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チャイコフスキー:交響曲第5番
ジュゼッペ・シノーポリ(指)フィルハーモニア管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ: /
ユニバーサル
UCCG-4172

録音年:1992年1月 ロンドン・オールセインツ教会 【デジタル録音】
第1楽章 13:38 / 第2楽章 14:02 / 第3楽章 5:47 / 第4楽章 11:55
カップリング/リムスキー・コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」
“主張と抑制のバランスが見事に調和したシノーポリの力演!”
シノーポリは来日公演でも「チャイ5」を披露(これが素晴らしい名演!)しているだけに、並々ならぬ共感をこの作品に抱いていることは想像に難くなく、この録音でも単にノリでやり過ごした部分など無く、入念に共感を込めているのが感じ取れます。特に、他のイタリア人指揮者同様、第2楽章のカンタービレの扱いは全く堂に入った表現で、その渾身のうねりに安心して身を委ねることができます。ただ問題なのは録音!なぜこの教会が選ばれたのか真意が分かりませんが、とにかく残響がワーワーと煩わしく、音の輪郭が不明瞭になるだけでなく、トゥッティや管楽器のソロが外面的でうるさい響きとなって鼓膜を刺激するのですから、その点を差し引いてシノーポリの音楽を新たに想像しなければならないというのは、大変な苦痛です。はじめからムーディーな演奏を目指しているのではないだけに、プロデューサーの見識を疑わざるを得ません。なお、ヴァイオリンは両翼配置。
第1楽章のツボ
ツボ1 クラリネットの音色はすっきりと立ち上がり清潔。弦の厚みが際立っており、強弱の振幅も極めて大きく、センチメンタルなニュアンスよりもドラマチックな志向を早速示している。い
ツボ2 小気味よいテンポとリズム。木管のテーマも粘着力は皆無。
ツボ3 弦に移ってから更に音量を落とすのがユニーク。ここでもテーマは歌うというよりも囁くように軽く弦に触れる程度で進行。スラーの箇所も膨らみを持たせず、静かな切迫感を演出。
ツボ4 ここでも念を押すような歌い回しは行なわず、一息で下降。
ツボ5 冒頭のfpは無視して、ここからテンポも落として入念に歌い上げる。この弦のテクスチュアの美しさと、抜群の連携を見せる木管の合の手とが織り成すコントラストは絶品!
ツボ6 深い呼吸!心の底から溢れる共感を余すところなく注入。ffでことさら音量を上げることはないが、心の高ぶりが見事に表出されている。
ツボ7 ここでテンポアップ。ピチカートの揃い方も見事。
ツボ8 ここからテンポを落とし、切々とカンタービレを効かせるが、感情過多に陥らず、洗練さを貫徹。
ツボ9 教会特有の残響に掻き消されて冒頭の16分音符は聞き取れない。インテンポで決然と進行するが、残響の特性と相まって金管が煩く響き、格調が損なわれている。
第2楽章のツボ
ツボ10 弦の導入は意外にも一音ごとに入念に思いを込めるスタイル。ホルンは見事にピアニッシモを維持。教会録音が功を奏した瞬間でもある。しかし、音楽的に胸に迫るものに欠ける。オーボエは明るすぎる。
ツボ11 もっと大音量で圧倒することも可能だろうが、あえてそれを抑制し、音楽自体を膨らませることに重点を置き成功している。
ツボ12 ここも教会の残響のせいか、妙にクラリネットが明るく野放図に響く。
ツボ13 縦の線が見事に合っているが余韻には乏しい。
ツボ14 オペラチックな壮麗なスケールで歌い上げ、全くほころびを見せないのは流石。しかし、冒頭の打ち込みや、ffffの頂点はそれに比べると明らかに力感不足。もしかすると、これも教会の残響で衝撃が飛散してしまったのだろうか?
ツボ15 デリケートで美しいカンタービレだが、やや表面的。
第3楽章のツボ
ツボ16 一旦テンポを落とす。
ツボ17 ここからテンポが速くなり、センスの良いアクセントと共にリズムにも芯が宿る。
ツボ18 音が歯抜けであまりにもお粗末。2度目はややマシ。
第4楽章のツボ
ツボ19 序奏部前半はなぜか音の方向性とニュアンスが定まらず、茫洋としている。テンポは標準的。
ツボ20 ホルンはほとんど裏方。
ツボ21 ティンパニは58小節と62小節、66小節でアクセントでアクセント。テンポはやや速め。現代的なスピード感が痛快だが、このテンポと音量では響きが空中で分散してしまい、線が不明瞭なことこの上なし。
ツボ22 アクセントは無視。
ツボ23 不明瞭な上に、主張しようとする意欲が感じられない。
ツボ24 インテンポ。
ツボ25 強打が明瞭に捉えられているが、メタリックな響き。
ツボ26 インテンポ。
ツボ27 決して猛進せず、落ち着いたテンポで威厳に満ちているが、とにかくホールがワーワー響き過ぎてうるさい!内容味のある演奏であることが想像できるだけに、このような外面的に響きで捉えられたことが実に残念。
ツボ28 8分音符の音価はやや長め。最後にティンパニはアクセントを置く。
ツボ29 この演奏もそうだが、このモデラートの2小節が急になよなよと力の抜けた演奏になる例が多いのはなぜだろうか?直前の大々的な斉奏における力感を置き去りにしてしまうのがどうしても理解できない。
ツボ30 弦もトランペットも音を切って入るが、残響過多でニュアンスは曖昧なまま流れてしまう。
ツボ31 改変版。
ツボ32 もちろん良く響いているが、このあたりに差し掛かるともううるささに耐えるのが精一杯。ヘッドフォンで聴くと更に苦痛。
ツボ33 563小節までまでは加速して、そのまま一気に締めくくると思わせておいて、最後の2小節はテンポを落とす。やや不自然。


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