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廉価盤・新譜速報1


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NAXOS

NAXOS 2010年4月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.572244
ムーヴィーブラス〜映画でおなじみのアノ曲
バーンスタイン:ウェスト・サイド物語<序曲/ジェット・ソング/なにか起こりそう/ブルース/パブ/マンボ/マリア/アメリカ/こっそりと/一つの手、一つの心/トゥナイト/アレグロ/アイ・フィール・プリティ/恋は永遠に/クラプキ巡査/フィナーレ>
バーバー:弦楽のためのアダージョOp.11
J.ウィリアムズ(1932-)/J.ゴールドスミス(1929-2004)/
D.アーノルド(1962-):スペース・ブラス<スーパーマン「メイン・テーマ」/E.T.「メイン・テーマ」/スター・トレック「オープニング・テーマ」/スター・トレック「コラール」/スター・トレック「終わりのテーマ」/インペンデンス・ディ「メイン・テーマ」/アポロ13号「メイン・テーマ」/未知との遭遇「メイン・テーマ」>/
J.ウィリアムズ:インディ・ジョーンズ「メイン・テーマ」
エルフマン(1953-):ザ・シンプソンズ「メイン・テーマ」
F.ミカリッツィ(1939-)/大野雄二(1941-):ルパン三世「メイン・テーマ」
ゴマラン・ブラス・クインテット[マルコ・ブライト(tp)/マルコ・ピエロボン(tp)/ニーロ・カラクリスティ(Hrn)/ジアンルーカ・シピオーニ(tb)/オズワルド・プレーダー(tuba)]
1999年、イタリアの金管楽器奏者5名によって結成されたゴマラン・ブラス・クインテット。それから僅か2年後、「パッサウ管楽器国際コンクール」で優勝し一躍世界中の注目を集めました。ロジャー・ボボを始めとした同業の奏者たちや、ズービン・メータら大指揮者もこぞって絶賛。輝かしい音色とともに知名度は急上昇中のアンサンブルです。そんな彼らが満を持して演奏するのが、映画で使われた名曲の数々です。これらの曲のほとんどが、メンバーのトランペット奏者M.ピエロボンによって、曲の特性が存分に生かされた編曲を施され、とても楽しい曲として生まれ変わっています。日本人にはおなじみの「ルパン三世」のテーマの変貌ぶりに、ぜひ驚いてみてください。
NAXOS-8.570463
ハチャトゥリアン:チェロ協奏曲ホ短調
チェロと管弦楽のための「コンチェルト・ラプソディ」
ドミートリー・ヤブロンスキー(Vc)
マキシム・フェドトフ(指)モスクワ市SO
ハチャトゥリアン(1903-1978)はこのチェロ協奏曲の他にも、ピアノとヴァイオリンのためにも協奏曲を1曲づつ書いています。この2曲は全体的に旋律美に溢れ躍動的な作品であるためか人気が高いのですが、1846年に作曲されたチェロ協奏曲は、ハチャトゥリアンが心血を注いだ作品であるのにもかかわらず、現在ではあまり演奏されることがありません。どうしても戦時の不安定な空気を反映しているせいか、全体的に重苦しく、オーケストラの華やかさも少々控えめになっているようで、確かに「剣の舞」のような絢爛豪華な音色を求める人にはちょっと物足りなく思えるのかもしれませんが、休みなく動き回るチェロの活躍ぶりと、丁寧に書かれたオーケストラ部分を味わってみると、やはりこの曲が20世紀を代表するチェロ協奏曲であることに異論を唱えることは不可能でしょう。1963年に作曲された「コンチェルト・ラプソディ」は名手ロストロポーヴィチに献呈されたもので、こちらは突き抜けたかのようなチェロの妙技をたっぷり堪能できる曲になっています。現代の名手ヤブロンスキーの燃えるような熱い演奏で。
NAXOS-8.572247
ソヴィエトとロシアのヴィオラ音楽集
クリュコフ(1902-1960):ヴイオラ・ソナタOp.15
ワシレンコ(1872-1956):ヴィオラ・ソナタ
Op.46
フリード(1915-):ヴィオラ・ソナタOp.62-1
クレイン(1913-1996):ヴィオラ・ソナタ
ボグダーノフ=ベレゾフスキー(1903-1971):ヴィオラ・ソナタOp.44
イーゴリ・フェドトフ(va)
レオニード・ヴェシュアイツェル(p)
ゲイリー・ハモンド(p)
ほとんど耳にすることのないロシア、ソヴィエトの作曲家たちの、これまた渋いヴィオラ・ソナタ集です。通して聴いてみると各々の作曲家たちの個性の違いが際立つ面白いアルバムとなっています。これらの曲の中には、ロマン主義の叙情性とスクリャービン、ショスタコーヴィチの明らかな影響、そしてロシアらしい感傷性とわずかに感じられるフランスの空気がごちゃ混ぜになって含まれていて、それを感じ取るのがとても楽しいひと時となるに違いありません。フェドトフとヴェシュアイツェルはこれがNAXOSへのデビュー盤となります。瑞々しい才能の発見も楽しい限りです。
NAXOS-8.572293
ヴィルトゥオーゾ・ヴィオラ
ベンジャミン(1893-1960):ラヴェルの墓
エネスコ:演奏会用小品
ファンタジア・クロマティカ(原曲:J.S.バッハの「半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903」コダーイ編曲)
ジョンゲン(1873-1953):序奏と踊りOp.102
ヴュータン:無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ
ヴュータン:エレジーOp.30
パガニーニ:大ヴィオラのためのソナタ(カデンツァ:A.アラッド)
クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ショア(1896-1985):スケルツォ
ロジャー・チェイス(Va)/大滝美知子(P)
「ヴァイオリンでもなく、チェロでもない中間の大きさ」というイメージの付きまとうヴィオラですが、一度この音色にはまってしまうと、もう後には戻れないほどの魔力がある楽器です。特に中音域から低音域の艶やかさと、絶妙な表現力はどんな言葉を持ってしてでも表すことはできません。そんなヴィオラの魅力を存分に楽しむ1枚がこれ。もともとヴィオラのために書かれた曲と、他の楽器のために書かれた曲を聴き比べるのも楽しいでしょう。通好みの人が愛する作曲家ジョンゲンの珍しい作品も収録されています。またバッハの曲をコダーイが編曲したトラック3もオススメです。見事なヴィオラを演奏するチェイスはロンドン生まれでカナダで学んだ人。優れた室内楽プレイヤーとして世界中で絶賛されています。
NAXOS-8.559651
W.シューマン:交響曲第8番(1962)
夜の旅(1947)
アイヴズ:「アメリカ」による変奏曲(管弦楽編曲:W.シューマン)
ジェラルド・シュワルツ(指)シアトルSO
NAXOSの人気シリーズ、W.シューマン(1910-1992)の交響曲集も今作が最終巻となります。このアルバムのメインは大編成のオーケストラを用いた交響曲第8番です。1962年10月4日にリンカーンセンターでバーンスタイン&ニューヨーク・フィルによって初演された3つの特徴的な楽章からなる作品です。ゆったりとした第1楽章は、過去のいくつかの自作を引用しながら、ハープ、ピアノを含む印象的な音色を交え少しづつ熱を帯び、金管楽器の咆哮によるクライマックスを迎えます。そのまま休みなしで続く第2楽章も、1950年作曲の弦楽四重奏曲第4番のメロディを用た息の長い旋律が歌われます。そして快活な最終楽章が続きます。ここではピアノや打楽器が縦横無尽に活躍し、多彩な音色で耳を楽しませてくれます。彼の素晴らしい管弦楽法を体感する一瞬です。モダンな響きの中にどことなく懐かしさを纏った音楽です。長大な「夜の旅」も陰鬱な音楽ではありますが、やはりどこか郷愁を誘う部分もあり、何とも魅力的な作品です。最後のアイブズの変奏曲の編曲版は原曲ともども有名です。
NAXOS-8.572154
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第4集
レブス<前奏曲/ダンス/ジグ/ヴァリアション/フーガ/パレード>/7-11.讃歌/死への讃歌<前奏曲/第1の讃歌-労働への讃歌/第2の讃歌-春への讃歌/第3の讃歌/死への讃歌>
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO

※MARCOPOLO8.223724より移行盤
大好評のマルケヴィチ(1912-1983)管弦楽曲集シリーズの第4作です。ここでは彼の作品の中で最も不可解で興味をそそられる2つの曲が中心です。興行師レオニード・マシーンに依頼されて作曲したにも関わらず、どうしたわけか上演されることのなかったバレエ「レブス」。そして「讃歌」と名付けられているのに、内容は極めて世俗的な作品(これはマルケヴィチの実験的な作品と言われています)です。どうしても、ストラヴィンスキーやプロコフィエフの筋肉質の音楽を想起させられますが、やはり曲に現れる独特のポリリズムと多調性はマルケヴィチならではのもの。同時多発的な音の爆発には心地良さすら感じます。
NAXOS-8.570840
シュポア:コンチェルタンテ他
コンチェルタンテ第1番イ長調Op.48
コンチェルタンテ第2番ロ短調Op.88
ヴァイオリン二重奏曲ト長調Op.3-3
ヘニング・クラッゲルード(Vn)
オイヴィンド・ビョーラ(Vn)
オスロ・カメラータ
ステファン・バラット=ドゥーエ(指)バラット=ドゥーエCO
複数のソリストが活躍する「コンチェルタンテ」は、バロック時代にはよく作曲されたものの、ロマン派の時代になるとほとんど書かれることはありませんでした。ソリストはたった一人で大オーケストラに立ち向かい、眩いばかりの技巧を誇示するのが当たり前となったからです。そんな中でシュポア(1784-1859)は積極的に優れたコンチェルタンテを作曲し、ソリストたちの親密な対話を促したのです。当時の音楽界では、彼のメロディは上品過ぎて発展性がない。と揶揄されたということですが、例えばこのコンチェルタンテの第1番の冒頭での長調と短調が目まぐるしく交錯し、すばらしいハーモニーを作り上げていく場面などを目の当たりにするとベルリオーズやチャイコフスキーの音楽と比べても何の遜色もないと言ってしまっても良いほどではないでしょうか。演奏するのは、シベリウスやシンディングで優れた解釈を聴かせる名手クラッゲルードと、同じく北欧の名手で現ノルウェー国立オペラ管弦楽団コンサートマスター、オイヴィンド・ビョーラです。目を見張るばかりの美音が炸裂します。
NAXOS-8.570825
メンデルスゾーン=ヘンゼル:ピアノ作品集
アレグロ・モルトハ短調/小夜想曲ト短調
ピアノ・ソナタハ短調/歌 変ホ長調
ピアノ・ソナタト短調/アダージョ変ホ長調
アンダンテ・コン・モートホ長調
ソナタあるいはカプリッチョ
アレグロ・モルト・アジタートニ短調/これで終わり
ヒーザー・シュミット(P)
長い間、音楽史では弟の栄光のみが語られ、その脚注にひっそりと記されるばかりであった姉、ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)のピアノ作品集です。先にリリースされた歌曲集(8.570981)で、その才能の片鱗に触れた方も多いことでしょう。彼女は42年の生涯の内におよそ500もの作品を残し、弟フェリックスにも多大な影響を与えたにも関わらず、ただ女性というだけで、その作品はずっと軽んじられてきてしまいました。まずは先入観を一切捨てて、この雄弁な音楽に耳を傾けてください。本人は自分の作品を「主婦の片手間として扱ってほしい」と望んでいたといいますが、その言葉の奥底には溢れるほどの才能を持てあます天才の姿が見てとれるはずです。とりわけ短調の曲には、悲痛さと激情が溢れていて、まるでベートーヴェンの
NAXOS-8.559631
ロックバーグ(1918-2005):ピアノ作品集第1集
2台ピアノのための「炎の環」(1996-97)<1.厳粛なリフレイン1/2.明暗1/3.カノン・ヴァリエーション/4.ゲームフォーカス/5.厳粛なリフレイン2/6.ガーゴイル/7.星雲/8.厳粛なリフレイン3/9.夢見るように/10.無限のリチェルカーレ/11.厳粛なリフレイン4/12.カプリチョス/13.6声のフーガ/14.明暗2/15.厳粛なリフレイン5>
ハーシュ=ピンカス・ピアノ・デュオ[ヴァン・ハーシュ&サリー・ピンカス(P)]
心の内部、そして脳の内部に炎は宿ります。それは太陽系を銀河系を形造る普遍的な炎であり、小惑星、彗星すらも内包しています。それらは大きな軌道に乗り、巨大な螺旋を描きつつ、数百万マイルという想像を絶する距離を横切って流れていきます。そんな風景を心に描いてください。こ15曲からなるピアノ・デュオ曲は想像を絶する世界を目の前に見せてくれるかのようです。ある時は煌めき、ある時はぶつかり合い、湧き上がる音の炎を丹念に描いていきます。静かに燃える炎、くるくる回る炎。人間の原始的感覚に直接訴える音楽です。
NAXOS-8.570892
ロビン:オルガン作品集
空に目を向けよ(初稿)(2001)
環の反射(2007-2008)<環の踊り/環の風/ハイフン1/環の反射/ハイフン2/環の調べ/遠くの環>
3つの夢の元素(2004)<第1番「口絵」/第2番「脹らむもの」/第3番「ミステリー」>
空に目を向けよ(第2稿)
ジャン=バティスト・ロビン(Org)
※サン・ルイ・アン・リル教会のオルガン/サン・テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガン>
1976年生まれの若きオルガニスト、ロビン(1976-)の作品集です。演奏家としての彼の腕前はクープランの「教区のためのミサ曲」(8.557741-42)で伺い知ることができますが、作曲家としての才能に触れる事はまた違った驚きに満ちています。彼の作品は強さと詩的な情感を兼ね備えていて、オルガンの性能を知り尽くした者にしか書き得ない新しい音の構造を伴っています。2台のオルガンの音色比べも楽しい「空に目を向けよ」での力強い音のアラベスクや、カンザス大学の委嘱作である「環の反射(リフレティング・サークル)」での飽くなき音色への追求に耳をすますと、彼がどんなものをオルガンの音色で描きたいのかが理解できるでしょう。また終始ミステリアスな雰囲気の漂う「3つの夢の元素」は従来のオルガンのイメージを覆すほどの斬新な作品です。
NAXOS-8.572220
ブランカフォート:ピアノ作品全集第5集
5つの夜想曲/フォーレへのオマージュ
2つの曲<素朴な曲/断続的な曲>
サルダナ・シンフォニカ/強迫観念
パラウ・ソリタの乙女/トゥリーナへの3つの忠告
エレジー
小さな手のための小品集<パートブラリを飾るイラスト/間奏曲/サイエントロジー/ワルツ/マーチ/エリザベスの歌/インマ/カミラから/ユージニア/礼儀/お気に入りのギャロップ>
ミケル・ビリャルバ(P)/ミゲル・オリウ(P)
ブランカフォート(1897-1987)のピアノ作品全集も第5番目のリリース、こちらが最終巻となります。ピアニストのビリャルバが作曲家の遺族に直接交渉し、未出版のスコアを借り出して、この録音が実現したのです。どの作品も珍しいのですが、とりわけフォーレの作品からインスピレーションを受けたであろう「夜想曲」の美しいこと。第1番と第2番は大いなる自然への憧憬で、第1番の不明瞭な調性感は聴き手を即座に夜の世界へと引き込みます。第3番と第5番はより抽象的な世界感に支配されていて、聴き手も感覚を研ぎ澄ませなくてはいけません。第2番は若き日への懐古。第4番は諦観に支配されているようです。ある時期のブランカフォートは挫折感を味わい、自らを翼の切り取られた鳥と称しましたが、ここで聴ける彼の音楽にはどれも真の魂が宿っているように思われてなりません。
NAXOS-8.572289
ファーガソン:ピアノ・ソナタヘ短調他
ピアノ・ソナタヘ短調Op.8(1938-1940)
発見Op.13<溶けて行く夢/自由の都市/バビロン/ジェーン・エレン/発見>
5つのバガテルOp.9
2台のピアノのためのパルティータOp.5b
ラファエル・テッローニ(P)
フィリダ・バニスター(C.A)
ワディム・ピースマン(P)
北アイルランド、ベルファスト生まれの作曲家、ファーガソン(1908-1999)は幼い頃から早熟で、14歳の彼の評判を聞きつけたピアニスト、ハロルド・サミュエルがロンドンに呼びたいと両親に申し出たほどでした。イギリスに渡った彼はフィンジらと共に、ヴォーン・ウィリアムスの教えを受け、イギリス風の作風を身につけました。実際に作曲に勤しんでいたのは1928年から1959年までの短い間で、声楽曲を含む19の作品のみが公表されています。このアルバムには1935年から1944年までの作品が収録されていて、中でも連作歌曲集「発見」は本来テノールのための歌曲ですが、名アルト歌手キャスリーン・フェリアが愛した曲として知られています。
NAXOS-8.572105
期待の新進演奏家シリーズ〜ニコラス・アルトシュテット
ピエルネ):チェロ・ソナタヘ短調Op.46
ブーランジェ(1887-1979):3つの小品
ダンディ:歌Op.19(チェロとピアノ編)
チェロ・ソナタOp.84
ピエルネ:エクスパンシオンOp.21/カプリースOp.16
ニコラス・アルトシュテット(Vc)、ジョゼ・ガラルド(P)
1982年生まれのアルトシュテットは、すでにいくつかのCDもリリースしている期待の若手チェリストです。ベルガメンシチコフとゲリンガスに師事し、2005年ドイツ音楽コンクール、及びシュトゥットガルト国際チェロ・コンクール、そして2006年アダム国際コンクールなどいくつものコンクールでも優勝。その実力は誰もが認めるところです。このNAXOSでのデビュー盤はピエルネとダンディ、ブーランジェの作品を演奏しています。ロマン派と印象派の境目にあるかのようなピエルネのチェロ・ソナタ、古いフランスの舞曲形式を踏襲したダンディの作品、薄氷の上に築かれるかのような繊細な面持ちのブーランジェの作品と、同じ「フランス音楽」とひとくくりにはできないような多彩な表情を持った曲たちを、柔軟な歌い口と艶やかな音色で歌いあげてます。
NAXOS-8.570545
フォーレ:チェロとピアノのための音楽集
シシリエンヌOp.78/チェロ・ソナタ第2番Op.117
夢のあとにOp.7-1(P.カザルス編)/エレジーOp.24
ロマンスOp.69/子守歌Op.16(チェロとピアノ編)
蝶々Op.77/セレナーデOp.98
チェロ・ソナタ第1番/パヴァーヌOp.50(H.ビュッセル編)
イナ=エスター・ユースト・ベン=サッソン(Vc)
アラン・スターンフィールド(P)
エルサレムSOの首席チェロ奏者、および世界的ソリストとして活躍するイナ=エスター・ユースト・ベン=サッソンの弾く味わい深いフォーレ(1845-1924)のチェロ作品集です。彼女はフルニエに学び、ベルグラード国際チェロ・コンクールで優勝し、チェリビダッケを始めとした大指揮者とも数多く共演しています。フォーレの2曲のチェロ・ソナタはどちらも晩年に書かれた独特の渋い魅力を放つ作品として知られます。時は20世紀に入り、もともと緩やかだったフォーレの調性感はいよいよ希薄となり、その響きは水面を反射する光のように移ろっていきます。彼女はそんな繊細な流れを的確に捉え、流麗さを損なうことなく淡々と音にしていくのです。良く知られた「夢のあとに」などの初期の作品の編曲集はまた違った味わいがあり、こちらもフ
NAXOS-8.572465
ヴォーン・ウィリアムズ:宗教的合唱曲作品集
モテット「旋風からの声」/真理のために勇敢に
ミサ曲ト短調
3つの合唱による讃歌<復活祭のための讃歌/クリスマスのための讃歌/聖霊降臨祭のための讃歌>
ジョージ5世の死を悼む涙
飛行体の車輪のヴィジョン/正義の精神
賛美のコラール
ティモシー・ブラウン(指)
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
アショク・グプタ(Org)
ジェイムズ・マクヴィニー(Org)
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)が1921年から22年にかけて作曲したト短調ミサは彼の宗教作品の中でもとりわけ有名です。英国後期ルネッサンスの様式と、彼自身の対位法への興味が融合した大作で、無伴奏の合唱のみで歌われます。しかし、このアルバムで興味深いのは、今までほとんど顧みられることのなかったいくつかの作品です。本来はオーケストラと合唱のために書かれた「3つの合唱による讃歌」(今回はオルガン伴奏による)や、オルガンと混声合唱のために書かれた「飛行体の車輪のヴィジョン」はほとんど耳にする機会がありません。この作品は彼の友人であった聖マイケル教会のオルガニスト、ハロルド・ダークのために書かれたもので、オルガン・パートには超絶技巧が要求されています。出所は旧約聖書のエゼキエル書で、そこに書き記された謎の飛行物体についての音楽です。
NAXOS-8.572103
ホワイトボーン:ルミノシティーと合唱作品集
コレギウム・レガーレ<マニフィカト/ヌンク・ディミティス>
アレルヤ・ユビラーテ/4.デズモンド・ツツの祈る人
彼は別れの精神で私に施す
生命の水の純粋な川/永遠の休息
公正さと明るさはただ一つ
ここには音も言葉もない
ルミノシティ<ルクス・イン・テネブリス/変わりゆく情景/沈黙/生物/ダイヤモンドの城/美についての問い/全てのものは全て善く>
クリストファー・ジレット(T)
アンドラーデ・レヴァイン(va)
ヘンリー・パークス(org)
デズモンド・ツツ(ナレーター)
ステファン・ジョーンズ(ターンブーラ)
アンドリュー・カー(perc)
マシュー・ベリー(指)コモーショ
サクソフォンと合唱音楽の作曲家として主にBBCで活躍するイギリスの現代作曲家、ホワイトボーン(1963-)の感動的な合唱作品集です。このアルバムではケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団のために書かれた最新の作品を始め、古代の詩から、インドの古典詩、そして南アフリカの平和主義家で1984年のノーベル平和賞受賞者であるデズモンド・ムピロ・ツツをフィーチャーした祈りの歌まで、様々な表情の作品を聴くことができます。彼の音楽は本当に単純明快で、複雑なハーモニーを重んじるのではなく、その気になれば一緒に祈りを捧げるのも可能なほどに判りやすいメロディです。聴き手の心にまっすぐに飛び込んでくる美しいメロディを演奏するのは、オクスフォード室内合唱団の中でも現代的レパートリーを得意とするグループ、コモーショです。
NAXOS-8.572224
ヘンデル:オラトリオ「アレクサンダーの饗宴」 ガーリンデ・ゼーマン(S)/クヌート・ショッホ(T)
クラウス・メルテンス(Bs)/ユンゲ・カントライ
ヨアヒム・カルロス・マルティーニ(指)
フランクフルト・バロックO(オリジナル楽器使用)
ヘンデル(1685-1759)は晩年になって精力的にオラトリオを作曲しました。この「アレクサンダーの饗宴」もそんな中のひとつです。この作品は1736年ロンドンで初演された時、1300人もの観客が大興奮したというもので、1697年ドライデンが書いたアレクサンダー大王を讃える詩が元になっています。愛と戦い、そして祝宴。これらが見事に音で表現された華やかなオラトリオです。しかし現代では、その幕間に演奏された合奏協奏曲ばかりが有名で、本来のオラトリオが演奏されることはほとんどなくなってしまいました。初演時、ヘンデルは理想的なソプラノ歌手を得るためにイギリス中を探しまわり、結果、見つけたのはアンナ・マリア・ストラーダ(ルール・ブリタニアを作曲したトマス・アーンの未来の妻)で、彼女はこの公演の成功に大きく貢献しました。このアルバムには合奏協奏曲は含まれていませんが、その曲は8.550158で聴くことができます。
NAXOS-8.111344
グレート・コンダクター・シリーズ/フルトヴェングラーのシューベルト
交響曲第8番「未完成」
交響曲第9番ハ長調D944「グレート」*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)VPO、BPO*

録音:1950年1月9-21日ウィーン・ムジークフェライン・ザール/1951年11-12月ベルリンイエス・キリスト教会*

マーク・オーバート=ソーン復刻
このアルバムは、シューベルト(1797-1828)の交響曲の中でも、最も名演とされている2曲を収録したものです。このフルトヴェングラーの演奏は、人間のあらゆる感情…悲嘆、激怒、喜び、そして慰めを曲の流れとともに洗い出し、爆発的な音楽の流れを作りだします。感情表現の見事さは、とりわけゆっくりとした楽章に顕著でまさに滔々と流れる大河を思い起こさせるかのような不滅の輝きを持つ演奏です。この堂々とした演奏を聴いていると、交響曲作家としてのシューベルトが目の前に立ち現れることでしょう。
NAXOS-8.112052
グレート・ピアニスト・シリーズ/ミケランジェリ初期録音集第2集
モーツァル:ピアノ協奏曲第15番(録音1951年6月26-27日)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3(録音1941年9-10月ミラノ)
ショパン:スケルツォ第2番(録音1940年1月ミラノ)
子守歌変ニ長調Op.57、
マズルカOp.33-4(録音1943年1月20日ミラノ)
マズルカ第47番イ短調Op.68-2
ワルツOp.69-1(録音1939年12月-1940年1月ミラノ)
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
エットーレ・グラチス(指)
ミラノ・ポメリッジ・ムジカーリSO

※ウォード・マーストン復刻
天才ピアニスト、ミケランジェリ。彼の19歳から31歳までの輝かしい軌跡がこの1枚に収められています。ここには、暖かみのある音色、洗練された表現力、そして完全無欠なテクニック。これら全てが融合された若きピアニストの姿が映し出されています。1948年にある批評家が書いた文章です。「なんというピアニストでしょう!彼のテクニックは驚くばかりで、解釈はまさに偉大なる音楽家です。」そんなミケランジェリの演奏は、同じく初期録音集の第1集(8.111351)でも確かめることが可能です。

NAXOS 2010年3月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.572458
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(管弦楽版)
交響曲第2番ホ短調Op.27
レナード・スラットキン(指)デトロイトSO
1897年に満を持して発表した「第1交響曲」の初演が大失敗に終わってしまったラフマニノフ(1873-1943)、そのショックでしばらく作曲の筆が止まってしまったのですが、何とか立ち直り1900年に書いた「ピアノ協奏曲第2番」は大成功を収め、ようやく作曲家としての自信を取り戻したのでした。しかし、第2番の交響曲に着手するのはそのほぼ6年後。公私ともに充実した頃合いを見計らうかのように書かれたこの曲は、どこもかしこもドラマティックで素晴らしいメロディに溢れています。陰鬱で幅広い楽想を持つ第1楽章、ホルンの動機が印象的な第2楽章スケルツォ、そしてこの曲の白眉とも言える美しすぎる第3楽章、劇的な盛り上がりを見せる最終楽章と、どこから聴いても真の名曲たる風格を備えています。
NAXOS-8.572193
プロコフィエフ:吹奏楽によるロメオとジュリエット(抜粋)
1.組曲第2番序奏
2.モンタギュー家とキャピュレット家
3.組曲第3番朝の踊り
4.組曲第2番少女ジュリエット
5.組曲第1番仮面
6.組曲第1番ロメオとジュリエット
7.組曲第3番乳母
8.組曲第2番僧ローレンス
9.組曲第2番踊り
10.組曲第1番ティボルトの死
11.組曲第2番別れの前のロメオとジュリエット
12.組曲第3番朝の歌
13.組曲第2番ジュリエットの墓の前のロメオ
14.組曲第3番ジュリエットの死
編曲:S.H.ギスケ…1-4.7.10/F.リュードランド…5.8.9.12.13/R.ギリエ…6.11.14
ビャルテ・エンゲセト(指)
エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド
ロコフィエフ(1891-1953)のバレエ音楽を吹奏楽とパーカッションで。そんな試みを音にしたのがこのアルバムです。ノルウェーの誇る名バンド「エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド」の冴え渡るアンサンブルには驚くばかりです。彼らは、すでにコンサートでもこのヴァージョンを2年近くに渡って上演してて、常に満場の人気を得ており、この曲を楽団のレバートリーとして定着させているのです。このユニークなプロジェクトに参加した3人の編曲者は、すでに様々な作品の編曲で知られている人たちで、長年この楽団とも関係があり、もちろんブラスバンドについて完璧な知識を持っている人たちです。彼らは原曲の味わいを全く損なうことなく、名曲に新たな姿を与えました。
NAXOS-8.570585
クラウス:歌劇「カルタゴのイーニアス」〜管弦楽作品集
1.プロローグ・序曲/2.プロローグ・ゼフィルスのバレ/3.プロローグ・ナイアードとトリトンの踊り/4.第1幕・序曲/5.カルタゴの行進曲/6.ガヴォット/7.第2幕・狩猟の呼び声/8.追いかけ合い/9.争いのエア/10.アーチェリーのコンテスト/11.嵐/12.第3幕・カルタゴの行進曲/13.ヌミディアの行進曲/14.カルタゴの娘たちの踊り/15.司祭の踊り/16.第4幕・ローマの兵士たちの行進曲/間奏曲/17.第5幕・序奏/18.バレ/19.メヌエット第1&第2/20.シャコンヌ
パトリック・ガロワ(指)
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ
最近、急速に知名度が上がってきている「北欧のモーツァルト」ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)がとりわけ得意としていたのがオペラや劇音楽でした。この分野で彼がどれほどの偉業を成し遂げたのかは、このアルバムをお聴きいただければ即座にわかっていただけることと思います。この「カルタゴのイーニアス」は1781年に建立されたストックホルムの新しいオペラ・ハウスの?落としのためにと作曲を始めたものですが、負債を背負ったプリマドンナが、オーケストラのコンサートマスターである夫と共にスウェーデンから逃げてしまったという突然のアクシデントをきっかけに、クラウス自身が作品を見直し手を入れ続けたため、結局10年後の1791年になるまで初演されなかったという渾身の作品です。今や名指揮者として君臨するガロワの的確な演奏は、この曲の評価を揺るぎないものにしています。
NAXOS-8.559609
ハリス:交響曲第6番「ゲティスバーグ」
交響曲第5番/アクセレレーション
マリン・オールソップ(指)ボーンマスSO
オクラホマ出身の作曲家ロイ・ハリス(1898-1979)はカリフォルニアで学んだ後、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事しました。ルネサンス音楽にも造詣の深かった彼は、アメリカ音楽、特に管弦楽作品の礎を作り、それをゆるぎないものにした事で現在でもとても高く評価されています。この第5番と第6番の交響曲はヨーロッパでの戦争を背景にして書かれたもので、1942年から書き始められた第5番は「偉大なるソ連の英雄的で自由を愛する人々」へ捧げられています。第6番は、4つの楽章のタイトルに「人民の人民による人民のための政治」で知られるリンカーンの有名なゲディスバーグの演説が直接引用されている興味深い作品で、ハリスの国家主義への情熱もそのまま反映された密度の濃いものです。1941年に書かれたアクセレレーションは、楽想の一部が第6番の交響曲へと転用されたこともあり、「もう一つの戦争交響曲」と呼ぶにふさわしい作品です。
NAXOS-8.572249
ヒナステラ:パブロ・カザルスの主題による変奏曲Op.48
協奏的変奏曲Op.23
弦楽五重奏と弦楽オーケストラのためのパブロ・カザルスの主題による変奏曲Op.46
ジセル・ベン=ドール(指)LSO
伝説的名チェリストで作曲家でもあるカザルスと親友であったヒナステラ(1916-1983)は、カザルスの生誕100周年の記念祝賀祭のために一つの変奏曲を作曲しました。最初は弦楽五重奏と弦楽オーケストラという編成で書き上げたのですが、当時ワシントン・ナショナルSOの音楽監督であったロストロポーヴィチから「作品を世界初演したい」という申し出があり、ヒナステラは作品をより大きな編成へと生まれ変わらせ、一層の輝きを与えたのです。この曲を作曲するにあたって、彼がどれほどカザルスに敬意を払っていたかは、後にBoosey&Hawkes社から出版される際に付された「作曲家ノート」に詳しく綴られています。もちろん曲の中にも偉大なるチェリストの面影はいたるところに散見され、とりわけ第4曲での「鳥の歌」の扱いは永遠なる友情の証しとして強く印象に残ります。
NAXOS-8.572447
グラズノフ:管弦楽作品集第19集
1幕のバレエ「恋愛合戦」Op.61
<1.序奏と情景T/2.レチタティーフとマイム/3.サラバンド/4.ファランドールと情景U/5.マリオネットの踊り/6.情景V/7.情景W&X/8.ヴァリアシオン/9.情景Y、行進曲/10.情景Z、大ワルツ/11.情景[-XI/
12.農夫と農婦の舞踏曲/13.グラン・パ・ド・フィアンセ/14.ヴァリアシオン/15.ラ・フリカッセ>
ホリア・アンドレースク(指)ヤシ・モルドバPO

※MARCO POLO*8.220485より移行盤
ARCOPOLOで発売時、大変な話題となったグラズノフ(1865-1936)の秘曲がついにNAXOSに登場します。この1900年に初演されたバレエ「恋愛合戦(別題…女の試み)」は、公爵家の娘イザベラが、婚約者の真の愛を確かめるために、小間使いに変装し誘惑するというお話。付された音楽は重厚なロシア風味ではあるものの、徹底的にフランスのロココ調を模しているという面白い作品です。この精緻な総譜は、グラズノフの師であるリムスキー・コルサコフにも称賛されました。ワルツを始めとした美しいメロディが満載。もっと多くの方に聴いて欲しい隠れた名曲です。
NAXOS-8.557264
ベートーヴェン:付随音楽「エグモント」全曲 マドレーヌ・ピラード(Ms)
クラウス・オバルスキ(ナレーター)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
熱気溢れる第5交響曲を完成したベートーヴェン(1770-1827)が次に手掛けたのが、この劇音楽「エグモント」でした。1809年当時のウィーン宮廷劇場支配人であったハルトルが、ゲーテの戯曲を音楽とともに上演する計画を立て、選ばれた題材がこの作品です。内容はエグモント伯ラモラール(フランドルの軍人、政治家。八十年戦争初期の指導者の一人)の自己犠牲と英雄的行為を讃えたもの。この作品を通してベートーヴェン自身の政治への思いも描かれています。今では序曲のみが演奏される作品ですが、第5交響曲に通じる情熱が随所に感じられる名作として、もっと高く評価されても良いでしょう。
NAXOS-8.572206
マルティヌー:ピアノ協奏曲集第1集
ピアノ協奏曲第3番H.316
ピアノ協奏曲第5番変ロ長調(ファンタジア・コンチェルタンテ)H.366
ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノH.269
ジョルジョ・コウクル(P)
アルトゥール・ファーゲン(指)
ボフスラフ・マルティヌーPO
チェコの作曲家、マルティヌー(1890-1959)の知られざるピアノ作品集を全て録音するという快挙を成し遂げたNAXOSですが、どうせならマルティヌーのピアノ協奏曲も全部お聴きいただく計画を立てています。このアルバムには2つの協奏曲と1938年に作曲されたコンチェルティーノを収録。どの曲も印象主義と原始的な躍動感が絶妙にブレンドされた個性的な音楽です。演奏はおなじみコウクル。マルティヌー研究家でもある彼の表現は、作曲家の友人であったフィルクシュニーの演奏と並び、スタンダードな形として後世に残ることでしょう。
NAXOS-8.559620
ドーマン:協奏曲集
マンドリン協奏曲/ピッコロ協奏曲
コンチェルト・グロッソ/ピアノ協奏曲イ調
アヴィ・アヴィタル(マンドリン)
ミンディ・カウフマン(ピッコロ)
エリラン・アヴニ(P)
アルノー・サスマン(Vn)
リリー・フランシス(Vn)
エリック・ナウリン(Va)
ミハル・コールマン(Vc)
濱田あや(ハープシコード)
アンドリュー・シル(指)メトロポリス・アンサンブル
975年生まれのイスラエルの作曲家ドーマン(1975-)は、ジュリアード音楽院でコリリアーノに学び博士号を取得、25歳の時に「イスラエルの最も重要な作曲家」として数々の賞を獲得しました。以来、メータ、オールソップ、シモーネ・ヤングなど多くの指揮者たちが彼の作品を演奏するなど、同世代の作曲家たちの中でも抜きんでた存在として知られています。このアルバムで聴ける様々な楽器による協奏曲は、彼が好む「バロック風のイディオム」の中に民族音楽やジャズ、ロックの風味を利かせたもの。明瞭なリズムと揺るぎない低音の上に築かれる哀愁ただようメロディが印象的なマンドリン協奏曲、躍動的かつ流麗なピッコロ協奏曲、多彩な音色がはじけるコンチェルト・グロッソ、快活なピアノ協奏曲と、どれもが印象的で親しみやすい風情を備えています。
NAXOS-8.572150
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第3集
ワシントンDC国会図書館写本のソナタ
第3番イ長調/第4番ト短調
第5番嬰へ短調/第6番ホ短調
ペドロ・カザルス(P)
知られざる作曲家、ブラスコ・デ・ネブラ(1750-1784)のソナタ全集の完結編です。第1集(8.572068)、第2集(8.572069)に続くこの第3集は、ワシントンDCの国会図書館で保存されていたソナタを収録しています。このソナタは全て2楽章形式で、各々対称的な楽想を持っています。温和な緩徐楽章に続く、高い技術が要求される早い楽章。形式は定型に沿っていますが、メロディは高度に洗練されていて、決して冗長になることはありません。
NAXOS-8.572034(2CD)
バルバトル:ハープシコードのための音楽集
クラヴサンのための小品集第1集第1番-第8番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第5番ト長調/ガヴォット・ロンドト短調/ソナタト長調>
エスクリナック
ラモー:歌劇「ピグマリオン」より(バルバトル編)<序曲/パントマイム/ジグ/コントルダンス>
クラヴサンのための小品集第1集第9番-第17番
クラヴサンとオルガンのための小曲集より<ソナタ第2番ヘ長調/メヌエット第1番&第2番/ソナタヘ長調「カッコウ」/バディヌイ長調/ソナタ第6番ヘ長調>
前奏曲/マルセイエーズによる行進曲と「サ・イラ」
エリザベス・ファー(ハープシコード)
「自由・平等・同胞愛」を基本的理念に掲げたフランス革命は、それまでの市民の生活を一変させました。貴族たちの支配する社会から民主主義へ。毎夜ロココ調の音楽を奏でていた宮廷音楽家たちも、貴族たちと運命を共にするか、またはいつしか革命家を演奏するようになっていきます。そんな激動の時代を生きたバルバトルの作品は、まさに「音で聴くフランスの変遷」と言えるでしょう。オルガニストの父を持つ18人兄弟の16番目の息子であった彼は、父の友人であったクロード・ラモー(ジャン・フィリップの弟)の弟子となり、その才能を伸ばしていきます。その後、ヴェルサイユでの華々しい活躍中に革命に巻き込まれ、奇跡的に処刑をまぬがれたものの、亡くなるまでの10年間は貧困生活を送ったのでした。アルバムの最後に収録されている「行進曲」は1792年に書かれたもの。
NAXOS-8.572219
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第10集
ソナタ第28番ヘ長調「有名な海賊」
ソナタ第40番ハ長調
ロジ伯爵の死を悼むトンボー
ロバート・バート(Lute)
NAXOSの人気シリーズ、ヴァイス(1687-1750)のリュート作品集もついに第10集を数えました。シリーズを通して深い解釈を聴かせるロバート・バートの冴え渡る技巧も、ますます深化を遂げています。このアルバムでは2曲のソナタを中心に収録。どちらもかなり規模の大きな作品で、静けさの中に周到に張り巡らされた音の迷宮を彷徨う楽しみを味わうことができるでしょう。「有名な海賊」と題された第28番のソナタは、恐らく1719年頃の作品で、その前年に海上で戦死した「黒ひげ」と呼ばれる海賊の追悼の意味で書かれた作品といわれていますが、詳しいことはよくわかっていません。最後の曲に名前の残るロジ伯爵は、実は素晴らしいリュート奏者で、当時「リュートの王子」と呼ばれた名手です。もし彼が貴族でさえなかったら、後世に残る音楽家になっていたに違いありません。ヴァイスも多大なる影響を受けており、伯爵が亡くなった時に音による賛辞を送ったのです
NAXOS-8.572188
セルヴェ/ギス/レオナール/ヴュータン:ヴァイオリンとチェロによるグラン・デュオ集
ギス(1801-1848)&セルヴェ(1807-1866):「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の旋律による華麗にして協奏的な変奏曲Op.38
レオナール(1819-1890)&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「アフリカの女」による演奏会用大二重奏曲第4番
レオナール&セルヴェ:演奏会用大二重奏曲第3番
ヴュータン&セルヴェ:マイアベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大二重奏曲
 ベートーヴェンの主題による演奏会用大二重奏曲第2番
 演奏会用大二重奏曲第1番
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
「チェロのパガニーニ」との異名を取るベルギー生まれの作曲家セルヴェ。彼はチェロとヴァイオリンとのデュエットを作曲するために、当時、隆盛を誇っていた3人のヴァイオリニストたちに協力を仰ぎました。その結果生まれた6曲のデュエットを収録した興味深い1枚です。名手たちの力を出し合ったこれらの作品は、当時流行していたメロディを用いた上、チェロとヴァイオリンのお互いの音色と技巧をとことん生かしたもので、この仕上がりには作曲家たちも聴衆も大満足だったに違いありません。もちろん演奏するためにはチェロ、ヴァイオリンそれぞれに再難関の技巧を要求されますが、ここで演奏する2人は息のぴったりあった極上の演奏を聴かせます。
NAXOS-8.572399
イタリアのクラリネット組曲集
ロンゴ(1864-1945):組曲Op.62
ブゾーニ(1866-1924):組曲K.88
スコントリーノ(1850-1922):6つのボツェッ

フルガッタ(1860-1933):組曲Op.44
セルジオ・ボシ(Cl)
リッカルド・バルトリ(P)
20世紀前半、レスピーギやマリピエロ、カゼッラたちが現れるまで、イタリアの器楽曲はどうしてもオペラの勢いに押されてしまいがち。しかし、そんな中でも一部の作曲家たちは「伝統と現代性の妥協点」を探るべく、クラリネットとピアノのための優れた組曲を作曲しました。このアルバムに収録されたのは、そんな作品たち。古典的形式を極めたロンゴ、印象派の影響を強く受けているスコントリーノ、後期ロマン派の香り漂うフルガッタ。そして情緒的で感傷的なブゾーニのエレジー。と個性はさまざまですが、どの曲もクラリネットの音の持つ独特の憂愁を見事に生かした歌心溢れる作品となっています。
NAXOS-8.572256
ユダヤの冬の旅
花婿のための歌/灼熱の/歌
ヴィルナ/暖炉のそばで
どんな時に救い主は来るの?
.ラビは私たちに幸せを
干しブドウとアーモンド/イェルサレム
菩提樹/バラライカを弾こう
モイシェレ、わが友/もしユダヤ人の妻が
あなたの白き星の下で/Khatskele
天から見下ろす/ラビ・エルメレヒ
時計/幼児の頃/小さな孤児
小さな少年は彼らを導く/幼児は生まれた
カディッシュ
マーク・グランヴィル(Bs-Br)
アレクサンダー・ナップ(P)
この曲集は、ホロコーストの悲劇をシューベルトの「冬の旅」になぞらえ、ユダヤのメロディで繋いでいくものです。無垢な幼年期から静かな老年期までの人生の旅の途中に深く暗い亀裂を作ったゲットーでの体験。そしてユダヤ人というだけで迫害されることの不条理。人々が虐殺され、生まれ育った街が破壊されるのを目の当たりにするという、決して癒されることのない心の苦痛を背負いながら、歌手グランヴィルとピアニストのナップは歌いながら旅を続けていきます。
NAXOS-8.660257(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「ルクレツィア・ボルジア」 ルクレツィア・ボルジア…ディミトラ・テオドッシュ(S)
ジェンナーロ…ロベルト・デ・ビアージョ(T)
アルフォンソ公爵…エンリコ・ジュセッペ・イオーリ(bs-Br)
マッフィオ・オルシーニ…ニディア・パラシオス(Ms)
ルスティヘッロ…ルイジ・アルバーニ(T)
グベッタ…ジュゼッペ・ディ・パオラ(Bs)
アストルフォ…マウロ・コルナ(Bs)
ティツィアーノ・セヴェリーニ(指)
ベルガモ・ドニゼッティ音楽祭O&cho

※NAXOS*DVD2.110264と同内容
ニゼッティ(1797-1848)だけでなく、原作者ヴィクトル・ユゴーの最高傑作でもあるこのオペラです。当時の人々にとって、全ての悪(拷問、近親相姦、同性愛、殺人、陰謀、らんちき騒ぎ)、を網羅したかのような内容で、全く救いの手が差し伸べられることはありませんが、ドニゼッティは全ての行為を感動的な結論に導けるように、素晴らしいアリア、デュエット、合唱を用意しました。劇的な内容もオペラを聴く醍醐味の一つと言えるかもしれません。
NAXOS-8.111343
バルトーク・プレイズ・バルトーク
コントラスツSz.111
狂詩曲第1番Sz.86*
ミクロコスモスSz.107(抜粋)#
ベラ・バルトーク(P)
ヨーゼフ・シゲティ(Vn)
ベニー・グッドマン(Cl)

録音:1940年5月13日ニューヨーク、1940年5月4日ニューヨーク*、1940年4月29-30日,5月7.16日ニューヨーク#

※マーク・オーバート=ソーン復刻
第二次世界大戦中に、ハンガリーからの移住を考えていたバルトークにとっては、演奏旅行で訪れた新大陸はまさに理想郷でした。この録音はその演奏旅行中の、1940年の4月から5月にかけてニューヨークでセッションが組まれたものです。伝説的名ヴァイオリニスト、シゲティと、「スイングの王様」グッドマンという夢のような顔合わせが実現。名実ともにバルトークの最高録音として、永く歴史に残るものになったのです。しかし、この翌年、アメリカへ移住したバルトークを待っていたのは、決して平和で穏やかな日々ではなく、貧困、そして忍び寄る病魔との闘いの日々でした。ピアニストとしても高い技術を誇っていた彼の見事な演奏が炸裂しています。
NAXOS-8.111347
グレート・シンガーズ/リーザ・デラ・カーザ〜R・シュトラウス:名唱集
4つの最後の歌*
歌劇「ナクソス島のアリアドネ」より「全てのものが清らかな国がある」
歌劇「カプリッチョ」より<月光の音楽/お兄さまはどちら?/明日のお昼の11時に!/いいえ、それは心の中で燃えている/あなたの愛は私に向かって/あなたを映し出すマドレーヌの愛>
歌劇「アラベラ」より<この人は私に相応しい人ではないわ/本当にわたしのための人が…そうわたしは自分に言ったのです/マンドリカ、それは良かった>#
リーザ・デラ・カーザ(S)
カール・ベーム(指)VPO
ハインリッヒ・ホルライザー(指)VPO
ルドルフ・モラルト(指)VPO#

録音:1953年6月*、1954年4月21-23日、1952年5月19-20日#
※マーク・オーバート=ソーン復刻
作曲家自身が「私における最上のアラベラ歌い」と評価したリーザ・デラ・カーザ。いえいえ、彼女はその世代だけでなく、永遠のアラベラ歌いとして語り継がれて行くことでしょう。ウィーンの黄昏をそのまま体現したかのような爛熟さと清純さを併せ持つ彼女の歌は、他の誰にも真似できるものではありません。
NAXOS-8.112031(2CD)
ナクソス・ヒストリカル・シリーズ
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」

ディ・ステファノの歌うプッチーニ・アリア集*
<歌劇「トスカ」より「妙なる調和」/歌劇「西部の娘」より「やがて来る自由の日」/歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「そうではない…フィレンツェは花かおる木のようなもの」/歌劇「トゥーランドット」より「泣くな、リュウ」/歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
マノン・レスコー…マリア・カラス(S)
騎士デ・グリュー…ジュゼッペ・ディ・ステファノ(T)
マノンの兄…ジュリオ・フィオラヴァンティ(Br)/
ジェロンテ・デ・ラヴォワール…フランコ・カラブレーゼ(Bs)
エドモント…ディノ・フォルミキーニ(T)
カルロ・フォルティ(Bs)/ヴィト・タットーネ(T)
フィオレンツァ・コッソット(Ms)
ジュゼッペ・モレージ(Bs)
フランコ・リッチャルディ(T)
フランコ・ヴェントリーリア(Bs)
トゥリオ・セラフィン(指)ミラノ・スカラ座O&cho
アルベルト・エレーデ(指)スタジオ・オーケストラ*
アントニーノ・ヴォットー(指)ミラノ・スカラ座O*

録音1957年7月18-20.22.24-27日ミラノ・スカラ座劇場、1947年12月6日&1955年6月23日*

※マーク・オーバート=ソーン復刻
この1957年のマノン・レスコーの驚くばかりの音の良さ。もともとクリアな音質でしたが、復刻の名手マーク・オーバート=ソーンはその音に更に磨きをかけました。当時34歳の世紀の歌姫、マリア・カラスの歌声も瑞々しく蘇っております。とりわけ第2幕「L'ora、oTirsi〜時は美しく楽しうございます」の正確な歌唱と艶やかな声をお聴きください。必ずや陶酔の境地へと達することでしょう。余白に収録されたディ・ステファノのアリア集も秀逸です。頭の芯を揺さぶるような光り輝く美声です。

NAXOS 2010年2月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.572246
期待の新進演奏家シリーズ/マイケル・アンガーオルガン・リサイタル
ブクステフーデ:前奏曲とフーガホ短調BuxWV142/
バッハ:「バビロン川のほとりに」BWV653
 「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」BW662
 前奏曲とフーガイ短調BWV543
リテーズ(1909-1991):12のオルガン小品〜第1番「前奏曲」
 前奏曲と舞踏フーガ
ヴィドール:オルガン交響曲第7番Op.42-3より第2楽章
メシアン:主の降誕〜第9曲神はわれらのうちにいましたもう
マイケル・アンガー(Org)
武蔵蔵野市国際オルガンコンクールは4年に1回開催され、この2008年が第6回目にあたるアジア唯一のオルガン国際コンクールです。27カ国から152名のエントリーがあり、この激戦を勝ち抜いたのがカナダ生まれのマイケル・アンガーでした。彼はすでにアメリカやオランダでのコンクールで高い評価を受けていて、今回の武蔵野でもその手腕を存分に発揮した形となりました。この演奏は優勝後すぐに録音されたもので、ブクステフーデの劇的な作品に始まり、最後はメシアンで締めくくるという絶妙のプログラム。大いなる将来性に期待できる演奏家の誕生を目の当たりにする、静かな興奮に満ちた1枚と言えるでしょう。
NAXOS-8.572093
ヴァイオリン・ソナタ集
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタト長調
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタロ短調P.110
グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ
フレデリーケ・サイス(Vn)
モーリス・ランメルツ・ファン・ビューレン(P)
20世紀の偉大なる作曲家3人のあまり知られていないヴァイオリン・ソナタを3曲集めたアルバムです。ラヴェルのソナタは厳粛な美と悦楽のブルースの幸せな出会いの歌。彼の最後の室内楽曲として知られます。レスピーギの作品はこんなにも素晴らしいのに、必要以上に軽視されてしまっています。グラナドスの単一楽章のソナタはスペインの民俗音楽とロマン派音楽の美しき融合です。演奏しているサイスはオランダ出身の若手女性奏者。2005年ロン・ティボー国際コンクールの覇者です。しなやかな音楽性が魅力的です。
NAXOS-8.572096
ガルビス:チストゥとピアノのための作品集
古き時代のサン・ゼバスティアンの6つの歌(チストゥとピアノ編)
バスク組曲第1番/バスク組曲第2番
4つのゾルツィコ/山の影
4つの伝統的なギプコアの踊り(チストゥとピアノ編)お集まりの皆様に挨拶を!
ホセ・イグナシオ・アンソレーナ(チストゥ&タンブリル)
アルバロ・センドージャ(P)
「チストゥって何?」と思われた方も多いのではないでしょうか?これはバスクに伝わる舞曲用の小型のフルートです。3つの穴を持ち片手で演奏できるため、空いたもう片方の手で打楽器などが演奏可能という優れものです(ちなみにビゼーの「アルルの女」の“ファランドール”で使われるガルベも同種の楽器です)。バスクの作曲家ガルビス(1901-1989)は、鄙びた音色を持つこの楽器とピアノ、そして、こちらもバスクの特有の楽器であるタンブリル(双頭のドラム)の音色を合わせ、実に楽しい音楽を作り上げました。ここで演奏しているのは、バスク地方で最も名高いチストゥ奏者(タンブリル奏者でもあります)ホセ.I.アンソレーナ。聴いているだけで元気になれそうな楽しい1枚です。
NAXOS-8.570881
マリピエロ:交響曲集第4集
交響曲第7番「カンツォーネ風」
1つのテンポによる交響曲
シンフォニア・ペル・アンティジェニーダ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO

※8.223604MARCOPOLOより移行盤
イタリアの近代作曲家、マリピエロ(1883-1973)は番号なしの作品も含めると、全部で17曲もの交響曲を書いています。ここに収録された第7番を書いたあと、彼は少しの間番号なしの「シンフォニア」を書くことで自身の思いを整理したと言われていますが、この第7番も随分変わった佇まいの印象的な作品で、とりわけ重厚な第2楽章はレスピーギ好きにも一度は聴いていただきたいところです。シンフォニア・ペル・アンティジェニーダとは古代のテーベのpiffero吹き(木製のピッコロ)のシンフォニアの意味。複雑な構成の曲ですが、タイトル通りに笛が自由自在に歌うところが聴きものです。
NAXOS-8.559606
フェトラー(1920-):ウォルト・ホイットマンの3つの詩
カプリッチョ
ヴァイオリン協奏曲第2番
トーマス・H・ブラスケ(ナレーター)
アーロン・ベロフスキー(Vn)
アリー・ピプスキー(指)アナーバーSO
1976年、アメリカ建国200年を記念して作曲された「3つの詩」。スクロヴァチェフスキの指揮、ミネソタ管弦楽団によって初演され高く評価された作品です。ウォルター・ホイットマンの詩から喚起された音楽とナレーターによる朗読は私たちに新たな世界を提示してくれます。夜の気分を湛えた暗く静かな最初の曲。激しい叫びを伴う、鋭敏なリズムに支配された恐ろしげな第2曲。そして美しいヴァイオリンのソロに彩られた煌めく光を伴う第3曲と、どれも表情豊かで叙情的な側面を備えた、現代における美しい夜想曲と言えそうです。東ヨーロッパのエキゾチックな雰囲気を持つヴァイオリン協奏曲も夢を見るような甘さを持っています。
NAXOS-8.572153
マルケヴィチ:管弦楽作品集第3集
愛の歌/イカロスの飛翔/合奏協奏曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
MARCOPOLOで大好評!早熟過ぎた天才指揮者、マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品全集第3集のNAXOS移行盤が登場です。各々の作品に見られる切れ味鋭い才能の表出を心行くまでご堪能ください。大作であるバレエ音楽「イカルスの飛行」、1933年にこの曲が初演された時、あまりの大胆さに会場は騒然となりました。そこに居合わせたミヨーは「音楽が発展した日」と宣言したというからスゴイものです。スクリャビンのカオスをより濃厚にした感のある「愛の歌」での言葉にならない「むず痒さ」もたまりません。「合奏協奏曲」はこの録音が世界初。発売当時大変な話題となったものです。
NAXOS-8.572342
サザン・ハーモニー
カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲(D.ハンスバーガーによる吹奏楽編)
スティーヴンス(1951-):3楽章の交響曲
グランサム
(1947-):サザン・ハーモニー
ローリゼン(1943-):「おお大いなる神秘」(H.R.レイノルズによる吹奏楽編)
コープランド
(:エル・サロン・メヒコ(E.ズヴァーノによる吹奏楽編)
ラッセル・C・ミッケルソン(指)
リチャード・L・ブラッティ(指)
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーは現在最も素晴らしいと評されるアンサンブルです。彼らはミッケルソン教授の下、日夜新たなレパートリーの拡充に励んでいます。今回のNAXOSへの録音は、これまた吹奏楽ファンにはたまらない選曲となっています。カバレフスキーの最初のオペラである「コラ・ブルニョン」の序曲での溌剌としたリズムと多彩な音色が見事なまでに再現されているのを聴いて驚かない人はいないでしょう。また、誰もが知っているコープランドの「エル・サロン・メヒコ」も最初からこの編成で書かれていたと思わせるほどの見事な演奏。もちろん神聖さに満ちたローリゼンの作品も素晴らしい出来栄えです。スティーヴンスとグランサムの曲はオリジナルです。楽しさに満ちたスゴイ1枚です。
NAXOS-8.570958
ローデ:練習曲の形式による24のカプリース
.ハ長調/イ短調/ト長調/イ短調/ニ長調
変ロ短調/イ長調/嬰ヘ短調/ホ長調
嬰ハ短調/ロ長調/嬰ト短調/変ト長調
変ホ短調/変ニ長調/変ロ短調/変イ長調
ヘ短調/変ホ長調/ハ短調/変ロ長調/ト短調
ヘ長調/ニ短調
アクセル・シュトラウス(Vn)
1774年、ボルドーで生まれたローデ(1774-1830)は13歳の時にパリへ行き、すぐにヴィオッティの愛弟子となりました。恐らく1790年にデビューを飾り、オーケストラにも参加するようになります。以降様々な音楽家と知り合いになった彼はヨーロッパ全土で演奏会を行い、またヴァイオリンのための作品を数多く作曲、後進の演奏家たちにも多大なる影響を与えました。この24のカプリースは、彼の代表作として知られ、今でもヴァイオリンを学ぶ人たちがパガニーニを演奏する前段階の練習曲として愛用しています。技術だけでなく旋律美に溢れた良質の作品です。
NAXOS-8.572315
ロッシーニ:ピアノ作品全集第3集老いのいたずら第5集「幼い子供たちのためのアルバム」
最初の聖体拝受/素朴なテーマと変奏、同じく…/イタリアのサルタレッロ/ムーア風前奏曲/憂鬱なワルツ/すぐに効く鎮痛剤/イタリア風無邪気さ、フランス風純真さ/痙攣した前奏曲/1861年度のヴェネツィアの潟の干満!/やれやれ!小さなえんどう豆よ/バター炒め/ロマンティックな挽き肉料理
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集(NAXOS-8.570590-91)、第2集(NAXOS-8.570766)で素晴らしい演奏を披露したマランゴーニの美しいタッチはここでも健在。ロッシーニのユーモアに満ちた小さな曲たちを、どれも表情豊かに聴かせてくれています。どの曲も興味深いのですが、とりわけロッシーニらしいのが10曲目から12曲目の3つの作品。グルメで知られる彼らしく、大好きな食べ物を賛美した内容となっています。えんどう豆について曲を書くなんて、あのサティも顔負けのユニークさ。こんな楽しい曲集がなぜあまり知られていないのか不思議なところです。
NAXOS-8.570781
リゲティ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」(1953-54)
弦楽四重奏曲第2番(1968)
アンダンテとアレグレット(1950)
パーカーSQ[ダニエル・チョン(第1Vn)/カレン・キム(第2Vn)/ジェシカ・ボドナー(Va)/キム・キー=ヒュン(Vc)]
よく「猟奇的」と評されるリゲティ(1923-2006)の音楽。しかし彼の多彩な音楽を表現するにはこんな言葉で足りるはずがありません。例えば「2001年宇宙の旅」で使われたいくつかの彼の音楽は、作曲家の名前を知らずとも、映画を見た人には強烈なインパクトを与えているはずです。ここに収録された弦楽四重奏曲はリゲティの作品の中では、あまり知名度の高いものではありませんが、作曲家の特性を存分に伝えてくれることでしょう。初期に書かれた「アンダンテとアレグレット」はシェーンベルクを思わせる驚くほどメロディアスな作品です。
NAXOS-8.559629
エイト・ヴィジョンズ〜フルートとピアノのための現代作品集
ケンジ・ブンチ(1973-):ベロシティ
モラヴェック(1957-):ナンシーの歌
陳怡(1953-):西南小曲三首(西南の3つの小バラード)
レオン(1943-):アルマ
ベグラリアン(1958-):私はこの世界で悲しくなることはないだろう
サンフォード(1963-):クラトカ・スティル
ヒュイ(1966-):トレース
ローレム(1923-):「4人の祈る人」
マーリャ・マーティン(Fl)
ヴァレンタイン・コレット(P)
国際的なキャリアを誇るニュージーランド生まれのアメリカ人フルーティスト、マリア・マーティン。このアルバムには彼女のために書かれた8つの作品が収録されています。フルートのレパートリーを拡大させることと、現代音楽の幅広い可能性を聴き手に届けることに熱心な彼女。その姿勢に賛同した作曲家たちの書き起こした多彩な作品。それはジャズ風であったり、また他の曲は中国の民謡からインスピレーションを得ていたりと本当に興味深いものばかりです。現代の作曲家たちの才能を感じつつ、フルートとピアノの奏でる変幻自在な音風景に身を委ねる幸せを味わってみてください。「現代音楽は苦手」という人でも大丈夫。
NAXOS-8.570524
ゲーゼ:ヴァイオリン・ソナタ第1番-第3番
ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.6
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調Op.21
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ロ長調Op.69
ハッセ・ボロプ(Vn)、ヘザー・コナー(P)
ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890)(ガーデと表記することもあります)は、デンマークの作曲家・指揮者・音楽教師です。コペンハーゲンの王室オーケストラでヴァイオリン奏者として活動を開始、自作の交響曲を演奏しようと楽譜を提出したのですが、そこでの演奏を拒否されてしまいました。失意を味わったゲーゼは、その楽譜を何とメンデルスゾーンに送ったところ、大好評を持って迎えられライプツィヒで初演してもらうことができたといいます。そんな彼の作品は恩人の影響を受けつつも、北欧の民謡を随所に取り入れた印象深いものばかり。とりわけこれらのヴァイオリン・ソナタに見られる旋律美は他の誰にも真似し得ないほどの光を放っています。
NAXOS-8.572159
ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲集
ピアノ四重奏曲ニ長調Op.23
ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.87
ヘレナ・シュチャロヴァ=ウェイセル(P)
ドヴォルザーク(1841-1904)の室内楽作品の中でも、これらのピアノ四重奏曲はほとんど知られていません。しかしこの2曲の完成度の高さには目を見張るものがあります。1875年、34歳の時に作曲した第1番は、同じ年に書かれたピアノ三重奏曲と合わせ、彼が音楽家として輝かしい経歴を歩み始めた頃の意欲溢れる作品です。冒頭からめまぐるしく長調と短調のメロディが入れ替わり、落ち着かない気分の中にひっそりと忍びこむ懐かしい郷愁がたまりません。第2番は1889年の作品。こちらはチャイコフスキーと親交を結んだ時期で、曲も一層の叙情性を帯びています。洗練された土臭さとも言える独特の風情がたまりません。
NAXOS-8.572238
ロゲール:室内楽作品集
クラリネット五重奏曲Op.116
ピアノ・ソナタOp.43/ピアノ三重奏曲Op.77
アイルランド民謡による変奏曲Op.58
ロバート・プレーン(Cl)、ルーシー・グールド(Vn)
ミア・クーパー(Vn)k、デイヴィッド・アダムス(Va)
アリス・ニアリー(Vc)、エミリー・バイノン(Fl)
ベンジャミン・フリス(P)
1895年、オーストリアで生まれウィーンで育ったロゲール(1895-1966)は、シェーンベルクの下で学び1923年から1938年まではウィーンの音楽院で教鞭をとりました。しかしその後アメリカに行き、1945年にはアメリカ国籍を取り、ニューヨークとワシントンで活動を始めます。彼の作品は多くの演奏家たちに支持され、例えば名指揮者クーベリックやE.ラインスドルフらが積極的に彼の作品を演奏会で取り上げています。作風は後期ロマン派の挑発的な和声と保守的な形式をうまくミックスさせたもので、曲によってはまるでブラームスの作品のような渋い佇まいを有しています。また「アイルランド民謡による変奏曲」は1939年にアイルランドを訪問した際の強い印象を表現したもので、フルートの郷愁に満ちた音色が耳に残ります。ここでフルートを演奏しているバイノンはロイヤル・コンセルトヘボウの首席奏者。NAXOS初登場となります。
NAXOS-8.572446
ヒル:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第5番変ホ長調「同盟国」
弦楽四重奏曲第7番イ長調
弦楽四重奏曲第9番イ短調
ドミニオンSQ
オーストラリアの作曲家、アルフレッド・ヒル(1869-1960)の弦楽四重奏曲第3集です。彼は1880年代の終わりにライプツィヒで学び、ドイツの伝統にオーストラリアの味付けを施したいくつかの作品を作曲。これらは一度聴くと忘れられない強烈な印象を残しています。今回の作品も面白い物ばかりですが、表題付きの第5番はとりわけユニークです。4つの楽章はそれぞれ、フランス、アメリカ、イタリア、イギリス(第1次大戦中に同盟国だった国家)を表していて、後に交響曲第11番として書き直されたものです。国としてのキャラクターが強く出ているわけでもありませんが、こういう考え方もあるんだな。と面白く聴くことができるでしょう。第7番は荘厳に始まり、第9番はゆったりと始まり、少しだけ印象派の香りを感じさせる音ですが、旋律は決して乱れることもなく常に平穏な世界に終始します。安心してお聴きいただける美しい作品です。
NAXOS-8.570453
バッハ:ソプラノ独唱のための宗教カンタータ集
「いつわりの世よ、われ汝に頼らず」BWV52
「我はわが幸いに心満ちたり」BWV84
「わが心は血にまみれ」BWV199
「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」BWV51
シーリ・カロリーン・ソーンヒル(S)
ケルン・バッハ・ヴォーカル・アンサンブル
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
バッハの200ほどの教会カンタータの中でもとりわけ有名な「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」を含む4曲のソプラノ独唱のためのカンタータです。これらの作品は歌い手の美声を味わうとともに、実はソロ・トランペットの妙技を心行くまで堪能する曲でもあり、また、ヴァイオリン、ヴィオラ、オーボエの美しいオブリガードを聴く曲でもあります。シーリ・カロリーン・ソーンヒルはイギリス生まれのノルウェイのソプラノ歌手。すでにクイケンを始めとした多くの指揮者とのバッハのカンタータや、ブラームスのドイツ・レクイエムなどの録音で高い評価を受けています。透き通った湧水のような清冽な歌声です。
NAXOS-8.570824
クレスウェル:声の内部で
声の内部で/アラス!ハウ・スイフト
カサンドラの歌/カエア
マドレーヌ・ピラード(Ms)
ヴェサ=マッティ・レッパネン(Vn)
マイケル・カーガン(Tp)
デヴィッド・ブレムナー(トロンボーン)
ジェイムス・ジャッド(指)ニュージーランドSO
ニュージーランド、エディンバラ生まれのクレスウェル(1944-)は管弦楽曲から教会音楽まで、幅広い作品を書くことで広く注目されています。この「声の内部で」はソプラノとヴァイオリンそして管弦楽との刻一刻を移り変わる関係を音で描いた作品。注意深く聴くことで、その繊細な世界が見て取れる曲です。「私の声、あなたの声」のリフレインが強く心に残ります。カサンドラの歌は、スコットランドの詩人ロン・バトリンの詩を用いた歌曲集です。「カエア」はマオリ族の木製トランペットの名前。戦いの時に敵を恐れさせ、かつ戦士たちの士気を上げるために用いられる楽器です。曲名の通り心が浮き立つ音楽です。
NAXOS-8.570981
メンデルスゾーン=ヘンゼル:歌曲集第1集
6つの歌曲集Op.1/7つの歌曲集Op.7
アイヒェンドルフ歌曲集/面影
ドロテア・クラクストン(S)、バベッテ・ドルン(P)
歌曲やピアノ曲など500以上も作品を残したにもかかわらず、弟フェリックスの光り輝く天才の影に隠れてしまったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)の愛すべき歌曲の登場です。彼女が愛した詩人たち、主にゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフなどの詩に感性豊かな曲をつけた彼女の才能を改めて賛美いたしましょう。繊細で内省的で叙情的。とロマン派音楽の特徴を全て兼ね備えた珠玉の作品を歌うのはクラクストン。クララ=シューマンの歌曲集(NAXOS-8.570747)でも胸ふるえる歌唱を聴かせてくれた名ソプラノです。
NAXOS-8.572189
メシアン:歌曲集「ハラウィ」他
3つのメロディ/ハラウィ-愛と死の歌
エトナ・レジツェ・ブルーン(S)
クリストファー・ニーホルム・ヒルディグ(P)
メシアン(1908-1992)の2つの連作歌曲集を。実はどちらの曲も、彼が大切にしていた家族の損失が作曲のモティベーションとなっているのです。「3つのメロディ」は3年前に亡くなった彼の母親への思いが結晶したもの。そして「ハラウィ」は最初の妻クレア・デルボスが詩に至る病を得た頃に書かれたもの。しかし、どちらの作品にも失意の念はなく、あるのは限りない希望と法悦の感覚だけ。メシアンにおける「死」と「愛」の感覚が端的に感じられる名作と言えるでしょう。煌びやかなピアノ・パートと色彩感豊かな声の饗宴、そして感覚が麻痺するほどに強烈な言葉遊びをどうぞお楽しみください。
NAXOS-8.572438
魅惑のバリトン〜ラド・アタネリ、オペラ・アリアを歌う
ヴェルディ:「アッティラ」より第2幕「フン族と休戦だ...永遠の美しい栄光の頂から...私の運命のさいは投げられた」
ロッシーニ(1791-1868):「セヴィリヤの理髪師」より第1幕「私は町の何でも屋」
モーツァルト:「フィガロの結婚」より第3幕「裁判は勝った!と…こちらが指をくわえて」
 「ドン・ジョヴァンニ」より第2幕「さあおいで、窓辺へ」
 「ドン・ジョヴァンニ」より第1幕「酒の歌」
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より第1幕「無残な、縁起でもない」
 「ラ・ファヴォリータ」より第2幕「だが、邪な者どもの嫉妬と怒りは私の頭上に…よいかレオノーラ、そなたの足下に」
ヴェルディ:「エルナーニ」より第3幕「私の青春時代の」
 「シチリアの夕べの祈り」より第3幕「富を手にして」
レオンカヴァッロ:「ザザ」より第2幕「良いザザ、私の良き時間」
マスネ:「エロディアード」より第2幕「はかない幻」
ビゼー「カルメン」より第2幕「皆さんに乾杯をお返しします(闘牛士の歌)」
アラキシュヴィリ(1878-1953):ショタ・ルスタヴェルツェの伝説より「神に感謝せん」
ラド・アタネリ(Br)
ロドヴィコ・ツォッケ(指)ヴュルテンベルクPO
近年急速に評価が高まっているグルジア出身のバリトン歌手ラド・アタネリのNAXOSデビュー盤です。彼はこのアルバムのためにヴェルディからマスネまで様々なオペラのアリアを選び見事なまでにキャラクターを歌い分けています。91年にはバルセロナ国際声楽コンクール、続いてウィーンのヴェルヴェデーレ国際声楽コンクールにも入賞し世界的に注目を浴びた彼は、すでにムーティ、コンロン、レヴァインなど著名な指揮者の下で数多くのオペラを歌いその実力は証明済み。ここでも艶やかな美声を存分に聴かせてくれています。ヴェルディを得意としていますが他の役柄もばっちり。ぜひ押さえておきたい人です。
NAXOS-8.572469
マニング:マンチェスター・キャロル
キャロル・シンガーズ・キャロル
素晴らしい語り/待降節のキャロル
クリスマスの花/受胎告知
クリスマス・ツリー/レット・イット・ビー・コールド
奇跡/天使/新しい子どもが生まれた
藁の金/メアリーのキャロル/子どもたちの名
それをナザレスと呼ぶ/我は信ず/今の歌
リチャード・タナー(指)マンチェスター・キャロラーズ
2007年に作曲された、21世紀の新しい時代のクリスマスの歌です。サシャ・ジョンソン・マニング(1963-)は、「どんなに世界は変わって行こうとも、感謝と謙虚さを失わず、常に純真な心を大切にしよう」という願いをこれらの愛らしい歌に込めたと言います。子ども時代の発見と驚きを見失いがちな大人のための音で聴く絵本です。
NAXOS-8.660261(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「マリア・ストゥアルダ」 エリザベッタ…ラウラ・ポルヴェレッリ(Ms)
マリア・ストゥアルダ…マリア・ピーア・ピシテッリ(S)
アンナ・ケネディ…ジョヴァナ・ランツァ(Ms)
レスター伯ロベルト…ロベルト・デ・ビアージョ(T)
ジョルジョ・タルボ…シモーネ・アルベルギーニ(Bs)
グリエルモ・セシル卿…マリオ・カッシ(Bs)
リッカルド・フリッツァ(指)マルキジアーナPO、「ベッリーニ」マルキジアーノcho

※NAXOSDVD2.110268と同内容
ドニゼッティ(1797-1848)のこのオペラは、悲劇の運命に弄ばれた女王メアリーと、彼女のいとこエリザベス1世の息詰まる女同士の心理戦を描いた名作です。プライドと恋心を天秤にかけ、お互いに相手をぐいぐい追い詰めていく場面は思わず手に汗を握ることでしょう。今までにもマリブランやグルベローヴァ、そしてバルツァらがこのヒロインたちを歌っていますが、今回の若き2人の歌手ポルヴェレッリとピシテッリも、上品さと激しさを兼ね備えた素晴らしい歌を聴かせてくれます。フリッツァの引き締まった指揮による端正な音楽も聴きどころです。
NAXOS-8.660268(2CD)
J・シュトラウス:歌劇「ヴェネツィアの一夜」(全曲)

《オーケストラ小品集》
ポルカ・フランセーズ「パッパコーダ」Op.412
ポルカ・マズルカ「アンニーナ」Op.415
ポルカ・シュネル「私たちは平気!」Op.413
ポルカ・フランセーズ「サンマルコの鳩」Op.414
入り江のワルツOp.411/カドリーユOp.416
ウルリーノ公爵…ダニエル・バッカード(T)
カラメッロ…ピエール・ギルベール(T)&ユーハン・クリステンソン(T)
デラクゥア…エリカ・アンダーソン(Ms)&アンナ・ラーシュドッター・ペルソン(Ms)
バルバラ…アンナ・ラーシュドッター・ペルソン(Ms)
アンニーナ…メレーテ・L・メイヤー(S)&アンナ=マリア・クレーヴェ(S)&クリスティーナ・ハンソン(S)
パッパコーダ…ヘンリク・ホルムベルグ(T)
コーロ・ノットゥルノ
ミカ・アイケンホルス(指)ストックホルム・シュトラウスO
J.シュトラウス2世(1825-1899)の9番目のオペレッタとして作曲された「ヴェネツィアの一夜」は1883年のベルリンのヴィルヘルム市立劇場で初演。興業的には大失敗でしたが、台本を手直しし改作して臨んだウィーン初演では大成功を収めました。好色なウルビーノ公爵がカーニバルにやってくると聞いて、ヴェネツィアの上院議員たちは大慌て。とりわけ若く美しいバルバラを妻にしたばかりのデラクゥアは色目を使われるのでは。と心配でなりません。そこで妙案を考えたデラクゥア。さて、彼の思惑はうまくいくのでしょうか?他愛もないドタバタ喜劇ですが、横溢するメロディは極上なものばかり。さすがワルツ王の面目躍如です。おまけに入っているのは2008年のストックホルムのニューイヤーコンサートの抜粋です。

NAXOS 2010年1月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.669022(3CD)
アダムス(1947-):歌劇「中国のニクソン」 リチャード・ニクソン…ロバート・オース(Br)
パット・ニクソン…マリア・カニョーヴァ(S)
ヘンリー・キッシンジャー…トマス・ハモンズ(バス・バリトン)
毛沢東…マルク・ヘラー(T)
毛沢東夫人江青…トレーシー・ダール(S)
周恩来…ユアン・チェンイ(Br)
第1秘書…メリッサ・マルデ(Ms)
第2秘書…ジュリー・ジンソン(Ms)
第3秘書…ジェニファー・デドミニーチ(Ms)
オペラ・コロラドcho
マリン・オールソップ(指)コロラドSO
あの「問題作」がついにNAXOSに登場します。この演奏は2008年のライブ録音で、このオペラを得意とする歌手たちを揃え万全の準備の末に上演されたものです。指揮は現代アメリカで最も力を蓄えている女性指揮者マリン・オールソップです。このアリス・グッドマンによる台本は、史実をよく研究したもので毛沢東とニクソンを取り巻く人々も全て実名で描かれ、1972年2月21日にニクソン一行が北京の飛行場に降り立ったところから物語が始まり、会見の場でのニクソンが人知れず味わった緊張を描いた歌や、毛沢東夫人江青が政治色たっぷりのパーティで超絶的なアリアを披露する場などを織り交ぜながら、長らく対立関係にあった中国との和解への道を開くまでが重厚なミニマル音楽で表現されています。この曲が作曲されてからすでに20年以上が経過。新たな気持ちでこの大作に向き合ってみるのもいいかも知れません。
NAXOS-8.570939
ガーシュウイン:クラリネットと弦楽のための作品集
ポーギーとベス組曲
ピアノ協奏曲ヘ長調より第2楽章
パリのアメリカ人(抜粋)
3つの前奏曲
※全てF.ヴィラールによるクラリネットと弦楽合奏編
ミシェル・ルチエック(Cl)
パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
ガーシュウイン(1898-1937)のゴキゲンな音楽をクラリネットで演奏することにより、作曲家のジャズへの愛、またポピュラー音楽とクラシック音楽の融合がこれほどまでに顕著となるとは誰しも思っても見なかったことでしょう。例えば、「ポーギーとベス組曲」の中のサマータイムでの泣きたくなるほどの切なさの表現力を聴いてみてください。本来クラリネットのために書かれたと言われたら信じない人はいないほどの出来栄えです。このクラリネットの能力を持ってすれば、ピアノ協奏曲にもピアノは不要。まさに恐るべき世界が広がっています。「3つの前奏曲」もスゴイの一言です。編曲者のヴィラールのセンスの良さと、クラリネットのルチエックの抜群のリズム感、そして指揮のガロワの包容力。これらが全て溶け合った奇跡の1枚の誕生です。
NAXOS-8.572255
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第2集
前奏曲Op.43-3/ロマンスニ長調Op.100
夕べの歌Op.89-3
春のささやき(ピアノ・ソロ)Op.32-3
ロマンスホ短調Op.30/古い様式のソナタOp.99
エレジーOp.61-2/バラードOp.61-3
夕べの気分Op.120a
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
クラッゲルードとイーレ・ハドランの演奏するシンディングのヴァイオリン作品集第2集。先に発売された第1集(8.572254)が大好評。甘い旋律と夢見るようなハーモニーは、この作曲家になじみのない人の心にも強烈な印象を植え付けたようです。このアルバムには、これまたとびきり愛らしい小品と、ロマンティックなヴァイオリン・ソナタ、そして有名過ぎる「春のささやき」などが収録されています。シンディング(1856-1941)は若き頃ヴァイオリンもピアノも学びはしたものの、演奏家として活動するには技術が足りないことを自覚。指揮者としての道も諦めてしまい、早いうちから作曲家としてのみ音楽活動にかかわることを決意したといいます。彼は一生涯、後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。ただ、独自の作風を確立しなかったことも非難されたこともあってか「古風な様式のソナタ」では4分の7拍子や4分の5拍子などの変拍子を使ってみたりもしていますが、やはりスタイルを大きく逸脱することはなく、以降の作品も、変わることなく美しい響きで満たされています。晩年は様々な要因で悲惨な生活を強いられた彼ですが、彼の音楽はこれから復興の一途をたどるに違いありません。
NAXOS-8.570323
ルーセル:交響曲第1番「森の詩」Op.7
交響的前奏曲「復活」Op.4
劇音楽「眠りの精」Op.13
ステファン・ドヌーヴ(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ステファン・ドヌーヴの前2作のルーセル(1869-1937)は、そのどちらもが世界中から高い評価を受けています。今回の交響曲集もそれを上回る称賛を与えられることは間違いありません。フランスの作曲家にしては、かなり重厚な音使いをすることで知られるルーセル。劇音楽は割合良く聴かれるのですが、交響曲はほとんど人気のない分野です。以前もデュトワやミュンシュらが録音してはいるのですが、このような素晴らしい演奏がもっと多く出てくれば聴く人も増えてくるのではないでしょうか。第1番の交響曲は1904年から1906年に書かれ、1908年に初演されました。「森の詩」という副題があるにも関わらず、表題音楽ではありません。確かに気分は4つの季節に基づいているのですが、描かれている風景を想像上で描写するのは聴き手の力量にまかされているのです。交響的前奏曲「復活」はトルストイの同名の小説を示唆したもの。木管楽器の表情豊かなメロディによって孤高の傑作は確かに音にされています。バレエ音楽を得意としたルーセルの面目躍如と言った「眠りの精」はG・ジャン=オーブリの劇のための表情豊かな作品です。
NAXOS-8.559625
W.シューマン:交響曲第6番
戦争時の祈り/ニュー・イングランド三部作
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
ニューヨーク生まれのW.シューマン(1910-1992)は現代アメリカ作曲家のなかでもとりわけ人気が高く、吹奏楽ファンの間でも広く知られている人でもあります。彼は全部で10曲の交響曲を書きましたが(と言っても、最初の2曲は作曲家自身が「無きもの」としているため実質的には8曲です)この1948年に書かれた第6番は単一楽章で書かれながらも、極度に複雑なリズムと暗い色調を備えた取っつきにくいもの。実際、ダラスでの初演は失敗してしまったのですが、その対位法を駆使した作曲技法には驚くべきものがあります。作曲家自身が吹奏楽に編曲した版が良く知られる「ニューヨーク三部作」はもともと18世紀後期のアマチュア作曲家、ウィリアム・ビリングズの書いた讃美歌を基にしたもの。そのせいか、とても聴きやすく愛国心に溢れた曲想になっていて、吹奏楽版も含めて、彼の代表作とも言える作品になっています。1943年に初演された「戦争時の祈り」は題名の通り沈痛で美しい音楽です。
NAXOS-8.572226
ブリス:組曲「クリストファー・コロンブスの探検」(編曲:アドリアーノ)
.「27人の漂流者」〜3つのオーケストラのための小品
「2つの世界の男」〜バラザ(ピアノと管弦楽、男声合唱のための演奏会的小品)
「2つの世界の男」より
シルビア・カポヴァ(P)
スロヴァキア・フィルハーモニーcho
アドリアーノ(指)スロヴァキアRSO

※MARCOPOLO*8.223315より移行盤
アーサー・ブリスは第1次世界大戦後のイギリスで活躍した「恐るべき子どもたち」の一人。初期の作風はかなり先鋭的でしたが、中期以降は保守的な作風に転向。バレエ音楽や劇音楽、そして映画音楽の分野で目の覚めるような作品を数多く書いています。彼は1935年から映画音楽の作曲をはじめ、最初に手掛けた「来たるべき世界」の音楽で大成功をおさめ、当時の聴衆に「映画音楽の重要性」というものをはっきり認識させたと言います。このアルバムに収録された「コロンブスの冒険」と「2つの世界の男たち」は1940年代の作品、「27人の漂流者」は1950年代の作品で、エキゾチックなメロディと刺激的なリズムに彩られた快活な曲が並びます。「コロンブスの冒険」はあまりにも映画の脚本が不条理なせいか、現在ではフィルム自体を見ることはできません。しかし、ここに付けられたブリスの音楽があまりにも見事だったことから、1990年に指揮者アドリアーノが自筆スコアも研究しつつ、新たな組曲として再構築したものです。「2つの世界の男たち」はヨーロッパで音楽を学んだアフリカ人作曲家・ピアニスト、キセンガの物語。「バラザ」は映画の冒頭、キセンガが弾く自作の協奏曲として作曲されたもの。ブリスはこれらの曲にアフリカ的な要素を組み込むため、本物の東アフリカの音楽をいくつか聴き、異国的な雰囲気を取り入れるのに成功しました。
NAXOS-8.572319
シナジー〜吹奏楽のための作品集
ドアティ(1954-):独奏クラリネットとシンフォニック・バンドのための「ブルックリン橋」
バリット(1962-):クラリネットとパーカッションのための「協奏的二重奏曲」
ギリングハム(1947-):4つの打楽器とウィンド・アンサンブルのためのコンチェルティーノ
J.M.ディヴィッド(1978-):幻想的練習曲第2巻
マクアリスター(1969-):独奏クラリネットと管楽アンサンブルのための「ブラック・ドッグ」
ジョン・ブルース・イエ(Cl)(バセット・ホルン)
テレサ・ライリー(Cl)、モリー・イエ(Perc)
ロバート・W・ランベロウ(指)
コロンビア州立大学ウィンド・アンサンブル
近頃NAXOSファンの間で大流行中のドアティの作品がここでも聴けます。その「ブルックリン橋」はニューヨークの素晴らしい風景を描写したもの。クラリネットの妙技に耳を奪われつつ、彼のスピード感溢れる作曲技法にも魅せられてしまうという見事な曲です。バリットの「協奏的二重奏曲」はジャズやポピュラー音楽に親和性を求めた曲。ギリングハムのコンチェルティーノは4人のパーカッション奏者と管楽アンサンブルの見事な融合が楽しめます。ディヴィッドの「交響的練習曲」は現代作曲家リゲティの作品を思わせる練習曲は複雑で独特なリズム・パターンを持ち、曲に付けられた短いタイトルを見事に音にあらわした小品集です。最後のマクアリスターの「ブラック・ドッグ」はレッド・ツェッペリンの歌に触発されたラプソディで、クラリネットの長いソロ・カデンツァから始まるスリリングな作品です。どの曲も高度な技巧とアンサンブルを要求するものばかりですが、この名門アンサンブルは期待通り、高水準の演奏を聴かせてくれます。
NAXOS-8.570150
シュターミッツ:フルート協奏曲集
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ハ長調
フルート協奏曲ニ長調/フルート協奏曲ト長調
ロバート・エイトケン(Fl)
ドナタス・カトクス(指)セント・クリストファーCO
マンハイム楽派の創立者であり、交響曲の形式の開拓者であったヨハン・シュターミッツ(1717-1757はオルガニストの父親から最初に音楽を教えられ、後にプラハのカレル大学で学びました。1741年にマンハイムに行き、1743年に同地の宮廷楽団の首席ヴァイオリン奏者に、1745年には楽長に昇格し、この小さな一地方楽団をヨーロッパで最も尊敬されるオーケストラの一つに育て上げたのです。50曲以上もの交響曲、室内楽曲、声楽曲が残されていますが、多くの協奏曲も作曲し、その中には14曲のフルート協奏曲も含まれています。当時のマンハイムの奏者たちの高い技巧を才能を物語る高度な技術を駆使したこれらの協奏曲は、とてもチャーミングで、同時代のクヴァンツの作品よりも若干自由度が高く、バロックと古典派の橋渡しとしての機能を持ち合わせています。また彼自身の血筋であるボヘミアの素朴で抒情的な面も感じられる特徴的な作風が魅力的です。彼の息子カール・シュターミッツも才能ある音楽家です。
NAXOS-8.572304
ヴォーン・ウィリアムズ:劇音楽「すずめばち」(アリストファネス組曲)
ピアノ協奏曲ハ調
イギリス民謡組曲(G.ジェイコブ編)
ランニング・セット
アシュリー・ウェイス(P)
ジェイムス・ジャッド(指)ロイヤル・リヴァプールPO
「すずめばち」は古代ギリシアを代表する喜劇作家、アリストファネスの劇をギリシア語で上演することとなったケンブリッジ大学の演劇部が、ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958)に付随音楽の作曲を依頼し生まれたものです。機知にとんだ音楽とイギリス民謡の見事な融合は彼にしか書き得ないもので、中でも「行進曲」でのユーモラスな曲想には思わず口元が緩むことでしょう。ピアノ協奏曲は、あのバックスの恋人であったピアニスト、ハリエット・コーエンの演奏を想定して書かれたもので、かなり先進的に書かれていますが、当時の聴衆や批評家からは高く評価されることがなく、その後の1946年に「2台ピアノのための協奏曲」として改変を図り、その際、そっと忍びこませていた友人バックスの交響曲の引用も「彼に気が付いてもらえなかった」という理由でその部分は取り除いてしまいました。そんな紆余曲折を経た作品ではありますが、その重厚な仕上がりの中には、時折バッハやブゾーニの影響を感じられたりと、イギリス音楽好きにはたまらない音楽となっています。
NAXOS-8.572407
イギリスのヴィオラ作品集
ブリス:ヴィオラ・ソナタ(1933)
ディーリアス:ヴァイオリン・ソナタ第3番〜L.ターティスによるヴィオラとピアノ編
ブリッジ:ヴィオラとピアノのための小品集
 アレグロ・アパッショナート/セレナーデ
 思い出/ゴンドリエラ/沈思せる人
 ノルウェーの伝説/子守歌
エニコ・マジャール(Va)、今井正(P)
ヴィオラの特徴的な音色・・・それはしばしば悲しげと表現されたり、内省的で感傷的と銘打たれたり・・・と、とにかく同族のヴァイオリンに比べて控え目な評価を与えられがちです。作曲家ブリッジに至っては、自らが才能あるヴィオラ奏者であったにも拘わらず、この楽器のための作品はほとんど作曲しなかったというから驚きです。ここで聴けるブリス以外の楽曲のほとんどは他の楽器のために書かれた作品をヴィオラ用に編曲したものですが、こうして聴いてみると実に味のある音楽に仕上がっていると思います。まさに濡れたように輝く音色がぴったりはまっています。ここでピアノを担当している今井氏は才能ある日本のピアニスト。
NAXOS-8.570890
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-11
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-10
ヴァイオリン・ソナタロ短調Op.1-12
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-9
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
第1番から第8番まで聴いてきて、これらの作品の虜になってしまった人も多いのではないでしょうか?形式に縛られた古典派の作品や、感情移入たっぷりになりがちなロマン派の作品、はたまた聴き手の感性までをも必要とする現代の作品に比べると、ルクレール(1697-1764)の時代の作品を演奏する時には、いかに奏者たちが楽しんでいるかがよくわかるのです。装飾音も伴奏も本筋を逸脱しなければOK。しかし、それは却って演奏家たちのセンスが試されているとも言えますね。この9番から12番のソナタも変幻自在の楽想を持ち、遅い楽章と早い楽章は目を見張るほどの対比が与えられており、その効果はまさに目を見張るものがあります。第1集(8.570888)と第2集(8.570889)を未聴の方はお早目に。
NAXOS-8.572009
フランク:弦楽四重奏曲&弦楽五重奏曲
弦楽四重奏曲ニ長調FWV9
ピアノ五重奏曲へ短調FWV7
ファイン・アーツSQ
クリスティーナ・オルツィス(P)
ただただ何も考えずに音楽だけを聴いていたい。そんな時にオススメしたいのがフランクの室内楽作品です。余計な表題や形式などにとらわれることなく、ひたすらゆったりとした時間に身を任せるという贅沢な気分になれること間違いありません。弦楽四重奏曲は1889年から1890年の間に書かれた作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの影響も受けてはいますが、随所に現れる独特な節回しは、少しでもフランク(1822-1890)を知る人にとっては極めて懐かしいものとして耳に残ることでしょう。もちろん循環形式を用いて書かれています。1878年から79年にかけて書かれたピアノ五重奏曲はサン=サーンスに献呈されていますが彼は初演時のピアノ・パートを受け持ったものの、終演の際、献呈されたスコアを残したままステージから去ってしまったと言われています。恐らくサン=サーンスには晦渋過ぎたのかもしれませんが、一見冷たそうに見えるこの曲も聴きこめば聴きこむほどに味が増してきます。フォーレの五重奏曲と同じくオルツィスのピアノとファイン・アーツ四重奏団の演奏で。
NAXOS-8.572286
ラッブラ:弦楽四重奏曲第2番変ホ調Op.73
声と弦楽四重奏のための「アモレッティ」Op.43
アヴェ・マリア・グラティア・プレナ
単一楽章のピアノ三重奏曲Op.68
チャールズ・ダニエルズ(T)
マーティン・ラスコー(P)、マッジーニQ
イギリスの作曲家ラッブラ(1901-1986)は、14歳の時、最初は鉄道員として働きましたが、シリル・スコットの音楽を知り、1920年彼の教えを乞うために奨学生となり、その翌年には王立音楽院に入学、スコットやホルストに音楽を本格的に学んだという経歴を持っています。彼は11曲の交響曲を始め、4つの弦楽四重奏曲など多くの室内楽曲、そして声楽曲などを作曲し、20世紀のイギリス音楽の中心的人物としての地位を確立しました。ここに収録された弦楽四重奏曲第2番は1952年5月の初演された意欲的な作品で、ホルストやヴォーン=ウィリアムスの影響を受けながらも、根底にあるのはベートーヴェンへの尊敬の思いです。またラッブラはイギリス中世の時代にも関心が深く、しばしば自作にもエリザベス朝時代の雰囲気を取り込んでいます。ここに収録された「アモレッティ」はエドマンド・スペンサー(1552?〜1599)の愛の詩を用いたもので弦楽合奏と歌のために書かれた情熱的な曲で、これは恐らくラッブラの2番目の妻となるアントワネットのために書かれたものと推測され、(彼女は有能なヴァイオリニストだった)精神的な美しさと肉感的な響きが融合された聴きごたえのある作品です。
NAXOS-8.572006(2CD)
バッハ:チェンバロ独奏のための協奏曲集
協奏曲ニ長調BWV972/協奏曲ト長調BWV973
協奏曲ト短調BWV975/協奏曲ハ長調BWV976
協奏曲ヘ長調BWV978/協奏曲ト長調BWV980
協奏曲ハ長調BWV977/協奏曲ト短調BWV983
協奏曲ト長調BWV986/協奏曲ロ短調BWV979
協奏曲ニ短調BWV974/協奏曲ハ短調BWV981
協奏曲変ロ長調BWV982/協奏曲ハ長調BWV984
協奏曲ニ短調BWV987/協奏曲ト短調BWV985
前奏曲とフーガイ短調BWV894
エリザベス・ファー(ハープシコード)
バッハのワイマール時代に作曲された一つのジャンルがこの「独奏鍵盤楽器のための協奏曲集」。ヴィヴァルディやマルチェッロなどのイタリアの作曲家のヴァイオリン協奏曲などをチェンバロやオルガンで一人で演奏できるように編曲したもので、バッハがイタリアで体験した新しい音楽を自らの作曲技法に取り込むにも大きな役割を背負った作品群です。そのうちチェンバロ用の曲が16曲、オルガン用の曲が6曲現存していて、ここではチェンバロ用の16曲を名手エリザベス・ファーが説得力ある解釈とゆるぎない技巧で演奏しています。最後に収録されているBWV894のプレリュードとフーガは、逆に後年、フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲BWV1044の第1楽章と第3楽章へと転写された作品です。
NAXOS-8.572069
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第2集
モンセラート修道院写本のソナタ
<第6番ホ短調/3-4.第7番ヘ長調…世界初録音/第8番ハ長調…世界初録音/第9番イ短調…世界初録音/第10番ハ長調…世界初録音/第11番イ長調…世界初録音/第12番ヘ長調…世界初録音>
ワシントンD・C国会図書館写本のソナタ<第1番ハ短調/第2番変ロ長調>
ペドロ・カザルス(P)
第1集(8.572068)に続く、1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラのソナタ集です。今回はモンセラート修道院とワシントンDCの国会図書館で保存されていた譜面に基づいた演奏です。研究者でもあるペドロ・カザルスによると、彼の作風は主題や構造の複雑さで3つの期間に分けることができるそうで、最後の作品はワシントンDCに保存されている6つのソナタ(作曲家存命中の1780年に出版)のようですが、まだ彼の全貌が見えてくるまでには時間がかかりそうです。
NAXOS-8.572077
ブゾーニ:ピアノ作品集第6集
リスト=ブゾーニ:「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
ピアノ・ソナタへ短調Op.20K204
前奏曲とアルペジョの練習曲K297
ヴォルフ・ハーデン(P)
ブゾーニ(1866-1924)のピアノ作品集第6集は、彼の初期の作品から2つの大きな作品を中心に収録しています。リストの「幻想曲とフーガ」はもともとリストがマイアベーアの「予言者」のメロディを基に作曲したオルガン曲で、リスト自身「2台ピアノ」での演奏は想定していたようですが、まさかピアノソロに編曲されるとは思いもよらぬものだったのではないでしょうか。ブゾーニの編曲はリストの原曲にほとんど忠実なもので、もちろん技術的にも困難なものを要求していることは間違いありません。彼の編曲の腕前を存分に堪能できるはずです。ピアノ・ソナタはブゾーニが10代半ばに書きあげた大作ですが、1980年代まですっかり忘れ去られていました。ロマン派後期の音楽の特徴溢れる意欲的な曲で、ブラームスと、アントン・ルービンシュタイン双方の影響を感じさせる劇的で壮大なロマンティシズムに溢れています。前奏曲とアルペジョの練習曲は、不安気な音が交錯する晩年の作品。飛び交う音の粒を支える不気味な低音部が一種異様な雰囲気を醸し出しています。
NAXOS-8.572365
タルレガ:ギター作品集
前奏曲集/2人の姉妹(ワルツ)
マズルカ第1番「アデリタ」
マズルカ第3番「マリエタ」/マズルカ第2番ト調
ガボット「マリア」/アルハンブラの思い出
ポルカ「バラ」/ポルカ「ペピータ」
アラビア風奇想曲/ワルツ「パキート」
大ワルツ/朝の歌/ワルツ「イザベル」
ワルツ二調/パヴァーナ
アラード(1815-1888)=タルレガ編:華麗な練習曲
マッツ・ベリストレム(G)
ヘビースモーカーで超絶技巧を愛し、究極のロマンチストであったギター界のカリスマ、タルレガ(1852-1909)。彼の名前を訊いたことがないとしても、「アルハンブラ宮殿の思い出」を知らない人はいないでしょう。彼はショパンやベートーヴェンのピアノ曲をギター用に編曲したり、ロマン派的なギター音楽の潮流にスペイン的な要素を復活させたりと、八面六臂の活躍をしました。このアルバムには彼の代表的なギター作品を収録。前奏曲集の中には、良く知られる「涙」も含まれています。ワルツ「2人の姉妹」の冒頭部は彼が生涯愛したショパンのメロディもさりげなく使われていたりします。ここで素晴らしい演奏を聴かせるベリストレムは、作曲家自身が所有していた1888年の楽器を復刻した現代の楽器で、タルレガの音楽の持つ陰影を美しく描き出しでいます。もちろん「くわえたばこ」なしです。
NAXOS-8.572287
ディキンスン:ユニコーンより「子守歌」
ヨハネの黙示録のためのミサ曲
ラーキンズ・ジャズ(ライヴ・アナログ・レコーディング)
ピアノ・デュオのための「5つの偽作」
ピアノのための「5つの初期の小品」
独奏フルートのための「エア」
独奏フルートのための「メタモルフォーシス」
ドビング・デューク(Fl)
ピーター・ディキンスン(P)
ジョン・フリンダース(P)
ヘンリー・ハーフォード(ナレーター)
ナッシュ・アンサンブル
ライオネル・フレンド(指)
ドナルド・リーヴス(ナレーター)
ジョー・マッグス(S)
メリエル・ディキンソン(Ms)
セント・ジェイムズ・シンガーズ
ジェームズ・ホランド(パーカッション)
ディヴィッド・ジョンソン(パーカッション)
ジョン・アレイ(P)/アイヴォー・ボルトン(指)
イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の作品は、まるで万華鏡を覗くかのように、曲によってスタイルが違います。例えば、以前リリースされたオルガン作品集(8.572169)での古典的な雰囲気を頭の中に準備してから、ここに収録された「ヨハネの黙示録のためのミサ曲」を聴くと、そのあまりの違いに驚いてしまうことでしょう。典礼文を死者たちの叫びが直接響いてくるような響きに載せて描いた音楽は、あまりにも衝撃的で、その恐ろしい様相に打ちひしがれてしまう人もいるかも知れません。かたや「5つの偽作」は同時期の大作曲家たちの作風を揶揄しています。イギリスの大詩人、フィリップ・ラーキンの告別式で演奏された「ラーキンズ・ジャズ」は11の部分からなるナレーターとアンサンブルのための作品です。現代的な響きの中に溶け込むジャジーな音色は妙な気分を否が応でも盛り上げます。
NAXOS-8.559258
アダモ:後期ヴィクトリア朝時代、他
後期ビクトリア朝時代
の天使より「天の女王」
「女の平和」序曲/オールコットの音楽
リー・プーリー(S)
アンドリュー・サリヴァン(ナレーター)
ドティアン・ラヴァリア(ハープ)
シルヴィア・アリメナ(指)エクリプスCO
「現在最も称賛されるオペラ作曲家」であるアメリカのマーク・アダモ(1962-)の作品集です。彼の音楽には様々な世論が反映され、常に多くの人への問題提起を怠ることがありません。例えば、最初はメゾ・ソプラノの歌曲集として着想された「後期ビクトリア朝時代」も、書き進めていく間に彼の思いが熟していき、一時は書くことができなくなってしまったほどだったと作曲家は語ります。語りと歌による劇音楽に、情熱の作家エミリー・ディキンスンの詩が美しく溶け込んでいます。闘病中のAIDS患者から得た霊感、中世の人々の途切れた記憶、反戦、オールコットの「若草物語」、そして、ハイドンの交響曲「告別」など色々なものから触発された彼の作品は現代人の疲れた心にひとときの安らぎと幽かな疑問を投げかけることでしょう。
NAXOS-8.559641
シェーンフィールド(1947-):キャンプの歌(2001)
ゲットーの歌(2008)
ジェラード・シュワルツ(1947-):ルドルフとジャネット(世界初録音)
アンジェラ・ニーデルロー(Ms)
エリック・パース(Br)
モーガン・スミス(Br)
ポール・シェーンフィールド(P)
ミナ・ミラー(P)
ジェラード・シュワルツ(指)
ミュージック・オブ・リメンブランス
この胸を切り裂くかのような悲痛な2つの歌曲集。どちらもナチスの迫害を生き延びた人々の激情、脆弱な希望、そして絞り出されるかのような幽かなユーモアを織り交ぜたテキストによるものです。2004年11月8日に英語ヴァージョンが世界初演された「キャンプの歌」は2003年のピューリッツァー賞のノミネート作品です。曲自体は、どこかマーラーの「子どもの不思議な角笛」を思わせる素朴でアイロニカルなもの。ちょっと聴いただけでは、どちらかというと明るさが勝っていているような印象を受けますが、「本当に悲しい時には涙も出ない」と言われるように、どの曲にも執拗なまでの生への渇望が込められているのです。2008年5月12日に世界初演された「ゲットーの歌」はユダヤの音楽家&詩人モルデカイ・ゲビルティヒの詩による歌。やはり静かな怒りに燃える、心がずっしり重くなる歌曲集です。
NAXOS-8.570764
シューベルト:ミサ曲第4番ハ長調D452Op.48
ミサ曲第2番ト長調D167/ドイツ・ミサD872
モルテン・シュルト=イェンセン(指)
インモータル・バッハ・アンサンブル
ライプツィヒCO
8歳から7年間、聖歌隊で活躍したシューベルト(1797-1828)はミサを知り尽くしていたため、自身でもいくつかの素晴らしい宗教作品を書きました。彼が完成させたミサ曲は6曲あり、第2番は1815年3月初めの作品でオーケストレーションの一部には彼の兄が手を加えているとも言われます。しかしその溢れ出る才能は到底汲みつくせるものではなく、簡素な中にも荘厳さを備え、また彼独自の豊かな歌心が随所に感じられます。本来の典礼文を少しだけ省略しているため、正式なミサ曲として用いることは困難ですが、そのせいで芸術的価値が損なわれるものではありません。1816年の6〜7月に書かれた第4番は1825年にようやくウィーンで初演されましたが、ベネディクトゥスは後の1823年に改作され、なぜか小さな編成に変えられてしまいました(こちらはD961の独立した番号が与えられています)ドイツ・ミサは1826年から27年に書かれたもの。一見、驚くほど極めて単純な曲に見えますが、晩年のシューベルトらしい奥深く美しいメロディに彩られた名作です。
NAXOS-8.572110
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第33集(パート・ソング第3集)
酒宴の歌「友よ、輪になれ」D75
愛の精(第2作)Op.11-3/D747
夜うぐいすOp.11-2D724
酒宴の歌「さあ、みんな陽気にやれ」D267
坑夫の歌D268/小さい村D641
ポンスの歌D277/今過ぎ去る現在D710
酒宴の歌「兄弟たちわれらが人生の行路」Op131-2D148
弁護士D37/春の歌(第2作)Op.16-1D740
美しき夜にOp.81-3D903/墓(第3作)D377
月の光D875/矛盾Op.105-1D865a
夜の明かりOp.134D89
マルクス・シェーファー(T)
マーカス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マーカス・フライク(Bs)
マルクス・シュミードル(Bs)
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
第1集(8.570961)、第2集(8.570962)が大好評、シューベルト(1797-1828)のパート・ソングの第3集です。ここに収録されているのは、全て男声のための作品です。当時のドイツの風潮からしても、女声を含んだ曲に比べると男声のための作品の方がレヴェルが高いことは否めません。男たちは事あるごとに酒場に集い、歌っては友好を深め、また愛国心を深めていたに違いありません。「歌う社会」はほとんどの町の中で形成され、彼らのアンサンブルのための曲は幾つあっても足りなかったことでしょう。もちろんシューベルト自身がその「歌う社会」の中の住人だったことも忘れてはいけません。そんな理由で(女性としては悔しいですが・・・)このような素晴らしい作品が数多く生まれてきたのです。
HIS-8.111005
グレート・コンダクター・シリーズ/フルトヴェングラー初期録音集第4集
ワーグナー:「ローエングリン」第1幕前奏曲(録音1930年)
 「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死(録音1930年)
 ジークフリートの葬送行進曲(録音1933年)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番(録音1930年)
 ハンガリー舞曲第10番(録音1930年)
J.シュトラウス:「こうもり」序曲(録音1936年)
R.シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら(録音1930年)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指)BPO

※マーク・オーバート=ソーン復刻
フルトヴェングラーの初期録音集の第4集です。まだ各々の作曲家たちの影が色濃く残っていた時代の録音であり、とりわけR.シュトラウスは当時まだばりばりの現役でもあったためか、フルトヴェングラーの「ティル」の解釈には並々ならぬ愛情が感じられます。軽妙なはずの「こうもり序曲」にさえ、ちょっぴり深刻なムードを漂わせているのも面白いところです。ここで胸震わせる程に重厚な「トリスタン」を聴かせた彼は、後の1952年にあの有名な全曲盤をものにしていることも忘れてはなりません。もう幾度となく復刻されている伝説の名演を、マーク・オーバート=ソーンによるこだわりの音で。
HIS-8.111349
グレート・ヴァイオリニスト/ジョコンダ・デ・ヴィート
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*
ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn)
トーマス・ビーチャム(指)RPO
パウル・ファン・ケンペン(指)ベルリン・ドイツ・オペラ・ハウスO*

録音1949年5月3-4日EMIアビーロード・第1スタジオ、1941年5月25日ベルリン*
イタリアの女性ヴァイオリニスト、ジョコンダ・デ・ヴィートの極め付けの名演、ブラームスの協奏曲を聴いてみてください。25歳でウィーン国際コンクールで優勝するも、そのまま演奏活動に入らず、ずっと後進の指導にあたり、ようやく1942年にブラームスの協奏曲を弾いてイタリアにデビューしたという話は良く知られています。彼女は同時代のカセッラやピッツェッティの作品を深く理解していたにもかかわらず、実際のレパートリーは限られたものでした。しかし、それらはどれも心行くまで昇華された納得の行く演奏で、このDGへの録音であるブラームスもモーツァルトも幅広い表現力と歌うようなビブラートを特徴とする朗々とした音色が心に残ります。
HIS-8.120886
ウィルソン:ザ・ミュージック・マン‐76 本のトロンボーン
(オリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング 1957 年)
Overture/Rock Island/Iowa Stubborn/Ya Got Trouble/Piano Lesson/Goodnight My Someone/Seventy-Six Trombones/Sincere/The Sadder-But-Wiser/Pick-A-Little - Goodnight Ladies/Marian The Librarian/My White Knight/Wells Fargo Wagon/It's You /Shipoopi/Lida Rose/Gary, Indiana/Till There Was You/.Finale/ill I Met You/Iowa Stubborn/Goodnight My Someone/Pick-A-Little, Talk-A-Little/Marian The Librarian/Till There Was You/Seventy-Six Trombones
ロバート・プレストン/バーバラ・クック
エディ・ホッジス/パート・ケルトン 他
ハーバ ート・グリーン(指)スタジオ・オーケストラ
アイリーン・ウィルソン/
メレディス・ウィルソン&ヒズ・オーケストラ
メレディス・ウリル ソン&ヒズ・オーケストラ
1957年にブロードウェイで初演、その翌年にはトニー賞9部門を受賞、その後ブロードウェイで再演され、2003年にはサラ・ジェシカ・パーカーの夫、マシュー・ブロデリック主演でTVムービー化もされたメレディス・ウィルソン原作、大人気ミュージカルのオリジナル・キャスト録音です。「少年楽団を作る」と言っては金を巻き上げ、そのまま行方をくらます詐欺師ハロルド・ヒル。アイオワ州リバーシティで新たな仕事をしようと網を張りますが、そこで出会った女性、マリアンと恋に落ち・・・・。「76本のトロンボーン」は劇の中の代表曲で、彼が善良なる人々をだます時に「少年たちにすごいマーチングバンドでパレードをさせませんか?」と想像させるための曲。結局のところ、これが最後には実現してしまうというオチが感動を呼ぶのです。

NAXOS 2009年12月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS
NAXOS-8.572102(1CD)
地に平和を〜クリスマス・アンソロジー
ホルスト:クリスマスの朝
ジュベール(1927-):かくも麗しいバラはない
マティアス:サー・クリスマス
ハウエルズ:ここに小さな扉がある/穢れなきバラ
フィンジ:地に平和を
ウォーロック:3つのキャロル[ティルリー・ティルロー/バルラロウ/プラタナスの木の下で]
レイトン(1929-1988):キリスト降誕祭の賛歌
ラター:なんて甘い音楽
ガードナー:明日は踊りましょう
マティアス:ひとりのみどり子が生まれた
ヴォーン・ウィリアムズ:四季の民謡〜「冬」<子どもたちのクリスマスの歌/クリスマスの宴の歌/ベツレヘムにて/神の祝福>
ジュリア・ドイル(S)
ロデウィック・ウィリアムス(Br)
マーク・ウィリアムス(Org、チェレスタ、P)
ロンドン市cho
デイヴァン・ウェットン(指)ボーンマスSO
1年で最も大切な祝祭日であるクリスマスのために古来から様々な合唱作品が書かれてきたのはご存知の通りです。荘厳な祈りから小さな子どもたちの素朴な歌まで、この神聖な日のために数えきれないほど多くの歌が歌われてきました。イギリスのキャロルは、最初は13世紀頃にフランスから伝えられた小さな舞曲が発祥。14世紀から15世紀に100曲あまりが作曲され主に女子修道院で歌われたようです。そんな素朴な歌が、時代を経るに従って複雑な声部を纏い、壮麗な形へと発展していくのですが、その根底に流れるのは全て「喜び、感謝」の気持ちです。街の喧噪を離れ、一人静かに良き日に思いを馳せるための極上の1枚です。
NAXOS-8.572167
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番&第9番
交響曲第5番ニ短調「革命」Op.47
交響曲第9番変ホ長調Op.70
ヴァシリー・ペトレンコ(指)ロイヤル・リヴァプールPO
最近注目の若手指揮者の中でも、とりわけ有望株の一人であるヴァシリー・ペトレンコ。その活躍は目覚ましく、彼が指揮したチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」(8.570568)は2009年のグラモフォン・アウォードも受賞、ますます目が離せない存在となっています。このショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲集の第2集は有名な第5番と第9番のカップリングです。重苦しい雰囲気を持つ第5番、諧謔的な第9番と、そのキャラクターは対照的ですが、スタイリッシュで現代的な感覚が盛り込まれているところは変わりありません。
NAXOS-8.572174
メシアン:ミの為の詩、他
歌曲集「ミの為の詩」(ソプラノと管弦楽版)第1集/第2集
忘れられた捧げ物/ほほえみ
アンネ・シュヴァネヴィルムス(S)
準・メルクル(指)フランス国立リヨンO
愛と信頼、死および永遠、そして鳥の歌。これらはメシアン(1908-1992)にとって、永遠のテーマです。「忘れられた捧げもの」は彼にとって最初に公表された管弦楽作品で、「捧げもの」とはキリストの無償の愛。それを忘れてしまい罪を重ねる人間の姿、忘れない為の聖体秘跡、これらが音によって描かれます。「ミの為の詩」はメシアンによる極めてシンボリックな愛の歌。最初の妻クレア・デルボスに捧げられた9つの神秘的なテキストによります。もちろん「ほほえみ」では随所に鳥の声が聞こえてきます。メシアン入門としても最適なこの1枚。準・メルクルの紡ぐ柔らかいオーケストラの音色と、硬質な響きを持つシュヴァネヴィルムスのソプラノは聴き手を陶酔の世界へと連れていきます。
NAXOS-8.572191
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽の為の作品集第1集
ツィゴイネルワイゼンOp.20
スペイン風アリアOp.18(ヴァイオリンと管弦楽編)
ミラマール=ソルツィーコOp.42(ヴァイオリンと管弦楽編)
ペテネラスOp.35(ヴァイオリンと管弦楽編)
ノクターン・セレナードOp.45
ビバ・セビーリャOp.38(ヴァイオリンと管弦楽編)
「白衣の婦人」による幻想曲Op.3
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナバーラSO
すすり泣くようなヴァイオリンが印象的な「ツィゴイネルワイゼン」で知られるサラサーテ(1844-1908)。しかし、彼の他の作品は想像以上に知られていないのが実情です。サラサーテは、1844年にスペインのパンプローナで生まれました。父は連隊の楽団指導者で、幼いパブロにヴァイオリンを教えましたが、才能に溢れた息子はすぐに父を追い越し、もっと技術を磨くためにマドリッドに移ります。彼の早熟な才能は時のスペイン女王イザベラ2世に認められ、支援を受けてパリ音楽院に留学し、それ以降は優れたヴァイオリニストとして活躍することになります。彼の作品のほとんどは、ヴァイオリンと管弦楽のために書かれ、スペインの民族音楽や舞曲を取り入れた華やかなものとなっています。
NAXOS-8.559304
ラウリセン:合唱作品集
ルクス・エテルナより「おお光よりの光」
マドリガル〜イタリア・ルネッサンスの詩による6つの「炎の歌」
ライナー・マリア・リルケの詩による「ばらの歌」
真冬の歌〜ロベルト・グラヴェスの詩によるおお大いなる神秘
レスリー・デアス(P)
ノエル・エジソン(指)
エローラ・フェスティバル・シンガーズ
合唱に携わる人なら、この作曲家の名前に馴染みがあることでしょう。現代アメリカで最も素晴らしい合唱作品を書く人として知られるラウリセン(1943-)の作品集です。「おお、光よりの光」は合唱とオーケストラの為の「ルクス・エテルナ」からの抜粋。光と暖かさに覆われた美しく静かな音楽です。それに対して、マドリガルは「炎の歌」は中世の香りを色濃く身に付けた快活なもの。和声もリズムも活気に満ちていて、要求されるハーモニーの難易度も非常に高くなっています。リルケの詩によるも「ばらの歌」は洒脱なシャンソンです。そしてピアノ伴奏を伴う雄大な「真冬の歌」、様々な作曲家たちのクリスマス・ソングの集大成ともいえる「おお、大いなる神秘よ」と、どれも歌うことの喜びに満ちた佳品ばかりです。
NAXOS-8.559603
スティル:交響曲第4番&第5番
交響曲第5番「西半球」
オーケストラの為の詩曲
交響曲第4番「先住民族の」
ジョン・ジーター(指)フォート・スミスSO
アフリカ系アメリカ人作曲家、ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978)の生涯と経歴は、アメリカにおけるサクセス・ストーリーと言えるでしょう。彼は黒人、インド人、スペイン人、およびアイルランド・スコットランドの血をひく家系に生まれ、3歳の時に父親と死別、教師だった母親のもとでヴァイオリンを学びつつも、第1次世界大戦で音楽の勉強を中断せざるを得なくなります。戦争の後には編曲者、ポップス音楽の演奏家として働きますが、技術的に未熟さを感じた彼は保守派であるチャドウィックと革新派のヴァレーズから様々な刺激を受け、以降、独自の音楽性を確立します。ここで聴ける彼の作品は、古典的なフォルムの中にどことなく民族性を感じさせるワイルドなもの。映画音楽にしてもふさわしい雄大さと、荒々しい音の奔流が心地よさを誘います。
NAXOS-8.570895
R.シュトラウス:家庭交響曲、他
家庭交響曲、メタモルフォーゼン
アントニ・ヴィト(指)
ワイマール・シュターツカペレ
自分のプライヴェートまでを音楽にするのか!と眉をひそめる人も多いかも知れません。この交響曲、確かに書き過ぎちゃっています。のんびり屋で夢見がちな夫(R.シュトラウス(1864-1949)自身と思われる)、快活でおしゃべりな妻(パウリーネでしょう)、かわいい子ども、彼らは全て音で表現され、諍いも睦みあいも全て克明に描かれています。特に第3楽章での濃厚な夫婦の愛の場面では頬が赤らんでしまうことでしょう。あまりにも情報量の多いスコアをきちんと再現するのは本当に困難なのか、あまり実演で取り上げられることもない難曲として知られています。対照的に置かれた悲痛なメタモルフォーゼンは戦争で破壊されたドイツを目の当たりにした晩年の彼の心情を映した作品です。ベートーヴェンの「英雄交響曲」の葬送行進曲をモティーフにした鎮魂歌で、バーバーのアダージョに匹敵する美しさです。
NAXOS-8.559370
アイヴズ:祭日交響曲他
アメリカの祭日交響曲〜第2楽章「戦没将兵記念日」(J.シンクレア編)
スロッカム将軍(D.G.ポーターによるリアリゼーション)*

序曲ト短調(D.G.ポーターによるリアリゼーション)*
アメリカの祭日交響曲〜第3楽章「独立記念日」(W.
シャーリーによるリアリゼーション)
イェール対プリンストンのフットボール・ゲーム(J.シンクレアによるリアリゼーション)
へ調の後奏曲(K.シングルトン編)
アメリカの祭日交響曲〜第4楽章「感謝祭」(J.エルクス編)
ジェイムス・シンクレア(指)マルメSO、
マルメ室内cho

*=世界初録音
あのストラヴィンスキーも傑作と認めたアイヴズ(1874-1954)の祭日交響曲です。アイヴズが幼年期から構想を練っていたという、アメリカにおける大切な祝日のために書かれた音楽は、「ワシントンの誕生日」(この曲のみ8.559087に収録)「戦没将兵記念日」「独立記念日」「感謝祭」の4つの楽章から出来ています。このアルバムでは、それらの楽章にいくつかの別の作品を組み込み、あたかも別の独立した作品のような一大人間ドラマを作り上げることに成功、アイヴズの観察眼の鋭さと、人間の営みへの大いなる賛歌として、このアルバムの存在感を高めています。
NAXOS-8.570991
ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲集
1楽章のヴァイオリン協奏曲ト短調Op.3
ヴァイオリン協奏曲「ハンガリー風」Op.11
キム・スーヤン(Vn)
ミヒャエル・ハラース(指)ワイマール・シュターツカペレ
メンデルスゾーンにヴァイオリンを学び、ワイマールでコンサートマスターを務め、まずリストとワーグナーと親しくなり、その後シューマンやブラームスを知ってからは一転、リストやワーグナーを批難するという、まさに「我が道を行った」音楽家ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)。現在での彼の名前は、どちらかというと演奏家としてのみ知られていますが、ここで聴けるような極めて音楽性の高い作品も書いていたのです。1851年に書かれリストに献呈されたヴァイオリン協奏曲はメンデルスゾーンの影響を強く受けていて、要所にみられる泣かせるメロディがたまりません。1857年に書かれたOp.11の協奏曲は、長大な第1楽章と、極めて技巧的で民族的な味わいを持つフィナーレが特徴的。この演奏困難な作品を2006年ハノーヴァー国際コンクール優勝者のキムが余裕で弾ききっています。これはため息ものの1枚です。
NAXOS-8.570977
イザイ:弦楽三重奏曲「シメイ」他
2つのヴァイオリンの為のソナタイ短調遺作
弦楽三重奏曲「シメイ」遺作
無伴奏チェロの為のソナタOp.28
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
バルド・メンセン(Vn)
ラース・アネルス・トムテル(Va)
オーレ=エイリク・リー(Vc)
イザイ(1858-1931)と言えば、6つの無伴奏ソナタがとりわけ有名ですが、このベルギーの作曲家はヴァイオリンの更なる可能性について常に探究を怠ることはありませんでした。ここで聴ける「2つのヴァイオリンの為のソナタ」でのぞくぞくするような音楽的緊張感を味わってしまうと、もうイザイの魔力から逃れることは不可能でしょう。このソナタは1915年にベルギーのエリザベート王妃のために書かれていて(彼女はイザイにヴァイオリンを教わっていた)、実際に演奏されたかはわかりませんが、何ともロマンティックな響きを持っています。1927年に書かれた弦楽三重奏は、イザイの死後に初演されました。あまり演奏されることのない秘曲ですが、どことなくドビュッシー風の音も感じられる魅力的な作品です。最近めきめきと頭角を表しているクラッゲルードと彼を取り巻く仲間たちの、とろけるような名演でどうぞ。
NAXOS-8.557804
タネーエフ:ヴァイオリン・ソナタ&ピアノ作品集
ヴァイオリン・ソナタイ短調
主題と変奏ハ短調/エレジーホ長調
スケルツォニ短調*/スケルツォト短調*
スケルツォ変ホ短調*/スケルツォハ長調*
スケルツォヘ長調*/前奏曲ヘ長調
カドリーユ*/アンダンティーノ・センプリーチェ
前奏曲とフーガ嬰ト短調Op.29
10のロマンスOp.26〜第6番「鍾乳石」(Vn&P編)
イヴァン・ペシュコフ(Vn)
オルガ・ソロヴィエヴァ(P)

*=世界初録音
偉大なる作曲家タネーエフ(1586-1915)は、実はピアニストとしても有名で、彼のコンサートは「モスクワ全土の為の音楽の祝賀」と称されるほど高く評価されていました。彼はニコライ・ルビンシテインにピアノを学び、モスクワ音楽院に入学後はすぐさま最も優れたピアニストとして知られるほどでした。あの有名なチャイコスキーのピアノ協奏曲のモスクワ初演もタネーエフが行っています。しかし、タネーエフがピアノのために書いた作品は驚くほど少なく、また演奏される機会もほとんどありません。ここに収録された作品もほとんどが世界初録音というものばかりです。彼の円熟した作曲技法が楽しめるヴァイオリン・ソナタも聴きどころのひとつです。
NAXOS-8.559653
ファン・リュー:4つのコーナーのために
ドラマ・シアターNo.2「移動する日陰」
ドラマ・シアターNo.3「風と共に散る」
ドラマ・シアターNo.4「4つのコーナーのために」
弦楽四重奏曲第1番「3つの緊張」
ファン・リュー(指)
フューチャー・イン・リヴァース(アンサンブル)
1976年生まれのファン・リューはアヴァンギャルドな作曲家であると同時に、指揮者、そして中国国内で広く知られるフォーク&ロック・シンガーでもあります。このアルバムでも極めてユニークな音楽が展開されています。東洋、西洋の様々な楽器を縦横無尽に駆使し、多彩な音を鳴らしまくる「ドラマ・シアター」は、1998年から構想された5つの部分からなる大作です。各々の奏者は楽器をただ演奏するのではなく、歌い、語り、お互いに影響を及ぼさなくてはいけないとされています。しかし、その作品は某教育番組のアニメーションのバックにでも流したらいいかも。と思ってしまうほどの楽しいものです。各々の副題は多くのことを示唆しているので、聴き手は想像力を極限まで働かせなくてはいけません。
NAXOS-8.570497
ティペット:弦楽四重奏曲集第2集
弦楽四重奏曲第3番(1945-46)
弦楽四重奏曲第5番(1990-91)
ティペットSQ[ジョン・ミルズ(第1Vn)/ジェレミー・アイザック(第2Vn)/マキシン・ムーア(Va)/ボツィダール・ヴコティク(Vc)]
同じ団体による第1集(8.570496)をお聴きになった方ならおわかりの通り、この第2集もすばらしい出来栄えです。ティペッ
ト(1905-1998)にほれ込み、団体の名前に据えてしまうほどの若きイギリスの演奏家たちによるこの第3番と第5番の弦楽四重
奏曲は、どちらもティペットが敬愛していたベートーヴェンの影響が見てとれます。後年のティペットに見られるような劇的
な作風ではなく、ソナタ形式に基づき、要所要所で対位法を用いた、ある意味古典的なフォルムを用い、そこに現代的な味付
けを施したこれらの曲は20世紀の室内楽作品の中でも極めて重要な作品として数えられることでしょう。
NAXOS-8.572213
ヒンデミット:室内楽作品集
クラリネットとピアノ・トリオの為の四重奏曲
クラリネットとピアノの為のソナタ
チェロとピアノの為の3つのやさしい小品
クラリネット,2つのヴァイオリン,ヴィオラとチェロの為の五重奏曲Op.30
シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン[アンネット・フォン・ヘーン&エリザベス・グラス(Vn)、/ヘルトム−ト・ローデ(Va)、フランク・ドッジ(Vc)、ラース・ウーターズ・ファン・デン・オウデンウェイェル(Cl)、ヤ=フェイ・チュアング(P)]
作曲家、指揮者、ヴィオラ奏者として知られるヒンデミット(1895-1963)ですが、彼は他にも、ヴァイオリン、ピアノ、クラリネットなど様々な楽器を易々と演奏できる腕の持ち主で、当然彼の書いた器楽曲や室内楽曲は、楽器の構造を存分に知りつくした機能的なものとなりました。このアルバムでは主にクラリネットが大活躍する作品を収録。シリアスな場面からユーモラスな場面まで縦横無尽にメロディを吹きまくるクラリネットの妙技には驚く他ありません。オランダの名手オウデンウェイェルの深く美しい音色でこの知的な作品をお楽しみください。
NAXOS-8.570948
オアナ:十弦ギターの為の作品集
ティエント/日が昇れば/月時計
グラハム・アンソニー・デヴァイン(G)
モロッコ生まれの作曲家、オアナ(1913-1992)は本来はユダヤ系の血筋を持ちながらも、父親がジブラルタル(イベリア半島のイギリス領土)出身だったため、イギリス国籍を取得しました。パリで学び、ドビュッシーとファリャから強く影響を受け、一時期はローマでカセッラにも学び、少しずつ独自の作風を模索、円熟期には、フラメンコとアフリカの民族音楽、そして中世音楽にも魅了されるなど、様々な風土の影響を受けた情熱的な作品を多く書いています。ギターの作品も多く書いていて、どれもスペインの音楽に現代的な味付けを施した熱い曲ばかり。ここでは名主デヴァインの弾く十弦ギターの深い響きを心行くまで堪能することができるでしょう。
NAXOS-8.572298
ミヨー:歌曲集「アリッサ」他
歌曲集「アリッサ」〜アンドレ・ジッドの「狭き門」による組曲Op.9
歌曲集「愛は歌う」Op.409*
キャロル・ファーリー(S)
ジョン・コンステイブル(P)

*=世界初録音
フランス六人組の中心人物であったミヨー(1892-1974)は、その生涯に数多くの名曲を生み出しました。このアルバムにはそんなミヨーの最後のスコアであり、かつ最も興味深い歌曲集「愛の歌」の世界初録音が含まれています。この「愛は歌う」は様々な詩人たちの愛の主題による言葉を、短くも完結な音楽で紡ぎ出し、微妙な感情の揺れを見事なまでに音にしています。ジッドの狭き門による連作歌曲「アリサ」と、彼が雑誌で見つけたテキストを元にした「ユダヤの詩」もドビュッシーを思わせる多感な表現が魅力的です。
NAXOS-8.572161
メンデルスゾーン&バッハ:モテット集
メンデルスゾーン:マニフィカトニ長調
 弦楽の為のシンフォニア第12番ト短調〜第1楽章
バッハ:マニフィカトニ長調/
メンデルスゾーン:アヴェ・マリアOp.23-2
バーガー・ラッド(T)、イェール・ヴォクステット、
サイモン・キャリントン(指)
イェール・コレギウム・プレイヤーズ
極めて才能ある10代の若き音楽家、メンデルスゾーンが宗教曲を書く際、自らのお手本にしたのは、当時ほとんど忘れ去られてしまっていたJ.S.バッハ、および彼の息子C.P.E.バッハの作品でした。聖母マリアの賛美の歌である輝かしい「マニフィカトニ長調」は何とメンデルスゾーン13歳の作品。ホルンなどの使い方はバロックの様式をそのまま継承し、J.S.バッハの作品から幾獏かのモティーフを拝借、ちゃっかり自作の中に忍び込ませているところなど、なかなかのやり手です。トラック7に置かれた「弦楽の為のシンフォニア」のフーガは、同じ時期に書かれた彼の全くのオリジナル。半音階を多用したメロディが不可思議な気分を喚起します。1830年に書かれたアヴェ・マリアはすっかりメンデルスゾーンらしさを身につけたもの。後の「エリア」に続く壮麗な作品です。
NAXOS-8.572265
甘き欲望にとりつかれ
ノートルダムのレパートリー<ペロタン(1180-1225):アレルヤ、われは援助を与え/ペロタン:すべての国々は見たり>
作者不詳:女吟遊詩人たち<騎士よ、私はあなたの元へ/私は若く可愛らしい/忍耐強く、私のだんなさま/もし誰かが私を見ていたら/黒髪の彼は私を修道院から連れ去ってくれない/誰も私を慰めてくれない/甘き欲望に取りつかれ>/
ノートルダムのレパートリー<ペロタン:王たちは座り/作者不詳:クラウズラ「死は」/レオナン(1150-1201):われ汝を遣わして孤児とはせず>
ボー・ホルテン(指)ムジカ・フィクタ
女性作曲家、演奏家が注目されはじめたのは20世紀になってから。それまでは、よほどの事がない限り、どんなに才能があった女性がいたとしても、その才能は過小評価され、埋もれてしまったのです。特に中世は教会でも俗世でも男性が中心。女性が活躍する場はほとんど与えられていませんでした。しかし、ノートルダムの宗教曲レパートリーにも、吟遊詩人たちの歌の中にも女声にふさわしいものが数多くありましたし、歌詞の内容も女性たちの切実な願望が隠されているものがたくさんあるのです。そうです!女性たちが歌っていなかったはずはありません。通常耳にする男性の裏声とは違う、切れ味鋭い女声のアンサンブルは、体の芯を心地良く刺激してくれるでしょう。
NAXOS-8.572317
リュッティ:レクイエム オリヴィア・ロビンソン(S)、
エドワード・プライス(Br)、バッハcho
ジェーン・ワッツ(Org)
デイヴィッド・ヒル(指)サザン・シンフォニア
スイス生まれの作曲家リュッティ(1949-)のレクイエムです。彼はチューリヒでピアノとオルガンを学び、その後イギリスで当地のchoを聴き、その高い技術に深く感動し「彼らのために合唱曲を書こう」と決意しました。それ以来、宗教曲を含む数多くの合唱曲を発表、それらはイギリスとアメリカのchoによって広く愛唱されています。このレクイエムはソプラノとバリトン独唱、2組の聖歌隊、弦楽合奏、ハープおよびオルガンのために書かれたもので「残された人の感情をほぐすために、言葉は強い力を持っていない。しかし、音楽ならば、死の後に何が私たちを待っているのかを存分に説明してくれる」と作曲家が語っています。
NAXOS-8.660224
ルベル&フランクール:歌劇「シルフの王、ゼランドール」他
歌劇「シルフの王、ゼランドール」(1745)
「トロフィー」組曲(1745)*
ジャン=ポール・フシェクール(T)
ハイディ・グラント・マーフィー(S)
ウィリアム・シャープ(Br)、ホン・アヤン(S)
ライアン・ブラウン(指)オペラ・ラファイエットO&cho
ハイディ・グラント・マーフィー(S)*
ジャン=ポール・フシェクール(T)*
ライアン・ブラウン(指)オペラ・ラファイエットO&cho*
冒頭の不協和音が有名なバレエ組曲「四大元素」で知られるバロックの大作曲家ルベルの長男、フランソワ・ルベル(1701-1775)も優れたヴァイオリン奏者でした。1715年、彼は友人フランクール(1698-1787)(こちらはヨーゼフ・フランクールの息子)とともにプラハに行き、そこでフックスのオペラ「忍耐と堅忍」の上演に立ち会い、刺激を受けました。彼ら2人はそれからパリに行き、より友好を深め、以降49年もの長い間、強い友情で結ばれ、その結果いくつものオペラが生み出されたのです。このオペラは1745年にベルサイユで上演された楽しいロココ調の牧歌劇です。ずっと忘れられていた作品ですが、ラファイエットによるこの素晴らしい演奏で色鮮やかに蘇りました。フルオーケストラと合唱付きでの演奏は世界初録音となります。
NAXOS-8.504016(4CD)
ダウランド:リュート音楽集BOX ナイジェル・ノース(Lute)

(8.557586第1集/8.557862第2集/8.570449第3集/8.570284第4集のセット化)
ジョン・ダウランド(1563-1626)は後期ルネッサンス時代のイギリスの作曲家、リュート奏者です。彼の素朴な旋律美に溢れたリュート音楽は、時を超えて現代の芸術家たちにも愛されています。ナイジェル・ノースは言わずと知れたダウランドの第1人者。彼の演奏は、全ての曲から変幻自在の表情を引き出して、私たちに典雅なる喜びを与えてくれるのです。
8.505225(5CD)
マックスウェル・デイヴィス:NAXOS弦楽四重奏曲全集BOX マッジーニQ

(8.557396第1番&第2番/8.557397第3番&第4番/8.557398第5番&第6番/8.557399第7番&第8番/8.557400第9番&第10番のセット化)
現在、スコットランドの北に位置するオークニー諸島で暮らす作曲家マックスウェル・デイヴィス卿(1934-)。彼の作品は確かに難解ではありますが、それはこの世のありとあらゆるものを自身の作品に取り入れ、肥大化した情報をきちんと整理したからに他なりません。このNAXOS弦楽四重奏曲は、ナクソス委嘱作品でもあり、作曲家のライフワークでもあります。占星術、絵画、世界情勢、彼が触発された様々な物が投影された独自の音世界は、聴き手に自らの心を向き合う姿勢をも要求する孤高の世界でもあります。
NAXOS-8.111339
グレート・コンダクター・シリーズ/カラヤンのベートーヴェン
交響曲第1番、交響曲第3番「英雄」*
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指)
フィルハーモニアO

録音:1953年11月21日、1952年12月1日* ロンドン、キングスウェイ・ホール
※マーク・オーバート=ソーン復刻
若き推進力溢れるカラヤン」を楽しみたい人にオススメの1枚。幾度となくリマスターされ、かつ再販される名演で、改めて、こうして聴いてみると「カラヤンって素晴らしい」と素直に感じてしまいます。ベートーヴェンの交響曲を何度も録音したカラヤンですが、このフィルハーモニア管との演奏には特別な存在感があるのです。第1番の交響曲の冒頭の計算され尽くした音のバランスを耳にしただけでも、この演奏に漲る力を感じ取れることでしょう。「英雄」の第1楽章で提示部を繰り返すことなく、どんどん突き進んでいくところなども若きカラヤンが唯唯諾々と己の内なる声に従う様が見て取れます。モノラル録音のハンデは一切感じられない瑞々しい音も魅力です。
NAXOS-8.111342
グレート・コンダクター・シリーズ/ケンペ
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
エリーザベト・グリュンマー(S)
聖ヘトヴィク大聖堂cho

ルドルフ・ケンペ(指)BPO
録音:1955年6月ベルリン,イエス・キリスト教会
※マーク・オーバート=ソーン復刻
どちらかというと「辛気臭い」と言われがちなブラームスの名曲「ドイツ・レクイエム」の隠れたる名演です。グリュンマーの楚々とした歌声、フィッシャー=ディースカウの張りのある低音。そして何よりケンペらしいゆったりとしたテンポと重厚な管弦楽の響き。完全無比と崇められるクレンペラー盤に比べても何の遜色もないほどの出来なのに、モノラルのせいか、なぜかあまりCD化されることもなかった演奏(一時期疑似ステレオ盤が出回りました)です。この機会にじっくりとその真価をお確かめください。

NAXOS 2009年11月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.570527
タネーエフ:カンタータ「聖イオアン・ダマスキン(ダマスカスの聖ヨハネ)Op.1
協奏的組曲Op.29
イリヤ・カーレル(Vn)
グネーシン・アカデミーcho
トーマス・ザンデルリンク(指)ロシアPO
1883年、アントン・ルビンシテインの死を悼んで作曲されたカンタータ「聖イオアン・ダマスキン」。ロシア正教会では重要な聖人である聖イオアンは、聖像破壊運動に反対しイコンを擁護、教会の伝統を守った人として讃えられています。タネーエフ(1856-1915)は尊敬するルビンシテインをその聖人になぞらえ、極めて崇高なカンタータを作曲、故人への捧げものとしたのでしょう。協奏的組曲は、彼の友人であるヴァイオリニスト、シボールの依頼で書かれたもので、冒頭からヴァイオリンが艶めかしくも強靭なメロディを奏でる劇的で色彩的な曲。バッハやモーツァルトの時代に書かれたような単純な形式に見えてしまいますが、曲に含まれる「主題と変奏」だけを取り出してみても、その素晴らしい筆致に驚かざるを得ません。NAXOSが誇る名ヴァイオリニスト、カーレルの深みのある音色はこの曲の真価を存分に伝えてくれています。
NAXOS-8.559635
ドアティ:メトロポリス・シンフォニー他
オーケストラのための「メトロポリス・シンフォニー」
ピアノとオーケストラのための「デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)」
メアリー・キャスリン・ヴァン・オズレイル(Vn)
エリック・グラットン(Fl)
アン・リチャーズ(Fl)、テレンス・ウィルソン(P)
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)ナッシュヴィルSO
1938年に原作ジェリー・シーゲルおよび作画ジョー・シャスターにより、アクション・コミックス誌第1号で初登場した世紀のヒーロー、スーパーマン。このメトロポリス・シンフォニーは彼の生誕50周年を記念してドアティ(1954-)がより現代的なモティーフを用いて作曲、5年の歳月をかけて完成されたものです。各々の楽章にはスーパーマンに関係した名称が与えられ、例えば第1楽章では、彼の宿敵であるレックス・ルーサーはヴァイオリンの超絶技巧で表現されるという奇想天外な作品となっています。もう1つの作品である「デウス・エクス・マキナ」は列車を音楽にした作品。「鉄」の方々必聴のアイテムと言えるでしょう。
NAXOS-8.572078
フバイ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調「コンチェルト・ドラマティーク」Op.21
チャールダーシュの情景第3番「マロシュ川」Op.18
チャールダーシュの情景第4番「おいでよカティ」Op.32
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調Op.90
クロエ・ハンスリップ(Vn)
アンドリュー・モグレリア(指)ボーンマスSO
ハンガリー生まれと言っても、実はユダヤ系ドイツ人であるフバイ(1858-1937)(本名はオイゲン・フーバー)。フランス語圏で生活していた二十歳の頃から、好んで「マジャル風」の姓名を名乗るようになったそうで、すっかりハンガリーの作曲家として定着しています。ヨアヒムに教えを受けた名ヴァイオリニストとして活躍し、ヴュータンと親交を結ぶ他に、演奏活動ではチェリスト、ダヴィッド・ポッパーと室内楽演奏のパートナーを組んでいました。第1番の協奏曲は1884年に作曲され、ヨアヒムに捧げられています。名手カール・フレッシュも絶賛した情熱的な作品です。第2番は1900年前後の作品で、輝かしい行進曲調の主題で始まります。ヴァイオリンのメロディは一層情熱的になり、美しいラルゲットを経て、喜ばしい終楽章を迎えます。
NAXOS-8.570589
フランツ・シュミット:交響曲第2番他
交響曲第2番変ホ長調
オルガンと16の管楽器と打楽器のための「フーガ・ソレムニス」
アンダース・ジョンソン(Org)
ヴァシリー・シナイスキ(指)マルメSO
1874年、プレスブルク(当時はハンガリーのポズソニー)で生まれたフランツ・シュミット(1874-1939)は、幼いころから天才ピアニストとしてハンガリーで活躍していましたが、14歳の時、父親が営む運送業が不正行為に加担していたとされ、一家はウィーンへ移住。そこで彼は当時ウィーンで活躍していた音楽家たちと親しくすることができました。彼はシェーンベルクと同じ年であったにも関わらず、生涯を通じて前衛的な音楽に手を染めることはなく、一生を通じて後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。この交響曲第2番は1911年から12年に書かれ翌年にウィーンで初演されました。フランツ・シャルクに献呈されていて、弦楽器の書法などから、当時「最も演奏困難な交響曲」の一つに数えられたほどです。大編成の管弦楽の響きが好きな人にはたまらない作品で、第2ヴァイオリンとクラリネットで開始される第1楽章の冒頭から劇的な色合いを帯びていて、時折聞こえる湧き上がるような金管の咆哮は、あの「7つの封印の書」の一節をも思い起こさせてくれます。何といってもこの曲の特徴的なところは第2楽章の長大な変奏曲でしょう。珍品「フーガ・ソレムニス」もすごくカッコイイ作品です。
NAXOS-8.572065
パイジェルロ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ長調
ピアノ協奏曲第3番イ長調
ピアノ協奏曲第5番ニ長調
フランチェスコ・ニコロージ(P)
ルイジ・ピオヴァーノ(指)カンパニアCO
1740年イタリアのタラントに生まれたパイジェルロ(1740-1816)は、もともと神学校で歌手として認められ、後に幕間劇を書き作曲家として名声をあげてからオペラの作曲に勤しみました。ナポリで一連の成功作を発表し、1776年にエカチェリーナ2世に招かれサンクトペテルブルクの宮廷に赴き8年間を過ごします。この間にあの「セヴィリアの理髪師」を作曲し一世を風靡したのですが、パイジェルロが没した年に、同じ題材でロッシーニが書いたオペラの方が人気が出てしまい、以降彼の作品のほとんどは忘れ去られてしまったのです。このピアノ協奏曲はモーツァルトを意識して書かれたとされますが、どちらかというと自らの技巧の誇示のためでなく、後援者である貴族たちのために書かれたもののようですが、随所に現れる卓越したピアノの書法と類い稀なる美しいメロディはこれらの作品の存在価値を否が応でも高めてくれています。
NAXOS-8.570421
ガスマン:オペラ序曲集
歌劇「重大な夜」序曲/歌劇「鳥を捕える人」序曲
歌劇「哲学と愛」序曲/歌劇「田舎の家」序曲
歌劇「伯爵令嬢」序曲
歌劇「ばかばかしい旅行者」序曲
歌劇「哲学者の愛」序曲/歌劇「職人の恋人」序曲
歌劇「狂人が作り出す多くのもの」序曲
歌劇「漁師の娘」序曲
シルヴィア・アリメナ(指)エクリプスCO
ボヘミアの作曲家、ガスマン(1729-1774)は当時グルックと比肩するほどのオペラ作曲家でした。あのモーツァルトも彼の事を高く評価したと言います。そんなガスマンは、創作の絶頂であったであろう1774年に馬車から落下するという不慮の事故に見舞われ、そのまま45歳の生涯を閉じてしまいます。彼がもしもっと長生きをしたならば、その名声は一層光り輝くものになっていたに違いありません。ここに収録したの序曲はどれも18世紀のオペラの序曲(シンフォニア)の特徴である急-緩-急のパターンに従ったもので、どれも明るく陽気で、美しく、ちょっぴり感傷的。ぜひ全曲を聴いてみたいと思わせる魅力的な作品ばかりです。
NAXOS-8.572041
R・シュトラウス:ヨゼフ伝説、他
「ばらの騎士」組曲Op.59,TrV227d
「影のない女」による交響的幻想曲TrV234a
ヨセフ伝説からの交響的断章TrV231a
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の「ばらの騎士」を聴いたことがあっても、「影のない女」までは中々手が届かない人が多いのではないでしょうか。ましてや、中期の隠れた迷作「ヨーゼフ伝説」に至っては、そんな作品あったの?くらいにしか認識されておりません。モーツァルトの「魔笛」を意識して書かれた「影のない女」は、魔界と人間界を行き来して織りなされるファンタジー色溢れる作品で、当然オーケストラの書法も凝ったものとなっていて、壮麗さと透明さを併せ持つ素晴らしい響きに満ちています。かたや「ヨーゼフ伝説」は、あのディアギレフの依頼によって書かれた1時間ほどのバレエ音楽。シュトラウスはその中から3分の1ほどの曲を新たに汲み上げ、この魅力的な作品へと昇華させました。これらを演奏するのはNAXOS期待の女性指揮者ジョアン・ファレッタです。「ばらの騎士」組曲では金管楽器の咆哮に若干の不満が感じられるものの、「影のない女」の厚みのある響き、それに相対するかのような「ヨーゼフ伝説」での室内楽的な透明感あふれる音色は言葉に尽くせないほどの満足感が得られます。
NAXOS-8.570002
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集第2集
カプリッチョホ短調Op.81-3
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13
フーガ変ホ長調Op.81-4
弦楽四重奏曲第5番変ホ長調Op.44-3
ニュージーランドSQ
エレーヌ・ポール(第1Vn)/ダグラス・ベイルマン(第2Vn)/ジリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ジェルステン(Vc)
1830年、メンデルスゾーン(1809-1847)は高名な作曲家マルシュナーの前で、第2番となるOp.13の弦楽四重奏曲を演奏しました(作曲年代は第1番のOp.12より以前)。この曲は楽章構成やテーマの扱い方など、明らかにベートーヴェンの影響を受けていて、例えば終楽章に現れるレシタティーヴォ風の楽想は、ピアノ・ソナタ「テンペスト」や弦楽四重奏曲Op.132に酷似しているものです。第5番もこれまたベートーヴェンの作品との共通点が数多く指摘されている堅固な構成を持った大作。これらを聴くと「メンデルスゾーンの作品は何だか軽くて」などとは言えなくなってしまいます。「カプリッチョ」と「フーガ」は「4つの小品」として死後にまとめて出版されたものです。カプリッチョは1843年、フーガは1823年の作で、これは習作の弦楽四重奏曲変ホ長調の終楽章として書かれたものと言われています。
NAXOS-8.570776
メイエル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第5番Op.42(1977)
弦楽四重奏曲第6番Op.51(1981)
弦楽四重奏曲第8番Op.67(1985)
ヴィエニャフスキSQ[ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(Vn)/ミロスラフ・ボチェク(Vn)、レフ・バラバン(Va)、マチェイ・マズレク(Vc)]
1943年ポーランドのクラコフで生まれたメイエル(1943-)は、5歳からピアノ、11歳から作曲と音楽理論を学び、その後ペンデレツキとブーランジェの下で更なる研鑽を積みました。現在、ポーランド音楽協会の代表という要職にあり、国の内外に新作を委嘱するなど現代音楽の普及のための活発な活動をしています。この弦楽四重奏曲は、前衛的な作風から新古典的な様相へ移り変わった時期の作品で、1985年の第8番などは調性すら感じさせる懐古的な作品となっています。彼自身の言葉によると、幼い頃に自宅で催された室内楽コンサートの懐かしい思い出と、バルトークなどの新しい刺激が組み合わされて、これらの作品が出来上がったのだそうです。この録音がNAXOSデビューとなるヴィエニャフスキ弦楽四重奏団のスパイシーな演奏でどうぞ。
NAXOS-8.570889
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタOp.1
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.1-5
ヴァイオリン・ソナタホ短調Op.1-6
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.1-7
ヴァイオリン・ソナタト長調Op.1-8
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)/アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ローレンス・カミングス(ハープシコード)
コレルリの開拓したヴァイオリン・ソナタの形式をフランスで更に発展させたルクレール(1697-1764)の作品は、当時の例に漏れることなく通奏低音のパートなどはかなり自由に書かれていて、どのように演奏するかは奏者の判断と技術に委ねられています。既に発売済みの第1集(NAXOS-8.570888)でその才能の片鱗を見せつけてくれたヴァイオリニストのバターフィールドとマクギリ、ヴレイカミングスの3人はこのすこぶる単純なスコアから無限の可能性を引き出し、素晴らしい音の饗宴として披露してくれます。即興演奏が当たり前だった時代の音楽は何と伸び伸びと楽しいものなのでしょう。次作も期待しています。
NAXOS-8.570963
シュポア:複弦楽四重奏曲第1集
複弦楽四重奏曲第1番ニ短調Op.65(1823)
複弦楽四重奏曲第2番変ホ長調Op.77(1827)
フォード・アンサンブル《第1四重奏団》[ジャニス・グラハム(Vn)/ヘレナ・ウッド(Vn)/アンドリー・ヴィルトヴィチ(Va)/キャロライン・デール(Vc)]
《第2四重奏団》[ニコル・ウィルソン(Vn)/アリソン・ドッズ(Vn)/アレクサンダー・ゼムトフ(Va)/ジュリア・グラハム(Vc)]
ヴァイオリニスト、指揮者としてヨーロッパ全土を席巻したルイス・シュポア(1784-1859)は、その生涯に48曲の弦楽アンサンブルのための作品を書きました。その中でも特異なものが、ここに収録された「複弦楽四重奏曲」です。楽器の編成はメンデルスゾーンの八重奏曲と同じなのですが、シュポア自身の言葉によると「メンデルスゾーンの作品は2つの四重奏の協調ではなく、8つの楽器の全てが同等に書かれているので、意味合いが全く違う」のだそうです。彼がヴァイオリニスト、アンドレアス・ロンベルク(高名なチェリスト、ベルンハルト・ロンベルクの従兄)と弦楽四重奏曲を演奏した時に、「2つの弦楽四重奏団が共に響きあったらどんなに素晴らしい音楽ができるのだろう」と思いついたのだとか。そんな工夫が凝らされた厚みのある響きをどうぞお楽しみください。2つの弦楽四重奏団の各々の奏者が紡ぎ出す音。ある時にはぶつかり合い、ある時には溶け合いつつ耳を通り過ぎていく。という稀有な体験があなたを待っています。
NAXOS-8.572254
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1集
カントゥス・ドロリスOp.78
3つの悲しき小品Op.106-1「悲歌」
ロマンスニ長調Op.79-1
アルバムの綴りOp.81-2
古い方法Op.89-1/セレナーデOp.89-2
古風な組曲Op.10
3つの悲しき小品Op.106-3「アンダンテ・レリジオーゾ」
ワルツト長調Op.59-3(第1稿)
ワルツホ短調Op.59-4
ワルツト長調OP.59-3(第2稿)
エアOp.81-1/子守歌Op.106-2
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
クリスチャン・イーレ・ハドラン(P)
2005年の雪深い10月のある日、オスロの古い図書館にて、シンディング(1856-1941)の宝石のような小品集を録音することが決まりました。グリーグに比肩するほどの素晴らしい作曲家のはずなのに、留学先のドイツでナチスに協力したため、祖国ノルウェーからは「反逆者」の烙印を押されてしまったシンディング。確かに彼の交響曲はドイツ系の香りがしますが、このヴァイオリンの小品集はノスタルジックでセンチメンタル。まさに北欧の香りがそこかしこに漂っています。わずか数百グラムの古いヴァイオリンとヨハン・スヴェンセンが愛用した古いグランドピアノを使って演奏されたこれらの作品の何と味わい深いこと!ヴァイオリン協奏曲(NAXOS-8.557266)で説得力たっぷりの演奏を披露した若き名手クラッゲルードの冴え渡る技巧と甘やかな表現力はここでも光り輝いています。
NAXOS-8.572390
期待の新進演奏家シリーズ/イリーナ・クリコヴァ
ポンセ:ギター・ソナタ第3番(1927)
タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲(1972)
ポンセ:子午線のソナチネ(1930)
ブローウェル:ジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏曲(1984)
ホセ:ソナタ(1933)
イリーナ・クリコヴァ(G)
2008年のアレッサンドリアのミケーレ・ピッタルガ国際ギターコンクールで優勝、その才能を全世界に認めさせた才媛、イリーナ・クリコーヴァのデビュー・アルバムです。ここに収録された作品は全て20世紀になって書かれたもの。古典的なフォルムを備えた曲からジャズ的要素満載の曲まで幅広い表現が求められています。曲の解釈、音色、そして表現力全てにおいて完璧。聴衆の心を捉えて離すことのない強烈な個性を備えた彼女のギターの魅力の片鱗が、この曲集から感じ取れることでしょう。例えば、ラジオ・フランス・ギターコンクールの委嘱作であるブローウェルの「ジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏」は、ジャズ的な主題を敢えて古典的な舞曲として変化させたもの。まずは、こういうひねくれた作品に真っ向から挑む彼女の心意気を感じてみてください。
NAXOS-8.570984
リスト:ピアノ作品全集第30集
「イタリアの夜会」〜メルカダンテのモティーフによる6つの慰み
パガニーニ大練習曲よりS141
ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗な即興曲S150/R29
ロッシーニの主題による7つの華麗な変奏曲S149/R28
ジャンルカ・ルイジ(P)
リスト(1811-1886)は自身の超絶技巧を誇示するために、同時代の多くの作曲家の作品を自らの手で華麗なピアノ曲へと変貌させました。このメルカダンテのモティーフによる「イタリアの夜会」は1838年に作曲されたもので、リストがこの曲を演奏することで、当時初演されたメルカダンテの歌劇「誓い」の評判をより一層高めることに成功したと言われます。1840年代にヴェルディの作品が台頭してくるまでは確かにメルカダンテが一番のオペラ作曲家でした。パガニーニ大練習曲は、曲集の中に有名な「ラ・カンパネラ」を含むもので、きらめくような超絶技巧が散りばめられています。(CDにはS140と表記がありますが実際はS141の改訂版による演奏です。ご了承ください)他にはロッシーニとスポンティーニの主題による作品も収録。いずれも13歳の時に書かれた才気あふれる華麗な作品です。
NAXOS-8.572075
ルエダ:ピアノ作品集
メフィスト(1999)
ピアノ・ソナタ第1番「水の戯れ」(1991)
インヴェンション(抜粋)(2003)
ピアノ・ソナタ第2番「ケチャック」(2005)
24のインターリュード(2003)
アナンダ・スカルラン(P)
現代スペインで最も精力的にピアノ曲を作っているのは、このヘスース・ルエダ(1961-)ではないでしょうか?とはいえ、彼のピアノ曲はまだまだ録音されることがほとんどありません。そうです!ここに収録された作品を聴いてみてください。例えばあのラヴェルと同名の「水の戯れ」はいかがでしょう。ラヴェルでは七色の色彩を放っていた水が、このルエダの作品では、まるで体中に浴びせかけられるようなな直截的な音楽が楽しめます。インヴェンションでの落ち着かない動きは、まるで小動物を見ているかのよう。全てに広範囲な技巧と絶妙なペダリングを求められる演奏困難な作品ばかりですが、その効果は存分にあらわれています。これはスゴイ。
NAXOS-8.660193(2CD)
バラダ:歌劇「コロンブスの死」 ジョン・カッリソン(T)/ジュディス・ジェンキンス(S)/カトリーヌ・ミュラー(Ms)/デイヴィッド・オーカールンド(Br)/アルトゥーロ・マルティン(T)/ディミトリー・ラツィヒ(Br)/ブレント・ステイター(Br)/ケイティ・シャクルトン=ウィリアムズ(S)他
ロバート・ページ(指)カーネギー・メロンPO&cho
ピッツバーグ・メンデルスゾーンcho
(NAXOS-8.660237-38)の続編である「コロンブスの死」の登場です。前作では若干バラダ色が抑えられていましたが、こちらでは冒頭から不気味さ全開。聴き手を時を超えた超現実的な世界へと誘ってくれるのです。コロンブスがインド諸島へ到着したところで終わった前作ですが、こちらはバルセロナに帰還したコロンブスの到着を讃える場面から始まります。しかし少しずつ物語には狂気と幻想が入りこみ、主人公の精神は錯乱していきます。(ここら辺の表現はまさにバラダの面目躍如と言ったところでしょう。)僧による彼のための祈り、時折聞こえてくるインディアンや密林の鳥の声、これらも渾然一体となりますます音楽も混迷の一途を辿るのです。現在一層オペラに力を入れていると語るバラダですが、2009年もマドリードで新作「Faust-bal」が初演されるなど世界的に注目されていることは間違いありません。
NAXOS-8.660259(2CD)
ヴェルディ:歌劇「マクベス」 ジュゼッペ・アルトマーレ(Bs)
オルハ・ズラヴェル(S)/
パヴェル・クディノフ(Bs)
ルーベンス・ペリッツァーリ(T)
マルコ・ヴォレリ(T)他
ダニエーレ・カッレガーリ(指)
マルキジャーナPO
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ・マルキジアーノ歌劇cho
「マクベス」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が33歳の時フィレンツェのペルゴラ劇場で初演されたオペラで、通算して第10作となる作品です。1865年にパリで上演されるにあたり、改訂され、この2007年のプロダクションも1865年版のものとなっています。ヴェルディにとって、シェイクスピアの作品を原作として取り上げた最初の作品ですが、原作の素晴らしさを損なうことなく、特にマクベスの野心と動揺、マクベス夫人の雄弁なキャラクター描写には優れたものがあると言えるでしょう。期待の若手バリトン、アルトマーレをタイトルロールに迎えたこの演奏は、隅々まで若さ漲る溌剌たるもの。
NAXOS-8.508009(8CD)
ハイドン:ミサ曲全集
スターバト・マーテル
ミサ曲ハ長調「祝福された聖処女マリアの賛美のミサ・チェレンシス」(聖チェチリアのミサ)
ミサ曲ト長調「聖ニコライ・ミサ」
ミサ曲ニ短調「ネルソン・ミサ」
ミサ曲ハ長調「ミサ・チェレンシス」(マリアツェル・ミサ)
ミサ曲ハ長調「よき四季斎日のミサ」(戦時のミサ)
ミサ・ソレムニス「大オルガンミサ」
ミサ曲変ロ長調「オッフィーダの聖ベルナルドの賛美のミサ」
ミサ・ブレヴィス
ミサ曲変ロ長調「ハルモニー・ミサ」
ミサ・ブレヴィス(1805年版)
ミサ曲変ロ長調「天地創造ミサ」
ミサ曲変ロ長調「神なる聖ヨハネのミサ・ブレヴィス」(小オルガンミサ)
ミサ曲変ロ長調「テレージア・ミサ」
J.オーウェン・バーディック(指)
ジェーン・グローヴァー(指)
トリニティ・コア
レーベル・バロック・オーケストラ
2009年のハイドン(1732-1809)没後200年のために8年間をかけて録音されたミサ曲全集。素朴な味わいの合唱団とオリジナル楽器による管弦楽団の温かみのある演奏がたまりません。一家に1セット。一度は聴きたい全集です。分売予定は今のところありません。
NAXOS-8.505040(4CD)
アーティスト・プロフィール・シリーズ〜ラルフ・ファン・ラート
NAXOS-8.559285ジョン・アダムス
NAXOS-8.559360ジェフスキ
NAXOS-8.570442タヴナー
NAXOS-8.570542リンドベルイ
ラルフ・ファン・ラート(P)
20世紀の精緻なるピアノ曲を集めたファン垂涎のスペシャルBOXの登場です。アムステルダムでピアノを学び、数々の国際コンクールで入賞、とりわけ現代音楽の分野で高い評価を受けているピアニスト、ラルフ・ファン・ラートの芸術の集大成です。彼は多くの作曲家からの信頼も厚く、たくさんの曲を献呈されていて、それらを的確な解釈で表現できる類い稀なる資質を持っていることでも知られ、ここで聴けるリンドベルイの作品集や、ジェフスキの「不屈の民の主題による変奏曲」などは、他の演奏を圧倒するほどの迫力を備えています。現代のピアノ作品を味わいたい人にもうってつけのBOXです。
HIS-8.111341
グレート・ピアニスト・シリーズ
グールド〜ベートーヴェン/ブラームス作品集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
ブラームス:ピアノ五重奏曲へ短調Op.34*
グレン・グールド(P)
レナード・バーンスタイン(指)コロンビアSO
モントリオールSQ

録音:1957年5月9-11日ニューヨークコロンビア30番街スタジオ、1957年8月モントリオールCBCスタジオ*
様々な逸話に事欠かない天才ピアニスト、グレン・グールド。彼がバーンスタインと共演した際も、テンポや解釈の違いについて多くの諍いがあり、(バーンスタインが最終的に若いピアニストに屈したと言われますが)結局予定されていたベートーヴェン(1770-1827)の協奏曲全曲録音は完成することがありませんでした。この第2番の協奏曲も聴いてみると、オーケストラのみの提示部は悠然としているのですが、ピアノが入ってくると、その軽やかなテンポにバーンスタインが翻弄されている様がよくわかります。かたやブラームス(1833-1897)はまさしくグールドと一体となった音楽です。
HIS-8.112019(1CD)
グレート・コンダクター・シリーズ
ストコフスキー〜バッハ=ストコフスキー編曲集第2集

管弦楽組曲第2番…1950年9月12-14日録音
「主よ人の望みの喜びよ」…1950年8月8日録音
「羊は安らかに草をはむ」…1950年8月8日録音
クリスマスオラトリオ〜「羊飼いの音楽」…1929年4,5月録音
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番〜「前奏曲」…1941年7月20日録音
線上のアリア…1936年1月15日録音
幻想曲とフーガト短調BWV542…1934年4月7日録音
わがイエスよいかばかりの魂の苦しみBWV487…1936年11月28日録音
ヨハネ受難曲〜「すべて果たされた」…1940年12月8日録音
「キリストは死の絆につかせたまえり」BWV4よりアリア「神の子イエス・キリスト」…1937年4月5日録音
ジュリアス・ベーカー(Fl)
レオポルド・ストコフスキー(指)ヒズO
フォリハーモニアO、全米青年SO

※マーク・オーバート=ソーン復刻
1集(NAXOS-8.111297)が大好評だったバッハ=ストコフスキー編曲集の第2集です。何と言っても興味深いのは、過去50年間CD化されたことのない「管弦楽組曲第2番」が含まれていることです。トラック8と9もフィラデルフィアの公式の演奏記録には載っていない演奏です。他にも無伴奏パルディータの前奏曲は彼の初めての録音です。どれもマニアならずとも注目の録音であることは間違いありません。
NAXOS-8.120887
バーンスタイン:ウエスト・サイド・ストーリー、
オン・ザ・ウォーターフロント(波止場)
トニー…ラリー・カート
マリア…キャロル・ローレンス
ベルナルド…ケン・リロイ
アニタ…チタ・リヴェラ他
マックス・ゴーバーマン(指)
モリス・ストロフ(指)
コロンビア・ピクチャー・オーケストラ
ロン・グッドウィン(指)ヒズ・オーケストラ
イヴ・ボズウェル

録音:1957年オリジナルキャストによる録音、1954年*
最近話題の「ウエスト・サイド・ストーリー」のブロードウェイ・オリジナル・キャスト録音です。初演から50年以上経った現在でも、世界中で公演が続けられている不朽の名作の、いわば原点となるこの演奏、かなり素朴な味わいに満ちていますが、何とも言えない高揚感も感じられます。

NAXOS 2009年10月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.570706
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第3集
歌劇「利口な牝狐の物語」(P.ブレイナー編)
歌劇「死者の家から」(P.ブレイナー編)
ピーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
昨今のブームですっかり市民権を得たヤナーチェク(1854-1928)ですが、まだまだオペラとなると、言葉の問題もあってか「なかなかハードルが高いな」と思うのが心情ではないでしょうか?そんな方にオススメしたいのが、このNAXOSのシリーズです。第1集、第2集ともに大好評ですが、今回は何と言っても名作「利口な牝狐〜」が収録されているのが嬉しいところです。ヤナーチェクの作品の中でもとりわけ親しみ易いこのオペラ、どうぞたっぷりご堪能ください。もう1曲はシリアス極まりない「死者の家から」。ドストエフスキーの大作を元にした作品で、原曲の持つ極限まで張り詰めた緊張感が上手く表現されたすばらしい編曲となっております。ヤナーチェクの幻惑的な音楽のとりこになりそうです。
NAXOS-8.660237(2CD)
バラダ:歌劇「クリストーバル・コロン(クリストファー・コロンブス)」 ホセ・カレーラス(T)
モンセラート・カバリエ(S)
カルロス・ショソン(Br)
ルイス・アルバレス(Br)
ステファノ・パラッチ(Bs)
ビクトリア・ベルガラ(Ms)
テオ・アルカンターラ(指)リセウ大劇場O&cho
コロンブスがアメリカ大陸を“発見”してから500周年記念の祝賀のためにスペイン政府から依嘱されたこのオペラ「クリストーバル・コロン」は、カレーラスとカバリエという理想的なキャストでこの世に送りだされました。作曲者のバラダは時として極度にアバンギャルドな作風を見せることがありますが、ここでは過去の文化に敬意を払い、極めてメロディアスな旋律を持つ劇的な作品を書きあげています。
NAXOS-8.559622(2CD)
バーンスタイン:ミサ(1971) ジュビラント・サイクス(Br)
アッシャー・エドワード・ウルフマン(Boy-S)
ピーボディ児童cho、モーガン州立大学cho
マリン・オールソップ(指)ボルティモアSO
バーンスタイン(1918-1990)がワシントン・ケネディ・センターのこけら落としとJ.F.ケネディ追悼のために「ミサ」を書き始めたのは1970年。ロック、ブルース、エレキ、ダンサーなど様々な要素を必要とするこの巨大な作品で、翌年の初演時には激しい論争を巻き起こしたという問題作でした。ほぼ40年の時を経た今でも、曲の発するメッセージは普遍のもの。オールソップの的確な演奏はそれを聴き手の眼前にぐいぐいと突き付けてくるかのようです。司祭役のサイクスがエレキギター片手に歌う「シンプル・ソング」にしびれない人はいないでしょう。
NAXOS-8.570444
フランスのフルート五重奏曲集
トゥルニエ(1879-1951):組曲Op.34
フローラン・シュミット:ロココ様式の組曲Op.84
ピエルネ:自由な変奏と終曲Op.51
フランセ:五重奏曲
ルーセル:セレナーデOp.30
ミラージュ五重奏団[ロバート・エイトケン(Fl)/エリカ・グッドマン(ハープ)/ジャック・イスラエリヴィチ(Vn)/タン・リ(Va)/ウィノナ・ゼレンカ(Vc)]
19世紀の世紀末ほど芸術が爛熟した時代はないと言われますが、芸術の都フランスでもその傾向は顕著でした。作曲家たちは文学と視覚芸術にインスピレーションを得て、独自の半音階主義的な音楽を創り上げていったのです。ここに収録されている作品は、確かにドビュッシーやラヴェルの深淵なる影響を感じさせますが、各々の曲の味わいは微妙に違うものがあり、これらを聴きとることは、まるで波間に散った色紙を拾い集めるような楽しさを味わわせてくれることでしょう。ハープ好きにはたまらないトゥルニエの作品が聴けるのも大きな喜びです。
NAXOS-8.559372
ドアティ(1954-):炎と血
ヴァイオリンと管弦楽のための「炎と血」(2003)
管弦楽のための「モーターシティ・トリプティク」(2000)
ティンパニと管弦楽のための「屋根の上」(2003)
イーダ・カヴァフィアン(Vn)
ラモン・パーセルス(Tp)
ケネス・トンプキンス、マイケル・ベッカー、ランダル・ハーウェス(Tb)
ブライアン・ジョーンズ(ティンパニ)

ネーメ・ヤルヴィ(指)デトロイトSO
この3つの極めて刺激的な作品は、デトロイトSOの委嘱作品です。「炎と血」は、メキシコの画家ディエーゴ・リベーラが自動車メーカー、フォード社の依頼によってデトロイト美術館の壁に描いた巨大な壁画からインスピレーションを得た曲。1930年代の工業の発展を素晴らしい音の叙事詩として再構築したメカニカルな作品です。「モーターシティ・トリプティク」も同傾向の作品。こちらもアメリカの自動車産業を讃美しています。「屋根の上」はティンパニが大活躍します。何ともエキサイティングな音に溢れています。初演者N.ヤルヴィの溌剌たる指揮ぶりもご堪能いただけます。
NAXOS-8.570874
ピッツェッティ:ピアノ協奏曲「真夏の歌」
「フェドーラ」前奏曲
ピアノ協奏曲「真夏の歌」
映画「炎の交響曲」〜カリビーア
スザンナ・ステファーニ・カエターニ(P)
ボリス・スタツェンコ(Br)
ケムニッツ州立歌劇場cho
オレグ・カエターニ(指)ロベルト・シューマンPO
MARCOPOLO8.225058より移行盤。このむせかえるようなロマンティックな音楽を多くの人に聴いていただけるのは、なんという大きな喜びなのでしょう!ピッツェッティが幸せの絶頂期にあった時に書かれたピアノ協奏曲「真夏の歌」は(残念ながらこの演奏には含まれていませんが)、イタリアの名ピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリのために作曲家自身がカデンツァを書いたことでも知られています。そしてダヌンツィオの悲劇「フェドーラ」による歌劇の情熱的な前奏曲と無声映画「炎の交響曲」のために書かれたカリビーアも聴きごたえのある名曲です。
NAXOS-8.570322
スヴェンセン:ノルウェー狂詩曲第1-4番
ロメオとジュリエットOp.18
ノルウェー狂詩曲第1番Op.17
ノルウェー狂詩曲第2番Op.19
ノルウェー狂詩曲第3番Op.21
ノルウェー狂詩曲第4番Op.22
ゾラハイダOp.11
ビャルテ・エンゲセト(指)南ユランSO
ノルウェーで生まれ指揮者、ヴァイオリニストとして活躍したスヴェンセン(1840-1911)は、グリーグの親友であり、ノルウェーの音楽発展に努めた人でした。彼の作風はロマン派の域を脱するものではなく、どれもがチャイコフスキー風の優しい肌ざわりを持っています。このノルウェー狂詩曲はタイトル通り、リストの「ハンガリア狂詩曲」に触発されたもので、要所要所に民謡的なメロディが使われた情感豊かな作品です。同時期に書かれた2つの作品も色彩豊かなもの。「ゾラハイダ」はワシントン・アーヴィングの書いた「アルハンブラ物語」に触発された作品。彼の出世作でもあります。
NAXOS-8.572237
マルコプーロス:図形の動きに
24のフィリチオス・ダンスより第13番「ネメシス」*
図形の動きに(ピアノ協奏曲)
フルート、弦楽とハープのためのトリプティク
コンチェルト・ラプソディ/小幻想曲
2つの古風なスケッチ〜第2番哀歌
太陽に照らされた風景
マルク・グローウェルス(Fl)
ディミトリ・パパテオドロウ(P)
ツァハリアス・スピリダキス(リラ)
ダリア・オウツィエル(P)
ソフィー・アランク(ハープ)
ブラッセルズ・ヴィルトゥージ
ブラッセルズ・フィルハーモニー、フランダースSO*
フランダース歌劇場SO
ミシェル・ティルキン(指)*
エドヴィグ・アブラス(指)
イアニス・レオニダキス(指)
壮大なカンタータ「オルフェウスの典礼(8.572235)」で、その溢れるばかりのリリシズムとネオ・ロマンティシズムで聴き手を驚かせたマルコプーロスの作品集です。彼の愛するリラとオーケストラの美しき共鳴、まるで神話の神が吹くかのようなフルートの調べなど、どの作品にも古代の息吹が生き生きと感じられます。ピアノ協奏曲の形式をとる「図形の動きに」では、どことなく感傷的なメロディを彩るモダンな響きが包み、夢幻的な空間が造り出されています。聴いているうちに何となく敬虔な気持ちになってしまいます。
NAXOS-8.572230
ファンファーレと序曲
オーウェン・リード(1910-):序曲1940(編曲:W.バーツ)
フサ(1921-):スメタナ・ファンファーレ
ネリベル(1919-1996):歌劇「リブシェ」ファンファーレ
オーウェン・リード:追悼のファンファーレ
フサ:プラハ1968年のための音楽
オーウェン・リード:ルネサンス
W.シューマン:ジョージ・ワシントン・ブリッジ
ニコラス・ファルコ(ナレーター)
ウィリアム・バーツ(指)
ラトガーズ・ウインド・アンサンブル
W.バーツとラトガーズ・ウインド・アンサンブルのコンビによる様々な吹奏楽作品の録音は、これまでにも多くのファンの心を鷲掴みにしてきたのですが、今回NAXOSから登場するアルバムも注目の的になること間違いありません。2006年から2008年に録音されたこの曲集は「メキシコの祭」でおなじみの作曲家O.リードの作品や、こちらもファンにはおなじみフサの大作「プラハ1968年のための音楽」など吹奏楽マニアにとって感涙ものの曲大盛りの1枚となっています。とりわけ印象深い「追悼のファンファーレ」は全ての人に聴いてもらいたい問題作と言えるでしょう。
NAXOS-8.570588
F.カルッリ(1770-1841)&G.カルッリ(1801-1876):ギターとピアノのための作品全集第2集

F.カルッリ:1-3.二重奏曲ハ長調Op.11
 二重奏曲ハ長調Op.150
 二重奏曲ト長調Op.151
 3つのワルツOp.32
F.&G.カルッリ:ロッシーニの主題によるメランジェと二重奏曲Op.236
F.カルッリ編曲:12.リーズの大行進曲ニ長調Op.168
 歌劇「チェネレントラ」序曲(ロッシーニ)
 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲(ロッシーニ)
F.カルッリ:大二重奏曲ホ短調Op.86
フランツ・ハラス(G)/デボラ・ハラス(P)
第1集(8.570587)で全国のギターファンの度肝を抜いたカルッリ親子の第2集の作品集です。今作は父カルッリの作品を中心に収録、ロッシーニやリーズの作品の編曲とオリジナル作品をたっぷりとお聞きいただけます。ずっと教育者としてしか認知されなかったカルッリですが、20世紀になってJ.ブリームやJ.ウィリアムスによって蘇演されてから、ようやく作曲家としての重大さが知られはじめてきたと言うことで、その間の空白期間は何とももったいないことです。二重奏での流麗なメロディを聴くと、その思いは一層強くなることでしょう。それほどまでに魅力的な作品たちです。
NAXOS-8.570888
ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタハ長調Op.1-2
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.1-3
ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.1-1
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.1-4
エイドリアン・バターフィールド(バロックVn)
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
ヴァイオリンの奏法はその大部分がイタリアで発展しましたが、バロックの時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖とされるのがこのルクレールです。なかなか激しい気性の持ち主であったそうで、何者かに惨殺されるという悲惨な最期を遂げた人ですが、その作品も優雅で上品な音作りの反面、複雑なポリフォニーを駆使した超絶技巧が混じっていたりと中々侮れません。この曲集は彼の初期の作品で、多くの技術的挑戦とユーモアに満ちた華麗な曲集です。ハノーヴァー・バンドやエイジ・オブ・エンライントメントなどで活躍した名手たちによる納得のアンサンブルでお聴きください。
NAXOS-8.570790
テュイレ:六重奏曲、ピアノ五重奏曲
六重奏曲変ロ長調Op.6
ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.20
シャンティリー五重奏団[ピルミン・グレール(Fl)/フロリアン・グルーベ(Ob)/ヨハネス・ツール(Cl)/ドミトリィ・ババノフ(Hrn)/ベンチェ・ボガーニ(Fg)]
ジーリ四重奏団[マルコ・ロリアーノ(Vn)/ユディス・ハムツァ(Vn)/ルカ・サンツォ(Va)/ザビーネ・クラムス(Vc)]
ジャンルカ・ルイジ(P)
オーストリア出身の音楽教育家、作曲家テュイレ(本来はフランス系の家系なのでテュイユが正しい)はR.シュトラウスの親友として知られています。ミュンヘン楽派の一人として数えられることもありますが、作風はかなり保守的で、日本ではルドルフ・ルーイとの共著である音楽理論書『和声学』の方が知られているかもしれません。ここに収録された2曲の室内楽作品は比較的知られているもので、確かに六重奏曲はラインベルガーやリスト、ワーグナーの影響を受けていることは間違いありませんが、その後に書かれたピアノ五重奏曲はなかなか雄大で劇的な展開を有しています。
NAXOS-8.559617
テイルスタイン:オープン・クロッシング
コンパニッツァ(2005)/インヴェンション(2005)
私たちに残したもの(2004)/組曲(1996)
極光に踊る女
弦楽四重奏とフォーク・ミュージシャンのための3楽章
ターン・ミー・ルース
マラムレシュ(ジェイコブ・グリックの思い出に)
シグナス・アンサンブル、カサットSQ他
ロバート・イアン・ウィンスティン(指)キエフPO
この作曲家テイルスタインは変わった経歴の持ち主です。20歳の彼は、何とメキシコのサーカスで音楽を演奏するピエロとして活躍していたのです。その後、各地の音楽を求めてアジアや東ヨーロッパなど多くの国を旅して、民族音楽やダンス音楽など様々な要素を取り込みつつ作曲活動に勤しみました。そんな彼の作品はやはり一風変わったもので、バルトークを思わせるどこか落ち着かない風情の中で歌うヴァイオリン、バルカン半島のメロディを用いた女声とチェロの音楽などや一度聴いたら耳に残るものばかりです。
NAXOS-8.559384
ウェルチャー:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第3番「カサット」
弦楽四重奏曲第2番「ハーバー・ミュージック」
弦楽四重奏曲第1番
カサットSQ[大谷宗子(Vn)/ジェニファー・レシュノワー(Vn)/大島路子(Va)/ニコル・ジョンソン(Vc)]
ドガと親交を結んだことでも知られるアメリカの印象派女性画家、メアリー・カサットにちなんで命名された4名の女性アンサンブル「カサットSQ」。ウェルチャーの弦楽四重奏曲第3番は、この団体のために書かれました。カサットの初期、中期、晩年の作品からインスピレーションを得た3つの楽章は彼女が感銘を受けたというグノーやドビュッシーの音楽をコラージュしながら独自の発展を遂げていきます。第1番も第2番もウェルチャーの創造性溢れる意欲的な作品です。
NAXOS-8.572068
ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第1集
オスナ・エンカルナチオン修道院写本のソナタ*
サンタ・クララ修道院写本のソナタ*
モンセラート修道院写本のソナタ
ペドロ・カザルス(P)

※*=世界初録音
1750年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラは、父親がオルガン奏者、おじがサルスエラ作曲家という音楽一家に育ちました。父から音楽の手ほどきを受けた彼は、16歳の時に当時経済的聴きにあったセビリヤを離れ、マドリッドで活動を始めます。しかし経済的な援助をしてくれていたおじが2年後に亡くなると、またセビリヤに戻り、大聖堂のオルガン奏者として父親の後を引き継ぎ、数多くの鍵盤楽器用ソナタを書きました。NAXOSでは彼の170ほどある現存する作品を3集にわけて全てリリースする予定です。
NAXOS-8.572025
マルティヌー:ピアノ作品全集第7集
金髪姫のおとぎ話H.28
アンデルセンのおとぎ話からH.42
バラード-ショパンの最後の和音H.56
メリー・クリスマス1941H.286bis
小さな子守歌H.122bis
舞曲H.177/憑いている列車H.258
前奏曲H.178
牛の角から生まれたフォックストロット
春H.127ter/子供のための4つの小品H.221
一本の指を使ってH.185*
ジョルジオ・コウクル(P)/キアラ・ソラリ=コウクル(P)*
NAXOSが力を入れているコウクルによるマルティヌーのピアノ作品集もついに第7集となりました。10曲の世界初録音を含むこの曲集には若きマルティヌーがおとぎ話を元にして書いた2つの組曲で始まります。1910年に書かれた「金髪姫のおとぎ話」良く知られる「三匹のくま」が原型のように見えますが、実は若きマルティヌーが恋した少女にあてて書いたものだろうと推測されています。最初の曲はR.シュトラウスのエレクトラからの引用が現れたりとかなり攻撃的な曲調になっています。もっと広く聴かれて欲しい作曲家です。
NAXOS-8.572151
イギリス声楽作品集第19集〜ガーニー:歌曲集
下り坂で/ハナッカーの水車屋
ハンサムなマーリ伯/桜の木
.ここは聖なる都市/5つのエリザベス歌曲
7つのサフォーの歌より「リンゴの果樹園」
月の下の全ての夜/ラトミアン・シェパード
私は父と雪かきをするだろう
最後の時間/キャスリーン・ニー・フーリハン
ゆりかごの歌/ドーニーのフィドル/雪
歌い手/時/いスタイルの墓碑銘/船
筆記体/快く私は注記を変更する/碑銘
私が死にゆく時施行すること
汝は我が目を喜ばせた
ボートのきしみ/光の外
スーザン・ビックリー(Ms)/イアイン・バーンサイド(P)
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴォー・ガーニーは、第1次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始めとした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。彼はずっと双極性障害に苦しみ、また戦争で体調を崩し、最期は結核で亡くなるのですが、その一生を覆った暗い影は彼の音楽にも反映されているようで、300を超える歌曲のどれもが仄暗い色合いを帯びています。しかし、その落ち着いた色合いは聴き手の心を何か透明なもので満たしてくれることでしょう。
NAXOS-8.570962
シューベルト:パートソング集第2集
自然の中の神D.757/詩篇第23番Op.132D.706
人生D.269b/羊飼いの娘D.513/自然の喜びD.422
サリエリ氏の50歳の誕生日を祝してD.407
光と愛D.352/アンティゴーネとエディプスOp.6-2D.542
そよ風が吹くD.725/
フォーグルの誕生日のためのカンタータ「春の朝」D.666
アリ・ベイ哀悼歌D.140/ゴンドラを漕ぐ人Op.28D.809
挽歌Op.52-4D.836/舟人の歌D.835
セレナードOp.135D.920
シビラ・ルーベンス(S)…1-3.13.17/ジルケ・シュヴァルツ(S)…1.2.9.10.12.15.17/レジーナ・ヤコビ(A)…1-3.11.13.15.17/インゲボルク・ダンツ(A)…1-3.13.15.17/ヒルデガルド・ヴィーデマン(A)…17/マルクス・シェーファー(T)…4-6.8.9.11.12.14.16/マークス・ウルマン(T)…4-8.14.16/トーマス・E・バウアー(Bs)…4-6.8.12.14.16/マークス・フレイグ(Bs)…10/マルクス・シュミードル(Bs)…4.5.14.16/ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの珍しい合唱アンサンブルのための作品集第2集です。この中の男声のための曲集は知れ渡っていますが、女声のための作品はほとんど知られていません。しかしシューベルトはそんな女声のためのアンサンブルに極めて野心的な作品を多く書いたのです。讃美歌による曲から、彼が教えていた女生徒の誕生日を祝う曲まで、さまざまな歌がひしめいています。添えられたピアノの伴奏もどれも巧妙に書かれていて、シューベルトを聴く楽しみ満載の1枚となっています。厳選された歌手たちの楽しげな表情にもご注目ください。
NAXOS-8.660270(2CD)
ジャーマン:歌劇「トム・ジョーンズ」(1907) マリアンヌ・ヘルグレン・スタイコフ(S)
リチャード・モリスン(Br)
ヒーザー・シップ(Ms)
ドナルド・マックスウェル(Br)
サイモン・バッタリス(Br)
リチャード・サート(Br)
ゲイノア・キーブル(Ms)
デイヴィッド・ラッセル・ヒューム(指)
ナショナル祝祭O&cho
「イギリス小説の父」と称されるフールディングの代表作「捨て子トム・ジョーンズの物語」に基づく楽しいオペレッタの登場です。ギルバート&サリヴァンに続くイギリスのオペレッタ作曲家ジャーマンのこの曲は一種の冒険物語。エピソードはそれこそ無限大にあるので、音楽も次から次へと溢れだしてくるかのようです。この録音は世界初の完全版で、初演時にカットされた3つの曲も含んでいます。女好きで享楽好きの主人公ではありますが、何とも憎めない良いオトコですね。
NAXOS-8.660253(2CD)
プッチーニ:歌劇「つばめ」 スヴェトラ・ヴァッシレーヴァ(S)
マヤ・ダシュク(S)
ファビオ・サルトーリ(T)
エマヌエーレ・ジアンニーノ(T)
マルツィオ・ジオッシ(Br)他
アルベルト・ヴェロネッシ(指)プッチーニ祝祭O&cho
プッチーニのこのオペラ「つばめ」は彼の作品のなかでもとりわけ感傷的で、人気も高くありません。プッチーニ自身もこの作品の出来には不満を抱いており、2つの異なるエンディングを書き、また死の年まで改訂をくわえていたのでした。ここではピアノ・スコアでのみ残存した断片を含むさまざまなヴァージョンを組み合わせ、本来の「捨てられる女」から「捨てる女」として描かれるマグダの姿をご堪能いただけます。この録音の映像はNAXOSDVD2.110266でご覧いただけます。
NAXOS-8.120880
第三の男〜その他の映画音楽集

アントン・カラス:「第三の男」〜ハリー・ライムのテーマ/カフェ・モーツァルトのワルツ/ハリー・ライムの回想/第三の男のテーマ(ラジオ版)
オーリック:「ピムリコへのパスポート」組曲〜バーガンディーの攻撃
オスカー・シュトラウス:ロンド〜愛のロンド
チャールズ・ウィリアムズ:ロマンティック時代〜嫉妬深い恋人たち
オーリック:ウィスキー・ガロア〜プレリュード
N.ロータ:「魔の山」より
フランケル:アーネスト式プロポーズ〜カン=カン・フィナーレ
伝承曲:禁じられた遊び
ヴァトロ:アンナ〜アンナ
ヴァトロ:アンナ〜ノン・ディメンティカール
アドラー:ジュヌヴィエーヴ〜テーマ
アドラー:ジュヌヴィエーヴ〜愛のテーマとブルース
モンゴメリー:誘拐〜ノバスコシア・ラプソディ
N.ロータ:道〜ジェルソミーナ
ウィエネ:現金に手を出すな
チッコリーニ:サマータイム〜ヴェニスのサマータイム
パリス:フレンチ・カンカン〜モンマルトルの丘の哀歌
アントン・カラス、ナルシソ・イエペス、マントヴァーニ他
現代では、ビールのCMや恵比寿駅の発車メロディに使われて、知らない人のないであろうこの「第三の男」のテーマ曲ですが、本来この曲が使われた映画自体は「フィルム・ノワール(暗い映画)」と呼ばれるほどの問題作でした。このアントン・カラスの印象的なチターのメロディは、当初他のオーケストラ曲が用意されていたものの、監督キャロル・リードの強い希望によりこちらを使用。映画公開後、世界中で大ヒットとなったのです。オーソン・ウェルズの名演技も歴史に残るものですが、実は彼の起用自体も制作前には賛否両論だったと言われています。このアルバムは、当時流行した他の映画からも名旋律を集めています。なんとなく懐かしい気分にさせてくれる極上の1枚です。

NAXOS 9月新譜
1CD=、2CD=
NAXOS-8.551281(1CD)
シュミット=コワルスキー(1949-):交響的な創作集
星降る夜/瞑想/エレジー嬰へ短調/情熱
アトランティスの回帰/印象
トーマス・シュミット=コワルスキー(指)
ライプツィヒSO
交響曲第3番(8.551212)が発売された時、「なんじゃこりゃ!」と驚愕した人続出。なぜって、どう聴いてもその曲はブルックナーそのもの。「ああ。知られざるロマン派の作曲家ね。」と生まれた年を見てびっくり。1949年と言えばR・シュトラウスが亡くなった年でもあります。今回アルバムに収録されている曲も、まさに後期ロマン派の味わいそのもの。ここまで自らのスタイルがぶれないのもすばらしいではありませんか。本気で書いているのか、ロマン派へのオマージュなのか。それともゲンダイオンガクへの反旗なのか。ま、面白くてカッコよければ何でもOK。ドイツローカル盤のため英語表記なし。
NAXOS-8.570240(1CD)
ツェムリンスキー:シンフォニエッタ他
シンフォニエッタOp.23、交響的幻想曲「人魚姫」
ジェームズ・ジャッド(指)ニュージーランドSO
最近ようやく再評価されつつあるツェムリンスキー(1871-1942)の2つの作品です。交響的幻想曲「人魚姫」はアンデルセンの童話に想を得たもの。1905年にシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」と並んでウィーンで初演されましたが、聴衆の人気はシェーンベルクに集中。落胆した彼は、もう1楽章付け加えて「死の交響曲」とする事も考えましたが、結局それは果たせずに終わりました。そのほぼ30年後に書かれた「シンフォニエッタ」は、アメリカ亡命後のかなりモダンな作品で、ストラヴィンスキーやヒンデミットを思わせるシニカルさを持ちあわせています。
NAXOS-8.570211(1CD)
グラズノフ:管弦楽作品集第18集
付随音楽「仮面舞踏会」/2つの小品Op.14
パ・ド・カラクテールOp.68
ロマンティックな間奏曲Op.69
グネーシン・アカデミーcho
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
最近は仮面舞踏会というと、ハチャトゥリアンの曲ばかりが有名になってますが、このグラズノフ(1865-1936)の作品も同じミハイル・レールモントフの作品を題材にしています。グラズノフはこの曲を1912〜13年に作曲し1917年に初演しました。しかし当時はこの題材が「風紀を乱す」とされ30年もの間上演禁止となってしまいました。ハチャトゥリアンが同じ題材に作曲したのは1941年。その頃にはグラズノフの作品は古くなってしまったのかも知れません。とは言うものの、ハチャトゥリアンのように直截的な悲劇性を感じさせることはありませんが、人の心に潜む狂気は存分に描き出されている秀逸な曲集です。
8.572242(1CD)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブルの至芸
ヒンデミット:交響曲変ロ調
ホルスト:吹奏楽のための組曲第1番
シュワントナー(1943-):そしてどこにも山の姿はない
グレインジャー:リンカンシャーの花束
ハーラン・D・パーカー(指)
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル
すでに2枚のアルバムをNAXOSからリリースしているアメリカのピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル、今回もバラエティ豊かな選曲でファンを魅了します。吹奏楽好きにはたまらないホルストの組曲や、これも外せないグレインジャーの「リンカンシャーの花束」はもちろんのこと、曲の存在は知られているのだけど、あまり耳にする機会がないヒンデミットの「交響曲変ロ調」など、まさに文句の付けどころのないほどの出来栄えです。
NAXOS-8.57088(1CD)
マリピエロ:交響曲集第3集
交響曲第6番「弦楽のための」
交響曲第5番「エコーによるコンチェルタンテ」
交響曲第8番「小交響曲」
交響曲第11番「バグパイプ
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
第1集(8.570878)、第2集(8.570879)ともに好評なマリピエロ(1882-1973)の交響曲集、この第3集は彼の作品の中でも最も演奏頻度の高い第6番「弦楽のための」が含まれています。フランス印象派の影響を受けていると言われる彼の作品ですが、実際に聴いてみると古典的なフォルムの中に実に多彩な表現が詰め込まれていることがわかるでしょう。彼は生涯を通じて旋律の魅力を追求したため、最後の交響曲である1969年に書かれた第11番「バグパイプ」にさえも、魅力あふれるメロディが横溢しています。」MARCO POLO8.223696より移行盤。
NAXOS-8.572152(1CD)
マルケヴィチ:管弦楽作品全集第2集
新時代/シンフォニエッタへ調/シネマ序曲
クリストファー・リンドン=ジー(指)アルンヘムPO
大指揮者として知られるマルケヴィチ(1912-1983)。しかし、第二次世界大戦前は「恐るべき才能を持った作曲家」として認知されていました。その作品は全て20代に書かれ(彼はなぜか29歳で作曲をやめてしまう)そのどれもが目を見張るほどの完成度を備えています。彼の資質が最も良く表出されているのは「シンフォニエッタ」でしょう。炸裂するエネルギー、時折見せる神秘的な表情、など枚挙にいとまがありません。「シネマ序曲」は1931年の作品。レオニード・マシーンが構想した映画(結局作られなかった)のためのバレエ作品です。複雑なリズムとサイレンなどの特殊楽器を駆使したこの曲、とても19歳の若者の手になるものとは思えません。MARCO POLO8.223653より移行盤。
NAXOS-8.578003(2CD)
サロン音楽の黄金期
ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
ジーチンスキー:ウィーンわが夢の街
カールマン:ジプシー王女のポプリ
ゴダール:ジョスランの子守歌
トセッリ:セレナーデ
ウィンクラー:ポルトガルの漁師の踊り
エルガー:愛の挨拶/アルデッティ:口づけ
アンダーソン:ブルー・タンゴ
O・シュトラウス:ワルツの夢
A.ルービンシュタイン:へ調のメロディ
アンダーソン:舞踏会の美女
リクスナー:青い空/クライスラー:愛の悲しみ
ウィンクラー:魔女の踊り
デンツァ:フニクリ・フニクラ
レオンカヴァッロ:マッティナータ
ホイベルガー:オペラ舞踏会〜「個室」
ドヴォルザーク:ユモレスク
フェラーリス
:黒い瞳
ウィンクラー:ローマのジプシー祭り
ドナート:淡き光に/エルデーイ:プスタのきつね
マスネ:タイスの瞑想曲
ウィンクラー:ウィンクラー・メドレー
ドリゴ:百万長者の道化師〜セレナーデ
クロイダー:それは天国の一部でなくてはいけない
フィッシャー:南アルプス
リンケ:試し聴きのポプリ
ゲオルク・フーバー(指)シュヴァンネン・サロンO
誰もがどこかで一度は耳にしたことがあるけれど「この曲なんだっけ?」と頭をひねってしまうような曲。「通俗名曲」って、ちょっと言葉は乱暴だけど愛すべきメロディに満ちた曲。そんな小品が30曲楽しめます。緩い編曲がこれまたステキ。音を楽しむとはまさにこんな感じ。ウィーンの酒場の雰囲気が手軽に楽しめます。ちょっぴり感傷的なメロディがこれでもか・・・とばかりに心に浸みこみます。疲れた時、気分のいい時、どんな時にもぴったりです。
NAXOS-8.557805(1CD)
クヴァンツ:フルート・ソナタ集Nos.272-277
フルート・ソナタNo.272ヘ長調Qv.1:93
フルート・ソナタNo.273ト長調Qv.1:109
フルート・ソナタNo.274イ長調Qv.1:145
フルート・ソナタNo.275変ロ長調Qv.1:161
フルート・ソナタNo.276ハ短調Qv.1:18
フルート・ソナタNo.277ニ長調Qv.1:42
ヴェネラ・フィッシャー(Fl)
クラウス=ディーター・ブラント(バロックVc)
レオン・ベルベン(ハープシコード)
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)は18世紀の最も多作の作曲家のうちの1人でした。しかし、ほとんどの彼の音楽は出版されていないままです。このアルバムは、バロックから古典派への架け橋として、そしてフランス様式とドイツ、イタリア様式の統合を図るべく、彼が30年間に渡ってフリードリヒ大王のために書いたフルート作品の中から6曲のフルート・ソナタを収録しました。これらは精巧で華やかな技巧が用いられており、まさしくクヴァンツのベストとして後世に語り継ぐべき作品でしょう。しっとりとしたフルートの音色は、聴き手を典雅な時代へと誘ってくれます。
NAXOS-8.559612(1CD)
モー:ストレンジ・エクスクレイミング・ミュージック
ストレンジ・エクスクレイミング・ミュージック(2004)
海の猛威
あまりにも早く通り過ぎていく
流れに沿って/ボートを漕ごう陽気にね
私はたった一つの欲望でうずうずする
フレックス・タイム/マーケット・フォース
カーティス・マコンバー(vn)
スティーヴン・ゴスリング(p)
マイケル・リプシー(perc)
エリオット・ライリー(A-sax)
ブルース・ワインバーガー(T-sax)
ケネス・クーン(Br-sax)
ダブルプレイ・パーカッション・デュオ
コロンビア州立大学パーカッション・アンサンブル
ニューヨーク・サクソフォン・クァルテット
ハワード・ストーカー(エグゼクティヴ・プロデューサー)
スコット・ヒル(マスター)
ピアニスト、作曲家として活躍するエリック・モー(1954-)。彼の音楽は、ある時はミニマルであり、ある時は「美しく静かなもの」であり、彼曰く「急場しのぎ」であったりします。精巧に書かれたそれらの作品は古典的な要素とアフリカの太鼓、そしてジャズなど様々な要素を持ち合わせています。もちろん演奏する際も、ジミ・ヘンドリックスやバド・パウエル的なものからモーツァルトまで、ありとあらゆるものから抽出して音を作りださなくてはいけません。各曲に付けられたタイトルも意味深。想像力をかきたてられる楽しい1枚です。
NAXOS-8.559616(1CD)
ショート・ストーリー〜サクソフォン・クァルテットのためのアメリカ音楽集
アイヴズ:20弦楽四重奏曲第1番「救世軍より」第1楽章コラール(M.シンチャクによるサクソフォン四重奏編)
ヒグドン(1962-):ショート・ストーリー
ストラム(1951-):ピカソ・キューブド
トーク(1961-):6月
ビクスラー(1964-):ヘプタゴン
メイシー(1944-):とらえどころのない夢*
モートン(1891-1941):ブラック・ボトム・ストンプ(F.ストルムによるサクソフォン四重奏編)
アンチア・サクソフォン・クァルテット
ディー・ラングリー(アコーディオン)*
このアルバムはサクソフォン・カルテットの限りない可能性を追求したもので、サックス・ファンにとって垂涎の1枚です。アイヴズを始めとしたアメリカ近現代作曲家の様々な作品が並びますが、中でもヒグドンの「ショート・ストーリー」は5つの部分からなる極めて技巧的で描写的な音楽です。例えば第1曲目の「チェイス」での追いつ追われつの緊迫感、第3曲目の子守歌などは新鮮さと親しみ易さが程よく混在した楽しいもの。アンチア・サクソフォン・クァルテットは20年間以上北アメリカ、ヨーロッパおよびアジアで活動し、高い評価を受けています。
NAXOS-8.559628(1CD)
B.リース:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番(1952)
弦楽四重奏曲第5番(2002)
弦楽四重奏曲第6番(2005)
シプレスSQ[セシリー・ウォード(第1Vn)/トム・ストーン(第2Vn )/イーサン・フィルナ(Va)/ジェニファー・クレッチェル(Vc)]
1924年生まれのリース(1924-)は両親はロシア人で生まれはハルビン。生まれた翌年にアメリカに渡り、5歳からピアノを学び、その後は様々な先人から音楽的洗礼を受けています。壮大さと皮肉、そして機知はショスタコーヴィチから。調和と洗練された感覚はブリテンから。また至る処に、粗野で凶暴な響きへの幽かな憧れも感じられます。称賛する全ての人や音楽から大きな影響を受け、自分自身の血肉と変えてきた彼の作風はすでに孤高の域へと達しているのです。ここに収録された第5番の弦楽四重奏曲はアメリカのアンサンブルベスト101の中の1曲に選ばれたほど人気の高いものです。
NAXOS-8.570928(1CD)
アルファーノ:ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト他
ヴァイオリン,チェロとピアノのためのコンチェルト(1932)
チェロ・ソナタ(1925)
エルミラ・ダルヴァロヴァ(Vn)
サミュエル・マギル(Vc)、
スコット・ダン(P)
最近では、プッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」の補筆者としてのみ知られるアルファーノ(1875-1954)ですが、彼自身才能に溢れた作曲家でもありました。その作品のほとんどはオペラでしたが、ここで聴けるような大規模な室内楽も素晴らしい出来栄えを誇っています。「コンチェルト」と題されたピアノ三重奏曲には、バスク地方の民族音楽と、漂うような抒情性が相俟って、独自の美しい響きが醸し出されています。冒頭から恐ろしいほどの緊張感を漲らせたチェロ・ソナタはドビュッシーやラヴェルの影響も感じさせる流麗さも兼ね備えています。これらの曲の狂おしいほどの美しさには息が止まる思いがすることでしょう。
NAXOS-8.570976(1CD)
カバレフスキー:前奏曲全集
4つの前奏曲Op.5
24の前奏曲Op.38
6つの前奏曲とフーガOp.61
アレクサンダー・ドッシン(P)
24の前奏曲と言えば、ショパンの名作を思い浮かべる人も多いことでしょうが、あの独特の形式は後世の作曲家たちに様々な影響を与えていることは間違いありません。このカバレフスキー(1904-1987)の同名曲は、ロシア民謡のメロディを元にした様々な性格を持つ作品群で、ショパンと同じく全ての調性で書かれています。どの曲もとても個性的で、はっとするほどに美しいメロディが散りばめられています。演奏は、ソナタ(8.570822)でもその能力を存分に見せつけたドッシン。ここでも曲の素晴らしさをしっかりと伝えてくれています。
NAXOS-8.570577(2CD)
バッハ:フーガの技法BWV1080
4声のコントラプンクトゥス1-5
4声のコントラプンクトゥス「フランス風のスタイル」6
拡大と縮小による4声のコントラプンクトゥス7
3声のコントラプンクトゥス8
12度4声のコントラプンクトゥス9
10度4声のコントラプンクトゥス10
4声のコントラプンクトゥス11
4声鏡像のコントラプンクトゥス12
3声鏡像のコントラプンクトゥス13
3つの主題による4声のフーガ19
8度のカノン15/8.10度のカノン16
12度のカノン17/反行の拡大カノン14
2台の鍵盤楽器のためのフーガ*
セルジオ・ヴァルトーロ(ハープシコード)
マッダレーナ・ヴァルトーロ(ハープシコード)*
バッハ(1685-1750)の未完の大作である「フーガの技法」は西洋の作曲技法の基礎を全て詰め込んだものとして知られます。様々な様式・技法による14曲のフーガと4曲のカノンは演奏的にも困難を極め、これまでにも多くの演奏家によって形作られてきていますが、このセルジオ・ヴァルトーロによる新録音は、最近公表された1751/1752年出版譜のファクシミリ版を用いたもので、その詳細な研究結果も含め、「フーガの技法の歴史」に一石を投じるものになるかもしれません。ヴァルトーロによる詳細な解説(英語)はwww.naxos.comからダウンロードできます。ちなみに、未完のフーガは曲の途中に置かれているので(バトラーの復元版と同じ順序)聴いていても取り残された気分になることはありません。
NAXOS-8.557531(1CD)
ヴェーベルン:リチェルカーレ他、作品集
「音楽の捧げもの」〜6声のリチェルカーレ(原曲:バッハ)ウェーベルン:2つの歌Op.19
5つの楽章Op.5(弦楽オーケストラ編)
2つの歌Op.8
オーケストラのための5つの小品Op.10
4つの歌Op.13/5つの宗教的な歌Op.15
眼の光Op.26
オーケストラのための変奏曲Op.30
第2カンタータOp.31
トニー・アーノルド(S)
クレア・ブース(S)
デヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Bs)
サイモン・ジョリーcho
21世紀古典アンサンブル
ロバート・クラフト(指)フィルハーモニアO
ストラヴィンスキーやシェーンベルクにおける明晰な解釈が知られる指揮者ロバート・クラフト。そんな彼がヴェーベルン(1883-1945)に魅了されるのも当然のことでしょう。作品数こそ少ないですが、そのどれもが捉え難いほど魅力と感性に溢れたヴェーベルンの作品は、演奏家にとっても聴き手にとってもまるで宝の山と言えるのですから。このアルバムには、歌声すらも一つの音を構築する響きとして使われている声楽曲と、いくつもの音の層から出来た精緻な織物である「バッハのリチェルカーレ」が収録されています。彼の歌曲は編成が特殊なため演奏が困難とされていますので、これはとても貴重な1枚になることでしょう。
NAXOS-8.669016(2CD)
テイラー(1885-1966):歌劇「永遠に愛せよ(ピーター・イベットソン)」Op.20 アンソニー・ディーン・グリフィー(T)
ローレン・フラニガン(S)
リチャード・ゼラー(Br)
チャールズ・ロバート・オースティン(Br)
ロリ・サマーズ(S)他
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO&cho
1931年に書かれたこの「永遠に愛せよ」は1985年までニューヨークのメトロポリタン・オペラで最も演奏回数の多いアメリカのオペラです。幼い頃に家の事情で引き離されてしまった幼なじみの事が忘れられないピーター・イベットソン、成長した彼が出会った愛しい人はすでに他の人の妻になっていました。結局彼女の夫を殺してしまい罪に服するのですが、その際彼自身も怪我をしてしまい魂だけが愛しい彼女の元を訪れます。2人が年老いるまでその関係は続き、彼女の命が尽きた時、ピーターの命も尽きるのです。1935年にゲイリー・クーパー主演で映画化もされていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
NAXOS-8.570599(1CD)
柳済準:シンフォニア・ダ・レクイエム他
シンフォニア・ダ・レクイエムOp.11
ヴァイオリン協奏曲第1番Op.10*
イ=ネ・キム(S)
ポーランド放送cho
カメラータ・シレシア
ウカシュ・ボロヴィチ(指)ポーランド放送SO
ソ・オック・キム(vn)
ピョートル・ボルコフスキー(指)ポドラシェPO*
1970年生まれの若き作曲家柳済準はソウルで生まれ幅広い音楽教育を受けました。作曲を姜碩煕とペンデレツキに学び、数多くの賞を受賞、韓国で最も才能ある作曲家の一人と目されています。08年に初演された「シンフォニア・ダ・レクイエム」はペンデレツキにも傑作と評価され、初演時には10分ものスタンディング・オベーションで迎えられました。荒れ狂うかの様な感情表現は若き才能をストレートに伝えるものでしょう。ロマン派の香り漂うヴァイオリン協奏曲の美しさにも耳が奪われます。
NAXOS-8.572104(1CD)
パリー:別れの歌
詩篇第122番「私は歓喜した」Op.51
グレート・サーヴィス〜「マニフィカト」
グレート・サーヴィス〜「ヌンク・ディミティス」
別れの歌/人々よ私の言葉を聞きたまえ
ユディト〜長き間エジプトの豊穣な土地で
エルサレム
マーク・ローリンソン(Br)
マンチェスター大聖堂cho
ジェフリー・マキンソン(org)
クリストファー・ストークス(指)
イギリス音楽の伝統をしっかりと受け継ぐこれらの合唱音楽を作ったのはヒューバート・パリー卿(1848-1918)。彼の名前は現代でこそ忘れ去られてしまいましたが、イギリス国内では不動の人気を誇っています。まるで教会の中に光が降り注ぐような荘厳な数々の合唱曲は、人間の心の根源に眠る何かを呼び起こすかのような高揚感を味わわせてくれるでしょう。ウィリアム・ブレイクの詩のために創られた「エルサレム」は吹奏楽のレパートリーとしてもおなじみです。
NAXOS-8.120885(1CD)
ヴァイル(1900-1950):街の風景 ドロシー・サーノフ(vo)/ノーマン・アトキンズ(vo)
ポリーナ・ストスカ(vo)/ブライアン・サリヴァン(T)
フェルディナンド・ヒルト(vo)/クリス・オルティス(vo)
マリア・マルティーノ(vo)/アリス・リー(vo)
キャスリン・ヘルゲンバーガー(vo)
ヘンリー・ティンマーマン(vo)
スタジオ・コーラス
アイズラー・ソロモンスタジオ・オーケストラ

録音:1949年ハリウッド・ボウル演奏会形式上演
エルマー・ライスの戯曲「街の風景」は1929年のピューリツァー賞を獲得した問題作です。ニューヨーク、マンハッタンに住む大酒飲みのモーラントとその妻。その娘と恋人、そして彼らをとりまく近隣の人々。ちいさな諍いを繰り返す内に起こってしまった悲劇。見守る人々。しかし街の風景は一切変わることがありません。そんな市井の人々のささやかな生活を描いたこの作品にヴァイルはシリアスな音楽を付けました。当時の空気もそのまま味わえる雰囲気たっぷりの1枚です。

NAXOS 8月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.572341
期待の新進演奏家シリーズ〜ユンイ・キン
唐壁光(1920-):瀏陽河(王建中によるピアノ編)
モーツァルト(1756-1791):デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調Op.42D.845
ハイドン:ピアノ・ソナタ第33番ハ短調Hob.XVI:20
グラナドス:わら人形、ゴヤ風な情景
スクリャービン:ワルツ変イ長調Op.38
フリードマン:ミュージック・ボックスOp.33No.3
リスト:12の超絶技巧練習曲第10番ヘ短調S139/R2b
プリエト:ハエン2008
ユンイ・キン(P)
2008年ハエン国際コンクールの覇者、ユンイ・キンは1992年、中国生まれの17歳。すでに中国国内では天才ピアニストとして知らない人がないくらいの人気者です。彼女の演奏はとても個性的。もちろん輝くような音色と超絶技巧は備えていますが、作り出す音の響きが何ともユニークなのです。例えばモーツァルトのK.573。この曲の主題である「デュポールのメヌエット」だけ取ってみても、テンポの揺らし方や独特のペダリングから醸し出される響きは、彼女の並々ならぬ才能を感じさせてくれるものです。古典から現代作品まで様々な作品を揃えたこの1枚は、まさに彼女の音楽の総合カタログ。
NAXOS-8.570932
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第4集
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.66
楽興の時とメヌエット(弦楽オーケストラ編)
ノヴェレッタOp.82-2(管弦楽編)
セレナータOp.57-2(管弦楽編)
東洋の色彩Op.44-3(管弦楽編)
ジェズアルド・コッギ(P)
フランチェスコ・ダ・ヴェッキア(指)
ローマSO
ピアノ協奏曲は、あのマーラーが生前最後にカーネギー・ホールで行った演奏会のプログラムに含まれていたことで知られています。当時、すでに体調が悪化していたであろう彼にとっては、この大曲を指揮するのはかなり大変だったのではないでしょうか?第1楽章は演奏時間こそ20分と長いものの、次々と現われては消えていく雄大で美しいメロディを追うだけでも楽しいですし、それに続く夢のように美しい第2楽章ラルゲットと、華やかで息詰まるようなオケとピアノの対決が楽しめる第3楽章も聴きどころ満載です。後期ロマン派の最後の輝きを存分にお楽しみください。余白に収められた小品も、これまた味わい深くて何だか得した気分です。
NAXOS-8.570791
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
劇的序曲Op.4
「から騒ぎ」演奏会組曲Op.11
フィリッペ・クイント(Vn)
カルロス・ミゲル・プリエト(指)ミネリアSO
1945年に作曲されたにも関わらず、このヴァイオリン協奏曲の全編に漂うのは馥郁たる後期ロマン派の妖艶なる香りです。天才少年として将来を嘱望されつつも、アメリカに亡命し、ハリウッドの映画音楽作曲家として活躍していたコルンゴルト(1897-1957)ですが、彼はいつでも「ドイツのクラシック作曲家」として認められることを望んでいました。この作品がハイフェッツの手で1947年に初演された時も「時代錯誤」という酷評を受けたのですが、彼自身としては大満足であったことでしょう。一時期すっかり忘れられていたのですが、最近になって多くの演奏家がこの曲を取り上げ、すっかり人気曲となったのは間違いありません。全曲を通じて、自身の映画音楽からの引用が見られますので、このまま、再度何かの映画音楽に使ってみるのも良いかもしれません。それほどまでに劇的で心惹かれる作品です。
NAXOS-8.570584
タネーエフ:管弦楽作品集
歌劇「オレステイア」序曲Op.6
歌劇「オレステイア」第3幕間奏曲「デルフォイのアポロ神殿」
アダージョ ハ長調
ロシアの主題による序曲
モスクワのプーシキン記念館の除幕の為のカンタータ
カンツォーナ*、序曲ニ短調
トーマス・ザンデルリンク(指)
ノヴォシビルスク・アカデミックSO
スタニスラフ・ヤンコフスキー(Cl)*
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニック室内cho
ロシアの作曲家、ピアニスト、教師および対位法の研究者セルゲイ・タネーエフ(1856-1915)の作品集です。このアルバムには彼の唯一のオペラである「オレステイア」からの長大な序曲を中心に、抒情性と対位法に彩られたいくつかの作品を収録しています。ロシア的なものを聴きたければ、トラック4や5がオススメです。どっしりとしたものを聴きたければトラック7などはいかがでしょう。チャイコフスキーのようなわかりやすい抒情性に、若干の男らしさを付け加えた思いきりの良い音楽が魅力です。

「オレステイア」序曲はオペラの序曲としては異例の20分を要する大作。構成的にも色彩的にも相当のこだわりが盛り込まれており冗長さを感じさせません。前半は一定のテーマが壮麗に発展し続け、マンフレッド交響曲のような劇的な盛り上がりを見せますが、後半は緩やかなテンポで清々しく陽の光をたっぷり浴びた明るい色彩を振り撒いて感動的。「アダージョ ハ長調」ではエルガーのような気高さも見せます。 【湧々堂】
NAXOS-8.570739
ニールセン:交響曲第4番「不滅」&第5番 ミハエル・シェンヴァント(指)
デンマーク国立放送SO
ニールセン(1865-1931)の最高傑作、交響曲第4番と第5番の組合せです。細部にまできっちりと目配りの効いた申し分のない演奏で、ニールセンの深い世界をじっくりと味わわせてくれるものです。単一楽章で書かれた雄大な第4番(不滅という副題を持つ)、途中で理不尽なほどに高らかに鳴り響く「スネアドラム」が耳に残ってはなれない第5番。どちらも劇的で不可思議な魅力に溢れています。耳に優しいメロディはあまりないのですが、一度はまったら抜け出すのは難しいのがニールセンの音楽でしょう。この音楽を攻略するのは困難ですが、聴き終えると何とも言えない爽快感を味わうことができるはず。
NAXOS-8.557793
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第2番&第3番 マキシム・フェドトフ(Vn)
ドミトリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
あまりにも有名な第1番のヴァイオリン協奏曲に比べると、ブルッフ(1838-1920)の第2番と第3番のヴァイオリン協奏曲は知名度が低すぎます。なぜなのでしょう?こんなに雄大さも感傷性も兼ね備えているというのに。そんな思いで胸が一杯になること間違いなしの1枚です。第2番は1877年の作。第1番の11年後に書かれ、驚くほどドラマティックなフォルムを備えています。名手サラサーテが初演し、そのまま彼に捧げられています。第3番は1891年に最初単一楽章の作品として書かれましたが、ヨアヒムの助言により3楽章へと拡大されたものです。独奏ヴァイオリンによって奏でられる各動機は一層表現力を増し、オーケストラの響きが存分に呼応します。この知られざる名曲を演奏するのは俊英フェドトフ。彼による第1番の演奏はNAXOS-8.557689でお聴きいただけます。
NAXOS-8.572231
ミレニアム・カノン
プッツ(1972-):ミレニアム・カノン(M.スペード編)
ニューマン(1972-):私の手は都市
キュスター(1973-):失われた峡谷
マッキー(1973-):カワセミ
ホルスト:鍛冶屋-前奏曲とスケルツォ
ゴーブ(1958-):去りゆく日
ジョン・P・リンチ(指)
ジョージア大学ウィンド・アンサンブル
このアルバムに収録された作品を書いたのは、ほとんどが1970年代生まれの若手作曲家たち。さすが、瑞々しい感性に裏打ちされた曲ばかりです。やはりこういう曲は「自分たちで演奏してみたい」と思わせるのがツボ。壮麗でカッコいい「ミレニアム・カノン」などはその最たる曲と言えましょう。他にも大いなる自然賛歌ともいえるニューマンの曲、豪壮な岩山を描いたキュスターの曲、嵐が去った後に巣から飛び立つカワセミに希望を託したというマッキーの曲、など個性豊かです。非の打ちどころなきジョージア大学ウィンド・アンサンブルの演奏で。
NAXOS-8.570031
ヴィヴァルディ:四季(ピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲Op.8「四季」(J.ビーゲルによるピアノ独奏編曲版)、
マンドリン協奏曲ハ長調RV425(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
リュート協奏曲ニ長調RV93(A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
ジェフリー・ビーゲル(P)
最強の名曲、ヴィヴァルディ(1678-1741)の四季をピアノ独奏で全曲演奏してしまったというCDです。元々Ricordi社(イタリアの大手出版社)よりピアノ版のスコアは出版されていたのですが、この録音にあたってピアニストのビーゲルは本来のスコアを研究し、より一層的確な装飾を付けくわえたというのですから、その思い入れは並大抵なものではありません。出来上がった音を聴いてみてください。鳥の囀り、雷鳴、人々の喜び、しんしん降り積もる雪などが、驚くほどに色鮮やかに描き出されていることに気がつくでしょう。映画でおなじみのマンドリン協奏曲も、ピアノで聴くと一味違います。
NAXOS-8.570454
レーガー:オルガン作品集第9集
「国王万歳」による変奏曲とフーガ
12の小品Op.65〜第1番-第6番
コラール前奏曲
コラール幻想曲集Op.40〜第2番「主よ汝の怒りにてわれを罰するなかれ」
ジョセフ・スティル(Org)
※トリーア教会ジョハネス・クライス・オルガン
驚くほどにカッコ良く始まる「国王万歳」は1900年頃に書かれた曲。恐らく、ヴィクトリア女王の長女であるヴィクトリア(ドイツ皇帝フリードリヒ3世妃)の60歳の誕生日記念として出版社から作曲を依頼されたようで、スコアには英語とドイツ語の両方のタイトルが付されています。1902年頃に書かれた12の小品は、オルガンの機能を目一杯に使って書かれており、精緻な響きに感嘆するばかりです。作品番号のないコラール幻想曲での瞑想的な美しさ、Op.40での弱音の保持など、オルガン好きにはたまらない曲ばかりです。
NAXOS-8.572024
マルティヌー:ピアノ作品全集第6集
12のエスキース第1集H.203
戯シリーズ1H.205、
遊戯シリーズ2H.206
3つの抒情的小品H.98
ブラック・ボトムH.165
海辺の夕暮れH.128
無言歌ニ短調H.46
夜想曲H.95、悲しい歌ニ短調H.36
ジョルジョ・コウクル(P)
コウクルの弾くマルティヌーの第6集です。ピアニスト、コウクルは第4集をリリースしたあと、マルティヌーの失われた作品や、未発表の作品などを精力的に研究し、3枚分のCDに収録できるだけの作品を発掘したというのですから、まさにこれは歴史的偉業と讃えてもよいでしょう。ここに収録されているのは、マルティヌーのパリ時代の作品が中心ですが、例えば2セットずつまとめて作曲された「12のエスキース」や「遊戯」は出版される際にばらばらにされたため、「遊戯」の前半と「エスキース」の後半は忘れられてしまったとか。まだまだ、その全貌が知られているとは言い難いマルティヌーの魅力をすみからすみまで掘り起こしてくれるコウクルに感謝です。

NAXOS-8.570938
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番&第2番 ファイン・アーツQ
クリスティーナ・オルティス(P)
独自の和声感と調性を追求したためか、晩年の作品はある意味「捉えどころのない美しさ」に満ちているフォーレ(1845-1924)の音楽。この2曲のピアノ五重奏曲もまさにそんな音楽です。第1番は中期から後期への過渡期に書かれていて、境目はぼやけていても、メロディラインはしっかりしています(もちろんそれを取り巻く音の流れはとめどなく流動的ですが)。晩年近くに書かれた第2番になると、更に音楽は晦渋の度合いを深めていくのです。さざめくピアノのアルペジョと、本来の拍子とずらした拍を用いることで感じる浮遊感(ヘミオラといいます)、そしてぼやけた調性。耳がなじむまでに少々時間を必要とするかも知れませんが、一度この世界に慣れてしまうと、まるで暖かい水の中で体を丸めているかのような安らぎを覚えることでしょう。
廉価盤にしておくのは勿体ないほどの名演!「第1番」冒頭のピアノのアルペジョからその幻想的なニュアンスの引き込まれます。オルティーズの極美のピアノに乗せ、強固な集中力で曲の核心に食い入ろうとするファイン・アーツQの響きが絶妙に溶け合い至福の空間が生まれます。第1楽章の第2主題に入るとますます感傷的なニュアンスに深みが加わり、ソロ部分ととハーモニーの交差の妙も聴きもの。終楽章はベートーヴェンの「第9交響曲」の喚起の歌にヒントを得たとされる楽想の構築力と相まってアンサンブルの凝縮度が最高次元にまで高められ手応え十分。アンサンブルの素晴らしさとフォーレの作風との完全なる融合を一層強く感じさせるのが至高の名作「第2番」。聴覚に障害を持ったフォーレがこの作品の込めた熱い思いが内面から昏々と湧き立ち、第1楽章ではそのフォーレ自身の心情を映すかのようにさまよい続けるフレーズが淀みなく迫ります。決して気負わずにしなやかな推進力を見せる第2楽章、弦のユニゾンで色彩のゆらぎを感じさせる第3楽章など、作品の高みに相応しい妙技の連続です。  【湧々堂】
NAXOS-8.570779
カステルヌオーヴォ=テデスコ:2台ギターのための作品全集第2集
エレジー風フーガ/
平均律ギター曲集(2台のギターのための24の前奏曲とフーガ)Op.199〜レリュードとフーガ第13番ト長調-第24番ハ短調
ブラジル・ギター・デュオ(ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ)
これで、前作で半分だけ紹介した「平均律ギター曲集」の全貌が明らかになりました。この後半の12曲は1962年の5月14日から6月3日までの間に書きあげられたのですが、各々の曲のほとんどに完成した日が書き添えられていて、さながら「音による日記」の様相を呈しているのが興味深いところです。とりわけ、6月1日から3日にかけて書かれた第24番は、まるで彼の音楽人生全てを総括するような素晴らしい出来栄え。この曲集がギター・デュオのレパートリーの最高傑作として未来永劫大切にされることは間違いありません。
NAXOS-8.570780
ヒナステラ:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第1番Op.20
弦楽四重奏曲第2番Op.26
弦楽四重奏曲第3番Op.40
エンソQ
ルーシー・シェルトン(S)
ヒナステラ(1916-1983)はあまり多くの作品を書いたわけではないので、3つの弦楽四重奏は作品番号こそ近いのですが、実は第1番は1948年、第2番は1958年、そして第3番は1973年の作と、実に25年ほどの年代の開きがあるのです。当然作風の変化も顕著です。民俗音楽を程良く取り入れた第1番は、バルトークやストラヴィンスキーを想起させる荒々しい音楽です。追い立てられるかのように始まる第2番は十二音技法を取り入れた自由な作品です。第3番はソプラノのソロを伴う曲で、あのシェーンベルクの作品にも似た「夜の雰囲気」を湛えた神秘的な作品です。ヒメネス、ロルカ、アルベルティのテキストが用いられています。どれもが悲劇的で、死を彷彿させる思い想念をやるせなさに満ちていますが、底知れぬ透明感も持ち合わせているところが素晴らしいのです。
NAXOS-8.570255
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第3集
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.1-3
交響曲第2番(ピアノ三重奏編)
アレグレット変ホ長調Hess48
ジリオン・トリオ
[ニナ・ティックマン(P)、イダ・ビーラー(Vn)、マリア・クリーゲル(Vc)]
ベートーヴェン(1770-1827)の初期の名作であるこのピアノ三重奏曲第3番は、1795年に公表され、カール・リヒノフスキー侯爵に捧げられました。リヒノフスキーはモーツァルトと同じ年に生まれ、友人、弟子として、そして高い音楽的素養を持った愛好家です。そしてモーツァルトの死後、ベートーヴェンがウィーンに来た際には自らパトロンを買って出て、田舎者丸出しのベートーヴェンを持ち家に住まわせハイドンの指導を受けるように取り計らったのでした。そんな時期に書かれているものですから、ハイドンの影響は至るところに感じられますが、それ以上に、反骨心とプライドの高さも感じられる愛すべき作品と言えるでしょう。交響曲第2番は1802年に書かれ、こちらもリヒノフスキーに献呈されています。耳の疾患に悩まされ始めた時期の曲とは思えない楽天的な明るさが漂っています。
NAXOS-8.559618
ゲーバー:室内楽作品集
ガーシュウイアーナ(1999)
3つの民謡編曲、3つの小品、夜想曲、
D・ショスタコーヴィチの名による悲歌
3つの無言歌
ヴァイオリンのための幻想曲、
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲、
ピアノ三重奏曲
クルト・ニッカネン(Vn、Va)、
チョー=リャン・リン(Vn)、
サイラス・ベロウヒーム(Vn)、
ブライントン・スミス(Vc)、
サラ・ディヴィス・ビュークナー(P)
未知の作曲家のアルバムを手にとり、どんな音楽が聴こえてくるのかに思いを巡らす至福の時。このアルバムは間違いなくそんな楽しい思いを味わうことができるでしょう。ゲーバーは1948年に生まれたアメリカの作曲家で、すでにCHANDOSなどからいくつかのCDをリリース。その多様な作風は世界中のモダニストたちから愛されているのです。ここに収録された作品も、民謡からの引用だったり、過去の作曲家へのオマージュだったりと、その楽想の源は様々です。それに伴い出来上がった音楽も実に幻想的で、聴き手の心を幻惑してやみません。
NAXOS-8.572106
ランペル:室内楽作品集
弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタ
弦楽六重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、
前奏曲とシャコンヌ「バッハへのオマージュ」
パリジー四重奏団
セバスティアン・リスレル(P)、
ウプサラ・チェンバー・ソロイスツ、
レジス・パスキエ(Vn)、
エマニュエル・シュトロッセ(P)、
アンリ・ドマルケット(Vc)
ウェーデンの現代作曲家、ランペルの作品集です。「音楽は聴く前から始まっていて、最後の音が消えてもずっと続いている」という考えを持つ彼の説を具現化したとも言える作品群は、それぞれ「既にある作品への敬意を示すこと」としての体裁を持っています。例えばそれは、タイトル通りのバッハの賛辞であったり、弦楽六重奏はあからさまにシェーンベルクの影をなぞっていたりと、古典派の形式の再現であったり、なかなか興味深いものを備えています。聴きながら「何かを探す」ことに熱中しそうな48分をお届けいたします。
NAXOS-8.572261
ディーリアス:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタロ長調遺作(1892)
ヴァイオリン・ソナタ第1番(1905-15)
ヴァイオリン・ソナタ第2番(1923)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(1930)
スーザン・スタンツェライト(Vn)
グスターフ・フェニェー(P)
イギリスを代表する作曲家というと、必ずディーリアスの名前が挙がりますが、両親はドイツ人であり、活躍したのはパリであったことを考えると、もう少し違う見方をしてもいいのかも知れません。彼のヴァイオリン・ソナタはレパートリーとしてはあまり知られていませんが、じっくり聴いてみると様々な発見があります。破棄されてしまったソナタを含めると、作曲年代は1892年から1930年と、彼の経歴の全てにまたがり、フランスの印象主義の香りから後期ロマン派、そしてアメリカ民謡までをも内包し、雄弁なメロディと精緻なピアノ・パートを備えたという恐るべき音楽。オーケストラ曲ばかりがディーリアスではありません。
NAXOS-8.570603
ゲ・ガンリュ:バグダード陥落
弦楽四重奏曲第1番「賦」
弦楽四重奏曲第4番「天使の組曲」
弦楽四重奏曲第5番「バグダード陥落」
モダーン・ワークス[吉岡愛理(第1Vn)、福原真由紀(第2Vn)、ヴェロニカ・サラス(Va)、メデリーネ・シャピロ(Vc)
マニアの間で大反響を巻き起こしている中国作曲家シリーズにまた新たなレパートリーが加わりました。このアルバムは1954年、上海生まれのゲ・ガンリュ(葛甘孺)(1954-)の弦楽四重奏曲です。中国において最初のアバンギャルドの作曲家であり、アメリカのコロンビア大学から博士号を得たことでも知られる彼は、作品の中で東洋と西洋の音楽の特性を統合しようと試みを繰り返しています。1983年に書かれた第1番の四重奏曲からその独特の書法は際立っていますが、「天使の組曲」で現れる、ポルタメントとグリッサンドを多用し生み出された微分音は、不気味さを通り越してまるでシルクロードを越えて東方の世界を夢見るほどに神秘的です。その特徴的な音色は「バグダード陥落」でも顕著です。
NAXOS-8.570604
チョウ・ロン/チェン・イ:野草
チョウ・ロン:遡及(フルートと琴編)、
 ピアノゴング(ピアノとゴングによる)、
 タイピン・ドラム(ヴァイオリンとピアノによる)
チェン・イ:モノローグ(阿Q正伝による印象)、
 笙と琴のロマンス(ヴァイオリンとピアノ編)、
 中国古代舞曲
チョウ・ロン:野草(語りとチェロによる)、
鼓韻(クラリネット、ヴァイオリン、チェロとパーカッションによる)
北京ニュー・ミュージック・アンサンブル
[ニコラ・アタナソフ(Fl)/ナ・ウ(琴)/ミシェル・イップ(P)/カン・ガオ(ゴング&ヴァイオリン)/ケイト・リプソン(Cl)/周龍(ナレーター)/ユ・ヤン・チャオ(Vc)/エリー・マーシャル(指)]
1953年生まれの2人の中国人作曲家、チョウ・ロン(周龍)(1953-)とチェン・イ(陳怡)(1953-)の作品集です。音の一つ一つに強烈な存在感を持たせた感のある「遡及」、トッカータを聴いているかのような爽快感と躍動感に溢れる「ピアノゴング」、中国的な響きと言えばこの曲「タイピン・ドラム」など色彩豊かな周龍の作品に比べ、陳怡の作品は全体的に抒情性に満ちた優しげな表情が特徴的です。クラリネットとピアノの掛け合いで曲が進む「中国古代舞曲」の自由闊達な音楽は、聴き手に喜びをもたらすこと間違いありません。
NAXOS-8.570533
星の歌〜近代カタルーニャの作品集
カザルス:マリアの薔薇の花冠
カザルス:きっととりなし給え聖母マリアよ
グラナドス:サルヴェ・レジーナ
カザルス:われは黒けれど
モレーラ:ナイチンゲール#
グラナドス:ロマンス
モレーラ:アヴェ・マリア#
グラナドス:宗教的情景#
ブランカフォート:愛の歌#
オルトラ(1922-):愛の歌より「エコ」#
オルトラ:愛の歌より「前奏曲」#
グラナドス:星々の歌#
ヴォイシズ・オブ・アセンション
デニス・キーン(指)
ダグラス・リーヴァ(P)、
マルク・クルチェク(Org)、
エリカ・キーセウェッター(Vn)

#=世界初録音
北東スペインの文化的都市、カタルーニャは古くから多くの芸術作品を育んだ肥沃の地です。この地に生を受けた音楽家は数多く、グラナドスやブランカフォート、そして名チェリスト、カザルスなど枚挙にいとまがありません。このアルバムは彼らの手による美しい小品を集めたものです。合唱好きが泣いて喜ぶカザルスの「マリアの〜」、そしてグラナドスの「星々の歌」はピアノと合唱とオルガンによる信じられないほど素晴らしい協奏曲です。世界初録音を多数含む涙ものの1枚です。
NAXOS-8.570752(2CD)
マイール:オラトリオ「トビアの結婚」 ラグエル…ユディス・スピーサー(S)
アンナ(ラグエルの妻)…マルグリート・ブフバーガー(S)
サラ(ラグエル夫妻の娘)…コルネリア・ホラク(S)
トビア・・・ステファニー・イラーニ(Ms)
大天使ラファエル…スザンヌ・ベルンハルト(S)
ジーモン・マイール・アンサンブル&cho
フランツ・ハウク(指)
すでにNAXOSからいくつもの作品がリリースされているジーモン・マイール(1763-1845)はバイエルンで生まれ、イタリアで活躍。そのため名前の表記もマイヤーであったり、マイールであったりと様々です。このオラトリオは旧約聖書の「トビト記」から題材を得たもので、ナフタリ族アシエルの家系、正義と真理の人で知られる盲目のトビトの息子、トビアと、神が決めた許嫁サラの物語。新婚の夫を7人も亡くしてしまい、悪魔に魅入られたと嘆くサラの両親、決して神への祈りを忘れることのないサラ、「彼女を救うためにはチグリス川で魚を捕えるように」とトビアに教える大天使ラファエル。と、聖書の通りに話は進んでいくのです。このオラトリオも、イタリアの有名な少女のための慈善院「メンディカンティ」の聖歌隊のために書かれているので、配役は全て女声によって歌われます。これもまた魅力的です。
NAXOS-8.570961
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第32集(パート・ソング第1集)
人生の喜び「交際上手」D.609
埋葬の歌「今や肉体を埋めた」D.168
復活祭の歌「死に勝ちたまいし救い主イエス・キリスト」D.168a
世界の創造主たる神Op.112-2/D.986
嵐の中の神Op.112-1/D.985
無限なるものに寄せる讃歌Op.112-3/D.232
夕映えD.236
何千もの星がきらめくD.642
太陽に寄せてD.439
婚礼の焼肉Op.104D.930
祝日の奉献式Op.146/D.763
祈りOp.139/D.815、踊りD.826
シビラ・ルーベンス(S)
ジルケ・シュヴァルツ(S)
レジーナ・ヤコビ(A)
インゲボルク・ダンツ(A)
マルクス・シェーファー(T)
マークス・ウルマン(T)
トーマス・E・バウアー(Bs)
マルクス・フライグ(Bs)
マークス・シュミードル(Bs)、
ウルリッヒ・アイゼンロール(P)
シューベルトの歌曲を語る上で避けて通れないのが、このパートソング集です。親しい友人たちとの集まりで披露されたであろうこれらの歌は、独唱のための曲に比べると気楽で身近な題材から取られたものが多く、彼の社会生活をあれこれ想像する材料としても興味深いことでしょう。曲によっては、ピアノ伴奏を備えた壮大なカンタータであったり、単純なメロディを用いたカノンであったりとその趣は本当に様々です。トラック10の「婚礼の焼肉」などはタイトルだけ訊くとユーモラスですが、実は・・・小さな「魔弾の射手」そのもの。3人の登場人物の掛け合いはまるでオペラのようで、なかなか聴き応えがあります。あと2枚のアルバムが予定されるこのシリーズ。
NAXOS-8.572139
パロモ:わが寂しき庭園
わが寂しき庭園(ギターと声楽編)
マドリガルと5つのセファルディの歌(声楽とギター編)
シエンフエゴスの協奏曲
演奏:マリア・バーヨ(S)
ペペ・ロメロ(G)
ロメロ・ギター四重奏団
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)
セビーリャ王立SO
心沸き立つギターの音色、夢引き裂くかのような歌声、どことなくエキゾチックなメロディ、これらを聴いて背中がぞくぞくしない人はいないでしょう。名歌手マリア・バーヨとペペ・ロメロによってこの世に生を受けた歌曲たちは、夜の寂しさと妖艶さの中に微かに香る狂気までをも、恐ろしいまでに表現し尽くしています。また、ペペ・ロメロ率いるギター・カルテットと熱血指揮者、デ・ブルゴスの共演による「シエンフエゴスの協奏曲」も聴きもの。前半を聴いて瞑想的になり過ぎてしまったと思ったらぜひ最後まで聴きとおしてください。
NAXOS-8.111328
ナクソス・ヒソトリカル
プッチーニ
:歌劇「修道女アンジェリカ」
道女アンジェリカ…ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)
公爵夫人アンジェリカの伯母…フェドーラ・バルビエーリ(Ms)
修道院長…ミーナ・ドーロ(Ms)
修女長…コリンナ・ヴォッザ(Ms)
修道女ジェノヴィエッファ…リディア・マリンピエトリ(S)
修道女オスミーナ…サンタ・クリッサーリ(S)
修道女ドルテーナ…アンナ・マルヴァンジェリ(S)
看護係修女…テレサ・カンタリーニ(S)他
トゥリオ・セラフィン(指)ローマ歌劇場O&cho

録音:1957年6月ローマ・オペラ劇場
プッチーニ(1858-1924)によるこの1幕のオペラは、「自殺はキリスト教において大罪である」という約束事を知らないと理解しにくいかもしれませんが、(オペラに於いて主人公はよく自らの命を絶つものです)宗教観を抜きにしてもこの美しさは伝わることでしょう。ここで修道女アンジェリカを歌っているのは、1950年代、まさしく最絶頂期を迎えたデ・ロス・アンヘレスです。この上なく感動的、かつ完璧で美しい歌唱は1958年のリリース時に大賛辞を持って人々に迎え入れられたものです。
NAXOS-8.111353
ナクソス・ヒソトリカル
ギーゼキング〜バッハ&ベートーヴェン作品集

バッハ:イタリア協奏曲BWV971[録音1940年1月]
パルティータ第1番(抜粋)[録音1939年1月ベルリン、1934年8月ウィーン]
パルティータ第5番[録音1939年4月5日]
パルティータ第6番[録音1939年2月28日]
フランス組曲第5番〜ジーグ
「主よ人の望みの喜びよ」(ヘス編)[以上録音1939年4月5日]
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」[録音1931年3月13日]
7つのバガテルOp.33-1[録音1938年8月11日
ヴァルター・ギーゼキング(P)

※ウォード・マーストン復刻
ギーゼキングは今でこそモーツァルト、ベートーヴェンやラヴェル、ドビュッシーのオーソリティとして認知されていますが、本当は「ピアノのための曲なら何でも弾ける」のがウリの人でした。ここで聴けるバッハは彼の初期の録音ですが、タッチのコントロールと強弱の付け方は本当に見事です。ベートーヴェンの「テンペスト」は、完璧な指さばきと堅固な解釈が見て取れます。ピアノ演奏の歴史に金字塔を打ち立てた名演の一つです。

NAXOS7月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.572267(1CD)
C-A.ベリオ:独奏ヴァイオリンのための作品集第1集
ヴァイオリンのための12の情景または狂詩曲Op.109(分かれ目/ポルカ/トカゲ/出発/フーガ/バナー/狂詩曲/サルタレッラ/女王/ロシア風マーチ/心配ごと/慰め)
9つの習作(アレグロ・アジタート/アレグロ・モデラート/モデラート/エネルジーコ/メロディ/ガルナール/マーチ/アレグロ・ヴィヴァーチェ/古えの名人を模して)、前奏曲または序奏Op.Post
ベラ・フリストヴァ(Vn)
協奏曲でおなじみ、C-A.ベリオ(1802-1870)の独奏作品集。ここで目の覚めるような演奏を披露するのは2007年のマイケル・ヒル国際ヴァイオリン・コンクールで第1位を獲得したニュージーランドの新星、ベラ・フリストヴァです。すでに国際的な活躍の場も多く、彼女の才能には多くの人々が多大な期待を寄せています。冴え渡るテクニックはもちろんのこと、デリケートでありながらも、芯のしっかりした美音がすこぶる魅力的です。所有するヴァイオリンはルイ・クラスナーが所有していた1655年製のアマーティです。
NAXOS-8.572048
ツェムリンスキー:抒情交響曲、他
抒情交響曲Op.18、ベルク:抒情組曲〜3つの小品(弦楽合奏版)
ローマン・トレーケル(Br)、トワイラ・ロビンソン(S)、ハンス・グラーフ(指)ヒューストンSO
しい人を奪われたマーラーに対して、終生尊敬と恨みの思いを抱き続けたであろうツェムリンスキー(1871-1942)の代表作であるこの曲は、テキストこそインドの詩を用いてはいるものの、明らかに「大地の歌」の影の中にあるのは周知の事実です。2人の独唱者によって歌われる狂おしい愛の世界を彩る管弦楽の響きは、爛れた果物の甘さと香りそのもの。爛熟した時代を克明に映し出した「大人のための童話」です。そして、この曲から生まれたベルク(1885-1935)の抒情組曲の頃、世界は暗黒の時代を迎えていくことになります。
NAXOS-8.570988
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲、他
ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ変ロ短調/ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ニコラス・ケッケルト(Vn)、ホセ・セレブリエール(指)RPO
近年には珍しいほどこの作品の土俗的な雰囲気をふんだんに盛り込んだ演奏で、セレブリエールの精緻な伴奏とともに熱い共感を示した名演となっています。些細なアゴーギクにも濃密にロマンのうねりが注入され、決して音の線は太くはありませんが、聴き手の琴線に響く力を持ち合わせています。その共感が本物であることは、ピアノ協奏曲同様に独特のメランコリーを湛えた、ヴァイオリン協奏曲の第2楽章で一層明らか。気分に流されない折り目正しいフレージングと美音が心に染みます。終楽章の切れ味も見事。  【湧々堂】
NAXOS-8.570329
シューベルト:序曲全集第2集
序曲ニ長調D.556/イタリア風序曲ニ長調D.590/イタリア風序曲ハ長調D.591/劇音楽「魔法の竪琴」D.644〜序曲「ロザムンデ」/歌劇「双子の兄弟」D.647〜序曲/序曲ホ短調D.648/歌劇「アルフォンソとエストレッラ」D.732〜序曲「ロザムンデ」/歌劇「謀反人たち(家庭戦争)」D.787〜序曲/歌劇「フィエラブラス」D.796〜序曲
クリスティアン・ベンダ(指)プラハ・シンフォニア
第1集が大好評だった「歌曲王」シューベルト(1797-1828)のオペラ序曲を聴くシリーズの第2集です。今作は中期の作品を収録しています。現在では、彼のオペラはほとんど聴く機会もないほどに忘れられてしまいましたが、彼自身はオペラの作曲に対して大いなる自信と野望を抱いていたようです。それは作品を聴いてみても明らか。具体的な題名は付されていないD.556の序曲から、何かが始まる予感に満ちた冒頭部分と、朗らかで軽快な主題が見事な連なりを見せています。比較的耳にする機会のある「フィエラブラス」や「アルフォンソとエストレッラ」もこの機会に再度聴いてみてください。
NAXOS-8.572111
偉大なる映画音楽集2
D.エルフマン:「バットマン」メインテーマ/H.マンシーニ:「ピンク.パンサー」メインテーマ/L.シフリン:ミッション・インポシッブル組曲/F.レイ:「ある愛の詩」よりテーマ/J.ウィリアムス:「ジュラシック・パーク」よりテーマ/N.ロータ:「ロメオとジュリエット」メインテーマ/J.ウィリアムス:「スーパーマン」よりマーチ/G.ヤレド:イングリッシュ・ペイシェント/N.ロータ:ゴッド・ファーザー/J.ウィリアムス:「スーパーマン」より愛のテーマ/K.バデルト:「カリブの海賊」メインテーマ/S.マイヤーズ:「ディアハンター」よりイントロダクションとカバティーナ/C.デイヴィス:「フランス軍中尉の女」メインタイトルテーマ/S.ワーベック:「シェイクスピアの愛」メインテーマ
カール・デイヴィス(指)ロイヤル・リヴァプールPO
これは文句なしに楽しめる1枚です。どの曲もほんの2秒聴いただけで映画の名場面が目の前に浮かびます。どきどきするような「バットマン」や「スーパーマン」のテーマ、弦のすすり泣きで、ついつい涙ぐんでしまいそうな「ある愛の詩」や「ゴッドファーザー」。どこから聴いても驚きと感動が押し寄せてきます。「ジュラシック・パーク」もあの有名なメロディが出てくると背中がぞくぞくすること請け合いです。カール・デイヴィスの編曲は原曲の持ち味を一切壊すことなく、その上にゴージャス感を付けくわえています。第1集(NAXOS-8.570505)も好評発売中。
NAXOS-8.570931
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第3集
ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.40/追憶の歌(管弦楽伴奏版)
ジュズアルド・コッジ(P)/シルヴィア・パジーニ(Ms)/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
その生涯に1曲もオペラを書くことがなく、初期に書いたミサ曲なども長らく上演されなかったマルトゥッチ(1856-1909)の唯一愛されている声楽曲が、この「追憶の歌」です。当時のイタリアでは管弦楽伴奏の連作歌曲というものの存在が知られておらず(彼は恐らくベルリオーズの「夏の夜」は知っていたと思われますが)その面でもきわめて珍しい作品として評価されることでしょう。曲の雰囲気は「四つの最後の歌」にも似た甘やかでデリケートなもの。幽かに胸が締め付けられるような黄昏の美しさを存分に湛えています。ピアノ協奏曲は23歳の若き時期の作品です。
NAXOS-8.570879
マリピエロ:交響曲集第2集
静寂と死の交響曲/交響曲第1番「四季の如く4つのテンポで」/交響曲第2番「悲歌」
アントニオ・デ・アルメイダ(指)モスクワSO
同時代に活躍したレスピーギに比べると、どうしても知名度の点で劣ってしまうのですが、独自の作品を書いたという面では、このマリピエロ(1883-1973)の存在価値はとても高いものだと思われます。ここに収録された3つの作品のうち第1曲目は初期のもの。30歳のころに新古典派に目覚めた彼はそれまでに書いた作品を全て自己否定してしまった中の一つです。実はとても素晴らしいのですが・・・。それから20年を経て、番号付きの作品を書き始めた彼の作風の変化もお楽しみいただけます。
※MARCO POLO8.223603〜移行盤
NAXOS-8.570597
F.X.リヒター:6つの大交響曲集
交響曲第4番ハ長調/交響曲第59番変ロ長調/交響曲第69番イ長調/交響曲第82番ホ短調/交響曲第27番ト短調/交響曲第5番ハ長調
アーポ・ハッキネン(指)ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
マンハイムの作曲家F.X.リヒター(1709-1789)の最も脂の乗った時期の大交響曲を6曲収録しました(第1集NAXOS-8.557818も好評発売中)。1744年に発表されたこれらの作品は、極めて整ったゆったりした楽章と、見事な対位法の粋を極めた早い楽章から出来ています。少しだけ遅く生まれたワーゲンザイル(1715-77)が当時の先端を行くスタイルを模索したのに比べ、リヒターはバロックの伝統を熟成させることに力を注ぎ、確固たる作品を作り上げて行きました。ハッキネンとヘルシンキ・バロックは作品の美質をこの上ないほど素晴らしく再現することに成功したのです。
NAXOS-8.572138
ショスタコーヴィチ:女友だち、他
映画音楽「女友だち」完全版Op.41(フィッツ=ジェラルドによる復元版)/劇音楽「ブリタニアを支配せよ!」Op.28/劇音楽「スペインに敬礼」Op.44/交響的断章(交響曲第9番の第1楽章)(1945年未完)
:セリア・シーン(テルミン)/カミル・バルチェウスキ(Bs)/カメラータ・シレシア/マーク・フィッツ=ジェラルド(指)ポーランド国立放送カトヴィツェSO
昨年リリースの女ひとり(NAXOS-8.570316)も大好評ですが、こちらはもっと珍しいショスタコーヴィチ(1906-1975)の映画音楽「女友だち」です。この映画は3人の少女が成長し、南北戦争で看護婦として活躍する物語。社会主義の体制の中での女性の社会進出を描いた興味深い内容でもあります。いつものようにF=ジェラルドによる復元版を使用したこの演奏は、いつものように絢爛豪華なオーケストレーションで聴き手を魅了します。この盤は他にも世界初録音となる3つの作品が含まれています。交響的断章は、交響曲第9番のスケッチと考えられ、こちらもまことに興味深い内容です。
NAXOS-8.559365
フット:フランチェスカ・ダ・リミニ他
フランチェスカ・ダ・リミニOp.24/セレナーデOp.25〜抜粋/オマル・ハイヤームの「ルバイヤート」による4つの性格的小品Op.48(1900)/組曲ホ長調Op.63(1907)
ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
多くの人は「アメリカ近代音楽の歴史はコープランド、もしくはガーシュウイン、コール・ポーターから始まった」と考えているはずです。しかし、それ以前に多くのすぐれた作曲家が存在したことも忘れてはなりません。このフット(1853-1937)もそんな才能溢れる作曲家の一人です。1853年にマサチューセッツのサレムに生まれ、主にボストンで生活していましたが、彼の作風はこのアルバムをお聴きいただいてもわかる通り、同世代の作曲家たちとは一線を画したものでまさにヨーロッパ風。それもブラームスの流れを汲むロマン派の音楽そのものです。劇的で重厚な「フランチェスカ・ダ・リミニ」。とりわけ弦の扱いには細心の注意が払われ、エルガーやチャイコフスキーの面影を感じさせる「セレナーデ」、他、小さな作品など、まさに隠れた名品ばかりが並びます。
NAXOS-8.572108
隠された空き地他
G.ジェイコブ(1895-1984):組曲変ロ長調(シンフォニック・ウィンド・バンド版)(1979)/J.スタンプ(1954-):隠された空き地に〜イン・ザ・ヒド・クリアリング(2001)/コープランド:リンカーンの肖像(管楽アンサンブル版・・・ビーラー編)(1942)/グレインジャー:楽しい鐘の音(バッハ:カンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」BWV208による編曲)/グレインジャー:カントリー・ガーデンズ(スーザ編)/ガーシュウイン:キャットフィッシュ・ロウ(D.ハンスバーガー編)
アルヴィン・チアー(ナレーター)、ジョー・エッラ・トッド(S)、デリック・フォックス(Br)、トーマス・オニール(指)ミズーリ大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
最近のNAXOSが力を入れている「吹奏楽」のジャンルにまた新たな名盤が登場いたしました。今作もマニアにはたまらない選曲となっています。ジェイコブの「組曲」は最初ブラスのために書かれましたが、後にもう少し大きな編成へと書き直されたもので、何とも親しみやすい作品です。「隠された空き地に」は、このバンドの指揮者オニールのために書かれた作品。作曲家と指揮者の友情を描いたということです。他の編曲集はまさに妙技の一言。グレインジャー、スーザ、バッハ、ガーシュウインらの才能が混然一体となったスゴイ音が楽しめます。
NAXOS-8.570412
スクリャービン:ピアノ作品集
ワルツ変ニ長調Op.posth./ワルツへ短調Op.1/ポロネーズ変ロ短調Op.21/幻想曲ロ短調Op.28/2つの詩曲Op.32/悲劇的詩曲Op.34/悪魔的詩曲Op.36/9.ワルツ変イ長調Op.38/詩曲変ニ長調Op.41/3つの小品Op.52/アルバムの綴りOp.58/詩曲「炎に向かって」Op.72/2つの舞曲Op.73
シャイン・ワン(P)
スクリャービン(1872-1915)の珍しい初期作品から悪魔的様相を見せる晩年の作品まで全てを楽々と弾きこなすのは中国生まれのシャイン・ワン。確かなテクニックは勿論のこと色彩的な音楽を壮大に表現できる現代でも稀有の才能です。スクリャービン14歳の作品である2つのワルツからして油断して聴いている訳にはいきません。まっすぐな道を歩いていたのに、いつの間にか別の世界へ行ってしまうような不安感が漂う作品です。作品番号順に収録されているので聴き進むうちに聴き手の心は一層混迷の度合いを増していくことでしょう。
NAXOS-8.570894
スウェーリンク:ハープシコード作品集
前奏曲(幻想曲)SwWV265/「戦いの神マルス」による変奏曲SwWV321/ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV258/フィリッピのパヴァーヌSwWV329(フィリップス作、スウェーリンク編)/「わが青春の日は既に過ぎたり」による変奏曲SwWV324/ドリア旋法によるトッカータSwWV286/「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」による変奏曲SwWV299/イオニア旋法によるエコー・ファンタジーSwWV253/「もしも運命の女神に愛されるなら」による変奏曲/パッサメッツォ・モデルノSwWV326/涙のパヴァーヌSwWV328(ダウランド作、スウェーリンク編)/いざ来れ異教徒の救い主よ(ルター作コラール、オジアンダーによる和声付け)/第1旋法による4声のファンタジア(作者不詳)
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
ネーデルランドのオルガニストであったスウェーリンク(1562-1621)は、様々な素晴らしいオルガンとハープシコードの作品を残しました。変奏曲の形式の発展に力を尽くしたことで知られ、対位法の扱いはもちろんのこと、フーガの発展性などには、バッハを先取りする斬新な作風が見てとれます。3曲目に置かれた「半音階的幻想曲」の冒頭などを聴いていると、とても16〜17世紀に書かれた音楽とは思えないくらいです。多くの変奏曲も収録されていますが、そのどれもが美しい唐草模様に彩られたメロディの宝庫と言えましょう。最後に置かれた2曲の作品は、スウェーリンクの作ではありませんが、当時編纂された曲集に彼の作品とともに収録されているもので、恐らくスウェーリンクの創造心にも影響を与えているものと思われます。
NAXOS-8.572185
ニュージーランドのギター音楽集
リルバーン:17のギターのための小品(全集として初録音)、ギターのための出版されなかった小品集(初録音)、4つのカンツォーナ(初録音)、フォーカー:組曲、夢見るプロスペロウ
グンター・ヘルビッヒ(G)
ニュージーランドで最初にクラシック・ギターへの関心が高まったのは1950年代の終わり頃。画家でもありギタリストでもあったR.バーン(1928-2007)が英国から移住しウェリントンでギターを教え始めた頃から人々はギターに対する大いなる憧憬を抱いたのです。バーンの影響はものすごかったのでリルバーン(1915-2001)やフォーカー(1928-2007)をはじめとする数人のニュージーランドの作曲家は彼に自作を捧げました。1960年代にE.ビボービ(国際的名手、教師)もオークランドに定住。さらにこの国のギター界に活気がもたらされました。以降J.ブリームやこのアルバムの奏者G.ヘルビッヒもニュージーランドをとりわけ大切にしています。
NAXOS-8.572306
期待の新進演奏家シリーズ/ガブリエル・ビアンコギター・リサイタル
シューベルト:涙の賛美D.711(メルツ編曲)/メルツ:吟遊詩人の調べOp.13〜<カプリッチョ/タランテラ>/悲歌/ハンガリー風幻想曲Op.65-1/バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタハ長調BWV1005(ギター編曲)<アダージョ/フーガ/ラルゴ/アレグロ・アッサイ>/コシュキン(1956-):ギターのためのソナタ
ガブリエル・ビアンコ(G)
各界で熱き視線を一身に浴びる「NAXOS期待の新進演奏家シリーズ」に、フランス生まれの若きギタリストの登場です。彼の名前はガブリエル・ビアンコ。2008年GFA国際コンクールの第1位を獲得した俊英です。5歳からギターをはじめ、20歳の時にパリのコンセルヴァトワールで一等賞を得て卒業。15歳から世界各地でコンサートを行い高い評価を受けています。繊細な音色と良く回る指、そして旋律の歌わせ方は絶品。このアルバムに収録されたメルツの作品でのすすり泣くような表現には思わず絶句するほどの才能の煌めきを感じます。
NAXOS-8.570748
ベリオ:2台のヴァイオリンのための作品集
二重協奏曲第1番ト短調Op.57-1/二重協奏曲第2番ホ短調Op.57-2/二重協奏曲第3番ニ長調Op.57-3/バレエ「スペインの王子」のモティーフによる6つの性格的小品
クリスティーネ・ゾーン&ジョン・マルクス(Vn)
その作品を聴かれることよりも、どちらかと言うと演奏される機会の多いC-A.デ・ベリオ(1802-1870)ですが、こうして色々な曲を聴いてみると、改めてその多彩な作曲技法と音楽性に拝復する他ありません。このアルバムに収録された「」は2台のヴァイオリンが追いかけ合い、絡み合う魅力的な作品。ピアノなどの他の楽器の助けを借りず、ひたすらヴァイオリンのみで華やかな世界を見せてくれます。「6つの性格的小品」はスペインの様々なリズムを用いた興味深い曲。セレナード調であったり激しい踊りであったりと一時も耳を飽きさせることがありません。
NAXOS-8.572019
サン・リュバン:ヴァイオリン超絶技巧作品集第1集
協奏的大ニ重奏曲Op.49/「ランメルモールのルチア」の主題による幻想曲Op.46/創作主題とタールベルクの練習曲Op.45a/アダージョ・レリジオーゾOp.44/オベールの歌劇「許婚」の主題によるポプリOp.35/2つのサロン風小品Op.47-1/2つのサロン風小品Op.47-2
アナスタシア・ヒトルーク(Vn)/エリザベータ・コペルマン(P)
このヴァイオリンにおける独自の才能を示した作曲家サン・リュバン(1805-1850)は、フランス革命の後に、語学教師としてイタリアに移住した士官の息子として1805年にトリノで生まれました。幼い頃の彼については何もわかっていません(もちろん音楽辞書にも載っていませんし、彼を研究している音楽学者もいません)が、成長してからは、ベートーヴェンとも会ったことがあり、ヴァイオリン協奏曲の小さなカデンツァを献呈したという記録が残っています。1827年頃パガニーニの完璧な技巧に魅了された彼はウィーンで生活することを決意しました。リスト、シュポア、メンデルスゾーンらとも交流のあったという、そんな彼の忘れられた作品集が、若きアメリカの名手ヒトルークの手によって21世紀に甦りました。
NAXOS-8.553378
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第8集
弦楽四重奏曲第3番ニ長調B.18
プラハ・ヴラフSQ/ヤナ・ヴラコーヴァ(第1Vn)/カレル・スタッドゼール(第2Vn)/ペトル・ヴァマー(Va)/ミカエル・エリクソン(Vc)
30歳を目前に控えた若きドヴォルザーク(1841-1904)の大作、弦楽四重奏曲第3番です。あまりにも長すぎるという理由で、ほとんど演奏されることのない作品で、実際の演奏会のプログラムに載せるにはかなり大胆なカットが必要かもしれないとされていますが、作品の冒頭から溢れ出る若々しい情熱の滾りは、そのような欠点を補って余りあるものではないでしょうか。第3楽章で使われる勇ましいメロディは当時流行ったチェコの愛国歌をモティーフとしています。
NAXOS-8.570998
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集WoO36
ピアノ四重奏曲ハ長調WoO36-3/ピアノ四重奏曲変ホ長調WoO36-1/ピアノ四重奏曲ニ長調WoO36-2
ニュージーランド・ピアノ四重奏団、リチャード・マップ(P)/ユーリ・ゲゼンツヴェイ(Vn)/ドナルド・モーリス(Va)/ダヴィッド・チッケリング(Vc)
童というと、どうしてもモーツァルトを思い浮かべてしまいますが、15歳にしてこんなに見事なピアノ四重奏曲を書いたベートーヴェン(1770-1827)だって、紛れもない神童に違いありません。例えばハ長調の曲の第1楽章。冒頭こそハイドンや、モーツァルトの面影を感じさせますが、展開部で劇的に短調に転ずるところなどは、まさしくベートーヴェンそのもの。(ちなみにあの名ピアニスト、アルゲリッチも愛奏している作品です)。またアダージョで始まる変ホ長調の第1楽章は瞬間的にですが、ピアノ協奏曲第3番の第2楽章を思わせてもくれるほどの悩ましい音楽です。第3楽章で各々の楽器が自由に歌い交わすところなども、抱きしめたくなるほど魅力的です。
NAXOS-8.570402
トゥリーナ:ヴァイオリンとピアノのための音楽集
ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.51/ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペイン風」Op.82/アンダルシアのムーサたちOp.93〜第2番「エウテルペ」/サンルケーニャの娘の詩Op.28/古風な変奏曲Op.72
エヴァ・レオン(Vn)/ホルディ・マソ(P)
トゥリーナ(1882-1949)の作品には、なぜかこう聴き手を幸せにする成分が含まれているように感じます。それは、ほんの微かなスペインの香りであったり、洒落たメロディであったり、またエキゾチックな和声であったり。と感じる人によって捉え方は様々でしょう。NAXOSレーベルの中でも重要な位置を占めるピアノ作品集に加え、このヴァイオリン作品集もそんな魅力に満ち溢れた素敵なアルバムです。往年の名女性ヴァイオリニスト、ジャンヌ・ゴーティエに捧げられた「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は彼が47歳の時の作品。第1楽章と第2楽章の気だるい美しさは初夏の午後の日差しを思わせる眩しい美しさに溢れています。他の曲からも熟れた空気と熱い吐息が流れてくるかのようです。
NAXOS-8.570507
アイアランド:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲イ短調/ピアノ三重奏曲第2番ホ調/ピアノ三重奏曲第3番ホ調/ヴァイオリンとピアノのための子守歌/ヴァイオリンとピアノのためのカヴァティーナ/ヴァイオリンとピアノのためのバガテル/「聖なる少年」(ヴァイオリンとピアノ編)
グールド・ピアノ三重奏団、ルーシー・グールド(Vn)、アリス・ニアリー(Vc)、ベンジャミン・フリス(P)
ギリスの裕福な実業家、W.コベットは「若きイギリスの作曲家の才能を発掘する」目的で室内楽コンクールを主催することを考えました。第1回の1905年のコンクールには67の作品が集まり、見事第1位を射止めたのはW.ハールストーン。第2位はアイアランド(1879-1962)と同じ年のF.ブリッジの作品が選ばれました。で、1907年の同コンクールで第1位の座に輝いたのが、このアイアランドの幻想的三重奏曲でした。彼はそれからも創作の翼を広げ続け、独自の作品を多く生み出すこととなったのです。1938年に初演された第3番の三重奏曲はウォルトンに捧げられたものですが、雄大かつ幽玄な作風がきわめて魅力的と言えるでしょう。そうそう、アイアランドと言えば、必ず付いてくる「聖なる少年」も収録されています。今回はヴァイオリンとピアノ版です。
NAXOS-8.660272(2CD)
ストラヴィンスキー:歌劇「放蕩者のなりゆき」(1951年版)
ジェニー・ウェスト(S)/ジョン・ガッリソン(T)/アルトゥール・ウッドレイ(Br)/ジョン・チーク(Bs-Br)/シャーリー・ラヴ(Ms)/ウェンディ・ホワイト(Ms)/メルヴィン・ロウリー(T)/ジェフリー・ジョンソン(Bs)/グレッグ・スミス・シンガーズ/ロバート・クラフト(指)セント・ルークスO
ストラヴィンスキー(1882-1971)の新古典主義を代表する作品「放蕩息子のなりゆき」は、かなり理不尽で夢見心地な内容なのですが、多くの演奏家たちを魅了してきたことでも知られ、最近では、あの大物指揮者アーノンクールでさえが振ってしまったことで話題となりました。このクラフトのものは様々な演奏の中でもきわめてオーソドックスな解釈として知られるものです。各々の登場人物のキャラの立ち具合、チェンバロまでを含んだ妙に整った音楽。作曲家と実際に親交のあったクラフトならではの説得力ある音作りは、まさに「安心して聴ける」アブナイ音楽と言えるでしょう。
NAXOS-8.559624
シエッラ:ラテンのミサ曲「プロ・パーチェ」
ハイディ・グラント・マーフィ(S)、ナタニエル・ウェブスター(Br)、アンドレアス・デルフス(指)ミルウォーキーSO&cho
18世紀から19世紀にかけて、カトリックのミサから多くの素晴らしい作品が生み出されました。その流れを汲み、新たに創造を凝らした作品を書いてみたいと作曲家シエッラ(1953-)が試みたのがこのミサ曲「プロ・パーチェ」です。シエッラが幼いころに過ごしたプエルトリコのカトリックの教会での体験が基になっているというもので、その力強い祈りの歌声は多感な彼の心に大きな衝撃を与えたというのです。荘厳で深淵なテキストを歌う背後に流れる情熱的なラテンのリズムが、聴き手に不思議な感動を呼び起こします。ワールドミュージック好きにも歓迎されそうな音使いが新鮮です。
NAXOS-8.111336
グレート・ヴァイオリニスト/メニューイン
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番、ヴァイオリン・ソナタ第1番*
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)フィルハーモニアO、アドルフ・ベイラー(P)、ユーディ・メニューイン(Vn)
録音:1953年9月12-13日ロンドンEMIアビーロード第1スタジオ/1947年12月29日ニューヨークRCA第2スタジオ*/マーク・オーバート=ソーン復刻
メニューインにおける「4つのB」とはバッハ、ベートーヴェン、ブラームス、そしてこのバルトークでした。彼は1943年にソナタの第1番を演奏する際、バルトークの元を訪れ助言を乞いました。しかし演奏会を聴いたバルトークは「素晴らしい!私の助言など必要ない」と大賛辞を贈り、以降、病魔と闘いながらもメニューインのために幾つかの作品を書きました。ここに収録されたヴァイオリン協奏曲は、そんなバルトークの熱意に触発されたかのような演奏で、現在でもこれを超えるものはないほどの名演。20世紀を代表する演奏と言っても過言ではありません。
NAXOS-8.111340
グレート・シンガーズ/ディ・ステファノ〜ナポリの歌
ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ/トスティ:マレキアーレ/ファルヴォ:彼女に告げて/デ・クルティス:泣かないおまえ/ディ・カプア:あなたの口づけを/カルディッロ:カタリ・カタリ/デ・クルティス:帰れソレントへ/ラマ:静けさに歌う/ナルデッラ:キオーヴェ/ダンニバーレ:太陽の土地/マリオ:遥かなるサンタ・ルチア/ディ・カプア:マリア・マリ/ペルシコ:鳩/作者不詳(ベルリーニ編):光さす窓辺/チオフィ:五月の一夜/デ・クルティス:夜の声/デ・クルティス:秋/テオドーロ:サンタ・ルチア/ヴァレンテ:情熱/デ・クルティス:孤独/21.タリアフェッリ:プジレコの漁夫
ジュゼッペ・ディ・ステファノ(T)、ディノ・オリヴィエリ(指)スタジオ・オーケストラ
録音:1953年4月-1957年5月/マーク・オーバート=ソーン復刻
シチリア島の貧しい家庭に生まれたディ・ステファノは、合唱団で声楽の才能を認められるも、なかなかオペラの舞台に立つ機会が持てず第二次世界大戦中は流行歌の歌手として糊口をしのぐ他ありませんでした。戦局悪化に伴いスイスに逃亡、難民キャンプで暮らしたこともあります。しかしその本来の美声は常に称賛の的となり、1945年にイタリアに戻ってからは少しずつオペラ歌手としての活動の場を広げました。そんなキャリアのおかげで何を歌っても素晴らしく、オペラから引退しても人気が衰えることはありませんでした。

NAXOS 6月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.570722
シマノフスキ:交響曲集
演奏会用序曲Op.12、交響曲第1番へ短調Op.15、交響曲第4番「協奏交響曲」Op.60
、練習曲変ロ短調Op.4-3(G.フィテルベルク編)
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(P)、エヴァ・マルチク(Vn)、マレク・マルチク(Va)、ワルシャワPO、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO
最初の交響曲に、自ら「対位法、ハーモニーの怪物的管弦楽作品」とあだ名をつけたシマノフスキ。彼自身はワーグナーやR.シュトラウスの影響を否定したと言いますが、やはり初期の作品である「演奏会用序曲」には先人風の響きが感じられるのは仕方ないことでしょう。しかしその2年後に書かれた交響曲第1番には、彼独特の「肉感的なうねり感」がたっぷり。驚くほどに魅力的です。第4番の交響曲ではピアノが縦横無尽の活躍するストラヴィンスキー風の新古典主義音楽が楽しめます。特に終楽章での燃え上がるマズルカ風の音楽は一聴に値します。
NAXOS-8.570930
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第2集
交響曲第2番ヘ長調Op.81、主題と変奏Op.58(ピアノと管弦楽編曲版)、ガヴォットOp.55-2(管弦楽編曲版)、タランテッラOp.44-6(管弦楽編曲版)
リア・デ・バルベリース(P)、フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
ベルカントから純音楽へ・・・「オペラではないイタリア音楽の再生」を図ったマルトゥッチ(1856-1909)。彼の最高傑作の一つ、交響曲第2番です。この曲は1904年に完成されたブラームスとシューマンへの思い入れを感じさせる堂々たる大曲です。当時「演奏反対運動」が巻き起こったにも拘らずマルトゥッチは各地で初演を断行、以降はこの曲を愛したトスカニーニによって演奏が引き継がれたという曲、交響曲としての完成された形と、メロディ、語法全てがバランス良く集積された聴き応えのあるものになっています。
NAXOS-8.572129
ワイルド・ナイツ!〜吹奏楽のための作品集
ティケリ(1958-):ワイルド・ナイツ!(2007)、ズベイ(1964-):シャドウ・ダンス(2006)、
ブリアント(1972-):ダスク(2004)、エテザディ(1973-):アナヒタ(2005)<夜間飛行/ナイトメア/眠りと静寂〜光の到来>、
マッケイ(1973-):ソプラノ・サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲<前奏曲/フェルト/金属/木材/フィナーレ>
ヴィンセント・グノジェク(ソプラノSax)、スコット・ワイズ(指)カンザス大学ウィンド・アンサンブル
カンザス大学吹奏楽部の素晴らしい演奏で、21世紀に書かれたバリバリ新作をぶいぶい聴いてしまう凄アルバムです。多くの受賞歴のあるティケリの「ワイルド・ナイツ」はエミリー・ディキンソンの詩に触発された愉快な曲。マッケイのソプラノ・サックス協奏曲は、彼の師であるコリリアーノのクラリネット協奏曲へ敬意を払ったという作品。他にも夜の女神「アナヒタ」を描いたエテザディ、ブリアント、ズベイと吹奏楽マニアにはおなじみの作曲家の渾身の作が並びます。
NAXOS-8.570556
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第2集
歌劇「カーチャ・カバノヴァー」より(ペーター・ブレイナー編)<序曲/ティホン、その時あたりに…/また自慢する…/間奏曲と歌/嵐が近い>、
歌劇「マクロプロス事件」より(ペーター・ブレイナー編)<死は私に触れていた/グレゴール、プルスの死因/それは何だか変ですよね?/私は頭が空っぽです。/本当にあなたが大好き/そう?>
ペーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO
第1集(8.570555)に続く、ブレイナーによる華麗なる編曲で聴くヤナーチェク(1854-1928)のオペラ名旋律集です。今回取り上げられたのは、人妻の官能的な恋愛を描いた「カーチャ・カバノヴァー」と、ふとしたことで不老不死になってしまったオペラ歌手の物語「マクロプロス事件」の2演目。ここでもブレイナーの施した編曲の素晴らしさは言葉に尽くせません。例えば「カーチャ」でのクライマックス、カーチャが愛人の名を告げて嵐の中に飛びだして行く場面での、段階的な音の増やし方などは聴いているだけでぞくぞくしてしまいます。不気味さと、妙な明るさが入り混じる「マクロプロス」も聴きもの。不条理なのだけど許してしまいます。
NAXOS-8.570774
バックス:交響的変奏曲、左手のためのピアノコンチェルタンテ
アシュリー・ウェイス(P)、ジェームス・ジャッド(指)ボーンマスSO
NAXOSではすっかりおなじみとなった、イギリスの作曲家バックス(1916-1953)。今作もピアノのための作品です。彼のピアノと管弦楽のための作品は5曲あり、そのどれもに例のごとく、愛する人ハリエット・コーエンの面影がだぶります。演奏に50分近くを要する「交響的変奏曲」は、それぞれの変奏部分にタイトルが付けられた音による叙事詩とも言える大作。聴き応えたっぷりです。かたや、小規模の「左手のための小協奏曲」はアイルランドの海辺の景観を思わせるロマンティックな曲。繊細で移ろいやすい和声、ハーモニーが魅力的です。
NAXOS-8.572013
ピッツェッティ:夏の協奏曲、他
夏の協奏曲(1928)<朝の祈り/夜想曲/ガリアルドと終曲>、ソフォクレスの「オイディプス王」への3つの交響的前奏曲(1904)、悲劇「クリテムネストラ」の2つの前奏曲より(1962-64)…世界初録音、管弦楽のための三部作「パンアテネの祭り」(1936)<前奏曲/パラスアテナの人々がダンスを踊る/行列の行進曲>…世界初録音
マイロン・ミカイリディス(指)テッサローニキ州立SO
1968年4月(ピッツェッティの死から2か月後)、音楽学者ウォーターハウスは「カセッラおよびマリピエーロと並ぶイタリア現代作曲家であるピッツェッティ(1880-1968)」に対する讃美の文章を発表しました。彼は1940年代にはファシズム政権と親しかったり、「皇紀2600年奉祝曲」(交響曲イ調)を作曲したりとユニークな経歴の持ち主でもあります。このアルバムには、彼の40年に及ぶ創作活動から生まれた珠玉の作品の中から世界初録音を含む4曲を収録しています。バロックの形式を踏襲した「夏の協奏曲」、初期の作品の中でもきわめて独創的な「交響的前奏曲」、他晩年の作品まで、現在決して人気が高いとは言えないピッツェッティの作品の偉大なる片鱗が明らかになることでしょう。
NAXOS-8.570320
プレイエル:協奏曲集
協奏交響曲変ロ長調(Benton112)、協奏交響曲イ長調(Benton114)、ヴァイオリン協奏曲ニ長調(Benton103/103A)
デイヴィッド・ペリー(Vn)、ヴィクトリア・チャン(Va)、イザベラ・リッピ(Vn)、マーカンド・ザーカー(指)ボルティモア室内O
高名なピアノ製作者として知られるプレイエル(1757-1831)は、ハイドンに作曲を師事、ヴァンハルにピアノを学びピアニストとして各地で活躍しました。このアルバムに収録された作品は、今までにほとんど知られていないものばかり。例えば、変ロ長調協奏交響曲は、彼がF.X.リヒターの代理人としてストラスブールで最初に働いた時に書かれた1760年代のもので、本来単一楽章とされていますが、第1楽章があったことは文献からも明らかで、ここでは、ヴィオラと鍵盤楽器のために書かれたスコアを元に復元した楽章を第1楽章として演奏しています。他にも珍しいヴァイオリン協奏曲など、緻密な研究に基づいた興味深い作品が並びます。
NAXOS-8.570526
アレンスキー:ピアノ協奏曲へ短調他
ピアノ協奏曲へ短調Op.2、ロシア民謡による幻想曲Op.48、スヴォロフの思い出に、交響的スケルツォ
コンスタンティン・シチェルバコフ(P)、ドミートリー・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
R=コルサコフに師事し、その才能を早くから認められるも、その後独自の様式を確立することがなかったため恩師からも「あいつはその内忘れられてしまうさ」と揶揄されてしまったというアレンスキー(1861-1906)。確かに、民謡を多様した作品も、このピアノ協奏曲も、ちょっとショパンやチャイコフスキー風であったりと、ゴツゴツしたロシア風の音楽を好む人からは敬遠されがちな作曲家です。しかし、もう一度立ち止まってこの抒情味溢れる音楽を聴いてみてください。ああ、なんて清々しくて荘厳なのでしょう。と、言うわけで、決して「亜流」ではありません。
NAXOS-8.572061
ニエミネン:フルート協奏曲「パロマー」他
「パロマー」(フルート協奏曲)(2001)<日没/夜、古代の人々と鳥たち>、
「影を通して、古えの声を聞く」(クラリネット協奏曲)(2002)、薄暮の小道(1995)
パトリック・ガロワ(Fl)、ミッコ・ラーサッカ(Cl)、パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
フィンランドの現代作曲家、ニエミネン(1953-)の作品集です。彼の音楽はどんな「主義」とも一致することはありません。見たまま、経験したままを音として表わす、いわば「音楽による絵画」です。このフルート協奏曲はパトリック・ガロワのために書かれた作品で、古代のメロディが現代的なフォルムを纏って立ち現れます。庭でさえずる鳥の声、星のささやきなどを歌うフルートの音色を柔らかく包み込む多彩な楽器群。この親密で透明な空気感がたまりません。
NAXOS-8.570822
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ全集
ソナタ第1番ヘ長調Op.6、ソナタ第2番変ホ長調Op.45、ソナタ第3番ヘ長調Op.46、ソナチネハ長調Op.13-1、ソナチネト短調Op.13-2
レクサンダー・ドッシン(P)
組曲「道化師」の軽快な音楽でおなじみカバレフスキー(1904-1987)は、とりわけ子どもや若い人向けの作品を多く作曲し、芸術の大衆化を図ったことでも知られます。彼のピアノ・ソナタとソナチネは、概ね経歴の初めの頃に書かれたもので、それほど革新的な形式や個性的な和声を有している訳でもないのですが、名ピアニスト、ホロヴィッツやモイセイヴィチらに愛奏されたこともあり隠れた人気を誇っています。とりわけソナタの第3番は現在でも広く愛されています。要求される技巧はそれほどでもないのですが、極めて演奏効果の高い曲でもあります。
NAXOS-8.570891
ブゾーニ:ピアノ作品集第5集
バッハ(ブゾーニ編):前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552「聖アンナのフーガ」、ブゾーニ:6つの練習曲Op.16、6つの小品Op.33b、ショパンのハ短調前奏曲による10の変奏曲Op.22(1922年改編版)
ヴォルフ・ハーデン(P)
イタリア生まれとはいえ、母方がドイツ系であったり、生涯ほとんどドイツで過ごしたせいもあったりでブゾーニ(1866-1924)の音楽に横溢するのは紛れもなくドイツの精神です。とりわけバッハの音楽への傾倒が知られ、オルガン曲の編曲のような直截的なものから、明らかに影響を受けたと思われる対位法を駆使した作品まで数多くのバッハの残り香が感じられる曲を残しています。このアルバムでは、ブゾーニらしいバッハの編曲物と、ショパンの前奏曲による変奏曲、そしてオリジナルの曲を楽しむことができます。ブゾーニらしい多彩な表現をお楽しみいただけます。
NAXOS-8.572169
ディキンスン:オルガン作品全集
ケンブリッジ・ポストリュード、前奏曲、「神の御子は今宵しも」によるポストリュード、オルランド・ギボンズの賛美歌46番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌20番による前奏曲、オルランド・ギボンズの賛美歌34番による前奏曲、トッカータ、「大聖堂の殺人」の瞑想曲、ピアニッシモの練習曲、哀歌、3つの言明、鐘、パラフレーズ1、青いバラの変奏曲(J.ベイトに捧ぐ)、.ミレニアム・ファンファーレ
ジェニファー・ベイト(Org)
1934年生まれのイギリスの作曲家ディキンスン(1934-)。同姓同名のミステリー作家とは別人ですが、この人も多くの著作があり、またピアニストとしても活躍しています。彼の父親フランクはコンタクトレンズの専門家で、アメリカ及び南アフリカでのコンタクトレンズの普及と研究に生涯を捧げた人です。と、同時に才能あるオルガニストであったため、息子ピーターも自然に音楽に親しみ、素晴らしい作品を作り上げたのでしょう。彼の50年近くの歩みがこの1枚に凝縮されています。
NAXOS-8.572196
アルベニス:ピアノ作品集第3集
6つのスペイン風ダンスOp.37、6つの小さなワルツOp.25、6つのサロン風マズルカOp.66
ギレルモ・ゴンザレス(P)
アルベニス(1860-1909)のピアノ作品集第3集は、舞踏のための組曲を集めました。スペイン風、ワルツ、ポーランド風のマズルカと曲想は様々ですが、全ての曲には、生きる喜びが散りばめられ、肉感的でちょっと妖艶な香りが漂っています。20歳の頃に書かれた「ワルツ集」での初々しさもすてきですし、アルベニスらしさがよく出ている「スペイン風ダンス」の情熱的な感触もたまりません。1885年頃書かれた「サロン風マズルカ」はショパンの影響が感じられる作品で、タイトルには各々の曲を献呈された「お金持ちの娘さん」の名前が付けられています。演奏はおなじみゴンザレス。文句なしに楽しめます。
NAXOS-8.572073
ガルシア・アブリル:アストゥーリアスの母〜アストゥーリアス語歌曲コレクション
ヴァケイラス、私の戸口の前で立ち止まらないで、昨日泉の前であなたを見た.私は港に上陸する、私は水兵ではない、彼女は私に向かって叫んだ、ナランホ・デ・ブルネス山、叫ぶな娘よ叫んではいけない、失われた星、坊や眠りなさい、雷鳥の歌、オレンジの蕾が花開く、水の精よさようなら、アストゥーリアスの母
ホアキン・ピクサーン(T)、ローサ・トレス=パルド(P)
1933年、生ハム「ハモンセラーノ」で知られるスペインの小都市テルエルで生まれたガルシア・アブリルはマドリッドで学び、協奏曲、管弦楽曲など多くの作品を作曲、現代スペインを代表する大作曲家となっています。この歌曲集では同じくスペインの一都市アストゥーリアスの民族音楽を元に、その特徴的な地形(複雑な海岸線、聳え立つ険しい山地)を音楽によって描くことに成功しています。しかしながらアストゥーリアス語と訊くと、何だか難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれませんが、ここで聴ける歌はどれも人懐こくて親しみ易いものばかり。聴いたら誰もが好きになってしまうに違いありません。
NAXOS-8.572036
シューベルト:ドイツ語歌曲集第31集/疾風怒濤期の詩人たち
シューベルト:古いスコットランドのバラード「エドワード」D.923(第2版)、真夜中にD.464、義務と愛D.465、クローエに寄すD.462、婚礼の歌D.463、万霊節の日のための連祷D.343、真珠D.466、オルフェウスの歌D.474、ハガールの嘆きD.5、私のクラヴィアに寄せてD.342、ある兵士に寄せる挽歌D.454、朝焼けに寄せるリラD.273、ロルマ(第1作)D.327、歌「そんなにも快く」D.284、死に寄せてD.518、ますD.550(第4版)m
ツムシュテーク(1760-1802):ハガールの嘆き
カロリーネ・メルツァー(S)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス=バリトン)、ウルリヒ・アイゼンロール(P)
1767年からおよそ20年続いた「疾風怒濤」の時代は文学史上重要な時期とされ、理性に対する感情の優越を主張し、それまでの古典的な形式からロマン派へと続く、強い感情を持ち合わせた作品が多く生まれたことでも知られています。文学ではシラーやゲーテ、音楽では中期のハイドンがこの時期に活躍、それぞれ個性的な作品を書いています。ここに収められたのは、その時期に書かれた詩にシューベルト(1797-1828)が作曲した歌曲です。中でも興味深いのはバラード「エドワード(エドヴァルト)」。第3稿の決定稿と違い、第2稿では最後まで母と息子が一緒に歌うことはありません。母を歌うメルツァーの恨み節も聴きもの。心が芯まで冷える思いを味わうことができるでしょう。
NAXOS-8.570719
マクミラン:十字架上の最後の七つの言葉
十字架上の最後の七つの言葉、キリストは勝利し給う、誰もあなたを罰した人はいなかった、ここに身を隠し(合唱版)
グレアム・ロス(指)ドミトリー・アンサンブル、
☆2009年に50歳の誕生日を迎えるイギリスの作曲家、マクミランの1993年から2005年までの合唱作品を集めた記念すべき1枚です。アルバムの中核を成すのが、名作「十字架上の七つの言葉」です。BBCテレビの依嘱によって書かれたこの作品は4つの福音書の言葉からインスピレーションを受け、以降、様々な形として彼の他の作品にも影響を及ぼしています。美しく穏やかで抑制された合唱の響きを断ち切る荒々しい管弦楽、印象的なヴァイオリン・ソロなど、聴き手は一瞬足りとも緊張の糸を切るわけにはいきません。「私の音楽を、若き優れたドミトリー・アンサンブルの演奏で聴くのはとてもぞくぞくします。とりわけ指揮者グレアム・ロスは刺激的です。」と作曲家に言わしめた名演でどうぞ。
NAXOS-8.572031
ペンデレツキ:ウトレーニャ
ウトレーニャ(朝課)<第1部キリストの埋葬/第2部キリストの復活>
イヴォナ・ホッサ(S)、アグニエツカ・レーリス(Ms)、ピョートル・クシェヴィチ(T)、ピョートル・ノヴァツキ(Bs)、ゲンナジー・ベズベンコフ(Bs)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワ少年cho、ワルシャワPO
1962年に発表された「スターバト・マーテル」、そして1963年の「ルカ受難曲」に連なるペンデレツキ(1933-)の宗教的合唱作品である「ウトレーニャ」の登場です。始めてこの曲を聴いた人は、地の底から響くような合唱に身震いすることでしょう。しかし用いられた詩は、ロシア正教の早朝礼拝の典礼文だというから驚きです。(この曲を朝から聴くのは少々勇気がいることでしょう)第1部(名指揮者オーマンディに捧げられた)でキリストの埋葬を描き、第2部ではその復活を描いています。衝撃的な大音量に圧倒される部分も多いのですが根底を貫いているのは静かな神への祈り。聴き終わった時の脱力感がたまりません。

NAXOSヒストリカル 6月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.111004
フルトヴェングラー初期録音集第3集
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲/第3幕間奏曲、ウェーバー(ベルリオーズ編):舞踏への招待、メンデルスゾーン:真夏の夜の夢序曲、序曲「フィンガルの洞窟」、ベルリオーズ:ファウストの劫罰〜ラコッツィ行進曲、
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」*〜スケルツォ/夜想曲/結婚行進曲
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指)、エーリッヒ・クライバー(指)、BPO
フルトヴェングラーの初期録音集第3集は、ベートーヴェン、ブラームスからブルックナー、ワーグナーへの橋渡しと言える、初期ロマン派の作品集です。ウェーバーの「魔弾の射手」序曲と間奏曲での渦巻く興奮、「舞踏への招待」での華麗で重厚なワルツの部分、そしてベルリオーズでは「ラコッツィ行進曲」での快活でぞくぞくするような躍動感など、フルトヴェングラーでないと造り出せない瞬間に満ちています。
NAXOS-8.111352
リヒテル/初期録音集第1集(1948-1956)
シューベルト:楽興の時第1番ハ長調Op.94D.780、即興曲第2番変ホ長調Op.90D.899、即興曲第2番Op.142D.935、
ショパン:練習曲ホ短調Op.25-5、
シューマン:幻想小曲集Op.12(抜粋)、フモレスケ変ロ長調Op.20
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
20世紀の最も偉大なるピアニストの一人、スヴャトスラフ・リヒテルの偉業は今更ここで語る必要もないでしょう。彼の驚くほどの演奏技術、そしてバッハからショスタコーヴィチまでの堅固な解釈、そしてカリスマ性。これらを持って全ての聴衆を魅了した彼の最も初期の演奏がここに収録されています。中でも1948年に録音された幻想小曲集の抜粋は、オリジナルの78回転盤のリリース以来、初の復刻となります。

NAXOS 5月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.572051
シューベルト:管弦楽版「死と乙女」
弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」(アンディー・シュタイン編曲管弦楽版)/交響曲第8番ロ「未完成」(ブライアン・ニューボールドによる4楽章版)
ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO/
「死と乙女」の編曲版と言えばマーラーのものがよく知られていますが、あちらは弦楽合奏版。こちらは、4本のホルン、2本のトランペット、およびティンパニーまでを用いた大規模な編成で再構築されています。従来の形で慣れている人にはかなり違和感を与えるでしょう。しかしシュタインは「この素晴らしい室内楽から新しい交響曲を形成しようと試みた」と語ります。確かに聴き込むうちにこれが本来の姿に違いないと思えてくるではありませんか。未完成交響曲にはシューベルト(1797-1828)の手帳に書かれていた断片をもとにしたスケルツォと、ロザムンデのための音楽の断片を用いた終楽章が付け加えられています。これが真の形だ!と信じるのは聴き手の自由に任されています。
NAXOS-8.570828
フランツ・シュミット:交響曲第1番&ノートルダムより
交響曲第1番ホ長調/歌劇「ノートルダム」第1幕の管弦楽曲
ヴァシリー・シナイスキ(指)マルメSO
ウィーン音楽院でブルックナーに学んだフランツ・シュミット(1874-1939)(シェーンベルクと同じ年生まれ)は、晩年にこそ思索的な音楽を書いたとはいえ、終生ロマン派への憧憬を隠すことはありませんでした。ここで聴ける第1番の交響曲の何と美しいこと!「洗練されたブルックナー、喜び溢れるブラームス」と言った感じでしょうか。歌劇「ノートルダム」はユーゴーの小説に基づいた作品で、ノートルダム広場のせむし男の悲劇を描いています。
NAXOS-8.570758
バヨラス:交響的音楽集
シンフォニー・ディプティック(1984/1993)/ヴァイオリン協奏曲〜ライムンダス・カティリウスに捧ぐ(1998/2001)/エクソダスT〜母の思い出に(1991/1994)
ルネス・マタイティテ(Vn)、ギンタラス・リンケヴィチウス(指)リトアニア国立SO
常に民族音楽と現代音楽の融合を図るリトアニアの作曲家、バヨラス(1934-)の作品集です。このアルバムに収録されている3つの作品は、どれも個性的で独特の妖しげな雰囲気を持っています。自作のオペラ「神の子羊」からテーマを転用した「シンフォニー・ディプティック」は管楽器を多用した力強い作品。ワーグナーの楽劇からの引用も聞こえてきます。ロマンティックなヴァイオリン協奏曲ではリトアニアの歌が引用されます。そして、バヨラスの母を偲んで書かれた「エクソダスT」は打楽器の多彩な響きが印象的な作品。1994年に一度上演されるも、2004年に曲の形を変更し再演。斬新な響きで聴衆を魅了したことで知られます。
NAXOS-8.570929
マルトゥッチ:管弦楽作品全集第1集
交響曲第1番ニ短調Op.75/ジーガOp.61-3(管弦楽編)/カンツォネッタOp.65-2(管弦楽編)/アンダンテOp.69-2(チェロと管弦楽編)/ノットゥルノOp.70-1(管弦楽編)
アンドレア・ノフェリーニ(Vc)、フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指)ローマSO
名ピアニストで(指)者、そして19世紀後半の最も主要なイタリアの作曲家であるマルトゥッチ(1856-1909)は、当時の「オペラ万能主義」から脱却を試みた最初の一人です。(指)者としての彼は、「トリスタンとイゾルデ」のイタリア初演を(指)しているのですが、作曲家としての彼はあえてオペラを作曲することはせず、純粋器楽音楽の復興を目指し、交響曲や協奏曲、室内楽曲を数多く作曲しました。この交響曲第1番は、ちょっと聴くとまるでブラームスのような、分厚い響きと熱いうねりを帯びた大作です。まるで歌曲のような4曲の小品がまた絶品です。
NAXOS-8.572082
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)ロイヤル・リヴァプールPO
ショスタコーヴィチの交響曲第11番は、1905年の「血の日曜日事件」を題材とした切れ目なく演奏される4つの楽章からなる作品です。映画音楽を得意とするショスタコーヴィチ(1906-1975)の面目躍如と言った曲で、4本のホルン、多くの打楽器、チェレスタ、ハープなど大編成のオーケストラを用いて阿鼻叫喚の地獄絵図を描いています。革命歌や自作の合唱曲からの引用も多く極めて政治色の強い作品であるために、ソ連崩壊後までは正しく評価されていなかったと言われています。ペトレンコの演奏は悲惨さを直接描くというよりも、この曲に冷徹な眼差しを注ぎ、極めて客観的に演奏することで却って悲劇的な雰囲気を醸し出すことに成功したと言えるのではないでしょうか。
NAXOS-8.559610
ブライト・シェン:赤い絹の踊り、不死鳥他
赤い絹の踊り(1999)/チベットのスウィング(2002)/不死鳥(2004)/フ'ウン(引き裂かれた):1966-1976の記憶に(1988)
ブライト・シェン(P)、シャナ・ブレイク・ヒル(S)、ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
☆既にリリースされた「春の夢」(NAXOS-8.570601)や「中国の夢」(NAXOS-8.555866)で、その熱に浮かされたような特異な世界の片鱗を垣間見せてくれたブライト・シェン(1955-)。彼の音楽にはいつでも東洋的なものと西洋的なものが奇妙に混在し、それこそが無限の可能性を秘めた何かを感じさせてくれるのです。トラック1の「赤い絹の踊り」は彼の特徴を端的に示した作品で、喧噪と静寂が入り混じった刺激的な音で溢れかえっています。トラック3の「不死鳥」はシアトルSOとデンマーク国立SOの共同依嘱作品で、時や文化、場所など全てを超越した希望の象徴として書かれた作品です。
NAXOS-8.570440
リース:ピアノ協奏曲集第3集
ピアノ協奏曲イ短調Op.132「イングランドでのお別れコンサート」/「ルール・ブリタニア」による大変奏曲/序奏と華麗なる変奏曲Op.170
クリストファー・ヒンターフーバー(P)/ウーヴェ・グロット(指)ロイヤル・リヴァプールPO
現在ではすっかり忘れ去られてしまった感のあるリース(1784-1838)の作品ですが、彼が存命だった時代では「作曲家&ピアニスト」として驚くほどの人気があったのです。彼の師であったベートーヴェンとは違い、リースはその生涯の終り近くまでヨーロッパ全土で名手としての知名度を欲しいままにしていました。このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲」は1823年に作曲された彼の第7番目の協奏曲です。1813年からロンドンに住んでいた彼が故郷へ帰るにあたってのステージからの引退表明であり、その前に書かれた「『ルール・ブリタニア』による大変奏曲」と、Op.170の変奏曲もイングランドへのオマージュとなっています。ヒンターフーバーの輝くような美音にも注目してください。
NAXOS-8.572252(2CD)
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ゴヤによる24の狂詩曲
ゾーラン・ドゥキッチ(G)
超自然的なもの、および人間ではないもの、などの奇怪な登場人物をエッチングしたゴヤの「ロス・カプリチョス」は西洋芸術の中でも最も影響力のある画集の一つです。この絵に刺激を受けたテデスコ(1895-1968)が書いたこの曲集も18世紀の苦痛に満ちたスペインへの風刺画を見事に音にしています。演奏するのは期待の若手ドゥキッチ。
NAXOS-8.570284
ダウランド:リュート音楽集第4集
エリザベス女王のガイヤルド/女王のガイヤルドP.97/ダウランドの最初のガイヤルド/ジョン・ダウランドのガイヤルドP.21/嘆きP.60/蛙のガイヤルド/アロエ/ウォルシンガムのガイヤルド/ウォルシンガム/クラント/ガイヤルドP.27/もう一度帰っておいでやさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)P.60/ジョン・スーチ卿のガイヤルド/14.わが窓辺から去れ/目覚めよやさしい恋人よP.24/16.目覚めよ、やさしい恋人よ(ナイジェル・ノースによる新ヴァージョン)/17.もしもある日/18.ガイヤルドP.35/19.ウィロビー卿の歓迎/20.ガイヤルド:彼女は許してくれるだろうか/21.こまどり/22.運命はわが敵/23.別れの辛さ/24.ガイヤルドP.20/25.デンマーク王のガイヤルド
ナイジェル・ノース(Lute)
シェイクスピアと同時代を生きた天才ダウランド(1563-1626)のリュート作品集です。彼は自分の音楽を何度も改訂したため、いくつもの曲集に同じ作品が散見されます。それはリュート自体が「発展途上」の楽器であったせいもあるのでしょう。このアルバムでは演奏者のノース自身が編曲した作品も含まれていて、あの有名な「もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ」もまた新たな喜びを持って聴くことができます。目を閉じればそこに400年前の雅な世界が広がります。
NAXOS-8.570370
トゥリーナ:ピアノ作品集第5集
スペインの物語第1集Op.20(1918)/スペインの物語第2集Op.47(1928)/古いスペインの記憶Op.48(1929)/シルエットOp.70(1931)
ホルディ・マソ(P)
マドリードで生まれ、パリでダンディに師事し、アルベニスやファリャと交流を深めスペイン国民楽派の創造に取り組んだトゥリーナ(1882-1949)。1914年に帰国してからはロマン派と印象主義の良いところを取り入れた独自のスペイン音楽を発表し、高い評価を得ています。ここに収録された「スペインの物語」はトゥリーナ自身が「特定の場所から喚起される特定の物語を思い起こさせる」ように書いたと語る作品集。その思いは他のどの曲にも見られるもので、どれを聴いてもスペインの乾いた風を感じさせます。シリーズを一貫して演奏しているマソは、ここでも自信漲る解釈を聴かせてくれます。
NAXOS-8.570563
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲TWV40:14-25
幻想曲第1番変ロ長調/幻想曲第2番ト短調/幻想曲第3番へ短調/幻想曲第4番ニ長調/幻想曲第5番イ長調/幻想曲第6番ホ短調/幻想曲第7番変ホ長調/幻想曲第8番ホ長調/幻想曲第9番ロ短調/幻想曲第10番ニ長調/幻想曲第11番ヘ長調/幻想曲第12番イ短調
アウグスティン・ヘイドリッヒ(Vn)
テレマン(1681-1767)のこの無伴奏作品は、恐らくアマチュアか学生のために書かれたものらしく、J.S.バッハの作品に比べると技巧的には比較的容易で、恐ろしい程の重音や低音などは要求されていません。にも関わらず、聴き手には存分な満足感を与える素晴らしい作品です。自由な楽想の展開、そして飛翔するメロディは何度聴いても飽きることがありません。演奏するのは、期待の若手ヘイドリッヒ。以前リリースのハイドンの協奏曲(NAXOS-8.570483)でも目の覚めるような秀演を聴かせた逸材です。
NAXOS-8.570718
チマローザ:ピアノ・ソナタ集第1集
ピアノ・ソナタR.1-R.18(1-3.変ロ長調R.1/イ長調R.2/ニ長調R.3/ハ長調R.4/ニ長調R.5/ト長調R.6/ヘ長調R.7/イ長調R.8/ト短調R.9/ト短調R.10/変ロ長調「ペルフィディア」R.11/ハ短調R.12/イ長調R.13/ト長調R.14/イ長調R.15/ヘ長調R.16/変ホ長調R.17/イ長調R.18)
ヴィクトル・サンジョルジョ(P)☆18世紀後半のオペラ作曲家として知られるチマローザ(1749-1801)の知られざる鍵盤作品集です。およそ30年の間に65を超えるオペラを作曲するかたわら、これらのソナタに手を染めていたようですが、彼が何のために器楽曲を作曲したのかは不明です。1曲のソナタはどれも3〜5分程度の短いもので、スカルラッティの形式によく似ていますが、やはり時代のせいもあってか驚くほど表現豊かな楽想に満ちています。とりわけ速い楽章での流麗なメロディは目を見張るばかりの美しさです。
NAXOS-8.570587
F.カルッリ&G.カルッリ:ギターとピアノのための作品全集第1集
ベートーヴェン(F.カルッリ編):モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」の主題による変奏曲Op.169/
F&G.カルッリ:ロッシーニの主題による二重奏曲Op.233/協奏的大二重奏曲イ長調Op.65
F.カルッリ:夜想曲ト長調Op.127/F&G.カルッリ:二重奏曲ニ長調Op.134/
F.カルッリ:ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲/ロッシーニの歌劇「アルミーダ」序曲/ロッシーニの歌劇「セビリヤの理髪師」序曲
フランツ・ハラス(G)/デボラ・ハラス(P)
ナポリ生まれのフェルディナント・カルッリ(1770-1841)は最初チェロを学びましたが、20歳の時にギターと出会い、それ以降の人生をギターの研究と進歩のために捧げた人です。彼が生み出したギター奏法は現在でも受け継がれ、多くの学習者がその恩恵に与っているのです。彼は400を超えるギター曲を書きましたが、現在ではほとんどが散逸してしまい現存するのは僅かです。彼の息子グスタボ(1801-1876)も才能あるギタリストで、教師としても大成しました。第1集では、ロッシーニやベートーヴェンの編曲を中心に収録、まさに驚くべき曲の宝庫です。
NAXOS-8.660215
ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」、歌曲集「シェエラザード」
子ども…ジュリー・ブーリアンヌ(Ms)/ママ/トンボ/リス…ジェネヴィエーヴ・デプレ(Ms)/湯呑茶碗/羊飼い/雌猫…カーステン・ガンログソン(Ms)/ティー・ポット/小さな老人/雨蛙…フィリップ・カスタニエ(T)/大時計/雄猫…イアン・グリーンロウ(Br)/安楽椅子/木…ケヴィン・ショート(B-Br)/お姫さま/こうもり…アガーテ・マーテル(S)/火/ウグイス…カサンドレ・プレヴォー(S)/羊飼いの娘/フクロウ…ジュリー・コックス(S)/シカゴSOchoのメンバー/チャタヌガ少年cho/ナッシュビル交響楽団choのメンバー/アラステア・ウィリス(指)ナッシュビルSO
ジュリー・ブーリアンヌ(Ms)*
登場人物は子どもと母親のみ。あとは全て動物と家具、茶碗に時計・・・。こんな荒唐無稽なお話がラヴェルの色彩的な音楽に乗って歌われる時、人々は夢見るような楽しい気分を味わうことができるのです。45分間の楽しいひと時をさあどうぞ。おまけは異国情緒たっぷりの歌曲集「シェエラザード」。夢心地な心を遠い国まで運んでくれます。
NAXOS-8.669020(2CD)
ハーゲン(1961-):歌劇「シャイニング・ブロウ」
フランク・ロイド・ライト…ロバート・オルス(Br)/ママー・チェニー…ブレンダ・ハリス(S)/ルイス・サリヴァン…ロバート・フランケンベリー(T)/エドウィン・チェニー…マシュー・クラン(B-Br)/キャサリン・ライト…エレーヌ・ヴァルディ(Ms)/メイド/街の女3…ジルダ・リヨンス(S)/ジョアン・ファレッタ(指)バッファローPO&cho
近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトと言えば、わが国でも帝国ホテル新館の設計者として知られています。シカゴの大建築家ルイス・サリヴァンの弟子として頭角を現し、独立後は数多くの建物を設計、草原様式の作品で知られるようになるのです。私生活では夫人と6人の子どもがいたにも関わらず、施工主の妻と深い関係に陥り、そのせいで活動停止を余儀なくされてしまうなどスキャンダラスな面も持っていました。このオペラは、ロイドがサリヴァンから独立した1903年から、全てを捨てて一緒になった愛人チェニーを悲劇の火災で失うまでの波乱に満ちた10年間を描いています。発狂した使用人によって燃やされた家の跡から見つけた上着のポケットに入っていたチェニーの翻訳によって彼は家と自分自身の再建を誓うのです。
NAXOS-8.559604
グレイ(1967-):エネミー・スレイヤー〜ナバホのオラトリオ
スコット・ヘンドリックス(Br)、マイケル・クリスティ(指)フェニックスSO…1-5&cho
この作品は、ナバホの先住民族(インディアン)たちの伝承物語からインスパイアされて書かれたものです。民衆を脅かす怪物を退治した双子の英雄たちの苦悩、そしてそれを癒すための儀式。それらがリアリティたっぷりの筆致で描かれていきます。演奏にはオーケストラと140人のcho、バリトン独唱者を必要とし、同時に12×21フィートの巨大スクリーンでサウスウエストの美しい景観写真を映すという大掛りな仕掛けも動員。聴衆の感動の涙を誘ったことは言うまでもありません。堂々たるバリトンの朗唱は広い草原を駆け巡るかのようです。
NAXOS-8.570950
A.スカルラッティ:冥界からのエウリディーチェ他
カンタータ「冥界からのエウリディーチェ」/チェロ・ソナタ第2番ハ短調/ハープシコードのためのトッカータイ長調/永遠なる聖処女の嘆き1-6
アルス・リリカ・ヒューストン
アンサンブル「アルス・リリカ」のNAXOSデビュー盤です。2曲の世界初録音を含むこのスカルラッティ(1660-1725)の作品集はファンにとってまたとない贈り物となることでしょう。「冥界からのエウリディーチェ」は最も素晴らしいソロ・カンタータの一つで、通奏低音の伴奏に乗ってソプラノが自由な装飾を伴う美しいアリアを歌います。絶望から希望まで幅広い感情を表現した見事な歌唱に惚れぼれすること間違いありません。もう一つの「永遠なる聖処女の嘆き」は彼の2つだけ残存するラテン語のオラトリオの一つ。完結でわかりやすいメロディが魅力です。2曲の器楽曲がこれまた絶品です。
NAXOS-8.506019(6CD)
ハイドン:協奏曲全集
アウグスティン・ハーデリッヒ(vn)/ドミトリ・ババノフ(hr)/ハラルド・ヘーレン(ハープシコード/フォルテピアノ)/アリアドネ・ダスカラキス(vn)/ユルゲン・シュースター(tp)/マリア・クリーゲル(vc)/セバスティアン・クナウアー(p)/ハラルド・ヘーレン(org)/ケティル・ハウサンド(ハープシコード)/ダニエル・ロテルト&フィリップ・シュペートリンク(リコーダー)/ブノワ・フロマンジェ&インゴ・ネルケン(fl)/クリスティアン・ホンメル(ob)/ケルンCO/ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)
NAXOS-8.507008(7CD)
ハイドン:オラトリオ集(7枚組)
ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)/ゾフィー・カートホイザー(S)/アン・ハーレンベルグ(A)/アンドレス・J・ダーリン(T)/ニコライ・ボルチェフ(B)/スンハエ・イム(S)/ヤン・コボウ(T)/ハンノ・ミュラー=ブラハマン(B)/クリスティーネ・ヴェーラー(A)/シビラ・ルーベンス(S)/アンドレアス・カラシアク(T)/シュテファン・マクロード(B)/ヴォーカル・アンサンブル・ケルン(マックス・シオレック合唱(指))/アンドレアス・シュペリング(指)/カペラ・アウグスティーナ/ゲヴァントハウス室内cho/ライプツィヒCO/モーテン・シュルト=イェンセン(指)

NAXOS・ヒストリカル 5月新譜

1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.110119(2CD)
ヴェルディ:歌劇「シモン・ボッカネグラ」
ティト・ゴッビ(Br)、ボリス・クリストフ(Bs)、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)、ジュセッペ・カンポーラ(T)、ワルター・モナケシ(Br)、パオロ・ダーリ(T)、ガブリエーレ・サンティーニ(指)ローマ歌劇場O&cho
録音:1957年9月25-30日,11月1日ローマ歌劇場
14世紀の忠誠と反逆の物語。台本は多少強引ではありますが、愛と政治を巡っての激しいドラマ展開はヴェルディ(1813-1901)ならではの世界です。指導者として、親として、敵を許しながら死に赴く主人公の感動的な姿、そして運命に翻弄される周囲の人々。これぞまさに男たちのロマンです。
NAXOS-8.111329(2CD)
J.シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」、ボーナス・トラック〜ジプシー男爵の歴史的録音集[哀しくも誠実な…気をつけて*/彼は男爵/家の子、これは不思議な出来事]
バリンカイ…ニコライ・ゲッダ(T)/ザッフィ…エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)/ジュパン…エーリッヒ・クンツ(Br)/アルゼーナ…エリカ・ケート(S)/ツィプラ…ゲルトルーデ・ブルクシュターラー=シュスター(C-A)/ミラベラ…モニカ・シンクレア(C-A)/ホモナイ…ヘルマン・プライ(Br)/オットー・アッカーマン(指)フィルハーモニアO&cho、
エリザベート・レートベルク(S)*、フリーダー・ヴァイスマンベルリン国立歌劇場O*、
ロッテ・レーマン(A)#リヒャルト・タウバー(T)/フリーダー・ヴァイスマン(指)ベルリン国立歌劇場O&cho#
録音:1954年5月18-21,26,28,31日,9月25日、1930年5月21日ベルリン*、1928年12月17日ベルリン#
舞台の中に風刺やジョークがふんだんに盛り込まれるオペレッタは、どうしても他国の上演が難しく、この「ジプシー男爵」も1964年にサドラー・ウェールズ劇場での成功を収める以前には全くヒットしなかった演目です。しかしこの録音は1954年のロンドンで当時の名歌手たちを総動員して成されたもので、ゲッダ、クンツらの名唱がたっぷりと楽しめます。ザッフィを歌うシュヴァルツコップの艶のある声もたまりません。ボーナストラックは1930年以前の歴史的録音。まさに佳き時代の甘き歌声です。
NAXOS-8.111331
グレート・コンダクター・シリーズ/ターリヒ
ドヴォルザーク:スラブ舞曲Op.46/Op.72、序曲「謝肉祭」*
ヴァーツラフ・ターリヒ(指)チェコPO
録音:1935年11月27&28*、ロンドンEMIアビーロード・第1スタジオ
ターリヒのレパートリーのほとんどは、いわゆる「お国もの」。なかでも彼が育て上げたチェコ・フィルによるドヴォルザークの数々の名演は今でも最高のものとされています。このスラヴ舞曲と序曲の録音は1935年。彼の経歴の頂点の時期の溌剌たる演奏です。若干ゆったり目のテンポを取り、明朗で堂々たる素晴らしいスラブ舞曲。「謝肉祭」の第2主題での美しい弦のポルタメントなど聴きどころは枚挙に暇がありません。今回の復刻は、原盤の音の欠落をいくつかの複製から持ち寄り補うことにより、理想の形でお聴きいただけます。
NAXOS-8.112020
グレート・ピアニスト・シリーズ/ラフマニノフ・ソロ録音集第1集/ビクター録音集
ショパン:バラード第3番Op.47/夜想曲変ホ長調Op.9-2/ワルツ嬰ハ短調Op.64-2/ワルツ変イ長調Op.64-3/ワルツホ短調遺作/ピアノソナタ第2番変ロ短調Op.35「葬送行進曲」
シューマン:謝肉祭Op.9/スペインの歌遊びOp.74-10「密輸入者」(タウジヒ編)
ショパン(リスト編):ポーランドの歌よりS480/R145
セルゲイ・ラフマニノフ(P)
録音:1925-1942年
雄大なピアノ協奏曲などのイメージからすると、ラフマニノフはさぞバリバリピアノを弾いていたに違いない・・・と思ってしまいがちですが、このような録音を聴くと、実は彼はとてもナイーヴでロマンティックな演奏をしていた事がよくわかります(もちろんテクニックは恐ろしいほどに正確で寸分の狂いもありません)。例えば、あの有名な夜想曲を聴いてみてください。絶妙なテンポの揺れとカンタービレ。これこそ「心からの黄金の響きの秘密を持っている」とA.ルービンシュタインに言わしめた名演です。

NAXOS 4月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.559378
ジョーンズ:交響曲第3番「パロ・デュロ・キャニオン」他
テューバと管弦楽のための協奏曲(2005)、交響曲第3番「パロ・デュロ・キャニオン」(1992)
クリストファー・オルカ(Tub)、ジェラード・シュワルツ(指)シアトルSO
素晴らしき想像力と鋭敏な感性を備えた音楽家、かつ高度な職人芸、彼の作品はアメリカのレパートリーの核心であるべきです。」と指揮者シュワルツに絶賛されたジョーンズ(1935-)。交響曲第3番は彼自身によると、「深い峡谷を覗き込んだ時の目がくらくらするような魔法の瞬間を捉えたかった」とのこと。パオ・デュロ・キャニオンは「テキサスのグランド・キャニオン」と呼ばれる名勝地。確かに野性的で魅惑的な音楽です。テューバ協奏曲はソリスト、シアトル響首席テューバ奏者オルカのために作曲されたもので、オルカ自身もこの曲を大変気に入っていて、凄まじいばかりの熱演を披露してくれています。
NAXOS-8.572109
パッセージ〜吹奏楽のための音楽
シュワントナー(1943-):反動(2004)、グレイ(1949-):パッセージ(2005)、
バセット(1923-):キルスティンのための子守歌(1985)、トゥリン(1947-):ノアのための子守歌(2007)、
ジヴコヴィッチ(1962-):地球の中心からのおとぎ話(2007)
ヨゼフ・アレッシ(Tb)、ベンジャミン・トス(Perc)、グレン・アドシット(指)ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブルはその卓越した技術と革新的なプログラミングで、現在最も注目を浴びている団体の一つです。今までに11の作品の世界初演を行い、その作曲者はシュワントナー、コルグラス、タワー、ブライト・シェン、他錚々たる顔ぶれです。共演したソリストもトロンボーンのJ.アレッシ、ユーフォニアムのJ.ジャクソンをはじめとした現代最高の奏者たちばかり。今回のアルバムでも、アレッシが驚くほどの名技を披露しています。トスのパーカッションも涙が出るほどスゴイ。
NAXOS-8.572166
ウィルビー:息もつけないハレルヤ、他
息もつけないハレルヤ(2008)、パガニーニ変奏曲(1991)、
邪悪なソネット第4番「もし神が私たちを生き残らせるなら彼の王国は来るでしょうか?」、シラノ、
ブロンテ・ミサ「メモリー」(断章)(2007)、アメイジング・グレイス:交響的変奏(2006)、
ユーフォニアム協奏曲(1995)
フィリップ・ゴールト(Br)、フィリップ・ウィルビー(Org)、ヨーゼフ・クック(Tub)、デイヴィッド・ソーントン(ユーフォニアム)、ニコラス・チャイルズ(指)ブラック・ダイク・バンド
2008年リリースのシンフォニック・ブラスが大好評!(これは演奏も選曲もどちらも秀逸でした)。で、今回のブラック・ダイク・バンドはウィルビー(1949-)の作品集で勝負です。近年のブラスバンドの発展に大きく寄与しているウィルビーですが、実はあまり作品がCD化されていません。こうしてまとめて聴けるだけでも素晴らしいのに、演奏はブラック・ダイク。「パガニーニ変奏曲が聴けるだけでも嬉しいです!」(あるウィルビー好きの声)。
NAXOS-8.559373(2CD)
エイブラハム・リンカーンの肖像
アイヴズ:リンカーン、偉大なる議員よ、パーシケッティ:リンカーンのあいさつ、
ハリス:真夜中のリンカーンの歩み、ベーコン(1898-1990):フォード劇場〜復活祭週間の一瞥、
グールド:リンカーンの伝説、マッケイ:解放者に(リンカーンへの賛辞)、
テュロク
(1929-):アメリカの歌による変奏曲「リンカーンとリバティーの様相」、
コープランド:リンカーンの肖像
バリー・スコット(ナレーション)、シャロン・メイブリー(Ms)、メアリー・キャスリン・ヴァン・オズレイル(Vn)、アンソニー・ラマルキーナ(Vc)、ロジャー・ウィスメイヤー(P)、レナード・スラットキン(指)ナッシュヴィルSO&cho
2009年は「偉大な解放者」エイブラハム・リンカーンの生誕200年にあたります。第16代大統領リンカーンの存在は文学、芸術、音楽の分野において多くの名作を励起させたことでも知られていて、それは彼の理想に基づくものであったり、彼によって霊感を受けた詩人の言葉を使ったものであったりと多岐に渡るものです。このアルバムはスラットキンとナッシュビルSOという最良の表現者を得て、輝かしい功績を存分に讃えたものとなっています。新しい指導者を得たアメリカにふさわしき「マイルストーン」と言えるでしょう。
NAXOS-8.570555
ヤナーチェク:オペラからの管弦楽組曲集第1集
歌劇「イェヌーファ」より組曲(P.ブレイナー編)、歌劇「ブロウチェク氏の旅」より組曲(P.ブレイナー編)
ペーター・ブレイナー(指)ニュージーランドSO、ヴェーサ=マッティ・レッパネン(Vn)
かの小澤征爾もテレビ番組の中で「ヤナーチェク(1854-1928):の音楽ほど面白いものはないです」と語っていたくらい色彩的で豊かな音楽。それをまたNAXOSの名編曲者&名指揮者ブレイナーがうまい具合にまとめたのがこのアルバムです。第1集は「イェヌーファ」と「ブロウチェク氏の旅」からの音楽集。実はこれらの作品、イェヌーファの方は比較的あらすじもわかりやすいのですが、ブロウチェク氏の方は、あまりにも凝った作りのためか却って筋立てが難解になってしまっています。しかしここで聴ける音楽は極めて明快。多用される弦のユニゾンが思いきり雰囲気を高めてくれます。
NAXOS-8.559398
レシュノフ:ヴァイオリン協奏曲他
ヴァイオリン協奏曲、離れた反響、弦楽四重奏曲第1番「パール・ジャーマン」
チャールズ・ウェザビー(Vn)、マーカンド・ザーカー(指)ボルティモアCO、カルペディエムSQ
ニュージャージー生まれの作曲家レシュノフ(1973-)は最近国際的に注目を集めている人です。このアルバムには彼の3つの個性的な作品を収録しています。メインは2007年京都で日本初演され、大好評を博したヴァイオリン協奏曲。ソロを務めるウェザビーはこの曲を献呈されていることもあり、この曲を完全に掌握しています。楽章ごとにメリハリのある曲想を持ち、とりわけ第2楽章と第4楽章のゆっくりとした部分は懐かしささえ覚えるほどの感傷的です。弦楽四重奏曲は、彼の後援者であり大学教師であったジャーマンのために書かれました。「四季」と言う副題を持ち、曲はジャーマンが誕生した1月を祝し「冬」から始められています。
NAXOS-8.570396
バラキレフ:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番嬰へ短調Op.1、ピアノ協奏曲第2番変ホ長調(S.リャプノフ完成版)、
ロシア民謡による大幻想曲
アナスタシア・セイフェトディノーヴァ(P)、ドミトリ・ヤブロンスキー(指)ロシアSO
華麗で技巧的な小品「イスラメイ」で知られるバラキレフ(1837-1910)のピアノ協奏曲は、驚くほどに切なく哀愁を帯びたものでした。2曲とも若い時期の作品で、第1番は18歳、第2番は24歳くらいに書かれたものです。第2番は未完のまま放置され、1909年に作曲を再開するも結局完成されることなく終わった作品です(弟子のリャプノフが完成)。多少のぎこちなさが却って甘酸っぱい青春を感じさせる第1番、アダージョ楽章の切なさと華麗さが際立つ第2番(とりわけクライマックスのそそり立つような和音連打はラフマニノフ、チャイコを超えるかも)、どちらも聴きものです。ロシア民謡による大幻想曲はロシア音楽の普及に多大なる貢献を果たしているはずです。
NAXOS-8.570469
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第7番イ短調Op.9、ヴァイオリン協奏曲第10番変ロ短調Op.19
ヴァイオリン協奏曲第13番嬰へ短調/イ長調遺作
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)、ニコラ・パスケ(指)南西ドイツ放送カイザースラウテルンO
ボルドーで調香師の息子として生まれたローデ(1774-1830)は、幼い頃から卓越した音楽の才能を示し、13歳の時にパリへと上京し名ヴァイオリニスト、ヴィオッティの弟子となります。今は、彼の名前はヴァイオリンの練習曲を作曲した人としてのみ知られていますが、実はこんなに美しい協奏曲も書いていました。ローデ自身は演奏の際ポルタメントを多用し、まことに美しい音を奏でていたと言います。ちなみに若き名手、五島龍氏が現在使用しているヴァイオリンは、このローデが愛奏していたストラディヴァリウス「エクス・ピエール・ローデ」(1715年作)です。
NAXOS-8.559363
カーター:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第2番(1959)、弦楽四重奏曲第3番(1971)、弦楽四重奏曲第4番(1986)
パシフィカSQ
100歳の誕生日を迎えて、更なる世界へ飛躍する作曲家エリオット・カーター(1908-)の弦楽四重奏曲全集が完成いたしました。コープランドにも絶賛されたカーターの自由な音楽性を存分に味わい尽くすのに最適なアルバムと言えるでしょう。複雑で多様化した和声、細分化されたリズムと、現代アメリカにおける雑多な要素をくまなく取り込んだモダンな音は聴き手の感性に粗塩をすりこむかのような激しい刺激を与えてくれます。演奏は今作もパシフィカ弦楽四重奏団によるものです。
NAXOS-8.570400
ボッテジーニ:「夢遊病の女」による幻想曲
ベッリーニの歌劇「夢遊病の女」による幻想曲、ホ調のメロディ(感傷的なロマンス)、
アレグロ・カプリチォーゾ嬰へ短調「ショパン風に」、メロディ「ジョヴィネット・インナモラート」、
世界の果てのすべて(原曲:ショパン「エチュード第19番嬰ハ短調Op.25No.7」)、
序奏とガヴォット、瞑想曲(バッハのエアによる)、パイジェッロの「うつろな心」による変奏曲、
海を隔てて、「ロマンス」〜かって去ったところへ、「老いたロビン・グレイ」による変奏曲(ボッテジーニ編)、
レヴェリ、「ヴェニスの謝肉祭」による序奏と変奏曲
トーマス・マーティン(Cb)、アンソニー・ホールステッド(P)、ジャクリン・フゲーレ(S)
かねてより名盤として名高いマーティンのボッテジーニ(1821-1889)作品集の第4集です。このシリーズはASVレーベルよりの移行盤であるため、いくつかの作品はNAXOS録音の8.557042(キャリントン演奏)と聴き比べが可能です。コントラバスの限界に挑むかのようなパッセージを存分にお聴きください。「夢遊病の女」による幻想曲では、さながら丸木橋を渡るかのような極限の高音での勝負が続きます。歌を伴う幾つかの曲での夢幻的な二重唱もため息ものです。※ASVCDDCA1053より移行盤
NAXOS-8.570519
モーツァルト:ピアノ三重奏曲集第2集
ピアノ三重奏曲第4番ホ長調K.542、ピアノ三重奏曲第5番ハ長調K.548、ピアノ三重奏曲第6番ト長調K.564、ピアノ三重奏曲K.442(未完の楽章をM.シュタードラーが補筆)
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
ここに収録された3曲のピアノ三重奏曲は1788年に作曲されました。この年には最後の3曲の交響曲も書かれており、まさに円熟期の傑作と呼ぶに相応しい情熱溢れる名作と言えるでしょう。K.442の三重奏曲は未完に終わったものを、彼の没後友人であるシュタッドラーが補筆したものです。もともと1つの作品として書かれたものではなさそうですが、作曲時期はほぼ同じ頃とされています。この第1楽章における中間部の転調の妙はまさに天才の技に他なりません。演奏は第1集と同じ、クングスバッカ・ピアノ三重奏団。第3回メルボルン国際室内楽コンクールの覇者たちです。
NAXOS-8.570550
アイアランド:クラリネットを含む室内楽作品集
クラリネット,チェロ,ピアノのための三重奏曲(S.フォックス編&改作)、
クラリネットとピアノのための幻想ソナタ、クラリネットとピアノのための「聖なる少年」、
クラリネットとフレンチ・ホルンと弦楽四重奏のための六重奏曲
ロバート・プレーン(Cl)、ソフィア・ラーマン(P)、アリス・ニアリー(Vc)、デーヴィッド・パイアット(Hrn)、マッジーニSQ
その作風は終始ロマン派の域を出なかったと言われてしまうイギリスの作曲家アイアランド(1879-1962)。一時期はストラヴィンスキーにも傾倒したほどの進歩的な作風を示した彼ですが、ほどなくイギリス音楽の伝統に立ちかえり、教会音楽の旋法による素朴な作風を確立したのでした。クラリネットを使った作品には彼の良い面が上手く作用しているように思えます。穏やかで懐かしく、時には洒脱なこれらの作品を聴くことはイギリス音楽の愛好家だけでなく、全ての聴き手にとって心温まるひとときとなるでしょう。おなじみ「聖なる少年」のクラリネット版も収録。
NAXOS-8.570792
ブリッジ:ピアノ三重奏曲集
幻想的三重奏曲ハ短調(ピアノ三重奏曲第1番)、ピアノ三重奏曲第2番、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第1集、ピアノ三重奏のための9曲の小品第2集、
ピアノ三重奏のための9曲の小品第3集
ジャック・リーベック(Vn)、アレクサンダー・チャウシャン(Vc)、アシュリー・ウェイス(P)
ギリス音楽の開拓者、フランク・ブリッジ(1879-1941)のピアノ三重奏のための作品集です。何と言っても、ここに収録されている3つの作品の作風の違いに驚かされることでしょう。1907年に書かれた第1番のピアノ三重奏曲はあくまでも自由で幻想的。その翌年の「9曲の小品」のまるで古典派の作品を思わせる端正な作風(ブリッジがヴァイオリンを教えていたハンブリー嬢のために書かれた作品)。1928-29年に書かれた第2番のピアノ三重奏曲の印象派的なゆらめきの音楽。
NAXOS-8.570987
ルトスワフスキ他:ヴァイオリン作品集
ルトスワフスキ:レシタティーヴォとアリオーソ、すぐに、シマノフスキ:三部作Op.30、
ルトスワフスキ:パルティータ、ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタJWVII/7
アリアドネ・ダスカラキス(Vn)、ミリ・ヤンポルスキ(P)
東ヨーロッパの激動期を生きた3人の作曲家のヴァイオリン作品を集めた1枚です。第2次大戦後のポーランド作曲界の主要人物トスワフスキ、彼に影響を与えた近代ポーランド音楽の祖の一人、シマノフスキ、そしてモラヴィア国民楽派ヤナーチェク。彼らの作品を丹念に紐解いていけば、西洋音楽のメロディ、和声、リズムがおよそ150年の間にどのように変遷を遂げたのかをつぶさに知ることができるでしょう。
NAXOS-8.572074
トーニ:室内楽作品集
「墓場なき死者」による3つの習作Op.31(1950)、フルート・ソナタOp.35(1953)、
ヴァイオリン・ソナタOp.37(1955)*、ギターとチェロのための小品(1959)*、
フルートとギターのための5つの小品(1975/76)、弦楽三重奏曲(1978/80)、
ピッコロのための2つの前奏曲(1980/81)
ローナ・ウィンザー(S)、エクス・ヌォーヴォ・アンサンブル、アルド・オルヴィエート(P)、、ダニエレ・ルッジエリ(フルート&ピッコロ)、カルロ・ラッツァーリ(Vn)、マリオ・パラディン(Va)、カルロ・テオドーロ(Vc)、ピエロ・ボナグーリ(G)
*=世界初録音。カミッロ・トーニ(1922-1993)は20世紀イタリアの作曲家です。若き頃にはカセッラたちと学び、様々な技法を習得しました。(ピアノはアンフォッシとミケランジェロに学んでいます)しかし彼の作風は後期ロマン派の様式を有し、そこには明らかにシェーンベルクの影響が見て取れます。このアルバムには彼の30年間の仕事が収められていて、彼の愛した詩人や作曲技法を伺い知ることができます。サルトルの詩を用いた「3つの習作」は、歌のメロディはフランス風で全音階的ではなく半音階的。4つの音符の音列を用いて曲を発展させることに力を注いでいるようです。
NAXOS-8.572175
マルティヌー:ピアノ作品全集第5集
ポルカ集1916年H.101、5つのワルツ集H.5
ジョルジョ・コウクル(P)
全て世界初録音。世界中の音楽誌で大絶賛されているコウクルのマルティヌー・ピアノ音楽全集の第5集です。この曲集はマリティヌー(1890-1959)の活躍の初期に書かれた未出版の作品や、新発見の作品を集めた貴重なもので、マルティヌーの音楽の源泉を辿るにふさわしい大変意義のあるディスクとなっています。26歳の時のポルカは平易な技術で書かれた親しみやすいもの。こちらも初期に書かれた(らしい)ワルツは、もう少し複雑な表情を有しています(この頃の彼は作曲と並行してヴァイオリン奏者として活躍を始め、しばしばヨーロッパへ行き、印象派の音楽の影響を受けたりと公私ともに忙しかったようです)。コウクルの演奏はいつものように圧倒的な迫力と情感豊かな響きを備えたものです。
NAXOS-8.570315
ラインベルガー:オルガン作品集第8集
オルガン・ソナタ第19番ト短調Op.193、前奏曲とフーガハ短調JWV16、
オルガン・ソナタ第20番ヘ長調Op.196「平和の祭典」
ヴォルフガンク・リュプサム(Org)
ロマン派のオルガン作曲家ラインベルガー(1839-1901)の代表作である、20曲のオルガン・ソナタの全曲録音がついに完成いたしました。演奏は今回もリュプサムでオルガンも同じフルダ教会のものです。彼の作品は、バッハのような明確な対位法に彩られたものではありませんが、メインとなる旋律を取り巻く旋律の複雑に絡み合う様が何とも魅力的な音楽です。今アルバムは19番と20番を収録。「平和の祭典」と題された第20番は、特定の式典のために書かれたのではなく、いくつかの賛美歌を用いられて作曲されたもの。厳かで平穏な美しい作品です。
NAXOS-8.570723
シマノフスキ:ハルナシェ他
ハルナシェ(3幕のバレエ・パントマイム)Op.55(1923-31)、
マンドラゴラ(パントマイム)Op.43(1920)、ポテムキン王子Op.51(1925)
ヴィエスワフ・オフマン(T)、アレクサンダー・ピンデラク(T)、エヴァ・マルシニク(Ms)、エヴァ・マルチク(Vn)、カジミエルツ・コシュラツ(Vc)、アントニ・ヴィト(指)ワルシャワPO&cho
シマノフスキ(1882-1937)のバレエ音楽「ハルナシェ」は1923年の構想から1931年の完成まで8年の歳月をかけ、1935年に初演された彼の代表作です。タトラ山脈で闊歩するハルナシュと彼が率いる盗賊団が結婚式から花嫁を略奪する物語。この作曲のためにシマノフスキは実際にタトラ山の保養地ザコパネを訪れて、現地の豊富な民謡と踊りを採取したのでした。彼はこの地に強く惹きつけられ1936年まで家を借り住んでいたといいます。3つの情景からなる「マンドラゴラ」は、ポーランド劇場でR.シュトラウスのナクソス島のアリアドネを上演する際のプレテキストとして書かれたものです。
NAXOS-8.570480
シューベルト:ドイツ語歌曲全集第22集〜感傷主義の詩人たち第5集
泉のほとりの若者D.300、秋の夕べD.405、遠く去った人D.350、静かな国へD.403(第1稿)、
静かな国へD.403(第4稿)、漁夫の歌D.351(第1作)、耕す人の歌D.392、漁夫の歌D.562(第2作)、
秋の歌D.502、調和に寄せるD.394、隠遁所(第1作)D.393、秋の夜D.404、ハープとの別れD.406
、隠遁所(第2作)D.563、少年時代の喜びD.455、君の姿D.155、秘められた恋D.922、
春の神D.448、眠りに寄すD.447、よき羊飼いD.449、夜D.358、クローエに寄すD.363、愛の神々D.446
演奏:ヤン・コボウ(T)、ウルリッシ・アイゼンロール(フォルテピアノ)
「感傷主義の詩人たち」のシリーズを締めくくる第6巻です。シューベルト(1797-1828)の時代には、多くの名詩人の詩作が本などの印刷物によって流布していたため、シューベルトも歌の材料に事欠くことがありませんでしたが、このシリーズ約130曲の歌の中には同じ詩を用いて2曲、3曲と書いたものもいくつか見られます。多くは単純な有節歌曲ですが、そこはさすがシューベルト。一見単純に見える曲の中にも微妙な変化を持たせ、まことに美しい作品を作り上げています。今回若々しい歌唱を聴かせるのは名テノール、ヤン・コボウ。素朴なフォルテピアノの音色に溶けあう柔らかい歌声と柔軟な表現力が素晴らしいです。
NAXOS-8.660227(2CD)
J.シュトラウス:歌劇「プリンセス・ニネッタ」
トゥア・エーベルイ(S)、エリン・ロンボ(S)、ヘンリッカ・グレンダール(S)、イェスパー・トウベ(Br)、フレドリク・ストリッド(T)、イェラン・エリアッソン(T)、オーラ・エリアッソン(Br)、エミリオ/ザミュエル・ヤーリック(Br)
☆物語はソレントの海岸沿いの素敵なホテルで始まります。筋立ては、シュトラウスおなじみの「ちょっとした誤解」と「行き違い」。若き恋人同士であるアデルハイドとフェルディナンドと離れた席に座った男爵メルスブルク。そこへイタリア皇太子の未亡人であるニネッタ(ロシア人、若者カリーノとして男装している)が到着します。彼女の凛々しさにそこにいた全ての女性が見とれてしまいます。また2人の客が到着します・・・。

NAXOS・ヒストリカル 4月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.110119(2CD)
ヴェルディ:歌劇「シモン・ボッカネグラ」
ティト・ゴッビ(Br)、ボリス・クリストフ(Bs)、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)、ジュセッペ・カンポーラ(T)、ワルター・モナケシ(Br)、パオロ・ダーリ(T)、ガブリエーレ・サンティーニ(指)ローマ歌劇場O&cho
録音:1957年9月25-30日,11月1日ローマ歌劇場
14世紀の忠誠と反逆の物語。台本は多少強引ではありますが、愛と政治を巡っての激しいドラマ展開はヴェルディ(1813-1901)ならではの世界です。指導者として、親として、敵を許しながら死に赴く主人公の感動的な姿、そして運命に翻弄される周囲の人々。これぞまさに男たちのロマンです。
NAXOS-8.111256
エルガー:自作自演集
交響曲第1番、交響的習作「ファルスタッフ」Op.68
エドゥワルド・エルガー(指)LSO
録音:1931年11月11-12日、1932年2月4日ロンドンEMIアビーロード第1スタジオ
1908年、大指揮者ハンス・リヒターによって初演されたこの交響曲は、初演時大変な反響を呼び、1年間で100回あまりも再演されました。リヒターはこの曲を「現代最高の交響曲」と称しています。もう一つの作品「ファルスタッフ」は、シェークスピアの戯曲の心理的な洞察を巧妙に音にしたものです。指揮者としても活躍したエルガー(1857-1934)の演奏はこれらの曲の最良の解釈を示すものです。
NAXOS-8.112012
コルトー〜HMV録音集
ウェーバー:ピアノソナタ第2番変イ長調Op.39、シューベルト:レントラーD790Op.171、
リスト:ピアノ・ソナタロ短調S.178、リスト:伝説第2番S175/R17、
リスト:演奏会用練習曲第2番「軽やかに」S144、
シューベルト(コルトー編):万霊節の日のための連祷、ブラームス(コルトー編):子守歌Op.49-4
アルフレッド・コルトー(P)
録音:1931-1948年
ロマン派の良き流れを汲む大ピアニスト、コルトーのショパン以外のレパートリーをじっくり聴く1枚です。軽やかで流麗なウェーバーのソナタでの喜ばしげに音が戯れる様子、彼のレパートリーとしては珍しいリストのソナタでの思いの他重厚な表現など興味は尽きません。

NAXOS 3月新譜
1CD=、2CD=、3CD=
NAXOS-8.559601
コリリアーノ:サーカス・マキシマス他
交響曲第3番「サーカス・マキシマス」(大編成の吹奏楽のために)、ガゼボ舞曲集(バンドのために)
ジェリー・ジャンキン(指)☆テキサス大学ウィンド・アンサンブル
世界最大のアリーナであった古代ローマの円形競技場では毎日さまざまな競技、闘いが催され、30万 人以上の観客が熱狂したのでした。その催しは日を追うごとにエスカレートし、ある時は鍛え抜かれ た戦士たちの戦いであったり、餓えたライオンと人間の戦いであったりと、血で血を洗う残虐なもの へと進化(?)していったのです。そんな野蛮なショーを大規模なブラス・アンサンブルで再現したのが この作品です。ステージだけでなく会場の至るところに配置された楽器群が一斉に音を吹き鳴らす様 は圧巻の極みです。
NAXOS-8.572050
ストコフスキー:交響的編曲集第2集
バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV565/アリオーソBWV1056/目覚めよと呼ぶ声ありBWV645/主イエスキリストわれ汝を呼ぶBWV639/トッカータ、アダージョとフーガハ長調BWV564より「アダージョ」/我がイエスいかばかりの魂の痛みBWV487/神はわが堅き砦BWV80/主よ人の望みの喜びよ/平均律クラヴィア曲集第1集第24番前奏曲ロ短調BWV869/シチリアーノBWV1017
パレストリーナ:キリストよ、われらは御身をあがめ
バード:パヴァーヌとジグ/ラーク:トランペット・ヴォランタリー
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲より「メヌエット」
マッテゾン:ハープシコード組曲第5番ハ短調より「エア」
ハイドン:弦楽四重奏曲ヘ長調より「アンダンテ・カンタービレ」
バッハ:平均律クラヴィア曲集第1集より第2番フーガハ短調BWV847
ホセ・セレブリエール(指)ボーンマスSO
ストコフスキーは、バッハの作品をおよそ40曲、現代の華麗な管弦楽作品へと変身させました。第1 集(8.557883)での多彩な響きで驚いた耳を更に驚愕させるこの第2集には、バッハ以外の作曲家の作 品も収録、オーケストラの芳醇な音色がどっしりと詰まっています。セレブリエールの繰り出す魔術 のような棒さばきはまさに、あの有名な幻想的映画を彷彿させますね。 愛の喜びが一杯に詰まった幸せの歌、これ以上美しいものがあるだろうか?
NAXOS-8.570747
クララ・シューマン:歌曲全集
リュッケルトの詩による3つの歌曲/良き夜/6つの歌曲集Op.13/ユクンデによる6つの歌Op.23/宵の星/海辺にて/彼女の絵姿/民衆の歌/彼らは愛し合っていた(第1稿)/ローレライ/別れのつらさよ/我が星/別れのとき/すみれ/さすらい人/製材所のさすらい人/29.ワルツ
ドロテア・クラクストン(S)/ヒダィエット・ジェディカー(P) ※クララ・シューマンのフォルテ・ピアノを使用
大なるピアニストで作曲家であり、またロベルト・シューマンの妻であり子どもたちの母であった クララ・シューマン(1819-1896)。彼女の書いた多くの作品は結婚前のものでした。なぜなら彼女は「夫 の書いたものにはかなわない」と自らの才能に対して懐疑的だったからです。もちろんロベルトは彼 女に作曲を勧め、書きあげた作品を交換しあったというから何ともステキな愛のやりとりと言うほか ありません。このアルバムは彼女が愛奏したピアノを用いて録音しました。控え目でつつましい音色 が魅力的です。
NAXOS-8.557507
ストラヴィンスキー:交響曲ハ調他
八重奏曲/協奏曲変ホ長調(ダンバートン・オークス)/交響曲ハ調/3楽章の交響曲
20世紀古典アンサンブル、ロバート・クラフト(指)セント・ルークスO、フィルハーモニアO
ハイドン、モーツァルトから続く交響曲という形式を用いつつも、その音色もリズムも全く独自に味付け をこらした「新古典主義」の名曲2曲を中心に収録。戦乱のさなか1938〜40年に書きあげられた「交響 曲ハ調」の機能的な美しさと、1942〜45年に書かれた荒々しいリズムと協奏曲的な面を持つ「3楽章の 交響曲」。その曲想の対比と、計算されつくした構造には思わず舌を巻くほかありません。輝かしい名演 として知られる2枚の録音からの再編集盤です。
※Music Masters、Koch Internationalより移行盤
NAXOS-8.570897
モーツァルト:フリーメイソンのための音楽全集
カンタータ「汝、宇宙の魂に」K.429/アダージョヘ長調K.410/クラリネットとバセットホルンのためのアダージョ変ロ長調K.411/結社員の旅K.468/今日こそ共に、愛する兄弟よK.483/汝ら、われらの新しき指導者よK.484/フリーメイソンの喜びK.471/フリーメイソンのための葬送音楽K.477/カンタータ「無限なる宇宙の創り主を崇敬する汝らが」K.619/アダージョとフーガハ短調K.546/.ヨハネ分団の儀式のための讃歌K.148/フリーメイソンのための小カンタータ「われらが喜びを高らかに告げよ」
ユン=フーン・ヘオ(T)、ロベルト・パーテルノストロ(指)カッセル・シュポア室内O
フリーメイソンのためにモーツァルトが書いた作品を網羅したアルバムです。「秘密結社のための音楽な んて」と、なんとなくぞくぞくした雰囲気が漂いますが、音楽は極めて美しく、怪しさを求める人は肩透 かしを食らうこと間違いありません。自由、平等、博愛をモットーにした団体にふさわしい折り目正しい 曲ばかりです。ちなみに歌劇「魔笛」もフリーメイソンに関係があると言われていますが、なにしろ「秘 密」なので詳しいところはわかりません。
NAXOS-8.572059
フレイタス・ブランコ:管弦楽作品集第2集
交響曲第2番(1926-1955)/ゲーラ・ジュンケイロの読書の後に/人工楽園
アルヴァロ・カッスート(指)アイルランド国立SO
2008年にリリースした第1集(8.570765)が大好評。ポルトガルの知られざる巨匠、フレイタス・ブランコの管弦楽作品集第2 集は、交響曲第2番を中心に収録した1枚です。この曲はグレゴリオ聖歌、ブルックナーのスケルツォ、セザール・フランク、 ドビュッシーなど様々な音楽から影響を受けているようで、異なった要素を絶妙に組み合わせた噛みごたえのある作品と言え るでしょう。R.シュトラウスの交響詩を思わせる「ゲーラ〜」、阿片愛好家の告白から喚起された「人工楽園」、どれもがブラ ンコの最高傑作と言えるでしょう。
NAXOS-8.570328
シューベルト:序曲全集第1集
序曲「ヒュドラウリスになった悪魔」D.4/序曲「鏡の騎士」D.11/序曲ニ長調D.12/序曲ニ長調D.26/序曲「悪魔の別荘」D.84/序曲「4年間の歩哨兵勤務」D.190/序曲「ヴィラ・ベッラのクラウディーネ」D.239/序曲「サラマンカの友人たち」D.326/序曲変ロ長調D.470
クリスティアン・ベンダ(指)プラハ・シンフォニア
歌曲王として知られるシューベルト(1797−1828)ですが、彼がかなり多くのオペラを書いていたことはあまり知られていませ ん。なぜならば、その作品は大抵初演で失敗し、以降誰にも注目されなかったからです。とは言え、このアルバムに収録され た作品のほとんどはシューベルト10代の頃の意欲作であり、まるでベートーヴェンやウェーバーを思わせる躍動的な旋律に 満ちた一連の作品は、そのままにしておくには何とも惜しいものばかりです。新たなシューベルトの魅力に開眼の1枚です。
NAXOS-8.559352
ジャンニーニ:ピアノ協奏曲&交響曲第4番
ピアノ協奏曲/交響曲第4番
ガブリエラ・イムラー(P)、ダニエル・スポールディング(指)ボーンマスSO
名前からわかる通り、イタリア系のアメリカ人作曲家であるジャンニーニ(1903-1966)は、まずヨーロッ パでオペラ作曲家として名を挙げたのち、ニューヨークで作曲家、教師として活躍しました。彼はヨーロ ッパ音楽への永続的な愛を失うことなく常に「美しいものを探究し、聴き手とその瞬間を共有したい」と いう信念を持ち続けていました。ここで聴けるピアノ協奏曲(とりわけ第2楽章)でのロマンテイックさ は、その思いが反映されたものでしょう。かたや強烈な響きを持つ交響曲は、彼のまた違った一面を垣間 見せてくれるものです。
NAXOS-8.570481
ハイドン:2台のリラ・オルガニザータのための協奏曲集〜2つのリコーダー、2つのフルート、フルートとオーボエに編曲
協奏曲ハ長調Hob.VIIh:1(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)/奏曲ト長調Hob.VIIh:2(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)/協奏曲ト長調Hob.VIIh:3(2つのフルート、弦楽合奏と2台のホルン)/協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:4(フルート、オーボエ、弦楽合奏と2台のホルン)/協奏曲ヘ長調Hob.VIIh:5(2つのリコーダー、弦楽合奏と2台のホルン)
ダニエル・ロテルト&フィリップ・シュペートリンク(リコーダー)/ブノワ・フロマンジェ&インゴ・ネルケン(Fl)/クリスティアン・ホンメル(Ob)、ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指)ケルン室内O
ハーディ・ガーディに似た小型のオルガンである(手で円盤を回してこすり、鍵盤で音程を変える)リラ・オルガニザータのた めに書かれた5つの協奏曲は、この楽器が忘れ去られてしまったため、現在ではソロ・パートを他の楽器に置き換えて演奏す ることがほとんどです。このアルバムではフルートやリコーダー、そしてオーボエによって演奏されていますが、原曲の味わ いを損なうことは全くなく、むしろ新たな魅力を与えていると言っても過言ではないでしょう。
NAXOS-8.570528
シュポア:ヴァイオリン協奏曲第6・8・11番
ヴァイオリン協奏曲第6番ト短調Op.28/ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調Op.47「劇唱の形式で」/ヴァイオリン協奏曲第11番ト長調Op.70
シモーネ・ラムスマ(Vn)、パトリック・ガロワ(指)シンフォニア・フィンランディア
モーツァルト、ヴィオッティからベートーヴェンへと続く古典派の様式を一段と発展させ、ロマン派へと繋ぐ音楽を書いたシ ュポアの代表作ともいえるヴァイオリン協奏曲を3曲収録。ヴァイオリンを演奏するのは、2006年のインディアナポリス国際 ヴァイオリン・コンクールで第2位を得た若きオランダのヴァイオリニスト、シモーネ・ラムスマです。彼女の奏でるヴァイ オリンの音色はとても美しくしなやかで、シュポアの曲の持つ明るさにぴったり合った気持ちのよいものです。
NAXOS-8.570601
シェン:春の夢他
ヴァイオリンとオーケストラ、中国の楽器のための「春の夢」/3つの幻想曲<第1番夢の歌/第2番チベットの大気/第3番カザフスタンの愛の歌>/チベット人の踊り<1.前奏曲/2.歌/3.チベット人の踊り>
チョーリャン・リン(Vn)、葉聡(指)シンガポール・チャイニーズ・オーケストラ、アンドレ=ミシェル・シューブ(P)、エリン・スヴォボーダ(Cl)、ブライト・シェン(P)
中国系アメリカ人作曲家、シェンの作品集です。中国やチベット、あるいはカザフスタンの音楽を素材として用いた、まるで 金の糸で織られたような光り輝く音楽は、どこか儚げで夢の中のような響きを持っています。例えば「真夜中のベル」での、 絶妙に組み合わされた懐かしい音色の合間をよぎる不安気な音の塊は、聴き手の背中をぞくぞくさせる何かにほかなりません。 ともあれ、この特徴的な音は、さまざまな文化が行き交うアメリカにおいて絶大なる人気を誇っています。
NAXOS-8.572248
北国の風
アップルバウム(1918-2000):ハイ・スピリッツ〜コンサート・バンドのための短い序曲/コルグラス(1932-):ドリーム・ダンサー/クチャルチク(1953-):会議の要求/クレシャ(1954-):アンサンブル/フリードマン(1922-2005):ローレンシア台地の雰囲気/メシアン:異国の鳥たち
ウォレス・ハラディ(Sax)、シモン・ドッキング(P)、トニー・ゴメス(指)トロント・ウィンド・オーケストラ
20世紀の作曲家たちによる様々なスタイルの吹奏楽作品その他を集めたゴキゲンな1枚です。トロント・ ウィンド・オーケストラの目の覚めるような技にも釘付けになりますが、ソロを担当している奏者たちに も注目です。この分野ではおなじみの作曲家コルグラスの作品で素晴らしいサックスを受け持つのはカナ ダの若き奏者ハラディです。メシアンで鮮烈なピアノを弾いているのはオーストラリアの現代曲を得意と する若手ドッキング。白熱した力がぶつかる時に溢れ出るエネルギーの凄まじさを体験してください。
NAXOS-8.557718(2CD)
ポッパー:チェロ演奏の高等課程への練習曲Op.73
練習曲第1番-20番/練習曲第21番-40番
ドミトリ・ヤブロンスキー(Vc)
リスト、ブラームスと同世代の名チェリスト、ポッパー(1843-1913)をご存知でしょうか?このアルバ ムを手にとって「なんだ、ただの練習曲か・・・」なんて呟いてはいけません。チェロを習得する際 に不可欠な(それも高度な技術)40の曲のなんとも面白いこと。ピアノで言えばハノンの練習曲に近 いものもありますがとにかく聴いてみてください。例えば第2番。冒頭の一瞬は、まさに「バッハの あの曲」です。学習者にはもちろんのこと、静かな夜にしみじみ聴くのもオススメです。なかなかの 逸品です。
NAXOS-8.570743
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ集第2集
ソナタハ長調Op.1-1/ソナタイ短調Op.1-2/ソナチネ変ロ長調Op.5-1/ソナチネヘ長調Op.5-2
スーザン・カガン(P)
ご存知、ベートーヴェンの弟子、友人であったフェルディナント・リースの作品集第2集です。彼がソナタを作曲した当時は、 このジャンル自体が大きな転換期を迎えていた頃で、彼はハイドンやベートーヴェンの作品をお手本にしつつも独自の形式を 開発し、その独創性は後のシューベルト、シューマン、そしてショパンさえも予感させるものでした。第2集もスーザン・カ ガンの丁寧な演奏によって、知られざる作品が蘇ります。
NAXOS-8.570766
ロッシーニ:ピアノ作品全集第2集〜老いのいたずら第6巻「すばしこい子どもたちのためのアルバム」(抜粋)
私の朝の健康のための前奏曲/バロック風前奏曲/人よ汝が塵なることを思い出せ/充分な記念品:踊りましょう/ペーザロ人/苦悶のワルツ/わが妻への甘え/舟歌/楽しい汽車の小旅行のおかしな描写/ポルカ=マズルカのできそこない/謝肉祭の埋葬
アレッサンドロ・マランゴーニ(P)
第1集が好評だったロッシーニの秘曲集「老いのいたずら」の第2集です。オペラの筆を折ったのち、日々書きためたロッシーニのいわば「音による随筆集」はどこもかしこも上品で洒落た味わいに満ちています。まるでサティの作品のようなひねったタイトルにも注目。トラック6の「苦悶のワルツ」などは聴いているとなんだか落ち着かない気分になること間違いなし。この曲は何を言いたいのだろう?と考えているだけで楽しい1枚です。
NAXOS-8.570754
シューベルト:フルートとピアノのための音楽
アルペジョーネ・ソナタD.821(フルート編曲:U.グロット)/6つの歌曲(フルート編曲:T.ベーム)<おやすみD.911/菩提樹D.911-5/漁夫の娘D.957-10/セレナーデD.957-4/海辺でD.957-12/鳩の使いD.957-14>/「しぼめる花」による序曲と変奏曲
ウーヴェ・グロット(Fl)/マッテオ・ナポリ(P)
シューベルトの名曲、アルペジョーネ・ソナタは今までにも色々な楽器のためにと姿を変えてきました。もちろんフルートで 奏されることもしばしばです。「しぼめる花」による変奏曲はもともとフルートのために書かれた技巧的な作品で、指揮者でも あり、フルーティストでもあるグロットは申し分ない音楽性でこの作品を聴かせます。楽しいのはT.ベームの編曲による「6 つの歌曲」です。ここでのフルートは、本来のメロディから自由に飛翔した「新たな歌」を高らかに奏でます。感動的です。
NAXOS-8.572235
マルコプーロス:オルフェウスの典礼
オルフェウスの典礼<オリュムポスのオルフェウス/感謝の歌-アポロへの頌歌/オルフェウスの手の中のリラ/ガイア、母なる地球/空への賛歌/海への賛歌/ハイペリオン/黄泉の国のオルフェウス/エウリディーチェは待つ/愛は来た/クーレーテス-コリバントス/バッカスのダンス/オルフェウスと復讐の女神/ピエリアのミューズ/愛の方法に/おお、プュシス-自然への賛歌/運命/寺院のオルフェウス/感謝の歌-エピローグ>
ホセ・ヴァン・ダム(B-Br)/エレナ・ケレッシーディ(S)/フィリップ・シェフィールド(ナレーター)/アリエール・ヴァリボーズ(hp)/マルク・グローウェルス(fl)/エドヴィヒ・アブラス(指)フランダース歌劇場SO・cho
自然環境の復活を求める預言者=音楽家を描くこのオラトリオは、合唱、ソリスト、ナレーター、大オーケストラの他にリュートやリラ、ハープ、ピアノを用いた多彩でわかりやすい音楽が魅力です。このCDの冒頭2分間だけ聴いただけで、あまりにも陽気で特徴的な音楽に心がときめくはずです。名バリトン、ホセ・ファン・ダムの歌唱も、否が応でもこの曲の興奮度を高めてくれます。この曲が1992年に書かれたとは・・・何とも不思議な思いに捉われてしまいます。
NAXOS-8.660231(2CD)
カイザー:歌劇「フレデグンダ」
フレデグンダ…ドラ・パヴリコーヴァ(S)/ガルズインデ…ビアンカ・コシュ(S)/バジーナ…カーチャ・ストゥーバー(S)/キルペリヒ…トミ・ヴェント(Br)/ジギベルト…ミヒャエル・クラネビッター(Br)/ヘルメネギルト…松原友(T)/ランデリヒ…トビアス・ハーク(T)/クリストフ・ハンマー(指)ミュンヘン・ノイエ・ホーフカペレ
大阪出身のバリトン(この公演時にはテノールに転向)、松原友が出演したことで一躍脚光を浴びた、オペラ「フレデグンダ」です。ヘンデル、テレマンと同時代のカイザーは、100を超えるオペラを作曲しましたが、そのほとんどは現在では耳にする機会がありません。しかし当時ではこの「フレデグンダ」は最も知られていた作品でした。1715年に初演されたこの作品は、6世紀のフランク族の王キルペリヒとその情婦フレデグンダの陰謀と策略の物語。熱愛する恋人がいるにも関わらず、王と結婚することにより王妃の座を狙うフレデグンダ。はたして彼女の運命は?
NAXOS-8.559375
ホイビー:ポケット・オブ・タイム〜21の歌曲とデュエット
.ポケット・オブ・タイム…S/ピエロ…S/風の杖に…S/湾の貴婦人…S/子羊…S/音楽が聴こえてくるところ…S/水の中の島へ…Br/冬の傲慢…Br/おしゃべり…Br/愛の歌…S/夜…S/歌曲集「私はそこにいた」…Br/秋…S/夕べ…S/闇の中のツグミ…Br/ラスト・レター・ホーム…Br/さようなら、さようなら、世界よ…S/ナイチンゲールとひばり…S&Br
ジュリア・フォークナー(S)/アンドリュー・ガーランド(Br)/リー・ホイビー(P)
サミュエル・バーバーを尊敬するというホイビー(1926-)は、その作風もとてもロマンティック。ヴェルディとガーシュウイン に共通する感傷的な世界と、シューベルトやソンドハイムに通じる上品さを持ち合わせています。この歌曲集は、ルイス・キ ャロルやマルグリット・デュラス、エリザベス・ビショップなどの著名な詩人のテキストを用いたもので、情緒的で、聴き手 の感性の深淵に浸み入る美しいものです。

NAXOS・ヒストリカル
NAXOS-8.111284(2CD)
ベッリーニ:夢遊病の女
◆ボーナス・トラック…ケルビーニ:歌劇「メデア」より「あなたの子どもの母親は」/スポンティーニ:歌劇「ヴェスタの巫女」より「無慈悲な女神よ」/スポンティーニ:歌劇「ヴェスタの巫女」より「ああ,不幸な人々を守護する女神」
アミーナ…マリア・カラス(S)/テレサ…フィオレンツァ・コッソット(Ms)/エルヴィーノ…ニコラ・モンティ(T)/ロドルフォ伯爵…ニコラ・ザッカーリ(B)/リーザ…ユージェニア・ラティ(S)/ミラノ・スカラ座O&cho/アントニノ・ヴォットー(指)/トゥリオ・セラフィン(指)
録音:1957年3月3-9日ミラノ、聖エウフェミア大聖堂
世紀の名ソプラノ、カラスの偉業については今更何も語ることはないでしょう。このオペラはベッリーニ(1801-1835)30歳の 作品で、あまり劇的なあらすじではないはずなのですが、カラスが歌うと何故か、手に汗握るサスペンス(?)に変貌してしま うところがスゴイのです。ボーナス・トラックの2つのオペラも、彼女こそがヒロインに生身の体を与えたと言えるでしょう。
NAXOS-8.111325
ゲディーニ:作品集
2台の協奏的チェロと管弦楽のための「オルメネータ」/聖母マリアのための晩課/バッハ:音楽の捧げ物(ゲディーニ編)より抜粋
ベネデット・マッツァクラティ(Vc)/マリオ・グセッラ(Vc)/ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ(指)ナポリ・アレッサンドロ・スカルラッティO
録音:1952年3月28日ライヴナポリアレッサンドロ・スカルラッティ・ホール
20世紀の最も素晴らしいイタリアの作曲家の一人、ゲディーニ(1892-1965)の作品集です。とはいえ、この人の名前を知って いる人が現在どれほどいることでしょう?このリリースは50年ぶりに彼の自作自演を蘇らせた興味深いアルバムです。作曲 家でもあり、指揮者でもあり、教師でもあった(アバドやベリオを指導)彼の作品は、古典的なフォルムと現代的な音色を用 いた魅惑的なもので、オリジナルの作品もバッハの編曲もかなり特異な魅力を放っています。
NAXOS-8.111332(2CD)
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」
◆ボーナス・トラック…「ディ・ステファノとカルテッリ、愛の二重唱集」
ヴェルディ:歌劇「オテロ」より「暗い夜のとばりが下り」/マスカーニ:歌劇「イリス」より「おお、あなたの繊細さに」/ビゼー:歌劇「カルメン」より「話して、母の便りを」(イタリア語歌唱)/ビゼー:歌劇「真珠採り」より「レイラ、偉大な神よ、あの人がここに」(イタリア語歌唱)/グノー:歌劇「ファウスト」より「もう遅いわ、さようなら」(イタリア語歌唱)
ロドルフォ…ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)/ミミ…マリア・カラス(S)/マルチェッロ…ローランド・パネライ(Br)/ムゼッタ…アンナ・モッフォ(S)/コッリーネ…ニコラ・ザッカーリア(B)/シュナウド…マヌエル・スパタフォーラ(Br)/ミラノ・スカラ座O&cho/アントニノ・ヴォット(指)/ロザンナ・カルテッリ(S)/ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)/ミラノSO/アントニオ・トニーニ(指)
録音:1956年8月3,4日、9月12日ミラノ・スカラ座劇場
屋根裏部屋に住む、気合いだけはたっぷりの芸術家たちと、貧しいお針子ミミ、コケティッシュなムゼッタの他愛ない日常物 語。最後はお決まりの悲劇とは言え、全体を貫く生き生きとした情熱を描く最高の歌手たち。もちろん主役はマリア・カラス です。
NAXOS-8.111334(2CD)
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
トゥーランドット…マリア・カラス(S)/カラフ…エウジェニオ・フェルナンディ(T)/リュー…エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)/