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フェレンツ・フリッチャイ(指)ベルリン放送交響楽団 |
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| Audite AU-95498 |
録音年:1957年1月24日 【モノラル・ライヴ録音】 | ||||||||||||
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| カップリング/シューマン:ピアノ協奏曲/アルフレッド・コルトー(P) | |||||||||||||
| “安定感も燃焼度も申し分なし!フィリッチャイの比類なきロマンチシズム!” |
| これが初CD化!かつてライディスのLPで出ていた録音です。同年5月のストックホルム・フィルとの録音と甲乙付けがたい名演!あえて言えば、第1,2楽章はストックホルム盤、3,4楽章はこの録音がやや上。総合点では、ややこちらが有利と言えるでしょうか。とにかくフリッチャイ特有の妥協なき共感の注入ぶりは終始凄まじいばかりで、命がいくつあっても足りないと思えるほど燃焼の限りを尽くした凄演です。テンポ設定等の基本構成はベルリン・フィルとのスタジオ録音から大きく変化はしておらず、映像にも残っているようにここでも緻密にリハーサル行なったことを十分に伺わせますが、フリッチャイの演奏は、演奏しているまさにその瞬間におけるオケとの精神的な一体感、高揚感の共有の微妙な差が、本番の演奏の密度もダイレクトに反映されやすい、危険を孕んだスタイルであったとも言えるでしょう。第1楽章はストックホルム盤が終始音楽が激高しているのに対し、こちらでは各シーンの表情のメリハリがより強調され、特に提示部と再現部の暗い翳リりの表情と、展開部のインテンポで一貫した決然とした推進力のコントラストは見事。第2楽章は命を擦り減らすカンタービレの応酬。第3楽章でも決して気を抜かず、最後の最後まで綿密な設計と情感の融合を実現。終楽章は明らかにストックホルム盤を上回る素晴らしさで、阿吽の呼吸のオケでなければ実現しなかったと思える、まさに体で感じきり、アンサンブルの点でも高次元に昇華された演奏が繰り広げられます。最後のプレスト以降のテンポの速さは凄まじく、しかも音楽としての重みを損なうことなく熱い塊として決死の勢いで迫り来る様は圧巻。録音状態もまずまず。ORFEO盤の「悲愴」に次いでお勧めしたい録音です。 ところで、カップリングのシューマンもただ事ではない名演!この曲で主流を占める傷つきやすくデリケートなアプローチとはきっぱりと決別し、男性的な豪放さで貫徹。その点ではザウワーの名演と双璧と言えましょう。まず第1楽章冒頭、一瞬違う曲かと錯覚するほど、濃厚なアゴーギクを駆使した巨木がドカンと打ち込まれます。その後も予想外のテンポの揺れが頻出しますが、気まぐれな印象を与えず、長年の経験から来る年輪の重みをひしひしと感じさせる味わいが横溢。技巧的に万全ではありませんが、特に展開部の付点リズムの立ち上がり方に象徴されるように、表現意欲と精神力の熱さが尋常ではなく、したがって単なるボロボロの演奏とは全く次元が異なるのです。カデンツァもしかり。こんな内容味を湛えた演奏が他にあるでしょうか?カデンツァ直後のテンポは通常より遅めで、そのまま押し切ると思いきや、一瞬ルフト・パウゼ風に締めくくり、15:40から突如テンポアップ突き進むという激烈な設定にもご注目!第2楽章の最初のテーマの4小節、5小節の各頭の音を少し遅らせて入る手法は決して珍しくありませんが、これほどその必然性を痛感させる演奏もめったにありません。主情派の典型のように言われるコルトーですが、この濃厚極まりないロマンティックな表現の裏には、緻密なコントロールが行き届き、それゆえ決して全体の構成がだらけることがない、ということにも改めて気付かされます。タッチの芳醇さも比類なき魅力。終楽章冒頭も空前のスケール感!ここで演奏を打ち切るかのように極限までテンポを落とし、なおかつ低音を朗々と打ち鳴らして凄み炸裂!これにピタッと寄り添うフリッチャイの指揮も天晴れです。この楽章では優秀な録音のおかげで、コルトーの無尽蔵ともいえる音色の使い分け、ペダリングの妙味に唖然とするばかり。リズムを体で感じ発散する力も、70歳を超えた老人の技とは思えません。例えば4:34からの強拍に自然な力点を置いたリズムの躍動ぶり!8:00以降はもう感涙の極みとしか言いようがなく、フリッチャイの質感満点の伴奏と、インテンポを貫徹しなが突き進むコルトーの魔法のタッチが渾然一体となり、圧倒的なクライマックスを築きます。「ミスタッチがある演奏はそれだけでダメ」という向きも多いと思いますが、これほど本物の音楽のエキスが詰まった演奏を見捨ててしまっては、音楽で人生を潤わせるということはありえないのではないでしょうか? |
| 第1楽章のツボ | |
| ツボ1 | 異様に長い最初の付点4分音符から情感たっぷり。音色は終始仄暗く、孤独なニュアンスの限りを尽くす。弦の支えも含めてその孤独の表情が一貫し、ここまで入念に全てのフレーズを息づかせた例は珍しい。 |
| ツボ2 | 弦の刻みよりもほんのわずかに木管のテーマが先行して吹き始めるが、フリッチャイの指示だろうか?切迫した悲しみの表情として伝わる。序奏部の雰囲気を見事に引き継いだ進行。 |
| ツボ3 | 少しアクセントを施している。 |
| ツボ4 | スラーの8分音符の下降は完全にスタッカートに変更。呼吸が豊かに息づく。その直後テンポが急激にアップ! |
| ツボ5 | その猛進からテンポを落とし、むせ返るような歌を披露。アンサンブルの凝縮力が極めて強く、フリッチャイならではの求心力の高いフレージングが彼の唸り声と共に真に迫る。 |
| ツボ6 | ここも呼吸が熱い。 |
| ツボ7 | この直前の140小節からテンポを落とすのが珍しい。その表情の翳り具合が絶品!152小節からのピチカートの上行は生命力が漲り、ニュアンスも豊か。 |
| ツボ8 | 弱音の指示を無視し、メゾ・フォルテ程の音量で克明に歌い上げ、どんどん音楽を膨らませる。細かく挿入される8分休符にも音楽が連綿と息づいていることを感じさせる、まさに究極のフレージング! |
| ツボ9 | 16分音符は曖昧だが、速めのテンポで一貫し灼熱の進行を続ける。ファゴットがテーマの断片を吹き始めるころからテンポを落とし、克明に締めくくりのニュアンスを刻む点もフリッチャイならでは。特に最後の4小節は、霧の中に消えていくように演奏することが多いのに対し、ピアにシシモの指示をあえて無視し、たっぷりと表情を施して独特の余韻を与えているのが印象的。 |
| 第2楽章のツボ | |
| ツボ10 | 最初の弦の導入は熱い響きで濃密な表情。それに対し、ホルンはややテンポが走り気味なのが残念。響きも素朴すぎる。 |
| ツボ11 | 意外にもテンポを落とさず、ストレートな飛翔。 |
| ツボ12 | テンポをやや上げる。しばらくこのテンポを貫くが、そこには緊張感が常に宿っている。 |
| ツボ13 | ピチカートは、これまた意外にも弱音で優しく弾きはじめるが、続く優美なフレーズとの連動を感じさせて、見事な流れに結実。。 |
| ツボ14 | 今まで野の音楽の推進性を損なわないようにほとんどテンポを落とさず突入。しかしフレージングはどこまでも熱く、フォルテ4つの頂点の築きも高潔の極み! |
| ツボ15 | ここも優しく可憐に歌うに止まらず、かなり綿密に音楽を息づかせている。第1楽章のコーダ同様、最後の1音まで緊張が持続。 |
| 第3楽章のツボ | |
| ツボ16 | 完全にインテンポ。 |
| ツボ17 | 直前のピチカートの強靭さにびっくり!中間部の音楽の溢れ方も、息を呑むほどニュアンス満点! |
| ツボ18 | 現に掻き消されて不明瞭。225小節でグッとテンポを落とし、同様のフレーズ239小節ではさらに大きくテンポを落とす。しかも、最後の4小節は畳み掛けるように締めくくり、この決然とした凄みは見事! |
| 第4楽章のツボ | |
| ツボ19 | 一音ごとに違う命を吹き込んでいるような入念きわまりないニュアンス! |
| ツボ20 | 木管とホルンはほぼ同等のバランス。 |
| ツボ21 | ティンパニのアクセントは58小節の冒頭のみだが、そこに至るティンパニのソロ部分で確実に緊張感を高め切ってから主部に突入。その設計が実に見事。テンポはやや速め。70小節の木管はフルートをかなり強調して、音像を際立たせている。 |
| ツボ22 | 次のフレーズへ運ぶための助走的な意味合いでアクセントがわずかに掛かる。このアクセント記号をこのように生かす人は、今のところフィリッチャ意外に存在しない! |
| ツボ23 | 録音が明確に捉えきっていないが、表現意欲は十分に伝わる。 |
| ツボ24 | インテンポ。 |
| ツボ25 | よく響かない。 |
| ツボ26 | ここもインテンポ。 |
| ツボ27 | 高速で疾走するが、軽薄にならず、神々しい威力に満ちている。 |
| ツボ28 | 469小節からの3小節間は大きくテンポを落とす。ティンパニは470小節の一撃で終始させ、471小節は叩いていない。 |
| ツボ29 | BPO盤以来一貫して速いテンポを採用しているが、ここでも同様。しかし、最も輝かしく勇壮な演奏はこれで、世界の頂点に君臨するような威力には唖然とするばかり。 |
| ツボ30 | 弦もトランペットも明確に音を切る。 |
| ツボ31 | はっきりしないが、改変なし思われる。 |
| ツボ32 | プレスト以降が凄まじい高速で、ホルンはと朗々とは吹きにくが、そんなことはどうでもよいほど、音楽が極限まで熱しきっている。 |
| ツボ33 | 最後の最後でわずかにテンポを落とすが、プレスト以降の猛進振りはまさに圧巻! |
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