOSの隠れた名シリーズ、ヴィオラ作品集です。今回も渋い選曲が心にしみ入ります。最初の曲の作曲家であるレベッカ・クラークは、素晴らしい才能に恵まれながらも、当時の社会的な状況(女性の地位の低さ)に揉まれてしまい、大輪の花を咲かせることができなかった人です。しかし、このソナタを聴いてみると、その説得力の高さと芯の強い美しさに魅了されるはずです。その他、おなじみの作曲家たちによる滋養味たっぷりの作品。イギリスの伝説的名ヴィオラ奏者ライオネル・ターティスの「真の後継者」と呼ばれるジョーンズの素晴らしい演奏でお楽しみください。
8.572580
ボーエン:ヴィオラ・ソナタ第1番&第2番幻想曲
ヴィオラ・ソナタ第1番ハ短調 Op.18
幻想曲Op.54
ヴィオラ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.22
ブリッジ・デュオ
<マシュー・ジョーンズ(Va)、マイケル・ハンプトン(P)>
イギリスの近代作曲家エドゥイン・ヨーク・ボーエンは、ヒンデミットのようにオーケストラのほぼ全ての楽器を演奏できるほどの腕前を持っていたのですが、彼が愛したのはヴィオラの音色でした。それは「近代ヴィオラの父」ライオネス・ターティスの存在に触発されたのは間違いないのですが、もしかしたら戦争で受けた心の傷が影を落としているのかもしれません。そんな彼がヴィオラを通して歌い上げた2つのソナタは、作曲当時から「演奏困難」とされていて、なかなか弾き手が現れず、世に出る機会を失ってしまったものと思われますが、これらは本当に溢れんばかりのファンタジーに満ちたロマンティックで美しい歌だったのです。存命時は、その懐古的な作風から、「時代遅れ」と批判されてしまったこともあるものの、こんなに美しい曲を書く人が埋もれているのはもったいないの一言に尽きるのではないでしょうか。ヴィオラの魅力がひしひしと伝わる1枚です。
8.572582
女王の為の全ての男たち〜エリザベス1世の為の音楽集
ウィールクス(1575?-1623):ヴェスタはラトモス山を駆けおりつつ
ハント(1580-1658):ハーク!あなたはこんなに甘い声を聞いたことがあるか?
バード(1540?-1623):おお主よ、御身のしもべエリザベスが
ギボンズ:さあ手を叩き
作曲家不詳:ロビンは緑の森へ
フェラボスコ2世(1575?-1628):美しき姿は水辺に立ち
ロジェ(1561?-1596):私は嘆き疲れ
イースト(1580?-1648):消えよ星
ウィルビー(1574-1638):たびたび私は心から誓う
ダウランド:時間は制止して
トムキンス:さらば、汝ら市の監獄の塔よ
ウィルビー:人生にはたくさんの楽しみが与えられる
ダウランド:リッチ夫人のガイヤルド
モーリー:水晶たる噴水は激しく吹きあがる
ウィルビー:甘き夜を描こう
サルム・コンサート
全てのイングランド史の中で、最も偉大なる女王エリザベス1世。彼女は生涯独身を貫き、素晴らしき統治者として語り継がれています。その時代の芸術家たちは彼女のために挙って作品を献呈し、その処女性は時を経るに従っていよいよ神聖化されていったのです。このアルバムにはそんな芸術家たちの「彼女に捧げた作品」が集められています。
8.572583
ドビュッシー:管弦楽作品集 第6集
ベルガマスク組曲(G.クロエ、A.カプレの管弦楽編曲版)
小組曲(H.ビュッセルの管弦楽編曲版)
春(H.ビュッセルの管弦楽編曲版)
白と黒で(R.ホロウェイの管弦楽編曲版)
交響曲 ロ短調(T.フィーノの管弦楽編曲版)
準・メルクル(指)
フランス国立リヨンO
ピアノ曲を他の人が編曲したものですが、カプレによる「月の光」などは、すでにこちらが原曲?と思えるほどに浸透していることはご存知でしょう。5つの曲集はそれぞれに趣向を凝らした編曲が成され、ドビュッシーの色彩的なオーケストレーションとはまた違った味わいが付加されています。4手ピアノの為の初期作品集(8.572385)にはピアノ連弾による「春」と「交響曲」が収録されていますので、聴き比べもお楽しみいただけるかと思います。「ドビュッシーだったらどのように書いただろうか?」と想像するのも一興でしょう。
8.572584
ドビュッシー:管弦楽作品全集第8集
前奏曲第1巻
前奏曲第2巻(以上,P.ブレイナーによる管弦楽編曲版)
準・メルクル(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
BOXはリヨン管で創り上げたかった・・・というのが拘りでした。そのため、あの時は別ヴァージョンで仕上げました。でもバラで1枚1枚買ってくださった方には大変申し訳ない。ということで、準・メルクルがオーケストラを変えて録音したのは、NAXOSお馴染みの編曲家ブレイナーによる「24の前奏曲」という変わり種です。これならば、全く違う演奏をお楽しみいただけることでしょう。もちろん、C.マシューズの版でお楽しみいただいている方にも胸を張ってご紹介できる逸品です。現代における「管弦楽法の魔術師」ブレイナーの精妙かつ美しいオーケストラ編曲は、もともとこの曲集がオーケストラを想定していたかのような嵌り具合をみせています。
8.572585
ショパン:室内楽曲集
2台のピアノのためのロンドハ長調Op.73
ロッシーニの「チェネレントラ」の主題による変奏曲
ワルツ嬰ヘ短調「メランコリックなワルツ」Op.posth.
マズルカ第60番ニ長調Op.posth.
ピアノ三重奏曲ト短調Op.8
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー:マリン・ブロマン(Vn)、
イェスパー・スヴェドベルイ(Vc)
サイモン・クロフォード=フィリップス(P)>
フィリップ・ムーア(P)
エミリー・バイノン(Fl)
ショパンは「ピアノの詩人」と称されますが、ほんの一握りの室内楽作品も書いています。そのほとんどは、10代に書かれたもので、晩年の作品のような深みは薄いものの、甘美で抒情的なメロディに満ちています。ピアノ三重奏曲は19歳の作品で、チェロの名手であったポズナニ皇太子、アントニ・ラジヴィウに献呈されています。2台のピアノのためのロンドは18歳の時の作品。夏の休暇を友人宅で過ごしたショパンが着想したといわれています。こちらは彼の死後、友人のフォンタナが出版したものです。フルートのための変奏曲は、14歳頃に着想されたもので、ロッシーニの歌劇「チェネレントラ」のアリア「悲しみと涙のうちに生まれ」を主題としています。ここでフルートを演奏しているのは名手バイノン。なんと贅沢なことでしょう。2曲のワルツとマズルカも18歳頃の作品です。ちょっぴりメランコリーで、きらきら輝く若きショパンの青春譜です。
8.572586
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第14集
ソナタ変ロ長調 K.47/L.46/P.115
ソナタニ長調 K.21/L.363/P.77
ソナタト短調 K.102/L.89/P.88
ソナタイ長調K.62/L.45/P.49
ソナタハ長調 K.242/L.202/P.243
ソナタト長調 K.171/L.77/P.153
ソナタニ短調 K.295/L.270/P.211
ソナタイ長調 K.269/L.307/P.432
ソナタホ長調 K.162/L.21/P.162
ソナタイ短調 K.217/L.42/P.287
ソナタト長調 K.337/L.S.26/P.340
ソナタハ短調 K.254/L.219/P.254
ソナタ変ロ長調 K.155/L.197/P.208
ソナタハ長調 K.199/L.253/P.276
ソナタニ長調 K.140/L.107/P.127
ソナタ変ロ長調 K.229/L.199/P.139
ソナタニ長調 K.282/L.484/P.166
ハオ・ドゥアンドゥアン(P)
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)のソナタ第14集です。と言っても、彼のソナタは全部で555曲もありますので、まだまだ道のりの半分もきていません。この時代は、ソナタと言っても、ほとんどが単一楽章で書かれたもので、曲ごとの表情付けには細心の注意を払わなくてはいけません。NAXOSのシリーズは、全ての盤で違ったピアニストを起用することで知られ、特に最近はとびきりの若手を用意しているという用意周到さ。ここでピアノを演奏しているのも、2009年の上海インターナショナル・ピアノ・コンクールで1位を獲得した1990年生まれの若き才能ハオ・ドゥアンドゥアンです。どの曲も強弱のコントラストが豊かな上、元気一杯の明るい音色が特徴的です。
8.572587
ヘンデル:9つのドイツ語アリア集・グローリア
9つのドイツ語アリア集
 先なる日々の思いわずらいHWV202
 戯れる波のきらめく輝きHWV203
 かわいい矢車草の花HWV204
 快い静けさ,やすらぎの泉HWV205
 歌え魂よ,神をたたえてHWV206
 私の魂は見つつ聞くHWV207
 うす暗い墓穴から来たお前たちHWV208
 快い茂みの中にHWV209
 燃えるばら,大地の飾りHWV210
グローリアHWVdeest
ドロテア・クラクストン(S)
フレドリーク・フレム(Vn)
ハンナ・イドマーク(Vn)
シェルド・ライベッカー・ステッフェンセン(Vc)
ラーシュ・バウンキルド(ヴィオローネ)
レイフ・メイエ(チェンバロ&オルガン)
バッハと同じ年にドイツで生まれるも、20代後半からイギリスに渡り、この地で生涯を終えたヘンデル。そのせいか、彼は母国語であるドイツ語を作品に用いることはほとんどありませんでした。この「9つのアリア」は珍しくドイツ語の歌詞によるものです。ハンブルクの詩人ブロッケスは当時広く愛好されていた人で(他にもテレマンなどがこの詩人のテキストを用いている)、自然の美しさから神を見出し、その存在に祈りを捧げるという内容がヘンデルの心を捉えたに違いありません。ソプラノ、ヴァイオリンと通奏低音という小さな編成ですが、まるでオペラのアリアのようにドラマティックで技巧的。声の美しさを存分に堪能できる作品です。グローリアは、1707年、彼がイタリアに滞在していた頃に書かれた作品で、ずっと行方不明になっていましたが、2001年に発見されてからというものの、ローマ・カトリック教会の重要なレパートリーとなったものです。
8.572588
マルティヌー:歌曲集 第1集
6つの単純な歌 H.110
3つの子守歌 H.146b
民謡の形式による2つの小さな歌 H.14
ロシアの詩の2つの歌 H.135bis
3つのゲーテの歌 H.94
ブヨの結婚式 H.75
3つの子どもの歌 H.146
死んだ愛 H.44
チェコのなぞなぞ H.277bis/2つの歌H.31
歩こう、丘を越えて H.74bis
どれくらい大切な時間だろう? H.106
至福 H.81/涙 H.41/気分の描写 H.29
11月1日の歌 H.72/少女の夢 H.22
2人で共に年を重ね H.10
あなたがそれを知る前に H.6
毎晩夢の中であなたに会う H.57
3つのフランス語の歌より第3番「夜」
H.88
どうにもならない H.43/夜に H.30
年老いた歌 H.74/古いスペイン語の歌 H.87
キスすることについての歌 H.27bis
素晴らしい緑の木立を知っている H.273
イェネ・ワリンゲローヴァ(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)
こんなに魅力的な歌曲が溢れているのに、あまり聴かれる機会がないのは、ひとえにマルティヌー(1890-1959)が生涯に残した作品数があまりにも多すぎるからに他なりません。何しろ、交響曲、協奏曲、室内楽曲と400以上もの作品がひしめいているのですから。この第1集に収録されているのは、1910年から1912年にかけて作曲された若き頃の作品です。これらのほとんどは未発表のままであり、ここで聴けるのは本当に嬉しいことでしょう。10歳から作曲を始めた早熟な天才であった彼によるこれらの歌曲。スペイン語やドイツ語、フランス語、英語のテキストとチェコの民族詩などを用い、素晴らしい音楽が付けられていますが、残念ながらブラームスやシューベルト、そしてドヴォルザークの影響を拭い去ることはできませんが、そんなちょっとした欠点は補って余りあるほどの「メロディの宝庫」です。
8.572589
リスト:ピアノ曲全集第38集
ヘンデル:ジングシュピール「アルミーラ」によるサラバンドとシャコンヌS181/R25
グノー:聖チェチーリアの讃歌S491/R168
ラフ:歌劇「アルフレート王」によるアンダンテ・フィナーレと行進曲S421/R233
ラフ:歌劇「アルフレート王」によるアンダンテ・フィナーレと行進曲S421/R233
グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」別れ、夢想S409/R169
グノー:歌劇「シバの女王」子守歌S408/R167
 歌劇「ファウスト」〜ワルツS407/R166
シュポア:歌劇「美女と野獣」からバラ(ロマンス)S571/R259
リ・ソヨン(P)

録音:2012年4月9-11日カナダオンタリオ,トロントCBC・グレン・グールド・スタジオ
ピアノの魔術師フランツ・リスト(1811-1886)による、さまざまな作曲家たちの作品のトランスクリプション集です。ヘンデル以外はリストの活躍した時代の音楽であり、恐らくリスト自身が聴いて気に入ったものを即座にピアノへと移し替えたのでしょう。ヘンデルの「サラバンド」はリストの晩年近くの作品で、若い頃を思わせる華美な装飾が魅力的な作品です。ラフの歌劇は現在では全く忘れられていますが、この断片的なメロディだけでも聴く価値はあるものです。グノーの一連の作品は現在でも聴く機会に恵まれており、とりわけ「ファウスト」は原作のオペラも、リストの編曲も良く演奏されますが、このソヨンの演奏は通常の演奏に一味違うスパイスが仕込まれています。シュポア作品もなかなかの名曲です。リスト好きなら外せない1枚です。2010年ナウムブルク国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したピアニスト、リ・ソヨン。彼女は韓国系のアメリカ人ピアニストで、その華やかな演奏はすでに高く評価されています。
8.572594
バラダ:ピアノ作品集
ショパンのバラード第1番によるトランスパレンシー(1977)
プレルディス・オブスティナント(1979)…世界初録音
コントラスト(2004)
ミニ=ミニチュアー(2010)…世界初録音
4つのテンポによる音楽(1959)
アライルヴィング・ヴァリエーション…世界初録音
持続性…世界初録音
パブロ・アモロス(P)
単なる「現代音楽家」として一括りにしてしまうには、あまりにももったいないカタルーニャ生まれの作曲家レオナルド・バラダ(1933-)。これまでにNAXOSレーベルに10枚以上の録音がありますが、そのどれもが奇怪で奇妙な音に溢れているのです。今回のピアノ作品も、その例に漏れることなく極めて刺激的で挑戦的な音に満ちた作品が目いっぱい並びます。第1曲目の「ショパンのバラードによる〜」では、千切れたショパンのかけらのようなものを探しているうちに、見たこともない異世界へ迷い込むこと必至。「プレルディス・オブスティナント」は名ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャのために書かれた作品で、ピアノがどれほどまでに創造的な力を発揮できるか?を命題とした5つの部分で構成されています。彼女は何度もこの曲を演奏したのですが、ついに録音することがなかったため、このアルバムが世界初録音となります。他の作品も興味深いものばかり。ここでピアノを演奏するアモロスに献呈された「ミニ=ミニチュアー」も凝縮された世界を描き出しています。
8.572595
スウェイン:「スターバト・マーテル」「沈黙の地」
作曲者不詳:セネガルの歌「おお、ラルム」(1982年に録音された音)
マニフィカトT(1982)
沈黙の地(1997):世界初録音
アヴェ・ヴェルム・コルプス(2003):世界初録音
スターバト・マーテル(2004):世界初録音
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ドミートリー・アンサンブル
ソフィー・ベヴァン(S)
ケイト・サイモンズ=ジョイ(Ms)
ベン・オールデン(T)
ジョナサン・セールズ(Bs)
グラハム・ロス(指)
このアルバムから最初に流れてくるのは、何とも不思議なセネガルの民謡です。「なぜ?」と思う間もなく、作曲家による「マニフィカト」が始まります。この新鮮な驚きと言ったら!1946年イギリス生まれのスウェイン(1946-)は、ロンドンで学んだ後、パリでメシアンとともに研鑽を積みました。彼は多くの合唱作品を書いていて、ここでは30年に及ぶ作曲生活の中から生まれた4つの曲を聴くことができます。このマニフィカトは1982年に彼がセネガルを訪れた際、聞いたジョラの民謡「おお、ラルム」を元に書かれています。湧き上がるようなパワーが写し取られた興味深い作品です。その後、イギリスに戻った彼が書いたのが、40部の合唱とチェロ独奏からなる「沈黙の地」です。あまりにも切ない挽歌に胸が痛みます。イスラエルとパレスチナでわが子を失い悲しむ母親に捧げられた「スターバト・マーテル」はラテン語のテキストにアラム語、ヘブライ語、アラビア語などのテキストを織り交ぜながら進みます。最後のモテットでは、全ての言葉が溶け合うことで平和への祈りを表すというもの。決して聞きやすい音楽とは言えませんが、じっくり耳を傾けていただきたい1枚です。
8.572596
ピアソラ:タンゴ・ディスティーノ
1.ミケランジェロ'70
2.タンゴの歴史第2番「カフェ1930」
3.タンゴの歴史第3番「ナイトクラブ1960」
4.ソレダッド(孤独)/5.グラン・タンゴ
6.オブリビオン(忘却)/7.エスクアロ(鮫)
8-10.天使の組曲より<天使の死/天使のミロンガ/天使の復活>

※1-7…トロンボーンを含む編曲:A.リアルマコプーロス、8-10…G.セナネス編曲
エクトル・デル・クルト(バンドネオン)…1.4.7
オクタヴィオ・ブルネッティ(P)…1.4.7
ペドロ・ジラウド(Cb)…1.4.7
サイモン・パウイス(G)…2
イアン・ローゼンバウム(マリンバ)…3
ロバート・トンプソン(P)…5.6
サミュエル・アダムズ(Cb)…6.8-10
エドソン・シャイト(第1ヴァイオリン)…8-10
ジユン・ハン(第2ヴァイオリン)…6.8-10
ラウル・ガルシア(Va)…8-10
アーノルド・チョイ(Vc)…8-10
アキレス・リアルマコプーロス(Tb)
ピアソラ(1921-1992)のタンゴは、すでに普遍的な地位を築いており、今ではまるでバッハバッハの作品のように、様々が楽器で演奏されることが普通となっています。彼の作品はどんな楽器とも親和性があり、まるで最初から予定されていたかのようにそこに馴染むのです。今作はソロ・トロンボーンによるピアソラの最初の録音となります。有名なオブリビオンや、耳にする機会の多い「タンゴの歴史」も、全く新しい装いで立ち現れます。もちろん、ここでソロを担うリアルマコプーロスの超絶技巧には目を見張るものがあります。名チェリスト、ロストロポーヴィチのために書かれた「グラン・タンゴ」でも、涙が出そうなほどに見事な演奏を聴かせます。
8.572597
バックス:冬の伝説
朝の歌「サセックスの五月」
サガ断章
アシュリー・ウェイス(P)
ジェームス・ジャッド(指)ボーンマスSO
イギリスの近代作曲家、アーノルド・バックス(1883-1953)はモダニズム全盛の時代にあっても、自らを「恥じることなきロマン主義者」と呼んでいました。彼の音楽は幅広いメロディーをもち、巧みで豊かなオーケストレーションが施されています。とりわけ彼のピアノ作品は、戦争中に秘密の愛を育んだピアニスト、ハリエット・コーエンのために書かれたものが多く、底に秘めた情熱の焔は永遠に青白く燃えています。「冬の伝説」は彼が愛した北国の風景が描かれています。海と松林、暗い空、そして力強い自然が音で描かれています。サセックスの5月の副題が付いた「朝の歌」は当時のエリザベス王女21歳の誕生日を祝うための作品です。1933年には「サガ断章」が書かれます。これは、アメリカに演奏旅行に出かけるコーエンが、バックスに「新しい曲を演奏したいので作って欲しい」と頼み、彼はそれに応え、自作のピアノ四重奏曲を小さな管弦楽とピアノのあために編曲しました。当時の暗い世情を反映するかのような不吉さが全編を覆う濃い作品です。
8.572598
アイアランド:ピアノ協奏曲変ホ長調
伝説/第1狂詩曲嬰ヘ短調
牧歌…世界初録音
小春日和…世界初録音/海の牧歌
3つの踊り<ジプシーの踊り/田舎の踊り/刈り取りの踊り>
ジョン・レナハン(P)
ジョン・ウィルソン(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
アイアランド(1879-1962)の唯一のピアノ協奏曲は、彼の有力な後援者であったヘレン・パーキンのための書かれたものです。1930年に作曲されその年の10月2日にヘレンの手によって初演されています。その演奏会が大変成功を収めたため、以降多くのピアニストたち(クリフォード・カーゾン、モーラ・リンパニー、アイリーン・ジョイス、ジーナ・バッカウアー、そしてアルトゥール・ルービンシュタンら錚々たる顔ぶれ)がこの曲を演奏し、「イギリス人による最高のピアノ協奏曲」とまで呼ばれました。その後、アイアランドは第2番の協奏曲の作曲を計画し、それは「伝説」と言う名前を付けられた単一楽章の作品として成就しました。こちらも同じくパーキンに捧げられ、彼女は1934年にBBCSO、エイドリアン・ボールト指揮でこの曲を初演しました。現在はすっかり忘れられてしまった作品ですが、この機会に再評価されるのではないでしょうか。

8.572600
イギリス歌曲シリーズ第22集/ブリテン
ウィリアム・ブレイクの歌と格言Op.74
歌曲集「売り言葉に買い言葉」
民謡編曲集<第3集「イギリスの歌」〜第1番「鋤で耕す少年」/第3集「イギリスの歌」〜第5番「霧のかかった露」/「トム・ボウリング」の編曲集〜第1番「トム・ボウリング」/第3集「イギリスの歌」〜第6番「おお悲しい」/第1集「イギリスの歌」〜第7番「オリヴァー・クロムウェル」/第1集「イギリスの歌」〜第6番「とねりこの林」/第1集「イギリスの歌」〜第1番「サリー・ガーデン」/第3集「イギリスの歌」〜第2番「なぐさめる人もなく」/第1集「イギリスの歌」〜第2番「ちいさなサー・ウィリアム」/第5集「イギリスの歌」〜第6番「羊を追って」>
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
イアイン・バーンサイド(P)
ブリテンの声楽曲は、大抵生涯のパートナーであったピーター・ピアーズのために書かれていますが、この1965年の「ウィリアム・ブレイクの歌と格言」は不世出のバリトン、D.フィッシャー=ディースカウのために書かれています。1960年に作曲された「戦争レクイエム」のバリトン・パートも彼のために書かれたものであったことでもわかるように、ブリテンはディースカウを心から信頼していたのでしょう。この作品もとても練られたものであり、全てに「凝縮と謎めいた微笑」が横溢していて、生半可な歌手では歌いこなせないほどの深遠さを見せています。交互に歌われる格言と歌は全て密接な結び付きを持ち、執拗な言葉遊びと皮肉めいた味わいで満たされています。彼が終生愛した民謡編曲集と、ウォルター・デ・ラ・マーレの詩による歌曲集「売り言葉に買い言葉」も収録。
8.572601
レイトン:オルガン作品集
復活 Op.49
讃歌による6つの幻想曲より<第4番 聖コロンバ/第5番 久しく待ちにし/第6番 ハノーヴァー>
グローリア・ミサ「ダブリン祝祭ミサ」Op.82
グレッグ・モリス(Org)
※1969年J.W.ウォーカー&その息子が制作(2002年再建立)、ブラックバーン教会のオルガン使用
ケニス・レイトン(1929-1988)は20世紀における英国の最も重要な作曲家の一人です。彼はとりわけオルガンを用いた合唱作品やオーケストラ作品で名を挙げ、そのスタイルは抒情的なメロディと、爆発的なエネルギーの放出、そして超絶的技巧を上手く拠り合わせたものとして知られています。合唱音楽や宗教音楽の大家とは言え、彼の作品は十二音なども巧みに取り入れられており、ラターなどのような比較的平易な作風を期待して聴くと肩透かしを食らうことでしょう。しかし、古代の単旋律聖歌に基づく「ダブリン祝祭ミサ」や、魅惑的な音に満ちた「幻想曲」などを聴いていると、何となく胸がドキドキするような高揚感を味わうことができるかもしれません。
8.572602
プフィッツナー:歌曲全集第1集
7つの歌曲Op.2より<第5番:私は小鳥のいざないを聴く第6番:私の眠りはますます浅くなり/第7番:裏切り>
3つの歌曲Op.5
4つの歌曲Op.15より第4番:昔り
5つの歌曲Op.22より第5番:みつばちに
4つの歌曲Op.24より第1番:菩提樹の下で
5つの歌曲Op.26より<第1番:祈り/第4番:悲しみの静けさ>
4つの歌曲OP.30より第2番:種まく人のことわざ/15-22.古い歌Op.33<第1番:私の輝くひとみ/第2番:私は幽霊を恐れない/第3番:すてきな幼子よ/第4番:私は朝露の中を歩いて/第5番:私の恋人は鶯のように歌う/第6番:ローザよ、りんごを噛んでごらん/第7番:お入りなさい、気高い戦士よ/第8番:清らかな月が輝くように>
若き日の6つのリートより<第1番:夕べの歌/第2番:私のために君は死ぬか/第4番:暖かい太陽の日輝くとき/第5番:捨てられたおとめ>
ブリッタ・スタルマイスター(S)
クラウス・ジモン(P)

録音:2007年11月20日
2010年1月25-26日,5月31日
ドイツ後期ロマン派の作曲家&指揮者プフィッツナー(1869-1949)の愛すべき歌曲集第1集です。彼は生涯のほぼ全域に渡って歌曲を作曲していましたが、この第1集では1884年から1923年に書かれた“高い声”のための歌曲を収録しています。もともとはロシアで生まれた彼ですが、3歳の時にフランクフルト・アム・マインに移住。父がオーケストラのヴァイオリン奏者であったため、幼い頃から音楽に親しみ、11歳で最初の作品を書いたことが知られています。現存する作品は、このアルバムにも収録されている「若き日の6つの歌曲」であり、こちらは1884年から1887年にかけて仕上げられていますが、すでに完成された音楽であるところが早熟の天才たる所以でしょうか?マーラーの影響を強く受けた人として知られますが、その作品は民謡風でもなく、R.シュトラウスのように饒舌でもなく、あくまでも端正な中に熱い表現を込めるやり方で、魅惑的なメロディとともに聴き手の心を揺さぶります。
8.572603
プフィッツナー:歌曲集 第2集
7つの歌曲 Op.2(1888-1889)より
 第1番:朝早く
 第2番:春の空はなぜこんなに青い
 第3番:冷たく身を切るように風が吹く
 第4番:深い森にかくれて
6つの歌曲 Op.6(1888-1889)
5つの歌曲 Op.7(1888-1900)
2つの歌曲 Op.21(1907)
Voll jener Suse 甘さでいっぱい Op.24-3(1909)
5つの歌曲 Op.26(1916)より
 第3番:新しい恋
 第5番:五月の歌
6つの若き歌 WoO9(1884-1887)より
 第3番:自然の自由
 第6番:おかしな話
Kuckuckslie かっこうの歌 WoO6(1885)
O schneller, mein Ros 速く走れ わが馬よ
WoO5(1884)
Ein Fichtenbaum steht einsam トウヒの木は孤独にたつ(1884)
コリン・バルツァー(T)
クラウス・ジモン(P)

録音:2010年2月24-26日
ドイツ後期ロマン派の作曲家&指揮者プフィッツナー歌曲集第2集。 第1集はソプラノの歌曲が収録されていましたが、こちら第2集は雰囲気をがらりと変えたテノールによる男声向きの歌 曲を聴くことができます。プフィッツナーは生涯のほぼ全般に渡り、その時々の心象風景を映した愛らしい歌を作曲し ました。彼の現存する最も初期の歌は1884年から1887年頃の「若き日の6つの歌曲」とされていますが、このアル バムの「7つの歌曲」Op.2はその直後に書かれたもの。多分にマーラーの影響はあるものの、素朴な筆致を用いた民 謡風の調べは、豊かな自然風景の描写に支えられた彼独自の世界を形成しています。自然賛美から愛の讃歌へ と、年齢を重ねるごとに深まっていく内容にも注目です。
8.572604
ローデ:二重奏曲集
12の練習曲<ト長調/ニ短調/変ホ長調/ニ短調/変ロ長調/ホ長調/ヘ長調/ロ短調/ト長調/ヘ短調/ハ長調/イ短調>
二重奏曲第1集第1番変ホ長調
二重奏曲第1集第2番ト長調
二重奏曲第2集第2番ハ長調
ニコラス・ケッケルト(Vn)
ルドルフ・ケッケルト(Vn)
19世紀フランスのヴァイオリニスト、ローデ(1774-1830)はヴァイオリン学習者の間で「24の狂詩曲」(8.570958)が知られています。しかし彼は、他にも多くのヴァイオリンのための作品を書いていて、例えば協奏曲(8.570469に第7.10.13番を収録)なども素晴らしく美しい出来栄えが称賛されています。この「12の練習曲」は前述の狂詩曲よりも、更に技巧を極めたもので、劇的な曲から、歌に溢れた抒情的な曲まで、ヴァイオリンを演奏するために必要な要素を全て兼ね備えた曲集です。ピアノで言えば、パガニーニがショパンやドビュッシー、ローデはモシュコフスキやモシュレスと言ったところでしょうか。二重奏曲はアンサンブルの粋を集めたような流麗な作品です。ブラジル系ドイツ人ヴァイオリニスト、ケッケルトによる(二重奏では父ルドルフが共演)華麗なる演奏をお楽しみください。
8.572607
フックス:セレナード第3番-第5番
セレナード第3番ホ短調Op.21
セレナード第4番ト短調Op.51
セレナード第5番ニ長調Op.53
クリスティアン・ルートヴィヒ(指)
ケルン室内O
オーストリアに生まれ、教師としても多くの作曲家を育てあげたローベルト・フックス(1847-1927)ですが、彼自身は先進的な作曲語法には興味がなかったようで、その作品は、まるでブラームスの時代に遡ったかのように古風で端正な佇まいを見せています。数多くの作品を残していますが、生前もっとも人気を博したのは5曲のセレナードであり、NAXOSではすでに第1番と第2番がリリースされ(8.572222)高い人気を得ており、今回の第3番〜第5番の登場で、その全貌を知ることができることでしょう。第3番はまさにブラームス風ですが、冒頭の寂しげな旋律は、後のシベリウスの「悲しきワルツ」を彷彿させます。第4番はその17年後に書かれたもので、一層練り上げらたオーケストレーションと心地よいメロディに満ちた豊かな作品です。そして第5番は、まるでマーラーの交響曲を予感されるようなアダージョで始まり、時折辛口な音をはさみつつも、全体的にはウィーン的な軽妙さと優雅さを持つ名作となっています。精妙な響きを堪能したい人にオススメの1枚です。
8.572608(2CD)
ロッシーニ:ピアノ作品全集第4集
《CD1.老年のいたずら第8集「館のアルバム」より》
 No.1 旧体制の見本/No.2 あわただしいロココ風の前奏曲/No.3a 悲嘆/No.3b 希望/No.4 だったんボレロ/No.5 おおげさな前奏曲/No.6 現代の見本/No.7 反舞踏的ワルツ
《老年のいたずら第9集より》
 No.9 イタリア風前奏曲/No.12 4手のための小ファンファーレ
《CD2.老年のいたずら第8集「館のアルバム」より》
 No.8 ちょっぴり牧歌的な前奏曲/No.9 サラブレッドのためのタランテラ/No.10 夢/No.11 劇的な、いわゆるプレリュード/No.12 将来の標本/
《老年のいたずら第9集より》
 No.6 イタリアのノエルの歌のカタログ/No.7 わが最後の旅のための行進曲と思い出/No.11 右手のための良く知られたブラックジョークのカタログ
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
引退後のロッシーニ(1792-1868)の手による、何ともケッタイな作品集がこの「老年のいたずら」です。13集からなる曲集は、独奏曲や室内楽、声楽曲など様々な形の作品の集合体であり、その中身はまるで「ごった煮」。それも1曲1曲に良く味のしみた老舗の味わいのようなものを醸し出しているのです。舞曲あり、フーガあり。そして大抵の曲には、一筋縄でいかないような捻ったタイトルが付けられていて、その真意を探るのは全く困難。まさに、常にいたずらを仕掛けられているような楽しいものなのです。もちろん、稀代のメロディメーカーであるロッシーニのこと、美メロに事欠くことはありません。この第4集には第8集と第9集からの抜粋が収録されていて、夢のような曲からクリスマス?のメロディ、ブラックジョークまで盛りだくさん。
8.572610
ムッファト:ハープシコードのための組曲集
パルティニ短調MCB2*
音楽作品集第7番ト長調MCA19
組曲イ短調「パルティア・パリジャン」MCB19*
音楽作品集第1番(パルティ.ハ長調)MCA13
芥川直子(ハープシコード)

録音:2012年3月13-15日ドイツリュクハイム,シュッツバウ
*…世界初録音
広島に生まれ、3歳からピアノを学び16歳でハープシコード奏者に転向。桐朋学園出身で有田千代子に師事,現在はドイツを中心に活動している名奏者芥川直子。彼女はすでにNAXOSレーベルから4枚のアルバムをリリースしていて、そのどれもが古楽愛好家や研究者たちから高い評価を受けています。演奏の素晴らしさもさることながら、知られざる作曲家の音楽に光を当て現代に蘇らせるというという、曲への愛情の深さが人気の秘密なのかもしれません。今作でもほとんど知られることにない作曲家ゴットリープ・ムッファト(1690-1770)の作品を取り上げています。ゴットリープはザルツブルク大司教の宮廷オルガニストを務めたゲオルク・ムッファトの息子で、父と同じく音楽の道を歩み、ウィーンの宮廷聖歌隊で歌います。その後マリア・テレジアの宮廷で首席オルガン奏者として活躍。伝統を受け継いだ鍵盤作品を何曲も残しています。同時代のバッハやヘンデルとも交流があり、お互いに影響しあっていたことでも知られています。彼の作品の中ではトラック8の「音楽作品集第7番」がシャコンヌとして比較的知られていますが、ここで聴くゴットリープの作品は堂々とした見事なものであり、重心の低いハープシコードの迫力ある音色と相まって、素晴らしい名曲として立ち現れています。
8.572611
ピアソラ:ヴァイオリン、金管五重奏、パーカッションによるタンゴ集
ビオレンタンゴ/アメリタンゴ
トリスタンゴ
ブエノスアイレスの四季
ウンデルタンゴ/ノヴィタンゴ
タンゴの歴史/天使の死
メディタンゴ/アヴェマリア
オヴリヴィオン/リベルタンゴ
※全てドナート・デ・セナ編曲
クィンテット・ディ・オットーニ・エ・ペルクッシオーニ・デラ・トスカーナ
[アンドレア・デルッラ(Tp)、ドナート・デ・セラ(Tp)/パオロ・ファッジ(Hrn)、アントニオ・シコーリ(Tb)、リッカルド・タルリーニ(Tub)、ロベルト・ビッキ(Perc)、アンドレア・タッキ(Vn)]
今や、知らぬもののないほどに人気を博しているピアソラ(1921-1992)のタンゴ。ピアノで演奏したり、ヴァイオリンで演奏したりと、あらゆる楽器でのラインナップが揃っている感がありますが、このアルバムで闊達な演奏を繰り広げるのは、何と金管五重奏+パーカッション。そして曲によってヴァイオリンのオプション付き!という驚きのアンサンブルです。このイタリアのアンサンブル、とにかく上手くてカッコいい!の一言です。アルバムの中心となるのは、もちろん「ブエノスアイレスの四季」!ピアソラがブエノスアイレスの波止場を散歩しながらヴィヴァルディの四季に思いを馳せたかのようなユニークな編曲で、2人の大作曲家が250年の年月を超えて手を取り合い踊る様が描かれているかのようです。ピアソラ演奏に新たな可能性を示した1枚です。
8.572621
モンサルバーチェ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
パラフラシス・コンチェルタンテ(1975)
子守歌(1957)
スペインのスケッチ(1943)
3つのプリクロミア(1994)
ファーナビー:「エスパニョレッタ」の主題による変奏曲(1945)
1ピアノ三重奏曲(1986-1988)*
エヴァ・レオン(Vn)
ホセ・ラモス・サンタナ(P)
シビル・ジョーナー(Vc)*

録音:2011年4月22日、2011年5月25日、2011年5月26日
20世紀スペインで最も重要視されている作曲家、モンサルバーチェ(1912-2002)。彼はその生涯に渡って様々なジャンルの200以上の作品を書いています。中でもヴァイオリンとピアノのための作品は、彼の音楽生活のほぼ全ての時期に渡って書かれていて、この1枚を通して聴くだけで、その作風の変遷がわかるという優れものです。確かに彼の作風は時代によって変化しており、初期の頃は12音技法とワーグナー風の厚みのある音を好んでいましたが、その後はカタロニア民謡の影響を受け、最終的には前衛的でありながらも、どこか温かみのある響きを作り出すことに成功したと言えるでしょう。小規模ながらも見事な均整を誇るパラフラシス・コンチェルタンテ。ちょっと古風な子守歌、そして“いかにも”と言った「スペインのスケッチ」。彼の後期の代表作の一つ「3つのプリクロミア」では巧妙にダンスのリズムを取り入れながら音楽が進みます。変奏曲は、ルネサンス時代の作曲家ファーナビーの親しみやすいメロディを主題にしていますが、以降の変奏でのヴァラエティ豊かな音楽の作りが魅力的。聞き手は知らない間に300年の時を旅することとなります。ピアノ三重奏も後期の作品であり、エレガントな第1楽章の最初はヴァイオリンとチェロの対話で始まり、ピアノが彩りを加え、曲は少しずつ盛り上がりを見せます。第2楽章はモンポウに敬意を表した静かな音楽。第3楽章は激しく情熱的。印象的で明快な楽章です。
8.572624
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第4集
交響曲第4番(1944-1952)
交響的詩曲「ヴァテック」(1913)
アルヴァロ・カッスート(指)
アイルランド国立SO
第4番の交響曲は彼の最後の交響曲で、8年の年月をかけて入念に仕上げられた作品です。4つの楽章からなる伝統に基づいた形式で書かれた後期ロマン派風のアプローチが顕著な作品で、冒頭のユニゾンで奏されるメロディはグレゴリオ聖歌のキリエを引用したものです。あまり対位法的な書法は見られず、全体的に厚みのあるハーモニーと躍動的なメロディが支配し、不協和音の中から突如経ち現われる金管のファンファーレや、弦のユニゾンには、思わず耳を欹ててしまう効果があるようです。交響詩「ヴァテック」はイギリスの作家ベックフォードがフランス語で書いた東方奇譚にインスピレーションを得て書かれた作品です。この世のありとあらゆる快楽を極め、地獄の宝物を奪還するために、悪の限りを尽くすヴァテックの物語で、1913年に書かれた作品ですが、曲の初演は1950年まで待たなくてはいけませんでした。その上、その際は第3変奏が演奏されることなく、結局全曲が演奏されたのは1961年になってから。確かにこの第3変奏曲は1913年当時の聴衆に受け入れられるとは到底思えないほど奇妙なもの。弦による59声のフーガはまるで嘲笑のようであり、突然中断されるまでの2分間は生きた心地がしないのですから。
8.572625
バラダ:カプリチョス第1番&第5番他
カプリチョス第1番「フェデリコ・ガルシア・ロルカへのオマージュ」(2003)**
カプリチョス第5番「イサーク・アルベニスへのオマージュ」(2008)*
ハーレムの小さな夜の音楽(2006)
リフレクションズ(1988)#
ベルトランド・ピエトゥ(G)**
アルド・マータ(Vc)*
タチアナ・フランコ(Fl)#
ホセ・ルイス・テーメス(指)イベリア室内O
NAXOSレーベルが殊の外力を注ぐ作曲家の一人が、このバラダ(1933-)です。民族性と伝統、アバンギャルドと現代性。これらを融合させ(かなり)スパイスを利かせた味わいは、曲によって多少のばらつきはあるものの、まるで匂いの強いチーズのような味わいであり、好きになったら手放せない中毒性を帯びています。このカプリチョスは、どちらも偉人たちへのオマージュと銘打たれていますが、内容はギターとチェロの協奏曲風な作りです。まあ、とにかく内容がエキサイティング。まさに血わき肉躍るといった表現がぴったりです。かき鳴らされるギター、叩き付けるようなヴァイオリン。「なぜここまで?」と思うほどに激しく、胸を打つ音楽が押し寄せてきます。「子守歌」でさえ、ゆったりとしたギターの歌は不安げな弦にかき消されるかのようです。アルベニスのピアノ曲からインスピレーションを受けた「第5番」も強烈な音楽です。
8.572626(2CD)
グァルニエリ:ピアノ作品集第1集
黒いダンス(1946)
ブラジルのダンス(1928)
乱舞(1931)/ポンテイオ第1集(1931-1935)
ポンテイオ第2集(1947-1949)
ポンテイオ第3集(1954-1955)
ポンテイオ第4集(1956-1957)
ポンテイオ第5集(1958-1959)
小組曲(1953)
ピアノ・ソナタ(1972)
マックス・バロス(P)

録音:ニューヨークヨンカーズ,オクタヴェン・スタジオ、2011年5月23-24日,7月1日,9月25日,10月23日,11月8日
20世紀ブラジルを代表する作曲家“モーツァルト”カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993)。ファーストネームの真の読み方は「モザルト」になりますが、どちらにしても音楽好きの父親が畏れ多くも、あの神童の名前をいただいてしまったのは有名な逸話です。そんなグァルニエリですが、とても色彩感たっぷりの音楽を書く人で、NAXOSレーベルからリリースしているピアノ協奏曲なども、熱い音楽好きの人気を集めています。そんな彼のピアノ曲もとても情熱的なもので、どことなくジャジーな「3つの舞曲」を始め、彼による造語である「ポンテイオ」(ポルトガル語の「弦楽器を弾く(pontear)」と「前奏曲(preludio)」の合成)での心躍る小品集など、本当に魅力たっぷり。現代的な響きの中にどこか懐かしさを感じさせてくれるのが素晴らしい!しゃれた音楽を聴きたい人にぜひオススメ。
8.572628
ピラーティ&ロンゴ:ピアノ五重奏曲
ピラーティ(1903-1938):ピアノ五重奏曲ニ長調(1927-1928)
ロンゴ(1900-1954):ピアノ五重奏曲(1934)
※世界初録音
チコルーロ・アルティスティコ・アンサンブル
[メンバー:ダリオ・カンデーラ(P)
ジュセッペ・カロテヌート(Vn)、
ニコラ・マリーノ(Vn)
ジュセッペ・ナヴェッリ(Va)
マヌエラ・アルバーノ(Vc)>
アルド・チッコリーニ(P)
このアルバムは、ほとんど無名な2人のナポリの音楽家を取り上げます。もちろん全て世界初録音となる貴重な物です。ピラーティは音楽学者ガヴァッツェーニが「歌のように気まぐれで、活動的。南のバロックのようだ」と評した作曲家。たしかにこのピアノ五重奏曲は、なぜ、この曲がニ長調なの?と思うほど、最初はびっくりするほど暴力的に始まるります。もちろん3分ほど過ぎると、泣きたくなるほど甘美な曲想へと変わるのですが。全く聴き手を翻弄される興味深い作品です。もう一人のロンゴは、ピアニスト、アルド・チッコリーニの師の一人であり、この録音にもチッコリーニ自身が参加、音によるリスペクトを成し遂げています。彼の作品は緊密な音で構成されながらも、どこかしら暖かく、喜ばしさを湛えています。チコルーロ・アルティスティコ・アンサンブルは、このような知られざる作品の復興を積極的に行っているアンサンブルです。
8.572629
モートン・グールド:デリヴァーションズ
自由へのファンファーレ(1942)
セント・ローレンス組曲(1958)
ジェリコ狂詩曲
ソロ・クラリネットとバンドの為の「デリヴァーションズ」
交響曲第4番「ウェスト・ポイント」
ステファニー・ゼルルニック(Cl)
スコット・ワイズ(指)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル
モートン・グールド(1913-1996)はアメリカの作曲家、編曲家、ピアニストです。多くのクラシック・ファンにこの名前を告げると、「えっ?あのピアニストがそんな曲を書いていたの?」とかなりの確率で訊き返されること間違いなし。もちろん、その時、相手の頭に浮かんでいるのは、あの“猫背”のバッハを素晴らしく個性的に弾くピアニストですが。さて、モートン・グールドです。彼は様々なジャンルの音楽とクラシック音楽を融合させ、自作自演も含めて米RCAに膨大な録音を残していることで知られます。日本でとりわけ知られているのは、日曜洋画劇場のエンディング曲。コール・ポーターのミュージカル・ナンバーをラフマニノフばりのピアノ協奏曲に仕上げた逸品をご記憶の方も多いのではないでしょうか。これもグールドの作品でした。さて、そんな彼。吹奏楽ファンの間では、「ジェリコ狂詩曲」や「ウェスト・ポイント」の名曲で知られていますが、その他の吹奏楽作品をこうしてまとめて聴けるのは嬉しい限り。伝説的クラリネット奏者、ベニー・グッドマンのために書かれた「デリヴァーションズ」のはじけぶりも必聴です。
8.572630
期待の新進演奏家シリーズ/アンドラーシュ・チャーキ(G)
バッハ:リュートのためのパルティータホ長調BWV1006a
ブリテン:ダウランドによる夜想曲Op.70
デュアート(1919-2004):カタルーニャ民謡による変奏曲Op.25
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ソナタ「ボッケリーニを讃えて」Op.77
アンドラーシュ・チャーキ(G)
ブダペストのリスト音楽アカデミーを2007年に卒業し、現在は助教授として後進の指導を精力的に行っている若きギタリスト、アンドラーシュ・チャーキのデビュー盤です。彼は各地で開催される数多くのコンクールで賞を獲得しましたが、何よりも第51回東京国際ギターコンクールで優勝したことで、既に日本のファンの間ではおなじみ。このアルバムに楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか?ここでは、彼が得意とするバッハを始め、難曲として知られるブリテンの作品や、カステルヌォーヴォ=テデスコの作品とデュアートの作品を演奏、また新たな魅力を振りまいています。彼の持つ確固たる音楽性は、輝かしい将来を期待させてくれるでしょう。
8.572631
ロシアのヴァイオリン協奏曲集
コニュス(1869-1942):ヴァイオリン協奏曲ホ短調(1898)
ワインベルク(1919-1996):ヴァイオリンと弦楽のためのコンチェルティーノ(1948)…世界初録音
アレンスキー:ヴァイオリン協奏曲イ短調(1891)
セルゲイ・オストロフスキー(Vn)
トーマス・ザンデルリンク(指)ボーンマスSO
チャイコフスキーの伝統を脈々と受け継ぐロシアのヴァイオリン協奏曲を3曲投入した「ロシア好き」にはたまらない1枚です。アレンスキーの作品は、そのチャイコフスキーの影響が強く感じられる抒情的な曲。1891年に書かれ、名手レオポルド・アウアーに献呈されています。アレンスキーの弟子であったコニュスの作品は、初演者クライスラーは擁護したものの、他のヴァイオリニストは目もくれませんでした。しかし、かのハイフェッツが愛奏したことで現在に至る人気を得ています。やはり哀切で情熱的な気分に満たされた熱い音楽です。ワインベルクの作品はよくショスタコーヴィチと比較されますが、この1948年に作曲されたコンチェルティーノは、彼の有名なヴァイオリン協奏曲よりも10年前に書かれたものであり、ショスタコーヴィチだけでなく、ミャスコフスキーやプロコフィエフなどの新古典派の影響も感じられる濃い作品です。数多くの受賞歴を持つオストロフスキーの「素晴らしい音色」は世界中で賞賛を浴びています。
8.572632
アニマ・メア-わが魂〜中世の聖なる音楽
作者不詳:汝の婚礼の間を飾れ
作者不詳:われは信ず,わが贖い主はいきたまう
ハース:天主の聖母マリア
作者不詳:救いのうちにある者
作者不詳:光なり日なるキリスト
作者不詳:水と求める鹿のように
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお新緑よ,その生命力よ
作者不詳:われらは粗布と灰をもちて
作者不詳:あがめよ,主の十字架を憐れみたまえ
作者不詳:あがめよ,主の十字架を憐れみたまえ
マニフィカト
主よ,われらの祈りを聞きたまえ
アンサンブル・コスメディン
[ステファニー・ハース(ヴォーカル,ベル)/クリストフ・ハース(ボウド・プサルテリウム&ベル&ロング・ネック・リュート・タンブーラ&テノール・フィドル・ルベーバ)]
今からおよそ1000年ほど前のヨーロッパ。この頃は、ゲルマン民族大移動が収拾して定住化が進み、それと共にキリスト教が大衆へ浸透し、封建制社会が確立していったとされます。人々におけるキリスト教の概念は一体どのようなものだったのでしょう?このアルバムで、当時の聖なる音楽を聴きながら、純粋な魂を模索してみるのはいかがでしょうか?ローマの典礼聖歌、中世ノートルダム楽派の音楽、讃歌、そしてビンゲンの書いた神との交唱。ほとんどが作者不詳であり、その音楽も簡潔なものですが、1曲ごとに新鮮な驚きと、ぞくぞくするような快感を味わうことができるでしょう。トラック3のみは演奏者、編曲者であるC.ハースの手によるもの。少々違った味わいが、これまたステキです。
8.572634
ヴァスクス:フルート作品集
フルート協奏曲(2007-2008/2011改訂)
無伴奏フルートとアルト・フルートのためのソナタ(1992)
アリアと舞曲(1972/2010改訂)
無伴奏フルートのための「鳥のいる風景」(1980)
マイケル・ファウスト(Fl)(アルト・フルート持ち替え)
シェイラ・アーノルド(P)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
パトリック・ガロワ(指)

録音:2010年5月5-6日ユヴァスキュラハンカサルミ教会
2012年1月13日ドイツケルン,ヴィスマンシュトラーセ
現代ラトビアの作曲家、ペトリス・ヴァスクス。彼の作品は、時として底抜けの明るさと焼け付くような表現力を持つ特異なものですが、それは彼の関心が、自然の賛美や生命の美しさ、そしてこれらを脅かす生態系の破壊にあり、音楽を創る時に常にそれらを念頭に置き、これらにラトビアの民謡を織り込みながら、切々とつづっていくとこにあるからでしょう。このフルーティスト、マイケル・ファウストのために書かれた「フルート協奏曲」もそんな作品で、第2楽章の冒頭のような抒情的なパッセージを突如切り裂く攻撃的なリズムなど、多くの事を語りかけてくる骨太の音楽に仕上がっています。2009年にセミヨン・ビシュコフとファウストによって初演されましたが、その2年儀に改訂され、より表現力を持つ音楽への変貌した作品です。かたや「ソナタ」は巧みに書かれた抒情的な作品です。無伴奏の「鳥のいる風景」も風景が見えてくる作品です。
8.572633
カラビッツ:管弦楽のための協奏曲集
イワン・カラビッツ:管弦楽のための協奏曲:第2番(1986)
 第3番「Holosinnya(嘆き)」(1989)
 第1番「Musikalnoe prinosheniye Kievu(キエフへの音楽)」(1980-81)
 ※以上、世界初録音
シルヴェストロフ:エレジー(2002)
 別れのセレナーデ(2003)
キリル・カラビッツ(指)ボーンマスSO

録音:2010年6月14-15日UKプール,ライトハウス
ウクライナで生まれ、キエフ音楽院でリャトシンスキーとスコリクに学んだカラビッツ(1945-2002指揮者のキリルは言うまでもなく息子)。彼は1991年のウクライナ独立後、この国の音楽界を牽引する立場となり、キエフ音楽祭の芸術監督を務め、またキエフ・チャイコフスキー音楽院で作曲の教授として後進を指導、数々の業績を残しました。彼の作風はマーラーやショスタコーヴィチ、シチェドリンの影響を感じさせながらも、自国の民族音楽の特徴を巧みに取り入れたもので、この色彩的で、時として豊かに響き過ぎる音楽は聴き手の心をつかむことは間違いありません。この3つの管弦楽のための協奏曲は彼の魅力を端的に伝えるものです。そして57年という決して長くはない生涯を閉じてしまった彼のために、同胞シルヴェストロフ(1937-)が書いた2つのメモリアル…素材にカラビッツのスケッチを用いた2人の友人の親密な会話であり、とりわけ優しく包み込むような「別れのセレナーデ」のモデラートの部分は涙なくしては聞けません。
8.572635
カーゲル:フルートのための作品集
1.コンチェルト(2001-02)
2.幻想小曲集(フルートとピアノ編)(1987-88)
3.ピッコロと弦楽四重奏のための「パン」
4.幻想曲集(フルート、ピアノとアンサンブル編)(1987-88)
ミヒャエル・ファウスト(Fl…1.2.4/ピッコロ…3)
パウロ・アルバレス(P)…2.4
アンサンブル・コントラスツ…3.4
ロベルト・HP・プラッツ(指)…4
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ…1
パトリック・ガロワ(指)…1
アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれ、作曲は独学で習得したというカーゲル(1931-2008)。1957年にケルンに移住し、すぐさま独自の「破壊的な」作風を確立、電子音楽や前衛音楽の先鋒者として、音楽と劇、映画を統合した「総合音楽」を提唱したことで知られます。そんな彼の作品は、どれもパフォーマンス的な要素が強く、ここで聴ける4つの作品も一筋縄ではいかないものばかりです。コンチェルトは、一応フルート協奏曲の形式をとっていますが、伴奏の弦楽合奏、パーカッション、ハープなどは全てフルートと同等の扱いを受けているため、名前の通りの印象を受けることはあまりありません。トラック3の「パン」は、あの有名なパパゲーノの笛をモティーフにしたもので、現代に迷い込んだ鳥刺しの困惑が描かれているかのようです。またシューマンに敬意を表した「幻想小曲集」では、2つのヴァージョンを聴くことができます。フルートとピアノ版で古典的とも言えるアンサンブルを堪能した後に、もう一つのヴァージョンを聴いてみると、一層の面白さを感じられることでしょう。
8.572636
モンサルバーチェ:ピアノ作品集第3集〜2台ピアノのための音楽集
バルセロナ・ブルース
万華鏡/オマージュ
忘れられた作曲家たちの主題による3つのディヴェルティメント
ソプラノと2台ピアノ、2台のパーカッションのための「私は虫である」
5つの「十字架への祈り」
ホルディ・マソ(P)
ミケル・ビリャルバ(P)
ピア・フロイント(S)
フェラン・カルセレル(Perc)
ミゲル・アンヘル・マルティネス(Perc)
バルセロナ216
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
20世紀のカタロニア文化発展に大きく貢献した作曲家ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)。このアルバムでは、彼が残した2台ピアノのための音楽をお楽しみいただけます。これを聴いたら、最初に置かれたジャズ風味満載の「バルセロナ・ブルース」から驚くことは間違いありません。こんな作風の人だったっけ?そう思いながら次の「万華鏡」に進むと、これまた渋くも楽しい曲が並びます。アリシア・デ・ラローチャから依頼されたアンコール用の曲である「オマージュ」など聴きやすい曲もステキですが、圧巻は彼の本領が発揮された「十字架への祈り」でしょう。ラテン語やスペイン語のテキストを縦横に用い、神秘的な世界を描いています。
8.572637
シャルヴェンカ:ピアノ協奏曲第4番他
ピアノ協奏曲第4番ヘ短調 Op.82
歌劇「マタスヴィンタ」から序曲
チェロ・ソナタホ短調 Op.46〜第22楽章(ハープ、オルガン、弦楽による編曲Op.46a)
ポーランド舞曲集〜第1番変ホ短調/第8番変ロ短調/第15番変ロ長調
フランソワ・クサヴィエ・ポワザ(P)
ウカシュ・ボロヴィチ(指)ポズナ二PO
ポーランドのピアニスト、作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)のピアノ協奏曲です。15歳の時に家族とともにベルリンへ移り住み、兄ルートヴィヒとともに音楽教育を受け、才能を開花させました。1869年にピアニストとしてデビュー、併せて作曲家としても人気を獲得。室内楽などいくつかの曲が出版され、このアルバムにも収録されている「ポーランド舞曲第1番」は発行部数100万部を記録するほどの大人気となったと言います。このピアノ協奏曲第4番は1908年に作曲され、1910年にはニューヨークで、当時訪米中であったマーラーの(指)により初演されています。またストコフスキーの(指)でも演奏するなど、当時大変人気があった曲ですが、一時期すっかり忘れ去られてしまいました。アール・ワイルドなどヴィルトゥオーゾ系のピアニストによって、細々と人気を保っていましたが、最近になって彼の人気が復興。華麗なピアニズムとむせ返るようなロマン性は、確かに一度聴くと病みつきになるはずです。
8.572639
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ
シンフォニエッタ
クリスティーネ・リボー(S)
エヴァ・マルシニク(A)
ティモシー・ベンチ(T)
ヴォチェク・ギールラッハ(Bs)
ヤロスラフ・マラノヴィチ(Org)
ワルシャワ・フィルハーモニーcho
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
晩年になって、人生の輝きを取り戻したヤナーチェク(1854-1928)は、堰を切ったように次々と名作を生み出します。この「グラゴル・ミサ」と「シンフォニエッタ」もその中に含まれる人類の至宝とも言える傑作です。「グラゴル・ミサ」のグラゴルとは、スラヴ人が使った最古の文字と言われることから、この曲はスラヴ文化のための奉祝であると同時に、彼にとっての最高の人であったカミラへの思いが結実しているようです。大規模な管弦楽、合唱、独唱、そしてオルガンが織り成す、神秘的で輝くような調べは聴くものの心を躍らせます。「シンフォニエッタ」は最近人気が急上昇している曲でもあり、本来は軍楽のために構想された作品。金管が大活躍する冒頭から、わくわくするような楽想に満ちています。ヴィトとワルシャワ・フィルという最高の演奏者による2つの作品、まさに文句のつけようのない名演が繰り広げられています。
8.572640
アーノルド:協奏曲集
シェイクスピアのチェロ協奏曲 Op.136(1988/2000年改訂版)
フルートと弦楽のためのコンチェルティーノOp.19a(D.エリスによるフルート・ソナチネの編曲)(1948/2000年改訂版)
リコーダーと弦楽四重奏のための幻想曲
Op.140(1990/2001年改定版)
サクソフォン協奏曲(D. エリスによるピアノ・ソナタの編曲)(1992/1994)
弦楽のための交響曲 Op.13(1946)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
エステル・インガム(Fl)
ジョン・ターナー(リコーダー)
カール・レーヴェン(アルトSax)
リチャード・ハワース(指)マンチェスター・シンフォニア
ニコラス・ウォード(指)ノーザン室内O

※一部世界初録音
映画音楽でも有名なマルコム・アーノルド(1921-2006)は、もともとはトランペット奏者で、名門ロンドンPOの首席を務めたこともあるほどの腕前でした。作曲家としても多くの作品を書き、変化に富んだ作風で聴き手を楽しませています。ここに収録された曲は、彼の活動の初期から後期までの長い時間に渡って書かれたものを選りすぐっており、彼が生涯を通じて、どんな音楽を書きたかったのかが理解できるかと思います。迫力たっぷりの音に聴き惚れていると、直後に軽くいなされるような、変幻自在の表情が魅力的なアーノルドの作品は、イギリス音楽好きだけでなく、もっと広く愛されるに値する名曲ぞろいです。
8.572641
ブライアン:古い韻による幻想的変奏曲(1907)
交響曲第20番嬰ハ短調(1962)
交響曲第25番イ短調(1966)
アンドリュー・ペニー(指)
ウクライナ国立SO
MARCO POLO*8.223731より移行盤
長大で複雑な作品を書くことで知られるブライアン(1876-1972)。このアルバムに収録された2つの交響曲は、長さの面(だけ)なら比較的取っつきやすいものでしょう。1962年に書かれた第20番は予想以上にコンパクトで、洗練された主題を持ち、表現力豊かです。そして1966年に書かれた第25番は、より古典的な構成を持ち、美しいメロディを持っています。しかし・・・ブライアンです。一筋縄でいくわけはありません。この楽章の配置を見てください。一つの楽章はいくつもに細分され、目まぐるしく表情を変化させます。終わると見せかけて終わらない。そしていつの間にか別世界へ持っていかれる感覚。これは病みつきになります。冒頭に置かれた「古い韻による幻想的変奏曲」は、彼の初期の作品で、シベリウス、R.シュトラウスなど、当時隆盛を誇っていたたくさんの作曲家の影響が感じられます。これはこれで微笑ましいものです。
8.572642
マデルナ:ピアノ協奏曲(1942)*
ピアノ協奏曲(1942)(2台ピアノ編曲版)
2台のピアノのための協奏曲(1948)
クワドリヴィウム(1969)
アルド・オルヴィエート(P)
ファウスト・ボンジェッリ(P)
カルロ・ミオット(指)
グルッポ40.6
アレーナ・ディ・ヴェローナO

*…世界初録音
イタリアの現代作曲家&指揮者であるマデルナ(1920-1973)。彼はテープ音楽を好み、また古楽への造詣も深く、自らの作品に不確定性を取り入れたた人として知られています。そんな彼、1959年に作曲した「ピアノ協奏曲」はグランド・ピアノの蓋を乱暴に閉めるなどという“恐ろしい指示”がされていることで評判となっていますが(これも不確定性ですね)こちらの1942年に書かれたピアノ協奏曲は、バルトークの世界に没頭している学生が書いたもので、長らく失われていた若書きの作品です。もちろん天才の萌芽は至るところに見えていて、今後どのような世界へと進んでいくのだろう?と興味が尽きないものです。その4年後に2台ピアノ版へと発展させたトラック2,そしてその思考を熟成させたトラック3は、まるで兄弟のように同じ香りを有しています。その20年後に書かれた晩年の「クワドリヴィウム」(天文学、算術、幾何学、音楽)は、彼が求めた世界の一つの答えであり、「4つ」というキーワードの上に音を重ねていくという試みから生まれる刺激的な音楽…ストーリーです。
8.572643(3CD)
エルガー:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
弦楽セレナード ホ短調 Op.20
ロマンス Op.1
3つの性格的小品 Op.10(ヴァイオリンとピアノ編)
ビザリエーリ Op.13-2
セレナード/子守歌 Op.4-1
朝の歌 Op.15-2/夕べの歌 Op.15-1
気まぐれな女 Op.17/ガボット
愛の挨拶 Op.12
エチュード・カプリース
5月の歌/ヴィレライ Op.4-3
バイエルンの高地〜第2番「子守歌」
カリッシマ/16.告別
性格的練習曲集 Op.24
スルスム・コルダ Op.11
パストゥレイユ Op.4-2
3つのバイエルン舞曲 Op.27〜<射手/踊り>
ため息 Op.70
子守歌-小さな女王(原曲;ベロー、エルガー編)
ポロネーズ ホ短調
組曲「子ども部屋」〜第7楽章
愛の言葉 Op.13-1
エルガーの主題によるワルツ追想
「インドの王冠」〜間奏曲
GEDGEによるアレグレット
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調
フーガ ニ短調
マラト・ビゼンガリエフ(Vn)
西カザフスタンPO
バッディット・アングラングシー(指)
カミラ・ビゼンガリエヴァ(Ob)
ベンジャミン・フリス(P)

CD2.3…Black Box Musicより移行盤
エルガー(1857-1934)のヴァイオリン作品をとことん聴きたい方にうってつけの3枚組。魅惑的で情熱的な「ヴァイオリン協奏曲」や、近年人気が高まっている「ヴァイオリン・ソナタ」はもちろんのこと、あまり聴く機会のないサロン風小品まで、ヴァイオリンの名手でもあったエルガーらしい多彩な作品が並んでいます。ここで演奏しているのは、NAXOSアーティストの中でもとりわけ人気の高いビゼンガリエフ。ヴィニャエフスキの小品集での香り高い演奏を始めとした一連の録音はNAXOS好きの間で「神」演奏とされています。
8.572647
カタロニアのピアノ三重奏曲集
ロベルト・ジェラール(1896-1970):ピアノ三重奏曲第1番(1918)
モンサルバーチェ(1912-2002):ピアノ三重奏曲(1986-1988)
カサド(1897-1966):ピアノ三重奏曲ハ長調(1926-1929)
トリオ・アリアーガ
<ダニエル・リゴーリオ(P)、フェリペ・ロドリゲス(Vn)、デヴィッド・アペラニス(Vc)>
3人のカタロニアの作曲家たちによるピアノ三重奏曲集です。ロベルト・ジェラールはファリャ以降の世代で最も優れたスペイン人作曲家として評価されています。シェーンベルクの影響を受け、無調の音楽をスペインに持ち込んだことで知られていますが、この初期の三重奏曲はフランス風の洗練された味わいを持つものであり、瑞々しい若者の感性漲る流麗な作品です。次のモンサルバーチェの曲は、どこか官能的な響きを持つ「ドルシネアのバラード」という楽章で始まります。第2楽章は彼が尊敬していたモンポウへのオマージュで、静謐な響きが横溢しています。そして活動的な第3楽章「リトメッロ」はジャズの雰囲気を持ちあわせています。カザルスの弟子であり、チェリストとしても高名なカサドの作品は、力強い民族的なリズムを持つ輝かしい作品で、先人たちの影響を受けつつも、決してロマン派の風合いをなくすことなく、独自の世界を築いています。
8.572648
ロドリーゴ:ヴァイオリンを伴う室内楽作品集
1-3.ソナタ・ピンパンテ(1966)
4-10.7つのバレンシアの歌(1982)
11. カプリッチョ(サラサーテに捧げる)(1944)
12-13.暁へのセレナード(1982)
14-15.2つのスケッチ(1923)
16.ルーマニアーナ (1943)
エバ・レオン(Vn)
オルガ・ヴィノクール(P)…1-10.14-16
ヴァージニア・ルケ(G)…12-13

録音:2015年5月11-13日USAニューヨーク,アダム・エイベスハウス・レコーディング・スタジオ
名作「アランフェス協奏曲」で知られるロドリーゴ(1901-1999)。ギター作品の作曲家と思われがちですが、実は彼は優れ たピアニストでもあったため、ピアノ曲や室内楽作品も数多く作曲しています。200曲以上もあるその作品の中では、ヴァ イオリン曲はあまり多くありませんが、どの曲にも強い叙情性と独創性が満ち溢れています。「おしゃれな」といった意味を 持つ「ピンパンテ」と名付けられたソナタは、作曲家の義理の息子であるセルクル・ゴロワーズに捧げられた曲で、第2楽章 のアダージョは熱烈なラテンのリズムを持つ中間部が印象的。民俗風のメロディが美しい「バレンシアの7つの歌」は多彩 なメロディが次々と現れる楽しい曲。無伴奏で奏される「カプリッチョ」はサラサーテの生誕100年を祝して作曲された躍 動的な小品。ギターとの二重奏「暁へのセレナード」はギターの妙技もたっぷり楽しめます。ロドリーゴ初期の作品「2つの スケッチ」の第1曲は、噴水の水の煌きがそのまま反映された前奏に導かれ、少女の恋心が切々と歌われます。第2曲目は 活発なダンス。スペインのヴァイオリニスト、サルバトール・ジョセフィーナに捧げられた「ルーマニアーナ」も同じく情熱 的なダンスです。トゥリーナ(8.570402)、モンサルバーチェ(8.572621)でその演奏が絶賛されたスペイン、カナリー諸島 出身のヴァイオリニスト、エバ・レオンの演奏です。
8.572649
ホルブルック:ヴァイオリン協奏曲「バッタ」他
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) 第1番Op.6a
ホルン三重奏曲ニ長調Op.28(原典版
ヴァイオリン協奏曲「バッタ」(ヴァイオリン・ソナタ第2番)Op.59
メゾチント集Op.55-第2番恍惚(ヴァイオリンとピアノ編)※全て世界初録音
マーク・スミス(Hrn)
ケレンツァ・ピーコック(Vn)
ロバート・スティーヴンソン(P)
イギリス、クロイドン生まれの作曲家ホルブルック(1878-1958)のヴァイオリン作品集です。彼は12歳でピアニストとしてデビュー、その後指揮活動を続けながら、作曲家としての道を志し、22歳の時に交響詩「大鴉」を発表。次々と大作をものにし、ついには「コックニーのワーグナー」と呼ばれるほどの同時代の作曲家の中でも先進的な位置を獲得したのでした。しかし、第一次大戦後も後期ロマン派の作風を捨てることなく、また、常に大作の上演・・・ワーグナー風の連作・・・を夢みていたため、結局は時流に乗れずに、次第に忘れられてしまったのです。とはいえ、彼の器楽曲はもっと気楽で明るく魅力的なものであり、民謡風の主題をもつ素朴なものです。アルバム・タイトルになっているヴァイオリン協奏曲「バッタ」は彼自身が、協奏曲版とソナタ版(こちらの方の最終楽章が若干平易に書かれている)の2つのヴァージョンで出版していますが、この録音では難しい方の協奏曲版を用いています。
8.572650
マグヌス・ローゼン:Past Future
Trandans/ソナタト短調(エクルズ原曲)
En Glimt/Slow Sea
Land of Spirit/Purple Haze
Blues Man/Badinerie(バッハ原曲)
Past Future
En bank intill paradiset
Gate to Heaven
Romance Between East and West
マグナス・ローゼン(エレクトリック・ベース)
スザナ・リスベルイ(G)
ビルガー・ロフマン(ドラムス)
フヴィラ・カルテット
ダヴィッド・ビョルクマン(指)イェテボリSO
豊穣なるオケの響きに耳を澄ませていると、突然辺りを切り裂くように響いて来る音。ちゅいーん、ちゅいーん、びょん、びょん・・・。えっ?これNAXOSなの?とびっくりしながら聴き続けていると、すごく楽しくなってきちゃいます。世界を征服したNAXOS、先日はエレキ・ギターを手中に収めたかと思えば、今回はエレクトリック・ベースを制圧しました。「そういえば、昔インギーがこういうアルバムを出していたなぁ」なんて懐かしくなってしまいます。ここですごいベースを弾いているのは90年代終わりから2007年までハンマーフォールで活躍したマグヌス・ローゼン(1963-)。北欧のヘヴィメタ・シーンを語るには外せない大物がなぜNAXOSに?思うところは色々ありますが、とりあえず全ての人にオススメします。
8.572651(2CD)
スーザ:行進曲傑作集
海を越えた握手/忠誠/
ロイヤル・ウェールズ・フュージリア連隊
剣と拍車/キング・コットン
パナマの開拓者/自由の鐘
自由の精神に敬礼を/黒馬の騎兵隊
士官候補生/テキサスの娘たち
美中の美/旗の騎士/雷神
ワシントン・ポスト/ヤンキー海軍の栄光
星条旗よ永遠なれ
聖なる殿堂の貴族たち
進めウィスコンシン永遠に
無敵の鷲/勇志は前線へ
外交官/ピカドール/ジャック・ター
アメリカ第一/名誉の砲兵隊
ミネソタ行進曲
アトランティック・シティー・ページェント
150年祭博覧会/セビリアの花
ココーランの候補生/国技
銃弾と銃剣/海軍予備役
キース・ブライオン(指)
ロイヤル・アーティレリー・バンド
この2枚のCDの中にスーザ(1854-1932)の名行進曲が34曲入っています。おなじみの曲から、聴いたことがあってもタイトルを思い出せない曲まで、どこから聴いてもかっこ良く、また気分を高揚させてくれます。家でじっくり聴くのもよし、ドライブのお供にもよし。
8.572653
ラター:グローリア(1974)<アレグロ・ヴィヴァーチェ/アンダンテ/ヴィヴァーチェ・エ・リトミコ>
マニフィカト<わが魂は主を崇め/ばらよ、愛しいばらよ/全能者は為したもうた/そして憐れみは/主は力をふるい/飢えている人を/父に栄光あれ>
テ・デウム
エリザベス・クラッグ(S)
セント・オールバンズ大聖堂cho/
トム・ウィンペニー(Org)/
アンドリュー・ルーカス(指)
アンサンブル・デコラム
現在の英国で最も人気の高い作曲家と言えば、まずこのラター(1945-)の名前が挙がることでしょう。合唱好きの間では清冽なレクイエムがとりわけ知られていますが、他の多くの合唱曲も、その平易な歌い口と、斬新なリズム、そして美しいハーモニーが大人気。2011年のロイヤル・ウェディングでも彼の曲が晴れ晴れと演奏され、列席した人のみならず、世界中の「若き2人」を見守る人々の心に強い感動を巻き起こしました。このアルバムには伝統的な形式に則った宗教曲を3つ収録。どれも鮮烈でダイナミック。この、まるで映画音楽のようなスペクタクルな世界こそ、クラシック音楽に馴染みのない人にも広く親しまれる要因なのかもしれません。
8.572654
ディキンスン:ピアノ作品集
1.ワイルド・ローズ・ラグ
2.ブルー・ローズ
3-9.パラフレーズU
10.コンチェルト・ラグ
11.クァルテット・ラ
12-19.ビタリタス・ヴァリエーション
20-22.サティの3つのトランスフォーメーション(グノシェンヌによる)
23.バック・イン・ブルー
24.ヒム・チューン・ラグ
25.パトリオティック・ラグ
26-29.ピアノ・ブルース
30-34.5つのディヴァージョン
ピーター・ディキンスン(P)

※トラック10以外は世界初録音
トラック1.2.11.26-29…Conifer Recordsより移行盤、
トラック10.20-25.30-34…Albany Recordsより移行盤
このちょっと変わった作品集は、イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の手によるもの。合唱作品などでは、恐ろしいまでにシリアスな作風を示す人なのに、なぜこれらのピアノ曲は楽しげでジャジーなのでしょう?そんなラグタイム集、最初の2曲は、ピアノを愛する人にはおなじみのマクダウェルの「荒れ野のバラ」がモティーフとして使われています。はじけるような第1曲、憂鬱な第2曲と、シンプルな原曲が変貌する様をとくとお聴きください。他には自作からのパラフレーズや、サティ、バッハの作品のラグ化など、何とも嬉しくなるような曲が34曲詰まっています。他レーベルからの移行盤ではありますが、録音当時はトラック10以外、世界初録音という貴重なものでもあります。
8.572656
クシシトフ・メイエル:弦楽四重奏曲集第2集〜第9番,第11番,第12番
弦楽四重奏曲第9番Op.74(1990)
弦楽四重奏曲第11番Op.95(2001)
弦楽四重奏曲第12番Op.103(2005)
ヴィエニャフスキSQ
<ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(Vn)、ミロスラフ・ボチェク(Vn)、レフ・バラバン(Va)、マチェイ・マズレク(Vc)>
1943年、ポーランドのクラコフ生まれのメイエル(1943-)の弦楽四重奏曲第2集です。ペンデレツキとブーランジェの指導を受けた人ですが、単一楽章で書かれた第11番の弦楽四重奏曲からは、明らかにショスタコーヴィチの影響が感じられます。5つの楽章に分かれ、それらが目まぐるしく変化するテンポが心地良い(?)快感を呼び覚ます第9番、そして彼の最も直近の作品である第12番は、9つの部分に分かれていて、それらが緊密な関係を持って描かれています。切れ切れのメロディは相互に睦みあい、古典派やロマン派の音楽のように、美しく響きあうのではないものの、精巧なポリフォニーは刺激的な響きを以って人間の感覚の奥深い部分に棲みつくかのよう。現代音楽の一つの形がここにあります。
8.572657
期待の新進演奏家シリーズ/アドリアーノ・デル・サルギター・リサイタル
タルレガ:アルボラーダ
 アラビア奇想曲/メヌエット
 ゆりかご/ロシータ
ソル:幻想曲Op.7
トローバ:性格的小品<前奏曲/オリベラス/メロディ/アルバーダ/パノラマ>
ロドリーゴ:祈りと踊り
モリコーネ(1928-):ミッションから「ガブリエルのオーボエ」(C.マルシオーネによるギター編)
アドリアーノ・デル・サル(G)
スペインの若手ギタリスト、アドリアーノ・デル・サルはフリアン・アルカス国際クラシック・ギター・コンクール優勝者であり、他にも国内、国際コンクールで少なくとも1ダースの1等賞を獲得、その才能はすでに世界中に広く知れ渡っています。このアルバムでは彼の広範囲なレパートリーの中から厳選した、スペイン・イタリアの作曲家たちの作品が取り上げられています。タルレガ、ソル、モレノ・トローバ、ロドリーゴ。この4人の作品はギターを語る上で避けては通れないでしょう。デル・サルは全ての曲に新たな命を吹き込みます。そして最後に添えられたモリコーネの作品での繊細かつ美しい表現と言ったら!ドイツの名工、マティアス・ダマンが制作した素晴らしい楽器の音色が華を添えています。
8.572658
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番ロ短調 Op.54
交響曲第12番二短調「1917年」Op.112
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
「ショスタコーヴィチ最高!」聴き終えた瞬間、そう叫びたくなるようなペトレンコのこのシリーズ。そろそろ中盤に差し掛かってきました。今回はファンは多いけれども、少々地味(?)な6番と、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の代表作の一つ、12番の組み合わせです。1839年に書かれた第6番は、表題こそありませんが、おそらく12番の原型であろうと推測されています。ひたすら暗くて不気味な第1楽章が印象的。抒情的なショスタコーヴィチを聴きたかったらこの楽章がよいでしょう。対照的に軽やかで美しい第2楽章、オーケストラの性能が試されるが如く音が乱舞する第3楽章と実は聴きどころの多い作品です。第12番は「十月革命とレーニンを具体化せんとしたこの作品は、レーニンを偲ぶものである。」と作曲家自身が語ったとされていますが、実は本心は別のところにあったらしい。というのが現在の定説になりつつあります。そうなると本当のところはどうなんだ?と裏の意味を探るのも一向ですが、まずは音楽をじっくり聴いてみましょう。いつもの如く、ペトレンコは容赦なくムダな贅肉を切り落としていきます。残った部分は本当に美味しそうな赤身だけ。曲にまつわる(とされる)エピソードに目を向ける暇もありません。
8.572659
チュルリョーニス:ピアノ作品集第1集
フモレスケト短調VL162
前奏曲ヘ短調VL164
前奏曲変ロ長調VL169
夜想曲ヘ短調VL178
即興曲嬰ヘ短調VL181
前奏曲ロ短調VL182a
夜想曲嬰ハ短調VL183
前奏曲嬰ヘ長調「主の使い」VL184
前奏曲嬰ヘ短調VL185
前奏曲ロ短調VL186
前奏曲変ニ長調VL187
前奏曲ヘ長調-イ短調VL188
前奏曲ヘ短調VL197
シャンソネット・ダイネールVL199
マズルカ変ホ短調VL222
前奏曲イ短調VL230
マズルカロ短調VL234
ソナタヘ長調VL155
ムーザ・ルバッキーテ(P)
※MARCO POLO*8.223549より移行盤
リトアニア生まれのチュルリョーニス(1875-1911)は、作曲家としてだけでなく、画家としても素晴らしい業績を残しました。36年にも満たない短い生涯の間に、約300点の絵画と200作もの曲を書き、そのどれもが高い完成度を持っています。彼は、ロシア近郊の貧しいオルガニストの息子として生まれ、ワルシャワとライプツィヒでピアノと作曲を学び、30歳近くになってから絵画を学びました。彼の絵画と音楽は密接に関係していて、伝統に囚われることのない、ロマンティックな作風が魅力的(ジャケットに使われているのも彼自身の絵画です)。ピアノ曲のタイトルはショパン風ですが、もっと素朴で簡潔な美しさに満ちています。ありあまる才能に恵まれ過ぎたのか・・・晩年は精神に異常をきたし、わが子の誕生を知ることもなくこの世を去ってしまいました。
8.572660
チュルリョーニス:ピアノ作品集第2集
前奏曲二短調VL239
前奏曲イ短調VL241
前奏曲ニ短調VL256
前奏曲ロ短調VL259
天にましますわれらの父よVL260
秋VL264/3つの秋の小品VL269-271
前奏曲二短調VL294
前奏曲二短調VL295
即興曲二短調VL298/前奏曲VL304
前奏曲二短調VL325
前奏曲ハ長調VL327/前奏曲ハ長調VL330
前奏曲イ長調VL335/前奏曲ト長調VL338
前奏曲二短調「おお我が親愛なる母よ」VL340
前奏曲ト短調VL343/前奏曲二短調VL344
フーガ編ロ短調VL345
弦楽四重奏曲ハ短調VL83(M.ルバッキーテによるピアノ編)
ムーザ・ルバッキーテ(P)

※MARCO POLO 8.223550よりの移行盤
第1集(8.572659)も大好評。チュルリョーニス(1875-1911)のピアノ作品集第2集です。こちらは彼の後期の作品を含むため、よりモダンな味わいになっています。ほとんどは彼が好んだ「前奏曲」として成立していますが、VL269から271までは、明らかにソナタとして計画されたようで、短いながらもまとまりのある、凝縮された音楽が見てとれます。トラック22から25までは、1901年から1902年に草案された弦楽四重奏曲(ここではピアニスト自身によるピアノ独奏編曲版を収録)は、出版される前に最終楽章が失われてしまいましたが、もし聴くことができれば、かなりドラマティックな世界が展開されたことでしょう。フーガVL345は彼の最後のピアノ作品で、暗く陰鬱なピアノの音色の中に厳粛な雰囲気が宿った感動的な曲となっています。
8.572661
シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.44
ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.4
ヴァイオリン,ヴィオラとピアノのための「おとぎ話」Op.132
ファイン・アーツSQ
【メンバー:ラルフ・エヴァンス(Vn1)
エフルム・ボイコ(Vn2)
ニコロ・エウゲルミ(Va)
ヴォルフガンク・ロイファー(Vc)
ワン・シャイン(P)】
繊細な感情を持つシューマンは、その作曲姿勢にも独特なものがあり、例えば作品を書く時にも、ある時にはピアノ曲ばかり、その次は歌曲、そして交響曲などと、特定のジャンルに集中的に取り組む傾向がありました。そんなシューマン、1841年に到来した「交響曲の時期」を過ぎると、次は室内楽曲の時期が来たようです。ピアノ五重奏曲やピアノ四重奏曲(どちらも変ホ長調)の代表作は1842年の作曲で、以降、シューマンは幅広いジャンルの作品を、精神の不均衡と戦いながら書きあげていくのです。このファイン・アーツ弦楽四重奏団とピアニストのワン・シャインの演奏は極めて表情豊かなもので、ピアノ五重奏曲の冒頭の胸の滾りを表すかのようなパッセージにも、細かな感情の揺らぎが見て取れる、痒いところに手が届くような素晴らしい演奏となっています。1853年に書かれた「おとぎ話」は、彼の神経の糸が切れてしまう直前の作品ですが、そこには驚くほどに明るく豊かな世界が広がっています。
8.572662
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64,MWVO14
ヴァイオリン協奏曲ニ短調MWV03
ヴァイオリン・ソナタヘ短調Op.4MWVQ12*
楊天堝(Vn)
ロマン・デシャルム(P)*
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ

録音:2010年9月1-3日フィンランドユヴァスキュラ,ハンカサルミ教会、2010年8月30-31日フィンランドユヴァスキュラ,ハンカサルミ教会、2011年12月15日ドイツザントハウゼン,クララ・ヴィーク・オーディトリアム
数あるヴァイオリン協奏曲の中でもとりわけ知名度が高く、また完成度の高い作品であるメンデルスゾーンのホ短調。しかし、あまりにも知られすぎているためか、却ってあまり耳にすることもない。という不思議な存在でもあります。さて、NAXOS期待のヴァイオリニスト楊天堝(ティアンワ・ヤン)によるこの名曲の演奏は、この曲にしみ込んだ手垢のようなものをきれいさっぱり洗い落としたかのような新鮮な感触であり、曲の持つ天真爛漫な美しさと技巧性を再確認させてくれること間違いありません。あまり耳にすることのない「ニ短調」も素晴らしい演奏であり、メンデルスゾーンを聴く喜びを再確認させてくれることでしょう。ガロワ指揮するシンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラの揺るぎない伴奏も見事。14歳の作品である「ソナタ」も、その完成度の高さに息を飲むことでしょう。
8.572664
ムツィオ・クレメンティ:ピアノ・ソナタ集第4集
ソナタニ長調Op.50-2
ソナタト短調Op.50-3「棄てられたディドーネ‐悲劇的な情景」
ソナタ変ホ長調Op.8-2
スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ)

録音:2015年3月24-26日UKサリー,ギルドフォード,コッベ・コレクション・ハッチランズ・ハウス
モーツァルトよりも少し早く生まれ、チェンバロ奏者として名を挙げていたクレメンティ(1752-1832)。ロンドン、パリを経てウィーンに移り、25歳の時にはモーツァルトとチェンバロ演奏の直接対決を行ったというエピソードでも知られています。ベートーヴェンは「モーツァルトの作品よりもクレメンティの方が素晴らしい」と評価し、また曲集「グラドゥス・アド・パルナッスム」もピアノ奏法における技巧獲得のための良い練習曲として重用されています。そんなクレメンティの数多くのピアノのための作品をNAXOSではシリーズ化してリリースし、好評を得ていますが、この第4集には聴き手の想像を超えた重厚な作品「棄てられたディドーネ」も含まれており、ファンにとっても嬉しいアルバムとなっています。
8.572665
リピンスキー:3つの奇想曲Op.10
3つの奇想曲Op.27
チェン・シ(Vn)
「ポーランドのパガニーニ」の異名をとる名手リピンスキー(1790-1861)。彼はドレスデン宮廷でカペルマイスターを務めた経歴もある凄腕です。ラジニポドラスキーの音楽一家に生まれたリピンスキーは、最初父から音楽の手ほどきを受けましたが、溢れ出る才能はすぐに父親を追い越し、8歳の時にはプレイエルと協奏曲を演奏するまでに成長しました。驚いた父は、モーツァルトのように「ヨーロッパの演奏旅行」を企画したといいます。しかし、謙虚な性格だったリピンスキーはそれを拒否、ポーランドを出ることはありませんでした。19歳の時にはオペラ指揮者として地域のオーケストラを指揮し、22歳の時に楽長に昇格。また20歳でヴァイオリンをはじめ、シュポアと交友関係を結びます。その後ミラノでパガニーニと出会い、一緒に演奏会を行うまでに意気投合したのです。2人は真の芸術家同士として、お互いを認め合ったのでしょう。パガニーニはリピンスキーに「ヴェニスの謝肉祭」変奏曲を捧げ、リピンスキーはOp.10の「3つの奇想曲」をお返しとして献呈しています。ここで聴けるリピンスキーの作品は、確かにパガニーニのような悪魔的性格はないものの、タルティーニやヴィオッティの伝統を踏まえた豊かな表現に彩られた見事なものです。
8.572666
アゼルバイジャンのピアノ協奏曲集
アミーロフ(1922-1984)&ナジーロヴァ(1928-):アラビアの主題によるピアノ協奏曲(1957)
アディゲザロフ(1935-2006):ピアノ協奏曲第4番(1994)*
トフィク・クリーエフ(1917-):ガイターギ-踊り(1958/1980)
バダルベイリ(1947-):ピアノとオーケストラのための「海」(1977)
バダルベイリ:スーシャ(2003)#
ファルハド・バダルベイリ(P)
ムラド・アディゲルザルザーデ(P)*
ジョアン・ロジャース(S)#
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)
ロイヤルPO
南コーカサス地方に位置する共和国、アゼルバイジャン。数多くの国と接しており、多彩な文化の行き交う生命力溢れる国として知られています。多くの音楽家を育んでいることでも知られ、ここに収録された4人の作曲家の興味深い作品を聴いただけでも、その豊かな文化的土壌を感じることができるでしょう。アミーロフはもともと民族楽器の奏者であり、父親が民謡歌手です。NAXOSレーベルでも既に2枚の作品集がリリースされていますが、ここでは同郷のピアニスト、ナジーロヴァと2人で仕上げた作品を。異国文化漂う力強い作品です。アディゲザロフも民族音楽の影響を強く受けた人で、カラーエフにピアノを学び、現代最高の作曲家として賞賛されています。彼のピアノ協奏曲も、伝統音楽「ムガム」の影響を強く受けていて、どうにもこうにもたまらないほどの胸苦しい音楽を繰り出してきます。クリーエフは、他の人とは若干違い、ジャズの影響なども受けている変わり種。このガイターギは、あのイスラメイを思い起させるような快活な曲。ピアノ、打楽器、オーケストラがどんちゃん騒ぎを繰り広げます。バダルベイリは監督&俳優シャムシ・バダルベイリを父に持ち、1967年にスメタナ・ピアノ国際コンクールで3位を受賞したことで、国際的な活動を始めました。その後、数々の賞を取りながら、作曲も行い、1991年からはバクー音楽アカデミーで教えています。「スーシャ」はアゼルバイジャンの古代都市ですが、現在でもこの地の文学と音楽の象徴とされ、ここで起きた人々の紛争という悲話を、声とオーケストラで語るという小品。
8.572667
ハイドン:フルート三重奏曲集
フルート三重奏曲第16番ニ長調Hob.XV:16
フルート三重奏曲第15番ト長調Hob.XV:15
フルート三重奏曲第17番ヘ長調Hob.XV:17
ウーヴェ・グロット(Fl)
マルティン・ルンメル(Vc)
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ハイドンのフルート三重奏曲の第16番と言われても、メロディが頭に浮かんでこないのではないでしょうか?ハイドンのトリオと言えば、大抵はピアノ三重奏曲であり、その主役はピアノで、ヴァイオリンが追従、チェロが申し訳程度のメロディを奏でるものが普通です。しかし、これらのフルート三重奏曲は、フルートに主役の場が与えられています。なぜここで彼がフルートを選んだのかの理由は不明ですが、イギリスの貴族たちにフルートをアピールする必要性があったからかもしれません。とは言え、自筆稿のほとんどが失われてしまい、作曲時期の確定ができないうえ、のこれらの作品は他の作曲家の名前で出版されていたり(ハイドンの名声にあやかったらしい)と、なかなか出所を示す手がかりもないというものです。しかし曲を聴いてみれば、どの曲からも「真の天才の証」が感じられることでしょう。この3曲には、既にピリオド楽器の演奏も存在しますが、ここではモダン楽器で、現代的なアプローチによる演奏をお聞きいただけます。
8.572671
マクロード:皇帝とナイチンゲール(1985)
管弦楽のための3つのセレブレーション(1983/2010年改訂)<マウンテン・パークランドの旅/湾にて/A&Pショウ>
ロック・コンチェルト
ヘレン・メドリン(ナレーター)
ユージン・アルブレスキュー(P)
ウーヴェ・グロット(指)
ニュージーランドSO
ニュージーランド生まれの作曲家、マックロード(1941-)の楽しい3つの作品です。「皇帝とナイチンゲール」はよく知られているアンデルセンの物語をテキストにした朗読劇です。本物の鳥と機械の鳥に優劣をつけるという愚かな行為に対して、生きているナイチンゲールは文句も言わず、皇帝に生きる希望を与えるという物語で、ストラヴィンスキーも同じ題材で作曲していることはご存知の通りです。このマクロードの作品、とてもわかりやすい音楽と、若干オーバーアクションなれども、聞き取りやすいナレーターで構成されています。他には、ニュージーランドの景色が目の前に広がるような描写的作品「3つのセレブレーション」と、ノリノリのピアノが縦横無尽に活躍する「ロック・コンチェルト」を収録。ご家族みんなでお楽しみいただける内容です。
8.572672
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集第3集
ピアノ・ソナタ.ニ短調Illy-66
アレグロ.ハ長調Illy-30
ピアノ・ソナタ.ハ短調Illy-38
ピアノ・ソナタ.ヘ長調Illy-36
ピアノ・ソナタ変ロ長調Illy-23
ピアノ・ソナタ.イ短調
ピアノ・ソナタ.ヘ長調Illy-50
ピアノ・ソナタ.イ短調Illy-43(Walsh:Op.1-3)
ピアノ・ソナタ.ホ長調Illy-41
マッテオ・ナポリ(P)
第1集、第2集とも、世界各国で注目と賞賛が贈られているガルッピのピアノ・ソナタ第3集です。オペラ作曲家としてのみ知られるガルッピ(1706-1785)ですが、このシリーズのおかげで、優れた鍵盤音楽の作り手としても知られるようになりました。スカルラッティの強い影響を受けながらも、そこにオペラ・アリア風の魅力的な旋律を加えた優雅で抒情的な作品群は、バロックから古典派を繋ぐ時代を描きだすのに相応しいものと言えるでしょう。チェンバロからフォルテピアノへと楽器が発展した時代でもあり、その奏法は時代と共に華麗に変貌していきます。第3集でも、ピアニスト、マッテオ・ナポリの見事な技巧が冴えています。
8.572673
ホリデー・クラシックス
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」小序曲
グルーバー:きよしこの夜(G.シュワルツ編)
ヘンデル:水上の音楽組曲第1番〜第3楽章「アレグロ」
シュワルツ(1947-):グリーンスリーヴス変奏曲
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」〜行進曲
パッヘルベル:カノンニ長調
レドナー(1830-1908):ああベツレヘムよ(S.ジョーンズによる管弦楽編)
ヘンデル:水上の音楽組曲 第1番〜第8楽章「ブーレー」
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」O〜金平糖の踊り/トレパーク
ヨン(1886-1943):バンビーノ(B.ハウスマンによる管弦楽編)
ヘンデル:水上の音楽組曲第1番〜「第9楽章」ホーンパイプ
伝承曲:コヴェントリー・キャロル(B.ハウスマンによる管弦楽編)
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」〜花のワルツ/
ホプキンス.Jr(1820-1891)/伝承曲:われらは来たりぬ-クリスマスおめでとう
ジェラード・シュワルツ(指)
シアトルSO
何となく耳にすることはあるのだけど、じっくり聞くことはあまりない・・・。そんな超名曲、それもクリスマスにまつわる曲を中心に集めた1枚です。とはいえ、良くあるようなコンピレーションではありません。このアルバムのために名指揮者シュワルツが新録音を発動したのです。なんともゴージャス!まるで静粛なコラールのように金管で奏される「きよしこの夜」の冒頭部分などは、背中がぞくぞくするほどの美しさです。一味違う味付けの施された「ああベツレヘムよ」にも心洗われますし、クリスマスといえばおなじみの「くるみ割り人形」の組曲も絶妙に挟み込まれています。
8.572674
C.P.E.バッハ:プロイセン王のソナタ集 Wq48
ソナタ.ヘ長調「プロイセン王ソナタ.第1番」Wq48/1 H24
ソナタ.変ロ長調「プロイセン王ソナタ.第2番」Wq48/2 H25
ソナタ.ホ長調「プロイセン王ソナタ.第3番」Wq48/3 H26
.ソナタ.ハ短調「プロイセン王ソナタ.第4番」Wq48/4 H27
ソナタ.ハ長調「プロイセン王ソナタ.第 番」Wq48/5 H28
ソナタ.イ長調「プロイセン王ソナタ.第6番」Wq48/6 H29
スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ…ホフマン・グランド・ピアノ)
バッハとマリア・バルバラの間に二男として生まれたカール・フィリップ・エマヌエル。彼は父の音楽よりも、テレマンの様式を色濃く受け継ぎ、複雑な対位法を駆使することよりも、旋律とハーモニーを生かした音楽を追求し、その作風は直接ハイドンやベートーヴェンに影響を与えたことで知られています。彼は20 代の半ばからプロイセン王国の皇太子であるフリードリヒ(後のフリードリヒ大王)の宮廷でチェンバロ奏者として仕え、王の即位とともに、宮廷楽団員となり、ヨーロッパ全土で名前が知られるほどの有名な演奏家となりました。このアルバムに収録されているのは、フリードリヒ大王に献呈されたソナタ集であり、彼がいかに「先見の明」を持っていたかがつぶさにわかるものとなっています。整った形式の中に溢れる創意工夫、そして自由自在な楽想と色彩感溢れる和声は、確かに後世の作曲家たちの良き見本であり、また孤高の世界を樹立したと言えるでしょう。
8.572675
ドビュッシー:管弦楽作品集第7集
ピアノと管弦楽のための幻想曲
クラリネットのための第1狂詩曲
サックスと管弦楽のための幻想曲(管弦楽編曲:J.ロジェ=デュカス)
2つの舞曲「神聖な踊りと世俗の踊り」
ジャン=イヴ・ティボーデ(P)
ポール・メイエ(Cl)
アレクサンドル・ドワシー(アルトSax)
エマニュエル・セソン(Hp)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
準・メルクルによるドビュッシーの管弦楽作品集もこれで第7集となりました。今回は協奏的な作品を中心に収録しています。ドビュッシーは「協奏曲」と名付けた作品は書きませんでしたが、独奏楽器に活躍の場を与えたいくつかの曲を残しています。1890年に書かれたピアノと管弦楽のための「幻想曲」は、彼の友人シャンサレルのための作品。多くの事情で、ドビュッシー自身が出版を認めず、結局彼の死後にようやく初演されたというものです。フランクの「交響変奏曲」やフォーレの「バラード」にも似た嫣然とした響きが見事です。サックスのための狂詩曲は、少々エキゾチックな作品。クラリネットの狂詩曲は、ドビュッシーらしい繊細な音使いで始まる魅力的な曲。サティのジムノペディにも似た「神聖な舞曲」は独奏ハープが活躍します。ティボーデ、ネイエ、ドワシーら、名手を惜しげもなく投入したNAXOSらしからぬ(?)贅沢な1枚です。
8.572680
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第11集
リュート・ソナタ第39番ハ長調「パルティータ・グランド」
リュート・ソナタ第96番ト長調
リュート・ソナタ第30番変ホ長調
ロバート・バート(バロックLute)
バッハと同じ年に没した作曲家ですが、当時、イタリアとフランスのスタイルをミックスした「当時の現代音楽」を書いた人であり、もちろん最大のリュート奏者としても活躍していました。このアルバムでも、いつものように3曲が収録されていて、どれもが素晴らしい霊感に満ちています。第39番は、まるでリュリの作品のようなフランス風序曲で始まる壮大な曲であり、第96番は作曲家の死後、10年経ってモスクワで写譜が発見された曲。比較的容易な技巧で書かれていて、恐らく教育用と思われます。第30番は1725年から30年の間に書かれたもののようで、前奏曲はあとから付されました。なぜかというと、ヴァイスは譜面にアルマンドから記すことで、前奏曲はその場で即興演奏することを好んだからだと言われています。なんとも楽しい話ではありませんか?演奏はおなじみ、名手バートによるものです。
8.572681
エベンシオ・カステリャーノス:パカイリグアの聖なる十字架
パカイリグアの聖なる十字架(1954)
セブンスターの川/アビレーニャ組曲
ヤン・ヴァグネル(指)ベネズエラSO
冒頭から高らかに響き渡るファンファーレ!これを聴いて「おおっ」と思わない人はいないのでは。20世紀前半に活躍したベネズエラの作曲家、カステリャーノス(1915-1984)の刺激的なこの作品「パカイリグアの聖なる十字架」は、人気のダンスのリズムやメロディーだけでなく、ベネズエラの中世のキャロルを引用するなど、まさに国家主義的なスタイルの音楽です。豊富なメロディ、厚みのあるハーモニー、そして見事な管弦楽法に彩られた曲は、ある意味、マーラーの第7番の終楽章の喧騒にも似た混沌たるエネルギーを感じさせてくれることでしょう。オリノコ川についての詩に触発されたという「セブンスターの川」、ベネズエラの流行歌や、マラカスなどを配した極めて楽しい「アビレーニャ組曲」も心地良い気分を誘います。とにかく気分良くなりたい人にうってつけの1枚です。
8.572682
トゥリーナ:ピアノ作品集第8集
アンダルシアの庭Op.31
サンタ・クルツの傍らでOp.33
アンダルシアのミューズたちOp.9〜第1番クリオ
農場にてOp.92
ホルディ・マソ(P)
アンダルシアの偉大なる音楽詩人、ホアキン・トゥリーナ(1882-1949)。彼の音楽には多彩で情熱的なリズムが溢れ、これらが得も言われぬ活力を運んでくるのです。彼は一時期フランスで学び、印象派の影響を強く受けますが、アルベニスから「スペイン人の自覚を持つように」諭され、その後はアンダルシア音楽の研究と発展に力を尽くします。ここでは4つの作品を収録、目もくらむような色彩感にあふれた「アンダルシアの庭」、わずか1か月と少しという短い期間に書かれたにも拘わらず、彼の作品の中では長大である「サンタ・クルツの傍らで」、作曲家晩年の2つの作品「アンダルシアのミューズたち」と「農場にて」でのひなびた味わいなど、どれも独特の詩情が感じられます。演奏は、スペイン音楽のスペシャリスト、ホルディ・マソ。第1曲目の冒頭の付点のリズムから何とも言えない雰囲気を醸し出しているところはさすがです
8.572683
ドゥシェク:4つのシンフォニア集
シンフォニア ト長調 Altner G4
シンフォニア 変ロ長調 Altner Bb2
シンフォニア イ長調 Altner A3
シンフォニア 変ロ長調 Altner Bb3
アーポ・ハッキネン(指)
ヘルシンキ・バロックO
チェコ生まれの作曲家、チェンバロ奏者フランツ・クサヴァー・ドゥシェク(1731-1799 ヤン・ラディスラフ・ドゥシークとは別人です)のシンフォニア集です。彼はモーツァルトの友人であり、当時のプラハにおける管弦楽作品の主要な作曲家でした。彼の作品はホフマン、ディッタースドルフなどと同等の影響力を有していたもので、まさに“正統派18 世紀音楽”たる風情を醸し出しています。各々の楽器の使い方も特徴的で、この独特な響きはモーツァルト作品にはあまり見られないものでしょう。彼の作品は8.555878 でも「3 つのシンフォニア」が聴けますが、オーケストラ、指揮者の違いが際立つところがとても面白く、この点での聴き比べも興味深いところです。
8.572684
トマス・マルコ:交響曲第2番「閉ざされた空間
交響曲第9番「タラッサ」…世界初録音
交響曲第8番「大地の舞曲」…世界初録音
ホセ・セレブリエール(指)マラガPO
マドリードで生まれた作曲家トマス・マルコ(1942-)は、法律を学びつつ、音楽(作曲とヴァイオリン)を、彼曰く「少年のように」学んだという人。フランスでブーレーズとマデルナ、ドイツでシュトックハウゼンに就き、1967年には彼の助手にもなっています。心理学、社会学も取得、作曲だけでなく教師としても活躍しています。この交響曲集は、彼のインスピレーションの源を探るかのような曲集であり、第2番以外は世界初録音となっています。第9番「タラッサ」は神話の女神の名前であり、中世の旋律を素材とし、それらを念入りな色彩の音色で彩るというもの。また交響曲第8番は、各楽章に「幻の大陸」の名前が付けられていて、そのどれもが活発な舞曲のリズムで描かれています。スペイン風な音楽とは違った味わいですが、畳み掛けてくるような迫力に満ちた音とリズムは、一度聴くと病みつきになること間違いなしです。
8.572685
セイラー:スナーク狩り(上陸/ベルマンの演説/ベイカーの物語/狩り/ビーバーの授業/簡潔なスナークエストラルの爆発 T/簡潔なスナークエストラルの爆発 U/消失)
《ヴィンテージ・サイレント・フィルム・コメディへの新しい音楽》
カルッツォ(1980-):盗品
セイラー:宣伝料
シンプソン(1967-):たくさんのママ
カンターテ・チェンバー・シンガーズ
ホルトン=アームズ・ロウアー・スクールcho
スナーク・ピット=バンド
ジゼル・ベッカー(指)
スナーク・アンサンブル
このタイトルにある「スナーク狩り」というのは、ルイス・キャロルの伝説的な作品です。白紙の海路図に導かれ海を渡り奇妙な島にやって来た探検隊の一行。彼らは伝説の生き物「スナーク」を捕まえるのを目的としています。しかし、その捕まえたスナークが“”ブージャム”だったとしたら、発見者は突然消えてしまうというのです。何とも不可解で意味不明な長編詩。真の意味を知っているのはキャロルだけでしょう。ちなみにキャロルは、「そのスナークはブージャムだった」という最後の1行からこの詩を書き始めたといいます。この理不尽なお話にセイラー(1957-)が付けた音楽がこれまた秀逸。珍しい楽器を使うのが好きな作曲家で、この録音のために彼自身がバンドを結成したほどです。「サイレント・フィルムへの新しい音楽」がこれまた楽しいもので、ピンクパンサーの音楽をもっと発展させたような爽快感があります。「面白い1枚」として認定します。
8.572686
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914): 交響曲第2番、他
交響曲第2番変ホ長調(1883)(ロザリンド・トリュープガーによる2011年復元版)
シンフォニア・エピタラミオ(1887)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年12月19-24日
全て世界初録音
イタリア生まれの作曲家ジョヴァンニ・ズガンバーティの作品集。イタリア人の父とイギリス人の母のもとにローマ で生まれ、父の死を機にトレーヴィに移住、ここで歌手、指揮者として活躍しました。その後、ワーグナーを敬 愛していた彼は、1860年にローマに戻り、当時イタリアで演奏されることが稀であったドイツ音楽の普及に力 を尽くしました。またフランツ・リストとも親交を結んだことでも知られています。 このアルバムには彼の2つの作品を収録。ワーグナーを思わせる半音階進行を積極的に用いたドイツ・ロマン 派風の様式を持つ交響曲第2番は、1881年にローマで初演、フィレンツェ、ミラノで相次いで演奏され大成 功を収めました。その翌年にはロンドン、1884年にはパリで演奏されたものの、なぜか出版されることがなく、 彼の死後の追悼演奏会で演奏されて以降、総譜は行方不明となり、オーケストラのパート譜のみが残存。 21世紀になって音楽家ロザリンド・トリュープガーが3年がかりで作品を復元し、2012年にこの録音が実 現、2014年に改めて演奏会が行われました。同じく世界初録音となる「シンフォニア・エピタラミオ(婚礼の 交響曲)」は1888年9月12日、サヴォイア公アマデオの結婚式で演奏された曲。3つのパート、5つの楽章 で構成され、各々のパートには結婚式に関連した場所にちなんだタイトルが付されており、全体的に祝祭 ムードが漂う美しい作品に仕上がっています。
8.572687
ビンガム:オルガン作品集
ヤコブの梯子(2007)<雲の下の家に住む/不安な夢/幕間-深い眠りに落ちる/ヤコブの梯子>…世界初録音
天使を従えた聖なる花嫁(2000)
ミサ・ブレヴィス「エマウスへの道」-前奏曲とヴォランタリー(2003)
受胎告知I(2000)
希望(1989/2003)…世界初録音
荒野の中に(1982)…世界初録
贈り物(1996)…世界初録音
夜間飛行(秘密の花園より編曲)(2004)…世界初録音
ゴシック(1973/2009)…世界初録音
羊飼いの踊りと化身
古代の太陽の光
トム・ウィンペニー(Org)(アルバンス大聖堂のオルガン)

グラハム・ロス(指)
ドミートリー・アンサンブル…1-4
イギリスの女性作曲家、ジュディス・ビンガム(1952-)は18歳で王立音楽アカデミーに入学し、作曲を学びます。歌手としても才能を発揮し、1983年から13年間に渡りBBCシンガーズで歌い、20世紀の作品を数多く歌い続けました。それからは作曲家として室内楽、器楽曲から声楽曲と幅広いジャンルの作品を書き続けています。彼女はとりわけオルガンに深い愛情を抱いていて、ここで聴ける作品も充実したものばかりです。深い瞑想性と即興性を併せもつ全ての音楽は、名オルガニスト、ウィンペニーの手によって、輝く光とともに世界へ降臨します。感動的な1枚です。
8.572688
ブレイク:遊び心・ひと月の夏他
遊び心Op.594
ひと月の夏Op.611
レダと白鳥Op.249a
弦楽三重奏曲Op.199
ウォーキング・ジ・エアー(スノーマン組曲より弦楽四重奏版)Op.615
エディンバラQ
<トリスタン・ガーニー(第1ヴァイオリン)/フィリップ・バーリン(第2ヴァイオリン)/マイケル・ビーストン(Va)/マーク・バイリー(Vc)>
クラシックの作曲家というよりも映画音楽の作曲家として知られる、イギリスのハワード・ブレイク(1928-)の作品集です。このアルバムに収録されている「ひと月の夏」も映画のタイトルであり、もしこちらを観た人ならば、「ああ、あれね」とわかるかもしれません。この映画はJ.L.カーの原作を元に制作され、イギリスの田園風景を絡めながら、2人の元兵士たちがそれぞれの仕事を通じて淡い友情を深めつつ、自分を再発見する物語。どちらかというと淡々と進むストーリーを彩るのがこの音楽です。弦楽器だけのアンサンブルは、台詞よりも雄弁に登場人物の心情を表現しています。ドラマティックさはなくとも、心に浸みる美しさです。そして最後の曲は、アニメにもなった「スノーマン」のメイン・テーマです。男の子と雪だるまのひとときの友情物語。夢のような出来事でしたが、男の子にはマフラーとたくさんの思い出が残されました。誰もが心の底にしまってあるお話に、新しい色を添えてくれるかもしれません。
8.572689
チマローザ:ピアノ・ソナタ集第2集〜ピアノ・ソナタR.19-R.35
ソナタハ長調 R.19/ソナタト長調 R.20
ソナタハ長調 R.21/ソナタイ長調 R.22
ソナタ変ロ長調R.23/ソナタニ長調 R.24
ソナタハ短調 R.25/ソナタ変ロ長調 R.26
ソナタニ短調 R.27/ソナタニ長調 R.28
ソナタ変ロ長調 R.29/ソナタハ長調 R.30
ソナタト長調 R.31/ソナタヘ長調 R.32
ソナタハ長調 R.33/ソナタ変ロ長調 R.34
ソナタイ長調 R.35
ヴィクトル・サンジョルジョ(P)
チマローザ(1749-1801)のピアノ・ソナタの第2集です。第1集(8.570718)でも、その多彩な音楽の片鱗に触れることができましたが、ここでも興味深い曲が並びます。彼は活動の早い時期からソナタを書き始めましたが、これらが教育目的だったのか、それとも「手なぐさみ」だったのかはわかっていません。しかし、速い楽章での目もくらむような音使いからは、彼が国内の演奏会などで自らの技巧を誇示するために書かれたものではないか?と推測することもできそうです。緩徐楽章はやや保守的ではあるものの、その表現力の巧みさには驚くばかりです。第1集と同じく、サンジョルジョの丁寧な演奏が光ります。
8.572690
イタリアのクラリネット曲の宝石箱
ボンナルド(1885-1972):協奏的ワルツ
 ノットゥルノ
 ロンド
カッペッティ(1875-1918):小組曲
 ノットゥルノ
ガブッチ(1896-1976):アリアとスケルツォ
スターディオ(1882?-1938):セレナータ
 ブルレスカ
デ・ロレンツォ:サルタレッロOp.27
ディ・ドナート(1887-1967):パストラーレ
カットリカ(1882-1962):二重奏曲
ベッローネ(20世紀):セレナータ
スカルモリン(1890-1969):夜想曲
 序奏とタランテッラ
※世界初録音(トラック8.9を除く)
セルジオ・ボシ(Cl)
リッカルド・バルトリ(P)
イタリアのクラリネット組曲集(8.572399)で知られざる作品を楽しく聴かせてくれた、クラリネットのボシとピアノのバルトリのコンビによる、またまた知られざる作品の宝石箱です。このアルバムに収録されている曲のほとんどが世界初録音ですが、「なぜ、こんなに優れた曲が知られていないのだろう?」と不思議に思えるものばかり。イタリア風のサルタレッロやタランテッラ、ブルレスカ、セレナータなど曲名を見ているだけでも楽しい1枚ですが、実際の聴いてみると、まるでオペラ・アリアを聴いているかのように華麗で瀟洒な曲が後から後から出てきます。例えば冒頭の、ボンナルドの「協奏的ワルツ」では、まさに花開くようなクラリネットのパッセージが印象的。楽しげな曲、郷愁を呼び起こす曲、燃える曲・・・クラリネットの表現の多様性にも気づかされる極上の1枚です。
8.572691
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第2番ヘ短調Op.6(1899)
ヴァイオリン・ソナタイ短
調「トルソー」(1911)
協奏的即興曲(1903)
ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調「ルーマニア民謡の特徴による」Op.25(1926)
アクセル・シュトラウス(Vn)
イリヤ・ポレターエフ(P)

録音:2011年1月9-12日アメリカカリフォルニア,サンフランシスコキャロライン・H・ヒューム・コンサート・ホール
20世紀ルーマニアにおける最も優れた音楽家の一人、ジョルジュ・エネスク(1881-1955エネスコ)。存命中の彼は最高のヴァイオリニストであり、ブラームス作品の素晴らしい解釈者としても知られていました。作品番号付きの作品はあまり数が多くないのですが、ブカレストのエネスク博物館には未完成の原稿などの膨大な資料があり、少しずつその全貌が解明されようとしています。このシリーズは、エネスクの本領とも言えるヴァイオリンとピアノのための作品全集であり、情熱的でパワフルな第2番のヴァイオリン・ソナタは彼の「作曲家としての評価」を高めた記念碑的な作品でもあります。1楽章のみが残存する「ソナタイ短調」は民族音楽風のメロディと、不規則に移り変わる楽想が魅力的な作品です。初期の作品「協奏的即興曲」はフランス風な優雅さを持っています。ヴァイオリン・ソナタ第3番は「ルーマニア民謡の特徴による」の副題を持つ大作で、急進的な作風と強烈なリズムと特殊奏法を多用した印象的な音楽です。演奏も困難で、彼の弟子であったメニューインもこの曲の難しさについて述べています。この曲の中にはあらゆるものが内包されていると言っても過言ではありません。
8.572692
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op.2(1897)
バラードOp.4a(1895-1896)
.オーバード(朝の歌)(1899/1903)
ホラ・ウニレイ(1917)
アンダンティーノ・マリンコニーコ(1951)
幼き頃の印象Op.28(1940)
アクセル・シュトラウス(Vn)
イリヤ・ポルターエフ(P)

録音:2012年1月2-5日USAカリフォルニア,サンフランシスコH.ヒューム・コンサート・ホール
ヴァイオリニストとしても並外れた才能を有していたジョルジェ・エネスコ(1881-1955)は、フリッツ・クライスラーやジャック・ティボーと並ぶ「20世紀前半の三大ヴァイオリニスト」の一人であり、また名チェリスト、パブロ・カザルスは「モーツァルト以降の最も偉大で非凡なる音楽の才能」と賛辞を送っています。そんな彼の作品も、単なるヴァイオリニストが自分の腕を誇示するための曲ではなく、真に霊感の篭ったものであり、ルーマニアの民俗音楽を絶妙に取り入れた名作揃いとなっています。ヴァイオリン・ソナタ第1番は彼の16歳の作品で、確かにブラームスやベートーヴェンの影響も感じられますが、対位法や色彩はユニークであり、類い稀なる才能の萌芽か確実にここにあります。また「幼き頃の印象」も良く練られた作品で、程よい郷愁と神秘的な雰囲気が万華鏡のような色鮮やかな世界を形作っています。名手アクセル・シュトラウスの丁寧な演奏が光ります。
8.572693
リムスキー=コルサコフ:シェエラザード
「皇帝サルタンの物語」組曲Op.57
「皇帝サルタンの物語」〜「熊蜂の飛行」
マリア・ラリオノフ(Vn)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
NAXOSレーベルとしては、バティス盤に続く2枚目となるリムスキー=コルサコフ(1844-1908)の名作「シェエラザード」です。リムスキー=コルサコフの絶頂期に書かれたこの作品は、一貫した物語にはなっていませんが、全曲に渡って独奏ヴァイオリンが「シェエラザード」のモティーフを演奏し、聴き手を想像の世界へといざなって行くのです。重厚な響きと、散りばめられたオリエンタリズム。まさに名曲です。「皇帝サルタンの物語」は今ではほとんど全曲演奏されることはありませんが、第3幕で、主人公のグヴィドン王子が魔法の力で蜂に姿を変え、悪役の2人の姉妹を襲う場面で使われる「熊蜂の飛行」は独立した作品として、こちらも誰一人知らぬ者はないほどの名曲です。
8.572694
ブラームス:合唱と管弦楽のための作品集
アヴェ・マリアOp.12/埋葬の歌Op.13
アルト・ラプソディOp.53/運命の歌Op.54
悲歌Op.82/運命の女神の歌Op.89
エヴァ・ヴォラク(A)
ワルシャワ・フィルハーモニーcho
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
ブラームスの合唱作品と言えば、まず最初に頭に浮かぶのが「ドイツ・レクイエム」ですが、彼は他にも素晴らしい合唱曲をいくつも書いています。彼が最初に合唱曲を書いたのは1957年の時。ここに収録されたアヴェ・マリアになります。その後、1863年にウィーンのジンクアカデミーから指揮者としての招聘を受け、聴衆受けのするバッハのカンタータや自らの「ドイツ・レクイエム」を初演しつつ、合唱の素材をものにし、素晴らしい作品を創り上げていくことになります。その後に書かれた「アルト・ラプソディ」(ゲーテの『冬のハルツ紀行』の断章)や、「運命の歌」での荘厳さはブラームスでなければ書けない深い世界が広がります。また画家フォイエルバハの追悼のために書かれた「悲歌」は悲しみに満ちた内容でありながらも、優しさと希望の光にも満ちた美しい音楽です。
8.572695
ヤナーチェク:狂詩曲「タラス・ブーリバ」
ラシュスコ舞曲JWVI/17(1889-90)
モラヴィア舞曲JWVI/7(1891)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
ヤナーチェクが1918年に作曲した表題音楽「タラス・ブーリバ」は、ニコライ・ゴーゴリの小説を下敷きに、ヤナーチェク自身の愛国心を万遍なく盛り込んだ野心作です。3つの部分は、全て登場人物の死を描くという、なんとも不穏なものですが、曲の内容もそれを上回る暴力的かつ煽情的なもの。恋人たちの感情を描いたという冒頭こそロマンティックな面持ちを見せますが、それも一時的で、少しずつ悲劇へ向かって歩みを進める曲調がたまらなくスリリングです。ラシュスコ舞曲は、ヤナーチェクが民謡収集を積極的に行うようになった時期である1890年頃に作られたもので、こちらは生き生きとした音楽が、極めてわかりやすい和声で歌われます。官能的なハーモニーはありませんが、これはこれでヤナーチェクらしい音楽と言えるでしょう。モラヴィア舞曲も同じテイストで、どちらかというとドヴォルザークに近いものかもしれません。アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルは、前作のグラゴル・ミサ(8.572639)を上回る熱気でこれらの曲を演奏しています。
8.572696
ペンデレツキ:ピアノ協奏曲&フルート協奏曲
ピアノ協奏曲「復活」(2007年改編版)
フルート協奏曲(1992)
バリー・ダグラス(P)
ルーカス・ドゥルゴスツ(Fl)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO

録音:2010年6月17-18日ワルシャワ・フィルハーモニック・ホール、2010年10月4-5日ポーランド放送,ウィトルド・ルトスワフスキ・コンサート・ホール
今回のペンデレツキの新録音は、なんと1986年チャイコフスキー国際コンクールの覇者バリー・ダグラスをソリストに迎えた「ピアノ協奏曲」を中心とした1枚。技巧派として知られる彼が繰り広げる華麗な音色がマッチした、およそペンデレツキの作品とは思えないプロコフィエフやラフマニノフ風の壮大なピアノ協奏曲を聴くことで最近の彼の求める方向性が見えてくるように思えてきます。2001年から2002年にかけて初稿が作曲され、初演はサバリッシュ指揮のフィラディルフィア管、ソリストはエマニュエル・アックスでした。2007年に改編版が作られ、ここでは作曲家自身が指揮するシンシナティ交響楽団とダグラスが演奏を担っています。全体は10の部分からなり、タイトルの「復活」には9.11からの影響も含まれているとのことで、最終部に現れる美しすぎる聖歌を耳にすると不思議な感動が呼び起されることでしょう。1992年のフルート協奏曲はペンデレツキらしさが横溢するものであり、この不定形な音の動きが却って安心できる音楽です。
8.572697
ペンデレツキ:カニフィカト&カディッシュ
マニフィカト(1973-1974)
カディッシュ(2009)
ヴォチェク・ギールラッハ(Bs)
男声ヴォーカル・アンサンブル
オルガ・パシチニュク(S)
アルベルト・ミズラヒ(T)
ダニエル・オルブリヒスキ(ナレーター)
ワルシャワ少年Cho
ワルシャワ・フィルハーモニックCho
ワルシャワ・フィルハーモニック男声Cho
ワルシャワ・フィルハーモニックO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2010年10月7-11日ワルシャワポーランド放送ヴィトルト・ルトスフワフスキ・コンサート・スタジオ、2010年10月22-23日ワルシャワ・フィルハーモニック・ホール
これまでのNAXOSにおけるペンデレツキ(1933-)作品集のように、このアルバムも収録された2作品の作曲年代が35年を隔てた「スタイルの違い」を際立たせるものとなっています。1960年代におけるヨーロッパの前衛音楽を代表するトーン・クラスター(全ての音を同時に発する混沌とした響き)がふんだんに用いられた「マニフィカト」は、代表作である「ルカ受難曲」の流れを汲むものですが、この曲が書かれた70年代にはすでにトーン・クラスター自体が若干時代遅れになっていて、ペンデレツキも自身の作風を見直す傾向にあったようです。そして少しずつ「ロマン派」に戻っていったペンデレツキは以降驚くほどに聴きやすい音楽を書くようになって行くのです。2009年に書かれた「カディッシュ」はタイトルが示す通りユダヤの祈りの歌であり、ユダヤ人ゲットー(第2次世界大戦時にユダヤ人が強制的に住まわされた居住区)の解放65周年を記念して書かれた作品で、ここではクラスターなどの刺激的な響きがすっかり影をひそめた緩やかで美しい音楽ばかりが存在しています。
8.572698
ドヴォルザーク:交響曲第6番ニ長調Op.60
ヤナーチェク:弦楽のための牧歌
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO

録音:2009年5月5.8日ワシントン、シアトルマーク・テーパー財団オーディトリアム-ベナヨラ・ホール、2011年4月27.29日バル・ノルドストロームリサイタル・ホール-ベナヨラ・ホール
ドヴォルザークの交響曲の中でもとりわけ明るい表情を持つ「第6番」は、1880年に作曲されまたしたが、曲調や調性から、その3年前に書かれたブラームスの第2番の交響曲との関連を指摘されることが多いのどかで美しいメロディに満たされた名作です。ハンス・リヒターの依頼によって作曲され、本来は1880年にウィーン・フィルが初演することになっていたのですが、これは実現しませんでした(一説によるとメンバーの一部がチェコの作品の演奏を拒否したと言われてます)。結局初演はその翌年の1881年3月にプラハで行われ、その翌年にはロンドンとライプツィヒ、そして1883年になってようやくウィーンで初演されたのでした。もう1曲のヤナーチェクの「牧歌」は1878年にブルノで初演された作品。まだ晩年の作品のような粘っこさは少ないものの、ボヘミア民謡を巧みに生かした聴き応えのある組曲です。各々の曲には簡単な速度表示が付いているだけで、これが聴き手の想像力を存分に刺激するのです。
8.572699
シューベルト:4手のためのピアノ作品集第6集
ロンドニ長調D608
4手ピアノのためのソナタ変ロ長調Op.30D617
6つの大行進曲Op.40D819より<第1番:変ホ長調/第4番:ニ長調/第5番:変ホ長調/第6番:ホ長調>
ジョン・ハンフリーズ(P)
ロバート・マークハム(P)

録音:2011年7月28-29日UKバーミンガム,エイドリアン・ボールト・ホール
長い時間をかけてゆっくり熟成中のNAXOS「シューベルト4手ピアノ作品シリーズ」の第6集の登場です。今回の収録曲は1818年に出版された「ロンドニ長調」と1823年に出版された「大ソナタ変ロ長調」、そして1825年出版の「大行進曲」からの4曲です。ご存知の通り、シューベルトは同時代の作曲家に比べても数多くの連弾曲を残していますが、これらは仲間たちと演奏するため、もしくは彼が教師を務めていたエステリハーツィ家の2人の令嬢のために書かれたものがほとんどです。D608のロンドはハンガリー生まれのピアニスト、ヨーゼフ・フォン・ガイのために書かれたと推測されていて、彼ももちろんシューベルトの仲間の一人でした。D617は前述の2人の娘たち(才能に恵まれていたらしい)のための作品です。大行進曲は弟子たちのために書かれたものですが、この曲の素晴らしさに感銘を受けたフランツ・リストが自由にトランスプリクションを施し、見事な作品として再構築したことも注目です。

8.572700(3CD)
ヘンデル:オラトリオ「テオドラ」 テオドラ…クリスティーナ・ヴィーランド(S)
イレーネ…ディアナ・シュミット(Ms)
ディデイムス…フランズ・ヴィッツハム(C.T)
セプティミウス…クヌト・ショホ(T)
ヴァレヌス…クラウス・メルテンス(Bs-Br)
ヨアヒム・カルロス・マルティーニ(指)
ユンゲ・カントライ
フランクフルト・バロックO
三世紀初頭、キリスト教がまだ禁制であったローマ帝国の時代の物語。シリア王家の娘テオドラは、異教徒の儀式参加を拒否したために捕えられてしまいます。彼女に課せられた罰は「ローマの兵士たちに蹂躙されること」。彼女の恋人でローマの役人であるディデイムスは何とか彼女を助けようと、牢に忍び込み脱出させようと策を弄すのですが、結局2人とも死刑を宣告されてしまいます。愛のために殉死を遂げる2人の背後に横たわる宗教紛争や自己犠牲の精神などたくさんの要素を盛り込んだ作品ですが、あくまでもオラトリオであるためか、常に格調高く、また壮大な音楽が与えられていて、オペラとは違った味わいを感じさせます。ヘンデルはこの作品の出来栄えに自信を持っていたようですが、初演は残念ながら不評に終わってしまったのは、実のところ、聴衆はハッピーエンドを求めていたのかもしれません。
8.572704
シベリウス:交響曲第2番ニ長調 Op.43
カレリア組曲Op.11
ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO
インキネンとニュージーランドSOによるシベリウス交響曲集もこれで3枚目。あとは第6番と第7番を残すのみとなりました。交響曲第2番はシベリウス(1865-1957)の全作品の中でも最も人気の高い1曲。幻想的な第2楽章、荒々しく流動的な第3楽章を経て、感動的な終楽章へと曲は進みます。インキネンの指揮は、これまで通り、スタイリッシュな演奏かと思いきや、想像以上に重厚な響きと、ゆったりした流れに終始しています。終楽章の爆発的な機動力は圧巻。過去の名指揮者たちの解釈にひけをとりません。「カレリア組曲」はフィン人発祥の地の伝説や音楽を基にした作品です。当初劇音楽として創案、初演されましたが、評判がよくなかったため、序曲と、3曲からなる組曲の2つの作品として出版され、現在は人気作となっています。

8.572705
シベリウス:交響曲第6番二短調
交響曲第7番ハ短調
交響詩「フィンランディア」
ピエタリ・インキネン(指)
ニュージーランドSO

録音:2009-2010年
ピエタリ・インキネンによるシベリウス:交響曲全集の完結編。インキネンの響きに対する繊細なセンスが隅々まで浸透した感動的な演奏で、その音楽作りとシベリウス晩年の2つの交響曲の無駄を削ぎ落した作風が渾然一体となり、瑞々しくも心の琴線に触れる演奏が築かれています。特に第6番の終楽章では、全ての声部が明瞭に聞き取れ、それらが付かず離れずの絶妙な距離感で連携することで生まれる透明感、過度に粘着しないフレージングの素直さが際立ちますが、第7番ではその特色が更に深みを加え、最初に2分間だけでも音楽のニュアンスの一つ一つが心に刺さり、只ならぬ名演であることを予感させます。
「フィンランディア」は、カラヤンのような壮麗さは目指さず、あくまでも作品に込められた悲しい心情に焦点を当て、その意志が確実に音に反映されており、心を打ちます。序奏部から溢れんばかりの涙を心の奥底に溜め込み、その静かな怒りに満ちた空気感は、小手先で演出できる代物ではありません。中間部の歌も、テクスチュアとフレージングは実に清々しく、高い透明度を確保していますが、希望と不安が交錯するという絶妙なニュアンスが光ります。【湧々堂】
8.572706
ブリテン:スコットランド歌曲集全集
誕生日の祝い Op.92/この子らはだれか Op.84/子守歌「ねむれ、わが子よ、ねむれ」/ああ、私はこれまで結婚していなかった/民謡編曲第5集「イギリスの歌」より第5番「羊を追って」/民謡編曲第3集「イギリスの歌」より第2番「なぐさめる人もなく」/民謡編曲第1集「イギリスの歌」より第4番「おまえはクッションが縫えるかい」/民謡編曲第1集「イギリスの歌」より第3番「美しいマリー伯爵」/8つの民謡編曲より第4番「すがすがしい朝」
民謡編曲第3集「イギリスの歌」より第7番「おまえはニューキャッスルの生まれではないのか」/ドウティーの献身/大きなナイフ/30.伝統/バーンズの4つの歌(C.マシューズによる声とピアノ編)
マーク・ワイルド(T)
ルーシー・ウェイクフォード(Hp)
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(P)
ブリテン(1913-1976)はその生涯に多くの歌曲を残しました。それは盟友であった名歌手P.ピアーズや、交流のあった詩人オーデンの影響も強いのですが、何より彼自身が古代スコットランドの伝統音楽・・・仄暗く、表現豊かで清冽な表現に惹かれていたからなのかも知れません。彼の歌曲のほとんどは連作歌曲で、それ自体が一つの世界を包括し、限りない物語性を秘めたものです。ここに収録された2つの連作歌曲は、どちらも晩年の作品で、「誕生日の祝い」はエリザベス2世が、実母の75歳の誕生日を祝うためにブリテンに作曲を依頼したもの。王族のスコットランドの家系を重んじるため、スコットランド語の歌詞が選ばれたと言います。また、ウィリアム・スーターの歌詞による「この子らはだれか?」の暗く劇的な音楽描写は、ブリテンが強烈な反戦主義者であったことを思い起こさせます。どちらもピアーズによって初演されましたが、ここではマーク・ワイルドの甘美な声が、これらの名歌曲にまた新しい表情を与えています。
8.572707
コルデロ:カリビアン・コンチェルト他
ギターと弦楽合奏のための「祝典協奏曲」(2003)
協奏組曲「インスラ」(2009)
ヴァイオリンと弦楽合奏のための「コンチェルティーノ・トロピカル」
ペペ・ロメロ(G)
ギレルモ・フィグエロア(Vn)
イ・ソリスティ・ザグレブ
プエルトリコの作曲家兼ギタリスト、エルネスト・コルデオ(1946-)の作品集です。彼は名ギタリスト、ペペ・ロメロを「神のインスピレーションを持つもの」として讃え「祝典協奏曲」を捧げました。これは作曲家の心でもあるカリブ海の島に伝わるリズムに源を発した情熱的でリズミカルな音楽です。叩き付けるようなリズム、熱い風を感じさせる郷愁的なメロディ。とにかく盛り上がること間違いなしの音楽です。「インスラ」は「島」の意味を持ち、指揮者であり、また優れたヴァイオリニストでもあるフィグエロアに捧げられています。こちらもカリブ海の風景を思い起させるような音楽で、忍び寄るかのようなタンゴ風のメロディもたまりません。
8.572708
ショスタコーヴィチ:交響曲第2番&第15番 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニーCho
ロイヤル・リヴァプールPO
回を重ねるごとに円熟が際立つペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルのショスタコーヴィチ(1906-1975)交響曲全集もこれで第7集。今回は対照的な2つの作品が収録されています。「10月革命に捧げる」と題された第2番は1927年の作品で、労働者の叫び(らしきもの)は、混沌と喧騒に満ちた抽象的な音楽として立ち現れ、最後は力強い合唱として実を結ぶのです。単一楽章で書かれ、途中に現れる「ウルトラ対位法」・・・27声のフガートは圧巻です。かたや、最後の交響曲である「第15番」は極めて謎の多い作品として知られています。ロッシーニやワーグナーなど過去の作曲家、またショスタコーヴィチ自身の作品からの引用が見られ、それらが自由に飛び交う様は愉快でもあり、また不気味さも感じられるものです。さて、ペトレンコの指揮については、今回も見事なものの一言に尽きましょう。どんなに入り組んだ音形でも、彼は柔軟に解き解し、曲の深層に眠る何かを呼び覚ますべく、ずんずん奥深くへと分け入って行くのです。曲中にちらばったショスタコーヴィチの心を拾い集めながら・・・。
8.572709
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノの為の音楽集第4集〜トランスクリプションと編曲集
モシュコフスキー:ギターOp.45-2
ショパン:ワルツ第4番ヘ長調Op.34-3
 ワルツ第3番イ短調Op.34-2
 ワルツ第8番変イ長調Op.64-3
 夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
 夜想曲第8番ニ長調Op.27-2(原曲変ニ長調)
サラサーテ:グノーのファウストの思い出
ジャン=ピエール・ギニョン(1702-1775):ヴァイオリン・ソナタ第1番〜アレグロ
モンドンヴィル(1711-1772):ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.4より第3楽章「狩り」
ルクレールヴァイオリン・ソナタOp.9-3より第3楽章「サラバンド」
 ヴァイオリン・ソナタOp.9-3より第4楽章「タンブーラン」
ヘンデル:歌劇「セルセ」よりラルゴ「オンブラ・マイ・フ」
ジャン=バティスト・スネイユ(1687-1730):ソナタ第9番よりアレグロ
バッハ:管弦楽組曲第3〜エア「G線上のアリア」
ラフ:愛の妖精Op.67
※全てサラサーテによるヴァイオリンとピアノ編曲
楊天堝(Vn)
マルクス・ハドッラ(P)

録音:2010年12月1-6日、2012年11月20日
現在NAXOSレーベルで、その将来を最も嘱望しているヴァイオリニストがこの楊天堝(読みはティアンワ・ヤン)。もちろんクラウス・ハイマンも彼女の才能には一目置いています。音楽性、技巧、どれを取っても文句なしですが、何より彼女の演奏には華があり、また音色も涙が出るほどに美しいのです。ここではサラサーテ(1844-1908)が他の作曲家の作品をヴァイオリン曲に編曲したものを集めています。いわば「リストのトランスプリクション集」のような曲集。しかし、彼女の手にかかると、まるではじめからヴァイオリンのために書かれたかのように美しく響きます。ショパンの夜想曲など、こちらが原曲?と思うほどの完成度の高さです。サラサーテの編曲の妙、そして彼女の美音。そしてピアノのハドッラ。これらが融合することで最強の調べが生まれました。
8.572714
メシアン:われら死者のたち復活を待ち望む、他
われら死者たちの復活を待ち望む(1964)
輝ける墓(1932)/賛歌(1932)
準・メルクル(指) フランス国立リヨンO
シアン(1908-1992)の作品の中でも、とりわけ規模が大きく、また「いかにもメシアンらしい」この音楽。本来は第二次世界大戦の犠牲者を追悼するために、当時のフランスの文化相から委嘱されたのですが、この頃、宗教的な題材をとことん追求していたメシアンは、曲中に戦闘の恐怖などを盛り込むことはせず、もっと全人類的で普遍的な「救済、復活」の音楽を描き出しました。編成は木管楽器と金管楽器、そして打楽器と言う変則的なもので、5つにわかれた部分は、全て聖書からの引用によるタイトルが付けられています。もちろんお約束の鳥の声も聞こえてきます。他には、若い頃に書かれた2 つの作品も収録。準・メルクルは今回も冴えた棒捌きを見せてくれます。
8.572710(2CD)
マイール:オラトリオ「ジオアス」 セビア(ジビアー:ヨアシュの母)…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
ジオアス(ヨアシュ)…ロバート・サリアー(T)
アドラスト(セビアの腹心の友)…コーネル・フレイ(T)
ジオヤダ(エホイアダ:大祭司)…アンドレアス・ブルクハルト(Bs)
フランツ・ハウク(指&ハープシコード)
バイエルン国立歌劇場Cho
ジモン・マイールCho&アンサンブル
最近、ヨーロッパを中心に復興が進む作曲家、マイール(1763-1845)のオラトリオ「ジオアス」です。バイエルンに生まれ、イタリアで活躍した作曲家マイール(マイヤー)は、オペラやオラトリオを数多く作曲しましたが、そのほとんどは最近まで忘れられていました。しかし、モーツァルトを凌駕するほどの見事な作品の数々は、蘇演の度に話題を集めています。このオラトリオはユダ王国第8代の王「ヨアシュ(ジオアス)」の物語。ユダ王国の実権を握るべく、女王アタルヤの迫害からヨアシュを守る大司祭、ヨアシュの実母、そして彼女の親友を軸に、神秘的なエピソードが描かれます。オラトリオとされていますが、実質はオペラであり、歌手たちの声の見せ所もたっぷりと用意されています。
8.572712
マックスウェル=デイヴィス:作品集
独奏チェロとアンサンブルのための「リングァ・イグニス(炎の舌)」(2002)
音楽劇とダンサーのための「ヴァサリー・イコネス」(1969)
パーセルのグラウンドによるファンタジアと2つのパヴァーヌ(1968)世界初録音
ヴィットリオ・チェカンティ
マウロ・チェカンティ(指)
コンテンポアルトアンサンブル
イギリスの作曲家、ピーター・マックスウェル=デイヴィス(1934-)は、NAXOSから依嘱された「弦楽四重奏曲」全10曲で知られています。彼は現在だけでなく、過去、未来を見通し、その作品に投影します。そこには中世の神秘主義も盛り込まれ、時とともに姿を変えながら、聴き手の感性に強く訴えかけるのです。このアルバムで聴くことのできる3つの作品は、それぞれ、全く違う方向性を抱いています。独奏チェロが奏でる挽歌を彩るピアノや打楽器が印象的な「リングァ・イグニス」、中世ベルギーの医師の論文の写しが創作の原動力となった「ヴァサリー・イコネス」は、人体の解剖図と、中世のメロディの不思議な融合、そしてヘンリー・パーセルの音楽が現代的に変容している「ファンタジア」(これが一番聴きやすいかも)と、どれも聴き終えた後には、不思議な余韻を残します。
8.572713
グリエール:チェロとの二重奏曲全集
ヴァイオリンとチェロの8つの二重奏曲Op.39
チェロとピアノのためのバラードOp.4
2台のチェロのための10の二重奏曲Op.53
チェロとピアノのための12のアルバムの綴りOp.51
マルティン・ルンメル(Vc)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
ティル・アレクサンダー・ケルバー(P)

録音:オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク2011年2月14日、2011年7-8日、2011年12月22日
ロシア生まれですが、父はドイツ人、母はポーランド人であった作曲家グリエール(1875-1956)。祖先にもロシア人はいなかったようなので厳密には「ロシアの作曲家」とは言えません。もちろんモスクワ音楽院で教育を受けましたが、1901年からベルリンに留学し、指揮者オスカー・フリートに指揮法を学んだことでも知られます。作曲はタネーエフに学び、1920年から1941年までモスクワ音楽院で教鞭を執りました。彼の作品は装飾的であり、また独創的なメロディに満ちていて、年齢を重ねることに「アジア的」なものへの傾倒も強くなっていきました。とは言え、ここに収録された作品は1902年の初期のものから1911年頃に書かれた国民楽派の趣きを有した曲で、小さな編成からオーケストラの響きを紡ぎだす、グリエールの手腕を存分に楽しむための色彩的な曲が並びます。
8.572714
メシアン:われら死者のたち復活を待ち望む、他
われら死者たちの復活を待ち望む(1964)
輝ける墓(1932)/賛歌(1932)
準・メルクル(指) フランス国立リヨンO
シアン(1908-1992)の作品の中でも、とりわけ規模が大きく、また「いかにもメシアンらしい」この音楽。本来は第二次世界大戦の犠牲者を追悼するために、当時のフランスの文化相から委嘱されたのですが、この頃、宗教的な題材をとことん追求していたメシアンは、曲中に戦闘の恐怖などを盛り込むことはせず、もっと全人類的で普遍的な「救済、復活」の音楽を描き出しました。編成は木管楽器と金管楽器、そして打楽器と言う変則的なもので、5つにわかれた部分は、全て聖書からの引用によるタイトルが付けられています。もちろんお約束の鳥の声も聞こえてきます。他には、若い頃に書かれた2 つの作品も収録。準・メルクルは今回も冴えた棒捌きを見せてくれます。
8.572715
期待の新進演奏家シリーズ/ヨハネス・メラーギター・リサイタル
バリオス(1885-1944):森に夢見る
クレイファンガー(1817-1868):魔弾の射手の主題による序奏と変奏Op.3
ヴィラ=ロボス:練習曲第7番
 練習曲第9番/協奏曲の為のカデンツァ
 練習曲第12番
グージョン(1951-):ラメント-スケルツォ
レゴンディ(1822-1872):夢Op.19
ブローウェル(1939-):ソナタ<ファンダンゴとボレロ/スクリャービンのサラバンド/パスクィーニのトッカータ>
メラー(1981-):遠き炎への詩2.7.12…世界初録音
ヨハネス・メラー(G)
1981年、スウェーデン生まれのギタリスト&作曲家ヨハネス・メラーのNAXOSデビュー・アルバムです。彼は13歳で初の公開コンサートを行い、その後はヨーロッパ、アジア、南北アメリカで500回以上のコンサートを開いています。2010年だけでも各国で50回もコンサートを開催(その中にはカーネギー・ホールも含まれる)した他、GFAコンサート・アーティスト・コンペティションで第1位を獲得するなど、その才能を確実に開花させています。このアルバムではバリオスやヴィラ=ロボスなどのギターのスタンダード曲や、現代曲、そして最後に自作の「遠き炎への詩」を演奏。その真価を世に問います。どの曲も素晴らしいのですが、とりわけロマンティックな曲の表現が見事です。柔らかい音色、繊細な感情表現が、冒頭のバリオスから溢れるように伝わってくることでしょう。
8.572716
モニューシコ:序曲集
歌劇「おとぎ話」序曲(1848)
歌劇「パリア」序曲(1859-1869)
歌劇「ハルカ」序曲(1848)
歌劇「ヴェルブム・ノビレ」序曲(1860)
歌劇「いかだ乗り」序曲(1858)
歌劇「伯爵夫人」序曲(1859)
歌劇「幽霊屋敷」イントラーダ(1864)
歌劇「ヤウヌータ」序曲(1860)
歌劇「新ドン・キホーテ、すなわち百の愚行」序曲(1841)
歌劇「ヘトマンの愛人」序曲(1854)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO

録音:2011年1月10-12日、2011年2月3-5.7.14日、2011年9月1日
19世紀ポーランドの有数のオペラ作曲家であり、ショパンとシマノフスキの橋渡しをしたとも言われるモニューシコ(1819-1872)。彼はショパンとほとんど同時代に生まれるも、彼はポーランドに留まり自国の音楽水準の向上に尽力し、数多くの歌劇と宗教曲、そして歌曲を作曲しました。しかし、残念な事に現在ではほとんどその作品を聴くことはできません。そんな彼の作品はうっとりするほどに色彩的で説得力のあるものでした。恐らく、これらは当時一世を風靡していたリストの交響詩にも影響を受けていると思われます。とは言え、随所にポロネーズやマズルカのリズムが聴こえてくるのは、やはりポーランドの音楽なのだな。と思いを新たにすることでしょう。どの作品も全曲を聴いてみたいところです。
8.572717
期待の新進演奏家シリーズ
イリーナ・クリコヴァ:ギター・リサイタル

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番
ソル:幻想曲Op.30
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ギター・ソナタニ長調Op.77「ボッケリーニへのオマージュ」
ガジャルド・デル・レイ(1961-):カルフォルニア組曲<前奏曲/アルマンド/サラバンド/ワルツ>
タルレガ:アルハンブラの思い出
イリーナ・クリコヴァ(G)
2008年のアルハンブラ国際ギター・コンクールで優勝を飾ったイリーナ・クリコヴァの2枚目のアルバムです。彼女は同じ年にミケーレ・ピッタルガ国際ギターコンクールでも優勝していてその記念アルバムは8.572390でリリースされています。前作は全て20世紀の作品で、その強烈な個性を見せてくれた彼女ですが、こちらは、まず自身の編曲によるバッハバッハで聴き手の心を奪います。確かな技巧はもちろんのこと、バッハの音楽と一体化した見事な感性には驚くばかりです。華麗なソルの「幻想曲」とカステルヌォーヴォ=テデスコの「ソナタ」もふくよかな音と表現で見事に聴かせます。デル・レイの「カルフォルニア組曲」はポピュラー音楽を思わせる歌謡性に満ちた音楽で、その親しみやすいメロディには心惹かれる人も多いことでしょう。最後はトレモロが泣かせるタルレガの名曲。これは間違いなく一級品です。
8.572718
バーナード・ハーマン:ジェーン・エア(1943)
1.前奏曲/2.ジェーンの出発/3.ジェーンの孤独/4.夢想-虚栄/5.悲歌-ジェーンの悲しみ/6.時間の経過-手紙/7.ソーンフィールド・ホール-火花のワルツ/8.ロチェスター/9.ピアノ-プロムナード/10.ロチェスターの過去-火事/11.二重唱-ドア/12.春/13.メースン氏/14.部屋-喧騒/15.庭/16.告別/17.歌:ジェーンの告白-嵐/18.結婚-妻/19.ジェーンの告別(ロチェスターの告白)/20.ジェーンの帰郷/21.終曲
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO

※MARCO POLO 8.223535より移行盤
ニューヨーク生まれの映画音楽作曲家、バーナード・ハーマン(1911-1975)の初期の代表作の一つ1943年作曲の「ジェーン・エア」です。1936年にオーソン・ウェールズと出会ったハーマンは、彼が演出したラジオ・ドラマに次々と曲をつけ、1938年には、あの「宇宙戦争」で市民を大パニックに陥れたことでも知られます。ウェールズは1940年から映画を撮影し始めますが、その時にもハーマンをハリウッドに呼び映画「市民ケーン」の音楽が出来上がったのでした。とは言え、ハーマンの活動の拠点はニューヨークであり、他の活動もしていたため、映画音楽に本腰を入れているというわけでもなかったようです。しかし、「ジェーン・エア」は重厚さと不気味さを適度に持ち合わせた名作であり、その後の彼の名声を約束したかのような優れた作品としてこの世にあらわれました。この録音は編集中に行われたカットなどを全て復元したものとなります。
8.572719(2CD)
マイール:宗教的オラトリオ「イェフタの犠牲」 イェフタ(ギレアデの指導者)…フラチュヒ・バセーンス(S)
セリア(彼の娘)…ステファニー・イラニー((Ms)
アブネロ(セイアの婚約者、王子)…ロバト・セリアー(T)
ジャッド(高僧)…ヨッヘン・クプファー(Bs)
セリアの側近とギレアデの乙女の合唱
ジモン・マイールCho
ジモン・マイール・アンサンブル
フランツ・ハウク(ハープシコード&指揮)

録音:2009年9月1-4日ドイツインゴルシュタット,アザム教会,マリア・デ・ヴィクトリア
※世界初録音
ここ数年のジモン・マイール(1763-1845)復興の陰には、指揮者フランツ・ハウクの活躍に負うところが大きいことは言うまでもありません。この「イェフタの犠牲」もそんな作品の一つであり、このアルバムが世界初録音となります。この作品は作品年などの詳細は不明でありながらも、完全稿とは言えない程度の自筆譜が存在するため、数多くの人々が復元に力を注いでいて、研究もかなり進んでいるものです。序曲こそ明るく軽快ですが、内容はとても深刻であり、聖書の「エフタの悲劇」(ギレアドの指導官エフタは、戦いに勝利するために神と約束をする…勝利して帰宅した時に最初に出迎えたものを生贄にする…悲しきことに、彼を出迎えたのは一人娘のセリアであった)を丁寧に描いています。オラトリオとされていますが、まるでオペラのように、各々の登場人物の心理が描写されたドラマティックな作品です。
8.572721(2CD)
マイール:オラトリオ「サムエーレ」 サムエーレ…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
アンナ…ズザンネ・ベルンハルト (S)
エルカーナ…ライナー・トロスト(T)
エリ…イェンス・ハマン(Bs)
ジモン・マイールCho
フランツ・ハウク(指)
インゴルシュタット・グルジア室内O
すでにNAXOS ではおなじみの作曲家、ジモン(シモーネ)・マイール(1763-1845)の感動的なオラトリオです。サムエルは旧約聖書に登場するユダヤの預言者で、ヘブライ語で「彼の名は神」の意を持つ名前です。長きに渡って待ち望まれた子サムエル。母は神に感謝し、彼を司祭エリに仕えさせます。行い正しきサムエルはやがて神の声を聴き、「予言者」として認められ、宗教的指導者として讃えられます。このオラトリオは第1 部で彼の誕生を描き、第2 部で神の声を聞くまでを描き出します。この作品は、マイールの友人でもあったピエトロ・モラ(1755-1829)が大司教に就任した祝いとして書かれたもので、モラを偉大なるサムエルになぞらえることで、マイールの心からの献辞としたのでしょう。台本を書いたのはドニゼッティやヴェルディとも親交があったメレッリ(スカラ座の支配人としても知られる)で、彼はマイールの弟子でもありました。
8.572727
期待の新進演奏家シリーズパブロ・ガリベイ:ギター・リサイタル
D.スカルラッティ:ソナタホ長調K.380/L.23/P.483(L.ラウスによるギター編)
 ソナタニ短調K.213/L.108/P.288(L.ラウスによるギター編)
タルレガ:アラビア奇想曲
ポンセ:ソナタ第3番
ホセ:ギター・ソナタ(1933)
タルレガ:ラグリマ(涙)/マリア
前奏曲ニ短調「エンデチャ」
前奏曲ニ短調「オレムス」(シューマンによる)
20の練習曲-第14番「ラ・マリポーサ」
パブロ・ガリバイ(G)
メキシコのギタリスト、パブロ・ガリベイのリサイタル・アルバムです。彼は古典的なレパートリーだけでなく、あまり知られていない作品も積極的に取り上げ、それらの解釈で高い評価を受けています。タルレガ国際コンクールを始め、16もの国際コンクールで入賞し、現在はメキシコ・シティUNAM音楽学部のギター教授を務めています。なので、期待の新進演奏家と呼ぶのは申し訳ないほどのキャリアの持ち主なのです。まずはスカルラッティのソナタを聴いてみてください。その表現力豊かな演奏は、偉大なる先人アンドレス・セゴビアを思い起こさせることでしょう。タルレガを始めとした小品も泣かせてくれます。
8.572729
ボリス・ピゴヴァート:レクイエム「ホロコースト」/夜明けの詩
レクイエム「ホロコースト」(1994-1995)
夜明けの詩(2010)*
アンナ・セローヴァ(Va)
クロアチア放送SO
ニコラ・グエリーニ(指)

録音:2013年10月3-5日クロアチアザグレブ,ヴァトロスラフ・リシンスキ・コンサート・ホール
*=世界初録音
ウクライナで生まれ、モスクワのグネーシン・ロシア音楽大学で学び、現在はイスラエルを拠点に世界中で活動している作曲家ボリス・ピゴヴァート(1953-)。彼は1995年にイスラエルに移住し、この地の市民権を得ています。数多くの特色ある作品を生み出し、中でもいくつかの吹奏楽作品は日本でも知られています。このアルバムに収録されたレクイエム「ホロコースト」は、最初、語り手、ソリスト、合唱、オーケストラという“標準的”な編成の作品として構想されましたが、テキストを使うことで却って音楽の力を損なうことになるのでは…と危惧した彼、結局、人の声を一切排し、オーケストラとソロ・ヴィオラ(人の声に最も近い響き)を用いるのみの作品として書き直したのです。4つの部分にはそれぞれ伝統的なレクイエムのテキストが付されていますが、これが曲の感情を余すことなく表現しています。「永遠の安息を」では深い悲しみ、恐怖と怒りに満ちた「怒りの日」…というように。しかし「涙の日」には例えようのない恐怖と怒りが漂っているのは、多くの涙の中に犠牲者たちの悲鳴が含まれているからだということです。とは言え、「永遠の光」の最後に見られる澄んだ美しさこそ、ピゴヴァートが描きたかったものなのではないでしょうか?2010年の「夜明けの詩」は意図的にロマンチックなスタイルに回帰することで、聴き手の感情を揺り動かしています。
8.572730
リーム:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
1.幻想的小品「ファントムといたずら-Phantomund Eskapade」(1993/94)
2.ヘクトン-Hekton(1972)
3.素描「アンツリッツ-Antlitz」(1992/93)
4.ヴァイオリン・ソナタ(1971/75)
5.ラインについてVII(2006)※世界初録音
楊天堝-TianwaYang(Vn)
ニコラス・リマー(P)

録音:2008年9月22-24日ドイツハイデルベルク,テイエ・ファン・ギーストGmbH,トンスタジオ
NAXOS期待の若手ヴァイオリニスト楊天堝の新たな魅力を感じる、リーム(1952-)の作品集です。現在世界で最も著名、かつ多作を誇るドイツ生まれの作曲家ヴォルフガンク・リームは作曲年代によって目まぐるしく作風が変化することで知られます。このアルバムでは1990年代と1970年代の作品がそれぞれ2曲と、2006年に書かれた最近の作品が1曲収録されています。ピアノが激しく連打する和音の上でヴァイオリンが極めて気まぐれなパッセージを奏する「ヘクトン」、1969年頃には構想が出来上がっていたという「ヴァイオリン・ソナタ」での、浮遊するような音の粒立ちに比べると、その20年後の「ファントムといたずら」や「アンツリッツ」での驚くばかりの抒情性に満ちた音楽は、とても同じ人の手になるものとは思えないほどの変化が感じられます。21世紀になってからは、一つの作品にじっくり取り組むようになったと言われる彼ですが、今回が世界初録音となる「ラインについてVII」での無伴奏ヴァイオリンによる切々とした独白は、我々に何を訴えているのかを読み取ってみたいものです。
8.572731
メルカダンテ:フルート協奏曲第1.2.4番
フルート協奏曲第2番ホ短調Op.57
フルート協奏曲第4番ト長調
フルート協奏曲第1番ホ長調Op.49
パトリック・ガロワ(Fl&指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキ
ュラ

録音2011年12月18-22日フィンランドユヴァスキュラ,スオラハティ・ホール
19世紀のイタリアオペラ発展に大きく寄与したメルカダンテ(1795-1870)。彼はロッシーニに勧められてオペラの作曲を始め、処女作「ヘラクレスの神格化」の成功を受け、以降次々と大作をものにします。1823年にはサンカルロ劇場の音楽監督に就任、生涯に60作以上のオペラを残しました。そんなメルカダンテですが、1814年から1820年の約6年間は音楽院の仲間と師匠に触発されフルート曲を中心とした数多くの器楽曲を書いています。彼のほとんどのオペラが忘れられてしまった現在では、これらの器楽曲の方が演奏される機会が多いのは残念ではありますが、確かにこのアルバムに収録された3つの協奏曲も、技巧が際立つソロと管弦楽の掛け合いが素晴らしく、また流麗なメロディには思わず惹きつけられること間違いありません。ガロワのソロは文句なしであり、完璧なオケのコントロールもさすがの一言。安心して楽しめます。
8.572732
エンジェルズ・イン・ジ・アーキテクチャ
フランク・ティケリ(1958-):コンサート・バンドのための交響曲第2番(2004)
レスリー・バセット(1923-):2楽章の九重奏曲
(1968)
フランク・ティケリ:エンジェルズ・イン・ジ・アーキテクチャ(2008)
ウィリアム・ボルコム(1938-):バンドのための第1交響曲(2008)
ララ・スピエセル(S)
リード・トーマス(指)
ミドルテネシー州立大学(MTSU)ウィンド・アンサンブル
大好評、アメリカのブラス・シリーズです。今回はフランク・ティケリの作品を2曲と、ウィリアム・ボルコム、レスリー・バセット各1曲の全4曲です。ティケリは現在アメリカにおけるブラス・バンド界で重要な位置を占めている作曲家で、既に数多くの作品が愛奏されている人です。アルバム・タイトルの「エンジェル〜」は、シドニー・オペラ・ハウスの装飾からヒントを得たもので、神の光と荒れ狂う暗黒の対比を描いています。「交響曲第2番」も神の世界を描いていて、2つの作品は密接な関係を持っているのです。レスリー・バセットは第二次世界大戦中、第13機甲師団のバンドでトロンボーンを吹いたという経歴の持ち主。その後、電子音楽や現代音楽を学び、1966年にはピューリッツァー賞の音楽部門を受賞しています。ボルコムはすでにおなじみの作曲家で、様々な技法を用いた面白い作品を書く人として知られています。
8.572733
ジョナサン・ダヴ:年月の移ろい
二重合唱とピアノのための歌曲集「年月の移ろい」(2000)
美しき五月に私は歩く(2001)
わが愛はわが内に(1998)
誰が殺したクックロビン(1996)
エミリー・ディキンソンの詩による3つの歌「街は走っているかのよう」(2006)
生まれてくる日(1999)
ようこそ、この景色の中の全ての不可思議よ(1999)
三人の王(2001)
クリストファー・クロマー(P)
ネイル・フェリス(指)
コンヴィヴィウム・シンガーズ
親しみやすく、明晰な作風で知られるイギリスの作曲家ジョナサン・ダヴ(1959-)。とりわけ彼の合唱作品はどれも魅力的であり、イギリスのみならず世界中で人気を博しています。ここでは、彼の母親の記憶に捧げられたという「年月の移ろい」を中心とした、美しいハーモニーを聴くことができます。7つの曲からなる「年月の移ろい」はW.ブレイク、E.ディキンソン、G.ピールら5人の詩人のテキストを使い、時には妖艶さも感じさせながら、大地と季節を礼賛しています。この曲集とメゾ・ソプラノのソロで歌われる「わが愛はわが内に」以外は全て無伴奏合唱で歌われ、時にはユーモラスに、また時には荘厳に、声の持つ美しさと可能性を無限まで追求します。
8.572734
チマローザ:序曲集第3集
歌劇「女の手管」より序曲第1番
歌劇「女の手管」より序曲第2番
歌劇「カリアの女王アルテミシア」序曲
歌劇「欺かれた陰謀(マルマンティーレの市場)」序曲
歌劇「カイオ・マリオ」-序曲
歌劇「ロッカ・アッツッラ(青砦)の二人の男爵」序曲
歌劇「愛の奇行」序曲
歌劇「寛大な敵たち」序曲
歌劇「シナの英雄」序曲
デニスタ・ラフィチエヴァ(Cl)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
パトリック・ガロワ(指)

録音:2011年6月フィンランドユバスキュラ,ハンカサルミ教会
イタリアの作曲家ドメニコ・チマローザ(1749-1801)。貧しい家庭に生まれ幼い頃に父親を事故で亡くすも、持ち前の音楽的才能を生かしてオペラ作曲家として大成。一時期はウィーンの宮廷楽長を務め、ナポリに帰国後は、新時代の到来を賛美した音楽を作曲したため反逆罪でナポリを永久追放処分。なんともドラマティックな生涯を送った人でもあります。彼は65作以上のオペラを作曲しましたが、「秘密の結婚」と「女の手管」以外は、現在ほとんど忘れ去られてしまっています。しかしこれらの活力ある音楽と、巧妙な筋立ては、どれもが現代に充分通用するものであり、これら序曲だけではちょっと物足りないな。と思わせてくれるだけのパワーを備えた魅力的なものばかりです。とりわけ管弦楽法の見事さに注目。歌の美しさだけではオペラが成り立たないということを改めて実感させてくれるのではないでしょうか?演奏は、最近ますます円熟味を加えてきたガロワの指揮と、お馴染みヒンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ。第1集(8.570508)と第2集(8.570279)も好評です。
8.572735
ロッシーニ:序曲全集第4集
歌劇「セヴィリャの理髪師」序曲
歌劇「イタリアのトルコ人」序曲
シンフォニア変ホ長調
歌劇「リッチャルドとゾライデ」-第1 幕序曲
歌劇「トルヴァルドとドルリスカ」-第1 幕シンフォニア
歌劇「アルミーダ」第1幕シンフォニア
歌劇「オリー伯爵」-第1 幕序奏
.歌劇「ビアンカとファッリエーロ」-シンフォニア
クリスティアン・ベンダ(指)プラハSO

録音2011 年9 月5-6 日、2012 年5 月30-31
大好評、クリスティアン・ベンダによるロッシーニ(1792-1868)の歌劇序曲集。この第4 集で完結となります。19 世紀の初頭、ロッシーニの音楽はヨーロッパ中で大人気を博していました。それは聴衆だけでなく、同時代の音楽家にも人気があり、その流麗なメロディは様々なモティーフとして、ピアノ曲やヴァイオリン曲の素材にも使われていたのです。ロッシーニは生涯に39 の歌劇を作曲。初期作品はどちらかというとブッファ(喜劇)が中心でしたが、後半期はもっぱら本格的なセリア(正歌劇)に力を注いでいました。この第4 集には「セヴィリャの理髪師」や「イタリアのトルコ人」などの良く知られた作品の序曲から、ほとんど上演される機会のない作品の序曲、そして1806 年から1809 年頃の彼が学生時代を送った頃に書いた「シンフォニア変ホ長調」(後に「結婚手形」の序曲として改編後、更に「ボルゴーニャのアデライーデ」の序曲にも流用)まで、興味深い作品が収録されています。
8.572736
フンメル:アット・ザ・オペラ
モーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」から「バッカス万歳」による変奏曲Op.34-3
グルックの「アルミード」からの主題による変奏曲Op.57
ペトラルカの3つのソネットS270/R578a - 第1番平和は見いだせず(ソネット第104番)
ケルビーニの歌劇「2日間」からの行進曲による変奏曲Op.9/13-17.オーベロンの魔法の角笛幻想曲Op.116(ピアノ編)
イズアールの歌劇「シンデレラ」からの行進曲による変奏曲Op.40a
ポプリ第1番ハ短調 自作の「ろばの皮」よりOp.58
乾まどか(P)
ハンガリーに生まれ、モーツァルトの家に2年間住み込みピアノを学んだフンメル(1778-1837)。その後はハイドンの後継者、ベートーヴェンのライバルと目され、ピアニストとしても作曲家としても幅広く活躍した事で知られています。彼は多くの作品を書きましたが、当時流行していた「オペラの器楽曲への編曲」というジャンルにも積極的に手を染め、演奏家としても作曲家としても、その才能を強く印象付けています。とにかく原曲のオペラアリアや合唱曲を、ピアノ1台でどれだけ盛り上げられるかが勝負!技巧的な変奏曲や、聴きどころをつなぎ合わせるなど、あの手この手の仕掛けが施されています。
8.572737
ウィットボーン:神の子のミサ(2001)
ウィンターズ・ウェイト(2010)
私たちに信仰の翼をください(2002)
ピーター・アベラールの短い話(ソプラノ・サクソフォンとオルガン編)(2006/2011)
南アメリカからの祈り(2009)
リヴィング・ヴォイシズ(2001)
レクイエム・カンティコルム(2010)
すべてはアーメンとハレルヤでなければならない(2009)
ジェレミー・パウエル(ソプラノSax)
ケン・コーワン(Org)
ロン・キャロル(朗読)
ジョナサン・パルマー・レイクランド(P)
ヤコブ・エッツォ(Perc)
ジェイムズ・ジョーダン(指)
ウェストミンスター・ウィリアムソン・ヴォイシズ
このアルバムを再生してすぐ、聴き手は「あれ、これ宗教曲だったはず」と複雑な思いに捉われるかもしれません。何しろソプラノ・サックスの朗々とした響きで始まるのですから。とはいえ、透明な響きを持つ合唱が「キリエ・エレイソン」と歌い始めると、何となく安心できるのは間違いありません。2000年から2001年に放送されたBBCドキュメンタリー・フィルムのために書かれた音楽をミサ曲にしたもので、いかにもキャッチーな肌触りが魅力です。他にも9.11の祈りのために書かれた「リヴィング・ヴォイシズ」など、生と死の狭間を垣間見るような、深遠で濃密な音楽です。
8.572738
ホフマイスター:フルート協奏曲集第1集
フルート協奏曲第24番ニ長調
フルート協奏曲第21番ニ長調
ブルーノ・マイアー(Fl)
プラハ室内O

録音:2011年10月4-5日プラハドモヴィナ・スタジオ
※全て世界初録音
18世紀の終わり頃、最も人気を誇っていた作曲家の一人ホフマイスター(1754-1812)。彼のフルート協奏曲は全部で25曲あり、NAXOSではこの全曲の録音を開始します。現在、彼の名は「偉大なる音楽出版者」としても知られていて、彼は同時代の作曲家、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど名だたる作曲家たちの作品を積極的に世に出していました。もちろん彼らたちと親しい友人として接していたことも間違いありません。そんなホフマイスター、作曲家としても多彩な作品を残しましたが、なかでもフルートのための作品は当時ウィーンに多数存在したアマチュア音楽家のために書かれたと推測され、現代でもその優雅さが愛されています。驚くほどの超絶技巧が駆使されているわけではありませんが、フルートの持つ魅力が見事に表現されています。
8.572739
ポット:合唱作品集物事の中心に
8声部のためのミサ曲:キリエ・エレイソン
8声部のためのミサ曲:グローリア・イン・エクセルシス・デオ
マリアのキャロル(2008)
聖処女への讃歌(2002)
私は一人の乙女のために歌う
8声部のためのミサ曲:サンクトゥス
8声部のためのミサ曲:ベネディクトゥス
愛と悲しみのあるところに神はいる(2002)
バルラロウ(2009)/10.悲歌(2011)
8声部のためのミサ曲:アニュス・デイ
グレース・デイヴィッドソン(S)
マシュー・ベリー(指)コモーショ
合唱王国イギリスには、いつの時代にも、多くの合唱曲とオルガン音楽の作曲家がいて、その時々に常に新鮮な曲を創造しています。このフランシス・ポット(1957-)もそんな一人。彼の音楽は劇的で感情的に優れていて、多彩なテクニックで、過去の伝統を未来へと繋いでいます。数多くの受賞歴もあり、また作品も数多く演奏されています。このアルバムの中心作品である「ミサ曲」は、病のため47歳の若さで世を去ったバッキンガム大学の教授、アナベラ・ブラヴォーの死を悼んで書かれたものです。痛烈な曲調をバードやタリス風の奥ゆかしい語り口で包んだ、美しい無伴奏合唱曲です。「マリアのキャロル」は彼の義理の父の追悼であり、その他の曲も、親しい人のために書かれたものが多いのですが、どの曲も親密さの中に人間の経験を超越した神秘性と、近代的な味わいを持たせていて、単なる個人的な悲しみに留まらず、普遍的な人生の機微を伺わせる見事な作品へと昇華させています。
8.572740
バッハ:ギター編曲集
18のライプツィヒ・コラール〜「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV659
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
オルガン小曲集〜「主イエス・キリスト,われ汝を呼ぶ」BWV639
「主よ、人の望みの喜びよ」BWV147
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV1004
アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳第2巻〜シュテルツェル:御身がともにあるならばBWV508
グレアム・アンソニー・ディヴァイン(ギター&編曲)
名ギタリスト、ジュリアン・ブリームの後継者と目される名手グレアム・アンソニー・ディヴァインの編曲で聴くバッハの作品集です。彼はブローウェルやオアナ、イギリス近代など、どちらかというとモダンな作品の演奏が知られていますが、今作では偉大なるバッハに真正面から取り組むことで、新たな世界を開拓しています。チェロ組曲の孤高の旋律は、とりわけギターに適しているようで、なかでもサラバンドのアリアのような美しい音楽は、もともとギターのために作曲されたものである。と言われても、誰も疑うことはないかもしれません。また、2つのコラール前奏曲において、曲に静寂と透明度を付与するための特殊奏法も見事です。圧巻は、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータからの「シャコンヌ」で、ギターでここまで完璧に演奏することは、ディヴァイン以外のギタリストには不可能なのではないか・・・と思わせるだけの説得力を有しています。バッハの美メロが何の迷いもなく心に染み入る1枚です。
8.572741
レスピーギとエルガーによるバッハ編曲集
レスピーギ編:3つのコラールプレリュードP167 <「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV659:レント・アッサイ/「私の魂は主をあがめ」BWV648:アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド/「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645:アンダンテ>
ヴァイオリン・ソナタホ短調 P85(原曲:BWV1023)
前奏曲とフーガニ長調 P158(原曲:BWV532)
パッサカリアとフーガハ短調 P159(原曲:BWV582)
エルガー編:幻想曲とフーガハ短調 Op.86(原曲:BWV537)
イルッカ・タルヴィ(Vn)
ジェラール・シュウォーツ(指)シアトルSO
いつの世もバッハの作品から多くのインスピレーションを受け取る人が多いものです。このアルバムではレスピーギとエルガー、2人の大作曲家による編曲をお楽しみいただけます。「ローマ三部作」で絢爛豪華な音楽を聴かせるイタリアの作曲家レスピーギは、1929年から30年にかけて、ヴァイオリン・ソナタをはじめとする幾つかの作品に大胆なオーケストレーションを施しました。どの曲もどっしりとした低音を利かせ、重厚で荘厳な響きが魅力的。メロディは確かにバッハなのですが、後期ロマン派の香りが強く感じられるユニークなものとなっています。「前奏曲とフーガ」に至っては、もう別世界の音楽へと変貌しているところが楽しい限りです。エルガーによる「幻想曲とフーガ」の編曲(1921年)にも注目。フーガの部分はまさに「エニグマ」そのもの。
8.572742
リース:ピアノ協奏曲集第5集
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調Op.42
序奏と華麗なるロンドOp.144
ピアノ協奏曲第9番ト短調Op.177
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ウーヴェ・グロッド(指)
ニュージーランドSO

録音:2011年9月12-14日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
大好評、リース(1784-1838)のピアノと管弦楽のための作品集もこの第5集で完結となります。様々な形態で書かれた14作品は、フンメルと並ぶ、19世紀初頭のピアノ音楽における「究極の形」の一つとして燦然と輝くことは間違いありません。耳の故障のため、比較的早い時期から舞台に立つことをやめたベートーヴェンっとは異なり、リースは晩年まで有名な巨匠であり、常に新しい音楽の流行を探っていました。ここに収録されている3曲のピアノ協奏曲のうち、1806年に書かれた第2番は9歳のフランツ・リストが公開演奏会で弾いたという記録もある作品。曲調こそベートーヴェンの第3協奏曲に似ていますが、至るところで独自性が光る初期の作品です。また「ロンド」はロンドンから戻った後の1825年の作品であり、1832年に書かれた第9番の協奏曲は、充実したオーケストラパートを持つ充実した作品です。
8.572743
ブロッホ:アメリカ-叙事的狂詩曲
ピアノと弦楽オーケストラのための「合奏協奏曲第1番」
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
シアトル交響cho*
トリシア・マイケリアン(P)
スイス、ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに師事、1916年にアメリカに移住した作曲家ブロッホ(1880-1959)は、この地で数多くの音楽家を育てあげるなど、アメリカの新古典主義音楽の興隆に尽力した事でも知られます。彼は自作の中に、しばしばユダヤの民族音楽を取り入れた独自の作風を示しましたが、この1926年に作曲された「アメリカ-叙事的狂詩曲」は、彼を受け入れたアメリカに対する"愛国心"が描かれたもので、実は、彼がアメリカへと向かう船の中で最初に構想されたものが10年を経てようやく実現したものだったのでした。ネイティヴ・アメリカンの時代から、ブロッホが生活していた1926年、そして未来への予想図が3つの楽章に分けて描かれ、そこには数多くのメロディの引用が織り込まれた音楽による歴史絵巻となっています。1927年、ミュージカル・アメリカ誌の主宰する作曲コンクールで受賞した作品です。合奏協奏曲は、バロック音楽の形式を再現した新古典派の流儀による作品。ピアノが面白いように活躍します。
8.572744
クリスマス前のもう一つの夜,そしてスクルージ
フォックス(1626-):キャロル・ファンタジア
ケリー(1934-):スクルージ
レーン(1950-):オールド・クリスマス・ミュージック<16世紀の作者不詳の音楽:ガウダーテ/P.ウォーロック:最初の慈悲/フランスの伝承曲:たいまつ手に手に/P.ウォーロック:ベツレヘム・ダウン/M.レントヴィチ:キャロル・オブ・ザ・ベル>
レーン:クリスマス前の他の夜/
カーティス(1959-):クリスマス・ラッシュ
レビコフ(1866-1920):クリスマス・ツリー組曲Op.21〜第1楽章「ワルツ」
リスト:クリスマス・ツリーより(G.ジェイコブ&F.レーンによる管弦楽編曲版)/<ツリーに明かりを灯けよ/カリヨン/古き時/ポーランド風>
サンダース(1968-):おとぎ話のそりすべり
モーリー(1923-2009):スノーライド
チャイコフスキー:四季〜11月「トロイカ」(P.レーンによるクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノ編)
ジョーンズ(1984-):クリスマス・クラッカー
サイモン・カロウ(ナレーター)
ギャヴィン・サザーランド(指)
RTEコンサート・オーケストラ
ロイヤル・バレエ・シンフォニア
クリスマス…誰もに等しく訪れる聖なる一日。冷酷無慈悲なスクルージにも「この日」は訪れました。このアルバムのトラック2は、そんな彼の物語、ディケンズの「クリスマス・キャロル」が凝縮されて語られています。3人の精霊たちの言葉は、彼に何をもたらすのでしょうか?結末を知らない人はもちろん、ご存知の人も、ぜひこの愛らしくも示唆に富んだ音楽劇に耳を傾けてみてください。「情けは人のためならず」この言葉をもう一度噛みしめてみたくなるかもしれません。他にもクリスマスを思いながら聞きたい曲ばかり。管弦楽編曲のリスト「クリスマス・ツリー」や室内楽版のチャイコフスキー「トロイカ」は、他では聞けない充実した音色を持っています。
8.572747
オルウィン:吹奏楽編曲による映画音楽集
「真紅の盗賊」-序曲/「ポリー氏の歴史」組曲
「最後の突撃」-行進曲
「絶壁の彼方に」-組曲
「春風と百万紙幣」-ワルツ
「スイスファミリーロビンソン」-組曲
「真の栄光」-行進曲
「若い河」-組曲/「難破船」-組曲
「砂漠の勝利」-組曲
※マーティン・エレビー編曲
クラーク・ランデル(指)
マーク・ヘロン(指)
王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ
「完璧なる映画音楽作曲家」ウィリアム・オルウィン(1905-1985)の数々の作品を、吹奏楽アレンジで聴く1枚。これがまたカッコイイことこの上なし。1957年生まれのイギリスの作曲家、M.エレビーの編曲は、オルウィンのインスピレーションを完全に理解し、持ち味であるスコットランドの旋律も生かしつつ、魅力的な音で再創造しているのです。中には日本で未公開の映画も含まれますが、それは想像力を駆使して楽しむことにしましょう。勇壮なトラック7の行進曲、ロマンティックなトラック12のワルツ…。
8.572748
オネゲル:交響曲第2番
ラザロフ(1932-):管弦楽のための協奏曲第2番「イカロス」
 管弦楽のための「ポエマ」
ジェラール・シュワルツ(指)シアトルSO
第二次世界大戦の最中、オネゲルが書き上げた交響曲第2番。これは1936年にバーゼル室内Oの創立10 周年記念のためにパウル・ザッハーが委嘱したものでした。しかし曲の完成が遅れ、その間に刻々と世相は混乱を極めていきます。作品の持つ暗い陰鬱な雰囲気は、確かにそんな当時の空気を反映したものですが、終楽章に現れるトランペットで奏される壮麗なコラールは、そんな重苦しさを一瞬にはねのける輝かしさを有しています(トランペットの使用は任意ですが・・・)。ラザロフの2 つの作品は、シアトルSOの性能を存分に発揮させるために書かれた作品で、とりわけ「ポエマ」は指揮者シュワルツの結婚祝いでもあり、華麗さとロマンティックな雰囲気が見事に融合した美しい曲です。
8.572749
コダーイ:「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
ドホナーニ:チェロと管弦楽のための小協奏曲
コダーイ:ガランタ舞曲
ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)
ジェラルド・シュウォーツ(指)シアトルSO
コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」は本来は劇音楽として書かれた作品です。もともとはハンガリーの詩人ガライ・ヤーノシュの「Az obsitos(兵士の休日・・・カールマンもこの題材でオペレッタを作曲)」に登場する荒唐無稽な話を語る“自称”冒険家の物語で、これを元にパウリニとハルシャーニが台本を書き、コダーイが音楽を担当、「5 つの冒険」というジンクシュピールができたもので、この中から6 曲を抜粋したものが、現在演奏されるこの「ハーリ・ヤーノシュ組曲」というわけです。曲ごとに使用する楽器が異なり、ハンガリーの民族楽器ツィンバロンまで登場するという楽しいもので、聴いているだけで夢心地になれそうな想像力に富んだ音楽です。ブダペスト・フィルハーモニック協会80 周年記念のために書かれた「ガランタ組曲」も心躍る舞曲です。同時収録のドホナーニのチェロ協奏曲は、単一楽章でありながらも、本格的な協奏曲であり、抒情的で美しいメロディに満ちた聴きごたえのある名作。名手シュタルケルの納得の演奏が花を添えています。
8.572750
サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.75
子守歌Op.38/エレジーOp.160
エレジーOp.143
サラバンドとリゴドンOp.93/ロマンスOp.37
振り子時計のアリア.イ短調/三部作Op.136
ファニー・クラマジラン(Vn)
ヴァニャ・コーエン(P)

録音:2011年6月13-15日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
様々なジャンルに多くの作品を残したサン=サーンスですが、かつて彼は、ヴァイオリニストの友人に「私は室内楽以上に好きなものはない」と手紙を書き送ったほどに、このジャンルを愛していました。その中でも、ヴァイオリンのための作品には驚くほどの情熱が込められています。なかでもマルタン・マルシックに捧げられたヴァイオリン・ソナタ第1番は、4つの部分が切れ目なく演奏される、力強く美しいメロディに充たされた音楽です。元々ピアニストとしても素晴らしい能力を有していた彼、これらの作品のピアノ・パートの充実ぶりにも目を見張るものがあります。1912年に書かれた「三部作」は晩年の彼が至った境地を示すかのような深みを有しています。印象派の音楽が世を風靡していた時代、このような音楽を書いていた彼は時代遅れなのでしょうか?それとも信念を貫いた人なのでしょうか?演奏するのは、度々の来日ですっかり人気者となったファニー・クラマジラン。しっとりとした美音がサン=サーンスの魅力を引き出しています。
8.572751
サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第2集
組曲 ニ短調 Op.16
ロマンス.ハ長調 Op.48(ヴァイオリンとピアノ編)
ヴァイオリン・ソナタ(未完成)
瞑想曲
ヴァイオリン・ソナタ.第2番 変ホ長調 Op.102
動物の謝肉祭〜白鳥(ヴァイオリンとピアノ編)
ファニー・クラマジラン(Vn)
ヴァニャ・コーエン(P)

録音:2011年12月5-7日
UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
実力派ヴァイオリニストとして、最近ますますその才能に磨きをかけているファニー・クラマジラン。彼女によるサン=サーンスのヴァイオリン作品集第1集(8.572750)は、その溢れるロマンと色彩豊かな音色で高く評価されました。今回の第2集では未完成となったヴァイオリン・ソナタの断片と第2番のソナタなど興味深い作品が奏されています。1862年に書かれた「組曲 Op.16」は、本来チェロと管弦楽のための曲で、その後ピアノ伴奏版とした際に、ヴァイオリンで演奏する異稿版も作成されたものです。未完成のヴァイオリン・ソナタは1842年の作品で、メンデルスゾーンを思わせる、未完でありながらも才能の煌めきが感じられる見事な作品です。1896年のヴァイオリン・ソナタ第2番は優美さの中にも渋さが感じられる円熟の音楽。サン=サーンスを聴く喜びがここにあります。他の小品、そして美し過ぎる「白鳥」!これはあなたの大切な1枚となることでしょう。
8.572752
ワインベルク:交響曲第19番「輝しき五月」Op.142(1985)
交響詩「平和のバナー」Op.143(1985)
ウラディーミル・ランデ(指)
サンクトペテルブルクSO

録音:2011年4月28-30日サンクトペテルブルク聖カテリーナ・ルーテル教会,ペテルブルク・レコーディング・スタジオ
近現代の作曲家としては珍しく、ワインベルク(1919-1996)は生涯に26曲の交響曲(番号なし、室内交響曲も含む)を残すほど、この形式に愛着を持っていました。この第19番の「輝かしき5月」は、その前に書かれた第17番と第18番とともに「戦争三部作」と言われ、歴史の暗黒部を経て平和を願う彼の思想が反映されたものとして評価されています。これらはロシアの女性詩人アンナ・アフマートヴァの詩「勝利」に基づく作品ですが、純粋に喜びの心情を歌い上げているわけではなく、心の底には重苦しい不安を抱えている点では、ショスタコーヴィチのシニカルな作品にも似ていると言えるでしょう。重苦しい第1楽章、思いがけないほどに美しい第2楽章、一見平和のうちに終わるかに見える終楽章、とその喜びの感情は、まるでガラス細工のような脆さを孕んでいます。「表向きの顔」とも言える「平和のバナー」もまた然り。
8.572753
アルファーノ:ヴァイオリン・ソナタ&ピアノ五重奏曲
ヴァイオリン・ソナタニ長調(1923年原典版…この版は世界初録音)
ピアノ五重奏曲変イ長調(1945)…世界初録音
ネニアとスケルツィーノ(1936)(E.ピエランジェリによるヴァイオリンとピアノ編)…世界初録音
メアリー・アン・マム(Vn)
クレイグ・マム(Va)
サミュエル・マギル(Vc)
エルミラ・ダルヴァロヴァ(Vn)
スコット・ダン(P)
以前はプッチーニのトゥーランドットの補筆完成者としか認知されていなかったアルファーノ(1875-1954)ですが、以前リリースされたチェロ・ソナタ(8.570928)の暗く蠢く情熱的な音楽で、若干人気も高まったかのようです。このアルバムでも、そんなアルファーノの個性的な音楽を聴くことができます。最初のヴァイオリン・ソナタはフランスの印象主義の影響も受けていて、流麗でありながら、不確定な和声が続く色彩豊かな曲です。ピアノ五重奏曲は、彼の最後の室内楽作品でありながらも、深い抒情性に満ち、決して無調にはならず、聴き手に安心感すら与えてくれる美しさがたまりません。魅力的な「ネニアとスケルツォ」は、彼が訪れた様々な国の思い出や、スラブ民謡などが入り混じって聴こえてきます。優しくくつろいだ雰囲気を持つ小品です。
8.572755
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ短調
ヴァイオリン協奏曲第5番ニ長調
ヴァイオリン協奏曲第9番ハ長調Op.17(カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン)
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
ニコラス・パスケ(指)イェナPO

録音:2011年6月24-29日ドイツイェナ,フォルクスハウス
ピエール・ローデ(ロード1774-1830)は、19世紀フランスのウヴァイオリニスト、作曲家です。彼の最も知られる作品は「24のカプリース」でNAXOSにもすでにA.シュトラウスの演奏で録音があります(8.570958)。彼はボルドーで生まれ、13歳のときにパリに行って名手ヴィオッティの弟子になり、同時期にヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第13番を演奏してデビューしたであろうと推測されています。ヴァイオリニスト、教師として大活躍し、ピエール・バイヨとルドルフ・クロイツェルとの共著である「ヴァイオリン演奏の方法論」はパリ音楽院ヴァイオリン科のための教本としても用いられました。彼はまたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番の初演者としても知られています。そんな彼ですから、作品の全てはヴァイオリンのために書かれていますが、現在ではほとんど演奏される機会がありません。しかしここで聴くことのできる3曲の協奏曲でわかるとおり、彼の作品は古典派からロマン派への架け橋であり、想像以上に劇的で、例えば20歳の作品である第1番の協奏曲での闘争心に満ち溢れた躍動的なフレーズは、まさに驚くほどの才能の迸りであると断言できるでしょう。1800年頃に書かれた第5番は、牧歌的な性格を有する明るい曲。第2楽章のシチリアーノの美しさは必聴です。そしてロシア滞在中に書かれた第9番は更に劇的であり、ソリストの技量が試される活動的な作品です。やはりこれは聞かずにはもったいない曲ばかりです。
8.572757
ギター・デュオ作品集
スティーブン・ゴス(1964-):ナマモノと調理済みのもの(2004)(抜粋)
スティーブン・ゴス:静かな海(2009)
クリストファー・ウィリアム・ピアース(1974-):アダージョとフーガ
クリストファー・ウィリアム・ピアース:2台のギターのための3 つの小品
ローラン・ディアンス(1955-):ニテロイ-隠された水
ローラン・ディアンス:コム・デ・グラン
クロマデュオ
【トレーシー・アン・スミス(G)
ロブ・マクドナルド(G) 】
近代における、最もエキサイティングなギター・デュオ曲集。1964 年生まれのゴスの作品「ナマモノと調理済みのもの-Le Cru et le Cuit」のなんと楽しい事。ジャンゴ・ラインハルト風の曲から、アラビア風の曲まで、色々な味わいの曲が並びます。「静かな海」は武満徹へのオマージュですが、ドビュッシーとデューク・エリントンの面影も感じさせます。ピアースの2 つの作品はバッハとドビュッシーに由来するものですが、ここでも他の作曲家(リゲティ)が大きな影響を与えています。ローラン・ディアスの「ニテロイ」はブラジルのリオ・デ・ジャネイロにある都市の名前で「隠された水」という意味をもつトゥピー・グァラニー語です。この作品はリオデジャネイロ市生まれの建築家オスカー・ニーマイヤー(この作品が書かれた当時103 歳で、2012 年の今も存命!)に捧げられており、彼が設計した美しい建物を彷彿させる流麗で神秘的な音楽となっています。
8.572758
ピアノ三重奏曲集
コルンゴルト:ピアノ三重奏曲Op.1(1909-1910)
シェーンベルク:浄められた夜Op.4(E.シュトイアーマンによるピアノ三重奏曲版)
フィデリオ三重奏団
<メンバー:ダラ・モーガン(Vn)
ロビン・マイケル(Vc)
メアリー・ダレー(P)>

録音2011 年4 月19.20 日UK西サセックスチャンプス・ヒル
日本での「死の都」上演など、最近俄然注目を集めている作曲家コルンゴルト。彼がいかに早熟の天才であったかについては、既にご存知の方も多いことでしょう。実際にこうして13 歳を迎える前の作品を耳にすると、その恐るべき才能には身震いしないわけにはいきません。冒頭の響きから、既に後年に書かれたヴァイオリン協奏曲と同質の香りが馥郁と匂い立つのですから。このピアノ三重奏曲は初演時に、ピアノをあのブルーノ・ワルターが演奏したことでも知られています。この時、ワルターはこの少年に惜しみない賛辞を送り、やがてコルンゴルトがアメリカに亡命する際にも、いろいろと尽力したというほど、少年の才能に惚れ込んだのにも頷けます。シェーンベルクの「浄められた夜」はシュトイアーマンによるピアノ三重奏曲版を収録。ピアノに多くの役割が持たされており、本来の弦楽六重奏版とはまた違った魅力を放っています。
8.572759
ヨーゼフ・メルク:イタリアからの花〜チェロ作品集
スイス風エアと変奏曲Op.32(愛好家のために第8番)
イタリアからの花-新しいオペラからの名旋律による幻想曲
華麗なるワルツOp.6
マルティン・ルンメル(Vc)
ローランド・クリューガー(P)

録音:2011年9月12-13日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
19世紀前半のウィーンで「最も傑出したチェリスト」として名を挙げたヨーゼフ・メルク(1795-1852)。あのベートーヴェンの三重協奏曲も彼が積極的に演奏し(彼のために書かれたのではない)曲の名声を高めたのです。また、あのショパンの初期の名作「序奏と華麗なるポロネーズ」もメルクに献呈されています。このアルバムに収録されているのは「作曲家」としての仕事であり、当時全盛を誇っていた「オペラのモティーフを器楽曲に編曲する」シリーズが中心に聴くことができるものです。良く知られた名旋律がチェロで朗々を歌われるのを聴くと、やはり人の声とチェロの音色は親和性を持っているのだな。思われる方も多いことでしょう。トラック1の「エアと変奏曲」は副題に"愛好家=アマチュアのために"と記されていますが、とてもアマチュアの手におえる作品ではないところもご愛嬌。演奏しているのはメルクの良き理解者であるチェリストのマルティン・ルンメル。彼は他レーベルにも「20の練習曲」を録音するなど、この知られざる作曲家の普及に努めています。
8.572760
全てはうまく行く
R.パヌフニク(1968-):全てはうまく行く…世界初録音
ホルスト:ヌンク・ディミティス
ヴォーン・ウィリアムズ:真理のために勇敢に
ラフマニノフ:晩祷Op.37より「聖母への讃歌」
タヴナー:聖なるもの
グレツキ:全てはあなたのもの
マンティヤルヴィ(1963-):おお大いなる神秘よ
ヴィレット(1926-1998):聖母への讃歌
ニューステット(1915-):スターバト・マーテル
リチャード・メイ(Vc)
レベッカ・クィンニー(S)
オリヴァー・コンディ(T)
デヴィッド・オグデン(指)
エクスルターテ・シンガーズ
様々な国や時代に息衝く献身と慰めの音楽。これらを幅広く集めた心安らぐ1枚です。ロシア正教の流れを組むラフマニノフ、タヴナーの神秘的な音楽や、賛美歌が盛んな国であるイギリスからはホルストとヴォーン・ウィリアムズの壮麗な神への祈り。そしてヴィレットとニューステットの2曲はマリアへの祈りです。「悲歌のシンフォニー」で知られるグレツキの作品は驚くほど力強いパワーを秘めたもので、これは彼の祖国ポーランドに教皇ヨハネ・パウロ二世が訪れた際の記念式典で歌われたもので、ラテン語の「TotusTuus(全てはあなたのもの)」は教皇がモットーとしていた言葉です。クリスマスの神秘を歌ったマンティヤルヴィ、そしてタイトルにもなった作品は、ロクサナ・パヌフニクのもの。彼は名作曲家&指揮者アンジェイの息子であり、現代イギリスを代表する作曲家の一人でもあります。
8.572761
イギリスのヴィオラとピアノの音楽集
ベイントン(1880-1956):ヴィオラ・ソナタ
ホランド(1878-1947):組曲ニ長調
ボーエン(1884-1961):ヴィオラのための小品変ホ長調
バントック(1868-1946):ヴィオラ・ソナタヘ長調「コーリーン」
サラ=ジェーン・ブラッドリー(Va)
クリスチャン・ウィルソン(P)
イギリス生まれの名ヴィオラ奏者、ライオネル・ターティス(1876-1975)はヒンデミットやプリムローズとともに、ヴィオラという楽器の地位向上に貢献した人で、ヴィオラの持つ豊かな響きの魅力を広く喧伝しました。このアルバムに収録された4つの作品は、全て彼の存在に触発されたものであり、どれも強烈な印象を有しています。ベイントンの「ソナタ」は、戦争の面影を有した憂鬱な風情の曲。ホランドの「組曲」は独創的で、ボーエンの「小品」は短いながらも情熱にあふれたもの。そしてロマンティックで長大なバントックの「ソナタ」はまさにイギリス音楽を代表する名作。まだまだ知らない名曲が埋もれていることを実感させてくれます。
8.572762
新しい瓶に古いワイン
グランザム(1947-):星明りの王冠
ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):新しい瓶に古いワイン<3人のジプシーが城門に/3羽のカラス/鬱陶しい心配なんか消え失せろ/ある朝早く>
ゴードン・ジェイコブ:もっと、新しい瓶に古いワインを<死者たちのもとへ/かしわととねりこの木/リンカンシャーの密猟者/メイポールのジョアン>
スティーヴン・ブライアント(1972-):エクスタティック・ウォーターズ
カーター・パン(1972-):その子を抱きしめて、声を聴いて
ヤングスタウン州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
ダナ・チャンバー・ウィンズ
スティーヴン・L・ゲージ(指)
管楽アンサンブルのレパートリーには、まさに「新しい瓶に古いワイン」のタイトル通りに、豊かな歴史と活気に満ちた現代がうまく調和しています。このアルバムには4人の作曲家の興味深い作品が収録されていて、ファンならずとも聴いてみたいと思わせるものが並んでいます。グランザムの「星明りの王冠」は1920年代と30年代のゴスペル音楽が元になっています。ジェイコブの2つの曲集は、どちらもよく知られたイギリス民謡を編曲したもので、まさに言葉通りの世界が広がります。矛盾した音楽を「弁証法(事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法)」で表す事を試みたというブライアントの曲、柔らかく落ち着いた音色を追求したパンの曲も聴きものです。
8.572763
ヒンデミットバレエ音楽「気高い幻想」全曲
弦楽オーケストラのための5 つの小品
Op.44-4
山本浩一郎(Tb)
エンマ・マクグラス(Vn)
シアトルSO
ジェラード・シュワルツ(指)

録音: 2011年5月4.5.11日 USA シアトル ベナロヤ・ホール
1920年代、ドイツの音楽界で目覚しい活躍をしていたヒンデミット(1895-1963)。彼の創造性は多くの若い作曲家、芸術家を牽引し、戦後の音楽界に新風を齎していました。そんなヒンデミットですが、1936年10月にバレエ・リュスのダンサー、振り付け師として活躍していたレオニード・マシーンから作品を依頼されます。ヒンデミットはイタリアのサンタ・クローチェ教会を訪れ、そこにあった壮麗なフレスコ画に描かれた“アッシジの聖フランチェスコ”の姿に多大なる感銘を受け、この物語をバレエにすることをマシーンに提案します。元々は裕福な商人の息子であったフランチェスコが、様々な体験を経て宗教へ目覚めていく姿を描いた一連の音楽は、彼らしい管弦楽法による叙情とエレジー、そして荘厳な物語を紡いでいきます。ヒンデミットは後年、この全曲の中から5 曲を選び出し、若干のオーケストレーションを変更した3 曲からなる「組曲」を作りました。現在はこちらがしばしば演奏されていますが、やはり全曲を聴くことで、作品への理解が深まることは間違いありません。弦楽オーケストラのための5 つの作品は、オーケストラのための「練習曲」であり教育用として作曲されましたが、曲の出来は素晴らしく、単独で聴いても、決して聴き劣りするものではありません。
8.572764
ディーリアス:アパラチア&海流
アパラチア〜古い黒人奴隷の歌による変奏曲と最後の合唱(ビーチャム編)
海流(ビーチャム編曲)
レオン・ウィリアムズ(Br)
マスターコラール・オブ・タンパベイ
ジェームズ・K(Bs)
シュテファン・ザンデルリンク(指)フロリダO

録音:2012年1月5-7日フロリダセントピーターズバーグ,舞台芸術学校
「人生のミサ」では、イギリス精神とドイツ精神のどちらもを高らかに歌い上げたディーリアスですが、この「アパラチア」では彼が若い頃に過ごしたフロリダでの豊かな経験が反映されています。1880年代に「オレンジの栽培をする」と言ってアメリカに渡ったディーリアスは、そこで黒人たちの労働歌に触れ、帰国後にこの「アパラチア」を書き上げます。出来上がった音楽は、W.ホイットマンに触発された彼独特の自然崇拝と、アメリカの親しげな雰囲気が混在する神秘的で繊細なもの。あくまでも英国人の目を通した「アメリカ文化」が感じられる、あのドヴォルザークの曲にも似た郷愁たっぷりの音楽です。「海流」は、やはりホイットマンの詩集「草の葉」から取られた「ゆりかごの中から」という詩に基づいて書かれた曲で、つがいのカモメたちに自らの心を映し出す少年の物語を、時には激しく、時には優しく包み込むように描きだしたもの。少年のナイーヴな心に残された、小さな別離の悲しみは、やがて死へと繋がるであろうことを否応なく意識させられる感動的な作品です。
8.572765
ライアン:リニアリティ・オブ・ライト-光の直線性(2003)
ピアノ・トリオと管弦楽のための三重協奏曲「エクイラテラル」(2007)
交響曲第1番「ヒュージティヴ・カラーズ-逃亡する色」(2006)
グリフォン・トリオ
ブラムウェル・トヴェイ(指)
バンクーバーSO
カナダで活躍中の作曲家、ジェフリー・ライアン(1962-)の作品集です。彼の作品はどれもパワフルで鮮烈です。ここに収録された3つの作品は、どれも楽器の特性を上手く生かした鮮烈な印象を持つものばかりです。「光の直線性」は一直線に進む光と、それを反射させる鏡を想像しながら聞いてみてください。フル・オーケストラで表現される光は様々なフィルターを通しながら、耳に残像を残して行きます。次の「エクイラテラル(等辺)」は3つの楽器がそれぞれ対等の立場で使われていることをタイトルにした曲で、ミニマル風でもあり、民族音楽風でもあるという、胸がわくわくするような緊張感に満ちた音楽が展開されます。交響曲第1番も音で光を描いた作品といえるでしょうか。こういう感覚的な作品を聴くときは、曲の成立を調べたりするよりも、何も考えずに音の渦に身を浸すのが一番でしょう。
8.572766
マリピエロ:英雄の交響曲/ディテュランボスの悲劇他
英雄交響曲(1905)
ディテュランボスの悲劇(1917)
アルメニア(1917)
グロテスク(1918)*
「墓」より(1904)
テッサローニキ州立SO
アモーリ・ドゥ・クルーセル(指)

録音:2012年6月25-30日,7月2-3日ギリシャテッサローニキ,アリストテレス大学コンサートホール
*以外=世界初録音
4曲の世界初録音を含むこのマリピエロ(1882-1973)の作品集は、どれもが興味深い音色に満ち溢れています。ただ、もし彼が現在生きていたとしたら、私たちがこれらの録音を聴く事を防ごうとしたかもしれません。晩年の彼は「初期の作品のほとんどは破壊された」と称し、実際にはそれらを地下室の箱に隠していました(死後に発見)。そんな自己評価の厳しかったこれらの作品ですが、重々しい雰囲気を持つ「英雄交響曲」と「墓より」やアルメニアの旋律をふんだんに用いた「アルメニア」、破壊的な「グロテスク」ちょっとストラヴィンスキー的な味わいもある「ディテュランボスの悲劇」と、創意工夫の見られる面白いものばかりです。最近、復興著しいNAXOS「イタリア近代の音楽集」にまた新たな名演が加わりました。
8.572767
ワーグナー:管弦楽曲集第1集
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
楽劇「ラインの黄金」第4場:ワルハラへの神々の入場(H.ズンペ編)
楽劇「ワルキューレ」第3幕〜ヴォータンの別れと魔の炎
楽劇「ジークフリート」第2幕〜森のささやき(W.ハッセンルイター編)
楽劇「神々の黄昏」序幕〜夜明け-ジークフリートのラインの旅、第3幕〜ジークフリートの死-葬送行進曲
ジェラール・シュウォーツ(指)シアトルSO

※DELOSより移行盤
ワーグナーの名歌劇から名場面を抜き出して、オーケストラのみで演奏するという試みは、多くの指揮者が行っていて、そのどれもが高い効果を上げています。ここでは名指揮者シュウォーツによる「さまよえるオランダ人」の序曲と、「ニーベルングの指輪」からの名場面をお聞きください。歌がなくては成立不可能と思える「ヴォータンの別れ」なども、歌の部分をうまくカバーする楽器の音色に思わず舌を巻くこと間違いなし。神々の黄昏の「夜明け」での金管楽器の冴えにも感動です。
8.572768
ワーグナー:管弦楽曲集第2集
「ファウスト序曲
歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲
歌劇「ローエングリン」第1幕エルザの夢
歌劇「ローエングリン」第3幕前奏曲と結婚行進曲
楽劇「パルジファル」第1幕前奏曲
楽劇「パルジファル」第3幕前奏曲
楽劇「パルジファル」第3幕聖金曜日の音楽
アレッサンドラ・マーク(S)
ジェラール・シュウォーツ(指)シアトルSO

※DELOSより移行盤
このシリーズに「オペラからの管弦楽曲集」というタイトルが付けられなかったのは、このアルバムのトラック1に収録されている「ファウスト序曲」が、独立した管弦楽作品であるためです。これはゲーテとベートーヴェンにインスパイアされた26歳のワーグナーが「ファウスト交響曲」を構想しながらも、結局のところ完成させることなく、その第1楽章を「序曲」としたためで、もしかしたら、この作品はリストの同名の曲を凌ぐほどの劇的なものになっていたかもしれません。他には「ローエングリン」と「パルジファル」からの音楽を収録。第3集(8.572768)もお楽しみに。
8.572769
ワーグナー:管弦楽曲集第3集
歌劇「タンホイザー」序曲/ヴェーヌスブルクの音楽
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕前奏曲-使徒たちの踊り-親方たちの入場
楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」第2幕〜闇夜にひとり,目を開けて
楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕前奏曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕〜穏やかに,静かに彼が微笑み(愛の死)
アレッサンドラ・マーク(S)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO

※DELOSより移行盤
シアトルSOのワーグナー・シリーズ第3弾。オーケストラの機動力を最大限に生かしたスペキュタクラーな音、細部まで行き届いた表現力など、胸躍るワーグナーが楽しめます。このアルバムのテーマは「愛と情熱」。「タンホイザー」における高き理想と官能による葛藤、「マイスタージンガー」における歌合戦に秘められた愛の物語、そして誰もが認める「トリスタンとイゾルデ」の愛の交歓・・・これらは例え物語を知らずとも、鮮明に目の前に浮かび上がることでしょう。現代最高のワーグナー・ソプラノの一人、アレッサンドラ・マークの絶唱がこの曲集に香り豊かな華を添えています。
8.572770
シューマン:コンツェルトシュテュックOp.86
メンデルスゾーン:歌劇「異国よりの帰郷」序曲
シューマン:2つの交響練習曲Op.13(チャイコフスキー編)
ブラームス(A.パーロウ編):ハンガリー舞曲第5番/第6番/第11番/第16番
ウェーベルン:ラングザマー・ザッツ(シュワルツ編)
プフィッツナー:交響曲ハ長調Op.46
ロバート・ボネヴィー(Hrn)
マーク・ロビンス(Hrn)
デヴィット・C・ナップ(Hrn)
スコット・ウィルソン(Hrn)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO

※DELOSより移行盤(プフィッツナーは除く)
ドイツ・ロマン派の多彩な世界を描くというテーマの1枚です。シューマンの極めて内省的で、ユニークな作品である「4本のホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュテュック」は、ホルン奏者のバイブルであり、ロマン派の時代が生んだ最高の傑作の一つです。チャイコフスキーによって管弦楽編曲を施された「交響練習曲」の一部はまるでバレエ音楽のような華やかさ。メンデルスゾーンの序曲はとても珍しい作品であり、ブラームスのお馴染みの舞曲もはじける楽しさを有しています。ウェーベルンの「ラングザマー・ザッツ」とはもともと弦楽四重奏のための「緩徐楽章」という意味を持つ作品ですが、この弦楽合奏版は、まるでマーラーの「アダージェット」やバーバーの「アダージョ」を思わせる雰囲気に仕上がっています。プフィッツナーの秘曲はこのアルバムの白眉ともいえる作品であり、冒頭に現れるファンファーレや、ひたすら暗い第2楽章など、後期ロマン派の特徴を表現した逸品。最後には冒頭のファンファーレが回帰し、プフィッツナーの基本理念である「ドイツ精神」が賛美されます。
8.572771
ランチーノ:レクイエム(2009) ハイディ・グラント・マーフィー(S)
ノラ・グビッシュ(Ms)
スチュアート・スケルトン(T)
ニコラ・クルジャル(Bs)
フランス放送cho
エリアフ・インバル(指)フランス放送PO
まるで巨大な鉄槌を振り下ろすかのように、重々しい打撃音が延々と続くこのフランスの作曲家ランチーノ(1954-)による「レクイエム」の冒頭。ここを聴いただけで思わず頭を垂れてしまいたくなるような、衝撃的な作品です。20世紀になって書かれたレクイエムは、宗教的な観点よりも、より人間の存在について掘り下げるものが多いのですが、この曲もその一つの形と言えるでしょう。テキストは「めぐりあう朝」の原作者として知られるパスカル・キニャール。彼との3年間に及ぶ共同作業からこの作品が生まれたと言います。彼らは死と永遠の時間について、答えの出ることのない質問を、レクイエムという形式で聴き手に突き付けます。人生というものは「壮大なフレスコ画と神聖な式典」なのでしょうか?それとも・・・。マーラー、ブルックナーで音楽というものを高みに引き上げた名指揮者インバルによる、人間の暗部に光を当てるかのような明晰な演奏です。
8.572772
グバイドゥーリナ:ファハヴェルク他
バヤン,パーカッション,弦楽のための「ファハヴェルク」(2009/2011)*
シレンツィオ#
ゲイル・ドラウグスヴォル(バヤン)
アンデシュ・ルーグイン(Perc)
オイヴィン・ギムセ(指)トロンハイムSO
ゲイル・インゲ・ロツベルグ(Vn)#
オイヴィン・ギムセ(Vc)#

*…世界初録音
ロシア、タタール自治共和国出身の女性作曲家、グバイドゥリーナ(1931-)。幼少時から作曲家を目指し、モスクワ音楽院でニコライ・ペイコとヴィッサリオン・シェバリーンに作曲を学びます。あまりに独自の音を模索したため、当時のロシアではなかなか受け入れられなかった彼女を擁護したのがショスタコーヴィチであったことは、その後の彼女の経歴に少なからずの示唆を与えたことは間違いなく、以降の彼女の作品は、楽器の使い方も音の使い方もまるで類をみない特異なものでした。1980年代にクレーメルがヴァイオリン協奏曲を「ソ連」の外で演奏したことで、名声が飛躍的にあがり、世界的評価を受けることになります。2011年、彼女の80回目の誕生日を記念して、作曲家立ち合いのもと、このアルバムに収録された「ファハヴェルク」の世界初録音が行われました。彼女が愛するロシアのアコーディオン「バヤン」の音色で始まる神秘的な作品は、何かを強く訴えかけてくること間違いありません。
8.572773
エル=コーリー:3つの協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番「どこからともなく国境に」Op.62
ホルン協奏曲「暗い山」Op.74(2007-2008)
クラリネット協奏曲「秋の絵」Op.78(2009-2010)
サラ・ネムタヌ(Vn)
デヴィッド・ゲリエ(Hrn)
パトリック・メッシーナ(Cl)
クルト・マズア(指)フランス国立O
ジャン=クロード・カサドシュ(指)フランス国立O
オラリー・エルツ(指)パリ室内O

録音:2006年5月25日、2009年9月18日、2010年11月10日
レバノンの作曲家、ビシャーラ・エル=コーリー(1957-)。このアルバムはNAXOSにおける第5作目の作品集です。彼は多くの場合、自然からインスピレーションを受け、その音楽の中には瞑想、回想、そして夢が含まれています。タイトルを持つ作品が多いのですが、これは特定の何かを暗示するのではなく、どちらかというと雰囲気重視であり、この3つの協奏曲もレバノンの自然風景などを想起させるものです。とは言え、ヴァイオリン協奏曲は2002年にレバノンで開催された「フランコフォニー国際機関」サミットからの委嘱作で、メシアンが提唱した「移調の限られた旋法」に基づくモティーフが使われ、神秘的な雰囲気を醸し出しています。第2楽章はそのままカデンツァで、ソリストには超絶技巧が要求されます。ホルン協奏曲は、彼が子供時代に経験した山の中の風景の思い出が織り込まれています。山の陰鬱さと雄大さは、人間の脆弱さをも描き出します。「秋の絵」も彼の記憶の中にある風景描写で、高い空の雲や東の空の色などが反映されているといいます。
8.572774
ウォレス:オペラ・ファンタジーとパラフレーズ集
ヴェルディ:歌劇「椿姫」の主題による華麗な幻想曲
ベルリーニ:歌劇「夢遊病の女」によるのサロン風幻想曲
ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」によるサロン風幻想曲
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」からヘブライの捕虜たちの合唱「行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って」
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」の舟歌による華麗な変奏曲
ヴェルディ:歌劇「リゴレット」から「愛しの美しい娘」
ウォレス:歌劇「ラーリン」から夜想曲「夜の風」
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」の主題によるサロン風幻想曲
ウォレス:歌劇「マリターナ」の主題による大幻想曲
アレヴィ:歌劇「ルクレール」による大二重奏曲
ローズマリー・タック(P)
リチャード・ボニング(P)
今でこそ忘れられてしまったものの、存命当時はオペラ作家として国際的に称賛されていたアイルランドの作曲家ウォレス(1812-1865)による、チャーミングなオペラからのトランスプリクション集です。彼はウォーターフォードで生まれ、10代後半からピアニストとして活躍、その後1835年にオーストラリアに移住し、捕鯨(!)をしながら音楽活動を行いました。その際、インドでトラに襲われたり、南洋で地震に遭遇したりなどの武勇伝もありますが、これはどうも眉唾もののようです。そんな彼のオペラの中で、現在かろうじて知られているのは、「マリターナ」1曲ですが、このアルバムの中では彼自身の手で聴きどころを集めた「幻想曲」を聴くことができます。当時流行していた様々なオペラからの聴きどころも、彼の手で新たに生まれ変わっていて、なかなか面白い編曲が楽しめます。名指揮者ボニングがピアノを弾いているところも注目です。
8.572775
ウォレス:ケルト幻想曲集
あま色の髪の若者-私のラッド、笛を吹けば私はあなたのところへ行くでしょう
私のナニーによる華麗なる幻想曲-マイ・アイン・カイン・ディアリー&ボニー・ダンディ
悲しい夜はとても早く過ぎていく-ラッソ・ゴーリー
栄光の待つところへ行こう-愛の若き夢
あなたがジェイミーから離れるとき
タラのホールでハープが聞こえてくるのは1度だけ-まだ飛ぶの
デズモンドの歌
春の日の花と輝く-アイルランドの旋律
スコットランドの釣鐘草
「ロイの妻」と「私たちは居眠りをする」のエコセーズによるピアノのためのサロン風な華麗なる幻想曲
ジョン・アンダーソン、マイ・ジョー-ジェミー、あなたは永遠に私の元からいなくなった
The Weary Pund o' Tow-幸運はこの家のあたりにある
輝く川の流れ-ノラ・クレイナ
マギー・ローダー
スコットランドの旋律による小ロンド-愛しのチャールズ王子
キンロック・オブ・キンロック-私はママのかわいい子
スコットランド賛歌
ホーム・スウィート・ホーム(埴生の宿)
川の岸と堤*
老いたロビン・グレイ-ボートを漕ごう
ローズマリー・トゥック(P)
リチャード・ボニング(P)*
確かにオペラ編曲集(8.572774)では、なかなか面白い作曲家だな。と思いはしたものの、なんとなくリストの亜流っぽさを感じてしまい、愛するまでには至りませんでした。しかし、このアルバムを聴けばそんな偏見が吹っ飛んでしまいました。ここに収録されているのは、数々の懐かしいメロディです。ウォーターフォード生まれの作曲家ウォレス(1812-1865)は、若いころからアイルランドとスコットランドの民謡を愛し、これらを超絶的なピアノ作品へと生まれ変わらせました。これは、当時まだまだ音楽的に未熟だったアイルランドの音楽産業の急成長に合わせ書かれたものですが、複数の曲をつなぎ合わせ、華麗なピアノ曲として聞かせる才能は、なかなかあるものではありません。異色の経歴を持つ人とされますが、大地震の遭遇や猛獣との格闘など、その大半は眉唾ものらしい彼。しかしピアニストとしての華々しい活動歴は真実だったのだな。と信じるに値する技巧的な作品群です。
8.572776
ウォレス:ポロネーズ・デ・ウィルナ
旋律的な夜想曲/同情-ワルツ
そよ風-夜想曲/クラクフの思い出-マズルカ
森林のささやき-夜想曲
鳥の歌-ピアノのための夜想曲
華麗なるワルツ/海岸に-夜想曲
ワルシャワ-ピアノのためのマズルカ
3つの夜想曲Op.20-1
ナポリの思い出-舟歌
ブルネット-サロン風の華麗なるワルツ
純真-ロマンス/勝利-マズルカ
優美-夜想曲/クラクフの娘さんの大幻想曲
ローズマリー・トゥック(P)
リチャード・ボニング(P,指)テイト室内O
最近注目を浴びているアイルランドの作曲家ウィリアム・ヴィンセント・ウォレス(1812-1865)。今回もユニークなピアノ曲集をお届けいたします。最初はオペラ作曲家としての彼に焦点が当たっていたのですが、オペラ・アリアのパラフレーズ集(8.572774)と、ケルト幻想曲集(8.572775)の、あまりにもピアニスティックな作風にノックアウトされた人も多いのではないでそうか。まるでリストやタールベルクを思わせる華麗な書法は、まさに見事の一言でした。ここには「ショパン風」の一連の作品が収録されています。とはいえ、タイトルこそショパンの面影を持ちますが、曲自体はもっと明るく、どちらかというと南国系の色彩を感じさせるものばかりで、どれもがまばゆい魅力を放っています。ウォレスの作品普及に努める名指揮者&ピアニスト、リチャード・ボニングがここでも良い味を出しています。
8.572777
コープ:氷の山 ロナルド・コープ(指)
新ロンドン児童cho
ニュー・ロンドンOのメンバー
ロンドン、ハムステッドの聖マイケル教会で2010年に初演された合唱曲「氷の山」です。作曲者のコープ(1951-)は、すでにNAXOSから合唱と室内楽の2枚のアルバム(8.572113、8.572578)をリリース、認知度の高まっている人。ここでは彼の本領発揮とも言える児童合唱の為の作品をお聴きいただけます。物語はスイスの古い伝説を元にしたもので、4つの季節の流れの中に脈々と息づく命の物語を高らかに歌いあげています。スイス民謡と古い聖歌を取り入れ、神秘さと壮麗さを持ち合わせた音楽は美しさの限り。少年たちの透き通った声は、まさに天上の響きを思わせます。
8.572778
ニーノ・ロータ:クラリネット・ソナタ&クラリネット三重奏曲他
クラリネット、チェロとピアノのための三重奏曲(1973)
アヴィオリンとピアノのための即興曲ニ短調(1947)
ファゴットとピアノのためのトッカータ(1974)
クラリネットとピアノのためのソナタニ長調(1945)
ピアノのための幻想曲ハ長調(1944-1945)
ゴラン・ゴジェヴィク(Cl)
メアリー・ケネディ(P)、クオ・リン(Vn)
ウィノナ・ゼレンカ(Vc)
マイケル・スウィーニー(Fg)

録音:2010年11月10-14日カナダ放送,グレン・グールド・スタジオ
「太陽がいっぱい」や「ゴッドファーザー」など数多くの素晴らしい映画音楽で知られるニーノ・ロータ(1911-1979)。しかし彼は「本業はあくまでもクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味に過ぎない」と公言していました。何しろ13歳でオペラを作曲し、聖チェチーリア音楽院で学んだ後、カーティス音楽院に留学するほどの筋金入りのクラシック畑を歩み、その後も音楽教師として身を立てていたほどの人物です。しかし、彼の名声は、本人の意に反して映画音楽ばかりに傾いており、生前の彼にしてみればかなりの不満がたまっていたのではないでしょうか?(これはコルンゴルトやローザと同じ状況です)ようやく最近になって「クラシック作品」の存在が知られるようになってきたロータ。確かにここで聴ける数々の作品に、あの「愛のテーマ」のような究極の甘美さばかりを求めてはいけません。
8.572779
ワインベルク:交響曲第6番、他
モルダヴィアの主題によるラプソディOp.47-1(1949)
交響曲第6番Op.79(1963)
グリンカ・コラール・カレッジ少年cho
ウラディーミル・ランデ(指)
サンクトペテルブルクSO
ポーランドに生まれ、ショスタコーヴィチの友人としても知られる20世紀の最大の作曲家の一人、ワインベルク(1919-1996)の2つの作品です。1949年、彼が30歳の時に作曲した「モルダヴィアの主題によるラプソディ」は物憂い風情を湛えた前半部と、興奮の坩堝と化した後半部のコントラストが見事です。民謡を多用したこの「親しみやすい」作品は、当時の社会情勢の求めで書いた曲であり、必ずしも彼の本意が表出されているとはいえませんが、人々の賞賛を集めたことは間違いありません。1949年11月30日にアレクサンドル・ガウク指揮、モスクワRSOによって初演されました。交響曲第6番は、児童合唱を用いる描写的な音楽で、初演を聴いたショスタコーヴィチが大絶賛したと言います。確かにショスタコの一連の作品を上回るほどの凶暴性を持つスケルツォはロシア好きでなくとも、一聴の価値ありです。
8.572781
メンデルスゾーン=ヘンゼル:歌曲集第2集
1.春が来たとき
2.ああ、あの眼差しは変わらないままだ
3.唐檜と棕櫚
4.光輝く夏の朝
5.喪失(花がわかってくれるなら)
6.一人ぼっちの涙は何を望む
7.山のかなたに
8.私は樹々の下をさまよった
9.かつて私は暗く、困難の中に生きていた
10.私は木立と悲しみの中を悲しむ
11.孤独の涙は何を意味する?
12.その魂は明るき場所にある!
13.さようなら!
14.美の女神の娘はどれでもない
15.魔術の環
16.あなたから、わが愛する人、私は別れなくてはいけない
17.死への哀歌/18.遠方にて
19.6つの歌Op.9-6「5月の夜」
20.5月の歌/21.ため息
22.船乗りの少女
23.私が静かに自分自身をみつめると
24.イタリアへのあこがれ
25.ミニョン/26.遠い国からの歌
27.ズライカ:どんなにか、心の底からの喜びを持って
28.ズライカ:ああ、お前の湿りを帯びた翼
ドロテア・クラクストン(S)
バベッテ・ドルン(P)
録音:2010年10月28-31日ドイツバーデンバーデン,ハンス・ロスバウト・スタジオ

※ 4、6、7、15、16、17、20、21、26、27…世界初録音
偉大なる作曲家メンデルスゾーンが「その才能を高く評価した」というのが彼の姉であるファニー(1805-1847)です。彼女は4歳違いの弟と同じ音楽教育を受け、やはり幼い頃から並外れた才能を見せつけたのですが、当時の慣習(女性が職業に就くのははしたない)に従って、自らの音楽的才能をあからさまに表に出すことはせず、フェリックスの良き理解者として生きていったのです。しかし、彼女の夫ヘンゼルは彼女の才能を一目で見抜き、創作を続けるように促し、出版するように説得を重ねました。そんな彼女、実は600作を超える作品を遺したと言われていますが、まだまだ研究途上にあり、全貌が解明される日が待たれるばかりです。NAXOSでは同じ演奏家たちによる歌曲集第1集(8.570981)がリリースされており、こちらも高い評価を受けています。ドイツロマン派の流れを汲むこれらの歌曲、この楚々たる美しさに涙してください。
8.572782
パパイオアンヌー:鏡の奥に・アソシエーション他
1.前奏曲第1番「祖国の夜」(1939)
2.前奏曲第2番「海辺の朝」(1938)
3.前奏曲第3番「水彩画」(1938)
4.エロティック(1986)
5.別れのばら(1944)
6.キャンドル(1953)
7,鏡の奥に(1984)
8.スケルツォ(1938)
9.アソシエーション(1978)
10.セレナード(1937)
11.島の踊り(ミティリーニ)(1944)
12-14.14の子どもたちの肖像より(1960)<肖像V/肖像Y/肖像Z>
15.リズムと色彩(1974)
16.海の詩人(1986)
17.コルセアの踊り-第1番(1952)
18.組曲〜第8楽章「ヴィヴァーチェ」(1959)
19.オラクルム(1965)
コスタス・チャルダス(P)… 1-8.10-14.16-19
ミルト・パパタナシウ(S)…5-7.16
ヤニス・アニセゴス(Fl)…7
ディソン・アート・アンサンブル…9
ウラディミロス・シメオニディス(指)…9
エビエ・パパタナシウ(Vc)…10-11.16
コスティス・テオス(Vc)…15
アレクシス・テオフィラクトウ(Vn)…16
グラメノス・チャルキアス(Cl)…16

録音:アテネ・コンサート・ホール2011年7月28日…1-4.8.10-14.17-19
2010年6月9日…5-7.16
2010年2月26日…15
2011年6月15日…9
※4-8,10-15,18…世界初録音
ギリシャの作曲家、ヤニス・パパイオアンヌー(1910-1989)の作品集。主にアテネで生活するも、パリで勉強した経験、とりわけオネゲルとの交流や、他のパリの音楽家たちの出会いを自らの音楽体験として、ギリシャの音楽に組み込むことで、独自の作品を生み出した人です。確かに前奏曲などは「ちょっと装飾の多い」サティもどきの曲であり、フランス印象派の作品と言われても疑う人はいないでしょう。1944年頃までは印象主義の作品を書いていましたが、その後はギリシャ音楽を徹底的に追求します。しかし1953年頃からは実験的な作風に転じ、シェーンベルクやウェーベルンを思わせる12音の音楽も書くようになります。そんな作曲家の様々な年代の作品を並べることで数多くのものが見えてくるような気がします。
8.572783
ベートーヴェン:カンタータ「栄光の瞬間」Op.136
合唱幻想曲ハ短調Op.80
クレア・ラター(S)
マティルデ・ウォレヴィク(Ms)
ピーター・ホーレ(T)
スティーヴン・ガッド(Br)
マルタ・フォンタナルス=サイモンズ(Ms)…7/ジュリアン・ディヴィス(T)
レオン・マッコーリー(P)
ウェストミンスター少年Cho
シティ・オブ・ロンドンCho
ヒラリー・デイヴァン・ウェットン(指)
ロイヤルPO
楽聖ベートーヴェン。彼の名前を知らない人はいないでしょう。しかし・・・ベートーヴェンの多くの作品が遍く演奏されているわけではありません。例えばこのアルバムに収録されている「合唱幻想曲」でさえ、初めて聞く人は「これって第9のパクリですか?」と思ってしまうという代物(メロディが良く似ているせいもあります)。メインとなくカンタータ「栄光の瞬間」に至っては、タイトルすら知られていないのが実情です。さて、そんな「栄光の瞬間」はナポレオンが敗退後に開催された「ウィーン会議」の際に演奏された祝祭的なカンタータです。ヨーロッパ諸国の代表が集い、メゥテルニヒ外相が議長を務めたという歴史的な会議であり、ここで演奏されたということは、ベートーヴェンにとっても鼻高々であったに違いありません。
8.572784
トリスタンのハープ〜アーサー王の中世の音楽
カンティガ第35番「聖母マリアはどのような」
トリスタンは女王に忠実だ
帰らずの森での踊り
神はペリカンのようなものである
黄金の時代へ戻って
投獄されないと自分の考えを伝えない
悲しい歌を作る/王宮の第4エスタンピー
野生のナイチンゲールの甘い声
帰らずの森での踊り
ヒバリを見る時
カンティガ第419番「神は母より」
帰らずの森での踊り
カンティガ第108番「私はそれにしたがって(マーリンのカンティガ)」
カペラ・アンティクァ・デ・チンチラ
ホセ・フェッレーロ(音楽監督)
中世の歴史書に描かれるアーサー王は、6世紀初めにローマン・ケルトのブリトン人を率いてサクソン人の侵攻を撃退した人物とされます。彼が本当に実在したのかは定かではありませんが、この物語は様々な芸術に創作のインスピレーションを与え、数多くのロマンスや冒険譚を生み出しました。このアルバムでは、12世紀から14世紀の吟遊詩人や作曲家たちによるアーサー王の物語を収録したもので、それは歌であったり舞曲であったりと様々です。また、その中にはスペイン王アルフォンソ10世や「獅子心王」リチャード1世の美しい作品も含まれています。
8.572786
ボロディン:交響曲集
交響曲第1番変ホ長調
交響曲第2番ロ短調
交響曲第3番イ短調「未完成」(グラズノフによるオーケストレーション)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
ロシア5人組の一人、ボロディン(1833-1887)の交響曲です。もともとは科学者として活躍していたのですが、ムソルグスキーと知りあい、シューマンの曲を知ってから音楽に興味を持つようになりました。1862年に着手し、作曲に5年を費やした第1番は、どうしてもメンデルスゾーンやシューマンの影響が感じられもしますが、ロシアらしさも存分に感じられる完成度の高いもの。もっと演奏されても良い作品です。1869年に作曲された第2番は良く知られた作品で、名演、名盤が凌ぎを削っていますが、この演奏は、かなりすっきりとしたもので、泥臭さを求める人には、ちょっと物足りなさが残るかもしれません。でも、こういうのもいいですよね?さて、1884年に着想された交響曲第3番は、完成を見る前にボロディンがこの世を去ってしまいました。残されたスケッチを元にグラズノフが形にしましたが、本来ならば、変奏曲とフィナーレも付け加えられる予定でした。
8.572787
リムスキー=コルサコフ:管弦楽組曲集
組曲「雪娘」/交響的絵画「サトコ」Op.5
組曲「ムラダ」/組曲「金鶏」
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
ロシア五人組のなかでも、とりわけ管弦楽法に優れた才能を発揮したリムスキー=コルサコフ。このアルバムに収録されたオペラからの管弦楽組曲の数々は、そんな彼の特筆を知るのにふさわしいものと言えるでしょう。組曲「雪娘」は春の精と冬の精との許されぬ愛が生んだ悲劇の物語。とりわけ「道化師の踊り」が知られていますが、悲しげに始まる「序曲」から聞きごたえ充分です。海の英雄となった「サトコ」の物語、こちらも伝説から採ったという、亡霊になっても愛する人を守る娘「ムラダ」、そして彼の最後のオペラで、風刺に満ち少々教訓めいた終わり方をする「金鶏」から素晴らしい音楽を並べました。演奏はシュワルツとシアトルSOで、彼らの見事な演奏はシェエラザード(8.572693)でも聴くことが可能です。
8.572788
リムスキー=コルサコフ:管弦楽曲集
スペイン狂詩曲 Op.34
歌劇「五月の夜」序曲
歌劇「皇帝の花嫁」序曲
3つのロシアの主題による序曲
歌劇「プスコフの娘」序曲
ドゥビヌシカ Op.62
序曲「ロシアの復活祭」
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
シェエラザード(8.572693)に続く、シュワルツとシアトルSOのリムスキー=コルサコフ(1844-1908)作品集の第2弾です。これらの作品、既にNAXOSに録音があるのですが、いかんせん十何年も前のもの。そろそろ新しい録音で聴きたいと思っていた方も多いのではないでしょうか?このシュワルツの演奏、まさに申し分のないもので、痒いところに手が届くかのような素晴らしいリムスキー・コルサコフを聞かせています。中でも聴きものは「スペイン狂詩曲」でしょう。スペイン民謡とロシア音楽の融合から生まれたこの作品、切れ目のない5楽章形式で書かれています。ホセ・インセンガが編纂した「スペイン民謡集」のメロディがそのまま使われていて、元はヴァイオリン協奏曲として創案されたという通り、ヴァイオリンが大活躍するという興味深いものです。精緻なオーケストレーションと狂おしいまでのスペイン情緒は、この曲を一度聞いた者を虜にするだけの吸引力を備えています。他の序曲や管弦楽作品も大迫力で聴き手に迫ります。ロシア音楽の楽しみがここにあります。
8.572798
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25
ピアノ四重奏 曲第3番ハ短調Op.60(1856/1874改編)〈
アントン・バラホフスキー(Vn)
アレクサンドル・ゼムツォフ(Va)
ヴォルフガンク・エマヌエル・シュミット(Vc)
エルダー・ネボルシン(P)

録音:2012年10月25-28日モンマスウィアストン・コンサート・ホール
ブラームス(1833-1897)の3曲あるピアノ四重奏曲が最初に構想されたのは、どれも1855年頃。当時のブラームスは病身 のシューマンを支援し、彼の妻クララと親しい友人関係にありました。第1番はこの時機に着手されるも一旦放置され、そ の6年後の1861年に完成、1863年にジムロックによって出版されています。若さが漲るこの四重奏曲、シェーンベルクに よってオーケストラ用に編曲された版も人気となっています。ここには収録されていませんが、第2番は第1番の翌年に完 成され、その明るい曲調で当時最も人気を博しました。ブラームスはこの2曲に先立って、まず嬰ハ短調の四重奏曲を完成 させたのですが、結局これはほぼ20年を経て改訂され、最終的には「ハ短調」の第3番になりました。完成直後に試演され ましたが、ブラームスは気に入らず、何度も改訂を繰り返し現在の形に落ち着いたのです。この曲の第3楽章は、ずっと以 前にNHK-FMの音楽番組「大作曲家の時間-ブラームス」のテーマとして使われるほど、ブラームスの音楽を象徴するにふさ わしい美しさを持っています。
8.572799
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調
Op.26
マーラー:ピアノ四重奏曲イ短調
アントン・バラホフスキー(Vn)
アレクサンドル・ゼムツォフ(Va)
ヴォルフガンク・エマヌエル・シュミット(Vc)
エルダー・ネボルシン(P)

録音:2012年10月25-28日
先に発売された第1番と第3番のピアノ四重奏曲は、現在バイエルン放送SOのコンサート・マスターをはじめ、世界で活躍するヴァイオリニスト、バラホフスキーと、若手ピアニスト、ネボルシンを中心とした緊迫感溢れる見事なアンサンブルが繰り広げられた名演でしたが、穏やかな第2番では、4人の奏者たちがゆったりと伸びやかな音楽を奏でています。ブラームスのピアノ四重奏曲の中では、比較的地味な存在ですが、第1楽章では田園的な曲調の中にも、時々短調の荒々しい部分が見え隠れするなど、50分近い長さの中に緊密な構成が凝らされた大作です。第2楽章はブラームスらしい陰鬱な美しさを湛え、本来なら快活な楽章である第3楽章のスケルツォも悠然とした雰囲気を持っています。楽しげな終楽章も聞き物で、ブラームスが存命だった頃は、3曲の中で一番人気を誇っていたというのもうなずける出来栄えです。マーラーの作品は、学生時代の習作ですが、すでにマーラーらしい厭世観と激情を併せ持つ個性的な曲です。

8.572800
パーシヴァルの哀歌-中世の音楽と聖杯
しっかり仕えることは良い事だ
ヴォルフラムの黄金の音色
私から私自身と愛を盗んでいった
パーシヴァル、今日は彼の日
正統性を持たない皇帝の何が良いのか
フォーリス・イン・ザ・フリス
私から私自身と愛を盗んでいった
菩提樹の下で/9.神の愛があふれている
パレスチナの歌/トリニティ賛歌
究極の王宮のエスタンピ
チューリンゲン方伯のテントでは
私は石の上に座った
カペラ・アンティクァ・デ・チンチラ
ホセ・フェッレーロ(指揮&編曲)

録音:2011年8月29日.9月3日スペインチンチラ・デ・モンテアラゴン,イグレシア・デ・サン・ジュリアン
ワーグナーの楽劇を愛する人ならおなじみの聖杯物語。ここに登場するパルジファルのモデルは、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士「パーシヴァル」で、聖杯探索関連の物語における最も重要な人物です。このアルバムはその元ネタの一連の物語の音楽です。最後の晩餐にキリストによって使用され、また十字架上のイエスの血を受けたと信じられる「聖杯」は、西洋の生活をする上で重要な位置を占めるアイテムであり、その神秘的な力は多くの歌や楽器で讃えられています。その歌詞を書いたのは、例えばビンゲンのヒルデガルトであり、また、こちらもワーグナーでおなじみのヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハであったりと、何かと馴染み深い人たちであります。
8.572801
シュヴァルツ=シリング:管弦楽作品集第2集
ポロネーズ(1936)…世界初録音
パルティータ(1934-35)<エントラータ/舞曲/カンツォーナ/やや幅広く>
ヴァイオリン協奏曲(1953)
キリル・トルソフ(Vn)
ホセ・セレブリエール(指)
ワイマール・シュターツカペレ
いつの時代にも「遅れてきた天才」の一人や二人はいるもので、このシュヴァルツ=シリング(1904-1985)もそんな人。20世紀初頭に生まれたにも拘わらず、その作風はまさにロマン派のものなのですが、ここまで堂々と歌われると誰も反論ができないのではないでしょうか?第1集(8.570435)でもその作品には驚かされましたが、このアルバムでもそれは全く変わりません。もちろん彼も、戦時中の体験が心に深い傷をもたらしたようであり、1953年に作曲されたヴァイオリン協奏曲のように、曲によってはかなり悲痛さをみせることもありますが、全体的にはバッハバッハから受け継いだ伝統に基づく調性音楽の世界に沈溺し、聴き手に深い感銘と喜びを与えてくれるものとなっています。
8.572805
ダルベール:交響曲ヘ長調、他
歌劇「低地」への交響的プロローグOp.34
交響曲ヘ長調Op.4
準・メルクル(指)ライプツィヒMDR響

録音:2011年1月24-28日ドイツライプツィヒ,アウグストゥスプラッツMDRスタジオ
スコットランドに生まれ、ドイツで活躍したダルベール(1864-1932)。独学で音楽の道を志し、神童として奨学金を得てロンドンとウィーンで学び、その後フランツ・リストに弟子入りした人としても知られています。彼はピアニストとしても素晴らしい才能を発揮し、恩師であるリストの作品を情熱込めて演奏することで、あのブラームスも恐れをなしたといわれてもいます。彼の代表作は歌劇「低地」であり、このアルバムに収録されている1924年に書かれた“交響的プロローグ”を聴くだけでも、ロマン派の情緒を全面に押し出した彼の作風が見てとれることでしょう。ピレネー山脈で羊飼いたちが吹く笛の音色で始まる美しい牧歌です。また「交響曲」は22歳の時の作品で、ブラームスの影響を感じさせながらも、その野心的な試みは聞き手をぞくぞくさせるだけの魅力を備えています。
8.572806
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽四重奏曲全集第1集
弦楽四重奏曲第6番(1960)
弦楽四重奏曲第1番(1939)
弦楽四重奏曲第3番(1947)
弦楽四重奏曲第7番(1965
ルトスワフスキSQ<ヤクブ・ジャコヴィツ(第1ヴァイオリン)/マルシン・マルコヴィチ(第2ヴァイオリン)/アルトゥール・ロズスミィウォヴィッチ(Va)/マチェイ・ムゥオダフスキ(Vc)>

録音:2012年11月15-17日、2012年12月11-17日
グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)は国際的に認知された「初のポーランド女性作曲家」であり、最近、その作品への注目がたかまっています。音楽学者エイドリアン・トーマスは、彼女の弦楽四重奏曲を「20世紀のポーランド音楽…もしくは20世紀の音楽作品の中で最も重要な作品群」と評しました。それほどまでに、これらの作品は独創的であり印象的で、どの曲にも見事な対位法、強い感情表現、そして散りばめられた遊び心など、凝縮された思念が込められています。1939年に初演された第1番は、恐らくパリ音楽院時代の作品ですが、そのスコアは失われており、今回演奏で用いたのは1998年に公開されたS.B.ドヴォレツキの複写版です。第2楽章、変奏曲の主題はリトアニア民謡から取られており、彼女の父親の祖国の音楽を彷彿させるものとなっています。新古典派風の第3番も魅力的ですが、第6番、第7番などの後期の作品がとりわけ興味深いものとして印象に残ることでしょう。
8.572807
グラツィナ・バツェヴィチ:弦楽四重奏曲

弦楽四重奏曲第4番(1951)
弦楽四重奏曲第2番(1943
弦楽四重奏曲第5番(1955)
ルトスワフスキSQ<ヤクブ・ヤコヴィッチ(第1ヴァイオリン)/マルシン・マルコヴィッチ(第2ヴァイオリン)/アルトゥール・ロズスミィウォヴィッチ(Va)/マチェイ・ムゥオダフスキ(Vc)>

録音:2012年12月11-17日ポーランドブロツワフ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
最近人気急上昇中のポーランドの女性作曲家、グラツィナ・バツェヴィチ(1909-1969)。このアルバムは彼女の弦楽四重奏曲集の第2集となります(第1集…8.572806)。NAXOSレーベルからは他にも「弦楽のための交響曲」をメインとしたアルバムもリリースされていたりと、数年前に比べると格段に彼女の作品を耳にする機会が増えています。この第2集には第4番、第2番、第5番の3曲の弦楽四重奏曲が収録されていますが、どの曲も前衛的でありながらも、一瞬、驚くほどに美しいメロディが現れるところが印象的でしょう。とりわけ第4番の開始部分はどこか民謡風な懐かしさを持つもので(すぐにかき消されてしまいますが)、その柔和な表情はそのまま第2楽章へと続いていきます。この、あまりにもデリケートすぎて、ちょっとでも力を込めるとすぐに崩壊してしまいそうな繊細な響きこそが彼女の持ち味なのかもしれません。驚くほどに快活な第3楽章はポーランドの民俗舞曲に由来するものです。この作品はベルギーの国際弦楽四重奏コンクールなどで一等を獲得しています。第二次世界大戦中に書かれた第2番の四重奏曲は、悲惨な生活を送る中で書かれた希望に満ちた作品です。第2楽章のアンダンテも第3楽章のアレグロも破綻なく書かれています。しかし1955年の第5番の四重奏曲は、すっかり以前の作風とは決別したかのような、謎めいた深遠な風景に溶け込んでいます。
8.572808
リスト:ピアノ作品全集第37集
3つのペトラルカのソネット(第1稿)S158/R10b
ヴェネツィアとナポリ S159/R10d 第1番-第4番(第1作)
ピアノのための小品 第1番 変イ長調 S189a/R44a
瞑想 S204/R86
眠られぬ夜、問いと答え S203/R79
トッカータ S197a/R60a
舞踏会のギャロップ S220/R42
ギャロップ イ短調 S218/R40
半音階的大ギャロップ S219/R41
Jue Wang(P)

録音:2011年11月29-30日
カナダ オンタリオ トロント,CBCグレン・グールド・スタジオ
最近話題になった「巡礼の年」ですが、実はかなり複雑な成立過程を経ていることをご存知でしょうか。ここに収録されている「3つのペトラルカのソネット」と「ヴェネツィアとナポリ」は、いずれも通常耳にする「巡礼の年」の第2年の中に含まれる作品の原型で、「ペトラルカ〜」は、もともと歌曲として書かれた形に近い音楽となっています。「ヴェネツィアとナポリ」は全ての曲が「巡礼の年」に採用されたわけではありませんが、これはこれでなかなか興味深い仕上がりになっています。リストの場合、自作に手を入れることがしばしばあり、こういう異稿版を聴くのは「通の楽しみ」の一つと言えるでしょう。ピアニストの王(王に玉)Jue Wangは第16回パロマ・オシェア サンタンデール国際ピアノコンクールで優勝、成功への足掛かりを掴んだピアニストです。すでにカーネギー・ホールとウィグモア・ホールでリサイタルでデビュー・リサイタルを行っています。
8.572809
ワーグハルター:ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.15*
狂詩曲Op.9*
ヴァイオリン・ソナタヘ短調Op.5
牧歌Op.19b/告白
イルミナ・トリンコス(Vn)
アレクサンダー・ウォーカー(指)
ロイヤルPO
ギオルギ・ラッザビゼ(P)

録音:2010年10月1日、2011年3月15-16日
*=※世界初録音
イグナーツ・ワーグハルター(1881-1949)はワルシャワ生まれのユダヤ系ドイツ人の作曲家です。ヨーゼフ・ヨアヒムに認められ、彼の援助でベルリン芸術大学で作曲と指揮を学び、まずは作曲家として名声を得ます。先進的な作風のウェーベルンより2年前に生まれた彼ですが、その作風は伝統を遵守したもので、むしろシューマンやブラームスに近いものであり、この1911年作曲の「ヴァイオリン協奏曲」は感動的な旋律とリズムに満たされています。「美しい曲を演奏したいヴァイオリニストならぜひ手に取るべき作品である」と考えたヴァイオリニスト、トリンコスによるワグハルター・プロジェクトは、この忘れられてしまった作曲家の復興の糸口となること間違いありません。
8.572812
私は永遠を見た
ティモシー・コーリス(1972-):グローリア
レナード・エンズ(1948-):私は永遠を見た
ピーター・ティフェンバック(1960-):ヌンク・ドゥミシス
ルース・ワトソン・ヘンダーソン(1932-):ミサ・ブレヴィス
ティモシー・コーリス:雪を咲かせる桜の木を見るために
ポール・ハレー(1952-):おお,主なる神,私たちをもたらしたまえ
クレイグ・ガルブレイス(1975-):生けるもの全て
モルヤン・モゼティヒ(1947-):飛ぶ白鳥
マーク・シレット(1952-):よき国のための主の祝福
グレン・ブール(1954-):アニュス・デイ
イマント・ラミンシュ(1943-):詩編第23番
スティーブン・チャットマン(1950-):思い出す
マイケル・ブロス(Org)
レスリー・デアス(P)
ジョン・マルシュマン(Vc)
スティーヴン・ピエール(Cl)
エローラ・フェスティヴァル・シンガーズ
ノエル・エディソン(指)
カナダの現代作曲家11人による合唱作品のアンソロジーです。国によって微妙に宗教観が異なるのは当たり前のことでしょうが、この国における楽園や天国の位置づけというものに思いを巡らせたくなるような、示唆に富む選曲となっています。人間の存在への問いかけ、自然礼賛、普遍なる物への愛、これらがナチュラルに歌われる姿は感動的です。ここで清冽なハーモニーを聴かせるエローラ・フェスティヴァル・シンガーズは1980年に指揮者ノエル・エディソンによって設立されたカナダの合唱アンサンブルです。彼らはグラミー賞にノミネートされるなど、実力を高く評価されており、NAXOSレーベルにも数多くの録音があります。なかでもウィテカーの作品集(8.559677)は大絶賛。彼らの幅広い力量がわかる1枚です。
8.572813
ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲集第1集
弦楽四重奏曲第3番Op.19(1924
弦楽四重奏曲第4番「組曲」Op.25(1936)
2つの楽章(1927)
エッシャーSQ
<アダム・バーネット=ハート(第1Vn)
ウー・ジー(第2Vn)
ピエール・ラポワント(Va)
デーン・ヨハンセン(Vc)>

録音:2011年2月21-25日アメリカフロリダ,ポート・シャーロット・ユナイテッド・メソジスト教会
ウィーン世紀末を代表する音楽家の一人ツェムリンスキー(1871-1942)。マーラーを(とりわけ妻のアルマについて)語る際には、避けて通れない人物としても知られています。彼は作曲をローベルト・フックスに師事し、ブラームスからも後押しを受けていたものの、結果的には「世紀末の雰囲気」にどっぷり浸かった音楽を書き、またシェーンベルクとは義理の兄弟でもあったため(彼の妹がシェーンベルクの妻となった)1924年にはオペラ「期待」の初演を行うなど、かなり先進的な活動を行ったことで知られています。そんなツェムリンスキーは生涯4曲の弦楽四重奏曲を書いていますが、その書かれた年代には40年ほどの開きがあり、第1番の若々しくブラームス風の作風と、第4番の爛熟した作風には驚くほどの違いが見られるのが面白いところです。この第1集では後期の第3番と第4番を収録。名作「抒情交響曲」を初演し、10年ぶりにとりかかった第3番は、それまでのロマンティックな作風から一転、表現主義的で厳格なものとなりました。第4番は更に鎮痛な面持ちを持つもので、アルバン・ベルクをはじめとした親しい友人たちの次々の死を反映したかのような重々しい音楽。“ブルレスケ(おどけた)”と題された第2楽章ですら、痛々しく荒々しい音が充満しています。しかし、音楽の端々に浮き上がるメロディは何と美しいことでしょう。
8.572814
W.F.バッハ:鍵盤作品集第3集
ソナタ変ホ長調F.5/BRA7
ソナタ変ロ長調F.9/BRA16
組曲ト短調F.24/BRA39
ソナタ.ハ長調F.2/BRA3
ソナタ.ニ長調F.4/BRA5
ジュリア・ブラウン(ハープシコード)
華麗な即興演奏で知られたヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784バッハバッハの長男)は、素晴らしい才能に恵まれていたにも拘らず、それを存分に発揮することなく生涯を終えたことでも知られています。彼は多くの曲を書きましたが、曲に署名をすることもなく、また出版された曲もほんのわずかであったため、なかなか彼の本質を知ることができません。その上、どんな楽器を想定して書かれたのかもわからないため、逆にクラヴィーアでも、チェンバロでも、オルガンでも演奏できるという曖昧さ(柔軟さともいう)も持っていたりと、一筋縄でいかない作曲家です。風変わりなコントラストと大胆な音の動きに満たされた音楽は、驚くほど魅力的です。
8.572815
ブラガ・サントス:バレエ組曲「アルファーマ」他
交響的序曲第3番Op.20(1954)
ヴィアンア・ダ・モッタへのエレジーOp.14(1948)
バレエ組曲「アルファーマ」(1956)(編曲:A.カッスート)…世界初録音
管弦楽のための変奏曲Op.49(1976)…世界初録音
3つの交響的スケッチOp.34(1962)
アルヴァロ・カッスート(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
リスボン生まれのジョリ・ブラガ・サントス(1924-1988)は、フレイタス・ブランコの弟子であり、高い音楽的創造性をもち、ポルトガルの民族音楽の特徴を反映させて見事な音楽を残しました。彼は6曲の交響曲を書いていて、その全てがカッスートによってMARCO POLOに録音され好評を博していますが、こちらは久々の新録音となります。彼の音楽的言語はとても豊かで、緻密なアーキテクチュアを描くもので、どれもが魅惑的な音世界を持っています。バレエ音楽「アルファーマ」は世界初録音。作曲家と親しかったカッスートが、図書館に保存されたスコアの紛失部分と、作曲家が持っていたというメモを併せ再現したもので、もともとは長かった楽曲を、上演しやすいように短く整えたと言います。生き生きとした躍動感にあふれた見事な音楽です。
8.572817
フェルナンド・ロペス=グラサ:ピアノ協奏曲第1番&第2番
ピアノ協奏曲第1番(1940)
ピアノ協奏曲第2番(1950/1971改編)
エルダー・ネボルシン(P)
マティアス・バーメルト(指)
ポルト・カーザ・ダ・ムジカO

録音:2011年3月11-12日ポルトガル,ポルト,カーザ・ダ・ムジカサラ・スジア
ポルトガルの作曲家、音楽学者ロペス=グラサ(1906-1994)の胸躍るピアノ協奏曲集です。彼はリスボン音楽院で学んだ後、パリへ行き、シャルル・ケクランに作曲法と管弦楽法を師事した人ですが、その作品には、まるでバルトークのようにポルトガルの民族音楽の影響が強く表れています。この2つのピアノ協奏曲は対照的な曲想を持つもので、明るく楽しい第1番(とりわけ終楽章の音の使い方がすばらしい)と、暗く渋めの第2番、そのどちらもが「ヨーロッパ的な音」とは違う面白さを持って聴き手にアピールしてくるのです。ピアノの扱いは打楽器的な部分も多く、美しいメロディを期待するよりも、どちらかというと「音のシャワー」を楽しむ音楽と言えそうです。
8.572818(2CD)
ヴェルディ:オペラからのバレエ音楽全集
歌劇「オテロ」:第3幕第7場
歌劇「マクベス」:第3幕第1場
歌劇「イェルサレム」:第3幕第1場
歌劇「ドン・カルロ」:第3幕第2場
歌劇「アイーダ」:第1幕第2場
歌劇「アイーダ」:第2幕第1場
歌劇「アイーダ」:第2幕第2場
歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第1場
歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第2場
歌劇「シチリア島の夕べの祈り」:第3幕第2場
ホセ・セレブリエール(指)
ボーンマスSO
もともとバレエは、イタリアの合唱曲に踊りを加えたことが起源とされますが、19世紀前半のフランスではオペラの中に必ずバレエを含むことが条件とされ、ヴェルディのみならず、ワーグナーさえ、自作をパリで演奏するためにはバレエを付け加えなくてはいけなかったエピソードが知られています。このユニークなプログラムは、ヴェルディのオペラから全ての「バレエ音楽」を集めたものです。なんといっても、「アイーダ」「オテロ」「シチリア島の夕べの祈り」を除くと、他のほとんどの作品はバレエ部分をカットすることが通例であり、これらを耳にする機会はなかなかないのです。セレブリエールとボーンマスSOは、この珍しいレパートリーを血気盛んに演奏することで、曲の必然性を炙り出すことに成功しています。
8.572821
レーガー:オルガン作品集第12集
組曲第1番ホ短調Op.16
組曲第2番ト短調Op.92
キルステン・シュトゥルム(Org)
※ロッテンブルク・アム・ネッカー,聖マルティン大聖堂のオルガン
レーガーのオルガン作品は、質と量の両面において、偉大なるバッハの正統な後継者であることは間違いありません。このアルバムに収録された2つの組曲は、ルター派のコラールを基に、自由な創造力を働かせた見事な作品となっています。1895年に完成した第1番はブラームスも大絶賛したという作品で、4つの楽章はどれも複雑な対位法に彩られています。第2番はその10年後に書かれ1906年に出版されました。こちらは7つの部分からなり、およそ考えられる限りの最上の技法を駆使しながら最後の輝かしいフーガへと昇り詰めます。オルガンを聴く喜びをたっぷりと。
8.572822
タイベルク:交響曲第2番ヘ短調(1927)
ピアノ・ソナタ第2番嬰
ファビオ・ビディーニ(P)

ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音:2011年4月30日.5月1日ニューヨーク,バッファロークラインハンス・ミュージック・ホール
2012年4月6日ドイツシュトゥトガルトSWRラジオ放送大ホール
以前リリースされた交響曲第3番(8.572236)は、なんだかマーラーの第7番にそっくりな音楽で幕を開けましたが、今回の交響曲第2番も、同じマーラーの第6番とブルックナーの付点リズムを足して2で割り、そこに独自の味付けを施したような雰囲気で始まります。この何とも煮え切らないというか、懐かしいというか…。これがタイベルク(1893-1944)を聴くときの楽しみとでも言いましょうか。ウィーンの音楽一家に生まれるも、ユダヤ人であったためアウシュビッツに送られ、ここでその生涯を閉じた悲劇の作曲家ですが、ジョアン・ファレッタの尽力によりその作品がもう一度聴けるのは嬉しい限りです。もちろんバッファロー・フィルのサウンドは、これまでこんな良い音でタイベルクを聴いたことがないであろうと評されるほどの最高のものとなっています。ピアノ・ソナタはまるでベートーヴェンの生き写しと思えるほどの伝統的な書法に基いて書かれています。こちらも魅力的です。
8.572823
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ピアノ協奏曲第1番ト短調Op.46(1927)
ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.92(1936/37)
「恋の骨折り損」による4つの舞曲Op.167(1953)…世界初演、初録音
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
アンドリュー・モグレリア(指)
マルメSO
現代では、ギター音楽の作曲家として認知されることの多い、イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1927)ですが、もともとはピアノを学び、9歳にして最初のピアノ曲を作曲、フィレンツェ音楽院ではもちろんピアノ科に入学するほどの腕前でした。このアルバムに収録された2つのピアノ協奏曲は対照的な音楽性を有し、彼を知るためにはとても興味深い作品でもあります。1927年に書かれたピアノ協奏曲第1番は、機知に富んだメロディとロマンティックな雰囲気を湛えた軽やかさが際立つもの。対して第2番は劇的で、より暗く、名人芸を要する情熱的な曲。第2楽章の夢見るような美しさも特筆すべき点でしょう。こちらは1936年から1937年に書かれましたが、ピアニストのマランゴーニによると、オリジナルの総譜は1966年のアルノ川の大洪水で流出し、失われてしまったといいます。しかし、幸いにもワシントンD.C.の図書館に原稿が保管されていたため、演奏が可能になったそうです。「4つの舞曲」はこの演奏が世界初演であり、初録音となります。
8.572824(2CD)
ショスタコーヴィチ:新バビロンOp.18 マーク・フィッツ=ジェラルド(指)
バーゼル・シンフォニエッタ
無声映画のための音楽「新バビロン」は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)22歳の時に手掛けたもので、監督も23歳のコージンツェフと26歳のトラウベルグという若手であり、俳優も22歳のゲラーシモフを起用したという、何とも若々しく刺激的な作品だったようです。「新バビロン」と言うと、歴史物?と思ってしまうかもしれませんが、実はパリのデパートの名前。ここで働く少女ルイーズがパリ・コミューンの戦士として処刑され、彼女の恋人ジャンがプロレタリア意識に目覚めるという、当時の「体制」に迎合した作品です。公開前に検閲に引っ掛かり、映画を編集し直す羽目に陥り、その際音楽も大幅に書き直されました。このアルバムはその最初の「失われた」原稿総譜から、復元出来得る音楽を全て拾い出しました。最初の編成通り、弦楽器は5人のみで演奏されています。当時流行していた曲を念頭に置きながら、嵐のようなリズムと咆哮する金管ファンファーレを随所にを取り入れたこれらの曲、1930年代の聴衆にはさぞ奇異に映ったことでしょう。
8.572826
期待の新進演奏家シリーズ/キム・ドンギュ〜ピアノ・リサイタル
プロコフィエフ: 4 つの練習曲 Op.2
4 つの小品 Op.3
4 つの小品 Op.32
ピアノ・ソナタ 第10番ホ短調 Op.137(未完)
ソナチネ 第1番ホ短調 Op.54-1
ソナチネ 第2番 ト長調 Op.54-2
ピアノ・ソナタ 第5番 ハ長調(改訂版) Op.135
キム・ドンギュ(P)

録音:2012年4月19-20日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
韓国生まれの新進気鋭ピアニスト、キム・ドンギュのリサイタル・アルバムです。彼は2010年のサン・マリノ国際ピアノ・コンクール第1 位獲得を始め多くの国際コンクールで上位入賞を果たし、その卓越した技巧と華麗なる表現力が高く評価されています。すでに数多くのオーケストラと共演していて韓国、イタリア、ドイツではソロリサイタルを開催しこちらも大評判となっています。2012年のリーズ国際コンクールでは惜しくも賞を逃しましたが今後の活躍には存分に期待の持てる大器です。ここではプロコフィエフの小品集とソナタ、ソナチネの幾つかを演奏していますが、ここでの多彩な音色と考え抜かれたタッチはやはり並大抵のものではない「何か」を感じさせてくれます。
8.572827
ノルウェーのヴァイオリン名曲集
スパッレ・オルセン(1903-1984):ノルウェイ、ロムからの6つの古い村の歌
アッテルベリ:ヴァイオリン,ヴィオラ,弦楽オーケストラのための組曲第3番(2台ヴァイオリンと弦楽版)…世界初録音
ステーンハンマル:ヴァイオリンとオーケストラのための2つの感傷的なロマンス
ブル:ハヴァナの思い出
 山の幻影(ヴァイオリンと弦楽合奏版)
ハルヴォルセン(1864-1935):ヴァイオリンとオーケストラのためのノルウェイ舞曲第3番
シベリウス:ヴァイオリンとオーケストラのための6つのユモレスクOp.87&89
シンディング:晩景Op.120
ヘンニング・クラッゲルード(Vn多重録音)
ビャルテ・エンゲセト(指)
ダーラシンフォニエッタ
シベリウス、シンディングの協奏曲であまりにも繊細で美しいヴァイオリンを響かせるかと思うと、シンディングの知られざる小品を丹念に発掘し、知られざる名作に光をあてる・・・そんな若きヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルードの新しいアルバムは、ほとんど耳にする機会もないような北欧のヴァイオリン作品を集めたものです。1800年代の終わりから1900年代の始めに集中的に書かれたこれらの作品は、どれも新鮮な響きの中に、甘い憧憬と、胸がちょっぴり痛むような感傷が込められていて、例え初めて耳にする曲だとしても、昔からの知人と会った時のような懐かしさに心がふるえることでしょう。クラッゲルードは曲によっては多重録音を用い、これらの持つ魅力を100%伝えることに成功しています。
8.572830
オンスロウ:チェロ・ソナタ集
ソナタ.ヘ長調Op.16-1
ソナタ.ハ短調Op.16-2
ソナタ.イ長調Op.16-3
:マリア・クリーゲル(Vc)
ニナ・ティックマン(P)

録音:2011年11月28-30日,12月1日ドイツケルン,ドイツ放送室内楽ホール
イングランドの貴族を父に持つも(父方の祖父が伯爵だった)、諸事情で…父親が当時禁じられていた同性愛の疑惑を受けたため亡命していた…フランスに生まれたオンスロウ(1784-1853)。基礎教育はロンドンで受け、クラーマーやドゥシェクから音楽を学びます。その後パリにもどり、1792年にはメユールのオペラを観て強い影響を受けました。作曲はパリで高名であったライハに師事、ここで数多くの室内楽作品を作曲し名を揚げます。ここに収録された3つのチェロ・ソナタは1820年に完成され、翌年パリで出版されたもの。よくベートーヴェンのソナタと比較されるほどの高い完成度を持ち、古典的な形式の中に魅力的な音が仕込まれています。優美さと力強さを兼ね備え、モダンな風貌も持つ精巧な作品です。
8.572832
フィリップス:カンツィオネス・サクレ
蘇りたまいしキリストは/主は教義と英知とを
使徒は口々に/主よ、思い出したもうことなかれ
天使ガブリエル/シオンへの道は嘆く
めでたし、イエス・キリストよ
天にましますわれらの父よ
賛美されたアニェス
使徒らはステファノを
われら生のただ中にありて
幸いなるかな天の女王
恵みあふれる聖マリア/ああ何と甘美な
聖母マリアの生涯/喜べ処女マリアよ
喜べ、処女マリアよ/歓喜とともに祝おう
幸いなるかな女王/ああ、だから
アンドリュー・マッケイ(指)
サルム・コンソート
ピーター・フィリップス(1560/61-1628)。良くある名前ではありますが、ルネサンス後期のイギリスでウィリアム・バードと共に最も有名な作曲家として名を馳せていた人です。最初はロンドンのセントポール寺院で少年聖歌隊のメンバーとして活躍、1582年に宗教上の理由でイギリスを離れローマへ行き、オルガニストに任命されます。この時期にイタリア風のポリフォニーを徹底的に学んだようです。その後はヴァージナル教師をしながらヨーロッパを巡り、1590年にアントワープに定住。残りの人生はアルベール大公の火度を受けながら1628年に亡くなるまでその地で過ごしました。彼の音楽は当時としてはとても複雑であり、見事な対位法に彩られたドラマティックなものです。彼の鍵盤音楽(8.557864)も、魅力的で、この当時の上流社会の生活の一端を見るような典雅さを味わうことができるでしょう。
8.572828
ゲディーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ビッザリーア(1929)*
ヴァイオリン・ソナタイ長調(1918)*
2つの詩曲(1930)*
ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調(1922)
エミー・ベルネコーリ(Vn)
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(P)

録音:2011年10月25-29日イタリアヴェルチェッリ,ヴァラッロ・セシア,シヴィコ劇場

*=世界初録音
イタリア、クーネオ出身の近代イタリア作曲家、ゲディーニ(1892-1965)のヴァイオリンとピアノのための作品集です。この当時の潮流に漏れず、彼もモンテヴェルディやフレスコバルディらルネサンス音楽やバロック音楽から発想を得て、現代的な手法を交え曲を創っていった人です(彼の父はワーグナーの熱烈な崇拝者であったといいますが、彼の作品にはその影響はほとんど見られません)。このアルバムにはそんな彼のヴァイオリン作品が全て収録されています。第1曲目の「ビッザリーア」は「珍妙、激情」と言った意味を持つタイトルですが、どちらかというと夢幻的で「音の戯れ」と言った風合いを持つ音楽です。2つのソナタは伝統的な3楽章で書かれていて、ロマンティックな肌触りを残すイ長調、革新的な広がりを持つ変ホ長調と、その曲想には違いがありますが、どちらも魅力的であり、また極めて精巧に書かれています。2つの詩曲はもっと自由で制約にしばられない音楽です。
8.572831
ウルヴィ・ジェマル・エルキン:交響曲第2番他
オーケストラのための舞踏狂詩曲「Kocekce-キョチェケ」(1943)
ヴァイオリン協奏曲(1946-1947)
交響曲第2番(1948-1958)
ジェームズ・バスウェル(Vn)
イスタンブール国立SO
テオドレ・クチャル(指)

録音2014年11月29-30日トルコイスタンブール,フルヤ・カルチュアル・センター
エルキン(1906-1972)は、サイグンらとともに「トルコ5人組」と呼ばれるトルコのクラシック音楽を発展させたグループの 一人の作曲家。その「5人組」のメンバーは、みな20世紀の初頭に生まれ、当時の大統領と連動し、トルコの西洋化を進め るために力を尽くしたことで知られています。1906年に生まれたエルキンは、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事、 最先端のフランス音楽を学び帰国、トルコにできたばかりのアンカラ音楽院の教授となります。その後、1949年から1951 年までは音楽院の院長を務め、後進の指導にあたりながら、自身も2つの交響曲をはじめ、ヴァイオリンやピアノ協奏曲、数 多くのピアノ曲、歌曲を作曲します。以前のトルコの音楽は西洋のものとは全く異なっており、複雑なリズム(西洋人には理解 が難しかった)とメロディを持っていましたが、エルキンはこれらの伝統的な要素を西洋音楽に取り入れ融合させたのです。と りわけ「キョチェケ」と呼ばれる固有の舞曲を用いた狂詩曲が聴きものです。
8.572833
ブライアン:交響曲集
交響曲第22番「小交響曲」(1964-1965)
交響曲第23番(1965)…世界初録音
交響曲第24番ニ長調(1965)…世界初録音
イングランド組曲Op.12(1905-1906)
アレクサンダー・ウォーカー(指)
新ロシア国立SO

録音:2012年8月26.27.30.31日
途方もない交響曲を数多く書いたことで知られる作曲家ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)。今回はお待ちかねの新録音が登場しました。生涯に32曲もの交響曲を書いた彼ですが、そのうちの27曲以上は、晩年と言える72歳から92歳の間に書かれています。ここに収録された3つの交響曲は88歳から89歳の作品であり、規模こそコンパクトなものの強烈な独自性を持っています。またこの3曲は密接に関係しているため、もしかしたら3曲で「一つの交響曲」として捉えることも可能かもしれません。一転、彼の出世作となった「イングランド組曲」はチャイコフスキーの「くるみわり人形」組曲から影響を受けたものであり、イングランドの風景を音に封じ込めた魅力的な音楽ですが、すでに破天荒なブライアンの気質がよく現れているのも面白いところです。
8.572834
スイングしなけりゃ意味がない
デューク・エリントン:スイングしなけりゃ意味がない
デューク・エリントン:ムード・インディゴ
コール・ポーター:マイ・ハート・ビロングス・トゥ・ダディ
ホレス・シルヴァー:リベレイテッド・ブラザー
デイヴ・ブルーベック:トルコ風ブルーロンド
ベニー・グッドマン:サボイでストンプ
ハロルド・アーレン:降っても晴れても
ジョー・ガーランド:イン・ザ・ムード
ジミー・ジュフリー:フォー・ブラザーズ
ゲリー・アンダーソン:マンハッタン・メドレー<マンハッタン-ララバイ・オブ・ブロードウェイ-四十二番街>
マリン・オールソップ(リーダー)
ストリング・フィーヴァー
指揮者マリン・オールソップのもう一つの顔とも言える、1981年に創立された「ストリング・フィーヴァー」の録音集です。彼女はマンハッタンに生まれ、ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、1989年にはタングルウッド音楽祭クーセビッツキー賞を受賞し、バーンスタインから教えを受けています。この時の体験は彼女の音楽生活に強い影響を及ぼし、まずはジャズとクラシック音楽の融合に力を注ぐことにしました。この時立ち上げたのが「ストリング・フィーヴァー」であり、また1984年にはもう少し大きな組織である「コンコーディアO」も立ち上げています。そんな彼女を中心としたこの演奏は、ジャズやポップスなどのスタンダード・ナンバーをクラシック調に編曲し、楽しさと多様性を持たせることで、当時の批評家や聴衆の心をぐっとつかんだというものです。エリントンからブルーベックまでのゴキゲンなアレンジは、確かに今聴いてもばっちりです。
8.572835
フィーヴァー・ピッチ
デヴィッド・リメリス:フィーヴァー・ピッチ
J.ビリー・ヴァープランク:ヴォーン・ミール
デヴィッド・リメリス:サウス・ストリート・ストラット
ジョージ・ボガトコ:ゴー・フォー・イット
J.ビリー・ヴァープランク:ブッバ・ルーミズ・ブルーズ
デヴィッド・リメリス:心配するよ?
ジョージ・ボガトコ:月曜気分
デヴィッド・リメリス:こっそりと
 カリビアン・レプラコーン
ジョージ・ボガトコ:S.F.O
デヴィッド・リメリス:エミリーの肖像
J.ビリー・ヴァープランク:グルーヴィ・キャット
マイケル・サール:ミル・タウン・ジプシー・ボール
デヴィッド・リメリス:マイン・オール・マイン
マリン・オールソップ(リーダー)
ストリング・フィーヴァー
「あのオールソップが昔こんなアツいバンドを組んでいた!」そんな驚きを運んだのが、前作である「スイングしなけりゃ意味がない」(8.552834)でした。ここでは縦横無尽に活躍する彼女のヴァイオリンと、ノリノリのメンバーたちが上品さとキッチュさを兼ね備えたヒット・ナンバーを演奏。なんとも楽しい風景を見せてくれていたのです。こちらはその続編であり、録音ももう少し後のもの。映画音楽からアメリカ、黒人音楽などちょっぴり渋さも感じさせる選曲がgood。これは確かに人気が出るな。と心から頷けるアルバムです。
8.572836
メンデルスゾーン:合唱作品集
6つの格言Op.79
オラトリオ「聖パウル」Op.36〜「なんと美しき使者よ」(英語歌唱)
わが祈りをききたまえ
3つのモテットOp.39-1「主よ、わが祈りをききたまえ」
アレグロ、コラールとフーガニ長調
3つのモテットOp.69-3マニフィカト
3つのモテットOp.69-1ヌンク・ディミティス
3つのモテットOp.39-3「おお主よ、汝はわれをみいだしたまえり」
3つの教会音楽Op.23-2「アヴェ・マリア」
3つのモテットOp.39-2「主をほめたたえよ」
3つの詩篇Op.78-2詩篇43番「神よ私を審き」
ローラ・ヒックス(S)
フィリップ・サルモン(T)
ピーター・ホルダー(Org)
セント・オールバンズ修道院の少女Cho
セント・オールバンズ大聖堂Choの男声歌手たち
トム・ウィンペニー(指)
ユダヤの名家に生まれたメンデルスゾーンですが、父アブラハムの意向により、7歳の時にプロテスタントのルーテル派に改宗しています。しかし、やはりいわれなき迫害を受けることには変わりなく、彼の宗教観というものは、なかなか理解しにくい世界であったと思われます。そんな彼は大作「エリア」を始めとした数多くの宗教曲を書いていることでも知られています。とりわけ愛されているのがトラック8の「わが祈りをききたまえ」でしょう。美しいメロディ(ボーイソプラノで歌われることも多い)ばかりに注目が集まる名作ですが、この歌詞には辛く切ない祈りが込められています。メンデルスゾーンの心の声を確かめながら聴いてみると、自然に涙がこぼれてくるような気がしませんか?
8.572837
集中する文化
トゥリーナ:ロシオの行列(A.リード編)
バーンスタイン:ウェスト・サイド・ストーリー〜シンフォニック・ダンス(P.ラヴェンダー編)
ボニー(1974-):カオス理論*
ニクソン(1921-2009):太平洋の祭り
コー=チャン・スー(1970-):韓国舞曲
フレッド・ハミルトン(G)*
ユージン・ミリアーロ・コーポロン(指)
ローン・スター・ウィンド・オーケストラ
スペイン、アメリカ、韓国、環太平洋、そしてロック(これは国ではないですね)・・・。これらを代表する色とりどりの音楽を舞曲を中心に集めてみました。トゥリーナによるスペインのお祭りの行進曲、誰もが知っているマンボやチャチャチャを駆使したバーンスタインの作品、ボニーの「カオス理論」はハードロック調のギター協奏曲、ニクソンの「太平洋の祭り」はカリフォルニアの景色を描いたもので、チャン・スーの「韓国舞曲」は文字通り、韓国のエキゾチックな伝統的リズムを配した曲。どこもかしこもピカピカで楽しさに満ち溢れた聴きごたえのある1枚です。演奏しているローン・スター・ウィンド・オーケストラはアルバム「アメリカン・タペストリー」(8.570968)の演奏が高く評価されていますが、ここでは一層磨きをかけたアンサンブルで、これらの難曲を完璧に演奏しています。
8.572838
陳怡‐チェン・イ:吹奏楽のための音楽集
KCカプリッチョ(2000)〜管楽アンサンブルと混声合唱のための
チェロとチェンバー・ウィンズのための組曲(2004)
木管五重奏曲(1987)
フェン(1998)
Tu(ウィンド・アンサンブル版)(2002/2004)
カーター・エンヤート(Vc)
ラボック・コラーレのメンバー
テキサス工科大学ウィンド・アンサブル
サラ・マッコイン(指)

録音:2006年10月7日、2006年12月11日
※世界初録音
中国系アメリカ人の作曲家チェン・イ(1953-)のユニークな吹奏楽作品集です。広州市で生まれた彼女は、文化大革命の影響で、充分な西洋文化を学ぶことができませんでした。そこで彼女はこっそりと音楽の勉強を続けながらも、中国の民俗音楽を研究し、この経験がやがて自身の作品の中に「東洋と西洋の融合」として見事に花開くこととなります。このアルバムの中にも、様々な実験的要素が見て取れ、例えば、トラック6の木管五重奏曲は、中国の伝統的な木管楽器でも演奏できるものです。祝祭的なKCカプリッチョは、カンザスシティの150周年記念として作曲されたもので、彼女が好む「声と管楽器の融合」を存分に楽しむことができます。トラック9の「Tu=火」は、2001年の9月11日の悲劇から題材がとられており、自身を犠牲にして市民たちを守る消防士への鎮魂として、また犠牲者とその家族のために、また将来の平和への祈りの気持ちが込められています。そんなチェン・イ。中国人女性として初の北京市中央音楽院から作曲のマスター・オブ・アーツを受けています。
8.572839
レイ・リャン:18 の弦楽器のための「ヴァージ」(2009)
フルート,クラリネット,ヴァイオリン,チェロ,ピアノとヴィヴラフォンのための「聴覚の仮説」(2010)*
琵琶と弦楽四重奏のための「5 つの季節」(2010)**
ピアノと大中華管弦楽のための「記憶の弦の振動」(2011) #
パリンプセスト・アンサンブル
スティーヴ・シック
カリツムピアン・コンソート*
ステファン・ドルーリー*
ウー・マン(琵琶)**、上海SQ**
ピ=シエン・チェン(P)#
エン・シャオ(指)台北チャイニーズO#

録音:2012年2月2日 サン・ディエゴ,コンラッド・プレビス・ミュージック・センター・コンサート・ホール
2011年9月14日 ニューイングランド・コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック ジョルダン・ホール*
2011年2月27日 リッチモンド大学,ライヴ・アット・チャンプ・コンサート・ホール**
2011年4月14日 台北 ナショナル・コンサート・ホール#
2011年、ローマ賞を受賞した中国生まれのアメリカの作曲家、レイ・リャン(1972-)の創造力に満ち溢れた作品集です。ニューヨーク・タイムズ紙で「忘れられない美しさ」と評され、またワシントン・ポスト紙では「華麗なる独創性と余地のない素晴らしさ」と絶賛された作品は、西洋と東洋の融合と、魅惑的な響きを模索するという刺激的な味わいを有したもので、琵琶や中国楽器を効果的に用いた豊かな音色が特徴です。また「聴覚の仮説」は、彼の生まれたばかりの息子アルベルトへの贈り物であり、様々な音色が飛翔する感覚的な音楽です。新しい世界の創造に立ち会いたい人にオススメの1 枚です。
8.572840
イートン・クワイアブック
ウォルター・ラム:貞節な聖なる母5声
ウィリアム(ストラッドフォードの修道士):マニフィカト4声
単声聖歌:貞節な聖なる母
リチャード・デイヴィ:マタイ受難曲(マタイ伝第27章:11-56)4声
ジョン・ブラウン:スターバト・マーテル6声
ヒュー・ケリーク:マニフィカト5声
ロバート・ウィルキンソン:しかし、イエスは横切られ/クレド・イン・デウム・カノン13声
アンソニー・ピッツ(指)
トーヌス・ペレグリヌス
イートン・クワイアブックは15世紀末頃に編纂された、英語による神聖な音楽を集めた豪華な彩色写本コレクションの一つです。24人の異なる作曲家による音楽が含まれていますが、完全な形で残っているのはごく僅かですが、イギリスの初期ルネッサンス・ポリフォニーの発展の段階を示す重要な作品が含まれています。単声聖歌などの小さい編成で歌われる初期の作品から、J.ブラウンやR.デイヴィ、W.ラムの定旋律技法に基づいた曲への発展などが見てとれます。ルネサンス期の音楽の完璧なる解釈で知られる、トーヌス・ペレグリヌスの愉悦感あふれる演奏で。
8.572841
モーツァルト:交響曲集(J.N.フンメルによる室内楽版)
交響曲第38番「プラハ」K504(A.F.546)
交響曲第40番ト短調 K550(A.F.547)
交響曲第39番変ホ長調K543(A.F.548)
ウヴェ・グロット(Fl)
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
マルティン・ルンメル(Vc)
ローランド・クリューガー(P)

録音2012 年1 月14-16 日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
「モーツァルトの交響曲だったら、モダン楽器もピリオド楽器も含めて数えきれないほど聴いてきた!」そんな愛好家の方でも、このフンメル編曲の室内楽ヴァージョンをご存知の人は少ないのでは。チェコで生まれたフンメル(1778-1837)は、8 歳の時に指揮者であった父に連れられ、モーツァルトを訪れます。そして彼はモーツァルトの家に住み込み、ピアノの教えを受けるという素晴らしい経験をするのです。そんなフンメルは作曲家として多数の作品を残しましたが、その中には友人であったベートーヴェンやモーツァルトの交響曲、協奏曲の編曲がいくつか含まれています。7 曲あるモーツァルトのピアノ協奏曲=室内楽版は最近になって録音が増えてきましたが、ベートーヴェンの交響曲の室内楽版(7 番まである)や、今回のようなモーツァルトの交響曲の室内楽版(全部で6 曲ある)は、まだまだ開拓の余地ありの分野です。このような小編成への編曲は、曲の構成が良くわかることと、少人数でも演奏できることなど、利点も多く、もちろん作曲家が技法を学ぶためにも良い練習となったことでしょう。
8.572842
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(ヨハン・ネポムク・フンメルによる室内楽版)
交響曲第36番ハ長調「リンツ」
響曲第35番ニ長調「ハフナー」
交響曲第41番ハ長調「ジュピター」
ウヴェ・グロット(Fl)
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
マルティン・ルンメル(Vc)
ローランド・クリューガー(P)

録音:2012年7月9-10日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
おなじみ、フンメル(1778-1837)の室内楽版編曲によるモーツァルトの交響曲です。第1集(第38番-第40番…8.572841)でもその機動力の高さと緊密なアンサンブルが好評であった4人の名手たちですが、今作では一層充実した音楽を聴くことができます。一度味わうと病みつきになってしまうのがこのシリーズで、編成を小さくすることでとにかく曲の構造や、モーツァルトの信念のようなものがくっきりとわかるのが楽しいのです。これらの編曲はフンメルがヴァイマールの宮廷楽長として働いていた1823年から1824年頃に作られたもので、彼が幼い頃に師事していたモーツァルトに対する深い賛辞でもあるのです。フンメルはピアノ、フルート、ヴァイオリンとチェロのための作品を50曲以上残しましたが、モーツァルトの交響曲編曲は、全部で6曲のみなのが残念なところです。彼は時代の変遷も考慮し、モーツァルトのスコアにないクレシェンドやピアニシモを付け加え、また装飾なども変更しています。交響曲第40番における小節の追加など、現在の楽譜とは異なる箇所もあり、混乱を招くかもしれませんが、このあたりは研究家たちによっていずれは精査されることでしょう。
8.572843
期待の新進演奏家シリーズ〜アナベル・モンテシノス:ギター・リサイタル
グラナドス:詩的なワルツ集(A.モンテシノスによるギター編)
 昔風のスペインの歌曲集〜第7番「ゴヤのマハ」(A.モンテシノスによるギター編)
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」〜第2部 代官の踊り(S.ベーレントによるギター編)
リョベート:13のカタルーニャ民謡より <第3番:クリスマス・イヴに/第13番:盗賊の歌/第10番:少年の母親>
ロドリーゴ(1901-1999):スペイン風の3つの小品 <ファンダンゴ/パッサカリア/ザパテアード>
ロペス=キローガ(1899-1988):5つのコプラスより(C.トレパトによるギター編) <第1番:タトゥー/第2番:おお、マリア/第4番:緑の瞳>
ソル:モーツァルトの主題による序奏と変奏 Op.9
プホール(1866-1980):3つのスペインの小品 <トナディーリャ/タンゴ/グアヒラ>
アナベル・モンテシノス(G)
2003年3月に録音されたモンテシノスのNAXOSデビュー盤から早や8年。当時も「上品な柔軟性」と「完璧な技術」が高く評価されたのですが、このアルバムでは更に深化した彼女の音楽性を感じることができます。幾つものコンクールで上位に入賞、2010年には有名なミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギターコンクールの優勝者となりました。アルバムの冒頭から炸裂する力強い音色は、本当に只者ではありません。グラナドス、リョベート、ロドリーゴなど鉄板のレパートリーを次々と弾きこなしていきますが、要所要所にこぼれ落ちるほどの抒情性も感じさせてくれます。次々と登場する名ギタリストたちの中でも、一際輝く存在となることは間違いありません。
8.572844
ヒル:弦楽四重奏曲集第4集
弦楽四重奏曲第10番ホ長調
弦楽四重奏曲第11番ニ短調
「人生」の五重奏曲
ドミニオンSQ
リチャード・マップ(P)
ブライオニー・ウィリアムズ(S)
アメリア・ベリー(S)
リンデン・ローダー(Ms)
アナベル・チータム(Ms)
リチャード・グリーガー(T)
クリス・ベレントソン(T)
ダニエル・オコーナー(Bs)
キース・スモール(Bs)
マーク・ドレル(指)
オーストラリアの作曲家の中でも第一人者として讃えられているアルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の作品は、同世代のヨーロッパの作曲家たちのものと比べると若干時代遅れの感は否めませんが、数多くある弦楽四重奏曲は、そのどれもが個性的であり、凝った作風を持っています。1935年に書かれた第10番と第11番の曲は、ガーシュウイン的でもあり、また印象派の影響も受けています。第10番の身を切るように美しいアダージョや、第11番の第1楽章の重苦しい冒頭部からアレグロへと移り変わる一瞬の閃きからは、ヒルのしたり顔が見えてくるようです。最終楽章で声楽が登場する「人生の五重奏曲」は、後に交響曲へと編曲されるほど、彼のお気に入りのもの。終楽章で高らかに人生の喜びを歌い上げるという、まさにヒルによる「喜びの歌」と言えるでしょう。
8.572845
ブゾーニ:ピアノ作品集第8集
24の前奏曲Op.37
中世のスケッチOp.33
ウォルフ・ハーデン(P)

録音:2012年1月21-22日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
ブゾーニ(1866-1924)の「24の前奏曲」は1880年から81年頃の作品で、恐らくショパンの同名の曲にフィーチャーされた書かれたものでしょう。ただし、調性の配置こそはショパンと同じですが、各々の曲の持つ雰囲気はかなり違います。その上で、ショパンのような鮮やかな統一性を求めるよりも、ここでは一つ一つの曲の味わいを追求するほうがふさわしいように思います。またキャッチーなメロディは少ないものの、噛めば噛むほどに味わいが増す、まさに大人のための音楽です。もう一つの「中世のスケッチ」も素材こそ古風で、時としてシューマン風の香りを感じさせるも、やはり熟成した音色と響きはまさにロマン派の風合いであり、聴き手を陶酔の渦に巻き込むことは間違いありません。
8.572859
コルネリウス:歌曲全集第4集
9つの宗教的な歌「天にいますわれらの父よ」Op.2<天にいますわれらの父よ/神聖なるお名前も/あなたの王国に来て/あなたの行い/今日私たちの毎日のパンを私たちに与える/われらの罪を赦し/だからわれらはわれらの債務者を赦すように/われらを誘惑せず/悪からわれらを守りたまえ>
マリアの歌「処女マリア」
アヴェ・マリア/クリスマスの歌Op.8
クリスティーナ・ランツハーマー(S)
マルクス・シェーファー(T)
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(Br)
マティアス・ハウスマン(Br)
マティアス・ヴァイト(P)

録音:2010年1月15日.24日
2012年1月20日
2011年1月14日.24日.2月12日
ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
マインツで生まれ、その地で生涯を終えたコルネリウス(1824-1874)。彼の歌曲は決して派手ではありませんが、隅々までに優しさと温かさが漲る感情豊かなものであり、一度聴けばその美しさに陶然となること間違いありません。そして、これまでにリリースされた3枚のアルバムに含まれたほとんどの作品は、彼自身の詩によるものであることも、小さな驚きでした。そんなコルネリウスの歌曲。このアルバムが最終巻となります。ここに収録された作品でわかるとおり、彼は極めて敬虔なクリスチャンであり、生涯を通じて教会音楽に強い関心を抱いていたのです。若い頃から宗教的な作品を書いていましたが、この「天にいますわれらの父よ」では、聖歌の定旋律を用いつつも、ロマン派特有の滴り落ちるような美しいメロディを併せることで、珠玉の世界を作り上げることに成功しています。「クリスマスの歌」も素朴な喜びを歌い上げています。
8.572860
グーセンス:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ホ短調 Op.21(1918)
抒情詩Op.35(1919-1920)
古い中国民謡Op.4-1(1912)
ロマンスOp.57(1937)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.50(1930)
ロバート・ギブス(Vn)
グスターフ・フェニェー(P)
ロンドンで生まれ、クイーンズホールOでヴァイオリン奏者として活躍、その後指揮者として名声を高め、1931年から1946年までシンシナティSOを指揮、18人の作曲家たちに「愛国的なファンファーレ」(コープランドの「市民のためのファンファーレ」がとりわけ有名)を委嘱したことで知られるユージン・グーセンス(1893-1962)。彼は作曲家としても素晴らしい作品を残していて、中でもヴァイオリン作品は、ラヴェルやドビュッシーなどの印象派の影響を受けた抒情的な表情を持った注目すべき音楽です。1956年にちょっとしたスキャンダルで話題になってしまいましたが(彼の名前で検索するとすぐにわかります)、50年後の現在ならばほとんどお咎めなしだったのではないでしょうか?こんなところにも時代が感じられます。そろそろ再評価いたしましょう。
8.572861(2CD)
ディーリアス:人生のミサ
前奏曲と牧歌
ジャニス・ワトソン(S)
キャサリン・ウィン=ロジャース(Ms)
アンドリュー・ケネディ(T)
アラン・オピー(Br)
バッハ・コア
デヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO
ニーチェの「ツァラトゥストラ」からインスパイアされた音楽と言えば、R.シュトラウスやマーラーを思い出しますが、このディーリアス(1862-1934)の「人生のミサ」も同じテキストを用いて、全く違ったテイストの音楽を書き上げました。ディーリアスと言えば、イギリスを代表する作曲家と思われていますが、彼の両親は実はドイツ人であり、彼自身もドイツ語を操り、ドイツ文学をこよなく愛していたのです。このタイトルにある「人生」とは超人ツァラトゥストラの辿った人生の遍歴であり、ディーリアスは、そこに普遍性を見出していたようです。この作品、当初はウォレスによる英訳歌詞で歌われることが多かったのですが、最近は原語歌唱によるものが増え、この録音もドイツ語で歌われています。
8.572863(2CD)
マンチェスターのガンバ曲集(1660年頃)
第1集-1メアリー女王のダンプ
第3集-11パヴァン/第1集-22無題
第1集-3フォーチュン
第1集-4ロビンフッドは緑の森に去り
第1集-13前奏曲
第1集-5私を傷つけぬ人は誰
第1集-6ダフネ
第1集-7Monusier's Allman
第1集-9ラクリメ
第1集-11男ひとりに女ひとり
第3集-10コラント/第3集-8コラント
第1集-8Saltepitts/第1集-21無題
第3集-12ポンポン/第1集-19無題
第2集-2コラント/第2集-3コラント
第1集-27サラバンド/21.第1集-26無題
第1集-17無題/第1集-16無題
第1集-2どうみても/第2集-1MalteMan
第3集-6無題/第1集-10建物
第1集-15前奏曲/第1集-12ナイチンゲール
第1集-18無題/第2集-4王の仮面
第1集-25前奏曲/第3集-7アルマイン
第3集-14コラント/第3集-13サラバンド
第13集-4無題/第11集-1アルマイン
第3集-15パヴァン/第1集-14前奏曲
第3集-5コラント/第3集-3コラント
第10集-9サラバンド/第1集-23無題
第1集-20無題/第16集-1無題
.第1集-24サラバンド
ディートマー・バーガー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
この「マンチェスター・ガンバ・ブック」は1660 年頃に編纂されたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の曲集で、22 種類のチューニングによる248 曲の作品が含まれた貴重なタブラチュア写本です。原本は1909 年に音楽学者ヘンリー・ワトソンが入手し、彼の音楽コレクションとして保管されているもので、当時の奏法や装飾音の付け方など、興味深い事項が掲載された、演奏者のみならず研究者にとっても貴重な文献です。含まれている作曲家は多岐に渡り、ほとんどが現在では忘れられている人たちですが、中にはスマルテやフェラボスコの名前も含まれていて、好事家なれば垂涎間違いなしと言えそうです。
8.572865
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:アリアと序曲集
歌劇「プロセルピナ」VB19-序曲
あなたの無邪気な視線をVB30*
あなたは恐れていますか?最愛の人よVB63*
あなたを愛することをやめることなどVB59*
「グスタフ3世の誕生日のために」VB41-序曲
私が小さな神を見るときVB5*
「冒険家」序曲VB32*
時代の荒廃はVB58
聞いてくれ、行かないでくれ-私の大切な人にVB55
「グスタフ3世のための葬送カンタータ」VB42-序曲
私の痛みとため息を聞いてくださいVB26*
モニカ・グループ(Ms)
ヘルシンキ・バロックO
アーポ・ハッキネン(指)

録音:2013年6月10-12日フィンランド,エスポー、セッロ・ホール
*=世界初録音
奇しくもモーツァルトと同じ年に生まれるも、彼とは全く違う運命に翻弄されたヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)。彼は25歳の時にストックホルムのグスタフ3世に宮廷音楽家として召抱えられ、数々の音楽経験を経て、君主が暗殺された際には「追悼音楽」を捧げ、その後まもなく彼自身も病のためこの世を去ります。それはモーツァルトが早すぎる死を迎えたほぼ1年後のことでした。最近になって彼の作品が次々とリリースされ、その驚くべき才能に感嘆する人が増えてきましたが、まだまだ知られていない作品は多く、このアルバムの半分以上の作品も世界初録音となっています。劇音楽を得意としたクラウスらしく、序曲のどれもが溌剌とした美しさを有しており、またコンサート・アリアも素晴らしいものです。注目すべきは、「私が小さな神を見るとき」VB5。これはクリスマスのための音楽で、牧歌的な雰囲気を湛えた木管楽器と、美しい独奏ヴァイオリンが、アルトの歌唱と絶妙な調和を見せています。
8.572866
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集第2巻
第1番-第5番&第8番
ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.2-1
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.2-2
ヴァイオリン・ソナタハ長調
Op.2-3
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.2-4
ヴァイオリン・ソナタト長調Op.2-5
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.2-8
エイドリアン・バターフィールド(バロック・Vn)
ジョナサン・マンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)

録音:201年7月18-20日&25-27日UKロンドンウォルサムストー聖メアリー教会
バロック時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖であるルクレール(1697-1764)のヴァイオリン・ソナタ集の第2巻です。第1巻ではヴィオラ・ダ・ガンバをアリソン・マクギリヴレイが担当していましたが、第2巻はジョナサン・マンソンが担当。また違った響きでこれらのソナタに確かなアプローチをかけています。1723年にソナタ集第1巻を出版したルクレールですが、彼自身はもっと学ぶ必要性を感じていたようで、当時の巨匠たちの作品、とりわけロカテッリからは多大なる影響を受け、それらの成果は第3巻と第4巻に如実に現れていると言われます。そのため、それ以前に書かれたこの第2巻(1728年出版)も、彼としては気に入るものではなかったかもしれません。とはいうものの、第1巻と第2巻に漲るイタリアの抒情性をフランスのエレガンスは例えようのない素晴らしさであり、これらを不当に無視することは、人類の至宝を捨て去ることにも等しいのです。
8.572867
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第2巻
第6-7番,第9-12番
ヴァイオリン・ソナタ.変ロ長調 Op.2-7
ヴァイオリン・ソナタ.ニ長調 Op.2-6
ヴァイオリン・ソナタ.ホ長調 Op.2-9
ヴァイオリン・ソナタ.ハ短調 Op.2-10
ヴァイオリン・ソナタ.ロ短調 Op.2-11
ヴァイオリン・ソナタ.ト短調 Op.2-12
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)
ジョナサン・マンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(Cemb)

録音:2011年7月18-20日,25-27日ロンドン ウォルサムストー 聖メアリー教会
伸びやかで大らかな音楽だけど、実はとても技巧的。フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖ルクレールのヴァイオリン・ソナタ第2巻の続編です。彼の特徴はイタリアの開放的な明るさとフランスの抒情を合わせ持つことであり、この時代では先進的な音楽語法であったのです。彼のヴァイオリン・ソナタのうちこの第2巻は1827年に出版されましたが、譜面の中にはかなり演奏困難な部分も多く、演奏家にとっても試練の場となったようです。何より第1巻のいくつかの作品はフルートでも演奏できますが、こちらの第2巻はヴァイオリンでなければ演奏できない数々の技法が含まれています。不幸な最期を遂げたルクレールですが、彼の作品はどれも豊かに歌う弦の特性を活かし切った上品な美しさが満ち溢れています。第2巻はこの盤で全曲完結となります。
8.572868
クリスマスの子守歌
キャンプキン(1984-):眠れ、聖なる幼子よ…世界初録音
フィンジ(1901-1956):子守歌…世界初録音
ド・マンシクール(1510-1564):おお、エマニュエル…世界初録音
マッジ(1974-):大いなる神秘よ…世界初録音
リング(1933-):マニフィカト…世界初録音
キャンベル(1983-):眠れ、私の夢よ…世界初録音
バスク地方の伝承曲:子守歌…世界初録音
パイゴット(1485-1549):幼子イエスをあやす聖母マリア
ペヴァン(1951-):マニフィカト
ダッガン(1963-):おお御子、ここに生まれる
バージェス(1975-):コヴェントリー・キャロル…世界初録音
ポット(1957-):眠れ、いとしき子
ヒラリー・キャンベル(指)
ブロッサム・ストリート
すでに地上にはこんなにも子守歌が溢れているというのに、まだまだ知られていない歌があるのです。このアルバムは、その中でもキリストの生誕を描いた作品を集めたものです。いわばクリスマスの音楽であり、どれも静けさと喜びに満ちています。ここに収録された作品のほとんどは、現代のものですが、16世紀に書かれたものも交じっていて、その響きの違いがまた美しい彩りを添えています。心の底まで洗い清められるような慈愛に満ちた演奏も素晴らしいの一言です。
8.572870
テュイレ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調Op.30
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.1
アレグロ・ジュストOp.39
マルコ・ロリャーノ(Vn)
ジャンルカ・ルイージ(P)

録音:2011年9月19-21日イタリアオシモ、テアトロ・ラ・ヌオヴァ・フェニーチェ
オーストリア出身のドイツの作曲家テュイレ(1861-1907トゥイレとも)のヴァイオリン・ソナタを中心とした1枚です。1880年に作曲された第1番のソナタは、彼の師であったラインベルガーに捧げられた作品ですが、暗さの中に溢れるような情熱の発露が素晴らしく、とりわけ第1楽章のメロディの動きは、おそらく後のR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタに大きな影響を与えているのではと推測したくなるような素晴らしさです。テュイレとR.シュトラウスは親友同士でしたが、現在ではどうしてもテュイレの存在は影に隠れてしまいがち。しかしこのヴァイオリン・ソナタを聴く限りでは、甲乙付けがたい才能を有していたことは間違いないでしょう。1904年に出版された第2番は、フランスのヴァイオリニスト、アンリ・マルトーに捧げられたもので、一層自由な表現力を備えた力作です。なお、本当のところは「テュイレ」も「トゥイレ」も呼び方としては間違いで、フランス風の「テュイユ」と読むのが正しいのだそうです。
8.572871
男声合唱と管弦楽のための合唱曲集
シベリウス:解放された女王Op.48(男声合唱と管弦楽編)
ドビュッシー:祈り
R.シュトラウス:一日の時Op.76-第2番静かな正午のひととき
ブルックナー:ヘルゴラント.ト短調WAB71
シューベルト:水上の精霊の歌Op.167D714
グリーグ:故郷への帰還Op.31
ワーグナー:詩との愛餐より
ミカエル・ステンベーク(T)
ダニエル・ハルストローム(Br)
アルベルト・ホルド=ガッリード(指)
ルンド大学男声Cho
マルメ歌劇場O

録音:2011年7月7-10日スウェーデンマルメ,ルフトカステレット
「男声合唱」には独特の魅力を感じる人も多いことでしょう。それは目に見えぬ団結力であったり、声域の心地良さであったり、多彩な表現力であったり、と理由は様々ですが、やはり混声や女声合唱とは違った「何か」があることは間違いありません。このアルバムはそんな世界にどっぷりはまれる1枚です。シベリウスの「解放された女王」は最初に混声合唱のための版が書かれましたが、次にこちらの男声合唱版が書かれています。平野を見下ろす険しい丘の上に建つ城に幽閉された女王が最終的に解放されるというこの物語は、政治的メッセージも込められており、男声のみで歌われる方が曲の意を伝えるのかも知れません。他にもブルックナーの「ヘルゴランド」での英雄譚や、グリーグの王の物語、官能的なワーグナーの作品など、素晴しいハーモニーが目白おしです。
8.572872
グレツキ:協奏曲とカンタータ他
あるポルカのための小レクイエムOp.66(1993)
協奏曲とカンタータOp.65(1992)…世界初録音
ハープシコード協奏曲Op.40(1980)(ピアノとオーケストラ版)
3つの舞曲Op.34(1973)
アンナ・グレツカ(P)
キャロル・ウィンセンス(Fl)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
あの感動的な「悲歌のシンフォニー」で知られるグレツキ(1933-2010)の4つの作品。これらからは彼の表現の多様性がまざまざと感じられることでしょう。13楽器とピアノのための「あるポルカのためのレクイエム」はまるでペルトを思わせるような極限まで音を切り詰めた響きで始まります。しかし第2楽章のアレグロは激しい慟哭となり、人によっては伊福部作品を思い出してしまうかのような音型も聞こえてきます。彼が時として好んだ短い音型の執拗な繰り返し(ミニマル)は聴き手の心を抉り取るかのようです。そのうち曲は落ち着きを取り戻しますが、また第3楽章で喧騒に引き戻されます。「これがグレツキの音楽?」心地よい驚きとともに傾れ込む第4楽章は、お待ちかねのグレツキの世界。鐘の音に誘われ、聴き手は見せかけだけの楽園へと進みます。この曲で心の安寧を求めるのは難しいかもしれませんが、グレツキを単なる「ヒーリングの作曲家」として認識していた人には、衝撃的な驚きをもたらすことは間違いありません。「1990年代の作品は沈黙が支配する」とされるグレツキですが、ここで聴く作品ではもっと攻撃的で高揚したグレツキを発見できるでしょう。信頼おけるヴィト&ワルシャワ・フィルの演奏で。
8.572873
ワインベルク:交響曲第8番「ポーランドの花」Op.83 ラファウ・バルトミンスキー(T)
マグダレーナ・ドブロヴォルスカ(S)
エヴァ・マルシエク(A)
ワルシャワPO&Cho
アントニ・ヴィト(指)

録音:2011年6月13-16日ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール
※世界初録音
NAXOSレーベルが精力的にリリースを行っている作曲家の一人であるワインベルク(1919-1996)。とりわけ交響曲の録音においては、名指揮者ヴィトの存在が大きいこと
は間違いありません。さて、この第8番の交響曲は大規模な管弦楽と声楽を必要をするもので、同時に彼における「極めて個人的な独白」が表出される作品でもあります。ポーランドの過去と危うい未来を鑑みて書かれたジュリアン・トゥイム(1894-1953)の叙事詩「ポーランドの花」をテキストにして書かれたこの作品は、戦争の空しさと残酷さ、そして、現代社会にも通じる不安に満ちた社会情勢を描き出した力作であり、最終楽章での微かな希望へと繋がる音楽こそ、当時の彼が求めていたものであることは間違いないでしょう。
8.572874(2CD)
ドヴォルザーク:レクイエム Op.89 B165 クリスティアーネ・リボー(S)
エヴァ・ヴォラク(A)
ダニエル・キルヒ(T)
ヤヌス・モナルチャ(Bs)
ワルシャワPOCho
アントニ・ヴィト(指)

録音: 2012 年5 月29 日,6 月5 日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハモニック・ホール
人の子どもを相次いで失うというドヴィルザーク(1841-1904)自身の悲しい経験に基づいた「スターバト・マーテル」とは違い、この「レクイエム」はイギリスのバーミンガム音楽祭からの新作依頼に応えて作曲されたものです。彼は1884年と1885年にイギリスを訪れており、1884年にロイヤル・アルバート・ホールで演奏した「スターバト・マーテル」が好評だったため、この作曲依頼が来たのでしょう。曲は1890年の1月から10月にかけて作曲され、全曲は素朴で美しいメロディに満ち溢れており、曲の冒頭には彼が敬愛したバッハの最高傑作「ロ短調ミサ」からの引用もあるなど、渾身の力が込められた大作となっています。通常の典礼文とは一部変更が加えられているため、教会で演奏するよりも、あくまでも演奏会用の作品として位置づけられています。1891年にバーミンガム音楽祭でドヴォルザーク自身の指揮で初演された際は、もちろん大好評を持って迎えられました。古今東西のレクイエムの中では、かなり地味な風情を持っていると指摘されることもありますが、この静かな感動はじっくり聴いてみてこそ味わえるもの。もちろん「怒りの日」は充分な激しさを有しています。このような声楽付きの大作は、ポーランドの名指揮者アントニ・ヴィトにお任せを。清冽な響きが心の隅々まで浸透します。
8.572876
グエッラの写本第2集
娘さん、もしあなたと出会ったら
イダルゴ(1614-1685):ああ、私の悲しみ
私は愛のために幸せ
さわやかなそよ風/バラは彼に
私は誰に文句を言えばいいの?
イダルゴ:彼は恋人に/美しさが最高
イダルゴ:陰鬱な闇夜
静かに、歌わないで
私は罰を受けたい/神の慈悲を
ホァン・デ・ナバス(1650頃-1719):しかし、うまく行く
イダルゴ伝(もしくはマリン):恋人が不在だと悲しい
イダルゴ:どうやってベリラを学んだの
私が若かった頃/歌のないフィロメラ
フアン・サンチョ(T)
アルス・アトランティカ
スペイン王宮の礼拝堂の書記を務めたミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)が編纂した「グエッラの写本」の第2集です。第1集(8.570135)で、驚くばかりの多彩な世界をみせてくれたこの曲集は、17世紀後半のスペインで流行した世俗曲を集めたもので、これらの曲は、詩的であり、溢れる情緒に満ちています。甘く切ないメロディとノリの良いリズムは、このまま現代の歌手がカバーしてもよいのではないか?と思わせるほどです。
8.572877
シューマン:ピアノ連弾のための編曲集第1集
弦楽四重奏曲第3番イ長調Op.41-3(1842)(オットー・ドレーゼルによるピアノ連弾版…作曲家自身による改訂(1852))*
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.44(1842)(クララ・シューマンによるピアノ連弾版(1858))
エッカーレ・ピアノ・デュオ<フォルカー・エッカーレ&真理子・エッカーレ>

録音:2010年11月ドイツバーデン-ヴュルテンブルク,シュタットハレ・エトリンゲン

*=世界初録音
8.551287の再発売
シューマンの時代は、オーケストラの作品を家庭で再現するために、「ピアノ連弾」の手法が多く用いられていました。確かにCDなどのない時代はそれが一番早く、確実な方法だったことは間違いありません。その需要を見越した出版社は数多くの作品を連弾譜として出版するために、多くの人たちに編曲を依頼したようです。この弦楽四重奏曲第3番は、O.ドレーゼルが編曲し、シューマン自身が多少手を加えOKを出したもの。ピアノ五重奏曲は、彼の妻クララに献呈され、初演時のピアノも彼女が担当しました。作品を知り尽くしたクララだけに、シューマン亡き後の仕事でも全く問題なく、シューマンの世界を再現することに成功しています。シューマンの連弾作品シリーズは7巻が予定されており、こちらが第1作目のリリースとなります。
8.572878
シューマン:ピアノ連弾のための編曲集第2集
弦楽四重奏曲第1番イ短調Op.41-1(オットー・ドレーゼルによる4手ピアノ編)
ペダル・ピアノのための練習
曲:6つのカノン風小品Op.56(テオドール・キルヒナーによる4手ピアノ編)
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調
Op.41-2(オットー・ドレーゼルによる4手ピアノ編)
エッカーレ・ピアノ・デュオ(フォルカー・エッカーレ&真理子・エッカーレ)

録音:2011年8月30-31日、2012年6月6-7日 ドイツヴュルテンベルク,スタットハッレ・エットリンゲン
現代もそうですが、シューマンの時代にも「演奏会のプログラム」を家庭て楽しむために、管弦楽曲や室内楽、オペラなどをピアノ独奏、もしくは連弾に編曲するという需要がかなり多かったのです。一連のリストの編曲作品はすでにお馴染みですが、シューマンの音楽も家庭やサロンで人気が高く、例えば「ピアノ五重奏曲」は妻クララの手によって、弦楽四重奏曲は、若く才能ある作曲家オットー・ドレーゼルが巧みにピアノ連弾版へと移し替えています。ピアノで演奏することで、原曲のくすんだ美しさに新たな輝きが付け加えられ、また違った面持ちの作品に変貌しています。珍しい作品である6つのカノン風小品を編曲したテオドール・キルヒナーは、シューマンの他の作品(たとえばリーダークライスOp.39など)もピアノ独奏版に編曲したりと、その素晴らしいアレンジで知られている人です。
8.572879
シューマン:ピアノ・デュオのための編曲集第3集
劇音楽「マンフレッド」Op.115-序曲(C.ライネッケによるピアノ連弾編)
劇音楽
「マンフレッド」Op.115-間奏曲(A.ホルンによるピアノ連弾編)
劇音楽「マンフレッド」Op.115-アルプスの魔女の呼び声(A.ホルンによるピアノ連弾編)
交響曲第3番「ライン」(C.ライネッケによるピアノ連弾編)
序曲「ヘルマンとドロテア」Op.136(作曲家自身によるピアノ連弾版)
ゲーテの「ファウスト」からの情景Woo3-序曲(1853)(W.バルギールによるピアノ連弾編)
エッカーレ・ピアノ・デュオ(マリコ・エッカール&フォルカー・エッカール)

録音:2013年10月31日.11月1日ドイツバーデン=ヴュッテムベルクエットリンゲン・シュタートハレ
※世界初録音
当初ドイツのみで販売されていて、ワールドワイドリリースが渇望されていたアルバムです。シューマン(1810-1856)の管弦楽作品を連弾ピアノで演奏するという試みは、ブラームスの同様の作品とも違った世界を表出するものです。とは言え、ブラームスとは違い、彼自身が連弾用に編曲することはあまりなく、ほとんどが彼の弟子であったカール・ライネッケらが編曲したものを監修するというやり方であり、これがまた「第3者の目を通してみたシューマン像」を知ることができるという、とても面白いものになっているのです。もちろんシューマンが同意することが重要なのですが。このアルバムの中では「ヘルマンとドロテア」序曲は珍しくシューマン自身が編曲したもの。内声を重視したシューマンが、どのように管弦楽作品を音の少ない連弾に移し替えているのかに注目して聴いてみてください。なおこの曲の主要テーマは、フランス革命時のお話のためか、"良く知られた"あのメロディが使われています。メインの交響曲第3番は、若干ぎこちなく聞こえる部分もありますが、なかなか素晴らしい作品に仕上がっています。
8.572880
シューマン:ピアノ・デュオのための編曲集 第4集
交響曲 第2番ハ長調 Op.61(1845-1846)
ロベルト&クララ・シューマンによる4手ピアノ編:出版1849年)
歌劇「ゲノフェーファ」序曲(ロベルト・プレッチュナーによる4手ピアノ編(作曲者自身による改訂:出版1850年)…世界初録音
序曲「ジュリアス・シーザー」(ヴォルデマール・バルギールによる4手ピアノ編(作曲者自身による改訂:出版1854年)…世界初録音
ホルンと管弦楽のための「コンチェルト・シュトック」Op.86
編曲者不詳:4手ピアノのための大二重奏曲(出版1864年)…世界初録音
エッカレ・ピアノ・デュオ(マリコ・エッカレ&フォルカー・エッカレ)

録音:2015年4月8-9日,8月24-25日
現代のような録音技術がなかった時代、オーケストラの演奏を聴くことができたのは一部の上流階級の人々に限られていました。そ こで当時の出版社は、大編成の作品を家庭でも楽しめるように「ピアノの連弾用に編曲したオーケストラ作品」を次々に出版し、 家庭やサロンでの需要に応えていました。自身の作品の普及に力を注いでいたシューマンも、自作の交響曲や序曲を連弾用に編 曲し出版を重ねました。もちろん自身が編曲しただけでなく、妻クララの助けを借りたり、時には自身の義理の弟(クララの父親違 いの弟)バルギールや、名オルガニスト、プレッチュナーが編曲に携わりましたが、最終的にはシューマン自身が手を加え、連弾で 演奏しても原曲に遜色ない仕上がりとなっています。シリーズを通じて演奏しているのは2006年に創設された“エッカレ・ピアノ・デュ オ”。連弾作品を精力的に演奏しているドイツ人フォルカーと日本人真理子の夫婦デュオです。
8.572881
シューマン:ピアノ連弾のための編曲集 第5集
交響曲第1番「春」(ロベルト&クララ・シューマンによる4手ピアノ編)
交響曲第4 ニ短調 Op.120(ロベルト・シューマンによる4手ピアノ編)
エッカレ・ピアノ・デュオ(真理子・エッカレ&フォルカー・エッカレによるピアノ連弾)

録音:2017年8月&2018年8月
世界初録音
19世紀、未だレコードなどの録音技術がなかった時代、人々が音楽を楽しむためには、コンサートホールに出かける か、実際に演奏する以外方法はありませんでした。そのため、交響曲やオペラなどの大掛かりな作品の場合は、自宅 やサロンで演奏するために「できるだけ小さな編成への編曲」の需要が高まり、作曲家自身が手を加えたり、他の作曲 家が編曲するなど様々な譜面が出版されました。なかでも2台ピアノ、もしくは4手連弾は、交響曲や管弦楽作品の 音を余すことなく転写することが可能とされ、シューマンもいくつかの作品をこの形式に編曲しています。エッカレ・ピアノ・ デュオはシューマンのオリジナル、監修作品を全て含めた7枚のアルバムの録音を続けており、この第5集にはシューマン 自身が編曲した「交響曲第4番」と妻のクララとともに編曲した「交響曲第1番」が収録されています。作品を知り尽く した作曲家ならではの緻密な音の構成をお楽しみください。
8.572882
シューマン:ピアノ連弾の為の編曲集 第6集
序曲,スケルツォとフィナーレ Op. 52  (クララ&ロベルト・シューマンによる4手ピアノ編 1847年出版)
ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 54(アウグスト・ホルンによる4手ピアノ編 1864年出版)
序曲「メッシーナの花嫁」 Op. 100(ハインリヒ・エンケによる4手ピアノ編1851年出版)
エッカレ・ピアノ・デュオ【マリコ・エッカレ、フォルカー・エッカレ】

録音:2019年8月、2020年8月
世界初録音
現代のように録音の設備が整う前の時代、オーケストラなどの大規模な音楽を聴くためには、実際の演奏会に出向くほか方法はありませんでした。そ んな大きな作品を手軽に家庭で楽しむために、しばしば用いられたのがピアノ連弾用のヴァージョンです。19世紀にはこのような編曲が大流行しまし た。ロベルトとクララ夫妻もピアノ連弾が大好きであり、ロベルトは自作を自身でアレンジしたり、他の友人たちがアレンジした楽譜の監修を行うなど、連 弾版の普及を推進しました。 ドイツを中心に活動するエッカレ・ピアノ・デュオはシューマンが係わったアレンジの全てを演奏、この第6巻は最後から2番目のアルバムで、今作では名 作「ピアノ協奏曲」と「序曲、スケルツォとフィナーレ」、「メッシーナの花嫁」序曲の3曲が収録されています。ピアノ協奏曲でのオーケストラ・パートの充 実ぶりがはっきりわかるシューマンの後輩作曲家アウグスト・ホルン(1825-1893)による見事な編曲が聴きどころ。ブックレットにはピアニスト・音楽学 者でシューマンの研究者としても知られるヨアヒム・ドラーハイムによる解説(ドイツ語・英語・日本語)が掲載されています。
8.572885
イワン・ミュラー:クラリネット四重奏曲第1番&第2番他
クラリネット四重奏曲第1番変ロ長調
夢-劇的なエピソードOp.73
ロマンティックな情景Op.96
モーツァルトの主題による幻想曲
マドリッドの城Op.79
クラリネット四重奏曲第2番ホ短調
協奏的二重奏曲「ドーベランの思い出」Op.28*
フリーデリケ・ロート(Cl)
ヴェンツェル・フックス(Cl)*
エリカ・ル・ルー(P)
ベロリナ・アンサンブル【デヴィッド・ゴロル(Vn)/アンドレス・メーネ(Va)/マルティン・スミス(Vc)】

録音:ドイツベルリン,イエス・キリスト教会2010年9月20-21日、.10,2010年10月18-19日
イワン・ミュラー(1786-1854)の名は、現在では「13キークラリネット」の発明者として知られています。17世紀の終わり頃、ニュルンベルク在住のJ.C.デンナーが、それまで使われていたシャリュモーに穴をあけ、音域が広がったことでクラリネットの原型が作られたと言われ、その後は多くのキーが付け加えられることで楽器が発展していくのですが、1812年にミュラーが試行錯誤の上に発明した、前述の「13キークラリネット」はまさに画期的な発明であり、これを改良したものが現在でも使われる「エーラー式クラリネット」と呼ばれる楽器です。そんなミュラーの作曲家としての偉業がこちらです。曲調は当時流行の、イタリア風のベルカントのスタイルであり、伸びやかでこまやかなクラリネットの音色を最大限生かした、聴きどころたっぷりの作品が揃っています。
8.572886

NBD-0029
(Blu-Ray Audio)
ベルリオーズ:幻想交響曲(第2楽章;のコルネット付き)
序曲「海賊」
レナード・スラットキン(指)
フランス国立リヨンO

録音:2011年8月31日.9月1日フランスリヨン,オーディトリウム
準・メルクルが任期を終えたリヨン国立Oが、2011年のシーズンからの音楽監督として迎えたのは、1944年生まれの名指揮者レナード・スラットキンでした。レパートリーの広さは幅広く、何よりアメリカ音楽を得意としているスラットキンは、既にNAXOSにも数多くの録音がありますが、今後はまた違った世界を切り開いていくことは間違いないでしょう。記念すべき第1作目は、ベルリオーズの「幻想交響曲」で思い切りはじけた音楽を聴かせてくれます。何より注目したいのは、第2楽章に2つのヴァージョンが用意されていること。通常版も興味深いのですが、なんといっても「コルネット付き」のトラック10が凄いことになっています。ベルリオーズが当時の名手ジャン=バティスト・アルバンにせがまれて書き加えたとされるコルネット・パートですが、結局最終稿には採用されることのなかった華やかなオブリガードです。楽しさ全開!
8.572887
NBD-30C(BD-Audio)
ラヴェル:管弦楽作品集第1集
道化師の朝の歌
亡き王女のためのパヴァーヌ
スペイン狂詩曲
ハバネラ形式による小品*
シェヘラザード-おとぎ話への序曲
古風なメヌエット/ボレロ
ジェニファー・ギルバート(Vn)*
レナード・スラットキン(指)
フランス国立リヨンO

録音:2011年9月2.3日フランスリヨン、オーディトリウム
<BD-Audio>
24-bit 96kHz
PCM Surround /5.1 Surround-DTS-HD Master Audio/2.0 Stereo-PCM
スラットキンとリヨン管による新プロジェクト、ラヴェルの管弦楽作品集の第1集です。華麗オーケストレーションに彩られた音楽は、これまでにも多くの名指揮者たちが思い思いの色を塗った演奏を聴かせてきましたが、ここにスラットキンの新たな筆致による音の絵画を届けることとなりました。まずはスペイン風のリズムが楽しい「道化師の朝の歌」。この曲の解釈にはいろいろなものがありますが、このスラットキンの演奏は、前夜の過ぎた悪ふざけを思い出し、ちょっと苦笑しながら自己反省をする・・・もちろんちょっとまだ二日酔い?のような、シニカルさが漂うもの。落ち着いた「亡き王女のためのパヴァーヌ」、はじけまくりの「スペイン狂詩曲」などを経て、最後はお楽しみ「ボレロ」で締めくくります。決して羽目を外すことなく、上品さを保ちながらもやっぱり最後は爆発してしまう・・・。そんな人間味あふれるこのボレロが好きです。
8.572888
NBD-34
(Blu-ray Audio)
ラヴェル:管弦楽作品集 第2集
高雅で感傷的なワルツ(1911)
夜のガスパール(M.コンスタントによる管弦楽版)(1908/1990
クープランの墓
ラ・ヴァルス
レナード・スラットキン(指)
フランス国立リヨンO

録音: 2011年9月6日
2012年11月28-29日
2012年11月27-28日
2012年11月27日
第1集(8.572887)は超有名曲の「ボレロ」を始めとしたラインナップで、たちまちファンの耳を虜にしたスラットキン&リヨンのラヴェル(1875-1937)管弦楽作品集。第2 集では、2 つのワルツを含むピアノ曲からの編曲物を集めています。どれも一筋縄ではいかない作品ですが、そこは名手スラットキン。きっちりコントロールした美しい響きを届けてくれます。「高雅で感傷的なワルツ」はもともとシューベルトのワルツをモティーフにして書かれたという作品で、ピアノによる初演時には作曲家の名を伏せ「誰の曲か」を当てるという試みがなされたといいます。ピアノ版では他の作曲家の曲と思った人もいたようですが、管弦楽版になれば、まさしく「音の魔術師」ラヴェルならではの音世界が展開しているので、これなら間違える人もいないのでは?「夜のガスパール」はラヴェル自身の編曲ではありませんが、「オンディーヌ」の冒頭のピアノの幽かなさざめきが見事にオーケストラに移し替えられています。「クープランの墓」は第1 次世界大戦で命を落としたラヴェルの友人たちへの思い出を綴ったもの。ラ・ヴァルスはウィンナ・ワルツへのオマージュ。しなやかさの中に強かさが感じられるラヴェル。これはステキです。
8.572889
ドラゴン・ライム-龍の韻
ジェニファー・ヒグドン(1962-):ソプラノ・サクソフォン協奏曲(2006)
クルト・ヴァイル(1900-1950):ヴァイオリン協奏曲Op.12(1924)
陳怡(イ・チェン)(1953-):ドラゴン・ライム(2010)
カリー・コフマン(ソプラノSax)
アントン・ミラー(Vn)
グレン・アドシット(指)
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
吹奏楽のための3つの近代作品集です。演奏しているのはハート・スクール・ウィンド・アンサンブルで、前作(8.572109)でも見事な腕前を披露してくれていました。今回は2つの協奏曲と、中国風の音満載の新作です。ヒグドンのサックス協奏曲は、ソプラノ・サクソフォンの魅力を存分に引き出した作品で、すでに様々な団体がこの作品の演奏を行っている人気曲です。ヴァイルのヴァイオリン協奏曲は、1924年に書かれた作品で、彼がまだ劇音楽の創作に手を染める以前の、ストラヴィンスキーやシェーンベルクからの影響が強いシリアスな作風を持っています。もともと管楽器とヴァイオリンのために書かれていて、その独特な響きがとても魅力的です。イ・チェンの「ドラゴン・ライム」はハート・ウィンド・アンサンブルが世界初演を行った作品で、2つの部分からなる抒情的、かつ精力的な作品です。楽譜の指定通り神秘的に始まりますが、第2部はまさに京劇そのものの音が炸裂。
8.572890
アウレリオ・マニャーニ:ヴィルトゥオーゾ・クラリネット作品集
ディヴェルティメント第1番
ディヴェルティメント第2番/悲歌
グノーの歌劇「ファウスト」によるロマンスとワルツ
ロマンティックなメロディ
マズルカ-カプリースソロ・ド・コンセール
セルジオ・ボシ(Cl)
リッカルド・バルトリ(P)

録音:2011年4月3-4日イタリアマッチェラータ,モリアーノテアトロ・アポロ
イタリアのクラリネット奏者マニャーニ(1856-1921)は、彼が生きた時代における最高のソリストであり、また「現代イタリアのクラリネット奏法の父」でもありました。彼の弟子たちは世界中の一流オーケストラのポジションを埋め尽くし、その演奏は絶賛の極みを尽くしました。そんなマニャーニは、その奏法を伝えるために数多くのクラリネット作品を作ったのですが、もともとメロディを作る才能に恵まれていたためか、どれもが飛び切りの美しさを持っていたではありませんか!オリジナル作品である2つのディヴェルティメントの技巧を凝らしたクラリネット・パートを聴いただけでも、その見事さには舌を巻くほかありません。グノーのファウストを元にした「ロマンスとワルツ」も、実際のオペラでアリアを聴くのと同じくらいの興奮をもたらすことでしょう。このような作品を大得意としているボシによる丁寧な演奏には快感すら覚えます。
8.572891
モーリス・グリーン:スペンサーのアモレッティ
《E.スペンサーのアモレッティによる25 のソネット集》
1.After so long a race
2.Happy ye leaves
3.Faire Eyes
4.Ye tradefull merchants
5.The rolling wheele
6.The merry Cuckow
7.How long shall this like dying life endure
8.The Laurell leafe
9.Like as a ship
10.What guile is this
11.Arion12.Sweet smile
13.Marke when the smiles
14.The Love which me so cruelly tormenteth
15.Trust not the treason of those smiling lookes
16.Fayre cruell
17.Faire yee be sure
18.Thrise happy she
19.After long stormes
20.Like as a huntsman
21.Fresh Spring
22.One day I wrote her name upon the strand
23.Lacking my love
24.Since I did leave the presence of my love
25.Like as the Culver
ベンジャミン・ヒューレット(T)
ジャンジャコモ・ピナルディ(テオルボ)
リューク・グリーン(Cemb)

録音:2012年2月20-22日UKサフォーク,スネープ・マルティングス,ブリテン・スタジオ
18世紀に活躍したイギリスの作曲家、オルガン奏者モーリス・グリーン(1696-1755)は、聖職者の息子としてロンドンに生まれ、セント・ポール大聖堂の少年聖歌隊員となります。その後オルガニストとしての研鑚を積み、大聖堂のオルガニストから王室礼拝堂のオルガニストとなり、1735年からは英国王室の楽長を務めました。しかし王室はヘンデルを好んだため、グリーンはもっぱら教会音楽の作曲に励んだようです。エドマンド・スペンサー(1552頃-1599)はシェークスピアと同時期の、エリザベス1世の時代に活躍した詩人ですが、好戦的な人物であったようで、幾度かの暴動に加わったり、扇動的な論文を書いたりと、なかなか興味深い人生を送っています。スペンサーの“アモレッティ”は“妖精の女王”“祝婚歌”と並ぶ彼の代表作であり、独特な韻文と古風な言葉を用いた詩集で、言葉の羅列だけでも素晴らしいリズムを持っているものです。このスペンサーの詩による歌曲集は、英国音楽の歴史の中でも最古の歌曲の一つであり、1739年に出版された時は高い人気を誇ったものです。テノールのヒューレットのまっすぐに伸びる心地良い声は、ひとしきり世間の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。
8.572892
ロペス=グラサ:素朴な組曲第1番(1950)
11月の詩曲(1961)
祝祭行進曲(1954)/交響曲(1944)
アルヴァロ・カッスート(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)は20 世紀のポルトガルにおける、最も多作な作曲家の一人です。リスボン音楽院で学び、その後パリへ留学、ケクランに作曲と管弦楽法を学んでいます。1941年からはポルトガルで教鞭をとり、数多くの音楽家を育てあげました。ポルトガルの民謡やポピュラー音楽を題材にすることの多い彼の作品は、とても耳に馴染みやすく、またドラマティックな面も持ち合わせています。「素朴な組曲」の冒頭に現れるのどかな旋律を聴いていると、まるで草原で深呼吸をする時のような清々しさを感じさせてくれます。その後に続く速い部分はお約束通りに荒々しくと、全て聴き手の期待を裏切ることはありません。これらとは対照的な「11 月の詩曲」は、暗く陰鬱であり、この作曲家の懐の広さを感じさせてくれることは間違いありません。とは言え「祝祭行進曲」や「交響曲」はやっぱり情熱的。手に汗握るようなわくわくする音楽です。
8.572893
ロシアの歌曲とアリア集〜ディナーラ・アリエワ
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14
チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」〜第1幕第2場「わが涙よ、なぜ流れるのか」
リムスキー=コルサコフ:歌劇「皇帝の花嫁」〜第2幕「ノブゴロードで-今,緑の園に見えるのは」
 歌劇「皇帝の花嫁」〜第4幕「イヴァン・セルゲーヴィチ、庭へ行きましょう」
ラフマニノフ:美しい人よ、私のために歌わないでOp.4-4(R.ステパニャンによる管弦楽伴奏編)
 歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」〜第2場「おお泣かないで、私のパオロよ」
チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」〜第3幕第2場「真夜中が近い…私は疲れてしまった」
 もし私が知っていたらOp.47-1(O.ディミトリアディによる管弦楽伴奏版)
 私は野辺の草ではなかったのかOp.47-7
 歌劇「エウゲニ・オネーギン」〜第1幕第2場「手紙の情景」
ディナーラ・アリエワ(S)
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)
ロシア国立SO

録音:2011年8月28日-9月3日モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー第5スタジオ
歌手、ことにソプラノを誉める際に用いられる慣用句の一つに「マリア・カラスの再来」という言葉があります。実際、これを言われた人がこれまで何人いたでしょう・・・。このアルバムで歌うアリエワも、その言葉を使いたい人です。冒頭のラフマニノフの「ヴォカリーズ」を聴いてみてください。まさに背筋がぞくぞくする素晴らしさです。声の美しさはもちろんのこと、表現力と存在感はとても筆舌に尽くせません。彼女は2010年に開催された第47回フランシスコ・ビーニャス国際歌唱コンクールで2位を獲得したロシア生まれのソプラノ。名歌手モンセラ・カバリエが「彼女の才能は天国の贈り物」と称するほどの魅力的な歌を聞かせます。
8.572895
リスト:ピアノ曲全集第36集ワーグナー・トランスクリプション集
歌劇「ローエングリン」から「エルザの結婚の行進客人の入城曲」S445/R278-2
歌劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」S447/R280
歌劇「リエンツィ-最後の護民官」の主題による幻想的小品S439/R272
歌劇「タンホイザー」から「巡礼の合唱」S443/R276
歌劇「ローエングリン」から「祝典と結婚式の歌」
S446/R279-1
歌劇「ローエングリン」から「ローエングリンのエルザへの叱責」S446/R279-2
歌劇「さまよえるオランダ人」から「紡ぎ歌」S440/R273
歌劇「さまよえるオランダ人」から「ゼンダのバラード」S441/R274
歌劇「ローエングリン」から「エルザの夢」S446/R279-2
歌劇「パルシファル」から「聖杯への厳かな行進曲」S450/R283
ヴィリアム・ヴォルフラム(P)

録音:2011年5月20-21日カナダオンタリオ,CBCグレン・グールド・スタジオ
ロマン派の2人の巨匠たち。交響詩の創始者リスト、そして楽劇の創始者ワーグナー。ともに華麗な人生を送り、ともに生涯女性問題に悩まされ、壮大なる音楽を創り上げたことはご存知の通りです。そして、リストの娘コージマが最終的に伴侶に選んだのがワーグナー。そのため2人は義理の親子になるのです。リストは全面的にワーグナーの音楽を支持していたわけではないと言われ、歌劇や楽劇からの編曲を行ったのも一部の曲についてだけでした。とりわけ「指環」に関しては唯一「ラインの黄金」から「ヴァルハラへの入場」の場面の編曲があるのみ。「ヴァルキューレの騎行」などの編曲があればよかったのに。と思う人は少なくないのでは?ちなみにシリーズ第33集(8.570562)で、リストによる他のワーグナー作品の編曲を聴くことが可能です。

8.572901
フランク:初期ピアノ作品集
バラードOp.9
4 つのシューベルトの歌曲よりトランスクリプションOp.8 M15
ポーランドの2 つの歌による幻想曲Op.15 M18
エクス・ラ・シャペルの思い出Op.7 M14
ジュリア・セブルス(P)

録音2012 年10 月30-31 日ドイツベルリン,ダーレムイエス・キリスト教会
セザール・フランク(1822-1890)と言うと、あの重厚な交響曲や美しいヴァイオリン・ソナタが良く知られています。あとは何曲かのオルガン作品と、「天使の糧」と…。逆に言えば、まだまだ知られていない作品が多いということでしょうか?このアルバムに収録されたピアノ曲は1843 年から1844 年頃の若いフランクが、コンサートツアーを行った際に演奏されたもので、意外性のある曲が多く含まれています。劇的な筋立てを持つ「バラード」や「エクス・ラ・シャペルの思い出」は後の精神性豊かな作品を連想させますが、シューベルト作品のトランスクリプションは、まるでリスト作品を思わせる技巧的で華麗なもの。才能あるピアニストであったフランクの技巧が伺い知れることでしょう。「ポーランドの2 つの歌による幻想曲」は、ショパンの「ポーランド民謡による幻想曲」で使われたメロディ「もう月は沈み」と「カロル・クルピニスキの主題」がそのまま使われていますが、曲のイメージはかなり異なるもの。フランクの独創性をまざまざと見せつける作品です。
8.572902
J.L.ウェッバーによるディーリアスとアイアランドの歌曲編曲集
ディーリアス:日暮れ
アイアランド:春の悲しみ
ディーリアス:高き城の庭の鳥
アイアランド:夕べの歌*
ディーリアス:ハーレムの庭/愛の哲学
アイアランド:海ヘの情熱
ディーリアス:高き山脈
アイアランド:聖なる少年
ディーリアス:「ハッサン」〜セレナーデ
 長い長い年を通して
アイアランド:赤ちゃん
ディーリアス:三羽のからす
アイアランド:小さな小鳥/希望
 若者の恋
ディーリアス:眠りの歌
アイアランド:夏の計画
ディーリアス:あなたの青い瞳とともに
アイアランド:彼女の歌/夏の森にて*
ジュリアン・ロイド・ウェバー(Vc,編曲)
チェン・ジアシン(Vc)*
ジョン・レナハン(P)

※3.4.21…世界初録音
近代イギリス音楽は、どれも渋い美しさに彩られていることを誰もが知っていますが、ここで聴くことのできる「チェロで奏でる歌曲集」は一層磨きのかかった美を有しているように思われます。心の底に沈みこんでいくような深いチェロの音色と、哀愁を帯びた旋律。これを耳にして涙しない人はいないはず。チェロを演奏するJ.L.ウエッバーについては今さら語る必要もないでしょう。「オペラ座の怪人」でおなじみ、アンドリュー・ロイドの弟であり、父も作曲家という、まさに音楽の申し子。ディーリアスとアイアランドの繊細な感情を見事にチェロへと移し替えています。アイアランドのピアノ作品集でおなじみのレナハンの伴奏も、思いのたけを伝えるかのような雄弁さです。
8.572903
ロージャ:弦楽四重奏曲集&弦楽三重奏曲
弦楽四重奏曲第2番Op.38
弦楽三重奏曲Op.1(初稿版)*
弦楽四重奏曲第1番Op.22
ティペットSQ
<ジョン・ミルズ(Vn)/ジェレミー・イサーク(Vn)/ジュリア・オリオーダン(Va)/ボジダー・ヴコティク(Vc)>

録音:2011年9月22-24日UKロンドンサウスゲート,聖ポール教会
※*=世界初録音
ジャケットに使われている写真は、とても可愛く繊細ですが、実際に聞こえてくる音楽はなんとも力強く野性的なこのアルバム。作曲家のロージャ(1907-1995)は映画音楽の作り手として既におなじみですが、この弦楽四重奏は何とも激しく「マジャールの血が騒ぐ」音楽として結実しています。弦楽四重奏曲第2番は1981年にイタリアの避暑地で作曲され1982年10月にパリで初演されています。絶え間ないエネルギーに溢れた活発な作品は、とても老齢の粋に達した人の手になるものとは思えません。片や、弦楽三重奏曲は1927年に書き始められた作品であり、若き作曲家の野望に満ちた音楽と言えるでしょう。この曲は1974年に大きく改訂を施されますが、ここで聴けるのは、改訂前の最初の形そのままです。第1番の弦楽四重奏曲は1950年の作品で、こちらは全体的にエキゾチックなムードに満ちています。
8.572904
サン=サーンス:ピアノ四重奏曲変ロ長調Op.41
舟歌ヘ長調Op.108
ピアノ五重奏曲イ短調Op.14
:ファイン・アーツQ
<ラルフ・エヴァンス(Vn1)
エフィム・ボイコ(Vn2)
ニコロ・エウゲルミ(Va)
ロバート・コーエン(Vc)>
クリスティーナ・オルティス(P)

録音:2012年3月26-29日ニューヨークパーチェス大学,コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
サン=サーンスの室内楽作品は、フランス音楽の歴史の中でも重要な位置を占めています。魅力的な個性と溢れるほどの抒情性、そして決して激昂することのない穏やかな表情が多いため、時として「没個性」とレッテルを貼られてしまうこともありますが、やはり聴き手にとって「心を落ち着ける場所」になることは間違いありません。1875年に書かれた「ピアノ四重奏」はフォーレの雰囲気を湛えた音楽。よく練られた構成を持ち、しばし劇的な感情の高ぶりを見せています。「舟歌」は1897年の作品で、最初はヴァイオリン、ピアノ、チェロとハルモニウムのために書かれましたが、ここではサン=サーンス自身の編曲によるハルモニウムの代わりにヴィオラを用いたの編成で演奏されています。本当に舟に揺られているような優美な作品です。1854年から1855年にかけて作曲された「ピアノ五重奏曲」は、思いの他厳粛な音で始まりますが、すぐに美しい流れが現れます。シューマンのピアノ五重奏を思わせる内省的で、名ピアニストだった彼らしい充実したピアノ・パートをもっています。
8.572906
レーガー:オルガン作品集第13集
ファンタジアとフーガ.ハ短調Op.29
12のモノローグOp.63〜7番-第12番Op.63
オルガン・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.33
クリスティアン・バルテン(1911年製シュタインマイヤー・オルガン)

録音:2012年8月28-29日ドイツマンハイムキリスト教会
バッハの伝統を正しく受け継いだマックス・レーガーのオルガン作品集。今回の第13集にも渋くて複雑な作品が並んでいます。Op.29のファンタジアとフーガは1898年に作曲されたもので、当時彼が傾倒していたリヒャルト・シュトラウスに捧げられています。バッハの精神を感じさせながらも、モダンなハーモニーが見て取れます。Op.63の「12のモノローグ」は1902年の作曲。ほんの4年ほどの間のレーガーの成長ぶりを耳で感じてください。澄み渡った音色の中に、ほんの少し不安が溶け込む「アヴェ・マリア」を始めとした、美しいという一言では語り尽くせない深い味わいの曲が続きます。1899年のオルガン・ソナタは大規模な構成を持つ見事な作品。フランツ・リストのユジンでもあったザクソンの「伝説的カントール」アレクサンダー・ヴィルヘルム・ゴットシャルクに捧げられています。キャッチーなメロディは少ないものの、それが却って大人の雰囲気を醸し出しています。
8.572907
レーガー:オルガン作品集第14集
5つのやさしい前奏曲とフーガOp.56
52のやさしいコラール前奏曲Op.67より<第1番:いと高きにある神にのみ栄光あれ/第2番:すべてのものは神の祝福により/第3番:深き苦しみの淵より、われ汝を呼ぶ/第4番:わが心の深みより/第5番:わが命なるキリスト/第6番:われらが神はかたき砦/第7番:汝エホヴァにわれ歌わん/第8番:栄光の日は来たりぬ/第9番:主イエス・キリスト、われらを顧たまえ/第10番:救いはわれらに来たれり/第11番:おおわが魂よ、大いに喜べ/第12番:天と地の神/第13番:主よ、汝の御心のままにわれはあらん/第14番:わが心の切なる祈り/第15番:地と天は喜びの声を高くあげよ>
5つのやさしい前奏曲とフーガOp.56
ヨーゼフ・スティル(Org…トリーア大聖堂、ヨハネス・クライス・オルガン)

録音:2013年6月4-5日ドイツトリーア大聖堂
レーガー(1873-1916)のオルガン作品は、どれもバッハの伝統を引き継ぐものであり、後期ロマン派のオルガン作品の最高峰に位置するものとしても認知されています。彼自身はカトリックでしたが、ルター派の伝統にも長けており、このアルバムにもあるように「コラール前奏曲」や「コラール幻想曲」など音楽を重視するルター派の特徴とも言える作品(祈る前に一般会衆たちが歌ったり、歌う前にオルガンのみで華やかに演奏する)も数多く作曲したのです。もちろん歌うためのコラールは、単純なものですので、そこに様々な装飾をつけたり、対戦率を付けたりして、聴き応えのある作品に仕上げたのが、このアルバムにも収録されているコラール前奏曲というわけです。「前奏曲とフーガ」、「コラール前奏曲」のタイトルにそれぞれ「やさしい=Eazy」とありますが、お聴きいただいてわかるように、決してやさしくなどない(もちろん演奏も困難です)力強く光輝く、また若干難解な部分もある見事な曲ばかりです。一度聴けば必ずはまる不思議な味わいのオルガン曲。いかがですか?
8.572909
レーガー:オルガン作品集第16集
バッハ:3つの小品Op.7<第1番:前奏曲とフーガ.ハ長調(Track1-2)/第2番:幻想曲「テ・デウム・ラウダムス」イ短調/第3番:フーガニ短調>
 2声のインヴェンションBWV772-786(M.レーガー&K.シュトラウベによるオルガン編曲版)
レーガー:52のやさしいコラール前奏曲Op.67より<第36番:われはわが神を歌わずにいられようか/第37番:汝が怒りもてわれを罰したもうな/第38番:われ汝に別れを告げん>
 前奏曲ハ短調Wo08-6
 フーガ.ハ短調Wo04-8
 前奏曲とフーガ.ニ短調Wo04-10
バッハ:トッカータとフーガ.ニ短調BWV913(M.レーガーによるオルガン編曲版)
クリスチャン・バルテン(Org)

録音:2013年6月10-11日ドイツ,フルラ大聖堂リーガー・ザウアー・オルガン
レーガー(1873-1916)の偉大なるオルガン作品集もこの第16集で完結となります。このアルバムには彼の初期の作品である「3つの小品」Op.7と、「52のやさしいコラール前奏曲」の残り3曲、そして3つの遺作と、問題作「バッハの2声のインヴェンション」オルガン版が収録されています。原曲はピアノ学習者や愛好家に良く知られているあの曲集ですが、レーガーと彼の友人シュトラウベは、この作品に基づくオルガンのためのトリオ・ソナタを作ることを考案。両手とペダルを完全に独立させ、オリジナルのメロディに新たな対旋律を組み合わせることで、全く新しい様相を持った作品が出来上がりました。日頃聞きなれているはずの音楽が、素晴らしく荘厳に聞こえてくる様子は感動的。研究のためとは言え、ここまでするか!とため息が出てしまうほどの出来栄えです。自らの作品を生み出すために、徹底的に先人の作品を研究するこの心意気、見習うべきところも多いのかも知れません。
8.572910
ヘルムート・ヴァルヒャ:コラール前奏曲集第1集
第1番:いざ来ませ、異邦人の救い主よ
第2番:おお地よ、主に喜びの叫びをあげよ
第3番:高く戸を上げよ
第4番:真心もて、おお人の子らよ
第5番:イエス・キリストよ、汝はたたえられよ
第6番:羊飼いたちは誉めたたえ
第7番:踊れわが心8.第8番:ベツレヘムに生まれたもう9.第9番:たとえ山々が移り、丘が動いても
第10番:心からお慕いするイエスよ
第11番:主よ、みことばもて我らを守りたまえ
第12番:主よ、今馬車を止めるにも
第13番:ああ神よ、天よりみそなわし
第14番:神はわがやぐら
第15番:イエス・キリストよ、ああわれらとともに留まりたまえ
第16番今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ
第17番:われらに救いの来たれるは
第18番:わたしはあなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ
第19番:神は私の強い味方
第20番:ただ愛する神の力に委ねる者は
第21番:我ら人生のただ中にあって
第22番:たれぞ知らん、わが終りの近づけるを
第23番:平安と歓喜もてわれは往く
第24番:今ぞその日は終わりぬ
第25番:永遠の朝の輝き
ヴォルフガンク・リュプザム(Org)
※ジョン・ブロンワウ製Opus35)

録音:2011年10月23-24日イリノイ州スプリングフィールド,ファースト・プレスビテリアン教会
名オルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)は「バッハのオルガン音楽」の最高の演奏者であり、また研究者としてその名前を残しています。幼い頃の病気のため、視力がほとんどなかったヴァルヒャですが、血のにじむような努力の結果、バッハの全作品を暗記し、2度の全曲録音を完成させるという偉業を成し遂げています。そんなヴァルヒャですが、自身でも素晴らしいコラール前奏曲を数多く作曲していることはあまり知られていません。敬愛するバッハの作品を通してでなく、自らの心で神に問いかけた一連の作品は、時として斬新な和声を用いながらも、暖かく感動を呼ぶものとなっています。リュプザムの文句なしの名演で。
8.572911
ヘルムート・ヴァルヒャ:コラール前奏曲集 第2集
1.第1番:こぞりて讃えよ 主のみ民ら
2.第2番:高きみ空より よきおとずれもて
3.第3番:キリスト、神のひとり子
4.第4番:おおしたわしき主イエス・キリストよ
5.第5番:神の御子は来たれり
6.第6番:あしたに輝く、たえなる星よ
7.第7番:おおイエス・キリスト、光のわが主よ
8.第8番:主なる神をほめよ、あなたたちすべての異邦人よ
9.第9番:おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け
10.第10番:あわれなる罪人
11.第11番:イエス、あなたの受難
12.第12番:今キリストが蘇る
13.第13番:静かな喜びをもって
14.第14番:来たれ聖霊、主なる神
15.第15番:聖霊よ、わが庇護者よ
16.第16番:すべての人は心をかえて新しき道を求めよ
17.第17番:頌めよ主を 強き栄えの君を
18.第18番:われら悩みの極みにありて
19.第19番:天と地におられる神よ
20.第20番:一日が終わり、イエスよ私とともに留まりたまえ
ウォルフガンク・リュプザム(Org…ジョン・ブロンワウ製 Opus35)
録音:2011年12月2日 イリノイ州 スプリングフィールド,ファースト・プレスビテリアン教会
20世紀を代表するオルガニストとして知られるライプツィヒ生まれのヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)。彼はすぐれた教会音楽の作曲家でもありました。残された作品も数多く、NAXOS では4 集にわけて、彼のオルガン作品全集をリリースします。この第2 集は、コラール前奏曲の第2 集です。このコラール前奏曲は、バロックの伝統様式に則った、いかにもドイツらしいもので第1 集(8.572910)でもその見事さは際立っていましたが、この第2 集は、若いオルガニストの育成を目的とした教材として、対位法やペダル・ポイントの使い方に存分な注意を払ったものでもあり、音楽的な面においても、また教材としても申し分のない作品群です。もちろん根底には「神への祈り」があり、これが全ての曲を輝かせていることは間違いありません。ヴァルヒャの弟子であるオルガニストのリュプザムは、これらの作品にも深い愛着を持って丁寧に演奏しています。
8.572912
ヘルムート・ヴァルヒャ:コラール前奏曲集第3集
第1番:神の御子が船でやってくる
第2番:汝ら、愛するキリストのともがらよ、今ぞ喜べ
第3番:どのようにあなたをお迎えしましょうか
第4番:私は、ここ飼い葉桶のそばに立つ
第5番:おお、神の子羊よ、罪なくして十字架の木にかけて
第6番:キリストよ、汝神の子羊
第7番:われら汝に感謝す、主イエス・キリストよ
第8番:大いなる痛みの人よ
第9番:われらの救い主なるイエス・キリストは、死に打ち勝ちて
第10番:賛美する神は高きところに
第11番:目覚めよ、わが心よ、喜びもて
第12番:我らいま、聖霊を願い求む
第13番:主なる神、我々はすべてを称賛する
第14番:全地よ、神に向かって喜び呼ばわれ
第15番:今こそ人みなたたえ歌え主に感謝をささげよ
第16番:至高の善に讃美と栄光あれ
第17番:天におりますわれらの父よ
第18番:アダムの罪により全ては失われぬ
第19番:私は巡礼者の生涯を送る
第20番:神の名のもとにわれらは行く
第21番:わが最初の思いは称賛と感謝である
第22番:全ての朝は新しく新鮮だ
第23番:主よ汝のうちにのみ、われ望みを持ち
第24番:月は昇り
ヴォルフガンク・リュプザム(Org)
※ジョン・ブロンバウ製 Opus35

録音:2011年10月23-24日イリノイ州スプリングフィールド,ファースト・プレスビテリアン教会
20世紀を代表するオルガニストとして知られるヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)。彼のコラール前奏曲は、バッハなどのバロックの伝統を踏まえながらも、全く独自の音楽によって成立しています。表現力豊かな対位法的明快さ、そして透明性の高い響き、これらはオルガンを知り尽くしていたヴァルヒャでなくては描きだせなかった音楽です。完全なる闇の中で、常に神と対話をしていたヴァルヒャの心の中に宿ったこれらの音楽。神々しいまでの美しさと捉えきれぬ神秘的な雰囲気が漂っています。
8.572913
ヴァルヒャ:コラール前奏曲集第4集
第1番「ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ」
第2番「「聖なるキリストはよみがえり給えり」
第3番「主はわが信頼すべき羊飼なり」
第4番「楽しき祭りに胸が高まり」
第5番「わが罪で悩む時」
第6番「世が明け、わが身を供えよ」
第7番「心よりわれ汝を愛す、おお主よ」
第8番「主イエスよ、汝の不安と悲しみは」
第9番「太陽は明るく輝く」
第10番「キリスト、汝は十字架の仲間の力」
第11番「神はここまで私をもたらした」
第12番「私は知っている、わが神よ」
第13番「日にして光なるキリスト」
第14番「主なる神、われらがもとにあらずば」
第15番「目覚めよ、わが心よ」/16.第16番「おお、汝正しくして善なる神よ」
第17番「神のみわざは善きかな」
第18番「汝、その道を命じたまえ」
第19番「もろともに主をたたえよ」
第20番後奏曲ハ長調
デルベルト・ディッセルホースト(Org…ジョン・ブロンバウ製 Opus35)

録音:2012年10月9-10日イリノイ州スプリングフィールド,最初の長老派教会
20世紀の名オルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャのコラール前奏曲集第4集です。演奏家としてではなく、求道者としてのヴァルヒャ(1907-1991)の姿を知るために最適な1枚として、このシリーズは語り継がれることでしょう。ヴァルヒャのこれらの作品は、長い伝統に基いたポリフォニーの技法をバロックの様式に組み合わせ、そこに近代的な和声を施すことで、新しいオルガン音楽の可能性に気付かさせてくれるものであり、オルガンの豊かな音色の中に、常に耽溺する神への祈りの心は、聴く者に永遠の平安を与えてくれることをお約束いたします。
◆ヴァルヒャのコラール前奏曲集…既発盤第1集…8.572910第2集…8.572911第3集…8.572912
8.572914
ホルスト:コッツウォルド交響曲、他
ウォルト・ホイットマン序曲 Op.7 H42
コッツウォルド交響曲 Op.8 H47
冬の牧歌 H31
日本組曲 Op.33 H126
交響詩「インドラ」Op.13 H66
ジョアン・ファレッタ(指)アルスターO
ホルスト(1874-1934)といえば、「イギリス音楽の代表格」の作曲家ですが、実は様々な国の文化の影響を受けている人でもありました。Op.7 の序曲は1899年、彼が王立音楽大学を卒業した頃に作曲されたもので、当時の作曲仲間に刺激を受けながらも、まだ自らの独自性を開発しきれていなかったホルストらしく、思い切りワーグナーの影響が見受けられる明るく朗らかな作品となっています。また、当時傾倒していた社会主義を唱えたウィリアム・モリスに触発されて作曲したのが「コッツウォルド交響曲」であり、こちらはイギリス民謡も多様されています。それ以前の「冬の牧歌」(1897)は学生時代の習作です。アルバム中、最も注目されるのは、日本の振付師、伊藤道郎から委嘱を受けた「日本組曲」で、こちらは全編を通じて日本民謡が使われているというもの。日本人ならたまらない音楽であることは間違いありません。交響詩インドラはインド哲学からインスパイア作品。彼の父の2 度目の妻が神学者であり、その影響も多分にあることでしょう。
8.572915
トゥリーナ:ピアノ作品集第9集
セビリャの街角Op.5(1911)
組曲「ヒラルダの伝説」Op.40(1926)セビリャの通りにOp.96(1943)
コンテンプラシオン-熟考Op.99(1944)
我が家のテラスにてOp.104(1947)
ホルディ・マソ(P)

録音:2012年7月27-28日スペインヤフレ,アウディトリウム
トゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集も第9集。ステキなこれらの曲が何故あまり知られていないのか?と疑問に思うばかりですが、恐らく曲の持つ力を存分に引き出せるピアニストがマソ以外にいなかったのかも知れません。今作も何とも刺激的で魅力的な曲ばかりが集められています。アルバムに収録されている作品は作曲年の順を追って並べられており、はじめから聞いていくと彼の作風の熟成が見て取れるという趣向です。初期の作品である「セビリャの街角」は、民族的な素材をフランス風に料理した軽妙な作品。当時、印象派に影響を受けていた彼らしい音楽と言えるでしょう。それから30年ほど経過して、トゥリーナが同じセビリャの風景を音楽にした時に生じる作風の変遷は、とても見事なものであり、彼がどれほどまでに「自らの音楽」を創り上げたかが瞬時に理解できるのではないでしょうか?
8.572916
期待の新進演奏家シリーズ〜ラファエル・アギーレ/ギター・リサイタル
ヘロニモ・ヒメネス(1854-1923):「ルイス=アロンソの結婚式」より間奏曲(山下和仁編)
ドビュッシー:版画第2集〜グラナダの夕べ(C.トレパット編)
パコ・デ・ルシア(1947-):ガヒーラズ・デ・ルシア
セルジオ・アサド(1952-):スペインの印象(R.アギーレに捧ぐ)*
ドビュッシー:前奏曲第2集より「ヴィーノの門」(C.トレパット編)
マヌエル・ロペス=キローガ(1899-1988):フランシスコ・アレグレ(C.トレパット編)
アルベニス:イベリア第2集〜「トリアーナ」
ロドリーゴ:トッカータ/タレガ:グラン・ホタ
ホアキン・マラツ(1872-1912):セレナータ・エスパニョーラ(タレガ編)
録音:2011年9月7-10日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会

*=世界初録音
2007年タルレガ・ギター・コンクールで優勝したことにより、既にNAXOSからアルバムが1枚発売されている(8.572064)1984年生まれの若手ギタリスト、アギーレが一層パワーアップして戻ってまいりました。今回は2010年に開催されたアルハンブラ・国際ギターコンクールの優勝を讃えた録音ですが、彼は他にも合計13もの国際コンクールで1位を獲得していて、現代の最も有名、かつ有望なギタリストとして世界中から注目を集めています。今回のプログラムは、ドビュッシーやアルベニスを始めとした「イベリア」の影響を受けた作品を集めたという練りに練った1枚。フラメンコや闘牛など、まさに「血が騒ぐ」曲が集められています。ヒメネスの間奏曲は、山下和仁が編曲した超絶技巧を駆使したヴァージョンであり、こちらも興味深いものです。
8.572917
ストリート・ソング
ウェイン・オーキン(1977-):タワー・アセンディング
リカルド・ロレンス(1961-):エル・ムロ
マイケル・ティルソン・トーマス(1944-):ストリート・ソング
ヴォーン・ウィリアムズ:勇壮なトッカータ
ジェイムズ・モバーリー(1954-):愛の言葉
ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲
コープランド:市民のためのファンファーレ
:D・レイ・マクレラン(Cl)
エレン・リッチー(S)
アナトーリ・シェルジャコフ(P)
ジョン・P・リンチ(指)
ジョージア大学ウィンド・アンサンブル
街並みに流れる様々な音を拾い集めたかのような、楽しい管楽アンサンブルの作品集。オーキンの「タワー・アセンディング」は、建築中の高層ビルディングを描いた作品。高く昇っていく様子をクラリネットが表現し、土台となる基礎の部分の工事風景も丁寧に描いています。スペイン語の「壁」を現す「エル・ムロ」、指揮者としても名高いティルソン・トーマスによるノリの良い「ストリート・ソング」、古典的名曲、RVWの「勇壮なトッカータ」、モバーリーの思惑ありげな「愛の言葉」、ちょっと古いスタイルのストラヴィンスキーのピアノ協奏曲、そして最後はおなじみ「市民のためのファンファーレ」というプログラム。これ1枚でぶらり散歩終了です。
8.572921
ヴォルフ=フェラーリ:管楽器のための協奏曲全集
オーボエと小管弦楽のための「牧歌-小協奏曲」イ長調Op.15
コールアングレと小管弦楽のための小協奏曲変イ長調Op.34
ファゴットと小管弦楽のための「組曲-小協奏曲」Op.16
アンドレア・テナーリア(Ob)
ウィリアム・モリコーニ(コールアングレ)
ジュセッペ・チャボッキ(Fg)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)と言えば、昔大切に聴いた「オーケストラ名曲集」の中に入っていた「マドンナの宝石」序曲を思い出す人が多いかもしれません。それはカラヤンの指揮であったか、それともポール・モーリアだったか・・・。どちらにしても甘いメロディと切ないオーケストラの響きが耳に残る名曲でした。しかし、他の曲を聴いたことがある人はどのくらいいるのでしょう?イタリア人の母親とドイツ人の父親を持つ彼は、オペラで大成功を収めましたが、活動の初期と晩年には、たくさんの器楽曲も作曲し、そのどれもが素晴らしい表現力を誇っています。ここでは彼の管楽のための協奏曲を全て収録。一度聴いたら誰もが好きになること間違いありません。
8.572922
ブゾーニ:喜劇序曲 Op.38(1897)
インディアンの日記 第2集〜「幽霊の輪舞の歌」Op.47(1915)
アルレッキーノのロンド Op.46(1915)
クラリネット小協奏曲 変ロ長調 Op.48(1918)
フルートと小オーケストラのためのディヴェルティメント Op.52(1920)
踊りのワルツ Op.53(1920)
ジャンマルコ・カッサーニ(Cl)
ラウラ・ミングッツィ(Fl)
ジャンルカ・テッラノーヴァ(T)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO
イタリアで生まれ、ドイツを中心に活躍したピアニスト、作曲家、そして音楽教師ブゾーニ(1866-1924)。彼は音楽学者としても名高く、当時の音楽の潮流を的確に把握し、「新古典主義」を提唱したり、音楽の未来像として、微分音や初期の電子音楽までをも手中に収めた人でした(実際には作曲していませんが)。そんな彼ですから、作風も非常に幅広いのですが、ここでは彼の作品の中でもとりわけ「古典主義」に拠るものをご紹介いたします。明快な「喜劇序曲」や、モーツァルト的な清明さを湛えた単一楽章の「クラリネット協奏曲」、J.シュトラウス2世を思わせる楽しさと、世紀末特有の重苦しさを持ち併せた「踊りのワルツ」、などなどウィットに富んだ作品が並びます。
8.572924
アダン:バレエ音楽「ジゼル,またはウィリたち」(ハイライト)
〈第1 幕〉1.導入曲/2.葡萄収穫人の登場/3.ロイスの登場/4.ジゼルの登場/5.葡萄収穫人の再来とワルツ/6.葡萄耕作者の行進/7.パ・スル-パ・ド・ドゥ/8.ポラッカ/9.アンダンテ/10.アレグレット・ペサンテ/11 .アレグロ・アン・プゥ・ルレ/12.全員のギャロップ/13.第1幕の終曲と狂乱の場/〈第2 幕〉14.導入曲,猟師の休息と鬼火の出現/15.ミルタの登場/16.ヒラリオンの登場/17.グラン・パ・ド・ドゥ:アダージョ/18.ヴァリアシオンT:アンダンテ/19.ヴァリアシオンU:アンダンテ・モデラート/20.ワルツ/21.ウィリのアンサンブル/22.終曲/23.日の出と貴族たちの到着
アンドリュー・モグレリア(指)
スロヴァキアRSO
数多くのバレエ作品の中でも、このアダンのジゼルは物語の幻想性においても、音楽性においても、群を抜く人気を誇るのではないでしょうか?「結婚を目前に死んでしまった娘は妖精ウィリになり、森に迷い込んだ男性を死ぬまで躍らせる」というオーストリア地方の伝説を元に作られた2 幕の物語で、信じていた相手に裏切られた村娘ジゼルが息絶えるという第1 幕、彼女が妖精となって踊るという第2 幕で構成されています。このアルバムはこのバレエから聴きどころを集めたもので、聴いているだけでも詩的な気分になれること請け合いです。
8.572928
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ハイライト)
序曲/待ちの目覚め/朝の踊り/少女ジュリエット/仮面/騎士たちの踊り/マーキュシオ/アドリガル/ガヴォット/バルコニーの情景/ロメオのヴァリアシオン/愛の踊りマンドリンを手にした踊り/ローレンス僧庵でのロメオ/民衆のお祭り騒ぎ/決闘/マーキュシオの死/第2幕の終曲/第3幕序曲/ロメオとジュリエットの別れ/朝の歌/ジュリエットの葬式/ジュリエットの死
アンドリュー・モグレリア(指)ウクライナ国立SO
プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」は、当初レニングラード・バレエ学校創立200年祭で上演される予定でしたが、あまりの酷評のために契約を撤回されてしまったほどの問題作。現在の人気ぶりからは、そのような経緯は想像もできません。全曲は52曲からなりますが、このハイライト版でも聴きどころは外すことなく、この濃厚な世界を味わうことが可能です。
8.572931
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」(ハイライト)
序奏/行進曲-妖精の入場/踊りの情景/パ・ド・シックス/流麗に、三色ヒルガオの精/パンくずの精/カナリアの精-歌って/激しさの精/リラの精/コーダ
<第1 幕>ワルツ/パ・ダクション-ばらのアダージョ/コーダ/フィナーレ
<第2 幕>幻:間奏曲と情景/パノラマ/交響的間奏曲/フィナーレ
<第3 幕>結婚式:行進曲/結婚式:ポロネーズ/パ・ドゥ・カトル/銀の精のヴァリアシオン/ダイヤモンドの精のヴァリアシオン/パ・ドゥ・カトル/シンデレラとフォルチュネ王子/.コーダ/27.アポテオーズ
アンドリュー・モグレリア(指)
スロヴァキア国立PO

※8.550490-92 より抜粋
本来は3時間もの長編であるチャイコフスキーの名作バレエ。ここから聴きどころを抜粋するというのは、なかなか至難の業ですが、このアルバムはうまく名曲を抽出。この作品のテーマである「善の力と悪の力の葛藤」にはあまり触れることなく、オーロラ姫の誕生と結婚の場面を中心とした美しい流れを作り出すことに成功しています。夢のように美しい音楽は、きっと誰もが胸の奥にしまってある大切な小箱を開ける鍵となるに違いありません。
8.572932
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」ハイライト
1.序奏/〈第1幕〉/2.情景/3.ワルツ/4-8.パ・ドゥ・トロワ/9.ゴブレットの踊り/10.終曲:白鳥たちは飛び立つ/〈第2幕〉11-15.白鳥たちの踊り<テンポ・ディ・ワルツ/モデラート・アッサイ/アレグロ・モデラート/アンダンテ-アレグロ/コーダ>/16.情景/〈第3幕〉17.アレグロ・ジュスト/18.コール・ド・バレエと一寸法師の踊り/19.来賓客たちの入場とワルツ/20.マズルカ/21.情景/〈第4幕〉22.ひなどりたちの踊り/23.情景/24.終曲
ドミトリー・ヤブロンスキー(指)
ロシア国立SO

※8.555873-74からの再編盤
誰もが知っている「白鳥の湖」ですが、じっくり楽しもうとすると、2時間半の長丁場となります。しかし、このハイライトでも聴きたい場面はばっちり網羅できるのです。お馴染み「情景」(トラック16)、「小さな白鳥の踊り」(トラック13)、「マズルカ」(トラック20)を始め、一度は聞いたことがある名曲が順を追って並べられています。そしてドラマティック過ぎる「終曲」は、悲しい物語の結末を思い起こさせるに充分な音楽であることに今更ながら気付くのではないでしょうか。チャイコフスキーの死後、物語は様々に改定されてきましたが、やはりこの物語の恋人たちは来世で結ばれる形が美しいのかも知れません。
8.572939
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
交響曲第9番「グレート」D944*
ミヒャエル・ハラース(指)
スロヴァキアPO、ファイローニ室内O*

録音:1988年6月4-5日ブラティスラヴァ,モイゼス・ホール、,1994年3月ブダペスト,イタリア協会*
※8.550145&8.553096の再編成盤
シューベルトの有名な2つの交響曲です。番号の付け方については昔から様々な案があり、ここでは1951年の旧ドイチュ目録に従っています。第1曲目の物悲しいメロディで始まる「未完成」。この曲がなぜ完成しなかったかを考えるだけで、一つの映画ができてしまう程人気があるのですが、実はシューベルトは曲を完成させずに放棄してしまうことも多かったようで、交響曲だけでも、この曲を含め6曲の「未完成」があることを知っている人は少ないのでは。もう1曲の「グレート」は説明不要の名作ですが、本来はもう1曲のハ長調(6番)の交響曲と区別するために「大きな(グレート)」と出版社が名付けたのが、いつのまにか「偉大な(グレート)」という意味にすり替わってしまったということも話のネタにどうそ。
8.572944
ボッテジーニ:レクイエム(T.マーティン、J.プラッツ、P.ブロードベントによる編集版) マルタ・マテュー(S)
ジェンマ・コマ=アラベール(Ms)
アグスティン・プルネル=フレンド(T)
エンリック・マルティネス=カスティナーニ(Br)
ジョイフル・カンパニー・オブ・シンガーズ(合唱指揮…ピーター・ブロードベント)
トーマス・マーティン(指)LPO

録音:2012年2月15-16日UKヘンリー・ウッド・ホール
家が貧しかったため、音楽を学ぶために、音楽院の奨学金枠に空きのあった「コントラバス」を選択したというイタリアの作曲家ボッテジーニ(1821-1889)。結局彼がこの選択をしたおかげで、現代におけるコントラバスのレパートリーがどれほど豊かになったかはご存じの通りです。そんな彼は指揮者としても才能を発揮し、一番有名な仕事としては、ヴェルディのアイーダの世界初演を果たしたことで知られています。そんな才能溢れる彼のレクイエムは、1877年に彼の弟ルイージの死を悼んで作曲されたもので、(当時女性が教会で歌うことを許されていなかったため最初は女声なしで書かれています)、初演の一年後にはミラノの国立音楽博覧会で銀メダルを受賞するほど評判となりました。しかし、どうしてもその3年前に書かれたヴェルディの「レクイエム」と比較されてしまい、演奏機会もなくなり、1979年に蘇演されるまではすっかり忘れられてしまったのです。改めて聞いてみると、ヴェルディの作品にはないバランスの良さや繊細さなどが際立つ「隠れた名曲」であることが理解できるのではないでしょうか。
8.572977
サインス・デ・ラ・マーサ:ギター作品集
サパテアード
ラ・フロンテーラ・デ・ディオスより第2 番:瞑想曲
ロンデーナ/ペテネーラ
ラ・フロンテーラ・デ・ディオスより第1 番:夜明けと風景
4 つのオリジナル作品より第1 番:踊る人形
エル・ビート
ラ・フロンテーラ・デ・ディオスより第3 番:牧歌
ソレア
ラ・フロンテーラ・デ・ディオスより第4 番:マリア・ベレンのロマンチッロ
カスティリアの歌
ラ・フロンテーラ・デ・ディオスより第5 番:犠牲
4 つのオリジナル作品より第3 番:思い出
練習曲イ短調
セギディラ・セビィラーナ
4 つのオリジナル作品より第2 番:瞑想曲
4つのオリジナル作品より第4 番:メヌエット
カンティレーナ
フランツ・ハラス(G)

録音2012 年2 月24-26 日ドイツミュンヘン,音楽演劇大学大ホール
スペインのギタリスト、作曲家レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ(1896-1981)。彼の弟エドゥアルドも優れたギタリスト&作曲家でした。彼は10 歳からギターを始め、数多くの優れた師からギターを学び、1914 年にビルバオのアリアーガ劇場でデビュー後は、バルセロナで演奏活動を始め、リョベートを始めとしたギター関係の知己を増やしていきます。世界中に演奏旅行に出かけ、1935 年にはマドリード音楽院のギター科の教授に就任しました。彼の名声が一躍高まったのは、1940 年にあのロドリーゴの「アランフェス協奏曲」の初演でソロを務めたことであり、曲の素晴らしさとともに、彼の技巧の素晴らしさも知れ渡ったのです。彼の作品はどれもカスティーリャとアンダルシアの民謡に根差していて、刺激的であり抒情的。ギターを愛する人なら絶対外してはならない名曲の宝庫たる1 枚です。
8.572978
プーランク:無伴奏合唱作品集
7つの歌FP81(1936)
ミサ曲ト長調FP89(1937)
悔悛の為の4つのモテット(1938-1939)
クリスマスの為の4つのモテットFP152(1952)
エローラ・フェスティバル・シンガーズ
ノエル・エジソン(指)

録音:2012年10月13.14日,2013年4月7.20日カナダオンタリオ,エローラ聖ジョン教会
プーランク(1899-1963)の作風や人柄を一言で説明するのは至難の業です。何しろ、良く知られている一連の作品…「ティレジアスの乳房」やバレエ音楽、室内楽などは単純明快、軽妙、そして“エスプリ”がたっぷりと評価されています。しかし、宗教関係の作品になると、これが一転、「カルメル派修道女の対話」などのようにシリアスで深遠な作品が並ぶというわけです。彼自身、合唱曲や宗教曲については「自身の最良の部分、本来の自分に属するものをここに注ぎ込んだ」というほどに大切にしていたのです。このアルバムに収録されている合唱作品のうち「7つの歌」はアポリネールやエリュアールといった同世代の詩人のテキストを用いた短い作品で、人生の機微について語られています。他の3つの作品は宗教曲であり、これらは全て…彼の父に捧げられた「ミサ曲ト長調」も含めて、根底には彼の友人であったピエール=オクターヴ・フェルーの事故死(1936年)への追悼の思いと、彼自身の気持ちの変化が引き金となって書かれていると見られています。もちろんこの時代に書かれた曲ですから不協和音も多く使われていますが、どれも心をそっと包んでくれるような優しさが感じられるのは、エローラ・フェスティバル・シンガーズの透明な歌声のせいなのかも知れません。
8.572979
ドビュッシー:4手のためのピアノ作品集
小組曲
スコットランド行進曲(昔のロス伯爵家の人々の行進曲)(1890年第1稿)
6つの古代の墓碑銘
第1組曲(連弾版)<祭り/バレエ/夢/行進とバッカナール>
ジャン・ピエール・アルマンゴー(P)
オリヴィエ・シャズ(P)

録音:2012年3月12-14日、2012年7月4日 フランスイヴリー=シュル=セーヌピエール・マルボス.スタジオ「4'33」
1872年にドビュッシーはパリ音楽院に入学。正式に音楽の勉強を始めます。もともとはピアニストを志していた彼ですが、2年続けて賞が取れずに諦めてしまったのです。1878年からは作曲もはじめ、いくつかの曲を書きますが、1880年にあのメック夫人の伴奏者として同行し、多大なる影響を受けたことでも知られています。この当時に書かれた曲はあまり残存していないと言われていましたが、いくつかのピアノ連弾曲が2002年に発見、出版され、若きドビュッシーの姿を再現するのに一役買っていることはご存知の通りです。このアルバムでは更にレアな作品「管弦楽のための組曲」のピアノ連弾版が収録されていることに注目です。1882年から1884年頃に作曲されるもずっと演奏されることなく、2008年にようやく公開されたこの作品は、バレエ組曲のようであり、ドビュッシーのインスピレーションがフルに発揮された興味深い音楽です。どちらかといえばドリーブやラロに近い曲調ですが、至るところにドビュッシーらしさが感じられる、とても楽しい仕上がりとなっています。
8.572980
REST
バッハ:ジーグ風フーガ(原曲…フーガ ト長調 BWV577)/1928年グスタフ・ホルスト編曲,ジョン・ミッチェル補筆
ジルバートソン(1987-):徹夜祷(2007/2010)
ティケリ(1958-):レスト(2010)
ティケリ(1958-):交響曲 第1番(G.D.グリーンによる吹奏楽編)(2001/2010)/8.マッキー(1973-):アスファルト・カクテル(2009)
ブライアン・チェイニー(T)
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー
ラッセル・C・ミッケルソン(指)

録音:2011年1月29.30日、2011年2月5日、2011年2月6日
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーのエキサイティングなアルバムです。第1 曲目のフーガ(原曲はバッハ)は、もともとの付点のリズムを生かした楽しい仕上がり。オルガンのみで奏でられる原曲にカラフルな色彩が加えられています。ロシアの合唱曲から題材を得たジルバートソンの「ヴィジル(徹夜祷)」の不気味さは、心の中に潜む闇まで描き出しているようです。この作品はジルバートソンの親友ディドラファルの死を悼み、彼女に捧げられています。ティケリのアルバム・タイトルにもなっている「レスト」はサラ・ティーズデールの詩から触発された作品で、このアルバムの指揮者ミッケルソンから委嘱されたものです。同じくティケリによる「交響曲第1番」の4 つの楽章は、心の中の旅の風景を表わしているといいます。最後のマッケイの曲はなんとも小粋なもので、ニューヨークでのちょっとしたエピソードが見事な音になりました。
8.572981
ルイ・ティノコ:ラウンド・タイム(2002)
距離の深さから(2008)
探求の歌(2007)<T:終わりに向かって/U:正統性/V:日没の歌/W:くちびる-X:初期の断片>
孤独な夢想家の歌(2011)<T:書物/U:幸せな夢想家/V:任意の集まり/水の天使>
アナ・クインタンス(S)
イェリー・スー(S)
ラケル・カマリンハ(S)
ディヴィッド・アラン・ミラー(指)
グルペンキアンO

録音:2012年6月13-16日ポルトガルリスボン,カロウステ・グフベンキアン財団,グルベンキアン・アウディトリウム
※世界初録音
ポルトガルの現代作曲家、ルイス・ティノコ(1969-)による“不可思議な音の世界”にご案内いたします。フランス印象派の残滓とブラジルのジャズの香り、官能性と郷愁。これらが入り混じった音楽は、これらの曲に初めて触れた人にも強烈な印象を残すことでしょう。エキゾチックで夢幻的な音の戯れ、時折訪れる破壊的なリズム、これらが混沌とした音の中に溶け合う様子は、まるで大きな望遠鏡で銀河を眺めるかのように茫洋としたものです。ソプラノ独唱を伴う3つの作品は、それぞれ違う歌手を起用することで、味わいの違いを引き立てています。実験的な手法を用いながらも、根源的な美しさを追求するというこの作曲家の独自性が良く表れた曲集と言えるでしょう。
8.572983
大胆な私の欲望:16世紀イタリアの鍵盤音楽集アンドレア・アンティーコによるフロットラ集
1.トロンボンチーノ:大胆な私の欲望/2.トロンボンチーノ:美しき処女/3.ぼろを掴んで手を抜く-かわいい鳥-かごが壊れて牛が困っている(ヴェニス写本)/4.作者不詳:私の愛しい人、あなたの美しい瞳を征服しよう/5.マルケット:あなたが知るなら残酷は逃げる/6.トロンボンチーノ:彼女はこれ以上私のものになることはない/7.お嬢さん、私の粉ふるいを貸してあげよう/わが恋人の小舟は夜に漕ぎ出す/ベルナルドはまっすぐ立っていられない/8.愛は時に私の希望の栄えである/9.甘き怒り、甘き軽蔑/10.愛は私に何をする/11.トゥルディオン-尖った塔で愛を歌う-サルッツォの侯爵/12.キューピッドはブナの木の下で眠っていた/13.愛の美しい炎/14.私はその日に死んだ彼である/15.援助は快適/16.忙しい家政婦-かわいいフランス娘-チューブにさわって/17.この谷には愛も平和も残ってない/18.わが嘆きを聞け、天国よ/19.わが生涯が終わったと聞いて、彼女は何というだろう/20.偉大なる母-私はミラノの伯爵だ/21.私は痛みの涙で顔を浸す/22.あなたに我が物になって欲しい/23.そう、あなたは私の残して去っていく/24.もう一度彼女をよく見よう/25.ロンバードの女の子-ベルドリンの甘き心/26.天も地も沈黙している/27.あなたが私を殺しても、私は死ぬことはない/28.愛しき人、もし愛の残り火がはじけたら/29.私が僧侶になったら彼女はどうする?/30.人生の糸はとても弱い/31.馬はバリアルドに乗り-ガチョウの踊り-私の靴どめはボローニャから来る/32.太陽が大地を暖めても、彼女は私の愛を疑う/33.私は考えながら陽気に歌った
グレン・ウィルソン(ハープシコード)

録音:2014年6月シチリアモンレアル
イタリアで印刷された最古の楽譜といわれる、アンドレア・アンティーコ(1480頃-1538以降)が編纂した鍵盤音楽集です。当時のイタリアではペトルッチが楽譜印刷の占有権を有していましたが、メディチ教皇の方針により、ペトルッチからアンティーコに移したのです。彼はもともとペトルッチのライバルであり、1517年に印刷されたこの曲集は、ペトルッチの開発した活版印刷ではなく、古来からの木版印刷によるものでした。この技法は美しさを追求することはできるのですが、残念ながら正確さには欠けるため、現在の譜面に直して演奏するまでには、多くの研究が必要でした。現在、アンティコの印刷のコピーは2部だけが残存しており(当時は失敗したものは全てくずになってしまった)、これを復元するだけでも大変な作業だったようです。あのクリストファー・ホグウッドもこの曲集を現代譜に書き直すなど、この曲集に興味を抱いていますが、この録音はグレン・ウィルソン自身が監修した版を用い、全ての曲の録音を行っています。
8.572984
ロドリーゴ:ギター作品集第2集
トッカータ/祈りと踊り
遥かなるサラバンド
パストラル(J.ジューヴによるギター編)
春の小鳥/古風なティエント
3つの小品<もう羊飼いたちは行ってしまう/サンティアゴへの道/セビーリャの子供たち>
歌(J.ジューヴによるギター編)
その昔イタリカが音に聞こえ
ジェレミー・ジューヴ(G)

録音:2011年11月24-27日カナダオンタリオ,ニューマーケット,聖ジョン・クリソストム教会
「アランフェス協奏曲」のおかげで、ロドリーゴ(1901-1999)はギター音楽の巨匠であると思われている節もありますが、実際の彼はピアニストであり、ギターを演奏することはなかったと言います。そんな彼のギター独奏作品も、実はそれほど数が多いわけではありません。しかしながら、そのどれもが現代のギタリストたちにとって大切なレパートリーになっているのですから、やはりロドリーゴとギターには、堅固な結びつきがあるのかもしれません。このアルバムには、1933年に作曲されるもそのまま紛失、その後2005年に再発見された「トッカータ」を始め、幻想的で、情緒溢れる佳品が並んでいます。また、本来はピアノ曲である「パストラル」と「歌」をフランスの若手気鋭ギタリスト、ジューブ自身がギター用に編曲した2作品も聴きどころです。
8.572985
フィビヒ:管弦楽作品集
交響曲第1番ヘ長調Op.17
管弦楽組曲「故郷の印象」Op.54
マレク・スティレック(指)
チェコ・ナショナルSO

録音:20112年2月6-7日プラハCNSO第1スタジオ「ギャラリー」
チェコの作曲家、ズデニェク・フィビヒ(1850-1900)は、同胞であるスメタナやドヴォルザークと共に、チェコ国民楽派の創世期を築いた人として知られています。確かに、自作にチェコ民謡や民族舞曲のリズムを取り入れたり、チェコの伝説に基いたオペラ「シャールカ」を作曲するなど、その作風は極めてチェコ風味が漂うものですが、実際に彼が生きた時代のボヘミアはオーストリア帝国の支配下にあったことや、母親がドイツ人で、ライプツィヒ音楽院で学んだことなども重ね合わせると、彼の音楽からはどうしてもドイツ・ロマン派、それもシューマンの強い影響が感じられても仕方ありません。そんな彼が1877年から取り組んだ交響曲第1番は、まさにシューマンらしい重厚さを有した名作です。組曲「故郷の印象」は1897年から98年にかけて書かれた曲で、各々にタイトルが付された描写的な側面も持っていますが、交響曲としても成り立つ力作で、これは次代のチェコの作曲家たちに大きな影響を与えたことでも知られています。
8.572986
トニー・バンクス:管弦楽のための6つの小品
サイレン*/静かな領海/バラード#
野生の巡礼/神託/黄金の都市
チャーリー・シーム(Vn)#
マーティン・ロバートソン(アルトSax)*

ポール・イングリッシュバイ(指)プラハ市SO
2004年、あのトニー・バンクス(1950-)がNAXOSから管弦楽作品「セブン」(8.557466)をリリースした時は、世界中に衝撃が走ったものでした。確かに彼が作り上げたジェネシス・サウンドは、分厚い和音を駆使した攻撃的でシンフォニックなもの(ショスタコーヴィチやマーラーの影響を受けているとも)で、前作「セブン」でも実際のオーケストレーションこそ行わなかったものの、彼が描きたかった音世界がそのまま表現されているものでした。今回の新しい作品は、様々なイメージが喚起される6つの小品で、この中には誘惑や旅、英雄、試練など、わくわくするような要素が詰まっているといいます。この構想は、ジェネシスが最後のツアーを終えた2007年にはもう芽生えていたといい、次々と湧き上がるアイデアがこのような壮大な作品になりました。全ての人の期待通りの名作誕生です。
8.572987
PATER NOSTER
1.作者不詳:天にましますわれらの父よ
2.シュッツ(1585-1672):諸々の天は神の栄光を語り
3.ミコライ・ジーレンスキ:天の神を誉め讃えよ
4.ジョスカン・デ・プレ(1455-1521):天にましますわれらの父よ
5.ウィリアム・ヘンリー・ハリス(1883-1973):新の光は神聖なもの
6.パレストリーナ:教皇マルチェルスのミサ曲-サンクトゥス
7.シュッツ:天にましますわれらの父よ
8.バード(1540-1623):目覚めていよ
9.ハスラー(1564-1612):主にむかいて新しき歌をうたえ(カンターテ・ドミノ)
10.ストラヴィンスキー(1882-1971):天にましますわれらの父よ
11-14.プーランク:アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り
15.オルランド・ディ・ラッソ:主よ、われらの主
16.デュリュフレ:天にましますわれらが父よOp.14
17.ウッド(1866-1926):主よ、すべての者の目は
18.パレストリーナ:私は命あるパンである
19.タヴナー(1944-):主の祈り/20.パーセル(1656-1695):主よ、われらの罪を思い出したもうことなかれ
21.ビクトリア(1548-1611):わが民よ
22.バーンスタイン:ミサ曲-主の祈り
23.ファラント(1525-1580):主よ、あなたの優しい慈しみをもって
24.オルランド・ディ・ラッソ:主よ、あなたに私の魂をお捧げします
25.作者不詳:天にましますわれらの父よ
キングズ・シンガーズ

録音:2012年3月23-24日アメリカナッシュヴィル,化身のカテドラル
「われらが父よ・・・」この2つの言葉は、キリスト教の最も知られた祈りの言葉であり、イエスが弟子たちに教えた言葉でもあります。その弟子たちは数え切れないほど多くの人々にこの言葉を伝え、何世紀にも渡って祈られ続けています。このアルバムは父であり、また神である「主への祈り」が25編収録されています。その時代は様々ですが、人々の深い思いは何時の時代も変わることがありません。2009年度のグラミー賞を受賞したキングス・シンガーズによる、えも言われぬ美しい響きは心の底に溜まったいろいろなものを全て洗い流してくれるでしょう。
8.572991
トーニ:ピアノ作品全集第2集
カプリッチョ第4番「オクターヴ」(1969)
カプリッチョ第5番「ベッリーニへのオマージュ」(1987)
カプリッチョ第6番「シルヴァーノ・ブソッティの名による格言」(1991)
6つの前奏曲Op.21(1944)
コラール・パルティータ集第1巻Op.29(J.S.バッハによる)(1949)
15.セレナータ第1番Op.10(1940)
アルド・オルヴィエート(P)

録音:2013年3月11-13日イタリアヴェニス.ファンダツィオーネ・ジョルジオ,サラ・デリ・アラッツ
※世界初録音
イタリアの作曲家カミロ・トーニ(1922-1993)。彼は教師としても優秀であり、次々と素晴らしい音楽家を世に送り出したことで知られています。18歳の時に初のピアノ曲「セレナータ第1番」Op.10を作曲したトーニ。この作品が彼の芸術的発展に決定的な転換をもたらしたのです。無論この時代に生まれただけあって、初期の作品と言えども、シェーンベルクの12音の影響を受けた渋いものでした。彼がシェーンベルクの作品を初めて出会ったのは19歳の時。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが演奏する幾つかの作品でしたが、その中でOp.25の小品はトーニに強い印象を与えたと言います。「それは魅力的であるというよりも、恐怖に近いものだった」とまで語る彼。その後はこの12音システムを拡大し、自身のアイデアを付け加え、ここで聴けるようなユニークな音楽を創り上げたのです。
8.572990
トーニ:ピアノ作品全集第1集
3つのカプリッチョOp.38(1954.1956.1957)
マリアのために(ピアノ版)(1982)
アフォリスマ-格言(1985)
マーラー:交響曲第5番第4楽章「アダージェット」(C.トーニによるピアノ編)
コラール・パルティータ第2番(バッハ:オルガンのためのコラール前奏曲第5番による)(1976)
3つの前奏曲Op.28(1947)
リチェルカーレOP.28b(1947)
ファンタジアOp.25
アルド・オルヴィエート(P)

録音:2012年7月16-18日イタリアヴェニス,ジョルジオ・チーニ財団小劇場ホール
※世界初録音
カミロ・トーニ(1922-1993)は20世紀イタリア音楽界の中でも代表的な人物の一人であり、現在では彼の名を冠した国際コンクールも開催され、こちらは名ピアニストへの登竜門として素晴らしい役割を果たしています。彼はシェーンベルクから多大なる影響を受け、1951年から1957年までダルムシュタットの音楽祭に参加、そこでは偶然音楽にも興味を抱いています。とはいえ、初期の作品は古典的なものを踏襲しており、難解で緻密な書式はなかなか興味深いものになっています。また、このアルバムにはバッハとマーラーの2つの作品を編曲したものが含まれていて、ここにはトーニが目指した音楽の到達点が表出されているかのようです。マーラーの「アダージェット」からは、頽廃的な響きはすっかりそぎ落とされ、まるで血潮が滴る筋肉を見せつけられる思いがしますが、これはバッハからシェーンベルクに至る間に、音楽が纏ってきた衣や贅肉をそぎ落とすという、彼が行った実験の結果なのかもしれません。トーニのピアノ曲シリーズは全4枚が予定されています。
8.572993
アンソニー・ジラール:痴愚神礼讃
痴愚神礼讃-クラリネットとピアノのためのソナタ
オルフェウスの結婚-クラリネット,チェロとピアノのためのトリオ
寒い夜の恐怖-クラリネット・ソロのための
生命の輪-ピアノのための24の前奏曲
:ジュヌビエーブ・ジラール(P)
ジャン・マルク・フェサール(Cl)
ファブリース・ビアン(Vc)

録音:,2010年7月12-13日、2011年8月31日 パリ地域圏立音楽院マルセル・ランドウスキ・アウディトリウム
アンソニー・ジラール(1959-)は現代フランスにおけるもっともユニークな作品を送り出す作曲家のひとりです。彼はフォーレ、ドビュッシーから連なる伝統を受け継ぎ、そこにミニマリズムと東洋の神秘的な要素を付け加え、独自の音楽を作り出します。彼の音楽はタイトルもとても凝っていて、例えば「痴愚神礼讃」は16世紀にロッテルダムのエラスムスが書いたエッセイのタイトルを借用していますが、それだけではなく神秘主義教団へのオマージュでもあり、ミニマル的な音楽は聴き手の正常な思考を麻痺させるかのようなものでもあります。「詩的で謎めいた」感触はこのアルバム全てを支配していて、どの曲も味わい深い余韻を残しつつ、音は消えていきます。
8.572996
ブラームス:ドイツレクイエム マリン・オールソップ(指)
ライプツィヒMDR放送Cho&SO
アンナ・ルチア・リヒター(S)
ステファン・ゲンツ(Br)

録音:2013年4月11-14日
ドイツ ライプツィヒ,ゲヴァントハウス 大ホール
演奏しているのは、既にブラームスの交響曲全曲をリリースしているオールソップ。美声で知られるステファン・ゲンツと1990年生まれの新鋭ソプラノA.L.リヒターのソロが、ライプツィヒMDRRSOと合唱団の渋い音色に花を添えています。
8.572997
リチャードソン:チェンバロ作品全集
パヴァーヌと変奏曲ニ短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
ガイヤルドと変奏曲ニ短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
パヴァーヌと変奏曲ト長調-短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
ガイヤルドと変奏曲ト短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
パヴァーヌ.イ短調/ガイヤルド.イ短調
アルマンド
リュートのためのパヴァーヌとガイヤルドニ短調(F.リチャードソンによるハープシコード編)
アルフォンソ・フェッラボスコ1世(1543-1588):ファンタジア(ハープシコード編)
バード(1543-1623):「おやすみ、わたしの可愛いいとし子よ」(チェンバロ編)
ハーディング(1550-1626):ファンタジア(チェンバロ編)
ホルボルン(1545-1602):ガイヤルド「女王の新年の贈り物」(チェンバロ編)
パラディソ(1570頃):ファンタジア(チェンバロ編)
トランペット
ウェイクフィールド・オン・ア・グリーン
ラ・ミ・レの上で
前奏曲(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)
ストロージャー(1560-1575頃):ファンタジア
グレン・ウィルソン(ハープシコード)

録音:2013年5月8-11日ドイツルクハイム、シュッツバウ
フェルディナンド・リチャードソン(1558-1618)は、イギリスの音楽の歴史の中で、とりわけ注目すべき人物の一人でした。1575年に「これまでイギリスで出版された宗教曲」の最初の重要なコレクションが登場し、これは大きなセールスを誇りました。“CantionesSacrae”と題されたこの曲集は、トーマス・タリスやウィリアム・バードの作品が含まれており、美しい装丁も相俟って多大な人気を呼んだと言われています。この曲集の編纂に関わったのが若き貴族リチャードソンでした。彼はタリスの弟子であり、卓越した演奏家、作曲家でもありました。またエリザベス1世の宮廷でかなりの影響力を有しており、彼によって数多くの作曲家の作品が存続することになったのです。もちろんここで聴くことのできる自作もなかなか素晴らしいもので、自身の作品は、あの有名な「フィツウィリアム・ヴァージナル・ブック」にも収録されているほどでした。ここでは彼が編曲した同時代の作品も楽しむことができます。
8.572998
マルコ・アントニオ・カヴァッツォーニ(1490頃-1560頃):鍵盤音楽全集 他
1.作者不詳:リチェルカーレ 第34番-インタブラチュア・リュート 第1巻より
(グレン・ウィルソン編)
2.ジャコモ・フォリアーノ(1468頃-1548):リチェルカーレ
カヴァッツォーニ:ボローニャのマルカントーニオによるリチェルカーリ・モテッティ・カンツォーニ 第1巻より
3.リチェルカーレ 第1番
4.Salve Virgo
5.リチェルカーレ 第2番
6.O Stella Maris
7.Perdone moi si je folie
8.ヴィラールト(1490頃-1562):リチェルカーレ 第14番(ムジカ・ノーヴァ)
9.カヴァッツォーニ:Madame vous aves mon cuor
10.ジュリオ・セーニ(1498-1561):ムジカ・フィクタのためのリチェルカーレ
11.カヴァッツォーニ:Plus ne regres
12.ジローラモ・カヴァッツォーニ(1525頃-1577以降):リチェルカーレ 第3番(1543)
13.カヴァッツォーニ:Lautre jor per un matin
14.ジローラモ・カヴァッツォーニ:リチェルカーレ 第20番(ムジカ・ノーヴァ)
15.カヴァッツォーニ:リチェルカーダ((Castell’Arquato)
16.ブルネル(1564頃没):リチェルカーレ・ソプラ「Cantai mentre ch'i arsi」(Cipriano de Rore)
17.ヴェッジオ(1510頃-1543以降):第1旋法のリチェルカーダ
18.パラボスコ(1524頃-1557):Da pacem Domine(ムジカ・ノーヴァ)
19.メルーロ(1533-1604):第4旋法のリチェルカーレ(Libro Primo,1567)
グレン・ウィルソン(ハープシコード)

録音:2017年2月20-23日
16世紀イタリアは鍵盤音楽の発展が目覚ましく、数多くの重要な作曲家が鍵盤のための作品を書いています。しかし現存する多 くはオルガンのための作品であり、ハープシコード作品はほとんど残されていません。 しかし演奏家ウィルソンが文献を注意深くあたったところ「オルガンのための」と記されていても、実はハープシコードで演奏するための 曲集であったり、実際には楽器が指定されていない曲集も数多く含まれていたのだそうです。このアルバムでは、15世紀から16世 紀にかけて活躍した優れた鍵盤奏者、作曲家のカヴァッツォーニの作品を中心に収録。彼のリチェルカーレは即興的であり、そのほ とんどが当時の流行歌に基づく「小さな主題」を展開していくという手法が用いられています。これらもオルガンで演奏されるのが常 ですが、このアルバムでは原型であるチェンバロ用に復元されています。
8.572999
ピエール・アテニャン(1494-1552)によって出版された作品集
1.13のモテット-前奏曲
2.Aller my fault sur la verdure(ジャヌカン)
3.J'ay contente ma volunte(セルミジ)
4.ガイヤルド 第13番
5.Au joli bois je rencontray m'amye(ヴィラールト)
6.パヴァーヌ 第23番:バッロ-ガイヤルド 第24番:サルタレッロ「Bel fiore 美しい花」
7.Aupres de vous secretement demeure(セルミジ)
8.ブランル 第16番:Branle simple
9.A mes ennuis que si longtemps je porte
10.Vignon, vignette
11.D'ou vient cela (セルミジ)
12.ガイヤルド 第32番
13.Celle qui m'a tant pourmene
14.ブランル 第14番
15.Puisqu'en deux cueurs y a vraye union
16.組曲:ガイヤルド 第4番Branle de Poitou-Branle commun
第5番:Branle simple - Branle gay 第6番
17.Magnificat sur les huit tons: Prelude sur chacun ton
18.Ma bouche rit et mon cueur pleure(デュボワ)
19.パヴァン 第31番-ガイヤルド 第2番:サルタレッロ"La Svizzera"
20.Jouyssance vous donneray, mon amy(セルミジ)
21.13のモテット-アスピス-ドミネ
22.Dessus le marche d'Arras(ヴィラールト)
23.ガイヤルド 第29番
24.Mon cueur en vous a s'amour commence
25.ガイヤルド 第11番
26.Contre raison vous m'estes fort estrange(セルミジ)
27.ガイヤルド 第7番古いパッサメッツォのガイヤルド
28.Il est jour dit l'alouette(セルミジ)
29.ガイヤルド 第22番バッセ・ダンス
30.Le departir de cil qui tant l'aymoye
【16世紀のフランスの鍵盤作品集】
31.クーラント(未完)[published by G. le Be, Bibliotheque
nationale de France, Paris]
32.シャンソン:Quant j'eu cogneu en ma pensee
(サンドラン)[Munich Manuscript 2987]
33.マグニア:ファンタジー-コストリー:ファンタジー
(開始部の断片) [J. Cellier Manuscript]
34.作者不詳:パヴァン、新しいパッサメッツォ [J. Cellier Manuscript]
35.グロット:ファンタジー 4 sopra Anchor che col partire
36.作者不詳:Fantasie sur l'air de ma Bergere
- Pavane de [Luis de] Aranda [Aberdeen Manuscript, pi
7841 Arc]
37.コーロワ:ファンタジー 39番
38.コストリー:Seigneur Dieu, ta pitie s'estende dessus moi
グレン・ウィルソン(Cemb)

録音:2018年5月22-25日
ピエール・アテニャンは最初に活字を用いて楽譜を出版した人とされています。もともとパリで出版業を営んでいました が、1531年に初めて鍵盤音楽曲集を出版、1537年にフランスの「王室音楽出版人」に任命され、以降、ほぼ 500曲、7つの曲集を出版しました。現在はその1部ずつだけが保存されています。ミュンヘンのバイエルン図書館に は、6冊が保存されているものの(本来は7冊のところ“1冊は1963年以来行方不明”と鉛筆で書かれているとのこ と)、どれもが複製版であるため、譜面には数多くの誤りがあり、演奏するためには丹念な修正が必要でした。アテ ニャンの出版譜に記された音楽のほとんどは作曲者の名前が記されておらず、現在でも作者不詳のままですが(アテ ニャンの作ではないだろうと推測されている)恐らく、フランスからイタリア、フランドルに至る広範囲の作曲家の作品が 収録されているであろうと考えられています。グレン・ウィルソンは譜面の誤りを修正したうえで、この魅惑的な作品集 を紹介しています。

8.573001
クシシュトフ・メイエル:弦楽四重奏曲集 第3 集
弦楽四重奏曲 第7番 Op.65(1985)
弦楽四重奏曲 第10番 Op.82(1994)
弦楽四重奏曲 第13番 Op.113(2010)
ヴィエニャフスキSQ
【ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(Vn)
ミロスラフ・ボチェク((Vn)
レフ・バラバン(Va)
マチェイ・マズレク(Vc)】

録音:2011年11月3日、2010年11月4日、2010年11月24-25日
1943年、ポーランドのクラコフ生まれのメイエル(1943-)の弦楽四重奏曲 第3 集です。第1 集(8.570776)と第2 集(8.572656)で、その刺激的な響きに耳が驚いた人も多いことでしょう。この第3 集にも不思議な音楽が充満しています。第7番は単一の楽章で構成され、素材の扱いと対位法が工夫された作品です。4 台の楽器の対話が見事であり、時には力強いユニゾンで畳み掛けるように進んでいきます。第10番は伝統的な4 楽章で書かれていますが、想像の通り内容は一筋縄では行きません。5 楽章からなる第13番は、楽章ごとの表情の変化に耳を傾けてみてください。緊密に関連付けられたモティーフが形を変えながら、せわしない音型の上で歌われていくフィナーレには、ぞくぞくするような面白さがあります。
8.573003
ヴィヴァルディ:カンタータ集
カンタータ「エルヴィーラの麗しい面影から遠く離れて」RV680
カンタータ「見つめた時に」RV650
カンタータ「ため息をついて何になろう」RV679
12-15.カンタータ「美しいぶなの木陰で」RV649
カンタータ「何ゆえかくもたおやかに」RV681
ディアドラ・モニハン(S)
アンサンブル・ノタ・ヴェラタ
[クレール・ダフ&アニタ・ヴェドレス(Vn)
マルヤ・ゲイナー(Va)
イーファ・アスラオイチ(Vc)
デイヴィッド・アダムス(ハープシコード)]

録音:2012年12月13-15日,2013年1月8日,2月5.7.11.13.15日アイルランドダブリン,ビーチパーク・スタジオ
現在、カンタータというと主に合唱作品のことを指すことが多いのですが、17世紀後半から18世紀前半のイタリアでは、レチタティーヴィとアリアからなる独唱と通奏低音のための歌曲のことを指し、オペラのアリアのような自由度を持たせることをせず、人間の魂や肉体を擬人化して描くことで、独特の世界観を表す作品として知られていました。ヴィヴァルディ(1678-1741)はこのスタイルの作品を40曲ほど書いたとされ、そのどれもが表情豊かな声部と充実した器楽パートを持っています。声はまるでヴァイオリンのように自由に扱われ、ヴァイオリンも声のように歌い、これらは時にはスリリングに、また時には繊細に歌い交わすことで聴き手を強く魅了します。もちろん要求される技術は非常に高く、歌手にはベルカント時代のコロラトゥーラとはまた違ったテクニックが求められます。
8.573002
クリスマスの吹奏楽
クロード.T.スミス(1932-1987):「神の御子は今宵しも」による交響的前奏曲
伝承曲:グリーンスリーブス(A.リード編)
ホルスト:クリスマスの朝(L.ディーン編)
スパーク(1951-):冬物語
ブロートン:イン・ザ・ワールド・オブ・スピリッツ
ホルスト:こがらしさむく(R.W.スミス編)
ヒグドン(1962-):ミステリアム
リード(1921-2005):ロシアのクリスマス音楽
L・アンダーソン:そりすべり
スコット・A・スチュワート(指)
エモリー・シンフォニック・ウィンズ

録音:2011年7月7-9日アメリカジョージア,シュウォーツ・センター・フォー・パフォーミング・アーツ
冒頭の、あのおなじみのクリスマス・キャロルが高らかに響く時、胸がわくわくしない人はいないのではないでしょうか。エモリー・シンフォニック・ウィンズは、エモリー・ウィンド・アンサンブルとアトランタ青少年ウィンド・シンフォニーのメンバーで構成された団体です。各々の曲は、前述の通りどれも良く知られたものですが、彼らの手にかかると、全てが新しく、新鮮な衣装を纏って立ち現れます。アルフレッド・リードの「ロシアのクリスマス」はまさにシンフォニック・バンド界の古典とも言える曲で、この素晴らしい演奏は聴き手にとっても、またこれからこの曲を演奏しようとする団体にとってもまたとない贈り物となることでしょう。
8.573004
カセッラ:組曲ハ長調Op.13
戦争の記録Op.25bis(管弦楽ヴァージョン1915,1918)
管弦楽のための協奏曲Op.61(1937)
※世界初録音
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
最近注目を集めている、イタリアの近現代を代表するカセッラ(1883-1947)の、3つ時代の作品をおなじみヴェッキアとローマSOの演奏でお届けいたします。あまりにも多様性に富んだ彼の作風は、一貫して捉えることが難しいのですが、そこが却って魅力的であり、聴いてみるまでは、どんな音楽が飛び出してくるのかわからないところに胸が躍るというわけです。比較的初期に書かれた「組曲」は、彼が敬愛していたマーラーの響きの模倣が至るところに現れます。もともとはピアノ連弾のために書かれた「戦争の記録」は、彼が見た無声映画にインスピレーションを受けて書かれたものであり、短いながらも興味深い作品で、管弦楽版が初演された際は大絶賛されたといいます。「協奏曲」は、彼を長い間崇拝していた指揮者メンゲルベルクから委嘱された作品です。新古典派というよりも、バロック時代の合奏協奏曲に近いもので、各々の楽器が見事な役割をはたしています。ここには完成された世界があります。
8.573005
カゼッラ:へび女・パルティータ
序奏,アリアとトッカータOp.55(1933)*
ピアノと小管弦楽のためのパルティータOp.42(1924-25)
《歌劇「へび女」Op.50(1928)-交響的断章》
第1章<第1曲:アルティドール王の夢の音楽/弟2曲:インターリュード/第3曲:グエッリエラの行進曲>
第2章<第1曲:シンフォニア/弟2曲:前奏曲/第3曲:戦い-第5曲:終曲>
ユ・ソンヒ(P)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO/

録音:2011年10月16-17日ローマヴィア・コンキリアツィオーネ,アウディトリウム…1-3,2012年3月25-26日ローマヴィア・コンキリアツィオーネ,アウディトリウム…7-12,2011年6月27-28日ローマOSRスタジオ…4-6

*=世界初録音
最近人気が急上昇中の作曲家の一人、カゼッラ(1883-1947)。NAXOSでも相次いでのリリースとなります。カゼッラの音楽を聴く喜びの一つには、圧倒的な音響効果にあると言えましょう。彼が強い影響を受けたマーラーをも凌駕するほどの厚みのあるサウンドと精緻な対位法やプロコフィエフやストラヴィンスキーを思わせる新古典派的な音の動きは、聴けば聴くほどに興味を誘うものです。今回の3つの作品も面白いものばかりで、世界初録音となる「序奏〜」は、まさに擬古典主義の音楽で、まるで映画音楽ばりの冒頭から引きこまれること間違いありません。諧謔的な楽しさに満ちたパルティータと、オペラ「蛇女」からの交響的断章も聴きどころたっぷりです。この「蛇女」はカルロ・ゴッツィの原作からなる寓話劇で、あのワーグナーのオペラ「妖精」も同じ原作からなるものです。精緻なオーケストラの響きを楽しみたい人にぜひオススメしたい1枚です。
8.573006
ゲディーニ:アーキテクチャ・コントラプンクト他
管弦楽のための協奏曲「アーキテクチャ」(1939-1940)
コントラプンクト-対位法(1960-1961)
海の小品とバッカナーレ(1933)
パオロ・キアヴァッキ(Vn)
リッカルド・サヴィネッリ(Va)
ジュセッペ・スカリオーネ(Vc)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音:2011年7月11-15日ローマOSRスタジオ…1-10,2011年10月23-24日ローマアウディトリウム・ディ・ヴィア・コンキリアツィオーネ(11-12)
※8-12…スタジオ&ステレオ初録音:
レスピーギ、カゼッラ、マルトゥッチを始めとした「イタリア近代音楽」に於いて、彼らの右にでるものはいないであろう、ローマSO&ラ・ヴェッキアのコンビによる最新盤は、知られざるイタリア近代作曲家フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965)です。前述の作曲家たちよりも少しだけ後の世代に属するゲディーニは、最初トリノで学び、1911年からボローニャでエンリコ・ボッシから教えを受けます。作曲家、指揮者として名声を上げつつ、トリノ、パルマ、ミラノそれぞれの音楽院で作曲を指導、その弟子にはアバド、ベリオ、カツティリオーニなどがいるという優れた指導者でもあります。パルマにいた頃の作品である「アーキテクチャ」は7つの部分で構成された活発な音楽。バロック音楽からのインスピレーションを近代的な和声で処理した興味深い作品です。他の2作品もオーケストラの能力を限界まで要求する難易度の高い音楽。ぜひこの魅力にはまってください。
8.573007
ズガンバーティ:「コラ・ディ・リエンツォ」序曲
交響曲 第1番 ニ長調 Op.16
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO

録音:2011年10月16-17日、 2011年12月4-5日
ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914)はイタリア人の父とイギリス人の母との間に生まれた作曲家です。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストと親交を結んだことが、彼の音楽性の方向を決定付けました。この頃のイタリアはオペラが絶頂期を迎えていて、数々の名作が生まれていたのですが、ズガンバーティは敢えて室内楽や管弦楽作品を作曲し、「イタリア器楽曲のルネサンス」とも言える潮流を創り上げたのです。何しろ当時のイタリアはベートーヴェンの英雄交響曲ですら、演奏されたことがなかったのですから…。そんな彼の音楽には、紛れもなくリストとワーグナーの影響が見て取れ、どれもドイツ風の重厚さとイタリア風の歌心が調和した魅力的な音楽となっています。地中海のさわやかな風を思わせる交響曲第1番、長い間楽譜が失われていた「コラ・ディ・リエンツォ」の序曲とも、素晴しく美しいメロディが耳に残ります。
8.573008
エルネー・ドホナーニ:交響曲第2番他
交響曲第2番ホ長調Op.40(1945/1957改編)
3つの歌Op.22(1912)*〜「2つの歌」〜ウィリアム・コンラッド・ゴモル(1877-1951)のテキストによる<第1番:神/第2番:太陽への憧れ>
エヴァン・トーマス・ジョーンズ(Br)
フロリダ州立大学SO
アレクサンダー・ヒメネス(指)

録音:2013年3月1-3日フロリダ州立大学,ルビー・ダイヤモンド・コンサート・ホール
*=世界初録音
ハンガリー屈指の音楽家で、その孫に世界的指揮者として知られるクリストフ・フォン・ドホナーニを持つエルネー・ドホナーニ(1877-1960)。ダルベールに学び、ベルリンでピアニストとしてデビュー。その後はヨーロッパ全土で演奏旅行を行い高く評価された人です。教師としても優れていて、1905年から1915年まではベルリン高等音楽学校で教え、1919年には一時的にブダペスト音楽アカデミーの院長も務めています(政治的圧力でその年のうちに解任)それほどの人なのに、自作の演奏にはあまり積極的ではなかったようで、現在でもあまり彼の曲を聴く機会はありません。この交響曲第2番は、第二次世界大戦で荒廃を極めたハンガリーが復興していく時期に書かれたもので、激しい爆撃をかいくぐった都市の姿を彷彿させる堂々とした輝かしい楽想に満ちています。作風は後期ロマン派に属するものであり、この時期の作品に拘わらず調性も付されていますが、曲の要所要所には新古典派的な面持ちも垣間見えます。変奏曲形式を持つ第4楽章には、バッハのコラールのメロディが埋め込まれ、様々な形で「死と生」について語りかけます。最後には「生きること」が勝利し高らかに曲を閉じるというものです。2つの歌曲は神への賛歌と、闇を克服する夜明けが描かれており、ここでもドホナーニの世界観をつぶさに知ることができるはずです。
8.573009
ヴィヴィアン・フォン:ヴァイオリン協奏曲(2010-2011)
プリペアド・ピアノのための「面影」(2006)
ピアノ協奏曲「ドリームスケープ」(2009)
クリスティン・リー(Vn)
コナー・ハニック(P)
アンドリュー・シル(指)
メトロポリス・アンサンブル
カナダのエドモントンに生まれ、現在はニューヨークに住む女性作曲家、ヴィヴィアン・フォン(1975-)。彼女の両親はベトナム生まれの中国人亡命者であり、もちろん彼女もアジアの影響を強く受けていることは間違いありません。このアルバムに収録された3つの作品は、インドネシアのガムラン音楽に起源を持ち、東洋と西洋の文化が見事に融合された響きをみせてくれています。完成されたばかりのヴァイオリン協奏曲は、彼女の良き理解者であるヴァイオリニスト、リーのために作曲されたものです。2009年に「ピアノ協奏曲」が初演された時にリーがコンサート・マスターを務めていて、その時に意気投合したという二人。このヴァイオリン協奏曲を作曲する際も、連れだってバリへ行き、様々な要素を吸収してきたのだとか。2006年に書かれたプリペアド・ピアノのための「面影」は、明らかにジョン・ケージからヒントを得ている曲ですが、その響きは多彩であり、ゲーム音楽に慣れた現代の人の耳には、却って懐かしささえ感じさせる音かもしれません。
8.573010
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集第3集
弦楽四重奏曲第7番変ホ長調
弦楽四重奏曲第5番イ長調Op.13
カルペ・ディエムSQ
<チャールズ・ウェザビー(第1Vn)
ジョン・エウィング(第2Vn)
コリン・フジワラ(Va)
クリスティン・オストリング(Vc)>

録音:2010年12月18-20日アメリカアイダホ,ボイジーオーディオ・ラボ
作曲をチャイコフスキーに、ピアノをニコライ・ルビンシテインに学んだタネーエフ(1856-1915)。彼は素晴らしいピアニストであり、師であるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のモスクワ初演を行う程の腕前の持ち主でした(第2番の世界初演も担当している)。また対位法の理論家でもあり、正教会の聖歌も作曲するなど多彩な才能の持ち主でした。彼の作風は驚くほど保守的で確固たる構造を持ち、とりわけ弦楽四重奏曲の早い楽章は、モーツァルトやベートーヴェンに匹敵するほどのシンプルさを有しています。とは言え、緩徐楽章では溢れんばかりの抒情性に満ちていて、「ロシア的な美しさ」を堪能することができるものです。第7番は、実は初期の作品であり、1880年に彼がパリに滞在していた頃に書かれたもの。簡素な美しさの中に、一筋縄ではいかない音の動きが見え隠れします。
8.573011
ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド他
ベルリオーズ:イタリアのハロルドOp.16(F.リストによるヴィオラとピアノ編)
リスト:忘れられたロマンスS132/R467a
クルト・ロジャー(1895-1966):アイリッシュ・ソナタOp.37*
フィリップ・デュークス(Va)
ピエール・レーン(P)

録音:2012年5月3-5日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
*=世界初録音
1833年、パリで「幻想交響曲」を聴いて感動したパガニーニが、ベルリオーズに委嘱して書かれたと言われるのが、この「イタリアのハロルド」です。曲はもともとジョージ・バイロンの長編詩「チャイルド・ハロルドの巡礼」の場面に着想を得たものであり、第1楽章で独奏ヴィオラが提示する「ハロルドの主題」は形を変えて全曲に現れます。パガニーニは、ヴィオラの超絶技巧を生かした華やかな曲を期待していたのですが、結局はパガニーニの意に沿うことがなく、結局ベルリオーズは当初の企画を若干変更して、ヴィオラ付きの交響詩として仕上げました。この演奏は、その原曲のオーケストラ・パートをフランツ・リストがピアノ伴奏版に書き換えたという、これまた興味深いものです。もう1曲のアイリッシュ・ソナタを書いたのはクルト・ロジャー。シェーンベルクに師事した作曲家ですが、抒情的な作風を見せています。フィリップス・デュークスのヴィオラは芯のある音色ととろみのある響きが魅力的。
8.573014
アイアランド:教会音楽集
テ・デウム ヘ長調/ベネディクトゥス
聖餐式 ハ長調/私の歌は愛が不明
哀しきロマンス(オルガン独奏)
夜の礼拝 ハ長調
救いの主はハレルヤ
4 つの無伴奏キャロル
それ以上のことはできない
私は信頼している/最も素晴らしいもの
カプリッチョ(オルガン独奏)
賛美の島/24-25.夕べの礼拝 ヘ長調
チャールズ・ハリソン(Org)
アリック・プレンティス(指)
リンカーン大聖堂Cho

録音:2012年2月6.7.27.27-29日 UK リンカーン大聖堂
スコットランド系のイギリスの作曲家、ジョン・アイアランド(1879-1962)の流麗かつ清冽な宗教曲集です。彼は生涯を通じてかなり作風が変化した人で、始めはドイツ・ロマン派の影響を受け、印象派、新古典派を通り抜け、またイギリス音楽の伝統に立ち返るという大きな流れがありますが、宗教曲の分野においてのスタイルの変化はあまりなく、教会音楽の旋法による素で静かな作品を数多く残しています。一時期チェルシーの聖ルーク教会の楽長兼オルガニストを務めたことがあり、その時期の作品は名作として現代でも歌い継がれています。
8.573015
ピーター・ブレイナーの編曲によるチャイコフスキー:管弦楽組曲
組曲「スペードの女王」Op.68<トムスキーのバラード「昔々ヴェルサイユにて」/ゲルマンのアリオーソ「私は彼女の名前を知らない」/ロシアの踊りとロマンス/リーザのアリオーソ「昼も夜も、彼だけ」/トムスキーの歌と賭博師の合唱「彼らは不幸な日に立ち会った」/ゲルマンのアリアとフィナーレ「あなたは今日、私は明日」/ゲルマン「美しき女神よ!」>
.組曲「ヴォエヴォーダ」Op.3<マリア・フラシエーヴナ「兵隊はドアの上においた」/バストリューコフのアリア「早く燃やせ、赤い空に」/オリューオナとドゥブローヴィン「私を信頼せよ、愛しい人」/ドゥブローヴィンのアリア「沈黙は私のひどく苦しめられた心」/ヘイ・ガールの踊り/序曲-フィナーレ>
ピーター・ブレイナー(指)
ニュージーランドSO

録音:2012年2月9-10日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
NAXOSレーベルが誇る、スロヴァキア生まれの作曲家、指揮者ピーター・ブレイナー。彼による一連の編曲作品はどれもが色彩豊かで、時には原曲を上回る(!)面白さを備えた素晴らしいものばかりです。たとえばあの「ゴー・バロック」シリーズや、ヤナーチェクの作品など、どれも聴き手を一瞬に魅了する力を備えていて、ファンも多いアルバムです。チャイコフスキーについては、以前、ピアノ曲の「四季」のヴァイオリンと管弦楽編(8.553510)や、歌曲の編曲集(8.225921)なども存在しますが、今回は「スペードの女王」と「ヴォエヴォーダ(地方長官)」のオペラからのアリアを管弦楽用に編曲し、また新しい魅力を見せてくれています。序曲以外はあまり知られていない「ヴォエヴォーダ」にこんなステキな曲があったとは。まさに目からウロコの音楽集です。
8.573016
NBD-36
(Blu-ray Audio)
ムソルグスキー(ピーター・ブレイナー編) :展覧会の絵
死の歌と踊り<子守歌/セレナード/トレパーク/司令官>
子どもの家
ピーター・ブレイナー(指)
ニュージーランドSO

録音: 2012 年2 月7-9 日ニュージーランド ウェリントン,マイケル・フォウラー・センタ
お馴染みの楽曲をバロック風に料理した「ビートルズ・ゴー・バロック」や「クリスマス・ゴー・バロック」など、気の利いたアレンジで人気の高いマルチ・アーティスト、ピーター・ブレイナーの新たなオーケストレーションによる「21 世紀の『展覧会の絵』」がお披露目となりました!誰もが知るこの名曲中の名曲をより現代的なサウンドに生まれ変わらせています。ただし特殊な楽器やプログラミングは使用せず、伝統的なオーケストラ編成の範疇で創意工夫を凝らしたもの。主に木管楽器と打楽器を拡張し、アイディア溢れるコンビネーションで誰も聴いたことのない『展覧会の絵』を描き出しています。特に『ビドロ』『カタコンベ』『キエフの大門』などのどっしりとした曲では打楽器が強調され、そのまま大作映画のスコアに転用できそうなスケール感を演出。 他では決して聴くことのできない「エクストリーム・ムソルグスキー」を是非体感してください!
8.573017
マックスウェル=デイヴィス:チェロと管弦楽のための「ストラスクライド協奏曲」第2番(1987)
チェロとピアノのためのソナタ「セクエンツィア・セルペンティゲナ」(2007)*
2つの平野から「舞曲」(V.チェカンティによるチェロとピアノ版)(1977/1988/2007)*
無伴奏チェロのための「マレンマのヴィットリオ」による小さな曲(2008)*
ヴィットリオ・チェカンティ(Vc)
ブルーノ・カニーノ(P)
ピーター・マックスウェル=デイヴィス(指)RAI国立SO

録音2006年9月13日イタリアトリノ,RAIオーディトリアム・ライヴ
2012年5月10-11日イタリアアゼッロ,レジストラツィオーネ・ディ・ヴァルター・ネリスタジオ

※4-11…世界初録音
マックスウェル=デイヴィス(1934-)の「ストラスクライド協奏曲」とは、スコットランドのストラスクライド社から作曲を委嘱された10曲からなる協奏曲のシリーズのこと。1987年から1996年にかけて作曲され、各々オーボエ、チェロ、クラリネット、フルート、コントラバス、ファゴット、ホルンとトランペットの二重協奏曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、木管六重奏と管弦楽の合奏による協奏曲として書かれています。曲調は全体的に渋めであり、決して一般受けするものではありませんが、この作曲家が好きな人にはたまらない世界観が広がっています。チェリストのチェカンティは作曲家の親しい友人であり、「セクエンツィア・セルペンティゲナ」も舞曲もチェカンティなしには成立しません。最後に置かれた小さな曲はまさにチェカンティのためのものであり、彼のプライヴェートな演奏会(バッハの無伴奏組曲第6番)が終わったあと、マックスウェル=デイヴィスが、アンコールピースとして手書きで譜面を作成したという微笑ましいものです。
8.573019
カゼッラ&トゥルキ:弦楽四重奏曲集
カゼッラ:弦楽のための協奏曲 Op.40(1923)
 5 つの小品 Op.34(1920)
トゥルキ(1916-2010):コンチェルト・ブレーヴェ(1947)
ヴェネツィアSQ
[アンドレア・ヴィオ(第1 ヴァイオリン)/アルベルト・バッティストン(第2 ヴァイオリン)/ジャンカルロ・ディ・バクリ(Va)/アンジェロ・ツァニン(Vc)]

録音: 2012年8月21-22日
2012年11月7-8日
20 世紀のイタリアにおいて、「弦楽四重奏曲」というものを復興させるのは並大抵のことではなかったようです。何しろ当時の聴衆たちはひたすら歌劇に夢中であり、器楽作品…交響曲のような大掛かりな作品ですら…ほとんどの人は見向きもしなかったのですから。そのため、当時この国を旅行した音楽家や雑誌執筆者は「イタリアでは『ヨーロッパ的な音楽』を鑑賞することができない」と嘆き、とりわけその分野での最高峰とも言える弦楽四重奏は存在すらも許されないかのような状況だったのです。そんな中でミラノとフィレンツェに「四重奏協会」が設立され、ヴェルディが会長になるべくオファーを受けたのですが、残念ながら彼は断ってしまいます。しかしカゼッラを始めとした器楽復興運動を擁護する人たちの手によって、少しずつ素晴らしい作品が生まれ、いつしか他の国に負けない作品が書かれるようになったのでした。
8.573020
マシュー・ロック:ブロークン・コンソート第1部他
トリプラ・コンコルディアより組曲ト長調
《ブロークン・コンソート第1部》
組曲第1番ト短調
組曲第2番ト長調
組曲第3番ハ長調
組曲第4番ハ長調
組曲第5番ニ短調
組曲第6番ニ長調
トリプラ・コンコルディアより組曲ホ短調
ウェイワード・シスターズ
<ベス・ウェンストローム(バロック・ヴァイオリン)/アン・ティンバーレイク(リコーダー)/アンナ・ステインホフ(バロック・チェロ)/ジョン・レンティ(テオルボ)>

録音2012年7月22-25日カナダオンタリオ、聖ジョン・クリソストム教会
あのヘンリー・パーセルに強い影響を与えたと言われるイギリスの作曲家ロック(1621頃-1677)の作品集です。彼はイギリスで初めてオペラを作曲し、また劇音楽の分野でも素晴らしい作品を残しています。ここで聴ける室内楽作品は、リネサンス時代の作風を基調にしながらも、新しいものを取り入れた当時としては斬新な音楽。「ブロークン・コンソート」とは様々な楽器を含むグループで演奏する音楽の意であり、各々の楽器が野心的に活躍する表情豊かな組曲です。こんな優雅な作品を書き、イギリス王室からも重用されたロックですが、性格はかなり攻撃的で嫉妬深かったとか。時としてぐいぐい攻め込んでくるメロディはそんなところにも起因しているのでしょうか。演奏はNAXOSが主宰した、2011年アメリカ・古楽レコーディング・コンクールの優勝団体ウェイワード・シスターズによるものです。
8.573021
タンスマン:ピアノ作品集
古風な様式による舞踏組曲(1929)
バラード第1番(1941)/バラード第2番(1941)
バラード第3番(1941)/アラベスク(1930)
5つの印象(1934)
8つの歌「J.S.バッハへのオマージュ」(1949)
エリアンヌ・レイエ(P)

録音:2013年1月.5月.7月ベルギー,ティアンジュリサイタル・スタジオB
ポーランド、ウッチ出身のアレクサンドル・タンスマン(1897-1986)。しかし彼の活動の場はもっぱらフランスであり、パリで知り合った芸術家たちに大いなる影響を受け、一時は「六人組」に誘われるほどにこの地に溶け込んだ人でした。ただ、ユダヤの血をひいていたため、1941年にはアメリカに亡命せざるを得なく、戦後にパリに戻った時にはすでに時流に乗り遅れてしまい、またポーランド音楽の研究を始めたという興味深い変遷を辿ることになるのです。このアルバムにはそんな彼らしい、多くの影響や共鳴を感じさせる様々なスタイルを持つピアノ曲が並んでいます。ネオ・バロック様式で書かれた「組曲」は個人的な告白よりも当時の流行を追求したものでしょう。「アラベスク」は詩的な内容を持つ曲が並べられています。この夜想曲はショパンよりもスクリャービンよりの雰囲気を持っています。ロマン派よりも新古典派の作風に近い「5つの印象」、タンスマンの内なる声とも言える、悲劇的な様相を持つ「3つのバラード」。そしてルービンシュタインに捧げられた「8つの歌」はバッハヘのオマージュです。
8.573022
エボニー・アンド・アイヴォリー〜クラリネットとピアノのための作品集
セルバン・ニチフォア(1954-):アンドリュー・サイモンのための2つの舞曲(2003)
ヨゼフ・ホロヴィッツ(1926-):2つのマジョルカの小品(1956)
ホロヴィッツ:クラリネットとピアノのためのソナチネ(1981)
ホロヴィッツ:馴染みのある主題によるディヴァージョンズ(1997)
ルトスワフスキ:舞踏前奏曲(第3稿:クラリネットとピアノ版)(1955)
アーノルド・クック(1906-2005):クラリネット・ソナタ変ロ長調(1959)
アーノルド:クラリネットとピアノのためのソナチネト短調(1951)
アンドリュー・サイモン(Cl)
ウオーレン・リー(P)

録音2012年11月21-23日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
20世紀から21世紀、新しい時代に書かれたクラリネット作品集です。ベルギーの作曲家ニチフォーによる冒頭の「2つの舞曲」からとんでもなく魅力的。ジャズ?民謡?ジャンル分けは不可能。まるで音符一つ一つが躍り出すかのような楽しい音楽です。ウィーン生まれのホロヴィッツは、多くの作品を生み出した作曲家であり、映画音楽の分野でも名高い人です。「ソナチネ」はすでにクラリネットの標準的なレパートリーとして定着していますが、他の2つの作品も息を呑むほどに美しいものです。ルトスワフスキの作品はもう少し前衛的でユニークなものです。ポーランド民謡を元にしながらも、各所に細密な音がはめ込まれています。「極めてヒンデミット風」なクックの曲、陽気で活発なアーノルドの曲と、様々なスタイルが楽しめるクラリネット好きなら外せない1枚です。
8.573023
期待の新進演奏家シリーズ/ウラディーミル・ゴルバッチ:ギター・リサイタル
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季(S.アサドによるギター編)
D・スカルラッティ:ソナタ 変ロ長調 K441(S.ソボルによるギター編)
 ソナタ ロ短調 K87(C.ジュリアーニによるギター編)
 ソナタ ロ短調 K27(E.フィスクによるギター編)
 ソナタ ト長調 K431(R.オーセル編)
ジュリアーニ:ロンドデット
アセンシオ:内なる思い
ウラディーミル・ゴルバッチ(G)
8.573024
21世紀スペインのギター曲集第1集
エドゥアルド・モラレス=カソ(1969-):ウルカヌスの鍛冶場(2009)
サルバトーレ・ブロトンズ(1959-):2つの新しい提案Op.121(2011)*
ダヴィッド・デル・プエルト(1964-):春風(2009)
カルロス・クルス・デ・カストロ(1941-):セクエンツァ・セファルディタ(2010)*
リカルド・ルロルカ(1962-):ヘンデリーナ(G.H.ヘンデルの主題による変奏曲)(2011)*
レオナルド・バラダ(1933-):カプリチョス第8番「アルベニスの抽象化」*
オクタビオ・バスケス(1972-):組曲:ノストス(2009)*
アダム・レヴィン(G)

録音:2012年9月16-19日カナダオンタリオ,ニューマーケット,聖ジョン・クリソストム教会
*=世界初録音
スペインの近代ギター曲を集めたシリーズが始動します。全4巻。ある意味「型破り」の曲も含まれます。第1集は数々の受賞経験もあるギタリスト、アダム・レヴィンの演奏です。スペインは1936年から1975年に渡って独裁体制を維持していたフランコ政権の圧政に苦しめられていましたが、芸術家たちは、アメリカで「文化や教育を通じて世界各国の相互理解を高めるために」設立されたフルブライト・プログラムを通じて助成金を受けたりと秘かに進化を続けていました。それゆえ、1970年代終わりからの復興運動には目覚ましいものがあり、スペイン音楽は急速に進化を遂げたのです。この7人の作品は、そんな歴史を乗り越えて21世紀に書かれたもので自由な息吹が感じられる見事なものばかりです。
8.573025
期待の新進演奏家シリーズ/セシリオ・ペレーラ
ポンセ:前奏曲/バレー/ジーグ
 ソナタ第1番「メキシカーナ」
ブローウェル(1939-):ソナタ
フリオ・セサール・オリーバ(1947-):タンゴマニア*
ビンセンテ・エミリオ・ソーホ(1887-1974):ベネズエラの5つの小品
ポンセ:3つのメキシコ民謡のカンシォーネ<鳥小屋/わが心は君のため/ラ・バレンティーナ>
セシリオ・ペレーラ(G)

*=世界初録音
2011年のミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクール優勝者、セシリオ・ペレーラのリサイタル・アルバムです。彼は1983年にメキシコのユカタン州で生まれ、9歳からギターを学び始めました。12歳の頃には幅広いレパートリーを習得、キューバでピアノも学び、総合的な音楽家としての資質を開花させるべく2005年からはヨーロッパにも留学し、多彩な音楽様式を身に着けた人です。このアルバムでは彼が最も得意とする南米の音楽を演奏。ポンセやブローウェルを始め、ソーホの「ベネズエラの5つの小品」と世界初録音となるオリーバの「タンゴマニア」と言う選曲は、この若者の将来を指し示すかのように光り輝くばかりの美しさと柔軟性を誇っています。
8.573026
期待の新進演奏家シリーズ/スルジャン・ブラットギター・リサイタル
ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり
レグレンツィ(1822-1872):練習曲第8番ト長調
タルレガ:前奏曲第1番ニ短調
 前奏曲ニ短調「エンデチャー」
 前奏曲ニ短調「オレムス」
 ロジータ/アラビア風奇想曲
シュチェパン・シュレック(1914-1986):トロバトール・スリー
アルベニス:マヨルカOp.202
ブリテン:ジョン・ダウランドによる夜想曲Op.70
スルジャン・ブラット(G)
1986年クロアチア生まれのギタリスト、スルジャン・ブラットは8歳でギターを始め、ザグレブの音楽アカデミーを主席で卒業し、権威あるコンクールを数多く制覇しています。彼はクロアチアの現代音楽を得意とし、専門的な論文を書き、また大規模なコンサートも開いています。このアルバムは2011年のタルレガ国際ギター・コンクールの優勝記念として作成されたもので、タルレガ、ロドリーゴなどのオーソドックスなレパートリーから、ブリテンやシュレックなどのモダンな曲まで、見事に弾きこなしています。磨かれた技巧はもちろんのこと、明るい音色から陰鬱な音色まで、本当に多彩な響きを駆使する人です。
8.573027
W.F.バッハ:鍵盤のための作品集第4集
2台のハープシコードのためのソナタ(コンチェルト)ヘ長調F.10/BRA12
ソナタ.ハ長調F.1b/BRA2a
ソナタ.ヘ長調F.202/BRA10
ソナタ.ニ長調F.3/BRA4
ジュリア・ブラウン(ハープシコード)
バーバラ・ベアード(第2ハープシコード)

録音:2012年3月26-27日アメリカオレゴン大学,ビーオール・コンサート・ホール
バッハ(1710-1784)の長男であり「最も才能に恵まれた」とされるヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。しかし、ありあまる才能に溺れてしまい、努力を怠ったため、晩年は寂しくこの世を去ったという人としても知られています。そんな彼のこと、出版された作品は数が少ないのですが、どれも、感情の迸りが素晴らしい幻想的な作品として、愛好する人が多いのです。残された作品を見てみると、初期の作品は父の影響が強く感じられますが、少しずつ自由度が高くなり、彼の初の出版作品である「ニ長調」のソナタは、あまりにも複雑過ぎて、アマチュア愛好家たちの手には到底負えない難曲となってしまったためか、それ以降のソナタは敬遠されてしまったとも言われています。同時代からは背を向けられてしまった彼の作品ですが、今の私たちにとっては素晴らしい贈り物であることは間違いありません。
8.573028
アルメニアン・ダンス
バーンスタイン:歌劇「キャンディード」序曲(グランドマンによる吹奏楽編)
バッハ:ファンタジア.ト長調BWV572(J.ボイドによる吹奏楽編)
クロード・スミス(1932-1987):エンペラータ-演奏会用序曲(1964)
ジア=イン・ジアン-Chiang,Chia-Ying(1973-):風を追って
アルフレッド・リード:アルメニアン・ダンス<[パート1]
ショスタコーヴィチ:祝典序曲(ハンスバーガーによる吹奏楽編)
ジョン・ボイド(指)
台湾ウィンド・アンサンブル

録音:2011年4月25-28日台湾台北、KHSホール
2004年に結成された「台湾ウィンド・アンサンブル」は日本の秋山紀夫氏を芸術監督とし、台湾全土の名管楽器奏者、および音楽学校の教授たちをメンバーとして、地元の作曲家の作品をはじめ、新作からよく知られた曲を遍く演奏している団体です。このアルバムでは古今東西の名曲をセレクトし、刺激的で活力あふれる演奏を披露。バーンスタインやショスタコーヴィチでの先鋭的な響きから、自国の作曲家の作品までを見事に表現しています。日本でも人気の高いリードの「アルメニアン・ダンス」がどのように奏されているかも大変興味深いところです。
8.573029
NBD-0031
(Blu-Ray Audio)
プロコフィエフ:交響組曲「1941年」Op.90(1941)
交響曲第5番 変ロ長調 Op.100
マリン・オールソップ(指)サンパウロSO

録音:2011年8月26-31日ブラジルサラ・サンパウロ
1944年に作曲された「交響曲第5番」は、プロコフィエフの最大傑作の一つとされています。これは、当時、ヒトラー率いるドイツ第三帝国が、一方的にソ連に攻め入ることで祖国愛に目覚めたというプロコフィエフが、自ら持てる音楽の力で、祖国に貢献すべく作曲した作品であり、構想からわずか1 か月でピアノ・スコアが完成、そこから1 か月でオーケストラのスコアが完成したというのですから、その創作意欲には並々ならぬものがあったのは間違いありません。ピアノやハープ、充実した打楽器群を含む3 管編成のオーケストラで奏されるこの作品、最初は静かに始まりますが、曲が進むにつれ、少しずつ盛り上がり、暴力的なスケルツォを経て、第3 楽章の葬送行進曲風の音楽へと進み、最終楽章で音楽は最高潮に達します。いささか唐突に終わるのは、人類に対して何かを問いかけているのかもしれません。交響組曲「1941年」は、その先駆けとなった独ソ戦争勃発を契機として書かれた作品。オールソップの冷徹な指揮が曲全体を引き締めています。
8.573030
冬の光〜クリスマス合唱コレクション
チルコット(1955-):それが真実(2010)
伝承曲:ガブリエルのメッセージ(J.ラスボーン編)(1991)
スウェーリンク:今日キリストはうまれた
M.プレトリウス(1571-1621):エサイの根より(J.サンドストレーム編)
ハウエルズ(1892-1983):子守歌を歌う(1920)
ヴィレット(1926-1998):聖母賛歌(1954)
チルコット:甘い歌だった(2010)
聖歌より「ひとり父の心を」(D.ウィルコックス編)
G.ガブリエリ(1555-1612):今日キリストは生まれた
チルコット:喜びそして晴れやかに(2010)
デイヴィス(1869-1941):ベツレヘムの小さな町(1920)
アームストロング・ギブス(1889-1960):ドアの鍵
アダン:オー・ホーリー・ナイト(F.ウェスト編)
ダーク(1888-1976):木枯らしの風ほえたけり
ジャクソン(1962-):幼子キリスト(2009)
ラター(1945-):降誕のキャロル(1971)
ピアポント(1822-1893):ジングルベル(B.パリー編)
チルコット:クリスマス・タイド(1997)
レイク(1947-):ぼくはファーザークリスマスを信じた
ラスポーン(1957-):キャロル・メドレー(1993)
マーティン・フォード(Org)
スーザン・ウェイトン(S)
アリシャ・パターソン(S)
ポール・ロバートソン(T)…
フローナ・マックウィリアムズ(S)
アレックス・ブロウハム(A)
ダニエル・バージェス(T)
マシュー・ウッド(Bs)
ヴァザーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2012年2月10-12日UKケント,トンブリッジ・スクール・チャペル
ジャクソンのレクイエム(8.573049)で、複雑なハーモニーを見事に表現していたヴァザーリ・シンガーズ。1980年に結成されたこの団体は、ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを有する英国でも有数の室内合唱団の一つです。このステキなアルバムは、現代英国のを代表する合唱作曲家ボブ・チルコットが2010年に作曲したキャロル組曲「クリスマスの夜」を中心に、ルネサンスの名曲やへ現代曲をバランス良く散りばめると言う、とても凝ったコンセプトとなっています。この1枚を聴きとおすことで生まれ出るストーリー。これも一緒に味わえるクリスマスの贈り物です。
8.573031
期待の新進演奏家シリーズ/マリアンナ・プルジェヴァルスカ・ピアノ・リサイタル
ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII:6
D.スカルラッティ:ソナタ.イ短調K175/L429/P136
 ソナタ.ト長調 K125/L487/P152
 ソナタ.ト短調 K450/L338/P422
 ソナタ.ニ短調 K213/L108/P288
 ソナタ.ヘ短調 K365/L480/P112
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11
サラーテ(1972-):オーガスターナ
マリアンナ・プルジェヴァルスカ(P)
1982年生まれ、6歳からピアノを学び9歳でデビュー。1992年に家族とともにスペインに移住し、ラ・コルーニャ音楽大学でピアノを学びます。その後英国王立音楽大学、インディアナ大学サウスベント校、イェール音楽大学で研鑽を重ね、数多くのコンクールで入賞経験を持つ若手女性ピアニストです。このアルバムは2011年にスペインで開催された「ハエン賞国際ピアノコンクール」の優勝記念として作成されたものですが、彼女の名前は、2010年に日本で開催された2つノコンクール、「高松」と「仙台」ですでにおなじみ。伸びやかで美しい音色と、詩情溢れる表現力には、輝かしい将来が見えてきます。
8.573032
「ベニーを待ちながら」〜ベニー・グッドマンを讃えて
プーランク:クラリネット・ソナタHP184(1962)
バーンスタイン:クラリネット・ソナタ(1941-1942)
ガーシュウィン:3つの前奏曲(J.コーン編)(1926/1987)
ストラヴィンスキー:クラリネット独奏のための3つの小品(1918)
モートン・グールド:ベニーズ・ギグ(1962/1979)
バルトーク:コントラスツBB116/SZ111(1938-1940)
ジュリアン・エルヴェ(Cl)
モード・ロヴェ(Vn)
ジーン=ヒサノリ・スギタニ(P)
イン・ライ=グリーン(Cb)

録音:2011年7月25-28日フランス,コンセルヴァトワール・ドゥ・パリ
クラリネット界の巨匠、「スウィングの王様」ベニー・グッドマン(1909-1986)。彼はスウィング・ジャズの代表的存在であり、伝説的なバンドリーダーですが、クラシック音楽にも深い愛情を注いでおり、例えばモーツァルトの「クラリネット協奏曲」などの録音も存在し、また同世代であったバルトークとは親しい友人で、このアルバムに収録されている「コントラスツ」を献呈された時は、ヴァイオリニストのシゲティとともにこの曲を録音、これはNAXOSでも聴くことができる歴史的名演として存在しています(8.111343)。そんなグッドマンに触発された作曲家は数多く、例えばバーンスタインは自作の「前奏曲とフーガ」を捧げていますし、映画音楽で知られるモートン・グールドもグッドマンの友人で、彼のために2つの作品を書いています。プーランクのソナタは厳密にはグッドマンに捧げられたものではありませんが(オネゲルの墓前に捧げられたとされる)初演はバーンスタインの伴奏でグッドマンが行っています。ガーシュウィンの「前奏曲」はジェームズ・コーンがグッドマンのためにクラリネット用に編曲したものです。
8.573033
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集(パトリック・ガロワによるフルートとピアノ版
)
ヴァイオリン・ソナタ第24番ヘ長調K376
ピアノ・ソナタ第17番変ロ長調K570
ヴァイオリン・ソナタ第25番ヘ長調K377
ヴァイオリン・ソナタ第26番変ロ長調K378
パトリック・ガロワ(Fl)
マリア・プリンツ(P)

録音:2012年6月4-6日オーストリアウィーン,カジノ・バウムガルテン
天才モーツァルトは8歳の時からヴァイオリンと鍵盤楽器(この場合はヴァイオリンが伴奏として位置づけられている)のためのソナタを書いています。これは自らが演奏するためであり、当時の貴族の子女に献呈されるなど、多分に社交的に利用するためのアイテムとして作られたものです。と言っても。このアルバムに収録された4つのソナタは成長してから書かれたもので、K376からK378までの3曲は1979年から81年頃の作品で、すでに巨匠の風格が漂う流麗で美しい音楽です。K570はもともとピアノソナタですが、作曲家以外がヴァイオリン・パートを付け加えた版が有名で、このアルバムもその版に沿って演奏されています。なんといってもガロワの演奏が素晴らしく、一味違うモーツァルトを広めるのにふさわしい1枚となっています。
8.573034
モーラン:チェロ協奏曲・セレナード他
チェロ協奏曲(1945)
セレナードト長調(1948年原典版)
寂しい水(1931?)
ホワイソーンの影(1931)
ガイ・ジョンストン(Vc)
レベカー・コーフィ(S)
ジョアン・ファレッタ(指)アルスターO

録音:2012年2月5日、2012年2月6日
UKベルファスト,アルスター・ホール
アーネスト・ジョン・モーラン(1894-1950)はイギリスの作曲家です。アイルランド家系の聖職者の息子として生まれ、幼い頃よりヴァイオリンとピアノを学び、1913年に英国王立音楽大学に入学、ここではスタンフォードに作曲を学んでいます。その後第1次世界大戦に従軍しますが、ここで頭部を負傷。これが彼の生涯に暗い影を落としたと言われています。室内楽や歌曲の分野に多くの作品を残しましたが、1945年にチェリストのピアーズ・コートモアと結婚。このアルバムの「チェロ協奏曲」やチェロソナタなどの傑作が生まれました。セレナードは1948年に書かれた大規模な管弦楽曲ですが、初演時に「長すぎる」とされ「インテルメッツォ」と「フォルラーナ」を削除、以来6楽章で演奏されてきましたが、1996年に8楽章の原典版は出版されてからは、この当初の意向による形で演奏されるようになっています。同時期のイギリスの作曲家たちと同じく、母国の民謡に大きな影響を受けたモーランらしく、素朴で印象的なメロディが次から次へと溢れ出してくる美しい音楽です。刺激的な「さびしい水」、ホワイソーンのマドリガルに基く「ホワイソーンの影」は初期の作品であり、複雑な音楽言語を用いつつも、耳に優しい音楽と言えそうです。
8.573035
メルカダンテ:管弦楽作品集
ベッリーニへのオマージュ-大管弦楽のための幻想曲
特徴的なナポリの主題による第2 シンフォニア
ロッシーニの「スターバト・マーテル」の主題による大シンフォニア
クラリネット協奏曲第2番 変ロ長調 Op.101
ガリバルディ-アルプスのハンター(全てのイタリア国民に捧ぐ)による大管弦楽のためのシンフォニア
ジャンマルコ・カサーニ(Cl)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音 2012年6月3-4日
2012年7月3日
現代において、メルカダンテ(1795-1870)の名前は「オペラ作曲家」として知られています。彼の代表作は「ヴェスタの巫女」や「誓い」などのベルカント・オペラであり、ロッッシーニとベッリーニに続く作曲家として素晴らしい名声を打ち立てたのでした。しかしながら、彼は当時の他のオペラ作曲家とは違い、積極的に器楽のための作品を書いたことでも知られています。もちろんメロディ・メーカーとしての才能は比類なきものであり、このアルバムで聴くことのできる「器楽曲」にも美しいメロディが散りばめられていることは間違いありません。注目はOp.101 のクラリネット協奏曲であり、どこかモーツァルトを思わせる典雅な響きの愛くるしさには、思わず胸が高まるのではないでしょうか?一転、ベッリーニのノルマのメロディを縦横無尽に使った「ベッリーニへのオマージュ」は感動的であり、熱烈な愛国心が宿った「ガリバルディ」の勇壮さも特筆すべきものです。
8.573036
グリーディ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番ト長調(1933)
弦楽四重奏曲第2番イ短調(1949)
ブレトンSQ
<アン・マリー・ノース(第1ヴァイオリン)/アントニオ・カルデナス(第2ヴァイオリン)/イワン・マーティン(Va)/ジョン・ストーク(Vc)>

録音:スペインマドリッド,ムジクストリ・スタジオ2011年10月31日,11月1.30日、2012年2月5.6.10日
バスク地方のビトリア=ガスティスに生まれ、マドリードで学んだ後、フランスに留学。あのサティも学んだ、、パリのスコラ・カントルムでヴァンサン・ダンディに師事し、更にベルギーのブリュッセルに留学。帰国してからはバスク地方で音楽活動を行い、オペラや管弦楽曲、そしてこの2つの弦楽四重奏曲などを作曲します。また忘れてはならないのがサルスエラ(スペインのオペラの一種)で、NAXOSにもそれはそれは楽しいサルスエラ「農場」(8.557632)の録音があり、マニアをうならせていることでも知られています。そんなグリーディ(1886-1961)の弦楽四重奏曲は、賑々しいサルスエラとは雰囲気を異にする厳格で静かな音楽です。洗練されたメロディと哲学的とも言える深い音楽性の中に、仄かに漂うラテンの血の滾り。
8.573037
ブレトン(1850-1923):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 第3番ホ短調(1909)…世界初録音
弦楽四重奏曲 第1番ニ長調(1904)
ブレトンSQアン=マリー・ノース(Vn1)、アントニオ・カールデナス・プラザ(Vn2)、イヴァン・マルティン・マテウ(Va)、ジョン・ストークス(Vc)】

録音:2013年7月20,22,23,26日
数多くのサルスエラで知られるスペイン、サラマンカ出身の作曲家ブレトンの弦楽四重奏曲集。彼が活躍していた当時 のスペインは、地元の音楽家たちの尽力もあり、室内楽コンサートが定期的に開催されており、新しい作品が求められ ていました。作曲家たちは各々「どんな室内楽を書くか」について工夫を凝らしましたが、ブレトンはウィーンの伝統に 則った古典的な形式を採用、作品によって幾分かの違いはあるものの、総じてベートーヴェンを思わせるドイツ風の 整った作品を書き上げています。このアルバムには、ブレトンの最初の弦楽四重奏曲である第1番と、スペイン要素を 取り入れた、世界初録音となる弦楽四重奏曲第3番を収録。どちらも哀切な表情を湛えた緩徐楽章が印象的な美 しい音楽です。作曲家の名を冠した「ブレトンSQ」の演奏です。
8.573039
マルガレット・リッツァ:合唱作品集
アヴェ・マリア/おお、偉大なる神秘よ
言葉なき/マリアの眠り
愛の炎/おお、知識よ
キリストのおそばに
愛の神秘/来たれイエスよ
サンクトゥス・ドミヌス/おお、の鏡よ
ライジング・プレイヤー/神秘的な夜
我が瞳は我が主のもとに/
うるわしき救い主のみ母
イーモン・デューガン(指)
ガウダーテ・アンサンブ

録音:2010年1月21日、2010年7月6日
作曲者のリッツァ(1929-)はロンドンのギルドホール・スクールで音楽と演劇を25年間教えながら、数多くの録音も行っています。1997年から作曲を始めたという彼女の作品は「クラシカル・コンテンポラリー」の分野で賞賛され、数多くの聴き手に癒しの心を与え続けています。全曲に漲る生き生きとした表現としなやかなメロディは、とても御老人(失礼!)の作品とは思えません。「人間には限界など存在しない」ということを確信できるのではないでしょうか。どこかモダンで懐かしい歌の数々を心行くまでお楽しみください。
8.573040
ホフマイスター:フルート協奏曲集第2集
フルート協奏曲第16番ハ長調
フルート協奏曲第22番ト長調
フルート協奏曲第17番ニ長調
※全て世界初録音…カデンツァはブルーノ・マイアー作
ブルーノ・マイアー(Fl)
プラハ室内O

録音:2011年10月5日
2012年10月6-7日
このNAXOS盤では、フルーティストのマイアー自身がカデンツァを含む新しい版を作成し、この魅力的な作品群の普及に努めています。
8.573041
ガーシュウィン:ストライク・アップ・ザ・バンド(ハーシェン編)(1927/1987)
J.P.スーザの主題による交響曲(1994-1997)<第1楽章:ワシントン・ポスト/第2楽章:雷神/第3楽章:美中の美/第4楽章:海を越える握手>
アーヴィング・バーリン(1888-1989):ショウほど素敵な商売はない(ハーシェン編)(1954/1988)
バンドのためのディヴェルティメント
ローウェル・グレアム(指)アメリカ空軍ヘリテージ・オブ・アメリカ・バンド
アメリカ空軍バンド


録音:1989年アメリカボルティモアクラウスハール・アウディトリウム、1994年2月アメリカノーフォーク,チェリスラー・ホール、2000年1月18-22日アメリカメリーランド・ホール・フォー・ザ・クリアティヴ・アーツ
吹奏楽の分野では“知らぬ者のない”アイラ・ハーシェン(1948-)。アメリカで最も人気を誇り、また成功した名アレンジャーの一人です。彼は「トイ・ストーリー」や「スコーピオン・キング」などのハリウッド映画の名曲をバンドようにアレンジしたり、スーザの色とりどりのマーチを自由に構築し、驚くばかりの楽しさで聴かせる「J.P.スーザの主題による交響曲」(トラック2-5)を作り上げたり、と、ユニークな創作活動を行っています。この「交響曲」(とは言え吹奏楽の編成で書かれていますが)がとても面白いのです。おなじみのスーザのメロディが手を変え、品を変え現れては消えていくのですが、この過程の楽しいことと言ったら。まるで映画音楽ばりの壮大な世界観と、ひねった響き、そして何よりスーザのメロディの素晴らしさを再確認できるという、なんとも凄い1曲です。「ショウほど素敵な商売はない」のアレンジにも思わず笑ってしまうかも。
8.573042
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番&ピアノ三重奏曲他
ピアノ四重奏曲第1番ハ短調Op.15
ピアノ三重奏曲ニ短調Op.120
パヴァーヌOp.50(H.ビュッセルによるピアノ三重奏編)
ヴォカリーズ練習曲ホ短調による小品(ヴァイオリンとピアノ編)
シシリエンヌOp.78(ピアノ編)
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<マリン・ブロンマン(Vn)
ジェスパー・スヴェドベルク(Vc)
サイモン・クロウフォード=フィリップス(P)>
フィリップス・デュークス(Va)

録音:2012年5月12-14日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
8.573043
ヴィラ=ロボス:交響曲第6番「ブラジルの山の稜線」(1944)
交響曲第7番(1945)
イサーク・カラブチェフスキー(指)サンパウロSO
「ブラジル風バッハ」で知られる作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、生涯に12曲の交響曲を残しました。このアルバムはNAXOSにおける彼の交響曲全集の第1作目となるものです。1944年に書かれた第6番はエキゾチック、かつ雄大な音楽で幕を開けます。平明さを湛えながらも一筋縄ではいかない手の込んだ音は、まさに入り組んだ山並みを思い起こさせます。第2楽章の美しさも特筆すべき点でしょう。賑やかな第3楽章を経て、これまたダイナミックな終楽章へと傾れ込む見事な展開は、まさに手に汗を握るがごとしです。その翌年に書かれた第7番は、近代的な響きに彩られた野心的な作品で、ハープや打楽器を駆使した大管弦楽の咆哮は、胸を躍らせること間違いなし。20世紀音楽をじっくり語りたいなら、必ず通らなくてはいけない道と言えそうです。
8.573045
グリーグ:管弦楽作品集 第7集
故郷への帰還 Op.31(1872)
「十字軍の王シーグル」付随音楽 Op.22〜<北国の民/王の歌/ホルン・シグナルズ/序曲と第1 幕/間奏曲>
オラヴ・トリグヴァソン Op.50〜3つの情景
エドムント・ノイペルト(1842-1888):観念(E.グリーグによる管弦楽版…世界初録音)
ソロイスト・マルメ室内Cho
ルンド・スチューデント・シンガーズ
マルメ・オペラCho
マルメSO
マルメ・オペラO
ビャルテ・エンゲセト(指)

録音: 2009年5月26日
2012年6月7-9 日
このアルバムに収録された作品は、グリーグ(1843-1907)と台本作家ビョルンスティエルネ・ビョルンソン(1903 年にノーベル文学賞を受賞したノルウェーの偉大なる台本作家)が魅了されたノルウェーの歴史に関わるものです。彼らは、ヴァイキングが闊歩していた、キリスト教と古ノルド語の宗教が激しい競合を繰り返していた時代に魅入られ、いくつかの素晴らしい物語を作り上げました。「故郷への帰還」は歌劇の題材にもなっている実在の王オラヴ・トリグヴァソン(960 頃-1000)の物語。彼がイギリスからノルウェーへ戻る際、故郷の海岸を見て宗教的な幻想にかられたということをモティーフにしています。「十字軍の王シーグル」にまつわる音楽もビョルンソンによる戯曲のために作曲したもの。初演時に好評を博し、後に組曲にも再編しています。「オラヴ・トリグヴァソンの3 つの情景」は未完に終わった歌劇から取り出されたもの。最後に置かれたノイペルトの作品はビョルンソンが好んだ曲。ノイペルトの友人であったグリーグが管弦楽版に編曲したものです。
8.573047
バラダ:シンフォニア・エン・ネグロ他
シンフォニア・エン・ネグロ:マーティン・ルーサー・キングへのオマージュ(交響曲第1番)(1968)<第1楽章:弾圧/第2楽章:連鎖/第3楽章:先見/第4楽章:勝利>
 オーボエ,クラリネットと管弦楽のための二重協奏曲(2010)
コロンブス:管弦楽のための映像(1991)<パロスの港/提督!提督!/神の意志はどこにある?/インディアの夜明け>
エマニュエル・アビュール(Ob)
ホアン・エンリク・リュナ(Cl)
エドモン・コロマー(指)マラガPO

録音2012年11月21-23日スペインマラガ.オーディトリオ・デ・ラ・ディクタシオン
アメリカの偉大な人物「マーティン・ルーサー・キング」。キング牧師の名で知られるアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であり、1964年にはノーベル平和賞を受賞した人です。作曲家バラダ(1933-)は友人の紹介で1967年にキング牧師に会い、その思想と行動に強烈な印象を受けました。しかしその1年後、牧師が暗殺されるというニュースを知ったバラダはすぐに「黒人たちの解放」をモティーフにした作品を書き、偉人への思い出に捧げたのです。曲は民俗的であり前衛的で、バラダ自身の「平和への祈り」も内包された音楽です。メキシコ民謡を使った「二重協奏曲」はバラダの作品にしては、のどかな音楽。
8.573048
フェルディナント・ダヴィッド
20の技巧的練習曲(モシュレスの「24の練習曲Op.70」に基づく)
独奏ヴァイオリンのための6つのカプリースOp.9
レート・クッペル(Vn)

録音:2012年7月13日、2012年9月15日、2012年9月16日、2013年1月7日、2013年1月8日
ドイツ系ユダヤのヴァイオリニスト、作曲家フェルディナント・ダヴィッド(1810-1873)。幼い頃から神童として知られ、13歳の時にはルイ・シュポーアとモーリッツ・ハウプトマンに師事、16歳でベルリン王立劇場のヴァイオリン奏者に就任しています。その後は優れたヴァイオリニストとして活躍し、ロシア方面にも演奏旅行に出かけ、25歳のときにはライプツィヒ・ゲヴァントハウスOのコンサートマスターに就任、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の初演も彼が担うことで、メンデルスゾーンにヴァイオリンの技術やその他の助言を与えたことでも知られています。このアルバムにはそんな彼の自作を収録。ここでダヴィッドが練習曲のベースに用いたのは、彼の親しい友人であったイグナツ・モシェレス(1794-1870)の「ピアノのための24の練習曲」をヴァイオリン練習曲に置き換えるというある意味、困難な試みです。両手で鍵盤を自由に操るピアノのパッセージが、どのような形でヴァイオリンに移し変えられているか、それをつぶさに聞き比べるのも一考でしょう。「6つのカプリース」でのヴァイオリンのパッセージは、編曲という制限から逃れ、更に自由に飛翔しているかのようです。ドイツのヴァイオリニスト、クッペルは13歳でデビューし、ハンブルク、ミュンヘンのオーケストラでソリストを務め、1997年から2013年まではバイエルン放送SOのアシスタント・コンサートマスターも務めていました。確かな技術と表現力で、この難曲をぐいぐい演奏しています。
8.573049
ガブリエル・ジャクソン:レクイエム他
ガブリエル・ジャクソン:レクイエム(2008)
 全ての彼の作品に(2009)
 私は風の声(2010)
パッヘルベル:カノンによる「奇しきばらの花」(B.チルコット(1955-)による合唱編曲版)*
タヴナー(1944-):アテネの歌(1993)*
ポット(1957-):ダヴィデが聞きしとき(2008)
カール・ヘリング(G)
ジェレミー・バックハウス(指)
ヴァサーリ・シンガーズ

録音:2011年2月25-27日UKケント,トンブリッジ・スクール教会
*=世界初録音
何かを失う悲しみ。それはどんなに時が経とうとも癒されることはないのかも知れません。この2008年に書かれたレクイエムにも作曲家ジャクソンの苦悩が反映されています。しかしこの曲には「死は確かに悲しいことであるが、そこには光のイメージもあり、決して悲観すべきことばかりではない。」そんな作曲家のメッセージも込められているようです。曲が進むにつれ輝かしさを増すレクイエム。今の世界はこのような作品も必要でしょう。他にも興味深い作品が収録されていますが、英国の合唱作曲家として知られる、チルコットのトラック10の「ばらの奇跡」に注目。原曲は「カノン」ですが、声とギターによる「聖母マリアを賛美する作品」として生まれ変わっています。ここで素晴らしい歌声を聴かせるヴァサーリ・シンガーズは前作「イギリスの賛歌集(8.572504)」がGramophone誌で大絶賛されました。
8.573051
ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調Op.44
交響的舞曲Op.45
レナード・スラットキン(指)
デトロイトSO

録音:2011年11月25-27日、2012年2月9-11日
第2番(8.572458)の濃厚な演奏でおなじみ、スラットキンとデトロイトSOは、このラフマニノフの晩年の2曲にも、滴り落ちるほどにずっしりとした響きと、強いメリハリを与え、曲の持つエネルギーを光り輝く音価に転換し、聞き手につきつけます。
8.573052
アレクサンダー・ゲール:カルカソンヌへの行進、他
アダム堕ちし時Op.89(2011)*
牧歌Op.19(1965)*
カルカソンヌへの行進<行進曲/序/インヴェンション/シャコンヌ/行進曲/夜/ブルレスケ/行進曲/…カルカソンヌへの行進、迷宮>
ピーター・ゼルキン(P)
オリヴァー・ナッセン(指)
BBC響*
ロンドン・シンフォニエッタ

録音:2012年1月13日バービカン・ホール・ライブ
2011年7月1-5日BBCメディア・ヴェイル第1スタジオ
2003年5月22日クィーン・エリザベス・ホール
アレクサンダー・ゲール(1932-)は、イギリスの現代作曲家のひとり。ハリソン・バートウィスルやピーター・マックスウェル・デイヴィスとともに「マンチェスター楽派」のひとりとして、めきめきと頭角を現した人として知られています。彼の作品は透明な表現力と豊かな響きを持ち、その知的厳密さには息をのむこと間違いありません。パリではメシアンに師事していて「その独自の作風に強い影響を受けた」と自らが語っています。このアルバムではそんな彼の作風をじっくりと味わうことができます。タイトルにもなっている「Marchingto Carcassonne」は不可思議かつ異様な雰囲気を持つ作品であり、トラック1.2は名手ピーター・ゼルキンがピアノを弾くという注目曲。そして全体をまとめているのがこれまた注目のオリヴァー・ナッセン!現代曲に興味のある人必携の1枚です。
8.573053
マッケイブ:合唱作品集
3 つのマリアのキャロル(2008/1973/1964)
マンガンによる三部作(1983)
アーメン/アレルヤ(1991)
誇り高き歌い手たち(1989)
ゆり-白いバラ(2009)
朝の番(1968)/11.夕べの番(2003)
グレート・ロード・オヴ・ローズ(1967)
父なる神への讃歌(1966)
最後の偉大なるヘラルド(2008)
イアイン・ファリントン(Org)
デイヴィッド・ヒル(指)
BBC シンガーズ

録音:2009年2月19日、2010年7月2日 ロンドン ナイトブリッジ,聖ポール教会
※世界初録音…9.10.11.13
英国有数の作曲家、ピアニストであるジョン・マッケイブ(1939-)。彼の作品はほぼ全てのジャンルに及び、そのどれもが高い評価を受けています。もちろん使われている音は現代的なものですが、どこか親しみやすさも備えており、とりわけ声楽作品はわかりやすいメロディが多いせいもあり、ファンも少なくありません。このアルバムには世界初録音を含む14 作品が収録されています。作曲年代はまちまちで、ごく最近に書かれたものから、50年近くも前のものまで多彩なスタイルが混在しています。彼の音楽の変遷を感じたいのであれば、まず最初におかれた「3 つのマリアのキャロル」はいかがでしょう?16世紀の作者不詳のラテン語のテキストを含む3 つの曲は、美しく神秘的であり、マッケイブ自身も喜びをもって作曲したと語っています。その他、いろいろな機会のために書かれた合唱曲はBBC シンガースの最良の声を得て、素晴しい光を放っています。
8.573055
メルツ:ギター二重奏曲集
1.吟遊詩人の調べOp.13より「不安な心」(2台のギター版)
葬儀の挽歌<第1番:彼の最愛の人の墓の前で/第2番:私はあなたを忘れない/第3番:葬送行進曲>5.マズルカ/セレナード
トラウン湖の舟旅
協奏的第幻想曲「LaRage」
.夕べの祈り/舟歌Op.41/即興曲
タランテラOp.13/ドイツのエア
<ギター・デュオ>
ヨハネス・メラー/ローラ・フラティチェッリ

録音:2013年7月5-8日カナダオンタリオ,ニューマーケット、聖ジョン・クリソストム教会
プレスブルク(現在はスロヴァキア)の貧しい家庭に生まれたヨハン・カスパル・メルツ(1806-1856)。彼は独学でギターとフ
ルートを学び、若いうちはこれらを教えながら研鑽を積みました。1840年にウィーンに移住し、ようやくコンサートデビューを果たし、当時の皇后に認められてウィーンの宮廷ギタリストに取り立てられます。その後は持病に悩まされながらも、数々の作品を書き、またベルリン、ドレスデン、ロシアを始めとした広範囲な地域で演奏会を行い賞賛を得ました。1856年、50歳の時に心臓病で没しましたが、彼の偉業はのちのギタリストたちにも大きく影響を与えたのです。その一つに「10弦ギター」の使用があり、これはギターの音色に深みと表現力をもたらし、世界を大きく広げたのでした。ここでは彼の最も知られている「吟遊詩人の調べ」の2台ギター版や、「葬儀の挽歌」などを収録。シューベルトを思わせる素朴なメロディも、2台のギターで奏されると格別の味わいを持つものです。
8.573056
ウィンド・バンドで聴く“バーンスタイン”
バーンスタイン:J.F.ケネディ大統領就任のためのファンファーレ第1番(S.ラミン編)
歌劇「キャンディード」序曲(C.グラウンドマン編)
映画音楽「波止場」からの公共的組曲(J.ボコック編)
歌劇「オン・ザ・タウン」〜3つのダンス・エピソード(M.スミス編)
ディヴェルティメント(Cグラウンドマン編)
「キャンディード」組曲C.グラウンドマン編)
スコット・ワイズ(指)
サウスカロライナ大学ウインド・アンサンブル

録音:2011年10月20-23日サウスカロナイナコーガー・センター・フォー・ザ・パフォ
ーミング・アーツ
バーンスタインのジャンルを超えた音楽は、さまざまな分野で愛好されていますが、このアルバムでは、目も眩むような鮮やかなウィンド・バンドで聴くことができます。グラウンドマンによる編曲版は原曲のイメージを全く損なうことなく、新たな魅力を付け加えたもので、軽妙で切れ味のよい響きが新鮮です。「オーケストラのためのディヴェルティメント」はボストンSOの100周年記念のために委嘱された作品で、1980年に小澤征爾が初演し話題になりました。あれから30年を経て、曲に対する思いも、バーンスタインという存在も変化しているはず。
8.573057
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2012年6月1-3日イングランドリヴァプール・フィルハーモニック・ホール
ペトレンコの演奏は、いつものように「混迷の背景」を感じさせることのない揺るぎない演奏で、ひたすら人間の強さと戦闘の悲惨さをダイレクトに感じさせる下心のないものです。新しいショスタコーヴィチ像と言えるでしょう。
8.573058
ゴドフスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
4つの詩曲より第2番「告白」(1927/1929)
12の印象(1916)
詩的なワルツ第1番ト長調(ヴァイオリンとピアノ編)(1929)
詩的なワルツ第2番イ長調(ヴァイオリンとピアノ編)(1929)
トリアコンタメロン、3拍子による30の雰囲気と光景-第11番懐かしいウィーン(J.ハイフェッツによるヴァイオリンとピアノ編)(1920)
トリアコンタメロン、3拍子による30の雰囲気と光景-第1番タンジールの夜(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)(1920)
ナルツィン・ラシドヴァ(Vn)
ロデリック・チャドウィック(P)

録音:20122年7月13-14日UKモンマスウィアストン・コンサート・ホール
ゴドフスキーの音楽と言えば、あの複雑怪奇で豪華絢爛なピアノ・トランスプリクションを思い浮かべる人も多いことでしょう。確かに彼は「ピアニストの中のピアニスト」と呼ばれるほどに、ピアノに精通していた人です。もちろんその作品はピアノ曲が中心ですが、その中に、まるで宝石のようなヴァイオリンのための曲があるのをご存知でしょうか?それは、かのクライスラーとその妻に捧げられたという「12の印象」です。ほとんどが3分程度の長さ(例外的に第6曲が6分越え)の12の小品からなるこの曲集。そのほとんどが三拍子の甘く切ない雰囲気を持ったウィーン風。この郷愁に満ちた調べを書いた人が、あの「誰にも演奏できそうもない」ような超絶技巧のピアノ曲を書いた人とは思えないでしょう。また「懐かしいウィーン」も彼の一つの代表作です。
8.573059
コロンビアのギター音楽集
アドルフォ・メヒーア(1905-1973):バンブーコホ短調(1967)
ジョンティ・モンターニャ(1942-2011):コロンビアーナ組曲第3番*
ルカス・サボーヤ(1980-):エルネスティナ組曲(2011)*
エクトル・ゴンザレス(1961-):前奏曲,パラフレーズとフーガから前奏曲(1999)
ホセ・アントニオ・エスコバル(G)

録音:2012年9月21-24日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
*=世界初録音
ナクソスレーベルが得意とするレパートリーである「ギター作品集」の中でも、このエスコバルが演奏する「チリのギター集」(8.570341)と彼のリサイタルCD(8.555719)は、素晴らしい人気を誇っています。その理由の一つには、彼が奏するギターの音色はとても親密で甘く、ついついうっとりとしてしまうから。彼の音色は、いつも南国の風景や風の香りを想起させ、日本人の心の奥底に潜む“熱き血潮”を刺激するからなのかもしれません。そんなエスコバルの最新アルバムは、コロンビアの作品集です。アフリカやネイティブインティアンの文化を受け継ぎながら発展してきたコロンビアの音楽には、リズミカルなパワーと豊かな色彩、そしてダンスのリズムが宿っています。優雅なリズムと激しいアクセントが共存した流麗なメロディ、そしてカリブ海の特徴的なリズムパターン…どれにも心が惹かれます。モンターニャの「コロンビアーナ組曲」を中心に選曲されたこの1枚は、きっと誰もが気に入るはずです。
8.573060
フラジェッロ&ロスナー:吹奏楽のための交響曲集
1.ニコラス・フラジェッロ(1928-1994):オデッセイOp.74(1981)
2.フラジェッロ:ヴァルス・ノワールOp.45b(W.シモンズによるサクソフォン四重奏編)(1964/1992改編)
3-5.フラジェッロ:交響曲第2番「風の交響曲」Op.63(1970)
6-8.フラジェッロ:コンチェルト・シンフォニコOp.77b(M.パターソンによるサクソフォン四重奏と吹奏楽編)(1985/2004改編)
9-11.アーノルド・ロスナー(1945-):交響曲第8番「三位一体」Op.84(1988)
デヴィッド・バートマン(指)
ヒューストン大学ウィンド・アンサンブル

録音:アメリカテキサス,ヒューストン大学ムーア音楽学校2010年5月1-4日…1-5,9-11
2011年5月12-13日…6-8
※2.6-11…世界初録音
ニューヨークの音楽一家に生まれたフラジェッロと、同じくニューヨーク生まれのロスナーの吹奏楽作品集。若い頃ジャンニーニからヨーロッパの伝統を学び、ピアニストや指揮者としても活躍、バロックから現代までの音楽を幅広く取り入れた独自の作風を確立したフラジェッロの作品は、最近になって数多くのファンを獲得しています。このCDに収録された4つの作品はどれも彼の特徴を示すものですが、とりわけ「風の交響曲」の成熟したスタイルには驚かされることでしょう。サクソフォンの音色を存分に生かした2つの曲も見事です。一方、ロスナーの作品は精緻であり神秘的です。ルネサンス様式を感じさせる敬虔な気分とリズミカルな気分が錯綜する作品であり、まるで鐘の音のように炸裂するパーカッションの響きにも胸躍ります。ヒューストン大学ウィンド・アンサンブルの見事な演奏で。
8.573061
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45 クリスティアーネ・リボル(S)
トーマス.E.バウアー(Br)
ワルシャワ・フィルハーモニーCho(ヘンリク・ビョナロフスキ)
アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO

録音:2012年8月27-29日ポーランド,ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
8.573063
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ全集/第6集4手のための作品集
4手のためのソナチネハ長調Op.6
4手のためのソナタ変ロ長調Op.47
4手のためのソナタイ長調Op.160
スーザン・カガン(第1P)
ヴァシリー・プリマコフ(第2P)

録音:2012年6月12-13日ニューヨーク・シティアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
NAXOSレーベルではすっかりおなじみ、ベートーヴェンの弟子であり友人であったフェルディナント・リース(1784-1838)のピアノ・ソナタ&ソナチネ集の第6集は、彼の連弾のための3つのソナタ(ソナチネ)です。彼の作品の中におけるピアノ・ソナタは特別な意味を持つことは間違いなく、初期のものは師であるベートーヴェンの影響を受けつつも、後期の作品はロマン派の作曲家たち、メンデルスゾーンやシューマンに強い影響を与えるほどに熟成したものとなっていました。このアルバムに収録された3曲は、どれもが個性的な表情を湛えた素晴らしい音楽です。規模が小さく単純な構造を持つOp.6のソナチネの主題は、一瞬ベートーヴェンを思わせますが、もっともっと無邪気で楽しい音楽です。作曲されたのは意外に遅くリース自身のカタログによると1825年とされていますが、これは恐らく教育用に書かれているため、ことさら易しく作られているのでしょう。Op.47のソナタは1816年の作品で、リースがヨーロッパ・ツアーを成功させた後、ロンドンで新しく地位を築いた頃の作品です。1831年頃に作曲されたOp.160のソナタは「グランド(大)・ソナタ」として出版され、カール・チェルニーに献呈されました。ピアノの鍵盤を隅から隅までフルに使い、オーケストラを凌駕する厚い響きを追求。またイ長調と銘打たれているものの、音楽は長調と短調を行き来するなど、想像を遙かに超えた充実した音楽が展開されていきます。
8.573065
マイール:カンタータ「ナッソーのアリアンナ(ナクソス島のアリアドネ)」 アリアンナ(アリアドネ)…コルネリア・ホーラク(S)
バッコ(バッカス)…トーマス・マイケル・アレン(T)
テセウスとバッコスの信者たちの合唱
ジモン・マイールCho&アンサンブル
フランツ・ハウク(指&ハープシコード)

録音:2007年9月16-20日インゴルシュタットノイエス・シュロス,ファーネンザール
最近、何かと話題の作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。ヨーロッパでは彼の作品が次々と蘇演され、その精緻な音楽は古典派の音楽好きたちを唸らせています。このカンタータの素材は有名な「ナクソス島に置き去りにされうも、バッカスに助けられるアリアドネ」で、このカンタータも、アリアドネが不安を抱えながら船に揺られる場面から、最後はバッカスと愛を語り合うまでが描かれています。このアリアドネ役は、後にロッシーニ夫人となる当時の名手、イザベラ・コルブランが歌うことを前提として書かれているためか、劇的かつ超絶技巧を要求されるものですが、ホーラクは難なく歌いこなしています。演奏はマイールにかけては右に出るものなし、おなじみのフランツ・ハウクです。
8.573066
クネヒト:自然の音楽的描写、他
クネヒト(1752-1817):自然の音楽的描写-大シンフォニー(1785)
フィリドール(1726-1795):序曲集*
歌劇「庭師と殿様」序曲(1761)
歌劇「魔法使い」序曲(1764)
歌劇「トム・ジョーンズ」序曲(1765)
歌劇「蹄鉄工」序曲(1761)
トリノPO
セルジオ・ランベルト(ソロVn)
プラハ・シンフォニアO*
クリスティアン・ベンダ(指)

録音2013年1月15日イタリアトリノ,ジュゼッペ・ヴェルディ・コンセルバトーリオ・コンサート・ホール
2012年3月17日チェコプラハスタジオ・ドモヴィーナ
752年ビーベラッハで生まれ、最初はオルガンなどの鍵盤楽器とヴァイオリン、歌を学んだクネヒト。ワイマールやシュトゥツガルトで様々な活動をし、最終的には生まれ故郷に戻りオーケストラの監督として生涯を閉じました。彼はオルガニストとしても素晴らしい才能を有していて、同じ「自然」を題材にした曲を作っていますが、何より彼の名が現在残っているのは、この「田園交響曲」とも言える“自然の音楽的描写”に拠ってでしょう。この曲の存在自体は、ベートーヴェンの「田園」が語られる時に、おまけのように付け加えれらることがありますが、なかなか実際の曲を聴く機会がありません。そんなファンの方にお届けするのがこの1枚です。各楽章の標題は全くベートーヴェンそのもの。多少「嵐」の迫力が不足しているとはいえ、これはこれで興味深いものであることは間違いありません。さてベートーヴェンとクネヒトの関係はいかがなものであったのか…。これは想像にお任せいたしましょう。余白には同時代の作曲家フィリドールの序曲集が収録されています。
8.573069
海の夜明け〜英国民謡のコレクション
1.マクミラン(1959-):娘さん、私を愛してくれますか?
2.キャンプキン(1984-):恋する男と彼の彼女
3.ヴォーン=ウィリアムズ:5つのイギリス民謡〜第1番黒い目の船乗り
4.ビングハム(1952-)孤児院の少女
5.ウォーロック:ヤーマスの祭り
6.ダッガン(1963-):月の彼方に
7.グレインジャー:北方の歌-第14番わが黒髪の乙女
8.キャンプベル(1983-):吹け、南風よ
9.ホルスト:12のウェールズ民謡-第4番目覚めよ、目覚めよ
10.ビルト(1939-):おお、緑の葉の間で
11.ターンブル(1975-):スカイ島
12.バーク(1988-):ごきげんよう
13.アンドリュー(1978-):全てのものは静けさの中に
14.ベアストー(1874-1946):かしわととねりこの木
15.モーラン:水夫と若いナンシー
ヒラリー・キャンベル(指)
ブロッサム・ストリート

録音:2012年11月1-3日UKロンドンノーブリー,聖フィリップ教会
※2.4.6.8.11.12.13…世界初録音
普段は超絶難解な響きを愛するマクミランでさえ、ここではひたすら静謐なハーモニーを追求しているのには驚くばかり。それほどまでに「英国民謡」は人々の心を捉えているのでしょうか。15人の近現代作曲家たちによる各々の曲は、どれもが個性的でふくよかな表情を見せています。ヴォーン=ウィリアムズ、グレインジャー、ホルスト、ウォーロックと言った前世紀の作曲家たちの端正なハーモニーに比べ、現代に生きる作曲家たちの作品はモダンな音に彩られていますが、やはり根底に流れるのは民俗意識であり、脈々と受け継がれたイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの伝統でしょう。ここで豊かな合唱を披露している「プロッサム・ストリート」はヨーク大学の学生メンバーを主とする聖歌隊です。2003年に結成され、テレビやラジオなどで幅広く活躍、クリスマスや国の行事にはひっぱりだこになるほどの人気を誇っています。
8.573070
ジェイムズ・ウィトボーン:アンネリース(室内楽編)〜「アンネの日記」より
《アンネを読んでメラニー・チャレンジャー(歌詞)…アンネ・フランク「若き少女の日記」に基づく》
1.前奏曲/2.予告された逮捕/3.姿を隠すための計画/4.家での最後の夜と別館への到着/5.隠遁生活/6.勇気/7.逮捕への恐怖と2回目の強制侵入/8.キリエ-シンフォニア(私たちを助けて、この地獄から救い出して)/9.夢/10.外界による精神的打撃/11.時がせまる/12.解放の希望と春の目覚め/13.逮捕と強制収容所/14.アンネの瞑想
アリアンナ・ズーカーマン(S)
ウェストミンスター・ウィリアムソン・ヴォイシズ
リンカーン・トリオ
バラット・チャンドーラ(Cl)
ジェイムズ・ジョーダン(指)

録音:2012年5月14-16日アメリカニュージャージー州,プリンストン・メドウ教会
※世界初録音
「アンネ・フランクの日記」を基に、アメリカの作曲家ウィトボーン(1963-)が書き上げた合唱曲です。戦争の渦に巻き込まれた多感な10代の少女アンネ・フランクが、潜伏先であるアムステルダムの隠れ家で記した「手紙のスタイルによる」日記は、鋭い洞察力と批判精神を内包しつつも、少女らしい筆致と表現で、戦時下の不自由な生活に負けない強さが記されています。このウィトボーンの音楽は“傷つくほどに美しい”(デーリー・テレグラフ)、“丁寧で控えめな表現がこの偉大な強さを表現する”(タイムズ)と称賛されています。この日記を書いた普通の少女の将来を断ち切ってしまった戦争というものについて、もう一度思いを馳せてみたい作品です。
8.573071
クレメンティ:交響曲第1番&第2番他
序曲ニ長調
交響曲第1番ハ長調WO32(P.スパーダ編)
交響曲第2番ニ長調WO33(P.スパーダ編)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音:2011年12月29-30日ローマOSRスタジオ
「ピアノフォルテの父、演奏家、教師、出版社、ピアノ制作者」として知られるムツィオ・クレメンティ(1752-1832)。しかし彼は晩年に至るまで「交響曲作曲家」として知られたいと考えていたのです。とは言え、モシェレスが「クレメンティのシンフォニーは1820年代以降はヨーロッパの演奏会のレパートリーから消えてしまった」と語るように、クレメンティの交響曲は初期の2曲、Op.18を除いては消滅したとまで言われていました(一説によると、クレメンティ自身が「絶望の発作」で全て破棄したとも)。しかし、1921年にフランスのジョルジュ・ドゥ・サン・フォワがいくつかの未完全なスコアを見つけ出し、これを復元。4曲の交響曲と序曲、メヌエット・パストラールとして形にしたのです。当時はあのカセッラも好んで演奏したというこれらの曲は、同時代のケルビーニの作品を凌駕する溌剌とした音楽であり、忘れたままにしておくのは本当にもったいない名作です。
8.573072
カタラーニ:交響詩「エーロとレアンドロ」他
交響詩「エーロとレアンドロ」(1884)
スケルツォ.イ長調(1878)
アンダンティーノイ長調(1871頃)*
コンテンプラツィオーネ(1878)
イル・マティーノ「シンフォニア・ロマンティカ」(1874)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO

録音:2011年4月16-17日
2011年7月1-2日ローマ,OSRスタジオ
2011年7月11-13日ローマ,OSRスタジオ
2012年6月3-4日ローマ,アウディトリウム・ディ・ヴィア・コンキリアツィオーネ
*=世界初録音
カタラーニ(1854-1893)というと、悲恋オペラ「ワリー」の1曲のみで知られている作曲家と言っても過言ではありません。プッチーニやヴェルディと言った大御所の影に隠れてしまったとはいえ、その美しいメロディや劇的な管弦楽法は存分に人々の心を捉えるものであることは間違いありません。そんなカタラーニ、実はオペラ以外にもいくつかの作品を残していました。とりわけ、ギリシア神話を題材にした「エーロとレアンドロ」は1884年の夏に作曲された交響詩で、登場人物たちや情景の的確な描写と、音楽の構造の見事さが評価される作品です。塔に籠もり、愛する人レアンドロが海を泳いでくるのを待つエーロ。しかしある嵐の日、彼は波に呑まれてしまいます。彼らの逢瀬を描く音楽はまるでワーグナーを思わせる重厚なものです。これとは対照的なスケルツォイ長調は簡素で古典的な音楽。そして彼の恐らく最初の作品の一つであるアンダンティーノには、若き作曲家の野心が満ち溢れています。フランス音楽の影響が感じられるコンテンプラツィオーネ、自由な楽想が魅力的な「シンフォニア・ロマンティカ」。どれも素晴らしい作品です。
8.573073
ペトラッシ:ピアノ協奏曲・フルート協奏曲他
フルート協奏曲(1960)
ピアノ協奏曲(1936-1939)
バレエ音楽「オルランドのフォリア」から交響的組曲(1942-43)<序曲-アンジェリカの踊り(クァドロT)/アンジェリカとメドロ(クァドロU)/アストルフォの踊り(クァドロV)/グェッリラの踊り(クァドロT)>
マリオ・アンチロッティ(Fl)
ブルーノ・カニーノ(P)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音2012 年6 月22-23 日
2012 年3 月25-26 日
2012 年11 月11-12 日
イタリアの作曲家、ゴッフレード・ペトラッシ(1904-2003)。カゼッラやマリピエロ、レスピーギなどの「新音楽協会」を結成した世代より少し遅れて生まれた彼は、そのキャリアのはじめの頃は新古典主義や旋法を用いた作品を書いていましたが、時代の流れには逆らい難く、無調や十二音技法にも興味を持ち、結局はこれらをうまく融合した独自の作風を貫くことで自らの作曲語法を確立させた人でもあります。このアルバムにはフルート協奏曲とピアノ協奏曲、そして管弦楽曲の3 つのジャンルの曲が収録されていて、彼の作風の変遷を辿ることができます。早い年代のピアノ協奏曲はまさに新古典主義の音楽で、プロコフィエフやヒンデミットを思わせるものですが、フルート協奏曲は明瞭な旋律線を感じさせない茫洋とした音楽。時折聞こえるパーカッションの音色が斬新です。バレ音楽はその中庸を行くもので、このまま映画音楽に仕えそうなほど、湧き立つような音の洪水が楽しめます。
8.573074
ルイージ・マンチネッリ:ヴェネツィアの情景・クレオパトラ
組曲「ヴェネツィアの情景」(1989)
歌劇「クレオパトラ」-6つの交響的間奏曲より(1877)<第1番:序曲/第3番:戦争>
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア

録音:2011年12月18-19日、2011年11月27-28日、ローマアウディトリウム・デ・ヴィラ・コンチリアツィオーネ
19世紀から20世紀にかけて、イタリアを席捲していたのは華やかなオペラでした。そんな中「器楽音楽を復興しよう」と立ち上がったのがレスピーギやカセッラ、マルトゥッチであることはよく知られています。しかし、その少し前の世代であり、この運動を発足させた作曲家マンチネッリ1848-1921)の名前を知っている人がどのくらいいるのでしょうか?彼はボローニャ音楽院院長を経て、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の指揮者に就任。イタリア故国ではヴェルディやプッチーニよりもワーグナーとその系譜にあたる作品を積極的に紹介した人であり、作曲家としてもやはりワーグナー風の壮大な作品を何曲か残しています。とは言え、どちらかというと指揮者としての活動が高く評価されているためか(生地オルヴィエーロの歌劇場には彼の名が冠されている)その作品については、あまり耳にする機会が持てないのが現状でしょう。しかしながら、ここで聴く2つの作品は、まさにレスピーギを先取りするものであり、色彩的で活力に溢れたもの。埋もれさせておくには心底惜しい作曲家です。
8.573075
マリピエロ:ヴァイオリン協奏曲第1番(1932)
ある騎士道の物語のために1914-15/1920頃改訂)…世界初録音
ヴァイオリン協奏曲第2番(1963)
パオロ・キアヴァッチ(Vn)
ローマSO
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)

録音:2012年6月15-16日
イタリア近代の作曲家マリピエロ。ヴェネツィアの貴族の家系に生まれ、6歳でヴァイオリンを学びはじめながらも、父の浪費のために家庭が貧困に陥り音楽の 勉強を継続することができず、苦労を重ねながらモンテヴェルディやフレスコバルディのような古いイタリアの音楽を書き写すことで音楽を学んだという彼がはじ めてヴァイオリン協奏曲を書いたのは、50歳の誕生日を迎える1カ月前のことでした。それまでのマリピエロの作品の多くは、短いパッセージを並べ曲を作って いくという手法に基づくものでしたが、この曲は、長く歌うスペイン風の旋律とリズムを特徴とする快活な作品です。1933年3月にヴァイオリニストのヴィオラ・ ミッチェルとピエール・モントゥー指揮によって初演されています。その30年後に書かれた第2番の協奏曲はショスタコーヴィチやプロコフィエフを思わせる陰鬱な 作品。第1番とは違った印象を与えますが、根底に流れる抒情性は変わることがありません。世界初録音となる『ある騎士道物語のために』は、作曲者が 「Illustrazioni sinfoniche per orchestra オーケストラのための交響的描写」と呼ぶように華麗な音絵巻で、愛、戦い、英雄物語などの情景を想起さ せるサウンドが展開します。
8.573076
マイアベーア:オペラからのバレエ音楽集
歌劇「ユグノー教徒」(1836)から第3幕「ジプシーの踊り」
歌劇「悪魔のロベール」(1831)から第2幕:5人の踊り
歌劇「悪魔のロベール」から第3幕:尼僧たちのバレエ
歌劇「北極星」(1854)からダンス組曲
歌劇「預言者」(1849)から第3幕:スケートをする人々のバレエ
歌劇「アフリカの女」(1865)から第4幕「インドの行進」
バルセロナSO
ミハル・ネステロヴィチ(指)

録音2012年7月3-6日スペインバルセロナ,アウディトリ・パウロ・カザルス・ホール
マイアベーア(1791-1864)の名前には面白い逸話があるのですが、ここではそれは割愛して…。19世紀初頭のオペラ作曲家として彼はダントツの人気を誇っていました。彼の音楽は、ロッシーニに見られる「イタリア歌劇」の様式とモーツァルトを始めとした「ドイツ歌劇」の様式の良いところ取りであり、この豪華絢爛な形式が「グランド・オペラ」の元となり、フランス・オペラやワーグナーに強い影響を与えたことで知られています。1831年に初演された「悪魔のロベール」はパリのオペラ界に強い衝撃を与え、その中でも話題になったのが、この第3幕でのバレエでした。月に照らされた夜の修道院。この墓に眠る罪を犯した尼僧たちが亡霊となって踊る姿は確かに神秘的であり、この場面は、あの大画家ドガもキャンバスに描いていることでも知られています。またショパンもこのオペラに感銘を受け、曲の主題を用いてチェロとピアノための作品を書いています。そんなマイアベーアのバレエ曲。面白くないはずがありません。
8.573077
モンサルバーチェ:シンフォニア・デ・レクイエム他
マンフレッド(1945)
.ブリック・ア・ブラック(1993)
シンフォニア・デ・レクイエム(1985)
マルタ・マテウ(S)
ビクトル・パブロ・ペレス(指)
バルセロナSO

録音:2012年7月9-12日スペインバルセロナ,パブロ・カザルス・ホール
20世紀初めに活躍したモンサルバーチェ(1912-2002)。彼はスペイン有数の作曲家であり、カタロニア文化の発展に大きく寄与した人でした。作曲家としてだけでなく、バルセロナ音楽院で数多くの生徒を教え、またスペイン内戦後には新聞の音楽評論を始めるなど、積極的に活動、また映画音楽の分野でも素晴らしい作品を残していいます。このアルバムでは彼の初期の作品と円熟期の作品の両方を聴くことで、彼がどのような音を求めていたかを伺い知ることができるのではないでしょうか?学生時代からダンスに興味を抱いていた彼は、22歳で最初のパレエ音楽を作曲、それ以降もいくつかの新しい作品を作っていました。この「マンフレッド」はバイロンの詩に触発されたもので、明らかにストラヴィンスキーの影響を受けています。「ブリック・ア・ブラック」は彼の最後のオーケストラ作品で、リズムと強烈な響きに満たされた音楽です。数多い彼の宗教作の中でもとりわけ素晴らしい「シンフォニア・デ・レクイエム」に横溢する精神性にも注目です。
8.573078
失われた都市-時を超えた哀歌
チェチーリア・マクダウェル(1951-):良き主よ
パブロ・カザルス(1876-1973):おお、全ての人々よ
ドミニク・フィノー(1510-1556頃):哀歌
ブリテン:神聖と世俗Op.91-第7番「通り過ぎるあなた」
ジョン・ダッガン(1963-):哀歌T-V
パブロ・オルティズ(1956-):5つのモテットより第2番「おお、全ての人々よ」
ジョン・マンディ(1555頃-1630):ジェレミーの哀歌
ヴォーン=ウィリアムズ:おお、全ての人々よ
ルドルフ・マウエスベルガー(1889-1971):何ゆえこの町は荒れ果ててしまったのか
ミランダ・ローレンス(S)
スザンナ・フェアベアン(S)
ロバート・ヴァンライン(Tp)
ソスピーリ
クリストフ・ワトソン(指)

録音:2011年8月9-12日ルジャン,ラングドック=ルシヨン地域圏サン・ローレン教会
哀歌とは、旧約聖書の中の一つ「エレミアの哀歌」のことであり、紀元前586年に起きたエルサレムの陥落と神殿の破壊を嘆く預言者エレミアの書いた詩的なテキストです。全体は5つの部分からなり、第1から第4までの部分はヘブライ語のアルファベットが各連のはじめにくるように技巧を凝らされています(第5の歌は民衆の祈りです)。この嘆きと悲しみの感情は、後世にキリストの受難の予言の比喩ともされるなど、多くの人々の共感を得て様々な芸術作品にも反映されました。これらの闇、荒廃、混乱の強大なイメージは悲観的な感情を想起させるも、破壊からやがて希望へと繋がるものであり、悲しみを乗り越える強さをももたらしてくれるものであることも間違いありません。中世の時代から現代まで、400年以上に渡る「哀歌」の数々は聴き手の心を優しく揺さぶることでしょう。
8.573079
リルバーン:弦楽四重奏曲ホ短調他
弦楽四重奏曲ホ短調(1946)
2台のヴァイオリンのための二重奏曲(1954)
弦楽三重奏曲(1945)
ヴァイオリンとヴィオラのためのカンツォネッタ<第1番Semplice(1942)/第2番Andantesemplice(1943)/第3番(1958)>
弦楽四重奏のための幻想曲(1939)*
ニュージーランドSQ<メンバー:ヘレン・ポール(第1ヴァイオリン)/ダグラス・ベイルマン(第2ヴァイオリン)/ジリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)>

録音:2012年7月26-28日カナダオンタリオ,トロント聖アン教会
*=世界初録音
ダグラス・リルバーン(1915-2001)はニュージーランドの現代作曲家です。創作の初期ではヨーロッパの後期ロマン派の作風に影響された音楽を書いていましたが、1950年代以降は、その作品に十二音音楽やセリエル音楽(十二音を更に発展させた形式で複雑なもの)を取り込み、1960年代以降は電子音楽を好んで作曲したという、興味深い人です。このアルバムには1940年代の作品が中心に収録されていて、比較的聴きやすい音楽という印象を受けるかもしれません。例えば「2台のヴァイオリンのための二重奏曲」は、民謡風であり、弦楽三重奏曲はシューベルトの影響を受けているとされています。「3つのカンツォネッタ」の第1番と第2番はシェークスピア劇のための音楽で、エリザベス朝の響きが回顧されています。第3番だけは書かれた時期が違いますが、こちらも郷愁にみちたゆるやかな音楽です。リルバーンが学生時代に書いた「幻想曲」はコンクールに参加するための作品で、中世イングランドの俗謡「西風」からの詩が添えれらた描写的な作品です。
8.573080
イギリス歌曲シリーズ第23集ダブ:歌曲集「今宵眠る全ての人へ」他
歌曲集「冬から」(2003)
歌曲集「わが影を棄てて」(2011)
歌曲集「アリエル」(1998)
歌曲集「今宵眠る全ての人へ」*
クレール・ブース(S)
パトリシア・バルドン(Ms)
ニッキー・スペンス(T)
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(P)
録音:2014年4月1-2日、2014年5月5日
*=世界初録音
NAXOSの好評シリーズ、イギリスの歌曲集第23集は、ジョナサン・ダヴ(1959-)の歌曲です。彼は現代の英国において、最も機知に富む多彩な音楽を創り出す作曲家の一人として評価されており、中でも歌曲、合唱曲については最高の賛辞が贈られています。このアルバムには4つの歌曲集が収録されていて、最初の「冬から」はロバート・ティアの詩によるもので、曲の雰囲気はどこかブリテンの一連の歌曲を思わせる、繊細な静けさを湛えています。「わが影を棄てて」はガルシア・ロルカの英語訳のテキストが用いられており、乾いたリアリズムが横溢する音楽です。「アリエル」はすばらしく神秘的な歌曲で、伴奏なしのソプラノのみで歌われます。歌手は黄砂を運ぶ風の音までをも歌わなくてはなりません。エキゾチックなヴォカリーズである第3曲目は、この世のものとは思えないほどの不思議な印象を残すでしょう。5つのセクションからなる「今宵眠る全ての人へ」はロマンティックな感情と、宗教性、心、場所、四行詩がモティーフ。歌曲はプーランクを思わせる聖と俗が入り混じった物語が描かれ、聴き疲れた人は深い眠りに誘われるのです。
8.573082
プフィッツナー:歌曲全集 第4集
3つの歌 Op. 3(1888/89頃)
4つの歌 Op. 4(1888/89頃)
5つの歌 Op. 9(1894/95)
3つの歌 Op. 10(1901)
セレナード WoO 6(1884)
セレナード WoO 4(1884)
Lied Werners aus dem Trompeter von Sackingen, WoO 7,"Behut' dich Gott"
トランペット奏者フォン・ゼッキンゲンのヴェルナーの歌 WoO 7 「あなたの神を守る」(1885)
ウヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
クラウス・ジモン(P)

録音:2008年3月14-16日
ドイツ後期ロマン派時代に活躍した作曲家プフィッツナー。ロシアで生まれ、3歳の時にフランクフルト・アム・マインに移住。父がオーケストラのヴァイオリ ン奏者であったため、幼い頃から音楽に親しみ、11歳で最初の作品を書いたことが知られています。この第4集に収録されている歌曲の中で、1884 年のセレナードは彼の最も初期の作品であり、他の曲もほとんどは彼が学生時代に書いたものですが、後の作品に見られるイディオムの基礎は、これ らの初期の作品からはっきり見られます。若き日の彼が心酔していた詩人アイヒェンドルフの詩を用いた「5つの歌」でのしっとりとした旋律をはじめ、どの 歌にも豊かな創造性が漲っており、親密な雰囲気が感じられます。 落ち着いた歌唱を聴かせるバリトンのウヴェ・シェンカー=プリムスはヴュルツブルクで学び、2006年ヴュルツブルク国際モーツァルト・コンクールに入賞し た実力派。2009年からはワイマール歌劇場など数多くの歌劇場で活躍しています。
8.573081
プフィッツナー(1869-1949):歌曲全集 第3集
Ich und Du 私とあなた Op.11-1(1901)
Ich aber weis 私は知っている Op.11-2(1901)
An die Mark マルクに寄す Op.15-3(1904)
Abendrot 残光 Op.24-4(1909)
Abbitte 謝罪 Op.29-1(1922)
Herbsthauch 秋の吐息 Op.29-2(1922)
静かな都市 Op29-4(1922)
Sehnsucht nach Vergessen 忘却への憧れ Op.30-1(1922)
Denk es, o Seele! 思え、おお魂よ Op.30-3(1922)
6つの愛の歌 Op.35(1924)
6つの歌曲 Op.40(1931)
Die schlanke Wasserlilie WoO14 ほっそりとした睡蓮(1984-1986頃)
Weihnachtslied WoO3クリスマスの歌(1902/1933改訂)…世界初録音
ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー(Ms)
ブリッタ・シュタルマイスター(S)
フライブルク・キリスト教会児童cho
クラウス・ジーモン(P)

録音:2012年8月6-8日、12月6-7日
後期ロマン派の作曲家プフィッツナーの歌曲全集の第3集。このアルバムには2つの注目すべき歌曲集が含まれてい ます。1924年の「愛の歌」はプフィッツナー自身が「曲順を変えることなく、必ず6曲全てを歌うこと」と指定された緊 密な結びつきをもって構成された歌曲集。タイトルこそ「愛の歌」ですが、内容は「幸福と苦しみ」についてであり、強 い感情が表出されています。1931年の「6つの歌」は、内容が二つに分かれており、最初の3曲は過去の恋と満たさ れない憧れがテーマ、残りの3曲は自然の情景と人間の心を描いています。シューマンの影響が感じられる内省的な 雰囲気を持つ初期の「ほっそりとした睡蓮」や、児童合唱を交えた「クリスマスの歌」の無垢な美しさにも心惹かれま す。
8.573083
コルンゴルト:歌曲集 第2集
4つの別れの歌 Op. 14 (1920-21)
3つの歌 Op. 18(1924)
映画音楽『永遠の処女』 - 明日 Op. 33(1942)(声とピアノ三重奏編)ドイツ語歌唱によるピアノ三重奏版…世界初録音

5つの歌 Op. 38(1940-47)
ウィーンのためのソネット Op. 41(1953)

【遺作より】
夜(1913)
内なる魅力(1914)
オーストリア兵士の別れ(1915)
でない限りは(1915)
とても個人的なもの(1917)…世界初録音
ドゥシュニッツ家のガチョウのレバー(1919)
50のフォックストロット(1922)
ブリッタ・シュタルマイスター(S)
ジビル・フィッシャー(Ms)
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
フィリップ・ロイ(Vn)
ペーター・フランク(Vc)
クラウス・ジモン(P)

録音:2012年8月6-8日
幼い頃から音楽の才能を示し、15歳の頃にはすでにプロの作曲家として活動していたコルンゴルト。純音楽を追求するも、結局は時代の波に呑まれ、本意 ではない"映画音楽"の分野での活動が現在のハリウッド音楽を支えることになろうとは、彼自身も知る由がありませんでした。 そんなコルンゴルトが持てる才能の全てを注ぎこみ、生涯にわたってロマン主義の理想を追求できたのは一連の歌曲でした。初期から晩年に至るまでどの時 代においても、コルンゴルトは歌曲には常に実験的な創意工夫を施し、時には刺激的なハーモニーを与えるなど斬新な試みを行っています。とりわけ作品番 号18の「3つの歌」は、同時期の歌劇「ヘリアーネの奇跡」の音楽を反映した、半音階的な和声が際立つ刺激的な響きを持つ作品です。このアルバムには コルンゴルトが折に触れ家族や親しい友人のために書いていた歌曲も収録。その中には彼が一時期愛していたというマリア・コーリッシュ(ヴァイオリニスト、ルド ルフ・コーリッシュの妹)のクリスマス・プレゼントとして書かれた「とても個人的なもの」など、貴重な作品が含まれます。
8.573084
ソレル:鍵盤のためのソナタ集第28番-第41番
ソナタ第28番ハ長調/ソナタ第29番ハ長調/ソナタ第30番ト長調/ソナタ第31番ト長調/ソナタ第32番ト短調/ソナタ第33番ト長調/ソナタ第34番ホ長調/ソナタ第35番ト長調/ソナタ第36番ハ短調/ソナタ第37番ニ長調/ソナタ第38番ハ長調/ソナタ第39番ニ短調/ソナタ第40番ト長調/ソナタ第41番変ホ長調
デニス・ジダノフ(P)

録音:2011年11月28-30日スペインジローナパラウ・デ・コングレッソス・アウディトリウム
ソレル(1729-1783)のソナタ集は、すでにローランドによるチェンバロ演奏のものがNAXOSから全集として発売されていて、その美しい造形美にファンも多いのですが、ピアノでも演奏するシリーズも秘かに進行しており、このアルバムはその第3集となります(第1集…8.572515,第2集…8.572516)。ここで見事な演奏を披露するピアニスト、ジダノフは2010年にバルセロナで開催された、第56回マリア・カナルス国際コンクールで第1位を獲得した俊英です。スカルラッティの影響を受けていると言われるソレルのソナタですが、そのスタイルは変幻自在であり、驚くほどに劇的で半音階を駆使したものがあるかと思えば、その時代を反映した、整然とした造りに終始しているものもあり、どれから聴いても飽きることはありません。
8.573085
ヴァインベルク:交響曲第12番「D.ショスタコーヴィチへの思い出に」他
交響曲第12番「D.ショスタコーヴィチへの思い出に」Op.114
「黄金の鍵」からバレエ組曲第4番Op.55d
ウラディーミル・ランデ(指)
サンクトペテルブルクSO

録音:2012年6月10-13日、2012年7月6-7日
NAXOSの大好評シリーズ、ヴァインベルク(1919-1996)の作品集です。今作は「ショスタコーヴィチの思い出に」と題された交響曲第12番と、シニカルなバレエ組曲「黄金の鍵」の2つの作品を収録しています。すでに知られている通り、ヴァインベルクとショスタコーヴィチは親友であり、その作品にもショスタコーヴィチの影響は強く顕れています。この第12番を作曲した当時のヴァインベルクは、過去14年間にいくつかの交響曲を書いたものの、それらは合唱付きであったり、室内オーケストラのためであったりと、フルオーケストラのための曲は書いていませんでした。この作品で再び大編成の純管弦楽のための作品に着手したのは、やはり何といっても1975年のショスタコーヴィチの死が引き金になったことは間違いありません。曲想も先人の作品に良く似たもので、曲全体に重苦しい雰囲気が横溢し、全ての楽器が親友の死を悼むかのように鳴り響きます。かたや、楽しげなバレエ音楽ですが、こちらもショスタコーヴィチの潮流を汲む風刺的な作品。様々な作品のコラージュなど意味ありげな音楽です。
8.573086
期待の新進演奏家シリーズ/アンドレイ・ヤロシンスキー/ピアノ・リサイタル
チャイコフスキー:即興的カプリス.ト長調
即興曲変イ長調
即興曲変イ長調「抒情的な時」(タネーエフによる完成版)
2つの小品Op.1/3つの小品Op.9
同一主題による6つの小品
アンドレイ・ヤロシンスキー(P)

録音:2012年3月15-30日モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー第1スタジオ
1986年にロシアで生まれたピアニスト、アンドレイ・ヤロシンスキーの奏でる若々しく抒情的なチャイコフスキーのピアノ小品集です。モスクワ・チャイコフスキー音楽院でホアキン・ソリアーノ、ヴェラ・ゴルノステワらに学び、1999年のチェルニー国際コンクールをはじめ、2001年のギレリス、2002年のルービンシュタインなど、同時代の若きピアニストたちと同じく、数多くのコンクールの受賞歴を有しています。2005年のショパン・コンクールではファイナリストとなり、以降も数多くのコンクールに挑戦、やがて2011年のガバラ国際ピアノコンクールで優勝したのでした。すでに国際的な評価を受けている彼は、世界中で多くのオーケストラと共演し、その魅惑的な音楽で聴衆を幸せにしています。
8.573087
バッハ:チェンバロ作品集組曲集1.前奏曲とフーガイ長調BWV896
2-6.組曲イ長調BWV832
カプリッチョホ長調「ヨハン・クリストフ・バッハを讃えて」BWV993
幻想曲ト短調BWV917
前奏曲とフーガイ短調BWV895
幻想曲イ短調BWV922
フーガイ短調BWV959
前奏曲ニ短調BWV935
前奏曲ニ長調BWV936
前奏曲ホ長調BWV937
前奏曲ホ短調BWV938
フーガハ長調BWV952
フーガハ短調BWV961
前奏曲ハ長調BWV933
前奏曲ハ短調BWV934
前奏曲とフーガニ短調BWV899
前奏曲とフーガホ短調BWV900
組曲イ短調BWV818
ロンドによる幻想曲ハ短調BW918
組曲変ホ長調BWV819a
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)

録音:2014年2月17-19日フィンランドカルヤー,聖カテリーネ教会
バッハの鍵盤作品は、もともと「精神的なリフレッシュ」をするためのものでした。彼はパルティータの序文にも「愛好人士の心の憂いを晴らし、喜びをもたらさんことを願って」と入れたように、この種の音楽は、指導目的であり、また楽しみのためでもあったのです。もちろんバッハ自身が比類なき鍵盤奏者であったことは疑うべくもなく、それは彼の死後、テレマンがバッハのオルガン演奏について賛辞を送っていたことでも明らかです。そんなバッハ、1703年には音楽の学習を終え、ワイマールの宮廷で最初の仕事に就いています。ここではヴァイオリンを担当していましたが、代役で奏したオルガン演奏が話題となり、そのままアルンシュタットの新しい教会のオルガニストに採用されています。その後、1705年にはアルンシュタットからリューベックまで、およそ500kmの長距離を徒歩で旅行し、ブクステフーデの教えを仰いでいたことでも知られています。このアルバムに収録されている作品のほとんどは、この激動の時代(というか血気盛んな時代)に書かれた「初期の曲」で、晩年のような練りに練られた対位法というよりは、溢れてくるような流麗なフォームで書かれています。いくつかの作品は、組曲として数えたほうがよいのかという議論は尽きませんが、それはとりあえず置いておいて、流麗な若いバッハの姿を垣間見る楽しみに浸ってみたいと思います。ハッキネンの演奏は、多彩な音色を駆使した納得のできるもの。創造性と表現力の限界に挑むような素晴らしい演奏です。
8.573088
ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第1番イ長調Op.4(1896)
.弦楽四重奏曲第2番Op.15(1913)
エッシャーSQ
<アダム・バーネット=ハート(第1Vn)/ウー・ジー(第2Vn)/ピエール・ラポワント(Va)/デーン・ヨハンセン(Vc)>

録音:2012年5月9-12日USAフロリダ,ポート・シャーロット・ユナイテッド・メソジスト教会
25歳の若き才能溢れる作曲家ツェムリンスキー(1871-1942)は、ブラームスの後押しを受けて「クラリネット三重奏曲」の出版を行い、また最初のオペラ「ザレマ」が賞を獲得するなど、順風満帆たる人生を歩み始めたところでした。その年に書かれた弦楽四重奏曲第1番は、若々しい活力と流麗なメロディが漲る、叙情的で輪郭のはっきりした音楽であり、若さゆえの冒険心や遊び心が感じられる瑞々しいものです。しかし、その17年後に書かれた第2番の弦楽四重奏曲は、まるで別人の作品?とも思えるほどにその表情が変化しています。確かにその間に彼の身の回りに起こった様々な出来事は、野心溢れる青年から幾多の希望を奪っていったに違いありません。曲は調性感を保ちながらも、第1楽章は無調とも思えるやるせなさが支配していたり、第2楽章も薄い美しさの中にのたうちまわるような苦しみが感じられます。第3楽章は特徴的なリズムが支配する忙しないもの、そして第4楽章には先の見えることのない薄暮が覆っています。最終楽章は一層混沌が激しくなり、取り留めのない不安感の中に取り残されるかのようです。とは言え、この時期の彼はまだ、指揮者としては名声を獲得しており、曲の中にも、若干の明るい光が宿っています。以降のツェムリンスキーの生涯は転落の一途を辿り、書かれる曲調も暗く変化していきます。彼の3番と4番の四重奏曲は8.572813で聴くことができます。
8.573091
ハツィス:フルート協奏曲集
フルートと弦楽オーケストラのための「デパーチャーズ」(2011)
フルートと室内オーケストラのための「オーヴァースクリプト」(1993/2012)(J.S.バッハ:フルートと弦楽、通奏低音のための協奏曲ト短調BWV105/Tより)
ディミトロワ・カルパキシディス(オーボエ)
ジェルジオス・ポリティス(Fg)
マリレナ・リアコプールー(ハープシコード)
パトリック・ガロワ(Fl)
テッサローニキ州立SO
アレクサンドル・ミラ(指)

録音:2012年9月6-15日ギリシャテッサロニキ,T.S.S.O.コンサート・ホール
※世界初録音
現代作曲家の中でも「最も重要な一人」として認識されているクリストス・ハツィス(1953-)。トロント大学にある彼のオフィスのドアを2000年に叩いたガロワは、単刀直入に「フルートのために何か作曲したことありますか?」と質問したのだそう。その質問は無視されたかに見えたのですが、1年後に素晴らしい作品が出来上がり、これはガロワとトロント大学の学生たちによって演奏されたと言います。2011年の「デパーチャーズ」は日本での大震災で失われた多くの命と、彼自身の友人たちへの思い出のために書かれた作品。様々な技巧を駆使しながら、日本の伝統音楽の要素も取り入れたユニークな曲です。「オーヴァースクリプト」はバッハの作品を元にしながらも、そのメロディは断片的に扱われ、時には引き伸ばされながら奇妙に形を変えていきます。熱に浮かされた時に見る幻影のような不定形の美しさを備えています。
8.573092
モーツァルト:ミサ・ブレヴィス&レジーナ・チェリ
アンティフォナ「レジーナ・チェリ」変ロ長調K127
ミサ・ブレヴィスニ長調K194
アレグロとアンダンテ(幻想曲)ヘ短調K608
.ミサ・ブレヴィス変ロ長調K275
エリザベス・クラッグ(S)
デボラ・マイルス=ジョンソン(C.A)
ダニエル・オーキンクロス(T)
ローレンス・ホワイト(Bs)
トム・ウィンペニー(Org)
セント・オールバンズ大聖堂Cho
シンフォニア・ヴェルディ/
アンドリュー・ルーカス(指)

録音:2012年7月18日-20日UKセント・オールバンズ大聖堂&アビー教会
モーツァルトの全作品の中では比較的知名度が低いものの、全てがザルツブルクで書かれた作品というテーマに沿って絶品中の絶品を集めた1枚です。1772年16歳のモーツァルトは、その前年に行ったイタリア旅行であまり芳しい手ごたえを得ることができず煮え切れない思いを抱えていました。そんな折、それまで寛大であった大司教シュラッテンバッハが死去し、新しい大司教コロレドが着任することになり、彼は自分の才能を認めてもらうために新しい声楽曲を精力的に書くことにしたのです。その中の1曲がこのレジナ・チェリ(天の皇后)」であり、この曲はそれまでの彼の声楽曲の中でも最高のスキルを有する見事なものとなりました。K197のミサ・ブレヴィスは1774年に書かれた作品で、ザルツブルク大聖堂のために書かれたとされています。K275は1777年に書かれた作品で、シンプルなメロディラインに彩られた美しさが光ります。オルガン独奏の「アレグロとアンダンテ」は1791年に自動オルガンのために書かれた作品で、当時の英雄ロウドン男爵追悼のための告別の音楽ですが、その深い内容には驚くばかりです。
8.573093
ルーセル:ピアノ作品集第1集
ピアノ・ソナチネOp.16
劇音楽「眠りの精」Op.13
3つの小品Op.49
前奏曲とフーガOp.46(1934&1932)
疑い(1919)/永続する小カノン(1912)
ミューズたちのもてなし「ドビュッシーの思い出に」
セゴビアOp.29/人形のお話(1904)
ジャン・ピエール・アーメンガード(P)

録音2012年10月11-12日、2012年9月6-7日、2006年4月
管弦楽作品でお馴染みのフランスの近代作曲家、ルーセルのピアノ作品集のシリーズ第1集です。海軍時代の経験をもとに、自作に異国の雰囲気を盛り込み、印象主義の影響を受けながらも、独自の様式を開拓していくルーセル。フォーレのような淡い陰影でもなく、ドビュッシーのような神秘的な音楽でもなく、ラヴェルのような妙なノリもない・・・彼のピアノ曲の捉えどころのなさについての表現は難しいところです。しいて言うなら熱いジンジャーエールのような味わい。弾ける炭酸、ピリピリする生姜の刺激。そして全体は熱く甘く・・・。美味しいのか美味しくないのか評価不能。でもくせになる。そんな印象でしょうか。例えばトラック10-11「前奏曲とフーガ」を聴いてみてください。バッハの名前に基く音型を用いた複雑で奇怪なフーガは一聴の価値ありです。
8.573094
シューマン:ピアノ小品集
4つの行進曲Op.76
フゲッタ形式の7つのピアノ小品
子どものためのアルバムOp.68第8番「乱暴な騎手」
子どものためのアルバム追加作品Wo0.16
子どものためのアルバム追加作品Wo0.30
予感
ホァン・カルロス・ロドリゲス(P)

録音:2012年7月20-21日バルセロナアウディトリ・キャン・ロイ・イ・トレ
シューマンのあまり聴かれることのない小品を集めた1枚です。「4つのフーガ」は1845年の作品。当時そろそろ精神的な変調を自覚していたシューマンですが、この作品にはそのような不安は微塵もありません。「4つの行進曲」は1849年の作品ですが、この頃は住み慣れたドレスデンが革命騒ぎで大きく揺れ動き、そのためシューマン一家も静寂を求め、マクセンに移動します。そんな時期に書かれたこの曲は、勇壮さの中に不安が見え隠れします。1848年には子ども好きのシューマンによる「ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム)」が長女マリーへの贈り物として書かれました。最初は7曲、そこに40曲を加え、第2版ではもう1曲の全43曲の小品集としましたが、出版社との兼ね合いもあり、別々に出版されています。このCDでは、興味深いWo.030の追加曲と、2007年に発見された「予感」聴くことができます。
8.573095
フレデリコ・デ・フレイタス:管弦楽曲集
愚かな少女の踊り(1941)/蕩けるほどの愛の壁(1940)/中世組曲(1958)
リバテージョ(1938)
アルヴァロ・カッスート(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:スコットランドグラスゴー,ロイヤル・コンサート・ホール2012年8月16日、2012年8月17日
フレデリコ・デ・フレイタス(1902-1980)はポルトガルで最も成功した作曲家の一人です。彼は数多くの作品を書きましたが中でもポルトガルの伝承民話を元にしたバレエ作品で人気を集めまさに「国民的作曲家」として称えられています。このアルバムの「愚かな少女」と「愛の壁」はリスボンの人気ダンサー、ベルデガイオのために作曲されたもので溌剌とした音楽が魅力的です。中世組曲とリバテージョはバレエのための曲ではありませんがやはりどれも色彩的かつリズミカルです。リバテージョはリスボンの北東地域のタホ川流域の風景を描いた曲で舞曲と灼熱の夏の景観、そして農民たちの歌を描いています。
8.573096(2CD)
パレストリーナ:ソロモンの雅歌
[CD1]
モテット集第4巻「ソロモンの雅歌より」(1584)<.かの人の口で私に口づけせしめよ/あなたの前に私を至らせたまえ/われは黒い、そして美しい/私はぶどう園を守らなかった/女性の中の美しいものよ、もし知らないなら/おまえの頬はうつくしい/ひと包みのミルテのように/見よ、おまえは美しい、愛する者よ/愛する者よ、おまえはまったく美しい/傷つきしわが心/いばらの中のゆりのように/王は私を後宮に入れた/彼の左手は私の頭の下に/私の愛する者の声/愛する者よ、急いでおいで/私の愛する者よ、立ち上がって/私の恋人は私のもの、そして私は彼女のもの/起きて町を回ろう/エルサレムの娘らよ、私は誓う>
[CD2]
モテット集第4巻「ソロモンの雅歌より」(続き)<彼の頭は純金のよう/私の恋人は園に降りていった/美しきかな、愛する者/それはだれか、そこを行くのは/彼は私のくるみの園に降りていった/おまえの足は何と美しい/おまえの二つの乳房は/おまえは何と美しく、輝かしい/おまえの首は象牙の塔のよう/おいで、おいで恋人よ>
グレゴリアのアンティフォナ:娘たちのあとに続き/12.その友人なる乙女たちはあなたのものに(1593)
グレゴリアの昇階曲:娘よ、良く見なさい
あなたは何者にもまして美しい(1569)
ミュンヘン・パレストリーナCho
ヴェナンツ・シューベルト(指)

録音:2005年5月29-30日、2012年6月8-10日
ルネサンス期における最大の教会音楽作曲家パレストリーナが手掛けた作品の中で、異色の輝きを放つのがこの「ソロモンの雅歌」です。これは彼のモテット(ミサ曲以外の多声宗教曲)集の第4巻にあたり、パトロン教皇グレゴリウス13世に捧げられた作品ですが、ここで選ばれたテキストは、ヘブライ=旧約聖書の中でも一風変わったもので、歌のタイトルを見てもわかるとおり「恋愛と男女の性愛」を賛美したものなのです。神に仕える者たちとこれらの艶めかしい詩は、相容れぬもののようでもありますが、様々な経緯と論争を経て…いわば後付けの理由?…恋愛も性愛も、全て「キリストと教会との関係」とみなすことで、ようやく正典に収められたというものです。なので表向きは宗教曲ですが、中身は艶めかしい恋の歌でもあります。この演奏は、それぞれのモテットにふさわしいプレインチャント(単声の聖歌)を選び出し各曲の前に添えることで「恋愛の歌」を「洗練された喜びと祈りの音楽」へと昇華させています(プレインチャントのタイトルは日本語表記を省略)。
8.573098
フンメル:ピアノ三重奏曲集第1集
ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調Op.93
ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調Op.22
ピアノ三重奏曲第3番ト長調Op.35
ピアノ三重奏曲第7番変ホ長調Op.96
グールド・ピアノ三重奏団
<メンバー:ルーシー・グールド(Vn)/アリス・ニアリー(Vc)/ベンジャミン・フリス(P)>

録音:2013年1月28-30日UKサセックス,チャンプス・ヒル
フンメル(1778-1837)の最も有名な逸話は、幼い頃にモーツァルトの家に住み込み、2年間に渡ってピアノを師事したことでしょうか。もちろん、素晴らしい才能に恵まれていたこともあり、その後は父とともにヨーロッパ各地を演奏旅行して回り「神童」として名を上げました。26歳の時にはハイドンの推薦でエステルハージ家のコンサートマスターになり、ハイドンが引退した後は宮廷楽長として、数多くの劇音楽や宗教曲を書き、また少年合唱団の指導をするなど多彩な活躍をしたことでも知られています。そんなフンメルの作品は、どうしてもモーツァルトやハイドン、ベートーヴェンの影に隠れがちですが、実際に聞いてみるとどれもが素晴らしく、驚くほどに陰影に富んだメロディや、意表をつく転調や斬新な和声に彩られてものであることがわかるでしょう。最近になってようやくその人気を盛り返してきたフンメルの音楽、初期の作品であるOp.22やOp.35は清々しい美しさを持ったものですが、Op.93やOp.96のむせ返るようなロマン派の香りは一度味わうと病みつきになりそうです。
8.573099
モンポウ:歌曲全集第1集
夢のたたかい(1942-1951)
2つの旋律(1945)/光るものを見よ(1966)
4つの旋律(1925)/祖母の歌(1915)
魂の歌(1943)/灰色の時刻
彼女の恋人は去ったとき/詩篇(1936)
ポール・ヴァレリーの詩による5つの歌曲(1973)
マルタ・マテウ(S)、ホルディ・マソ(P)

録音2012年11月24-25日スペインサンタ・コロナ・ディ・グラメネト、アウディトリ‘CanRoigiTorres’
カタロニアの作曲家、フェデリコ・モンポウ(1893-1987)。彼の静謐な音楽は多くの人に愛されています。しかし、ここで聴くことのできる歌曲の何と饒舌なこと。初期の「祖母の歌」を始めとしたいくつかの作品は、カタロニア語の歌詞を持つにも拘わらず、まるでフォーレやドビュッシーのような柔らかく繊細なイメージを伝え、彼の歌曲の中でもよく知られている「夢のたたかい」では、現世との境界線がぼやけて見えるかのような神秘的な美しさを醸し出しています。時として、親しみやすい曲調が楽しめるのは、カタロニア民謡からの引用でしょうか?これを美しく描き出しているのが、ソプラノのマテウとピアノのマソです。モンポウのスペシャリストであるマソのピアノと、マテウの凛とした透明で清冽な声は、モンポウの完成された小宇宙を見事に再現しています。
8.573100
モンポウ:歌曲全集第2集ベッケル歌曲集/子守唄他
あいまいな歌(1926)
サン・マルティ(1961)/唖の子(1955)
シル河の砂金取り(1951)
市の日の歌(1949)/最初の一歩(1964)
子守唄(わらべ歌)<第1番:乳母車の上で(1926)/第2番:おしゃべりマーゴット(1926)/第3番:私は月で見た(1926)/第4番:アセリン、アセラン(1943)/第5番:パリから来た女の子(1943)/第6番:ピト、ピト、コロリト(1943)/第7番:フレデリック、ティク、ティク(1948)/第8番:かわいいナイチンゲール(1948頃)>
雲(1928)/勝利の歌(1949)
霧が降りてくるようにあなたを感じる(1944)
18.あなたは無限(1944)
アメリアの遺言(1938)/アヴェ・マリア(1957)
ベッケル歌曲集(1970)<第1番:今日、地も天も私に微笑む/第2番:目に見えぬ大気の粒が/第3番:私は燃える女、小麦色の女/第4番:私にはわかる/第5番:色黒のツバメたちは帰っていくだろう/第6番:大波>
最後の旅(1947)
マルタ・マテウ(S)
ホルディ・マソ(P)

音:2013年12月7-8日スペインサンタ・コロマ・デ・グラメネト,アウディトリ'CanRoigiTorres'
ピアノ曲で知られるモンポウ(1893-1987)ですが、彼はいくつかの素晴らしい歌曲も書いていました。全てを合わせても、ようやくCD2枚に収まってしまう分量なのですが、ここに描かれている世界の何と美しく豊穣なこと。カタロニア語、スペイン語、フランス語と使われる言葉は様々ですが、どの歌も、まるで雪の結晶のような幾多の形を持ち、ひんやりとした肌触りの中に熱い心が感じられるはずです。また、言葉遊びを駆使した「子守唄」の愛らしさはモンポウの意外な一面を見ることができるでしょう。スペインの国民的詩人と称されるグスタボ・アドルフォ・ベッケルの詩に曲をつけた「ベッケル歌曲集」は、あまり演奏される機会のない歌ですが、スペイン語の美しさを存分に生かした上で、官能的な詩に沿った艶かしくも美しい旋律に満たされた曲です。なんとも味わい深く、郷愁に満ちたこれらの歌曲。第1集と同じ顔ぶれでお聴きください。マテウの澄んだ声と、マソの的確なピアノが極上の調べを織り上げます。
8.573101
モンサルバーチェ:鳥の歌の主題によるマドリガル他
フォリア・ダリニアーナ(1995)
民謡「鳥の歌」の主題によるマドリガル(1991)
コンチェルティーノ1+13(1975)
カダケスのリディアによせるセレナータ(1970)
十字架への5つの祈り(1969)<キリストの受難/聖母の涙/聖処女の冠/嘆き/礼拝の時>
サーシャ・クック(Ms)
ティム・ファイン(Vn)
パースペクティヴ・アンサンブル
アンヘル・ギル=オルドネス(指)

録音2012年9月7.17.18.26日ニューヨーク,スカーズデールグリーンヴィル・コミュニティ・チャーチ
20世紀スペインを代表する音楽家の一人、ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)。彼はスペイン内戦後の1942年から新聞で音楽評論を始める傍ら、数々の作品を世に送り出しました。その作風は時代によって違い、このアルバムでも多彩な音を聴くことができます。Track2の「民謡の主題」で使われているのは、カザルスの演奏でもお馴染みの「鳥の歌」。強烈な個性と絹のような滑らかな声を持つ歌手サーシャ・クックの歌うこのメロディは聴き手の心を優しく溶かしていきます。舞曲のエッセンスを新古典派の様式にはめ込んだ「フォリア・ダリニアーナ」は楽しさ満点。やはり新古典派のスタイルで書かれた「コンチェルティーノ」と名フルーティスト、ランパルのたえめの「セレナータ」そしてこのアルバムの白眉でもある「十字架への5つの祈り」。ここでもクックの名唱が冴えています。スペインの歴史に刻まれた悲劇と揺るぎない信仰心。これらが昇華した名作です。
8.573104
ランドスケープ
マイケル・トーキー(1961-):ジャベリン(M.パターソン編)(1994/1997)
トーキー:モハーヴェ(2011)
フランク・ティケリ(1958-):アメリカン・エレジー(2000)
ティケリ:シンプル・ギフト-4つのシェイクスピアの歌(2002)
 静かな都会(D.ハンスバーガー編)(1941/42)
 シェーカー派の主題による変奏曲(1960)
イ・ヘジュン(マリンバ)
スティーヴ・レイスリング(Tp)
マーガレット・マルコ(イングリッシュ・ホルン)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル
ポール.W.ポピエル(指)

録音:2012年4月USAカンザスローレンス,リード・センター・オブ・
カンザス
「風景」と題された、アメリカの吹奏楽曲で巡る様々な地域の旅の印象をタペストリーにした1枚。トーキーの「ジャベリン」はご存知、アトランタ・オリンピック委員会の委嘱によって作曲された曲(アトランタSO創設50周年の記念演奏会もかねて)で、これは1996年の夏季大会の開会式で演奏され大人気を博したものです。当時の公式CDも大ヒットしたものを、パターソンが吹奏楽へと編曲しています。マリンバが大活躍する「モハーヴェ」は砂漠に咲く花の美しさをミニマル風の音で讃えます。ティケリの「アメリカン・エレジー」は1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件を悼んで書かれ、「シェイクスピアによる4つの作品」は自然を賛美しています。コープランドの「静かな都会」は説明不要の名曲で、「変奏曲」はティケリと同じくシェーカー教徒の歌をモティーフにしたものです。
8.573106
モーラン:交響詩「山国にて」他
仮面劇のための序曲(1944)
交響詩「山国にて」(1921)
狂詩曲第1番ヘ長調(1922)
狂詩曲第2番ホ長調(1924/1941)
ピアノと管弦楽のための狂詩曲嬰ヘ長調(1943)
ベンジャミン・フリス(P)
ジョアン・ファレッタ(指)アルスターO

録音:2012年9月17-18日UKベルファスト,アルスター・ホール
イギリス近代の音楽はどれも牧歌的で淡い・・・そんな感想を抱いている人にぜひ聴いていただきたいモーラン(1894-1950)の音楽。彼の作品はどれも活気に満ち、確固たる意志を伝えています。彼の作曲家としてのスタートは遅く(初期にいくつかのピアノ曲はあるもののの)1930年代に発表したト短調の交響曲の成功までは、作品が評価されることもほとんどなかったと言います。そんな彼ですが、このアルバムに収録された2つの狂詩曲や、実質的に「初めての管弦楽作品」である「山国にて」は師であるアイアランドの影響を受けながらも、洗練された表情を持つ素晴らしい作品です。メロディはどこまでも幅広く優しく、そして優雅な雰囲気を持っています。時々現れる民謡風なメロディもとことん魅力的です。ピアノが静かに活躍する第3ラプソディの魅惑的なメロディ、そしてまるで映画音楽のような仮面劇のための序曲など、一度引き込まれたら離れがたい音楽です。
8.573108
R・シュトラウス他:弦楽四重奏曲集
R・シュトラウス:弦楽四重奏曲イ長調Op.2TrV95
プッチーニ:菊/3つのメヌエット
ヴェルディ:弦楽四重奏曲ホ短調
エンソSQ
<モーリーン・ネルソン(第1ヴァイオリン)/ジョン・マルクス(第2ヴァイオリン)/メリッサ・リアドン(Va)/リチャード・ベルチャー(Vc)>

録音:2012年7月30日-8月2日カナダオンタリオ,聖アン教会
リヒャルト・シュトラウスが16歳の時に作曲した弦楽四重奏曲は、彼の父の従兄弟であり、幼きシュトラウスにヴァイオリンを教えたベンノ・ワルター(ミュンヘン宮廷劇場のコンサート・マスター)によって初演された記念すべき作品です。父の影響でモーツァルトやベートーヴェンを手本とするように指導されたシュトラウスの、折り目正しい作品ですが、この後彼は少しずつ父親の縛りから離れ、自らの語法を確立していくことになります。プッチーニの「菊」は短くも感傷的で美しいエレジーです。3つのメヌエットはハイドンらしさを感じさせる短い作品です。ヴェルディの弦楽四重奏曲は60歳の時の作品で、彼の唯一の室内楽作品です。なかなか演奏される機会に恵まれない作品群ですが、3人の作曲家の全く別の面を伺い知ることのできる名作といえるでしょう。演奏しているエンソ弦楽四重奏団は1999年にイェール大学に設立され、2007年からニューヨークに拠点を置き活躍している団体。ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを持ち、中でもヒナステラの弦楽四重奏曲での名演は、他に並ぶものがありません。
8.573110
ダルベール:組曲「シンデレラ」Op.38他
「グリルパルツァーのエステル」序曲Op.8
歌劇「死せる瞳」前奏曲-序
歌劇「ゲルノート」第2幕への前奏曲
歌劇「紅玉」序曲/歌劇「旅立ち」序曲
管弦楽組曲「シンデレラ」Op.38
ソプラノとオーケストラのための「小さな人魚姫」Op.15
ヴィクトリア・カミンスカイテ(S)
ライプツィヒMDR響
準・メルクル(指)

録音:2011年1月27-28日、2011年1月28日、2011年12月5日、2011年12月11日、2011年12月7日
スコットランド、グラスゴーで音楽家の父の下に生まれたダルベール(1864-1932父のピアノの才能はあのカルクブレンナーを驚かせたと言います)。彼は独学で音楽を習得し、名ピアニストとして演奏、録音を数多く残しました。彼はリストの弟子であり、師の曲やベートーヴェンを得意としていたと言われます。そんな彼、作曲家としても有能で、交響曲や弦楽四重奏曲、協奏曲、そしてオペラなど、多岐に渡るジャンルに素晴らしい作品を残しています。このアルバムでは、彼のいくつかの歌劇の序曲と、組曲「シンデレラ(灰かぶり姫)」をお聞きいただけます。リストから影響を受けただけあって、彼の作品はどれも色彩的で物語性を強く感じさせるものですが、後期ロマン派の時代に活躍しただけあって、そのオーケストレーションはマーラーやR.シュトラウスに近く、濃厚なオーケストラの音を聞きたい人も存分に満足していただけるものでしょう。「小さな人魚姫」は題材も含め、どちらかというとワーグナー風の音楽。この時代、いかにワーグナーの影響が大きかったのかを目の当りにできる音楽です。
8.573111
フィルセル&ブリッグス:合唱作品集
ジェレミー・フィルセル(1964-):明日は踊りの日
エピタフ(ここの影は偽り)
もし神が家を築かないならば
マニフィカート(ウィンザーのサーヴィス)
ヌンク・ディミティス(ウィンザーのサーヴィス)
変容の日
テ・デウム(ウィンザーのサーヴィス)
ユビラーテ(ウィンザーのサーヴィス)
デヴィッド・ブリッグス(1962-):舌よ、ほめたたえよ
タントゥム・エルゴによるオルガン即興
サン・シュルピスのミサ曲/キリエ
グローリア/サンクトゥス
ベネディクトゥス/アニュス・デイ
ヴァザーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)
ジェレミー・フィルセル(Org)
デヴィッド・ブリッグス(Org)

録音:2013年2月15-17日UKケントトンブリッジ・スクール教会

※世界初録音(トラック8を除く)
現代最高のイギリスの2人のオルガニスト&作曲家、フィルセルとブリッグス。ヴァザーリ・シンガーズの指揮者であるバックハウスは彼らに「新しい作品」を書いてもらうように依頼し、出来上がったのが、ここで聴ける素晴らしい合唱曲の中に含まれています。ヴァザーリとフィルセルとの共同制作は過去にもあったのですが、ブリッグスとは初めて。バックハウスは「これが初めての共同作業であり、これが最後にならないように祈ってます」と語るほどに感動的な作品ができあがりました。程よく現代的な味付けが施されたフィルセルの作品のほとんどは、ロンドンのいくつかの教会のために書かれたものでありこれらの「祈りの音楽」は敬虔な面持ちですが、「エピタフ」などは自由で才気煥発な曲となっています。ブリッグスの作品のうち、2011年に書かれた「サン・シュルピスのミサ曲」は壮麗なオルガンの音色が印象的な25分ほどの曲。親しみやすい敬虔さを持った作品です。
8.573112
クレメンティ:序曲 ハ長調
交響曲 第3番 ハ長調「偉大なる国民」WO34(P. スパーダによる改訂版)
交響曲 第4番 ニ長調 WO35(P. スパーダによる改訂版)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音:2011年2月29-30日、2012年1月20-22日 ローマ OSRスタジオ
クレメンティの4つの交響曲は彼の生前に発表されることはなく、クレメンティ自身も「交響曲のスコアは全て破棄した」と述べていました。しかし1917年に競売を経て図書館に買い取られた手稿譜の中に、交響曲の断片が含まれているのが発見され、苦労して復元した結果、4曲の交響曲といくつかの断片としてまとめられることが判明したのです(あのアルフレード・カゼッラも復元作の研究を行い、第1番と第2番とおぼしき作品を演奏したという記録もあります)。実際、どのような校訂を行ったとしても完全な形を復元するのは不可能ですが、ここで聴ける形でも充分にクレメンティの「管弦楽作曲家」としての才能をかじることはできるはずです。洗練された筆致で描かれたバランスのよい作品は、ロマン派への架け橋として高く評価されるものです。
8.573113
プティジラール:バレエ音楽「星の王子さま」(2010)〜混声合唱、クラリネット、ハープとパーカッションのための組曲 ブダペスト・スタジオCho&ホンヴェード男声Cho
ブダペスト・ハンガリーSOソロイスツ
ローラ・プティジラール(指)

録音:2012年2月12日,5月11日.12日ハンガリーブダペスト,ハンガリー・ラジオ・スタジオ
フランスの現代作曲家プティジラール(1950-)。彼は指揮者でもあり、フランス映画、テレビ番組の音楽も多数制作するという八面六臂の活躍をしている人です。彼の名前が知られるようになったのは、映画でもおなじみの「エレファント・マン」のオペラ化でしょうか。この悲しい物語に彼が付けた音楽は、ほとんど無調でしたが、その強烈な響きは一度聴いたら忘れることのない印象的なものでした。今回は、アヴィニョンのオペラハウスによるバレエ「星の王子さま」(あのサン=テグジュペリの名作)のために書かれた音楽です。特異な編成によって紡ぎ出される音楽は、夢から現実、動と静、神秘と無垢な笑顔の3つを見事に表現しています。もちろん聴きやすい音楽ではありませんが、この不思議な雰囲気は言葉に尽くせません。
8.573114
モーツァルト:フーガ,ロンドと幻想曲集
.オルガンのためのフーガ.ト短調(断章)K401
フーガの断章変ホ長調K153
前奏曲とフーガ.ハ長調K394
フーガト短調K154(S.ゼヒターによる補筆完成版)
小さな葬送行進曲「マエストロ対位法氏の葬送行進曲」ハ短調K453a
ロンド.ニ長調K485
ロンド.イ短調K511
ジーグト長調「ライプツィヒ・ジーグ」K574
組曲(序曲)ハ長調K399
幻想曲ハ短調K396
フーガ.ニ長調(断章)K73
フーガ.ト長調(断章)K.Anh41
フーガ.へ長調(断章)K375h
フーガ.へ長調(断章)K.Anh33/40/383b
フーガ.ハ短調(断章)K.Anh39
オルガンのための2つの小フーガK154a
6つのフーガの断章ホ短調K.deest
2つのフーガの断章変ホ長調K.deest
フーガ.ニ短調(断章)K.deest
フーガ.ハ短調(断章)K.anh39a
幻想曲ヘ短調(断章)K.anh32
カン・サンウー(P)

録音2013年1月8-10日USAボストン,WGBHスタジオ,フレザー・パフォーマンス・スタジオ
1782年8月4日にコンスタンツェ・ウェーバーと結婚したモーツァルト(1756-1791)。様々な音楽書や伝記の類では、「世紀の悪妻」とまで評されるコンスタンツェですが、本当にそうだったのでしょうか?実際の彼女は、周囲の人々によると「教養が高く、家事にも熱心で快活」であったといい、またモーツァルトの死後も彼の作品を守り、その名を高めるために尽力したとされています。これらのフーガの断片は、モーツァルトが熱心にバッハの作品を研究した名残のようなもので、ほとんど完成した作品から、ほんの数小節の断片と、様々な形の曲が含まれています。コンスタンツェは夫の死後、これらの作品に素晴らしい価値を見出し、公開されること(もしくは購入されること)を期待して、この遺物を整理し、永遠の記念碑としてのリストを作成したのです。普段流麗な音楽を書いていたモーツァルトにしては、若干ぎこちなさも感じれらますが、この「天才の断片集」が残されているのは、コンスタンツェのおかげであることは間違いありません。
8.573115
ヴィラ=ロボス:ギターの写本 傑作集と失われた作品集 第1集
ギター協奏曲(1951 頃/1955)
シンプレス(1911)
ワルツ・ショール(1920年代)
シランダス(E.プホールによる2 台のギター編)より(1926/1957 頃)
アマゾンの森-愛の歌(歌とギター編)(1958 頃)
アマゾンの森-小舟(歌と2 台のギター編)(1958 頃)
詩人の歌 第18 番(歌とギター編)(1948/1953)
セレスタス-第5 番:モディーニャ(歌とギター編)(1926)
ワルツ(1936 頃)
ギリシャのモティーフ(A.ビッソーリによるフルート、ギターと女声合唱編)(1937/2010)*
ブラジル風バッハ第5番-アリア(歌とギター編)(1938/1947 頃)
アンドレア・ビッソーリ(G)
リサ・セラフィーニ(S)
フェデリカ・アルトゥオーソ((G)
ステファノ・ブライト(Fl)
スコラ・サン・ロッコCho
フランチェスコ・エルレ(指)
ミナス・ゲラリス・フィルハーモニックO
ファビオ・メケッティ(指)

録音: 2012 年10 月5 日 ブラジル ミナス・ゲラリス,イビリテ テアトロ・ド・チェントロ・エドゥカシオナル
2009 年12 月11-14 日 イタリア ヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ
2012 年8 月10-16 日 イタリア ヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ
2010 年3 月17 日 イタリア ヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ
2012 年11 月25 日 イタリア ヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サン・ロッコ
*=世界初録音
1887 年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス(1887-1959)。ブラジルの民俗音楽と現代音楽が見事に融合した「ブラジル風バッハ」や、こちらも民俗音楽に由来したショーロスなどが広く愛されていますが、実は彼、生涯で1000 曲近くに及ぶ膨大な作品を残しており、現在知られている「彼の顔」というのは、ほんの一部でしかないことはあまり意識されていないと言ってもよいでしょう。彼は作曲を独学で学びながらブラジルの民謡を積極的に採取し、数々の名作を作り上げていきました。この3 巻からなるシリーズは、そんな「知られざる作品」を発掘、収録することでヴィラ=ロボスの新たな魅力を探って行くことができるでしょう。この第1 集には、セゴビアのあために作曲した「ギター協奏曲」を始め、断片的な作品や、良く知られる「ブラジル風バッハ第5 番」のアリアをギター伴奏にしたものなど興味深い作品が並んでいます。
8.573116
ヴィラ=ロボス:ギターの写本傑作集と失われた作品集第2集
理由を私に話して(A.ビッソーリによる復元版)(1901/2010)*
ワルツ協奏曲第2番(A.ビッソーリによる補筆完成版)(1904/2009)
神秘的な六重奏曲(1917)
ショーロへの序奏(1929)
ショーロ第1番/ショーロ第6番
アマゾンの森-愛の歌
アンドレア・ビッソーリ(G)
ガブリエラ・パース(S)
アンサンブル・ムーサゲート<メンバー:アンドレア・ビッソーリ(G)/ファビオ・プピッロ(Fl)/レモ・ペロナート(Ob)/マウロ・リビチーニ(アルトSax)/アンナ・ピッターロ(チェレスタ)/フランチェスカ・ティラーレ(Hp)>
ファビオ・メケッティ(指)ミナス・ゲラリスPO

録音:2013年3月24日、2010年3月17日、2012年10月4日、2013年5月1日
*=世界初録音
1887年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス。熱狂的な音楽好きだった父のと彼の叔母の影響で、最初はピアノ、チェロ、クラリネットを学び、一度は医療系の技術を学ぶも、結局は音楽の道を選択、作曲を独学で勉強する傍ら、ブラジルの民謡の採集を行うなど活発な活動を行います。一時期はパリにも留学、そこでも先鋭的な音楽を吸収し、後の創作への糧としました。このアルバムには一般にはほとんど知られることのないいくつかの作品が収録されています。彼の最も初期に書かれた「Dimeperche-理由を私に話して」は短いながらも充実した構成を持ち、めまぐるしくテンポが変わる面白い曲です。2014年に出版されたばかりの「ワルツ協奏曲第2番」は未完成ではありますが、ビッソーリが補筆完成させており、タイトル通りショパンの面影を感じさせる名曲です。チェレスタやハープまでを用いたユニークな音色が特色の「六重奏曲」には確かに熱帯地方の空気が漂っています。民俗舞曲に基づく「ショーロ」の数々は有名な作品。これを聴かずにはヴィラ=ロボスは語れません。最後の「愛の歌」は、映画のサウンドトラック。と言っても、彼の曲が使われたのは映画の最後のカットのみ。しかし印象的な曲で、人々の心に強い印象を残したであろうことは間違いありません。
8.573118
シャイデマン:オルガン作品集第6集
私はあらゆる時に主をほめたたえる(H.プレトリウスによる)WV48
第8旋法によるマニフィカトWV20
ガイヤルドと変奏曲ニ短調WV107
神のひとり子なる主キリスト(T)WV7
バレットと変奏曲ニ短調WV111
復活のいけにえにWV68
アダムの堕落によりてすべては朽ちぬWV57
前奏曲ホ短調WV38
神もしわれらと共になかりせばWV70
マスカラータと変奏曲ト長調WV110
主なる神、われらがもとにあらずばWV71
ファンタジアハ長調WV82
F.アネリオのマドリガル「私の心は,サラマンダーの如く」によるパッサジャータWV105
アルマンドニ短調WV113
クーラントと変奏曲ニ短調WV123
ジュリア・ブラウン(Org…ブロンバウ・オルガン・Opus35)

録音:2012年10月11-12日アメリカイリノイ州,スプリングフィールド最初の長老派教会
ハンザ同盟の一員として、裕福な有力都市の一つとして繁栄し、神聖ローマ皇帝から自由都市の特権を与えられ、自治権を獲得維持していたハンブルク。17世紀、そのハンブルクで活躍した鍵盤音楽の大家シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第6集です。当時は全ヨーロッパから音楽家たちがハンブルクに集まっていましたが、シャイデマンはその中でも傑出した存在であり、そのせいか、彼の作品は他の作曲家たちのものよりも格段に多く譜面が残されていることでも知られています。また、この頃はオルガンの性能が高められ、それに伴い演奏技術も高いものを求められていたこともあり、ここで聴かれる作品も、複雑な対位法を駆使した大規模なものとなっており、単なる「バッハの先駆者」としての存在だけではない、全くもって稀有な才能と崇めずにはいられません。
8.573119
シャイデマン:オルガン作品集第7集
第2旋法によるマニフィカトWV15
幻想曲ニ短調WV83
クーラントと変奏ニ短調WV125
審判の日は来れりWV59
高き天よりわれは来れりWV69
クーラントと変奏ヘ長調WV127
マリアは天使に言った(ハスラー原曲)WV52
クーラントと2つの変奏イ短調WV130
前奏曲ニ短調WV31
この期間は悲しむ時WV104
主よ、深き淵の底よりWV2
マスカラータ.ハ長調WV109
前奏曲ホ短調WV37
太陽の昇る地平からWV1
フランス風ドイツ舞曲WV114
クーラントと変奏ニ短調WV122
ジュリア・ブラウン(Org…ブロンバウ・オルガンOpus35)

録音:2012年10月11-12日USAイリノイ州スプリングフィールド,第一長老教会
シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第7集です。北ドイツのオルガン音楽の発展に寄与し、多くの後継者を生み出した偉大な作曲家であり、また長らくハンブルクの聖カタリーナ教会のオルガニストを務めたことで知られています。ここのオルガンは北ドイツでも最も美しい楽器の一つで、1630年にオルガン作者ゴットフリート・フリッチェの手によって拡張され、56のストップと4段の鍵盤を持つ大規模な楽器となり、それに伴い、シャイデマンも楽器の特性を探究すべく、より精緻で規模の大きな作品を書くようになるのです。彼の現存する作品のほとんどはルター派の典礼のために特別に書かれたもので、聖歌隊がいない場合は、モテットの部分も奏することになりますが、彼はそれらを洗練された書法で作曲し、置き換えることに成功したのでした。
8.573120
クヴァンツ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲イ短調QV5:238
フルート協奏曲ト長調QV5:165
フルート協奏曲ハ短調QV5:38
フルート協奏曲ニ短調QV5:81
マリー・オレスキェヴィチ(バロックFl)
クローシュ・シュパーニ(指)
コンチェルト・アルモニコ

録音:2011年1月17-18日、2011年1月19-21日
※世界初録音
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)は18世紀における、最も偉大で革新的なフルート奏者であり、作曲家でした。彼はアマチュア・フルート奏者であったプロイセンの大王フリードリヒ2世の教師でもあり、宮廷コンサートはクヴァンツのフルート協奏曲の主要な演奏会場でもあったのです。王はクヴァンツがフルート作品を書くたびに特別の謝礼金を払うなど彼を厚遇。クヴァンツもそれに応えるために素晴らしい作品を何曲も書いたのです。また1752年には「フルート奏法試論」を著述、こちらは現代でも読み継がれるほどの名著であり、当時のスタイルを知るうえでも格好の資料となっています。ここに収録された作品のうちイ短調の曲は、失われたとされていましたが、最近サンクトペテルブルクのロシア国立図書館から取得されたもので、ト長調のカデンツァとともに、貴重な資料となりうるものです。ハ短調の協奏曲はクヴァンツの死後、未完成だったものを王が補筆、完成稿としたものです。
8.573121
はるかに超えて
クレストン(1906-1985):祝典序曲Op.61
コープランド:交響詩「エンブレム」
シュワルツ(1947-):はるかに超えて*
グレインジャー:リンカンシャーの花束(F.フェネルによる吹奏楽編)
ランズ(1934-):セレモニアル(1993)
バーバー:メディアの瞑想と復讐の踊りOp.23a(F.ハドソンによる吹奏楽編)
 コマンド・マーチ(1943)
オッフェンバック:海兵隊賛歌(D.ハンスバーガーによる吹奏楽編)
ジェラルド・シュワルツ(指)
アメリカ海兵隊バンド

録音2012年3月12日USAメリーランド,ストラスモア・ミュージック・センター・コンサート
*=世界初録音
1798年に創設され、1801年にはホワイト・ハウスで演奏、その年の3月、トーマス・ジェファーソン大統領の就任式で演奏を行い「大統領直属=President'sOwn」の称号を与えられた由緒あるバンドが、このあ「アメリカ海兵隊バンド」です。1880年にはスーザが隊長を務め、レパートリーと技術の大改革を行い、同時に数多くのスーザの作品も演奏。一層力を付けました。NAXOSにもいくつかのユニークな作品の録音がありますが、このシュワルツが指揮したアルバムも素晴らしいの一言に尽きるでしょう。吹奏楽好きならたまらない「リンカンシャーの花束」を始め、コープランドやバーバーなどのお馴染みの曲から、シュワルツの自作「はるかに超えて-AboveandBeyond」など、どれも安心して楽しめる極上の演奏です。
8.573122
カラーエフ:バレエ組曲「7人の美女」他
バレエ組曲「7人の美女」(1953)<第1曲:ワルツ/第2曲:アダージョ/第3曲;王冠の踊り>
.第4曲:7人の絵姿<序曲/インディアンの美女/ビザンチンの美女/ホレズムの美女/スラヴの美女/マグレブの美女/中国の美女/最も美しい美女>
第5曲:行進
雷の道-バレエ組曲第2番(1958)<第1番:全員の踊り/第2番:ギター伴奏による少女たちの踊り/第3番:黒人集落の踊り/第4番:スティルフェルトの夜/第5番:情景とデュエット/第6番:子守歌/第7番:雷の道(終曲)>
ドミトリー・ヤブロンスキー(指)
ロイヤルPO

録音2012年9月29-30日ロンドンブラックヒース・コンサート・ホール
アゼルバイジャン、バクーで生まれたカラーエフ(1918-1982)。モスクワ音楽院でショスタコーヴィチに師事したという彼、既発の交響曲第3番(8.570720)でも、そのカラフルな管弦楽法が話題となりました。このアルバムには彼の2つのバレエ音楽を収録。一層楽しく妖しい音楽を楽しむことができます。「7人の美女」は12世紀に活躍した詩人ニザミの詩を元にしたもの。7人の妻を持っていたという伝説の王の物語です。美女たちが登場するまでのワクワクした気持ちと彼女たちの紹介に続いて、様々な美女たちが現れます。どの曲もエキゾチックで情熱的。音によるポートレイトです。「雷の道」はプロコフィエフの思い出に捧げられた作品で、こちらは南アフリカの作家P.エイブラハムズの小説に触発されたもの。人種間の争いと愛をモティーフにした作品で、アフリカの特徴的なロズムも効果的に用いられています。悲劇的でありながらも活気に満ちた音楽です。
8.573123
マスネ:バレエ音楽集
歌劇「バッカス」〜バレエ音楽「ディオニソスの神秘」
歌劇「エロディアード」〜バレエ音楽<エジプト人の踊り/バビロニア人の踊り/陽気な踊り/フェニキア人の踊り/フィナーレ>
歌劇「タイス」〜バレエ音楽<アンダンテ/ラルゴ/プレスト・ヴィヴァーチェ/アンダンテ・カンタービレ/スケルツェット・モルト・ヴィヴァーチェ/アレグレット・モデラート/トレ・レント/アンダンテ・レリジオーソ/アレグロ・ヴィヴァーチェ・フレネティコ/アレグロ・モデラート>
歌劇「ル・シッド」〜バレエ音楽<カスティリアの踊り/アンダルシアの踊り/アラゴンの踊り/朝の歌/カタロニアの踊り/マドリードの踊り/ナヴァラの踊り>
パトリック・ガロワ(指)
カタルーニャ国立バルセロナSO

録音: 2012年10月9-11 日
その生涯に40 作品近くの歌劇を書いたにも拘わらず、そのほとんどは忘れ去られ、現在では「マノン」「タイス」「ウェルテル」などのいくつかの作品だけがレパートリーとして残っているというフランスの“歌劇作曲家”ジュール・マスネ(1842-1912)。とは言え、彼の作品は前述のレパートリー以外にも完全に忘れ去られていることはなく、例えば主役にふさわしい歌手が現れた時などには、爆発的な人気を獲得することでも知られています。彼の作品にはライトモティーフ(人物や状況を特定の動機で表すこと)の手法が用いられていたり、適度なエロティシズムが盛り込まれていたりと、なかなか聞きどころが多いものなのですが、前述の通り、滅多に聴く機会に恵まれないのが悲しいところです。このアルバムではそんなマスネのバレエ音楽を集めています。ここには歌はないものの、重厚なハーモニーと美しく妖艶なメロディが散りばめられています。
8.573127
タンスマン:ヴァイオリンとピアノの為の作品集
ロマンス(1918)…世界初録音
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1917-1919)
幻想的ソナタ(1924)…世界初録音
ヴァイオリンの為のソナチネ第1番(1925)…世界初録音
ヴァイオリンの為のソナチネ第2番(1941)…世界初録音
ヴァイオリンとピアノの為の幻想曲(1963)
クライディ・サハーチ(Vn)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2013年7月7.8日
2013年11月14日
スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
ポーランドの音楽一家に生まれ、アントン・ルビンシュタインとアルトゥール・シュナーベル、ウジェーヌ・イザイに師事したタンスマン(1897-1986)。彼は1919年に開催されたポーランドの作曲コンクールに3作を提出(偽名で)、1等賞を獲得したという経歴を持っています。この中の1曲が、今回初録音された「ロマンス」でした。まるで初期のスクリャービンやシマノフスキを思わせる和声と、穏やかな表現力には、汲めども尽きぬ才能を予感させるものです。しかし彼の室内楽作品のほとんどは、現在すっかり忘れ去られ、再発見されることもほとんどありません。確かに当時のポーランドの音楽環境では、これらの作品は先鋭的なものとして捉えられたことでしょう。彼の作品が正統な評価を受けるのは、大学で法学博士の学位をとってからフランスに移ってからであり、それ故、学生時代に書かれた瑞々しい作品は行き場をなくしてしまったのです。とは言え、ここに収録された様々な時期のヴァイオリン曲は、折々の心を映し出したものです。「ソナチネ第1番」は戦時中に書かれたにもかかわらず、の第1楽章フォックストロットには遊び心が溢れていたり、1963年の「幻想曲」に漲る叙情性も注目すべきでしょう。
8.573128
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第4集
ピアノ三重奏曲第8番変ロ長調Hob.XV:8
ピアノ三重奏曲第9番イ長調Hob.XV:9
ピアノ三重奏曲第10番変ホ長調Hob.XV:10
ピアノ三重奏曲第11番変ホ長調Hob.XV:11
.ピアノ三重奏曲第12番ホ短調Hob.XV:12
バルトロッツィ三重奏団
[マシュー・トゥルスコット(Vn)/リチャード・レスター(Vc)/サイモン・クロウフォード=フォリップス(P)]

録音:2012年9月5-7日UKウィアストン・ホール
1784年から1797年までの間に書かれたハイドン(1732-1809)のピアノ三重奏曲は、偽作も含めて41曲、そして番号なしや補遺などが他に6曲あります。ほとんどの曲はピアノとヴァイオリンが中心で、チェロは低音を補強するために添えられていると言っても過言ではないでしょう。この頃の鍵盤楽器はチェンバロからクラヴィコード、フォルテピアノへと著しく変化、発展していたため、ハイドンもそれを鑑みつつ、楽器の特性を存分に生かすべく工夫した作品を次々と生み出していたのでした。モダンピアノで演奏する際は、それらも考慮しつつバランスや音色などを注意深く表現することが重要です。もちろんこのバルトロッツィ三重奏団の演奏は文句なし。技術的な課題や精密なアンサンブル、どれもが満足行くものです。
8.573129
レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1集
ギーガP.15b/アレグレット・ヴィヴァーチェ
ヴァイオリン・ソナタニ短調(1897)
6 つの小品 Op.31(1901-1902)<
5 つの小品Op.62(1906)
エミー・ベルネコーリ(Vn)
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(P)

録音2012 年9 月3-5 日ヴィセンツァモンティチェロ・ディ・ロニゴ,セント・アポリナーレ教会
レスピーギ(1879-1936)というと、あの壮大な「ローマ三部作」などの管弦楽作品がまず頭に浮かびますが、彼自身は最初ヴァイオリンを学びやがてヴィオラ弾きとして活躍、従って、その初期の作品もヴァイオリンのために書かれたものがとても多いのです。NAXOS ではそんなレスピーギのヴァイオリンとピアノのための作品の全集をシリーズ化します。第1集は1897年から1905 年にかけて書かれた曲を集めたもので、いくつかの曲はボローニャの博物館に所蔵された未発表作品でもあります。彼の学生時代にはドイツのロマン主義とロシアの国民楽派など、フランスの印象派など様々な潮流が押し寄せていました。そんな時期に書かれたこれらの曲はおり、、優雅さと流麗さ、そして壮大さを兼ね備えています。ピアノ独奏版としても愛されている6 つの小品(とりわけ優しいワルツは最近人気の作品)は、ヴァイオリンで聴くとまた違った佇まいを持ち、良い意味での「サロン風」の雰囲気を備えています。そして「5 つの小品」は完全にレスピーギの個性が確立された作品と言えそうです。
8.573130
レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集ピック=マンジャガッリ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタロ短調P.110(1917)*
ピック=マンジャガッリ:コラリンOp.12(1908)*
 G.B.グラツィオーリのコルダによるアダージョ(1908)
 シルヴェンテーゼ(1908)
 ヴァイオリン・ソナタロ短調Op.8(1906)
エミー・ベルネコーリ(Vn)
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(P)

録音:2013年9月9-12日イタリアヴィツェンツァ,モンティチェッロ・ディ・ロニゴ,サント・アポリナーレ教会
*以外…世界初録音
「ローマ三部作」で知られるイタリアの名作曲家レスピーギ(1879-1936)。彼の父親は地元の音楽教師であり、祖父も名高い音楽家であり、そのためレスピーギも幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び、長じてからはヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者としても活躍しています。そのため、このようなピアノとヴァイオリンのための作品を書くのは当然の成り行きだったに違いありません。このヴァイオリン・ソナタは1917年に完成したもので、その直前に「ローマの噴水」が初演されるなど、彼の創作意欲は絶頂期にあり、20年前に書かれた「ニ短調ソナタ」に比べると、その音楽的な深化には格段の違いがあります。アグレッシヴな第1楽章、叙情的で官能的な第2楽章、濃密な空気が漂う終楽章と、管弦楽作品とはまた違う魅力を見せるレスピーギをご堪能ください。アルバムの残りの部分に収録されているのは、ストラコニツェで生まれた作曲家、ピック=マンジャガッリ(1882-1949)のヴァイオリン作品集。生まれはボヘミアですが、幼い頃にミラノに移住したため、ほとんどレスピーギと同世代のイタリアの作曲家と称してもよいのではないでしょうか?彼のロ短調ソナタ(奇しくもレスピーギと同じ調性を持つ)は、作曲年代が早いためか、まだまだロマン派の作風に則ったものですが、独創的なピアノ・パートなど聴くべき箇所はたくさんあります。
8.573131
葉小鋼:マカオの花嫁-バレエ組曲Op.34他
マカオの花嫁-バレエ組曲Op.34(2001)
4つの嶺南の詩Op.62(2011)
シー・イージェ(T)
リウ・ミンヤン(Ms)
マカオ・ユースCho
リュー・ジア(指)マカオO

録音:2011年7月4-7日
※世界初録音
現代の中国において最高の作曲家の一人として知られる葉小鋼(1955-イェ・シャオガン)の作品集。彼は中央音楽院で学び、1987年からはニューヨークに留学もしています。彼の作品は極めてシンフォニックであり、どれもがまるで映画音楽のように鮮やかで、聞き映えのするものです。彼の名を一躍高めたのは2008年の北京オリンピック開会式で、この時は彼のピアノ協奏曲を名手ラン・ランが演奏。光の乱舞とダンスを伴うその演奏は、世界中の30億人の観衆を魅了したのでした。この「マカオの花嫁」は4幕からなるバレエ組曲で、中国の船乗りとポルトガル船の船長の娘の物語を描いたものです。迫りくる荒波を越えて2人は幸せな結婚式を挙げるというストーリーです。「4つの嶺南の詩」はやはりマカオの文化局から委嘱された作品で、テノールと管弦楽のために書かれており、使われた詩はそれぞれ、唐、宋、明、清王朝の時代に書かれたものです。今日の中国芸術家の情熱と願望を反映し、古代の傑作に新たな次元を融合させるという作曲家の意図が見事に反映されています。
8.573132
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番Op.135 ガル・ジェームス(S)
アレクサンダー・ヴィノグラドフ(Br)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2013年5月4-5日イングランドロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
ペトレンコのショスタコーヴィチ解釈は、バルシャイをはじめとするこれまでの指揮者たちとは一線を画し、非常に「現代的」と評されるものの、一見淡白かつクールに思えるその音の奥から滲み出る強いパッションは、21世紀のショスタコーヴィチ演奏のスタンダードの形となるかもしれません。
8.573135
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調「イタリア協奏曲」Op.31(1924)*
ヴァイオリン協奏曲第2番「預言者たち」Op.66(1931)
楊天堝-ティアンワ・ヤン(Vn)
バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送SO
ピーテル=イェレ・デ・ブーア(指)

録音:2012年11月11-15日ドイツフライブルク,コンツェルトハウス,ロルフ・ベー
ム・ザール
*=世界初録音
日本では「ギター曲作曲家」として認知されがちなイタリア近代の作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)ですが、最近彼の管弦楽曲や協奏曲が相次いでリリースされることで、その風向きも変わってきたようです。もともとは優れたピアニストであった彼ですが、1924年に最初の管弦楽作品「イタリア協奏曲」を書くことを思いつきました。彼の友人のヴァイオリニスト、マリオ・コルティはこの当時発表されたシマノフスキの「神話」を参考にするようにと提案しましたが、彼が最終的に取り入れたのは17世紀から18世紀にかけての作品…ヴィヴァルディを思わせるスタイルでした。もちろんかなりモダンな味付けがされていますが、なかなかステキな作品となっています。ハイフェッツに委嘱された「協奏曲第2番」は良く知られた作品で、題材は旧約聖書やユダヤ教の典礼から取られており、彼自身もユダヤの血を引いていることから、当時蔓延していた「反ユダヤ主義」をはねのけるほどのパワーと輝きを持つ力作となっています。いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する若きヴァイオリニスト、ティアンワ・ヤンのパワフルなソロは、厚みのあるオーケストラの音色から一歩抜きん出る輝きを放っています。
8.573136
ブリテン:リフレクションズ〜ヴァイオリンとヴィオラのための作品集
ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.6(1934-1935)
ヴィオラとピアノのための「リフレクションズ」(1930)
ヴァイオリンとピアノのための演奏会用練習曲「まどろみ」
共演者なしのヴィオラのための「悲歌」(1930)
ヴァイオリンとピアノのための2 つの小品(1931)
独奏ヴィオラのための練習曲(1929)
フランク・ブリッジ
(1879-1941):小川にしなだれて柳が立っている(ブリテンによるヴィオラとピアノ編)
ヴァイオリンとピアノのための
ワルツ.ロ長調
ヴィオラとピアノのためのラクリメ-ダウランド歌曲の投影 Op.48(1950) :
マシュー・ジョーンズ(Vn&Va )
アナベル・スウェイト(P)

録音: 2011 年10 月21 日&11 月30 日

※9-10.11.13…世界初録音
イギリスのサフォーク州、海沿いの街で生まれたブリテン(1913-1976)は、幼い頃からピアノを弾き、また10 歳からはヴィオラも学び始めています。同じ頃にフランク・ブリッジの交響組曲「海」を聴いて感激した彼、やがてブリッジの許で個人授業を受け、その才能が大きく花開いたのでした。このアルバムにはそんなブリテンの世界初録音を含むヴァイオリンとヴィオラのための作品を収録、これらはこれまで未発表であったのですが、最近のブリテン・ビアーズ財団の仕事によって、演奏、録音が可能になりました。この中には難解な曲もあれば、諧謔的な曲、内省的な曲があり、ブリテンという人間の多様性を知ることができるのではないでしょうか?恩師フランク・ブリッジ作品の編曲からは、限りない優しさも感じ取れます。
8.573137
グリーグ:3つのヴァイオリン協奏曲(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
ヴァイオリン協奏曲第1番ヘ長調Op.8(1854/2012)
ヴァイオリン協奏曲第2番ト長調OP.13(1867/2012)
ヴァイオリン協奏曲第3番ハ短調
Op.45(1886-1887/2012)
※全てヘンニング・クラッゲルード&ベルント・ジーメン・ルンドによる管弦楽伴奏編、世界初録音)
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
トロムソ室内O

録音:2013年1月7-11日ノルウェイトロムソグレンネセン教会
このアルバムのタイトルには「グリーグのヴァイオリン協奏曲」とあります。しかし「そんな曲あったっけ?」と思う人も多いことでしょう。これはNAXOSでおなじみのヴァイオリニスト、クラッゲルードがヴァイオリン・ソナタを協奏曲として生まれ変わらせたものなのです。確かに「ピアノ協奏曲」のような見事な作品を書いたグリーグにヴァイオリン協奏曲が1曲も存在しないのは何とも残念なことで、その足りないレパートリーを埋めるのに、これほどまでにふさわしい音楽はありません。シベリウスをさえも思わせる勇壮な第1番、静かな美しさを讃えた第2番、そして、まさに完璧にはまった感のある第3番と、グリーグ好きが泣いて喜ぶようなラインナップです。もちろんクラッゲルードの演奏は文句のつけようがありません。
8.573138
サン=サーンス:交響曲第1番変ホ長調Op.2
交響曲第2番イ短調Op.55
交響詩「ファエトン」Op.39
マルク・スーストロ(指)マルメSO

録音:2013年8月19-23日スウェーデン,マルメ・コンサート・ホール
「NAXOSのカタログにはどんな曲でもあるんでしょう?」と尋ねられることもしばしばですが、実はそうでもありません。サン=サーンスの交響曲も全集がありそうで、本当はありませんでした。そこでこの第1集を皮切りに、全集を録音してしまおうという企画が始動しました(とは言え、サン=サーンスは番号のついた交響曲は3曲しか書いておらず、あとは番号なしの1曲と、交響曲「ローマ」、未完の2曲があるだけです)。交響曲第1番は18歳の作品ですが、モーツァルト、メンデルスゾーンを凌ぐ神童であった彼だけあって、この完成度の高さには驚くばかりです。第2番はその6年後の作品ですが、作曲技法も格段の進歩が感じられる意欲作となっています。シューマン風の重厚さも感じられる興味深い音楽です。交響詩「ファエトン」はギリシャ神話を題材とする作品ですが、当時のフランスの困難な状況・・・普仏戦争でのナポレオン3世敗北による第三共和制の混乱・・・を反映した、悲しさと重厚さを併せ持つ重厚な音楽です。
8.573140
サン=サーンス:交響曲集第3集交響曲ヘ長調「首都ローマ」他
交響曲ヘ長調「首都ローマ」(1856)
交響詩「ヘラクレスの青年時代」
死の舞踏Op.40(1874)
マリカ・フェルツコー(マルメ響コンサート・マスター:ヴァイオリン・ソロ)…6
マルク・スーストロ(指)マルメSO

録音::2013年8月29-30日スウェーデンマルメ・コンサート・ホール
1856年、21歳のサン=サーンス(1835-1921)はへ長調の交響曲を書き上げました。これはボルドー・ソシエテ・サン・セシルが主催したコンクールのための作品です。なぜ「首都ローマ」というタイトルを彼が選択したのかは不明ですが、コンクールのルールが「匿名で応募すること」であり彼はそれを遵守、見事に賞を勝ち得たのです。コンクールを意識して書かれたせいか、かなり堅固な形式を取っていて、最終楽章はまるでブラームスの交響曲第4番を先取りするかのようなパッサカリア風の変奏曲となっていたりと、実験的な要素も垣間見えます。しかしこの作品は彼の生きている間は出版されることなく、またサン=サーンス自身も、次の作品である第2番の方を重要視したせいか、こちらの作品はすっかり影が薄くなってしまったのです。そんな隠れた名作をこの機会に。他には彼の最も有名な作品「死の舞踏」と劇的な内容を持つ「ヘラクレスの青年時代」を収録。
8.573141
ペトラッシ/チレア/フーガ:チェロ作品集
ペトラッシ(1904-2003):前奏曲,アリアと終曲(1933)
チレア(1866-1950):チェロ・ソナタ.ニ長調Op.38(1888)
フーガ(1904-1994):チェロ・ソナタ第1番(1936)*
マッシモ・マクリ(Vc)
ジァコモ・フーガ(P)

録音:2013年2月22-23日イタリアポリテクニコ・オブ・トゥリン,アウラ・マーニャ・ジョヴァンニ・アネッリ
*=世界初録音
この3つの作品は、それぞれの作曲家たちの初期の作品で、これまでほとんど録音されることのなかったものです。もちろんどれも作曲年代や曲想、スタイルは違っているものの、根底に流れる若々しい音楽性には共通するものが感じられます。ペトラッシは新古典主義でスタートし、その後は無調や十二音を追求、一切の妥協を許さない厳しい音楽を追求した人です。この作品には、アリアの部分などに抒情性を感じることができますが、全体的には規律正しい音の応酬が見られます。チレアはオペラ作曲家として知られている人で、ここでも美しいメロディが溢れており、聞き手の耳もここでほっと一息つくことができるのではないでしょうか。このソナタは、彼がオペラ作曲家として認められる以前のものです。サンドロ・フーガのソナタはペトラッシのものとさほど変わらない時期に作曲されていますが、こちらは驚くほどに情緒豊かであり、この2人の求めたものの違いをじっくり感じることができるのではないでしょうか。穏やかで美しい作品です。
8.573142
サンドロ・フーガ:ヴァイオリン・ソナタ第1番-第3番
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1938-1939)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1972)*
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1989)#
マウロ・トルトレッリ(Vn)
アレッサンドロ・ミラーニ(Vn)*
セルジオ・ランベルト(Vn)#
ジャコモ・フーガ(P)

録音:2013年2月1-2日イタリアポリテクニコ・オブ・トゥリン,アウラ・マーナ。ジョヴァンニ・アネッリ
※世界初録音
NAXOSのCDを聴く喜びの一つに「これまで名前すら知らなかった作曲家の作品と出会える」ことがあります。このサンドラ・フーガ(1906-1994)のヴァイオリン・ソナタ集もそんな1枚。音楽辞書どころか、日本語のWIKIでもこの人の名前を検索することはできません。かろうじてイタリアのWIKIに簡単な解説があり、それによると「トリノ音楽院でアルファーノとゲティーニにピアノ、オルガン、作曲を学び、その作品は国際的に認められた」とあり、その最後には「1995年に家族によって彼の名前を関した組合が設立された」とも書いてありました。イタリア国内でもこの程度の知名度しかない作曲家ですが、彼の作品はなかなか聴き応えのあるものです。ヴァイオリン・ソナタ第1番は、当時世界を覆っていた戦争の暗い影を伴う悲哀に満ちたもの。そして彼の友人のために書かれた第2番は、一層穏やかで悲しさを帯びたエレジーで始まり、永久に続くかのような第2楽章を経て、激しい第3楽章へと続いていきます。第3番はバランスの取れたスタイルで書かれており、繊細さと流麗さはまるでドビュッシーやフォーレ作品を思い起こさせます。この3つの作品を「時代に即していない」と捉えるか、それとも「美しいメロディは永遠に滅ぶことない」と捉えるかは、聴き手の感性に委ねられるのかも知れません。
8.573145
リスト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
二重奏のためのソナタ(二重奏曲)S127/R461
レメーニの結婚式のための祝婚曲S129/R466
三人のジプシーS320/R612
エレジー第1番S130/R471c
エレジー第2番S131/R472
即興的ワルツS213/R36(J.フバイによるヴァイオリンとピアノ編)
協奏的大二重奏曲S128/R462
ヴォイテク・プロニエヴィチ(Vn)
ヴォイチェフ・ヴァレチェク(P)

録音2013年3月3-4日、2013年7月15日、2013年7月16日、2013年7月17日 ポーランドワルシャワ,ポーランド放送,ヴィトルト・ルドスワフスキ・コンサート・スタジオ
"ピアノの魔術師"フランツ・リスト(1811-1886)は、多くのピアノ曲と管弦楽曲を書きましたが、室内楽作品はあまり多くを遺していません。このアルバムはそんな珍しい作品を集めたものです。二重奏のためのソナタは、「ソナタ」と名づけられているものの、通常のソナタ形式とは全く違うもので、4つの楽章全てに、親友であったショパンのマズルカOp.6-2が素材として用いられています。第1楽章では鎮痛に、第2楽章では、ほとんど原型に近いマズルカが奏されたあと、様々な変奏を施されて登場します。第3楽章では軽やかで優雅な舞曲になり、情熱的に盛り上がっていきます。終楽章では力強く華やかに、もともとはショパンであった旋律が、リスト風の衣装を纏い現れるのです。「祝婚歌」はリストの友人であるハンガリーのヴァイオリニスト、エドゥアルド・レメーニのために書かれた魅力的な音楽です。「三人のジプシー」はヴァイオリンの特性を生かした作品で、即興的ワルツはもともとピアノ作品であったものを、フバイがヴァイオリン用に編曲した曲。「エレジー」もピアノ曲からの編曲です。協奏的大二重奏曲は、ヴァイオリンとピアノ双方に超絶的な技巧を要求する華やかな作品です。
8.573143(2CD)
ヨハン・デ・メイ:交響曲第1番「指輪物語」(1984-1987)
交響曲第2番「ビッグアップル」(1991-1993)
交響曲第3番「プラネット・アース」(2006)
ハーマン.D.パーカー(指)
ピーポディ音楽院ウィンド・アンサンブル

録音:009年12月10日,2010年3月4日,2010年4月15日、2011年4月6-8日、1998年4月9-10日
映画が大ヒットしたことでも知られる、イギリスの作家、ジョン.R.R.トールキンのファンタジー小説「指輪物語」を題材に、1984年から1987年にかけて作曲されたこの吹奏楽曲は、オランダの作曲家デ・メイ(1953-)の最初の本格的な作品であり、現在でも吹奏楽愛好家の中でとりわけ人気の高い1曲としても知られています。曲は5人の登場人物にそれぞれ楽章が充てられており(楽章の順序は原作と異なる)各場面を彷彿させる魅力的で表現的な音楽が付けられています。壮大なる「悪と善」の対立と、あくなき探究心が反映された劇的な音楽です。対する「第2番」はニューヨークに捧げる頌歌であり、アメリカへのオマージュです。コープランド、バーンスタインの影響を感じさせながらも、映画音楽風のゴージャスさも兼ね備えています。交響曲第3番は地球全体への賛歌であり、奇跡的な美しさを讃えた見事な叙事詩です。おなじみピーポディ音楽院ウィンド・アンサンブルの緻密な演奏で。
8.573146
ハープシコード協奏曲集
ラター(1945-):古風な組曲
グラス(1937-):ハープシコード協奏曲
フランセ(1912-1997):クラヴサンと器楽アンサンブルのための協奏曲(ハープシコード協奏曲)
クリストファー・D・ルイス(Cemb)
ジョン・マクムルテリー(Fl)
ケヴィン・マロン(指)
ウェストサイド室内O

録音:2012年9月10-12日ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
「ハープシコードの音色」というと、バッハを始めとしたバロック時代の音楽を思い起こす人がほとんどでしょう。しかしここに収録された3つの作品はどれも現代に書かれたもの。どれも雅びな音色を活かしつつ、斬新な表現と現代的な味付けを施した何とも楽しい曲集です。ラターは現代イギリス最高の作曲家。彼の生み出す音楽は崇高さと親しみやすさを兼ね備えているので、どれも一度聴いたら忘れられないほどの印象を残すのですが、この「古風な組曲」もその例にもれません。曲はフルートとハープシコードの合奏協奏曲風の体裁をとっていますが、これが全く一筋縄ではいかない曲集。聴きすすむうちに「おおっ」と叫び声をあげること間違いなしの面白さ。グラスの曲はパワフルで、フランセの曲は楽しさに満ちています。
8.573147(3CD)
ジェズアルド:マドリガル集第5集&第6集
<CD1>1.歌って楽しみなさい/2.見つめなければ私は死なないが/3.行け、わがため息よ/4.とてもいとしいわが命のひとよ/5.ああ、痛ましい喜び/6.いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は/7.いとしいひとの目に宿り/8.もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら/9.わが心の命であるまなざしよ/10.命のひとから離れる者は/11.情けをと私は泣きながら叫ぶのだが/12.ああ、お前たちはあまりにもしあわせ/13.恋人たちよ、競い合って急ぎなさい/14.美しい目をふきなさい/15.お前は私を殺す/16.ああ、美しい胸を覆ってほしい/17.悲しく涙もろい私の気質に/18.けれど私を死へと導く
<CD2>1.ああ、暗い日よ/2.もしお前が逃げるなら/3.あなたを愛しています、私の生命よ/4.もしもお前が私の死を望むなら/5.美しい人よ、心を持ち去るのなら/6.お前は泣いている、私のフィッリよ/7.私を煩わすのをやめておくれ/8.明るく輝く太陽/9.私は行くとしか言わなかった/10.一日に千回も私は死ぬ/11.優しい私の宝である人よ/12.ああ、いくらため息をついても無駄なのだ/13.こんなに大きな苦しみの中でも/14.優美な音色と甘い言葉で/15.白くみずみずしい花/<CD3>1.大胆な小さい蚊が/2.お前を求めて私は燃える/3.死のみが私を殺すのだから/4.私の希望を打ち砕いたあの残酷な「いや」という言葉を/5.私は死ぬ、悲しみや苦しみゆえに/6.蝶のように舞う/7.私の喜びに空はかくも晴れ渡り/8.お前は追いかける、おお美しいクローリよ/9.お前を愛する故に私はやつれ果てる/10.悲嘆にくれて泣いていたのは昔/11.にこやかで美しいリコーリが
※CD1&CD2:3…第5集、CD2:4-15&CD3…第6集
マルコ・ロンギーニ(指)
デリティエ・ムジケ

録音:2010年7月6-10日イタリアヴェローナ,ノヴァーリエ,チェサ・ディ・サンタ・マリア・マッダレーナ…第5集
2011年7月24-29日イタリアヴェローナ,セツァーノ,チェサ・ディ・サン・ロレンツォ・マルティレ…第6集
人気シリーズ、デリティエ・ムジケによるジェズアルド(1566-1613)のマドリガル集の完結編です。この第5集と第6集は1611年に一緒に出版された「双子」の曲集であり、この中には、宮廷の掟や雇用される者の制約などの様々な縛りから解き放たれた「自由な作品」が描かれています。当時の彼は、自分の城に閉じこもり、演奏家たちを侍らせながらひたすら音楽を生み出していました。この中には愛、拒絶、死、苦しみ、喜び、悲しみなど様々な感情が描写されていますが、実際の彼は自らの罪を悔いていたのかどうかは、誰も知ることはできません。ただ、残された音楽は孤高の美しさを湛えています。
8.573151
ヴィラ=ロボス:響曲第3番「戦争」(1919)
交響曲第4番「勝利」(1919)
イザーク・カラブチェフスキー(指)
サンパウロSO

録音:2012年2月26日-3月5日ブラジルサンパウロ・ホール
ヴィラ=ロボス(1887-1959)の「戦争」と「勝利」の交響曲は、第一次世界大戦の休戦を記念するためのブラジル政府から委嘱された作品です。当時32歳の彼は、すでに「国際的なモダニズム感を持つブラジルの芸術家グループの中心人物」として位置づけられており、この依頼を受けた彼は、決して勝ち誇った態度をとることのないように細心の注意を払った上で、この2つの曲を書き下ろしたのです。第3番「戦争」では、ブラジルの国家と「ラ・マルセイエーズ」の断片が聴こえてきたり、リゴレットの苦悩のモティーフが引用されたりと、かなりコラージュ的な手法で書かれています。第4番はさらに情熱的になり、最終楽章では狂乱の真っただ中に放り込まれるかのような陶酔感に満ちています。
8.573153
日本のギター作品集第1集
レオ・ブローウェル:HIKA:イン・メモリアム・トオル・タケミツ(1996)
武満徹:フォリオス(1974)
 すべては薄明のなかで(1987)
 ギターのための小品「シルヴァーノ・ブソッティの60歳の誕生日に」
(1991)
ブローウェル:ハープと影-武満徹の想い出に(2005)
武満徹:エキノクス(1993)
 森の中で(1995)
 ギターのための12の歌(1977)より
ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア(ジョン・レノン&ポール・マッカートニー)
イエスタデイ(ジョン・レノン&ポール・マッカートニー)
福田進一(G)

録音:2012年10月18-21日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
20世紀の最も重要な日本人作曲家、武満徹(1930-1996)。彼の作品はどれも偉大なものですが、中でも一連のギター曲は、また独自の表現力を誇るものとして知られています。1974年の「フォリオス」はギタリスト荘村清志のために書かれた作品で、フォリオとは「二つ折りの紙」の意。抽象的な音の断片は意識を遠くに運んでいきますが、一瞬聞き覚えのあるコラールが耳に残り、静かに消えていくという儚い音楽です。とても短い「ギターのための小品」。こちらも荘村に捧げられた「エキノクス」での揺れ動く優しさ。「すべては薄明のなかで」はパウル=クレーの絵画からインスピレーションを受けたという音楽。福田が日本初演しています。「森の中で」は武満が亡くなる前の最後の作品。こちらも幻想的であり、不思議な雰囲気を醸し出しています。これらの作品に、武満と福田の共通の親友であるブローウェルの作品を散りばめて作り上げたこの1枚は、全てのギターを愛する人と音楽を愛する人への贈り物です。
8.573155
 
期待の新進演奏家シリーズ/福本茉莉オルガン・リサイタル
ブルーンス(1665-1697):前奏曲ホ短調
ミヒャエル・ラドゥレスク(1943-):リチェルカーレ集Op.28-第3番:エスタンピー
ニコラ・ド・グリニ(1672-1703):オルガン曲集第1巻より「来たれ、創造主たる聖霊よ」
 5声のフーガ
 グラン・ジュでのディアログ
バッハ:トリオ・ソナタ第2番ハ短調BWV526
ブクステフーデ:讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよBuxWV188
メシアン:聖霊降誕祭のミサ-第4曲:聖体拝領唱「鳥と泉」
バッハ:前奏曲とフーガ.ホ短調BMW548
福本茉莉(Org…武蔵野市民文化会館,リサイタル・ホール)

録音:2012年10月1.2日武蔵野市&武蔵野文化財団の協力による録音
1987年東京生まれの若きオルガニスト、福本茉莉。彼女は2009年に東京藝術大学卒業後、同大学院で研鑽を重ね、更にハンブルク音楽演劇大学でも学びます。そんな彼女は、2012年、第7回武蔵野市国際オルガンコンクールで見事優勝に輝き、一層の飛躍を遂げることとなったのです。このアルバムは、その優勝記念のリサイタル録音であり、バロック期の作品から、メシアン、ラドゥレスクなどの現代作まで、彼女の素晴らしい才能の一端を知るには最適の1枚です。2013年にはドイツ・ニュルンベルク国際コンクールでも優勝、その勢いは留まるところを知りません。プライヴェートではユニークなキャラクターを持つことで知られる彼女ですが、巨大なオルガンの前に座るやいなや「音楽の神」と化し、全身で神の声を表現する姿が衝撃的でもあります。
8.573156
イアン・ヴェナブルズ:ピアノ独奏作品全集
カプリースOp.35*
組曲「ストウヘッド・フォーリーズ」4つのロマンティックな印象Op.4
3つの小品Op.5
即興曲「ナイチンゲールとばら」Op.8*ジャニスの肖像Op.9*
ピアノ・ソナタ(1975)〜D.S.C.Hへの思いでにOp.1*
グラハム・J・ロイド(P)

録音:2012年10月23-24日UKモーンマスシャー,ウィアストン・コンサート・ホール

※1.9-13…世界初録音
リバプール出身の作曲家イアン・ヴェナブルズ(1955-)の名前は「英国歌曲好き」だったら忘れられない存在でしょう。彼は現在イギリス有数の歌曲作曲家であり、またアーサー・ブリス協会のプレジデントも務める名士です。彼の歌曲集(8.572514)は、その少々甘いメロディとテノール歌手A.ケネディの名唱で多くのファンを獲得しましたが、このピアノ曲も、歌曲に通じる抒情性と、うっとりするようなメロディが魅力的であり、瞬く間に、聴き手を新しい世界へといざなうものと言えそうです。「ストウヘッド」とは風景式庭園のことで、過去への連想や異国的なものへの憧れを含んだその造りは、見るものに素晴らしい印象を与えます。そんな庭園の印象を描いたのが組曲「ストウヘッド・フォーリーズ」。ちょっぴり印象派のような風情の曲が郷愁を呼び起こします。他の曲もどれもストーリーを帯びた名作です。
8.573157
フィビヒ:管弦楽作品集第2集
交響曲第2番変ホ長調Op.38
管弦楽のための牧歌「夕暮れに」Op.39
クラリネットと管弦楽のための牧歌変ロ長調Op.16
アーヴィン・ヴェニシュ(Cl)
チェコ・ナショナルSO
メレク・シュティレツ(指)

録音:2012年10月23日.2012年11月9日チェコ共和国プラハ,ONS0第1スタジオ「Gallery」
19世紀後半のチェコで活躍した作曲家のなかでも、とりわけ重要な役割を担ったのがこのフィビヒ(1850-1900)です。ドヴォルザーク、スメタナと共に、チェコ国民楽派の草創期を築き、自作にチェコ民謡や舞踊のリズムを取り入れ、また民話に基づいたオペラを作曲、この精神はヤナーチェクへとしっかり引き継がれていくことになるのです。彼の第2番交響曲は1892年から93年にかけて作曲されたもので、フィビヒの音楽的思考と表現が決定付けられた作品とも言えるでしょう。もちろん当時のチェコ周辺作曲家たちと同じく、シューマンやブラームスの影響は否めませんし、冒頭の伸びやかなテーマや活発な終楽章からはドヴォルザークの存在の大きさも感じられます。しかし美しい第2楽章は、洗練された響きを持ち、第3楽章のスケルツォは確かな独自性を有しています。1893年の「夕暮れに」からは明らかにワーグナーの香りが感じられることでしょう。また、協奏曲を書かなかったフィビヒですが、変ロ長調の牧歌は実質的な協奏曲です。優しく波打つ弦の調べ、抒情的なクラリネットのメロディ。静かな美しさに満ちた佳品です。
8.573158
ボブ・チルコット:誰もが歌った
1.島はざわめきで満ちている(2004)
2.ゆりとばら(2002/2008)
3.誰もが歌った(1995)
4-5.あなたと私(2005)
6-10.小さなジャズ・ミサ(2004/2005)
9.ベネディクト/10.アニュス・デイ
11.わが父(生命のパン)(2010)
12.冬のさなか(1994/1995)
13.彼のために全ての星が輝いている(2002)
14.真冬のばら(2010)
15-18.私は創造を共有する(2005)
19-23.イソップ物語(2008)
ジェンマ・ビーソン(P)
ウィル・トッド・トリオ
ウェレンシアン・コンソート
クリストファー・フィンチ(指)

録音:2011年8月25-26日UKサマーセット、ミリフィールド・スクール,ジョンソン・ホール
※1.3-10.15-23世界初録音
現代イギリスで最も人気を博している合唱曲指揮者&作曲家、ボブ・チルコット(1955-)の作品集です。彼は1985年にキングス・シンガースに参加し、12年間テナーを務めたあと、作曲に専念するために脱退したという実力の持ち主であり、編曲家としても高名です。そんな彼の作品はどれも親しみやすく、「歌う喜び」を味わわせてくれるものであり、例えばここに収録された「小さなジャズ・ミサ」や「イソップ物語」は、とりわけ機知に富んだ優れた作品として評価されるものでしょう。まずは冒頭の「島はざわめきで満ちている」を聴いてみてください。この何ともチャーミングなこと。ここを聴いただけで全てを知りたくなること間違いなしです。
8.573159
ボブ・チルコットのクリスマス・キャロル集-真冬のバラ
1.飼葉桶の歌(2012)
荒野の果てに(2006)
アドヴェント・キャンドル(2011)
真冬のばら(2009)
心は待っている(2008)
羊飼いは歌う(2011)
羊飼いのキャロル(2000)
クリスマスの夜に(2010)<これが真実(T)/アダムは義務的に横になる/汚れなきバラ/桜の木のキャロル/小さな街/その歌は甘く/喜べ、そして陽気に/これが真実(U)>
なんと甘美な音楽(2012)
真冬に(1994)
ベツレヘムの星(2013)
きよしこの夜(2011)
彼はこの夜に生まれた(2007)
冬の子どものための贈り物
おお、大いなる神秘
ローリー・アシュワース(S)
リチャード・ピアース(Org)
アリス・ジェームズ(Fl)
ジョシー・シモンズ(ソプラノSax)
ティム・エルトン(Ob)
ターニャ・ホートン(Hp)

録音: 2013年4月5-7日
ケンブッリッジ・キングスカレッジ合唱団に少年合唱団として3 年、また大学生や研究者として5 年、計8 年間参加していたというチルコット(1955-)。その中でも印象的でエイサイティングな経験はクリスマス・イブに「キャロル」を歌うことだったそうです。もちろん伝統的な曲も歌うのですが、しばしば「新しい」キャロルを歌うことは、クリスマスに宗教的な意味を求める聴衆や、時には歌手たちの間で論争を巻き起こし、その是非が問われたと言います。そんなチルコット。このアルバムに収録された作品ももちろん「挑戦的」であり、革新的な表情を持つものばかりです。しかし、その根源にはクリスマスという厳粛な日を祝す心が宿っており、どれもが静かな美しさに満たされています。長き月日を経て磨き抜かれた「クリスマス・キャロル」に新しい輝きを加える1 枚です。

8.573160
アルベニス:ピアノ作品集第7集
12の性格的小品集Op.92(1888)
ピアノ・ソナタ第3番Op.68(1886)
ヘルナン・ミラ(P)

録音:2013年11月8-9日スペインシウダ・レアル,コンセルバトーリオ・プロフェシオナル・デ・ムジカ「マルコス・レドンド」,アウディトリオ“マヌエル・デ・ファリャ”
大好評、アルベニス(1860-1909)のピアノ作品集の第7集は初期の2つの作品です。26歳に書かれたピアノ・ソナタ第3番は彼の親友マヌエル・グェルボスに捧げられたロマンティックな作品です。古典的な形式に則った上で自由な対位法を駆使したメロディが飛翔する第1楽章、物憂げな第2楽章、熱狂的で活発な動きを持つ第3楽章と、聴き映えのするソナタとなっています。「12の性格的小品集」は有名な「朱色の塔」を含むサロン風の曲集です。どの曲も彼が教えていた子どもたちのために書かれたもので、演奏難易度はあまり高くないとされていますが、絶妙に味付けされた各々の作品の性格を丁寧に弾き分けるのは至難の業でしょう。第1曲目のガヴォットも、かわいらしい風情をしていますが、実際に演奏してみると内声の動きなどもあり結構難しいものです。
8.573161
グリエール:交響曲第3番ロ短調「イリヤ・ムーロメツ」Op.42(1911) ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音2013 年5 月3-5 日ニューヨークバッファロー,クレインハウス・ミュージック・ホール
ロシア、キエフで生まれ、モスクワ音楽院でタネーエフ、アレンスキーらに作曲を学んだグリエール(1875-1956)。しかし実は彼の父はドイツ人で、母はポーランド人。祖先を辿ってもロシア人はいなかったようです。そんなグリエール、バレエ音楽「けしの花」や幾つかの協奏曲が知られていますが、この交響曲第3 番は彼の最高傑作として讃えられる見事な作品です。このイリヤ・ムーロメツとは中世ロシアの伝説上の英雄の名前。並外れた力持ちであったとされ、数多くのエピソードが伝えられています。グリエールはそんな英雄にまつわる4 つのエピソードを選び出し、重厚な交響曲を描きだしました。ロシア国民主義と後期ロマン派の手法を結びつけた表現的で雄大な作品からは、例え、ムーロメツの個性を知らずとも、各々の聴き手の脳裡にその人物像が鮮明に浮かび上がるだけの表現力が溢れ出しています。ファレッタの指揮は、グリエールの完膚なきまでの構築性を存分に浮かび上がらせています。
8.573163
ブロトンス:交響曲第5番他
交響曲第5番「我らの世界」Op.117(2010)
オーボエ協奏曲Op.115(2009-2010)
弦楽オーケストラのための4つの小品-組曲Op.14(2010年改編版)
ハビエル・アルナル・ゴンザレス(Ob)
サルバドール・ブロトンス(指)
パルマ市バレアレスSO

録音:2011年9月12-16日
※世界初録音
バルセロナの音楽一家に生まれ、父からフルートを学び、バルセロナ音楽院でフルートと作曲を学んだブロトンス(1959-)。1985年にフルブライト奨学金を授与されフロリダ州立大学に留学、やがて作曲家として125以上の作品を創り、これらは様々な賞を受賞するなど高く評価されています。また1991年からはバンクーバーSOの音楽監督、指揮者として活躍、他にもいくつものSOと素晴らしい仕事をしています。そんな彼の交響曲第5番は、私たちの現代の世界を描いた問題作です。4つの楽章には、どれも「人間の弱点」が描かれ尽くされ、曲の最後にようやく希望が見出されるというもので、聴いていて何となく落ち着かなくなるのは、まあ、仕方のないことなのかもしれません。穏やかさと皮肉さが同居する「オーボエ協奏曲」は一瞬プーランクの軽妙な世界を彷彿させることでしょう。17歳の時に初稿を書いた「4つの小品」は、スペイン国立管弦楽団主催のコンクールで受賞した作品。彼の名を高めるきっかけとなった躍動感あふれる音楽です。
8.573164
パヌフニク&ルトスワフスキ:弦楽四重奏曲集
パヌフニク:弦楽四重奏曲第1番(1976)
 弦楽四重奏曲第2番「メッセージ」(1980)
 弦楽四重奏曲第3番「ヴィチナンキ-切り絵」(1990)
ルトスワフキ:弦楽四重奏曲(1964)
ティペットQ<ジョン・ミルズ(Vn1)/ジェレミー・アイザック(Vn2)/リディア・ラウンドス=ノースコット(Va)/ボジダル・ヴコティッチ(Vc)>

録音:2013年2月4-5日、2013年6月17日
2014年はポーランド出身の作曲家アンジェイ・パヌフニクの生誕100周年にあたります。もちろんポーランドだけでなくワールドワイドに活躍した人であり、ウィーンで学んでいた時代には、日本の音楽家の尾高尚忠と交流があったことでも知られている人です。彼が書いた10曲の交響曲は最近になって耳にする機会が増えていますが、この辛辣な弦楽四重奏曲も彼を知るためには外せないものです。各々の楽器が静かに呼応する印象的な始まりの第1番、北ウェールズ音楽祭のために書かれた第2番、最晩年の作品で、抽象的な美しさを秘めた第3番と、どれも単一楽章ながら、強い印象を残します。もう一人の偉大なるポーランドの作曲家、ルトスワフスキの弦楽四重奏曲は、彼がヨーロッパの最前線の音楽界に身を置いていた時期の作品で、強迫的なモティーフの積み重ねが興味深い音の世界を織り上げていきます。
8.573165
クシシュトフ・メイエル(1943-):弦楽四重奏曲集 第4集
弦楽四重奏曲 第1番 Op.8(1963)
弦楽四重奏曲 第2番 Op.23(1969)
弦楽四重奏曲 第3番 Op.27(1971)
弦楽四重奏曲 第4番 Op.33(1974)
ヴィエニャフスキSQ
[ヤロスラフ・ゾフニエルツキ(第1Vn)
ミロスワフ・ボチェク(第2Vn)
レフ・バワバン(Va)
マチェイ・マズレク(Vc)]

録音:2012年10月15日、2012年10月17日、2013年2月5日、2013年2月4-5日ポーランド ポズナニ、ラジオ・メルクリー
ポーランド、クラクフ出身の作曲家メイエルの弦楽四重奏曲の第4集です。今回は1963年に作曲された第1番から1974年の第4番までの初期の4つの作品をお聴きください。あまりにも印象的な始まり方をする第1番はクラクフ音楽院在学中の作品で、当時師事していたペンデレツキやナディア・ブーランジェの影響を強く受けた、無機質なのに鮮烈な印象を残す音楽です。第2番は若干傾向が違い、バルトークを思わせるユニゾンで始まり少しずつ音が絡み合うという単一楽章の短い曲です。第3番はまた3楽章形式に戻りますが、作風はより自由さを増しています。音は全て凝縮し一点に集中していくかのようです。第4番はダイナミックで静と動を追求したかのような音楽。メイエルの12年間の進歩と変化が感じられますでしょうか?
8.573166
ピアソラ:タンゴ・ヌエボ 〜ヴァイオリンとピアノのためのトランスクリプション集
天使の死
タンゴの歴史(D.ヴァレラスによるヴァイオリンとピアノ編)
メロディア イ短調
2つの小品から第1 番:タングァーノ
言葉のないミロンガ
ブエノスアイレスのマリア-第2 番 フーガと神秘
アヴェ・マリア(タンテ・アンニ・プリマ)
ブエノスアイレスのマリア-第3番 私はマリア
オブリビオン-忘却
サンバ・ニーニャのアリア
ル・グラン・タンゴ(S.グバイドゥーリナ編)
リベルタンゴ
トーマス・コーティク(Vn)
リン・タオ(P)

録音: 2012年5月1.13-14 日 USA フロリダ,ガスマン・ホール
ピアソラ(1921-1992)の音楽が爆発的に流行したのは1980 年代に入ってからだったでしょうか?以降、この情熱的な音楽は日常生活に入り込み、常にどこかから聞こえてくるほどのポピュラーなものになりました。クラシック、ジャズの影響を受けつつも独自の音楽を貫くピアソラ作品は、どのような楽器で演奏してもすんなりと溶け込み、美しい輝きを放ちます。そのメロディは物悲しくひたすら何かを訴えかけています。この演奏はヴァイオリンとピアノによるもので、ほとんどの曲はピアニストのコーティクが自ら編曲しています。現代的ですっきりとした味わいを持つピアソラ。
8.573167
デイル:ロマンティック・ヴィオラ曲集
ヴィオラとピアノのための組曲ニ長調Op.2
6台のヴィオラのための序奏とアンダンテOp.5*
ヴィオラとピアノのための幻想曲ニ長調
井上祐子(Va)
ステファン・クームス(P)
RAMヴィオラ六重奏団*
<井上祐子/クリフトン・ハリソン/リチャード・ウォーターズ/ルー・ウェンホン/リュウ・ティグハン/アンナ・ラスティ>

録音:2012年6月6日.20日.23日UKロンドンロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック,デュークズ・ホール
イギリスの作曲家、教育者ベンジャミン・デイル(1885-1943)。早熟な天才であった彼は将来を嘱望されつつも、ドイツ滞在中に第1次世界大戦の戦渦に巻き込まれ、ベルリン近郊のルーレーベン捕虜収容所に抑留されてしまいます。終戦後は英国音楽学校連合委員会の審査員を務めながら美しい作品をいくつか書いています。彼が15歳の時に英国王立音楽院の作曲家に進みましたが、ここで知り合ったイギリスの最も偉大なヴィオラ奏者ライオネス・ターティスのために「ヴィオラとピアノのための組曲」を始めとしたいくつかの作品を書いたのでした。この曲は1906年にターティスとヨーク・ボウエンによって初演され、その後ロマンスと終曲は管弦楽化もされています。またターティスの門弟のために書かれた「6台のヴィオラとピアノのための序奏とアンダンテ」と「幻想曲」が1911年に作曲されました。これらはデールとターティスの友情の証しとも言える美しい音楽です。このアルバムではヴィオラを演奏した井上さんによる解説(英文のみ)もブックレットに掲載されています。
8.573169
フローラン・シュミット:ヴァイオリンとピアノのための作品集
4つの小品Op.25(1901)
スケルツォ・ヴィフOp.59-2(1913)
夜の歌Op.7(1895)
ハベイッセーOp.110*
結合された2つの楽章からなる自由なソナタOp.68(1919)
ベアタ・ハルスカ(Vn)
クラウディオ・シャイクァン(P)

録音:2014年2月18-19日フランススタジオ・ド・ムードン
*=ヴァイオリンとピアノ版、デジタル世界初録音
以前は、なかなか音を聴くことができない作曲家であったフローラン・シュミット(1870-1958それだけマイナーだった)ですが、最近、NAXOSを含めたいくつかのレーベルが競って彼の作品をリリースしたこともあり、ようやく少しずつ、その全貌が明らかになって来たように思います。19世紀から20世紀にかけてピアニスト、作曲家として活躍した彼ですが、前述の通り、まだまだ知られていない作品も多く、今回のヴァイオリン作品集も「しられざる音楽」の部類に入りそうです。彼の室内楽作品は、どれもとても個人的なきっかけにより書かれており、多くが友人に献呈されています。Op.25の「4つの小品」はフォーレの繊細な雰囲気を内包した抒情的な「歌」と「夜想曲」で始まり、色とりどりの世界を駆け巡ります。Op.9のスケルツォはパリ音楽院の教授であり、コロンヌOのコンサート・マスターであったフィルマン・トウシュに捧げられています。また最後に置かれた「自由なソナタ」は彼の最も賞賛された作品の一つであり、第1次世界大戦を体験したばかりの重苦しい気分が反映されたエネルギーと想像力に満たされたものです。どれもシュミットの個人的な独白と、それを彩る音楽が結びついた充実の作品群です。

8.573170
プーランク:バレエ組曲(ピアノ編曲版)
バレエ組曲「模範的な動物たち」FP111(1940-1941)
バレエ音楽「牝鹿」FP36(1923)(ピアノ版)*
バレエ音楽「オーバード」FP51(1929)(ピアノ版)*
ジャン・ピエール・アルマンゴー(P)

録音:2013年2月21-23日、2013年3月28-29日、2013年4月11-13日、5月3日
※*=ピアノ版による世界初録音
軽妙洒脱、そして繊細でユーモラスなプーランク(1899-1963)の作品には汲めども尽きぬ魅力があります。そのメロディの歌わせ方、ハーモニー、リズムのどれもが、いかにもフランス風であり、決して革新的ではなかったにせよ、独自の世界を築き上げたことは間違いありません。ここで聞く事のできるピアノ版のバレエ作品は、とても珍しいものですが、彼自身はバレエ作品を書くとき、他の作曲家のようにまず「ピアノ・スコア」を作成し、それを管弦楽版に仕立てることが多く(バレエのリハーサルのために)、これらもそんなスコアに基づいて演奏されています。パリ・オペラ座からの依頼で作曲された「模倣的な動物たち」。詩人ラ・フォンテーヌの「寓話」からテキストが取られたこの物語、ありがちなお話の中にピリリと教訓が込められた小気味のよいものなのですが、プーランクは音楽で更に創造的な世界を描きあげています。こちらのピアノ版は作曲家自身が同意した1951年のヨハンセンによるヴァージョンで演奏されています。タイトルに「若い娘たち」の意味がある「牝鹿」も人気作品。バレエ曲でもあり、協奏曲でもある「オーバード」(夜明け)は、恋を禁じられた女神ディアーヌの失恋物語。彼の私生活の失意が反映されているとも言われています。
8.573175
モシェレス:フルートとピアノのための作品集
サヴォワ地方風ディヴェルティメントイ長調Op.78
協奏的ソナタト長調Op.79
4つのディヴェルティスマンOp.82b
6つの協奏的変奏曲ニ短調Op.21
協奏的大ソナタイ長調Op.44
瀬尾和紀(Fl)、上野真(P)

録音:2013年6月11-13日,12月19-20日日本三重県総合文化センター
チェコに生まれライプツィヒで没した作曲家、ピアニスト、イグナーツ・モシェレス。彼の名前は、現在では「ピアノの練習曲」やピアノ教本で良く知られていますが、19世紀当時は最も尊敬された音楽家であり、ベートーヴェンの伝統を受け継ぎ、ロマン派のメンデルスゾーン、シューマン、ショパン、リスト等全てと交流があり、彼らの大先輩的な存在だったのです。とりわけ、モシェレスの息子、フェリックスの名付け親でもあるメンデルスゾーンとは家族ぐるみでの付き合いがあったことでも知られています。そんな彼の作品は、ピアノ曲はもちろんのこと、管弦楽作品や室内楽作品にも素晴らしいものがあり、このアルバムに収録されているフルート作品も、美しいメロディはもちろんのこと、驚くほどに見事な技巧が凝らされた活きの良いものばかりなのです。輝くばかりのフルートパートを支える入念なピアノ・パート。この2つが織り上げる極上の音楽は、単なる「古典派の一人の作曲家」の作品と片付けてしまうには、あまりにももったいないものです。ここで演奏しているのは、日本が誇る2人の音楽家たち。フルートの瀬尾氏はフランスと日本で活躍する名手であり、ピアノの上野氏はリストをはじめとした超絶技巧ものから、フォルテ・ピアノでの繊細な演奏までなんでもござれの凄腕。まさに火花が飛ぶような熱い音楽が展開されています。
8.573172
期待の新進演奏家シリーズ/セバスティアン・ユールト(Vc)
ヒンデミット:3つの小品Op.8
古いイギリスの乳母の歌「求婚に出かけた蛙」による変奏曲
無伴奏チェロ・ソナタOp.25-3
チェロ・ソナタ(1948)
セバスティアン・ユルト(Vc)
パメラ・ユルタド(P)

録音2013年1月11-12日UKモンマスウィアストン・コンサート・ホール
1979年パリで生まれ、国立コンセルヴァトワールを首席で卒業したチェリスト、セバスチャン・ユールト。彼は12歳の時にデビューし、ヨーロッパを始め、韓国やニュージーランドでリサイタルを行う新鋭です。2007年のアルド・パリゾ国際コンクール入賞を皮切りに、2008年ナウムブルク財団コンクール入賞、そして2009年にはアダム国際チェロ・コンクールに入賞しています。このアルバムでは2013年に没後50年を迎えたヒンデミットの一連のチェロ作品を演奏。初期の「3つの小品」ではシューマンを思わせる抒情性を感じさせながらも、至るところに見え隠れする皮肉っぽさもきっちり押さえています。ユニークなタイトルで知られる変奏曲とチェロ・ソナタはまさにヒンデミット(1895-1963)らしさ爆発。強烈な音楽です。こんな変幻自在の音楽を見事に手中に収めたユールトの演奏には、感嘆させられるばかりです。
8.573176
ハーバート・ハウエルズ:スターバト・マーテル他
スターバト・マーテル(1959-1965)
テ・デウム(1944/1977)
シネ・ノミネ(1922)
ベンジャミン・ヒューレット(T)
アリソン・ヒル(S)*
バッハCho
デイヴィッド・ヒル(指)ボーンマスSO

録音:2013年11月30日.12月1日UKドルセット,プールライトハウス
古今東西の宗教作品の中でも、高い人気を誇るのがこの「スターバト・マーテル」です。日本語にすると「悲しみの聖母」であり、歌い出しのラテン語“Stabat mater dolorosa-悲しみの母は立っていた」がそのままタイトルに使われています。数多くの作曲家たちがこのテキストに思い思いの曲をつけています。イギリスの作曲家、ハウエルズの「スターバト・マーテル」はドヴォルザークの作品と同様に、彼自身の9歳の息子、マイケルの突然の死が作曲の動機となりましたが、ハウエルズ(1892-1983)は曲に個人的な悲しみだけを盛り込むのではなく、1962年のキューバ危機や翌年のケネディ大統領の暗殺などの、厳しい世界情勢を危惧し、やがては核戦争への恐怖までをも内包した途方もない悲しみが含まれています。そのため曲は不安定であり、本当に悲しみに満ちていますが、時として驚くばかりの美しい響きも見てとれます。聴き手の内面の平穏を試すかのような不思議な音楽です。打って変わって輝かしさ際立つ「テ・デウム」では開放的な明るさを体感できます。ヴォカリーズのみ(歌詞は持たない)の声とオーケストラの響きが交錯する「シネ・ノミネ」も神秘的な美しさを持っています。
8.573177
W.F.バッハ:鍵盤音楽集第5集
ソナタ.ト長調F.7/BRA14
ソナタ.ホ短調BRA9
ソナタ.ハ長調BRA1
ソナタ.ヘ長調F.6a/BRA11c
ソナタ.イ長調F.8/BRA15
ソナタ変ホ長調BRA8
ジュリア・ブラウン(ハープシコード)

録音:2013年10月6-7日USAオレゴンユージェニー,AGRパフォーミング・アーツ・センター
大バッハと最初の妻マリア・バルバラとの間の第二子、および長男として生まれたヴィルヘルム・フリーデマン(1710-1784)。彼へかかる期待の大きさは想像を絶するものであったようで、父バッハは自らの持つ技術の全てを彼に注ぎ込みました。その甲斐あってか、23歳の時にはドレスデンの聖ソフィア教会、そして1746年にはハレの貴婦人教会のオルガニストに就任します。彼は、もともと才能に恵まれていたことは確かですが、あまりにも溺愛され、また期待されすぎた反動か、独立心に欠け、猜疑心が強いなど人間的魅力が乏しく、最終的にはあまり恵まれた人生を送ることはできなかったと伝えられます。そんなヴィルヘルム・フリーデマンの作品は、どれを聴いても、確かにこの時代の枠には入りきることのない、不思議な味わいをもっています。冒頭のソナタの第1楽章での自由な和声の進行は、まるでシューベルトを思わせるロマンティックなもの。明らかに時代を先取りしていますが、当時、これを受け入れるまでには時代は進歩していなかったと思われます。彼の作品は、その成立過程や成立年代がわかっていないものが多く(これも彼自身の怠惰な性格が災いしているのですが)実際に聞いてみて、初期の作品か後期の作品かを判断するほかなく歴史上の位置づけも困難だと言われています。しかし、ここに溢れる表現力豊かな音楽は、確かに天才の息遣いを感じさせるものばかりです。
8.573179
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴシャン・マメドクリエフギター・リサイタル
ファリャ:はかなき人生-舞曲第1番(藤井敬吾編)
アミーロフ(1922-1984):12のミニアチュア(抜粋)(R.マメドクリエフ編)<第1番:バラード/第2番:アシュの歌/第5番:抒情的な踊り/第4番:狩りにて/第3番:夜想曲/第10番:トッカータ>
リョベート:ソルの主題による変奏曲Op.15
ルドネフ(1955-):イヴーシュカ(ロシア民謡による変奏曲)
アルベニス:スペイン組曲Op.47-第3番「セビリャ」(タレガ編)
トゥリーナ:セビリアーナ(幻想曲)
カステルヌォーヴォ・テデスコ:悪魔的奇想曲(パガニーニへのオマージュ)
アンドリュー・ヨーク(1958-):なんてファンキーな
ブローウェル:思いつき(エリのパッサカリア)
タルレガ(1852-1909):ホタ
ロヴシャン・マメドクリエフ(G)

録音:2012年11月2-5日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
1986年、アゼルバイジャンで生まれたマメドクリエフは、2012年のGFA国際ギターコンクールで優勝したギタリストですが、すでにコンクール以前から世界中で高い知名度を誇っていたという実力派でもあります。このアルバムでは彼らしい曲が選ばれていて、ファリャやアルベニスといったお馴染みのイベリアの作品から、彼の同胞であるアミーロフの作品、そして現代曲(といってもアンドリュー・ヨークやブローウェル)など、まるで万華鏡のような楽しさを秘めたアルバムとなっています。才能ある人がひしめくギター界ですが、この人の演奏は一味違います。

8.573180
カゼッラ&ゲディーニ:協奏曲集
カゼッラ:ピアノ,ヴァイオリン,チェロのための三重協奏曲Op.56(1933)
ゲディーニ(1892-1965):ヴァイオリン,チェロ,ピアノ,ナレーターと管弦楽のためのアルバトロ協奏曲(1944-1945/改編1949)
エマニュエラ・ピエモンティ(P)
パオロ・ギドーニ(Vn)
ピエトロ・ボスナ(Vc)
カルロ・ドリオーニ・メージャー(ナレーター)
ダミアン・イオリオ(指)
ミラノ・ポメリッジ・ムジカーリO

録音:2007年1月11-13日
2007年12月13-15日
19世紀末、相次いでイタリアに生まれた2人の作曲家カゼッラとゲディーニ。この2人が書いた2つの協奏曲を比較できるという興味深い1枚です。各々独特のキャラクターを持っているので、書かれた作品も違いがあり、なかなか聞きごたえがあるものです。その上、カゼッラもゲディーニもワグネリアンの両親を持ち、またチェロやピアノを弾きこなすという神童。楽器の特性を知り尽くしていることは間違いありません。この三重協奏曲はもともとベートーヴェンが開拓したジャンルであり、3台の楽器が美しく歌い交わすところに魅力があるものです。カセッラの協奏曲は初演時に大好評で、何度も再演されました。またゲディーニの作品はハーマン・メルヴィルの「白鯨」のテキストを用いたもので、南極の海やアホウドリ、波の動きを彷彿させる表現力豊かな音楽です。
8.573183
トゥリーナ:ピアノ作品集第10集
トッカータとフーガOp.50(1929)
パルティータ.ハ長調Op.57(1930)
ロマンティックな小品(1931)
アルモドバールの城Op.64(1931)
サンルカルの街角Op.78(1933)
前奏曲集Op.80(1933)
ホルディ・マソ(P)

録音:2013年10月12-13日スペインヤフレアウディトリウム
トゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品全集という偉業に挑む名ピアニスト、ホルディ・マソ。彼が解き解していくトゥリーナの世界の何とも魅力的なこと。自身も優れた作曲家であるマソは、これらの作品に内包されたピアニズムを様々な角度から検討し、最適な形で表現していくのです。躍動的な「トッカータとフーガ」はトゥリーナがキューバを旅行しながら着想を得た作品。タイトルでわかる通り、バッハへのオマージュでもあります。その1年後の「パルティータ」は彼の友人であるホセ・マリア・フランコに捧げられた作品で、ドビュッシー風のメロディやブラームスを思わせるメロディに彩られています。神秘的な「アルモドバールの城」は2年後にハープと管弦楽のための曲として再編されました。若い頃の旅の思い出が反映された「サンルカルの街角」、彼の作品には珍しく抽象的なタイトルが付けられた「前奏曲」と、宝石箱のような美しさと楽しさが詰まった1枚です。
8.573186
プロコフィエフ:交響曲第4番ハ長調 Op.112(1929-1930/1947年改訂版)
バレエ音楽「放蕩息子」Op.46
マリン・オールソップ(指)
サン・パウロSO

録音: 2012年11月27-30 日,12月2-3日
2012年7月4.7.9 日
ボストンSO創立50 周年記念の委嘱作品として1929 年から1930 年にかけて、プロコフィエフが作曲した交響曲第4 番。初版には作品番号47 が付けられている通り、同時期にディアギレフのために書かれたバレエ音楽「放蕩息子」の素材が転用されています。1931 年にクーセヴィッツキーの指揮、同楽団によって初演されたものの、1947 年に思い切って改訂を施し、当初25 分程度だった曲は45 分ほどの長さに引き延ばされ、オーケストレーションも拡大され、作品番号も新しく付番、全く違った音楽へと変貌したのです。ここでは、今最も輝いているオールソップが、交響曲と「放蕩息子」を指揮。この2 つの作品の関連性を丁寧に紐解き、共通する荒々しさや軽妙さ、そして無意味とも思える盛り上がりを徹底的に追求していきます。
8.573184
EARTHRISE-アースライズ
ナイジェル・クラーク(1960-):アースライズ(2010)
キット・ターンブル(1969-):グリオ(2009)
クラーク:ヘリテージ組曲(どんな希望をみたのか)(2010)
ヘスス・サンタンドレウ(1970-):あらゆる種類のディアボロラム(2010)
クラーク:最高級の時間(2010)
リード・トーマス(指)
ミドルテネシー州立大学ウィンド・アンサンブル

録音2012 年12 月11 日
2012 年2 月5 日
2011 年3 月12 日
毎回、エキサイティングな作品が登場するNAXOS の吹奏楽シリーズ。今回は人気作曲家のナイジェル・クラーク、キット・ターンブル、ヘスス・サンタンドレウの3 人のベテランの作品をお届けいたします。アルバム・タイトルの「アースライズ」。これは1968 年12 月24 日、アポロ8 号の宇宙飛行士ウィリアム・サンダースが撮影した地球の写真の名前であり、静かな月面と生命感溢れる藍色の地球の比類なき美しさは、「史上最も影響力のあった環境写真」と讃えられています。この荘厳な雰囲気を見事に捉えたクラークの作品は、まるでロケットで月を周回しているかのような気分にさせてくれることでしょう。様々な要素が盛り込まれた「ヘリテージ組曲」は楽しく、「最高級の時間」は目覚まし時計のアラームで始まります。ターンブルの作品は西アフリカの部族の音楽に由来するもの。そして暴力的でもあるサンタンドレウの作品も極めて興味深いものです。
8.573188
ショスタコーヴィチ:交響曲 第4 番 ハ短調 Op.43 ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2013年2月9-10日 イングランド リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
最近ますます注目されているペトレンコによる「全ての批判をはね返す」かのような強靭な演奏です。
8.573192
クズミン:神聖な歌、他
エヴゲーニイ・ザミャーチンによる劇「名誉あるベルリンガー協会」の為の音楽(1925)
ミハイル・レルモントフによる劇「マスカレード」の為の音楽(抜粋)(1911)<ポルカ/ニナのロマンス/ワルツ/最後の合唱>
声楽と管弦楽の為の「神聖な歌」(1901-1903)
エルンスト・トルレルによる劇「独逸男ヒンケマン」の為の音楽(1923)
ミラ・シキルティル(Ms)
ペトロザヴォーツク国立大学男声Cho
カレリア国立SO(ペトロザヴォーツク)
ユーリ・セロフ(指)

録音:2013年5月24-26日ロシアペトロザヴォーツク,カレリアフィルハーモニック・コンサート・ホール
※全て世界初録音
ミハイル・アレクセーヴィチ・クズミン(1872-1936)は20世紀ロシアの偉大な「詩人」として認知されています。当時一世を風靡していた「象徴派」に対抗し、愛と欲望に溢れた妖艶な詩を発表し、物議を醸したのです。しかし、音楽的才能にも恵まれていて、ここで聴けるような劇の為の音楽など、なかなか素晴らしい作品を書いていたのです。クズミンはモスクワの北東、ヤロスラブリで生まれ、生後すぐにサラトフに家族とともに移住、そこで幼少期を過ごしました。この地域は平和で豊かな農村であり、ここでの生活の良い思い出は彼の創造に大きく影響を与えることとなります。彼は詩と音楽の融合について見事なバランス感覚を持っていたといい、自宅でしばしば親密な集まりを催しては、自身の伴奏で自作の歌を披露し、喝采を浴びたといいます。また当時のロシアとヨーロッパにおける「現代音楽」を普及させるために一連のコンサートを開催し、多くの賛同者を得たことでも知られています。そんな彼の作品は、ムソルグスキーやチャイコフスキー、シューベルト、モーツァルトなどの影響が感じられるものが多く、時にはタンゴなどの最先端のリズムも含みながら、印象的な世界を形作っています。なかなか興味深い1枚です。
8.573193
フェルディナント・リース:ヴァイオリンとピアノのための3つのソナタ集
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.8-1
ヴァイオリン・ソナタハ短調Op.8-2
ヴァイオリン・ソナタヘ短調Op.8-3
エリック・グロスマン(Vn)
スーザン・カガン(P)

録音:2013年4月2.3日USAニューヨーク,ヨンカース,オクタヴェン・オーディオ
※世界発録音
NAXOSスタッフの丹念な布教活動(?)のおかげで、ようやくフェルディナント・リース(1784-1838)の名前がクラシック業界内に浸透してきた昨今ですが、まだまだ知られざる作品が山のようにあります。このヴァイオリン・ソナタもそんな曲。こんなにステキな作品がこれまで録音されなかったとは、なんという損失でしょう。ご存知の通り、一時期ベートーヴェンに師事し、生涯を通じて親友であり、また伝記を執筆したリースですが、残した作品は膨大であり、またその作風はベートーヴェンと似ているようであり、実はかなり異質な雰囲気を備えたものなのです。彼は18曲のヴァイオリン・ソナタを描いていますが、これらのほとんどは1807年から1809年、パリに滞在した2年の間に書かれています。当時のフランス国民はオペラに取りつかれていて、これらの作品には全く関心を示すことがありませんでした。そこで彼はヨーロッパ・ツアーにソナタを携えていったのでした。モーツァルトを思わせるウィーン風の優雅なスタイルで書かれていますが、なかなかひっかけどころの多い興味深いソナタです。
8.573194
ヒンデミット:オルガン・ソナタ第1番-第3番
オルガン・ソナタ第1番(1937)
オルガン・ソナタ第2番(1937)
オルガン・ソナタ第3番「古い民謡より」(1940)
オルガンのための2つの小品(1918)
ルードゥス・トナリスから11のインターリュード(1942)(J.ドルフミュラーによるオルガン編)
キルステン・シュトルム(Org)…ロッテンブルク大聖堂、フーベルト・ザントナー・オルガン(1978-79)

録音:2013年6月9日ドイツネッカー,ロッテンブルク聖マルティン大聖堂
ヒンデミット(1895-1963)は優れたヴィオラ奏者でもあり、またほとんどの楽器を演奏したという才人でしたが、オルガン音楽については専門家ではありませんでした。しかしこの3つのソナタは、オルガニストたちのレパートリーとして現在でも大切にされています。バロック以前の時代から、オルガンという楽器は「神の声」を現すものとして、神聖化される傾向にありましたが、ヒンデミットはそんな楽器の側面に配慮することはなく、他の楽器のように、極めて実用的に鳴らすことを考えます。彼のオルガン・ソナタには馴染みのあるコラールのメロディはどこにも使われていません。そのためバッハやレーガーの作品は純粋な教会音楽として堪能できますが、ヒンデミットの作品はあくまでもコンサート用であり、楽器の響きや性能をそのまま楽しみたい現代の人にはぴったりなのです。「11のインターリュード」は彼がピアノのために書いた小品集。彼の理論をそのまま音にしたような多彩な表現力を必要とするもので、これをオルガンで演奏するというのは、色々な意味で面白いものです。
8.573196
DE PROFUNDIS-深き淵より
ピツェッツィ:深き淵より
マリピエロ:深き淵より*
アレグリ:ミゼレーレ
マクミラン(1959-):ミゼレーレ
プッチーニ:レクイエム
ピツェッツィ:レクイエム
ヴァザーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2014年2月21-23日UKケントトンブリッジ・スクール・チャペル
*2…世界初録音
DE PROFUNDISとは聖書の詩篇第130番(129番)の言葉で、日本語では「深き淵より」と訳されています。絶望の底に沈んだ人々が神に向かって、自らの願いを聞き入れてもらおうと願う祈りの言葉は、多くの作曲家にインスピレーションを与え、様々な曲が付けられることになったのです。このアルバムでは2人のイタリアの近代作曲家ピツェッツィとマリピエロの「深き淵より」を収録。無伴奏合唱で清楚に歌われるピツェッツィの作品と、対照的にヴィオラ、オルガン、バス・ドラムとバリトンという編成で歌われるマリピエロの作品の聴き比べは何とも興味深いものです。そして有名なアレグリの「ミゼレーレ」。詩篇第51番の言葉を元に書かれたこの究極のハーモニーは、あのモーツァルトが一度聞いただけで採譜してしまったという門外不出の名作です。そしておよそ350年の時を経て書かれた次の「ミゼレーレ」はイギリスの作曲家、ジェームズ・マクミランの作品で、こちらは神秘的な響きに包まれた現代の「憐れみたまえ」です。続く2つの「レクイエム」はプッチーニとピツェッツィの作品。珍しいプッチーニの「レクイエム」はヴェルディの没後4周年である1905年の記念式典のために書かれたもので、短いながらも成熟した作風を持つ、プッチーニの心からの追悼の音楽です。ピツェッツイのレクイエムは、彼の妻マリアの追悼のために作曲されたもの。グレゴリオ聖歌のメロディをはじめとした様々な旋律を用いた無伴奏合唱で歌われる作品です。サンクトゥスで少しだけ明るさを見せますが、その他は終始静かな悲しみを湛えています。
8.573197
フィビヒ:管弦楽作品集 第3集
交響詩「オテロ」Op.6
交響詩「ザーボイ、スラヴォイとルジェク」Op.3
交響詩「トマンと森の精」Op.49
交響詩「嵐」Op.46/交響詩「春」Op.13
マレク・シュティレツ(指)
チェコ・ナショナルSO

録音: 2013 年3 月13 日&4 月3 日 チェコ プラハ,ホスティバー CNSO スタジオ
1850 年にチェコで生まれたズデニェク・フィビヒ(1850-1900 フィビフとも)。林業関係者であった父の仕事の関係もあり、幼い頃から様々な樹木に囲まれて育った彼の心の中には、いつも深く美しい森があったことは間違いありません。この管弦楽作品集の第3 集は5 つの交響詩が収録されています。数多くの作品を書いたフィビヒでしたが、交響詩は彼の活動のほぼ全ての時期に渡って作曲されていて、フィビヒがこの分野の作品をどれほど愛していたかがわかるというものです。「オテロ」は言うまでもなくシェークスピアの戯曲に触発された作品で、オテロ、デスデモナとイアーゴの絡み合った運命を強調した迫力ある作品です。トランペットによる鋭いファンファーレは登場人物の悲劇を象徴し、フルートとハープは甘美な表情を映し出します。「ザーボイ、スラヴォイとルジェク」の豊かな物語は後にスメタナに影響を与え、このメロディは「わが祖国」の第1 曲目にも引用されたほどです。ロマンティックで、超自然的な憧れの物語を描いた「トマンと森の精」はドヴォルザークを思わせます。見事な音による絵画である「嵐」と「春」も素晴らしく、これらがチェコの国民楽派の作曲家たちに大きな影響を与えたことは疑う余地もありません。
8.573198
ジャック・ボディ:パララン-愛と戦争の歌、他
歌劇「アレイ」より3 つのアリア<2 つの目/作業中/夜>
私の名はモック・ボン(ソマラ・オウクの声を録音)
パララン-愛と戦争の歌
ミケランジェロによる瞑想曲<ソネット:第32 番/ソネット:第57 番/ソネット:第21 番/ソネット:第54 番/ソネット:第27 番/ソネット:第26 番/ソネット:第78 番>
Poems of solitary delights-獨樂吟
デヴィッド・グレコ(Br、C.T)

ブディ・スラサ・プルタ(ジャワ・ヴォーカリスト)
アミタイ・パティ(T)
マルティン・リセリー(Vn)
ロバート・イースティング(ナレーター…13)
ニュージーランドSO
ケネス・ヤング(指)

録音2011年4月28-30日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
ジャック・ボディ(1944)は現代ニュージーランドに於ける有数の作曲家の一人として高く評価されています。彼の作品は時事問題を扱ったものが多く、ここに収録されている歌劇「アレイ」も、ニュージーランドに実在した社会活動家レウィ・アレイの生涯を描いたものです。彼は劣悪な環境で働いていた中国の労働者の姿を見たことにより、それを改善すべく、体を張って生きてきた年老いたアレイが、自分の若い頃を思い起こして歌うアリアは、中国風の響きを纏いながら感動的に響きます。カンボジア虐殺からインスパイアされた「私の名前はモック・ボン」、ジャワのガムラン音楽から派生した「バララン」。日本の女性ヴァイオリニストに捧げられた「瞑想曲」そして日本の歌人、橘曙覧の「たのしみは」で始まる歌集「獨樂吟」を元にした「Poemsofsolitarydelights」。どれも異国情緒溢れる神秘的で美しい作品です。
8.573199
クレスウェル:魂の風景、他
ピアノとオーケストラのための協奏曲
魂の風景
管弦楽と弦楽四重奏のための協奏曲
シュテファン・デ・プレッジ(P)…
ニュージーランドSQ
ハミッシュ・マッキーチ(指)
ニュージーランドSO

録音2012 年6 月25-27 日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
ニュージーランドの作曲家ライル・クレスウェル(1944-)。以前リリースされた作品集(8.570824)では、声楽作品と「管楽器のための協奏曲」を聴くことができましたが、今回のアルバムには極めて興味深い「ピアノ協奏曲」を中心に、3 つの作品が収録されています。7 つの楽章からなる「ピアノ協奏曲」は彼の親友で2009 年に亡くなった作曲家、エドワード・ハーパーの思い出のために書かれた作品。3 楽章から6 楽章までは、ハーパーの命が尽きる前に書かれていましたが、彼の死によって「葬送行進曲」とアダージョ、そして最終楽章が付け加えられ、完成形となりました。全体的に重苦しく激しい雰囲気に支配された音楽です。「魂の風景」はイタリアの画家マウリツィオ・ボッタレッリの絵画にインスパイアされた音楽。最後の協奏曲も、何人かの亡くなった友人たちのために書かれているといい、こちらも瞑想的で悲痛な表情を見せる音楽です。

8.573200
ジャック・ルーシェ:ヴァイオリン協奏曲ほか
ジャック・ルーシェ(1934-):ヴァイオリン協奏曲 第1番(1987-1988)
ルーシェ:ヴァイオリン協奏曲 第2 番(2006)
パデレフスキ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.13(1882)
アダム・コステツキ(Vn、指)
ピョートル・イヴィツキ(パーカッション)
グンター・ハウアー(P)
ポーランド・フィルハーモニック室内O

録音: 2011 年7 月24-27 日 ポーランド ソポト,海の星教会/2004 年9 月22.23日 ドイツ ハノーファー音楽大学1
あのJ.S.バッハ作品をジャズ風に演奏することで知られるフランスの作曲家ジャック・ルーシェ。彼の革新的な演奏と創造は多くの人に衝撃を与え、またたくさんの継承者を生み出しました。このアルバムは、そんなルーシェのオリジナルである“珍しい”2 曲の「ヴァイオリン協奏曲」が収録されています。どちらも雄弁な表現力を持ち、驚くほどパワフルなパーカッションが大活躍します。第1 番の協奏曲は、楽章ごとにタイトルが付けられ、強く、時には物憂げなメロディが紡がれていきます。ジャズ風のメロディがあるかと思えば、タンゴもあり。終楽章の「東京」は、少し異国風な雰囲気もありますが、基本的にリズミカルで好戦的。パワフルな都市の姿が描かれています。第2 番は2006 年のメニューイン音楽祭の委嘱作品であり、インド音楽と即興性の融合が図られた音楽。途中には聴く者全てを唖然とさせるようなカデンツァが挿入され、喧騒のフィナーレを迎えます。アルバムの最後に「唐突に」置かれたパデレフスキーのソナタ。こちらはピアニストとして活躍しながらも政治の世界にも進出した作曲家パデレフスキの初期の作品で、ほとんどピアノのために作品を書いていたパデレフスキーの“珍しい”ヴァイオリンのためのソナタです。ポーランド生まれの名ヴァイオリニスト、コステツキのノリノリの演奏です。
8.573201(2CD)
ヒンデミット:ピアノ協奏曲全集
ピアノ,金管と2台のハープのための協奏音楽Op.49(1930)
主題と4つの変奏(4つの気質)(1940)
管弦楽とピアノの音楽(左手のための)Op.29(1923)
ピアノと弦楽四重奏と金管のための「室内音楽第2番」Op.36-1(1924)
ピアノと管弦楽のための協奏曲
イディル・ビレット(P)
オリヴィア・コーテス(Hp)
チェルシー・レーン(Hp)
島田俊行(指)イェールSO

録音:2012年12月.2013年1月USAニューへヴンイェール大学,ウールセイ・ホール
2013年が没後150年の記念年であるヒンデミット(1895-1963)。彼の作品には一種独特の歯ごたえがあり、最初は「ちょっと聴きにくい」と思ったとしても、聴きこんでいくうちに、その多彩な作曲技法と実験的な音の作り方、そして根底に流れる熱い感情などを知ってしまえば、のめり込むほどの魅力を有していることに気が付くはずです。このアルバムは、彼が書いたピアノと管弦楽のための作品を全て収録。タイトル自体からして、「室内音楽」やら「協奏音楽」と、普通に「協奏曲」と付けないあたりもヒンデミットらしさ満開なのですが、もちろん作品も斬新で、常に変化球を繰り出してきます。これがヒンデミットを聴く楽しさです。「左手のための協奏曲」は戦争で右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインの妻の遺品(2001年没)から写譜が発見されたもので、これは貴重な録音となります。指揮は日本が誇る「現代音楽」の指揮者島田俊行氏。知られざる名手による鮮やかなヒンデミットです。ピアノはNAXOSが誇る名手ビレットです!
8.573204
ティエリー・ランシーノ:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲(2005
前奏曲とウェルギリウスの死*
イザベル・ファウスト(Vn)
アルトゥーロ・タマヨ(指)ルクセンブルクPO
マッテオ・デ・モンティ(Br)
ジェラード・シュワルツ(指)フランス国立O*

録音:2005年11月3日パリ,シャトレ劇場、2000年12月2日パリ,オーディトリウム・オリヴィエ・メシアン…4-7
※世界初録音
あの衝撃的すぎるレクイエム(8.572771)で、その特異な作風を知らしめたフランスの作曲家ランシーノ(ランチーノ1954-)。今回は名手イザベル・ファウストをソリストに迎えた「ヴァイオリン協奏曲」と、ローマの高名な詩人ウェルギリウスをテーマにした2つの作品を収録しました。巨大な機械に見立てたオーケストラと、小さな木の作品(Vn)が対峙することで生まれる様々な事象を抽象的に描くために、技術と想像力を駆使したという不思議なヴァイオリン協奏曲は、そのまま初演者であるイザベル・ファウストに捧げられています。もうひとつの作品は、ローマの詩人ウェルギリウスが死を迎えた時の物語を描いたもの。この詩人には多くのエピソードがあり、生まれた物語も多々あります。ランシーノは彼のエピソードをオペラ化しようと試みましたが、結局それは成就することはありませんでした。しかしこのアルバムの4曲の他、様々な管弦楽曲や声楽曲が生まれることになったというのです。この4曲からなるエピソードは激しく音がぶつかり合う前奏曲で始まり、星の煌きにも似た間奏曲、そして声楽を伴う「ウェルギリウスの死」が続き、最後は嘆くを鎮めるような後奏曲で幕を閉じます。
8.573205
フィリップ・グラス:2つのティンパニと管弦楽のための協奏的幻想曲(M.ロルツ編)(2000/2004)
モハメド・フェイルーズ:交響曲 第4番「消えたタワーの影の中で(2012)
ユン・イハエ(ティンパニ)…1-4
グェントルウィン・バージェット(ティンパニ)
イェニス・ポリエティス(Tp)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル
ポール.W.ポピエル(指)

録音: 2013 年3 月18-21 日 USA ローレンス.カンサツ・リード・センター
今更説明の必要もない偉大なる作曲家、フィリップ・グラス。彼の作品は「ミニマル」という名のもとに一括りにされがちですが、1980 年代以降は単なる“繰り返し”ではなく、もっと多様なアイデアと技法が用いられた複雑なものとなっていることは間違いありません。この「協奏幻想曲」は2000 年に作曲され、その4 年後に改編されたものです。グラス特有の音で満たされた第1 楽章、緻密な第2 楽章のあとに、即興的で長大なカデンツァが続きます。そして第3 楽章はルンバのリズムにも似た複雑でリズミカルな音楽となります。フェイルーズは若きアラブ系の作曲家。こちらの作品はタイトルが示す通り「9.11事件」を題材にしたもので、もともとは同じタイトルを持つスピーゲルマンのコミックからヒントを得たと言います。辛辣な描写を持ちながらも、人々の悲しみにそっと寄り添う優しさも持ち合わせています。
8.573206
ヴァンデルロースト:いにしえの時から(2009)
.シンフォニア・ハンガリカ(2001)
フィルハーモニック・ウインズ大阪(オオサカン)
ヤン・ヴァンデルロースト(指)

録音:2012年9月23日大阪いずみホール
2011年9月25日大東市立総合文化センターサーティホール…2-4
1999年、自主運営の吹奏楽団として結成、2006年正式に日本初のNPO法人のプロフェッショナル吹奏楽団として発足した「フィルハーモニック・ウィンズ大阪=オオサカン」。結成以来、吹奏楽の新たな可能性を追求し、レパートリーの拡充を図ってきた彼らたちの意気盛んな演奏をお届けいたします。このアルバムには、現在、首席客演指揮者を務めているオランダの作曲家&指揮者ヤン・ヴァンデルローストによる2つの作品を収録。15世紀から16世紀の芸術家たちへのオマージュである「いにしえの時から」と、ヴァンデルロースト(1956-)初のシンフォニーである「シンフォニカ・ハンガリカ」。どちらも演奏は至難を極めるものの、決まった時の清々しさと「やったぜ」感は言葉に尽くせないほどの名作です。ドラマティックでエキサイティング!
8.573207
ボリス・チャイコフスキー:ピアノ五重奏曲・戦争組曲
ピアノ五重奏曲(1962)
戦争組曲(1964/2011)>*
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)
マキシム・アニシモフ(Cl)
ヴァンブラQ<グレゴリー・エリス(第1ヴァイオリン)/キース・パスコー(第2ヴァイオリン)/イオアナ・ペテク=コラン(第2ヴァイオリン)/サイモン・アスペル(Va)/クリストファー・マルウッド(Vc)>

録音:2012年10月11日モスクワロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」第1スタジオ、2013年10月31日モスクワモスフィルム,トン・スタジオ
*=世界初録音
延々とピアノのユニゾンが奏され、そこに激しく切り込むヴァイオリンの不協和音。この刺激的な冒頭部分だけで耳を惹きつけられるピアノ五重奏曲。これを作曲したボリス・チャイコフスキー(1925-1996)は「ショスタコーヴィチの次の世代」における最も独創的な作曲家として高く評価されています。1962年に書かれた「ピアノ五重奏曲」は前述の第1楽章に続く、リズミカルで旋律的な第2楽章と、変奏曲形式の第3楽章、そして表情豊かな最終楽章と、整ったフォルムを持つ作品であり、彼の最高傑作とみなされるものでもあります。「戦争組曲」は1964年に製作されたユリ・フェイト監督による映画「前線を守りながら」のための音楽ですが、映画公開後にこのスコアは行方不明になってしまいます。しかしボリス・チャイコフスキー協会が原稿を探索し、サンクトペテルブルクで発見、その後編集され、この形に落ち着きました。戦いに赴く若き将校ルサノフと、彼を待つ恋人カティア。友人とともに危険な任務を終え帰還したルサノフの目の前で流れ弾に当たって命を落とすカティア…最後のシーンで悲嘆に暮れ、家の外に立つルサノフ。こんなストーリーが悲しいワルツを伴いながら展開していきます。
8.573218
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バビ・ヤール」Op.113 アレクサンダー・ヴィノグラードフ(Bs)
ロイヤル・リヴァール・フィルハーモニー男声Cho
ハッダーズフィールド・コーラル・ソサエティ
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2013年9月27-29日イングランド,リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
ヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲ツィクルスも、ついにこの第13番で完結。
8.573222
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第15集
1.ソナタニ短調K.552/L.421/P.556
ソナタハ長調K.326/L.201/P.336
ソナタイ短調K.265/L.Supp.32/P.168
ソナタト長調K.455/L.209/P.354
ソナタホ短調K.233/L.467/P.497
ソナタニ長調K.177/L.364/P.184
ソナタロ短調K.293/L.Supp.44/P.157
ソナタイ長調K.220/L.342/P.309
ソナタ嬰へ短調K.448/L.485/P.261
ソナタホ長調K.216/L.273/P.320
ソナタニ短調K.553/L.425/P.557
ソナタハ長調K.72/L.401/P.1
ソナタヘ短調K.365/L.480/P.112
ソナタ変ホ長調K.253/L.320/P.239
ソナタハ短調K.230/L.354/P.47
ソナタ変ロ長調K.439/L.47/P.473
ソナタト短調K.43/L.40/P.133
ソナタヘ長調K.296/L.198/P.305
.ソナタニ短調K.92/L.362/P.44
オリオン・ウェイス(P)

録音:2013年7月15-17日カナダオンタリオ,CBCグレン・グールド・スタジオ
イタリアのナポリで生まれ、スペインのマドリードで亡くなった作曲家ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。彼の555曲ある「ソナタ」は、実際には彼が使えたスペインの王女マリア・マグダレーナ・バルバラのための練習曲で、ほとんどの曲は1楽章のみの短いものですが、その独創性と、当時としては極めて斬新な技巧を用いていたことなどもあって、ソナタと呼ばれています。もちろん当時はまだ現在のようなグランド・ピアノは存在していなかったので、これらの曲をピアノで演奏するには、また違ったアプローチも必要になってきます。NAXOSでは、これらのソナタの録音にあたり、アルバム毎にピアニストを変えるという趣向を取っていて、ここではアメリカの名ピアニスト、オリオン・ウェイスを起用し、これらのソナタに新鮮な風を送り込むことに成功しました。時には軽快に、時にはロマンティックに・・・18世紀の端正な音楽が、21世紀の今に生き生きと動き始めます。
8.573223
ォーレ:ピアノ四重奏曲第2番、他
ピアノ四重奏曲 第2 番 ト短調 Op.45
組曲「ドリー」〜子守歌(ヴァイオリンとピアノ編)
3 つの無言歌<第1番(ヴァイオリンとピアノ編)/第2 番(チェロとピアノ編)/第3 番(チェロとピアノ編)>
ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120(クラリネット、チェロとピアノ編)
クングスバッハ・ピアノ三重奏団
<マリン・ブロマン(Vn)/ジェスパー・スヴェドベルク(Vc)/サイモン・クラウフォード=フィリップス(P)/フィリップ・デューク(Va)/リチャード・ホスフォード(Cl)>

録音: 2013 年4 月17-19 日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
フォーレ(1845-1924)の音楽と言うと、あの美しいレクイエムを思い起こす人も多いのではないでしょうか?あくまでも清らかであり、一切の夾雑物を削ぎ落としたかのような柔和な優しさに溢れた響きは、永遠の名曲と呼ばれるにふさわしいものです。そんなフォーレは室内楽の分野にも数多くの名作を残しています。このピアノ四重奏曲第2 番は1885 年頃から1886 年、レクイエムと同時期に書かれたものと推測されています。レクイエムの作曲への直接の動機は彼の父の死と言われていますが(フォーレ自身は否定している)この作品全体にも仄かな悲しさが漂っています。第1 楽章、冒頭の激しく打ち付けるピアノの音は、まるで雨粒のような切なさを呼び起こします。クングスバッハ・ピアノ三重奏団によるこの演奏、カップリングされている他の曲も魅力的。元々はピアノ独奏曲である“ドリー”の子守歌、続く「3 つの無言歌」のしっとりとした編曲版と、後期の作品であるピアノ三重奏曲のヴァイオリン・パートをクラリネットに置き換えた印象的な編曲。これは他では聴くことのできないユニークなものです。
8.573224
バルトーク:ピアノ作品集第7集
14のバガテルOp.6BB50Sz.38
9つのピアノ小品BB90Sz.82<第1集:4つのディアローグ第1番/第1集:4つのディアローグ第2番/第1集:4つのディアローグ第3番/第1集:4つのディアローグ第4番/第2集:第5番メヌエット/第2集:第6番歌/第2集:第7番動物の行進/第2集:第8番チェルゲーの踊り/第3集:第9番ハンガリー風前奏曲>
ピアノ小品BB8第1番ロ短調D45/1
3つのピアノ小品BB14(抜粋)<第2番:アダージョD53/2/第1番:インテルメッツォD53/1>
スケルツォ(幻想曲)ロ長調BB11D5028.
狂詩曲第1番BB36a(短縮版)
イェネ・ヤンドー(P)

録音:2012年8月25-26日、2013年1月31日
1907年、ブダペスト音楽院のピアノ教授となり、生活は安定していた27歳のバルトーク(1881-1945)ですが、親しくしていたヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルとの恋愛が失敗に終わり、彼の心の中は悲しみと不安が渦巻いていました。そんな時に書かれたこのバガテル(ちょっとした小品の意味)は、彼の気晴らしであるとともに、とても実験的な要素を備えたもので、新しい語法の模索も感じられる意欲的なものとなりました。これを聴いたフェルッチョ・ブゾーニが「最後の本当に新しい何かがある」とこの曲を大絶賛し、バルトークは作曲家としての足掛かりをつかむことが出来たと言います。対する「9つのピアノ小品」は1926年の作品で、バルトーク後期の特徴を備えた簡潔かつ独特の和声が感じられる興味深い音楽です。
8.573225
期待の新進演奏家シリーズ/朴 葵姫(パク・キュヒ) 〜ギター・リサイタル
D.スカルラッティ:ソナタ.ニ長調 K178(パク・キュヒ編)
 ソナタ.ニ短調 K32(パク・キュヒ編)
 ソナタ.ト長調 K14(パク・キュヒ編)
アントン・ディアベッリ(1781-1858):ソナタ.ト長調(ジュリアン・ブリーム編)
レノックス・バークリー(1903-1989):ソナティナ Op.52 1
ホアキン・マラツ(1872-1912):スペイン風セレナーデ(F・タレガ編)
アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885-1944):森に夢見る
アグスティン・バリオス=マンゴレ:ワルツ第4 番 Op.8-4
ホセ・マニュエル・ロペス=ロペス(1956-):印象と風景
朴葵姫(パク・キュヒ)(G)

録音:2013年2月2-3 日,4 月11日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット 聖ジョン・クリソストム教会
すでに日本では人気者!朴葵姫のリサイタル・アルバムがNAXOS から登場です。韓国仁川生まれの彼女は、3 歳の時に横浜でギターを始め、様々なコンクールで入賞を飾り、最近では何枚かのアルバムをリリースして絶大なる人気を獲得しています。彼女は2010 年のアグスティン・バリオス国際ギターコンクールと、2012 年のアルハンブラ国際ギターコンクールという2 つの大きなコンクールを制覇。その快挙を記念してのアルバムリリースです。スカルラッティのソナタは彼女自身の編曲によるもので、鍵盤曲をギター独奏へと編曲する際の困難さは微塵も感じさせない流麗な音楽が楽しめます。あまり聴く機会のないディアペッリのソナタ、近代作曲家のバークリーの作品も、申し分ない演奏であり、これらの作品の美点を余すことなく伝えています。アンコール曲としておなじみのマラツのセレナーデでの胸苦しいまでの切ない響き、ロペス=ロペスでの超絶技巧も聴きもの。圧巻は、バリオスの「森に夢見る」で、曲の中間部では彼女の特筆とも言える美し過ぎるトレモロが存分に胸にしみ込むこと間違いありません!
8.573226
期待の新進演奏家シリーズ/ラサール・シェルアーナギター・リサイタル
ラモー:クラヴサン組曲第2組曲〜「鳥のさえずり」(L.シェルアーナ編)
ラモー:王大公妃(L.シェルアーナ編)
レゴンディ(1822-1872):夢
レニャーニ(1790-1877):ファンタジアOp.19
アセンシオ(1908-1979):内なる想い
A.J.マンホーン(1866-1919):バスクの歌
ボグダノヴィチ(1955-):ギター・ソナタ第2番
ラサール・シェルアーナ(G)

録音:2013年2月7-8日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
2012年の第45回ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクールの優勝者ラサール・シェルアーナのNAXOSデビュー・アルバムです。彼は1988年にフランスのヴィエンヌに生まれ、6歳からギターを学び、リヨンの国立コンセルヴァトワールでペルーの名奏者ヘセス・カストロ=バルビに教えを受けます。やがてマドリット王立コンセルヴァトワールに進み、ミゲル・トラパーガに師事。最優秀の成績で卒業し、現在はザルツブルク・モーツァルテウムでマルコ・タマヨの元で学んでいます。数多くのコンクールを制覇しながら、室内楽と古楽の勉強を続けている彼の演奏は、瑞々しい音色と確かな技巧、そして溢れる歌心に満ちています。このアルバムではラモーの作品で見事な編曲の腕前も披露しています。
8.573227
ピーター・ウォーロック:合唱作品集
いっぱいの愛情(1921)
3 つのベロックの歌-ハナッカーは崩れ落ち(1927)
3 つのベロックの歌-夜(1927)
3 つのベロックの歌-わが国(1927)
今年の春(1925)
ジョン・ウェブスターの3 つの哀歌
As dew in Aprylle(四月の朝霧のように)(1918)
マリアの小さな5 つの喜び(1929)
豊富な乗馬隊(1929)/.鳥(1926)
聖なる御体(1919)
主をほめたたえよ(ベネディカムス・ドミノ)(1918 頃)
囚われのアダムは横たわり(1922)
3 つのキャロル<ティルレイ・ティルロウ(1922)/バルラロウ(1919)/プラタナスの木(1923)>
私は正しき乙女を見た(1927)
カリヨン・カリッラ(1929)
クリスマスと新年のための祝福(1918)
永遠の富はどこ(1927)
ベツレヘム・ダウン(1927)
ご機嫌いかが?元気です!(1927)
コーンウォールのクリスマス・キャロル(1918)
<ソリスト>アイスペス・ピゴット(S)
エミリー・ホール(S)
ライヴィ・ルイス(S)
ロッティ・ボーデン(S)
アンジェラ・ヒックス(S)
ナターシャ・カットラー(A)
トーマス・ドリュー(T)
レイチェル・ハワース(Org)
カリス・シンガーズ
ジョージ・パリス(指)

録音: 2013 年9 月8-10 日 UK ワーウィックシャー,ハンプトン・ルーシー,聖ピーター教会
「ウォーロック=魔法使い」これでわかるとおり、この作曲家の本名はフィリップ・アーノルド・ヘゼルタイン(1894-1930)。ウォーロックはいわゆるペンネームになります。彼はロンドンに生まれ、主に古典文学を学んだ人です。作曲はほとんど独学であり、自身が好きだったディーリアスやクィルター、ディーレンの作品を研究し、音楽語法を手に入れたといいます。また、彼は幼い頃父を亡くしましたが、母が再婚したためモンゴメリーシャーに移り住んだことで、ウェールズ語を学び、それがきっかけとなりケルト語の知識が増えたと言い、これらはいくつかの作品「コーンウォールのクリスマス・キャロル」などに生かされました。そんな彼のこの合唱作品は、英国音楽の系譜にしっかりと根ざしたものであり、美しい歌詞とそれにマッチした旋律は、素朴でありながらも聴き手の心を揺さぶる大いなる力を有しています。36 歳という短い生涯、そしてその早すぎる晩年には創作能力もほとんど衰えてしまったと言われるウォーロックですが、その瞬間の煌きはまさに魔法と言えるものです。
8.573229
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽オーケストラのための協奏曲他
弦楽のための協奏曲(1948)
弦楽のための交響曲(1946)
ピアノ五重奏曲第1番(M.スモリーによるピアノと室内管弦楽版)(1952/2013改編)*
エヴァ・クピーク(P)
カペラ・ビドゴスティエンシス
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2013年9月3-5日ポーランド,ブィドゴシュチュポメラニアン・フィルハーモニック・ホール
*…世界初録音
ポーランドの女性作曲家において、最初に国際的に認知されたのがこのグラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)です。父からヴァイオリンとピアノを学び、1928年にワルシャワ音楽院に入学、1932年に卒業してすぐにヴァイオリニスト、作曲家として活動を始め、奨学金を得ながらパリに留学、エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェの薫陶を受けます。ヴァイオリニストとしてはカール・フレッシュに師事、演奏家としても作曲家としてもその才能に磨きをかけました。そんな彼女の作品にはヴァイオリンをメインにしたものが多いのですが、この戦後に書かれた「弦楽のための協奏曲」はバロック時代の様式を模したスタイルで書かれた闊達な音と大胆な動きを持つ作品で、なぜか聴き手の闘争本能を掻き立てるような不思議な魅力を放っています。その2年前に書かれた「弦楽のための交響曲」も活力と欲求が漲るギラギラとした光に溢れたもの。一度聴いたら底なし沼に沈むかのように抜け出せない音楽です。スモリー自身が室内管弦楽用に編曲した「ピアノ五重奏曲第1番」は彼女の作品の中でも、最も人気の高いものの一つですが、原曲の持つ力強さと荒々しさが一層強調されたこの編曲ヴァージョンは、一層の歯ごたえを感じさせるものです。ポーランドの名手クピークのピアノも聴き所です。
8.573230
ドヴィエンヌ:フルート協奏曲集第1集
フルート協奏曲第1番ニ長調(1782)
フルート協奏曲第2番ニ長調(1783)
フルート協奏曲第3番ト長調(1784)
フルート協奏曲第4番ト長調
パトリック・ガロワ
スウェーデン室内O

録音:2013年5月20-24日スウェーデンエレブロ・コンサート・ホール
18世紀末、フランスで活躍した作曲家フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)。彼の作品はほとんどが管楽器のためのもので、その中にフルート協奏曲は13曲ほど存在します。もともとはバスーン奏者でしたが20歳の置きにパリ・オペラ座管弦楽団のバスーン奏者として入団した後にフルートを始めたと言いますが、その3年後にはパリのコンセール・スピリテュエルで自作のフルート協奏曲を演奏してデビューしたという才能!作品の中には交響曲はありませんが、オペラは12曲あり、これは当時かなりの人気を誇ったと言います。彼は指導者としても素晴らしく、1795年に創立された(もともと存在した音楽学校が改組された)パリ音楽院の学校管理者およびフルートの教授に任命されたのです。彼のフルート協奏曲はほとんどが3楽章構成となっていて(例外もあり)急-緩-急の整った形を持っています。この第1集には第1番から第4番を収録、名手パトリック・ガロワの安定した演奏でこれらの才気煥発な作品を存分に楽しむことができます。
8.573234
ラフマニノフ:交響曲 第1番&死の島
交響詩「死の島」Op.29
交響曲 第1番 ニ短調 Op.13*
デトロイトSO
レナード・スラットキン(指)

録音:2012年10月19-21日、2012年11月9-11日*USA デトロイトSO、オーケストラ・ホール
8.573236
マイール:カンタータ・オペラ「パルテノペの夢」(1817) パルテノペ…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)/ミネルヴァ…サラ・ヘルシュコヴィツ(S)/ウラニア…キャロライン・アドラー(S)/テルシコーレ…フローレンス・ルソー(Ms)/メルキュリオ…コーネル・フライ(T)/アポロ…ロバート・セイアー(T)/時…アンドレアス・ブルクハルト(Bs)
バイエルン国立歌劇場Cho
ジモン・マイール・アンサンブル&Cho
フランツ・ハウク(指)

録音2012年9月3-6日ドイツ、ノイブルク・アン・デア・ドナウ,コングレゲイションザール
※世界初録音
最近、復興の兆し著しい作曲家ジーモン・マイール(1763-1845)。オーバーバイエルンのメンドルフに生まれ、インゴルシュタット大学で神学を学んだ後、イタリアに留学し、カルロ・レンツイやフェルデイナンド・ベルトーニに師事。1802年からはベルガモに移り、レンツィの後継者としてベルガモ大聖堂の終身教会楽長に就任し、この地の音楽界の中心人物となり、ベートーヴェンの作品を紹介したことでも知られています。彼は70作ほどのオペラを作曲しましたが、いくつかの作品が最近になってようやく上演されるようになってきました。彼の作品のほとんどは、当時、高貴な身分の人の誕生日などを祝うために、彼らを神話の登場人物に置き換えて、そのエピソードに基づいて曲を書き、これを上演するという「特定の行事」のためだけに書かれ、それは一度演奏されたら、もう忘れられてしまうという「使い捨て」のような音楽だったのです。この「パルテノペの夢」も、通常カンタータのジャンルに分類されており、人のためではなく、1816年2月に火災で焼失したナポリのサンカルロ劇場の再建のために書かれた曲です。しかし存分にドラマティックであり、当時の他のオペラと比べても全く遜色のない素晴らしい出来栄えです。
8.573237
ジモン・マイール:オラトリオ「ラバンからのヤコブの逃亡」 ラバン…シーリ・カロリーン・ソーンヒル(S)
レア…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
ラケル…ガンヒルド・ラング=アルスヴィク(S)
ヤコブ…ジュリー・コンパリーニ(Ms)
羊飼い…カタリーナ・ルックガーバー(S)
ジモン・マイールCho&アンサンブル
セオナ・グッパ=チェクハイジェ(コンサート・マスター)
フランツ・ハウク(指)

録音:2011年9月5-8日ドイツノイブルク・アン・デル・ドナウ,コングレゲーションザール
※世界初録音
NAXOSが精力的にリリースを続けているジモン・マイール(1763-1845)の新作は、1791年にヴェネツィアで初演されたオラトリオ「ラバンからのヤコブの逃亡」です。この作品は旧約聖書のエピソードを元にして書かれています。ヤコブはヘブライ人の族長であり、現代のユダヤ人は全て彼の子孫とされています。ラバンは彼の母リベカの兄弟であり、ヤコブが双子の兄弟エサウと長子の権利を巡って争った際に、ラバンの元に身を寄せました。しかし、ラバンはヤコブを自分の美しい娘ラケルと結婚させると称して、7年間の労働を要求し、7年後にその条件を満たした時には、ラケルではなくもう一人の醜い娘レアと結婚させたのです。それに抗議したヤコブに言い渡した条件は「もう7年間働いたらラケルと結婚させる」という無茶なものでした。その上、ヤコブが帰郷したいと申し出た際も、それをうまく利用して家畜を増やすなど、もうヤコブとしては耐え切れず、果ては家族を連れてラバンの元から逃亡を図るのです。最終的にはラバンとヤコブは和解したというこの物語を、マイールは羊飼いという新しい人物を加えてオラトリオに仕上げました。演奏はいつものジモン・マイール合唱団とアンサンブル。そしてマイールにかけては右に出る者のないハウクが丁寧にまとめています。
8.573240
アクロン:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヘブライの旋律 Op.33(1911)
ヘブライの舞曲 Op.35-1(1912)
ヘブライの子守歌 Op.35-2(1912)
前奏曲 Op.13(1904)
レ・シルフィード Op.18(1905)
2 つの気分 Op.32(1910)
2 つの気分 Op.36(1913)
ヘブライ民謡の主題によるダンス・インプロヴィゼーション Op.37(1914)
古風な様式による組曲 第1番Op.21(1906)
ロマネスカ(1913)/ステンペーニュ組曲(1930)
子守歌 第2 番 Op.20(1906)
マイケル・ルートヴィヒ(Vn)
アリソン・ダマート(P)

録音: 2013 年5 月6-7 日 USA ニューヨーク,バッファロー クレインハウス・ミュージック・ホール
ユダヤ系ポーランド人のヴァイオリニスト、作曲家ジョゼフ・アクロン(1886-1943)。もともとはヴァイオリニストとして活躍し、高い名声も得ていたのですが、本人は作曲家としての成功を夢見ていました。作曲はリャードフに学び、自身は「ユダヤ民俗音楽協会」に所属し、ユダヤの音楽を広めるために活動を続け、1925 年にはアメリカに移住し、そこでもユダヤ音楽を広めるために尽力しました。しかし、彼の作品はなかなか理解されることがなく、当時、唯一人気を得たのは、ハイフェッツが愛奏した「ヘブライの旋律 Op.33」だけだったのです。最近では彼の作品も復興の兆しが感じられ、NAXOS でもヴァイオリン協奏曲を中心としたアルバム(8.559408)がリリースされています。このアルバムには、その「ヘブライの旋律」を始めとした興味深い作品が並びます。例えば「レ・シルフィード」はグラズノフの同名作品を思い起こさせますが、実は密接に関係があるもので、これは初演前にバレエの一部を見たアクロンが、独自の「レ・シルフィード」を作曲した可能性があるとされます。他にも「古風な様式による組曲」をはじめとした多彩な作品を聴くと、どれも興味深く、この作曲家の音楽をもっと知りたいという好奇心にかられます。
8.573243
ヴィラ=ロボス:交響曲第10番「アメリンディア」 レオナルド・ネイバ(Br)
サウロ・ジャバン(Bs)
サンパウロSO&Cho
イサーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2013年2月2-16日ブラジルサンパウロ,サラ・サンパウロ
※この録音では、テノール・パートは合唱団のメンバーが担当しています。
最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。この交響曲第10番「アメリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲された、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そして時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、色彩的で派手な様相を備えています。ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では「おとなしいもの」として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニークなものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題が付けられており…「アメリンディア」と「Sume, Fatherof Fathers(神話の登場人物)」…ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。
8.573241
ブロッホ:交響曲嬰ハ短調
海の詩(管弦楽版)
ダリア・アトラス(指)LSO

録音:2011年11月14-15日UK ロンドン アビー・ロード 第1スタジオ
スイス出身のユダヤ人作曲家ブロッホと言えば「バール・シェム」や「ヘブライ組曲」などの民族色の濃い作品ばかりが思い起こされますが、このアルバムの2つの作品は、どちらかというとドイツ後期ロマン派、ブルックナー、マーラー、R.シュトラウスの伝統を汲むものです。それもそのはず、交響曲 嬰ハ短調は彼がドイツに留学していた20歳のころに書かれたもので、天才的な才能の萌芽と、後の深淵な思想が混在する力作であることは間違いありません。あのロマン・ロランが大絶賛したという素晴らしい作品です。もう1曲の「海の詩」はもともとピアノのために書かれた作品で、あのウォルト・ホイットマンの詩に触発されたものです。通常、ピアノのために書かれた版が演奏されますが、この作曲家自身による管弦楽版も、ドビュッシーの「海」と肩を並べる名作と言えるでしょう。刻々と表情を変える波、瞑想と静けさ、七色に光る水面・・・海からは驚くほど多くの表現が生まれます。イスラエル生まれの女性指揮者アトラスは、ブロッホのスコアを完全に再現し、その隠された魅力を顕わにします。
8.573247
メシアン:ミのための詩、他
ミのための詩(1936)第1集
ミのための詩第2集
ヴォカリーズ・エチュード(1935)
天と地の歌(1938)
ブルーン・ヒルディグ・デュオ<ヘトナ・レジツェ・ブルーン(S)/クリストファー・ヒルディグ(P)>

録音:2013年6月7.8.10.11日UKロンドン,全霊教会
メシアン(1908-1992)の1936年から1938年に書かれた一連の歌曲集(ハラウィを除く)は、彼における作曲家活動の初期の作品にもかかわらず、その音楽が目指すものは顕著であり、彼の特徴とも言える「音と色彩の関係」や、官能性がはっきりと現れています。「ミのための詩」は当時の彼の妻クレール・デルボス(1959年に死去)の愛称であった「ミ」に捧げられた歌曲集であり、夫婦愛の歓びと結婚の秘蹟を歌ったもので、この一音ごとに移り変わる色彩的な響きは、メシアンが愛したステンドグラスの光をそのまま写し取ったものでもあります。「ヴォカリーズ・エチュード」はタイトル通り歌詞を持たない小さな曲。パリ国立高等音楽院の声楽曲の練習曲として書かれたものですが、こんな短い曲の中にも(ドビュッシー風でもある)やはりメシアンらしい音の絵が描かれているのには感嘆するのみです。「天と地の歌」は妻への愛だけでなくわが子への愛、そして「死と復活」までもが高らかに歌われるというもの。「ミのための詩」からたった2年でここまで神秘性が増すとは・・・と驚いてしまいます。ブルーン・ヒルディグ・デュオによる美しい演奏で。
8.573248
フランツ・イグナツ・ベック:交響曲集
交響曲ニ長調Op.4-1(Callen19)
交響曲変ロ長調Op.4-2(Callen20)
交響曲ヘ長調Op.4-3(Callen21)
交響曲ニ長調Op.3-6(Callen18)
チェコ室内フィルハーモニーOパルドゥビツェマレク・シュティレツ(指)

録音:2013年8月27日-9月6日チェコ共和国パルドゥビツェ,音楽の家
マンハイム楽派の中心人物とみなされたヨハン・シュターミッツ。彼の最も有能な弟子がこのベック(1734-1809)でした。彼が多くの交響曲(シンフォニア)を作曲した1750年代以前は、まだこの形式が正式には定まっておらず、最初はイタリア式序曲「急−緩−急」の楽章がそれぞれ独立し、それをシュターミッツやカンナビヒが受け継ぎ発展させ、エマヌエル・バッハがメヌエットの楽章を付け加えて「交響曲」とし、古典派へ繋いでいったとされています。シュターミッツの交響曲は、フランスで大いなる人気を博したとされており、その弟子であったベックも師に倣い、この形式の作品を書いたのでしょう。彼の交響曲は、当時としてはかなり独創的な音楽で、驚くほど劇的な表情と大胆な和声を持っていて、また当時のマンハイム楽派の作曲家たちが好んだ3楽章形式ではなく、メヌエットを含んだ4楽章形式を好んでいたことも特筆すべき点かもしれません。メヌエットを含むことで曲全体が長くなるため、メリハリをつけるために曲内の反復をなるべく減らしたことも、全曲の推進力をアップさせることに役立っているようです。こんなベックの交響曲、ハイドンやモーツァルトとはまた違った味わいがあり、一度聞くと手放せなくなる魅力に満ちています。
8.573249
ベック:交響曲集
交響曲ニ長調Op.4-4(Cellen22)
交響曲ト長調Op.4-5(Cellen23)
交響曲変ホ長調Op.4-6(Cellen24)
交響曲ニ短調Op.3-5(Cellen17)
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
マレク・シュティレツ(指)

録音2013年8月27日-9月6日チェコ共和国、パルドゥビツェ,音楽の家
。NAXOSでは彼の作品を集中的にリリースすることで、ハイドンともモーツァルトとも違うベック作品の魅力を強くアピールしてきました。劇的なコントラスト、快活な木管楽器の動き、そして愉悦感溢れるメロディ、これは確かに得がたいものと言えそうです。このOp.4を中心とした交響曲群は、チェコのオケと指揮者シュティレツの演奏ですが、他はニュージーランド室内管であったり、トロント響であったりと、オーケストラによるアプローチの違いも楽しむことができるという優れもの。これが気に入ったらぜひ他のアルバムも。
8.573250
イギリスの弦楽合奏作品集
エルガー:弦楽の為の序奏とアレグロOp.47(1905)
 ため息Op.70(1914)
W.L=ウェバー(1914-1982):月(1950)*
ハワード・グッドール(1958-):そして、橋は愛である(2008)*
ヴォーン・ウィリアムズ:組曲「チャーターハウス」-第1番前奏曲(1923)
エルガー:弦楽の為のセレナードOp.20(1892)ディーリアス:二枚の水彩画(E.フェンビーによる弦楽合奏版)(1917/1932)
エルガー:夜の歌Op.15-1(W.H.リードによる弦楽合奏版)(1897/1939)*
 夕べの歌Op.15-2(W.H.リードによる弦楽合奏版)(1899/1939)*
ウォルトン:映画音楽「ヘンリー5世」から弦楽合奏の為の2つの小品
アイアランド(1879-1962):ダウランド組曲-第3番メヌエット(1942)
イギリス室内O
ジュリアン・ロイド・ウェバー(指&Vc独奏*)

録音:2014年4月22-24日UKハートフォードシャーワトフォード・コロッセウム
※*…世界初録音
各々の作品は結構知られているのだけど、まとめて聴く機会はあまりないという「イギリスの弦楽合奏」の名曲集です。中心に置かれているのはエルガーの作品であり、優れたヴァイオリニストでもあった彼の面目躍如といった流麗で美しい曲を聴くことができます。彼の最も重要な作品の一つである「弦楽の為のセレナード」と「序奏とアレグロ」での力強い響きはまさにこの時代のイギリス音楽を象徴したものと言ってもよいのではないでしょうか?また、エルガーのこれらの作品を呼び水とする後の一連の作品も、まさにイギリス音楽の伝統を形作るものです。アルバムタイトルになっているグッドールの「And the Bridge is Love」は日本では「サン・ルイス・レイ橋」として知られているソーントン・ワイルダーの小説から取られたもの。ペルーで一番美しい橋が、ある日5人の通行人を巻き込み突然崩れてしまうという理不尽な物語ですが、「5人の思い出は忘れられることもなく、彼らが亡くなった土地である橋に残っている。だから橋は愛である。」と小説の結末で語られる言葉です。グッドールはこの作品を2007年に亡くなった彼の友人の娘のチェリスト、ハンナ・リャンの思い出のために書き、2008年に初演しました。この時にチェロを担当したのがジュリアン・ロイド・ウェバーで、彼はこの作品に込められた意味に深く共感し、暖かく美しい演奏で聴き手の心を包み込むのです。
8.573251
2台のチェロの物語(2台チェロのための作品集)
サン=サーンス:アヴェ・マリアイ長調(1860)
ピアソラ(1921-1992):チキリン・デ・バチン(J.レナハンによる2つのチェロとピアノ編)
モンテヴェルディ(1567-1643):断ち切られた希望
ショスタコーヴィチ(1906-1975):組曲「馬あぶ」Op.97a-前奏曲
ホルスト(1874-1934):リダ・ヴェーダからの合唱賛歌-夜明けへの賛歌
クィルター(1877-1953):マイ・レディ(グリーンスリーヴス)
ルビンシテイン(1829-1953):天使
ドヴォルザーク:モラヴィア二重小曲集Op.38B69より第3番「花冠」
W.L.ウェッバー(1914-1982):銀の月
シューマン:夏の静けさWo07
ペルゴレージ(1710-1736):スターバト・マーテルより「悲しみに沈める御母は涙にくれて
ドヴォルザーク:モラヴィア二重小曲集Op.38B69より第4番「秋の悲しみ」
レイナルド・アーン(1874-1947):もしも私の歌に翼があったなら
ラフマニノフ:6つの合唱曲Op.15-4「波はまどろむ」
パーセル(1658-1695):わが安らぎは永遠に失われてZ502
ドヴォルザーク:モラヴィア二重小曲集Op.38B69より第8番「はにかみ屋の娘」
シューマン:乙女の歌Op.103第4番「夕べの星」
ネヴィン(1862-1901):スケッチブックOp.2より第1番「私たちはいっしょに花を摘んだ」/19.バーンビー(1838-1896):スウィート・アンド・ロウ
クィルター:夏の夕暮れ
ペルト(1935-):エストニアの子守歌
ジュリアン&ジアシン・ロイド・ウェバー(Vcデュオ)
ジョン・レナハン(P)
カトリーン・フィンチ(Hp)
グイ・ジョンストン(Vc)/ラウラ・ファン・デル・ハイデン(Vc)

録音:2013年1月4-6日イングランドコブハム.イェフディ・メニューイン・ホール
※全て世界初録音:ジュリアン・ロイド・ウェバーによる編曲(トラック2を除く)
編曲の世界に魅せられた作曲家は、いつの時代にも数多く存在します。それは憧れの存在を身近に引き寄せるようなものなのでしょうか?名チェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェバーもそんな一人で、彼は古今東西の声楽曲をチェロのために編曲し、声楽作品と器楽作品を自由に行き来して、これらの曲の魅力を存分に伝えることに力を尽くしています。このアルバムでは、モンテヴェルディからペルトまで時代を超えた「二重唱」の名作を2台のチェロ用にアレンジ。ジュリアンと彼の妻ジアシンが2人で寄り添いながら、哀愁に満ちた調べをゆったりと奏でます。
8.573254
ツェルニー:ベル・カント・コンチェルタンテピアノと管弦楽の為の技巧的変奏曲集
.ベッリーニの歌劇「ノルマ」の愛好された主題による序奏、変奏曲とプレストOp.281
オーベールの歌劇「悪魔の分け前」による2つのロンディーノOp.232
ベッリーニの歌劇「海賊」の合唱「万歳!万歳!」による序奏と変奏曲Op.160
パチーニの歌劇「ガリアのアラブ人」の行進曲による序奏と華麗な変奏曲Op.234
ローズマリー・タック(P)
イギリス室内O
リチャード・ボニング(指)

録音:2013年12月17-19日ロンドンケンティッシュ・タウン聖シラス教会
※世界初録音
NAXOSで強く推している作曲家の一人がこのカール・ツェルニー(1791-1857)です。彼は音楽家一家に生まれ、幼い頃から才能を現しました。彼の演奏を聴いたベートーヴェンが即座に弟子としたエピソードが広く知られています。確かに現在ではツェルニーは「練習曲(あの退屈極まりない指の運動!)」の作曲家としてのイメージが流布していますが、それだけ素晴らしい技術を持ったピアニストであったことは間違いありません。このアルバムに収録されているのは、当時流行していた歌劇のメロディを主題にした一連の変奏曲で、この様式は18世紀から19世紀にかけて盛んに用いられたものです。作曲家の個性や能力が問われるジャンルであり、どれほどピアノの技術が卓越しているかのリトマス試験紙のようなものでもあります。有名なのはリストの一連の作品ですが、チェルニーの曲は徒に華美になることなく、品良く纏められている印象があります。ツェルニーの作品がなぜあまり知られていないか?それはあまりにも曲が多すぎて整理できていないこと。今後研究が進み、この孤高の作曲家の全貌が明かされる日も近いことでしょう。ツェルニーのファンになるなら今がチャンスです。
8.573255
モレノ・トローバ:ギター協奏曲集第1集
フラメンコ協奏曲(1962)*
ギターと管弦楽のための対話(1977)
ラ・マンチャの歌(1966)<言葉遊び/冬の到来/旋律/ラ・パストラ/セギディーリャ>
カスティーリャ組曲(1920頃)<ファンダンギーリョ/アラーダ/舞曲>
ペペ・ロメロ(G)
ビンセント・コベス(G)
マニュエル・コベス(指)マラガPO

録音:2013年7月2-4日スペインマラガ,サラ・マリア・クリスティナ
*=世界初録音
最近、優れたギタリストの妙技によって、このスペインの作曲家モレノ・トローバ(1891-1982)の名前も広く知られるようになりましたが、まだまだ未知の部分が多く、このアルバムに収録されている「フラメンコ協奏曲」などは、なぜ今までこんなにステキな作品が録音されていなかったのだろう?と首をひねってしまう人も多いのではないでしょうか。それほどまでに、この曲素晴らしいのです。もちろん、ここで完璧なギターを奏でているのは名手ペペ・ロメロ。まさに神がかり的な演奏が繰り広げられています。指揮者としても高い才能を持っていたモレノ・トローバはオーケストラの扱いも巧みであり「ギターと管弦楽のための対話」ではハープやチェレスタを用いた、星のきらめきのような響きも追求されています。こちらでギターを演奏しているのは1982年生まれの若手ビンセント・コベス。指揮者のマニュエル・コベスは彼の兄弟です。
8.573259
吹奏楽のためのイタリア・オペラ編曲集
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」‐序曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」‐前奏曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」‐間奏曲
ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」の主題によるディヴェルティメント(ファゴットと吹奏楽編)
ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」‐序曲
ミケーレ・マンガーニ(1966-):トスカの主題によるファンタジー
ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」による協奏的幻想曲(オーボエ、ファゴットと吹奏楽編)
ヴェルディ:歌劇「ルイザ・ミラー」‐序曲
※1-5.7-8…M.マンガーニによる編曲
ヨーロピアン・ウィンド・ソロイスツ<メンバー:ダンテ・ミロッツィ(Fl)/サーシャ・デ・リティス(Fl)/パオロ・グラツィア(Ob…トラック7:ソロ)/ジョヴァンニ・パンタローネ(Ob)/アルフォンソ・ジァンカテリーナ(Cl)/アントニオ・ディ・ヴィットーリオ(Cl)/マルコ・パネッラ(Hrn)/アンドレア・カレッタ(Hrn)/アレッサンドロ・モンティチェッリ(Hrn)/パトリック・デ・リティス(Fg…トラック4.7:ソロ)/ヴィンチェンツォ・フェリチオーニ(Fg)/マッシモ・ディ・モイア(Cb)>

録音:2014年2月12-15日イタリアペスカーラ,カティナーノ聖イレーネ教会
「トランスクリプション」=現在では記譜法とされますが、以前はある作品を異なる楽器で演奏できるように編曲する行為そのものを指すことが多かったのです。14世紀頃から頻繁に行われてきたトランスクリプションは、家庭でも音楽を楽しむようになった19世紀に更に盛んに行われるようになります。フランツ・リストが行った「オーケストラ曲=ピアノ曲」は良く知られていますが、同じ時期にはオペラの名旋律を楽器で演奏することも盛んであり、素晴らしい歌を聴いた感動をいち早く自分のものにしたいというアマチュア奏者たちの要望に応え、多くの「オペラの主題」を用いた変奏曲や幻想曲が作曲されたことも忘れてはなりません。このアルバムには、そんな19世紀の良き時代を彷彿させる楽しい作品が収録されています。編曲を施したのは、1966年生まれのミケーレ・マンガーニ。どの曲も、最初からこの形態で書かれていたかのように、ぴったりとはまっています。またトラック6は彼のオリジナル。
8.573260
ミサ・コンチェプティオ・トゥーア〜待降節のための中世とルネッサンスの音楽
作者不詳:アンティフォナ<おお、叡智よ(マニフィカト)/おお、主よ/おお、エサイの根よ/おお、ダビデの鍵よ/おお、昇る光よ/おお、全ての民の王よ/おお、エマニュエル>
ピエール・ド・ラ=リュー(1460頃-1518):ミサ・コンチェプティオ・トゥーア<キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/アニュス・ディ>*
作者不詳:救い主のうるわしき母(ポルトガル写本、14世紀)
作者不詳:かくも麗しいバラはない(イギリス、17世紀)
作者不祥:恵みあふれる聖マリア(イギリ
ス、15世紀)
作者不詳:ノヴァ!ノヴァ!(イギリス、15世紀)
シカゴ・スコラ・アンテクァ
マイケル・アラン・アンダーソン(指)

録音:2012年12月8日USAイリノイ州,シカゴ聖ヨサパト・パリシュ
※*=世界初録音
「クリスマス=キリストの降誕を記念する日」だったはずが、いつの間にかケーキを食べて、プレゼントを交換して盛り上がる日になってしまいました。そろそろ本来の意味合いに戻して…(あっ、やっぱりケーキは必要デス)。そんな、静かな日を過ごしたい方にぴったりのアルバムは、ルネサンス時代の美しい「クリスマスの音楽」を集めたものです。ここに収録されているのは、12月25日のためだけではなく、その前にある4週間の期待溢れる時期である「アドベント」のための音楽です。1200年以上前に歌われたであろう、単旋律のアンティフォナ(2つの合唱隊が交互に歌う形式)で始まり、次はルネサンス期の作曲家ピエール・ド・ラ=リューの5声部のモテットが歌われます。そして様々な写本から取られた聖母を賛美する歌で締めくくられるという1枚。綿密な研究に支えられた確固たる歌は、時代を超えて聴き手の胸にしみいることでしょう。
8.573261
フンメル:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調Op.12
ピアノ三重奏曲第4番ト長調
Op.65
ピアノ三重奏曲第5番ホ短調「グランド・トリオ・コンチェルターテ」Op.83
グールド・ピアノ三重奏団<メンバー:ルーシー・グールド(Vn)/アリス・ネアリー(Vc)/ベンジャミン・フリス(P)>

録音:2013年6月20.21日UK西サセックス,チャンプ・ヒル
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューベルト…この大きな流れに沿うように、多くの作曲家たちが活動していたこの時代、もちろん忘れられてしまった人たちも数多く存在します。そんな一人がこのフンメル(1778-1837)です。とは言え、彼が存命中の時代には高い名声を誇っていたことは間違いありません。今、改めてフンメルの作品を聴いてみませんか?以前は、フンメルといえば、ピアノ曲の一部がかろうじて知られるのみでしたが、最近になってようやく室内楽など多くの作品が録音されるようになり、この時代の音楽を愛する人にとっては夢のような時代になってまいりました。そんなフンメルのピアノ三重奏曲は7曲あり(8曲の説もあり)、どれも精巧な筆致で書かれています。第1番の冒頭から思いがけない展開があったりと、なかなかスリリング。第4番や第5番は、ちょうどロマン派への移行期の作品で、整った美しさの中に、時折型破りな部分が出現したりと、こちらもとても興味深いものです。シューベルトやメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲とはまた違った美しさを備えています。グールド・ピアノ三重奏団の納得の演奏が光ります。
8.573266
カッスート:未来への帰還、他
未来への帰還(1985)
孤独の歌(1972)
愛と平和へ(1973)
友人たちの訪問<序曲(レント)/アレグロ・ストレピトーソ/間奏曲(アダージョ アンダンテ)/アレグロ・スケルツァンド,テンポ・ジュスト>
アントニオ・ロサド(P)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
アルヴァロ・カッスート(指)

録音:2013年6月18-19 日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール RSNO センター
ポルトガル出身の指揮者、作曲家カッスート(1938-)。彼の情熱の源は常にクラシック作品と管弦楽にありますが、時としてアバンギャルドな音にも興味をそそられ、12 音音楽の研究をするためにダルムシュタットの講習会にも参加しています。彼は作品を多くの聴衆のために書いたといい、そのコンセプトはこのアルバムの収録曲でも顕著です。タイトルにもなっている「未来への帰還」はバッハのブランデンブルクに触発された作品で、バロックチェンバロの代わりに電子キーボードを用い、イタリア・バロックの音楽を思わせる華麗な音階を駆使し、見事な音楽を構築しています。「友人たちへの訪問」は彼のエッセイ的な作品。こちらも過去の時代へのオマージュ足り得るものです。ピアノ協奏曲とは名付けられていませんが、広い意味での協奏曲と言っても良いでしょう。作曲家の心を雄弁に表現した興味深い作品です。
8.573267
ヒル:弦楽四重奏曲集第5集
弦楽四重奏曲第12番ホ長調
弦楽四重奏曲第13番変ホ長調
弦楽四重奏曲第14番ロ短調
ドミニオンSQ
<ユーリ・ゲゼンツヴェイ(第1Vn)/ローズマリー・ハリス(第2Vn)/ドナルド・モーリス(Va)/デイヴィッド・チッケリング(Vc)>

録音:2012年6月4日、2013年5月、2013年5月28日 ニュージーランドウェリントン,パーク・ロード・ポスト
※全て世界初録音
オーストラリアが生んだ作曲家アルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の弦楽四重奏曲集もこれが第5集。あと1集を残すのみとなりました。彼は2歳から17歳までニュージーランドで過ごし、その後はライプツィヒに留学、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーら当時の音楽を吸収しました。彼はここでピアノとヴァイオリンを学び権威ある「ヘルビッヒ賞」を獲得、またオーストラリアに戻り、ニュージーランドを行き来しながら、ヨーロッパの伝統と、この地の音楽の融合を図り、時にはマオリの民謡を取り入れながら、数多くの作品を生み出したのです。この第12番から第14番の弦楽四重奏曲は、初期の作品のように、あからさまな先人からの影響を感じさせることなく、良い感じの独自性が発揮された作品群です。未だに出版されていない第12番(オーストラリア国立図書館所蔵)、若干無調音楽に足を踏み入れている第13番、番号付けが混乱している1951年頃に書かれた第14番、この3曲は20世紀と19世紀の2つの時代を自由に揺れ動く不思議な味わいを持ち、またヨーロッパの音楽の伝統がどのように広まり、独自の根を張っていくかを見るための、素晴らしいサンプルとしても役に立つものなのです。第12番の冒頭の深い音色を持つチェロの歌には、思わず背中がぞくぞくしてしまいます。
8.573271
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.77(1947-1948)
リーム(1952-):歌われし時*
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(Vn)
エド・デ・ワールト(指)オランダ放送PO
ゾルターン・ペシュコ(指)ロイヤル・コンセルトヘボウO*

録音:1994年4月16-19日
1995年6月17日*
※BMG Classics移行版
現在は素晴らしい指揮者として活躍している1960年生まれのヤープ・ヴァン・ズヴェーデンですが、彼はもともとジュリアード音楽院で学んだ優れたヴァイオリニストであり、1979年から1995年まではロイヤル・コンセルトヘボウOのコンサート・マスターを務めていました。このアルバムはそんな時期に録音され、名盤として親しまれた記録を復活させたものです。ショスタコーヴィチの協奏曲は1947年から1948年にかけて作曲されており、交響曲に匹敵する深い内容を持つもので、有名なジダーノフ批判(ソビエト連邦共産党中央委員会による前衛芸術への抑圧)を避け、公表を差し控えたという経緯があります。第1楽章から唐突に「夜想曲」で始まるという不思議な構成を持ち、全体は思索的でありながらも爆発直前のエネルギーを秘めています。リームの作品は名ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターに捧げられた作品で、もちろん彼女の名演も存在しますが、ズヴェーデンの演奏は、また違った立ち位置での解釈で、一つの作品が普遍的な価値を持つ経緯を眺めることができるでしょう。
8.573273
クレメンティ:ピアノ協奏曲ハ長調Op.33-3(1796)
ヌエット・パストラーレ.ニ長調WoO36
交響曲変ロ長調Op.18-1(1787)
交響曲ニ長調Op.18-2(1787)
ブルーノ・カニーノ(P)
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音:2012年10月28-29日、2012年12月27-30日
交響曲第1番&第2番(8.573071),交響曲第3番&第4番(8.573112)に続く、クレメンティ(1752-1832)の初期管弦楽作品のシリーズです。1780年代にいくつかの交響曲を作曲したクレメンティですが、いざ出版しようとした頃にハイドン登場。音楽界の人気を全て持って行ってしまったため、その他の作曲家たちは自作を出版することが難しくなってしまったのでした。1796年に作曲されたピアノ協奏曲は、通常ソナタとして弾かれるOp.33-3の「原型」とされています。自筆譜はなく、1796年にヨハン・シェンクが書き写した譜面が残されていますが、本当のところ、ソナタが先で協奏曲が後なのかはわかっていません。クレメンティの伝記作家プランティンガは、オケ・パートはシェンクによるもので、クレメンティの手によるものではないとも主張しています。Op.18の2つの交響曲は極めて古典的な様式を持つ整った美しさに満ちた作品です。変ロ長調の第1番は若干控えめですが、ニ長調の第2番は野心的な和声を持つ快活な音楽。ハイドンへの対抗意識もあったでしょうが、これはこれで素晴らしい作品になっています。
8.573275
ゴットリープ・ムッファト(1690-1770):チェンバロのための組曲集 第2集
組曲 イ長調 MC B16
組曲 ニ短調 MC B43
組曲 ヘ長調 MC B9
組曲 ハ長調 MC B15
芥川直子(Cemb)

録音:2018年3月5-8日
※世界初録音
日本のチェンバロ奏者、芥川直子によるゴットリープ・ムッファト作品集第2集。2012年に録音された第1集 (8.572610)と同じ楽器(Henk van Schevikhovenによるリュッカーズの復元)を用いた6年ぶりの続編です。 作曲者のゴットリープ・ムッファトはザルツブルクとパッサウの宮廷で活躍したゲオルク・ムッファトの末息子で、幼い頃か ら音楽家としての将来を嘱望されており、本人も期待に違わず、オルガニスト、教師として才能を発揮しました。彼の 作品は洗練されたスタイルで書かれており、同時期に活躍したヘンデルにも影響を与えたとされています。残念ながら 彼の存命中に出版された作品はわずかであり、ベルリンに保存されていた自筆稿は第二次世界大戦で散逸してし まいました。第1集も含め、これらの録音は各地に散らばった譜面を探し求めることで実現したもので、知られざる作 曲家の再復興に一役買うアルバムです。
8.573277
ピーニョ・バルガス:レクイエム&ユダ
レクイエム(2012)<入祭唱/キリエ/ディエス・イレ/呪われた者たちは退けられ/涙の日/奉献唱/聖なるかな/神羊誦/我を救い給え>
ユダ(ルカ、ヨハネ、マタイ、マルコ伝による)(2002)<Dies festus/Ecce manus/Domine, quis est?/Christus apprehenditur/Prodotoris finis/Se suspendit/Scripturae(canone aeternum)>*
グルベンキアンO&cho
ホアナ・カルネイロ(指)
フェルナンド・エルドーロ(指)*

録音:2012年11月21-22日、2004年5月 ポルトガル,カルースト・グルベンキアン財団庭園グランド・アウディトリオ
このレクイエムの作曲家である、アントニオ・ピーニョ・バルガス(1951-)は実はポルトガルでも有数のジャズ・ピアニストとして知られている人です。彼のジャズ・アルバムは世界中で高い人気を得ていて、その音楽もアルデッティ四重奏団をはじめとした、様々な演奏家によって演奏されています。しかし、この「レクイエム」は極めてシリアスな音楽であり、これまでのキリスト教に基づいた過去の作品だけでなく、もっと人間の根源にあるもの…これは先史時代の恐怖と畏れなども含めた「死」というものへの畏敬の念が込められた作品と言ってもよいのかも知れません。曲は捉えようによっては、素晴らしくドラマティックであり、まるで映画音楽のような迫力をも有していますが、これも受け入れるべきものなのでしょうか。悲しみの中を漂うかのような「涙の日」、語りかけてくるかのような「サンクトゥス」などに独自の美を見出すことも可能です。「ユダ」はもっと現代的な響きを持った音楽で、テキストは4つの福音書から取られています。普遍的な言葉を音楽に載せながらも、幾多の理由から、ソリストを使わずに合唱のやりとりで物語を進めていく様子は確かに見事としかいいようがありません。
8.573279
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲集第1集
ピアノ三重奏曲第3番ヘ短調Op.65,B.130
ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」
テンペスト三重奏団
<イリヤ・カーラー(Vn)
アミット・ペレドゥ(Vc)
アーロン・ゴールドスタイン(P)>

録音:2013年5月26-29日USAメリーランド
8.573281
ソレール:鍵盤のためのソナタ集第42番-第56番
ソナタ第42番変ホ長調/ソナタ第43番ト長調/ソナタ第44番ハ長調/ソナタ第45番ト長調/ソナタ第46番ハ長調/ソナタ第47番ハ短調/ソナタ第48番ハ短調/ソナタ第49番ニ短調/ソナタ第50番ハ長調/ソナタ第51番ハ長調/ソナタ第52番ホ短調/ソナタ第53番イ長調「トランペットのソナタ」/ソナタ第54番ニ短調/ソナタ第55番ヘ長調/ソナタ第56番ヘ長調
マテウス・ボロヴィアク(P)

録音:2013年2月4-6日スペインジロナ,パラウ・デ・コングレソス・オーディトリウム
カタルーニャのウロトに生まれたアントニオ・ソレール(1729-1783)は、6歳でオルガンと作曲の勉強をはじめ、モンセラート修道院の聖歌隊員に加わります。わずか15歳でセオ・デ・ウルゲル大聖堂のオルガニストと副助祭に任命されるほどの才能を持ち、その後は23歳で叙階を受け聖職者となり、亡くなるまでの31年間はずっと禁欲的な生活を送った人です。彼の生活は確かに常人から見ると単調なものだったかも知れませんが、彼の書いたソナタを聴くと、本当はものすごく実り豊かな暮らしをしていたのではないかと思わせるだけの強い魅力があるものです。彼はドメニコ・スカルラッティに師事したと言われていて、これらのソナタからも、その影響は感じられますが、曲自体はもっと自由であり、1曲の長さも拡大されています。とにかく明るく力強い、まさしく「健康的な」音楽です。ここでピアノを演奏しているのは2011年にバルセロナで開催された第57回マリア・カナルス国際音楽コンクールで1位を獲得したマテウス・ボロヴィアク。2013年のエリザベート王妃国際コンクールでも3位を獲得するなど、数々のコンクール入賞暦を持つ最注目のポーランド=イギリスのピアニストです。
8.573283
ブロッホ:イスラエル交響曲(1912-1916)
ヴィオラと管弦楽のための組曲(1917-1919)
アドリアーナ・コウトコヴァ(S)
カタリナ・クラモリショーヴァ(S)
テレジア・バヤコヴァ(Ms)
デニサ・ハマロヴァ
ミハル・マチュハ(Br)
ユーリ・ガンデルスマン(Va)
スロヴァキア放送SO
アトラス・カメラータO
ダリア・アトラス(指)

録音:2000年10月18-22日
,2001年5月10-11日
スイス出身のユダヤ人作曲家エルネスト・ブロッホ。彼の円熟期の中でもとりわけ重要な意味を持つのが、この「イスラエル交響曲」を始めとしたユダヤの民俗音楽、典礼音楽を元にした一連の作品です。他にはチェロと管弦楽のための「シェロモ」や、ヴァイオリン曲「バール・シェム」、声楽のための「聖なる典礼」など多数の作品がユダヤの精神に由来してますが、この「イスラエル交響曲」はとりわけ編成も大きく、壮大な形式を持っています。雄大な導入部を含む3楽章形式で書かれ、本来は「ユダヤの祝宴」というタイトルが付けられていましたが、ロマン・ロランの助言により現在のタイトルに改名されました。また当初はもっと巨大な形を想定したいたのですが、完成時には整理されすっきりしたものとなっています。「組曲」はユダヤではなく、エキゾチックに憧れた彼の思いが結集した作品で、こちらも色彩豊かな管弦楽をバックにヴィオラが悠然と歌うという名作です。
8.573288
ドメニコ・スカルラッティ:鍵盤の為のソナタ全集第16集
1.ソナタイ長調K.280/L.237/P.395/2.ソナタニ短調K.417/L.462/P.40/3.ソナタ変ロ長調K.440/L.97/P.328/4.ソナタニ長調K.511/L.314/P.388/5.ソナタハ長調K.200/L.54/P.242/6.ソナタヘ短調K.467/L.476/P.513/7.ソナタハ長調K.231/L.409/P.393/8.ソナタ変ロ長調K.488/L.S37/P.382/9.ソナタヘ長調K.541/L.120/P.545/10.ソナタニ長調K.336/L.337/P.262/11.ソナタト長調K.390/L.234/P.348/12.ソナタハ長調K.308/L.359/P.318/13.ソナタニ長調K.118/L.122/P.266/14.ソナタ変ロ長調K.528/L.200/P.532/15.ソナタト長調K.260/L.124/P.304/16.ソナタニ長調K.458/L.212/P.260/17.ソナタハ短調K.362/L.156/P.159/18.ソナタハ長調K.133/L.282/P.218
ハオ・ドゥアンドゥアン(P)

録音:2013年11月21-22日イギリスモンマス、ウィアストーン・コンサート・ホール
当時のヨーロッパを全てカバーするほどの知名度を保っていたスカルラッティ一族。ドメニコ(1685-1757)の父アレッサンドロは著名な歌劇作曲家であり、ドメニコも幼いうちから高度な音楽教育を受けました。16歳でナポリの教会付き作曲家兼オルガニストとなり、その演奏技術はヨーロッパ中で知らぬ者はいないほど。ある時はヘンデルとオルガンの腕前を競い合ったとも言われています。そんな彼、1720年にリスボンに行き、マリア・マグダレーナ・バルバラ王女に音楽を教え始め、そのレッスンは、マリア・バルバラがスペイン王家に嫁いだ1929年以降も続いたのでした。王女のために書いた555曲の練習曲が、いわゆる「ソナタ」として親しまれているものですが、これらは現在のような3楽章形式ではなく、多くは単楽章の短いもの。しかし、当時の鍵盤楽器(主としてチェンバロ)の仕組みを知り尽くしたこれらの作品は、演奏する手助けになるだけでなく、聞くための曲としてもとても面白いものなのです。NAXOSはこれまでの15集について、全て違う奏者で録音を重ねてきましたが、今回初の2度目の登場となるのが、このハオ・ドゥアンドウアンです。彼は第14集…8.572586の演奏者ですが、その高度な表現とピアニズムが絶賛され、再登場となったのです。

8.573290
ブロッホ:交響曲変ホ長調他
歌劇「マクベス」の2つの交響的間奏曲(1939)
交響曲変ホ長調(1954-1955)
イン・メモリアム(1952)
3つのユダヤの詩(1933)
ダリア・アトラス(指)ロイヤルPO

録音:1996年10月14-15日UKミッチャムサリー,聖バルナバス教会
※ASVより移行盤
エルンスト・ブロッホはスイス出身のユダヤ人作曲家で、主にアメリカで活動したとされています。若い頃はジュネーヴで学び、イザイにヴァイオリンを学び、フランクフルトで研鑽を積み、更に一時はパリにも住み、その後は1916年からアメリカに渡り、様々な場所で活躍、1924年にはアメリカの市民権を獲得します。彼はオーケストラや室内楽団のために30ほどの作品を書き、その中にはとびきりの傑作も含まれています。歌劇「マクベス」の交響的間奏曲は、30年近く前に完成を見た歌劇を見直したブロッホが、プログラムノートに手を入れ、2つの幕間の間奏曲を付け加えたというもの。曲全体のライトモティーフが使われた色彩感豊かな作品です。1955年に完成された交響曲は、彼自身においても自信作であったようで、曲についての詳細な説明を友人であるA.チャップマンに送っています。そこには第1楽章から第4楽章までの楽想の移り変わりと感情推移が記され、演奏するためにも素晴らしい手引きとなっています。短い「イン・メモリアム」は彼の友人であったピアニスト、エイダ・クレメントに捧げられたもの。3つのユダヤの詩は彼の「ユダヤ・ツィクルス」の一つの作品で、ユダヤの伝統的な旋律を引用し、素晴らしいオーケストレーションを施した表現的な作品であり、ブロッホの面目躍如と言った感のあるものです。
8.573291
マリピエロ:毎日の幻想曲(1953)*
パッサカリア(1952)
協奏曲集(1931)<前置き/フルート協奏曲/オーボエ協奏曲/クラリネット協奏曲/バスーン協奏曲/トランペット協奏曲/ドラム協奏曲/コントラバス協奏曲/結び>
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)
ローマSO

録音:2013年7月9-13日,15-18日ローマOSRスタジオ
※*以外=世界初録音
最近、その復興が著しいイタリアの近代作曲家たちですが、その中の筆頭とも言えるマリピエロ(1882-1973)の珍しい作品の登場です。もともとモンテヴェルディとヴィヴァルディの校訂者としてその名を挙げたマリピエロですが、自作はかなり前衛的であり、フランスの印象派の影響を存分に受けていました。もちろん半音階、12音も積極的に用い、難解な作品も生み出していますが、ろでも仄かな叙情性も湛えた不思議な味わいを持っています。このアルバムには3つの作品が収録されていて、そのうち2曲は世界初録音というもの。「毎日の幻想曲」は彼が持っていた、走り書きのようなアイデアから生まれたものですが、これがまた見事な構造を持った音楽です。「パッサカリア」は、厳格な形式を嫌っていたマリピエロにしては珍しいもので、主題の反転、逆転などの手法を繰り返しながらも、少しずつ「ずれ」が生じていくのを見るのが怖いような楽しいような音楽です。協奏曲集はこのアルバムの白眉であり、小さな「前置き」と「結び」を持つ7つの部分からできています。各々の協奏曲で使われる楽器は複数で、いわばバロック期の「合奏協奏曲」のような構造を持った小さな協奏曲の集まりです。優雅なフルート、激しいドラム。そしてねっとりとしたコントラバスなど、楽器の特性も存分に生かされた見事な曲たち、これは本当に素晴らしいものです。
8.573292
ロッシーニ:ピアノ作品全集第7集〜老いのいたずら第1集-第3集,第10集,第11集,第14集より
第1集「イタリアの歌のアルバム」より<第1曲:小四重唱曲「ゴンドラこぎ」/第12曲:小四重唱曲「散歩」>
アンダンティーノ・モッソ
第2集「フランスのアルバム」より<第1曲:小八重唱曲「新年に乾杯」/第6曲:クリスマス・イヴ(イタリア語による初稿版)/第12曲:民主的な猟師の合唱>
第14集「その他の老いのいたずら」より第3曲:ヴェネツィアの女-カンツォネッタ第3集「控えめな小品」より<第1番:数小節の葬送歌:我が亡き友マイヤーベーアに/第4番:アヴェ・マリア/第6番:ティタネスの歌/第10番:カンテム:8声の模倣/第12番:感傷的なティロリエンヌ>
第10集「ピアノのための雑集」より<第1番:冗談前奏曲/第2番:三全音でどうぞ(上行と下行)/第3番:ちょっとした考え/第6番:小奇想曲(オッフェンバック風)>
第11集「声楽の雑集」より第8番:清廉潔白なフーガ
第14集「その他の老いのいたずら」より<第2番:皇帝陛下万歳-3声のカノン・アンティサバン/第1番:今、空は暗くなってきた-4人のソプラノのためのパーペチュアル・カノン/第11番:ちょっとした音楽「ブリンディシ」>
第3集「控えめな小品」より第7番:祈り
第11集「声楽の雑集」より第9番:憐れみ給え、聖母マリア「音楽への讃歌」
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ&オルガン)
アルス・アンティカCho&コンソート
マルコ・ベッリーニ(指)

録音:2013年9月25-27日イタリアイヴレア,スタジオSMCレコーズ,バロック・ホール
NAXOSの人気シリーズとしてだけでなく、知られざるロッシーニ(1792-1868)の姿を追うための資料としての価値も高い、この「老いのいたずら」の一連のリリースの第7集は、声楽を含む作品集です。トラック3の「アンダンティーノ・モッソ」とトラック5の「クリスマス・イブ」の初稿版は最近発見された原稿に基づくもので、これが世界初録音となります。第1集はイタリア語によるもので、さすがオペラ作曲家!といえる絶妙な歌曲です。第2集はとても個人的な曲で、8人の歌手によって歌われます。第14集は彼の死後に纏められたもの。マイヤベーアへのオマージュを含む第3集は単なる「控えめ」な作品集ではありません。第10集はピアノ曲。特に第6番の「オッフェンバック風」は当時大好評であったことでしょう。第11集と第1」まで、本当にヴァラエティ豊かな作品を楽しむことができるのです。
8.573293
アルベニス:ピアノ作品集第5集
本位音を主音とする長調による7つの練習曲T.67(1886)
キューバ風狂詩曲T.46(1881)
古風な組曲第1番T.62(1885頃)
ピアノ・ソナタ第1番-スケルツォT.57(1884)
2つのサロン風マズルカT.87(1888
秋-ワルツT.96(1890)☆
ホアン・ホセ・ムダーラ・ガミス(P)

録音:2013年7月6-7日スペインマドリッド,リアル・コンセルヴァトリオ・スペリオール・デ・ムジカ
スペインの大作曲家、アルベニス(1860-1909)。彼の生涯はどうも謎が多く「数多くの冒険譚」などのエピソードはどうも存在しなかった模様で、最近新しい研究による伝記が出版されたとか…なかなか人騒がせな人物であったようです。しかし、驚くべき神童であったことは間違いなく、4歳で最初のコンサートを行い、9歳で作品を発表するなど熟練と経験を幅広く積んでいたのです。彼はスペインの民俗音楽を好んではいましたが、若干「時代遅れ」と感じていたようで、1889年にはロンドンに移住し、4年間生活することでこの地の文化を吸収したのです。その後はフランスに移住。ここでもダンディやドビュッシーをはじめとした幅広い交友関係を築くことで、また新たな経験を積むことになります。このアルバムには、そんな若い時代のアルベニスの作品を聞くことができます。この頃の彼の作品の多くは、サロン風であり、印象派への憧れを含んだものであり、民俗音楽との融合はまだあまり感じさせないものばかりです。まずは「キューバ風狂詩曲」あたりから聴いてみてください。とても活発で、気軽な音楽が、この時代のアルベニスを彷彿させます。
8.573294
アルベニス:ピアノ作品集第4集
古風な組曲第3番T.76(1886)
ピアノ・ソナタ第5番変ト長調Op.82T.85(1887)
マズルカ「比類なき歌姫」T.63(1886)*
ポルカ「バルビナ・バルベルデ」T.64(1886)*
即興練習曲Op.56T.50(1885頃)
夢Op.201T.99(1890)
アラブのセレナーデT.60(1885頃)
カディスのカディナータT.93(1891頃)*
グラダナのサンブラT.97(1891頃)
3つのインプロビゼーション(1903)(A.ローファーによる復元版)
ルベン・ラミーロ(P)

録音:2013年7月8-9日スペイン「ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス」コンセルヴァトーリオ・プロフェッショナル・デ・ムジカ
*=世界初録音
アルベニス(1860-1909)の作品を録音する際、直面する問題の一つに、曲の配列と作曲年代の特定がある。と演奏しているラミーロは書いています。それはアルベニス自身が初期の作品の出版の際に、同じ作品を異なる曲集に入れたり、出版社もタイトルと番号が連動していなかったりと、若干の混乱をきたしているからでしょう。そのためこのNAXOSのシリーズでは、2001年に研究家ハシント・トレス氏による整理番号「T.」に基づいて体系的に曲を集めています。その分類によると、このアルバムに収録されている曲は全てアルベニスの初期の作品に属するもので、ロマンティックなスタイルと古典的な形式がうまく組み合わされた聴き応えのあるものばかり。当時のスペインの貴族やブルジョワ階級の人々が、このような「サロン風」の曲を求め、それに応えて書かれたと推測されます。彼自身がコンサートで演奏する際は、このような軽い曲と、ソナタなどの重厚な曲を交互にプログラムに載せて、表現力に幅を持たせたようです。復元されたインプロビゼーション(即興)では、アルベニスの技量やアイデアなど、様々なことを知ることができるでしょう。
8.573295
アルベニス:ピアノ作品集第6集
コティヨン-第1番シャンパーニュT83(1887)
2つの性格的小品-第2番タンゴT94(1889)
演奏会用練習曲「願い」Op.40T53(1885頃)
スペインOp.165T95(1890)
思い出(マズルカ)Op.80T80(1887)
メヌエット第3番変イ長調T74(1886)
小さな手のための易しいパヴァーヌOp.83T82(1887)
木の下で(ソルツィーコ)T84(1891頃)
サロン風マズルカOp.81T81(1887)
ピアノ・ソナタ第7番Op.111T89-メヌエット
イヴォンヌの訪問(1908頃)
軍隊行進曲T45(1869)
サンティアーゴ.L.サクリスタン(P)

録音:2013年6月22-23日スペインマドリッド,リアル・コンセルヴァトーリオ・スペリオール・デ・ムジカ
アルベニス(1860-1909)のピアノ全作品を集めたシリーズの第6集です。このアルバムには、初期の時代に書かれたサロン風の小品が収録されていて、このまばゆいばかりの光に満ちた音楽は、ショパンやリストのピアノ曲にも似た華麗さを持ちながら、スペイン風のリズムも楽しめる、いかにもアルベニスらしいものです。彼の波乱万丈な人生については、最近ではかなりの創作が含まれていることが判明し、その作品番号も実際の作品年とはずれているため、ここでは2001年に発表されたハシント・トーレスによる整理番号も併記されています。ショパンを思わせるワルツ「シャンパーニュ」、スペインの香り漂う「タンゴ」、リストも顔負けの超絶技巧を要求する「願い」など、冒頭からしっかり惹きつけられること間違いなし。魅力的過ぎる組曲「スペイン」をはさみ、またロマンティックな作品が並びます。「イヴォンヌの訪問」は若き弟子イヴォンヌ・ガイドについて作曲したもので、サティ風の単純な楽想に隠されたユーモアが光ります。最後に置かれた「軍隊行進曲」は彼が8歳から9歳の時の作品で、ブルッフ子爵に捧げられています。シンプルかつ確固たる楽想に貫かれた魅力的な作品です。
8.573296
デュカス:交響曲ハ長調他
交響詩「魔法使いの弟子」
「ラ・ぺリ」のファンファーレ
.舞踏劇「ラ・ペリ」/交響曲ハ長調
ジャン=リュック・タンゴー(指)
アイルランド国立SO

録音:2013年10月7-10日アイルランドダブリン,ナショナル・コンサート・ホール
パリで銀行家の父の下に生まれた作曲家ポール・デュカス(1865-1935)。その作品は華麗なオーケストレーションと色彩的な表現で知られています。彼の最も有名な作品である「魔法使いの弟子」は、自己批判が厳しすぎた彼による破棄を免れた自信作。あの映画「ファンタジア」に使われて一躍有名になりました。この物語、あまり知られていませんが、原作はゲーテによるもので、ゲーテが、シリア人のルキアノスの詩「嘘を好む人たち」を基にして書き上げたバラード(物語詩)を使っています。映画では名指揮者ストコフスキーがオーケストレーションに手を加えていて、こちらの響きが広く知られていますが、ここでは指揮者タンゴーが探索した初稿版を用いることで、華美さを取り去った「作曲家のオリジナルの意図」を反映した演奏で楽しむことができます。「ラ・ペリ」はロシア・バレエ団からの委嘱作品。当初は蓮の花の精ペリはナターリヤ・トゥルハノヴァ、イスカンデル王をニジンスキーが演じることになっていましたが、ディアギレフの介入でトゥルハノヴァが降板、しかしデュカスは彼女のために音楽を完成させたといわれています。この作品も危うく破棄されるところでしたが、何とか生き残ったのでした。デュカス30歳のときに書かれた交響曲は、彼が残した唯一の交響曲で、軽快さと優美さ、重厚さを兼ね備えた隠れた名作です。
8.573297
ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
序曲「ローマの謝肉祭」Op.9H95
夢とカプリースOp.8H88
序曲「ベンヴェヌート・チェッリーニ」
リーズ・ベルトー(Va)
ジョヴァンニ・ラディヴォ(Vn)
フランス国立リヨンO
レナード・スラットキン(指)

録音:2013年10月24-26日フランスオーデォトリウム・デ・リヨン
イギリスの名詩人、第6代パイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロンが1812年に出版した「チャイルド・ハロルドの巡礼」は当時大ベストセラーになりました。彼は当時の偽善と偏見に果敢に立ち向かい、また恋多き男でもあり、そんなところもベルリオーズ(1803-1869)がこの物語に音楽を付けるモチベーションになったのではないでしょうか。この作品は当初、パガニーニが演奏することを想定して書かれましたが、パガニーニが曲の出来に不満を漏らしたという説や、ベルリオーズが途中で書く気を失ったという説など様々な原因があったようで、結局のところ、第1楽章でふんだんに使われたヴィオラは、楽章が進むにしたがって姿を潜めてしまいます。しかしながら、曲全体の物語はとても面白く、まだベルリオーズ特有の「イデー・フィクス(固定観念)」もふんだんに登場し、特に第4楽章での楽器たちの喧騒と狂乱は幻想交響曲を超えるほどの熱狂を呼ぶものです。ヴィオラのリーズ・ベルトーは1982年生まれの才能あるヴィオラ奏者。この難曲を容易く手中に収めています。残りの3曲は、全て歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」に関係する作品で、有名な「ローマの謝肉祭」も元々はこの歌劇の間奏曲として作曲されたものです。「夢とカプリース」はテレサのアリアを編曲したもの(このアリア自体は初演前に削除されてしまった)で、現在では独立した曲とされています。
8.573298
バラダ:交響曲第6番・3台のチェロのための協奏曲・鋼鉄交響曲
交響曲第6番「悲しみの交響曲」(2005)*
3つのチェロと管弦楽のための協奏曲「ドイツ協奏曲」(2006)*
鋼鉄交響曲(1972)
ハンス=ヤコブ・エッシェンブルク(Vc)
ミヒャエル・ザンデルリンク(Vc)
ヴォルフガンク・エマニュエル・シュミット(Vc)
ガリシアSO
ベルリン放送SO
アリヴィンド・グルベルク・イェンセン(指)
バルセロナSO
ヘスス・ロペス=コボス(指)

録音2012年11月23日スペインプラチコ・デ・ラ・オペラ
2007年10月28日ドイツベルリン,フォルハーモニー・ホール
2010年2月14日スペインバルセロナ,アウデトリ・ホール
*=世界初録音
一部のファンの間では、バラダの音楽は「ロマンティックな前衛」とみなされているのだそうです。しかし、これまでの彼の作品を一瞥すると(例えば「交響的悲劇"無"」…8.557343など)どちらかといえば、ひたすら刺激的な音に満ちているように思うのですがどうでしょう?それは、彼の音楽には様々な主題があり、それは時には死であり、創造であり、自然を模倣したり、神への抗いであったりと、目が回るほどのアイデアに満ちているためだと思われます。このアルバムに収録された3つの作品も、そんな曲ばかりです。交響曲第6番は「スペイン市民戦争の罪のない犠牲者に捧げる」とバラダ自身が語るように、国の無慈悲な戦いと、それに巻き込まれた人々の悲劇を描いたものです。2つの派閥の戦いは、どちらもが勝者であり、また敗者だったのです。「ドイツ協奏曲」はここで演奏している3人のチェリスト及びベルリン放送SOに捧げられた作品で、やはり戦争に関連付けられた内容を持っています。3人のチェリストたちは、時に個人として、時にチームとしてオーケストラに立ち向かわなくてはいけません。「鋼鉄交響曲」は、彼が訪れたピッツバーグ周辺にある工場のパワーに魅せられ書いた曲だそうですが、あのモソロフの「鉄工場」のようなあからさまな音の模倣ではなく、もっと洗練された方法を用いているのだそうです。なんと「正式な始まり」を持たない曲のため、最初はチューニングとおぼしき音が聞こえてきてびっくりです。
8.573299
シベリウス:序曲イ短調JS144
劇音楽「クオレマ」Op.44JS113
組曲「クリスティアンII世」Op.27
ア・パヤラ(S)
ヴァルテッリ・トリッカ(Br)
レイフ・セイゲルスタム(指)トゥルクPO

録音:2014年2月3-7日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
2015年はシベリウス(1865-1957)生誕150周年にあたります。数多くのシベリウス作品がリリースされますが、このセーゲルスタムによる管弦楽作品集も、選曲の見事さと、確固たる解釈に裏打ちされた演奏は、全てのシベリウスマニアの心を捉えること間違いありません。近代フィンランドの音楽発展に最も寄与した人物であり、その壮大な交響曲と、民俗物語をふんだんに取り入れた管弦楽作品は、現在でも広く愛されています。しかし、まだまだ良く聴かれる曲は一部であり、このアルバムに収録された「クリスティアンII世」すらも、遍く知れ渡っているとはいえないのではないでしょうか?それでも「悲しきワルツ」の原型が含まれる劇音楽「クオレマ(死)」は比較的有名な作品ですが、前述の「悲しきワルツ」の元の形すらも、あまり演奏されることはありません。勇壮なファンファーレで始まる「イ短調序曲」はたった一晩で書き上げられたという言い伝えのある作品(信憑性には乏しい)で、なかなかユーモラスな部分もあったりと、面白い作品です。スウェーデン語に翻訳されたシェークスピア文学が元になった「十二夜」、前述の「クリスティアンII世」と、交響曲では味わえないシベリウスの新しい面を知ることができる素晴らしい1枚です。

8.573301
シベリウス:ペレアスとメリザンド他
劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」JS147(1905)
第1幕<第1番:前奏曲第1場Graveelargamente/第2番:第2場Andantinoconmoto/第3番:第4場Adagio>
第2幕<第4番:前奏曲第1場Comodo>
第3幕<第5番:前奏曲第1場Conmoto(manontanto)/第6番:メリザンドの歌第2場「3人の盲目の姉妹たち」/第7番:第4場Andantinopastorale>
第4幕<第8番:前奏曲第1場Allegretto/第9番:第2場速度指定なし>
第5幕<第10番:前奏曲第2場Andante>
ある情景のための音楽(1904)
抒情的ワルツOp.96a(1921)
昔々-田園的風景Op.96b(1919)
騎士風のワルツOp.96c(1921)
ジャコブ・ド・ジュラン氏のモチーフによるロマンティックな小品JS135a(1925)
ピア・パヤラ(S)
サリ・ノルドクヴィスト(Ms)
トゥルクPO
レイフ・セイゲルスタム(指)

録音:2014年1月20-24日,9月8-12日フィンランド、トゥルク・コンサート・ホール
1893年にパリで初演されたメーテルランクの戯曲「ペレアスとメリザンド」。その神秘的な雰囲気に多くの作曲家たちが魅せられ思い思いの曲を書いたことでも知られる名作です。中でも良く知られているのはドビュッシーのオペラであり、シェーンベルクの交響詩でしょう。そして忘れてはいけないのは、フォーレとシベリウス(1865-1957)の劇付随音楽です。比較的穏やかなフォーレの作品に比べると、シベリウスの音楽は起伏に富み、コントラストもはっきりしています。シベリウスがこの劇付随音楽を書いたのは1905年のことで、これは戯曲がヘルシンキで上演されることになり、音楽がシベリウスに委嘱されたからです。当時のシベリウスは交響曲第3番を作曲していましたが、これを中断し、1ヶ月あまりでほとんどの曲を書き上げたのです。作品全体に北欧の雰囲気が漲っているところがいかにもシベリウスらしく、中でも第6番の“メリザンドの歌”は様々な編曲を施されて単独で演奏されることも多い名曲です。他には、後にピアノ曲Op.45-2に編曲された「ある情景のための音楽」、同じく後にピアノ用に編曲した「田園的風景」、その逆にピアノ曲を管弦楽に編曲した2つのワルツが収録されています。
8.573303
ハーマン:After JSB-RS
アフター・シューマンI(2008)
371(2006)
コンチェルティーノ(2008)
光とともに一日を(2010-2011)
アフター・シューマン(2012-2013)
フー・メイイ(P)/トカ・ロカ(アンサンブル)/ヨーリ・チョイ&ヒュン・リム(キーボード)/マギル・パーカッション・アンサンブル/ジェフリー・ストーンハウス(フルート/ピッコロ)/マーク・ブレッドリー(クラリネット/リコーダー)/マーク・フェラー(Vn)/アンドレア・スチュワート(Vc)/クリスティアン・スミス(パーカッション)/ジェレミー・チャルク(P)/ホワン・アイウン(指)

録音2013年1月31日カナダマギル大学,シュリック音楽大学レッドパス・ホール
2013年4月30日マギル大学ポラック・ホール
2012年11月18日マギル大学ポラック・ホール
2012年12月7日マギル大学ポラック・ホール
※世界初録音
クリス・ポール・ハーマン(1970-)はカナダ、トロント生まれの作曲家です。クラシック・ギターとチェロ、電子音楽をそれぞれバートン・ウィグ、アラン・ステリングス、ウェス・ウランゲットに学び、1986年にCBCが主宰した若手作曲家のためのコンクールのファイナリストとなりました。作曲家として成功してからは、カナダだけでなく世界各国のオーケストラで自作を演奏しています。このアルバムには2006年から2013年までの7年間に書かれた5つの作品が収録されています。タイトルの「JSB-RS」というのは、バッハとシューマンのことであり、この2人を尊敬しているという彼らしい音楽を聴くことができます。無論、これらは原型をとどめることはほとんどなく、エッセンスのようなものが封じ込められているだけです。例えば「371」にはバッハのコラールBWV371の最後の4つの音から派生しているとのことですが、これは本当に静かに耳を傾けないと捉えることはできません。それよりもたくさんの楽器が奏でる不思議な響きに身を任せながら、自由に漂っているほうが楽しいのではないでしょうか?
8.573307
バルトーク:交響詩「コッシュート」・2つのポートレート・組曲
交響詩「コッシュート」Sz.75a
2つのポートレートOp.5SZ.37
組曲第1番Op.3
ミヒャエル・ルートヴィヒ(Vn)
ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音:2013年11月22.23日、2013年10月19.20日 USAニューヨーク,バッファロー,クレイン・ミュージック・ホール
ハンガリーの民俗音楽とクラシック音楽の融合を図り「管弦楽のための協奏曲」やミクロコスモス、弦楽四重奏曲などの素晴らしい作品を数多く書いたバルトーク(1881-1945)。しかし、そんな彼も最初からばりばりハンガリー風の音楽を書いていたわけではありません。1898年にウィーン音楽院に入学する前の彼はブラームスの作品に影響を受けていましたが、交響詩「コッシュート」は21歳のバルトークがリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」を聴いて衝撃を受け作曲したもので、題材こそはハンガリーの英雄に由来していますが、音楽はまさにシュトラウスそのもの。しかし色々な意味で世間を騒がせた上、彼も自信を持った問題作です。「2つのポートレート」は彼が思いを寄せたヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルを意識して書かれたました。人間の2つの面を真摯に描き、彼女のモティーフを登場させることで、失恋の痛手を慰めたようです。「組曲」は彼がピアニスト、作曲家としての位置を確立させようとしていた頃の作品で、1905年に初稿が書かれましたが、後の1920年に改訂されています。壮大なオーケストラのファンファーレで始まる楽しい作品です。初演時のウィーンではセンセーショナルな話題を巻き起こした」とバルトーク自身がメモを残したとされています。
8.573308
ロシアの回想
コンスタンティン・ヴァシリエフ(1970-):3つの森の絵(2001)
セルゲイ・ルドネフ(1955-):古い菩提樹(1978)
ヴァシリエフ:白鳥の王女(2010)(イリナ・クリコヴァに捧げる)*
ヴィクトル・コズロフ(1958-):ロシアの大地への献呈(1990)*
ヴァシリエフ:3つの叙情的小品(2003)*
ルドネフ:切り立った岸の間に-即興(1980)*
コズロフ:さまよえるオランダ人(1993)
 美しきエレーナのためのバラード(1994)
イリーナ・クリコヴァ(G)

録音:2013年10月3-6日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
*=世界初録音
すでにNAXOSから2枚のアルバム(8.572717,8.572390)をリリースし、2013年には来日公演も行い、その才能を存分に見せつけたロシアのギタリスト、イリーナ・クリコヴァ。見た目は実に愛らしい女性ですが、実は数多くのコンクール受賞歴はもちろんのこと、25年に渡る演奏活動を続けているという、相当な実績のある人なのです。そんな彼女の今回のアルバムは、故郷であるロシアの現代音楽集。現代と言っても前衛的な作品ではなく、どれもが詩情溢れるステキな作品です。静けさと活気が絶妙にブレンドされたヴァシリエフの作品から、聴き手の耳をひきつけることは間違いなし。クリコヴァの深みのある音色は、郷愁と憧憬を呼び起こし、その技巧とともに深く深く心に染み込んでくることでしょう。NAXOSの数あるギターアルバムの中でも、とりわけ強くオススメしたい1枚です。
8.573310
フィビヒ:管弦楽作品集第4集
喜劇序曲「カルルシュテインの夜」Op.26
祝典序曲「コメンスキー」Op.34
付随音楽「プラハのユダヤ人」-序曲
歌劇「ヘディ」-バレエ音楽(演奏会版)
メロドラマ「ヒッポダミアの死」Op.33-行進曲
新チェコ劇場開幕のためのプロローグ
国立劇場建設のためのミュージカル・モノグラフ
国立劇場再開の活人画のための音楽
コメンスキー生誕300年記念の活人画のための音楽
マレク・シュティレツ(指)
チェコ・ナショナルSO

録音2013年10月9日、2013年10月29日 チェコ共和国プラハホスティバールCNSOスタジオ
フィビヒ(フィビフ1850-1900)という作曲家は、チェコの国民楽派の草創期を築いた人でありながら、なかなか日本では評価されることなく、ピアノ曲などごく一部の曲だけが、ひっそりと愛されているというイメージがあるようです。勇壮過ぎる雰囲気があまりにも「ドイツ・ロマン派」風だからでしょうか?しかし、最近になってNAXOSを始めとしたいくつかのレーベルから交響曲や管弦楽作品がリリースされ、少しずつファンも増え始めたようです。この管弦楽集の第4集は「序曲」や「バレエ曲」といった、表情豊かな作品が収録されています。刺激的なホルンの咆哮が勇ましい「カルルシュテインの夜」や、チェコの教育学者コメニウスにちなんで作曲されたもの。歌劇「ヘディ」はあのドン・ファンを描いた作品であり、チャイコフスキーを思わせるバレエ音楽を備えていました。ギリシャ神話を元にした「ヒッポダミア三部作」は勇壮な雰囲気の中に忍ばせた美しいハープの調べが印象的です。残りの4つの作品はどれも「活人画」(中世の典礼劇を元にする、ポーズをとったまま静止した役者や芸術家たちによる「生きた絵画」のようなもの)のための音楽です。一時期流行したこの芸術に付された音楽をシュティレツが注意深く復元したものです。
8.573312
グエッラの写本集 第3集
ファン・イダルゴ(1614-1685):羊飼いを装って
イダルゴ:海の上で灯が消える
作者不詳:空気とお世辞
G.G.カプスペルガー(1580 頃-1651)/ホセ・マリン(1619-1699):パッサカリア-それは甘い声
作者不詳:最も美しいニンフ
イダルゴ:愛はむだなく
作者不詳:昨日、私が行ったリンゴ園で
マリン:氷のような軽蔑
マリン:フィリス、歌わないで
マリン:私の思いは行ったり来たり
作者不詳:泣かないで、私のセリア
作者不詳:わが瞳は涙にぬれる
作者不詳:戻っておいで、神アマリリスよ
ホアン・デル・バド(1625 頃-1691):虫の息
作者不詳:少女は宣言した
イェツァベル・アリア・フェルナンデス(S)/アルス・アトランティカ(アンサンブル)<メンバー:サンティ・ミロン(ヴィオール)/エリギオ・ルイス・クインテイロ(バロック・ギター&テオルボ)/マヌエル・ビラス(スペイン・バロック・ハープ)>

録音: 2010 年5 月5-7 日 スペイン、ルーゴ,フェリシア・デ・パントン,チャーチ・オブ・サン・ビセンテ・デ・ポンベイロ
最近発見された17 世紀の後半にマドリッドで編纂されたグエッラの写本からの音楽、第3 集の登場です。スペインの世俗歌曲のアンソロジーであるこの歌集は、17 世紀にスペイン王宮の礼拝堂の書記を務めていたミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)によって編纂されたもので、2 人の音楽学者トレントとアルバレスによって発見され1998 年に公表され、実際の演奏が次々となされています。このアルバムには多くの作者不詳の歌曲に混じって、イダルゴ、マリンなど当時から高名な作曲家の作品も混在しています。各々の歌曲はとても「自由度」が高いため(とてもシンプルな楽譜が残っているのみ)、演奏家たちは、想像力を駆使して適切なテンポを設定し、装飾を加え、更に即興性を与えなくてはいけないのです。今回のアルバムでは、表情豊かなソプラノと、ヴィオールとテオルボ、スペイン固有のハープとヴィオールのアンサンブルが伴奏を担うことで、また新しい世界を構築しています。
8.573313
ハイドン:十字架上の最後の七つの言葉Hob.XX:1C(ピアノ版) イェネ・ヤンドー(P)

録音:2013年7月22.23日ハンガリー,フェニックス・スタジオ
ハイドン(1732-1809)の「十字架上の最後の七つの言葉」はもともと1786年に管弦楽曲として書かれたものです。当時54歳、円熟期のハイドンはスペインのカディス大聖堂から聖金曜日の礼拝のための音楽を書くように依頼されました。それは聖金曜日の礼拝用で、福音書のキリストの十字架上の七つの言葉をそれぞれ読み、瞑想する時間に奏される音楽を書くというものだったのです。信者たちが瞑想する時に奏される音楽のため、全てがゆったりとした曲である必要があり、これは全曲を通す上でもかなり困難なことでしたが(確かに変化が乏しくなる危険性を孕んでいます)、ハイドンは見事な音楽を書き、その期待に応えたのでした。曲は序奏に始まり、7つのソナタを巡って、最後はイエスが死を迎えた時に起きたとされる地震を表す音楽で終わるという荘厳なもの。ハイドンはこの管弦楽版がいたく気に入り、自身の編曲で弦楽四重奏版を作り、更にこのアルバムで聴くことができるクラヴィーア版も監修しました。その後、この作品に他人が歌詞をつけたオラトリオ版をいうものを耳にしたハイドンは、自身がその編曲に手を加え、正式なオラトリオ版として完成させたというエピソードまであります。そこまでハイドンのお気に入りとなったこの作品。イェネ・ヤンドーの説得力溢れる演奏で聞いてみてください。
8.573314
金管七重奏のための音楽集
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ.ハ短調Op.65-2(S.コックス編)
シューマン:4つの二重合唱曲Op.141(S.コックス編)
ブラームス:5つのコラール前奏曲Op.122より(S.コックス編)
宗教的歌曲Op.30(M.ナイト編)
ブルックナー:2つのエクアーレ.ハ短調
 この場所は神が作り給うWAB23(M.ナイト編)
 キリストはおのれを低くしてWAB11(S.コックス編)
 アヴェ・マリアWAB6(S.コックス編)
 正しき者の唇
セプトゥーラ〈メンバー:マシュー・ウィリアムス(B♭管トランペット)/サイモン・コックス(B♭管トランペット)/クリスティアン・バラクロウ(E♭管トランペット)/ピーター・スミス(テューバ)/マシュー・ギー(トロンボーン)/マシュー・ナイト(トロンボーン)/ダン・ウェスト(バス・トロンボーン)>

録音:2013年11月10-12日ロンドンニューサウスゲート、聖ポール教会
バロック、もしくはそれ以前の時代には金管のためのアンサンブルは数多く存在していました。ガブリエリやモンテヴェルディ、バッハやヘンデル。彼らは神の声を楽器へと移し替える際に輝かしい金管楽器の音色を好んで用いたのです。しかし、ロマン派時代の作曲家たちは金管七重奏のための曲を書くことはほとんどありませんでした。そこでアンサンブル「セプトゥーラ」はブラームス、ブルックナー、メンデルスゾーン、シューマンの合唱曲とオルガン作品を金管アンサンブル用に編曲。あたかもオリジナル作品であるかのように、自然で素晴らしい作品へ造り替えているのです。「セプトゥーラ」のメンバーは、ロンドンSO、フィルハーモニア、ロイヤルPO、BBC交響楽団、バーミンガム市SO、スコットランド歌劇場、オーロラ・オーケストラで活躍する若手金管奏者たちによって構成されています。この見事なアンサンブルには感嘆するほかありません。
8.573315
SENSATIONS〜バンドネオンのための作品集
ロベルト・ディ・マリーノ(1956-):バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲*
ピアソラ:オブリビオン(忘却)
 5つのタンゴ・センセーション
クルノスラフ・マリック(ソロVn)
チェザーレ・キアッキアレッタ(バンドネオン)
ミラン・ヴァウポティッチ(指)
クロアチアPO

録音2013年9月8-11日クロアチア,ザグレブ聖ルカ・エヴァンゲリスト教会
*=世界初録音
このアルバムでは、アルゼンチンとウルグアイで特に人気のある楽器「バンドネオン」がフィーチャーされています。アコーディオンと形が似ているため、しばしば混同されますが、鍵盤は全てボタンであり、これが蛇腹を挟んで両側についているだけ。とても演奏は困難です。もともとはドイツのハインリヒ・バンドが1847年に考案し、野外の教会の儀式でパイプオルガンの代用として使用していました。20世紀になってドイツから大量のバンドネオンがアルゼンチンに輸出され、タンゴで用いられるようになったとされています。イタリアの作曲家ディ・マリーノはこの楽器を愛しており、この協奏曲でも息を呑むほどの名人芸を要求しながら、この楽器からひたすら官能的な響きを呼び起こすことに成功しています。ピアソラについてはもう説明不要でしょう。彼の「オブビリオン」は最も愛されている曲の一つで、もう冒頭からため息が出るほどに悩ましい世界が目の前に展開します。「タンゴ・センセーション」はピアソラが病から復活した時期の作品で、「音楽による命への決別」として書いたという深みのある音楽です。リズミカルでありながらもひたすら瞑想的。諦観の中に見られる美は格別です。
8.573316
カステルヌオーヴォ=テデスコ:エヴァンゲリオン
28の小品による、子供たちへ語るイエスの物語
.第1部:乳のみ子時代<受胎告知/キリストの降誕/三人の王/罪のない虐殺/エジプトへ/幼子キリストと博士たち>
.第2部:生涯<ヨルダンでの洗礼/サロメの踊り/ガリラヤ湖で/波の上を歩くイエス/サマリアの女/ラザロの復活/マグダラのマリア/イエスと両替商>
第3部:その言葉<山上の垂訓/天にまします我らの父よ/イエスと小さな子供たち/あなたがたは災いだ/賢い乙女とおろかな乙女/迷える羊/放蕩息子の帰還>
第4部:受難<イエルサレムへの入場/最後の晩餐/ゲッセマネ/磔よ!/ゴルゴタ/最後の言葉/復活>
アレッサンドロ・マラゴーニ(P)

録音:2013年12月9-10日イタリアイヴレア,SMCレコード,バロック・ホール
※世界初録音
日本ではどちらかというと「ギターの作曲家」として知られているカステルヌオーヴォ=テデスコ(1854-1893)ですが、元々彼はピアニストとして活躍し、多くのピアノ曲をはじめ、歌劇や管弦楽曲の作曲家としても素晴らしい作品を残しています。もともとイタリア系のユダヤ人であった彼は、ファシスト政権が台頭した頃から社会的地位を危うくされ、最終的にはイタリアを脱出することとなります。そして1939年に渡米し、ハリウッドで数多くの映画音楽を作曲したことでも知られています。この作品は1949年に作曲された特異な曲集で、この2年前の父親の死と、その年に訪れたメキシコの修道院の印象がこの曲を書くきっかけになったようです。テデスコは聖書やシェークスピアを自らのテーマにすることを好んだのですが、この曲集もキリストの一生を歌を使わずに、ピアノの小品のみで描くという離れ業をやってのけます。言葉を伴わないおかげで、必要以上に感傷的になることなく、適切に情景が描かれていますが、逆に宗教的な雰囲気はあまり感じられないので、もしお子さんに聞かせてあげるのであれば、聖書のお話を一緒に読んであげることは必要かもしれません。
8.573320
フロットーレ〜イタリア・ルネッサンスの世俗歌曲集
作者不祥:クリンの生活
ヤコボ・ダ・フォリアーノ(1468-1548):愛しい人よ、私はあなたのために愛を感じる
アドリアン・ウィラエルト(1490-1562):不機嫌な老婆
ミケーレ・ペゼンティ(1600頃-1648頃):彼女は何という?何をする?
作者不詳:泣くために生まれた私の目
ジョアン・アントニオ・ダルツァ(?-1508以降):わが星よ(器楽のみ)
セバスティアーノ・フェスタ(1490-1524):5月の最後の日
バルトロメオ・トロンボンチーノ(1470-1535):ゼフィーロを吹くと天気が良くなる
作者不詳:ふるいにかけておくれ、わが女よ
トロンボンチーノ:来て来て、まぶたを開けて
作者不詳:ああ、私のため息
マルケット・カーラ(1470-1525):わが悲しみでわが顔を浸す
ヴィンツェンツォ・キャピローラ(1474-1548以降):8声のリチェルカーレ(器楽のみ)
フランチェスコ・パタヴィーノ(1478-1556):スペインの騎士
トロンボンチーノ:美しき処女
カーラ:待つべき時はない
ジョヴァン・バッティスタ・ゼッソ(15世紀-16世紀):ある良き愛の朝
ロッシーノ・マントヴァーノ(1505頃活躍-1511):リルム・ビリリルム
リング・アラウンド四重奏団&コンソート

録音:2013年10月17-19日イタリアジェノヴァ,サン・ロレンツォ・ディ・プレマニコ教会
15世紀から16世紀にかけては「中世の終わりとルネンサンスの開花」の時期とされています。当時の社会情勢も流動的であり、コロンブスの「新世界の発見」や、宗教改革などさまざまな事象が起こりました。そんな大きな変動に比べると、音楽的な発展はとても小さなことに見えますが、これがなかなか大切なことであることは間違いありません。アルバムタイトルの「フロットーレ」は「些細なこと=あまり重要ではないもの」を意味する言葉で、単純な歌詞を伴う即興と弦による小さな歌曲の総称でもあります。見かけはとてもシンプルですが、即興的なパッセージと新しい歌の形が盛り込まれたこれらの作品は、確かにこの当時の音楽意義や文化を含めた、様々なことを伝えるものでもあります。使われている言葉のほとんどはナポリの方言ですが、これらは、当時の他の地域の音楽家たちにも強い影響を与えたとされます。ま、難しいことは置いておいて、とにかくこの楽しい歌の数々に耳を傾けてください。当時の人々の生活が鮮やかに目の前に浮かぶこと間違いありません。
8.573322
ギリシャのギター作品集
キリアコス・ツォルツィナキス(1950-1989):4 つのギリシャの映像(1975)
ディミトリス・ファンパス(1921-1996):ワルツ(1960)
ファンパス:3 つのギリシャ舞曲-ソウタス(1958)
ミキス・テオドラキス(1925-):母と処女(D.ファンパスによるギター編)
テオドラキス:墓碑銘-5 月の日(Y.イリオプーロスによるギター編)(1958)
テオドラキス:墓碑銘-あなたは良かった(Y.イリオプーロスによるギター編)(1958)
コスタス・ハジョプーロス(1955-):3 つのギリシャのスケッチ(1977)
ジョルジ・マヴロエデス(1967-):旅(2001)
マヴロエデス:海の絵 第2 番-居間にある難破船(2001)
ニコス・ハリツァノス(1969-):ポリドルコン Op.86(2008)
ハリツァノス:2つのバラードと踊り Op.112(2012)
ミナス・ボグリス(1970-):ワルツ(2005)
ファンパス:ギリシャ組曲(1968)
ニコス・アタナッサキス(1972-):タイゲトス山(2013)
エヴァ・ファンパス(G)

録音: 2013 年3 月12 日
2013 年4 月26 日
2013 年6 月18 日
アンドレス・セゴビアの影響を受けて、ギリシャのギター音楽は1950 年代に全盛期を迎えました。このアルバムで見事な演奏を披露しているギタリスト、エヴァ・パンパスの父であるディミトリス・ファンパスもセゴビアの教えを受け、その才能を認められたギタリスト、作曲家です。このアルバムにはその父ファンパスの自作、編曲を含めた多彩なギター音楽が収録されています。彼らの中でその名前がよく知られているのはテオドラキスでしょうか?しかし他の作曲家たちも、各々が自らの独自の世界を構築し、また新たな世代に強く影響を与えているのは間違いありません。39 歳の若さでこの世を去ってしまったツォルツキナキスの創造的で型破りな作品、バンドのための作品も知られるハジョプーロスのギリシャらしさ満点の小品、父ファンパスの教えを受けたマヴロエデスのピアソラ風味も感じられる郷愁たっぷりの作品、不可思議な調弦を施されたギターの音色が印象的なハリツァノスの音楽、ファリャ風のボグリスの「ワルツ」、このアルバムの中で最も作曲年が新しいアタナッサキスのギリシャの伝統的なメロディを用いた「タイゲトス山」。さあ、どこからでもどうぞ!素晴らしい世界が待っています。
8.573330
ルー・コスター:管弦楽作品集
レジュール序曲(1920頃)
ロア・ロアOp.13-ワルツ組曲(1914)
ハイデランド-ワルツ組曲(1920頃)
劇的な組曲(1920頃
月桂樹の花の下で-ワルツ組曲(1920頃)
モーゼルの夢-ワルツ組曲(1920頃)
すべての人生-ワルツ(1920頃)
エストロ・アルモニコ・ルクセンブルク室内O
ヨナタン・カエル(指)

録音:2013年3月25-27日コンセルヴァトワール・ド・ムジケ・ド・ルクセンブルク
※世界初録音
ルクセンブルクの女性作曲家、ルー・コスター(1889-1973)の作品集です。彼女が生まれた19世紀の終わり頃のルクセンブルクには、残念なことに音楽学校がなかったので、彼女の祖父(軍楽隊の楽長として活躍し、既に引退していた)が音楽理論やピアノ、ヴァイオリンの最初の手ほどきをしました。1906年に新しく音楽院が設立された時、ようやく歌とハーモニーの勉強をすることができましたが、結局のところ作曲技法については、満足に学ぶことができずに、彼女はほとんど独学でものにしたのです。初期の作品は歌やピアノ曲がほとんどでしたが、やがてオペレッタなども手がけるようになり、対戦中は楽譜を出版してくれるところを探しながら、ピアニストとしてサイレント映画の上演に同行し、また時には指揮者として登場するなど、活発な活動を続けました。また46年間に渡って母校のルクセンブルク音楽院でピアノを教えるなど後進の指導にも力を尽くしました。彼女の作品については、例えば「レジュール」序曲の冒頭では、まるでブルックナーやブラームスのような重厚な響きが使われていますが、そのうち愛らしいワルツが顔を見せはじめたりと、当時全盛を誇っていたヨハン・シュトラウスの影響を抜きにしては語れません。ここに収録されている作品も、ほとんどはワルツであり、どの曲もちょっとコケティッシュで甘い響きを持っています。1950年代から60年代には人気があったようなのですが、彼女の死後はすっかり忘れられてしまったというこれらのワルツ。もう一度蘇り、人々の心を明るくさせて欲しいものです。
8.573331
NBD-45(Bluray Disc)
サン=サーンス:死の舞踏(E.H.ルメア/V.ワルニエによるオルガン編)
糸杉と月桂樹Op.156
交響曲第3番「オルガン付き」
レナード・スラットキン(指)
フランス国立リヨンO
ヴィンサン・ヴァルニエ(Org)

録音:2014年2月7日、2013年11月18.19日 フランスオーディトリウム・ド・リヨン
1878年のパリ万博の一環としてリヨンに建立された、名オルガン製作者アリスティード・カヴァイエ=コルによる素晴らしいオルガン(82ストップ、6500本のパイプ)は、1930年代にビクトル・ゴンザレスが手を加えた楽器です。もともとはパリのエッフェル等の正面にあるシャイヨ宮の大ホールにあったものですが、1977年にリヨンに運ばれ、2013年にもう一度手が加えられ、かつての栄光の姿を取り戻したのです。この歴史あるオルガンは、数多くの名作の初演を担ったことで知られ、フランク、デュプレ、メシアンなどの大家もこのオルガンを演奏しています。もちろんサン=サーンス(1835-1921)の名作「交響曲第3番」も「糸杉と月桂樹」もフランスでの初演ではこのオルガンが使われたという、まさに記念碑的な楽器です。バッハから現代作品まで、全てのオルガンのためのレパートリーに適しているという壮麗な楽器の音色を、どうぞじっくりお楽しみください。名オルガニスト、ヴァンサン・ヴァルニエの完璧な技巧で聴く「死の舞踏」も聴きものです!
8.573332
メシアン:主の降誕(1935) トム・ウィンペニー(Org)

録音2014年1月3-4日UKセント・アルバンス大聖堂&教会
30歳になる前から、メシアン(1908-1992)はその作品において世界的な名声を確立していました。彼は11歳の時にパリ国立高等音楽院に入学、すでにこの当時から輝かしい業績を残しています。11年間音楽院に在籍し様々な知識を習得し、1930年の卒業時には、すでに異国風のリズムや鳥の鳴き声、そして音と色彩の関係などの独自の技法探求が確率されていたようです。その後、パリのサントトリニテ教会のオルガニストに就任し、亡くなるまでこの職に付き、ことあるごとに素晴らしい即興演奏を行い、信徒たちを熱狂させたのです。この「主の降誕」もそんな特徴がはっきりと現れている作品で、「主の降誕」というクリスマスの物語の中に、驚くほどの優雅さと美しさ、輝き、そして不思議な陶酔感を注ぎ込みました。全曲は9つの部分からなり、それぞれに副題が付けられています。メシアンの作品を聴くときは、まず響きを体で感じること。難しい言葉は後から自然についてきます。オルガニスト、トム・ウィンペニーはこの大聖堂のアシスタントマスター・オルガニストです。
8.573333
スコリク:カルパティア協奏曲他
グツールの三連祭壇画-第1番幼年時代(1965)*
二連祭壇画(1993)
24のカプリースから第19番(M.スコリクによる管弦楽編)(2003)
ヴァイオリン協奏曲第7番(2009)
メロディ(管弦楽版)(1981)
チェロ協奏曲(1983)
「石の客」組曲-スペイン舞曲(1973)
管弦楽のための「カルパティア協奏曲」(1972)*
ナザリー・ピラチュク(Vn)
ヴァレリー・コザコフ(Vc)
オデッサPO
ホーバート・アール(指)

録音:2013年11月6.8日ウクライナオデッサ・フィルハーモニー・ホール
*以外=世界発録音
ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリク(1938-)は、リヴィウに生まれるも、第二次世界大戦後に家族がシベリアに追放され、1955年まで帰国を許されなかったためその地で多感な少年時代を送ります。この地で多くの「政治犯」とされる人から音楽を学び、教師として教えるまでになりますが、ウクライナに戻ってからは、モスクワ音楽院でカバレフスキーに学ぶなどその才能を順当に伸ばし、偉大な作曲家として現在もウクライナで生活しています。彼の音楽には聖書や哲学の精神、古典と前衛、民俗音楽とジャズのリズムなどが含まれていて、それはあまりにも多彩であるためジャンルを特定することは出来ません。このアルバムに収録された音楽も多種多様な味わいを持つものばかりで、良く知られる「グツールの三連祭壇画」での悲しげな表情と、それに続く「二連祭壇画」のパワフルでエネルギッシュな音楽は、彼の特性を端的に表すものと言えるでしょう。また、管弦楽のための「カルパティア協奏曲」はとても魅力的な作品で、多種多様な楽器が存分に活躍する興味深いもの。まずはここから聴いてみてはいかがでしょうか?
8.573334
POINT BLANK
ポール・ドゥーリー(1983-):ポイント・ブランク(2012)
スティーブ・ダニュー(1983-):ラウダ(2009)<神の山/わが魂の賛歌>
ロイ・ディヴィッド・マグナソン(1983-):インスマス,マサチューセッツ-1927(2013)
スコット・マカリスター(1969-):ゴーン(2012)
ジェニファー・ヒグドン(1962-):パーカッション協奏曲(2009)*
ベン・スティールス(パーカッション)*
イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー
ダニエル.A.ビロンジャ(指)

録音2013年11月22-24日イリノイ州立大学パフォーミング・アーツ・センター
*=世界初録音
NAXOSから定期的にリリースされる吹奏楽作品は、常に時代をリードするものとして好評を得ています。今作も2009年から2013年に作曲された5つの作品をお届けいたします。「ポイント・ブランク」の作曲家ドゥーリーは、あのスティーヴ・ライヒが「印象的で美しい作品を書く人」と評価したことで知られています。「ポイント・ブランク」は電子音楽と人間の奏者の相互作用を探る作品であり、パーカッションパートは電子的なシーケンスのリズムを模写しています。爽快な作品です。ダニューの「ラウダ」は「前奏曲とフーガ」として位置づけられるもので、バッハをはじめとした「先人たちの対位法」に敬意を表した作品です。マグナソンの作品は、「人類における最も強い感情は恐怖である」という箴言に基づきかかれたもので、腐敗した世界を描いています。マカリスターの「ゴーン」は管楽のためのアンサンブルです。奏者と聴き手が一体となって、瞑想、祈りを感じられる音楽となっています。最後のヒグドンの「パーカッション協奏曲」は2005年の最初のヴァージョンを進化させたもので、炸裂する音が魅力的な作品です
8.573336
レオ・ブローウェル:2台のギターのための音楽
トリプティコ-三部作(1958)
ミクロピエサス-ミヨーを讃えて(1957)
ムシカ・インシデンタル・カンペシーナ(1978)
2人で奏するために(1973)
旅人のソナタ(2009)
ブラジル・ギター・デュオ<ジョアン・ルイス/ダグラス・ローラ>

録音:2014年6月3-6日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
キューバの作曲家、ギタリスト、レオ・ブローウェル(1939-)の「2台のギターのための作品」を収録した1枚です。時には前衛的な手法をとりながらも、キューバの民俗音楽を上手く取り入れた情熱的な作品は、日本のギタリストたちにも広く愛されています。19世紀、ソルやジュリアーニの時代から「2台のギターが奏でる音楽」の可能性は追求されていて、さまざまな作曲家によってレパートリーの拡大が図られていました。それに伴い、ジュリアン・ブリームやジョン・ウィリアムズを筆頭にした名手たちがこれらを積極的に演奏することで、一層、多彩な作品が生まれてきたのです。このブローウェルの作品も、魅力的なレパートリーの一端を担うもので、まるでオーケストラを聴くかのような音色の豊かさを味わうことができるはずです。ここでは、作品が年代を追って収録されており、終わりに近づくにつれ、その音楽も変幻自在となっていくのです。また「旅人のソナタ」は日本の名手、福田進一が世界初演したことでも知られています。ここで調和のとれたアンサンブルを聴かせる「ブラジル・ギター・デュオ」は2006年の“アーティスト・ギルド国際コンクール”で優勝した実力派。数多くの委嘱作を初演することでも知られています。
8.573337
ベートーヴェン:民謡による変奏曲集
民謡による6つの変奏曲Op.105
民謡による10の変奏曲Op.107
パトリック・ガロワ(Fl)
マリア・プリンツ(P)

録音:2014年6月19-21日オーストリアザルツブルク,イルンベルガー財団モーツァルトザール
19世紀の始め、スコットランドの熱心なアマチュア音楽家で出版業を営んでいたジョージ・トムソン(1757-1851)は「自国の民謡を普及するためにはどうしたら良いか」と考えます。そこで閃いたのは、当時ウィーンで活躍している作曲家たちに、民謡を編曲してもらうことでした。彼はスコットランドだけでなく、ヨーロッパ各地の民謡を採集し、ハイドンやプレイエル、そしてベートーヴェン(1770-1827)に編曲を依頼し、それを出版して大もうけを狙ったのです。トムソンがベートーヴェンに最初にコンタクトをとったのは1803年のこと。「アイルランド民謡を使ったソナタを書いて欲しい」という依頼に応えたベートーヴェン、すぐさまそれを仕上げ、トムソンに送ったのです。彼らのコラボレーションから生まれた作品は100作を越え、このアルバムのような「ヴァイオリン、もしくはフルートの伴奏付きのピアノ曲」だけでなく、声楽曲など多岐に渡っています。名フルーティスト、ガロワは当時の演奏法に基づき、このシンプルな曲たちに自由な即興や装飾を加えることで、珠玉の作品へと昇華させています。
8.573338
イグナツ・ワーグハルター:管弦楽作品集
歌劇「マンドラゴラ」Op.18-序曲(1914)
歌劇「マンドラゴラ」Op.18-間奏曲(1914)
新世界組曲(アレクサンダー・ウォーカーによる復元版)(1939/2013)
マサリクの平和行進曲(1935)(アレクサンダー・ウォーカーによる復元版)
新ロシア国立SO
アレクサンダー・ウォーカー(指)

録音:2013年11月14-17日モスクワ
※世界初録音
ポーランド、ワルシャワに生まれ、最初はヴァイオリニストとして頭角を現し、ヨーゼフ・ヨアヒムに認められ、彼の援助を受けてベルリン芸術大学に進んだワーグハルター(1881-1949)。指揮者、作曲家として名声を得て、第二次世界大戦までは「最も重要なドイツの作曲家」として評価されるも、様々な理由で歴史から姿を消してしまった彼の作品は、ようやく最近になって復興の兆しが見え始めました。このアルバムには彼がまだ絶頂期にあった1914年に書かれた歌劇「マンドラゴラ」からの2つの曲と、ナチに追われた58歳の彼が、失意のうちにアメリカに到着し、そこで目にしたニューヨークの風景を映し出した「新世界組曲」が収録されています。マキャベリの喜劇に基づいて書かれた「マンドラゴラ」は彼の2作目の歌劇であり、その初演は大成功を収めたのでした。オーケストレーションの巧みさと豪勢な響きは、彼自身の希望の現われであったに違いありません。それに引き換え、「新世界組曲」はアメリカの音楽文化を取り入れた意欲的な作品であり、当時彼が結成した「オーケストラに雇用すらされなかったアフリカ系のミュージシャン」による「アメリカン・ネグロ・オーケストラ」のために書かれています。当時の人種差別の激しさは想像を絶するものであり、彼らはリハーサルすらも許されず、このオーケストラは何とかこの組曲を演奏したものの、財政的問題もあり、その後まもなく解散せざるを得なかったのです。そんな作品を復元したこのアルバムには、様々な思いが詰まっているのではないでしょうか。
8.573340
シベリウス:1-17.劇音楽「誰もかれも」Op.83(1916)
2つの荘重な旋律Op.77(ヴァイオリンとオーケストラ編)<第1番:讃歌「わが心の喜び」/第2番:献身「わが心からの」>
イン・メモリアム(葬送行進曲)Op.59(1910)
ピア・パヤラ(S)
トゥオマス・カタヤラ(T)
ニコラス・ゼーデルランド(Bs)
カテドラリス・アボエンシスCho
ミカエラ・パルム(Vn)
レイフ・セーゲルスタム(指)トゥルクPO

録音:2014年2月3-7日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
「誰もかれも」と日本語にしてしまうと馴染みがないのですが、ドイツ語の「Jedermann=イェーダーマン」と聞けば「ああ、あれね」と頷く人も多いのでは?この作品はもともと中世の寓話を1912年にホフマンスタールが戯曲にしたものであり、信仰と善行を主題にした教訓話で、ザルツブルクの夏の音楽祭でも毎年野外上演が行われているという、ヨーロッパの人々には定番となっているお話なのです。フィンランド国立歌劇場は1916年にこの物語のための音楽をシベリウス(1865-1957)に依頼、すぐさま作品が出来上がり、10月にはリハーサル、11月には初演が行われています。その際は大成功を収めたのですが、唯一の失敗は、シベリウスが「組曲」を用意しなかったこと。そのために以降の演奏機会を失ってしまい、忘れ去られてしまったようです。快活な部分もありますが、中心となるのは死神が現れるラルゴの部分でしょう。本当に神秘的な雰囲気を湛えた響きは、後の確固たる神の賛美への音楽への前奏曲でもあります。他には第一次世界大戦時の重苦しい気分を反映した「2つの荘重な旋律」、シベリウス自身の葬儀で演奏された「イン・メモリアム」が収録されています。
8.573342
RAWEARTH-ありのままの大地
スティーヴン・マイケル・グレイ(1949-):管楽器と打楽器のための協奏曲(2011)
スーザン・ボッティ(1962-):TerraCruda-ありのままの大地(2011)
ジェス・ラングストン・ターナー(1983-):ルンペルシュティルツヒェン(2010)
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
グレン・アドシット(指)

録音:2013年12月12日、2012年12月13日…5,2010年4月20日 8USAコネチカット,ハートフォード大学,リンカーン劇場
※世界初録音
吹奏楽-ウィンド・オーケストラ。通常のオーケストラよりも小回りが利くため、野外で演奏したり時には軍事音楽の御用達であったりと、独自の発展と進化を遂げていることはご存知の通りです。現代の作曲家たちも次々と新作を発表、その進化を推進していることは間違いありません。このアルバムには2010年から2011年に作曲された3つの作品が収録されています。全ては世界初演&初録音で、いわば未知の領域の探索とでも呼べるなのです。最初のグレイの「協奏曲」は指揮者アドシットの委嘱作で、アンサンブルの全ての楽器がソリストである「合奏協奏曲」の形をとるもの。奏者たちには高度な技術が要求されます。ボッティの「TerraCruda」はアルバムタイトルでもある「ありのままの大地」の意味であり、自然の持つ側面、攻撃性、そして生物への影響などが思い思いに奏でられます。ターナーの「ルンペルシュティルツヒェン」はおとぎ話からイメージされたもので、金の藁を紡ぐノームと少女の物語が描かれています。なんとも自由なファンタジーです。
8.573344
ビゼー:交響曲「ローマ」・小組曲、他
葬送行進曲ロ短調(1860)
序曲イ長調(1855頃)
序曲「祖国」Op.19(1873)
子供の遊び〜第8曲陣取り鬼ごっこ(管弦楽版)(1871)
小組曲Op.22(1871)
交響曲「ローマ」(1860-1868/1871改訂)
アイルランド国立SO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2014年1月6-8日アイルランドダブリン,ナショナル・コンサート・ホール
現在、世界の歌劇劇場になくてはならないレパートリーとなっている「カルメン」も、初演の際は大失敗。その失意を抱えたまま初演の3ヵ月後にこの世を去ってしまった悲しきビゼー(1838-1875)…。彼がもっと長生きしていたら、フランスの歌劇史は大きく変化していたに違いありません。このアルバムは、そんなビゼーの知られざる作品集です。イ長調の序曲は彼がローマ賞を受賞する以前に書かれた最初の管弦楽作品です。しかし生前に発表されることも演奏されることもなく、そのままひっそりと残ってしまったものです。葬送行進曲はトゥーレの王の杯を題材とした歌劇の前奏曲として用意されましたが、こちらも断片が残るのみです。小組曲は、もともと12曲からなるピアノ連弾の為の「子供の遊び」の中から5曲を選んでビゼー自身がオーケストレーションを施したもの。トラック4の「陣取り鬼ごっこ」も小組曲には含まれなかったものの、同じ曲集から取られたものです。序曲「祖国」は普仏戦争の時に盛り上がる愛国心が主題。勇壮な部分と悲痛な部分のコントラストが見事です。この盤のメインである「ローマ」は彼がイタリアに赴いた際に造り始めた作品で、最初は3曲からなる「ローマの思い出」として完成されたものに、1871年、他の曲のスケルツォとして構想された楽章を加えて4楽章にしたものですが、ビゼーの生前には演奏されることなく、1880年にようやく全曲が披露されました。次から次へと美しいメロディが溢れてきます。
8.573346
初期ハンブルク・ルネッサンスの音楽集
ハインリヒ・イサーク(1450/55-1517):銀と金
ナイトハルト:すみれ-冬は去った
フーゴ・フォン・モンフォルト(1357-1423):私は監視に尋ねた
14世紀後期のザルツブルクの僧:牛の笛-昼寝
オズワルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(1377頃-1445):さあ、陽気に騒ぎましょう
作者不詳(14世紀後期頃):早い、遅い、どちらだろう?
作者不詳(14世紀後期頃):起きなさい、あなたは眠りすぎ
ヴォルケンシュタイン:ベルベル人の国とアラビアを通る旅
ナイトハルト:輝く太陽
 腰振り踊りを歌った頃
ヴォルケンシュタイン:喜べ、世界の生き物たち
 私の心の悲しみは溶けている
作者不詳(14世紀頃):聖処女マリアを讃えて
ヘルマン・エドレラヴェル(1395頃-1460頃):器楽曲
作者不祥(15世紀頃):オーストリアから-勝利、幸せ、そして健康
作者不詳(15世紀後半頃):私は地上に立つ
作者不詳(15世紀中頃):ハレルヤ、神の息子
作者不詳(15世紀初期頃):わが女性、わが喜び/
デュファイ(1397-1474):封建領主レオン様
作者不詳(15世紀後半頃):最愛の、わが最愛の人
作者不詳(15世紀後半頃):器楽曲「部屋に座って空気をうかがう」
作者不詳(15世紀後半頃):もう一度私を見て
ヴォルケンシュタイン伝/クロンブルドルファー伝(1479-):ヘイ、ヘイ、彼らは怒っている
ヨハネス・マルティーニ(1430/40頃-1497):器楽曲
作者不詳(16世紀初期頃):パヴァーヌ
作者不詳(16世紀初期頃)マントゥアンの踊り
パウル・ホフファイマー(1459-1537):神の名のもとにわれらは旅をする
プファビンシュヴァンツ(1500頃):親愛なるマリア様
アンサンブル・レオネス
マルク・レヴォン(指)

録音:2013年4月9-12日ドイツ、ボイゲンシュロス教会
このアルバムは、ウィーン大学の音楽史家の教授ビルギット・ロデスの「中世後期に隆盛を誇っていたハプスブルク家を中心に聴かれていた音楽を再現する」というプロジェクトから生まれたものです。当時の人々が馴染んでいた音を通して描き出す15世紀の世界は、聖なるものから市井の出来事まで、色々なことを想起させます。チロルの宮殿で奏された歌、僧たちの歌、吟遊詩人の歌、もちろんこの中には自然を題材にしたものや、権力への風刺など様々な内容が含まれています。曲の中には楽器のみの演奏もあり、これらはその後、また違った変遷をたどっていくことはご存知の通りです。アンサンブル・レオネスは演奏する楽器の種類やチューニングに細心の注意を払い、これらの「未知」の作品に説得力あるアプローチを試みています。
8.573353
プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調「古典」Op.25
交響的絵画「夢」
交響曲第2番ニ短調Op.40
マリン・オールソップ(指)サンパウロSO

録音:2014年3月20-22日、,2013年8月29-31日 ラジル,サラ・サンパウロ
8.573355
コルンゴルト:劇付随音楽『から騒ぎ』 Op. 11(1918-19)(完全版、ドイツ語歌唱)
『吸血鬼、または密猟者』(1922)
(C.バウアーとK.ジモンによる演奏会版)(ドイツ語によるナレーションと歌唱)…世界初録音
ハンス・イェルク・マンメル(T)
エッケハルト・アベーレ(ナレーター/声)
ホルスト・シンフォニエッタcho
ホルスト・シンフォニエッタ
クラウス・ジモン(指)

録音:2014年3月19-21日
20世紀初頭のオーストリアで"神童"として次々と作品を発表、脚光を浴びたコルンゴルト。1927年に初演した歌劇「ヘリアーネの奇跡」の成功でその名声 は絶頂に達します。その頃、ヨハン・シュトラウスの歌劇「こうもり」をミュージカルに編曲したものが、ニューヨークのブロードウェーで公演され成功したことでハリ ウッドに進出。彼が最も得意とした歌劇、劇音楽の手法と華麗なオーケストレーションを映画音楽に採り入れたことで、「ハリウッド映画音楽の創始者」として 多大な功績を残すことになります。 このアルバムには、彼のウィーン時代の2作の劇音楽を収録。『から騒ぎ』は同名のシェイクスピアの劇のための音楽で、豊かな表現力と鮮やかな場面描写、 濃厚なオーケストラの響きを伴うコルンゴルトの最も人気を博した作品の一つです。かたや1922年の『吸血鬼、または密猟者』はほとんど知られていない作 品ですが、こちらもドラマティックな展開と後の華やかな映画音楽を思わせる豊潤な音色が楽しめます。『から騒ぎ』で"バルタザールの歌"を歌うのはバロック作 品を中心に幅広いパートリーを持つテノールのハンス・イェルク・マンメル。ハープの伴奏による典雅な歌唱が作品の雰囲気を盛り上げています。
8.573357
クシシュトフ・メイエル:ピアノ四重奏曲&ピアノ五重奏曲
ピアノ四重奏曲Op.112(2009)*
ピアノ五重奏曲Op.76(1991)
シレジアンSQ
<メンバー:シモン・クシェショヴィエツ(第1ヴァイオリン)/アルカディウシュ・クビサ(第2ヴァイオリン)…2-5/ウーカシュ・シリニツキ(Va)/ピオトル・ヤノシク(Vc)>/ピオトル・サワイチク(P)

録音:2013年9月8-9日、2013年11月3-5日 カトヴィチェ,カロル・シマノフスキ音楽大学・コンサート・ホール
※*=世界初録音
ポーランドの現代作曲家クシシュトフ・メイエル(1943-)は長らくドイツで活動していましたが、現在ではポーランドに戻り、大学で教えながら作曲を続けています。優れたピアニストでもある彼は、交響曲やピアノ・ソナタなど多くの作品を書いていますが、とりわけ室内楽を好んでいるようで、今のところ13曲ある弦楽四重奏曲は全てNAXOSレーベルでCD化されるなど、独自の作風が聴き手の心を掴んでいます。世界初録音である「ピアノ四重奏曲」は、彼の作品では珍しい単一楽章の形式をとるもので、対照的な楽想が現れては消えて行くという面白いものです。1991年の「ピアノ五重奏曲」はブラームスの時代に遡ったかのような形式を持ちながらも、やはり響きは現代的。とは言え、弦だけのアンサンブルよりもまろやかな風味が出ていて、これはこれで面白いものです。一度聴き始めたら、結末が気になってしょうがない音楽とも言えそうです。
8.573360
ドニゼッティ:カンタータ「アリステア」 アリステア/クロエ:フィリントの秘密の妻…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
フィリント:コモーネの息子…サラ・ヘルシュコヴィッツ(S)
コリンナ:羊飼いの娘、フィリントと恋仲…キャロライン・アドラー(S)
リチスコ:メッセニアの王子…コーネル・フライ(T)
エラスト:羊飼い、アリステアの父とされる…ロバート・シリアー(T)
コモーネ:メッセニアの貴族…アンドレアス・ブルクハルト(B)
バイエルン国立歌劇場合唱団のメンバー&アンサンブル
ジーモン・マイヤーCho&アンサンブル
フランツ・ハウク(指)

録音:2012年9月3-6日ドイツノイブルク・アン・デア・ドナウ,コングレゲーションザール
※世界初録音
19世紀前半の作曲家たちは、本格的な歌劇だけでなく「小さな歌劇」もしばしば作曲しました。これらは特定の人の誕生日や命名日を祝うためや、何か栄誉を受けたときのために演奏され、その題材は神話や寓話から取られることが多かったのです。「小さな歌劇」と言っても、素晴らしい歌手とフルオーケストラ、そして合唱が要求され、規模は小さいものの、通常の歌劇を上演するのとさして変わらない手間が掛かったのですが、何分にも目的が「個人的使用」だったため1回上演すれば用が終わり。その後はそのまま忘れられてしまうが、もしくは作曲家が別の歌劇に「転用」するかして、かろうじて曲の一部が残るという運命を辿るものが多かったのです。このドニゼッティ(1797-1848)のカンタータも、ブルボン君主フェルディナンド1世とシチリア王アルフレッド大王に敬意を表して書かれたもので、牧歌的風景の中に、父と娘の葛藤を盛り込み、最後は平和的解決を得るというもので、ドニゼッティの初期作品らしく、幾分ロッシーニの影響も感じられながらも、後の革新的な作風を予見させる見事な音絵巻となっています。
8.573361
ブロトンス:ウィンド・バンドのための音楽集
交響曲第6番「コンサイス」Op.122(2011)
交響的楽章第7番「オブスティネシー-頑固に」Op.56(シンフォニック・バンド)(1991/2013改)
移民のバラード-カタロニア民謡による変奏曲Op.105bis
バルセロナ・シンフォニック・バンド
サルバドール・ブロトンス(指)

録音:2013年6月17-22日バルセロナラウディトリ、テテ・モントリウ・ホール
バルセロナ生まれの現代作曲家ブロトンスの吹奏楽作品集です。彼の作品は、破滅と再生をモティーフにしたものが多く、前作の交響曲第5番「我らの世界」(8.573163)も壮大なテーマを内包したものでしたが、今回の「復活」はそれ以上に強いメッセージを持った作品です。これはブロトンス(1959-)の最初の吹奏楽作品で、書かれた時期は初期のものですが、彼の作品の中でも一番演奏されている曲の一つといえるでしょう。緊張に満ちた戦いの場面から、ゆったりと再生していく希望と平和を描いた場面のコントラストが美しい絵画のような作品です。交響曲第6番も吹奏楽のための作品で、タイトルの「コンサイス」とは簡明、簡潔の意味を持ち、全曲も比較的短くきっぱりとした風情を有しています。これは2012年のバレンシアにおけるバンドコンテストの自由曲として作曲されました。「オブスティネシー」はその名の通り、しつこく絶え間ないリズムの反復が特徴的です。最後の「移民のバラード」はカタルーニャの民謡がスペインの民族楽器テノーラ(オーボエの一種)で美しく印象的に奏され、以降様々に形を変えて歌われていきます。
8.573362
期待の新進演奏家シリーズ
エマヌエレ・ブオーノ(2013年ミケーレ・ピッタールガ・ギターコンクール優勝記念)

ダ・ミラノ(1459-1543):モン・ペル・シ・マ・マリエ
 ファンタジア第33番
 リチェルカーレ第34番「ラ・カンパーニャ」
ディオニシオ・アグアド(1784-1849):3つの華麗なロンドOp.2-第2番アンダンテ-ロンド・モデラート
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター・ソナタニ長調「ボッケリーニへのオマージュ」Op.77
ロドリーゴ:祈りと踊り(マヌエル・デ・ファリャへのオマージュ)
アントニオ・ホセ(1904-1936):ソナタ(1933)
エマヌエレ・ブオーノ(G)

録音:2014年1月16-18日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
1987年トリノ生まれの若手ギタリスト、エマヌエレ・ブオーノのリサイタル・アルバムです。。幼い頃からギターを学び、18歳の時にはジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で優秀賞を獲得しています。ミラノ音楽院に進学し、2008年のアレッサンドリア国際ギターコンクールではヤングアーティスト賞(翌年、あのパク・キュヒも同賞を受賞)に輝き、その後も数多くのコンクールで優勝していますが、やはりこのミケーレ・ピッタールガ・ギターコンクールでの優勝は、彼のキャリアに大きな転機を齎すことは間違いありません。この受賞記念のアルバムは、彼の得意なレパートリーがふんだんに用意されていて、イタリア・ルネサンスの典雅な作品から20世紀のモダンな作品まで、その多彩な表現をたっぷり味わうことができるもの。ジャケ写の落ち着いた雰囲気そのままの「大人の演奏」をする逸材です。
8.573365
マヌエル・カスティーリョ:ギター作品集
ギター・ソナタ(1986)…世界初録音
アルカサルのカシダ集-王宮の祈りの歌(1984)<第1番:プロローグ庭/第2番:日没時のカシダ/第3番:忘却のカシ/第4番:香水のカシダ/第5番:最後のカシダ/第6番:エピローグ鐘>
.3つの前奏曲(1987)…世界初録音
春の風(1996)…世界初録音
ギター五重奏曲(1975)…世界初録音
子守歌(声楽とギター版)(1954)…世界初録音
マルセロ・ファントーニ(G)
マルコ・ラメッリ(第2ギター)
エレノーラ・モスカ(歌)
カスティーリョ四重奏団<エルトン・トーラ(第1ヴァイオリン)/マルコ・コルシーニ(第2ヴァイオリン)/マッテオ・デル・ソルダ(Va)/アンドレア・アンツァローネ(Vc)>

録音:2013年12月22日イタリアミラノVMスタジオ
2014年1月12日イタリアミラノVMスタジオ
2013年11月16日イタリアミラノスパツィオ・シリン
スペインの現代作曲家カスティーリョ(1930-2005)は、幾多のジャンルに渡って数多くの作品を書いています。しかしギター作品のほとんどは未発表であり、今後これらの作品の復興が待たれるところです。このアルバムにも世界初録音の作品が多く収録されていますが、そのどれもが刺激的で、実験的な作風を持つも、どこか懐かしく乾いた風の香りを感じることができるでしょう。比較的知られている「アルカサルのカシダ集」のカシダというのはイスラムの教えを歌にしたもので、古い宮殿の庭から聞こえる祈りの歌を2台のギターで切なく再現したものです。3楽章からなるギター・ソナタは極めて情熱的なアダージョから始まり、力強いアレグロ楽章へ受け継がれます。そしてまた装飾的なアダージョを経て、最後は超絶技巧を駆使したプレスト楽章へと続いていきます。民謡風な「春の風」と「子守歌」そして緊密な構成を持つギター五重奏と、息つく暇もないほどの驚きに満ちた1枚です。
8.573366
アーノルド:映画音楽「自由の大地」&「さすらいの旅路」(ジョン・モーガンによる復元版)
映画音楽「自由の大地」-天国のルーツ(1958)<序曲/メインタイトル/フォールラミ/偉大なる象/モレルの報復/モレルのキャンプ/ミナと聖デニス/ミナとフォーサイス少佐/ジャングルのクリーニング/象の群れ/ミナの夢/象牙の密猟者/象を狩る/モレルの捕獲/うまくいった/砂嵐/ビオンディの帰還/ビオンディの帰還(第2部)/ミナよ、さようなら/終景とエンド・タイトル>
映画音楽「さすらいの旅路」-デイビッド・コパフィールド(1969)<メインタイトル/ヤーマスへの帰還/伯母ベッツィ家への滞在-デヴィはエミリーに恋をする/アグネスの到着-母の葬式/ミコーバ氏/ドラとスティールフォースの思い出/ドラへの愛/ミコーバ氏はヒープをさらす/ドラの宣言/アグネスはディヴィッドから離れる/エミリーを探して/オーストラリアへの移住/ディヴィッドの決断とフィナーレ>
モスクワSO
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:2000年4月4-7日ロシアモス・フィルム・スタジオ
9曲の交響曲をはじめとした素晴らしい管弦楽作品を発表する傍ら、行進曲「ボギー大佐」などの数多くの映画音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞し、1993年には大英帝国勲章を賜ることとなった作曲家マルコム・アーノルド(1921-2006)。彼の音楽は(サウンドトラックに限らず)どれもがハリウッド系の重厚な響きと躍動感に満たされたもので、ここに収録された2つの作品も、映像を見ることがなくても、何となくその世界を想像できてしまうという優れものです。エキゾチックなメロディに満たされた「自由の大地」は象の乱獲や自然保護を巡る人間ドラマ。第二次世界大戦中に強制収容所で過ごした主人公モレルが、アフリカ象を人間の手から保護するために奔走する際に起こったエピソードが描かれています。もう1作の「さすらいの旅路」は一人の男性の波乱に満ちた物語。恵まれない少年時代を経て、ようやく家庭を持つも、妻と友人を立て続けに失った主人公コパフィールド。最後に彼に微笑みかけたのは、少年時代に知り合った娘アグネスだったというお話。派手なアクションなどはありませんが、心にじんわりと来る物語です。
8.573368
ヴィクター・ヤング:映画音楽「ゲスト」/ガリバー旅行記他
地球最大のショウ(1952)-前奏曲(G.パリッシュによる管弦楽版)
「ゲスト-TheUninvited」(1944)(J.モーガンによる復元版)<前奏曲/リスの追跡/村/すすりなく幽霊/日曜の朝-ステラの感情/崖/祖父と崖/幽霊の終わり>
ガリバー旅行記(1939)(J.モーガンによる復元版)<10.前奏曲-スクロールと嵐/しのび足のマーチ/トウの巨人/ギャビーと王-塔-射手/フィナーレ>/15-22.ブライト・リーフ(1950)(L.シュケン、S.カットナーによる管弦楽編)<前奏曲-キングスモントへようこそ/ソニア/マシン・モンタージュ/マーガレット/タバコ・モンタージュ/自殺/ソニアとその結婚/南の復讐-炎-フィナーレ>
モスクワ交響SO&Cho
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:1997年4月モスクワモスフィルム
※MARCOPOLO8.225063の移行盤
アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、編曲家、そしてヴァイオリニスト、ヴィクター・ヤング(1900-1956)。もともとはヴァイオリニストだった彼は、デッド・フィオリト楽団に参加したことでポピュラー音楽の分野に移り、やがて映画音楽作曲家として名をあげ、ハリウッド映画のために次々を作品を書き始めます。アカデミー賞に22回ノミネートされるも、生前には受賞ならず、結局死後あの誰もが知っている名曲『八十日間世界一周』の主題歌『アラウンド・ザ・ワールド』でようやく作曲賞を受賞したということでも知られています。そんなヤングですが、彼が57歳の若さで死去したときは大勢の人々がハリウッドの墓地に集まり(墓地の場所はメジャー映画会社であったRKOとパラマウント社の中間地点にあった)教会に入りきれなかった人たちは外で祈りを捧げたというほど、その早すぎる死を悼んだのでした。そんなヤングの代表作を3曲と、これまた有名な「地球最大のショウ」の前奏曲を収録したこのアルバムはもともとMARCOPOLOレーベルからリリースされていたものですが、今回NAXOSレーベルから再発売されることで、また多くの人に聴いていただける機会を持つことができるでしょう。一度でも聴いたら必ず魅了される音楽。まさに永遠に不滅です。
8.573369
コルンゴルト:ロビン・フッドの冒険(1938)〜ジョン・モーガンによる復元版
1.メイン・タイトル-ミュート・ファンファーレ/2.サー・ガイとロビン・フッド/3.会合/4.宴会/5.ロビン・フッドの外側-ロビン・フッドのエントランス-戦い-ロビン・フッドの追跡-犠牲者/6.ロビン・フッドとリトル・ジョンの出会い-ロビンとリトル・ジョンの戦い-ジョリーの友情/7.誓いと黒い矢/8.魚-ロビン・フッドと修道士タックの戦い/9.新たなコンパニオン/10.サー・ガイの部隊へのロビンの攻撃-攻撃/11.浮気-饗宴-貧しい人々の饗宴-黄金/12.貧しい人々/13.勝ち抜き戦-アーチェリー場への登場-コンテストの準備-ロビンのショット開始-コンテストの終了/14.ロビン・フッドの逮捕/15.法廷-裁判/16.絞首台-ロビン・フッドの飛行/17.愛の情景/18.レディ・マリアンの逮捕/19.ムッシュ:ナイフでの戦い/20.リチャードとロビンの出会い-リチャード・ザ・ライオン・ハート/21.行進/22.ジョン王子/23.戦い-激突-勝利/24.エピローグ/25.エンド・キャスト/26.オリジナル劇場予告編音楽
モスクワSO
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:2003年2月モスクワモスフィルム・スタジオ
※MARCO POLO 8.225268の移行盤
いわゆる“ウィーン世紀末”の時代、「早熟の天才」「モーツァルトの再来」ともてはやされた少年コルンゴルト。しかし30歳を過ぎたあたりから、彼がウィーンで名声を得ることは難しくなってしまいました。そんな頃、以前より縁のあったアメリカで始めた映画音楽の仕事が当たったこともあり、ユダヤ系であった彼はアメリカに亡命、ここで本格的な映画音楽の作曲に手を染めることになります。もちろん彼自身は「映画音楽の仕事」をすることに心からの喜びを感じていたのではありません。常に心はウィーンにありました。とは言え、彼のおかげでハリウッドの映画音楽は類を見ないほど壮大で芳醇なものとなったことは間違いありません。この「ロビン・フッドの冒険」はアカデミー賞作曲賞を受賞した代表作であり、彼の名がハリウッド映画史に刻まれることとなった記念碑的な作品でもあります。今回の復刻では、MARCOPOLO盤には含まれていなかった「オリジナル劇場予告編音楽」を収録、一層興味深い1枚となりました。
8.573373
チャールズ・カミレーリ:ピアノ協奏曲「地中海」他
ピアノ協奏曲第1番「地中海」(1948/1978改編)<
弦楽オーケストラとアコーディオンのための協奏曲(1968)
組曲「マルタ」(1946)
シャルレーヌ・ファルギア(P)
フランコ・ボルジャーク(アコーディオン)
ミラン・ヴァウポティッチ(指)マルタPO

録音:2014年7月21-23日マルタヴァレッタ,地中海カンファレンスセンター
地中海に浮かぶ島国マルタ。ここで生まれたカミーレリ(1931-2009)は早くから音楽の才能を示し、アコーディオンとピアノを巧みに弾きこなしました。11歳で作曲をはじめ、マルタの伝統音楽や民謡を取り入れた作品を作り注目を浴びるようになります。18歳でオーストラリアを経てロンドンに移住、映画音楽で知られるマルコム・アーノルドの助手を務めます。その後作曲家として大成した彼は1983年に再びマルタに戻り、この地で生涯を終えることとなります。このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲地中海」は、まさに若書きの作品で、ロマンティックな様式に裏打ちされた強烈な旋律が耳に残ります。タンゴとも違う情熱的な音楽が印象的であり、この作曲家の個性を示すものです。人懐っこい風貌を持つ「アコーディオンのための協奏曲」では、まるでモーツァルトが民族衣装を纏って立っているかのような感覚さえ覚えることでしょう。組曲「マルタ」ではカミーレリの魅力が炸裂します。また、この組曲の中の「ワルツ」は、マルタの首都バレッタの広場で毎日流れているのだそうです。本当に心地よい音楽がここにあります。
8.573374
ヴィヴァルディ:2台のチェロのための協奏曲集〜ジュリアン&・ロイド=ウェバーによる2台チェロのための編曲版
2つのマンドリンのための協奏曲ト長調RV532
2台のチェロのための協奏
曲ト短調RV531*
チェロ協奏曲ホ短調RV409
オーボエとファゴットのための協奏曲ト長調RV545
13-15.2本のホルンのための協奏曲ヘ長調RV539
16-18.オーボエとチェロト短調RV812のための協奏曲
ピアソラ:ギターとバンドネオンのための協奏曲「リエージュに捧ぐ」-第2楽章「ミロンガ」
ジュリアン・ロイド・ウェバー(Vc)
ジアシン・ロイド・ウェバー(Vc)
ヨーロッパ連合室内O
ハンス=ピーター・ホフマン(指)
デヴィッド・ライト(ハープシコード&チャンバー・オルガン)

録音:2013年7月イングランド、ブリストルセント・ジョージ.ブランドン・ヒル
※*以外=世界初録音
ィヴァルディ(1678-1741)の作品を最初にアレンジした人は、紛れもなくヴィヴァルディ自身でした。彼は一つの作品を書くと、色々な楽器に合わせて曲を書き換え、スコアには代替の楽器名を書き付けました。その後、ヴィヴァルディの作品はJ.S.バッハも編曲していますが、このアルバムは現代の名チェリスト&アレンジャー、ジュリアン・ロイド=ウェバーが、ヴィヴァルディの様々な楽器のための協奏曲を2台チェロ版に編曲、実験的でもあり実践的な“新しい協奏曲”が生み出されました。ト短調の協奏曲だけはヴィヴァルディのオリジナルを使用。聴き比べてみることで多くの発見があることでしょう。RV409の独奏チェロのための協奏曲などは、ソロ・パートの増強で一層華やかさが増し、流麗で美しい作品になっていることにもお気づきになることと思います。ホルンのための協奏曲も、チェロの深みのある音色で奏されると、ここまで表情が変わるのかと驚くばかりです。最後にそっと置かれたピアソラの曲は、聴き手の心を、バロックの時代から瞬時に現代へと引き寄せるもの。魅力的で明確な印象を与える素晴らしい演奏にも拍手です。
8.573379
ソフィア・グバイドゥーリナ:ギター作品全集
1.悔い改め(2008)/2.セレナード(1960)
3.トッカータ(1969頃)*
4.ソット・ヴォーチェ(2010/2013改編)
デイヴィッド・タネンバウム(G)/トーマ・ヴィロトー(第2ギター)…1/パウル・プサラス(第3ギター)…1/ペーター・ウィリック(Vc)…1/マーク・ライト(Cb)…1/マルク・テイコルツ(第2ギター)…4/ジョディ・ラヴィツ(Va)…4/スコット・ピンゲル(コントラバス)…4

録音:カリフォルニアサン・フランシスコ・コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック2010年2月22日ソル・ジョセフ・リサイタル・ホール…1,2014年10月3日オシャー・サロン…4,2014年10月14日オシャー・サロン…2.3
*=世界初録音
自身の作品に「フィボナッチ数列」を用いたり、ロシアの民族楽器や日本の琴など珍しい楽器を用いるなど、その特異性が注目されるタタール自治共和国出身の女性作曲家ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)。このアルバムには彼女による「ギター」全作品が収録されています。と言っても、たった4曲で、その中で独奏作品は2曲のみ。まさにギターの音色を用いた「彼女独自」の世界がどこまでも展開されていきます。最初のトラックの「悔い改め」は3台のギターと、チェロとコントラバスの2台の低弦楽器が醸し出す、絶妙な音世界が魅力です。ここでのギターはまるでハープのように使われたり、また打楽器のように使われたりと、聴き手は既成概念がどんどん崩されていく快感にむせぶことになります。初期の作品「セレナード」は却って異質な世界(普通すぎる?)で、流動的なトッカータも面白いものです。「ソット・ヴォーチェ」も低弦楽器が用いられ、まるでため息のような響きを作り出しています。これは面白いです。
8.573387
マルティヌー:歌曲集第3集
1-7.1ページの歌曲集H294(1943)
8-14.2ページの歌曲集H302(1944)
15-21.ニッポナーリ-日本の民謡歌H68a(1912)
22-23.黒人の民俗詩による2つの歌H232bis(1932)
24.3つの小さい歌H34-第1番:わが母(1911)
25.それが思い出の全てH55(1912)
26.ああ、教えてH267bis(1910)
27.青い目の上にH70(1910)
28.ばらH54(1912)
29.夜明けを、ああ、神よH76(1912)
30.3つの小さい歌H34-第2番正しい数(1911)
31.私を結婚させて、おかあさんH53(1912)
32.ハニツカについての歌H80(1912)
イェネ・フロチョーヴァ・ワリンゲローヴァ(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2014年7月17日スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
※世界初録音…15-32
チェコの大作曲家マルティヌー(1890-1959)は、あまりにもたくさんの作品を残したためか、まだまだその全貌が知られているとはいえません。最近になってようやく管弦楽曲などのいくつかの作品が知られるようになりましたが、歌曲はまだまだ未知の世界に属しています。NAXOSでは、そんなマルティヌーの歌曲を名手コウクルのピアノとメゾ・ソプラノ、ワリンゲローヴァによって、実際の音にしてお届けいたします。今回の第3集では3つの歌曲集を中心に収録。民謡調のメロディに彩られた、短い中にも深い味わいのある「1ページの歌曲集」と、更に詳細に踏み込んだ「2ページの歌曲集」、そして書記の名作、日本の和歌が詩として用いられているという(日本語をドイツ語にしたものを更にチェコ語にした)「ニッポナーリ」というユニークな作品は、マルティヌーの多彩な面を知るためにも一度は聴いておきたいものです。世界初録音も多数含まれています。
8.573384
レントヘン:後期弦楽三重奏曲集
弦楽三重奏曲 第13 番 イ長調(1925)
弦楽三重奏曲 第14 番 ハ短調(1928)
弦楽三重奏曲 第15 番 嬰ハ短調(1929)
弦楽三重奏曲 第16 番 嬰ハ短調(1930)
オッフェンブルク弦楽三重奏団
<フランク・シッリ(Vn)/ロルフ・シッリ(Va)/マルティン・メルケル(Vc)>

録音: 2013 年11 月25-28 日 ドイツ リュクハイム,シュットバウ
※世界初録音
1855 年、ライプツィヒで生まれたユリウス・レントヘン(1855-1932)。父エンゲルベルトはオランダ生まれで、ゲヴァントハウスOのヴァイオリニストを務め、母パウリーネは才能あるピアニストでした。そんな音楽的な家庭で育ったユリウスは幼少の頃から徹底した音楽教育を受け、数多くの高名な師の元で学び、8 歳の時には最初の作品「ヴァイオリン・デュオ」を書き上げるなど、その天分を遺憾なく発揮したのです。長じてからは数多くの友人と交流、中でもブラームス、グリーグ、グレインジャー、ニールセンからは多大なる影響を受け、自らの創作の糧とし、生涯に650 曲ほどを書き上げました。この弦楽四重奏曲集は、どれも彼の晩年の作品であり、まだまだ穏健な第13 番に比べると、第15 番、第16 番はかなりユニークな曲。特に第15 番には彼が新車( Fiat 509A Torpedo, 990cc)を購入した時のエピソードが紐付けられており、曲自体は車の運転手エンゲルに捧げられたというもので、ドライブ自体は危険だったようですが、多忙な作曲家が休暇を楽しんでいる様子が伺える興味深い作品です。
8.573388
スタンフォード:ピアノ三重奏曲&四重奏曲
ピアノ三重奏曲第2番ト短調Op.73
ピアノ四重奏曲第1番ヘ長調Op.15*
ディヴィッド・アダムズ(Va)*
グールド・ピアノ三重奏団<ルーシー・グールド(Vn)/アリス・ニアリー(Vc)/ベンジャミン・フリス(P)>

録音:2014年3月24-26日UK西サセックスチャンプ・ヒル
「このピアノ三重奏曲の冒頭を10秒聞いただけで、誰しもがブラームスを思い出すに違いない。」そう確信が持てるほどに、この曲はドイツ的、というよりもブラームスそのものなのです。それもそのはず、彼は幼いころにヨーゼフ・ヨアヒムの演奏を耳にし、その後ボンでは直接ヨアヒムとブラームスにも出会い、すっかり彼らの音楽の虜になっていたのでした。ケンブリッジで学業を終えたあと、ライプツィヒとベルリンで音楽教育を受け、本格的な作曲家として活躍を始めた彼は7曲の交響曲を始め、数多くの合唱曲を書き高く評価されることとなります。彼は室内楽を「絶対音楽の最も基本的な表現の一つ」としてみなしており、ひたすら綿密に主題を展開し、集中力に満ちた作品を書き上げました。ピアノ四重奏曲第1番は、1879年に書かれたもので、まだまだ実験的な要素が感じられますが、ピアノ三重奏曲第2番は1899年、円熟の時代の作品で、本当にまろやかな音が広がる感動的な音楽です。
8.573389
ハチャトゥリアン:スターリングラードの戦い/オテロ
「スターリングラードの戦い」組曲(1949)
「オテロ」組曲(1956)
アドリアーノ(指)スロヴァキア放送SO

録音: 1989年7月6-8日、1992年6月22-24日ホール
※MARCOPOLO 8.223314 移行盤
ハチャトゥリアン(1903-1978)が書いた映画音楽は、彼の他の管弦楽曲と同じく、常にエキサイティングで色彩的。ショスタコーヴィチを思わせる激しい戦闘シーンや、叙情的な部分もありなかなかの聴きものです。「スターリングラードの戦い」には、大編成によるオーケストラで奏される様々な民謡の引用が華々しい効果を挙げています。作曲家自身が1952年にソヴィエト放送SOを指揮した記録が存在しますが、このアドリアーノによる演奏は、作曲家の意図を存分に生かした最高の演奏と言えるでしょう。「オテロ」は、シェークスピアにインスパイアされた3 つのロシア映画の一つで、こちらもハチャトゥリアンの名声を世界的に高めるのに一役買ったものです。
8.573390
リスト:ピアノ曲全集第39集J.S.バッハ作品のトランスクリプション集
幻想曲とフーガト短調(BWV542)S463/R120<幻想曲ト短調/幻想曲ト短調(別ヴァージョン)/フーガト短調>
オルガンのための6つの前奏曲とフーガ(BWV543?548)S462/R119<前奏曲イ短調(BWV543)/フーガイ短調/前奏曲ハ長調(BWV545)/フーガハ長調/前奏曲ハ短調(BWV546)/フーガハ短調/前奏曲ハ長調(BWV547)/フーガハ長調/前奏曲ホ短調(BWV548)/フーガホ短調/前奏曲ロ短調(BWV544)/フーガロ短調>
スザンヌ・フッソン(P)

録音:2014年5月28-30日ジェノヴァスイス・ロマンド放送,スタジオ・エルネスト・アンセルメ
1841年と1842年、ワイマールでコンサートを開いたリスト(1811-1886)は、この地で大切にされていたバッハの作品に注目します。以降たびたびバッハ作品に基づく作品を書いていくことになるリストは、これらを以前のような華やかなパッセージを付け加えたりするのではなく、「バッハの音世界を崩すことなく、忠実にピアノに移し替える」ことに心を注ぎます(もちろんバッハのオルガン作品はもともとスコアが3段になっていて、これを通常のピアノ譜に移し替えるというだけでも困難な仕事であることは間違いないのですが)。リストの思いの中では、バッハへの尊敬と、ピアノ奏法の追求の2つの意味があったのでしょうが、確かにこれらの曲集はピアニストたちにとって大きな遺産となったことは間違いありません。リストと言えば過剰な装飾を思い起こしてしまう聴き手にとっては、まさに安心して聴ける1枚かも知れません。
8.573392(2CD)
ベルリン・ガンバ・ブック
《CD1》
前奏曲-高きところでは神にのみ栄光あれ
キリスト、私たちを救って下さるお方は
主イエスは十字架にかかりたもう
かくも喜びに満てる日
讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ
父なる神はわがゲシュレイを
天と地の神よ
私はあなたに感謝します
私はあなたのよさを知っています
私は不幸に耐えたくない
うやうやしい嘆願を望む
あなたの悲しい日
穢れなき神の子羊/わが幸せを
あなたの怒りで私を引き締めないでください
人々は祝福されている
あなたは良き神です
私のような誰かに住む
《CD2》
ああ、わが罪を悲しむ
われらはキリストを賞賛する
あなたの怒りで我らは張り詰めない
イエス、わが喜び
これ全てがわが願い/われらが父よ
主なる神はわれらを保持しない
ああ、われらの生は何ですか
あなたは眠っています
小さな魂は、恐らく何がより良いか
神よ、いつまで続くのですか
神は沈黙し/愛する心、イエス
おお、悲しみ/主に賛美
全ての森は憩えり/わが疲れたまぶた
ディートマー・ベルガー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2014年1月3-5日ドイツケルン,聖アンドレアス教会
※世界初録音
17世紀に編纂された、作曲者不祥の「独奏ヴィオラ・ダ・ガンバのためのコレクション」です。基本的には当時流布していた賛美歌がソースとして用いられており(元ネタが判明できたものはブックレット中に記してあります)時には良く耳にするメロディが聞こえてくることもあります。ほとんどはイニシャルに「J.R」を持つプロイセン在住のアマチュア奏者が、賛美歌を書きとめたのであろうとされ、オルガンで聴くのとはまた違った「コラール変奏曲」が展開されていきます。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ディートマー・ベルガーは、「マンチェスター・ガンバ・ブック」(8.572863-64)でも、その高い洞察力と表現豊かな演奏が評価されている人。
8.573395
ジャック・エテュ:弦楽のための作品全集
弦楽四重奏曲第1番Op.19(1972)
弦楽四重奏曲第2番Op.50(1991)
スケルツォOp.54(1992)
アダージョとロンドOp.3No.1a(1960)
セレナードOp.45(1988)<第1楽章:前奏曲/第2楽章:夜想曲/第3楽章:踊り>
六重奏曲Op.71(2004)
ニュー・オーフォードSQ<ジョナサン・クロウ(Vn)/アンドリュー・ワン(Vn)/エリック・ノウリン(Va)/ブライアン・マンカー(Vc)>
スティーヴン・ダン(Va)
コリン・カール(Vc)
ティモシー・ハッチンス(Fl)

録音:2012年5月6-9日カナダモントリオール,マギル大学マルティメディア・ミュージック・ルーム
カナダのケベックで生まれた作曲家ジャック・エテュ(1938-2010)はモントリオールの音楽院で学び、オタワ大学でジュール・マーテルから専門的な知識を習得します。その後も様々な音楽家から指導を受け、1959年の夏にはルーカス・フォスとともにタングルウッド音楽センターで学んだ経歴も持っています。1961年から63年まではエコール・ノルマルでアンリ・デュティユー、1962年から63年にはパリのコンセルヴァトワールでオリヴィエ・メシアンの指導も受けています。もちろん数多くの受賞歴があり、今でも彼は、カナダにおける最も先進的な現代音楽作曲家とみなされています。彼の作品は確かに難解ですが、その根底には伝統的な音楽フォームがあり、特に初期の作品にはバルトークやヒンデミット、フランスの印象派主義の音楽や、メシアンなどの影響が見受けられます(例えば弦楽四重奏曲第1番の2楽章の終結部の美しい響きは、メシアンの天上の世界を示す音と似ています)。彼の音楽は無調ではなく、多調であり、ネオ・ロマンティックな情景は後年になるほど深まり、1991年の弦楽四重奏曲第2番は更に美しい音に満ちています。
8.573399
シューマン:ダヴィット同盟舞曲集Op.6
蝶々Op.2/謝肉祭Op.9
ボリス・ギルトブルク(P)

録音:2014年6月28-30日UKモンマス,ウィアストン・レイズ・コンサート・ホール
2013年のエリーザベト王妃国際コンクールのピアノ部門で第1位を獲得!イスラエル出身の俊英ボリス・ギルトブルクによるシューマン(1810-1856)の3つの曲集です。彼については、エリーザベトに出場する以前から、いくつかのアルバムやコンサートでその演奏を耳にし、また、あの若手イケメンピアニスト、福間洸太朗さんの親友であるということもあり、注目していた人でした。今回ナクソスと正式に契約を結び、このシューマンをリリースしたのですが、これがまたとんでもない名演なのです。シューマンが要求する「自由な魂の飛翔」と「音楽と物語の融合」がこれほどまでに的確に、またさりげなく表現された演奏はなかなかありません。どの曲でも音符たちがまるで踊っているかのよう。あまり聴く機会のない「ダヴィット同盟舞曲集」もこんなに良い曲だったのかと認識を新たにするのでは。ちなみに謝肉祭のスフィンクスの部分は演奏されていません。これも彼のこだわりの一つなのでしょう。英語によるブックレット解説も彼自身の手によるものです。

8.573401
トゥリーナ:ピアノ作品集第11集
マドリードの見本市Op.42
靴屋でOp.71/幻灯Op.101
サーカスOp.68<
組曲「マドリード放送」Op.62
ホルディ・マソ(P)

録音:2014年9月27-28日スペインヤフレ,アウディトリウム
幼い頃にはマドリッドで音楽を学び、やがてパリのスコラ・カントルムに留学。パリのエスプリをたっぷりと体にしみこませてから、またスペインに戻り作曲活動に勤しんだトゥリーナ(1882-1949)の作品には、やはりどことなくフランスの香りが漂うものが多いのです。この第11集でも、それは顕著であり、例えば「マドリードの見本市」や「サーカス」では特徴的なリズムに裏打ちされた明るい世界が広がっています。かっこいいファンファーレ、ぶらんこ、ピエロ・・・なんとも色彩的な音が楽しめます。かと思うと、様々な靴が並ぶ「靴屋」の店頭にいるのは、あの有名なハンス・ザックスです。オシャレに変化した「マイスタージンガー」のテーマに思わずくすっと笑みがこぼれてしまうのではないでしょうか?ごつごつとした靴、華奢な靴、勇ましい靴、あなた好みの靴はありますか?「マドリード放送」もユニークな組曲で、トゥリーナ自身は「ラジオ放送を説明するためのピアノ曲」と表現しています。まだ音声がオンになっていないマイクの前に立つアナウンサーの不安な心を示すプロローグの長いトリルで始まり、3つの場面が表現されていきます。何かが見えてくるような興味深い音楽です。
8.573405
エア・フォース・ブルー
ロバート・サーストン上級曹長(1959-):タイム・トラベルズ(2012)
ジョエル・パケット(1977-):アシモフの鳥小屋(2012)
フィリップ・ウィルビー(1949-):夜明けの飛行
ジョン・ウィリアムズ(1932-):コール・オブ・ザ・チャンピオンズ(K.ソーバーによる吹奏楽編)(2002)
エリック・イウェイゼン(1954-):フライト-天国からの眺め(2001)
ブルース・ユアコ(1951-):レッド・テイルズ・スカーミッシュ(2011)
サーストン:ハイ・フライト
ホルスト:組曲「惑星」Op.32より<火星戦争の神(A.リード、C.マカリスターによる吹奏楽編)/水星翼の神(J.ロマーノによる吹奏楽編)/木星快楽の神(J.ロマーノによる吹奏楽編)>
:アメリカ空軍バンド
コロネル・ラリー・H・ラング(指)

録音:2013年4月22-26日ヒルトン・パフォーミング・アーツ・センター,マーチャント・ホール
2013年8月13.14日ワシントンD.C.ジョイント・ベース・アナコスティア・ボーリングガブリエル・ホール
どこから見ても、至るところ全てがカッコいいこのアルバム、演奏しているのはおなじみアメリカ空軍バンドです。曲のどれもが「自由自在に飛び回ること」をテーマとしていて、それは上空であったり、天空であったり、時には時間までをも超越していたりします。冒頭のトラック「タイム・トラベルズ」を作曲したのは、バンドのチーフ・アレンジャーで空軍のSenior Master Sergeant(上級曹長)の位にあるロバート・サーストン。この曲は彼の師であるフロリダ州立大学のジェームズ・クロフト博士の死を悼むために書かれました。哀しみよりも希望が感じられる美しい作品です。「コール・オブ・ザ・チャンピオンズ」は2002年のソルトレイクシティ冬季オリンピックのテーマ曲で、限界に挑戦する厳しさと美しさを表現した音楽でもあります。その他の作品もどれも素晴らしいのですが、何より最後に置かれた「惑星」からの3曲が絶妙です。
8.573407
エドワード・ジャーマン:ヴァイオリンとピアノのための作品集
思い出(1896)/子守歌(1893)
間奏曲(ヴァイオリンとピアノ版)(1894)/愛の歌(1882)*
子守唄(1883頃)*/ボレロ(1883)
夜想曲(1882)*/アルバムの綴り(1883)*
サルタレッロ(ヴァイオリンとピアノ版)(1889)
無言歌(ヴァイオリンとピアノ版)(1898)
無窮動(常動曲)(1890)
歌とブーレーよりブーレー(ヴァイオリンとピアノ版)(1889頃)
ロメオとジュリエットよりパヴァーヌ(ヴァイオリンとピアノ版)(1895)
牧歌(1895)/妖精の踊り(1883)*
アンドリュー・ロング(Vn)
イアン・バックル(P)

録音:2013年8月10-12日UKマンチェスター大学マーティン・ジャリス・センター・コンサート・ホール
*…世界初録音
シュロップシャー州ホイットチャーチの小さな市場町に生まれたジャーマン(1862-1936)。彼の父は醸造主でありながら、地域の教会オルガニストを務め、彼の母はアマチュアの歌手という音楽的な家庭に育ったため、彼も幼い頃から音楽の才能を現していました。少年時代にはヴァイオリンを奏していましたが、ロンドンの王立音楽院の入学試験の際には、なぜかピアニストとしてエントリーしたという変わり者でもあります。結局はヴァイオリニストとして演奏家の道を歩むとともに、作曲も手がけ、1888年にはロンドンのグローブ・シアターの音楽監督に就任、イギリスのコミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後を継ぐ者として名声を馳せます。彼の喜歌劇の中で最も有名なのは、なんと言っても「トム・ジョーンズ」であり、NAXOSからも全曲盤がリリースされています(8.660270-71)。しかし、彼の本質はやはりヴァイオリンにあったのかもしれません。ここに収録されているのは初期の作品ですが、そのどれもが、単なる「サロン音楽」を越えた心情を持ち、印象的なメロディと独特なスタイルを持っていることには驚くほかありません。今でもイギリスでは多くのファンを持つジャーマン。これを機会に聴いてみませんか?
8.573406
ローマン・ベルゲル:悲愴・エピローグ・ソナタ第3番他
悲愴(2006)
ピアノ・ソナタ第3番「ダ・カメラ」(1971)
アレグロ・フレネティコと回想(2006)
即興曲(2013)
エピローグ(L.v.B.へのオマージュ)
ベルゲル三重奏団<メンバー:ヤン・スラーヴィク(Vc)/ブラニスワフ・ドゥゴビチ(Cl)/ラディスワフ・フランツォヴィツ(P)>

録音:2013年8月29-30日スロヴァキアフロホヴェツ,エンパイア劇場
※世界初録音
チェコとポーランドの国境近くの町、チェシンに生まれたベルゲル(1930-)は、カトヴィツェで音楽を学びましたが、1948年にチェコで勃発したクーデターを逃れ、家族とともにブラチスラバに移ります。この地で作曲家として名声を得た彼は、カトヴィツェに戻ることを希望するのですが、亡命者であった彼には、旅行する権限が与えられませんでした。その後、また情勢が変化し、一度は彼の作品がワルシャワで演奏される機会もあったのですが、ワルシャワ条約機構軍のチェコスロバキア侵攻に抗議した彼は、自身の作品をワルシャワに送ることを拒否、結局は「スロヴァキアの作曲家」として活動していくことになったのです。このアルバムに収録された作品は、彼の個人的な思いが反映されたもので、亡くしてしまった愛妻に捧げられた曲や、自身のために書いた曲など、彼の人生経験が色濃く映し出された印象的な作品を聴く事ができます。
8.573411
サン=サーンス:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
アンダルーサ奇想曲 Op.122(1904)
ロマンス ハ長調 Op.48(1874)
ミューズと詩人 Op.132(1910)*
演奏会用小品 ト長調 Op.62(1880)
ハヴァネラ ホ長調 Op.83(1887)
ロマンス 変二長調 Op.37(1871/1878)
序奏とロンド・カプリチョーソ Op.28(1863)
ティアンワ・ヤン(Vn)
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
マルク・スーストロ(指)
マルメSO

録音:2014年8月11-14日、2016年8月8日
サラサーテのヴァイオリン作品全集のレコーディングが高く評価されたティアンワ・ヤン。彼女の類い稀なるテクニックと「スペイン音楽に対 する強い共感」は、このサン=サーンスでも遺憾なく発揮されています。「序奏とロンド・カプリチョーソ」や「アンダルーサ奇想曲」でも物 憂げな気分と情熱的な気分をくっきり描き分け、極めてコントラストの強い表現を見せています。また「ロマンス」での甘い響き、即興 的な「演奏会用小品」など、どの曲でも鮮烈な印象を残します。サン=サーンスの円熟期の作品「ミューズと詩人」で共演しているの は、最近人気急上昇中の若きチェリスト、シュヴァーベ。2人の対話は美しさの極みです。 (Ki)
8.573412
イタリアのソプラノ・アリア集
レスピーギ:日没P.101
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」-第2幕ある晴れた日に
ヴェルディ:歌劇「オテロ」-第4幕ご主人様のお心はずっと静まりましたでしょうか?-私の母は一人の気の毒な女中を使っていたの(柳の歌)-アヴェ・マリア
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」-第1幕お聞きください、ご主人様
 歌劇「ラ・ボエーム」-第3幕さようなら、あなたの愛の呼ぶ声に
 歌劇「修道女アンジェリカ」-母もなしに
 歌劇「つばめ」-第1幕「ドレッタの美しい夢」
カタラーニ:歌劇「ラ・ワリー」-第1幕「さようなら、ふるさとの家よ」
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」-第1幕「私のお父さん」
マリア・ルイジア・ボルシ(S)
イブ・アベル(指)LSO

録音:2013年12月2-3日UKロンドン,リンドフルスト・ホール,エア・スタジオ
そんな疑問を感じた方ぜひ聴いてみてください。恐らくこの作品は、ソプラノ歌手マリア・ルイジア・ボルシが自身の真価を問うものなのだと思うのです。あまりにも美しくあまりにも切ない歌。本来は弦楽四重奏とメゾ・ソプラノのための作品ですが、ここではオーケストラの伴奏に載って切々と歌われます。音の一つ一つに意味があるようなこの静かな叫びの意味を知りたくて、テキストを読み込んでみたくなりました。元々は英語の詩をイタリア語に翻訳した文章…最初はよくある男女の物語だと思いました。気の弱い男が憧れの女性に思いを告げ、嬉しい返事をもらい、そのまま夕暮れの道を歩み、一夜を共にする…なるほど、タイトルの「日没」はそこから来ているのだな。しかし物語は一転します。その内容を知った時、この曲をもう一度繰り返して聴いてみたくなりました。そんな強い訴求力を持つ歌を歌うこの歌手。日本にも度々来日して、聴衆を魅了している若手です。本当に素晴らしい歌い手の登場です。もちろん全ての曲が極上です。
8.573413
ワーグナー:管弦楽作品集 第1集
交響曲 ホ長調(断章)(1832/1834)[フェリックス・モットル(1856-1911)によるオーケストレーション補筆版]
交響曲 ハ長調(1834)
ライプツィヒMDRSO
準・メルクル(指)

録音:2012年1月19日
偉大なる“オペラ作曲家”として音楽史に名を残すワーグナー。彼が後世に残した影響の大きさは計り知れないものがありますが、実は 交響曲の作曲にも興味を持ち、生涯を通じて「交響曲のアイデア」を練っていたことはあまり知られていません。結局、オペラほどに優れ た作品を残すことはありませんでしたが、それでも21歳の時に書き上げられた「ハ長調交響曲」は野心溢れる若き作曲家の面目躍如 たる堂々とした作品に仕上がっています。第2楽章などには、はっきりとベートーヴェンの第7、弟8番の影響が感じられますが、それでも ワーグナーは自身のアイデアを数多く盛り込むことで、個性を打ち出しています。1832年にプラハで試演を行い、その後ライプツィヒで再 演が行われましたが、その際、自筆譜が行方不明となり、現在でも見つかっていません。ホ長調交響曲は、同じ頃にワーグナーが手掛 けた交響曲ですが、こちらは第2楽章の冒頭までしか完成されておらず、本人も、友人に「この曲を完成させることはできない」と手紙で 書き送るなど、この作品に関しては作曲を放棄してしまったようです。とは言え、未完となった第2楽章の美しさは格別。ここではワーグ ナーの良き理解者であったモットルが補筆した版を準・メルクルが演奏しています。
8.573421
クリスマスの奇跡
ダヴィデの村の厩の内に(A.H.マン&D.ウィルコックスによる合唱とオルガン編)
私が踊る日(B.チルコットによる合唱編)
御使いうたいて(P.ハレーによる合唱とオルガン編)
御子が産まれたOp.3より主題/柊とつた
フー・イズ・ヒー・イン・ヨンダー・ストール
処女なる御母は男を知らず
まぶねの中で(B.チルコットによる合唱編)
ディンドン空高く(P.スティーヴンス&M.ウィルバーグによる合唱とオルガン編)
オー・ホーリー・ナイト
アダムは縛られて
見よおとめはみごもり/ロッキング
ガブリエルのお告げ(G.ブラウンによる合唱とオルガン編)
さまよいながら私は不思議に思う(L.エンスによる合唱編)
花がある/一輪のばらが咲いて
まきびとひつじを(P.ハレーによる合唱とオルガン編)
マイケル・ブロス(Org)
エローラ・フェスティバル・シンガーズ
ノエル・エジソン(指)

録音:2014年5月9-11日カナダオンタリオ,エローラ聖ジョン教会
基本的には無伴奏、時にそっとオルガンが参加するというこの美しいコーラスによるクリスマス・アルバム。歌っているのは現代の合唱団の中でも最もエキサイティングな活動をしているエローラ・フェスティバル・シンガーズです。ここでも歌われている作品はルネサンス時代のポリフォニーから、現代曲までと幅広く、どの時代の曲も分け隔てなく?丁寧に扱われています。有名な曲を聞きたければ、「オー・ホーリー・ナイト」か「まきびとひつじを」あたりから。ひたすら声の神秘を聴きたければオルガンなしの曲から…クリスマスが終わっても、「癒しの1枚」としてお手元に置いてください。人間の声の美しさにただただ感動できるアルバムです。
8.573422
パンチョ・ヴラディゲロフ(1899-1978):ブルガリア組曲
7つの交響的ブルガリア舞曲 Op.23(1931)
ブルガリア狂詩曲「ヴァルダル」(1922/1928オーケストラ版)
ブルガリア組曲 Op.21(1927)
ナイデン・トドロフ(指)ルセPO

録音:2016年1月30日、2016年11月7-8日
20世紀ブルガリアにおける「最も卓越し、影響力のある作曲家」の一人ヴラディゲロフ。1933年にはブルガリア 現代音楽協会(ブルガリア作曲家同盟の前身)にも創立メンバーとして名を連ね、ブルガリアの音楽発展に 貢献しただけではなく、教師としても優れた才能を見せ、数多くの後進を育てました。 彼は2つの世界大戦の狭間に高い名声を得て、多くの作品はヨーロッパだけではなくアメリカでも演奏されてい ます。このアルバムに収録された3つの作品は、どれも彼の故郷であるブルガリアの音楽を国際的に注目させる という使命を持っています。どの曲にも、古典的な佇まいによる作風の中にエキゾチックな民謡素材が組み込ま れており、その結果、とれもが楽しく活発な作品に仕上がっています。なかでも「ブルガリア狂詩曲」は“ブルガリ アのショパンが作ったポロネーズイ長調”と呼ばれるほどに親しみ易い曲です。バレエ曲を得意とするトドロフのパ ワフルな演奏が作品を引き立てます。
8.573426
野に咲く花〜フィンジ:レクイエム・ダ・カメラ他
バターワース:管弦楽のための狂詩曲「シュロップシャーの若者」
フィンジ:レクイエム・ダ・カメラ(C.アレクサンダーによる補筆完成版)<前奏曲/なんと静かな今宵のトウモロコシ畑/男がひとり土くれをならし/残されしもの>*
ガーニー(1890-1937):トランペット(P.ランカスターによる管弦楽編)*
ヴォーン・ウィリアムズ:オックスフォードの悲歌
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ジェレミー・アイアンズ(語り)
シティ・オブ・ロンドンCho
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
ヒラリー・ディヴァン・ウェットン(指)

録音:2014年7月11.12日UKロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール
*…世界初録音
これらの作品には、全て第一次世界大戦における大虐殺への悲しみが根底に流れています。4人の作曲家たちはそれぞれ、バターワースのようにその戦いで命を落とすか、多大なる犠牲を払いながら後々の生涯を生きていくことになります。「シュロップシャーの若者」は彼の同名の歌曲集のエピローグとして構想された、人生のはなかさをそのまま閉じ込めたような美しい作品です。歌曲集の中の「最も美しい樹」のメロディが使われた郷愁溢れるメロディは涙を誘わずには入られません。フィンジはこの戦いで彼の最愛の教師アーネスト・ファーラーを失いました。無論彼はそれ以降も波乱万丈の生涯を送るのですが、当時彼は師だけでなく、最愛の家族も失うなど、人生観に大きな影響があったことは間違いありません。この室内レクイエムは恐ろしいまでの静けさに満ちています。未完成で終わった作品ですが、一度はP.トーマスの加筆版が演奏され、高く評価されました。ここではクリスチャン・アレクサンダーによる新版での演奏です。ガーニーは戦場で吸い込んだ毒ガスにより健康を失い、その後半生を病院で送りました。この「トランペット」は人類の愚かさを告発する作品です。そしてヴォーン・ウィリアムスの「悲歌」は、彼の失われた友人のために書かれた作品であり、普段はそういう音楽を書かなかった彼が、晩年になって至った境地を表しているものです。合唱はほとんど言葉を発することなく、物語は語り手によって紡がれていきます。
8.573427
星々の歌〜イギリスの高声合唱曲集
1.ボブ・チルコット(1955-):星々の歌(2010)
2.ポール・ミーラー(1975-):み恵みあふれ輝く光よ(2007)
3.ホルスト(1874-1934):アヴェ・マリアH49(1900)
4-7.リグ・ヴェーダからの合唱賛歌第3部H99Op.26-3(1905
8.ジェームズ・マクミラン(1959-):Nova! Nova! Avefitex Eva新しい、新しい、雹はイブから(2012)
9.王のための新しい誂え(2012)
10.タリク・オレガン(1978-):彼は鳩を見ていた(2001)
11.オレガン:春期だけ見られる光(2007)
12.アレルヤ、讃美と栄光は(2004)
13.セシリア・マクドウォール(1951-):天の女王(2004/2013)
14.ジョン・タヴァナー(1944-2013):聖ヒルダのイコン(1998)
15.神の母(2001)
16.ミサ・プレヴィス-神の子羊(2005)
17.ジェームズ・ウィトボーン(1963-):祝典アレルヤ(2010)
エレアノール・ターナー(ハープ)…4-7
エリオット・ラウン(P)…2.9.11.17
ウェールズ教会学校Cho
クリストファー・フィンチ(指)

録音:2014年7月8-10日UKコーンウォール,セント・ジェームス・ザ・グレート・パリッシュ教会
※1.8.9.11.12.13.15.16.17…世界初録音
日本ではあまり分類されることのない「高声合唱(uppervoicechoirs)」ですが、スカンジナビア諸国、東欧、アメリカを含む世界の多くの地域ではその美しさと純度の高さ、そして表現力の豊かさによる賞賛されています。これらの曲は基本的に女声合唱(アルトは含まない)によって歌われ聴き手は柔和な光に包まれるような崇高な気分を味わうことができるのです。アルバムの中で最も有名なのはなんと言ってもホルストの「リグ・ヴェーダからの合唱賛歌」で、ハープの音色と純粋な声が綾なす夢のような美しさは、一度聴いただけで必ずや魅了されることでしょう。他の多くの作品は21世紀になってから作られたものですが、これらの複雑で神秘的な音も聴き手の想像力を強く刺激します。難解な作風で知られるタヴァナーやマクミランの音楽でさえ優しい安らぎを運んでくるようです。
8.573428
アンドリュー・スタニランド:トーキング・ダウン・ザ・タイガー(2010)
恐ろしい航海(2013)
フルートvsテープ(2012)
Still Turning‐回転上の静止(2011)
True North‐真の北(2007)
ライアン・スコット(パーカッション)
ロブ・マクドナルド(g
カミュ・ワッツ(Fl)
フランシス・マリー・ウィッティ(Vc)
ウォレス・ハラディ(ソプラノSax)
アンドリュー・スタニランド(電子楽器)

録音:2014年1月19-23日カナダトロント,グレン・グールド・スタジオ
※世界初録音
現在、カナダで最も重要、かつ革新的な作曲家として認知されているアンドリュー・スタニランド(1977-)。このアルバムには、彼の5曲の最近の作品が収録されています。アルバムタイトルでもある「トーキング・ダウン・ザ・タイガー」はパーカッションと電子音楽のための作品で、彼が「トラ」について抱いているイメージ…獰猛さ、美しさ、神秘…これらは全てパーカッションの持つイメージに重なるのだというのです。この曲を作り演奏することで、彼はトラの存在を超越する、いわゆる「言い負かす」状態になるのでしょうか。トラック2の「恐ろしい航海」も数多くの要素を孕んだ曲であり、その中には地球の滅亡のイメージまでもが含まれています。増幅されたギターの響きは美しさよりも畏怖の対象でしょうか。フルートのためのトラック3でも、共演者はテープの音。多種多様な音が通り過ぎていきます。トラック4も地球の自転をモティーフにした曲。地球は恐ろしいほどの速さで回転しているはずなのに、なぜその上のものは静止しているのか…。トラック5は彼が追求する「極点」についての作品。同様のコンセプトによる「至高の歌」(8.573533)もどうぞ。
8.573432
期待の新進演奏家シリーズ/ギターカン・ユンホン:リサイタル
カステルヌオーヴォ=テデスコ:悪魔的奇想曲「パガニーニへのオマージュ」Op.85
バリオス(1885-1944):森に夢みる
 悲しみのショーロ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番〜シャコンヌ(バオ・フによるギター編)
グラナドス:スペイン舞曲集Op.37第4番ビリャネスカ(M.バルエコによるギター編)
グラナドス:スペイン組曲Op.47第3楽章セビーリャ(セビリャナス)(P.ロメロによるギター編)
レニャーニ(1790-1877):36のカプリースOp.20より<第7番/第2番/第19番/第29番>
メルツ(1806-1856):3つの小品Op.65第1番ハンガリー風幻想曲
レニャーニ:36のカプリースOp.20より<第33番/第21番/第26番/第25番>
カン・ユンホン(G)

録音2014年3月24-26日中国四川音楽院コンサート・ホール
2011年11月にタイで開催されたタイ国際ギター・コンクールで第1位を獲得した中国のギタリスト、カン・ユンホン。このアルバムの録音時、わずか14歳という驚くべき才能です。すでに世界中で活躍を始め、様々なコンサートホールで好評を博しています。四川音楽院でのコンサートでは、ペペ・ロメロとマヌエル・バルエコと共にステージに登場、ここでも素晴らしい演奏を聞かせました。またドイツで開催された第23回イーザーローン国際ギター・シンポジウムではオープニング・コンサートに出演し、ここでもその才能を見せつけました。彼の演奏の特徴は、とにかく繊細な音色と若さ溢れる楽天的な表情にあると言えるでしょう。若干の線の細さは今後の成長によってカヴァーできるはず。とにかく、この若さに賭けてみたい。と思わせてくれるギタリストです。
8.573439
アマデウス・ギター・デュオ:ギター二重奏曲集
ヘンデル:組曲第7番ト短調HWV432(U.シュトラッケによるギター二重奏編)
ヨハン=カスパール・メルツ(1806-1856):挽歌-第1番恋人の墓前にて
メルツ:吟遊詩人の調べOp.13-不安
マリオ・ガンギ(1923-2010):スペイン組曲(1948)
フランツ・ブルクハルト(1902-1978):トッカータ(1946)
テレマン(1681-1767):パルティータ・ポロネーズ(抜粋)<序曲/リゴードン/コンバッタン>
カルロ・ドメニコーニ(1947-):東洋と西洋の幻想曲Op.50a〜アンダンテ-アレグロ
アマデウス・ギター・デュオ

録音:2014年2月21-23日ドイツアイゼルローン,ヴォーンホフ、2011年3月18-19日ドイツヴァイマール音楽大学
カナダ出身のデイル・カヴァナーとドイツ出身のトーマス・キルヒホフの2人による「アマデウス・ギター・デュオ」は、1991年にデュオ活動を開始し、世界各国でコンサートを行い、その高度な音楽性と豊かな音色で聴衆を魅了しています。また多数の著名なオーケストラとも共演を重ね、2台ギターのための協奏曲を積極的に紹介しています。もちろん現代作曲家たちも彼らのために曲を献呈し、レパートリー拡大に一役買っています。後進たちの指導も熱心で、イザローン国際ギター・シンポジウムを創設し、世界最大級のフェスティバルを開催していることでも知られています。このアルバムは彼らの25年間に渡る活動を讃えるもので、ヘンデルやテレマンなどのバロック作品から、彼らが初演したドメニコーニの作品までと多彩な曲が並びます。ギターの持つ底知れぬ可能性を感じさせる見事なアンサンブルをどうぞ。
8.573444
ベイジル・ポールドゥリス:コナン・ザ・グレート(P.ペルスターによるオルガン編)(1982/2014)
1.アンヴィル・オブ・クローム/2.鋼の謎/運命のライダー/3.フューリーのギフト/4.悲しみの列/痛みの輪/5.ピットの戦い/6.アランティーンの剣/7.神学/文明/8.ワイフィング/9.コナンはヴァレリアを去る/探索/らんちき騒ぎ/14.火葬/15.墳丘の戦い/16.運命の孤児/目覚め
フィリップ・ペルスター(Org)

録音:2014年5月19-20日USAカリフォルニア,クレールモント・ユナイテッド・キリスト教会グラッター=ゲッツ/ロザールス・オルガン
※世界初録音
ロバート・E・ハワードの小説「英雄コナン」シリーズを原作とし、1982年に制作された「コナン・ザ・グレート(原題はConanthe Barbarian)」。アーノルド・シュワルツェネッガーの肉体美を最大限に用いた痛快アクション大作です。監督のジョン・ミリアスは映画の中にオペラの要素を持ち込むという意図があったといい、音楽を書いたポールドゥリス(1945-2006)はそれに応え、力強さ、優しさ、その他の感情を全て音楽で見事に表現したのです。コンピューター・ソフトではなく、オーケストラを用いたこのサウンド・トラックをオルガン版に編曲するのには、大変な苦労が付き纏ったのだそうです。例えば、迫力を増強するために効果的に使われている打楽器群…確かにこれをオルガンに求めるのは難しそうですが、オルガニスト、ペルスターはペダルやグリッサンドを駆使して、文句ない響きを作り上げたのです。
8.573452
NBD-47
(BlurayAudio)
プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」Op.20
交響的スケッチ「秋」Op.8(1910/1915改編.1934)
交響曲第3番ハ短調Op.44
サンパウロSO
マリン・オールソップ(指)

録音:2014年3月20日、2014年5月8.10.12日
アルバムのメインとなる「交響曲第3番」は、その前年に完成された歌劇「炎の天使」の素材が用いられています。それは、この歌劇にはあまりにも問題が多かったため演奏会形式で上演されたものの、完全な初演の見通しが立たず、この作品の将来を鑑みたプロコフィエフが、その中の幾つかの主題を基に交響曲として再構築したためです。プロコフィエフはこの交響曲に絶大なる自信を持っていたと言い、確かに刺激的かつ堂々たる作品となっています。「スキタイ組曲」は、もともとバレエ音楽として作曲され、バレエ・リュスのディアギレフにスケッチを提示したところ、上演を拒否されたため、演奏会組曲として書き直されたものです。第2曲目の激しさは必聴です。「秋」は暗い雰囲気を有した作品ですが、タイトルと曲には直接の関係はないのだそうです。あまり演奏されることのないレアな作品です。
8.573455
ブラームス:弦楽五重奏曲第1番&第2番
弦楽五重奏曲 第2番ト長調 Op.111(1890)
弦楽五重奏曲 第1番ヘ長調 Op.88(1882)
ニュージーランドSQ
[ヘレーネ・ポール(Vn1)、モニク・ラパンズ(Vn2)、ジリアン・アンセル(Va)、ロルフ・ジェルステン(Vc)、マリア・ランブロス(Va)]

録音:2016年11月16-19日
1882年に作曲された第1番、1890年に作曲された第2番、どちらもブラームスの室内楽作品における傑作であり、 とりわけ第1番に関してはブラームス自身が「これまでにこのような美しい曲を私から受け取ったことはないと思います」 と出版者ジムロック宛の手紙に記すほどの自信作でした。保養地での美しく親密な雰囲気を反映させた第1楽章の のどかで明るい主題、少しだけ憂うつな第2楽章、快活な第3楽章はベートーヴェンの伝統をしっかり受け継ぎながら も、ブラームスらしい重厚なハーモニーを聴かせる名作です。第2番も同じくゆったりとした旋律に満たされていますが、 終楽章では彼が愛したハンガリーの民族音楽らしいメロディも現れるなど、起伏に富んだ楽想が魅力です。弦楽四 重奏曲全曲を録音しているニュージーランドSQは、五重奏曲でも充実した演奏を聴かせます。
8.573456
エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903-1982):ギター音楽集
ハバネラ(1953)
Campanas del alba 夜明けの鐘(1963)
プラテーロと私(1968)
Homenaje a la guitarra ギターへのオマージュ(1961)
Homenaje a Toulouse-Lautrec トゥールーズ=ロートレックへのオマージュ
(1963)
Confidencia 信頼(1970)
Homenaje a Haydn ハイドンへのオマージュ(1957)
Bolero ボレロ(1936)
Sonando caminos 夢見る小道(1963)
Evocacion criolla クレオールの祈り(1978)
Laberinto 迷宮(1967)
ホセ・アントニオ・エスコバル(G)

録音:2018年1月22-24日聖ポール教会 ニューマーケット、オンタリオ、カナダ
エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサはスペインのブルゴス生まれ。彼の兄レヒーノ(1896-1981)もピアノとギターを学 んでおり、エドゥアルドも6歳から音楽を学び始めましたが、家族は貧しく、他の兄弟に音楽を学ばせるだけの余裕は ありませんでした。レヒーノがギターのレッスンを始め、才能を表したためか、エドゥアルドはギターではなくチェロに転向、 そのままチェリストとして活動を始めました。平行して作曲を学んだ彼はチェロ曲やギター曲を次々と発表、やがて作 曲家としての名声を獲得することとなります。このアルバムには彼のギター曲を収録。トレモロ奏法が見事な「夜明け の鐘」や、ファン・ラモス・ヒメネスの同名詩集に基づく「プラテーロと私」(カステルヌオーヴォ=テデスコの作品が有名) など、独特な味わいを持つ作品集です。
8.573467
アルメニアのピアノ作品集
1-6.コミタス・ヴァダペット(1869-1935):ピアノのための6つの舞曲(1916)
7-10.アレクサンドル・スペンディアリアン(1871-1928):クリミアのスケッチ(1903)<
11.アルノ・ババジャニアン(1921-1983):前奏曲(1947)
 12.メロディ(1973)
 13.ユモレスク(1973)
 14.即興曲「Exprompt」(1936)
 15.ヴァガルシャパト舞曲(1947)/16.ババジャニアン:エレジー(1978)
17-20.エドゥアルド・アブラミアン(1923-1986):24の前奏曲(1948-1972)から<第3番:ホ短調/第6番:嬰ハ短調/第13番:イ長調/第19番:嬰ト短調>
21-23.エデュアルド・バグダサリアン(1922-1987):24の前奏曲(1951-1958)から<第6番:ロ短調/第9番:ホ長調/第24番:ニ短調>
24.ロベルト・アミルカニアン(1939-):肖像画の前で(2009)
25.アミルカニアン:子どものイメージ(2009)
26.春の雫(2009)
ミカエル・ハイラペティヤン(P)

録音:2012年10月20-21日、2012年1月27-28日、2012年10月6-7日 ロシア文化と芸術モスクワ州立大学,グランド・コンサート・ホール

7-10.20.23.24.25.26…世界初録音
最近、何となく注目が高まっているアルメニアの音楽。もちろんハチャトゥリアンは言うまでもなく有名ですが、その後に続く作曲家たちの作品が放つ濃厚な香り(もちろんかなりスパイシー)も多くの聴き手を楽しませているようなのです。このアルバムに収録された6人の作曲家の作品はその筆頭であり、まるでゲームキャラクターのような彼らの特徴的な名前が、そのまま音楽に反映されているのでしょうか?冒頭のコミタスの曲から、背中が何となくゾクゾクしてくること間違いありません。とりわけ静かな人気を誇っているのが、ババジャニアンの一連の作品で、特にトラック16の「エレジー」が醸し出す濃厚な哀愁は、まさに日本の演歌。絡みつくような後を引くメロディはくせになります。
8.573473
バッハ:イギリス組曲第1番-第3番
イギリス組曲第1番イ長調BWV806<
イギリス組曲第2番イ短調BWV807
イギリス組曲第3番ト短調BWV808
モンテネグロ・ギター・デュオ<ゴラン・クリヴォカピク/ダニエル・セロヴィク>

録音:2014年9月18-21日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖クリソストム教会
※世界初録音
1720年から1730年頃「ある高貴なイギリス人のために書かれた」とされるJ.N.フォルケルの説に基づいてこのタイトルが付けられたと言われるバッハの「イギリス組曲」ですが、中身はどちらかと言うとフランス風、もしくはドイツ風の舞曲が並べられた、高い演奏技術が要求される様式美を持った作品なのです。ハープシコードだけでなく、モダンピアノでも頻繁に演奏されるバッハの最高傑作のひとつですが、このアルバムに収録されているのは、この曲を2台のギターで演奏したというものです。前述の通り、鍵盤で演奏するのもなかなか困難なバッハ作品をギターで演奏するということについては、すでにタルレガの時代あたりから頻繁に行われてきており、それ以降も何人もの名手たちが無伴奏パルティータや無伴奏チェロ組曲、ゴルトベルク変奏曲などをギターに移し替え、素晴らしい成果を上げていることはご存知の通り。このモンテネグロ・ギター・デュオは2台のギターを用いることで、バッハの複雑な音形を完全なものとして表現しているのです。バッハを聞く新しい楽しみを見出してみませんか。
8.573476
サン=サーンス:ピアノ協奏曲集 第1集
ピアノ協奏曲 第1番 ニ長調 Op.17
ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.22
アレグロ・アパッショナート 嬰ハ短調 Op.70(ピアノと管弦楽版)
ロマン・デシャルム(P)
マルメSO
マルク・スーストロ(指)

録音:2015年6月8-9日
サン=サーンスのピアノ協奏曲と言えば、耳にする機会が多いのが第5番「エジプト風」と第2番でしょう。しかし、他の3曲は、演奏会で も取り上げられることは稀であり、彼の作品の中でもあまり目立つことのない存在です。しかし、ローマ賞に挑戦した直後(残念ながら獲 得ならず)の29歳の時に作曲された第1番を始め、ほぼ40年間に渡って書かれた5つの協奏曲は、サン=サーンスの作風の変遷のみ ならず、フランスのピアノ協奏曲の進化を目の当たりにできるきわめて重要な作品です。さすがに第1番はまだ強い個性が発揮されてい るわけではありませんが、幼い頃からピアニストとして才能を発揮していたサン=サーンスらしく、華やかな技巧に彩られた聞き応えのある 曲。その10年後の第2番は、3週間に満たない短期間で仕上げられたにもかかわらず、情熱と叙情に満ちた素晴らしい出来栄えを誇 る傑作です。交響曲全集シリーズを完成させたスーストロとマルメ響をバックに、フランスの名手デシャルムが素晴らしい演奏を聴かせま す。
8.573478
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第3集
ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調 Op.44
ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調「エジプト風」Op.103
ロマン・デシャルム(P)
マルメSO
マルク・スーストロ(指)

録音:2015年6月15-17日
サン=サーンスが作曲した5曲のピアノ協奏曲の中で、第5番は「エジプト風」の表題のおかげで高い人気を獲得しているのに、同じく らい高い完成度を誇る第4番は、ほとんど耳にする機会がありません。しかし、1875年に作曲されたこの作品は、伝統的な三楽章 形式ではなく、2楽章で構成されており、作品全体は循環形式が用いられているという画期的なもので、後の「交響曲第3番」を予 見させる聴きどころの多い協奏曲です。 第5番「エジプト風」は最後のピアノ協奏曲であり、サン=サーンスが愛したエジプトの雰囲気が反映されたエキゾチックな名作。カエル の鳴き声や海を渡る船のエジン音なども聞こえてくる色彩的な曲調が愛されています。
8.573481
期待の新進演奏家シリーズ/エカチャイ・ヤラクール/ギター・リサイタル
ヴァイス(1686-1750):組曲第13番ニ長調(E.ヤラクールによるギター編)
.ヨハン・カスパール・メルツ(1806-1856):コンチェルティーノ
レノックス・バークリー(1903-1989):ソナチネOp.52-1
ルイジ・レニャーニ(1790-1877):ファンタジーOp.19
レオ・ブローウェル(1939-):オリシャたちの儀式
プミポン・アドゥンヤデート国王ラーマ9世(1927-):H.M.キング組曲<私の心の光を愛し(F.ハンドによるギター編)/おお、私は言う(A.ヨークによるギター編)/魔の梁(W.カネンジザーによるギター編)>
エカチャイ・ヤラクール(G)

録音:2014年11月12-14日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
GFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギター・コンクールにおける、初のアジア人優勝者となったギタリスト、エカチャイ・ヤラクールのリサイタル・アルバムです。彼は1987年に生まれ、13歳からギターを学び始めました。そして奨学金を得て、マヒドン大学に入学。ここでポール・チェザルツキに学び、学士号を取得します。以降、ザルツブルクのモーツァルテウムでマルコ・タマヨに師事、2003年から2014年まで、世界16カ国以上で演奏しています。このアルバムでは、自身の編曲によるヴァイスの端正なリュート曲から、古典作品、ジャズ風の作品までの音による時間旅行を楽しむことができます。そして注目は、2011年に彼が3人のギタリストに編曲を依頼した「タイ国王の作品」です。国王は優れたサックス奏者であり、ベニー・グッドマンやスタン・ゲッツなど主要なジャズ・アーティストとも共演しているというツワモノ。ジャズ要素あり、タイの民俗音楽要素ありと、なかなか聴き応えのある曲となっています。
8.573487
期待の新進演奏家/エレン・シュアルプ(ギター)ギター・リサイタル
ツルゲイ・エルデナー(1957-):5つのグロテスク
レオ・ブローウェル(1939-):ソナタ<第1楽章:ファンダンゴとボレロ章:パスクィーニのトッカータ>
エレン・シュアルプ(1987-):雨だれ
メフメト・バイラクタル(1951-):6つのアナトリアの小品
ルイ・オチョア(1959-2014):歴史の小道
スティーブン・ドジソン(1924-2013):パルティータ第1番
エレン・シュアルプ(G)

録音:2015年1月15-16日カナダオンタリオ,聖クリソストム教会
1987年、トルコのアンカラで生まれたエレン・シュアルプのリサイタル・アルバムです。9歳でギターを始めた彼は国際的に名前を知られる名手、アフメット・カンネッチに師事、1998年からは数多くのマスタークラスに参加し研鑽を重ねてきました。コンクール歴は、2011年11月にスペイン、ルナレスで開催されたアンドレス・セゴビア国際ギターコンクールで二位を獲得したのを皮切りに、2014年6月にはドイツのフーベルト・カッペル国際コンクールで二位、そして同年9月にイタリアのミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクールで最優秀賞を獲得しています。このアルバムは、ミケーレ・ピッタルーガのコンクールの優勝記念として製作されたもので、ベネズエラ、キューバ、イギリスの作品を始め、自国の作曲家バイラクタルの作品も含めた多彩な曲が並びます。彼自身の作品も魅力的。しかしながら、ギター1台でこれほどまでに多彩な音色が紡ぎだされるとは・・・。将来が楽しみなギタリストです。
8.573499
イタリア・歌劇のテノール・アリア集
1. マスカーニ:歌劇「アミーカ」 第1幕 間奏曲
2. プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」第3幕「さらば愛の家」
3. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 間奏曲
4. ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕「人知れぬ涙」
5. マスカーニ:歌劇「友人フリッツ」第2幕 間奏曲
6. マスカーニ:歌劇「イリス」 - 第1幕「窓を開けよ」
7. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - 別れの歌 「母さん、あの酒は強いね」
8. レオンカヴァッロ: 歌劇「道化師」 - 第1幕「芝居をするのか怒り狂っているこの最中に」…「衣装をつけろ」
9. プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」 - 第3幕「誰も寝てはならぬ」
10. プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」 - 第1幕「泣くな、リュー」
11. プッチーニ:歌劇「トスカ」- 第3幕「星は光りぬ」
12. プッチーニ:歌劇「トスカ」 -第1幕「妙なる調和」
13. ヴェルディ:歌劇「マクベス」 - 第4幕「 おお我が子たちよ」…「お前たちを守る父の手は」
14. ヴェルディ:レクイエム - 怒りの日(ディエス・イレ) - 我は嘆く
アゼル・ザダ(T)
キエフ・ヴィルトゥオージSO
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)

録音:2016年4月14日、2016年7月25日、2019年2月13日
イタリア・歌劇の中でも特に愛されているテノールの名アリアと、美しい旋律を持つ3つの間奏曲を収 録した1枚。若きテノール、アゼル・ザダは様々なアリアの中から"強さを誇る曲"や、"自身を奮い立た せる曲"を選択、素晴らしい歌唱で聴き手を魅了します。
8.573501
プッチーニ:ソプラノとピアノのための歌曲全集
魂の歌/太陽と愛
そして小鳥は(ニンナ・ナンナ)
春-カンツォネッタ
アヴェ・マリア・レオポルダ
亡き人に/死すべきか?
サルヴェ・レジーナ/あなたに
我が家-良く知られたイタリア童謡
黄金の夢/陸と海
ローマへの賛歌/ベアタ・ヴェスケラ
進め、ウラニア!/愛の小話-メロディ
ディアナ賛歌/あの偽りの忠告
王の御旗は進み
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S)
マリア・プリンツ(P&Org)
トラック14.19はメゾ・ソプラノ・パートを歌い多重録音

録音:2016年1月4-7日
Orfeoレーベルでおなじみのブルガリアの歌姫、クラッシミラ・ストヤノヴァ。NAXOSでは彼女の初アルバムとなるのが、プッチーニの珍しい 歌曲集です。リヒャルト・シュトラウスや宗教曲で強い存在感を示している彼女、現在最も注目しているのが、ヴェリズモ・オペラだと語っ ていましたが、このプッチーニもその時代に属し、アリアとはまた違う細やかな感情表現と強靭な声が要求される、歌手にとって大層手応 えのある歌曲集なのです。世俗的な曲、サロン風の曲、神聖な曲まで、彼女は全ての歌を絶妙な歌唱で表現し、普遍的な愛の心か ら、国家の賛美と言った大掛かりな世界までを見事に表現しています。また「ベアタ・ヴェスケラ」と「王の御旗は進み」の2曲では、自身 でメゾ・ソプラノ・パートを歌う(多重録音)ことで、この1枚を完璧な仕上がりにしています。
8.573524
オルガンとソプラノによる宗教曲集
1.バッハ:御身が共にいるならばBWV508(伝:G.H.シュテルツェル作)/2-3.バッハ:前奏曲とフーガハ長調BWV547
4.グノー:悔悟(おお、神々しい贖罪主よ)
5.フランク:3声のミサ曲Op.12,M.61-天使のパン(パニス・アンジェリクス)
6-8.ナディア・ブーランジェ(1887-1979):オルガンのための3つの小品<前奏曲/小カノン/インプロヴィゼーション>
9.リリー・ブーランジェ(1893-1918):ピエ・イエズス
10.プッチーニ:サルヴェ・レジーナ
11.ヴォルフ(1860-1903):スペイン歌曲集-第3番:いざ、さすらえマリア(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
12.ヴォルフ:スペイン歌曲集-第5番:幼子よ、私をベツレヘムに連れて行って(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
13.ヴォルフ:メーリケ詩集-第28番:祈り(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
14-15.レーガー:トッカータとフーガOp.59
16.ヘンデル:聖チェチーリアの祝日のためのオードHWV76-「だが、いったい、どんな技が」
クリスティン・ブルーワー(S)…1.4.5.9.10.12.13.16.
パウル・ジェイコブス(Org)

録音:2013年8月13-15日USAウィスコンシン,ミルウォーキージェズ教会
アメリカで最も知られる音楽家であり、ともにグラミー賞の受賞者でもあるソプラノのブルーワーとオルガニストのジェイコブス。この2人が奏でる美しく荘重な宗教的作品集です。この中で最も広く知られているのは、なんと言ってもフランクの「天使のパン」でしょう。しかし、他の曲はあまり耳にする機会の多くないものばかりであり、なかでもブーランジェ姉妹の作品は独自の美しさを放っています。また、レーガーが編曲したヴォルフの歌曲には、オルガンの名手であったレーガーらしい雄弁なオルガンの響きが満ち溢れています。聴き手に敬虔な気持ちと歓びをもたらす幸せな1枚です。
8.573534(2CD)
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」全曲 Op.64 マリン・オルソップ(指)
ボルティモアSO

録音:2015年10月11-18日
シェイクスピアの最も有名な戯曲「ロメオとジュリエット」。この物語にインスパイアされた音楽は数多くありますが、中でも最も高い人気 を誇るのがプロコフィエフのバレエ音楽でしょう。 シェイクスピア学者、演出家ラドロフ、ギリシャ劇の権威ピオトロフスキー、振付師ラブロフスキーらの協力を得て最初に完成させた台 本は、当時の慣習「死者は踊ることができない」に基づいて「ジュリエットが死ぬ前にロメオが到着、ハッピーエンド」を迎えるというもので した。しかし、それでは物語の本質を伝えることができないと考えたプロコフィエフは再度人々と相談の上、結末を悲劇に変更。現在 の形になりました。演奏会組曲の形で上演されることも多いのですが、全曲を通して聴くとプロコフィエフの意図がしっかり伝わります。 指揮は、ウィーン放送SOの次期首席指揮者就任が決定したマリン・オルソップ。プロコフィエフの交響曲全集を補完する2枚 組です。
8.573543
チャイコフスキー:ピアノ作品集
中級程度の12の小品 Op.40
ハープサルの思い出 Op.2
式守満美(P)

録音:2016年3月29-31日
交響曲、バレエ曲などで知られるロシアの作曲家チャイコフスキー。彼は生涯を通じて数多くのピアノ曲も書いていました。これらの多くは 彼の家族や親しい友人、音楽家たちに捧げられており、どれも詩的で温かい感情に満ちた音楽です。またピアノ学習者たちのための作 品も多く、これらは当時の音楽市場で高い需要があったもので、ここに収録された「中級程度の12の小品」も、少し腕があがった学習 者たちにとって、格好の練習曲になると喜ばれた曲集です。華やかなト長調の練習曲で始まり、特徴的なリズムを持つ「マズルカ」や、 叙情的な「悲しい歌」など,多彩で表情豊かな作品が並びます。「ハープサルの思い出」は現在エストニア領である美しい町に滞在した ときの印象が描かれた小品。穏やかな気候に恵まれた保養地で、ここでの印象を3つの小品として作曲。情緒に溢れた美しい作品で す。ロンドンで学び世界で活躍するピアニスト、式守満美の演奏で。
8.573569
ベートーヴェン:フルートのための作品集 第1集
3つの二重奏曲 第1番 ハ長調 WoO27-1(瀬尾和紀によるフルートとファゴット編)
3つの二重奏曲 第2番 ヘ長調 WoO27-2(瀬尾和紀によるフルートとファゴット編)
3つの二重奏曲 第3番 変ロ長調 WoO27-3(瀬尾和紀によるフルートとファゴット編)
ニ重奏曲-アレグロとメヌエット ト長調 WoO26#
フルート,ヴァイオリンとチェロのためのセレナード ニ長調 Op.25*
瀬尾和紀(Fl)
パトリック・ガロワ(Fl)#
児玉光生(Fg)
瀬崎明日香(Vn)*
小峰航一(Va)*

録音:2016年7月8-9日 三重県文化会館 大ホール、2015年12月22日.2016年8月14日 三重県文化会館 大ホール、2016年10月1日
ベートーヴェン初期の作品の中でも取分けシンプルに書かれた器楽作品。 瑞々しく明るく快活なベートーヴェンも悪くありませんか?(瀬尾和紀) ベートーヴェンの二重奏曲は、おそらく創作活動の最初期に作曲されたと考えられています。もともとはクラリネットとファゴットのために 書かれていますが、様々な楽器に置き換えられることも多く、このアルバムではフルートとファゴットが実にのどかな世界を描き出してい ます。Woo26の二重奏曲は1792年の作品。流麗な旋律が特徴的なアレグロ、軽やかなメヌエットと短いながらも充実した内容を 持つ小品です。1796年に作曲された「セレナード」はフルートとヴァイオリン、ヴィオラという珍しい編成による7楽章からなる作品。各 楽器の対話が楽しい明朗な美しさを持っています。日本を代表するフルーティスト瀬尾は演奏だけでなく、編曲も行い、作品の魅力 を丁寧に伝えています。
8.573571
アストル・ピアソラ(1921-1992):フルートとギターの為の作品集
タンゴの歴史-フルートとギターのために(1986)
6つのタンゴ・エチュード(1987)
天使の組曲(1965)*
チキリン・デ・バチン(バチンの少年)(1969)(V. コベスによるギター編)*
リベルタンゴ(1974)(V. コベスによるギター編)*
アヴェ・マリア 「タンティ・アンニ・プリマ」(1984)(V. コベス、瀬尾和紀によるギターとフルート編)*
わが死へのバラード(1970)(V. コベスによる語り手とギター編)*
瀬尾和紀(Fl)
ビセンテ・コベス(G)
オラシオ・フェレル(語り)

録音:2009年3月23日、2015年10月11-12日、2019年12月5日
*=当アレンジによる世界初録音
アルゼンチン出身のアストル・ピアソラは、10代の終わりにタンゴに開眼、以降バンドネオン奏者として頭角を現し、やがて優れたタンゴの作り手として 君臨しました。「タンゴの歴史」は1986年、フルート奏者のマーク・グローヴェルのために作曲された作品です。タンゴの誕生から年号を30年ごとに区 切り、それぞれの時代にタンゴが演奏されていた場所をイメージしながら創り上げたもの。今ではタンゴと言えばバンドネオンが中心ですが、初期のタン ゴはフルートとギターの組み合わせによるものも多く、ピアソラの「タンゴの歴史」は、今ではタンゴの演奏を担う役割から淘汰されてしまったこの2つの楽 器に焦点をあてており、フルート奏者たちの格好のレパートリーにもなっています。独奏フルートの為の「6つのタンゴ・エチュード」はピアソラ唯一の無 伴奏作品。他に、コベスと瀬尾によるアレンジ曲と、未発表のオラシオ・フェレルの詩の朗読を添えた「わが死へのバラード」が収録されています。
8.573572
ラヴェル;管弦楽作品集 第6集
ピアノ協奏曲 ト長調
ツィガーヌ*
左手のためのピアノ協奏曲
ジェニファー・ギルバート(Vn)*
フランソワ・デュモン(P)
レナード・スラットキン(指)
リヨン国立O

録音:2012年11月27日*、2015年6月10-13日
レナード・スラットキンが取り組む「ラヴェル:管弦楽作品集」シリーズ第6集には、待望の2曲のピアノ協奏曲と 「ツィガーヌ」を収録。ジャズ風のリズムが多用された「ピアノ協奏曲ト長調」は冒頭から活力ある響きに満たされて おり、悠々と流れるオーケストラをバックにピアノが華麗な演奏を繰り広げます。戦争で右手を失ったヴィトゲンシュ タインのために作曲された「左手のためのピアノ協奏曲」は超絶技巧が駆使された作品で、こちらもパーカッション が重要な働きを見せる多彩な響きが特徴です。 ソロを務めるデュモンは1985年生まれの気鋭のピアニスト。パリ音楽院でブルーノ・リグットに師事、数々のコン クールで受賞歴を持つ名手です。オリエンタルな風情を持つ「ツィガーヌ」でヴァイオリンを演奏するのは来日経験 もある女性ヴァイオリニスト、ジェニファー・ギルバート。迫力ある音色が魅力的です。スラットキンの生き生きとした 演奏が作品に花を添えています。
8.573582
ヴォルフ=フェラーリ:序曲と間奏曲全集
歌劇「せんさく好きな女たち」序曲
歌劇「四人の田舎者」前奏曲
歌劇「四人の田舎者」間奏曲
歌劇「スザンナの秘密」序曲
歌劇「マドンナの宝石」〜 第3幕 フェスタ・ポポラーレ/ 第3幕 間奏曲 I/第2幕 セレナータ/第3幕 ナポリの踊り
歌劇「恋する医者」序曲
歌劇「恋する医者」間奏曲
歌劇「愚かな女」序曲
歌劇「イル・カンピエッロ」)〜前奏曲/ 間奏曲/ リトルネッロ
イングリ・エリーゼ・エンゲランド(フルート・ソロ)
フランク・ミヒャエル=グートマン(Vc)
オビエド・フィラルモニア
フリードリヒ・ハイダー(指)

録音:2010年8月30-31日、2010年9月1-3日、2006年5月12-14日、2009年10月28-31日
歌劇間奏曲集や、ポール・モーリアの編曲版でも知られる歌劇「マドンナの宝石」の間奏曲。この甘く切ない旋律は多くの人の心を捉えました。この 曲を書いたヴォルフ=フェラーリはヴェネツィアで生まれ、喜歌劇の分野で大成功した作曲家で、近年になって次々と他の作品も上演されるようになっ てきました。どの曲も美しい旋律に満たされており、彼の生前における高い人気がうかがえます。 15作以上の歌劇、喜歌劇を書いたヴォルフ=フェラーリですが、一般的な序曲のように、歌劇内に登場する名旋律が次々に現れるメドレーのような 形式を好みませんでした。そのため序曲なしの作品も多く、このアルバムに収録された序曲と間奏曲で全てとなっています。すでにNAXOSで歌劇「マ ドンナの宝石」(8.660386)や「スザンナの秘密」(8.660385)の全曲録音をリリースしているフリードリヒ・ハイダーの指揮でお楽しみください。
8.573583
ヴォルフ=フェラーリ:ヴェネツィア組曲他
ヴェネツィア組曲 Op. 18(1935)
三部作 ホ長調 Op. 19(1936)
ディヴェルティメント ニ長調 Op. 20(1936)
アラベスク ホ短調 Op. 22(1937)
オビエド・フィラルモニア
フリードリヒ・ハイダー(指)

録音:2008年10月13-15日、2008年10月14-16日、2009年5月27-29日、2006年6月1-2日
「マドンナの宝石」や「せんさく好きな女たち」など、18世紀ヴェネツィア文化を20世紀に反映した歌劇作品で知られるヴォルフ=フェラーリ。とりわけポール・ モーリアの編曲版でも知られる歌劇『マドンナの宝石』の間奏曲はその甘く美しい旋律で多くの人々の心をとらえています。 このアルバムに収録された管弦楽作品はヴォルフ=フェラーリの晩年の作品で、初期の歌劇とはまた異なる表現方法が魅力的。冒頭に置かれた「ヴェネツィ ア組曲」の憂愁に満ちた佇まいから、遊び心たっぷりの「ディヴェルティメント」、瞑想的でありながら強い情熱を秘めた「三部作」が並びます。また、彼の旧友 でヴェネツィアの画家エットーレ・ティート(1859-1941)を念頭に置いて書かれた「アラベスク」では「ティートの主題」と呼ばれるシンプルな旋律が、力強い フーガを頂点とする見事な変奏曲として展開していきます。オペラ指揮者として名高いフリードリヒ・ハイダーは2003年からヴォルフ=フェラーリの研究に多くの 時間を充てています。
8.573596
デュティユー:交響曲第2番「ル・ドゥーブル」他
交響曲 第2番「ル・ドゥーブル」(1957頃-1959)
音色、空間、運動(星月夜に基づく)
瞬間の神秘(1989)-24の弦楽器,ツィンバロン,パーカッションのための(1989)
フランソワーズ・リヴァラン(ツィンバロン)
リール国立O
ダレル・アン(指)

録音:2015年9月2-7日、2016年3月24.25日
フランスの「六人組」の次世代を担う作曲家の一人、デュティユー。近代フランス音楽の伝統を引き継ぎながら、独自の感性を取り入 れた精緻な作品を書く人で、その作品は、彼自身の完璧主義も相俟ってか、細部まで計算され尽くされた形式に則りながらも、叙情 的で詩的な雰囲気を備えています。父方の曽祖父が高名な画家であったこともあり、いくつかの作品には、絵画からの影響も見られま す。このアルバムは若手指揮者ダレル・アンによる3曲が収録されており、「2つの」「分身」を意味するタイトルを持つ交響曲第2番「ル・ ドゥーブル」は、大管弦楽と、12人の奏者による小管弦楽、2つのアンサンブルの相互作用から生まれる音の対話と発展を体感する作 品です。「音色、空間、運動」はゴッホの「星月夜」から受けた印象が基になっており、うごめくような雲の流れや、星の輝きが多彩な響 きに置き換えられています。「瞬間の神秘」は、更に多彩な楽器を駆使し、色彩豊かな音色と響きに彩られた作品です。

8.573603
レオ・ブローウェル:二台ギターのための協奏曲集
ブローウェル:The Book of Signs 徴の書(2003)
ベッリナーティ(1950-):Concerto Caboclo カボクロ協奏曲(2011)
2台のギターとオーケストラのための
ブラジル・ギター・デュオ
「メンバー」
ホアン・ルイス
ダグラス・ローラ
デヴィッド・アマード(指)
デラウェアSO

録音:2016年2月28日 Geipel Center, Sanford School, Hockessin, DE, USA
2016年10月5-6日 Hagley Museum and Library, Soda House
※世界初録音
キューバを代表するギター音楽の作曲家ブローウェル。彼は独奏作品だけでなく、多くのギターのための協奏曲を作曲しています。10 番目の協奏曲である「徴の書」は2台のギターのために書かれており、これはブローウェルにとって初の「二重協奏曲」となりました。楽 章は全て変奏曲形式で構成され、第1楽章はベートーヴェンの主題を元にした変奏曲ですが、旋律もオーケストラ・パートの響きも 全てが複雑で、現代的な様相を帯びています。第2楽章はビートルズの名曲を主題としたロマンテックな音楽で始まります。 第3楽章はキューバの舞曲に由来した喜びに満ちた楽想を持つ快活な楽章です。 ブローウェルより少し後の世代のベッリナーティの作品は、サンパウロSOの委嘱により作曲され、2011年に初演された新作。 即興的なメロディとブラジルの伝統的な舞曲が融合した華やかな曲です。どちらも世界初録音となります。
8.573609
ピエルネ:ラムンチョ&シダリーズと牧羊神
劇付随音楽『ラムンチョ』第1組曲/第2組曲
バレエ音楽『シダリーズと牧羊神』第1組曲(抜粋)/第2組曲
リール国立O
ダレル・アン(指)

録音:2015年10月6-8日
フランス印象主義時代の作曲家、ピエルネ。パリ音楽院でマスネに作曲を、オルガンをフランクに学びました。19歳の時 にカンタータ『エディト』でローマ賞を受賞、以降、コロンヌOの指揮者、サント・クロチルド教会のオルガニストとしても活躍しながら、歌劇をはじ めとした多くのジャンルに作品を残しています。 このアルバムに収録された『ラムンチョ』は1908年に初演された劇付随音楽。"バスクの民謡による"という副題が付されており、組曲の中には「ファンダ ンゴ」や「バスク狂詩曲」といった民族的要素の強い曲も含まれています。バレエ音楽『シダリーズと牧羊神』はピエルネを代表する作品の一つ。1923 年にパリ・歌劇座で初演され、その後、演奏会用組曲として再編されています。18世紀を舞台にした物語には、古代ギリシャの旋法とバロック音楽 のパロディ要素が融合されており、その洗練された音楽は新古典主義のパレエ作品の中でも群を抜く仕上がりとなっています。
8.573616
エネスコ:ピアノ三重奏曲 イ短調
ピアノ四重奏曲第1番
ピアノ三重奏曲 イ短調(1916)
ピアノ四重奏曲第1番ニ長調 Op. 16(1909)
ステファン・タララ(Vn)
ホン・ユンソン(Vc)
ホス・デ・ソラウン(P)
モリー・カー(Va)

録音:2017年1月15-20日
ルーマニアの作曲家ジョルジェ・エネスコ。優れたヴァイオリニストとして活躍する傍ら、数多くの作品を書 き上げました。なかでも室内楽曲には優れたものが多く、ブラームスやワーグナー、そしてフランスで学ん だフォーレの影響が感じられる初期の作品は、達者な筆致による流麗なものが多くみられます。このア ルバムには1909年に書かれたピアノ四重奏曲第1番と、1916年に作曲されながら1965年まで知ら れることのなかったピアノ三重奏曲を収録。この2曲における7年の作曲年代のひらきは、そのままエネ スクの成熟度合を示すものであり、シンプルな様式で書かれたピアノ四重奏曲に比べ、コンパクトであり ながらもより複雑なスタイルを持つピアノ三重奏曲からは、エネスコが若い頃より慎重に作品を練り上 げていた様子がうかがわれ、また第1次世界大戦などの不安な世情も感じ取れます。
8.573619
金管七重奏のための音楽集 第5集
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」組曲(M.ナイト編曲)
 亡き王女のためのパヴァーヌ(M.ナイト編曲)
 3つのシャンソン(S.コックス編曲)
フォーレ:歌曲より(M.ナイト編曲)
 夢のあとに Op.7-1/蝶と花 Op.1-1
 秘密 Op.23-3/秋 Op.18-3
 夢の国 Op.39-2
 イスパハーンのばら Op.39-4
ドビュッシー:前奏曲集 第1集より(S.コックス編曲)
 雪の上の足跡
 亜麻色の髪の乙女
 ミンストレル
前奏曲集 第2集より(S.コックス編曲)
 奇人ラヴィーヌ将軍
 ヒースの荒野
前奏曲集 第1集より(S.コックス編曲)
 沈める寺
セプトゥーラ
[フィリップ・コブ(B♭管Tp)
サイモン・コックス(B♭管Tp)
ヒュー・モーガン(E♭管Tp)
マシュー・ギー(Tb)
マシュー・ナイト(Tb)
ダニエル・ウェスト(バスTb)
ピーター・スミス(Tub)]

録音:2015年11月16-18日
人気の金管アンサンブル「セプトゥーラ」のアルバム第5集は、20世紀初頭のフランス音楽集。この時代、管楽器の独奏曲は数多く 書かれましたが、室内楽としての作品はほとんどありません。そこで「セプトゥーラ」のメンバーたちは、ラヴェル、フォーレ、ドビュッシーの作 品を巧みに編曲し、実に豊かな音色で楽しませてくれます。「マ・メール・ロワ」のオーケストラ版とも違う精緻な響き、トランペットやトロ ンボーンが縦横無尽の活躍を見せるフォーレの一連の歌曲、ピアノのために書かれた「前奏曲」が華麗な響きを纏うドビュッシー作 品。どれも誰もが知っている原曲とは全く違う香りを放っています。
8.573627
コジェルフ:交響曲集
交響曲 イ長調 PosK I:7
交響曲 ハ長調 PosK I:6
交響曲 ニ長調 PosK I:3
交響曲 ト短調 PosK I:5
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2016年2月26-29日
ボヘミア出身、教師の父親を持ち、幼い頃から音楽を学んだコジェルフ。一度は法学を学ぶも、最終的には音楽家を志し、1771年、 24歳の時にバレエ曲の上演で作曲家デビューを果たしました。この当時、ボヘミアの音楽家にとってウィーンは憧れの場所であり、コジェ ルフもウィーンでの活躍の機会を覗っていましたが、プラハ国立劇場と契約があり、7年間はこの地に留まり25曲の作品を創り上げま す。そして1778年にウィーンに行き、ここで名ピアニストとして名をあげ、数多くのソナタを書き上げました(これらはGrand Pianoレー ベルで全集録音が進行中です)。また、求められるままに交響曲、室内楽曲、宗教曲など膨大な作品を書き上げたのですが、それら のほとんどが忘れられてしまったのは、あまりにも多作だったため、批評家から「作品の質が悪い」と酷評されたことも一因だといわれていま す。とは言え、同時期のヴァンハルだけでなく、初期ロマン派の作曲家たちにも影響を与えるほどに、強い求心力を備えた彼の作品は、 現代においても魅力的に響きます。
8.573632
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993):ピアノ作品集 第2集
即興曲集第1番- 第10番
ヴァルサ集第1番- 第10番
モメント集第1番- 第10番
マックス・バロス(P)

録音:2016年6月、7月、2021年12月、2022年2月
ブラジルの作曲家グァルニエリの父はイタリア系の移民で音楽を愛し、子供たちにはモーツァルト、ロッシーニ、ベッ リーニ、ヴェルディと名付けました。カマルゴ・グァルニエリの本名はモザルト(モーツァルト)で、母親から手ほどきを 受けたピアノ演奏と作曲で早熟の天才ぶりを発揮し、後にはヴィラ=ロボスに次ぐ世代の作曲家として活躍しま したが、モーツァルトの名前は恐れ多いと感じたのか、Mozartの代りにM.とだけ書き、母の旧姓カマルゴをもらっ て筆名としました。 リリー・ブーランジェに師事し、ヨーロッパ音楽の最先端に触れた彼ですが、自分の音楽はブラジルに根差したも のであるべきと考えていたようです。このアルバムに収められたのは「インプロヴィーゾ(即興)」「モメント(瞬間、少 しの間)」「ヴァルサ(ブラジル風ワルツ)」と名付けられた小品で、インプロヴィーゾやモメントは2分前後の曲が多 く、ヴァルサは少し長くて3,4分程度。バーで弾かれていても似合いそうな、メロディアスで哀愁の陰りを帯びた曲 調が魅力です。ナザレーの曲に通じるブラジル的な情緒を感じる人も多いでしょう。インプロヴィーゾ第2番はヴィ ラ=ロボス、モメント第7番はエンリキ・オズワルドに捧げられています。演奏はカリフォルニアで生まれ、ブラジルで 育ったピアニスト、マックス・バロス。サンパウロ音楽批評家協会のメンバーとして、ブラジル音楽の紹介に努めて います。
8.573633
アレンスキー(1861-1906):バレエ音楽『エジプトの夜』 Op. 50(1900) アレクサンドル・アヴラメンコ(Vn)
ウラディーミル・コルパシニコフ(Vc)
モスクワSO
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)

録音:1996年3月
モスフィルム・スタジオ、モスクワ(ロシア)
※MARCOPOLO 8.225028からのレーベル移行盤
作曲をリムスキー=コルサコフに師事し、優秀な成績でペテルブルク音楽院を卒業。その翌年からモ スクワ音楽院の作曲科の講師を務め、1889年には教授に昇進、ラフマニノフやスクリャービン、グレ チャニノフらを教えるなど、ロシア音楽の歴史の上で重要な役割を担ったアレンスキー。45歳に満たな い生涯でありながら、250曲ほどの作品を残したことでも知られています。 このバレエ音楽『エジプトの夜』は、クレオパトラを巡る愛のかけ引きが描かれた作品で、チャイコフス キーを思わせる豊かな和声と、官能的な旋律が印象的です。1908年にミハイル・フォーキンの振付 によってマリインスキー劇場で初演され、その翌年にはディアギレフによって、他の作曲家の作品も併 せた『クレオパトラ』に改編され、現在でも広く愛好されています。
8.573645
ライタ(1892-1963):管弦楽作品集 第3集
交響曲 第4番「春」Op.52
組曲 第2番 Op.38
交響曲 第3番 Op.45
ペーチSO
ニコラ・パスケ(指)

録音:1995年9月
以前Marco Poloレーベルで発売され、好評を得ていたハンガリーの近代作曲家、ライタの作品集。ブダペストで生まれ、若い頃はライ プツィヒ、ジュネーヴ、パリで学びヨーロッパの音楽文化を身につけた人ですが、ハンガリーの民族音楽を研究するために、第二次世界大 戦が勃発するまではハンガリーに留まり、この地における音楽の発展に寄与しました。彼は生涯に9曲の交響曲を書き、そのどれもが魅 力的な作風を持っています。この第3番は、一時的にロンドンに赴いた1947年から48年にかけて作曲された作品で、同じ頃に作曲し た映画「大聖堂の殺人」のサントラから素材が使われています。交響曲第4番は、ハンガリーの音楽的イディオムを用いた作品で、最終 楽章の賑やかで明るい旋律が、タイトルの「春」の由来となっています。「第2組曲」は本来、神話時代のアテネを舞台にしたバレエ音 楽となるはずでしたが、結局振付が施されず、音楽だけが残りました。快活で描写的な作品です。
8.573649
ライタ(1892-1963):バレエ組曲「カプリッチョ」Op.39 ニコラ・パスケ(指)
ペーチSO

録音:1994年5月
※MARCO POLO 8.223668 移行盤
ハンガリーにおける20世紀前半の最大の作曲家の一人、ラースロー・ライタ。第二次世界大戦終了後にハンガリー放送の音楽監 督になったライタは、暗い世相の中でも常に明るく輝かしい作品を作り人々の精神を高揚させました。愛国心漲る一連の交響曲で 知られますが、舞台作品でも成功を収めています。この「カプリッチョ」はライタが愛した18世紀の劇場を想定した作品で、台本はフラ ンスの作家、フランソワ・ガショーの台本を元に、舞台にはアルルカンやカプタンが登場、風刺の効いたストーリーが展開されます。パリ の六人組を想起させる機転に溢れる音楽です。
8.573652
アレクサンドル・モイゼス(1906-1984):交響曲第5番ヘ長調 Op.39
交響曲第6番ホ長調 Op.44
ラディスラフ・スロヴァーク(指)
スロヴァキアRSO

録音:1994年11月28日-12月1日
ブラティスラヴァ スロヴァーク放送、コンサート・ホール
※MARCO POLO 8.225090からの移行盤
スロヴァキア生まれのモイゼス。1929年にブラティスラヴァ音楽アカデミー(スロヴァキア音楽演劇学校)の教授に就任、数 多くの後進を育てました。また、一時期はスロヴァキア国内の国策ラジオ局、スロヴァキア放送企業体有限責任会社の音 楽ディレクターも務め、この国の音楽発展に力を尽くした人です。エウゲン・スホニュ、ヤーン・ツィケルとともに20世紀のスロ ヴァキア音楽の重要な作曲家とみなされており、民族音楽を取り入れた彼の作品は、近年評価が高まっています。このア ルバムには交響曲第5番と第6番を収録。1947年から48年に書かれた第5番は「親愛なる父親の遺産による」という副 題がつけられており、モイゼスに音楽の手ほどきをした父、ミクラーシュへの賛辞が込められています。第6番は1951年の 作品。「ピアノのためのコンチェルティーノ」として構想されていたいくつかの主題を発展させた明快な交響曲です。
8.573654
モイゼス(1906-1984):交響曲第9番ほか
交響曲第9番Op.69
交響曲第10番Op.77
ラディスラフ・スロヴァーク(指)
スロヴァキアRSO

録音:1995年6月26-30日
スロバーク放送コンサート・ホール、ブラティスラヴァ
※MARCOPOLO 8.225092からの移行盤
スロヴァキアの作曲家モイゼスの交響曲第9番と第10番。スロヴァキアの伝統とヨーロッパのトレンドを巧みに融合した 彼の作品はどれも耳なじみが良く、また時に斬新な響きにおおわれています。 1971年に初演された交響曲第9番は暗くて劇的な雰囲気を持ち、これは当時ソビエトが彼の祖国を侵略していた ことから、時代に対する絶望が表現された作品と言われています。この曲とは対照的に、冒頭こそ激しくとも、全体的 に穏やかな作風を持つ第10番は、政治色が一切排除されており、内面の平和と古典的な様式が追求された交響 曲です。曲の中心をなすのは第3楽章のラルゲットであり、この牧歌的な響きに彼の心情の全てが集約されているか のようです。
8.573655
モイゼス(1906-1984):交響曲第11番&第12番
交響曲第11番Op.79(1978)
交響曲第12番Op.83(1983)*
ラディスラフ・スロヴァーク(指)
スロヴァークRSO

録音:1995年11月27日-12月1日、1993年9月27-30日*
※MARCO POLO 8.225093からの移行盤
現代スロヴァキアの音楽界で最も重要な人物の一人とされるアレクサンダー・モイゼス。彼の一連の作品はどれも故 郷スロヴァキア民謡からインスピレーションを受けています。このアルバムには交響曲第11番と第12番を収録。晩年 のモイゼスによる熟練の手法が冴える充実した作品を楽しむことができます。1978年に作曲された第11番は、オン ドレイ・レナールトが指揮するスロヴァキアRSOが初演。混沌とした序奏部分と、ここから現れる決然とした 動機が様々に形を変えていく発展的な第1楽章が印象的です。他の楽章はどれも洗練された作風に拠って書かれ ており、モイゼスの巧みな作曲技法が映える作品です。1983年に作曲された第12番はモイゼスの最後の管弦楽 作品であり、彼の「音楽的自叙伝」となるものです。シンプルな構造で書かれていますが、ストレートな表現はモイゼ スの思いを余すことなく伝えています。
8.573674
メキシコのギター音楽
エルネスト・ヘルナンデス・ルナゴメス(1974-):シエナ、アンドリュー・ヨークへのオマージュ(C.ペレラに捧げる)
フリオ・セサール・オリバ(1947-):ユカタンの印象(C.ペレラに捧げる)
伝承:ラ・イロロナ(J.C.オリバ編)
ホルヘ・リッター(1957-):3つの小品
ペレラ(1983-):マリーナ
オリバ:ソナタ・パラ-時の終わり(C.ペレラに捧げる)
アルフレード・タマヨ(1880-1957):Sueno 夢(狂った心を夢見ていた)(C.ペレラ編)
カトバート・コルドバ(1963-):マビ
ファン・エルゲラ(1933-):ポートレート
ヘラルド・タメス(1948-):アイレス・ド・ソン
セシリオ・ペレラ(G)

録音:2017年1月19-21日
常に進化を遂げる現代のメキシコにおけるギター音楽シーン。この国では作曲家=ギタリストたちの交流が活発であり、彼らは新しい レパートリーの探求に熱心に取り組み、メキシコの伝統音楽をベースに刺激的で複雑なリズムと技術を融合させた生命力に満ちた 新作を次々と生み出しています。このアルバムで紹介されているのはどれも最近の作品。現代的な表情を持つ曲や、ポンセを思わせ る抒情的な曲まで多彩な作品が並びますが、この中の何曲かは演奏者ペレラのために書かれており、作曲家同志の結束の強さも 伺えます。ペレラ自身が作曲したロマンティックな作品も聴きものです。
8.573675
ドメニコーニ(1943-):ギター作品集
ドメニコーニ:「コユンババ」組曲 Op.19(1985)
 イスタンブールの雪 Op.51a(1991)
 融ける雪 Op.51b(1991)
ヴェイセル(1894-1973):Uzun Ince bir Yoldaym 長く細い道(アナトリア半島の民謡を主題とする…レフィク=カヤ編)
ェリル・レフィク=カヤ(1991-):makam Huseyniによるインプロヴィゼーション(タクシム広場)
ドメニコーニ:アナトリア半島の民謡による変奏曲 Op.15(1982)
タクシム Op.106(2002)
日本民謡による変奏曲 Op.50d(1990)
「ドン・キホーテ」組曲 Op.123(2005)
チェリル・レフィク=カヤ(G)

録音:2016年11月3-5日
イタリアのチェゼーナで生まれ、国際的なギタリストとして活躍しているドメニコーニの作品集。最初はペーザロのロッシーニ音楽院で学 び、その後ドイツに留学して音楽を習得したドメニコーニですが、旅行先のトルコでこの地の音楽と文化に魅了され、イスタンブール国 立音楽院にクラシック・ギター科を創設、トルコのギター音楽発展に寄与しています。彼の代表作の一つ「コユンババ」は13世紀トル コの聖人の名前(他の説もあり)を持つ独特の調弦法を用いた作品で、名手ジョン・ウィリアムズも絶賛しています。他にも様々な 作品が収録されていますが、トラック11は日本の「現代ギター」社からの委嘱作品。ヨーロッパの感性を通した日本民謡です。1991 年生まれの若手レフィク=カヤによる演奏です。
8.573680
グレインジャー:吹奏楽のための作品全集 第2集
グレインジャー:行進曲「ヴィクトリア州の人々」
 カントリー・デリーから「アイリッシュの調べ」
 メリーの王様*
 子供たちの行進曲(“丘を越えて”と“遠くへ”)
 植民地の歌
C.P.E.バッハ:行進曲(グレインジャー編)
“朗らかな鐘”自由な騒音(バッハより)
バッハ:われは善き羊飼いなり BWV85より「見よ、愛の行うことを」(グレインジャー編)
ジョスカン・デ・プレ(1455-1521):ラ・ベルナルディナ(グレインジャー編)
フェッラボスコ2世(1575頃-1628):4つの音のパヴァン(グレインジャー編)
ヘルマン・サンドビー(1881-1965):間奏曲(グレインジャー編)…世界初録音
カントリー・デリーから「アイリッシュの調べ」(第2稿)#
リスト:ハンガリー幻想曲(グレインジャー編)*
ヨアヒム・カー(P)*
ハンス・クヌート・スヴェーン(Org)#
ビャルテ・エンゲセト(指)
王立ノルウェー海軍バンド

録音:2014年11月17-21日、2015年4月20-24日、2016年1月25-29日
メルボルンで生まれたグレインジャーは、まずフランクルトでピアノと作曲を学び、若い頃からコンサート・ピアニストとして演奏旅行を繰り 返していました。彼は若い頃から吹奏楽に興味を抱いており、1901年にイギリスを訪れた時にはBoosey&Hawkes社に行き、お 気に入りの楽器を持ち帰っています。1914年にはアメリカ軍のバンドマンとして2年間働き、その後も吹奏楽のための作品を何曲も 書きました。彼は作品に数多くのアイデアを盛り込むことで知られており、このアルバムに収録された作品の中では、バッハの作品を編 曲した“朗らかな鐘”(トラック7)での打楽器やファゴットのメロディなど、飛びぬけた自由さを誇っています。
8.573688
ツェルニー:ピアノ協奏曲 ニ短調 他
序奏と華麗なるロンド 変ロ長調 OP.233(1833頃)
第1ピアノ協奏曲 ニ短調(1811-1812)…世界初録音
ウェーバーの歌劇「オイリアンテ」の猟師の合唱による序奏、変奏とロンドOp.60(1824)…世界初録音
ローズマリー・タック(P)
リチャード・ボニング(指)
イギリス室内O

録音:2016年12月14-16日
「ベートーヴェンの弟子」もしくは「うんざりするような練習曲の作曲家」として知られるツェルニーですが、19世紀のウィーンでは「極めて ファッショナブルな作品」を書く人であり、「出現したばかりの新しいピアノ」の技術を開発する最先端の人でもありました。当時、ピアノ 教師と医師の割合が3対1であったウィーンで高い名声を得るのは本当に名誉なことでした。しかしツェルニー本人は本質的に控え目 であり、自己宣伝や派手なパフォーマンスを行うことはなく、ひたすら「尊敬するベートーヴェンの作品を演奏する」ために生きていたの でした。このアルバムではツェルニーが20歳の頃に作曲した最初の「ピアノ協奏曲」(世界初録音)と2曲のロンドを収録。ベートー ヴェンの影響が強く感じられるピアノ協奏曲は、随所で聴かれるトランペットのファンファーレなど高いドラマ性を有した曲です。華やかな ロンドはツェルニーの持つ高度な技巧が余すことなく用いられています。
8.573692
イギリスのギター音楽集 第2集
ジョン・ダウランド:ジョン・ラングトン氏のパヴァーヌ P. 14(1604以前) (G.A. デヴァインによるギター編)…世界初録音
ブリテン:ダウランドによるノクターナル- 「来たれ、深き眠りよ」によるリフレクション Op. 70(1963)
ジョン・ラター(1945-):古風な前奏曲(1980)
ラター:ロンド・カプリース(1976)
シリル・スコット(1879-1970):ギター・ソナチネ(1927)(J. ブリーム校訂)…世界初録音
ニコラス・モー(1935-2009):ミュージック・オブ・メモリー(1989)
グレアム・アンソニー・デヴァイン(G)

録音:2014年9月6,7日、2014年9月12日
イギリス出身の世界的ギタリスト、ジュリアン・ブリーム(1933-2020)は,ギター音楽の中心的なレパートリーを 占めるスペイン音楽だけではなく、自国の作品を積極的に演奏しました。その中にはイギリス・ルネサンス期の音 楽や、彼と同時代の作曲家たちに委嘱した多くの作品が含まれています。現代イギリスにおける名ギター奏者 グレアム・アンソニー・デヴァインはこれらの作品を21世紀に紹介することで、改めてブリームの偉大さを称えてい ます。ウォルトンやロースソーン、バークリー:作品などが収録された第1集に続く第2集では、自らリュートも演奏し たというブリームが愛奏したダウランド作品をはじめ、ブリームの依頼で書かれたブリテンによる名作「ダウランドによ る夜想曲」、現代イギリスを代表する作曲家ジョン・ラターの2作品と、世界初録音となるブリームが校訂したシ リル・スコットのソナチネ、そしてニコラス・モーの大作「ミュージック・オブ・メモリー」が演奏されています。
8.573693
パロモ(1938-):アラベスコス、他
アラベスコス(2015)
カリビアーナ(2014)
フモレスカ(2015)
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)
ホアキン・クレメンテ(Cb)
ヘスス・ロペス=コボス(指)
カスティーリャ&レオンSO

録音:2016年5月14-19日
※世界初録音
現代のスペインで最も高名な作曲家の一人、ロレンソ・パロモの作品集。すでにリリースされた「シンフォニア・コルドバ/フルゴレス」 (8.573326)とともに、名指揮者ヘスス・ロペス=コボスの晩年の録音です。このアルバムには、全て世界初録音となる3作品を収 録。ヴァイオリン協奏曲の形式による、コルドバの街に溶け込む唐草模様(アラベスク)から想起された「アラベスコス」、ダンス音楽とし て作られた「カリビアーナ」、コントラバスとオーケストラのための「フモレスカ」。どれも充実したリズムと洗練された旋律を持つ情熱的な作 品です。
8.573694
オッフェンバック:序曲集
喜歌劇「地獄のオルフェ」序曲
 (C.ビンダー&J.G.ブッシュによる管弦楽編)(1860)
喜歌劇「鼓手隊長の娘」序曲(1879)
喜歌劇「テュリパタン島」序曲(1868)
喜歌劇「ドニ夫妻」序曲(1862)
喜歌劇「美しきエレーヌ」序曲(1864)
喜歌劇「ヴェル=ヴェル「カカドゥ」」序曲(F.ホフマンによる管弦楽編)(1869)
喜歌劇「パリの生活」序曲(1865)
喜歌劇「ジェロルスタン女大公殿下」序曲(1867)
管弦楽のための大序曲(1843)
ダレル・アン(指)リール国立O

録音:2016年3月22-25日
数多くの喜歌劇=オペレッタで知られるオッフェンバック。このアルバムでは気鋭の指揮者ダレル・アンの指揮で楽しい序曲をお楽しみ いただけます。最後に置かれた1843年作曲の「大序曲」はオッフェンバック24歳の作品。当時パリのサロンでチェリストとして活躍して いた彼ですが、この頃から少しずつオペレッタの作曲をはじめています。第1曲目の「地獄のオルフェ」はおなじみの名曲。日本では初 演時の「天国と地獄」のタイトルで知られる、ギリシャ神話のオルペウスの悲劇が元になった風刺劇。ダレル・アンは快適なテンポでぐい ぐい曲を進めます。華やかなカンカンの場面では思わず胸が躍ることでしょう。他の曲も古典作品や、世相のパロディであり、これは当 時の聴衆が大絶賛しただけでなく、現代にも通じる面白さを備えています。

8.573705
リスト:ピアノ曲全集 第49集〜舞曲集
忘れられたワルツ 第1番
忘れられたワルツ 第2番
.忘れられたワルツ 第3番
忘れられたワルツ 第4番
2つのチャールダッシュ
死のチャールダッシュ S224/R46
フィスト=ポルカ S217/R39
麗なマズルカ S221/R43
憂鬱なワルツ S214/2/R33b
即興ワルツ S213/R36
華麗なワルツ S214/1/R32B
演奏会用ワルツ S430/R263
半音階的大ギャロップ S219bis
半音階的大ギャロップ S219/R41
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2017年2月25-26日
リストと言えば「ハンガリーの作曲家」のイメージがありますが、実際には両親はドイツ系の移民であり、本人もハンガリー語を話すこと は出来ませんでした。しかしリスト自身は「ハンガリー人としてのアイデンティティ」を生涯大切にしていました。 波乱万丈の生涯を送ったリストでしたが、年を取るに従って健康が悪化、その上、自身の祖国と認識していたハンガリーからも拒絶さ れるなど最晩年は決して幸せなものではなかったようです。しかし作品には自由度が増し、晩年の「忘れられたワルツ」やいくつかの チャールダッシュなどは、調性からも脱却、現代にもつながる前衛性を備えていることで知られています。ここで一連の作品を演奏して いるのは、リスト作品で高く評価されているクロアチアのピアニスト、ゴラン・フィリペツ。鮮やかな技巧で難曲を弾きこなしています。
8.573706
ルイーズ・ファランク(1804-1875):交響曲集
交響曲 第2番 ニ長調 Op.35(1845)
交響曲 第3番 ト短調 Op.36(1847)
クリストフ・ケーニヒ(指)
ルクセンブルク・ソロイスツ・ヨーロッパ

録音:ルクセンブルク,フィルハーモニー
2016年3月2日、2017年3月1日…1-4
現代と違い、女性の音楽活動が制限されていた19世紀において、パリ音楽院の初代女性ピアノ科教授に就任し、多大な尊敬を 集めたのがルイーズ・ファランクです。 彼女は幼い頃からピアニストとして活躍するかたわら、パリ音楽院でレイハに作曲と音楽理論を師事、フルート奏者のアリスティドと結 婚した後に、最初の管弦楽曲を発表。シューマンに絶賛されるなど、その名はヨーロッパの楽壇で知られることになりました。ロマン派 の時代に属するファランクの作品は、交響曲第2番こそ、フンメルやモーツァルトの作風を発展させた古典的な曲調ですが、交響曲 第3番にはメンデルスゾーンやシューマンを思わせる先進性も感じられます。しかし、この曲は当時フランスで流行していたベートーヴェ ンの交響曲第5番との類似性が指摘されたため、人気を獲得することなく忘れられてしまいました。しかし、現代ならば彼女の優れた 個性を聴きとることが可能です。
8.573709
リスト:ピアノ作品全集 第45集
12の大練習曲集 S137/R2a(1837)
(超絶技巧練習曲 第2稿)
ジン・ウェンビン(P)

録音:2015年6月9-12日
難曲として知られるリストの「超絶技巧練習曲」。タイトルからして“難しいぞ”と断言しているこの曲集、実は「パガニーニ練習曲」のよう にいくつかのヴァージョンが存在します。通常耳にすることが多いのは第3稿と呼ばれるもので、こちらは改訂を重ねた最終形態でリスト 41歳の時に出版されています。実は、リストが最初にこの練習曲の構想を立てたのは15歳の時。「すべての調性のための48曲の練習 曲」として着想されるも、結局は12曲だけが作られ出版にいたりました。その11年後に再チャレンジしたのが、今回収録された第2稿に あたる曲集です。有名なマゼッパ(第4番)には、まだタイトルは付けられていませんし、何より、実際に演奏されることよりも、彼の理想と するピアニズムを追求することが目的であるため、演奏者には無理な要求がなされている部分が多く、一部の曲についてはシューマンが 「嵐、恐怖の練習曲で、リスト自身ですら演奏できないのではないか」と呼ぶほどに、演奏困難な曲集なのです。とは言え、中国人ピア ニスト、ジン・ウェンビンはいとも容易く弾きこなしているように聞こえます。
8.573713
ドメニコ・スカルラッティ:ピアノ・ソナタ全集 第22集
ピアノ・ソナタ ヘ短調 K204b/L_/P255
ピアノ・ソナタ ヘ長調 K367/L172/P453
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K248/LS35/P187
ピアノ・ソナタ 変ロ短調 K131/L300/P154
ピアノ・ソナタ ト長調 K338/L87/P400
ピアノ・ソナタ イ長調 K285/L91/P321
ピアノ・ソナタ ト短調 K97/L_/P5
ピアノ・ソナタ ト長調 K305/L322/P397
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K228/L399/P224
ピアノ・ソナタ ヘ短調 K204a/P170
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K154/L96/P183
ピアノ・ソナタ ニ長調 K352/LS13/P343
ピアノ・ソナタ イ長調 K300/L92/P312
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K267/L434/P363
ピアノ・ソナタ イ長調 K83/LS31/P31
ピアノ・ソナタ ニ長調 K178/L162/P392
ピアノ・ソナタ イ長調 K321/L258/P450
ピアノ・ソナタ ハ短調 K56/L356/P50
エイラム・ケシェト(P)

録音:2016年6月9-11日
ドメニコ・スカルラッティが生涯に渡って残した555曲のソナタは、どれもスペイン女王マリア・バルバラのために書かれて います。マリアが生まれてすぐに、彼女の父で音楽愛好家であったポルトガル王ジョアン5世はスカルラッティを音楽教 師として雇い入れ、スカルラッティは幼い王女マリアのために練習曲を書き続け、その子弟関係はマリアがスペイン王 フェルナンド6世と結婚しても途切れることがありませんでした。初期の作品は幼い王女の練習曲として書かれたた め、技術的な要求は低く抑えられているとされていますが、自筆稿が失われているため、作品の正式な作曲順など はわかっていません。ほとんどが単一楽章で書かれ、1曲ごとに多彩な性格を持つソナタ集。聴き手だけでなく、演奏 者にとっても楽しい曲集です。演奏しているのは1992年イスラエル生まれのピアニスト、エイラム・ケシェト。現在バー ゼルの音楽アカデミーで研鑽を積んでおり、将来を期待される逸材です。
8.573714
リスト:ピアノ曲全集 第52集〜オーベールとヴェルディの歌劇編曲集
オーベールの歌劇「ポルティチの唖娘」によるブラーヴラ風タランテラ S386/R117(第1稿)(1846)
オーベールの歌劇「ポルティチの唖娘」によるブラーヴラ風タランテラ S386/R117(第2稿)(1869)
ヴェルディの歌劇「第1回十字軍のロンバルディア人」:イェルサレムのサルヴェ・マリア S431/R264(第2稿)(1848)
オーベールの歌劇「ポルティチの唖娘」の主題に基づく3つの小品より第1番:序曲-第2番:カヴァティーナ(子守歌)(1847/1848)
ヴェルディの歌劇「エルナーニ」の主題による演奏会用パラフレーズ S431a/R293(1847)
オーベールの歌劇「許婚」よりチロルのメロディー S385a(1829)
オーベールの歌劇「許婚」のチロルの娘による大幻想曲 S385/R116(第1稿)(1829)
オーベールの歌劇「許婚」のチロルの娘による大幻想曲 S385/R116(第3稿)(1842)
ワイイェン・ウォン(P)

録音:2016年6月6-8日、2016年10月4日
リストの華麗な編曲作品の中では比較的地味な存在であるオーベールの主題による一連の作品集。これは作品 自体の出来不出来ではなく、単に原曲自体が現在忘れられてしまったことに由来するのでしょう。 しかし、リストが活躍していた当時は大変人気のあった演目であり、例えば「「ポルティチの唖娘」のタランテラによるブ ラーヴラ風タランテラ 」はリスト自身も気に入っていたのか、第1稿を発表して23年後に改訂版を作るほどの気合が 入っていました(とはいえ、第1稿と第2稿の違いはほとんどありません)。この時代の幻想曲の定型ともいえる「序奏 -主題-変奏」という形式によって書かれ、曲のすみずみまで華麗な超絶技巧が施されたリストらしい曲で、奏者には 高い技術が要求される難曲です。同じ歌劇から主題が採られた「3つの小品」はリストの生前には発表されることが なく、タイトルに3つとありますが、2曲しかないという若干中途半端な作品。しかし完成度は高く、聴きごたえもありま す。 ヴェルディの主題による2つの作品も、同じく技術的には困難さを極めており、当時、これらを完璧に演奏することでリ ストは自らのカリスマ性を高めていました。香港生まれの若き女性ピアニスト、ワイイェイ・ウォンの見事な演奏が曲の 魅力を引き出しています。
8.573722
カラーエフ(1918-1981):交響曲 第1番 ロ短調(1943)
ヴァイオリン協奏曲(1967)
ヤンナ・ガンデルマン(Vn)
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
キエフ・ヴィルトゥオージSO

録音:2016年9月10-15日
20世紀、アゼルバイジャンで活躍した作曲家カラーエフ。表情力豊かな彼の作品は、次世代の作曲家たちにもインスピレーションを 与え、結果的にアゼルバイジャン音楽の発展に大きく寄与することになりました。1943年に作曲された「交響曲第1番」はカラーエフ の代表作の一つ。オーケストラの楽器の性能を存分に生かし、時には荒々しく、時には郷愁に満ちたハーモニーが聞こえるなど、民謡 風のメロディが有機的に発展するエネルギーに満ちた作品です。もう1曲の「ヴァイオリン協奏曲」は1967年の作品。1961年に初め てアメリカを訪れたカラーエフはストラヴィンスキーに出会い、強い影響を受けました。そのため1964年に作曲された「交響曲 第3番」 やこのヴァイオリン協奏曲では打楽器が縦横無尽に活躍するなど、作風が劇的に変化。強烈なヴァイオリンのパッセージ、表現豊か な木管セクションなど至るところに新古典派音楽の作風が強く感じられるモダンな作品になっています。ヤブロンスキーはこれまでにも 交響曲第3番(8.570720)やバレエ音楽(8.573122)の2枚のカラーエフ作品をNAXOSからリリースしています。
8.573734
シャルル・オーギュスト・ド・ベリオ(1802-1870):ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ短調 Op.46
ヴァイオリン協奏曲 第6番 イ長調 Op.70
ヴァイオリン協奏曲 第7番 ト長調 Op.76
エール・ヴァリエ 第4番 Op.5「モンタニャール」
バレエの情景 Op.100
辻 彩奈(Vn)
ミヒャエル・ハラース(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2016年10月31日-11月2日
ベルギーのヴァイオリニスト、作曲家、シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ。彼はフランス・ベルギー(フランコ・ベルギー)楽派の創始者であ り、ロンドンとパリで開催されたコンサートはセンセーショナルな話題を巻き起こすほどにその演奏様式は19世紀の最先端をいくものでし た。1890年にイングランドで創刊された雑誌「The Strad」でも1896年にベリオの記事が掲載されており、そこでは「彼の技術は完璧 であり、その音は大きくはないが、美しく高貴である」と絶賛されています。ベリオの協奏曲は、重音奏法とハーモニクスを駆使した華やか な作品が多く、聴いて楽しめるだけでなく、ヴァイオリン奏法の技術取得にも絶大な効果があることが知られています。 このアルバムで素晴らしい演奏を披露しているのは、期待の新人、辻彩奈。 2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位を始め、世界中がその能力に注目する俊英です。オーケストラとの共演でも大絶賛 されている彼女、ここでも艶やかな音色と類い稀な表現力で、ベリオの作品を輝かしく歌い上げています。
8.573743(2CD)
アンドレアス・ハーケンベルガー(1573/74-1627):ペルプリンのタブラチュア譜からの55のモテット集
29のモテット集
26のモテット集
ヤン・ウカシェフスキ(指)
ポーランド室内cho
ムジカ・フィオリタ

録音:2013年9月18-28日
世界初録音
16世紀後半から17世紀初頭の作曲家アンドレアス(アンジェイ)・ハーケンベルガー。1602年頃にポーランド王ジグムント 3世の宮廷でリュート奏者として働いていた記録がある以前の少年時代や青年時代のことはわかっていません。1607 年、ポーランドのグダニスクにあるルター派の聖マリア教会で音楽家の欠員が出たことを知ったハーケンベルガーは、自ら市 議会に立候補のための譜面を提出、1608年にチャペルマスターに任命され、亡くなるまで職務を全うしました。このアル バムに収録されたモテットは1620年から1680年に書かれた様々な作曲家の声楽曲を収録した「Pelplin Tablature」 に納められた作品群で、カトリックとルター派のどちらの教義にも沿うものであり、ジグムント3世の宮廷で学んだイタリア風 の様式に基づいた精緻で華麗な作風で書かれています。
8.573747
ショスタコーヴィチ:映画音楽「馬あぶ」全曲 他(マルク・フィッツ=ジェラルド復刻版…全曲世界初録音)
映画音楽「馬あぶ」全曲 Op.97
映画音楽「呼応計画」Op.33(抜粋)(1932)
マルク・フィッツ=ジェラルド(指)
マインツ・バッハcho
ラインラント=プファルツ州立PO

録音:2017年3月21-24日
ショスタコーヴィチの全作品の中でも高い人気を誇り、かつ“異色の作風”として知られる「ロマンス」は、この映画「馬あぶ」の中の1曲 です(アルバムではトラック4)。この美しい曲が映画のどの場面で使われているのか、ましてや、作品のストーリーを知る人はほとんど いないでしょう。舞台は19世紀のイタリア。政治不安の中、信仰を捨ててまで地下活動に身を投じた青年を主人公とするこの物語 はなんとも皮肉と風刺に満ちており、タイトルの「馬あぶ」というのは、重傷を負いながらも、権力と戦うアーサーのあだ名です。最後ま で権力に抵抗し銃殺刑に処せられるアーサー。彼が心から思い続けていたジェンマ。彼らの心情が克明に描かれたこの映画のサウン ドトラックを、指揮者フィッツ=ジェラルドが復刻。壮大なオーケストレーションで聴かせています。
8.573766
ウェーバー:フルートのための室内楽作品集
フルート・ソナタ 変イ長調 Op.39 J199(1816)(原曲:ピアノ・ソナタ 第2番Op.39)
A.E.ミュラー(1767-1817)によるフルートとピアノ編)
演奏会用大二重奏曲 変ホ長調 Op.48(瀬尾和紀によるフルートとピアノ編)
フルート三重奏曲 ト短調 Op.63
瀬尾和紀(Fl)
上野真(P)、上森祥平(Vc)

録音:2017年11月28-30日三重県文化会館 大ホール
歌劇「魔弾の射手」で知られる初期ロマン派の作曲家ウェーバー。若い頃、不幸な事故で声を失うもドイツ各地の劇場の改革に尽力、優れ た作曲家として名声を高めました。生涯のほとんどを劇場の仕事に費やした彼の作品のほとんどは歌劇でしたが、実は優れたピアニストでもあ り、ピアノ曲には惜しげもなく超絶技巧が施されています。今回、フルートの瀬尾和紀が着目したのはそんなウェーバーの様々な作品。冒頭に 置かれたのは、フルート用に編曲した「ピアノ・ソナタ」という珍しい曲。ミュラーに拠って加えられたというフルートのパッセージが聴きどころです。演 奏会用大二重奏曲は、もともとクラリネットとピアノのための作品。ヴァイオリンでも演奏可というところを、瀬尾は一味加えフルートで鮮やかに演 奏してみせます。もともとフルートが使われた「三重奏曲」ではフルート、ピアノ、チェロの絡みが見事。三人の日本人奏者による息詰まるような 演奏をお楽しみください。
8.573785
プフィッツナー:歌曲全集 第5集
4つの歌Op. 15(1904)より
  第1曲 手廻しオルガン弾き
 第2曲 怒り
 月に寄せる Op. 18(1906)
2つの歌 Op. 19(1905)
5つの歌 Op. 22(1907)より
 第1曲 ダンツィヒにて
 第2曲 悲しい物語
 第3曲 美しいズーシェン
 第4曲 愛のお返し
4つの歌 Op. 24(1909) - 第2曲 愛の暴力
5つの歌 Op. 26(1916) - 第2曲 夜
4つの歌 Op. 29(1921) - 第3曲 歓迎とお別れ
4つの歌 Op. 30(1922) - 第4曲 労働者
4つの歌 Op. 32(1923)
3つのソネット Op. 41(1931)
1901年、新年の祝賀の輪唱 WoO 2
(独唱と女声合唱、ピアノの為の:編曲者不明)…世界初録音
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br)
クラウス・ジモン(P)
フライブルク室内cho女声セクション

録音:2008年3月27-29日、2008年3月16日
ドイツ後期ロマン派の作曲家プフィッツナーの歌曲全集。シリーズ完結となるこの第5集には30代後半の壮年期から60代の円熟期までの様々な歌 曲を収録。アイヒェンドルフやブッセなど詩人のテキストを用い、詩の内容に即した音楽を描いたプフィッツナーらしく、ここでも多彩な歌を聞くことができ ます。どちらかというと暗く寂しい内容を持つ曲が多いのは、年齢を重ねたプフィッツナーの諦観が表現されているかのようです。第4集と同じく、ヴュルツ ブルク出身のバリトン歌手、ウーヴェ・シェンカー=プリムスの歌唱でお楽しみいただけます。 最後に収録されたユーモラスな「1901年、新年の祝賀の輪唱」は世界初録音。バリトンが先導する悲しげな旋律を女声合唱が楽し気な旋律に変 え、追いかけて歌います。
8.573787
コジェルフ(1747-1818):レオポルト2世の戴冠式のためのカンタータ「君主への挨拶」 P.XiX:6(1791) クリスティーナ・ビリチローヴァ(S)
トーマシュ・コジネク(第1テノール)
ヨーゼフ・モラヴェツ(第2テノール)
フィリップ・ドヴォジャーク(ハープシコード)
マルティヌー・ヴォイセズ
マルク・シュティレツ(指)
プラハSO

録音:2017年1月31日 ライヴ
1791年9月6日にプラハ王としての戴冠式を行った神聖ローマ帝国の君主、レオポルト2世。この当時、オーストリアは東西から脅威 にさらされており、国を統治するのは大変困難でしたが、レオポルト2世は質素な生活を続け、外交関係での緊張が続く中、在位2 年という短い期間で様々な改革を行ったことで知られています。モーツァルトやサリエリを冷遇したとされていますが、この戴冠式のため に、ボヘミア政府はモーツァルトに「皇帝ティートの慈悲」の作曲を依頼しています。 このコジェルフのカンタータも同時に依頼され、初演時には大成功となり、その翌年の1792年6月、すでにレオポルト2世はこの世を 去っていましたが、コジェルフはボヘミアの宮廷楽長の職を手にすることになりました。
8.573802
複数ピアノと管弦楽のための作品集
マルタン(1891-1974):小協奏交響曲(トメル・レフによる3台のピアノと2つの弦楽オーケストラ編)…この編曲による世界初録音
プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP 61
ショスタコーヴィチ:2台のピアノのためのコンチェルティーノ Op.94(T. レフによる2台のピアノと弦楽オーケストラ編)…この編曲による世界初録音
アリエ・レヴァノン(1932-):Land of Four Languages 四つの言葉を持つ国(2012-13)(2台8手ピアノと弦楽オーケストラ編)…世界初録音
マルチピアノ(アンサンブル)【トメル・レフ、ベレニカ・グリックスマン、ダニエル・ボロヴィツキー、アルモグ・セーガル、ニムロッド・メイリー=ハフテル】
ロイヤルPO
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)

録音:2017年4月4-5日
第一次世界大戦後、盛り上がりを見せていた新古典主義音楽の流れの中で、それまで顧みられることの少なかった"コンチェルト・グロッソ=合奏協奏曲" のジャンルが活性化しました。なかでもよく知られているのがプーランクの「2台のピアノのための協奏曲」であり、モーツァルトを思わせるエスプリに満ちた旋律 に、ストラヴィンスキーのような力強く激しいリズムを併せ持つこの作品は、当時の聴き手の心を惹きつけました。このアルバムにはそのような複数のピアノのた めの協奏曲を収録。フランク・マルタンの「小協奏交響曲」は第二次世界大戦の暗い緊張感が反映された作品で、もともとはピアノ、チェンバロ、ハープと管 弦楽のために書かれましたが、今作では独奏部が3台のピアノのために編曲されており、華麗な響きを纏っています。ショスタコーヴィチの「2台のピアノのため のコンチェルティーノ」はもともと伴奏の付かない2台ピアノのための作品。ここでは弦楽オーケストラの伴奏で演奏されています。 アーリエ・レヴァノンの「四つの言葉を持つ国」はイスラエルの平和を願い、4言語による民謡の旋律が引用されたポップスを思わせる耳なじみの良い作品で す。 「マルチピアノ」はテルアヴィヴとイスラエルPOの共同機関であるブッフマン=メタ音楽院によって2011年に開始されたプロジェクトの中 枢を担うアンサンブル。アレンジャーでもトメル・レフの主導のもと、さまざまな複数ピアノのための作品を演奏し、好評を博しています。
8.573806
ブゾーニ:ピアノ作品全集 第10集
バッハ:幻想曲、アダージョとフーガ BWV906/BWV968 B37(F.ブゾーニ編)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調-第2楽章 B84(F.ブゾーニ編)
J.B.クラーマー(1771-1858):8つの練習曲 B53(F.ブゾーニ編)
ブラームス:オルガンのためのコラール前奏曲 Op.122 B50(F.ブゾーニ編)
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番(F.ブゾーニ編)
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2017年5月23-24日
イタリアに生まれ12歳でピアニストとしてデビュー、神童として活躍しながら、10代で数多くのピアノ曲を作曲したブゾーニ。しかし、彼 の音楽の本質はイタリアとドイツの融合であり、この頃の自作の完成度については否定的だったといわれています。20代の彼は古典 の作品を学び、わが物にするために、バッハやブラームスなど数多くの作品をピアノ曲に編曲し、コンサートでも積極的に演奏しまし た。なかでもバッハ作品の編曲は、対位法を学ぶために有効であり、後年のブゾーニ作品の特徴とも言える「複雑な旋律が入り組ん で曲を形作る」作風もこの頃に確立されました。モーツァルト作品からはシンプルな美しさを見出し、ブラームスのコラールからは、ルター 派の讃美歌を学び、クラーマーの練習曲からは「ピアノ奏法」の可能性を発見、後に書き上げた「ピアノ演奏法」の足掛かりとなりまし た。10代の頃に出会ったリストからは強烈な印象を受け、彼の数多くのピアノ作品の校訂を行いましたが、このアルバムに収録された 「メフィスト・ワルツ」は、ピアノ版ではなく、オーケストラ版をピアノ曲へと改変したという珍しい作品です。
8.573816
ギターの為の二重協奏曲集
ダビド・デル・プエルト(1964-):ミストラル(2011)
アントン・ガルシア・アブリル(1933-):コンシェルト・デ・ヒブラルファロ(2003)
ハビエル・ロペス・デ・ゲレーニャ(1957-):コンシェルト・エクァニメ(2017)
ミゲル・トラパガ(G)
アンヘル・ルイス・カスターニョ(アコーディオン)1
テレサ・フォルグエイラ(G)
フェルナンド・アリアス(ヴィブラフォン)
オリベル・ディアス(指)
オビエド・フィラルモニカ

録音:2018年1月23-27日
スペインを象徴する楽器「ギター」をフィーチャーした現代スペインの作曲家たちによる3曲のギター協奏曲。冒頭から スリリングな音がはじけるプエルトの「ミストラル」は、楽器編成からみても、明らかにピアソラの「リエージュに捧ぐ」に触 発された曲で、エレキギターではなくクラシックギターが使用された遊び心溢れる曲。管楽器とパーカッションが強調さ れたオーケストラが絶妙な伴奏を付けています。1958年に創設されたスペインの「新音楽グループ」のメンバーの一 人、ガルシア・アブリルは20世紀後半のスペインの前衛作曲家の中心的役割を果たした人物で、この2台のギターと オーケストラの為の協奏曲は、ユニークな名前を持つ3つの楽章で構成されています。ゲレーニャは前衛とポップス、 ロックのクロスオーバーを探求している作曲家。ここではヴィブラフォンの音が良いアクセントを生み出しています。
8.573821
シュレーカー(1878-1934):「王女様の誕生日」組曲
あるドラマへの前奏曲(1914)
「王女様の誕生日」-組曲(1923)
ロマンティック組曲 Op.14(1903)
ジョアン・ファレッタ(指)
ベルリンRSO

録音:2017年6月19-23日
ドイツ ベルリン、RBB 大ホール
1878年生まれのシュレーカーは、ウィーン音楽院を卒業後、作曲家、指揮者として活躍。ツェムリンスキーやシェーンベル クの作品を初演しながら、自らの作品も指揮し名声を高めました。1905年に書かれた「王女様の誕生日」はもともとクン ストシャウ(総合芸術展)のこけら落としのための作品で、当時としてはかなりの野心作でしたが、これが聴衆の共感を 得たため、以降次々と仕事が舞い込み、彼は代表作となる「はるかなる響き」を書き上げ、R・シュトラウスに匹敵 するほどの「歌劇作曲家」として名声を確立します。しかし、1920年代になると作品の評価が分かれはじめ、1928年に エーリヒ・クライバーが指揮した「歌える悪魔」が失敗したことで、名声は失墜。その後、作品はナチスによって排斥され、失 意のうちにこの世を去ってしまうこととなります。このアルバムの中心をなすのは、成功作である「王女様の誕生日」の組曲 版。彼の絶頂期に編纂された色彩豊かな曲集です。また「あるドラマへの前奏曲」は後に歌劇「烙印を押された人々」に 転用されました。ブルックナーを思わせる「ロマンティック組曲」も印象的な作品です。
8.573822
ロッシーニ:ピアノ作品全集 第8集〜老いのいたずら-室内楽作品と希少作品 第1集
●老いのいたずら 第9巻から
パガニーニに寄せる一言(悲歌)-ヴァイオリンとピアノのための
●収録巻割り当てなし
Allegretto(1853)-ヴァイオリンとピアノのための…世界初録音
Tema(1845)-ヴァイオリンとピアノのための…世界初録音
Un mot pour basse et piano(1858) 低音とピアノに寄せる一言-チェロとピアノのための…世界初録音
●老いのいたずら 第14巻から
Allegro agitato(1867)-チェロとピアノのための再構築
●老いのいたずら 第9巻から
一滴の涙、主題と変奏(1861)-チェロとピアノのための
●老いのいたずら 第8巻「館のアルバム」から
純血のタランテッラ(行列を横切る)(1865)-合唱、ハルモニウム、鈴とピアノのための…世界初録音
●収録巻割り当てなし
主題と変奏 ホ短調-ピアノのための…世界初録音
●老いのいたずら 第9巻から
前奏曲、主題と変奏(1857)-ホルンとピアノのための
●収録巻割り当てなし
ワルツ(1841)-ピアノのための…世界初録音
l’Adagio du Trio d’Attilaによるリトルネッロ(1865)-ピアノのための…世界初録音
Marlbrough s’en va-t-en guerre マールブルクは戦争に行く(1864)-ピアノのための…世界初録音
●老いのいたずら 第14巻から
L’ultimo pensiero. Un rien 最後の考え(1865)-バリトンとピアノのための…世界初録音
メタスタージオ、アルバムのために-バリトンとピアノのための…世界初録音
●収録巻割り当てなし
小さなおみやげ(1843)-ピアノのための…世界初録音
老いのいたずら 第11巻 声楽のための雑曲
ジョヴァンナ・ダルコ-メゾ・ソプラノとピアノのための
アレッサンドロ・マランゴーニ(P,ハルモニウム)
マッシモ・クァルタ(Vn)
エンリコ・ディンド(Vc)
ウーゴ・ファヴァロ(Hrn)
リリー・ヨルスタッド(Ms)
ブルーノ・タッディア(Br)
アルス・カンティカ・コア(合唱)
マルコ・ベッリーニ(指・鈴)

録音:2017年3月27日
2017年3月28日
2017年4月18日
2017年7月8日
2017年9月25日
若くして多大な成功を手にしたロッシーニがオペラの世界から引退を発表したのは、なんと37歳の時。 その後は小さなピアノ曲や歌曲を折にふれ作曲し、内輪で演奏して楽しんでいました。これらの作品と、活動中に書き溜めたいくつか の小品やスケッチはすべて彼の2番目の妻オランプに権利を与え、無断で出版ができないような手段を講じました。この曲集「老いの いたずら」には本当にいろいろな作品が含まれており、最近になってまた新しい手稿が発見されるなど、ロッシーニ研究家にとっても、ま た愛好家にとっても重要な曲集です。とりわけこの第8集に収録されているのは、ヴァイオリンの小品や合唱曲などの世界初録音を多 く含む大変珍しい作品ばかり。ピアノのマランゴーニを中心とした親密な演奏でお楽しみください。
8.573823
マルティヌー:歌曲集 第5集
歌曲集「新しいアンソロジー(民謡集)」H288(1942)
チェコ民謡による4つの歌曲 H282bis(1940)
アポリネールの詩による3つの歌曲 H197(1930)
Z detstvi 少年時代より H51(1912)
童謡による4つの子供の歌 H225(1932)
民謡のテキストによる2つのバラード H228(1932)
Ty pises mi 私に書いてください H48(1912)…世界初録音
Prani mamince 母の最高の願い H279bis
2つの歌曲 H213(1932)
クリスマスの3つの歌 H184bis(1929)
ヴォカリーズ H188(1929)
ヤナ・フロチョーヴァ(イェネ・ワリンゲローヴァ)(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2017年7月17日
生涯に数多くの作品を残したマルティヌー。彼はインタビューの中で「作曲していない時には、歌曲を書いていた」と語っていました。ここ での「作曲」というのは大規模で複雑なオーケストラ作品を書くことであり、歌曲を書くことは彼にとっての休息であったようです。そのせ いか、七割以上はチェコ語で書かれた「個人的独白」である膨大な数の歌曲は「重要でない」という理由で、マルティヌーの死後何 年間も無視されていました。しかし、フロチョーヴァ(ワリンゲローヴァから改名)とコウクルは、全曲演奏すると6時間を超えるマルティ ヌーの全ての歌曲に挑み、7年間で全曲録音を完成(このアルバムが完結編となります)。2人の素晴らしい演奏も功を奏し、これ らの歌曲がようやく見直され始めています。
8.573824
ロルツィング:序曲集
歌劇「刀鍛冶」序曲(1846)
歌劇「オペラのおけいこ」序曲(1851)
歌劇「ウンディーネ」序曲(1845)
歌劇「密猟者」序曲(1842)
歌劇「ハンス・ザックス」序曲(1840)
歌劇「クリスマス・イヴ」序曲(1832)
歌劇「皇帝と船大工」序曲(1837)
歌劇「アンドレアス・ホーファー」序曲(1832)
歌劇「レジーナ」(1848)
準・メルクル(指)マルメSO

録音:2017年6月7-10日マルメ歌劇場、スウェーデン
ロルツィングは19世紀ドイツ歌劇場に於いて、モーツァルトとヴェルディに次いで最も人気の高い作曲家でした。両親 が俳優であった彼は、自ら演者として舞台に立ちテノールやバリトンのパートを歌っていたといい、歌劇を作曲する際 にもその経験が大いに役立ったようです。代表作「皇帝と船大工」は初演こそ失敗したものの、その後次第に評価が 高まり、やがて英語やフランス語、ロシア語など様々な言葉に翻訳され世界中で上演されるほどの人気を誇っていま す。このアルバムでは比較的良く知られる「ウンディーネ」「密猟者」をはじめ、ロルツィングの最後の作品「オペラのおけ いこ」まで、ドイツ・コミック・オペラの伝統を継承する序曲を準・メルクルとマルメ響の演奏で味わうことができます。
8.573825
金管七重奏のための音楽集 第6集
フィンジ:3つの讃歌 Op.27-第2番「神は上れり」(1951)(M.ナイト編)
エルガー:セレナード ホ短調 Op.92(1892)(M.ナイト編)
フィンジ:前奏曲 ヘ短調 Op.25(1929)(S.コックス編)
パリー(1848-1918):告別の歌(1916-1918)抜粋(M.ナイト編)
フィンジ:ロマンス 変ホ長調 Op.11(1928)(S.コックス編)
ウォルトン(1902-1983):弦楽オーケストラのためのソナタ(1971)(S.コックス編)
セプトゥーラ
【メンバー】
ヒュー・モーガン(E♭トランペット)
アラン・トーマス(第1B♭トランペット)
サイモン・コックス(第2B♭トランペット)
ピーター・ムーア(第1トロンボーン)
マシュー・ナイト(第2トロンボーン)
ダニエル・ウェスト(バス・トロンボーン)
ピーター・スミス(テューバ)
サイモン・コックス&マシュー・ナイト(芸術監督)

録音:2017年7月13-15日
UK ロンドン、ニューサウスゲート、聖ポール教会
ロンドンを拠点に活躍する金管楽器のトップ奏者たちによる七重奏団「セプトゥーラ」の最新作。これまでに“クリスマス・ア ルバム”を含む6枚のアルバムで、バロックから近代まで多彩な音楽を演奏してきた彼らですが、今作ではついに「お国も の」であるイギリス近代作品を存分に聴かせます。日本でもファンの多いフィンジの作品や、エルガー、ウォルトン、パリーな どおなじみの作曲家たちによる声楽曲や弦楽作品を、サイモン・コックスとマシュー・ナイトが絶妙に編曲。もともと金管楽 器のために書かれたかのような見事なサウンドに生まれ変わっています。美しいフィンジの「ロマンス」、荘厳なパリーの「告 別の歌」など、イギリス近代の独特な情緒をたっぷり味わうことができるユニークな1枚です。
8.573829
ヴィラ=ロボス:交響曲全集 第6集
交響曲 第1番「知られざるもの」(1916)
交響曲 第2番「昇天」(1917-1944)
イサーク・カラブチェフスキー(指)
サン・パウロSO

録音:2017年2月13-16日、2017年2月20-23日
ヴィラ=ロボス以前のブラジルで「交響曲」と名の付く作品を書いた人は数えるほどしかいませんでした。彼の少し前の世代のオズワル ドの交響曲第1番が初演されたのは1917年頃とされていますが、この曲がヴィラ=ロボスに影響を与えたのかは、わかっていません。 それよりも当時のヴィラ=ロボスの関心はフランス音楽にあり、この2曲の交響曲もフォーレやダンディの作品との共通性を探ることがで きます。交響曲第1番は時にブラジル風の情熱を示しており、かたや、交響曲第2番は1917年に構想されたものの、1944年の初 演時までに再考を繰り返したためか、熟達した技法が感じられます。ヴィラ=ロボスの交響曲のタイトルは、どれも想像を働かせること はできますが、作品を直接表現するものではなく、この第2番も当時の作曲家の心理状態を描いたものと推測されます。数々の引 用が、独特のハーモニーで包み込まれた面白い作品で、後の「ブラジル風バッハ」も予見させます。
8.573832
ヨーゼフ・マルクス(1882-1964):管弦楽作品集 第2集
Alt-Wiener Serenaden 古いウィーンのセレナード(1941-1942)
古風な様式による弦楽四重奏のためのパルティータ(弦楽オーケストラ版)(1937-1938/1945改訂)
古典的な様式による弦楽四重奏のためのシンフォニア(弦楽オーケストラ版)(1940-1941/1944改訂)
スティーヴン・スローン(指)
ボーフムSO

録音:2003年4月24-30日
シュタットハレ ヴッパータール、ドイツ
※ASV CDDCA1158からの移行盤
後期ロマン派に属する作曲家ヨーゼフ・マルクス。晩年にはフランス印象主義の影響を取り入れた作品を書きました が、基本的にはあまり前衛的な作風を採用することはありませんでした。このアルバムでは、彼が好んだ「古風な様 式」に基づいた3つの作品が収録されています。「古いウィーンのセレナード」はオーストリア音楽の特徴を前面に押し 出したのどかな曲であり、もともと弦楽四重奏のために書かれた「パルティータ」はミクソリディア旋法が用いられたエス ニックな響きを持つ曲。同じく弦楽四重奏のために書かれた「シンフォニア」はハイドンやモーツァルトに敬意を払った ウィーン風の明るい主題を持つ曲。どれもロマンティックな感性と古典的な様式が融合した美しい作品です。
8.573834
ヨーゼフ・マルクス(1882-1964):ピアノ協奏曲集
ロマンティックなピアノ協奏曲(1919-1920)
ピアノとオーケストラのための「カステッリ・ロマーニ」(1919-1930)…世界初録音
デイヴィッド・ライヴリー(P)
スティーヴン・スローアン(指)
ボーフムSO

録音:2004年1月13-17日
※ASV CDDCA1174からの移行盤
オーストリア後期ロマン派の作曲家ヨーゼフ・マルクス。幼い頃にはヴァイオリニストになることを求められ、父からピアノ の演奏を禁じられていたマルクスでしたが、彼はシューベルトとハイドンを愛し、スクリャービンやドビュッシーのピアノ曲に 憧れていたため、秘かにピアノの練習を続け、最終的には確かな技巧を手にいれることができました。彼はいくつかの ピアノとオルガンのための作品(ラフマニノフ風)や、数多くの充実したピアノ・パートを持つ歌曲を作曲しましたが、彼 がピアノにかける思いが一番顕著に表出されているのは、このアルバムに収録された2曲のピアノ協奏曲でしょう。タイ トルに「ロマンティックな」と書かれている通り、濃厚なロマンティシズムに溢れた第1番のピアノ協奏曲はもちろんのこ と、2番目の協奏曲「カステッリ・ロマーニ」はASVレーベルからの発売時は世界初録音として注目された曲。ハリウッ ドの映画音楽にも似た重厚なオーケストラ・パートと華麗なテクニックを誇示するピアノ・パートが拮抗。マルクスの想 いが溢れる美しい作品です。
8.573836
ベッティネッリ(1913-2004):室内楽作品集
2台のギターのためのディヴェルティメント(1982)
フルートとギターのための二重奏音楽(1982)
声とギターのための抒情的二重奏(1977)…世界初録音
ヴァイオリンとピアノのためのインプロヴィゼーション(1968)
ヴィオラとピアノのための2つの楽章(1977)…世界初録音
ヴァイオリン,チェロとピアノのための三重奏曲(1991)
マヌエラ・カスター(Ms)
パオラ・ドゥシオ(Fl)…
デュオ・ペルジーニ-ピアネッツォーラ
【メンバー】
アンドレア・ペルギーニ(P)
ジアンパッティスタ・ピアネッゾーラ(Vn)、(Va)
ディエゴ・ミラネーゼ(G)
ダヴィデ・フィッコ(G)
トリオ・ベッティネッリ
【メンバー】
ハリア・キュサーノ(Vn)
ヤコポ・デイ・トンノ(Vc)
ダリオ・キュサーノ(P)
録音:2014年5月12日、2014年9月6.13日,2015年3月28日
イタリア、ミラノに生まれた作曲家ベッティネッリ。同年代のダッラピッコラやペトラッシほどの知名度は獲得できなかったものの、「オペラの 地」で育まれた鋭い感覚から、数多くの声楽作品をはじめ、独特の調性感を持つ7曲の交響曲や管弦楽曲を残しました。20世紀 初頭、イタリアで発展した「器楽曲のイディオム」に則って書かれた室内楽作品も多岐に渡り、弦楽四重奏曲や、あらゆる楽器を組 み合わせた二重奏曲、声楽を組み合わせた曲など、楽器の持つ可能性の探求に余念がありませんでした。とりわけ、ギターを用いた 曲はすばらしく、このアルバムに収録されている「声とギターのための抒情的二重奏」で囁くように響くギターの音色は、歌の言葉を完 全に引き立てています。
8.573839
ワーグナー:「指環」-管弦楽曲集
楽劇「ラインの黄金」-第4場「ヴァルハラ城への神々の入城」(H.ツンベ編)
楽劇「ヴァルキューレ」-第3幕「ヴァルキューレの騎行」(W.フッツヘンラウター編)
楽劇「ヴァルキューレ」-第3幕「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」(W.フッツヘンラウター編)
楽劇「ジークフリート」-第2幕「森のささやき」(H.ツンペ編)
楽劇「神々の黄昏」-プロローグ「ジークフリートのラインの旅」(E.フンパーディンク編)
楽劇「神々の黄昏」-第3幕「ジークフリートの死と葬送の音楽」(L.シュタストニー編)
楽劇「神々の黄昏」-第3幕「ブリュンヒルデの自己犠牲の情景」
ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音:2017年5月5.8日
ワーグナーがおよそ26年の年月をかけて作曲した大作「ニーベルングの指環」。北欧神話を下敷きとした四部作で全曲を通して演奏 すると15時間を要する長大な作品です。そのため、しばしば行われるのが、楽劇の中のオーケストラ部分だけを取り出して演奏する 方法で、後世の作曲家たちが各々聴きどころをまとめて編曲、歌がなくても物語を堪能することが可能になっています。このアルバム で堂々たる演奏を聴かせるのは、現在最も注目されている女性指揮者の一人、ジョアン・ファレッタ。大編成のスコアを朗々と鳴ら し、ワーグナーの求める音とドラマを明確に表現しています。
8.573841
ヨアヒム・ラフ(1822-1882):ヴァイオリン・ソナタ全集 第1集

ヴァイオリン・ソナタ 第1番ホ短調 Op.73(1854)
ヴァイオリン・ソナタ 第2番イ長調 Op.78(1857-1858)
ロロンス・カヤレイ(Vn)
ジャン=ファビアン・シュナイダー(P)

録音:2017年12月19-21日
スイスで活躍した作曲家ヨアヒム・ラフ。若い頃、フランツ・リストの助手としてオーケストレーションの腕を磨いたのち 独立、交響曲作曲家として名声を確立しました。有能なピアニストでもあった彼は、多くのピアノ曲も残していま すが、ヴァイオリンにも興味を示し、最も知名度の高い「カヴァティーナ」を始めとした20作を超える作品を書いてい ます。野心的な作風による第1番のヴァイオリン・ソナタは1853年頃に完成されましたが、それ以前にもいくつかの 小品が作曲されており、そのどれもがサラサーテによって絶賛されたほどの仕上がりを見せるなど、ラフがヴァイオリン に寄せる愛情の深さは計り知れません。1858年に作曲された第2番は更に独自の作風が確立されており、 1862年に初演されるやいなや大人気を獲得しています。美しい旋律がふんだんに用いられた魅力的な作品を スイスのヴァイオリニスト、ロロンス・カヤレイが共感溢れる演奏で聴かせます。
8.573842
ラフ:ヴァイオリン・ソナタ全集 第2集
ヴァイオリン・ソナタ 第3番ニ長調 Op.128(1865)
ヴァイオリン・ソナタ 第4番ト短調「1楽章の半音階的ソナタ」Op.129(1866)
ヴァイオリン・ソナタ 第5番ハ短調 Op.145(1868)
ロロンス・カヤレイ(Vn)
ジャン=ファビアン・シュナイダー(P)

録音:2018年6月27-29日
スイスで活躍した作曲家ヨアヒム・ラフ。若い頃、フランツ・リストの助手としてオーケストレーションの腕を磨いたのち独 立、交響曲作曲家として名声を確立しました。現在ではピアノ曲の作曲家として知られますが、若い頃に技術を習得 したヴァイオリンのためにも重要な作品を残しています。この第2集には1865年から1868年に書かれた3曲のソナタを 収録。冒頭の第3番は、当時名を馳せていたヴァイオリニスト、フェルディナンド・ダヴィッドに捧げられ、1866年の初演 時に高く評価されました。全編、明るく軽快な楽想に彩られています。次の第4番は単一楽章で書かれたコンパクトな 曲。ラフにしては珍しいタイトルを持つ作品で、極めてシンフォニックなスタイルで構成され、目まぐるしい展開を見せま す。最後の第5番は再び4楽章で構成されており、全編抒情たっぷりの旋律で満たされたラフらしい作品となっていま す。今作でもスイス出身のヴァイオリニスト、カヤレイが共感溢れる演奏を聴かせます。 9.第4楽章:Allegro agitato
8.573843
ソーレ(1852-1920):24のエチュード・カプリース Op.64 第2集
エチュード・カプリース 第8番 ハ短調
エチュード・カプリース 第9番 変イ長調
エチュード・カプリース 第10番 ヘ短調
エチュード・カプリース 第11番 変ニ長調
エチュード・カプリース 第12番 変ロ長調
エチュード・カプリース 第13番 変ト長調
世界初録音
ナズリン・ラシドヴァ(Vn…1685年頃 ストラディヴァリ「ソーレ」)

録音:2017年4月10.19.20日
フランス生まれのヴァイオリニスト、作曲家エミール・ソーレによるヴァイオリンのための練習曲「エチュード・カプリース」の第2集。オーギュ スト・ド・ベリオに師事し、ヴァイオリンの才能を開花させたソーレは、彼と同時代の音楽家たちの中でも「屈指の才能の持ち主」と讃え られました。この練習曲は、弟子のマジョリー・ヘイワードに捧げられており、ヴァイオリン演奏の限界を探求するために書かれています。 それぞれの曲は10分程度の長さを持ち“カプリース=奇想曲”の名の通り、曲調は変幻自在に変化。単なる練習曲ではなく、コン サート・ピースとしての貫禄を備えています。ラシドヴァが演奏するのは「ソーレ」の名を冠したストラディヴァリウスで、美しく輝かしい響き が聴きものです。
8.573852
ベートーヴェン:オラトリオ「オリーヴ山上のキリスト」
悲歌 Op.118(1814頃)
天使セラフ…ハンナ=リーナ・ハーパマキ(S)
イエス…ユッシ・ミュリュス(T)
ペトロ…ミクラス・シュパンベルク(Bs)
レイフ・セーゲルスタム(指)
アボエンシス大聖堂聖歌隊
トゥルクPO

録音:2017年5月15-17日 トゥルク・コンサート・ホール、フィンランド
ベートーヴェンが1803年に作曲したオラトリオ「オリーヴ山上のキリスト」は、ゲッセマネの園でのキリストの祈りと苦悩 を描いた作品。成立の過程はわかっていませんが、かなりの短期間で仕上げられたとされています。初演時は大きな 成功を収めましたが、一部の批評家たちは「長すぎるうえに、歌唱パートの表現力に欠ける」と否定的な意見を上 げ、ベートーヴェン自身も作品の出来に不満を感じ、出版される前に改訂を施しています。とはいえ、ベートーヴェン の劇的な筆致によるキリスト像は、歌劇「フィデリオ」のフロレスタンを思わせる人間的な表情を持ち、与えられた旋律 も魅力的です。ほとんど演奏されることのない「悲歌」はベートーヴェンのパトロンの一人、パスクァラティ男爵に捧げら れた曲。男爵の妻の早すぎた死を悼んで作曲された慎ましくも美しい作品です。
8.573853
ベートーヴェン:劇音楽「プロメテウスの創造物」Op.43(1801) レイフ・セーゲルスタム(指)
トゥルクPO

録音:2017年5月22-24日
18世紀から19世紀にかけて、舞台で活躍したイタリアのバレエ・ダンサー・振付師サルヴァトーレ・ヴィガーノの依 頼で書かれた「プロメテウスの創造物」。ギリシャ神話のプロメテウスのエピソードを基に、彼が作った粘土の像に理 性と感情が吹き込まれるまでと、その後の神々とのやりとりが描かれています。詳細な台本は残っていませんが、 依頼者ヴィガーノのためのソロも用意されており(トラック17)、見せ場の多い作品であったことがわかります。セーゲ ルスタムは各々の曲をメリハリのある表現で演奏。序曲のみが知られるこの秘曲に新たな命を吹き込んでいま す。終曲の「エロイカ」の主題がどのように「交響曲第3番」の終楽章に変化したかもよくわかります。また、ピアノ版 (8.573974)との聴き比べも面白いことでしょう。

8.573854

15世紀後期の撥弦楽器リュートによる二重奏
1.ジョスカン・デ・プレ:La Bernardina de Josquin
(F.スピナチーノによる2台リュート編)
2.アレクサンドル・アグリコラ(1446-1506)/ヨハネス・ヒセリン(1455-1507):二重奏曲
[ペルージア市立アウグスタ図書館, MS 1013 (M 36)]
3.ダルツァ(16世紀初頭):Calata a doi lauti
4.作者不詳:J'ay pris amours 私は恋におち (J.マルティーニによる歌編)
5.作者不詳:J'ay pris amours 私は恋におち[ペルージア市立アウグスタ図書館, MS 1013 (M 36)]
6.作者不詳:J'ay pris amours 私は恋におち(F.スピナチーノによる2台リュート編)
7.レールキン(生没年不詳):De tous biens playne
8.作者不詳:La SpagnaPerugia, Biblioteca Comunale Augusta, MS 1013 (M 36)]
9.ティンクトリス(1435-1511):Alleluja アレルヤ
10.作者不詳:Je ne fay(F.スピナチーノによる2台リュート編)
11.ジル・バンショワ(1400-1460):Comme femme desconfortee 打ちひしがれた女のように
12.アグリコラ:Comme femme desconfortee 打ちひしがれた女のように
13.ティンクトリス:Comme femme 打ちひしがれた女のように(M.レオンによるリュートとギター編)
14.ティンクトリス:Fecit potentiam 主は御腕を以って
15.ヨハネス・ベディンクハム(1422-1460):Fortune alas(D.ファロウによる歌編)
16.作者不詳:Fortune alas [ペルージア市立アウグスタ図書館, MS 1013 (M 36)]
17.作者不詳:Fortuna desperata 絶望的な運命(F.スピナチーノによる2台リュート編)
18.ティンクトリス:Le souvenir おみやげ
19.ヒセリン:Juli amours ジュリを愛する(F.スピナチーノによる2台リュート編)
20.作者不詳:Tenor So ys enprentyd
21.ワルター・フライ(?-1475):So ys empretid
22.ティンクトリス:Tout a par moy
23.ダルツァ:Saltarello サルタレッロ
24.ダルツァ:Piva(2台リュート版)
25.作者不詳:二重奏曲 [ペルージア市立アウグスタ図書館, MS 1013 (M 36)]
26.ティンクトリス:Dung aultre amer
27.ティンクトリス:De tous biens playne
28.ハイネ・ファン・ギゼゲム(生没年不詳):De tous biens(F.スピナチーノによる2台リュート編)
29.アグリコラ:Gaudeamus omnes in Domino
30.作者不詳:Mit ganzem willen(M.レオンによる歌版)
31.作者不詳:Mit ganzem willen wunsch ich dir 心からお祈りします
(C.ヤング&P.キーファーによる2台リュート編)
マルク・レヴォン(中世リュート,ギター)
パウル・キーファー(中世リュート)
グレース・ニューコム(歌)

録音:2018年2月20-22日
プレクトラムリュート=中世リュートのデュオは、15世紀後半の西ヨーロッパで活躍していた楽器奏者たちにとっ て最も人気の高いアンサンブルの一つでした。 このアルバムは、そんな名手の一人で、当時「世界一のリュート奏者」と評されたフェラーレのピエトロ・ダル・キタ リーノ(1417-1497頃)にインスパイアされた1枚。残念ながら彼が仲間たちと演奏した音楽の記譜はほとんど 残っていませんが、長年に渡って中世の音楽に命を吹き込んでいるマルク・レヴォンとパウル・キーファーが研究を 重ね、ティンクトリスやアグリコラなど、キタリーノたちが演奏したであろうレパートリーを丁寧に再現しています。ほ とんどの曲は歌を伴いますが、中には器楽だけのものもあり、15世紀のリュート音楽の多彩なアレンジを知るこ とができます。味わい深い歌を披露するグレース・ニューコムは、主として中世作品を演奏する“アンサンブル・ル モルム”の創設者兼ディレクターとしても活躍しています。
8.573858
ダンディ(1851-1931):メデー/カラデック組曲 他
カラデック組曲 Op.34
交響的伝説「サルビアの花」Op.21
劇音楽「メデー」Op.47
ダレル・アン(指)
マルメSO

録音:2017年8月21-24日 ライヴ
幼い頃からピアノを学び、パリ音楽院ではフランクに師事し作曲家となったヴァンサン・ダンディ。師であるフランクと、当 時フランスでも流行していたワーグナーからの影響が感じられる管弦楽作品を多く書いただけでなく、総合的な音楽 学校「スコラ・カントルム」を創設。数多くの弟子を育てあげ、フランス音楽を牽引しました。このアルバムにはギリシャ 神話から題材を得た劇音楽「メデー」、民族音楽の要素を取り入れた「カラデック組曲」、花の妖精を主人公にした 「サルビアの花」の3曲を収録。どれも壮大な物語を繊細な音で描いた作品です。なかでも「サルビアの花」はワーグ ナーの「トリスタンとイゾルデ」にも似た悲恋が描かれており、半音階的進行を多用した濃厚な音楽が特徴です。これ らをブザンソン国際指揮者コンクールで優勝したダレル・アンの見事な演奏でお楽しみください。
8.573859

NYCX-10083
国内盤仕様
税込定価
カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」Op.24-序曲(1938)
交響曲第1番嬰ハ短調 Op.18(1932)
交響曲第2番ハ短調 Op.19(1934)
「悲愴」序曲 Op.64(1960)
ダレル・アン(指)
マルメSO

録音:2017年8月21-24日 ライヴ収録
マルメ,スウェーデン
国内盤仕様:日本語解説付き(山野 雄大)
サンクトペテルブルクに生まれ、数学者の父親の教えに背き、音楽家を志したカバレフスキー。1925年にモスクワ音楽院に進み、ミャスコフス キーに師事、作曲家として活躍を始めました。創作の初期から成熟した作風を見せ、1928年に発表した「ピアノ協奏曲第1番」は国際的な 成功を収めるなど順風満帆のスタートを切り、その後も明快な作風による作品を書き続けたことで、ジダーノフ批判の対象になることもなく、亡 くなるまで“ソ連を代表する作曲家”として賞賛されました。 このアルバムには2曲の交響曲をメインに収録。交響曲第1番は「ロシア革命」15周年の記念作品。2年後の交響曲第2番も高い評価を受 け、1942年にはトスカニーニの指揮でアメリカ初演も行われるなど広く人気を博しました。また、ロマン・ロランの戯曲を原作とする歌劇「コラ・ブ ルニョン」序曲と、1960年に書かれた「悲愴」序曲2曲の管弦楽作品も収録されており、カバレフスキーの様々な年代の音楽が楽しめます。 このアルバムの指揮者ダレル・アンは、2007年に開催された「第50回ブザンソン国際指揮者コンクール」で優勝、併せて聴衆賞とオーケストラ 賞を受賞したシンガポール出身の逸材。サンクトペテルブルク音楽院の指揮科を首席で卒業した経験もあり、このカバレフスキーでも彼ならで はの共感に満ちた、堂々たる演奏を披露しています。
8.573862
リース(1784-1838):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集 第3集
ソナタ 変ホ長調 Op.18(1810)
ソナタ ト短調 Op.38-3(1811)
ソナタ ニ長調 Op.83(1818)
エリック・グロスマン(Vn)
スーザン・カガン(P)

録音:2017年6月9-10日
USA ニューヨーク、マウント・ヴァーモン オクターヴェン・オーディオ
世界初録音
これまではベートーヴェンの弟子、友人としてのみ知られていたフェルディナント・リース。最近になって作品の独自性にも注目が集まり、少しずつ演奏される機会も増えてきています。とは言え、ヴァイオリン・ソナタはまだ未知の領域であり、第1集、第2集、そして今作である第3集、どれもが世界初となる貴重な録音です。このアルバムには3つのソナタを収録。1810年に書かれたOp.18は、ベートーヴェンの影響を色濃く受け継いでいますが、開始部はかなり斬新な和声に基づいています。その8年後に作曲され、こなれた作風を持つOp.83はシューベルトを思わせる長調と短調の交替が聴きどころ。伸びやかな旋律の美しさも魅力的です。
8.573871
グローヴェン:交響曲集
交響曲第1番「山脈に向かって」 Op. 26(1937/1950改訂)
交響曲第2番「真夜中の時」 Op. 34(1938-1943)
ペーテル・シルヴァイ(指)
クリスチャンサンSO

録音:2017年6月27-30日
ノルウェー南西の都市テレマルク出身の作曲家グローヴェン(1901-1977)。この地域は20世紀初頭に工業地帯として 栄えるとともに、民族音楽の宝庫としても知られ、グローヴェンも15歳になる前に、200を超える民謡舞曲を作曲し、ハ ルダンゲルヴァイオリンで演奏したことが知られています。民謡の魅力に取りつかれたグローヴェンは、オスロに定住し、正式 な音楽教育を受けたあとも、いかにして人々に民謡の素晴らしさを伝えるかに注力、ラジオ番組や記事で積極的に紹介 するだけではなく、2000曲ほどのノルウェー民謡を収集し、時にはアラスカまで出掛けエスキモーに伝わる旋律も集めてい ます。このアルバムに収録されている2つの交響曲は、どちらも独特な舞曲のリズムと響きに満たされており、聴き手に斬 新な印象を与えます。ノルウェーの中堅指揮者で、ヤンソンスの助手を務めた経験を持つシルヴァイの情熱的な演奏が 作品の魅力を引き立てています。
8.573882
ベートーヴェン:管弦楽伴奏付声楽作品集
シェーナとアリア「初恋」WoO 92(1792)
シェーナとアリア「いいえ、心配しないで」 WoO92a(1802)
シェーナとアリア「ああ、不実な者よ」Op.65(1796)
イグナーツ・ウムラウフのジンクシュピール「美しい靴屋の娘」のための2つのアリア
WoO91(1795)-第2番靴がきついのがお嫌なら
アリア「キスの試み」賢い母が話すこと WoO 89(1792)
アリア「娘たちと仲良くして」WoO90(1792)
イグナーツ・ウムラウフのジンクシュピール「美しい靴屋の娘」のための2つのアリア
WoO91(1795)-第1番おお、何たる人生
二重唱「お前の幸福な日々に」WoO 93 Hess 120 (1802?03頃)
三重唱曲「不信心な者よ、おののけ」Op.116(1802-1803)
レーッタ・ハーヴィスト(S)
ダン・カールストレム(T)
ケヴィン・グリーンロウ(Br)
レイフ・セーゲルスタム(指)
トゥルクPO

録音:2017年9月11-13日
16歳の時に初めて憧れのウィーンを訪れたベートーヴェン、その時は長逗留ができなかったものの、22歳の時に再度 ウィーンを訪れハイドンの弟子となり、そのまま亡くなるまでの35年間をウィーンで過ごし生活を存分に謳歌しました。当 時のウィーンではイタリアの文化が流行しており、サリエリからイタリア語のレッスンを受けたベートーヴェンも、いくつかの 「イタリア語のアリア」を作曲します。これらはサリエリが出した課題による習作とも考えられていますが、どれもが当時の 名歌手や貴族の子女たちに捧げられており、若いベートーヴェンの交友関係を伺い知る貴重な作品でもあります。二 重唱曲や三重奏曲は、独立した作品でありながら、まるでイタリア・オペラの一部のような風情を持つ劇的で聴きごた えのある曲です。ベートーヴェンの声楽作品を精力的に録音しているセーゲルスタムがここでも見事なサポートを聴か せます。
8.573883
ヴァレリー・ガヴリーリン(1939-1999):ロシアのノート(1965)(L.レゼトディノフによる歌と管弦楽編)(2018)
バレエ音楽「アニュータ」(1982)(抜粋)
ミラ(リュドミラ)・シキルティル (Ms)…1-8
ユーリ・セーロフ(指)
サンクトペテルブルク・フィルハーモニーSO

録音:2018年9月5-7日
ヴァレリー・ガヴリーリンは20世紀後半のロシアにおける最も重要な作曲家の一人です。ロシア北部のヴォログダに生ま れ、幼い頃、第二次世界大戦で父を失い、母は投獄されるという厳しい環境で育った彼ですが、音楽の才能を認めら れレニングラード音楽院に入学、クラリネット、ピアノ、作曲を学びました。卒業後はレニングラードに居を構え、レンフィル ム・スタジオとレニングラード劇場のために多くの曲を書く傍ら、教師として、また出版者の編集者として広く活躍。1967 年にはソビエト連邦国家賞を授与されました。 彼の作品はどれも美しい旋律を持ち、時にはポップスのような親しみやすさも見せています。「ロシアのノート」は彼の知り 合いの少年が亡くなったという知らせを受けて書かれた"愛と死の歌"。テキストを巧妙に用い、伝統的なメロディを効果 的に織り交ぜています。オーケストラ版を作成したレゼトディノフは、ガヴリーリンのオーケストレーションを研究し、作曲家が 成し得なかった色彩的な響きを作品に与えています。バレエ音楽「アニュータ」はテレビ放送用のフィルムに合わせて書か れた作品。全曲は20曲以上ありますが、その中から10曲を選び、ユーリ・セーロフが演奏しています。
8.573885
期待の新進演奏家シリーズ/エレーヌ・ブレグ(Fl)
ジョリヴェ:フルート作品全集 第1集
Asceses アセーズ(アルト・フルート版)(1967)
Fantaisie-Caprice ファンタジー・カプリース-フルートとピアノのための(1953)
Cabrioles 跳躍-フルートとピアノのための(1953)
Incantation ‘Pour que l’image devienne symbole
呪文「イメージが象徴となるために」(アルト・フルート版)(1937)
Flute Sonata フルート・ソナタ(1958)
【5つの呪文】(1936)
A.Pour accueillir les negociateurs - et que l'entreveu soit pacifique
交渉相手を迎えるために-そして会見が和解に達するように
B.Pour que l'enfant qui va naitre soit un fils
生まれてくる子が男であるように
C.Pour que la moisson soit riche qui naitra des sillons qur le laboureur trace
農夫の耕す田畑の収穫が豊かであるように
D.Pour une communion sereine de l'etre avec le monde
生命と天地の穏やかな合致のために
E.Aux funerailles du chef - pour obtenir la protection de son ame
首長の死へ− その魂の庇護を得るために
Chant de Linos リノスの歌(フルートとピアノ版)(1944)
エレーヌ・ブレグ(アルト・フルート、Fl)
フランソワ・デュモン(P)

録音:2017年12月27-29日
パリ国立高等音楽院在学中にルクセンブルクPOに入団し話題となったエレーヌ・ブレグ。 2017年に開催された神戸国際フルート・コンクールで第1位を獲得し、2018年からは南西ドイツRSOの 首席奏者に就任、更なる活躍が期待されています。このアルバムは神戸のコンクール直後に録音されたもので、選 ばれたのはジョリヴェの作品集。楽器の特性をとことん活かした彼の20曲ほどのフルート作品は奏者たちにとって特別 な作品であり、なかでも「リノスの歌」と「5つの呪文」は高い人気を誇っています。これらの難曲を彼女は堂々と演 奏、見事なテクニックと音楽性を披露しています。
8.573888
アルフレッド・ブリュノー:作品集
歌劇「メスィドール」(1897)-第4幕:前奏曲
歌劇「風車への突撃」組曲(1893)-組曲
歌劇「ミクラン誕生」(1907)-第1幕:前奏曲
歌劇「メスィドール」第3幕第1場-黄金伝説
ダレル・アン(指)
バルセロナSO

録音:2017年9月13-15日
19世紀フランスで活躍した歌劇作曲家アルフレッド・ブリュノー。“自然主義”を提唱した文豪エミール・ゾラの親友であり、20年間に渡って共同制作を続けたというブリュノーはフランス歌劇に現実主義の作風を取り入れたことで知られています。このアルバムに収録された代表作「風車への突撃」はゾラの作品を原作に用いており、「メスィドール(フランス革命月の8月の意」はゾラが自ら台本を起こしています。厚みのある和声とエキゾチックな響きを多用した彼の音楽からは、ワーグナーの影響も感じられ、20世紀初頭の「印象派」ではないフランス音楽の潮流を見ることができます。
知られざるフランス音楽のリリースに熱心なダレル・アン。このブリュノーでも聴きごたえのある音楽を紡ぎ出し、新たなレパートリーを聴く喜びを伝えています。
8.573890
ファリャ:恋は魔術師 他
「恋は魔術師」(1915年、オリジナル・ヴァージョン)
人形劇の為の音楽「ペドロ親方の人形芝居」
エスペランザ・フェルナンデス(歌)
アルフレード・ガルシア(Br)
ジェニファー・ゼトラン(S)
ホルヘ・ガルサ(T)
サト・ムーガリアン(芸術監督)
パースペクティヴ・アンサンブル
アンヘル・ジル=オルドネス(指)

録音:2018年8月27.28.30.31日
「火祭りの踊り」で知られるファリャの代表作「恋は魔術師」。マルティネス・シエーラの台本に基づく情熱的な音楽で すが、初演時の評価はあまり芳しくありませんでした。そのため、ファリャは曲順を変更し、オーケストラの編成を大きく するなどの大規模な改訂を行い、まずは演奏会用組曲を作り、こちらは大成功を収めました。その後バレエ用に全 体を改訂、1925年に上演されています。このアルバムには、室内オーケストラで演奏する初稿版が収録されており、 迫力ある歌に小回りの利く伴奏がマッチした小気味の良い演奏が楽しめます。「ペドロ親方の人形芝居」は、セルバ ンテスの“ドン・キホーテ”のエピソードを元にした小さな歌芝居。ドン・キホーテの無茶ぶりがユーモアたっぷりに描かれて います。
8.573893
期待の新進演奏家シリーズ/オーガスタ・マッキー・ロッジ
ニコラ・マッテス(Jr.)(1670頃-1737):アリア・ファンタジア
ペドロ・ロペス・ノゲイラ(伝)(1700頃-1770頃):前奏曲とフーガ F/ut
ロカテッリ:ヴァイオリンの技法 Op.3〜コンチェルト 第2番 ハ短調-第3楽章:カプリッチョ
トーマス・バルツァー(1631-1663):前奏曲 ト長調
 アルマンド ハ長調
 サラバンド ト短調
 前奏曲 ト長調
ペドロ・ロペス・ノゲイラ(伝):前奏曲とフーガ G/ut
ニコラ・マッテス(Jr.):幻想曲 ハ短調
ジョン・ウォルシュ(166/6-1736):ヴァイオリンのための前奏曲もしくはヴォランタリー(1705 ウォルシュ完成/編集)
ピセンデル(1687-1755):独奏ヴァイオリンのためのソナタ イ短調
ビーバー:ロザリオ・ソナタ(1676)-パッサカリア ト短調
オーガスタ・マッキー・ロッジ(バロックVn)

録音:2017年5月12-15日
無伴奏ヴァイオリンのための作品の最高峰とされるのは、J.S.バッハの「6つのソナタとパルティータ」ですが、実はそれ以前の時代にも 数多くの独奏ヴァイオリンのための素晴らしい作品が書かれていました。このアルバムに収録された作品では、ビーバーやロカテッリの曲 は比較的耳にする機会がありますが、ほとんどは歴史の中で忘れられてしまった作曲家たちの手によるものであり、新鋭バロック・ヴァ イオリニスト、マッキー・ロッジはこれらの珍しい作品を深く掘り下げ、新たな光を当てました。 マッキー・ロッジはオハイオ州オーバーンに生まれ、現在はニューヨークとパリを本拠として活躍中。「2015年 Juilliard Historical Performance Concerto」コンクールの優勝者。このコンクールは、ジュリアード音楽院、大学院過程のピリオド楽器を学ぶプログラ ムが開催したもので、世界中から集まる優秀なバロック奏者たちの登竜門となっています。
8.573894
フランス・ピアノ秘曲集
ドビュッシー:新発見の練習曲(1915)
ドビュッシー:燃える炭火に照らされた夕べ(1917)
メシアン:初見視奏曲(1934)
 峡谷から星たちへ…(1974)(抜粋)
 第4曲 マミジロオニヒタキ
 第9曲 マネシツグミ
メシアン:La Fauvette Passerinette
シラヒゲムシクイ(1961)
ブーレーズ(1925-2016):前奏曲、トッカータとスケルツォ(1944)…世界初録音
ブーレーズ:12のノタシオン(1945)
ブーレーズ:天体暦の1ページ(2005)
ラヴェル:メヌエット 嬰ハ短調(1904)
ラルフ・ファン・ラート(P)

録音:2018年8月27-29日
近現代のピアノ作品を得意とするピアニスト、ラルフ・ファン・ラートが弾くフランス現代の秘曲集。ドビュッシーの最後のピア ノ曲「燃える炭火に照らされた夕べ」、ドビュッシーから大きな影響を受けたメシアンの「峡谷から星たちへ」の中から“2つの 鳥の歌”、2012年に発見された「シラヒゲムシクイ」、そしてそのメシアンから教えを受け、独自の音楽語法を確立させた ブーレーズの最初期の作品『12のノタシオン』と世界初録音となる「前奏曲、トッカータとスケルツォ」などを収録。ブーレー スの最後のピアノ曲である「天体暦の1ページ」には初期の作風の残滓がはっきり残っており、これらはフランス現代音楽 の軌跡をたどるとともに、各々の作曲家の作風を知る良い例ともなります。ラヴェルがノートに書きつけた短いメヌエットに も、その伝統がはっきり認められることでしょう。
8.573896
ピアソラ:アコーディオンとピアノの為の編曲集
1.Tanti anni prima むかしむかし(1984)
ブエノスアイレスの四季(1965-1970)
Oblivion 忘却(1984)
ミケランジェロ 70(1969)
天使のミロンガ(1965)
二重協奏曲「リエージュに捧ぐ」(アナトリユス・センデロヴァス編)
バチンの少年(1968)
ゲイル・ドラウグスヴォル(アコーディオン)
メッテ・ラスムッセン(P)

録音:2015年4月2.3日王立音楽大学、コペンハーゲン、デンマーク
ピアソラのタンゴをアコーディオンとピアノの組み合わせで演奏するという斬新な試み。なかでももともとピアノ独奏のた めに書かれた「ブエノスアイレスの四季」はアコーディオンが加わることで最高にエキサイティングな音が楽しめます。二 重協奏曲「リエージュに捧ぐ」はもともと映画音楽から生まれた作品で、様々な楽器の組み合わせのために編曲され ていますが、ここではコンパクトな響きの中に、ピアソラの遊び心と即興性が凝縮されています。ゲルギエフやラニクルズ とも共演したアコーディオンの世界的名手、ドラウグスヴォルとピアニスト、ラスムッセンの息のあった演奏でお聴きくださ い。
8.573899
バロック期のフルート協奏曲集
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ短調「ムガール大帝」RV431a
ペルゴレージ:協奏曲 ト長調-フルート,2つのヴァイオリン,通奏低音のための
ルクレール(1697-1764):フルート協奏曲 ハ長調 Op.7-3
ブラヴェ(1700-1768):協奏曲 イ短調-フルート,2つのヴァイオリン,通奏低音のための
テレマン:フルート協奏曲 ニ長調 TWV51:D1
バルトルド・クイケン(バロックFl)
インディアナポリス・バロックO

録音:2013年1月24日、2014年10月14日、2018年2月26-27日
バルトルド・クイケンが演奏する「バロック音楽の再発見」のシリーズ。ここでは5曲の協奏曲を演奏しています。 17世紀の協奏曲といえば、さまざまな楽器がオーケストラと対話する「合奏協奏曲」が主流でしたが、18世紀はじ めにイタリアで出現した「独奏楽器のための協奏曲」がまたたくまにヨーロッパ中に普及、以降、この形式が協奏曲の 主流を占めることとなりました。このアルバムに収録された5つの作品は、フルートのための協奏曲が、ドイツ、イタリア、 フランスでどのように異なるかを示しています。ヴィヴァルディの技巧的な作品、優雅で美しいブラヴェの作品、豊富な 旋律と豊かなハーモニーを持つテレマンの作品など、どれもがバロックの理念である「まるで歌うように楽器を奏でる」を 実証しています。

8.573906
期待の新進演奏家シリーズ/ヴォジン・コチチ(G)・リサイタル
バッハ:パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004(V.コチチ編)
レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリース Op.23(1864)
ポンセ(1882-1948):「スペイン」のラ・フォリアによる主題、変奏とフーガ(1930)
マレク・パシェツニー(1980-):Phosphenes 眼閃(S.L.ヴァイスによる)(2016)
ヴォジン・コチチ(G)

録音:2018年4月26-28日聖ポール教会 ニューマーケット、オンタリオ、カナダ
2017年、ドイツで開催された「ハインツベルク国際ギター・コンクール」の優勝者ヴォジン・コチチのリサイタル・アルバ ム。1990年セルビアで生まれ、チューリヒ音楽大学で学士号を取得、現在もチューリヒで研鑽を積んでいます。すで にソリストとしてオーケストラとも数多く共演をこなすなど幅広く活躍していますが、このアルバムではバッハの無伴奏パ ルティータ第2番全曲(彼自身の編曲による)や、レゴンディ、ポンセ、パシェツニーなどの技術的に困難なレパート リーに挑戦、なかでもポンセの長大なフーガや、パシェツニーの複雑な作品(コンクールでの課題曲)での指裁きに 思わず聴き入ってしまうほど、魅力的な演奏を聴かせています。
8.573918
シュポア(1784-1859):ヴァイオリンニ重奏曲集 第2集
第1番ニ短調 Op.39-1
第2番変ホ長調 Op.39-2
第3番ホ長調 Op.39-3
ジェムソン・クーパー(Vn)
ジェームス・ディケンソン(Vn)

録音:2018年3月13-15日
第1集(8.573763)が好評を得たシュポアのヴァイオリン二重奏曲。第2集には1816年に出版された作品番 号39の3つの曲が収録されています。もともとイタリア・ツアーの資金調達のために書かれたこれらの作品、シュ ポア自身は「誰でも演奏できるように易しく書いた」と述べていますが、出版社ペータースは「難し過ぎる」と出 版に難色を示しました。かろうじて出版にこぎつけたものの、ペータース側はシュポアに対して「やはり、作品は挑 戦的であり難し過ぎる(売れそうもない)」と苦言を呈しています。シュポアは「難しくない。広く流通するはず だ」と言い続けていましたが、その後、ミラノで彼自身が当時最高のヴァイオリニスト、アレッサンドロ・ロッラととも に実際に演奏したところ「意図的に難しくしたのではないのだけど、より多くの調和を求めた結果、難しくなってし まった」と初めて“演奏の困難さ”を認めたというエピソードを持っています。もちろんこのアルバムのクーパーとディ ケンソンは完璧な演奏を披露しています。
8.573920
バルカン半島のギター音楽集
ミロスワフ・タディッチ(1959-):.Jovka(2017)…世界初録音
 Chicho(2016)…世界初録音
デュージャン・ボグダノビッチ(1955-):レヴァント組曲(1955)
ホンス・フリストフスキ(1931-2000)/タディッチ:マセドニアの少女(1991)
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):3つのクロアチア舞曲(1975)
ヴォジスラウ・イヴァノヴィチ(1959-):カフェ・ピース(1993)より[インプロヴィゼーションとダンス/楽しいワルツ/子守歌]
ラザール・オストジチ(1987-):バルカン半島への階段(2017)…世界初録音
伝承曲/タディッチ:ルステムル(1991)
伝承曲/タディッチ:ウォーク・ダンス(1991)
マク・グルジッチ(G)

録音:2018年1月4日、2018年1月5日、2018年1月9日、2018年3月30日、2018年4月9日
「バルカン山脈」を名前の由来とするバルカン半島。1808年にドイツの地理学者アウグスト・ツォイネが命名した東 南ヨーロッパの一地域です。この地域は、かつてのオスマン帝国の属領であったためか、ここで生まれた音楽は「複雑 なリズムと刺激的な旋律」による独特な雰囲気を持っています。ギタリスト、マク・グルジッチはこの特徴を持つ5人の バルカンの作曲家の作品を選び、各々のユニークな曲を紹介しました。マケドニアの伝承を継承するフリストフスキ、ク ロアチアの民族音楽の薫りが漂うパパンドプロ作品、瞑想的なフレーズで構成されたボグダノビッチの「レヴァント組 曲」などどれも聴き手に東洋的なイメージを喚起させる作品です。他の曲もジャズや近代的な作風を取り入れながら も、伝統音楽の雰囲気を確かに伝えています。
8.573922
クレメンティ:鍵盤のためのソナタ集
ソナタ ヘ長調 Op.24-1(1784)
ソナタ イ長調 Op.1bis,No.4(1771)
ソナタ 変ロ長調 Op.13-4(1785)
ソナタ ホ長調 Op.1-6(1771)
ソナタ ヘ長調 Op.1bis,No.1(1771)
ソナタ イ短調 Op.1bis,No.5(1771)
ソナタ ヘ長調 Op.26(1791)
リ・ソヨン・ケイト(P)

録音:2018年1月5-7日
モーツァルトの4年前に生まれ、ベートーヴェンよりも長く生きたクレメンティ。80年という当時としては長命を得 た彼の鍵盤作品は、チェンバロからピアノへと楽器の発展に伴う表現力、演奏技術の可能性を探求したも の。ベートーヴェンの先駆的役割を担う重要な作曲家ですが、現在では一部のソナチネや教則本「グラドゥス・ アド・パルナッスム」が教育用として使われるのみで、ソナタなどの主要作品はあまり演奏されることがありませ ん。NAXOSではクレメンティのソナタの全曲録音シリーズを企画しており、このアルバムでは、彼のイギリスでの 保護者を務めたピーター・ベックフォードに捧げた作品番号1のソナタを中心に、華麗な作風を誇る作品番号 24の「ヘ長調ソナタ」などを配し、クレメンティの作風の変遷を探ります。
8.573925

NYCX-10322
国内盤仕様
税込定価
ゲーハ=ペイシ:交響的組曲第1番、第2番他
交響的組曲第1番「パウリスタ」(1955)
ローダ・デ・アミーゴス 友達の輪(1979)
交響的組曲第2番「ペルナンブーコ」(1955)
ラウル・メネゼス (Fl)
プブリオ・ダ・シウバ (Ob)
パトリック・ヴィリオーニ (Cl)
フェリペ・アルーダ (Fg)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2016年11月5-8日
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者/日本ヴィラ=ロボス協会会長)の日本語解説が付属します。
ナクソスがブラジル外務省の提携で進めているブラジル音楽のシリーズ、2022年はブラジル独立200周年にあたることもあって一層活性化しています。 最新作はセーザル・ゲーハ=ペイシの交響的組曲集。ゲーハ=ペイシはポルトガル移民でアマチュアの音楽家だった父からギターを学び、更に音楽学校でヴァイ オリンを学んだ後、指揮者・教育者として活躍。ラジオ・テレビ番組や映画のための音楽も手掛けました。オーケストレーションのうまさは特に高く評価されていま す。その手腕とブラジルのフォーク・ミュージックの要素が結びついた「交響的組曲」は、絵に描いたような「ラテンのノリとリズム」が鳴りっぷりのいいオーケストラで奏 でられる、無類に楽しい音楽です。「ローダ・デ・アミーゴス」は、ゲーハ=ペイシの音楽仲間へのトリビュートで、それぞれの友人が演奏していた管楽器を主役に 立てた協奏的断章といった趣の作品。20世紀ブラジルの作曲家の例にもれず12音技法に心酔した時期もあったゲーハ=ペイシですが、ここに収められた曲は 理屈抜きに楽しめるものとなっています。
8.573927
アルベニス:ピアノ作品集 第9集
1. スペイン狂詩曲 Op.70(1886)(1887年2台ピアノ版)
2. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第6曲 アラゴン(幻想曲)(1886)*
3. スペインのセレナード Op.181(1886-87)*
4. 旅の思い出 Op.71- 第5曲 ティエラの門(ボレロ)(1890頃)*
5. パヴァーヌ=カプリース Op.12(1883)*
6. スペイン組曲 第1集 Op.47- 第3曲 セビーリャ(セビリャナス)(1886)
7. 子守歌 T.114bis(1890)
8-12. スペインの歌 Op.232(1891-94)

※L. エスパダス=フリアスによる2台ピアノ編(2019)…2-6
ミゲル・アンヘル・R・ライス(P)
サンティアゴ・L・サクリスタン(P)…1-6

録音:2016年1月8日the Estudios FJR…8-12
2016年11月29日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…1
2019年12月23日 Auditorio Manuel de Falla, Granada,
Spain…2-7

*…世界初録音
スペインのピアニスト、ギレルモ・ゴンザレスが「アルベニス:ピアノ作品全曲録音」という野心的なプロジェクト を開始したのは今から25年ほど前のこと。これまでに計8集のアルバムがリリースされましたが、これらは全てゴ ンザレスと彼の弟子たちによって録音が行われたものです。 シリーズの集大成となるこの第9集にはアルベニスの創作における変遷を感じさせる作品と、彼がスペイン民 俗音楽からインスピレーションを受け書き上げた作品を収録。冒頭の「スペイン狂詩曲」はアルベニス自身が ピアノとオーケストラの為の作品を2台ピアノ版に編曲したものですが、続く5つの作品はこの録音のために 特別に2台ピアノのためにアレンジされた版が用いられています。落ち着いた雰囲気の「子守歌」は最近発 見された小品。そしてシリーズを締めくくるのはアルベニスの代表作の一つ「スペインの歌」。鮮やかで刺激的 なリズム漲る作品をお楽しみください。
8.573928
ベートーヴェン:ピアノのための作品と編曲集
「騎士のバレエ」のための音楽
創作主題による6つのやさしい変奏曲 ト長調 WoO 77
イギリス国歌による7つのヴァリエーション ハ長調 WoO 78
「ルール・ブリタニア」による5つのヴァリエーション ニ長調 WoO 79
.ウェリントンの勝利-ヴィトリアの戦い Op.91(作曲者による2台の大砲とピアノ版)
「タルペイア」のための凱旋行進曲 WoO 2a Hess117
行進曲 変ロ長調 WoO 29 Hess87(オリジナル版)
行進曲 変ロ長調 WoO 29 Hess87(改訂版)
行進曲ヘ長調(第1番)「ボヘミア守備隊のための」(ヨルク軍団行進曲)WoO.18 Hess99
ピアノ三重奏曲 ト長調 Op.1-2 第3楽章(断章) Hess98)C.ペテルソンによる完成版)
メヌエット 変イ長調 WoO 209Hess88
メヌエット ヘ長調 WoO 217 Biamonti66
メヌエット ニ短調 Gardi10(D.P.ジョンソンによるピアノ版/L.ビスガードによる演奏会版)
ワルツ ハ短調 WoO219 Hess68
バガテル イ長調 WoO81(A.シュミッツによるピアノ編曲版)
イギリス風舞曲 ニ長調 WoO212 Hess61
エコセーズ 変ホ長調 WoO86
エコセーズ ト長調 WoO23(C.チェルニー編)
カール・ペテルソン(P)

録音:2018年3月7日,4月7日
ベートーヴェンの知られざる作品を集めた1枚。彼はその生涯に大量のピアノ曲を書きましたが、このアルバムに収 録された作品のほとんどは「WoO番号」(作品番号を持たない作品)が付けられており、未出版、もしくは未完 成に終わったものです。冒頭の「騎士のバレエ」のための音楽は、1791年頃に彼の庇護者ヴァルトシュタイン伯 爵のために作曲されたもの。バレエのあらすじそのものは失われてしまいましたが、音楽はオーケストラ版とピアノ編 曲版が残されており、内容を推測することが可能です。さまざまな場面を「ドイツの歌」が繋いでいくというシンプル な構成の楽しい組曲です。2部からなる「ウェリントンの勝利」はオーケストラ版が知られていますが、本来は「パン ハルモニコン=軍楽隊のさまざまな音色を出せる自動演奏楽器」のために書かれた作品ですが、ここではベー トーヴェン自身によるピアノ版が演奏されています。曲の途中で大砲の音が聞こえてくるというユニークな仕掛けを 聴くことができます。他には変奏曲や行進曲などの小品も収録。 Helsingborgs Konserthus, Helsingborg, Sweden
8.573929
レオポルド・コジェルフ(1747-1818):カンタータ「ヨーゼフ、人類に祝福を」
ヨーゼフ、人類に祝福を P.XIX:3(1783頃)
アリア 変ホ長調「Umbra noctis orbem tangit 夜のとばりが世界を覆い」
(1783年以降)
アリア 変ホ長調「Quaeso ad me veni, sponse divine 神よ、私のもとに来て
ください」(1782頃)
ミサ曲 ハ長調(作曲年不明)
Klage auf den Todt Marien Theresie マリア・テレジアの死を嘆いて
ジモーナ・アイシンガー(S)
ジークフリート・ゴーリッツ(朗読)
フィリップ・ドヴォルザーク(Cemb)
チェコ少年合唱団「ボニ・プエリ」
マレク・シュティレツ(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2018年5月10-18日,8月29日
世界初録音
18世紀ウィーンで活躍した音楽家たちの中には、かなりの数のプラハ出身の人々が含まれていました。このレオポルト・ アントニーン・コジェルフもその一人。プラハで学び、バレエ音楽で作曲家デビューを果たしたのち、31歳の時にウィーン にやってきて、ピアニストとして名声を確立、その後は出版業でも成功、オーストリア帝室宮廷楽長と宮廷作曲家を兼 務するなど、当時の音楽界の頂点にのぼりつめた人です。熱心なフリーメイソン会員でもあり、このカンタータ「ヨーゼ フ、人類に祝福を」はフリーメイソンの活動を庇護していたヨーゼフ2世のために作曲されたもので、演奏も会員向けだ けになされたため、一般に普及することはありませんでした。朗読によるメロドラマを2曲含むドラマティックな作品です。 ミサ曲やアリアも絢爛豪華な響きを駆使して書かれていますが、最後の「マリア・テレジアの死を嘆いて」はシンプルな チェンバロの独奏にのってソプラノが切々とした歌を歌っていく追悼の曲。コジェルフの幅広い作風の一端を知ることがで きます。
8.573931
ヴァインベルク:(1919-1996):フルートのための作品全集
フルート協奏曲 第1番Op.75(1961)
フルート協奏曲 第2番Op.148b(1987)
フルートとオーケストラのための12の小品 Op.29b(1947/1983改訂)
フルートとピアノのための5つの小品(1947)
クラウディア・シュタイン(Fl)
エリザヴェータ・ブルーミナ(P)
デヴィッド・ロバート・コールマン(指)
シュチェチンPO

録音:2017年8月23-25日、2018年1月22日
最近、注目されているヴァインベルク:。このアルバムには彼のフルート作品が全て収録されています。ソヴィエト時代 に書かれたヴァインベルクの独奏作品の多くは特定の奏者を念頭に置いたものが多く、フルート作品もほとんどの 曲が当時の名手アレクサンドル・コルネーエフのために書かれています。作品年代の最も早い曲は「12の小品」で あり、後に弦楽オーケストラのためにアレンジされるなど、ヴァインベルクのお気に入りの作品でもありました。1961 年の「フルート協奏曲第1番」はハチャトゥリアンを思わせる活発な第1楽章、抒情的な第2楽章、流麗な第3楽 章で構成されています。「協奏曲第2番」はヴァインベルクの最後の作品の一つ。コルネーエフに捧げられており、 やはり古典的な形式で書かれています。「5つの小品」の楽譜は長い間失われていましたが、最近発見され、よう やく演奏されるようになりました。ドビュッシーの引用が印象的な第1曲を始め、自由な作風による興味深い小品 で構成されています。
8.573938
D.スカルラッティ:ソナタ全集 第28集
1. ソナタ イ短調 K.7/L.379/P.63
2. ソナタ ト短調 K.31/L.231/P.19
3. ソナタ ト長調 K.55/L.335/P.117
4. ソナタ 変ホ長調 K.68/L.114/P.7
5. ソナタ ト長調 K.80/P.28
6. ソナタ ニ短調 K.89/L.211/P.12
7. ソナタ ト短調 K.108/L.249/P.92
8. ソナタ ト短調 K.121/L.181/P.93
9. ソナタ 嬰ヘ短調 K.142/P.240
10. ソナタ ハ長調 K.156/L.101/P.248
11. ソナタ ハ短調 K.174/L.410/P.149
12. ソナタ ニ短調 K.191/L.207/P.18
13. ソナタ イ長調 K.219/L.393/P.278
14. ソナタ ト短調 K.234/L.49/P.286
15. ソナタ ヘ短調 K.239/L.281/P.56
16. ソナタ ロ長調 K.245/L.450/P.299
17. ソナタ ニ長調 K.258/L.178/P.494
カン・サンウ(P)

録音:2019年8月1、2日、2022年8月20、21、24日
D・スカルラッティのソナタは、現在600曲ほどの存在が確認されています。 NAXOSのソナタ全曲録音のシリーズでは、各々のアルバムで異なるピアニストをフィーチャーすることで、作 品だけでなく演奏家の個性を味わう趣向も凝らされています。この第28集に収録されているのは快活なイ 短調のソナタ K.7や、三拍子で書かれたト長調のソナタ K.55、スペインのフラメンコのリズムを想起させるソ ナタ嬰ヘ短調 K.142など全17曲。どれもスカルラッティの汲めども尽きぬアイディアに貫かたものばかりです。 演奏は韓国出身、ジュリアード音楽院で学んだピアニスト、カン・サンウ。2013年録音の「モーツァルト: フーガ、ロンドと幻想曲集」(8.573114)も高く評価されています。
8.573939
ベートーヴェン:変奏曲集
ヴィンターの歌劇「中止された奉献祭」の「子よ、静かにおやすみ」による7つの変奏曲 WoO75
パイジェッロの歌劇「水車屋の娘」のアリア「田舎者の恋は何と美しく」による9つの変奏曲 WoO69
ワルツ 変ホ長調 WoO84
ワルツ ニ長調 WoO85
ピアノ・ソナタ ハ長調 WoO51
グレトリの歌劇「獅子心王リチャード」のロマンス「燃える情熱」の主題による8つの変奏曲 WoO72
リギーニのアリエッタ「恋人よ来たれ」による24の変奏曲 WoO65
ラリー・ウェン(P)

録音:2017年3月17-20日
2020年は偉大な作曲家ベートーヴェンの生誕250年記念の年にあたります。彼の作品はどれもこれも日常的に聴 かれていそうなのですが、実はそうではありません。このアルバムに収録されている数々の「ピアノの為の変奏曲」も、 ほとんど演奏されることのない作品と言えるでしょう。いくつかの曲は、彼が活躍していた当時流行していた歌劇からの メロディを主題に用いたもの。パイジェッロ、ヴィンター、グレトリなどの軽快な旋律がベートーヴェンの手にかかると驚くば かりの大作に仕上がります。とりわけ、マインツの宮廷楽長を務めたリギーニの「恋人よ来たれ」による変奏曲は、24 の変奏で構成された力作。1790年、ベートーヴェンの幼馴染ヴェーゲラーのすすめによって作曲された作品で、晩 年の作品のような深遠さはありませんが、様々な工夫が凝らされ、聴き手を飽きさせることがありません。また、2楽章 のみがスケッチのまま残されたソナタ、愛らしい2曲のワルツも短いながら魅力的な作品です。ベートーヴェンの知られ ざる一面を知るための1枚です。
8.573940
クレメンティ:鍵盤のためのソナタ集
ソナタ 変ロ長調 Op.12-1
ソナタ 変ロ長調 Op.2-6
ソナタ 変ホ長調 Op.7-1
ソナタ ハ長調 Op.7-2
ソナタ ハ長調 Op.2-2
ソナタ ハ長調 Op.9-2
パク・ソナ(P)

録音:2017年3月15-16日
現代では「初心者のためのソナチネ」の作者として知られるクレメンティ、実は半世紀以上に渡って数多くの チェンバロ、ピアノのための作品を書き、自身の作品の普及のために楽譜出版を手掛け、更にはピアノの製造 まで行うという実業家でもありました。クレメンティについて、モーツァルトは「チェンバロ弾きとしては素晴らしい技 術だが、単なる機械的な演奏しかできない」と酷評しましたが、ベートーヴェンは彼の作品を高く評価し、クレ メンティもベートーヴェンのいくつかの作品を出版するなど、良好な関係を築いていました。このアルバムでは ウィーンとロンドンで出版された作品を収録、どれも簡潔なソナタ形式の中にピアノ演奏に必要なテクニックが 散りばめられています。演奏している韓国系アメリカ人ピアニスト、パク・ソナは第5回仙台国際音楽コンクール (2013)の入賞者。美しい音色とテクニックで聴き手を魅了します。
8.573941
シューベルト:ドイツ舞曲、レントラーとエコセーズ集
1. ドイツ舞曲とトリオ 嬰ハ短調 D. 139
2. ドイツ舞曲 変ト長調 D. 722
3. 8つのエコセーズ D. 977
4. 2つのドイツ舞曲 D. 841
5. 12のドイツ舞曲(レントラー)Op. 171, D. 790
6. 3つのドイツ舞曲 D. 971
7. 3つのドイツ舞曲 D. 973
8. 6つのドイツ舞曲 D. 820
9. コティヨン 変ホ長調 D. 976
10. 2つのレントラー 変ホ長調 D. 980b
11. 6つのレントラー D. 970
12. 2つのドイツ舞曲 D. 769
13. 4つのユーモラスなレントラー D. 354(P版)
14. 3つのエコセーズ D. 816
15. 12のウィーン(ドイツ)舞曲 D. 128
16. 6つのメヌエット D. 2d - 第1番ハ長調(Pのための草稿)/2つのレントラー
変ニ長調 D. 980- レントラー第2番(リュウ・ヤンによる補筆完成版) - 6つのメヌエット D. 2d - 第2番ヘ長調(Pのための草稿)…世界初録音
17. 36のオリジナル舞曲(最初のワルツ)D. 365
18. グラーツのギャロップ ハ長調 D. 925
リュウ・ヤン(1、2、16、17…フォルテピアノ:1820年代製コンラート・グラーフの複
製楽器/3-15、18…スタインウェイ)

録音:2018年3月23-25日
歌曲王として知られるシューベルトですが、31年という短い生涯を通じてピアノ曲も夥しい数を遺しています。ワルツやドイツ舞曲などの小品のほとんどは、彼 の友人たちの前で即興的に演奏した曲をもとに書き留められたとされており、親しみやすく、ピアノの心得のある人ならば、誰でも気軽に演奏が可能です。1 曲1曲は短めに書かれており、踊りの間は繰り返して演奏できます。このディスクでは ドイツ舞曲にレントラー(3拍子の田舎風の踊り)やエコセーズ(スコットラ ンド由来の舞曲)を交えて変化を演出しています。 ピアニスト、リュウ・ヤンはスタインウェイと、1820年代のフォルテピアノのレプリカを弾き分け、アルバム全体に変化をつけています。またトラック16はいくつかの 草稿を組み合わせたもの。未完の曲についてはリュウ・ヤン自身が補筆しています。
8.573942
ベートーヴェン:管楽合奏のための音楽集
管楽六重奏のための「行進曲」変ロ長調 WoO29(1797-1798)
管楽八重奏曲 変ホ長調 Op.103(1792)
管楽六重奏曲 変ホ長調 Op.71(1796)
管楽六重奏のための「ロンディーノ」変ホ長調 WoO25(1792)
デイヴィッド・シフリン(Cl)
パウル・ウォンジン・チョー(Cl)
フランク・モレッリ(Fg)
マリッサ・オレガリオ(Fg)
ウィリアム・パーヴィス(Hrn)
ローレン・ハント(Hrn)
スティーヴン・テイラー(Ob)
チェン・シュアン=フォン(Ob)

録音:2017年5月16,17日
18世紀から19世紀、小規模な編成の管楽アンサンブルは人気が高く、ベートーヴェンも数多くの作品を書き上 げています。このアルバムに収録された4曲はどれもベートーヴェンが20代の作品であり、八重奏曲はマクシミリアン 選帝侯の食卓のための音楽として書かれ、後に弦楽五重奏曲に編曲されています。選帝侯お抱えの奏者たち の熟練した技巧が伺われる勢いのある見事な筆致による明るい音楽です。六重奏曲はクラリネット、ホルン、ファ ゴットが各2本づつという珍しい編成。また、ロンディーノは八重奏曲のフィナーレとして構想されていた作品です。 モーツァルトのグラン・パルティータの伝統を受け継ぐ軽やかな作風が魅力的。
8.573944
シューマン:歌曲集 第8集
恋のたわむれ Op.101(1849)より
 第5番:春の祭りの美しさ
 第7番:千回もの挨拶をあなたに送る
 第8番:太陽の輝くように
スペインの歌遊び(1849) Op.74
スペインの恋の歌(1849) Op.138
アンナ・パリミナ(S)
マリオン・エックシュタイン(C.A)
ジーモン・ボーデ(T)
マティアス・ホフマン(Bs-Br)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シュテファン・イルマー(ピアノ・プリモ)

録音:2018年クルトゥア・ツェトルム・インマヌエル ヴッパータール、ドイツ
1849年、当時のヨーロッパは至るところで政治的混乱が生じており、争いを嫌ったシューマンは住み慣れたドレスデン を離れ、デュッセルドルフへ移ることを決めました。この年に作曲された3つの歌曲集にはソロ、デュエット、カルテットを 組み合わせた多彩な曲が散りばめられており、そのテーマも様々です。彼のお気に入りの詩人リュッケルトの詩による 「恋のたわむれ」、若い頃に熱中するもしばらく遠ざかっていたガイベルの詩を用いた「スペインの歌遊び」と「スペインの 恋の歌」、要所要所にスペイン風のリズムが用いられた歌を4人の歌手と2人のピアニストが歌い継いでいきます。耳 にする機会はあまり多くありませんが、シューマンの円熟の作曲技法と精緻な筆致が魅力的な曲集です。
8.573947
フルートとハープのためのセレナードとソナタ

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴズによる幻想曲(1934)(J.グレイディ編)
ポール・リード(1943-1997):「ヴィクトリアン・キッチン・ガーデン」組曲(1991)(C.ゴダールによるフルート・パート編
曲)
F.クープラン:恋のうぐいす(1772)
 勝ちほこるうぐいす(1772)
ショーソン(1855-1899):鳥たち(1889)(J.マッケイブ編)
ハッセルマンズ(1845-1912):泉 Op.44(1898)
ニーノ・ロータ(1911-1979):フルートとハープのためのソナタ(1937)
オルウィン(1905-1985):ナイアード-フルートとハープのための幻想曲-ソナタ(1971)
ウッダール(1873-1952):セレナード(1907)(E.グッドマン編)
エルガー:朝の歌 Op.15-2(1899)(D.ソーシン編)
マーソン(1932-2007):フルートとハープのための組曲(1993)-イチゴとクリーム
スザンヌ・シュルマン(Fl)
エリカ・グッドマン(Hp)

録音:2017年6月1-4日カナダ オンタリオ、ニューマーケット 聖ジョン・クリソストム教会
カナダのフルート奏者、スザンヌ・シュルマンが演奏する、ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴズ幻想曲」で始まる“イギ リスの庭園”からインスパイアされたフルートとハープのための作品集。ハープを担当するのはシュルマンと長年に渡って共演 しているエリカ・グッドマン。二人の息のあったアンサンブルにより、イギリスだけでなく、フランスやイタリアの作品も交え、鳥の 声、噴水、泉などを題材にした牧歌的でノスタルジックな雰囲気を備えた旋律を楽しめます。トラック10「泉」はハープ独 奏の曲で、作曲家のハッセルマンはベルギー出身、フランスで活躍したハープ奏者。彼の代表作であるこの曲は、まさに流 れる水をそのまま音にしたかのような分散和音が美しく、ハープの魅力を存分に味わえる作品として知られています。
8.573949
カステレード(1926-2014):フルート作品全集 第1集
Sonatine d'Avril 4月のソナチネ(1985)
3 moments musicaux d’apres Corot
ココローによる3つの楽興の時(1987)…世界初録音
Flutes en vacances フルート吹きの休日(1962)
Ciels 上空(1980)…世界初録音
Sonatine de Mai 5月のソナチネ(1999)
コブス・デュ・トワ(Fl)
クリスティーナ・ジェニングス(Fl)
ジェーク・フリドキス(Fl)
ブルック・ファーガソン(Fl)…
ロミー・ド・ギーズ=ラングロワ(Cl)
マルシン・アレント(Vn)
キンバリー・パターソン(Vc)
パトリック・サットン(G)
ブリジット・キッベイ(Hp)
ドレーン・リー(P)

録音:2018年9月17日、2017年12月17日、2018年5月15日、2018年5月16日、2018年5月18日
1926年、パリ生まれのジャック・カステレード。彼の父は第1次世界大戦後のパリで理髪店を経営していました が、息子が音楽への興味を抱くことを妨げることはありませんでした。彼はコンセルヴァトワールに入学するまで、ピ アノの個人指導を受けていましたが、そのレパートリーのほとんどはリストやショパンなどのロマン派の作品であり、 モーツァルトやベートーヴェンのオーケストラ作品はピアノ・デュエットで学んだのみでした。しかしコンセルヴァトワール で様々な技法を学び、彼の音楽的知識が格段に向上、学年の終りにはメシアンの音楽分析クラスで学ぶなど現 代的な感覚も取り入れています。そのためか、彼の作品には無調からジャズ、ポップス、ロックなどの影響が強く、 聴きやすい曲から難解な曲までの幅広い曲調が聴きとれます。なかでも、新古典派風の作風とモダンなハーモ ニーが心地良い「休暇中のフルート」が彼の代表作として知られています。
8.573950
ジャック・カステレード(1926-2014):フルートのための作品全集 第2集
Ombres et clartes 影と光(2010)〜フルートと弦楽三重奏のための…世界初録音
Sonate en Forme de Suite 組曲形式のソナタ〜フルートとピアノのための(1955)
Musique 音楽(1962)〜フルート,ハープと弦楽三重奏のための…世界初録音
木管五重奏曲(1953)〜フルート,オーボエ,クラリネット,ホルンとファゴットのための…世界初録
コブス・デュ・トワ(フルート、ピッコロ)
マルシン・アレント(Vn)
アンドリュー・ゴンザレス(Va)
キンバリー・パターソン(Vc)
ブリジェット・キビー(Hp)
ドリーン・リー(P)
アンテロ・ウィンズ(アンサンブル)【コブス・デュ・トワ(Fl)、サラ・ビールハウス(Ob)、ブライアン・エベルト(Cl)、宇野 香織(Fg)、メーガン・ルビン(Hrn)ー】

録音:2017年12月10日、2018年5月15-18日
1926年生まれのジャック・カステレード。代表作「フルート吹きの休日」などが収録された第1集(8.573949)に続くフ ルート作品全集の第2集には「木管五重奏曲」を含む、一層多彩な曲が収録されています。カステレードが“ローマ 賞”を受賞した1853年に作曲された五重奏曲は、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという伝統的な 編成による作品。ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」を思わせる軽快な旋律で幕を開け、時にはプーランクを思わせる 印象的な部分もある聴きごたえのある曲です。他にはランパルのために書かれた「組曲形式のソナタ」やハープと三重 奏曲を伴う音楽、簡潔な形式が古典派の作品を彷彿させる「ベル・エポック」などフルート(ピッコロ)が大活躍する作 品が並びます。第1集と同じくコブス・デュ・トワが華麗な技巧で曲をまとめます。
8.573951
19世紀ロシアのチェロ作品集
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調 Op.33
(チェロとピアノによるオリジナル版)(1876-1877)…世界初録音
ダヴィドフ(1838-1889):ロシアの歌による幻想曲(1860)…世界初録音
リャードフ:ジプシーの歌による幻想曲(1857頃)…世界初録音
アレンスキー:2つの小品 Op.12
4つの小品 Op.56
リムスキー=コルサコフ:セレナード Op.37(チェロとピアノ版)(1893)…世界初録音
ドミトリー・フリチョフ(Vc)
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)

録音:2018年5月27日、2018年5月28日、2018年5月29日
19世紀ロシアで流行したチェロのための作品集。なかでも中心的存在となったのはチャイコフスキーで、彼はチェロの 深い音色を大層好んでいました。管弦楽作品やバレエ曲でも、時折美しいチェロのソロの場面がありますが、この「ロ ココの主題による変奏曲」はチェロが思い切り活躍する作品。モスクワ音楽院のチェロ奏者フィッツェンハーゲンに捧げ られており、現在では彼が改訂した版で演奏されることが多いのですが、ここではオリジナルのピアノとチェロ版で演奏 されています。他にはチェロの名手ダヴィドフの技巧的な作品や、リャードフ、アレンスキ、リムスキー=コルサコフの優 雅な作品を楽しめます。
8.573952
ブラームス:ドイツ・レクイエム(1871年、ロンドン版…英語歌唱) ミケーレ・アレイザガ(S)
ヒュー・ラッセル(Br)
マデリーン・スレッテダール(P)
クレイグ・テリー(P)
ベッラ・ヴォーチェ(声楽アンサンブル)
アンドリュー・ルイス(芸術監督)

録音:2018年1月8-11日、2018年9月14日
ブラームスは1862年にウィーンへ赴き、ウィーン音楽院で教える傍ら作曲に集中します。1863年からはジンクア カデミーの指揮者に就任、バッハのカンタータを演奏するなど合唱の分野でも力を発揮しました。この「ドイツ・レク イエム」はブラームスの様々な思いが込められた作品であり、彼が魅了されていた16世紀から17世紀作品の影 響が強く感じられる緻密な対位法が用いられています(典礼音楽としてではなく、あくまでも個人的な作品である が故に「キリストの復活」に関わる部分は取り除かれています)。作品は1869年に完全な形で初演されました が、その2年後にはブラームス自身が編曲した2台ピアノ伴奏版に拠ってイギリスでも初演されています。今回の 録音は、その時のヴァージョンと同じ形で行われましたが、歌詞はララ・ホガードが作成した英語版を使用、英語 の発音が慎ましい美しさを呼び起こします。
8.573954
ウィリアム・ペリー(1930-)〜プロヴァンスの木陰から
プロヴァンスの木陰から(2018)-オーケストラとピアノのための音楽的ガイドブック
フィオーナ(2016)
柳の風-バレエ組曲(2018)
剣術!(2017)/パリでの買い物(1982)
独り言(1983)/3月の卒業式(1971)
スロヴァキアPO
パウル・フィリップス(指)
ウィリアム・ペリー(指)
マイケル・チャートック(P)
リチャード・ヘイマン(ハーモニカ)cho、他

録音:1982年-1986年、2018年8月28-29日
アメリカ出身の作曲家ウィリアム・ペリーは、南フランスのプロヴァンス地方を頻繁に訪れ、"世界で最も美しい"この 地域の歴史と文化を紹介することに力を尽くしています。彼はプロヴァンスについての組曲を書くことを考え、イギリ スの作家ピーター・メイル(1939-2018)のアドヴァイスを元に「プロヴァンスの木陰から」を書き上げました。協奏 曲ではないものの、4つの楽章はピアノが活躍するほか、様々な楽器がうまく取り入れられており、美しく画期的な オーケストラによる風景画として仕上がっています。他にも映画やミュージカルを思わせる色彩的な作品を収録。 一部の曲は30年前に録音されており、今回の新録を付け加えて完成したという息の長い製作期間を経た1枚 です。
8.573955
フランク:交響詩集
交響詩「呪われた狩人」
交響詩「プシュケ」
交響詩「アイオロスの人々」
スコットランド王立音楽院cho
ジャン=リュック・タンゴー(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2018年1月16-18日、2019年8月28日
ベルギーに生まれ、幼い頃から楽才を発揮するも、教会オルガニストとして、また教師として生涯慎ましい生活を送ったフ ランク。作曲家としては長い間評価されることがなく、その作品はほとんど出版されることすらありませんでした。ようやく 1882年に発表した「呪われた狩人」の初演で幾分かの成功を収め、彼の人気は少しだけ高まりましたが、大成功と言 えるほどではありませんでした。しかし、以降のフランクは次々に優れた作品を書き上げ、独自の世界を創り上げていきま す。このアルバムには、安息日に禁を破って狩に出かけた伯爵が永劫の罪によって呪われるまでを描いた描写的な「呪わ れた狩人」、ギリシャ神話のエピソードを全編ゆったりとした音楽で描いた「プシュケ」、そしてフランクが人気を獲得するより 前の作品「アイオロスの人々」の3曲を収録。とりわけ通常合唱なしで演奏される「プシュケ」を合唱付きのフルヴァージョン で聴けるのがポイントで、濃厚な雰囲気を湛えた合唱とオーケストラの色彩的な響きは、一般的には固いイメージのフラ ンクへの認識を根本的に覆すほどに官能的です。
8.573956
ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」Op.84
歌劇「レオノーレ」-第2幕 WoO 2b Hess117
(1805年版)
6つのメヌエット WoO10(1796)(F.バイヤーによるオーケストラ版)
クフナーの悲劇『タルペイア』のための勝利の行進曲WoO2a,Hess117
『レオノーレ・プロハスカ』の音楽より「葬送行進曲」WoO96-4
マッティ・サルミネン(Bs)
カイサ・ランタ(S)
レイフ・セーゲルスタム(指)
トゥルクPO

録音:2018年1月15-19日
1807年、ベートーヴェンは友人の法律家、詩人ハインリッヒ・ヨーゼフ・コリンの戯曲「コリオラン」を見て感激、劇に 基づく序曲「コリオラン」を一気に仕上げました。これによりコリンはベートーヴェンにいくつかのオペラの作曲を提案し ましたが残念ながら実現することはありませんでした。しかしベートーヴェンの劇に対する情熱は冷めることなく、 1809年にヨーゼフ・ハルトルから依頼されたゲーテ作品への作曲を快く引き受け、ほぼ半年間を要して曲を書き 上げ自らの指揮で初演しています。題材はフランドルの軍人エグモント(エフモント)の英雄的なエピソードであり、 ベートーヴェンは彼自身の政治的関心も絡めた、力強く荘厳な音楽を付けました。現代では全曲が演奏される ことはあまりありませんが、このアルバムでは名バス歌手サルミネンの朗読を含む劇音楽全曲を収録。完成度の高 い演奏を楽しむことができます。
8.573959
ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972):交響曲 第7番&第16番他
序曲「鋳掛け屋の婚礼」(1948)
交響曲第7番ハ長調(1948)
交響曲第16番(1960)
ニコライ・サフチェンコ(Vnソロ)
アレクサンダー・ウォーカー(指)
新ロシア国立SO

録音:2018年1月16-19日
近代音楽史の中で異彩を放つ英国の作曲家ハヴァーガル・ブライアン。数多くのユニークな作品を残しながらも、そ の存在は無視されつづけ、ようやく晩年になっていくつかの作品が演奏されるようになりました。なかでも交響曲第1番 「ゴシック」は前例のないほどの長大かつ大編成の作品であり、この作品の特異さで彼の名前が評価されるようになっ たとも言えるでしょう。交響曲は全部で32曲ありますが、このアルバムに収録された2曲は、常識的な長さの作品で、 とりわけ古代ギリシャとペルシャの戦いを描いた第16番は単一楽章のみのコンパクトな曲です。古典的な形式で書か れた第7番は、ゲーテの自伝にインスパイアされた作品で、壮麗なファンファーレで幕を開け、ゆったりとした終楽章で 幕を閉じます。「鋳掛け屋の婚礼」はJ.M.シングの戯曲を元にした作品。19世紀のイタリア喜劇序曲を思わせる楽
8.573962
現代イスラエルのマンドリンとギターのための作品集
マルク・ラヴリー(1903-1967):3つのユダヤの踊り Op. 192 (G. ネスターによるマンドリンとギター編)(1945/2017編)#
パウル・ベン=ハイム(1897-1984):3つの無言歌 (G. ネスターによるマンドリンとギター編)(1952/2019編)#
ヤン・フリードリン(1944-):東洋風パントマイム(2018)*
フリードリン:湖を覆う霧(マンドリンとギター版)(1985/2018編)
イェヘズケル・ブラウン(1922-2014):マンドリンとギターのためのソナタ(2004)#
イオセブ・バルダナシュヴィリ(1948-):思い出(2017)*
オーレン・ロク(1988-):アハバ(2018)*
イッタイ・ローゼンバウム(1966-):マンドリンとピアノのための二重奏曲(G. ネスターによるマンドリンとギター編)(2006/2019編)#
デュオ・マンタル
【メンバー】
ヤコブ・ロイヴェン(マンドリン)
アダム・レヴィン(G)
録音:2019年10月15-18日
St. Paul’s Church, Newmarket(カナダ)

*=世界初録音
#=このヴァージョンにおける世界初録音
現代イスラエルで活躍する作曲家によるマンドリンとギターのための作品集。これらの中には、古代 バビロニアのディアスポラ(離散したユダヤ民族)やイタリア、バルカン半島に住んでいたユダヤ系民族 "ラディーノ"に伝わる音楽、おなじみのクレズマー(ユダヤ民謡をルーツに持つ音楽)、そして近代アメ リカ音楽まで多岐にわたる影響を受けた曲が含まれています。伝統的なユダヤの旋律を用いたラヴ リーとベン=ハイム、愛へのオマージュを歌うロク、ジャズ風の味わいを持つローゼンバウムなど、どこか 哀愁漂う曲を奏でるのは、2017年にアメリカのギタリスト、レヴィンとイスラエルのマンドリン奏者ロイ ヴェンによって結成された「デュオ・マンタル」。ユダヤの歌を愛する彼らは、この楽器のデュオのための レパートリーを増やすためにイスラエルの作曲家たちに作品を依頼すると同時に、彼ら自身も積極 的にアレンジを行いヨーロッパ中で演奏活動を行っています。
8.573969
ベートーヴェン:三重協奏曲 Op. 56(カール・ライネッケによるピアノ三重奏曲編)
カール・ライネッケ(1824-1910):ピアノ三重奏曲第1番 Op. 38…世界初録音
ドゥッチョ・チェカンティ(Vn)
ヴィットリオ・チェカンティ(Vc)
マッテオ・フォッシ(P)

録音:2019年2月15-17日
最近、ベートーヴェンやモーツァルトの協奏曲を様々な作曲家が室内楽版に編曲した演奏が注目を集めてい ます。このアルバムではピアニストとしても名を馳せたカール・ライネッケがベートーヴェンの三重協奏曲をピアノ三 重奏に編曲したヴァージョンを聴くことができます。85歳という当時としては長命を得てロマン派の初期から後期 までを俯瞰したライネッケは、300曲以上の作品を残しており、中でも室内楽はブラームスを思わせる緻密な 作風を持つことで知られますが、このベートーヴェン作品の編曲は各々の楽器にソリスト的な役割が与えられた 演奏効果の高いもの。もちろん原曲の味わいは損なわれることなく、見事な出来栄えを誇っています。同時に 収録されたライネッケ自身のピアノ三重奏曲はメンデルスゾーンを思わせる美しく流麗な音楽。ゆったりとした序 奏に導かれる第1楽章、悠然とした旋律が魅力的な第2楽章、快活なスケルツォ楽章を経て堂々たる終楽 章に至る、伝統的な作風による作品です。
8.573965
フリードリヒ・ザイツ(1848-1918):ヴァイオリンとピアノのためのコンチェルト集 第2集
コンチェルト 第6番ト長調 Op.31(1907)
コンチェルト 第7番ニ短調 Op.32(1907)
コンチェルト 第8番ト長調 Op.38(1910)
コンチェルト 第9番ニ長調 Op.50(1916)
コンチェルト 第10番イ長調 Op.51(1922)
コンチェルト イ短調 Op.25(1902)
チョン・ヘジン(Vn)
ウォーレン・リー(P)

録音:2018年1月26-27日
1848年生まのドイツ・ロマン派時代に活躍したザイツ。11曲の初心者用の「協奏曲」の作曲家として知られていま すが、学習者用とは言え、どれも短いカデンツァを備えた聴きどころの多い作品です。もちろん曲の至るところにボウイ ングやスタッカート、ダブル・ストップ奏法、トリルなどが仕込まれており、1曲を仕上げるだけで、ヴァイオリン奏法の技 術が身に着く仕様になっています。ピアノ・パートにも工夫が凝らされており、ヴァイオリンを引き立てる美しい旋律が与 えられています。第1集(8.573801)でも素晴らしい演奏を披露したチョン・ヘジンとウォーレン・リーによる息のあった デュエットです。
8.573966
ヨハン・シュターミッツ(1717-1757):交響曲集 Op.3
交響曲 ト長調 Op.3-1 Wolf G2(1751-1754)
交響曲 ト長調 Op.3-3 Wolf G3(1751-1754)
交響曲 変ホ長調 Op.3-4 Wolf Eb3(1750頃-1752)
交響曲 イ長調 Op.3-5 Wolf A2(1750頃-1752)
交響曲 ヘ長調 Op.3-6 Wolf F2(1748頃-1752)
アレクサンドル・ルーディン
ムジカ・ヴィーヴァ・モスクワ室内O

録音:2018年6月
18世紀、ボヘミアで全盛を誇ったシュターミッツ一族。なかでもヨハンは“マンハイム楽派”の創立者とされてい ます(室内楽作品で知られるカールは、ヨハンの息子)。彼が残した50曲以上の交響曲は、それまでのイタ リア序曲から派生した3部からなるシンフォニア(急-緩-急)ではなく、メヌエットを挿入した4楽章形式で書か れており、これはヨーゼフ・ハイドンを先取りする、当時としては新しい試みでした。またソナタ形式の発展にも 寄与し、オーケストラ内では管楽器を重用することで音色にメリハリを付けるなど、作品に近代的な響きを与 えたことでも知られています。このアルバムでは1750年前後の交響曲を5曲収録。ハイドンが1750年代の終 りから交響曲の作曲に手を染めたことを考えると、やはりシュターミッツが時代を先取りしていたことがわかりま す。
8.573972
期待の新進演奏家/アレハンドロ・コルドバ(G)
ポンセ(1882-1948):南のソナチネ(1932)
メルツ(1806-1856):エレジー
モレノ・トローバ(1891-1982):ギター・ソナチネ(1924)
タレガ:アラブ風奇想曲(1892)
アントニオ・ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ(1933)
アレハンドロ・コルドバ(G)

録音:2018年1月15-17日ロックウェイ・スタジオ、カステリョン・デ・ラ・プラナ、スペイン
メキシコ生まれのギタリスト、アレハンドロ・コルドバのリサイタル・アルバム。地元のベラクスル音楽院で学んだ後、ロシ アで演奏活動を行い注目を集め、これまでに2枚のアルバムをリリース、どちらも好評を博しています。いくつかのコン クールでも良い成績を収めていますが、2017年「タレガ国際ギター・コンクール」での優勝は彼の知名度を格段に引 き上げ、世界的奏者としての活躍への足掛かりとなりました。 ここでは得意とするポンセやトローバを演奏。巧みなテクニックと音楽性が光ります。
8.573973
ベル・エポックから騒乱の1920年代にかけての歌曲とシャンソン集
ユーマンス:二人でお茶を…世界初録音
ホープ・テンプル:マイ・レディ・バウアー…世界初録音
メサジェ:Ah! Nay, do not fly me!…世界初録音
金と青と白…世界初録音
軽く、軽く…世界初録音
イヴァン・カーリル:時の歌…世界初録音
ロドルフ・ベルガー:「ローランギー」-レチタティーヴォとカヴァティーナ…世界初録音
フェリックス・フォードレイン:サンドリヨンの夢
ハイドン・ウッド:ピカルディのばら
ベルガー:メッサリネット
アーン:最後のワルツ
ルイ・ベイツ:レスカルポレット
マルセル・ラテス:マギー、映画の女王
ジェローム・カーン:誰かの誰か
モーリス・イヴァン:私は夜に歌う
グレース・ルボワ:私と一緒にみんなラグ/私たちはそういう
クレモンティーヌ・ドゥクチュール(S)
フィリップ・ブロカード(Br)
クロエ・ドゥクレー(Hp)
フライヴォール・アンサンブル

録音:2017年10月25-27日、2018年1月20日
「騒乱の時代」と言われる1920年代。アメリカでは第一次世界大戦の特需で経済が発展、伝統が破壊され、生活に は自動車やラジオが入り込み、人々は常に娯楽を求めました。またロンドンとパリでは他の国々を圧倒するほどの文化が 栄え、多くの英国のアーティストがパリの舞台に登場、ロンドンでは歌手や指揮者だけでなくフランスの作曲家の作品が流 行するなど、両国は絶え間ない文化交流が行われていました。そして、流行を始めたジャズを取り入れたダンスが普及し、 これらのエレガントな音楽は多くの人々を魅了しました。このアルバムには、その当時のイギリスとフランスの交流から生まれ た数々の作品が収録されています。作曲家の名前は、現代ではほとんど忘れられてしまいましたが、どれも聴けば瞬時に 魅了されるほどの楽しい曲ばかり。20世紀初頭の酒場で歌われていたような男女の関係の機微を歌った曲もあったり、 ミュージカル風の曲があったりと、思い切り楽しめる1枚です。
8.573975
ソーレ(1852-1920):24のエチュード・カプリース 第3集
第14番:変ホ長調
第15番:ロ長調
第16番:嬰ト短調
第17番:ホ長調
第18番:嬰ハ短調
第19番:イ長調
ナツリン・ラシドヴァ(Vn)

録音:2018年4月2-3日
※世界初録音
フランス出身のヴァイオリニスト、エミール・ソーレ。幼い頃から神童として名を広め、時にはフランツ・リストと共 演するなど華々しい演奏活動を行いました。指導者としても活躍、ベルリン新音楽アカデミーや、ロンドンの英 国王立音楽院で後進を指導、最終的にはロンドンに定住し、作曲家としても数多くの作品を発表していま す。彼は自身の素晴らしいテクニックを伝えるためにいくつかの練習曲を作曲、その中で最も難易度が高く、か つ芸術的に優れているとされるのが「24のエチュード・カプリース」です。10分近くの長さを誇る各々の曲は、単 なる“練習曲”の域を完全に超えており、それぞれが独立したコンサート・ピースとしても成立するほどの高い完 成度を誇っています。第1集、第2集と同じくナツリン・ラシドヴァが作曲者「ソーレ」の名を冠した1685年製の ストラディヴァリを演奏、その美しいサウンドで作品の魅力を存分に伝えます。
8.573978
ポーランドの弦楽四重奏曲集
ジグムント・ノスコフスキ(1846-1909):ヴィオッティの主題による変奏曲とフーガ(1873)
スタニスワフ・モニューシュコ:弦楽四重奏曲第1番ニ短調(1837-40)
モニューシュコ:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調(1837-40)
カロル・カジミェシュ・クルピンスキ(1785-1857):弦楽四重奏曲のための幻想曲 ハ長調(1823)
ルトスワフスキQ

録音:2018年5月7-9日、2021年8月17日
このアルバムは、ポーランドの民族主義を追求した作曲家たちの半世紀にわたる業績をたどるものです。カロ ル・クルピンスキはショパンよりも一世代前の作曲家。ポーランド音楽の国民的なスタイルの基礎を築いた人 で、彼の弦楽四重奏のための幻想曲は整った形式を持つ作品です。スタニスワフ・モニューシュコは「ハルカ」 や「幽霊屋敷」などのオペラを作曲し、"ポーランド・オペラの父"と称えられています。彼の四重奏曲は賛美歌 などシンプルな旋律を採り入れた、活気に満ちた力強い作風が魅力です。 ジグムント・ノスコフスキはポーランド有数の作曲家・教師として活躍し彼に続く世代の音楽家たちを数多く育 てあげました。アルバムに収録されているのはヴィオッティの旋律をテーマにした変奏曲とフーガで、先鋭的では ないものの、機知に富んだ作風が窺えます。演奏はポーランドを代表するアンサンブル、ルトスワフスキ四重 奏団。共感溢れる演奏を聴かせます。
8.573980
Exaltation-賞賛
ドール:Exaltation 賞賛
アルフォンソ10世:Rosa das Rosas ばらの中のばら
ブサール:Ma belle, si ton ame あなたの魂、私の美しいもの
ロッシ:Barechu 主を讃えて
伝承曲:El nora alila 贖罪の日
伝承曲:Demedim Mi 私はあなたに言ったか?
伝承曲:A la nana y a la buba 子守歌とおばあさん
フレスコバルディ:Se l’aura spira tutta vezzosa 優雅な風が吹くと
伝承曲:La manana de San Juan 聖ヨハネの日の朝
伝承曲: A?k?n ile a??klar 永遠の愛をあなたと
伝承曲:Ya viene el cativo捕虜が来る
伝承曲:Yemei Horpi 私の冬の日
作者不詳:Mareta, mareta no’m faces plorar
お母さん、お母さん、私を泣かせないで
伝承曲:Uskudara Gideriken オクダラの道-カティビム
伝承曲:Lamma bada わが愛に会った時
ファリャ:Nana 子守歌
ヤニフ・ドール(C.T)
アンサンブルNAYA

録音:2018年1月
迫害され故郷を追われた少数民族セファルディの血を引くカウンターテナー歌手、ヤニフ・ドール。このアルバムは以前発売 された「流浪と情熱の歌」(8.573566)の続編と言えるもので、彼のルーツであるセファルディがスペインから追放されて以 降、ヨーロッパからトルコ、中近東へと散っていった足取りを音楽で追っています。アルバムタイトルである「Exaltation」は ドール自身が作曲。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の3つの教義からテキストが採られた瞑想的な雰囲気を持つ曲で す。ロッシの曲ではドールはカウンターテナーではなく地声を用いています。「アンサンブルNAYA」は2008年にスウェーデン で設立された8人の奏者で構成されたアンサンブル。宗教や国籍を超えた音楽を様々な楽器でエキサイティングな演奏を 聴かせています。アラブ民族楽器のフルート「ネイ」の素朴な音色やアボリジニの「ディジュリドゥ」、フラメンコ・ギター、ヴィオ ラ・ダ・ガンバといった楽器が織り成す神秘的な響きは特に聴きものです。
8.573982
ブゾーニ:ピアノ作品集 第11集
ピアノ・ソナチネ 第5番「大ヨハン・セバスティアン氏の名による短いソナチネ」
バッハの断片による対位法的幻想曲-コラール前奏曲
バッハ=ブゾーニ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998
バッハ=ブゾーニ:コラール前奏曲集
来ませ、造り主にして聖霊なる神よ BWV667
目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV645
いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659
今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ BWV734
主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639
主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ BWV617
アダムの罪によりすべては失われぬ BWV637
アダムの罪によりすべては失われぬ BWV705
汝のうちに喜びあり BWV615
17.われらが救い主イエス・キリスト BWV665
ヴォルフ・ハーデン(P)

録音:2018年7月9-10日
ブゾーニのピアノ作品集第11集は、彼の目を通して描かれたバッハ作品の数々を収録。 フランツ・リストに心酔するとともに、優れたピアニストでもあったブゾーニは、早い時期から「トランスクリプション =編曲」に興味を抱き、数多くの作品を華麗なピアノ曲へと変貌させました。代表的な作品は1884年の 「バッハのシャコンヌ」で、濃密な響きと華やかな装飾に彩られたバッハは、ロマンティックな風情を持ち、リストの 一連のトランスクリプションの伝統に連なるピアニスティックなものとして知られています。しかし、ほぼ30年を経 て書かれた「大ヨハン・セバスティアン氏の名による短いソナチネ」は、原曲である「ファンタジーとフーガ ニ短調. BWV905」(バッハの真作であるかは疑わしい)の簡潔な様式をそのまま写し取り、瞑想的な作品として仕 上げており、入り組んだハーモニーは前衛的でもあります。厳格な対位法をそのままピアノへ移し替えた「10の コラール前奏曲」も聴きどころ。
8.573983
アレクサンドル・タンスマン(1897-1986):独奏ギターのための作品全集 第1集
ポーランド風舞曲(1962)…世界初録音
カヴァティーナ(1950)
華やかな舞曲(1952)
ギターのための小品(1965-1968頃)
レフ・ヴァウェンサ(ワレサ)へのオマージュ
(1982)
マズルカ(1925)
4つのマズルカ(1967)
ポーランド風組曲(1962)
アンドレア・デ・ヴィティス(G)

録音:2018年10月22-24日
存命中は優れたピアニストとして名声を博したタンスマン。しかし現在では、セゴビアのために作曲した一連のギ ター作品が良く知られています。タンスマンとセゴビアは1920年代にアンリ・プルニエールが編集長を務めていた雑 誌「ラ・レヴュー・ミュージカル」の活動の一環として催された夕食会で初めて会ってからというもの、ずっと長く信頼 関係を結んでいました。その夕食会では、タンスマンはセゴビアが“フラメンコ”を演奏するのでは、と期待していまし たが、セゴビアが演奏したのはバッハのシャコンヌ。この時の素晴らしい演奏に圧倒されたタンスマンは瞬時にセゴビ アに関心を抱き、彼のためにギター作品を書くことを決意したのです。まず書かれたのが、まばゆいばかりの「マズル カ」であり、以降、タンスマンがこの世を去るまでの57年間に多くの作品が生まれました。セゴビアもこれらの曲を 心から愛し、折りにふれ作品を演奏、作品の普及に尽力しています。この第1集では若きギタリスト、ヴィテスが 演奏する様々な組曲と舞曲を収録。タンスマンのセゴビアに寄せる思いが伝わる演奏です。
8.573984
タンスマン(1897-1986):独奏ギターのための作品全集 第2集
インヴェンション「バッハを讃えて」(1967)
ショパンを讃えて(1966)
バラード「ショパンを讃えて」(1965)
ギター組曲(1956)
10.ロマンティックな夜想曲:Lento e cantabile
前奏曲と間奏曲(1955)
スクリャービンの主題による変奏曲(1971)
パッサカリアの様式による小品(1953)
古風な小品(1970)
2つの流行歌((1978)
アンドレア・デ・ヴィティス(G)

録音:2018年10月24-26日
第1集(8.573983)に引き続き、名手セゴビアのために書かれたタンスマンのギター作品を堪能するシリーズ第 2集。どれも超絶技巧が要求される、奏者たちにとって取り組み甲斐のある作品に仕上がっています。ここに は、タンスマンが尊敬してやまなかったバッハとショパンへのオマージュ作品を中心に、彼と関係の深かった 人々に捧げた作品を収録。様々な曲が配された「ギター組曲」には“親友としてのセゴビア”の肖像が描かれて いたり、スクリャービンの前奏曲作品番号16、第4曲がギター版に編曲されていたりと、タンスマンの尊敬と友情 の証となる作品が並んでいます。第1集と同じくアンドレア・デ・ヴィティスが共感溢れる演奏を披露します。
8.573988
ミャスコフスキー:交響曲第1番/第13番
交曲第1番ハ短調 Op.3(1908/1921改訂)
交響曲第13番変ロ短調 Op.36
アレクサンドル・ルーディン(指)
ウラル・ユースSO

録音:2018年5月19-21日
「ベートーヴェン、マーラー、ブルックナーなどのように多くの作曲家は交響曲第10番を完成できない」…そんな ジンクスをあっさり破ったのがロシアの作曲家ミャスコフスキー。彼は生涯に27曲の交響曲を作曲、現代でも 「ソヴィエト交響曲の父」として讃えられています。活動の初期にはピアノ曲と歌曲を書いていたというミャスコフ スキーが、交響曲第1番に着手したのは1908年、サンクトペテルブルク音楽院に在学中の時。完成版は 1914年に初演されたものの、彼自身は作品の出来に不満を持っており、1921年に大幅な改訂を加え、よ りロシア情緒あふれる作品へと書き換えています。1933年に作曲された第13番は大きく3つの部分に分けら れる単一楽章の作品。彼の作品の中で“最も不協和音が多用された”曲であり、この曲を境に、ミャスコフス キーの作風は聴きやすいものへと変遷を遂げていきます。冒頭の弦の響きを切り裂くようなティンパニの活躍が 目立つユニークな交響曲です。
8.573989
アントン・ルビンシテイン(1829-1894):ピアノ・ソナタ 第1番&第2番
ピアノ・ソナタ 第1番ホ短調 Op.12(1848-1854
3つのセレナード Op.22(1855)
ピアノ・ソナタ 第2番ハ短調 Op.20(1848-1850)
チェン・ハン(P)

録音:2018年7月22-24日
ロシアで生まれ5歳からピアノを始めたアントン・ルビンシテイン。9歳で演奏会を開くなど神童ぶりを発揮しました が、パリ音楽院への入学を試みるも敢え無く失敗。しかしフランツ・リストと知り合いになり、才能を絶賛されまし た。一時期はベルリンに拠点を置くも、1848年ロシアに帰国。ドイツにルーツを持つエレナ・パヴロヴナ大公妃ら の支援を受け、サンクトペテルブルクで一連のコンサートを開始した後、3年後にサンクトペテルブルク音楽院を 設立、ロシアの音楽教育に多大な功績を残しています。作曲家としては、ピアノ曲を中心に多くの作品を残し ましたが、これらは彼の死後ほとんど演奏されることなく忘れられていたところ、熱心な愛好家たちのおかげで、 最近演奏機会が増えてきました。このアルバムにはソナタ第1番と第2番、3つのセレナードを収録。第6回中国 国際ピアノコンクールの優勝者、チェン・ハンが作品のストーリー性を読み解き、ドラマティックな演奏を聴かせま す。
8.573995
モダン・トランペットの芸術 第1集
ピーター・マクスウェル・デイヴィス(1934-2016):トランペットとピアノのためのソナタ Op.1(1955)
エネスコ:伝説(1906)
オネゲル):イントラーダ H.193(1947)
ヒンデミット:トランペットとピアノのためのソナタ(1939)
マルティヌー:トランペットとピアノのためのソナチネ H.357(1956)
J.G.ウィリアムズ(1972-):XX Mountains of Abstract Thought
リゲティ:歌劇「グラン・マカーブル」-3つのアリア「ミステリー・オヴ・ザ・マカーブル」(1988)(E.ハワース編)
ヒュー・モーガン(Tp)
パトリシア・ウルリヒ(P)

録音:2018年7月15-17日
NAXOSの新しいシリーズ「モダン・トランペットの芸術」。20世紀から21世紀にかけてトランペットとピアノのた めに書かれた様々な作品を集めるという趣旨のもと、第1集では1906年に作曲されたエネスコの「伝説」をは じめ、ヒンデミット、マルティヌーら近代の作品から、マクスウェル・デイヴィス、リゲティといった現代作品を収録し ています。なかでもエネスコの「伝説」は、楽器特性の進歩により半音階奏法が完全に可能となった証と言え る作品で、近代トランペット作品の中でも重用視される曲。他のレパートリーでも数々の特殊奏法を用い、 万華鏡のような音色を駆使しており、トランペットの可能性を極限まで追求した聴きごたえのあるものばかりで す。アンサンブル「セプトゥーラ」のメンバーであり、バーゼルSOの奏者、ヒュー・モーガンの超絶技巧でお 楽しみください。 使用楽器:YAMAHA
8.573998
カール・ツェルニー(1791-1857):協奏曲集
コンチェルティーノ ハ長調 Op.210/213(手稿版 Op.197)(1829)
第2大協奏曲 変ホ長調(1812-1814)*
オーベールの歌劇「石工」によるロンディーノ Op.127(1826)
ローズマリー・タック(P)
リチャード・ボニング(指)
イギリス室内O
ヒュー・シーナン(首席ホルン)*

録音:2018年12月4-6日聖シラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン
ベートーヴェンの弟子、友人として知られるツェルニー。彼は19世紀のウィーンにおけるピアノ演奏の技術改革に 取り組み、彼が書いた練習曲は当時大流行、現在でも、基礎的な演奏技術の向上のために広く使われていま す。しかし彼自身は非常に謙虚な人柄であり、演奏技術の改良も「尊敬するベートーヴェンのソナタを弾くため」 に行われたものでした。そのために彼が残した数多くのピアノ曲は、どれも高度な技術が用いられた演奏困難なも のであり、ショパン作品よりも難しいとされる曲もあります。しかしツェルニー自身が宣伝しなかったため、そのほとんど が忘れられてしまいました。最近になってようやく、演奏機会が増えてきたこともあり、独自の作風が見直されてい ます。ここでは2曲の協奏曲と、同時代の作曲家オーベールの歌劇の旋律を使ったロンディーノを聴くことができま す。なかでも第2大協奏曲は、ベートーヴェンの「皇帝」を聴いて感動したツェルニーが初演の12日後に作曲を始 めたという、師に対する尊敬の念が強くこめられた作品。ツェルニー研究家のローズマリー・タックの演奏は作品の 真価を的確に伝えています。

8.574001(2CD)
バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV248 福音伝道者…ゲオルク・ポプルッツ(T)
ユリア・クライター(S)
カタリナ・マギエラ(A)
トーマス E.バウアー(Bs)
ラルフ・オットー(指)
マインツ・バッハO&cho

録音:2017年11月28日-12月5日ドイツ、マインツ キリスト教会
バッハのクリスマス・オラトリオは、1734年のクリスマス・シーズンのために書かれたカンタータ集。全6部からなる長大な 作品で、一部の楽章は、それまでのカンタータの楽章から転用されていますが、もともとバッハは原曲を作る際に「後に転 用する」ことを前提に構想を練っていたとされるほどに、ごく自然な流れで全曲がまとめられています。冒頭の「歓呼の声を 放て、喜び踊れ」の輝かしい管弦楽と合唱の旋律は、まさにキリストの誕生を祝うにふさわしい壮麗さを持ち、ここを耳に するだけでも心が躍ることでしょう。このアルバムで指揮をしているのはラルフ・オットー。1991年にコンチェルト・ケルンを振っ た名演も存在しますが、こちらは最新の録音。手兵マインツ・バッハOと合唱団を意のままにあやつり、極上の名 演を聴かせています。
8.574004
ロドリーゴ:ギター作品集 第3集
ギターのための牧歌(1971)
2つの前奏曲(1977)
スペイン風ソナタ(1969)
古い歌(1960)(フルートとギター編)
暁へのセレナード(1982)(フルートとギター版)
セシリアのアルバム(1948)(P. ロメロによるギター編)
トリプティコ(1978)
2つの小さな幻想曲(1987)
ジェリル・レフィク・カヤ(G)
マリアン・ゲディジャン(Fl)

録音:2019年11月11-12日、2020年7月10日、2020年2月28日
20世紀スペインにおける偉大な作曲家の一人、ホアキン・ロドリーゴ。幼少期に得た病のため視力を失うも、ピアニ スト・作曲家として大成。なかでも「アランフェス協奏曲」はギター協奏曲における最高の作品の一つとして評価され るなど、ギター音楽の作曲家として広く認識されています。彼の作品はアルベニスやグラナドス、ファリャなどスペイン・ ロマン派の伝統を拡張するとともに、留学先のパリで培ったフランス印象派の様式も盛り込んだ独自性の高いもの。 このアルバムではソナタ形式で書かれた「ギターのための牧歌」にはじまり、ロドリーゴの娘セシリアに捧げられた愛らし いピアノ曲集をペペ・ロメロがギター用に編曲した「セシリアのアルバム」、そしてロドリーゴの最後のギター作品となった 「2つの小さな幻想曲」など、伝統と革新を融合させた様々な作品を楽しむことができます。演奏しているジェリル・レ フィク・カヤは2012年ジョアン・ファレッタ国際ギターコンクールで最優秀賞を獲得した1991年イスタンブール生まれ のギタリスト。NAXOSからはバリオスのギター作品など4枚のアルバムをリリース、高く評価されています。
8.574005
オーベール(1782-1871):序曲集
歌劇「石工」(1825)
 1.序曲
 2.第3幕への間奏曲…世界初録音
 3.第2幕:対話の音楽…世界初録音
 4.歌劇「恥ずかしがり屋、または新しい誘惑」序曲(1826)…世界初録音
歌劇「レスター、またはケニルワース城」(1823)…世界初録音
 5.序曲
 6.第3幕への間奏曲
 7.歌劇「兵隊屋敷」(1813)序曲…世界初録音
歌劇「エマ、または無分別な約束」(1821)…世界初録音
 8.序曲
 9.第2幕への間奏曲
 10.第3幕への間奏曲
歌劇「雪、または新しいエギンハルト」(1823)
 11.序曲
 12.第3幕への間奏曲
 13.歌劇「新約聖書と恋文」(1819)序曲…世界初録音
歌劇「女羊飼いの城主」(1820)…世界初録音
 14.第2幕への間奏曲
 15.第3幕への間奏曲
 16.序曲
ダリオ・サルヴィ(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2018年10月28-31日
フランスのロマン派オペラの頂点を築いた作曲家の一人、フランソワ・オーベール。生涯に50作ほどのオペラを作 曲、当時のパリ・オペラ座ではワーグナーと人気を二分するほどに評価が高かったにもかかわらず、現在ではそ の作品がすっかり忘れられてしまいました。しかしそのオペラは、華麗かつエネルギッシュなスタイルを持ち、登場 人物の卓越した性格描写だけではなく、随所に散りばめられた舞曲風の洒落た音楽など聴きどころが満載で す。このアルバムには、7つの歌劇の序曲と間奏曲が収録されており、歌がなくとも、ロッシーニ風の色彩豊かな 旋律とオーケストレーションを聴くだけでオーベール作品の素晴らしさの一端を知ることができます。演奏は珍し いオペラの研究家でもある指揮者ダリオ・サルヴィが指揮するチェコ室内Oパルドビツェ。素朴な響きが 作品を引き立てています。
8.574011
ホセ・フェレル(1835-1916):ギター二重奏曲全集
ドニゼッティの歌劇「寵姫 ラ・ファヴォリータ」の主題による幻想曲(1881)
ボレロ ホ短調 Op.39(2台ギター版)(1897-1898出版)
ドニゼッティの歌劇「ルクレツィア・ボルジア」の主題による幻想曲(独奏ギター版)(1878)
テレプシコーレ:ワルツ Op.45(1903-1904出版)
ミニュエ イ長調 WoO10(1883)
メランコリー:夜想曲 ハ長調 Op.23(2台ギター版)(1895出版)
水の精:ワルツ ト長調 Op.26(2台ギター版)(1895-1896出版)
マズルカ WoO1(1925出版)
ワルツ・オリジナル WoO9(1879)
湖の夜:幻想曲による変奏曲 ニ短調 Op.14(独奏ギター版)(1888頃出版)
スペイン風セレナード イ長調 Op.34(1897-1898出版)
ヴェルディの歌劇「椿姫」の主題による幻想曲(1884)
イェルゲン・スコグモ(G)
イェンス・フランケ(G)

録音:2017年4月25-27日
カタルーニャで生まれたロマン派の作曲家フェレル。彼の父親はアマチュアのギタリストであり、5歳から父の手ほどきを 受けたフェレルは、優れたギタリストとして大成し、演奏するだけでなく作曲にも力を注ぎ、やがて教師として数多くの 後進を育て上げます。パリにも長期滞在し、一時期はコメディ・フランセーズのギタリストを務め、またフランス社会協 会のメンバーに名を連ね、リセウの学校では無償でレッスンを行うなど、社会的貢献も果たしています。彼は多くのギ タリストたちと親交を重ね、数多くの共演を行いました。その結果生まれたのがこれらのギター・デュオ作品です。当時 流行していた「歌劇の旋律を用いた幻想曲」やゆったりとした舞曲を含むオリジナル作品の数々は、パリの優雅な雰 囲気を思い起こさせる美しさに満ちています。
8.574013
レスピーギ:ローマ三部作
ローマの祭
ローマの噴水
ローマの松
ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音:2018年5月30日、6月4日
NAXOSレーベルの「ローマ三部作」と言えば、エンリケ・バティスとロイヤルPOとの凄まじい演 奏がお馴染みですが、その録音は1991年、ほぼ30年前ということもあって「そろそろ新録音が出てほしい」という要 望が多くなってきました。そこで登場したがこのファレッタとバッファロー・フィルハーモニーの演奏です。レスピーギ作品で はすでに「教会のステンドグラス」(8.557711)で華麗な演奏を披露、高い評価を受けているファレッタですが、こ の2018年の最新録音では一層華やかな音作りと、多彩な表現を駆使し、申し分ない「21世紀のレスピーギ」を聴 かせています。
8.574014
ポルトガルのピアノ三重奏曲集 第2集
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955):三重奏曲(1908)…世界初録音
フレデリコ・デ・フレイタス(1902-1980):前奏曲、コラールとフーガ(1923)…世界初録音
ジョリー・ブラガ・サントス(1924-1988):三重奏曲 Op.64(1985)
アレクシャンドレ・デルガード(1965-):トリオ・カモニアーノ(2017)…世界初録音
トリオ・パンゲア
【アドルフォ・ラスコン・カルバハル(Vn)
テレサ・バレンテ・ペレイラ(Vc)
ブルーノ・ベルトイス(P)】

録音:2018年7月29.30.31日
20世紀に書かれたポルトガルの室内音楽集。これらの作品は近代ポルトガル音楽の発展に大きな役割を果た しています。とりわけフレイタス・ブランコの三重奏曲は様々な要素で構成された興味深い仕上がりで、リズミカル な部分と抒情的な部分が混然一体となった素晴らしい作品です。全体は切れ目なく演奏され、最終楽章として 躍動的なアレグロが置かれていますが、全曲が華やかに幕を閉じたと思わせながら、神秘的なコーダが続き、聴き 手の意表を突くという意外性も持っています。バッハの作品からインスパイアされたフレイタスの「前奏曲、コ ラールとフーガ」、フレイタス・ブランコの弟子として知られるサントスの独創的な「三重奏曲」、そのサントスの弟子 であるデルガードの作品と、ポルトガル音楽の伝統が連綿と受け継がれていく様子も知ることができます。
8.574016
ブローウェル(1939-):ギター作品集 第5集
儀式と祝祭の舞曲集 第2集(2014-2015)
ギター・ソナタ 第3番「黒いデカメロンのソナタ」(2012)
ギター・ソナタ 第4番「思想家のソナタ」(2013)
ギター・ソナタ 第5番「アルス・コンビナトリア」(2013)
ペドロ・マテオ・ゴンザレス(G)

録音:2019年5月13-16日
ハバナ出身のレオ・ブローウェルは最も挑戦的で革新的なギター作品の作曲家として知られています。彼はまた指揮 者・劇作家でもあり、その多彩な表現は多くの人々から称賛されています。このアルバムには彼の3つのギター・ソナタ と、作品の原点ともいえる「儀式と祝祭の舞曲集」が収録されており、キューバ民謡を採り入れながらも前衛的な響き をもつ多彩な作品を楽しむことができます。「儀式と祝祭の舞曲集」のルーツは、彼が18歳の時に作曲した「Danza Caracteristica=典型的な舞曲」にあり、ラヴェルやラフマニノフ、ボサ・ノバなどを融合するという実験的な方法がそ のまま受け継がれています。他にはブローウェル作品の中でも最も知られている「黒いデカメロン」と「思想家のソナタ」、 2014年に初演された「アルス・コンビナトリア」の3曲を収録、ギターの技巧を極限まで追求したブローウェル独自の作 品が楽しめます。
8.574017
ベートーヴェン: ミサ曲 ハ長調 Op.86(1807)
ヴェスタの炎 Hess 115 (断章)(1803)
カンタータ「静かな海と楽しい航海」 Op.112(1815)
カイサ・ランタ (S)
ニーナ・カイテル (Ms)
トピ・レティプー (T)
トゥオマス・カタヤラ (T)
ニコラス・セーデルルンド (Bs)
レイフ・セーゲルスタム(指)
アボエンシス大聖堂聖歌隊
トゥルクPO

録音:2018年5月28-31日トゥルク・コンサート・ホール、フィンランド
17世紀から18世紀にかけて、ハプスブルク帝国、オーストリア=ハンガリー帝国末まで、ハンガリー王国最大の大地主と して君臨したエステルハージ家。長らくハイドンが宮廷楽長を務め、古い時代の音楽を好む当主ニコラウス2世のためにミ サ曲を書き続けていました。しかしハイドンが健康悪化を理由にこの慣習を中断、フンメルがこれを引き継ぎましたが、 1807年にベートーヴェンにも「ミサ曲作曲の依頼」が舞い込みました。ベートーヴェンは畏まりつつ、この依頼を受け、ハイ ドンの伝統に基づいたミサ曲を書き上げました。残念ながら初演は失敗、エステルハージ公は作品を気に入ることはな かったため、ベートーヴェンは献呈先をエステルハージ公からキンスキー公に変更し出版にこぎつけたというエピソードを持っ ています。とはいえ、完成度はとても高く、当時の評論家たちも「素晴らしい出来栄え」と賛美した隠れた名作です。同 時収録はシカネーダーの詩による「ヴェスタの炎」とゲーテの詩による「静かな海と楽しい航海」。セーゲルスタムの堂々たる 指揮で。
8.574018
ヴィラ=ロボス:協奏曲と室内楽曲集
ギターと小オーケストラのための協奏曲(1951)
Sexteto Mistico 神秘的六重奏曲(1917)
ハーモニカ協奏曲(1955)
Quinteto Instrumental 五重奏曲(1957)
ジァンカルロ・ゲレーロ(指)
サンパウロSO
マヌエル・バルエコ(G)
ホセ・スタネック(ハーモニカ)
クラウディア・ナシメント(Fl)0
ライラ・ケーラー(Ob)
ダグラス・ブラガ(アルト・サクソフォン)
ファビオ・ツァノン(G)…4
ロジェリオ・ザーギ(チェレスタ)
スエレム・サンパイオ(Hp)
アドリアン・ペトルティウ(Vn)…
エデルソン・フェルナンデス(Va)
アドリアーナ・ホルツ(Vc)
18世紀以降のブラジル作曲家の作品を世界に広めるため、ブラジル外務省が立ち上げたプロジェクト「ブラジル・イン・ コンセルト(ブラジルの音楽シリーズ)」。今作ではブラジルを代表する作曲家、ヴィラ=ロボスのさまざまな協奏曲と 室内楽曲をご紹介いたします。「ギターと小オーケストラのための協奏曲」は彼の最後のギター作品で、名手セゴビア のために作曲されました。1920年代にも「12の練習曲」をセゴビアに献呈したヴィラ=ロボス、この作品にも名手の希 望が反映されており、抒情的な雰囲気の中に巧みな技術が凝らされた精妙な作品に仕上がっています。このアルバ ムでは巨匠、マヌエル・バルエコがソロを担当しています。ハーモニカ協奏曲は1940年代から活躍した名ハーモニカ奏 者ジョン・セバスチャンの委嘱作。倍音、オクターヴ、二重音など様々な技巧が余すことなく用いられており、複雑なリズ ムに乗ってハーモニカの美しい旋律が歌われていきます。六重奏曲、五重奏曲は、当時フランスで流行していた弦、木 管楽器のアンサンブルから影響を受けたと思われる牧歌的で美しい作品。六重奏曲にはチェレスタが用いられており、 タイトル通りの神秘的な雰囲気をかもし出しています。
8.574020
BEETHOVEN REIMAGINED ベートーヴェン再想像!
オーケストラのためのソナタ(原曲:ヴァイオリン・ソナタ 第7番) ハ短調 Op.30 No.2(ギャレット・シューマン/ヤニフ・セガルによる編)(1802/2016)
フィデリオ・シンフォニー(ヤニフ・セガル編)(1804-1814/2018)
ゲイブリエル・プロコフィエフ(1975-):ベートーヴェン、第9交響曲のリミックス(2011)
ゲイブリエル・プロコフィエフ(エレクトロニクス)
ヤニフ・セガル(指)
BBCウェールズ・ナショナルO

録音:2018年5月15-17日
世界初録音
2020年のベートーヴェン生誕250年に向けて、21世紀の作曲家たちによる「オマージュ作品」を3つ収録したアルバ ム。各々が全く違うスタイルを持ち、現代におけるベートーヴェンの姿を探る興味深い1枚となっています。ギャレット・ シューマンとヤニフ・セガルの「オーケストラのためのソナタ」はヴァイオリン・ソナタ第7番をオーケストラのために編曲。ハ短 調という調性のためか、交響曲第5番を思わせる緊張感に溢れた色彩豊かな作品に仕上がっています。同じくセガル の編曲による「フィデリオ・シンフォニー」は、ベートーヴェンの唯一の歌劇「フィデリオ」の歌の部分を楽器に置き換えた作 品。30分程度のコンパクトな形に収められており、ベートーヴェンの厳格な歌劇を手軽に楽しむことができます。最後に 置かれた「ベートーヴェン、第9交響曲のリミックス」はこれまでも数多くの20世紀の作曲家たちが取り組んできた、古典 派作品を“素材”として扱い、新しい作品を創造するというやり方で生まれたもの。大作曲家プロコフィエフの孫であるゲ イブリエル・プロコフィエフが第九の終楽章を自由にアレンジ、合唱の部分はプロコフィエフ自身がサンプリングして加えて おり、混沌の音の中から何かが浮かび上がってくる様子には興奮を抑えられません!
8.574023(2CD)
ドヴォルザーク:オラトリオ「聖ルドミラ」 ルドミラ…アドリアーナ・コフトコーヴァ(S)
スヴァターヴァ…カルラ・バイトナローヴァ(A)
ボルジーヴォイ…トーマシュ・チェルニー(T)
農民…オンドレイ・サーリング(T)
イヴァン…ペーター・ミクラーシュ(Bs)
スロヴァキア・フィルハーモニーcho
レオシュ・スワロフスキー(指)
スロヴァキアPO

録音:2015年4月29-30日コンサートホール・オブ・スロヴァキア、ブラティスラヴァ、スロヴァキア
1884年3月、初めてイギリスを訪れたドヴォルザークは自身の「スターバト・マーテル」を指揮し大好評を博しました。 彼はその年の秋にも再び渡英し、やはり「スターバト・マーテル」を演奏、以降、ドヴォルザークとイギリスの関係は強固 なものとなり、1886年にはリーズ音楽祭の為の合唱作品の委嘱を受けるまでとなります。このためにドヴォルザーク が選んだ題材は9世紀後半に実在した聖女「ボヘミアのリュドミラ」。チェコの統一を成し遂げた王ボジヴォイ1世の妃 であった彼女は、国家としてギリシャ正教を受け容れ国民を帰依させることに貢献したというチェコのカトリックの庇護 者。ドヴォルザークは彼女のエピソードを詩人ヤロスラフ・ヴルフリツキーの台本を用いて、壮大なオラトリオに仕上げ、 ロンドンで演奏し大喝采を浴びました。ドヴォルザークの創作の頂点をなす豊かな旋律美に溢れた大作です。
8.574026
バッハ:マグナ・ゼクエンツィア 第1集
パルティータ 第4番ニ長調 BWV828-I.序曲*
パルティータ 第4番ニ長調 BWV828-II.アルマンド*
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830-II.アルマンド
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830-III.クーラント
フランス組曲 第3番ロ短調 BWV814-II.クーラント
フランス組曲 第4番変ホ長調 BWV815-II.クーラント
ゴルトベルク変奏曲 BWV988-アリア
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830-V.サラバンド
フランス組曲 第1番ニ短調 BWV812-IV.メヌエットI-V.メヌエットII
パルティータ 第5番ト長調 BWV829-VI.パスピエ
パルティータ 第3番イ短調 BWV827-V.ブルレスカ
組曲 ホ短調 BWV996-V.ブーレ
フランス組曲 第5番ト長調 BWV816-VI.ルール
フランスの様式による序曲(パルティータ) ロ短調 BWV831-III.ガヴォットI-IV.ガヴォットII
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830-IV.アリア
ゴルトベルク変奏曲 BWV988-第7変奏 1あるいは2鍵盤
パルティータ 第6番ホ短調 BWV830-VII.ジーグ
フランス組曲 第5番ト長調 BWV816-VII.ジーグ
パルティータ 第2番ハ短調 BWV826-VI.カプリッチョ
ソニア・ルビンスキー(P)

録音:2018年1月6-10日*、2016年1月6-9日
「Magna Sequentia=偉大なる継続」とでも言うのでしょうか。このアルバムはバッハの「組曲」から任意の舞曲を 集めたもの。18世紀には、ソナタよりも組曲が一般的であり、バッハ以前の時代にもフローベルガーをはじめとした多く の作曲家がこの形式で曲を作っています。さまざまな舞曲によって構成されていますが、中核をなすのは、アルマン ド、クーラント、サラバンド、ジーグの4曲で、ここに任意の曲を追加することで曲が完成となります。フランスで生まれた この「組曲」、演奏する際は曲を自由に選択、配置してもよいとされており、奏者たちは即興で曲を取捨択一するこ とが求められていました。 バッハは鍵盤曲として19の組曲を作曲しており、ルビンスキーはこの中から19曲を選び出し、モダン・ピアノで演奏。 21世紀における「新たな組曲」を聴き手に提示します。
8.574027
バッハ:マグナ・ゼクエンツァ 第2集-舞曲からの大組曲
フランスの様式によるパルティータ(フランス風序曲) ロ短調 BWV831〜第1番:序曲/第2番:クーラント
フランス組曲 第1番ニ短調 BWV812-第1番:アルマンド
パルティータ 第5番ト長調 BWV829-第3番:クーラント
イギリス組曲 第3番ト短調 BWV808-第2番:アルマンド
パルティータ 第4番ニ長調 BWV828-第3番:クーラント
組曲 ヘ短調 BWV823-第2番:サラバンドとロンド
フランス組曲 第1番ニ短調 BWV812-第3番:サラバンド
パルティータ 第5番ト長調 BWV829-第5番:テンポ・ディ・メヌエット
フランスの様式によるパルティータ(フランス風序曲) ロ短調 BWV831〜第4番:パスピエ I-II/第6番:ブーレ I-II
フランス組曲 第6番ホ長調 BWV817-第5番:ポロネーズ
パルティータ 第3番イ短調 BWV827-第4番:スケルツォ
イギリス組曲 第6番ニ短調 BWV811-第6番:ガヴォット I-第7番:ガヴォット II
パルティータ 第4番ニ長調 BWV828:第7番:ジーグ
フランスの様式によるパルティータ(フランス風序曲) ロ短調 BWV831〜第7番:ジーグ/第8番:エコー
ソニア・ルビンスキー(P)

録音:2018年1月6-10日
ラテン語で"偉大なる継続"という意味を持つMagna Sequentia。第1集(8.574026)に続く、ソニア・ルビンス キーがバッハの任意の組曲から、様々な曲を選び出し、新たな「組曲」に仕立て上げた興味深いアルバムで す。今作においても、ルビンスキーは「フランス様式によるパルティータ」を中心に、フランス組曲、イギリス組曲、パル ティータから選ばれた曲を用いて、新たな組曲を創り上げ聴き手に披露しています。全曲を通して、曲の緩急や 雰囲気などが細かく設定されており、もともとバッハが一つの作品として構想していたといわれてもおかしくないほど の完成度の高いアルバムに仕上がっています。
8.574028
ウェイランド(1954-): 弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第5番Op.51(2012)
弦楽四重奏曲第4番Op.50(2011)
メルボルンQ【ウィリアム・ヘネシー(Vn1)、マルキヤン・メルニチェンコ(Vn2)、キース・クレリン(Va)、マイケル・ダーレンバーグ(Vc)】

録音:2018年11月30日-12月2日
世界初録音
英国の作曲家ダグラス・ウェイランド。1985年に発表された「弦楽四重奏曲第1番」の成功により「20世紀英国におけ る重要な弦楽四重奏曲作曲家」の一人として賞賛されています。このアルバムには2011年と2012年に書かれた「第4 番」と「第5番」を収録。シンプルな旋律で幕を開ける第5番は、古典的な雰囲気を保ちつつも、予想外の展開を見せ ながら自由に発展していきます。全体の中核を成す「トスカーナ風のシチリアーノ」と題された第2楽章や、序奏を伴う終 楽章も意外性に満ちた音楽です。5楽章で構成された大規模な第4番も独自性の高い曲。変ロ調を基本にするも、 調性感は薄く、とりわけ“Misterioso=神秘的に”と指定された第2楽章での不安定な楽想はこの作品が21世紀に書 かれたことを実感させてくれます。快活な第3楽章、シューベルトやハイドンを思わせる美しい第4楽章、バルトーク作品を 思わせる激しい第5楽章と、全体に変化に富んだ個性的な味わいを持っています。
8.574030
プロコフィエフ:歌曲とロマンス集
みにくいあひるの子 Op.18(1914)
5つの詩 Op.23より(1915)
第2番:灰色の服
第3番:私を信じて
第5番:魔法使い
アフマートヴァの5つの詩 Op.27(1916)
私を覚えていて Op.36 No.4(1921)
ロマンス「灰色の鳩は嘆いている」Op.60Bis No.1(1934)
アニュートカ Op.66a No.2(歌とピアノ版)(1935)
おしゃべり Op.68 No.1(1936)
死の原野-『アレクサンドル・ネフスキーからの3つの歌」Op.78Bis No.2(1939)
虹の朝焼けに Op.73 No.2(1936)
カテリーナ Op.104 No.6(1944)
マルガリータ・グリツコヴァ (Ms)
マリア・プリンツ (P)

録音:2019年4月23-26日
20世紀を代表する作曲家プロコフィエフ。交響曲からピアノ曲、映画音楽まであらゆるジャンルの作品を残しましたが、70 曲ほどの歌曲はあまり演奏されることがありません。しかし、これらの歌曲はプロコフィエフが自身の作品について“4つの基本 ライン”と呼んた「古典的」「近代的」「動的」「抒情的」この全ての要素がバランスよく融合されており、プロコフィエフの原点 が端的に示された聴きどころの多い作品群なのです。このアルバムでは『ピーターとおおかみ』の先駆的作品とも言える「み にくいあひるの子」から、組曲『キージェ中尉』のロマンス「灰色の鳩は嘆いている」まで、「古典的」「抒情的」な歌曲を16 曲セレクト。表現力豊かな歌を聴かせるグリツコヴァは2019年にリリースされた「ロシアの歌曲集」(8.573908)で、その 美しい声が「壮大な楽器を思わせる」と絶賛されたメゾ・ソプラノです。
8.574033
サン=サーンス:バレエ音楽集
歌劇「アスカニオ」-第3幕のバレエ音楽(1887-1888)
Entree du Maitre des Jeux 遊びの達人の入場(序曲)
Venus, Junon et Pallas ヴェヌス、ジュノンとパラス(古風なダンス)
Diane, Dryades et Naiades ディアーヌ、ドリュアデスとナイアード(ガヴォット)
Bacchus et les Bacchantes バッカスとバッカンテス(バッカナール)
5.Apparition de Ph?bus, d’Apollon et des neuf Muses
フェーブスのアパラシオン、アポロと9人の女神たち
Ph?bus prenant sa lyre, evoque l’Amour
フェーブスは琴を手に、愛を呼び起こす
L'Amour fait apparaitre Psyche アモールはプシュケを登場させる
Ensemble de Ph?bus, Diane, Erigone, Nic?a et Bacchus avec les
Muses, les Nymphes et les Bacchantes フェーブス、ディアーヌ、エリゴーネ、ニ
ケ、バッカスとミューズ、ニンフ、バッカンテスのアンサンブル
Variation de l’Amour アムールのヴァリアシオン
Le Dragon des Hesperides apporte la pomme dor
ヘスペリデスの竜は黄金のリンゴをもたらす
Finale ? Les Deesses, Bacchantes, Naiades et Dryades
フィナーレ、女神、バッカンテス、ナイアデス、ドリュアデス
Les Barbare 歌劇「蛮族たち」-プロローグ(1901)
La Jota aragonese ホタ・アラゴネーゼ-序曲(1880)
Andromaque 歌劇「アンドロマケー」-第4幕の前奏曲
(1902)
Andromaque 歌劇「アンドロマケー」-序曲(1902)
La Princesse jaun 歌劇「黄色の女王」-序曲
(1871-1872)
Ouverture d’un opera-comique inacheve
未完成のオペラコミック序曲(1854)
歌劇「アスカニオ」より
「アモールはプシュケを登場させる」(異稿版)
歌劇「アスカニオ」より
「アムールのヴァリアシオン」(異稿版)
準・メルクル(指)
マルメSO

録音:2018年8月20-24日
独立して演奏される「サムソンとデリラ」のバッカナールのように、サン=サーンスの歌劇作品には、数多くの魅力的なバ レエ音楽が含まれています。1890年に作曲された「アスカニオ」もそんな作品。もともとラモー作品を意識して書かれた 歌劇であり、全体がバロック調に統一されており、今では全編が演奏されることはほとんどありませんが、このアルバムに 収録されている魅力的なバレエ音楽(古代の神と女神を主人公にした序曲と12のダンス)は、いくつかの曲が単独 で演奏されたり、フルート版が作られたりと、しばしば聴き手の耳を楽しませています。他には野外劇場での上演が目 論まれた「蛮族たち」のプロローグや日本を舞台にした「黄色の女王」の序曲など、普段はあまり聴く機会のないサン= サーンスの管弦楽作品を準・メルクルが指揮しています。
8.574034
プティジラール(1950-):Etats d'ame 心情
Etats d'ame 心情(2011-2012)
Solitaire 寂しさ(2014)
交響詩「Le Marathon マラソン」(1992/2010改訂)
交響詩「Flaine フレーヌ」(2018)
ミシェル・スペラ(アルトSax)
ベラーシュ・カントール(Vc)
ローラン・プティジラール(指)
ブダペスト・ハンガリーSO

録音:2018年6月24-26日、2018年11月27日
世界初録音
抒情的な作風で知られるフランスの現代作曲家ローラン・プティジラールの作品集。冒頭の「Etatsd'ame- 心情」は、彼が長年作曲したいと考えていたサクソフォンのための協奏曲。良くあるように「ソリストに2種類や3 種類の楽器を演奏させるのではなく」あくまでもアルト・サクソフォンのみを用い、楽器の音色と表現力を極限ま で追求。また第1楽章ではフルートやクラリネットを効果的に使い、合奏協奏曲を思わせる仕上がりも見せて います。パーカッションが効果的に使われた「Solitaire 寂しさ」は、曲調とタイトルに関連性は持たされておら ず、あくまでも「白紙に向かった作曲家の心情」がタイトルになっているとプティジラールは説明しています。書か れることのなかったオペラから生まれた交響詩「マラソン」はオリンピックを目指す3人の男性の物語。芸術と建 築、文化を通して精神的な旅へといざなう交響詩「フレーヌ」も感動的な作品です。
8.574035
イギリスのチェロとピアノの為の小品集
ヴォーン・ウィリアムズ:英国民謡による6つの練習曲(1926)
フランク・ブリッジ:ヴァイオリンとピアノの為の4つの小品-第2番「春の歌」
モーラン:アイルランドの哀歌(1944)
エルガー:ロマンス Op.62(チェロとピアノ版)(1910)
ディーリアス:カプリース(1930)
 悲歌(1930)
バックス(1883-1953):民謡(1918)
モーラン:前奏曲(1943)
ディーリアス:ロマンス(1918)
ブリッジ:子守歌(1910)
ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴス幻想曲(グレイヴス/フォーブス編)(1934)
ジェラルド・ペレグリン(Vc)
アンソニー・インガム(P)

録音:2018年2月19-20日、7月10日ポットン・ホール サフォーク UK
ヨーロッパの伝統と英国民謡の融合を図った20世紀イギリスの作曲家たち。彼らは保守的な面を大切にしつつも、 常に様々な方法を探りながら独自のスタイルを模索し、「新しい英国音楽」を創り上げていきました。このアルバムに 収録されているのは、どれもイングランドとアイルランドの豊かな自然と民族意識を感じさせる鮮やかな色彩を持つ 曲。例えば冒頭のヴォーン・ウィリアムズの「英国民謡による6つの練習曲」では涙を誘わんばかりの美しい旋律を、 チェロが朗々と歌い上げ、バックスの「民謡」ではイギリスの重苦しい空を思わせるような仄暗い雰囲気が立ち込めて います。ディーリアスの晩年の作品「カプリースと悲歌」は、寝たきりになった作曲家の歌うメロディを、彼の代筆者フェ ンビーが口述筆記した作品。やるせない悲しみと、生への執着を併せ持つ名作です。
8.574039
ベートーヴェン:グランド・シンフォニー集 第1集…J.N.フンメル(1778-1837)によるフルート、ヴァイオリン、チェロとピアノ編
交響曲第3番「英雄」
交響曲第1番ハ長調 Op.21
ウーヴェ・グロット(Fl)
グールド・ピアノ・トリオ【ルーシー・グールド(Vn)、アリス・ニアリー(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)】

録音:2018年6月25-26日
ベートーヴェンより8歳年下の作曲家フンメル。26歳の時にハイドンの推薦でエステルハージ家のコンサートマスターに 就任、ハイドンの引退後は宮廷楽長となり1811年まで大活躍したのち、辞職後はウィーンでピアニストとして名を上 げ、ベートーヴェンと並び称される巨匠の一人として音楽界に君臨しました。ベートーヴェンとは最初ライヴァルとして敵 対していましたが、最終的に和解してからは真の友情を結んでいます。そして、フンメルはベートーヴェンの交響曲第1 番から第7番までを室内楽ヴァージョンに編曲、オーケストラを直接楽しむことが困難であった時代に、これらの作品を 一般に普及させるために尽力しました。アレンジは素晴らしく、原曲の雰囲気を損なうことなく、新たな魅力を開花させ ています。NAXOSでおなじみのフルート奏者ウーヴェ・グロットとピアニスト、ベンジャミン・フリスがメンバーの一人である グールド・ピアノ・トリオが鮮やかに2曲を奏でています。
8.574040(2CD)
ベートーヴェン:室内楽作品集
【CD1】
1.行進曲 ニ長調 「大軍楽パレードのための行進曲 帰営譜第4番」 WoO 24(1816)
2.行進曲 ハ長調 「帰営譜第2番」 WoO 20(1809頃-22/23)
3.ポロネーズ ニ長調 WoO 21(1810)
4.エコセーズ ニ長調 WoO 22(1809頃-10)
5-7.3つのエクアーレ WoO 30(1812)
8.アダージョ 変イ長調 Hess 297(1815)
9.擲弾兵行進曲 変ロ長調 WoO 29, Hess 107 (1798)(オルガン演奏)
10-11.2つの小品 WoO 33b, Hess 106 (1794)(オルガン演奏)[第1曲 Allegro non piu molto/第2曲 Allegretto]
12-14.3つの小品 WoO 33a, Hess 103-105 (1799-1800)(オルガン演奏)
15.フーガ ニ長調 WoO 31(1783/84)
16.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846-869- フーガ第22番変ロ長調 BWV 867(L.ヴァン・ベートーヴェンによる弦楽五重奏編)
17.前奏曲とフーガ ホ短調 Hess 29:前奏曲(1795)(第1稿)
18-19.弦楽三重奏曲のための前奏曲とフーガ ホ短調 Hess 29(1795)(最終稿)
20.弦楽五重奏のための前奏曲 ニ短調 Hess 40 (1817)(断章)
【CD2】
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.16(1797)
1.第1楽章 Grave - Allegro ma non troppo
2.第2楽章 Andante cantabile
3.第3楽章 Rondo:Allegro ma non troppo
4-9.6つのメヌエット WoO 9, Hess 26(1799頃)
10-15.6つのレントラー WoO 15 (2つのヴァイオリンとコントラバス版)(1801-02)
16-21.6つのドイツ舞曲 WoO 42(1796)
22.ロンド ト長調 WoO 41(1793-1794)
23.二重奏曲 イ長調 WoO 34, Hess 42(1822)
24.カノン WoO 35, Hess 273(1825)
25.22のスコットランドの歌 WoO 156 (1810)- 第1曲 無題
26.ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Hess 46 (断章)(1790/91)
27.弦楽三重奏曲断章 変イ長調 Hess28 (1798-1800)(Op.9, No.1より削除されたスケルツォ)
28.ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 変ホ長調 Gardi 2 (断章)(1790/91)
29.ピアノ三重奏曲 ヘ短調 Biamonti 637 (1816)(断章、N.マーストンによるトランスクリプション)
30.フィナーレ:アレグロ Hess 25
(「弦楽三重奏曲第1番Op.3 - 第4楽章 フィナーレ」の初期稿)(1793-94)
IUウィンド・アンサンブル/ロドニー・ドーシー (指)…CD1:1-4
ノア・ローパー (バス・トロンボーン)…CD1:5-7
レイン・アンスパッチ (Hrn)…CD1:8
スコット・ホルベン (Hrn)…CD1:8
鄭?軒(チェン・ユーシャン) (Hrn)…CD1:8
ジャネット・フィシェル (Org)…CD1:9-15
ソフィア・キム(Vn)…CD1:16,20,CD2:23,24,28
スージー・クロー(Vn)…CD1:16,20,C2:23,24
トリスタン・セーガル (Vn)…CD1:17-19,CD2:4-15,25,29
ノア・サリード (Vn)…CD1:14-19,CD2:4-15
クララ・ショルテス (Vn)…CD2:1-3,16-22,26,27
キム・ウンジ (Vn)…CD2:30
唐崎 正道 (Va)…CD1:16,20,CD2:1-3,27,30
アンドリュー・コリンズ (Va)…CD1:20
フラフンヒルドゥル・グドムンスドッティル(Vc)…CD1:16,20,CD2:28
ローレンス・ディベッロ(Vc)…CD1:6,CD2:1-3,25,27,29,30
イザベル・クウォン (Vc)…CD1:17-19,CD2:4-9
アレック・ベルヒャー (Cb)…CD2:10-15
アンドレアス・イオアニデス (P)…CD2:1-3,25,28
タチアナ・ロヒーナ (P)…CD2:16-22,26

録音:2018年3月-2019年4月
ベートーヴェンがウィーンで生活していた時代は、ナポレオン軍がウィーンとハプスブルク帝国に侵攻し、故郷ボンに対して 司教支配を終わらせるなど波乱に満ちたものでした。この戦いの影響は、当時のベートーヴェン作品にも反映されてお り、いくつかの行進曲として結実しています。その頃のベートーヴェンは管楽器に関心を抱いていたため、数多くの管楽器 のための作品も書かれています。中でも4本のトロンボーンのために書かれた「3つのエクアーレ」はあまり演奏されることが ありませんが、1827年のベートーヴェンの葬儀で演奏された曲として知られています。また当時流行していた「オートマタ (音楽人形、音楽時計)」のためにも何曲かが書かれており、このアルバムではオルガンで演奏されています。「ピアノと 管楽器のための五重奏曲 Op.16」はベートーヴェン自身の編曲によるピアノ四重奏版を収録。他にも珍しい舞曲など が盛りだくさんの選曲です。
8.574042
ベートーヴェン:劇音楽「シュテファン王」他
劇音楽「シュテファン王」Op.117(1811)
「レオノーレ・プロハスカ」の音楽 WoO 96(1815)(抜粋)
奉献歌 Op.121b(第2稿 声、合唱とオーケストラ版)(1824)
盟友の歌「すべての良き時に」Op.122(1824)
奉献歌 Op.121b(第2稿 3人の歌手、合唱とオーケストラ版)(1822)
連合君主たちへの合唱 「幸せな州の賢明な創始者」 WoO 95(1814)
「良いニュース」-終末歌「ゲルマニア」WoO 94(1814)
「凱旋門」-終末歌「成就せり」WoO 97(1815)
クラウス・オバルスキ(語り:シュテファン王)
ローランド・アストール(語り:戦士,使者,老人)
エルンスト・オダー(語り:ギュラ)
アンゲラ・エバーライン(語り:ギゼラ)
レーッタ・ハーヴィスト(S)
ヨハンナ・レヘスヴオリ(S)
メルヤ・マケラ(A)
ニクラス・シュパンベルグ(Bs)
ユハ・コティライネン(Bs)
パイヴィ・セヴェライデ(Hp)
ザ・キー・アンサンブル
マイッキ・サイッカ(S)
クリスティーナ・ラウダネン(A)8
アンドレアス・ノルドストレム(T)
アボエンシス大聖堂聖歌隊
レイフ・セーゲルスタム(指)
トゥルクPO

録音:2018年8月27-31日、2018年10月15-19日
2020年ベートーヴェン・イヤーに寄せる希少作品の登場。 オーストリア皇帝フランツ1世の肝いりで、ブダペストに建築された大きな劇場のこけら落としのために1811年に ベートーヴェンが作曲した付随音楽「シュテファン王」。西暦1000年にハンガリー王国を建国したイシュトヴァー ン1世が描かれたこの作品は、祝祭的な序曲で始まり、合唱と台詞で迫りくる敵と戦う王の偉業が描かれてい ます。壮大な音楽が付けられていますが、以降はあまり演奏される機会がなく、現在では序曲がかろうじて時 折演奏されるのみの「知られざる作品」になっています。他にはベートーヴェンが関心を抱いていたレオノーレ・プ ロハスカ(男装して軍隊に入隊し活躍したものの戦いで命を落とした)のための音楽や、1815年に開催された “ウィーン会議”を祝した曲など勇ましく壮観な合唱曲をレイフ・セーゲルスタムが指揮するトゥルク・フィルハーモ ニーOとトゥルクの室内合唱団“キー・アンサンブル”他の演奏で聴くことができます。
8.574045
ヴァイオリンとギターのための編曲集
ガーシュウィン:ポーギーとベスより(1935)
It ain't necessarily so なんでもそうとは限らない/Summertime サマータイム
パウル・コハンスキ(1887-1934)/カロル・シマノフスキ(1882-1937):?wit 夜明け(1925)
 Dziki taniec 野性的な踊り(1925)
ロドリーゴ(1901-1999):4つのセファルディの歌(1965)
 Respondemos 答え
 Una pastora yo ami 私は羊飼いの娘を愛している
 Nani, nani: Cancion de cuna 眠れ、眠れ:子守歌
 Morena me llaman 黒髪の女は私を呼ぶ

ラヴェル
:2つのヘブライの歌(1914)
コルンゴルト(1897-1957):組曲「から騒ぎ」Op.11より(1919)
Intermezzo: Gartenszene 間奏曲-庭の情景
Hornpipe ホーンパイプ
ポンセ(1882-1948):エストレリータ(小さな星)
ジョン・ウィリアムズ(1932-):シンドラーのリスト-テーマ
ルーカス・フォス(1922-2009):3つのアメリカ風小品

以上、グレッグ・ネスター編曲(トラック3のみアレン・クランツ編)
デュオ・ソニドス
[ウィリアム・クヌート(Vn)
アダム・レヴィン(G)]

録音:2017年6月15-18日聖ジョン・クリソストム教会 ニューマーケット、カナダ
※世界初録音
全3巻が予定されているデュオ・ソニドスによる「ヴァイオリンとギターのための編曲集」の第1集。歌曲や管弦楽曲、室 内楽など豊富なレパートリーから選ばれた作品が2つの楽器のために編曲され、新たな魅力を放っています。ポー ギーとベスでは、愛嬌たっぷりの第1曲と、郷愁溢れる第2曲の対比が面白く、アルバムタイトルになっているコハンスキ の「野性的な踊り」では民族色豊かな旋律が執拗に繰り返されます。寂しげで神秘的なロドリーゴの「4つのセファル ディの歌」、エキゾチックな魅力がたっぷりのラヴェル「ヘブライの歌」、哀愁を帯びたギターの響きとヴァイオリンの調べが 溶け合うコルンゴルトとポンセ。そしてアルバムの終りに置かれたジョン・ウィリアムズの「シンドラーのリスト」とルーカス・ フォスの「3つのアメリカ風小品」。聴き手の耳を全く飽きさせることのない楽しいアルバムです。
8.574046
チマローザ(1749-1801):序曲集 第6集
歌劇「秘密の結婚」序曲(1792年ウィーン版)
歌劇「オラーツィ家とクリアーツィ家」序曲(1797年版)
フェルナンド4世のためのカンタータ-序曲(1799)
歌劇「オラーツィ家とクリアーツィ家」序曲(1800年パリ版)
歌劇「アルテミジア」序曲(1801)
歌劇「ペネローペ」序曲(1794-1795)
歌劇「無分別、しかし幸運な男」序曲(1797)
歌劇「トラキアの恋人たち」序曲(1797)
歌劇「トロイで包囲されたアキレス」序曲(1797)
歌劇「破られた約束」序曲(1795)
歌劇「いつわりのみせかけ」序曲(1784)
歌劇「宮廷楽士長」序曲(1780頃)(S.ペルジーニによるオーケストラ版)
バルボラ・トメチュコヴァー(Ob)
ヤン・カラス(Hrn)
マルケータ・チェピツカー(Vn)
パトリック・ガロワ(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2018年9月21-24日
人気シリーズ、ドメニコ・チマローザの序曲集。第6集も前作に引き続き、パトリック・ガロワがおなじみチェコ室内 Oパルドビツェを指揮。18世紀イタリアのオペラ・シーンを彩った楽しい序曲を優雅に演奏しています。 冒頭の「秘密の結婚」序曲はチマローザ作品の中でも最も知名度の高い曲。1792年2月7日にウィーンで初 演され、2月9日にはレオポルド2世が臨席のもと上演、皇帝はこの曲を大変気に入り、会食後「全曲をアン コールした」という逸話が残されていますが、確証はありません。他にも珍しい曲が収録されており、最後の「宮 廷楽士長」はもともとオーケストラ版が残存していない作品で、現在はマルコ・ブロッリが校訂した版を用いて演 奏されますが、ここではシモーネ・ペルジーニがオーケストレーションした「全く違う版」による序曲を聴くことができ ます。
8.574047
コジェルフ(1747-1818):交響曲集 第3集
交響曲 イ長調「ア・ラ・フランセーズ」 PosK I:10
交響曲 ハ長調 PosK I:9
交響曲 変ロ長調「不屈」Posk I:11
交響曲 ハ長調 PosK I:2
マレク・シュティレツ(指)
チェコ国立室内Oパルドビツェ
フィリップ・ドヴォルザーク(Cemb)

録音:2018年9月27-31日
ボヘミアで生まれ、プラハで頭角を現したのち、当時ヨーロッパにおける音楽の中心地ウィーンに赴き才能を発 揮した作曲家コジェルフ。求められるままに器楽曲、室内楽曲、宗教曲など膨大な作品を書き上げましたが、 現在、それらのほとんどが忘れられてしまったのは、あまりにも多作だったため、批評家から「作品の質が悪い」と 酷評されたことも一因だといわれています。とはいえ、彼が残した17曲の交響曲は高い人気を誇り、ヴァンハル の次世代を担う「交響曲作曲家」としての地位を確立しました。作風はコジェルフの師、ドゥシェクの影響を受 けているものの、師の作品を上回る複雑なオーケストレーションと華麗さを備えており、今、改めて聴いてみても その素晴らしさを実感することができます。シリーズ全ての作品は、最新の研究結果が反映された校訂版で演 奏されています。
8.574049
ジョヴァンニ・サルヴュッチ(1907-1937):17楽器のための室内交響曲 他
9つの楽器のためのセレナーデ(1937)
ダヴィデの詩篇-ソプラノとピアノのための(1933)
弦楽四重奏曲 ハ長調(1932)…世界初録音
小品集-ヴァイオリンとピアノのための(1930)…世界初録音
懐かしい思い.アダージョ-チェロとピアノのための(1931)…世界初録音
17楽器のための室内交響曲(1933)…世界初録音
サビーナ・フォン・ヴァルター(S)
アンサンブル・ユーバーブレットル
ピエルパオロ・マウリッツィ(P&指)

録音:2018年10月4-7日、2017年7月23-25日
ジョバンニ・サルヴュッチは、サンタ・チェチーリア音楽院でレスピーギとカゼッラから指導を受けた作曲家です。第一 次世界大戦中には、「イタリアで最も才能ある3人の作曲家」としてダッラピッコラ、ペトラッシとともに名前を挙げら れるほどに注目されましたが、残念なことに30歳でこの世を去ってしまい、彼の名前は以降すっかり忘れられてし まいました。 その理由の一つは彼の作風があまり先進的でなかったことにもあるのでしょう。サルヴュッチの生まれた家庭は音楽 とは無縁でしたが、ローマの聖職者とは密接な関係があり、彼もサンピエトロ大聖堂の合唱指揮者を務め、パレ ストリーナ学者のエルネスト・ポエジからルネサンス期の音楽の指導を受けるなど、彼の作風の基礎はバロック、ル ネサンス期の作品にあったようです。古風な形式に収められた前衛的な作品をお楽しみください。
8.574051
ベートーヴェン:弦楽四重奏のためのフーガと希少作品集
弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 32(弦楽四重奏曲第1番Op.18, No.1の第1稿)(1799)
弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131:第1楽章の初期版(1826)
前奏曲とフーガ ヘ長調 Hess 30(1795)
アレグレット ロ短調 WoO 210(1817)
前奏曲とフーガ ハ長調 Hess 31(1795)
フーガ ニ短調 Hess 245(断章)(1795頃)
ヘンデルの「ソロモン」 HWV67,第1部:序曲のフーガの弦楽四重奏
(ベートーヴェンによる弦楽四重奏のための編曲 Hess 36)(1794?95)
メヌエット 変イ長調 WoO 209,Hess 33(1790頃)
大フーガ 変ロ長調 Op.133(1825)
ファイン・アーツSQ
【ラルフ・エヴァンス(Vn1),エフィム・ボイコ(Vn2),ギル・シャロン(Va),ニクラス・シュミット(Vc)ー】

録音:2018年11月26-29日
2020年ベートーヴェン・イヤーに寄せる希少作品の登場。 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、彼の全作品の中でも人気の高いジャンルですが、構想段階で破棄された 曲や、ほとんど演奏されない曲も存在しており、これらをまとめたこの1枚はベートーヴェンを知る上での重要な 資料になることでしょう。まず冒頭に置かれた弦楽四重奏曲ヘ長調は、後に「第1番」として出版される曲の初 期ヴァージョン。出版前に念入りに校訂を行ったというエピソードが伝えられており、ベートーヴェンの創作プロセ スを垣間見ることのできる興味深い作品です。他には「弦楽四重奏曲第13番」の終楽章として書かれた大 フーガ、初期の珍しいフーガなどの小品が並び、その中にはヘンデル作品の編曲版も含まれています。
8.574052
ショパン:スケルツォ/即興曲
即興曲 第1番変イ長調 Op.29
即興曲 第2番嬰ヘ長調 Op.36
即興曲 第3番変ト長調 Op.51
即興曲 第4番嬰ハ短調 Op.66(幻想即興曲)
演奏会用アレグロ イ長調 Op.46(協奏曲のアレグロ)
スケルツォ 第1番ロ短調 Op.20
スケルツォ 第2番変ロ短調 Op.31
スケルツォ 第3番嬰ハ短調 Op.39
スケルツォ 第4番ホ長調 Op.54
藤田真央(P)

録音:2019年2月11-13日ワイアストン・リーズ・コンサートホール(英国)
2019年に開催された“第16回チャイコフスキー国際コンクール”ピアノ部門で第2位に入賞し、大人気を獲得したピアニ スト、藤田真央がコンクールの4ヵ月前に録音したオール・ショパン・アルバムです。傑出したテクニックはもちろん、粒だった 音色の美しさと生き生きとした音楽性が彼の大きな魅力。ここでも即興曲の滑らかな美しさからスケルツォが持つ切れ味 の鋭さまで、ショパンの持つ様々な顔を豊かに伝えます。
8.574053
ウィリアム・マサイアス(1934-1992):声楽作品と室内楽作品集
祝祭ファンファーレ(1979)
時と永遠の幻影 Op.61(1972)
組曲「パリジェンヌ」(1953)
涙(1953)
クラリネット・ソナチネ Op.3(1956/1975改訂)
ホワイト・ロックのデイヴィッド(1958)
ミュゼットとダンス(1966)
2つのウェールズ民謡(1962)
カプリッチョ Op.46-2(1969)
私が青年だった頃(1971)
ハープのためのソナタ Op.66(1974/1992改訂)
若者の夢 Op.49(1970)
コンチェルティーノOp.65(1974)
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(Br)
ブライアン・ルース(Fl)
サラ・フレーカー(Ob)
ジャッキー・グレイジア(Cl)
マリッサ・オレガリオ(Fg)
ティモシー・カンター(Vn)
ローレン・ラスタッド・ロス(Vn)
ミケーレ・ゴット(Hp)
ジェイソン・カーダー(Tp)
エドワード・リード(Tp)…
ポーラ・ファン(P)8
レックス・ウッズ(P)

録音:2019年1月7-18日
世界初録音
幼い頃から楽才を発揮、20世紀ウェールズにおける「最も重要で多作な作曲家」の一人として評価されるウィ リアム・マサイアス。主として合唱作品が知られていますが、歌曲や室内楽のジャンルでも、親しみやすい旋律が ふんだんに使われた美しい作品を数多く書いています。このアルバムは、2本のトランペットで奏でられる「祝祭 ファンファーレ」で幕を開け、独唱曲を交えながら、ピアノ曲、クラリネット、ヴァイオリン曲などの様々な作品を聴く ことができる趣向になっており、前衛的な手法を取り入れながらも、優雅さを忘れないマサイアスの作風をじっく り堪能できる1枚です。
8.574054
ヨーゼフ・クリスティアン・ヴィリバルト・ミヒル(1754-1816) :ファゴットと弦楽のための四重奏曲第1番 - 第6番
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第1番 ヘ長調
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第2番 ハ長調
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第3番 変ホ長調
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第4番 ト長調
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第5番 変ロ長調
ファゴット、2つのヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第6番 ヘ長調
ベン・ホードリー (Fg)
ホール弦楽三重奏団【ララ・ホール(Vn1)、アマリア・ホール(Vn2)、カルム・ホール(Vc)】

録音:2016年9月20-22日
世界初録音
ミヒルは音楽一家に生まれ、若い頃から優れた音楽家として活躍、とりわけ宗教曲と歌劇で大成功を収めた作曲家で す。彼は1771年から1778年までミュンヘンの聖ミカエル・イエズス教会のコントラバス奏者を務め、その後教区の音楽 家に就任。この頃ミュンヘンを訪れた「音楽紀行」で知られるイギリスの音楽学者チャールズ・バーニーがミヒルの作品を 「これまで彼以上の天才を聴いたことがない」と大絶賛したという記録が残っています。彼はファゴットの音色を愛していた ようで、数多くのファゴットを含む作品が遺されており、どれも洗練された美しさをもっています。このアルバムに収録された 四重奏曲もレオポルド・モーツァルトの作品を思わせる活力に溢れています。
8.574056
パーカッション・デュオの為の編曲集
ショパン:練習曲Op. 10 - 第11番変ホ長調
 練習曲Op. 25 - 第4番イ短調
 練習曲 Op. 10 - 第2番イ短調
 練習曲Op. 25 - 第1番 「エオリアン・ハープ」
ラフマニノフ:10の前奏曲 Op. 23 - 第5番ト短調 アラ・マルッチャ
バッハ:ゴルトベルク変奏曲〜アリア
 第1変奏/第7変奏/第5変奏
 第10変奏 フゲッタ/第28変奏/第17変奏
 第21変奏 7度のカノン/第14変奏
 第16変奏 序曲/第20変奏/第23変奏
 第18変奏 6度のカノン/第26変奏/第29変奏
ピアソラ:タンゴの歴史より
 第1曲 売春宿 1900*
 第3曲 ナイトクラブ 1960
ハイドン:20の変奏曲 イ長調 Hob.XVII:2
三木稔:マリンバ・スピリチュアル(2台のマリンバと打楽器編) #
※全てダブルビーツによる編曲
ダブルビーツ【ニー・ファン(マリンバ/パーカッション*)、&ルーカス・ベーム(マリンバ/パーカッション*、#)】

録音:2017年1月2-5日、29-31日
世界初録音
ベルリンのデュオ・アンサンブル「ダブルビーツ」。マリンバを中心に、時には他のパーカッションを自在に駆使し、独自のアレンジで多彩な曲にチャレンジ。各々の 作品から原曲を超えた魅力的な表情を引き出しています。ピアノでなくては表現できないと思われるショパンの技巧的な練習曲が纏った柔らかい響きや、ハ イドンの可愛らしい変奏曲での変幻自在な表現はもちろんのこと、圧巻はバッハのゴルトベルク変奏曲での見事なテクニック。おなじみピアソラの「タンゴの歴 史」も、もともとこの編成のために書かれたかのような自然な仕上がり。アルバムの最後は、パーカッションの幻想的な響きを採り入れた三木稔のマリンバ・スピ リチュアルで幕を閉じるという考え抜かれたプログラムです。 【ダブルビーツ】 ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に在学中の2人の演奏家ニー・ファンとルーカス・ベームによって2012年に結成されたパーカッション・デュオ。オランダの 作曲家ヤコブ・テル・ヴェルデュイの「ゴールドラッシュ協奏曲」でベルリン・デビューを飾るとともに、同年、中国で開催された"メルセデス・ベンツ国際音楽祭"で Young Artists of the Yearに選出されました。2018年には第19回大阪国際音楽コンクールのデュオ部門で第1位を獲得するなど、目覚ましい活躍が 見られます。レパートリーは幅広く、バッハからピアソラなど、伝統的な楽器から現代楽器までを駆使し、多くの作品を弾きこなします。
8.574057
ヨハン・ジモン・マイール(1763-1845):ミサ曲 変ホ長調((フランツ・ハウクとマンフレット・ヘースルによる再構築&編曲版) ドロータ・シチェパニスカ(S)
ヨハンナ・クレーデル(A)
マルクス・シェーファー(T)…
ダニエル・オチョア(Bs)
フランツ・ハウク(指)
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス

録音:2018年7月31日-8月5日
世界初録音
フランツ・ハウクが指揮するマイール作品、今回は「ミサ曲 変ホ長調」の登場です。1843年頃にキリエとグローリ ア、クレドの大部分が作曲されたこのミサに、フランツ・ハウクがマイールの既存の作品から色調のあう曲を選び 出し、全曲に仕立てたもの。この方式は18世紀以来イタリアでは一般的に行われており、聴き手は必然的に マイールのさまざまな作品を耳にすることができるという利点も持ち合わせています。全曲には17世紀頃に発祥 したとされる「ミサ・コンチェルタータ」の形式を採用、レチタティーヴォはなく、合唱とソロは明確に分けられており、 オーケストラ・パートも充実。なかでもグローリアに含まれる「Gratias agimus」でバス独唱のオブリガードを務 める技巧的なホルンの旋律が聴きどころ。どの曲にも華やかで祝典的な雰囲気が漂う美しいミサ曲に仕上がっ ています。
8.574058
第1回ショパン・フェスティヴァル
1.シューベルト:楽興の時 D780 Op.94-第6番 変イ長調
2.ショパン:マズルカ 変イ長調 Op.24-3
3-4.ドゥセック(1760-1812):ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op.44「告別」より第2楽章、第3
楽章
5.ショパン:前奏曲 Op.28-23 ヘ長調
6.ドビュッシー:前奏曲集 第2巻-第2番:枯れ葉
7.ドビュッシー:前奏曲 第2巻-第3番:ヴィーノの門
8.ショパン:練習曲 ハ短調 Op.25-7
9.ショパン:マズルカ 変ロ長調 Op.7-1
10.ショパン:マズルカ イ短調 Op.7-2
11.ショパン:マズルカ ヘ短調 Op.7-3
12.ショパン:マズルカ イ短調 Op.59-1
13.ポーランド民謡(ショパン編):マズルカ ニ短調
14.ポーランド民謡(ショパン編):ダブロウスキのマズルカ
15.ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57
16.ショパン:スケルツォ 第2番変ロ短調 Op.31
17.リスト:巡礼の年 第1年 S160-ヴァレンシュタットの湖で
18.ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番変ロ短調 Op.35-第4楽章:フィナーレ
19.リスト:メフィスト・ワルツ 第1番S514
20.グートマン(1819-1882):夜想曲 変イ長調 Op.8-1(4手ピアノ版)
エヴァ・ポブウォッカ(P)…1.2
アレクセイ・リュビモフ(P)…3-7.20
トビアス・コッホ(P)…8-14
エリザベート・ブラウス(P)…15-16
フランソワ・クサヴィエ・ポワザ(P)…17-19
フーベルト・ルトコウスキ(P)…20

使用楽器:スタインウェイ&サンズ(2015年製)(モダン)…2.6.7.15.19.20
ヨーゼフ・ブロードマン(1815年頃)(ヒストリカル)…3-4
ルースロ(1830頃)-エリック・フェラー・コレクションより(ヒストリカル)…8.12-14
ジョン・ブロードウッド&サンズ(1841年製)(ヒストリカル)…5.9-11
スタインウェイ&サンズ(1872年製)(ヒストリカル)…17.18

録音:2018年6月28日…1.2
2018年7月1日…3-7.20
2018年6月30日…8-14
2018年6月27日…15-16
2018年6月29日…17-19
2018年、ハンブルクで開催された「第1回ショパン・フェスティヴァル」はモダン・ピアノとヒストリカル・ピアノを用いてショ パンを演奏するというヨーロッパ初の試み。ショパンの時代の楽器と2015年に作られたスタインウェイの音色を聴き比 べながら、ショパン時代の作品を堪能するというユニークな音楽祭です。 このアルバムはシューベルトとショパンの音楽で幕を開け、フォルテピアノの繊細な音色と作品の密接な関係を示唆し ます。19世紀になるとピアノの製造元はウィーンからイギリスに移り、奏でる音色も大きく豊かな響きが得られるように なります。そしてショパンの晩年、1848年から1849年の作品に彼の弟子グートマンとリストの作品を並べ、楽器の 発展と、次世代へとつながるピアノ曲の可能性を見せています。ポブウォッカやリュビモフをはじめとした「ショパンの名 手」が腕を競っているところも魅力的です。
8.574059
リスト:ピアノ作品全集 第54集
ハンガリーの歴史的肖像-後期ピアノ作品集


ハンガリーの歴史的肖像 S205/R112(1885頃)
リヒャルト・ワーグナーの墓に S202/R85(1883)
葬送のゴンドラ(悲しみのゴンドラ 第2稿) S200/2/R81/2(1885)
眠られぬ夜、問いと答え-トーニ・ラーヴの夜想曲による S203/R79(異稿版)(1883)
ハンガリーの神 S543/R214(1881)
ペテーフィの追悼に S195/R111(1877)
葬送前奏曲と葬送行進曲 S206/R83-84(1885)
モショニの葬送 S194/R110
.前奏曲「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」(バッハの前奏曲による)S179/R23(1859)
イェネ・ヤンドー(P)

録音:2018年5月6-9日
華麗なピアニズムと派手な女性遍歴で世間を騒がせたリストは、その反動もあってか晩年には僧籍を取得するなど、 内省的で勤勉な生活を送りました。それに伴い作品も変化し、用いられる音は少なく調性感も希薄になり、一部の 作品では「20世紀の音楽を先取りしている」とまで言われるほどに独自の世界が展開されています。このアルバムでは リストの様々な「後期作品」が収録されていますが、ハンガリーの偉人たちを音で描いた1870年から1885年の作品 「ハンガリーの歴史的肖像」は幾分華麗で重厚な筆致が残っており、超絶技巧の持ち主リストの面影を彷彿させま す。 しかし、その他の作品には「葬送」「神」という言葉が多用されており、時には妖艶な旋律が顔を見せるものの、全体的 には灰色味を帯びた難解な音楽になっています。とりわけ義理の息子ワーグナーの死に寄せた2曲は、リストの深い悲 しみが感じられる印象的な旋律を持っています。NAXOSを代表する名手イェネ・ヤンドーの共感溢れる演奏で。
8.574063
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):室内交響曲 第1番&第3番
室内交響曲第1番Op.145-弦楽オーケストラのための(1987)
室内交響曲第3番Op.151--弦楽オーケストラのための(1990)
ロスティスラフ・クライマー(指)
イースト・ウエスト室内O

録音:2018年10月16日
ヴァィンベルクはポーランドで生まれソ連に亡命、ショスタコーヴィチと親交を結ぶも戦後はスターリンの「反ユダヤ主 義運動」に巻き込まれたことで、自身は逮捕されたうえ、作品の上演も禁止されるなど苦難の日々を送りました。 親友のショスタコーヴィチから強い影響を受けましたが、晩年になるに従い、若き日への郷愁と、反戦への強い思 いが反映された抒情的な作風へと移行し、独自の作品を書き上げています。このアルバムには弦楽オーケストラ のための2曲の「室内交響曲」を収録。どちらも若き日の弦楽四重奏曲を改訂したもので、第1番はもともと 1940年に作曲された「弦楽四重奏曲第2番」が原曲。冒頭のさわやかな旋律は若きヴァインベルクの意気込み を雄弁に物語っています。第3番は同じく「弦楽四重奏曲第5番」を改訂した曲で、ヴァインベルクは第2楽章を 除いた全4楽章を採用、こちらも青春時代を懐古するかのような雰囲気に満ちています。演奏する「イースト・ウ エスト室内O」はユーリ・バシュメットが主宰する国際音楽祭のためのアンサンブル。各地から集った名手 たちで構成された凄腕の集団です。
8.574064
アレクサンダー・ラハバリ(1948-):わが母なるペルシャ 第1集
交響詩 第1番「Nohe Khan」
ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲(1972年作曲「Nohe Khan」/2018改訂)
交響詩 第2番「母の涙」(2018)*
交響詩 第3番「子供たちの祈り」(2018)*
パウラ・ラハバリ(Vn)
アレクサンダー・ラハバリ(指)
プラハ・メトロポリタンO
アンタルヤ国立SO*

録音:2018年6月23日 チェコTVミュージック・スタジオ、プラハ
2018年4月27日 ライヴ録音
AKMアスペンドス・サロヌ、アンタルヤ、トルコ*
世界初録音
アレクサンダー・ラハバリは世界的に活躍するイラン出身の名指揮者。イラン国立音楽院でヴァイオリンと作曲 を学び、作曲家としても多くの作品を世に送り出してます。交響詩はこれまでに8曲作られており、どれもイラン の前身である「ペルシャ」の民族音楽的要素が巧みに用いられたエキゾチックな作風を備えており、伝統的な スタイルと即興的な要素がブレンドされたユニークな作品。第1番はイランの伝統儀式で活躍するテノール歌 手である「Nohe Khan」をテーマにしており、宗教的な儀式で歌う彼らの声をヴァイオリンで模し、オーケストラ との華麗な協奏曲に仕立てています。第2番は短い交響詩であり、子供を失った母親の悲しみの心が歌わ れています。第3番はあどけない子供たちの祈りの風景。曲が進むにつれ、いたずら心が芽生える子供たちの 心が描かれています。
8.574065
アレクサンダー・ラハバリ(1948-):わが母なるペルシャ 第2集
交響詩 第4番「戦争のない世界」(2017)
交響詩 第5番「世界に恋して」(2017)
交響詩 第6番「わが母なるペルシャへの讃歌」(2013-2017)
交響詩 第7番「アンタリ」(2017)
交響詩 第8番「アラビアの言葉」(2017)
モハンマド・モタメディ(T)
アレクサンダー・ラハバリ(指)
アンタルヤ国立SO

録音:2018年4月27日
世界初録音
イラン生まれの指揮者アレクサンダー・ラハバリは優れた作曲家でもあります。彼はこれまでに8曲の交響詩を書い ており、いずれもイランの優れた詩人の詩を用いた民族色豊かな雰囲気を持っています。第1集(8.574064)で は第1番から第3番までが収録されており、ペルシャの素材と即興性が巧みにブレンドされたユニークな作品を聴く ことができましたが、今作では彼の平和を願う心が現れた「交響詩第4番」、13/8という珍しい拍子が使われてい る、13世紀の詩人の詩に基づいた「交響詩第5番」、壮大な賛美歌である「交響詩第6番」、ストリート・ミュー ジシャンの歌う音楽からインスパイアされた「交響詩第7番」、賛美歌のモティーフとアラブのフォークダンスが融合し た力強い曲想を持つ「交響詩第8番」と、古の昔から現代に至るさまざまなイランの表情を音楽で表現した興味 深い作品が並びます。
8.574067
アルベルト・ネポムセーノ(1864-1920):「 O Garatuja いたずら小僧」前奏曲
Serie Brasileira ブラジル組曲
交響曲 ト短調
ファビオ・メケッティ(指)
ミナス・ジェライスPO

録音:2018年4月9-11日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100 曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 この第1弾に選ばれたのは19世紀後半のブラジル音楽の発展に力を尽くした作曲家アルベルト・ネポムセーノ。 1888年、ヨーロッパに留学したネポムセーノは7年間の滞在期間でたくさんの知識を得て、これを国に持ち帰り、自 身の作品に反映、結果、彼は自国の民間伝承の要素を作品に採用した最初の作曲家の一人となり、後進のヴィ ラ=ロボスらにも大きな影響を与えました。このアルバムには3曲が収録されており、なかでも前奏曲「いたずら小僧」 は聴き手の耳をひきつける魅力を持っており、R・シュトラウスも愛したという明るく楽しい曲です。壮大な楽想 を持つ交響曲ト短調、コントラスト豊かな情景が描かれたブラジル組曲も魅力的です。
8.574069
期待の新進演奏家シリーズ/ギター〜ペドロ・アギアル: リサイタル
マルコ・ペレイラ(1956-): ジュリアナのショーロ(1990)
ラダメス・ニャターリ(1906-1988):ギターのための3つの協奏的練習曲 - サンバのリズムによるトッカータ第1番(1950)
ディレルマンド・レイス(1916-1977): もしも彼女が尋ねたら(1952頃)
アニバル・アウグスト・サルディーニャ(ガロート)(1915-1955):ジョルジ・ド・フーザ(1949)(P.ベリナティによるギター編)
レイス: バイーア女の風情(1954)
エスコバル(グィンガ)(1950-): ラカンのバイヨン(1993)(ギター版)
サルディーニャ: エニグマ(1952)(P.ベリナティによるギター編)
ガルシア・アギレラ(1959-): テレサの時計(2017)
ヴィラ=ロボス: ショーロ第1番(1920)
ブラジル民謡組曲(抜粋)
第1曲 マズルカ・ショーロ(1908)
第5曲 ショリーニョ(1923)
ペレイラ: バテ・コーシャ(1988)
エスコバル: ディ・メノール(1999)(ギター版)
セルジオ・アサド(1952-): 水彩画 - 第2曲 バルセアーナ(1986)
ジョアン・ペルナンブーコ(1883-1947): 鐘の響き(1914頃)(I.パショイトによるギター編)
セザル・ゲーハ=ペイシェ(1914-1993): 前奏曲第5番(1973)
レイス: 月夜(1954)
イサイアス・サビオ(1900-1977): バトゥカーダ(1952)(I.パショイト&A.バルボーサ・リマによるギター編)
ペドロ・アギアル (G)

録音:2019年5月19-21日
2018年にスペインで開催された「アルハンブラ国際ギターコンクール」の優勝者ペドロ・アギアルのリサイタル・アルバム。こ のコンクールは、世界的にも最高難易度を誇ることで知られ、2012年にはパク・キュヒが優勝し、世界的な活躍への足 掛かりをつかんでいます。ペドロ・アギアルは1990ブラジル生まれ。地元の大学で音楽を学んだ後、アメリカ、パリ、ミュン ヘンで研鑽を積んでいます。アルハンブラ国際ギターコンクールではブラジル人初の優勝者となり、優勝記念となるこのア ルバムでは故郷の「ブラジル音楽」を積極的に紹介。多種多様な舞曲や民謡、時にはジャズを素材とした作品を、見事 な技巧を駆使し、表情豊かに演奏しています。
8.574071
ベートーヴェン:歌曲集 第1集
嘆き WoO 113(第2稿)(1790)
新しき愛、新しき命 WoO 127 Hess 136(1798)
.魔王 WoO 131 Hess 148(R.ベッカーによる完成版)
アリエッタ「この暗き墓場に」 WoO 133(第二稿)(1807)
あこがれ WoO 134(第1稿)(1808)
あこがれ WoO 134(第2稿)(1808)
あこがれ WoO 134(第3稿)(1808)
遠い国からの歌 WoO 137(1809)
恋人に寄す WoO 140(第1稿)(独唱とピアノ)(1811)
恋人に寄す WoO 140(第2稿)(1811)
恋人に寄す WoO 140(第3稿)(1814)
劇付随音楽「エグモント」Op,84 クレールヒェンの歌「喜びに満ち、悲しみに満ち」
(前奏付きの声とピアノ、詳細版)(1809/1810)
劇付随音楽「エグモント」Op,84 クレールヒェンの歌「喜びに満ち、悲しみに満ち」
(声とピアノ版 Hess 94)(1809/1810)
劇付随音楽「エグモント」Op,84 クレールヒェンの歌「喜びに満ち、悲しみに満ち」
(前奏なしの声とピアノ、詳細版 Hess 93) (1809/1810)
29のさまざまな国の歌 WoO 158-第28番:かわいい子猫 Hess 133
(オーストリア)(1820)
29のさまざまな国の歌 WoO 158-第29番:山の上の少年 Hess 134
(オーストリア)(1820)
我が腕の中で揺れよ Hess 137(1796-1797頃)
(A,W,ホルスベルゲンによる再構築版)…世界初録音
愛しているものを教えて Hess 140(Op,82-1 初期版)(1809頃)
愛しているものを教えて Hess 140(Op,82-1 パリ手稿版)(1811)
6つの歌 Op,48-6 懺悔の歌
(第102-113小節の移行版 Hess 141)(1801/1802)
寂しさの喜び Hess 142(Op,83-1 第1稿(1810)
炎の色 Hess 144(Op,52-2 第1稿)(1792)
奉献歌 Hess 145(WoO 126 第1稿スケッチ、
声とピアノ版)(1796)
親愛なるヘンリエッテ Hess 151(1790?1792頃
/1949)
6つの歌 Op.75-第4番グレーテルの慰め(第1稿)
(1795年推測)
愛する人よ、私はあなたによって悩み、死ぬ Hess229(声とピアノ)(1803)
エリザベート・ブロイアー(S)
ライナー・トロスト(T)
パウル・アルミン・エーデルマン(Br)
リカルド・ボヨルケス(Bs)
ベルナルデッテ・バルトス(P)

録音:2018年6月25日、2018年6月26日、2018年9月27日、2018年9月28日、2018年12月6日
ドイツ・リートの発展に多大なる貢献をしているはずのベートーヴェンの90曲ほどの歌曲ですが、現代ではあまり演奏さ れることなく、管弦楽曲や器楽曲の影に隠れてしまっています。この第1集では、数種の異稿版を含むベートーヴェン の様々な歌曲を収録。シューベルトの名作を彷彿させるドラマティックな「魔王」や、喜び溢れる軽快な「新しき愛、新 しき命」などの興味深い作品はもちろんのこと、異稿版が存在する作品では、推敲の苦心を聴き取ることで、ベートー ヴェンの知られざる顔を見ることができます。劇付随音楽「エグモント」のクレールヒェンの歌の3ヴァージョンの違いを聞き 取るのも面白いことでしょう。「我が腕の中で揺れよ」は世界初録音です。
8.574072
アルベニス:声とピアノの作品全集
バーベリンの歌(1889頃)
2つの散文の抜粋(1898)
愛は多くのことのようなもの(1897)
ネリーへ(1896)
6つの歌(1896-1903)
4つの歌(1808-1809)
6つのイタリア語の歌(1887-1888)
ベッケルの詩(1888)
マグダレーナ・リャマス(Ms)
グリエルモ・ゴンザレス(P)

録音:2018年9月12-14日
スペインの民族音楽のエッセンスをうまく取り入れた数多くのピアノ作品が知られるアルベニス。このアルバムには、 1998年にピアニストのアントン・カルドと音楽学者のヤシント・トーレスが監修したアルベニスの「声楽曲全集」が そのまま収録されています。彼の歌曲は、どれも既存の作曲技法と民族的要素を融合させ、予期せぬリズムや、 時には無調に近い音列などが用いられており、その革新的なスタイルは聴き手に刺激的な体験をもたらします。 息の長い旋律は官能的であり、歌を彩るピアノ伴奏は大胆なハーモニーを奏でます。ニューヨーク・タイムズ誌で 絶賛されたメゾ・ソプラノ歌手マグダレーナ・リャマスは、時には地声も駆使し、表現豊かに作品を歌い上げます。
8.574073
バルト海のひらめき
アルヴィダス・マルシス(1957-):.Blackthorn Eyes サンザシの目(1999)(ピアノ四重奏版 2004)…世界初録音
 Hyacinth of the Snowfields 雪原のヒヤシンス(2012)…世界初録音
 Milky Way (2002)(ピアノ四重奏版 2012)…世界初録音
ペトリス・ヴァスクス(1946-):ピアノ四重奏曲(2001)
イッポリトフ・イヴァノフ・ピアノ四重奏団【アナスタシア・ヤクシナ(Vn)、オルガ・コーガン(Va)、セルゲイ・アナニチ(Vc)
イリナ・グライフェル(P)】

録音:2017年6月8日 、2015年7月7日
18世紀後半から19世紀にかけて数多くの名作が生まれた「ピアノ四重奏曲」ですが、それ以降は目立った作 品はあまり生まれていません。しかしバルト海沿岸のリトアニアやラトヴィアの作曲家たちはこの形態を愛し、たく さんの作曲家によるピアノ四重奏曲が生まれています。なかでも、ラトヴィアの作曲家ペトリス・ヴァスクスは、母 国の音楽要素を作品に取り入れた印象的なピアノ四重奏曲を作曲し、2001年に初演されてから高い人気 を保持。多彩な表情を持つ6つの楽章で構成されたこの作品は、聴き手に強い印象を残します。マルシスの 作品は、もともとは別編成のために書かれた曲ですが、ピアノ四重奏曲に編曲することで夾雑物がそぎ落とさ れ、曲の持つグロテスクな面やアイロニーが強調されています。
8.574074
レーガー:管弦楽作品集
バッハの主題による変奏曲とフーガ(1904)
(I.レヴィン編)…世界初録音
バッハ:コラール「ひとよ、汝が罪の」BWV622(M.レーガー編)
アルノルト・ベックリンによる4つの音詩 Op.128
クラウディナ・シュルツェ=ブロニーヴスカ(Vn)
アイラ・レヴィン(指)
ブランデンブルク州立O

録音:2016年5月12日、2016年5月13日
偉大なる先人、ヨハン・セバスチャン・バッハを敬愛していたレーガー。1904年に初めてバッハの作品を主題にした 変奏曲を書き上げます。使われたのはカンタータ第128番の二重唱「神の全能の力は計り知れず」であり、レー ガーは原曲のオーボエの音色を想定して楽譜に「オーボエのように」と書きつけるなど、ピアノ曲でありながら、演奏 にあたって多彩な響きを要求していたことがわかります。このアルバムでは編曲家でもある指揮者アイラ・レヴィンが レーガーの思いを音にするために、ピアノ曲をオーケストラ用にアレンジ、各声部を整理し、若干短縮を施すことで クライマックスを強大なものにしています。同じくバッハのコラール「ひとよ、汝が罪の」はレーガーの編曲、また「ベック リンの4つの音詩」はレーガーが魅了されていた絵画に触発された色彩豊かな作品です。
8.574075
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第23集
ソナタ ヘ長調 K256/L228/P480
ソナタ ハ長調 K270/L459/P481
ソナタ ト長調 K289/L78/P249
ソナタ 変ロ長調 K310/L248/P284
ソナタ 変ロ長調 K331/L18/P471
ソナタ ヘ長調 K349/L170/P452
ソナタ ヘ長調 K354/L38/P486
ソナタ ト長調 K375/L389/P414
ソナタ ホ長調 K395/L65/P273
ソナタ ハ長調 K407/L.S4/P436
ソナタ イ長調 K428/L131/P131
ソナタ 変ホ長調 K475/L220/P319
ソナタ ハ長調 K515/L255/P417
ソナタ ハ短調 K526/L456/P530
.ソナタ ハ長調 K549/L.S1/P553
.ソナタ ヘ長調 K554/L.S21/P558
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2019年5月28,29,31日
ナポリ楽派の歌劇作曲家、卓越したチェンバロ奏者、そしてオルガニストであったドメニコ・スカルラッティ。彼の鍵盤のた めのソナタは、音楽指導を行っていたポルトガルの王女マリア=バルバラ(後のスペイン王妃)の練習用として書かれたも のです。ソナタと言っても、そのほとんどは単一楽章で書かれており、技術向上のために多種多様な技巧が盛り込まれ た、当時としてはかなり実験的な作風による曲も少なくありません。このアルバムに収録された16曲のソナタもそれぞれ 特徴を持っており、例えばトラック9のソナタで用いられているのはジグのリズムであったり、トラック14のソナタは華やかな トリルが多用されていたりと、どれも魅力たっぷりの作品です。名手モンテイロの鮮やかなタッチが印象的。
8.574076
ベートーヴェン:劇音楽「アテネの廃墟」他
「献堂式」序曲
付随音楽「献堂式」Hess 118 導入部合唱
「Folge dem machtigen Ruf der Ehre!」(1811)
付随音楽「献堂式」への合唱曲「若々しく脈打つところ」WoO.98(1822)
「アテネの廃墟」のための行進曲と合唱曲 Op.114(1811)
劇音楽「アテネの廃墟」Op.113(1811)
(詞…フリードリヒ・フェルディナンド・フォン・コツェブー)…ナレーション入りによる世界初録音
レーッタ・ハーヴィスト(S)
アンゲラ・エバーライン(ミネルヴァ:語り)
クラウス・オバルスキ(メルクル:語り)
ユハ・コティライネン(Bs)
ローラント・アストール(語り)
レア・シンカ(語り)
エルンスト・オーダー(語り)
アボエンシス大聖堂聖歌隊
レイフ・セーゲルスタム(指)トゥルクPO

録音:2018年10月15-19日トゥルク・コンサートホール、フィンランド
“ベートーヴェンの「トルコ行進曲」”が含まれていることで知られる劇音楽「アテネの廃墟」。ハンガリーのペスト市 (現ブダペスト)に新設されたドイツ劇場のこけら落としのために1811年秋から1812年にかけて作曲され、 1812年2月9日に劇音楽「シュテファン王」とともに初演されました。物語は、ギリシャ神話に登場する知恵の 女神ミネルヴァが、長い眠りから目覚めた時に目にしたのはトルコに侵攻され、荒廃したアテネ。彼女は他の 神々が逃れたペストに赴き、この地を“新たなアテネ”にするという、まさに劇場のこけら落としにふさわしい内容を 持ち、魅力的なアリアやデュエット、コーラスで満たされています。ナレーション付きの劇仕立てでお楽しみくださ い。同時収録の「献堂式」の音楽は、ヨーゼフシュタット劇場のこけら落としのために書かれた劇音楽の一部で す。大部分が「アテネの廃墟」からの転用ですが、序曲はオリジナルです。
8.574077
ベートーヴェン:皇帝ヨーゼフ2世葬送カンタータ WoO 87(1790)
皇帝レオポルト2世戴冠式カンタータ WoO 88(1790頃)
レーッタ・ハーヴィスト(S)
ヨハンナ・レースヴオリ(S)
トゥオマス・カタヤラ(T)…
ユハ・コティライネン(Bs)
ニクラス・スパンベリ(Bs)
アボエンシス大聖堂聖歌隊
キー・アンサンブル
レイフ・セーゲルスタム(指)
トゥルクPO

録音:2018年8月27-31日 トゥルク・コンサートホール、フィンランド、2018年10月15-19日トゥルク・コンサートホール、フィンランド
1790年に皇帝ヨーゼフ2世が亡くなった時、ベートーヴェンはボンの宮廷音楽隊のメンバーでした。ボンの市民たちは 喪に服し、ベートーヴェンも皇帝のための追悼カンタータを作曲、さらにヨーゼフ2世の後を引き継ぎ帝位を継承した「レ オポルド2世の戴冠式のためのカンタータ」の作曲も思い立ち、見事な作品を書き上げました。しかし、演奏の機会を 持つことはできず、どちらも用途の決まった作品であったためか、ベートーヴェンの生前に演奏されることはありませんでし た。とはいえ、彼はこの2曲の仕上がりに自信を持っていたようで「葬送カンタータ」の一部は、のちに歌劇「フィデリオ」の フィナーレに転用、また「戴冠式カンタータ」は、1790年、もしくは1792年、ボンに立ち寄ったハイドンに見せたとされて います。どちらも20歳前後の若者の作品とは思えないほどの高い完成度を誇るカンタータを、セーゲルスタムが堂々た る演奏で聴かせます。
8.574078

NYCX-10116
税込定価
『ビートルズ・ゴー・バロック 2』
バッハ:ピアノ協奏曲 第1番
1.カム・トゥゲザー
2.ブラックバード
3.ドライヴ・マイ・カー
バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
4.抱きしめたい
5.サムシング
6.デイ・トリッパー
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番
7.ひとりぼっちのあいつ
8.ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
9.オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『四季』
10.ア・デイ・イン・ザ・ライフ (「春」第1楽章)
11.ノルウェーの森 (「春」第3楽章)
12.オクトパス・ガーデン (「秋」第1楽章)
13.ビコーズ (「秋」第2楽章)
14.バック・イン・ザ・U.S.S.R. (「冬」第1楽章)
15.ジュリア (「冬」第2楽章)
16.ゲット・バック (「夏」第3楽章)
バッハ:ミサ曲 ロ短調
17.ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア (主よ憐れみたまえ)
18.イエスタデイ (地には平和を)
19.ハロー・グッバイ (聖書にあるように3日後によみがえり)
ビートルズ:『アビイ・ロード』メドレー
20.ゴールデン・スランバー〜キャリー・ザット・ウェイト〜ジ・エンド
バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番
21.ハー・マジェスティ
※ バロックの原曲とビートルズの曲をミックスしてアレンジ
ダリボル・カルヴァイ(ソロ・ヴァイオリン)
マロシュ・クラチク(P)…1-3
マティアス・ヘフス(ピッコロ・トランペット) …7-9
ユライ・トムカ (Vn)
ルドヴィート・カンタ(Vc)
ピーター・ブレイナー(指・編)
ピーター・ブレイナー・オーケストラ

録音:2018年12月3-5日大教会、パネンスカ、ブラチスラバ、スロヴァキア
1993年にリリースされ世界的ブームとなった『ビートルズ・ゴー・バロック』。ビートルズが最後に録音したアルバム『アビイ・ロード』の発売50周年となる 2019年、26年もの歳月を越えて、ついに第2弾が登場しました。スロヴァキア出身の名アレンジャー、ピーター・ブレイナーが今回も冴えわたった編曲 でビートルズの名曲に新たな命を吹き込んでいます。幕開けは『アビイ・ロード』と同じ「カム・トゥゲザー」。合奏協奏曲風に編曲した前作から少し趣 向を変え、今回はバッハやヴィヴァルディの作品とビートルズの曲をミックス・アレンジ。メロディ・ラインのちょっとした類似を上手く掴み、2つの作品を見 事に調和させながらも、意表を突く流れに驚かされる場面もしばしばあり、常にわくわくさせられる楽しいアレンジに仕上がっています。ラストは『アビイ・ ロード』B面を飾るメドレーからの編曲が収められており、「ハー・マジェスティ」まで収録されているのがなんとも嬉しいところ。4人のビートルズはこの曲が 最後でしたが、ここでは、『ゴー・バロック』はまだ終わらないよ、とでも言いたげなニクいエンディングになっています。 今回の目玉の一つは驚くような名手が参加していることで、中でもブランデンブルク協奏曲第2番(ポール・マッカートニーがラジオで偶然この曲聴いて 「ペニー・レイン」のピッコロ・トランペットを思いついたことでも有名)のアレンジ版には、トランペットの名手マティアス・ヘフスが参加。見事な演奏で曲の 面白さをぐっと引き立てています。ヴァイオリンのダリボル・カルヴァイは、以前日本のドキュメンタリー番組出演で話題となり、これまで度々来日公演を 行っているほか、ホルンのバボラークのアンサンブルにも参加する名手。
8.574079
ジョリヴェ(1905-1974):フルートのための作品全集 第2集
1-4.協奏的組曲(フルート協奏曲 第2番)(1965)-フルートと4台のパーカッションのための
5.アラ・ルスティカ(1963)-フルートとハープのためのディヴェルティメント
6-7.Pipeaubec 鳥笛の吹き口(1972)-フルートとパーカッションのための
8-10.ソナティネ(1961)-フルートとクラリネットのための
11-14.クリスマスの牧歌(1943)-フルート,ファゴットとハープのための
15.1分30秒(1972)-フルートとパーカッションのための
16-20.小組曲(1941)-フルート,ヴィオラとハープのための
21-22.フルート協奏曲 第1番(1949)-フルートと弦楽オーケストラのための
エレーヌ・ブレグ(Fl)
オリヴィエ・ダルテヴェル(Cl)…8-10
ダーフィト・サットラー(Fg)…11-14
ジャン=クリストフ・ガルシア(Va)…16-20/アナイス・ゴドゥマール(Hp)…5
ニコラス・トゥリエス(Hp)…11-14,16-20
マルク・アイサ・シウラナ(パーカッション)…1-4
レイチェル・シ・シャン(パーカッション)…1-4
ローラン・ワルニエ(パーカッション)…1-4,6-7,15
ドミニク・フレースハウワース(パーカッション)…1-4
ルクセンブルクPOの弦楽セクション…21-22
グスタボ・ヒメノ(指)…21-22

録音:2018年10月29-30日、2018年7月5-7日 、2019年2月1-2日 、2019年3月16日
2017年に開催された「神戸国際フルートコンクール」の優勝者エレーヌ・ブレグが演奏するジョリヴェのフルート作品全 集第2集。第1集(8.573885)でその才能を余すことなく発揮した彼女、この第2集でも神秘的、あるいは呪術的な 雰囲気を持つジョリヴェの作品を隅々まで研究し、ヒメノが指揮するルクセンブルク・フィルハーモニーをバックに表現力 豊かな演奏を繰り広げています。アルバムの中心をなすのは2曲の協奏曲であり、とりわけ1949年、パリ音楽院の試 験のために作曲された第1番では、弦楽とフルートの響きが見事に溶け合うことで、ジョリヴェの抒情性が遺憾なく発揮 されており、変化にとんだ曲想は、一時も聴き手の耳を離すことがありません。1965年に作曲された協奏的組曲(フ ルート協奏曲 第2番)は、更に民族音楽の要素も加わったスリリングな旋律を持ち、フルートの超絶技巧が存分に駆 使された見事な作品です。ここでも彼女のリズミカルな歌い口に魅了されます。
8.574081
ケマル・ベレヴィ(1954-):ギター・デュオ作品集
キプロス狂詩曲 第1番(2011)(2017年 2台ギター版)
キプロス組曲(2001)(2017年 2台ギター版)…世界初録音
ワルツ 第1番(1999)(2017年 2台ギター版)…世界初録音
キプロス狂詩曲 第2番(2006)(2017年 2台ギター版)
ワルツ 第2番(1985)(2017年 2台ギター
トルコ組曲(1999)…世界初録音
ロマンス(1997)(2018年 2台ギター版)…世界初録音
キプロス風狂詩曲 第3番(2012)(2018年 2台ギター版)…世界初録音
3つの断章(1997)
キプロス風ラプソディ 第4番(2006)(2018年 2台ギター版)…世界初録音
デュオ・タンデム(ギター・デュオ)
ネカティ・エミルツァーデ
マーク・アンダーソン

録音:2019年3月13-16日
キプロス、ニコシアに生まれロンドンで学び、現在キプロスを拠点に活躍するギタリスト=作曲家ケマル・ベレヴィ。11歳から ギターを始め、最初は兄とともにバンドを組み、ポップスやロックを演奏していましたが、ロンドンに移ってからはクラシックギ ターに転向。演奏家としてだけではなく、作曲家としても高く評価されています。ギリシャやトルコ、中東など多くの国の伝統 が感じられる彼の音楽は、どれもユニークで美しいものばかり。このアルバムに収録されている作品の多くは世界初録音で すが、みな親しみやすく聴き応えがあります。とりわけ、タイトルに「キプロス」と記された曲はベレヴィの本領発揮とも言える 作品群であり、胸躍るようなリズムとエキゾチックな旋律に魅了されます。
8.574082
アルベリク・マニャール(1865-1914):交響曲 第3番&第4番
交響曲第3番変ロ短調 Op.11(1896)
交響曲第4番嬰ハ短調 Op.21(1913)
ファブリース・ボロン(指)
フライブルクPO

録音:2018年3月19-20日、2017年3月20-21日
『ル・フィガロ』誌の編集者を父に持つマニャールは、20歳の時にバイロイトでワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を 聴いたことで音楽家を志し、裕福な実家の経済的支援を受けることなく、自力でその道を目指しました。パリ音 楽院てはマスネに作曲を学びましたが、彼が大きく影響を受けたのはヴァンサン・ダンディであり、第1番と第2番の 交響曲はダンディの指導のもとにかかれ、第1番はダンディに献呈されています。このアルバムに収録された第3番 は、彼の交響曲の中でも最も知名度の高い作品で、ブルックナーを思わせる荘厳なコラールに始まり、印象的な 旋律が次々と現れる巧みな書法で書かれています。第4番は作品の完成までに3年を費やすほどにマニャールが 工夫を凝らした交響曲。自身の作風の転換を図るかのような先進的な技法で書かれており、彼の生前には理 解されませんでしたが、もし彼が長生きをすれば、この作風を更に発展させた斬新な作品が生まれたであろうと思 わせる見事な仕上がりを見せています。
8.574083
マニャール(1865-1914):交響曲第1番&第2番
交響曲第1番ハ短調 Op.4(1890)
交響曲第2番ホ長調 Op.6(1893/1896改訂)
ファブリース・ボロン(指)
フライブルクPO

録音:2018年10月15,16日、2019年1月10,11日
フランスの作曲家マニャールの交響曲集。前作第3番、第4番と同じくファブリース・ボロンが指揮するフライブル クPOの演奏です。彼は生涯で9曲の交響曲を完成させるつもりだったとされますが、戦 禍に巻き込まれ49年という短い生涯を閉じたことで、残念ながらその目論みは潰えてしまいました。このアルバ ムに収録されている第1番と第2番はともに、マニャールに多大な影響を与えたヴァンサン・ダンディの指導のもと で書き上げられた曲。とりわけ循環形式が効果的に用いられた第1番はダンディに献呈されており、師への感 謝の念が込められた作品で、第2楽章のドヴォルザークを思わせる牧歌的な雰囲気と終楽章の力強い旋律が 強い印象を残します。1893年に完成された第2番も同じくダンディの指導を受け作曲されましたが、第1番に 比べマニャールの作風は飛躍的に進歩しており、ほとんどダンディの助けは必要なかったようです。第1楽章にで は古風な旋法が使われていたり、ブルックナーを思わせるゲネラルパウゼ(オーケストラ全体が休止する)が用い られるなど様々な創意工夫が凝らされているのが特徴です。
8.574084

NYCX-10143
国内盤仕様
税込定価
マニャール(1865-1914):管弦楽作品集
序曲 Op. 10(1895)
葬送の歌 Op. 9(1895)
正義への賛歌 Op. 14(1902)
ヴィーナスへの賛歌 Op. 17(1904)
古風な様式による管弦楽組曲 Op. 2(1888)(P.マルケによる編集版 1892)
ファブリース・ボロン(指)
フライブルクPO

録音:2018年6月18日、2018年6月18-19日、2018年7月7日、2017年10月2-3日、2019年3月8日
【国内盤】
日本語解説付き
ベストセラー作家の父のもと、比較的裕福な家庭に育ったマニャール。20歳の時にワーグナーの「トリスタンと イゾルデ」に魅了された彼は、実家の経済的な援助を受けることなく、自らの力で音楽の道に進むことを決 意します。パリ音楽院に入学しマスネに師事したものの、個人的に師事したダンディから受けた影響の方が 大きく、マニャールは「交響曲作家」としての栄誉を求め、少なくとも9曲の交響曲を完成させることを目標に 作曲家としての活動を始めました。しかし、その望みは、第一次世界大戦時のドイツ兵との壮絶な戦いによ る彼の死によって打ち切られてしまい、4曲の交響曲を含む20曲ほどの作品だけが残されています。このアル バムには、マニャールが初めてオーケストレーションに挑んだ「古風な様式による管弦楽組曲」から、1904年 の「ヴィーナスへの賛歌」まで5作品が収録されています。どれも、マニャールの心情が反映された美しく力強 い作品です。
8.574087
管楽器のための協奏曲集
スーザン・ボッティ(1962-):sull'ala-サクソフォンと管楽アンサンブルのための協奏曲(2014)
ジェス・ラングストン・ターナー(1983-):Heavy Weather-テューバと管楽アンサンブルのための協奏曲(2013)
スティーブン・マイケル・グリック(1949-): Guignor ギニョール-ファゴットと管楽器、パーカッションによる小オーケストラのための(2017)
キャリー・コフマン(Sax)
スコット・メンドカー(Tub)
マーク・ゴールドバーグ(Fg)
グレン・アドシット(指)
ハート・ウィンド・アンサンブル

録音:2013年12月17日、2014年12月15日、2018年12月17日
アメリカ、ハート大学の学生たちによって組織されている「ハート・ウィンド・アンサンブル」は過去20年間に40以 上の作品を初演するなど、卓越した技術と革新的な選曲で注目を浴びている団体です。このアルバムにはアメ リカを代表する3人の作曲家の協奏曲が収録されており、各々のソリストとともにアンサンブルの多様性を追及 しています。女性作曲家ボッティの「sull'ala」は翼を意味し、飛行する際に発せられるさまざまな音をサクソフォ ンとオーケストラで表現しています。 ターナーの「Heavy Weather」は熱暑や嵐などの気象現象を表現した劇的な音絵巻。第2楽章の嵐での迫 力ある描写が見事です。グリックの「ギニョール」はフランスで生まれた指人形芝居の主人公の名前。コミカルな ファゴットが主役を演じます。
8.574088
ミロスラフ・スコリク(1938-):ヴァイオリン協奏曲集 第1集
ヴァイオリン協奏曲 第1番(1969)
ヴァイオリン協奏曲 第2番(1989)
ヴァイオリン協奏曲 第3番(2001)
ヴァイオリン協奏曲 第4番(2003)
アンドレイ・ビエロウ(Vn)
ヴォロディミール・シレンコ(指)
ウクライナ国立SO

録音:2015年6月23日、2015年6月24日、2015年10月22日、2016年2月17日
1938年、ウクライナのリヴィヴで生まれたスコリク。第二次世界大戦後、家族とともにシベリアに追放され、この 地で音楽を学んだという経験を積み、故郷に戻ってからはカバレフスキーに師事し音楽家として成功、現在で は教師としても尊敬される人です。オペラやバレエなどの劇音楽や、パガニーニ:24のカプリースのオーケストラ編 で知られています。9曲あるヴァイオリン協奏曲は彼の音楽人生の中でも45年間の長きに渡って作曲されお り、どれもシンコペーションが際立つ、力強く表現的なオーケストラの伴奏の上で、ウクライナの伝承を採り入れた 哀愁漂う旋律を歌うヴァイオリンが印象的。時折、とびきり美しい旋律が織り込まれた興味深い作品群です。 このアルバムには第1番から第4番までが収録されています。
8.574089
スコリク(1938-):ヴァイオリン協奏曲全集 第2集
ヴァイオリン協奏曲 第5番(2004) Moderato
ヴァイオリン協奏曲 第6番(2009) Moderato
ヴァイオリン協奏曲 第7番(2011) Allegro,Moderato
ヴァイオリン協奏曲 第8番「ショパンへの暗示」 (2011) Andante
ヴァイオリン協奏曲 第9番(2014) Moderato
アンドレイ・ビエロウ(Vn)
ヴォロディミール・シレンコ(指)
ウクライナ国立SO

録音:2015年2月11日、2月12日、2月13日、2015年6月22日、2015年10月23日
世界初録音
ミロスラフ・スコリク(1938-) はリヴィヴ音楽院を経て、モスクワ音楽院の大学院でカバレフスキーに師事、ウクライナを代 表する作曲家および教師の1人として活躍しています。彼の9曲あるヴァイオリン協奏曲は45年間に渡って書かれたもの で、第1集(8.574088)に続くこの第2集には2004年から2014年に書かれた5曲を収録。ジャズの要素が強い第5 番、瞑想的なテーマで始まり、次第に狂騒的になる第6番、第6番の荒々しさを発展させた第7番、ショパン生誕200 年を記念して、ショパン作品から様々な引用が聴かれる第8番、抒情的な主題が劇的に展開する感動的な第9番、ど れも単一楽章によるスコリクの作風が端的に示された興味深い作品群です。ヴァイオリニスト、ビエロウは第6番と第9番 の初演者であり、スコリク作品の優れた理解者として知られています。
8.574091
パウル・ユオン(1872-1940):ヴァイオリン・ソナタ 第1番-第3番
ヴァイオリン・ソナタ 第2番ヘ長調 Op.69(1920年出版)
ヴァイオリン・ソナタ 第3番ロ短調 Op.86(1930年出版)
ヴァイオリン・ソナタ 第1番イ長調 Op.7(1898年出版)
チャールズ・ウェザービー(Vn)
デイヴィッド・コレヴァー(P)

録音:2015年8月11日、2016年9月29日、2014年12月20日
スイス系ロシア人作曲家、パウル・ユオン。モスクワ音楽院で作曲と音楽理論をアレンスキーとタネーエフに学んだ後、 ベルリン高等音楽院に留学、クララ・シューマンの異父弟ヴォルデマール・バルギールのもとで研鑽を積み、ドイツ・ロマン 派の様式を身につけました。彼の作品からは、最初のロシアの師たちの影響も感じられますが、全体を覆うのはドイツ 的な雰囲気であるとともに、彼が研究したシベリウスの影響も少しだけ見られます。このアルバムに収録された3つのソ ナタは、初期から円熟期に渡って作曲されたもので、通して聴くことでユオンの作風の変遷が良くわかります。決してわ かりやすいとは言えない音楽ですが、聴くほどに味わいが深くなっていくのがユオン作品の特徴です。
8.574092
グエッラの写本 第5集
1.ファン・イダルゴ(1614-1685):Zagalejos del valle 谷の羊飼い
2.イダルゴ:Recelos, cuidados 疑え、注意しろ
3.ホセ・マリン(1619頃-1699):Valgate Amor por Gileta
愛の神よ、ジレタのために
4.作者不詳:?Que quiere el sol en el monte? なぜ山で太陽が輝くのか
5.作者不詳:Rompe, Amor, la venda 愛の神、目隠しを外す
6.作者不詳:Por no merecer あなたにはふさわしくない
7.ホセ・マリン:Aquella sierra nevada 雪をかぶった山々
8.作者不詳:Diga el dolor 悲しみを説明
9.作者不詳:?Por que afectas imposibles? なぜあなたは拒否するのか
10.ホセ・マリン:Apostemos nina que acierto あの少女について賭けましょう
11.作者不詳:No lloren mas mis ojos わが瞳、泣かないで
12.作者不詳:Pues de la beldad que adoro 私が大好きな美しさ
13.ファン・イダルゴ:Porque no es falta 罪ではない
14.作者不詳:A las penas las penas 山が動く
15.マティアス・ルイス(1665頃-1702):Oid del amante mas fino
高貴な情熱を聞く
16.作者不詳: ?A quien me quejare? 誰に文句をいうの
17.ファン・イダルゴ:Al aire se entregue 私の言葉を送ろう
18.作者不詳:Ya, madre del ciego dios 盲目の神の母
アルス・アトランティカ(アンサンブル)
【ホセ・アントニオ・ロペス(Br)、ブルーノ・フォルスト(Cemb)、マヌエル・ビラス(スパニッシュ・バロック・ハープ、指)】

録音:2011年7月17-19日 ビア・ステラ音楽祭
スペイン王宮の礼拝堂の書記を務めたミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)が編纂した「グエッラの写本」の第5 集。スペイン・バロックの知られざる側面を楽しむシリーズです。これまでは、ソプラノとテノールの独唱による歌集で したが、今作はバリトンの落ち着いた声による演奏です。片思いの愛の痛みや苦しみ、人生を象徴するために用 いられる神話や自然界の風景など、さまざまな光景が描かれた多彩なテキストが歌われています。バックには、こ れまでと同じくスペイン風バロック・ハープだけでなく、今回は初めてチェンバロが加わり、新たな響きが追求されてい ます。
8.574093
トロンボーンの旅 第1集
シューベルト:Winter Journey(冬の旅) Op.89 D911(マシュー・ジーによるトロンボーン編)
マシュー・ジー(Tb)
クリストファー・グリン(P)
録音:2018年8月9-11日
Turner Sims, Southampton, UK
2019年に来日、大評判となったブラス・アンサンブル「セプトゥーラ」でトロンボーンを吹くマシュー・ジー。彼は 2010年からロイヤル・フィルハーモニーの首席奏者を務め、ロンドン王立音楽アカデミーでは後進の指導にあ たるだけでなく、ソリストとしても引く手あまたの活躍をしています。このアルバムで彼が取り上げたのはシューベル トの名作歌曲集「冬の旅」。もとよりトロンボーンはポルタメントやビブラートなど様々な技巧を駆使することで、 多彩な音色を創り出すことが可能が楽器であり、この歌曲への挑戦も決して無謀なことではありません。とは いえ、さすがに言葉を用いることができず“歌詞をとりわけ重んじる”ドイツ・リートを演奏するためには、まず歌詞 の概念を取り払う必要がありました。そこでジーは全ての曲のタイトルを一度、英語に置き換えることで、テキス トの呪縛から解き放たれることに成功。言葉を使うことのないトロンボーンによる新たな「冬の旅」が生まれまし た。時には優しく、時には激しく、絶望に打ちひしがれた若者の想いを切々と伝えます。
8.574094
ルイーズ・ファランク(1804-1875):交響曲第1番/序曲集 他
交響曲第1番ハ短調 Op.32(1841)
序曲 第1番ホ短調 Op.23
序曲 第2番変ホ長調 Op.24
「ガレンベルク伯爵」の主題による変奏曲 Op.25(ピアノとオーケストラ版)
…世界初録音
ジャン・ミュラー(P)
クリストフ・ケーニヒ(指)
ルクセンブルク・ソリスツ・ヨーロッパ

録音:2017年11月13日、2018年11月26日
ルイーズ・ファランクはパリ音楽院で女性として初めて教授職に就任し、1861年と1869年には管弦楽曲に対 してフランス学士院よりシャルティエ賞を授与されたほどの才能の持ち主でした。その作品は長い間顧みられるこ とがありませんでしたが、20世紀後半になって、クララ・シューマンを始めとした女性作曲家たちの存在が注目さ れるようになり、彼女の作品も演奏される機会が増えてきました。このアルバムに収録された「交響曲第1番」は ドイツ古典派の流れを汲む堅固な構成と洗練された旋律を持つ作品。2つの序曲はベルリオーズに絶賛された ほどの見事なオーケストレーションが施されています。「ガレンベルク伯爵」(ベートーヴェンが「月光ソナタ」を献呈 したジュリエッタ・グイチャルディの夫)の主題による変奏曲はピアノの華麗な技巧が存分に発揮された作品で、 交響曲とは違う作風を味わうことができます。
8.574095

NYCX-10392
日本語解説付国内盤
税込定価

リスト:ピアノ作品全集 第60集 シューベルト歌曲編曲集 第3集
シューベルトの12の歌(1840)〜第1曲 セレナード S559a(第1稿)
シューベルトの12の歌 S558/R243(1837-38)より
第6曲 若い尼僧
第10曲 休みなき愛
シューベルトの12の歌 S558bis(1876頃?79)より
第3曲 君はわが憩い(G.フィリペツ版)
第4曲 魔王(G.フィリペツ版)
第7曲 春のおもい
第8曲 糸を紡ぐグレートヒェン(L.ハワード版)
第9曲 シェイクスピアのセレナード
第11曲 さすらい人
リスト:6つのシューベルトの歌曲 S563/R248(1844)より
第1曲 告別
第2曲 乙女の嘆き
第3曲 葬列の鐘
第6曲 ます
第6曲 ます(異稿)
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2019年5月28-29日、2021年11月22日

※ 国内仕様盤には内藤 晃氏による日本語訳解説が付属
脈々と続くNAXOSのリスト:ピアノ作品全集。記念すべき第60巻はシューベルト歌曲の編曲集で、異稿・異版をまじえた内容になっています。リストは シューベルトの歌曲を敬愛し、歌のパートとピアノ伴奏のパートを1台のピアノ用に編曲して自ら演奏しました。それはピアノ曲としての効果を意図したもの で、多くの場合、元になったシューベルトの歌曲よりも「リストのピアノ曲」としての面が強く出ています。演奏は難しく、特に歌の旋律を効果的に浮かびがらせ ねばなりません。演奏者のゴラン・フィリペツは『リスト:パガニーニ練習曲』(国内仕様盤 NYCX-10139/輸入盤8.573458)と『リスト:ハンガリー幻想 曲』(NYCX-10188国内仕様盤/8.573866輸入盤)で、ブダペスト・リスト協会の“Grand Prix International du Disque”を受賞した名手。目 覚ましいテクニックで難関をクリアしてゆきます。更に、全曲に渡って三連符の激しい打鍵が続く「魔王」で低音に新たな音を加えるなど、曲によって自らのア レンジも加えて一層華やかな仕上がりとしています。「糸をつむぐグレートヒェン」はリストの研究者で全曲録音でも知られるレスリー・ハワードが編集した版を 用いての演奏。「ます」の編曲にはいくつかの異稿が存在しますが、ここではよく演奏される1844年の初稿版S.563と、リスト自身によるOssia(選択可能 な別バージョン)で演奏した2ヴァージョンが収録されています。多くの点で興味がひかれる1枚です。
8.574096
ピアノバッソ - ピアノとコントラバスによる編曲集
トーマス・グスタフソン&アンドレアス・グスタフソン:イントロダクション(インプロヴィゼーション)
サン=サーンス:『動物の謝肉祭』 - 白鳥
ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』 - 月の光
グリーグ:12の歌 Op. 33 - 第2曲 春
ヴィカンデル:すずらんの王様
ステンハンマル:春の夜
ヘンデル:歌劇「リナルド」 - 私を泣かせてください
ニールセン:劇音楽『母』Op. 41 - 霧が晴れていく
バッハ:G線上のアリア
バッハ:主よ、人の望みの喜びよ

*以外…トーマス・グスタフソンによるピアノとコントラバス編
ピアノバッソ【トーマス・グスタフソン(P)、アンドレアス・グスタフソン(Cb)】

録音:2018年11月1日
スウェーデンで活躍するユニット「ピアノバッソ」。ピアノとコントラバスの組み合わせから生まれる静かな 音楽は人々の耳を惹きつけてやみません。このアルバムで楽しめるのはグリーグやステンハンマル、ニー ルセンなどの北欧作品と、バッハやヘンデル、サン=サーンスなどの良く知られた曲に、ピアニスト、トー マス・グスタフソンがアレンジを施したもの。即興的要素とジャズ風な味わいがブレンドされた雰囲気あ る小品が並びます。 *スウェーデン限定アルバムでしたが、今回数量限定で日本発売します。
8.574097
ナイジェル・クラーク(1960-): 水平線の神秘 他
DIAL "H" FOR HITCHCOCK (2016/2019改訂)…世界初録音
スウィフト・セバーンの洪水(2009)
コルネット協奏曲 「水平線の神秘」(2012)
アースライズ(2010)
ハルメン・ファンホールネ (コルネット)
グライムソープ・コリアリー・バンド
デイヴィッド・ソーントン(指)
ナイジェル・クラーク(指)
サンディ・スミス(指)

録音:2019年7月8日…1、2019年2月4日、2019年6月1日、2018年11月17-18日
英国の作曲家ナイジェル・クラークは、1994年にブラック・ダイク・ミルズ・バンドのコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこ とで、吹奏楽界の頂点に立つ作曲家の一人として君臨しています。このアルバムには名映画監督ヒッチコックのドキュメン タリー・フィルムから触発された「DIAL "H" FOR HITCHCOCK」と、シェークスピアの「ヘンリー4世」からの1シーンを描 いた「スウィフト・セバーンの洪水」、ベルギーの象徴派の画家ルネ・マグリットの4つの絵画に基づく「水平線の神秘」、アポ ロ8号の宇宙飛行士ウィリアム・サンダースが撮影した地球の写真からインスパイアされた「アースライズ」の4曲を収録。世 界最高峰のブラスバンド「グライムソープ・コリアリー・バンド」が万全のテクニックでこれらを聴かせます。
8.574098
ゴットリープ・ムファット(1690-1770):チェンバロの為の組曲集 第3集
チェンバロ組曲 イ長調 MC B36
チェンバロ組曲 ト短調 MC B6
チェンバロ組曲 ニ長調 MC B7
チェンバロ組曲 イ短調 MC B37
チェンバロ組曲 ニ短調 MC B12
芥川直子(Cemb)
※Henk van Schevikhovenによるルッカース/エムシュの復元楽器

録音:2021年2月25-27日
世界初録音
チェンバロ奏者、芥川直子によるゴットリープ・ムッファト作品集第3集。第1集(8.572610)、第2集(8.573275)と同じ楽器(Henk van Schevikhovenによるルッカース/エムシュ)を用いた3年ぶりの録音で、これがシリーズ最後のアルバムとなります。作曲者のゴットリープ・ムッファトはザ ルツブルクとパッサウの宮廷で活躍したゲオルク・ムッファトの末息子で、18世紀ウィーンで活躍した重要な作曲家です。彼の作品は、イタリア・バロック とフランス舞曲の様式を融合した洗練されたスタイルで書かれており、これらは同時期に活躍したヘンデルにも影響を与えていると考えられています。 存命中に出版された作品はわずかですが、名手グレン・ウィルソンの協力によりヨーロッパ各地に散らばった譜面を探し出すことで、3集からなるアルバ ムが完成しました。 【芥川直子】広島生まれ。3歳でピアノを始め16歳でチェンバロに転向。桐朋学園音楽学校で学んだ後、ドイツのヴュルツブルク音楽大学でグレン・ ウィルソンに学ぶ。NAXOSにはこれまでにグラウプナー、ストラーチェ、ル・ルーのソロ作品とフランツ・ベンダのヴァイオリン・ソナタの録音がありどれも高く 評価されています。
8.574100
ショスタコーヴィチ:劇音楽『南京虫』
映画音楽『愛と憎しみ』(マーク・フィッツ=ジェラルドによる再構築版)
マンハイム歌劇場cho
マーク・フィッツ=ジェラルド(指)
ラインラント=プファルツ州立PO

録音:2019年2月18-21日
若きショスタコーヴィチは、数多くの映画音楽に手を染めました。この「南京虫」は1929年に劇作家メイエルホリドの依 頼を受け作曲にとりかかった曲。氷漬けとなった主人公プリスイプキンが50年後に蘇生されるものの、誰からも相手に されず、衿についていた南京虫と心を通わせるという、少々SF風でもあるマヤコフスキーの原作は、プチブルジョワ階級 と官僚主義への痛烈な批判に溢れており、ショスタコーヴィチ自身はこの作品をあまり好まなかったとされます。しかし偉 大な劇作家であるメイエルホリドの説得でこの仕事を引き受け、結局は1か月ほどで全曲を仕上げています。比較的 知られる「間奏曲」で聴ける脱力系の響きが独創的。もう1作の「愛と憎しみ」は社会的リアリズムの台頭によって排 斥された映画作品。1937年にフランスで上映されたものの、さほど話題にならずそのまま忘れられてしまいました。今 回、どちらの作品もマーク・フィッツ=ジェラルドの補筆、復元により素晴らしいスコアとして蘇りました。 世界初録音
8.574107
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op. 19
ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op. 63(1935)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op. 115(1947)
ティアンワ・ヤン(Vn)
ウィーンRSO
準・メルクル(指)

録音:2020年11月11-13日
【ティアンワ・ヤン】 北京生まれ。4歳でヴァイオリンを学び始めるといち早く才能を発揮し、10歳の時に北京中央音楽院で林耀基の指導を受ける。13歳でパガニーニの24の カプリースを録音。2003年に奨学金を得てドイツへ留学したのを機に、同地に拠点を移した。これまでに英独仏をはじめとする欧州諸国や北米、オセアニ ア、アジア諸国のオーケストラに出演し、リサイタルや室内楽ではルツェルン音楽祭、ラインガウ音楽祭、ラヴィニア音楽祭、ウィグモア・ホール、サル・プレイエ ル、リンカーン・センターなどで演奏しています。Naxosレーベルに多くの録音があり、2014年にはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とサラサーテのヴァイオリ ン音楽集でドイツ・レコード批評家賞を受賞。2015年にはイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集の録音でECHOクラシック賞の年間最優秀器楽奏者に選 ばれた。音楽上の師として、林耀基、イェルク=ヴォルフガング・ヤーン、そしてチェリストのアンナー・ビルスマの名を挙げています。 レインゴリト・グリエールから私的に作曲の指導を受けた11歳のプロコフィエフ。しかし若きプロコフィエフの心を魅了したのはグリエールが弾くヴァイオリンの演奏 でした。それから十数年後の1916年、彼はヴァイオリン協奏曲第1番を作曲。抒情的な旋律と気まぐれな遊び心を備えた作品で、とりわけ第2楽章の野 性的なスケルツォが強い印象を残します。1935年に作曲されたヴァイオリン協奏曲第2番は穏やかながら、時折控えめな情熱を垣間見せる美しい曲。第3 楽章ではスペイン風の楽想が用いられており、カスタネットが活躍します。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタは「才能ある子供たちの斉奏(ユニゾン)用」に書 かれた曲。もちろん一人で演奏することも可能です。 サラサーテ、イザイからリームまで、卓越した技巧と幅広いレパートリーを持つティアンワ・ヤン。このプロコフィエフでは、更なる音楽性の深化と弱音から強音ま での美音を駆使し、作品の魅力を存分に引き出しました。準・メルクルが指揮するウィーンRSOも隙のない演奏で彼女を引き立てています。
8.574108
ザドール(1894-1977):シンフォニア・テクニカ 他
タランテッラ-スケルツォ(1942)
クラリネットと弦楽合奏のための音楽(1970)
トロンボーン協奏曲(1966)
In Memoriam 思い出に(1962)
シンフォニア・テクニカ(1931)
パル・ソルヨミ(Cl)
アンドラーシュ・フェイェール(Tb)
マリウシュ・スモリー(指)
MAVブダペストSO

録音:2018年9月19-22日
全て世界初録音
ハンガリーのバータセクで生まれ、1940年代のアメリカで映画音楽の発展に著しく寄与したユージン・ザドール。この NAXOSレーベルにおける6枚目となるアルバムにも、彼の特徴である豊かな表現力と色彩豊かな響きを駆使した作 品が収録されています。冒頭に置かれた「タランテッラ-スケルツォ」は彼がロサンゼルスに定住して間もない1941年から 1942年頃の作品。大編成のオーケストラが奏でる活発な旋律は、溢れんばかりのエネルギーに満ちています。1970 年代の「クラリネットと弦楽合奏のための音楽」はセントルイスSOの委嘱作。トロンボーン協奏曲は、若いころこ の楽器を学んだザドールならではの技巧的な作品です。アルバムのメインである「シンフォニア・テクニカ=先進技術の 交響曲の意」は彼が新古典派の様式に沿って作曲した唯一の作品。機能的でありながら、レスピーギ風の響きも感 じられるザドール独自のユニークな音楽です。
8.574109
アデス(1971-): ピアノ・ソロ作品集
歌劇「彼女に化粧を」による演奏会用パラフレーズ(2009)
スティル・サロウイング Op.7(1992)
ダークネス・ヴィジブル(1992)
ブランカ変奏曲(2015)…世界初録音
トレースド・オーヴァーヘッド Op.15(1996)
ピアノのためのマズルカ集Op.27(2009)
思い出(2018)
チェン・ハン (P)

録音:2019年4月5-7日
英国の作曲家・ピアニスト・指揮者トーマス・アデス。古典的な伝統に基づく様式にジャズやポップスの要素を融合した独 自な作風で知られ、これまでにオペラや管弦楽作品などを多数発表、その都度賛否両論を巻き起こしています。ピアニ ストとしては自作の演奏をはじめ、アルディッテイ四重奏団やイアン・ボストリッジらと共演、卓越した技巧を披露していま す。そんなアデスのピアノ曲はどれも超絶技巧が駆使された演奏困難なものばかり。自作のオペラ「彼女に化粧を」のパラ フレーズは、リストやブゾーニの例に倣った、即興的で華やかな4つの部分からなる編曲作品。ダウランドのリュート作品を 元にした「ダークネス・ヴィジブル」や、ショパン生誕200年を記念し、エマニュエル・アックスから委嘱された「マズルカ」などの 個性的な作品を、1992年生まれの若手チェン・ハンが華麗に演奏しています。
8.574110
グレツキ(1933-2010):弦楽四重奏曲全集 第2集
2つのヴァイオリンのためのソナタ Op.10(1957)
弦楽四重奏曲 第3番Op.67「… Songs Are Sung」(1995/2005改訂)
ティペットQ【ジョン・ミルズ(Vn1)、ジェレミー・アイザック(Vn2)、リディア・ローンデス=ノースコット(Va)、ボジダル・ヴコティッチ(Vc)】

録音:2018年9月27日、2018年2月20日
神秘的な美しさを持つ「悲歌のシンフォニー」で知られる作曲家グレツキ。しかしデビューしたばかりの頃は、衝撃的な 音を好む“前衛的な作曲家”としてミヒャエル・ギーレンからも絶賛されたほどの存在でした。このアルバムに収録されて いる「2台のヴァイオリンのためのソナタ」でも冒頭から激しい音のぶつかり合いが炸裂。後期の作風でグレツキに親しん でいる人にとっては、この作品は異端とも思えることでしょう。それに対して「弦楽四重奏曲 第3番」は幾度もコラボ レーションを行っていたクロノス・クァルテットのために書かれ、1995年に完成されるも何度かの改訂を施し、ようやく 2005年に初演された曲。各々の旋律が対話を繰り返しながら進行し、時には前衛的な響きも用いつつ、最後は チェロの癒しの調べで締めくくられるというグレツキの30年間にわたる作曲生活を総括する長大な作品です。
8.574116
ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史 第5集
ウラディーミル・ディック(1882-1943):ピアノ三重奏曲 ハ短調 Op. 25(1910)
コンスタンティン・イヴァノヴィチ・フォン・スターンバーグ:ピアノ三重奏曲第3番ハ長調 Op. 104(1912)
セルゲイ・ユフェロフ(1865頃-1927): ピアノ三重奏曲 ハ短調 Op. 52(1911)
ブラームス・トリオ【ニコライ・サチェンコ(Vn)、キリル・ロディン(Vc)、ナタリア・ルビンシテイン(P)】

録音:モスクワ音楽院大ホール(ロシア)
NAXOSの人気シリーズ「ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史」を締めくくる第5巻の登場。このアルバムには音楽史から ほとんど名前が消えてしまった20世紀に活動した3人の作品が収録されています。パリ音楽院でヴィドールに作曲を 学んだウラディーミル・ディックは1910年にフランス国籍を取得しましたが、1943年、彼は家族とともにナチスに捉え られアウシュシッツに送られ、悲劇的な死を迎えます。このピアノ三重奏曲は1910年の作品。映画音楽の分野で 鍛えた巧みな音作りの中にロシアの魂が込められた力作です。アメリカに渡り、優れたピアニストとして活躍したスター ンバーグの三重奏曲は、思いのほか明るく平易な楽想を持つ作品。変奏曲形式で書かれた第2楽章に漂う哀感 が強い印象を残します。ユーフェロフはオデッサの裕福な家庭に生まれ、グラズノフから作曲の指導を受けた作曲 家。このピアノ三重奏曲はノスタルジックな曲想と持つとともに、随所にロシア民謡由来の力強い旋律も聴かれる美 しく充実した音楽です。
8.574117
アタナス・ウルクズノフ(1970-):Cycling Modes
ギター・ソナタ 第1番(1996)
ギター・ソナタ 第2番「バルトークへのオマージュ」(1997)
ギター・ソナタ 第3番「Cycling Modes」(2014)
ギター・ソナタ 第4番(2016)
ギター・ソナタ 第5番(2018)
コスタス・トシディス(G)

録音2017年12月27-29日、2018年1月28日、2018年10月13日
ブルガリアで最も優れた作曲家の一人として認知されているウルクズノフ。彼はパリ音楽院で一等賞を獲得し たギタリストでもあり、独奏曲、二重奏曲、アンサンブル、2曲の協奏曲などこれまでに発表したギターのための 作品は、多くの国際的な賞を受賞しています。来日経験もあり、その際には、彼の妻である日本のフルート奏 者小倉美英との華麗なデュオを披露し話題となりました。このアルバムには5つのソナタの連作「Cycling Modes」が収録されています。どの曲もブルガリアの伝統音楽のテイストを盛り込みながらも、1996年から 1997年までに書かれた第1番と第2番と、2014年から2018年に書かれた第3番から第5番までとは、明ら かにスタイルの違いがありますが、これは作曲家自身の表現方法の変遷が反映されたためで、民謡を直接取 り込んだ初期の作品に比べると、後の3曲は技巧的にも表現的にも巧妙な方法を用いて作品が作られていま す。研究者、教育者としても活躍するギリシャのギタリスト、コスタス・トシディスの超絶技巧をお楽しみくださ い。
8.574118
ブラジルの室内楽作品集
グラウコ・ヴェラスケス(1884-1914):ヴァイオリン・ソナタ 第1番「デリリコ」(1909
レオポウド・ミゲス(1850-1902):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
Op.14(1885)
ヴェラスケス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番(1911)
エマニュエーレ・バルディーニ(Vn)
カリン・フェルナンデス(P)

録音:2014年5月20-23日フンボルト劇場、サンパウロ、ブラジル
18世紀以降のブラジル作曲家の作品を世界に広めるため、ブラジル外務省が立ち上げたプロジェクト「ブラジル・ イン・コンセルト(ブラジルの音楽シリーズ)」。既発リリースのネポムセーノに続くシリーズ第2弾は、グラウコ・ヴェ ラスケスとレオポウド・ミゲスのヴァイオリン・ソナタ集。二人は、20世紀初頭のブラジルにおけるクラシック音楽界の 主要人物であり、当時社会的激動の渦中にあったこの国に、各々がヨーロッパで吸収した音楽文化を取り入れ た功績が高く評価されています。共和国の誕生を祝して国歌を制作するためのコンペティションで優勝したミゲス は、スペインとフランスで学んだ作曲家。新しい国の音楽教育システムの再構築も任されており、ブラジルのクラ シック音楽の基礎を固めた人としても知られています。彼が心酔していたのはワーグナーの音楽でしたが、このヴァ イオリン・ソナタはイタリア・オペラ風の甘美な旋律を持っています。ミゲスよりも後の世代に属し、イタリアで学んだ ヴェラスケスは、ドニゼッティやヴェルディのオペラが持つ抒情性に惹かれましたが、このヴァイオリン・ソナタではかなり 複雑な和声進行が用いられており、まるで印象派のような流麗な作風を持っています。
8.574121
ニュージーランドのギター音楽集 第3集〜ブルース・ペイン(1963-):作品集
海の組曲(2007)
Waitemata Reverie ワイテマタの夢想(2017)
4つのマオリ民謡(ブルース・ペイン編)):2018)…世界初録音
Oakura Chimes…世界初録音
Seringapatam
ギュンター・ヘルビッヒ(G)

録音:2018年12月17-21日
ニュージーランドの最新のギター作品を紹介するシリーズ、第3集は1963年生まれの作曲家ブルース・ペインの作 品を取り上げます。ユニークな感性に裏打ちされた彼の作品は、ニュージーランドの広大な風景を彷彿させなが ら、ラヴェルやドビュッシー風の印象派的な響きも含まれた複雑な味わいを持ち、どれもが聴き手の想像力を程よ く刺激します。 最初に置かれた「海の組曲」は2007年の作品。著名な写真家コリン・ガンズから「水中画像のデジタル・スライド ショー」のプレゼンテーション用の音楽を依頼されて生まれた曲集です。ダイバーが海に潜るところから始まり、さまざ ま生き物たちが音で具体的に表現されていきます。「4つのマオリ民謡」もユニークな曲集。最後の「P?karekare Ana ポカレカレアナ」は永遠の愛が高らかに歌われています。
8.574122
『オペラ・コミック』の序曲集
グノー:歌劇「血まみれの修道女」序曲(シャルル・デルソー編)
アレヴィ:歌劇「女王の銃士たち」序曲
ドリーブ:歌劇「王様のお言葉」序曲
エロール:歌劇「ザンパ」序曲
メユール:歌劇「ジョセフ」序曲
 歌劇「エレナ」(1803)-序曲
ルコック:喜歌劇「小さな花嫁」序曲
マイヤール:歌劇「竜騎兵団または隠者の鐘」序曲
ボワエルデュー:歌劇「バグダッドの太守」序曲
オッフェンバック:喜歌劇「ランタン灯りでの結婚式」序曲
ミヒャエル・ハラース(指)
ウィーンRSO

録音:2019年1月10,11,30日
『オペラ・コミック』とは、フランスを起源とする喜劇的オペラで、台詞と歌を併用しているのが特徴です。18世紀初頭に誕生 した「オペラ=コミック座」で上演された歌劇をこう呼び、初期の頃は名前の通り、軽め(喜劇的)の作品が多かったもの の、数多くの作曲家が作品を寄せたことにより、内容は多彩となり、後のビゼーによる「カルメン」のような悲劇的な作品も 『オペラ・コミック』に含まれるようになっていきます。このアルバムには、19世紀から20世紀にかけて作曲された『オペラ・コミッ ク』の序曲を収録。グノーの幻想的な「血まみれの修道女」や、軽妙な旋律で知られるエロールの「ザンパ」、オッフェンバッ クやルコックの喜歌劇までさまざまな表情を持つウィットに富んだ作品が並んでいます。
8.574124
エセンヴァルズ(1977-):合唱作品集
O salutaris hostia ああ、救いの犠牲者(2009)
The Heavens' Flock 天の群れ(2014)
Translation(2016)…世界初録音
My Thoughts わが思考(2019)
Vineta ヴィネタ(2009)
Legend of the Walled-In Woman 城壁に包まれた女の伝説(2005)
In paradisum 楽園にて(2012)
イーサン・スペリー(指)
ポートランド州立室内cho

録音:2019年1月21日、2019年1月23日、2019年1月25日、2019年6月17日、2019年6月19日、2019年6月21日、2019年6月23日
1977年、ラトヴィアのプリークレで生まれた作曲家エセンヴァルズ。現代における最高の合唱音楽作曲家として数々の賞を受賞した 彼の作品は、どれも精緻かつ複雑なハーモニーを持つことで知られています。このアルバムに収録された7曲は、神話や伝説から素材 が採られており、それぞれの曲において、ロシア語、ラテン語、英語、ドイツ語が自由に使い分けられ、神秘的な世界を表出していま す。アルバムタイトルの曲である「Translation=移りゆくもの」ではハンドベルを効果的に用い、また「城壁に囲まれた女の伝説」では アルバニア民謡の旋律を採用するなど、どの曲にも創意工夫が凝らされており、その洗練された響きを一度耳にしただけで聴き手は深 く魅了されます。2017年にリリースされた「The Doors of heaven」と同じく、スペリーが指揮するポートランド州立大学室内合唱団 の清冽なハーモニーでお楽しみください。
8.574127
期待の新進演奏家シリーズ/ラファエル・フイヤートル・リサイタル
1.アリエル・ラミレス(1921-2010):アルフォンシーナと海(1969)
2.ラモー:クラヴサン組曲 ホ短調-第5番 鳥のさえずり
3.ラモー:クラヴサン組曲 ニ長調-第1番やさしい訴え
4.ラモー:新クラヴサン組曲 ト長調-未開人
5.グラナドス:8つの詩的なワルツ(1894)
6.リョベート:ソルの主題による変奏曲 Op.15(1908)
7.バリオス:ワルツ O.8-3(1919頃)
8.バリオス:情熱的なマズルカ(1919頃)
9.ヴィラ=ロボス:前奏曲 第5番 ニ長調「Homenagem ao Vida Social」(1940)
10.スクリャービン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.9-1(1894)
11.ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 Op.23(1901)

編曲:ローラン・ディアンス…1
ミシェル・グリザール…2-4
ラファエル・フイヤートル…5
アントニー・フォーゲライ…10.11
ラファエル・フイヤートル(G)

録音:2019年1月28-30日
アメリカで毎年開催される「GFA国際ギターコンクール」。2018年の優勝者ラファエル・フイヤートルは、この受賞記 念アルバムでギターのオリジナル作品と編曲作品をとりまぜて演奏しています。フォルクローレの名作「アルフォンシーナ と海」では、歌を用いることなくラミレスの音楽を詩情豊かに歌い上げ、グラナドスの「ワルツ」では古典的なフォームで 書かれた作品をフイヤートル自身がギター用に編曲、躍動的に演奏しています。他にもラモーやスクリャービン、ラフマ ニノフのピアノ曲をギターで演奏することで、新たな可能性を探っています。ヴィラ=ロボスやバリオスのオリジナル作品 でもフイヤートルは目の覚めるような演奏を披露。彼の演奏技術と音楽性を楽しめる格好の1枚になっています。
8.574131
ベートーヴェン:ピアノ小品と断片集
1.ディッタースドルフのジングシュピール「赤ずきん」からのアリエッタ
「昔々おじいさんが」による13の変奏曲 イ長調WoO 66(1792)
2.パストレッラ ハ長調 Bia. 622 (1815) (F.ロヴェッリによるトランスクリプション)
5-8.スケッチブックからの12のピアノ小品(ジョス・ファン・デア・ツァンデン編)
(ラプトゥス・エディション 2000)(抜粋)(作曲年不明)
9.アレグレット ハ短調 Hess 66 (WoO.53の第2稿) (1796-98)
10.カノン風の3つの小さなスケッチ Bia.69 (1794)
11.アレグロ ハ長調 Bia.279 (1793) (A.シュミッツによるトランスクリプション)
12.クリスティアン・フリードリヒ・ダニエル・シューバルト: Erstes Kaplied: Abschiedslied(1789)
(L.v.ベートーヴェンによるピアノ編「ピアノのための小品」, Hess 63)
13.2声のカノン 変イ長調 WoO 222, Hess 275/328 (1803)
14.ヨハン・マッテゾンの「完全なる宮廷楽長」第3幕第15場によるカノン ト長調(ピアノ演奏)(1739)
(L.v.ベートーヴェンによるトランスクリプション, Hess 274, 1803)
15.アダージョ・マ・ノン・モルト Hess 70 (断章) (1803-04)
16.練習曲のスケッチ イ長調 Hess 60 (1818) (A.シュミッツによるトランスクリプション)
17.主題と変奏曲 イ長調 Hess 72(断章)(1803)
18.歌曲の主題 ト長調 WoO 200, Hess 75 ‘O Hoffnung’ (1818)
19.プレスト ト長調 Bia. 277 (1793) (A.シュミッツによるトランスクリプション)
20.4つのバガテル WoO 213-第2番ト長調(1793頃)(A.シュミッツによるトランスクリプション)
21.練習曲 変ロ長調 Hess 58 (1800頃)
22.練習曲 ハ長調 Hess 59 (1800頃)
23.弦楽四重奏曲 ハ長調よりピアノのための小品 ハ長調「最後の楽想」(アンダンテ・マエストーソ)
WoO62,Hess 58 (1826-27)(断片、A.ディアベリによるピアノへの補筆完成版)
24.ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲 ハ短調WoO 63(オリジナル版)(1782)
25.ピアノ・ソナタ(ソナチネ) ヘ長調 WoO 50,Hess 53(1793以前)
26.スイスの歌による6つの変奏曲 WoO 64(ピアノ版) (1793以前)
27.アンダンテ ハ長調 WoO 211(1790頃-92)
28.モルト・アダージョ ト長調 Hess 71 (断章) (1803-04)
(L.ロックウォード&A.ゴスマンによるトランスクリプション)(編曲年不明)
29-30.モーツァルトのピアノ協奏曲 第20番(K.466)の2つのカデンツァ WoO 58 (1802-09)
31.ヴァイオリン協奏曲(Op.61)第3楽章のロンドのカデンツァ(ピアノ版)Hess 84 (1806)
32.ピアノ協奏曲(Op.61a)第3楽章のロンドのカデンツァHess 85 (1806)
33.4つのバガテル WoO 213(バリー・クーパー編)(1793頃)-第1番 変ニ長調
34.4つのバガテル WoO 213(バリー・クーパー編)(1793頃)-第4番 イ長調
35.バガテル イ短調 WoO 59「エリーゼのために」(1822年版)(バリー・クーパー編)
36. ピアノのためのコンポジション ニ長調 Bia. 213 (断章) (1792-93?)
(J.ケルマンによるトランスクリプション)
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2019年4月15-17日
ベートーヴェンは、32のピアノ・ソナタを始めとする数多くのピアノ曲を作曲しました。この世界初録音を数多く含 むアルバムでは、彼が折々に作曲したほんの1〜2分の小品や、変奏曲、カノンをはじめ、モーツァルトのピアノ 協奏曲へのカデンツァや、自身のヴァイオリン協奏曲のためのカデンツァなどの重要な作品の他、「エリーゼのため に」の第2稿や断片まで36曲を網羅。これらはほとんど耳にする機会がありませんが、最も初期の作品にでさえ ユニークな作風が溢れており、ベートーヴェンの才能が顕著に現れています。
8.574133
期待の新進演奏家/ヴォジン・コツィッチ(G)・リサイタル
アントニオ・ホセ(1902-1936):ソナタ(1933)
アルベニス:スペイン組曲 Op.47(1882-1889)より(C.マルキオーネによるギター編)
ホアン・マネン(1883-1971):幻想的ソナタ Op.A22(1930)
ヴォイン・コツィッチ(G)

録音:2019年3月28-30日
2017年、ドイツで開催された「ハインツベルク国際ギター・コンクール」で優勝を飾り、その翌年、名門コンクール である「ミケーレ・ピッタールガ国際ギター・コンクール」を制したヴォイン・コツィッチ。1990年セルビア生まれの彼は チューリヒ音楽大学で学士号を取得、現在もチューリヒで研鑽を積んでいます。すでにソリストとしてオーケストラと も数多く共演をこなすなど幅広く活躍しています。このアルバムでは、前作のデビュー盤(8.573906)よりも更に 進化した演奏を披露。スペイン内戦で若き命を落としたアントニオ・ホセの美しいソナタと、アルベニスの「スペイン 組曲」(原曲はピアノ)、バルセロナ生まれのマネンの「幻想的ソナタ」の3つの作品を魅力的に奏でています。
8.574135
シューベルト:ピアノの為の稀少作品と小曲集
2つのスケルツォ D. 593(1817)
幻想曲 ハ短調 D. 2e(1811)
アレグロ ホ長調 D. 154(1815)(「ピアノ・ソナタ第1番 ホ長調 D. 157  - 第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ」のスケッチ)
幻想曲 ハ長調 D. 605(断章)(1821-23)
行進曲 ホ長調 D. 606(1818頃)
行進曲 ロ短調 D. deest(1822)
ピアノ小品 ハ長調 D. 916b(スケッチ)(1827)…世界初録音
ピアノ小品 ハ短調 D. 916c(スケッチ)(1827)
フーガ ニ短調 D. 13(1812頃)
フーガ ハ長調 D. 24a(1812頃)
フーガ ト長調 D. 24b(1812頃)
フーガ ニ短調 D. 24c(1812頃)
フーガ ハ長調 D. 24d(断章)(1812頃)…世界初録音
フーガ ヘ長調 D. 25c(断章)(1812頃)…世界初録音
4つのフーガのスケッチ 変ロ長調 D. 37a(1813頃) 〜第1番/ 第3番/ 第4番
フーガ ホ短調 D. 41a(断章)(1813)…世界初録音
フーガ ホ短調 D. 71b(断章)(1813)…世界初録音
歌劇「アルフォンソとエストレッラ」 D. 732 - 序曲(1822)
ヴォイチェフ・ヴァレチェク(P)

録音:2020年7月27-29日
"歌曲王"と呼ばれ親しまれているシューベルトですが、31年という短い生涯に、未完成を含む21曲のソ ナタをはじめとする夥しい数のピアノ曲も遺しています。その中には、少年時代にサリエリに師事していた 頃、対位法の技術を習得するために作曲した「フーガ」と「フーガのスケッチ」や、モーツァルトへのオマージュ と思われる「幻想曲 ハ短調」など興味深い作品も多く含まれています。また「2つのスケルツォ」はピアノ学 習者の必須であった「ソナチネ・アルバム1」に収録されている曲。こちらもシューベルトの作曲技法の習熟 が窺える軽快な作品です。 演奏するヴォイチェフ・ヴァレチェクは1980年ポーランド生まれのピアニスト。これまでにフランツ・リストのアル バムを3枚リリース、テクニックと音楽性が高く評価されています。現在シレジア大学の教授を務め、後進の 指導にあたりながら精力的な演奏活動を行っています。
8.574136
期待の新進演奏家シリーズ〜ドミトロー・チョニ/ピアノ・リサイタル
ドビュッシー:映像 第1集
ヒナステラ:ピアノ・ソナタ第1番 Op. 22
リゲティ:練習曲集 第1巻 - 第5番 虹(1985)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 Op. 82
ドミトロー・チョニ(P)

録音:2019年4月15-17日
2018年に開催された“パロマ・オシェア・サンタンデール国際ピアノコンクール”の優勝者、ドミトロー・チョニのリサイタル・ア ルバム。このコンクールは、アルベニス財団やソフィア王妃高等音楽院の創設者として名高いパロマ・オシェアが、1972年 に創設した歴史あるピアノコンクールです。 1993年、ウクライナ出身のチョニはすでに国際的に活躍の場を広げており、将来が期待されるピアニストの一人です。全 てが20世紀の作品で占められたこのアルバムでは、彼のユニークな個性が如何なく発揮されており、とりわけ抒情的なド ビュッシーと力強くリズミカルなプロコフィエフでの鮮やかな対比が見事です。技巧的なヒナステラ作品や、ドビュッシー作品 へのオマージュであるリゲティの練習曲での美しい音色も聴きどころです。
8.574139
スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」 Op. 54
交響曲第2番ハ短調 Op. 29(1901
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音2019年2月27日、2022年3月7日
大編成の作品を得意とするジョアン・ファレッタとバッファロー・フィルが持てる力を最大限発揮したスクリャービン・アル バム。1901年に完成された「交響曲第2番」は5つの楽章で構成され、フランクを思わせる循環形式を用いてい ます。ワーグナーの「ジークフリート」からの引用や、メシアン作品に通じる部分もあるなど、意欲的かつ先進的なも のでしたが、1902年に初演された際は、指揮をしたリャードフのみならず同時代の人々からも理解不能とされ、ス クリャービン自身も高い評価を与えませんでした。しかし現代では、初期から中期への転機となる作品として注目 されています。「交響曲第4番」は1908年の作品。スクリャービンが神秘主義に転じてから書かれた単一楽章から なるこの曲は「法悦の詩」と題されており、性的な官能と宗教的な歓びの感情を同一視して表現しようとしたも の。オルガン、ハープ、鐘などを含む大編成のオーケストラで奏でられる神秘的な響きが特徴で、圧倒的なクライ マックスでの弦のうねりと金管の咆哮が法悦のヴィジョンを音で伝えます。
8.574140
期待の新進演奏家シリーズ/ギター
パク・ジヒョン:ギター・リサイタル

スカルラッティ:3つのソナタ(1756-1757)
 ソナタ ニ長調 K491/L164/P484(デヴィッド・ラッセル編)
 ソナタ イ長調 K208/L164/P315(ジェラール・アビトン編)
 ソナタ イ長調 K209/L428/P209(ジェラール・アビトン編)
アルベニス:イベリア(抜粋)(ハビエル・リーバ編)[エボカシオン/港にて]
レオ・ブローウェル(1939-):古代のキクラデス文明(2018)
武満徹(1930-1996):森のなかで -ギターのための3つの小品
カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):ソナタ ニ長調 Op.77
「ボッケリーニへのオマージュ」(1934)
トゥーツ"・シールマンス(1922-2016):ブルーゼット(1964)
(ローラン・ディアンス編)
パク・ジヒョン(G)

録音:2019年2月8-10日
1993年生まれの韓国出身のギタリスト、パク・ヒジョン。9歳でギターをはじめ2014年からはパリに留学し、 数々のコンクールを制覇、直近では「第62回東京国際ギターコンクール」でも優勝を飾り話題を集めていま す。このアルバムは、2018年に開催された「第7回長沙国際ギターコンクール」の優勝記念の1枚で、ギタリス トにも人気の高いスカルラッティのソナタや、アルベニスのイベリアからの抜粋、武満の「森のなかで」など彼のテク ニックと音楽性が存分に発揮された選曲。即興性あふれるフレーズ運びが魅力的です。
8.574141
トニー・バンクス(1950-):5 FIVE(ニック・イングマン(1948-)による管弦楽版&編曲)
1.Prelude to a Million Years 100万年への前奏曲
2.Reveille 起床ラッパ
3.Ebb and Flow 満ち引き
4.Autumn Sonata 秋のソナタ
5.Renaissance ルネッサンス
トニー・バンクス(ピアノ、チェレスタ)
ジョン・バークレイ(コルネット、トランペット)…2,4
マルティン・ロバートソン(アルト&ソプラノサクソフォン)…3,5(ドゥドゥク)…5
フランク・リコッティ(パーカッション)
スカイラ・カンガ(Hp)
チェコ国立交響cho…2,4,5
ニック・イングマン(指)
チェコ国立SO

録音:2017年3月22-26日
CNSO Studio Gallery 1, Prague, Czech Republic…オーケストラ&合唱
トニー・バンクス自宅…ピアノ&チェレスタ
Angel Studios, London…パーカッション&ハープ
大物プログレッシブ・ロック・バンド、ジェネシスのキーボード奏者として1969年にデビューしたトニー・バンクス。 彼の活動はロックだけに留まることはなく、映画のサウンドトラックを書いたり、ソロで演奏したりと多岐に渡ってい ます。2004年には「SEVEN」(8.557466)、2012年には「SIX」(8.572986)とかねてから念願であっ た“管弦楽作品”をNAXOSからリリースしたバンクス、今回はチェルトナム音楽祭のために作曲した「FIVE」の 登場です。彼曰く「5と聞いて、誰もが予想するような5つの曲による組曲にはしたくなかった」とのことですが、 結果的には「運命に抗うことができず」“5曲”で構成されました。彼自身の総譜を更に指揮者ニック・イングマン が最適な形にアレンジ、個々のパートは全て別々に録音し、ピアノ・パートはバンクスの自宅で別録りをすると いう凝った方法を取ることで、完璧なテンポ、完璧な仕上がりとなったということです。鬼才が放つユニーク、かつ 美しい作品をぜひお楽しみください。
8.574142
ハンス・ゾマー(1837-1922):歌曲集 第2集
ヴェルシュラントからのヴェルナーの歌 「ゼッキンゲンのラッパ吹きからの14の歌」 Op. 12より(1887-89)
  第2曲 夏の夜/第4曲 海辺にて
  第12曲 冬の夜/ 第14曲 目覚め
7つの歌 Op. 18より(1886-91)
  第2曲 泣かないで
  第3曲 ぼくの考えの、心の、感覚のすべては
9つの歌 Op. 9より(1885)
  第1曲 使者*/ 第2曲 祝福された忘却*
  第4曲 兵士/ 第5曲 夜
  第8曲 晩祷/ 第9曲 古城にて
  第10曲 ヴィーナス夫人*
南国から Op. 10より(1885-86)
  第1曲 カンツォネッタ
  第2曲 ヴェネツィアのゴンドラの歌
  第6曲 森が伐採される時
  Der arme Taugenichts Op. 27(1885-86)
7つの歌 Op. 16より(1891)
  第3曲 炭焼き女が酔っ払って
6つの歌 Op. 17より(1885-91)
  第2曲 私には感じられる、人生が走り去って行くように
  第3曲 トリオレット
  第5曲 ああ恋人よ、僕は今別れを告げる
  第6曲 夕べの歌
3つの歌 Op. 14より(1889-90)
  第2曲 静かに*/ 第3曲 日没
ヨッヘン・クプファー(Bs-Br)
マルセロ・アマラル(P)

録音:2019年2月5-9日
*以外=世界初録音
ドイツ・リートの歴史にひっそりと名を残すハンス・ゾマー。幼いころから音楽を愛好し、劇音楽や美しい歌曲を数多く 遺しましたが、実際の職業はブラウンシュヴァイク工科大学の数学科教授。「屈折学」の専門家であり、高名な研 究者でした。しかしライプツィヒではシューマン、ブラームス、ヨアヒムらを含むサークルに属し、40代から本業の合間に 精力的に作品を発表、R・シュトラウスからも絶賛されるなど優れた能力を発揮しました。作品がほとんど出 版されることがなかったため、その大半が忘れられてしまいましたが、20世紀の終わり頃から再び演奏されるようにな り、雄弁なピアノ・パートと詩に沿った美しい旋律が人々の心を捉えています。このアルバムに収録されているのもほ とんどが世界初録音。第1集と同じくヨッヘン・クプファーが伸びやかな声で歌いあげました。 締切日は12月21日(火)です。
8.574143
フランソワ・オーベール(1782-1871):序曲集 第4集
歌劇「オロンヌ公」 S. 35(1842)より
 序曲
 第2幕 間奏曲と序奏…世界初録音
 第3幕 間奏曲
歌劇「フラ・ディアボロ」 S. 18(1830)より
 序曲
 第3幕 間奏曲
歌劇「媚薬」 S. 20(1831)より
 序曲
 第2幕 間奏曲…世界初録音
歌劇「ヴェルサイユの饗宴」 S. 29(1837)
ヴェルサイユのディヴェルティスマン…世界初録音
歌劇「ガルベの王の婚約者」 S. 49(1864)より…世界初録音
 序曲
 第1幕 終幕の踊り
 第2幕 間奏曲
 第3幕 メロドラマ
歌劇「アクテオン」 S. 26(1836) - 序曲
モラヴィアPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2019年12月
19世紀、フランスのオペラ界で強い影響力を誇ったフランソワ・オーベール。生涯に50作ほどの歌劇を作曲、当時のパリ・オペラ座ではワーグナーと人 気を二分するほどに高い評価を受けました。彼の作品はどれも優雅で洗練された旋律を持ち、歌劇の序曲だけを聴いてもその特徴が強く印象に残り ます。さまざまな世界初録音作品を含み、知られざるオーベールの序曲を紹介するダリオ・サルヴィによるシリーズもこのアルバムが第4集。最もよく知ら れる「フラ・ディアボロ」の序曲と間奏曲から、バロック風の趣をもつ「ヴェルサイユのディヴェルティスマン」、ほとんど上演記録のない「ガルベの王の婚約 者」の序曲と挿入曲まで、ロッシーニ風の色彩豊かな旋律とオーケストレーションに彩られた魅力あふれる作品が並びます。第3集とおなじくモラヴィア・ POによる演奏です。
8.574144
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940): 別れとハンカチ
ノエルの前奏曲(1939)
軍隊風シンフォニエッタ Op. 11(1936-37)
悲しい夜(T. チークによる声と管弦楽編)(1936頃)…世界初録音
別れとハンカチ Op. 14 (声と管弦楽版)(1938)
小品による組曲 Op. 1 (管弦楽版)(1935)
ピアノ協奏曲 ニ短調 Op. 7(1935)
ニコラス・ファン(T)
エイミー・アイ=リン・チェン(P)
ミシガン大学SO
ケネス・キースラー(指)

録音:2015年9月28日、2015年12月13日、2016年3月28日
チェコの音楽一家で生まれたヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー。音楽学校の校長を務める父と歌の教師であった母のもと、幼い頃から才能を発揮し た彼女は、15歳でブルノ音楽院に入学。ヴィレーム・ペトルジェルカに作曲を学び、5年後の1935年に初のオーケストラ作品である若々しいエネル ギーと鮮やかな色彩に満ちた「ピアノ協奏曲ニ短調」を作曲し、卒業作品とします。また同じ時期に自身のピアノ曲である「組曲」にオーケストレーショ ンを施し、これが実質的に彼女の2番目の管弦楽作品となりました。やがてプラハ音楽院でヴィーチェスラフ・ノヴァークとヴァーツラフ・ターリヒに師事し、 更に研鑽を積み、1937年には奨学金を得てパリのエコールノルマル音楽院に留学。シャルル・ミュンシュとナディア・ブーランジェのクラスに入るとともに、 当時パリに滞在していたボフスラフ・マルティヌーにも個人的な教えを受けました。この年に代表作である「軍隊風シンフォニエッタ」が完成、彼女自身 の指揮によるチェコPOが初演、国際的な評価を得ました。その後、1940年4月に、アルフォンス・ミュシャの息子で小説家、 ジャーナリスト、脚本家のイジー・ミュシャと結婚しましたが、2か月も経たないうちに病を得て25歳の若さでこの世を去ってしまいました。しかし短い生 涯に残した50作以上の作品は、21世紀になって一層高く評価されており演奏の機会も増えています。このアルバムには、声楽曲も含む彼女の多彩 な作品が収録されています。
8.574150
近代英国のヴィオラを伴う室内楽作品集
ヨーク・ボーエン(1884-1961):C線上のメロディOp. 51, No. 2(1918頃)
 演奏会用アレグロ Op. 21, No. 2(1906)(ヴィオラとピアノ版)
イモージェン・ホルスト(1907-1984):4つのやさしい小品(1935)
ブリテン:ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op. 6(1934-35)- 第5曲 ワルツ(ヴィオラとピアノ版)
ボーエン:ヴァイオリンとヴィオラのための3つの二重奏曲(1940年代後期)
 ロマンス イ長調 Op. 21, No. 1(ヴィオラとピアノ版)
イモージェン・ホルスト:ヴィオラとピアノのための二重奏曲
ボーエン:ロマンス 変ニ長調(1900/1904改訂)(ヴィオラとピアノ版)
 G線上のメロディ Op. 47(1917頃)(ヴィオラとピアノ版)
 ヴィオラとピアノのための狂詩曲 ト短調 Op. 149(1955)
ユエ・ユー(Va)
アンソニー・ヒューイット(P)
ジェフリー・アームストロング(Vn)

録音:2019年9月9-11日
ロンドン出身のヨーク・ボーエンは王立音楽アカデミーで学び、後に教職に就いた作曲家。自身はホルンとヴィオラを演奏、ヴァイオリンよりもヴィオラの音色を 好んだとされています。ライオネス・ターティスの名技に触発され、彼のためにいくつかの作品を書くとともに伴奏者としても活躍しました。アルバムに収録されて いる力強い楽想を持つ「ヴィオラとピアノのための狂詩曲」は彼のもっとも重要な作品の一つとみなされています。グスターヴ・ホルストを父にもつイモージェン・ ホルストは、主として父の作品の編曲者として知られていますが、ブリテンの協力者としても活躍、1956年からはオールドバラ音楽祭の芸術監 督を務めたことでも知られています。「4つのやさしい小品」と「ヴィオラとピアノのための二重奏曲」では彼女の作曲家としての才能が発揮されています。ブリテ ンの「ワルツ」は本来ヴァイオリンのための作品ですが、ここではヴィオラ版が演奏されています。20代の作曲家によるウィンナ・ワルツへの辛辣なパロディです。 ヴィオラを演奏するユエ・ユーは2022年の"CLASSIC FMライジングスター"の一人に選ばれた奏者。数多くのコンクール入賞歴を持ち、現在はザルツブル ク・モーツァルテウム大学で更なる研鑽を積んでいます。
8.574151
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調
ロンド WoO 6(カデンツァ:ギルトブルグ)*
ボリス・ギルトブルグ(P)
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音:2019年5月10-11日、2019年5月13日*
モーツァルトの時代に初期のピークを迎えたとされるピアノ協奏曲。このジャンルを更に推し進めたのがベートーヴェンでした。彼は14歳の時に初 のピアノ協奏曲を作曲(作品番号なし、変ホ長調 WoO 4)、1790年には後に2番となる変ロ長調の第1稿を完成させます。しかしこの作 品は出版までに、終楽章が差し替えられるなどの様々な構想が加えられ、その間に、現在第1番とされるハ長調の協奏曲が完成。最終的に は番号が逆になり出版されることとなります。 ギルトブルグは今回のベートーヴェンについても、確かな技巧と音楽性で作品に全力で対峙し見事な演奏を繰り広げます。後年にみられる壮 大堅固な作風による第1番ではエネルギッシュに音楽を創り上げ、モーツァルトの影響を受けながらも、随所に先鋭的な工夫が見られる第2 番では、絶妙な転調から生まれた、はっとするような美しい瞬間を捉えています。同時に彼は、作品の出版までの変遷を丹念に追い、ベー トーヴェンが“新しいスタイル”の協奏曲を完成させるまでの経緯をブックレットにまとめています。尚、もともとは第2番の終楽章として用意されて いた「ロンド WoO 6」もギルトブルグ自身がカデンツァを用意し、このアルバムに含め、、若いベートーヴェンの意欲的な試みを演奏、解説ととも に理想的な形で聴き手に提示します。 ギルトブルグの華麗な演奏をバックアップするのは気鋭の指揮者ヴァシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプールPO。すで にショスタコーヴィチなどの一連のロシア物で高い評価を受けている両者による演奏も注目です。
8.574152
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op. 37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op. 58
ボリス・ギルトブルグ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2019年5月13日、2022年4月30日
ボリス・ギルトブルグとヴァシリー・ペトレンコ指揮リヴァプール・フィルとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集が遂に完結。ギルトブルグにとって個人的に思い入 れの深い2曲を繊細かつ雄弁に奏でています。 クラシック音楽の魅力を伝えるブログや解説動画を得意としているギルトブルグは、当盤にも魅力的で説得力のある解説を寄稿しています。第3番について は、子供の時にベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で最も強烈に魅了されていたこと、特に曲が始まってしばらく続くハ短調の暗い闘争的なドラマに心酔して いたこと、演奏を重ねるうちに、優しく抒情的でユーモラスでさえある第2主題の長調部分とのコンビネーションこそ真の天才の業と気づいたこと。また第4番に ついては、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で技術的には最も難しいとしつつ、より難しいのは「すべての音を繊細微妙に呼吸するような詩情で満たすこと」 と綴っています。 幼少時から親しんだ第3番はダイナミックなドラマを感じさせる演奏。第4番はギルトブルグ自身が挙げた課題を見事にクリアした演奏で、録音がコロナ禍で 再々の延期を余儀なくされた間にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音したことが、彼の解釈を一層成熟させたのかもしれません。ギルトブルグにとって 一つの集大成であると同時に、新たな出発を予感させる仕上がりとなりました。
8.574153

NYCX-10283
日本語解説付国内盤
税込定価

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ピアノ協奏曲 変ホ長調 第0番WoO. 4 (オリジナル版…ピアノ・ソロ)(1784頃)*
ボリス・ギルトブルグ(P)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2019年7月11日フィルハーモニック・ホール、リヴァプール(UK)
2020年11月13-14日ファツィオリ・コンサート・ホール、サチーレ(イタリア)*
2021年に発売されたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が『レコード芸術』特選はじめ、高く評価されたギルトブルク。並行して進めているピアノ協奏曲全集の第2弾です。今作は人気曲第5番「皇帝」の登場です。今回もギルトブルグは作品について熟考を行い(その考察はブックレットに詳細に記されています)、独自の解釈に彩られた若々しくエネルギッシュな演奏を披露しました。併録は「皇帝」と同じ変ホ長調による「第0番」。ベートーヴェン13歳の作品です。オーケストラ・パートの大半が失われたため、復元を加えて演奏する試みもありますが、ギルトブルクは遺されたソロ・パートのみを演奏しています。ギルトブルグお気に入りのファツィオリ・ピアノの厚みのある響きも聴きどころです。第5番でギルトブルグの華麗な演奏をバックアップするのは、前作の第1番&第2番と同じく気鋭の指揮者ヴァシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプールPO。息のあった演奏が繰り広げられています。
国内仕様盤にはギルトブルク自筆の解説を邦訳して掲載します。
8.574154
ニコス・スカルコッタス(1904-1949):作品集
シンフォニエッタ 変ロ長調-オーケストラのための(1948)
古典的な交響曲-吹奏楽と2台のハープ、コントラバスのための(1947)…商業的録音として初録音
4つの印象-オーケストラのための(1948-1949)
古風なギリシャの行進曲-室内オーケストラのための(1946-1947)
イオアニス・カランペツォス(コルネット)
ステファノス・ツィアリス(指)
アテネ国立O

録音:2018年6月8-12、2018年10月22-25日
50年という短い生涯にもかかわらず、ニコス・スカルコッタスは20世紀ギリシャを代表する作曲家の一人として 重要視されています。アテネ音楽院で学び、ベルリンに留学しシェーンベルクやヴァイルに師事、とりわけシェーン ベルクの影響を強く受けましたが、精神的に不安定だったためか、彼が集中して作品を書いたのは1930年代 後半から亡くなる直前までのほぼ10年間のみであり、この頃には新古典主義の作風を取り入れた独自の作 風が構築されています。このアルバムに収録された4つの作品は、すべてその時代に作曲されており、古典的な 佇まいの中に斬新さが盛り込まれたユニークな作品に仕上がっています。アテネ国立Oはスカルコッタス がヴァイオリニストとして在籍していたオーケストラ。この録音を皮切りに、スカルコッタス作品の録音を続けていく 予定です。
8.574157
チャイコフスキー:くるみ割り人形(1892)
マシュー・ナイト&サイモン・コックスによる管楽七重奏とパーカッション編(2017/2019)…ナレーション入り
デレク・ジャコビ(ナレーター)
セプトゥーラ【ヒュー・モーガン(トランペット E♭)、アラン・トーマス(トランペット B♭)、サイモン・コックス(トランペット B♭)、マシュー・ギー(Tb)、マシュー・ナイト(Tb)、ダニエル・ウェスト(バスTb)、ピーター・スミス(Tub)、スコット・ラムスダイン(パーカッション)】
録音:2019年5月31日,6月2日
チャイコフスキーの三大バレエの一つ「くるみ割り人形」は、物語の舞台がクリスマスに設定されていることもあり、現代で もクリスマスに上演されることの多い人気演目です。このアルバムでは、2019年に初来日を果たしたロンドンのトップ奏 者たちによる金管七重奏「セプトゥーラ」の演奏を収録。マシュー・ナイトとサイモン・コックス、このメンバー2人の絶妙な 編曲で、新たな響きを獲得した素晴らしい「くるみ割り人形」を楽しめます。ナレーターを務めるのはイギリスの名優デレ ク・ジャコビ。舞台や映画で培った表現力をフルに生かし、物語に彩りを添えており、全曲を効果的に盛り上げていま す。
8.574159
エミール・ソーレ(1852-1920):24のエチュード・カプリース 第4集 第20番-第24番
エチュード・カプリース 第20番嬰ヘ短調
エチュード・カプリース 第21番ニ長調
エチュード・カプリース 第22番ロ短調
エチュード・カプリース 第23番ト長調
エチュード・カプリース 第24番ホ短調
ナツリン・ラシドヴァ(Vn)

録音:2018年12月16日、12月17日、2019年2月20日、2月22日、4月22日
世界初録音
フランス出身のヴァイオリニスト、エミール・ソーレ(1852-1920)の「24のエチュード・カプリース」の最終集。ソーレは12年 間に渡り英国王立音楽アカデミーで教鞭を執り、彼が指導した150人の学生たちは、その後の英国音楽界に大きな影 響を与えたことで知られています。またヴィオラ奏者のライオネル・ターティスは、ソーレが率いる弦楽アンサンブルで演奏し た際「ソーレは素晴らしい左手の技術を備えており、また弓の扱いもうまかった」と回顧録に記しました。ソーレは自身の素 晴らしいテクニックを伝えるためにいくつかの練習曲を作曲、その中で最も難易度が高く、かつ芸術的に優れているとされ るのが「24のエチュード・カプリース」です。10分近くの長さを誇る各々の曲は、単なる“練習曲”の域を完全に超えてお り、それぞれが独立したコンサート・ピースとしても成立するほどの高い完成度を誇っています。シリーズを通して、ナツリン・ ラシドヴァが作曲者「ソーレ」の名を冠した1685年製のストラディヴァリを演奏。ヴァイオリンの演奏技法全てを駆使した 難曲を見事に弾ききりました。
8.574161
ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲集 第1集
オルガン交響曲第1番ハ短調 Op.13 No.1

オルガン交響曲第2番ニ長調 Op.13 No.2
ヴォルフガンク・リュプザム(オルガン…E.M.スキナー)
ロックフェラー・メモリアル教会、シカゴ大学

録音:2019年3月24日
フランスの作曲家、シャルル=マリー・ヴィドールの「オルガン交響曲」を名手ヴォルフガンク・リュプザムが演奏する シリーズ、第1集。19世紀後半、超絶技巧を持つオルガニストとして名を馳せたヴィドールは、25歳の時にサ ン・シュルピス教会の終身オルガニストに就任。64年間に渡りこの地位にとどまり、バッハを始めとしたオルガン作 品を紹介すると共に、自身も数多くの作品を書き上げました。オルガン曲以外の作品も残されていますが、現 在、最も愛されているのは10曲の「オルガン交響曲」でしょう。交響曲といってもオーケストラが使われているわ けではなく「大規模なオルガンソナタ」であり、交響的な響きが存分に用いられているという意味を持つ当時流 行のジャンルで、ヴィドールは、時にはグレゴリオ聖歌の旋律も用いながら独自の作品を創り上げていきました。 この第1集には初期に書かれた第1番と第2番を収録。あまり耳にすることのないこの2つの作品は、未だ古典 的な組曲の形式に拠って書かれているものの、かなり斬新な部分もあり、ヴィドールの創意工夫が感じられま す。
8.574162
ウィリアム・マサイアス(1934-1992):合唱作品集
A Babe is Born みどりごが生まれた Op.55(1971)
Jesus College Canticles Op.53(1970)
ジーザス・カレッジ・カンティクル
Learsongs リアソングス(1988)…世界初録音
Y nefoedd sydd yn datgan gogoniant Duw
天は神の栄光を宣言する(1988)
Ave verum corpus アヴェ・ヴェルム・コルプス(1992)
Riddles なぞなぞ(1987)…世界初録音
A May Magnificat 5月のマニフィカト Op.79,No.2(1978)
ヒュー・クルーク(Org)…1,9
シャンナ・ハート(Org)…2,3,9
グレン・デンプシー(P)…4-8
アイーダ・ラーロウ(P)…4-8
マリー=ノエル・ケンダル(P)…11-17
デイヴィッド・エリス(ベル…11-17),(チャイムバー…18)
ザ・ジェントルメン・オブ・セント・ジョンズ…11-17
セント・ジョンズ・ヴォイセス
グラハム・ウォーカー(指)

録音:2019年3月22-24日
以前リリースされた合唱作品集(8.573523)が高く評価されたイギリスの作曲家ウィリアム・マサイアス。オペ ラ、交響曲、協奏曲をはじめとする多くの作品を残しましたが、その中でも教会のための伝統的な合唱曲が知 られており、1981年のチャールズ皇太子の御成婚の際に書いた曲は、テレビを見ていた推定10億人の人々 の耳にも届いています。このアルバムには正統的なキャロルである「みどりごが生まれた」をはじめ、世界初録音と なる楽しい「なぞなぞ」、二重コーラスとチャイムバーが紡ぎ出す複雑な声の絡み合いが、呪術のような雰囲気 をもたらす「5月のマニフィカト」などの作品が収録されており、マサイアスの多彩な才能を目の当たりにすることが できます。
8.574168
マリオ・ピラティ(1903-1938):前奏曲、アリアとタランテッラ 他
1-3.前奏曲、アリアとタランテッラ(古いナポリ民謡の旋律で)-大オーケストラのための(1932)
4つのイタリア民謡-小オーケストラのための(1931)
バガテル-室内オーケストラのための(1933)
ディヴェルティメント-ブラス・アンサンブルのための(1932)-D.マカルーソ(1968-)による編曲
ヴァディム・ダヴィドフ(ピッコロ)
アレクサンドル・コソロフ(Ob)
アレクサンドル・ポシケラ(Fg)
アレナ・アレクセイエヴァ(P)
モスクワSOの金管奏者たち
モスクワSO
アドリアーノ(指)

録音:2007年3月、2008年5月
※Ineditta PI2757の移行盤
マリオ・ピラティは20世紀初頭にナポリで生まれたイタリアの作曲家。幼い頃より音楽の才能を発揮、地元の音 楽院で学んだ後は一時期ミラノに住むも、30歳になる前にナポリに帰国。1939年に35歳という短い生涯を 終えるまでに、多数の色彩豊かな作品を残しました。バロック音楽とイタリア民謡を愛した彼は、自身の作品に もこれらの形式やイディオムを取り入れることで、独創的な作風を創り上げました。アルバムの冒頭に置かれた 「前奏曲、アリアとタランテッラ」はその最たるもので、ヴィヴァルディの技巧的なヴァイオリン協奏曲を思わせるヴァ イオリンの細かいパッセージと、オーケストラで朗々と奏でられる民謡風の旋律が溶け合い、素晴らしいハーモ ニーを紡いでいます。楽しい雰囲気を持つ「バガテル」は、ユーモラスな楽想の中に洗練されたイタリア民謡の旋 律が紛れ込むピラティの代表作です。指揮者アドリアーノはピラティ作品の復興に力を注いでおり、2000年か らは録音に取り組んでいます。
8.574169
恐怖からの解放〜21世紀アメリカの吹奏楽作品集
デヴィッド・マスランカ(1943-2017):Liberation 解放(2010)
アーロン・ペリン(1979-):In the Open Air, In the Silent Lines(2018)…世界初録音
ケヴィン・ヴァルツィック(1964-):交響曲第5番「恐怖からの解放」-海岸線のイメージ(2018)…世界初録音
グレチェン・ピル(S)
アシュトン・ラップ(Boy-S)
ルイス・メイトス(S)
アレックス・フランク(G)
カンザス大学男声cho
カンザス大学ジャズ・アンサンブル I
ポール.W.ポピエル(指)
カンザス大学ウィンド・アンサンブル

録音:2018年4月13-15日、2018年10月5日、2018年10月6-7日
次々に新しい作品が生まれるアメリカの吹奏楽。このアルバムでは世界初録音を2曲含む、2010年以降に作曲され た3つの作品が収録されています。マスランカは全ての吹奏楽作曲家の中でも、最も多作で、現在までにおよそ150 作品を発表。この2010年の「解放」は“日本管楽合奏指揮者会議”の委嘱作で、初演は光が丘女子高校の吹奏 楽部と合唱団が行っています。ペリンの「In the Open Air、In the Silent Lines」は2018年の最新作。ホイット マンの詩集「草の葉」の序文に触発された、豊かな空間感覚を持つ作品です。ピューリッツァー賞とグラミー賞にノミネー トされた作曲家ヴァルツィックの「恐怖からの解放」は戦争や紛争に巻き込まれた人々の悲劇を描いた4つの楽章で構 成された大作。聖書や、シリアの民の物語をはじめ、自由の女神像の台座に刻まれたアメリカの詩人エマ・ラザルスの 詩「新しい巨像」など、多彩なテキストを用いた物語を、カンザス大学ウィンド・アンサンブルを中心にソプラノとボーイ・ソ プラノ独唱からジャズ・アンサンブルまでが一丸となって壮大な演奏を行っています。
8.574171
クレメンティ:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op. 1,- 1(1771)
ピアノ・ソナタ ト長調 Op. 1,- 2(1771)
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op. 1,- 4(1771)
ピアノ・ソナタ イ長調 Op. 1,- 5(1771)
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op. 12- 2(1784)
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op. 12- 3(1784)
ピアノ・ソナタ ニ長調 Op. 10- 2(1783)
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op. 10- 3(1783)
キム・ヘジン(P)

録音:2019年3月11-13日
ローマ出身のピアニスト、作曲家クレメンティ。9歳でオルガニストの試験に合格、12歳でオラトリオを作 曲するなど神童ぶりを発揮。その才能に目をつけたイギリスのベックフォード家の一員に引き取られ、 ドーセットに移住します。そこで彼なりの方法で作曲家、演奏家としての訓練を行い、ロンドンでチェン バロ奏者として活躍するなどキャリアの基盤を築き上げました。その後はパリ、ウィーン、ロンドンで演奏 活動を行う傍ら、楽譜出版やピアノ制作の会社を設立・運営するなど、時流に乗った多面的な活躍 を見せています。ピアニストとしてのクレメンティは、その作品に、常に楽器の発展に伴う新しい技術を 導入するとともに、自らの演奏技術を発揮するための華々しい技巧も取り入れており、聴きごたえのあ るものとなっています。 演奏は韓国出身のピアニスト、キム・ヘジン。2005年、ブゾーニ国際ピアノコンクールにおける最年少 入賞者として注目を集め、カーネギーホールでデビュー。以降、世界的に活躍しています。
8.574172
リスト:ピアノ曲全集 第59集
3つのシューベルトの行進曲 S426/R251(1846)
シューベルトの4手の為の「ハンガリー風ディヴェルティメント」からの
ハンガリーのメロディ S425bis/R250(1846)(ハンガリーのメロディ S425の簡略版)
4.- 1. Andante / 5.- 2. Marcia / 6. - 3. Allegretto
シューベルト:ウィーンの夜会 - 第6曲 イ短調 S427/6ii(1846-52)
(ゾフィー・メンターによる1869年版)
ドミニク・ケリ(P)

録音:2019年4月22日
リストは敬愛するベートーヴェンやシューベルト作品を積極的にピアノ独奏用に編曲し、自らの超絶技巧もあわせて披露しました。このアルバムには シューベルトの連弾作品をリストが独奏用に編曲したものを収録。シューベルトの連弾作品はどれも演奏効果の高いものですが、リストはさまざまな パッセージを付け加えるなどで更に華やかな効果を上げています。とはいえ、「ハンガリーのメロディ」はリストとしては珍しくもともとの編曲を少し簡単にア レンジ、若干弾きやすくなっています。「ウィーンの夜会」はシューベルトの9曲の「ワルツ・カプリス」を編曲したもの。リスト自身の愛奏曲でしたが、ここで は彼の自慢の弟子、ゾフィー・メンター(後にチェリストのデイヴィッド・ポッパーと結婚したことで知られる)が更にアレンジしたものが演奏されています。 ドミニク・ケリはアメリカ合衆国セント・ルイス生まれ。ジェイムズ・コンロンやジェラード・シュウォーツをはじめとする指揮者と共にアメリカ国内の数多くの オーケストラと共演し、またリサイタルも多数行っています。中でもワレリー・ゲルギエフ指揮によるウォルト・ディズニー・コンサート・ホールでの演奏と、 2019年のカーネギーホールでのリサイタルは高く評価されました。Naxosにはクレメンティの「モンフェリーナ集と小品集」(8.573711)の録音がありま す。
8.574173
マリピエロ(1882-1973):交響曲第6番他
交響曲第6番「弦楽による」(1947)
Ritrovari 再発見(1926)…世界初録音
朝のセレナーデ(1959)
Cinque studi 5つの習作(1959/1960改訂)…世界初録音
ダミアン・イオリオ(指)
スイス・イタリア語放送O

録音:2017年5月2-5日
カゼッラ、ピツェッティらとともに「イタリアの器楽復興」に尽力した作曲家マリピエロ。若い頃にモンテヴェルディやフ レスコバルディなどの古楽作品を筆写、研究したことで培われたマリピエロ独自の音楽語法を用いた型破りで華 麗な作品は、聴き手に予想を超えた美しい情景を見せてくれます。このアルバムには、弦楽の重厚な響きが存 分に味わえる「第6交響曲」、1920年代に彼と親しく交流していた作家ダヌンツィオの作品からインスパイアさ れた「Ritrovari 再発見」、夜の音楽であるセレナーデを朝に奏したら…と想像を巡らせたという「朝のセレナー デ」、アルバム中最も実験的で多彩な音色を持つ「5つの習作」の世界初録音を含む4曲を収録。近代的な 響きに魅せられながらも、古典的な作風も愛していたマリピエロの作曲技法の一端を知ることができます。
8.574174
ベートーヴェン:民謡編曲集
1. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153 - 第44曲 日の光 Hess 178
2. 26のウェールズ歌曲集 WoO 155 - 第19曲 クルーイドの谷 (第1稿 Hess 191)
3. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153 - 第30曲 私は花のしとねに寝ている夢を見た(第2稿)
4. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153 - 第41曲 私は聖者をたたえよう(第2稿 Hess 196)
5. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153 - 第49曲 むだなことだ(第2稿)
6. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153 - 第48曲 おお、私があのやさしいベニヒワだったら(第1稿 Hess 198)
7. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第4曲 アイラのおとめ(第2稿 Hess 200)
8. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第4曲 アイラのおとめ(第1稿 Hess 200)
9. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第7曲 すこやかな若者、ハイランドの若者
(第2稿、改訂版ヴァイオリン・パート付き Hess 201)
10. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第7曲 すこやかな若者、ハイランドの若者
(第1稿、オリジナル・ヴァイオリン・パート付き Hess 201)
11. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第20曲 忠実なジョニー(第1稿 Hess 203)
12. 26のウェールズ歌曲集 WoO 155 - 第7曲 おお夜よ、私の恥じらいを隠せ (破棄された第2稿 Hess204)(1810)
13. 26のウェールズ歌曲集 WoO 155 - 第14曲 夢 (第1稿 Hess 205)
14. 26のウェールズ歌曲集 WoO 155 - 第20曲 つぐみに寄す (第1稿 Hess 206)
15. 25のスコットランド歌曲集 Op. 108 - 第11曲 おお、お前は心の若者 (第1稿 Hess 202)(1815)
16. アイルランド歌曲集 第3集 WoO 154 - 第60曲 オーエン・ロー・オニールへの哀歌
17. アイルランド歌曲集 第3集 WoO 154 - 第62曲 オニール城
18. アイルランド歌曲集 第3集 WoO 154 - 第19曲 グレンコーの虐殺
19. さまざまな国の29の歌曲集 WoO158 - 第19曲 1羽の白い鳩 (第1稿 Gardi 25)
20. アイルランド歌曲集 第2集 WoO 153-第40曲 故郷を遠く離れて (異稿版 Hess 195)
パウラ・ゾフィー・ボーネット(S)…1-6,11,12,13,15,18
ダニエル・ヨハンセン(T)…1,6,13,14,19,20
ゲオルク・クリムバッハー(Br)…3,7-10
ヨーゼフ・ヘルツァー(Vn)…1,3-20
ベルティン・クリステルバウアー(Vc)…1,3-20
ベルナデッテ・バルトス(P)

録音:2019年2月25,28日、3月1日
スコットランド音楽のプロモーターとして活躍した出版業者ジョージ・トムソン(1757-1851)。彼が活躍した当時は、イギ リスやスコットランドで民謡への関心が高まり、器楽や声楽作品への編曲が求められていました。トムソンはアマチュアの演 奏家に喜ばれる作品を想定し、ハイドンやコジェルフ、プレイエルなど多数の作曲家に編曲を依頼しました。ベートーヴェ ンも編曲を依頼された一人でしたが、トムソンが求める「単純な編曲」には飽き足らず、弦楽とピアノを伴う凝ったアンサン ブルによる作品を書き上げるとともに、トムソンに新しいテキストも要求。その結果、2人の共同作業は1803年から 1819年まで続き、100曲を超える作品が完成しました。これらはあまり耳にすることがありませんが、どの曲からもベー トーヴェンが楽しんで作曲した様子が伝わってきます。
8.574181
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012): 夜想曲とアリア
夜想曲とアリア(1957)
ロス・カプリチョス(1963)
イギリスの愛の歌(1984-85)
ユリアーネ・バンゼ(S)
ナレク・アフナジャリャン(Vc)
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2020年2月22-23日、2020年10月16日、2020年10月22日
ドイツの作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ。12歳から作曲をはじめ、1947年に発表した「交響曲第1番」が高く評価されたことで、シュトックハウゼンと並ぶ 才能ある若手作曲家の一人とみなされました。しかし十ニ音技法の使用に違和感を覚え、少しずつ脱却を試み、無調でありながらも古典的なメロディやリ ズムを用いた作品を書き始めます。このアルバムではウィーンRSOとオルソップがこの時代のヘンツェ作品を緻密な演奏で聴かせます。アルバムに収 録された「夜想曲とアリア」はヘンツェがドイツを離れ、イタリアに住み始めた頃に書かれた作品で、ダルムシュタットでの前衛的な作風を手放し、後期ロマン派 風の和声と旋律を用いて作られています。独唱を担当するユリアーネ・バンゼは現代作品も得意とするソプラノ。深い響きを持つ声質が作品を引き立ててい ます。フランシス・デ・ゴヤの同名作品からインスパイアされた1963年の「ロス・カプリチョス」は"オーケストラのための幻想曲"と呼ばれており、9つの小品にはそ れぞれタイトルが付されています。どの曲もパーカッションが活躍し、印象的な旋律で満たされています。 「イギリスの愛の歌」は当初、7曲で構成されていましたが、後にヘンツェが第5曲を削除、現在の形になりました。歌と言っても主役は独奏チェロ。ここで演奏 しているナレク・アフナジャリャンは2011年の第14回国際チャイコフスキー・コンクールの優勝者。変幻自在な演奏を聴かせます。
8.574183
レオーネ・シニガーリャ(1868-1944):弦楽四重奏曲全集 第1集
演奏会用練習曲 ニ長調 Op.5(弦楽四重奏版)(1901頃 出版)
2つの性格的小品(弦楽四重奏版)(1910 出版)
ブラームスの主題による変奏曲 Op.22(1901)
スケルツォ Op.8(弦楽四重奏版)(1892)
ホラ・ミスティカ(1890)
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.27(1902)
アルコスQ【フィリップ・イェスカ(Vn1)、ミコワイ・ポコラ(Vn2)、ラデンコ・コスタディノフ(Va)、フランチェスカ・フィオーレ(Vc)】

録音:2019年2月11-15日
世界初録音
イタリア、トリノ出身のシニガーリャ。作曲家、登山家としても知られるユニークな人物です。青年時代、休日になるとピエモ ンテの丘陵地帯で時を過ごし創造的なインスピレーションを得ただけではなく、イタリア北東部の山地「ドロミーティ・アルプ ス」の登山道の一覧表を作成するほど登山にのめり込んでいたというシニガーリャ。作曲家としての彼はコンセルヴァトワール 時代からいくつかの作品を発表していましたが、1900年にプラハでドヴォルザークに会ったことで、その翌年には民謡の編 曲を始めています。しかし、これにはそれほど力を注いだわけではなく、どちらかといえば室内楽作品に興味を示し、1900 年代には若い頃から傾倒していたブラームスの主題を用いた「変奏曲」や、やはりブラームスを思わせる流麗な旋律を持つ 2曲の弦楽四重奏を相次いで書き上げました。ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツに弾圧され悲劇的な死を迎えたシニ ガーリャですが、その作品は彼が愛した山々のような清々しい美しさを誇っています。
8.574187
ジョルジュ・オンスロウ(1784-1853):弦楽五重奏曲集 第4集
弦楽五重奏曲第31番イ長調 Op. 75(1847-48)
弦楽五重奏曲第23番イ短調 Op. 58(1836)
エラン五重奏団【アレクサンドル・ニコラーエフ(Vn1)、カルレス・シベラ(Vn2)、ジュリア・フー(Va)、ベンジャミン・バートル(Vc)、マシュー・ベイカー(Cb)】

録音:2020年3月11-13日
フランス古典派の作曲家オンスロウ。ロンドンでクラーマーにピアノを学び、パリではレイハに作曲を学び、古典派 からロマン派への橋渡し的な作品を数多く書きあげました。貴族のたしなみとして狩猟を好み、その際の事故で 聴力を失うというアクシデントのためか「フランスのベートーヴェン」と呼ばれることもある彼ですが、生活に困窮して いたわけではなく、作曲活動はあくまでも趣味としてのもの。とりわけ弦楽のための作品が優れており、弦楽四重 奏曲も弦楽五重奏曲も各々30以上の作品が残されています。彼の弦楽五重奏曲は、少し前の時代に活躍 したボッケリーニのようなチェロに重点が置かれているものではなく、コントラバスの低音を存分に生かした重厚な 響きが特徴。これは、彼がコントラバスの名手ドラゴネッティと出会ったことで、アンサンブルにコントラバスを加える ことを決意し、充実した低音を持つ五重奏が完成したのです。第4集には晩年の成熟した作風による第31番 と、中期の第23番を収録。迫力ある響きが楽しめます。
8.574188
ハイドン:バリトン三重奏曲集
バリトン三重奏曲第69番ニ長調 Hob.XI:69(1768)
バリトン三重奏曲第9番イ長調 Hob.XI:9(1770)
バリトン三重奏曲第58番ニ長調 Hob.XI:58(1768)
バリトン三重奏曲第61番ニ長調 Hob.XI:61(1768)
バリトン三重奏曲第87番イ短調 Hob.XI:87(1771)
バリトン三重奏曲第55番ト長調 Hob.XI:55(1768)
バレンシア・バリトン・プロジェクト【マシュー・ベイカー(Br)、エステバン・デ・アルメイダ・レイス(Va)、アレックス・フリードホフ(Vc)】

録音:2020年7月30日-8月2日
ヨーゼフ・ハイドンは、長い間、裕福なエステルハージ家の宮廷音楽家として奉職していました。とりわ け彼が宮廷楽長を務めていた時期の当主であったニコラウス1世(1714-1790)は音楽に深い理解 を示し、ハイドンの活動を奨励したため、ハイドンはそれに応えるべく数多くの作品を生み出し、熱心 に演奏したのです。そのニコラウス1世が好んだのが「バリトン」でした。これは17世紀後半に発案され たヴィオール属の擦弦楽器で、通常6本〜7本のガット弦と、前面を板で覆われた9本から24本(12 本が多い)の金属弦を持っており、こちらは共鳴弦であると同時に、左手の親指ではじくことが出来る というもの。しかし、弦が多いため調弦も演奏もとても至難であり、19世紀にはほとんど廃れてしまい ました。ハイドンはこの楽器についてほとんど知識がなかったとされますが、主君のために楽器を研究 し、126曲の三重奏曲をはじめ、二重奏曲や協奏曲を作曲しています。このアルバムでは6曲のバリ トン三重奏曲を収録、マシュー・ベイカーが演奏するのは2004年に制作されたOwen Morse- Brownによる復元楽器で、18世紀の典雅な響きが忠実に再現されています。
8.574189
ハースケダール:BEHIND THE WALL 壁の後ろに
1.Welcome to Ramallah ? The Hill of God ラマッラーへようこそ-神の丘
2.Smoking Shisha at Al-Manara Square アルで煙草を吸うシーシャ-マナラ広場
3 Moosiqa Alsalam - Peace Music 平和の音楽
4.The Olive Farmer オリーヴ農場
5.Salah Elfajer ? Morning Prayer 朝の祈り
6.Abu Ezz Grill アブ・エズ・グリル
7.Sunrise in Ramallah ラマッラーの日の出
8.Amal - Caravan of Dreams - Hope アマール-キャラヴァ
エリン・トルプ・メラド(Ob/コールアングレ)
ヒェル・マグネ・ロバク(Vc)
グロ・メレテ・イェルトヴィク(P)

録音日不明
ダニエル・ハースケダールはヨーロッパにおける最先端の音楽シーンを牽引するミュージシャンの一人。クラシック、 民謡、ジャズの要素を融合したスタイルによる作品は世界中で人気を誇っています。このアルバムには、彼自 身がシリア、レバノン、パレスチナを巡り、戦争によって破壊された地域の遺産を研究し、失われた古代の伝統 や、大いなる力に脅かされた人々の悲しみと尊厳を伝えるための音楽が収録されています。タイトルの 「WALL」とはイスラエル西岸地区の分離壁のこと。2005年には匿名の芸術家“バンクシー”がここに9枚の壁 画を残したことで知られ、アルバムジャケットには、その中の1枚が使用されています。中近東風の音楽と西洋 のスタイルによる音楽が見事に組み合わされた一連の作品は、もともとハースケダール自身が率いる即興バン ドが演奏していたものですが、今回この録音のためにハースケダールが室内楽アンサンブル用のヴァージョンを創 り上げ、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの3人の奏者たちが演奏。作品に新たな命と平和への祈りを込めてい ます。
8.574192
ヴァインベルク(1919-1996):クラリネットのための作品集
クラリネット協奏曲 Op.104(1970)
クラリネット・ソナタ Op.28(1945)
室内交響曲第4番Op.153(1992)-クラリネット、トライアングル、弦楽オーケストラのための
ロベルト・オーバーアイクナー(Cl)
ミヒャエル・シェヒ(P)
ドレスデン・チェンバー・ソロイスツ
フェデリコ・カシク(Vn)
フリートヴァルト・ディットマン(Vc)
ミハイル・ユロフスキ(指)

録音:2019年2月7日、2019年3月19日 、2019年9月13-14日
近年、注目を集めるポーランド生まれの作曲家ヴァインベルクのクラリネット作品集。彼は若い頃からクレズマー・バンドや劇場のアンサ ンブルで、クラリネットに親しんできたためか、この楽器のための作品も早くから手掛けていました。なかでも1945年に書かれた「クラリネッ ト・ソナタ」は以前からヴァインベルクの代表作として知られ、ロマンティックで民俗音楽のような親しみやすい楽想を持つ曲です。1970 年の「クラリネット協奏曲」は、冒頭の旋律こそソナタに酷似していますが、更にクラリネットの名人芸に重きが置かれた技巧的な作品。 縦横無尽に駆け回るパッセージが印象的です。ヴァインベルクが生涯の最後に完成させた「室内交響曲第4番」は美しい弦のコラール ではじまり、要所要所をクラリネットのオブリガードが支えるというもの。第2楽章は激しい表情に終始、トライアングルは終楽章で4回登 場するのみという、ユニークな使われ方がなされた、ヴァインベルクの集大成とも言える意欲的な作品です。ショスタコーヴィチやプロコフィ エフといったロシア作品を得意とするミハイル・ユロフスキが全体をシャープにまとめています。
8.574195
ヴィドール(1844-1937): オルガン交響曲全集 第2集
オルガン交響曲第3番ホ短調 Op.13 No.3
オルガン交響曲第2番ニ長調 Op.13, No.2 - 第4楽章 スケルツォ
オルガン交響曲第4番ヘ短調 Op.13, No.4
ヴォルフガング・リュプザム (Org)
(オルガン … E.M.スキナー)

録音:2019年6月30日ロックフェラー・メモリアル教会、シカゴ大学
フランスの作曲家、シャルル=マリー・ヴィドールの「オルガン交響曲」を名手ヴォルフガンク・リュプザムが演奏するシリーズ、 第2集。自身も超絶技巧の持ち主だったということもあり、彼の作品はどれも卓越した技術を必要とするだけではなく、多 くのオルガニストは、ヴィドールが長年愛奏した“名匠カヴァイエ=コル”が制作した楽器でなければ、ヴィドール作品を完 璧に演奏することができないと考えていますが、 ヴィドール自身は、ツアーで訪れた教会のさまざまなオルガンを演奏したという記録が残っています。今回のシリーズでは、 リュプザムはスキナー社製のオルガンを用い、音色や響きの新しい可能性を探っています。 第2集にはオルガン交響曲第3番と第4番を収録。バッハを思わせるバロック様式で書かれた前奏曲で幕を開ける第3 番は、技巧的な終楽章が聴きどころ。華やかなトッカータが冒頭に置かれた第4番は、即興的でありながら、細部の至る ところに工夫が凝らされた先進的な作品です。ボーナストラックとして追加された第2番の第4楽章「スケルツォ」は、後に 「サルヴェ・レジーナ」に置き換えられた曲。現在では単独で演奏されることの多い、活発な表情を持つ明るい作品です。
8.574200
ベートーヴェン:グランド・シンフォニー集第2集
交響曲第6番ヘ長調 「田園(J.N. フンメルによるフルートとピアノ三重奏編)
交響曲第2番ニ長調 Op. 36(J.N. フンメルによるフルートとピアノ三重奏編)
ウーヴェ・グロット(Fl)
ペットマン・アンサンブル【カート・トンプソン(Vn)、エディト・ザルツマン(Vc)、ミヒャエル・エンドレス(P)】

録音:2019年10月2-5日
19世紀にはレコードなどの録音はありませんでしたが、楽譜出版が盛んになり、大規模な管弦楽作品を室内楽編成に編曲して演奏する「ハウスムジーク」 が流行しました。ベートーヴェンより8歳年下のフンメルも、モーツァルトやベートーヴェンの交響曲や協奏曲の室内楽版を作っています。ここに収録された第6 番「田園」と第2番では、原曲のオーケストラとは一味違って、演奏者の繊細な会話にも似た味わいを楽しむことができます。フルートは前作と同じウーヴェ・ グロットで、彼が参加するペットマン・アンサンブルが見事な演奏を聴かせます。今回はピアノにヴェテラン奏者、ミヒャエル・エンドレスが加わり活気に満ちた演 奏を繰り広げています。
8.574210
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):室内交響曲第2番、第4番
室内交響曲第2番Op. 147(1987)- 弦楽オーケストラとティンパニのために
室内交響曲第4番Op. 153(1992)- 弦楽オーケストラ、クラリネットとトライアングルのために*
イーゴリ・フェドロフ(Cl)
イースト=ウェスト室内O
ロスティスラフ・クリメル(指)

録音:2019年10月10日、2019年10月11日* 第14回 ユーリ・バシュメット国際音楽祭
ポーランドで生まれ、ソ連に亡命。ショスタコーヴィチと親交を結ぶも戦後はスターリンの「反ユダヤ主義運動」に巻き込まれたことで、自身は逮捕された うえ、作品の上演も禁止されるなど苦難の日々を送ったヴァインベルク。晩年を迎えた彼は、反戦への思いを込めた交響的作品の作曲に力を入れる とともに、初期作品の改訂を行いながら、波乱に満ちた若き日を振り返っていました。 このアルバムに収録された室内交響曲第2番もそんな晩年の作品で、これは1944年に書かれたものの、公の場で演奏されることのなかった「弦楽四 重奏曲第3番」がベースになっています。ただし原曲の第2楽章は第3楽章へ移され、新たな楽想を持ち、ティンパニが活躍する第2楽章が加えられる など、大幅に変更されており、全く違う作品と見ることも出来ます。室内交響曲第4番はヴァインベルクが最後に完成させた作品。クラリネットには、第 1楽章で柔らかい弦のピツィカートに乗って歌われる哀愁たっぷりの旋律や、第2楽章でのおどけた旋律など全曲にわたって見せ場が与えられていま す。フィナーレで使われるトライアングルも印象的。また他の楽器にも活躍機会が与えられた合奏協奏曲のような聴きごたえのある作品です。演奏す る「イースト・ウエスト室内O」はユーリ・バシュメットが主宰する国際音楽祭のためのアンサンブル。各地から集った名手たちで構成された凄腕 の集団です。
8.574212
ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための作品集
ロバート・ゼイビア・ロドリゲス(1946-):ショチケツァル(2014)…世界初録音
ルー・ハリソン:ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための協奏曲(1940-59)
カティ・アゴーチ(1975-):ヴァイオリンと打楽器オーケストラのための協奏曲(2018)…世界初録音
ニコラス・キッチン(Vn)
ニューイングランド音楽院パーカッション・アンサンブルのメンバー
フランク・エプスタイン(指)

録音:2015年5月5日、2016年11月22日、2020年2月14日
このアルバムには「ヴァイオリンと打楽器オーケストラ」というユニークな編成による作品が3曲収録されています。この斬新な組み合わせは1959年にルー・ハリ ソンによって発案されたもので、クラシック音楽の伝統に根差した作品を生み出しながらも、東洋の楽器の音を好んで採り入れていたハリソンならではの実験 的な音使いは次世代の作曲家たちにも確実に影響を与えています。 このハリソンの協奏曲は、シンバル、マラカス、ゴング、タムタム、バスドラムなど従来の楽器に加え、吊り下げられた2つの洗濯桶、共鳴する2つの時計のコイ ルから6つの植木鉢までを用いる他、仰向けに置いたコントラバスをスティックで叩くなど、様々な響きを追求。独奏ヴァイオリンの旋律を彩ります。 1946年生まれのロバート・ゼイビア・ロドリゲスはナディア・ブーランジェやエリオット・カーターに学んだ作曲家。この「ショチケツァル」はヴァイオリンと打楽器六重 奏のための協奏曲で、古代マヤの音楽、舞踊、美、愛、豊穣を司る女神の名前から採られたタイトル通り、メキシコ民謡に由来するエキゾチックな旋律がふ んだんに用いられた技巧的な作品です。 1975年生まれのアゴーチは、ハンガリー人とアメリカ人の両親を持つ女性作曲家。この協奏曲は、6人の打楽器奏者が奏でる5つのティンパニ、木琴、ビブ ラフォン、マリンバ、6種類のシンバルとヴァイオリンの掛け合いによるもので、フロム音楽財団からの委嘱作。全体はコンパクトにまとめられており、最終楽章で の激しく力強いリズムは、彼女の中に流れるハンガリーの血を感じさせます。作品全体を通して、その豊かな表現力に驚かされます。
8.574223
エドワード・グレグソン(1945-):室内楽作品集
弦楽四重奏曲第1番(2014)
ジヴェルニーの庭(1964/2016)(コールアングレと弦楽四重奏版)
三部作(2011/2020年ヴァイオリン版)
ミサ・ブレヴィス・パーチェム - ベネディクトゥス
(1988/2021アルト・サクソフォンと弦楽四重奏版)
弦楽四重奏曲第2番(2017)
アリソン・ティール(コールアングレ)
ロブ・バックランド(アルト・サクソフォン)
ナバラQ【ベンジャミン・マーキス・ギルモア(Vn)、バルトシュ・ヴォロフ(Vn)、サーシャ・ボータ(Va)、ライアン・オケーン(Vc)】

録音:2021年11月20、21日(作曲者立ち合いのもと録音)
世界初録音
1945年、イングランド出身の作曲家エドワード・グレグソン。王立音楽アカデミーで作曲とピアノをアラン・ブッシュに 師事、作曲部門で5つの賞を獲得しました。その後は優れた作曲家として、BBCフィルハーモニックやロイヤル・リヴァ プールPO、ボーンマスSOやハレOなどから委嘱を受ける他、さまざまな著名 ソリストのために協奏曲を作曲、また吹奏楽や金管アンサンブルのための作品も多く、2016年にはブラック・ダイク・ バンドに作品を提供するなどこの分野の貢献度の高さも知られています。1970年代から80年代にかけての彼の作 品は、どちらかというと抽象的なコンセプトに基づくものが多かったのですが、近年、とりわけ21世紀になってからは、表 現力に磨きがかかり、情感豊かな作品が増えています。批評家に「厳格さと静謐さを併せ持つ、驚くべき作品」と絶 賛された弦楽四重奏曲第1番や、超絶技巧を駆使した「三部作」、まろやかで色彩的な音使いが美しい弦楽四 重奏曲第2番など、現在のグレグソンの心情を端的に表すかのような曲が並びます。
8.574224
エドワード・グレグソン(1945-):インストゥルメンタル・ミュージック
3つのマチスの印象(1993)(フルートとピアノ版 2020)…世界初録音
セレナータ・ノットゥルナ - ヴァイオリンとピアノのために(1998)…世界初録音
Cameos カメオ-トランペットとピアノのために(1987)
オーボエ・ソナタ(1965)…世界初録音
Alarum アラルム - テューバのために(1993)
Love Goddess 愛の女神 - ヴィオラとピアノのために(2020)…世界初録音
17-19. ディヴェルティメント - トロンボーンとピアノのために(1968)
Tributes トリビュート集(抜粋)(2010)
 第3番:イーゴリ・ストラヴィンスキーに(リンダ・メリックのために)
 第2番:ジェラルド・フィンジに(ジョン・ブラッドベリのために)
 第5番:ベラ・バルトークに(マイケル・コリンズのために)
ハレOとBBCフィルハモニックのソリストたち
エイミー・ユール(Fl)
ユーリ・トルチンスキー(Vn)
ガレス・スモール(Tp)
ジェニファー・ギャロウェイ(Ob)
イワン・イーストン(テューバ)
ティモシー・プーリー(Va)
ケイティ・ジョーンズ(Tb)…
セルヒオ・カステリョ・ロペス(Cl)
ポール・ジェーンズ(P)

録音:2020年9月24-25日(作曲家臨席のもと)
1945年イングランド出身の作曲家エドワード・グレグソンの作品集。王立音楽アカデミーで作曲とピアノをアラ ン・ブッシュに師事、作曲部門で5つの賞を獲得しました。その後は優れた作曲家として、BBCフィルハーモニック やロイヤル・リヴァプールPO、ボーンマスSOやハレOなどから委嘱を受け る他、さまざまな著名ソリストのために協奏曲を作曲、また吹奏楽や金管アンサンブルのための作品も多く、 2016年にはブラック・ダイク・バンドに作品を提供するなどこの分野の貢献度の高さも知られています。教育者 としても名高く、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジの音楽学部教授や、マンチェスター大学名誉教授として教 鞭を取り、1996年から2008年までは王立北部音楽大学の学長も務めました。このアルバムには半世紀にわ たって作曲された、さまざまな楽器をフィーチャーした作品を収録。どの曲も親しみやすく抒情的な旋律を持つ耳 なじみのよいもの。演奏するソリストは彼と関係が深い2つのSOから選ばれた俊英たちです。
8.574225
アルメイダ・プラド(1943-2010):ピアノと管弦楽のための作品集
ピアノ協奏曲 第1番(1982-83)
オーロラ(1975)
Concerto Fribourgeois フリブール協奏曲(1985)
ソニア・ルビンスキー (P)
ファビオ・メケッティ(指)
ミナス・ジェライスPO

録音:2019年5月18-22日
世界初録音
ブラジルの作曲家、アルメイダ・プラド。14歳の時に女性作曲家ディノーラ・デ・カルバーリョの弟子になり、カマルゴ・グァルニ エリと共に音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学金を得てパリに 留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音楽にこれらの エッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しました。このア ルバムには、アルメイダ・プラドと親交があり、作曲家が深い信頼を寄せていたピアニスト、ルビンスキーと、メケッティが指揮 するブラジルを代表するオーケストラ「ミナス・ジェライスPO」によるピアノと管弦楽のための3つの作 品をが収録されており、光り輝くような彼の音楽を堪能できます。2曲の協奏曲は前衛的な音が用いられているものの、ど ちらも古典的な様式を踏襲しており、第1番はベートーヴェン、「フリブール協奏曲」はバッハのオマージュとして書かれた作 品。また1975年に作曲された「オーロラ」はまさにメシアンを思わせる色彩感に満ちた音で構成されたプラドらしい曲です。
8.574227
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第1集
歌劇「Die Poststation 郵便局」 - 序曲(1794)
交響曲 ハ長調 Op. 19「ドイツ皇帝フランツの戴冠式のための大交響曲」(1792)
交響曲 変ロ長調 Op. 33 No. 1(1798出版)
歌劇「Das Fest der Lazaronen ラザロンの饗宴」 - 序曲(1794)
歌劇「ラザロンの饗宴」 - 第2幕 セレナータ(1794)
マレク・シュティレツ(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2019年11月25-28日
世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。地元で音楽と神学を学ぶも、活躍の機会を求めウィー ンに移住。1783年に当時スウェーデン王室の宮廷楽長を務めていたヨーゼフ・マルティン・クラウスに教えを請 い、その翌年にはエステルハージ宮廷の音楽監督に就任。以降、ウィーンで指揮者、作曲家として華々しく活 動するとともに、同い年生まれのモーツァルトとも交友を深め、モーツァルトの死後は未亡人コンスタンツェが亡き 夫の作品を出版するための手助けをしたことでも知られています。ウィーンの宮廷でも重用され、とりわけマリア・ テレジアの信頼は厚く、彼女の孫フランツ2世の戴冠式の際には華麗な交響曲を作曲しました。このアルバムに は、その『戴冠交響曲』(トラック2-5)をはじめ、1798年に出版された変ロ長調の交響曲と、2曲の歌劇の序 曲、セレナータを収録。当時の聴衆たちが熱曲した、巧みな管弦楽法に彩られた流麗な旋律を存分にお楽し みください。
8.574232
期待の新進演奏家シリーズ/ピアノ〜キム・ホンギ: リサイタル
グラナドス: ゴイェスカス 第1部 (1911)- 第1曲 愛の言葉
ラヴェル: 夜のガスパール(1908) - 第3曲 スカルボ
カール・ヴァイン(1954-): ピアノ・ソナタ第1番(1990)
サンチェス=ベルドゥ(1968-): 鏡の庭(2017)…世界初録音
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44(1842)*
キム・ホンギ (P)
ブレトンSQ【アン=マリー・ノース(Vn1)、アントニオ・カルデナス(Vn2)、イヴァン・マルティン(Va)、ジョン・ストークス(Vc)】

録音:2018年4月11日9(ライヴ)*、2018年4月16-17日
2018年に開催された「ハエン国際ピアノ・コンクール」の優勝者キム・ホンギ。1991年韓国生まれの彼は、これまでにも 数多くのコンクールに出場、優秀な成績を収めています。 「ハエン国際ピアノ・コンクール」は1956年からスペインで開催されている歴史あるコンクール。1970年代に国際コンクー ルとなり、レベルの高い戦いを勝ち抜いた優勝者は、すぐさま世界中での活躍を約束されています。予選曲目には、必ず 新作が委嘱されることでも知られており、2018年の課題曲にはスペインの現代作曲家サンチェス=ベルドゥの「鏡の庭」 が用意され、各コンテスタントが腕を競いました。ホンギは優勝記念のアルバムのために「鏡の庭」を含む様々な作品を周 到に用意し、瞑想的なヴァインのソナタの美しさを紹介するなど、自身の才能を存分に披露しています。なかでもシューマ ンは彼が最も得意とする作曲家で、最後に置かれた五重奏曲での伸び伸びとした演奏は、聴き手の耳を魅了します。
8.574233
ムツィオ・クレメンティ(1725-1832):ピアノ作品集
トッカータ 変ロ長調(第2番) Op. 11(1784年出版)
狩り ニ長調 Op. 16(1756年出版)
カプリッチョ 変ロ長調 Op. 17 (原典版)(1787年出版)
カプリッチョ イ長調 Op. 34, No. 3(1795年頃出版)
カプリッチョ ヘ長調 Op. 34, No. 4(1795年頃出版)
カプリッチョ ホ短調 Op. 47, No. 1(1821年出版)
カプリッチョ ハ長調 Op. 47, No. 2(1821年出版)
ロドルフォ・レオーネ(P)

録音:2019年10月4-5日
世界初録音
現代では初心者が手掛ける易しいソナチネやピアノ練習曲『グラドゥス・アド・パルナッスム』の作曲家として知られるムツィオ・クレメンティ。 実は100曲ほどのピアノ・ソナタをはじめ、4つの交響曲など数多くの作品を残しています。とりわけピアノ・ソナタは作曲当時、ベートーヴェンが「モーツァルト作 品よりもピアニスティックで素晴らしい」と褒めたほど。このアルバムに収録された曲はいずれも世界初録音であり、クレメンティの創意と探求心が発揮されたも のばかりで、冒頭のトッカータから超絶技巧が惜しみなく用いられています。またカプリッチョはクレメンティの創作時期のほぼ25年にわたって作曲され、特に 1821年に出版された2作品はベートーヴェンを思わせる見事なもので、彼の作風の深化を辿ることができます。 ピアノのロドルフォ・レオーネはイタリア出身のピアニスト。2017年に開催された第15回「ウィーン国際ベートーヴェンピアノコンクール」で優勝を飾り、「真の音 の哲学者」と評される若き俊英です。
8.574240
カルロ・ドメニコーニ(1947-):ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」
ギター独奏のためのおとぎ話「シンドバッド」 Op.49
1. Cycle I:No.1. Bagdad (Baghdad)
2. Cycle I:No.2. Sindbad
3. Cycle I:No.3. Sindbads Reise (Sindbad's Journey)
4. Cycle I:No.4. Der Kampf mit den Wellen (The Battle with the Waves)
5. Cycle I:No.5. Das Ei des Vogels Ruch (The Bird's Egg)
6. Cycle I:No.6. Diamantenfischer im Schlangental
  (Diamond Fishers in the Valley of Snakes)
7. Cycle I:No.7. Gluckliche Reise (Homeward Bound)
8. Cycle II:No.1. Der Sturm (The Storm)
9. Cycle II:No.2. Das rettende Holz (The Rescuing Driftwood)
10. Cycle II:No.3. Sindbads Verzweiflung (Sindbad's Despair)
11. Cycle II:No.4. Die kleinen Mannchen und der Riese (The Little Men and the Giant)
12. Cycle II:No.5. Die Flucht (The Escape)
13. Cycle II:No.6. Heirat mit der Prinzessin (The Wedding with the Princess)
14. Cycle II:No.7. Zwangsbegrabnis (Buried Alive)
15. Cycle III:No.1. Reise nach Indien (Journey to India)
16. Cycle III:No.2. Der unterirdische Fluss (The Underground River)
17. Cycle III:No.3. Am Grab der Geisterkonige (At the Tomb of the Spirit King)
18. Cycle III:No.4. Der Flug (The Flight)
19. Cycle III:No.5. Sindbads Verklarung (Sindbad's Transfiguration)
20. Cycle III:No.6. Serendip (Serendipity)
21. Cycle III:No.7. Ruckkehr nach Bagdad (Return to Baghdad)
シェリル・レフィク・カヤ(G)

録音:2022年5月8-9日St. Paul's Anglican Church,
Newmarket、オンタリオ(カナダ)
全て世界初録音
「コユンババ」の作曲者として知られるカルロ・ドメニコーニの長編大作が登場。その名も『シンドバッド』。イタリ アで生まれドイツに学んだドメニコーニは、3年間滞在したトルコで東洋文化の大きな影響を受けました。ここ では有名な船乗りシンドバッドのストーリーを、ペルシャの音階や中東の楽器ウードを模した音などを随所に 織り込み、異国情緒豊かな組曲に仕立てています。『シェエラザード』のギター版と呼ぶこともできそうな出来 栄え。トルコ系アメリカのギタリスト、レフィク・カヤが、2018年に発表したアルバム(8.573675)に続き卓越 した技巧と音楽性を披露しています。
8.574246
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギターのためのグリーティング・カード(1954-67) アンドレア・デ・ヴィティス(G)

録音:2022年4月17-19日
イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコは、1953年から1967年にかけて52曲の器楽あるいはアンサンブルのための作品を書き、これらを「グリーティン グ・カード」と名づけました。このうち21曲は、彼がアンドレス・セゴビアを初めて聴いて以来、ずっと魅了されていたギターのために書かれています。このアルバム にはその21曲を収録。各々の曲はカステルヌオーヴォ=テデスコが尊敬する作曲家や演奏家、そして彼の友人たちが音で描かれており、献呈相手の国籍に ちなんだリズムが用いられるなど工夫が凝らされた親密な音楽となっています。また作曲家自身が「アルファベット・ピース」と表現したように、音とアルファベット を組み合わせた半音階的な旋律を主題に用いるといった意欲的な作風も見てとれます。 演奏するアンドレア・デ・ヴィティスは1985年イタリア生まれの気鋭のギタリスト。GFA国際ギター・コンクールなど多くの国際コンクールでの入賞経験を持ち、 活発なコンサート活動を行っています。NAXOSには2枚のタンスマン:独奏ギター全集(8.573983/8.573984)の録音があり、どちらも高く評価されてい ます。
8.574252
フランシス・ポット(1957-):クリストゥス
オルガン作品集

「神の御子は今宵しも」によるインプロヴィゼーション(2005)
クリストゥス - オルガンの為の受難交響曲(1986-1990)
おお愛する魂よ、汝を飾れ(2013)…世界初録音キリストは甦りたまえり- 「おのこよ、おみなよ」による幻想的トッカータ(2019)…世界初録音
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2020年8月26-28日
英国出身の作曲家フランシス・ポット。数多くの合唱曲で知られていますが、2021年には英国でオルガン 作品の普及に努める団体"ロイヤル・カレッジ・オブ・オルガニスト"からメダルを授与されるなど、オルガン作 品の分野でも活躍しています。20世紀英国オルガン作品の最高峰のひとつとみなされる「クリストゥス」は ユダの裏切りからキリストの磔刑、復活までの聖書の物語を辿った、調性崩壊ぎりぎりの響きを持つオルガ ンの為の受難交響曲。このウィンペニーによる演奏は、作曲家自身の立ち合いのもとで行われた初のス タジオ・レコーディングとなりました。この曲の前にはウィンペニーによるインプロヴィゼーションが演奏されるとと もに、アルバムの終わりには2曲の世界初録音となる小品が添えられています。
8.574255
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第2集
歌劇「シュライナー」 (1799) - 序曲
交響曲 ニ短調 「嵐」(1795以前)
交響曲 イ長調 Op. 16 No. 2(1791年出版)
交響曲 ヘ長調 Op. 33 No. 3(1798年出版)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2019年11月25-29日
世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキーの管弦楽作品集第2集。活躍の機会を求めウィー ンに定住、オーケストラの指揮者、作曲家として高く評価されました。同い年生まれのモーツァルトとも交友 を深め、モーツァルトの死後は未亡人コンスタンツェが亡き夫の作品を出版するための手助けをしたことでも 知られています。現在こそ、彼の作品はハイドンやベートーヴェンの影に隠れてしまっていますが、1790年 代後半のウィーンで最も重要な交響曲作家とみなされていたヴラニツキー。このアルバムにはオーケストラの 豊かな響きを駆使した歌劇「シュライナー」の序曲と、それぞれに対照的な性格を持つ交響曲を3曲収 録。交響曲「嵐」はベートーヴェンの「田園」よりも10年以上前に書かれた作品ですが、ティンパニが活躍 する嵐の場面には息を呑むほどの迫力があります。コンパクトなサイズの「交響曲イ長調」は初期の作風を 代表するもので、「交響曲ヘ長調」は耳なじみのよい主題と巧みなオーケストレーションが映える力作で す。
8.574258
愛とロマンスのスタンダード・ソング
1. ジェローム・カーン(1885-1945):Long Ago (and Far Away)(1944)
2. レイ・ノーブル:The Very Thought of You(1934)
3. ガーシュウィン:They All Laughed(1936)
4. ガーシュウィン:Someone to Watch Over Me(1926)
5. カーン:The Way You Look Tonight(1936)
6. カーン:A Fine Romance(1936)
7. リチャード・ロジャース(1902-1979):My Funny Valentine(1937)
8. ロジャース:I Could Write a Book(1940)
9. バートン・レーン(1912-1997):How About You?(1941)
10. ガーシュウィン:They Can’t Take That Away from Me(1937)
11. ロジャース:Where or When(1937)
12. コール・ポーター(1891-1964):Ev’rytime We Say Goodbye(1944)
13. カーン:The Folks who Live on the Hill (1937)
14. アイシャム・ジョーンズ(1894-1956):It Had to be You(1924)
15. アーヴィング・バーリン(1888-1941):What’ll I Do?(1924)
16. カーン:All the Things You Are(1939)
17. ガーシュウィン:Our Love is Here to Stay (1938)
18. マニング・シャーウィン(1902-1974):A Nightingale Sang in Berkeley Square(1940)
19. デューク・エリントン(1899-1974): Don’t Get Around Much Anymore(1942)
※全てリチャード・バルカムによるアレンジ
メアリー・カレウェ(ヴォーカル)
グレアム・ビックリー(ヴォーカル)
ロイヤルPO
リチャード・バルカム(指)

録音:2021年3月22、23日ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(UK)
映画音楽、ミュージカル、ジャズなど1930-50年代に書かれたスタンダード・ナンバーを、ロンドン出身 のアレンジャー・指揮者リチャード・バルカムが美しいオーケストラ伴奏付きの歌曲にアレンジ。言葉と 音楽の完璧な融合が作品を更に引き立てています。カール・ジェンキンス作品やミュージカルの歌手と して活躍するメアリー・カレウェの澄んだ歌声と、同じくイギリスで活躍するグレアム・ビックリーの甘い歌 声も聴きどころです。 【リチャード・バルカム】 1955年イギリス生まれ。ギルドホール音楽演劇学校でピアノとヴァイオリンを学び、1976年に学位を 取得、BBCコンサート・オーケストラとともBBCラジオ2の看板番組「Friday Night Is Music Night」に出演、さまざまな音楽を聴き手に届けています。
8.574261
シューマン:歌曲集 第11集
リートと歌 第2集 Op. 51(1840-49)
リートと歌 第2集 Op. 77(1840-50)
兵士の歌 WoO 6(1844)
3つの歌 Op. 83(1850)
6つの詩 Op. 89(1850)
リートと歌 第4集 Op. 96(1850)
3つの詩 Op. 119(1851)
5つの陽気な歌 Op. 125(1850-51)
11の若者の歌 Anhang M2(1827)より
 No. 1. Die Weinende 涙を流すひと
 No. 5. Sehnsucht 憧れ
 No. 10. Erinnerung 思い出
 No. 6. Der Fischer 漁師
  No. 9. Hirtenknabe 羊飼いの少年
カロリーネ・メルツァー(S)
ジモン・ボーデ(T)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)

録音:2020年6月15-18日
NAXOSの好評シリーズ、シューマン歌曲集の最終巻となる第11集。今作もカロリーネ・メルツァーとジモン・ボーデの繊細な歌唱をアイゼンロールが素晴らし いピアノで支えています。読書好きの父の影響を受けたシューマンは幼いころからゲーテやバイロンなど数多くの書物を読み、そのエッセンスを自作に反映させ ていました。その嗜好は歌曲の詩の選択の際にも発揮され、多彩な詩人の詩を採り上げ、美しい歌曲へと昇華させています。このアルバムに収録されている 3組の「リートと歌」は彼の最も表現力豊かな作品群に含まれるもので、自然への愛、季節の移り変わり、恋人との別れ、水の精の魅力などロマンテックな題 材がふんだんに盛り込まれています。また1827年の「11の若者の歌」は彼が自分の将来を模索していた時期の作品。こののち、シューマンは一旦歌曲の創 作から離れピアノ曲に没頭し、10年後にまた歌曲の世界へと戻ることになります。
8.574262
ユージン・ザードル(1894-1977):管弦楽作品集全集 第7集
ハンガリー風スケルツォ(1975)
ホルン、弦楽と打楽器のための組曲(1972)
ホルンとピアノのための子守歌(1973)(M. スモリーによるホルンと弦楽オーケストラ編 2022)
室内協奏曲(1931)
8つのチェロのための組曲(1966)
Celebration Music 祝祭の音楽(1968)
ゾルターン・セーケ(Hrn)
イムレ・コヴァーツ(Hrn)
バーリント・ケーピーロー(Hrn)
カタリン・サルカディ(P)
MAV-ブダペストSO
MAV-ブダペストSO弦楽セクション
MAV-ブダペストSOチェロ・セクション
マリウシュ・スモーリー(指)

録音:2022年6月21-26日、2020年6月25-29日
全て世界初録音
ハンガリーのバータセクで生まれ、1939年にヨーロッパからアメリカに移住、1940年代のアメリカ映画音楽の発展に 著しく寄与したユージン・ザードル。彼の作品は巧みなオーケストレーションと躍動感あふれるリズム、そして調性へのこ だわりと時にアクセントとして用いられる不協和音が特徴で、NAXOSレーベルへの7枚目となるこのアルバムにも、彼 らしい作品が収録されています。室内協奏曲は、ザードルがまだウィーンにいた頃に書かれたもの。「ホルン、弦楽と打 楽器のための組曲」は彼の死後、初めて演奏された作品。他、「1975年のハンガリー風スケルツォ」など40年以上 にわたるザードルの創作活動における作風の変遷が味わえます。また、アルバムの最後には人生の喜びを歌い上げる 華やかな「祝祭の音楽」が置かれています。マウリシュ・スモーリーはポーランド出身、世界中で活躍する指揮者。 NAXOSには、一連のザードル作品の他、アンジェイ・パヌフニクやミクローシュ・ロージャ、グラジナ・バツェヴィチなどの 録音があります。
8.574268
ブラームス:歌曲全集 第1集
4つの歌曲 Op. 43(1857-1866)
6つの歌曲 Op. 86(1878頃-1879)
5つの歌曲 Op. 105(1886-1888)
9つのリートと歌 Op. 32(1864)
クリストフ・プレガルディエン(T)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2020年9月21-24日ハンス・ロスバウト・スタジオ、SWR、バーデン=バーデン(ドイツ)
NAXOSからブラームスの歌曲全集がスタート。第1集となるこのアルバムでは、名テノール、クリストフ・プレガルディエンを起用し、作曲年代が25年に 及ぶさまざまな歌曲に新たな光を当てています。「永遠の愛について」や「5月の夜」を含むOp.43の4曲はブラームスの歌曲の中で特に良く知られる 曲集。「野の寂しさ」を含むOp.86は円熟期のブラームスらしい渋い美しさを持った曲集。「調べのように私を通り抜ける」で始まるOp.105は彼と同 時代の詩人の詩を用いた歌曲集。独白とも思えるブラームスの晩年の心情が反映された名作揃いです。Op.32は比較的若々しい曲調に満ちた曲 集。ほとんどの曲に恋する人への想いが綴られており、想像以上にロマンティストだったらしいブラームスの一面が窺えます。プレガルディエンは落ち着い た声の響きを存分に生かし、ブラームスの繊細な感情表現が施された歌曲を丁寧に歌い上げています。
8.574270
モーツァルト:ミサ曲全集 第1集
ミサ・ロンガ ハ長調 K. 262
ミサ曲 ハ長調 「戴冠式ミサ」 K. 317
カロリーナ・ウルリヒ(S)
マリー・ヘンリエッテ・ラインホルト(Ms)
アンジェロ・ポラック(T)
コンスタンティン・クリンメル(Bs)
ケルン西ドイツ放送cho
ケルン室内O
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2020年3月8-13日ドイツ放送、室内楽ホール、ケルン(ドイツ)
NAXOSの新シリーズとなるモーツァルトのミサ曲全集。クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送合唱団とケルン室内Oの演奏による 第1集には「ミサ・ロンガ」と呼ばれるハ長調 K.262と中期の傑作「戴冠式ミサ」K.317の2曲を収録。1775年6月頃、ザルツブルクで作曲された「ミ サ・ロンガ(長いミサの意)」はミサ・ブレヴィス(短いミサ)に分類されながら、30分近い演奏時間を持つ堂々たる曲。作品が書かれた目的ははっきりし ていませんが、精巧な合唱と拡張されたオーケストレーション、劇的な構成を持ち、とりわけアニュス・デイでのソプラノ・ソロの美しさが耳の残ります。「戴 冠式ミサ」のタイトルはモーツァルト自身の手によるものではなく、後世の人によって付けられたもの。1779年4月、ザルツブルク大聖堂で行われた復 活祭の式典のために作曲されたと考えられています。 この演奏ではソプラノ、カロリーナ・ウルリヒ、メゾ・ソプラノのマリー・ヘンリエッテ・ラインホルト、テノールのアンジェロ・ポラック、バスのコンスタンティン・クリン メルという、ドイツの歌劇場やオーケストラ出演で活躍する4人のソリストが起用されており、各々が素晴らしい歌唱を披露しています。全体をまとめる ポッペンはモーツァルトの作品の美しさと壮大さをアピールすることに成功しました。
8.574279
ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲集 第5集
オルガン交響曲第5番ヘ短調 Op. 42 No. 1(1879)
オルガン交響曲第8番ロ長調 Op. 42 No. 4- 第4楽章 前奏曲(1887 オリジナル・ヴァージョン)
オルガン交響曲第6番ト短調 Op. 42 No. 2(1878)
クリスティアン・フォン・ブローン(Org)

録音:2020年3月22日聖ジョセフ教会、ザンクト・イングベルト(ドイツ)
オルガン交響曲とは、ヴィドールがオルガニストとして奉職していたサ ン=シュルピス教会のカヴァイエ=コル・オルガンの音色に触発されて書かれた作品群。オルガン1台で演奏する にもかかわらず「交響曲」と題された色彩豊かな音色と荘重な響きを持ち味にしています。このアルバムには第5 番と第6番を収録、1879年に書かれた交響曲第5番は5楽章で構成され、最終楽章にヴィドール作品の中 でも最も知名度の高い「トッカータ」が置かれた壮大な作品です。オルガンの響きが滝の如く降り注ぐこの「トッ カータ」は華麗な雰囲気で知られ、デンマークやノルウェー、英国王室での結婚式でも演奏されるなど高い人気 を博しています。第6番は5楽章形式で書かれており、1878年の"パリ万博"でヴィドール自身が初演した作 品。第5番とともにパリのアメル社から出版されました。またヴィドールは自身の作品を改訂することが多く、ここに 収録された第8番の第4楽章も、1901年の改訂の際に外されてしまった楽章です。
8.574280
期待の新進演奏家シリーズ〜アレクサンドル・コリャキン
リスト:巡礼の年 第1年 スイスS160/R10- 第6曲 オーベルマンの谷
ドビュッシー:喜びの島
ホルヘ・サストレ(1974-):ハエネラ「こだまと寺院」…世界初録音
フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調
アレクサンドル・コリャキン(P)
ブレトンSQ【アン=マリー・ノース(Vn1)、アントニオ・カルデナス(Vn2)、アルベルト・クレ・エスペロン(Va)、ジョン・ストークス(Vc)】

録音::2019年5月1日、2019年5月6日
スペイン、アンダルシア地方のハエン市で毎年開催される(2020年は中止)「ハエン国際ピアノ・コンクール」。若 手ピアニストの登竜門であり、毎年スペインの作曲家が新作の課題曲を提供することでも知られる難関コン クールです。2019年度第61回コンクールの優勝者はロシア出身のアレクサンドル・コリャキン。9歳でピアノを始 めたという遅咲きですが、最初からコンサート・ピアニストを目指していたといい、10歳の時にはバッハからショパン まで、さまざまな曲による最初のリサイタルを行い、11歳でコンクールに優勝。サハ共和国の首都ヤクーツクの 音楽学校に入学し6年間の研鑽を積んだのち、ロシアのグネーシン音楽大学に進学しています。すでに500回 以上のリサイタルを行っているという俊英で、コンクールでも圧倒的な強さを発揮し、余裕ある演奏で優勝を勝 ち取っています。新作を含む独奏が高く評価されたのはもちろんのこと、フランクのピアノ五重奏曲での絶妙なア ンサンブルも見事であり、この演奏に対して室内楽賞も授与されました。
8.574283
ヒンデミット:ヌシュ=ヌシの踊り(1921)
歌劇「聖スザンナ」 Op. 21
交響曲「画家マティス」
スザンナ…アウシュリネ・ストゥンディーテ(S)
クレメンティア…ルネ・モーロック(C.A)
年老いた尼僧…アンネッテ・シェーンミュラー(Ms)
小間使い…カロリーネ・バース(語り)
召使…エンツォ・ブルム(語り)
ウィーン・ジングアカデミー女声セクション
ウィーンRSO
マリン・オルソップ(指)

録音:2019年10月24-25日、2020年8月26日
芸術家志望だった父の方針で早くから厳格な音楽教育を受けたヒンデミットは、ピアノ、弦楽器、管楽器の演奏に熟達し、20歳の時にはフランクフル ト歌劇場のコンサートマスターになります。第一次世界大戦への従軍(1918年)の後はヴィオラ奏者として活動しつつ、多数の作品を生み出しまし た。1幕物の歌劇である「聖スザンナ」は1919年から1921年の作品。同じく1幕物の「殺人者、女の望み」「ヌシュ=ヌシ」との三部作として書かれ、 そのどれもが性的な表現を含むこともあり、ほとんど上演機会がありません。無調でありながらも、時々妖艶なハーモニーが聴こえてくる「聖スザンナ」、 もともとはビルマの物語を題材とする人形劇の音楽として書かれたというユーモラスな「ヌシュ=ヌシ」の舞踊音楽はどちらも若きヒンデミットの意欲作で す。1933年から1934年に作曲された交響曲「画家マティス」は、同名の歌劇に先立ち書かれたもの。イーゼンハイム祭壇画で知られるルネサンスの 画家マティアス・グリューネヴァルトを題材にしていますが、ナチス・ドイツ時代におけるヒンデミット自身の芸術的闘争も反映した問題作です。オルソップ の指揮は作品全体にメリハリを与え、生き生きとした音楽を紡ぎ出します。「聖スザンナ」では、歌手たちが緻密な人物表現を行い、複雑な音楽を従 え見事な物語を創り上げています。
8.574288
ペンデレツキ:弦楽四重奏曲第1番-第4番他
弦楽四重奏曲第1番(1960)
弦楽四重奏曲第2番(1968)
Der unterbrochene Gedanke 壊れた思考(1988) - Grave
弦楽三重奏曲(1990/1991改訂)
弦楽四重奏曲第3番 「Leaves from an Unwritten Diary 書かれなかった日記のページ」(2008)
弦楽四重奏曲第4番(2016)
ティペットQ【ジョン・ミルズ(Vn1)、ジェレミー・イサーク(Vn2)、リディア・ローンデス=ノースコット(Va)、ボジダル・ヴコティッチ(Vc)】

録音:2020年7月18-19日
20世紀を代表する作曲家ペンデレツキ。1960年代には「広島の犠牲者に捧げる哀歌」などトー ンクラスターや微分音を用いた前衛的な作品を書いていましたが、次第に後期ロマン派の様式に 傾倒し、21世紀の作品のほとんどは調性感のあるロマンティックな雰囲気を湛えています。作曲時 期に50年以上の隔たりがある4曲の弦楽四重奏曲には、その作風の変遷がはっきりと表れてお り、前衛的な手法で書かれた第1番と、特殊奏法などは用いることなく、悲痛な弦の叫びで始まる 第4番を聞き比べるだけでも、ペンデレツキの方向性の変化が感じられることでしょう。リゲティの影 響が感じられる第2番、個人的な自伝ともいえる第3番も聴きごたえのある作品です。他には「壊 れた思考」と名付けられた小品と、弦楽三重奏曲を収録。現代作品を得意とするティペット四重 奏団による演奏です。
8.574289
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第3集
歌劇「同情」 -(1804)
交響曲ニ長調 「狩り」 Op. 25(1793年出版) (オーケストレーション拡張版)
歌劇「良き母」 序曲(1795)
交響曲 ハ長調 Op. 33- 2(1798年出版)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2020年6月29日-7月2日
世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキーの管弦楽作品集第2集。20歳の時に活躍の機会を求めウィーンに移住、ハイドンやモーツァル トと交流を深めた他、彼の作曲スタイルはベートーヴェンの初期の交響曲にも影響を与えるなど、1970年代後半のウィーンにおける最も重要な交響 曲作曲家の一人としてみなされました。この第3集には2曲の交響曲と2曲の歌劇の序曲を収録。人気を博していた狩猟音楽を採り入れたもので、 トスカーナで行われたフェルディナントIII世の私的演奏会の際に加えられたトランペットとティンパノーネ(大型のティンパニ)を含む、拡張管弦楽版に よる初録音。1798年出版の交響曲ハ長調は、ウィーン宮廷劇場の支配人であったペーター・フォン・ブラウン男爵に献呈されており、この交響曲には 過去の舞台音楽からの転用が含まれています。また2曲の序曲は、どちらもヴラニツキーの劇場音楽作曲家としての高いスキルが反映された聴きごた えある作品です。
8.574290
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第4集
バレエ『森の娘』(1796)
パストラーレとアルマンド
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2020年7月13-16日
世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキーの管弦楽作品集第4集。20歳の時に活躍の機会を求め ウィーンに移住、ハイドンやモーツァルトと交流を深めた他、彼の作曲スタイルはベートーヴェンの初期の交響曲にも 影響を与えるなど、1790年代後半のウィーンにおける最も重要な交響曲作曲家の一人としてみなされました。また ウィーン宮廷劇場オーケストラの監督としても活躍し、舞台作品も数多く遺しています。このバレエ『森の娘』は円熟 期の作品で、彼の最大の成功作の一つ。狩りに出かけたポーランドの王子が出会った野性的な少女を巡る物語 は、彼の軽快な音楽とともにウィーンの人々を魅了しただけではなく、ヨーロッパ各地で上演され、ベートーヴェンや ウェーバーにも影響を与えたとされています。また「パストラーレとアルマンド」はヴラニツキーを寵愛していた皇后マ リー・テレーズのために書かれた上品な作品です。
8.574291
ブラームス:クラリネット・ソナタ集 Op. 120/歌曲集
クラリネット・ソナタ ヘ短調 Op. 120,- 1(1894)
クラリネット・ソナタ 変ホ長調 Op. 120, - 2(1894)
5つの歌 Op. 71 - 第5曲 愛の歌(1877)
4つのリート Op. 96 - 第2曲 われらはさまよい歩いた(1885)
4つの歌 Op. 43 - 第1曲 永遠の愛について(1864)
9つのリートと歌 Op. 32 - 第7曲 語るもつらいこと(1864)
5つのリート Op. 47 - 第4曲 おお、愛らしい頬よ(1868)
5つのリート Op. 105 - 第2曲 私の眠りはますます浅くなり(1886)
5つのリート Op. 49 - 第4曲 子守歌(1868)
5つの詩 Op. 19 - 第5曲 エオリアンハープに寄せて(1858)
5つのリート Op. 105 - 第1曲 調べのように私を通り抜ける(1886)
※全てカール=ハインツ・シュッツによるフルートとピアノ編(2020)
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)
マリア・プリンツ(P)

録音 2020年7月2-3日
57歳ですでに作曲家生活から引退を決めていた晩年のブラームス。しかし彼がマイニンゲンへ旅をした際、クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトに 出会い、その演奏に感動。すぐさま三重奏曲、五重奏曲と立て続けにクラリネットを用いた作品を書きあげ、1894年には2曲のクラリネット・ソナタも 完成させたました。これらのクラリネットの作品は、ヴィオラで演奏することも可能ですが、ウィーン・フィルハーモニーの首席フルート奏者を務めるカール= ハインツ・シュッツは自ら編曲を施し、フルートで2曲のソナタを演奏。音域は高くなるものの、調性の変更をすることもなく、ピアノとの絶え間ない対話を 楽しんでいます。 アルバムにはフルート用に編曲された歌曲も収録。「おお、愛らしい頬よ」以外は、基本的にゆったりと流れる旋律を持つ曲が選ばれており、これらもフ ルートの息の長い旋律を歌わせるという特徴を存分にいかした、原曲の歌曲とは違う魅力が追求されています。とりわけ有名な「子守歌」での優しく 夢のような響きは、聴く者全てを魅了するかのような美しさを備えています。
8.574296
ヴィエルヌ:ピアノ作品全集 第1集
2つの小品 Op. 7(1893)
ブルゴーニュ組曲 Op. 17(1899)
3つの夜想曲 Op. 34(1915-16)
弔いの鐘の詩 Op. 39(1916) - 第2曲 Le Glas 弔鐘
子どもの影絵遊び Op. 43(1918)
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2020年12月2-6日
荘厳で華麗なオルガン作品で知られるフランスの作曲家、ヴィエルヌ。生まれつき目が不自由でありながら、素晴らしい音楽の才能を発揮、10歳の時 にフランクのオルガン演奏を聴き、感銘を受けた彼はフランクからパリ音楽院での学習を勧められフランクとシャルル=マリー・ヴィドールに教えを受け ます。1900年にはパリ・ノートルダム寺院のオルガン奏者に就任、亡くなるまでその職にありました。 このアルバムではあまり耳にすることのない彼のピアノ曲を収録。全2集のうちの第1集です。初期の作品にはメンデルスゾーンの影響が感じられ、1900年前 後のオルガン奏者として確立した人気を獲得した頃の作品には、生きる喜びと活気ある雰囲気が横溢しています。1915年に書かれた「3つの夜想曲」は印 象派風の柔らかい響きが使われており、作曲年代によって変化する作風を楽しむことができます。とりわけ夜想曲の第3番は鳥の声を模した音色が効果的 に用いられており、ヴィエルヌの傑作の一つとして評価されています。
8.574298
アメリカ生まれの新しいギター協奏曲集
アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):「ダンス・ヒッツ」協奏曲(1998)
ピアソラ(1921-1992):ギターとバンドネオンのための協奏曲 「リエージュに捧ぐ」(1985)*
カーニス:眠りと夢の前に:子守歌(1987)(Vnとギター版)
ロベルト・シエッラ(1953-):小協奏曲(1998)
カーニス:独白(2016)
デイヴィッド・タネンバウム(G)
アーロン・ジェイ・カーニス(指)
ニュー・センチュリー室内O
ココ・トリヴィソンノ(バンドネオン)
リサ・リー(Vn)
マシュー・クレイチー(Fl)
トム・ニュージェント(Ob)
パトリシア・シャンズ(Cl)
ビル・バルビーニ(Vn)
ジェニファー・カルプ(Vc)
トーマス・ダーシック(指)

録音:2005年2月7日 スカイウォーカー・スタジオ、2018年12月18日 オッシャー・サロン、2018年6月4日 オッシャー・サロン、2020年8月10日 オッシャー・サロン
*以外=世界初録音
アメリカ出身のギタリスト、教育者タネンバウムは、ヘンツェやテリー・ライリー、ルー・ハリソンらに作品を 委嘱・演奏するなど、ギター曲のレパートリーを豊かにし続けています。この20世紀終わりから21世紀 にかけて作曲された南北アメリカのギター協奏曲集に収録された作品も、ピアソラを除き、全て演奏 者タネンバウムのために作曲されたもので4曲全てが世界初録音です。1曲目、カーニスの「ダンス・ ヒッツ」協奏曲は親しみやすい旋律が特徴。アルバム・タイトル『Double Echo』はこの曲の第1楽章 から採られています。ゆったりとした第2楽章を経て、思わず口ずさみたくなるようなポップス調のメロディ を主題とする第3楽章へ続きます。同じくカーニスの「子守歌」と「独白」は抒情的でロマンティックな雰 囲気を湛えています。シエッラの「小協奏曲」ははじけるようなリズムが印象的な作品。これら委嘱作 品に添えられたピアソラの二重協奏曲は1985年、ベルギーで開催された国際ギター・フェスティバル のための作品。ウィリアム・ウォルトンの音楽からインスピレーションを受けたとされ、冒頭の「イントロダク ション」ではオーケストラが登場せず、ギターとバンドネオンがしみじみとした対話を繰り広げる哀愁漂う 楽章であり、第2楽章と第3楽章はピアソラらしいタンゴの曲想です。
8.574299
ケテルビー(1875-1959):ピアノ作品集
森にて(1921)/夢の川(1922)
喜ばしき思考(1898)/夢の絵画(1915)
抒情的ワルツ(1922)/反映(1921)
鏡の踊り(1913)/夏の歌(1922)
金色の秋(1923)/水仙(1919)
夕焼け(1921)
ヴァルス=カプリース(1899)
夢の影(1922)/森の物語(1922)
天使の愛(1949)
パストラーレ Op. 27(1916)
優美(1907)/修道院の庭にて(1915)
ローズマリー・タック(P)

録音:1993年9月
エキゾチックで親しみやすい旋律の「ペルシャの市場にて」で知られる英国の作曲家アルバート・ケテル ビー。幼い頃から音楽の才能を発揮、11歳の時には習作のピアノ・ソナタをウォーチェスター音楽祭 で演奏、エドワード・エルガーに称賛されました。13歳の時にはヴィクトリア女王の奨学金を受け、トリ ニティ音楽カレッジに入学。グスターヴ・ホルストに師事、研鑽を積み16歳でウィンブルドンのセント・ ジョン教会のオルガン奏者に就任、契約終了後はヴォードヴィル劇場の音楽監督となり、ライト・ ミュージックの世界で大活躍します。1929年には作品の演奏回数の多さが認められ「英国で最も 偉大な作曲家」に選ばれるなど、亡くなるまで人気を失うことはありませんでした。 このアルバムで聴ける彼のピアノ曲は、印象的な旋律を備えた美しいものばかり。季節を描いた曲 や、オシャレなワルツなどが並びますが、中でも代表作「修道院の庭にて」のピアノ・ソロ・ヴァージョン は、鳥の声を模したフレーズも忠実にピアノへと移し替えられた力作です。

8.574300
アントン・ルビンシテイン:ピアノ作品集
3つの小品 Op. 16(1855)
3つのカプリース Op. 21
2つの小品 Op. 28
6つの小品 Op. 51
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2021年12月3日
ロシアのピアニスト、アントン・ルビンシテインのピアノ作品集。作曲家としては、ベートーヴェンを思わせる壮大 な交響曲がロシア音楽ファンの間で人気を集めていますが、ピアノ曲は「天使の夢」などの一部の作品以 外、あまり演奏される機会がありませんでした。しかしNAXOSからもジョセフ・バノウェツの演奏によるいくつか の作品の録音が発売されるなど、近年再評価が進んでいます。このアルバムでは1850年代半ばに作曲さ れた一連の作品に焦点をあて、リストやベートーヴェンを得意とするピアニスト、セルジオ・ガッロの演奏でこれ らをお楽しみいただけます。冒頭に置かれた、せわしないモティーフが印象的な「即興曲 Op.16No.1」や、 夜想曲とカプリス、この対照的な性格が際立つ「2つの小品 Op. 28」、そして技巧的な側面が際立つ「6つ の小品 Op. 51」など優れたピアニストとして活躍したルビンシテインならではの華麗な作品をお聴きくださ い。
8.574301
48 Strings
アルフレード・ピアッティ(1822-1901):12のカプリース Op. 25
ポッパー:2つのチェロのための組曲 Op. 16*
フィッツェンハーゲン(1848-1890):演奏会用ワルツ Op. 31? 4つのチェロのために**
クリンゲル(1859-1933):賛歌 Op. 57- 12のチェロのために#
【チェリスト】
アンドレアス・ブランテリド
インゲマール・ブランテリド*,**,#
ヘンリク・ダム・トムセン**,#
フレゼリク・シェーリン**
オイスタイン・ソンスタード#
ニルス・ウルナー#
エミール・エスケア#
ヤコブ・ラ・クール#
ルイーザ・シュヴァブ#
モルテン・ツォイテン#
ライヴ・ヨハンソン#
サミラ・ダヤーニ#
リー・ブレンダル#

録音:2020年6月2-4日 Sollerod Kirke, Holte、
19世紀から20世紀前半に活躍した4人のチェリスト=作曲家が書いたチェロのための作品集。ピアッティ、ポッ パー、フィッツェンハーゲン、クリンゲルの4人とも音楽一家に生まれ、オーケストラでは優れたソリストとして演奏し、教 師として多くの後進を指導、さらに曲も書くという共通点を持っています。このアルバムでは彼らのチェロ曲の中から、 無伴奏、2つのチェロ、4台チェロ、そして12台のチェロのための曲を選び、曲ごとに奏者を増やしながら、つややかな チェロの響きを十二分に味わえるという趣向が凝らされています。技巧的なピアッティの「12のカプリース」、ポッパーの 美しい「組曲」、4台のチェロが高音域で見事な旋律を奏でる「演奏会用ワルツ」、そして48本の弦が高らかに歌う 「賛歌」を収録、聴きごたえのある1枚です。
8.574305
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル: 交響曲集 第5集
交響曲 ヘ短調 Bryan f1
交響曲 変ホ長調 Bryan Eb4
交響曲 ハ長調 Bryan C7b
オーボエ・コンチェルティーノ ト長調 Bryan G5
パヴラ・ホンソヴァー(Va)
チェコ室内Oパルドビツェ
ヴォイチェフ・ポドロウジェク(Ob)
ヤン・カラス(第1ホルン)
マグダレーナ・クティショヴァー(第2ホルン)
リボル・イェジェク(Vn)
パヴラ・ホンソヴァー(Va)
ダヴィド・マトウシェク(Vc)
ペトル・クプチャーク(Cb)
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2020年10月5-9日
世界初録音
ボヘミア出身の作曲家ヴァンハル。生地のオルガニストや教会楽長を務めたのち、庇護者を得てウィーンに留学、ディッタースドルフに作曲を師事すると ともに、各地を回って見聞を広めます。ヴァイオリニストとしても優れており、モーツァルト、ハイドン、ディッタースドルフとともに弦楽四重奏曲を演奏した エピソードも知られています。また音楽史家のチャールズ・バーニーは「イギリスではハイドンの交響曲よりもヴァンハルの交響曲のほうが広く知られてい る」と報告するほど、彼の作品は当時のヨーロッパ中で称賛されていました。 このアルバムには、3曲の交響曲と、オーボエがコンパクトな編成のアンサンブルと絶妙な対話を聴かせる「オーボエ・コンチェルティーノ」を収録。どの曲 もヴァンハルの豊かなオーケストレーションと印象深い旋律をたっぷり味わえ、ヘ短調の交響曲の第2楽章カンタービレではヴィオラ独奏による伸びやか な歌が聞かれます。NAXOSでは1998年からヴァンハルの交響曲録音シリーズを開始。指揮者、オーケストラを変えながら2008年までに第4集がリ リースされていましたが、今作はチェコを代表するチェコ室内Oパルドビツェとミヒャエル・ハラースが演奏を担当。作品の魅力を伝えています。
8.574306
ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ(1745-1799):協奏交響曲集
協奏交響曲 Op. 9(1777年出版)
 第1番ハ長調/第2番イ長調
協奏交響曲 Op. 10(1778年出版)
 第1番/第2番
交響曲 ト長調 Op. 11 No. 1(1779年出版)
ユーリ・レヴィチ(Vn)
リボール・イェジェク(Vn)
パヴラ・ホンソヴァー(Va)
チェコ室内Oパルドビツェ
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2020年9月29日-10月2日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のヴァイオリン奏者・作曲家サン=ジョルジュ。ウォルフ族出身の母親の血を引いたため、褐色の肌色を持 ち、後に「黒いモーツァルト」と異名を取りました。 8歳の時にフランスに移住した彼は、ジャン=マリー・ルクレールからヴァイオリンを学ぶとともに、フランソワ=ジョセフ・ゴセックに作曲を師事、そのままゴ セックのオーケストラの奏者となるほど才能を認められ、また作曲家としても交響曲や弦楽四重奏曲など多くの作品を残しています。 このアルバムに収録された協奏交響曲は、ハイドン作品に匹敵するジャンルの名作であり、自身が卓越したヴァイオリニストであったサン=ジョルジュらし いソリストたちの名技も存分に味わえる華麗な作品。また、交響曲ト長調は、フランス風の上品な味わいとハイドンのユーモアを併せ持つ流麗な音楽 です。古典派音楽を得意とするハラースの素晴らしい演奏で。
8.574307
セーチェニ(1825-1898):ワルツとハンガリー行進曲集
セル城(1854)
ハンガリー行進曲(1873年以前)*
冬物語のワルツ(1858)
私たちの最後のワルツ(1894)*
ハンガリーのチャールダーシュ(1858)
誕生日のワルツ(1888)*
宮殿のギャロップ(1853)
3つのワルツ - 4手ピアノのための(1889)*
ハンガリーの騎手の行進曲 - 4手ピアノのための(作曲年不詳)*
ワルツ - 4手ピアノのための(1872年以前)*
序奏とハンガリー行進曲(1873) (F.リストによる改訂S573/R261)- H. ゴッビによる4手ピアノ編*
イシュトヴァーン・カッシャイ(P)
ジェルジ・ラーザール(P)*

録音:2020年1月24-27日Phoenix Studio, Diosd(ハンガリー)
カッシャイ&ラーザール
使用ピアノ:ベヒシュタイン model ‘C’ No 88471(1908製オリジナル)
※「3つのワルツ」以外=世界初録音
ハンガリーの貴族の家系に生まれたイムレ・セーチェニ。本業は外交官であり、大使としてキャリアを重ねながら 平行して作曲も続けていました。またハンガリーと所縁の深いフランツ・リストとも親しく、リストが音楽院を設立 する際には力添えもしています。同じ年のヨハン・シュトラウスII世とは生涯を通じて友人関係にあり、シュトラウ スはセーチェニの作品をしばしばコンサートで演奏するだけではなく、自身の作品をセーチェニに献呈するなど親 しい関係を保っていました。このアルバムでは、ほとんどが世界初録音となるセーチェニの知られざる作品を聴くこ とができます。彼が愛したワルツや行進曲をはじめ、リストが自身の手で改訂を施した「序奏とハンガリー行進 曲」など魅力的な作品を演奏するのは、セーチェニ作品のスペシャリストであるカッシャイとラーザール。使用して いるピアノはワーグナーの孫(リストの曾孫)であるヴォルフガングが所有していた1908年製のベヒシュタイン。生 き生きとした音色は当時の華やかな社交界を彷彿させます。
8.574310
ヴィラ=ロボス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ソナタ・ファンタジア第1番「 Desesperance 絶望」(1912)
ソナタ・ファンタジア第2番(1914)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1920)
エマヌエーレ・バルディーニ(Vn)
パブロ・ロッシ(P)

録音:2020年1月7-8日
ヴィラ=ロボスの3曲のヴァイオリン・ソナタは、20代から30代にかけて書かれた作品です。当時のヴィラ=ロボスは、民謡採集のために出かけたブラジル奥地 から戻り、クラシック音楽の技法にブラジル音楽の要素を採り入れた語法を確立して、新進作曲家として認められ始めた頃。とはいえ、ソナタ第1番作曲時 は、まだ作曲よりもチェロの演奏で生計を立てていたこともあり、メランコリックな雰囲気と抒情性を特徴とするこの曲にも弦楽器奏者としてのスキルが生かさ れています。その後ピアノ奏法についてもじっくり学んだ彼は、2年後にソナタ第2番を作曲。自由な形式の中で2つの楽器が見事な対話を聴かせるこの作 品は、1915年11月に開催した自身の新作のコンサートの中で演奏されました。そして1920年に発表された第3番のソナタは、ドビュッシーの影響も感じら れますが、後の一連のショーロスにも連なる更なる洗練された語法を持っています。ヴァイオリンを演奏するバルディーニはイタリア出身のヴァイオリニスト。 2005年からブラジルに居住し、サンパウロSOのコンサートマスターを務めるほか、指揮者としても活躍しています。
8.574312
スクリャービン/ランゴー:風変わりなピアノ作品集
スクリャービン:3つの小品 Op. 45(1904-05)
ランゴー(1893-1952):生活に疲れたキリストの花嫁 BVN 297(1944)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 Op. 70(1913)
ランゴー:深淵の音楽 BVN 169(1921-24)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」 Op. 68(1912-13)
ランゴー:燃焼室 BVN 221(1937)
スクリャービン:詩曲「炎に向かって」
グスタフ・ピークト(P)

録音:2021年4月3-5、10日
ロシアの作曲家スクリャービンと、デンマークの作曲家ランゴー。この二人はどちらも自身の音楽を通して、 道を開くことができると信じており、ピアノという楽器はその理想を追求するのにふさわしいものでした。スク リャービンが追求したのは超人思想や神秘的な思考であり、晩年には神秘和音と呼ばれる独自の和声 を確立、自身の作品に用いた他、「黒ミサ」など特異なタイトルを持つ謎めいた作品を残しています。ラン ゴーも神秘的な作品を書くだけでなく、早い時期からトーンクラスターを用いたり、調性音楽の拡張を試み るなど実験的な要素を数多く自作に取り込みました。またタイトルにも不可解なものが多く、生前から謎め いた作曲家として知られていました。 このアルバムには、そんな二人の代表的なピアノ曲を収録。なかでもランゴーの「燃焼室」とスクリャービンの 「炎に向かって」は音楽上の双子と言えるほどに似通った雰囲気を有しています。
8.574314
サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第3集
死の舞踏 Op. 40(1874/1877編)
ホタ・アラゴネーサ Op. 64(1880)
オラトリオ『ノアの洪水』 Op. 45(1875) - 前奏曲
ハバネラ(アヴァネーズ) ホ長調 Op. 83(1887)
序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op. 28*
祈り Op. 158bis(1920)
アンダルシア奇想曲 Op. 122(1918)
デリラの歌(1918)
歌劇「サムソンとデリラ」 Op. 47 - 第1幕 春が始まれば…世界初録音
カプリース(1901) - 6つの練習曲 Op. 52 - 第6番 ワルツ形式の練習曲#
※ヴァイオリンとピアノ版の編曲:*=ビゼー、#=イザイ、その他…サン=サーンス
ファニー・クラマジラン(Vn)
ヴァニヤ・コーエン(P)

録音:2021年1月4-7日
2021年はサン=サーンスの没後100年の記念年にあたります。彼はヴァイオリンのための作品を数多く残していますが、その中には自作の管弦楽曲 やピアノ曲をヴァイオリン用に編曲したものも含まれます。とりわけ有名な「死の舞踏」や「ハバネラ」などは、管弦楽パートをピアノに移しただけの編曲と は異なる、独自の魅力を持ったもの。アルバムにはビゼーやイザイによる編曲も含まれており、これらはサン=サーンス本人編曲のものとは違った味わい が感じられます。トラック8の「デリラの歌」は1918年、音楽愛好家として知られたベルギー王妃エリザベート(1876-1965)のヴァイオリン練習用に編 曲されたもの。この愛らしい小品は一般向けに出版されることがなかったので、今回が世界初録音となります。 フランス出身のファニー・クラマジランは7歳でヴァイオリンを始め、11歳でルイ・シュポーア国際コンクールで優勝を果たすなど才能を発揮。16歳でパリ 国立高等音楽院に入学しジャン=ジャック・カントロフに師事した後、ロンドン王立音楽院に留学、更に研鑽を積みました。幾多のコンクール入賞歴 を誇るとともに、ウィーンPOをはじめとした多くのオーケストラとの共演も果たしています。NAXOSからはサン=サーンスのヴァイ オリンとピアノの作品集2巻とヴァイオリン協奏曲集をリリース、どれも高く評価されています。
8.574315
コンスタンティン・ヴァシリエフ(1970-):ギター作品集 第1集
トム・ジョビンへのオマージュ(2016)
カヴァティーナ(2015)
雪の中のバラ(2019)/宿命(1996)
時間の放浪者(2010)
ジャズ・ストーリー(2016)
歌と踊り(2017)/魔法の灯台(2018)
オブリオ(2013)
シネスタ(2014)(A. スクリャービンの「ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op. 20- 第1楽章 アレグロ」による)
フォルタレザの踊り - 第7番シンデレラ(2010)
2つのロシアの小品
ユーリ・リベルゾン(G)
パトリック・オコンネル(G)

録音:2021年10月3-5日
ロシアのノヴォアルタイスクで生まれ、ノボシビルスク音楽院でギターと作曲を学んだコンスタンティン・ヴァシリエフ。卒業後はドイツに移り、ミュンスターのデトモル ト音楽大学でラインベルト・エバーズの下、更にギターの勉強をつづけました。1999年にはオスナブリュックで開催されたギター・フェスティヴァル 「OpenStrings」の作曲コンクールに入賞、以降ギターを中心としたアンサンブルのために数多くの作品を発表しており、ジャズ、ロシア民謡、現代西洋の伝 統など様々なスタイルを統合した彼の作品は、福田進一を始めとした名奏者たちも愛奏しています。 彼と同郷のギタリスト、ユーリ・リベルゾンもヴァシリエフ作品に心酔しており、系統的な録音を作るべく彼にこのアルバムの企画を持ちかけたということです。こう して出来上がったアルバムには、ヴァシリエフが20年以上の年月をかけて作曲した作品を収録。リベルゾンのために作曲された「カヴァティーナ」「ジャズ・ストー リー」「雪の中のバラ」の3作品も含まれています。2台ギターのための作品まで幅広く収録するというこのシリーズからは、ヴァシリエフの幅広い才能が窺えま す。
8.574316
マイアベーア:序曲と舞台音楽集
マイアベーア/ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814):歌劇「提督、または失われたプロセス」序曲…世界初録音
マイアベーア:バレエ音楽『漁師と乳搾り女、または口づけの騒動』序曲/第1場-第21場
歌劇「ブランデンブルク門」序奏…世界初録音
歌劇「主人と客」より…世界初録音
 序曲/ 第2幕 トルコ行進曲
歌劇「ロミルダとコンスタンツァ」 序曲
チェコ室内Oパルドビツェ
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年8月27-30日
「悪魔のロベール」や「ユグノー教徒」などのオペラが有名なマイアベーアの、若き日の舞台音楽を集めたアルバムが登場。ベルリンの裕福な家庭に生まれたマ イアベーアは早くから音楽の才能を示し、いち早くピアニストとして名声を得ますが、20代前半で挑戦したオペラではすぐに成功を得ることが出来ませんでし た。転機となったのは、師のサリエリの勧めで1816年にイタリアに赴き、ロッシーニの作品に感化されたこと。翌1817年の作品「ロミルダとコンスタンツァ」で早く も成功を収めます。 このアルバムに収録されているのは前述の「ロミルダとコンスタンツァ」序曲を含む、マイアベーア10代の終わりから20代前半の作品で、中でもバレエ音楽『漁 師と乳搾り女、または口づけの騒動』は彼の初の舞台作品とされています。 細かいシナリオは残っていませんが、ロココ時代の牧歌的な物語にマイアベーア はモーツァルトを思わせる軽快な22曲の音楽を付けています。この中には当時のバレエ・ディヴェルティスマンに要求された牧歌から狩りの情景までが一通り 含まれています。歌劇「提督、または失われたプロセス」の序曲は、ベルリンを離れたマイアベーアが師事したゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーとの共作と考えられ ており、珍しい楽器「ストローフィドル(木製のハーモニカ)」が使用されています。他には「主人と客」と同じくドイツ語による歌劇「ブランデンブルク門」(マイア ベーアの生前には演奏されなかった)の序奏も収録。オーベールの序曲集など、この分野での仕事ぶりが際立つダリオ・サルヴィの指揮で。
8.574319
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968): ギターを伴う室内楽作品集
ギター五重奏曲 Op. 143(1950)
エクローグ Op. 206(1965) - フルート、コールアングレとギター編
幻想曲 Op. 145(1950)
フルートとギターのためのソナチネ Op. 205(1965)
レオナルト・ベッカー(G)
ルイス・バンドリー(Vn)
ヴァレリー・ステーンケン(Vn)
エリザベート・ブフナー(Va)
マールトン・ブラウン(Vc)
クロエ・デュフォセ(Fl)
エロワ・フスノ(コールアングレ)
クララ・イザベラ・ジーグレ(P)

録音:2020年2月19-21日
カステルヌオーヴォ=テデスコは、20世紀イタリアで最も大きな影響力を誇った作曲家の一人。アンド レス・セゴビアと出会ってから、彼はギター作品を次々と作曲、その後数年間でギターのための作品を 100曲以上書きあげています。ギター五重奏曲は1951年にセゴビアがギターを担当して初演された 作品。どことなくベートーヴェンの「田園」を思わせるフレーズが印象的な第1楽章、しみじみとした第2 楽章、快活な第3楽章を経て激しい終楽章で終わるという古典的な形式の中、大活躍するギター を弦楽四重奏が支えるという聴きごたえのある作品です。喜び溢れる「フルートとギターのためのソナ チネ」、のどかな「エクローグ」、そしてセゴビアと彼の最初の妻、パキータ・マドリゲラのために作曲された 「幻想曲」はギターとピアノの音色が絶妙に溶け合う音楽です。
8.574320
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op. 85(1919)
フランク・ブリッジ:悲歌的協奏曲「祈り」(1930)
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ウィーンRSO
クリストファー・ウォード(指)

録音:2020年12月16-18日
このアルバムに収録された2曲のチェロ協奏曲には、第一次世界大戦が暗い影を落としています。 エルガーのチェロ協奏曲は1918年春に着想されますが、エルガーの健康状態の悪化もあって作曲が中断。構想を練り直し同年8月に完成しまし た。曲にはエルガーが第一次世界大戦から受けた悲劇的でメランコリックな印象が反映しています。翌1919年10月に、フランク・ブリッジの薫陶を受 けたフェリックス・サモンドのソロ、エルガーの指揮で行われた初演は好評を得ることはできませんでしたが、その後、ビアトリス・ハリスンやジャクリーヌ・デ・ プレらの演奏によって、そのドラマティックな曲調が評価されて人気を獲得し、現代ではチェロ協奏曲というジャンルの代表作の一つと評価されていま す。 かたやブリッジの悲歌的協奏曲「祈り」は第一次世界大戦終結後に犠牲者を悼んで書かれた音楽。切れ目なく演奏される30分ほどの単一楽章の 作品で、ゆったりとしたテンポと瞑想に誘うような静けさを基調とし、途中で戦争を思わせる激しいフレーズが挿入されています。 名手ガブリエル・シュヴァーベは揺るぎないテクニックと振幅の大きな感情表現で、2作を思う存分弾ききっています。
8.574321
ナポレオン・コスト(1805-1883):ギター作品全集 第6集
交響的幻想曲 Op.28b
妖精の狩猟 Op.29
セレナード Op.30
劇的幻想曲「旅立ち」 Op.31
マズルカ Op.33
アンダンテとメヌエット Op.39
アン・トラン(G)

録音:2022年6月5-7日
フェルナンド・ソルの弟子、友人であったナポレオン・コスト。彼はスペインからフランスに赴き革新的な作品を 次々を発表しました。しかし当時ギター音楽の人気が凋落気味であり、また彼自身も腕の故障で60歳を目 前に公開演奏が不可能となってしまったため、次第にその作品は忘れられてしまいました。そんなコスト、 1980年代に全作品のファクシミリ版が出版され、録音が相次いで発表されました。NAXOSからも2000年 までに通算5枚のアルバムが発表されましたが、その後20年以上を経てこの第6集の録音が完成。オーケス トラを思わせる「交響的幻想曲」、彼の全作品の中でも人気の高い劇的幻想曲「旅立ち」など魅力的な作 品を聴くことができます。 演奏はベトナム出身のギタリスト、アン・トラン。10以上の国際コンクールで優勝を飾り、現在はイリノイ大学 シカゴ校と北イリノイ大学で教鞭をとっています。使用楽器はステファン・コナー。
8.574322
ロバート・ドッカー(1918-1992):管弦楽作品集
伝説…世界初録音
舞踏会の情景
オーボエと弦楽のための3つのコントラスト
タバリナージュ/バレエの情景
エアーとジグ - エアー/カンブリアの魂
妖精のリール・ダンス
ブルー・リボン…世界初録音
パスティーシュ変奏曲…世界初録音
ウィリアム・デイヴィス(P)
デイヴィッド・プレスリー(Ob)
RTEコンサート・オーケストラ
バリー・ナイト(指)

録音:1995年3月27-28日
※MARCO POLO*8.223837のレーベル移行盤
1945年生まれ、ロバート・ドッカーは英国のライト・ミュージックの作曲家、ピアニスト。アレンジャーとしてもさまざまな作品をオーケストラのために編曲していま す。 パディントンの労働者家庭に生まれた彼は、ロンドン議会の奨学金の助けを借り、王立音楽院でヴィオラ、ピアノ、作曲を学びました。第二次世界大戦にラ イフル隊の軍曹として従軍、その後は結婚しサフォークに住み、作曲活動に励みながら、晩年の20年間には多くのコンサートやテレビ番組に出演しました。最 高傑作とされるピアノとオーケストラのための「伝説」と各々の変奏曲が異なる作風によって書かれた「バスティーシュ変奏曲」は、彼の存命時にアディンセルの 「ワルソーコンチェルト」と並ぶ人気を博しました。また機知に富んだ旋律が楽しい「タバリナージュ」もドッカーの優れたオーケストレーションの妙が味わえます。 「オーボエと弦楽のための3つのコントラスト」はBBCコンサート・オーケストラの首席奏者リンデン・ハリスのために5年ほどの間に書いたコンチェルト・スタイルの3 つの曲を集めたもの。「カンブリアの魂」はウェールズの伝統的な4つの旋律をアレンジしたもの。ここでもドッカーのアレンジャーとしての才能が強く発揮されてい ます。
8.574323
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第9集〜ロバート・ファーノン(1917-2005): 管弦楽作品集
ポートレート・オブ・ア・フラート
なんと美しいこの夜/メロディ・フェア
泉のほとり/ピーナツ・ポルカ
オーケストラのための3つの印象:No. 2. 穏やかに
西部への道/ジャンピング・ビーン
燃やされる絵/ 小さなミス・モリー
コルディッツ・マーチ/スター誕生
ウェストミンスター・ワルツ
オーケストラのための3つの印象:No. 3.
マッハッタンのプレイボーイ
森の湖/ダービー・デイ/国家行事
スロヴァキアRSO
エイドリアン・リーパー(指)

録音:1991年3月14-17日
※MARCOPOLO 8.223517のレーベル移行盤
ロバート・ファーノンはカナダ生まれの指揮者、作曲家。19歳の時にカナダ放送協会に入局、パーシー・フェイス・オー ケストラの第一トランペットを務めました。その後は作曲とアレンジにも力を入れ、ポール・ホワイトマンやアンドレ・コス テラネッツのために曲を作るようになります。第二次世界大戦中には連合国軍(SHAEF)カナダ軍楽隊の指揮者と なり英国などで演奏、その後、彼はイングランドを第二の故郷とし、多彩なジャンルにわたる数多くの作品を生み出 すとともに、数多くのミュージシャンと共演、世間に強いインパクトを与え続け、4つの「アイヴァー・ノヴェロ賞」を獲得、 また1996年にはJ・J・ジョンソンと共演した「ラメント」でグラミー賞「ベスト・インストゥルメンタル・アレンジメント」部門 を受賞しています。 このアルバムには「ジャンピング・ビーン」や「コルディッツ・マーチ」など、彼の大ヒット作を収録。親しみやすく美しい旋 律を、エイドリアン・リーパーが指揮するスロヴァキアRSOによる演奏でお楽しみください。
8.574324
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第12集
アンソニー・ヘッジス(1931-2019):キングストンのスケッチ
4つのブレトンのスケッチ Op. 79
カンティレーナ Op. 87a
ハイガム・サウンド Op. 72
4つの小舞曲 Op. 28
ハンバーからの情景 Op. 90
キングストン・スケッチ Op. 36
RTEシンフォニエッタ
アンソニー・ヘッジス(指)

録音:1995年11月1-2日
※MARCO POLO 8.223886のレーベル移行盤
児童文学者シドニー・ヘッジスを父として、英国のオックスフォードシャーで生まれたアンソニー・ヘッジス。6歳で初の作品を作曲、ピアニストとしても才能を発 揮し、オックスフォード大学のキーブル・カレッジで音楽を学びました。グラスゴーのスコットランド王立音楽院で講師を務め、ハル大学では名誉教授に任命さ れるなど、教育者としても高く評価されています。 作曲家としては、交響曲から協奏曲、児童合唱のための作品から歌劇まで多岐にわたるジャンルの作品を遺し、これらは英国内外で300回以上も演奏、 放送されるなど人気を博した他、教育音楽の出版も積極的に行いました。 このアルバムには、彼の本領とも言えるオーケストラのための軽音楽を、自らがRTEシンフォニエッタを指揮した演奏で収録。代表作の一つでテレビ番組の オープニング・テーマとして書かれた「キングストン・スケッチ」やBBCの音楽番組のBGMとして使用された「ハンバーからの情景」、各々の楽章に彼の子供たち の名前が付された「4つの小舞曲」、家族で休暇を過ごしたブルターニュの風景が織り込まれた「4つのブレトンのスケッチ」など、どれも快活さに溢れた親しみ やすい作品です。
8.574335
ダニエル=フランソワ・オーベール: 序曲集 第5集
オーベール:歌劇「ザネッタ」 S. 33(1840)〜 序曲/第2幕 間奏曲/第3幕 間奏曲
フィリップ・ミュザール(1792-1859):D.F.E. オーベールの歌劇「ザネッタ」によるカドリーユ第2番
オーベール:歌劇「ツェルリーネ」 S. 42(1851)…世界初録音
序曲/第2幕 間奏曲/第3幕 序奏/第3幕 エール・ド・バレ/第1番 La Styrienne スティリエンヌ/ 第2番Pas chinois パ・シノワズ/ 第3番Les Muses et les Graces ミューズとグレース/ 第4番Quadrilles des fous 愚か者のカドリーユ/ 第5番La Sentimentale et l’Enjouee 感傷と遊び心/ 第6番Le Bal d’enfants 子供用のバレエ/ 第7番Le Carnaval de Palerme パレルモの謝肉祭
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2020年11月30日-12月5日
人気シリーズ、ダニエル=フランソワ・オーベールの序曲集。今回の第5集には世界初録音となる歌劇「ツェルリーネ」からのバレを中心とした作品と、「ザネッ タ」の序曲と2つの間奏曲、そしてオーベールと同世代の作曲家ミュザールによる「ザネッタ」の旋律を用いたカドリーユが収録されています。1842年にケルビー ニの後任として音楽・演劇学校(現・パリ国立高等音楽院)の院長に就任してからのオーベールのキャリアは成功に満ちており、彼の歌劇はパリの優雅さを 持つものとして広く賞賛されました。この「ザネッタ」と「ツェルリーネ」は魅力的な女性が主人公であり、優雅さと抒情性たっぷりの音楽で彩られています。歌劇 の人気をそのまま反映したミュザールのカドリーユも聴きどころ。今作もダリオ・サルヴィのツボを心得た指揮でお楽しみください。
8.574336
フェルステル:交響曲第1番/祝典序曲 他
祝典序曲 Op. 70(1907)
交響曲第1番ニ短調 Op. 9(
『シェイクスピアより』 Op. 76(1908-10)
ヤナーチェクPO
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年1月6-7日
プラハで音楽家の父のもとに生まれたヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル。プラハ音楽院で学び、ドヴォルザークに続く世代の作 曲家として活躍しました。歌劇から室内楽曲、管弦楽曲まで200曲を超える作品は、ドヴォルザークの伝統を継承したロ マン派風の重厚な響きと哀愁を感じさせる旋律を持っています。このアルバムにはフェルステルのオーケストラ作品から彼の 作風を概観できる3作を収録。スメタナの作品を想起させる「祝典序曲」はチェコの民俗的な色彩にウィーン風のエレガンス を融合させています。20代の終わりに書かれた「交響曲第1番」は闇から光への物語を感じさせ、曲の最後に奏される高ら かなコラールが印象的です。若い頃に演劇に傾倒したフェルステルはシェイクスピアを愛読しました。その情熱が注がれた 『シェイクスピアより』は、『冬物語』『十二夜』『マクベス』『じゃじゃ馬ならし』に登場する4人の女性を描いた連作交響詩風 の作品です。
8.574337
南アメリカのギター音楽集
フェルナンド・ブスタマンテ(1915-1979):ミッショネーラ(J. モレルによるギター編)
カチョ・ティラオ(1941-2007):ドン・タコのミロンガ
エドゥ・ローボ(1943-):ベアトリス(M. ペレイラによるギター編)
イサイアス・アルバラード(生没年不詳):エル・トラガトチャス(A. ディアスによるギター編)
アントニオ・カリージョ(1892-1962):星の雫(G.A. デヴァイン、A. ディアスによるギター編)
バリオス(1885-1944):マシーシ(G.A. デヴァインによるギター編)
バリオス:大聖堂(G.A. デヴァインによるギター編)

イサイアス・サビオ(1900-1977):バトゥカーダ
 オルゴール
  ディレルマンド・レイス(1916-1977):ショーロ 「子供の時間」(G.A. デヴァインによるギター編…世界初録音)
カルロス・グアスタビーノ(1912-2000):ギター・ソナタ第2番
ピアソラ:最後のグレラ(P. フェレルによるギター編)
パドロ・エスコバル(1900-1970):パラグアイ舞曲 「チョピ」
ペドロ・ラウレンス(1902-1972):わが愛のミロンガ(V. ビジャダンゴスによるギター編)
アン・ブスカリア(1893-1958):ミロンガ「アルペッジョとクリオーリョ前奏曲」(J. クローマンによるギター編)
グレアム・アンソニー・デヴァイン(G)

録音:2019年10月27-29日
世界的なギターの名手、グレアム・アンソニー・デヴァインが弾く南米のギター音楽集。ピアソラやバリオ スなどの良く知られた作曲家から、ほとんど知られていない作曲家まで幅広い作品が収録されていま す。ベネズエラ風のワルツやミロンガ、ショーロなど独自の文化に育まれたこれらの曲は、抒情的で少し メランコリックな気分を持つものや、快活なリズムに彩られたものなど、さまざまな雰囲気を有していま す。タイトルの「BATUCADA バトゥカーダ」とはブラジル音楽のサンバのスタイルのこと。本来は打楽 器のみで演奏されますが、タイトルとなったサビオの「バトゥカーダ」(トラック10)は賑やかなリズムが取り 入れられた華やかな作品です。
8.574339
アントニオ・ルイス=ピポ(1934-1997):ギターを伴う作品集 第3集
4の為の4(1973)*
アントニオ・デ・カベソンへのオマージュ(1964)
セビーリャ(1987)(ギター四重奏版)*
前奏曲(1991)*
ジョンヘ(1994)
ナルシソ・イエペスへの前奏曲第2番(1975頃)*
ナルシソ・イエペスへの前奏曲第4番(1975頃)*
パラ・ドス(1997)*
ヴィラ=ロボスへのオマージュ(1979)
アメリカ(1989)(G.レッビンクによるギター四重奏編)*
モナステリウム・ギター四重奏団【フーゴ・ヘルマン・ガイド、ギュンター・レッピンク、ベルント・コルテンカンプ、ヴォルフガング・ヴァイゲル】

録音:2019年10月20日、2020年5月27日、2019年12月1日、2020年1月19日、2020年4月30日、2020年7月9日、2020年12月1日、2019年12月1日
*=世界初録音
スペイン出身のアントニオ・ルイス=ピポ(ピポーとも)。グラナダで生まれ、7歳の時にバルセロナに移り、この地の修道院付属音楽学校で音楽教育を受けた 彼は、1948年にマヌエル・デ・ファリャのサークルのメンバーになります。その後、アリシア・デ・ラローチャからピアノを学び、1949年にピアニストとしてデビュー。 1951年にはパリに留学し、エコール・ノルマルでイヴ・ナットとアルフレッド・コルトーに師事、更なる研鑽を積みました。ピアノだけでなく、ギターにも堪能であっ た彼は、この楽器を用いたアンダルシアとパリの影響を感じさせるユニークな作品も数多く残しています。 NAXOSでのシリーズ第3集となるこのアルバムでは、ルイス=ピポの南米音楽への関心が感じられる作品を聞くことができます。なかでも「ヴィラ=ロボスへの オマージュ」や組曲「アメリカ」ではその傾向が顕著であり、ボサ・ノバやサンバ、ブギ=ウギといった固有のリズムを用いた作品は絶品です。他には、古風な旋 律を現代的な和声に乗せた「アントニオ・デ・カベソンへのオマージュ」、ギター四重奏による「セビリア」など独創的な作品が並びます。
8.574340
バルトーク:ピアノ作品集 第8集
3つの練習曲 Op. 18/BB 81(1918)
狂詩曲 Op. 1 BB 36a(1904)
子供のために 第2巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜第25番Allegro/第29番 Allegro
子供のために 第1巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜第17番Adagio
子供のために 第2巻(ハンガリー民謡による) BB 53(原典版)(1908-10)〜 第26番Andante/第34番 Andante
子供のために 第1巻(ハンガリー民謡による) BB 53(バルトークの1945年1月ニュージャージー・コッシュート・ラジオ・コンサート・レコーディングからの編)〜第21番 Allegro robusto/ 第26番Moderato
子供のために 第4巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)より〜第23番Molto rubato, non troppo lento/ 第27番Mockery(Allegro)
子供のために 第3巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)〜第5番Variations(Molto andante)/第11番 Lento
子供のために 第4巻(スロヴァキア民謡による) BB 53(原典版)〜第36番Largo/ 第37番Molto tranquillo/ 変奏曲 BB 22(1900-01)
フュロップ・ラーンキ(P)

録音:2020年1月6-7日:2020年11月4-5日
20年以上にわたりNAXOSレーベルで進行しているバルトークのピアノ作品全集。これまでの7集は全て名手イェネ・ヤンドーが演奏していましたが、今回の 第8集ではデジェー・ラーンキを父に持つフュロップ・ラーンキが演奏。父譲りの技巧と音楽性で新たなバルトーク像を見せてくれます。ここに収録されたのは、 バルトークの最初期の作品「狂詩曲」と同じく初期の作品「変奏曲」。ピアニストの手の柔軟性を引き出す「3つの練習曲」、そして名作「子供のために」から の抜粋です。 エンマ・グルーベル(後のコダーイの妻)のサロンで大いなる刺激を受けた若きバルトークが書いた「狂詩曲」は幻想的な部分と急速なフィナーレで構成されて おり、作品はサロンの主催者エンマに捧げられています。まだ民謡的な要素は薄く、リスト作品に近い雰囲気を持っています。彼の友人ファリシー・ファビアン の旋律に基づく「変奏曲」もロマンティックな作品。おなじみの「子供のために」は様々な国の民謡で彩られています。
8.574341
ジャン=マリー・ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第3巻 第1集
Op. 5- 1-4(1734出版)

ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op. 5- 1
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op. 5- 2
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op. 5- 3
ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Op. 5- 4
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
サラ・マクマホン(バロック・チェロ)
サイラス・ウォルストン(Cemb)

録音:2020年12月9-10日
生誕325周年、フランス18世紀前半を代表するヴァイオリン音楽の大家ルクレールの代表作であるヴァイオリン・ソナタ集 第3巻全12曲の録音がスタート。 その第1集となる当アルバムには第1番から第4番が収録されています。ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオ リン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲形式に融合させることでその作風を発展させていきました。初期はロココ調の端正な 作品が目立ちますが、この第3巻では変奏曲形式なども用いられた美しく歌う旋律に満たされたものも多く、その音楽語法はかなり多彩な変化を遂げてい ます。味わい深い4つのソナタを名手バターフィールドが巧みな技術で、自由な装飾を施しながら弾きこなしています。
8.574342(2CD)
アダン:バレエ音楽『ゲントの美しき娘』(1842) クイーンズランドSO
アンドリュー・モグレリア(指)

録音:1996年2月26日、3月1日
Ferry Road Studio、 ブリスベン(オーストラリア)
※MARCO POLO 8.223772-73のレーベル移行盤
1841年、フランスで初演された『ジゼル』で大成功を収めたアダン。その翌年に彼が手掛けた『ゲントの美しき娘』は 前作のような妖精や非現実の世界を題材にするのではなく、ゲントに住む娘ベアトリスとその許婚ベネディクトを巡る きわめて現実的な物語でした。『美しきペルトの娘』のサン=ジョルジュの台本によるこのバレエ、結婚が決まっている にもかかわらず侯爵になびいてしまうベアトリス、彼女を連れ戻そうとする父、そして他の踊り子に目が行き、ベアトリ スを借金のかたにする侯爵、そんな登場人物たちが凄惨な事件を巻き起こし…というあらすじ。結末はどうにかハッ ピーエンドになるものの、見ていた人々は気をもんだことでしょう。アダンの音楽は、輝くような旋律美に溢れていま す。
8.574344
ソレール:鍵盤のためのソナタ第93番 - 第95
ソナタ第93番ヘ長調 Op. 4, No. 3(1779)
ソナタ第94番ト長調 Op. 4, No. 4(1779)
ソナタ第95番イ長調 Op. 4, No. 5(1779)
エフゲニー・コノフ(P)

録音:2019年12月9-13日
鍵盤のための数多くのソナタで知られるアントニオ・ソレール。教会音楽家としての訓練を受け、王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院のオル ガニストを務めたことで、フィリップ2世の宮廷で働いていたドメニコ・スカルラッティなどの音楽家と親交を結びました。このOp.4のソナタは、スカルラッティ の影響が感じられる生き生きとしたもので、ソレール作品の特徴ともいえるきらびやかな装飾とヴィルトゥオーゾ的なテクニックがその効果を高めていま す。 演奏は1992年ウズベキスタンのチルチクに生まれたエフゲニー・コノフが担当。1999年から2007年までグネーシン国立音楽大学、その後モスクワの チャイコフスキー音楽院で学び、ヨーロッパに留学。2019年からはウィーン音楽舞台芸術大学で学んでいます。コンクール受賞歴も多く、2018年の 第64回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクール、2019年に第31回エットーレ・ポッツォーリ国際ピアノコンクール、2020年には第14回 UNISA(南アフリカ大学=University of South Africa)国際ピアノ・コンクールでそれぞれ第1位を受賞した注目の若手奏者です。
8.574345
ブラームス:歌曲全集 第2集
49のドイツ民謡集 第1集-第5集(1893-94)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)
キーラン・カレル(T)
コンスタンティン・インゲンパス(Br)
ウルリヒ・アイゼンロール(P)

録音:2021年4月26-28日、6月21-23日
シューベルト、シューマンの伝統に連なる、19世紀のドイツにおけるリート(歌曲)発展の立役者の一人がブ ラームスです。彼は生涯を通じて約300作にも及ぶ歌曲を作るとともに、ドイツ民謡を元にした歌曲も多く遺 しています。このアルバムに収録されたのは、後者の代表作の一つ「49のドイツ民謡集」第1集-第5集の35 曲です。ドイツの言語学者アントン・ヴィルヘルム・ズッカルマリオとアンドレアス・クレッチュマーが編纂した「ドイ ツ民謡集」に収められた旋律を元に、ブラームスが見事なピアノ伴奏を付け、愛や嘆き、ユーモア、悲しみな どのテーマ毎に分けられたこの曲集は、どれも素朴な旋律を持ちながら、時には親密に、時には緊迫した情 景が描かれた曲ばかり。ブラームスが愛したドイツ民謡が持つ豊かな世界がお楽しみいただけます。アルバム では4人の歌手たちが分担して、それぞれが曲に寄り添った歌唱を聴かせます。ピアノ伴奏のウルリヒ・アイゼ ンロールは素晴らしい演奏で歌手たちをサポートするとともに、ブックレット(英語)に詳細な解説を書いていま す。
8.574346
ブラームス:歌曲全集 第3集
49のドイツ民謡集 第6集 WoO 33(1893-94)
49のドイツ民謡集 第7集 WoO 33(1893-94)
子供のための15の民謡 WoO 31(1857)
アリーナ・ヴンダーリン(S)
エスター・ヴァレンティン=フィーグト(Ms)
キーラン・カレル(T)
コンスタンティン・インゲンパス(Br)
ウルリヒ・アイゼンロール(フォルテピアノ…ヨハン・バブティスト・シュトライヒャー製)

録音:2021年4月26-28日、2021年6月21-23日、2021年7月26-27日
ブラームスの歌曲全集第3集は、前作に続きブラームスを魅了した民謡による創作を集めています。 ブラームスはドイツ・リートの作曲にも熱意を注ぎ、生涯を通じて約300作にも及ぶ歌曲を作るとともに、ドイツ民謡を元にした歌曲も多く遺しました。ブラー ムスにとって民謡は学問的研究の対象ではなく、音楽創作上のインスピレーションの源でした。『49のドイツ民謡集』はドイツの言語学者アントン・ヴィルヘル ム・ズッカルマリオとアンドレアス・クレッチュマーが編纂した「ドイツ民謡集」に収められた旋律を元に、ブラームスがピアノ伴奏を付けたもの。第1集から第5集 は当シリーズの「歌曲全集第2集」(8.574345)に収録され、当CDには残る第6集と第7集が収められています。第6集までは独唱および二重唱の曲で すが、第7集は四重唱曲で、民謡の旋律を元にした声楽アンサンブルの可能性を示しています。第49曲「ひっそりと月が昇る」の旋律はピアノ・ソナタ第1番 (1853)の第2楽章「主題と変奏」の主題で、彼が若い頃からこの旋律に魅了されていたことが窺えます。愛らしい第4曲「眠りの精」が有名な『子供のため の15の民謡』は一層素朴な味わいを持つ曲集。ブラームスの巧妙なピアノ伴奏が旋律に彩りを添えています。 ウルリヒ・アイゼンロールはシュトライヒャー製 のフォルテピアノによる素晴らしい演奏で歌手たちをサポートするとともに、ブックレット(英語・ドイツ語)に詳細な解説を書いています。
8.574347
アルベニス:ピアノ・デュオ作品全集
スペイン組曲第1番Op. 47(4手ピアノ版)
パヴァーヌ=カプリース Op. 12)(4手ピアノ版)
民謡組曲 「カタルーニャ」(R. カステラによる4手ピアノ編…世界初録音)
スペイン狂詩曲 Op. 70(2台ピアノ版)
イベリア 第2巻 - 第3曲 トリアーナ(E. グラナドスによる2台ピアノ編 DLR VIII:3)
イベリア 第3巻 - 第3曲 ラバピエス(A. デ・ラローチャによる2台ピアノ編…世界初録音)
ナバーラ)(F. マーシャルによる2台ピアノ編)
デュオ・ヴァン・デュア(P・デュオ)【パメラ・ペレス(P)、ペドロ・メルカド(P)】

録音:2020年10月19-21日
「イベリア」や「スペイン組曲」など、官能的なハーモニー、豊かなメロディーライン、特徴的なリズムで知られ るピアノ曲を残したスペインの作曲家アルベニス。このアルバムではあまり演奏されることのない、アルベニス の連弾と2台ピアノの為の作品を聴くことができます。作品の中にはアルベニス自身の編曲による作品だ けではなく、グラナドスやカステラのアレンジ(世界初録音)や、20世紀を代表するピアニストの一人、アリシ ア・デ・ラローチャの手によるアレンジ(こちらも世界初録音)も含まれており、アルベニス作品の人気の高さ がうかがえます。未完でありながら、超絶技巧を駆使していることで知られる「ナバーラ」の2台ピアノ版も聴 きごたえたっぷり。もともと音の多い総譜にさらにゴージャスな味付けが施されています。スペイン出身の2人 のピアニストによるデュオ・ヴァン・デュアは2010年に結成されたさまざまな時代の連弾、2台ピアノ作品を レパートリーにするピアノ・デュオ。
8.574350
2つの古典的政治映画の音楽
レブエルタス(1899-1940): レデス(1935)
コープランド: ザ・シティ(1939)
ポスト・クラシカル・アンサンブル
アンヘル・ヒル=オルドニェス(指)


録音:2014年5月11日、 2007年10月15日
音源:NAXOS既発DVDより
メキシコを代表する作曲家レブエルタスと、近代アメリカの作曲家コープランドはともに映画のための音 楽を数多く書いています。このアルバムには政治的内容を持つ映画のための2人の音楽を収録。『レデ ス』はスペイン語で"網"を意味し、メキシコで不当に搾取された漁師たちが団結する物語。レブエルタス は活気に満ちた音楽で作品を彩っています。『ザ・シティ』は1939年に開催されたニューヨーク万国博 覧会のために制作されたドキュメンタリー映画。コープランドは、当時のアメリカの市民たちが生きる社会 をミニマル風の音楽で描き出しています。
8.574351
ジャン=マリー・ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第3巻 第2集
ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op. 5, No. 5
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 「トンボー」 Op. 5, No. 6
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op. 5 No. 7 
ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op. 5, No. 8
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
サラ・マクマホン(バロック・チェロ)
サイラス・ウォルストン(Cemb)

録音:2020年12月11日、2021年3月11日
ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオリン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲 形式に融合させることでその作風を発展させていきました。このアルバムに収録された4曲は、繊細な金細工を思わせる旋律への華麗な装飾や、重音奏法 などさまざまな技巧が用いられながら、旋律はあくまでも美しく、時には、追悼作品として書かれた第6番「トンボー」のように、切なさを感じさせるほどに情感に 満ちています。 またニ長調のソナタは、後に書かれるヴァイオリン協奏曲集Op.7の予行演習ともいえる作品で、第1楽章の冒頭部分はオーケストラのトゥッティ(総奏)を思 わせるとともに、全体的にヴァイオリンの独奏が引き立つように書かれており、ルクレールの飽くなき創作意欲が感じられます。 このアルバムでも、前作と同じくバターフィールドを中心に、マクマホン、ウォルストンの3人が、巧みな技術を用いて見事なアンサンブルを披露しています。
8.574352
スラットキン・コンダクツ・スラットキン
レナード・スラットキン(1944-):エンドゲームズ(2014)
組曲『カラス』(1971)
キナー(2015)
ダニエル・スラットキン(1994-):イン・フィールズ (2018)
ブラームス:ハンガリー舞曲集- 第17番嬰ヘ短調(Vnと管弦楽編)*
ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2- 第3楽章 ロンド(短縮版、E.W. コルンゴルトによるカデンツァ)
伝承曲:フィッシャーズ・ホーンパイプ- フェリックス・スラットキン(1915-1963)/シンディ・マクティー(1953-)による管弦楽編
ウィストゥフル・ヘヴン(ドヴォルザークの「交響曲第9番「新世界より」- 第2楽章「ラルゴ」による(1962/2015)
フェリックス・スラットキン(アメリゴ・マリーノ):カルメンのホーダウン(G. ビゼーによる)(1962)
アレク・ボールドウィン(ナレーター)
ジェフリー・ズーク(ピッコロ)
シャロン・スパロー(アルト・フルート)
モニカ・フォスナー(イングリッシュホルン)
ローレンス・リバーソン(E♭クラリネット)
シャノン・オーム(バス・クラリネット)
マーカス・スクーン(コントラファゴット)
キンバリー・カロヤニデス・ケネディ(Vn)
フレドリック・ズロトキン(Vc)
フェリックス・スラットキン(Vn)
エレノア・アラー(Vc)
デトロイトSO
マンハッタン音楽学校SO
レナード・スラットキン(指)…
アメリカ陸軍航空軍訓練軍団O
ワーナーブラザーズ・スタジオ・オーケストラ
エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(指)

録音:2014年11月20-22日、2015年12月5-6日、2019年10月18、20日、1944年7月22日*
アメリカを代表する指揮者レナード・スラットキンは、著述家・作曲家としても多作で高い評価を得ています。このアルバムにはスラットキンの自作自演に加え、 息子の作品と両親の歴史的音源も加わり、スラットキン・ファミリーの音楽による肖像となっています。1971年の『カラス』はナレーションが加わる25分あまりの 大作。2014年のエンドゲームズはソリストのヴィルトゥオジティをフィーチャーした華麗な作品。2015年作のキナーは両親の思い出に捧げたエレジー。スラット キンの父フェリックスと母エレノアは1963年にブラームスの二重協奏曲をソリストとして初共演する予定でしたが、コンサート前夜にフェリックスが心臓発作で急 逝し、共演は果たせぬままに終わりました。曲は二重協奏曲第2楽章の音形を主題にし、曲の終わり近くで舞台外に置かれたチェロの孤独なモノローグが印 象に残りますが、この録音ではスラットキンの弟フレドリックが母の形見のチェロを弾いています。トラック8の「イン・フィールズ」は1994年生まれの息子ダニエル の作品。またトラック9と10はそれぞれ彼の父フェリックス・スラットキンと母エレノア・アラーがソリストを務めた録音。エレノアが弾くハイドンで指揮者を務めている のは当時アメリカで活躍していたコルンゴルトであることにも注目。アルバムの最後にはフェリックスの手によるカルメン作品のオマージュが添えられています。 代々続く音楽一家ならではの見事な系譜を知る1枚。
8.574353
ゲオリオス・アクシオティス(1875-1924):管弦楽作品集
日没
前奏曲とフーガ*
愛の三部作、交響的印象
舞踏会の思い出
抒情的間奏曲
ゲームのように
※全てバイロン・フィデツィス(1945-)による復元版
ソフィア・ニュー・フェスティバル・オペラ=シンフォニーO
バイロン・フィデツィス(指)

録音:2003年5月1-2日
※*以外=世界初録音
1875年、ウクライナで貿易商を営む父の下に生まれ、1887年に父の帰国に伴い、家族とともにアテネに定住しま す。1892年頃、ロースクールに入学すると同時に音楽の勉強をはじめ、1895年頃にナポリへ留学。ナポリ・サン・ピ エトロ・ア・マジェラ音楽院で3年間学び、イタリアのヴェリズモ主義に通じる感情表現方法を吸収し、優秀な成績を 収め卒業、以降、友人で学友のゲオルク・ランベレットとともにギリシャに帰国します。当時ドイツ志向だったギリシア の音楽教育に反発して、音楽教育改革を目指した書物「Kritiki」を出版するなど教育改革運動を起こしますが、 強い反対に遭って音楽活動から引くこととなりました。そうした経緯もあってか、彼の作品は出版も演奏も進みませ んでした。 このアルバムでは指揮者バイロン・フィデツィスによって校訂・復元された6つの作品を聴くことができます。楽器のバラ ンスと音色に対する並外れた感性を持ってたアクシオティスの作品は、後期ロマン派に通じる抒情性と、巧みな自然 描写により、まるで映画音楽を思わせる壮大な仕上がりが特徴です。
8.574354(2CD)
ペトロス・ペトリディス(1892-1977):皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスの為のレクイエム
皇帝コンスタンティノス・パレオロゴスの為のレクイエム(1953-64)
交響曲第3番ニ短調「パリジャン」(1941-43/1944-46改訂)
合奏協奏曲 Op. 11-管楽合奏とティンパニのために(1929)

※全てバイロン・フィデツィス(1945-)による復元版
ソフィア・キャニドゥー(S)
テオドーラ・バーカ(Ms)
アンゲロ・シモス(T)
クリストフォロス・スタンポーリス(Bs)
ゴールデン・ヴォイシズ・オブ・ルセ
ソフィア・メトロポリタン・ゴールデン・ヴォイシズ
ニコラオス・マンツァロス・ウィンド・アンサンブル
ソフィア・アマデウスO
バイロン・フィデツィス(指)

録音:2006年1月9-11日、7月23-24日、2006年1月9-11日、1989年3月19日、4月1日
世界初録音
17世紀のヴェネツィアで活躍した作曲家ジョヴァンニ・レグレンツィ。当時高い人気を誇るとともに、北イタリ アの後期バロック様式を確立するうえで決定的な役割を果たしました。彼は歌劇や宗教曲を多数書き 上げており、オルガンをベースに2声、3声、4声で歌われる「Harmonia d’affetti devote=献身の諸 相についての曲集」も典礼用として意図されていましたが、歌われたテキストは宗教音楽の伝統から逸脱 しており、旋律が映えることを重視した歌詞が選ばれています。世界初録音となるこのアルバムでは、レグ レンツィの洗練された音楽を存分に楽しむことができます。 演奏しているノヴァ・アルス・カンタンディは1998年にアッチャイによって創設されたヴォーカル・アンサンブル。 イタリア・バロックの知られざる宗教作品をレパートリーの中心におき、イタリア各地でコンサート活動を行っ ています。
8.574360
サン=ジョルジュ(1745-1799):6つの協奏的四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番変ロ長調
弦楽四重奏曲第2番ト短調
弦楽四重奏曲第3番ハ長調
弦楽四重奏曲第4番ヘ長調
弦楽四重奏曲第5番ト長調
弦楽四重奏曲第6番変ロ長調
アラベラSQ【ジュリー・エスカー(Vn)、ザリタ・クヴォーク(Vn)、エットーレ・カウザ(Va)、アレクサントル・ルカルメ(Vc)】

録音:2021年6月14-15日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌色を 持った彼は、偏見にも負けず、優れた剣士、運動選手、ヴァイオリンの名手、そして作曲家として18世紀後半のフ ランスで大活躍しました。このアルバムに収録された一連の弦楽四重奏曲は、各奏者に腕前を競わせるのではな く、アンサンブルとしての音色の妙を追求し、豊かな抒情性も備えた聴きごたえのあるもので、当時のフランスで未だ 黎明期にあったこのジャンルに一石を投じました。演奏するアラベラSQはイェール大学で出会った音楽 家たちのアンサンブルです。
8.574361
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第5集
ピアノ三重奏曲(ディヴェルティメント) ハ長調 Hob.XV:C1
ピアノ三重奏曲(パルティータ) ヘ短調 Hob.XV:f1
ピアノ三重奏曲(ソナタ) ト長調 Hob.XIV:6
ピアノ三重奏曲(パルティータ/ディヴェルティメント)第1番 ト短調 Hob.XV:1
ピアノ三重奏曲(ディヴェルティメント)第2番 ヘ長調 Hob.XV:2
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルート・ロジャーズ(Vn)、キャサリン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2021年2月15、17日
現在では第25番など一部の作品だけが知られるハイドンのピアノ三重奏曲ですが、実際にはその生涯に40曲以 上が作曲されており、そのどれもがチェンバロからフォルテピアノへと進化する当時の鍵盤楽器の特性を生かした仕上 がりを誇ります。2008年から継続するNAXOSの「ピアノ三重奏曲」シリーズの第5集は、演奏をアクィナス・ピアノ三 重奏団が担当。もともとはピアノ・ソナタとして考案されたト長調の曲や、バリトン三重奏曲からの編曲であるヘ長調 作品も含む初期のあまり耳にすることがないものの、当時の音楽界に強い影響を与えた5曲の三重奏曲を聴かせ ます。
【アクィナス・ピアノ三重奏団】 2015年12月にウィグモア・ホールでデビュー。ロンドンを中心に演奏活動を行うとともに、サン=サーンスやメンデル スゾーンの三重奏曲の録音で高く評価される英国のアンサンブルです。
8.574362
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 第6集
ピアノ三重奏曲第15番ト長調 Hob.XV:15
ピアノ三重奏曲第38番(ディヴェルティメント) 変ロ長調Hob.XV:38
ピアノ三重奏曲第32番ト長調 Hob.XV:32
ピアノ三重奏曲第40番(ディヴェルティメント) ヘ長調 Hob.XV:40
ピアノ三重奏曲第39番ヘ長調 Hob.XV:39
ピアノ三重奏曲 ニ長調 Hob.deest
アクィナス・ピアノ三重奏団【ルート・ロジャーズ(Vn)、キャサリン・ジェンキンソン(Vc)、マーティン・カズン(P)】

録音:2021年2月18-19日
2008年から継続するNAXOSのハイドン「ピアノ三重奏曲」シリーズの第6集は、第5集に続き、演奏をアクィナス・ ピアノ三重奏団が担当。 ハイドンのピアノ三重奏曲の多くは、用いられる楽器がチェンバロからフォルテピアノへと移行するとともに、ソナタ形式 がある程度定まった時期に書かれました。これらは弦楽四重奏曲とほぼ平行して書き続けられており、1755年頃に 書かれたへ長調 Hob.XV:40のような初期の作品はディヴェルティメント、もしくはパルティータと呼ばれるほか、第 15番ト長調 Hob.XV:15のようにヴァイオリンの代わりにフルートでも演奏可能とされている作品などその内容は多 彩です。軽やかで風通しのよいハーモニーを特徴とする6曲をお楽しみください。 【アクィナス・ピアノ三重奏団】2015年12月にウィグモア・ホールでデビュー。ロンドンを中心に演奏活動を行うととも に、サン=サーンスやメンデルスゾーンの三重奏曲の録音で高く評価される英国のアンサンブルです。
8.574363
ヴュータン:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
ベートーヴェンの「ロマンス第1番ト長調」の主題による変奏曲(1837-38)(O. アドラーによるヴァイオリンと管弦楽のための復元版)
幻想曲 ホ長調 「ラ・センティメンターレ」 Op. 9b(1838)
アリアと変奏第3番(1833年以前)(Vnと管弦楽版)
ベッリーニの歌劇「ノルマ」の主題による変奏曲 ト長調 Op. 2(1833-34)
ヴァイオリン協奏曲第8番ロ短調 Op. 59- 第1楽章 アレグロ・マエストーソ(カデンツァ:アルベルト・マルコフ)(C. バウムガルテンによるヴァイオリンと管弦楽編 2020年)
歌劇「メッシーナの花嫁」 - 第3幕 バレエの場面(M.K. マイクシャクによる管弦楽編 2020年)
アレクサンドル・マルコフ(Vn)
ゴータ=アイゼハナ・チューリンゲンPO
マルクス・フーバー(指)

録音:2021年5月18-22日
世界初録音
19世紀におけるヴァイオリン演奏の技術と美学を一変させるほどの影響力を持ち、名演奏家、作曲家としてパガニーニの後継者にふさわしいと賞賛されたア ンリ・ヴュータンの作品集。このアルバムに収録された彼の作品は、未完のヴァイオリン協奏曲第8番を除き、全てヴュータンの死後に発見されたものです。 ここで聴けるいくつかの作品でも顕著なように、彼はとりわけ変奏曲の形式を好んだようで、一つの主題を感情を込めながら発展させつつ、名人芸を発揮す る場として作品を練り上げています。中でも、ベートーヴェンのロマンス第1番の主題による変奏曲や、ベルカントの影響を受けた幻想曲ホ長調「ラ・センティメ ンターレ」は、彼の演奏会用作品の中でも最も素晴らしいものの一つです。彼が完成させたヴァイオリン協奏曲は全7曲ですが、このアルバムに収録された未 完の「第8番」はヴュータンの最後の作品で彼の弟子であるウジェーヌ・イザイに捧げられました。 演奏者アレクサンドル・マルコフはユーディ・メニューインに絶賛されたヴァイオリニスト。16歳でカーネギーホールでソロ・デビューを飾り、以降ロリン・マゼールや シャルル・デュトワら世界的な指揮者と共演。パガニーニの「24のカプリース」などの19世紀ロマン派音楽から、ロックまで幅広いレパートリーを誇ります。
8.574365
C.P.E.バッハ/ハイドン:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲 イ長調 Wq. 172, H. 439(1753)
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb:1(1761-65)
  チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb:2(1783)
アンドレアス・ブランテリド(Vc)
コンチェルト・コペンハーゲン(古楽器使用)
ラース・ウルリク・モルテンセン(指)

録音:2020年10月4-6日
ガリソン教会、コペンハーゲン(デンマーク)
Times of Transition=転換期と題されたこのアルバムに収録された3曲のチェロ協奏曲からは、18世紀後半、それまで全盛だった対位法に重きを置くバ ロック時代の音楽が、少しずつ素朴で明晰な書法を特徴とする「ギャラント様式」に移り変わっていく様子を窺い知ることができます。冒頭に置かれたC.P.E. バッハのチェロ協奏曲は、1753年に作曲された、まさにギャラント様式を代表する作品で、フランス風のロココ趣味にも通じる情緒豊かな旋律をチェロが 滔々と歌う美しい曲。ボッケリーニやハイドンの作品よりも以前に書かれながらも、時代を先取りする斬新さを有しています。続くハイドンの協奏曲は第1番こ そバロックの様式と古典派の様式、双方を併せ持っていますが、第2番は彼の後期の交響曲にも匹敵する充実した作風による音楽です。 チェロを演奏するアンドレアス・ブランデリドは1987年コペンハーゲン生まれの奏者。14歳の時にエルガーのチェロ協奏曲を、デンマーク王立SOと共演 しデビューした逸材です。今回は、重鎮ラース・ウルリク・モルテンセンが指揮するコンチェルト・コペンハーゲンをバックに、1707年の「Boni-Hegar」ストラディ ヴァリウスを用いて端正、かつ歌心ある旋律を奏でています。
8.574366
エドワード・エルガー:オルガン作品全集
オルガン・ソナタ第1番Op. 28
カンティーク Op. 3No. 1(オルガン版)
荘厳行進曲 - 黒騎士 Op. 25第4場より「豪勢な宴会へ」(オルガン版)
晩課のヴォランタリーOp. 14
ラフバラー・メモリアル・チャイム(オルガン版)
オルガン・ソナタ第2番Op. 87a(I. アトキンズによる「セヴァーン組曲 Op. 87」からの編)
帝国行進曲 Op. 32(G.C. マーティンによるオルガン編)
エニグマ変奏曲 Op. 36- 第9変奏 ニムロッド(A.J. イェーガー)(W.H. ハリスによるオルガン編)
行進曲「威風堂々」 Op. 39- 第4番ト長調(G.R. シンクレアによるオルガン編)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2021年7月14-15日
「愛の挨拶」などで知られるイギリスの作曲家エドワード・エルガーは、若い頃にヴァイオリン奏者として活動しましたが、故郷のウスターにあるセント・ジョージ・カ トリック教会のオルガニストを務めていた時期もあり、彼にとってオルガンは音楽的素養の形成に欠かせない楽器のひとつでもありました。このアルバムでは 1895年作曲の「オルガン・ソナタ第1番」を中心に、エルガーのオルガンのためのオリジナル作品すべてと、エルガー自身による編曲、および現代の著名なオル ガニスト4人による編曲を聴くことができます。オルガン・ソナタ第1番はアメリカの教会音楽家たちがウスターを訪れた際、エルガーの親友であったオルガニス ト、ヒュー・ブレアから依頼を受け書き上げたもの。多彩な音色を駆使した交響的な作品で、一部の主題はエルガーがブレアに献呈したカンタータ『黒騎士』 のテーマに似ているといわれています。エルガーの友人であるアイヴァー・アトキンスは「セヴァーン組曲」をオルガン用に編曲することをエルガーに勧めましたが、 彼はアレンジすることなく、アトキンスが着手。各々の楽章にタイトルが付いた「オルガン・ソナタ第2番」として仕上げています。
8.574367
タネーエフ:弦楽三重奏曲/ピアノ四重奏曲
弦楽三重奏曲 変ホ長調 Op. 31(1910-11)
ピアノ四重奏曲 ホ長調 Op. 20(1906)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン【ボリス・ブロフツィン(Vn)、ギャレス・ルベ(Va)、アレクセイ・スタドレル(Vc)、エルダー・ネボルシン(P)
フランク・サムナー・ダッジ(芸術監督)】

録音:2021年4月21-23日
チャイコフスキーに教えを受け、作曲家・ピアニストとして活躍したタネーエフ。教師としても才能を発揮、スクリャービンやラフマニノフの師として名を遺していま す。生前は対位法の理論家としても広く知られたタネーエフらしく、ここに収録された2曲もその持ち味が最大限生かされており、さらに哀愁漂う美しいメロディ も満載の聴きごたえある作品です。 弦楽三重奏曲 Op. 31はもともとヴァイオリン、ヴィオラ、テナー・ヴィオラという珍しい編成で書かれた作品。テナー・ヴィオラとは大きなヴィオラのような形をして いて、通常のヴィオラよりも低い調弦をする楽器です。初演はこの楽器によって行われましたが、楽器自体が廃れてしまったため、現在ではヴァイオリン、ヴィオ ラ、チェロのトリオで演奏されます。古典的な形式による明るい第1楽章、湧き上がるような曲調を持つ第2楽章、讃美歌のような旋律によるゆったりとした第 3楽章、そして快活な終楽章は、第1楽章の素材が時折姿を見せながら曲を盛り上げます。 ピアノ四重奏曲ホ長調 Op. 20は名ピアニストであったタネーエフならではの技巧的なピアノ・パートが聴きどころです。情熱的なモティーフに彩られた第1楽 章、旋律美が魅力の第2楽章、タネーエフの特徴といえる対位法の技術が最大に発揮された終楽章を持つ充実した曲です。 スペクトラム・コンサーツ・ベルリンは、1988年にアメリカ人チェリスト、フランク・サムナー・ダッジによって設立されたアンサンブルです。
8.574369
ヴィチェスラフ・ノヴァーク(1870-1949):管弦楽作品集 第2集
スロヴァツカ組曲(モラヴィア-スラヴ組曲) Op. 32(1903管弦楽版)
2つのヴァラシュスコ舞曲 Op.34(1904)(1906管弦楽版)…世界初録音
深き淵〜Op.67(1941)
パヴェル・スヴォポダ(Org)
ヤナーチェクPO
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年3月16-17日、2021年3月22-23日
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したチェコの作曲家ヴィチェスラフ・ノヴァーク。このアルバムには彼の 最も人気の高い作品2作が収録されています。 まず、ピアノ曲を原曲とする、スロヴァキアの村で一日を過ごす恋人たちの情景を描いた「スロヴァッカ(モラヴィア-ス ラヴ)組曲」。ここではのどかな旋律とスロヴァキア民謡が融合した色彩豊かな音楽を楽しめます。 「2つのヴァラシュスコ舞曲」。1897年にノヴァークとヤナーチェクがピアノで演奏した4手ピアノ用の作品で、ピアノ独 奏用に編曲された後、オーケストレーションが行われました。こちらのオーケストラ版は演奏されることなく忘れられて しまい、今回初めて録音されたものです。 最後に置かれた「深き淵より」は第二次世界大戦の、ナチス占領下における暗い世情の中で書かれた作品で、オ ルガンが重要な役割を受け持ち、最後は勝利を表すかのように勇壮華麗に曲を閉じます。
8.574370
ロード・バーナーズ(1883-1950):バレエ音楽集
ファンファーレ(1931)
バレエ音楽『水の精』(1946)
バレエ音楽『キューピッドとサイキ』組曲(1939)…世界初録音
ミリアム・ブレナーハセット(Ms)
RTE室内cho団員
ロイヤル・バレエ・シンフォニア…
ギャヴィン・サザーランド(指)…
RTEシンフォニエッタ
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指)

録音:1999年9月15日、1994年11月10-11日、1995年1月10日
※MARCO POLO*8.225155、8.223780からの移行盤
イギリスの作曲家・小説家・画家、ロード・バーナーズ(バーナーズ卿)。本名はジェラルド・ヒュー・ティ アウイット=ウィルソンという名門バーナーズ家の第14代男爵です。イートン・カレッジで学び爵位を継 承するまでは外交官として活躍、音楽家としても才能を発揮し、主としてバレエ音楽の分野で活躍し ました。この『水の精』は1946年の作品。振付師フレデリック・アシュトンは、フランスのビーチを舞台に 上流階級の人々を翻弄するシレーヌを描き、バーナーズ卿は雰囲気ある音楽を付けています。『キュー ピッドとプシュケー』はバーナーズ卿自身がシナリオを考案、こちらは政治的な風刺が多分に盛り込まれ ていましたが、サドラーズ・ウェルズ劇場の観客には受けませんでした。しかし音楽は魅力的であり、舞台 無しで聴いて十分楽しめるものです。この録音は忘れられていた2つの作品を蘇らせることに成功してい ます。
8.574371
ドヴォルザーク:グレイテスト・メロディーズ(ピーター・ブレイナーによるピアノ編)
1. ピアノ五重奏曲 イ長調 Op. 81B. 155(1887) - 第2楽章 ドゥムカ
2. ピアノ五重奏曲 イ長調 Op. 5B. 28(1872) - 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート
3. 夕べの歌 Op. 31(1876) - 第2曲 小さなおまえたち、小鳥よ
4. スラヴ舞曲第10番ホ短調 Op. 72, B. 145, No. 2(1886)
5. ロマンス ヘ短調 Op. 11B. 38(1877)
6. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52(1875) - 第1楽章 モデラート
7. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52- 第2楽章 テンポ・ディ・ヴァルス
8. セレナード ホ長調 Op. 22B. 52- 第4楽章 ラルゲット
9. セレナード ニ短調 Op. 44B. 77(1878) - 第1楽章 モデラート・クアジ・マルチア
10. セレナード ニ短調 Op. 44B. 77- 第2楽章 メヌエット
11. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166(1891)
 - 第2楽章 ポーコ・アダージョ
12. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第3楽章 アンダンテ(パートI)
13. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第3楽章 アンダンテ(パートII)
14. ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 「ドゥムキー」 Op. 90B. 166- 第4楽章 アンダンテ・モデラート
(クアジ・テンポ・ディ・マルチア)
15. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163(1889) - 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
16. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第2楽章 アダージョ(パートI)
17. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第2楽章 アダージョ(パートII)
18. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第3楽章 アレグレット・グラツィオーソ
19. 交響曲第8番ト長調 Op. 88B. 163- 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
20. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178(1893) - 第1楽章 アダージョ
21. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第1楽章 アレグロ・モルト
22. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第2楽章 ラルゴ
23. 交響曲第9番ホ短調 「新世界より」 Op. 95B. 178- 第4楽章 アレグロ・コン・フォーコ
24. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96(1879) - 第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ
25. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96 - 第3楽章 フィナーレ
(アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ)(パートI)
26. ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 53B. 96 - 第3楽章 フィナーレ
(アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ)(パートII)
27. チェロ協奏曲 ロ短調(1895) Op. 104B. 191- 第1楽章 アレグロ
28. 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 「アメリカ」 Op. 96B. 179(1893) - 第2楽章 レント
29. ロンド ト短調 Op. 94, B. 171(1891)
30. 弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op. 97B. 180(1893) - 第2楽章 アレグロ・ヴィーヴォ
31. 弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op. 97B. 180- 第3楽章 ラルゲット
32. ジプシーの歌 Op. 55B. 104(1880) - 第4曲 我が母の教え給いし歌
33. 歌劇「ルサルカ」 Op. 114B. 203(1900) - 第1幕月に寄せる歌
全てピーター・ブレイナーによるピアノ編
ピーター・ブレイナー(P)

録音:2021年4月22-23日、2022年2月2-3日
NAXOSが誇る名アレンジャー、ピーター・ブレイナー。 今作ではブレイナーが長らく魅了されていたという、クラシック音楽界屈指のメロディメーカー、ドヴォルザークの名作を癒しのピアノ独奏曲にアレンジしていま す。 交響曲第8番や第9番「新世界より」などのオーケストラ作品から2つのセレナード、「我が母の教え給いし歌」「月に寄せる歌」まで様々な作品の聴きどころ が33曲のセンスの良いピアノ曲として生まれ変わっており、改めてドヴォルザークの旋律美を堪能できます。
8.574372

NYCX-10360
日本語解説付国内盤
税込定価

マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調(1910)(W. メンゲルベルク&C. ドッパー、による演奏会用版)…世界初録音
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2019年12月13-14日(ライヴ)
2019年12月13日と14日、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの指揮する香港フィルは「”9番”の呪縛を越えて」と題するコンサートを行いました。前半がマーラー の交響曲第10番よりアダージョ(第1楽章)とプルガトリオ(通常は第3楽章、メンゲルベルク版では第2楽章と表記)、後半がショスタコーヴィチの交響曲第 10番という重量級のプログラムで、特に注目を集めたのがメンゲルベルクの校訂版を使ったマーラー。 マーラーが未完成で遺した第10番について、アルマ・マーラーはベルクとクシェネクのサポートを受け、アダージョとプルガトリオはほぼ演奏可能な状態と判断、 クシェネクに補筆を依頼しました。アルマはメンゲルベルクに初演を託したかったようですが、実際は1924年10月12日にフランツ・シャルク指揮ウィーン・フィル により初演されます。同年11月27日にはメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウOがオランダ初演を行いましたが、この際にメンゲルベルクはマーラーの 遺した資料に加えてシャルクが初演に使ったスコアを提供され、アルマから独自の改訂を行う同意を得ました。メンゲルベルクは、コンセルトヘボウ管の副指揮 者で作曲家だったコルネリウス・ドッパーをアシスタントとしてスコアをブラッシュアップ。そのスコアはハーグのメンゲルベルク・アーカイヴに、パート譜はコンセルトヘ ボウ管のライブラリーに保存されています。大手楽譜出版のショット社はメンゲルベルク財団及び音楽学者マリヌス・デーヘンカンプとの共同作業で、この「メン ゲルベルク版」を校訂して出版。その初演を託されたのがアムステルダム生まれで、コンセルトヘボウ管のコンサートマスターを務めたズヴェーデンでした。彼は 香港での初演の翌2020年1月8日に、メンゲルベルク自身がこの曲を指揮したコンセルトヘボウ管とともにアムステルダムで演奏しました。 注目度という点ではマーラーが勝ってしまいますが、地元紙が「正確無比な演奏が非情さと恐怖さえ呼び覚ま す」と評したショスタコーヴィチの第10番の演奏も素晴らしい出来栄えで、このコンビのベスト・ディスクの一つとな ることでしょう。ちなみにショスタコーヴィチは1942年にマーラーの10番の補筆を依頼されましたたが断っています。 ※国内仕様盤には増田良介氏による日本語解説が付属します。
8.574373
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994): ディヴェルティメント/シンフォニエッタ
ディヴェルティメント Op. 107(1957)
シンフォニエッタ 「ハイドンへのオマージュ」 Op. 220(1980)
5つの古いポルトガルのロマンス Op. 98(1951-56)…世界初録音
4つのインヴェンション Op. 148(1981)
ポルトガルSO
ブルーノ・ボラリーニョ(指,Vc)

録音:2021年10月21-23日
20世紀ポルトガルを代表する作曲家の一人、フェルナンド・ロペス=グラサの作品集。 リスボン音楽院で学び、その後パリへ留学、ケクランに作曲と管弦楽法を学んだロペス=グラサは、教育者としても 名高く、1941年からポルトガルで教鞭をとり、数多くの音楽家を育てました。 ポルトガルの民謡やポピュラー音楽を題材にすることの多い彼の作品は、とても耳に馴染みやすく、またドラマティック な面も持ち合わせています。このアルバムの冒頭に置かれたディヴェルティメントは、管楽器とティンパニ、打楽器に、 チェロとコントラバスを加えたユニークな編成による作品。常に変化する調性の中で、多彩な旋律が賑やかに展開す るロペス=グラサ独特のスタイルに貫かれており、彼の感性が見事に表現されたものです。この作品は1957年に開 催されたローザンヌ万国博覧会におけるポルトガル館のBGMとして作曲されました。また、簡潔な構成で書かれた シンフォニエッタでは、ハイドンへの敬愛が示されています。「5つの古いポルトガルのロマンス」は伝統的なバラードに 基づく作品で、「4つのインヴェンション」では無調による劇的な表現が探求されています。

8.574374

スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第27集
1. ソナタ ト短調 K.12/L.489/P.68
2. ソナタ ホ短調 K.15/L.374/P.71
3. ソナタ イ短調 K.36/L.245/P.91
4. ソナタ 変ロ長調 K.42/L.S36/P.120
5. ソナタ ハ短調 K.48/L.157/P.87
6. ソナタ ヘ長調 K.59/L.71/P.22
7. ソナタ ト短調 K.76/L.185/P.23
8. ソナタ ハ長調 K.86/L.403/P.122
9. ソナタ ト短調 K.88/L.36/P.8
10. ソナタ ヘ長調 K.106/L.437/P.197
11. ソナタ ハ短調 K.116/L.452/P.111
12. ソナタ 変イ長調 K.130/L.190/P.272
13. ソナタ ト長調 K.144/P.316
14. ソナタ ト長調 K.152/L.179/P.114
15. ソナタ ハ長調 K.165/L.52/P.292
16. ソナタ ハ長調 K.157/L.405/P.391
17. ソナタ 変ロ長調 K.172/L.S40/P.313
18. ソナタ 変ロ長調 K.189/L.143/P.257
19. ソナタ(フーガ) ニ短調 (MSS FF232、KK 96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)*
20. ソナタ ト短調(MS KK96、ボローニャ国際音楽博物館&図書館)
21. G.U.ハフナー編纂のチェンバロ独奏のためのソナタ集 第2巻 - ソナタ第5番ハ長調
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2022年9月19-20日
*=世界初録音
NAXOSの人気シリーズ、ドメニコ・スカルラッティのソナタ集。この第27集には、彼の初のソナタ集 「Essercizi per gravicembalo」からの2曲(K.12、K.15)を含む、スペインとポルトガルの舞踊の要素を 取り入れた作品が収録されています。また、スカルラッティのソナタはかつて全555曲とされていましたが、最 近の研究により実際には600曲近く存在することが判明しています。このアルバムにはボローニャの博物館に 所蔵されているソナタ ニ短調(世界初録音)とソナタ ト短調の2曲が収録されており、これらは研究者 カークパトリックが「スカルラッティの作品と考えられる」と述べています。さらに、スカルラッティの同時代の作曲 家で出版業も営んでいたヨハン・ウルリッヒ・ハフナー(1711 -1767)によって編纂された曲集に含まれる、花 火を思わせる快活な音にあふれたソナタ ハ長調も収録されています。演奏は、ブラジル出身のピアニストで 数多くの受賞歴を持つセルジオ・ガッロが担当しています。
8.574375
ロレンツォ・ペロージ(1872-1956):ピアノ五重奏曲、他
ピアノ五重奏曲第1番ヘ長調(1930)
弦楽三重奏曲第2番イ短調(1928)
マッテオ・ベヴィラクア(P)
ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル【レナード・スピネディ(Vn)、河崎 日向子(Vn)、ロレンツォ・ルンド(Va)、アンゲロ・マリア・サンティージ(Vc)】

録音:2021年4月29-30日
かつてプッチーニが「彼の頭の中には、私とマスカーニの頭の中よりも多くの音楽がある」と称賛したというイタリアの作 曲家ロレンツォ・ペロージ。ミラノ音楽院で学び、1894年からヴェネツィアの聖マルコ大聖堂の合唱指揮者として活 躍、その後聖職に就き、1890年代後半までにはオラトリオ「イエス・キリストの変容」などの宗教作品で国際的な名 声を得た人です。このアルバムには彼の3つの室内楽曲が収録されており、その端正な作風を存分に味わうことがで きます。冒頭の湧き上がるようなピアノのパッセージが印象的なピアノ五重奏第1番と、悲痛な旋律で始まるピアノ 五重奏曲第2番は、ともに弟を亡くした悲しみの中で書かれた曲。どちらもコラール風の旋律を持つ美しい緩徐楽 章が置かれ、活発な終楽章で曲が閉じられます。伝統的な作風による弦楽三重奏曲第2番にも、慎ましさの中に 大胆なリズムが用いられており、当時のイタリア音楽が求める新しい道行を探求しています。 演奏は2005年に設立されたローマ・トレ・オーケストラのメンバーによるアンサンブル。ローマとラツィオで生まれた最 初の大学オーケストラで、若い世代に素晴らしい音楽を広めることを目的として活動しています。ヴァイオリンの河崎 日向子さんはローマ在住。いくつものアンサンブルに参加し、高く評価される奏者です。
8.574376
ディーリアス/スマイス:弦楽四重奏曲集
エセル・スマイス(1858-1944):弦楽四重奏曲 ホ短調(1902/1912改訂)
ディーリアス:弦楽四重奏曲 ハ短調(1888)(D.M. グリムリーによる復元版)…世界初録音
ヴィリアーズQ【ケイティ・スティルマン(Vn1)、タマキ・ヒガシ(Vn2)、カーメン・フローレス(Va)、レオ・メルヴィン(Vc)】

録音:2022年3月14-15日、2022年3月15-16日
このアルバムでは、まず後半に置かれたディーリアス作品に注目。学生時代の作品で、初演をシンディングに託したものの、 楽譜はおそらく演奏されないまま作曲家のもとへ返送されてきました。失意のディーリアスはこの作品を無かったものとし(第 2楽章のスケルツォだけは1917年に書いた「弦楽四重奏曲」に転用)、この曲の前半の2楽章は散逸したと考えられてい ました。ところが2018年にオークションに出された楽譜がこの作品と判明。校訂と編集を経て全4楽章の作品として復元さ れ、ヴィリアーズ四重奏団によって2020年10月にストリーミング・コンサートで初演されました。このCDが初録音となりま す。若きディーリアスの野心的な作風が窺える音楽で、この作曲家のファンならば聴かずにいられないでしょう。 19世紀後半から20世紀に活躍した女性作曲家のなかでも一際独創的な人物として評価されるエセル・スマイス。当時 女性には閉鎖的であった英国音楽界に於いて名をあげると同時に、女性解放運動の旗手としても熱心に活動しました。 この弦楽四重奏曲は1900年代初頭に第1楽章と第2楽章が書かれ、その後10年を経て第3楽章と終楽章が追加され た熟考の作品。10年間の隔たりを感じせない統一感を持ち、彼女が愛したヴィオラが活躍する、若干の遊び心が加えられ た大胆な作品です。 前半2楽章と後半2楽章が時を隔てて結ばれるという物語が伏線となっているアルバムです。
8.574378
ウォルトン:ファサード(全曲) ヒラ・プリットマン(ナレーター)
フレッド・チャイルド(ナレーター)
ケヴィン・ディーズ(ナレーター)
ヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チェンバー・プレイヤーズ
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2021年6月14-15日
ウィリアム・ウォルトンが英国の女性詩人イーディス・シットウェル(1887-1964)に出会ったのは1916年頃、ウォルト ンがオックスフォード大学クライスト・チャーチ校に入学し、イーディスの弟サシェヴェレルと親友になったことがきっかけで した。後に大学を退学したウォルトンはシットウェル家に住み込み、作曲家を志します。イーディスとウォルトンの共作 『ファサード』は1922年に発表され、ウォルトン最初の成功作となりました。イーディスの詩はヴィクトリア朝末期のブ ルジョワの世界を風刺的かつ痛烈に描き、ウォルトンは言葉に即したユーモアとウィットに富んだ音楽を付けていま す。このアルバムでは、1922年に書かれた「世間話」の初録音に加え、ウォルトンが削除した3曲を追加ナンバーと して収録。ジョアン・ファレッタが指揮するヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チェンバー・プレイヤーズの演奏と、 歌手 としても活躍するプリットマンら3人の歌手による軽妙な語りでお楽しみください。
8.574381
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 5, No. 9-12(1734出版)
ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op. 5, No. 9
ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Op. 5, No. 10
ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op. 5, No. 11
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op. 5, No. 12
エイドリアン・バターフィールド(Vn)
サラ・マクマホン(Vc)
シラス・ウォルストン(Cemb)
クレア・サラマン(ハーディ=ガーディ)

録音:2021年3月12-13日
生誕325周年、フランス18世紀前半を代表するヴァイオリン音楽の大家、ルクレールの代表作であるヴァイオリン・ソナタ集第3巻全12曲の録音も、第9番 から第12番を収録したこの第3巻で完結となります。 ルクレールが活躍した18世紀当時は、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリアのヴァイオリン音楽が大流行しており、彼はこの華麗な様式をフランス伝統の舞曲 形式に融合させることでその作風を発展させていきました。このアルバムに収録された4つのソナタには、その特質が顕著に表れており、とりわけ第10番の終 楽章「タンブーラン」ではハーティ=ガーディもアンサンブルに参加、低音を持続することで作品に民謡風の味わいが加味されました。また第12番の終楽章 「チャコーナ」はヴァイオリンの卓越した技巧が要求される難曲で、名ヴァイオリニストとして活躍したルクレールの面目躍如といった作品に仕上がっています。今 作も、バターフィールドを中心に、マクマホン、ウォルストンの3人が、巧みな技術を用いて見事なアンサンブルを披露しています。
8.574383
スッペ:劇付随音楽『モーツァルト』
歌劇「アフリカ旅行」:Overture 序曲(原典版)
ユリエ・スヴェツェナー(Vn)
パヴェル・リブカ (Org)
ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年5月3-7日
世界初録音
NAXOSのオーベール序曲集のシリーズでファンを獲得しているダリオ・サルヴィ指揮の新譜はフランツ・フォン・スッペ。 1854年にアン・デア・ウィーン劇場で上演されたレオンハルト・ヴォールムートによる劇『モーツァルト』のための音楽で す。劇のストーリーはモーツァルトの人生とそこに関わった人たちを描いたもので、序曲が「フィガロの結婚」の音楽で 始まると1分ほどで「ドン・ジョヴァンニ」の音楽に。その後も「劇場支配人」「魔笛」やハイドンの「驚愕」交響曲等など が顔を出し、最後はレクイエムの音楽で閉じられます。その間をつなぐスッペの音楽が実に巧みで、どこまでがモーツァ ルトでどこからがスッペか区別が付かないほど。このディスクではナレーションを省いていますが、この音楽の巧みさはス トーリー不要とさえ思えます。喜歌劇の達人、スッペの面目躍如、モーツァルト・ファンに是非聴いて頂きたい一枚で す。
8.574385
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第7集
ピアノ三重奏曲第16番ニ長調 Hob.XV:16
ピアノ三重奏曲第35番イ長調 Hob.XV:35
ピアノ三重奏曲第37番ヘ長調 Hob.XV:37
ピアノ三重奏曲第41番ト長調 Hob.XV:41
ピアノ三重奏曲第19番ト短調 Hob.XV:19
オーバリン・トリオ【デイヴィッド・ボウリン(Vn)、ドミトリー・コウゾフ(Vc)、ソン・ヘイワン(P)】

録音:2021年5月11-13日
NAXOSの人気シリーズ、「ハイドンのピアノ三重奏曲」の第7集です。今作には5曲の三重奏曲を収録。第16番 は1790年6月にロンドンで出版された作品で、ヴァイオリン・パートはフルートでも演奏できるように書かれており(ア ルバムではヴァイオリンで演奏)、速い楽章とゆっくりとした楽章の対比が見事な仕上がりを見せています。第35番は 1764〜65年頃の作品で、華麗なピアノ・パートが特徴です。第37番は1766年以前に作曲され、フンメル社から 出版されました。ゆったりとしたアダージョで始まり、颯爽とした第2楽章とさわやかなメヌエットが続きます。第41番は 1767年以前の作品。3つの楽器は対等に扱われています。第19番は1794年にロンドンで出版された作品。二 重変奏曲の形式による第1楽章、高音域の旋律が魅力的な第2楽章、ト長調に転じる第3楽章とまとまりの良い 構成です。 演奏は1982年にオーバリン音楽大学の教員たちによって結成されたオーバリン・トリオが担当しています。
8.574386
2つのチェロのための作品集
ロンベルク(1767-1841):2つのチェロのためのコンチェルティーノ イ長調 Op. 72(1841)
アントン・クラフト(1749-1820):2つのチェロのための大二重奏曲 ト短調 Op. 5(1808出版)
 2つのチェロのための二重奏曲 ニ長調 Op. 6(1808出版)
ニコラウス・クラフト(1778-1853):2つのチェロのためのコンチェルティーノ ハ長調(作曲年不詳)…世界初録音
アレクサンドル・ルーディン(第1チェロ/第2チェロ、指揮)
エミン・マルティロシアン(第1チェロ/第2チェロ)
ムジカ・ヴィーヴァ室内O

録音:2020年7月23日、2020年11月13日、2020年12月3日
19世紀に入ってチェロが独奏楽器として活躍するようになると、作曲家たちは複数のチェロをソリスティックに組み合 わせた作品も書くようになりました。ロンベルクはチェロ奏者として高く評価され、友人であったベートーヴェンと共に彼 のチェロ・ソナタOp.5をウィーンで演奏したことでも知られています。ここに収録された「2つのチェロのためのコンチェル ティーノ」は晩年の作品で、成熟した作風がうかがえます。アントン・クラフトもチェロの名手で、その名技に感銘を受 けたハイドンは彼のために協奏曲を作曲しました。その息子ニコラウスも優れたチェリストで、ここに収録されたアントン の「大二重奏曲」は、ニコラウスとともに演奏するために書かれたと考えられています。 アルバムで演奏する1960年生まれのチェリスト、アレクサンドル・ルーディンと1987年生まれのエミン・マルティロシア ンはこれまでにも長らく共演を続けており、ここでも絶妙のハーモニーを聴かせます。
8.574389
ブラトヴィチ/ニクチェヴィチ:ギター・デュオ作品集
1. スルジャン・ブラトヴィチ(1972-):イマジネーション(2020)
2. ダルコ・ニクチェヴィチ(1971-):ドラマ(2020)
3. ブラトヴィチ:フィール・ザ・モーメント(2020)
4. ニクチェヴィチ:エヴニング・アット・ホーム(2021)
5. ブラトヴィチ:コンセントレーション(2020)
6. ニクチェヴィチ:マインド・サークル(2020)
7. ブラトヴィチ:ロマンティックなメヌエット(2020)
8. ニクチェヴィチ:インナー・ビューティ(2020)
9. ブラトヴィチ:ミュージカル・エクサイトメント(2020)
10. ニクチェヴィチ:2020(2020)
11. ブラトヴィチ:ライフ(2020)
12. ニクチェヴィチ:タイム・パーセプション(2021)
13. ブラトヴィチ:リラクゼーション(2020)
14. ニクチェヴィチ:ラスゲアード前奏曲(2020)
スルジャン・ブラトヴィチ(第1ギター…1、3、5、7、9、11、13/第2ギター…2、6、8、12,14)
ダルコ・ニクチェヴィチ(第1ギター…2、6、8、12,14/第2ギター…1、3、5、7、9、11、13/ソロ…4、10)

録音:
2021年1月…5
2021年2月…1-3、6-8、13、14
2021年3月…10-12
2021年12月…4、9
世界初録音
モンテネグロ出身の2人のギタリスト、ブラトヴィチとニクチェヴィチが奏でる独創的なギター・デュオ作品集。今回のア ルバムでは2020年から2021年に書かれた曲が紹介されており、この中にはコロナ禍での静止した世界を描いた作 品「フィール・ザ・モーメント」や、彼らの特徴である心躍る地中海のリズムから、オリエンタルな中東の雰囲気、スラブ とバルカンの影響など様々な要素が反映されたエキサイティングな作品が楽しめます。その透明感のある耳なじみの よい旋律は、人間の心の最も深くにあるとされる、美しい感情を表現しています。
8.574392
ローラン・プティジラール(1950-):バレエ音楽『西遊記』(2019-20) ハンガリーSO
ローラン・プティジラール(指)

録音:2021年10月21-24日Studio22ブダペスト(ハンガリー)
歌劇「エレファント・マン」やバレエ音楽『星の王子さま』などの作品で多くの賞を受賞したフランスの作曲家ローラ ン・プティジラール。今作で彼がテーマにしたのは日本でもおなじみの物語『西遊記』です。唐の時代に中国から釈 迦の国インドに渡り、仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵の苦難の旅を元にした冒険活劇は、16歳のプティジラー ルが兄から本をプレゼントされすっかり魅了されたもの。それから50年以上の時を経てようやく音楽化されたという 力作で、ここにはもちろん孫悟空、猪八戒、沙悟浄の3キャラクターも登場します。全体は基本的に無調で、中 国的な音階などは用いられていませんが、キャラクターの特徴が生かされた物語に追随した音楽は、舞台を見なく ても存分に楽しめることでしょう。 プティジラール自身の指揮によりハンガリーSOが表情豊かな演奏を繰り広げます。
8.574393
マリピエロ/ゲディーニ/カゼッラ:チェロと管弦楽のための作品集
マリピエロ:チェロ協奏曲(1937)
ゲディーニ(1892-1965):2つのチェロと管弦楽のための協奏曲「オルメネータ」(1951)
カゼッラ:夜想曲とタランテッラ Op. 54(1934)
ニコライ・シュガーエフ(Vc)
ドミートリー・プロコフィエフ(Vc)
ロストフ・アカデミーSO
ヴァレンティン・ウリュービン(指)

録音:2020年10月11日、2020年10月12日、2020年12月14日
このアルバムに採り上げられた3人の作曲家は、いずれもチェロとのかかわりが深く、マリピエロの甥リッカルドはミラノ・ス カラ座のチェロ奏者を務め、ゲディーニは自身が幼い頃からチェロを学んでいます。またカゼッラは父、叔父、祖父が チェリストという家系に生まれており、子供時代からチェロを弾いていましたが、ピアノのほうが才能があることがわかり、 転向したという経歴を持っています。 そんな3人のチェロのための作品は、どれもソリストとオーケストラが協力して様々な雰囲気を探求するもので、チェロ のみが名人芸を発揮することはありません。マリピエロとゲディーニの曲は、どちらも18世紀のコンチェルト・グロッソ風 の雰囲気を持っており、ソリストとオーケストラの立場は対等なものとして書かれています。またカゼッラの作品は協奏 曲を書くためのオーケストレーションの練習的な作品で、やはりチェロとオーケストラのバランスに大きな注意が払われ ています。1988年モスクワ生まれのチェリスト、シュガーエフの演奏で。
8.574394
現代のギター作品集
スティーヴ・ライヒ(1936-):エレクトリック・カウンターポイント(1987)
ジョン・ケージ:ルーム(1943)(A. タッリーニによるプリペアド・ギター編 2021)
エリオット・カーター:チェンジ(1983)
ジェイムズ・ダショウ(1944-):アイピース(2019)…世界初録音
アルトゥール・カンペーラ(1960-):パーカッション・スタディ III(1997)…世界初録音
ケージ:夢(1948)(A. タッリーニによるギター編 2021)
アルトゥーロ・タッリーニ
(エレクトリック・ギター/プリペアド・ギター/クラシック・ギター/ヴォカリーズ)
ドメニコ・アッシオーネ(あらかじめ録音されたエレクトリック・ギターでの演奏)
ジェイムズ・ダショウ(エレクトロニクス)

録音:2021年7月10日
2021年8月10日、8月27日、8月28日
2021年10月29日
21世紀に入ってからギターのレパートリーは一層充実し奏者の技術も向上、エレクトリック・ギターや多重録音を導 入するなど様々に発展しています。 1987年に開催された第20回ミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールで優勝したアルトゥーロ・タッ リーニも様々なギターを弾きこなす名手の一人。このアルバムではパット・メセニーのために書かれたスティーヴ・ライヒ の名作「エレクトリック・カウンターポイント」を冒頭に置き、彼の友人であった亡きギタリスト、ドメニコ・アッシオーネが 録音してあったテープ録音に併せソロ・パートを演奏しています。他には自身がプリペアド・ギターのためにアレンジし たケージの「ルーム」や、世界初録音を2作含むクラシック・ギターのための4曲を演奏。カンペーラの「パーカッション・ スタディ」では歌やつぶやきも合わせながら超絶技巧を披露します。
8.574395
UNICUM ユニクム - 1470年代、ルーヴェンの新しい歌
1. ワルター・フライ(1475年以前):AV-e regina celorum
2. 作者不詳:Ou beau chastel est prisonnier mon cueur
3. バービニャン(1445-60頃活躍):Au trAV-ail suis que peu de gens croiroient
4.オケゲム(1410-97):Ma maistresse et ma plus qu’aultre amye
5. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
6. 作者不詳:Par Malle Bouche la cruelle
7. 作者不詳:Donnez l’aumosne, chiere dame
8. 作者不詳:Tousdis vous voit mon souvenir
9. 作者不詳:En atendant vostre venue
10. 作者不詳:Escu d’ennuy, seme de plours
11. 作者不詳:J’ay des semblans tant que je vueil
12. アレクサンドル・アグリコラ(1456頃-1506)もしくは作者不詳:Si vous voullez que je vous ame
13. ジル・ド・バン・ディ・バンショワ(1400頃-60):Comme femme desconfortee
14. 作者不詳:Vraiz amans pour Dieu supplies
15. フィルミヌス・キャロン(1460-75頃活躍)もしくは
 アントワーヌ・ビュノワ(1430頃-92):Cent mil escuz quant je vouldroye
16. 作者不詳:Henri Phlippet, le vert me fais porter
17. ビュノワ:Est il mercy de quoy l’on sceust finer
18. 作者不詳:Helas mon cueur, tu m’occiras
19. 作者不詳:Oublie, oublie
アンサンブル・レオネス(古楽アンサンブル)
【ヴォーカル】
エルス・ヤンセンス=ファンミュンスター/グレース・ニューコム/テッサ・
ロース
ライティス グリガリス/マルク・モイヨン/ジェイコブ・ローレンス
バティスト・ロマン(ルネサンス・ヴァイオリン/中世フィドル)
エリザベス・ラムゼイ(ヴィオラ・ダルコ)
マルク・レヴォン(指揮/テノール/リュート/シターン)

録音:2021年7月15-17日
2015年にルーヴェンのアラミレ財団によって発見された15世紀の羊皮紙製写本には、これまで知られてい なかった12曲の無名のシャンソンが含まれていました。これは恐らく1470年頃にロワール渓谷で写されたと 思われる写本で、アラミレ財団はベルギー政府にこの重大な発見を伝え、現在は財団本部のあるルーヴェ ンのパーク修道院に保管されています。この写本は開いた状態でも120o×170oととても小さく、収録数 も50曲とそれほど多くありません。ほとんどが作者不詳で、三声のために書かれており、同じころに遠く離れた サヴォワで作られたシャンソニエ・コルディフォルム(ハート形のシャンソン集)に近い内容を持っています。演奏 するアンサンブル・レオネスは以前このシャンソニエ・コルディフォルムからの曲も録音しており(8.573325)、 今回もア・カペラから器楽とのアンサンブルまでさまざまな演奏の可能性を探求しています。
8.574396
スッペ:劇付随音楽『八十日間世界一周』(1874) ヤナーチェクPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2021年5月3-7日
世界を80日間で一周しようと試みるイギリス人資産家フィリアス・フォッグの奮闘を描いたジュール・ヴェルヌの冒険 小説『八十日間世界一周』。この小説が出版された1873年の時点では、船と陸路による世界一周旅行は命が けの冒険で、主人公がイギリスから東へ向かってアラビア半島、インド、中国をめぐり、日本(横浜)から太平洋を渡 りアメリカへ、そして大西洋を越えて帰国する物語は大ヒットとなりました。 小説はすぐに舞台化され、ウィーンのカール劇場で1875年3月に舞台上演された際には、ここに収録されたスッペ の音楽が使われました。スッペは、主人公フォッグが経験する異国での風物や冒険を音で描き、ゴールド・ラッシュに 沸くアメリカの印象も取り込んでいて、現代の映画音楽のよう。このサルヴィによる演奏では台詞を省き、スッペのカ ラフルで雄弁な音楽を十分に楽しめます。
8.574397
ジェルジ・リゲティ:ピアノ練習曲 全集
練習曲集 第1巻(1985)
練習曲集 第3巻(1995-2001)
練習曲集 第2巻(1988-94)
チェン・ハン(P)

録音:2022年6月3日、2022年6月4日、2022年6月5日
リゲティ後期の代表作の一つ「ピアノのための練習曲集」は、ピアノの音色表現の可能性を徹底的に探究 し、複雑なリズムと幾何学模様を思わせる音の組み合わせによって独特の世界を構築しています。当初は ドビュッシーの練習曲に倣って12曲になるはずでしたが、構想が膨らみ全18曲になりました。このアルバムに は1947年に書かれた2曲のカプリッチョも収録。ユーモラスな第1番とバルトーク風の 第2番、どちらもキャラ クターのはっきりした音楽です。 演奏は1992年生まれのチェン・ハン。2013年の中国国際ピアノ・コンクー ルで第1位を獲得、以降超絶技巧の持ち主としてアデス(8.574109)、リスト(8.573415)、ルビンシテイ ン(8.573989)他、様々な作品のアルバムを発表。注目を高めています。
8.574399
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第5集
バレエ音楽ずる賢い村娘』(1795年頃-1805)
バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen』(1803年2月13日)
クォドリベット(1803年2月13日) - 終幕のコントルダンス
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2021年9月22-25日、 9月26日、9月27日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァル トと交流を深めウィーン楽壇における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお 気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。このバレエ『ずる 賢い村娘』もマリア・テレジアのコレクションの一つです。上演年は不明、台本も残っていませんが、フォークダ ンス風の生き生きとした音楽が魅力で、同時代の同じタイトルを持つ作品から類推すると、田舎を舞台にし た恋の駆け引きを描いた作品だったと思われます。 バレエ・ディヴェルティスマン『Vorstellungen(想像力、演技などの意味)』は1803年の皇帝の誕生日のた めの作品。こちらもシナリオは残っていませんが、ニ短調の重々しい序奏に始まり、ドラマティックで多彩なパン トマイムが繰り広げられたものと推測されています。『クォドリベット』も同じ日のための作品で、ここには最後の コントルダンスのカラフルな音楽が収録されています。
8.574400
イタリアのギター音楽秘曲集
マリピエロ:前奏曲(1958)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:花咲くオレンジ Op. 87a(1936)
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ(1690-1758): パルティータ第7番ハ長調 (G. ブシェミによるギター編)…世界初録音
ブルーノ・ベッティネッリ(1913-2004):5つの前奏曲(1971)
パガニーニ:気まぐれ MS 43- 第22曲 イ長調(ラルゲット)(1820)
 ギター・ソナタ第33番ハ短調 MS 84(1800-20頃)
 ギター ソナチネ第4番MS 85(1804)
ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965):協奏的練習曲(1959)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:3つの地中海前奏曲 Op. 176(1955)
ジュリアーニ:ロッシーニアーナ第2番Op. 120(1821頃)
ジュゼッペ・ブシェミ(G)

録音:2021年6月3-7日
バロックから現代の巨匠まで、イタリア音楽にとって重要な役割を担ってきたギターのために書かれた珠玉の作品を集めた1枚。最も時代が古いのはブレシャ ネッロの「パルティータ第7番」で、こちらは、もともとリュートに似た弦楽器"コラシオーネ"のために書かれた『18の組曲』の中の1曲。複雑な装飾と抒情的な 曲調は多くのギタリストたちの注目を集めています。このアルバムではブシェミ自身がギター用にアレンジ、作品の素晴らしさを伝えています。他にはヴァイオリン と同じくギターを愛したパガニーニの作品やジュリアーニの見事な「ロッシーニアーナ」、イタリアの現代作曲家ベッティネッリの荘厳な前奏曲の他、カステルヌオー ヴォ=テデスコ、マリピエロ、ゲディーニの技巧的、かつ珍しい作品を聴くことができます。
8.574402

NYCX-10284
日本語解説付国内盤
税込定価

クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第1集
交響曲第5番(1955)
交響曲第7番「ブラジリア」(1959-60)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年10月1-6日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 ブラジル独立200周年の2022年、ブラジル音楽史上で最も重要なシンフォニストとされるクラウジオ・サントロの交響曲全曲録音がスタート。パリで ナディア・ブーランジェに学んだサントロは、自身の作品にブラジル民謡のイディオムを抽象的に取り入れ、より創造的に発展させた形で表現しました。 1955年作曲、その翌年にリオデジャネイロで初演された「交響曲第5番」はサントロの代表作であり、第1楽章の神秘的な冒頭部分ではブラジル北 東部の伝統音楽にみられる増三と短七度の和音を用いながらも、これらはサントロが独自に編み出した対位法の中に組み込まれています。パーカッ ションが活躍する熱狂的な第2楽章に続き、ブラジルの聖歌が用いられた変奏曲形式の第3楽章、そして終楽章は、ゆったりとした序奏に導かれ、 最後に金管が高らかなコラールを奏し壮大に幕を閉じます。1960年に作曲された「交響曲第7番」はサントロ作品の中でも最も複雑な作品とされ ており、また作曲家自身のお気に入りでもありました。4つの音符が印象的な第1楽章ではじまり、第2楽章アダージョが続きます。そして活発な第3 楽章でも冒頭のモティーフは健在。最終楽章はすべてを統括するかのような多彩なモティーフが現れ、最後は激しいクライマックスを迎えます。演奏は 1980年に創設されたゴイアス・フィルハーモニーと首席指揮者のニール・トムソンが担当。エネルギッシュかつダイナミックな表現で定評があります。
国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏の日本語解説が付属します。
8.574403

NYCX-10307
日本語解説付国内盤
税込定価

カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993):ショーロ集 第2巻
クラリネットと管弦楽のためのショーロ(1956)
ピアノと管弦楽のためのショーロ(1956)
トレメンベーの花(1937)
ヴィオラと管弦楽のためのショーロ(1975)
チェロと管弦楽のためのショーロ(1961)
オバニル・ブオジ(Cl)
オリガ・コピロヴァ(P)
オラシオ・シャエファー(Va)
マティアス・デ・オリベイラ・ピント(Vc)
サンパウロSO
ロベルト・チビリサ(指)

録音:2020年11月19日〜22日、2021年11月22日〜25日サラ・サン・パウロ(ブラジル)
*国内仕様盤には指揮者で日本ヴィラ=ロボス協会会長の木許裕介氏の解説が付属。
グァルニエリの父はイタリア系の移民で音楽を愛し、子供たちに付けた名前は、モーツァルト、ロッシーニ、ベッリーニ、ヴェルディ。カマルゴ・グァルニエリの 本名はモザルト(モーツァルト)で、母親から手ほどきを受けたピアノ演奏と作曲で早熟の天才ぶりを発揮しましたが、後にはMozartの代りにM.と だけ書き、母の旧姓カマルゴをとって名前としたそうです。 グァルニエリは、ブラジルの作家・詩人・民俗学者で音楽研究者でもあるマリオ・ジ・アンドラージの民族主義的思想に影響を受け、西洋クラシック音 楽をブラジル音楽の語法によって革新しようとしました。彼のショーロのほとんどは、ブラジルの伝統的なショーロとは異なり、3楽章または3部分構成の 協奏曲スタイルで書かれています。サンパウロ近郊の町にちなむ「トレメンベーの花」も3部分構成で、特に第3部分はラテンのノリが全開。20世紀音 楽の語法を用いながら、緩徐楽章の哀感も急速楽章のホットな情熱も、これぞブラジル!といった雰囲気が満点です。 サンパウロ生まれのロベルト・チビリサの(指)サンパウロSOと、その首席奏者を中心としたメンバーによる演奏です。
※当ディスクは、ブラジル外務省の主導により19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作品をブラジルのオーケストラが演奏・録音する大 プロジェクト「Brasil em Concerto」の一環です。
8.574404
ブラジル皇帝ペドロ1世(1798-1834):テ・デウム/クレド
クレド(1821頃)/序曲(1821頃)
テ・デウム(1820)…世界初録音
ブラジル独立讃歌(1822)(アントニオ・ジ・アシス・レプブリカーノ編)
カルラ・コッテイーニ(S)
ルイサ・フランチェスコーニ(Ms)
クレイトン・プルジ(T)
リチオ・ブルーノ(バス=バリトン)
Concentus Musicum de Belo Horizonte(合唱)
ミナスジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年5月23-27日
ナポレオン戦争に巻き込まれたポルトガルの政治体制が混乱する中で、ポルトガル王家の王太子ペドロを初代皇 帝ペドロ1世としてブラジルが独立したのが1822年9月7日。彼の言葉「独立か死か」はブラジル帝国のスローガン の一つとなりましたが、ペドロ1世は音楽の才能も優れ、「本格的な作曲家」として語ることが出来る歴史上稀な王 侯貴族の一人です。当盤収録の「序曲」が1832年にパリで演奏された際は、この曲はロッシーニのものだと信じた 聴衆が続出したといいます。長男の洗礼を祝って書かれた「テ・デウム」はオペラを思わせるドラマティックな曲想を持 ちます。「クレド」は歓喜に溢れ、ペドロ1世の作品の中でも演奏機会が多い曲の一つ。そして「ブラジル独立讃歌」 は1822年から1831年頃までブラジル帝国の国歌として用いられた愛国歌であり、現在でもなおブラジルで愛唱さ れています。
8.574405
小管弦楽のためのブラジル音楽集
カルロス・ゴメス(1836-1896):弦楽のためのソナタ(1894)
フランチスコ・ブラーガ(1868-1948):マドリガル=パバーナ(1901)
アウベルト・ネポムセーノ(1864-1920):古風な組曲 Op. 11(弦楽オーケストラ版)
ネポムセーノ:セレナータ(1902)
レオポウド・ミゲス(1850-1902):古風な組曲 Op. 25(1893)
イギリス室内O
ニール・トムソン(指)

録音:2022年1月17日、2022年1月18日
ナクソスがブラジル外務省との提携で進めているブラジル音楽のシリーズ、2022年はブラジル独立200周年にあたることもあって一層活性化しています。 1822年に独立したブラジルは89年までポルトガル王家に連なる国王が収めます。アルバムに登場する作曲家たちは王政時代の生まれで、国の奨学金を 得てヨーロッパで学びました。収録された作品は「古風な組曲」の名前から想像されるようにバロック風の曲想を持つものが多く、レスピーギの「リュートのため の古風な舞曲」やグリーグの「ホルベアの時代から」が好きな人なら大いに楽しめることでしょう。 サンパウロで生まれたゴメスはミラノで学び、1870年にミラノ・スカラ座で初演された歌劇 「グワラニー族の男」で成功を収めました。「弦楽のためのソナタ」もイ タリア風の明るい曲調が魅力で、ロッシーニの弦楽ソナタを思わせます。プラーガはリオデジャネイロ生まれ。パリ国立高等音楽院に留学し、マスネに作曲を 師事しました。この「マドリガル=パバーナ(パヴァーヌ風のマドリガル)」は軽やかなリズムに乗った爽やかな作品です。ネポムセーノはローマのサンタ・チェチーリア 音楽院で学び、その後ドイツでハインリッヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクとブルッフに学んでいます。この「古風な組曲」は当初4楽章のピアノ組曲とし て書かれ、親交のあったグリーグの自宅で初演されました。ここに収録された3楽章の管弦楽版は後に作られたもので、ベルリン・フィルが初演しました。優美 な第1主題で始まる「セレナータ」もロマンティックです。 リオ・デ・ジャネイロで生まれたミゲスは幼い頃に家族とともにスペインに移住。その後ポルトガルでヴァイ オリンと作曲を学び、20歳でブラジルに戻りますが、12年後にフランスに留学してパリ音楽院院長のアンブロワーズ・トマやセザール・フランクから強い影響を 受けました。この「古風な組曲」は生き生きとした旋律が魅力です。
8.574406

NYCX-10358
日本語解説付国内盤
税込定価

クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第2集
合奏協奏曲 ? 弦楽四重奏と管弦楽のために(1980)…世界初録音
交響曲第11番(1984)…世界初録音
B-A-C-Hによる3つの断章(1985)
交響曲第12番「9人のソリストのための協奏交響曲」(1987/1988-89改訂)…世界初録音
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)
アブネル・ランディム(Vn)
シモーネ・エレンチュク(Vn)
クレヴァーソン・クレーマー(Va)
エマーソン・ナザリオ(Vc)
ラウル・メゼネス(Fl)
ヨスエ・フェリペ(Ob)
パトリック・ヴィリオーニ(Cl)
イーゴリ・ユーリ・ヴァスコンセロス(Hrn)
マウロ・スタール・ジュニア(Tp)
ヘリントン・ゴンサルヴェス(Tb)
ルチアーノ・ポンテス(Va)

録音:2019年11月27日-12月2日、2022年4月25-30日
クラウジオ・サントロは、ブラジルの作曲家としては屈指の多さである14曲の交響曲をはじめとした、600作に及ぶ多くの作品を遺しています。こちらはこのア ルバムに収録されているのは、全てサントロの最晩年の10年間に書かれた作品。合奏協奏曲と「B-A-C-Hによる3つの断章」は、彼が晩年に力を尽くした ブラジルの音楽教育の一環である学生オーケストラのための作品ですが、彼の弦楽器の扱いの巧みさによって充実した響きを持つ作品に仕上がっていま す。世界初録音となる交響曲第11番は、終楽章の低弦の扱いなどがブラームスの交響曲第1番の冒頭を思わせる音楽であり、アルバム中最も濃密で劇 的な作品と言えるでしょう。また交響曲第12番は9人のソリストとオーケストラのための合奏協奏曲の形式で書かれています。民族主義的音楽から、十二 音技法を用いた無調音楽に至る幅広い作風が窺えるこれらの作品からは、彼の音楽的境地が窺えるものです。時に特殊奏法を駆使するソリストたちの 演奏にも注目です。演奏は、前作と同じくニール・トムソンが指揮するゴイアス・フィルハーモニックOです。 ※国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏の日本語解説が付属します。 ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。
8.574409

NYCX-10384
日本語解説付国内盤
税込定価

カルロス・ゴメス(1836-1896):オペラ序曲と前奏曲全集
歌劇「Il Guarany グアラニー族の男」(1870) - 序曲
歌劇「Maria Tudor メアリー・テューダー」(1878) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Condor コンドル」(1890) - 第1幕 前奏曲
歌劇「コンドル」 - 第3幕 夜想曲
歌劇「Fosca フォスカ」(1873) - 序曲
歌劇「Joana de Flandres」(1862) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Salvator Rosa サルヴァトール・ローザ」(1874) - 序曲
歌劇「A noite do castelo 城の夜」(1861) - 第1幕 前奏曲
歌劇「Lo schiavo 奴隷」(1889) - 第1幕 前奏曲
歌劇「奴隷」 - 第4幕 前奏曲「夜明け」
ミナス・ジェライスPO
ファビオ・メケッティ(指)

録音:2022年2月20-24日
今作はヨーロッパで成功を収めたブラジル人作曲家の草分け的存在、カルロス・ゴメスの作品です。リオデジャネイロ音楽院でイタリア人作曲家ジョアッキー ノ・ジャンニに学び、卒業後すぐの1861年に最初の歌劇「城の夜」を上演。その2年後には2作目の「Joana de Flandres」でも人気を獲得。この2作の 成功により当時の皇帝ドン・ペドロ2世から奨学金を授与され、1864年にイタリアへ留学してミラノ音楽院でラウロ・ロッシに学びます。1870年にはブラジル の先住民の物語を題材にした「グワラニー族の男」をスカラ座で初演し、ロッシーニやヴェルディと比肩されるほどの評判となりました。その後はブラジルとイタリ アを行き来しながら創作活動を続け、60歳で亡くなるまでに全8作の歌劇と合唱曲、ピアノ曲などを遺しましたが、何と言ってもオペラ作曲家として高く評価 されています。 このアルバムにはゴメスが書いた全8作の歌劇の序曲(前奏曲)他を収録。ゴメスの音楽には、20世紀に活躍したブラジル人作曲家の持つ民族的な雰囲 気が前面に出ることはありませんが、ヴェリズモ・オペラの名旋律に通じる、パワフルで感情にダイレクトに訴えかける魅力があります。 ファビオ・メケッティはサンパウロ生まれの指揮者。ジュリアード音楽院で学び、ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。ワシントン・ナショナルSO でロストロポーヴィチのアシスタントを務めました。2008年にミナス・ジェライス・フィルが創設されて以来指揮者を務め、このコンビの録音はグラミー賞に2度ノ ミネートされるなど、国際的に注目されています。 ※国内仕様盤には木許裕介(指揮者・日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語解説が付属します。
8.574410

NYCX-10406
日本語解説付国内盤
税込定価

クラウジオ・サントロ(1919-1989):交響曲全集 第3集
チェロ協奏曲(1961)*
交響曲第8番(1963)*
3つの抽象(1966)*
Interacoes Assintoticas(1969)
One Minute Play(1966-1967)*
マリーナ・マルチンス(Vc)
デニーシ・ジ・フレイタス(Ms)
ゴイアスPO
ニール・トムソン(指)

録音:2018年11月10-11日、2019年11月27-28日、2019年8月12-15日、2019年8月19日
*…世界初録音
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケスト ラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。その中でもブラジルを代表するシンフォニストであるクラウジオ・サントロの交響曲全集は注目の企 画です。 このアルバムには1960年代の作品を収録。この時期は波乱に富んだサントロの人生の中でも特筆に値する激動の時代であり、単に交響曲全集のうちの1枚というだ けでなく、その時代を映した選曲がなされていることも興味を惹きます。 1960年、サントロは西ドイツ(当時)政府の招きでケルンを訪れ、その後電子音楽を研究するためにベルリンへ移ります。そこで体調を崩し資金にも難渋したサントロに 支援を申し出たのが東ドイツの作曲家連盟で、彼は1961年夏を東ベルリンで迎え、8月13日のベルリンの壁着工を目撃することとなりました。チェロ協奏曲の第1楽 章の自筆譜には「1961年8月」、第2楽章には「1961年8月28日」の日付があり、全曲が完成したのは同年10月。サントロはこれが標題音楽と見られることを拒 否しましたが、緊張感の高い荒々しい音楽は闘争や不安を感じさせます。演奏時間32分余り。チェロ独奏には強靭なヴィルトゥオジティが求められます。 その後ブラジルに戻ったサントロは1962年に首都にあるブラジリア大学に新設された音楽学部の学部長に招かれます。その翌年に生まれた交響曲第8番は急-緩-急 の3楽章からなる演奏時間15分ほどの作品。12音技法と表現主義の語法とを統合しようとした形跡があり、第2楽章では女声のヴォカリーズが使われています。 1964年に軍事クーデターによってブラジルに独裁政権が成立すると、サントロは左翼的な思想を理由に大学の職から追われ、ドイツへ渡りました。ドイツでは電子音 楽に加えて偶然性の音楽などを研究。そこから生まれたのが「3つの抽象」などの作品になります。 ※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。
8.574411

NYCX-10400
日本語解説付国内盤
税込定価

ジョゼ・アントニオ・レセンデ・ジ・アルメイダ・プラド(1943-2010):作品集
詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌(1969)
クラリッサ・カブラル(Ms)
サバ・テイシェイラ(Bs-Br)
サンパウロSO&cho
ニール・トムソン(指)

録音:2022年2月14-16日、2022年11月10-11日
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲の作 品をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。 このアルバムに登場するアルメイダ・プラドは、20世紀後半から21世紀初頭にかけてブラジルで活躍した作曲家。 カマルゴ・グァルニエリから音楽を学んだプラドは、やがてシュトックハウゼンやブーレーズ、リゲティの作品に興味を持ち、奨学 金を得てパリに留学。ナディア・ブーランジェに教えを請うとともに、メシアンの神秘主義からも影響を受け、自国のブラジル音 楽にこれらのエッセンスを融合させ、ピアノ曲集『カルタス・セレステス=天体の図表』などに見られる独自の作風を確立しま した。このアルバムに収録されている2つの作品は、作曲年代がほぼ20年離れており、彼の異なるスタイルが反映されていま す。初期の作品「詩人カルロス・マリア・ジ・アラウジョへのささやかなる葬送歌」は若くして命を落とした詩人に捧げる嘆きの 調べ。合唱とパーカッションが効果的に用いられたオーケストラのための作品です。対してカンピーナス市立SO設立 10周年のために書かれた「オリシャたちの交響曲」はブラジルの伝統的宗教と儀式、大いなる自然への賛美が描かれてお り、緻密なオーケストレーションと沸き立つようなリズム使用が際立つ作品です。深い森を思わせる神秘的な音色あり、原 始的・異教的なリズムとサウンドの炸裂ありで、「春の祭典」のブラジル版と呼べるかもしれません。
※ 国内仕様盤には木許裕介(日本ヴィラ=ロボス協会会長)氏による日本語訳解説が付属します。
8.574416
イギリスの宗教合唱曲集
ヴォーン・ウィリアムズ:手を打ち鳴らせ(合唱とオルガン版)
エルガー:永遠の光(原曲:エニグマ変奏曲 Op. 36- 第9変奏 ニムロッド)(J. キャメロンによる合唱編)
ホルスト:2つの詩篇 - 詩篇第148篇 「Lord, Who hast made us for thine own」(M. フォードによる合唱とオルガン編)
ハロルド・ダーク(1888-1976):おお喜ばしき光よ Op. 38No. 2
ハーバート・ハウエルズ:4つのアンセム- 第3番Like as the hart 鹿が谷川を慕いあえぐように
エルガー:詩篇第29篇 「主に帰せよ」 Op. 74(合唱とオルガン版)
ウェズリー(1810-1876):わたしの咎をことごとく洗い
ヴォーン・ウィリアムズ:味わい、見よ
ウェズリー:主なる神に祝福あれ
スタンフォード:聖書の歌 Op. 113- 第6曲 My Beloved Spake 知恵の歌(合唱とオルガン版)
パトリック・ハドリー(1899-1973):わが愛する者語りて(合唱とオルガン版)
ヴォーン・ウィリアムズ:5つの神秘的な歌(M. フォードによる声、合唱とオルガン編)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
ジュリア・スミス(S)
エリザベス・リム(S)
レイチェル・リム(S)
ケイト・ジャーカ(S)
マーティン・フォード(Org)
ヴァサーリ・シンガーズ
ジェレミー・バックハウス(指)

録音:2021年10月17日、2021年10月22-24日
2022年10月に生誕150年を迎えるヴォーン・ウィリアムズを記念するアルバム。 名バリトン、ロデリック・ウィリアムズを独唱者に迎えた「5つの神秘的な歌」をはじめとした宗教的合唱曲を中心に、19世紀から20世紀初頭の英国教会音 楽を組み合わせることで、ヴォーン・ウィリアムズからスタンフォード、エルガー、ハウエルズなど近代英国の作曲家たちのインスピレーションの源を探っていきま す。彼らの多くが作品のテキストとして用いたのは、格調高い英語で綴られた1611年出版の『欽定訳聖書』であり、ヴォーン・ウィリアムズも「英国人の誰も が忘れようもないほど心に刻まれた言葉」として大切にしていたもの。20世紀半ばに誤訳の訂正を兼ねて現代的な言語で出版するという動きがあった際に は、彼は落胆の思いを手紙にして友人に送ったほどでした。他の作曲家の作品も、繊細に紡がれた旋律と言葉への感性で、英国合唱作品ならではの表 現が生み出されています。エルガーの名曲「ニムロッド」が無伴奏合唱にアレンジされた「永遠の光」も荘厳な美しさが耳に残ります。
8.574417
モーツァルト:ミサ曲全集 第2集
ミサ曲第18番ハ短調 「大ミサ曲」 K. 427(F. バイヤーによる補筆完成版)
ミサ・ブレヴィス ハ長調 「シュポウル・ミサ」 K. 258
カタリナ・コンラディ(S)
サラ・ロンベルガー(Ms)
マルタン・ミッタールッツナー(T)
ミハイル・ティモシェンコ(Bs)
ケルン西ドイツ放送cho
ケルン室内O
クリストフ・ポッペン(指)

録音:2021年10月8-15日
第1集(8.574270)が好評を博したNAXOSの新シリーズ、クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送 合唱団とケルン室内Oの演奏によるモーツァルトのミサ曲全集。第2集では未完成となったものの規模 の大きさで知られる「大ミサ」ハ短調 K.427と1776年にシュポウル(シュパウアー)伯爵のために書かれたとされ る「ミサ・プレヴィス」K.258の2曲を収録。 1782年に作曲された「大ミサ」は妻コンスタンツェがソプラノ・パートを歌い初演された作品で、クレドとアニュス・ デイは未完成のまま残されており、近年、複数の補筆版が作成されています。この録音では音楽学者でモー ツァルト研究のオーソリティであるフランツ・バイヤーが補筆し1989年に出版した版が用いられました。 ハ長調の「ミサ・ブレヴィス(短いミサの意)」はシュポウル伯爵の聖職受任式のための曲と考えられており、全体 が祝祭的な雰囲気に包まれた、簡素ながらも明るさを持つ作品です。 今作でも、ドイツの歌劇場やオーケストラ出演で活躍する4人のソリストが起用されており、各々が素晴らしい 歌唱を披露しています。とりわけソプラノのカタリナ・コンラディの清冽な歌唱が聴きどころです。ポッペンは今作で も作品の厳粛な美しさを引き出しています。
8.574418
アントニオ・ソレール:ソナタ第96番 - 第98番
ソナタ第96番変ホ長調 Op. 4No. 6
ソナタ第97番イ長調 Op. 8No. 1
ソナタ第98番変ロ長調 Op. 8No. 2
ダウマンツ・リエピンシュ(P)

録音:2021年11月15-19日
スペインの作曲家アントニオ・ソレールの鍵盤楽器のためのソナタ集。NAXOSでは、コンクールで優勝した若手ピアニストたちが分担して録音を進めており、 今回は2019年に開催されたマリア・カナルス国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したダウマンツ・リエピンシュの登場です。 ソレールは教会音楽家としての訓練を受け、王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院のオルガニストを務めたことで、フェリペ2世の宮廷で働いていた ドメニコ・スカルラッティなどの音楽家と親交を結び、その影響を受けたソナタを数多く遺しました。この巻に収録された3曲は当時流行していたウィーン前古典 派の流れも意識しているとされ、牧歌的な雰囲気や洗練された繊細さ、そして卓越した技巧を要する華やかな仕上がりが特徴です。 演奏しているダウマンツ・リエピンシュはラトヴィア出身のピアニスト。2017年にはラトヴィアの音楽賞「Liel? m?zikas balva」のヤング・アーティスト賞を受賞 し注目を浴び、また2020年には英国の"Pianist Magazine"で「注目すべき4人のピアニスト」に選出されたほか、数多くのコンクールの入賞経験を誇りま す。
8.574419
シベリウス:劇音楽『テンペスト』 Op. 109 王立デンマークO・歌劇場cho
オッコ・カム(指)

録音:2021年10月10日
1925年から1926年、交響詩「タピオラ」と並行して作曲が進められた劇音楽『テンペスト』。シェイクスピアの同 名戯曲につけたこの音楽は、シベリウスの創作活動の末期、いわゆる"ヤルヴェンパーの沈黙"に入る直前に書か れたものですが、スケールの大きいシンフォニックな仕上がりのため、シベリウス屈指の名作のひとつとされています。 もともと1901年に友人から『テンペスト』への音楽を作ることを提案されていたシベリウスは、当時からシェイクスピア 作品の持つ世界観に魅せられていましたが、1925年に再び作曲を依頼されたことで、想像力を存分に生かした 作品を書き上げました。冒頭の難破船の恐ろしい音像から、幽玄な歌、騒々しい人物描写、驚くべき自然の喚 起など原作の持つ不思議な世界のテーマを、自由な発想で独自の音として描き出したのです。とはいえ、全5幕 34曲(後に1曲追加)で構成されたこの作品は、全曲が演奏されることは稀であり、現在ではシベリウス自身が編 纂した組曲として演奏されます。 北欧音楽の名匠、オッコ・カムの指揮によるこの全曲盤は作品が初演された劇場でのデンマーク語による演奏。 作品の正しい姿を伝えるにふさわしい1枚と言えるでしょう。
8.574423
アンソニー・バージェス(1917-1993):ギター四重奏曲全集
ギター四重奏曲第1番 「ラヴェルへのオマージュによる四重奏曲」(1986)
ホルスト:組曲「惑星」 Op. 32- 第3曲 水星 翼の神(1916)(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)
バージェス:ギター四重奏曲第2番
3つのアイルランドの小品(A. バージェスによるギター四重奏編)(1988)…世界初録音
バージェス:ギター四重奏曲第3番(1989)
ウェーバー:歌劇「オベロン」 序曲(A. バージェスによるギター四重奏編)(1987)…世界初録音
メーラ・ギターQ

録音:All Saints Church, Weston(UK)
作曲家としてよりも小説家として知られるアンソニー・バージェス。彼は東南アジア、アメリカ合衆国、中央ヨーロッパなどの様々な場所で暮らすことで培った広 範な知識を、その作品に活かしました。1986年、モンテカルロに住んでいた彼はこの地で活躍していた「Aighetta Guitar Quartet アイゲッタ・ギター四重奏団(1979年結成)」と出会い、彼ら のために数多くのオリジナル作品と編曲作品を書き上げています。 アイゲッタ・ギター四重奏団はバージェスとのコラボレーションを通じて高い名声を獲得、国 際的な音楽祭に出演し、多くの賞を獲得しました。このアルバムに収録された作品も、全てアイゲッタ・ギター四重奏団のために書かれたもので、ラヴェルへの オマージュが織り込まれた第1番を含む、3曲のバージェスのオリジナル四重奏曲のほか、ホルストとウェーバー作品の編曲とアイルランドの旋律まで、ギターの 音色を存分に生かした作品を楽しめます。
8.574424(2CD)
ブラームス:ハンガリー舞曲集と
ハンガリーの伝統音楽

【CD1】
1. ミスカ・ボルゾー:A haromszeki leanyok ハーロムセークの少女 - Maros vize folyik csendesen(G. カールディによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第1番ト短調
3. ボルゾー:Isteni csardas イシュテニ・チャールダーシュ - 白鳥の歌(O. ペテーニによるピアノ編)
4. モール・ヴィント:Emma csardas エマ・チャールダーシュ
5. 伝承曲:Azt szoktak szememre vetni 人々は私が愛するには若すぎると言う(B. エグレッシ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第2番ニ短調
7. 伝承曲:Tolnai lakodalmas トルナの婚礼の踊り(J. リスネルによるピアノ編)
8. 伝承曲:Be szep a katona 兵士はどれほど素晴らしいか(B. エグレッシ、K. シクラヴァーリによる声とピアノ編)
9. エデ・レメーニ:Allegro Ungharese ハンガリー風アレグロ
10. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第3番 ヘ長調
11. ナンドール・メールティ:Kalocsai emlek カロチャの思い出
12. エレメル・センティルマイ:Edes titkok 甘い秘密
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第4番 ヘ短調
14. ヨシ・チラグ:Keglevich notaケグレヴィチの歌
15. ベーラ・ケラー:Bartfai emlek バルデヨフの思い出、チャールダーシュ Op. 31(P版)
16. 伝承曲:Uccu bizony megerett a kaka 池に茂るは(I. ボグナルによる声とピアノ編)
17. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第5番 嬰ヘ短調
18. ミクローシュ・コンコリ=テゲ:Egri csardas エゲルのチャールダーシュ
19. 伝承曲:Csillag eleg ragyog…星かげ冴ゆれと(N. ネルティによる声とピアノ編)
20. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - Lassu I-II - Friss I-II
21. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第6番 変ニ長調
22. 伝承曲:Nem vagyok en szerelmes 私は恋をしていない(A. ティサによる声とピアノ編)
23. レメーニ:Friss フリス
24. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第7番 イ長調
25. イグナーツ・フランク:Lujza csardas ルイザのチャールダーシュ
26. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第8番 イ短調
27. ヤーノシュ・トラヴニク:Makoi csardas マコーのチャールダーシュ
28. 伝承曲:Ne, ne busulj 悲しむことはない(J. セルダヘイ、I. ボグナルによる声とピアノ編)
29. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第9番 ホ短調
【CD2】
1. 伝承曲:Van-e a korsoban…このワインジャーには何か入っていますか?(B. エグレッシ、I. ボグナルによる2声とピアノ編)
2. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第10番 ホ長調
3. 伝承曲:ハンガリー舞曲 ニ短調(P編)
4. フェレンツ・ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第7番 ニ短調(F. ブンコによるピアノ編)
5. ヨージェフ・セルダヘイ:A Csikos:Tanc 馬に乗る人 - 舞曲 (P編)
6. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第11番 ニ短調
7. エレメル・センティルマイ:Tiz par csokot egyvegbul 10組のキスをひとつに(P編)
8. カーロリー・パティカールス伝/エデ・バルタイ:Galgoczi emlek ガルゴーツの思い出「Morog a brugo」(E. バルタイによるピアノ編)
9. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第12番 ニ短調
10. ラースロー・ジマイ:Edes rozsam 私の甘いバラ
11. 伝承曲:Barna legeny ブラウン・ラッド(E. エルケルによる声とピアノ編)
12. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第13番 ニ長調
13. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第14番 ニ短調
14. エグレッシ:Abrand 幻想曲
15. エグレッシ:Farsangi iskola 謝肉祭時期の学校:Hej, haj, magyar ember ヘイ、ヘイ、ハンガリー(I. ボグナルによる声とピアノ編)
16. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第15番 変ロ長調
17. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第5番ニ長調(F. ブンコによるピアノ編)
18. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第16番 ヘ短調
19. ブンコ:カランチャリャの13のパローツの旋律 - 第3番 イ短調(F. ブンコによるピアノ編)
20. カールマン・シモンフィ:Ez az en szeret?m 私の愛する人(M. モショニによる2声とピアノ編)
21. 伝承曲:Mariskam, Mariskam! 私のかわいいマリシュカ(E. エルケルによる声とピアノ編)
22. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第17番 嬰ヘ短調
23. 伝承曲:Harom alma, meg egy fel りんご3つと半分以上(I. ボグナルによる声とピアノ編)
24. ヨージェフ・ケチケメーティ:Turai emlek トゥラの思い出
25. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第18番 ニ長調
26. ケチケメーティ:Egressy halotti harangozasa ベーニ・エグレッシのための弔いの鐘
27. フェレンツ・サールケジ伝:Kis szekeres, nagy szekeres 小さな戦車兵、大きな戦車兵(K. アブラニによる声とピアノ編)
28. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第19番 ロ短調
29. ヤーノシュ・ネポムク・サスティツ:Erzes hangjai 感情の音
30. 伝承曲:Honved dal es csardas 兵士の歌とチャールダーシュ第2番 ニ短調 (P編)
31. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第20番 ホ短調
32. フェレンツ・パティカールス:Barandi emlek バランドの思い出 - フリス III
33. コンコリ=テゲ:Tobb is veszett Mohacsnal - Helyre Kati あなたのウォーター・ルーにはあわない ? かわいいケイト(M. コンコリ=テゲによるピアノ編)
34. コンコリ=テゲ:Helyre Kati かわいいケイト(F. タリツキ、I. カッシャイによる声とピアノ編)
35. ハンガリー舞曲集 WoO 1- 第21番 ホ短調
アドリエン・ミクシュ(S)…CD1:1、5、19、28/CD2:1、11、20、27
ヤーノシュ・バーンディ(T)…CD1:1、8、16、22/CD2:1、7、10、15、21、23、34
フェレンツ・セチェーディ(Vn)…CD1:9、23
シルヴィア・エレク(フォルテピアノ…CD1:1、3、5、12、14、18-20、28/CD2:3、4、11、19、20、26、27、29、30、32)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、12、13、16、18、22、25、28、31、35)
イシュトヴァーン・カッシャイ(フォルテピアノ…CD1:4、7、8、11、15、16、22、25、27/CD2:1、5、7、8、10、14、15、17、21、23、24、33、34)
(P…CD1:2、6、10、13、17、21、24、26、29/CD2:2、6、9、12、13、16、18、22、25、28、31、35)

録音:2019年8月26-30日、2021年9月2-5日
大ヒット作『ハンガリー舞曲集』と、そのルーツを探る2枚組! 20歳のブラームスは、ハンガリー出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、エドゥアルト(エデ)・レメーニと知り合い、レメーニの伴奏者として演奏旅行に出かけました。 この時、ハンガリーの伝統音楽やロマの民族音楽に触れ合う機会を持つとともに、ヨーゼフ・ヨアヒムと会ったことが、彼のその後の創作活動に大きな影響を 及ぼしたことは良く知られています。このアルバムでは、ブラームスの代表作の一つである『ハンガリー舞曲』のピアノ4手版を中心に、ブラームスが聴いたハンガ リーの旋律や、ほぼ名も知れぬ作曲家たちによる膨大な作品をとりまぜて紹介。アルバムに収録されている素朴な民謡や勇壮な舞曲、変奏曲などを聴く と、ブラームスがこれらの原曲を、どのように自らの作品の素材として用いたかが垣間見えることでしょう。ハンガリーを中心に活躍する奏者たちによる演奏で す。
8.574426
A.ルビンシテイン:6つの前奏
曲/6つの練習曲

6つの前奏曲 Op. 24(1854)…全曲の世界初録音
6つの練習曲 Op.81(1870)
「オンディーヌ」練習曲 Op. 1(1842)
ピアノ練習曲 ハ長調(1868)…世界初録音
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月4-5日
ロシア出身のアントン・ルビンシテインは、ピアニストとしてフランツ・リストと並ぶ名声を誇るとともに、協奏曲を 含む数多くのピアノ曲を書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせました。ロシア音楽に多大な 貢献をしたにもかかわらず、ドイツ・ロマン派の流れを汲む保守的な作風は当時全盛を誇っていた「ロシア5 人組」に受け入れられることがなく、賛否両論を巻き起こした彼の作品は次第に忘れられてしまいました。し かし、近年再評価が進み、交響曲や歌曲などの録音が増えています。このアルバムにはクララ・シューマンに 献呈された「6つの前奏曲」と、ルビンシテインの高い技術と音楽性、そして彼自身の手の大きさがうかがえる ダイナミックな「6つの練習曲」を中心に収録。そして、「オンディーヌ」練習曲は彼の初出版作品で、ハ長調 の練習曲は世界初録音です。
8.574427
ルビンシテイン:ピアノ作品集
自由な形式による6つの前奏曲とフーガ Op.53(1857)
3つの小品 Op.71(1867)
演奏会用練習曲 ハ長調 「間違った音で」(1868)
マーティン・カズン(P)

録音:2022年1月6-7日
ピアニストとして高い名声を誇るとともに、交響曲、歌劇から協奏曲を含む数多くのピアノ曲などを書き上げ、人気作曲家として世界中にその名を轟かせた ロシア出身の作曲家ルビンシテイン。このアルバムでは1857年に作曲された「6つの前奏曲とフーガ」と、1867年の「3つの小品」を収録。前奏曲と フーガは、各々の曲が当時の名奏者や作曲家に捧げられており、曲には彼らの性格がほのめかされています。抒情的な前奏曲に導かれたフーガは、厳格 な対位法が用いられていながらも、歌うような旋律が散りばめられたロマンティックさも持ち合わせています。「3つの小品」はサロン風の音楽。「間違った音で」 と題された練習曲は、ミスタッチを思わせる音が面白い作品です。 マーティン・カズンはルビンシテインの「6つの前奏曲と練習曲」(8.574426)で高く評価されたピアニスト。このアルバムでも技巧的なパッセージを弾きこなすと ともに、ルビンシテインの美しい旋律を歌い上げています。
8.574428
コルンゴルト:弦楽四重奏曲第1番- 第3番
弦楽四重奏曲第1番イ長調 Op. 16(1922-23)
弦楽四重奏曲第2番変ホ長調 Op. 26(1933)
弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op. 34(1945)
ティペットQ【ジョン・ミルズ(Vn1)、ジェレミー・イサーク(Vn2)、リディア・ラウンズ=ノースコット(Va)、ボジダル・ヴコティッチ(Vc)】

録音:2021年11月8-10日
コルンゴルトは少年期から円熟期にかけて10作ほどの室内楽作品を遺しました。 この3つの弦楽四重奏曲は第1番は20代、第2番は30代、第3番は40代後期とそれぞれ作曲時期が異 なっており、その作風にも違いが感じられます。1924年に初演された第1番は、躍動感と魅力的なハーモ ニー、そして饒舌な和声が融合した作品で、当時の音楽界における彼の地位をより堅固なものとしました。 その10年後に書かれ、アメリカで出版された第2番は、素直で明瞭な旋律と勢いの良いリズムが特徴です。 そして第二次大戦後に書かれブルーノ・ワルターに献呈された第3番は、すでにヨーロッパでの彼の人気が凋 落していた失意の時期の作品ですが、古典的な作風と現代的な味わいが並存し、曲の最後は喜びに満た されるという予想外の展開が耳に残ります。イギリスのティペット四重奏団の演奏です。
8.574430

NYCX-10368
日本語解説付国内盤
税込定価

シューマン:交響曲第3番「ライン」 Op. 97(G.マーラーによる編曲版)
交響曲第4番(G. マーラーによる編曲版)
マリン・オルソップ(指)
ウィーンRSO

録音:2020年10月19-23日Musikverein Wien and ORF Funkhaus Studio 6(オーストリア)
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンが完成させた交響曲は4曲ありますが、これらを近代以降のオーケストラで演奏すると、音が濁ったり、 バランスが取れなかったりすることが多く、指揮者泣かせの曲と言われてきました。この難題に大胆な回答を出したのが、作曲家にして当代屈指の名指揮者 でもあったマーラー。彼の時代のオーケストラで聴き映えがするよう、4曲の交響曲のスコアに数多くの改変やカットを加えました。それらの多くは打楽器や金 管の増減などによってマーラーが重要と見なすモチーフを補強し、そうでないと考えた部分を抑えるというものでしたが、今ではシューマン自身が書いた通りで はないという理由で敬遠されがちです。オルソップはマーラーのオーケストレーションを再評価すべく、ウィーン放送響と全4曲を収録。こちらは第2弾となる第3 番「ライン」と第4番が収録されています。 交響曲第3番「ライン」は1850年作曲、1851年にシューマン自身によって初演されました。ラインというタイトルはシューマン自身の命名ではありませんが、 悠然たる河の流れを思わせる雄大な作品です。マーラーの編曲はとりわけ管楽器の削減が特徴で、ホルン・パートの修正や第5楽章の冒頭など耳に残る 部分が数多くあります。 交響曲第4番は、第1番の完成から間もなく構想され、1841年に完成した際は誕生日プレゼントとして妻のクララに贈られました。もともとは単一楽章で書 かれていたせいか初演時に好評を得ることができず、10年を経てシューマンは作品に大幅な改訂を施します。現在知られているのはこちらの改訂稿で、マー ラーもこの改訂稿に手を加えていますが、この曲での彼の改訂はそれほど目立つものではありません。オルソップは全体的にテンポを速めにとり、全曲をすっき りとした印象に仕上げています。 ※国内仕様盤には相場ひろ氏による日本語解説が付属します。
8.574431
ポーランドのアコーディオン協奏曲集
マルチン・ブワジェヴィチ(1953-2021):アコーディオン協奏曲(2012)…世界初録音
ブロニスワフ・カジミェシュ・プシビルスキ(1941-2011):ポーランド協奏曲(1973)
ミコワイ・マイクシャク(1983-):コンチェルト・クラシコ(2001)
クラウディウシュ・バラン(アコーディオン)
ポーランドRSO
クラウザ・ミハウ(指)

録音:2015年12月4日、2016年6月24日、2016年11月30日
1960年代頃から、ポーランド国内でアコーディオン協奏曲が注目されるようになりました。このアルバムで演奏する クラウディウシュ・バランのような名手が登場したこともあり、近年は一層多くのアコーディオンのための作品が書かれ るようになっています。ここでは1973年から2012年にかけて書かれた3曲のアコーディオン協奏曲が演奏されてい ます。冒頭の作曲家、マルチン・ブワジェヴィチはポーランド現代音楽を牽引した一人で、この世界初録音となるア コーディオン協奏曲は華やかなパッセージと絡みあう旋律が特徴。緊張感に満ちた第1楽章、東洋風の味わいを 持つ第2楽章、推進力を持つオーケストラの伴奏にのってアコーディオンが大活躍する第3楽章と聴きごたえたっぷ りです。プシビルスキの「ポーランド協奏曲」はこの国の民俗学への関心が感じられる作品。伝統舞曲のリズム・パ ターンが使われたユニークな味わいを持っています。マイクシャクの「コンチェルト・クラシコ」は、タイトル通りの古典的 な作風によるものではなく、過去の伝統を新たに解釈することで生まれた斬新な作品です。最終楽章での疾走 感溢れるアコーディオンの旋律が見事です。
8.574432
シューマン:オルガン作品全集
ペダル・ピアノのためのスケッチ Op.58
ペダル・ピアノのための練習曲集 Op.56
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2022年7月12-13日St Matthai, Gronau(ドイツ)
1844年、ライプツィヒを去りドレスデンに移住したシューマンは、かねてから研究していたバッハ作品に再 び向き合いました。彼は「フーガの厳密な形式と19世紀のロマン派の精神をどうすれば両立させることができ るのだろうか?」を念頭に置き、1845年に足鍵盤(ペダル)を備えた「ペダルピアノ」を手に入れ、バッハのオル ガン曲を研究。そのフーガへの熱意からこのアルバムに収録された作品が生まれました。とりわけOp. 56は シューマン自身がピアノ三重奏に編曲したほか、他の作曲家たちも様々な編曲を施したほど芸術性の高い 作品です。ここでウィンペニーは、ドイツのグローナウにある歴史的な"フルトヴェングラー・オルガン(1860年 製)"を使用。このオルガンは、ドイツ・ロマン派時代に作られた現存するオルガンの中で2番目に大きな楽器 で、シューマンの表現豊かな作品に合う幅広い響きを奏でます。
8.574433
期待の新進演奏家シリーズ/ビョン・ボギョン(G)
カステルヌオーヴォ=テデスコ::3つの地中海前奏曲 Op. 176
ポンセ:主題,変奏と終曲(1926年第1版)
(2018)
ジェリル・レフィク・カヤ(1991-):ギター・ソナタ第1番ニ長調(2017)
エンジェル・ラム(1978-):小雪
カルロス・デ・セイシャス(1704-1742):ソナタ第23番ニ短調- 第1楽章 アダージョ(1720頃-42)(R. オリヴェイラによるギター編)
セイシャス:ソナタ第24番ニ短調- アレグロ(1720頃-42)(R. オリヴェイラによるギター編)
レオ・ブローウェル(1939-):ラ・グラン・サラバンダ(拡張バージョン)
クラリス・アサド(1978-):最後の歌(B. フォーゴ、D. ラッセル、O. ヴェセリによるギター編)
ビョン・ボギョン(G)

録音:2021年12月20-21日
ソウル生まれのギタリスト、ビョン・ボギョン。6歳でギターを始め、ジュリアード音楽院で音楽学士号と音楽修士号を 取得。2018年に開催されたジョアン・ファレッタ国際ギターコンクールで優勝するなど、数々の国際コンクールの入賞 経験を持ち、現在はカリフォルニア州立大学フラトン校のギター科教授を務めています。2021年のGFA国際ギター コンクールでの優勝記念として制作されたこのアルバムでは、様々な時代に書かれた作品を演奏、豊かな才能と技 術を存分に聴かせています。
8.574436
トポス〜20世紀ギリシャの管弦楽作品集
ソロン・ミカエリデス(1905-1979):パルテノン神殿の夜明け(1934/36)
マノリス・カロミリス(1883-1962):島の絵(1928/1939改訂)
ヤニス・コンスタンティニディス(1903-1984):ドデカネス組曲第1番(1948)
コンスタンティニディス:ドデカネス組曲第2番(1949)
スカルコッタス:5つのギリシャ舞曲 AK11b(1933/36)(N. スカルコッタス、W. ゲールによる弦楽オーケストラ編 1938/1940-47)
ノエ・乾(Vn)
テッサロニキ州立SO
ゾイ・ツォカン(指)

録音:2021年3月19、22-24、26日、5月24-28日
ギリシャがオスマン帝国からの独立を宣言したのは1821年。当時からウィーンやベルリンに出て音楽を勉強した人たちがいました。20世紀の初めに は、彼らの弟子たちや、新たにドイツやオーストリアに留学した人たちが盛んに作品を書いていて、ギリシャ政府も伝統を採り入れた教育活動に力を 入れていました。このCDの収録曲は、そのようにして生まれた作品です。テッサロニキ国立SOが持っている楽譜から選ばれていて、未出版の曲 もあります。 録音はコロナで演奏会がキャンセルになっている時期だったので、特別な感慨がありました。ヨーロッパとアジアの境目にあるギリシャでは、ヨーロッパの影 響もアジアの影響も強く感じられます。このアルバムではギリシャの民族音楽特有のポリリズム的な要素を持った曲が多く、ギリシャ独特の色が出てい ると思います。みなさんもお楽しみ下さい。 【ノエ・乾】
20世紀ギリシャの作曲家による管弦楽作品集。アルバムは、フランス印象派からの影響が感じられるミカエリデスの「パルテノン神殿の夜明け」で幕を 開け、リムスキー=コルサコフを思わせる官能的な響きが特徴のカロミリスの「島の絵」が続きます。地中海の夜明けを思わせる伸びやかな第1曲から 祝祭的な雰囲気の民族舞踏を描いた第3楽章まで、卓越したヴァイオリンを披露するのはギリシャ人の母を持つノエ・乾です。コンスタンティニディスの 2つの組曲は独特な音階とリズムが特徴。スカルコッタスの「5つのギリシャ舞曲」は、様々な楽器編成の為の「36のギリシャ舞曲」から作曲家が5曲 を選んで弦楽四重奏にしたものを、ドイツ生まれの指揮者・作曲家ワルター・ゲールがコントラバス・パートを加えて弦楽合奏にしたもの。バルトークの 「ルーマニア民俗舞曲」のギリシャ版といった感じの楽しく躍動感ある音楽で、本物の民謡に加えてスカルコッタスが民謡に似せて創った素材を使ってい て遊び心が感じられます。
8.574442
子供の領分〜ギターのための編曲集
シューベルト:魔王 Op.1D.328
ドビュッシー:子供の領分
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545
シューマン:子供の情景 Op.15
グラナドス:若き日の物語 Op.1, DLR IV:2

※全てヨハン・スミスによるギター編
ヨハン・スミス(G)

録音:2022年8月7-9日
2019年のGFA(全米ギター協会)国際ギターコンクールでの優勝をはじめ、数多くのコンクール受賞歴を持つヨハン・スミス。彼はこのアルバムのために5人の 作曲家が思い思いに描いた「子供時代」をギターのためにアレンジ、繊細かつ表現力豊かな音色で演奏しています。冒頭に置かれたシューベルトの『魔王』 では巧みなテクニックを存分に発揮し、子供、父、魔王をギターで見事に弾き分けています。 ヨハン・スミスは1990年にジュネーヴで生まれ、ローザンヌ大学で大学院の学位を取得。ダゴベルト・リニャレスに師事しギターを学びました。演奏家、教師と して活動するかたわら、メタル・バンド"Stortregn"を率い世界中をツアー、更にグラフィック・デザインを手掛けるという多才なアーティストです。
8.574449
マルシュナー:序曲と舞台音楽集 第1集
歌劇「キフホイザー山」 - 序曲(1816)*
ジングシュピール「美しいエラ」 (1823)より*
  序曲/第2幕 間奏曲
 第2幕 バレエ音楽/第3幕 間奏曲
 第4幕 間奏曲
 第4幕 戦士と少女の行進曲
 第5幕 間奏曲
 歌劇「アリババ 、または40人の盗賊」(1823)より*
 序曲/第2幕 メロドラマ
 第2幕 終曲/第3幕 バレエ音楽
  第3幕 終曲
歌劇「木材泥棒」(1823) -序曲
歌劇「ベルリンのウィーンっ子」- 序曲*
チェコ室内Oパルドビツェ
ダリオ・サルヴィ(指)

録音:2022年1月24-26日、31日
*=世界初録音
ウェーバーとワーグナーを繋ぐドイツ・オペラの作曲家の一人ハインリヒ・マルシュナー。1817年に初めて歌劇の作曲に着手し、以降、歌劇「吸血鬼」などいく つかの作品の完成を経て、1833年には代表作「ハンス・ハイリング」がベルリンで初演され、マルシュナーの名声は頂点に達しました。現在、マルシュナーの 作品を耳にすることはあまりありませんが、彼の作品の特徴とも言える華麗なオーケストレーションと、極めてロマンティックな旋律、巧妙に用いられたシュプレヒ ゲザングは、ワーグナーら次世代の作曲家たちにも多大なる影響を与えました。NAXOSではマルシュナーの序曲と舞台音楽集のシリーズを開始、第1集で は幽霊や盗賊が活躍する物語を題材にした「美しいエラ」と「アリババ」からの音楽を中心に収録。マルシュナーの旋律美を存分に楽しめます。オーベールや マイアベーアの序曲の録音でおなじみのダリオ・サルヴィとチェコ室内Oパルドビツェの演奏で。
8.574452
サン=ジョルジュ(1745-1799):ヴァイオリン協奏曲集 第3集
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.2No. 1(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.2No. 2(1773年出版)
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.7No. 1(1777年出版)
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 Op.7No. 2(1777年出版)
毛利文香(Vn)
チェコ室内Oパルドビツェ
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2022年3月21日-23日
カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のサン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌を持っ た彼は、アスリートで剣の達人であるとともに、優れたヴァイオリニスト&作曲家として18世紀後半のフランスで活 躍、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとりました。彼のヴァイオリン協奏曲は14作が確認されており、その多くは 2曲づつペアで出版されています。このアルバムにもそうした2組、4曲の協奏曲が収録されており、どの曲も技巧的 なヴァイオリン独奏パートを中心として、モーツァルトを思わせる魅力的で多彩な楽想が展開します。今作で独奏 ヴァイオリンを演奏するのは、日独で活躍の場を急速に広げている毛利文香。彼女自身によるカデンツァも聴きど ころです。
8.574454
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):管弦楽作品集 第6集
劇音楽『ペルーのスペイン人、またはロラの死』 (1795)
劇音楽『イオランタ、エルサレムの女王』 (1797)
劇音楽『アフメットとツェニーデ』 (1796)
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2022年2月21日、2022年2月22日、2022年2月23日、2022年2月24日
全て世界初録音
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァルトと交流を深めウィーン楽壇における重要 な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼さ れました。現存している彼の数少ない舞台音楽の楽譜にはどの表紙にも「シンフォニア」のタイトルが付いており、これは彼にとって大きな仕事であった 交響曲の制作と同じように重要であるという意味が込められているようです。そこには各幕のための序曲や行進曲などが含まれており、実際、後に彼 はこれらを素材として交響曲を書いています。 ここのアルバムに収録された作品は、どれもウィーンのブルク劇場で初演されたもの。『ペルーのスペイン人、またはロラの死』は1795年6月13日の初 演で、1532年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の血なまぐさい征服から題材を得た作品です。第3幕と第5幕の序曲は、後に交響曲に転用さ れたためこの録音では割愛されています。『イオランタ、エルサレムの女王』は1797年4月17日に初演。舞台は1135年のエルサレムで、若い女王に 対抗する求婚者たちと攻撃してくるイスラム軍、そしてテンプル騎士団の新たな団長の選出など陰謀渦巻く物語です。『アフメットとゼニード』は1796 年10月28日の初演。当時人気のあったトルコ音楽が採り入れられており、オーケストラの編成にはピッコロと、オスマン帝国の歩兵軍団「イェニチェリ」 の音楽を表現するのに特徴的なトライアングル、シンバル、バスドラムが用いられた多彩な響きを楽しめます。前5作に続き、マレク・シュティレツが指揮 するチェコ室内Oパルドビツェの見事な演奏で。
8.574456
ファブリース・ボロン(1965-):生まれない孫たち/コーダニアの秘密の花園
生まれない孫たち(2014/2021)-ゲオルク・トラクルの詩による声とエレクトリック・チェロのための歌曲集
コーダニアの秘密の花園
イリーナ・ジェウン・パク(S)
ナッタポン・タマチ(T)
ヨハネス・モーザー(エレクトリック・チェロ)

録音:2021年5月14-16日、2021年10月17日
オーストリアの表現主義作家ゲオルク・トラークルの詩を用いて書かれた歌曲集「生まれない孫たち」。 指揮者・作曲家として活躍するファブリース・ボロンのこの作品は、もともと2014年にテノール、ソプラノ、室 内オーケストラのために書かれたもので、2021年にエレクトリック・チェロと歌のために改訂されました。奇妙な タイトルは、トラークルの詩の最終行に由来し、第一次世界大戦で兵士の亡骸を目にしたトラークルの「もう 彼には決して孫や子孫が生まれることはない」という悲痛な心の叫びが凝縮されています。ピッツィカートをは じめとした多彩な音色を活かした、時にはグロテスクとも言えるエレクトリック・チェロの響きにのって歌いかわす ソプラノとテノールの印象的な歌唱は、現代音楽の予期せぬ新しい方向性を切り開くものとして注目される ことでしょう。また、ボロンがチェリストの妻に捧げた作品「コーダニアの秘密の花園」は、多重録音を駆使した エレクトリック・チェロのための刺激的な作品です。
8.574458
ツェルニー:ピアノ・コンチェルティーノ集
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.78(1824)
ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲 Op.3(1819) (Pと管弦楽のためのオリジナル・バージョン)
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op.650(1841)
ローズマリー・タック(P)
イギリス室内O
リチャード・ボニング(指)

録音:2022年3月15-17日
全て世界初録音
現在ではピアノ練習曲の作曲家として知られるカール・ツェルニーは、ベートーヴェン、クレメンティ、フンメルの 弟子で、リストの師。19世紀のウィーンにおいてファッショナブルな作品で高い人気を誇り、数多くの練習曲 で新しいピアノ演奏の技術を開発することで名声を得ていました。このアルバムには世界初録音となる3つの 作品が収録されています。1824年のピアノ・コンチェルティーノはディアベリ社から出版された明るく軽快な作 品です。第1楽章の上昇する音階はいかにも練習曲風ですが、第2楽章はモーツァルトの第21番の協奏 曲の緩徐楽章を思わせる美しい旋律に満たされており、ポロネーズのリズムが楽しい第3楽章で締めくくられ ます。1819年に書かれた「ブランギーニのロマンスによる幻想曲と華麗な変奏曲」は激しいニ短調の序奏で はじまり、すぐに穏やかな主題が登場、長調と短調を行ったりきたりしながら様々な装飾を施され展開してい きます。 Op.650のコンチェルティーノは、この形式による最後の作品。単一楽章の中に序奏とロンドが組み込まれ ています。ピアノの超絶技巧も至るところに盛り込まれた華やかな作品です。
8.574463
サン=サーンス:舞曲とバレエ音楽集
歌劇「エティエンヌ・マルセル」(1877-78) - 第3幕 バレエ音楽
 大学生と娼婦の入場
 戦いのミュゼット/パヴァーヌ
 ワルツ/ボヘミア人の入場
 終曲
歌劇「ヘンリー8世」(1881-82)より
 前奏曲/第2幕 間奏曲
 第3幕 シノードの行進
 第4幕第1場 アレグロ・モデラート
 第4幕第2場 アンダンテ・ソステヌート
付随音楽『パリュサティス』 (1902) - エール・ド・バレ
 アントレー(クアジ・アダージョ)
 アレグロ・ノン・トロッポ
 モデレ(sans lanteur)
 モルト・アレグロ
歌劇「ヘンリー8世」 - 第2幕 民衆の祭り、バレ=ディヴェルティスマン
 序奏 氏族の入場
 スコットランドの牧歌
 民衆の祝祭
 ジプシー女の踊り
 スケルツェット
 ジーグとフィナーレ
歌劇「サムソンとデリラ」 Op. 47(1859-77)より
 第1幕 竜の司祭の踊り
 第3幕 バッカナール
ハーグ・レジデンティO
準・メルクル(指)

録音:2022年3月29日-4月1日
準・メルクルが指揮するサン=サーンスの管弦楽作品集。今作にはハーグ・レジデンティOとの共演で"舞曲とバレエ音楽"を収録しています。 若い頃はワーグナーやリストといった先進的な人物を支持していたというサン=サーンスですが、円熟期以降になるとリュリやラモーら、フランス・バロック の先達が築いた音楽に傾倒するなど、保守的な姿勢を見せています。またチューダー王朝や中世フランスの君主らにも興味を抱き、これらを題材をし た音楽を書くようになりました。このアルバムに収録されているのは、サン=サーンスが探求した過去の物語や形式を題材にしながらも、彼らしい華やか なオーケストレーションが施された音楽です。グノーに賞賛されたという歌劇「エティエンヌ・マルセル」からはバロック舞曲の形式を模したバレエ音楽を、 歌劇「ヘンリー8世」からは威厳たっぷりの場面にふさわしい数々の音楽や、様々な国の人々を表したバレエ音楽を収録。1902年に初演され、当時 は大好評を博したという『パリュサティス』からの音楽は、古代の楽器「クロタル=フィンガーシンバル」を使ったエール・ド・バレ4曲が演奏されています。 また、サン=サーンスの舞台作品の中で最も有名な歌劇「サムソンとデリラ」からは、アドレナリン全開の「バッカナール」、「竜の司祭の踊り」の2曲を収 録。アルバムの締めくくりにふさわしい盛り上がりが楽しめます。
8.574464
レーラ・アウエルバッハ(1973-):24の前奏曲 - ヴァイオリンとピアノのために(1999) クリスティン・ベルンシュテッド(Vn)
ラメズ・マーンナ(P)

録音:2022年4月16-17日、6月25-26日、7月30-31日
ロシアのピアニスト・作曲家レーラ・アウエルバッハ。2002年に自作の『ヴァイオリンとピアノ、管弦楽のための 組曲』の演奏でカーネギー・ホールにデビュー(Vnはギドン・クレーメル)し注目を浴び、以降精力的な 活動を行っています。アウエルバッハはこれまでに「24の前奏曲」を3組作曲しており、どれもショパンの前奏曲 に倣って12音全ての長調、短調を用いて書かれています。この「ヴァイオリンとピアノのための前奏曲」は 1999年の作品。ヴァイオリニストのヴァディム・グルズマン、ピアニストのアンジェラ・ヨッフェに捧げられており、明 瞭なコントラストを持つ凝縮した小品で構成されています。時には調性感が希薄になることもあるものの、 バッハからショパンそしてショスタコーヴィチへと受け継がれた伝統を大切にした色彩豊かな音楽です。ヴァイオ リンを演奏するのは1994年デンマーク生まれのクリスティン・ベルンシュテッド。2021年にカトヴィツェで開催さ れた「ミェチスワフ・ヴァインベルク国際コンクール」に入賞後、ポーランド系の作品の紹介に努めています。

8.574465(4CD)
NX-C09
ブラームス:交響曲全集(全4曲) アダム・フィッシャー(指揮)
デンマーク室内O

録音:2021年5月10-18日、7月3-6日、9月23-25日、2022年2月12-14日王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
デンマーク室内管弦楽団は、以前はデンマーク放送所属の団体(デンマーク放送 シンフォニエッタからデンマーク国立室内管弦楽団に改称)でしたが、2015年より 現在の名称で独立した団体として活動しています。アダム・フィッシャーとは1987年 初共演。1998年には首席指揮者に迎え、以来四半世紀の長きにわたり良好な 関係を築いています。 これまでにもさまざまなオーケストラとブラームスを演奏してきたフィッシャーですが、彼 はオーケストラの特性を重視し、各々の個性と可能性を引き出すことを目指してい るとブックレット(英語)に記載されたインタビューで語っています。「私のブラームス」で はなく「私たちのブラームス」、その言葉通りの充実した演奏です。 1998年からデンマーク室内管弦楽団(DCO)の首席指揮者を務めるアダム・フィッシャー。2006年から13年 にかけてモーツァルトの交響曲全集(DACAPO)、2016年から19年にかけてベートーヴェンの交響曲全集 (NAXOS)を録音し、批評家と聴衆双方から高い評価を得ました。特にベートーヴェンの交響曲全集では欧 州各国で賞賛され、ICMA((International Classical Music Award)ではベートーヴェン・イヤーに出た すべてのCDの中のベストの評価を得ました。フィッシャーのDCO首席指揮者25周年を迎える2023年へ向け て録音されたブラームスの交響曲全集もこれまで以上の挑戦が聞かれる注目作です。 フィッシャーとDCOのアプローチは、ヴィブラートを控えめにした透明感の高いサウンドと、速めのテンポでアクセン トをしっかりと出した、いわゆるHIPスタイルが基調ですが、長年の研究に加えてフィッシャーの情熱的な性格も 反映したと思われる大胆なフレージング、管と弦のバランスの巧みな操作などから生まれる新鮮な響きが随所 に聴かれます。またヴァイオリン両翼配置と明確なボウイングさばきにより、例えば第1番第4楽章などに頻発す る第1第2ヴァイオリン間でのフレーズの受け渡しの効果などが大変刺激的。ブラームスの交響曲を聞き込んだ 人ほど驚きの瞬間が多々味わえるスリリングな演奏となっています。 交響曲第1番は終始快速テンポを貫きながらも、要所要所にタメをいれることで曲全体にメリハリをつけていま す。落ち着いた第2楽章での表現や終楽章でのクライマックスに向けての盛り上がりが聴きどころです。 第2番では、艶やかな弦の響きと対比する金管の高らかな音色が印象的。極めて弱音で始まり、突然の音の 爆発が心地よい終楽章もフィッシャーならではの解釈と言えるでしょう。 第3番は、とりわけデュナーミクやテンポの処理が大変印象的。思わずスコアを再確認したくなるほどの細やかな 指揮に応えるオーケストラの手腕を存分に楽しめます。 フィッシャーのピリオド解釈が光る第4番は、楽章ごとの性格が良く描き分けられており、息をもつかせぬ音楽が 紡がれていきます。
8.574468
期待の若手演奏家シリーズ/ヴァレンティン・マリーニン(P)
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 Op. 57
グラナドス:ゴイェスカス 第2部 エピローグ(幽霊のセレナード)
スクリャービン:ワルツ 変イ長調 Op. 38
プロコフィエフ:4つの練習曲 Op. 2
ビゼー:歌劇「真珠採り」 - 「イスカテリ」 (V. マリーニン編)
ヴァレンティン・マリーニン(P)
ブレトンSQ【アン=マリー・ノース(Vn1)、アントニオ・カールデナス(Vn2)、ロシオ・ゴメス(Va)、ジョン・ストークス(Vc)】

録音:2021年4月14日(ライヴ)、2021年4月20日、2021年6月27日
2021年にスペインで開催された「第62回ハエン賞国際ピアノコンクール」で優勝したロシア出身のピアニス ト、ヴァレンティン・マリーニン。このアルバムではコンクールでの演奏と、その後に収録された演奏からマリーニン 自身が選んだ曲を並べたプログラムが楽しめます。ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲はマリーニンの高いアン サンブル能力が聴きどころで、聴衆からの温かい拍手も聞かれます。続くグラナドス作品は、コンクールの特 色の一つである「優れたスペイン音楽の解釈者」たる資質を問う曲。冥界から帰ってきた亡霊が愛する人の ために奏でるセレナードをマリーニンは巧みに弾きこなしました。コンクール後にロシアで録音されたスクリャービ ンとプロコフィエフ作品は、ロシア出身のマリーニンが大切にしているレパートリー。また最後に置かれたビゼー の「「真珠採り」より"耳に残るは君の歌声"」では、ラヴェルを思わせる曲調による大胆なアレンジを披露して います。
8.574475
クリスマスの合唱曲集
1. 伝承曲:明日は私が踊りましょう(S. ニコルソンによる合唱とオルガン編)
2. ホルスト:わびしき真冬に(O. イェイロによる合唱編)
3. ジョン・ジェイコブ・ナイルズ(1892-1980): さまよいながら私は不思議に思う
 (M. オドノヴァンによる合唱とオルガン編)
4. スウェーリンク(1562-1621): 今日キリストが生まれた SwWV 163(N. エジソンによる合唱とオルガン編)
5. 伝承曲:聖デイのキャロル(J. ラターによる合唱編)
6. ボリス・オード(1897-1961):囚われのアダムは横たわり
7. 伝承曲:山を登りて告げよ(P. ハレーによる合唱編)
8. エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光(ルクス・アルムク)
9. ヴォーン・ウィリアムズ: 5つのイギリス民謡- 第5曲 ワッセイリング・ソング
10. サリー・ビーミッシュ(1956-):静かな夜に
11. 伝承曲:ディンドン空高く(C. ウッド、M. ラーキンによる合唱とオルガン編)
12. 伝承曲:このうえなく清きおとめ(編曲:C. ウッド)
13. ヒーリー・ウィラン:今日キリストが生まれた
14. 伝承曲:コヴェントリー・キャロル(M. ショウによる合唱編)
15. フランツ・クサヴァー・ビーブル(1906-2001): アヴェ・マリア(お告げの祈り)(2つの混声合唱版)
16. 伝承曲:私が踊る日(B. チルコットによる合唱編)
17. グルーバー(1787-1863): きよしこの夜
 (S. シンセンによる合唱とオルガン編)
18. 伝承曲:まきびとひつじを(P. ハレー、J. ステイナーによる合唱とオルガン編)
マシュー・ラーキン(Org)…1、3-5、11、17、18
エジソン・シンガーズ
ノエル・エジソン(指)

録音:2022年4月2-4日
カナダを拠点に活動する「エジソン・シンガーズ」は、2019年に合唱指揮者ノエル・エジソンによって設立された室内合唱団です。彼らは年に一度、定期的 にオーディションを実施し、団のクォリティを維持することで素晴らしいハーモニーを作り上げています。このアルバムではさまざまなクリスマス・キャロルを演奏。グ レゴリオ聖歌や、16世紀の舞踊曲、伝承曲から現代作品までを網羅、もちろん「きよしこの夜」や「まきびとひつじを」などの有名曲も含まれており、聖夜にふ さわしい1枚に仕上がっています。
8.574478
アダン:バレエ音楽『オルファ』 カリーナ・フリストヴァ(コンサートマスター、ヴァイオリン・ソロ)
ヴェセラ・トリチコヴァ(Hp)
ソフィアPO
ダリオ・サルヴィ(指)

録音2022年4月15日、2022年4月16日
全て世界初録音
総収録時間:89分
『ジゼル』が名高いアドルフ・アダンが書いた14作のバレエ曲、その最後から2番目の作品が『オルファ』です。シナリオは北欧神話から採られ、親子二 代にわたる神々の対立を描いたもの。ロキ(ローゲ)やオーディン(ヴォータン)が登場するストーリーは、ワーグナーの「ニーベルングの指環」や映画『マイ ティー・ソー』にも使われた、人気のある定番素材の一つです。初演では、当時大人気を誇っていたイタリアのバレエ・ダンサーで振付師ファニー・チェッ リートをタイトルロールに起用し、大ヒットを記録しました。音楽的には、いくつもの楽器に華やかなソロ・パートがあるのも特徴です。世界初録音となる この演奏は、フランス国立図書館に所蔵されたアダンの自筆総譜からコピーされた新版を用いています。オーベールやマイアベーア作品でおなじみのダ リオ・サルヴィの指揮は、ソフィアPOから華やかでスペクタルな音色を存分に引き出すとともに、各楽器の見せ場を引き立てて います。
8.574480
ヴィエルヌ:ピアノ作品全集 第2集
12の前奏曲 OP.36(1914-15)
Solitude 孤独 Op.44(1918)
ピアノのための小品 Op.49
舞踏の調べ(1910)
舞踏の調べ(1911-12頃)
 No.2. Le vieux berger年老いた羊飼い
 No.3. Les esprits de la nuit 夜の精霊
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2022年5月15日、2022年5月16日
荘厳なオルガン作品で知られるルイ・ヴィエルヌのピアノ作品全集。シリーズ第2集では、第1次世界大戦が勃発した1914年にヴィエルヌが作曲を開 始した「12の前奏曲」を中心に様々な曲を聴くことができます。 「12の前奏曲」は各々の曲に象徴的なタイトルが付されており、その多くはロマンティックなものですが、激しさを増す戦時状況や、当時悪化した緑内 障の治療を受けたことなど心身ともに疲れていた彼の心情を反映してか、悲観的なタイトルが多く曲調も暗めになっています。次の「孤独」は1918年 の作品。弟でオルガニストだったルネと長男ジャックを戦争で失くした彼の絶望が表れた悲しい曲調が印象的です。他は「ツァラトゥストラはかく語りき」 と題された死後出版の「ピアノのための小品 Op.49」やノスタルジックな「舞踏のエール」などを収録。第1集と同じくブラジル出身のピアニスト、セルジ オ・モンテイロの演奏で。
8.574487
ジョルジェ・エネスコ:初期室内楽作品集
ピアノ五重奏曲 ニ長調(1896)
前奏曲とガヴォット(1898)
オーバード(朝の歌)ハ長調(1899)
パストラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲(1900)
2つのルーマニア狂詩曲 Op.11- 第1番 イ長調(1901)(J. エノックによるピアノと弦楽五重奏編 1957)
ファイン・アーツ四重奏団【Ralph Evans(Vn)、Efim Boico(Vn)、Gil Sharon(Va)、Niklas Schmidt(Vc)】
アレクサンダー・ビッカルト(Cb)
ジゼル・ヴィトコフスキ(P)
ファビオ・ヴィトコフスキ(P)

録音:2022年10月22-25日
優れたヴァイオリニストで教育者、そしてルーマニアを代表する作曲家ジョルジェ・エネスコ。若い頃にはパリに留学して作曲をマスネとフォーレに学びまし たが、その頃に書いた作品の多くは長い間出版されませんでした。このアルバムは、そのパリ時代の作品を中心にしています。冒頭のピアノ五重奏曲 は、エネスコのヴァイオリンの師マルタン・ピエール・マルシックに捧げられ、その精緻な筆致にはエネスコが尊敬していたブラームスの影響が窺われます。 ヴァイオリン、チェロと2台のピアノのための「前奏曲とガヴォット」、エネスコ唯一の弦楽三重奏曲「オーバード」、ヴァイオリンとピアノの連弾による「パスト ラーレ、悲しきメヌエットと夜想曲」からは若きエネスコの意欲が感じられます。最後には、1901年の初演当時から人気を博していた「ルーマニア狂詩 曲第1番」をエネスコの死後にピアノと弦楽五重奏用に編曲した版が演奏され、アルバムを華やかに締めくくります。NAXOSにも数多くの録音がある ファイン・アーツ四重奏団が中心となって、生き生きとした音楽を生み出しています。
8.574495
レオーネ・シニガーリャ(1868-1944):弦楽四重奏曲全集 第2集
ロマンス Op.3(1889) - 弦楽四重奏とホルンのために*
アヴェ・マリア(1888) - 弦楽四重奏曲のための
アレグロ・エネルジコ(作曲年不明)
弦楽四重奏曲のためのガヴォッタ(1888)
ノヴェレッタ(作曲年不明)
モデラート・モッソ(作曲年不明)
スケルツォ ニ長調(1888)
アダージョ(作曲年不明)
モメント・アンティコ(弦楽四重奏版)(1888)
弦楽三重奏曲 イ長調(1889)
トリオ=セレナータ(セレナード) Op. 33(1906)
ヴァヴジニェツ・シマンスキ(Hrn)
アルコス四重奏団

録音:2021年7月
*以外=世界初録音
イタリア、トリノ出身の作曲家・登山家シニガーリャの弦楽四重奏曲集。ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツ に弾圧され悲劇的な死を迎えたシニガーリャですが、その作品はどれも彼が愛した山々のような清々しい美 しさを誇っています。第1集(8.574183)に続くこの第2集には弦楽四重奏のために書かれた小品を中心に 収録しています。彼はヴァイオリニスト、ジョヴァンニ・ボルツォーニの弟子であり、弦楽器の扱いのうまさは師匠 譲りのものでした。このアルバムでは主として1888年から89年に書かれた初期の作品を聴くことができます が、いくつかの作品は作曲年不明となっています。ホルンをフィーチャーした「ロマンス」や、シンプルでありながら 半音階的なハーモニーが印象的な「アヴェ・マリア」など、イタリアのオペラ・アリアを思わせる抒情あふれる旋律 が心に残ります。また1906年の作品で、バロックの様式を感じさせる「トリオ=セレナータ」も聴きどころです。
※こちらのCDは長時間の収録になっているため、一部のプレイヤー では正常に再生できない可能性がございます。予めご了承ください。
8.574496
パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):宗教的合唱曲集
1. Cherubic Hymn Op.7No.1(1897)
2. Spaseniye sodelal(Salvation is Created) Op.25No.5(1909-10)
3. Angel vopiyashe (The Angel Cried Out) Op.22No.18(1909)
4. O Tebe raduyetsia (All of Creation Rejoices) Op.15No.
11(1908)
5-14. All-Night Vigil 徹夜祷 Op.44(1912)
ジェシカ・キニー(S)
ナタリー・マニング(A)
トム・バトラー(Br)
セント・ジョンズ・ヴォイセス(合唱)
ケンブリッジ大学室内cho
グラハム・ウォーカー(指)

録音:2022年3月25日、2022年3月26日、2022年3月27日
ラフマニノフと同世代でロシア正教聖歌の伝統を継承する作曲家チェスノコフの作品集。モスクワで労働者 階級の家庭に生まれたチェスノコフは5歳で合唱団で歌い始め、後にタネーエフやイッポリトフ=イワノフらに 師事して作曲を学びます。合唱指揮者、教師としても優れた技量を発揮し、モスクワ音楽院で後進の指導 にあたりました。2つの「徹夜祷」を含む500以上の作品があり、ここではその中から2作目の「徹夜祷」他を 収録。いずれもソ連による宗教音楽抑圧を経験する前の帝政時代の作品で、チャイコフスキーやラフマニノ フの合唱曲に聞かれる、敬虔かつロマンティックで壮大な音響世界が広がっています。

8.574506
イムレ・セーチェーニ(1825-1898):ピアノ作品集
1. Wiesbaden-Polka ポルカ「ヴィースバーデン」
2. Herbst-Polka ポルカ「秋」
3. La Brigantine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ブリガンティーヌ」
4. Bliktri-Polka ポルカ「ブリクトリ-ポルカ」
5. Datscha-Polka ポルカ「ダーチャ」
6. Valdine Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「ヴァルディーネ」
7. Zither-Polka ポルカ「ツィター」
8. Velloni-Polka ポルカ「ヴェローニ」
9. La Marguerite Mazurka マズルカ「ラ・マルゲリーテ」
10. Leopoldinen-Polka ポルカ「レオポルディーネ」
11. Tommy-Polka ポルカ「トミー」
12. Polka-Mazurka in A Minor ポルカ=マズルカ イ短調
13. Serenade in A Minor セレナード イ短調(2台ピアノ)
14. La Tulipe Mazurka マズルカ「チューリップ」
15. La Neige (Schnee) Polka ポルカ「雪」
16. Les Vagues Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「波」
17. Une polka pretentieuse ポルカ「うぬぼれ」
18. Felicetta-Polka ポルカ「フェリチェッタ」
19. L'Eventail Polka-Mazurka ポルカ=マズルカ「扇」
20. Georginen-Polka ポルカ「ダリア」
21. Pretchistinka-Polka ポルカ「プレチスティンカ」
22. Le Caprice-Polka ポルカ「ル・カプリース」
ジェルジ・ラーザール(P)
イシュトヴァーン・カッシャイ(P)

録音:2022年2月12日、2022年2月13日、2022年2月19日、2022年2月20日
全て世界初録音
総収録時間:78分
19世紀から20世紀のハンガリーで隆盛を誇ったセーチェーニ家。自由主義の指導的な地位に立つ人材を 多く輩出した彼らの中でも、イムレ・セーチェーニは傑出した人物でした。彼は有能な外交官で、ベルリン駐 在のオーストリア・ハンガリー大使も務め、リスト、ヨハン・シュトラウス2世、スッペ、ワルトトイフェル、ビスマルク など、当時の有力な音楽家や政治家たちと親交を結びつつ、作曲家としてシュトラウス一族を思わせる親し みやすいメロディ・ラインを持つ小品を数多く書き上げています。彼が最も得意としたのは舞曲で、マズルカ、 ポルカ、セレナードは多くの人々を魅了しました。既発アルバム(8.573807)で、彼自身がオーケストレー ションを施した様々な舞曲を聴くことができますが、ここではピアノによる22曲をお楽しみいただけます。演奏 は「セーチェーニ家のピアノ曲」(GP786)と同じくカッシャイとラーザールの2人が担当。
8.574508
ニクラス・シーヴェレフ(1968-):交響曲第1番&第5番
交響曲第1番「ノルディコ」(2013)
交響曲第5番「管弦楽のための協奏曲」(2020)
マルメ歌劇場O
ヨアキム・グスタフソン(指)

録音:2021年6月7-18日マルメ(スウェーデン)
スウェーデン出身のピアニスト・作曲家ニクラス・シーヴェレフによる2曲の交響曲。6歳からオルガンを学び、 14歳でピアノに転向、17歳の時にストックホルム王立音楽院に入学し、作曲とピアノを学んだシーヴェレフは 演奏家として活躍するかたわら、交響曲も積極的に作曲。この10年間で6曲を完成させ、現在7作目に取 り掛かっているということです。 2013年に書かれた交響曲第1番は、この年に息子が生まれたことで創作意欲を高めたシーヴェレフによる 作品で、彼の故郷であるスウェーデン北部の風景と、シベリウスの影響が感じられる色彩的な音楽です。パ ワフルな打楽器セクションとピアノ・パートを持ち、激しいリズムの応酬と金管楽器のコラールを特徴とします。 交響曲第5番は「オーケストラのための協奏曲」。とはいえ各楽器に名人芸が求められるのではなく、2つの 楽章はAdagioのゆったりしたテンポで進み、あくまでも内省的に静かな楽想が発展します。第2楽章の主 題は、彼が愛猫のために作曲したジャズ・バラードが元になっており、ブルースの影響を受けたハーモニーが心 地よく耳に残ります。
8.574516

NYCX-10408
日本語解説付国内盤
税込定価

ハイドン:後期交響曲集 第1集
交響曲第93番ニ長調 Hob.I:93(1791)
交響曲第94番ト長調 「驚愕」 Hob.I:94(1791)
交響曲第95番ハ短調 Hob.I:95(1791)
デンマーク室内O
アダム・フィッシャー(指)

録音:2022年9月2、5、日、11月14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内Oの首 席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚 愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。 アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドンOを組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で 1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩 急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。 デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっていま す。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼ら のスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニッ クを意図的に使っています。 新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽 章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさ に「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ち た演奏で、大注目のプロジェクトです。
8.574526(2CD)
アントニオ・サッキーニ(1730-1786):オラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の放棄』 聖フィリッポ…ソ・イェリ(S)
ポヴェルタ…ケテヴァン・チュンティシュヴィリ(S)
ファスト…マルクス・シェーファー(T)
インガンノ…ダニエル・オチョア(Bs)
コンチェルト・デ・バッスス(古楽アンサンブル)
ジョヴァンニ・ミケリーニ(チェンバロ&オルガン)
フランツ・ハウク(チェンバロ&指揮)

録音:2022年5月23-28日
世界初録音
フィレンツェに生まれ、ナポリ音楽院の前身の1つにあたるサントノフリオ・ア・ポルタ・カプアーナ音楽院で 音楽教育を受けたアントニオ・サッキーニ。当時隆盛を極めた“ナポリ楽派”の一員として歌劇を書き上 げた後、ロンドンを経てパリへ移住。この地で生涯を終えました。このオラトリオ『聖フィリッポ・ネリの富の 放棄』は、16世紀に実在した聖者の物語。オラトリオですが、レチタティーヴォとアリアが交互に歌われる ナポリ楽派の他の歌劇と同じ形式で書かれており、若きフィリッポ・ネリ(ソプラノが歌う)が将来の生き方 について悩んだ末、全ての財を投げ打ち、取り巻く欺瞞と精神的試練を乗り越えながら、神への祈りと 美徳の道を求める姿がドラマティックに描かれます。1765年の四旬節に初演されたこのオラトリオは大 成功を収め、翌年も再演されました。聖フィリッポ役を歌うのは韓国のソプラノ歌手ソ・イェリ(徐藝俐)。 華やかで技巧的なアリアを見事にこなし、マルクス・シェーファーら他の歌手の歌唱も万全。ジモン・マ イールの数々の歌劇録音で知られるフランツ・ハウクが指揮するコンチェルト・デ・バッススも素晴らしい演 奏を聴かせます。
8.574528

NYCX-10386
日本語解説付国内盤
税込定価

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
パガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ボリス・ギルトブルグ(P)
ブリュッセルPO
ヴァシリー・シナイスキー(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30、31日、2022年8月31日、9月1日
ボリス・ギルトブルグによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集が完結。 収録されたのはピアノ協奏曲第1番と第4番、そして人気の高い「パガニーニの主題による狂詩曲」の3曲。ギルトブルグは7歳か8歳の時に初めて第1番を 聴いて以来、愛着を感じていて「こんなに美しいメロディに満ちた曲がいま一つ人気が無いのは理解できない」というコメントから始めて、この曲の魅力と聞き どころを熱く仔細に原盤解説に綴っており、満を持しての録音にかける意気込みが感じられます。第4番とパガニーニ狂詩曲についてもギルトブルグは洞察に 富んだ解説を寄せていますが、何よりも彼の切れ味の良いピアニズムがこれら3曲の作品のドラマティックな構成を鮮やかに伝えるものとなっている点が当ディ スクの一番の魅力です。 第2番と第3番でのカルロス・ミゲル・プリエト指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管に代わり、今回はロシア音楽に素晴らしい解釈を示すヴァシリー・シナイ スキがブリュッセル・フィルを指揮してバックを務めています。
※日本仕様盤にはギルトブルグ自身による原盤解説の日本語訳解説が付属します。
8.574531

NYCX-10420
日本語解説付国内盤
税込定価

ヴィラ=ロボス:チェロ協奏曲集
チェロ協奏曲第1番Op.50(1915)
チェロ協奏曲第2番(1953)
.幻想曲 - チェロと管弦楽のために(1945)
アントニオ・メネセス(Vc)
サンパウロSO
イサーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2021年9月27-28日、2022年4月18-21日
ヴィラ=ロボスにとって最も身近な楽器はチェロであった。そんな彼が書いたチェロとオーケストラの為の作品が面白くないわけがない。「チェロ協奏曲第1番」 は作曲家としてのキャリアの最初期に手がけた作品。一方で、ブラジル的な要素が横溢する「チェロ協奏曲第2番」は最晩年の作品にして、初演者のアル ド・パリソと共に作り上げた「オーダーメイド」の大作です。チェロを知り尽くしたこの作曲家ならではの歌と技巧が炸裂!とくに第2楽章の旋律は「ブラジル風 バッハ第5番」のアリアのように、どこまでも大らかで美しい…。
※国内仕様盤には木許裕介氏(指揮者、日本ヴィラ=ロボス協会会長)による日本語解説が付属します。
8.574539
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴロ・ペレティッチ
スカルラッティ: ソナタ ホ長調 K.380/L.23/P.483(1754) (C. マルキオーネによるギター編)
ソナタ ニ長調 K.178/L.162/P.392(1752) (L. ペレティッチによるギター編)
カレル・アルノルドゥス・クライファンガー(1817-1868):「魔弾の射手」の主題による序奏と変奏 Op.3(1851頃)
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117- 第1番変ホ長調(1892)(L. ペレティッチによるギター編)*
バリオス(1885-1944):マズルカ・アパショナータ(1919頃)
ドビュッシー:ボヘミア舞曲(1880)(A. クラウゼによるギター編)*
  マズルカ(1890頃)(A. クラウゼによるギター編)*
モーリス・オアナ(1913-1992):月時計 - 第1曲 らんちき騒ぎ(1981)
ヘンツェ(1926-2012):王宮の冬の音楽 - ギター・ソナタ第2番(1979)(編曲:R. エヴァース)
ロヴロ・ペレティッチ(G)

録音:2022年11月27-29日
*…編曲版世界初録音
1985年クロアチア生まれのロヴロ・ペレティッチのアルバム。ザグレブ音楽院を卒業後、ジュネーヴ音楽院で ジュディカエル・ペロワに学び、2022年に開催されたGFA国際ギターコンクールで優勝を飾りました。2023 年と2024年には全米各地とカナダで大規模なコンサート・ツアーが予定されているなど、その将来を嘱望さ れています。 このアルバムでは18世紀から現代にいたる作品をチョイス。バリオスの官能的な作品やヘンツェのソナタなどを 見事な技巧で弾き切るとともに、スカルラッティのソナタやブラームスの間奏曲では自身で編曲も行い、その
8.574549
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
交響曲第9番*
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2022年12月1-3日*、2022年12月9日…1-4
マーラーとショスタコーヴィチの「交響曲第10番」に続く香港POとヤープ・ヴァン・ズ ヴェーデンの新録音はショスタコーヴィチの2つの交響曲です。収録されているのは第5番と第9番。2012年 よりオーケストラの音楽監督を務めるズヴェーデンはかつて香港ポスト誌のインタヴュー (http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=16468)で「オーケストラはカメレオンのよ うでなければならないと考えます」と語ったように、このアルバムでもオーケストラの高い機能性を用い、性格の 異なる2つの交響曲(重厚、複雑な第5番、かたや新古典的な様式を持つ軽妙な第9番)を鮮やかに描き わけ、ショスタコーヴィチの多面性を際立たせています。
8.574549
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
交響曲第9番*
香港PO
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指)

録音:2022年12月1-3日*、2022年12月9日…1-4
マーラーとショスタコーヴィチの「交響曲第10番」に続く香港POとヤープ・ヴァン・ズ ヴェーデンの新録音はショスタコーヴィチの2つの交響曲です。収録されているのは第5番と第9番。2012年 よりオーケストラの音楽監督を務めるズヴェーデンはかつて香港ポスト誌のインタヴュー (http://www.hkpost.com.hk/history/index2.php?id=16468)で「オーケストラはカメレオンのよ うでなければならないと考えます」と語ったように、このアルバムでもオーケストラの高い機能性を用い、性格の 異なる2つの交響曲(重厚、複雑な第5番、かたや新古典的な様式を持つ軽妙な第9番)を鮮やかに描き わけ、ショスタコーヴィチの多面性を際立たせています。
8.574555
ピアノバッソ コントラバスとピアノで奏でる名曲集
サティ:ジムノペディ 第1番
バッハ:シチリアーノ
ドビュッシー:夢
ショパン:夜想曲第20番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 - 第2楽章
バッハ:マタイ受難曲 - 憐れみ給え、わが神よ
シューベルト:アヴェ・マリア
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ? 間奏曲
ペッテション=ベリエル:気分
アルヴェーン:夕べ
※全てトーマス・グスタフソンによるピアノとコントラバス編
ピアノバッソ【トーマス・グスタフソン(P)、アンドレアス・グスタフソン(Cb)】
スウェーデンの二人組による、ピアノとコントラバスという異色の組み合わせが奏でる夢のように美しいクロスオーバー音楽。全ての曲のアレンジはピアニストの トーマス・グスタフソンの手によるものです。過去の名作に即興的なフレーズを加えたアレンジが心地よく、粒立ちのよいピアノの響きを支えるコントラバスは、 時にはジャズ風のリズムを刻みながらそっと音楽に寄り添います。アルヴェーンやペッテション=ベリエルといった北欧ならではの作品が含まれているところも聴き どころです。
8.574560
ヴァイオリンとピアノのための作品集
アラン・ロースソーン:ヴァイオリン・ソナタ(1958)
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-2022):ディブク・メロディ(1980)*
エロリン・ウォーレン(1958-):ソジャーナ・トゥルース(2021)*
ウェンディ・ヒスコックス(1963-):カプリース(1990-)*
ヒスコックス:ドライ・ホワイト・ファイアー(2010)*
ダグラス・ネーハンス(1957-):ミスト・ウェーブズ(2019)*
シア・マスグレイヴ(1928-):対談(1960)
マーティン・バトラー(1960-)舟歌(2020)*
リチャード・ブラックフォード(1954-):ワールズ・アパート(2020)
ケヴィン・マローン(1958-):ユア・コール・イズ・インポータント・トゥ・アス(2022)*
ハワード・ブレイク(1938-):氷の女王とスノーマン Op.699(Vnとピアノ版)*
マデリーン・ミッチェル(Vn)

アンドルー・ボール(P)
エロリン・ウォーレン(P)
ウェンディ・ヒスコックス(P)
ナイジェル・クレイトン(P)
イアン・ペイス(P)
マーティン・バトラー(P)…
ハワード・ブレイク(P)

録音:1996年2月20日、2022年1月30日、2月12日、2022年3月17日、2022年4月23日、2022年8月31日、12月20日、2022年12月20日、2023年2月12日

*…世界初録音
ヴァイオリニストのマデリーン・ミッチェルによるアルバム。ソリスト、室内楽奏者として50か国以上で活躍、数多 くの賞を受賞し、ジェームス・マクミランやマイケル・ナイマン(など錚々たる作曲家が彼女のため作品を書いてい ます。これまでにも現代の作曲家たちの新しい作品に影響を与えてきたミッチェル、今作では友人の7人のピ アニスト(うち4人は作曲家)とともに「会話」を繰り広げています。世界初録音を数多く含む収録作品は、自 然現象を描いたものや、自由への探求、そして愛のデュエットなど、様々なテーマが探求されており、多彩な 音楽と雰囲気を楽しむことができます。またこのアルバムは2022年にこの世を去ったピアニスト、アンドルー・ ボールへのオマージュでもあり、1996年に録音されたロースソーンのソナタを冒頭に置き、彼女と20年にわ たって築き上げたパートナーシップが称えられています。

8.578003(2CD)
サロン音楽の黄金期
ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
ジーチンスキー:ウィーンわが夢の街
カールマン:ジプシー王女のポプリ
ゴダール:ジョスランの子守歌
トセッリ:セレナーデ
ウィンクラー:ポルトガルの漁師の踊り
エルガー:愛の挨拶/アルデッティ:口づけ
アンダーソン:ブルー・タンゴ
O・シュトラウス:ワルツの夢
A.ルービンシュタイン:へ調のメロディ
アンダーソン:舞踏会の美女
リクスナー:青い空/クライスラー:愛の悲しみ
ウィンクラー:魔女の踊り
デンツァ:フニクリ・フニクラ
レオンカヴァッロ:マッティナータ
ホイベルガー:オペラ舞踏会〜「個室」
ドヴォルザーク:ユモレスク
フェラーリス
:黒い瞳
ウィンクラー:ローマのジプシー祭り
ドナート:淡き光に/エルデーイ:プスタのきつね
マスネ:タイスの瞑想曲
ウィンクラー:ウィンクラー・メドレー
ドリゴ:百万長者の道化師〜セレナーデ
クロイダー:それは天国の一部でなくてはいけない
フィッシャー:南アルプス
リンケ:試し聴きのポプリ
ゲオルク・フーバー(指)シュヴァンネン・サロンO
誰もがどこかで一度は耳にしたことがあるけれど「この曲なんだっけ?」と頭をひねってしまうような曲。「通俗名曲」って、ちょっと言葉は乱暴だけど愛すべきメロディに満ちた曲。そんな小品が30曲楽しめます。緩い編曲がこれまたステキ。音を楽しむとはまさにこんな感じ。ウィーンの酒場の雰囲気が手軽に楽しめます。ちょっぴり感傷的なメロディがこれでもか・・・とばかりに心に浸みこみます。疲れた時、気分のいい時、どんな時にもぴったりです。
8.578093(3CD)
イージー・リスニング・ピアノ・クラシック〜ゴドフスキー
トリアコンタメロン(30日物語)より<第1番タンジールの夜想曲/第2番森のチロル/第3番逆説的な気分/第6番懇願する吟遊詩人/第7番往年の…/第8番ヴァトーの風景/第9番魅惑のグレン>
24の性格的小品「ワルツの仮面劇」より<オリエンタル/ウィーン訛り>
ジャワ組曲「フォノラマ~ピアノのための音紀行」より<ワヤン・プルオの操り人形/しゃべりまくる猿たち>
シューベルトの歌曲によるトランスプリクション<さすらい/野ばら/海に/ミニョン>
バロック作品のトランスクリプション<リュリによるサラバンドホ短調/ラモーによるメヌエット
4手のための作品集「種々雑多なものU」より<悲しげなメロディ/夜想曲/舟歌>
ピアノ・ソナタホ短調より第4楽章
トリアコンタメロン(30日物語)より<第11番懐かしきウィーン/第12番エチオピアのセレナーデ/第15番誘惑する女/第17番アメリカの牧歌/第18番時代おくれ/第19番リトル・タンゴ・ラグ>
メヌエット第1番ホ長調
2.夜の思いより「庭の花」/3.夜の思いより「セレナーデ」
4つの詩曲より「献身」
4つの詩曲より「公言」
3つの小品Op.14より「夕暮れの風景」
3つの小品Op.12より「メヌエット」
18世紀の歌<エグゾデのメヌエット/リセ/古き良きグラニー/お母さん、説明して/気まぐれな羊飼いの少女/私は謙虚なシダだった/美しき春よ、もう一度>
2つの詩的なワルツ第1番
2つの詩的なワルツ第2番
3つの小品Op.15より第1番「瞑想的なメロディ」/18.5つのミニアチュアより「ミラーさんの歌」
5つのミニアチュアより「行列」
5つのミニアチュアより「アラビアの歌」
ジャワ組曲「フォノラマ〜ピアノのための音紀行」より<月の光の中のボロ・ブドル/ジョグジャの水の宮殿跡>
23-25.シューベルトの歌曲によるトランスプリクション<ます/子守歌/リタニー>
ピアノ・ソナタ第3番イ短調より第3楽章
4手のための作品集「種々雑多なものV」より<フモレスケ/即興曲(昔の日)/狩人の呼び声/軍隊行進曲>
4手のための作品集「組曲第1番」より<教会にて/夜に/子守歌/ラスティックダンス>
トリアコンタメロン(30日物語)より<第21番サロンにて/第23番ジュークボックス/第24番子守歌/第25番思い出/第26番鳩時計/第27番哀しみ>
バロック作品のトランスクリプション<コレッリによるパストラーレト長調/ショーバートによるメヌエットト長調/ラモーによるサラバンドホ長調/ダンドリューによるカプリッチョホ長調/ラモーによるミュゼットとロンドホ長調>
ヨハン・シュトラウス2世の主題による交響的変容より第3番「酒、女、歌」
コンスタンティン・シチェルバコフ(P)
ヨゼフ・バノヴェツ(P)
チャン・チュンミン(P)他
あの「超絶技巧」で知られる作曲家、レオポルド・ゴドフスキー(1870-1937)の作品を「イージー・リスニング」だなんて、NAXOSレーベルも思い切ったことをするものです。しかし、これがなかなか良いのです。確かに「ゴドフスキーの作品って何だか音が多くて難しそう」という固定観念があるからいけないのです。何も考えずに聴いてみましょう。トランスクリプション系の作品は技巧的ですが、彼のオリジナル作品は意外にも音が少なく(笑)エスプリに満ちたものばかりです。
8.578143(2CD)
早朝に〜北欧管弦楽作品集
■CD1:
シベリウス:フィンランディア
マデトーヤ(1887-1947):交響的組曲より「弦楽のためのエレジー」
メリカント(1868-1924):ロマンスOp.12
メリカント:ゆるやかなワルツOp.33
シベリウス:悲しきワルツOp.44-1
アールトイラ(1905-1992):アクセリとエリナのウェディング・ワルツ(映画「北極星の下で」より
カスキ(1885-1957):前奏曲変ト長調Op.7
ラウタヴァーラ:組曲「村の音楽師」Op.1
クーラ(1883-1918):結婚行進曲Op.3-2
メラルティン(1875-1937):祝典行進曲(「眠れる森の美女」Op.22より)
シベリウス:トゥオネラの白鳥
ヤルネフェルト(1869-1958):管弦楽のための前奏曲
ヤルネフェルト:子守歌
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
クーシスト(1905-1988):フィンランドの祈る人

■CD2:
ルオラヤン=ミッコラ(1911-2005):結婚式の踊り
ソールストレム(1870-1934):エレジー
メリカント:民謡/カスキ:トロルの円舞
シベリウス:鶴のいる風景Op.44-2
クーラ:羊たちのポルカ
ユルハ(1910-1984):コンスタのよりよいワルツ
フィンランド民謡:早朝に
シベリウス:わが心の歌Op.18-6
パチウス(1809-1891):フィンランドの歌
フィンランド民謡:オルファンの嘆き
メラルティン:蝶々のワルツOp.22-17
メリカント:夏の夜の牧歌Op.16-2
シベリウス:即興曲
クーラ:オストロボスニアの民謡
メラルティン:子守歌
パルムグレン:幻惑Op.1-2
シベリウス:クリスチャン2世よりエレジー
CD1:ヨルマ・パヌラ(指)トゥルクPO
CD2:ヨルマ・パヌラ(指)カメラータ・フィンランディア

※CD2〜14.15.17.18=管弦楽版編曲
フィンランドと聞いて何を思い出しますか?きんきんに冷えた空気、朝もやがたちこめる湖、白夜、フィヨルド、トロール、屹立する針葉樹の合間をぬって駆け抜ける少女、オーロラたなびく星空・・・そんな静かで雄大な世界をこの2枚組に閉じ込めました。知られざる作曲家たちの、宝石のような小品です。

8.578210
誰もが知ってる宗教的な作品集
タリス:汝のほかにわれ望みなし*
アレグリ:ミゼレーレ*
ペルゴレージ:スターバト・マーテル/
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K618**
バッハ=グノー:アヴェ・マリア#
フランク:天使の糧#
ジェレミー・サマリー(指)オックスフォード・カメラータ*
ミヒャエル・ハラース(指)カメラータ・ブダペスト
ラースロー・コヴァーチ(指)カメラータ・ブダペスト#
ヨハネス・ヴィルトナー(指)コシツェ・ティーチャーズCho**
カメラータ・カッソヴィア**

※8.501062 分売商品
世界で最も愛されている「神聖な作品」の幾つかがこのアルバムに収録されています。例えばアレグリのミゼレーレはずっと門外不出でしたがモーツァルトが一度聴いて覚えてしまったというエピソードは有名ですし、バッハの平均律(鍵盤楽器のための一種の練習曲)に、グノーが妙なる旋律を載せて生まれた究極の名曲「アヴェ・マリア」は耳にしたことがない人はいないでしょう。他にも心洗われる名作「天使の糧」や夭折の天才ペルゴレージの「スターバト・マーテル」、混じり気のない美しさを誇るタリスの「汝のほかにわれ望みなし」、美しい旋律のくせに歌われている言葉はかなり悲惨なモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。あまりの美しさに言葉を失います。
8.578288
ヨーゼフ・シュトラウス・ミーツ・オッフェンバック
1.フォルトゥニオ・カドリーユOp.103(C.ポラック編)
2.カドリーユ「グルジアの女たち」Op.168
3.青ひげカドリーユOp.206
4.カドリーユ「ゲレルシュタイン大公妃」Op.223
5.カドリーユ「ジュヌヴィエーヴ」Op.246
6.ペリコール・カドリーユOp.256
7.トト・カドリーユOp.265
8.カーディ・カドリーユOp.25
9.ファウスト・カドリーユOp.112
10.クリスピーノ・カドリーユOp.224
スロヴァキア国立コシツェPO…1.3.4.6.7.8.9
ラズモフスキーSO…2
スロヴァキア放送SO…5
クリスチャン・ポラック…1.4
アルフレッド・エシェヴェ…2
ミハエル・ディトリッヒ…3.5.6.7.9
マンフレッド・ミュサウアー…8.10

MARCO POLO8.223561-575&8.223618-626&8.223664&8.223679から抜粋
ヨハン・シュトラウス1世の次男であり、ヨハン・シュトラウス2世の弟であるヨーゼフ・シュトラウス。彼はもともと音楽家になるつもりはなく、工業技術者を志していましたが、兄の代役として作曲した作品が話題となり、結局は音楽家の道を歩んだという人です。シュトラウス・ファミリーの中では目立たない存在ですが、それでも43年という生涯に220曲以上もの作品を残しました。彼が夢中になったのは、同年代のフランスで活躍したオッフェンバックの音楽で、当時盛んに上演されていた彼の作品の美しいメロディを転用したいくつものカドリーユは、ヨーゼフの作品の中でも異彩を放つものとして評価されています。もちろん、これらは踊るためという用途もあり、原曲の持つ複雑さは排除され、美しい部分だけが繋ぎ合わされた、ある意味「実用的」な音楽ですが、聴き手としては、美味しいどころ取りともいえるこれらの舞曲は大変歓迎されるものであったことでしょう。
8.578317
ベスト・オブ・ティアンワ・ヤン
1.サラサーテ:カルメン幻想曲Op.25-第4楽章
2.サラサーテ:カルメン幻想曲Op.25-第5楽章
3.メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調-第3楽章
4.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第1楽章「妄執」
5.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第2楽章「憂鬱」
6.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第3楽章「影たちの踊り-サラバンド」
7.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第4楽章:「復讐の女神」
8.サラサーテ:モーツァルトの歌劇「魔笛」による演奏会用幻想曲Op.54
9.サラサーテ:バスク奇想曲Op.24
10.サラサーテ:スペイン風アリアOp.18(ヴァイオリンと管弦楽版)
11.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-夏(L.デシャトニコフによるヴァイオリンと弦楽編)
ティアンワ・ヤン楊天堝(Vn)
ナヴァールSO…1-2.8.10
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)…1-2.8.10
フィンランド・ユヴァスキュラSO…3
パトリック・ガロワ(指)…3
マルクス・ハドゥッラ(P)…9
ナッシュヴィルSO…11
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)…11
1987年生まれの若きヴァイオリニスト、ティアンワ・ヤン。中国で生まれ4歳でヴァイオリンを始めた彼女は、すぐさま才能を開花させ、10歳で北京の中央音楽学院に入学を許可されます。13歳でパガニーニのカプリースを録音し、2003年にはヨーロッパでの活動を本格的に始め、ドイツの学術交流サービスからは奨学金を授与されています。それ以降は、もちろん世界中でコンサートを開き、多くのオーケストラとも共演、その才能のひらめきは留まることを知りません。既にNAXOSレーベルから10枚を越えるアルバムをリリース、中でもサラサーテの一連のアルバムは世界中で高い評価を受けています。このアルバムは、そのサラサーテも含めた、彼女自身がお気に入りの曲を選び1枚にまとめたものです。彼女の演奏には深い洞察力と、滴り落ちるような美音があり、また極度に張り詰めた緊張感も備えています。その特色が最も現れているのは、イザイのソナタでしょうか?あまりにも素晴らしい「怒りの日」のモティーフにはただただ聞き入るほかありません。肩の力を抜いたピアソラ、軽やかなメンデルスゾーンも聴きものです。
8.578360
マルコム・アーノルド:作品集
序曲「タム・オーシャンター」 Op. 51
イギリス舞曲集第1集 Op. 27(1950)
チェロ協奏曲 Op. 136(1988) - 第1楽章 Allegro- D. エリスによる演奏会用編
組曲「さすらいの旅路」(1969) - ミコーバー氏- J. モーガンによる再管弦楽版
交響曲第6番Op.95(1967) - 第1楽章 Energico
サクソフォン協奏曲(1942/1994) - 第3楽章 Alla Marcia- 原曲:ピアノ・ソナタ(D. エリスによる管弦楽編)
大幻想曲 Op. 973(1940)
クラリネットのための幻想曲 Op. 973(1940)
弦楽四重奏曲第2番Op. 118(1975) - 第1楽章 Allegro
ピアノ三重奏曲 Op. 54(1956) - 第3楽章 Vivace energico
交響曲第5番Op. 74(1961) - 第1楽章 Tempestuoso
3つのシャンティ Op. 4(1942)
イングリッシュ・ノーザン・シンフォニア
ポール・ダニエル(指)
クイーンズランドSO
アイルランド国立SO
アンドリュー・ペニー(指)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ノーザン室内O
ニコラス・ウォード(指)
モスクワSO
ウィリアム・ストロンバーグ(指)
カール・レーヴェン (アルト・サクソフォン)
マンチェスター・シンフォニア
リチャード・ハワース(指)
イースト・ウィンズ
マッジーニ四重奏団
イングリッシュ・ピアノ・トリオ

録音:1995年-2011年
イギリスの近代作曲家マルコム・アーノルド。1921年ノーザンプトンに生まれロンドン王立音楽院でト ランペットを学び、1941年にロンドンPOにトランペット奏者として入団、翌年 首席奏者となります。その後はBBCSOでも首席奏者を務めましたが、1948年のイタリア滞 在中に作曲に専念することを決め、以降はオペラ以外のあらゆるジャンルに作品を発表。9曲の交響 曲をはじめ、協奏曲、室内楽曲など多岐にわたる作品を残しています。デイヴィッド・リーン監督の『戦 場にかける橋』など、映画音楽でも才能を発揮しました。 このアルバムは、2021年の生誕100年を記念し、これまでのNAXOSにおける様々な録音から人気 作「タム・オーシャンター」やイギリス舞曲集など、アーノルドの代表的名曲をセレクトし1枚にまとめたも のです。
8.578787
J・シュトラウス:ヨハン・シュトラウス・アット・ジ・オペラ
1.ジプシー女のカドリーユOp.24
2.カドリーユ「ロジェルの包囲」Op.31
3.マルタ・カドリーユOp.46(L.バビンスキによる管弦楽編曲)
4.メロディーエン・カドリーユOp.112
5.インドラ・カドリーユOp.122
6.北極星カドリーユOp.153
7.カドリーユ「悪魔の分け前」(C.ポラックによる編曲)
8.ディノーラ・カドリーユOp.224
9.オルフェウス・カドリーユOp.236
10.新しいメロディーエン・カドリーユOp.254
11.カドリーユ「仮面舞踏会」Op.272
12.ファウスト・カドリーユOp.277
13.カドリーユ「アフリカの女」Op.299
14.こうもりカドリーユOp.363
スロヴァキア国立コシツェPO…1.2.5.6.7.8.9.10.13.14
スロヴァキアRSO…3.4.12
ポーランド国立カトヴィツェPO…11
アルフレード・ヴァルター(指)…1.2.5.8.10.13.14
オリヴァー・ドホナーニ(指)…6.11
ヨハネス・ヴィルドナー(指)…9.12
ミヒャエル・ディットリヒ(指)…3
アルフレッド・エシェヴェ(指)…4
クリスティアン・ポラック(指)…7
※J.シュトラウス全集(8.505226)より
NAXOSにおける偉大なるBOX「ヨハン・シュトラウス2世大全集」から抜粋した、楽しいカドリーユ集です。「カドリーユ」とはもともと4人の騎手が馬とともに四角い隊列を作って演じる軍事パレードでしたが、これが4組の男女が踊るダンスに転じ、18世紀に大流行したものです。このシュトラウスの「カドリーユ」は当時流行したオペラ(自作も含め)やバレエなどの音楽を上手く貼り合せて、一連の舞曲にしたもので、元の曲は既に音楽史上から消えてしまったものもあったりと、実に興味深いものです。現在でも残っているものをいくつか挙げると、例えば、トラック4はヴェルディの「リゴレット」から転用、トラック6はマイヤベーアの「北極星」(知られているとは言い難い?)、トラック9はオッフェンバックの「天国と地獄」、トラック11はヴェルディの「仮面舞踏会」、トラック12はグノーのファウスト、トラック12はマイヤベーアの「アフリカの女」、そして最後は自作の「こうもり」。誰もが口ずさめるメロディが軽やかに出現する、何とも楽しい曲ばかりです。

8.579002
カサブランカス:過ぎ去った暗黒の時
過ぎ去った暗黒の時(2005)
3つの警句<大喜び/夜曲/諧謔>
ポストリュード/愛の詩
ダリのためのイントラーダ
サルヴァドール・マス・コンデ(指)
バルセロナSO&カタルーニャO
1956年、バルセロナ生まれの現代作曲家カサブランカス(1956-)の管弦楽作品集です。ハムレットの7つの情景(8.579004)も衝撃的な音色に満ちていましたが、こちらも負けてはいません。アルバム・タイトル曲の「過ぎ去った暗黒の時」は、バルセロナSOとカタロニア全国オーケストラ(OBC)によって委嘱された作品です。暗示に満ちた不可解なタイトルですが、この曲もやはりシェークスピアへの賛辞が込められているといいます。ただ、それはとても抽象的であり、どちらかというと先入観にとらわれることなく、音の響きを純粋に楽しむべく作品と言えるでしょう。演奏には大編成のオーケストラを必要としますが、瞬間になっている音は少なめで、透明感溢れる室内楽的な静けささえ感じさせる不思議な肌触りを持っています。他には比較的有名な「3つの警句」を始めとした興味深い作品が収録されています。
8.579003
パヴロワ:交響曲第6番他
交響曲第6番/サンベリーナ組曲
ミハイル・シェスタコフ(Vn)
パトリック・ベイトン(指)モスクワ・チャイコフスキーSO
ロシア生まれで、現在アメリカで活躍している女性作曲家、アラ・パヴロワ(1952-)の最新録音です。彼女はとてもロマンティックな音楽で幅広い称賛を得ていて、既にNAXOSからも4枚のアルバムが発売されており、そのどれもが聴き手を魅了してやみません。今回の作品は、大画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに捧げられた「交響曲第6番」と、北欧の童話作家アンデルセンのおとぎ話「おやゆび姫」に基づいたバレエ「サンベリーナ」からの組曲です。苦渋の生涯を送ったゴッホの代表作「星月夜」からインスピレーションを受けたという交響曲は、哀しみを表す「ト短調」の調性を得て、臆面もなく身悶えする姿を晒すのです。対して、サンベリーナはもっと快活な作品。彷徨うサンベリーナが優しい王子と出会い、幸せをつかむまでが描かれます。これでまた彼女のファンが増えるかも知れません。
8.579004
カサブランカス:ハムレットの7つの情景他
ハムレットの7つの情景(1989)
新しい警句(1997)
パッサカリアの旋法による(1993-1996)
警句(1990)/小さい夜の曲(1992)
パウル・ユトスム(ナレーター)
マネル・バルディビエソ(指)バルセロナ216
カタロニアの作曲家カサブランカス(1956-)は、音の持つ官能性を徹底的に追及します。この特性は彼の代表作である「ハムレットの7つの情景」にも顕著に表れ、曲を構成する全ての音には命が宿り、登場人物と背景をたくさんの音で塗り重ねていくのです。第1の情景の冒頭はチェレスタが用いられ、幽玄な雰囲気を醸し出します。また怯える弦の音色は、薄氷を踏むような脆い人生を表しているかのようです。ハムレットの最も有名な独白は、複雑な対位法に織り込まれてしまいます。そして無垢の象徴オフェーリアは、柔らかい叙情性を帯びた旋律で表されます。シェーンベルクの影響もかすかに感じられる、そして、救いようもないほど悲劇的な物語の結末には、不可解な響きと深い静寂が用意されていました。
8.579005
シチェティンスキー:ウクライナからの新しい宗教音楽集
無伴奏混声合唱の為の交響曲「あなた自身を知りなさい」
2台のベルと無伴奏混声合唱の為のカンターター「光よ照らせ」
弦楽合奏と混声合唱の為の「レクイエム」*
カントゥス室内cho
アレクサンドル・トムチュク(ベル)
アレクサンドル・シチェティンスキー(ベル)
エミール・ソカチ(指)
ローマン・レワコヴィチ(指)*
グローリア室内cho*
レオポリス室内O*
ウクライナの現代作曲家、シチェティンスキー(1960-)は光り輝く崇高な精神性に満ちた音楽を作曲し続けています。その曲想はあくまでも難解ではなく、人々の意識に直接語りかけるもの。新旧の正教会聖歌、ウクライナの懐かしいメロディ、グレゴリオ聖歌、バロックや19世紀の歌劇のメロディ、そして20世紀の尖った音、これらが柔軟な形で入り乱れ、新しい統一を図ります。どの曲も、人の声の限界を超えることなく、優しく心に訴えるのです。
8.579017
ベネット・カサブランカス(1956-):七つの俳句、田園曲 他
七つの俳句(2013)
クラリネットとピアノのための2つの小品(2000)
チリーダのためのリチェルカーレ(2014)
アリアーガのための小品(2015)
セース・ノーテボームの詩による6つの注釈(2010)
ショパンへのページ(2015)
セルバンテスの墓碑銘(2016)
フルートとピアノのためのアリア(1977)
アルト・サクソフォンと六重奏のためのコンチェルティーノ「牧歌」(2012)
ティム・リー(ナレーター)
アンサンブル・ニュー・バビロン
ロレンツォ・フェランディス(指)

録音:2017年6月27-28日
ユニークな作風によるピアノ作品が話題になったスペインの作曲家カサブランカス。日本にも度々来日し、独特な音 楽観を語り人気を博しました。40年以上に渡り作曲を続けてきた彼の作品は高度に洗練されたハーモニーと、細部 まで入り組んだテクスチャで構成されています。 このアルバムに収録されている9つの作品は「フルートとピアノのためのアリア」を除くと、全て21世紀になってから書か れたもの。なかでも面白いのが、コンパクトにまとめられた「七つの俳句」。リアルタイムに彼の作風を示すニュアンス豊 かな作品です。音楽は唐突に生まれ、突然断ち切られるか、静かに消えていきます。ナレーターを伴う「6つの注 釈」、遊び心溢れる即興的な「アリア」など万華鏡を思わせる小品が並びます。のどかな旋律が切れ切れに聞こえてく る「牧歌」も工夫が凝らされた面白い作品です。
8.579022
エル=コーリー(1957-):ピアノ・ソナタ 第1番-第4番
ピアノ・ソナタ 第1番Op.35(1984)
ピアノ・ソナタ 第2番Op.61(1998)
ピアノ・ソナタ 第3番Op.67「イエス、太陽の子」(2002-2003)
ピアノ・ソナタ 第4番Op.82「夜に」(2010-2012)
川 Op.89(2012)/練習曲 Op.51(1992)
主題と変奏 Op.45(1987)
ジャコモ・シナルド(P)

録音:2017年5月7日、2017年9月16日、2018年3月30日、2018年4月24日
レバノンの作曲家エル=コーリー。NAXOSからはオーケストラ作品を中心に、すでに6枚のアルバムがリリース されており、その迫力ある響きは一部の熱狂的な愛好家たちの人気を博しています。彼はもともと高いテク ニックを有したピアニストであり、ピアノのための作品も数多く存在、ここでは4曲のピアノ・ソナタを中心に、いくつ かの小品が収録されています。ピアノ・ソナタ第1番は短いながらも伝統的な3楽章形式で書かれており、暴 力的な音の嵐と瞑想的な雰囲気が交錯するユニークな作品。トッカータを思わせる終楽章が聴きものです。 第2番は2楽章形式で、ゆっくりした部分と早い部分の対比が見事。第3番は簡潔な音で構成されたミニマ ル的要素を持つ曲です。ピアニスト、シナルドに献呈された第4番はほぼ無調でありながら、劇的な展開を 持っています。2012年のマルグリット・ロン国際ピアノ・コンクールの課題曲「川」、1992年エコール・ノルマル 音楽学校のコンクールの課題曲「練習曲」、同じくエコール・ノルマル音楽学校のコンクールの課題曲「主題と 変奏」もコーリーの独自性溢れた作品です。
8.579025
メンドンサ(1977-):Step Right Up さあ集まって!
Step Right Up さあ集まって!(2018)
Group Together, Avoid Speech グループ化,発言の回避(2012)
Unanswerable Light こたえられない光(2016)
ロジェ・ムラロ(P)
ベンジャミン・シュウォーツ(指)
グルベンキアンO

録音:2018年6月17-22日
1977年ポルトガル生まれの作曲家ヴァスコ・メンドンサの作品集。彼は作曲家としてスタートした時から「ドラマ、儀 式、メカニズム」という3つの強迫観念に取りつかれており、これらは全て連動して自身の作品に影響を及ぼしていると 語ります。このアルバムの作品は、全て自分自身への手紙のようなものであり、抽象的な概念と、実際の世界との ギャップを埋めるべく作曲したのだそうです。冒頭のピアノ協奏曲は、圧迫感を与えるピアノを単なる「音の出る機械」と して捉えることで威圧感を克服しようとします。3つの部分で構成された「Group Together, Avoid Speech」はグ ルペンキアンOの創立50周年記念の作品。9人の首席奏者たちのために書かれています。 「Unanswerable Light」は瞑想的な作品。作曲家の亡くなった友人のための記念碑です。ピアノ協奏曲でソロを 務めるのは名手ムラロ。普段は抒情的な演奏をするピアニストですが、ここでは一途にメカニカルな表現を追求してい ます。 世界初録音
8.579029
ファリア・ゴメス(1979-):室内楽作品集
1.Memoria 思い出(2012)
ヴァイオリン・ソナタ(2018)…世界初録音
Thanatos 死の神(2008)…世界初録音
Escape 逃避(2007)…世界初録音
Espera 待つ(2009)…世界初録音
Returning 戻る(2010)…世界初録音
Elegia エレジー(2007)
Nachtmusik 夜の音楽(2012)
サラ・サーロー(Cl)
カルラ・サントス(Vn)
ナンシー・ジョンソン(Va)
ミゲル・フェルナンデス(Vc)
サウル・ピカド(P)

録音:2018年7月12-14日カーディフ大学コンサートホール,カーディフ,UK
1979年リスボン生まれの作曲家ファリア・ゴメスの室内楽作品集。4歳からピアノを学び、リスボンで初期の音 楽教育を受けた後、ロンドンの王立音楽院で作曲の修士号と博士号を取得。ポルトガルで8年間教職に就 き、香港で1年過ごしてから、2015年の時にウェールズに定住しています。世界中を飛び回るファリア・ゴメスで すが、彼の室内楽作品のほとんどはポルトガル時代に書かれており、作品の根底は生まれ故郷にあることを彼 自身も強調しています。最新作の「ヴァイオリン・ソナタ」(2018)でも先鋭的な作風の中に民謡の要素が巧み に織り込まれており、第2楽章では敢えて“美しい旋律”が採用されるなど、様々な仕込みが施されています。
8.579041
2台ギターの為のニュージーランド音楽集
ジョン・サーサス(1966-):ムジカ(2017)…世界初録音
作者不詳:P?karekare Ana(マレク・パシェツニー編)(2016)…世界初録音
ジャック・ボディ(944-2015):アフリカのストリングス(1990)
アンソニー・リッチー(1960-):パ・ド・ドゥ Op.51a(1992)…世界初録音
ジェーン・カリー(G)
オーウェン・モリアーティ(G)

録音:2017年11月4-5日
魅力的なギター音楽を次々に生み出すニュージーランド。今回のアルバムはとびきりエキサイティングな「2台ギターの ための作品」が4曲収録されています。冒頭のサーサスはニュージーランドで最も知名度の高い作曲家の一人。 2004年のアテネ・オリンピックでは彼が作曲したファンファーレが演奏されたことで知られています。彼の「ムジカ」は異 なる3つの雰囲気を持つ曲で構成された作品。ジャズ風でもあるジャンルレスな音楽です。次の「P?karekare Ana」はニュージーランドの伝統的なマオリの歌。この録音では名ギタリスト、マレク・パシェツニーのアレンジで紹介され ています。ジャック・ボディの「アフリカのストリングス」はアフリカの伝統的なハープ「KORA」の音色にインスパイアされた 作品。ギターとは思えない不思議な音色がユニークです。リッチーの「パ・ド・ドゥ」は架空の恋人たちの踊り。聴き手は 想像力を発揮して彼らの姿を追うことになります。カリーとモリアーティ、2人のギタリストの息のあった演奏でお楽しみく ださい。
8.579042
フランコ・アルファーノ(1875-1954):弦楽四重奏曲全集
. 弦楽四重奏曲第1番ニ長調(1914-18/1924年改訂版)
弦楽四重奏曲第2番ハ長調(3つの繋がった楽章による)(1925-26)
弦楽四重奏曲第3番ト短調(1945)
エルミラ・ダルヴァローヴァ(Vn1)
メアリー・アン・マム(Vn2)
クレイグ・マム(Va)
サミュエル・マギル(Vc)

録音:2022年9月21-23日
全て世界初録音
ナポリの作曲家フランコ・アルファーノ。20代でドイツに留学、ライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンに 師事しました。もっぱら歌劇の作曲家であり、自作の他にはプッチーニの「トゥーランドット」の補筆完成版で 知られています。このアルバムには、世界初録音となる3曲の弦楽四重奏曲を収録。第一次世界大戦中 に書かれた第1番は“ニ長調”とされているものの調性感は希薄であり、冒頭から無調に近いながらも推進 力ある音楽が繰り広げられます。チェロの独奏が美しい第2楽章が続き、劇的な終楽章でクライマックスを迎 えます。第2番は「3つの繋がった楽章による」と記された作品。重々しい第1楽章にはじまり、第2楽章では 親しみやすい旋律が顔を見せ、荒々しい終楽章へと続きます。第3番は、彼の妻の死の翌年1944年に作 曲を開始、1945年に完成しました。第1楽章の悲痛な旋律は妻への想いが込められています。軽快な第 2楽章が続き、最終楽章では古代ローマを思わせる祝典行進曲が用いられ、曲は盛り上がりを見せて終わ ります。
8.579043
現代トルコの無伴奏ヴァイオリン作品集
サイグン(1907-1991):ヴァイオリンの為のパルティータ Op.36(1961)…世界初録音
トゥルクメン(1972-):Beautiful and Unowned 美しく、誰のものでもないもの
(2013/2017改訂)
セティツ(1977-):Soliloquy 独り言
エレン・ジューエット(Vn)

録音:2017年8月23-26日
シェ・ガリップ、カッパドキア、トルコ
名ヴァイオリニスト、エレン・ジューエットはトルコ音楽の伝統を追求しています。このアルバムでは世界初録音を含む3 人のトルコ人作曲家による無伴奏ヴァイオリン作品を演奏。バルトークを思わせるサイグンの「パルティータ」、象徴的 なタイトルを持つトゥルクメンの「美しく、誰のものでもないもの」、泣き声からささやき声まで、人の声をヴァイオリンで模 したセティツの「「独り言」。これらのユニークな3曲が収録されています。カッパドキアの人工的な洞窟の中で行われた 録音による、ヴァイオリンの共鳴音と神秘的な反響をしっかり捉えた録音が特徴です。
8.579044
ロメロ・アセンホ(1957-):チェロ協奏曲/2台のヴァイオリンの為の協奏曲 他
弦楽の為の交響曲(2014)
ディヴェルティメント(1995)
チェロと弦楽オーケストラの為の協奏曲(1995)
2台のヴァイオリンと弦楽オーケストラの為の協奏曲(1989)
イアゴバ・ファンロ(Vc)…7
セルゲイ・テスリャ(Vn1)

録音:2016年12月26-28日
※世界初録音
20世紀終りから21世紀にかけて、音楽は多様化の一途を辿っています。スペインの前衛音楽もその例に漏れず、 日々新しい音楽が生み出されており、激しい作品だけでなく、時にはメランコリックな音への憧れも生まれています。 作曲家ロメロ・アセンホはとりわけユニークな作風の持ち主であり、人々は彼の作品を「トランスアバンギャルド」と表 現、彼の師であるトマス・マルコも「彼は決して先駆者ではないが、何が先駆けなのかを知っており、必要に応じてそ のやり方を使用している」と評しています。彼の直近の作品である「弦楽の為の交響曲」は、激しい音の応酬で始 まり、第2楽章は奇妙な静寂が支配します。そして最終楽章でまた音が乱舞し、最後までエネルギーが尽きることは ありません。1990年代に書かれた3作品も興味深い作風によるもので、どちらかというと古典的な作風による「ディ ヴェルティメント」とバッハ作品ヘノオマージュである「ヴァイオリン協奏曲」、前衛的な「チェロ協奏曲」と作風の違いが 感じられます。
8.579045
「アルルカンの年」-フルート音楽集
ピエール・ド・ブレヴィル(1861-1949):Une flute dans les vergers 果樹園のフルート(1920)…世界初
録音
デュカス:牧神のはるかな嘆き-クロード・ドビュッシーの墓にて(1920)
(G.サマズイユによるフルートとピアノ編)
ルーセル:アンダンテとスケルツォ Op.51(1934)
イベール:(1890-1962):Jeux 戯れ(1923)(フルートとピアノ編)
オネゲル:Danse de la chevre 雌山羊の踊り H39(1921)
オネゲル:ヴォカリーズ=エチュード H70(1929)…世界初録音
ミヨー:フルート・ソナチネ Op.76(1922)
オーリック:アリア(1927)
プーランク:ヴィラネル FP74(1934)
タンスマン(1897-1986):フルート・ソナチネ(1925)
ティボール・ハルシャーニー(1898-1954):ピアノとフルートのための3つの小品(1924)…世界初録音
アンタイル(1900-1959):フルート・ソナタ(1951)
ティース・ロールダ(Fl)
(トラック13のみピッコロ)
アレッサンドロ・ソッコルシ(P)

録音:2017年3月21日、2017年4月29日、2017年10月1日、2017年11月13日
1918年にジャン・コクトーが発表した評論「雄鶏とアルルカン」。これまで流行していたワーグナーやドビュッシーの色 彩豊かな音楽を「アルルカン」に例え、シンプルなサティの音楽を「雄鶏」と呼び、装飾をそぎ落とした音楽を擁護する コクトーの意見は、第一次世界大戦後の荒廃したパリに新しい音楽美学をもたらしました。ちょうど同じ頃、目覚ま しい発展を遂げていた木管楽器(特にフルート)のために、この美学に基づいた軽妙でシンプルな作品が多く作曲 され、これらは現在でも奏者たちの大切なレパートリーになっています。このアルバムでは世界初録音を含む、多彩な 作品を収録。プーランクやオーリックをはじめ、タンスマンやハルシャーニーなど、当時フランスで活動していた他国の作 曲家たちまでが、この美学に影響を受けていたことがよくわかります。
8.579046
ロブ・キーリー(1960-):室内楽曲集
1-6.クラリネット四重奏曲(2017)
7-12.2つのヴァイオリンのためのデュオ(2015)
13-15.クラリネット・ソナタ(2016)
16.ディスティル(2016)
17-21.クラリネットとピアノのための5つのバガテル(2017)
22-24.ピアノ三重奏曲 第2番(2015)
ヴィクトリア・ザメク(Cl)…1-6.13-15.17-21
サラ・サーロー(Cl)…1-6
クリスハットン(Cl)…1-6
アンドリュー・スパーリング(Cl)…1-6
キャロライン・ボルディング(Vn)…7-12
ルース・エーリッチ(Vn)…7-12
ロブ・キーリー(P)…13-21
クリス・ブラニク(ヴィブラフォン)…16
アクィナス・トリオ…22-24

録音:2017年9月22-23日、2017年1月28日、2016年10月8日
世界初録音
イギリスの現代作曲家、ロブ(ロバート)・キーリー。一つ前の世代のバートウィスルやフィニッシーと同じく“難解 で複雑な作品”を書く作曲家として知られています。しかし、彼自身は「室内楽が最も表現力のある形式で ある」と考えており、例えばピアノ三重奏曲ではハイドン、ショパンの作品を模範にしているとも語っています。そ してクラリネット四重奏曲はモーツァルト作品からインスパイアされているのだそうですが、どことなく雰囲気が感 じられるだけで、全く別の作品に仕上がっています。クラリネット作品では、名奏者ヴィクトリア・ザメクの存在が 不可欠であり、成立においても、演奏においても彼女は素晴らしい存在感を見せています。
8.579048
ボリス・ティシチェンコ(1929-2010):ハープのための作品全集
わが兄弟へ Op.98(1986)-ソプラノ、ハープとフルートのための
遺言 Op.96(1986)-ソプラノ、ハープとオルガンのための
ハープ協奏曲 Op.69(1977)
アイオネラ・マリヌーツァ(Hp)
アナラ・ハセノーヴァ(S)/アルテム・ナウメンコ(Fl)
アンナ・ホメニャ(Org)
ミハイル・スガコ(指)
インターナショナル・パリジャンSO

録音:2018年12月23-28日、2019年2月19日
レニングラード音楽院でショスタコーヴィチ、ウストヴォーリスカヤらに学び1965年にレニングラード音楽院の教師となり、 1985年には教授となったティシチェンコ。ショスタコーヴィチの「直属の音楽的後継者」と目されただけでなく、“ショスタ コーヴィチの証言”を書いたソロモン・ヴォルコフをショスタコーヴィチに紹介したことでも知られています。彼は多くのジャン ルに作品を書いていますが、ここにはハープを用いた抒情的な曲も収録されており、どちらかといえば「激しい作風」で知 られるティシチェンコの知られざる一面を知ることができます。1986年に作曲された「わが兄弟へ」は彼の兄で科学者 のミハイルの死を悼んだもの。ミハイル・レールモントフの詩が用いられており、フルートとハープが歌声を美しく彩っていま す。「遺言」はザボロツキーのテキストが用いられたヴィラ=ロボスやピアソラ作品を思わせる激しい曲。オルガンの響きが ユニークです。ハープ協奏曲でのハープの使い方はかなり個性的で、とりわけ冒頭の断片的な響きが印象的。曲が進 むにつれ様々な要素が顔を出す聴き応えのある作品です。
8.579049
バッハ:マニフィカト、ほか
バッハ:マニフィカト ニ長調 BWV243(1733)
ロベルト M.ヘルムシュロット(1938-):ルーメン(2017)
シリ・ソーンヒル(S)
ミラ・グラツィク(S)
ゾフィア・ケルバー(S)
アンナ・カルマジン(S)
テレサ・ホルツハウザー(A)
フローレンス・ロソー(A)
マルクス・シェーファー(T)
ロバート・セリアー(T)
アンドレアス・マッタースベルガー(Bs)
ニクラス・マルマン(Bs)
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス
フランツ・ハウク(指)

録音:2017年9月19-21日、2017年9月22-23日
1723年にライプツィヒのトーマスカントルに就任したバッハは、その年のクリスマス用に「マニフィカト」を作曲しました。こ の時は変ホ長調が用いられ、曲間に別のテキストを使った4つの曲が挿入されていましたが、その後バッハは挿入曲 を除き、調性をニ長調に変更。現在はほとんどこちらの版で演奏が行われます。フランツ・ハウクがこの作品に組み合 わせたのは、現代の作曲家ヘルムシュロットのオラトリオ「ルーメン」。パーカッションを多用したカラフルな音響と緊迫感 溢れる合唱による異教徒間の対話を描いたオラトリオであり、およそ300年の時を隔てた宗教曲を楽しめます。
8.579050
ケリー・ターナー(1960-): ホルン作品全集 第1集
暗闇の中のロウソク Op.86-ホルンとピアノのための(2016)…世界初録音
クープラン変奏曲 「ラ・バンドリーヌ」 Op.71-ホルンとピアノのための(2014)…世界初録音
日暮れて四方は暗く(讃美歌39番) Op.79-ホルンとピアノのための(2018)…世界初録音
暗い嵐の夜だった Op.12 (2019年版)-ホルンとピアノのための幻想曲(1987)
ホルン・ソナタ Op.13 (1987/2019改訂)
シャコンヌ Op.26(1994)
3つのホルンのための…世界初録音
無伴奏ホルンのための組曲 Op.85(2017)…世界初録音
クリスティーナ・マッシャー=ターナー (Hrn)
ケリー・ターナー (Hrn)
フランク・ロイド (Hrn)
ローレッタ・ブルーマー (P)

録音:2019年2月21-24日
ケリー・ターナーは、1960年アメリカ生まれのホルン奏者。マンハッタン音楽学校でディプロマを取得、シュトゥットガルト音 楽芸術大学ではヘルマン・バウマンに師事し、卒業後はルクセンブルクPOの奏者に就任するな ど、国際的な活動をしています。また、世界を代表する「アメリカン・ホルン・カルテット」のメンバーの一人であり、作曲家と してもアンサンブルのためにも数多く作品を提供。これらの四重奏曲は世界中で広く愛されています。このアルバムでは、 中国のことわざ“暗闇を呪うよりもロウソクを灯したほうがよい”から生まれた「暗闇の中のロウソク」や、フランス・バロック期 の作曲家クープランの旋律に基づく変奏曲、イギリスの短編小説にインスパイアされた「暗い嵐の夜だった」など様々な素 材から生まれた作品を、ターナーの自演も交え収録しています。
8.579051
カミロ・シューマン&ローラン・メナジェ:ホルンとピアノのための作品集
カミロ・シューマン(1872-1946):ホルンとピアノのためのソナタ 第2番ニ長調 Op.Posth(1936)…世界初録音
ホルンとピアノ伴奏のための3つのリサイタル用小品 Op.82(1908)…世界初録音
ホルンとピアノのためのソナタ 第1番ヘ長調 Op.118(1911)…世界初録音
ローラン・メナジェ(1835-1905):Sur la montagne 山上で Op.35(1883頃-1887)
レオ・ハルスドルフ(Hrn)
白木 加絵(P)

録音:2018年8月20-23日
ザクセン出身のカミロ・シューマンは、カール・ライネッケに師事し音楽の基礎を学びました。その後はベルリン音 楽大学に進み、クララ・シューマンの異父弟であるヴォルデマール・バルギールとロバート・ラデッケのもとで更なる 研鑽を積み、オルガニストとしてデビュー。後に作曲家に転向しました。彼の作品はドイツロマン派の伝統を遵 守しながらも、晩年にはシェーンベルク:やストラヴィンスキーなどの先進的な作風も取り入れた折衷的な作風を 持っていますが、このホルンのための作品は明らかにロマンティックな様式を備えており、時にはまるで古典派作 品であるかのような端正な佇まいを見せています。最後に添えられているのは、ルクセンブルクの作曲家メナ ジェの小品。まさに「山上」の荘厳な景色を思わせる雄大な作品です。ルクセンブルク出身のホルン奏者レオ・ ハルスドルフの表現豊かな演奏に加え、ルクセンブルクに拠点を置き活躍するピアニスト白木加絵の絶妙な伴 奏も聴きどころです。
8.579054
テレマン:12の無伴奏フルートのための幻想曲 TWV40:2-13(1732-1733) ジョヴァンニ・ロセッリ(Fl)

録音:2018年2月&3月
後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家テレマン。彼はヘンデルやバッハの友人であり、共に時代を支える音 楽家として広く活躍していました。ハンブルク市の音楽監督として膨大な作品を発表、そのどれもが当時、最先端 の技法を用いた華麗な作風を持つだけでなく、演奏もそれほど難しくなかったため、多くの人々に愛奏されました。 彼は無伴奏ヴァイオリンやフルートのために数多くの「ファンタジア=幻想曲」を作曲しており、そのどれもがゆったり とした美しい旋律に彩られた聴きどころの多いものです。このフルートのためのファンタジアは、バッハの「無伴奏フ ルートのためのパルティータ」のおよそ10年後に書かれた作品。モダン・フルートで演奏されることも多い名曲です が、ジョバンニ・ロセッリはフラウト・トラヴェルソ(木製の横笛)を演奏、低めのピッチで落ち着いた音色を奏でること で、テレマンの時代の音楽を鮮やかに再現しています。
8.579055
楽園に追われた者たち〜ハリウッドへ移住した作曲家
ゴドフスキー:トリアコンタメロン-第11番「古きウィーン」(1919-1920)(J.ハイフェッツ編)
ラフマニノフ:セレナード Op.3 No.5(1892/1940改訂)(B.スミス編)…世界初録音
ストラヴィンスキー:火の鳥-「子守歌」(1910)(ストラヴィンスキー/S.ドゥシュキン編)
シェーンベルク:架空庭園の書 Op.15-2「今日は彼女がどの小道を通るのか」(1908)
ヨーゼフ・アクロン:Stimmungen 気分 Op.32 No.1(1910)
グルーエンバーク:Jazzette ジャゼット Op.26 No.3(1924)
エルンスト・トッホ:3つの即興曲 Op.90c(1963)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:I nottambuli
夜更かし-幻想的変奏曲 Op.47(1927)
ミクローシュ・ローザ:トッカータ・カプリチョーザ Op.36(1977)
コルンゴルト:組曲「から騒ぎ」Op.11(1918-1920)
1ックスマン:カルメン幻想曲(1946)(D.グリゴリアン編)
ガーシュウィン:「ポーギーとベス」-「It Ain't Necessarily So なんでもそうとは限らない」(1935)
(J.ハイフェッツ編)
ブリントン・アヴリル・スミス(Vc)
エヴリン・チェン(P)

録音:2018年5月25-26日
20世紀前半のヨーロッパにおける政治危機と反ユダヤ主義の高まりにより、多くの才能に溢れた音楽家たちがアメリカ に移住、彼らはハリウッド近郊に拠点を構え、素晴らしいコミュニティの一つを形成しました。このアルバムに収録された 作品の作曲家たちはその一部であり、他にも数多くの作曲家や演奏家など音楽にまつわる人々がやってきて、文化的 繁栄をもたらしたのです。この録音は、そんな作曲家たちによる「チェロのための作品」を集めたもの。オリジナルの作品 もあれば、やはりこの地に亡命してきたハイフェッツが編曲した作品など、さまざまな形態による小品が含まれています。 ウィーンの面影を残すことで知られるコルンゴルトの組曲「から騒ぎ」やゴドフスキーの「古きウィーン」などの郷愁に溢れた 曲だけではなく、シェーンベルクやストラヴィンスキーの先進的な曲や「カルメン幻想曲」のチェロ編曲版など、個性溢れ る作品をアヴリル・スミスのチェロが見事に表現しています。
8.579056
バラダ(1933-):カプリチョス第6番, 第7番/二重協奏曲
カプリチョス第7番「ラ・タララの幻想集」(2009)-クラリネットと器楽アンサンブルのための室内協奏曲
カプリチョス第6番(2009)-クラリネットとピアノのための
オーボエとクラリネットのための二重協奏曲(2010)…世界初録音(フルート、クラリネットとピアノ版:2012)
イヴァン・イヴァノフ (Cl)
レータ・チン (Vn)
グレータ・ムトルー(Vn)
サラ・リー (Vc)
アニー・ゴードン (Fl)
クリスティーネ・ロミンスキ (Fl)
レベッカ・ブッシュ (パーカッション)
ヤコブ・ポラチク (P)
アーバーク・エリュルマズ (P)
ジェフリー・ラーソン(指)

録音:2013年4月25日、2013年4月11日、2013年4月18日
バルセロナ出身の作曲家レオナルド・バラダ。彼の創造的なスタイルは「音楽における“ダリのシュールレアリズム”」と名付 けられています。彼の代表作のひとつである「カプリチョス」は様々な様式によって書かれた自由奔放な作品集。タイトル はスペインの偉大な画家、ゴヤのエッチング集「ロス・カプリチョス」に由来しており、スペインの民族意識が強く反映されな がらも、現代的な要素も併せ持つアヴァンギャルドな作品群です。クラリネット奏者のイヴァン・イヴァノフはバラダのカプリ チョスを特別な作品として認識しており、クラリネットが多用された「第6番」と「第7番」を自身で演奏することを試みまし た。NAXOSにはすでにこの作品の録音があり、(8.579036)聴き比べるのも面白いことでしょう。オーボエ・パートをフ ルートに置き換えた二重協奏曲では、斬新な響きとメキシコの舞曲が溶け合う、ユニークな音の交錯が楽しめます。
8.579057
ロベール・グロロー(1951-):ピアノ、チェロ、ハープのための協奏曲
ピアノ協奏曲(2010)
チェロ協奏曲(2011)…世界初録音
ハープ協奏曲(2011)…世界初録音
ヤン・ミヒールス(P)
イリア・ユーリヴィチ・ラポレフ(Vc)
エリン・グロロー(Hp)
ロベール・グロロー(指)
ブリュッセルPO

録音:2017年9月1-2日、2018年12月6-7日、2018年9月1-2日
ベルギー出身の作曲家ロベール・グロローによる3曲の協奏曲。作曲技法はほとんど独学で習得したというグロローで すが、1978年の「エリザベート王妃国際音楽コンクール」のピアノ部門で入賞するなど、もともと優れたピアニストであ り、指揮者としても活躍した人で、その経験を生かした数多くの作品は、柔軟な表現力と洗練されたフォルムを持って います。グロローは詩や絵画からインスピレーションを得るといい、この3つの作品からも想像力に富んだ多彩なストー リーが感じとれます。技巧的な「ピアノ協奏曲」、豊かな楽想に彩られた「チェロ協奏曲」、繊細な楽器の音色を極限 までいかした「ハープ協奏曲」と、どれもがオーケストラと独奏楽器の対話を重視した、見事なアンサンブルを堪能できま す。各々の曲のソリストも、素晴らしいテクニックを披露しています。
8.579058
ニキタ・コシュキン(1956-):独奏ギターのための24の前奏曲とフーガ 第1集(2008-2010) アシャ・セルティナ(G)

録音:2012年6月8-10日、2010年11月4-5日、2016年1月3-5日
世界初録音
1956年、モスクワに生まれたコシュキンは幼い頃から音楽に親しみ、ショスタコーヴィチやストラヴィンスキーなど の近現代曲やロックなどを好んで聴いていました。しかし14歳の時に祖父からギターと、アンドレス・セゴビアのレ コードを贈られたことで、彼の好みは一転、それからは熱心にギターを習得し、1980年に発表したギターのた めの組曲「王子のおもちゃ」で国際的な名声を獲得。以降はギター音楽の作曲家として幅広く活躍していま す。2017年に発表された「24の前奏曲とフーガ」は“世界の全てのギタリストに捧げる”作品であり、ギターのレ パートリーに顕著な貢献を果たすだけではなく、奏者には完璧な技術の習得と解釈の明晰さを求めています。 各々の曲には古典的な手法と前衛的な手法をバランスよく取り混ぜ、時にはジャズ、ロック、ラテンアメリカのリ ズム要素を織り込んでいます。ヴァラエティ豊かに仕立てられた全曲を演奏するのは、コシュキンの伴侶で良き 理解者であるギタリスト、アシャ・セルティナ。こちらのアルバムには第12番までの前奏曲とフーガが収録されて います。
8.579064
愛と犠牲の鳥たち
アンドリュー・アール・シンプソン(1967-):Birds of Love and Prey 愛と犠牲の鳥たち(2014)
エリック・キッチン(1951-):The Olney Avian Verse of William Cowper ウィリアム・クーパーの「オルニーに棲む鳥の詩」
ガブリエル・ティボドー(1959-):Cycle Avicellus 小鳥のサイクル(2014)
デボラ・スターンバーグ(S)
アンドリュー・アール・シンプソン(P)
マーク・フォーゲル(P)

録音:2014年5月12,23日、2014年9月10日、2015年7月8日
アメリカを拠点に活躍するソプラノ歌手、デボラ・スターンバーグが歌う3つの「鳥」をテーマにした歌曲集。すべて 彼女のために作曲されたもので、このプロジェクトの発端は、エリック・キッチンが自作の「オルニーの鳥の詩」を彼 女に渡したことでした。この歌曲集に魅せられた彼女はすぐさま演奏の機会を持つとともに、シンプソンとティボ ドーにも「鳥」を主題にした歌曲集の作曲を依頼、出来上がった歌曲には、作曲家ごとの異なった技法によって さまざまな鳥の声や姿が映し出されており、スターンバーグはこれらを美しい声と巧みなテクニックを駆使して歌い あげています。
8.579065
キャロルの祭典
メイソン(1792-1872):Joy to the World! ジョイ・トゥ・ザ・ワールド
作者不詳:Sir Christemas クリスマスさん
フォスター(1949-)/トンプソン・ジェンナー(1950-):Grown-Up Christmas List 大人になった私のクリスマス・リスト
スウェンソン(1983-):Christmas Hosanna クリスマスのホザンナ
メンデルスゾーン:Hark! the Herald Angels Sing
天には栄え
伝承聖歌:This Little Light of Mine 私の小さな光
ラッター(1945-):マニフィカート
伝承曲:Kling, Glockchen, Kling 鈴を鳴らそう
バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV248-第10曲:シンフォニア
バディ・グリーン(1953-):Mary, Did You Know? メアリー、あなたはご存知?
ラッター:All Bells in Paradise 楽園の全ての鐘
ピアポント(1822-1893):ジングル・ベル
伝承曲:Go Tell It on the Mountain 山の上で世界に告げよ
ゴルトシュタイン(1942-):Twas the Night Before Christmas
明日は楽しいクリスマス
伝承曲:Bring a Torch, Jeanette, Isabella たいまつ手に手に
アダム(1803-1856):オー・ホーリー・ナイト
ルドルフ(1951-):イザヤの見た夢
シルヴィア・マクネアー(S)
エリック・スターク(指)
インディアナポリス交響cho
インディアナポリス室内O

録音:ライヴ収録
2016年12月16-17日、2015年12月18-19日
2015年と2016年に開催されたインディアナポリスSO「キャロル・コンサート」のライヴ録音。伝統的なキャロルか ら、最も新しいクリスマス・ソングまでを合唱とオーケストラ、オルガンが華やかに歌い上げます。オルガンの荘厳な響きと 大合唱を駆使した冒頭の「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」で、クリスマスを祝う喜びが溢れだすかと思えば、グラミー賞受賞 経験のあるソプラノ歌手シルヴィア・マクネアーをソリストに迎えた「大人になった私のクリスマス・リスト」などの静かな曲で のしっとりとした美しさも格別です。その他、誰もが知る「ジングル・ベル」や「オー・ホーリー・ナイト」のユニークなアレンジ も聴きもの。世界中の全ての人が楽しめるクリスマス・アルバムです。
8.579066
東方からのソプラノのヒロインたち
ラヴェル:シェエラザード(1903)
バーバー:アンドロマケーの告別(1962)
ビゼー:歌劇「真珠採り」-暗い夜のように
シマノフスキ:おとぎ話の王女の歌〜第1番:孤独な月/第2番:夜鳴きうぐいす/第4番:踊り
リムスキー=コルサコフ:歌劇「金鶏」(1909)-太陽への讃歌
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」〜氷のような姫君の心も/お聞きください、王子様
マスネ:歌劇「タイス」(1898)-「私は美しいと言ってください」
セルジャン・ナシブリ(S)
ヤルチン・アジゲザロフ(指)
ウクライナ国立SO

録音:2017年12月4-7日
数多くの作曲家が、女性の強さ、悲しさ、喜びなどの感情表現をオペラや声楽作品に取り入れ、素晴らしい作 品を書きあげています。このアルバムでは、主として中東やアジアなどを舞台にした物語に登場するヒロインに焦 点をあて、ラヴェルからバーバーまで7人の作曲家が書き上げた、神秘的で東洋的な旋律に彩られた女性の揺 れ動く心を歌ったアリアをたっぷりと味わっていただけます。ここで見事な歌唱を披露するのは、アゼルバイジャン 出身、新進気鋭のソプラノ、セルジャン・ナシブリ。ロンドンの王立音楽大学を卒業後、オックスフォード音楽祭 コンクールで入賞、イギリスを中心に活躍範囲を広げています。
8.579069
20世紀のフルート・ソナタ集
ヒンデミット:フルート・ソナタ(1936)
ヴャチェスラフ・ナゴヴィツィン(1939-):フルート・ソナタ(1962)
エディソン・デニソフ(1929-1996):フルート・ソナタ(1960)
プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op.94(1943)
デニス・ルパチェフ(Fl)
ペーター・ラウル(P)

録音:2011年11月21日
1930年代から1960年代に書かれた4曲のフルート・ソナタ。これらはどれも作曲家独自のアプローチと創意工夫がこ らされたユニークな作品です。ヒンデミットのソナタはアメリカでのコンサートのために作曲されましたが、彼の妻はこの曲を 「彼の室内楽作品のなかで最も陽気で、異質な音楽」というほどの個性的な雰囲気を湛えています。ナゴヴィツィンの ソナタは3つの部分にわかれた単一楽章の作品。ゆったりとした導入部ではじまり、神秘的な旋律が展開されていきま す。デニソフのソナタも切れ目なしの単一楽章で書かれており、とりわけ爆発的な楽想を持つ中間部が印象的です。 最後に置かれたプロコフィエフのソナタは、後にヴァイオリン・ソナタ第2番として改作されたため、ヴァイオリンで演奏される 機会の多い作品ですが、最近はオリジナルのフルートでの演奏も増えています。穏やかな冒頭部を持つ第1楽章に始 まり、不規則なリズムを持つ第2楽章、哀愁たっぷりの第3楽章を経て、遊び心溢れた旋律が印象的な終楽章と変 化に富んだ名作です。
8.579070
中国の印象〜2018年「黄自国際ピアノ作品コンクール」入賞作品集
スン・ハオハン(1999):天池のこだま(2018)
エミール・ナウモフ(1962-):セレスティアル・パレード(2018)
リー・シューイン(1989-):ファイヴ(2010)
ユー・ペンフェイ(1988-):わが故郷の野原(2017)
リュウ・ボー(1986-):ガスオ(2018)
チャン・ジーリャン(1987-):6人の中国歌劇女役の美女(2017)
ジャンルカ・ルイージ (P)

録音:2019年5月23-25日
江蘇省川沙県(現在は上海の一部)出身の作曲家Huang Zi 黄自(1904-1938)。1924年にアメリカに留学、帰国後は 上海音楽専科学校で教鞭を執り、後進の育成にあたりました。数多くの歌曲などを作曲しましたが、病のため34歳の若さで急 逝。一時期、その作品は忘れられたものの、1978年の改革開放後に見直され始めています。このアルバムに収録されたのは、 黄自の没後80年を記念して開催された「国際ピアノ作品コンクール」の入賞作品です。どの曲にも中国の風景の魅力と、中国 での素晴らしい体験が反映されており、新しい中国を象徴する作品としての魅力を存分に備えています。 52曲の応募作品の中から第1位を獲得したのは、ピアニストとしても活躍するエミール・ナウモフの「セレスティアル・パレード」と、 チャン・ジーリャンの「 6人の中国歌劇女役の美女」の2作品。第2位はスン・ハオハンの「天池のこだま」とリュー・ボーの「ガスオ (音楽、メロディーの意)」、第3位はユー・ペンフェイ「わが故郷の野原」とリー・シューイン「ファイヴ」がそれぞれ受賞しています。ま た演奏しているピアニスト、ジャンルカ・ルイージも「ベスト・パフォーマンス賞」を受賞しています。
8.579072
シラ・エルナンデス(1959-):影を讃えて
ピアノのための作品集

Iniciacion a la sombra 影を讃えて(2015)
Terra Santa ? Ci sono angeli nel cielo 聖地 - 天国の天使(2017)
Fantasia para piano (Per cucire le ferite) ピアノのための幻想曲(傷を縫うための)(2018)
Don’t Forget About That それを忘れてはいけない(プリモ・レヴィの生誕100周年のための)(2019)
シラ・エルナンデス (P)

録音:2019年7月12日
世界初録音
シラ・エルナンデスは現代スペインを代表する女性ピアニスト。ソレール、バッハ、モンポウの優れた解釈で知られています が、今作では自身の個性的な作品を演奏、クリエーターとしての才能を存分に披露しています。詩的な旅への始まりとな る「Iniciacion a la sombra 影を讃えて」、女性詩人アルダ・メリーニの詩から生まれた「Terra Santa 聖地」、虐待 を受けた女性たちのコミュニティと協力して書かれた「幻想曲」、戦争の悲惨さを伝えた作家プレモ・レヴィの生誕100年 を記念して作曲された「Don’t Forget About That それを忘れてはいけない」の4曲は、どの作品にもイタリアのアー ティストからインスパイアされたタイトルが付けられていますが、どれも抽象的であり、実際に作品を聴いて各々が想像力を 巡らすことを要求しています。
8.579073
ジョン・バージ(1961-):弦楽オーケストラのための作品集
シンフォニア・アンティクァ(2001)
忘れられし夢(フルートと弦楽オーケストラ版)
一つの帆
アッパー・カナダ・フィドル組曲
ジュリアン・アーマー(Vc)
ジョアンナ・グッフレラー (Fl)
レイチェル・マーサー(Vc)
マヌエラ・ミラーニ(Vn)
サーティーン・ストリングス室内オーケストラ
ケヴィン・マロン(指)

録音:2019年9月14-16日
カナダの作曲家ジョン・バージの作品集。オンタリオ州ドライデンで生まれカルガリーでピアノを学んだ彼は、トロント大 学とブリティッシュコロンビア大学で作曲と理論の学位を取得。1987年以来キングストンのクイーンズ大学で教鞭を 執っています。長年にわたり作品を発表、器楽から声楽まで幅広いジャンルにわたる曲は高く評価され、2009年に はカナダの権威ある音楽賞「ジュノー賞」を受賞しました。バージはとりわけ弦楽器のための作品に力を入れており、 このアルバムに収録された作品はどれもサーティーン室内オーケストラからの委嘱作です。 バロック音楽の形式を借りた「シンフォニア・アンティクワ」は祝祭的な雰囲気を持つ陽気な作品。フルートが活躍す る瞑想的な「忘れられし夢」と、詩的なイメージを音楽化した「ワン・セイル」に続き、18世紀末から19世紀にかけて 存在したイギリスの植民地に伝わる音楽をイメージした「アッパー・カナダ・フィドル組曲」ではフォーク・ダンスを思わせ る弦の響きを存分に活かした3つの曲が楽しめます。
8.579078
ラテン・アメリカのダンス集〜サクソフォンとピアノの為の作品集
ジャン・フランセ(1912-1997):5つの異国風舞曲(1961)
ピアソラ(1921-1992):タンゴ=エチュード第1番 - 第3番(1987/1989編)
ミヨー(1892-1974):スカラムーシュ Op. 165c(1937/1939編)
モーリス・C・ホイットニー(1909-1984):ルンバ(1949出版)
ヴィラ=ロボス:幻想曲 Op. 630(1948)
ピアソラ:タンゴ=エチュード第4番- 第6番(1987/1989編)
パキート・デリヴェラ(1948-):舞踏への勧誘(2008/2019編)*
 ベネズエラのワルツ(1991/1996編)*
 コントラダンス(1991/1996編)*
 カイエンの花(2014/2019編)*
シャーンドル・リゴー(アルト・サクソフォン、ソプラノ・サクソフォン)
クリスティナ・レープ=グリル(P)

録音:2020年9月25-27日
フンガロトン・スタジオ、ブダペスト(ハンガリー)
*=世界初録音
ブダペスト出身のサックス奏者シャンドール・リゴーとオーストリア出身のピアニスト、クリスティナ・レープ=グリルが奏でるデュオ・アルバム。コンセプトはジャ ン・フランセの小品「musique pour faire plaisir=愉しみの音楽」から採られており、ミヨーの「スカラムーシュ」からピアソラの「タンゴ=エチュード」ま で楽しく心躍る小品が選ばれています。どの曲も洗練されたラテンのリズムに支えられていながら、作曲家によって個性はさまざま。多彩な作品を楽し むことができます。キューバ出身、ラテン・ジャズとクラシックでグラミー賞を受賞した作曲家、パキート・デリヴェラの4作は世界初録音。「Invitacion al Danzon 舞踏への勧誘」は、原曲こそクラリネット・トリオのために書かれた作品ですが、この録音のためにリゴーによるインプロヴィゼーションの場が設け られているなどの新たに編曲が施されています。他にはキューバのギタリスト、アントニオ・ラウロとピアニスト、エルネスト・レクオーナへのオマージュとして書 かれた「ベネズエラのワルツ」や「コントラダンス」、速いテンポとさまざまなリズムが交錯する「カイエンの花」など、ジャズ風な趣きを持つ曲を楽しめます。
8.579079
セルジオ・アゼヴェード(1968-):フクヴァルディ・サイクル
「草陰の小径にて」からの2つの小品(2016/2018)…世界初録音
フクヴァルディ・ソナタ(2018)…世界初録音
利口な女狐
フクヴァルディ三重奏曲(2015)
霧の中で…1912(2009)
キツネの探索(ヤナーチェクの「カプリッチョ」の断章による)(2019)…世界初録音
マリーナ・カンポニェス(Fl)
エルデル・マルケス(P)
ホセ・ペレイラ(Vn)
アンサンブル・ダルコス
ヌノ・コルテ=レアル(指)

録音:2020年7月25-27日
レオシュ・ヤナーチェクが生まれた村「フクヴァルディ」にちなんで名付けられた室内楽アルバム。 全ての作品を書いたのは数多くの受賞歴を持つポルトガル出身の現代作曲家、セルジオ・アゼヴェード で、さまざまなヤナーチェク作品を素材とし新たな曲を創り上げました。なかでも「草陰の小径から」と「霧の 中で」の素材を用いた作品では、ヤナーチェクの作風を辿りながらも、新たな発展形を提示。2つの異なる 時代で活躍する2人の作曲家たちの深遠なコミュニケーションが生まれています。 例え原曲を知らなくても、ヤナーチェクの世界を垣間見ることができる興味深い1枚です。
8.579082
フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994): 歌曲と民謡集 第2集
7つの古いギリシャの歌 Op. 58(1950)
イカロ Op. 17(1935)
葬送行進曲風に Op. 18(1935)
牧歌 Op. 19(1934-35)*
4月25日の3つの歌(1975)
10のチェコとスロヴァキアの民謡 Op. 67(1951/1978改訂)
スサナ・ガスパー(S)
リカルド・パネラ(Br)
ヌーノ・ヴィエラ・デ・アルメイダ(P)

録音:2017年7月21日、2020年7月15-17日
*以外=世界初録音
20世紀後半のポルトガルにおける最も偉大な作曲家の一人、ロペス=グラサ。リスボンでフレイタス・ブランコとヴィアンナ・ダ・モッタから作曲とピアノを学んだ 後、大学都市として知られるコインブラに住み、作家や知識人のグループと親しく交流しました。この時に知った詩人ジョゼ・レジオらによる数多くのポルトガル 語の詩はその後の彼の創作に大きな影響を与えることとなります。今回の「歌曲と民謡集」第2集に収録されているのは、フランス印象派の影響を受けた初 期の曲から、前述のレジオの詩による「4月25日の3つの歌」まで、作曲年代は45年を越えており、政治的な思想に由来する曲や民謡由来の曲が取り混 ぜられています。中でも、ポルトガルやチェコ、ギリシャ民謡を素材とする様々な国ごとの特徴を感じさせる旋律では、彼が目指した"国境を越えた友愛から 生まれる理想郷"を感じることができます。ポルトガル出身、ソプラノのスサナ・ガスパーは英国ロイヤル・オペラ・ハウスが主宰する「ジェット・パーカー・ヤング アーティスト・プログラム」の卒業生。2013年度のカーディフ国際声楽コンクールで注目され、世界的に活躍を始めた新鋭歌手です。同じくポルトガル出身 のバリトン、リカルド・パネラも歌劇と歌曲両面の演奏で知られる若手です。
8.579085
イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860-1941):歌曲とメロディ集
組曲 ト長調(1884)
4つの歌 Op. 7(1882-85) (M. グミエラによるソプラノと弦楽オーケストラ編)
6つの歌 Op. 18(1887-93) (M. グミエラによるソプラノと弦楽オーケストラ編)
ミセラネア Op. 16 - 第4曲 夜想曲 変ロ長調(1890-92) (M. スモリーによる弦楽オーケストラ編)
12のメロディ Op. 22(1903)(M. グミエラによるソプラノと弦楽オーケストラ編)
アリーナ・アダムスキ(S)
アガタ・シュミット(Ms)
カペラ・ビドゴスティエンシス
マリウシュ・スモリー(指)

録音:2020年8月20-25日
世界初録音
ピアニストとして、また政治家として功績を残したポーランドのイグナツィ・パデレフスキ。作曲家としても、有名な「パデレフスキのメヌエット」をはじめ、70 曲を超えるオーケストラ作品やピアノ曲を遺し、いくつかの作品は「後期ロマン派から近代への橋渡し」として評価されています。 このアルバムにはパデレフスキの歌曲を中心に収録。民謡の要素が用いられた初期の「4つの歌」から、作曲家としてのキャリアの終わり近くに書かれ た、不協和音や半音階が多用された「12のメロディ」まで珍しい作品を聴くことができます。また、歌曲はどれも、現代ポーランドで活躍する作曲家・ア レンジャー、マルシン・グミエラによってピアノ伴奏からオーケストラ伴奏に編曲を施されており、これは原曲の持つロマンティックな雰囲気が一層映える仕 上がりになっています。 アルバムの冒頭に置かれたオーケストラ曲「組曲ト長調」は瑞々しい旋律を持つ美しい作品。指揮者スモリー自身の編曲による「夜想曲」も憂愁に 満ちた旋律が良く知られた作品です。
8.579087
イェ・シャオガン(1955):峨眉山 他
峨眉山 Op. 74(2015-16)- ヴァイオリン、パーカッションとオーケストラのために
グリーンマンゴーの香り Op. 42(1998-2014)- ピアノとオーケストラのために
ラムラ・クオ Op. 69b(2014)- ヴァイオリンと弦楽合奏のために
岷山山脈の静寂 Op. 73(2015)- 弦楽合奏のために
ル・ウェイ(Vn)…1
ダン・シュウ(Vn)…3
フー・シェンナン(パーカッション)…1
タン・シヤオタン(P)…2

ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO…1
ギルバード・ヴァルガ(指)…1
ラインランド=プファルツ州立PO…2-4
シュテファン・マルツェフ(指)…2,4
フランク・オルー(指)…3

録音:2018年8月29日、2016年12月19-23日、2014年10月27-31日
現代中国の作曲家イェ・シャオガン。演奏会用の音楽だけではなく、数多くの映画音楽で権威ある賞 を受賞するなど、その作品が高く評価されています。このアルバムに収録されている4曲は、どれも中国 の自然と美しい風景を描いたもの。映画音楽が得意な作曲家らしく、高い描写力によるわかりやすい 作風でそれぞれの曲を描いています。中国三大霊山の一つとして知られる聖地を描いた「峨眉山」は ヴァイオリンと中国の伝統的な楽器の響きが融合した神秘的な作品。他には美しい旋律を奏でるヴァ イオリンと弦楽合奏のための「ラムラ・クオ(チベットの聖なる湖)」、弦楽合奏のための穏やかな旋律によ る「岷山山脈の静寂」、超絶技巧から生まれるピアノの響きが印象的な「グリーンマンゴーの香り」の3 曲を収録。イギリスとドイツのオーケストラが中国の優れた奏者たちを伴奏し、見事な音楽を奏でていま す。
8.579088
イェ・シャオガン(1955-):臨安の7つのエピソード
チベットの夕暮れ Op. 41- テノール、ホルンと管弦楽のために(2002)
臨安の7つのエピソード Op. 63 ソプラノ、テノール、バリトンとオーケストラのために(2011)
天津組曲 Op. 75 - オーケストラのために(2015-16)
ソン・ユアンミン(S)
シー・イージェ(T)
リウ・ソンフー(Br)
グー・ツォン(Hrn)
ラインランド=プファルツ州立PO
シュテファン・マルツェフ(指)
フランク・オルー(指)

録音:2014年10月27-31日、2016年12月19-23日
世界初録音
1955年、上海で生まれたイェ・シャオガンは、中国を代表する現代作曲家の一人です。1978年から1983年まで中国中央音楽院の作曲科で学び、 1987年からイーストマン音楽学校に留学。サミュエル・アドラーやルイ・アンドリーセンに師事。1994年に帰国後は中央音楽院の作曲部の教授を務める傍 ら、中国を中心に様々な音楽祭の芸術監督を務め、音楽文化の発展に寄与してきました。2013年から、彼の「中国のさまざまな地域」をテーマにした作 品をフィーチャーしたコンサート・シリーズが始まり、ニューヨークや北京など各地で演奏会が行われています。このアルバムに収録されているのはヒマラヤの風景 を描いた「チベットの夕暮れ」、声楽を伴う「臨安の7つのエピソード」と、歴史ある都市、天津の多様性を描いた「天津組曲」の3作品。伝統と現代音楽の テクスチャーを組み合わせ、見事な作品に作り上げるイェ・シャオガンの手腕が発揮された聴き応えある作品です。
8.579089
イェ・シャオガン(1955-):共和国への道 Op. 64(2011年版)
広東組曲 Op. 51(2005)*
チャン・リピン(S)
ヤン・ガン(Ms)
シー・イージェ(T)
ユアン・チェンイ(Br)
北京フィルハーモニーcho
中国国家SO
中国国家SOcho
リュー・ジア(指)
ラインラント=プファルツ州立PO*
フランク・オルー(指)*

録音:2011年10月2日北京(中国)、2014年10月31日 (ドイツ)*
世界初録音
現代中国を代表する作曲家、イェ・シャオガン。この『共和国への道』は1911年の辛亥革命から100年 を記念して書かれたカンタータです。近代革命先行者として称えられる孫文を主人公とした、古典的な詩 と現代的な詩が用いられた歴史的な物語を彩るのはさまざまな中国民謡で、モダンな響きと融合した耳 なじみのよい旋律は聴き手の心をつかみます。広東組曲も広東州に伝えられる民謡がふんだんに使われ た美しい作品ですが、こちらはドイツのラインラント=プファルツ州立POによる演奏 です。
8.579091
アンリ・トマジ(1901-1971):ヴァイオリン作品全集
ヴァイオリン協奏曲 「ユリシーズの旅」 (1962)*
カプリッチョ(1931/1950年ヴァイオリンと管弦楽版)
ヘブライの歌(Vnと管弦楽版)(1929)
アンタールの悲しみ(1931)
ヴァイオリンとピアノのための詩曲(1923頃)
コルシカの歌、ヴォカリーズ・エチュード(Vnとピアノ版)(1932)
パギエラ、コルシカのセレナード(1928)
ステファニー・モラリー(Vn)
ダヴィッド・ロマン(P)
ギャルド・レピュブリケーヌO
セバスティアン・ビヤール(指)

録音:2020年12月6日、2020年12月20日、2020年12月21日、2021年7月22日
*以外=世界初録音
マルセイユ出身の作曲家アンリ・トマジのヴァイオリン作品集。管楽器を用いた曲が良く知られる彼の作品の中では あまり知られていないジャンルですが、これらは20世紀フランスにおける作曲の方向性をコンパクトに見て取ることが できる特徴ある作品といえるでしょう。 ヴァイオリン協奏曲「ユリシーズの旅」は作曲家後期に書かれたもので、技巧的なヴァイオリンの旋律と色彩豊かに響 くオーケストラの音色が絡み合う作品。「カプリッチョ」は優雅で上品な曲調を持ち、感情の起伏の激しい緩徐楽章 に続く輝かしい終楽章が魅力です。他の5曲はどれもトマジの活動の初期に作曲されたもの。彼の両親の出身地で あるコルシカ島の伝統音楽をを引用したエキゾチックな雰囲気を持っています。
8.579098
ウクライナのピアノ五重奏曲集
ボリス・ミコライヨヴィチ・リャトシンスキー:ウクライナ五重奏曲 Op. 42(1942/1945改訂)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):ピアノ五重奏曲(1961)
ヴィクトリア・ヴィータ・ポレーヴァ(1962-):
シームルグ五重奏曲(2000/2020改訂)…世界初録音
ボグダナ・ピヴネンコ(第1ヴァイオリン…1-7/第2ヴァイオリン…8)
タラス・ヤロブード(第1ヴァイオリン…8/第2ヴァイオリン…1-7)
カテリーナ・スプルン(Va)
ユーリー・ポゴレツキー(Vc)
イリーナ・スタロドゥブ(P)

録音:2020年12月11-17日
近現代ウクライナの3人の作曲家によるピアノ五重奏曲集。 リャトシンスキーは1920年代に登場した「新世代ウクライナ作曲家グループ」の一人。初期こそスクリャー ビンの影響を受けた調性感の希薄な作品を書いていましたが、やがて国民楽派の伝統に則った愛国的 な作品にも取り組みます。この五重奏曲も優美な旋律を持つ美しい作品。第2楽章の憂愁に満ちた雰 囲気が強い印象を残します。シルヴェストロフの五重奏曲は、彼が現在のような瞑想的な作風に至る以 前の作品。第3楽章は比較的穏やかであるものの、1960年代の激しいシルヴェストロフを知ることができ る貴重な作品です。世界初録音となるポレーヴァの「シームルグ五重奏曲」は動きの少ないシンプルな弦 の旋律にピアノのパッセージが絡む神秘的な作品。シームルグとはイラン神話に登場する巨大な鳥の名 前です。
8.579090
フィリッポ・グラニャーニ(1768-1820):ギター二重奏曲 第1番-第3番(1809-1810頃)
二重奏曲第2番イ短調 - 2台ギターのために
二重奏曲第1番ニ長調 - 2台ギターのために
二重奏曲第3番ト長調 - 2台ギターのために
イェルゲン・スコグモ(第1ギター)/イェンス・フランケ(第2ギター)

録音:2019年7月29-31日セント・マーガレット教会、メープルダーラム、オックスフォードシャー、イングランド(UK)
イタリア古典派の作曲家グラニャーニ。著名なヴァイオリン製作者アントニオを父に持ち、最初はヴァイオリン、の ちにギターを学びギタリストとして活動を始めます。1800年代初頭にはミラノでギターを伴う室内楽作品を出 版、同時にドイツやパリで演奏会を重ね、1810年には革命後のパリに移住。この地で熟練したコンサート・プレ イヤーとして評判を取るとともに、著名なギタリスト、フェルディナンド・カルッリと交友を結んでいます。彼がパリに 移住を決めた頃に書かれたこの3つの二重奏曲は、グラニャーニの名技を示すかのような高い技術が要求され た、明るいイタリア気質に彩られた華麗な作品。ここで演奏するイェルゲン・スコグモとイェンス・フランケはこれまで にもアントワーヌ・ド・ロワイエ(8.573575)やホセ・フェレル(8.574011)の知られざるギター・アンサンブル曲を 録音して、高い評価を得ています。
8.579093
アルブレヒト・メンデルスゾーン(1874-1936): レナのための歌
. アラビアン・ナイトからの歌 - 私たちの愛の合図(1936)
1934年2月15日 「愛は花」(1934)
遠さと近さ(作曲年不詳)
夜に(作曲年不詳)
私自身に歌う時(1930)
私の最愛の人(1931)
もうひとつの幸せな歌(作曲年不詳)
愛の歌(1931)
フランコニアで最も美しい女性(作曲年不詳)
愛の(1930)
献呈(1931)
年老いた魔法使いの歌(1931)
子供の魔法の角笛からの5つの歌(1931)
民謡風に(1931)
入ってもいいよ、お偉い戦士どの(1931)
ガゼル(1931)
両目を閉じて(作曲年不詳)
愛の薔薇(1907年出版)
それは愛ですか(作曲年不詳)
1934年2月18日 「私の詩は逃れるだろう」(1934)
ソネット(1936)
2人が愛し合う時(1936)
ジュリアン・ベアード(S)
ライアン・デ・ライク(Br)
エヴァ・メンゲルコック(P)

録音:2019年3月16-19日、2019年6月6日
世界初録音
19世紀ロマン派の大作曲家フェリックス・メンデルスゾーン。彼は生涯に5人の子どもに恵まれ、4番目のフェリックス以外は成人し、それぞれ様々な分 野で活躍したことで知られています。このアルバムの作曲家アルブレヒトは、最長子カール・メンデルスゾーン・バルトルディの息子であり、歴史家の父の 姿を見て育った彼は、法学者、政治学者として活躍。1919年のヴェルサイユ条約の交渉時にはドイツ側のオブザーバーとして参加しました。同時に 優れたピアニストかつ作曲家で、また詩を出版しオペラの台本を書くなど祖父譲りの芸術的才能を見せたことでも知られています。このアルバムに収録 されているのは、彼の弟子で親友となったマグダレーナ(レナ)・ショッホに触発されて書かれた愛の歌。アイヒェンドルフやゲーテ、ハイネ、民謡などをテキ ストに用いたドイツ・リートの伝統を受け継ぐ美しい歌曲の中に、溢れんばかりの恋心が込められています。
8.579095
ヴァイオリンと管弦楽の為の忘れられたフィンランド音楽集
ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー(1914-1994):優雅なワルツ(1951)
ウーノ・クラミ(1900-1961):エスキース(1932)
ニルス=エリク・フォグステット(1910-1961): 愛撫(1944)(G. デ・ゴジンスキーによるヴァイオリンと管弦楽編)
エレメル・センティルマイ(1836-1908):ジプシー(1875) (G. デ・ゴジンスキーによるヴァイオリンと管弦楽編)
ユルヨ・グナロプロス(1904-1968):カンツォネッタ(1931)
デ・ゴジンスキー:ユモレスク(1966)
ヘイノ・カスキ(1885-1957):ファンタジア・アパッショナータ Op. 9(1954)(Vnと管弦楽版)
ハリー・ベリストロム(1910-1989):ニスカヴオリの女たち - 愛のセレナード(1970)
ベリストロム:ロマンス 変ホ長調(1970)
デ・ゴジンスキー:夕暮れのセレナード(作曲年不詳)
デ・ゴジンスキー:平和な夜(作曲年不詳)
エイノ・パルタネン(1915-2004):グッドバイ・スター・アイズ(作曲年不詳)(G. デ・ゴジンスキーによるヴァイオリンと管弦楽編)
カスキ:ファンタジア・アパッショナータ Op. 9(Vnとピアノ版)
リンダ・ヘドルンド(Vn)
エリサ・ヤルヴィ(P)
ラ・テンペスタO
ユリ・ニッシラ(指)
ヤンネ・タテノ(コンサートマスター、ヴァイオリン・ソロ

録音:2019年8月4-7日、2020年8月3日
※全て世界初録音
フィランドでは結婚式でペリマンニと呼ばれるヴァイオリン奏者たちがお祝いの音楽を奏でる伝統があ り、ヴァイオリンは最も身近な楽器の一つ。民俗音楽からクラシック音楽にいたる様々な分野でヴァイ オリンの為の楽曲が生まれて来ました。このアルバムでは1930年代から1960年代にかけて人気を 博した"ライト・ミュージック=サロン風の軽音楽"に属する様々な作品を紹介、広く愛されながらも、 現在では耳にする機会がなくなってしまった美しい曲を楽しむことができます。 アレンジャー・ピアニストとして活躍したデ・ゴジンスキーをはじめとするほとんどの作曲家は、作品ととも に名前も忘れられてしまいましたが、中にはシベリウスに続くフィンランド音楽の歴史の中で最も重要と されるウーノ・クラミの民謡風な「エスキース」や、ピアニストとして名を馳せたヘイノ・カスキの「ファンタジ ア・アパッショナータ」などの貴重な作品も含まれています。抒情的な雰囲気溢れる珠玉の小品を楽 しむことができる1枚です。 ラ・テンペスタ室内管は、ピアニスト舘野泉がフィンランドで主宰しているオウルンサロ音楽祭を舞台に 1997年に創設されたオーケストラ。舘野泉の息子ヤンネ・タテノがコンサートマスターを務め、フィンラ ンド国内外に活動の場を広げています。
8.579099
カール・ツェルニー(1791-1857):ウォルター・スコットの小説による4つのロマンティックな幻想曲
ロマンティックな幻想曲第1番- ウォルター・スコットの小説『ヴェイヴァリ』による Op. 240(1832)
ロマンティックな幻想曲第2番- ウォルター・スコットの小説『ガイ・マナリング』による Op.241(1832)
ロマンティックな幻想曲第3番- ウォルター・スコットの小説『アイヴァンホー』による Op. 242(1832)
ロマンティックな幻想曲第4番- ウォルター・スコットの小説『ロブ・ロイ』による Op. 243(1832)
ワン・ペイイ(P)&サミュエル・ギンガー(P)

録音:2019年12月22-23日
世界初録音
以前は「実用的な練習曲の作曲家」として知られていたツェルニー、近年は「偉大なるベートーヴェンの弟 子でありリストの師」としての存在がクローズアップされるとともに、練習曲以外の作品にも注目が集まり、 交響曲や室内楽などが次々と演奏、録音されるようになってきました。 このアルバムには、18世紀から19世紀にかけて一世を風靡したスコットランドの小説家ウォルター・スコット の小説にインスパイアされた4曲の連弾作品を収録。全てが世界初録音であり、ツェルニー作品の魅力を 知らしめるとともに、連弾作品の新たなレパートリーになることでしょう。ツェルニーはスコットの熱心な読者 であったことが知られており、例えば『ヴェイヴァリ』での"スコットランドの釣り鐘草"などさまざまなスコットラン ド民謡を巧みに引用することで、スコットの壮大かつロマンティックな世界観を音楽に落とし込むことに成功 しています。幻想曲と題されるだけあり、刻々と移り変わる曲調はまさに予測不能。4手連弾が醸し出す オーケストラ顔負けの豊かな響きと、次々と現れる美しい旋律を存分にお楽しみください。

8.579100
ロベール・グロロー(1951-):The Intimacy of Distance 距離の親密さ
距離の親密さ(2019)
私の緑陰深き森(2015)
魅惑的な三部作(2017)
シャーロット・ヴァインベルフ(S)
ブリュッセルPO
ロベール・グロロー(指)

録音:2019年7月1-2日、2020年8月31日-9月2日
世界初録音
ベルギーを拠点に活躍する作曲家・ピアニスト、ロベール・グロロー。もともとエリザベート王妃国際コンクールでの入 賞経験を持つコンサート・ピアニストであり、最近ではグラフィック・アーティストとしても活動をはじめ、また映画も制作 するというマルチな才能を発揮しています。作曲家としてはすでに50曲以上の作品を発表、英国文学と絵画、そし て大自然からインスピレーションを得るという彼の作品は「演奏する音楽家たちにも喜びを与える」という彼の哲学が 浸透した、どれも神秘的で独自の雰囲気を持っています。このアルバムには、彼が現在関心を抱いているというソプ ラノのための作品を中心に収録。オーケストラと声が協奏的に組み合わされた「命の要素が実現される道程」を探 求したというコントラスト豊かな「The Intimacy of Distance 距離の親密さ」と、穏やかな自然から題材を得た オーケストラ作品「My Green Shade Forest 私の緑陰深き森」。そしてオランダの画家ピーテル・パウル・ルーベ ンスの絵画からインスパイアされたという「Trittico incantevole 魅惑的な三部作」の三作品を聴くことができま す。
8.579102
ウィリアム・ボルコム(1938-):ホルン、ヴァイオリンとピアノの為の三重奏曲
無伴奏ヴァイオリンの為の組曲第2番
フィリップ・フィクソー(Vn)
スティーヴン・グロス(Hrn)
コンスタンティン・ファインハウス(P)

録音:2018年8月20-22日マルティヌー・ホール、リヒテンシュタイン・パレス、プラハ(チェコ)
世界初録音
ピューリッツァー賞、グラミー賞を受賞したウィリアム・ボルコムは、アメリカの作曲家の中でも、とりわけ国際的に高く評価されています。このアルバムには 世界初録音となる2つの作品を収録。「ホルン三重奏曲」はブラームスの三重奏曲にモダンな味付けを施したものと言えます。第3楽章の哀愁を帯び たホルンのソロ・パッセージが印象的。森の中から響いてくるような神秘的な響きに、他の楽器の音色が絡みます。無伴奏ヴァイオリンの為の組曲は 名手ギル・シャハムのために書かれた2011年の作品。ヴァイオリンの多彩な音色を存分に生かし、どこかで聴いたような旋律を交えた遊び心のある9 曲で構成されています。ラプソディ風の「朝の音楽」ではじまり、弦と指板を効果的に使った「ダンシング・イン・プレイス」が続きます。ジャズ風やバロック 風の曲をはさみ、最後は「夕べの音楽」で幕を閉じます。現代アメリカの作品を愛するヴァイオリニスト、フィリップ・フィクソーの演奏で。
8.579104
ケマル・ベレヴィ(1954-):ヴァイオリンとギターのための作品集
ギターのための5つのロマンティックな小品 - 第4曲 キャッチ22(1985)(Vnとギター版)
キプリアーナ(2007)(Vnとギター版)*
Clouds クラウズ(2020)*
ワルツ イ長調(2020)*
ある夏の日 - 第10曲月(1987)(Vnとギター版)
エアーとダンス(2001)
7ワルツ第3番(2019)*
ヴァイオリンとギターのための4つのスケッチ(2020)*
キプロス組曲(2001)(Vnとギター版)
シルヴィア・グラッソ(Vn)
リヴィオ・グラッソ(G)

録音:2021年6月4-6日
*=世界初録音
キプロス共和国の首都ニコシアに生まれたギタリスト=作曲家ケマル・ベレヴィの作品集。11歳でギターを始め、当 初は兄弟でバンドを組んでロックやポップスを演奏していましたが、ロンドンでクラシック・ギターを学び、近年は作曲家 としても注目されています。その作風はギリシャやトルコ、中東など地中海に面した諸国の伝統的な音楽が感じられ る、エキゾチックで詩情あふれるもの。2020年にリリースされた「ギター・デュオ作品集」(8.574081)も人気を博し ました。 「キプリアーナ(キプロス風)」と題されたこのアルバムは、ギターとヴァイオリンのための作品を収録し、ヴァイオリンによる 「歌う」要素がより前面に出ています。タイトル曲の「キプリアーナ」や「4つのスケッチ」はキプロスの民謡を思わせる、 美しく親しみやすい音楽。最後に置かれた「キプロス組曲」は演奏者であるシルヴィアとリヴィオ・グラッソのために特別 に編曲されたものです。
8.579107
エドゥアルド・グラウ(1919-2006):協奏曲集
ユステ協奏曲 Op.88(1966)- ヴァイオリン、ピアノ、ティパニと弦楽オーケストラのために
ヴィオラとピアノの為の二重コンチェルティーノ Op.124(1972) - ヴィオラ、ピアノと弦楽オーケストラのために
クラリネット協奏曲 Op.184(1985)- クラリネットと弦楽オーケストラのために
グニードの花へ Op.198(1988)- フルート、弦楽オーケストラとピアノのために
アナ・マリア・バルデラマ(Vn)
ミクローシュ・シタ(ティンパニ)
ファビオ・バネガス(P)
ダヴィド・フォンス(Va)
ジモン・ライトマイアー(Cl)
ヤナ・ヤルコフスカー(Fl)
アニマ・ムジカ室内O
フランシスコ・ヴァレラ(指)

録音:2022年4月19-27日
全て世界初録音
バルセロナに生まれ、8歳の時に家族とともにアルゼンチンに移住した作曲家エドゥアルド・グラウ。彼はこの地で晩年を過ごしていたファリャに作曲を師事、同 じくブエノスアイレスに亡命していた音楽学者ハイメ・パヒサからオーケストレーションを学びました。グラウは200曲以上の多彩な作品を遺しましたが、そのどれ からもスペイン風の要素が感じれらます。このアルバムに収録されているのは4つの協奏的作品で、スペインのユステ修道院から感銘を受け書かれた、抒情 的で神秘的な雰囲気を持つ「ユステ協奏曲」、ヴィオラとピアノが活躍する「二重コンチェルティーノ」、アルゼンチンの陽気な民族舞踊「チャカレーラ」を素材に 使用した「クラリネット協奏曲」、スペイン・ルネサンス期を代表する詩人の一人ガルシラソ・デ・ラ・ベガの詩からインスピレーションを受けた「グニードの花へ」を 聴くことができます。
8.579108
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875-1911): ハープの弦にのせて
前奏曲 嬰ヘ長調 「アンジェルス・ドミニ」 VL 184(1901)
夜想曲第2番嬰ハ短調 VL 183(1901)
前奏曲 ヘ長調 - イ短調 VL 188(1901)
献呈 変ロ長調 VL 169(1899)
エレジー ニ短調 VL 191(1901)
マズルカ ロ短調 VL 234(1902)
私はヘンルーダの種を蒔いた VL 179(1900)
夜想曲第1番嬰ヘ短調 VL 178(1900)
パストラル 変ニ長調 VL 187(1901)
ユモレスク ト短調 VL 162(1899)
前奏曲 変ニ長調 VL 253(1904)
即興曲 嬰ヘ短調 VL 181(1900)
子守歌 ト長調 VL 242(1903)
前奏曲 ニ長調 VL 305(1906)
楽興の時 イ長調 VL 246(1903)
前奏曲 ロ長調 VL 186(1901)

※全てJ. ダウニーテによるハープ編
ヨアナ・ダウニーテ(Hp)

録音:2018年2月8日、2018年6月26日

世界初録音
19世紀から20世紀にかけてリトアニアで活躍したチュルリョーニス。生前から作曲家としてよりも画家として知られており、ストラヴィンスキーも彼の絵を所持し ていたことがあるほどでした。作曲家としてはシューマンやショパンなど、ロマン派の伝統を継承した、自身の絵画を彷彿させる幻想的な作品を多く遺し、また 晩年には調性を持たない作品までもいくつか手掛けています。このアルバムには、彼のピアノ曲をヨアナ・ダウニーテがハープ独奏用に編曲した作品を収録。 民謡を思わせる素朴な旋律が、ハープの響きをまとうことで一層ロマンティックな風情を帯びています。チュルリョーニス作品の新たな魅力を伝える1枚。 【ヨアナ・ダウニーテ】 リトアニア出身のハープ奏者。ジュネーヴ音楽アカデミーとアムステルダム音楽院で学び、多くの国際コンクールで入賞を果たしソリストとして活躍するとともに、 ハープの可能性を模索、ヒナステラのハープ協奏曲の演奏などが高く評価されました。現在はハープ音楽とリトアニア音楽の普及に尽力しています。
8.579110
サンドロ・フーガ(1906-1994):ピアノ・ソナタ第1番 - 第3番
ピアノ・ソナタ第1番(1957)
ピアノ・ソナタ第2番(1976)*…世界初録音
ピアノ・ソナタ第3番(1980)#…世界初録音
ジャコモ・フーガ(P)
カルロッタ・フーガ(P)*
クラウディオ・ヴォゲーラ(P)#

録音:2021年3月25-26日
20世紀半ばのトリノの音楽界を牽引する存在として活躍した作曲家サンドロ・フーガの3つのピアノ・ソナタ。高名な 画家ルイジ・ノーノ(1850-1918)を祖父に持つヴェネツィアの名家に生まれ、芸術と音楽に対する情熱を受け継い だ彼は、1919年からトリノの「ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院」でピアノ、オルガン、作曲を学び、卒業後は教師として アルファーノやゲディーニを指導しています。また彼の作品は国際コンクールで数々の賞を受賞、作曲家としても高く 評価されました。自らを「ロマン派の生き残り」と称し、音楽は感情の表出であると信じたフーガは、同世代の作曲 家があまり手掛けることのなかった「ソナタ」の形式に目を向け、前衛的な要素を極力排した、3つの素晴らしいソナ タを書き上げました。これらは彼のピアノ音楽の頂点をなすものといえるでしょう。フーガの2人の子供たちジャコモとカ ルロッタ兄妹と、フーガの直系の弟子であるトリノ出身のクラウディオ・ヴォゲーラによる演奏で。
8.579111
後期ロマン派のフルート作品集
エゴン・コウナルト(1891-1959):ブルレスケ Op. 11(1914)(フルートとピアノ編)…世界初録音
ヴァリー・ヴァイグル(1894-1982):生命の鳥(1979)
フランツ・ミットラー(1873-1970):セレナード=カプリース(1930頃)(フルートとピアノ版 1961)…世界初録音
フェリックス・ペティレク(1892-1951):3つの舞曲 - フルート・デュオのために(1924)…世界初録音
ティボール・ハルシャーニ(1898-1954):フルートとピアノの為の3つの小品(1924)
シャーンドル・イェムニッツ(1890-1963):無伴奏フルートの為のソナタ Op. 43(1938)
マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):メロディ - フルートとピアノのために(1958)…世界初録音
マルティヌー:スケルツォ H. 174a - フルートとピアノのために(1929)
カレル・ボレスラフ・イラーク(1891-1972):フルート・ソナタ Op. 32(1930)…世界初録音
ビルギット・ラムスル(Fl)
カール=ハインツ・シュッツ(Fl)
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)

録音:2019年6月26日、2019年6月27日、2019年9月9日、2019年11月5日、2020年10月27日
19世紀終わり近くに誕生した作曲家たちのフルート作品集。彼らはみな現代音楽の流れに強力な影響を与えるほどの才能の持ち主でしたが、フルートの ための作品はほとんど知られておらず。このアルバムに収録された作品もいくつかをのぞき、世界初録音です。 コウナルト、ヴァイグル、ミットラー、ペティレクの音楽はウィーンの文化的環境に育まれたものであり、ハルシャーニ、マルティヌーらの作品はパリの空気を思わせ ます。またイラークのフルート・ソナタはコンサート用のレパートリーに定着しそうな、耳なじみのよいメロディが聴き映えする作品です。フルートを演奏するビル ギット・ラムスルは2004年からウィーン・フォルクスオーパーの首席奏者を務めるとともにさまざまなアンサンブルで活躍、その技巧と音楽性が高く評価されてお り、このアルバムでも実に見事な演奏を披露しています。ペティレクの作品では、名手カール=ハインツ・シュッツが参加し、親密なデュオを聴かせます。
8.579114
ポルトガルの弦楽四重奏曲集
エルリコ・カラパトゾ(1962-):ラソス、コントルダンスとデスカンテ(2016)
テルモ・マルケス(1963-):幸福の島(2016)
セルジオ・アゼヴェード(1968-):
ポプラルスキア I(2017)
フェルナンド・C・ラパ(1950-):Suite Mirandesa ミランダ組曲(弦楽四重版)(2017)
マトジニョシュSQ【ビクトル・ビエリラ(Vn1)、フアン・カルロス・マッジオラーニ(Vn2)、ホルヘ・アルベス(Va)、マルコ・ペレイラ(Vc)】

録音:2020年9月21-23日
全て世界初録音
アルバムタイトルの「Raizes」とは、ポルトガル語の「ルーツ」の意。このアルバムに収録されているのは、全てマ トジニョシュSQの委嘱による新作で、ポルトガルの伝統的な民謡の旋律や、舞曲、物語からイ ンスピレーションを得た作品が並びます。ゆったりとした哀愁漂う旋律と、軽やかな舞曲が交互に置かれたカ ラパトゾの「ラソス、コントルダンスとデスカンテ」とラパの「ミランダ組曲」はどちらも北ポルトガルに伝わる舞曲と 物語が元になったもの。幾分現代的なハーモニーが楽しいマルケスの「幸福の島」のルーツはアゾレス島とマ デイラ島の神話であり、アゼヴェードの「ポプラルスキア I」は民俗音楽の研究で知られるロペス=グラサとベー ラ・バルトークらの思い出に捧げられた作品です。
8.579115
ギリシャのギター音楽集
ペトラス・クラムパニス(1981-):アリアドネの二元性(2020)
フィリッポス・ツァラフーリス(1969-):俳句(2019)
イアソン・マルーリス(1999-):悲劇の英雄の寓話(2020)
テオドーレ・アントニノウ(1935-2018):オマージュ(2004)
ディミトリス・シュカラス(G)
ロッテ・ベッツ=ディーン(Ms)
ラニマSQ&アンサンブル
オーデンティア・アンサンブル
ライアン・ベアー(指)

録音:2020年10月28日、2020年10月2日、2020年10月3日

世界初録音
21世紀のギリシャにおける最新のギター音楽集。 ギリシャ生まれのギタリストのディミトリス・シュカラスが、母国ギリシャの作曲家たちに委嘱して生まれた楽 曲を集めたアルバム。ジャズやコンテンポラリー、アヴァンギャルドなどの多彩なスタイルを備えた作品集とな りました。神話に登場するアリアドネを題材にしたクラムパニスの「アリアドネの二元性」ではギリシャ民謡と ジャズが採り入れられ、ギターはしばしば打楽器のように扱われます。ツァラフーリスの「俳句」は歌を伴う組 曲。作曲者自作のギリシャ語による俳句が用いられており、短い曲の中に凝縮した世界が閉じ込められ ています。ギリシャ神話に登場する英雄を主人公とするマルーリスの作品は、前衛的な手法で、運命に抗 う英雄たちの姿をギターと弦楽で描いたもの。 最後に置かれたアントニノウの「オマージュ」は、1994年にこの世を去ったギリシャの国民的作曲家マノス・ ハジダキスの思い出に捧げられた作品。第30回アテネ・ギター・フェスティヴァルのために作曲されました。
8.579117
トランペット協奏曲集
アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲(カデンツァ: ティモフェイ・ドクシツェル)
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):トランペット協奏曲第1番変ロ長調 Op. 94
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番(T. ドクシツェル、P. メルケロによるトランペット・パート拡張版)
ポール・メルケロ(Tp)
チョ・ジェヒョク(P)…5-8
ロシア・ナショナルO
ハンス・グラーフ(指)

録音:2019年6月8-12日
1995年からモントリオールSOの首席奏者を務めているポール・メルケロが重量級のアルバムでNAXOSに初登場。幼いころにトランペットの演奏を聴 いてプロ奏者を志したというメルケロ。彼の人生を変えた演奏者はウクライナ出身の偉大なトランペット奏者ティモフェイ・ドクシツェルでした。ソビエト時代に作 曲された3曲のトランペット協奏曲を収めたこのアルバムは、メルケロからドクシツェルへのオマージュになっています。 アルメニア民謡のメロディとリズムが特徴的で、今やハイドンやフンメルと並ぶトランペット協奏曲の定番レパートリーとなったアルチュニアン。マーラーの交響曲 第5番、メンデルスゾーンの結婚行進曲、ビゼーの「カルメン」、リムスキー=コルサコフの「金鶏」などのメロディが引用されており、謎めいた遊び心を感じさせる ヴァインベルク。この2曲はドクシツェルのために作曲されました。 ショスタコーヴィチが20台後半に作曲した「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」(P協奏曲第1番)も自他の作品からの引用が散りばめられ たコラージュ風の作品で、ユーモアと華麗な超絶技巧が魅力の人気曲。ここではドクシツェルが作曲家の承諾を得てトランペット・パートを編曲(拡張)し、ト ランペットを主役に仕立て上げた版を使用していることに注目。冒頭からトランペットがピアノのパートを吹いたり、更にはオーケストラ・パートまで演奏します。 高度な技術と持久力が必要なため、録音はこれまでドクシツェル自身のものしかなく、この録音は貴重。トランペット・ファン必聴です。
8.579118
9種類のトランペットとピアノ- ファビオ・ブルムのために書かれたトランペット音楽
1. ダニエル・フライバーグ(1957-):カリオカ前奏曲(2021)
2. ジウソン・サントス(1977-):カンズア(2020)
ダグラス・ブラガ(1986-):コル(2021)
3. I. Allegro
4. II. Canto
5. III. Intermezzo
6. IV. Finale
7. フアン・カルロス・バレンシア・ラモス(1978-):パラレル(2020)
8. パーチョ・フローレス(1981-):エテロニモス(2020)
サンティアゴ・バエス(1982-):セレンディピア(2020)
9. I. -
10. II. -
11.ドミートリー・セルヴォ(1968-):セリエ・ブラジル 2010- 10
 「ブラジルの四季」 Op. 61- 第4曲 北東の夏(舞曲)(2018-19)(トランペットとピアノ版 2020)
12. ミーシャ・ムロフ=アバド(1990-):しらふの歌(2021)
サンティアゴ・バエス(P)

ファビオ・ブルム
B♭管コルネット…1、12/F管コルネット…2-7/C管コルネット…8
B♭管フリューゲルホルン…4、5、9/B♭管ピッコロ・トランペット…9
B♭管トランペット…7、9/C管トランペット…8/B♭管コルノ・ダ・カッチャ…10/F管ホルン…10


録音:2021年4月18-21日
世界初録音
このアルバムは名手ファビオ・ブルムに捧げられた作品を収録した1枚。ブルムは様々なトランペットと、近い種類の楽器を駆使し(時にはホルンまで)エキサ イティングな演奏を繰り広げます。 ここに並んだ作曲家たちは、ほとんどが南米在住。それぞれの作品は個性豊かで、ジャズや民謡の要素、ロマン派や新古典主義の作風を採り入れたものか ら、時にはミニマリズムの様式を感じさせるものまで多種多様な曲想を聴かせます。どの曲もブルムの高い技術と音楽性が発揮できるように書かれており、彼 の目の覚めるようなテクニックと伸びやかな音色を堪能できます。楽器ごとの響きの違いも面白く、全ての管楽器好きの方にオススメしたい1枚です。 【ファビオ・ブルム】 ブラジルのリオデジャネイロ出身。5か国で生活した経験を持ち、30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として活動しています。新作の紹介に 熱心で南米居住の作曲家たちに作品を委嘱、デビュー・アルバム「EGREGORE +」(8.574204)でもプロジェクトのために開発されたコルネットを中心に 多彩な楽器を操り、楽器の可能性を追求しています。
8.579119
21世紀のトランペットと管弦楽のための作品集
ガブリエル・ロベルト(1972-):ソラリア(2021)
セリエ・ドミートリー・セルヴォ(1968-):ブラジル 2010No. 10「ブラジルの四季」 Op. 61(2018-19)(トランペットと管弦楽版 2020)
ニコラ・テスカリ(1972-):トランペット協奏曲 「9つのムード」(2021)
メナヘム・ズール(1942-):深き淵より(2019)
ガブリエル・ロベルト:東京組曲(2015)
ファビオ・ブルム(Tp)
B♭管トランペット
C管トランペット
B♭管コルネット
C管コルネット
F管コルネット
B♭管フリューゲルホルン
セビーリャ王立SO
ノアム・ズール(指)

録音:2021年7月21日
全て世界初録音
ブラジルのリオデジャネイロ出身のトランペット奏者ファビオ・ブルム。30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として演奏した経験があります。 この「Alchemiy 錬金術」と名付けたアルバムでは、錬金術師が4つの元素を組み合わせて新しい物質を作るように、4人の作曲家による多彩な作品を紹 介しています。ガブリエル・ロベルトがブルムのために作曲した「ソラリア」はコロナ禍によって委縮した社会が息を吹き返す様子をイメージし、セルヴォの 「ブラジ ルの四季」は自然界の色彩豊かなパノラマを表現しています。最初のロックダウン下で書かれたテスカリの「9つのムード」は激しく揺れ動く気分を表現、ズール の「深き淵より」は祈りと瞑想的な雰囲気に支配されています。最後に収録された「東京組曲」は日本フィルの委嘱作品で、2015年12月にオッタビアーノ・ クリストーフォリをソリストに東京で初演されました。高層ビル群や群衆行き交う街の喧騒から静かな神社仏閣まで、日本が外国からの旅人に見せる多種多 様な顔と、それに触れた旅人の心に湧き上がる驚き、困惑、興奮、感動などを描いています。
8.579120
アルベルト・ウィリアムス(1862-1952):1-4. ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.51(1906)
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ長調 Op.53(1907)
デュオAM【アレハンドロ・アルダーナ(Vn)、ファビオ・マルティーノ(P)】

録音:2022年2月28日-3月2日
アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの作曲家アルベルト・ウィリアムス。幼い頃からピアノの演奏に長けてお り、7歳の時に演奏会を開いたという記録もあります。地元の学校で音楽を学んだ後、奨学金を得て1880 年代にはフランスに留学。フランクに師事するとともに、当時流行していたワーグナーの音楽に傾倒 し、これらに影響を受けた作品を書きました。彼のヴァイオリン・ソナタ第2番は、確かにフランク風であるととも に、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを思わせる抒情性も持ち合わせています。その翌年に作曲された第3番 は、シンコペーションのリズムで始まる野心作。ピアノとヴァイオリンが対等に扱われ、まるで協奏曲を思わせる かのような対立を感じさせるほどにピアノ・パートが重要な働きを見せます。まるでシューベルトのような軽やか な第2楽章も魅力的。3拍子で書かれた第3楽章は、全音階的な和声進行と目まぐるしく変化する楽想が 特徴。最後は転調を繰り返し、ピアノのオクターヴの連打で曲を閉じます。
8.579121

NYCX-10308
日本語解説付国内盤
税込定価

吉松隆:左手のためのピアノ曲集
タピオラ幻景 Op. 92(2004)
アイノラ抒情曲集 Op.95(2006)
ゴーシュ舞曲集 Op.96(2006)
大嶋・ライアン・ユミコ(P)

録音:2014年8月2日、2015年6月25日&8月8日、2019年10月20日
吉松隆が親交のある舘野泉のために書いた左手のためのピアノ曲の代表作を、アメリカで活動する大嶋・ライアン・ユミコの演奏で収めた1枚。 1964年からヘルシンキを拠点に活動してきた舘野は、2001年1月に演奏会の最後に脳出血で倒れ右半身に麻痺が残りましたが、左手でのレ パートリーによる演奏活動開始を決意。舘野を慕う作曲家たちが続々と新作を寄せました。中でもフィンランドの作曲家シベリウスを敬愛する吉松 隆による作品群は、その澄んだサウンドと親しみやすい楽想によって人気を得ています。 「タピオラ幻景」はフィンランド神話の森の神タピオの国の光景、「アイノラ抒情小曲集」はシベリウスが後半生を送った山荘のイメージから生まれまし た。どちらも抒情的で美しい作品。フランス語の「左手」から名付けたゴーシュ舞曲集は吉松らしいジャンル越境型の楽しい作品です。 大嶋・ライアン・ユミコは東京生まれ。桐朋学園で学び、シンシナティ大学音楽院で音楽芸術の博士号を取得。1995年からは日本の現代作品を レパートリーに取り入れて、東京、トロント、サンファンなどで演奏してきました。ミネソタ州グスタヴァス・アドルフス・カレッジのピアノ教授を務めています。 彼女はこれらの作品について「風、水、光、鳥たち、森の神タピオといった自然のイメージから生まれた作品ですが、病に倒れた舘野さんのために書か れた音楽ゆえに、困難に立ち向かい乗り越えようとする力を呼び覚まします。これらの曲を弾くたびに、人の魂に働きかける音楽の力の偉大さを実感 するのです」と語っています。 *国内仕様盤には大嶋ライアン・ユミコによる日本語解説が付属します。
8.579123
ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690):Harmonia d’affetti devote
献身の諸相についての曲集 第1巻 Op. 3(1655年出版)
ノヴァ・アルス・カンタンディ
アレッサンドロ・カルミニャーニ(S)
アンドレア・アッリヴァベーネ(C.A)
ジャンルカ・フェッラリーニ(T)
マルチェッロ・ヴァルジェット(Bs)
イヴァナ・ヴァロッティ(Org)
ジョヴァンニ・アッチャイ(指)

録音:2020年9月18-22日
世界初録音
17世紀のヴェネツィアで活躍した作曲家ジョヴァンニ・レグレンツィ。当時高い人気を誇るとともに、北イタリ アの後期バロック様式を確立するうえで決定的な役割を果たしました。彼は歌劇や宗教曲を多数書き 上げており、オルガンをベースに2声、3声、4声で歌われる「Harmonia d’affetti devote=献身の諸 相についての曲集」も典礼用として意図されていましたが、歌われたテキストは宗教音楽の伝統から逸脱 しており、旋律が映えることを重視した歌詞が選ばれています。世界初録音となるこのアルバムでは、レグ レンツィの洗練された音楽を存分に楽しむことができます。 演奏しているノヴァ・アルス・カンタンディは1998年にアッチャイによって創設されたヴォーカル・アンサンブル。 イタリア・バロックの知られざる宗教作品をレパートリーの中心におき、イタリア各地でコンサート活動を行っ ています。
8.579125
20世紀アンデス地方のフルートとピアノのための作品集
シクスト・マリア・デュラン・カルデナス(1875-1947):インカの伝説(1916頃)(フルートとピアノ版)
ヤシント・フレイレ(1950-):フルートとピアノのための組曲(1982)
ヘラルド・ゲバラ(1930-):対話(1982)
レオナルド・カルデナス(1968-):世界と時間の中心で(2019)…世界初録音
サミュエル・ジーマン(1956-):フルート・ソナタ第1番(1994)
ダニエル・ヴェラスコ(Fl)
エレン R.ソマー(P)

録音:2020年12月8-11日
アンデス地方、エクアドルの近現代作曲家による作品を中心に収録した、南米の音楽が持つ豊かな色彩感とリズムが満載のアルバム。デュラン・カルデナス の「インカの伝説」は名曲"コンドルは飛んでいく"を思わせる冒頭の幅広い旋律が印象的。また軽快な後半部はドップラーの"ハンガリー幻想曲"も想起させ ます。ハシント・フレイレの『組曲』はエクアドルの舞曲がテーマ。異なる楽想による3つの曲が紹介されています。同じくエクアドルの作曲家ヘラルド・ゲバラはパ リのエコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェに作曲、ソルボンヌ大学で音楽学を学んだ人。この「Dialogos 対話」はエクアドルの民族的要素と現 代的なテクニックを組み合わせた作品。フルートの超絶技巧が聴きどころです。レオナルド・カルデナスの「En el Centro del Mundo y el Tiempo 世界 と時間の中心で」はアンデスの風景からインスパイアされた曲。こちらも伝統的なエクアドルの旋律が随所に用いられています。最後に置かれたメキシコの作 曲家サミュエル・ジーマンの「フルート・ソナタ第1番」は、1996年、シカゴで開催された全米フルート協会の大会において、ベネズエラのフルート奏者マルコ・グ ラナドスが演奏して評判になり、以来フルート奏者のレパートリーとなった曲です。
8.579127
ナイジェル・クラーク(1960-):マーリンの予言(2021) -ヴァイオリンとオーケストラのための交響曲 ピーター・シェパード・スケアヴェズ(Vn)
アレクサンドル・コズマ(Fg)
ウィーンRSO
ニール・トムソン(指)

録音:2022年8月29日、2022年8月30日、2022年8月31日
世界初録音
リムスキー=コルサコフのシェヘラザードの舞台を中世イギリスに移したような、ドラマティックな新作が登場。 英国出身で現在はブリュッセルを拠点に活躍する作曲家ナイジェル・クラーク。現代的な音楽語法による吹 奏楽作品を中心に人気があります。この「マーリンの予言」は、「ヴァイオリンを伴う交響曲」と銘打たれてお り、ソロ・ヴァイオリンが全曲を通じて活躍する交響的組曲のような作品です。ヴァイオリンが演じるのは12世 紀にジェフリー・オブ・モンマスが書いた「ブリタニア列王史」に出て来る予言者・魔術師のマーリン。5つの楽章 はマーリンが登場する場面を描いたもので、森や海を舞台に嵐のような激しさから神秘的で瞑想的な表現ま で、この作品の発案者でもある名手ピーター・シェパード・スケアヴェズが縦横無尽に演奏し、ニール・トムソン が指揮するウィーンRSOもダイナミックにサポートしています。
8.579128
ルイス・ウンベルト・サルガード(1903-1977): 室内楽作品集 第1集
ヴィオラ・ソナタ(1973)
セレーネ、トリオ・プログラマティコ(1969)
チェロ・ソナタ(1962)
木管五重奏曲(1958)
カンザス・ヴィルトゥオージ【ダニエル・ヴェラスコ(Fl)、マルガレート・マルコ(Ob) 、エミリー・フォルツ(コールアングレ)、ステファニー・ゼルニック(Cl)、エリック・ストンバーグ(Fg)、ポール・スティーヴンス(Hrn)、ボリス・ヴァイネル(Va)、ハンナ・コリンズ(Vc)、エレン・ソマー(P)】

録音:2020年1月16日、2020年2月13日、2021年5月10日、2021年5月11日
全て世界初録音
エクアドル生まれの作曲家ルイス・ウンベルト・サルガードの作品集。作曲家の父のもとに生まれ、8歳で首都キ トの国立音楽院に入学、ピアノと作曲を学びましたが、当時のエクアドルには十二音音楽や新古典派音楽と いった欧州楽壇の新しい潮流に通じている教師はいませんでした。サルガードは最新の音楽を学ぶべく欧州留 学を目指すも奨学金が得られず断念、本やレコードを通してほぼ独学で現代音楽の手法を学び、これをエクア ドルの民俗音楽と融合させようと試みました。彼の作品は、モダンで洗練されたハーモニーの中にエクアドルの先 住民サンフアニートの舞曲を織り込み、生き生きとした音楽として結実しています。このCDには、新古典派の作 風によるチェロ・ソナタや、多彩なアイディアを盛り込んだ木管五重奏曲、アポロ11号の月面着陸成功にインス パイアされた「セレーネ(ギリシャ神話の月の女神の名前)」などが収録されています。
8.579129
韓国女性作曲家によるアート・ソング集
1. イム・キュンシン(1969-):You, My Courage あなたは私の勇気(2017)*
2. イム・キュンシン:Letter of Autumn Rain 秋の雨の手紙(2019)
3. イム・キュンシン:To You あなたに(2017)*
4. イ・ナムリム(1959-):Night 夜(2021)*
5. イ・ボクナム(1965-):Poet Dong-Ju Yoon ユン・ドンジュの詩(2016)
6. イ・ヘソン(1961-):Prayer No.5, "Love Is" 祈り第5番「愛とは」
(2021)*
7. アン・カロリーネ・キョンア(1975-):My Little One マイ・リトル・ワン(2020)*
8. キム・ジヨン(1969-):Star Cultivating Child 星を耕す子供(2004)*
9. イム・キュンシン:If You Would Come もしあなたが来たら(2021)
10. キム・ジヨン:Because You Are Here あなたがここにいるから(2021)*
11. カン・ジョンヒ(1976-):You and I あなたと私(2021)*
12. カン・ジョンヒ:Spring Rain 春の雨(2020年、声とピアノ版) (2020)*
13. カン・ジョンヒ:Two Ways2つの道(2016)
14. イム・キュンシン:Lake of My Beloved 私の恋人の湖(2018)*
15. キム・ミラン(1976):Nil ri ri ya(2016)*
16. キム・ミラン:Gyeongbokgung Palace Taryung 景福宮の歌(2021)*
17. イ・ナムリム:アリラン(2022)*
チョ・ギョン(S)…1-3、6-8、11-14、17
チョ・ウォン(Bs)…1、4-6、9-11、14-17
パク・ウンヒ(P)

録音:2021年11月、12月、2022年1月
*…世界初録音
日本ではあまり耳にすることのない韓国の歌曲集。この国でも声楽への愛は深く、Ga-Gok または‘Art Song’と呼ばれる一連の歌曲は国の激動の歴史を通じて存在感を維持してきました。このアルバムには現 代の韓国を代表する女性作曲家たちの独唱と二重唱曲を収録。どの曲も新鮮な音の使い方を聴かせな がらも、基本的には調性を用いた耳なじみのよいものとなっています。言葉の柔らかい響きを活かした歌の 数々をお楽しみください。とりわけ最後に収録された「アリラン」は圧巻の仕上がりです。
8.579130
3つのポルトガルのオーケストラ
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」 - 序曲
モーツァルト:交響曲曲第35番「ハフナー」
ワーグナー:「ローエングリン」 第3幕-前奏曲
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
 「サロメ」 - 7つのヴェールの踊り
ジョリー・ブラガ・サントス(1924-1988):スタッカート・ブリリャンテ Op. 69*
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
 ハンガリー舞曲第5番(M. シュメリング編)
シャブリエ:スペイン
ヌォヴァ・フィラモニカ・ポルトゥゲサ
オルケストラ・シンフォニカ・ポルトゥゲサ
オルケストラ・ドゥ・アルガルベ
アルヴァロ・カッスート(指)

Radio e Televisao de Portugal 所蔵の音源
録音:1988-2003年(ライヴ、*以外)
*のみMARCO POLO 8.225271
*以外=初発売
指揮者アルヴァロ・カッスートをフィーチャーした1枚。1938年、ポルトガルのポルトで生まれ、リスボン大学で法学の 学位を取得、その1年後にはウィーン国立音楽大学で指揮の学位を取得したカッスート、作曲家としても評価が高 く、ポルトガルとアメリカの音楽機関から作品の委嘱を受けています。ポルトガル各地のオーケストラを指揮するだけ でなく、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルOやロイヤル・リヴァプールPOをはじめ、 数々の名門オーケストラを指揮しています。 このアルバムでカッスートが指揮している3つのオーケストラは、全て彼が創設した団体で、どの曲にも熱のこもった演 奏を披露しています。また彼が敬愛するジョリー・ブラガ・サントスの音楽を広めるための運動にも力を入れており、こ こではMARCO POLOへの多数の録音から選ばれた1曲「スタッカート・ブリリャンテ」を聴くことができます。
8.579131
フランチェスコ・ドゥランテ:詩篇とマニフィカト集
1. ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1611-1688頃):トッカータ イ短調(ナポリ写本34.5.28、音楽院図書館)
2-4. フランチェスコ・ドゥランテ: 主は言われた(4声) 詩篇109
 われ主に感謝せん(4声) 詩篇110
 主を恐れるものは幸いなり(4声) 詩篇111
 サルヴァトーレ自然的第9旋法によるフランス風カンツォン第2番
6-8. ドゥランテ:主の僕たちよ、主をほめたたえよ(4声) 詩篇112
9. サルヴァトーレ:第1旋法によるカプリッチョ(ナポリ写本 34.5.28、音楽院図書館)
10-12. ドゥランテ:主がシオンの繁栄を回復された時(4声) 詩篇125
 主が家を建てられるのでなければ(4声) 詩篇126
 エルサレムよ、主を讃めたたえよ(4声) 詩篇147
サルヴァトーレ:第1旋法によるフランス風カンツォン第3番
14. ドゥランテ:マニフィカト (4声) ルカによる福音書第1章:46-55

2-4、6-8、10-12、14…フォンド・ノセダ、ミラノ、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院図書館写本による(アッチャイ編)
ノヴァ・アルス・カンタンディ(ヴォーカル・アンサンブル)…2-4、6-8、10-12、14
 アレッサンドロ・カルミニャーニ(S)
 アンドレア・アッリヴァベーネ(C.A)
 ジャンルカ・フェッラリーニ(T)
 マルチェッロ・ヴァルジェット(Bs)
イヴァナ・ヴァロッティ(Org)
ジョヴァンニ・アッチャイ(指)…2-4、6-8、10-12、14

録音:2021年9月18-22日
世界初録音
18世紀のナポリにおいて、アレッサンドロ・スカルラッティの没後に数々の音楽院の院長を歴任し、ペルゴレー ジをはじめとした多くの作曲家を育てたフランチェスコ・ドゥランテ。作曲家としても高く評価され、バッハも ライプツィヒで彼の作品を上演したとされています。このアルバムに収録されているのは、ドゥランテのさまざまな 「詩篇」と、彼よりも70年ほど前に生まれ、同じくナポリで活躍した作曲家ジョヴァンニ・サルヴァトーレの独創 的なオルガン曲を組み合わせたプログラム。精緻に張り巡らされた対位法と、表現力豊かな音楽をお楽しみ いただけます。 ローマRAI室内合唱団とトリノRAI合唱団の指揮者を歴任、現在「ジュゼッペ・ヴェルディ」ミラノ音楽院の音 楽学コースの音楽古学の名誉教授を務めるジョヴァンニ・アッチャイ率いる、4名の歌手で構成されたノヴァ・ アルス・カンタンディによる演奏です。
8.579135
シンセティスト再訪
ジュール・ストレンス(1893-1971):交響的変奏曲「ジル・ブラス」 Op.2(1921)
マルセル・ポート(1901-1988):ユーモラスな組曲「タルタラン・ド・タラスコン」(1921)
フランシス・ド・ブルギニョン(1890-1961):レチタティーヴォとロンド Op. 94(1951)
ガストン・ブレンタ(1902-1969):舞踏幻想曲「ゾーハル」(1928)
テオ・デ・ヨンカー(1894-1964):ギャミヌリィ(作曲年不詳)
モーリス・シューメーカー(1890-1964):交響的変奏曲「ブリューゲル組曲」(1928年吹奏楽版)
王立ベルギー空軍バンド
マッティ・シリセン(指)

録音:2022年7月4-7日

全て世界初録音
1925年9月、作曲家ポール・ギルソンの60歳の誕生日を記念して、彼に師事する7人の学生たちがブリュッ セルに集まり、ベルギー音楽史上初となる作曲家集団「Les Synthetistes」を結成しました。「フランス六 人組」のベルギー版とも言えるこのメンバーたちは、後期ロマン派のスタイルとは一線を画す最先端の音楽を 模索しながら、当時、SOが少なかったベルギーにおいて、吹奏楽のためにオリジナル作品の作曲と編 曲を行いました。彼らは1918年から45年までベルギー・ギィデ交響吹奏楽団の指揮者を務めたアルテュー ル・プレヴォーと協力し、ブリュッセルでモダンな音楽を生み出したのです。しかし、現代ではこれらのレパート リーはすっかり忘れられてしまいました。このアルバムでは地元である王立ベルギー空軍バンドの演奏で、メン バーの内の6人の作品を聴くことができます。 (ポール・ギルソンと7番目のメンバーであるルネ・ベルニエの作品は配信限定で6月にリリース予定。商品番 号9.70351)
8.579136
中国のロマンス
シァ・ウェイナン(1981-)
1. The Flow 水云?(2016)*
2. Swan and Maiden 白鳥と乙女(2016)*
3. Whisper of the Wind 風のささやき(2016)*
4. Love at Night of Tulips チューリップの夜の恋(2018)*
5. The Little Match Girl マッチ売りの少女(2016)*
ファン・タオ(1983-)
6. In the Moonlight月明かりの中で(2018)*
7. Her 彼女(2018)*
8. The Rain Outside the Window 窓の外の雨(2018)*
9. Whisper ささやき(2020)*
10.83Munan Road 睦南道83号(2020)*
11. Farewell 告別(2021)*
12. Serendipity 偶然の出会い(2018)*
リン・ファンキ(1985-)
13. Lonely Soul 孤魂(2017)
14. Gone with the Wind 風と共に去りぬ(2015)
15. Oh My Little Imaginary Love オー・マイ・リトル・イマジナリー・ラヴ(2017)
16. Sadness 悲しみ(2014)*
17. Tenderness 優しさ(2014)*
18. Lullaby 子守歌(2017)
19. Promise without Words 言葉のない約束(2017)
20. Reminiscence 回想(2017)
リウ・シャンイ(G)

録音:2022年6月25日、2022年6月10日、2022年8月18日
*・・・世界初録音
『中国のロマンス』と題された現代中国のギター作品集。現代の作品ではありながら、どれも調性を持つ美しい曲想によって書かれています。 シァ・ウェイナンは中国生まれ。幼いころから音楽に興味を抱き父親から教えを受けました。10代の頃にはロックに夢中になり中国のロックバンドでギ ターを弾く他、ソングライター、レコーディングエンジニア、音楽プロデューサーを務めるなど、音楽業界で豊富な経験を持っています。中央音楽院ではク ラシックの奏法も学びました。冒頭の五音音階を用いた中国風の導入で始まる「The Flow 水云?」は湖の上に浮かぶボートを表現。バリオスの 「森で夢見る」を思わせるトレモロの使用が印象的です。 ファン・タオは中国全土でギター・リサイタルを行う人気者。2020年にはインターネットメディアの企画・運営を行うXimalayaが主催した「the National Love-Music」のトップ10入りを果たし、テレビ出演も行っています。彼の作品も、どこか懐かしく哀愁を湛えた旋律に満ちています。 リン・ファンキは中国のギター作曲家の中でも、最も多作で知られる人。すでに100曲以上の作品を発表し、ギタリストとしては2018年に発表したア ルバム「モノローグ」が大好評を博しています。このアルバムには比較的ゆったりとしたテンポを持つ抒情的で優しい曲が収録されています。 2016年に開催されたフランシスコ・タルレガ国際ギター・コンクールで中国人として初の優勝を飾ったリウ・シャンイが共感溢れる演奏を聴かせます。

8.660388(2CD)
マイール(1763-1845):音楽劇「テレマーコ」 テレマーコ・・・シリ・カロリーネ・ソルンヒル(S)
カリプソ・・・アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
エウカリ・・・ユン・ジーウォン(S)
メントーレ・・・マルクス・シェーファー(T)
ヴィーナスの司祭・・・カタリーナ・ルックガーバー(S)
バッカスの司祭・・・ニクラス・マルマン(Bs)
バイエルン国立歌劇場choメンバー
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス
フランツ・ハウク(ハープシコード&指)
世界初録音

録音:2015年8月29日-9月5日
古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」(ホメロス作と伝承される)の最初の部分に登場する、オデュッセウスの息子テレマーコ(テ レマコス)を主人公とした物語。遺産目当てに母ペネロペに群がる男たちを排除するために、死んだとされる父オデュッセウスを探す旅に 出るテレマーコ。彼に付き添う父の友人メントーレ(実は女神アテナが姿を変えている)。彼らは旅の途中で嵐に遭い、海岸に漂着。 そこで美しいカリプソと出会うのです。この冒険物語は様々なオペラの主題に取り入れられて人気を博しており、マイールの作品も初演 当時高く評価されました。しかし、物語がハッピーエンドでなかったためか、人気が衰えてしまい、以降演奏されることもなく歴史の片隅に 埋もれてしまっていました。マイール研究家であるハウクの尽力によってようやく甦った作品です。
8.669037(2CD)
バーナード・ランズ(1934-):歌劇「ヴィンセント」 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ・・・クリストファー・バーケット(Br)
テオ・ヴァン・ゴッホ・・・ウィル・パーキンス(T)
テオドルス・ヴァン・ゴッホ・・・ジェイソン・エック(Bs-Br)
シーン・・・ケリー・クルーズ(S)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック・・・スティーヴン・リンヴィル(テノー
ル)
アゴスティーナ・セガトーリ・・・ローラ・コニャース(Ms)
ポール・ゴーギャン・・・アダム・ウォルトン(Bs-Br)
ドクター・ペイロン・・・アンドリュー・モースタイン(T)
ドクター・ポール・ガシェ・・・クリストファー・グランディ(Br)
マルゲリーテ・ガシェ・・・ジャミ・レオナルド(S)
インディアナ大学フィルハーモニーO&cho
アルトゥール・ファーゲン(指)

録音:2011年4月9-15日ライヴ
1984年のピューリッツァー音楽賞を受賞したアメリカの作曲家ランズの歌劇「ヴィンセント」。タイトルの通り、オランダの画家フィンセント・ ファン・ゴッホと、彼を取り巻く人々が描かれたこの歌劇は、1970年代にランズがアムステルダムのゴッホ美術館を訪れた際にインスピ レーションを得て、その後40年に渡って画家の生涯について研究を重ねた末に生まれた物語です。 ゴッホと弟テオとの交流、ゴッホの内面における葛藤とその悲劇的な死、様々なエピソードが、ベルクを思わせる“現代的な抒情性”を帯 びた音楽の上で紡がれています。

9.70164
シューベルト:ヴァイオリンとフォルテピアノのための作品集第1集
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ニ長調 Op.137-1 D384
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) イ短調 Op.137-2 D385
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ト短調 Op.137-3 D408
デュオ・ソナタ イ長調 Op.162 D574
ジャクリン・ロス(Vn)
マギー・コール(フォルテピアノ)
シューベルトの作品の中でも、あまり演奏の機会が多くないヴァイオリンのためのソナタ(ソナチネ)。Op.137 の3曲は、彼がまだ20 歳になる前に書かれるも、忘れられたままになり、死後の1836年にようやく実兄フェルディナントの手で出版された作品です。簡素な中に、いかにもシューベルトらしい伸びやかで美しい旋律が聞こえてくるというもので、モーツァルトやベートーヴェンの影響も多分に感じられる、若さ故の情熱が潜んでいます。本来ならば「配信のみ」で企画された音源なのですが、この曲をバロック・ヴァイオリンとフォルテピアノで演奏したものは極めて珍しく、その上、あまりにも素晴しい演奏であるため、急遽アルバム化したという逸品です。精妙な響きと軽やかな音は、聴き手を200年前の世界へといざないます。



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