湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



ARCANA
(フランス)


ASTREEレーベルを率いていたミシェル・ベルンステインが1992年に立ち上げたレーベル。エンリコ・ガッティ、アレッサンドリーニ、レツボール、バドゥラ=スコダ、フェステティチ弦楽四重奏団などを起用し、イタリア中世からバロック時代の知られざる作曲家の作品を中心にリリースしています。


※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
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ミケーレ・マシッティ(1664-1760):独奏ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.8(1731年パリ)
ソナタ Op.8 No.1 イ長調
ソナタ Op.8 No.2 変ロ長調
ソナタ Op.8 No.5 ト短調
ソナタ Op.8 No.6 イ長調
ソナタ Op.8 No.7 へ長調
ソナタ Op.8 No.8 ニ長調
ソナタ Op.8 No.10 ト長調
ソナタ Op.8 No.11 イ短調
ジャン・アンドレア・グエルラ(Vn)…18世紀イタリア製 作者不明
ニコラ・ブロヴェッリ(Vc)…2016年クレモナ、マウリツィオ・ヴェッラ製作-1600年頃ブレシア、ジョヴァンニ・パオロ・マッジーニ製作楽器による
マッテオ・チキッティ(ヴィオローネ)ソナタNo.1,2,5,8…2010年ピアチェンツァ、ヴァレンティナ・モンタヌッチ製作
-1750年頃グアスタッラ、ジョヴァンニ・メッリーニ製作楽器による
ルイジ・アッカルド(Cemb)…2015年ミラノ、フェデリコ・マスケローニ製作-1769年パリ、パスカル・タスカン製作楽器による

録音:2017年12月3-5日
イタリア、クレモナ、ピエトロ・パスキーニ音楽ホール
イタリアで全盛を極めた器楽音楽の流れがフランスにまで到達し、花開いた18世紀初頭、その中心的な役を担ったのが、ナポリからパリへ移り住んだ若きヴァ イオリニスト、ミケーレ・マシッティでした。彼はここに長く住み、1704年から1738年までの間に9巻もの器楽曲集を出版し、この成功によりパリの音楽界で称 賛を浴びてきました。フランスでは17世紀末まで、ルイ14世の国策もあってイタリア音楽には風当たりが強かったところ、マシッティはその後フランス人がイタリア 音楽のとりこになってゆくうえで大きな貢献を果たした一人でもあり、とくにイタリア音楽を推奨したオルレアン公(ルイ14世歿後しばらく摂政をつとめた要人) に愛顧されたことからも、彼の実力と人気のほどが伺えます。その音楽は現在でも、当時のパリの煌びやかなファッションや、美しい絵の描かれたサロンの様子を 私達に思い起こさせるものです。今回初めて録音される作品8のヴァイオリン・ソナタは、ナポリ伝統の情熱的な表現と、ロココ期のフランスならではの優雅さを 併せ持つ、新たな味わいを私達に提供してくれます。
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アルカンジェロ・コレッリ :リコーダーによるソナタと協奏曲集
合奏協奏曲Op.6-4 へ長調〜2つのリコーダーと通奏低音(チェロ、テオルボ、チェンバロ)のための (1725出版)
ソナタOp.5-4 へ長調〜リコーダーと通奏低音(チェロ、テオルボ、オルガン)のための (1707出版)
合奏協奏曲Op6-9 ヘ長調〜2つのリコーダーと通奏低音(チェロ、テオルボ、オルガン)のための (1725出版)
ソナタOp.5-7 ト短調〜 リコーダーと通奏低音(Cemb)のための (1702出版)
合奏協奏曲「クリスマス」Op.6-8 ト短調〜2つのリコーダーと通奏低音(チェロ、テオルボ、チェンバロ、オルガン)のための (1725出版)
エストロ・クロマティコ
マルコ・スコルティカーティ (アルト・リコーダー、指揮)
サラ・カンポバッソ (アルト・リコーダーII)
ミケラ・ガルディーニ (Vc)
エヴァンジェリーナ・マスカルディ (テオルボ)
ダヴィデ・ポッツィ (チェンバロ、オルガン)
ピエトロ・パスクィーニ (Org) 20-25

録音:2016年3月12-14日、11月
11日スタジオ・ジャルディーノ、イタリア、クレマ
1673年にフランスから英国にもたらされたリコーダーは、18世紀前半になるとたいへんな人気となり、当時の最新作のリコーダー用編曲譜がロンドンで多数出 版されていました。イタリアの作曲家コレッリもまた広く人気があり、その作品も編曲譜が出版されて好評を博していたといいます。この盤で取り上げられているの は、そのようなコレッリの編曲集。いずれも元はヴァイオリンのために書かれたものですが、楽器が置き換わることで装飾音も独特なものとなっており、またアルト・リ コーダー用に移調されているものもあるため響きも新鮮です。1980年ミラノ生まれのマルコ・スコルティカーティはジョヴァンニ・アントニーニやワルター・ファン・ハウ ヴェらにリコーダーを学び、盟友ダヴィデ・ポッツィと共に結成したエストロ・クロマティコを中心に活躍するリコーダー奏者。アカデミア・ビサンチーナ、エウローパ・ガラ ンテ、イル・ジャルディーノ・アルモニコなどへも参加しており、サンタ・チェチーリア音楽院ほかで教鞭も取っています。このアルバムでは通奏低音の編成に工夫を 凝らし、ともすれば平たんになりがちなリコーダーの表現に変化を付け、楽しませてくれます。
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J.S.バッハ:トリオ・ソナタ編曲による、3つのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタほか
1-3.トリオ・ソナタ ハ短調 BWV1029 〜2つのアルト・リコーダーと通奏低音(チェロとチェンバロ)
原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番 ト短調 BWV1029
編曲:セルジオ・チオメイ、ヴァルター・ファン・ハウヴェ
4-7.トリオ・ソナタ ト長調 BWV1039 〜2つのヴォイス・フルート(テナー・リコーダー)と通奏低音(チェロとオルガン)
原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番 ト長調 BWV1027
編曲:バッハ
8-10.パルティータ ニ短調 BWV997 〜アルト・リコーダーとチェンバロ
原曲:リュートのためのパルティータ ハ短調 BWV997
編曲:佐藤豊彦、ヴァルター・ファン・ハウヴェ
11-14.トリオ・ソナタ ヘ長調 BWV1028 〜2つのアルト・リコーダーと通奏低音(チェロとチェンバロ)
原曲:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番 イ長調 BWV1028
編曲:ケース・ブッケ、ヴァルター・ファン・ハウヴェ
15-17.トリオ・ソナタ ニ短調 BWV527 〜ソプラノ&アルト・リコーダーと通奏低音(バス・リコーダーとオルガン)
原曲:オルガン・ソナタ第3番ニ短調 BWV527
編曲:サワークリーム
ヴァルター・ファン・ハウヴェ(リコーダーI)
トリプラ・コンコルディア
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダーII)…1-7、11-17
セルジオ・チオメイ(チェンバロ、オルガン)
カロリーネ・ブルスマ(Vc)
マヌエル・スタロポリ(バス・リコーダー)…15-17

録音:2015年7月8-10日モンテ・カルメロ・アル・コレット聖母マリア教会 トリノ
バッハは、ヴィヴァルディやマルチェロ作品の編曲のほか、自らの作品を様々な形で再利用したことでも知られます。その中でも注 目すべきものの一つに、ヴィオラ・ダ・ガンバと鍵盤のためのソナタ第1番を、2本のフルートと通奏低音のために編曲したものがあ りますが、これをヒントに企画されたのがこのアルバムです。ヴァルター・ファン・ハウヴェとトリプラ・コンコルディアは、残る2曲のヴィオ ラ・ダ・ガンバ・ソナタを、自分たちとリコーダーの名手ケース・ブッケの手で、バッハと同様の手法を用いて2本のフルート(リコー ダー)と通奏低音の形に編曲したものを中心としてアルバムを制作しました。併せてリュート奏者・佐藤豊彦とハウヴェの編曲に よるパルティータと、ハウヴェ、ブッケ、そして亡きフランス・ブリュッヘンによるリコーダー・トリオ、「サワークリーム」による編曲のオルガ ン・ソナタも収録しています。
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D・スカルラッティ:『マンドリン・ソナタ』(鍵盤ソナタによるマンドリンと通奏低音のための編曲集)
ソナタ K91 ト長調(1768年製ナポリ・マンドリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボ、チェンバロ)
ソナタ K77 ニ短調(1768年製ナポリ・マンドリン、テオルボ、チェンバロ)
ソナタ K88 ト短調(1792年製の復元ロンバルディア・マンドリン、チェンバロ)
ソナタ K89 ニ短調(1768年製ナポリ・マンドリン、ギター、チェンバロ)
ソナタ K78 ヘ長調(1768年製ナポリ・マンドリン、テオルボ、チェンバロ)
ソナタ K35 ト短調(1768年製ナポリ・マンドリン、チェンバロ)
ソナタ K73 ハ短調(1768年製ナポリ・マンドリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボ、チェンバロ)
ソナタ K81 ホ短調(1792年製の復元ロンバルディア・マンドリン、チェンバロ)
ソナタ K90 ニ短調(1768年製ナポリ・マンドリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ギター、チェンバロ)
ソナタ K85 ヘ長調(2017年製ナポリ・マンドリン、チェンバロ)
ソナタ K61 イ短調(1792年製の復元ロンバルディア・マンドリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ギター、チェンバロ)
ピツィカール・ガランテ
アンナ・シヴァザッパ(マンドリン、指)
ロナルド・マルティン・アロンソ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ダニエル・ヂ・モライス(テオルボ、ギター)
ファビオ・アントニオ・ファルコーネ(Cemb、指)

録音:2017年9月5-9日サン・バジリーデ大修道院、バディア・カヴァーナ(北イタリア・パルマ県)
マンドリン奏者シヴァザッパにより2012年にパリで結成されたピツィカール・ガランテによる、マンドリンと通奏低音によるスカルラッティ。一般的な マンドリンはイタリアでその形が整えられ、18世紀にはパリを初めとしたヨーロッパ中で最もポピュラーと言える楽器でした。当時の人気作品を 編曲して奏でることも日常的に行われており、マンドリンとチェンバロなどの編成に置き換えられたスカルラッティ作品の手書き譜面も見つかって います。ここで演奏されているソナタのうち、K 77, 81, 88, 89, 90, 91については1990年代にパリで見つかった写本を元に、その他は奏 者たちの研究により選曲され、体裁を整えて収録されました。どの曲にも技巧的な見せ場が仕込まれ、少し感傷的で甘美な響きとユーモ ア、耳にちょっと楽しい仕掛けでも楽しませてくれます。多くの作品で18世紀オリジナルのマンドリンの澄んだ音を聴けるのが大きな魅力。 【イタリア・バロックの重要作曲家と、18世紀ヨーロッパを席巻した楽器の出会い】
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古楽器のための現代音楽
ジョスリン・モーロック(1969-):Revenant 再来 (2002)〜トラヴェルソ、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ハープシコードのための
ハンス=マルティン・リンデ(1930-):Anspielungen ほのめかし (1998)〜トラヴェルソのための
ジャクリーヌ・フォンテイン(1930-):La Fenetre Ouverte 開かれた窓 (1996)〜トラヴェルソ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ハープシコードのための
タノス・ポリメネアス・リオンティリス(1981-):Sun Bleached 陽光に浄められて (2018)〜トラヴェルソ、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ハープシコード、エレクトロニクスのための
ユッカ・ティエンスー(1948-):Tiet/Lots 過程 (2003)〜トラヴェルソ、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ハープシコードのための
エウローパ・リトロヴァータ
マッテオ・ジェモロ(トラヴェルソ)
パトリツィオ・ジェルモーネ(バロック・ヴァイオリン)
ミロン・アンドレス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リサ・コクヴェンダ・シュヴァイガー(ハープシコード)
タノス・ポリメネアス・リオンティリス(エレクトロニクス)

録音:2018年9月20-22日 ザヴェンテム芸術大学、ベルギー
全て世界初録音
古楽器ならではの音色にイマジネーションを掻き立てられる作曲家は多く、クラシカルな作品に囚われない演奏も近年は増えています。エウ ローパ・リトロヴァータはそういった、同時代の作曲家たちとのコラボレートで古楽器を演奏するブリュッセルのグループ。彼らの活動の先駆けとも いえるフィンランドのハープシコード奏者ティエンスーの作品をはじめ、フルートとリコーダーの巨匠リンデの作品、カナダのモーロック、ベルギーの フォンテインといった女流作曲家、ギリシャの若手リオンティリスなどによる多彩な作品を収録しています。 トラヴェルソ(バロック・フルート)の重音やフラッタータンギング、ハープシコードの内部奏法や肘弾き、ガンバのフラジオレットやボディパーカッショ ン、コル・レーニョなど特殊奏法のほか、効果的な反響音なども駆使したサウンドはたいへん面白く、いずれも前衛作品ながら非常に興味深く 聴くことが出来ます。
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『ベートーヴェンとその時代』 〜ブレシアン・マンドリンとフォルテピアノによる

ベートーヴェン:アンダンテと変奏 ニ長調 WoO 44/b
 ソナチネ ハ長調 WoO 44/a
 ソナチネ ハ短調 WoO 43/a
 アダージョ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 WoO 43/b
ボルトラッツィ:ソナタ ニ長調 Op.9*
フンメル:大ソナタ ハ長調 Op.37a*
ラファエレ・ラ・ラジョーネ (マンドリン)
4弦ブレシアン・マンドリン、18世紀後期クレモナ、カルロ・ベルゴンツィII世製による、
2018年ミラノ、ロレンツォ・リッピ製復元楽器
マルコ・クロセット (フォルテピアノ)
1792年アントン・ヴァルター製による、2004年ポール・マクナルティ製復元楽器
1819年コンラート・グラーフ製による、2010年ポール・マクナルティ製復元楽器*

録音:2019年6月7-9日 スタジオ・ロッソ パドゥア、イタリア
1796年、パトロンであったカール・アロイス・フォン・リヒノフスキーと共にプラハを訪れたベートーヴェンは、当地の上級貴族の娘ジョセフィーヌ・ク ラリー=アルトリンゲンと出会い、アマチュア音楽家として歌とマンドリンを嗜んだ彼女のために、マンドリンとピアノのための作品を何曲も書きまし た。このうち現在まで伝わるのは4曲。若き日の作であると共にアマチュアのために書かれたこともあって、いずれもベートーヴェンの強い個性は 影を潜めた親しみやすく愛らしい作品となっていますが、これもまた大作曲家の一面としてたいへん興味深く聴くことが出来るでしょう。併せて、 マンドリンの名手として当時ヨーロッパ各地で演奏活動を行ったイタリアのバルトロメオ・ボルトラッツィによる、華麗な技巧と北イタリアの抒情が 楽しめるソナタと、マンドリン協奏曲なども残したフンメルによる堂々たるソナタを収録しています。 ナポリのマンドリン奏者ラ・ラジョーネは既に数枚のアルバムをリリースしていますが、ARCANAレーベルでは今回が初めての製作となります。使 用しているマンドリンは、ボルトラッツィの生誕地に近いイタリア北部ブレシア地方の名を付けて呼ばれる(あるいはクレモネーゼとも)単弦4本が 張られたかなり小型の楽器。よく知られるナポリタン・マンドリンと同様のチューニングによるこの楽器を自在に操り、作品の面白さと、素朴なが ら艶やかな楽器の魅力を十二分に伝えています。フォルテピアノのクロセットは古楽器アンサンブル「ラ・ヴァゲッツァ」を主宰しており、アンサンブ ルやソロでの受賞歴を持つ注目の古楽系鍵盤奏者です。
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『恋人よ、あなたは美しい』〜17世紀イタリアの器楽作品にみる愛の形〜
1. ダリオ・カステッロ(1602-1631):2声の第6ソナタ -高音部とトロンボーンまたは弦楽器による (アルト・リコーダー、チェロ、テオルボ)
2. ジョヴァンニ・アントニオ・ベルトーリ(1598-1645以降): 第1ソナタ (バス・ドゥルツィアン、チェロ、テオルボ)
3. ジュゼッペ・コロンビ(1635-1694):低音部独奏のためのチャコーナ (Vc)
4. フランチェスコ・ロニョーニ(16世紀後半-1626以降): 恋人よ、あなたは美しい-パレストリーナのモテットにもとづく高音部または中音部のためのパッセジャート (テナー・ドゥルツィアン、アーチリュート)
5. ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ(1589?-1630?): 第2ソナタ (アルト・リコーダー、テオルボ)
6. アンドレア・ファルコニエーリ(1585/86-1656): コルレンテ(クラント)、通称「ラ・クエッラ」
7. ファルコニエーリ:ブランド(ブランル)「イル・スピリティッロ」
8. ファルコニエーリ:ブランド、通称「エル・メーロ」 (以上、ソプラノ・リコーダー、チェロ、テオルボ)
9. ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580?-1645): 第1カンツォーナ (テオルボ)
10. ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィターリ(1632-1692): ルッジェーロ (チェロ、テオルボ)
11. ジョヴァンニ・アントニオ・パンドルフィ・メアッリ(1624-1687?): 第4ソナタ「ラ・ビアンクッチア」 (ソプラノ・リコーダー、チェロ、テオルボ)
12. マルコ・ウッチェリーニ(1603?-1680):ヴァイオリンと低音のための第7ソナタ、通称「ラ・プロスペリーナ」 (アルト・ドゥルツィアン、チェロ、テオルボ)
13. バルトロメ・デ・セルマ・イ・サラベルデ(1595?-1638以降): パレストリーナの「丘は緑萌え」-低音部独奏のためのパッセジャート (チェロ、テオルボ)
14. ファルコニエーリ:甘美なる旋律 (テナー・リコーダー、チェロ、テオルボ)
15. ウッチェリーニ:ヴァイオリン独奏のための第6アリア
16. ウッチェリーニ:ヴァイオリン独奏のための第18コルレンテ
17. ウッチェリーニ:ヴァイオリン独奏のための第13コルレンテ (以上、ソプラノ・リコーダーまたはテナー・リコーダー、チェロ、アーチリュート)
18. セルマ・イ・サラベルデ:2声の低音部のためのカンツォン (バス・ドゥルツィアン、チェロ、テオルボ)
イル・リチェルカール・コンティヌオ(古楽器使用)【ジュリア・ジェニーニ(各種リコーダー&ドゥルツィアン)、アレッサンドロ・パルメーリ(Vc)、ミケーレ・パソッティ (アーチリュート&テオルボ)】

録音:2017年1月19〜22日 スイス・イタリア語放送
アウディトリオ・ステリオ・モロ、 ルガーノ
ルネサンス以来の多声合唱を離れた独唱芸術が大いに発展するとともに、その独唱技法をまねるようにして独奏楽器のための音楽が飛躍 的に発達した17世紀のイタリア。さまざまな曲集や手稿譜の断片が見つかっている中、ここではイタリア最前線で活躍する気鋭古楽器奏者 3人が入念な選曲と楽器選択を通じ、世紀初頭から後期バロックにさしかかる頃にいたるまでの多彩な作品を紹介します。大小3種のリコー ダーのみならず、ドゥルツィアン(ルネサンス期から用いられていたダブルリード楽器、ファゴットの前身)も高音部用から低音部用まで3種を使い 分ける、ジュリア・ジェニーニのメロディアスな歌い口。そして、音楽史上最初期のチェロの名手のひとりG.B.ヴィターリ(「ヴィターリのシャコンヌ」で 有名なT.A.ヴィターリの父で、生前はこちらの方が圧倒的に有名)の作品をはじめ、貴重な17世紀チェロ作品をとりあげるアレッサンドロ・パル メーリの弓奏も見事。あえて鍵盤を使わず、ミケーレ・パゾッティの撥弦が唯一の和音通奏低音楽器として用いられているところも特徴的で、 親密なアンサンブルのなか躍動感あふれる音楽を体感できる1枚に仕上げられています。
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『ヴェネツィアとその彼方』
アントニオ・ロッティ (1667頃-1740):4声のソナタ 変ロ長調〜2つのオーボエ、ファゴット、通奏低音(アーチリュート、チェンバロ)
アントニオ・カルダーラ (1670-1736):シンフォニア ト長調〜リコーダー、オーボエ、通奏低音(ヴィオローネ、アーチリュート、チェンバロ)
ヴィヴァルディ:協奏曲 ト短調 RV 103〜リコーダー、オーボエ、ファゴット
ガルッピ (1706-1785):3声のソナタ ト長調〜フルート、オーボエ、通奏低音(ヴィオローネ、アーチリュート、チェンバロ)
ジョヴァンニ・バッティスタ・フェランディーニ (1710頃-1791):ソナタ イ短調 Op. 2-2〜オーボエ、通奏低音(Cemb)
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ (1690頃-1758):協奏曲 変ロ長調〜オーボエ、ファゴット、通奏低音(ヴィオローネ、アーチリュート、チェンバロ)
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ (1697頃-1763):ソナタ ト短調〜オーボエ、チェロ、通奏低音(ヴィオローネ、アーチリュート、チェンバロ)
古楽アンサンブル アフィニタ(古楽器使用)【エリザベト・バウマー (Ob)、マリエッラ・クキエーロ (オーボエ、リコーダー、ジークリンデ・クレシンガー (トラヴェルソ)、イヴァン・カレスターニ (Fg)、ペーター・トレフリンガー (Vc)、リッカルド・コエラーティ・ラーマ (ヴィオローネ)、ピエトロ・プロッサー (アーチリュート)、渡邊孝 (Cemb)】

録音:2018年4月2-7日
聖マルティン・クラーゲンフルト教区教会、オーストリア
「バロックオーボエ奏者エリザベト・バウマーにより、オーストリアとイタリアで活躍する古楽奏者の精鋭たちを集めて2012年に結成されたアンサ ンブル『アフィニタ』のデビューアルバムは、『ヴェネツィアとその彼方』。18世紀に活躍した、ヴェネツィアと深く関係を持った7人の作曲家たちによ る、木管楽器のために書かれた室内楽作品が選ばれました。ロッティのソナタにおけるファゴットの超絶技巧、世界初録音となったフェランディー ニのオーボエ・ソナタで聴かれる深い叙情性や爆発的な感情の起伏、そして、プラッティのオーボエとチェロのためのトリオ・ソナタにおける二つの 独奏楽器の間で行われるスリリングな音楽的対話など、多くの聞きどころを含みます。演奏家たちは、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、アカ デミア・ビザンチナ、エウロパ・ガランテ、などで活躍する演奏家たちからなり、音楽家としてだけではなく、良き友人として尊敬し合うメンバーの 『アフィニタ=親和性』も録音から感じていただくことができるでしょう。」―――アフィニタ、チェンバロ奏者・渡邊孝
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『装飾楽句の嵐』 木管コルネットのための作品集
1. 丘は緑に(パレストリーナ/ロニョーニ編)
2. 第1ソナタ(フォンターナ)
3. 高音部独奏による第1ソナタ (『最新様式によるソナタ・コンチェルタンテ集 第2集』より)(カステッロ)
4. この別れにさいして、なお(デ・ローレ/ロニョーニ編)
5. 第19カンツォン(メールロ)
6. ルッジェーロの調べによるヤコピーノ神父のカプリッチョ(フレスコバルディ)/高音部でルッジェーロの調べを(グレーゴリ)
7. 「羊飼い」の名で知られるフランス風カンツォン(ガブリエーリ)
8. リコーダー、コルネット、ヴァイオリン、横笛などによる戦いのリチェルカータ(ヴィルジリアーノ)
9. 恋は決して長くは続かぬ(クレキヨン)
10. 高音部独奏による第2ソナタ (『最新様式によるソナタ・コンチェルタンテ集 第2集』より)(カステッロ)
11. 薔薇の調べ(ウィラールト/ダッラ・カーザ編)
12. 麗しくも陽気に(ノン・パパ/ダッラ・カーザ編)
13. 心地良き空気(ルッツァスキ)
14. 第4ソナタ(フォンターナ)
15. 羊飼いたちのもとへ、天使が現れ(デ・ローレ/ボヴィチェッリ編)
16. ブランル「イル・スピーリティッロ」(ファルコニエーリ)
イ・カヴァリエーリ・ディ・コルネット(古楽器使用)【アンドレア・インギシアーノ(木管コルネット、ミュート・コルネット)、マリア・ゴンサレス(イタリア式チェンバロ、ポジティフ・オルガン)】

録音:2016年7月19-21日&2018年6月23-25日 サン・マルティーノ教区教会、ルーコ(イタリア中部シエナ県)
木管コルネット(ドイツ名ツィンク)とは、リコーダーをやや大きくした木管ないし骨材管に金管式のマウスピースがついた、ルネサンス〜バロック期 に流行した管楽器。400年前の欧州では非常に愛されていた楽器にもかかわらず、吹きこなすのは並大抵ではなく、古楽復興の流れでもプ ロ演奏家の登場が比較的遅かった楽器のひとつでもあります。しかし1980年代に登場した伝説的名手ブルース・ディッキーが数多くの名手 を育てたおかげで、この楽器を巡るシーンは21世紀に飛躍的な広がりを見せました。イタリア出身の超実力派インギシアーノもまさにディッキー 門下の俊才のひとり。彼の卓越した息遣いと指回りで、昔日の精鋭奏者たちが吹きこなした大作曲家たちの独奏名品を心ゆくまで味わえる この新録音は、イタリア人古楽器奏者によるイタリア古楽がこれほどまでに作品の存在感にぴたりと寄り添うものかと驚かされる、絶妙の歌心 がたまりません。共演が鍵盤楽器ひとつというシンプルな編成なのも魅力のひとつ。木管コルネットの旨みをきわだたせるシャープなイタリア式 チェンバロやポシティフ・オルガンの響きも味わい深く、昔日のイタリアの音楽世界を満喫できる上質アルバムに仕上がっています。
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ジョヴァンニ・アントニオ・リガッティ(1613頃-1648): 聖母マリアの晩課 ほか
アンドレア・ガブリエーリ(1533頃-1585):第6旋法によるイントナツィオーネ
単旋律聖歌:神よ、聞き届けてください
カルロ・ミラヌッツィ(1590/92-1647頃):主よ、どうかお聞き下さい*
 単旋律聖歌:王が休んでおられるとき
ジョヴァンニ・アントニオ・リガッティ(1613頃-1648): 詩篇唱「主は言われた」*
ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチオ(1609-1621頃活躍):4声のソナタ
単旋律聖歌:その方の左手が、わが頭の下に
リガッティ:詩篇唱「讃えよ、主の子らよ」*
セラフィーノ・パッタ(1606-1619頃活躍):その方の左手が、わが頭の下に*
単旋律聖歌:わたしの肌は黒いが
リガッティ:詩篇唱「わたしは嬉しかったのです」*
アドリアーノ・バンキエーリ(1568-1634):わたしの肌は黒いが*
単旋律聖歌:冬は過ぎ去り
リガッティ:詩篇唱「主が建てて下さらなければ」*
フランチェスコ・ウスペル(1560頃-1641):第8リチェルカーレ*
単旋律聖歌:あなたは美しく
リガッティ:詩篇唱「讃えよ、イェルサレムよ」*
単旋律聖歌:あなたは美しく
単旋律聖歌:はじめに、この世ができる前
ジョアンピエートロ・デル・ブオーノ(?-1647頃): 讃歌「めでたし、海の星」*
単旋律聖歌:わたしが讃美にふさわしくあるよう
単旋律聖歌:あらゆる世代の方から、わたしは祝福された女と言われるでしょう
リガッティ:マリアの讃歌「マニフィカト(わたしの魂は主をあがめ)」*
バンキエーリ:「丘は緑に」の調べによるカンツォン「アルチェナジーナ」
単旋律聖歌:祈りましょう、わたしたちはあなたのしもべ
単旋律聖歌:主を祝福しましょう
リガッティ:アンティフォナ「サルヴェ・レジーナ(ごきげんよう、皇后さま)」*
リガッティ:退場唱「拍手して讃えよ」*
イ・ディズィンヴォルティ【マッシモ・アルティエーリ、マッシモ・ロンバルディ(T)、グリエルモ・ブオンサンティ(Bs)、ノエリア・レベルテ・レチェ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、マルコ・サッカルディン(テオルボ、バリトン)、ニコラ・ラモン(Org)】

ウトファソル・アンサンブル【ピエトロ・モデスティ(木管コルネット)、スザンナ・デフェンディ(アルト・サックバット、[23]テナー・サックバット)、ファビオ・デ・カタルド(テナー・サックバット、[23]アルト・サックバット)、ヴァレリオ・マッツッコーニ(バス・サックバット)】

マッシモ・ロンバルディ(指)
古楽器使用/a’=440Hz

録音:2018年5月1-3日、2019年6月5日 サンティ・フィリッポ・エ・ジャコモ教会、モンテ・マグレ(イタリア)
* は世界初録音
モンテヴェルディがヴェネツィアに来て以降のマドリガーレに見られる独唱主体の多声様式(コンチェルタンテ様式)は、続く世代の華やかなヴェネ ツィア楽派の栄光を予告するものでした。彼の愛弟子でオペラの大家として名を馳せたカヴァッリが有名ですが、その陰では高い実力を持ちな がら今や名が埋もれてしまった、無数の作曲家たちの活躍もありました。本盤でとりあげられているリガッティもまさにそうした知られざる天才の 一人。イタリア新世代の古楽器奏者たちが集うアンサンブルによってここに取り上げられている『晩課』のプログラムは、三十代半ばで早世した リガッティの曲集から作品を選び、単旋律聖歌を交えながらバロック期のヴェネツィアにおける夕暮れ時の礼拝の再現を試みたもの。独唱ない し数パートからなる重唱に木管コルネットの独奏やサックバット(Tb)の響きが豊かな味わいを添える詩篇唱の数々は、少数精鋭の演 奏陣でこそ映える凝縮されたイタリア初期バロック音楽の魅力が詰まっています。磨き抜かれた演奏のクオリティを、イタリア古楽の録音に確か な実績をもつ技師ジュゼッペ・マレットのエンジニアリングが的確に捉えた秀逸な1枚です。
A-122
NX-A11
『気高き美』 〜デュファイほか、15世紀イタリア宮廷音楽における管楽器の世界
1. デュファイ(1397頃-1474):目を覚まして、どうかその愛しき顔に
2. ジル・バンショワ(ジル・ド・バン)(1400頃-1460頃): 恋の神よ、心から礼を言おう
3. デュファイ:あなたが戦士であるとなれば
4. デュファイ:麗しき乙女よ
5. デュファイ:わたしは憐れにも嘆くほかない
6. デュファイ:その高貴なる顔立ちが
7. デュファイ:さあ目を開けていよう
8. バンショワ:悲痛なる快楽
9. 作者不詳(ブリュッセル・バス・ダンス写本):バンショワの「悲痛なる快楽」によるバス・ダンス(ハンナ・ガイゼル編)
10. 作者不詳(11世紀):讃えよ、過越の生贄を
11. ジャック・ヴィド(生歿年不詳、1405-1433頃活躍): ああ、わたしは失った
12. デュファイ:私の顔が蒼ざめているのは
13. デュファイ:気高き美はあなたの貴き徳
14. デュファイ:この新年に
15. バンショワ:喪の苦悶に
16. 作者不詳(ブリュッセル・バス・ダンス写本): クレーヴの舞曲(ナサニエル・ウッド編)
17. 作者不詳(ブリュッセル・バス・ダンス写本): バス・ダンス「アヴィニョン」
(アルタ・ベレッツァ編)
アルタ・ベレッツァ【アン・アレン(アルト・ショーム) ハンナ・ガイゼル(ソプラノ・ショーム、アルト・ショーム、ガイタ〔バグパイプ〕)、、ナサニエル・ウッド (C管&D管スライド・トランペット、最初期型G管トロンボーン、G管サックバット)】

録音:2018年7月23-25日 ストーク・バイ・ネイランド聖母教会、英国サフォーク州
古楽器を使った管楽器録音多しといえど、ここまで古いレパートリーに特化して音楽学研究と音楽性を見事に両立させてみせたアルバムも 珍しいのではないでしょうか。オーボエやその前身楽器ボンバルドよりもさらに古い、中世から存在したダブルリード楽器ショームの奏者2人と、 トロンボーンやその初期形態であるサックバット、さらに古くからあったスライド・トランペットまで使いこなす古楽金管の名手からなる3人編成 で、アルタ・カペラと呼ばれる都市型管楽合奏が形をとってゆく前の、ルネサンス最初期の宮廷音楽における管楽合奏の真相に迫ったプログ ラム。初期ネーデルラント楽派の大家デュファイが、ブルゴーニュ宮廷を経てイタリアのさまざまな土地で綴ってきた作品を中心に、精巧な3声 ポリフォニーが当時の楽器であればいかに「歌なし」でも魅力を発揮しうるか、味わい深い妙音の重なりでじっくり伝えてくれます。解説は演奏 者ハンナ・ガイゼルによるもの(英・仏・独)。不思議な浮遊感をたたえた異界的15世紀サウンドに浸れる1枚です。

A-201(10CD)
NX-E03
「ナポリ」
【DISC 1】
「アッコルドーネの南イタリア伝統音楽〜"悪魔の修道士”と呼ばれた男〜」
1.伝承曲:いのちなくして 2.ジュゼッペ・デ・ヴィットリオ(1954-):ストルネッロ 3.同:この胸は恋の楽器になり 4.同:鳴れよ、ギターよ
5.同:随唱 I 6.伝承曲:恩寵の聖母 7.セヴェリーノ・コルネティ(1530-1582):きみに差し出そう、この魂を 8.伝承曲:サンニカンドロのタランテラ
9.伝承曲:かわいい天使 10.ジュゼッペ・デ・ヴィットリオ:僕の心は 11.伝承曲:ピッツィカ・タレンタータ 12.伝承曲:サンフェディスタ党の行進
13.マウロ・ドゥランテ(1984-):カラータランタ 14.クラウディオ・デ・ヴィットリオ(1959-):薔薇で出来た道
15.伝承曲:モンテヴィルジーネの聖母像に捧ぐ 16.伝承曲:荷馬車ひきの歌 17.ジュゼッペ・デ・ヴィットリオ:随唱 II
18.同:あなたの髪はオリーヴの枝 19.伝承曲:サン・ヴィートのピッツィーカ 20.グイード・モリーニ(1959-):甘いいちじくの君
21.伝承曲:スズメダイの歌 22.ジュゼッペ・デ・ヴィットリオ/グイード・モリーニ編曲:この胸は恋の楽器になり
【DISC 2】
「ナポリのことなら、いくらでも話せる。〜故郷に帰ってきたアッコルドーネ」
1.聖人たちのバッロ 2.アンドレーア・ファルコニエーリ(1585-1656):愛しい美しき薔薇 3.伝承曲:牢屋にぶちこめ、パン職人どもを
4.グイード・モリーニ(1959-):窓辺の夜曲 5.伝承曲:チチェレネッラ(ひよこまめの君) 6.作者不詳:つめたい仕打ち
7.グイード・モリーニ:タランテッラ・タパネッラ(田舎風タランテッラ) 8.作者不詳/グイード・モリーニ:マッサニエッロの嘆き
9.アドリアン・ヴィラールト(1490-1562):怠け者の年増女たち 10.ガエターノ・ラティッラ(1711-1788):おまえが好きでたまらない
11.ガエターノ・ラマ(1866-1950):モンテマラーノの聖母に捧ぐ歌 12.ヴィンチェンツォ・ヴァレンテ(1855-1921):あの古き良き日々
13.ルーチオ・ダッラ(1943-2012):カルーゾ(小さな丘) 14.ガエターノ・ラマ(1866-1950):レジネッラ(女王さま気取り)
15.ジュゼッペ・チョッフィ(1901-1976):マッツァとペッツァとピッツォ 16.ピーノ・ダニエーレ(1955-):ナプール(ナポリは・・・) 17.ディアーナ、わが星
【DISC 3】
1764):2つのヴァイオリン、オブリガート・チェロと通奏低音のための協奏曲 ヘ長調
5-8.ニコラ・アントニオ・ポルポラ(1686-1768):チェロ協奏曲 ト長調
9-12.レオナルド・レーオ(1694-1744):チェロ、ヴァイオリン合奏と低音楽器のための協奏曲 イ長調
13-16.ニコラ・フィオレンツァ:チェロ、ヴァイオリン合奏と通奏低音のための協奏曲 イ短調
17-20.ニコロ・サバティーノ(1705頃-1796):チェロ、第1第2ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調
【DISC 4】
「ニコラ・フィオレンツァ(1700頃-1764):協奏曲とソナタ集」
1-4.リコーダー、ヴァイオリン合奏、ヴィオレッタ、チェロと通奏低音のための協奏曲 ヘ短調 (1728)
5-8.2つのヴァイオリン、オブリガート・チェロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調 (1728)
9-12.3つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲 イ短調
13-16.チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調
17-20.2つのヴァイオリン、ヴィオラ、オブリガート・チェロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調
21-24.リコーダー、2つのヴァイオリンと通奏低音のためのシンフォニア イ短調 (1726)
【DISC 5】
「ナポリ生まれのバロック・チェロ芸術〜ナポリ楽派の独奏曲〜」
1-3.ロッコ・グレコ(1650頃-1718以降):2つのヴィオールのためのシンフォニア 第3番ト長調
4-6.ジュリオ・ルーヴォ(1703-1716に活躍):チェロ・ソナタ ト短調 7.同:タランテッラ-ロマネッラ-タランテッラ
8-11.フランチェスコ・アルボレア(フランシスケッロ) (1691-1739):チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調
12-14.同:チェロと通奏低音のためのソナタ ニ長調
15-18.フランチェスコ・スプリアーニ(1678-1753):チェロのためのディミヌツォーネを伴うトッカータ
19-22.ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710-36):チェロのためのシンフォニア ヘ長調
23-25.サルヴァトーレ・ランゼッティ(1710頃?1780頃):チェロのための小品
26-29.ニコラ・ポルポラ(1686-1768):チェロ・ソナタ ヘ長調
30-32.パスクアーレ・ペリコーリ(18世紀後半):チェロ・ソナタ 第4番ヘ短調
33-35.サルヴァトーレ・ランゼッティ:ソナタ Op.5-3 ニ長調
【DISC 6】
「アレッサンドロ・スカルラッティ:宗教作品集」
1-9.死者のためのミサ曲 (1717頃) 10.サルヴェ・レジナ(元后あわれみの母) (1697頃)
11.ミゼレーレ(神よ、われを憐れみたまえ) (1708) 12-19.マニフィカト (1715以前)
【DISC 7】
「ナポリの聖母マリアのための音楽」
1.詠唱:スターバト・マーテル(悲しみの聖母) 2.作者不詳(ナポリ伝承):タランテッラ
3.モノポリー写本、サントリーロ写本(1715ナポリ):3声のスターバト・マーテル
4-7.フランチェスコ・ドゥランテ:協奏曲 第4番ホ短調 8.単旋律聖歌(オストゥーニ写本)
9-20.ペルゴレージ:スターバト・マーテル
【DISC 8】
「ニコラ・アントニオ・ポルポラ(1686-1768):死者のためのノットゥルノ」
1-6.第1のノットゥルノ
7-10.ニコラ・フィオレンツァ(1726-1764に活躍):2つのヴァイオリンと通奏低音のためのシンフォニア ヘ短調
11-16.第2のノットゥルノ
17-20.ニコラ・フィオレンツァ:独奏チェロ、ヴァイオリンと通奏低音のためのシンフォニア ヘ長調
21-25.第3のノットゥルノ
【DISC 9】
「ダヴィデ・ペレス(1711-1778):死者のための朝の祈り」
1-3.第1のノットゥルノ 4-6.第2のノットゥルノ 7-9.第3のノットゥルノ
【DISC 10】 (A437)
「ナポリの古典派 聖週間の嘆きの歌〜フェーオから、ふたりのマンナへ〜」
1-13.ジャンナーロ・マンナ(1715-1779):聖木曜日のための第3の哀歌
14-17.フランチェスコ・フェオ(1691-1761):独唱カンタータ「内なる火」
18-27.ガエターノ・マンナ(1751-1804):聖木曜日のための第2の哀歌
28.ジャンナーロ・マンナ:グローリア・パトリ(栄光あれ)
【DISC 1】 (A359)
アッコルドーネ(古楽器使用)…グイード・モリーニ(チェンバロ/音楽監督) マルコ・ビズリー(歌 ほか) ピーノ・デ・ヴィットリオ(歌 ほか) ほか
録音:2009年10月7-11日、サン・マウリツィオ教区教会、ジニェーゼ、イタリア
【DISC 2】 (ALPHA532)
アッコルドーネ(古楽器使用)…マルコ・ビズリー(歌) グイード・モリーニ(チェンバロ、ピアノ、音楽監督) ほか
録音:2012年3月5-9日、マルティネーニョ聖母戴冠教会、イタリア
【DISC 3】 (Zig Zag Territoires ZZT050302)
ガエターノ・ナジッロ(独奏チェロ) キアラ・バンキーニ(ヴァイオリン、指揮) アンサンブル415
録音:2004年5月31日-6月4日、フレーヌ=ル=シャトー教会、フランス
【DISC 4】 (Fuga Libera FUG549)
ステーファノ・デミケーリ(指) ドルチェ&テンペスタ(古楽器使用)
録音:2008年9月、プリモ・フェラーリ劇場、サン・マルチェッロ(イタリア南部イェージ近郊
【DISC 5】 (A385)
ガエターノ・ナジッロ(独奏チェロ) ミケーレ・バルキ(Cemb) サラ・ベンニーチ(Vc)
録音:2014年11月17-19日、サン・ジョヴァンニ美術館会堂、アスティ、イタリア)
【DISC 6】 (A398)

録音:2015年12月5-8日、クストーディ天使祈祷堂、ルッカ、イタリア
【DISC 7】 (ALPHA009)
パトリツィア・ボーヴィ(S) ピーノ・デ・ヴィットリオ(T) ベルナルド・アリエータ(Br)
レ・パージュ・エ・レ・シャントル(ヴェルサイユ バロック音楽センター合唱団)
ヴァンサン・デュメストル(テオルボ、バロック・ギター、指揮) ル・ポエム・アルモニーク(古楽器使用)
録音:2000年2月、パリ
【DISC 8】 (Fuga Libera FUG526)
モニカ・ピッチニーニ(S) ロミーナ・バッソ(A)
ステーファノ・デミケーリ(オルガン、チェンバロ、指揮)
声楽アンサンブル"ラ・スタジオーネ・アルモニカ" ドルチェ & テンペスタ(古楽器使用)
【DISC 9】 (Deutsche Harmonia Mundi 88843051022)
ロベルタ・インヴェルニッツィ(S) サルヴォ・ヴィターレ(Bs)
ジュリオ・プランディ(指)
ギスリエーリ合唱団・合奏団(古楽器使用)
録音:2013年9月9-12日、ギスリエーリ修道院大会堂、パヴィア、イタリア
【DISC 10】 (A437)
シルヴィア・フリガート(S)
エマヌエーレ・カルディ(指) タレンティ・ヴルカニーチ(古楽器使用)
録音:2015年11月8-11日、ヴェルジーニ伝道教会、ナポリ、イタリア
ERATO、ASTREEなどで成功を収めてきた伝説的プロデューサー、ミシェル・ベルンステンが1993年に起こし、創設者の歿後はイタリアに拠 点を移して、本格的な音楽学者が企画するレーベルとして歴史を刻んできたARCANAレーベル。「声の魔術師」マルコ・ビズリーや日本でも 熱烈に支持されているエンリーコ・ガッティ、その名パートナーでもあるチェロのガエターノ・ナジッロなど、すぐれた奏者が集う古楽レーベルとしての 本分をいかんなく発揮して、古都ナポリに焦点をあてた充実BOXが登場します。Alphaレーベルの白シリーズやZig-Zag Territoiresなど、 現在ARCANAで録音を続けているアーティストが過去に刻んだ名盤も含め、10枚のディスクが多角的に浮き彫りにしてゆくその古都の姿 は、古代遺跡や昔年の文化財のかたわら、異教の伝統が根強く息づき、あけすけなまでに地中海的な人々の生活に何気なく歴史が宿って いる、まさに「生のままのナポリ」。音楽を通じての歴史旅行が楽しめるのも、個々のアルバムがリリース当初から高い評価を得ている名盤ばか りだからでしょう。美麗パッケージとあわせ、旅好きな友人への格好のプレゼントにもなりそうです。
A-202(10CD)
NX-E03
ゼフィーロ結成30周年

【DISC 1】
「ヴェネツィアのオーボエ協奏曲」
1-3.ヴィヴァルディ:協奏曲 ハ長調 RV499/178 (Op.8-12)
4-6.プラッティ(1697-1763):協奏曲 ト短調 I 47
7-9.アルビノーニ:協奏曲 変ロ長調 Op.7-3
10-12.マルチェッロ(1673-1747):協奏曲 ニ短調 SF-D 935
13-15.サンマルティーニ(1695-1750):協奏曲 ニ長調
16-18.ヴィヴァルディ:協奏曲 ト短調 RV460 Op.11-6
19-21.ディオゲニオ・ビガーリャ(1676頃-1745頃):協奏曲 変ロ長調
【DISC 2】
ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集」
1-3.協奏曲 変ホ長調 RV483 / 4-6.協奏曲 ハ短調 RV480 / 7-9.協奏曲 ト長調 RV494 / 10-12.協奏曲 イ短調 RV500
13-15.協奏曲 ハ長調 RV474 / 16-18.協奏曲 ニ短調 RV481 / 19-21.協奏曲 ハ長調 RV472
【DISC 3】
バッハ:管弦楽組曲(1、3、4)」
1.序曲 ハ長調 〜カンタータBWV119 第1曲合唱より、アルフレード・ベルナルディーニによる管弦楽への再構成
2-8.序曲(管弦楽組曲) 第1番ハ長調 BWV1066
9-13.序曲(管弦楽組曲) 第3番ニ長調 BWV1068
14.序曲 変ロ長調 〜カンタータBWV194 第1曲合唱より、アルフレード・ベルナルディーニによる管弦楽への再構成
15-19.序曲(管弦楽組曲) 第4番BWV1069
【DISC 4】 (A386)
ヘンデル:王宮の花火の音楽」
1-5.王宮の花火の音楽 HMV351
6-11.2つの合奏体のための協奏曲 第3番ヘ長調 HMV334
12-18.2つの合奏体のための協奏曲 第1番変ロ長調 HMV332
19-24.2つの合奏体のための協奏曲 第2番ヘ長調 HMV333
【DISC 5】
ヘンデル&テレマン:水上の音楽」
1-10.ヘンデル:水上の音楽 組曲ヘ長調 HMV348 (1715? ロンドン)
11-20.テレマン:序曲 ハ長調 水上の音楽「ハンブルクの潮の満干」 TWV55:C3(1723 ハンブルク)
21-29.ヘンデル:水上の音楽 組曲ニ長調 HMV349 (1717? ロンドン)、組曲ト長調 HMV350 (1736? ロンドン)
【DISC 6】 (A371)
「テレマン8声の組曲集〔3本のオーボエとファゴット、3挺のヴァイオリンと通奏低音のための作品集〕」
1-8.序曲(組曲) ニ長調 TWV55:D15 / 9-17.序曲(組曲) ニ短調 TWV55:d3 / 18-26.序曲(組曲) 変ロ長調 TWV55:B10
【DISC 7】
「ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688-1758)作品集」
1-3.協奏曲 ニ長調 ガブリエレ・カッソーネ(ソロ・トランペット) / 4-6.協奏曲 ハ短調 アルベルト・グラッツィ(ソロ・ファゴット)
7-9.協奏曲 ト短調 パオロ・グラッツィ(独奏オーボエ) / 10-15.序曲(組曲) ニ長調
16-18.カール・フリードリヒ・クリスティアン・ファッシュ(1736?1800):協奏曲 ホ長調
【DISC 8 & 9】
ゼレンカ(1679-1745):2つのオーボエ、ヴァイオリン、ファゴットと通奏低音のための6つのソナタ ZWV181」
<DISC 8> 1-3.ソナタ 第5番ヘ長調 ZWV181/5 / 4-7.ソナタ 第6番ハ短調 ZWV181/6 / 8-11.ソナタ 第2番ト短調 ZWV181/2
<DISC 9> 1-4.ソナタ 第1番ヘ長調 ZWV181/1 / 5-8.ソナタ 第3番変ロ長調 ZWV181/3 / 9-12.ソナタ 第4番ト短調 ZWV181/4
【DISC 10】
「ドレスデン」
1-4.ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688-1758):四重奏曲 変ロ長調 FWV N:B2(1727以降)〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ)
5-8.ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773):ソナタ ト短調 QV 2:41 a/b 〜2つのオーボエと通奏低音(ファゴット、チェンバロ)
9-12.ヨハン・ダヴィット・ハイニヒェン(1683-1729):ソナタ 変ロ長調 SeiH257 (1726)〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ、テオルボ)
13-16.ヴィヴァルディ:4声のソナタ ハ長調 RV801〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ、テオルボ)
17-20.テレマン:ソナタ ハ短調 TWV42:c4 〜2つのオーボエと通奏低音(ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ)
21-23.アルカンジェロ・カリファーノ(1733-1756に活躍):4声のソナタ ハ長調 〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ、テオルボ)
24-27.ヨファッシュ:四重奏曲 ト短調 FWV N:g1(1727以降)〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ、テオルボ)
28-30.アントニオ・ロッティ(1667-1740):エコー ヘ長調(1717-1719) 〜2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音(ヴィオローネ、チェンバロ、テオルボ)
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob、指)

ゼフィーロ(古楽器使用)

【DISC 1】 (A380)
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)
録音:2014年2月24-26日、ローマ教皇庁宗教音楽研究所アカデミア会堂

【DISC 2】 (A365)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
録音:2010年12月11-24日、ギスレーリ会堂、モンド―ヴィ、イタリア

【DISC 3】 (A400)
録音:2015年11月6-9日、マーラー音楽堂(グラントホテル文化センター)、ドッビアーコ(トープラハ)、イタリア

【DISC 4】 (A386)
録音:2008年8月14-17、イエズス会修道院、カターニア、シチリア(イタリア)
ピッチ:a=415 Hz

【DISC 5】 (A432)
「録音(ライヴ):2003年6月9日、セント・ジョーンズ・スミス・スクエア、ロンドン

【DISC 6】 (A371)
録音:2010年5月2-5日、ビビエーナ科学劇場、マントヴァ、イタリア

【DISC 7】 (Deutsche Harmonia Mundi 88697367922)
ガブリエレ・カッソーネ(ソロ・トランペット)、マッシモ・スパダーノ(ソロ・ヴァイオリン)、アルフレード・ベルナルディーニ(ソロ・オーボエ・ダモーレ)
録音:2005年4月11-14日、サン・サルヴァトーレ教会、ロデーニョ・サイアーノ、ブレッシア県(イタリア)
ピッチ:a=415 Hz

【DISC 8 & 9】 (A394)
パオロ・グラッツィ、アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)、アルベルト・グラッツィ(Fg)、マンフレード・クレメル(ヴァイオリン…CD9/5-8)
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb)、ロルフ・リスレヴァン(テオルボ…CD8) ジャンカルロ・ラード(テオルボ…CD9)
ロベルト・センシ(コントラバス…CD8)、ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオローネ…CD9) 
録音:DISC8…1993年2月、スキアリーノ荘、マントヴァ、イタリア
DISC9…1995年2月、ティボール・ヴァルガ・スタジオ、シオン、スイス

【DISC 10】 (A438)
アルフレード・ベルナルディーニ、パオロ・グラッツィ(Ob)、アルベルト・グラッツィ(Fg)、パオロ・ズッケーリ(ヴィオローネ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
エヴァンゲリーナ・マスカルディ(テオルボ)、アンナ・フォンターナ(Cemb)
録音:2016年11月13-16日、マーラー音楽堂(グラントホテル文化センター)、ドッビアーコ(トープラハ)、イタリア
1989年の夏、古楽先進地オランダや英国で活躍していたイタリア出身のオーボエ奏者のアルフレード・ベルナルディーニとパオロ・グラッツィ、 ファゴット奏者のアルベルト・グラッツィの3人によって結成されたゼフィーロ。当初は18世紀の管楽作品をピリオド楽器で演奏することをレパート リーの中心としていましたが、演奏作品の幅はすぐに広がり、編成も弦楽器を含めてどんどん拡大、今ではバッハのブランデンブルク協奏曲やカ ンタータをリリースするまでになりました。結成30年を記念してリリースされる今回のセットには、Astreeレーベルに残された(ARCANAより再発 済み)彼らの初期の録音であるゼレンカを初め、Deutsche Harmonia Mundiからリリースされたファッシュも含めて、これまでリリースしてき たバロック期のレパートリーを広くカバーしています。


A-203(9CD)
NX-E03
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集〜ベートーヴェンの時代の楽器による


【DISC 1】
(1)第1番へ短調 OP.2-1
(2)第2番イ長調 Op.2-
(3)第3番ハ長調 OP.2-3
【DISC 2】
(1)第4番変ホ長調 OP.7
(2)第11番変ロ長調 OP.22
(3)第9番ホ長調 OP.14-1
【DISC 3】
(1)第5番ハ短調 OP.10-1
(2)第6番ヘ長調 OP.10-2
(3)第7番ニ長調 OP.10-3
(4)第10番ト長調 OP.14-2
【DISC 4】
(1)第8番ハ短調 「悲愴」 OP.13
(2)第12番変イ長調 OP.26
(3)第13番変ホ長調 OP.27-1
(4)第14番嬰ハ短調 「月光」
【DISC 5】
(1)第15番ニ長調「田園」 OP.28
(2)第16番ト長調 OP.31-1
(3)第17番ニ短調 「テンペスト」
【DISC 6】
(1)第18番変ホ長調 OP.31-3
(2).第24番嬰ヘ長調 OP.78
(3)第25番ト長調 OP.79
(4)第26番変ホ長調 「告別」
(5)第27番ホ短調 OP.90
【DISC 7】
(1).第21番ハ長調「ワルトシュタイン」OP.53
(2)第19番ト短調 OP.49-1
(3)第20番ト長調 OP.49-2
(4)第22番ヘ長調 OP.54
(5)第23番へ短調「熱情
【DISC 8】
(1)第29番「ハンマークラヴィーア」
(2)第28番イ長調 OP.101
【DISC 9】
(1)第30番ホ長調 OP.109
(2)第31番変イ長調 OP.110
(3)第32番ハ短調 OP.111
パウル・バドゥラ=スコダ(フォルテピアノ)

【DISC 1】 使用楽器:ヨハン・シャンツ(1790年頃ウィーン)
(1)録音:1989年6月12-13日
(2)録音:1989年6月13-14日
(3)録音:1989年6月14-15日
【DISC 2】 使用楽器:ジョン・ブロードウッド(1796年頃ロンドン)
(1)録音:1989年6月10-11日
(2)録音:1989年6月11-12日
(3)録音:1988年12月22日
【DISC 3】 使用楽器:ヨハン・シャンツ(1790年頃ウィーン)
(1)録音:1988年12月18-19日
(2)録音:1988年12月19-20日
(3)(4)録音:1988年12月17日
【DISC 4】 使用楽器:アントン・ヴァルター(1790年頃ウィーン)
(1)録音:1988年6月9日
(2)録音:1988年6月6-7日
(3)録音:1988年6月7-8日
(4)録音:1988年6月8日
【DISC 5】 使用楽器:カスパル・シュミット(1830年頃プラハ)
(1)録音:1987年12月28-29日
(2)録音:1987年12月27-28日
(3)録音:1987年12月29-30日
【DISC 6】 使用楽器:ゲオルク・ハスカ(1815年頃ウィーン)
(1)録音:1985年8月12-13日
(2)録音:1980年9月21日
(3)録音:1985年8月11日
(4)録音:1985年8月11-12日
(5)録音:1980年9月23日
【DISC 7】 使用楽器:ジョン・ブロードウッド(1815年頃ロンドン)
(1)録音:1989年3月20-21日
(2)(3)録音:1985年8月14日
(4)録音:1985年8月14-15日
(5)録音:1989年3月21-22日
【DISC 8】 使用楽器:コンラート・グラーフ(1824年頃ウィーン)
(1)録音:1978年12月21-23日
(2)録音:1978年12月20日
【DISC 9】 使用楽器:コンラート・グラーフ(1824年頃ウィーン)
(1)録音:1978年12月19日
(2)録音:1980年1月27日
(3)録音:1980年1月28-29日

録音場所:バウムガルトナー・カジノ、ウィーン
2019年9月、惜しまれつつ亡くなったバドゥラ=スコダ自身が生前楽しみにしていたという復刻企画が、結果的には追悼盤としてリリースされま す。1978年から80年代いっぱいをかけてAstreeレーベルからリリースされたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集。ベーゼンドルファーを使用した 1969-70年録音の全集と違い、この録音では7種類のベートーヴェンの時代のフォルテピアノを弾き分けているのが特徴。使用されたのはア ントン・ヴァルターのハンマークラヴィーアを除き、全てバドゥラ=スコダ自身のコレクション(当時)であり、復元楽器ではなくオリジナルであるという 点でもたいへん貴重です。録音に使用された19世紀末の歴史的建造物の響きを程よくひろい、オリジナル楽器ならではのアクション音と、倍 音を多く含む端正で小気味よい音色、エネルギッシュな表現をダイナミックに記録した録音が故長岡鉄男氏に激賞されたアルバムです。 ※ DISC 9、トラック4(ソナタ第32番第1楽章) 6分3秒の右チャンネルに、マスターテープに起因する極僅かな音の欠落がございますが、 レーベルとバドゥラ=スコダ氏のご遺族が確認の上、オリジナルのままでのリリースとなります。ご了承ください。
A-204(6CD)
NX-E03
管楽合奏のための作品集、管楽合奏によるオペラ、協奏曲
【DISC 1】
『2つのオーボエ、2つのホルン、2つのファゴットのためのディヴェルティメント』
ディヴェルティメント ヘ長調 K. 213
ディヴェルティメント 変ロ長調 K. 240
ディヴェルティメント 変ホ長調 K. 252/240a
ディヴェルティメント ヘ長調 K. 253
ディヴェルティメント 変ロ長調 K. 270
【DISC 2】
『管楽合奏のためのセレナーデとディヴェルティメント』
セレナーデ 変ホ長調 K. 375
ディヴェルティメント 変ロ長調 K. 186/159b
セレナーデ ハ短調 K. 388/384a
【DISC 3】
セレナーデ 変ロ長調 K. 361/370a 「グラン・パルティータ」
ディヴェルティメント 変ホ長調 K. 166/159d
【DISC 4】
『13楽器のためのオペラ編曲集』
「フィガロの結婚」 K. 492 より
「ドン・ジョヴァンニ」 K. 527 より
「コシ・ファン・トゥッテ」 K. 588 より
(編曲:アルフレード・ベルナルディーニ)
【DISC 5】
ディヴェルティメント ニ長調 K. 131
行進曲 K.290/167AB
ディヴェルティメント ニ長調 K. 205/167A
ディヴェルティメント ニ長調 K. 251 「ナンネル・セプテット」
【DISC 6】
オーボエ協奏曲 ハ長調 K. 314/285d
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191/186e
2つのヴァイオリン、オーボエ、チェロと管弦楽のためのコンチェルトーネ ハ長調 K. 190/186E
マッシモ・スパダーノ、マウロ・ロペス (Vn)
アルフレード・ベルナルディーニ (Ob)
ガエターノ・ナジッロ (Vc)
アルフレード・ベルナルディーニ (オーボエ、指揮)
ゼフィーロ(古楽器使用)

【DISC 1】 初出:Astree E8529 録音:1994年6月

【DISC 2】 初出:Astree E8573 録音:1996年3月

【DISC 3】 初出:Astree E8605 録音:1996年9月

【DISC 4】 初出:Ambroisie AMB9962 (現役盤: ARCANA A374)
録音:2004年2月

【DISC 5】 初出:DHM 88697126102 録音:2006年2月

【DISC 6】 初出:DHM 88697924082 録音:2006年12月
パオロ・グラッツィ (Ob)
アルベルト・グラッツィ (Fg)
1989年の夏、古楽先進地オランダや英国で活躍していたイタリア出身のオーボエ奏者のアルフレード・ベルナルディーニとパオロ・グラッツィ、ファゴット奏者のアル ベルト・グラッツィの3人によって結成されたゼフィーロは、ピリオド楽器を用いたイタリアの団体としてはかなり長い歴史を重ねてきた部類に属します。そのキャリア 初期のAstree(現Naive)レーベルの時代から、様々なレーベルで体系的に取り上げてきたモーツァルトの作品を一堂に集めたBOXセットが登場です。モー ツァルトが管楽合奏のために書いたオリジナル作品のほとんどを網羅しているほか、当時人気を博した管楽合奏によるオペラの形式に倣い、ベルナルディーニが 「グラン・パルティータ」の編成に編曲したアルバム、創立者3人がソリストとして活躍する協奏曲集までを集めた総括的な内容は、あらゆる方面から歓迎される ことでしょう。限定盤での発売です。

A-206(13CD)
NX-E03
『人の声のごとく』 エンリコ・ガッティ ARCANAレーベル全録音
【DISC 1】 (旧品番:A456)
フェランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
ソナタ ト短調 Op. 1-1
ソナタ ホ短調 Op. 2-8
ソナタ ホ短調 Op. 1-6
ソナタ ニ短調 Op. 2-12
【DISC 2-3】 (旧品番:A402)
コレッリ:教会ソナタ形式のトリオ・ソナタ集 Op. 3(全12曲)と生前未刊行の作品
(DISC 2)
教会ソナタ形式のトリオ・ソナタ集 Op. 3
ソナタ 第2番ニ長調
ソナタ 第5番ニ短調
ソナタ 第6番ト長調
ソナタ 第7番ホ短調
ソナタ 第8番ハ長調
ソナタ 第10番イ短調
生前未刊行のソナタ
ソナタ イ長調 WoO 5
ソナタ ト短調 WoO 9
ソナタ ニ長調 WoO 8
(DISC 3)
教会ソナタ形式のトリオ・ソナタ集 Op. 3
ソナタ 第12番イ長調
ソナタ 第9番ヘ短調
ソナタ 第3番変ロ長調
. ナタ 第11番ト短調
ソナタ 第1番ヘ長調
ソナタ 第4番ロ短調
生前未刊行のソナタ
ソナタ ニ長調 WoO 7
ソナタ ニ長調 WoO 6
ソナタ ト短調 WoO 10
ソナタ ニ長調 WoO 4*
【DISC 4-5】 (旧品番:A406)
モーツァルト: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ K. 301-306、変奏曲K. 359、360
(DISC 4)
『ヴァイオリン助奏付のクラヴサンまたはフォルテピアノのための6つのソナタ』 (マンハイム・ソナタ集)
ソナタ 第4番ホ短調 K. 304
ソナタ 第1番ト長調 K. 301
ソナタ 第3番ハ長調 K. 303
ソナタ 第2番変ロ長調 K. 302
アンダンティーノ「ああ、わたしは恋人を失った」による6つの変奏 K. 360
(DISC 5)
『ヴァイオリン助奏付のクラヴサンまたはフォルテピアノのための6つのソナタ』 (マンハイム・ソナタ集)
ソナタ 第5番イ長調 K. 305
ソナタ 第6番ニ長調 K. 306
アリア「羊飼いの娘クリメーヌ」による変奏曲 K. 359
【DISC 6】 (旧品番:A331)
ストラデッラ(1639-1682):弦楽器群によるソナタ 〜2挺のヴァイオリンとリュートの独奏、および弦楽合奏のための
降誕祭に寄せる3声と合奏のためのカンタータ「笑みに口をほころばせ」
降誕祭に寄せる6声と合奏のためのカンタータ「ああ、あまりにも正しく」
【DISC 7】 (旧品番:A384)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
1-16. 音楽の捧げ物 BWV 1079(全曲)
17-20. ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV 1021
21-24. フルート、変則調弦のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV 1038
【DISC 8-9】 (旧品番:A420、現品番:A908)
タルティーニ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集
(DISC 8)
『タルティーニ氏によるヴァイオリン独奏と低音部のためのソナタ集』Op.1
(1734年アムステルダム刊)より
ソナタ 第12番ヘ長調 B. F4
パストラーレ〔ソナタ第13番〕イ長調 B. A16
ソナタ 第4番ト長調 B.G17
ソナタ 第10番ト短調 「見捨てられたディドーネ」 B. g10
ソナタ 第3番ハ長調 B. C11
(DISC 9)
『ジュゼッペ・タルティーニによるヴァイオリンと低音部のためのソナタ集』Op.2
(1745年ローマ刊&1747年パリ刊)より
ソナタ 第1番ニ長調 B. D13
ソナタ 第4番ロ短調 B. h6
ソナタ 第5番イ短調 B. a10
ソナタ 第11番ホ短調 B. e8
【DISC 10-11】 (旧品番:A397)
コレッリ:ヴァイオリンと通奏低音のための12のソナタ Op.5(全曲)
(DISC 10)
ソナタ 第1番ニ長調
ソナタ 第7番ニ短調
ソナタ 第2番変ロ長調
ソナタ 第8番ホ短調
ソナタ 第3番ハ長調
ソナタ 第9番イ長調
(DISC 11)
ソナタ 第4番ヘ長調
ソナタ 第10番ヘ長調
ソナタ 第5番ト短調
ソナタ 第11番ホ長調
ソナタ 第6番イ長調
ソナタ 第12番ニ短調「ラ・フォリア」
【DISC 12】 (旧品番:A373)
『巨人の肩の上』〜パレストリーナからモーツァルトまで、対位法の源を探る旅
パレストリーナ(1525/26-1594): 見よ、この偉大なる祭司を」のミサ曲-キリエ・エレイソン
フレスコバルディ: 使徒たちのミサ曲 〜クリステ・エレイソン2
フレスコバルディ:主日ミサ 〜聖体奉挙にさいして弾く半音階的トッカータ
パレストリーナ:曙に、やさしい春のそよ風が
オルランドゥス・ラッスス:肌寒くも暗い夜
ダリオ・カステッロ(生歿年不詳、17世紀前半に活躍): 四つの弦楽器による第15ソナタ
ヨハン・ローゼンミュラー(1619頃-1684): 4声による第7ソナタ
コレッリ:4声のフーガ Anh 15 (コレッリの単一主題による真のフーガ)
バッハ: フーガの技法 BWV 1080-コントラプンクトゥス4
モーツァルト: アダージョとフーガ ハ短調K. 546
 弦楽四重奏曲 ト長調 K. 387「春」
【DISC 13】 (旧品番:A429)
『燃え立つごとき天才』 1挺から4挺のヴァイオリンを伴うナポリ・バロックの器楽作品
レオナルド・レーオ(1694-1744):4挺のヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲
ジョヴァンニ・カルロ・カイロ(1659?-1722): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
ピエトロ・マルキテッリ(1643-1729): 2挺のヴァイオリンと通奏低音のための第8ソナタ
ニコラ・フィオレンツァ(1700年頃-1764):ヴァイオリン群〔独奏および3部のヴァイオリン〕と通奏低音のための協奏曲
フランチェスコ・パオロ・スプリアーニ(1678-1753): チェロ独奏のための第5トッカータ、作曲者自身による装飾付
カイロ:3挺のヴァイオリンとオルガン〔=通奏低音〕のためのソナタ
 2挺のヴァイオリンとチェンバロ〔=通奏低音〕のためのソナタ
マルキテッリ:3挺のヴァイオリンと通奏低音のための第2ソナタ
【DISC 1】 (旧品番:A456)
エンリコ・ガッティ(Vn)
グイド・モリーニ(Cemb)
アラン・ジェルヴロー(Vc)
録音:1994年3月11-15日、アブロヴィル教会(フランス)

【DISC 2-3】 (旧品番:A402)
アンサンブル・アウローラ(古楽器使用)
エンリコ・ガッティ、オディール・エドゥアール(Vn)
アラン・ジュルヴロー(Vc)
グイド・モリーニ(チェンバロ、ポジティフ・オルガン)
カール=エルンスト・シュレーダー(キタローネ)
ガブリエーレ・カッソーネ(ナチュラル・トランペット)*
録音:(DISC 2)1996年9月16-20日、(DISC 3)1997年9月15-20日
グランセ=ル=シャトー=ヌヴェル教会、フランス

【DISC 4-5】 (旧品番:A406)
ラウラ・アルヴィーニ(フォルテピアノ/ヴァルター1785年頃製オリジナル)
エンリコ・ガッティ(Vn)
録音:1997年10月29日-11月3日、メディチ=ジュリーニ荘、ブリオスコ、イタリア

【DISC 6】 (旧品番:A331)
〈独唱〉
ラヴィニア・ベルトッティ、バルバラ・ザニケッリ、エマヌエーラ・ガッリ(S)
ロベルト・バルコーニ(アルト=カウンターテナー)
マウリツィオ・シウート(T)
カルロ・レポーレ(Bs)

〈独奏・通奏低音〉
ロベルト・ファルコーネ、ジョヴァンニ・デ・ローザ(Vn)
ワリー・ピトゥエッロ(Vc)
グイド・モリーニ(Cemb)
アマヤ・フェルナンデス・ポスエロ(Org)
マラ・ガラッシ(Hp)
フランコ・パヴァン(テオルボ)
ルチアーノ・ミティッロ(Cb)
エンリコ・ガッティ指揮 ミラノ市立音楽院バロックO(古楽器使用)
録音:1997年12月21-23日、コッレガラ教区教会、モデナ、イタリア

【DISC 7】 (旧品番:A384)
アンサンブル・アウローラ(古楽器使用)
エンリコ・ガッティ(Vn)
マルチェッロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
ガエターノ・ナジッロ(Vc)
グイド・モリーニ(Cemb)
録音:1999年11月27日-12月1日 フォントヴロー修道院

【DISC 8-9】 (旧品番:A420、現品番:A908)
エンリコ・ガッティ(Vn)
ガエターノ・ナジッロ(Vc)
グイド・モリーニ(チェンバロ、オルガン)
録音:(DISC 8)2000年9月18-21日、(DISC 9)2001年5月17-20日
サン=ジャン=ド=コール教会、ドルドーニュ(フランス)

【DISC 10-11】 (旧品番:A397)
エンリコ・ガッティ(Vn)
ガエターノ・ナジッロ(Vc)
グイド・モリーニ(Cemb)
録音:2003年5月25日-6月2日、カヴァーナ修道院、ランギラノ(イタリア北部パルマ県)

【DISC 12】 (旧品番:A373)
アンサンブル・アウローラ(古楽器使用)
エンリコ・ガッティ、ロセッラ・クローチェ(Vn)
セバスティアーノ・アイロルディ(Va)
ユディト・マリア・ブロンスターベルク(Vc)
録音:2010年10月10〜14日、サン・ロッコ教区教会、ミアジーノ、イタリア

【DISC 13】 (旧品番:A429)
アンサンブル・アウローラ(古楽器使用)
エンリコ・ガッティ、マリー・ルキエ、ヨアンナ・フシチャ、セバスティアーノ・アイロルディ(Vn)
ガエターノ・ナジッロ(Vc)
グイド・モリーニ(ポジティフ・オルガン、チェンバロ)

録音:2016年5月14-18日 サンタ・カテリーナ・ダ・シエナ教会、ナポリ、イタリア
20世紀後半のイタリアにあって、バロック奏法や古楽的作品研究のノウハウをいち早く徹底し、本場発の感性と、楽器・奏法ともに作品成 立当時のスタイルで、昔日のイタリアに花開いていた豊かな音楽遺産の魅力を知らしめてきたバロック・ヴァイオリン奏者エンリコ・ガッティ。選 びぬかれた音楽史上の傑作と共に知名度が低いながらも重要な作品・作曲家を厳選し、当時の姿をじっくり読み解きながら丹念に進めて きた録音の多くは、現在ミラノに拠点をおく古楽レーベルArcanaで制作されてきました。今回はイタリアのバロックを代表する17から18世紀 の大家たちの作品を中心に、いずれもリリース当時から世界各地で高い評価を博してきたArcanaでの名盤を13枚組BOXに結集。仕様 変更で発売されるたび絶賛が再燃するコレッリのソナタ集や近年までプレス切れだったヴェラチーニやタルティーニの音源に加え、ナポリの巨匠 たちの業績に迫ったアルバムや弦楽四重奏による対位法探求アンソロジーなど比較的近年の録音も惜しみなく投入。これも人気の高い バッハの『音楽の捧げ物』全曲盤や15年以上廃盤状態だったモーツァルトのソナタ集など、イタリア以外の作曲家たちの貴重な音源が収録 されている点も見逃せません。人間の歌声こそ最上の音楽とされていたバロック時代、それに最も近い表現ができるとされた楽器の一つが ヴァイオリンだったことを改めて思い起こさせる演奏内容は、今回のBOXのタイトルにも表現されています。ブックレットにはアーカイヴ写真が満 載で、バンキーニ、レオンハルト、そして日本のアントネッロとのショットも見ることが出来ます。

A-207(19CD)
NX-J01
ハイドン:弦楽四重奏曲全集(全58曲/編曲作品・真偽不明曲を除く)
【DISC 1】弦楽四重奏曲集 Op.9
(1)弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.9-4(Hob. III:22)
(2)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.9-1(Hob. III:19)
(3)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.9-3(Hob. III:21)
【DISC 2】弦楽四重奏曲集 Op.9(続き)
(1)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.9-2(Hob. III:20)
(2)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.9-5(Hob. III:23)
(3)弦楽四重奏曲 イ長調 Op.9-6(Hob. III:24)
【DISC 3】弦楽四重奏曲集 Op.17
(1)弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.17-2(Hob. III:26)
(2)弦楽四重奏曲 ホ長調 Op.17-1(Hob. III:25)
(3)弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.17-6(Hob. III:30)
【DISC 4】弦楽四重奏曲集 Op.17(続き)
(1)弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.17-4(Hob. III:28)
(2)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.17-3(Hob. III:27)
(3)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.17-5(Hob. III:29)
【DISC 5】弦楽四重奏曲集 Op.20「太陽四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ト短調 Op.20-3(Hob. III:33)
(2)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.20-1(Hob. III:31)
(3)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.20-2(Hob. III:32)
【DISC 6】弦楽四重奏曲集 Op.20「太陽四重奏曲集」(続き)
(1)弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op.20-5(Hob. III:35)
(2)弦楽四重奏曲 イ長調 Op.20-6(Hob. III:36)
(3)弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.20-4(Hob. III:34)
【DISC 7】弦楽四重奏曲集 Op.33「ロシア四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.33-5(Hob. III:41)
(2)弦楽四重奏曲 変ホ長調「冗談」 Op.33-2 (Hob. III:38)
(3)弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.33-1(Hob. III:37)
【DISC 8】弦楽四重奏曲集 Op.33「ロシア四重奏曲集」(続き)&スペイン四重奏曲
(1)弦楽四重奏曲 ハ長調「鳥」 Op.33-3(Hob. III:39)
(2)弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.33-6(Hob. III:42)
(3)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.33-4(Hob. III:40)
(4)弦楽四重奏曲 ニ短調「スペイン四重奏曲」 Op.42(Hob. III:43)
【DISC 9】弦楽四重奏曲集 Op.50「プロシア四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.50-1(Hob. III:44)
(2)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.50-2(Hob. III:45)
(3)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.50-3(Hob. III:46)
【DISC 10】弦楽四重奏曲集 Op.50「プロシア四重奏曲集」(続き)
(1)弦楽四重奏曲 嬰ヘ短調 Op.50-4(Hob. III:47)
(2)弦楽四重奏曲 ヘ長調「夢」 Op.50-5(Hob. III:48)
(3)弦楽四重奏曲 ニ長調「蛙」 Op.50-6(Hob. III:49)
【DISC 11】弦楽四重奏曲集 Op.54「第1トスト四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.54-1(Hob. III:58)
(2)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.54-2(Hob. III:57)
(3)弦楽四重奏曲 ホ長調 Op.54-3(Hob. III:59)
【DISC 12】弦楽四重奏曲集 Op.55「第2トスト四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 イ長調 Op.55-1(Hob. III:60)
(2)弦楽四重奏曲 ヘ短調「剃刀」Op.55-2(Hob. III:61)
(3)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.55-3(Hob. III:62)
【DISC 13】弦楽四重奏曲集 Op.64「第3トスト四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ニ長調「ひばり」 Op.64-5 (Hob. III:63)
(2)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.64-6(Hob. III:64)
(3)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.64-1(Hob. III:65)
【DISC 14】弦楽四重奏曲集 Op.64「第3トスト四重奏曲集」(続き)
(1)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.64-4(Hob. III:66)
(2)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.64-3(Hob. III:67)
(3)弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.64-2(Hob. III:68)
【DISC 15】弦楽四重奏曲集 Op.71「第1アポニー四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.71-1(Hob. III:69)
(2)弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.71-2(Hob. III:70)
(3)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.71-3(Hob. III:71)
【DISC 16】弦楽四重奏曲集 Op.74「第2アポニー四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.74-1(Hob. III:72)
(2)弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.74-2(Hob. III:73)
(3)弦楽四重奏曲 ト短調「騎士」 Op.74-3(Hob. III:74)
【DISC 17】弦楽四重奏曲集 Op.76「エルデーディ四重奏曲集」
(1)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.76-1(Hob. III:75)
(2)弦楽四重奏曲 ニ短調「五度」 Op.76-2(Hob. III:76)
(3)弦楽四重奏曲 変ロ長調「太陽」 Op.76-4 (Hob. III:78)
【DISC 18】弦楽四重奏曲集 Op.76「エルデーディ四重奏曲集」(続き)
(1)弦楽四重奏曲 ハ長調「皇帝」 Op.76-3(Hob. III:77)
(2)弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.76-5(Hob. III:79)
(3)弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.76-6(Hob. III: 80)
【DISC 19】弦楽四重奏曲集Op.77「ロプコヴィツ四重奏曲集」&弦楽四重奏曲 Op.103
(1)弦楽四重奏曲 ト長調 Op.77-1(Hob. III:81)
(2)弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.77-2(Hob. III:82)
(3)弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.103(Hob. III:83) (未完)
フェシュテティーチQ(古楽器使用/a=421Hz)【イシュトヴァーン・ケルテース(Vn/ミラノの逸名職人 18世紀製作)、エリカ・ペテーフィ(Vn/ウィーンのマティアス・ティーア 1770年製作)、ペーテル・リゲティ(ヴィオラ/ボルツァーノのマティアス・アルバヌス 1651年製作)、レジェー・ペルトリニ(Vc/フランスの逸名職人 17世紀製作)】


【DISC 1】【DISC 2】
録音:1998年8月6-9日、20-22日 カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 3】【DISC 4】
録音:1993年11月16-19日 1994年3月12-15日、カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 5】【DISC 6】
録音:2005年9月29日-10月5日 ハンガリー国立フィルハーモニー・リハーサルホール、ブダペスト
【DISC 7】【DISC 8】
録音:2006年4月28日-5月3日 ハンガリ―国立フィルハーモニー・リハーサルホール、ブダペスト
【DISC 9】【DISC 10】
録音:1999年8月6-15日 カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 11】【DISC 12】
録音:2001年10月19-26日 カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 13】【DISC 14】
録音:2002年7月21-29日 カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 15】【DISC 16】
録音:1994年11月27-30日、1995年4月27-30日カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 17】【DISC 18】
録音:1996年4月8-12日、1997年5月1-3日 カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
【DISC 19】
録音:1997年8月28-31日、カーロイ・チェコニチ宮殿、ブダペスト
「交響曲の父」ハイドンは室内楽の作曲にも優れ、弦楽四重奏の理想形確立に大きな貢献をなしたため「弦楽四重奏曲の父」と しても知られています。四つの楽器を適切に組み合わせてゆく上でのノウハウが凝縮されたこれらの作品は定期的に6曲ないし3曲ずつ揃え て曲集として刊行され、作曲家存命中に全集が編纂されるほど高い人気を誇っただけでなく、後世にも繰り返し楽譜が再版され金字塔的 存在として愛され続けました。それだけに、19世紀以降の演奏習慣の変化によって作曲時の企図が見えづらくもなった面もあると考えられま すが、20世紀末から21世紀初頭にかけハイドンゆかりの国ハンガリーのフェシュテティーチ四重奏団が残したこの全曲録音は、オリジナル楽 器を用い、二つのヴァイオリンを対向配置にする当時の慣例を採用して刻まれ、作曲当時の作品像に迫った画期的録音として世界的に注 目されました。収録順も現在の作品整理番号に拘らず、初版時の曲順を出来る限り再現し、ハイドンの意図に沿おうという徹底ぶり(なお Op. 17のNo. 4と6、Op. 20のNo. 5と2など、収録時間の関係で必ずしも本来の意図通りにならなかったところもあり、演奏者としては悔 しい思いをしたようです)。単なる古楽器演奏の枠を超えた比類ない解釈の確かさに、直接音を重視し4人の奏者の深い音楽性をありあり と伝えるArcanaならではのエンジニアリングもあいまって、時代を越えて再訪すべき価値に満ちています。数年にわたるプレス切れから待望の カタログ復活。新たな聴き手にも自信を持ってお勧めできる名演中の名演です。

A-302
ジョヴァンニ・ブオナヴェントゥーラ・ヴィヴィアーニ(1638-1692?):カプリッチョ・アルモニコ集 Op.4(教会および室内用) グナール・レツボール(Vn) 
アンドレアス・ラックナー(Tp)
ヴォルフガング・ツェラー(Cemb) 
ロベルト・センシ(Vg)
ルチアーノ・コンティーニ(アーチリュート) 
カタリン・セベッラ(Fg)
A-304
貴重なる聖人伝〜14世紀のイタリアのラウダ集 ラ・レヴェルディ
A-307
ノクス=リュクス〜フランス&イングランド 1200-1300
ドロン・ディヴィッド・シャーヴィンNox(1998)
ヴィポ・フォン・ブルグント(11世紀):Victimae Paschali
ペロティヌス(13世紀):Mors a primi patris / Mors, que stimulo / Mors morsu nata / Mors
クラウディア・カッファーニ:Occasum(1999)
作曲者不詳:(13世紀フランス):Pange melos lacrimosum / Balaam inquit / Huic placuit tres Magi
Iam nubes dissolvitur / Solem / An doz mois de mai
Crux forma penitentie / Sustinere / A la clarte qui tout enlumina
Et illuminare / Porta preminentie / Porta penitentie / Portas
作曲者不詳:(13世紀イングランド):Miri it is hwile sumer ilasts
Sancta mater gracie / Do way Robin/Rosa frangrans
エリザベッタ・デ・ミルコヴィク:Mors et vita duello(2000)
作曲者不詳:(14世紀初頭イングランド):Caligo terrae scinditur / Virgo Maria
作曲者不詳:(15世紀初頭イングランド):Anglia tibi turbidas spera lucem post tenebras
オズヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(1375-1457):Ich spuer ein tyer
デュファイ:(1400-1474):Resveilles vous & faites chiere lye
デュファイ:/ドロン・ディヴィッド・シャーヴィン編):Resveilles vous & faites chiere lye
ドロン・ディヴィッド・シャーヴィン:Lux(1998)
ラ・レヴェルディ
A-310

パーセル:ハルモニア・サクラ&オルガン作品全集
ヴォランタリー ト長調 Z.720/覚めたる羊飼いよ Z.198
主よ、人間とは何なのか Z.192/ヴォランタリー ニ短調 Z.718
大いなる神よ、いつまでも Z.189/絶望の暗黒の牢獄で Z.190
おお孤独よ、我が甘き選択 Z.406/ヴォランタリー ハ長調 Z.714
聖処女の戒め「憐れみ深き天使よ、教えておくれ」 Z.196
ヴォランタリー ニ短調(2台のオルガンの為の) Z.719
大地は揺るぎ Z.197/病み疲れた目をして Z.200
ヴァース ヘ長調 Z.716/激しい息吹きは怒りに満ち Z.185
詩編100にもとづくヴォランタリー イ長調 Z.721
眠れ、アダムよ、休みなさい Z.195
グラウンドにもとづく夕べの賛歌
「太陽がその光を覆い隠したる今」 Z.193
ジル・フェルドマン(S)
ディヴィット・モロニー(Org)
A-312
テレマン:リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、弦楽合奏と通奏低音の為の協奏曲 イ短調
「Essecizi Musici」〜ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ ホ短調TWV41:e5
「ハンブルク四重奏曲集」〜フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為の四重奏ソナタ第1番イ長調/
「Essecizi Musici」〜ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ イ短調 TWV41:a6
「忠実なる音楽の師」〜無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバの為のソナタ ニ短調 TWV40:1
オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為の室内協奏曲 ト短調 TWV43:g2
ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
マルク・アンタイ(Fl−tr) 
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)
エドゥアルド・エグエス、
グイード・モリーニ(通奏低音)
アルモニコ・トリブート・アウストリア

録音:1996年5月21日-26日、福音派市教会、ウィーン。ピリオド楽器使用
A-313
ベネディクト・アントン・アウフシュナイター(1665-1742):教会ソナタ集「教会シンフォニアの協和する甘き弦の調べ」Op.4(1703) アルス・アンティクァ・アウストリア
グナール・レツボール、イリア・コロル(Vn)
ペーター・アイグナー(Va)
ヤン・クリゴフスキー(ヴィオローネ)
ノルベルト・ツァイルベルガー(Org)
フーベルト・ホフマン(アーチリュート)]
A-315
NX-A07
シェーンベルクピアノ作品集
3つのピアノ小品 Op.11
6つのピアノ小品 Op.19
5つのピアノ小品 Op.23
ピアノ曲 Op.33a, b
ピアノ組曲 Op.25
ピーター・ゼルキン(P)

録音: 2001年7月、タングルウッド、セイジ・オザワ・ホール
A-316
エステバン・ダサ:「パルナソス山と題されたビウエラの為の譜本」(1576) エル・コルテサーノ
[ホセ・エルナンデス・パストール(CT)
アリエル・アブラモビチ(ビウエラ)]
A-317
デュファイ:人にとって最もよきもの(3声のモテット)
プレポジトゥス・ブリクシエンシス(15世紀):おお、親切な人(バラード)
バルトロメオ・ダ・ボローニャ(15世紀):私は死にたい(バラード)
ベルトランド・フェラグッチ(15世紀):Excelsa civitas Vincencia(モテット)
デュファイ::あの気高い額のお方が天国に(3声のシャンソン)/
まこと隠れもない貴公子の名を讃え
(3声のバラード)
作曲者不詳:(イタリア):ベルフィオーレ(舞曲)
アントニウス・デ・チヴィターテ(15世紀):麗しき花フィレンツェ(モテット)/
喜べ幸福なるドミニコ会士よ(モテット)
デュファイ:喜べ、ビザンツ帝国の妃(4声のモテット)/
おお、聖セバスティアヌスよ(モテット)/
おお、殉教者セバスティアヌスよ(モテット)/
天は称賛にわき立ち(3声のヒオヌス)/
このフィレンツェの町は(モテット)/
おお、イスパニアの後裔−おお、イスパニアの星
(4声のモテット)
ラ・レヴェルディ
[クラウディア・カファーニ(歌/リュート)
リヴィア・カッファーニ(歌/ヴィエール/笛)
エリザベッタ・デ・ミルコヴィク(歌/レベック)
エラ・デ・ミルコヴィク(歌/Hp/鐘)
ドロン・デイヴィッド・シャーウィン(歌/コルネット/Perc)]

録音:2001年6月
A-318
十字架の信奉者〜クロアチア、フバール島での四旬節のゴレゴリオ聖歌 ファロス・カントール
A-320
美しき北イタリアに〜中世北イタリアの宮廷と修道院の音楽
Versus de Herico duce/
O lylium convallium Submersus iacet Pharao/
Tres enemics/Gewan ich ze Minnen/
En mort d'En Joan de Cucanh/Lux purpurata/
O in Itaria felice Liguria(マドリガーレ)/
O in Itaria felice Liguria(器楽)/
Nel bel giardino che l'Adige/
Pyance la Bella Yguana(器楽)/
Nell'acqua chiara/La nobil scala/
Ave Corpus Sanctum/Imperial sedendo/
Imperial sedendo(マドリガーレ)/
Rondeau sans texte/
Strnua quam duxit-Gaudeat & tanti
ラ・レヴェルディ
[クラウディア・カッファーニ、
リヴィア・カッファーニ、
エリザベッタ・デ・ミルコヴィク、
エラ・デ・ミルコヴィク、
ドロン・デイヴィド・シャーウィン、
マウロ・モリーニ、
クラウディア・パセット]
A-323
A・スカルラッティチェンバロの為のトッカータ集
チェンバロ・ドッターヴァ・ステサの為のトッカータ ニ短調/トッカータ ヘ長調/
チェンバロの為のトッカータ〔ニ長調/ト短調・ト長調/ニ短調〕/トッカータ イ短調/
第1旋法によるフーガ ニ短調/第2旋法によるフーガ ト短調/第3旋法によるフーガ イ短調/
オルガンとチェンバロの為のトッカータ〔イ長調/ト長調〕/2つのフーガ ニ短調
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb)
A-324
NX-A07
カルダーラ:4声による12のシンフォニア
[第1番「聖テレンツィアーノの殉教」/第2番「洗礼者」/
第3番「アベルの死」/第4番「キリストの死と埋葬」/
第5番「カエサレアの聖ペテロ」/
第6番「苦痛を受けし聖エレナ」/
第7番「改宗したエルサレム」/第8番「セデーチャ」/
第9番「神殿に現れたイエス」/
第10番「夢を説くジョゼッフォ」/第11番「ナボス」/
第12番「われらの主、イエスの受難」
グナ―ル・レツボール(Vn,指)
アルス・アンティクァ・オーストリア
A-328
ヴィルスマイヤー(1663-1722):無伴奏ヴァイオリンの為の6つのパルティータ
「アルティツィオスス・コンツェントゥス・プロ・カメラ」
グナール・レツボール(グナー・レツボア)(Vn)
A-331
ストラデッラ:カンタータ「全ての唇に笑みがこぼれ」〜
独唱3声、2挺のヴァイオリンと通奏低音の為の/
カンタータ「ああ!なんたる真実」〜
独唱5声と合奏協奏曲編成の為の
エンリーコ・ガッティ(バロックVn/指揮)
ミラノ市立音楽院バロックo.(ピリオド楽器使用)
ラヴィニア・ベルトッティ(S)
エマヌエラ・ガッリ(S)
カルロ・レポーレ(Bs)/他
マーラ・ガラッシ(Hp)
グイード・モリーニ(Cemb)
A-332
ラ・レヴェルディ〜不可思議なる学芸〜中世の思惟としての音楽 ラ・レヴェルディ

録音:1993年
A-333
情熱の歌
セバスティアン・ドゥローン(1660-1716):ああ、私の不滅の愛が燃え上がる/
悪者のキューピッド/そして私は失う
フアン・リマ・デ・セルケイラ(1660-1726以後):愛のキューピッド/おお!レオニダ/すべての愛
ガスパル・サンス(1640-1710):
前奏曲とパッサカリア/カナリオス
フアン・イダルゴ(1612-1685):おお!愛よ!
フアン・カバニーリェス(1636-1701):ティエント・デ・ファルサス XII/他(全18曲)
マリア・ルス・アルバレス(S)
トーマス・ウィマー(指)
アクセントゥス・オーストリア
A-337
ジャン=アンリ・ダングルベール(1629-1691):クラヴサン曲集 パオラ・エルダース(Cemb)
A-339
シュメルツァー(1632-1680):騎馬のバレット(1667)/「聖と俗との音楽的協和」(1662)よりソナタ〔第6番/第1番〕/
「第2ソナタ集」(1659)〜ソナタ第8番/歌曲「どこの野にも」/
「第2ソナタ集」(1659)〜ソナタ第9番/「聖と俗との音楽的協和」(1662)〜ソナタ第12番/
ソナタ「フェンシング指南」/皇帝フェルディナント3世の逝去に寄せるラメント/
マルハレータのバレットさまざま〜13の小品
ローレンツ・ドゥフトシュミット(バス・ガンバ,指)
アンサンブル・アルモニコ・トリブート・アウストリア
[グナール・レツボール(Vn)
アンドレアス・ラックナー(Tp)
ミヒャエル・オーマン(リコーダー) 
ジャン=ピエール・カニアック、
ジャン・チュベリー(コルネット) 
イェルク=アンドレアス・ベッティヒャー(Cemb/Org)
ミーケ・ファン・デル・スルイス(S)]

録音:1995年6月27日-30日、9月10日-11日、以上 聖ウルリヒ教会、
A-340
アントニオ・ベルターリ(1605-1669):12のソナタ グナール・レツボール
(グナー・レツボア)(Vn)指揮
アルス・アンティクァ・
オーストリア
A-342
デュファイ::「聖ヤコブのミサ」(「ボローニャQ15写本」より) ラ・レヴェルディ
A-351
モーツァルト:ピリオド楽器によるピアノ協奏曲集
[第9番変ホ長調 K.271「ジュノム」/
第12番イ長調 K.414]
パウル・バドゥラ=スコダ(Fp,指)
ムジカ・フローレア

録音:2005年9月、プラハ
A-352
ハイドン:ピアノ・ソナタ 変イ長調 Hob.XVI-46
アンダンテと変奏 ヘ短調 Hob.XVII-6
ピアノ・ソナタ ハ短調 Hob.XVI-20
オーストリア国歌による変奏曲
アダージョ ヘ長調 Hob.XVII-9
パウル・バドゥラ=スコダ(Fp)
A-353
ほんとうの「カルミナ・ブラーナ」〜ブラヌス写本 中世ドイツの「聖なる風刺歌」
「ブラヌス写本(=カルミナ・ブラーナ)」より
信心は善なり/この写本を読む者、心せよ/教えて下さい、救世主の真実(ブラヌス写本の単旋律版/多声版)/
ああ、我らの時代には/嘆くがいい、それが嘆かわしいなら/自分の心を、よく覗いてみろ/
誰もが走り寄る先には/夏の日々は流れ去るもの/
ナイトハルト・フォン・ノイエンタールの歌によるコルネット独奏/公平と不平は、紙一重/
憎しみの道は、いつもひねくれている/ごきげんよう、高貴にして清らかなマリア様/
お固いことは忘れちまおう/凍てつく季節は過ぎ去った/そのむかし、ヘラクレスは誉れ高く/
おとめ二人、どちらも気高き美しさ/替え歌「タイムとバジリコが口喧嘩を始めた」
アンサンブル・ラ・レヴェルディ
[クラウディア・カッファーニ(Vo/リュート・プサルテリウム)
リヴィア・カッファーニ(Vo/フィドル/リコーダー)
エリザベッタ・デ・ミルコヴィチ(Vo/フィドル/シフォニ/鐘)
エレーナ・デ・ミルコヴィチ(Vo/Hp/ドイツG)
ドロン・D.シャーウィン(Vo/コルネット/オルガネット)
アンドレア・ファヴァーリ(Vo/語り)/他]

録音:2008年10月13日-17日、イタリア/発売:2009年。ピリオド楽器使用
A-354
パウル・フォン・ヴェストホフ(1656-1705):無伴奏ヴァイオリンの為の6つのパルティータ(1696)
[第1番イ短調/第2番イ長調/第3番変ロ長調/
第4番ハ長調/第5番ニ短調/第6番ニ長調]
グナール・レツボール(バロック・ヴァイオリン)
A-357
アントニオ・カベソン(1511-1566):鍵盤の為の作品集
ティエントII/グレゴリオ聖歌「めでたし、海の星」*/「めでたし、海の星」による第1曲/
第4旋法によるティエント/「ラ・アルタ」の旋律で3題/イタリア風パバナ/
スペイン風パヴァーナ(スウェーリンク作曲)/「不幸がわたしを打ちのめす」によるティエント/
ティエントI/美しきひと、わたしの人生は(アルボー編;*)/「かの貴婦人がそれを望む」の歌による変奏曲/
第1旋法によるティエント/グレゴリオ聖歌「父と子と聖霊に」*/「牛を見張れ」による即興/
「牛を見張れ」による即興による変奏曲(ナルバエス作曲)/「牛ども」で変奏5題(作者不祥)/
「牛ども」による変奏曲/お伝え下さい、かの騎士に(ゴンベール作曲)*/
「お伝え下さい」の旋律による変奏曲/ロマンセ「誰がためにこの髪は伸びる」/アントニオ起譜によるパバナ
パオラ・エルダス(Cemb) 
リア・セラフィーニ(S)*

使用楽器:1652年モデル1段鍵盤リュート・ストップ付。
A-358
NX-A07
パレストリーナ:教皇マルチェスのミサ*/4声の詩編「涸れた谷に、鹿が水を求めるように」/
8声のモテトゥス「復活祭の生贄に、賛美を捧げます」/
グレゴリオ聖歌による奉献唱「大地はおののき」(1声)/5声のモテトゥス「神に向かって歓喜せよ」/
8声のモテトゥス「キリストは死者たちの中から復活し」/5声のモテトゥス「彼らが食事をしているあいだ」/
8声のモテトゥス「兄弟たちよ、私は主から授けられた」/グレゴリオ聖歌「我らが復活祭、キリストは不滅なり」/
5声のモテトゥス「おお、聖なる饗宴は」/12声のモテトゥス「主を誉め讃えよ」
パオロ・ダ・コル(指)
Ens.オデカトン

録音:2009年9月
A-359
アッコルドーネのナポリ民衆歌
伝承歌:いのちなくして
ジュゼッペ・ディ・ヴィットーリオ(1954-):ストルネッロ/この胸は恋の楽器になりI/鳴れよ、ギターよ/随唱I/恩寵の聖母
伝承歌:きみに差し出そう、この魂を
セヴェリーノ・コルネーティ(1530-1582):サンニカンドロのタランテラ / 伝承歌:かわいい天使
マルコ・ビズリー(1957-):ぼくの心は
ヴィットーリオ:タランテラ風ピッツィーカ
伝承歌:サンフェディスタ党の行進
マウロ・ドゥランテ(1984-):カラータランタ
クラウディオ・デ・ヴィットーリオ(1959-):薔薇で出来た道
伝承歌:モンテヴィルジーネの聖母像に捧ぐ/荷馬車ひきの歌
ジュゼッペ・ディ・ヴィットーリオ:随唱II/あなたの髪はオリーヴの枝
マウロ・ドゥランテ(1984-):サン・ヴィートのピッツィーカ
グイード・モリーニ(1959-):甘いいちじくの君
伝承歌:グヮランチーノの歌
グイード・モリーニ:この胸は恋の楽器になりII
マルコ・ビズリー(歌/カスタネット/ディプロフォニア) 
Ens.アッコルドーネ
グイード・モリーニ(Cemb) 
ピーノ・デ・ヴィットーリオ(歌/カスタネット/バッテンテG)
ファビオ・アックルソ(Lute) 
ステーファノ・ロッコ(バロックG) 
フランコ・パヴァン(テオルボ)
マウロ・ドゥランテ(各種タンブーロ/歌/Vn) 
ルチアーナ・エリズィンド、グイゼッラ・マッサ、
デニーゼ・ミルラ、
ノエリア・レヴェルテ・レーケ (ガンバ四重奏)
A-360
メアッリ(1629-1679):ヴァイオリン独奏[と通奏低音]の為のソナタ集 Op.4 (1660)
〔第1ソナタ「ラ・ベルナベイ」/第2ソナタ「ラ・ヴィヴィアーナ」/第3ソナタ「ラ・モネッラ・ロマネスカ」/
第4ソナタ「ラ・ビアンクッチア」/第5ソナタ「ラ・ステッラ」/第6ソナタ「ラ・ヴィンチョリーナ」〕
グナー・レツボア(Vn) 
アルス・アンティクヮ・アウストリア
A-361
NX-A07
ルクレール:12のソナタ集第1巻(通奏低音付きヴァイオリン独奏の為の) Op.1 (1723) より
〔第8番ト長調/第11番変ロ長調/第7番ヘ長調/第3番変ロ長調〕
ファビオ・ビオンディ(Vn) 
マウリツィオ・ナッデオ(Vc)
パスカル・モンテイエ(テオルボ) 
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb;*)

録音:1992年2月27日-29日
A-363
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・作製のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
狂乱のオルランド〜ルドヴィーコ・アリオストの詩によるマドリガーレ曲集
ロステ・ダ・レッジョ(1520頃-1569): Le donne, i cavalier, l’arme, gli amori (I, 1)
ラッスス: Pensier (dicea) che ’l cor m’agghiacci et ardi (I, 41)
ウィリアム・バード:(1539/40-1623): La verginella è simile alla rosa (I, 42) /
Ma non sì tosto dal materno stelo (I, 43)
ジャッケス・ド・ウェルト(1535-1596): Vaghi boschetti di soavi allori (VI, 21)
ベネデット・パッラヴィチーノ(1551頃-1601): Tra le purpuree rose e i bianchi gigli (VI, 22)
ジャッケス・ド・ウェルト: Non tanto il bel palazzo è sì eccellente (VII, 10)
チプリアーノ・デ・ローレ(1515/16-1565): Era il bel viso suo, quale esser suole (XI, 65) /
E ne la face de’ begli occhi accende (XI, 66)
ヴィンツェンツォ・ルッフォ(1510-1587): Liete piante, verdi erbe, limpide acque (XXIII, 108)
ジャッケス・ド・ウェルト: Queste non son più lacrime che fuore (XXIII, 126)
フィリップ・ヴェルドロ(1480/85頃-1530/32?): Queste non son più lacrime che fuore (XXIII, 126)
バルトロメオ・トロンボチーノ(1470頃-1535): Queste non son più lagrime che fuore (XXIII, 126)
アルフォンソ・フェラボスコ(1543-1588): Questi ch’indizio fan del mio tormento (XXIII, 127)
アレッサンドロ・ストリッジョ(1536/7-1592): Non rumor di tamburi o suon di trombe (XXV, 568)
パレストリーナ:Se ben non veggon gli occhi ciò che vede (XXXI, 3)
ロステ・ダ・レッジョ: Gli sdegni, le repulse e finalmente (XXXI, 4)
ラッスス:Di qua di la va le noiose piume (XXXII, 13) / Deh perché voglio anco di me dolermi? (XXXII, 23) /
Dunque fia ver (dicea) che mi convenga (XXXII, 18)
ジャッケス・ド・ウェルト: Chi salirà per me, madonna, in cielo (XXXV, 1)
アンドレア・ガブリエーリ(1532/33-1585): Dunque baciar sì belle e dolce labbia (XXXVI, 32) /
Se tu m’occidi, è ben ragion che deggi (XXXVI, 33)
ペリソーヌ・カンビオ(1520頃-1562): Scarpello si vedrà di piombo o lima (XLIV, 62)
チプリアーノ・デ・ローレ: Come la notte ogni fiammella è viva (XLV, 37)
アレッサンドロ・ストリッジョ: Or se mi mostra la mia carta il vero (XLVI, 1) /
Sento venir per allegrezza un tuono (XLVI, 2)
ラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレ

録音:2009年10月19日-23日、2010年9月2日
A-365
ヴィヴァルディファゴット協奏曲集
〔変ホ長調 RV483 /ハ短調 RV480 /ト長調 RV494 /イ短調 RV500 /ハ長調 RV474 /ニ短調 RV481 /ハ長調 RV472 〕
アルベルト・グラッツィ(Fg)
アンサンブル・ゼフィーロ
A-366
ヴィヴァルディリコーダー・ソナタ集
〔イ長調 RV 31(E管アルト・リコーダー)/ト短調 RV Anh.95-6(F管アルト・リコーダーi)/
ニ短調 RV 16(4度リコーダー)/ト短調 RV 36(ヴォイス・Fl)/
ト短調 RV 28(ドレスデンの手稿譜より/テナー・リコーダー)/
ヘ長調 RV 52(ヴェネツィアの手稿譜より/バス・リコーダー)/
ニ短調 RV 14(ソプラノ・リコーダー)/ト長調 RV 806(ベルリンの手稿譜より/F管アルト・リコーダーii)〕
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
セルジョ・チョメーイ(Cemb/Org) カロリーヌ・ブルスマ(Vc)
A-368
ルネサンスとバロックのはざま、北イタリアの撥弦楽器芸術
ベッレロフォンテ・カスタルディ(1580-1649):ラ・フォリア「狂おしき踊り」/カプリッチョ「ビスキッツォーゾ」「酔狂な気まぐれ」*/
パッセッジョ「ルージンゲヴォレ」「媚びへつらうように装飾演奏を」/
コルレンテ「フリオーザ」「激怒するかのごときコルレンテ」/
ファンタスティカリア、通称「ジョヴィアーレ」「愉しく酔狂な調べ」/
コルレンテ「チェッキーナ」「目の悪い女のコルレンテ」/コルレンテ「フロリーダ」「華やぐコルレンテ」/
ガリアルダ「アルペスカ」「ハープ風ガリアルダ」/
カプリッチョ、通称「チェリモニオーゾ」「気まぐれに儀式ぶってみせ」*/歌曲「ではクロリンダ、きみは」#/
ガリアルダ「フェリータ・ダモーレ」「恋して傷ついたガリアルダ」/
カプリッチョ「スヴェリアートイーオ」「気まぐれでも目は覚めている」*/
タステッジョ・ソアーヴェ「心地良い指ならし」/ソナタI* /歌曲「あの頃わたしの人生は」+/
カンツォーネ「マスケリーナ」「仮面をつけた女の歌」
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(テオルボ)
モニカ・プスティルニク(ティオルビーノ;*/#)
マルコ・ビズリー(歌;#/+)
A-369
メアッリ(1629-1679):ヴァイオリン独奏(と通奏低音)の為の(6つの)ソナタ集 Op.3 (1660)
〔第1ソナタ「ラ・ステッラ」
第2ソナタ「ラ・チェスタ」
第3ソナタ「ラ・メラーナ」
第4ソナタ「ラ・カステッラ」
第5ソナタ「ラ・クレメンテ」
第6ソナタ「ラ・サッバティーナ」〕
グナー・レツボア〕Vn)
アルス・アンティクヮ・アウストリア
A-371
テレマン8声の管弦楽組曲集
ニ長調 TWV55: D15
ニ短調 TWV55: D3
変ロ長調 TWV55: B10
ゼフィーロ・バロックo. 
アルフレード・ベルナルディーニ、
エミリアーノ・ロドルフィ、
パオロ・グラッツィ(バロックOb) 
アルベルト・グラッツィ(バロックFg)
A-373
パレストリーナ:キリエ・エレイソン(ミサ「見よ、この偉大なる祭司を」/ 1554刊)/
曙に、やさしい春のそよ風が(ペトラルカの詩による/ 1555刊)
フレスコバルディ:「音楽の花束」より2編
〔日曜日のミサの聖体奉挙にさいして弾く半音階的トッカータ/
「使徒たちのミサ曲」のクリステ・エレイソンII / 1635刊〕
ラッスス:肌寒くも暗い夜(デュ・ベレの詩による/ 1576刊)
ダーリオ・カステッロ:四つの弦楽器による第15ソナタ(1629刊)
ヨハン・ローゼンミュラー(1617-1684):4パートによる第7ソナタ(1682刊)
コレッリ:4声のフーガAnh.15(コレッリの単一主題による真のフーガ/F.M.ヴェラチーニ『音楽実践の勝利』に掲載)
バッハ:コントラプンクトゥス4(『フーガの技法』/ 1745〜49頃作曲)
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 KV.546 (1788作曲)
弦楽四重奏曲第14番ト長調「春」KV387 (1782作曲)
アンサンブル・アウローラ
[エンリーコ・ガッティ(Vn1) 
ロセッラ・クローチェ(Vn2)
セバスティアーノ・アイロルディ(Va) 
ユディト・マリア・プロムスターベルク(Vc)]
A-374
モーツァルト管楽合奏(ハルモニームジーク)によるダ・ポンテ三部作(13管楽器編成)
「フィガロの結婚」による
「ドン・ジョヴァンニ」による
「コジ・ファン・トゥッテ」による
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob,指)
アンサンブル・ゼフィーロ

録音:2004年2月7日-9日
A-375
プラッティ(1697-1763):鍵盤楽器の独奏を伴う3つの協奏曲〔ハ短調/ト長調/イ長調〕
オーボエと通奏低音の為のソナタ ハ短調*
鍵盤楽器の為のソナタ ハ短調 Op.4-2
ルーカ・グリエルミ(Fp;#) 
コンチェルト・マドリガレスコ
[リアーナ・モスカ(Vn1) 
ウルリケ・フィッシャー(Vn2)
テレーザ・チェッカート(Va) 
サラ・ベンニーチ(Vc) 
パオロ・グラッツィ(Ob)*]
A-383(3CD)
NX-C07
バッハ無伴奏チェロ組曲&ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
無伴奏チェロ組曲〔第1番ト長調 BWV.1007 * /第2番ニ短調 BWV.1008 * /第3番ハ長調 BWV.1009 * /
第4番変ホ長調 BWV.1010 * /第6番ニ長調 BWV.1012 + /第5番ハ短調 BWV.1011 * 〕
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの為のソナタ(#/**)
〔第1番ト長調 BWV.1027 /第2番ニ長調 BWV.1028 /第3番ト短調 BWV.1029 〕
ヴィーラント・クイケン(Vc;* /Vcピッコロ;+ /ヴィオラ・ダ・ガンバ;#)
ピート・クイケン(Cemb;**)

録音:2001年-2002年
A-384
エンリーコ・ガッティ「音楽の捧げもの」
バッハ
:音楽の捧げもの BWV 1079
ヴァイオリンと通奏低音の為のソナタ ト長調 BWV 1021
フラウト・トラヴェルソ,ヴァイオリンと通奏低音の為のトリオ・ソナタ BWV 1038
エンリーコ・ガッティ(Vn,指)
アンサンブル・アウローラ
マルチェッロ・ガッティ(Fl−tr)
ガエータノ・ナジッロ(Vc)
グイード・モリーニ(Cemb)

録音:1999年11月27日-12月1日、フォントヴロー修道院。ピリオド楽器使用。
A-385(2CD)
グレコ:二つのヴィオラ・ダ・ガンバの為のシンフォニア ト長調
ルーヴォ:チェロ独奏の為のソナタ ト短調
 タランテラ/ロマネッラ
フランチスキエッロ:チェロと低音部の為の2つのソナタ〔ト長調/ニ長調〕
スプリアーニ:チェロ独奏の為のトッカータ2編〜装飾変奏を添えて
ペルゴレージ:チェロ独奏の為のシンフォニア ヘ長調
ランゼッティ:チェロ独奏の為の3つの小品
 チェロと低音部の為のソナタ ニ長調 Op.5-3
ポルポラ:チェロ独奏の為のソナタ
ペリーコリ:第4ソナタ ヘ短調
フィオレンツァ:2つのチェロ協奏曲〔ヘ長調/イ短調〕
ポルポラ:チェロ協奏曲 ト長調
レーオ:チェロ協奏曲 イ長調
サバティーノ:チェロ,2部のヴァイオリンと低音部の為のソナタ ト長調
ガエターノ・ナジッロ(バロックVc)
ミケーレ・バルキ(Cemb)
サラ・ベンニーチ(第2Vc)
キアラ・バンキーニ&アンサンブル415
A-386
ヘンデル:管弦楽作品集
王宮の花火の音楽(演奏会版) HWV.351
二重合奏体の為の協奏曲〔第1番−第3番HWV.332-334〕
アルフレート・ベルナルディーニ(Ob,指)
アンサンブル・ゼフィーロ

録音:2006年8月
A-388(2CD)
NX-D07
アレッサンドリーニの名盤復活〜フレスコバルディ「トッカータ集」 1637年最終稿による
第1トッカータ/バレット〜続きのコルレンテ〜パッサカリア/ロマネスカの調べで14変奏/バレットとチャコンネ/
第2トッカータ/バッターリア(戦い)によるカプリッチョ/第4トッカータ/ルッジェーロの調べで12変奏/
パッサカリアで100変奏/第3トッカータ/モニカの調べで11変奏/ルッジェーロの調べによるカプリッチョ「修道士ヤコピーノ」/
第11トッカータ/パストラーレにもとづいたカプリッチョ/第12トッカータ/第9トッカータ/フォリアの調べで6変奏/
第7トッカータ/第2バレット〜続きのコルレンテ/第5トッカータ/パッサカリア/
バレット〜続きのバレット〜パッサカリア(別版)/第6トッカータ/コルレンテとチャコンネ/
第8トッカータ/第4コルレンテ/第10トッカータ
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb;*/使用楽器:ジョヴァンニ・チェレスティーニ(ヴェネツィア)、
1605年頃製作(ハーグ市立博物館所蔵)/Org;#/使用楽器:トマゾ・メイアリーニ、1630年建造)

録音:1992年4月15日-19日、サンタ・マリア・デル・カルミーネ教会
A-389
ストラデッラ:オラトリオ「サン・ジョヴァンニ・クリゾストモ〔金口イオアン〕」 アリアンナ・ヴェンディテッリ、
ノラ・タブシュ(S) 
マッテオ・ベロット(Bs)
アンドレア・デル・カルロ(指)
アンサンブル・マーレ・ノストルム
A-390
マルティン・コダス(13世紀):歌曲集
波を見るときはいつでも/前奏曲「ビーゴ海の波のテーマ」/
7つの恋人の歌〔ビーゴ海の波よ/便りが私に届いた/愛しき妹よ、私と一緒に行きましょう/
ああ、神さま、もし私の愛しい人をご存知ならば/
私がどれほど愛しい人を思っているかを知るあなた/
聖なるビーゴの地で/ああ、波よ!私はあなたに会いにきた〕/
間奏曲「ビーゴ海の波のテーマ」/第二の反映「波を見るときはいつでも」のテーマ/
「どれほど私が愛しい人を思っているかを知るあなた」のテーマによる間奏曲/
第三の反映「波を見るときはいつでも」のテーマ/私が心の底から愛する女性について
ヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィ(Vo/中世ヴィオル〔ヴィオラ・ダルコ〕)
ピエール・アモン(中世Fl〔パンパイプ/三孔リコーダー/シヴィ/ダブルリコーダー/トラヴェルソ〕)
A-391
管楽バンドとトルコ風行進曲〜1800年前後の音楽異国趣味
M.ハイドン:トルコ行進曲 ハ長調
ハイドン:「十字架上の最後の七つの言葉」〜第二部序曲
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」KV384 〜イェニチェリの行進曲
ヴィット:オーボエとフルートの為の小協奏曲 ハ長調
ロッシーニ(G.マンドレージ編):歌劇「イタリアのトルコ人」序曲
ドニゼッティ:管弦合奏の為のシンフォニア ト短調
ジュゼッペ・ドニゼッティ/A.ベルナルディーニ編):マフムドの行進曲
メンデルスゾーン:ノットゥルノ ハ長調 MWV P.1
シューベルト:小葬送音楽 変ホ長調 D79
シュポア:ノットゥルノ Op.34 ハ長調
アルフレード・ベルナルディーニ指揮 Ens.ゼフィーロ
A-392
ドビュッシー室内楽作品集
弦楽四重奏曲 Op.10
シランクス(パンの笛)
チェロ・ソナタ
フルート、ヴィオラとハープの為のソナタ
ヴァイオリン・ソナタ
クイケン・アンサンブル
[シギスヴァルト・クイケン(Vn/使用楽器:ボヴィス〔ニース〕、1899年製作/
Va/使用楽器:カルロ・カルレッティ〔ローマ〕、1940年製作)
ヴェロニカ・クイケン(Vn/使用楽器:ピロ〔フランス?〕、1804年製作)
サラ・クイケン(Va/使用楽器:カルロ・カルレッティ〔ローマ〕、1940年製作)
ヴィーラント・クイケン(Vc/使用楽器:フィリップ・クイケン〔日本〕、1999年製作)
ソフィー・アランク(Hp/使用楽器:エラール、1926年製作)
バルトルド・クイケン(Fl/使用楽器:ボヌヴィル、1910年製作)
ピート・クイケン(P/使用楽器:エラール、1894年製作)]

録音:1999年9月12日-17日、
A-393
2人のオルフェオ
カッチーニ:甘いため息/この熱きため息に/心が傷んで苦しい時は/わが太陽を見ん/麗しのアマリッリ/
ひねもす泣き暮らし/聞きたまえ、エウテルペ/私の苦しみを憐れんでおくれ/
戻れ、ああ、戻れ/不実きわまりない俤よ/天にもかほどの星はなく/愛に満ちて
ヤコポ・ペーリ(1561-1633):おまえは眠っている/女たちの中で/それはある日のこと/ひねもす泣き暮らし/泉に野に
ルッツァスコ・ルッツァスキ(1545頃-1607):第4旋法のトッカータ/カンツォーナ
アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566-1638頃):サラバンド風アリアと変奏
マルク・モイヨン(T) 
アンジェリーク・モイヨン(バロックHp)
A-394(2CD)
NX-D07
ゼレンカ2つのオーボエ、ファゴットと通奏低音の為の6つのトリオ・ソナタ ZWV 181 (1715-16)
〔第5番ヘ長調* /第6番ハ短調* /第2番ト短調* /
第1番ヘ長調# /第3番変ロ長調+ /第4番ト短調# 〕
アンサンブル・ゼフィーロ
[パオロ・グラッツィ、アルフレード・ベルナルディーニ(Ob) アルベルト・グラッツィ(Fg)
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb) 
ロルフ・リスレヴァン(テオルボ;*)
ジャン・カルロ・ラード(テオルボ;#/+) 
ロベルト・センシ(Cb)
ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオローネ;#/+) 
マンフレート・クレーメル(Vn)+]

録音:1993年2月
A-395
ダルマティカ〜アドリア海の向こう側、クロアチア沿岸部の中世教会音楽
主には洗いざらい申し伝えよ/聖なるかな、聖なるかな/おお、栄光あふれる神の母なるかた/お命じください、主よ/
ねむれ、ねむれ、幼子、天の王よ/おお!神はお生まれになった/はじめにまず、言葉がありました/
大いなることを、わたしたちのために主はなさったのです/聖パオロからピリピの信徒たちへの手紙/
そのとき、世には平安が約束された/知らせにまいりました、この世に喜びがあることを/三人の王が道をゆく/
あなたはなんとうるわしい、マリアさま/栄光あれ、讃美あれ/それはちょうど、過越の祭りの前のこと/
わたしの目は涙でくもっている/わたしたちは、あなたの十字架を讃えます/わたしは始まりにして終わり/
わたしは悔いております、神よ、全ての罪を/絞首前のユダの独白/世界は終わる――今や太陽は沈み/
わが民よ、わたしはおまえたちに何をしただろう
アンサンブル・ディアロゴス[クララ・クトゥリ、カタリナ・リヴリャニチ、、オロール・ティラク、
エルス・ヤンセンス=ファンミュンステル](女声歌唱)
アンサンブル・カンタドゥーリ[ヨシコ・チャレタ、ニコラ・ダミャノヴィチ、スレチコ・ダミャノヴィチ、
スチェパン・フラネトヴィチ、ミリヴォイ・リロフ、マルコ・ロゴシチ](男声歌唱)
A-396
アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682):5声の独唱と通奏低音によるオラトリオ「聖女エディッタ」、乙女なる女君主、英国女王 ヴェロニカ・カンジェーミ、
フランチェスカ・アスプロモンテ、
クラウディア・ディ・カルロ(S) 
ガブリエッラ・マルテッラッチ(A)
フェルナンド・ギマラネス(T) 
セルジオ・フォレスティ(Bs)
アンドレア・デ・カルロ総指揮アンサンブル・マーレ・ノストルム
[ヤスミーナ・カピタニオ(ディスカント・ガンバ&ヴィオローネ)
フランソワ・ジュベール=カイエ(バス・ガンバ) 

アンドレア・フォッサ(Vc)
ピーテル・テュンス(アーチリュート) ダニエル・ザピコ(テオルボ)
マルタ・グラツィオリーノ(トリプルHp) マルコ・サルヴィ(Cemb/Org)]
A-397(2CD)
NX-D07
コレッリヴァイオリンと通奏低音の為のソナタ Op.5
第1番ニ長調/第7番ニ短調
第2番変ロ長調/第8番ホ短調
第3番ハ長調/第9番イ長調
第4番ヘ長調/第10番ヘ長調
第5番ト短調/第11番ホ長調
第6番イ長調/
第12番ニ短調「ラ・フォリア」(主題と23の変奏)
エンリコ・ガッティ(Vn)
ガエターノ・ナッシロ(Vc)
グイド・モリーニ(Cemb)

A-412(2CD)
NX-A11
ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集 2
弦楽四重奏曲集 Op.17(全6曲)
ヘ長調 Op.17-2/ホ長調 Op.17-1
ニ長調 Op.17-6/ハ短調 Op.17-4
変ホ長調 Op.17-3/ト長調 Op.17-5
フェステティーチ四重奏団
(ピリオド楽器使用)
[イシュトヴァーン・ケルテース、
エリカ・ペテーフィ(Vn)
ペーテル・リゲティ(Va)
レジェー・ペルトリニ(Vc)]
A-413(2CD)
NX-A07
ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集 3
弦楽四重奏曲集 Op.20「太陽四重奏曲集」(全6曲)
[弦楽四重奏曲 ト長調 Op.20-3
弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.20-1
弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.20-2
弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op.20-5
弦楽四重奏曲 イ長調 Op.20-6
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.20-4
フェステティーチQ(ピリオド楽器使用)
[イシュトヴァーン・ケルテース、
エリカ・ペテーフィ(Vn)
ペーテル・リゲティ(Va)
レジェー・ペルトリニ(Vc)]
A-414(2CD)
NX-A11
ハイドン:弦楽四重奏曲全集 Vol.4(第9回発売/完結編)
弦楽四重奏曲集 Op.33「ロシア」
[ト長調Op.33-5 Hob.III-41/
変ホ長調Op.33-2 Hob.III-38「冗談」/
ト短調Op.33-1 Hob.III-37/
ハ長調Op.33-3 Hob.III-39「鳥」/
ニ長調Op.33-6 Hob.III-42/
変ロ長調Op.33-4 Hob.III-40]/
弦楽四重奏曲 ニ短調「スペイン」Op.42 Hob.III-43
フェステティーチSQ
[イシュトヴァーン・ケルテース、
エリカ・ペテーフィ(Vn)
ペーテル・リゲティ(Va)
レジェー・ペルトリニ(Vc)]
A-417(2CD)
NX-A07
ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集 Vol.7
弦楽四重奏曲集 Op.64「トスト四重奏曲集2」
[ニ長調 Op.64-5 Hob.III-63「ひばり」/
変ホ長調 Op.64-6 Hob.III-64/
ハ長調 Op.64-1 Hob.III-65/
ト長調 Op.64-4 Hob.III-66/
変ロ長調 Op.64-3 Hob.III-67/
ロ短調 Op.64-2 Hob.III-68]
フェステティーチSQ
[イシュトヴァーン・ケルテース、
エリカ・ペテーフィ(Vn)
ペーテル・リゲティ(Va)
レジェー・ペルトリニ(Vc)]

録音:2002年7月
A-422(2CD)
NX-D07
ビオンディの「マンチェスター・ソナタ」
ヴィヴァルディ:マンチェスター・ソナタ集〜マンチェスターの手稿譜による
ヴァイオリンと通奏低音の為の12のソナタ
ファビオ・ビオンディ(Vn)
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb/ポジティヴOrg)
マウリツィオ・ナッデオ(Vc)
パオロ・パンドルフォ(Cb)
ロルフ・リスレヴァン(テオルボ/バロックG)

録音:1991年6月26日-30日、アルスナル・ド・メス、フランス
A-443
バッハ:チェンバロ作品集
協奏曲 ニ長調 BWV972(原曲:ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230)
幻想曲とフーガ イ短調 BWV904
協奏曲 ト長調 BWV974(原曲:マルチェッロ オーボエ協奏曲)
カプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに」BWV992
イタリア風アリアと変奏 BWV989
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
ルカ・オベルティ(Cemb)

録音:2016年6月27-28日
シュッツやフローベルガー、ヘンデル、ハッセ、モーツァルト、ワーグナーなど多くの音楽家がアルプスを横断してイタリアに旅行し、 この国の雰囲気と特徴を掴み、自身の音楽に生かしたことは知られています。しかし、J.S.バッハは生涯決してイタリアに足を 踏み入れることはありませんでした。とはいえ彼がイタリアに興味を持っていなかったわけではありません。幼い頃から熱心にイタ リアの巨匠の作品を研究・編曲し、そのスタイルを身に着け「イタリア協奏曲」などに昇華させたバッハ。その思いを汲んだこの アルバムは「バッハが思い描いたイタリアへの旅」をテーマとし、ヴェネツィアのヴィヴァルディや、ローマのフレスコバルディの影響を 受けて書かれた“イタリア様式”の鍵盤作品が収められています。 クリストフ・ルセ、ピエール・アンタイらに学んだ1982年生まれの若き奏者ルカ・オベルティは、ソリスト、室内楽奏者として世界 中で活躍、2017年にはアンサンブル“フォンス・ムジケ”のメンバーとして来日。「現在最も才能に恵まれたチェンバロ奏者」と して高く評価されています。
A-444

NYCX-10002
国内仕様
税込定価
ペルゴレージ:新発見のミサ曲
ミサ曲 ニ長調(世界初録音)
モテット「然るべき賛美の歌を」(世界初録音)
マルリス・ペーターゼン(S)
マルタ・フマガッリ(A)
ジュリオ・プランディ(指)
ギスリエーリcho&コンソート

録音:2016年5月18-19.21-22日
Aula Magna of Collegio Ghislieri, Pavia,Italy
2018年の春、新聞や音楽誌を騒がせたペルゴレージの新発見作品「ミサ曲 ニ長調」。およそ300年ぶりに発見されたと話 題になりましたが、実際には2016年にすでにジュリオ・プランディの指揮で演奏、録音されていました。 畢生の名作「スターバト・マーテル」を書き上げ、結核のため26歳でこの世を去ったペルゴレージは、その短い生涯の間に10 曲ほどのオペラとカンタータ、器楽曲などを残しました。死後に人気が出たため、いくつもの偽作が出回りましたが、この作品は 1733年から1734年頃に作曲された真作。ヨーロッパ全域の図書館に散らばっていた楽譜を音楽学者たちが継ぎ合わせて 再現したものです。アルバムにはもう1曲、ペルゴレージの知られざるモテット「Dignas laudes resonemus」を収録。ペー ターゼン、フマガッリら実力派歌手をソリストに据え、2018年に創立15周年を迎えるギスリエーリ合唱団&コンソートが2つ の傑作を演奏、ペルゴレージの知られざる側面を明らかにしています。
A-445(2CD)
NX-D07
ドビュッシー:ピアノ作品集
【CD1】
ピアノのために/版画
喜びの島/映像 第1集
映像 第2集/.組曲「子供の領分」
【CD2】
前奏曲集 第1集/レントよりも遅く
前奏曲集 第2集
スタニー・ダヴィッド・ラスリー(P)
1921年 エラール・コンサートピアノ 109613…CD1
1874年 エラール・コンサートピアノ 48878…CD2
パリ音楽院、シテ・ドゥ・ラ・ミュズィック所蔵

録音:1995年7月17-20日 Grand Auditorium in Nantes, France…CD1
1996年2月26-29日 Chateau de Champs-sur-Marne, France…CD2
ドビュッシー没後100年にあたる2018年。ARCANAレーベルに眠っていた"ドビュッシーの名演"に光を当てるための過去の 名演復活シリーズ。この2枚組は1995年と1996年にフランスのピアニスト(作曲家としても知られる)、スタニー・ダヴィッド・ ラスリーが演奏したピアノ作品集。演奏には1921年と1874年に作られたエラールのピアノが用いられており、ドビュッシー自 身も耳にしていたであろう美しい響きが再現されています。とりわけCD2で使われた1874年製のエラールの音色が聴きも の。保存状態の良い楽器が紡ぎ出す、1世紀以上の年月を経て熟成された柔らかくまろやかな響きを堪能できます。
A-446
ドビュッシー:声楽作品集
マンドリン/庭の色彩
3つのメロディ/3つのフランスの小唄
艶なる宴 第2集
愛し合う二人の散歩道
フランソワ・ヴィヨンの3つのバラード
マラルメの3つの詩
もう家がない子供たちのクリスマス
ティエリー・フェリクス(Bs-Br)
スタニー・ダヴィド・ラスリー(P)
1874年 エラール・コンサートピアノ 48878

録音:1995年11月20-24日
ドビュッシー没後100年にあたる2018年。ARCANAレーベルに眠っていた"ドビュッシーの名演"に光を当てるための過去の 名演復活シリーズ。 生涯に90曲ほどの歌曲を作曲したドビュッシー。幼い頃にヴェルレーヌの義母から音楽の手ほどきを受けたこともあり、若い頃 から詩や言葉には鋭敏な感覚を示したと言われています。このアルバムには、彼が最も愛したヴェルレーヌと、同じく同世代の 詩人マラルメ、グラヴォレの詩による歌曲と、15世紀から17世紀に活躍した人たち…シャルル・ドルレアン、レルミート、ヴィヨ ンの詩を用いた詩が収録されており、ドビュッシーのバランスの良い言葉選びと、言葉に即した柔軟な音作りを知ることができ ます。また、フランス語の絶妙な抑揚にふさわしい変幻自在な音楽はピアノ・パートにも如実に現れており、唐草模様のよう な流麗なパッセージは歌を美しく彩っています。ティエリー・フェリクスは1992年ベルギーのエリザベート王妃国際コンクールで 優勝したバス・バリトン。柔らかくふくよかな声が魅力です。
A-447
モンテヴェルディ:宗教作品集
モンテヴェルディ:4声の無伴奏ミサ曲
 7声のグローリア(器楽伴奏)
マリーニ(1594-1663):シンフォニア
モンテヴェルディ:聖母マリアの嘆き SV288
 聖母のための連祷 SV204
ラ・ピファレスキア
サンドロ・ダッラ・リベラ(ヴィオラ・ダ・ブラッチョ)
ピア・ナイネル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
カルロ・サンティ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
マウリツィオ・ダ・コル(テオルボ)
パオロ・ダ・コル(指)オデカトン

録音:2017年6月24-27日
イタリア・バロック音楽の中心地の一つであったヴェネツィアのサン・マルコ寺院。16世紀から18世紀にかけて著名な音楽家が 楽長、オルガニストを務めたことで知られています。モンテヴェルディもその一人で、1613年に楽長に任命されるやいなや、 様々な理由で力を失っていた合唱隊と器楽隊の立て直しを図った功績が讃えられました。モンテヴェルディの声楽曲で多く 用いられる「複合唱=複数の声部が互いに掛け合いを行う手法」は、サン・マルコ寺院の対面するバルコニーを想定して書 かれたともされ、その劇的で華やかな作風は当時の聴衆たちにも感銘を与えました。モンテヴェルディの死後に発表された「4 声の無伴奏ミサ曲」は声のみのために書かれた壮麗な作品で、「グローリア」と同じくモンテヴェルディの高度な作曲技法を伺 い知ることができます。有名な「アリアンナの嘆き」を宗教曲に書き換えた「聖母マリアの嘆き」も聴きどころ。ルネサンスからバ ロック期の声楽曲を得意とするアンサンブル「オデカトン」による演奏です。
A-448
ヴァイオリン二重奏〜ヴィヴァルディからソッリマまで
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):Wood-Moderato
テレマン:ソナタ 第3番 ニ長調 TWV40:120
バルトーク:Szol a duda バグパイプ Sz98:36
カルロ・テッサリーニ(1690-1766):二重奏曲 ト短調 Op.15-3
ルチアーノ・ベリオ:カルロ
ルクレール:ソナタ ホ短調 Op.3-5
ソッリマ:B275 Allegro assai
プレイエル(1757-1831):二重奏曲 第6番 ホ短調 B518
ベリオ:ベラ
.ハイドン:二重奏曲 第3番 変ロ長調 Hob.VI:Anh.3
バルトーク:Forgatos ルーマニア舞曲 Sz98:36
ヴィヴァルディ:室内ソナタ 第1番 ヘ長調 RV70
ソッリマ:アレルヤ Allegro
キアラ・ザニーシ(Vnン…1761年 ナポリ、ヨーゼフ・ガリアーノ)
ステファーノ・バルネスキ(Vn…1830年 ヴィセンツァ、ヤシンタス・サンタジュリアーナ)

録音:2017年5月1-5日
「2台のヴァイオリンによる二重奏作品」は18世紀前半になって人気が上昇、多くの作曲家たちが作品を書き始めました。し かし、このジャンルを最初に手掛けたのがヴィヴァルディであることはほとんど知られていません(一説によれば、1729年から 1730年、ヴィヴァルディが中央ヨーロッパの演奏旅行中に父親と演奏するために作曲した4曲の室内ソナタが最初の作品に あたるとされています)。このアルバムには、ヴィヴァルディからテレマン、ルクレールを経て、バルトーク、ベリオに至るヴァイオリン 二重奏曲を収録、そして現代イタリアの作曲家ソッリマが作曲した「SUITE CASE:ケース組曲=スーツケースのもじり」が添 えられて、この“音による旅行プロジェクト”が完結する仕組みになっています。また、このアルバムが録音された教会はモーツァ ルトの名曲「エクスルターテ・ユビラーテ」の初演場所であるため、最後に置かれた「アレルヤ」にてアルバムとモーツァルトの双方 への敬意が表されています。 ザニーシとバルネスキは、イタリア最前線の古楽器集団で活躍する奏者たち。このアルバムでも先鋭的な感覚を生かし、作 品に躍動感を持たせています。
A-449
マレンツィオ:マドリガーレ集
1.Come inanti de l'alba
2.Qual vive Salamandra
3.Dolorosi martir
4.Questa di verd’erbette(リュート二重奏)
5.Occhi lucenti e belli
6.Scendi dal paradiso Venere
7.Due rose fresche
8.Non vidi mai dopo notturna pioggia
9.Zefiro torna e'l bel tempo rimena
10.Crudel, perche mi fuggi
11.Fuggito e'l sonno
12.O fere stelle
13.Senza il mio Sole
14.Liquide perle(リュート二重奏)
15.O verdi selve
16.Cruda Amarilli
17.Solo e pensoso
18.Crudele, acerba, inexorabil morte
ロッソポルポーラ(アンサンブル)
【メンバー】
ヴァルテル・テストリン(指)
フランチェスカ・ボンコンパーニ(S)
アリシア・アモ(S)
エレナ・カルザニーガ(A)
マッテオ・ピガート(A)
マッシモ・アルティエリ(T)
ジャコモ・スキアーヴォ(T)
マウロ・ボルジオーニ(Bs)
マッシモ・ロナルディ(リュート…6コース 1987年 ミラノ、ステファノ・ソラーリ)
ミケーレ・パソッティ(リュート…6コース 2014年 パヴィア、ルチアーノ・ベルナルディ、 7コース 1987年 ロンドン スティーヴン・バーバー)

録音:2015年2月22-25日
イタリア後期ルネサンス時代に活躍したルカ・マレンツィオ。当時、最も人気の高いマドリガーレ作曲家として知られ、作品は 多くの人に支持されました。初期作品のスタイルは軽く流動的でしたが、歌われる詩の文言を忠実に追っていく彼の創作方 針もあって、作品は少しずつ複雑さと深刻さを増していきます。成熟期から晩年の作品には、時に不協和音や半音階技法 も用いながら、極めて厳粛で大胆な書法が見られるのもマレンツィオの特徴です。 このアルバムで素晴らしい演奏を披露している"ロッソポルポーラ"は2010年に結成された若手奏者たちによるアンサンブル。 イタリア・ルネサンスから初期バロック音楽を中心に、テキストを深く読み込み、独自の解釈を施し演奏することで高い評価を 受けています。
A-450
ジャコモ・ゴルザニス(1525頃-1575頃):la barca del mio amore 私の愛の舟
ナポリ風の踊りとファンタジー
1.Da che si part’il sol
2.Scarpello si vedra
3.Duca vi voglio dir
4.Basciami con ssa bocca
5.Saltarello detto Sona Baloni
6.Questi capelli d’or
7.Recercar Secondo
8.Chiara piu che ’l chiar sol
9.Passo e mezzo Antico Primo*
10.Padoana del detto
11.Saltarel del detto
12.Sta vecchia canaruta
13.L’altro giorno mi disse
14.Passo e mezzo detto Il Gorzanis*
15.Saltarel del detto
16.Non e amor
17.Alma perche t’affliggi
18.Recercar Primo
19.La turturella
20.Fantasia Terza
21.La barca del mio amore
22.Il bel vis’e i begl’occhi
*…ボー・ズリアンによる編曲
ラ・ライラ(アンサンブル)
【メンバー】
ピノ・デ・ヴィットーリオ(歌、カスタネット)
ファビオ・アッカーソ(リュート、ラウド、太鼓)
ドーメン・マリンチッチュ(ヴォオラ・ダ・ガンバ)
マッシミリアーノ・ドラゴーニ(パーカッション、ハンマーダルシマー)
ボー・ズリアンLute、ルネサンスG、指)

録音:2017年10月30日-11月2日
16世紀の偉大なリュート奏者、作曲家の一人ジャコモ・ゴルザニス。生い立ちについてはほとんどわかっていませんが、プーリア 地方で生まれ、1557年にトリエステに定住、カリンシアとカルニオラの貴族に仕え、グラーツでは神聖ローマ帝国マクシミリアン 2世のために演奏した記録も残っています。ヴェネツィアでは1561年と1579年に4冊のリュート曲集と2巻の「ナポリ風曲集」 が出版されたほか、24組の「長調」と「短調」の舞曲が収められている1567年の原稿は作品の中でも特に重要とみなれて います。このアルバムでは、親密なリュートのファンタジアだけでなく、遊び心溢れた「ナポリ風の舞曲集」までゴルザニスの多彩 な作品を聴くことができます。プーリア出身の歌手ピノ・デ・ヴィットーリオの並外れた歌唱力と、ファビオ・アッカーソの見事な リュートが聴きものです。
A-451
バッハ、ビーバー、コレッリ、マリーニのヴァイオリンのための作品をハープで
ビーバー:ロザリオのソナタ 第1番「受胎告知」ニ短調〜前奏曲/変奏曲
ビアッジョ・マリーニ(1594-1663):ロマネスカ
独奏ヴァイオリン、通奏低音はお好みで
コレッリ:ソナタ ヘ長調 Op.5-1
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 BWV1001 ニ短調(原調:ト短調)

全てフローラ・パパドプーロスによるハープ編
フローラ・パパドプーロス(二重/三重ハープ…ダリオ・ポンティッジア製)

録音:2014年5月1-4日
バロック時代に活躍した4人の作品をハープで演奏した1枚。彼らが実際にハープのための曲を書くことはありませんでしたが、 この時代にハープのためのレパートリーがなかったわけではありません。 このアルバムでは、優れたハープ奏者フローラ・パパドプーロスが「もし彼らがハープのための作品を書いたら」という仮定のもと、 様々な研究と情報を探り、ハープとよく似たイディオムの特徴を有する楽器であるヴァイオリン曲をハープのために編曲、演奏 しています。それにより音色に違ったニュアンスが生まれ、オリジナル作品にハープの響きならではの美しさが付け加えられてい ます。
A-452(2CD)
NX-D07

NYCX-10015(2CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ:ブランデンブルク協奏曲&管弦楽組曲

ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051
5声の序曲 ロ短調(管弦楽組曲 第2番)
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
「独奏」
チェチーリア・ベルナルディーニ
(ヴァイオリン&ヴィオリーノ・ピッコロ)
ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ブルーノ・ウルタド・ゴンサルヴェス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ガエターノ・ナジッロ(Vc)
フランチェスコ・コルティ(Cemb)
マルチェッロ・ガッティ(トラヴェルソ)
ドロテー・オバーリンガー(リコーダー)
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)
パオロ・グラッツィ(Ob)
マグダレーナ・カロラク(Ob)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
ガブリエーレ・カッソーネ(Tp)
ディレーノ・バルディン、フランチェスコ・メウッチ(Hrn)

ピッチ a’=398Hz

録音:2017年10月5日
ヴェローナ、リストーリ劇場
国内盤解説訳・補筆:白沢達生
DHMレーベルでのメジャー録音の数々をへて、2013年に再びArcanaレーベルに戻ってきたイタリア屈指の老舗古楽器集団ゼフィーロ。彼らが豊かな演奏 経験の末、ついにバッハの合奏曲の最高峰ともいうべき『ブランデンブルク協奏曲』を全曲録音したというのは、明らかにひとつの「事件」と言えるのではないで しょうか。全体にアップテンポでスリリングな音運びでありながら、a’=398Hzというかなり低めのピッチでのサウンド作りは耳をひかずにおかない落ち着いた響き。 曲の細部まで解釈の妙をじっくり味あわせてくれます。先にリリースされた一連の管弦楽組曲(A400)の録音では収録されていなかった、フルート独奏をともな う小編成の「管弦楽組曲 第2番」まで今回のアルバムで聴けるのもうれしいところ。そして何よりの注目点は、やはり独奏者陣の豪華さと言えるのではない でしょうか。フルート(トラヴェルソ)のマルチェッロ・ガッティやトランペットのカッソーネなど同楽団おなじみの超実力派たちを横目に、オーボエとファゴット陣営も創 設メンバーたちが大いに活躍するほか、リコーダーにはソリストとして圧倒的な存在感を放ってきたオバーリンガーが! さらに2017年の来日公演でも大いに日 本の古楽ファンを魅了した俊才フランチェスコ・コルティが「第5番」のチェンバロ独奏をつとめ、第6番ではオーストリアの大御所ドゥフトシュミットをガンバ陣営 に迎えているのも頼もしいところ。全トラックにわたり聴き手を飽きさせない、充実至極の最新録音がここにあります。
A-453
バッハ:フラウト・トラヴェルソとチェンバロによるソナタ集
フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030
ソナタ ト長調 BWV1019-フラウト・トラヴェルソとチェンバロによる演奏
(原曲:ヴァイオリン・ソナタ第6番ト長調)
ソナタ ホ短調 BWV526-フラウト・トラヴェルソとチェンバロによる演奏
(原曲:オルガン・ソナタ第2番ハ短調)
フルートとチェンバロのためのソナタ イ長調 BWV1032
ラウラ・ポンテコルヴォ(フラウト・トラヴェルソ)
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb)

使用楽器:フラウト・トラヴェルソ...ビュッファルダン(1690頃〜1768)の息子(1720〜30年頃)モデルに基づくバーゼルのジョヴァンニ・タルディーノ2017年製作による再現楽器
チェンバロ...アントウェルペンのヨハン・ダニエル・デュルケン1745年製作モデルに基づくスホーンホーフェン(オランダ)のコルネリユス・ボム1984年製作による再現楽器
調律:a'=415 hz

録音:2017年11月17-20日
ローマ、ローマ教皇庁 宗教音楽研究
所会堂「サーラ・アカデミカ」
アレッサンドリーニが満を持して世に送り出す、バッハのフルート・ソナタ。パートナーは、アレッサンドリーニの楽団コンチェルト・イタリアーノの首席を20年務めるとい う、篤い信頼で結ばれたイタリア出身のフルート奏者ポンテコルヴォです。3曲あるフルートとチェンバロのためのソナタのうち、真作と見られている第1番と第3番 (不完全な第1楽章はアレッサンドリーニが補作)を中心に、編曲2作品をプラスしました。C.P.Eバッハにより「トリオ」と命名された「6つのオルガン・ソナタ」より第 2番は、調性をハ短調から長三度上げてホ短調とし、オルガンの右手をフルート、左手をチェンバロの右手、ペダルをチェンバロの左手へと置き換えて演奏されて います。またヴァイオリン・ソナタ第6番の編曲は、今回のアルバムのために彼ら自身で行われたものです。二人の深く丁重な歌いこみがたいへん印象的な演奏 で、低いチューニングもあいまって、作品の奥行きをじっくりと堪能できるアルバムに仕上がっています。使われているトラヴェルソ(バロック・フルート)は“ビュッファル ダンの子”として知られる18世紀の残存楽器のコピーで、これはバッハともゆかりが深いドレスデン宮廷楽団のフルート奏者P=G.ビュッファルダン(1690頃〜 1768)に由来する楽器と考えられているもの。その精巧な再現楽器によって、バッハ自身の生きた時代の響きに迫った企画となっています(原文解説では、 バッハとビュッファルダンの直接の知遇があった可能性も示唆されています)。
A-454(3CD)
NX-D11
ストラデッラ(1644-1682):歌劇「ラ・ドリクレア」 ドリクレア、リンドーロ…エメーケ・バラート (S)
ルシンダ…ジュゼッピーナ・ブリデッリ (Ms)
フィダルボ…シャヴィエル・サバタ (C.T)
デルフィーナ…ガブリエッラ・マルテラッチ (C.A)
チェリンド…ルカ・チェルヴォーニ (T)
ジラルド…リッカルド・ノヴァロ (Br)
アンドレア・デ・カルロ (指)
イル・ポモ・ドーロ (古楽器使用)

録音:2017年9月3-9日カプラローラ(イタリア中部ヴィテルボ県)、ファルネーゼ馬術教練場跡
世界初録音
ストラデッラの作品を体系的に録音するプロジェクト第5弾。1670年代前半にローマで作曲された「ラ・ドリクレア」は、ストラデッ ラ最初の歌劇とされていますが、彼の作品の中であまり知られているとは言えません。当時一世を風靡していた17世紀スペイン 黄金時代演劇の伝統を継いでおり、優雅にして楽しく、深く心に沁みる抒情性も持ち合わせたもの。またジラルドに表れるバリ トンによる道化役の愉快な雰囲気は、その後ロッシーニまで受け継がれていきます。演奏陣は今のヨーロッパ古楽界を牽引する 錚々たる古楽器奏者が居並び、ヴェルサイユ旧王室歌劇場での活躍もめざましいエメーケ・バラートや世界を騒がす新世代カ ウンターテナーのひとりシャヴィエル・サバタなど現代の大物歌手も続々、さらに器楽陣の多くがソロ・アルバムもリリースしている俊 才揃い(たとえばヴァイオリンのゼフィラ・ヴァロヴァはAlphaでヴィヴァルディの協奏曲集を、スヴィリドフはRicercarでタルティーニの ソナタ集を録音していますし、撥弦のダニエル・ザピコは来日公演も好評、シモーネ・ヴァッレロトンダもArcanaにソロ名義の名 盤があります)という点からも期待感はいや増すのではないでしょうか。
A-455
ニコラ・ボニファチオ・ログロシーノ(1698-1764):作品集
.カンタータ「見よ祭壇を、見よ神を」 ト短調(ソプラノ独唱、ヴァイオリン2部、ヴィオラと通奏低音のための)
フルート協奏曲 ト長調(フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン2部、ヴィオラと通奏低音のための)
スターバト・マーテル 変ホ長調
ジューリア・セメンツァート(S)
ラファエレ・ペ(C.T)
マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
ステーファノ・デミケーリ(チェンバロ、指揮)
タレンティ・ヴルカニーチ(古楽器使用)
編成:ヴァイオリン(7)、ヴィオラ(2)、チェロ(2)、
テオルボ、コントラバス、オルガン

録音:2018年3月13-17日ナポリ、修道女オルソーラ・ベニンカーザ大学 無原罪教会
1698年、イタリア半島のちょうど踵のあたり、ビトントに生まれたログロシーノは、ヨンメッリやポルポラの活躍を横目に1730〜50年代の本場ナポリで延々とオ ペラ・ブッファの傑作を連発、この分野における第一人者との呼び声も高かった作曲家。ナポリでヴェネツィアーノ(A.スカルラッティのナポリにおける最大の商売 敵)に学んだのち、30歳の頃にコンツァの司教の元でオルガニストの座に。当地で作曲にも本格的に取り組み始め、オラトリオのほか多くのオペラを手掛け、 ローマやパレルモ、ナポリの劇場で大成功を納めながら各地礼拝堂の楽長も歴任し、宗教作品も多数残しました。その作風は当時の世間の好みをよく反映 した華やかなもので、ここに収められた宗教作品においてもその親しみやすさが大きな魅力です。ステーファノ・デミケーリは確かな音楽知に裏打ちされた見識も そなえつつ、イタリア古楽界でもとくにスタイリッシュな演奏を紡ぎ出す俊才古楽指揮者(名盤多数)。バーゼル・スコラ・カントルムを2015年に修了したソプラノ のセメンツァートと、カウンターテナーのラファエレ・ペは、ラ・ヴェネシアーナとの共演でカヴァッリの二重唱のCDもリリースしている注目株。イタリア古楽界の若き精 鋭たちが、18世紀の大衆に支持された知られざる作品を生き生きと聴かせます。
A-456
フェランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ

ソナタ Op.1-1 ト短調
ソナタ Op.2-8 ホ短調
ソナタ Op.1-6 ホ短調
ソナタ Op.2-12 ニ短調
エンリコ・ガッティ(Vn/ラウレンティウス・ストリオーニ 1789年クレモナ)
グイド・モリーニ(Cemb/フィリップ・ユモー 1993年バルバスト、カール・コンラート・フライシャー 1720年ハンブルクの再現楽器)
アラン・ジェルヴロー(Vc/シャルル・リシェ 1990年パリ、マッテオ・ゴフリラー 1698年ヴェネツィアの再現楽器)

録音:1994年3月11-15日、アブロヴィル教会(フランス)
旧品番:A27、A325
ARCANAレーベル初期を代表する名盤ながら、長らく入手不能になっていたガッティのヴェラチーニが待望の再発売。バッハも憧れたドレスデ ン宮廷での活躍をはじめ、波乱万丈の生涯を送ったこのイタリア人作曲家が、まだヴィルトゥオーゾとして恵まれた日々を送っていた時期に作 られた傑作を、心地よい推進力と艶やかな音色で伸びやかに歌い上げています。チェンバロは今や「声の魔術師」マルコ・ビズリーと異能集団 アッコルドーネをまとめる才人としても知られる知性派グイド・モリーニ、チェロのアラン・ジェルヴローは歴史的低音弦楽器の再現製作に独自の 見識をみせるシャルル・リシェが手がけた楽器を弾いている点にも注目。名手3人の妙技をバランスよく拾った録音も素晴らしいものです。
A-457
ドヴォルザーク:弦楽セレナード ホ長調 Op.22
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op.48
ルイジ・ピオヴァーノ (指)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団

録音:2015年1月ローマ、オーディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ スタジオ1
サンタ・チェチーリア音楽院Oの首席ソロ・チェロ奏者でもあるピオヴァーノの指揮による、サンタ・チェチーリア音 楽院弦楽合奏団のアルバム。モリコーネやロータといった、故国イタリアが誇る映画音楽を中心に収録して大きな成功 を納めた前作に続き、ドヴォルザークとチャイコフスキーという、弦楽合奏の王道レパートリーを収録したアルバムです。 甘美にたっぷりと歌う弦楽器群はここでも健在で、2つの作品の美しさをとことん味わうことのできる一枚です。
A-458
(1CD+e-book)
「バルラームとヨサファト」
1.ERA IN QUEL TEMPO D’INDIA SIGNORE それはインドに、異教のアヴェニレ王がいた頃
ネーリ・パリアレージ(14世紀)によるイタリア語八行連詩「聖ジョサファの伝説」より
2.QUINSAINNE APRIES 2週間の後
カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
〜エリナン・ド・フロムンドゥス(12世紀):VERS DE LA MORT 死に向かい より
MOLT EST DOLANS LI FILS LE ROI 王の息子は大いに苦しみ
カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
3.NEMPE SENEX QUIDAM,VIR SANCTUS NOMINE BARLAAM ある老人、すなわち聖人バルラームの名を唱えよ
ラテン語による「聖バルラームとヨサファトの言葉」(12世紀) より
4.I POYDE BARLAAM NA URATA OD PALACA バルラームはホサファトの宮廷を訪れ
クロアチア語による「聖ジョサファトの伝説」(ザグレブ18世紀の編纂) より
5.E SI TU AGUESSAS HUELHS ESPERITALS 夜啼鶯のお話
南フランス語による「バルラムとジョザファス」(パリ14世紀の編纂) より
6.IVIRON INCANTATIONS (I) イヴェロンの朗誦(I) …器楽による演奏
イヴェロン修道院(ギリシャ・アトス山)17世紀の写本より
7.BAPЛAM ЖE ГЛAГOЛA バルラームは語った(一角獣のたとえ話)
スラヴ古語とロシア語による「バルラームとヨアサフの物語」(16世紀編纂) より
8.LI FILS LE ROI LI RESPONDI 王の息子は答えた
カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
9.I CHADA CHRAGL BISE RAZUMI 王は息子がキリスト教を奉じることを認め
クロアチア語による「聖ジョサファトの伝説」(ザグレブ18世紀の編纂) より
10.TAUTA O?N ΠANTA
ギリシャ語による「バルラームとイオアダフ」(パリ14世紀の編纂) より
11.IVIRON INCANTATIONS (II) イヴェロンの朗誦(II) …器楽による演奏
イヴェロン修道院(ギリシャ・アトス山)17世紀の写本より
12.KE FOL SONT LI EGYPTIIEN 奇妙なエジプト人たち
カンブレーのギィ(13世紀)によるフランス語版「バラーンとジョサファ」より
ディアロゴス
カタリーナ・リヴリャニチ(歌、音楽監督)
アルブレヒト・マウラー(フィドル、レベック、楽器復元製作)
ノルベルト・ローデンキルヒェン(各種笛、ハープ)

録音:2016年12月3-6日 クンスト=スタツィオーン・ザンクト・ペーター、ケルン
クロアチアという隠れた古楽の宝物庫から現れ、世界的な活躍を続けている中世音楽集団ディアロゴスの最新盤のテーマは「釈迦物語」。驚くべきことに、仏 教の開祖ゴータマ・シッダルタ=ブッダの生涯はマニ教の書物を介してアラビア語圏に伝わり、そこから東方正教やローマ・カトリックの世界に伝わった結果なぜ かブッダが「老人バルラームとの出会いでキリスト教に目覚め、父王の怒りを買いながらも改宗した聖人ヨサファト」として扱われるようになったとのこと。ディアロゴ スはイタリアやスラヴ語圏・ギリシャなどの中世写本、あるいは南仏吟遊詩人の物語歌などから関連する詩歌を精選、簡素な中世楽器を伴奏に用いながら、 独特の朗誦でその実像を浮き彫りにしてゆきます。ごくシンプルな器楽伴奏による歌の響きは、それを聴くだけでも心が中世へと誘われる美しいもの。音だけで は伝わりにくい詳細な諸問題点にも配慮は万全で、ダウンロードによるマルチメディアe-book(英語版とフランス語版)が付属しており、200ページにも及ぶ解 説文と豊富な図版、解説と演奏の動画などを楽しむことが出来、この興趣の尽きない伝説を俯瞰する興味深い内容となっています。
※ e-bookはブラウザを使用してお楽しみいただけますが、映像が支障なく再生できる環境(Windows10とMicrosoft Edgeの組み合わせなど)が奨励さ れています。
A-459(3CD)
NX-D11
「ボローニャのバッハ」
【DISC 1】
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第1番ト短調 *
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第6番ト長調 *
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調 BWV1007
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第3番ニ長調
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番ニ長調 BWV1012 *
ガブリエッリ:チェロ二重奏のためのカノン ※ *
【DISC 2】
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第7番ニ短調
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番ニ短調 BWV1008
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第4番変ホ長調
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番BWV1010 *
【DISC 3】
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第5番ハ長調
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番ハ長調 BWV1009
ガブリエッリ:リチェルカーレ 第2番イ短調 *
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番ハ短調 BWV1011
マウロ・ヴァッリ (Vc/アンドレア・カスタネッリ、パリ1740年頃)
*=(5弦のチェロ・ピッコロ/マティアス・エレラ&ルチア・ヴァッリ、カラカス1993年)
※「カノン」は多重録音によるデュエット
ピッチ a'=465Hz
バロック弓(ペリクリ・ピーテ、ペサロ2010年)
ガット弦(E,A,D)、銅巻ガット弦(G,C)(ニコラ・オットーブレ・モネータ)

録音:2015年-2017年 ノイミュンスター教会、スイス・チューリヒ
古楽から近代作品まで幅広いレパートリーを誇るイタリア出身のチェリスト、マウロ・ヴァッリによるたいへん興味深い企画。音楽 史上最も早い時期の無伴奏チェロのための作例であるドメニコ・ガブリエッリのリチェルカーレと、バッハの無伴奏チェロ組曲を調性 の関連に目を付けて並べたアルバムです。ガブリエッリのいたボローニャは、17世紀当時からチェロを独奏に使った音楽がいち早く 花開いた都。ヴァッリはそうしたイタリア・バロック期のチェロ音楽に対する自らの深い理解を背景に、バッハ自身もフレスコバル ディ、アルビノーニ、ヴィヴァルディといったイタリアの作曲家に魅了されていたことをふまえ、独自のイタリア風解釈のバッハを作り上 げました。また通常の組曲第6番はもちろん、第4番でも5弦チェロ・ピッコロを使用しているのが興味深いところです。

A-460

NYCX-10046
国内盤仕様
税込定価

15世紀から16世紀へ、多声音楽とビウエラ
1.フアン・バスケス(1500頃〜1560頃):おお、甘美なる随想(4声)
2.フアン・バスケス:わたしを殺すおつもりか(5声)
3.フアン・バスケス:ひとたび、わが両目が(4声)
4.モデナのジューリオ・セーニ(1498〜1561):リチェルカーレ (『シエナのリュート写本』より)
5.アドリアン・ヴィラールト(1490〜1562):おお、甘やかなるはわが命の君
6.フアン・バスケス:何を聞きつけた、わが心よ(4声)
7.ジャック・アルカデルト(1504頃〜1568):きらめく清水の甘やかさ(5声)
8.ジョスカン・デプレ:荒らされ得ぬ全き貞淑のマリア(5声)
9.ジョスカン・デプレ:あなただけが、驚くべき御業を(4声)
10.作曲者不詳:あなたから離れていられるなら(5声)(『ウプサラの歌集』〔1556〕より)
11.ジャック・アルカデルト:あなたの酷い蔑みにさらされて(4声)
12.作曲者不詳:ただおまえを見つめるだけで(4声)(『ナポリ風ヴィラネスカ集第1巻』〔1551年ヴェネツィア刊〕より)
13.アドリアン・ヴィラールト(1490〜1562):優しき肌ざわり(4声)
14.チプリアーノ・デ・ローレ(1515〜1565):いのちは逃れゆく(5声)
15.チプリアーノ・デ・ローレ:別れの際にあってなお(4声)
16.作曲者不詳:マドリガーレ「別れの際に」に基づくファンタジア(『カステルフランコ・ヴェネトの写本』より)
17.フアン・バスケス:希望がないというのなら(4声)
18.フアン・バスケス:誰が言うのか、不在とは忘却などと(3声)
19.クリストバル・デ・モラーレス(1500-1553):アニュス・デイ(4声/『“あの騎士殿に伝えてください”のミサ曲』より)
アルモニア・コンセルターダ(古楽器使用)
マリア・クリスティナ・キール(S)…1-3、5-7、10-14、17-19
ジョン・ポッター(T)…9
アリエル・アブラモビチ(アルト&バス・ビウエラ)…1-8、10-19
ジェイコブ・ヘリングマン(アルト&バス・ビウエラ)…2、7-10、14、19

録音:2017年11月21-24日、シャーボーン(イングランド南西部ドーセット州)、マグダラのマリア教会

【国内盤】
解説・歌詞日本語訳:白沢達生
15世紀から16世紀へ……それはフランドル楽派の全盛期であったとともに、当のフランドル地方を手中におさめたハプスブルク=スペイン王 家が、破竹の勢いで世界帝国を築き上げつつあった時代。皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)が王室に築いたフランドル聖歌隊を通 じて、スペイン王室には精巧な多声音楽をどこよりも豊かに育める環境が続きます。そこでイベリア旧来の伝統との接点として注目をあびたの が、ギターに似た形状でありながらリュートのように精巧な多声音楽も奏でられるビウエラ。その弾き手が二人いれば4〜5声からなる多声 音楽も奏でられるうえ、繊細かつ多様な音表現は歌声との相性も抜群。そんな特質を最大限に引き出せるのが、現代欧州最高の撥弦奏 者ふたりと大御所歌手キール! 広範に使われていながら現存曲集がきわめて少ないビウエラの為の音楽ですが、フランドル楽派の多声音 楽をビウエラで多声表現できる技法を知り尽くしていればこそ、このような当時の実情にあわせた演奏再現は可能になるというもの。大航海 時代をへて、南イタリア一帯までスペイン領となっていった時代ならではのレパートリーの広がりにも注目です。ビウエラ二重奏も、歌を含むト ラックも聴きどころ満載、国内仕様ではArcanaならではの詳細解説も歌詞も日本語訳付です。
A-461

NYCX-10055
国内盤仕様
税込定価

ヘンデル、ニコラ・ポルポラ(1686〜1768):歌劇からの作品集
ポルポラ:アリア「海を統べる神よ」〜歌劇『ナッソ島のアリアンナ』(1733)
ポルポラ:レチタティーヴォ「甘美といえば、夕暮れに高台で」/
アリア「かの万能なる腕により」〜オラトリオ『ダヴィデとベルサベア』(1734)
ポルポラ:『ポリフェーモ』序曲〜歌劇『ポリフェーモ』(1735)
ルポラ:アリア「この手に受けるのは」〜二重唱カンタータ『カルカンテとアキッレ』
原曲…歌劇『アウリーデのイフィゲニア』(1735)
ヘンデル:アリア「不実なる戯れで」〜歌劇『アリオダンテ』(1735)
ポルポラ:アリア「喜びを切に待ち望み」〜歌劇『ポリフェーモ』(1735)
ヘンデル:『アリオダンテ』舞踏組曲〜歌劇『アリオダンテ』(1735)
ポルポラ:アリア「玉座から立ち上がれ」〜歌劇『ミトリダーテ』
ヘンデル:レチタティーヴォ「人でなしの兄弟、暴虐なる母」/アリア「苦々しき涙のうちに」〜歌劇『トローメオ』(1728)
ポルポラ(ヘンデル編):アリア「ふいに降り注ぐ雷が」〜歌劇『ウッティカのカトーネ』(1732) 原曲…ポルポラ:歌劇『ポーロ』(1731)
ジュゼッピーナ・ブリデッリ(Ms)
ル・コンセール・ド・ロステル・デュー(古楽器使用)
フランク=エマニュエル・コント (チェンバロ、総指揮)

録音:2018年6月27〜30日、ランテルヌ新教教会、リヨン
【国内盤】
解説・歌詞日本語訳、補筆:白沢達生
ファジョーリやサバドゥスらカウンターテナーの大物が相次いで来日、ますます注目度が高まるバロックオペラ界隈ではもはや「傑作 を書いたのはヴィヴァルディやヘンデルだけではない」ことは常識。ナポリ楽派でもとくにポルポラ(2019年は生誕333周年)への 強い関心の高まりは近年いよいよ明らかなところ、イタリアの名門古楽レーベルArcanaからも鮮烈な新録音が登場! フランス 屈指の古楽拠点リヨン発、民俗音楽など他分野のミュージシャンとの共演も数多い異能集団ル・コンセール・ド・ロステル・ デューによる、商売敵多き18世紀ロンドンでいかにポルポラがヘンデルと張り合ったかを厳選選曲で示す充実アリア集です。独 唱はバロック・オペラからロッシーニへ、ドヴォルザークへ、ロータへ……と驚くほど広範な対応力で数年のうちに欧州歌劇界の第 一線に躍り出てきた才人ブリデッリ! 「対決」をイメージしたジャケットの美しさとあいまって、古楽器演奏の新境地を印象づけ てくれそうな1枚。国内仕様は解説・歌詞訳付です。
A-462

NYCX-10065
国内盤仕様
税込定価

フランチェスコ・ランディーニ(1325または1335〜1397)の音楽世界
1.もう出かけるのだが、ご一緒しませんか愛しき貴婦人よ
2.この貴婦人には、なんと多くの美が備わっているのだろう
3.この愛はどのようなものか、天がもたらしたこの愛は
4.あなたのまなざしが、わたしの命を奪う
5.情けをかけてくれることはあるまい、わたしの貴婦人が
6.この魂は泣いてばかり、安らぐ暇もない
7.目には大粒の涙、心には大きな苦しみ
8.不実な男を愛したために、わたしはなんと辛い思いを
9.わたしの両目は、この辛い別れに
10.痛ましきこの両目は、ただ泣くばかり
11.教えてくれ、恋神よ、この緑の葉のあいだで
12.なんと辛く感じるのだろう、この心は
13.わたしは悪くないのに、あなたはその美しい姿を
14.死ぬこともでいないのか、ああ、あわれに傷ついた者よ
15.一目みたときから、あなたにお仕えしようと
ラ・レヴェルディ(古楽器使用)
クラウディア・カッファーニ(歌、中世リュート)
リヴィア・カッファーニ(歌、各種リコーダー、中世フィドル)
エリザベッタ・デ・ミルコヴィチ(歌、レベック、中世フィドル)
テオドーラ・トンマージ(歌、ゴシックハープ、各種リコーダー)
マッテオ・ゼナッティ(歌、ゴシックハープ、地中海タンバリン)
+クリストフ・デリーニュ(オルガネット)

録音:2018年9月30-10月3日サン・テオニスト教会、トレヴィゾ(イタリア北東部ヴェネト地方)

【国内盤】
解説、歌詞日本語訳:白沢達生
空想力がなくては真相にたどりつけない中世音楽の世界において、一本筋の通った学術研究姿勢を徹底、それでいて演奏では驚くほど自 在な表現をのびやかに繰り出し「格の違い」を強く印象づけてきたイタリアの精鋭古楽集団ラ・レヴェルディ。選曲コンセプトの緻密さで定評の ある彼らがどれほど生々しく心をとらえる演奏をくりだすかは「実際に聴く」に限るのですが、その意味でも手にとりやすい単体作曲家アルバム が新録音で登場します。フランスのマショーを横目に、イタリアで才人チコーニアと双璧をなすといっても過言ではない14世紀最大の作曲家 のひとり、盲目の音楽家ランディーニと真正面から向き合った新たな決定盤!少年時代に光を失いながらもオルガネット(ポルタティーフ・オル ガン、手で携え片手で弾く鍵盤楽器)の名手としても絶大な名声を誇ったこの大家の音楽世界を解き明かすうえで、およそ他の追従を許さ ない千変万化の超絶技巧をくりひろげるオルガネットの名手クリストフ・デリーニュ(Ricercarに名盤多数)をゲストに招いた夢の共演が実現 しているのも魅力です。中世末期、芸術音楽への第一歩がイタリアでどう紡がれたのか?Arcanaならではの充実の解説(国内仕様では歌 詞ともに訳付)も当リリースの魅力の一部と言えるでしょう。
A-463(7CD)
NX-G03
フレスコバルディ:トッカータ集第1巻・第2巻、カプリッチョ集、音楽の花束
【CD 1・2】
『トッカータとパルティータ 第1巻』(1615/37)
チェンバロ(2種/ピッチ:いずれもa'=415hz)
ヴェネツィアのアレッサンドロ・トラスンティーノ1531年製作モデルにもとづく再現楽器 2001年製作
ナポリの作者不明1650年頃製作(オノフリオ・グヮランチーノに帰属)モデルもとづく再現楽器 1996年製作
(再現製作:いずれもロベルト・リーヴィ)
オルガン(ピッチ:a'=435Hz)
ボローニャ、サン・マルティーノ・マッジョーレ大聖堂 ジョヴァンニ・チプリ 1556年建造 オリジナル楽器
【CD 3】
『カプリッチョ集』(1624)
チェンバロ(ピッチ:a'=465Hz)
ヴェネツィアの作者不明 16世紀以降製作モデルにもとづく再現楽器 2017年製作
オルガン(ピッチ:a'=465Hz)
プロヴァリオ・ディゼオ(ブレーシア県)サン・ピエトロ・イン・ラモーザ修道院教会 アンテニャーティ一族のモデルによる再現楽器 2015年製作
(再現製作:いずれもダニエレ・マリア・ジアーニ)
【CD 4・5】
『トッカータ集 第2巻』(1627)
※「マニフィカト」(第1旋法・第2旋法・第6旋法)のみCD 7の末尾に収録
チェンバロ1(ピッチ:a'=408hz)
ナポリのさまざまな歴史的モデルにもとづく再現楽器 2011年製作
(再現製作:グラツィアーノ・バンディーニ&グラント・オブライエン)
チェンバロ2(ピッチ:a'=392hz)
ナポリのニコロ・アルバーナ1584年製作モデルにもとづく再現楽器 2015年製作
(再現製作:グラツィアーノ・バンディーニ)
オルガン1(ピッチ:a'=410hz)
ローマ、サンタ・マリア・イン・ヴァッリチェッラ教会 ジョヴァンニ・グリエルミ1612年建造 オリジナル楽器
オルガン2(ピッチ:a'=410hz)
サントレステ(ローマ近郊)、サン・ロレンツォ同信会教会 エンニオ・ボニファツィ1638年建造 オリジナル楽器
【CD 6・7】
『音楽の花束』(1635)
オルガン(3種/CD 3-5と同じ)
フランチェスコ・チェーラ(チェンバロ、オルガン)
CD2/7 ロベルト・ピサーニ(T)
CD4-7 アンサンブル・アルテ・ムジカ
指揮:ヴァルテル・テストリン、アンドレス・モンティーリャ=アクレロ

録音:【CD 1-2】2015年11月5-8日、ヴォギエーラ(イタリア北部フェラーラ県)、デリツィア・ディ・ベルリグヮルド宮殿&ボローニャ、サン・マルティーノ教会
【CD 3】2017年11月24-26日、コルテ・デ・フラーティ(イタリア北部クレモナ県)、オルガーニ・ジャーニ邸音楽堂&プロヴァリオ・ディゼオ(同ブレーシア県)、
サン・ピエートロ・イン・ラモーザ修道院教会
【CD 4-5】2018年9月16-17日、ボローニャ、サン・コロンバーノ美術館/2018年6月21-24日、サントレステ(イタリア中部ローマ近郊)、サン・ロレンツォ同信会教会&ローマ、サンタ・マリア・イン・ヴァッリチェッラ教会
【CD 6-7】2018年6月21-24日、サントレステ(イタリア中部ローマ近郊)、サン・ロレンツォ同信会教会&ローマ、サンタ・マリア・イン・ヴァッリチェッラ教会
2017年11月25日、プロヴァリオ・ディゼオ(同ブレーシア県)、サン・ピエートロ・イン・ラモーザ修道院教会
バロック期における音楽の本場イタリアにあって広範なレパートリーを録音してきた古楽鍵盤奏者フランチェスコ・チェーラが、満を持してイタリ ア・バロック最大の鍵盤作曲家フレスコバルディの世界に臨みました。若き日にはフェラーラの宮廷でジェズアルドらの高度なマニエリスム和声 芸術を吸収、17世紀初頭にはローマ教皇庁で並ぶ者なきオルガン奏者として活躍し、イタリア内外に無数の門弟を育てたフレスコバルディで すが、その作品のなかでも最も重要なのは4編の鍵盤曲集。オルガンないしチェンバロのために書かれ、カトリックの礼拝時にオルガン奏者が声 楽を交えて弾く前提で作曲された音楽も含む、イタリア・バロック鍵盤音楽の最初にして最大の金字塔的名作集といっても過言ではありませ ん。7枚のCDにはフレスコバルディの生前に刊行された四つの重要な印刷譜の音楽が網羅され、その充実した音楽世界を隅々までくまなく 味わえるBOXになっています(カプリッチョ第7番はデジタル配信のみとなっており、このCDには収録されていません)。チェーラは周到な作品分 析のもと、ピッチが細かく異なる5種類のチェンバロと4種類のオルガンを使い分け、フレスコバルディが活躍した時代と地域をよくふまえた楽器 選択で、作曲家自身がイメージしていたであろう音像に迫ります。声楽部分では、彼がしばしば共演しているアンサンブル・アルテ・ムジカが参 加。イタリアにおけるルネサンス声楽演奏の核をなすヴァルテル・テストリンら名手も多く加わり、チェーラの確かな作品解釈と息の合った共演を 披露。まさに17世紀ローマの演奏現場を垣間見るかのような、本場直送の最新録音の集大成と言ってよいでしょう。
A-464
アレッサンドロ・グランディ (1590-1630):天の花 〜コンチェルタート様式によるヴェネツィアのモテット集
1. ああ、なんと美しい
2. わたしは嘆こう、夜も昼も
3. 谷間の百合よ〔器楽合奏を伴うモテット〕
4. 裁きの日までのあいだ
5. おお、善きイエス
6. 御名を讃えよ
7. ああ、わが魂よ、なぜ嘆くのか
8. お救い下さい、あなたの民を
9. 善きイエス、父なるかたの約束〔器楽合奏を伴うモテット〕
10. 主よ、どうか激しい怒りを
11. すぐに立ち上がり
12. 天には静けさが広がり
13. わたしは見た、白鳩のように美しい女性を
14. 来たれ、わが最愛のかた
15. 主が建ててくださらないのなら
アカデミア・ダルカディア
編成:ソプラノ×2、アルト×2、テノール×3、バス×2、テオルボ、オルガン
ウト・ファ・ソ・アンサンブル
編成:木管コルネット×2、テナー・サックバット×2、バス・サックバット×1
アレッサンドラ・ロッシ・リューリヒ(指)

ピッチ:A=462Hz
調律:1/6コーマ・ミーントーン
録音:2018年8月1-4日
サンタ・バルバラ教会、マントヴァ
【モンテヴェルディに匹敵すると目された、ヴェネツィアのモテット作曲家初の作品集】 1590年にヴェネツィアで生まれたグランディは、17世紀前半のヴェネツィア楽派で最も偉大なモテット作曲家とされています。極めて早熟で、 1627年にはサン・マルコ寺院の副楽長に任命され、当時その才能はモンテヴェルディに匹敵すると噂されるほどでしたが、1630年にはペスト のため、妻と10人の子供たちと共に亡くなってしまいました。このアルバムは、17世紀イタリア音楽を演奏するため2018年に結成されたばか りのアンサンブルにより、マントヴァのサンタ・バルバラ教会の美しい響きの中で録音されています。 アルバムタイトルの「天の花」は、彼の5番目のモテット集から取られました。収録された作品は1610年から30年までに出版されたもので、ほ とんどが初録音。早世のためその生涯も音楽も伝わるものが少なく、彼の作品のみで構成されたアルバムというのは今回が初めてとなります が、この美しい響きはきっと多くの人を虜にすることでしょう。
A-465
NX-B08
18世紀ヴェネツィアのチェロ・ソナタ〜ヴィヴァルディの影で
バッサーニ(17世紀後期-1740):ソナタ第3番 イ短調*[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
マルチェッロ(1686-1739):ソナタ第6番 ト長調 Op1-6[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
プラッティ(1697-1763):ソナタ第1番 ト短調(1725)
[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
ヴィヴァルディ:チェロ独奏[と通奏低音]のためのソナタ 変ロ長調 RV46[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
ビガーリア:チェロ・ソナタ ト長調*[通奏低音=チェロ、チェンバロ、テオルボ]
ヴァンディーニ(1690-1730):ソナタ イ短調(1730)*[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
マルティネッリ(1704-1782):チェロ[と通奏低音]のためのソナタ ニ長調*[通奏低音=チェンバロ]
ストラティコ(1728-1787):チェロと通奏低音のためのソナタ イ長調*[通奏低音=チェロ、チェンバロ]
ガエターノ・ナジッロ(Vc)…ファブリアーノのアントニオ・ウンガリーニ1750年頃製作のオリジナル楽器
アンナ・フォンターナ(Cemb)…メッシーナのカルロ・グリマルディ1697年製作楽器による
フィレンツェのトニー・キンネリー2002年製作の再現楽器
サラ・ベンニーチ(チェロ/通奏低音)…ロンドンのバラク・ノーマン1717年頃製作のオリジナル楽器
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(テオルボ)…グラナダのフランシスコ・エルバス1997年製作楽器

録音:2018年9月19-22日コッラールボ市庁舎ペーター・マイヤーの間、ボルツァーノ県、イタリア
*=世界初録音
キアラ・バンキーニやエンリーコ・ガッティらが絶大な信頼を置くバロック・チェロ奏者であり、イタリア17〜18世紀のチェロ音楽史についての該博 な知識をソリストとしての活動で活かしてきたガエターノ・ナジッロ。2015年にはチェロ先進地としての18世紀ナポリに光をあてた2枚組アルバ ムが話題を呼びましたが、今度のテーマはヴェネツィア。「水の都」たる首都の活況だけでなく、内陸のパドヴァやアドリア海沿岸の現クロアチア 領も含めたヴェネツィア共和国領内で、古典派時代初期へ向けてどれほど豊かなチェロ音楽が発達してきたか……入念な解釈、闊達にして 味わい深い古楽器演奏で明らかにしてゆきます。 18世紀ヴェネツィアのチェロ音楽といっても、多くの場合はヴィヴァルディの作品ばかりが注目されてきたところ。しかしオペラや合奏など音楽目 当ての観光客も詰めかけた当時のヴェネツィアだけに、低音を支えるチェロ奏者にも事欠きませんでした。ヴィヴァルディが指揮したピエタ養育 院でも教鞭をとった名手たちには、チェロ音楽揺籃の地ボローニャから来たヴァンディーニの姿も。古典派への一歩をみせる作品も少なくなく、 リ・インコーニティの鍵盤奏者フォンターナら頼れる通奏低音陣の活躍とあいまって、発見に満ちたガットの中低音世界に興味がつきません。
A-466

NYCX-10085
国内盤仕様
税込定価

バッハ:バス・カンタータ集
教会カンタータ「わたしは満ち足りています」BWV 82
アリア「神はなすこと全てが正しい」〜教会カンタータBWV 20より
教会カンタータ「あなたに安らぎがありますよう」BWV 158
アリア「地上の宝に気を取られるのは」〜教会カンタータBWV 26より
教会カンタータ「わたしは喜んで十字架で死のう」BWV 56
アリア「なぜそんなに怒っておられるのですか」〜教会カンタータ BWV101より
ドミニク・ヴェルナー(バス独唱)
アルフレード・ベルナルディーニ((指)オーボエ)
ゼフィーロ(古楽器使用)
ソリスト…パオロ・グラッツィ(Ob)
エミリアーノ・ロドルフィ(オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
アンナ・フォンターナ、アンドレアス・グレースレ(Org)
マクダレーネ・ハラー(S)
フランツ・ヴィッツトゥム(アルト=カウンターテナー)
ニルス・ギーベルハウゼン(T)

録音:2019年1月19〜22日キルヒハイム新教教会(ドイツ西部プファルツ地方)
【国内盤】
解説・歌詞日本語訳:白沢達生
バッハ・コレギウム・ジャパンへの客演を通じて来日機会を増やし、今や日本でも人気を得つつある新世代古楽歌手ドミニク・ヴェルナー。 フィッシャー=ディースカウやペーター・コーイの後を追う存在感を着実に発揮しつつあるこの名歌手が、バロック・オーボエの世界的名手アルフ レード・ベルナルディーニ率いるゼフィーロの新録音で、バッハの独唱カンタータと正面から向き合います。通奏低音以外は各パートひとりずつ の極小編成。選曲の中心となる三つの独唱カンタータには、独奏ないし複数のオーボエが美音を添えるアリアを含んでおり、他にも同様のア リアをいくつか、別のカンタータから抜粋しています。 バッハがライプツィヒ聖トーマス教会で聖歌隊監督となってから数年後、まさに最も充実した作曲感覚を養いつつあった頃の定番傑作2作 (BWV56・82)のほか、作曲年代からして謎の「バッハ最短の教会カンタータ」BWV158、その他さまざまなアリアでの作風の違いも、極小 編成だからこそ伝わる音作りが魅力。ベルナルディーニとグラッツィ兄弟らバロック・オーボエ&ファゴットの超実力派たちがくりだす美音の重なり に、キアラ・バンキーニ門下のオリヴィア・チェントゥリオーニ(Vn)やチェロのガエターノ・ナジッロら弦にも名ソリスト続々。更新され続ける バッハ理解をふまえた解釈、ヴォルニー教授の解説も見逃せません。
A-467

NYCX-10096
国内盤仕様
税込定価

初期バロック撥弦芸術、古楽の「いま」
カプスベルガー
(1580頃〜1651):アルペッジョー
フォスカリーニのグルーヴ (フォスカリーニのコード進行に基づくオノフリによる即興)
アルカンジェロ・ローリ(1615〜1679):アルカンジェロのトッカータ
カプスベルガー(1580頃〜1651):ふざけろ、喜べ、楽しめ、羊飼いたち
カプスベルガー(1580頃〜1651):ソルデッリーナ(耳が不自由な少女)
作曲者不詳:チャコーネ 
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):ぼくのアウリッラ
カプスベルガー(1580頃〜1651):ぼくのアウリッラ
シモーネ・ヴァッレロトンダ(1983〜):「ぼくのアウリッラ」の調べによるディミヌツィオーネさまざま
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):モニカ(わたしを修道女にしないで)
カプスベルガー(1580頃〜1651):わが溜息はもう
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):ジルメッタ
フレスコバルディ(1583〜1643):「ジルメッタ」の調べによるカプリッチョ
フォスカリーニ(1629〜47頃活躍):スペインのならず者
カプスベルガー(1580頃〜1651):第6トッカータ
カプスベルガー(1580頃〜1651):第10ガリアルダ
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):ロマネスカ
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):クロリーダ
カプスベルガー(1580頃〜1651):アルペッジョ仕立てのロマネスカ
マルコ・マラッツォーリ(1602頃〜1662):否、わたしは泣くまい
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):スパニョレッタ(スペインの少女) 
フェルディナンド・ヴァルダンブリーニ(1646〜47頃活躍):ママにみつかっちゃう
トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):悪いフランス男がわたしを苦しめる
アタナシウス・キルヒャー(1602〜1680):タランテッラ
アタナシウス・キルヒャー(1602〜1680):タランチュラの毒を浄める調べ
カプスベルガー(1580頃〜1651):ジロメッタ
イ・バッシフォンディ
シモーネ・ヴァッレロトンダ(6コースのリュート、テオルボ、アーチリュート、バロックギター、キタッラ・バッテンテ、総指揮)
ステーファノ・トダレッロ(コラシオーネ、テオルボ、キタッラ・バッテンテ、リコーダー、ソルディーナ〔バグパイプ〕、ケルト式バグパイプ)
ガブリエーレ・ミラークレ(打楽器、シェタヴァヤッセ、コラシオーネ)
エンリーコ・オノフリ(バロック・ヴァイオリン)
エメーケ・バラート(ソプラノ独唱)

録音:2018年11月3〜8日、サン・ジョヴァンニ宮殿、アレッサー
ノ(南イタリア・プーリア州レッチェ県)
【国内盤】解説・歌詞日本語訳:白沢達生
ずばぬけた腕前でバロックギターとテオルボを弾きこなすイタリアの超実力派シモーネ・ヴァッレロトンダによる、気心の知れた共演者たちとの新 感覚バロック撥弦アルバム。ヴァッレロトンダはすでにArcanaレーベルで『にせのアルファベート』と題したアルバムを録音、モンテヴェルディやカッ チーニらがオペラという新芸術を爆発的に成功させた1600年前後にあって、イタリアの撥弦芸術がいかに多彩で躍動感にみちたものだった かを肌感覚で伝える名演を聴かせてくれましたが、これはそのさらなる進化形といってよいでしょう。 アルバムタイトルにある600とは、イタリア語で「セイチェント」すなわち17世紀のこと。画家カラヴァッジョや彫刻家=建築家ベルニーニも活躍し たバロック都市ローマには、その頃テオルボ奏者カプスベルガーやギター奏者フォスカリーニら凄腕撥弦奏者が集い、名曲も数多く残していま す。アンドレア・ダミアーニとロルフ・リスレヴァンという知る人ぞ知る超名手たちに師事したヴァッレロトンダのくりだす闊達なサウンドは、バロック音 楽がいかに自在だったかをモダンかつポップな風合いで理屈抜きに伝えるのみならず、打楽器やバグパイプを交えながらも、歴史的・地域的 文脈をふまえつつ刺激に溢れたサウンドを提案。名手オノフリや人気歌手バラートらゲストの協力も頷ける、突き抜けた音作りに仕上がって います。
A-468
『海から来たレディ――ヴァイオリンとチェロによる二重奏、18世紀から21世紀へ』
ヴィヴァルディ:エイボイン卿の歓待、またの名をカンバーノールド荘
ヴィヴァルディ:第2ソナタ・ダ・カメラ ト長調 RV 71
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962〜):パンの歌 〜連作『スーツケース』より
ジョヴァンニ・バッティスタ・コスタンツィ(1704〜1778):二つのチェロまたはヴァイオリンとチェロのための第1ソナタ
レインホリト・グリエール(1875〜1956):間奏曲 第5番〜『八つの小品』作品39より
ジャン=バティスト・ブレヴァル(1753〜1823):第4二重奏曲
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962〜):死ぬのか、それとも殺されるのか 〜『マケドニアの歌』より
フランチェスコ・バルサンティ(1690〜1770):麗しのマレイ伯
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1697〜1763):ヴァイオリンとチェロのための第3リチェルカータ I 202
ダミアーノ・ダンティ(1970〜):アダージョ・モルト
ジャン=バティスト・ブレヴァル(1753〜1823):第3二重奏曲
ジョヴァンニ・バッティスタ・コスタンツィ(1704〜1778):二つのチェロまたはヴァイオリンとチェロのための第2ソナタ
レインホリト・グリエール(1875〜1956)間奏曲 第6番〜『八つの小品』作品39より
フランチェスコ・バルサンティ(1690〜1770):カニーデンのエニシダは知っている
カルロ・テッサリーニ(1690頃〜1766):ヴァイオリンとチェロのための第2の誘惑
ジョヴァンニ・ソッリマ(1962〜):レディー・ローレン号 〜連作『スーツケース』より
キアーラ・ザニージ(Vn)
使用楽器:ナポリのヨーゼフ・ガリアーノ1761年製オリジナル
弓:ロルフ・アシュミード(バロック仕様)、グイード・デ・ヴェッキ(古典派仕様)、ジョヴァンニ・ルッキ(現代仕様)
ジョヴァンニ・ソッリマ(Vc)
使用楽器:クレモナのフランチェスコ・ルッジェーリ1679年製オリジナル
弓:ロルフ・アシュミード(バロック仕様)、アンドレアス・グリュッター(古典派仕様)、ジャック・プーロ(現代仕様)

録音:2019年3月18〜21日コルタッチア文化館(イタリア北部ボルツァーノ地方)
2019年の来日でも大きな話題を呼んだイタリアのチェロ奏者=作曲家ジョヴァンニ・ソッリマ。弦楽器の機能を知り尽くしたうえで繰り出され る音は精悍にして妖艶、時に異国情緒をはらみつつもクラシカルな端正さを失わず、多方面にわたるリスナーを魅了してきました。バロック楽 器へのまなざしも熱い21世紀型のプレイヤーとしても独特の存在感をあらわしつつあるソッリマが今回、イル・ジャルディーノ・アルモニコやラ・ ディヴィナ・アルモニアなどイタリア最前線の古楽器グループであざやかな活躍をみせてきたバロック・ヴァイオリン奏者キアーラ・ザニージとタッグを 組み、ヴァイオリンとチェロでバロック・古典・近現代をまたぐ痛快なアルバムを世に問います。 アルバムタイトルの「海から来たレディ」とは彼らも乗船する一艘の外洋艇、レディ・ローレンのこと。さまざまな事情を抱えた人々と船上生活を ともにする彼らのプログラムから生まれた今回のアルバムには、チェンバロなどを伴わずチェロだけが低音部を支えるバロック後期特有の新技法 にもとづく曲が多数含まれていながら、時に古典派のブレヴァルや近代ロシアの名匠グリエール、そしてソッリマ自身の新作も織り交ぜた厳選 選曲。18世紀作品では弓を持ち替え、作品の様式に合った古楽奏法も繰り出しながら、デュオとしてはやや珍しいこの編成ならではの音 楽美を縦横無尽に堪能させてくれます。ピリオド奏法がもはや大前提として存在する21世紀ならではの室内楽の形、聴き逃せない欧州音 楽の最前線です。

A-469(2CD)
NX-D07

NYCX-10100(2CD)
国内盤仕様
税込定価

ブルネッロ〜バッハ:小型チェロによる無伴奏ソナタとパルティータ
バッハ:無伴奏ソナタとパルティータ BWV1001-1006
マリオ・ブルネッロ (4弦小型チェロ)
※使用楽器:クレモナのジローラモ・アマティ1600〜1610年頃製作モデルによる4弦小型チェロ ブレーシアのフィリッポ・ファセル2017年製作の再現複製楽器
弓:ヴァルテル・バルビエーロ製作の18世紀初頭モデルによる再現複製弓/ヴィットリオ・ガヴィオーリ製作の1680年型モデルによる再現複製弓
弦:ピラストロ・オリーヴ・ガット(羊腸弦/G・D・A線)/ヤーガー(金属弦/E線)
台座:ヴォクスリオン・ハーモニック・プラットフォーム
調律:a’=415Hz

録音:2018年10月1〜3・20〜22日、パルコ・ボラスコ荘祝宴ホール、カステルフランコ・ヴェネト、イタリア
解説:アレッサンドロ・バリッコ、ペーター・ヴォルニー、マリオ・ブルネッロ
【国内盤】
解説日本語訳:白沢達生
巨匠アントニオ・ヤニグロ門下に学び、チャイコフスキー国際コンクールで優勝して現代チェロ奏者としてキャリアを歩みはじめたイタリアの名手 マリオ・ブルネッロ。近年は歴史的奏法や古楽器への見識を深め、ヴェニス・バロック・オーケストラ(ジュリアーノ・カルミニョーラ主宰)やモーツァ ルト・オーケストラ(クラウディオ・アバド主宰)などで古楽器演奏家としても存在感を高めてきました。バッハの『無伴奏チェロ組曲』も2010年 に録音、しかし彼は「もうひとつのバッハ無伴奏」であるヴァイオリンのための6曲の存在が、ずっと気になっていたのです。 ブルネッロはバッハ研究者たちの近年の研究を受け、18世紀にも存在していたテノール・ヴァイオリン(通常のヴァイオリン同様4弦で、1オク ターヴ下の調弦)に相当すると考えられるアマティ・モデルの小型チェロを用い、かのヴァイオリン作品の至宝と対峙しました。結果「今までバッ ハを半分しか理解していなかった」と感じ、全曲録音するまでにのめり込んだとのこと。この演奏効果に『海の上のピアニスト』の原作者アレッサ ンドロ・バリッコが驚き、解説にコメントを寄せているほどです。楽器や弓、弦のほか、演奏台にもこだわりを見せた録音でブルネッロが迫る音響 世界――『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』の作品理解に大きな一石を投じる録音です。
A-470
ステファノ・ベルナルディ(1577-1637):6声の『死者のためのミサ』
シンフォニア 第3番
「主よ、御身へ我が魂をあげん」
シンフォニア 第4番
4声の連祷
シンフォニア 第2番
「深き淵より我汝に呼びかけん、主よ」
ヴォーチェス・スアヴェス【 リア・アンドレス、クリティナ・ボネル、ミリヤム・ヴェルンリ (S)
ヤン・トーマー、ハビエル・ロブレダーノ・カブレラ (C.T)
パオロ・ボルゴノーヴォ、ラファエル・ヘーン、フロリアン・クラマー (T)
トビアス・ヴィツキー (Br)
ダヴィデ・ベネッティ (Bs)
オリ・アムラン (テオルボ)】

コンチェルト・シロッコ【ステファノ・ロッシ (Vn)
朝吹 園子 (ヴァイオリン、ヴィオラ)
ピエトロ・モデスティ (木管コルネット)
スザンナ・デフェンディ (アルト・サックバット)
キャサリン・モトゥズ (テナー・サックバット)
ナサニエル・ウッド (テナー・サックバット、バス・サックバット)
ジュリア・ジェニーニ (テナー・ダルシアン、バス・ダルシアン)
ルカ・バンディーニ (ヴィオローネ)
ミケーレ・ヴァネッリ (Org)】

ピッチ a'=465 Hz 1/4コンマ ミーントーン
録音:2019年2月6-9日
聖マルティン教会、ラインフェルデン(スイス)
ヴェネツィアの聖マルコ大聖堂で聖歌隊の楽長を務めたジョヴァンニ・クローチェの作品集(A439)に続き、ヴォーチェス・スアヴェスとコンチェル ト・シロッコが私たちを誘うのはザルツブルク。モンテヴェルディ:と同時代にこの地で活躍した、ヴェローナ出身のステファノ・ベルナルディの作品集 です。1628年から34年までの間、彼は新しく建造されたザルツブルク大聖堂の初めての聖歌隊楽長を務め、そのキャリアのピークを迎えてい ました。彼は特にここに収められたような多声声楽作品と器楽作品の発展の中で、イタリアの新しいスタイルをザルツブルクに根付かせることに 大きく貢献し、現在ではこの地の音楽の祖と見なされています。彼の音楽の高い水準を示す証として、今日までザルツブルク大聖堂のアーカ イヴに残されている素晴らしい『レクイエム』を挙げることが出来るでしょう。とりわけ強く印象に残るのは「続唱」のパートで、ここには有名なグレ ゴリオ聖歌「怒りの日」が引用されています。このベルナルディの『レクイエム』とモテットは世界初録音となります。 収録作品のうちシンフォニアは器楽合奏によるものですが、全ての声楽作品においても、オルガンのほかサックバットを中心とした合奏が鳴り響 き、同時代のヴェネツィア楽派を連想する壮麗な音楽を堪能することができます。モーツァルトより一世紀半前、ビーバーが着任する前のザル ツブルクでいかにイタリア流儀の音楽が根づいていったか、この貴重な録音で明らかになるでしょう。ヴォーチェス・スアーヴェス&コンチェルト・シ ロッコは古楽復興の一大拠点バーゼルで学んだ俊才が集う実力派古楽グループ。近年急速に欧州で注目を集めつつある名団体で、日欧 での活躍が目立つ朝吹園子氏の参加も心強いところです。
A-471
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (1772 ザツブルク)
ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137
ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
セレナーデ ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K.525
ルイジ・ピオヴァーノ(指)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団

録音:2019年2月15-17日オーディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ、合唱ホール、ローマ
サンタ・チェチーリア音楽院Oの首席ソロ・チェロ奏者でもあるピオヴァーノの指揮による、サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団のアル バム。チャイコフスキーとドヴォルザークの弦楽セレナーデを収めた前作(A457)に続き、モーツァルトの有名弦楽作品を集めた一枚。
A-472
ヴァイオリンとチェロ・ピッコロによる二重協奏曲集
ヴィヴァルディ(オリヴィエ・フーレ復元):弦楽のための協奏曲 ニ長調 RV125
ヴィヴァルディ:ヴァイオリンとチェロ・ピッコロのための協奏曲 ハ長調 RV508 (原曲:2つのヴァイオリンのための)
バッハ:ヴァイオリンとチェロ・ピッコロのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 (原曲:2つのヴァイオリンのための)
ゴルトベルク:弦楽のためのソナタ ハ短調 DurG 14
バッハ:ヴァイオリンとチェロ・ピッコロのための協奏曲 ニ短調 BWV1060 (原曲:2台のチェンバロのための/ハ短調
ヴィヴァルディ:ヴァイオリンとチェロ・ピッコロのための協奏曲 変ホ長調 RV515 (原曲:2つのヴァイオリンのための)
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
※1733年ヴェネツィア、ピエトロ・グァルネリ製
マリオ・ブルネロ(4弦チェロ・ピッコロ)
※1600-10年クレモナ、アントニオ&ジローラモ・アマティ製による2017年ブレシア、フィリッポ・ファッサール製復元楽器
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、指揮)
アッカデーミア・デラヌンチアータ (古楽器使用)

録音:2018年6月26-30日 デラヌンチアータ修道院、ミラノ
ヴァイオリンとチェロ・ピッコロを独奏として奏でられるのは、バッハの名曲BWV1043を始めとした、主に2つのヴァイオリンと弦楽のための協奏 曲。通常は同音域で重なるため区別し辛い2つの声部が、片方がオクターヴ低いことでたいへん引き立ちます。2つのチェンバロが原曲(ヴァイ オリンとオーボエでもお馴染み)のBWV1060ではさらにくっきり。その結果立ち上がるのは二人の丁々発止のやり取りと、目から鱗が落ちるよ うな旋律の綾の面白さ。ドーニとアッカデーミア・デラヌンチアータによるアンサンブルも、非常に前掛かりの演奏で名手たちの競演を大いに盛り 立てています。それぞれの作品がぐっと身近に、面白く感じるアルバムです。 名手カルミニョーラがARCANAレーベルに登場。ブルネロとのデュオで、バッハとヴィヴァルディの二重協奏曲を聴かせる驚きのアルバムを世に 問います。ここでブルネロが奏でるのは、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』を全曲移調無しで弾いた(A469/NYCX- 10100)4弦のチェロ・ピッコロ。この楽器は、通常のチェロに張られる4本の弦に上のE弦を足し(バッハの「無伴奏チェロ組曲第6番」は、この 5弦のチェロ・ピッコロを想定していると言われます)、さらに一番下のC弦を省いて4本としたもので、アルバム・タイトルのSonar in Ottava (オクターヴで鳴る)が示すように、ヴァイオリンの丁度1オクターヴ下の調弦となっています。
A-473
ミケーレ・マシッティ(1664-1760):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 Op.9 (1738年パリ) より
ソナタ第1番イ長調
ソナタ第2番ト短調
ソナタ第3番ヘ長調
ソナタ第5番ニ短調
ソナタ第6番イ短調
ソナタ第7番ニ長調
.ソナタ第9番変ロ長調
ソナタ第12番ハ短調
ヴァンヴィテッリQ(古楽器使用)【ジャン・アンドレア・グエルラ(Vn)、ニコラ・ブロヴェッリ(Vc)、マウロ・ピンチャローリ(アーチリュート)、ルイジ・アッカルド(Cemb)】

録音:2019年7月1-3日 聖メダルド教会、ペリ、イタリア
18世紀初頭ナポリからパリへと移り住み、イタリアで全盛を迎えていた器楽音楽をフランスで広めることに貢献したヴァイオリンの名手、マシッ ティによる作品9のソナタ。2018年にリリースした作品8のソナタ(A111)が好評を博したヴァンヴィテッリ四重奏団が、今回も細かなフレーズま で丹念かつ軽やかに歌い、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
A-474
AMOR TIRANNO 17世紀ヴェネツィアの失恋の歌
フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676):
 ≪Ohime, che miro? Ohime dunque, in alloro≫
 Lamento. ≪Misero Apollo, i tuoi trionfi or vanta≫
 ≪Giove, crea novo lume, io piu non voglio≫
 ≪A te ricorro, onnipotente Amore≫
 ≪Che veggio? Oh dei, fermate≫
 Lamento. ≪Uscitemi dal cor, lacrime amare≫
 ≪Per eccesso d’affetto≫
 ≪Che ti diss’io≫
タルキニオ・メルーラ(1595-1665):Sonata cromatica 半音階的ソナタ (チェンバロ独奏)
ベネデット・フェッラーリ(1597-1681):≪Amanti, io vi so dire≫
フィリベルト・ラウレンツィ(1618-1651以降):≪Chi puo mirar costei e poi non dire≫
フランチェスコ・サクラティ(1605-1650):≪Se ad un altro si sposa≫
ジョヴァンニ・セレシーニ(1584-c1659):≪Tornate, o cari baci≫ (チェンバロ独奏)
クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):
 ≪Ad altri tocca in sorte≫
 ≪Ahi, chi si fida in un bel volto≫
 ≪I miei subiti sdegni≫
 ≪Sprezzami quanto sai≫
 ≪Ohime, ch’io cado, ohime≫
 .≪Si dolce e ’l tormento≫
<ボーナストラック>
ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):パッサカリアによるアリア≪Cosi mi disprezzate?≫
カルロ・ヴィストーリ(C.T)
セツィオーネ・アウレア (古楽器使用)
フィリッポ・パンティエリ(チェンバロ、オルガン、音楽監督)

録音:2018年12月27-30日
カヴァッリ《アポロとダフネの愛》、《ディドーネ》、モンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》、《ミラヌッツィの優美なアリオーソ》 第4巻などの歌劇や歌曲集 から、失恋の痛手を歌ったアリアなどを集めたアルバム。ヴィストーリの美声と彫りの深い表現で切々と訴えかける歌唱、そしてパンティエリのチェ ンバロを中心とした親密なアンサンブルが、400年前の人々の心情を生き生きと描いています。
A-475(3CD)
NX-D11
ストラデッラ(1643-1682):「家庭教師トラスポロ」 3幕の喜歌劇(1679年ジェノヴァ初演) トラスポロ…リッカルド・ノヴァロ(Br)
アルテミジア…ロベルタ・マメリ(S)
ニーノ…ラファウ・トムキェヴィチ(C.T)
チーロ…シルヴィア・フリガート(S)
シモーナ…ルーカ・チェルヴォーニ(T)
デスピーナ…パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(S)
アンドレア・デ・カルロ指揮 アンサンブル・マーレ・ノストルム(古楽器使用)【ガブリエーレ・プロ、ドメーニコ・シッキタノ(Vn)、アンドレ・リスレヴァンド(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ジューリア・ジッリオ・ジャネッタ(Vc)、アンナ・バトル(ヴィオローネ)、ダニエル・ザピコ(テオルボ)、シモーネ・ヴァッレロトンダ、ジェドラン・ピーター・ダンカン(アーチリュート)、フローラ・パパドプロス(トリプルハープ)、ルチア・アデライーデ・ディ・ニコラ(Cemb)、サルヴァトーレ・カルキオーロ(Org)】

録音:2019年8月23-29日 ファルネーゼ宮 元馬術教練所、カプラローラ(イタリア)
モンテヴェルディとヴィヴァルディの間、中期バロックのイタリアを代表するほどの名匠のひとりでありながら、体系的紹介が意外になされてこなかっ たアレッサンドロ・ストラデッラ。その数ある宗教音楽劇を毎年のように発掘・録音しつづけてきたイタリアのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者=指揮者アン ドレア・デ・カルロは今回、放縦な生活がたたった作曲家が刺客の手に倒れる3年前、終焉の地ジェノヴァで披露した長大な音楽喜劇をとり あげます。 自身の家庭教師トラスポロに恋してしまった貴婦人アルテミジアに思いを寄せるニーロとチーロの兄弟を横目に、トラスポロは密かに思いを寄せ ている小間使いのデスピーナと愛を育み、アルテミジアは大騒動の末に兄弟のひとりと結ばれる……厳選された登場人物のやりとりを、通奏 低音に数多くの撥弦楽器・弓奏低音弦楽器を配した独特の編成で起伏ゆたかに彩ってゆく濃密な演奏内容は、まさにイタリア古楽界の猛 者集団ならではのドラマにあふれています。カヴァッリ亡き後のイタリアで、ダ・カーポ・アリアが定着する前に花開いた過渡期特有の面白さをご 堪能ください。
A-476

NYCX-10155
国内盤仕様
税込定価
ジョヴァンニ・ピッキ(1572〜1643):『あらゆる楽器を用いて奏でるカンツォン集』(1625年ヴェネツィア刊)
1) 第1カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
2) 第2カンツォン - ヴァイオリンまたは木管コルネット、ドゥルツィアン
3) 第3カンツォン - サックバット、ヴァイオリン
4) 第4カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
5) 第5カンツォン - 2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット
6) 第6カンツォン - サックバット、ヴァイオリン
7) 第7カンツォン - 2挺のヴァイオリン、サックバット
8) 第8カンツォン - 2挺のヴァイオリン、サックバット
9) 第9カンツォン - 2挺のヴァイオリン、リコーダー
10) 第10カンツォン - 2本のサックバット、2本のリコーダー
11) 第11カンツォン - 2本のサックバット、2本の木管コルネット
12) 第12カンツォン - 2本のサックバット、2挺のヴァイオリン
13) 第13カンツォン - 2本のサックバット、2本の木管コルネット
14) 第14カンツォン - 4本のサックバット、2挺のヴァイオリンまたは木管コルネット ※
15) 第15カンツォン - 4本のサックバット、2挺のヴァイオリン ※
16) 第16カンツォン - 2挺のヴァイオリン、2本のリコーダー、サックバット、ドゥルツィアン
17) 第17カンツォン - 2部の合奏
18) 第18カンツォン - 2部の合奏
19) 第19カンツォン - 2部の合奏
※ 第1サックバットをヴィオローネで演奏
コンチェルト・シロッコ(古楽器使用/a’=466Hz・1/4コンマ・ミーントーン)
【アルフィア・バキエヴァ、アナ・リス・オヘダ(Vn)、アメリー・シュマン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ルーカ・バンディーニ(G調弦ヴィオローネ)、ピエートロ・モデスティ、ヘレン・ロバーツ(木管コルネット)、クレア・マッキンタイア、スザンナ・デフェンディ、ナサニエル・ウッド(サックバット)、ジューリア・ジェニーニ(ドゥルツィアン、各種リコーダー)、プリスカ・コンプロイ(各種リコーダー)、ジョヴァンニ・ベッリーニ(テオルボ)、ミケーレ・ヴァンネッティ(オルガン、チェンバロ)】

録音:2018年8月18〜22日聖マルタ教会、カローナ(スイス)、2019年12月5〜6日パドヴァ慈善ホール
【国内盤】日本語解説付き
古楽研究の一大拠点、バーゼルのスコラ・カントルムで腕を磨いた管楽器奏者たちが2009年に結成したコンチェルト・シロッコ、今回の新譜では、 たった1曲で名前だけが広く知られていたものの、全貌がまるでわからなかった初期バロックの異才の素顔が明らかに。英国ルネサンス期の鍵盤曲集 でもとくに名高い『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』に唯一登場するイタリア人で、そこに収められた異色のトッカータ1曲だけでしか名が知られて いなかったジョヴァンニ・ピッキなる作曲家が、生前いかに多彩な音を紡いだ音楽家だったかが、19曲もの器楽曲を通じて解き明かされます。1572 年頃に生まれヴェネツィアを中心に活躍、モンテヴェルディとほぼ同時期を生きたピッキは、かの水の都で『タンクレーディとクロリンダの戦い』やカステッロ のソナタ集などが世に出た1625年に1編のカンツォン集を刊行していました。ヴァイオリン、リコーダー、木管コルネット、サックバット(Tb)など 多彩な楽器がその音色美とテクニックを競い合わせ、コンチェルト様式の粋をゆくエキサイティングな対話的音楽から、ガブリエーリの複合唱形式を思 わせる比較的大編成の作品まで、本場の才人奏者たちでなくては達しえない高度な演奏で味わえるのは絶妙。研究成果に基づきサックバットの パートをヴィオローネに割り当てるなどの機転も興味深いところで、そのような解説も国内盤には日本語訳を掲載いたします。 ※ このCDのバックインレイにて、ピッキの生歿年が誤って記載されておりますが、そのままのご提供になります。ご了承ください。なお、ブックレット及び 国内盤の帯に関しては、正しい年が記載されます。
A-477

NYCX-10160
国内盤仕様
税込定価
ヨンメッリ(1714〜1774):死者の為のミサ曲(レクイエム)変ホ長調 サンドリーヌ・ピオー(S)
カルロ・ヴィストーリ(A)
ラファエレ・ジョルダーニ(T)
サルヴォ・ヴィターレ(Bs)
ジョルジオ・プランディ(指)
ギスリエーリ合奏団&cho(古楽器使用)

録音:2019年11月19-22日グスタフ・マーラー音楽堂、ドッビアーコ、イタリア
【国内盤】日本語解説付き
聞いたこともない作曲家・作品の録音に目の覚めるような体験をすることも古楽の楽しみの一つ。しかし、そのなかでも確実に高水準の内容 を約束してくれる「往年の巨匠作曲家」の新録音は間違いなく注目に値します。近年再評価めざましいナポリ楽派の大立者ヨンメッリの『レ クイエム』に光をあてたこの新録音も、まさにそうした系譜に連なる一聴して惹き込まれるリリースと言ってよいでしょう。 ニコロ・ヨンメッリは大バッハの次男C.P.E.バッハや改革的な歌劇作曲家グルックと同い年で、少し上世代のポルポラやレーオ、あるいは年齢 も近いペルゴレージらと並んでナポリ楽派を代表する重要作曲家。イタリアを離れシュトゥットガルトの宮廷作曲家として栄光の日々を歩んだ この才人、前古典派流儀のギャラント様式をあざやかに使いこなしながら、レチタティーヴォにまで合奏を動員する独特の作風で傑作歌劇 を連発しましたが、ここに録音されたのは珍しい宗教作品です。教会音楽に相応しい静謐さがナポリ楽派らしいパッションと交錯する『レクイ エム』は同時代人たちからも絶賛され、いくつもの手稿譜が残されているほど。ペルゴレージの幻のミサ曲を蘇演・録音して話題を呼んだ本場 イタリアの才人集団ギスリエーリ合奏団が、サンドリーヌ・ピオーをはじめとする独唱陣とともに絶好の解釈でその美に迫ります。充実した解説 含め、歌劇一辺倒ではなかったヨンメッリの才覚にあらためて感じ入らずにおれない新録音です。
A-478

NYCX-10177
国内盤仕様
税込定価
『タルティーニとチェロ』〜チェロ・ピッコロによる協奏曲とソナタ〜
アントニオ・ヴァンディーニ(1690頃-1778):チェロ協奏曲 ニ長調
タルティーニ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ト短調
 ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調
 4声のソナタ ニ長調 GT 5.D01
 チェロ協奏曲 イ長調 GT 1.A28
 チェロ協奏曲 ニ長調 GT 1.D34
ジューリオ・メネギーニ(1741-1824):合奏協奏曲(コンチェルトーネ) 第3番ハ長調-タルティーニのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.1-3 〔GT 2.C11〕による
マリオ・ブルネロ(4弦チェロ・ピッコロ)
 ブレーシアのフィリッポ・ファセル2017年製作による再現古楽器
 クレモナのアントニオ&ジローラモ・アマティ1600-1610年製作モデルによる
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、指揮)

録音:2019年11月19-23日 サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(ミラノ近郊)、イタリア
【国内盤】日本語解説付き
現代イタリアを代表するチェロ奏者のひとりマリオ・ブルネロが近年、アマティのモデルにもとづく独特の小型チェロで古楽研究的アプローチもさ かんに試みるようになっているのは見逃せません。ヴァイオリンと調弦が同じでオクターヴ違いの低音が鳴るこの楽器を用いて、彼がバッハの無 伴奏ヴァイオリン曲集を録音し大きな成功を収めたのも記憶に新しいところ(国内仕様NYCX-10100/輸入盤A469)、同じ楽器で今度 は故郷イタリアの重要作曲家に向き合ったアルバムをリリース。しかも選曲にこだわりありの注目企画です。 バッハよりも少し後、1692年生まれのタルティーニは今年(2020年)が歿後250周年。その作品は自らが抜群の演奏能力を誇ったヴァイオ リンのためのものがほとんどですが、ごくわずかながら低音弦楽器のために書かれた作品もあり、チェロの巨匠たちから愛されてきました。しかし 本盤でブルネロは、最新の音楽学知見も参照しながら、ヴァイオリンのための作品も上述した小型4弦チェロで演奏。さらにテレマンの無伴奏 ガンバ曲集と同じコレクションに含まれ、近年発見されたというガンバのための作品もとりあげ、門弟による合奏協奏曲編曲なども交えて、興 趣のつきない選曲でタルティーニの世界を縦横無尽に駆け巡ります。協奏曲での共演は、ブルネロとカルミニョーラによる二重協奏曲アルバム (NYCX-10133/A472)でも名演を聴かせてくれたイタリアのピリオド楽器アンサンブル。充実した解説も添えられており、記念年ならでは の意欲的企画で、タルティーニの思わぬ低音世界を発見できる1枚です。
A-479
ブラームス:チェロ・ソナタ他
マルトゥッチ: チェロとピアノのためのロマンス イ短調 Op.72-1
ブラームス:チェロとピアノのためのソナタ 第1番 ホ短調 Op.38
マルトゥッチ:チェロとピアノのためのロマンス イ長調 Op.72-2
ブラームス:チェロとピアノのためのソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99
ルイジ・ピオヴァノ(Vc)
使用楽器:ナポリのアレッサンドロ・ガリアーノ 1710年製
アントニオ・パッパーノ(P)
使用楽器:スタインウェイDモデル「センテニアル」1878年製(製造番号No.37168)

録音:2019年10月25-27日ラ・リバットーラ荘、シエーナ県サルテアノ、イタリア
21世紀を担うイタリアの大御所指揮者であり、ピアニストとしても稀代の活躍をみせるアントニオ・パッパーノが、なんとブラームスの時代の歴 史的ピアノで驚くほど細やかに室内楽の世界を表現したアルバムをArcanaレーベルからリリース。しかもデュオ・パートナーはポリーニ・プロジェ クトのチェロ奏者として、またローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管のソロ・チェロ奏者として、そして東京フィルのゲスト首席奏者として日 本でも知られる才人ルイジ・ピオヴァノで、こちらも18世紀の銘器ガリアーノを手にしての共演。今やイタリア有数の古楽レーベルとなった Arcanaが妥協なくブラームスの世界に向き合った新録音として注目必至です。 19世紀後半にあってなお古典派の形式美を追求したブラームスですが、彼がドイツ・ロマン派の多くの芸術家たちと同じく、アルプスの南に広 がるイタリアの輝かしさに憧憬を寄せ続けていたことは見過せません。そして同じ頃のイタリアでも、オペラ一辺倒の国情から一転、器楽、そし てドイツに注目を寄せる新世代作曲家たちが徐々に現れはじめます。古楽器奏者としても活躍するイタリアの俊才ピオヴァノはこの点に注 目、ドイツ音楽の積極的紹介者だったマルトゥッチの小品をブラームスの傑作チェロ・ソナタ2曲と併録しました。深い信頼で結ばれた共演の パッパーノは今回、ブラームス生前の1878年に作られた歴史的スタインウェイに向かい、息をのむような弱音の響きをぞんぶんに活かした作 品解釈を披露。南国への憧憬とイタリアの歌心にあふれた19世紀音楽の響きを問い直す、演奏者二人へのインタビュー解説とともに深く傾 聴したい録音です。
A-480
『バッハ家の音楽帳』〜オリジナル手稿譜と当時の出版譜から再現する、バッハ一家の音楽の夕べ
バッハ: フランス組曲 第4番変ホ長調 異稿 BWV 815a - 前奏曲
バッハ:フランス組曲 第4番変ホ長調 BWV 815
ヨハン・クーナウ(1660-1722):聖書の物語の音楽的描写 「聖書ソナタ」 - 第4番瀕死のヒゼキア王とその回復
死の予告に嘆くヒゼキア王と、彼の熱心な祈り
その祈りを神が聞きとどけた
健康を回復した喜び
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783): ポロネーズ ト長調 (BWV Anh. 130)
ゲオルグ・ベーム(1661-1733):前奏曲、フーガと後奏曲 ト短調
バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BW 998
フランソワ・クープラン:ロンドー 変ロ長調 (BWV Anh. 183)
(クラヴサン曲集 第2巻 第6オルドル 「牧歌」)
テレマン:序曲(組曲) 変ホ長調 (TWV 55:Es4 による) より ※
序曲
メヌエット I - II
ルール
ブーレー I - II
アリア
パスピエ I - II
バッハ:カプリッチョ 変ロ長調 「最愛の兄の旅立ちに」 BWV 992
アリオーソ 「旅を思いとどまらせようとする友人たちのやさしい言葉」
「他国で起こるかもしれないさまざまな不幸の想像」
「友人一同の嘆き」
「友人たちは(どうしようもないと知って)集まり、別れを告げる」
郵便馬車の御者のアリア
郵便ラッパを模したフーガ
. バッハ:ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV 691
フランチェスコ・コルティ (Cemb)

使用楽器:ハノーファーのクリスティアン・ファーター
1738年製楽器(ニュルンベルクのゲル
マン国立博物館所蔵)にもとづき、
ミラノのアンドレア・レステッリが1998年
に複製した楽器

録音:2019年5月13-15日ジャルディーノ音楽ホール、クレマ、クレモナ
※ デジタル配信版には、テレマンの組曲のうち、省略されている「アントレ」「ジーグ」「ポロネーズ」が収録されています。
アムステルダムでボブ・ファン・アスペレンに師事し、マルク・ミンコフスキのルーヴル宮音楽隊などで活躍、日本を含む世界各地でリサイタルを行 い、ソリスト、指揮者としても活動するほか、バーゼル・スコラ・カントルムで教鞭も取るフランチェスコ・コルティ。ここで聴かせてくれるのは、「アン ナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」「メラー手稿譜」「アンドレアス・バッハ 写本」など、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが関わった手稿譜に含まれるものを中心に収録した内容で、バッハ一家はおそらく、このようなプログラ ムで音楽を楽しんでいたのではないか、という再現となっています。各作品はそれぞれの手稿譜のオリジナルや、BWV 998では東京の上野 学園に保存されている自筆譜コピーなど、バッハ一家の資料として出来る限りの原本をあたって検証されています。結果、フランス組曲第4番 には異稿版に添えられた前奏曲を加え、偽作の疑いのあるメヌエットが省かれました。また、バッハ自身のカプリッチョに大きな影響を与えたと 言われるクーナウの「聖書ソナタ」の一部も収録され、こちらは1700年にライプツィヒで出版された一番最初の出版譜に拠っています。
A-481

NYCX-10169
国内盤仕様
税込定価
『スペイン領ミラノの時代』〜ビウエラと鍵盤楽器によるスペイン黄金時代の音楽〜
ピエトロ・パオロ・ボルローノ(1490/95頃〜1563以降)
フランチェスコ・カノーヴァ・ダ・ミラノ(1497〜1543)
ルイス・ミラン(1500以前〜1560頃以降)
アントニオ・デ・カベソン(1510頃〜1566)
アロンソ・ムダーラ(1510頃〜1580)
マティアス・ヴェルレコレ(1522以前〜1574以降)
エンリケス・デ・バルデラーバノ(1547年前後に活躍)
1) タリアーナの戦い 第2部 ヴェレルレコレ
2) ベルドリンの美談 作曲者不詳(16世紀)
3) ヨハンネス・ルーピの「すてきな木蔭で」 カベソン
4) パバーナによる四つの変奏 バルデラーバノ
5) 第一旋法の聖歌によるファボルドネス カベソン
6) テントによるファンタジア ミラン
7) ロンバルディアのソネート バルデラーバノ
8) ゴンベールの「悲痛なる別れ」に装飾を施して カベソン
9) 「ラ・ゴンベルティーナ」と呼ばれたるパバーナ ボルローノ
10) ミラノ風ガリャルダによる変奏曲 カベソン
11) ジョスカンの「天の皇后に祝福あれ」 カベソン
12) ジョスカンの「天の皇后に祝福あれ」第2部 カベソン
13) ジョスカンの「天の皇后に祝福あれ」第3部 カベソン
14) ファンタジア ミラン
15) 讃歌「救世主、全ての者の贖い主」 カベソン
16) めでたし、海の星 カベソン
17) ルドビコの作法により
ハープ向けに編曲されたファンタジア ムダーラ
18) ビウエラによるティエント ミラノ
19) 第5旋法によるティエント カベソン
20) クラロス伯爵 ムダーラ
21) 「貴婦人のご所望で」による変奏曲 ムダーラ
マウリツィオ・クローチ(チェンバロ、木製管オルガン)
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(ビウエラ)

「使用楽器」
チェンバロ:ヴェネツィアのドメニコ・ダ・ペーザロ1531年製作モデル(ライプツィヒ楽器博物館所蔵)にもとづく再現楽器、アンドレーア・レステッリ2020年製作
木製管オルガン:歴史的モデルにもとづく再現楽器、チェルメナーテ(イタリア)のヴァルテル・キナーリア2017年製作
ビウエラ:歴史的モデルにもとづく再現楽器、グラナダのフランシスコ・エルバス2019年製作

録音:2020年1月24-26日スイス・イタリア語放送ステリオ・モーロ収録堂、ルガーノ(スイス)

【国内盤】日本語解説付き
世代交代が進む21世紀のヨーロッパ古楽シーン。TactusやStradivariusなどイタリアの古楽レーベルで、筋の通ったバロック録音を数多く リリースしてきたマウリツィオ・クローチも、彼のアンサンブル「ペガッソ」やマルコ・ビズリー率いる「アッコルドーネ」などで確かな撥弦さばきを聞かせ てきたエヴァンジェリーナ・マスカルディも、明敏な古楽リスナーにとっては新譜が見逃せない存在。この二人が妥協なくルネサンス音楽と向き 合った今回の録音は、撥弦と鍵盤の共演がルネサンス期の音楽においても意外なまでに可能性に満ちていたことを、理屈抜きに伝える期 待通りの仕上がりです。 舞台は16世紀。大国スペインは群雄割拠のイタリア半島にまで覇権を伸ばし、ミラノもその勢力圏に収めます。そこでスペイン貴族のもと行 われた、撥弦楽器と鍵盤とが妙なる対話を聴かせたという音楽会の再創造が本盤のテーマ。スペインで愛されていた撥弦楽器ビウエラと、撥 弦楽器の作法を手本に独自のスタイルを確立しつつあったチェンバロとの対話がくりひろげられます。曲によって二重奏と独奏を描き分け、イ タリア半島でも聴かれたスペインのさまざまな秘曲の世界へ……両奏者の精妙な音楽性、直接音と空気感のバランスも素晴しい自然派エ ンジニアリングも魅力。ビウエラの妙音のかたわら、木製管オルガンや16世紀モデルのチェンバロの音色にも惹かれます。
A-482

NYCX-10187
国内盤仕様
税込定価
『モーツァルトのまわりで』 〜オーボエ四重奏の黄金時代〜
バッハ:オーボエ四重奏曲 変ロ長調 WB 60 (1770年頃)
モーツァルト:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K. 370/368b (1781年)
シャルル・ボクサ(父) (1760頃-1821):とっておきのロマンス ヘ長調「このうえなく可愛らしい言葉」 (1806年頃)
ドッツァウアー(1783-1860):オーボエ四重奏曲 ヘ長調 Op. 37 (1818年)
アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841):オーボエ小四重奏曲 ハ長調 BI 425 (1814年)
ゲオルク・ドルシェツキー(1745-1819):キルンベルガー氏による4声のカノン イ短調 (1802年頃)
ベルナルディーニQ(古楽器使用)【アルフレード・ベルナルディーニ(Ob)、チェチーリア・ベルナルディーニ(Vn)、ジモーネ・ヤンドル(Va)、マルクス・ファン・デン・ミュンクホフ(Vc)】

録音:2020年1月8-11日 ルター派教会、ハールレム(オランダ)
【国内盤】日本語解説付き
弦楽三重奏にオーボエがひとつ加わるオーボエ四重奏曲といえば、まずモーツァルトの作品が思い浮かぶところ。実はこの曲種、古典派から 初期ロマン派の時代にかけて意外に多くの作例が生まれていました。歴史の谷間に埋もれて忘れられていったそれらの中には、作曲家たちが 知っていた当時の楽器で演奏されてこそ、本来の真価を発揮するものが少なくありません。歴史的オーボエの探求に余念がないベルナル ディーニはここで、欧州各地に残る18-19世紀製のオリジナル古楽器に着目。厳選されたプログラムで、モーツァルト前後の時代に生み出さ れたオーボエ四重奏曲の素顔に迫りました。オリジナル楽器ならではの古雅な響きを最大限に生かしながら、古典派らしい流麗な旋律を吹 きこなしてゆく彼のまわりには、娘チェチーリア・ベルナルディーニとそのパートナーのファン・デン・ミュンクホフ、ヴィオラのジモーネ・ヤンドルら逸材 が揃い、弦楽器や弓も当時のオリジナルを中心に使用されています。ドレスデンの名高いチェロ奏者ドッツァウアーやブダペストのドルシェツキー など、既存録音がきわめて少ない重要作曲家の作品も見過ごせません。
A-483

NYCX-10194
国内盤仕様
税込定価
シュッツ:『音楽による葬送』、およびその他の17世紀ドイツ葬送音楽
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):わたしは黙っていよう、この口を閉じていよう (1617)
アンドレアス・グライヒ(1622-1693):死せる者たちは幸いである (1651)
ゼバスティアン・クニュプファー(1633-1676):わたしを見つけてください、神よ (1674)
ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):音楽による葬送 作品7 (SWV 279-281) (1636)
ヨハン・シェッレ(1648-1701):わたしは知っています、罪を贖ってくださるかたが生きていると (1684)
ヨハン・ゲオルク・エーベリング(1637-1676):あなたの庭で過ごす一日は、他のところで千日過ごすより素晴しい (1666)
ヨハンネス・ケッセル(生歿年不詳、17世紀に活躍):わたしは待ち望んでいます、旅立ちのときを (1657)
ヨハン・ローゼンミュラー(1617-1684):では、それは何なのでしょう――人間の生とは (1654)
ヴォーチェス・スアーヴェス(古楽器使用)
ヨハンネス・シュトロープル(オルガン、指揮)

録音:2020年7月7-10日
ボスヴィル芸術館(旧ボスヴィル教会)、スイス
【国内盤】日本語解説、歌詞訳付き
シュッツの代表作のひとつ『音楽による葬送』を軸として、初期ドイツ・バロックの多声作品を集めたArcanaならではのプログラム。バーゼル・ス コラ・カントルム出身の精鋭が集うヴォーチェス・スアーヴェスによるアルバムです。『音楽による葬送』は1636年、ザクセン選帝侯宮廷の音楽 監督としてキャリアを重ねていたシュッツが手がけた、ドイツ語の声楽曲。彼の故郷ケストリッツの領主で、生涯親交のあった人文主義者ハイ ンリヒ・ロイスに捧げられたこの傑作は、ブラームスの『ドイツ・レクィエム』の先駆としても早くから注目されてきました。ヴォーチェス・スアーヴェスは これを17世紀ドイツ語圏の音楽の中に改めて置くことで、新旧世代の間でのシュッツの音楽の特性を浮き彫りにしてゆきます。世紀初頭の シャインから数十年後のローゼンミュラーまで、「バッハ以前」のドイツ宗教音楽の充実が「葬送」というテーマの中でありありと実感される選曲 と言えるでしょう。歌手それぞれが音楽の構成をよく踏まえて声を重ねてゆくことで充実した響きが生まれており、音楽学的知見を紐解いた 解説とともに、その作品美を堪能する「欧州古楽最前線」を聴く一枚です。
A-483

NYCX-10194
国内盤仕様
税込定価
シュッツ:『音楽による葬送』、およびその他の17世紀ドイツ葬送音楽
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):わたしは黙っていよう、この口を閉じていよう (1617)
アンドレアス・グライヒ(1622-1693):死せる者たちは幸いである (1651)
ゼバスティアン・クニュプファー(1633-1676):わたしを見つけてください、神よ (1674)
ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):音楽による葬送 作品7 (SWV 279-281) (1636)
ヨハン・シェッレ(1648-1701):わたしは知っています、罪を贖ってくださるかたが生きていると (1684)
ヨハン・ゲオルク・エーベリング(1637-1676):あなたの庭で過ごす一日は、他のところで千日過ごすより素晴しい (1666)
ヨハンネス・ケッセル(生歿年不詳、17世紀に活躍):わたしは待ち望んでいます、旅立ちのときを (1657)
ヨハン・ローゼンミュラー(1617-1684):では、それは何なのでしょう――人間の生とは (1654)
ヴォーチェス・スアーヴェス(古楽器使用)
ヨハンネス・シュトロープル(オルガン、指揮)

録音:2020年7月7-10日 ボスヴィル芸術館(旧ボスヴィル教会)、スイス
【国内盤】日本語解説、歌詞訳付き
シュッツの代表作のひとつ『音楽による葬送』を軸として、初期ドイツ・バロックの多声作品を集めたArcanaならではのプログラム。バーゼル・ス コラ・カントルム出身の精鋭が集うヴォーチェス・スアーヴェスによるアルバムです。『音楽による葬送』は1636年、ザクセン選帝侯宮廷の音楽 監督としてキャリアを重ねていたシュッツが手がけた、ドイツ語の声楽曲。彼の故郷ケストリッツの領主で、生涯親交のあった人文主義者ハイ ンリヒ・ロイスに捧げられたこの傑作は、ブラームスの『ドイツ・レクィエム』の先駆としても早くから注目されてきました。ヴォーチェス・スアーヴェスは これを17世紀ドイツ語圏の音楽の中に改めて置くことで、新旧世代の間でのシュッツの音楽の特性を浮き彫りにしてゆきます。世紀初頭の シャインから数十年後のローゼンミュラーまで、「バッハ以前」のドイツ宗教音楽の充実が「葬送」というテーマの中でありありと実感される選曲 と言えるでしょう。歌手それぞれが音楽の構成をよく踏まえて声を重ねてゆくことで充実した響きが生まれており、音楽学的知見を紐解いた 解説とともに、その作品美を堪能する「欧州古楽最前線」を聴く一枚です。
A-484
『2つの魂の間に』〜サンティアゴ・デ・ムルシア(1673-1739): バロックギターのための独奏曲集
ファンダンゴ*/イタリア風フォリア*
ソナタ ホ短調 -A.コレッリのソナタ集Op. 5のソナタ第5&8番による**
ガリシア風フォリア*/タランテラ*,***
マリサパロスの歌*/カナリオス*
ソナタ ハ長調 -A.コレッリのソナタ集Op. 5のソナタ第3番による**
ハカラ*
ラッパの響きにもとづく、珍奇なる創意の曲**

「楽譜出典」
* 『サルディバル写本』第4編(1732年頃)
** 『パサカリェ、およびその他のギター曲集』(1732)
*** 『ギター伴奏法提要』(1714)
ステファノ・マイオラーナ(バロックG)
使用楽器:ヴェネツィアのジョルジオ&マッテオ・セラス〜17世紀後半製作モデルに基づく、サセックスのマーティン・ヘイコック
2015年製作による再現楽器

録音:2019年2月1-5日、ヘミオラ・スタジオ、ローマ
1700年前後のスペイン王室に仕え、1718年から1731年までメキシコでも活躍したスペインのギター音楽家サンティアゴ・デ・ムルシア。バ ロック後期のギター独奏曲を書いた作曲家としては、年長のガスパル・サンスや同時代のフランス人ロベール・ド・ヴィゼーらとともに高名なひとり で、その作品は“ギターの神様”アンドレス・セゴビアが熱心に取り上げたことをはじめ、現代のギター奏者たちにとっても決して縁遠いものではあ りません。しかし300年前の時代を生きた彼はあくまで、5コースからなるバロックギターが標準的な存在だった時代の人。このアルバムは古楽 器の世界からサンティアゴ・デ・ムルシアの音楽を検証、スペイン語圏の音楽ということで連想されるような野趣や民俗情緒だけでは説明のつ かない、イタリア音楽がスペインを含む欧州各地に大きな影響を及ぼしつつあった時代ならではの音世界に迫ってみせています。スペインとイタ リア、このあたりが「2つの魂」のアルバム・タイトルの由来でしょう。コレッリのヴァイオリン・ソナタ集による編曲2作も興味深く、その一方でハカラ やフォリア、ファンダンゴなどといったスペイン語圏特有の音楽も満載。17世紀モデルの楽器を用いたイタリアの名手ステファノ・マイオラーナ(バ ロックギター世界の開拓に大きく寄与したアンドレア・ダミアーニやポール・オデットの門下に学んだ古楽撥弦奏者)による演奏も素晴しく、充実 した参考文献表も掲載されている原盤解説(英仏伊西)も一読の価値があります。
A-485
『ローマ、バロック揺籃の地』〜18世紀初頭の音楽会再現〜
アントニオ・カルダーラ(1670-1736):シンフォニア -「聖女カテリーナの殉教」(1708)より
カルロ・フランチェスコ・チェザリーニ(1666頃-1741): アリア「わたしは何を成すべきか、おお星よ」-「ジューニオ・ブルート、またはタルクィーニの失脚」(1711)より
ヘンデル:アリア「この男、時が眠っていると思っているのか」-『時と真実の勝利』(1707)より
ソナタ -『時と真実の勝利』(1707)より
アリア「波に呑まれそうになりながら」-『復活』(1708)より
プレリュード 変ロ長調-『クラヴサンのための8つの組曲』第1組曲 HWV 434より
コレッリ:プレリュードとジガ(ジグ)-ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 作品5-9(1700)より(リコーダーとチェンバロによる演奏)
A・スカルラッティ:アリア「わたしは留まっていよう、自分の木立に」-『薔薇の庭園』(1707)より
ヘンデル:ソナタ=序曲 -『時と真実の勝利』(1707)より
ニコラ・フランチェスコ・ハイム(1678-1729):チェロと通奏低音のためのソナタ イ短調/ホ短調
D・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ ト短調 K 12
ヘンデル:アンダンテとアレグロ -トリオ・ソナタ ハ短調 Op.2-1(1733出版)より
A・スカルラッティ:室内カンタータ『聖なる名をもつ美しき貴婦人』(1706)
レ・スタジョーニ(古楽器使用)
ソロ:
ティアム・グダルジ(リコーダー)
ダニエル・ランティエ(Ob)
タミ・トロマン、リヴ・ヘイム、ロルダン・ベルナベ=カリオン、
オーガスタ・マッキー・ロッジ(Vn)
マルコ・フレッツァート(Vc)
パオロ・ザンズ(チェンバロ、フォルテピアノ、オルガン、指揮)
カルロ・ヴィストーリ(C.T)
調律:1/6コンマ・ミーントーン a’=415Hz

録音:2020年7月24-27日 レンパール劇場、スミュール=アン=オーソワ(フランス東部ブルゴーニュ地方)
【国内盤】日本語解説・歌詞訳付き
イタリア出身ながら英国とフランスのすぐれた古楽伝統を吸収し、ルセやセラシらの薫陶を受けレザール・フロリサンのアシスタントを務めなるな どじっくりキャリアを築いてきた、ミレニアル世代の才人パオロ・ザンズ。2017年に立ち上げたレ・スタジョーニには、同じイタリア出身のバロック・ チェロ奏者マルコ・フレッツァートをはじめ、欧州古楽界より選りすぐりの気鋭奏者たちが揃います。そんな彼らがイタリアに本拠を置くArcana レーベルから世に問う初アルバムのテーマは、巨匠コレッリが若きヘンデルと共演し、スカルラッティ父子がともに現役で音楽通たちを瞠目させて いた1700年代初頭のローマ! 17世紀以来、建築・美術・文芸・音楽とさまざまな芸術分野に深い愛を注いだ聖職者や貴族が多かった この「永遠の都」で、いかにバロック後期の活況の萌芽が見られたかを伝えてくれます。名カウンターテナー歌手ヴィストーリの美声と技巧がアリ アのしなやかな旋律美を描き出すかたわら、さまざまな古楽器の味わいが活きる器楽陣も絶妙。プログラムの巧妙さは解説でも詳述されてい ますが、イタリアの心意気に満ちた地中海情緒満点の古楽器演奏で体感する「音の時間旅行」には格別のものがあります。
A-486
『解き放たれたフォルクレ』 〜アントワーヌ・フォルクレのヴィオール作品を中心に
1-7. ト調のモザイク組曲
1. シャコンヌ 「茂み La Buisson」(フォルクレ) Vdg, Th, Cmb
2. アルマンドとドゥーブル〔78-80〕(マレ) Vdg, Th, Cmb
3. 嘆き Plainte〔86〕(マレ) Vdg, Th
4. マンドリン La Mandoline(フォルクレ) Vdg, Th, Mnd
5. デュブリュイユ La Dubreuil(フォルクレ) Vdg, Th
6. ギター La Guitare(マレ) G
7. ギター La Guitare〔107〕(マレ) Vdg, Th
8-12. ハ調のモザイク組曲
8. パサカーユ ハ長調(L.クープラン) Cmb
9. プレリュード〔123〕 Prelude(マレ) Vdg, Lu
10. ユピテル Jupiter(フォルクレ) Vdg, Th, Cmb
11. 森の精 La Sylva(フォルクレ) Vdg, Th, Cmb
12. モンティニ La Montigni(フォルクレ) Vdg, Th, Cmb
13-18. ニ調のモザイク組曲
13. プレリュード(作者不詳/ヴォドリ・ド・セズネの音楽帳より) Lu
14. サラバンド(ド・ヴィゼー) Vdg, Th
15. フェラン La Ferrand(フォルクレ) Vdg, Th
16. トロンシャン La Tronchin(フォルクレ) Vdg, Th
17. クラント I&II(ド・ヴィゼー) Vdg, Th
18. 仮面舞踏 La Mascarade(ド・ヴィゼー) Vdg, Th

※曲名、作曲者のあとのアルファベットは楽器編成を表します。
アンドレ・リスレヴァンド(バス・ド・ヴィオール Vdg)
ヤドラン・ダンカン(テオルボ Th、バロックリュート Lu)
パオラ・エルダス(クラヴサン Cmb)
ロルフ・リスレヴァンド(バロックギター G、マンドリン Mnd)

録音:2018年2月7-14日、2019年4月5-10日 ムーシカ・スタジオ、リスレヴァンド エヴイェ、ノルウェー
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)はバロック期のフランスで大いに好まれた弦楽器。その名手として双璧をなした存在が「天使のように弾く」と讃え られたマラン・マレと、対照的に「悪魔のように弾く」との賛辞で知られたアントワーヌ・フォルクレでした。息子への暴力など悪い噂もありながら幼 少期より圧倒的な音楽性と演奏能力でフランス王室を驚かせ、ヴィオール芸術の発展に大いに尽くしながらも生前は作品を楽譜出版するこ とのなかったフォルクレの遺稿は、本人の歿後まもなく息子によって整理・刊行され世に残っています。縦横無尽にヴィオールを扱う名品揃い のこの曲集は五つの組曲からなる構成ですが、本盤ではバロック期にもそのようにすることがあったように、他の作曲家の作品も交え曲の調性 にあわせて三つの組曲にまとめ直して収録(本盤ではこれらを「モザイク組曲」と名づけています)。好敵手マレや同時代の撥弦楽器作曲家 ド・ヴィゼーらも含めたその音楽世界を精緻な演奏で浮き彫りにしてゆくのは、リュートの巨匠ロルフ・リスレヴァンドの息子、アンドレ・リスレヴァ ンド(アルバム解説も彼自身が執筆)。古楽演奏の空気を存分に吸いながら育った彼ならではの作品美に寄り沿う解釈を、若き俊才たちが 親密な共演で盛り上げます。父ロルフもプロデューサー&エンジニアとしてアルバムを全面的にバックアップ。演奏にも2曲ほど参加しています。
A-487
『わたしが両目を閉じるや否や』 独唱とヴァイオリンのためのカンタータ集
アレッサンドロ・スカルラッティ:カンタータ「わたしはどこへ逃げるつもりか、何を考えているのか」〜独唱、ヴァイオリンと通奏低音のための

カルダーラ(1670-1736):カンタータ「小川のほとりで」〜独唱、ヴァイオリン、チェロと通奏低音のための
ヴァレンティーニ(1681-1753):室内ソナタ(アレッタメント・ダ・カメラ) ニ短調 Op. 8-1〜ヴァイオリンと通奏低音のための ※世界初録音
カルダーラ:カンタータ「罪を知らないわたしの心は」〜独唱、ヴァイオリンと通奏低音のための
A.スカルラッティ:カンタータ「わたしが両目を閉じるや否や」(眠り)〜独唱、ヴァイオリンと通奏低音のための
ジュゼッピーナ・ブリデッリ(Ms)
ヴァンヴィテッリQ(古楽器使用)【ジャン・アンドレア・グエッラ(Vn)、ニコラ・ブロヴェッリ(Vc)、マウロ・ピンチアローリ(アーチリュート)、ルイージ・アッカルド(チェンバロ、ポジティフ・オルガン)】

録音:2020年6月29日-7月4日サン・パオロ教会、メッツァーノ・スコッティ(イタリア北部ピアチェンツァ県)
バロック後期、音楽愛好で知られた王侯貴族や高位聖職者が数多く集った永遠の都ローマ。そこで活躍したイタリア屈指の大作曲家たちの 名品をよりすぐり、徹底した作品解釈によって18世紀初頭の音楽像に迫ったプログラム。すでに数十年にわたる古楽器演奏の蓄積を持つイ タリアの、躍進めざましい新世代奏者たちが集うヴァンヴィテッリ四重奏団によるアルバムです。独唱は2019年にアリア集『対決!ポルポラ対 ヘンデル』(国内仕様盤NYCX-10055/輸入盤A461)でみごとな歌唱を聴かせたメゾ・ソプラノ、ジュゼッピーナ・ブリデッリ! ここではヴァイ オリンとチェロのソロがきわだつ作品の数々を通じ、リュートや鍵盤など通奏低音とも息の合ったアンサンブルを織り上げながら、18世紀ローマの 文化人たちが味わったであろう親密な距離感の音楽を歌いこなしてゆきます。器楽奏者4人の深い洞察と確かな技量にも驚かされる、イタリ ア随一の古楽レーベルARCANAならではの1枚です。
A-488(2CD)
NX-D07
ヨハン・ヨーゼフ・フックス(1660-1741):歌劇「月桂樹に姿を変えたダフネ」(1714)FuxWV II.2.11 / Kv 308 ディアナ…モニカ・ピッチニーニ(S)
ダフネ…アリアーナ・ヴェンディッテッリ(S)
恋の神アモーレ…ソーニャ・テドラ・チェプレアプ(S)
アポロ…ラファエル・ペ(C.T)
メルクリオ…ヴァレリオ・コンタルド(T)
アルフレード・ベルナルディーニシ
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
通奏低音:ガエターノ・ナジッロ、サラ・ベンニーチ(Vc)
 ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 パオロ・ズッケリ(Cb)
 ミゲル・リンコン(テオルボ)
 アンナ・フォンターナ(Cemb)

録音:2019年6月20-22日ヘルムート・リスト・ハレ、グラーツ、オーストリア
(シュティリアルテ音楽祭フックス・オペルンフェストにおけるライヴ収録)
イタリアの大作曲家アレッサンドロ・スカルラッティと同じ頃に生まれヴィヴァルディと同じ年に亡くなった、ウィーンの巨匠J.J.フックス。17世紀末、 いまだイタリア人優遇の機運が根強かったハプスブルク皇室で、ドイツ人ながら別格の厚遇を受け最高楽長の座に君臨できたのは、宮廷人た ちを誰よりも魅了できる音楽を提供できるセンスがずばぬけていたからだった……と強く再認識させてくれる録音です。ハイドンやモーツァルトら も学んだ対位法理論の名著『パルナスス山への階段』の著者として言及されることも多いフックスですが、この「月桂樹に姿を変えたダフネ」は いわばヴィヴァルディの華麗とヘンデル的雄弁に加え、バッハにも通じる精緻まで兼ね備えた充実度!太陽神アポロの求愛をかわし、女神ディ アナの掟通りに貞節を守るため月桂樹に姿を変えた水の精をめぐる伝説を、フックスはメロディアスな歌と巧みな多声書法とを的確に使いスリ リングな音物語に綴ってゆきます。 ラファエル・ペやモニカ・ピッチニーニら人気歌手を揃えたソリスト勢もさることながら、器楽パートの豪華さを見れば充実の演奏に仕上がっている のも納得。管楽器勢はグラッツィ兄弟のオーボエとファゴットにマルチェッロ・ガッティのトラヴェルソ、クラリネットの前身楽器でいち早くウィーン宮廷 に取り入れられていたシャリュモーにロレンツォ・コッポラ……とゼフィーロならではの豪華さ。さらにヴィオラ・ダ・ガンバには今や大御所の風格も帯 びつつあるドゥフトシュミットまでゲストで加わり、多彩な通奏低音楽器の扱いをはじめ随所での入念な解釈と奏者の妙技が生きるエキサイ ティングな音作りです。 (Ki)
A-489

NYCX-10235
国内盤仕様
税込定価
『ジョスキーノ』 〜イタリアのジョスカン・デプレ〜
1-2. 6声のモテトゥス「自然のことわりを越えて」
3-5. 4〜6声のミサ曲「フェラーラ公エルコレのミサ」:キリエ/グローリア/クレド
6-7. 4声のモテトゥス「あなたこそは唯一の力ある驚異」
8-9. 4〜6声のミサ曲「フェラーラ公エルコレのミサ」:サンクトゥス/アニュス・デイ
10. 3声のフロットラ「すばらしき時の幸運」〔器楽合奏〕
11-12. 6声のモテトゥス「おお、いとも思慮深き乙女」
13. 5声のモテトゥス「マリアさま、あなたは汚されず全く清らかで」
14. 3声の合奏曲「ラ・ベルナルディーナ」〔器楽合奏〕
15. 5声のモテトゥス「ごきげんよう皇后(サルヴェ・レジーナ)」
16-17. 6声のモテトゥス「星々に彩られたるオリュンポスから」
18. 12声のモテトゥス「マリアさま、あなたは汚されず全く清らかで」
オデカトン(声楽アンサンブル)
ジェズアルド・シックス(声楽アンサンブル)
ラ・レヴェルディ〔リュート、レベック、ハープ〕
ラ・ピファレスカ〔ショーム2、サックバット2〕
パオロ・ダ・コル(指)

録音:2020年10月13-17日 フォッリーナ聖母大修道院、トレヴィゾ(イタリア北東部ヴェネト州)
※国内盤には日本語解説、歌詞訳付き
15〜16世紀の欧州を席巻したフランス=フランドル楽派の中でも特に重要なジョスカン・デプレは、レオナルド・ダ・ヴィンチを筆頭に偉大なル ネサンス画家たちが活躍した頃のイタリアで長く活躍しました。生前の名声は楽譜出版社を通じて歿後もなお長く保たれ、後代のイタリア音 楽の発展にも大きな影響を及ぼしています。かの地の言葉で「ジョスキーノ」の愛称をもって知られ、イタリア音楽史上に残る重要作曲家の 一人にもなったこの大家が歿後500年を迎えた2021年、同国でもとくにルネサンス以前を得意とする四つのアンサンブルがここに結集。ミラ ノに拠点を置くArcanaレーベルを通じて、イタリアでのジョスカンの活躍を作品で辿る、記念年にふさわしいアルバムを制作しました。パレスト リーナからモンテヴェルディまで16〜17世紀のポリフォニー作品の解釈で知られるパオロ・ダ・コルの指揮のもと、ミラノのスフォルツァ家やフェ ラーラのエステ家、ローマ教皇庁などとの繋がりを検証しながら入念に選ばれた多声音楽は、男声で固められたア・カペラで味わい深く奥行き を持って響くだけでなく、時には器楽を添えた重厚なサウンドもあり。中世音楽に豊富な実績をもつラ・レヴェルディの三人による擦弦・撥弦 の重なりも絶妙で、各プレイヤーの音使いを空間の響きとともに的確に収めたArcanaならではのエンジニアリングが光ります。最新研究に基 づく解説も読み応え充分。なお、このアルバムは2021年4月29日に急逝した、イタリアで活躍したオランダ出身の伝説的オルガン奏者リウ ヴェ・タミンハの思い出に捧げられています。
A-491
「スウィザン!」 〜『ウィンチェスター写本』にみる、1000年前の英国における悪魔と奇跡の物語
1. そこにはエルフィアがおり**
2. 来たれ、主を賛美せよ*
3. この家に平安を(フランス国立図書館〔パリ〕の写本Ms.943〔10世紀〕より)
4. 偉大な奇跡の数々が**
5. たとえ、私がいかに最もつまらない者であろうと**
6. 彼は古きメルキセデクの盟約により祭司をつとめ*
7. 聖なる日が近づき**
8. スウィザン、偉大なる人*
9. その祝福された日が、再びこの現世に**
10. 安らぎの中で私は眠りにつく
(英国ウースター大聖堂所蔵の写本Ms.160〔13世紀〕より)
11. この喜ばしい夢は神ゆえのもの**
12. しかるに、ややあって目覚めてみれば**
13. アルファベットによる讃歌「あなたは助けの手を差し伸べてくださいます」
(ルーアン市立図書館の写本1385にあるウルフスタン作の詩に基づく即興歌唱)
14. 復讐の女神エウメニデスたちの残酷さをもってしても**
15. 見よ、この聡明なるスウィザンを*
16. さて、この病気の男が**
17. われら主を讃えん*
18. この勝利せる聖なる者が**
19. 体を寄せ合い、手の内で脂を燃やし*
20. 彼はそこで三日三晩、眠ることなく祈りを捧げ**
21. 見よ、聖なる者スウィザンその人の幻が現れ
(ウィンチェスターのエルフリック著『聖スウィザン伝』〔中世英語〕より)
22. アレルヤ、おお道を、光を、真実を*
23. 私たちが目にした出来事について、黙ってはいられない**
* 『ウィンチェスター・トロープス集』より
**ウィンチェスターのウルフスタン著
『韻文による聖スウィザン伝』からの抜粋を歌詞とする多声の即興歌唱
ディアロゴス(女声4名)
カタリナ・リヴィヤニチ(指)
スーザン・ランキン教授(音楽学アドヴァイザー)

録音:2019年10月5-8日 ノアラック修道院、フランス
中世英国を代表するゴシック聖堂のひとつウィンチェスター大聖堂は、楽譜として残されたものの中では最古の部類に属する多声音楽をまと めた歌集『ウィンチェスター・トロープス集(ウィンチェスター写本)』が記された場所。その成立年代は実に1000年代、つまり中世の多声音楽 として広く知られたノートルダム楽派のオルガヌム群より2世紀も遡ります。この大聖堂で司教をつとめ、宗教改革以前にはその守護聖人とし ても祀られていた聖スウィザン(800頃〜863)をアルバムのテーマに掲げながら、中世の声楽曲の研究と演奏実践でのユニークな実績を誇 るクロアチアの古楽グループ、ディアロゴスが新たな名盤を制作しました。カタリナ・リヴィヤニチ率いるディアロゴスはArcanaレーベルの創設者 ミシェル・ベルンステンが生前最後に録音技師としてアルバムを手がけたグループで、同レーベルに多くの録音がありますが、英国音楽に取り 組むのは今回が初。プログラムの中軸をなすトロープス集に記されている音楽に加え、同じ大聖堂でほぼ同時期に綴られた聖スウィザンを称 える詩を、当時の多声音楽の作法をふまえた即興歌唱で歌いこなす技量にも息を飲むばかり。ディアロゴス特有の「東」を感じさせる独特な 声の佇まいとあいまって、女声だけのア・カペラで歌われる中世音楽ならではの不思議な異界感が、初期多声音楽のえもいわれぬ和声感 覚の魅力を引き立てます。充実した解説書も専門的知見に関心のある聴き手の期待を裏切りません。
A-492
『ラージの七弦琴』〜イタリア初期バロック、詩人歌手の作曲した音楽を集めて〜
〜プロローグ:オルフェオの嘆き〜
1. フランチェスコ・ラージ(1574-1621):たとえ太陽神ポイボスが、黄金の輝きを
〜第1の弦:フィッリの瞳〜
2. 作者不詳:フィオレンツァの調べ〔器楽合奏〕
3. ラージ:わたしのフィッリ、優しいフィッリ
4. ラージ:一目こちらに向けられただけで、ああわたしは死ぬ
5. ラージ:いつも澄み切った瞳よ
〜第2の弦:恋する者のさまざまな気持ち〜
6. ジョヴァンニ・ド・マック(1550頃-1614): 第2カンツォーナ〔チェンバロ独奏〕
7. ラージ:恋の忠実とは、偽りのない心とは *
8. ラージ:わが心にも等しい人よ、あなたを見ていると *
9. ラージ:今こそ戻ってきた、魂を満たす春が
〜第3の弦:満たされない欲望〜
10. フェルリーニ(1600頃-1674): マントヴァの舞踏曲〔器楽合奏〕
11. ラージ:フィッリ、ああお願いだ *
12. ラージ:ああ何とすぐ去ってしまうのか
〜第4の弦:恋ならではの痛み〜
13. カプスペルガー(1580頃-1651):第2トッカータ〔テオルボとチェンバロによる二重奏〕
14. ラージ:誰か、おれではない男の腕の中に *
15. ラージ:ああ、まさしく一瞬のうちに *
16. ラージ:犠牲の苦しみが、軍勢をなして *
〜第5の弦:最後の別れ〜
17. 作者不詳::ロマネスカの調べ(1620頃)〔テオルボとチェンバロによる二重奏〕
18. ラージ:もうやめてくれ、いとしいテルシッラ *
〜第6の弦:いつかの恋の炎〜
19. フレスコバルディ(1583〜1643): カンツォーナ「ラ・トロンボンチーナ」〔器楽合奏〕
20. ラージ:ああ、苦々しい思い出よ *
21. ラージ:いつかの恋の炎を思い出し、わたしは *
22. ラージ:今なら分かる、心はどのように砕け散るのか *
〜第7の弦:恋にまつわる学び〜
23. アスカニオ・マヨーネ(1565/70頃〜1627): 第4トッカータ〔ハープ独奏〕(1603)
24. ラージ:おお、澄み切った明るい星よ
〜エピローグ〜
25. ラージ:ああ、なんと幸せな日だろう
リッカルド・ピザーニ(T)
アンサンブル・アルテ・ムジカ【キアーラ・グラナータ(ダブルハープ)、ジョヴァンニ・ベッリーニ(テオルボ、バロックギター)、シルヴィア・デ・マリア(ヴィオラ・ダ・ガンバ、リローネ)】
フランチェスコ・チェーラ(チェンバロ、指)

録音:2020年7月9-12日 洗礼者聖ヨハネ&ボローニャ聖ペトロ教会、ローマ
* =世界初録音
多声の絡み合い重視のルネサンス音楽から一転、独唱に光を当て、言語による演劇的表現と音楽性とを融合させた新しい音楽を目指し たのが、1600年前後のイタリアの作曲家たち。こうして生まれた新たな音楽様式はのちに「バロック」と呼ばれますが、その最初期の発展があ くまで「言語」への強い関心から生まれたものであったことは、バロック音楽を知れば知るほど実感されるのではないでしょうか。このアルバムはそ うしたバロック草創期のイタリアにあって、さまざまな重要作曲家たちと知遇を得て多面的な活躍をみせたフランチェスコ・ラージが主人公。彼 はモンテヴェルディの傑作「オルフェオ」初演時にタイトルロールを演じ歌い、ジェズアルドとの交流でも知られたほか、多くの作曲家たちがマドリ ガーレの歌詞として使った詩の作者でもあった音楽家=詩人で、いくつもの詩集で名を残したほか、1608年にヴェネツィアで刊行された曲集 をはじめ作曲家として音楽も数多く残しています。このアルバムではイタリア随一の多彩な古楽歌手リッカルド・ピザーニを中心に、この時代の 秘曲発掘でも実績を重ねて数多くの名盤がある鍵盤奏者フランチェスコ・チェーラのアンサンブルが器楽隊として参加。幾多の共鳴弦を持つ 弓奏低音弦楽器リローネや初期バロック音楽に必須のダブルハープなど、多様な通奏低音楽器の組み合わせを通じて生のままのイタリア古 楽世界を蘇らせます。同世代の画家カラヴァッジョの艶やかで生々しい絵画表現も思い起こさせる、人肌と血潮の温もりを宿した声と古楽 器の響きをじっくり味わえる1枚。50ページに及ぶライナーノート(英・仏・伊)の解説もきわめて充実しています。
A-493(2CD)
NX-D07
ストラデッラ(1643-1682):歌劇「恋愛と偽り」 アルタバノ、フィレーノ…マウロ・ボルジオーニ(Br)
デスピーナ、クロ―リ…パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(S)
オロンタ、チェリア…ヨゼ・マリア・ロ・モナコ(Ms)
コラスペ、ロザルボ…ルーカ・チェルヴォーニ(T)
シルヴァーノ…キアーラ・ブルネッロ(A)
エリンダ…シルヴィア・フリガート(S)
アンサンブル・マーレ・ノストルム(古楽器使用)

編成:ヴァイオリン2、ヴィオラ・ダ・ガンバ1、チェロ1、ヴィオローネ1、テオルボ1、アーチリュート1、トリプルハープ1、チェンバロ1、ポジティフ・オルガン1
アンドレア・デ・カルロ(指)

録音:2018年11月8-9日ヘルネ文化センター、ドイツ(WDR古楽祭におけるライヴ)
世界初録音
モンテヴェルディの歿年に生まれ、カヴァッリやチェスティが第一線を退く頃に華々しい活躍でイタリア音楽界を盛り上げながらも、男女問題で 逃亡者となり、暗殺者の手にかかって短い生涯を終えたアレッサンドロ・ストラデッラ。その作曲活動の偉業に本格的に光が当てられるように なったのは20世紀後半になってのことですが、数十年におよぶ研究と演奏実践の積み重ねの末、ここ数年はイタリア古楽界の硬派古楽団 体アンサンブル・マーレ・ノストルムが、再評価に新たな活況をもたらす体系的録音を続けているのが頼もしいところです。同国の古楽シーン 最先端を担うレーベルの一つArcanaからこのたび新たにリリースされるのは、つい最近まで全く存在が知られていなかった1676年初演のオ ペラ「恋愛と偽り」。歌劇はこれまで1680年前後のジェノヴァ時代の作品しか注目されていなかったストラデッラですが、その前史ともいえる 1670年代、従来知られていたような小規模作品ばかりでなく全3幕もの大作を書いていた事実の判明は、この作曲家の活動史再考の大 きな一歩になりました。アラブ世界の片田舎を舞台に、妖精たちが羊飼いたちと入り組んだ恋のいざこざを繰り広げてゆく全3幕の充実した 物語を通じて、繊細な詩句の味わいをみごと音楽で捉えてゆくストラデッラの手腕が、デ・カルロが巧みなリードで盛り上げる精鋭弦楽器奏 者たちと俊才歌手たちによって色鮮やかに蘇ります。解説も充実しており(英・仏・伊)、イタリア17世紀音楽史を知るうえで見逃せない新録 音の登場です。
A-494
ロッシーニ:小ミサ・ソレムニス(ダヴィデ・デオルミ校訂室内楽版による初録音) サンドリーヌ・ピオー(S)
ホセ・マリア・ロ・モナコ(A)
エドガルド・ロチャ(T)
クリスティアン・セン(Bs)
ギスリエーリcho
フランチェスコ・コルティ(第1ピアノ)/使用楽器: 1838年製エラール、クラヴサン型(グランド・)ピアノ - 14231
クリスティアーノ・ガウディオ(第2ピアノ)/使用楽器:1856年製プレイエル、プティ・パトロン- 23635
ダニエル・ペレル(ハルモニウム)/使用楽器: 1890年製アレクサンドル、両手の為の
ジューリオ・プランディ(指)

録音:2021年1月12-16日サラ・デッラ・カリタ、パドヴァ、イタリア
※このディスクは86分46秒の収録時間のため、一部のプレイヤーでは正常に再生できない可能性がございます。ご了承ください。
人気のピークを迎えた36歳で歌劇の作曲から手を引いたのち、「スターバト・マーテル」などごく一部の作品を除いて小品ばかりを散発的に 書くほかは、美食家としての後半生を満喫していたロッシーニ。齢70になろうという1861年に旧友ルイ・ニデルメイエールを亡くし、その追悼 のために作曲されたのがこの「小ミサ・ソレムニス」でした。しかし最初から現在の形が構想されていたわけではなく、友人の死から少しずつ書き 足され、ニデルメイエール3回忌の1864年3月14日、銀行家アレクシス・ピレ=ウィル邸宅の大きなサロンで初演される直前に第2ピアノが 足され、完成を見たといいます。教会でのミサではなく演奏会を想定したその作風は、ごく小編成ながらも機能性を生かしたドラマティックさと 美しさを併せ持ったもの。ジューリオ・プランディの前作「 ヨンメッリ: レクイエム」(A477/NYCX-10160)に続いて、今回も歌姫サンドリーヌ・ピ オーが参加。第1ピアノは、バッハの協奏曲集(Pentatone)のリリースも記憶に新しい古楽系鍵盤の名手フランチェスコ・コルティが担当。粒 ぞろいのソリストたちと共に、この作品の魅力を最大限引き出しています。2013年にロッシーニ財団から管弦楽版と併せて出版された、ダ ヴィデ・ダオルミ校訂版を使用した初録音。
A-495

NYCX-10268
国内盤仕様
税込定価
エンニオ・モリコーネ:ヴァイオリンと管弦楽の為の「シネマ組曲」(2020)

1-5. 「セルジオ・レオーネ組曲」
 1. デボラのテーマ〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(84)
 2. コックアイズ・ソング〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
 3. メイン・テーマ〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
 4. メイン・テーマ〜ウエスタン(68)
 5. 黄金のエクスタシー〜続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(66)
6-8. 「狂った旋律」
 6. 反行カノン I & II〜CANONE INVERSO(未)(00)
 7. マーチ〜CANONE INVERSO(未)
 8. 中断された最終楽章〜CANONE INVERSO(未)
9-13. 「ジュゼッペ・トルナトーレ組曲」
 9. 愛を奏でて〜海の上のピアニスト(98)
 10. ノスタルジア〜ニュー・シネマ・パラダイス(88)
 11. ルッキング・フォー・ユー(愛のテーマ) 〜 ニュー・シネマ・パラダイス
 12. メイン・テーマ〜マレーナ(00)
 13. メイン・テーマ〜記憶の扉(94)
14-15. 「ミッション」
 14. ガブリエルのオーボエ〜ミッション(86)
 15. イグアスの滝〜ミッション
16-17. 「ブライアン・デ・パルマ組曲」
 16. メイン・テーマ〜カジュアリティーズ(89)
 17. 死のテーマ〜アンタッチャブル(87)
18-20. 「モーセとマルコ・ポーロ組曲」
 18. 旅路〜MOSE’(未)(74)
 19. メイン・テーマ〜MOSE’(未)
 20. メイン・テーマ〜マルコ・ポーロ(82)
21. 古い階段の下で〜PER LE ANTICHE SCALE(未)(75)
マルコ・セリーノ(Vn)
ボルツァーノ・トレント・ハイドンO
アンドレア・モリコーネ(指)

録音:2021年3月10-13日 ボルツァーノ・テアトロ・コムナーレ 大ホール
世界初録音
※国内盤日本語解説…江守功也
2020年7月に亡くなった映画音楽界のレジェンド、エンニオ・モリコーネが、同年1月ローマでの最後の公開演奏直後に完成させた、ヴァイオリンと管弦楽のた めの「シネマ組曲」を初録音。ヴォーカル、ピアノ、パンフルート、チェロ、アコーディオンなど、モリコーネ自らがソリストに捧げたアルバム群の最後を飾るヴァイオリ ンの為のアレンジ集です。ヴァイオリンは、モリコーネの絶大な信頼を得て20年にわたりサントラやコンサート・ツアーでソロを担ってきたマルコ・セリーノ。指揮は 存命中であれば本人が務めたと思われるところ、ここでは共作者としても知られる次男のアンドレアが遺志を継いで素晴らしい演奏を聴かせます。「イル・ ヴォーロ・シングス・モリコーネ」(SONY)が話題になるなどトリビュート盤は尽きませんが、モリコーネ自らのアレンジである本作はその本命といえるでしょう。国内 仕様盤には日本でのモリコーネ音楽紹介の第一人者、江守功也氏による解説付。
A-496
リュートによるフランス・バロック音楽で描く四季
<冬 〜憂鬱・土・黒の体液・脾臓・ハ短調〜>
ムートン(1626-1699):プレリュード
 シャコンヌ「スペインの美女」
ヴィゼー(1650-1725):アルマンド「マザランの墓標曲(トンボー)」
ムートン:サラバンド「フィレンツェの美女」
 ゴーティエのクラント「憂鬱質」
 パサカーユ「移り気」
ジャック・ガロ(1625-1695):シャコンヌ「彗星」
<夏 〜短気・火・黄色の体液・肝臓・ト短調〜>
ピエール・デュビュ2世(1642-1700):ロンド
ラモー: アフリカの奴隷たちのエール
ジェルマン・ピネル(1600-1661):魔法
11. ヴィゼー:クラント
<秋 〜無気力・水・粘液・頭脳・ニ短調〜>
ヴィゼー:プレリュード
 アルマンド
ピエール・デュビュ1世(1610-1681):クラント
ガロ:王家の要人
ラモー:ロンド「やさしい嘆き」
ヴァレンティン・シュトローベル(またはヴァランタン・ストロベール)(1610-1669):カナリーまたはジグ
<春 〜快活・大気・血液・心臓・イ長調とイ短調〜>
ヴィゼー:ロンド「ミュゼット」
 老ガロの墓標曲(トンボー)
ガロ:クラント「コウノトリ」
 カナリー「カスタネット」
ムートン:マントヴァのブランル「わたしの愛人は器量よし」
<身体の均衡、または四気質の均衡 〜変ロ長調〜>
フランソワ・クープラン:神秘の障壁
シモーネ・ヴァッレロトンダ(Lute)
使用楽器:モラン・スュル・ウヴェーズ(フランス)のスティーヴン・マーフィ2005年製作による
バロック・モデル、13コース(ピッチ:392Hz)

録音:2021年1月28-31日 オルシーニ宮殿、ボンマルツォ(イタリア中部ラツィオ州ヴィテルボ県)
徹底した古楽研究のもと、存在感ある快演を繰り広げリュート界に新風を呼び込んできたイタリアのシモーネ・ヴァッレロトンダ。ジャンルの枠 を感じさせないアルバムをArcanaレーベルに刻んできた古楽撥弦ユニット「イ・バッシフォンディ」(NHKで2021年秋より放送の17世紀日本 を舞台としたBS時代劇『剣樹抄〜光圀公と俺』に彼らの音が使われています)の中心メンバーでもあります。これまで母国イタリアの17世紀 に花開いたテオルボやバロックギターの音楽を追求してきましたが、今回のアルバムでは一転してフランス音楽を扱い、きわめて正統派な音作 りでその真相を辿ってゆきます。プログラムのテーマは、近代科学・医学が発達する前、古代から信じられてきた四気質論(四つの体液のバラ ンスが人間の体調や心情を左右するとする説)や四元素(世界は火・水・土・大気の四元素で出来ているとする説)と、四つの季節の関わ り。ルイ14世時代を代表するガロとムートンの作品を中心とした選曲で、音楽を通じて形而上的思考をめぐらせた昔日の宮廷人たちの感 覚に迫ります。プログラムは17世紀フランスのリュート音楽家たちに倣い、調を揃え自由な構成で組み上げられた四つの組曲からなる構成。 当時の舞踏のステップをふまえ、思わせぶりなタイトルの向こうにある世界を意識しながらの深い解釈を通じ、それぞれの作品の魅力を鮮や かに浮き彫りにしてゆくヴァッレロトンダの鮮烈な音楽性に惹き込まれずにおれません。「リュート編曲は世界初」というラモーの名曲も折々に 挟まれ、最後はクープランの「神秘の障壁」で締めくくる演出も絶妙。これら有名作に新たな光を当てるヴァッレロトンダの音作りに脱帽です。
A-497(2CD)
NX-D07
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第1-7番
弦楽四重奏曲 第1番ト長調「ローディ」K. 80
弦楽四重奏曲 第2番ニ長調 K. 155
弦楽四重奏曲 第3番ト長調 K. 156
弦楽四重奏曲 第4番ハ長調 K. 157
弦楽四重奏曲 第5番ヘ長調 K. 158
弦楽四重奏曲 第6番変ロ長調 K. 159
弦楽四重奏曲 第7番変ホ長調 K. 160
ヴェネトス・アンサンブル(古楽器使用)【ジャコモ・カターナ、マウロ・スピナッツェ(Vn)、 フランチェスコ・ロヴァート(Va)、マッシモ・ラッカネッリ(Vc)】

録音:2020年8月4-8日 サン・ペラージオ・ドゥエ・カルラーレ城、パドヴァ県、イタリア
モーツァルトの弦楽四重奏曲といえば、ウィーンで成功を収めつつあった時期に作曲されハイドンに捧げられた第14-19番の6曲(通称「ハイ ドン・セット」)が有名ですが、その前の作品群に潜む知る人ぞ知るかけがえない魅力はあまり知られていません。録音も多くはないこれら初期 作品の多くは、かの天才作曲家が歌劇作曲家としての名声を確たるものにすべくイタリアに渡っていた少年時代に書かれました。第2-7番 は6曲セットの「ミラノ四重奏曲集」、第1番は「ポントの王ミトリダーテ」初演でトリノの宮廷劇場に赴いた旅の帰路、ローディの旅籠に書き始 められため、この古都の名が綽名になっています。イタリア様式の習得という、モーツァルトにとっても重要な研鑽期のみずみずしい創意に溢れ たこれら一連の四重奏曲に、ほかでもないイタリアから世界に羽ばたく新世代の古楽器奏者たちによる新録音が登場! 古楽器演奏の才 人ジュリアーノ・カルミニョーラらイタリアの世界的古楽器奏者たちの薫陶を受ける4人の名手は作品成立の過程をよく検証し、通奏低音時 代から新たな展開をみせた当時の流行の中、少年モーツァルトが書いたばかりの音を鮮やかに甦らせるような、瑞々しい解釈を聴かせてくれ ます。ほどよい残響の中、ガット弦の素材感に満ちた味わいをよく伝える敏腕技師フェデリーコ・フルラネットのエンジニアリングも絶妙です。
A-498
『恋の目隠し』 〜歌と器楽で綴る16-17世紀イタリアの世俗重唱曲さまざま
ガストルディ(1554-1609):目隠しされた恋の神よ、おまえのことは信じない
モンテヴェルディ:甘やかなる我がため息
ガブリエーリ(1557-1612):5声の第1カンツォーナ*
カプスペルガー(1580-1651):わたしが溜め息をつく時、わたしが涙を流す時
カプスベルガー:あそこでは真の快楽など無力
ジャケス・デ・ヴェルト(1535-1596):誰が奪ったのか、わたしの恋人を
  いとしい女(ひと)、本当なんだね
 デ・ヴェルトの「いとしい女(ひと)、本当なんだね」による
 ジョヴァンナ・バヴィエーラによるディミヌツィオーネ*
フレスコバルディ:2声の第3カンツォーナ*
ディンディア(1582-1629):わたしがほしくてたまらない、この恋の宿る瞳よ
ガブリエーリ(1533-1585)/フランチェルカ・ベネッティ編曲:なんといとおしく美しきノミたちであることか(テオルボ、リュートとバロックギターによる)*
A.ガブリエーリ:なんといとおしく美しきノミたちであることか
ディンディア:美しい瞳、静謐なる瞳
デ・ヴェルト:おお春よ、一年の移ろいの青春よ
*=器楽曲
コンチェルト・ディ・マルゲリータ(古楽器使用)【フランチェスカ・ベネッティ(テオルボ、バロックギター、歌)、ターニャ・ヴォグリン(ダブルハープ、歌)、ジョヴァンナ・バヴィエーラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ、歌)、ルイ・シュテーヘリン(ルネサンスリュート、テオルボ、歌)、カルド・レイタン・ペドロ(ルネサンスリュート、バロックギター、歌)】

録音:2019年11月10-13日 オーディトリアム「アッキレ・サルヴィチ」 モルフェッタ教区美術館(イタリア南部プーリア州バーリ県)
1600年前後のイタリア宮廷音楽の世界で、高度な文学性と複雑精緻な音楽技法を試す場として大いに愛された重唱ジャンル、マドリ ガーレ。16世紀流のポリフォニックな音作りが独唱中心のバロック・スタイルへと移ってゆく過渡期の興味深い作品が多いこのジャンルでは、イ タリアに活路を見出したネーデルラント楽派後期の作曲家たちからモンテヴェルディまで、新旧さまざまな作曲家が傑作を綴っていますが、そ の真相を妥協なく追求しながら時代の変化を追った充実のアルバムがARCANAから登場しました。すぐれた古楽奏者が集うバーゼル・スコ ラ・カントルム出身の俊才たちによるコンチェルト・ディ・マルゲリータ(1600年前後に最も実験的な音楽が生み出されていたフェラーラに、公 妃として迎えられたマントヴァ公女マルゲリータに由来)は、全員が古楽器奏者であり歌手であるというルネサンス期さながらの頼もしいグルー プ。歌詞となる詩の味わいを多声の綾に埋もれさせずに引き立てる聴き取りやすい発音に、撥弦中心の楽器を折々盛り込みながら、マドリ ガーレの面白さを十全に際立たせます。即興演奏に由来する技法ディミヌツィオーネ(分割装飾奏法)もごく自然に使いこなす彼らの素晴ら しい技術とセンスで、ルネサンス末期からバロック発祥期にかけての多彩なイタリア音楽をお楽しみいただけます。
A-499(2CD)
NX-D07

NYCX-10285(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
ヘンデル:チェンバロ組曲集
【DISC 1】
ヘンデル:組曲 第1番イ長調 HWV 426
序曲 〜歌劇「ロデリンダ」HWV 19 より
組曲 第2番ヘ長調 HWV 427
序曲 〜歌劇「忠実な羊飼い」HWV 8 より
組曲 第3番ニ短調 HWV 428
組曲 第4番ホ短調 HWV 429
【DISC 2】
ウィリアム・ベイブル(1689/90-1723):プレリュード
ヘンデル(ベイブル編):序曲 〜歌劇「リナルド」HWV 7 より
ヘンデル(ベイブル編):泣かせてください 〜歌劇「リナルド」HWV 7 より
ヘンデル:組曲 第5番ホ長調 HWV 430
序曲 〜歌劇「ラダミスト」HWV 12 より
組曲 第6番嬰ヘ短調 HWV 431
序曲 〜歌劇「テーゼオ」HWV 9 より
組曲 第7番ト短調 HWV 432
組曲 第8番ヘ短調 HWV 433
※ 特記無しは作曲編曲ともにヘンデルによる
フランチェスコ・コルティ(Cemb)
使用楽器:ハノーファーのクリスティアン・ファーター1738年製作楽器(ニュルンベルク・ドイツ博物館所蔵)に基づく再現楽器、ミラノのアンドレア・レステッリ1998年製作

録音:2021年2月7-12日 サン・フェルモ荘、ロニーゴ(イタリア北東部ヴェネト州ヴィチェンツァ県)
※ 国内仕様盤解説日本語訳…白沢達生
来日公演の成功を経て、日本でも注目を集める新時代の実力派チェンバロ奏者フランチェスコ・コルティ。ミンコフスキやサヴァールの楽団で の頼れる通奏低音奏者としての活動を経て、近年はゼフィーロやイル・ポモ・ドーロなど最前線の古楽器楽団との共演による協奏曲でも実 績を上げ、着実に存在感を増しつつあります。ソロ録音でも17世紀のルイ・クープランから、ハイドンのソナタなどチェンバロ芸術爛熟期の音 楽まで、広範なレパートリーをその様式感に合わせ精巧に解釈する才人ですが、その充実した経験と冴えわたる音楽性でヘンデルの鍵盤音 楽世界と正面から向き合ったアルバムがARCANAから登場。555曲の鍵盤ソナタで知られる同い年のD.スカルラッティと同等の技量を誇っ たと伝わり、後年はオラトリオ上演の幕間で自らオルガン協奏曲の独奏も務めた「名演奏家としてのヘンデル」が、いかにチェンバロを使いこな し時流に乗った音楽を書いていたか、自然体でありながら隅々まで神経の行き届いた演奏でじっくり味わえます。「調子の良い鍛冶屋」の綽 名で知られる変奏曲など、単独でも愛奏されてきた楽章を含む1720年の有名な『8つの組曲』の新たな画期的全曲録音であるだけでな く、ヘンデル自筆の鍵盤楽譜が残るオペラ序曲と、同時代ベイブルの編曲作品も演奏、他分野の音楽との連続性を示す構成も絶妙です。 ALPHAでも活躍するエンジニア吉田研が、18世紀ドイツ・モデルの楽器から引き出される美音の佇まいをごく自然に捉えているのも見事で す。演奏者自身およびヘンデル研究家デイヴィッド・ヴィッカーズによる最新研究を踏まえたライナー解説(国内仕様は翻訳付)も充実してい ます。

A-523
『視線の音楽』 〜17世紀の英国におけるマスク(仮面音楽劇)とファンタジア
ジョン・ヒルトン(1575-1628):ファンタジア 第4番
ロバート・ジョンソン(1583-1633):牧羊神たちのマスク
ジョン・アドソン(1587-1640):宮廷マスク風の調べ 第20・21番
作者不詳:ジョニー・クックのビーバー(グラウンドによるスコットランドの調べ)
ヒルトン:ファンタジア 第5番
ウィリアム・ブレイド(1560-1630):パドゥアーナ
作者不詳:ディヴィジョン「ウッディコック」
作者不詳:とあるディヴィジョン
ヒルトン:ファンタジア 第3番
ブレイド:巡礼者の踊り
ヒルトン:プレリュード
ヒュー・アシュトン(1485-1558)&ウィリアム・ホワイトブローク(1500-1569):ヒュー・アシュトンのマスク
作者不詳:嵐(テンペスト)
ヒルトン:ファンタジア 第2番
ヒルトン:ファンタジア 第1番
アドソン:宮廷マスク風の調べ 第16番
アドソン:宮廷マスク風の調べ 第17番
ブレイド:カンツォン 第16番
ブレイド:コラール
ウィリアム・バード(1539/40-1623):ブランドの説法
アントニー・ホルボーン(1545-1602):アルメイン「夜警」
コンチェルト・シロッコ(古楽器使用)【アルフィア・バキエヴァ、ヨハンネス・フリッシュ(Vn)、クリシュナ・ナガラジャ(Va)、アメリー・シュマン(バス・ガンバ)、 ルカ・バンディーニ(小型ヴィオローネ、大型ヴィオローネ)、ピエトロ・モデスティ、マルク・ポシャール(木管コルネット)、スザンナ・デフェンディ(アルト&テナー・サックバット)、ナサニエル・ウッド(テナー・サックバット)、ミケーレ・ヴァンネッリ(室内オルガン、チェンバロ、ヴァージナル)、ジョヴァンニ・ベッリーニ(リュート、テオルボ)、ガブリエーレ・ミラクレ(各種打楽器)、ジュリア・ジェニーニ(バス・ドルツィアン、各種リコーダー、指揮)】
a’ = 415/466 Hz、1/4コンマ・ミーントーン

録音:2021年2月15-19日 ラントガストホフ、リーエン(スイス)
ダウランドの歌やホルボーンの合奏曲、ヒュームのガンバ独奏曲などが有名な16世紀末〜17世紀初頭の英国音楽。そこでは王侯貴族の 私的な集いで楽しまれる音楽の傍ら、大人数が観劇する舞台でも音楽が重要な役割を果たしました。古楽研究と教育の一大中心地で あるスイスのバーゼル・スコラ・カントルムで学んだ俊才たちが集うコンチェルト・シロッコはここで、1600年前後の英国における舞台型式の一 つマスク(仮面音楽劇)に注目、そこで演奏されていた作品の数々を(マスク上演を彩る楽曲として転用されることもあった)器楽合奏のため のファンタジアとともに厳選、400年前の舞台の華やぎを生々しく伝えるアルバムを制作しました。注目すべきは演奏編成で、当時の貴族た ちが弾き愉しんだヴァイオル(ガンバ)ではなくヴァイオリン属が使われている点。これらの楽器が当時すでに知識人世界でも様々な場面で一 般的に使われていたことは現存する絵画などからも明らかで、ヴァイオル・コンソートとは違った味わいを、リコーダーや木管コルネット、サックバッ ト(ルネサンス・トロンボーン)といった管楽器の響きとともに楽しめます。また低音部には、1600年前後の英国とイタリアで製作された現存楽 器を参照した大小のヴィオローネも使われています。20世紀末以来、この分野における研究で世界的に注目されてきたバロック・ヴァイオリン 奏者=音楽学者ピーター・ウォールズがライナーノートに解説(英・仏・伊語)を寄せている点も見逃せません。シェイクスピアの戯曲群とちょう ど同じ頃の舞台音楽の真相を、卓越した音楽性を持った専門家たちの妥協ない研究成果として味わえる好企画です。

A-524

NYCX-10299(1CD)
国内盤版仕様
18世紀のマンドリン協奏曲集
ヴィヴァルディ:マンドリン協奏曲 ハ長調 RV 425*
ガルッピ:序曲 ト長調 〜歌劇「逆さまの世界、または命令する女性たち」(1750)より
パイジエッロ:マンドリン協奏曲 変ホ長調(伝パイジエッロ作)**
 序曲 変ロ長調 〜歌劇「奥様女中」(1781)より
フランチェスコ・レッチェ(生歿年不詳、1750-1806に活躍):マンドリン協奏曲 ト長調**
ハイドン:序曲 ニ長調 〜歌劇「漁村の女たち」(1769)より(交響曲 第106番第1楽章)Hob. I-106
ヨハン・ネポムク・フンメル:マンドリン協奏曲 ト長調(1799)***
ラファエレ・ラ・ラジョーネ(マンドリン)

使用楽器:
* ミラノのアントニオ・モンツィーノ1792年製作のロンバルディア型6コース・モデルに基づく再現楽器(ミラノのティツィアーノ・リッツィ2020年製作)
** ナポリ派の逸名製作者によるナポリ型4コースのオリジナル楽器、1770年頃製作
*** クレモナのカルロ・ベルゴンツィ2世18世紀後半製作のブレシア型、4弦(単弦)モデルに基づく再現楽器(ミラノのロレンツォ・リッピ2018年製作)

イル・ポモ・ドーロ(古楽器使用)
コンサートマスター:ゼフィーラ・ヴァロヴァ(Vn)
フランチェスコ・コルティ(チェンバロ、指揮)

録音:2021年2月27日-3月2日 ヴィラ・サン・フェルモ、ロニーゴ (イタリア島北部ヴェネト州ヴィチェンツァ県)
※国内仕様盤 解説日本語訳…白沢達生
ヴィヴァルディの協奏曲やモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、ベートーヴェンやフンメルなど大作曲家たちが作品に取り入れていながら、意外な ほど「当時の音」が深く追求されてこなかった楽器、マンドリン。ギターやハープなどと同じく黄金時代が歴史上何度かあり、特にフランス革命 以前にはパリやロンドンなどの大都市を含むヨーロッパ各地で広く人気を誇り、名手たちの活躍も手伝ってアマチュア奏者人口も多かった様 子は、当時の銘器や作品が少なからず現存していることからも確認できます。そうした状況に演奏実践と研究の両面からアプローチを試み、 19世紀末以降は南欧民俗楽器としての側面が強調されるあまり見えにくくなっていたマンドリンの歴史的な素顔を解き明かすべく活動を続 けるラファエレ・ラ・ラジョーネが、古楽器演奏の最前線をゆく名手が集うイル・ポモ・ドーロと録音した画期的な18世紀作品集。三つの異な るタイプの古楽器(一つは当時のオリジナル)を用い、バロック後期のヴィヴァルディからロマン派前夜のフンメルまで四つの重要な協奏曲を軸 に、18世紀には花形オペラ歌手たちと同じく舞台の主役として脚光を浴びたマンドリンの本来の姿に迫ります。古典派の時代を経てマンドリ ンがどのように他の楽器やオーケストラと関わってきたか、ハイドンやガルッピら同時代人たちの序曲を交えた選曲で浮き彫りにする構成も絶 妙。解説執筆も手がけるラ・ラジョーネの他、ゼフィーラ・ヴァロヴァ(Vn)やマルチェッロ・ガッティ(トラヴェルソ)、指揮も務めるフランチェス コ・コルティ(Cemb)といったソロ奏者も加わる演奏陣は世紀前半の作品では室内楽編成、管楽器も加わる世紀後半の作品では員数 を増やした編成で緩急自在の解釈を聴かせます。特殊楽器としてではなく、古楽器演奏の文脈に連なる存在としてのマンドリンを確かな演 奏で多角的に実感できる好リリースです。
A-526
『喜びの光』 〜ルネサンス初期のフェラーラ宮廷におけるマリア信仰と多声音楽
ジル・バンショワ(ジル・ド・バン)(1400頃-1460):めでたし、天の母后
ジョン・ダンスタブル(1390頃-1453):喜んでください乙女よ、と天使は声をかけ/あなたは乙女でありながら母となったのです
 栄え抜きの乙女よ
 ごきげんよう、おお奇蹟にして思慮深き母后なる方
 なんとあなたは美しいことか
リオネル・パワー(1370/85頃-1445):ごきげんよう、憐れみ深き母なる方
栄光の乙女マリアよ
ギヨーム・デュファイ(1397-1474):めでたし、海の星
 花の中の花
 第8旋法によるマニフィカト
 贖罪主の聖なる母君よ
 神の教会の輝かしき栄光であらせられる方よ/母なる、純然たる親であらせられる方よ
ラ・レヴェルディ(古楽器使用)【 クラウディア・カッファーニ(歌、リュート、プサルテリウム)、リヴィア・カッファーニ(歌、各種リコーダー、弓奏ヴィエル〔中世フィドル〕)、エリザベッタ・デ・ミルコヴィチ(歌、弓奏ヴィエル)、テオドーラ・トンマージ(歌、中世ハープ、リコーダー)、ドロン・デイヴィッド・シャーウィン(歌、木管コルネット )、マッテオ・ゼナッティ(歌、中世ハープ)】

スザンナ・デフェンディ、ヴァレリオ・マズッコーニ(テナー・サックバット)
エマヌエーレ・ペトラッコ(歌)
ロレンツォ・デラスモ(フレームドラム、鐘)

使用楽譜::モデナ大学エステンセ図書館の写本Ms X.1.11(楽譜校訂:クラウディア・カッファーニ)

録音:2021年7月28-31日ファルロ教会、トレヴィゾ(イタリア北東部ヴェネト州)
20世紀以来、中世後期からルネサンス初期を重点的に追い続けてきたイタリアの精鋭古楽アンサンブル、ラ・レヴェルディ。テーマ性の高いプ ログラム、独特の選曲と抜群の音楽性あふれる演奏でその深い魅力を伝えます。今回のテーマは、15世紀前半〜中盤のフェラーラ。北イタ リア屈指の文化的宮廷をこの地に築いたエステ家は、才人レオナルド・ダ・ヴィンチや詩人タッソなど多くの文化人を擁護下に迎えるよりずっと 前から、多岐にわたる芸術従事者たちを後援していました。15世紀にそこで記された写本(現在はモデナの図書館に収蔵)には、アルプスを 越えた遥か北のブルゴーニュやイングランドの宮廷で活躍した一流音楽家たちの作品が記されており、歴代のフェラーラ公がいかに明敏な芸 術的審美眼の持ち主であったかを伝えてくれます。本盤はこの写本を底本に、当時の音楽先進地として知られた英国やネーデルラントの4 人の重要作曲家たちが残した多声音楽に焦点を絞って厳選。ア・カペラ重唱にこだわらず、むしろ当時の宮廷音楽の習慣を検証しながら 様々な弦楽器や管楽器を適切に盛り込み、さながら丁寧に洗浄されたルネサンス期の油彩絵画のように鮮やかな当時流儀の音色美の真 相に迫ります。ラ・レヴェルディの確かなキャリアに裏打ちされた、清らかな古楽歌唱と抜群の妙技による古楽器サウンドの交錯の心地良さを お楽しみください。ミラノ大学の音楽学者ダヴィデ・ダオルミによるライナーノート(英・仏・伊語)も充実。
A-527
1700年前後の英国王室におけるオーボエ楽団の音楽
ジェイムズ・ペイジブル(1656-1721):組曲 ハ長調
トーマス・モーガン(生歿年不詳、1691-99年頃活躍):序曲〔組曲〕ト短調
パーセル(編曲者不明):英国風組曲
ペイジブル:第4プレリュード ト短調
 女王のお別れ
ゴットフリート・フィンガー(1655頃-1730):序曲〔組曲〕 ヘ長調
ラ・プティット・エキュリー(古楽器使用)【ミリアム・ホルデ・オンパネラ(Ob)、ファレリー・コレン(Ob)、マルク・ボナストル・リュ(ターユ・ドーボワ〔中音域オーボエ〕)、ジョヴァンニ・バッティスタ・グラツィアディオ(バスーン)、フィリップ・ランプレヒト(各種打楽器、タンブレッリ)】

録音:2021年7月21-24日 ルドルフスハイム・イベントセンター、ウィーン
ヴィヴァルディやアルビノー二の協奏曲、バッハの教会カンタータなどで大々的な活躍の場があるため、比較的バロック音楽の世界でもなじみ 深いオーボエ。しかしその歴史は弓奏弦楽器や鍵盤楽器ほど古くはなく、ショームやボンバルド属などに代わる本格的なオーボエがフランスで 誕生したのはバロック後期、17世紀もかなり後になってからのこと。そして同国以外では英国が、1670年代からいち早くフランス風オーボエの 導入が見られた地域でした。フランスに亡命中チャールズ2世が同地の洗練された文化を吸収した後、王政復古で英国に返り咲いたことも 大きかったようですが、その姪で英国王室最後のステュアート家出身者となったアン女王(1665-1714、在位1707-)は、王位継承前から フランス流オーボエ楽団を雇っていたほどこの楽器を愛した君主。本盤でCDデビューを飾るラ・プティット・エキュリーは彼女の時代に光を当て、 「パーセル以降、ヘンデル以前」の英国におけるオーボエ音楽の魅力に迫ります。彼らは当時のオーボエ楽団を構成した3種の管楽器と打楽 器という編成で、フランス風組曲仕立てに書かれた英国の作曲家たちの室内楽を続々披露。コントラスト鮮やかな舞曲のリズムもさることな がら、各楽器の伸びやかで味わい深い響きも聴きどころ。リコーダー作品で知られるペイジブルや近年密かに再評価が進むチェコ出身のフィン ガーなどに交じり、歿後なお人気の衰えなかったパーセルの傑作選まで楽しめるのも嬉しい選曲です。
A-528
エルメネジルド・デル・チンクエ(1700-1773): 2つまたは3つのチェロのためのソナタ集
1-4. 3つのチェロのためのソナタ 第6番ニ短調
5-8. 3つのチェロのためのソナタ 第17番ト短調
9-12. 3つのチェロのためのソナタ 第15番ハ長調
13-16. 2つのチェロのためのソナタ ホ短調
17-20. 3つのチェロのためのソナタ 第5番ニ長調
21-24. 3つのチェロのためのソナタ 第9番ロ短調
25-28. 2つのチェロのためのソナタ ニ短調
29-32. 3つのチェロのためのソナタ 第11番変ホ長調
ルドヴィコ・ミナージ(第1チェロ&ディレクター)
 使用楽器:ローマのエリベルト・アッティリ2009年製作 歴史的モデル再現楽器
クリスティーナ・ヴィドーニ(第2チェロ)
 使用楽器:英国のピーター・ウォムスリー1747年製作 オリジナル楽器
テオドーロ・バウ(第3チェロ)
 使用楽器:ペルージャのフランチェスコ・ヴェルツィ1708年製作 オリジナル楽器
シモーネ・ヴァッレロトンダ(アーチリュート/バロックギター)
アンドレア・ブッカレッラ(Cemb)

録音:2021年3月22-25日 アルテンプス宮ゴルドーニ劇場、ローマ
広汎な活躍で知られるリッカルド・ミナージの弟、ルドヴィコ・ミナージを中心に、バロック・チェロの名手たちが一堂に会しここに録音したのは、そ の生涯さえ詳しく判っていない18世紀ローマのチェロの名手デル・チンクエの作品群。対等に活躍する2つのチェロに通奏低音パートを添え 「3つのチェロのための」と題されたソナタの数々は、いずれも18世紀中盤以降にナポリの名手たちの妙技を介して広まった高音域奏法など 技巧的なパッセージがふんだんに使われており、イタリア人作曲家ならではの歌心あふれる緩徐楽章の妙とあいまって全編にわたり聴きどころ に事欠きません。通奏低音とチェロ独奏のための「2つのチェロのための」ソナタでも、通奏低音を受け持つチェロはもう一方のパートと対等に 対話を繰り広げ、当時の音楽作りの面白さを垣間見せてくれます。異能の撥弦楽器アンサンブル「イ・バッシフォンディ」での活躍がめざましい シモーネ・ヴァッレロトンダ、Ricercarでのフレスコバルディ作品集(RIC407)など録音でも注目作が増えているアンドレア・ブッカレッラらの参 与も頼もしく、バロック・チェロの多面的な味わいを鮮やかに引き立てています。
A-529(2CD)
NX-D07

NYCX-10290(2CD)
日本語解説付国内盤
税込定価
バッハ:リュートのための作品全集
リュート組曲 ト短調 BWV 995
前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998
前奏曲 ハ短調 BWV 999
1リュート組曲 嬰へ短調(原調:ホ短調) BWV 996
リュート組曲(パルティータ) ヘ長調(原調:ホ長調) BWV 1006a
リュート組曲(パルティータ) ハ短調 BWV 997
フーガ ト短調 BWV 1000
エヴァンジェリーナ・マスカルディ(Lute)
使用楽器:13コース・バロック・リュート、ニュージャージーのセザール・マテウス1999年、2010年製作
14コース・バロック・リュート、ニュージャージーのセザール・マテウス 2020年製作

録音:2020年2月29日-2021年5月29日アカデミア・モンティス・レガリス、モンドヴィ、クーネオ、イタリア
2021年9月15日 オルテ司教館、ヴィテルボ、イタリア
ブエノスアイレスに生まれ、エスペリオンXXI、アンサンブル415、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、ゼフィーロなど錚々たる有名古楽器アンサンブ ルで通奏低音奏者としての信頼を得ており、ソリストとしてもカスタルディ作品集(A368)、サン=リュック作品集(MEW1786)、スペイン黄 金時代の音楽(A481/NYCX-10169)などで高い評価を得ているマスカルディが、ついにバッハの全リュート作品を録音しました。バッハの リュート作品といえば運指上調性上問題が多いことで知られており、一部はリュートに近い音のチェンバロ(ラウテンヴェルク)のために書かれた という説もあります。ここでも過去のタブラチュア譜を元に変則調弦を活用しているとみられ、中でもニ短調を基調とするバロック・リュートの調 弦とは相いれないBWV996と1006aでは通例通りの移調を行っています。これらにより音楽の表現もより伸びやかとなり、マスカルディならで はの細やかかつ大胆な表情付けも相まって音の綾も引き立ち、作品の美しさを堪能することができます。ピッチは明記ありませんがA=415を 採用。会場のアコースティックを程よく拾った録音も美しいものです。原盤ブックレットには、当録音のプロデューサーで、バッハから近現代に至 るギター音楽の録音や楽譜校訂が多数あるフレデリク・ジガンテがバッハのリュート作品の成立に関する考察を寄稿しており、国内仕様盤に はそれらを邦訳して掲載します。
A-530(2CD)
NX-D09
『16シーズンズ』
ヴィヴァルディ:『四季』
ピアソラ(デシャトニコフ編):ブエノスアイレスの四季
マックス・リヒター(1966-):リコンポーズド:ヴィヴァルディ - フォー・シーズンズ
フィリップ・グラス(1937-):ヴァイオリン協奏曲 第2番「アメリカの四季」
アレッサンドロ・クアルタ (Vn)
ディーノ・デ・パルマ(Vn)
コンチェルト・メディテラネオ
ジャンナ・フラッタ(指)

録音:2021年5月21-29日 サンタ・キアーラ教会オーディトリアム、フォッジャ、イタリア
バロック時代にヴィヴァルディの「四季」がヨーロッパ中で大ヒットして以降、標題的な音楽にとって四季は格好の題材であり続けていますが、そ の作品を4つも集めた興味深いアルバムが登場しました。ソロを担当するヴァイオリニストも、曲想に合わせて2人が参加しています。DISC1 でソロを担当するのは、ジャズ・ミュージシャンなどとのコラボレーションを積極的に行っており、ピアソラ作品によるアルバムと世界ツアーも成功さ せているアレッサンドロ・クアルタ。ヴィヴァルディはピリオド・アプローチに現代的な躍動感を掛け合わせたインパクトのある表現。彼が得意とす るピアソラによる「ブエノスアイレスの四季」は元々バンドネオンが活躍する作品ですが、ここではギドン・クレーメルも録音したデシャトコフ編曲 によるソロ・ヴァイオリンと室内楽版を使用、切れ味の鋭いパフォーマンスで楽しませます。DISC2のソロは、世界各地でソリストとして活躍 し、イタリアで後進の指導にもあたっているディーノ・デ・パルマ。ポスト・クラシカル界のカリスマと呼ばれるドイツの作曲家マックス・リヒターが、 ヴィヴァルディの「四季」から25%の素材を用いて再構成(リコンポーズド)した作品では、お馴染みのフレーズが現代的なコード進行で奏でら れ、聴く者の感覚に心地良い歪みをもたらします。映画音楽からポピュラー・ミュージックへの影響まで、幅広い活動を行うアメリカ現代音楽 の大御所フィリップ・グラスによるヴァイオリン協奏曲第2番は、ヴィヴァルディにインスパイアされながらも、独自の音楽言語でアメリカの自然と 心象風景を描いたもの。デ・パルマのヴァイオリンはこれらの美しい作品を愛おしむように歌い上げています。
A-531
ジュゼッペ・アグス(1722-1798):『チェンバロによる通奏低音を添えた6つのヴァイオリン独奏曲』 Op. 1(1751)
ソナタ 第1番イ長調
ソナタ 第2番変ロ長調
ソナタ 第3番ハ長調
ソナタ 第4番ト長調
ソナタ 第5番へ長調
ソナタ 第6番ホ長調
アルマンド集(1767)〔ニ長調/ニ長調/ニ長調/ト長調/ヘ長調/ヘ長調〕
ヴァンヴィテッリQ(古楽器使用)【ジャン・アンドレア・グエッラ(Vn)、ニコラ・ブロヴェッリ(Vc)、マウロ・ピンチャローリ(アーチリュート)、ルイージ・アッカルド(Cemb)】

録音:2021年12月3-6日 エルフォ・スタジオ、タヴェルナーゴ(イタリア北西部ピアチェンツァ県)
バロックから古典派にかけてのレパートリー開拓に意欲的な名歌手チェチーリア・バルトリとの共演や、躍進めざましい古楽器集団コレギウム 1704の一員としての活躍で現場経験を積んだバロック・ヴァイオリン奏者ジャン・アンドレア・グエッラを筆頭に、イタリア最前線の古楽器奏者 4人が集まり2017年に結成されたヴァンヴィテッリ四重奏団。これまで主に18世紀初頭の知られざる演目を発掘・紹介することに情熱を傾 けてきた彼らが、その豊かな経験をもとに新たに光を当てたのは、ヘンデル後期からJ.C.バッハ渡英期までのロンドンで活躍をみせた謎多き俊 才ヴァイオリン奏者=作曲家アグスの最初のソナタ集。サルデーニャ島で生まれロンドンに渡り、後年はパリに拠点を移して時流を踏まえた音 楽を書き続けたアグスが1751年に「ヴァイオリンのための6つの独奏曲」との題のもと出版した曲集は、イタリア最前線の歌心を備え、ポスト =コレッリ流儀の堅固な曲作りを叩き込まれた作曲家がみせる極上の前古典派音楽で、全て長調による6曲のソナタは艶やかさと軽快さを 湛える充実した曲作りが魅力。タルティーニやガルッピ、ポルポラなどバロックと古典派の間で活躍した他の作曲家たちにひけをとらない、じっく り聴き込みたい味わいに満ちており、1751年の初版から10年と措かず1760年に再版されたのも頷けます。アグスの正体をめぐる研究略 史を踏まえた解説(英・仏・伊語)も充実。未知の音楽に対するヴァンヴィテッリ四重奏団の知的探訪が新たな実を結んだ歓迎すべき1枚で す。
A-532
『落葉の頃』 〜英国ルネサンス末期の鍵盤楽曲を、16世紀イタリアのオリジナル・ヴァージナルで

1. 作曲者不詳:プレリュード Prelude
2. ジョン・ダウランド/編曲者不詳:パヴァーン「男はただ一人、ただ一人の女と」 Solus cum sola - Pavan
3. ダウランド/ジョン・ウィルビー(1574-1638)編)): 蛙のガリアード The Frog - Galliard
4. マーティン・ピアソン(1571頃-1651):サクラソウ The Primrose
5. ジョン・トムキンズ(1589-1638):ジョン、さあキスして John come kiss me now
6. ダウランド/ピアソン編)):笛吹きのパヴァーン Piper’s Pavan
7. ダウランド/ウィリアム・バード(1539/40-1623)編)):笛吹きのガリアード(もし、わたしの嘆きが) Piper’s Galliard (if my complaints)
8. ピアソン:落葉 The fall of the leaf
9. バード:鐘 The Bells
10. ダウランド:彼女は許してくれるだろうか Can she excuse
11. ウィリアム・ティスドール(1570-歿年不詳): アルメイン Alman
12. ティスドール:コラント Coranto
13. ジョン・アムナー(1579-1641):おお主よ、わたしはあなたに全てを託します O Lord, in thee is all my trust
14. トマス・キャンピオン(1567-1620):そちらへ行ってもよいだろうか Shall I come ?
15. トーマス・モーリー(1557/58-1602):パッサメッツォ=パヴァーン Passamezzo Pavan
16. ジュリオ・カッチーニ/ピーター・フィリップス(1560-1628)編)):麗しのアマリッリ Amarilli mia bella
17. 作曲者不詳/ブリアント・ラドロウ(生歿年不詳、16世紀後半に活躍)編)):悲しみに溺れながら In sorrows drown’d
18. ダウランド/フェルナンド・リチャードソン(1558頃-1618)編)):涙のパヴァーン Lachrymae Pavan
19. ジェイムズ・ハーディング(1550頃-1626)/ジョン・ブル(1562頃-1626)編)):
ジュリア・ヌーティ(ヴァージナル)
使用楽器:ルチェッライ宮(フィレンツェ)で発見された1590年頃製作のオリジナル楽器、製作者不詳
1/4コンマ・ミーントーン A=392Hz

録音:2019年5月26-28日 コルセル教会、コルセル=コルモンドレーシュ(スイス西部ヌーシャテル州)
『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』や『パーシニア』など重要な曲集の存在もあり、イギリスは16世紀エリザベス朝時代から17世紀初頭 にかけて鍵盤音楽発展の重要な拠点だったことが知られています。同時代のイタリアやドイツ語圏の一部とは違い、バロックの作法にあまり 影響を受けないまま、ルネサンス様式が17世紀もかなり遅くまで保たれていたのがこの時期の英国音楽の特徴ですが、やがて音楽史研究 が進むにつれ、ダウランドの交流やフェラボスコ1世の渡英など、この時期の英国音楽にもさまざまなかたちでイタリア音楽からの影響が見て 取れることも分かってきました。このアルバムではArcanaですでに何作かのアルバムをリリースしているイタリア古楽新世代の名手ジュリア・ ヌーティが、フィレンツェのルチェッライ宮の天井裏から見つかった16世紀末イタリア製のヴァージナル(卓上に置く小さなチェンバロの一種で、イ タリアではスピネットともアルピコルドとも呼ばれていました)という貴重なオリジナル楽器で演奏。当時エリザベス1世もイタリア製の鍵盤楽器を 所有していたことが判っており、英国人たちが南国の銘器で心ゆくまで愉しんだであろう響きを当時のままに味わえます。イタリア式のチェンバ ロから聴こえてくることの多い鋭角な響きよりも、むしろ一音一音に豊かさが宿る芳醇な音色が特徴的で、これら英国人作曲家たちの小品 群のイメージの知られざる一面に触れることができるでしょう。400年以上の年月を越え、昔日の南北交流に思いを馳せたい一枚です。

A-533(2CD)
NX-D09

NYCX-10334(2CD)
国内盤仕様
税込定価
バッハ(マルコ・セリーノ編):無伴奏チェロ組曲 ヴァイオリン版 (全曲)
【DISC 1】
組曲 第1番ニ長調 (原調:ト長調) BWV 1007
組曲 第2番イ短調 (原調:ニ短調) BWV 1008
組曲 第3番ト長調 (原調:ハ長調) BWV 1009
【DISC 2】
組曲 第4番変ロ長調 (原調:変ホ長調) BWV 1010
組曲 第5番ト短調 (原調:ハ短調) BWV 1011
組曲 第6番ニ長調 BWV 1012
ジュリアーノ・カルミニョーラ (Vn/ヴェネツィアのピエトロ・グァルネリ1733年製作)
A=415Hz

録音:2021年8月16-19日
ペーター・メイヤー・ホール、ロンゴモソ、レノン、イタリア
※ 国内仕様盤日本語解説…藤原一弘
ドイツ・グラモフォンに録音した「無伴奏ヴァイオリン」の名演から4年(録音時点では3年)、ジュリアーノ・カルミニョーラがもう一つの"無伴奏"、 チェロ組曲をARCANAレーベルに全曲録音しました。編曲はイ・ムジチのメンバーとして活躍し、カルミニョーラとは20年にわたり共演を重ね てきた友人マルコ・セリーノによるもの。新型コロナ・ウイルスによる世界的パンデミックの直前にこの楽譜と出会ったカルミニョーラはその編曲に 感銘を覚え、チェリストの友人マリオ・ブルネロの協力も得て、ロックダウンの中この作品に取り組んだということです。チェロとヴァイオリンの調弦 は1オクターヴと5度違うため、この編曲でも基本的に5度上に移調されています。また第5番ではチェロと同様に第4弦を1音下げるスコルダ トゥーラを採用。そして5弦のチェロ・ピッコロ(2〜5弦の調弦はヴァイオリンの丁度1オクターヴ下)のために書かれたとされる第6番は原調にて 臨んでおり、本来は低いC弦を使う箇所のみ、音楽の流れを崩さぬよう1オクターヴ上げて演奏されています。このためヴァイオリンでも軽やか な表情が可能となり、チェロのものとは大きく違うものの、ヴァイオリンならではの自在な表現で美しく歌われる無伴奏チェロ組曲が誕生しまし た。作品に命を吹き込む、カルミニョーラならではの活き活きとした表情が大きな魅力となっています。 なお編曲者マルコ・セリーノは、「エンニオ・モリコーネ: シネマ組曲」(A495/NYCX-10268)にソリストとして参加しております。
A-534
『ヴェネツィアへのグランド・ツアー』 〜ドレスデン宮廷楽団におけるヴェネツィア楽派の影響〜
ヴェラチーニ:序曲 第6番ト短調 〜オーボエ2、ファゴット、弦楽、通奏低音
ピゼンデル(1687-1755):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 JunP I.7〜独奏ヴァイオリン、オーボエ2、ファゴット、弦楽、通奏低音
ロッティ(1667-1740):歌劇「アスカニオ」序曲(1718)〜オーボエ2、ファゴット、弦楽、通奏低音
ハイニヒェン:2つのオーボエのための協奏曲 ホ短調 Seibel 222〜オーボエ2、弦楽、ファゴット、通奏低音
ゼレンカ(1679-1745):7声部のための序曲(組曲)ヘ長調 ZWV 188〜オーボエ2、ファゴット、弦楽、通奏低音
ヴィヴァルディ:ドレスデンの楽団のための協奏曲 ト短調RV 577〜リコーダー2、オーボエ2、ファゴット、ヴァイオリン独奏2、弦楽、通奏低音
ゼフィーロ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(オーボエ、指揮)

録音:2021年5月19-22日 ビビエーナ劇場、マントヴァ(イタリア)
かの大バッハが、ライプツィヒ聖トーマス教会の楽団よりはるかに確かな楽員たちの腕前を羨んだドレスデン宮廷楽団。その音楽活動の素晴 しさは、ピゼンデルやゼレンカ、ハイニヒェンといった当時の宮廷作曲家たちの名作群からも推察されるところ。彼らは楽団に欧州随一の名声 をもたらした稀代の演奏家でもありましたが、同時にヨーロッパ最先端の流行をふまえた作曲センスでも比類ない技量を誇っていました。その センスが大きく伸びたのは1710年代半ば、後のザクセン王フリードリヒ・アウグスト2世のグランド・ツアー(主に学業や見分を広めるために、数 年に渡って国外を旅行するもの)で音楽の本場ヴェネツィアを訪れた際、中心メンバーの何人かが同地で名匠ヴィヴァルディの教えを受ける など意義ある刺激を受けてきたことと無縁ではありませんでした。経験豊かなイタリアの古楽器奏者たちが集うゼフィーロは、そんなヴェネツィア からの“西風”をふまえ、ドレスデン宮廷を訪れたヴェラチーニやロッティらの作品も含め、この宮廷楽団が18世紀当時どれほどイタリア音楽に 多くを負っていたかを解き明かす充実プログラムを届けてくれました。主宰者アルフレード・ベルナルディーニをはじめ管楽器奏者たちを中心 に、今回も味わい深く伸びやかな音作りが圧巻。バッハの同時代を知る上で一人として欠かせない実力派作曲家たちの妙技をご堪能くださ い。
A-535

NYCX-10364
国内盤仕様
税込定価
バッハ:チェロ・ピッコロによる協奏曲 6編
バッハ:チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ協奏曲 第3番ニ長調 BWV 1054(Vn協奏曲 第2番ホ長調 BWV 1042による)からの編曲〕
ェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ長調 BWV 972(アントニオ・ヴィヴァルディ[1678-1741]:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3-9RV 230による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調〔ヴァイオリンあるいはオーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056R(チェンバロ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV 1056から復元)からの編曲〕
チェロ・ピッコロと通奏低音のための協奏曲 ニ短調〔チェンバロ独奏のための協奏曲 ニ短調 BWV 974(アレッサンドロ・マルチェッロ[1678-1741]:オーボエ協奏曲 ニ短調 による)からの編曲〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調〔オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055R(チェンバロ協奏曲 第4番イ長調 BWV 1055 から復元)による〕
チェロ・ピッコロ、弦楽と通奏低音のための「イタリア協奏曲」 ヘ長調チェンバロ独奏のための協奏曲 ヘ長調 BWV 971「イタリア協奏曲」 から リッカルド・ドーニによるオーケストレーション〕
マリオ・ブルネロ(Vc・ピッコロ)
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
〔コンサートマスター:カルロ・ラッザローニ(Vn)〕
リッカルド・ドーニ((指)チェンバロ、ポジティフ・オルガン)

録音:2021年7月1-5日 サン・ベルナルディーノ教会、 アッビアーテグラッソ(イタリア北部ミラノ県)
※国内仕様盤解説日本語訳…白沢達生
通常のチェロ演奏でも世界的な活躍を続けてきたイタリアの名手マリオ・ブルネロ。近年はバロック期に使われていたという小型のチェロ(4弦 チェロ・ピッコロ=ヴァイオリンと丁度1オクターヴ低い調弦となる楽器)をピリオド奏法で弾きこなし、ARCANAでのバッハの無伴奏曲集や二 重奏ソナタ6曲の全曲録音など、当時の習慣に従ってヴァイオリン作品を演奏する機会も増えています。今回は同じイタリアの古楽器シーン 最前線をゆくアカデミア・デッラヌンチアータとともに、バッハの協奏曲6曲をチェロ・ピッコロで演奏。収録曲の大半は当初別の独奏楽器のため に書かれていた作品をバッハがチェンバロ向けに編曲したもので、原曲の特定や復元の試みも多くの専門家たちによってなされてきました。 18世紀当時は演奏環境に合わせた編成のために楽譜を調えることまでが音楽家の仕事でもあり、バッハ自身も多くの教会カンタータに使 用したチェロ・ピッコロでこれらの協奏曲を演奏する試みは、当時流の正当なアプローチであるといえるでしょう。ブルネロが繰り出す中低音で 綴られる旋律は、室内協奏曲型の編曲でも弦楽合奏ありの編曲でも過去の観賞体験を一新する瑞々しさ。合奏向け協奏曲を二段鍵 盤チェンバロひとつで再現した独奏曲「イタリア協奏曲」も合奏向けに逆編曲。抜群のピリオド奏法とあいまって作品の意外な一面に驚かさ れるのではないでしょうか。なおライナーにはブルネロ自身のコメントの他、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフ館長ペーター・ヴォルニーによる解説が 添えられています(英・仏・伊語/国内仕様盤は日本語訳付)。
A-536
『恋の詩』 〜ジャケス・デ・ヴェルト:後期のマドリガーレとカンツォネッタ
ジャケス・デ・ヴェルト(またはジャック・ド・ウェルト、1535-1596):
1. V心に安らぎが欲しくなって
2. ある日、わたしはスミレを摘みに
3. 囀る美しき小鳥よ、さあ
4. 黒い瞳よ、何のために
5. 祝福に満ちた我が運名よ
6. やりたい奴は言え
7. リチェルカーレ (ヴィンチェンツォ・ガリレイ〔1520/33-1591〕作曲)
8. 恋の神よ、わたしの生きざまを知っているからには
9. 恋の神がわたしを毒の矢で射た
10. 甘やかにさえずる夜啼鶯が
11. 何をしている、魂よ 〜7声の対話
12. 安らがせてくれ、わが思考よ
13. 哀れね、わたしはどれほど時間をむだにしたのだろう
14. きみが歌えば、わたしも歌う
15. わたしを知らないというのか〜6声のこだま
16. わたしは去ろう、ああなんと残酷な運命
ヴォーチェス・スアーヴェス (古楽器&声楽アンサンブル)

録音:2021年7月2-6日 ラントガストホーフ・リーエン、スイス
早くからフェラーラのエステ家やパルマのファルネーゼ家といったイタリアの文化的名家に見出され、後年はマントヴァのゴンザーガ家に仕え若き モンテヴェルディの同僚になった後期フランドル楽派の重要人物、ジャケス・デ・ヴェルト。ミュンヘンのバイエルン選帝侯家に仕えたラッススとほ ぼ同世代ですが、その活躍の舞台は主として北イタリアで(一時は神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世にも仕えていました)、貴婦人たちと浮名 を流し醜聞も呼びながら、即興演奏と多声音楽作曲に長けた音楽家として時代に名を刻みました。マドリガーレは彼が大きな貢献を果たし た曲種の一つで、年長の大家チプリアーノ・デ・ローレと後輩のモンテヴェルディやマレンツィオの間にあって、詩句の繊細な表現を音にして精 巧な多声の綾へと織り込んでゆく技芸は多くの同業者たちにも刺激を与えました。タッソやグヮリーニといった詩人たちとの知遇を通じて育まれ た明敏な感性は、後に14世紀の詩人ペトラルカの美しい詩を音楽化するにあたっての新しい視点にも繋がります。そうしたジャケス・デ・ヴェ ルト後年の充実作を重点的に集め、時にリコーダーやヴィオラ・ダ・ガンバ、撥弦楽器などを交えた自在な編成でこの作曲家の真髄に迫るの は、古楽研鑚の一大拠点バーゼルで学んだ俊才たちによるヴォーチェス・スアーヴェス。一本筋の通った多声音楽再現への情熱が、意外に も少ないこの作曲家単体でのアルバムを瑞々しくも確かな解釈で満たしています。イタリア後期ルネサンスの宮廷音楽に通じた音楽学の大 御所イアン・フェンロンによるライナーノート(英・仏・独語)も端的かつ充実した内容。
A-537
『光と闇の世界から』 〜C.P.E.バッハ:様々なフルート・ソナタ

C.P.E.バッハ
1-3. フルートと通奏低音のためのソナタ イ短調 Wq 128/H 555
4-6. フルートとオブリガート鍵盤のためのソナタ ト短調 BWV 1020/H 542-5
7-9. 無伴奏フルートのためのソナタ イ短調 Wq 132/H 562
10-12. フルートとオブリガート鍵盤のためのソナタ ニ長調 Wq 83/H 505
13-15. フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 Wq 124/H 551
アカデミア・オットボーニ(古楽器使用)
 マヌエル・グラナティエロ(フラウト・トラヴェルソ)
  使用楽器:
  インスブルックのルドルフ・トゥッツ2016年製作の再現楽器
   (ブリュッセルのJ.H.ロッテンブルフ1740年頃製作のモデルによる)…1-6
  ジンゲン(ドイツ)のマルティン・ヴェンナー2019年製作の再現楽器
   (ベルリンのJ.J.クヴァンツ1750年頃製作のモデルによる)…7-9
  ブリュッセルのアラン・ウェーマール2013年製作の再現楽器
   (ドレスデンのA.グレンザー1760年頃製作のモデルによる)…10-12
  インスブルックのルドルフ・トゥッツ2006年製作の再現楽器
   (ブリュッセルのJ.H.ロッテンブルフ1740年頃製作のモデルによる)…13-15
 八島 優(Cemb)
  使用楽器:ポルト・サン・ジョルジオ(イタリア)のジューリオ・フラティーニ
   2014年製作の再現楽器(ベルリンのM.ミートケ1700年頃製作のモデルによる)
 マルコ・チェッカート(Vc)
  使用楽器:製作者不詳、18世紀イタリアのオリジナル楽器
ピッチ:A=415Hz…1-6,10-15/A=392…7-9

録音:2020年6月16-19日サン・フランチェスコ教会、コーリ(イタリア中部ラツィオ州ラティーナ県)
“エマヌエル・バッハの作品に接するとき、私は新しい世界への扉を開く思いがします――それは全く対照的なものごとが併存する、遥か彼方 にありながら同時にすぐそばにあるような世界です。[…中略…]人間の魂の奥の方で光と影が共存しているのを見据えながら、彼は啓蒙 主義全盛の当時を大きく踏み越えた音楽のありようを見据えていたのです”(マヌエル・グラナティエロ/原盤解説より) 大バッハの次男C.P.E.バッハはライプツィヒを離れてベルリンに向かい、フルートを愛好するプロイセンのフリードリヒ大王の鍵盤奏者をしていた 間、フルートのための作品を数多く作曲しました。時として緩急落差の激しい表現も厭わない変化に富んだ音使いは大王の好みとはやや趣 が違ったため、それらが王室で演奏される機会はほとんどなかったようですが、時代の最先端をゆく彼の音楽はベルリン市内の音楽愛好家た ちを中心に注目を集め、やがてハイドンやベートーヴェンなど後代の作曲家たちにも大きな影響を与えるものとなりました。ここではベルリンに 赴く前に書かれ長く父の作品と思われていたト短調のソナタのほか、大王に仕え始めて間もない時期までに綴られた作品を集め、当時の キーが少ない4分割モデルによるフルート4種を使い分けて、その独特な音楽世界の真相に迫ります。イタリア古楽界で多くのアンサンブルを 支えるチェロのマルコ・チェッカートを中心とするアカデミア・オットボーニの名手、マヌエル・グラナティエロの緩急巧みな吹き方は楽器と曲の造 形によく馴染み、チェンバロの味わいが映える八島 優のタッチ、豊かな情熱を感じさせるチェッカートの低音との一体感ある対話を通じ、音 楽の機微を細部まで鮮やかに浮き彫りにしてゆきます。
A-538
『若きモーツァルトとミラノでの出会い』 〜モテット、詩篇曲、マニフィカト
ヨハン・クリスティアン・バッハ: 詩篇109番「主は言われた(ディクシット・ドミヌス)」 W E15*
モーツァルト:奉献唱「憐れんでください、主よ」K. 222
 モテット「喜び踊れ、汝幸いなる魂よ(エクスルターテ・ユビラーテ)」 K. 165
ジョヴァンニ・アンドレア・フィオリーニ(1715/16-1778):モテット「おお、聖なる饗宴」 *
メルキオッレ・キエーザ(1740以前?-1799以降):モテット「雷鳴轟く天をもって」*
アンブロジオ聖歌
アンティフォナ「わたしの霊は神に歓喜し」
J. C. バッハ:マリアの讃歌「わたしの魂は主を崇め(マニフィカト)」 W E22
ロビン・ヨハンセン(S)
カルロ・ヴィストーリ(アルト=カウンターテナー)
ギスリエーリcho
独唱…上記ソリストが参加しない曲中のソロ
 フェデリーコ・フィオリオ(男声ソプラノ)
 マヒミリアーノ・バニョス(アルト=カウンターテナー)
 ラファエーレ・ジョルダーニ(T)
 アレッサンドロ・ラヴァジオ(Bs)
ギスリエーリ合奏団(古楽器使用)
コンサートマスター:マルコ・ビアンキ(Vn)
ジュリオ・プランディ(指)
スコラ・グレゴリアーナ・ギスリエーリ
レナート・カデル(指)

録音:2022年3月13-16日 マーラー・ホール(エウレジオ文化センター )、ドッビアーコ(イタリア北東部ボルツァーノ県)
*=世界初録音
オペラの本場イタリアを10代の頃から何度か訪れ、本格的な声楽作法を血肉としていったモーツァルト。そこで当時、水の都ヴェネツィアやカ トリックの総本山ローマ、南のナポリと並んで見過ごせない音楽拠点になっていたのが、オーストリアのハプスブルク皇室が支配者だったミラノで した。イタリア古楽シーン最前線をゆくギスリエーリ合奏団は今回、中世以来の独特な聖歌の伝統もあるこの古都に注目。徹底した音楽研 究と豊かな音楽性を通じて、18世紀中盤から後半にかけ同地で活躍した作曲家たちの優れた教会音楽作品を集め、モーツァルトが同地 で作曲・披露した有名な独唱モテットK. 165と組み合わせたアルバムを制作しました。アルバム冒頭と末尾を飾るのは、天才少年がロンド ンで出会い刺激を受けた大バッハ末男ヨハン・クリスティアンのミラノ時代の2傑作(「マニフィカト」では気鋭の男声ソプラノ歌手フェデリーコ・フィ オリオが、圧巻のソロで18世紀のカストラート歌唱を彷彿させます)。古楽器演奏シーンで着々と存在感を高めているソプラノのロビン・ヨハン センが聴かせる晴朗なモーァルト作品もさることながら、キエーザやフィオリーニら今では知名度の低い作曲家たちの秘曲も聴き応えがありま す。古典派前夜のイタリアに花開いたオペラさながらの歌心あふれる傑作群を、驚くべき名唱で聴かせてくれる本格派の18世紀流解釈で す。
A-539
モッシとモンタナーリ、18世紀ローマのヴァイオリン音楽
アントニオ・モンタナーリ(1676-1737):ドレスデン・ソナタ ニ短調
ジョヴァンニ・モッシ(1680頃-1742):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ短調 Op.6-4*
モンタナーリ:ドレスデン・ソナタ ホ短調
モッシ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ長調 Op.6-5*
モンタナーリ:ドレスデン・ソナタ イ短調*
モッシ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調 Op.5-6*
ガブリエーレ・プロ(Vn、指揮)
 使用楽器:クレモナのジュゼッペ・グヮルネリ・デル・ジェズ1730年製作モデルによるラヴェンナのマルコ・ミンノッツィ2018年製作の再現楽器
アニマ&コルポ(古楽器使用)【マリア・カルヴォ(Vc)、シモーネ・ヴァッレロトンダ(アーチリュート、バロックギター)、クリスティアーノ・ガウディオ(Cemb)】

録音:2021年7月18-21日サンタゴスティーノ教会講堂、サン・ジネジオ(イタリア南東部マチェラータ県)
*=世界初録音
バロック期を通じ、芸術愛好の貴族や高位聖職者たちによって豊かな音楽文化が育まれていた永遠の都ローマ。17世紀末にはボローニャ で腕を磨いたヴァイオリンの名手コレッリが拠点を構え、作曲・演奏の両面で大いに活躍をみせました。その影響力は諸外国にも及んだ一 方、地元ローマでもコレッリ亡き後なお数多くのすぐれたヴァイオリン奏者=作曲家が活躍していたことは見過ごせません。イタリア屈指の古楽 レーベルARCANAが世に問うこのアルバムは、その中でも特に注目すべきモッシとモンタナーリの二人に光を当てたもの。コレッリの影響を色 濃く残しながら、流麗な歌心を通奏低音とヴァイオリン一つで紡ぎ出すモッシのソナタ、歯切れの良さとコントラストの明快さ、着想の多様さが 魅力的なモンタナーリの「ドレスデン・ソナタ」、両者ともコレッリに師事したかは定かでないながら、いずれ劣らぬ充実ぶり。楽都ローマの器楽 面での充実が彼らによって担保されていたことがよくわかります。ヴァイオリンのガブリエーレ・プロが端正に奏でる主旋律もさることながら、シモー ネ・ヴァッレロトンダの小気味良い撥弦をはじめ、味わい深い音色を聴かせる通奏低音の立ちまわりも聴きどころに事欠きません。
A-540(2CD)
NX-D09
フランチェスコ・ドゥランテ:弦楽のための協奏曲集
協奏曲第8番イ長調「ラ・パッツィア(狂気)」
協奏曲第4番ホ短調
協奏曲第2番ト短調
協奏曲第9番変ロ長調
ニコラ・フィオレンツァ(1700頃-1764): 4部のヴァイオリンと通奏低音のためのシンフォニア ハ短調
ドゥランテ:協奏曲第7番ハ長調
ドゥランテ:協奏曲第5番イ長調
ポルポラ(1686-1768):チェロ協奏曲 イ短調
ドゥランテ:協奏曲第6番イ長調
協奏曲第3番変ホ長調
協奏曲第1番ヘ短調
アッカデーミア・デラヌンチアータ(古楽器使用)
 コンサートマスター:カルロ・ラッザローニ(Vn)
 マルチェッロ・スカンデッリ(Vc)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、オルガン、指揮)

録音:2021年10月10-14日、2022年5月2-6日 サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ミラノ県)
ナポリ楽派のオペラ作曲家たちがヨーロッパを席巻した18世紀にあって、A.スカルラッティ亡き後のナポリで数々の音楽院の院長を歴任し、 夭逝の天才ペルゴレージを筆頭に数々のすぐれた作曲家を育てたフランチェスコ・ドゥランテ。作曲家としての評判もイタリア半島の外にまで 広まり、同世代の大バッハはライプツィヒで彼の作品を上演しましたが、その楽譜の完成度の高さから後々までバッハ本人の作とされたものも ありました。教会音楽を中心に声楽曲で注目されてきた作曲家ながら、器楽では明確なソロを持たない4声部の協奏曲を1730〜40年 代に多く作曲、録音でも散発的にとりあげられてきました。今回のように体系的な録音はコンチェルト・ケルンの取り組み(Capriccio)など大 変少なく、しかも作曲家と同じイタリアの最前線団体による古楽器演奏で聴けるのは嬉しい限り。アッカデーミア・デラヌンチアータは、チェロの 名手マリオ・ブルネロをソロに迎えてのバッハ協奏曲集というユニークな企画(A535/NYCX-10364)をリリースしたばかり。今回も地中海の 息吹を感じさせる深い作品解釈を聴かせ、個々の作品の味わいをじっくり解き明かしてゆきます。短くもさまざまな楽章構成を持つドゥランテ 作品は、ナポリ楽派ならではのカンタービレの魅力とドゥランテの真骨頂である対位法の妙が併存する興味深い音作りの連続。同世代のポ ルポラによる魅惑のチェロ協奏曲と、破天荒な性格で問題も起こしつつスリリングな傑作を多く残したフィオレンツァの異色編成作を併録、そ の作風の違いも楽しめる構成も魅力です。
A-541
カプスベルガー、アンブロジーニ:テオルボ作品集
〔環境音〕昔日の防波堤ムラッツィの傍らで
ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580頃-1651):無題の独奏曲
クラウディオ・アンブロジーニ(1948-):Tastata タスタータ (2017)
カプスベルガー:コルレンテ
アンブロジーニ:Tastata riflessa 水面の煌めきのタスタータ (2017)
〔環境音〕川に入る歩み 〜2019年の高潮
カプスベルガー:トッカータ 第1番
アンブロジーニ:Toccata トッカータ (2018)
カプスベルガー:ガリアルダ
アンブロジーニ:Aria アリア (2017)
〔環境音〕ヴェネツィア・ビエンナーレ庭園入口に停泊するゴンドラ群
カプスベルガー:無題の独奏曲
アンブロジーニ:Canzone カンツォーネ (2018)
カプスベルガー:リチェルカータ
アンブロジーニ:Canzone in eco こだまを返し合うカンツォーネ (2018)
〔環境音〕停泊するクルーザー群
カプスベルガー:ヴェネツィア風アリア
アンブロジーニ:Sarabanda サラバンダ (2018)
カプスベルガー:バッターリャ(戦い)
アンブロジーニ:Ciaccona チャッコーナ (2017)
〔環境音〕サン・マルコ広場の高潮、鐘の音とカモメの合唱
カプスベルガー:トッカータ 第2番
アンブロジーニ:Ricercare リチェルカーレ (2018)
カプスベルガー:ロマネスケ
環境音〕フラーリ教会(モンテヴェルディの墓所)の近くにいた子供たち
アンブロジーニ:Arpeggiata アルペッジャータ (2018)
ステファノ・マイオラーナ(テオルボ)

録音:2021年2月1-6日 グラッシ宮殿小劇場、ヴェネツィア
歴史ある水の都ヴェネツィアという「場」に焦点を当て、そのサウンドスケープの中に佇む歴史的建造物の中でかつて愛奏されていた古楽器テ オルボを用い、17世紀の作曲家カプスベルガーと現代作曲家アンブロジーニの独奏曲の魅力に迫るアルバム。低音側に弦を多く追加した リュートの一種テオルボは、17世紀初頭にオペラ歌手たちを支える通奏低音楽器として重宝されただけでなく、当時から独奏にも使われ、 特に「テオルボのドイツ人」の綽名で知られたローマ暮らしのドイツ系作曲家カプスベルガーの作品は各地で筆写されて人気を誇りました。他 方アンブロジーニはフランスの若手登竜門ローマ賞やヴェネツィア・ビエンナーレでの受賞経験を持つ1948年生まれの作曲家。早くからバロッ ク以前の音楽に関心を示し、16世紀ヴェネツィアの音楽を現代の響きの中でアレンジするなど、ダラピッコラや(彼自身も私淑した)マデルナ などイタリア20世紀の先人たちにも通じる古楽再発見と新作創出を並列的に行う作曲スタイルで知られています。ヴェネツィア音楽院で学 び、この水の都に限りない愛着を寄せるアンブロジーニが自ら同地で録った環境音(各20〜40秒程度)が「場」への憧憬を誘う中、時に静 謐・繊細に、時にダイナミックに重ねられる古楽器の撥弦が、様式感確かな両作曲家の音楽それぞれの味わい深さをじっくり引き出してゆく1 時間。現代ギター奏者にも馴染み深いスペイン・バロック作曲家サンティアゴ・デ・ムルシアの作品集(A484)も注目されたステファノ・マイオ ラーナの解釈が光ります。
A-542(2CD+DVD)
バッハ:ピアノ(Cemb)協奏曲 第1番-第5番
ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 BWV1052
ピアノ協奏曲 第2番ホ長調 BWV1053
ピアノ協奏曲 第3番ニ長調 BWV1054
ピアノ協奏曲 第4番イ長調 BWV1055
ピアノ協奏曲 第5番ヘ短調 BWV1056
(以下、DVD及びデジタル配信のみ)
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(A.ピオヴァーノ編曲/弦楽とピアノ版)
ギル・ベ(P/ベーゼンドルファー)
サンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団
アントニオ・ピオヴァーノ(指)

録音:2021-2022年
CD…収録時間:80分
DVD…NTSC/All Region/16:9
 リニアPCMステレオ 片面一層ディスク
 収録時間:100分
オランダ出身で韓国にルーツを持ち、現在はイタリアを中心にヨーロッパ各地で精力的に活動しているピアニスト、ギル・ベによるバッハの協奏 曲が登場。共演はアントニオ・ピオヴァーノ率いるサンタ・チェチーリア音楽院弦楽合奏団で、全曲の映像がDVDで付属するうえ、映像にの みピオヴァーノが編曲したイタリア協奏曲のピアノ協奏曲版も収録されているという豪華なもの。全編にわたって溌溂としてよく歌うベのピアノに 伸び伸びとしたストリングスが絡む、美しく清涼感溢れる演奏に仕上がっています。協奏曲を鍵盤楽器1台で表現するコンセプトの大もとへと 引き戻されたイタリア協奏曲も面白い出来栄え。なおデジタル配信版ではDVDの代わりに、イタリア協奏曲も音声ファイルとしてアルバムに 組み込まれています。
A-544
マッシミリアーノ・ネーリ(1620頃-1670以降):様々な楽器のためのソナタ集
1. Sonata Decimaquinta a dodeci - Op.2第15ソナタ(12声のための)
2. Sonata Prima a tre - Op.2第1ソナタ(3声のための)
3. Salve Virgo benignissima めでたし、至福の乙女
4. Sonata Undecima a nove - Op.2第11ソナタ(9声のための)
5. Sonata Seconda a4- Op.1第2ソナタ(4声のための)
6. Sonata Prima a4- Op.1第1ソナタ(4声のための)
7. Liebster Jesu 最愛のイエスよ [カテリーナ・ジアーニ(1630-1673以降)作曲]
8. Sonata Decima a otto - Op.2第10ソナタ(8声のための)
9. Canzon Seconda a4- Op.1第2カンツォン(4声のための)
10. Sonata Terza a tre - Op.2第3ソナタ(3声のための)
11. Sonata Quinta a quatro - Op.2第5ソナタ(4声のための)
12. Sonata Seconda a tre - Op.2第2ソナタ(3声のための)
13. Ad charismata caelorum 魅惑の天に向けて
14. Sonata Decimaquarta a dodeci - Op.2 第14ソナタ(12声のための)
コンチェルト・シロッコ(古楽器使用)
 ジュリア・ジェニーニ(リコーダー、ドゥルツィアン、指揮)
 編成:ヴァイオリン2、ヴィオラ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ1、ヴィオローネ2、
  木管コルネット2、リコーダー3、サックバット3、ドゥルツィアン1、テオルボ2、
  オルガン、チェンバロ
ヴォーチェス・スアーヴェス(声楽アンサンブル)…3、7、13
 ピッチ:A=415Hz(弦楽器&鍵盤楽器)/A=466Hz(管楽器)
 調律:1/4コンマ・ミーントーン

録音:2022年2月12-16日ラントガストホーフ、ライエン(スイス北部バーゼル・ラントシャフト州)
古楽奏者・研究者育成の世界的拠点バーゼル・スコラ・カントルムで研鑽を重ねた気鋭奏者が集うコンチェルト・シロッコとヴォーチェス・ス アーヴェスは、イタリアのARCANAレーベルへの録音を通じてクローチェ、ベルナルディ、ピッキといった知られざる17世紀イタリアの作曲家たち を続々発掘、その優れた実績の再評価に寄与してきました。これほどの結束力と専門性を兼ね備えた17世紀音楽の演奏団体は決して多 くはありませんが、今回のアルバムも既存盤全てと同じく、各楽器の個性がきわだつ小編成作品から、当時の演奏作法に通じた弦・管・鍵 盤の名手が何人もいなくては実現不可能な大編成の充実作まで収録。巨匠モンテヴェルディ亡き後、歌劇作曲家カヴァッリが人気を誇った 17世紀中盤のヴェネツィアで活躍したネーリの作品は、この“水の都”で器楽芸術が最初に発展した時代の面影を残しながらも、端正な気 品を感じさせる整った曲構成が18世紀の音楽をも予感させ、12声部にも及ぶ大規模な合奏曲はヴィラールトやガブリエーリの複合唱形式 にも、バロック後期のコレッリやヴィヴァルディの合奏協奏曲にも通じる音使いが聴かれ興趣が尽きません。小編成の作品も声楽・器楽共に コントラスト鮮やかな展開が聴き手を飽きさせず、生前のネーリがドイツ語圏や遠くスウェーデンまで名声を轟かせていたことを裏付けてあまり ある面白さ。バーゼルの名手たちの妙技に聴き惚れながら、知られざるバロック中期の音楽世界に思いを馳せたい1枚です。研究に基づき、 弦楽器などと管楽器はほぼ全音違うピッチを採用しており、管楽器が移調して演奏することで解決されています。
A-548
フックス:歌劇「アリアンナの冠」 ヴェネレ(美の女神ウェヌス)…モニカ・ピッチニーニ(S)
アリアンナ(クレタの王女アリアドネ)…カルロッタ・コロンボ(S)
テーティ(海の精テティス)…マリアンネ・ベアーテ・キーラント(A)
バッコ(酒の神バッコス)…ラファウ・トムキェヴィチ(C.T)
ペレオ(アイギナの王子ペレウス)…リ・メイリ(C.T)
シェーンベルクcho
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(指)

録音:2022年6月28日ヘルムート・リスト・ハレ、グラーツ、オーストリア
ウィーン古典派の三大作曲家が対位法を学んだ理論書『パルナスス山への階梯』の著者で、三代にわたる神聖ローマ皇帝に楽長として仕 えた大作曲家フックス。その晩年の知られざる傑作音楽劇が、欧州古楽シーン最前線をゆく演奏陣によって全曲録音されました。バッハや ヘンデルより四半世紀早く、A.スカルラッティやパーセルなどと同じ頃に生まれたフックスは1690〜1710年代が活動全盛期でしたが、 1723年プラハでの主君の戴冠式を祝う「権勢と貞節」を書きながら脚を悪くして随行できず半ば引退状態に。その中で1726年の皇妃誕 生日を祝うべく書かれた「アリアンナの冠」は、数々の木管・金管と打楽器が加わる充実編成の楽団と合唱を従え、5人のソリストが旋律美 豊かな歌を交わしてゆく一種のセレナータ。多声処理のたくみさや種々の楽器を活かして効果的な書法を繰り出す引き出しの多さはさすが 巨匠の至芸というほかなく、ヴィヴァルディやヘンデルら当時の現役世代にも比肩しうる緩急自在の音楽内容は、フックスが理論好みの書斎 派などではなく常に最前線の現役気質を失わなかったことを強く印象づけてくれます。物語は怪物ミノタウロスを退治した英雄テーセウスがナ クソス島に置き去りにしたアリアンナ(アリアドネ)を酒神バッコ(バッコス)が慰め、傍らで王子ペレオと海の精テーティが結ばれるというもの(北半 球の星座「かんむり座」はこの作品の表題に示された冠に由来)。キーラントやピッチニーニらシーン最前線の名歌手たち、頼もしくも切れ味 抜群なゼフィーロの古楽器演奏に加え、アーノンクールとの共演歴でも名高いシェーンベルク合唱団の参加も頼もしいところ。充実した作品 解説(英・独・伊語)と併せ、ウィーン音楽史を再訪したくなる刺激豊かな新録音と言ってよいでしょう。
A-549
華やげるヴィオラ・ダ・ガンバ芸術の晩期
アーベル(1723-1787):アレグロ ニ長調 A18
C.P.E.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ ハ長調 Wq136/H558
C.P.E.バッハ:ロンド II ハ短調 Wq.59-4/H 283
アーベル:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音の為のソナタ イ短調 B93
テレマン:ファンタジア XI ニ短調 TWV40:36
バッハ:ヴァイスのリュート・ソナタ WeissSW47によるトリオ・ソナタ イ長調 BWV 1025より
アーベル:アンダンテ ニ長調 A10
アンドレ・リスレヴァンド(ヴィオラ・ダ・ガンバ)[1-4,6-16]
 使用楽器:パリのギヨーム・バルベ1687年製作モデルに基づく、パリのジュディト・クラフト2017年
製作の再現楽器
ジャドラン・ダンカム(バロックリュート[6-8,12-15]、テオルボ[3])
 使用楽器:
 〔バロックリュート〕レーゲンスブルクのG.D.ブッフシュテッター1747年モデル(ウンヴェルドルベン作の
リュートを改作)に基づく、ホルムファース(イギリス)のトニー・ジョンソン2012年製作の再現楽器
  〔テオルボ〕ニュルンベルクのゼバスティアン・シェッレ1728年製作モデルに基づくベルゲン(ノル
ウェー)のラース・テレセン2021年製作の再現楽器
エミール・ダンカム(フォルテピアノ)[2-4,6-8]
 使用楽器:ウィーンのアントン・ヴァルター1792年製作モデルに基づくディヴィショフ(チェコ)のポー
ル・マクナルティ2022年製作の再現楽器

録音:2022年3月23-30日、8月4-8日ムーシカ・スタジオ、リスレヴァンド エヴイェ、ノルウェー
ヴェテラン古楽撥弦奏者ロルフ・リスレヴァンドの子で、2022年ARCANAから『解き放たれたフォルクレ』(A486)でソロ録音デビューを果たし た新世代のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者アンドレ・リスレヴァンド。フランス音楽に特化していた前作から一転、今度はドイツと英国で18世紀に活 躍した作曲家たちに焦点を当て、ガンバと同じく当時すでに全盛期を過ぎ廃れかかっていたリュート(およびテオルボ)と、新たに普及していった フォルテピアノを交えた編成で「ヴィオラ・ダ・ガンバ史の秋」の比類ない魅力に迫ります。テレマンのファンタジアやアーベルの小品など無伴奏作 品で聴かせる、パッションを秘めた人間味豊かな音楽性もさることながら、フォルテピアノの玄妙な響きがガンバのたおやかな美音やリュートの 撥弦音と重なり合う、C.P.E.バッハやアーベルの前古典派流ソナタの味わいは何ともユニーク。鍵盤ぬきにガンバとリュートだけで奏でられる ヴァイス原作のバッハ編曲作品も魅力的な響き。自身バロック・ヴァイオリン奏者としての活動歴を持ち古楽器の機微をよく知る名技師ライ ナー・アルントの的確なエンジニアリングを得て、古楽器ならではの音色美や音作りをじっくり味わえる仕上がりになっています。

A-550(3CD)
NX-E02
ヴィヴァルディの三つの季節 〜ヴァイオリン協奏曲集〜
【Disc1】 春
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV343「さまざまに異なる調弦のヴァイオリンを集めて」〜アンナ・マリアの為の協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 RV240
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV230(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-9)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV332(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-8)
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV265(協奏曲集『調和の霊感』Op.3-12)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV210(協奏曲集『和声と創意の試み』Op.8-11)
【Disc2】 夏
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV189〜神聖ローマ皇帝カール6世の依頼による
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV333
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV289(世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV197
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV330
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV380
【Disc3】 秋
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV201
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV371
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV353
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 RV367(初期稿による世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV327
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV390
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
使用楽器:ピエトロ・グヮルネリ1733年製作のオリジナル楽器
アッカデーミア・デラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、ポジティフオルガン、指揮)

録音:2023年1月13-16日、2月1-4日、3月13-16日サン・ベルナルディーノ教会、アッビアーテグラッソ(イタリア北部ロンバルディア州ミラノ県)
水の都ヴェネツィアで聖職につきながら礼拝には加わらず、むしろ他の追従を許さないヴァイオリン演奏の妙技や作曲、歌劇興行手配などで 名声を博した「赤毛の司祭」ヴィヴァルディ。その膨大な作品群は今や数々の歌劇や声楽曲、珍しい室内楽曲に至るまで無数の名盤に刻 まれていますが、その本領はやはり独奏協奏曲、とりわけ当人が名演奏家だったヴァイオリン協奏曲の数々にあったと言ってよいでしょう。名 手ジュリアーノ・カルミニョーラはこれまでも数々の録音でこの作曲家と向き合ってきましたが、同じイタリアの最前線をゆく古楽器楽団アッカ デーミア・デラヌンチアータと満を持して3枚組で世に問う今回のアルバムは、そんなヴィヴァルディの活動歴を、初期から後年まで全てヴァイオ リン協奏曲だけで辿ってゆく意欲作! CD1枚ごと春(最初の躍進期)、夏(全盛期)、秋(名声安定期)と作曲年代で作品を集め、変則 調弦(スコルダトゥーラ)の活用やスリリングな超絶技巧、歌劇にも通じる歌心、細やかな音響表現の妙と、多岐にわたるヴィヴァルディ語法 の魅力を隅々まで徹底分解してゆきます。カルミニョーラならではの圧巻のソロは今回もダイナミックでありながら気品に満ち、弦楽と通奏低 音だけの編成にもかかわらず作品の機微をよく読み解き、驚くほど多彩な響きを繰り出してゆくアッカデーミア・デラヌンチアータの才人たちと味 わい深くも興奮を誘う対話を続けてゆきます。世界初録音も含むプログラム構成は、ヴィヴァルディ研究の最前線で見過ごしがたい実績をみ せている音楽学者オリヴィエ・フレが全面協力、ライナーノートも執筆しています(英・仏・伊語)。
A-551
パオロ・デル・ビーヴィ、通称 パオロ・アレティーノ(1508-1584):聖土曜日の為の哀歌と応唱
第1の夜課
第2の夜課
第3の夜課
ザカリアの讃歌「祝福あれ、イスラエルの主なる神よ」
オデカトン【ジャンルイージ・ギリンゲッリ(C.T)、ジュゼッペ・マレット、マッシモ・アルティエーリ、マウロ・コッリーナ、ヴィンチェンツォ・ディ・ドナート、ジャンルーカ・フェラリーニ(T)、マウロ・ボルジョーニ、ガブリエーレ・ロンバルディ(Br)、エンリーコ・バーヴァ、マッテオ・ベロット(Bs)】
パオロ・ダ・コル(指)

録音:2021年8月24-27日聖イグナツィオ教会、アレッツォ(イタリア中部トスカーナ州)
徹底した音楽学的検証を経た上での充実した演奏解釈で、ルネサンス期のイタリア音楽の「生まれたての姿」の味わいを現代に蘇らせ続け るパオロ・ダ・コル指揮の男声アンサンブル、オデカトン。今回はフランドル楽派の精緻な多声音楽に大きな影響を受けていた作曲家が多かっ た16世紀中盤、フィレンツェのメディチ家にも仕えながら故郷アレッツォを中心に活躍した知られざる名匠パオロ・アレティーノ(「アレティーノ」は アレッツォ出身者を意味する通称、本名はパオロ・デル・ビーヴィ)の受難節音楽という秘曲中の秘曲に迫ります。この時期には現代で言うコ ントラルトから男声の中低音域までバランスよく、各声部が独立した動きを見せるポリフォニーの魅力を追求した音楽が多かったところ、パオ ロ・アレティーノはここでテノール、バリトン、さらにバスの低音域まで使ってバランスを低音寄りとし、随所で多声の綾よりも歌われる詩句の味 わいを優先させた朗読調とも言える音運びを使用。人肌の温もりを感じさせながらも隅々まで精緻にコントロールされたオデカトンの面々の 歌唱が、その作品が持つ不思議な魅力をこの上なく明晰に伝えてやみません。色彩感より構図や描線にこだわったというフィレンツェ画派の 名作群にも通じる奥深い音楽の響きが、16世紀イタリア音楽のさらなる豊饒さを改めて強く印象づけてくれる好企画です。
A-552
18世紀パリのマンドリン音楽
ジョヴァンニ・バッティスタ・ジェルヴァジオ(1730頃-1786以降):マンドリン独奏と低音部のためのソナタ ハ長調(2)
ニコラ・ドゼール(1740-1798):エール「リゾンが茂みで眠っていると」(歌劇「ジュリー」〔1772〕より)(2)
作者不詳(フランチェスコ・マンチーニ〔1672-1737〕とフランチェスコ・バルトローメオ・コンティ〔1681/82-1732〕の原曲による):ソナタ 第1番 ハ長調*(2)
作者不詳(マンチーニとコンティの原作による): ソナタ 第6番ト短調*(1)
アントワーヌ・フォルクレ(1672-1745):ラ・マンドリーヌ
作者不詳(ニコラ・フランチェスコ・アイム〔1678-1729〕、マンチーニとコンティの原曲による): ソナタ 第4番ト長調*(2)
ジェルヴァジオ:マンドリンと低音部のためのソナタ ニ長調(2)
アンドレ=エルネスト=モデスト・グレトリー(1741-1813):セレナーデ「草木も眠るこの時に」(歌劇「嫉妬深い恋人」〔1778〕より)(2)
作者不詳:ラ・フュルステンベルク(3)
マルク・モイヨン(T)[4、22]
ピッツィカール・ガランテ(古楽器使用)
アンナ・スキヴァザッパ(マンドリン)

使用楽器:
(1) ナポリのアントニウス(アントニオ)・ヴィナッチア1768年製作のオリジナル楽器
(2) ミラノのティツィアーノ・リッツィ2017年製作の18世紀ナポリ型マンドリン
(3) ミラノのアントニオ・モンツィーノ1792年製作の6コース・ロンバルディア型モデルに基づくミラノのティツィアーノ・リッツィ2010年製作の再現楽器
ロナルド・マルティン・アロンソ(バス・ド・ヴィオール〔ヴィオラ・ダ・ガンバ〕)
ダニエル・ド・モレ(テオルボ、アーチリュート、バロックギター)
マリア・クリスティナ・クリアリー(トリプルハープ、シングルアクションハープ)
アンナ・フォンターナ(クラヴサン〔チェンバロ〕)

録音:2022年11月17-21日パルコ・ボラスコ荘祝宴ホール、カステルフランコ・ヴェネト(イタリア北東部ヴェネト地方トレヴィゾ県)
*は世界初録音
今でこそ19世紀以降のイタリア観光ブームの影響で「マンドリンといえば南イタリア」のイメージが強いものの、この小ぶりの撥弦楽器が18世 紀に一時ヴァイオリンや鍵盤楽器にも追い迫る人気を誇り、パリやウィーンなどの都市部で多くのアマチュア演奏者に求められていたことは意 外に知られていません。近年の古楽器研究の成果でその栄華に迫る録音も増えてきましたが、歴史的マンドリンの研究と演奏実践で注目 を集めてきたイタリアの名手アンナ・スキヴァザッパは今回、ルイ15世時代のフランスにおけるマンドリン人気に着目。ヴァイオリンとの調弦の共 通性なども幸いし奏者人口を増やしていった頃、花の都パリでどのような音楽がこの楽器の妙音で奏でられていたかを多角的に解き明かし ます。ヴィオールの名手フォルクレの名曲「ラ・マンドリーヌ」やグレトリー他の声楽曲も盛り込みながら、マンドリンが蔭に日向に活躍する室内 楽曲をバランスよく集め、特に編曲者不詳ながら往年の人気作曲家たちの音楽をセンス良くマンドリン向けにアレンジした一連のソナタには 世界初録音の作品もあり。メロディアスで心地よい音作りの曲が多いだけに、歴史的に検証されたマンドリン(一部18世紀製のオリジナル楽 器も使用)の軽やかで奥深い響きの魅力が、ひときわ際立つトラックの連続となっています。パリで絶大な人気を誇ったグレトリーの作ほか声 楽曲では、ジョルディ・サヴァール指揮のモンテヴェルディ「オルフェオ」の表題役で聴かせた圧巻の名演の記憶も新しいマルク・モイヨンの歌唱 が絶品。他にもリ・インコーニティの鍵盤奏者アンナ・フォンターナ、多様な歴史的ハープを弾きこなすマリア・クリスティナ・クリアリーらの共演も 頼もしく、ポンパドゥール夫人やマリー=アントワネットらが生きた時代ならではの優雅な空気を存分に楽しめます。そこにマンドリンの響きがい かに自然に馴染むか、嬉しい驚きに出会える1枚です。
A-553
歌の世紀 〜ヴェネツィアにおけるバロック歌劇の開花
1. フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676):Prologo-序幕(歌劇「オルミンド」〔1644〕より)
2. ベネデット・フェラーリ(1603頃-1681):天が、そなたの幸せとともに(『独唱のためのさまざまな楽曲』〔1637〕より)
3. モンテヴェルディ:希望よ、わたしのもとに来て(歌劇「ポッペーアの戴冠」〔1642/43〕より)
4. モンテヴェルディ:他の女王たちが(歌劇「ウリッセの帰郷」〔1640〕より)
5. マルコ・ウッチェリーニ(1603-1680):第6コルレンテ、通称「ラ・コルセッタ」 (『ソナタ、アリアおよびコルレンテ集 第3巻』〔1642〕より)
6. フランチェスコ・サクラーティ(1605-1650):戦士たちよ、さあ武具をとれ!(歌劇「狂気を装った女」〔1641〕より)
7. ミケランジェロ・ブルネリオ(1610頃-歿年不詳):この世の音楽の中でも(『低音部歌集』〔1641〕より) 世界初録音
8. ウッチェリーニ:第3コルレンテ、通称「不誠実」
9. バルバラ・ストロッツィ(1619-1677):別れ際の対話(『マドリガーレ集 第1巻』〔1644〕より)
10. モンテヴェルディ:聖母の嘆き(『宗教的・倫理的な森』〔1641〕より)
11. ウッチェリーニ:第9コルレンテ、通称「ラ・シモーナ」(『ソナタ、アリアおよびコルレンテ集 第3巻』〔1642〕より)
12. カヴァッリ:羽ばたいて去るがよい(歌劇「オルミンド」〔1644〕より)
エマミュエル・ド・ネグリ(S)
ブランディーヌ・スタスキエヴィチ(Ms)
ポール=アントワーヌ・べノス=ジャン(C.T)
ザッカリー・ワイルダー(T)
サルヴォ・ヴィターレ(Bs)

レ・スタジョーニ(古楽器使用)
パオロ・ザンズ(チェンバロ、オルガン、指揮)
※編成:ヴァイオリンまたはヴィオラ3、ヴィオラ・ダ・ガンバ1、チェロまたはリローネ1、コントラバスまたはヴィオローネ1、テオルボ2、チェンバロまたはオルガン
A=440Hz ミーントーン

録音:2022年10月4-7日フランス国立声楽センター、ヴェズレ(フランス中部ブルゴーニュ地方)
1600年前後のイタリアで、閉ざされた特権階級向けの知的な催事劇として始まった新しい舞台芸術、オペラ。その閉鎖空間の芸術が広く 公衆に開かれた興業となったのはその少し後、1630年代に水の都ヴェネツィアで相次いでオープンした歌劇場を通じてのことでした。このアル バムはそうした近代型オペラの原型ともいうべきものが育まれた17世紀前半のヴェネツィアの歌劇界に光を当て、同時期に出版された声楽 曲集・器楽曲集からの抜粋を交え、バロック初期の「歌いながら語る」歌唱様式がどのように発展し、人々の心を掴んだかを概観できる選曲 になっています。この時期のヴェネツィア歌劇界の立役者たるカヴァッリの作品を冒頭と末尾に配し、その師匠でもあったモンテヴェルディ晩期 の傑作群、大衆に開かれた最初の歌劇場で作品を発表した作曲家の一人ベネデット・フェラーリの声楽作品、彼らの声楽作法を横目に独 自の器楽スタイルを追求したウッチェリーニのソナタなど、バラエティ豊かな選曲から「水の都」の活況を浮かび上がらせるのは、21世紀のヨー ロッパでさまざまなアンサンブルの一員として頭角を現してきた俊才古楽歌手5人と、幅広い世代の俊才が集うレ・スタジオーニ。撥弦のシ モーネ・ヴァッレロトンダやガンバのイザベル・サン=ティヴ、全体の指揮をとる鍵盤のパオロ・ザンズら経験豊かな才人が加わり、豪華な通奏 低音勢と各パート一人ずつの弦楽が織りなす古楽器サウンドが、歌手たちの迫真の歌唱の味わいを幾倍にも引き立ててやみません。歴史 的背景を踏まえたザンズ自身の解説(伊、英、仏語)も充実した内容になっています。
A-554

NYCX-10426
日本語解説付国内盤
税込定価
エンニオ・モリコーネ:ヴァイオリンと弦楽合奏の為の「シネマ・レアリティーズ」
 エンニオ・モリコーネ(1928-2020):
1-2. LA CALIFFA 「ラ・カリファ」(70)(日本未公開)
 1. Notturno 夜想曲
 2. La cena 晩餐
3-5. MAURO BOLOGNINI SUITE 「マウロ・ボロニーニ組曲」
 3. Intro 序奏
 4. Main Theme 古い階段の下で 〜PER LE ANTICHE SCALE(75)(日本未公開)
 5. Ricordo d’amore 愛の記憶 〜沈黙の官能(76)
6-9. QUATTRO ADAGI 「4つのアダージョ」
 6. Chi キ・マイ 〜MADDALENA(71)(日本未公開) *
 7. Deborah’s Theme デボラのテーマ 〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(84)
 8. Addio ai monti 山々への別れ 〜I PROMESSI SPOSI(89)(日本未公開)
 9. Vatel’s Theme ヴァテールのテーマ 〜宮廷料理人ヴァテール(00)
10. Italian Theme シシリアンのテーマ 〜シシリアン(69) *
11. Quasi un Vivaldi ヴィヴァルディのように(アルプスの隠れ家) 〜非情の標的(73) *
12-13. TAVIANI BROTHERS SUITE 「タヴィアーニ兄弟組曲」
 12. Ritorno a casa 帰郷 〜アロンサンファン 気高い兄弟(74)
 13. Main Theme 草原 〜IL PRATO(79)(日本未公開)
14-15. SILVANO AGOSTI SUITE 「シルヴァーノ・アゴスティ組曲」
 14. Dedicato a Maria マリアに捧ぐ 〜LA RAGION PURA(01)(日本未公開)
 15. Romanza Quartiere クァルティエール・ロマンス 〜クワルティエーレ 愛の渦(87)
16. Man with a Harmonica ハーモニカの男 〜ウエスタン(68) *
17. Main Theme ロリータ 〜ロリータ(97) *
 編曲…エンニオ・モリコーネ/*=マルコ・セリーノ
マルコ・セリーノ(ソロ・ヴァイオリン、リーダー)
パドヴァ・ヴェネトO

録音:2023年4月11-13日 サン・ロッコ祈祷所、パドヴァ、イタリア
※ 国内仕様盤には、モリコーネをこよなく愛する映画音楽ライターの江守功也氏による解説が付属。
2022年1月に発売され、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが最後に書き上げた自作の再構成としてロング・セラーを続けるヴァイオリンと管弦楽の為の 「シネマ組曲」(NYCX-10268/A495)。そこでソリストを務め、巨匠とも長年共演してきたヴァイオリニスト、マルコ・セリーノによるモリコーネ・アルバムの続編 が登場。今回は「シネマ・レアリティーズ」のタイトル通り、「デボラのテーマ」と「古い階段の下で」など一部を除き、前作と被らない珍しい曲を集めた内容となっ ています。日本未公開作品の曲も多いですがいずれもモリコーネらしい美しさを湛えており、聴き込むほどに巨匠の才能の奥深さを改めて実感させられること でしょう。モリコーネ自身の編曲に加え、そのスタイルに沿ったセリーノによる編曲も数曲収録。「マウロ・ボロニーニ組曲」はこのアルバムで初めて演奏されたもの であり、オリジナル・サウンドトラック盤と同じ「シルヴァーノ・アゴスティ組曲」以外は、今回が初録音となる編曲で収録されています。
A-555(3CD)
NX-E02
バッハ:作品集
【CD1】
ブランデンブルク協奏曲 第1番ヘ長調 BWV 1046
ブランデンブルク協奏曲 第2番ヘ長調 BWV 1047
ブランデンブルク協奏曲 第3番ト長調 BWV 1048
ブランデンブルク協奏曲 第4番ト長調 BWV1049
【CD2】
ブランデンブルク協奏曲 第5番ニ長調 BWV 1050
ブランデンブルク協奏曲 第6番変ロ長調 BWV1051
序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067
ピッチ:A=398Hz
【CD3】
序曲 ハ長調 BWV119R
序曲(管弦楽組曲)第1番ハ長調 BWV1066
序曲(管弦楽組曲)第3番ニ長調 BWV1068
序曲 変ロ長調 BWV194R
序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
ピッチ:A=415Hz
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ(古楽器使用)
アルフレード・ベルナルディーニ(指)
「独奏」
ガブリエーレ・カッソーネ(Tp)
ディレーノ・バルディン、フランチェスコ・メウッチ(Hrn)
ドロテー・オーバーリンガー、ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
アルフレード・ベルナルディーニ、パオロ・グラッツィ、
エミリアーノ・ルドルフィ(Ob)
アルベルト・グラッツィ(Fg)
チェチーリア・ベルナルディーニ(ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン)
フランチェスコ・コルティ(Cemb)

録音:2017年9月27日-10月5日リストーリ歌劇場、ヴェローナ[CD 1-2]
2015年11月6-9日 マーラー・ホール(エウレジオ文化センター)、ドッビアーコ[CD 3]
1989年、古楽器演奏の先進国オランダや英国で研鑽を積んだ気鋭イタリア人奏者たちが故郷で結成した古楽器アンサンブルのゼフィーロ は、徐々にさまざまな名手と信頼関係を重ね、やがてゼフィーロ・バロック・オーケストラ名義で大規模な作品の演奏にも乗り出し、丁寧な作 品解釈と地中海的パッションを宿した演奏の瑞々しさで世界中から喝采を浴びてきました。21世紀に同国のレーベルとして再出発した ARCANAでも広範なレパートリーの録音を続け、バロック秘曲群のみならず王道レパートリーでも群を抜く解釈で話題を呼んでいます。今 回は2017〜18年に相次いでリリースされ、古楽器の味わいを活かしながら安定感を失わず鮮烈な演奏に仕上げたことで注目されたバッハ の傑作管弦楽作品群が待望のBOX化!フランス宮廷音楽の流儀を意識した低いピッチが独特の味わいをもたらす『ブランデンブルク協奏 曲集』、ゼフィーロならではの緊密なアンサンブルを活かしつつもダイナミックな音響対比が痛快な管弦楽組曲群や教会カンタータから復元さ れた序曲楽章、いずれも作品像をみずみずしく問い直す名演の連続です。リコーダーのオーバーリンガーやカヴァサンティ、チェンバロのコル ティ、トランペットのカッソーネなど圧巻のテクニックで存在感を発揮するソリストたちにもはっとさせられること必至。古楽器演奏世界の進展と 深まりを強く実感できるバッハ解釈と言ってよいでしょう。
A-556
王のギター〜フランチェスコ・コルベッタのギター音楽
ジャン=バティスト・リュリ
1. La Generalle de la Garde francoise フランス衛兵隊の将(打楽器による独奏/ヴェルサイユ市立図書館の筆写譜168より)
フランチェスコ・コルベッタ(1615-1681):フランスとスイスの喇叭と太鼓 〜マーストリヒト制圧に寄せて
ホ調のフォリア
モンマス公のお気に入りのガヴォット「フィッリはぼくを哀れに思い」
イ調のパッサカリア
ファンファーレ
もう一つのファンファーレ
王のお気に入りのアルマンド「恋の神には抗い切れぬ」
2声のシンフォニア
イ調のサラバンド
フォリア
マントヴァの調べ
ヨーク公のお気に入りのアルマンド「自由が欲しけりゃ」
王の御出立に寄せるサラバンド
王のお気に入りのジグ
サラバンド「王太子妃」
ホ調のコンセール
ロベール・ド・ヴィゼー(1650-1725):フランチェスコ[・コルベッタ]氏のトンボー(追悼曲)
 コルベッタ
王弟妃殿下のトンボー「恋の神が統べていた空から」
イ・バッシフォンディ(古楽器使用)
シモーネ・ヴァッレロトンダ(バロックギター、コラショーネ、テオルボ、指揮)
ステファノ・トダレッロ(コラショーネ、テオルボ、キタラバッテンテ)
ガブリエーレ・ミラークレ(打楽器、コラショーネ)
ボル・ズリヤン(バロックギター)
モニカ・ピッチニーニ、フランチェスカ・ボンコンパーニ(S)
ダヴィデ・ベネッティ(Bs)

録音:2023年2月1-5日 ヴィッラ・トーニ・ジア・アヴェロルディ、グッサーゴ(イタリア北部ロンバルディア州ブレシア県)
フランスの太陽王ルイ14世が私的に愛奏したスペイン式ギター(バロックギター)の名手で、フランスと英国をまたにかけ活躍した名手コルベッ タ。17世紀初頭にボローニャで生まれ、世紀半ばまではイタリア半島を拠点にスペイン式ギターのための曲集を何冊か出版していましたが、 1650年代にルイ14世の祭典に加わり頭角をあらわし、1660年代には王政復古期のイングランドでも新王チャールズ2世や有力貴族たち から広く愛顧を受けました。それぞれ英仏両王に捧げられた2集の『王のギター』(1671年と1674年に出版)は今日でもバロックギター奏者 たちの重要なレパートリーとして有名ですが、イタリアの異才撥弦奏者が集うイ・バッシフォンディの主宰者シモーネ・ヴァッレロトンダはここで、イ タリア時代に遡ってコルベッタの作品を集めた網羅的な選曲でこの作曲家の至芸を概観。ギター二重奏を中心に、曲によっては打楽器や歌 唱も加え、長いネックが特徴的な南イタリアの民俗楽器コラショーネ、かき鳴らす奏法に特化したキタラバッテンテなども使いつつ、欧州各地 の宮廷文化に留まらないこの作曲家の着想源の豊かさを広く伝える選曲と解釈を聴かせてくれます。ギター二重奏のパートナーは、中世ま で遡るリュート研究と幅広い演奏スタイルの使い分けで注目を集めるスロヴェニア出身の名手ボル・ズリヤン!作品背景を適切にふまえなが ら流麗なサウンドを自在に駆使するヴァッレロトンダと共に、モンテヴェルディ存命中のイタリアからリュリ全盛期のフランス様式まで、既存の録 音群とは一味違った新鮮なコルベッタ像をお楽しみください。
A-557(2CD)
NX-D09
バッハ:6つのパルティータ BWV825-830 ジュリア・ヌーティ(Cemb)
※使用楽器:パリのアンリ・エムシュ1751年製作モデルに基づくブレーメンのクリスティアン・クールマン2016年製作の再現楽器

録音:2021年11月4-7日、ゼンデザール、ブレーメン
Deutsche Harmonia MundiとARCANAにそれぞれ録音したフランス音楽アルバムが高い評価を博す一方、イタリア・バロックの通奏低 音奏法についての著書もある古楽鍵盤奏者ジュリア・ヌーティ。ロンドン王立音楽大学(RCM)で研鑽を重ね、ヴィクトリア&アルバート美術 館の協力演奏家として意欲的な活動を続けた後は故郷イタリアの最前線をゆくイル・ポモ・ドーロやモード・アンティクオ、ナタリー・シュトゥッツ マンの古楽器楽団オルフェオ55などでも実績をあげてきた実力派です。バッハ作品への深い理解はキアラ・ザニシと共にARCANAで録音し たヴァイオリンと鍵盤のためのソナタ集(A426)でも示されましたが、今回はライプツィヒ市の音楽監督となったバッハが自身の鍵盤技法の集 大成を試み自費出版を始めた『鍵盤練習曲集』の最初の結実である6つのパルティータを全曲録音。瑞々しいタッチで力むことなく、しかし 音楽の特質を隅々まで捉えた精緻な解釈で紡ぎ出される演奏は実に新鮮でありながら豊かな含蓄も感じさせ、バッハの世界に深く分け入 る喜びを改めて強く喚起してくれます。使用楽器はバッハと同時代を生きたパリの名工エムシュによる1751年製作楽器に基づく精巧な再 現。エムシュの師はテレマンの友人でもあったハノーファーの鍵盤製作家アントン・ファーター(1715年に工房を開いたパリでの仏語名はアント ワーヌ・ヴァテール)で、モデルとなった楽器はパリで作られながらファーター流の伝統に従っており、二段鍵盤を使うドイツ音楽の演奏に選ばれ ることも多い銘器(Hitasuraレーベルのフレデリク・ハースもバッハ録音で愛用しています)。古楽器録音に通じたARCANAならではの、くっき りとした音像と残響のバランスが心地よい自然なエンジニアリングも嬉しいところです。
A-558
ベートーヴェン:ロンド ハ長調 Op.51-1(1796-97)
ピアノ・ソナタ 第7番ニ長調 Op.10-3(1797-98)
ピアノ・ソナタ 第8番ハ短調 Op.13「悲愴」(1798-99)
ピアノ・ソナタ 第12番変イ長調 Op.26(1800-01)
ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)
※使用楽器:ウィーンのヴァルター&ゾーン1805年頃製作モデルに基づくディヴィショフ(チェコ)のポール・マクナルティ2009年製作の再現楽器(音域FF-c4)

録音:2022年5月25-31日パチェット・トリネーゼ(イタリア北西部ピエモンテ地方トリノ県)
1990年代半ば巨匠ポリーニに才能を見出され、DGやDECCAなどでの録音で注目されてきたジャンルカ・カシオーリ。現代作曲家として古 典的な曲種のピアノ音楽も作曲する一方、演奏家としての幅広い関心は古楽器にも及び、来日公演や近年の録音ではヴァイオリンの庄 司紗矢香とモーツァルトのソナタ群を、かの天才作曲家が晩年に弾いていた楽器に近いモデルのフォルテピアノで演奏し話題を呼んでいま す。そこで用いられたウィーンのヴァルター工房1805年モデルに基づくフォルテピアノを再現したのは、アレクセイ・リュビモフやロナルド・ブラウティ ハムら古楽器演奏に長じたプレイヤーたちからの信頼も厚い名工ポール・マクナルティ。今回は同じ楽器を用い、モーツァルトの少し後に同じ ウィーンで活躍したベートーヴェン初期の傑作群に迫ります。収録曲はどれも、作曲家が1803年にパリのエラール社製の楽器を知る前の作 品ばかり。適切な楽器の選択もさることながら、現代楽器での豊かな演奏経験に裏打ちされた音楽性は、古楽器の響きの特徴を活かして 作品本来の姿へと迫る上でもブレのない濃やかな音色表現で耳を惹きます。ライナーノートに寄せられたカシオーリへのインタビュー(伊語、 英語、仏語)でも明敏な洞察が随所に見られ、その誠実な解釈姿勢がよく伝わってきます。
A-559
ミェチスワフ・ヴァインベルク:無伴奏チェロ・ソナタ(全4曲)
無伴奏チェロ・ソナタ 第1番Op.72(1960)
無伴奏チェロ・ソナタ 第2番Op.121(1977)
無伴奏チェロ・ソナタ 第3番Op.106(1971)
無伴奏チェロ・ソナタ 第4番Op.140bis (198
マリオ・ブルネロ(Vc/ブレシアのピエトロ・サント・マッジーニ1600年頃製作)

録音:2022年3月21-27日アンチルッジーネ、ヴァッラ、トレヴィーゾ、イタリア
収録時間:87分25秒
※長時間収録ディスクのため、一部のプレイヤーでは 正常に再生できない可能性がございます。ご注意ください。
近年はARCANAより、バッハを中心としたバロック作品を4弦チェロ・ピッコロで演奏するアルバムを精力的にリリースしてきたマリオ・ブルネロ。 今回は通常のチェロに立ち返り彼愛用の名器マッジーニを用いて、20世紀無伴奏チェロ作品の傑作の一つ、ヴァインベルクのソナタ全4曲を 録音しました。うち第2番は1965年に作曲され作品86として出版されましたが、ここでは1977年に大幅に改訂された版を収録。高い技 術と集中力で時に瞑想的、時に諧謔的、そして時に激昂するような曲想を奥深く、きめ細かく描き上げています。
A-560
異教の天使 〜ボスニア・ヘルツェゴビナに伝わる中世の礼拝音楽〜
1. この石は誰のものか(墓碑銘/1411年以前)
2. 救世主の頭(14〜15世紀)
3. Iはじめに言葉があった(1444〜1461頃)
4. Zなぜ神はこの世をお創りになったか(14世紀)
5. Aここにブラトミオ・ブライコヴィチ眠る(16世紀)
6. お前に頼みたい、純潔ならぬ霊よ(1640)
7. 洗礼を受けていない者は誰であれ(14世紀)
8. 天にまします我らが父よ(1444〜1461頃)
9. 魂が肉を離れる時(1614)
10. おお至高の婦人、天に上げられた方よ(1726)
11. その時、偉大なしるしが(1444〜1461)
12. おお兄弟たちよ、葬りたまえ(14世紀)
13. 喇叭が不思議な音を奏で(16世紀)
14. 怒りの日、その日この世は(伝承歌)
15. 歌え友よ、山並に向かって(1726)
16. 神よ、わたしは久しい昔ここに倒れ(14〜16世紀)
17. わたしはここで神に祈るべく(14〜16世紀)
※記載されている年代は典拠史料の成立時期であり、作曲年を示すものではありません。
楽曲復元・再構成:カタリナ・リヴリャニチ、ヨシコ・ツァレタ、ユーレ・ミロシュ
ディアロゴス(中世アンサンブル)
カタリナ・リヴリャニチ(歌、指揮)
アルブレヒト・マウラー(弓奏ヴィエル〔中世フィドル〕、レベック)
ノルベルト・ローデキルヒェン(各種リコーダー)
カンタドゥリ(伝承歌アンサンブル)
ヨシコ・ツァレタ(歌、指揮)
ニコラ・ダミャノヴィチ、スレチコ・ダミャノヴィチ、トンコ・ポドルグ、ミリヴォイ・リロフ(歌)
ユーレ・ミロシュ(歌、グズレ〔弓奏弦楽器〕、ドヴォイニツェ〔二本笛〕)

録音:2023年1月12-16日 ノワルラック修道院文化センター(フランス中部シェール県)
古楽研究と並行して地元の伝統音楽からも多くを学びながら、バルカン半島の歴史遺産の素顔に迫り続けるクロアチアの古楽歌手カタリ ナ・リヴリャニチ。自身のグループであるディアロゴスと共に、男声アンサンブルでバルカン半島の伝統歌を追求し続けるカンタドゥリをゲストに迎 えての活動も長く続けていますが、今回はクロアチアからさらにバルカン半島の奥へ踏み込み、ユーゴ内戦後着実に復興を遂げてきたボスニ ア・ヘルツェゴヴィナの中世音楽に注目。音楽が記されず詩句だけが残る礼拝歌の復元版を中心に、先唱者が息が続く限り歌う長いフレー ズのなか他の歌手が声を添える伝統唱法を用いた碑文の朗誦も交えつつ、ア・カペラと数少ない中世楽器の伴奏で風格豊かな独特の音 世界を聴かせます。楽曲の復元は詩句の韻律や現代に残る口承伝統歌などを参照、東方正教のキリスト教だけでなく、イスラムやユダヤの 伝統も歴史を彩ってきたこの地ならではのサウンドスケープを浮き彫りにしてゆく意欲的な試みを、「試み」に終わらせない音楽性は圧巻の一 言!アドリア海を挟んでイタリアに伝わる笛やボスニア・ヘルツェゴヴィナの二本笛ドヴォイニツェ、独特の雑味を含んだ羊腸弦の響きが美しい 弓奏ヴィエル(中世フィドル)などが随所で独特な音色を聴かせ、美しい男声ア・カペラや女声独唱と響きあいながら織り上げてゆく音世界。 折に触れ何度も再訪したくなるユニークな魅力に満ちた1枚です。
A-561
ローマのハープ 〜バロックハープを伴う17世紀ローマの声楽曲集
1. 作曲者不詳(17世紀):カンツォーナ
2. オラツィオ・ミーキ(1595頃-1641):おお恋人よ、なんと静かな夜だろう
3. ミーキ:もう情けの弦で濡らすまい、この竪琴を
4. フレスコバルディ:鍵盤独奏またはリュートのためのトッカータ
5. ミーキ:わが両目は陽光を失ってしまった
6. アンドレア・ファルコニエーリ(1585-1656): 竪琴の調べ
7. ミーキ:不幸なわたしの生涯よ
8. 作者不詳(17世紀):トッカータ「花よ咲き誇れ」
9. マリオ・サヴィオーニ(1606頃〜1685):恋が罪でないというなら
10. ステファノ・ランディ(1587-1639):Lラ・ラガナ
11. ジョヴァンニ・カルロ・ロッシ(1617頃-1692):行け、わが心よ、あの星々の輝くところへ
12. G. C. ロッシ:かくも甘美な、この身に感じる痛みよ
13. 作者不詳(17世紀):竪琴を構えて(器楽による演奏)
14. G. C. ロッシ:わたしに死んでほしいのか
15. ルイージ・ロッシ(1598-1653):ここで独りにさせてください
16. マルコ・マラッツォーリ(1602頃-1662):それでも恋に溺れたかったわたしに
17. レリオ・コリスタ(1629-1680):パラディグマ1
18. マラッツォーリ:哀れなものよ、しかし確かに
19. マラッツォーリ:ああ、わたしはいつも忘れてしまう
20. リナルド・トレマテッラ(生年不詳-1603): カンツォーナ
21. ヴェスパシアーノ・ロッチャ(1560-1625頃): 贖罪主の母なる方よ
リッカルド・ピザーニ(T)
ラ・スミズランツァ
キアーラ・グラナータ、マルタ・グラツィオリーノ、エレーナ・スポッティ(バロック・ダブルハープ)

録音:2022年8月13-16日サンタ・マリア・イン・カンポ教会、カヴェナーゴ・ディ・ブリアンツァ(イタリア中北部ロンバルディア州)
[4]以外は全て世界初録音
16世紀末から17世紀にかけて、音楽よりも先に建築や美術で後年「バロック」と呼ばれることになる新芸術が大きく開花したローマ。17世 紀にはフィレンツェで花開いたオペラの技法やヴェネツィア複合唱様式などの影響で、音楽でも独唱に重きを置いた新しい様式が発展しま す。ソナタなどの器楽芸術も躍進してゆくこの時代、ローマでは声楽の伴奏も含め撥弦楽器奏者たちが大活躍。特にハープは古代を思わ せる外観とあいまって、幾人かの名手の活躍を通じバロック期のローマで大いに愛されました。3人の古楽ハープ奏者たちが集うラ・スミズラン ツァは今回、ローマ生まれで教皇庁聖歌隊出身の古楽歌手リッカルド・ピザーニと共に、この時代にハープで奏でられたローマの作曲家たち の声楽作品と器楽曲を厳選。殆どの曲が世界初録音となる貴重なプログラムを通じ、半音階を多様した当時の音楽にも対応できるよう作 られたバロック型のダブルハープあればこその充実アルバムを編み上げました。ランディやカプスベルガーなど同時代の声楽作曲家たちの曲をと りあげた録音物でたびたび言及される「ハープのミーキ」ことオラツィオ・ミーキ、不協和音も取り入れた緻密な和声語法で独特の味わいを生 み出す異才マラッツォーリなどのユニークな音楽の魅力が、妙なる撥弦の重なりと古楽のスペシャリストによる美声で生々しく「いま」に蘇りま す。フレスコバルディやモンテヴェルディなど同時期のイタリア音楽の捉え方にも新たな光を投げかけてくれる、ARCANAならではの充実盤の 登場です。
A-562
旧約聖書『雅歌』に基づくイタリア初期バロックのモテット集
1. ヴァレンティーニ(1582頃-1649):あなたはわたしの心を傷つけてきた(1615)*
2. フランチェスコ・カザーティ(生歿年不詳、1615-1617頃に活躍):あなたはわたしの心を傷つけてきた(1617)*
3. セラフィーノ・パッタ(生歿年不詳、1606-1619頃に活躍):起きてください、愛しき君(1609-1611)*
4. アレッサンドロ・グランディ(1590-1630):ああ、きみはなんと美しい(1610-1628)
5. オラツィオ・タルディーティ(1602-1677):なんと美しい、エルサレムの娘よ(1629 ?/1638)*
6. ジューリオ・チェーザレモンテヴェルディ(1573-1630頃):わが想い募る人よ(1620)
7. ジョヴァンニ・バンチ(生歿年不詳、1619頃に活躍):わたしは野の花(1619)*
8. アドリアーノ・バンキエーリ:わたしは自分の庭園に入っていった(1610-1616)*
9. イグナツィオ・ドナーティ(1568頃-1638):おお愛しきマリア(1619)*
10. フェデリーコ・マルガリーニ(生歿年不詳、1618頃に活躍):なんと美しいことか(1618)
11. クラウディオ・モンテヴェルディ:わたしの肌は黒くても(『聖母マリアの夕べの祈り』〔1610〕より)
12. ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチオ(生歿年不詳、1609-1621頃に活躍):あなたはひたすらに美しい(1620)*
13. C. モンテヴェルディ:わたしは眠っていても(1625)
14. レオーネ・レオーニ(1560頃-1627):行け、シオンの娘たちよ(1606-1621)*
15. ジョヴァンニ・ロヴェッタ(1596/99-1668):起きてください、愛しき君(1635-1640)*
16. ジョヴァンニ・アントニオ・リガッティ(1613頃-1648):起きて、わが白鳩の君(1643)*
17. ジョヴァンニ・ベルナルド・コロンビ(生歿年不詳、1603-1621頃に活躍): わたしは常に主の前にあり(1619)*
イ・ディズィンヴォルティ(声楽&古楽器アンサンブル)
マッシモ・アルティエーリ(T)
マッシモ・ロンバルディ(テノール、指揮)
グリエルモ・ブオンサンティ(Bs)
ノエリア・レヴェルテ・レーケ(テノール・ガンバ、バス・ガンバ、リローネ)
マルコ・サッカディン(テオルボ)
ニコラ・ラモン(オルガン、チェンバロ)
1/4コンマ ミーントーン A=440Hz

録音:2020年6月14-18日、2021年7月14、15日殉教者聖マウリツィオ&聖コンパーニ教会、ブレーノ(イタリア北部ロンバルディア地方ブレーシア県)

*は世界初録音
17世紀初頭、モンテヴェルディやカッチーニ等と同時代の北イタリア各地で活躍した作曲家たちの教会音楽を、3人の歌手と3人の通奏低 音奏者のさまざまな組み合わせで変幻自在に聴かせてゆくアルバム。複数声部の絡み合いを大前提としたルネサンス・ポリフォニー教会音 楽から、独唱パートの存在感を強く際立たせたバロック的コンチェルタート様式が生まれ、そこからオペラという独唱ありきの新しい舞台芸術が 誕生したのが1600年前後で、ここではその10年ほど後、通奏低音に支えられた独唱パートを幾つか重唱させる小編成の新しい教会音楽 (モテット)が定着しつつあった頃の作品を中心にプログラムが編まれています。モンテヴェルディを例外として大半は滅多にとりあげられない作 曲家ばかりと思いきや、はっとするほど官能的な旋律美やきわめて大胆な転調あり、語りのような独唱もあればルネサンス語法の新解釈のよ うな興味深い展開もあり、トラックごとに新鮮な驚きが詰まったアルバムの充実度は本場イタリアにおける古楽研究と演奏実践の緊密な連 携、経験値の集積を強く印象づけます。「初期バロックは教会の内と外の音楽が互いに驚くほど近かった」とライナーノートに解説されている 通り、まさに世俗のマドリガーレと聴き違えるほどの内容は、聖書の中でもとりわけ煽情的・官能的な描写が相次ぐ『雅歌』から歌詞をとった 作品ばかりを集めているからこその特色と言えるでしょう。その聖俗の近似性を際立たせるべく、たとえば当時オペラの名場面を彩った共鳴弦 付き擦弦楽器リローネを使ったり、モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』からの一章はあえてリュートソングのように撥弦楽器一つの伴奏 に絞って聴かせるなど、演奏編成に工夫が凝らされている点も注目です。
A-563
ギャラント様式による古典派時代の室内楽曲集
エルンスト・アイヒナー(1740-1777):フルート四重奏曲 ト短調 Op. 4-6 (1772年頃ロンドン刊)
ハンス・ハインリヒ・ツィールヒェ(1741-1802):フルート四重奏曲 変ロ長調 Op.2a-5 (1779年ベルリン刊)*
ヨハン・フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1817):2つのヴァイオリンと低音部のための三重奏曲 イ長調 Op.6-3/StWV186-3(1776年パリ刊)*
ハイドン:フルート四重奏曲 ト長調 Op.5-2/Hob II-G4(1767年?アムステルダム刊)
ヴァーツラフ・ピフル(1741-1805):ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ニ長調Op.18-1(1791/92年ベルリン刊)*
ヨーゼフ・シュミット(1734-1791):フルート四重奏曲 ホ短調 Op.10-6 (1776年アムステルダム刊)*
WIGソサエティ(古楽器使用)
マッテオ・ジェモロ(フラウト・トラヴェルソ)
コナー・グリックマニス(Vn)
ブランカ・プリエト・アセラ(Vn、ヴィオラ)
エリアス・バルトロメウス(Cb)
リサ・コクヴェンダ・シュヴァイガー(Cemb)

録音:2022年10月3-6日 ラルディラゴ城、パヴィア(イタリア北部ロンバルディア地方)
*=世界初録音
ハイドン中期以降の近代型弦楽四重奏曲が普及するより前、ギャラント様式と呼ばれるメロディ中心のわかりやすい音楽様式が流行した 1770年代近辺の、フルートと弦楽器のための室内楽曲を集めたアルバム。現代では多くの場合フルートと弦楽三重奏による、いわゆるフ ルート四重奏の形態で演奏される曲が大半ですが、優れた古楽奏者が多く活躍するベルギーのブリュッセルで結成されたWIGソサエティの 演奏家たちはルーティン的な解釈を離れ、チェロ・パートと明記されていないこれらの曲の低音部にコントラバスを使用、さらに(18世紀後半 にも現役で使われていた)チェンバロを通奏低音楽器として導入し、驚くほど瑞々しい音響世界を描き出してゆきます。楽器の選択や細部 の装飾音などが演奏者に委ねられていた当時の楽譜の読み方として適切でありながら、導き出される音の印象は一般的なフルート四重奏 とは全く違う新鮮さ。高音部と離れたコントラバスの音の動きも、チェンバロのみならず各パートが繰り出す機知に富んだ装飾音も絶妙です。 世界初録音の知られざる逸品を多く含む選曲もポイントで、早世した初期古典派の才人アイヒナーや若きハイドンにも影響を与えた世代の ピフル、サリエーリと同い年の実力派シュテルケルなど、他の録音物でもキラリと光る名作に出会える作曲家たちの世界に触れられるのも嬉し いところ。18世紀音楽のイメージを一新する技あり古楽器録音です。
A-564
それはあなたが不誠実だから 〜アレッサンドロ・スカルラッティの室内カンタータ
カンタータ「それはあなたが不誠実だから」 H578(1702年以前作)
カンタータ「まさにその季節」 H458(1689-92年頃作)
カンタータ「それは西風が活気づいて」 H421 (1693年作)
カンタータ「クニドスにある墓に」 H459(1689-92年頃作)
ヴァレリア・ラ・グロッタ(S)
ヴァンヴィテッリ四重奏団(古楽器使用)
ジャン・アンドレア・グェルラ(Vn1)
ニコラ・ブロヴェッリ(Vc)
マウロ・ピンチアローリ(アーチリュート)
ルイージ・アッカルド(チェンバロ、オルガン)
横山令奈(Vn2)
A=415Hz 1/6コンマ・ミーントーン

録音:2022年2月25日-3月1日 サラ・マッフェイ、クレモナ商業会宮殿(Palazzo della camera di Comercio)
アレッサンドロ・スカルラッティは、555曲の鍵盤ソナタで有名なドメニコ・スカルラッティの父で、ナポリとローマを中心に活躍し大きな影響力を 誇りました。その作品群の中でもオペラや教会音楽と並んで重要な位置を占める室内カンタータ群から、比較的初期の作品を中心に長め の4曲を厳選(いずれも楽譜は未出版)、イタリア最前線の古楽プレイヤーたちの細やかな演奏でその秘技を味わえるアルバムです。若くして ナポリ王の宮廷楽長に抜擢された後、欧州中の要人が集まるローマで注目を集めてゆく過程では、見識の高い貴族や高位聖職者たちの プライベートな楽しみを彩った小編成の室内カンタータが大きな意味を持ちました。この分野の作品は大半が理想郷で牧歌的に暮らす羊飼 いやニンフたちの恋物語を扱っており、同時期の詩人たちも関心を寄せ議論を交わしていた作詩技法が反映されています。スカルラッティの 室内カンタータは数百曲に及び、そのどれもが詩句一つ一つの味わいをよく活かすユニークな趣向の連続になっていて、現代の聴き手にとって も興趣が尽きません。器楽勢ではイタリア17〜18世紀の知られざる作品の発掘紹介に情熱を注ぐヴァンヴィテッリ四重奏団に、現代楽器 奏者としても幅広く活躍する横山令奈も参加。欧州古楽シーンの注目を集めるイタリア人歌手ヴァレリア・ラ・グロッタの繊細な解釈で、若い 頃のA.スカルラッティが見せた才気充分の至芸を心行くまでお楽しみください。

A-902
ビーバー:『ロザリオのソナタ集』 −変則調弦を伴う、ヴァイオリンのための15のソナタと無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリア グナール・レツボール(バロックVn)
使用楽器1: ミッテンヴァルトのセバスティアン・クロッツ製作(18世紀)、オリジナル楽器
使用楽器2: ザルツブルクのマルツェル・ピヒラー製作モデル(17世紀末?)に基づきフリドリン・ルッシュ1981年製作

アルス・アンティクヮ・アウストリア(古楽器使用)
ローレンツ・ドゥフトシュミット、ミヒャエル・オーマン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ウーリ・フッセネッガー(Cb)
ヴォルフガング・ツェラー(ポジティフ・オルガン)
ヴォルフガング・グリュクザム(Cemb)
アクセル・ヴォルフ(リュート、アーチリュート)

録音:1996年9月22-30日ハルシュタット教区聖母被昇天教会(オーストリア)
オーストリア17世紀を代表する作曲家のひとりであり凄腕ヴァイオリン奏者であったビーバーが、長く仕えたザルツブルク大司教のために書いた『ロザリオのソナタ集』は、15の通奏低音付ソナタで聖母マリアの生涯のエピソードを表現したもので、14通りの変則調弦を通じて当時のヴァイオリンの作曲技法が縦横無尽に披露され、末尾には無伴奏の長大なパッサカリアが添えられています。同じオーストリア出身の名手レツボールが1997年にリリースしたこの録音は、多彩な通奏低音パートの考え抜かれた解釈といい、レツボール自身の圧巻というほかない超絶技巧といい、隅々まで美しさがきわだつ鮮烈な録音として高い評価を博してきました。プレス切れ期間も長く復活を望む声がとくに多かったタイトルですが、このたび廉価シリーズの第一弾リリースに編入され、お求めやすく再登場することに。PAN Classicsから登場したレツボールの同曲新録音(2020年レコード・アカデミー賞音楽史部門受賞)との聴き比べは、古楽ファンならぜひ楽しみたいところです。

A-2006
モンテヴェルディ:マドリガーレ集第6巻(1614)
アリアンナの嘆き/西風が帰り
多くの中で一人の女性が
さらば、美しいフローリダよ
セスティーナ、愛せし女の墓に流す恋人の涙
ああ、麗しい顔よ
ここで彼女は微笑んだ/哀れなアルチェーオ
「バット」、エルガストは泣く/静かな川のほとりで
リナルド・アレッサンドリーニ(Cemb,指)
コンチェルト・イタリアーノ

録音:1992年5月27日-30日、聖ドメニコ修道院ボロニーニの間、ボローニャ


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