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チャイコフスキー:交響曲第5番
シアン・エドワーズ(指)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章ホルン・ソロ: リチャード・ビッセル
EMI
7641782[EM]
録音年:1990年12月 聖オーガスティン教会【デジタル録音】
演奏時間 第1楽章 14:35 / 第2楽章 13:14 / 第3楽章 6:00 / 第4楽章 :12:52
カップリング/歌劇「エフゲニ・オネーギン」第1幕〜タチアーナの手紙のシーン
“名教授ムーシン門下、エドワーズのチャイ5”
エドワーズは1959年イギリス生まれで、ゲルギエフ、ビシュコフ等を育てたイリア・ムーシンに師事した女性指揮者。当然ムーシン教授からは、チャイコフスキーの音楽の解釈は教示されたことでしょうが、ロシア的なカラーを前面に出しているわけではなく、彼女自身の個性が開花しているかというとそうでもない、つまり、彼女ならではの音楽性をあまり感じることができないのです。女性だからというだけで差別する気は毛頭ありませんし、一個の音楽を再現するに当たって、そもそも性の差など問題ではないはずですが、「指揮」というのは例外で、女性であることを完全に捨て切らない限り、人々を感動させる音楽を生み出すことはできないのではないでしょうか?「実に女性的なベートーヴェン」などあり得ないわけですし、複雑に絡み合う楽器のバランスを調性し、ここ一番という箇所でアクセントを付けるといった技は、女性であることにしがみついているうちは絶対出来ないはずです。ちなみに、『話を聞かない男、地図が読めない女』という本が以前ベストセラーになりましたが、それを読むとまた別の意味で、後世に語り継がれる女性指揮者がなぜ存在しないのか、見えてきたりもします。さて、エドワーズが女性意識を捨て切ったかどうかは別としても、このチャイ5は、全体にきれいにまとまっているという以上の印象は持てません。終始安全運転の域を出ず、音に強弱をつけても力感が伴わず、全体を支える中低音の押しも不足。終楽章で初めて運命動機が全体で高らかに鳴り響く箇所でも、音が大きくなっているだけで、根源的なエネルギーを盛り込むには至っていません。ただ、音楽のヴォテージがそれほど高くない部分(第2楽章冒頭など)での彼女のセンスは本物で、しっかりとした表現意欲が感じられることは事実です。そのあたりがもっと熟成し、彼女だけの魅力として輝くよう、期待したいと思います。なお、ティンパニ・パートは、バティスロストロポーヴィチとは異なり、スコアどおりに演奏しています。
第1楽章のツボ
ツボ1 クラリネットが実に美しい!まろやかな音色を保持しレガートで陰影を湛えながら歌う。低弦の土台もしっかり響かせている。
ツボ2 最初の弦の刻みが始るまで、だいぶ間が空く。やや空き過ぎ。その刻みはデリケート。クラリネットとファゴットはよく揃っているが、それほど深みはない。
ツボ3 楽譜どおり。
ツボ4 強弱の膨らみが足りないが、丹念に音符を刻むところに好感が持てる。
ツボ5 大変きれいな歌いまわしだが、それ以上のものが感じられない。
ツボ6 実に平凡、音に共感を込め切れていない。
ツボ7 清潔感溢れるピチカート。縦の線も良く揃っている。
ツボ8 テンポをほとんど変えていない。きれいなフレージングという程度。
ツボ9 ほんの少し速める。16分音符は微かに聞こえる。いよいよ結末へ向かうという緊張感がない。
第2楽章のツボ
ツボ10 かなり濃厚に低弦をうねらせ、豊かな空間を築く。やや遅めのテンポでホルンが開始するが、間延びせずに切々と歌っている。それを支える弦の表情付けが実に美しい。
ツボ11 美しく音楽的なフォルティシシモ!節度のある表現がプラスに働いた瞬間。
ツボ12 クラリネットは、全く危なげがないが、やや明るい。
ツボ13 この直前の間も、やや長すぎる。ピチカートに特に際立った表情はない。
ツボ14 ここからの大きなフレーズの築き方は、胸に迫る。142小節最後の8分音符は、長めに弾く奏者と短めに処理しようとする奏者が混在し、指揮者の不徹底振りが露呈しているが、フォルテ4つまでの長いスパンの呼吸感といい、途中で意外にも強烈なティンパニ強打を挟むなどの技も含めて、立派な盛り上がりを見せる。
ツボ15 ここはきれいなだけでなく、豊かな共感と繊細な陰影が感じられる。
第3楽章のツボ
ツボ16 ファゴット冒頭で一度テンポを落とす。
ツボ17 特に特徴なし。
ツボ18 特に特徴なし。
第4楽章のツボ
ツボ19 テンポは標準的。やや足取りが軽く、威厳と言うにはもう一歩。
ツボ20 ホルンは木管とほぼ同等のバランス。
ツボ21 ティンパニはささやかに強弱を繰り返すのみで一撃なし。冒頭は弦の刻みを主役に立てるが、力感とメリハリ不足している。
ツボ22 ほとんど無視。
ツボ23 やや前面に出てくるが、やや人工的な感じ。
ツボ24 直前のテンポに戻るだけ。
ツボ25 鈍い音。
ツボ26 そのままのテンポで進むが、TempoTへの入りで微妙にもたつく。
ツボ27 かなりの快速。緊張感はない。全体的に言えることだが、変にホルンが突出している。録音バランスの不備としか思えない。
ツボ28 これは快挙!完璧に本来の音価通りに演奏し、そうすることで独特の推進力が表出されることを実証している!
ツボ29 実に晴れやかな進行。
ツボ30 弦は音を切り、感はレガート気味。どちらも中途半端。ここでも裏でかなり盛大にホルンが高鳴っている。
ツボ31 スコアどおり。
ツボ32 予想通り、実によく音が通っている。
ツボ33 ほとんどインテンポ。最後の4つの打ち込み頑張っているが、強靭さに欠ける。


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