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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
ルドルフ・ケンペ(指)バイエルン放送交響楽団
第2楽章ホルン・ソロ:
ORFEO
ORFEOR-449961
録音年:1975年3月20日 ミュンヘン・ヘラクレス・ザール 【ステレオ・ライヴ録音】
演奏時間 第1楽章 14:53 / 第2楽章 12:26 / 第3楽章 5:42 / 第4楽章 12:22
カップリング/ベートーヴェン:交響曲第8番
“意外なアグレッシブな表現が際立つケンペの熱いライヴ!”
ベルリン・フィルとの演奏はガツンと来る迫力が足りないという方、めそめそ泣いているチャイコが苦手な方は、これがおススメ!部分的なテンポ設定等のこだわりは、過去2回の録音とほとんど変わりませんが、この録音で初めて現われる手法も登場し、少しでも理想に近づく努力を怠らないケンペの誠実さには頭が下がります。また、全ての表情が濃厚で、この曲の沈鬱なイメージを打ち払うような勇壮な精神が全編に息づいているのも特徴的で、テンポの細かい揺れもごく最少。その分テンポのメリハリを強く打ち出し、オケのセンスと厚い響きの魅力を十分に活用して逞しい名演に仕上げています。細かく聴くと、機能美を誇るこのオケとしては意外なところでアンサンブルにほころびがあったりしますが、両端楽章のコーダで顕著なように、畳み掛ける推進力と、美しいフォルム、熱い精神力が空回りせずに見事な緊張のうちに凝縮される中では、そんなことはほんの些細なことです。とにかく、改めてこの指揮者の底力を思い知らされます。ヴァイオリンは両翼配置。なお、このCDは初発売時には、左右チャンネルが逆になっていました。ショップ勤務時代に、すぐに代理店を通じてORFEOに修正するよう求め、約1ヵ月後に修正盤を発売し直してもらいました。全国のショップで差し替えを行ったかどうかは定かではありません。もしお手持ちでしたら、今一度確認されることをおすすめします。
第1楽章のツボ
ツボ1 テンポ感、フレージングはBPO盤に似ているが、テヌートの4分音符の音型の音量を次第に大きくしたり、弦を強力に響かせたりと、かなり表情が濃厚。
ツボ2 43〜44小節をつなぐスラーの箇所(3:11)でアクセントを施す。クラリネットとファゴットが揃ってそうしているので、ケンペの指示と思われる。
ツボ3 過去2回の録音同様デリケートだが、アクセントが効き、どこか男性的な強靭さを湛えているのが特徴。
ツボ4 今回も、73小節結尾でテンポ・ルバートがかかるBPO盤と同じ。
ツボ5 クレッシェンドの開始点をできるだけ後ろの方に設定している。
ツボ6 強弱のメリハリが意味を持って迫る。テンポの揺れは少ない。
ツボ7 響きが瑞々しい。
ツボ8 過去の録音同様、前の部分から間髪入れずに副次主題に突入するが、その間(ま)が最も短く、インテンポ進行にも意志の力が漲っている。
ツボ9 ややテンポは速め。男性的な力感が横溢。
第2楽章のツボ
ツボ10 左右からじわじわと広がる中低音が美しい。ホルンは安全運転型。
ツボ11 いささかもテンポを落とさずストレート進行するが、熱い共感が込められている。
ツボ12 クラリネットの音色が硬質で明るく、やや耳に障る。やや素っ気ないインテンポ。
ツボ13 この直前で快速テンポに転じ、そのままインテンポで突っ切る。そのエネルギーを保持したまま、ピチカートが掻き鳴らされる。ピチカート後半でリタルダンドする。
ツボ14 過去2回の録音同様、フォルテ4つまでのエネルギーの溜め方が絶妙。
ツボ15 ピアニッシモにしては音量は大きめに設定し、情に流されるのを避け、毅然としたフォルムを確保。
第3楽章のツボ
ツボ16 ほとんどテンポを落とさず入る。即興的な節回しが印象的。
ツボ17 ややテンポが走りがちだが、各パートの連携の緊密さに、このオケの特質を窺わせる。
ツボ18 音量が弱い。この直後のリズムの刻みの弾力が凄い!
第4楽章のツボ
ツボ19 中庸のテンポ。弦の響きに厚みがあり、風格あり。
ツボ20 ホルンは終始裏方。
ツボ21 ティンパニは、主部冒頭でほとんどクレッシェンドせず、じりじりとほんのわずかづつクレッシェンドする程度。弦の刻みの力感主導型。
ツボ22 ほとんど無視している。
ツボ23 輪郭は明確ではないが、入魂の響きがが聴かれる。
ツボ24 主部冒頭よりもかなり速いテンポ。
ツボ25 やや強めの一撃。このくらいがの方が、全体のバランスの上で、理想と思われる。
ツボ26 提示部冒頭のテンポに戻る。
ツボ27 かなり高速で、壮絶な推進力を発揮!響きも雄渾そのもの。ティンパニの威力も万全。
ツボ28 8分音符は長め。
ツボ29 響きの輝かしさの点で、過去2回の録音を上回る。
ツボ30 弦は切るが、トランペットはつなげるようにして吹いている。過去2回の録音と同じ。BPO盤と全く同じ。
ツボ31 なんと、499〜500小節の金管を抑え、502小節の金管は弦の音型と合わせるムラヴィンスキー型を採用。3回の録音のうち、一つとして同じ処置を取っていないということは、毎回相当悩んだのだろう。
ツボ32 よく響いている。
ツボ33 かなり高速。熱いヴォルテージが最後まで保たれ、最後の2小節の強靭なティンパニ強打の効果も万全!圧倒的な手応え!


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