管弦楽曲R〜リムスキー・コルサコフ
レーベルと品番、ジャケット写真は管理人が所有しているものに拠っていますので、現役盤と異なる場合があります。
| リムスキー・コルサコフ/RIMSKY-KORSAKOV |
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シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲※、ストラヴィンスキー:うぐいすの歌※、 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲※、ラフマニノフ:死の島、ラヴェル:ラ・ヴァルス、シャブリエ:ポーランドの歌※ |
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| エルネスト・アンスルメ(指)パリ音楽院O、スイス・ロマンドO※ | 1953年〜1865年 ステレオ録音 ※ラヴェルのみモノラル録音 |
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| EMI CZS-5750942 (2CD) 廃盤 |
“決して知性に凝り固まっていないアンセルメの本当の音楽性!” | ||
| アンセルメといえば、いつも決まって、もともと数学を学んでいたことやディアギレフの推薦を得たこと、「ラ・ヴァルス」「三角帽子」「うぐいすの歌」等の初演者などの紋切り型の解説しか見たことがなく、肝心の音楽はどうなのかといえば、「数学者らしい知性的な表現」といったものばかりで、その音楽の息吹きを伝える文章は目にしたことがありません。私自身、アンセルメの録音を今まで熱心に聴いてきたとは言えませんが、この入念な選曲と丁寧なリマスタリングで蘇ったCD聴くと、知的などという一言では済まない、自然なリズム感と色彩のセンス、品格を以って沸き立つ生命力を痛感せずにいられません。「シェエラザード」は彼の3回の録音のうちの2回目の録音で、パリ音楽院管の無限に広がる音楽性と共に、ニュアンスが横溢!第1楽章の弦の波しぶき、Vnソロの艶やかさ、高潮点での意外なルフト・パウゼ等が鮮烈なインパクトで迫り、第2楽章のクラリネットを支える弦の連続するピチカートが強靭なアクセントを伴ったり、後半のハープのの駆け上がりの粋な湧き立つのには、思わず身を乗り出してします。第3楽章中間部の小太鼓を中心とした打楽器のリズムセンスにもうっとり。遅めのテンポで場面を克明に描き切った終楽章も、近代的機能性重視のオケからは引き出しえないニュアンスに溢れ、3:09以降、弦のピチカートが魚が飛び跳ねるようにリアルにうごめく様は、まさに大海のイメージを膨らませてくれます。後半の加速も力みが全くなく、作曲者がスコアに記した色彩の魅力を余すところなく伝えています。DECCAが当時その威信を掛けたステレオ録音は、もちろん広大なレンジを誇るものではありませんが、それにもかかわらず、これほど多彩なニュアンスが次々に迫るのは、驚異という他ありません。最後のVnソロの美しさに至っては、哀愁が美音に込め抜かれ、言葉が出ません。他にも、ホルンのテーヴェをはじめとするする名手の妙技が満載!バルトークも必聴!それこそヴィルトゥオーゾ・オケのデモンストレーションのように演奏される曲ですが、表面的な技巧によっていかに置き去りにされている表現が多いことか気付かされます。第1楽章の低弦がしっかりとした発言力を示すところからハッとさせられます。比較的ゆったりとしたテンポで表情が克明に引き出され、金管カノンではその意味深さがますます濃厚に変化。第2楽章は、テンポの良さ自体が説得力を持ち、決して素朴なひなびた風情に陥らないところに、アンセルメの確かな手腕を感じます。終楽章冒頭のホルンも実に丁寧。じりじりと緊張の度合いを強め、B主題が弦で現れて以降は一層音楽の凝縮力が高まります。後半5:56のティンパニの2音の間でルフトパウゼを挟むのにはドッキリ!コーダ直前のセルがバッサリとカットした部分の濃密な揺らめきがもたらす怪奇的なニュアンスも聴きもの。エンディングの築き方は空前絶後!、強弱の変化を絶妙に配しながら、気の遠くなるようなルバートを駆使して、格調高く締めくくるのです。最後にシャブリエの華麗なワルツを収録しているのも粋な計らい!スイス・ロマンド管は、これまたいつもお決まりのように「名人がいない」という一言で軽んじられてきた気の毒な存在ですが、この演奏に接して、そんな乱暴なことが言えましょうか!全身から沸き立つリズムが惜しげもなく放射され、後半はキラキラとした色彩と共に、圧倒的な呼吸の大きさで、芸術的な大空間を打ち立てているのです。もちろん数学者的な冷たさなどどこにもありはしません! | |||
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リムスキー・コルサコフ:シェエラザード、レスピーギ:バレエ「シバの女王ベルキス」組曲 | ||
| 飯森範親(指)ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO、高木和弘(Vn)、 フランク・ボサート(T) |
2004年3月31日−4月2日 デジタル録音 | ||
| “あの「ハルサイ」の名演を築いた飯森が、東洋的ダイナミズムを大放出!” | |||
| GENUIM GEN 04047 |
飯森がモスクワ放送響を振った「春の祭典」のCDで、その渾身のダイナミズムと統率力に圧倒され、ショップ勤務時代に店頭のコメントでも激賞したのを思い出しますが、あれからもう10年。主兵オケを率いたこのCDを聴いて、あの「ハルサイ」の衝撃が、決して筋金入りのオケの威力に頼ったものではなく、やはり飯森自身の表現意欲の賜物だったのだと、改めて再確認し、飯森とエキゾシズムとの抜群の相性の良さも思い知らされました。「シェエラザード」も彼の十八番ではありますが、その表情の練り上げの完璧さにまずビックリです!第1楽章冒頭のトロンボーンの強奏が、音量だけでなく意味深い強靭さを持って張り出し、続けざまにヴァイオリン・ソロのとろけるような甘美なフレージングにも心を奪われます。この後も、この日本人コンサートマスター、高木和弘の奏でるは、信じがたいほど心のときめきを音化し尽して、登場するたびに泣かせてくれるので注目です。“シャリアーノ王の主題の風格溢れる高揚と、“シェエラザード主題”の慎ましいり詩情が一貫した流れの中で息づく様も見事。ティンパニが、全ての箇所で克明にアクセントを刻みながら、全体と完璧に融合しているのにも要注目!第2楽章は最初のファゴットの“王子の主題”の儚さ漂う歌からシビレますが、全体に小手先の効果など狙わず、オケ全体が飯森の呼吸と完全に一体化して、誠心誠意弾き切っている様子が目に浮かびます。第3楽章最後のクライマックスも、曲の息吹きを体で感じていなければ不可能な音像の豊かな広がり!圧巻は終楽章!主部に入る前の壮絶なバスドラムの打ち込みの後、低弦が恐ろしいほどのピアニッシモで持続音を奏で、チェリビダッケの分厚い強奏と好対照の緊張感が走ります。それに続くヴァイオリン・ソロは、濃厚の極み!激烈に切り込みながら品格も備えているので、主部突入の前兆に相応しい輝きとして迫ります。更に驚ろくのが、“祭りの主題”3:25からの弦のピチカートが次第にアルコに変わる箇所!ほとんどの場合全体に埋没してしまうこの箇所が、その変容ぶりを全く取りこぼすことなく表出し切っているのです!そこには意図的なものを感じさせないので、これらが一度にブレンドされた色彩の鮮やかさたるや、見事としか言いようがありません。コーダでは、またもや高木和弘のソロが至高の妙技を披露!シルクのような肌触りを超高音の持続音の最中も絶やさず、しかも音揺れ皆無の鉄壁フォームで弾き通しています。このシェエラザードは、日本人指揮者による録音としては、これ以上入念な演奏が出てくるとは思えません。一方、ブラスバンド経験者を中心に人気の的のレスピーギも忘れるわけに行きません。大音量のオンパレードのこの曲をギラギラと輝かせたジェフリー・サイモン盤も捨てがたいですが、日本人が感じる土俗的なオリエンタル・ムードそのものの表出に徹しています。最初の木管ソロの哀愁の旋律も日本民謡的な郷愁。その素朴さとド派手な色彩とのコントラストによって、この曲の楽しさを更に広げてくれます。2曲目の打楽器は、録音の素晴らしさも手伝って、革の衝撃が直に伝わるくらい凄い衝撃!3曲目冒頭でも革に手が触れる感触まで聞き取れます。大狂乱の終曲は、部屋を閉め切って大音量でどっぷり浸りましょう!どんなストレスも一辺に吹き飛びますが、、聴後には不思議な余韻も味わっていただけることでしょう。 | ||
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交響組曲「シェエラザード」 、ボロディン:ダッタン人の踊り | |||
| サー・トーマス・ビーチャム(指)RPO、スティーヴン・スタリック(Vnソロ) | 1957年、1956年 共にステレオ録音 | |||
| EMI 5669982 |
“孫に昔話を聞かせるような優しい語り口は、他では望めません!” | |||
| 「シェエラザード」は、この曲を語るときに絶対に外せない名盤。スヴェトラーノフのような豪快さとは好対照で、全てのニュアンスは、ビーチャムの心の奥底から滲み出たもので、音色もそれを反映して実に上質の真珠のように優しくきらめいています。スタリックのVnソロの巧味、味わい、見事な即興的味わいを見せるファゴットをはじめとする管楽器ソロが活躍する第2楽章は、当時のRPOの奏者の音楽センスの高さに唖然させられます。こんな奏者の集合体をビーチャム翁が操るのですから、ニュアンスがとどめもなく溢れ返らないわけがありません。終楽章の難破シーンも、マッチョなパワーで押し切る演奏はいくらでもありますが、最後の静かな終結に向けて、各場面の丁寧な描写とストーリー性を感じさせるじっくり堪能できる演奏がどれくらいあるでしょうか。「ダッタン人」も語り口が絶妙!ロシア臭プンプンの演奏が性に合わない方は、特に必聴です! | ||||
| 交響組曲「シェエラザード」 、序曲「ロシアの復活祭」、ムソルグスキー(R.コルサコフ編):はげ山の一夜 | ||||
| ロヴロ・フォン・マタチッチ(指)フィルハーモニアO | 全てステレオ録音 | |||
| “未だ誰も超えられない黒光りするエキゾシズム!” | ||||
| これはフルヴェンのバイロイトの「第9」などと同様に世紀の名録音!と叫ばずにいられません。「シェエラザード」は、近年ますますスポーティな演奏が多くなっていますが、だからと言って、一瞬のピチカートから地鳴りを伴うクレッシェンドまで、ニュアンスが迸り続けるこの凄演をどうして無視できましょうか!第2楽章など、テンポの切り返しの妙にかけては並ぶ者のないマタチッチの魅力が全開で、血と汗の匂いを滲ませた音色と共に異空間に誘われます。3楽章の急速に上下行する弦や管のパッセージの眩しさ、終楽章の勇猛果敢な迫力と当時のフィルハーモニアOの巧さにも舌を巻きます。更に競合盤の少ない「ロシアの復活祭」ともなると、未だにこれ以上の説得力を誇る演奏は現れていないのが現実です。常に必然性を感じさせるアゴーギク、コーダで鐘が追加されてからのテンポの重みと、品格を保った色彩の噴出ぶりはまさに圧巻です。ステレオ初期の録音ですが、音質も秀逸。 | ||||
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交響組曲「シェエラザード」、スペイン奇想曲 | |||
| ウラディミール・フェドセーエフ(指)モスクワRSO、ボリス・コルサコフ(Vn) | 1981年、1989年 ステレオ録音 | |||
| MOS 18441(1CD) | “フェドセーエフならではの揺るぎない確信に満ちた感動作!” | |||
| シェエラザードは、ポニーキャニオン盤の13年前の録音。大筋の解釈は変わりませんが、真に迫ったストーリー性と、一途なダイナミズムをより体感できるのはこちら!第1楽章は冒頭から金管を咆哮させず、ヴァイオリン。ソロへ美しくつなげる設計に早速フェドセーエフならではのセンスを発揮。第3楽章の弦の流麗な歌わせ方と中間のインテンポの凄み、打楽器群の色彩に込められた力感とのコントラスト、終楽章難破シーンの、まさに非常時の緊迫を煽り尽くす生々しい迫力など、風格美が優ったキャニオン盤では感じられなかった部分ですが、最も顕著な例は第2楽章後半、ハープのソロからホルンのソロへ連なる箇所(10:07〜)。無鉄砲なまでにハープの弦を引っ掻き回したあと、完璧なフォームで芯の立った感動的なホルンへ繋げる下りは、奇跡的な瞬間です!録音状態も編集でいじくり回していない分、音楽的な説得力も絶大です。 | ||||
![]() Guild GHCD-2325(1CD) ¥1575 |
バルビローリ/ロシア名曲集 R・コルサコフ:スペイン奇想曲、リャードフ:魔法にかけられた湖*、 チャイコフスキー:「白鳥の湖」(5曲)**、幻想序曲「ロメオとジュリエット」#、スラブ行進曲## |
| ジョン・バルビローリ(指)ハレO | |
| 録音:1953年12月20日、1953年12月23日*、1950年10月17日**、1957年6月13日#、1959年4月(ステレオ)## | |
| “バルビローリとスペイン音楽との抜群の相性を実証!” | |
| いわゆる異国情緒というものを重視はしていますが、出てくる音楽はやはりバルビローリ節以外の何物でもなく、演奏にかける意気込みと作品の持ち味がビシッと合致したときの説得力はとてつもない魅力を放ちます。ここに収録されている全ての作品でも他では味わえない個性的な解釈に事欠きませんが、中でも「スペイン奇想曲」の素晴らしさにはびっくりです。最初に耳を疑ったのはオケのあまりの巧さ!残念ながら機能的な意味での巧さをこのオケから感じることはほとんどありませんが、この演奏はどうしたのでしょう?ただでさえ難曲であるにもかかわらず、終始アンサンブルと個々の奏者の技量には神々しいパワーが漲り、バルビローリ独自のカラフルな色彩感も余すところなく噴射しきっています。テーマを担うクラリネットもヴァイオリンのソロも音楽が沸き返り、第2部の濃密な歌のなんと確信に満ちていることでしょう!「ジプシーの歌」から第5部にかけてのの弦の唸りのあげ方は、血生臭いことこの上なし。コーダのたたみ掛けも全く見事で、まさに一丸となった突進力がアンサンブルの崩壊をもたらすことなく、壮絶なエンディングを築いているのです。思えば、シャブリエの狂詩曲「スペイン」も名演でした。スペイン音楽がもつ独特の情緒には、バルビローリをいつも以上に奮い立たせる要素が潜んでいるのかもしれません。「白鳥の湖はバレエの動きを前提とした演奏ではないことは言うまでもなく、特に「ハンガリー舞曲」のアゴーギクのユニークさは必聴。主部に入って音楽がいよいよ加熱しようとする最中、突如ルフト・パウゼが出現し、テンポを一旦失速させてから再び加速するという離れ業!「ロメ・ジュリ」最後のティンパニ連打の壮烈さも忘れられません。「スラブ行進曲」は独自のカットあり。録音は全て良好。「ロメ・ジュリ」と「スラブ行進曲」はPye原盤、その他はHMV原盤。 |