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廉価盤・新譜速報1


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NAXOS

NAXOS 2017年7月発売
NAXOS-2.110385
(DVD)
NX-C09

NBD-59(Bluray)
NX-C09
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」 ロドルフォ:詩人…ヨアヒム・ベックステム(T)
ミミ:お針子…オレシャ・ゴロフネーヴァ(S)
マルチェッロ:画家…ヴラディスラフ・スリムスキー(Br)
ムゼッタ:マルチェッロの元彼女…マリア・フォントシュ(S)
ショナール:音楽家…ダニエル・ヘルストレーム(Br)
コッリーネ:哲学者…ミクローシュ・セベスティエン(Bs)
ブノア:家主…マグヌス・ロフトッソン(T)
アルチンドロ…ベングト・クランツ(Bs) 他
マルメ歌劇場O&cho
マルメ児童cho
クリスティアン・バデア(指)

収録:2014年5月18日
マルメ歌劇場
収録時間:117'58”
音声:ステレオ2.0/DTS5.1(DVD)
ステレオ2.0/dts-HDマスターオーディオ5.1(Blu-ray)
イタリア語歌唱
字幕:イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語
画面:16:9
REGION All(Code:0)
DVD…片面2層ディスク
Blu-ray・・・ニ層 50GB 1080i High Definition
『ヨーロッパ中から学生たちが集まり、ラテン語で議論を交わす場』であったというパリのカルチェ・ラタン(ラテン語の地区) は、現在も学生街として知られる地域です。この一角にあるアパートの屋根裏部屋で暮らす芸術家たち=ボヘミアン がこの物語の主人公。詩人ロドルフォと貧しいお針子ミミのささやかな恋を温かく見守る仲間たちが生き生きと描かれ ています。 この物語に自身の経験を重ね合わせたプッチーニは、力強く美しい旋律を与え、素晴らしい歌劇に仕立てました。若 者たちはロマンティックな夢を見ていますが、物語は残念なことに悲劇的な終わりを迎えることになり、見る人はみな涙 せずにはいられません。原作は1830年のパリの下町が舞台ですが、演出家のオルファ・ペーランは舞台を現代に移 し、ジーンズを履いた若者たちに舞台を闊歩させることで、普遍的な物語として表現することに成功しました。歌手た ちの生き生きとした歌唱、豊潤な音楽にもご注目ください。
NAXOS-2.110386(DVD)
NX-C05

NBD-60(Bluray)
NX-C05
PIXEL
ムーラ・メズキ(アーティスティック・ディレクター&振付)
アドリアン・モンド&クレア・バルダーヌ
カンパニー・ケーフィグ
アルマン・アマール(音楽)
ベンジャミン・レブレトン(シノグラフィー)
ヨアン・ティヴォリ(照明)
パスカル・ロバン(衣装)
モハメド・アタムナ(ヴィデオ・ディレクター)
2014年1月21日
M.A.C. de Creteil High Definition映像

収録時間:70'41"+32'06"(メイキング映像…フランス語
音声:ステレオ2.0
字幕(メイキング映像):英語・日本語
画面:16:9
REGION All(Code:0)
DVD…片面2層ディスク
Blu-ray・・・ニ層 50GB 1080i High Definition
ヴァーチャル・ダンサーと生身のダンサー、総勢11名が織り成す現代的なパフォーマンス。 降りしきる雪、雨、歪む地面。絶え間なく変化するステージ上の風景は全て映し出される3D映像です。 そして、これらに反応して踊るダンサーの鋭敏な動きは、見る者を魅了してやみません。 最小限に使われた音楽も、ダンサーの動きを阻むことなく実に効果的。 幻想的な舞台は、新しいダンスの領域を広げます。一度見たらくせになります。
NAXOS-2.110387(DVD)
NX-C03

NBD-61(Bluray)
NX-C03
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」 ハンナ・ヘアフルトナー(S)
ガイア・ペトローネ(A)
ミヒャエル・シャーデ(T)
クリスティアン・イムラー(Bs)
ザルツブルク・バッハcho
バッハ・コンソート・ウィーン
ルベン・ドゥブロフスキー(指)

録音:2016年3月19日オーストリア クロイスターノイブルク修道院教会

収録時間:117'58”
音声:ステレオ2.0/DTS5.1(DVD)
ステレオ2.0/dts-HDマスターオーディオ5.1(Blu-ray)
イタリア語歌唱
字幕:イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語
画面:16:9
REGION All(Code:0)
DVD…片面2層ディスク
Blu-ray・・・ニ層 50GB 1080i High Definition
聖書のテキストを元に、預言書に描かれたイエスの姿を追うことで、救世主としてのイエス・キリストの姿を描き出したヘンデルの名 作オラトリオ「メサイア」。 1742年の初演当時は、このテキストの扱いが論争を呼んだとされていますが、演奏を重ねるうちに、「ハレルヤ・コーラス」での華麗 な合唱の扱いや、巧みな独唱、荘厳なオーケストラなど作品の持つ普遍的な価値が認められ、現在ではイギリスを始め、世界中 で最も人気のある宗教曲の一つに数えられています。 この演奏は、オーストリア、クロイスターノイブルクの教会で開催された演奏会のライヴ。復活祭の記念コンサートということで、全てに 溌剌とした雰囲気が漂っています。ポーランド系イタリア人指揮者ドゥブロフスキーはバッハ・コンソート・ウィーンの共同設立者。貴 重な作品の復刻にも力を入れています。
NAXOS-8.573721
(1CD)
レニャーニ:ロッシーニによる変奏曲集
ロッシーニ「アルジェのイタリア女」によるグラン・シンフォニア Op.2
ロッシーニ「ウィリアム・テル」による序曲 Op.202(抜粋)
ロッシーニ「アルジェのイタリア女」第1幕:二重唱「運命の気まぐれに対しては」Op.5
ロッシーニ「アルジェのイタリア女」第1幕:カヴァティーナ「美しいひとに焦がれて」Op.7
ロッシーニ「アルジェのイタリア女」第2幕:合唱とロンド「祖国のことを思って」Op.8
.ロッシーニ「湖上の美人」「おお、どれほどの涙よ」による変奏曲 Op.18
.ロッシーニ「ゼルミーラ」の主題による序奏と変奏曲 Op.21
ロッシーニ「湖上の美人」「私の剣と信頼している部下」による変奏曲 Op.24
ロッシーニ「チェネレントラ」「苦しみと涙のもとに生まれ」による変奏曲 Op.30
ロッシーニ「アルミーダ」「いとしい人よ、この魂をあなたのために」による変奏曲
マルチェロ・ファントーニ(G)

録音:2016年8月24-25日
全て世界初録音
イタリアのギタリスト、シンガー、作曲家、弦楽器製作者ルイジ・レニャーニ。ヨーロッパ全土でギターの「リーディング・プレイヤー」とし て活躍した彼は、同時代に活躍したヴァイオリンの名手パガニーニからも賞賛されるほど、演奏技術の高さで知られていました。レ ニャーニが得意としていたのは歌劇の名旋律を独奏ギター用に編曲することで、このスタイルは19世紀の人々に大変好まれていた もの。この一連のロッシーニ作品の編曲でも、当然、息を呑むようなギターの超絶技巧が要求されますが、非常に華やかな演奏効 果が得られます。変奏曲形式の作品はレニャーニのオリジナルであり、熟練の作曲技法もたっぷり味わえます。イタリアの名手ファン トーニの演奏で。
NAXOS-8.559843
(1CD)
パーシケッティ(1915-1987):ハープシコード・ソナタ集
ソナタ 第1番 Op.52(1951)
ソナタ 第3番 Op.149(1983)
ソナタ 第5番 Op.152(1984)
ソナタ 第8番 Op.158(1987)
ソナタ 第9番 Op.163(1987)
セレナード 第15番 Op.161(1987)
クリストファー D.ルイス(ハープシコード)

録音:2016年3月14-18日
ルネサンス期に起源を発し、19世紀初頭までは高い人気を勝ち得ていたハープシコード。この楽器の流行が凋落したのは、18世 紀頃に登場したフォルテピアノの魅力に人々が気付いたからでしょう。コンサートホールの拡大につれて、大きな音がでるように改良 されていくフォルテピアノ=ピアノを後目に、ハープシコードはそのエレガントな音色を保つことで、一部の人々にのみ長く愛されていま した。しかし、20世紀の名手ワンダ・ランドフスカは楽器を改良することで、端正な音色を強靭な響きに変化させることに成功。ピア ノとハープシコードのハイブリッドとも言える新しいハープシコードを生み出しました。プーランクを始め、多くの音楽家たちがこの新しい 楽器のために曲を書いていますが、アメリカの作曲家パーシケッティもその一人。彼の持つ作曲技法を全て駆使したシンプルなソナ タは、ロマンティックであったり、謎めいた無調であったりと、曲によって多彩な表情を見せています。
NAXOS-8.573607
(1CD)
ポール&ポーリーヌ・ヴィアルド:ヴァイオリンのためのソナタとソナチネ集
ポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):ヴァイオリンのためのソナチネ イ短調
(ユベール・レオナールに)(1874)
ポール・ヴィアルド(1857-1941):ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op.5(1883)
ポール・ヴィアルド:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 変ロ長調(アンリ・マルトーに)(1902)
ポール・ヴィアルド:ヴァイオリン・ソナタ イ短調(1931)
レート・クッペル(Vn)
ヴォルフガング・マンツ(P)

録音:2016年5月2-4日
世界初録音
19世紀の音楽界、文学界において、極めて特異な存在感を放った女性ポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルド。 スペインの高名なテノール歌手マヌエルを父に持ち、自身も声楽家としてデビュー。ショパン、シューマンの親友でもあり、またロシア の文豪ツルゲーネフの相談相手として、多くの芸術家たちに影響を与えたことで知られています。作曲家としても才能を示し、ショ パンのマズルカを歌に仕立てた曲や、オリジナル曲など数多くの作品が残されています。彼女の一人息子ポールも音楽的才能を受 け継ぎ、ヴァイオリニストとして活躍。しかし、偉大すぎる母を越えることができず、最終的には音楽を離れてしまいました。 ヴァイオリン・ソナタの他にもいくつかの作品が残されていますが、どれも息の長い美しいメロディに彩られています。
NAXOS-8.559840
(1CD)
ハーバーグ&ウォルパート:ヴィオラ協奏曲集
アマンダ・ハーバーグ(1973-):ヴィオラ協奏曲(2011/2012)
エレジー(2007)
マックス・ウォルパート(1993-):ヴィオラ協奏曲 第1番「巨人」(2015)
ブレット・ドイブナー(Va)
南部アリゾナSO
ライナス・ラーナー(指)

録音:2016年4月14-16日
英国近現代の2人の作曲家、ジェフリー・ブッシュとジョーゼフ・ホロヴィッツの歌曲集。16世紀、17世紀の詩と文学を愛したブッ シュは、自身の歌曲にもルネサンス時代の詩を用いることが多く、これらの端正な言葉が現代的なメロディで歌われる時に起きる微 妙なずれが彼の作品の特徴でもあります。(20世紀に書かれた詩には著作権の問題があり、彼は使用を好まなかったようです) しかし、彼の孫ケイにささげられた「イエスタディ」では1917年生まれのコーズリーの詩を使用。彼はこのコミカルな文体をとりわけ愛 していたようです。「動物園のアーキー」は様々な仕掛けが施された小曲集。秩序のない言葉遊びでもあります。 もう一人のホロヴィッツはウィーンで生まれ、12歳の時に家族とともにイギリスに移住してきた人。ユーモラスな曲調の中に、時折 ウィーン風の甘さが感じられます。どの曲も声の魅力が丁寧に生かされています。
NAXOS-8.571378
(1CD)
ブッシュ&ホロヴィッツ:歌曲集
ジェフリー・ブッシュ(1920-1998):歌曲集「偉大なる神秘」(1985)…世界初録音
ベン・ジョンソンによる3つの歌曲(1952)
プロヴァンス風キュイジーヌ(1982)…世界初録音
ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-):12.フォアグラ(1974)…世界初録音
ロマンス(1975/2016改編)…世界初録音
愛の庭(2014)…世界初録音
レディ・マクベス(1970)
3月11日まで(1995)…世界初録音
悪意のあるマドリガル(1970)…世界初録音
ブッシュ:さくらんぼのような唇への愛(1984)…世界初録音
動物園のアーキー(1994)…世界初録音
イエスタディ(ケイのための9つの歌(1990)…世界初録音
スザンナ・フェアバーン(S)
マシュー・シェルホーン(P)

録音:2016年12月19-21日
英国近現代の2人の作曲家、ジェフリー・ブッシュとジョーゼフ・ホロヴィッツの歌曲集。16世紀、17世紀の詩と文学を愛したブッ シュは、自身の歌曲にもこの時代の詩を用いることが多く、これらの端正な言葉が現代的なメロディで歌われる時に起きる微妙な ずれが彼の作品の特徴でもあります。(同時代の詩には著作権の問題があり、彼は使用を好まなかったようです)しかし、彼の 孫ケイにささげられた「イエスタディ」では1917年生まれのコーズリーの詩を使用。彼はこのコミカルな文体をとりわけ愛していたようで す。「動物園のアーキー」は様々な仕掛けが施された小曲集。秩序のない言葉遊びでもあります。 もう一人のホロヴィッツはウィーンで生まれ、12歳の時に家族とともにイギリスに移住してきた人。ユーモラスな曲調の中に、時折 ウィーン風の甘さが感じられます。どの曲も声の魅力が丁寧に生かされています。
NAXOS-8.573647
(1CD)
ラースロー・ライタ(1892-1963):交響曲 第7番 他
組曲 第3番 Op.56
映画音楽「ホルトバージ」-組曲 Op.21
交響曲 第7番「革命交響曲」Op.63
ペーチSO
ニコラ・パスケ(指)

録音:1994年3月
ブダペストに生まれ、ライプツィヒ、ジュネーヴ、パリで学び独自の作風を身につけながらも、第一次世界大戦後にはハンガリーの民 族音楽の研究に力を尽くし「20世紀の最も重要なハンガリーの作曲家」の一人として認められたラースロー・ライタの作品集。 1956年に起きた「ハンガリー動乱」の印象をもとに作曲された交響曲第7番は、ソヴィエト連邦の抑圧と支配に苦しむハンガリー 国民の反乱が描かれた作品。全体に悲劇的な雰囲気が漂っていますが、最後は希望への祈りを現すように明るく終わります。 ディヴェルティメントのように楽しい組曲第3番も聴きものです。
NAXOS-8.573711
(1CD)
クレメンティ(1752-1832):モンフェリーナ集と小品集
ハープシコード・ソナタ 変イ長調 WoO13
アレグロとフィナーレ 変ホ長調 WoO22-23
ロンド 変ロ長調 WoO8
カノン・アド・ディアパソン ハ長調 WoO11
タランテッラ イ短調 WoO21
6つのモンフェリーナ WoO15-20
12のモンフェリーナ Op.49
14の異国のメロディ WoO9-第5番ロシアのエア
ドミニク・チェリ(P)

録音:2015年9月1-5日
イタリアのローマに生まれ、14歳でロレンツォ教会のオルガニストとなったクレメンティ。しかし、同年、ロンドン市長を務めたベック フォードの甥に引き取られイギリスの田舎に移住、その後はほとんどロンドンで生活し、最終的にはピアノ制作会社を立ち上げるな ど、多彩な活躍をした人です。一時期はウィーンでモーツァルトと競演したほどのピアノの腕前を持ち、多くの弟子を取っていた彼 は、数多くのピアノのための練習曲やソナタ、ソナチネを作曲、これらは現代でもしばしば教則本として使われます。また、このアルバ ムでは、あまり演奏されることのない「モンフェリーナ」の何曲かを聴くことができます。これはイタリア、ピエモンテの一地方「モンフェッ ラート」に端を発するもので、19世紀初頭には高い人気を博していた舞曲です。短いながらも、長調と短調が効果的に使われた 魅力的な小品。
NAXOS-8.573750
(1CD)
ソレール:ピアノ・ソナタ集
ソナタ 第67番 ニ長調
ソナタ 第68番 ホ長調
ソナタ 第69番 ヘ長調
ソナタ 第70番 イ短調
ソナタ 第71番 イ短調
ソナタ 第72番 ヘ短調(Dorian)
ソナタ 第73番 ニ長調
ソナタ 第74番 ニ長調
レジーナ・チェルニチチュコ(P)

録音:2016年2月29日-3月2日
スペインの作曲家ソレールは、23歳で聖職者として任命されてから、ずっとマドリッド近郊のエスコリアル修道院に仕え、一日のほと んどを農耕と祈りに捧げ、31年間亡くなるまでずっとその生活を続けたという奇特な人です。その合間に500曲以上の作品を残し たのはまさに奇跡。師とされるスカルラッティの影響を感じさせつつ、ウィーン風のスタイルも反映させた軽妙な作品は、時の国王カル ロス三世の王子ドン・ガブリエルのために書かれたともされています。演奏しているのは2014年マリア・カナルス国際コンクール、ピア ノ部門で優勝した期待の俊英チェルニチョチュコ。美しいタッチが曲の魅力を引き立てています。
レジーナ・チェルニチュコ HP
NAXOS-8.579014
(1CD)
ブライト・シェン(1955-):作品集
ノーザンライト(2009)…世界初録音
フルートのためのメロディ(2011)…世界初録音
フルートとフェニックス
蓮の花
ピアノ三重奏のための4つの楽章(1990)
Sweet May Again(2007)…世界初録音
ホット・ペッパー(2010)…世界初録音
ユリアン・シュヴァルツ(Vc)
マリカ・ブールナキ(P)
ユービン・ソン(フルート/アルト・フルート)
ダン・ツー(Vn)
パイアス・チャン(マリンバ&サスペンデッド・シンバル)
トレイ・リー(Vc)
ブライト・シェン(P)
ロバート・ブラック(ストリング・ベース)
ディヴィッド・フレンド(P)

録音:2016年11月5日、2016年8月6-7日
中国系アメリカ人作曲家ブライト・シェンは、以前から民族音楽に深く魅了されています。1970年代にはチベット東部の民謡に夢 中になり、その後は上海音楽院で中国の民族音楽の伝統を体系的に学んでいます。 このアルバムで聴ける「ノーザンライト」はスカンジナビアの民謡が用いられており、これは彼にとっても初めての仕事。この地域に住む 彼の友人に触発されて、新鮮な気持ちで書いたと語っています。 「フルートのメロディ」は古代中国の女性詩人、李清照の詩集にインスパイアされた作品。夢のような旋律です。やはり中国の旋律 による「ピアノ三重奏」、エドガー・メイヤーとエマニュエル・アックスに献呈された「Sweet May Again」、四川料理に欠かせない 「唐辛子」を歌った中国のメロディに基づく「ホット・ペッパー」とオリエンタル風味満載の曲も聴きものです。
NAXOS-8.660403
(1CD)
ロッシーニ:歌劇「シジスモンド」 シジスモンド…マルガリータ・グリツコーヴァ(Ms)
アルディミーラ…マリア・アレイダ(S)
ラディスラオ…ケネス・ターヴァー(T)
ウルデリコ…マルセル・バコニー(Bs)
アナジルダ…パウラ・サンチェス=バルベルデ(S)
ツェノヴィート…マルセル・バコニー(Bs)
ラドスキ…セザール・アリエッタ(T)
ポズナン・カメラータ・バッハcho
アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2016年7月14.16.24日 第28回 ヴィルトバート・ロッシーニ祭
愛する妻アルディミーラが自分を裏切ったと誤解し、彼女に死刑宣告を出したポーランド王シジスモンド。しかしやはり後悔に苛ま れ、ついには精神を病んでしまいます。しかし、アルディミーラは生きており、エジェリンダと名を変え王の前に現れます。黒幕は 王の腹心、宰相ラディスラオ。全てが明らかになって王はようやく正気を取り戻すというお話です。 1814年に初演されたロッシーニの歌劇「シジスモンド」。しかしその後はほとんど演奏される機会のない「失敗作」でした。しかし、 21世紀になって巻き起こった“ロッシーニ・ルネサンス”はこのような光の当たらない作品も発掘。人々は作品の素晴らしさを再確認 することとなります。この演奏はヴィルトバート・ロッシーニ祭のライヴ収録。バランスの良い歌手たちの配役が光ります。
NAXOS-8.111406
(1CD)
クライスラー(1875-1962):完全録音集 第7集〜HMVアコースティック録音集(Hayes, Middlesex,1921-1924)

(1)イェラル:ウィーン風セレナード Op.18
2.伝承曲:ロンドンデリーの歌(クライスラー編)
3.ワーグナー:マイスタージンガーから「朝はバラ色に輝いて」(ヴィルヘルミ/クライスラー
編)
4.ベートーヴェン:メヌエット ト長調 WoO10-2(クライスラー編)
5.クライスラー:小さなウィーン行進曲
6.クライスラー:シンコペーション
7.チャンピ:ニーナは三日も床に伏し(原曲:ペルゴレージ)(クライスラー編)
8.ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO57(クライスラー編)
9.シューマン:夜の歌 Op.85-12(スヴェンデン編)


(2)10.クライスラー:喜歌劇「りんごの花」-手紙の歌
11.クライスラー:喜歌劇「りんごの花」-恋に落ちて
12.ドリゴ:バレエ「百万長者の道化師」よりセレナード(イスラエル編)
13.シャミナード:スペイン風セレナード Op.150(クライスラー編)
14.クライスラー:愛の悲しみ
15.伝承曲:ウィーン風ワルツ幻想曲
16.ルービンシテイン:へ長のメロディ(ポッパー編)
17.マリー:金婚式

(3)18.クライスラー:2つのロシア民謡によるパラフレーズ
19.リリウオカラニ:アロハ・オエ(クライスラー編)
20.ドヴォルザーク:新世界より-ラルゴ(クライスラー編)
21.キャドマン:アメリカのインディアン・ソング Op.45-第1番
22.コジェルフ:ガヴォット ヘ長調(原曲:ベートーヴェン)(クラーマー編)
23.バッハ:メヌエット ト長調(ヴィンターニッツ編)
24.ロンベルク:喜歌劇「学生王子」-私の心深くに(クライスラー編)
25.フリムル:喜歌劇「ローズマリー」-インディアンのラブコール(クライスラー編)
(1)フリッツ・クライスラー(Vn)、
フーゴ・クライスラー(Vc)、
チャールトン・キース(P)

(2)フーゴ・クライスラー(Vc)、
フリッツ・クライスラー(P)

(3)フリッツ・クライスラー(Vn)、
カール・ラムソン(P)

ビクター・トーキング・マシーン・カンパニー・エレクトリカル・レコーディング
(New York,1925-26)
ウォード・マーストンによる復刻
第一次世界大戦では陸軍中尉として戦争に参加、しかし重傷を負い除隊となったクライスラー。その後はニューヨークに戻り演奏 活動を再開したものの、様々な事情で活動は軌道に乗らず、結局はヨーロッパに戻ることとなり、1923年には日本を含む極東ツ アーを行い、1924年から1934年まではベルリンに拠点を置くこととなります。この第7集はそんな波乱万丈の時代の録音集。特 に重要なのはHMV録音で聴ける、クライスラーの9歳離れた弟で才能あるチェリスト、フーゴとのアンサンブルです。フリッツの影響を 受けたと思われる豊かなカンタービレに満ちた音は、まさに典型的なウィーン風。素晴らしく息のあった演奏です。ピアニスト、ラムソ ンと行ったビクター・トーキング・マシーンへの録音は、初のエレクトリカル・レコーディングであり、いくつかのテイクを失敗するなど、新し いシステムでの試行錯誤がうかがわれるものの、1733年製のストラディヴァリの豊かな響きが余すことなく記録されました。


NAXOS
NYCB-10030(20CD)
税込定価
日本作曲家選輯/片山杜秀エディション
【CD1】8.555071J
日本管弦楽名曲集
1.外山雄三:管弦楽のためのラプソディ
2.近衞秀麿(編):越天楽
3-4.伊福部昭:日本狂詩曲
5-6.芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
7.小山清茂:管弦楽のための木挽歌
8.吉松隆:朱鷺に寄せる哀歌Op.12
【CD2】8.555351J
矢代秋雄:作品集
1-3.ピアノ協奏曲(1964-67)
4-7.交響曲(1958)
【CD3】8.555321J
大栗裕:作品集
1-3.ヴァイオリン協奏曲(1963)
4.大阪俗謡による幻想曲(1955,1970改訂版)
5.管弦楽のための神話-天の岩屋戸の物語による
(1977年管弦楽版)
6.大阪のわらべうたによる狂詩曲(1979)
【CD4】8.555881J
橋本國彦:作品集
1-12.交響曲第1番ニ長調(1940)
13-19.交響組曲「天女と漁夫」(1933)
【CD5】8.555882J
松平頼則::作品集
1-7.ピアノと管弦楽のための主題と変奏(1951)
8-27.ダンス・サクレとダンス・フィナル-ダンス・サクレ(振
鉾)(1959)
28-32.左舞(1958)
33-35.右舞(1957)
36.ダンス・サクレとダンス・フィナル-ダンス・サクレ
(長慶子)(1959)
【CD6】8.555350J
山田耕筰:作品集
1.序曲ニ長調(1912)
2-5.交響曲へ長調「かちどきと平和」(1912)
6.交響詩「暗い扉」(1913)
7.交響詩「曼陀羅の華」(1913)
【CD7】8.557416J
大澤壽人:作品集
1-3.ピアノ協奏曲第3番変イ長調「神風協奏曲」(1938)
4-7.交響曲第3番(1937)
【CD8】8.555975J
芥川也寸志:作品集
1.オーケストラのためのラプソディ(1971)
2-17.エローラ交響曲(1958)
18-20.交響三章(1948)
【CD9】8.557162J
諸井三郎:作品集
1-3.こどものための小交響曲変ロ調Op.24(1943)
4-5.交響的二楽章Op.22(1942)
6-8.交響曲第3番Op.25(1944)
【CD10】8.557587J
伊福部昭作品集
1-3.シンフォニア・タプカーラ(1954、1979改訂)
4.ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ
(1961、1971改訂)
5.SF交響ファンタジー第1番(1983)
【CD11】8.557693J
黛敏郎:作品集
1-2.シンフォニック・ムード(1950)
3-4.舞楽(1960)
5-6.曼荼羅交響曲(1960)
【CD12】8.557688J
深井史郎:作品集
1-4.パロディ的な4楽章(1936)
5-7.バレエ音楽「創造」(1940)
8.交響的映像「ジャワの唄声」(1942)
【CD13】8.557763J
別宮貞雄:作品集
1-4.交響曲第1番(1961)
5-7.交響曲第2番
【CD14】8.557819J
早坂文雄:作品集
1-2.ピアノ協奏曲(1948)
3.左方の舞と右方の舞(1941)
4.序曲ニ調(1939)
【CD15】8.557839J
大木正夫:作品集
1.日本狂詩曲(1938)
2-9.交響曲第5番「ヒロシマ」(1953)
【CD16】8.557760J
武満徹:作品集
1.精霊の庭(1994)
2.ソリチュード・ソノール(1958)
3-5.3つの映画音楽(1994/95)
6.夢の時(1981)
7.鳥は星形の庭に降りる(1977)
【CD17】8.557971J
山田耕筰:作品集
1.長唄交響曲「鶴亀」(1934)
2.交響曲「明治頌歌」(1921)
3.舞踊交響曲「マグダラのマリア」(1916)
【CD18】8.557987J
安部幸明:作品集
1-3.交響曲第1番(1957)
4-6.アルト・サキソフォンと管弦楽のための喜遊曲(1951)
7-10.シンフォニエッタ(1964)
【CD19】8.570319J
須賀田礒太郎:作品集
1.交響的序曲Op.6(1939)
2-4.双龍交遊之舞Op.8(1940)
5-7.バレエ音楽「生命の律動」Op.25(1950)
[世界初録音]
【CD20】8.570177J
大澤壽人:作品集
1-3.ピアノ協奏曲第2番(1935)
4-9.交響曲第2番(1934)
【CD1】8.555071J
川本嘉子(Va)…3
古川展生(Vc)…7
金崎美和子(P)…8
沼尻竜典(指)東京都SO
録音:2000年7月東京芸術劇場

【CD2】8.555351J
岡田博美(P)…1-3
湯浅卓雄(指)アルスターO
録音:2000年9月…4-7
2001年6月…1-3ベルファスト

【CD3】8.555321J
高木和弘(Vn)…1-3
下野竜也(指)大阪PO
録音:2000年8月大阪フィルハーモニーホール

【CD4】8.555881J
沼尻竜典(指)東京都SO
録音:2001年7月東京芸術劇場

【CD5】8.555882J
野平一郎(P)…1-7他
高関健(指)
日本センチュリーSO
(旧大阪センチュリーSO)
録音:2001年7月-8月大阪

【CD6】8.555350J
湯浅卓雄(指)
アルスターO…2-7
ニュージーランドSO…1
録音:2000年9月(Track6,7)2001年6月
(Track2-5)ベルファスト/2002年1月(Track1)ウェリントン

【CD7】8.557416J
エカテリーナ・サランツェヴァ(P)・・・1-3
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2003年モスクワ

【CD8】8.555975J
湯浅卓雄(指)
ニュージーランドSO
録音:2002年1月29-31日ウェリントン

【CD9】8.557162J
湯浅卓雄(指)アイルランドSO
録音:2002年9月ダブリン

【CD10】8.557587J
エカテリーナ・サランツェヴァ(P)…4
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2004年5月モスクワ

【CD11】8.557693J
湯浅卓雄(指)
ニュージーランドSO
録音:2004年8月ウェリントン

【CD12】8.557688J
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2004年10月-11月モスクワ

【CD13】8.557763J
湯浅卓雄(指)
アイルランドSO
録音:2005年1月ダブリン

【CD14】8.557819J
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2005年4月-5月モスクワ

【CD15】8.557839J
湯浅卓雄(指)新日本PO
録音:2005年5月すみだトリフォニーホール

【CD16】8.557760J
マリン・オルソップ(指)
ボーンマスSO
録音:2005年1月プール

【CD17】8.557971J
宮田哲男(長唄)…1
東音味見亨(三味線)…1他
溝入由美子(篳篥)…2
湯浅卓雄(指)東京都SO
録音:2005年10月小平市民文化会館

【CD18】8.557987J
アレクセイ・ヴォルコフ(アルト・サキソフォン)…4-6
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2005年9月モスクワ

【CD19】8.570319J
小松一彦(指)神奈川PO
録音:2006年6月神奈川

【CD20】8.570177J
エカテリーナ・サランツェヴァ(P)・・・1-3
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)
ロシアPO
録音:2006年モスクワ
ナクソス屈指の人気シリーズ「日本作曲家選輯」から片山杜秀企画・解説の全作品を20枚組ボックス・セットとして発売。 20タイトルすべての解説を1冊に収録(260ページ 豪華ブックレット)。 2001年に企画・立案され、2002年に第一弾「日本管弦楽名曲集」が発売された「日本作曲家選輯」シリーズ。 多くの埋もれていた日本人作曲家の作品に光を当て、彼らの作品が世界的にアピールできるクォリティであることを示した意義あるシリーズです。 NAXOS創立30周年を記念し、片山杜秀氏による詳細な楽曲解説を完全復刻。
山田耕筰が日本人最初の交響曲を完成させたのは1912(明治45)年。 以来、日本人作曲家の生み出したレパートリーは質量ともに膨大です。 ところがそれらは日本の音楽ファンにとって必ずしもスタンダードになっていません。 不思議ではないか。その問いかけから「日本作曲家選輯」は2001年にスタートしました。 まだ道半ばのつもりですが、大きな区切りになる箱物ができました。嬉しいことです。【片山杜秀(2017.6.19)】 

NAXOS 2017年6月発売
NAXOS-8.559844
(1CD)
コープランド:交響曲 第3番(1946)
3つのラテン・アメリカ・スケッチ(1971)*
デトロイトSO
レナード・スラットキン(指)

録音:2015年10月23-25日、2013年10月10-12日*
第二次世界大戦が終わる一年前の1944年に着手され、その2年後に初演された「交響曲第3番」。コープランドはこの曲を「戦 時期の作品、正確には当時のアメリカの華麗な精神を反映させたもの」と呼び、曲の中で「個人の反省と集団の戦いがあってこ そ、初めて幸福感を得ることができる」と示唆しています。素朴な抒情性を感じさせる第1楽章、打楽器が活躍する活力に満ちた 第2楽章、瞑想的な楽想と舞曲が渾然一体となった第3楽章。第4楽章にはよく知られた「市民のためのファンファーレ」の輝かし いフレーズも登場します。コープランドより一世代前のアイヴズは、交響曲の中で郷愁を呼び起こすために賛美歌を取り込みました が、コープランドは“征服なしの勝利”を表現するために賛美歌を用い、これが曲の終わりで絶大な効果を上げています。 「3つのラテン・アメリカ・スケッチ」は、カルロス・チャベスと訪れたナイトクラブ“エル・サロン・メヒコ”で着想を得た作品。伝統的なメロ ディを斬新なオーケストレーションで飾っています。
NAXOS-8.573777
(1CD)
ヴィラ=ロボス:交響曲集
交響曲 第8番(1950)
交響曲 第9番(1952)
交響曲 第11番(1955)
サンパウロSO
イザーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2015年2月10-13日、2016年2月16-19日、2016年2月23-26日
生涯に12曲の交響曲を書いたヴィラ=ロボス。自由な作風を求めた彼と「新古典派」の様式は必ずしも親和性の高いものではな く、1910年代に書かれた交響曲第1番や第2番は、まだまだ後期ロマン派の影響が強く、実験的要素の高いものでしたが、 1940年代から50年代に書かれた第6番以降の交響曲では、ブラジルの民族音楽をふんだんに取り入れた独自の作風を確立さ せることに成功、世界大戦中の不穏な空気も取り込んだ激しい作品を次々と書き上げました。ちょうどその頃の北アメリカの主要 な都市のオーケストラは、行政的な援助を受け、芸術的な発展を見せていた時期で、ラテンアメリカ最大の作曲家として広範に認 められていたヴィラ=ロボスの作品も盛んに演奏され、これらの交響曲は、コンサートで高い人気を博していました。しかし、聴衆の 好みは「ブラジル風バッハ」などに移り、彼の交響曲は次第に演奏頻度が減少。21世紀になってようやく「交響曲作曲家」としての ヴィラ=ロボスが再評価され始めています。
NAXOS-8.573617
(1CD)
エル=コーリー(1957-):作品集
演奏会序曲「嵐」Op.93(2013)
交響詩 第6番「空間の断片」Op.87*
夜想の詩 Op.80 (3つの楽章)Op.80**
愛の歌-抒情詩 Op.44(1987)#
アリアーヌ・ドーゲ(S)#
ヴィセンス・プラッツ(Fl)**
パーヴォ・ヤルヴィ(指)パリO
エイヴィン・グルベルグ=イェンセン(指)パリO**
ダニエレ・ガッティ(指)フランス国立O*
デヴィッド・コールマン(指)コロンヌO#

録音:2013年9月12日、2010年6月9日、2000年10月9日
世界初録音
レバノン出身の作曲家エル=コーリーは、自身の作品の中にしばしばレバノンの風景を描き出します。演奏会序曲「嵐」には、混 沌とした自然現象や、雷の閃光、劇的な嵐などが巧みに音楽に取り入れられていますが、決してベルリオーズやリヒャルト・シュトラ ウスのような物理的な風景ではなく、エル=コーリーが少年時代から感じていた嵐の時の心理的恐怖が反映されています。この作 品はパリOの委嘱によって書かれ、2013年シーズンのオープニング・コンサートでパーヴォ・ヤルヴィによって初演されました。 交響詩「空間の断片」は、ダニエレ・ガッティとフランス国立Oによる“ベートーヴェン交響曲全曲演奏会”のための現代作品 委嘱作。ベートーヴェンと同じ楽器編成で作曲することが求められ、この曲は第2番と第6番の間に演奏されました。ピエール・ラン パル没後10年の記念に書かれた「夜想の詩」、リヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」をモデルに書かれた「愛の歌」と、この1 枚で多才な作曲家エル=コーリーの様々な作品を聴くことができます。
NAXOS-8.559821
(1CD)
ルク・ノヴァコフスキ:作品集
弦楽四重奏曲 第1番「赦しの歌」(2010)
独奏ヴァイオリンとエレクロニクスのための「Blood, Forgotten」(2005)*
弦楽四重奏曲 第2番「祖父の歌」(ヘンリク・グレツキの思い出に)(2011)
子守歌:おお、眠れ、私のために眠れ(2012)
エミリー・オンドラチェク=ペテルソン(独奏Vn)*
ヴォクサーレSQ
【エミリー・オンドラチェク=ペテルソン(第1Vn)
ガリーナ・ズダノーヴァ(第2Vn)
エリック・クリスティアン・ペテルソン(Va)
アドリアン・ダウロフ(Vc)】

録音:2013年2月3,4日
過去3世紀に渡って、ポーランドの人々は酷い迫害を受けて来ました。20世紀になってもそれは変わらず、第二次世界大戦にお ける残虐行為、半世紀も続いた共産主義の支配…しかし彼らは屈することなく、悲劇の後にもたくさんの美しい芸術を生み出し ています。ポーランド系アメリカ人作曲家ノヴァコフスキはもともとポーランドのホロコースト犠牲者のための音楽を書き、これらの事実 を広く知らしめるための活動を行っていた人で、アルバム・タイトルの「Blood, Forgotten 」にも戦争の恐ろしさがありありと描かれ ています。その後、彼は2008年の夏、クラクフのサマーアカデミーで大作曲家ヘンリク・グレツキと会い、彼の生涯に大きな感銘を 受けました。アメリカに戻ったノヴァコフスキはすぐさま弦楽四重奏曲第1番「赦しの歌」を書き上げます。そして2010年、グレツキの 訃報を受け取ったノヴァコフスキは自身の弦楽四重奏曲第2番「祖父の歌」をグレツキの思い出に捧げました。最後に置かれた 「子守歌」は希望と新しい命への想いが描かれています。
NAXOS-8.559822
(1CD)
ランドル・トンプソン(1899-1984):交響曲 第2番 ホ短調(1931)
サミュエル・アダムズ(1985-):Drift and Providence 漂流と摂理(2012)
バーバー(1910-1981):交響曲 第1番 Op.9
ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック
ジェームズ・ロス(指)
サミュエル・アダムズ(エレクトロニクス)

録音:2016年6月9-11日
アメリカの名門メリーランド大学。ここにあるクラリス・スイス・パフォーミング・アーツ・センターでは毎年6月、世界中から優秀な奏者た ちが集結し素晴らしい演奏を繰り広げます。2016年のコンサートに選ばれたのはアメリカを代表する3人の作曲家の作品集。合 唱音楽で知られるトンプソンの"ジャズのイディオム"を用いた雄大な交響曲、「太平洋の記録をデジタル化し、様々な手段を用い て音で模倣した」というサミュエル・アダムズのエレクトロニックな曲(作曲家自身も参加)、26歳のバーバーが書いた野心的な交 響曲。3曲それぞれ、作曲された年代は多岐に渡っており、アメリカ音楽の幅広さを存分に味わわせてくれます。
NAXOS-8.570620
(1CD)
チン・ウェンチェン(1966-):作品集
ヴァイオリン協奏曲「山のふもとに」(2012)
チェロ協奏曲「夜明け」(2008)
ソーナー(チャルメラ)協奏曲「Calling for Phoenix」(1996/2010)
ファン・モンラ(Vn)
チン・リーウェイ(Vc)
チャン・ツェンユエン(ソーナー)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラプル(指)

録音:2016年3月7-14日
世界初録音
モンゴルのオルドスで生まれ、北京で活躍する作曲家チン・ウェンチェンの作品集。若い頃から民族音楽の研究に勤しみ、上海音 楽院で作曲を学んだ後、1998年から2001年にかけてドイツのエッセンに留学、現在は中国中央音楽院の教授を務める傍ら、 数多くの作品を発表。「中国で最も影響力のある作曲家」の一人です。 このアルバムには彼の3つの協奏曲を収録。上海音楽院の創立85周年のために作曲されたヴァイオリン協奏曲は、中国の山間 部に住む人々の民謡を取り入れたエネルギッシュな作品。チェロ協奏曲は中国の現代詩人、海子(Hai zi)の詩に基づいた描写 的な曲。最後は中国の伝統楽器ソーナー(チャルメラ)のための協奏曲の鄙びた音色で締めくくられます。

NAXOS-8.573780
(1CD)
THOUGHTS OBSERVED
シューマン:詩人の恋 Op.48
デュパルク:旅へのいざない
ドビュッシー:美しき夕暮れ
 ロマンス/星の夜/マンドリン
レイナルド・アーン(1874-1947):クロイスに
プーランク:動物説話集
ヤニフ・ドール(C.T)
ダン・ドイチュ(P)

録音:2014年12月29日-2015年1月3日
迫害され故郷を追われた少数民族セファルディの血を引くカウンターテナー歌手、ヤニフ・ドール。前作「流浪と情熱の歌」では、彼 の祖先たちが伝えてきた音楽を取り上げ、はるかな土地への望郷の念や憧れをじっくりと歌い上げましたが、今作ではシューマンの 「詩人の恋」を始めとした作曲家、および詩人たちの逡巡の心が込められた作品をじっくり歌い上げています。 躊躇いがちな若者の心に潜む官能や憧れを見事に描き出した「詩人の恋」、妖しく夢幻的なデュパルクの「旅へのいざない」、美し いパンヴィルの詩に付けられたドビュッシーの「星の夜」、エデンの地に思いを馳せたヴィオーの詩によるアーンの「クロイスに」。プーラン ク初の歌曲集である「動物説話集」では、皮肉たっぷりのアポリネールの歌詞も、カウンターテナーの柔らかい声によって歌われること で、幻想的な雰囲気を獲得しています。
NAXOS-8.573465
(1CD)
ヴィエンヌ:フルート協奏曲集 第3集
フルート協奏曲 第9番 ホ短調
フルート協奏曲 第10番 ニ長調
フルート協奏曲 第11番 ロ短調
フルート協奏曲 第12番 イ長調
パトリック・ガロワ(Fl)
スウェーデン室内O

録音:2015年1月15-17日
モーツァルトと同時代、18世紀フランスの作曲家ドヴィエンヌ。優れたフルート奏者として活躍する傍ら、ファゴットも演奏、作曲家と しては最初に「歌劇作曲家」として名声を獲得、またフランス防衛軍軍楽隊が運営する音楽学校でも指導者として後進の指導 に当たりました。1794年にはワンキー・フルートのための教則本「フルート演奏の理論と実践」を著したことで、パリ音楽院の教授も 務めています。このフルート協奏曲集第3集にはドヴィエンヌの晩年の作品が収録されており、なかでも最高傑作とされる第10番 が聴きものです。 フルートの奏でる美しいパッセージはもちろんのこと、それまであまり使用されなかった高音や、フルート・パートと同じ旋律をオーボエ で奏することなど斬新なオーケストレーションが見られる意欲的な作品です。
NAXOS-8.573682
(1CD)
メシアン:栄光の御体-復活の7つの短い幻影(1939)
聖霊降臨祭のミサ(1949-1950)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2016年7月21.22日
Hildesheim Cathedral, Germany メイン・オルガン
20世紀の作曲家の中で、メシアンの存在は唯一無比であり、その独特な音楽語法は、次世代の作曲家たちに大きな影響を与 えています。敬虔なカトリックへの傾倒、ほのかに漂う東洋的な響き、そして何より鳥の声を始めとした自然界の音への愛着。これら は活動の初期から変わることなく、メシアンの音楽の特徴といえるものです。 このアルバムに収録されている2曲のオルガン作品のうち、「栄光の御体」はメシアン自身のお気に入りの作品であり、曲の中には、 聖書の中の“三位一体”を象徴する数字が隠されているなど、あらゆる表現で“死との戦いと歓喜”が描かれています。その10年後 の「聖霊降臨祭のミサ」は、彼が若い頃にサント=トリニテ教会で行った即興演奏をもとに書き上げたとされた作品。即興的なフ レーズと、古代ギリシャのリズム、彼が愛した鳥の声がふんだんに用いられた色彩的で神秘的な曲です。
NAXOS-8.573761
(1CD)
チェロとギターのための音楽集〜南アメリカと東ヨーロッパより
ドゥージャン・ボグダノヴィッチ(1955-):4つの内なる小品(1997)
ハイメ・ミルテンバウム・ゼナモン(1953-):Reflexoes 反射(1986)
セルジオ・アサド(1952-):ジョビニアーナ 第4番(2002)
アタナス・ウルクズノフ(1970-):タンゾロジア(2000)
エドウィン・グェバラ(1977-):チェロとギターのための幻想曲(2015)*
デュオ・ヴィラ=ロボス
【チェチーリア・パルマ(Vc)
エドウィン・グェバラ(G)】

録音:2016年1月21-23日
*…世界初録音
近年、多くの作曲家が新しい響きを得るため様々な探求を行っています。ここで聴けるのは南米と東ヨーロッパの作曲家たちによる ギターとチェロのアンサンブル。この珍しい組み合わせからは、技術的な困難はあるものの、極めて野心的な響きが生まれます。ユー ゴスラビアの作曲家ボグダノヴィチの印象的な「4つの内なる小品」を始め、セルジオ・アサドやエドウィン・グェバラの躍動するリズムが 魅力的な曲、ブルガリアの作曲家ウルクズノフの民族舞曲を取り入れた「タンゾロジア」、ラパス生まれのゼナモンによるギターのアル ペジョが美しい「Reflexoes」。2つの楽器が生み出す親密な調べをお楽しみください。
NAXOS-8.573765
(1CD)
ニュージーランドのギター作品集 第2集
ブルース・ペイン(1963-):フィンチディーン(2007)
 DREAM WEAVING(2011)…世界初録音
 サークル・ダンス(2012)…世界初録音
バルトーク(D.ファルカー編)…世界初録音
 子供のために(1908-1909)
デヴィッド・ファークワー(1928-2007):ミュゼット(1951)…世界初録音
ジョン・エルムズリー(1952-):独奏ギターのための組曲(1995)…世界初録音
ファークワー:5つの情景
ジョン・リンマー(1939-):Hauturu-風の憩いはどこに(ヘルビッヒ編)
グンター・ヘルビッヒ(G)

録音:2016年8月-9月
ブラジルで生まれ、ポルトガルとドイツで育ったギタリスト、グンター・ヘルビッヒ。ブラジルの官能、ポルトガルの情熱、ドイツの知性、こ れら様々に異なる文化、言語の影響を受けた表現力豊かなギタリストです。彼は1989年にはニュージーランドに移住し、世界的 な活躍をしています。この「ニュージーランドのギター音楽集 第2集」は探求心に燃えるヘルビッヒ独自の選曲によるもので、ニュー ジーランドの作曲家ファークワーが編曲したバルトークの「子供のために」など、第1集(8.572185)よりも更に珍しい作品が並びま す。ヘルビッヒ自身の編曲によるリンマーの「Hauturu」は、ニュージーランドの美しい島ハウトゥールの風景を描いた曲。ヘルビッヒ自 身の思い入れもたっぷりです。
NAXOS-8.573590
(1CD)
D・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ集 第19集
ソナタ 変ロ長調 K442/L319/P229
ソナタ ト短調 K476/L340/P427
ソナタ ト長調 K240/L.Supp29/P368
ソナタ ト短調 K373/L98/P158
ソナタ ト長調 K391/L79/P364
ソナタ 変ロ長調 K411/L69/P351
ソナタ へ長調 K482/L435/P356
ソナタ ハ長調 K327/L152/P399
ソナタ ハ長調 K486/L455/P515
ソナタ ト長調 K432/L288/P288
ソナタ ハ長調 K399/L274/P458
ソナタ イ長調 K222/L309/P236
ソナタ イ長調 K499/L193/P477
ソナタ ニ長調 K353/L313/P40
ソナタ イ長調 K286/L394/P410
ソナタ ニ短調 K294/L67/P470
ソナタ ニ長調 K359/L448/P425
ソナタ ロ短調 K497/L146/P357
ソナタ ロ長調 K244/L348/P298
ソナタ ホ短調 K292/L24/P223
ソナタ ト長調 K454/L184/P423
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2016年2月1-2日
初期のナポリ楽派において、オペラの発展に力を尽くしたアレッサンドロ・スカルラッティを父に持つドメニコ・スカルラッティ。スペイン王 室に仕えた彼は、バルバラ王女のために555曲の練習曲=ソナタを作曲、この多彩な曲集は基本的にチェンバロの演奏技術を 高めるためのものですが、現代のピアノで演奏すると、また違った魅力が開花することでも知られ、ホロヴィッツやリパッティら、20世 紀のピアニストたちがそれぞれに好きな曲を選び、思い思いの演奏を繰り広げています。ソナタといっても基本的に単一楽章で、2 分から4分程度に凝縮された音楽はどれも独自の魅力を放っています。 リストの「パガニーニ練習曲:初稿版」で卓越した技巧を披露したフィリペツの演奏です。
NAXOS-8.573797
(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ザビエル・ジャラ(G)
ダウランド:ファンシー P5
 幻想曲 P71/ファンシー P73
クープラン:神秘的なバリケード
カステルヌオーヴォ=テデスコ:世紀を渡る変奏曲 Op.71
アラン・ロースソーン(1905-1971):エレジー(J.ブリームによる編集、完成版)
セルジオ・アサド(1952-):組曲「夏の庭」より 第19番「夢」
ジェレミー D.コリンズ(1976-):エレジー
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ゴヤによるカプリチョス 第18番:理性の眠りは怪物を産む
ボグダノヴィチ(1955-):神秘的な生息地
 ソナタ第3番
ザビエル・ジャラ(G)

録音:2017年1月5-7日
2016年、若手ギタリストの登竜門である「GFA(GUITAR FOUNDATION OF AMERICA)国際ギターコンクールで優勝した ザビエル・ジャラのリサイタル・アルバム。アメリカ、ミネソタ州に生まれ12歳よりギターを始め、2011年にGFAが主催する「高校ギ ターコンクール」で第1位を獲得した他、すでに数多くのコンクールの優勝経験を持つ彼は、2015年には東京国際ギターコンクール でも優勝、すでに日本国内でツアーを開催したという、ギター好きにはお馴染みの奏者です。 ギターだけでなくリュートも演奏するというジャラ、このGFA国際コンクールにおける優勝記念リリース・アルバムでは、彼の持つ確かな 技術に加え、ドラマティックな音楽性、レパートリーの広さとダウランドへの愛も存分に味わえます。
NAXOS-8.579007
(1CD)
アレハンドロ・ロマン(1971-):室内楽作品集
Epoje エポエ
フランス風の3つの絵(トリオ・ソナタ) Op.9d
Diegesis Op.52
Zootropias Op.45
バルトークへのオマージュ Op.10b
ホセ・ミゲル・ゴメス(Vc)
ホアン・カルロス・ガルバーヨ(P)
ユスト・サンツ(Cl)
マルタ・クネッル(Ms)
チェチーリア・ベルコヴィッチ(Va)
トリオ・アルボス
【チェチーリア・ベルコヴィッチ(Vn)
ホセ・ミゲル・ゴメス(Vc)
ホアン・カルロス・ガルバーヨ(P)】

録音:2016年6月4.5日
スペインで活躍する作曲家アレハンドロ・ロマンの作品集。その作品はジャズとポピュラー音楽の両方の影響を受けており、このアル バムの作品にもその特徴が良く表れています。古代ギリシア語"エポケー(停止、保留などの意味を持つ言葉)"に由来する「エポ エ」は印象派風の柔らかく流麗な旋律を持つ曲。「フランス風の3つの絵」はドビュッシーへのオマージュであり、作曲家の美に対する 意識を音にした作品です。やはり古代ギリシャの言葉からインスパイアされた「Diegesis」、無限に動く図形を表現した「Zootropi as」、など抽象的な言葉を巧みに音にした美しい音楽集です。
NAXOS-8.573704
(1CD)
エミール・ソーレ(1852-1920):24のエチュード・カプリース 第1集 第1番-第7番
第1番:ハ長調/第2番:イ短調
第3番:ヘ長調/第4番:ニ短調
第5番:変ロ長調/第6番:ト短調
第7番:変ホ長調
ナズリン・ラシドヴァ(Vn)

録音:2016年7月11.12.25日
フランス生まれのヴァイオリニスト、作曲家エミール・ソーレ。幼い頃から神童として知られ、ストラスブール音楽院ではオーギュスト・ ド・ベリオに師事。ヨーロッパ中で演奏活動を行い20歳の時にはアメリカにもデビューするなど才能を発揮、リストやサラサーテに並ぶ 「19世紀の最も偉大な音楽家」と讃えられました。ソーレは演奏家として優れていただけでなく、ヴァイオリンのために数多くの作品 を作曲し、その中にはパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番のためのカデンツァも含まれています。この練習曲は、彼の優秀な弟子 マジョリー・ヘイワードに捧げられた多彩な技巧を駆使した曲集です。
NAXOS-8.660401
(2CD)
ロッシーニ:歌劇「ブルゴーニュのアデライーデ」 オットーネ…マルガリータ・グリツコーヴァ(Ms)
アデライーデ…エカテリーナ・サドフニコーヴァ(S)
ベレンガリオ…バウルザン・アンデルザノフ(Bs-Br)
エウリーチェ…ミリアム・ズビエータ(S)
アデルベルト…ゲオルギー・ヴラッド(T)
イロルド…渡辺 康(T)
エルネスト…コルネリウス・レーヴェンベルク(Br)
ポズナン・カメラータ・バッハcho
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス
ルチアーノ・アコセッラ(指)
ロセッラ・フラカロス(ミュージック・アシスタント)
ミケーレ・デリア(フォルテピアノ)

録音:2014年7月19.23.25日
Total Playing Time:122'43"迫害者ベレンガリオによって毒殺されたイタリア王ロタール。その未亡人アデライーデは、ベレンガリオの息子アデルベルトとの政略結 婚を迫られています。しかし彼女はそれを拒否。カノッサの要塞に避難しますが、ベレンガリオによって城を包囲されてしまいます。ベ レンガリオは要塞の城にオットーネ大帝(ドイツの皇帝)を招待しますが、実はカノッサの知事イロルドが秘密裡に大帝に助力を依頼 してあったため、オットーネはアデライーデらを開放し、恋におちたオットーネとアデライーデはめでたく結婚するというハッピーエンドを迎 えます。 西暦950年頃のイタリアを舞台にしたこの歌劇は、かなり政治色が強い内容ですが、ロッシーニは抒情的、かつ快活な音楽でうま く覆い隠し、愛が勝利するドラマへと変貌させています。1817年12月27日にローマのアルゼンティーナ劇場で初演された際は大 好評でしたが、すっかり演目から消えてしまったこの作品、21世紀になってようやく復刻され、いくつかの演奏で楽しむことができるよ うになりました。この演奏は主役の3人はもちろん、カノッサの知事イロルド役のテノール、渡辺康のつややかな歌声も聴きものです。

NAXOSヒストリカル 2017年5月発売
NAXOS-8.111407(1CD)
ラフマニノフ〜ソロ録音集 第4集(1919年)
【1919年4月18日 ニューヨーク録音】
1.ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.42(TAKE A)
2.ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.42(TAKE C)
3.モーツァルト:ソナタ 第9番 イ長調 K331-第1楽章(TAKE A)
4.モーツァルト:ソナタ 第9番 イ長調 K331-第1楽章(TAKE C)
【1919年4月19日 ニューヨーク録音】
5.D.スカルラッティ:パストラール ホ短調 K9/L413/P65(タウジヒ編)(TAKE A)
6.D.スカルラッティ:パストラール ホ短調 K9/L413/P65(タウジヒ編)(TAKE C)
7.ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.64-3(TAKE A)
8.ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.64-3(TAKE B)
9.ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.64-3(TAKE C)
【1919年4月23日 ニューヨーク録音】
10.リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 244/2(カデンツァ:ラフマニノフ)(TAKE A)
11.リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 244/2(カデンツァ:ラフマニノフ)(TAKE B)
12.リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 244/2(カデンツァ:ラフマニノフ)(TAKE C)
【1919年4月24日 ニューヨーク録音】
13.ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2
(TAKE A)
14.ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2
(TAKE C)
セルゲイ・ラフマニノフ(P)

ウォード・マーストン復刻
1917年、十月革命の結果、ボリシェヴィキ(レーニン率いるロシアの政党)が政権を掌握したロシアを離れることにした ラフマニノフ。彼は所有物をすべて放棄し、新しい人生を始めることとなりました。 スカンジナヴィアからデンマークを経由し、翌年アメリカに渡ったラフマニノフは、優れたコンサート・ピアニストとして活動を 始め、家を買う資金調達のために1918年の終わりには4か月に40回ものコンサートを行いましたが、それに目を付け たのがアメリカの新興レコード会社の数々でした。なかでもエジソンレコード社には、これまでローゼンタールが録音した 以外は、優れたピアニストの録音がなかったため、ラフマニノフと最初に契約をして、いくつかの録音を行うことが可能で した。しかしエジソンレコード社は、ラフマニノフが承認しなかった録音を販売してしまったため、以降ラフマニノフは、ビク タートーキングマシン社と契約を結び、多くの録音を販売することとなりました。このアルバムには、エジソンレコード社に 残る音源が複数テイク収録されております。

NAXOS 2017年5月発売
NAXOS-8.573477(1CD)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集 第2集
ピアノ協奏曲 第3番 変ホ長調 Op.29(1869)
オーヴェルニュ狂詩曲 Op.73(1884)
アフリカ幻想曲 Op.89(1889-1891)
ワルツ・カプリス「ウェディング・ケーキ」Op.76
ロマン・デシャルム(P)
マルメSO
マルク・スーストロ(指)

録音 2015年6月10-12日
サン=サーンスの5曲のピアノ協奏曲は、彼自身が優れたピアニストであったため、どの曲にも難易度の高い技巧が用 いられ、また実験的な工夫が凝らされた華麗な作品です。第3番は1869年、サン=サーンス34歳の作品で、美しい ピアノの分散和音に乗ってホルンが伸びやかな旋律を奏でる冒頭部分、流動的な和声が特徴的な第2楽章、ユーモ ラスな雰囲気を持つ第3楽章(後にパリ国立高等音楽院の試験のために独奏版に編曲)と聴きどころの多い中期の 名作。直木賞を受賞した恩田陸の話題の小説「蜜蜂と遠雷」に登場する「アフリカ幻想曲」も収録されています。
NAXOS-8.573468(1CD)
ラフマニノフ:ピアノ編曲-希少作品集
1.ここは素晴らしい場所 Op.21-7
2.いや、お願いだ、行かないで Op.4-1…世界初録音
3.夜の静けさ Op.4-3…世界初録音
4.この夏の夜 Op.14-5…世界初録音
5.彼女は真昼のように美しい Op.14-9…世界初録音
6.春の洪水 Op.14-11…世界初録音
7.私は預言者ではない Op.21-11…世界初録音
8.時は来た Op.14-12…世界初録音
9.わが子よ、おまえは花のように美しい Op.8-2
10.リラの花 Op.21-5
11.なんという苦しさ Op.21-12…世界初録音
12.ミュッセからの断片 Op.21-6…世界初録音
13.夜は悲しい OP.26-12…世界初録音
14.私はすべてを奪われた Op.26-2…世界初録音
15.すべては過ぎ去り Op.26-15…世界初録音
16.捨てよう かわいい女よ Op.26-5…世界初録音
17.私はあなたを待っている Op.14-1…世界初録音
18.私を信じるな、わが友よ Op.14-7…世界初録音
19.ひな菊 Op.38-3
20.美しい人よ、私のために歌わないで Op.4-4…世界初録音
21.私は悲しい恋をした Op.8-4…世界初録音
22.夜想曲-歌劇《アレコ》より…世界初録音
組曲 ニ短調
【編曲】
イサーク・ミフノフスキ…1
アレクサンドル・シェーファー…2.4.7.11.15
ユリア・ゼヴェルス…3.6.12
セルゲイ・クルサノフ…5.8.14.16-18.20-22
アレクサンドル・ジロティ…9
セルゲイ・ラフマニノフ…10.19.23-26
ドミトリー・パペルノ…13
ユリア・ゼヴェルス(P)

録音:2016年7月23.24.27日
作曲家として、また優れたピアニストとして歴史に名を残すラフマニノフ。彼のピアノ曲はどれも抒情的であり、また高度 な技巧を駆使したものです。歌曲も数多く残されていますが、時にはピアノの伴奏が精緻過ぎて、「メインの歌の部分 よりも目立ってしまう」と指摘されたこともしばしばでした。ここではラフマニノフ自身だけでなく、友人や他の作曲家が、 歌曲を独立したピアノ曲へと編曲を施すことを試みた作品が収録されています。最後に置かれた「組曲」はラフマニノフ 17歳の作品。管弦楽のために書かれましたが、そのスコアは失われてしまい、ピアノ独奏版のみが存在する曲です。 前奏曲Op.3-2にも似た前奏は、すでにラフマニノフ特有の響きが感じられます。
NAXOS-8.573710(1CD)
リスト:ピアノ作品全集 第46集〜ベルリオーズ作品のトランスクリプション集
「ファウストの劫罰」-妖精の踊り S475/R142
「ベンヴェヌート・チェッリーニ」-祝福と誓約 S396/R141
序曲「リア王」 S474/R140
幻想交響曲-イデ・フィクス「アンダンテ・アモローソ」S395/R135
幻想交響曲-第4楽章:断頭台への行進 S470a/R136(最終稿)
序奏:イデー・フィクス-断頭台への行進
「イタリアのハロルド」第2楽章:夕べの祈りを歌う巡礼の行進 S473/2/R139(第2稿)
序曲「宗教裁判官」 S471/R137
フェン・ビアン(P)

録音:2015年9月21-25日
リストとベルリオーズ。2人は生涯に渡って親しい友人であり、お互いに影響しあうライバルでもありました。リストが最初 にベルリオーズの作品をピアノ用に編曲したのは1833年の「幻想交響曲」。あまりにも素晴らしい編曲であったため、 ベルリオーズの原曲よりもリスト編曲版が先に出版されるほどでした。その後も、リストはベルリオーズの作品を愛し、多 くの機会でそのピアノ編曲版を演奏、結果的にベルリオーズ作品の普及に努めることになりました。このアルバムでは、 ベルリオーズの「幻想交響曲」に登場するイデー・フィクス(固定楽想)をリストが発展させたものを含む興味深い作 品を聴く事ができます。
NAXOS-8.573586(1CD)
ディーリアス&エルガー:弦楽四重奏曲集
ディーリアス:弦楽四重奏曲 ホ短調(1917)
 弦楽四重奏曲(1916年版:D.グリムリイによる再構築)(抜粋)
エルガー:弦楽四重奏曲 ホ短調*
ヴィラーズSQ
【ジェームズ・ディケンソン(第1ヴァイオリン)
東環樹(第2ヴァイオリン)
カルメン・フローレス(Va)
ニコラス・ストリングフェロー(Vc)】

録音:2016年7月25-26日、2016年10月24-25日*
2016年10月24-25日…7-9 エルガーとディーリアス、同時期に書かれた各々の弦楽四重奏曲は、どちらも第一次世界大戦の影響が色濃く感じら れる、重厚で哀切な表情を持っています。開戦時、パリのすぐ南にある村に住んでいたディーリアスは、負傷した兵士 や数多くの難民の姿を目の当たりにし酷く心を痛めました。その心情を、彼の家に巣をかけていたつばめに重ね合わせ て作曲したのが、この弦楽四重奏曲の第3楽章とされています。後に弟子のフェンビーによって弦楽合奏に編曲された 版も広く愛されています。現在では通常、1917年の改訂版が演奏されますが、ディーリアスは初稿版も破棄すること なく、そのスケッチや断片が英国図書館に残されています。この録音のためにグレムリイはこれらを補筆し演奏可能な 状態に仕立てることで、2つの稿の違いを比較していただけます。 同じころ、やはり戦争によって健康を損ねていたエルガーも、妻アリスの勧めで郊外に移り住むことで創作意欲を取り 戻し、この弦楽四重奏曲を含む何曲かの大作を書き上げます。アリスはこの曲の第2楽章をとりわけ好み、彼女の葬 儀の際にも演奏されました。
NAXOS-8.573613(1CD)
ピツェッティ:交響曲 イ調(1940)
ハープ協奏曲 変ホ長調(1958/1960)
マルゲリータ・バッサーニ(ハープ)
RAI国立SO
ダミアン・イオリオ(指)

録音:2015年9月23-26日
1940年は日本の紀元2600年に当たる年でした。これを祝すために企画されたのが「日本と友好の厚い国」に作品 を委嘱し、これを演奏するというもの。国をあげての演奏会のために「紀元二千六百年奉祝SO」が組織され、 イギリス(ブリテン)、ドイツ(リヒャルト・シュトラウス)、フランス(イベール)、ハンガリー(ヴェレシュ)、そしてイタリア のピツェッティが作品を提供、物議をかもしたブリテンの作品を除く4作品が1940年12月、東京と大阪で演奏され好 評を博しました。このピツェッティの作品はイタリアの指揮者ガエターノ・コメリによって初演されたものの、その後はほとんど 演奏されずに歴史の流れの中に眠っていました。曲想は決して祝祭的な雰囲気を湛えておらず、ブリテンの「シンフォ ニア・ダ・レクイエム」にも似た哀しみと怒りが強く表出されています。これに対し、ハープ協奏曲は極めて快活な作品で す。
NAXOS-8.573755(1CD)
モンテヴェルディ:マドリガル集 第8巻「戦士と愛のマドリガル集」 デリティエ・ムジケ
マルコ・ロンギーニ(指)
1884年、初のイギリス訪問の際に、ロイヤル・アルバート・ホールで自作の「スターバト・マーテル」を演奏し大喝采を受 けたドヴォルザーク。初演の成功への感謝の気持ちとともに、イギリスの合唱音楽の伝統にも強く感銘を受けました。そ の3年後に作曲された「ミサ曲ニ長調」は、彼の友人で著名な建築家ジョセフ・ハラフカが建築した新しい教会の奉献 式のために作曲された小規模な作品で、1887年9月の初演時はオルガンの伴奏と小規模な合唱、アルト・ソロでは ドヴォルザークの妻アンナもソリストとして参加するという親密な雰囲気でした。翌年4月ピルゼンで一般公開されまし たが、出版社ジムロックはこの作品に関心を示すことなく、他の出版社NOVELLOが「管弦楽伴奏版」を依頼、こちら が先に出版されました。 古典的な佇まいを持つ美しい作品です。
NAXOS-8.573646(1CD)
ラースロー・ライタ(1892-1963):管弦楽作品集 第4集
交響曲 第6番 Op.61
交響曲 第5番 Op.55
.バレエ音楽「リシストラタ」Op.19-序曲
ペーチSO
ニコラ・パスケ(指)

録音:1996年3月.5月
※Marco Polo 8.223672からの 移行盤
ブダペストに生まれ、ライプツィヒ、ジュネーヴ、パリで学び独自の作風を身につけながらも、第一次世界大戦後はハン ガリーの民族音楽の研究に力を尽くしたライタの作品集。 以前MARCOPOLOレーベルで発売され、好評を得ていたシリーズの再発売盤です。第4集には交響曲第5番と第6 番、古代ギリシャの作家アリストファネスのコメディに基づくバレエ音楽「リシストラタ」の序曲を収録。第5番と第6番の 交響曲では、「ベートーヴェンの交響曲のように、奇数番号と偶数番号で違った表情を持つ」と言われるライタの特性 が良く表れています。「リシストラタ」はライタの生前に演奏された唯一のバレエ作品。ユーモアに溢れた賑やかな音楽で す。
NAXOS-8.573695(1CD)
ディーリアス&バックス:合唱作品集
ディーリアス:クレイグ・ドゥーにて(1907)
 6つのパートソング
 夏の夜に水の上で歌われる2つの歌(1917)
 光輝は城壁に降り注ぎ(1927)
 真夏の歌(1908)
バックス:This Worldes Joie(1922)
 5つのギリシャ民謡(1942)
 ばらに歌う(1920)
 私は無慈悲な乙女を歌う(1923)
 息子への母の祈り(1921)
カリス・シンガーズ
ジョージ・パリス(指)

録音:2016年8月31日-9月2日
イギリスは合唱音楽が盛んなことで知られていますが、その中でもパート・ソング(少人数のアンサンブルで歌われる合 唱曲)はプロ、アマチュアを問わず高い人気を誇っています。作曲家たちもレパートリーの拡大に貢献し、19世紀から 20世紀にかけて数多くのパート・ソングが生まれています。中でもディーリアスとバックスの作品は、美しいハーモニーと 複雑なアンサンブルを持ち、合唱する人たちにとっての憧れの曲として知られています。ディーリアスの初期の作品「6つ のパートソング」こそ、シューマンやメンデルスゾーンの影響が強いものですが、20世紀になってから書かれた作品は個 性的で独創的。バックスの作品は更に神秘的な雰囲気を湛えていますが、14世紀のテキストを用いた「This Worldes Joie」では、中世風の荘厳さの中に遊び心も感じられます。カリス・シンガーズは各々の曲の特性を生かし た素晴らしいハーモニーを聴かせます。
NAXOS-8.573673(1CD)
ドヴァリョーナス〜ヴァイオリンとピアノのための作品全集
Pezzo elegiaco 哀歌(1946)
ソナタ=バラード(1965)
Elegia canzonetta 哀愁の歌(1960)
スケルツィーノ(1960)/瞑想曲(1961)
パストラーレとプレスト(1965)
バラード(1960)/即興曲(1969)
アダージョ(1969)
アレグロ・ジョコーソ「Fresque Anime」(1970)
追憶(1969)
3つの小品/ロマンス(1962)
ユスティナ・オウシュケリイテ(Vn)
チェザーレ・ペッツィ(P)

録音:2016年2月25-26日
リトアニアの作曲家ドヴァリョーナスは、現ラトビア領のリエパーヤ出身。幼いころから合唱など音楽に親しみ、高校卒業 後はリトアニア青年合唱団の指揮者を務めています。ライプツィヒとベルリンで作曲とピアノを学び、コンサートピアニスト として活動する傍ら、教育者としても活躍、カウナス音楽院(後のリトアニア音楽院)で後進の指導に当たりました。 第二次世界大戦後に本格的な作曲活動を始めましたが、彼の作風は19世紀後期ロマン派に基づいており、極めて 親しみやすい旋律を持っています。 このアルバムに収録されたヴァイオリン曲のほとんどはドヴァリョーナスの子供たちのために書かれているためか、どれもコン パクトにまとめられ、時には彼が愛したリトアニア民謡風の味わいも感じられる魅力的な作品です。
NAXOS-8.579013(1CD)
IN THE MOMENT-その瞬間に〜弦楽四重奏の小品集
トゥーリナ:闘牛士の祈り Op.34
ウェーベルン:Langsamer Satz(緩徐楽章)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏のための4つの小品Op.81より第1番:主題と変奏 ホ長調
ショスタコーヴィチ:2つの弦楽四重奏のための小品
 エレジー-歌劇《ムチェンスク市のマクベス夫人》 Op.29より
 ポルカ-歌劇《黄金時代》Op.22より
ニールセン:若き芸術家の棺の傍らで FS58
ヴォルフ:イタリア風セレナーデ(1887)
プッチーニ:弦楽四重奏のためのエレジー「菊」(1890)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81より第2番スケルツォ イ短調
ドヴォルザーク:ワルツ集 Op.54より
シューベルト:弦楽四重奏の楽章 ハ短調 D703
メンデルスゾーン:弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81より第3番:奇想曲 ホ短調
アラベラSQ
【ジュリー・エスカー(Vn)
ザリタ・クヴォーク(Vn)
エットーレ・カウザ(Va)
アレクサントル・ルカルメ(Vc)】

録音:2014年5月25-27日
恋愛、生死など様々なテーマの下に書かれた小さな弦楽四重奏曲のコレクション。ウェーベルンの名作「ラングザー マー・ザッツ」は若き彼の恋心が反映された、まだ調性を放棄する前のロマンティックな音楽。晩年に書かれたメンデル スゾーンの小品、風刺が効いたショスタコーヴィチの2曲、ニールセンの友人の死に際して書かれた哀悼の曲、やはり哀 悼の曲であるプッチーニの「菊」、ピアノ曲としても知られるドヴォルザークの楽しい2曲のほか、シューベルト、ヴォルフ、 トゥーリナの多彩な作品が並べられています。

NAXOS 30周年記念BOX
(完全限定生産)
ナクソスは1987年、CDの値段がLPの3倍もしていた時代にクラシックの廉価盤レーベルとして設立しました。
設立当初は、無名であっても傑出した才能を持ったスロヴァキアやハンガリーのアーティスト達を起用し、当時としては最高水準のデジタル機材を使用してスタンダードなレパートリーを録音していました。
有名作品を中心に録音を行っていたナクソスでしたが、コダーイ・クァルテットの演奏でハイドンの弦楽四重奏全曲録音に挑戦することにしました。そして、この全集の成功のおかげで、新興の廉価盤レーベルは世界的に評価されるようになったのです。こうして音質面や芸術面で高い評価を得たナクソスは、ヨーローッパのみならず様々な国のアーティストやオーケストラから注目を集める存在となりました。
また、重要な作曲家について、その全作品を録音するのはナクソス・レーベルの最も大切な使命のひとつともなりました。
今回の30周年記念ボックスは、レーベルの歴史の中で節目の録音となった作品を選んだだけではなく、ナクソスと共に歩んでくれたアーティストやオーケストラへ感謝の気持ちを込めて贈るものとなっています。皆様にも是非お楽しみいただければと願っております。〜クラウス・ハイマン(会長、創設者)


NAXOS-8.503293(30CD)
完全限定盤
ディスク1 【8.554609】
バッハ:管弦楽曲・協奏曲全集第8集(管弦楽組曲集)
管弦楽組曲 第1番〜第4番
カルル・カイザー(Fl)
H.ミュラー=ブリュール(指)ケルンCO
ディスク2 【8.550045】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
第23番「熱情」、第14番「月光」
イェネ・ヤンドー(P)
ディスク3 【8.573489】
ブラームス:チェロ・ソナタとチェロで奏でる歌曲
チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
6つの歌曲(G.シュヴァーベ&N.リンマーによるチェロとピアノ編)<5月の夜Op.43-2/便りOp.47-1/愛の炎Op.47-2/失望Op.72-4/夏の夕べOp.85-1/ナイチンゲールOp.97-1>*
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ニコラス・リンマー(P)

録音:2014年12月16-18日ドイツブレーメンゼントザール
*=世界初録音
自己の作品の完成度に対して、非常に厳しい態度を取っていたブラームスは、18歳の頃に書いたチェロ・ソナタを完全に破棄してしまいます。その後も紆余曲折を経て、最終的に残されたのは、1865年に完成された第1番のチェロ・ソナタと、その後21年を経て書かれた第2番の2曲のみ。どちらの作品もチェロには高い技術が求められるのと同時に、ピアノ・パートも極めて精緻に書かれていることで知られています。幾度かの逡巡の末、緩徐楽章を削除して3楽章形式として完成させた第1番は、少しだけ冷たい雰囲気を持つ仄暗い第1楽章で始まります。音符たちが踊るような第2楽章、ブラームスらしい対位法を駆使した第3楽章と、見事な手法が際立つものです。それに比べ第2番は、冒頭から溢れる自信が感じられる美しい旋律で始まり、美しい第2楽章と、さざめく心が映し出された不安気な第3楽章を経て、民謡風な優しい終楽章で曲を閉じるという、全体的に余裕が感じられる曲となっています。この2つの曲間を埋めるかのように、ここでの演奏家たちが編曲した5曲の歌曲のチェロとピアノ版が置かれているところが、このアルバムの見事なところでしょう。ブラームスの歌曲は、チェロで演奏することでまた違った美しさが溢れ出すのです。
ディスク4 【8.553452】
ブルックナー:交響曲第5番
ゲオルク・ティントナー(指)
ロイヤル・スコティッシュO
ディスク5 【8.554540】
ショパン
:ピアノ協奏曲第1番/第2番
イディル・ビレット(p)、
ロベルト・スタンコフスキー(指)
スロヴァキア国立コシツェPO
ディスク6 【8.559758】
コープランド:ロデオ-1幕のバレエ(1942)-4つのダンス・エピソード<カウボーイの休日/畜舎の夜想曲/土曜の夜のワルツ/ホーダウン>
ダンス・パネル:7部のバレエ(1959/1962改)
エル・サロン・メヒコ(1932/1936改)
キューバ舞曲(1942/1945改)
レナード・スラットキン(指)
デトロイトSO

録音:デトロイト,マックス.M.フィッシャー・ミュージック・センター,オーケストラ・ホール2012年11月9-11日、2012年11月12-14日
あまりにもカッコいい演奏なので、これらの曲の演奏がとても難しいということを一瞬忘れそうになってしまう、スラットキンのコープランド作品集です。誰もが知っているロデオからの「4つのエピソード」を始め、すばらしい出来なのにあまり知られていない「ダンス・パネル」、複雑なリズムが交錯する「キューバ組曲」、そして(ノリノリの演奏の場合のみ)狂乱の熱狂をもたらす「エル・サロン・メヒコ」。これらはちょっとでもリズム感が狂ったものなら、たちまちダサい音楽へと転落してしまうという、実に気難しい作品群なのです。これらを颯爽をさばいていくスラットキンとデトロイトSOの勇姿は、まるで荒馬を易々と乗りこなすカウボーイの如く。これぞまさしく「真のアメリカ音楽」です!
ディスク7 【8.559635】
ドアティ:メトロポリス・シンフォニー他
オーケストラのための「メトロポリス・シンフォニー」
ピアノとオーケストラのための「デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)」
メアリー・キャスリン・ヴァン・オズレイル(Vn)
エリック・グラットン(Fl)
アン・リチャーズ(Fl)、テレンス・ウィルソン(P)
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)ナッシュヴィルSO
1938年に原作ジェリー・シーゲルおよび作画ジョー・シャスターにより、アクション・コミックス誌第1号で初登場した世紀のヒーロー、スーパーマン。このメトロポリス・シンフォニーは彼の生誕50周年を記念してドアティ(1954-)がより現代的なモティーフを用いて作曲、5年の歳月をかけて完成されたものです。各々の楽章にはスーパーマンに関係した名称が与えられ、例えば第1楽章では、彼の宿敵であるレックス・ルーサーはヴァイオリンの超絶技巧で表現されるという奇想天外な作品となっています。もう1つの作品である「デウス・エクス・マキナ」は列車を音楽にした作品。「鉄」の方々必聴のアイテムと言えるでしょう。
ディスク8 【8.572584】
ドビュッシー:管弦楽作品全集第8集
前奏曲第1巻
前奏曲第2巻(以上,P.ブレイナーによる管弦楽編曲版)
準・メルクル(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
BOXはリヨン管で創り上げたかった・・・というのが拘りでした。そのため、あの時は別ヴァージョンで仕上げました。でもバラで1枚1枚買ってくださった方には大変申し訳ない。ということで、準・メルクルがオーケストラを変えて録音したのは、NAXOSお馴染みの編曲家ブレイナーによる「24の前奏曲」という変わり種です。これならば、全く違う演奏をお楽しみいただけることでしょう。もちろん、C.マシューズの版でお楽しみいただいている方にも胸を張ってご紹介できる逸品です。現代における「管弦楽法の魔術師」ブレイナーの精妙かつ美しいオーケストラ編曲は、もともとこの曲集がオーケストラを想定していたかのような嵌り具合をみせています。
ディスク9 【8.573279】
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲集第1集
ピアノ三重奏曲第3番ヘ短調Op.65,B.130
ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」
テンペスト三重奏団
<イリヤ・カーラー(Vn)
アミット・ペレドゥ(Vc)
アーロン・ゴールドスタイン(P)>

録音:2013年5月26-29日USAメリーランド
ディスク10 【8.570714】
オールソップ/「新世界」
ドヴォルザーク:交響的変奏曲、
交響曲第9番「新世界より」
マリン・オールソップ(指)
ボルティモアSO
ボルティモア交響楽団とオールソップによる3枚のドヴォルザーク・シリーズ。最初のアルバム「新世界」の登場です。ホールに漲る熱気をさらりとかわすオールソップの粛々とした指揮ぶりをご堪能ください。むやみに感傷に流され過ぎることのない第2楽章はとりわけ新鮮に感じられることでしょう。美しいメロディが次々と変容していく「交響的変奏曲」も美しさが満ち溢れています。
ディスク11 【8.550503】
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調、
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調
マリア・クリーゲル(Vc)、
ミヒャエル・ハラース(指)RPO
ディスク12 【8.557273】
エルガー:行進曲集
戴冠式行進曲 Op.65、
葬送行進曲(付随音楽「グラニアとディアミド」Op.42 より)、
行進曲「威風堂々」、
カンタータ「カラクタクス」〜行進曲、
付随音楽「インドの王冠」〜ムガール皇帝たちの行進曲、
帝国行進曲、
交響的前奏曲「ポローニア」Op.76
ジェイムズ・ジャッド(指)
ニュージーランドSO
有名な「威風堂々第1番」だけではなく、王室付きの作曲家も務めたエルガーは行進曲の名手。現在にまで続く、イギリス行進曲の伝統を生み出した作品群とも言えるでしょう。日本にも客演回数の多いジャッドの指揮で。
ディスク13 【8.573161】
グリエール:交響曲第3番ロ短調「イリヤ・ムーロメツ」Op.42(1911)
ジョアン・ファレッタ(指)
バッファローPO

録音2013 年5 月3-5 日ニューヨークバッファロー,クレインハウス・ミュージック・ホール
ロシア、キエフで生まれ、モスクワ音楽院でタネーエフ、アレンスキーらに作曲を学んだグリエール(1875-1956)。しかし実は彼の父はドイツ人で、母はポーランド人。祖先を辿ってもロシア人はいなかったようです。そんなグリエール、バレエ音楽「けしの花」や幾つかの協奏曲が知られていますが、この交響曲第3 番は彼の最高傑作として讃えられる見事な作品です。このイリヤ・ムーロメツとは中世ロシアの伝説上の英雄の名前。並外れた力持ちであったとされ、数多くのエピソードが伝えられています。グリエールはそんな英雄にまつわる4 つのエピソードを選び出し、重厚な交響曲を描きだしました。ロシア国民主義と後期ロマン派の手法を結びつけた表現的で雄大な作品からは、例え、ムーロメツの個性を知らずとも、各々の聴き手の脳裡にその人物像が鮮明に浮かび上がるだけの表現力が溢れ出しています。ファレッタの指揮は、グリエールの完膚なきまでの構築性を存分に浮かび上がらせています。
ディスク14 【8.550822】
グレツキ:交響曲第3番「嘆きの歌の交響曲」、
3つの古代風小品
ゾフィア・キラノヴィッツ(S)、
アントニ・ヴィト(指)
ポーランド国立放送カトヴィツエSO響
ディスク15 【8.570236】
グリーグ:管弦楽作品集 第4集
ペール・ギュント組曲第1番
ペール・ギュント組曲第2番 Op. 55
ビョルンソンの「漁夫の娘」による4 つの詩 Op. 21〜初めての出会い、
山の精とらわれし者 Op. 32 5、
6 つの歌 EG 177
インガー・ダム・イエンセン(S)、
パレ・クヌーセン(Br)、
ビャルテ・エンゲセト(指)マルメSO
イプセンの戯曲「ペール・ギュント」へのグリーグ(1843-1907)の付随音楽は、ノルウェーの伝説的人物を題材とした5 幕の劇 に付けられた26 曲からなる大作です。初演時から大成功を収め、とりわけ、この中から選んだ各4 曲からなる組曲は ノルウェーのみならず全世界の人々に愛されています。物語の方は実に荒唐無稽、略奪愛、冒険、魔物との戦い・・・そして 無償の愛。
ディスク16 【8.557764】
ヘンデル:水上の音楽(組曲 第1番 〜第3番)、
王宮の花火の音楽
ケヴィン・マロン(指)
アレイディア・アンサンブル
カナダのトロントを本拠として活動し、ナクソスではヴィヴァルディ、シャルパンティエなど多くのバロック〜古典派作品を録音している団体が、ヘンデルの2大名曲を演奏。「王宮の花火の音楽」では自筆譜をあたってフラウト・トラヴェルソを加えるという新解釈も。
ディスク17 【8.550315】
エルデーディ四重奏曲Vol.2
ハイドン:弦楽四重奏曲第78番/79番/80番
コダーイQ
ディスク18 【8.570517】
リスト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第1番、
ピアノ協奏曲第2番、死の舞踏
エルダー・ネボルシン(P)、
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO
エルダー・ネボルシンは1974年ウズベキスタン生まれ。サンタンデール国際ピアノコンクールなどの国際コンクールを制覇し、華々しい活動を行いいくつかのCDもリリースしている実力派なのです。NAXOSレーベルには既にラフマニノフの前奏曲集(8.570327)がありますが、このリスト(1811-1886)も文句なく素晴らしい演奏です。豪放な1番、真摯な2番、そして「死の舞踏」。ペトレンコの熱い指揮も嬉しい「燃える」リストをどうぞ。
ディスク19 【8.557011】
モーツァルト:フルート協奏曲集
フルート協奏曲 第2番 、
フルートとハープのための協奏曲*、
フルート協奏曲 第1番
パトリック・ガロワ(Fl, 指)、
ロデリック・ショー(cemb)、
ファブリス・ピエール(hp)*、
カタリーナ・アンドレアソン(指)
スウェーデンCO
ディスク20 【8.572827】
ノルウェーのヴァイオリン名曲集
スパッレ・オルセン(1903-1984):ノルウェイ、ロムからの6つの古い村の歌
アッテルベリ:ヴァイオリン,ヴィオラ,弦楽オーケストラのための組曲第3番(2台ヴァイオリンと弦楽版)…世界初録音
ステーンハンマル:ヴァイオリンとオーケストラのための2つの感傷的なロマンス
ブル:ハヴァナの思い出
 山の幻影(ヴァイオリンと弦楽合奏版)
ハルヴォルセン(1864-1935):ヴァイオリンとオーケストラのためのノルウェイ舞曲第3番
シベリウス:ヴァイオリンとオーケストラのための6つのユモレスクOp.87&89
シンディング:晩景Op.120
ヘンニング・クラッゲルード(Vn多重録音)
ビャルテ・エンゲセト(指)
ダーラシンフォニエッタ
シベリウス、シンディングの協奏曲であまりにも繊細で美しいヴァイオリンを響かせるかと思うと、シンディングの知られざる小品を丹念に発掘し、知られざる名作に光をあてる・・・そんな若きヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルードの新しいアルバムは、ほとんど耳にする機会もないような北欧のヴァイオリン作品を集めたものです。1800年代の終わりから1900年代の始めに集中的に書かれたこれらの作品は、どれも新鮮な響きの中に、甘い憧憬と、胸がちょっぴり痛むような感傷が込められていて、例え初めて耳にする曲だとしても、昔からの知人と会った時のような懐かしさに心がふるえることでしょう。クラッゲルードは曲によっては多重録音を用い、これらの持つ魅力を100%伝えることに成功しています。
ディスク21 【8.573469】
ラフマニノフ:絵画的練習曲Op.39
楽興の時Op.16
ボリス・ギルトブルク(P)

録音:2015年6月15-17日UKモンマス,ウィアストン・レイズコンサート・ホール
NAXOS期待のピアニスト、ボリス・ギルトブルクの新アルバムは、彼が得意とするラフマニノフ(1873-1943)の2つの曲集です。以前、他レーベルからリリースされたピアノ・ソナタ第2番での表現…叙情性と攻撃性の程よいバランスは、彼とラフマニノフの相性の良さを物語るものでしたが、ここでは一層の親密さを見せてくれます。ラフマニノフ自身が「音楽から連想したものを自由に描き出せばよい」と語ったという「音の絵」は、出版経緯の紆余曲折があり、完全な形で世に出たのは1969年、ラフマニノフの死後のことでした。実際は両手のための練習曲で、どの曲も超絶技巧が凝らされており、演奏は非常に難しいことで知られています。第6曲は「赤頭巾ちゃんとオオカミ」と評されている曲で、ギルトブルク自身も、アルバムのブックレットの中でこの曲についての感想を詳細に記しています(英語)。「楽興の時」も技巧的な作品で、これら6つの曲の中には様々な楽想と形式が取り入れられており、弾き手は指の鍛錬とともに、高い表現力を養わなくてはいけないと言う難曲です。もちろんギルトブルクはこれらの曲を完全に手中に収め、変幻自在な音で聴き手を魅了します。
ディスク22 【8.572787】
リムスキー=コルサコフ:組曲「雪娘」
交響的絵画「サトコ」
組曲「金鶏」 他
シアトルSO
ジェラード・シュワルツ(指)

録音:2011年3月
ロシア音楽、なかでもグラズノフやリムスキー=コルサコフの珍 しいレパートリーもNAXOSが得意とする分野です。この管弦 楽による組曲集では、敢えてロシアのオーケストラではなく、 シュワルツ率いるシアトル交響楽団を起用したところが特徴。 絢爛豪華な音色に魅了される1枚です。
ディスク23 【8.550729】
ヴィラ=ロボス:ギターと小管弦楽の為の協奏曲、カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番、ロドリーゴ:アランフェスの協奏曲
ノーバート・クラフト(g)、
ニコラス・ウォード(指)ノーザン室CO
ディスク24 【8.553436】
ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」(ハイライト)
フランコ・デ・グランティス(Bs)
ソニア・ガナッシ(Ms)他
ファイローニ室内O
ウィル・ハンバーグ(指)

録音:1992年11月
NAXOSはオペラの録音も積極的に手掛けています。この 《セヴィリアの理髪師》はオペラ全曲録音の最初期のアルバム ですが、当時注目され始めた歌手を起用した若々しい歌唱 が魅力。ロッシーニならではの軽妙な音楽運びも存分に楽し めます。
ディスク25 【8.572216】
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集第2集
カルメン幻想曲Op.25
グノーの「ロメオとジュリエット」による演奏会用幻想曲Op.5
ロシアの歌Op.49(ヴァイオリンと管弦楽編)
ナイチンゲールの歌Op.29(ヴァイオリンと管弦楽編)
狩りOp.44
ホタ・デ・パブロOp.52(ヴァイオリンと管弦楽編)
楊天堝(Vn)
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)
ナバーラSO
有名な「カルメン幻想曲」で始まるこのアルバムは、NAXOS期待の新人、1987年生まれの楊天堝によるサラサーテ(1844-1908)の管弦楽とヴァイオリンのための作品集第2集になります。冒頭から素晴らしい緊張感と美音に満ちた彼女の演奏に引き込まれない人はいないでしょう。彼女はNAXOSのサラサーテ録音を一手に引き受けていますが、リリースが進むごとに成熟度が高まるのはさすが!少女時代から数多くのコンクールを制覇し、アイザック・スターンに学び、13歳でパガニーニの「24の狂詩曲」を録音、世界各国のオーケストラとも共演する彼女の今後が本当に楽しみです。サラサーテは一部の曲のみばかりが知られますが、こんなに良い曲があるとは!と驚かれた人も多いはず。情熱的な曲をもっと聴きたい方は第1集(8.572191)か、ピアノとヴァイオリンのための作品集の第1集(8.557767)、第2集(8.570192)もどうぞ。
ディスク26 【8.570724】
シマノフスキ:スターバト・マーテル
聖母マリアの典礼 他
イヴォナ・ホッサ(S)他
ワルシャワPO&cho
アントニ・ヴィト(指揮)

録音:2007年6月
ポーランドの指揮者ヴィトが得意とする作曲家の一人、シマノ フスキ。「スターバト・マーテル」は神秘的な響きと精緻な合唱 が持ち味の美しい作品で、作曲家の特質が存分に表出され ています。
ディスク27 【8.557770】
タリス:汝のほかにわれ望みなし(40声のモテット)、
めでたし清らかなおとめ(モテット)、
ミサ曲「めでたし清らかなおとめ」、
全ての心と口にて、
おお主よ彼らを苦しめよ、
おお主よ私は汝によびかけ
ジェレミー・サマリー(指)
オックスフォード・カメラータ
タリスは、イギリスの大聖堂に響き渡る多数の教会作品を作曲。特に40声部のポリフォニーを駆使したモテットは人気曲であり、ナクソスではおなじみのオックスフォード・カメラータが完璧に歌い上げています。
ディスク28 【8.570568】
NAXOS-
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲他
マンフレッド交響曲
交響的バラード「ヴォエヴォーダ」
ヴァシリー・ペトレンコ(指)
ロイヤル・リヴァプールPO

録音 2007年6月20-21日イギリス リヴァプール,フィルハーモニック・ホール
ヴァシリー・ペトレンコは1976年生まれ。サンクトペテルブルク音楽院であのイリヤ・ムーシンやテミルカーノフに指示した、今後の活躍が期待される逸材です。演奏はなかなかに豪壮!ソ連時代の指揮者のような野太いサウンドよりも洗練されたスタイリッシュなフォルムの音楽作りを行なっていますが、決して平均的にグローバル化した音作りではなく、表情の押しの強さ、響きの濃厚さなど、ロシア音楽の醍醐味を満喫させてくれる点は無視できません。オケの統率力、牽引力も抜群!第2楽章冒頭の木管の細かな音型もポコポコと軽く浮遊せず、一音一音を強固に刻印。音を有機化させる意思がこんなところにまで浸透しているのです。ペトレンコの実力を最高に発揮されているのが終楽章。いくらでも下品に鳴らすことも可能なこの楽章を、美しいフォルムを維持したまま、芯が強くぶれないダイナミズム惜しげもなく披露。中間部の沈静に見るハーモニーの均衡とデリカシーも必聴。オルガン登場以降の呼吸の深さはもはや巨匠級!最近台頭している若手指揮者の中には、変に自己顕示が目立つ人もいますが、ペトレンコにはそんな嫌らしさがないのです。したがって音楽の凄みをそのものを堪能することが可能となったのです、抜群に巧いオケの機能美、音質も優秀さも特筆もの。【湧々堂】
ディスク29 【8.557690】
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ゆううつなセレナード
なつかしい土地の思い出(管弦楽編曲:グラズノフ)
ワルツ・スケルツォ
イリヤ・カーラー(Vn)、
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)ロシアPO
ロシア生まれの名手による名協奏曲と、チャイコフスキーが残したヴァイオリン曲を網羅。パガニーニやドヴォルザークなどナクソス・ファンが注目してきたカーラーのCDですが、ことさらにテクニックをひけらかすのではなく丁寧な演奏が好感を得ているのでしょう。
ディスク30 【8.550056】
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲「四季」
西崎崇子(Vn)、
スティーヴン・ガンゼンハウザー(指)
カペラ・イストロポリターナ

NAXOS 2017年4月発売
NAXOS-8.573448
(1CD)
ラヴェル:管弦楽作品集第5集
付随音楽「アンタール」(原曲:リムスキー=コルサコフ)
シェエラザード(1903)
アンドレ・デュソリエ(ナレーター)
イサベル・ドゥルェ(Ms)
フランス国立リヨンO
レナード・スラットキン(指)

録音:2014年6月11-14日、2014年9月2.3日 ライヴ
1889年のパリ万博で「ロシア音楽」に初めて接した14歳のラヴェル。この時の強い衝撃はずっと彼の心に残り、創作人 生の支えとなりました。1907年にリムスキー=コルサコフの「アンタール」のスコアに出会ったラヴェルは、「交響曲」もしくは 「交響組曲」として完成された12世紀の物語を新しく劇音楽に作り替えることを発案、ベルリオーズの「幻想交響曲」の “固定観念=idee fixe”と同じく、アンタールに一つの主題を与え、壮大な物語として仕立て上げました。リムスキー= コルサコフのスタイルを用いてラヴェルが作曲した第1番bis(トラック1)や、時には別作品である「ムラダ」からも曲を引用 したこのラヴェル版は出版されることはありませんでしたが、今回の世界初録音では、2014年に書かれたアマン・マルーフ による新しいテキストを朗読として付け加えた“新しい作品”として甦りました。ロシアの重厚な響きの中に東洋風の雰囲 気が漂うユニークな作品を、スラットキンとリヨン管が見事に表現しています。
NAXOS-8.573601
(1CD)
ショスタコーヴィチ:室内交響曲集 Op.73a/Op.118
室内交響曲 ヘ長調 Op.73a(原曲:弦楽四重奏曲 第3番 R.バルシャイ編)
弦楽のための交響曲 変イ長調 Op.118(原曲:弦楽四重奏曲 第10番 R.バルシャイ編)*
キエフ・ヴィルトゥオージ
ドミトリ・ヤブロンスキー(指)

録音:2016年6月13.14日、2016年6月17.19日*
日本でも人気の高い指揮者ルドルフ・バルシャイ(1924-2010)は、もともと優れたヴィオラ奏者として活動を開始、そ の後1955年に指揮者としてデビューし、同時代のソ連の作曲家たちの数多くの作品を初演した功績で知られていま す。また、編曲家としても知られるバルシャイは、モスクワ音楽院での恩師であったショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲のう ち5曲を「室内交響曲」へと改編し、原曲の厳しい響きを色彩豊かな響きへと変貌させ、全く新しい作品として聴き手に 提示しました。この一連の編曲は室内オーケストラのレパートリーの拡大を図るとともに、ショスタコーヴィチ作品の新しい 楽しみ方を示唆しています。キエフ・ヴィルトゥオージとドミトリ・ヤブロンスキーの緊張感に満ちた演奏です。
NAXOS-8.573724
(1CD)
細川俊夫(1955-):大鴉(おおがらす)
エドガー・アラン・ポー「大鴉」朗読
大鴉 - メゾ・ソプラノと12人の奏者のためのモノドラマ
シャルロッテ・ヘレカント(Ms・朗読)
ユナイテッド・インストゥルメンツ・オブ・ルシリン(アンサンブル)
川瀬賢太郎(指)

録音:2014年10月29日・31日アステール・プラザ(広島)
※NYCC-27298と同内容
エドガー・アラン・ポー(1809-1849)の「THE RAVEN - 大鴉」は1845年に「イヴニング・ミラー」紙に掲載され、瞬 く間に人気を博した作品です。恋人を失って嘆き悲しむ主人公の元に、人間の言葉を操る「大鴉」がやってきては彼の 心をかき乱し、その謎めいた言葉はやがて主人公を狂気の淵へと追いやるというものですが、全編を貫く高貴な様式と、 文学性、そしてあらゆるところに散見される古典への比喩など、多くの点で人々の心を捉えて話さない魅惑的な物語詩 なのです。日本が誇る作曲家、細川俊夫も「大鴉」に魅入られた一人であり、彼はこの不可思議な物語から、日本古 来の伝統芸能である「能」の世界観を見出し、これらを融合することで新たな宇宙を創り上げています。物語を進行し ていくメゾ・ソプラノのシャルロッテ・ヘレカントによる表現豊かな歌唱と語り、それを彩るルクセンブルクの名アンサンブル「ル シリン」の精緻なアンサンブル。恐怖の中に点滅する甘美な余韻までが見事に捉えられた、緊迫の音楽劇です。
NAXOS-8.559825
(1CD)
ルー・ハリソン(1917-2003):ヴァイオリン協奏曲(1940/1959)
グラン・デュオ(1988)*
2つの音楽(1941)-ジョン・ケージとともに
ティム・フェイン(Vn)
マイケル・ボリスキン(P)
ポストクラシカル・アンサンブル
アンヘル・ジル=オルドネス(指)

録音:2016年3月13日、2016年4月19日*
アメリカの現代音楽作曲家ルー・ハリソンは、世界中の民族音楽を収集し、そのエッセンスを自作に反映させるという独 自の技法で数多くの作品を書きました。ガムランや世界中の打楽器に魅せられ、その上で西洋音楽における「十二音」 とは違う「音律」を普及させるために様々な活動を行ったことで知られます。1940年に着想された「ヴァイオリン協奏曲」 は、華やかな独奏ヴァイオリンと、ガムランを含むパーカッション群が競い合う作品。ハリソンが求めた音が余すところなく具 現化された、興味深い響きを聴くことができます。ピアノとヴァイオリンのための「グラン・デュオ」にも、ピアノに「ガムランの響 き」を思わせる特殊奏法が要求されています。第3楽章の「アナベルとエイプリル」は彼の友人であるデニス・ラッセル・デイ ヴィスの2人の娘の名前で、もともと第5楽章のポルカが創作の始まりです。「2つの音楽」は、ハリソンとジョン・ケージが共 同制作していた頃の作品。最終的には“方向性の違い”で決裂してしまった2人ですが、この作品には確実に友情が存 在しています。
NAXOS-8.573683
(1CD)
ノヴァーク(1870-1949):交響詩「タトラ山にて」Op.26(1902)
序曲「レディ・ゴディヴァ」Op.41(1907)*
交響詩「永遠の憧れ」Op.33(1905)*
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2016年6月6日、2016年3月18日*
ボヘミアの上流家庭に生まれ、プラハ音楽院でドヴォルザークに作曲を師事。その作品をブラームスが認め、有名な出 版社ジムロックに推薦したという恵まれた経歴を持つ作曲家ノヴァーク。初期には印象派の影響を受けた作品を書いて いたノヴァークでしたが、26歳の時に才能ある若い歌手ヤヴコーヴァとの恋に破れたことで、彼の作風は大きな転換を見 せ、以降はワーグナーを思わせる重厚な響きの中に、ボヘミアの民族音楽のエッセンスを取り入れた絵画のように色彩的 な作品を次々と発表するようになりました。「タトラ山にて」はチェコとポーランドの境にある壮大なタトラ山脈を旅した際に インスピレーションを受けて書かれた映画音楽を思わせる曲。「レディ・ゴディヴァ」はプラハ市立劇場開設記念のための 作品。「永遠の憧れ」はアンデルセンの物語に触発されて書かれた音による物語。ボヘミアの豊かな自然から生まれた作 品です。
NAXOS-8.573503
(1CD)
モレノ・トローバ(1891-1982):ギター協奏曲集 第2集
セギディーリャへの讃歌(1962)
トナーダ・コンチェルタンテ(1975-1980)
カスティーリャ協奏曲(1960)*
ペペ・ロメロ(G)
ビセンテ・コベス(G)*
エストレマドゥーラSO
マヌエル・コベス(指)

録音:2015年7月13-16日
10.第3楽章:Andante-Allegro moderato もしスペインの名ギタリスト、アンドレス・セゴビアがモレノ・トローバに「ギター曲を書いてほしい」と依頼しなければ、彼は 「サルスエラ(スペイン歌劇)」の作曲家としてのみ、今日の音楽史に名前を残していたでしょう。モレノ・トローバは実際に ギターを演奏できたわけではなく、ギターそのものにもほとんど興味を持っていませんでした。しかし、1910年代に初めて セゴビアに会い、作曲の依頼を受けて数週間後に出来上がったホ長調の小品をセゴビアが気に入ったことで、彼は最終 的に100曲を超えるギター曲を作曲。これらはセゴビアだけでなくイエペスも愛奏したため、モレノ・トローバは「ギター曲の 作曲家」として知られるようになったのです。この第2集も、第1集と同じくペペ・ロメロとビセンテ・コベスが独奏を担当。情 熱と遊び心に満たされた美しい3作品を楽しめます。
NAXOS-8.573561
(1CD)
タネーエフ&ボロディン:ピアノ三重奏曲集
タネーエフ:ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op.22
ボロディン:ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op.posth(1860)
デルタ・ピアノ・トリオ
【ジェラルド・スプロンク(Vn)
イレーネ・エンズリン(Vc)
フェラ・コーパー(P)】

録音:2016年3月24-26日
ニコライ・ルビンシテインに師事し、保守的でありながらも美しいメロディを駆使した作品を書いたタネーエフ。指導者とし ても優れており、モスクワ音楽院ではスクリャービンとラフマニノフを教えるなど後世にも強い影響を残しました。このピアノ 三重奏曲はタネーエフ円熟期の作品で、高度な作曲技法が遺憾なく発揮されています。第3楽章の終わりに置かれた ヴァイオリンの美しいカデンツァが印象的です。もう1曲はロシア5人組の一人ボロディンの作品。本業は化学者という異 色の経歴の持ち主で、忙しい研究の合間に優れた作品を多数残しています。このピアノ三重奏曲は未完成ながらも、 豊かな和声と抒情的な旋律を持つ力強い曲です。
NAXOS-8.573454
(1CD)
ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番&クラリネット五重奏曲
弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調 OP.67(1876)
クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
ニュージーランドSQ
【ヘレン・ポール(第1Vn)
ダグラス・ベイルマン(第2Vn)
ジリアン・アンセル(Va)
ロルフ・イェルステン(Vc)】
ジェームズ・キャンベル(Cl)

録音:2015年7月14-16日
1875年に作曲、翌年に出版されたブラームスの弦楽四重奏曲第3番は、曲想の明るさと入念な楽曲構成が特徴で す。この時期のブラームスは、創作にほぼ20年を要した“交響曲第1番”の最後の追い込みに掛かっていましたが、並行 していくつかの室内楽曲にも着手、まずピアノ四重奏曲第3番の手直しを完成させ、この弦楽四重奏曲第3番にとりか かりました。曲全体が密接な関連性を持ち、変奏曲形式の終楽章では、第1楽章の素材が使われるなど、ブラームス ならではの緻密な作品です。「クラリネット五重奏曲」は、一度は創作意欲を失ったブラームスがクラリネットの名手ミュー ルフェルトに出会ったことで、意欲を取り戻し、一気に書き上げたことで知られる晩年の名作です。演奏しているニュー ジーランド弦楽四重奏団は、2015年に創立28周年を迎えた老舗のアンサンブル。メンデルスゾーンなどの古典派から 譚盾(タン・ドゥン)などの現代曲まで、幅広いレパートリーを持ち、ニュージーランド国内で各々が後進の指導にあたりな がら、世界中で演奏会を開催し、聴衆を魅了し続けています。
NAXOS-8.573707
(1CD)
シューベルト:ピアノのための変奏曲集
アンゼルム・ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲
D576(1817)
10の変奏曲 ヘ長調 D156(1815)
ディアベリのワルツによる変奏曲 ハ短調 D718(1821)
27.アダージョ ト長調(第1稿) D178-1(1815)
アダージョ ト長調(第2稿) D178-2(断章)(1815)
アレグレット ハ短調 D900(断章)(1822/1823・・・推測)
アレグロ・モデラート ハ長調 D347(1813・・・推測)
アンダンティーノ ハ長調 D348(1816・・・推測)
アダージョ ハ長調 D349(断章)(1816・・・推測)
幻想曲 ハ長調(グラーツの幻想曲)D605a(1818・・・推測)
エフゲニー・ヨントフ(P)

録音:2015年5月11-14日
シューベルトが旺盛な創作活動に身を投じていた時、常に彼の周囲には親しい友人たちがいました。このアルバムに名 前が登場する2人も、シューベルトの友人です。ヒュッテンブレンナーはグラーツの出身の作曲家。サリエリに師事している ときにシューベルトと出会い、親密な友情を育みました。シュタイアーマルク音楽協会の会長を務めるほど音楽界に顔が 効く人であり、シューベルトも大層恩恵に預かりました。ディアベリは有名な楽譜出版社の主宰者。1819年、当時オー ストリアで活躍していた作曲家たちに「自作の主題」を送り、変奏曲を書いてもらうという試みを行い、50人ほどの応募 者を得ました。もちろんシューベルトも参加し、この愛らしい変奏を作曲しました。「10の変奏曲 D156」はシューベルト 18歳の作品。完成された「初の大作」として知られる曲です。また他の収録曲も断片的ではありますが、他では聴けな い大変貴重な作品群です。
NAXOS-8.573611
(1CD)
ドメニコ・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第18集
ソナタ イ短調 K.341/L.140/P.103
ソナタ ハ長調 K.357/L.Supp.45/P.270
ソナタ イ長調 K.369/L.240/P.259
ソナタ 変ロ長調 K.392/L.246/P.371
ソナタ ニ長調 K.401/L.365/P.436
ソナタ ニ長調 K.414/L.310/P.373
ソナタ ト長調 K.433/L.453/P.453
ソナタ イ長調 K.452
ソナタ ニ短調 K.459/L.Supp.14/P.167
ソナタ ト長調 K.471/L.82/P.327
ソナタ ト長調 K.493/L.Supp.24/P.383
ソナタ 変ロ長調 K.504/L.29/P.265
ソナタ ニ短調 K.510/L.277/P.525
ソナタ ヘ長調 K.518/L.116/P.390
ソナタ ト長調 K.522/L.Supp.25/P.526
ソナタ ヘ長調 K.540/L.Supp.17/P.544
ソナタ 変ロ長調 K.551/L.396/P.555
セルジオ・モンテイロ(P)

録音:2016年6月2-6日
バロック期の作曲家ドメニコ・スカルラッティは555曲の「鍵盤のためのソナタ」を残しています。ソナタと言っても、これらは 彼が仕えたマリア・マグダレーナ・バルバラ王女の技術向上のための“練習曲”であり、ほとんどの曲は単一楽章のシンプル な構成で書かれた技巧的な作品です。どの曲にも当時最先端の技巧が凝らされていますが、それらはみなチェンバロの ためのもの。ピアノで演奏する際にはまた違った表現が必要とされています。この第18集で演奏しているモンテイロは 1974年ブラジル生まれ。バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、NAXOSでのリスト(NAXOS-8.573485)やGRAND PIANOレーベルへの一連の録音が高く評価されています。
NAXOS-8.573423
(1CD)
ヒンデミット:マリアの生涯 Op.27(第2稿 1948)
ライナー・マリア・リルケの詩による
レイチェル・ハルニッシュ(S)
ヤン・フィリップ・シュルツェ(P)

録音:2014年5月26-28日
歌曲集「マリアの生涯」はピアニスト、グレン・グールドが愛した作品として知られていて、グールドを知る過程でこの曲に 触れたと言う人も多いのではないでしょうか?この歌曲集はオーストリアの詩人ライナー・マリア・リルケの連作詩に付けら れたもので、イエス・キリストの母であるマリアの誕生から死までを忠実に描いています。ヒンデミット自身「これまでの私の 作品の中でも最高のもの」と見做したとされています。1923年頃に初稿版が書かれていますが、ここでの1948年改訂 版は若さ溢れる初稿版よりも少しだけ表現が穏やかになり、歌手への負担も軽減されていると言われています。ハルニッ シュとシュルツェによる穏やかさと静謐さを併せ持った美しい演奏です。

NAXOS 2017年3月発売
NAXOS-8.573734
(1CD)
シャルル・オーギュスト・ド・ベリオ(1802-1870):ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ短調 Op.46
ヴァイオリン協奏曲 第6番 イ長調 Op.70
ヴァイオリン協奏曲 第7番 ト長調 Op.76
エール・ヴァリエ 第4番 Op.5「モンタニャール」
バレエの情景 Op.100
辻 彩奈(Vn)
ミヒャエル・ハラース(指)
チェコ室内Oパルドビツェ

録音:2016年10月31日-11月2日
ベルギーのヴァイオリニスト、作曲家、シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ。彼はフランス・ベルギー(フランコ・ベルギー)楽派の創始者であ り、ロンドンとパリで開催されたコンサートはセンセーショナルな話題を巻き起こすほどにその演奏様式は19世紀の最先端をいくものでし た。1890年にイングランドで創刊された雑誌「The Strad」でも1896年にベリオの記事が掲載されており、そこでは「彼の技術は完璧 であり、その音は大きくはないが、美しく高貴である」と絶賛されています。ベリオの協奏曲は、重音奏法とハーモニクスを駆使した華やか な作品が多く、聴いて楽しめるだけでなく、ヴァイオリン奏法の技術取得にも絶大な効果があることが知られています。 このアルバムで素晴らしい演奏を披露しているのは、期待の新人、辻彩奈。 2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位を始め、世界中がその能力に注目する俊英です。オーケストラとの共演でも大絶賛 されている彼女、ここでも艶やかな音色と類い稀な表現力で、ベリオの作品を輝かしく歌い上げています。
NAXOS-8.573413
(1CD)
ワーグナー:管弦楽作品集 第1集
交響曲 ホ長調(断章)(1832/1834)[フェリックス・モットル(1856-1911)によるオーケストレーション補筆版]
交響曲 ハ長調(1834)
ライプツィヒMDRSO
準・メルクル(指)

録音:2012年1月19日
偉大なる“オペラ作曲家”として音楽史に名を残すワーグナー。彼が後世に残した影響の大きさは計り知れないものがありますが、実は 交響曲の作曲にも興味を持ち、生涯を通じて「交響曲のアイデア」を練っていたことはあまり知られていません。結局、オペラほどに優れ た作品を残すことはありませんでしたが、それでも21歳の時に書き上げられた「ハ長調交響曲」は野心溢れる若き作曲家の面目躍如 たる堂々とした作品に仕上がっています。第2楽章などには、はっきりとベートーヴェンの第7、弟8番の影響が感じられますが、それでも ワーグナーは自身のアイデアを数多く盛り込むことで、個性を打ち出しています。1832年にプラハで試演を行い、その後ライプツィヒで再 演が行われましたが、その際、自筆譜が行方不明となり、現在でも見つかっていません。ホ長調交響曲は、同じ頃にワーグナーが手掛 けた交響曲ですが、こちらは第2楽章の冒頭までしか完成されておらず、本人も、友人に「この曲を完成させることはできない」と手紙で 書き送るなど、この作品に関しては作曲を放棄してしまったようです。とは言え、未完となった第2楽章の美しさは格別。ここではワーグ ナーの良き理解者であったモットルが補筆した版を準・メルクルが演奏しています。
NAXOS-8.573596
(1CD)
デュティユー:交響曲第2番「ル・ドゥーブル」他
交響曲 第2番「ル・ドゥーブル」(1957頃-1959)
音色、空間、運動(星月夜に基づく)
瞬間の神秘(1989)-24の弦楽器,ツィンバロン,パーカッションのための(1989)
フランソワーズ・リヴァラン(ツィンバロン)
リール国立O
ダレル・アン(指)

録音:2015年9月2-7日・・・1-6
2016年3月24.25日・・・7-16
フランスの「六人組」の次世代を担う作曲家の一人、デュティユー。近代フランス音楽の伝統を引き継ぎながら、独自の感性を取り入 れた精緻な作品を書く人で、その作品は、彼自身の完璧主義も相俟ってか、細部まで計算され尽くされた形式に則りながらも、叙情 的で詩的な雰囲気を備えています。父方の曽祖父が高名な画家であったこともあり、いくつかの作品には、絵画からの影響も見られま す。このアルバムは若手指揮者ダレル・アンによる3曲が収録されており、「2つの」「分身」を意味するタイトルを持つ交響曲第2番「ル・ ドゥーブル」は、大管弦楽と、12人の奏者による小管弦楽、2つのアンサンブルの相互作用から生まれる音の対話と発展を体感する作 品です。「音色、空間、運動」はゴッホの「星月夜」から受けた印象が基になっており、うごめくような雲の流れや、星の輝きが多彩な響 きに置き換えられています。「瞬間の神秘」は、更に多彩な楽器を駆使し、色彩豊かな音色と響きに彩られた作品です。
NAXOS-8.573709
(1CD)
リスト:ピアノ作品全集 第45集
12の大練習曲集 S137/R2a(1837)
(超絶技巧練習曲 第2稿)
ジン・ウェンビン(P)

録音:2015年6月9-12日
難曲として知られるリストの「超絶技巧練習曲」。タイトルからして“難しいぞ”と断言しているこの曲集、実は「パガニーニ練習曲」のよう にいくつかのヴァージョンが存在します。通常耳にすることが多いのは第3稿と呼ばれるもので、こちらは改訂を重ねた最終形態でリスト 41歳の時に出版されています。実は、リストが最初にこの練習曲の構想を立てたのは15歳の時。「すべての調性のための48曲の練習 曲」として着想されるも、結局は12曲だけが作られ出版にいたりました。その11年後に再チャレンジしたのが、今回収録された第2稿に あたる曲集です。有名なマゼッパ(第4番)には、まだタイトルは付けられていませんし、何より、実際に演奏されることよりも、彼の理想と するピアニズムを追求することが目的であるため、演奏者には無理な要求がなされている部分が多く、一部の曲についてはシューマンが 「嵐、恐怖の練習曲で、リスト自身ですら演奏できないのではないか」と呼ぶほどに、演奏困難な曲集なのです。とは言え、中国人ピア ニスト、ジン・ウェンビンはいとも容易く弾きこなしているように聞こえます。
NAXOS-8.573501
(1CD)
プッチーニ:ソプラノとピアノのための歌曲全集
魂の歌/太陽と愛
そして小鳥は(ニンナ・ナンナ)
春-カンツォネッタ
アヴェ・マリア・レオポルダ
亡き人に/死すべきか?
サルヴェ・レジーナ/あなたに
我が家-良く知られたイタリア童謡
黄金の夢/陸と海
ローマへの賛歌/ベアタ・ヴェスケラ
進め、ウラニア!/愛の小話-メロディ
ディアナ賛歌/あの偽りの忠告
王の御旗は進み
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S)
マリア・プリンツ(P&Org)
トラック14.19はメゾ・ソプラノ・パートを歌い多重録音

録音:2016年1月4-7日
Orfeoレーベルでおなじみのブルガリアの歌姫、クラッシミラ・ストヤノヴァ。NAXOSでは彼女の初アルバムとなるのが、プッチーニの珍しい 歌曲集です。リヒャルト・シュトラウスや宗教曲で強い存在感を示している彼女、現在最も注目しているのが、ヴェリズモ・オペラだと語っ ていましたが、このプッチーニもその時代に属し、アリアとはまた違う細やかな感情表現と強靭な声が要求される、歌手にとって大層手応 えのある歌曲集なのです。世俗的な曲、サロン風の曲、神聖な曲まで、彼女は全ての歌を絶妙な歌唱で表現し、普遍的な愛の心か ら、国家の賛美と言った大掛かりな世界までを見事に表現しています。また「ベアタ・ヴェスケラ」と「王の御旗は進み」の2曲では、自身 でメゾ・ソプラノ・パートを歌う(多重録音)ことで、この1枚を完璧な仕上がりにしています。
NAXOS-8.573476
(1CD)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲集 第1集
ピアノ協奏曲 第1番 ニ長調 Op.17
ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.22
アレグロ・アパッショナート 嬰ハ短調 Op.70(ピアノと管弦楽版)
ロマン・デシャルム(P)
マルメSO
マルク・スーストロ(指)

録音:2015年6月8-9日
サン=サーンスのピアノ協奏曲と言えば、耳にする機会が多いのが第5番「エジプト風」と第2番でしょう。しかし、他の3曲は、演奏会で も取り上げられることは稀であり、彼の作品の中でもあまり目立つことのない存在です。しかし、ローマ賞に挑戦した直後(残念ながら獲 得ならず)の29歳の時に作曲された第1番を始め、ほぼ40年間に渡って書かれた5つの協奏曲は、サン=サーンスの作風の変遷のみ ならず、フランスのピアノ協奏曲の進化を目の当たりにできるきわめて重要な作品です。さすがに第1番はまだ強い個性が発揮されてい るわけではありませんが、幼い頃からピアニストとして才能を発揮していたサン=サーンスらしく、華やかな技巧に彩られた聞き応えのある 曲。その10年後の第2番は、3週間に満たない短期間で仕上げられたにもかかわらず、情熱と叙情に満ちた素晴らしい出来栄えを誇 る傑作です。交響曲全集シリーズを完成させたスーストロとマルメ響をバックに、フランスの名手デシャルムが素晴らしい演奏を聴かせま す。
NAXOS-8.573543
(1CD)
チャイコフスキー:ピアノ作品集
中級程度の12の小品 Op.40
ハープサルの思い出 Op.2
式守満美(P)

録音:2016年3月29-31日
交響曲、バレエ曲などで知られるロシアの作曲家チャイコフスキー。彼は生涯を通じて数多くのピアノ曲も書いていました。これらの多くは 彼の家族や親しい友人、音楽家たちに捧げられており、どれも詩的で温かい感情に満ちた音楽です。またピアノ学習者たちのための作 品も多く、これらは当時の音楽市場で高い需要があったもので、ここに収録された「中級程度の12の小品」も、少し腕があがった学習 者たちにとって、格好の練習曲になると喜ばれた曲集です。華やかなト長調の練習曲で始まり、特徴的なリズムを持つ「マズルカ」や、 叙情的な「悲しい歌」など,多彩で表情豊かな作品が並びます。「ハープサルの思い出」は現在エストニア領である美しい町に滞在した ときの印象が描かれた小品。穏やかな気候に恵まれた保養地で、ここでの印象を3つの小品として作曲。情緒に溢れた美しい作品で す。ロンドンで学び世界で活躍するピアニスト、式守満美の演奏で。
NAXOS-8.573627
(1CD)
コジェルフ:交響曲集
交響曲 イ長調 PosK I:7
交響曲 ハ長調 PosK I:6
交響曲 ニ長調 PosK I:3
交響曲 ト短調 PosK I:5
チェコ室内Oパルドビツェ
マレク・シュティレツ(指)

録音:2016年2月26-29日
ボヘミア出身、教師の父親を持ち、幼い頃から音楽を学んだコジェルフ。一度は法学を学ぶも、最終的には音楽家を志し、1771年、 24歳の時にバレエ曲の上演で作曲家デビューを果たしました。この当時、ボヘミアの音楽家にとってウィーンは憧れの場所であり、コジェ ルフもウィーンでの活躍の機会を覗っていましたが、プラハ国立劇場と契約があり、7年間はこの地に留まり25曲の作品を創り上げま す。そして1778年にウィーンに行き、ここで名ピアニストとして名をあげ、数多くのソナタを書き上げました(これらはGrand Pianoレー ベルで全集録音が進行中です)。また、求められるままに交響曲、室内楽曲、宗教曲など膨大な作品を書き上げたのですが、それら のほとんどが忘れられてしまったのは、あまりにも多作だったため、批評家から「作品の質が悪い」と酷評されたことも一因だといわれていま す。とは言え、同時期のヴァンハルだけでなく、初期ロマン派の作曲家たちにも影響を与えるほどに、強い求心力を備えた彼の作品は、 現代においても魅力的に響きます。
NAXOS-8.559823
(1CD)
ジェニファー・ヒグドン(1962-):全ては壮大な、他
ヴィオラ協奏曲(2014)・・・世界初録音
ーボエ協奏曲(2005)*・・・世界初録音
All Things Majestic-全ては壮大な(2011)
ロベルト・ディアス(Va)
ジェームズ・バトン(Ob)
ナッシュヴィルSO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2016年1月7-9日*、2016年3月25-26日
現代アメリカにおける最も注目されている作曲家の一人が、このジェニファー・ヒグドンです。彼女の「ヴァイオリン協奏曲」は2010年の ピューリッツァー賞を獲得すると共に「パーカッション協奏曲」は同じ年のグラミー賞を受賞。世界中から賞賛が寄せられ、彼女の作品は 世界中で演奏され、60枚以上のCDに録音されているということでもその才能は計り知れないものがあります。 このアルバムには世界初録音の作品を2曲収録。2014年の「ヴィオラ協奏曲」は長らくの友人であるヴィオラ奏者ディアスのために作 曲された作品で、彼女はその時に“ヴィオラの音はとても暗くて重い”ことに改めて気がついたのだそうです。そのため、ヴィオラから華麗な 音色を導き出すための工夫をして出来上がったのがこの作品です。2005年のオーボエ協奏曲は20分程度の長さでありながら、オーボ エの美しい音色を生かした聴き応えたっぷりの曲。アルバム・タイトルの「All Things Majestic-全ては壮大な」は2011年グランド・ ティートン音楽祭からの委嘱作品。彼女の自然に対する愛と賛辞に満ち溢れた描写的な音楽です。
NAXOS-8.572320
(2CD)
ヴァインベルク(1919-1996):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.12
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Op.15
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 Op.37
ヴァイオリン・ソナタ 第4番 Op.39
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 Op.53
ヴァイオリン・ソナタ 第6番 Op.136Bis
ヴァイオリンのためのソナチネ Op.46
グリゴリー・カリノフスキ(Vn)
タティアナ・ゴンチャローヴァ(P)

録音:2010年4月5日、2010年4月22日、2010年9月22日、2010年10月21日、2010年3月17日、2010年12月17日、2010年11月4日
ショスタコーヴィチに比肩する、20世紀後半におけるロシアの優れた作曲家の一人として、最近人気が高まるヴァインベルク。いくつかの レーベルが挙って彼の作品をリリース、NAXOSからも何曲かの交響曲をはじめ、チェロ作品を中心とした器楽曲のアルバムがリリースさ れています。彼は交響曲や弦楽四重奏曲を手掛ける前に、ヴァイオリン・ソナタを書くということが「自身の作曲技法やイディオムを深化 させるのに役立つ」と考えていたようで、これらの6曲のソナタは、彼の作曲技法の変遷を知る上でも、大変興味深い作品群と捉えられ ています。控えめな曲想で始まる第1番、感情表出が大きくうねる第2番を経て、ショスタコーヴィチの影響が強く感じられる第3番では ユダヤ的な作風が現れます。各楽章の変化が面白い第4番、彼の最高傑作とされる第5番、デュオという形式を放棄したかのような独 特な音楽である第6番(最初は「無伴奏ヴィオラソナタ第4番」と同じ作品番号が誤って付されていた)と、個性的な曲が並びます。 民謡風のメロディを持つ「ソナチネ」は耳馴染みのよい古典的な旋律をもち、彼の全作品の中でも演奏される機会の多い曲です。
NAXOS-8.573645
(1CD)
ライタ(1892-1963):管弦楽作品集 第3集
交響曲 第4番「春」Op.52
組曲 第2番 Op.38
交響曲 第3番 Op.45
ペーチSO
ニコラ・パスケ(指)

録音:1995年9月
以前Marco Poloレーベルで発売され、好評を得ていたハンガリーの近代作曲家、ライタの作品集。ブダペストで生まれ、若い頃はライ プツィヒ、ジュネーヴ、パリで学びヨーロッパの音楽文化を身につけた人ですが、ハンガリーの民族音楽を研究するために、第二次世界大 戦が勃発するまではハンガリーに留まり、この地における音楽の発展に寄与しました。彼は生涯に9曲の交響曲を書き、そのどれもが魅 力的な作風を持っています。この第3番は、一時的にロンドンに赴いた1947年から48年にかけて作曲された作品で、同じ頃に作曲し た映画「大聖堂の殺人」のサントラから素材が使われています。交響曲第4番は、ハンガリーの音楽的イディオムを用いた作品で、最終 楽章の賑やかで明るい旋律が、タイトルの「春」の由来となっています。「第2組曲」は本来、神話時代のアテネを舞台にしたバレエ音 楽となるはずでしたが、結局振付が施されず、音楽だけが残りました。快活で描写的な作品です。
NAXOS-8.669037
(2CD)
バーナード・ランズ(1934-):歌劇「ヴィンセント」 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ・・・クリストファー・バーケット(Br)
テオ・ヴァン・ゴッホ・・・ウィル・パーキンス(T)
テオドルス・ヴァン・ゴッホ・・・ジェイソン・エック(Bs-Br)
シーン・・・ケリー・クルーズ(S)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック・・・スティーヴン・リンヴィル(テノー
ル)
アゴスティーナ・セガトーリ・・・ローラ・コニャース(Ms)
ポール・ゴーギャン・・・アダム・ウォルトン(Bs-Br)
ドクター・ペイロン・・・アンドリュー・モースタイン(T)
ドクター・ポール・ガシェ・・・クリストファー・グランディ(Br)
マルゲリーテ・ガシェ・・・ジャミ・レオナルド(S)
インディアナ大学フィルハーモニーO&cho
アルトゥール・ファーゲン(指)

録音:2011年4月9-15日ライヴ
1984年のピューリッツァー音楽賞を受賞したアメリカの作曲家ランズの歌劇「ヴィンセント」。タイトルの通り、オランダの画家フィンセント・ ファン・ゴッホと、彼を取り巻く人々が描かれたこの歌劇は、1970年代にランズがアムステルダムのゴッホ美術館を訪れた際にインスピ レーションを得て、その後40年に渡って画家の生涯について研究を重ねた末に生まれた物語です。 ゴッホと弟テオとの交流、ゴッホの内面における葛藤とその悲劇的な死、様々なエピソードが、ベルクを思わせる“現代的な抒情性”を帯 びた音楽の上で紡がれています。
NAXOS-8.660388(2CD)
マイール(1763-1845):音楽劇「テレマーコ」 テレマーコ・・・シリ・カロリーネ・ソルンヒル(S)
カリプソ・・・アンドレア・ローレン・ブラウン(S)
エウカリ・・・ユン・ジーウォン(S)
メントーレ・・・マルクス・シェーファー(T)
ヴィーナスの司祭・・・カタリーナ・ルックガーバー(S)
バッカスの司祭・・・ニクラス・マルマン(Bs)
バイエルン国立歌劇場choメンバー
ジモン・マイールcho
コンチェルト・デ・バッスス
フランツ・ハウク(ハープシコード&指)
世界初録音

録音:2015年8月29日-9月5日
古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」(ホメロス作と伝承される)の最初の部分に登場する、オデュッセウスの息子テレマーコ(テ レマコス)を主人公とした物語。遺産目当てに母ペネロペに群がる男たちを排除するために、死んだとされる父オデュッセウスを探す旅に 出るテレマーコ。彼に付き添う父の友人メントーレ(実は女神アテナが姿を変えている)。彼らは旅の途中で嵐に遭い、海岸に漂着。 そこで美しいカリプソと出会うのです。この冒険物語は様々なオペラの主題に取り入れられて人気を博しており、マイールの作品も初演 当時高く評価されました。しかし、物語がハッピーエンドでなかったためか、人気が衰えてしまい、以降演奏されることもなく歴史の片隅に 埋もれてしまっていました。マイール研究家であるハウクの尽力によってようやく甦った作品です。

NAXOS 2017年2月発売
NAXOS-8.508015(8CD)
NX-D05
グリーグ:管弦楽作品全集
【CD1:秋に/ピアノ協奏曲他】・・・8.557279
秋にOp.11/ピアノ協奏曲
交響的舞曲Op.64
【CD2:ピアノ作品からの管弦楽編曲集】・・・8.557854
スロッテルOp.72(ゾンメンフェルトによる管弦楽編)
 弟8番:婚礼の行進(粉ひきの少年による)
 第4番:妖精の丘からの舞曲
 第2番:ヨン・ヴェスタフェの飛び跳ね舞曲
ノルウェー舞曲集Op.35(シットによる管弦楽編)
リカルド・ノルドロークのための葬送行進曲EG107(ハルヴォルセンによる管弦楽編)
人びとの生活の情景Op.19-第2曲婚礼の行列(ハルヴォルセンによる管弦楽編)
バラードト短調Op.24(トヴェイトによる管弦楽編)
叙情小品集第5巻Op.54-6「鐘の音」(グリーグ/シードルによる管弦楽編)
【CD3:交響曲ハ短調/古いノルウェーの歌と変奏曲】・・・8.557991
交響曲ハ短調EG119
古いノルウェーの歌と変奏曲(管弦楽版)
組曲「十字軍の兵士シグール」Op.56
第1番:前奏曲「王の広間」
第2番:間奏曲「ボルグヒルの夢」
第3番:忠誠行進曲
【CD4:「ペール・ギュント」組曲第1番/第2番他】・・・8.570236
ペール・ギュント組曲第1番Op.46
 朝/オーゼの死
 アニトラの踊り/山の魔王の宮殿にて
ペール・ギュント組曲第2番Op.55
 イングリッドの嘆き・アラビアの踊り
 ペール・ギュントの帰郷/ソルヴェイグの歌
ビョルンソンの「漁夫の娘」による4つの詩Op.21-第1曲初めての出会い
山の精にとらわれし者Op.32
6つの歌EG177
【CD5-6:「ペール・ギュント」Op.23劇音楽全曲版他】・・・8.570871-72
「ペール・ギュント」Op.23(全曲版)
南の修道院にてOp.20
ベルグリョートOp.42
【CD7:組曲「ホルベアの時代から」他】・・・8.572403
2つの悲しき旋律Op.34
2つのメロディOp.53
組曲「ホルベアの時代より」Op.40
2つの叙情小品Op.68
2つのノルウェーの旋律Op.63
抒情組曲Op.54
【CD8:付随音楽「十字軍の兵士シグール」他】・・・8.573045
故郷への帰還Op.31
付随音楽「十字軍の兵士シグール」Op22(抜粋)
 第4番:北国の人々/第8番:王の歌
 第9番:ホルンのシグナル/第1番:はじめに
 間奏曲
オラヴ・トリュグヴァソンOp.50
 第1場:多くの刺激的な名前に隠された
 第2場:あなたが呼ぶほどではない
 第3場:すべての神に感謝の恵みを捧げる
ノイペルト(1842-1888):習作Op.26-第1楽章アンダンティーノ(グリーグによる管弦楽編)
【CD1】
ホーヴァル・ギムセ(P)・
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2003年5月13-15日

【CD2】・・・8.557854
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2005年5月2-3日

【CD3】
マルメSO
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2006年4月10-13日

【CD4】
インガー・ダム=イェンセン(S)
パレ・クヌーセン(Br)
マルメSO
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2006年5月29-31日

【CD5-6】
ハンス・ヤコプ・サント(俳優)
アンネ・マリット・ヤコプセン(女優)
エーリク・ヒヴュ(俳優)
イーサ・ゲーリケ(S)
ユンニ・ローヴリ(S)
レーナ・ヴィッレマルク(S)
ベルク・シュステン・ブローテン(Ms)
イツィアール・マルティネス・ガルドス(Ms)
ユングヴェ・アンドレ・ソベルグ(Br)
クヌート・スティクレスター(Bs) 他
マルメ室内cho
ルント・クルチュアシュコラン少年少女cho
マルメSO
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2004年9月29日-10月2日、2008年1月11日、2006年8月23日、2006年8月24-25日

【CD7-8】
ユングヴェ・アンドレ・ソベルグ(Br)
ヘルゲ・ロニング(T)
ニーナ・グラーヴロク
マリアンヌE.アンデルセン(A)
マグネ・フレンメリー(Br)
マルメSO
マルメ室内cho
ルンド大学男声cho
マルメ歌劇場OO&cho
ビャルテ・エンゲセト(指)
録音:2009年5月26日、2012年6月7-9日
グリーグの管弦楽作品を全曲収録したこのBOX。グリーグが生涯に渡って追求したノルウェーの民族音楽の影響をはじめ、彼が愛した自然の情景、豊かな情感が、卓越した管弦楽法を用いて描かれています。どの作品も共感に溢れた素晴らしい演奏ですが、中でも、グリーグの代表作の一つ、イプセンの戯曲に基づいた「ペール・ギュント」の音楽は、一般的な組曲版の他、劇音楽完全版も収録。ノルウェーの演奏家たちの原語による勢いに満ちた演奏を聴くと、この作品の本来の姿が目の前に浮かび上がってくることでしょう。演奏しているエンゲセトはノルウェーを代表する指揮者の一人。シベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに師事し、1989年の卒業後はスカンジナビア半島全域で指揮者として活躍、NAXOSにもこのグリーグをはじめ、シベリウスやスヴェンセンなど北欧の音楽を多数録音している実力派です。
NAXOS-8.503290(3CD)
ヒンデミット:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲第2番ヘ短調Op.10
弦楽四重奏曲第3番ハ長調Op.16
弦楽四重奏曲第5番Op.32
弦楽四重奏曲第6番変ホ長調
弦楽四重奏曲第7番変ホ長調
弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.2
弦楽四重奏曲第4番Op.22
アマルSQ

録音:2009年〜2010年
卓越したヴィオラの腕前を持ち、また、ヴァイオリニストとしても才能を発揮した作曲家ヒンデミット。彼は1920年から8年間に渡って、自ら「アマル弦楽四重奏団」を結成、ヴィオラ奏者として活動し、生涯7つの弦楽四重奏曲を書き、ドイツ弦楽四重奏曲の伝統を継承する作曲家です。しかし、その作品を聴く機会は本当に少なく、同じ「新古典派主義」のバルトークに比べると録音の数も驚くほど些少です。この3枚組では、ヒンデミットの弦楽四重奏曲を全て収録。まず1918年に書かれた第2番は、彼の戦争経験が暗く影を落とした作品です。もちろん先人の影響は受けているものの、音楽はもっと簡潔であり、また、多くのことを語っています。驚くほど抒情的な第2楽章の変奏曲は、何かのパロディなのでしょうか。その2年後に書かれた第3番は、わずか2日間で書いたとされ、ドナウエッシンゲン音楽祭で華々しい成功を収めた作品。こちらは若々しいエネルギーに満ちた情熱的な音楽で、彼の室内楽の中でも最高傑作のひとつです。1923年作曲の第5番は、不協和音と厳格な対位法が同居する洗練された作品で、終楽章のパッサカリアでの主題が発展していく様をぜひお聴きください。1943年の第6番はまさに彼の創作の頂点をなす作品で、以前の作品からの引用と、緊密な展開が楽しめると同時に、若干わかりやすい和声に終始している面も注目です。第7番はエール大学で「実用音楽」論を唱えていた時、アマチュアのチェリストであった彼の妻や、学生が弾くことも考慮して書かれた作品で、こちらは更に聴きやすさを増した音楽が特徴です。第1番は後期ロマン派の雰囲気を継承した調性感たっぷりの耳に優しい音楽。第4番はかなり先進的で、激しさも抱いています。このシリーズを通して素晴らしい演奏を披露している、1995年に創立された「アマル弦楽四重奏団」は、ヒンデミット生誕100年を記念して、ヒンデミット作品の優れた解釈に拠って、歴史的な名前を授与されたアンサンブルです。
NAXOS-8.573460(1CD)
R・シュトラウス:「町人貴族」組曲Op.60(1912)
「ナクソス島のアリアドネ」交響的組曲(D.ウィルソン・オチョアによる管弦楽版)(1912/2010)
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)
録音:2014年11月3日、2016年3月20日
1900年代初頭からコンビを組んだリヒャルト・シュトラウスとホフマンスタールの2人は「エレクトラ」「ばらの騎士」と次々と成功作を世に送り出しました。彼らが次に手掛けたのは、17世紀の劇作家モリエールの「町人貴族」でした。ホフマンスタールは最初「町人貴族」の物語の劇中劇として「ナクソス島のアリアドネ」を組み込み、1912年に上演したのですが、長すぎたせいか大失敗。そこで、彼らはこの「アリアドネ」を独立させ、別の作品として発表。「町人貴族」はオペラではなく劇として再編し、シュトラウスの書いた付随音楽はそのまま残し、新たな曲を加えて1917年に完成をみています。そのためシュトラウスの作品番号にはOp.60が2つ存在しています。このアルバムでは「町人貴族」は組曲版、「アリアドネ」は2010年にオチョアによって編纂された「交響的組曲」が演奏されています。ユーモアの風味はそのままに、贅沢な味付けで生まれ変わった名作をファレッタの指揮でお楽しみください。
NAXOS-8.573610(1CD)
モニューシュコ:バレエ音楽集
1.演奏会用ポロネーズ(1866)
歌劇「伯爵夫人」:バレエ音楽(1859)
「アントニ・オロフスキ」より葬送行進曲(作曲年代不詳)
市民のポロネーズ(1863以降)
歌劇「ハルカ」第1幕:マズルカ(1857)
歌劇「ハルカ」第3幕:高地の踊り(1857)
「ウィンザーの陽気な女房たち」バレエ音楽(1849頃)
「モンテ・クリスト伯」:マズルカ(1866)
「ヤウヌータ」:ジプシーの踊り(1860)
レオカディア・ポルカ(作曲年代不詳)
「幽霊屋敷」第1幕:マズルカ(1864)
ワルシャワPO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2011年8月29日-9月2日
19世紀ポーランドを代表するオペラ作曲家であり、ショパンとシマノフスキーのギャップを埋める存在であるスタニスワフ・モニューシュコ。4歳でピアノを始め、18歳の時にベルリンのジングアカデミーに留学。2年間学んだ後にポーランドに帰国、結婚、ビリニュスでピアノ教師と劇場オーケストラの指揮者として活躍した人です。彼は作曲家として、歌劇だけでなく、バレエ音楽をはじめとした管弦楽作品もいくつか残しましたが、そのどれもが大衆的な題材に基づく、ポーランドの愛国主義精神を賛美、聴衆からも大きな賛同を得ました。1863年から64年にかけて、ワルシャワに起きた「1月蜂起」の影響で、劇場での職を失ってしまいましたが、亡くなるまで歌劇の作曲を手掛けていたとされています。このアルバムでは、ポーランドを代表する指揮者ヴィトの演奏で、モニューシュコの有名な歌劇「ハルカ」「伯爵夫人」のバレエ音楽と、単独の舞曲など、ポーランドの民族意識を強く感じさせる作品を楽しめます。
NAXOS-8.573738(1CD)
ハルヴォルセン、/ニールセン:ヴァイオリン協奏曲集他
ハルヴォルセン(1864-1935):ヴァイオリン協奏曲Op.28*
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲Op.33
スヴェンセン(1840-1911):ロマンス(1881)
ヘニング・クラッゲルード(Vn)
マルメSO
ビャルテ・エンゲセト(指)

録音:2016年8月29日-9月1日
*=世界初、商業録音
ノルウェーのハルヴォルセンとデンマークのニールセン。そして同じくノルウェーのスヴェンセン。北欧の3人の作曲家のヴァイオリン作品を集めた1枚です。もともと優れたヴァイオリニストとして活動していたハルヴォルセンは、1907年の春、いくつかの新聞のインタビューで「私は今、ヴァイオリン協奏曲を作っている」と応えたため、ノルウェーの音楽界は作品の完成を熱望していました。しかし、独学で作曲を学んだ彼は作品を仕上げる自信が持てず(それまでに編曲や小品は手掛けていたにもかかわらず)結局のところ、なかなか協奏曲を発表できなかったのです。しかし、当時17歳の才能溢れるカナダの女性ヴァイオリニスト、キャスリーン・パーロウの演奏を聴いたハルヴォルセンは、その名技に感銘を受け、ようやく1908年の秋に協奏曲を完成。その翌年彼女の演奏により初演されたのです。聴衆たちは作品に大絶賛を送りましたが、パーロウ以外の奏者はこの曲を演奏することもなく、そのうちほとんど忘れられてしまいました。ハルヴォルセンは1929年に引退した際、多くの譜面を燃やしてしまったのですが、パーロウが保存していた写譜をもとに、今回のクラッゲルードの演奏で曲が甦ったのです。
NAXOS-8.572799(1CD)
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調
Op.26
マーラー:ピアノ四重奏曲イ短調
アントン・バラホフスキー(Vn)
アレクサンドル・ゼムツォフ(Va)
ヴォルフガンク・エマヌエル・シュミット(Vc)
エルダー・ネボルシン(P)

録音:2012年10月25-28日
先に発売された第1番と第3番のピアノ四重奏曲は、現在バイエルン放送SOのコンサート・マスターをはじめ、世界で活躍するヴァイオリニスト、バラホフスキーと、若手ピアニスト、ネボルシンを中心とした緊迫感溢れる見事なアンサンブルが繰り広げられた名演でしたが、穏やかな第2番では、4人の奏者たちがゆったりと伸びやかな音楽を奏でています。ブラームスのピアノ四重奏曲の中では、比較的地味な存在ですが、第1楽章では田園的な曲調の中にも、時々短調の荒々しい部分が見え隠れするなど、50分近い長さの中に緊密な構成が凝らされた大作です。第2楽章はブラームスらしい陰鬱な美しさを湛え、本来なら快活な楽章である第3楽章のスケルツォも悠然とした雰囲気を持っています。楽しげな終楽章も聞き物で、ブラームスが存命だった頃は、3曲の中で一番人気を誇っていたというのもうなずける出来栄えです。マーラーの作品は、学生時代の習作ですが、すでにマーラーらしい厭世観と激情を併せ持つ個性的な曲です。
NAXOS-8.573425(1CD)
ツェルニー:オルガン作品集
前奏曲とフーガ イ短調 Op.607(1838)
20の短いヴォランタリー集Op.698(1841)
 第1番:ヘ長調/第2番:変ロ長調
 第3番:ハ長調/第4番:ト長調
 第5番:ハ長調/第6番:変ホ長調
 第7番:変イ長調/第8番:ホ長調
 第9番:ト短調/第10番:ニ長調
 第11番:ハ短調/第12番:ト長調
 第13番:変ホ長調/第14番:変ロ長調
 第15番:ト短調/第16番:ヘ長調
 第17番:ニ長調/第18番:イ長調
 第19番:イ短調/第20番:ト長調
12の入門者または中級者のためのヴォランタリーOp.627(1841)
 第1番:変ホ長調/第2番:ヘ長調
 第3番:ハ短調/第4番:ハ長調
 第5番:イ長調/第6番:変ロ長調
 第7番:ニ短調第8番:変イ長調
 第9番:ホ長調/第10番:変ロ長調
 第11番:ヘ長調/第12番:ニ長調
イアイン・クイン(Org)

録音:2014年7月28-30日
ベートーヴェンの弟子であり、友人、そしてリストの師であったツェルニーは、主に「ピアノ練習曲」の作曲家としてのみ知られていましたが、最近になってその数多い作品の真の価値が見い出されるようになってきました。一説には「晩年のツェルニーは宗教曲作曲家への転身を図っていた」といわれるほどに、数多く作曲された宗教作品に関しては、まだまだ研究し尽されておらず、このオルガン作品集も、ほとんど耳にする機会のない珍しい作品の一つです。もともとツェルニーの父、ヴェンツェルはプラハ近郊のベネディクト修道院で聖職者として務めていた人物で、オルガン曲には親しみを抱いていたチェルニーですが、1837年に英国を訪れた際、当時盛んに建造が行われていたオルガンのレパートリーの拡大と、その奏者を育成するために「練習曲」の作曲を依頼され、これらを作曲。「短いヴォランタリー」はそのまま礼拝時に演奏できるように瞑想的に書かれており、「12のヴォランタリー」は対位法の練習に重点が置かれた技巧的な書法で書かれています。当時大人気を誇ったメンデルスゾーン作品にも匹敵する名作です。
NAXOS-8.579009(1CD)
アッティラ(1969-):交響曲第2番ハ短調「ガリポリ-第57連隊」(2014) オウル・センラー(Vc)
アンジェラ・アヒスカル(S)
ビルケントSO
ブラク・トゥドゥン(指)

録音:2015年4月27-29日
世界初録音
このアルバムのタイトルになっている「ガリポリの戦い」は第一次世界大戦中、イスタンブール占領を目指した連合軍がダーダネルス海峡の西側のガリポリ半島に対して行った上陸作戦を指す言葉。当時弱体化していたオスマン帝国軍の制圧については楽勝と思われていた戦いに対し、オスマン帝国の指揮官ムスタファ・ケマル・アタテュルクの元に結託したオスマン帝国軍の抵抗は固く、連合軍は多大な損害を出して撤退することとなったという史実です。2012年にこの物語が映画化される際、映画音楽を担当したのが、作曲家アッティラでした。アッティラはその後、このスコアを交響曲として再構築し、この戦いで悲劇的な死を遂げた第57連隊とオーストラリアおよびニュージーランド合同の軍事組織アンザックの兵士たち、他、多くの人々へ捧げられています。独奏チェロとソプラノ独唱が効果的に用いられており、終楽章ではベートーヴェンを思わせる平和への讃歌で曲を閉じるという感動的な作品です。
NAXOS-8.573505(1CD)
エンリケ・ソロ(1884-1954):管弦楽作品集
幻想的舞曲(1916)
3つのチリのアイレス
ンダンテ・アパッショナート(管弦楽版)(1916)*
シンフォニア・ロマンティカ(1921)*
チリSO
ホセ・ルイス・ドミンゲス(指)

録音:2015年9月22-25日
*=世界初録音
20世紀を代表するチリの作曲家、エンリケ・ソロの作品集。彼は著名なピアニストであり、指揮者、教師としても賞賛を集め、1921年に作曲された「シンフォニア・ロマンティカ」はチリ初の交響曲として、チリの音楽史に記されています。1884年生まれのソロの父はコンセプシオンに定住したイタリア人音楽家で、母は学校を経営し、フランス語を教えていました。文化的な彼の家には、多くの音楽家や文学者が集い、幼いソロの音楽的才能は知らずして開花していたようです。彼に最初の音楽教育を施した父が死去した後、彼についてヨーロッパでの本格的な勉強の必要を感じた母はチリ政府に助成金を申請、それが認可されると、ソロは父の母校であるミラノ音楽院に入学します。1904年に卒業し、数々の賞を獲得した彼は21歳の時にチリに帰国。その後はチリの音楽的発展に力を尽くします。作品はどれも南米の民族要素とイタリアの明るさが融合されており、魅惑的な響きと甘い旋律は聴き手の心を捉えます。ドヴォルザークやチャイコフスキー作品を思わせる重厚な「シンフォニア・ロマンティカ」はソロの代表作。美しいメロディが豊かなオーケストレーションで滔々と歌われます。
NAXOS-8.555527(1CD)
シュポア(1784-1859):交響曲第7番・第8番
交響曲第7番ハ長調「人生の世俗と神聖」Op.121
交響曲 第8番 ト長調 Op.137
スロヴァキア国立PO
アルフレート・ヴァルター(指)

録音1991年3月26-28日
※Marco Polo 8.223432からの移行盤
若い頃は優れたヴァイオリニストとして活躍しながら、ゴーダの宮廷楽長に就任し、その後はアン・デア・ウィーン劇場の指揮者を経て、フランクフルト歌劇場の監督へと登りつめたルイ・シュポア。ベートーヴェンとも親しく、当時のヨーロッパの音楽界を席巻していた彼は、作品も数多く残しています。もちろんヴァイオリン作品が有名ですが、10曲ある交響曲(第10番は未完)も、当時の様式を遵守しながらも、いくつかの交響曲には標題をつけるなど、常に探究心を怠らない独創的な作品を生み出していたのでした。このアルバムでは後期の2曲の交響曲を収録。第7番は彼が自然の美しさを楽しむためにスイスに旅行した際に着想した作品。地上と神を表すために、2組のオーケストラを用いて各々のパートで発生する「対立」を描くという革新的なことをしています。第8番は第4回目の英国訪問の際にロンドンのフィルハーモニー協会から委嘱された作品。古典派ではなく、完全にロマン派の作風で書かれた、ブラームスを予見させる大作です。
NAXOS-8.573464(1CD)
ドヴィエンヌ(1759-1803):フルート協奏曲集第2集
フルート協奏曲第5番ト長調
フルート協奏曲第6番ニ長調
フルート協奏曲第7番ホ短調
フルート協奏曲第8番ト長調
パトリック・ガロワ(Fl)
スウェーデン室内O

録音:2015年1月12-14日
18世紀末、フランスで活躍した作曲家フランソワ・ドヴィエンヌ。音楽を嗜む家庭に生まれ、20歳でパリ・オペラ座Oのバスーン奏者として入団した後に、フェリックス・ロートからフルートを学び、その3年後にはパリのコンセール・スピリテュエルで自作のフルート協奏曲を演奏してデビューしたという才能の持ち主です。彼の作品のほとんどが管楽器のために書かれており、フルート協奏曲は13曲現存しています。それらはほぼ3つのグループに分類され、最初の4曲は1785年以前、第5番-第9番は1787年から1794年頃、第10番-第13番は晩年に作曲されています。このアルバムに収録された中期の作品は、1曲ごとに実験的な要素(技術的にも)が加えられており、少しずつ洗練されていく曲調が彼の作風の変遷を物語っています。第1集と同じく、名手ガロワのフルートと、スウェーデン室内Oの颯爽とした演奏でお楽しみください。
NAXOS-8.571374(1CD)
フリッカー(1920-1990):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番Op.8(1848-1849)*
弦楽四重奏曲第2番Op.20(1952-1953)
弦楽四重奏曲第3番Op.73(1976)*
アダージョとスケルツォ(1943)
アダージョ*
スケルツォ(アレグロ)*
ヴィラーズSQ
[ジェームズ・ディケンソン(第1Vn)
東環樹(第2Vn)
カルメン・フローレス(Va)
ニコラス・ストリングフェロー(Vc)]

録音:2015年10月15.16日、2016年7月16日、2016年1月6日
*=世界初録音
名ホルン奏者デニス・ブレインの友人としても知られるイギリスの作曲家ピーター・ラシーヌ・フリッカーの弦楽四重奏曲集。セント・ポール大聖堂の学生だった彼はオルガン演奏に興味を持ち、特に対位法の研究に力を注ぎ、20代後半まではコンサート・オルガン奏者として活躍していました。1940年に軍隊に入隊、この時期にはピアノ曲を作りつつ、弦楽四重奏曲の萌芽ともいえるアダージョとスケルツォの作曲に着手します。その後、Op.5の管楽五重奏曲が、ブレインをはじめとした奏者たちによって録音され、フリッカーの名前が世界的に知られるようになり、1949年に作曲した交響曲第1番は、栄誉ある“クーセヴィッツキー賞”を獲得、彼のキャリアが決定付けられました。そんな時期に初演されたこの弦楽四重奏曲第1番は「万人受けするものではないが特有のスタイルを持っている」と音楽誌で評されるなど、その才能は多くの人から注目され、彼も多くの作品を次々に発表します。しかし、保守的な作風に終始拘ったためか、徐々に忘れられてしまい、現在ではその作品のほとんどは演奏される機会もありません。2010年代以降、少しずつ復権がが進んでいる作曲家です。
NAXOS-8.573708(1CD)
D・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第17集
ソナタニ長調K.400/L.213/P.228
ソナタト長調K.374/L.76/P.472
ソナタト長調K.372/L.302/P.402
ソナタト長調K.325/L.37/P.451
ソナタト長調K.521/L.408/P.492
ソナタト長調K.477/L.290/P.419
ソナタハ長調K.527/L.458/P.531
ソナタヘ長調K.3558/L.Supp.22/P.344
ソナタヘ長調K.468/L.226/P.507
ソナタヘ長調K.445/L.385/P.468
ソナタヘ短調K.386/L.171/P.137
ソナタヘ長調K.543/L.227/P.547
ソナタ変ロ長調K.311/L.144/P.227
ソナタイ長調K.342/L.191/P.341
ソナタニ長調K.512/L.339/P.359
ソナタニ長調K.490/L.206/P.476
ソナタヘ長調K.506/L.70/P.409
ソナタヘ長調K.418/L.26/P.518
ショーン・ケナード(P)

録音:2015年9月14-17日
17世紀から18世紀、スカルラッティ一族は当時のヨーロッパを全てカバーするほどの知名度を保っていました。ドメニコの父アレッサンドロも著名なオペラ作曲家であり、ドメニコも幼いうちから高度な音楽教育を受けました。16歳でナポリの教会付き作曲家兼オルガニストとなり、その演奏技術はヨーロッパ中で知らぬ者はいないほど。ある時はヘンデルとオルガンの腕前を競い合ったとも言われています。1720年にリスボンに行き、マリア・マグダレーナ・バルバラ王女に音楽を教え始め、そのために書いた555曲の練習曲が現在「ソナタ」として親しまれている作品で、そのほとんどは単一楽章の短い曲ですが、これらは変化に富んでおり、聴いているだけでも楽しいものです。NAXOSで進行中のスカルラッティのソナタ全曲録音は、話題のピアニストを一人ずつ起用(時には複数のアルバムを担当することも)、その演奏に彩りと変化をもたせています。第17集を担当するピアニストは1984年生まれの若手ケナード。数多くのコンクールの入賞歴を持っていますが、とりわけ2004年に開催された仙台国際ピアノコンクールでの入賞で日本国内でも知られるようになった人です。瑞々しく伸びやかな表現が持ち味です。
NAXOS-8.573720(1CD)
パトリック・ホーズ(1958-):合唱作品

Revelation〜啓示(2006)
Beatitudes〜至福(2016)
レスリー・デアス(P)
ジョン・ジョンソン(アルトSax)
エローラ・シンガーズ
ノエル・エジソン(指)

録音:2016年8月1.2日
世界初録音(トラック23を除く)
日本では一部の合唱好きの間でのみ知られる作曲家パトリック・ホーズ。しかし彼の母国イギリスでは絶大な人気を誇り、多くの合唱団がその作品を手掛けています。このアルバムには、聖書からテキストが採られた「啓示」と「至福」を中心に、2016年に作曲された最新作までを、カナダのアンサンブル「エローラ・シンガーズ」が絶妙のハーモニーで聴かせています。黙示録による「啓示」では光と闇の情景を交互に描き出し、マタイの福音書による「至福」ではゆったりとしたピアノの伴奏と共に、神秘的な慰めの旋律が展開されています。全て“純粋であること”にこだわったというホーズの音楽は、ひたすら美しく感動的です。アルバムの最後に置かれた「QuantaQualia」はサックス独奏を伴う短い作品。エローラ・シンガーズの強い希望で収録されたという特別な一曲です。
NAXOS-8.573258(1CD)
カリッシミ(1605-1674):8つのモテット集
Audivi vocem〜私は天からの声をきく〜3声,2台のヴァイオリン,リュート,テオルボと通奏低音のための
Christus factus est〜キリストは我らのために〜2部合唱と通奏低音のための
Usquequo peccatores〜どれ程長く罪人たちは〜合唱,2台のヴァイオリン,リュートと通奏低音のための
Dixit Dominus〜主は言われた2部合唱と通奏低音のための
Silentium tenebant〜静寂がもたらされた3声、2台のヴァイオリンと通奏低音のための
Sustinuimus in pacem〜我らは平和を待ち続ける
6声と通奏低音のための
Timete Dominum〜神を恐れたまえ〜5声と通奏低音のための
Hodie Salvator Mundi〜今日は世界の救い主が〜6声,2台のヴァイオリンと通奏低音のための
コンソルティウム・カリッシミ(アンサンブル)
ギャリック・コモー

録音:2015年7月19-24日
イタリア・バロック時代の作曲家カリッシミはオラトリオの形式を確立した業績で知られています。しかしより小さな形であるモテットでも、声の魅力が存分に発揮された美しく精緻な作品を数多く書き、これらはモンテヴェルディに比肩する重要な作品として認知されています。とは言え、彼の楽譜のほとんどは戦争によって失われてしまった上(写筆譜のみ残存)公演の記録も残っていないため、これらの作品が実際にどのような状況で演奏されたのかはわかっておらず、いくつかの断片的な資料に基づいて研究が進んでいるところです。しかし、声と楽器が織り成す立体的な響きは、聴き手の耳を喜ばせるに充分の味わいを持っています。コンソルティウム・カリッシミは1996年、ローマで設立されたアンサンブル。作曲当時の様式を大切にし、当時用いられていたであろうピッチ(このアルバムでは415Hz)を採用するなど、演奏法に徹底した拘りを持っています。設立当初のヴォーカル・メンバーは男声のみで構成されていましたが、現在ではソプラノに女声を加え、より多彩な響きを追求しています。
NAXOS-8.501206
(12CD+1DVD)
NX-G05
イディル・ビレット〜バッハ&モーツァルト:作品集
【CD1】・・・8.571310
バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
フランス組曲第5番ト長調BWV816
イギリス組曲第3番ト短調BWV808
【CD2】・・・8.571311
バッハ:平均律クラヴィーア曲集
第1集第1番-第16番BWV846-861
【CD3】・・・8.571312
バッハ:平均律クラヴィーア曲集
第1集第17番-第24番BWV862-869
第2集第1番-第4番BWV870-873
【CD4】・・・8.571313
バッハ:平均律クラヴィーア曲集
第2集第1番-第5番BWV874-883
【CD5】・・・8.571314
バッハ:平均律クラヴィーア曲集
第2集第15番-第24番BWV884-893
【CD6】・・・8.571315
ビレットの様々な時代のバッハ演奏
平均律クラヴィーア曲集第1集第5番BWV850(1949年フランス)*
半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903(1953年フランス)*
ピアノ協奏曲ニ短調BWV1052(1989年ドイツ)
イタリア協奏曲BWV971(2015年ベルギー)
協奏曲ヘ短調BWV1056(2016年トルコ)
【CD7】・・・8.571316
バッハ:幻想曲とフーガト短調(リスト編)
プレストト短調(ブラームス編)
シャコンヌニ短調(ブラームス編)
前奏曲、ガヴォットとジーグ(ラフマニノフ編)
コラールとカンタータより(ケンプ編)
【CD8】・・・8.571300
モーツァルト:幻想曲ハ短調K475
ソナタ第14番ハ短調K457
ソナタ第11番イ長調K331*
【CD9】・・・8.571306
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第13番ハ長調K415
ピアノ協奏曲第17番ト長調K453
【CD10】・・・8.571317
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第15番変ロ長調K450
ピアノ協奏曲第24番ハ短調K491
【CD11】・・・8.571318
モーツァルト:ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K271
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
【CD12】・・・8.571331
バッハ:1.シャコンヌニ短調(ブラームス編)
 フランス組曲第5番BWV816*
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲K365#

【DVD】・・・2.110373
Part1…バッハ:協奏曲ニ短調(音声なし、断片のみ)
Part2…バッハ:幻想曲とフーガニ短調(リスト編)
Part3…バッハ:.半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903
イタリア協奏曲BWV903
フランス組曲第5番BWV816
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
平均律クラヴィーア曲集より:4つの前奏曲とフーガ
コラール BWV307/734(ケンプ編)
全て、イディル・ビレット(P)

【CD1】
録音 2015年4月24-26日

【CD2】
録音年不明

【CD3】
録音年不明

【CD4】
録音年不明

【CD5】
録音年不明

【CD6】
*=放送録音、他は演奏会録音

【CD7】
録音年不明

【CD8】
録音:2000年9月23日、1993年10月21日*

【CD9】・・・8.571306
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
パトリック・ガロワ(指)
録音:2014年12月17-18日

【CD10-11】
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
ジョン・ギボンズ(指)
演奏会録音

【CD12】
ジャン・フランセ(P)
RTF室内O
ナディア・ブーランジェ(指)
録音:1993年パリ(ライヴ)
1980年アメリカメリーランド(ライヴ)*
1954年11月23日パリ(ライヴ)#

【DVD】
Part1:1948年アンカラ放送
Part2:2011年イスラエルでのリサイタルより
Part3:2016年イスタンブールでのリサイタル
世界中で絶賛されているトルコ出身の女性ピアニスト、イディル・ビレットが演奏するバッハとモーツァルト。イギリスの“デイリー・テレグラフ”誌、イギリスの“グラモフォン”誌をはじめ、数多くの紙面でも賞賛されたライヴ録音を含む素晴らしいBOXです。これまでに分売されていないアイテムの中には、1954年にジャン・フランセとともにピアノを担当し、ナディア・ブーランジェの指揮によるモーツァルトの「2台ピアノのための協奏曲」も含まれています。DVDには2016年に開催されたイスタンブールでのリサイタルと、2011年のイスラエルでのリサイタルの一部の他、とても貴重な1948年の演奏風景の断片を収録。ファンにとっても嬉しい集大成です。

NAXOS 2017年1月発売
NAXOS-8.504048
(4CD)
NX-B06
ロッシーニ:序曲全集 BOX
■第1集・・・8.570933
1.「泥棒かささぎ」序曲
2.「セミラーミデ」序曲
3.「イギリスの女王エリザベッタ」序曲(「セヴィリアの理髪師」序曲)
4.「オテッロ」序曲
5.「コリントの包囲」序曲
6.シンフォニア ニ長調「コンヴェンテッロ」
7.「エルミオーネ」序曲
■第2集・・・8.570934
1.「ウィリアム・テル」序曲
2.「エドゥアルドとクリスティーナ」序曲
3.「幸運な間違い」序曲
4.「絹のはしご」序曲
5.「デメートリオとポリビオ」序曲
6.「ブルスキーノ氏」序曲
7.シンフォニア ニ長調「ボローニャ」
8.「シジスモンド」序曲
■第3集・・・8.570935
1.「マオメット2世」序曲(1822年 ヴェニス版)
2.「アルジェのイタリア女」序曲
3.「チェネレントラ」序曲
4.コントラバスのオブリガード付き「大序曲」
5.「マティルデ・ディ・シャブラン または美女と鉄の心」序曲
6.「婚約手形」序曲
7.「タンクレディ」序曲
■第4集・・・8.572735
1.「セヴィリャの理髪師」-序曲
2.「イタリアのトルコ人」-序曲
3.シンフォニア 変ホ長調
4.「リッチャルドとゾライデ」-第1幕 序曲
5.「トルヴァルドとドルリスカ」-第1幕 シンフォニア
6.「アルミーダ」-第1幕 シンフォニア
7.「オリー伯爵」-第1幕 序奏
8.「ビアンカとファッリエーロ」-シンフォニア
■第1集・・・8.570933
プラハ・フィルハーモニックcho…7
プラハ・シンフォニア
クリスティアン・ベンダ(指)
録音:2011年9月5-6日

■第2集・・・8.570934
プラハ・シンフォニア
クリスティアン・ベンダ(指)
録音:2011年9月5-6日、2012年5月30.31日

■第3集・・・8.570935
プラハ・シンフォニア
クリスティアン・ベンダ(指)
録音:2011年9月5-6日 チェコ プラハ Kulturni dum Barikadniku…2-3
2012年5月30-31日 プラハ at Produkcni dum Vzlet…1.4-7

■第4集・・・8.572735
プラハ・シンフォニア
クリスティアン・ベンダ(指)
録音:2011年9月5-6日、2012年5月30-31日
ロッシーニの時代における歌劇の“序曲”はこれから始まる壮大な歌物語の前哨戦であり、また時にはざわつく観客たちを静かにさせる目的を持ったものでした。ただ、 ロッシーニはあまり“序曲”に重きを置いてはいなかったようで、作品によっては使い回しをしたり(例えば、あの有名な《セヴィリアの理髪師》の序曲は《イギリスの女王 エリザベッタ》の序曲の使いまわし)と、必ずしも劇本編の内容に沿ったものではありません。しかし、そのどれもがコミカルな要素と軽快なリズムを持つ多彩な曲であ り、オーケストラの用法も色彩豊かで、ストーリーが目に浮かぶかのような雄弁な音楽です。 ベンダ指揮、プラハ・シンフォニアによるこの4枚組BOXは、演奏の素晴らしさにより“American Record Guide”をはじめとした音楽誌で高く評価されました。
NAXOS-8.559790(1CD)
バーンスタイン:交響曲集
交響曲 第1番「エレミア」(1942)
交響曲 第2番「不安の時代」
ジェニファー・ジョンソン・カーノ(Ms)
ジャン=イヴ・ティボーテ(P)
ボルティモアSO
マリン・オルソップ(指)

録音 :2014年11月21-23日ライヴ、2013年9月27-28日ライヴ
指揮者としてハイドンからマーラーまでを自在に演奏し、優れた解釈を聴かせた“作曲家”バーンスタインは、他の20世紀の作曲家たちに比べ、交響曲の仕組みを 深く理解していたと想像できます。しかし、そのバーンスタイン本人の交響曲は、どれも伝統の枠組みにはまることはありませんでした。「私はこれまでずっと“時代の危 機”と“信仰の危機”から生まれる苦難について作品を書いてきた」と1977年に彼自身が語ったように、交響曲第1番「エレミア」はエルサレムの破壊に苦しむ民の嘆 きを描くために「エレミアの哀歌」からテキストを採った意欲的な作品で、1939年から1942年に作曲され、1944年に初演され大評判となりました。W.H.オーデンの 同名の詩に触発された第2番「不安の時代」は1947年から1948年の作品で、作品自体は声楽を使わず、ピアノ独奏を伴うという変則的な曲。ニューヨークに住 む4人の孤独な心が描かれた大胆な構成と、時にはジャズのイディオムも感じられる独創的な交響曲です。
NAXOS-8.573666(1CD)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲他
ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35
弦楽四重奏曲 第2番 イ長調 Op.68-第3楽章 ワルツ(ボリス・ギルトブルクによるピアノ編)
ピアノ協奏曲 第2番 へ長調 Op.102
弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 Op.110(ボリス・ギルトブルクによるピアノ編)
ボリス・ギルトブルグ(P)
リーズ・オーウェン(Tp)
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2016年1月21.22.25日、2016年1月16日
およそ30年のブランクを経て書かれたショスタコーヴィチの2つのピアノ協奏曲。1933年に作曲された第1番はトランペットがピアノと同等に活躍する「二重協奏曲」で あり、もともとトランペット協奏曲としてかかれた後、ピアノ・パートを書き加え、全体のバランスを取ったという成立経緯があります。また自作や他人の作品からの引用 も多く、全体的には同時期に書かれた「ムツェンスク郡のマクベス夫人」と雰囲気が似ています。ピアノとトランペットは時に対立しながらも、第2楽章では美しく陰鬱な ワルツを歌い上げます。第2番は1957年の作曲で、彼の息子マクシムのピアノ練習用として書かれました。 第3楽章の「ハノン(代表的なピアノの練習曲)」の引用が有名ですが、この曲も第2楽章に美しいワルツが置かれており、ギルトブルグはこれを意識し、“ワルツの作曲 家”としてのショスタコーヴィチに焦点を当てることを目論みました。そして彼自身が「弦楽四重奏曲」第8番の第4楽章と、第2番の第3楽章をピアノ独奏に編曲し、 そのの繊細なリズムの揺れを表現しています。協奏曲での華麗なタッチとともに、こちらの編曲の妙もお楽しみください。 なお、このアルバムのブックレットの詳細な楽曲解説はギルトブルグ自身が執筆しています(英語のみ)
NAXOS-8.573545(1CD)
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
海原の小舟(1904-05/1906年管弦楽編)*
スピリット(合唱指揮…ニコル・コルティ)リヨン国立O
レナード・スラットキン(指)

録音:2015年1月10-13日、2011年9月6日*
1909年、セルゲイ・ディアギレフ主宰の“バレエ・リュス”の依頼を受けてラヴェルが作曲したのが、レスボス島を舞台にした古典的なグレコローマン(ギリシャ・ローマ風の 意味)のラヴ・ストーリーである「ダフニスとクロエ」です。ラヴェルはこの作品を「巨大な音楽のフレスコ画」と呼び、情熱的な音楽、色彩的な管弦楽法を用いて瑞々 しい作品に仕立て上げました。この作品のアイデアは、バレエ団の振付師であったフォーキンからもたらされたものですが、上演の際、様々な案件でフォーキンとディアギ レフが対立、そのまま決裂し、この作品自体も同時期に上演された「牧神の午後」でのニジンスキーのエロティックな所作によって起こったスキャンダルに隠れ、一時は 表舞台から姿を消してしまったのです。 しかし、その音楽はバレエがなくとも充分に聞き応えのあるもので、現在は、バレエとしてよりも、演奏会のプログラムとして多くの人に愛好されています。余白に収録さ れた「海原の小舟」はピアノ曲からのラヴェル自身の編曲で、絶え間なく変化する海の気分を描写しています。
NAXOS-8.660390(2CD)
ベルク:歌劇「ヴォツェック」 ヒューストン・グランド・オペラ児童choのメンバー
ライス大学、シェパード音楽学校の生徒たちと同窓生たちによるcho
ヒューストンSO
ハンス・グラーフ(指)
ヴォツェック:貧しい一兵卒・・・ローマン・トレーケル(Br)
マリー・・・アンネ・シュヴァネヴィルムス(S)
大尉:ヴォツェックの上官・・・マーク・モロモット(T)
医者・・・ナタン・ベルク(バス・バリトン)
鼓手長:マリーの愛人・・・ゴードン・ギーツ(T)
アンドレス:ヴォツェックの同僚、友人・・・ロバート・マックパーソン(T)
マルグレート:マリーの隣人・・・カテリーネ・チーシンスキ(Ms)
徒弟職人1・・・カルヴァン・グリフィン(Bs-Br)
徒弟職人2・・・ザムエル・シュルツ(Br)
白痴・・・ブレントン・ライアン(T) 他

録音:2013年3月1.2日 ライヴ
1820年頃のドイツの小さな町。ここに住む小心者の兵士ヴォツェックが、彼の内縁の妻マリーと鼓手長の不義を知り、口論の末に彼女を刺し、自身も沼にはまり溺 れ死ぬという実際に起きた事件を元にした悲惨な物語「ヴォツェック」。それまでの後期ロマン派の歌劇とは全く違い、厳密に構成された台本と、無調を取り入れた各 場の音楽が絡み合った斬新で革新的な作品は、20世紀の最高傑作として評価されています。そして作品の持つメッセージはいつの時代にも変わることがありませ ん。このヒューストンでの上演は、日本でも人気の高いバリトン、トレーケルが温かみのある響きを駆使しながらも、主人公ヴォツェックの絶望と狂気を余すことなく歌い 上げています。ワーグナーを得意とするシュヴァネヴィルムスのマリーも的確な配役です。ハンス・グラーフ率いるヒューストンSOの美しく厚みのある響きも、演奏の 完成度を高めています。
NAXOS-8.579010(1CD)
クラリネット協奏曲集
ヒンデミット:クラリネット協奏曲
ヤン・ヴァンデルロースト(1956-):クラリネット協奏曲*
R・シュトラウス:ロマンス 変ホ長調(クラリネットと管弦楽版)
エディ・ヴァノオーストハーゼ(Cl)
セントラル愛知SO
セルジオ・ロサレス(指)

録音 2015年6月8-10日愛知 碧南市芸術文化ホール
*=世界初録音
名古屋市に本拠を置くオーケストラ「セントラル愛知SO」と、ベルギー生まれのクラリネット奏者、エディ・ヴァノオーストハーゼの共演による3曲の協奏的作品 集。ヒンデミットの「クラリネット協奏曲」は1947年、ベニー・グッドマンの委嘱によって書かれた曲。1950年にグッドマンによって初演(共演はフィラデルフィア管弦楽 団、オーマンディ指揮)された、ヒンデミット独自のハーモニーと新古典派の形式を持つ遊び心溢れる作品です。ヴァンデルローストの協奏曲は作曲家の親しい友人 でもあるヴァノオーストハーゼの委嘱作。今回の演奏は日本初演であるとともに、世界初録音となりました。クラリネットの表現力を極限まで求めた技巧的で繊細な 作品です。リヒャルト・シュトラウスが15歳の時に作曲した「ロマンス」は伝統的なスタイルを用いた美しい作品。当初はOp.27が付されるほど(この作品目録は後に 破棄されてしまった)学生時代の彼にとって大切な作品でした。
NAXOS-8.573557(1CD)
リスト:ピアノ作品全集第44集〜声楽曲トランスクリプション集
1.リスト:私を愛してくれた人 S533/R203
2.グラーフ・レオ・フェステティクス(1800-1884):スペイン風セレナード-メロディ S487/R161
3.リスト:ノンネンヴェルトの僧房「エレジー」第1稿 S534/i
4.ショパン(1810-1849):ポーランドの歌より「わが喜び-夜想曲」第2稿 S480/5bis/R145/5
5.ヴィエリゴールスキー(1788-1856):過去-ロマンス 第1稿 S577i/R291
6.エグレッシ(1814-1851)/エクレル(1810-1893):訓辞-ハンガリー賛歌 S486/R158
7.リスト:ノンネンヴェルトの僧房 第2稿 S534ii [R618a]
8.ザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト2世:ゴータの王侯の棺桶島 S485b
9.リスト:ヘルダーリンの頌歌「盲目の歌人」S546/R216
10.リスト:君を愛す S542a/R211a
11.リスト:ノンネンヴェルトの僧房 第3稿 S167/R64/2
12.リスト:忘れられたロマンス(短い下書き) S527bis/R66b
13.リスト:ハンガリー王の歌 S544/R215
14.リスト:忘れられたロマンス S527/R66b
15.リスト:ノンネンヴェルトの僧房 第4稿 S534/R213
ジョエル・ヘイスティングス(P)

録音 2016年1月4-5日
リストのピアノ曲全集第44集は「声楽曲のトランスクリプション」集。リストが残した膨大なピアノ曲の中でも、とりわけ異彩を放つのが一連の編曲物であり、このアルバ ムでも、同時代の作曲家の歌曲と、リスト自身の歌曲をピアノ用に編曲した興味深い作品を聞くことができます。リスト自身の曲と、1曲だけ含まれたショパンの作品 以外は、原作の作曲家名すら知られておらず、この編曲によって後世に名が残った人もいるという貴重な作品集。共感に溢れた「ハンガリー賛歌」(トラック6)での荘 厳な響きは、ハンガリー生まれのリストの心意気の表明です。またショパンの作品「わが喜び」(トラック4)は、すでにリリースされている「ポーランドの歌」(8.553656)の 第5曲とは違うヴァージョンというのも面白いところです。リスト自身の作品の中では「ノンネンヴェルトの僧房」の4つの異稿版が聴きもの。お気に入りの作品には何度 も手を加えたリストならではの、作品の微妙な違いを聞き分けるのも面白いでしょう。 この録音の4ヵ月後にこの世を去ってしまったカナダ人ピアニスト、ジョエル・ヘイスティングスの追悼盤です。
NAXOS-8.559746(1CD)
スーザ:吹奏楽のための作品集 第16集
アイルランドのドラゴン-サーカス・ギャロップ(1915)*
私は夏のための計画を作った(1907)
喜歌劇「シャーラタン」より(1898)
プッシング・オン(1918)
チロルの歌(1880頃-1882)*
アイルランドのドラゴン-序曲*
星条旗(スーザ/ダムロッシュ編)(1918)
行進曲「家路」(1885頃)*
行進曲「職を求めて」(1879)
結婚行進曲(1918)
行進曲「時の勝利」
コルネット・ソロ・・・ジョン・カーフス上級曹長・・・2.5
コルネット・ソロ・・・モニク・ド・ローイ三等軍曹
クラリネット・ソロ・・・フォンス・クレスマン一等准尉・・・5
オランダ王立海軍軍楽隊
キース・ブライオン(指)

録音 2013年1月14-17日
*=・世界初録音
100曲を超えるマーチやオペレッタを作曲した「マーチ王」スーザの第16集です。26歳でアメリカ海兵隊バンドの指揮者になったスーザは、1892年に自身の楽団を 結成、全米各地からハワイ、南アフリカなどに演奏旅行し、最初の7年で3500回ものコンサートを開催したといわれています。また、当時は飛行機がなかったため、 旅行は電車と船を用いるほかなく、その移動距離はほぼ40年で100万マイル以上を記録したほどの人気がありました。この第16集には行進曲の他に、成功したオ ペレッタ「アイルランドのドラゴン」からのギャロップと序曲、同じく叙情的なオペレッタ「シャーラタン」からの音楽も含まれています。キース・ブライオンは、第15集と同じくオ ダンラ王立海軍軍楽隊を率いて、華麗な演奏を繰り広げています。
NAXOS-8.573547(1CD)
カタロニアの吹奏楽作品集
マヌエル・オルトラ(1922-2015):交響詩「焚き火」(ホルディ・レオンによるシンフォニック・バンド編)(1921/1933)
ユリ・ガレタ(1875-1925):組曲「エンポールダネサ」(シンフォニック・バンド編)(1986)
ホアン・ルイス・モラレーダ(1943-):交響組曲「ティラン・ロ・ブラン」(シンフォニック・バンド編)(1986)
バルセロナ・シンフォニック・バンド
サルバドール・ブロトンス(指)

録音 2015年1月9-13日
全て世界初録音
スペインの自治州カタロニアで活躍する「バルセロナ・シンフォニック・バンド(バルセロナ市立吹奏楽団)」は1886年の創設以来、100年間に渡り、カタロニアの音楽 の歴史と共に進化し、SOが設立される以前から、この都市の音楽の普及に貢献してきました。年々レパートリーは拡大し、地元の作曲家たちの書いた交響 曲の多くも、吹奏楽に編曲された形で初演されています。このアルバムは3曲の世界初演となる作品を収録、どれもが20世紀のカタロニア音楽の代表的なサンプル であり、この地の伝統楽器も含んだ特徴的な響きも楽しむことができます。カタロニアの中世風景を反映させたオルトラの「焚き火」、ガレタの作品は、本来なら民族 楽器のフラビオルを使うはずだったのですが、当時の楽団にはこの楽器がなく、とりあえずはピッコロで代用し初演を果たしました。この録音では、もちろんフラビオルが使 われています。楽団員としても活躍したモラレーダの組曲は、中世の騎士の物語を描いた華やかで壮大な作品。2008年から楽団の常任指揮者を務めているブロ トンスの演奏です。
NAXOS-8.573687(1CD)
デュビュニョン(1968-):作品集
神秘交響曲 Op.30(抜粋)(2001-02)
三部作 Op.23(1999)
サリナスの夢 Op.36(2003)
ノラ・グビシュ(Ms)、トーマ・ドリエ(Br)
フランス国立O
フランス国立Oのソリストたち
ローラン・プティジラール(指)
デボラ・ウォルドマン(指)
ファビアン・ゲーベル(指)

録音:2001年12月5日、2008年4月5日ライブ、2009年5月14日ライブ
リシャール・デュビュニョンはローザンヌ生まれの作曲家。80曲以上の作品が世界中で演奏され、2014年にスイスの「Swiss Prix Culturel Vaudois」を獲得する など高く評価されています。ニューヨーク・タイムズ紙が“現代的感覚に牽引された遊び心”と評するなど、彼の作品はとてもユニークで、ドイツ音楽の複雑な構造と、メ シアンにも似たカラフルなオーケストレーションは、同時代の作曲家の作品の中でも異彩を放つものです。アルバムの冒頭に置かれた「神秘交響曲」は各楽章にタロッ トカードのシンボルの名が付けられた寓意的な作品で、カードに用いられた色が楽器群に反映され、またカードの番号がリズムパターン、音符の長さに関係するなど、 様々な仕掛けが施されています。全曲を演奏しても良いし、このアルバムのように無作為に選曲してもよいという作曲家自身の指定があります。フランスの小説家 エーメとコラボレーションした「三部作」、「サリナスの夢」はどちらも革新的なオーケストレーションが用いられ、また劇的な内容を持っています。
NAXOS-8.573599(1CD)
マクスウェル・デイヴィス:ヴァイオリンのための作品集
独奏ヴァイオリンのためのソナタ・・・ドゥッチョ・チェカンティに捧げる(2013)*
2台のフィドルのための踊り(ヴァイオリンとピアノ編)(1978/1988)*
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(2008)*
ピアノ三重奏曲「遠き島への旅」(2002)
ドゥッチョ・チェカンティ(Vn)
ヴィットーリオ・チェカンティ(Vc)
マッテオ・フォッシ(P)
ブルーノ・カニーノ(P)

録音:2016年3月10日、2016年2月25日 、2009年5月29日 ライブ
*=世界初録音
2016年3月にこの世を去った作曲家、マクスウェル・デイヴィスの最後の作品を含む「ヴァイオリンのための作品集」。彼が愛したオークニー諸島の風景を映した「遠き 島への旅」を始め、3曲が21世紀になってから作曲された作品です。晩年のデイヴィスの作品を精力的に演奏し、彼の作品の普及に貢献したヴァイオリニスト、ドゥッ チョ・チェカンティに捧げられた「ソナタ」は20分ほどの長大な作品。時折牧歌的な雰囲気に満たされますが、曲全体は緊迫感に満ちた難解な構成になっており、最 晩年のデイヴィスの音楽観が反映された見事なものとなっています。比較的初期に書かれた「2台のフィドルのための踊り」は子供のためのオペラの挿入曲。フィドルの 素朴な響きは、ヴァイオリンで奏しても変わることがありません。“古代ローマを想像で散策する”というヴァイオリン・ソナタは、様々な場面を音で巡る幻想曲。全て、デ イヴィスの良き理解者チェカンティによる演奏です。
NAXOS-8.573678(1CD)
グエッラの写本 第4集
1.作者不詳:なんと甘い歌
2.イダルゴ(1614-1685):キューピッドは何を望みますか?
3.作者不詳:うつくしきキジバト
4.作者不詳:抱き続ける彼
5.イダルゴ:あなたは無駄に戦いますか?
6.マリン(1619頃-1699):フィリス、それは恐れなくてはならない
7.イダルゴ:あ、はい。あ、いいえ。
8.作者不詳:私の悲しみを明らかにすれば
9.作者不詳:公平なニーサ、罪は我がために
10.作者不詳:理由などない
11.マリン:暗き山から
12.マリン:彼らは彼女が雪のようだと言った
13.イダルゴ:花の野原で
14.作者不詳:真珠の目覚め
15.マリン:心よ、あなた自身にとらわれて
16.ガラン:私はあなたの嘆きに捧げる
17.作者不詳:歌え、小鳥よ
18.イダルゴ:あなたの光を抑えて
19.ナバス(1647-1719):テンテ、シクエス、エスパーラ
20.作者不詳:ニーサ、あなたは知っている
メルセデス・フェルナンデス(S)
フランシスコ・フェルナンデス=ルエダ(T)
イェツァベル・アリアス・フェルナンデス(S)
マヌエル・ビラス(スパニッシュ・バロック・ハープ)
アルス・アトランティカ
17世紀後半にマドリッドで編纂された“グエッラの写本”。これは17世紀のスペイン王宮を中心に流行していた世俗歌曲のアンソロジーで、礼拝堂の書記を務めてい たミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)によって編纂された写本を、1998年に2人の音楽学者トレントとアルバレスが発見、公表したものです。愛、美を賛美したこれ らの歌、ほとんどが作曲者不祥ですが、中には17世紀スペインで活躍したファン・イダルゴとホセ・マリンの作品も含まれます。楽譜はとてもシンプルで、演奏にはかなり の自由度があり、演奏者たちの創意工夫が試されますが、何より、スペインのバロック・ハープ「arpa de dos ordenes(ダブル・ハープ)」を用いることが理想的であ るとされ、このアルバムでもその典雅な音色が素朴な歌に花を添えています。この第4集には、恐らく当時の歌の中で最も知られていたマリンの「Corazon que en prision-心よ、あなた自身にとらわれて(トラック15)が含まれています。こちらはスペインの音楽の歴史を辿る重要な曲集の第4集です。
NAXOS-8.573748(1CD)
20世紀のイタリア音楽集
カゼッラ:フルヴィアのためのディヴェルティメント Op.64(1940)
ドナトーニ(1927-2000):室内オーケストラのための音楽(1954-1955)*
ゲディーニ(1892-1965):フルート,オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルンと弦楽合奏のための合奏協奏曲 ヘ長調(1927)*
マリピエロ(1882-1973):3つの小オーケストラのためのスタディ「東洋の印象」(1920)
スイス・イタリア語放送O
ダミアン・イオリオ(指)

録音 2013年5月21-24日
*=世界初録音
19世紀後半のトリノでは、イタリア全土のSOに先駆けて「Concerti popolari(ポピュラー・コンサート)」が開催されるなど、当時全盛だった歌劇の人気に 隠れてしまった“器楽曲の人気”を取り戻すための活動が行われていました。その流れに乗ったカゼッラ、マリピエロら何人かの作曲家たちによって1923年に「イタリア 新音楽協会」が設立され、次々と新しい器楽曲が生まれることとなります。このアルバムには、色彩豊かで対照的な性格を持つ小規模な作品を4曲収録。カゼッラ の「ディヴェルティメント」は彼の幼い娘フルヴィアのために書かれた曲で、古典的で親しみやすい曲想が溢れた楽しい作品です。カゼッラの友人、マリピエロの作品は、 タイトルの通り、神秘的な雰囲気を持つ小品。ドナトーニの曲は、シェーンベルクを少し新古典派よりにしたような作風で、ちょっぴりユーモラスな面も持っています。ゲ ディーニの「合奏協奏曲」は完全にバッハ、ベートーヴェンへのオマージュであり、古典的な作風に重厚な響きを付け加えた興味深い作品です。

NAXOS 2016年12月発売
NAXOS-8.573343
(1CD)
ボリス・ティシチェンコ:交響曲第8番他
ヴァイオリン,ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲(2006)
交響曲第8番(2008)
マリーナ・ツヴェターエワの詩による3つの歌曲 (1970/2014)(レオニード・レゼジノフによる室内管弦楽伴奏版)
ミラ・シキルティル(Ms)
チンギス・オスマノフ(Vn)
ニコライ・マザーラ(P)
サンクトペテルブルクSO
ユーリ・セーロフ(指)

録音:2015年6月15-19日ロシアサンクトベテルブルク・ラジオ・ハウス・スタジオ
ロシアのレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれ、ショスタコーヴィチ、ウストヴォーリスカヤに学んだ作曲 家ティシチェンコ(1939-2010)の作品集。ピアノの名手であった彼の演奏は、かなりアグレッシヴであったと言われていま す。このアルバムに収録されている協奏曲でも、ピアノは打楽器的な扱いが多く、しばしば音の固まりを叩きつけるかのよう な演奏法が見られます。加えてヴァイオリンとピアノの親密な語らいは、弦楽の伴奏がなくても成立するほどの完成度を持っ ています。「交響曲第8番」はティシチェンコの晩年の作品で、最後に完成された作品群の中の1曲です。もともとシューベ ルトの「未完成」の後に演奏されることが目論まれており、全曲に渡ってシューベルトの作品が模され、最後は全てを完成さ せるかのように高らかなロ長調で幕を閉じます。当時のソ連で人気が高かった女性詩人ツヴェターエワのテキストによる「3 つの歌曲」は風刺的であり、またロマンティックです。1993年にサンクトペテルブルク・リムスキー=コルサコフ国立音楽 院を卒業後、ザルツブルクとウェールズで学び、指揮者、ピアニストとしてデビューしたユーリ・セーロフが全体をまとめて います。
NAXOS-8.573549
(1CD)
フランスのサクソフォン四重奏曲集
デュボワ:サクソフォン四重奏曲(1955)
ピエルネ:《人気のロンド》による主題と変奏(1937)
ジャン・フランセ:サクソフォンのための小四重奏曲(1935)
アルフレッド・デザンクロ(1912-1971):サクソフォン四重奏曲(1964)
ウジェーヌ・ボザ:アンダンテとスケルツォ(1943)
フローラン・シュミット:サクソフォン四重奏曲Op.102(1941-1943)
ケナリQ〈メンバー:ボブ・イーソン(ソプラノSax)/カイル・ボルドウィン(アルトSax)/コリー・ダンディー(テノールSax)/スティーヴン・バンクス(バリトンSax)〉

録音:2015年9月9-11日、10月7-9日
ベルギーの作曲家アドルフ・サックスによって1840年代に考案されたサクソフォンは、この新しい楽器に興味を抱いたフラ ンスの作曲家を中心に擁護され、ジャンルを超えて広く伝播していきます。このアルバムでは若手奏者たちのアンサンブル「ケ ナリ四重奏団」が、ユニークで多彩な音色を持つ楽器が醸し出すエスプリを探っていきます。マックス・デュボアはトゥール 高等音楽院で学び1955年にローマ賞を獲得した作曲家。この「四重奏曲」は1962年に初演されて以来、このジャンルの定 番レパートリーとなっています。ピエルネは1882年のローマ賞受賞者。数多くの遊び心溢れる作品で知られます。ナディア・ ブーランジェに学んだフランセは1930年代半ばから1960年代初頭にかけて一連のサクソフォン作品を作曲。この小四重奏 曲も気楽な雰囲気を持っています。デザンクロは1942年のローマ賞受賞者。叙情的で表現力豊かなこの作品はマルセル・ミ ュール四重奏団の委嘱作です。イタリアの血をひき、ヴァイオリニストとしても才能豊かであったボザの作品は、やはりメロ ディアスで美しいもの。パリ四重奏団に捧げられています。1900年ローマ賞の受賞者フローラン・シュミットは数々の管弦 楽作品やピアノ曲が有名。この四重奏曲はテナー・サックスが導くフーガで始まる見事な曲。極めて独創的な世界を作り上げ ています。
NAXOS-8.573725
(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/アナスタシア・リジコフ〜ピアノ・リサイタル
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
アルベニス:イベリア第2巻-第3番:トゥリアーナ
ホアン・クルス=ゲバラ(1972-):マグダラのマリアの夢
グリーグ:ピアノ・ソナタ.ホ短調Op.7
アナスタシア・リジコフ(P)

録音:2015年4月20-21日
2015年、スペインで開催された「第57回ハエン国際ピアノコンクール」で優勝したのは、カナダのピアニスト、アナスタ シア・リジコフでした。ウクライナ生まれの彼女は7歳の時にウクライナ国立SOと共演しデビュー。"ウラディミール・ ホロヴィッツ国際ピアノコンクール"で第1位を獲得、その後も数多くの国際コンクールで入賞。現在では20曲を超える協 奏曲のレパートリーを持ち、30以上のオーケストラと共演、世界中から注目を集めています。この、ハエン国際ピアノコン クールの優勝記念として録音されたアルバムでは、ベートーヴェン、グリーグのソナタをメインに、スペインを代表するアル ベニスを1曲、このコンクールで必須とされるスペイン現代作曲家の新作を1曲演奏しています。力強いベートーヴェン、 叙情的なグリーグはもちろんのこと、初めて耳にするクルス=ゲバラの作品に漂う神秘的な響きも余すところなく伝えていま す。
NAXOS-8.555398
(1CD)
シュポア:交響曲第4番他
交響曲第4番ヘ長調「音の奉献」Op.86
ファウスト序曲Op.60
歌劇「イェソンダ」Op.63序曲
ブダペストSO
アルフレート・ヴァルター(指)

録音:1987年11月25-28日ハンガリーブダペスト
MARCO POLO8.223122移行盤
ベートーヴェンの親友でもあった作曲家ルイ・シュポア(1784-1859)。最近までは「学習者用のヴァイオリン協奏曲」の作 曲家として重んじられることが多かったのですが、彼の交響曲は実はベートーヴェンの作品にも匹敵するほどの大作、力作で す。古典的な形式を打破し、作品にタイトルを与えストーリー性を持たせるという試みは、ウェーバーを始めとした作曲家た ちに受け継がれていきました。この交響曲第4番は、後に彼の妻となるマリアンネ・プファイファーの兄で詩人カールの詩 に基づいて書かれた作品です。「音の奉献(浄化とも訳される)」と題された作品は、もともとはカンタータとして想定されま したが、最終的にはテキストに密接に沿った4つの楽章に仕立て、それを交響曲として完成させました。第1楽章では「音 の創造」が描かれ、第2楽章はセレナード、第3楽章は"勇気へのインスピレーション"としての行進曲、終楽章では死者の 埋葬、安息が祈られます。2つの序曲はシュポアの歌劇作曲家としての才能がはっきりと示されています。
NAXOS-8.572445
(1CD)
マウロ・ジュリアーニ:2台ギターのための作品集
ロッシーニの歌劇《どろぼうかささぎ》序曲
大協奏的変奏曲Op.35
ロッシーニの歌劇《セヴィリアの理髪師》
序曲
ロッシーニの歌劇《チェネレントラ》序曲
ロッシーニの歌劇《コリントの包囲》序曲
協奏的変奏曲Op.130
3つの協奏的ポロネーズOp.137
ジェフリー・マクファデン(G)
マイケル・コルク(G)

録音:2015年5月3-5日カナダオンタリオ聖ジョン・クリソストム教会
ナポリ王国に生まれた19世紀における“クラシック・ギターのヴィルトゥオーゾ”マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)。「ギ ターのベートーヴェン」とも称される彼は、25歳の時に家族を残したままウィーンに出向き、ここを地盤として活躍し、自 作を出版、ヨーロッパ全土に演奏旅行に出かけるなど名声を博しました。彼はハイドンの76歳の誕生日を祝うコンサートに 出演し、またベートーヴェンの第7交響曲の初演時にはチェリストとして参加したとも言われています。1819年には経済的 な理由でウィーンを発ちイタリアに戻りましたが、この時にロッシーニとパガニーニに出会い、三人が共同でコンサートに出 演したという記録もあり、この時の交友から4曲のロッシーニ作品の編曲が行われたようです。ロッシーニのキャリアを形 作った《どろぼうかささぎ》をはじめ、現代でも人気を獲得しているこれら歌劇の序曲が、余すことなくギターの音色に移し 変えられているのには驚くばかりです。オリジナル作品の「大協奏的変奏曲」はギターのテクニックを全て駆使した難曲。ポ ーランド舞曲を元にした「ポロネーズ」はエレガントなメロディと躍動的なリズムが漲る魅力的な作品です。NAXOSお馴染 みのギタリスト、マクファデンとコルクの2人が織り成す華やかな音色をお楽しみください。
NAXOS-8.573424
(1CD)
C.P.E.バッハ:オルガン・ソナタ集Wq.65/32&Wq.70/2-6
ソナタイ長調Wq.65/32H.135
ソナタト短調Wq.70/6H.87
ソナタニ長調Wq.70/5H.86
ソナタヘ長調Wq.70/3H.84
ソナタイ短調Wq.70/4H.85
ソナタ変ロ長調Wq.70/2H.134
イアン・クイン(Org)

録音:2014年7月28-30日
偉大なJ.S.バッハの二男として生まれたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)。やはり音楽家として大成 しましたが、彼は父バッハよりも父の友人テレマンの様式を受け継ぎ、より簡素でメロディを追求するギャラント様式を経て、 古典派の礎を創り上げたことで知られています。そのためか、彼はオルガンの演奏法にはあまり熟達してたとは言えず、時に は「ペダルの使い方を見失った」と友人に告白するほどでした(同じ鍵盤楽器でもクラヴィコードは得意だった)。しかし彼が オルガンのために作曲した一連の作品、中でも1755年にフリードリヒ2世の妹アンナ・アマーリアのために作曲したWq.70 のソナタ集は、アンナからもフリードリヒ2世から大絶賛されたというほどに素晴らしい出来栄えを誇ります。
NAXOS-8.573564
(1CD)
ソレール:ピアノ・ソナタ集第6集・第63番-第66番
ソナタ第63番ヘ長調
ソナタ第64番ト長調
ソナタ第65番イ短調
ソナタ第66番ハ長調〈
スタニスラフ・フリステンコ(P)

録音:2015年4月20-21日
カタルーニャのウロトに生まれたアントニオ・ソレール(1729-1783)は、6歳でオルガンと作曲の勉強をはじめ、モンセラ ート修道院の聖歌隊員に加わります。わずか15歳でセオ・デ・ウルゲル大聖堂のオルガニストと副助祭に任命されるほどの 才能を持ち、その後は23歳で叙階を受け聖職者となり、亡くなるまでの31年間はずっと禁欲的な生活を送った人です。彼 のソナタはスカルラッティの影響が感じられるとともに、18世紀ウィーンの音楽スタイルも反映されていて、時にはハイド ンを思わせるエレガントで装飾的なフレーズに彩られた表情豊かな音楽です。演奏しているフリステンコは2013年に開催さ れた第59回マリア・カナルス国際コンクールのピアノ部門の優勝者。ウクライナで生まれ、11歳で初のソロ・リサイタル を開催、世界中のメディアで賞賛される期待の若手ピアニストです。これまではクシェネクなどの後期ロマン派の作品の録音 が中心でしたが、このソレールは新たな可能性を感じさせるすっきりとした演奏が魅力です。
NAXOS-8.573568
(1CD)
チマローザ:序曲集第5集
カンタータ「アテネの建都」序曲
ベルニス枢機卿への劇的な構図
歌劇「美しいギリシャ」(予期せぬ結婚)
「見い出された悪女」序曲〈
劇「2人の偽伯爵」または「妻のない夫」
歌劇「欺かれた陰謀」または「陰謀の発覚」
歌劇「望みを失った亭主」(焼きもち焼きの亭主)序曲
歌劇「オリンピアーデ」序曲
歌劇「踊り子の恋人」序曲
歌劇「からかわれた熱狂的な男」序曲
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
パトリック・ガロワ(指)

2015年10月7-10日
貧しい家庭に生まれるも、その才能が認められ11歳でナポリ音楽院の前身「サンタ・マリア・ディ・ロレート音楽院」に入 学、22歳の時に最初のオペラで成功を飾り、ローマ、ロシアを経てウィーンの宮廷楽長(サリエリの後任)に就任、代表作「秘 密の結婚」を作曲後ナポリに帰国。数多くのオペラを発表するも、反逆罪に問われナポリから永久追放。失意のうちに52歳 でこの世を去ったチマローザ(1749-1801)。ここには現在ではほとんど演奏されることのない彼の歌劇の序曲が収録されて います。オペラ以外の作品であるカンタータ「アテネの建都」はロシアに滞在した短い期間に書かれた作品ですが、詳細は失 われてしまい、現在ではスコアのコピーがナポリの図書館に保存されているのみです。ベルニス枢機卿はルイ15世と16世 の顧問を務めた人物。このカンタータは恐らく私的な演奏会のために作曲されたと推測される曲です。ロッシーニが出現する までは、最も有名で成功したオペラ作曲家として賞賛されたチマローザの作品、更なる復興が待たれます。
NAXOS-8.573602
(1CD)
ラモン・パウス:ヴィオラのための作品集
森の日の入り(2013)
コバルト・ブルー、通過中に(2013)
最初のエレジー、漂流(2013)
ユヴァル・ゴトゥリボヴィチ(Va)
ラケル・カストロ(Vn)
エドゥアルド・フェルナンデス(P)
ESMUC室内cho
カタルーニャ室内O
ホアン・パミエス(指)

録音:2005年10月10日
スペインの作曲家ラモン・パウス(1956-)は映画音楽や劇場音楽など幅広い分野で成功を収めています。このアルバムには3 つのヴィオラのための作品が収録されていますが、冒頭の「森の日の入り」は、2013年に「コバルト・ブルー」の初演者と してパウスの家を訪れたヴィオラ奏者ゴトゥリボヴィチと、パウスの友人のピアニスト、フェルナンデスを共演させるために 書かれた作品。2人の奏者の親密な対話が刻々と変化していく30分に及ぶ大作です。「コバルト・ブルー」はヴィオラのモ ノローグで幕を開け、オーケストラが引継ぎ、時にはジャズ風のインプロヴィゼーションにも似た旋律が現れるなど、ドラマ ティックな内容を持つ曲です。最後の「エレジー」はパウスの友人で、リセウ劇場Oの第1ヴァイオリン奏者を務め ていたエディト・マレツキの追悼として書かれた悲痛な曲。若くして亡くなった彼女を悼むかのように、柔らかい響きの合唱 と鐘の音で彩られた美しく幻想的な雰囲気を持っています。
NAXOS-8.573605
(1CD)
ドニゼッティ&マイール:グローリア・ミサとクレドニ長調
Kyrie あわれみたまえ ニ長調
Gloria 栄光あれ ハ長調
Laudamus e Gratias agimus 我らは主を讃え、主に感謝 を捧げる ト長調
Domine Deus 神なる主 変ホ長調
Qui tollis 世の罪を除きたもう者よ ホ長調
Qui sedes 御父 の右に座りたもう者よ ハ短調
Cum sancto spiritu 聖霊とともに ハ短調
クレド ニ長調〈
ドニゼッティ:アヴェ・マリア
マイール:サンクト ゥス
マイール:アニュス・デイ
シリ・カロリーネ・トルンヒル(第1ソプラノ)/マリー=ゾフィー・ポラーク(第2ソプラノ)/マリー=ザンデ・パ ペンマイアー(A)/マルク・アドラー(T)/マルティン・ベルナー(Bs)/ジモン・マイールcho/バイエルン 州立歌劇場choのメンバー/コンチェルト・デ・バッスス/フランツ・ハウク(指)

録音:2014年9月22-26日
ドイツの合唱音楽の伝統では「宗教的作品では楽しい旋律を避ける」と「世俗作品ではどんな旋律でも構わない」と各々を厳 密に区別していましたが、19世紀のイタリアでは、ミサ曲がまるでオペラのように華やかな雰囲気を持ち、独唱も二重唱も、 アリアのような美しい旋律で書かれたものが多く、あまり厳格な区別はなされていませんでした。これら「ベルカントの教会 音楽」は19世紀に南ドイツで起こった"セシリア運動=教会音楽を堕落から救い、グレゴリオ聖歌もしくはパレストリーナ の音楽に立ち返ろう"により排斥されながらも、イタリアの作曲家たちは美しい宗教曲を作り続けていました。オペラ作曲家 として知られるドニゼッティ(1797-1848)も、学生時代から数多くの宗教曲を書き、時には小品を組み立てて大きなミサに することもあり、それらを全て合わせると150曲以上が数えられます。この「グローリア・ミサとクレド」は1837年11 月にナポリで初演された作品ですが、その後、自身で曲を組み替えたり、彼の師マイール(1763-1845)がその中の曲を自作 に組み込んだりと、原曲は様々な形で素材として使われ、現在に至っています。これらを研究者フランツ・ハウクが当時の状 況を熟考し、復元して演奏しました。単なる研究結果を超えた普遍的な美しさが宿るミサ曲です。
NAXOS-8.573671
(1CD)
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集第5集
弦楽四重奏曲第8番ハ長調(1883)
弦楽五重奏曲第2番ハ長調Op.16(1905)
カルペ・ディエムSQ〈チャールズ・ウェザービー(第1Vn)/エイミー・ガルッゾ(第2Vn)/コリーヌ・フジワラ(Va)/キャロル・オウ(Vc)〉
ジェームズ・バスウェル(Va)

録音:2014年11月9-10日、2015年3月25-26日
2005年に設立、世界的に認められているアメリカのカルペ・ディエム弦楽四重奏団によるタネーエフ(1856-1915)の弦楽 四重奏曲全集も、この第5集で完結となります。ピアニスト、教師として活躍したタネーエフは、自作を出版することにあ まり興味を示さなかったため、後世に残された作品数はあまり多くありません。とは言え弦楽四重奏曲は番号なしも含めると、 全部で11曲あり、そのどれもが見事な対位法を駆使したベートーヴェンやブラームスに通じる堅固な風格を持つ、技巧が凝 らされた充実した作品です。チャイコフスキー作品のような叙情性はあまり感じられず、ひたすら音楽を究めていく曲が多く、 この第8番の四重奏曲も、終楽章に壮大なフーガが置かれた充実した音楽です。同時収録の弦楽五重奏曲は、彼の晩年の作 品で、1904年に亡くなったロシアの慈善家、出版業を営むパルヤエフの思い出に捧げられています。第2楽章の美しい賛美 歌のようなメロディが、彼の想いを物語っているかのようです。
NAXOS-8.573696
(1CD)
マイアベーア:歌曲集第2集
詩人のひなぎく/収穫を買い取る人の歌ばらの花びら/羊飼いの歌/若い母
空気の少女/死に行く詩人
ヴェネチアへ/嵐の中の誓い
軽い小舟/日曜の歌/あなたの近くに
シシリエンヌ/14.悪いルイーズの嘘
甘いこの瞬間/セレナード/幻想
バラードを弾くムリーリョ
シヴァン・ローテム(S)
ジョナサン・ザーク(P)
ダニー・エルドマン(Cl)
ヒレル・ゾーリ(Vc)

録音:2015年2月9.18日、3月2.19日、4月12日J、2012年12月30日
《悪魔のロベール》や《預言者》をはじめとした数々のオペラで知られる作曲家マイアベーア(1791-1864)は、親密な雰囲 気を持つ歌曲を作曲しました。フランス語やイタリア語、ドイツ語など様々な言語を駆使した彼の歌曲は、これまであまり知 られていませんが、以前NAXOSからリリースされた第1集(8.572367)に収録された多彩な26曲の歌は、メジャーな作品 の影に隠れた名作として、聴き手を楽しませました。この第2集では世界初録音4曲を含む18曲を収録、マイアベーアの 30代後半から60代半ばまでの創作の源を探る重要なアルバムになっています。選ばれた詩も様々で、匿名の作家の詩があ れば、弁護士、ジャーナリスト、果てはイギリスの作家ウォルター・スコットの詩までと多岐に渡っています。ロマンティッ クな愛の憧れ、喜び、苦痛から、時には宗教的な主題など曲調も様々。トラック4のクラリネットを伴う作品「羊飼いの歌」 はまるでオペラ・アリアのような華やかさを有していたり、トラック12の「あなたの近くに」では朗々と歌うチェロと歌と の対話が繰り広げられます。
NAXOS-8.573759
(1CD)
セルソ・ガリード=レッカ:アンデス山脈の民俗舞曲集管弦楽作品集
アンデス山脈の民俗舞曲集(1983)
交響的絵画(1980)
ペルー組曲(1986)
ラウデスII(1994)
ノルウェー放送O
フォートワースSO
ミゲル・ハース=ベドーヤ(指)

録音:2015年12月4日、2015年4月30日.9月4日ライヴ
※世界初録音
1926 年ペルー生まれの作曲家ガリード=レッカの管弦楽作品集。彼はイベロ=アメリカ(かつてスペインとポルトガルの植 民地であった地域)の伝統を汲む情熱的なリズムを、アバンギャルドなスタイルに取り入れ、さらにペルーの民俗音楽に融合 させた独自の作品を書きました。交響曲や室内楽、多くの映画音楽で知られていますが、ここでは管弦楽のための作品を聴く ことができます。「交響的絵画」ではペルーの伝統的な舞曲が効果的に用いられており中でも“ダンサク”は踊り手が金属のは さみを手に複雑なステップを踏むという曲で、トライアングルの音色がはさみの刃のぶつかりあう音を表現しています。アン デス地方の民謡からインスパイアされた「民俗舞曲集」、ペルーの民俗音楽をコラージュした「ペルー組曲」、「賞賛する」と いう意味のラテン語が元になった「ラウデス」の全4 作品、すべて世界初録音です。
NAXOS-8.579011
(1CD)
ジャ・ダカン:室内楽作品集第2集
四川の風味(1995)
カウンターポイント・オブ・タイムズ(1989)
弦楽四重奏曲(1988)
色付けされた砂漠の展望(2000)
アンサンブル・レザミ・上海
ハン・クァルテット

録音:2015年11月28-29日
中国を代表する現代作曲家の一人、ジャ・ダカン(1955-)の室内楽作品集。1998年に名チェリスト、ヨーヨー・マが立ち上 げた「シルクロード・プロジェクト」のための作品が良く知られるダカン、このアルバムでは様々な視点で書かれた4つの 作品を聴くことができます。3つの部分からなる「四川の風味」はヴァイオリンの音色が特徴的な第1曲「高いピッチの音」、 四川のあちこちにある峡谷を描いた「岩の中の静脈」、そして京劇で使用される派手なメイクの「仮面」で構成されており、 中国政府が「20世紀中国のクラシック音楽」と名付けた作品です。フィボナッチ数列を応用した「カウンターポイント・オ ブ・タイムズ」は極めて理論的に書かれた音楽。伝統的な民俗音楽の素材を現代的にアレンジした「弦楽四重奏曲」(1991 年入野賞受賞作品)、シルクロード・プロジェクトの委嘱作品「色付けされた砂漠の展望」は、悠久の時の流れに想いをこら した音楽です。ダカンの室内楽作品集第1集(9.70241)はダウンロードのみでお聴きいただけます。

NAXOS 2016年11月発売
NAX-2.110374(4DVD)
NX-L05

NBD-52(3Bluray)
NX-L05
3つのライヴ・フィルム《トスカ》《椿姫》《リゴレット》

(1)プッチーニ:歌劇《トスカ》


(2)ヴェルディ:歌劇《椿姫》


(3)ヴェルディ:歌劇《リゴレット》
(1)フローリア・トスカ…キャサリン・マルフィターノ(S)
マリオ・カヴァラドッシ…プラシド・ドミンゴ(T)
スカルピア…ルッジェーロ・ライモンディ(Bs-Br)
ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ(監督)
ローマ・イタリア放送SO&cho
ズービン・メータ(指)
(2)ヴィオレッタ・ヴァレリー…エテリ・グヴァザーヴァ(S)
アルフレード・ジェルモン…ホセ・クーラ(T)
ジョルジョ・ジェルモン…ローランド・パネライ(Br)
ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ(監督)
イタリア国営放送SO
イ・ソリスティ・カントーリ
ズービン・メータ(指)
(3)リゴレット…プラシド・ドミンゴ(T)
ジルダ…ユリア・ノヴィコヴァ(S)
マントヴァ公…ヴォットリオ・グリゴーロ(T)
スパラフチーレ…ルッジェーロ・ライモンディ(Bs-Br)
マッダレーナ…ニーノ・スルグラーゼ(Ms)
マルコ・ベロッキオ(監督)
イタリア国営放送SO
ズービン・メータ(指)

収録時間:9時間25分/音声:イタリア語歌唱〈DVD〉ステレオ2.0/DD5.1/DTS5.1〈BD〉ステレオ2.0/DD5.1/dts-HD
マスターオーディオ5.1/字幕:英,伊,仏,独,西,韓/画面:16:9/REGION All(Code:0)/〈DVD〉片面2層ディスク×4
〈BD〉ニ層50GB×31080i High Definition/160ページのブックレット
1992年、名作オペラを、実際に“物語の舞台となった場所”で映画として撮影するというプロジェクトが行われました。演目 は「トスカ」。主演にマルフィターノとドミンゴ、ライモンディを迎え、物語の通り、7月11日の午後からその翌朝6時に 起きた出来事を、カヴァラドッシが絵を描いていた聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会、スカルピアの公邸であったファルネー ゼ宮殿、そして第3幕の舞台となったサンタンジェロ城でそれぞれ撮影、その模様を世界108ヶ国(残念ながら日本は放送 されませんでした)で衛星同時生中継するという前代未聞の企画は、世界中のファンを熱狂させるとともに、日本のファンは 悔し涙を流すことになりました(その後NHKBSで放送)。 2000年には演目を《椿姫》に変え、主役ヴィオレッタには当時期待の新人グヴァザーヴァ、アルフレード役には人気絶頂を 誇ったクーラ、父ジェルモン役にはヴェテラン、パネライを配し、パリとその郊外でロケを行い、世界140ヶ国以上に中継。 この時も日本では放映されず、日本のファンはサントラ盤とブックレットに挿入された写真で、情景を思い描くのみでした。 2010年に行われた「リゴレット」は、インターネットによるストリーミング配信だけでなく、その翌年にはテレビでも放送 されました。当時、新進気鋭の若手テノールとして注目を浴びたグリゴーロのマントヴァ公はもちろんのこと、ドミンゴがリ ゴレット役を歌うということでも(この上演が彼にとってのリゴレット役デビューとなりました)期待された上演で、ハイビ ジョンによる美しい映像は、それまでの2作品を凌駕する素晴らしい出来栄えとなっています。 三作品ともバックを務めるのはズービン・メータ指揮、イタリア国営放送SO。およそ20年という年月の経過は、メー タの表現の深化も克明に感じさせることでしょう。 いずれも、またとないロケーションと、活気に満ちた音楽が漲る素晴らしい映像です。
NAXOS-8.559805
(1CD)
ブルース・アドルフ:ピアノ作品集「ショパンの夢」
1-6.ショパンの夢(2014)<ニューヨーク・ノクターン/ジャズルカ/ピアノ・ポッピング/ブルックリン・バラード/クァリュード/ホーラ〉
7-13.7つの思考-見做された音楽(2016)〈隠されたハーモニーは明確なものよりも優れている(ヘラクレイトス)/表面に惑わされてはいけない(リルケ)/ある地点からは、もはや立ち帰ることはできない(カフカ)/自然の中には、自然の全ての権限が含まれている(エマーソン)/夢見ている時を夢見る時は、目覚めに近い(ノヴァーリス)/我々の最後の男がこの地上から姿を消した時(酋長シアトル)/月が超越した美しさで輝くとき(シャンカーラ)〉
14-22.ピアノ・パズラーズ(2002-2016)〈デッキホール(ウェールズの伝承キャロル)/ロンドン橋落ちる/私のボニーは海を見る/聖者の行進/彼はいいヤツだ/シャローム・アレーカム(ヘブライの伝承曲)/ザ・ストリート・オブ・ラレード/ジェリコとジョシュアは戦った(黒人霊歌)/ラブ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ(ガーシュウィン)〉
カルロ・グランテ(P)

録音:2015年11月27.28日,2016年2月8日ウィーンノイシュタット、ベーゼンドルファー・ファクトリー
※1-6.7-13…世界初録音
ブルース・アドルフ(1955-)は現代アメリカの作曲家の中でも、とりわけピアノ音楽を愛する人。このアルバムには“ピアノ の詩人”ショパンがもし現代に生きていたら…という想像を巡らせて彼が作曲した一連の作品が収録されています。「ショパン の夢」では、ジャズ・ピアニストとしてブルーノートを演奏するショパン、ウェールズの民謡と融合したショパン、ニューヨ ークの夜景にうっとりするショパン、そのほか、たくさんの「今世紀のショパン」の姿を見ることができます。グランテに献 呈された「7つの思考」は深遠な哲学的思考と音楽とを融合させた興味深い作品集。刺激的なフレーズが知的探究心に強く訴 えかけてきます。やはりショパンの前奏曲を中心にパラフレーズを施した「ピアノ・パズラーズ」は、聴いたことのあるメロ ディがショパンのメロディと絡み合い、不思議な世界を紡ぎだしています。前奏曲第13番が2回出現しますが、その扱いの 違いも聴き所です。演奏しているカルロ・グランテは、以前ゴドフスキー作曲の「ショパンの練習曲によるエチュード」全曲 録音で大注目を浴びた名手。ここでもショパンに由来する数々の曲を軽妙、かつ楽しげに演奏しています。
NAXOS-8.572798
(1CD)
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25
ピアノ四重奏 曲第3番ハ短調Op.60(1856/1874改編)〈
アントン・バラホフスキー(Vn)
アレクサンドル・ゼムツォフ(ヴィ オラ)
ヴォルフガンク・エマヌエル・シュミット(Vc)
エルダー・ネボルシン(P)

録音:2012年10月25-28日モンマスウィアストン・コンサート・ホール
ブラームス(1833-1897)の3曲あるピアノ四重奏曲が最初に構想されたのは、どれも1855年頃。当時のブラームスは病身 のシューマンを支援し、彼の妻クララと親しい友人関係にありました。第1番はこの時機に着手されるも一旦放置され、そ の6年後の1861年に完成、1863年にジムロックによって出版されています。若さが漲るこの四重奏曲、シェーンベルクに よってオーケストラ用に編曲された版も人気となっています。ここには収録されていませんが、第2番は第1番の翌年に完 成され、その明るい曲調で当時最も人気を博しました。ブラームスはこの2曲に先立って、まず嬰ハ短調の四重奏曲を完成 させたのですが、結局これはほぼ20年を経て改訂され、最終的には「ハ短調」の第3番になりました。完成直後に試演され ましたが、ブラームスは気に入らず、何度も改訂を繰り返し現在の形に落ち着いたのです。この曲の第3楽章は、ずっと以 前にNHK-FMの音楽番組「大作曲家の時間-ブラームス」のテーマとして使われるほど、ブラームスの音楽を象徴するにふさ わしい美しさを持っています。
NAXOS-8.573463
(1CD)
ドビュッシー:4手のためのピアノ作品集第2集
1.牧神の午後への前奏曲(ラヴェルによる編曲1910)
2-4.海(1905)(ドビュ ッシー自身の編曲)〈海の夜明けから真昼まで/波の戯れ/風と海の対話〉
5.映像(カ プレ編)第1番:ジーグ(1912)
6-8.映像(カプレ編)第2番:イベリア(1908)〈街の 道と田舎の道/夜の薫り/祭りの日の朝〉
9.映像(カプレ編)第3番:春のロンド (1909)
ジャン・ピエール・アルマンゴー(P)/オリヴィエ・シャズ(P)

録音:2013年10月14-15日フランスイヴリー=シュル=セーヌピエール・マル ボススタジオ「4'33”」…1.5.9./2013年7月14-17日フランスヴァレンジュヴ
第1集(8.572979)ではドビュッシー(1862-1918)の若き時代の知られざる作品に光を当てた「4手のためのピアノ作品集」、 第2集では“印象派の始まり”を告げる名作「牧神の午後への前奏曲」を中心に、色彩豊かな作品が収録されています。ドビ ュッシーが敬愛していた象徴派の詩人マラルメの妖艶な詩に基づいて作曲された「牧神の午後への前奏曲」は、調性を離れた 繊細なオーケストラの響きがけだるく美しい作品ですが、ラヴェルによるピアノ編曲は、その美しい響きは残しながらも、ピ アノならではの「音の仕組み」が見えてくるような仕上がりです。「海」はドビュッシー自身による編曲で、こちらも海面に 映る日の光や砕け散る波の水の粒子一つ一つが見えてきます。「映像」は管弦楽版の3つの作品をドビュッシーの親友カプレ がピアノ連弾版にアレンジ。通常はピアノ曲をオーケストレーションすることの多かったカプレの“逆パターン”の編曲は、作 品を完全に掌握している親友ならではの凝りに凝った出来栄えで、原曲とは全く違った味わいが魅力的です。
NAXOS-8.573595
(1CD)
日本のギター作品集第3集
武満徹:3つのアメリカの歌〜ギターのための12の歌 (1974-1977)より〈サマータイムSummertime(ジョージ・ガーシュウィン)/シー クレット・ラヴSecretLove(サミー・フェイン)/オーバー・ザ・レインボーOverthe Rainbow(ハロルド・アーレン)〉
林光:映画「裸の島」-メイン・テ ーマ(1960/2015…鈴木大介によるギター独奏編)
林光:映画「裸の島」-メイン・ テーマ(異稿)(1960/2015…鈴木大介によるハーモニカとギター編)*
林光:ハーモニカとギターのための「ソングブック」(1985)
林光:波紋(1964)
十河陽一 (1959-):ハーモニカとギターのための「たまゆら」(1994)
北爪道夫(1948-):オ ラショ(2015)
二橋潤一(1950-):ハーモニカとギターのための「秋の歌」(2015)
吉松隆(1953-):忘れっぽい天使IIOp.8〜鈴を伴ったハーモニカとギター のための(1979)〈天使はぼくを見ているふりをして雲のかけらを数えている/天使は 虹の中でぼくを待ちながら光っている〉
吉松隆:組曲「優しき玩具」よりベルベ ット・ワルツ
三木稔:芽生え〜映画音楽「愛のコリーダ」(1976/ レオ・ブローウェル編)
福田進一(G)
和谷泰扶(ハーモニカ)

録音:2015年10月22-26日カナダオンタリオ聖ジョン・クリソストム教会
NAXOSの数あるシリーズの中でも大人気を誇る、ギタリスト福田進一が演奏する「日本のギター作品集」の第3集。このア ルバムでは、独奏曲だけでなく、世界的にも珍しいハーモニカとギターのための日本人によるオリジナル作品を収録。美しい 日本の秋への憧憬を描いています。武満徹の創造的かつ見事な編曲によって、誰もが知っている旋律が現代的に生まれ変った 「ギターのための12の歌」からの3曲、隠れキリシタンの伝承歌に基づく北爪道夫の「オラショ」、原始的な島で生活する 家族の悲哀を描いた映画「裸の島」から林光による悲哀に満ちたメイン・テーマ、2つの楽器の可能性を極限まで追求した十 河陽一の「たまゆら」と二橋潤一の「秋の歌」など、どれも張り詰めた緊張感の中に極上の美しさを有した音楽です。特に、 吉松隆の「忘れっぽい天使」は、作曲家本人がこの演奏を聴いて、「自分の曲ながら一瞬聞き惚れてしまった」(吉松隆:HP より引用)というほどの完成度の高さを誇ります。
NAXOS-8.660394
(4CD)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 ジークムント…スチュアート・スケルトン(T)/ジークリンデ…ハイデ ィ・メルトン(S)/フンディング…ファルク・シュトルックマン(バス・バリト ン)/ヴォータン…マティアス・ゲルネ(Br)/ブリュンヒルデ…ペトラ・ラング (S)/フリッカ…ミシェル・デ・ヤング(Ms)/ヴァルトラウテ…サ ラ・キャッスル(Ms)/ゲルヒルデ…カレン・フォスター(S)/ヘル ムヴィーゲ…カタリーネ・ブローデリック(S)/シュヴェルトライテ…アンナ・ バーフォルド(Ms)/オルトリンデ…エレイン・マックリル(S)/ジ ークルーネ…アウレリア・ヴァラク(Ms)/グリムゲルデ…オッカ・フォン・ デア・ダムラウ(Ms)/ロスヴァイセ…ラウラ・ニケネン(Ms)/ 香港PO/ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指)

録音:2016年1月21.23日香港カルチュアル・コンサート・ホールライヴ
2015年の「ラインの黄金」に続く香港フィルハーモニーとヤープ・ファン・ズヴェーデンの《ワーグナー:ニーベルングの 指環》ツィクルス第2回目は、堂々たるキャストを揃えた第1夜「ワルキューレ」全曲です。前作と同じく演奏会形式で行 われた全曲上演は、現代における最高の歌手を揃えた白熱の歌唱と、緊密なアンサンブルを誇る香港フィルハーモニーの見事 なコラボレーションによる極上の名演となりました。登場人物は少ないながらも、緊迫感溢れる第1幕での若き恋人の濃密 なやりとり、ゲルネが演ずるヴォータンの登場できりっと引き締まる第2幕、有名な「ワルキューレの騎行」で幕を開ける 華やかな第3幕、そして幕切れでのヴェテラン歌手ペトラ・ラングが演じるブリュンヒルデとヴォータンの胸に迫る対話。 どの場面でも安定した歌唱と重厚なオーケストラの響きが楽しめる。これぞ「21世紀の理想的なワーグナー」です。なお、 ズヴェーデンは2018年のシーズンからニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任することが決定しています。
NAXOS-8.559796
(1CD)
バーナード・ハーマン/デル・トレディチ:クラリネット五重奏曲集
.バーナード・ハーマン(1911-1975):旅のおみやげ(
ダヴィッド・デル・トレディチ(1937-):マジャールの狂気*
ファイン・アーツSQ〈メンバー:ラルフ・エヴァンス(第1ヴァイオリン)/エフィム・ボイコ(第2ヴァイオリン)/ホアン=ミゲル・ヘルナンデス(Va)/ロバート・コーエン(Vc)〉
ミシェル・ルティエク(Cl)

録音:2013年8月3日、2015年7月27日 フランスプラード・カザルス音楽祭ライヴ
*=世界初録音
「めまい」「北北西に進路を取れ」「市民ケーン」など数多くの映画音楽で知られるバーナード・ハーマン。実はもともと優れ たヴァイオリニストとしてジュリアード音楽院を卒業し、指揮者としても活躍していただけあって、その作品は映画音楽だけ でなく、交響曲やオペラなどの純粋な演奏会のための曲までと多岐に渡っています。このクラリネット五重奏曲は晩年に書か れた彼の最後の演奏会用の作品です。3楽章で構成された曲は、各楽章が異なるルーツを持っているという興味深い作品です。 もう一人の作曲家、デル・トレディチはルイス・キャロルに魅せられ、インスパイアされた曲を何曲も書いていますが、この 「マジャールの狂気」は特定の文学作品によるものではありません。「ハンガリー風大ロンド」という副題を持つ終楽章は情 熱的でありながらもどこかユーモラスな雰囲気を持つ曲。プラード・カザルス音楽祭の芸術監督で、パリ国立音楽院、ニース 音楽院の教授で、室内楽奏者、ソリストとして活躍するフランスのクラリネット奏者ミシェル・ルティエによる渾身の演奏で。
NAXOS-8.559816
(1CD)
ホセ・ルイス・グレコ:沈黙の地理学他
1.沈黙の地理学(2004)
2.InPassing-通過中(1993):オーボエ/イングリッシュホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノの ための6つの小品
3.つばめ(1992)
4.その首をはねよ!(2002)
ダンカン・ギフォード(P)…1/チェコ国立SO…1/エイドリアン・リーパー(指)…1/ヤン・コウエンホ ーフェン(オーボエ/イングリッシュ・ホルン)…2/ピーター・ブラント(Vn)…2/アレン・ウイテンボハルド(チェ ロ)…2/エレン・コルヴァー(P)…2/オランダ・ウィンド・アンサンブル…3/エニグマ・アンサンブル…4/クラウス・ サイモン(指)…4

録音:2007年11月13日チェコプラハサイモン&ユダ教会ライヴ収録…1/1993年5月31日オランダアムステルダ ムスタジオ150…2/1992年11月8日アムステルダム・コンセルトヘボウライヴ収録…3/2011年2月22日スペイ ンサラゴサ・アウディトリウム…4
※世界初録音
アメリカに生まれたスペイン人作曲家グレコ(1953-)の作品集。彼の作品は様々な要素の折衷であり、それはポップ、ロック、 ジャズも含む多岐に渡るものです。若い頃、ピアノとギターを学び、また俳優、ダンサーとしても活躍したというグレコは、 アメリカからオランダ、スペインに渡り、各地で活発な活動を続けています。「沈黙の地理学」と題された最初の曲は、18 世紀スペインの探検家マラスピーナのエピソードに基づく内容で、5年間に及ぶスペインへの遠征はジェームズ・クックの偉 業を上回る発見をもたらしたのですが、政治的反逆者として7年間投獄されたことで、その探索結果は全て忘れられてしま ったという事実を「沈黙」になぞらえたと作曲家が語っています。このアイデアは、やがてグレコの第3作目の歌劇「マラ スピーナ」で見事に結実することとなります。アムステルダムに滞在していた時期に書かれた2つの作品「InPassing」と 「つばめ」、グレコが幼い頃、テレビで見て目が釘付けとなったという「不思議な国のアリス」にインスパイアされた「Offwith itsHead!(スペードの女王の言葉)」のユーモラスさの中に潜む緊迫感。ブックレットに記された作曲家自身のノート(英語 のみ)は、作品の成立プロセスや自身の音楽観などが綴られた興味深い内容です。
NAXOS-8.572648
(1CD)
ロドリーゴ:ヴァイオリンを伴う室内楽作品集
1-3.ソナタ・ピンパンテ(1966)
4-10.7つのバレンシアの歌(1982)
11. カプリッチョ(サラサーテに捧げる)(1944)
12-13.暁へのセレナード(1982)
14-15.2つのスケッチ(1923)
16.ルーマニアーナ (1943)
エバ・レオン(Vn)
オルガ・ヴィノクール(P)…1-10.14-16
ヴァージニア・ルケ(G)…12-13

録音:2015年5月11-13日USAニューヨーク,アダム・エイベスハウス・レコーディング・スタジオ
名作「アランフェス協奏曲」で知られるロドリーゴ(1901-1999)。ギター作品の作曲家と思われがちですが、実は彼は優れ たピアニストでもあったため、ピアノ曲や室内楽作品も数多く作曲しています。200曲以上もあるその作品の中では、ヴァ イオリン曲はあまり多くありませんが、どの曲にも強い叙情性と独創性が満ち溢れています。「おしゃれな」といった意味を 持つ「ピンパンテ」と名付けられたソナタは、作曲家の義理の息子であるセルクル・ゴロワーズに捧げられた曲で、第2楽章 のアダージョは熱烈なラテンのリズムを持つ中間部が印象的。民俗風のメロディが美しい「バレンシアの7つの歌」は多彩 なメロディが次々と現れる楽しい曲。無伴奏で奏される「カプリッチョ」はサラサーテの生誕100年を祝して作曲された躍 動的な小品。ギターとの二重奏「暁へのセレナード」はギターの妙技もたっぷり楽しめます。ロドリーゴ初期の作品「2つの スケッチ」の第1曲は、噴水の水の煌きがそのまま反映された前奏に導かれ、少女の恋心が切々と歌われます。第2曲目は 活発なダンス。スペインのヴァイオリニスト、サルバトール・ジョセフィーナに捧げられた「ルーマニアーナ」も同じく情熱 的なダンスです。トゥリーナ(8.570402)、モンサルバーチェ(8.572621)でその演奏が絶賛されたスペイン、カナリー諸島 出身のヴァイオリニスト、エバ・レオンの演奏です。
NAXOS-8.573514
(1CD)
ホルヘ・モレル:ギター作品集
1.ブラジル風舞曲
2.ミロンガ・デル・ビエント
3.舞曲 ホ短調
4.オルト・タンゴ,ブエノスアイレス
5-6.前奏曲と舞曲 (セリル・レフィク・カヤへ)〈前奏曲/セリルのダンス〉
7-9.ソナチネ
10.ロマンス・クリオロ
11.ラテン・ミュージックへのオマージュ(サルサ)
12.小ラプソティ
13. パンペーロ/14.ギガ・クリオラ
15.フェルナンド・ブスタマンテ(1915-1979):ミシオネラ(J.モレル編)
セリル・レフィク・カヤ(G)

録音:2015年9月13-14日カナダオンタリオ、聖ジョン・クリソストム教会
※4.5-6.14.15 …世界初録音
ブエノスアイレスに生まれたギタリスト、作曲家ホルヘ・モレル(1931-)の作品集。彼はずっとファミリーネームである 「Scibona」を名前に入れていましたが、イタリアの若手女優ロザリンダ・リカッチ(若くして亡くなった)のアドヴァイス“皆 に知ってもらうためにはもっと簡単な名前にしたほうがよい”に従い、彼女の思い出のためにも、現在は短い名前“ホルヘ・モ レル”を使っています。7歳からギターを学び始めたモレルは16歳でプロデビューを飾り、カーネギー・ホール、ウィグモ ア・ホールといった名だたるホールでリサイタルを開催、また米国とラテン・アメリカで大規模なツアーを行うほどに、優れ たギタリストとして活躍しています。このアルバムにはモレルの「作曲家」としての作品を紹介、その洗練された作風と名人 芸、即興性を楽しめます。タンゴ風の躍動的な曲はもちろん、しっとりとした抒情的な作品も素晴らしい味わいを持っていま す。演奏しているセリル・レフィク・カヤはトルコ出身の若手で、2012年のジョアン・ファレッタ国際ギターコンクールで 最優秀賞を獲得しています。モレルは彼のために曲を作曲、それはこのアルバムのトラック5と6に収録されています。
NAXOS-8.573530
(1CD)
ヴォーン・ウィリアムズ:「揚げひばり」
ソレント海峡(1902-1903)
ピアノと管弦楽のための幻想曲(1896-1902/1904改編)
6つの小品によるピアノのための組曲(1920)〈第1番:前奏曲/第2番:ゆっくりとした舞曲/第3番:速い舞曲/第4番: ゆっくりとしたエア/第5番:ロンド/第6番:オスティナートの小品〉*
揚げひばり(1914/1920改編)
ジェニファー・パイク(Vn)…9
シナ・クローク(P)…2-8
ニューヨーク室内O…1.2.9
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットーリオ(指)

録音:2015年5月16.17日,10月20日USAニューヨークアデルフィ・パフォーミング・アーツ・センターコンサート・ホール
*=世界初録音
イギリス近代音楽の礎を築いた大作曲家、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)。生涯に渡りホルストと親交を結 び、またシベリウスを尊敬し、自身の第5交響曲を献呈したという彼の作品の多くは、田園風景を思わせる穏やかで優しい 響きの中に、憂鬱さと神秘的な雰囲気を備えています。彼が最初に自作の歌曲「LindenLea」を出版したのは1902年、30 歳になってからであり、それ以前の初期の作品の多くは破棄するか、もしくは出版せずにしまいこんでしまっていました。し かしその中には、彼のその後を決定づける重要な作品も多数見受けられます。この「ソレント海峡」はもともと「4つのオー ケストラのための印象」の第2曲として構想された作品で、スコアには詩人P.B.マークストンのことば「深い海の声にある 情熱と悲哀、全ての風を悲しませる強力な謎」が添えられた10分程度の起伏に富んだ曲。これは同じ頃に構想された「海の 交響曲」にも似た風景を備えています。他には教育目的に書かれたと推測される「ピアノのための組曲」と、やはり初期に書 かれ、その後に改編された「幻想曲」、そして彼の作品の中でも、最も有名なロマンス「揚げひばり」が収録されています。 イギリス音楽入門にもふさわしい1枚です。
NAXOS-8.573644
(1CD)
ラースロー・ライタ:交響曲第2番Op.27
変奏曲Op.44
ペーチSO/ニコラ・パスケ(指)

録音:1995年5月ハンガリーペーチ,フェレンツ・リスト・コンサート・ホール
※MARCO POLO8.223669移行盤
以前MARCO POLOレーベルで発売され、好評を得ていたハンガリーの近代作曲家、ライタ(1892-1963)の作品集第2集が NAXOSレーベルに登場。交響曲第1番を含む第1集(8.573643)よりも深化した作品を聴くことができます。ブダペストに 生まれ、若い頃はライプツィヒ、ジュネーヴ、パリで学び、当時の最先端の音楽語法を身に付けたライタですが、第一次世界 大戦後にはハンガリーに戻り、民俗音楽の収集を始めます。ブダペスト国立音楽院の教授に任命され、第二次世界大戦の勃発 までその地位に留まっていました。作曲家としての彼は管弦楽曲からオペレッタ、映画音楽までと幅広いジャンルの作品を残 しましたが、中でも交響曲という形式は、ライタのアイデアに満ちた豊かな想像力を表出するのに最も適した形であったので しょう。9曲ある交響曲はどれも魅力的な語り口を持っています。この交響曲第2番は、彼の「第一次世界大戦」での経験が 反映された陰気で重苦しい作品で、陽気な第1番とは正反対の雰囲気を有しています。ライタはこの曲を完成したものの、 発表することはなく(そのためテンポ設定などが示されていない)、彼の死後である1988年にハンガリー国立SOによっ てようやく初演された作品です。
NAXOS-8.573715
(1CD)
ウィトボーン:Carolae-クリスマスのための音楽集
1.来て、照らしたまえ(2015)/2.伝承曲:さまよいながら不思議に思う(S.ピルキントン編)(1994)/3.ミサ・キャロレ:行進 (2004)/4.ミサ・キャロレ:キリエ(2004)/5.ミサ・キャロレ:グローリア(2004)/6.冬の待機(2010)/7.ミサ・キャロレ: サンクトゥス(2004)/8.ミサ・キャロレ:ベネディクトゥス(2004)/9.東方の三博士の夢(2011)/10.ミサ・キャロレ:アニ ュス・デイ(2004)/11.伝承曲:コヴェントリー・キャロル(S.ピルキントン編)(2003)/12.公平で聡明である人の(1992)/ 13.ホディ(1999)/14.マニフィカート(2005)/15.おお、大いなる神秘(2002)/16.ヌンク・ディミティス(2005)/17.エ ドムンソン(1892-1971):「高き天」よりトッカータ(1937)
エリック・リーガー(T)…14.16
ダリル・ロビンソン(Org)…1.3-10.13.14.16.17
ウェストミンスタ ー・ウィリアムソン・ヴォイセズ
ジェームズ・ジョルダン(指)

録音:2016年5月16-19日USAニュージャージー、プリンストン大学礼拝堂
※1.9.15…世界初録音
グラミー賞にもノミネートされた、現代イギリスを代表する合唱曲作曲家ウィトボーン(1963-)の《クリスマスのために》と 題された合唱曲集。このアルバムの中心を成す“ミサ・キャロレ”は2つの国、イギリスとアメリカの伝統の融合で、中世音 楽にも大いなる興味を寄せるウィトボーンらしく、オリジナルのメロディと伝承曲、彼のお気に入りのクリスマス・キャロル が巧みなアレンジを施されて次々に登場するという、華やかで賑やかな作品です。1920年頃からイギリスで行われている 「estival of Nine Lessons and Carols」は世界中で大反響を巻き起こし、同じ頃、中世のフォームを意識した「オックス フォード・キャロル」が出版され、こちらも人気になっています。このアルバムは、21世紀における新しい「キャロル」の 形として、先ほどの「Festival of Nine Lessons and Carols」の形式を踏襲し、現代的なアレンジによる伝承曲と、自作の 声楽曲を繋ぎ、一つの感動的なミサ曲に仕上げています。
NAXOS-8.573719
(1CD)
クリスマスwithセプトゥーラ
シュッツ:言葉は肉となり
バッハ:クリスマス組曲
ハロルド・ダーク (1888-1976):暗い真冬で
ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):エサイの根より
ブラームス:エサ イの根より
チャイコフスキー:ばらの王冠
レオンローヴィッチュ(1877-1921):鐘のキャロル
ウォーロック(1894-1930):クリスマス・メドレー
パレストリーナ(1525頃-1594):ラッパを鳴らせ
パー ソンズ(1535頃-1943):アヴェ・マリア
ラフマニノフ:ヴェスペレOp.37第6番-第7番
ペータ ー・コルネリウス(1824-1874):3人の王
ヘンデル:メサイアより〈ラッパが鳴ると/罪をあがなう子羊 /アーメン・コーラス〉
グルーバー:きよしこの夜
セプトゥーラ〈アラン・トーマス(B♭tp)/サイモン・コックス(B♭tp)/ヒュー・モーガン(E♭tp)/サーシャ・ク ーシュク・ジャラーリ(tu)/マシュー・ギー(tb)/マシュー・ナイト(tb)/ダニエル・ウェスト(B-tb)〉

録音:2016年6月4-6日ロンドンニューサウスゲート、セント・ポール教会
「セプトゥーラ」のメンバーは、ロンドンSO、フィルハーモニアO、ロイヤル・PO、BBC SO、バーミンガム市SO、スコットランド歌劇場、オーロラ・オーケストラで活躍する若手金管奏者たちによって 構成されています。これまでにリリースされた4枚のアルバムでも、その驚嘆すべき技術と音楽性で聴き手を魅了してきま したが、今回は、金管楽器の魅力が最も発揮される「クリスマス」の音楽集です。もとより金管楽器の音色は「神を賛美する」 ための響きであり、キリストの誕生を祝すために、これ以上ふさわしい楽器はありません。このアルバムにはおよそ450年 の広範囲に渡る年代の作品が収録されており、華やかな曲も、しっとりとした曲も、どれもが輝かしくも荘厳な音色で演奏さ れています。お馴染みの「きよしこの夜」がアルバムの最後を飾ります。
NAXOS-8.579006
(1CD)
リゴリー・スミルノフ:ドーソン歌曲集/シャコンヌ
シャコンヌ
ドーソン歌曲集〈第1番:私の心の中で滴る涙/第2番:コロナ/第3番:移り変わり/第4番:亡命/第5番: インターリュード/第6番:われらのばらが萎れるとき/第7番:セラフィータ/弟8番:私は冷たい目を変えないだろう/第9番: 沈黙の贈り物/第10番:酒とばらの日々/第11番:沈黙の国/第12番:ポストリュード〉
マーティン・ベーカリー(T)
アドリアン・ダウロフ(Vc)
コンスタンティン・ヴァリアナトス (P)

録音:2015年3月23.24.26日
,2015年4月25日
USAニューヨーク、ヨンカーズ、オクターヴェン・オーデ ィオ
ロシアのノボシビルスクに生まれ、同地の音楽大学で作曲とピアノを学び、プロコフィエフ国際コンクールで作曲賞を受賞し た若き作曲家グリゴリー・スミルノフ(1982-)の作品集。アメリカに移ってからは、奨学金を得てジュリアード音楽院でクリ ストファー・ラウズに師事し、音楽の修士号を獲得しています。彼の作品はアメリカで活躍する作曲家たち、コリリアーノ、 ダニエルプール、オルドリッジらから注目され、とりわけコリリアーノは「彼の作風は時代を超越し、いかなる特定の影響も 受けていない強力な独自性を放っています」と語るほどに、その作品を高く評価しています。このアルバムには、美しいチェ ロの短いメロディがゆるやかに変奏されていく「シャコンヌ」と、イギリスのビクトリア期の詩人、アーネスト・ドーソンの 詩による歌曲が収録されています。バロック期の形式にインスパイアされたという「シャコンヌ」は、穏やかなメロディが、 幾度も繰り返されながら少しずつ崩壊していきます。「酒とばらの日々」で知られるイギリスの詩人ドーソンのテキストを用 いた歌曲集は、詩人が探求した“愛の世界”と“絶望、諦念”を美しい語彙を活かし、丁寧に音に移し変えた意欲的な作品です。
NAXOS-8.660377
(1CD)
A.E.M.グレトリ:歌劇《村の試練》 デニス…ソフィー・ユンカー(S)/マダム・ユベール…タリス・トレヴィーニェ(S)/ラ・フランス…トーマ・ドリエ(Br) /アンドレ…フランシスコ・フェルナンデス=ルエダ(T)/オペラ・ラファイエット/ライアン・ブラウン(指)

録音:2015年1月25-26日USAメリーランド大学ザ・クラリス・Dekelboumホール
※世界初録音
18世紀におけるオペラ・コミック座の最大の作曲家であったアンドレ・エルネスト・モデスト・グレトリ(1741-1813)。ベルギ ーで生まれ、イタリアに留学し、この地でオペラ作曲家への足がかりを掴み、後にパリで大成功。生涯に50曲ほどの歌劇を 作曲し、当時のフランスの音楽界に君臨した人です。NAXOSにはすでに喜劇「ル・マニフィーク」(8.660305)の録音があり ますが、こちらの《村の試練》も、フランス人の気質を表す楽しい歌劇です。裕福な未亡人ユベール夫人とその娘デニス、そ して彼女らを巡る2人の男性が引き起こすいざこざが軽妙な音楽に乗って展開するこの物語は、初演からほぼ一世紀に渡り、 パリの舞台で上演され続けたグレトリの人気作品です。パリだけでなく、アムステルダム、ベルン、サンクトペテルブルクか らニューヨークに至るまで、各地で上演され、国際的な人気を獲得しました。そのため、元のフランス語だけでなくドイツ語 やオランダ語にも翻訳され、また曲中のアリアや最後に置かれたバレエは、家庭用に“小さな編成”の室内楽に編曲され、一層 広まっていったのです。しかし、その後はすっかり忘れ去られてしまった愛すべき歌劇を、ブラウン率いるオペラ・ラファイ エットが現代に蘇らせた貴重な録音です。
NAXOS-8.503289(3CD)
ヴィラ=ロボス:ギターの写本傑作集と失われた作品全集


〈8.573115…第1集〉
1-3.ギター協奏曲
4.シンプレス
5.ヴァルス・ショーロ
6-7.シランダス(E.プホールによる2台のギター編)より
8-9.アマゾンの森
10.詩人の歌第18番
11.セレスタス-第5番:モディーニャ
12.ワルツ
13.ギリシャのモティーフ
14.ブラジル風バッハ第5番第1楽章「アリア(カンティレーナ)」

〈8.573116…第2集〉
1.私に話して(A.ビッソーリによる復元版)
2.ワルツ協奏曲第2番(A.ビッソーリによる補筆完成版)
3.神秘的な六重奏曲
4.ショーロへの序奏
5.ショーロ第1番
6.ショーロ第6番
7.アマゾンの森-愛の歌

〈8.573117…第3集〉
1.タランテッラ(A.ビッソーリによるギター編)
2-13.12の練習曲
14-27.「実用の手引き」から民謡編曲集(A.ビッソーリによる器楽編)〈第71番:小さな斧/第112番:サンバ・レレ/第15番:羊飼い/第108番:黄色いばら(第1稿)/第31番:カルネイリンホ,カルネイラオ/第45番:おお、クラーボ(第1稿)/第133番:ヴィツ/第114番:セニョーラ・ドンナ・サンチャ(第1稿)/第87番:フランシスコ様(第1稿)/第35番:おお、シランダ、おお、シランディンハ、輪になって踊ろう/第41番:信心深く/第137番:しーっ!小鳥さん/第55番:私はイトローロへ行った(第2稿)/第90番:パサラス、ナオ、パサラス〉
28.O papagaio do moleque-少年の凧(1932)
〈8.573115…第1集〉
アンドレア・ビッソーリ(G)/リサ・セラフィーニ(ソプラノ…8-11.14)/フェデリカ・アルトゥオーソ(ギター…6.7.9)/ステファノ・ブライト(フルート…13)/スコラ・サン・ロッコcho…13/フランチェスコ・エルレ(指)…13/ミナスジェライス・フィルハーモニックO…1-3/ファビオ・メケッティ(指)…1-3
録音:2012年10月5日ブラジルミナスジェライス,イビリテテアトロ・ド・チェントロ・エドゥカシオナル…1-3,2009年12月11-14日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…4.5,2012年8月10-16日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…6-11.14,2010年3月17日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…12,2012年11月25日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サン・ロッコ…13
※7.12.13…世界初録音

〈8.573116…第2集〉
アンドレア・ビッソーリ(G)…1-5.7/ガブリエラ・パース(S)…7/アンサンブル・ムーサゲート〈メンバー:アンドレア・ビッソーリ(G)/ファビオ・プピッロ(フルート)/レモ・ペロナート(オーボエ)/マウロ・リビチーニ(アルト・サクソフォン)/アンナ・ピッターロ(チェレスタ)/フランチェスカ・ティラーレ(ハープ)〉…3/ミナスジェライス・フィルハーモニックO…4.6.7/ファビオ・メケッティ(指)…4.6.7
録音:2013年3月24日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・クリストフォーロ…1.3,2010年3月17日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…2.5,2012年10月4日ブラジルミナスジェライス,イビリテテアトロ・ド・チェントロ・エドゥカシオナル…4,2013年5月1日ブラジルミナスジェライス,ベロ・ホリゾンテ,パラチオ・ダス・アルテス…6.7

〈8.573117…第3集〉
アンドレア・ビッソーリ(ギター・カバキーニョ)/アンサンブル・シランジーニャ…14-27/ミナスジェライス・PO/ファビオ・メケッティ(指)
録音:2014年7月1-5日イタリアアルクナーノ,ヴィラ・カネラ・ディ・サラスコ…1-13,2012年8月10-164日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…14-27,2013年5月2日ブラジルミナスジェライス,ベロ・ホリゾンテ,パラシオ・ダス・アルテス…28
※世界初録音…1.14-27
1887年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス(1887-1959)。ブラジルの民俗音楽と現代 音楽が見事に融合した「ブラジル風バッハ」や、民俗音楽に由来したショーロスなどが広く愛されていますが、実は、生涯で 1000曲近くに及ぶ膨大な作品を残しており、現在知られているヴィラ=ロボスは、ほんの一部でしかないことはあまり意識 されていないと言ってもよいでしょう。彼は作曲を独学で学びながらブラジルの民謡を積極的に採取し、数々の名作を作り上 げていきました。この3巻からなるシリーズは、そんな「知られざる作品」を発掘、収録することでヴィラ=ロボスの新たな 魅力を探って行くことができます。第1集には、セゴビアのために作曲した「ギター協奏曲」を始め、断片的な作品や、良 く知られる「ブラジル風バッハ第5番」のアリアをギター伴奏にしたものなど興味深い作品が並んでいます。第2集には一 般にはほとんど知られることのないいくつかの作品を収録。彼の最も初期に書かれた「Dimeperche-理由を私に話して」は 短いながらも充実した構成を持ち、めまぐるしくテンポが変わる面白い曲です。2014年に出版されたばかりの「ワルツ協奏 曲第2番」は未完成ではありますが、ビッソーリが補筆完成させており、タイトル通りショパンの面影を感じさせる名曲で す。チェレスタやハープまでを用いたユニークな音色が特色の「六重奏曲」には確かに熱帯地方の空気が漂っています。民俗 舞曲に基づく「ショーロ」の数々は有名な作品。これを聴かずにはヴィラ=ロボスは語れません。最後の「愛の歌」は、映画 のサウンドトラック。と言っても、彼の曲が使われたのは映画の最後のカットのみですが、映画を見た人には強い印象を残し たであろう美しい曲です。第3集に収録されているのは「12の練習曲」と「実用の手引き」が中心となります。ヴィラ=ロ ボスが「12の練習曲」を書くきっかけとなったのは、あの伝説の名ギタリスト、アンドレス・セゴビアと出会ったことでし た。セゴビアはヴィラ=ロボスに「練習曲」の作曲を依頼し、1928年に完成したのですが、なぜかヴィラ=ロボスは1953 年、大幅な改訂(カット、追加、変更、運指法など)を加えてしまいました。ギタリスト、ビッソーリはこの失われた要素を研 究し復元して演奏しています。また子ども向けの教材として書かれた「実用の手引き」はピアノで演奏されることが多いので すが、ここでは民族楽器とギターのアンサンブルでひたすら楽しく演奏されています。そして、壮大な交響的エピソード「少 年の凧」がこのアルバムの最後、及びシリーズの最後を華々しく飾ります。少年の揚げる色鮮やかな凧が空気中を旋回しなが ら、風に乗って舞う姿が見事に捉えられた映画音楽のようなスリリングな作品です。

NAXOSスタンダード 2016年10月発売
NAXOS-8.573536(1CD)
マーラー(シェーンベルク編):さすらう若人の歌
大地の歌
スーザン・プラッツ(Ms)
チャールズ・レイド(T)
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
アタッカQ
ヴァージニア・アーツ・フェスティヴァル・チェンバー・プレイヤーズ
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2015年5月6日USAノーフォークヴァージニア・アーツ・フェスティヴァ
1918年の秋、シェーンベルクはウィーンで「私的演奏協会」を立ち上げました。それは当時の“現代音楽”を人々にきちんと 広めることを目的とし、入念なリハーサルを行い、工夫を凝らしたプログラムを週1回演奏するというもの。ここでは立ち 上げの翌年から1921年、インフレのために活動停止を余儀なくされるまでの3年間に、117回のコンサー卜が行われ、154 もの作品が演奏されたのです。ただし、交響曲や管弦楽などの大規模な編成を必要とする曲は、資金面などの様々な理由でそ のままの形ではなく、シェーンベルクと彼の弟子たちによって、小さな編成に編曲が施されて演奏されました。このアルバム に収録された2つの作品はどちらもシェーンベルク自身の編曲によるもの。若きシェーンベルクが敬愛していたマーラーの 作品が瑞々しく、また透明感溢れるアンサンブルに生まれ変っています。
NAXOS-8.573565(1CD)
ヴァインベルク:交響曲第17番「記憶」他
管弦楽のための組曲(1950)*
交響曲第17番「記憶JOp.137
シベリア国立SO(クラスノヤルスク)
ウラディーミル・ランデ(指)

録音:2015年7月7-14日ロシアクラスノヤルスク・フィルハーモニック大ホール
*=世界初録音
1982年から84年にかけて作曲されたヴァインベルク(1919-1996)の交響曲第17番は「戦争三部作」と呼ばれるシリーズ の第1作目にあたります。タイトルはロシアの女性詩人アンナ・アフマー卜ヴァの詩から採られており、スコアには彼女の 詩が掲載されていますが、作曲者は具体的な説明をしていません。戦争によって親兄弟全てを失ったヴァインベルクの静かな悲しみと怒りが、どの楽章にも強く滲み出た、説明不要の力作です。 かたや「組曲」は、スターリンの支配が終わろうとする1950年頃に書かれた作品ですが、この当時のヴァインベルクは映画 音楽やサーカスの音楽で身を立てており、この曲もそんな中の一つだと推測されます。1951年に出版されましたが、正式な 演奏の記録は見当たらず、恐らくこの録音も世界初だと思われます。ショスタコーヴィチの《ジャズ組曲》を思わせる軽妙な 旋律は、錯綜した時代をそのまま表現しています。
NAXOS-8.559792(1CD)
ダニエルプール:孤独の歌・戦争の歌
孤独の歌(2002)*
戦争の歌(2008)*
素晴らしい都市に向けて(1992)
トーマス・ハンプソン(Br)
ナッシュヴィルSO
ジャン力ルロ・ゲレーロ(指)

録音:2015年3月12-14日、2015年11月20-21日 ナュシュヴィルシャーマーホーン・シンフォニー・センタ一、ローラ・ターナー・コンサー卜・ホール
*=世界初録音
幾度季節が巡ろうとも、人々の記憶から失われることのない事項の一つに「9.11」があります。ニューヨークで活躍する現 代作曲家ダニエルプール(1956-)は、自作の「アメリカン・レクイエム」の初演のために、9月11日の朝、演奏会場である ピークスキルの“コープランド・ハウス=コープランドが所有していた家”でスコアのチェックを行っていました。その時マン ハッタンの出版社から電話が来て、同時多発テ口の勃発を知ったダニエルプールは、その事件と「アメリ力ン・レクイエム」 との関連性に震憾したのです。もともと「アメリカン・レクイエム」は20世紀を通じて異なる戦争で戦った60人以上の退 役軍人たちのインタビューから生まれた作品であり、ソリストには卜ーマス・ハンプソンが起用されていました。そこでダニ エルプールは、今度は9.11を含む、世界中で起きる悲惨な戦いの犠牲者たちのために、同じく卜ーマス・ハンプソンが歌う ことを想定した2つの新たな歌曲集を創り上げました。一つはウィリアム・バ卜ラー・イェーツの詩を用いた「孤独の歌」、 もう一つはウォル卜・ホイッ卜マンの詩を用いた「戦争の歌」です。そして、1992年に作曲された「素晴らしい都市に向け て」はまだその事件を知らなかったニューヨークの肖像画です。
NAXOS-8.573067(1CD)
ティアンワ・ヤン、スペインを弾く
ラロ:スペイン交響曲Op.21
ホアン・マネン:ヴァイオリン協奏曲
第1番《コンシェルト・エスパニョール》Op.A-7(1898/1935頃改編)
ティアンワ・ヤン(楊天塙)(Vn)
バルセロナSO&カタロニア国立O
ダレル・アン(指)

録音:2015年6月25-27日スペインバルセロナパブロ・カザルス・ホール
NAXOSが注目するヴァイオリニス卜、ティアンワ・ヤンによる2曲の“スペイン風"協奏曲集。ラロ(1823-1892)の「スペ イン交響曲」は彼の代表作であり、誰もが知っている名作です。かたやマネン(1883-1971)の協奏曲は、全くと言ってよい ほどに知られていない秘曲。しかし、どちらの作品も華やかで技巧的なパッセージと情熱的なリズムに満たされており、サラ サーテの演奏で絶賛されているヤンの熱い演奏は、2つの作品の「スペイン魂」を見事に表出しています。ラロの「スペイン 交響曲」は1874年、サラサーテのために書かれた作品で、タイトルこそ「交響曲」とされているものの、実質的には協奏曲。 以前は第3楽章がカッ卜される傾向にありましたが、最近では5楽章を通して演奏することが多く、ここでも全5楽章を聞 く事ができます。ホアン・マネンはバルセ口ナ出身のヴァイオリニス卜、作曲家。彼が活躍していた20世紀の始めにはサラ サーテやパブロ・カザルスと並ぶ人気を博していました人です。この協奏曲は彼の初期の作品で、若々しいフレーズと、変化 に富む楽想が次々と現れる優美な協奏曲です。ヤンのヴァイオリンの名技だけでなく、バックのバルセロナSOを振るダ レル・アンの統率カにも注目の1枚です。
NAXOS-8.573354(1CD)
ラヴェル:バレエ音楽《マ・メール・ロワ》(1912)
バレエ音楽《ジャンヌの扇》(1927)
ロワール国立O
ジョン・アクセルロッド(指)

録音:2012年7月、10月フランスナント
ラヴェル(1875-1937)のバレエ音楽《マ・メール・ロワ》。このタイトルはイギリスを中心に発祥した伝承童話「マザー・グ ース」のフランス語読みで、ラヴェルの友人の子供たちのために最初はピアノ連弾曲として作曲されました。ラヴェルは後に 芸術劇場の支配人であったジャック・ルーシェの依頼により、この組曲をバレエ版に編曲。その際は曲順を入れ替え、また、 前奏曲、間奏曲などいくつかの曲を付け加え、ラヴェルらしい色彩豊かなオーケストレーションを施し、実に見事な作品とし て生まれ変わらせました。とは言え、このアルバムで注目したいのは「ジャンヌの扇」。こちらは当時のサロン主宰者、マダ ム・ジャンヌ・デュボストの依頼作品で、当時フランスで活躍していた10人の作曲家たちが、彼女の扇の片面に収まるほど の短い曲を書き、これをつなぎ合わせた作品です。この組曲は1928年にロジェ・デゾルミエールの指揮によって私的に初演、 その際にはジャンヌが運営するバレエ学校の子供たちが、マリー・ローランサンの衣装を着けて踊ったのだそうです。その翌 年にはオペラ座で一般公開されました。その時の主役は10歳のタマラ・トゥマノワで、彼女は以降、パリのバレエ界のみな らず、映画界でも活躍、世界的な知名度を得たことでも知られています。10人の作曲家の作品はとても個性豊かで、時には ストラヴィンスキーの影響も感じさせる楽しい曲が揃っています。
NAXOS-8.555533(1CD)
シュポア:交響曲第3番&第6番
交響曲第3番ハ短調Op.78(1828
交響曲第6番ト長調Op.116(1839)
スロヴァキア国立PO
アルフレート・ヴァルター(指)

録音:1991年11月12-16日チェココシツェ芸術の家
MARCO POLO8.223439より移行盤
モーツァルトやベートーヴェンの正統的な後継者として認識されていたドイツの作曲家シュポア(1784-1859)。もともとは 優れたヴァイオリニス卜として活動を始めた彼、最初のうちは先輩たちから強い影響を受けた作品を書いていましたが、1828 年に発表した第3番の交響曲では、自信に満ちた堂々たる作風を見ることができます。これは、その前に発表された何曲か のヴァイオリン協奏曲と、2つの交響曲の初演が成功したことが大きな要因でしょう。以降、彼の作品には様々な創意工夫が 見られ、1839年の交響曲第6番では、120年の音楽の歴史を振り返るという大胆な試みをしています。バロックの後期から、 この交響曲が書かれた“時代”を4つに分け、それぞれの年代の作風で作られた楽章で構成されたこの交響曲、ベートーヴェ ンの時代におけるティンパニのチューニング問題なども含め、たくさんの興味深い事項も内包しています。時代の特徴を知り 尽くした上で、若干の批判も込めて書き上げられた力作です。
NAXOS-8.559803(1CD)
フェイルーズ:ツァブルの書〜ナジュラ・サイード(1974-)のリブレットによる
パート1〈予言/ここには力がない/時折ひびわれが遠くにあり/そして今、その前に急いで見えたもの/主はそれらを嘲笑う/恐怖で主に仕え〉
パート2〈あなたのろうそくはほとんど外に/私は子供たちを遊ばせようとした、しかし彼らはしなかった/私たちには全てが必要だ、特に子供たちには/私たちは飢えていることを伝えることができますか?/そうです、子供たち。これは芸術の力です/感激です!/シェルターの破壊/ああ主よ、我が祈りを聞きたまえ/主は見下す/初めにあなたは礎を築いた〉
ダン・コークウェル(T)
マイケル・ケリー(Br)
インディアナポリス児童cho
インディアナポリス・シンフォニックcho
インディアナポリスSO
エリック・スターク(指)

録音:2015年4月24日USAインディアナポリス、ヒルバート・サークル劇場
※世界初録音
1985年生まれのモハメド・フェイルース(1985-)はアメリカを中心に、世界的に注目されている若手の作曲家。7歳の時に オスカー・ワイルドに心酔し、いくつもの歌曲を作曲するなど、早いうちからその才能が認められていました。ニューイング ランド音楽院、カーティス音楽院で学び、ガンサー・シュラー、ハリムエル・ダブー、ジョルジ・リゲティ、ジョン・ハイス など錆々たる顔ぶれの人々から様々な手法を学んでいます。「私はテキス卜に取り憑かれている」と雑誌のインタビューで答 えた彼、やはりその作品は声楽を含むものが多く、用いられたテキス卜は古典から現代まで幅広いものをカバーしています。 この《ツァブル(詩篇のアラビア語)の書》は国際的に活躍する女優、作家ナジュラ・サイードによって書かれた作品で、戦争 によって引き起こされる悲劇、とりわけ子供たちの状況が切々と歌われます。絶望的な状況下では祈る他ない弱い存在にも、 最後は希望がもたらされるのが唯ーの救いです。
NAXOS-8.573325(1CD)
シャンソニエ・コルディフォルム-ハート形のシャンソン集
作者不詳:L'autre jour, par ung matin - 別の目、その朝
作者不詳:Helas, n’aray je jamais mieulx - アラス、私に は進歩が見られませんか
作者不詳: Terriblement suis fortunee - 私はずっとひどく不幸だ
エーヌ・ヴァン・ギゼゲム (1445 頃-1476/1497): De tous biens plaine est ma maistresse - 私の恋人は常にすばらしい
ジル・バンショワ(1400 頃-1460):Comme femme desconfortee - 運のない女性のように
ヴィンチェネット (1430 頃-1479 以前):Fortune, par ta cruaulte - 運命よ、あなたは残酷だ
作者不詳:Adieu vous dy l’espoir de ma jonesse - 私はあなたに別れを告 げる、私の青春は希望だ
ヨハネス・テインク卜ーリス (1430 頃/35-1511): Le souvenir - 思い出
作者不詳:Ben lo sa Dio se sum vergine e pura - 主は私は純粋な小間使いだと知っている
作者不詳:Chiara fontana de belli costumi - 宮廷美神の澄んだ泉
ロバー卜・モートン(1430 頃-1483):N'aray je jamais mieulx que j'ay - 私にはまだ多くの改善 がみえないですか?
ギョーム・デュファイ(1397-1474):Dona gentile he bella come l'oro - 高貴な女性、彼女はまた 黄金のように素敵だ
ティンクトーリス:De tous biens playne - 全ての品質
作者不詳: O pelegrina, o luce, o clara stella - ああすばらしい、光、輝く星
ヨハネス・オケヘム(1410 頃-1497):Ma bouche rit et ma pensee pleure - 私の口は笑い、私の心は泣く
作者不詳:La gratia de vos, donsella-ご夫人、あなたの優雅さ
作者不詳:Comme ung homme desconforte - 意気消沈した男のように
作者不詳:Perla mya cara, o dolce amore-私の愛する真珠、ああ、甘き愛
アンサンブル・レオネス〈メンバー:エルス・ヤンセンス=ファンムンスター(ヴォーカル)/ライティス・グリガリス(ヴォーカル)/マティアス・スペッリー(ヴォーカル)/エリザベス・ラムゼイ(ヴィオラ・ダルコ)/パプティス卜・ロメイ(ヴィエール、リラ・ダ・ブラチオ)/マルク・レオン=アンサンブル・ディレクター/ヴィオラ・ダルコ、ギターン(小型リュート、プレクトラム・リュー卜)〉

録音:2014年10月6-9日スイスビンニンゲン、ハイリッヒ・クロイツ教会
15世紀の中頃に編纂された43曲の世俗歌曲が集められたこの写本、なぜかハートの形をしているということで知られてい ます。この写本を作ったのはJeandeMontchenuジャン・ド・モンシュヌという名前の司祭で、彼がいたずらっぽく「自 堕落な、全ての悪意に満ちた曲集」と呼んだこの写本は、ハート型の美しい原稿がベルベットで覆われた実に精巧な装丁で、 開くと両面に装飾が凝らされた譜面が現れるという仕組みになっています。曲を書いたのは、ほとんどが無名の人々ですが、 中にはデュファイやオケヘム、ジル・バンショワなどの名前も確認されます。実際の音楽はエレガントなメロディだったり、 ハイテンションの曲だったりとこちらも変幻自在。この時代の音楽好きにはたまりません。ルネサンス音楽のオーソリティ、 アンサンブル・レオネスのこまやかな演奏です。
NAXOS-8.573409(1CD)
21世紀のスペイン・ギター作品集第2集
レオナルド・バラダ(1933-):カプリチョス第11番:グラナドスの抽象化(2014)
ヘスス・卜レス(1965-):6.lnteriores-内面
マルク・ロペス・ゴドーイ(1965-):秋のエレジー(2012)
アントン・ガルシア・アブリル(1933-):2つのカンタレス*
ルイ・デ・パブロ(1930-):象牙の塔(2013)
エドゥアルド・ソウトゥーリョ(1968-):私は弦の下にあなたを捉える(2013)
ヤコボ・ドゥラン=ロリガ(1958-):アポン21(2012)
ベネット・カサブランカス(1933-):ギターのための3つの小品(2011)
ホアン・マヌエル・ルイス(1968-):オリオン(2010)
アダム・レヴィン(G)

録音:2014年11月21-24日カナダオンタリオ、聖ジョン・クリソス卜ム教会
*以外=全て世界初録音
全4集からなる「21世紀のスペイン・ギター作品集」シリーズの第2集。前作と同じく、数々の受賞経験を持つギタリスト、 アダム・レヴィンの演奏です。1936年から1975年に渡って独裁体制を維持していたフランコ政権下、芸術家たちは圧政に 苦しめられていましたが、フランコ政権終焉後からは、その遅れを取り戻すべく、スペインの音楽界は目覚しい復興を遂げま す。このシリーズでは、そんな苦難の時期を乗り越えた21世紀のスペインのギター作品を聴くことができます。どれも見事 なもので、冒頭のバラダの「グラナドスへのオマージュ」は、まさにスペインのギター音楽の輝かしい歴史が感じられるもの と言えるでしょう。バラダの才能ある学生の一人、カタロニアのロペス・ゴドーイの描写的な「秋のエレジー」、ヘスス・卜 レスのモノローグ、NAXOSではすでにおなじみの作曲家カサブランカスの「3つの小品」など、アルバムのほとんどが世界 初録音。
NAXOS-8.573525(1CD)
エルヴィン・シュルホフ:室内楽作品集
弦楽六重奏曲Op.45(1924)
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1925)
5つのジャズ・エチュード(1926)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン〈メンバー:ポリス・ブロフツイン(第1ヴァイオリン…1-4)、(ヴァイオリン…5-8)/ヴァレリー・ソコロフ(第2ヴァイオリン…1-4)、(ヴァイオリン…9-12)/フィリップ・デュークス(第1ヴィオラ)…1-4/マキシム・リサノフ(第2ヴィオラ)…1-4/イェンス・ベーター・マインツ(第1チェロ…1-4)(チェロ…9-12)/トルレイフ・テデーン(第2チェロ)…1-4/エルダー・ネボルシン(P)…5-8、13-17〉/フランクS.ドッジ(芸術監督)

録音:2016年1月4-6日ドイツベルリン・フィルハーモニー室内楽ホール
プラハ生まれの天才、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)。第二次世界大戦時は「退廃音楽」の作曲家として排斥されな がらも、戦後はその作品が再評価され、ここ数十年でますます人気を獲得しています。彼はその生涯において様々な作風を取 り入れた作品を多数残し、その中には実験的な作品や、ジャズ風味の作品まで多種多様なものが含まれています。このアルバ ムには、彼がベルリンで華やかに活躍していた1924年から1927年までの作品を収録。アルバン・ベルクに宛てて書いた手 紙の中で「リズミカルな中毒性を持つ作品」と語った「5つのジャズ・エチュード」や、バルトーク、コダーイ、そしてドビ ュッシーの作品にも似た「ヴァイオリン・ソナタ」と「二重奏」、暴力的な音が昨裂するキュビスムの影響を受けた「六重奏」 の4作を、近現代作品を得意とするスペクトラム・コンサーツ・ベルリンが見事に演奏しています。
NAXOS-8.573539(1CD)
トゥリーナ:ピアノ作品集第12集
私の小さなコーナーへの思い出Op.14(1914)
売られた猫Op.32(1925)
クリスマスOp.16(1916)〈第1場/第2場〉
頭蓋骨のキリストOp.30(1923-1924)
ホルディ・マソ(P)

録音2015年10月3-4日スペインヤフレ,アウディトリウム
1882年セビリアに生まれたピアニス卜、作曲家トゥリーナ(1882-1949)。20世紀スペインを代表する音楽家の一人であり、 スペインの民族音楽を取り入れた作風で管弦楽から舞台音楽、室内楽、器楽曲、歌曲までと多彩な作品を数多く書き上げまし た。10年以上の長きに渡って継続中のホルディ・マソによるトゥリーナのピアノ作品全集は、このアルバムを含め、あと2 枚で完結となりますが、ここに収録されている作品はどれもちょっと不可解なもので、当アルバムに解説を寄せている批評家 フスト・ロメロも「最初は理解不能だった」と告白しているほどです。冒頭の「私の小さなコーナーへの思い出」もタイトル からしてよくわかりませんが、実はこの曲、トゥリーナの気晴らしとして作られた「色々な作品からのオマージュ」なのです。 自筆のスコアには、彼の友人や小さな個人的な出来事にまつわる数多くの注意事項が、イタリック体で書き込まれているとい う、エルガーの「工ニグマ」のような作品と言えばよいのかもしれません。他の3つの作品は、どれも彼が敬愛していたス ペインの詩人グスタボ・アドルフォ・ベッケル(1836-1870)の詩からインスピレーションを受けて書かれており、ベッケル が描こうとした愛の歓喜や苦悩、孤独などが、丁寧に音楽に移し変えられています。例えば「頭蓋骨のキリスト像」は一人の 女性を巡って「頭蓋骨のキリスト像」の前で決闘を始めようとしたアロンソとロぺ。しかし銅像の不思議な力で決闘を回避で きたという結末の極めて描写的であり、楽しい作品です。
NAXOS-8.573591(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/アルメン・ドネイアン〜ギター・リサイタル
ヨハン・ドゥベツ(1828-1891):ハンガリーの主題による幻想曲
ルイジ・レニャーニ(1790-1877):幻想曲Op.19
アレクサンドル・タンスマン(1897-1986):パッサカリア
フランシスコ・タルレガ(1852-1909):椿姫の主題による幻想曲
ホアキン・トゥリーナ(1882-1949):ソナタ
レオ・ブローウェル(1939-):オリシャたちの儀式
ヴィラ=ロボス:練習曲第1番 練習曲第12番
アルメン・ドネイアン(G)

録音:2016年3月3-6日カナダオンタリオ、聖ジョン・クリソストム教会
1989年生まれのフランスのギタリスト、アルメン・ドネイアンは6歳からギターを始め、最初はアレクサンドル・ジェラー ル、ダニエル・ラヴィアールに師事、パリ地方音楽院に入学してからはラモン・デ・エレッラの下で学び、2008年に1等賞 を獲得しました。その後も数々の名教師に学び、ソロ、室内楽の研績を積み、また数多くの国際コンクールでも良い成績を収 めています。2012年にはイギリスの「アイヴァー・メイランツ国際コンクール」で第1位、2014年にはイタリアの「ステ ファノ・ストラータ・コンクール」で第二位と聴衆賞を獲得、そして2015年にはギター・コンクールの最高峰「GFA(GITAR FOUNDATIONOFAMERICA)国際ギター・コンクール」で銀メダルを受賞、今後の活躍が嘱望されています。そんなドネイ アンの多彩な才能が感じられるこのアルバム、選ばれた作品はハンガリー、ポーランド、イタリア、スペイン、キューバ、ブ ラジルと多岐に渡ります。ハンガリー民謡、フラメンコ、タンゴ・・・様々な雰囲気を纏った作品は、どれも高い技術と音楽性 を要するものばかり。
NAXOS-8.57366(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴシャン・マメドクリエフ〜ギター・リサイタル
ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):5つのバガテル
ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり
 小麦畑で
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004-シャコンヌ(R.マメドクリエフ編)
ジョン・ウィリアムス(1932-):ロンド
ニキタ・コシュキン(1956-):ソナタ第2番
ロヴシャン・マメドクリ工フ(G)

録音:2016年1月7-10日カナダオンタリオ州ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
1986年、アゼルバイジャンで生まれたマメドクリエフは既にNAXOSレーベルから2013年にアルバムをリリースしていま す。その時は、2012年のGFA国際ギター・コンクールで第1位を獲得した記念リリースとしてでしたが、今回は同じく国 際ギター・コンクールの名門である「ミケーレ・ピッタールガ国際コンクール」での2015年優勝記念のアルバムです。前作 でも多彩なレパートリーを披露していたマメドクリエフですが、今作では、自身でギター用に編曲したバッハの“シャコンヌ" を中心に、現代作品を散りばめた聴き応えのあるプログラムを創り上げています。ウォルトンの華麗なバガテル、ロドリーゴ の持情的な2つの作品、映画音楽作曲家ジョン・ウィリアムス(ギタリストではない)の初のギターのための作品「ロンド」、 自らも優れたギタリストであるコシュキンの技巧的なソナ夕、マメドクリエフの文句ない技術と無限の可能性を感じさせる1 枚です。
NAXOS-8.573701(1CD)
ゴルトムント弦楽四重奏団〜ハイドン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1番変ロ長調「狩り」Op.1-No.1Hob.III:1
弦楽四重奏曲第29番卜長調「ごきげんいかが」Op.33No.5Hob:III:41
弦楽四重奏曲第66番卜長調「ロプコヴィッツ」Op.77No.1Hob:III:81
ゴルトムントSQ〈フローリアン・シェッツ(第1ヴァイオリン)/ピンカス・アド(第2ヴァイオリン)/クリストフ・ヴァンドリー(Va)/ラファエル・パラ卜ーレ(Vc)〉

録音:2016年4月18-21日ドイツイスマニングガブリエル教会
2015年「バイエルン・ヤング・アーテイス卜賞」を獲得、“現在ヨーロッパで最もエキサイティングな弦楽四重奏団”と評さ れているゴル卜ムント弦楽四重奏団によるハイドン(1732-1809)の一連の弦楽四重奏曲。2009年に結成されたゴルトムン ト弦楽四重奏団は、マドリッドの室内楽国際研究所でゲルハル卜・シュルツとギュター・ピヒラーに師事、数々のマスターク ラスで研鑽を積み、ミュンヘン、プリンツレゲンテン劇場でデビューを飾って以来、世界中のコンサー卜・ホールで演奏を行 っています。すでにクリストフ・ポッペンやアラベラ・美歩・シュタインバッハーら数多くのアーテイス卜と共演を行い、各 地の音楽祭にも出演が予定されており、今後の活躍に期待が集まっています。このアルバムでは、ハイドンの初期、中期、後 期の3曲の演奏を収録。各々の様式を踏まえた上で繰り広げられる、小気味よく若々しい演奏です。
NAXOS-8.660144(2CD)
グラナドス:歌劇《カルメル派のマリア》 カルメル派のマリア…ディアナ・ヴェネローゼ(S)/コンセプシオン:マリアの母...ラリサ・コステェク(Ms)/フエンサンタ…シルビア・バスケス(S)/ペンチョ...ヘスス・スアステ(Br)/ハビエル...ダンテ・アルカーラ(T)/ドミンゴ:ハビエルの父…ジアンフランコ・モン卜レソル(Br)/ドン・フルゲンチオ…デヴィッド・カリー(T)/ペプソ…アルベルト・アッラバル(Br)/ミガーロ…スチュワー卜・ケンプスター(Bs)/アン卜ン…リッカルド・ミラベッリ(T)/ロクェ…アレックス・アシュワースバリトン)/アンドレス…ニコラス・シャーラット(T)/フエルターノ(歌手)…ヴィチェンチ・エステーベ(T)
ウェックスフォード・フェスティヴァル・オペラ・コーラス
ベラルーシ・ナショナル・フィルハーモニックO
マックス・ブラガド=ダルマン(指)

録音:2003年10月23.26.29日ウェックスフォード音楽祭アイルランドウェックスフォード、シアター・ロイヤル
水不足に悩む村に住む貧しい農民ペンチョと、彼のライバルの裕福なハビエル。この2人がペンチョの恋人であるマリアを 巡って三角関係になり、周囲の人々を巻き込みながら諍いを引き起こします。 グラナドス(1867-1916)の舞台作品の中で、最初に成功を収めたのがこの《カルメル派のマリア》です。資料によっては" サルスエラ"にも分類されるこの歌劇は、1898年に初演され絶賛されました。しかしその翌年、バルセロナのティボリ劇場 で上演された時は聴衆から猛反発を受け、そのまま劇場のレパートリーから消え、いつしか作品そのものが忘れられてしまい、 このブラガド=ダルマンが蘇演するまでは上演の機会はほとんどありませんでした。 とはいえ、初演当時の批評家たちは、まるでワーグナ一作品のような重厚な響きと精微なオーケストレーション、抒情的な旋 律を讃え、また、当時の女王マリア・クリスティナはグラナドスに勲章を授けたほど。一聴に値する力作です。
NAXOS-8.660361(2CD)
マイール:歌劇「愛は反対されることなく」 アルガンテ…ジュリオ・アルヴィーゼ・カセッリ(Bs)/エルネスト…リチャード・レッシュ(T)/エルミーラ/ゼフィリーナ…モニカ・リヒテネッガー(S)/ポリカルポ…フィリップ・ガイザー(パス)/ジェルミーナ…ローラ・
ファイク(S)/マルトレッロ…ヨーゼフ・ツヴィンク(パス)/イース卜・ウエス卜・ヨーロッパ祝祭O(テオーナ・グッバ=チヘイゼ・・・コンサー卜マスター)/フランツ・ハウク(ハープシコード&指)

録音:2011年5月8-12日ドイツノイブルク・アン・デア・ドナウコングレガツィオーンザール
※世界初録音:
娘ジェルミーナの幸せな結婚を望むポリカルポ、息子エルネストの結婚相手を探すアルガンテ、ジェルミーナとアルガンテが 結婚すれば話は早いのですが、しかし両家の思惑通りにはいきません。その鍵を握るのがポリカルポの家政婦であるゼフェリ ーナ。彼女は以前エルネストと何かがあったようなのです。さて、このお話の結末は… マイール(1763-1845)の歌劇「愛は反対されることなく」は、1810年2月24日、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場で初演 されました。その2日後の26日には第2回目の上演があり、当時の名歌手たちがこの上演に花を添えたのです。この劇場は ヴェネツィアの貴族ジュスティアーニが代々受け継ぐ私設の劇場で、18歳のロッシーニも作曲家としてのデビューを飾った のがこの劇場でした。当時のイタリアではすでに1幕物のファルサの流行は廃れており、このマイールの作品も2幕構成に なっています。当時、この劇場への入場料はとても高価でしたが、謝肉祭の時期にはこぞってこの劇場に出かけ、オペラを見 るのが貴族たちの楽しみだったのです。劇場は資金不足めために1818年に閉鎖されてしまいましたが、この作品にまつわる 幾つかの資料は残されており、この復活上演にも大きく役立ったことは言うまでもありません。

NAXOSスタンダード 2016年9月発売
NAX-8.508017D09
(8CD)
ジェラルド・フィンジ:アンソロジー
■CD1
クラリネット協奏曲Op.31
5つのバガテルOp.23a(クラリネットと弦楽合奏編)
組曲「恋の骨折り損」Op.28aから<王の詩/ロングウィルのソネット/ドゥマインの詩>
簡素な狂詩曲Op.3
ロマンス変ホ長調Op.11
入祭唱へ長調Op.6
■CD2
チェロ協奏曲イ短調Op.40
エクローグOp.10
大幻想曲とトッカータOp.38
■CD3…8.555792
3つの讃歌Op.27-2「神は召された」
マニフィカトOp.36
3つの讃歌Op.27-1「私の愛しいもの」
3つの讃歌Op.27-3「甘美で神聖なる祝祭を迎えて」
汝は我が眼を喜ばせたOp.32
高名なる彼らを讃えOp.35
7つの無伴奏パート・ソング集Op.17
見よ、満ち足りた、最後の犠牲をOp.26
■CD4
.歌曲集「私は恋人に言った」Op.19b
歌曲集「花輪をささげよう」Op.18
歌曲集「夏の始めと終わりに」Op.16
■CD5
幼少時の回想から受ける霊魂不滅の啓示Op.29
聖チェチーリアのためにOp.30
■CD6…8.557963
歌曲集「大地と大気と雨」Op.15
歌曲集「詩人へ」Op.13a
■CD7…8.570414
歌曲集「ある若者の訓戒」Op.14
歌曲集「地球が朽ちるまで」Op.19
■CD8
ディエス・ナタリスOp.8
前奏曲ヘ短調Op.25
落ち葉Op.20/2つのソネットOp.12
新年の音楽Op.7/武器よさらばOp.9
■CD1…8.553566
ロバート・プレーン(Cl)
ノーザン・シンフォニア
ハワード・グリフィス(指)
録音:1995年9月3-6日UKニューカッスル
■CD2…8.555766
ティム・ヒュー(Vc)
ピーター・ドノホー(P)
ノーザン・シンフォニア
ハワード・グリフィス(指)
録音:2001年1月14-26日U
■CD3…8.555792
クリストファー・ウィットン(Org)
ケンブリッジ・セント・ジョンズカレッジ聖歌隊
クリストファー・ロビンソン(指)
録音:2001年3月17-19日UKケンブリッジ,聖ジョン・カレッジ教会
■CD4…8.557644
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
イアイン・バーンサイド(P)
録音:2004年8月12-14日UKイングランドサフォーク,ポットン・ホール
■CD5…8.557863
ジェイムス・ギルクリスト(T)
ボーンマスSO&cho
デイヴィッド・ヒル(指)
録音:2005年6月4-5日UKプール,ライトハウスコンサート・ホール
■CD6…8.557963
ロデリック・ウィリアムズ(Br)
イアイン・バーンサイド(P)
サッコーニQ
録音:2005年8月27-28日、2006年1月10日 UKサフォーク,ポットン・ホール
■CD7…8.570414
ジョン・マーク・エインズリー(T)
イアイン・バーンサイド(P)
録音:2006年11月27-28日UKサフォーク,ポットン・ホール
■CD8…8.570417
ジェイムス・ギルクリスト(T)
ボーンマスSO
デイヴィッド・ヒル(指)
録音:2007年6月5-6日UKプール,ライトハウス
コンサート・ホール
近代イギリスの作曲家の中でも、フィンジは日本人にとって特別の存在になりつつあります。苦難に満ちた幼年 時代、親友の死、そして戦争。これらを経て生み出されたフィンジの音楽の中には類い稀なる叙情性と、不屈の 精神が宿っており、美しさの中に漂う深い懊悩が人々の心を強く捉えるのでしょう。この「フィンジ・アンソロ ジー」BOXには人気のチェロ協奏曲、エクローグ(牧歌)、クラリネット協奏曲をはじめ、フィンジの真骨頂とも 言える一連の声楽曲、宗教的合唱曲を収録。幅広くフィンジの音楽に触れることができる素晴らしい8枚組です。
NAXOS-8.559806
(1CD)
コープランド:バレエ音楽「聞け!汝ら!」
バレエ音楽「アパラチアの春」(完全版)(1944)
デトロイトSO
レナード・スラットキン(指)

録音:2013年12月4-7日、2014年5月14-18日 USAデトロイトマックスM&マージョリーS・フィッシャー・ミュージック・センター,オーケストラ・ホール
コープランド(1900-1990)の珍しいバレエ「聞け!汝ら!」。この作品は、才能ある女性ダンサー、ルース・ページ (1899-1991)のために書かれました。ルース・ページは1925年にアメリカ人ダンサーとして初めてディアギレフのバレエ・ リュスで踊り、コープランドを含めた当時のアメリカの作曲家たちは、彼女のために競って曲を書くなど、20世紀アメリカ のバレエ・ダンスの発展に寄与した人です。「聞け!汝ら!」は地元のナイトクラブで発生した殺人事件を裁く法廷を舞台と した奇妙なお話で、目撃者はホステス、ウェイター、その時店にいた新婚夫婦。各々の食い違う証言から犯人を導き出すまで がバレエで描かれていきます。同時収録の「アパラチアの春」はコープランドの最も有名な作品の一つ。1800年代のペンシ ルベニア州で、アメリカ開拓民達が新しいファームハウスを建てた後の春の祝典を描写したバレエで、タイトルはストーリー に直接の関係がないことでも知られているユニークな作品でもあります。
NAXOS-8.573286
(1CD)
ラヴェル&ドビュッシー:2台ギターのための音楽集
ラヴェル:組曲「鏡」より「道化師の朝の歌」(スティーヴン・ゴス編)
ドビュッシー:組曲「子供の領分」
 月の光
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
 レントよりも遅く/2つのアラベスク
クロマ・デュオ<トレイシー・アン・スミス(G)/ロブ・マクドナルド(G)>

録音:2015年8月13-16日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
このアルバムでは、ドビュッシーとラヴェルの名作を(一部を除いて)演奏者たち自身がギター・デュオのために編曲したもの が演奏されています。これまでにも多くのギタリストがドビュッシーの音楽に惹かれてきました。セゴビアは自伝の中で「若 い頃、アラベスクの第2番がお気に入りだった」と述べ、ジュリアン・ブリームも「ギターの音色はドビュッシーにふさわ しい」と語り、またギタリスト、ジョン・ウィリアムズも「夢想」をはじめいくつかの作品をレパートリーにしています。そ れに比べ、ラヴェルの音楽はあまりギター向きでないように思えるかもしれませんが、例えばこのアルバムの冒頭の「道化師 の朝の歌」などは、道化師のよろめく足取りが見えてくるかのようで、編曲によっては素晴らしい効果をあげるものもあるこ とが分かります。いずれの作曲家の作品にも、複雑なハーモニーと豊かなソノリティで曲に新しい命が吹き込まれています。
NAXOS-8.660398
(1CD)
マイケル・ナイマン:歌劇「妻を帽子とまちがえた男」(1986) P教授…マシュー・トレヴィーニョ(Bs)
P夫人…レベッカ・ショーウォール(S)
神経内科医…ライアン・マックファーソン(T)
ナッシュヴィル・オペラ
ディーン・ウィリアムソン(指)

録音:2014年5月23-25日USAテネシー,ナッシュヴィルオーシャン・ウェイ
脳神経科医オリヴァー・サックス博士が自身の体験を元に著した「妻を帽子とまちがえた男」(日本語訳も出版されています)。 なんとも奇妙なタイトルですが、この主人公P教授も実在していたのです。かつては大歌手であったP教授、現在は知覚障 害を発症し様々な認知障害を抱えています。このオペラが初演された1980年代は、まだまだこの症状について人々の認識は 深いものではなく、日本では1970年代にブームになった「恍惚の人」という表現が知られていたように、アメリカにおいて も、このようなオペラ形式で「認知症」を人々に知ってもらうという方法が取られたのです。サックス氏の文章は、P教授の 奇妙な症状を客観的に紹介しながらも、その根底には共感と優しさが感じられることでも知られ、これを観た人はP教授に 賞賛を送ることになるのです。ナイマン(1944-)がこの物語につけた音楽はお馴染みのミニマルですが、決していらだつよう な雰囲気ではなく、どんな状況でも温かく包み込むような美しさを備えています。人間の尊厳とはなにか・・・そんな主題を 孕む問題作です。
NAXOS-8.573265
(1CD)
グラナドス:管弦楽作品集第3集
抒情詩曲「リリアーナ」(P.カザルス編)
オリエンタル組曲(アラブ組曲)(1888-1889)
エリセンダ(1912)(ダグラス・リーバによるクリティカル・エディション)*
ダニ・エスパーサ(P)
バルセロナSO
パブロ・ゴンザレス(指)

録音:2013年9月16-19日、2014年5月6-9日、2013年7月9-13日 スペインバルセロナ,アウディトリ・ホール
*以外=世界初録音
グラナドス(1867-1916)の管弦楽作品集の完結編。ここに収録された3つの作品からは、彼の作風がある時期に「オリエン タリズム」から「モダニズム」へと変化したことがはっきり感じられます。「リリアーナ」は1911年に初演されたカタロニ ア語の台本を伴う音楽劇で、魅惑の森に住む魔法の存在を扱ったロマンティックな作品です。まるでリヒャルト・シュトラウ ス風の華麗な響きがふんだんに用いられていますが、残念なことに初演後、すぐに人々の記憶から消え去ってしまいました。 わずかに残った断片をグラナドスの友人でもあったパブロ・カザルスが編曲し、4つの曲からなる組曲に仕上げています。「オ リエンタル組曲」はグラナドスの初期の作品で、こちらは中東/北アフリカ由来のメロディが印象的な異国情緒たっぷりの音 楽です。「エリセンダ」は「リリアーナ」と同じく、アペレス・メストレの詩に基づく劇音楽で、本来は4曲からなる組曲で したが、最後の1曲「リフレイン」は紛失。残されたスコアも様々な編成に移し変えられるなど、定着の難しい作品です。 今回の録音はピアノと室内オーケストラで演奏できる版を用い、ピアノが全体の背景を説明しながら、各々の楽器が語ってい くという方法を取っています。牧歌的で美しい夢みるような世界が現れます。
NAXOS-8.571375
(2CD)
マルコム・ウィリアムソン:オルガン音楽集
平和の小品(1970-1971
炎の復活(1959)*
エディト・シトウェルの碑文(1966)
聖なる小キャロル(1971-1972)
エレジー‐JFK(1964)
「わが父の世界」による幻想曲(1975)*
中世の聖なるミサ(1973)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2016年2月17-18日ロンドンイングランドセント・ジョン・エヴァンゲリスト教会

*=世界初録音
オーストラリアの最も著名な音楽家の一人、マルコム・ウィリアムソン(1931-2003)。と言っても彼は20歳代でイギリスに 移住、その後イギリスでオルガニスト、聖歌隊指揮者として活躍したこともあり(副業でナイトクラブでピアノを弾いていたこ ともある)、英国教会音楽の伝統もきっちり受け継いでいます。大指揮者エイドリアン・ボールトも彼の作品を擁護し、強力な 支援者となるなど、多くの音楽家たちからも支持され、1960年代には「英国で最も委嘱作品の多い作曲家」と賞賛を受けて います。1975年にはアーサー・ブリスの後任として王室音楽監督(女王の音楽師範)に任命、これは英国人以外の音楽家とし ての初の栄誉でもありました。彼の作品はあらゆるジャンルに渡っていますが、なかでも、このアルバムに収録された一連の 「オルガンのための宗教曲」が良く知られており、これらはどれもメシアンの影響も感じられるドラマティックで華麗な雰囲 気を有しています。
NAXOS-8.559798
(1CD)
ドアティ:ヘミングウェイの物語・アメリカン・ゴシック他
チェロとオーケストラのための「ヘミングウェイの物語」(2015)
オーケストラのための「アメリカン・ゴシック」(2013)
オルガンとオーケストラのための「いつか城で」(2015)
ズィル・ベイリー(Vc)
ポール・ジェイコブス(Org)
ナッシュヴィルSO
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:2015年4月17-18日、2015年11月4-7日 USAテネシー,ナッシュヴィルシャーマーホーン・シンフォニー・センター
※世界初録音
グラミー賞を受賞した現代アメリカの作曲家ドアティ(1954-)の最新作は、どれも20世紀を象徴するアメリカ文化からインス パイアされたもの。文豪ヘミングウェイの名前をタイトルに掲げた4部作は「チェロ協奏曲」の形式を持ち、チェロと管弦楽 との対話によって、そのストーリーを象徴的に描いています。いずれも原作は1950年周辺に書かれたおなじみの作品ですが、 不屈の精神と不変の愛は、永遠に語り継がれるべき内容であり、ドアティもこれを音楽で巧みに表現しています。アイオワ管 弦楽団から委嘱された「アメリカン・ゴシック」は、ドアティの父ウィリス(1929-2011)と、彼自身の子供時代の思い出が反 映された作品で、故郷であるシーダー・ラピッズの風景が目に浮かぶような鮮やかな音楽です。「いつか城で」はドアティが愛 するカリフォルニアのハースト・キャッスルと、そこに続く太平洋沿岸のハイウェイの風景などが描かれた、まるで映画音楽 のような壮大な響きを持つ作品。初演は2003年ですが、ここで録音された改訂版は世界初録音となります。
NAXOS-8.573327
(1CD)
ヘルマン・ゲッツ:ピアノ協奏曲第1番&第2番
ピアノ協奏曲第1番変ホ長調(1861)
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.18(1867)
春の序曲Op.15(1864)
ダヴィデ・カバッシ(P)
マグデブルクPO
キンボー・イシイ(指)

録音:2014年6月20-24日、2014年6月26-28日 ドイツ,マグデブルク劇場中央ステージ
ドイツで生まれ、ベルリンで学んだ作曲家ヘルマン・ゲッツ(1840-1876)。本格的な音楽教育を受け始めたのは17歳の時 と、かなり遅かったものの、ピアノをハンス・フォン・ビューローに学び、またカール・ライネッケの後押しを受けることで ヴィンタートゥール市のオルガニストに採用されるなど、その音楽的才能は多くの人から認められていました。23歳の時にス イスに移り、この地で活発な演奏活動と創作活動を行いますが、病のため36歳で惜しまれながらこの世を去ってしまいまし た。彼の作品は、マーラーが幾つかの作品を初演するなど一部の愛好家には大切にされていましたが、一般に広く行き渡るこ とはなく、一旦は忘れられてしまいました。しかし最近の「知られざる作品の復興」ブームに乗って少しずつ注目を集め始め ています。このアルバムでは彼の2曲のピアノ協奏曲を収録。学生時代に書いた第1番は若干リストやワーグナー風であるも のの、その6年後の第2番では、様々な試みがなされた独創的な作風を呈しています。
NAXOS-8.573462
(1CD)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番ト長調Op.44
協奏的幻想曲ト長調Op.56
エルダー・ネボルシン(P)
ニュージーランドSO
マイケル・スターン(指)

録音:2014年11月10-12日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
チャイコフスキー(1840-1893)のピアノ協奏曲というと「第1番」ばかりが有名。その理由はわかりませんが、ともかく第2 番や第3番を耳にする機会はほとんどありません。この第2番は、チャイコフスキーの妹の嫁ぎ先であるカーメンカに滞在中 の1879年から1880年にかけて書かれた作品で、その少し前に失敗した結婚生活のショックは微塵も感じさせないほどパワ フルな雰囲気を持っています。第1番をニコライ・ルビンシテインに献呈するも、激しく酷評されてしまったチャイコフスキ ー。今作も同じくルビンシテインに献呈したところ、今度は受け入れてもらい、初演も引き受けてもらったのですが、残念な ことにルビンシテインは初演直前に死去、セルゲイ・タネーエフがピアノを担当したというエピソードもあります。劇的な作 品で、とりわけ第2楽章の冒頭、ヴァイオリンとチェロのたっぷりとした二重奏が感動的なのですが、弟子のジロティが「こ こは不要」とカットしてしまい、戦前から大戦直後まで多くの演奏がこの版を用いていましたが、最近では原典版を用いた演 奏が主流。このネボルシンの録音も改訂なしの版が使われています。協奏的幻想曲は1884年の作品で、やはりタネーエフが 初演しています。
NAXOS-8.573493
(2CD)
フローベルガー:ハープシコードのための23の組曲
トンボー・哀悼歌
第1巻<組曲ロ短調「Kloeckhoff」/組曲ト長調「Ihre/Bauyn」/組曲(パルティータ)第25番ニ短調FbWV625/組曲(パルティータ)第23番ホ短調FbWV623/組曲(パルティータ)第24番ニ長調FbWV624/組曲(パルティータ)第28番イ短調FbWV628>
第2巻(1649)<組曲(パルティータ)第3番ト長調FbWV603/組曲(パルティータ)第4番ヘ長調FbWV604/組曲(パルティータ)第5番ハ長調FbWV605/組曲(パルティータ)第1番イ短調FbWV601/組曲(パルティータ)第2番ニ短調FbWV602>
第3巻<組曲(パルティータ)第16番ト長調FbWV616/組曲(パルティータ)第30番イ短調FbWV630>
ブランシュローシュ氏の死に寄せるトンボーFbWV632
組曲(パルティータ)第28番イ短調FbWV628‐ジグ(2つのヴァージョン)(組曲15番にも使用)
第3巻(続き)<組曲(パルティータ)第17番ヘ長調FbWV617/組曲(パルティータ)第13番ニ短調FbWV613/組曲(パルティータ)第14番ト短調FbWV614/組曲(パルティータ)第27番ホ短調FbWV627>
第4巻(1656)<組曲(パルティータ)第11番ニ長調FbWV611/組曲(パルティータ)第12番ハ長調FbWV612/組曲(パルティータ)第8番イ長調FbWV608/組曲(パルティータ)第9番ト短調FbWV609/組曲(パルティータ)第7番ホ短調FbWV607/組曲(パルティータ)第10番イ短調FbWV610>
皇帝フェルディナント3世陛下の悲しい死に寄せる哀悼歌FbWV633
グレン・ウィルソン(ハープシコード)

録音:2015年12月27-28日ヴュルツブルク高等音楽院、2016年3月14-16日ドイツリュークハイム,シュットバウ
バッハに先行する重要な鍵盤作品の作曲家として知られる初期バロック時代に活躍したフローベルガー(1616-1667)。若い頃 イタリアに留学し、フレスコバルディの指導を受けた後、ハプスブルク皇帝フェルディナント3世のオルガニストに任命され ます。そして外交官として各地を旅行し、フェルディナント3世の死後はアルザスに移住するなど、幅広い見識を身につけた ことで知られています。優れた鍵盤奏者であったフローベルガーは、その作品もほとんどは鍵盤楽器のためのもので、フレス コバルディから学んだ厳格なポリフォニーと、フランスのリュート音楽の形式を融合させた「組曲」を数多く創り上げました。 アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4つが組み込まれるという組曲の形式は後の作曲家たちにも多大な影響を与 えています。とは言え、フローベルガーの作品にはまだ研究の余地が残されており、これまでの総譜も決して完全なものでは ありません。グレン・ウィルソンは様々な研究を重ね、今回23の組曲を選び出し演奏。研究者にとっても極めて貴重なアル バムとなっています。
NAXOS-8.573512
(1CD)
スタンフォード:合唱音楽集
スターバト・マーテル‐交響的カンタータOp.96
魂の歌Op.97b/復活(1875)
イェスパー・スヴェドベリ(Vc)
エリザベス・クラッグ(S)
キャスリーン・ホッパー(Ms)
ロバート・マレイ(T)
デイヴィッド・ソアー(Bs)
バッハcho
ボーンマスSO
デイヴィッド・ヒル(指)

録音:2015年11月21.22日UKドーセット,ライトハウス,プールズ・センター・フォー・ジ・アーツ
アイルランド、ダブリンに生まれ、幼い頃から優れた音楽教育を受けたスタンフォード(1852-1924)。父の「法律の専門家に なってほしい」という希望に沿うことはなく、音楽の道を志し、トリニティ・カレッジのオルガニストに任命されます。その 後、ライプツィヒに移りカール・ライネッケから作曲の指導を受け、彼が心魅かれていた合唱音楽を数多く書き始めます。そ の一つが、クロプシュトックによる「DieAuferstehung=復活」の短いカンタータで、ライネッケもその仕上がりに大層満足 し「イギリスでの初演」を勧め、1875年に英語版での初演が行われました。マーラーが同じ詩に出会うのは1894年、ハン ス・フォン・ビューローの葬儀の時であり、この作品は「復活交響曲」を完全に先取りしたものとして評価されることでしょ う。1906年に完成された「スターバト・マーテル」は大規模な管弦楽と合唱、ソリストを要する作品で、劇的な描写はまる でオペラを思わせるほど。世紀末の退廃的な雰囲気を漂わせながらも、荘厳で颯爽とした佇まいが印象的な作品です。
NAXOS-8.573522
(1CD)
ヴァンサン・ダンディ:交響曲第2番/思い出他
交響曲第2番変ロ長調Op.57
交響的詩曲「思い出」Op.62
交響変奏曲「イシュタル」Op.42
歌劇「フェルヴァール」‐第1幕への前奏曲
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ジャン=リュック・タンゴー(指)

録音:2015年7月28-30日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
フランス音楽の伝統の中で、無視できない存在であるのがヴァンサン・ダンディ(1851-1931)です。彼の作品自体は「フラン スの山人の歌による交響曲=セヴェンヌ交響曲」をはじめとした何曲かのみが、現代のレパートリーに残っていますが、パリ 音楽院や彼と仲間たちが創設した「スコラ・カントルム」からはたくさんの弟子たちが巣立ち、フランス音楽文化を盛り立て た功績は非常に大きなものと言えるでしょう。そんなダンディの交響曲第2番は、ブルックナーやワーグナー作品のような緊 密な構造を持つ大作。陰鬱な序奏に導かれた第1楽章は、まるで中世のゴシック様式の大聖堂を思わせる重厚で荘厳な雰囲気 を持ち、ゆったりとした第2楽章は穏やかな牧歌的風景を感じさせます。第3楽章は民謡風のメロディが様々な楽器で歌い継 がれていき、鮮やかな情景が目の前を通り過ぎ終わります。そしてそのまま終楽章に移行、見事なフーガを経て最後は勝利の コラールで終わるという曲。密接な動機の関連性やオーケストレーションなどが興味深い作品です。他には、亡くした妻に捧 げた「思い出」、古代アッシリアの叙事詩に基づく「イシュタル」、ダンディの初のオペラ「フェルヴァール」の第1幕への前 奏曲の3曲が収録されています。
NAXOS-8.573538
(1CD)
ストラヴィンスキー:兵士の物語-組曲他
兵士の物語‐組曲(1920)
八重奏曲(1923/1952改編)
結婚(1923)
ティアンワ・ヤン楊天堝(Vn)
レベッカ・ナッシュ(S)
ロビンヌ・レドモン(Ms)
ロバート・ブロー(T)…
デニス・セドフ(Bs)
レ・ノーチェ・パーカッション・アンサンブル
ヴァージニア・シンフォニー・コーラス
ヴァージニア・アーツ・フェスティヴァル・チェンバー・プレイヤーズ
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2015年5月9日 USAクレイ・アンド・フェイ・バール・エデュケーション・センター,ヴァージニア,ロビン・ヒクソン劇場,2013年5月12日 ノーフォーク,クライスラー・ホール
ストラヴィンスキー(1882-1971)の生涯の中で重要な役目を果たした3つの作品を収録した1枚。1918年に完成した「兵士 の物語」は全曲盤(8.57337)からの抜粋で、純粋に音楽のみを楽しめる“組曲”です。1923年に初演された「八重奏曲」は当時 管楽器を重用していたストラヴィンスキーが、夢の中で聴いた“管楽器のみの八重奏曲”に感銘を受け、翌朝作曲に取り掛かっ たという曲。ムダのない引き締まった伝統的な形式が用いられています。作品は当時の恋人で後に妻となるヴェラに捧げられ ています。「結婚」はバレエ・リュスのために作曲されたバレエ・カンタータ。ロシア民謡詩を元に台本を構成、最初は大編成 の管弦楽伴奏を構想するも、様々な理由で断念。4台のピアノと打楽器アンサンブル、合唱、独唱という形に落ち着き、1923 年にエルネスト・アンセルメの指揮で初演された名作です。
NAXOS-8.573600
(1CD)
ジョルジュ・オンスロウ:弦楽五重奏曲集第1集
弦楽五重奏曲第20番ニ短調Op.45(1831)*
弦楽五重奏曲第26番ハ短調Op.67(1845)
エラン弦楽五重奏団<ベンヤミン・シェラー・ケサダ(第1Vn)/レリア・イアンコヴィチ(第2Vn)/ジュリア・チューイン・フー(Va)/ドミトリィ・ツィリン(Vc)/マシュー・ベーカー(Cb)>

録音:2015年12月12-15日スペインバルセロナ,アウディトリオ・ラフェルブニョール
*=世界初録音
同性愛のスキャンダルから逃れるために、フランスに亡命していたイングランドの貴族を父に持つ古典派の作曲家オンスロウ (1784-1853)。貴族のたしなみとして狩猟を好み、その際の事故で聴力を失うというアクシデントのためか「フランスのベー トーヴェン」と呼ばれることもある彼ですが、生活に困窮していたわけではなく、作曲活動はあくまでも趣味としてのもの。 とは言え、その格調高いメンデルスゾーンを思わせる作風は、同時代の人たちにも大変愛されていました。この弦楽五重奏曲 は、少し前の時代に活躍したボッケリーニの作品のようなチェロに重点を置いたものではなく、通常の弦楽四重奏にコントラ バスを加えた「低音が際立つ」編成となっています。そもそも彼自身は初期の作品ではヴィオラ、もしくはチェロが2台とい う編成を取っていたのでが、コントラバスの名手ドラゴネッティと出合ったことで、アンサンブルにコントラバスを加えるこ とを決意し、充実した低音を持つ五重奏が完成したのです。
NAXOS-8.573643
(1CD)
ラースロー・ライタ:管弦楽作品集第1集
.オーケストラのための組曲Op.19
イン・メモリアムOp.35
交響曲第1番Op.24
ペーチSO
ニコラ・パスケ(指)

録音:1996年5月ハンガリーペーチ、フェレンツ・リスト・コンサート・ホール
※MARCO POLO8.223670からの移行盤
以前MARCOPOLOレーベルで発売され、好評を得ていたハンガリーの近代作曲家、ライタ(1892-1963)の作品集がNAXOS レーベルに再登場。ブダペストに生まれ、ライプツィヒ、ジュネーヴ、パリで学び独自の作風を身につけながらも、第一次世 界大戦後にはハンガリーの民族音楽の研究に力を尽くしたライタの作品は、どれも興味深い面を持っています。このアルバム に収録されている3つの作品のうち、Op.19の組曲は、タイトルには表示されていないものの、元々は古代ギリシャの作家ア リストパネスの戯曲「女の平和」をバレエにした作品から取られた組曲で、風刺的な内容が上手く音にされた楽しい作品です。 「イン・メモリアム」は第二次世界大戦の犠牲者に捧げられた作品であり、全編に渡って無力感と悲しみに包まれています。 交響曲第1番は、彼の本質が良く現れているとされる民族的な要素を持った作品ですが、当時の共産主義体制の抑圧の結果、 残念ながら無視され続け、なかなか正当な評価が与えられることはありませんでした。このアルバムが世に出たことがきっか けとなり、ライタの再評価が始まったとも言える記念碑的な演奏です。

NAXOSスタンダード 2016年8月発売
NAXOS-8.573518
(1CD)
プロコフィエフ:交響曲第6番Op.111(
ワルツ組曲Op.110(1946-1947)
サンパウロSO
マリン・オールソップ(指)

録音:2015年4月15.18.20日、2015年4月24.25.27日ブラジルサラ・サン・パウロ
オールソップ&サンパウロSOのプロコフィエフ・シリーズ第5弾。1947年に完成、初演された交響曲第6番は、1945年に初演された第5番における「勝利への賛歌」に対する反論のような作品で、戦争の犠牲を描いた極めて難解な内容を持っています。当時、体調が悪化していたプロコフィエフ(1891-1953)の心情も反映されたこの曲、ムラヴィンスキーの指揮による初演翌年にはジダーノフ批判(当時の前衛芸術に対する統制)にさらされてしまい、結局、長期間に渡って演奏の機会を失ったことも、曲の理解を妨げる原因となっています。オールソップの緻密な指揮は、抒情的な部分と攻撃的な部分をバランス良く表現しています。同じ年に初演された「ワルツ組曲」は、自身のオペラやバレエから採られた6つのワルツをまとめたもので、憂鬱な雰囲気を持ちながらも親しみやすい曲集です。
NAXOS-8.573351
(1CD)
ブルーノ・ワルター:ヴァイオリン・ソナタイ長調(1908)
.ピアノ五重奏曲嬰へ短調(1904)☆
エカテリーナ・フロローヴァ(Vn)
佐藤麻理(P)
パトリック・ヴィーダ(第1ヴァイオリン)
リディア・ペールストルファー(第2ヴァイオリン)
シビレ・ホイスル(Va)
ステファニー・フーバー(Vc)
レ・リュー(P)

録音:2013年5月10日…1-3,2012年12月17日…4-7オーストリア,ウィーン音楽・演劇大学ヨーゼフ・ハイドン・ホール
20世紀を代表する名指揮者ワルター(1876-1962)は、ベルリンの音楽院を卒業後、ハンス・フォン・ビューローの演奏を聴いて指揮者になることを決意、ケルン市立歌劇場を経てハンブルク歌劇場に移った時に、生涯尊敬することになるマーラーと出会います。作曲家としても極めて高い能力を持っていたワルターですが、その作品にも恩師の影響がはっきりと感じられます。とりわけピアノ五重奏曲には、後期ロマン派特有の濃厚な和声が認められます。とは言え、1908年に作曲されたヴァイオリン・ソナタはワルターの最後の室内楽作品でもあり、独自の語法によるユニークな作品となっています。『20世紀ウィーンで指揮者として活躍したブルーノ・ワルター。音楽の再創造者としてではなく創造者として、彼自身の言葉が音に込められた数少ない作品の一つです。滅多に演奏される事のない曲ですが、当時の彼を取り巻く環境を感じることができ、繊細ながらも華やかでエネルギーに満ちたこの作品を、多くの人に聴いて頂きたいと思います。』(ピアニスト:佐藤麻理)
NAXOS-8.573376
(1CD)
バッハ:フルートとハープシコードのためのソナタ集
フルート・ソナタロ短調BWV1030
フルート・ソナタ変ホ長調BWV1031
フルート・ソナタイ長調BWV1032
フルートと通奏低音のためのソナタハ長調BWV1033
フルートと通奏低音のためのソナタホ短調BWV1034
フルートと通奏低音のためのソナタホ長調BWV1035
パウリーナ・フレッド(Fl)
アーポ・ハッキネン(ハープシコード…1-17.
クラヴィコード…18-21)
【この録音に使用された楽器】
フルート:マーティン・ウェナー製(パランカ復元モデル)(2011年)…BWV1030-1034
クレア・スーベイラン製(ロッテンブルク復元モデル)(2006年)…BWV1035
ハープシコード:フランク・ルトコフスキ&ロバート・ロビネッテ製(ハース復元モデル)(1970年)…BWV1030-1031.1034)
マーティン・ケイサー製(イタリア・オリジナルの復元モデル)(2011年)…BWV1032
リュート・ハープシコード:ヨンテ・クニフ&ユッカ・オリッカ製(2014年)…BWV1033
クラヴィコード:イルジ・ヴァイコウカル(シャイドマイヤー復元モデル)(2010年)…BWV1035

録音:2015年3月5-6日,5月4-5日フィンランド,ヴィーチ教会
J.S.バッハの6曲の「フルートとハープシコードのためのソナタ」は非常に有名ですが、その起源については数多くの議論がなされています。またBWV1032の第1楽章の一部は消失しているため、演奏する時には後世の人によって修復された楽譜が使われることになります。さらに、現在ではBWV1031とBWV1033はバッハ以外の作曲家(恐らく彼の息子)の作品であると考えられており、すでに「バッハの作品」としてその位置を確立しているBWV1031の第2楽章のあの美しい「シチリアーノ」も、本当はバッハの作品ではないのです。またBWV1033から1035までの3曲は、もともと無伴奏フルートに通奏低音が添えられたものとも言われていますが、こちらもフルートの華麗な旋律が広く愛されています。どの曲も出典に謎の多い作品ではありますが、完成度は非常に高く、フルート奏者たちのこの上なく大切なレパートリーとなっています。曲によって変えられた楽器の響きの違いにも注目してください。
NAXOS-8.559728
(1CD)
ジョン・ケージ:2種の鍵盤楽器のための作品集第3集
冬の音楽(1956-1957)
Two2(1989)
エクスペリエンス第1番(1945)
ペストヴァ/マイヤー・ピアノ・デュオ<メンバー:クセーニャ・ペストヴァ/パスカル・メイエ>

録音:2013年6月17日ルクセンブルク・フィルハーモニーエスペース・デコウヴェルテ
20世紀に活躍した作曲家の中でも、最も特異な存在であるジョン・ケージ(1912-1992)。彼の思想は全ての前衛芸術に影響を与え、「4分33秒」などの作品では音楽の定義も極限まで広げることになったのです。この「2種の鍵盤楽器のための作品集」シリーズを締めくくる第3集、収録作品は“不確実性”を具現化した「冬の音楽」、グバイドゥーリナに触発されたケージにおけるナンバー・ピース「Two2」、ケージの良きパートナーであったマース・カニンガムのダンスのために書かれた最初期の作品「エクスペリエンス」(驚くほどに旋律的!)の3曲です。どの曲からもケージの特徴が強く滲み出ており、この作曲家の片鱗を知るにふさわしい1枚となっています。
NAXOS-8.555540
(1CD)
ルイ・シュポア:交響曲第2番&第9番
交響曲第2番ニ長調Op.49(1820)
交響曲第9番ロ短調「四季」Op.143(1850)第1部
交響曲第9番ロ短調「四季」Op.143第2部
スロヴァキア国立
アルフレート・ヴァルター(指)

録音:1992年10月26-30日コシツェ芸術の家
MARCO POLO8.223454より移行盤
1820年のロンドンで作曲、初演されたシュポア(1784-1859)の交響曲第2番は、熱狂的な賛辞を持ってロンドン市民に迎え入れられました。ハイドンの影響から脱した革新的な書法と、完璧なオーケストレーションで書かれたこの作品で「イングランドで最も成功した作曲家」として讃えられた彼は、以降指揮者、作曲家としてヨーロッパ全域で活躍することとなります。それから30年、不慮の事故で怪我を負ったシュポアは、体調不良の中「第9」交響曲を書き上げます。この曲には、恐らく1824年に彼が指揮したシューマンの「春」の影響があると考えられていますが、シュポア自身は各楽章に詳細な説明を施してはいません。しかし曲の至るところから感じられる自然の息吹からは、シュポアの信念であった「生きる喜び」が感じられます。
NAXOS-8.559794
(1CD)
ケヴィン・プッツ:交響曲第2番&フルート協奏曲他
交響曲第2番(2002)
河の早瀬(2004)
フルート協奏曲(2013/2014改編)
アダム・ウォーカー(Fl)
ピーボディSO
マリン・オールソップ(指)

録音:2015年10月22.23日、2015年10月21日、2015年4月9.11日 USAメリーランド,ボルティモアジョン・ホプキンス大学,ピーボディ研究所,ミリアム.A.フリードバーグ・コンサート・ホール
※世界初録音
2012年、ピューリッツァー賞を受賞した現代アメリカの作曲家ケヴィン・プッツ(1972-)の作品集。あの「9.11」に触発されて書かれた交響曲第2番は、疑うことを知らない至福の時から暴力的な時へと激変する状況をトレースして行きます。最後に仄かな希望が見えるところが救いです。ミシシッピ川の流れを模した「河の早瀬」はセントルイスSOからの125周年記念委嘱作品で、透明な響きと流れの描写が見事な作品です。モーツァルトのピアノ協奏曲のモティーフが用いられた「フルート協奏曲」はオールソップのために書かれた各楽器の自由な対話と感傷的なメロディが魅力的な曲。初演時はオールソップが負傷していたため他の指揮者が指揮しましたが、今回はオールソップも万全の体調でこの録音に臨み、素晴らしい演奏が記録されました。
NAXOS-8.559815
(1CD)
ピーター・スコット・ルイス:4つの歌曲集
純真な心はどこに(デュオ・ヴァージョン)(1993/2013)
変わる光(2013)
5つの愛のモテット(2014)
イシュ川による3つの歌(1976-1978)
クリスティーネ・アブラハム(Ms)
中越啓介(P)
ニューヨーク・ヴィルトゥオーゾ・シンガーズ・クァルテット
ピーター・スコット・ルイス(指)
スティーブン・ゴスリング(P)
スーザン・ナルッキ(S)
コリン・マッカリスター(G)

録音:2014年6月2日カリフォルニア,バークリーファンタジー・スタジオ、,2014年11月11-14日ニューヨークヨンカーズ,オクタヴェン・オーディオ、2014年6月4日カリフォルニアサンディエゴ,スタジオ・ウェスト
サンフランシスコに拠点を置く作曲家ルイス(1953-)のユニークな歌曲集。彼の深い表現力を見せつけるかのような音楽は世界中から需要があり、数多くのオーケストラ、室内アンサンブル、ソリストから作品を委嘱されています。このアルバムには4つの歌曲集が収録されており、そのどれもがユニークな光を放っています。「純真な心はどこに」は彼の親友の詩人、ロバート・スンドの詩に基づく歌曲集で、もともとはメゾ・ソプラノと室内オーケストラのために書かれた曲ですが、ここではピアノと歌のデュオに作り替えたものが歌われます。「変わる光」はもともと24人の歌手とマリンバ、弦楽四重奏のための作品。ここでは更に切り詰めた編成で歌われます。自身の詩による「5つの愛のモテット」は最近の作品。「イシュ川による3つの歌」はシアトルのインティ劇場の委嘱作。ギターとソプラノによるシンプルでユニークな歌曲です。
NAXOS-8.570282
(1CD)
プラッティ:6つのフルート・ソナタOp.3
フルート・ソナタニ長調Op.3-1
フルート・ソナタト長調Op.3-2
フルート・ソナタホ短調Op.3-3
フルート・ソナタイ長調Op.3-4
フルート・ソナタハ長調Op.3-5
フルート・ソナタト長調Op.3-6
パウル・ヴェールベルク(Fl)
クヌート・エーリク・スンドクヴィスト(Cb)
ハンス・クヌト・スヴェーン(Cemb)

録音:2005年5月30日-6月1日ノルウェイハスタード・クルトゥルフス
イタリア、パドヴァに生まれ、バイエルンのヴュルツブルクの司教の宮廷に仕えたジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ(1692-1763)。1711年に当時発明されたばかりの楽器「フォルテピアノ」のために書いたソナタでその名が知られています。1743年に出版されたこの6つのソナタは、当時のフルート奏者ピエトロ・フィリッポ・ディ・クルフトのために書かれた曲で、クルフト本人のことはほとんど知られていませんが、作品が極めて技巧的であることを考えても、クルフトが高い技術を持っていたことが推察されます。これらのソナタは後期バロックから初期の古典派への橋渡しとなる簡潔で革新的な形式で書かれており、第4番のカデンツァなどは、同じ時期のクヴァンツ作品を思わせる華麗な音楽です。遊び心たっぷりの通奏低音も優雅な彩りを添えています。
NAXOS-8.573262
(1CD)
ジョン・フィールド:ピアノ協奏曲第7番他
ピアノ協奏曲第7番ハ長調H.58(1822-1832)
アイルランド風協奏曲:Allegro moderato(H.プリーグニツ編)(1816/1961)
ピアノ・ソナタ第4番変ロ長調H.17a
ベンジャミン・フリス(P)
ノーザン・シンフォニア
ディヴィッド・ハスラム(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
アンドリュー・モグレリア(指)

録音:1996年6月11-12日イングランドタイン&ウィア,ゴスフォルスニコラウス・ホスピタル/2014年8月13日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール/2013年6月22日イングランドウェスト・サセックス,チャンプヒル・ミュージック・ホール
アイルランド、ダブリンに生まれた天才ジョン・フィールド(1782-1837)は、「夜想曲」の形式を創った人として知られています。劇場でヴァイオリニストを務めていた父親から最初に音楽の手ほどきを受け、9歳でピアニストとしてデビュー。またクレメンティの弟子として研鑽を積み、17歳の時には自身のピアノ協奏曲第1番を演奏、一躍人気者になりました。名声は勝ち得たものの、彼は決して折り目正しい生活を送ったわけでもなく、この最後の協奏曲である第7番の作曲を始めた頃には、深酒に溺れ少しずつ体調を悪化させていきます。そして病と闘いながら10年間かけて曲を修正し、1832年のクリスマスにパリで初演。聴衆の中にはショパンとリストの姿もあったと言います。シューマンも賞賛したという力強く美しい作品は、フィールドが単なる「サロン音楽」の作曲家ではなかったことを証明しています。フィールドらしい優しさに満ちた「アイルランド協奏曲」は協奏曲第2番、第1楽章の改訂稿です。ベンジャミン・フリスによるピアノ協奏曲全集も10年をかけてようやく完成となりました。
NAXOS-8.573498
(1CD)
ミヒャエル・ハイドン:交響曲集第2集
交響曲ニ長調(Perger42
交響曲変ロ長調(Perger18)
交響曲変ホ長調(Perger17)
交響曲ヘ長調(Perger22)
フィリップ・ドヴォルザーク(ハープシコード)
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニーO
パトリック・ガロワ(指)

録音:2015年2月17-22日チェコ共和国パルドゥビツェ,音楽の家
パトリック・ガロワとチェコ室内フィルハーモニーOによる弟ハイドン(1737-1806)の交響曲集第2集。素晴らしい才能を持っていたミヒャエルですが、偉大過ぎる兄を持ったせいか、ほとんどの作品も忘れ去られてしまいました。しかし、最近になってようやく数々の作品が演奏されるようになり、再評価も飛躍的に進んでいます。第2集には、18世紀古典派の典型的な作風を持つ4つの作品を収録。優雅で活気のあるニ長調交響曲、第2楽章で弱音器をつけたヴァイオリンが活躍する変ホ長調交響曲、愛らしいシチリエンヌが用いられた変ロ長調交響曲、独奏ヴァイオリンとコールアングレの音色が印象的なへ長調交響曲と、充実の作品が並びます。
NAXOS-8.573523
(1CD)
ウィリアム・マサイアス:合唱作品集
城門よ、頭を上げよOp.44-2(1969)
王を讃えてOp.45(1969)
乾杯のキャロルOp.26-1(1964)
真に神がわれらの父であるとして(1987)
マニフィカートとヌンク・ディミティスOp.53「イエスの礼拝」(1971)
トッカータ・ジョコーサOp.36-2(1967)
全ての作品があなたを賞賛しなくてはならないOp.17b(1961)
主への祈り(1992)
ルーラへの訓戒(1969)
サルヴァトール・ムンディOp.89(1982)
ピーター・フォジット(第1ピアノ)
マイケル・パパドプーロス(Org,第2ピアノ)
オーケストラ・ノーヴァ
セント・オールバンズ・アビー修道院少女Cho
レイ・クラーク・オブ・セント・オールバンズ修道院Cho
トム・ウィンペニー(指),(オルガン独奏)

録音:2015年7月20-23日イングランドハードフォードシャー,セント・オールバニー大聖堂
イギリス、ホウィットランドのカーマーゼンシャーで生まれたウィリアム・マサイアス(1934-1992)。3歳でピアノを始め、5歳で最初の曲を書き「神童」と呼ばれた彼は、王立音楽アカデミーでレノックス・バークリーに師事し、1968年にはハリエット・コーエン国際音楽賞と、バックス学会賞を受賞。1959年にはウェールズに戻りバンガー大学の講師を務め、1970年から1987年まではバンガー大学の教授を務めました。オペラ、交響曲、協奏曲をはじめとする多くの作品を残しましたが、その中でも教会のための伝統的な合唱曲が知られており、1981年のチャールズ皇太子の御成婚の際に書いた曲は、テレビを見ていた推定10億人の人々の耳にも届いています。このアルバムには、マサイアスの最初の作品である「全ての作品が〜」(トラック11)と最後の作品「主への祈り」(トラック12)を中心に、感動的な歌が収録されています。
NAXOS-8.573528
(1CD)
スクリャービン:ピアノ作品集第2集
演奏会用アレグロOp.18(1896)
アルバムの綴り嬰ヘ長調Op.posth.(1904頃)
アルバムの綴り「モニヘッティ」変イ長調Op.posth.(1889)
3つの小品Op.45-1「アルバムの綴り」(1905頃)
4つの小品Op.56-2「皮肉」(1908)
アレグロ・アパッショナータOp.4(1892頃)
2つの即興曲嬰へ短調Op.10-1(1894)
4つの小品Op.51-1「たよりなさ」(1906)
2つの即興曲イ長調Op.10-2(1894)
4つの小品Op.56-3「ニュアンス」(1908)
2つの即興曲ロ長調Op.14-1(1895)
4つの小品Op.51-4「やつれの舞曲」(1906)
2つの即興曲嬰へ短調Op.14-2(1895)
ワルツ嬰ト短調Op.posth.(1886頃)
幻想曲ロ短調Op.28(1900頃)
フーガホ短調(1891頃)
リ・ソヨン・ケイト(P)

録音:2015年7月11.12日カナダオンタリオ,カントリー・デイ・スクール,パフォーミング・アーツ・センター
かの名ピアニスト、スヴャストラフ・リヒテルもこよなく愛した、表情豊かな旋律と洗練された独創性を持つスクリャービン(1872-1915)の数々のピアノ曲。彼の初期の作品はショパンやシューマン、チャイコフスキーの影響もありますが、しだいに独自の雰囲気を湛えた神秘的な作風に移行、晩年の作品は哲学的な要素も兼ね備えた神聖な音楽へと変貌していきます。このリ・ソヨンによるピアノ曲集第2集では、比較的初期に書かれたOp.18の「アレグロ」や作品番号を持たない幾つかの1900年以前の作品と、充実した和声を持つ中期のOp.51、Op.56の小品がバランスよく並べられています。ほんの3分に満たない小品に込められた豊かな情感をお楽しみください。
NAXOS-8.573529
(1CD)
ユージン・ザドール:聖書三部作
クリスマス序曲(1961)クリスマスの喜び‐そりすべり‐キリストの降誕‐憧憬
聖書三部作(1943)トーマス・マンに捧ぐ
大管弦楽のためのラプソディ(1930)
フーガ幻想曲(1958)
MAVブダペストSO
マウリス・スモリジ(指)

録音:2015年9月9-12日ブダペストハンガリー放送スタジオ22、2014年9月11日ブダペストハンガリー放送スタジオ6
ハンガリーのバータセクで生まれ、1940年代のアメリカで映画音楽の発展に著しく寄与したユージン・ザドール(1894-1977)。NAXOSでは、その民俗色豊かな作品を次々とリリースし、この知られざる作曲家の認知度を高めています。今回のアルバムにはザドールの作品の中でも最も野心的で色彩的な管弦楽曲である「聖書三部作」と、厳粛な祝祭ムードを湛えた「クリスマス序曲」、他2曲が収録されています。「聖書三部作」はトーマス・マンが1943年に出版した「ヨーゼフと彼の兄弟」に基づく第1部と、ダヴィデと使徒パウロの物語による第2部、第3部で構成されており、各々の登場人物がオーケストラで的確に描かれています。比較的初期に作曲された「ラプソディ」はハンガリー風のメロディが満載のユニークな曲。1950年代に書かれた「フーガ幻想曲」は金管楽器とティンパニが活躍する力強い曲です。
NAXOS-8.573548
(1CD)
ロドリーゴ:ギター伴奏による歌曲集
1.祝福された羊飼いの少年(1952)
2.ベツレヘムのキャロル(1952)
3.待機(1952)
4-10.アントニオ・マチャードとともに(1971)
11.船乗りの少年(1938)
12.小さな鳩(1951)
13.カナリアのフォリア(1958)
14.ドゥランダルテのバラード(1955)
15.羊飼いの恋の歌(1935)
16.サッラニッラ(1928)
17.アランフェス、わが思い出(1988)
18-20.3つのスペインの歌(1951)
21-22.4つのセファルディの歌(1965)より<第1曲:われらに答えを/第2曲:私は羊飼いの娘が好き>
23-24.4つの恋のマドリガル(1947)より<第2曲:あなたは私を殺してしまった/第4曲:お母さん、私はポプラ並木から来ます>
ホセ・フェレッロ(T)
マルコ・ソシアス(G)

録音:2015年5月9-10日スペインアルバセテ,アウディトリオ・デル・コンセルバトーリオ・プロフェッショナル・トマス・デ・トレホン&バラスコ

※3-12,16,18,20-24…ギター伴奏編曲:マルコ・ソシアス世界初録音
憂愁に満ちた「アランフェス協奏曲」で知られるスペインの大作曲家ロドリーゴ(1901-1999)。セゴビアやロメロなど数多くの名ギタリストたちからの委嘱作品を作曲し、ギター音楽の普及に貢献した彼ですが、実はギターよりもピアノが得意だったことはあまり知られていません。このアルバムに収録された彼のキャリアの60年ほどに渡って作曲された美しい歌曲も、そのほとんどはピアノで伴奏するように書かれています。今回のプロジェクトでは、ロドリーゴの娘セシリアの許諾を得て、そのピアノ伴奏が全てギター伴奏に編曲が施されています。それはまるで最初からギターのために作られたもののようなのには驚くばかり。もちろんもともとギター伴奏の作品も僅かながらあり、こちらは驚くほど手の込んだ伴奏が付けられた表現力豊かな曲となっています。
NAXOS-8.573614
(2CD)
香港フィルとブライト・シェン、5年間の回顧
<CD1>1-4.シェーンベルク(1874-1951):浄められた夜Op.4(弦楽合奏版)
5.ブライト・シェン(1955-):深い赤(2014)
<CD2>1.イェン・ミンシュウ顏名秀(1980-):レゴ・シティ(2011)
2.マシュー・トマジーニ(1978-):山々…海…ビルディング…木々(2012)
3.カルロ・マルゲティック(1987-):スヴィタック(2013)
4.アンディ・アキホ(1979-):21(アコースティック・ヴァージョン)(2014)
5.スコット・オルドウェイ(1984-):そこには暗闇ではなく光があることでしょう(2015)
6.アルヴォ・ペルト:ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌(1977)
ピウ・チェウン(マリンバ…CD1:2,チャイム…CD2:6)
マリエル・ロバーツ(vc)…CD1:1-4,CD2:1.4.6
ノーラン・ペールソン(p)…CD1:5
アンディ・アキホ(スティール・パン…CD1:4,チャイム…CD2:6)
ジン・ワン(vn)…CD1:1-4.5,CD2:6.8
ツァオ・イングナ(vn)…CD1:1-4.5,CD2:5.6
アンドリュー・リン(va)…CD1:1-4.5,CD2:6
リチャード・バンピン(vc)…CD1:1-4.5,CD2:2.5.6
ジアン・シンライ(cb)…CD1:1-4.5,CD2:6
ミーガン・スターリング(fl)…CD1.5
マイケル・ウィルソン(ob)…CD1:5
シェウンファン=クァン(コーラングレ)…CD1:5
アンドリュー・サイモン(cl)…CD1:5,CD2:1.3.5
リン・ジアン(hr)…CD1:5
ベンジャミン・メールモンド(fg)…CD1:5
ブライト・シェン(指)…CD1:1-4.5,CD2:6
香港PO…CD1:1-4.5,CD2:6

録音:2016年5月2-5日香港サイエンス&テクノロジー大学CMAレクチャー・シアター
2016年に開催された第44回香港芸術祭の一環として、香港サイエンス&テクノロジー大学で開催されたコンサート「THE INTIMACYOFCREATIVITY」。中国系アメリカ人の作曲家ブライト・シェンを芸術監督に迎え、毎年斬新な音楽を提示するこのコンサートも5年目の開催となり、これまで毎年発表された「新作」を一挙演奏するというこの試みは、まずブライト・シェン自身の作品「深い赤」と、愛と償い、そして希望を具現化したシェーンベルクの「浄められた夜」が演奏されます。そして若き作曲家たちの各々の作品が奏され、最後はペルトの「追悼歌」で締めくくられるというもの。香港市内で最も革新的な音楽体験ができる場所として、市民たちも一目置く注目のコンサートをぜひお楽しみください。
NAXOS-8.573624
(1CD)
フェルナンド・ソル:24の練習曲「進歩的なレッスン」Op.31/6つの小品
24の練習曲「進歩的なレッスン」Op.31
6つの小品Op.32
ノーバート・クラフト(G)
ジェフリー・マックファーデン(G)

録音:2009年1月,2012年11月,2013年8月カナダオンタリオ,オーロラ,オッフォード・ホール,グリーン・ルーム
フェルナンド・ソル(1778-1839)は当時の偉大なギタリストの一人であっただけでなく、ギター音楽の作曲家としても「魔笛の主題による変奏曲」を筆頭に優れた作品を書き、「ギターのベートーヴェン」と評されるほど、この楽器の普及のために力を尽くしました。ソルはギターの演奏技術向上のために6つの練習曲集を遺していますが、現在広く使われているのは、セゴビアが任意に選択した「20の練習曲集」でしょうか。このアルバムではソルのオリジナルの「24の練習曲」を、共に名手として知られるクラフトとマックファーデンが弾き分けています。もともと12曲ずつの2巻として出版されたこの練習曲は、難易度は初級〜中級程度とされていますが、実際に演奏してみるとかなりの手応えを感じさせるようです。同時期に書かれた「6つの小品」も技術と音楽表現の向上を目的とした楽しい曲集です。
NAXOS-8.573628
(1CD)
リース:超絶技巧変奏曲、幻想曲とロンド
「ラ・センティネル」の主題による変奏曲Op.105-1(1822)
夢Op.49(1813)
「古い高地の若者」による変奏曲
Op.105-2(1822)
シラーの「あきらめ」による幻想曲Op.109(1822)
コサックの踊りによる変奏曲Op.40-1(1822)
ロンド「ジプシー風」Op.184(1837頃)
ミハエル・ツァルカ(フォルテピアノa'=430Hz)
1824年頃コンラート・グラーフ製(R.J.レジエ復元NY)
1815年ナネッテ・シュトライヒナー製(T&B.ヴォルフ復元ワシントンD.C.)
1800年頃ヨハン・シャンツ製(T&B.ヴォルフ復元ワシントンD.C.)

録音:2014年8月1-2日USミネソタ聖ポール教会
ベートーヴェンの弟子であり親友であったフェルディナント・リース(1784-1838)は、フォルテピアノの解釈と技術にも革新的なアプローチを確立したことで知られています。1813年から1824年までの、彼がロンドンで過ごした約10年間は彼の最も成功した時代であり、このアルバムに収録された作品のほとんどはこの頃に作曲されたものです。これらは、当時イギリスで全盛を誇っていた家庭用のフォルテピアノ、「スクエアピアノ」で演奏されることを想定しており、現代のピアノと違って「大きな音が出せない」「音を伸ばすことができない」などの演奏上の問題をカヴァーするための様々な工夫がなされていることも興味深いところです。このアルバムは、当時の楽器の研究者でもあるミハイル・ツァルカが当時の復元楽器を演奏、シューマンも賞賛したというリースの本質に迫ります。
NAXOS-8.573658
(1CD)
ヴォーン=ウィリアムズ:映画音楽集
49度線:組曲-第1曲前奏曲(1940-1941)
組曲「あるフランダース農場の物語」(1943)
組曲「沿岸司令部」(1942)
「エリザベスの英国」より3つの肖像(1955)<探検家/詩/女王>
RTEコンサート・オーケストラ
アンドリュー・ペニー(指)

録音:1993年11月16-17日アイルランド共和国ダブリン国立コンサートホール
MARCO POLO8.223665からの移行盤
近代イギリスを代表する作曲家、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)は9曲の交響曲を始め、数多くの牧歌的な作品を残し、イギリス市民だけでなく、世界中の聴き手から愛されています。そんなヴォーン・ウィリアムズですが、映画音楽の分野でも素晴らしい功績を残しています。彼の生涯の後半における数十年は、映画音楽が重要な位置を占めており、なかでも最も知られているのは「南極のスコット」の音楽(後に「南極交響曲」として再編された)でしょう。ここでは彼の4作の映画音楽を聴くことができます。最初の作品である「49度線」(邦題は「潜水艦轟沈す」)はカナダ海域で英国輸送船団を襲うUボートとの戦いを描いた戦争アクション映画で、迫力ある音楽が全編に渡って展開されます。ここでは前奏曲のみですが、ゴージャスな響きが堪能できます。「フランダース(ベルギーとも)農場〜」は実際に起こった物語(農場に埋葬された空軍の旗を巡る人間模様)をベースに映画化された作品で、ヴォーン・ウィリアムズは絶妙な雰囲気の音楽を書いています。「沿岸司令部」「エリザベスの英国」、こちらも映像が目に浮かぶような鮮やかな作品です。
NAXOS-8.573665
(1CD)
マキシミリアン・シテインベルク:受難週間(1923) クラリオンCho
スティーヴン・フォックス(指)

録音:2014年10月28-30日,2015年1月3日,2016年1月13日USAニューヨーク,ホリー・トリニティ大聖堂
ロシアの作曲家、音楽教師シテインベルク(1843-1946)はリムスキー=コルサコフの愛弟子であり、1908年には師の娘ナジェージダと結婚し、その作風を受け継いだ人です。保守的な路線を貫いたため、ほとんどジダーノフ批判にさらされることもなく、1934年から1939年の間にはレニングラード音楽院の院長を務めるなど、近代ソ連の音楽発展に寄与しました。しかし、その穏健さが却って忘れられる原因となり、現在ではほとんどその作品を耳にする機会はありません。この「受難週間」も長い間楽譜が散逸していた合唱曲で、作曲されたのは1920年から1923年頃と推測されています。スラブ聖歌に基づく無伴奏合唱は、ラフマニノフの「晩祷」を思わせる力強さを備えた感動的な典礼音楽になっています。
NAXOS-8.573670
(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/ホアン・カルロス・ビクター(ギター)ギター・リサイタル
1.ダウランド:ファンタジアP71
2.ロドリーゴ:祈りと踊り(J.C.ビクター編)
3.タルレガ(1852-1909):ヴェネツィアの舟歌
4.タルレガ:マリア
5.タルレガ:マリエタ
6.タルレガ:マズルカト長調
7.ダウランド:失われし望みのファンシー
8.パウロ・リオス・フィリョ(1985-):Repeter‐リピート
9-12.カステルヌオーヴォ・テデス
コ(1985-1968):ソナタ「ボッケリーニの思い出に」
13.ダウランド:告別のファンシー
ホアン・カルロス・ビクター(G)

録音:2016年1月14-16日スペインカステロン・デ・ラ・プラーナ,ロッカウェイ・スタジオ
※世界初録音…81.7.13…J.C.ビクターによるトランスクリプション
2015年に開催された「タルレガ国際ギター・コンクール」の優勝者ホアン・カルロス・ビクターのリサイタル・アルバム。彼はブラジルのサルヴァドール(バイーア)で生まれ、バイーア連邦大学のマリオ・ウリョーアのクラスで学士号を取得、2008年にはDAAD(ドイツ学術交流会)の奨学金を獲得し、ニュルンベルク音楽大学に留学。フランツ・ハラーシュに師事し、その後はスイスのルツェルンでも研鑽を積んでいます。2014年7月にはスイスで最も重要な学術称号を得て、最高ランクの演奏家として認められています。この初アルバムでは、自らがギター用に編曲したダウランドから、ビクターが初演した現代の作曲家フィリョの作品までと多彩なレパートリーと技巧を存分に披露しています。

NAXOSスタンダード 2016年7月発売
NAXOS-8.573531(1CD)
ロッシーニ:スターバト・マーテル他
《スターバト・マーテル(1831/1832オリジナル・ヴァージョン)+ジョヴァンニ・タドリーニ(1789-1872)作/アントニーノ・フォリアーニ(1976-)オーケストラ編》
序奏「悲しみの母は立っていた」…ロッシーニ/アリア「呻き、悲しみ」…タドリーニ/二重唱「ああ、なんと悲しく、打ちのめされたことか」…タドリーニ/アリア「そして歎き、悲しんでいた」…タドリーニ/三重唱「涙をこぼさないものがあるだろうか」…タドリーニ/アリア「愛しい御子が」…タドリーニ/二重唱「さあ、御母よ、愛の泉よ」…タドリーニ/合唱とレチタティーヴォ「私の心を燃やしてください」…ロッシーニ/四重唱「聖なる母よ、どうかお願いします」…ロッシーニ/カヴァティーナ「あなたと共にまことに涙を流し…ロッシーニ」/アリアと合唱「おお乙女よ、審判の日に」…ロッシーニ/四重唱(ア・カペラ)「肉体が滅びる時には」…ロッシーニ/合唱「アーメン」…タドリーニ

《ソロ・カンタータ「ジョヴァンナ・ダルコ」(1832)》
レチタティーヴォ「夜は更け、全ての世界は眠りにつく」/アリア「お母様、私はいなくなります」/レチタティーヴォ「そして彼女はまだ泣いている、ああ、光は突然燃え盛る」/アリア「ああ、炎はあなたの目に映り、私を燃やし」
《スターバト・マーテル》
マジェラ・カラーフ(S)/ホセ・ルイス・ソーラ(T)/ミルコ・パラッツィ(B)/ポズナン・カメラータ・バッハCho/ロイトリンゲン,ヴュルテンベルクPO/アントニーノ・フォリアーニ(指)

《ジョヴァンナ・ダルコ》
マリアンナ・ピッツォラート(Ms)/ロイトリンゲン,ヴュルテンベルクPO/アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2011年7月14.15.17日ドイツヴィルトバート,Ev.シュタッド教会
※世界初録音
1831年2月、ロッシーニはマドリッドに滞在していました。理由は、彼の妻、イザベラ・コルブランが以前に大金を貸していた相手が、七月革命の影響で破産してしまったため、利益を保護してもらうようにスペイン王家に懇願するためでした。その際、マドリッドの副司教マヌエル・フェルナンデス・バレラから作品を依頼されたロッシーニ、忙しさのあまり、簡単な曲を献呈することでそれに応えようとしましたが、バレラは「スターバト・マーテル」を書くように頼んできたのです。健康状態もすぐれなかったロッシーニは、その約束を反古にしようとしましたが、それは不可能。とうとう期限の日が近づいてしまったため、彼は友人タドリーニに助けを求め、2人の合作の形で全曲を完成、。それをバレラに献呈したのでした。献呈の際、ロッシーニはバレラに「出版などはせず、スコアは門外不出で」と依頼したのですが、その約束は果たされず、バレラの死後、スコアがオークションにかけられ、更に様々な変遷を経て、現在通常に聴かれる版が作成されることになるのです(オリジナルの6曲に後で書いた4曲を足した版)。しかし、指揮者フォリアーニは、バレラに献呈された版の状態での演奏を試み、ピアノ譜が残存していたタドリーニの書いた分にオーケストレーションを施し、完全な形として復元することに成功しました。これはとても貴重な録音です。
NAXOS-8.660382(3CD)
ロッシーニ:歌劇「ランスへの旅、または黄金の百合咲く宿」 コリンナ:ローマの女流詩人…ローラ・ジョルダーノ(S)/メリベーア侯爵夫人:イタリアの将軍の未亡人…マリアンナ・ピッツォラート(A)/フォルヌヴィル伯爵夫人:若い未亡人…ソフィア・ムシェドリシヴィリ(S)/コルテーゼ夫人:「黄金の百合亭」の女将…アレッサンドラ・マリアネッリ(S)/騎士ベルフィオール:フランス人の士官…ボグダン・ミハーイ(T)/リーベンスコフ伯爵:ロシアの将軍…マキシム・ミロノフ(T)/シドニー卿…ミルコ・パラッツィ(Bs)/ドン・プロフォンド…ブルーノ・デ・シモーネ(Bs)/トロムボノク男爵…ブルーノ・プラティコ(Bs)/ドン・アルバロ…ゲジム・ミシュケータ(Bs)他/ポズナニ・カメラータ・バッハCho
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/アントニーノ・フォリアーニ(指)

録音:2014年7月8.10-12日ドイツ、バート・ヴィルトバード王宮劇場でのコンサート
1825年に挙行されたフランス国王シャルル10世の戴冠式のために、ロッシーニ(1792-1868)が作曲した「ランスへの旅」。フランス国王の紋章を暗喩した「黄金の百合亭」というホテルに集まったヨーロッパ各国の人々が繰り広げるちょっとしたドタバタコメディです。当時活躍していた名歌手を集め、カンタータ形式で初演が行われ大好評を博しましたが、このような機会音楽はどうしても人気が長続きせず、劇場のレパートリーとして定着することもありませんでした。ロッシーニは一部のアリアを「オリー伯爵」に転用しましたが、結局、本編のスコアは散逸、結局、この作品が復興されたのは、1970年代の「ロッシーニ・ルネサンス」を迎えてからでした。1984年にロッシーニ・フェスティヴァルで上演された(クラウディオ・アバド指揮)のものが、ブームの火付け役。以降、優れた演奏が数々出現し、現在では高い人気を誇るまでになっています。この演奏は、ロッシーニ財団とリコルディ社による批判校訂版が用いられています。
NAXOS-8.559782(1CD)
コリリアーノ,トーク,コープランド:管弦楽作品集
ジョン・コリリアーノ(1938-):交響曲第1番(1989)
マイケル・トーク(1961-):明るく青い音楽(1985)
コープランド:「アパラチアの春」‐バレエ音楽(1945)
ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック
デイヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:2015年6月13日アメリカメリーランド大学カレッジ・パーク,クラリス・スミス・パフォーミング・アーツ・センター
近現代アメリカの3人の作曲家をフィーチャーした作品集。演奏している「ナショナル・オーケストラ・インスティトゥート・フィルハーモニック」は、毎年6月にメリーランド大学で開催するコンサートのために、世界中から厳しいオーディションを経て集められた音楽家たちのアンサンブルです。亡き友人たちの思い出のために書かれたというコリリアーノの交響曲第1番は、怒りと不満の感情の炸裂でありながらも、遠くから聞こえてくる「アルベニスのタンゴ」(これは友人の一人のお気に入りだった曲)が絶妙な雰囲気を醸し出すというユニークな第1楽章で始まります。タイトル通りの明るさを持つマイケル・トークの「明るく青い音楽」、そして良く知られる「アパラチアの春」と、いかにも20世紀のアメリカという感じを表している1枚です。
NAXOS-8.571373(1CD)
ウィリアム・ヘンリー・スクワイア:チェロとピアノのための小品集
ロマンスOp.5-1(1890)
ガヴォット・ユモレスクOp.6(1890)
舞踏会の情景Op.8(1890)
セレナードOp.15(1892)/メヌエットOp.19-3(1893)/マズルカOp.19-4(1893)
ゴンドリエラOp.20-2(1895)
素朴な踊りOp.20-5(1895)
シャンソネットOp.22(1896)
タランテッラOp.23(1896)/告別(ロマンス)(1896)
ツィグ=ツィグ(ハンガリー風の踊り)(1898)
ブーレOp.24(1902)/フモレスクOp.26(1902)
カンツォネッタ(1903)/東洋風の踊り(1903)
エレジー(1903)/マドリガル(1903)
道化芝居(1903)/祈り(1904)
オリヴァー・グレッドヒル(Vc)
今井正(P)

録音:2015年10月26-27日イングランドロンドン,バーンズ,聖ポール学園ワスン・ホール
1890年代後半から1920年代後半にかけて、英国で活躍したチェロ奏者ヘンリー・スクワイア(1871-1963)。11歳で王立音楽院の奨学金を得て、エドワード・ハウエルにチェロを学び、ハウエルの死後は音楽学校の教師を務め、またコヴェントガーデンとクィーンズ・ホールOの首席チェロ奏者としても活躍しました。HMV(1898-1914)と英コロンビア(1914-1929)に200曲以上の録音を残しており、日本では、その中のヘンデルの「ラルゴ」やマリの「金婚式」などが良く知られています。実は、彼自身も若い頃(18歳から33歳くらいまでの間)に、数多くのコンサート・ピースを作曲していて、これらは彼の持ち味であるポルタメント(2つの音の間を滑らかに繋げて、情感を込める奏法)が多用された、親しみやすく平易な作風のものばかり。ピアノ伴奏を務めている今井正氏はロンドン在住。独奏と室内楽の両面で活躍している人です。
NAXOS-8.572664(1CD)
ムツィオ・クレメンティ:ピアノ・ソナタ集第4集
ソナタニ長調Op.50-2
ソナタト短調Op.50-3「棄てられたディドーネ‐悲劇的な情景」
ソナタ変ホ長調Op.8-2
スーザン・アレクサンダー=マックス(フォルテピアノ)

録音:2015年3月24-26日UKサリー,ギルドフォード,コッベ・コレクション・ハッチランズ・ハウス
モーツァルトよりも少し早く生まれ、チェンバロ奏者として名を挙げていたクレメンティ(1752-1832)。ロンドン、パリを経てウィーンに移り、25歳の時にはモーツァルトとチェンバロ演奏の直接対決を行ったというエピソードでも知られています。ベートーヴェンは「モーツァルトの作品よりもクレメンティの方が素晴らしい」と評価し、また曲集「グラドゥス・アド・パルナッスム」もピアノ奏法における技巧獲得のための良い練習曲として重用されています。そんなクレメンティの数多くのピアノのための作品をNAXOSではシリーズ化してリリースし、好評を得ていますが、この第4集には聴き手の想像を超えた重厚な作品「棄てられたディドーネ」も含まれており、ファンにとっても嬉しいアルバムとなっています。
NAXOS-8.573000(1CD)
フレデリック・カマー&フランソワ・シューベルト:二重奏曲集
カマー&シューベルト:歌劇「ザンパ」と歌劇「ウィリアム・テル」の主題による2つのデュオ・コンチェルタンテ<デュオ第1番/デュオ第2番>
カマー:ヴァイオリンとチェロのための2つのデュオ・コンチェルトOp.67<第1番:ベルリーニのモティーフによる華麗な幻想曲/第2番:スイス民謡の主題による序奏と変奏>
カマー&シューベルト:2つのデュオ・コンチェルトOp.52第3巻<第1番:歌劇「フラ・ディアヴォロ」のスーヴェニール/第2番:シュタイアーマルクの国歌による幻想曲>
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)

録音:2013年3月25-26日、,2014年12月4-5日 ドイツミュンヘン,バイエルン放送第2スタジオ
マイニンゲンで生まれ、ドレスデンで活躍したチェロ奏者、教育者フレデリック・カマー(1797-1879)。ドレスデンの宮廷オーボエ奏者として招聘された彼の父から最初の音楽の手ほどきを受け、オーボエを学びましたが、チェロの名教師ドッツァウアーに出会い、チェロに魅せられます。その後、1814年にドレスデン宮廷楽団に、最初はオーボエ奏者として入団、20歳の時にチェロ奏者として同歌劇場Oに入団。1852年には首席チェロ奏者の地位を得て、1864年に引退するまでその任にあたりました。また、友人のヴァイオリニスト、フランソワ・シューベルト(1808-1878フランツ・シューベルトとは血縁関係なし)とデュオを結成、ヨーロッパ各地を演奏旅行し、自分たちが作った曲で多くの聴衆を魅了しました。彼らのレパートリーには、当時流行していた「オペラの名旋律を主題にし変奏をほどこしたもの」が多く、ここに収録されている曲も、どれもが高度なアンサンブルと技巧が要求された華やかなものばかりです。
NAXOS-8.573264(1CD)
グラナドス:管弦楽作品集第2集
ゴイェスカス間奏曲(1915)
緑の瞳の踊り(1916)*
ジプシーの踊り(1915)*
交響詩「死んだ男の夜」(1897)*
交響詩「ダンテ」(1908)<第1楽章:ダンテとヴィルジリオ/第2楽章:パオロとフランチェスカ>
ジェンマ・コマ=アラベルト(Ms)
ヘスス・アルバレス・カリオン(T)
リーダー・カメラ
バルセロナSO
パブロ・ゴンザレス(指)

録音:2013年7月9-12日、2013年9月16-19日、2014年5月6-9日 スペインバルセロナ,アウディトリ・ホール
*=世界初録音
スペインの作曲家、グラナドス(1867-1916)の管弦楽作品集第2集。彼の没後100年を記念して制作されたこのシリーズ、第1集(8.573263)に続き、今回もいくつかの作品は世界初録音という珍しい作品ばかりを収録、スペイン音楽ファンにとっても嬉しいアルバムとなっています。彼の代表作である歌劇「ゴイェスカス」からの間奏曲は、スペイン音楽の全てを象徴するような名作。通常はピアノ編曲版を聴く機会が多い曲ですが、管弦楽版はより一層鮮やかな色彩を有しています。著名なフラメンコ・ダンサー、アントニア・メルセに捧げられた「緑の瞳の踊り」、別のダンサー、トルトラ・バレンシアに捧げられた「ジプシーの踊り」。この2つもかなり特徴的な作風で書かれた激しいリズムの応酬が聴きものです。また、フランクやドビュッシーの影響が感じられる交響詩「死んだ男の夜」、このアルバム中最も大きな規模を持つ交響詩「ダンテ」は、グラナドスの最も野心的な作品であり、彼の死生観も垣間見える壮大な世界が表出されています。
NAXOS-8.573345(1CD)
ゲオルギー・リヴォヴィチ・カトゥアール:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調Op.15(1906)
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調「詩」Op.20(1906)
エレジーニ短調Op.26(1916年出版)
ルーセンス・カヤレー(Vn)
ステファヌ・ルムラン(P)

録音:2015年6月21.22日カナダモントリオール,マックギル大学高等音楽院,ポラック・ホール
フランス系ロシア人カトゥアール(1861-1926)は、いくつかの美しいピアノ曲で知られる作曲家です。若い頃ベルリンでワーグナー派のピアニスト、カール・グリントボルトに学んだため、ワーグナーの影響を強く受けてしまった彼。残念なことに、当時のロシアではワーグナーの作風が嫌われる傾向にあったため、リムスキー・コルサコフら最先端の作曲家たちは、彼を認めることはありませんでした。しかし唯一、チャイコフスキーだけはカトゥアールを認め「強力な創造的才能を有している」と評価したとされています。そんなカトゥアール、作品の中心を占めるのは前述の通りピアノ曲ですが、いくつかのヴァイオリン曲も残しています。とりわけ「ソナタ第1番」は、壮大な楽想と溢れるメロディに満ちた作品です。単一楽章で書かれた「第2番」もタイトルの“詩”が示すとおり、夢幻的な雰囲気を持ち、またどこかフランス印象派の影響も感じさせる魅力的なソナタです。
NAXOS-8.573433(1CD)
ブラームス:弦楽四重奏曲第1番&第2番
弦楽四重奏曲第1番ハ短調Op.51-1
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.51-2
ニュージーランドSQ<ヘレーネ・ポール(第1Vn)/ダグラス・ベイルマン(第2Vn)/ジリアン・アンセル(Va)/ロルフ・ギェルツェン(Vc)>

録音:2014年7月16-18日カナダオンタリオ,聖アン・アングリカン教会
ブラームス(1833-1897)の室内楽作品の中でも、とりわけ渋い部類に入るとされる2曲の弦楽四重奏曲。これらは何度も推敲を繰り返しながら、発表までに慎重に時間を重ね、、着想から8年ほどの歳月を経て完成に至ったとされています。またこの2曲の後「第3番」を書き上げましたが、以降は弦楽四重奏曲を書くことは止めてしまった理由の一つには、先人であるベートーヴェンの同作品からの重圧もあったようです。そんな2曲の弦楽四重奏曲ですが、第1番は堅固、第2番は柔和と対照的な性格を持ち、またブラームスらしい美しいメロディも満載、ロマン派を代表する作品にふさわしい風格を有しているのです。演奏しているニュージーランド弦楽四重奏団は、2015年に創立28周年を迎える老舗のアンサンブル。メンデルスゾーンなどの古典派から譚盾(タン・ドゥン)などの現代曲まで、幅広いレパートリーを持ち、ニュージーランド国内で各々が後進の指導にあたりながら、世界中で演奏会を開催し、聴衆を魅了し続けています。
NAXOS-8.573461(1CD)
チェロと管弦楽のためのポルトガルの音楽集
ルイス・コスタ(1879-1960):ポエマ(ペドロ・ファリア・ゴメスによる補筆&管弦楽版)(2008)
フェルナンド・ロペス=グラーサ(1906-1994):チェロのオブリガート付きの室内協奏曲Op.167(1965-1966)*
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955):抒情的な光景(1916)*
ジョリ・ブラガ・サントス(1924-1988):チェロと管弦楽のための協奏曲Op.66(1987)
カロウステ・グルペンキアン財団アウディトリウム
ブルーノ・ボッラルヒンホ(Vc)
グルベンキアンO
ペドロ・ネヴェス(指)

音:2015年6月22-26日ポルトガルリスボン

*以外〜世界初録音
スペインの音楽はバロック期から現代作品まで、日本でも広く知られていますが、その隣の国「ポルトガル」の音楽については、せいぜい民族音楽“ファド”が知られている程度です。クラシック音楽の作曲家にしても、名前はほとんど出てきません。そんなポルトガルの音楽、NAXSではフレイタス・ブランコやロペス=グラーサらの作品を積極的にリリースし、普及に努めています。今回はチェロと管弦楽の協奏的作品をフィーチャー。ロストロポーヴィチの委嘱により作曲された、極めて陰鬱な雰囲気を持つグラーサの「室内協奏曲」、フレイタス・ブランコとルイス・コスタののロマンティックな作品など、各曲の作風も様々です。コスタの「ポエマ」とサントスの協奏曲は世界初録音です。
NAXOS-8.573484(1CD)
ヨハン・ジモン・マイール:序曲集
歌劇「クレクィの殿様ラウール」序曲(1809)
歌劇「コーラ」序曲(1815)
歌劇「メンノーネとツェミーラ」序曲(1817)
歌劇「ナクソス島のアリアンナ」序曲(1815)
歌劇「リディアのエルコレ」序曲(1803)
歌劇「アメリカ人」序曲(1806)
歌劇「ラウソとリディア」序曲(1798)
歌劇「情熱」序曲(1794)/9.歌劇「秘密」序曲(1797)
シンフォニア変ロ長調(1800年以前)
シンフォニア変ホ長調(1790年頃)
バイエルン・クラシカル・プレイヤーズ
コンチェルト・デ・バッスス
イ・ヴィルトゥージ・イタリアーニ
フランツ・ハウク(指)

録音:2008年9月7日、2014年4月9日、2014年4月23日、ドイツ,インゴルシュタットマリア・デ・ヴィクトリア・アサム教会
2007年9月22.23日、2007年9月18日 ドイツ,インゴルシュタットノイエス城,ファーネンザール
2012年9月3日、2012年9月7日 ドイツ,ドナウ/ノイブルク,コングレゲーションザール
ジモン・マイール(1763-1845)はドイツで生まれ、イタリアで活躍した作曲家。数多くのオペラを書き、それらは当時のイタリアで愛好されました。この時代の序曲は、観客たちのおしゃべりを抑止するのが目的で、ヴェネツィアでは2部形式、ナポリでは3部形式のシンフォニアが置かれていましたが(後に交響曲に発展する)マイールはそこにウィーン風の序曲(あらかじめ劇全体の粗筋や雰囲気を味わえるようにまとめた曲)の形式を取り入れ、時には楽器のソロで、本編で使われるアリアのメロディを奏するなど、一層劇本編への期待をが高まるように工夫したのです。現在では彼のオペラ本体を聴く機会はほとんどありませんが、序曲を聴くだけでも楽しいものです。
NAXOS-8.573496(1CD)
ポーランドのヴァイオリン協奏曲集
グラツィナ・バチェヴィチ(1909-1969):ヴァイオリン協奏曲第1番(1937)
アレクサンドル・タンスマン(1897-1986):ヴァイオリンと小管弦楽のための5つの小品(1930)
ミハル・スピサク(1914-1965):ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのアンダンテとアレグロ(1954)
アンジェイ・パヌフニク(1914-1991):ヴァイオリン協奏曲(1971)
ピョトル・プワフネル(Vn)
ベルリン室内SO
ユルゲン・ブルンス(指)

録音:2014年9月15-18日ドイツベルリン,イエス・キリスト教会
2014年10月3-4日ヘリングスドルフ、カイザーザール・ホテル・マリティムウーゼドム・フェスティヴァルライヴ収録
ポーランドの4人の近現代作曲家によるヴァイオリン協奏曲集。冒頭を飾るのは最近話題の女性作曲家バチェヴィチの協奏曲で、第1楽章の民族音楽を思わせるきらびやかなパッセージが印象的です。神秘的な第2楽章、軽やかな終楽章と、極めて魅力的な現代曲です。タンスマンの曲は、彼がアメリカ・ツアーで出会ったシゲティのために書かれた曲。親しみやすさが追求されています。バチェヴィチと同時代の作曲家、スピサクの「アンダンテとアレグロ」はナディア・ブーランジェから委嘱された作品で、明快さとユーモアを持った新古典派のスタイルを持っています。1972年、メニューインが初演したパヌフニクの協奏曲は、ポーランドの舞曲を多用した独特のスタイルを持った曲。彼の作品の中でも最も人気を獲得しています。4つの作品の根底にある「ポーランドの国民性」も明確に感じられるプワフネルの演奏です。
NAXOS-8.573515(2CD)
ホセ・ルイス・ドミンゲス:バレエ音楽「ホアキン・ムリエタの伝説」2幕 サンティアゴPO
ホセ・ルイス・ドミンゲス(指)

録音:2015年3月2-5日チリサンティアゴ・テアトロ・ムニシパル,アラウ・ホール
現在のチリで高い人気を誇っている作曲家、ホセ・ルイス・ドミンゲス(1971-)。彼はサンティアゴの市立劇場で10年以上に渡りレジデント・コンダクターを務め、歌劇やバレエの制作にも関与しています。幾つかの短い作品や委嘱作を完成させた後、2008年に“オーケストレーションの練習”として「交響曲」の作曲を決意します。しかし、劇場とのプロジェクトの計画もあり、その決意は交響曲から長大なバレエ作品へと変更せざるをえませんでした。バレエの題材となったのは、19世紀半ば、メキシコに生まれカリフォルニアで名を轟かせた山賊ホアキン・ムリエタ。様々な小説や映画にも登場する人物です。ドミンゲスは、その生涯の様々なエピソードをインスピレーション豊かな音楽に仕上げ、聴き手に、まるで映画を見ているような楽しさを与えます。
NAXOS-8.573532(1CD)
ロス・ハリス:ヴァイオリン協奏曲(2010)
交響曲第5番(2013)
:イリヤ・グリンゴルツ(Vn)
サリー=アン・ラッセル(Ms)
オークランドPO
ギャリー・ウォーカー(指)
エッケハルト・シュティーア(指)

録音:2013年8月14-15日、2015年2月19-20日
※世界初録音
ニュージーランド生まれの作曲家ロス・ハリス(1945-)は、5つの交響曲、チェロ協奏曲など数多くの作品で知られています。また30年以上に渡り、ヴィクトリア大学の音楽科で教鞭をとり、自国の音楽発展に寄与してきました。NAXOSではこれまでに、彼の「交響曲第2番&第3番」(8.572574)と「交響曲第4番、チェロ協奏曲」(8.573044)の2枚のアルバムをリリースし、聴き手を魅了していますが、今作では、ハンガリーの女性詩人パンニ・パラスティの詩に触発された「交響曲第5番」と、2010年に作曲された「ヴァイオリン協奏曲」の2曲を収録、また新たな魅力を提示しています。協奏曲でソロを務めるのは日本にも度々来日する名手イリヤ・グリンゴルツ。ほとんど無調ながら美しい質感を持つメロディを、独自の美音で聴かせています。
NAXOS-8.573566(1CD)
LATINOLADINO‐スペインとラテン・アメリカからの流浪と情熱の歌
伝承,セファルディ:シャローム・アレーカム
フランシスコ・エスカラーダ,ニュー・スペイン〜アルゼンチン:紅ひわの歌
伝承‐ラディノ,スペイン/ニュー・スペイン〜ペルー:私は生まれた
伝承‐ラディノ,トルコ〜ギリシャ:Avre tu puerta
cerrada
伝承‐ラディノ,スペイン〜フランス:Axerico de quinze anos
エティエンヌ・ムリニエ(1599-1676),フランス:リオ・デ・セビリア
ガスパール・サンツ(1640-1710):スペイン:カナリオス
ヤニフ・ドール(1975-),ギリシャ:La soledad de la nochada
伝承‐ラディノ,スペイン/バルカン:モリコス
伝承‐ラディノ,スペイン/ポルトガル:ヒヤ・ミア
ビアージョ・マリーニ(1594-1663),イタリア:パッサカリアト短調
伝承‐ラディノ,スペイン/フランス:フランスの王
アルベニス,スペイン:アストゥーリアス
サンツ,スペイン:マリツァパロス
伝承‐ラディノ,ロードス,ギリシャ:ナスのシチュー
ビオレータ・パラ(1917-1967),チリ:人生よ、ありがとう
ヴィンチェンツォ・カレスターニ(1589-1617),イタリア:全ての公正な乙女
ヤニフ・ドール(C.T)
アンサンブルNAYA
バッロカーデ
アミート・ティーフェンブルン(指)

録音:2015年1月18-20日ベルギー,フラン=ヴァレート,聖レミジウス教会
このアルバムの主人公は、迫害され故郷を追われた少数民族セファルディ…15世紀前後、スペイン、ポルトガル周辺に定住したユダヤ人たち…です。彼らは放浪しながらも、伝統を棄てることなく独自の音楽、文化を伝承しながら、定住先の地域に溶け込んでいきました。そんなセファルディの歌に込められた愛、喜び、哀しみの表出は、賑やかさの中にもどこか哀愁漂う美しいものばかり。自らもセファルディの血をひくヤニフ・ドールの声は、どんな境遇にあってもたくましく生きていく人間の強さを思い起こさせるものです。
NAXOS-8.573575(1CD)
アントワーヌ・ド・ロワイエ:ギター三重奏と四重奏曲全集
トリオ・コンチェルタントト長調Op.29(1814)
三重奏曲第2番ハ長調Op.42(1826)
エアの変奏とディアローグト長調(1813)
イェルゲン・スコグモ(G)9
イェンス・フランケ(G)…
オスカー・ヴェルニンゲ(G)…
ティム・ペルス(G)

録音:2014年7月4-6日イングランドバークシャー,ウェリントン大学コンサートルーム
既にリリースされている二重協奏曲集(8.570146)で、その華やかで技巧的なギター・デュオの作風に感激した人が続出。初期ロマン派の作曲家ロワイエ(1768-1852)の新しいアルバムは、更に充実した響きを持つギター三重奏曲と四重奏曲集です。ベートーヴェンと同時期の作曲家ロワイエは、当時最高のギタリストでありながら、フランス王党派に属する兵士でもあり、革命に巻き込まれながらも、サンクトペテルブルクの宮廷で高い地位を得るなど波乱の人生を送りました。しかしその作品は典雅で優美。整った形式の中に、舞曲や変奏曲を組み込むなど革新的な面も持ち合わせています。
NAXOS-8.573577(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/パヴェル・クフタギター・リサイタル
ガリーナ・ゴレローヴァ(1951-):ミールの城
ゴレローヴァ:前奏曲とフーガ*
レオ・ブローウェル(1939-):ソナタ第3番「ソナタ・黒いデカメロン」
ロドリーゴ(1901-1999):トッカータ
ロベルト・ゲルハルド(1896-1970):ファンタジア
エドゥアルド・モラレス=カソ(1969-):リンダラハの庭
セルジオ・アサド(1952-):ファンタジア・カリオカ
ローランド・ディエンス(1955-):ブルー・モントゥーノ*
パヴェル・クフタ(G)

録音:2015年10月15-16日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
*=世界初録音
2015年に開催されたハインスベルク国際ギター・コンクールの優勝者、パヴェル・クフタのリサイタル・アルバムは、彼の故郷であるベラルーシを始め、キューバ、スペイン、カタルーニャ、ブラジル、フランスの作品がバランス良く配された、この若きギタリストの可能性を探る興味深い1枚です。1984年に生まれ、ミンスクの音楽アカデミーで学び、ベラルーシ政府から奨学金を得た後、ミケーレ・ピッタルガ国際コンクールで第3位、アンドレス・セゴビア国際コンクールで第2位など、数多くのコンクールに入賞、着々と実力をつけてきたクフタ、現在、最も将来を嘱望されているギタリストの一人です。どの曲も技巧と表現力を駆使した素晴らしい演奏ですが、とりわけ冒頭に置かれたベラルーシの女性作曲家、ゴレローヴァの「ミールの城」は、当地の有名な16世紀の要塞を音で表現したアルバムの冒頭を飾るにふさわしい1曲です。
NAXOS-8.573584
(1CD)
アイアランド/モーラン:合唱作品集
ジョン・アイアランド(1879-1962):子守歌(1912)
 もう泣かないで、悲しみの泉(1909)
 微笑みの歌(1910)
 穏やかな西風(1890頃)
 春、甘い春(1908)
 5月は彼の特別な時((1913)
 キューピッド(1912頃)/
 喜んで私は音符を変えよう(1921)
 トワイライトナイト(1922)
 しなくてはならない(1936-37)
 丘(1953)/アイアランド:変わらぬもの(1942)
 彼らは私に語った、ヘラクレイトス(1925)
 海洋熱(M.トーマス編)(1913/1989)
 ネプチューンの賞賛に(1911)
モーラン(1892-1950):春の時の歌(1929)
 青い瞳の春(1931)
 もう泣かないで、悲しみの噴水よ(1922)
 フィリダとコリュドン(1939)<フィルダとコリュドン‐マドリガル/春までに美は座って沐浴する‐マドリガル/花は丘の上で育つ‐パストラル/フィリスの恋人‐エア/アマリリスは私に言った‐バレ/私の心の宝物‐コンツォネット/彼女が寝ている間に‐エア/コリュドン、立ち上がれ‐パストラル/牧草地へ‐マドリガル>
デヴィッド・オウェン・ノリス(P)
カリス・シンガーズ
ジョージ・パリス(指)

録音:2015年9月3-5日オックスフォードサマータウン,セント・マイケル・アンド・オール・エンジェル教会
大編成の交響曲や管弦楽曲などはあまり好まず、もっぱら室内楽とピアノ曲を愛し、幻想的な作品を多く残したアイルランド系イギリスの作曲家アイアランド。そんな彼が愛したもう一つの分野が合唱曲でした。なかでも「パートソング」(アマチュアでも歌えるようなシンプルな合唱曲)の形式はアイアランドを魅了したようで、数多くの珠玉の作品が書かれています。もう一人のモーランは、最近日本でも注目が高まってきた作曲家です。彼の作品も、イギリス民謡に根ざした素朴な作風で書かれていますが、アイアランドの曲よりは喜怒哀楽の感情表出が豊かであり、ここで聞ける作品も、エリザベス朝のマドリガルの様式を模した、凝った声部と旋律が特徴的です。同じ歌詞に付された曲の聞き比べ(トラック5&18)も面白いでしょう。
NAXOS-8.501504
(10CD)
イディル・ビレット/20世紀ピアノ・エディション
CD1.バルトーク:作品集
1-6.ルーマニア民俗舞曲BB68
7-10.組曲Op.14BB70
11.ミクロコスモス第6巻BB105第148番‐第153番「6つのブルガリアのリズムによる舞曲」
12.アレグロ・バルバロBB63
13-15.ピアノ協奏曲第2番BB101
16-17.2つのエレジーOp.8bBB49
CD2.プロコフィエフ:作品集
1-4.ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
5-7.ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
8-10.ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26
CD3.ストラヴィンスキー:作品集
1-19.バレエ音楽「火の鳥」
20.5本の指で
21-23.ペトルーシュカからの3楽章
CD4.ピエール・ブーレーズ(1925-2016)作品集
1-2.ピアノ・ソナタ第1番
3-6.ピアノ・ソナタ第2番
7-10.ピアノ・ソナタ第3番‐フォルマン2:トロープ
11.ピアノ・ソナタ第3番‐フォルマン3:コンステラシオン
CD5.ジェルジ・リゲティ作品集
1-6.練習曲集第1巻
7-15.練習曲集第2巻
CD6.ベルク/ウェーベルン/シェーンベルク/他
1.ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
2-4.ウェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
5.シェーンベルク:ピアノ協奏曲Op.42
6.ニコロ・カスティリオーニ(1932-1996):カンジアンティ
7.レオ・ブローウェル(1939-):ピアノとフォルテのソナタ
8.イルハン・ミマールオール(1926-):セッション
CD7.パウル・ヒンデミット作品集
1-4.ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽Op.49
5-9.主題と変奏「四気質」
CD8.パウル・ヒンデミット作品集
1-4.管弦楽付きピアノ音楽Op.29
5-8.室内音楽第2番(ピアノ協奏曲)Op.36-1
9-11.ピアノ協奏曲
CD9.スクリャービン/ミャスコフスキー/ショスタコーヴィチ/ブークレシュリエフ
1.スクリャービン:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調Op.70
2.スクリャービン:5つの前奏曲Op.74
3.ニコライ・ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調Op.13
4.ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第3番ハ短調Op.19
5-7.ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.102
8.アンドレ・ブークレシュリエフ(1925-1997):アルキペル第4番Op.10
CD10.ヴィルヘルム・ケンプ:作品集/編曲集
1.バッハ:いざ来たれ異教徒の救い主よBWV659
2.バッハ:審判の日は来れりBWV307
今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよBWV734
3.バッハ:フルート・ソナタ変ホ長調BWV1031-第2楽章シチリアーノ
4.バッハ:われ心よりこがれ望むBWV727
5.バッハ:主よ、人の望みの喜びよBWV147
6.バッハ:甘き喜びのうちにBWV751
7.バッハ:神よ、われら汝に感謝すBWV29-シンフォニア
8.ヘンデル:組曲第2巻第1番変ロ長調HWV434−メヌエット
9.バッハ:目覚めよ、と呼ぶ声ありBWV645
10.バッハ:チェンバロ協奏曲ヘ短調BWV1056-第2楽章ラルゴ
11.バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよBWV639
12.グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」‐聖霊の踊り
13.モーツァルト:パストラーレ・ヴァリエK209b
14-17.ヴィルヘルム・ケンプ:イタリア組曲Op.68
18-20.ケンプ:ピアノ・ソナタOp.47
CD11.ラヴェル作品集
1-5.鏡/6-8.夜のガスパール/9.ラ・ヴァルス(ピアノ独奏版)
CD12.フォーレ/ラヴェル/ドビュッシー/フランセ作品集
1.フォーレ:夜想曲第13番ロ短調Op.119
2-7.ラヴェル:クープランの墓(ピアノ版)
8-13.ドビュッシー(1862-1918):子供の領分
14.ドビュッシー:映像第1集-第1曲「水の反映」-第2曲「ラモーを讃えて」
15-18.ジャン・フランセ(1912-1997):ピアノ・ソナタ
CD13.サイグン/エルキン:作品集
1-3.アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):ピアノ協奏曲第1番Op.34
4-15.サイグン:アクサク・リズムによる12の前奏曲Op.45
16.ウルヴィ・ジェマル・エルキン(1906-1972):ピアノ協奏曲
CD14.アテシュ/ティペット:作品集
1-3.パルス・アテシュ(1942-):ピアノ協奏曲第1番Op.64
4-6.パルス・アテシュ:ヴィオラ・ソナタOp.57
7-9.マイケル・ティペット(1905-1998):ピアノ協奏曲
CD15.エルトゥールル・オウズ・フィラート(1923-2014):作品集
1.フランツ・リストを讃えてOp.77
2-7.ピアノのための6つの楽章Op.86
全て、イディル・ビレット(P)


CD1.バルトーク:作品集
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO…13-15
テオドール・グシュルバウアー(指)…13-15
録音:1961年11月フランスパリ,ワグラム通り…1-12,1985年ドイツ…13-15,1984年ドイツミュンヘン,ヘルクレスザール…16-17

CD2.プロコフィエフ:作品集
フランス国立O…8-10
ドリアン・ウィルソン(指)…8-10
録音:1976年USARCAスタジオ…1-7,1977年フランスパリ…8-10

CD3.ストラヴィンスキー:作品集
録音:2002年3月1-3日UKサフォーク,ポットン・ホール…1-19,1975年USAコロンビア・スタジオ…20,1975年UKロンドンEMIアビーロード・スタジオ

CD4.ピエール・ブーレーズ(1925-2016)作品集
録音:1995年1月&2月フランスパリ,ラジオ・フランススタジオ106

CD5.ジェルジ・リゲティ作品集
録音:2001年2月17-18日,5月5-7日.6月14-15日ドイツザンドハウゼンクララ・ヴィーク・アウディトリウム

CD6.ベルク/ウェーベルン/シェーンベルク/他
西ドイツ放送SO…5
アンドリュー・デイヴィス(指)…5
録音:1974年USAアトランティク・スタジオ…1,1972年USAアトランティク・スタジオ…2-4,1989年ドイツフランクフルト…5.1976年USAアトランティク・スタジオ…6-8

CD7.パウル・ヒンデミット作品集
オリヴィア・コーツ(ハープ)…1-4
チェルシー・レーン(ハープ)…1-4
イェールSO
島田俊行(指)
録音:2012年12月,2013年1月USAイェール大学,ウールジー・ホール

CD8.パウル・ヒンデミット作品集
イェールSO/島田俊行(指)
録音:2012年12月,2013年1月USAイェール大学,ウールジー・ホール

CD9.スクリャービン/ミャスコフスキー/ショスタコーヴィチ/ブークレシュリエフ
ローザンヌ室内O…5-7
アルパド・ゲレツ(指)…5-7

CD10.ヴィルヘルム・ケンプ:作品集/編曲集
録音:1991年11月30日-12月2日ドイツハイデルベルク,トンスタジオ・ファン・ギースト

CD11.ラヴェル作品集
>1-5.鏡/6-8.夜のガスパール/9.ラ・ヴァルス(ピアノ独奏版)
録音:1984年1月ドイツシュトゥッツガルト

CD12.フォーレ/ラヴェル/ドビュッシー/フランセ作品集
録音:1989年ドイツ…1,1960年代フランス,パリ…2-7,1984年オーストリア…8-14,1960年ドイツ…15-18

CD13.サイグン/エルキン:作品集
コロンヌO…1-3
アフメト・アドナン・サイグン(指)…1-3
プレジデンシャルSO…16
ゴットホルト・エフライム・レッシング(指)…16
録音:1958年ベルギーブリュッセル,パラス・デ・ボザール…1-3,1970年代トルコアンカラ…4-15,1960年代トルコアンカラ…16

CD14.アテシュ/ティペット:作品集
アンタルヤSO…1-3/プラク・トズン(指)…1-3
ルーゼン・ギュネシュ(Va)…4-6
BBCウェールズ・ナショナルO…7-9
ジョン・カレウェ(指)…7-9
録音:不明

CD15.エルトゥールル・オウズ・フィラート(1923-2014):作品集
録音:2011-2012年トルコイスタンブール,ITUMIAMスタジオ
モーツァルト、ベートーヴェンはもちろんのこと、どんな作品でも完璧に弾きこなすトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。初期のNAXOSレーベルの立役者でもあった彼女は、現在、各レーベルに散らばっている自らの録音を集約し、「イディル・ビレット・アーカイヴズ」として世に出しています。そんなビレットが最も得意としているのはなんと言っても「現代の作品」であり、デビュー直後からブーレーズやリゲティ作品をバリバリ弾きこなすことで評判を取っていたことでも知られています。この15枚組には、バルトークからストラヴィンスキー、そして前述のブーレーズやリゲティまで、1950年代から2010年代までの演奏が収録されています。彼女の恩師であるヴィルヘルム・ケンプの「バッハ編曲集」や、トルコの作曲家サイグン自身が指揮してバックを務めた協奏曲など、興味深い作品が並んでいます。

NAXOSスタンダード 2015年6月発売
NAXOS-8.570436(1CD)
ハチャトゥリアン:交響曲第2番ホ短調「鐘」(1943)
.レールモントフ組曲(1959)(抜粋)
ロシアPO
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)

録音2006年11月18-23日ロシア放送TV&ラジオ・カンパニーKULTURA第5スタジオ
ハチャトゥリアン(1903-1978)の2番目の交響曲が構想されたのは1942年のことです が、実際に作曲されたのは1943年の夏でした。当時のロシアは戦争の真っ只中であり、 イヴァノヴォの作曲家組合の隠れ家で暮らしていた彼は、ここに思いの丈をぶつけたので す。そして出来上がった交響曲第2番は、同じ年に書かれたショスタコーヴィチの第8 番のように「怒り」や「戦争と暴力への抗議」といった側面も持っています。初演後、彼 は楽章の入れ替えや、金管の増強、一部短縮など、納得が行くまでこの作品を何度も改訂 し、1946年にはスターリン賞第一席を受賞するという栄誉も受けることとなります。曲 の構成は、重苦しい第1楽章で始まり、ピアノも交えた軽妙でエネルギッシュな第2楽章、 不気味なピアノとパーカッションのオスティナートに支えられた葬送行進曲を思わせる 第3楽章、そして第4楽章は金管の力強いファンファーレで始まり、少しずつ力を増しな がら、最後は鐘の音に彩られながら曲を閉じるという壮大なもの。サブタイトルの「鐘」 は、残念ながらこれは作曲家自身がつけたものではありませんが、曲の特質を良く表して います。「レールモントフ組曲」は“仮面舞踏会”で知られる文豪レールモントフのエピソ ードを、1954年にボリス・ラヴレニョフが劇化。ハチャトゥリアンが音楽を書き、その 後1959年に組曲にしたものです。ワルツを始めとした聞き覚えのあるメロディが耳に残 る、いかにもハチャトゥリアンらしい音楽です。
NAXOS-8.573513(1CD)
モーツァルト:ヴァオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K219
※1.2.4.5.7.8…カデンツァ:ヘンニング・クラッゲルード作曲
ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
ノルウェー室内O

録音2015年1月27-29日ノルウェーオスロ,アケルフス城教会
ノルウェーに現れたヴァイオリン界の俊英、ヘンニング・クラッゲルード。2003年録音 のシンディングとシベリウスのヴァイオリン協奏曲で鮮烈な印象を残す彼は、それ以降も シンディングやグリーグなどの北欧ヴァイオリン作品や、イザイ、シュポアといった高い 技術を要求される作品を次々とリリースし、国際的な評価を受けています。また作曲家、 編曲家としても才能を発揮、そして最近はクラシックだけに留まらず、ジャズ・アーティ ストとコラボしたりとマルチな活躍をみせています。そんなクラッゲルードが今回取り組 んだのはモーツァルト(1756-1791)の3つの協奏曲。彼のヴァイオリン協奏曲の中で最 初に成功したと言われる第3番、勇壮な主題で知られる第4番、終楽章にトルコ風の楽想 が用いられているため「トルコ風」と呼ばれる第5番と、どれも人気の高い作品です。ど の作品にもカデンツァが置かれていて、奏者の腕の見せ所となっていますが、クラッゲル ードはもちろん自作を演奏。変幻自在な彼の楽想の迸りをぜひ聞いてみてください。
NAXOS-8.573394(1CD)
ジョン・ラター:祝祭詩篇、他
祝祭詩篇(1993)<O BE JOYFUL IN THE LORD-喜びを持って主を礼拝せよ(詩篇第100 番)/I WILL LIFT UP MINE EYES-私は目をあげる:都もうでの歌(詩篇第120番)/PRAISE THE LORD, O MY SOUL-わたしの魂よ、主を賛美せよ(詩篇第146 番)/THE LORD IS MY SHEPHERD-主は私の羊飼い:ダビデの歌(詩篇第23 番)/Cantate Domino-カンターテ・ドミノ(詩篇第66 番/来たり給え、創造主なる聖霊よ)/The Lord is my light and my salvation-主はわが光、わが救いなり(詩篇第27 番)/O CLAP YOUR HANDS-手を打ち鳴らせ(詩篇第47 番)/O how amiable are thy dwellings-あなたの住まいはなんと愛らしい(詩篇第84 番)/O praise the Lord of heaven-天において主を賛美せよ(詩篇第148 番)>
今日のこの日(2011)*
主よ、あなたはわれらの避難所である(2008)*
詩篇第150番(2002)*
エリザベス・クラッグ(S)
パスカル・シャルボンヌー(T)
マイク・アレン(Tp)
トム・ウィンペニー(Org)
セント・オールバンズ大聖堂Cho
アビー少女Cho
ロイヤルPO
アンドリュー・ルーカス(指)

録音2014年7月14-17日UKヘルフォードシャー,セント・オールバンズ大聖堂
※以外=世界初録音
旧約聖書に収められた150篇の詩篇のほとんどは、神への感謝の詩と、典礼用の詩に分 けることができます。どれもヘブライ語の詩句自体が美しく、また希望や信頼、怒り、喜 びなどの感情が豊かにあるため、歌のテキストに用いやすく(元々メロディがついている ものもある)、何世紀にも渡って多くの作曲家たちにインスピレーションを与え、多彩な 作品が生まれています。イギリスの作曲家ジョン・ラター(1945-)も詩篇に魅せられた一 人であり、彼は9つの詩篇をまとめた「祝祭詩篇」の他に、2011年の「ウィリアム王子 とキャサリン・ミドルトンの婚礼」など特別の行事の際にも詩篇を用いた作品を書き上げ ています。彼の作品はどの曲も荘厳な雰囲気を持ちながらも、独特のノリのよいリズムや、 ジャズ風のイディオムが至るところに見え隠れしています。日本でもアマチュア合唱団を 中心に多くのファンを獲得しており、この祝祭詩篇も、しばしばコンサートで演奏される 人気曲となっています。
NAXOS-8.573417(1CD)
カール・ツェルニー:大協奏曲他
華麗な大夜想曲Op.95(1826頃)
ピアノ大協奏曲イ短調Op.214(1830)
ロッシーニの歌劇「コリントの包囲」からギリシャ人の行進曲による演奏会用変奏曲Op.138(1827)*
ローズマリー・タック(P)
イギリス室内O
リチャード・ボニング(指
揮)

録音2014年12月16-18日ロンドンケニス・タウン,聖サイラス教会
*=世界初録音
以前から「ツェルニーの偉大さ」について力説してきたNAXOSレーベルですが、今回登 場の「大協奏曲」を含む3つの協奏的作品も、ピアノ演奏技術の粋を集めた完成度の高い ものであり、ベートーヴェンの協奏曲に並ぶ巨匠然とした雰囲気をたたえています(確か にこの華やかなパッセージを楽々と弾きこなすためには、あの無味乾燥な練習曲を仕上げ るしかないのかもしれません)。「ベートーヴェンの才能ある弟子」として各方面で名が知 られていたツェルニー(1791-1857)。ベートーヴェンは自作の協奏曲のソリストに彼を 指名し、ブラームスも「ツェルニーのピアノ奏法についての著作は一度は読む価値がある」 と絶賛、リストは、彼が提案した合作「ヘクサメロン」でツェルニーに曲を依頼したりと、 その幅広い才能は誰もが絶賛していました。とは言え、ツェルニー自身は、自らが目立つ よりも、後進の指導と、ベートーヴェン作品を広めることのみに喜びを感じていたようで、 たくさんの練習曲を書いたのも「ピアノ演奏法について書きたいのに時間がない」という ベートーヴェンの意思を継いだからでした。そんな控えめな性格だったが故に膨大な作品 はごく一部が出版されたのみ。そのほとんどは机の引き出しにしまい込まれていたため、 このような素晴らしい作品もそのまま忘れられてしまったのです。21世紀になって次々 と新曲を聴くことができるようになり、このアルバムにも世界初録音の作品が含まれてい ます。今後もツェルニーからは目が離せません。
NAXOS-8.555500(1CD)
シュポア:交響曲第1番&第5番
交響曲第1番変ホ長調Op.20(1811)
交響曲第5番ハ短調Op.102(1837)
スロヴァキア国立コシツェPO
アルフレート・ヴァルター(指)

録音1990年11月30日-12月2日コシツェ,芸術の家
※MARCO POLO8.223363より移行
ドイツの作曲家、ヴァイオリニスト、指揮者ルイ・シュポア(1784-1859)。本来の名前はルートヴィヒでしたが、大人になっ てからフランス風の呼び名「ルイ」と名乗り、各地で演奏旅行を行いその名を広くとどろかせました。作曲家としては10曲 の交響曲(最後の10番は未完)をはじめ、ヴァイオリン曲を60曲、他、多くの室内楽曲や独奏曲など150曲を越える作品を 残し、こちらも当時高く評価されていました。シュポアは恐らくモーツァルトに倣って交響曲を書いたのですが、完成した作 品は既にロマン派の作風を持っており、第7番の「『人生の世俗と神聖』」など工夫の凝らされた標題を持つ曲もいくつかあり、 当時としては前衛的な作風を有していたと言えるでしょう。そんなシュポアの交響曲、第1番はまだ古典派の形式に留まって いますが、第5番は作風も成熟しシューマンやメンデルスゾーンの作品にもひけを取らないほどに自由な楽想が満ちています。
NAXOS-8.559787(1CD)
ポール・ボウルズ:ピアノ作品全集第2集
2台ピアノのための3つの小品<夜のワルツ(1949)/夜想曲(1935)/クロス・カントリー(1976)>
4つのピアノ小品<トンブクトゥの袋小路(1934)/カフェ・シン・ノンブレ(1933)/テセウスとマルドロール(1933)/エステポナの道(1939)>
ソナチネの断片(1933)
4つのミニアチュール<ベルナルド・スアレスへの前奏曲(1932)/K.M.C.のポートレイト(1935)/空想(1932)/サラバンド(1943)>
3つのラテン・アメリカ小品
集<エル・ベジュコ(続けるには、味に従うこと…)/オローシ(1948)/サユーラ(1946)>
タマナール(1931-1933)
ソナチネ(1932-1933)<ブルー・マウンテン・バラード(1946/2014)(アンドレイ・コスパロフによるピアノ・デュエット編)<天国的な草/寂しい男/小屋/サトウキビ>
3つのピアノ・デュオ-アーサー・ゴールド&ロバート・フィッツデール編曲<感傷的な会話(1944)/カミナータ(1940頃)/ターキー・トロット(1940頃)>
インヴェンシア・ピアノ・デュオ…1-3.22-28<メンバー:ピアノ・プリモ:アンドレイ・カスパロフ…5.7.11-15.18-21(ソロ)/ピアノ・セコンド:オクサーナ・ルチシン…4.6.8-10.16-17(ソロ)>

録音2013年10月5-7日、2014年1月11-12日、2014年2月1-3日、2014年10月11.12日 USAヴァージニア,オールド・ドミニオン大学,ウィルソン.G.チャンドラー・リサイタル・ホール
※世界初録音…4.5.6.7.17.18.22-25.26-28
メリカの小説家、作曲家ポール・ボウルズ(1910-1999)のピアノ作品集第2集。前作の第1集(8.559786)と同様に、ここ でもユニークな作品が並びます。彼は人生の大半をモロッコのタンジールで過ごし、この地での経験を元にした長編小説で人 気を博しました。とりわけ最初に書いた「極地の空」はベストセラーを記録、こちらは映画「シェルタリング・スカイ」の原 作になり一層知られるようになりました。その上、彼はモロッコの伝承物語の英訳にも力を注いでいますし、またアフリカの 民俗音楽の研究家でもありました。。そんな彼の音楽は、時にはシリアス、時にはジャズやラテンの雰囲気を持つ興味深いもの ばかりなのですが、残念なことに作品の管理がきちんとできておらず、その作品の多くは失われてしまい、また忘れ去られて しまったのです。しかし研究家アイリーン・ハーマンのおかげで、残された作品のほとんどを探し出すことに成功、ようやく CD2枚分の音楽が日の目を見ることになりました。もちろん初録音も多数含まれる貴重な作品集です。
NAXOS-8.559789(1CD)
ランダル・トンプソン:レクイエム(1958) フィラデルフィア・シンガーズ
ディヴィッド・ヘイエス(指)

録音2014年1月25-26日フィラデルフィアカーティス音楽学校,グールド・リハーサル・ホール
※世界初録音
ランダル・トンプソン(1899-1984)はアメリカの合唱作曲家ですが、アメリカ国内でもよほどの合唱好きでない限り、その名 を知っている人はいません。ニューヨークで生まれ、ハーバード大学を卒業、ウェルズリー大学で音楽科の助教授を務めなが ら合唱指揮者になり、幾つかの大学で後進の指導にあたりました。なかでもハーバード大学で教えていたときの弟子の一人が レナード・バーンスタインであったことは、彼のキャリアの中でも大切な出来事でした。その生涯に数多くの合唱曲を遺しま したが、彼がこの世を去って30年以上を経ても、その中で歌われるのは1941年に作曲された「ハレルヤ」(クーセヴィッツ キーからの委嘱作品)のみ、というのはちょっと残念なことかもしれません。この「レクイエム」は彼の個人的な体験・・・親し い友人や同僚を亡くす・・・に起因して書かれたもので、アカペラの二重合唱による5つの場面で構成された全曲は非常に劇的 であり、合唱のグループの一つは常に「愛する人の喪失を嘆く会葬者」、もう一つのグループは「会葬者を慰め、現実に戻るよ うに説得する視点」で歌っていくように書かれています。曲自体は調性感を持ち、時には壮麗なフーガを形成、「死者の安息を 祈る」という通常のレクイエムの概念とは異なる作品です。
NAXOS-8.570618(1CD)
グァン・シァ:交響曲第2番「希望」(1999)
アース・レクイエム:第1番.星をみつめて:瞑想(管弦楽版)(1999/2008-09)
交響的バラード「悲しき夜明け」(2000)
ニュルンベルクSO
シャオ・エン邵恩(指)

録音2014年8月1-2日ドイツニュルンベルク,コングレスハレ,ムジークザール
※世界初録音
このアルバムに収録されている「交響曲第2番"希望"」は、中国の著名な作曲家、グアン・シァ(1957-)の代表作。彼は1985 年に中国中央音楽院を卒業し、数多くのテレビシリーズのサウンドトラックを手掛け、最近では中国国立SOのエグゼク ティブ・ディレクターを務めています。彼の交響曲第1番は1980年代半ばに書かれましたが、そちらはあまり話題になるこ とはありませんでした。しかし「希望」と題された第2番は、善と悪、闘争と持続性など人類の本質に光が当てられており、 各々の楽章に付されたタイトルも明るい未来を感じさせるなど、聴き手に明るい希望をもたらす音楽として愛されています。 「アース・レクイエム」は交響曲第2番と同じく1999年に書かれましたが、2008年5月に四川を襲った大地震の犠牲者を 悼むために、大幅な改作を行っています。この「瞑想」はもともと第4楽章に置かれていましたが、ここでは一つの楽章とし て独立させ、原曲の合唱などを全て省き、管弦楽のみで演奏する形に変えています。「悲しき夜明け」は第二次世界大戦終了後 の中国の物語。ワーグナーを思わせる壮麗なファンファーレが印象的な作品です。
NAXOS-8.572831(1CD)
ウルヴィ・ジェマル・エルキン:交響曲第2番他
オーケストラのための舞踏狂詩曲「Kocekce-キョチェケ」(1943)
ヴァイオリン協奏曲(1946-1947)
交響曲第2番(1948-1958)
ジェームズ・バスウェル(Vn)
イスタンブール国立SO
テオドレ・クチャル(指)

録音2014年11月29-30日トルコイスタンブール,フルヤ・カルチュアル・センター
エルキン(1906-1972)は、サイグンらとともに「トルコ5人組」と呼ばれるトルコのクラシック音楽を発展させたグループの 一人の作曲家。その「5人組」のメンバーは、みな20世紀の初頭に生まれ、当時の大統領と連動し、トルコの西洋化を進め るために力を尽くしたことで知られています。1906年に生まれたエルキンは、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事、 最先端のフランス音楽を学び帰国、トルコにできたばかりのアンカラ音楽院の教授となります。その後、1949年から1951 年までは音楽院の院長を務め、後進の指導にあたりながら、自身も2つの交響曲をはじめ、ヴァイオリンやピアノ協奏曲、数 多くのピアノ曲、歌曲を作曲します。以前のトルコの音楽は西洋のものとは全く異なっており、複雑なリズム(西洋人には理解 が難しかった)とメロディを持っていましたが、エルキンはこれらの伝統的な要素を西洋音楽に取り入れ融合させたのです。と りわけ「キョチェケ」と呼ばれる固有の舞曲を用いた狂詩曲が聴きものです。
NAXOS-8.573280(1CD)
ヘンリー・パーセル:劇場音楽集第2集
劇音楽「女房持ちの色男、無分別な物好き」Z.603
劇音楽「スペインの僧、二重の露見」Z.610-歌「あなたの目前で私は悲しみ」
劇音楽「アンソニー・ラヴ卿、逍遙する貴婦人」Z.588
劇音楽「オーレン=ジーブ、偉大なモンゴル」Z.573
劇音楽「年老いた男やもめ」Z.607
ヨハネ・アンゼル(S)
ジェイソン・ネデッキー(Br)
アラディア・アンサンブル
ケヴィン・マロン(指)

録音2013年11月18-20日カナダトロント,聖アン・アングリカン教会
イギリス・バロック期の最大の音楽家パーセル(1659-1695)。彼の父も叔父も音楽家で、また弟も音楽家になるという音楽一 家に生まれたパーセルは、幼少期に王室礼拝堂の少年聖歌隊に入り、変声期を迎えた後は、名オルガニスト、ジョン・ブロウ に学びます。写譜係として古い時代の作曲家たちの作品を研究、これによって伝統的なスタイルを身につけ、18の時に王室弦 楽合奏隊の専属作曲家に就任します。その2年後にはウェストミンスター寺院のオルガニストにも任命され、以降、36歳で この世を去るまで膨大な作品を遺すこととなるのです。そんな彼の劇音楽は、主に晩年の5年間に集中的に作曲され、どれも ユニークで、規模は小さいものの、歌劇にも近い佇まいを持ったものです。「女房持ちの色男」はややきわどいコメディで、「後 悔したチェリアの横たわるをみよ」は独立して演奏されるほどの人気を誇っています。スペインの修道士の物語、当時の人気 女優のために書かれた「アンソニー・ラヴ卿」、英雄的な悲劇「オーレン=ジープ」の異国的な雰囲気、1693年に初演された 皮肉たっぷりの「年老いた男やもめ」と、楽しくウィットに富んだ音楽がたっぷり味わえます。NAXOSが誇る古楽指揮者マ ロンとアラディア・アンサンブルの息のあった演奏です。
NAXOS-8.573430(1CD)
カミッロ・トーニ:ピアノ作品全集第3集
1.セレナータ第3番Op.13(1941)
2.セレナータ第6番Op.19a(1943)
3.セレナータ第7番Op.20(1943/1944)
ソナチネOp.26(1945)
バッハへのオマージュ
Op.32(1950/1951)<グラーヴェ/カノン/主題と6つの変奏>
ベルク:抒情組曲-第楽章アレグレット・ジョヴィアーレ(1926)(C.トーニによる4手ピアノ編)
3つの幻想的スケルツォ「パラフラージ・ディ・ムジカ・レッジェーラ」(1967)<第1番/第2番/第3番>
アルド・オルヴィエート(P)
ファウスト・ボンジェッリ(第2ピアノ)

録音2015年6月24-25日イタリアヴェニス,ジョルジオ・チーニ財団サラ・デッリ・アラッツィ、2014年7月30
20世紀イタリアを代表する作曲家の一人カミッロ・トーニ(1922-1993)。カセッラに作曲を学び、ピアノはミケランジェリ に師事、シェーンベルクから多大な影響を受け、1951年から1957年まではダルムシュタット音楽祭にも参加、実験的な音 楽を創り上げた人として知られています。このNAXOSのシリーズでは彼のピアノ全曲リリースが進行中、このアルバムが第 3集となります。トーニ作品と言えば、なんと言っても第1集(NAXOS-8.572990)に収録されていたマーラーの「アダージェット」の 乾いた響きが衝撃的でしたが、ここに収録されているベルク「抒情組曲」の連弾用編曲版を聞けば、彼の語法をより詳しく知 ることができるのではないでしょうか?初期の作品である一連のセレナータは、半音階進行を追及したもので、こちらは確か にシェーンベルクの影響が強く感じられますが、晩年の「3つの幻想的スケルツォ」は想像以上に調性に回帰した曲(良く知ら れた曲のパラフレーズでもある)で、何か仕掛けがあるのか?と聴き進むうちに曲が終わってしまうという不思議な感触も残り ます。
NAXOS-8.573447(1CD)
マルティヌー:歌曲集4-白い鳩(フロチョヴァ/コウクル)
1-30.新しいスロヴァキアの歌H.126<わが鉱山は山々を越え/私に話して/ハンカ、何を作っているの?/ねえ、私の愛する山よ/オラヴァから雨がくる/わが愛する人よ、話して/私には他の姉妹がいる/私はブラウスを持っていた/明けの明星/ねえ、あれをみて/私は結婚している/オオカミさん、私を食べて/立っている女の子/ヴァホム川まで/フロン川の上流下流/トレンチンの兵舎で/神よ、私は何をすれば/小さなハンナ/羊たちはだれのもの/ステキな男/彼を信じてはだめ/彼女は良く跳ね土を掘る/彼女は70着のスカートを持っていた/ねえ、メドウ/ねえ、私には恋人がいたの/白い鳩/黒い山の横から/人々は言う/私は目覚めている/白い山から来た少女>/31.光り輝く夜の3人のおとめH.73/32.童謡H.283Bis
※スロヴァキア語歌唱…1-30,チェコ語歌唱…31-32
イェネ・フロチョヴァ(ワリンゲローヴァ)(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音2015年6月9日、2014年6月17日 スイス・イタリアーナ放送コンセルヴァトーリオ
※世界初録音…31.32
2010年に録音を始めたマルティヌーの歌曲集も、この第4集で完結となります。生涯に膨大な作品を書き上げたマルティヌ ーは、その折々で作風を変化させているため、曲によっては印象派風であったり、新古典派風であったりと、なかなか分類が 難しい作曲家の一人です。歌曲についてこれまでの録音を聞いても、やはり作品の雰囲気が幅広過ぎて全貌を掴むことはとて も難しいかもしれません。とは言え、スラヴ民謡に根ざした作品はとても親しみやすく、短い曲の中に独特のウィットが込め られています。このアルバムの中心をなす「新しいスロヴァキアの歌」もそんなタイプの歌曲集であり、歌の内容を問うので はなく、マルティヌーの探究心から生まれた、言葉遊びとメロディを楽しむための作品群なのです。世界初録音の「チェコ語 の2つの歌曲」のうち、「光り輝く3人のおとめ」は後期ロマン派風の重苦しさを持った歌曲。100小節で突然終了し、聞き 手を呆然とさせるところもユニークです。後にヴォーグ誌のジャーナリストになったシャルル・ルーに捧げられた「童謡」も 即興的に書かれた面白い作品。
NAXOS-8.573472(1CD)
アンソニー・バージェス:管弦楽作品集
管弦楽のためのバレエ組曲「ミスターW.S.」(1979)
革命の行進1789-1989(1989)
バージェス氏の暦(1987)
ブラウン大学O
ポール・フィリップス(指)

録音2014年11月18.22.23日USAロードアイランドプロヴィデンス,ブラウン大学サイラス・ホール、2014年10月11日USAロードアイランドプロヴィデンス,ブラウン大学サイラス・ホール、2005年5月5日USAロードアイランドプロヴィデンス,ブラウン大学アラムネー・ホール
※世界初録音
あのスタンリー・キューブリックが映画化した近未来的小説「時計仕掛けのオレンジ」。自由=放任が暴走した社会に棲む少年 4人組の悪行の顛末を描いた問題作で、1972年の公開時には様々な論争を巻き起こしました。この原作を書いたのがイギリ スの小説家アンソニー・バージェス(1917-1993)です。映画の中でも「第9」が効果的に使われていたことからわかる通り、 バージェスは音楽家としても素晴らしい才能を持っていました。もちろん彼の作品は独創的というよりも、過去の作曲家たち の影響が強く(ホルストとヒンデミットのハイブリッドと評する人も)、少しばかりの不協和音をスパイスにした聴きやすいも のです。そんなバージェスの管弦楽作品、もちろんこのアルバムが世界初録音となります。最初のバレエ組曲の題材となった 「W.S.氏」とは2016年に没後400年を迎えるイギリスの文豪シェイクスピアのこと。もともとは映画のために書いた曲を後 に組曲としてまとめた作品です。エリザベス朝の響きを意識した曲調の中に、暴力的なサウンドを溶け込ませ、独自の雰囲気 を醸し出しています(因みに9曲目の行進曲に付された「Nonsanzdroict」とはシェイクスピアの紋章に付された銘)。フラン ス革命にちなんだ「革命の行進」、自らの誕生日を祝したという「バージェス氏の暦」と、どれも「小説家の余暇仕事」の域を 超えた力作です。
NAXOS-8.573485(1CD)
リスト:ピアノ作品全集第43集〜交響詩の編曲版
交響詩「前奏曲」(K.クラウザー編曲/F.リスト改編,1885)
交響詩「オルフェウス」S511b(F.シュピーロ編曲/F.リスト改編,1879)
1859年のシラー祭への芸術家の祝祭行列S520/R187(第2稿,1883)
ゆりかごから墓場までS512/R179(
レーナウのファウストによる2つのエピソードS110/R427第1番「夜の行列」(R.フロイント編曲/F.リスト改編,1872)
メフィスト・ワルツ第4番S696/R661
セルジオ・モンテイロ(P)

録音2015年6月1-5日USAオクラホマ市立大学,ワンダ・バス音楽学校,小リハーサル・ホール
NAXOSの人気シリーズ、リスト(181-1886)のピアノ曲全集第43集。過去には2台ピアノ版の「ダンテ交響曲」(第26 集:NAXOS-8.570516)、「前奏曲」(第29集:NAXOS-8.570736)、「ファウスト交響曲」(第34集:NAXOS-8.572560)がリリースされていて、編曲者 としてのリストの才能を知ることができましたが、今回はいくつかの交響詩の「ピアノ独奏版」の登場です。作曲家によって は、ブラームスのように、まずピアノ版を作ってからオーケストラ稿を書く人もいますが、このアルバムに収録された作品は ちょっと事情が違い、もともとの管弦楽版を、リストの監修のもと、他の作曲家がピアノ独奏版に仕上げたものです。どれも 出来上がった作品をリスト自身がちょっとだけ手直しして出版するという「リスト承認」の編曲版といったところでしょうか。 ピアニスト、モンテイロはブラジル生まれ。4歳からピアノを学びブラジル国内および南米のコンクールで優勝し、ブラジル 文化省から奨学金を得てイーストマン音楽学校に留学。第2回マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで2位を獲得し ました。GRANDPIANOレーベルからエンリケ・オズワルドのアルバムをリリース(GP682)、こちらも好評を博しています。
NAXOS-8.573497(1CD)
ミヒャエル・ハイドン:交響曲集第1集
交響曲ト長調(Perger16)
交響曲ニ長調(Perger21)
交響曲ハ長調(Perger19)
交響曲イ長調(Perger15)
フィリップ・ドヴォルザーク(ハープシコード)
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
パトリック・ガロワ(指)

録音2015年2月17-22日チェコ共和国パルドゥビツェ,音楽の家
ミヒャエル・ハイドン(1737-1806)。幼い頃はシュテファン大聖堂の聖歌隊で美声を披露し、各地の宮廷楽長を務め、聖三位 一体教会のオルガニストとザルツブルク大聖堂のオルガニストの職をこなし、ウェーバーとディアベリを教え、マリア・テレ ジアからはミサ曲を委嘱されるという、素晴らしい才能を持っていたにも拘わらず、偉大すぎる兄ヨーゼフのおかげで、歴史 の流れに埋もれてしまった残念な作曲家です。例えばミヒャエルが書いた交響曲第25番は、モーツァルトがちょっと付け足 しを加えただけで、彼の「第37番」として認知されるほど、モーツァルト作品と見分けが付かないほどの素晴らしさなので すが、真相が究明された途端、贋作として扱われるようになってしまったという悲しい作品。しかし作品自体の躍動感や色彩 感が失われたわけでもなく、良い曲であることは変わりありません。ようやく最近になってその作品の素晴らしさに共感する 人が増えてきたようです。名フルート奏者で、最近は指揮者としても活躍しているパトリック・ガロワもそんな一人で、彼は 44曲ほどのミヒャエルの交響曲の全曲録音に取り組み始めました。全集完成が待たれるシリーズです。
NAXOS-8.573526(1CD)
金管七重奏のための音楽集第4集
ビクトリア:4つのモテット(S.コックスによる金管七重奏編)<すべての人よわれを祝福せよ/汝はペテロなり/おお、聖なる饗宴/よい羊飼いはよみがえられた>
ジョヴァンニ・ガブリエリ(1554/1557-1612):3つのカンツォンと3つのモテット(S.コックスによる金管七重奏編)<4声のカンツォン第1番「陽気な女」/私の心は主によって喜び/4声のカンツォン第2番/聖なるマリアよ、あわれな者たちを救いたまえ/カンツォンとソナタ集-6声のカンツォンIV/主にむかいて新しき歌をうたえ(カンターテ・ドミノ)(6声)>
パレストリーナ(1525頃-1594):ミサ曲集第2巻「教皇マルチェルスのミサ曲」(S.コックスによる金管七重奏編)<キリエ/グローリア/サンクトゥス‐ベネディクトゥス>
ラッスス(1532-1594):宗教的マドリガル集「聖ペテロの涙」(抜粋)(M.ナイトによる金管七重奏編)<高潔のひとペテロはかつて/私が自分のものと認めた人々の/凍てついた雪片が/去り行け命よ、行け/おお罪深き不条理な生命よ/わが主を否定するものは/見よ人間よ>
セプトゥーラ<メンバー:アラン・トーマス(B♭管トランペット)/サイモン・コックス(B♭管トランペット)/ヒュー・モーガン(E♭管トランペット)/ピーター・スミス(テューバ)/マシュー・ギー(トロンボーン)/マシュー・ナイト(トロンボーン)/ダン・ウェスト(バス・トロンボーン)>

録音2015年5月2-4日ロンドンニュー・サウスゲート、セント・ポール教会
金管アンサンブル「セプトゥーラ」のシリーズ第4集は、彼らの出発点にもなったというイタリアの作曲家ジョヴァンニ・ガ ブリエリの作品を中心とした、16世紀の音楽集です。ここでは宗教的合唱曲を金管アンサンブルに編曲するというユニークな ことをやってのけますが、これが全く違和感なく、ごく自然な音楽の流れの中に輝かしい響きを融合するという完成度の高い ものとなっています。ここに選ばれた4人の作曲家たちは、イタリア、スペイン、フランドルと活躍の場は様々ですが、例え ばパレストリーナはビクトリアの師であったり、ガブリエリはラッススに師事してたりと、互いに影響しあっているのです。 そして4人それぞれ、異なるルネサンス合唱の伝統の源であり、彼らが創り上げた神聖派なポリフォニーは当時の教会音楽に も強く影響を与えています。その時々でメンバーの顔ぶれが少しずつ変化しているセプトゥーラですが、緊密なアンサンブル は決して変わることがありません。
NAXOS-8.573552(1CD)
ヨーゼフ・ランナー:ウィーン舞曲集
タランテラ・ギャロップOp.125
ワルツ「魔女の踊り」Op.203
ギャロップ「エリーゼとカティンカの仲間」Op.56-2
ワルツ「宮廷舞踏会」Op.161
忠誠行進曲Anh.54
新年のギャロップOp.61b
真夜中のワルツOp.8
ハンス・イェルゲン・ポルカOp.194
シュタイアー風舞曲Op.165
ワルツ「シェーンブルンの人々」Op.200
カンヌO
ヴォルフガンク・デルナー(指)

録音2015年6月24-26日フランスカンヌ,JWマリオット・クロワゼットホテル劇場
ヨハン・シュトラウス1世よりも3年早く生まれ、それまでは「農民の踊り」であったワルツを洗練された「ウィンナ・ワル ツ」に格上げしたとされるヨーゼフ・ランナー。旅行勝ちであった彼は、良きライバルであったシュトラウス1世ほどには、 ヨーロッパでの名声を獲得することができませんでしたが、彼が書いた400曲ほどの作品は、ストラヴィンスキーやリヒャル ト・シュトラウスなど、後世の作曲家たちに大きな影響を与えることとなります。このアルバムには彼の代表的な作品10曲 を収録、熱狂的なタランテラや、初期の作品「真夜中のワルツ」、晩年の作品「魔女の踊り」まで、ワルツの創始者ランナーな らではの貫禄たっぷりの作品が楽しめます。
NAXOS-8.573553(1CD)
オーベール:序曲集第1集
歌劇「コーカサスから来た娘」序曲S.48
歌劇「青銅の馬」序曲S.25
歌劇「黒のドミノ」序曲S.30
歌劇「フラ・ディアヴォロ,またはテッラチーナの宿屋」序曲S.18
.歌劇「婚約者」序曲S.17
歌劇「王冠のダイヤモンド」序曲S.34
歌劇「マルコ・スパダ」序曲S.43
歌劇「放蕩息子」序曲S.41
カンヌO
ヴォルフガンク・デルナー(指)

録音2015年6月24-26日フランスカンヌ,JWマリオット・クロワゼットホテル劇場
フランスに生まれた偉大な作曲家オーベール(1782-1871)。彼は、ケルビーニに作曲を学び、19世紀前半のオペラ・コミー ク作曲家として広く名声を博し、また数多くの管弦楽、合唱作品を書き、ロマン派オペラに広範囲に渡って影響を及ぼしまし た。彼の名はパリの地下鉄の駅や、ガルニエ宮の通りに冠せられるほどに、パリでは重要視されているにもかかわらず、残念 なことにその作品自体は現在ほとんど演奏されることがなく、いくつかの歌劇の序曲が細々と演奏会のプログラムに掲載され るのみとなっています。当時はワーグナー作品と人気を分け合うほどの人気者だったオーベールの作品。まずは序曲から楽し んでみてはいかがでしょうか?例えば、「コーカサスから来た娘」は、よくある「女性が男性に扮する」のではなく「男性が女 性に扮する」物語。若い将校アレクシスが娘に扮してコーカサス、モスクワで冒険するというストーリー。他の歌劇もタイト ルを見ただけで、なんとも面白そうなものばかりではありませんか。
NAXOS-8.573556(1CD)
ティボール・ハルシャーニ:ヴァイオリン・ソナチネ(1919)
ヴァイオリン・ソナタ(1925)
3つの舞踏小品(1928)
ヴィオラ・ソナタ(1953-1954)
チャールズ・ウェザービー(Vn、Va)
ディヴィッド・コレヴァー(P)

録音2014年6月4-6日USAコロラド大学ボルダー校音楽部,グルージン音楽ホール
※世界初録音
20世紀初頭の作曲家、ハルシャーニ(1898-1954)はハンガリーで生まれ、ブダペストでコダーイに師事し、その後ヴェネツ アを始めとしたヨーロッパ各地でピアニスト、指揮者として活躍。その後はパリで、マルティヌー、タンスマン、ミハロヴィ チ、チェレプニンら各国からやってきていた作曲家たちと交流を結び「エコール・ド・パリ(パリ派)」を結成します。彼らは パリの雰囲気を吸収しながらも、決して自国の固有の文化を捨てることなく、独特の音楽を熟成させていくこととなります。 ハルシャーニの作品は、初期のものは本質的にロマンティックで、1919年のヴァイオリン・ソナチネの冒頭はフランクのソ ナタを思わせるけだるさもある面白い曲調を持っています。やがて当時ヨーロッパを席巻したジャズのリズムを取り込み、ま た同胞であるバルトークの民族的要素も取り込みと、その作品は肥大しながら複雑さと土臭さを兼ね備えていくことになるの です。最晩年の「ヴィオラ・ソナタ」では、その民族的要素が洗練された姿で現れ、抑制された表情を持った傑作となってい るところにも注目。アメリカの名手ウェザービーによる演奏です。
NAXOS-8.573579(1CD)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ集
ソナチネニ長調Op.137第1番D384
ソナチネイ短調Op.137第2番D385
ソナチネト短調Op.137第3番D408
チャン・ヒェジン(Vn)
ウォーレン・リー(P)

録音2015年9月18-20日香港チェン・ユ・タン・ビルディングCMAレクチャー劇場
1816年の春、19歳のシューベルト(1797-1827)が作曲した3つのヴァイオリンのためのソナタ。これらは結局彼の生前に 出版されることはなく、1836年になって兄のフェルディナントが出版社ディアベリに持ち込み、ようやく世に出ることにな ったのです。もともとは「ソナタ」と題されていた作品に、出版の際ディアベリが「ソナチネ」と名前をつけたという説もあ りますが、ともあれ、規模も小さく演奏も比較的容易なこれらの作品は、学習者たちにもとりわけ好まれることとなります。 モーツァルトのソナタとの類似性も指摘されますが、シューベルトならではの美しいメロディも随所に溢れています。演奏し ているヴァイオリニスト、チャン・ヒェンジンは香港舞台芸術アカデミーで西崎崇子に師事し、モスクワ音楽院で、レオニー ド・コーガンの助手を務めたS.クラヴチェンコから教えを受けたという注目の若手です。ピアノのウォーレン・リーは6歳で 香港フィルと共演、ロンドン王立大学を卒業後、ストラヴィンスキー国際ピアノコンクールで第1位を獲得。彼も世界的に高 く評価されています。
NAXOS-8.660386(2CD)
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」 マリエッラ…ナタリア・ウシャコーヴァ(S)/ジェンナーロ:鍛冶屋…キム・キョンホ(T)/ラファエレ:秘密結社の首領…ダニエル・チャプコーヴィツ(Br)/カルメラ:ラファエレの母…スザンネ・ベルンハルト(Ms)/チッチーロ:結社員…ペーテル・マリー(T)/ロッコ:結社員…フランチェク・ドゥリアツ(Bs)他
ブラティスラヴァ少年Cho
プレスブルク・シンガーズ
スロヴァーク・ナショナル・オペラCho
スロヴァークRSO
フリードリヒ・ハイダー(指)

録音:2015年11月29日.12月2日スロヴァキアブラティスラヴァ,ドゥリング・パフォーマンス・イン・ザ・グレート・コンサートホール
イタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)の代表作「マドンナの宝石」。一昔前、レコードで音楽鑑賞をしていた 時代、クラシックの小品といえば必ず名前が挙がるのが、この歌劇の第2幕への間奏曲でした。かの“イージー・リスニングの 巨匠”ポール・モーリアや、大指揮者カラヤンがこよなく愛し、度々録音を行ったために広く知られるようになった美しい曲で す。とは言え、今回の録音がオペラ全曲の正式な世界初録音となるほどに、実際の上演を体験する機会は全くないと言ってい いほどのレアな作品です。実は内容もかなり凄惨。その時代を席巻した「ヴェリズモ・オペラ」の典型的な作品といえるでし ょう。物語は1900年頃のスペイン統治下のナポリ。情熱的で奔放な娘マリエッラと、その義兄ジェンナーロ。マリエッラが 心を寄せるのは悪の親玉ラファエレですが、ジェンナーロはマリエッラに好意を寄せています。ある日ラファエレが彼女に「マ ドンナの宝石を盗み出してこよう」と囁き、嫉妬したジェンナーロが先に宝石を盗み出してマリエッラに渡すと、喜んだ彼女 はジェンナーロに心を許してしまいます。しかし、街のシンボルである聖母像の宝石を盗むのは大罪。自責の念にかられたジ ェンナーロは宝石を返しに行くのですが…。リヒャルト・シュトラウスや、ベルカント・オペラを得意とするフリードリヒ・ ハイダーが美しく全曲を纏め上げています。

NAXOSスタンダード 2016年5月発売
お知らせ…日本の代理店の都合により、2016年4月27日発売新譜より、NAXOSの「日本語の曲目等を記した帯」の装着は廃止となりました。旧譜タイトルにつきましては、現在の帯の在庫がなくなり次第、帯付き出荷は停止となります。ご了承下さいませ。

NAXOS-8.573469
(1CD)
ラフマニノフ:絵画的練習曲Op.39
楽興の時Op.16
ボリス・ギルトブルク(P)

録音:2015年6月15-17日UKモンマス,ウィアストン・レイズコンサート・ホール
NAXOS期待のピアニスト、ボリス・ギルトブルクの新アルバムは、彼が得意とするラフマニノフ(1873-1943)の2つの曲集です。以前、他レーベルからリリースされたピアノ・ソナタ第2番での表現…叙情性と攻撃性の程よいバランスは、彼とラフマニノフの相性の良さを物語るものでしたが、ここでは一層の親密さを見せてくれます。ラフマニノフ自身が「音楽から連想したものを自由に描き出せばよい」と語ったという「音の絵」は、出版経緯の紆余曲折があり、完全な形で世に出たのは1969年、ラフマニノフの死後のことでした。実際は両手のための練習曲で、どの曲も超絶技巧が凝らされており、演奏は非常に難しいことで知られています。第6曲は「赤頭巾ちゃんとオオカミ」と評されている曲で、ギルトブルク自身も、アルバムのブックレットの中でこの曲についての感想を詳細に記しています(英語)。「楽興の時」も技巧的な作品で、これら6つの曲の中には様々な楽想と形式が取り入れられており、弾き手は指の鍛錬とともに、高い表現力を養わなくてはいけないと言う難曲です。もちろんギルトブルクはこれらの曲を完全に手中に収め、変幻自在な音で聴き手を魅了します。
NAXOS-8.573542
(1CD)
ブローウェル・ロドリーゴ・マルタン:ギター協奏曲集
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
マルタン:組曲「ギター」(1934)
ブローウェル:ベニカシム協奏曲(2002)
ミゲル・トラパガ(G)
ガリシア王立フィルハーモニー
オリヴィエ・ディアス(指)

録音:2015年6月21-24日スペインベニカシム,アウディトリオ・デ・ガリシア,サラ・アンヘル・ブラージェ
*以外=世界初録音
1967年カンタブリア生まれのギタリスト、ミゲル・トラパガが演奏する3つの協奏的作品です。彼は「GFA国際ギターコンクール」などをはじめとした多くのコンクールで優勝し、世界的な演奏活動を行っている人です。現在はマドリード王立音楽院で後進の指導に当たるなど、教育者としても活躍しています。このアルバムには、彼の演奏による、誰もが知っている「アランフェス協奏曲」と、2曲の世界初録音となる作品が収録されています。マルタンの組曲「ギター」はもともと独奏曲ですが、ここでは作曲家自身による管弦楽伴奏付きのヴァージョンを収録しています。またブローウェルの協奏曲は、タルレガの生誕150年を記念して作曲されたもので、ブロウウェル自身も「この曲は私自身のアイデアのパノラマである」と語ったほどに多彩な楽想と豊かな幻想性を持った曲です。この曲でもトラパガの卓越した技術が余すことなく披露されています。
NAXOS-8.578305
(1CD)
レオポルド・ストコフスキー:編曲集
1.バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV565
2.チャイコフスキー:歌曲集Op.73-6「かつてのように私はひとりに」
3.ワーグナー:「ラインの黄金」-ヴァルハラ城への神々の入場(H.ツンペ校訂)
4.バッハ:G線上のアリア
5.ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
6.ストコフスキー:スラヴ伝承のクリスマス音楽
7.バッハ:羊は安らかに草をはむ
8.パーセル:歌劇「ダイドーとイニーアス」-ダイドーのラメント「私が地中に横たえられた時」*
9.ボッケリーニ:メヌエット
10.バッハ:小フーガト短調BWV578
11.ワーグナー:ワルキューレの騎行
※すべてL.ストコフスキーによる管弦楽編曲
ティモシー・ウォルデン(Vc)*
ボーンマスSO
ホセ・セレブリエール(指)

1.9…8.572050録音:2008年4月17-18日/2.5.6…8.557645録音:2004年9月21-23日/3.11…8.570293録音:2006年6月10.11日/4.7.8.10…8.557883録音:2005年6月29.30日
あの映画「ファンタジア」でも知られるアメリカの大指揮者レオポルド・ストコフスキー(1882-1977)。彼はまさに「オーケストラの魔術師」であり、その変幻自在なタクトから生み出される音楽は全ての人々を魅了したのです。多くの作品をアメリカ初演した彼は、レコーディングにもコンサートにも常に全力投球。時には私財を投げ打ってでも、20世紀のアメリカ音楽の発展に力を尽くしたのです。彼は、どうすればオーケストラが一番良く鳴るかを知っていたため、過去の作品も最大の効果があがるように自身で編曲することも厭いませんでした。これらの編曲作品は、とにかく派手にゴージャスに!をモットーにしており、他の指揮者が演奏しても、新鮮で刺激的なサウンドが生まれるように書かれています。ここでは名手セレブリエールの一連の録音から、ストコフスキーが編曲したものをセレクト。その真髄をたっぷりとお楽しみいただけます。
NAXOS-8.5559786
(1CD)
ポール・ボウルズ:ピアノ作品全集第1集
1-4.4つのラテンアメリカ小品集<ウアパンゴ第1番/イキトス「ティエラ・モハーダ」/グアヤニリャ/ウアパンゴ第2番「エル・ソル」>
5-6.2つのポートレート<第2番:H.M.C.のポートレート/第1番:B.A.M.のポートレート>
7.5人のポートレート
8.スーヴェニア-ポール・ボウルズのポートレート
9.7つの記念-第4曲ポール・ボウルズのために
10.ラ・クエルガ
11.コンスタンス・アスキュー・イン・ザ・ガーデン
12-18.民謡前奏曲集<ピーター・グレイ/チン・ア・リン・チョウ/あなたはどこから来たの/おお、じゃがいもよ/アン岬/古いタール川/ケンタッキーの密売者>
19.アポセオシス-ウェルランド・ラスロップのためのダンス(ピアノ版)
20.ウィンド・リメインズ-ダンス(ピアノ版)
21.パストレーラ-エン・インディオ(ピアノ版)
22-27.6つの前奏曲<第1番:しずかに/第2番:優雅に/第3番:誇らしげに/第4番:アレグロ/第5番:アレグロ/第6番:quarternote=54>
28.5月(A.カスパロフによるピアノ連弾編)
29.エイプリルフール・ベイビー(A.カスパロフによるピアノ連弾編)
30.ウィットマン通りで-子守歌(A.カスパロフによるピアノ連弾編)/31-33.2台
のピアノのためのソナタ
インヴェンシア・ピアノ・デュオ…28-30.31-33<メンバー&ソロ:アンドレイ・カスパロフ(1-4.11.22-27)/オクサーナ・リュシシン(5-10.12-21)>

録音:2014年2月1-3日…1-4.10.22-27,2014年1月18-20日…5-7.12-21,2014年10月11-12日…8-9.11.28-30,2013年10月5‐7日…31-33USAヴァージニア、ノーフォーク、オールド・ドミニオン大学ウィルソン.G.チャンドラー・リサイタル・ホール
ポール・ボウルズ(1910-1999)はアメリカ合衆国の作曲家、そして作家、翻訳家というマルチな才能を持った人です。幼い頃から本を読み、自分でも物語や詩を作り始めます。同時にピアノ、声楽、音楽理論を学び、15歳の時にはカーネギー・ホールで「火の鳥」を聴き衝撃を受けたのだそうです。当時の前衛音楽にも影響を受け、一時はアーロン・コープランドに作曲を師事。結局は様々なスタイルを身につけ、独自の作風を作り上げるに至った人です。そんなボウルズの作品はやはりどれもウィットに富んだもので、ラグタイム風の「4つのラテンアメリカ小品集」からなかなか面白いものとなっています。時にはブルース、時にはゴスペルを取り込んだ作品は、まさにアメリカの秘曲と言えるでしょう。とにかく楽しい1枚です。
NAXOS-8.5559795
(1CD)
ジョーン・タワー:弦楽四重奏曲第3番‐第5番
弦楽四重奏曲第5番「ホワイト・ウォーター」(2012)
弦楽四重奏曲第3番「インカンデセント-白熱」(2003)*
弦楽四重奏曲第4番「天使」(2008)*
ダンバートン五重奏曲(2003)#
ダエダルスSQ<キム・ミンヤン(Vn)/マティルダ・カウル(Vn)/ジェシカ・トンプソン(Va)/トーマス・クライネス(Vc)>
マイアミSQ<ベニー・キム(Vn)/キャシー・メン・ロビンソン(Vn)/スコット・リー(Va)/キース・ロビンソン(Vc)>*
ブレア・マクミラン(P)#

録音:2015年3月11.12日、2015年3月24.25日USAニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
※世界初録音
アメリカの現代作曲家ジョーン・タワー(1938-)の作品集です。彼女は武満徹やブーレーズなど錚々たる作曲家が名を連ねる「グロマイヤー賞」を獲得した最初の女性として(作曲部門)世界中で高く評価されています。もともと優れたピアニストである彼女は、最近とりわけ室内楽作品に力を入れています。このアルバムに収録された4つの作品はそれぞれ、色々な団体からの委嘱作ですが、どの作品にも彼女の思い入れが存分に込められています。第5番の弦楽四重奏のタイトルである「ホワイト・ウォーター」は、水というものがどれほど人に影響を与えているかをグリッサンドで表現しているのだそうです。第3番の「白熱」は、曲の内部から熱を発するようにという意味があります。第4番「天使」には彼女の弟が病に倒れた時の、周囲への感謝が込められています。最後の「ダンバートン五重奏」には、タイトルの通りダンバートン・オークス財団からの委嘱作です。どの曲も様々なアイデアが集積された興味深いものとなっています。
NAXOS-8.570614
(1CD)
チェン・チーガン(陳其鋼):忘れられた魔法他
ピアノと管弦楽のための「二黄」(2009)
大弦楽合奏,ハープ,ピアノ,チェレスタ,ティンパニとパーカッションのための「失われた魔法」(2004)
二胡と管弦楽のための「失われた時」(2002)
イェン・チュン=チー嚴俊傑(P)
ヤン・ジェミン(二胡)、台湾ぽ(P)
リュー・シャオ=シャ呂紹嘉(指)

録音:2014年1月3-4日台湾台北,ナショナル・コンサート・ホール
※世界初録音
現代中国における作曲家の中でも「最も著名な人」として讃えられる陳其鋼(1951-)の作品集です。画家の家に生まれるも、文化大革命の粛清の嵐に巻き込まれ、26歳になるまで音楽を学ぶことが出来なかった彼ですが、1977年にようやく北京中央音楽院に入学、その7年後にはパリに留学し、4年間オリヴィエ・メシアンの弟子となりフランス風の様式を身につけながら、そのままフランス国籍を取得し、国際的に名を知られることとなりました。このアルバムに収録された3つの作品は、どれも比較的最近の作品で、ピアノ協奏曲である「二黄」はカーネギーホールからの委嘱作。中国のメロディを用いながらも、どこかラヴェルの協奏曲を思わせる豊かなメロディを持った曲となっています。珍しい編成を持つ「失われた魔法」は2008年にアラン・ギルバートとフランス放送フィルによって初演された曲で、こちらも洗練された美しさを誇っています。二胡の特徴的な響きを生かした「失われた時」も、中国伝来のメロディが生かされていますが、二胡奏者には超絶技巧が要求されるという難曲です。中国古来の響きと現代を繋ぐ注目作です。
NAXOS-8.571372
(1CD)
ジョン・アイアランド:弦楽オーケストラのための音楽
チェロ・ソナタト短調(M.フォーブスによるチェロと弦楽オーケストラ編)
夏の夕べ(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
サルニア-第2曲五月の朝に(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
独白(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
バガテル(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
子守歌(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
カヴァティーナ(G.パーレットによるチェロと弦楽オーケストラ編)
牧草地組曲(弦楽オーケストラ編…J.アイアランド、G.ブッシュによる弦楽オーケストラ編)*
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
オーケストラ・オブ・ザ・スワン
デヴィッド・カーティス(指)

録音:2015年6月26日、2015年7月5日 イングランド,シップストン・オン・ストゥールタウンゼンド・ホール
*以外=世界初録音
スタンフォードからドイツ音楽の古典を学び、フランス音楽や新古典派の音楽からも影響を受けたというアイアランド(1879-1962)の作風は、他のイギリスの作曲家たちの心の拠り所であった民謡風のものではなく、もっと印象派やロシア風の雰囲気を備えています。1923年に作曲されたチェロ・ソナタは、彼の全作品の中でも最も情熱的で激しい表現力を持ち、とりわけ第2楽章の甘く切ないメロディは、どちらかというと控えめなアイアランドらしからぬ力強さを感じさせます。他の作品は、原曲がピアノ独奏、もしくはヴァイオリンとピアノのために書かれたもので、親しみ易いメロディが魅力的です。最後の「牧草地国曲」は1932年の作品で、英国ナショナル・ブラス・バンド選手権のために書かれています。これらの曲のいくつかはラジオやテレビ番組で使われ、現在でも愛されています。名手ウォルフィッシュのチェロは、これらの作品の魅力を存分に引き出しています。
NAXOS-8.573370
(1CD)
エリック・ノルドグレン:イングマール・ベルイマン映画音楽集
シークレット・オブ・ウーマン(1952)<テーマ/第1変奏/第2変奏/第3変奏/第4変奏/第5変奏>
夏の夜は三たび微笑む(1955)<肘掛け椅子の愛/マーチ/ギャロップ/コーチ/危険なワイン/危機/メヌエット/ガヴォット/公園/脱出>
野いちご(1957)<情感/思い出/夢>
魔術師(1958)<詐欺とペテン/マーチ/ギャロップ>
喜びの庭(1961)<心の中の秘密のヘア/小さな町の出来事>
スロヴァキア放送SO
アドリアーノ(指)

録音:1996年12月3-6日ブラティスラヴァ,スロヴァーク放送,コンサート・ホール
原盤…8.223682MARCO POLOより移行
スウェーデンを代表する世界的な映画監督イングマール・ベルイマン(1918-2007)。彼が監督した作品はどれも「生と死」など重厚なテーマを持ち、観る人すべてに感銘を与える名作ばかりです。このベルイマンの映画と切っても切れない関係を持つのが映画音楽作曲家エリック・ノルドグレン(1913-1992)です(彼の名前を見て、フィンランドの作曲家ヘンリク・ノルドグレンと混同する人も多いのですが、残念ながら関係はありません)。彼はストックホルム王立アカデミーで作曲を学び、1948年にスウェーデンEMI/HMVでのレコーディング・コンサルタントに就任。以降、スウェーデン放送協会の管弦楽セクションを担当し、数多くの作品を書き上げます。彼は多くの映画のための音楽を書きましたが、なかでも、ベルイマンの17映画のための音楽は、画面の神秘性を高めるために大きく貢献しています。ベルイマンは自身の映画にあまリ多くの音楽を付けたくなかったようですが、アメリカ市場向けにはどうしても音楽が必要だったようで、この絶妙なバランスも、彼の映画の特異性を高めているようです。
NAXOS-8.573517
(1CD)
ヴィクター・ハーバート:チェロ協奏曲第1番ニ長調Op.8(1884)
チェロ協奏曲第2番ホ短調Op.30(1892)
アイルランド狂詩曲-大オーケストラのための(1892)
マーク・コソワー(Vc
アルスターO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2015年4月27-29日北アイルランド,ベルファストアルスター・ホール
アイルランドに生まれ、アメリカ合衆国に帰化したチェリスト・作曲家ハーバート(1859-1924)のチェロ協奏曲集です。幼い頃から音楽の才能を発揮していたものの、家庭の事情で正規の教育を受けることが叶わず、15歳になってようやくチェロを弾き始めたといいます。しかし、すぐに上達し、18歳の時にはチェリストとして中央ヨーロッパに演奏旅行に出かけるほどの腕前となります。やがて当時隆盛を誇っていたヨハン・シュトラウス2世の楽団員になり、渡米後はメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストになります。作曲家としても数多くの作品を書き、それらは当時のアメリカで大人気を博しましたが、彼のもう一つの功績は、米国作曲家作詞家出版社協会(ASCAP)を設立したことであり、こちらのシステムは現代アメリカでの音楽家たちの権利をしっかり守っています。そんな偉大なハーバートの作品は、驚くほどにメロディが美しく、そして充実したオーケストラパートを持つものです。とりわけ劇的な第2番は、同じ頃に作曲されたドヴォルザークの協奏曲と比べてみても、なんの遜色もないほどの名作と言えるでしょう。
NAXOS-8.573540
(1CD)
シューマン:さまざまな習作・遺稿集
交響曲第7番イ長調Op.92-第2楽章アレグレット(冒頭)(A.ディアベリによるピアノ編)
ベートーヴェンの主題による変奏曲WoO31
創作主題による変奏曲「天使の主題による変奏曲」WoO24
ショパンの夜想曲による変奏曲
シューベルトの主題による変奏曲「あこがれのワルツの変奏曲」(A.ボイド編)
.ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.14(3つの破棄された楽章)
幻想的練習曲ハ長調(「トッカータOp.7」の1830年版)
ヒンメルの「われ送らんアレクシスに」によるカノン
幻想小曲集Op.12-Anhang:Feurigst(コン・フォーコ)
創作主題によるアンダンテと変奏ト長調
グロスハイム-ティタニア序曲AnhangO4
オリヴァー・ショーズ(P)

録音:2015年5月15日フランスパリ,イヴリー=シュル=セーヌスタジオ4'33"
シューマン(1810-1856)の珍しい小品を集めた1枚です。これらの作品は普段ほとんど耳にすることのない断片のようなものばかりで、書かれた年代も若い頃から晩年までと多岐に渡っていますが、どの曲からもシューマンならではの内省的な旋律と、懊悩が感じ取れます。7歳の時にウェーバーが指揮するベートーヴェンの交響曲を聞き感激したシューマンは、いくつかの作品を彼なりに研究し、3つのベートーヴェンにまつわる作品を書き上げます。ディアベリがピアノ用に編曲した第7番の第2楽章の主題による変奏曲は、結局3回書き直されるも、完成されることも、生前出版されることもなく、彼の死後クララによって部分的に出版されました。全曲が揃ったのは1976年ということで、少し前のシューマン作品集には含まれていないという本当に珍しい曲です。他にも自らの主題による変奏曲、ショパンやシューベルトの作品による変奏曲、そして破棄されてしまったソナタの楽章など、研究者にとっても貴重な作品が並びます。
NAXOS-8.573541
(1CD)
ホフマイスター&ベートーヴェン:二重奏曲集
ホフマイスター(1754-1812):ヴァイオリンとチェロのための3つの二重奏曲Op.6(1788頃)
ベートーヴェン:クラリネットとファゴットのための二重奏曲WoO27(F.ヘルマンによるヴァイオリンとチェロ編)
ジョン・ミルズ(Vn)
ボジダル・ヴコティッチ(Vc)

録音:2014年4月14-15日UKハーツ、スティーブニッジウェストン・パリッシュ教会
このアルバムに登場する2人の作曲家は、当時密接な関係を持っていました。と、いうのも、当時のホフマイスターは作曲家としてではなく、音楽出版者としての活躍の方が目立っていて、自身の作品はもちろんのこと、モーツァルト、ハイドン、クレメンティ、そしてベートーヴェンの作品も積極的に出版し、世に送り出していたからなのです。ホフマイスターを取り巻く作曲家たちは、皆仲が良く、ベートーヴェンは自身の手紙の中で、ホフマイスターを「最も愛しい兄弟」と綴るほどに慕っていました。そんな時代、ヴァイオリンとチェロの二重奏曲は、家庭で演奏するのにふさわしいサイズであったため、広く愛されていました。そこでホフマイスターはアマチュアでも演奏しやすい作品を作曲し、出版することでこの需要に応えたのです。またベートーヴェンの作品も、本来はクラリネットとファゴットの二重奏曲を、少し後の時代の作曲家ヘルマン(1828-1907)がヴァイオリンとチェロのために編曲、こちらも親密な響きが溢れています。ヴァイオリン奏者ミルズが演奏するヴァイオリンは1735年、ヤヌアリウス・ガリアーノ製の楽器。当時の雰囲気が伝わる柔らかい音色です。
NAXOS-8.573554
(2CD)
ソウサ・カルバーリョ:歌によるカンタータ「アンゲリカ」(1778)
ペドロ・カストロによる自筆譜から作成した演奏会版
ルドヴィコ・アリオスト(1474-1833)「狂えるオルランド」&マッテオ・マリア・ボイアルド「恋するオルランド」原作ピエトロ・メタスタージオ(1698-1782)台本
アンゲリカ:東方の美しい王女…ジョアナ・セアラ(S)/メドーロ:ムーア人の兵士…リディア・ヴィネス・カーティス(Ms)/オルランド:高貴な戦士で騎士…フェルナンド・グィマランエス(T)/リコーリ:羊飼いでアンゲリカの親友…マリア・ルイザ・タバレス(Ms)/ティルシ:羊飼いでリコーリの恋人…サンドラ・メデイロス(S)
コンセルト・カンペストレ
ペドロ・カストロ(指)

録音:2014年10月14-19日ポルトガルエスコーラ・スペリオール・デ・ムジカ・デ・リスボア,アウディトリオ・ビアナ・ダ・モータ
※世界初録音
カルバーリョ(1745-1798)はポルトガルで生まれ、8歳の時に王室から奨学金を得てイタリアへ行き、作曲を学び、1778年リスボンでボルトガル王室の音楽教師になった人です。彼は当時の王であったジョゼ1世の娘たちに音楽を教え、また対位法の教授としても多くの弟子たちを育てたとされています。このオペラは当時流行していた「狂えるオルランド」と「恋するオルランド」を元にしたメタスタージオの台本を元に書かれた作品で、オルランドの英雄性が華々しく描かれているため、貴族や王室の人たちが自らを主人公たちになぞらえることができるというお話。そこで、恐らく王室の長老の誕生日、もしくは命名日にあわせて上演されたようです。もちろんヒロインは王の一番上の娘マリア1世を模していたのでしょう。ただ、そんな用途であったため、この作品は上演されてすぐに忘れられてしまい、200年以上の時と経て、ようやく指揮者カストロの手で甦ったのです。
NAXOS-8.573581
(1CD)
R=コルサコフ:交響曲第1番ホ短調Op.1(1884年改訂版)
交響曲第3番ハ長調Op.32(1886年改訂版)
ベルリン放送SO
ジェラード・シュワルツ(指)

録音:2015年9月2-5日ドイツベルリン放送局Masurenallee
1862年、海軍士官候補生のリムスキー=コルサコフ(1844-1908)は、ロシア帝国海軍から3年がかりの世界一周の遠洋航海に出るように命令を受けます。当時17歳の彼は、以前から交響曲を書き始めていましたが、これを機会に第1楽章と第3楽章、そして終楽章を完成させ、残りの1楽章はイングランド上陸中に書き上げ、バラキレフの元に送ります。しかし、バレキレフはその出来に満足せず、いくつかの改編を要求。助言を受け入れ書き直した「交響曲第1番」はこれまでのアントン・ルビンシテインらの作品に見られるドイツ色を廃した、本格的な「ロシア初の交響曲」として大成功を収めることとなりました。彼はその後も改編を行い、元々は変ホ短調であった調性をホ短調に移すなど、更に受け入れやすい曲へと変貌させています。そんな「ロシア的」な第1番とは違い、古典的な作風に回帰したと言われる第3番は、1866年から1873年という長い期間に渡って書かれた作品で、1863年に書かれたスケルツォと、1872年、イタリアへの新婚旅行中に書かれたトリオが用いられています。こちらは初演時あまり成功することはなく、結局1886年に改訂され、現在の形になっています。全体に漂う重厚な雰囲気の中にも、5/4拍子で書かれたせわしない第2楽章がとりわけ異彩を放っています。大作を得意とするジェラード・シュワルツの丁寧な演奏で。

NAXOSスタンダード 2016年4月発売
NAXOS-8.573124(1CD)
ラヴェル:管弦楽作品集第3集
シャブリエ:10の絵画風小品より「華やかなメヌエット」(ラヴェル編)
ドビュッシー:サラバンド(ラヴェル編)
ドビュッシー:舞曲(ラヴェル編)
シューマン:謝肉祭より(ラヴェル編)<第1番:プロムナード/第16番:ドイツ風ワルツ/第17番:間奏曲-パガニーニ/第21番:ペリシテ人と戦うダーヴィト同盟の行進>
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル/スラットキンによる編曲)※トラック15のみスラットキン編曲
フランス国立リヨンO
レナード・スラットキン(指)

録音:2013年10月22-26日、2012年11月26-29日フランスリヨン,オーディトリウム、2013年9月18-20日リヨン国立音楽院
大好評、スラットキン&リヨン管のラヴェル(1875-1937)作品集の第3集です。今回のメインは「展覧会の絵」ですが、他にも珍しい作品が含まれています。「展覧会の絵」は、20世紀の作曲家たちによるレアな編曲を集めたコンピレーション盤(8.570716)の他に、ラヴェル版はセントルイスSOとの録音が存在するなど、スラットキンの得意中の得意の曲。今回はリヨン管のスペックを極限まで生かした、オシャレで色彩豊か、溌剌とした世界が描かれています(ラヴェルが削除した5番目の「プロムナード」はスラットキンの編曲したものが置かれています)。またシャブリエの「華やかなメヌエット」とシューマンの「謝肉祭」からの編曲は、ディアギレフの依頼によるものですが、これらは現在ほとんど聴く機会がありません。しかしこのアレンジは目を見張るほどに素晴らしく、まさに音符が目の前で乱舞するかのようです。ドビュッシーの作品は、作曲家の死後、新しく設立された出版社ジャン・ジョベールから依頼され編曲されたもので、こちらも生き生きとした極彩色の響きが与えられています。
NAXOS-8.573458(1CD)
リスト:ピアノ曲全集第41集パガニーニ練習曲集
パガニーニによる大練習曲S141/R3b
パガニーニによる超絶技巧練習曲集S140/R3a<第1番:ト短調/第1番:ト短調(シューマンのパガニーニ練習曲Op.10-2の異稿版として)
ヴェニスの謝肉祭S700a/R655
ゴラン・フィリペツ(P)

録音:2015年5月14日,6月19日イタリアサシェ,ファツィオーリ・コンサート・ホール
NAXOSがリスト(1811-1886)のピアノ曲全集に挑むことになった時、多くのリスト・マニアたちは「あのパガニーニ練習曲はどうするんだ!」とつぶやいたに違いありません。何しろ通常耳にする「大練習曲」はともかく、難しすぎることで知られる初版の方・・・これを完璧に弾ける人がいるんだろうか。と杞憂したのです。しかし安心してください!ついに問題の「超絶技巧練習曲」の方もお届けいたします。これまでにこれを完全に録音しているピアニストはこのフィリペツを含めても5人もいないはず。有名な「ラ・カンパネラ」の初稿ヴァージョンも(パガニーニのヴァイオリン協奏曲のメロディが混じる)、あの第4番の「第2稿」ももちろん入ってます(この曲に至っては、完璧な演奏を聴きたかったら「打ち込み」に頼るしかなかった)。とにかくこの偉業を聴いてみてください。すごいぞ、フィリペツ!まさに疾風怒涛の70分。新たな伝説が始まります。
NAXOS-8.573466(1CD)
ショスタコーヴィチ:3つの室内交響曲集
室内交響曲ハ長調Op.49a(R.バルシャイによる弦楽四重奏曲第1番の編曲)(1938/1995)
室内交響曲Op.110a(R.バルシャイによる弦楽四重奏曲第8番の編曲)(1960)
室内交響曲Op.83a(R.バルシャイによる弦楽四重奏曲第4番の編曲)(1949/1990)
キエフ・ソロイスツ
ドミートリー・ヤブロンスキー(指)

録音:2014年10月19.20日キエフウクライナ国立放送コンサート・ホール
日本にも所縁の深い名指揮者ルドルフ・バルシャイ(1924-2010)は、モスクワ音楽院の学生時代にはショスタコーヴィチ(1906-1975)に師事していたことがあります。彼は優れたヴィオラ奏者であり、また作曲家としても知られ、彼が編曲したマーラーの交響曲第10番などは、その変幻自在な響きがとりわけ愛されています。そんなバルシャイ、やはり師であったショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲にも見事な編曲を施しています。前述の通り、彼はもともとヴィオラ奏者であり、1948年から1953年までボロディン弦楽四重奏団の一員として活躍、その後は1955年に設立したモスクワ室内Oの指揮者として数多くの作品の初演をしています。このショスタコーヴィチの一連の作品も、そんな中の一つであり、1960年の室内交響曲(第8番の編曲)をはじめとして、どれもが拡大されながらも緊張感を失うことのない見事な作品として生まれ変っています。今回、これらを演奏するのはキエフ・ソロイスツとヤブロンスキーの組み合わせ。色々と聴き所の多いアルバムとなっています。
NAXOS-8.570619(1CD)
ウェン・デクィン:上海前奏曲他
チェロと管弦楽のための協奏曲「上海前奏曲」(2015)
管弦楽のための「牡丹亭幻想曲」(2013)
管弦楽のための「ばらの変奏曲」(2000)
ノスタルジア(2014):管弦楽版
愛の歌と川の歌(2010):管弦楽版
ブルーノ・ヴァインマイスター(Vc)
ウィーン放送SO
ゴットフリード・ラブル(指)

録音:2015年3月11.13.16日オーストリアウィーン,ORF放送クルターハウス
※世界初録音
長き伝統を誇る中国。ここに生まれる音楽は実に鮮やかで、また哲学的な深みを持っています。この1958年生まれ、中国=スイスの作曲家ウェンもそんな作品を書く作曲家の一人です。すでに中国とヨーロッパの批評家たちから大絶賛されている彼の作品は、どれも華やかで力強く、輝くような風合いを持っています。このアルバムに収録された5つの曲はそれぞれに特徴的な作風を有しており、東洋と西洋の文化の融合を諮った「上海前奏曲」、16世紀の作品をモティーフにした「牡丹亭幻想曲」、作曲者自身の苦難と悲しみから生まれたという「ばらの変奏曲」、フランス民謡を主題とした「ノスタルジア」、もともとはピアノ小品であったものを管弦楽版にした「愛の歌と川の歌」と、ため息がでるほどのゴージャスで磨きぬかれた響きが耳に残るものです。ウィーン放送SOによる濃密な演奏でお楽しみください。
NAXOS-8.573263(1CD)
グラナドス:管弦楽作品集第1集
敗者の行進曲(1899)
劇音楽「トリホス」(1894)
ガリシア民謡による組曲(1899)
コル・マドリガル(ミレイア・バッレナ…合唱指揮)
バルセロナSO&カタルーニャO
パブロ・ゴンザレス(指)

録音:2013年7月9.12日スペインバルセロナ,アウディトリ・ホール
※世界初録音
2016年はグラナドス(1867-1916)の没後100年にあたります。NAXOSの今回の新シリーズはグラナドスの「管弦楽作品」に光を当てるものとなります。当時、最高のピアニストとして活躍したグラナドスの作品は、やはりピアノ曲が多く、ショパン、リスト、ラフマニノフのような雰囲気を持つロマンティックな作品は現在でも愛されています。一方、彼の管弦楽作品や舞台作品は、それらのピアノ曲に比べると人気も知名度も低く(三省堂の音楽辞典でも管弦楽作品は掲載されていません!)まるで「管弦楽作品は書いていない」かのような扱いを受けているのは残念でなりません。例えばこのアルバムの冒頭に収録された「敗者の行進曲」はスペインの聖週間のために書かれた曲ですが、暗く謎めいた行進曲に、思わず痛みを感じるほどの描写力。まるで西部劇の音楽のようなメリハリのある作品です。民俗的な香りを楽しみたい方は、「ガリシア民謡による組曲」をぜひ。野心的でぐいぐい来るこの音楽は、多くの人が抱いているグラナドスのイメージを大きく変えてしまうことでしょう。
NAXOS-8.573304(1CD)
アナ・ソコロヴィッチ:想像上のフォークロア
ヴェズ(2005)
ポートレート・パール(2006)
3つの練習曲/メッシュ(2004)
霧の花束(1998/2014年改訂版)
チャッコーナ(2002/2011年版)
アンサンブル・トランスミッション<メンバー:ガイ・ペルティエ(Fl,バスFl,ピッコロ)
ロリ・フリードマン(E♭クラリネット,B♭クラリネット,バス・クラリネット)
アラン・ジゲール(Vn)
ジュリー・トゥルードー(Vc)
ジュリアン・グレゴール(パーカッション)
リギッテ・ポーリン(P)

録音:2014年1月11日、2013年10月22日、2014年1月12日、2013年11月26日、2013年6月18日 カナダモントリオール
現代カナダを代表する作曲家アナ・ソコロヴィッチ(1968-)の作品集です。彼女は多くの賞を獲得し幅広い人気を誇っています。この彼女の室内楽のための作品は、どれも真摯な風景の中に、ほんの少しのユーモアが感じられるのが特徴で、例えばトラック2の「ポートレート・パール」に隠されたテーマは「人体の各パーツを説明する」というもので、髪、鼻、唇、口、あご、体の側面、正面、などが各々の楽器で描かれているというのです。なかなか難解ではありますが…。ピアノのための「3つの練習曲」も極めてユニークで、それぞれ「リズム」「ハーモニー」「メロディ」のための曲で、これがまたなんとも面白いというか、ある意味電子音楽のような雰囲気を持っていて、確かにただものではないな。と思わせるだけの魅力があるのです。新しい音楽がここにあります。
NAXOS-8.573402(1CD)
ポルトガルのピアノ三重奏曲第1集
ルイス・コスタ(1879-1960):ピアノ三重奏曲Op.15(1937)
クラウディオ・カルネイロ(1895-1963):ピアノ三重奏曲Op.24(1928)
セルジオ・アゼヴェード(1968-):フクヴァルディ三重奏曲(2013)*
トリオ・パンゲア<ブルーノ・ベルトイズ(P)/アドルフォ・ラスコン・カルバジャル(Vn)/テ
レサ・バレンテ・ペレイラ(Vc)>

録音:2015年1月10-11日スペイントルネール,エドゥアルド・マルティネス,コンセルヴァトリオ・スペリオール・デ・ムジカ
*=世界初録音
19世紀から20世紀にかけて、ポルトガルから生み出された多彩な音楽の中でも「交響曲」と「ピアノ音楽、それにまつわる室内楽」の発展の目覚しさには驚くべきものがあります。交響的作品の作曲家ではボンテンポ、ダ・モッタ、ブランコなどが知られますが、ピアノ曲、室内楽曲では更に多彩な人々が思い思いの作品を作曲し、レパートリーに彩りを添えています。このシリーズではそんな作曲家たちのピアノ三重奏曲に焦点を当て、この時代のポルトガルの音楽がどれほど豊潤なものであったかを検証していきます。第1集では、コスタ、カルネイロ、アゼヴェードの3人の作曲家の作品を聴くことができます。フォーレを思わせるコスタ、ミヨーやコープランドから影響を受けたカルネイロ、ロペス・グラサに師事したアゼヴェード。この特色あふれる作品からは、確かに多様な色合いが感じられます。
NAXOS-8.573429(1CD)
ペドロ・イトゥラルデ:サクソフォンとピアノのための作品全集
ハンガリー舞曲
ヘレニカ組曲<カラマティアノス/ファンキー/ワルツ/クリティス/カンマティアノス>
トレーンへのトリビュート
ミニアトゥーラ・アンプロンプチュ
ソロンゴ・ヒターノ
ジャズ・ワルツ/メモリアス
バラーダ・ガライカ
アイレス・ルマノス/エレジア
オルケストラル・チャールダーシュ
ホアン.M.ヒメネス(アルトSax&ソプラノSax)
エストバン・オカーニャ(P)
クロード・
ドラングル(アルトSax)

録音:2014年6月24-26日スペインハエンアンティグア大学セミナリオ
※世界初録音
※全て新編曲版(2014)
スペインのナバーラ州ファルセフに生まれたイトゥラルデ(1929-)。父親からサックスを学び、17歳で既に自身の楽団を持っていたというほどの名手であった彼の最大の功績は、ジャズとフラメンコを融合したことにあるのではないでしょうか。このアルバムは、イトゥラルデへのオマージュとして製作されたもので、彼の音楽をもう一度洗い出し、新たな「演奏会用ヴァージョン」を創り上げることで、作品に普遍性を持たせています。イトゥラルデの最も知られる作品はなんと言っても「ハンガリー舞曲」。このアルバムでは2台のサックスが魅惑的、かつ妖艶に絡み合いながら、挑発的なカデンツァでとなだれ込んでいくという面白い編曲になっています、。他の作品もそれぞれジャズのイディオムや、ギリシャの民俗音楽などそれぞれ固有の雰囲気が生かされた興味深いもの。1970年代にギリシャで過ごしたイトゥラルデの新鮮な体験が反映された「ヘレニカ組曲」や、カタロニアのジャズ・ピアニスト、テモ・モントリューのために書かれた、憂鬱な面持ちのピアノ・ソロによる「ジャズ・ワルツ」、彼の面目躍如たるフラメンコ風のソロンゴ・ヒターノなど、聴いているだけでぞくぞくするような強い訴求を持つ音楽です。
NAXOS-8.573446(1CD)
NETWORK-ネットワーク
ケヴィン・プッツ(1972-):ネットワーク(1997/ライアン・ケリー改編2013)
ブリテン:組曲「王様の剣」(1939)(O.ナッセン、C.マシューズ編曲)
マーラー:リュッケルト歌曲集から「真夜中に」
スティーブン・ブライアント(1972-):ウィンド・アンサンブルのための協奏曲
キャサリー・ローラー(S)
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー
スコット・A.ジョーンズ(客演指揮者)
ラッセル・ミッケルソン(指)

録音:2015年3月20-21日アメリカオハイオ州立大学ウィーゲル・オーディトリウム
NAXOSおなじみのオハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーの新作です。常に新しいレパートリーを追求し、新鮮な音楽を届けることに主眼を置く指揮者ミッケルソンを中心に、絶妙なアンサンブルを聴かせるこの団体、世界中から熱い視線が注がれています。このアルバムでは、ピューリッツァー賞を受賞した作曲家、プッツをはじめとした4人の作品を収録。多彩な音楽を楽しむことができます。アルバムタイトルにもなっているプッツの「ネットワーク」はかれがイーストマンの学生だった1997年に書かれた曲。爆発的なエネルギーを有した躍動的な作品です。ブリテンの「王様の剣」はBBCラジオの「子供の時間」のための劇音楽。アーサー王の物語を元に6つの部分からなる楽しい音楽です。マーラーの「真夜中に」は原曲の通り、ソプラノ独唱を伴うもの。最初の静寂から最後の高潮までが見事にブラスバンドに移し変えられています。ブライアントの作品は最も最近に書かれたもので、こちらも絶え間ない動きに溢れた作品。難易度の高い技巧が用いられています。
NAXOS-8.573471(1CD)
メシアン:オルガン作品集
キリストの昇天(オルガン版1933-1934)
二枚折絵-地上の生と至福の永遠性に関する至論
聖体秘蹟への奉納(1930頃)
オルガンのための前奏曲(1928-1930?)
聖餐式(1928)
永遠の教会の出現(1932)
トム・ウィンペニー(Org)

録音:2015年2月17.18日スコットランドエディンバラ
オルガニスト、トム・ウィンペニーによるメシアン(1908-1992)の作品集です。2015年に発売された同じくメシアンの「主の降誕(8.573332)」の演奏も密度の濃いものでしたが、今作では一層の輝きを増したオルガンの響きを堪能することができることでしょう。「キリストの昇天」はもともと1932年に管弦楽のために書かれた作品で、1935年の初演時とアメリカでの演奏会では華々しい成功を収めたとされています。初演に先立ってオルガン版も作られましたが、その際、第3楽章が差し替えられてこの形に落ち着きました。元々は華やかなトランペットのファンファーレが特徴的な楽章でしたが(若干メシアンらしくない)、こちらのオルガン版はもっと流動的で、雪崩落ちるようなパッセージが目立つものです。また彼の死後、1997年に発見された2つの作品「前奏曲」と「聖体秘蹟への奉納」はマルセル・デュプレとトゥルヌミールからの影響を見ることができます。
NAXOS-8.573537(1CD)
ストラヴィンスキー:兵士の物語(1918)
シャルル・フェルディナン・ラミューズ台本マイケル・フランダース&キティ・ブラック:英語版/パメラ・バーリン(編)
楊天堝=ティアンワ・ヤン(Vn)
ヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チャンバー・プレイヤーズ<リチャード・モラレス(Cl)/ローラ・レイスリング(Fg)/デヴィッド・ヴォンダーハイド(Tp)/R.スコット・マッケルロイ(Tb)/ロバート・W.クロス(パーカッション)/クリストファー・ワイト(Cb)>
パメラ・バーリン(ナレーター)
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2015年5月9日アメリカヴァージニア,ノーフォークロビン・ヒクトン劇場
第一次世界大戦の終わり頃、ストラヴィンスキー(1882-1971)は小さな演劇作品のアイデアを考案しました。それは1918年に発表された「兵士の物語」。ロシアの民話を基に、ラミューズが台本を製作し、ストラヴィンスキーが曲を付けた他、画家やデザイナーも製作に参加するなど、多くの人々が完成までに手を尽くしています。演奏は7人の小オーケストラ、語り手が担当、実際の上演にはここに兵士、悪魔が加わります。この極めて切り詰めた編成には、やはり当時の経済的苦境が影響していて、少ない手駒でお金を稼ぐための最良の方法として編み出された音楽だったことは間違いありません(しかし、この小さな編成は、かえって小回りの効く軽快な音楽を生み出すのに一役買っているのですが)。当時流行の兆しが見えていたタンゴ、ジャズ、ラグ・タイムなどのリズムが上手く融合された面白い作品になっていて、このまま巡業公演が行われれば、かなり話題になったはずなのですが、結局は「スペインかぜ」の大流行と、戦争末期の混乱で公演が実現できなかったのは、神の思し召しなのでしょうか。この演奏ではメインのヴァイオリンをNAXOS屈指の名手、楊天堝が担当。見事な演奏を披露しています。
NAXOS-8.573668(1CD)
ハープシコードのためのイギリス音楽集
レノックス・バークリー(1903-1989):ピルキントンのトイ
 ヴェレのために
ハウエルズ(1892-1983):ハウエルズのクラヴィコード(抜粋)
ブライヤーズ(1943-):ヘンデルの晩課のあとで
ジョン・ジェフリーズ(1927-2010):4つの小さなイギリス舞曲
ハウエルズ:ゴフの炉辺(ヴァージナル版)
クリストファーD.ルイス(ハープシコード)

録音:2015年3月16-18日カリフォルニアベルヴェデーレ,レジデンス・オブ・トム・パーキンス
ハープシコードというとバロック時代の楽器というイメージがありますが、近現代の作曲家、演奏家たちもこの楽器の表現力に強く魅了されています。このアルバムにはイギリスの作曲家たちが作った愛らしい(振りをした)作品を収録。彼らがどれほどまでにこの音色を愛していたかを感じてみてください。レノックス・バークリーはもともとフランスの伝統に影響されていた人で、ラヴェルやプーランクの音楽をこよなく愛していました。この2つの作品は彼の友人のために書かれたものですが、微妙な調性感に根ざした面白い作品となっています。ハウエルズはパリーの音楽に影響を受けた人で、この古典的な枠に収めたかのような曲集も、やはり彼の友人たちの「音による肖像」です。比較的知られているブライアーズの曲は、ヘンデルのモティーフが自由に展開されていくもの。ジェフリーズの舞曲は、伝統に則った作品ですが、やはりそれぞれ工夫が凝らされています。最後に収録されているのはトラック3の「ゴフの炉辺」をヴァージナルで演奏したもの。
NAXOS-8.660378(2CD)
マイケル・ウィリアム・バルフェ:歌劇「サタネッラまたは愛の力」 ルパート伯爵:地主…ワン・カン(T)/ホルテシウス:伯爵の家庭教師…クェンティン・ヘイズ(Br)/カール:従僕…アンソニー・グレゴリー(Br)/アリマネス:友人…トレヴァー・ボウズ(Bs)/ブラカッチョ:海賊の頭目…フランク・チャーチ(Br)/サタネッラ:女の悪魔…サリー・シルヴァー(S)/ステッラ:王女…クリスティーン・トッチ(Ms)/レリア:ルパート伯爵の里親姉妹…キャサリン・カービィ(S)/ファースト・レディ…エリザベス・シコラ(Ms)/ジョン・パウエル・シンガーズ/ヴィクトリア・オペラO/リチャード・ボニング(指)

録音:2014年7月5.6日イングランドマンチェスター,アームストーン・グラマー
※世界初録音
ダブリン生まれの作曲家バルフェ(1808-1870)は、7歳でポロネーズを作曲するなど、幼い頃から音楽の才能を示していました。ヴァイオリニスト&舞踏指導家であった父に最初の音楽の指導を受けながら、ヴァイオリニストとしての才能を開花させていきます。それと同時に声楽の勉強も進め、イタリアに留学、ロッシーニに弟子入りをすることとなります。その後、歌手活動よりも作曲家としての活動に力を入れ、いくつかの英語による歌劇で大成功を収めることとなるのです。この「サタネッラ」は彼の23作目の歌劇で、1858年にコヴェントガーデンで初演されてから、60年以上も各地の劇場のレパートリーとなっていた作品です。今回は名指揮者ボニングが作品に手を加え、新たな形の上演版を製作しました。悪魔との契約から逃れる術のないルバート、彼を愛するレリア、そして悪魔サタネッラ。登場人物たちの思惑が絡み合い、最後は愛の力が幸せをもたらすのです。

NAXOSスタンダード 2016年3月発売
NAXOS-8.559774(1CD)
ジョン・ケージ:フルート作品全集第2集
1.フルート,アルト・フルートとピッコロのためのソロ(原曲:ピアノとオーケストラのコンサート)(1957-1958)
2-8.2声のカノンのオブリガード付きソロとソロの主題による6つの小インヴェンション(1933-1934)(A.デニオソスによるアルト・フルート,ピアノのための再現版)
9.3声のためのコンポジション(1924)(K.ツェンツによるフルート、アルト・フルートとバス・フルートのための再現版)
10-12.2声のためのソナタ(1933)(K.ツェンツによるフルート,アルト・フルートとバス・フルートのための再現版)
13.ヒムンクス(1986)
カトリーン・ツェンツ(Fl)
トビアス・リープツァイト(ヴァイブラフォン)…2-8
マキシム・マンコフスキ(ヴァイブラフォン)…13
シャラ・イアコビドウ(P)…2-8.13
ルドヴィク・フリショー(P)…13

録音:2013年5月8.9日,
2014年3月5日アテネ,オナシス・カルチャー・センター…1-8.13,
2013年3月30日,2014年6月26日アテネ,スタジオ19&スタジオ・キリアツィス…9-12
※世界初録音…2-13
ここに収録された作品でも、やはり西洋音楽の伝統とは一線を画した“独創的なアイデア”が至るところに散らばっています。第1曲目の「ソロ」はもともと「ピアノとオーケストラのためのコンサート」の一部分ですが(133-144ページ)、極めて自由度が高く、84タイプの演奏が可能であり、ここにはスコアは存在しません。デュエットでもトリオでも演奏可能であり、かかる時間も演奏中に奏者によって決定されるというものです。ここでは指定された3つの楽器と多数のパーカッションの響きが融合し、沈黙を重視した表現力豊かなフレーズが展開されていくという展開になっています。ケージの初期の作品である「小インヴェンション」はもう少し旋律的ですが、ここでも緻密に計算された音楽を聴くことができます。6つの部分にわかれ、それぞれ切れ切れのモティーフが一定の距離を保ちながら繰り返されていくという面白い作品です。「3声のためのコンポジション」は更に初期の作品で、半音階的なフレーズが絶妙な対位法によって展開されていきます。「2声のためのソナタ」も同傾向の作品です。最後に置かれた「ヒムンクスHymnkus」は彼が好んだ2つの言葉をつなげた造語のタイトルで、賛美歌(Hymn)と俳句(Haikus)がモティーフとなっています。俳句にちなんで17という数字と、完全5度で表される賛美歌(と言ってもかなり抽象的)を、一定の間隔で繰り返し、不思議な響きが生まれるという作品です。理解するより聴いたほうが早いような気がします。
NAXOS-8.573171
(1CD)
ルーセル:ピアノ作品集第2集
交響的前奏曲「復活」Op.4(作曲者自身によるピアノ編曲版)(1903)
野趣Op.5(1904.1906)
組曲嬰へ短調Op.14(1910)
ピアノのためのフーガ(1898)
時は過ぎてゆくOp.1(1898)
ジャン=ピエール・アルマンゴー(P)

録音:2014年1月26日イヴリー=シュル=セーヌピエール・マルボス,スタジオ4'33"
2014年9月15-16日.10月13日イヴリー=シュル=セーヌピエール・マルボス,スタジオ4'33"
2006年4月パリ聖マルセル寺院
もっぱら重厚な管弦楽作品集で知られていますが、彼のピアノ曲は独特な雰囲気と形容しがたい魅力に満ちたものなのです。この第2集に収録されている作品もなかなか面白いものばかり。トルストイの同名の作品から着想を得た前奏曲「復活」は、まるで主人公の心の中の苦しみをそのまま描写したかのような深い音楽で、曲の最後になってようやく少しだけ光が差すような希望を見出すことができるというものです。「野趣」はルーセルの自然への愛が反映された曲。きまぐれでしなやかな表情を持っています。「組曲」はバロック風な構成を持っていますが、こちらもやはり曲自体は晦渋。嵐で命を落とした船員の死を悼んで書かれた「前奏曲」の暗さ、もやもやした「シシリエンヌ」、少しだけ軽快な「ブーレ」と「ロンド」と、なかなか食えない作品です。学生時代の未発表作品「フーガ」と同じく若い頃の作品「時は過ぎてゆく」は幾分洗練された作品といえそうです。
NAXOS-8.573488
(1CD)
ハイドン:オペラ序曲集
歌劇「薬剤師」Hob.Ia:10-序曲(1768)
歌劇「アチデとガラテア」Hob.Ia:5-序曲(1762)
歌劇「漁師の娘」Hob.I:106-序曲(1770)
歌劇「フィレモンとバウキス(バウチス)、またはユピテルの地球への旅」Hob.Ia:8-序曲(1773)
歌劇「勘違いの不貞」Hob.XXVIII:5-序曲(1773)
歌劇「神々の忠告」Hob.XXIXa:1a-序曲(1773)
歌劇「突然の出会い」Hob.Ia:6-序曲(1775)
歌劇「月の世界」Hob.XXVIII:7-序曲(1777)
歌劇「無人島」Hob.Ia:13-序曲(1779)
歌劇「かわらぬ誠」Hob.Ia:15-序曲(1776)
歌劇「報いられたまこと」Hob.XXVIII:10-序曲(1781)
歌劇「騎士オルランド」Hob.XXVIII:11-序曲(1782)
歌劇「アルミーダ」Hob.Ia:14-序曲(1784)
歌劇「哲学者の魂、またはオルフェオとエウリディーチェ」Hob.Ia:3‐序曲(1791)
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
ミヒャエル・ハラース(指)

録音:2015年1月17-21日チェコハウス・オブ・ミュージック
ハイドン(1732-1809)が活躍していた当時、彼のオペラはとても人気がありました。とは言え、それらのほとんどはエステルハーツィ家の宮殿で祝日のアトラクションとして演奏されたもので、ハイドンの死後は歌劇場のレパートリーとなることはなく、必然的に長い間、歴史の中に埋もれてしまっていたのです。最近になってようやく全曲が演奏される機会が増えてきましたが、まだまだ知られていないものも数多くあります。しかしこの序曲集に記された各々の演目のタイトルの何と魅力的なこと。「月の世界」や「神々の忠告」なんて、ぜひとも全曲で聴いてみたい(観てみたい)ではありませんか。また、当時の序曲の慣例として、シンフォニア形式になっているものも多く(3楽章、もしくは4楽章からなる)一つの交響曲としても楽しめるのも嬉しいところです。NAXOSおなじみのハラースによる文句なしの演奏で。
NAXOS-8.660337
(1CD)
ラヴェル:歌劇「スペインの時計」
歌曲集「ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ」*
トルケマダ:時計屋の主人…ルカ・ロンバルド(T)
コンセプシオン:トルケマダの妻…イサベル・ドゥルエ(S)
ゴンサルヴェ:独身の男…フレデリック・アウトゥーン(T)
ラミーロ:らば曳き…マルク・バラッド(Br)
ドン・イニーゴ・ゴメス:銀行家…ニコラス・クールジャル(Bs)
ドン・キホーテ…フランソワ・ルルー(Br)*
リヨン国立O
レナード・スラットキン(指)

録音:2013年1月22-26日、2013年9月18-20日 フランスリヨン,モーリス・ラヴェル・オーディトリウム
8世紀のトレドの町で繁盛しているトルケマダの時計店。ラバ弾きのラミーロが時計を修理してもらうためにやってきます。そこに現れたのはトルケマダの女房コンセプシオン。「はやく町の時計台の調整に行きなさいよ」とがなりたてますが、実は彼女は早く亭主を追っ払って、その間に愛人を招きいれて××を楽しもうとしているのです。亭主もジャマ、客のラミーロもジャマ。彼女はラミーロには「そこの時計を持って2階に上がって」と頼みます。誰もいなくなった店に現れたのは愛人ゴンザルヴェ。若干の気持ちの食い違いでコンセプシオンがやきもきしていると、そこにラミーロが戻ってきます。おや、またもう一人の愛人イニーゴがやってきました。しかしコンセプシオンはラミーロにすっかり目移りしています…さてどうなることやら。この「スペインの時計」は、同じく短いオペラ「子供と魔法」と一緒に論じられることが多い作品です。とは言え、こちらの作品は少しだけ"大人向け"。ちょっと色っぽくてキワドイ内容になっていますのでご注意くださいね。「ドン・キホーテ」はラヴェル(1875‐1937)の最後の作品。映画の劇中歌として作曲されましたが、他の作曲家との競作であり、結局こちらは採用されることなく、最終的には演奏会用の歌曲集として発表されたものです。ヴェテラン、ルルーの素晴らしい歌唱でお聴きください。
NAXOS-8.559783
(1CD)
モハメド・フェイルーズ:歌曲集「ノー・オルフェウス」
亡命者のブルース(2011)
全ての人間(2011)
ノー・オルフェウス(2009)
ドイツのロマンティックな歌(2014)
イブン・ハファージャの3つの断章(2010)
さらわれた子供(2005)
楽しみの後(2009)
私たちはセブン(2009)
アナベル・リー(2014)
ケイト・リンゼイ(Ms)
キエラ・ダフィ(S)
クリストファー・バーケット(Br)
ディヴィッド・ムーディ(P)
エイドリアン・ダウロフ(Vc)
デイヴィッド・キャプラン(P)
マーガレット・ランチェスター(Fl)
エミリー・オンドラチェク=パターソン(Vn)
アシュリー・バスゲイト(Vc)
ルパート・ボイド(G)
ラッセル・ミラー(P)

録音:2014年6月5日…12-15,2014年9月19日、2014年10月8日、2014年10月10日 ニューヨーク,ヨンカーズ,オクタヴェン・スタジオ
最近、世界中で高い評価を受けているアラブ系アメリカ人作曲家フェイルーズ(1985-)。このアルバムには彼のこれまでの10年間に書かれた声楽のうちのいくつかが収録されています。もっとも古い作品は2005年の「さらわれた子供」で、最も最近の作品は2014年の「アナベル・リー」となります。使われた詩の中で最も古いものはイブン・ハファージャのアラビア語の「同性愛」について書かれたもの、そして最新の詩は2006年の「ドイツのロマンティックな歌」となります。「全ての人間」はあのアルマ・マーラーの日記から取られた言葉が歌われているという興味深い曲集、ここで表現力豊かな歌唱を聞かせるケイト・リンゼイとフェイルーズとの2番目の共同作業となったものです(最初の仕事はオーデンの詩を用いた「亡命者のブルース」です)。「ノー・オルフェウス」はフェイルーズの祖母の思い出として。このように様々なテキストを用いて書かれたこれらの歌は、ほんの少しの親しみやすさと深い感情を伴い、聴き手の心に直接訴えかけてくるのです。堅苦しい現代音楽ではなく、もっと柔らかい肌触りのする音楽といえるでしょう。
NAXOS-8.559797
(1CD)
モラヴェック:ヴァイオリン協奏曲・尺八五重奏曲他
ヴァイオリン協奏曲(2010/2013年改編)
尺八五重奏曲(2012)
エクリブリウム(2015)
Evermore-常に(2004)*
マリア・バックマン(Vn)
ジェームズ・ニョラク・シュレファー(尺八)
シュテファン・ゴスリング(P)
ヴォザールSQ
シンフォニー・イン・C
ロッセン・ミラノフ(指)…

録音:2013年3月2日ニュージャージーカムデン,ルトガー・カムデン・センター,ゴードン劇場
2012年6月22日ニューヨーク大学,パーチェス・カレッジ,リサイタル・ホール
2014年12月8日ニューヨークペルハム,ウエストチェスター・スタジオ
*以外=世界初録音
1957年、ニューヨークに生まれた作曲家モラヴェック(1957-)は、幼い頃に少年合唱団に所属し、バッハ作品の素晴らしさに目覚めたといいます。ハーバード大学を経て、コロンビア大学で大学院の研究に携わり、その後ダートマス大学、ハンター大学を経て1987年に博士号を取得しています。彼はとても多作であり、最近はオペラも手掛けるなど多方面にわたって活躍しています。このアルバムには、彼の最も優れた作品の一つである「ヴァイオリン協奏曲」と、一風変わった「尺八協奏曲」、そして2つの小品が収録されています。ヴァイオリン協奏曲を演奏しているバックマンはこの曲の初演者であり、困難な技巧を伴うパッセージをいとも易々と弾きこなしています。また日本の伝統音楽に興味を抱いているモラヴェックは和楽器と西洋音楽の融合を目指し、「Kyo-Shin-AnArts」のために「尺八五重奏曲」を書きました。最初は弦のみのロマンティックな音楽ですが、そこに尺八の音色が加わると不思議な風景が目の前に広がります。「エクリブリウム」はこのアルバムのために書かれた作品で、彼が尊敬するバッハのシャコンヌを思わせる部分もあります。最後の曲は、マリア・バックマンが2004年に結婚した際のお祝いとして書かれたもので、まるでクライスラーの作品のような親密で優しい音楽です。
NAXOS-8.571310(1CD)
イディル・ビレット〜ソロ・エディション第9集
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ.ニ短調BWV903
パルティータ第1番変ロ長調BWV825
フランス組曲第5番ト長調BWV81
イギリス組曲第3番ト短調BWV808
イディル・ビレット(P)

録音:2015年4月24-26日ベルギーナミュール,シャトー・ド・フラウィンヌ
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット(マルタ・アルゲリッチと同じ年!)。数々の偉業を成し遂げ、世界的な名声を獲得しています。このアルバムは、4歳の彼女にバッハの音楽を教えてくれたというミタット・フェンメンの思い出に捧げられています。優れた教師であったフェンメンは彼女にエドウィン・フィッシャーが弾く平均律クラヴィーア曲集第2巻の「前奏曲とフーガへ短調」の78回転レコードを聞かせたのだそうで、それ以来バッハの音楽は彼女の人生の一部になっているのだそうです。そんな彼女によるこのバッハは、ペダルをほとんど使用せず、明快で強靭なタッチが特徴的。時折浮かび上がる旋律線が妙に残像として焼きつくような面白いものです。グールドは「フィッシャーのようには弾きたくない」と言っていたそうですが、フィッシャーを聴いてバッハに目覚めたビレットが、ある意味グールドのような自由な演奏をしているのも面白いところではないでしょうか。
NAXOS-8.571319
(1CD)
イディル・ビレット:室内楽エディション第2集
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ロデリック・フォン・ベニクセン(Vc)
イディル・ビレット(P)

録音:2014年9月23-24日ベルギーナムール
トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの室内楽エディション第2集はブラームス(1833-1897)の2曲のチェロ・ソナタです。ここでチェロを演奏しているのはヨーロッパの名だたる芸術家の家系に生まれたロデリック・フォン・ベニクセンです。彼は12歳でオーケストラと共演し、学生時代にパブロ・カザルスのマスタークラスを受講し、フルニエ、ナヴァラらからも指導を受けています。ビレットとベニクセンはお互いがブーランジェの学生であったパリで出会い、友人となり、何度も共演を重ねています。このブラームスも2人が得意としていた曲であり、1970年11月のコンサートのプログラムでも第1番を演奏したという記録が残っています。それから40年以上の年月を経た二人の奏でる音楽をどうぞお聴きください。
NAXOS-8.571320
(1CD)
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション第18集
ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34
イディル・ビレット(P)
ロンドンSQ<メンバー:カール・ピーニ(Vn)/ベネディクト・クラフト(Vn)/ルーセン・ギュネス(Va)/ロジャー・スミス(Vc)>

録音:1980年1月ロンドン
確かな存在感を持って浮かび上がるビレットのピアノの音色は、ブラームス(1833-1897)のこの作品に極めて独特なスパイスを振りかけているようです。この夜の演奏は、シューマンの五重奏曲とこのブラームスでしたが、当時のイギリスの新聞紙上でも絶賛されました。やはりここでもロンドン弦楽四重奏団の豊かな響きと、ビレットの主張の強いピアノについて触れられていて、若い頃から彼女の演奏には一本の筋が通っていたのだということを再認識できるのではないでしょうか。彼女とロンドン弦楽四重奏団の演奏は他にもマーラーとフランク(8.571278)があり、こちらも息詰まるような白熱した音楽を聴くことができます。
NAXOS-8.571371(1CD)
フランシス・シャグラン:交響曲集
交響曲第1番(1946-1959/1965改編)
交響曲第2番(1965-1971)
マルティン・ブラビンズ(指)BBC響

録音:2014年11月14.15日ロンドンBBCメディア・ヴェール第1スタジオ
※世界初録音
ルーマニア出身、イギリスの作曲家、フランシス・シャグラン(1905-1972)。一時期はフランスのエコールノルマル音楽院でポール・デュカスとナディア・ブーランジェに師事、その時にアレクサンドル・パウッケルという本名を、深い悲しみ、悔しさなどの意味を持つ「chagrin」に改めたのと言います。そんなシャグランの2曲の交響曲は、彼が手掛けていた映画音楽にも似た重厚で骨太な音楽です。第1番は長い推敲を経て(その間病気にも苦しめられた)書き上げられた作品で、シャグランの強い内なる叫びが表現されています。第1楽章も第2楽章もゆったりとしたテンポが取られ、聞き手も音の波の中で懊悩するほかありません。激しい第3楽章ではまさに苦悩にもまれるが如く、厳しい音楽が続きます。終楽章は少し軽快になりますが、やはり最後まで気を抜けません。交響曲第2番はもう少し色彩的で、打楽器や金管が激しく応酬しあう興味深いものです。こちらの方が第1番よりも(若干)聴きやすいかもしれません。音楽がいつも聴き手の心を癒すとは限らないということを実感させてくれる1枚です。
NAXOS-8.573257
(1CD)
ボニファツィオ・グラツィアーニ(1604/5-1664):カンタータ集宗教的な音楽と道徳的な音楽Op.25 コンソルティウム・カリッシミ(アンサンブル)
ギャリック・コモー(指)

録音:2014年7月21-25日アメリカミネソタ州シャコピー
※世界初録音
同じくグラツィアーニのオラトリオ「アダエ」(8.573256)で見事な演奏を聞かせたコンソルティウム・カリッシミ。今回もグラツィアーニのカンタータ集をお届けいたします。ミラノ生まれのグラツィアーニは1646年にイエズス会の母体ジェス教会の関連教会セミナリオ・ロマーノの楽長に就任し、多くの作品を残しました。彼は数多くのカンタータを書いていますが、まだまだその生涯や作品の研究は成し遂げられてはいません。この曲集は彼の死後、兄弟によって1678年に出版され、ローマの図書館に保存されていたものです。クリスマスのための音楽から哲学的な言葉まで、様々なテキストが含まれていて、当時のローマで好まれていた音楽を伺いしることができる貴重なものです。生き生きとした歌からは、当時の人々の宗教心や生活をうかがい知ることができそうです。
NAXOS-8.573285
(1CD)
ポンセ:ギター作品集第4集
南のソナチネ(1932)
主題,変奏と終曲(1928年第2稿:アンドレス・セゴビアによる編集)
フォリアの主題による変奏曲とフーガ(1930)
A.カベソンの主題による変奏曲(1948)
主題,変奏と終曲(1926年第1稿)
ギター・ソナタ第2番-第2楽章アンダンテ*
ジュディカエル・ペロワ(G)

録音:2014年10月23-25日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
*=世界初録音
20世紀前半のメキシコ音楽の立役者、マヌエル・ポンセ(1882-1948)。もともとピアニストであった彼にギターの魅力を伝えたのは名手アンドレス・セゴビアでした。そしてポンセはセゴビアの要求に応えるために次々とギター曲を書いたのです。このアルバムは彼のギター作品集第4集となりますが、ここには良く知られる、イベリアの抒情的な暖かさを連想させる「南のソナチネ」の他、いくつかの珍しい作品も含まれています。「主題、変奏と終曲」には2つの稿(もしくは「楽譜))が存在しますがが、ここでは第1稿の他、セゴビアが編集した第2稿も聞くことができます。「カベソンの主題による変奏曲」はポンセの最後の作品。彼の死の2ヶ月前に書かれたものです。大作「フォリアの主題による変奏曲とフーガ」も格別の味わい。そしてソナタ第2番の第2楽章は、メキシコ革命で失われた自筆稿の断片から復元したものです。“南国風”もしくは“擬似バロック”といわれてちまいがちなポンセの音楽。ここでもう一度その音楽をじっくり味わってみませんか。
NAXOS-8.573491
(1CD)
レオ・ヴェイネル:クラリネットと管弦楽のためのバッラータOp.28(1949年/ヴィオラと管弦楽版)
バレエ音楽「チョンゴルとツンデ」Op.10(1959年/第2稿)
マーテー・シューチュ(Va)
ジュビラーテ少女Cho
MAVブダペストSO
ヴァレリア・チャーニ(指)

録音:2015年1月13.14.16.17日ブダペストハンガリー放送第6スタジオ
※世界初録音
レオ・ヴェイネル(1885-1960)はハンガリー出身、ユダヤ系の作曲家です。1901年から1906年までブダペスト音楽アカデミーで学び、歌劇場でコレペティトールを務めた後は、半世紀以上に渡ってブダペスト音楽高等学校の作曲科と室内楽の教授として、次世代の音楽家たちを育ててきました。彼の門人にはドラティ、クルターク、アンダなど名だたる音楽家の名前が並びます。彼の最高傑作である「チョンゴルとツンデ」はハンガリーの国民的詩人ミハーイ・ベレシュマルティ(1800-1855)の劇のための作品で、幸福を追い求める若き王子と、彼を愛する妖精ツンデの愛の物語です。もともとの単純なおとぎ話にベレシュマルティが深い哲学的な思想を加えた物語は、ハンガリー文学界の最も重要な作品として認識されていて、これをハンガリー国立劇場で上演するためにヴェイネルが音楽を書いたのですが、オーケストラなどの規模が大きすぎたため、上演は延期されてしまいました。とりあえずは、1914年2月に「王子とゴブリン」としてスケルツォが初演、その1年後に4楽章からなる組曲が演奏されています。1916年11月に初演を予定していたところ、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の崩御でキャンセルされるも、その数日後の12月6日にようやく上演されることとなりました。そして、ヴェイネルの死の1年前、更に改編が行われたのがこのアルバムに収録されたバレエ音楽となります。
NAXOS-8.573527
(1CD)
スクリャービン:ピアノ作品集
幻想ソナタ嬰ト短調(1886)
3つの小品Op.2-第3曲マズルカ風即興曲
2つの夜想曲Op.5
2つのマズルカ風即興曲Op.7
ミレ・エゴロワの主題による変奏曲(1887)
左手のための2つの小品Op.9-第2曲夜想曲変ニ長調(1894)
2つの即興曲Op.12
ワルツ風にヘ長調Op.47
3つの小品Op.49-第3曲夢想
スケルツォOp.46/2つの小品Op.57
カノンニ長調(1883)
リ・ソヨン・ケイト(P)

録音:2013年6月24.25日カナダオンタリオカントリー・デイ・スクール,パフォーミング・アーツ・センター
文豪トルストイも大絶賛したというスクリャービン(1872-1915)の音楽。その欲望の全てが表出されているような彼の作品には、神秘的な雰囲気と目も眩むような色彩が溢れています。このアルバムに収録されている曲は、どちらかというと初期に書かれたものが多く、時にはショパン風の柔らかい肌触りも感じさせますが、そこはやはりスクリャービン。どの曲も#と♭がこれでもかとばかりに使われた不思議な響きで聴き手を翻弄します。2010年ナウムブルク国際ピアノコンクールで最優秀賞を獲得した韓国系アメリカ人ピアニスト、リ・ソヨン・ケイトのデリケートな語り口の音色は、これらの曲の夢幻的な部分を丁寧に見せてくれます。陰鬱なメロディを用いたトラック16のカノンは、スクリャービン11歳の時の作品です。
NAXOS-8.669036
(1CD)
トム・チプロ:トム・チプロ:アフター・ライフ-来世(2015)デヴィッド・メイソン(1954-)台本<ねえ。ねえ。ああ。ああ!誰なの?/フェルナンド、あなたが私をここに連れてきたの?/だけど、ピカソは彼自身で生み出した/私はわが芸術に抵抗した/ミス・スタイン、私は覚えています/それはガスではなかった/そう、多くの人が死んだの/私は一度名前を持っていたの?>
ロリ・ライトマン(1955-):In Sleep The World Is Yours-眠りの世界はあなたのもの(2013)セルマ・メールバウム=アイジンガー(1924-1942)詩<第1番:子守歌/第2番:そうです/第3番:悲劇>
キャサリン・クック(Ms)
ロバート・オルト(Br)、アヴァ・パイン(S)
ミーガン・チェノヴィック(S)
ミュージック・オブ・リメンブランス
ミナ・ミラー(芸術監督)

録音:2015年5月15-16日、2015年4月23日 USAシアトル
※世界初録音
2015年、シアトルのベナロヤホールで行われた「ホロコースト追悼コンサート」で演奏されたトム・チプロ(1956-)の「来世」は時と場所を越えて共鳴する2つの魂の物語です。一人はパブロ・ピカソ。もう一人はアメリカの詩人で美術収集家であるガートルード・スタインです。二人はどちらも20世紀初頭のパリで芸術を擁護し、また様々な形で戦争に対する考えを発表しています。二人が現代に甦ったらどのような対話をするのでしょうか?最初は不条理なコメディで始まるこの物語、フランス人孤児の少女が現れてからは少しずつ恐怖へと転換していきます。もう一つの作品、ライトマンの歌曲は、ルーマニアのユダヤ人家庭に生まれたメールバウム=アイジンガーの詩によるもので、彼女は15歳で詩を書き始めたものの、18歳の時にウクライナの労働収容所でチフスのために亡くなります。彼女の親戚がその詩を保存していたおかげで、現在でも残存し、この美しくも悲しい歌として甦りました。演奏は、退廃音楽のオーソリティ、ミュージック・オブ・リメンブランス。心が痛くなるような、何かを考えずにはいられない音楽です。

NAXOSスタンダード 2016年2月発売

NAXOS-8.504046(4CD)
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
<CD1…第1集:8.572191>
1.ツィゴイネルワイゼンOp.20/2.スペイン風アリアOp.18(ヴァイオリンと管弦楽編)/3.ミラマール=ソルツィーコOp.42(ヴァイオリンと管弦楽編)/4.ペテネラスOp.35(ヴァイオリンと管弦楽編)/5.ノクターン・セレナードOp.45/6.ビバ・セビーリャOp.38(ヴァイオリンと管弦楽編)/7.「白衣の婦人」による幻想曲Op.3
<CD2…第2集:8.572216>
1-5.カルメン幻想曲Op.25/6.グノーの「ロメオとジュリエット」による演奏会用幻想曲Op.5/7.ロシアの歌Op.49(ヴァイオリンと管弦楽編)/8.ナイチンゲールの歌Op.29(ヴァイオリンと管弦楽編)/9.狩りOp.44/10.ホタ・デ・パブロOp.52(ヴァイオリンと管弦楽編)
<CD3…第3集:8.572275>
1.モーツァルトの歌劇「魔笛」による演奏会用幻想曲Op.54/2.ナヴァラOp.33(2台のヴァイオリンと管弦楽による)/3.ムイニエラOp.32/4.グノーの歌劇「ファウスト」による新しい幻想曲Op.13/5.ヴェネツィア風舟歌Op.46(ヴァイオリンと管弦楽版)/6.序奏とカプリース・ホタ
<CD4…第4集:8.572276>
1.序奏とタランテラOp.43(ヴァイオリンと管弦楽編)/2.サン・フェルミンのホタOp.36(ヴァイオリンと管弦楽編)/3.モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」による演奏会用幻想曲Op.51(ヴァイオリンと管弦楽編)/4.ウェーバーの「魔弾の射手」による演奏会用幻想曲Op.14(ヴァイオリンと管弦楽編)/5.パンプローナのホタOp.50(ヴァイオリンと管弦楽編)/6.スコットランドの歌Op.34(ヴァイオリンと管弦楽編)/7.夢Op.53(ヴァイオリンと管弦楽編)/8.森のエスプリOp.48
ティアンワ・ヤン(楊天堝)(Vn)(CD3:トラック2は多重録音)
ナバーラSO
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)

録音:<CD1>2008年9月1-5日
<CD2>2009年11月1-5日…1-5、2009年7月2日…6、2008年11月3-6日…7-10スペインパンプローナ,ナバーラSOコンサート・ホール
<CD3>2009年6月30日-7月3日
<CD4>2009年11月9-13日スペインパンプローナ、バラナイン・コンサート・ホール
すすり泣くようなヴァイオリンが印象的な「ツィゴイネルワイゼン」で知られるパブロ・サラサーテ)。歴史上、最も成功したヴァイオリニストの一人であったはずなのに、彼の他の作品は想像以上に知られていないのが実情です。サラサーテは、1844年にスペインのパンプローナで生まれました。父は連隊の楽団指導者で、幼いパブロにヴァイオリンを教えましたが、才能に溢れた息子はすぐに父を追い越し、もっと技術を磨くためにマドリッドに移ります。彼の早熟な才能は時のスペイン女王イザベラ2世に認められ、支援を受けてパリ音楽院に留学し、それ以降は優れたヴァイオリニストとして活躍することになります。彼の作品はスペインの民族音楽や舞曲を取り入れた華やかなものばかりで、このBOXではそんなサラサーテの素晴らしいヴァイオリンと管弦楽のための作品がもれなく収録されています。演奏しているのは「非常に才能ある若いヴァイオリン奏者」ティアンワ・ヤン(楊天堝)。彼女は他にもサラサーテの「ピアノとヴァイオリンのための作品集」も4枚リリースしているので、サラサーテに関して彼女の右に出る者はいないはずです。滑らかな音色、表現力。どこをとっても文句なしです。
NAXOS-8.573350(1CD)
マーラー:交響曲第2番「復活」(B.ワルターによるピアノ4手版) 中澤真麻(プリモP…使用ピアノスタインウェイD274)、
シュルド・アタヴァーレ(セコンドP…使用ピアノスタインウェイD211)

録音:2013年3月22日オーストリアウィーン音楽演劇大学,ファニー・ヘンゼル=メンデルスゾーンホール
マーラーが交響曲第2番「復活」を完成させたのは1894年、彼が34歳の時でした。1888年に「葬礼」として最初に作品の構想を練った時は単一楽章の交響詩となるはずでしたが、その後様々な紆余曲折を経て、最終的には5楽章からなる、ソプラノ、アルト独唱と合唱、オルガンを伴う巨大な交響曲へと発展したこの交響曲には、彼の様々な思い入れが込められています。そんな壮大な作品を、彼の弟子であるブルーノ・ワルターが連弾用に編曲。もちろんマーラーの複雑なスコアはそのまま、また独唱や合唱のパート全てが、ピアノの響きに集約されたこの「ミニアチュア」は驚くほどの精緻な佇まいを持っています。この録音では、連弾で演奏できるスコアをあえて2台のピアノで演奏することで、一層の音の広がりを追求しています。昂ぶる感情がそのまま爆発する第1楽章、穏やかで細やかな第2楽章、ユーモラスな第3楽章、素朴な信仰が歌われた第4楽章「原光」、そして圧巻の終楽章。ピアノの響きの向こう側に光り輝く世界が開けているかのようです。
NAXOS-8.573382(1CD)
イタリアの管弦楽作品集
プッチーニ:交響的前奏曲
ロッシーニ:ファゴット協奏曲
ヴェルディ:ファゴットと管弦楽のための奇想曲(F.ペドレッティ編曲)
パガニーニ:ホルン,ファゴットと管弦楽のためのコンチェルティーノ
レスピーギ:ロッシーニによるバレエ音楽「風変わりな店」P120(M.サージェントによる管弦楽版)<
パトリック・デ・リティス(Fg)
ホセ・ヴィセンテ・カステッロ(Hrn)
ヴュルツブルクPO
エンリコ・カレッソ(指)

録音:2014年12月11日ドイツヴュルツブルク高等音楽院コンチェルトホールライヴ収録
レスピーギ(1858-1924)の「風変わりな店」を中心としたヴュルツブルク・フィルハーモニーOのある一夜のコンサートのライヴ・アルバムです。なかなか凝ったプログラムといい、リティスの極上のファゴット・ソロといい何とも贅沢なコンサートではありませんか!あまり聴く機会のないプッチーニの「交響的前奏曲」は初期の作品ですが、まるでこれから壮大なオペラが始まるかのようなワクワク感たっぷりの美しい曲です。こちらも珍しいロッシーニのファゴット協奏曲も、まるでオペラのアリアを聴いているかのような雄弁な独奏を楽しめます。ヴェルディの奇想曲はアマチュアのオーケストラのために書かれた作品で、ずっと失われていたものですが、20年前に再発見されました。フランスのファゴット奏者A.N.アンリのためにパガニーニが作曲した二重協奏曲も1985年まで公開されなかったもの。流麗な旋律が魅力です。そしてメインは「風変わりな店」。言うまでもなくロッシーニの作品を元にレスピーギが編曲したバレエ音楽で、お馴染みの旋律が次から次へと現れます。
NAXOS-8.573486(1CD)
ヤン・ヴァンデルロースト:スパルタクス他
交響詩「スパルタクス」(1988)
交響詩「モンタニャールの詩」(1997)
シンフォニエッタ〜水都のスケッチ(2004)
フィルハーモニック・ウインズ大阪
ヤン・ヴァンデルロースト(指)

録音:2012年9月23日大阪いずみホール、2014年9月23日大阪いずみホール、2011年9月25日大東市立文化ホール(サーティホール)
日本初のNPO法人のプロフェッショナル吹奏楽団「フィルハーモニック・ウインズ大阪=オオサカン」。結成以来、吹奏楽の新たな可能性を追求し、レパートリーの拡充を図ってきた彼らたちのNAXOSへのアルバム第2弾は、お待ちかね「スパルタクス」をはじめとしたヴァンデルローストの作品集です。交響詩「スパルタクス」は“レスピーギへのオマージュ”とスコアに記されているとおり、古代ローマの剣闘士スパルタクスの活躍がレスピーギを思わせる鮮やかな色彩で描かれている作品で、吹奏楽ファンだけでなく、全ての音楽ファンから賞賛されているものです。1997年に初演された「モンタニャールの詩」は、モンブランの山並みを望む自然の描写と、歴史上の史実を自由に交えた幻想的な作品です。ちなみに「モンタニャール」とはフランス語の「山」という意味。そして、注目は2014年の「ヴァンデルロースト首席客演指揮者就任記念演奏会」で演奏された「シンフォニエッタ〜水都のスケッチ」で、こちらはもともと「大阪市音楽団発足80周年」のためにヴァンデルローストが作曲したものですが、演奏楽団がオオサカンに変わることで曲の表情も驚くほどに変化しています。
NAXOS-8.573490(1CD)
アメリカとイギリスのピアノと管弦楽のための作品集
ニール・セダカ(1939-):マンハッタン・インテルメッツォ(2008)(L.ホールドリッジによるピアノと管弦楽編)
キース・エマーソン(1944-):ピアノ協奏曲第1番(1976)(J.メイヤーによるピアノと管弦楽編)
デューク・エリントン(1899-1974):ニュー・ワールド・ア・カミン(M.ペレスによるピアノと管弦楽編)
ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー(F.グローフェ編)
ベンジャミン・ウェズナー(Cl)
ジェフリー・ビーゲル(P)

ブラウン大学O/ポール・フィリップス(指)

録音:2014年10月12日、,2014年10月18日、2014年10月18.19日、2014年11月20日 ニューヨーク,ロードアイランドプロヴィデンス,ブラウン大学セイルス・ホール
NAXOSから、時折リリースされる一連のクロスオーヴァー(?)アルバムは「この手のもの」が好きな人から大絶賛されています。たとえばオールソップの一連のアルバムや、伝説のベーシスト、マグヌス・ローゼンをフィーチャーしたアルバム(8.572650)とか。さて、このアルバムの4つの作品もなかなか個性的なものです。シンガーソングライターとしてお馴染みニール・セダカ(10代の頃はクラシックを学んでいた)の麗しい「マンハッタン・インテルメッツォ」。イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」のメンバー、キース・エマーソンの熱狂的な「ピアノ協奏曲」、デューク・エリントンの名作「ニュー・ワールド・ア・カミン」(カデンツァが聴き所)、そしてお馴染みガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」。どれもジャンルを越えた華やかな音楽として楽しめます。今回ピアノを演奏しているのは、驚くほど幅広いレパートリーを持つことで知られるジェフリー・ビーゲル。これらの作品に全く新しい命を吹き込んでいるところはさすがです。
NAXOS-8.573368(1CD)
ヴィクター・ヤング:映画音楽「ゲスト」/ガリバー旅行記他
地球最大のショウ(1952)-前奏曲(G.パリッシュによる管弦楽版)
「ゲスト-TheUninvited」(1944)(J.モーガンによる復元版)<前奏曲/リスの追跡/村/すすりなく幽霊/日曜の朝-ステラの感情/崖/祖父と崖/幽霊の終わり>
ガリバー旅行記(1939)(J.モーガンによる復元版)<10.前奏曲-スクロールと嵐/しのび足のマーチ/トウの巨人/ギャビーと王-塔-射手/フィナーレ>/15-22.ブライト・リーフ(1950)(L.シュケン、S.カットナーによる管弦楽編)<前奏曲-キングスモントへようこそ/ソニア/マシン・モンタージュ/マーガレット/タバコ・モンタージュ/自殺/ソニアとその結婚/南の復讐-炎-フィナーレ>
モスクワ交響SO&Cho
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:1997年4月モスクワモスフィルム
※MARCOPOLO8.225063の移行盤
アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、編曲家、そしてヴァイオリニスト、ヴィクター・ヤング(1900-1956)。もともとはヴァイオリニストだった彼は、デッド・フィオリト楽団に参加したことでポピュラー音楽の分野に移り、やがて映画音楽作曲家として名をあげ、ハリウッド映画のために次々を作品を書き始めます。アカデミー賞に22回ノミネートされるも、生前には受賞ならず、結局死後あの誰もが知っている名曲『八十日間世界一周』の主題歌『アラウンド・ザ・ワールド』でようやく作曲賞を受賞したということでも知られています。そんなヤングですが、彼が57歳の若さで死去したときは大勢の人々がハリウッドの墓地に集まり(墓地の場所はメジャー映画会社であったRKOとパラマウント社の中間地点にあった)教会に入りきれなかった人たちは外で祈りを捧げたというほど、その早すぎる死を悼んだのでした。そんなヤングの代表作を3曲と、これまた有名な「地球最大のショウ」の前奏曲を収録したこのアルバムはもともとMARCOPOLOレーベルからリリースされていたものですが、今回NAXOSレーベルから再発売されることで、また多くの人に聴いていただける機会を持つことができるでしょう。一度でも聴いたら必ず魅了される音楽。まさに永遠に不滅です。

NAXOS-8.559817

ロベルト・シエッラ:シンフォニア第3番「ラ・サルサ」他
シンフォニア第3番「ラ・サルサ」(2005)
ボリケン(2005)/エル・バイレ(2012)
悲しみの沈黙を越えて(2002)
マルタ・グート(S)
プエルト・リコSO
マキシミアノ・バルデス(指)

録音:2014年9月10-13日プエルト・リコサン・ホアン、サラ・シンフォニア・パブロ・カザルス
プエルト・リコ出身の作曲家シエッラ(1953-)のめちゃくちゃカッコイイ「ラ・サルサ」をお届けいたします。シンフォニア第4番(8.559738)でも、スペインの伝統を受け継いだ情熱的で挑戦的な作品を聴くことができましたが、今回のシンフォニア第3番は一層はじけています。各々の楽章に付されたタイトルをごらんください。まさにお祭り騒ぎ!この曲は2005年、ミルウォーキーSOの委嘱によって書かれたもので、ニューヨークの熱気とカリブ伝統のサルサのリズムが溶け合う何とも楽しい曲なのです。「ボリケン」と「エル・バイレ」はシャコンヌの形式で書かれた一種の変奏曲。とは言え、その語法は現代的であり、もちろん熱狂的なリズムに支配されています。N.スコット・モマディのテキストを用いた歌曲集「悲しみの沈黙を越えて」はネイティブ・アメリカンの部族の文化と愛情を歌ったもので、ここでは先ほどの「シンフォニア」ようなリズムの応酬はあまりなく、真摯で愛に満ちた響きと叙情性が漲っています。
NAXOS-8.573403(1CD)
ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集第2集/ヴェルディ,チャイコフスキー,サラサーテ他
1.ヴェルディ:歌劇「イ・ロンバルディ」-第3幕前奏曲(B.ローブによるヴァイオリンとピアノ編)
2.チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」Op.24-第2幕レンスキーのアリア「青春は遠く過ぎ去り」(L.アウアーによるヴァイオリンとピアノ編)
3.デイロン・エリック・ハーゲン(1961-):「1958年10月,タンジール,愛はどのように」-白いワルツ(2014)
4.サラサーテ:グノーの歌劇「ファウスト」による新しい幻想曲Op.13
5.グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」-第2幕精霊の踊り(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
6.フバイ:クレモナのヴァイオリン作りOp.40
7.マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲H.290(B.ローブによるヴァイオリンとピアノ編)
8.ヘンデル:歌劇「セルセ(クセルクセス)」HWV40-第1幕アリア「安らぎの木陰…オンブラ・マイ・フ(ラルゴ)」(A.ヴィルヘルミによるヴァイオリンとピアノ編)
9.ジョナサン・ベルガー(1954-):「従軍記者」の主題による幻想曲
10.ヴェルディ:歌劇「運命の力」-第3幕最後の頼みだ(B.ローブによるヴァイオリンとピアノ編)
リヴィア・ソーン(Vn)
ベンジャミン・ローブ(P)
ゲオフ・ナッタール(Va)

録音:2014年12月19-21日USAカリフォルニア,スタンフォード大学キャンベル・リサイタル・ホール
※3.7.9.10…世界初録音
12歳でユーディ・メニューイン国際ヴァイオリン・コンクールの最優秀賞を受賞した才能あふれるヴァイオリニスト、リディア・ソーンによるオペラ幻想曲集の第2集となります。第1集(8.570202)でもパガニーニからゴリホフまで幅広い時代の作品を聴かせたてくれ彼女、今作でもなかなか珍しい作品をヴァラエティ豊かに演奏しています。ヘンデルやグルックなどのお馴染みの曲はもちろんのこと、サラサーテの技巧的な作品やフバイ、マルティヌーなどの珍しい作品、そして現代風の曲など(トラック3のハーゲンの曲には一瞬聞きなれたメロディも出現!)、まさに目も眩むような曲が次々と溢れ出してくる楽しい1枚です。録音技術のなかった19世紀の時代だからこそ行われていた、劇場に行かずともオペラを楽しむための「アリアを器楽曲へ編曲すること」、それが、ここまで進化するとは当時の人も想像していなかったのではないでしょうか。
NAXOS-8.573415(1CD)
リスト:ピアノ曲全集第41集オペラからの編曲集
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲S574/R288
 ベッリーニの「夢遊病の女」の主題による幻想曲S393/R132
エルケル:歌劇「フニャディ・ラースロー」から白鳥の歌,行進曲S405/R160
エルンスト2世:歌劇「トニー,または報復」からおーい、ヤークトコールとシュタイラーS404/R159
ベッリーニ:歌劇「清教徒」序奏とポロネーズS391/R130
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」幻想曲S451/R284
 E.H.z.S.-C.-G.のモティーフによる祝典行進曲S522/R51
チェン・ハン(P)

録音:2014年10月10-12日カナダオンタリオ,キング・シティ,カントリー・デイ・スクール,パフォーミング・アーツ・センター
着々と進行するNAXOSのリストピアノ曲全集の第41集は、ウェーバー、ベッリーニの名オペラに基づくパラフレーズと、リスト(1811-1886)の親友であった作曲家フェレンツ・エルケルの歌劇「フニャディ・ラースロー」からの編曲、そしてビクトリア女王の義理の兄弟でザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト2世のオペラ「トニー、または報復」からのメロディのパラフレーズです。ウェーバーとベッリーニについては説明不要でしょう。原曲がどれほど見事にピアノ曲に変貌しているのかを楽しんでみてください。エルケルが歌劇の題材とした「フニャディ・ラースロー」とは15世紀ハンガリーの貴族、政治的指導者です。陰謀に巻き込まれ24歳の若さで処刑されたという波乱万丈な生涯を描いたという歌劇、ぜひ全曲を見てみたいものです。エルンスト2世は音楽好きの領主として知られ、1887年にはヨハン・シュトラウス2世をゴータ公国の国民として迎え入れたというエピソードを持っています。トラック7の「E.H.z.S.-C.-G」とはErnst,Herzogzu Sachsen-Coburg und Gotha(ザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト)の略です。華麗なピアノを演奏しているチェン・ハンは2013年、第6回中国国際ピアノ・コンクールの覇者です。確かなテクニックと音楽性は輝かしい将来を予感させます。
NAXOS-8.573436(1CD)
シューマン:子供のためのピアノ・ソナタ集
暁の歌Op.133
3つの子供のためのピアノ・ソナタ集(1853)
3つの子供のためのピアノ・ソナタ集第2番ニ長調Op.118-2
.3つの子供のためのピアノ・ソナタ集第3番ハ長調Op.118-3<
.ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.14-第4楽章(1853/2010)(P.E.グリーン、F.モイヤーによる原典版の改訂版)
ピアノ・ソナタ第4番-第4楽章アジタート(1837/2009)(K.A.ラスムッセンによる復元版)
ピアノ・ソナタ第4番-第1楽章アレグロ・モルト(1837/2009)(P.E.グリーン、F.モイヤーによる未完のスケッチの改訂版)
ピアノ・ソナタ第4番-第4楽章アジタート(1837/2009)(P.E.グリーン、F.モイヤーによる未完のスケッチの改訂版)
イ・ジンサン(P)

録音:2014年10月31日,11月1.2日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
シューマンの劇的な生涯については、すでに多くの言葉で語りつくされているように思います。クララとの結婚、音楽家、評論家としての活躍、そして晩年の精神の破綻・・・など数多くのエピソードが積み重なって構成された一生。その時計の針が振り切れる直前の1853年に書かれた作品がこの「暁の歌」なのです。第1曲目の冒頭のレ・ラ・シ・ミ・ソ・ファ#のユニゾンの空虚な響きから、すでにこの世のものではない幽玄な雰囲気が立ち込めています。全5曲、少しだけ意識が戻るときがあるものの、すべての音は薄明の中で揺らめいているかのよう。神秘的かつ難解な世界を見ることができます。同年の「子供のためのソナタ」はかれの大切な子供たちのための作品で、素朴でありながらも愛に溢れた音楽となっています。興味深いソナタの断章も収録されています。
NAXOS-8.573500(1CD)
クシシュトフ・メイエル:器楽作品集カンツォーナ/架空の変奏曲他
チェロとピアノのための「カンツォーナ」Op.56(1981)
ヴァイオリンとピアノのための「架空の変奏曲」Op.114(2010)*
独奏チェロのための「楽興の時」(1976)*
ヴァイオリンとピアノのための「ミステリオーソ」Op.83(1994)
ピアノ三重奏曲Op.50(1980)
ポズナンピアノ三重奏団
<ローラ・クルヴァク=ソボレフスカ(P)/アンナ・ジオフコウスカ(Vn)/モニカ・バラノフスカ(Vc)>

録音:2014年6月30日-7月2日,10月8.9日ポーランドワルシャワ,ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキー第1スタジオ
*=世界初録音
ポーランドの作曲家、ピアニスト、作家クシシュトフ・メイエル(1943-)の作品集です。一連の弦楽四重奏曲でその独自の音楽性を存分に見せつけた人ですが、この「器楽作品集」でも独特の雰囲気と質感が漂う、劇的な作品を聴くことができます。5つの作品は1976年から2010年に渡ってピアノ、ヴァイオリン、チェロの様々な組み合わせで書かれたものです。時にはソロ、緊密な二重奏、そして音がぶつかりあう三重奏と、どれも伝統的な響きの中に型破りな語法が隠されています。神秘的な面持ちで始まる「カンツォーナ」はチェリスト、ゲリンガスによって初演されています。どこか抒情的でありながら、やはり恐ろしいまでの緊張感に支えられた音楽です。演奏会のアンコールピースとして書かれた「楽興の時」はチェロがゴリゴリ鳴る気持ちの良い曲。ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクールの課題曲として書かれた「ミステリオーソ」、綿密に計算された整った形式を持つ「ピアノ三重奏曲」、そしてアルバム中、最も新しい作品である「架空の変奏曲」。古典的な技法を用いながらも、極めて主張の強い音楽がここにはあります。
NAXOS-8.573520(1CD)
パーカッションの世界
ブルーノ・マントヴァーニ(1974-):パーカッションとエレクトロニクスのためのル・グランジュ(1999)
マルコ・ストロッパ(1959-):巨大な部屋‐アウラス(1995/2004改編)
ペーター・エトヴェシュ(1944-):バス・ティンパニのための「サンダー」
ルネ・レイボヴィッツ(1913-1972):ヴァイブラフォンのための「3つのカプリース」Op.70(1966)
フィリップ・エルサン(1948-):3つの小練習曲(2010)
ジャン・クロード・リセ(1938-):4つのリズム練習曲「自然に対する自然」(1996-2005)
ティエリー・ミローリオ(ソロ・パーカッション)

録音:2014年2月10-11日、2014年2月12-13日、2014年2月14日、2014年2月17日、2014年2月18日、2014年2月19-20日 フランスパリ,スタジオ
※世界初録音
このアルバムに収録された6つの作品はどれも世界初演であり、当然、これまで誰も聴いたことのない音を聴くことができるというものです。本来はリズムが主体となるパーカッションではありますが、例えばヴァイブラフォンのように音の高低を表現できるものや、エレクトロニクスと組み合わせることで夢幻的な響きを齎すものもあり、想像以上に多彩な音を聴くことができるのです。ブルーノ・マントヴァーニの劇的にファンキーな作品、金属的な響きがミステリアスなストロッパの作品、パーカッションの可能性を追求したエトヴェシュの「サンダー」、指揮者としても知られるレイボヴィッツのカプリース、古典の3つの作品からインスパイアされたエルサンの練習曲、自然音への憧れともいえる「コンピューターで生成された音とパーカッションの対話」から生まれたリセの練習曲、など無限の可能性が感じられる興味深い1枚です。
NAXOS-8.573544(1CD)
ソレール:ピアノ・ソナタ集第5集第57番-第62番
ピアノ・ソナタ第57番ト短調
ソナタ‐ロンド第58番ト長調
ソナタ‐ロンド第59番ヘ長調
ピアノ・ソナタ第60番ハ長調
ピアノ・ソナタ第61番ハ長調
ピアノ・ソナタ第62番変ロ長調
ムラデン・コーリック(P)

録音:2014年2月15-17日スペインジローナ,パラウ・デ・コングレソス講堂
アルバムごとに異なるピアニストで演奏されているこのソレールのシリーズですが、ここでピアノを演奏しているのは2007年にバルセロナで開催された第53回マリア・カナルス国際音楽コンクールで1位を獲得したムラデン・コーリック。1982年セルビア生まれの彼は、4歳から天才として賞賛され、数多くのコンクール入賞歴を持っています。すっきりとした表現が魅力的です。
NAXOS-8.660367(2CD)
ジモン・マイール:歌劇「サッフォー」2幕(1794) サッフォー…アンドレア・ローレン・ブラウン(S)/ファオン…ユン・ジェウォン(S)/アルチェオ…マルクス・シェーファー(T)/アムフィツィオーネ…マリー・ザンデ・パーペンマイヤー(Ms)/ラオダミア…カタリーナ・ルックゲイバー(S)/エウリクレオ…ダニエル・プライス(T)/バイエルン州立歌劇場合唱団のメンバー/ジモン・マイールCho/コンチェルト・デ・バッスス/フランツ・ハウク(ハープシコード&指)

録音:2014年8月25-31日ドイツノイブルク,コングレゲーションザール
※世界初録音
ドイツで生まれ、イタリアで活躍した作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。彼は生涯に70曲ほどのオペラを残しましたが、この「サッフォー」は彼の記念すべき最初の歌劇とされています。1787年に生まれ故郷のバイエルンを離れ、ベルガモからヴェネツィアに移った彼は、この地でオペラが生活の一部に溶け込んでいることに驚いたようです。その頃、火災で焼失(1773年)したサン・ベネデット劇場の後継として建設されたフェニーチェ劇場が1792年に完成し、マイールもここでヴァイオリンを弾いていたという伝説もあります。この歌劇「サッフォー」は1794年に完成、初演はこのフェニーチェ歌劇場で行われ、熱狂的な成功を収めました。以降マイールはこの劇場のために数多くの作品を書くことになるのです。この「サッフォー」。曲には幾分モーツァルト風な趣きもありますが、テキストと音楽の力強い結びつきや木管の使い方などが印象的で、また不幸な愛を描きつつも最後はハッピーエンドを迎えるなど、かなり独創的な部分もあり、とても興味深い作品となっています。マイール作品の普及に尽力するハウクの的確な演奏で。
NAXOS-8.573442(1CD)
南からの印象アマデウス・ギター・デュオ
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ソナティナ・カノニカOp.196
 エレジー風フーガ<前奏曲/フーガ>
カルッリ(1770-1841):セレナードイ長調Op.96-1
アルフォンソ・モンテス(1955-):スラマ
ジェラルド・ガルシア(1949-):ロルカ幻想曲
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第4番-第1曲前奏曲(2つのギター編)
ロドリーゴ:マドリガル協奏曲より<第1楽章:ファンファーレ/第7楽章:ファンダンゴ/第8楽章:アリエッタ>
ジェームズ.M.セナモン(1953-):カサブランカ「A Story, A Place and A Kiss」Op.77/21.フランシスコ・タルレガ(1852-1909):アルハンブラの思い出(J.サグレーラスによる2つのギター編)
アマデウス・ギター・デュオ

録音:2007年3月16-19日
このアルバム、タイトルの「Images from the South-南からの印象」の南とは一体どこの辺りなのでしょうか。「南」と言っても南ヨーロッパ?それとも南アメリカ?南極ではないだろうな…と思いながら聴いてみると、そこにはなんとも色鮮やかで蒸し暑い世界が広がっていました。イタリア、フィレンツェで生まれカリフォルニアに移住したカステルヌオーヴォ・テデスコの古典的な面持ちを持つソナティナとフーガ、イタリアからパリに移ったカルッリの麗しいセレナード、アマデウス・ギター・デュオのために書かれたベネズエラの作曲家モンテスのスラマ、香港で生まれイギリスで活躍する東洋系ギタリスト、ジェラルド・ガルシアの詩人ロルカへの賛美、おなじみヴィラ=ロボスのピアノのための曲を2台ギターに編曲した前奏曲、ロドリーゴの「マドリガル協奏曲」からの3つの楽章、ボリビア生まれのセナモンによる映画「カサブランカ」にインスパイアされたノスタルジックな曲、そして誰もが知っている「アルハンブラの思い出」の2台ギター版。この多彩な作品を演奏するのは、こちらもおなじみアマデウス・ギター・デュオ。結成25周年を迎え、一層そのアンサンブルも緊密になっています。

NAXOSスタンダード 2016年1月発売
NAXOS-8.573228(1CD)
グレインジャー:サクソフォン作品集
固定されたド(あるいは鳴り続けるC)(サクソフォン・アンサンブル版)*
美しい燕(サクソフォン・アンサンブル版)
《管楽器のための珠玉選》
マショー:バラード第17番(3つのアルト・サクソフォン版)
孤独な砂漠の男が陽気な部族のテントを見つける(アルト・サクソフォンとピアノ版)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻-前奏曲とフーガ第5番ニ長調BWV874(サクソフォン・アンサンブル版)
フェラボスコ2世(1543-1588):4つの音符のパヴァーヌ(サクソフォン・アンサンブル版)
スパッレ・オルセン(1903-1984):クリスマスが来ると(サクソフォン・アンサンブル編)
ジョスカン・デ・プレ:ラ・ベルナルディーナ(サクソフォン・アンサンブル版)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻-フーガ第4番嬰ハ短調Minor,BWV849(サクソフォン・アンサンブル版)
ジェンキンス(1592-1678):5声のファンタジー第15番(サクソフォン・アンサンブル版)
バッハ:行進曲BWVAnh.122(サクソフォン・アンサンブル版)
作者不詳:リスボン「ダブリン湾」(サクソフォン・アンサンブル版)
クリスマスが来ると(サクソフォン・アンサンブル編)
ロウズ(1595-1662):6声のファンタジーとエアー第1番(サクソフォン・アンサンブル版)
作者不詳:天使は乙女に(サクソフォン・アンサンブル版)

※グレインジャーによる編曲…2.3.5-16、ジョイス・グリッグス編集…2-16
ジョイス・グリッグス<J.ミヒャエル・ホルメス(Sax)/イェッセ・ドホナール(Sax)/アダム・ホーソーン(Sax)/ドュー・ウィティング(Sax)/ベン・ケニス(Sax)/エイドリアン・ホノルド(Sax)/キャセイ・ジーン・ディエルラム(P)>

録音:2013年3月15日、,2013年3月16日、2014年4月2日…4.9USAウルバーナ,クランナート・センター・パフォーミング・アーツ,フォーリンジャー・グレート・ホール

*以外=世界初録音
1904年頃、友人とともに初めてサクソフォン(サックス)の音色を聴いたグレインジャー
(1882-1961)は、その時の感想を友人に書き送っています。「その音色はまるで声のようだ。私はすぐに、世界で最も素晴らしい管楽器であることを知った」グレインジャーは当時あまり馴染みのなかったこの魅力的な楽器のために、バッハやジェンキンスなどのバロック時代の音楽や、ノルウェイ民謡などのいくつかの作品を編曲することで、楽器の特性と音色を広めることに尽力しました。サクソフォンをふんだんに用いたこれらの編曲は、楽器の上品な音色を生かしつつ、ポリフォニックで精緻なもの。このアルバムでは、奏者グリッグスが自ら編集を行い、更に整理された音楽として演奏しています。自作のオーケストラ作品のなかでもしばしばサクソフォンを用いたグレインジャーの「サックス愛」が炸裂した1枚です。
NAXOS-8.573363(1CD)
レオ・ブローウェル:バンドゥリアとギターのための作品集
ムジカ・インシデンタル・カンペジーナ‐付随音楽「田舎の情景」(1978)
「ビクトル・ハラ」の主題による変奏曲(2007)*
バンドゥリア・ソナタ(2011)
旅人たちのソナタ(2007)*
バンドゥリアとギターのための小品集(1957)
ペドロ・シャモロ(バンドゥリア)
ペドロ・マテオ・ゴンザレス(G)

録音:2014年5月15-18日カナダオンタリオ、聖ジョン・クリソステム教会
*以外=世界初録音
キューバ生まれのレオ・ブローウェル(1939-)は、その革新的なギター曲で知られていますが、このアルバムではギターだけでなく、彼が愛した「バンドゥリア」…小さなリュート形の撥弦楽器で南米でも人気がある…のための作品も聴くことができます。この6複弦でピックを使って演奏する楽器の音色は、ふくよかさと力強さを兼ね備えています。収録曲の中では、キューバの民族音楽のリズムとエネルギーが爆発する「ムジカ・インシデンタル・カンペジーナ」はマンドリンとギター、2本のギターなどの様々なアンサンブルで演奏されますが、バンドゥリアを用いることで、独特の響きが齎されます。チリのシンガーソングライターで、政治活動家でもあったビクトル・ハラ、彼の業績を讃え、その死を悼むために書かれた「変奏曲」はまるで万華鏡をのぞくかのように多彩な感情と技術が溢れた曲です。他の作品も、光と影を見事に取り入れたテクニカルな要素を持つもので、ギターを愛する人ならば、一度は聴いておきたい素晴らしいアルバムといえるものです。
NAXOS-8.573475(1CD)
金管七重奏のための音楽集第3集
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番ハ短調Op.110
プロコフィエフ:ピアノのための10の小品Op.12から「組曲」<第1番:行進曲/第2番:ガヴォット/第9番:スケルツォ・フモリスティーク/第8番:アルマンド>
プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへ恋」Op.33bis-第2曲「行進曲」
スクリャービン:6つの前奏曲集<前奏曲Op13−1ハ長調/前奏曲Op.35−3ハ長調/前奏曲Op.31−4変イ長調/前奏曲Op.31−2嬰ヘ短調/前奏曲Op.16−4変ホ短調/前奏曲Op.11−6変ロ短調>
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ラフマニノフ:6つの小品Op.11から「4つの小品」<第3番:ロシアの主題/第2番:スケルツォ/第5番:ロマンス/第6番:栄光あれ>

※S.コックス&M.ナイトによる七重奏編…1-5/S.コックスによる七重奏編…6-10.17-21/M.ナイトによる七重奏編…11-16
セプトゥーラ<アラン・トーマス(B♭管Tp)/サイモン・コックス(B♭管Tp)/ヒュー・モーガン(E♭管Tp)/ピーター・スミス(Tub)/マシュー・ギー(Tb)/マシュー・ナイト(Tb)/ダン・ウェスト(バスTb)>

録音:2014年12月5-7日ロンドンニュー・サウスゲート,聖ポール教会
第1集ではメンデルスゾーンやシューマンなどロマン派の作品、そして第2集ではバロック・オペラの名曲の数々を新たな装いで聴かせた金管アンサンブル「セプトゥーラ」。第3集ではなんとロシアの作品集に挑戦です。冒頭のショスタコーヴィチから炸裂するお馴染みの音形「D-S(Es)-C-H」が何とも印象的で、本来なら皮肉と哀しみに彩られているはずのこの作品が、何となく華やかに聴こえるのが面白いところです。他にはプロコフィエフの初期の作品や、スクリャービンの先鋭的な作品と、ラフマニノフの憂鬱な感情を讃えた作品など、今回のアルバムにおいての彼らは、これまでよりも更に豊かな響きを追求しているようです。もちろん編曲も見事で、まるでこれらの作品がオリジナルであるかのような存在感を放っています。「セプトゥーラ」のメンバーは、ロンドンSO、フィルハーモニアO、ロイヤルPO、BBCSO、バーミンガム市SO、スコットランド歌劇場、オーロラ・オーケストラで活躍する若手金管奏者たちによって構成されています。この見事なアンサンブルには感嘆するほかありません。
NAXOS-8.573502(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/崎谷明弘ピアノ・リサイタル
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調Op.5
ドビュッシー:版画
アレハンドロ・ローマン(1971-):ガイエーナ:ハエンの10の風景*
グラナドス:わら人形(ゴヤ風な情景)
ホアン・マヌエル・ルイス(1968-):アルメナーラ*
崎谷明弘(P)

録音:2014年6月21日スペインハエン,コンセルバトリー・オブ・ミュージック,インファンタ・レオノール・シアター
*=世界初録音
第56回ハエン国際ピアノ・コンクールを制した若きピアニスト、崎谷明弘。彼は1988年西宮生まれの神戸出身、6歳からピアノを始め、ブゾーニ国際など数々のコンクールで受賞歴を持っています。パリ高等音楽院(CNSM)で研鑽を積み、帰国後も東京藝術大学大学院に進学、修士課程を首席で修了。2015年春からは博士後期課程に進学し、さらなる研鑽を積むという凄腕です。まあ、現代の若手ピアニストは多くのコンクール歴を持つのが割と普通ではありますが、なんと言っても彼の凄いところはその音楽性と、ユニークな個性、そしてすでに獲得しているファンの多さに尽きるのではないでしょうか。たとえば彼の演奏するブラームスを聴いただけで、そのカリスマ性に納得いただけるはずです。一つ一つの音を噛みしめるかのような深い打鍵、そして生まれる美しい音。これがドビュッシーになると一転、まるでビロードの布で撫でられたかのような優しい肌触りが楽しめるのです。コンクールの課題曲であったローマンの「ガイエーナ:ハエンの10の風景」でのミステリアスな響きも聴きものです。この才能、聞き逃すべからず!
NAXOS-8.573563(1CD)
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
マニャール:葬送の歌Op.9(1895)
フェルディナンド・イアシュ(コンサートマスター/Vnソロ)
リール国立O
ジャン=クロード・カサドシュ(指)

録音:2011年1月10日…、2014年11月5日 フランスリール,Nouveau Siecle(新世紀)
2015年はフランスの名門オーケストラ、リール国立Oの設立40周年であり、楽団の創始者ジャン=クロード・カサドシュのキャリア50周年という記念の年でした。それを祝しリリースされたのがこのアルバムです。「英雄の生涯」については説明の必要もない名曲で、オーケストラ、指揮者の力量を存分に発揮することのできる難曲でもあります。冒頭の主題の提示である「英雄」の部分を聞いただけで、団員たちがこの演奏にどれほど力を入れているのかを知ることができるのではないでしょうか。もう1曲のマニャールの「葬送の歌」は彼の30歳のときの作品で、あまり演奏される機会は多くないものの、ひっそりとした美しさを持つ音楽です。マニャールの父の死に際して書かれた曲ですが、冒頭の哀しみが少ずつ浄化されていく道程には、マーラーのアダージェットやリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の「メタモルフォーゼン」にも通じる美しさが感じられます。信頼感に溢れた素晴らしい演奏です。
NAXOS-8.571355(1CD)
ピアノ五重奏曲集
ブリッジ(1879-1941):ピアノ五重奏曲ニ短調H49a(1904/1912)
スコット(1879-1970):ピアノ五重奏曲第1番(1911頃)
ラファエル・テッローニ(P)
ビンガムSQ<スティーヴ・ビンガム(第1ヴァイオリン)/マーク・メッセンジャー(第2ヴァイオリン)/ブレンダ・スチュワート(Va)/ミリアム・ロウバリー(Vc)>

録音:1989年9月4-6日ロンドンチョーク・ファーム,聖サイラス・ザ・マーター
※BMSよりの移行盤
数多いイギリスの作曲家の中でも「独自の前衛音楽」を書くことに拘ったとされるフランク・ブリッジ。その理由は、他の作曲家たちがイギリス民謡に依拠しても、彼はヨーロッパの新音楽を好み、こちらから着想を得ていたからだとされているようです。しかし彼の作風が前衛的になったのは、第1次世界大戦の後のことであり、若い頃はスタンフォードやブラームスなどの影響がよくわかる極めてロマンティックな作品を書いていました。このピアノ五重奏もそんな作品の一つで、全編抒情的で、時にはラフマニノフを思わせるような力強いロマンティシズムが漲っています。ブリッジと同じ年に生まれたシリル・スコットは、生前あまり顧みられなかった人ですが、最近になって評価が高まっていることで知られています。彼の作品はどれも控えめな美しさに満ちていて、幾分ドビュッシーを思わせる印象派風の和声があったりと、なかなか侮れないものばかりです。この「ピアノ五重奏曲」も冒頭では静かな水面を思わせる音楽なのですが、曲が進むにつれ、少しずつ不可解な世界が形成されていきます。この境目はとても曖昧で、いつしか迷いの森に足を踏み入れてしまったかのよう。神秘的なものを愛したという作曲家の、好みの片鱗が見えるような極めて豊かな音楽です。
NAXOS-8.571369(1CD)
レノックス・バークリー:ピアノ・ソロとデュエット曲集
6つの前奏曲Op.23(1945)<第1番:Allegro/第2番:Andante/第3番:Allegro moderato/第4番:Allegretto/第5番:Allegro/第6番:Allegro>
ピアノ・ソナタOp.20(1941-1945)<第1楽章:Moderato/第2楽章:Presto/第3楽章:Adagio/第4楽章:Introduction and Allegro>
5つの短い小品Op.4(1934頃)<第1番:Andante/第2番:Allegro moderato/第3番:Moderato/第4番:Moderato/第5番:Allegro>
ピアノ連弾のためのソナチネOp.39(1954)<第1楽章:Allegro moderato/第2楽章:Andante/第3楽章:Allegro>
連弾のための「主題と変奏」Op.73(1968)
連弾のための「パルム・コート・ワルツ」Op.81-2(1971)
ラファエル・テッローニ(P)
ノーマン・ビーディー(第2P)

録音:1993年4月7.8日ロンドンギルドホール音楽演劇学校
※BMSからの移行盤
オックスフォード出身の作曲家レノックス・バークリー(1903-1989)のピアノ作品集です。20代の頃パリに留学し、高名なナディア・ブーランジェに音楽を学んだというだけあって、彼の作品からは至るところからフランス音楽の影響を感じることができるのです。その作品には微妙な陰影と、シンプルな旋律、そしてアイデア豊かなリズム感覚があり、どれも忘れられない美しさを誇っています。彼のピアノ曲の中で最初に書かれたのはトラック11-15の「5つの短い小品」で、こちらは本当に小さく、ちょっぴりプーランク風の香りも感じさせるもの。気まぐれな旋律と安定した歌、これらが撚り合わさって楽しい世界が生まれます。また彼は2台ピアノと連弾のための作品も書いていますが、これらの作曲時期は活動の初期から晩年に至るまで、人生のほとんどをおおっています。もちろんその作風は少しずつ変化していきますが、どれも複雑なテクスチュアを丹念に整理した明快なものとなっています。これこそがバークリーの本領発揮といったところでしょうか。
NAXOS-8.573274(1CD)
ユージン・ザドール:舞踏交響曲他
祝典序曲(1963)
ハンガリー民謡による変奏曲(1919)*
舞踏交響曲(交響曲第3番)(1936)#
MAVブダペストSO
マリウス・スモリー(指)

録音:2014年9月8-12日ハンガリーブダペスト,ハンガリー放送第6スタジオ
#=世界初録音
*=全曲版世界初録音
ユージン・ザドール(1894-1977ハンガリー名…ザードル・イェネー)はハンガリーのバータセクに生まれ、幼い頃から音楽の才能を発揮し、16歳の時にR.ホイベルガーと共にウィーンで学び、その後ライプツィヒに移住。そこでレーガーの弟子となります。ミュンスター大学で博士号を獲得、新ウィーン音楽院で教鞭を執ります。しかし彼は世相が不安定だったウィーンを離れ、1939年にはアメリカでラジオ放送の音楽の仕事を始めます。やがて、映画会社MGMからのオファーを受けロサンゼルスに行き、ここで本格的に映画音楽の仕事に従事することになるのです。ここではリヒャルト・シュトラウスばりの素晴らしいオーケストレーションを用いた華麗な作品をいくつも書き上げ、ミクロシュ・ローザと並ぶ映画音楽作曲家として讃えられるのです。ザドールがオーケストレーションの仕事からリタイアして間もなく、ズービン・メータがロサンゼルス・フィルの音楽監督に就任。それを祝すために書かれたのが、このアルバムの冒頭を飾る「祝典序曲」です。華麗な金管の響きと現代的な響きが交錯するクールな序曲となっています。「ハンガリー民謡による変奏曲」は各変奏に工夫が凝らされた楽しい作品です。またメインの「舞踏交響曲」はウィーン時代の作品で、かのクナッパーツブッシュが初演したという壮大でノスタルジックな音楽です。
NAXOS-8.573378(1CD)
ヨアヒム・ニコラス・エッゲルト:交響曲第2番&第4番
交響曲第4番ハ短調(1810頃)
交響曲第4番:第2楽章の異稿版Largo
交響曲第2番ト短調(1806)
イェブレSO
ジェラール・コルステン(指)

録音:2014年3月10-14日スウェーデンイェブレ・コンサート・ホール
※世界初録音
1792年に当時のスウェーデン国王グスタフ3世が暗殺された時、国民の間だけではなく、欧州の諸国にも衝撃が走りました。近代的な国家をつくるために尽力した彼の功績は大きく、また国の間の力関係にも微妙な亀裂が入ったからです。そして国内の公共のコンサートも明らかに減少し、音楽家たちの仕事も少なくなってしまいました。作曲家エッゲルトがスウェーデンにやってきたのはそんな時代の真っ只中である1803年でした。最初のうちは停滞していたこの地の音楽界も、1809年にグスタフ3世の弟であるカール13世が王に即位してから、少しずつ復興し、エッゲルト(1779-1813)の活躍の場も飛躍的に広がりました。そして壮大なツアーに出かけようとした矢先、残念ながら彼は深刻な病を得てこの世を去ってしまったのです。このアルバムにはそんなエッゲルトの2つの交響曲が収録されています。1806年頃に書かれた第2番、そして新体制となった1810年頃に書かれた第4番と、どちらも緊迫感に満ちた堂々たる音楽です。
NAXOS-8.573410(1CD)
モシュコフスキ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
1-5.5つのスペイン舞曲集(1876/1879頃)(E.ソーレによるヴァイオリンとピアノ編)
4つの小品Op.82(1909)
2つの演奏会用小品Op.16(1878)
2つのヴァイオリンとピアノのための組曲Op.71(1903)
8つの性格的小品Op.36-6「火花」(J.ハイフェッツ編)
ギターOp.45-22(P.サラサーテ編)
小品Op.15-1「セレナータ」(F.レーフェルト編)
ナツリン・ラシドヴァ(Vn)
ダニエル・グリムウッド(P)

録音:2014年10月24.25日,2015年1月20日UKモンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
1925年、名ピアニストで作曲家モシュコフスキ(1854-1925)が亡くなった時、批評家フランチェスコ・バーガーは「ショパン、ルービンシテイン、リストの死以来の音楽界の損失だ」と月刊「音楽録音」に記事を寄せました。そんなモシュコフスキの音楽ですが、現代ではそれほど重要視されていないのはとても残念なことであるといえるでしょう。現ポーランドのヴロツワフ(当時はプロイセン王国領)に生まれたモシュコフスキは幼い頃からピアノの才能を示し、20歳になる前にピアニストとして大成功を収めます。しかし、同時にヴァイオリンの勉強にも力を入れ、一時はヴァイオリニストになることも考えたといいます。このアルバムには主に1876年から1890年の間に書かれた作品が収録されており、これらは熱心なアマチュアでも演奏できるように比較的平易な技巧で書かれているのですが、演奏効果は抜群で、どれも華やかな雰囲気をかもし出しています。ヴァイオリニスト、ラシドヴァはゴドフスキーのヴァイオリン作品集(8.573058)でも素晴らしい演奏を披露していた美貌と技術を兼ね備えた若手です。
NAXOS-8.573419(2CD)
モン・マイール:レクイエム.ト短調 シーリ・カロリン・ソルンヒル(S)
カタリーナ・ルックガバー(S)
テレサ・ホルツハウザー(A)
ブリギッテ・トーマ(A)
マルクス・シェーファー(T)
ローベルト・セリアー(T)
マルティン・ベルナー(Bs)
ルードヴィヒ・ミッテルハンマー(Bs)
ヴァージル・ミショック(Bs)
ジモン・マイールCho&アンサンブル
フランツ・ハウク(指)
※世界初録音

録音:2013年10月6-10日ドイツインゴルシュタット,マリア・デ・ビクトリア・アサム教会
古今東西、多くの作曲家たちが手掛ける「レクイエム」。煉獄で苦しむ魂に慰めを与えるだけでなく、今を生きる人にも安らぎを与えるための曲として、今も世界中のどこかで演奏されています。このマイール(1763-1845)の知られざるレクイエムは、恐らくベルガモで活躍していた画家テルツィの葬儀のために演奏された曲で、実はもともと彼の弟子であったドニゼッティがいくつかの小さな部分を作曲したものにマイールが改訂と補正の手を加えたことが研究でわかっています。この録音ではドニゼッティの手によるとされる「わが祈り(Precesmeae)」と「呪われたもの(Orosupplex)」は、この稿を使用しています(マイヤーによる同曲のスケッチもベルガモの図書館に存在します)。全体的に派手さのない素朴で美しいレクイエムですが、時にはっとするほどの美しさがあり、何度も聴きたくなるような魅力を持っています。
NAXOS-8.573453(1CD)
モーメンツウィンド・シンフォニー集
ロイ・デイヴィッド・マグナソン(1983-):テラコッタ鉢のハウスプランツ(2014)
シドニー・ハドキンソン(1934-):2つの小カンタータ(1995)
ジャイス・ジョン・オグレン(1979-):夕べの音楽(2000)
フランシスコ・ホセ・マルチネス・ガレゴ(1969-)シンフォニア第1番「カプレカ」(2011)
アリス・ヘッカー(S)…4
イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー
マルティン.H.セゲルケ(指)

録音:2014年11月21-23日USAイリノイ州立大学パフォーミング・アーツ・センター
※世界初録音
全て世界初録音。イリノイ州立ウィンド・シンフォニーによる「新しい吹奏楽」作品集をお楽しみください。最初のマグナソンの作品は、家の中に置かれる植物のように、単純で美しく、そして生活の潤いとなるような音楽です。ピアノの清冽な響きと鐘の音など、様々な要素が入り組んで不思議な風景を作り上げています。次のハドキンソンのカンタータはストラヴィンスキーの作品からインスピレーションを受けたもので、作曲家自身の個人的な思い出とジェズアルドのマドリガルの一節が織り込まれた印象的な作品です。オグレンの「夕べの音楽」は神秘的な美しさを持っています。最後のガレゴの作品は、インドの数学者カプレカの定義に基づき書かれているとされますが、これがなかなか難解であり、色々と考えているうちに音の波に揉まれてしまうこと間違いありません。
NAXOS-8.573459(1CD)
チマローザ:序曲集第4集
歌劇「愛の災難」-序曲
歌劇「偽りのフラスカーティ」-序曲
歌劇「三人の恋人」-序曲
歌劇「恋敵の女たち」-序曲
歌劇「偽の貴族たち」-序曲
歌劇「パリの画家」-序曲
歌劇「女の陰謀に敗北した恋人」-ビオンドリーナ
歌劇「ジュニオ・ブルート」-序曲
歌劇「ゆるぎなき愛」-序曲
パルドゥビツェ・チェコ室内PO
ミヒャエル・ハラーシュ(指)

録音:2014年10月24-28日チェコ共和国パルドゥビツェ,音楽の家
第1集から第3集まで、それぞれ違うオーケストラ、指揮者によって演奏されているNAXOSの「チマローザ序曲」シリーズですが、今作はハラーシュとチェコ室内フィルというおなじみのコンビによる息のあった演奏をお届けいたします。序曲と言っても、チマローザ(1749-1801)の初期の作品は、はそのほとんどを当時の慣習であるシンフォニア形式に則って書いているため、小さな三楽章の交響曲と言っても過言のない聴きごたえのあるものとなっています。こんなに機知に富んだステキな序曲ならば、それに続く物語も素晴らしいのだろうと想像してしまいますが、現在彼のオペラを全曲聴く機会がほとんどないのは残念なことです。中でも「パリの画家」は彼の名前がナポリ中に広まることとなった最初の成功作であり、あのハイドンも1789年にエステルハージ家のためにこのオペラの特別ヴァージョンを作成し演奏したという記録があるほどですので、ぜひ全曲を聴いてみたいものです。
NAXOS-8.573470(1CD)
タネーエフ:弦楽四重奏曲全集第4集
弦楽四重奏曲第9番イ長調(
弦楽四重奏曲第6番変ロ長調Op.19
カルペ・ディエムSQ団<チャールズ・ウェザービー(第1ヴァイオリン)/エミー・ガルッツォ(第2ヴァイオリン)/コリーヌ・フジワラ(Va)/キャロル・ウー(Vc)>

録音:2013年12月15.16日USAマサチューセッツ,タフツ大学デパートメント・オブ・ミュージック,ディストラー・ホール、2014年5月29.30日USAオハイオ,ウェスレラン大学サンボルン・ホール
チャイコフスキーに学び、ラフマニノフとスクリャービンを育てたタネーエフ(1856-1915)。ヨーロッパではピアニスト、教育者としての評価ばかりが名高い人ですが、現在では交響曲が良く知られています。しかし彼の本領は室内楽、それも作品番号を持つ6曲の弦楽四重奏が最高傑作と言っても過言ではありません。かのチャイコフスキーは彼のことを「ロシアのバッハ」もしくは「ロシアのブラームス」と呼びましたが(タネーエフ自身はブラームスの音楽を嫌っていた)それは何といっても彼の音楽が極めて精緻な対位法を用いて書かれているからでしょう。しかし、その本質は美しいメロディにあることは間違いありません。このアルバムに収録されているのは第9番と第6番の2曲ですが、第9番は実は初期の作品で、印象的な雰囲気を持つチャイコフスキー的な旋律を持っています。第6番は11曲確認されているタネーエフの最後の弦楽四重奏曲で、充実した書法で書かれています。

NAXOS 2015年12月発売新譜
NAXOS-8.660374(2CD)

NBD-49(BD-Audio)
ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」 ヴォータン:神々の長…マティアス・ゲルネ(Br)/フリッカ:ヴォータンの妻…ミシェル・デヤング(Ms)/ローゲ:火の神…キム・ベグリー(T)/ドンナー:雷神…オレクサンドル・プシュニアク(Br)/フロー:幸福の神…チャールズ・レイド(T)/フライア:フリッカの妹…アンナ・サムイル(S)/エルダ:知恵の女神…デボラ・ハンブル(Ms)/アルベリヒ:ニーベルング族…ペーター・シドホム(Br)/ミーメ:アルベリヒの弟…デヴィッド・ケンジェロシ(T)/ファーゾルト:巨人族…ユン・クヮンチュル(Bs)/ファーフナー:ファーゾルトの弟…ステファン・ミリング(Bs)/ヴォークリンデ:ラインの乙女…中村恵理(S)/ヴェルグンデ:ラインの乙女…アウレリア・ヴァラク(Ms)/フリースヒルデ:ラインの乙女…ヘルミーネ・ハーゼルベック(Ms)
ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指)香港PO

録音 2015 年1 月22.24 日 香港カルチャー・センター・ホール
<BD Audio>
AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz PCM Surround, Presented
in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio n 2.0
Stereo - PCM DURATION 153'22
ワーグナー(1813-1883)が創り上げた壮大なる叙事詩「ニーベルングの指環」は、北欧神話を下敷きとし、欲望、愛憎、人智を超越した物語が重厚な音楽とともに描かれる大作です。全曲完成までに26年を費やしたこの作品は、演奏時間も15時間を必要としますが、1876年に書かれた序章である「ラインの黄金」は物語の入門編とも言える部分で、コンパクトに纏められた(と言っても2時間以上)ストーリーとなっています。世界中の歌劇場で上演される人気作ですが、歌手の選択から演出、オーケストラのテクニック、そして指揮者の力量など、多くの問題をクリアしない限り、名演にはならない難しい作品です。この香港フィル初の「指環」は演奏会形式で上演されたものですが、鬼才ズヴェーデンの指揮によって文句の付け所のない演奏に仕上がっています。また名バリトン、ゲルネがヴォータンを演じているところにも注目が集まりました。ちなみにジャケットデザインはこのコンサートのポスターがそのまま用いられています。
NAXOS-8.571359(1CD)
モーラン:民謡編曲集
1-6.6つのノーフォーク民謡(1924
7.北海の地/8.高きドイツ
9.水夫と若きナンシー
10.小さな乳母
11.楽しい荷馬者屋
12.牧師と従業員
13.牢獄の歌
14-19.6つのサフォーク民謡(1932)
20-26.ケリー州からの歌(1950)
エイドリアン・トンプソン(T)…17.18.20-26
マーカス・ファーンズワース(Br)…1-6.7-13.14-16.19
ジョン・タルボット(P)
ウェーブリッジ男声合唱団のメンバー(クリスティーネ・ベスト…指)…9.11.13

録音:2010年5月20.27日,10月6日コブハム,ストーク・ダベルノン,イェフディ・メニューイン・ホール
※BMSレコードよりの移行盤
1894年にロンドンに生まれるも、育ったのはノーフォーク。そのためアイルランドと強い絆を持っていた作曲家モーラン(1894-1950)。彼の作品は日本でも一部の愛好家に深く愛されています。幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び英国王立学校に入学した彼は、スタンフォードに師事しましたが、ヴォーン・ウィリアムズの作品にも強く感銘を受けたのです。第1次世界大戦で重傷を負ったものの、それを乗り越え、以降自身のためにノーフォーク州を始めとした各地の民謡収集を始めます。イギリスの田舎の精神を反映させたこれらの素朴な音楽は、海に生きる船乗りと、大地を耕す農民、その双方の気分を完璧に反映させたもので、それらは表情豊かな男声の歌唱によって、時にはシリアスに、時には情熱的に伝わってきます。
NAXOS-8.573511(1CD)
シベリウス:劇音楽「スカラムーシュ」Op.71 ベンディク・ゴルドステイン(Va)
ロイ・リュオッティネン(Vc)
トゥルクPO
レイフ・セーゲルスタム(指)

録音:2014年9月8-12日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
1912年に作曲が始められ、その翌年12月に完成されるも、実際に上演されたのは9年後の1922年という、いわばシベリウス(1865-1957)の“不遇の作品”ともいえる劇音楽「スカラムーシュ」です。クヌーセンの台本は、対話を含むパントマイム形式のもので、レイロンという男の妻をせむしのヴィオラ弾き「スカラムーシュ」が誘惑、怒ったレイロンに殺されてしまうという悲劇ですが、当時のウィーンの劇作家アーサー・シュニッツラーが書いた「ピエロのヴェール」(エルノ・フォン・ドホナーニが音楽をつけた)の模倣とされてしまったのです。もちろんクヌーセンは、シュニッツラーよりも前にこの物語を計画していたと主張しましたが、シベリウス自身は「この仕事を引き受けたために神経がぼろぼろになった」と日記に記すほど消耗していたようです。しかし、この音楽は見事なもので、弦楽器中心のオーケストラをバックに独奏ヴィオラが活躍、そこにチェロが絡みながら、明快な情景を描き出していくのです。しきりに現れる舞曲が印象的で、時にはスペイン風のボレロのリズムを刻んでみたり、幻想的なゆったりとした音楽になったりと、変幻自在です。そして、その響きは常にシベリウスのもの。まるでオペラのように物語と音楽が融合した壮大な作品となっています。
NAXOS-8.573521(1CD)
フローラン・シュミット:アントニーとクレオパトラ他
アントニーとクレオパトラ(1920)〜シェークスピアの悲劇からの6つの交響的エピソードによる2つの組曲
アントニーとクレオパトラ第1組曲Op.69a
アントニーとクレオパトラ第2組曲Op.69b
交響的練習曲「幽霊屋敷」Op.49
バッファローPO
ジョアン・ファレッタ(指)

録音:2015年3月5-9日USAニューヨーク,バッファロー,クレインハウス・ミュージック・ホール
パリ音楽院でマスネとフォーレに師事し、1900年にはローマ大賞を受賞。ピアニストとしても優れた才能を持ち、ワーグナー愛好家でもあったというフローラン・シュミット(1870-1958)。彼の作品には独自のスタイルがあり、精緻な筆致による管弦楽は、後の作曲家たちに強い影響を与えています。この「アントニーとクレオパトラ」は幕間にバレエの情景を持つ劇音楽で、1920年にパリ・オペラ座で上演された際にクレオパトラ役を踊ったイダ・ルビンシュタイン(後にラヴェルに「ボレロ」を依頼したダンサー)は神秘的な姿で観客を魅了したと言われています。この組曲は、初演後にシュミット自身が名場面を選び出し、刺激的な音楽を付けたものです。印象派風の響きと、リヒャルト・シュトラウスを想起させる激情的な音が融合した、豊かな色彩を持つ音楽です。「幽霊屋敷」はマラルメがフランス語に翻訳したエドガー・アラン・ポーの詩からインスピレーションを得たもので、詩の持つ不可解なニュアンスが的確に描き出された、いかにもシュミットらしい神秘的な作品です。バッファロー・フィルの厚みのある音色は理想的なシュミットの音楽を創り上げています。
NAXOS-8.559745(1CD)
スーザ:吹奏楽のための作品集第15集
魅惑の王子(1928)/ドナウ渡河Op.36(1877)
バンド・ケイム・バック(H.クラーク編)(1895/1926)*
マグナ・カルタ(1927)
クリスと不思議なランプ:第2幕-エレクトリック・バレエ(1899)*
リージョナーズ(1930)
.ショパン:夜想曲第11番ト短調Op.37-1(J.P.スーザ編)*
ヴォランティアたち(1918)
喜歌劇「デジレ」(抜粋)(1884/1894)*
ご婦人方のお気に入り(1883)
グライディング・ガール-タンゴ(1912)
ベン・ボルト(1883)
ヨークタウン100周年祝祭行進曲(1881)
※K.ブライオンによる吹奏楽編…2.5.7.8.9.10.12.13
H.クラーク,K.ブライオンによる吹奏楽編…3
L.シッセルによる吹奏楽編…11

オランダ王立海軍軍楽隊
キース・ブライオン(指)
*…世界初録音
“マーチ王”フィリップ・スーザ(1854-1932)の膨大な作品をくまなく録音している指揮者ブライオンによる第15集のアルバムはオランダ王立海軍軍楽隊を率いての演奏です。今作にも世界初録音の曲が含まれるなど、ファンにとっても嬉しいものとなっています。20世紀末前後のアメリカで、驚くべき人気を得たスーザ・バンドは7年間で3500回ものコンサートをこなしながら常にレパートリーを拡大し、また楽器編成もハープを加えるなど多彩なものとなっていきます。時には社会情勢を反映し、時々のエピソードも盛り込みながら書かれた行進曲やオペレッタは実にユニークで洗練されたものであり、こんなことまで題材にするのかと驚いてしまうのではないでしょうか?トラック7の「ショパンの夜想曲」の吹奏楽版の編曲では、舞台裏に金管楽器を配置し、夢のような響きを紡ぎだしていますし、収録曲の中で一番長い(13分を越える)トラック3の「バンド・ケイム・バック」には「幻想的エピソード」の副題がつけられていて、途中には聞き覚えのあるメロディがいくつも聞こえてくるなど凝った作りになっています。
NAXOS-8.559773(1CD)
ジョン・ケージ:フルート作品全集第1集
龍安寺(フルート、打楽器とテープ版)(1894)
Two(1987)
フルー二重奏のための3つの小品(1935)
2人のための音楽(K.ゼンツ編曲によるフルートとピアノ版)(1984/1987)*
カトリーン・ゼンツ(Fl)
ウーヴェ・グロット(Fl)
マキシム・マンコフスキ(パーカッション)
ルドヴィク・フリショー(P)
シャラ・イアコビドウ(P)

録音:2013年3月26日,5月8.9日ギリシャアテネ,オナシス・カルチャー・センター
*…世界初録音
東洋思想を愛し、沈黙を考察し、内なる響きに耳を傾けた人、ジョン・ケージ(1912-1992)。彼の飽くなき探究心から生まれた特異な「音楽」は、21世紀の現在でも論争を巻き起こし、また彼に追随する人も後を絶ちません。彼の“音の出る”代表作の一つ「龍安寺」は、切り詰めた音の隙間から感じられる無限の空間と、極限の禅の精神を具現化したものとされるもので、ここからは実際の砂の流れを感じるもよし、人生の侘び寂びを感じるもよしと、それぞれの捉え方ができる作品です。ナンバー・ピースと呼ばれる作品群ははたくさんのヴァリエーションがあり、このフルートとピアノ版の「TWO」が記念すべき第1作となったものです。3つの音だけで構成されたフルートパートと、シンプルな和音を置いていくピアノパートが幽玄な世界を描き出します。初期の作品である「3つの小品」はケージらしからぬ旋律的な作品。2人のための音楽は、「Musicfor…」のシリーズの中の一作品。スコアはなく、音声や楽器のための17の部分から構成されており、各部は沈黙と静寂が支配するという観念的な作品です。このような作品は、理解するのではなく感じるものなのかもしれません。
NAXOS-8.559788(1CD)
ウィリアム・ボルコム:ロルカの歌/プロメテウス
ロルカの歌(2006)
プロメテウス(2009)
ルネ・バーベラ(T)
ジェフリー・ビーゲル(P)
パシフィック・コラール
パシフィックSO
カール・セント・クレア(指)

録音:2013年10月24-26日、2010年11月18-20日 USAカリフォルニア,コスタ・メサルネ・ヘンリー・セーゲルストローム・コンサート・ホール
ピューリッツァー賞と複数のグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家、ウィリアム・ボルコム(1938-)はラグタイムをはじめとした親しみやすい音楽を多く書いています。しかし彼は音楽学者でもあり、またクラシック音楽の作曲家としても高名であり、例えば「ゴスペル・プレリュード」(8.559695)や2台ピアノのための音楽集(8.559244)などでの豊かな音楽は確かにジャンルを越えて愛されるものなのです。とは言え、ここでのボルコムは極めてシリアスな表情を見せています。日本でも人気の高いスペインの詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカの作品は多くの芸術家に広範に渡ってインスピレーションを与えていますが、ボルコムはロルカの詩を音楽にするにあたって、名歌手プラシド・ドミンゴに協力を求め、議論を重ね、最もふさわしいと思える音楽をつけたと言います。シュールなユーモア、情熱とミステリー。これらが渾然一体となった印象的な歌曲集です。また古代の伝説から題材を得た「プロメテウス」はベートーヴェンの「合唱幻想曲」を思わせるピアノ、合唱、オーケストラのための作品です。人類に火を与えたため、ゼウスから限りない苦悩を与えられたプロメテウスを描いたというこの作品には、様々な示唆が込められているのです。
NAXOS-8.573256(1CD)
ボニファツィオ・グラツィアーニ:オラトリオ「アダエ(アダム)」/「放蕩息子」他
モテット集Op.24-おお、奇跡よ
モテット集第6巻Op.20-幸いなるかな、心清き者
サクラ・カンティオーネス第6巻Op.19-子らよ、私に聞き従え
モテット集Op.24-誰がわが頭を濡らすか
モテット集Op.1-何という感じがするのだろう
オラトリオ「アダエ(アダム)」第1部
オラトリオ「アダエ(アダム)」第2部
オラトリオ「放蕩息子」第1部
オラトリオ「放蕩息子」第2部:
コンソルティウム・カリッシミ(アンサンブル)
ギャリック・コモー(指)

録音:2014年7月21-25日アメリカミネソタ州シャコピー
※世界初録音
17世紀頃、ローマ・カトリックの教会では毎週新しい典礼音楽が演奏されていました。いくつかの声部と楽器を伴う曲は、複雑な書法で書かれ、演奏もかなり困難なものであったことは間違いありません。そのため、これらを演奏するための練習用として小規模なモテットが多く書かれたのです。グラツィアーニ(1604-1674)はミラノで生まれた作曲家で、1646年にイエズス会の母体ジェス教会の関連教会セミナリオ・ロマーノの楽長に就任、オルガンを弾きながら合唱団を指揮、多くの作品を書き残しました。彼の作品は、同時期に活躍したカリッシミのものと似ていますが、それはグラツィアーニが5歳のときに、カリッシミの住むマリーノに移住したことも影響しているかもしれません(2000人ほどの小さな町の同年代の音楽を志す少年たちは、恐らくお互いに影響しあったことでしょう)。このアルバムでは、前述のような小さなモテットと、これまで存在が確認されていなかった2つのオラトリオを聴くことができます。コンソルティウム・カリッシミによる、この「隠れたバロック作曲家」の演奏は、この時代の音楽を愛する人にとってまたとない贈り物になることは間違いありません。
NAXOS-8.573324(1CD)
ヴィヴァルディ:宗教音楽全集第4集
怒り狂う海の中でRV627
イスラエルの民エジプトをいでRV604
あなた方の聖なる君主のためにRV633
主をほめ讃えよRV606
不屈の者たちよ、戦えRV628
われ喜びに満てりRV607
おお、天に
ても地にても清きものRV631
クレール・セヴィーニェ(S)
マリア・ソウリス(Ms)
アラディア・アンサンブル
ケヴィン・マロン(指)

録音:2014年4月28-30日カナダトロント,聖アン・アングリカン教会
ヴェネツィアで生まれ、ウィーンで没したバロック時代の大作曲家ヴィヴァルディ(1678-1741)。多くの人はヴァイオリン協奏曲「四季」を書いた人として認識しているでしょうが、実は膨大な数の作品を残しているのです。それは500を越える協奏曲、歌劇は52作を以上、他にもたくさんの室内楽曲やソナタがあり、そしてとりわけ重要なのがオラトリオや40曲ほどのカンタータなどの宗教作品です。これらの宗教曲のほとんどは、彼が司祭を務めていたヴェネツィアのピエタ慈善院付属音楽院のために書かれたものとされていますが、高いテクニックを必要とする声楽パートは、当時の女性歌手がすばらしい技術を持っていたことの証明でもあります。宗教曲の体裁をとりながらも、実際はまるでオペラのアリアのように表現力を駆使した華麗な作品は、現在でも歌いこなすには大変なことであり、広い声域とメリスマ(歌詞の母音に多くの装飾的な音符を当てはめて歌わせる作曲技法。オペラでは「コロラトゥーラ」とも呼ばれる)を歌いこなす技術を持った歌手でないと完璧な演奏にはなりません。この鮮やかで劇的な音楽は、教会の中だけでなく広く聴かれるべきものでしょう。
NAXOS-8.573339(1CD)
ヴュータン:ヴァイオリン作品集
独奏ヴァイオリンのための36の練習曲Op.48(抜粋)<第6番:物語:アレグレット・モデラート/第7番:苦痛:アジタート/第25番:タランテッラ:ヴィヴァーチェ/第27番:アジタート/第28番:モデラート/第32番:コレッリのガヴォットによる変奏曲:モデラート>
6つの小品Op.55
3つのサロン風小品Op.32-第3番狩り(ヴァイオリン・ソロ版)
演奏会用練習曲Op.16
レート・クッペル(Vn)

録音:2014年3月1日、2014年4月7日、2014年7月24日 ドイツライプツィヒ,ベザニエン教会
ベルギーのヴァイオリニスト、作曲家アンリ・ヴュータン(1820-1881)は、ピエール・ローデ、シャルル・ド・ベリオといったフランスのヴァイオリン音楽の潮流を受け継ぐ名手として知られています。彼の師のベリオと同じく、主としてヴァイオリンのための作品を残し(弦楽四重奏曲なども存在する)中でも7曲のヴァイオリン協奏曲は、独創的な作風が現在でも愛されています。このアルバムに収録されているのは、技術を磨くための練習曲が中心ではありますが、これらは単なるテクニックの上達を目指すのではなく、高い音楽性と表現力を養うためのものでもあることは間違いありません。Op.48の練習曲はパリ音楽院に献呈されていて、彼自身の手引きの言葉が添えられています。1845年に書かれたOp.16の練習曲は若書きの作品であり、作曲技法を磨こうとするヴュータンの努力のあとも垣間見える力作と言えるでしょう。それに比べ、死後に出版されたOp.55の6つの小品は彼のキャリアの最終段階の円熟を示すもので、まさに「バッハへのオマージュ」とも呼べる高い完成度を誇っています。緊張感漲るヴァイオリンを演奏するのは、1997年から2013年までバイエルン放送SOのコンサートマスターを務めたドイツの名手クッペルです。
NAXOS-8.573404(1CD)
ユゼフ・ヴィエニャフスキ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ユゼフ・ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン・ソナタ.ニ短調Op.24(1866頃)
ユゼフ・ヴィエニャフスキ&ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835-1880):ソナタのアレグロト短調Op.2(1848)
ユゼフ&ヘンリク・ヴィエニャフスキ:ポーランド風大二重奏曲ト長調Op.8(1853)
リフ・ミグダル(Vn)
マリアン・ミグダル(P)

録音:2014年10月8-10日ドイツオスナブリュック,ファットーリア・ムジカ・レコーディング・スタジオ
ポーランドが生んだ名ヴァイオリニスト、ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1837-1912)は作曲家としても数々の名作を残しましたが、彼の弟ユゼフもまた優れた音楽家として当時の音楽界に足跡を残しました。彼はヴァイオリンではなくピアノを選択し、活動の初期は兄ヘンリクとともに演奏活動をしていましたが、やがて独立。ヴィルトゥオーゾとしてヨーロッパを演奏旅行し、自作のほか、数多くの協奏曲、独奏曲を演奏したのです。フランツ・リストによれば、難曲として知られるショパンの練習曲全曲の初の公開演奏をしたとされていて、このエピソードだけでも彼がどれほどまでに、先進的なピアニストであったかを伺い知ることができるのではないでしょうか。このアルバムには、彼自身のヴァイオリン・ソナタと兄ヘンリクとの共作である2つの小品(アレグロはユゼフ11歳のときの作品)が収録されています。メインのソナタは、冒頭からキャッチーなメロディが炸裂。凝ったピアノ・パートと華やかなヴァイオリン・パートが互いに高めあうかのような充実した作品となっています。
NAXOS-8.573416(1CD)
ヒル:弦楽四重奏曲集第6集第15番-第17番
弦楽四重奏曲第15番イ短調(1937)
弦楽四重奏曲第16番変ロ長調「ケルティック」(1938)
弦楽四重奏曲第17番ハ長調(1938)<
ドミニオンSQ<メンバー:ユーリ・ゲゼンツヴェイ(第1Vn)/ローズマリー・ハリス(第2Vn)/ドナルド・モーリス(Va)/デイヴィッド・チッケリング(Vc)>

録音:2014年5月5-6日,9月1日ニュージーランドウェリントン,パーク・ロード・ポスト
オーストラリアが生んだ作曲家アルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の17曲ある弦楽四重奏曲の全曲録音ツィクルスは、このアルバムが最終巻となります。彼は2歳から17歳までニュージーランドで過ごし、その後はライプツィヒに留学、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーら当時の音楽を吸収しました。彼はここでピアノとヴァイオリンを学び権威ある「ヘルビッヒ賞」を獲得、またオーストラリアに戻り、ニュージーランドを行き来しながら、ヨーロッパの伝統と、この地の音楽の融合を図り、時にはマオリの民謡を取り入れながら、数多くの作品を生み出したのです。このアルバムには第15番から第17番の3つの作品が収録されています。彼が探求したものが表出された作品群で、民俗的な要素が含まれる(シューベルト風でもある)第15番、タイトル通り「ケルト民謡」が使われた第16番(とりわけ終楽章が素晴らしい)、全体的に陰鬱な雰囲気に彩られながらも、終楽章でドヴォルザークを引用するという第17番。歴史に取り残された秀作がここにあります。
NAXOS-8.573506(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/アリ・アランゴギター・リサイタル
レオ・ブローウェル(1939-):儀式と祝祭の舞曲集第1集(2012-2014)
 黒いデカメロン(1981)
ホアキン・クレルチ(1965-):アヌラールのための練習曲第4番(2015)
デヴィッド・デル・プエルト(194-):幻想曲とロンド(2013)
アリ・アランゴ(1982-):生け贄(2011)
アランゴ:アイソクロナスの直方体とパナクロのらせん(2008)
アランゴ:春分の情景(2006)
 ルーアの子守歌(2014)
パコ・デ・ルシア(1947-2014):ルシアのグァヒーラ(1969)
アリ・アランゴ(G)

録音:2015年7月5.6日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
1982年、キューバの首都ハバナで生まれたギタリスト、アリ・アランゴは2014年のアルハンブラ国際ギターコンクールをはじめとした数々のコンクールで入賞しています。また彼はすでに優れた作曲家として活動し、スペインやラテンアメリカの伝統とイディオムを継承する作品をいくつも発表しています。もともと20世紀に活躍したギタリストたちは、同時にこの楽器そのものを熟知している作曲家でした。そこで自身で演奏するために高い技術を駆使した作品を書きあげ、ギター音楽の発展に寄与してきたのです。ここでのアランゴはまさにギターと一体になったかのような見事な音楽を聴かせています。それはブローウェルの作品であれ、パコ・デ・ルシアの作品であれ、また彼の娘ルーアのために書いた子守歌であれ、どの曲にも渾身の愛情を込めているのです。時には激しく、時にはまるで愛しい人を愛撫するように、彼の手はギターをかき鳴らします。
NAXOS-8.660372(2CD)
ピエトロ・ジェネラーリ:1幕のメロドラマ「アデリーナ」 アデリーナ…ドウシツァ・ビジェリク(S)/ヴァルナー:アデリーナの父…ガブリエーレ・ナーニ(Br)/エルネヴィッレ:アデリーナの恋人…グスターヴォ・クァレスマ・ラモス(T)/カルロッタ:アデリーナの姉…シルヴィア・ベルトラーミ(Ms)/シモン:隣人で村の教師…エリアー・ムニョス(Br)/フィルミーノ:エルネヴィッレの使用人…ウーゴ・ラベック(Bs)/エリセオ・カストリナーニョ…フォルテピアノ/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/ジョヴァンニ・バッティスタ・リゴン(指)

録音:2010年7月14.16.24日ドイツ、バード・ヴィルトバード、ケーニヒライヒェ保養地劇場(ヴィルトバード,ロッシーニ音楽祭のプロダクションによる演奏)
※世界初録音
歴史に埋もれていた名作を蘇演することで知られるヴィルトバードの「ロッシーニ音楽祭」のプロジェクトです。ロッシーニがオペラ作曲家として正式にデビューを飾った1810年、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場の秋のシーズンで大ヒットを記録したのが、このジェネラーリ(1773-1832)の「アデリーナ」でした。当時のイタリアでは1幕物のファルサ(笑劇…1幕の楽しい内容を持つオペラ)が流行していましたが、この「アデリーナ」は少々センチメンタルな内容を持つため「メロドラマ」に分類されています。恋人に捨てられ妊娠している少女というだけで、確かに深刻な内容になることは想像に難くありません。最初のうちは、彼女の父はアデリーナを赦す事はないように思えましたが、姉や教師らのおかげで、恋人であるエルネヴィッレとやり直すことにし、生まれてきた子供も含めて、全てが丸く収まるというひたすら優しい結末の物語です。もし、最後がハッピーエンドで終わらなかったとしても、それはそれで素晴らしいものなっていそうなオペラです。

NAXOS-8.111402(1CD)
ジョン・マッコーマック録音集 第11集
《グラモフォン・カンバニーへの録音》
1.ブラームス:6つのリートOp.97-第5曲早くおいで(テイク1)/2.ブラームス:6つのリートOp.97-第5曲早くおいで(テイク2)/3.ブラームス:6つのリートOp.86-第2曲野の寂しさ/4.楽しい安らぎが(W.A.モーツァルトのK.152/210aの声楽とピアノ編)(テイク1)/5.楽しい安らぎが(W.A.モーツァルトのK.152/210aの声楽とピアノ編)(テイク2)/6.ブリッジ:ああ、それはそうだった/7.ラフマニノフ:12の歌Op.21-第7曲ここはすばらしい場所/8.リヒャルト・シュトラウス:4つの歌Op.27,TrV170-第4曲あすの朝(声楽、ヴァイオリンとピアノ編)/9.ラフマニノフ:15の歌Op.26-第10曲私の窓辺に(声楽、ヴァイオリンとピアノ編、英語歌唱)(テイク1)/10.ラフマニノフ:15の歌Op.26-第10曲私の窓辺に(声楽、ヴァイオリンとピアノ編、英語歌唱)(テイク2)/11.ラフマニノフ:15の歌Op.26-第10曲私の窓辺に(声楽、ヴァイオリンとピアノ編、英語歌唱)(テイク3)/12.ラフマニノフ:15の歌Op.26-第7曲子どもたちに/13.ラーチェット:パドレイク・ザ・フィドラー(テイク2)/14.ラーチェット:パドレイク・ザ・フィドラー(テイク3)/15.ムーア:アイルランド歌曲集第6集-第12曲渚から眺めていた(テイク1)/16.ムーア:アイルランド歌曲集第6集-第12曲渚から眺めていた(テイク3)
《ビクター・トーキング・マシーン・カンパニーへの録音》
17.バーリン:アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド-オール・アローン(テイク1)/18.バーリン:アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド-オール・アローン(テイク2)/19.フリムル:ローズマリー
《付録》
20.ロッシーニ:音楽の夜会-第11曲セレナータ「白銀の月を眺めて」(未発表テイク)/21.ピアンタドーシ:微笑みで私を送って(未発表テイク)/22.ヒルシェ:オブライエンの少女-笑ってごらん(未発表テイク)/23.サンダース:古い都の小さな街(未発表テイク)
ジョン・マッコーマック(T)
フリッツ・クライスラー(Vn)…8-16
エミー・ディスティン(S)…20
エドウィン・フィッシャー(P)…1-16
スタジオ・オーケストラ
ナタニエル・シルクレット(指)…17-19
ピーター・ピット(指)…20
エドワード・キング(指)…21
ヨーセフ・A・パステルナック(指)…22-23
ロザリオ・ブールドン(指)…1.2.9-16

録音:1924年ウォード・マーストン復刻
1884 年にアイルランドで生まれたマッコーマック は、最初公務員を目指していましたが、ダブリンの教会で聖歌隊に参加したとき、自らの音楽への探究心に火がついたと言い ます。その後猛勉強を続け、オペラにデビューするも、やがてはコンサート歌手として活躍することを決意します。多くの歌 曲を当時のSP レコードに録音し、それを復刻した何枚ものアルバムが発売されていますが、この録音集のユニークなところ は、同じ曲の別テイクが収録されているところでしょうか。現代のような録音技術(編集技術)もなかった時代、1 回ごとのテ イクに漲る緊張感といったら、それは言葉では尽くせないものです。実際に使われたのがどのテイクなのかわからないものも ありますが、どのテイクにも真摯な魂が込められていることは間違いありません。クライスラーが参加している曲や、エドウ ィン・フィッシャーがピアノ伴奏をしている曲、そして4 つの未発表テイクも含まれた、ファンにとっても嬉しい1 枚です。

NAXOSスタンダード 2015年11月発売

NAXOS-8.501111(11CD)
ショスタコーヴィチ:交響曲全集
《CD1…NAXOS-8.572396》
1-4.交響曲第1番ヘ短調Op.10(1924-1925)
5-10.交響曲第3番変ホ長調「メーデー」Op.20(1929)
《CD2…NAXOS-8.572708》
1-3.交響曲第2番ロ長調「十月革命に捧ぐ」Op.14
4-7.交響曲第15番イ長調Op.141
《CD3…NAXOS-8.573188》
1-3.交響曲第4番ハ短調Op.43
《CD4…NAXOS-8.572167》1-4.交響曲第5番ニ短調Op.47
5-9.交響曲第9番変ホ長調Op.70
《CD5…NAXOS-8.572658》
1-3.交響曲第6番ロ短調Op.54
4-7.交響曲第12番ニ短調「1917年」Op.112
《CD6…NAXOS-8.573057》
1-4.交響曲第7番ハ長調「レニングラード」Op.60
《CD7…NAXOS-8.572392》
1-5.交響曲第8番ハ短調Op.65
《CD8…NAXOS-8.572461》
1-4.交響曲第10番ホ短調Op.93
《CD9…NAXOS-8.572082》
1-4.交響曲第11番ト短調「1905年」Op.103
《CD10…NAXOS-8.573218》
1-5.交響曲第13番変ロ短調「バビ・ヤール」Op.113
《CD11…NAXOS-8.573132》
1-11.交響曲第14番ト短調「死者の歌」Op.135
アレクサンドル・ヴィノグラードフ(Bs)…CD10.11
ガル・ジェイムズ(S)…CD11
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニーCho…CD2.1-3
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー合唱団男声セクション…CD10
ハダースフィールド合唱協会…CD10
ロイヤル・リヴァプールPO
ヴァシリー・ペトレンコ(指)

録音:2009年7月28-29日…CD1.1-4
2008年6月22-23日…CD1.5-10
,2011年6月14日…CD2.1-3,2010年10月26-27日…CD2.4-7,
2013年2月9-10日…CD3,2008年7月7-8日…CD4.1-4,
2008年7月29-30日…CD4.5-9,2010年6月23-24日…CD5.1-3,
2009年7月28-29日…CD5.4-7,
2012年6月1-3日…CD6,
2009年4月6-7日…CD7,
2009年9月11-12日…CD8,
2008年4月22-23日…CD9,
2013年9月27-29日…CD10,
2013年5月4-5日…CD11
UKリヴァプールフィルハーモニック・ホール
1976年、サンクトペテルブルクに生まれたヴァシリー・ペトレンコは、その地の音楽院
でイリヤ・ムーシンをはじめ、ヤンソンス、テミルカーノフ、サロネンら錚々たる指揮者たちに指導を受け、その才能を伸び伸びと開花させました。もちろんいくつものコンクール受賞歴を持ち、世界中のオーケストラを指揮し、喝采を浴びています。そのペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲全集の登場です。分売時から「多くの人がこれまで抱いていたショスタコーヴィチのイメージを覆す革新的な演奏」として高く評価されているものです。21世紀のスタンダードとして、一家に1セット。
NAXOS-8.572842(1CD)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(ヨハン・ネポムク・フンメルによる室内楽版)
交響曲第36番ハ長調「リンツ」
響曲第35番ニ長調「ハフナー」
交響曲第41番ハ長調「ジュピター」
ウヴェ・グロット(Fl)
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
マルティン・ルンメル(Vc)
ローランド・クリューガー(P)

録音:2012年7月9-10日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
おなじみ、フンメル(1778-1837)の室内楽版編曲によるモーツァルト(1756-1791)の交響曲です。第1集(第38番-第40番…NAXOS-8.572841)でもその機動力の高さと緊密なアンサンブルが好評であった4人の名手たちですが、今作では一層充実した音楽を聴くことができます。一度味わうと病みつきになってしまうのがこのシリーズで、編成を小さくすることでとにかく曲の構造や、モーツァルトの信念のようなものがくっきりとわかるのが楽しいのです。これらの編曲はフンメルがヴァイマールの宮廷楽長として働いていた1823年から1824年頃に作られたもので、彼が幼い頃に師事していたモーツァルトに対する深い賛辞でもあるのです。フンメルはピアノ、フルート、ヴァイオリンとチェロのための作品を50曲以上残しましたが、モーツァルトの交響曲編曲は、全部で6曲のみなのが残念なところです。彼は時代の変遷も考慮し、モーツァルトのスコアにないクレシェンドやピアニシモを付け加え、また装飾なども変更しています。交響曲第40番における小節の追加など、現在の楽譜とは異なる箇所もあり、混乱を招くかもしれませんが、このあたりは研究家たちによっていずれは精査されることでしょう。
NAXOS-8.573300(1CD)
シベリウス:劇音楽「ベルシャザール王の饗宴」他
序曲ホ長調JS145(1891)
バレエの情景JS163(1891)
劇音楽「ベルシャザール王の饗宴」JS48(1906)
アドルフ・パウルの劇「鳥の言葉」-第3幕結婚行進曲JS62(1911)
行列JS54(1905)
メヌエットJS127(1894)
行列聖歌Op.113,No.6(1938)
ピア・パヤラ(S)
トゥルクPO
レイフ・セイゲルスタム(指)

録音:2014年1月20-24日フィンランドトゥルク・コンサートホール
もともと旧約聖書の「ダニエル書」に登場するエピソードの一つであった「ベルシャザールの酒宴」の物語は、ユダヤの神を冒涜したバビロニア王ベルシャザールが、神罰によって倒されるというもの。このシベリウス(1865-1957)の作品は、フィンランドの詩人で彼の友人であったプロコペの劇のために書かれたもので、当時「交響曲第3番」を作曲していたシベリウスですが、こちらを中断してまでもこの劇音楽に集中し、いくつかの“最も美しい旋律”を含む素晴らしい作品を書き上げたのです。バビロン討伐の陰謀に加担するユダヤ人女性レシャナーは、短剣を片手にベルシャザール王の帰還を待っています。しかし彼女に魅了された王は、彼女を我が物にするために宮殿内に招き入れるのです。饗宴で「生」と「死」のダンスを踊るのはユダヤの少女カドラ。彼女の踊りの部分は、後に組曲として編纂されたときに「カドラの踊り」として一つに纏められます。なかなか全曲として聴く機会はありませんが、少しオリエンタル風味も感じられる興味深い作品です。他には、初期の作品「序曲」「バレエの情景」など珍しい曲が収録されています。
NAXOS-8.573341(1CD)
シベリウス:劇付随音楽「白鳥姫」・「とかげ」他
《劇付随音楽「白鳥姫」JS189(1908)》
第1幕<Largo:はるか彼方からの角笛の合図/Comodo:静かに鳩よ、わたしの王子様がやってくる/Adagio:白鳥は過去を飛ぶ>
第2幕<Lentoassai:さあ、今ハープを弾きましょう/Adagio:白い白鳥は過去を飛ぶ/Lento?Comodo?Lento?Allegro:白鳥姫の母/Andantino:ハープは沈黙し、すぐに新たなメロディを奏でる/Andante:他の場所に/Lento:継母-花嫁はどこに/Moderato:金の雲は赤いバラになる>
第3幕<Allegretto:白鳥姫/Largamente:城の火事/Adagio:今こそハープを/Largamentemolto:感謝と賛辞は全ての者を跪かせる>
劇付随音楽「とかげ」Op.8(1909)(弦楽オーケストラ版)<第1場:Adagio/第2
場:Grave>
孤独なシュプールJS77b(1948)
メロドラマ「伯爵夫人の肖像」JS88(1905)
リホ・エークルンド(朗読)
トゥルクPO
レイフ・セイゲルスタム(指)

録音:2014年2月5日…1-14,
2014年9月10日…15-16,
2014年2月6日…17,
2014年1月24日…18
フィンランドトゥルク・コンサートホール
シベリウス(1865-1957)の劇音楽の中でも比較的地味な存在である「白鳥姫」が生まれたきっかけは、1905年にメーテルランクの戯曲「ペレアスとメリザンド」のヘルシンキ初演でした。これはシベリウスが曲を付けたものでしたが、劇で主役のメリザンドを演じたハリエット・ボッセの夫、ストリンドベリがこの音楽に大感激したことで、自作の劇「白鳥姫」にも音楽を付けてほしいとシベリウスに懇願。しかしストックホルムで初演が叶わず、結局はスウェーデンの劇場が介入し、改めてシベリウスに作曲を依頼し、1908年にようやく初演が行われたというものでした。ストリンドベリはこのお話に様々なおとぎ話の要素を取り入れたため、中心となるのは白鳥姫と魔女である継母の確執であり、王子とのロマンスというある意味普遍的な(よくあるとも言う)作品になってしまったのは、仕方ないことなのでしょう。シベリウスはこの劇に普段の作風とはちょっと違う、グリーグ風の音楽を付けています。通常は組曲版が演奏されますが、やはり全曲を聴くことでシベリウスの本意が伝わるはずです。他には、あくまでも劇音楽として完結しているためコンサートでは演奏されることのあまりない「とかげ」と、2つの朗読劇が収録されています。
NAXOS-8.573400(1CD)
ボリス・ギルトブルグ(P)
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
ボリス・ギルトブルグ(P)
録音:2015年1月26-28日UKモンマスウィアストン・レイズコンサート・ホール
期待のピアニスト、ボリス・ギルトブルグによるNAXOSレーベルへの2枚目のアルバムは、ベートーヴェン(1770-1827)のソナタ集です。いつもジャケットの写真では少し気難しそうに見える彼なのですが、実はとてもお茶目で気さくな人。来日時にも極めて人懐こい表情を見せていたのですが、このベートーヴェンでもそんな彼の性格を垣間見せているようです。このアルバムでは、初期、中期、後期の3つの代表的なソナタを聴く事ができますが、実はどの曲も「ハ調」が基本となっていることにお気づきでしょうか?情熱的な「悲愴」、流麗で堅固な「ワルトシュタイン」、そしてベートーヴェンの最高傑作である第32番の第2楽章での解き放たれたかのような自由な魂の飛翔とかすかな微笑み…。見事な表現力と技術に裏打ちされた名演がここにあります。
NAXOS-8.559784(1CD)
エレアノール・コーリー:Things Are‐ものがあり(2011)
弦楽四重奏曲第3番(2009)
祝婚歌(1973)
ヴァイオリン・ソナタ第1番(2012)
祝辞(2008)/幻想曲(1991)
ジェイン・ローゼンフェルド(Fl)
スティーブン・ゴスリング(P)
モーメンタQ
カーティス・マコンバー(Vn)
ブレア・マクミラン(P)
カン・スーアン(Fl)
ウィリアム・アンダーソン(G)
ジェームズ・ベーカー(パーカッション)

録音:2009年11月24日ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ&レターズ
2011年9月21日ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ&レターズ
2014年2月24日ニューヨークパーチェス,パフォーミング・アーツ・センターコンサート・ホール
※世界初録音
アメリカの女性作曲家、エレアノール・コーリー(1943-)の作品集です。彼女の作品は全米だけでなく、世界中で演奏され、そのユニークでエレガントな作風が絶賛されています。その作品には基本的に無調が採用されていますが、時にはジャズの風味を効かせたり、流れの中でタンゴになったりと、時にはっとするような美しい瞬間が組み込まれていたりします。冒頭の作品、フルートとピアノのアンサンブルである「ThingsAre-ものがあり」でも、不定形な和声の中に瞬間的に降りてくる親しみやすい旋律を見つけることが快感に変わるでしょう。3楽章形式を持つ「弦楽四重奏第3番」の第1楽章に現れるフーガはまるでウェーベルンのような雰囲気を持っていますし、自身のために書いたという「祝婚歌」はフルートの自由自在なパッセージに耳を奪われます。抒情的なヴァイオリン・ソロに導かれる「ヴァイオリン・ソナタ」での予想外の展開も面白く、やはりジャズと無調の融合である「ピアノのための祝辞」や「幻想曲」の浮遊する響きもたまりません。
NAXOS-8.55979(1CD)
ウォルター・ソウル:作品集
オーボエと管弦楽のためのラプソディ「キエフ2014」(2014)
ヴァイオリン協奏曲(1980)
祝典序曲(1997)
「大きな命への生命」より(1978)
クリスマス交響曲(1992)
変容(1974)
リュウ・ロンフェ(Ob)
ジェームズ・バスウェル(Vn)
ウォルター・ソウル(P)
ウクライナ国立SO
テオドール・クチャル(指)

録音:2014年12月18.20.21日ウクライナキエフ,ウクライナ国立放送大ホール
デューク大学とイーストマン音楽学校で学んだ作曲家、ピアニスト、ウォルター・ソウル(1954-)の作品集です。彼の作品には独自の宗教性が宿っていて、例えばこのアルバムに収録された「クリスマス交響曲」も、よくある華やかさや喜びの追求だけではなく、キリスト降誕にまつわる4つの重要な情景が静かに描かれているのです。「キエフ2014」は激動のウクライナに向けて書かれた最新作で、虐殺された者への哀悼、紛争を乗り越えるための希望と、キリストへの信仰が仄めかされ、最後には高らかな勝利への賛歌が奏されるのです。「ヴァイオリン協奏曲」にも三位一体やキリストの12使徒などが暗示され、やはり最後は複雑なフーガで大いなる神への賞賛を表現しています。奴隷制度廃止に尽力した第6代アメリカ大統領ジョン・クインシー・アダムスを讃えての「祝典序曲」でも神への感謝が示されるなど、全てにおいて彼の作品は、神と一体化しているのです。
NAXOS-8.572457(1CD)
ヨアヒム・ニコラス・エッゲルト:交響曲第1番&第3番他
付随音楽「スペインのムーア人、もしくは幼年時代の選択」-序曲*
交響曲第3番変ホ長調(1807)*
付随音楽「スヴェント・スチューレとマルタ・レイヨンフーヴッド」(1812)
交響曲第1番ハ長調(1804頃-1805)
イェヴレSO
ジェラール・コルステン(指)

録音:2009年11月23-27日
2014年3月10-14日スウェーデンイェヴレ・コンサートホール
*以外=…世界初録音
ドイツで生まれ、スウェーデンで活躍した古典派の作曲家と言われて、ヨーゼフ・マルティン・クラウスの名前が思い浮かぶ人はかなりの音楽通でしょう。しかし、さらにニコラス・エッゲルト(1779-1813)の名前までを知っている人はまずいないのではないでしょうか。そんなエッゲルトは、ドイツのバルト沖に浮かぶリューゲン島の靴屋の息子として生まれました。11歳になるまで教育を受けることはなく、ようやく地元のオルガニストが彼を引き取り、音楽理論、ヴァイオリン、鍵盤楽器、ハープを教えることとなります。その後は紆余曲折を経て、1803年にスウェーデンに到着、当時は既にマルティン・クラウスも世を去っていたため、彼は才能ある作曲家としてこの地で活躍することとなります。指揮者としても有能だった彼は、ストックホルムの聴衆にベートーヴェン、ハイドンのオラトリオやモーツァルトの魔笛などを次々と紹介していき、また自作も好評を持って迎えられたのです。このアルバムには彼の2つの交響曲と、劇音楽を収録。時にはメンデルスゾーンの雰囲気さえをも感じさせる見事な音楽には、感嘆するばかりです。
NAXOS-8.573054(1CD)
ピエール・ローデ:ヴァイオリン協奏曲第2番他
パイジェルロの「水車屋の娘」の「わが心もはやうつろになりて」による変奏曲
ヴァイオリン協奏曲第8番ホ短調Op.13
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調Op.4
序奏と華麗な変奏曲「チロルの歌」
※カデンツァはフリードマン・アイヒホルンによる
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
イェナPO
ニコラス・パスケ(指)

録音:2012年5月29日-6月2日ドイツイェナ,フォルクスハウス
※世界初録音
13歳でヴィオッティの弟子になり、師の技巧を存分に受け継いだというローデ(1774-1830)は、もちろん素晴らしいヴァイオリニストになり、多くの弟子たちを育て上げました。またウィーンでは、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番をルドルフ大公とともに初演したことでも知られています。そんなローデ、彼の作品の全てはヴァイオリンのために書かれており、中でも13曲のヴァイオリン協奏曲は古典派の協奏曲の大切なレパートリーとして現在でも大切にされています。第2番の協奏曲は彼の同僚でもあったクロイツェルに捧げられたもので、抒情的な導入部だけでも魅力的な作品です。もちろんヴァイオリンパートは入念に仕込まれ、常に滑らかで美しい歌を奏でなくてはいけません。第8番の協奏曲は彼の友人の歌手ジョセフィーナ・グラッシーニに捧られたもの。憂いに満ちた第1主題と、伸びやかな第2主題が特徴的な第1楽章は、まるでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を思わせる充実の作風を持っています。古典派の歌を勉強した人ならもれなく思い出すであろう「Nelcorpiu-うつろな心」のメロディはベートーヴェンを始めとした多くの作曲家たちが変奏曲の主題に用いていますが、このヴァイオリンの名手ローデもその中の一人。なんとも抒情的で技巧的な変奏が施された楽しい作品に仕上げました。「チロルの歌」の主題による変奏曲も、ヴァイオリンの名手でなくては書けない素晴らしい音楽です。
NAXOS-8.573062(1CD)
ペンデレツキ:夢の海は私に息吹を送った…ソプラノ、メゾ・ソプラノ、バリトンと混声合唱、オーケストラのための反映と郷愁の歌曲集《第1部:魔法の庭》
ケシ畑のこどもたち/神秘の木の下で/幸せの島のための要求/秋の森は赤く色づく/孤独な木/お告げの祈り
《第2部:夜に語るものは何?》7.夜の空
沈黙/夜に語るものは何?/夢の海は私に息吹を送った/静かな夜、青く色づく夜
《第3部:最期から2番目の日、最期の日、私はあなたと一緒にいました…》
レクイエム:ショパンのピアノ1
私はいくつかの遠き国を見る事ができる
ショパンのピアノ2
風が、秋の風が
もし私がワルシャワの戦いを忘れたら
コジト氏は彼の故郷に帰ることを考える
ショパンのピアノ3
ポトッカ伯爵夫人の墓
ポーランドの松の木-ショパンのピアノ4
お告げの祈り
オルガ・パシェチニク(S)
エヴァ・マルシニク(Ms)
ヤロスワフ・ブレク(Br)
ワルシャワ・フィルハーモニーCho
ワルシャワPO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2012年10月2.3.4.9日ポーランドワルシャワ・フィルハーモニック・コンサートホール
「すっかりロマン派の作風に回帰した」と言われるポーランドを代表する作曲家、ペンデレツキ(1933-)。多くの人はあの「ヒロシマ」の頃の鮮烈な音楽を知っているだけに、今の作風には違和感を覚えるのでしょう。しかし、今の彼の音楽がつまらないかと言われると、そんなことは全くありません。どの作品にも普遍の美しさが宿っているのです。この歌曲集は2010年のショパン生誕200周年の記念行事のために書かれたもので(初演の指揮はゲルギエフが担った)、作品としては「交響曲第8番」(NAXOS-8.570450)と同じ世界に属する夢幻的な響きを有しています。全体は大きく3部に分かれ、各々の曲にはロマン派と現代のポーランドの詩人の詩が用いられ、曲によって最もふさわしい声域で歌われるように工夫されています。切れ切れのショパンの音楽の残滓から、ほろ苦い郷愁を感じ取ることができるでしょうか。
NAXOS-8.573284(1CD)
マヌエル・ポンセ:ギター作品集第3集
ソナタ・メキシカーナ(1923)
ソナタ・クラシカ(フェルナンド・ソルへのオマージュ)(1928)
ギター・ソナタ第3番(1927)
ロマンティックなソナタ「シューベルトを讃えて」(1928)
アレクサンドル・ツボルスキー(G)

録音:2014年4月21-24日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソステム教会
20世紀前半のメキシコで活躍した作曲家でピアニストのマヌエル・ポンセ(1882-1948)。現在では彼の名は、あの愛らしい「エストレリータ(小さな星)」のみで知られているようですが、実は新古典派の作風によるいくつかの協奏曲や、このアルバムに収録されたギター曲など、優れた作品を数多く残しているのです。彼はメキシコで初期の音楽教育を受けた後、ボローニャとベルリンに留学します。そして一度は帰国し、母校で教鞭を執りますが、また各地を巡ったあとに、1925年に再度渡欧、パリ音楽院のポール・デュカの元で作曲をもう一度学ぶこととなります。この時にギター奏者のアンドレス・セゴビアと知り合い、ギター音楽の魅力に開眼するのでした。彼らの最初の出会いの際、ポンセはセゴビアに短い曲を贈ります。そしてその小品は後にソナタ・メキシカーナの第3楽章になったのでした。1926年に書かれた第2番のギター・ソナタはスペイン市民戦争のために失われてしまいましたが、その翌年に書かれた第3番のソナタはロマンティックな雰囲気を持ち、幾分ドビュッシーやショパン風なメロディの中にスペイン民謡の香りが漂うものとなっています。そして1928年の有名な「シューベルトを讃えて」と「ソナタ・クラシカ」の2曲は、ポンセの全ギター作品を代表する名作であり、擬似バロック風な構成と明らかにモダンな響きのコントラストが見事な、遊び心に満ちた作品となっています。長い間良い意味でのセゴビアの呪縛から逃れることのなかったこれらの作品ですが21世紀になった今、ツボルスキーの新たな演奏解釈の登場に喝采を送りたいものです。
NAXOS-8.573317(1CD)
アレンスキー:室内楽作品集
ピアノ五重奏曲ニ長調Op.51(1900)
弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.35(1894)
ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.32(1894)
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン
フランク.S.ドッジ(芸術監督)

録音:2014年4月25日ドイツベルリン,フィルハーモニー室内楽ホールライヴ収録
幼い頃から作曲に勤しみ、ペテルブルク音楽院で対位法とフーガを学んだというアレンスキー(1861-1906)。彼の作品からは間違いなく恩師リムスキー=コルサコフと偉大なるチャイコフスキーの影響が感じられます。しかしこれらの室内楽曲からは、ロシア音楽の伝統よりも、ドイツの先人たち…メンデルスゾーンやブラームスの香りが感じられるのではないでしょうか。実は、その折衷的な作風が、恩師からは「すぐに忘れられるだろう」と言われてしまったしまったというアレンスキーですが、文豪トルストイは「シンプルでメロディアスな作品を書く彼は、現代の作曲家たちの中でもベストである」と大絶賛。やはり単なる「個性のない音楽を書く人」ではなかったようです。そんな彼の3つの室内楽を聴いてみてください。ブラームスやチャイコフスキーの雰囲気の中に、紛れもない個性が匂い立つ…そんな素晴らしい音楽を楽しむことができるでしょう。
NAXOS-8.573364(1CD)
20世紀のハープシコード作品集
プーランク:フランス組曲(ハープシコード版)(1935)
フランセ(1912-1997):クラヴサンのための2つの小品(1977)
マルティヌー:2つの即興曲H368(1959)
 クラヴサン・ソナタH.368(1958)
デュレ(1888-1979):10のインヴェンションOp.41b(1924-1927)
マルティヌー:2つの小品H244(1935)
クリストファー.D.ルイス(ハープシコード)

録音:2014年3月7-11日USAカリフォルニア,ベルヴェデーレレジデンス・オブ・トム・パーキン
ハープシコード奏者のクリストファー.D.ルイスは、以前にもこのアルバムと同じような趣向の1枚をリリースしていました(NAXOS-8.573146)。そちらはオーケストラと互角に渡り合う協奏曲が中心にセレクトされていて、かのワンダ・ランドフスカが望んだ「強靭な音」というものが存分に表出されていました。こちらは完全にソロのための作品集で、近代的な響きの中に、時折古風な表情が見えるのがとても愛らしいものです。もちろん楽器自体は、同じハープシコードと言っても、バロック期に使われていたものとは全くの別物です。それは、ハープシコード本来の繊細さを捨て去って、「弦をはじく」という発音原理だけを残して、ひたすら現代のピアノに対抗できる大きな音が出せるように改変された、化け物のような楽器です。フレームは鉄で作られ、場合によっては弦もスチール弦が使われていたのです。この録音で用いられたハープシコードは1930年製の「イートン・プレイエル」と呼ばれる楽器で、2013年に大規模な復元が行われ、ルイスがこれらの近代の曲の演奏に耐えられることを証明するために選択したのでした。良く知られるプーランクの作品は、まるでバロック時代に書かれたかのような典雅な雰囲気を醸しだしますが、それもひと時のこと。すぐに小粋なハーモニーで聴き手を翻弄します。マルティヌーのおしゃれな曲、フランセの人を食ったような曲、そして元々はピアノ曲であったデュレのインヴェンション、と、何とも不思議な感覚の作品が並んでいます。
NAXOS-8.573380(2CD)
フランシスコ・アントニオ・デ・アルメイダ:「愛の勝利」2部からなる6声のスケルツォ・パストラーレ ネリーナ:アドラステの婚約者、アルシンドと恋に落ちる…アナ・クインタス(S)

アルシンド:ネリーナの秘密
の恋人…カルロス・メーナ(C.T)
テルモシア:アルシンドの恋人…ジョアンナ・シアラ(S)
アドラステ:ネリーナの婚約者…フェルナンド・グイマラェス(T)
ジアーノ:首相でネリーナの父…カティア・モレーソ(Ms)
ミレーニオ:高僧…ホアン・フェルナンデス(Bs)
オス・ムジコス・ド・テージョ(ピリオド楽器使用)
マルコス・マガリャアエス(指)

録音:2013年11月18-24日ポルトガル,リスボン経済経営専門学校メインホール
※世界初録音
以前発売された歌劇「スピナルバ、または狂気の老人」(8.660319-21)の作曲家であるアントニオ・デ・アルメイダ(1702頃-1755頃)の音楽劇「愛の勝利」は、当時のポルトガル国王ジョアン五世の命名日を祝うために作曲されたものです。彼は王を賞賛するための歌劇をいくつか作曲していますが、その生涯について詳しいことはわかっていません。ジョアン五世は当時発見されたダイヤモンド鉱脈や、ブラジルから産出される金などの富を背景に、絶対王政を敷いて、ポルトガルの国際的威信を回復しました。王権の象徴的表現の場として教会を選び、常に宗教的な儀式を行い、そのためにイタリアから名歌手を呼んだことで音楽的水準も飛躍的に高くなったのです。この「愛の勝利」は1729年12月27日にリベイラ宮殿で初演が行われた作品で、典型的なバロックの様式で書かれており、少し教訓的な内容で神への賞賛(王の賛美)が描かれています。いたるところに劇的で崇高なアリアが散りばめられた充実の歌劇です。
NAXOS-8.573489(1CD)
ブラームス:チェロ・ソナタとチェロで奏でる歌曲
チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
6つの歌曲(G.シュヴァーベ&N.リンマーによるチェロとピアノ編)<5月の夜Op.43-2/便りOp.47-1/愛の炎Op.47-2/失望Op.72-4/夏の夕べOp.85-1/ナイチンゲールOp.97-1>*
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ガブリエル・シュヴァーベ(Vc)
ニコラス・リンマー(P)

録音:2014年12月16-18日ドイツブレーメンゼントザール
*=世界初録音
自己の作品の完成度に対して、非常に厳しい態度を取っていたブラームス(1833-1897)は、18歳の頃に書いたチェロ・ソナタを完全に破棄してしまいます。その後も紆余曲折を経て、最終的に残されたのは、1865年に完成された第1番のチェロ・ソナタと、その後21年を経て書かれた第2番の2曲のみ。どちらの作品もチェロには高い技術が求められるのと同時に、ピアノ・パートも極めて精緻に書かれていることで知られています。幾度かの逡巡の末、緩徐楽章を削除して3楽章形式として完成させた第1番は、少しだけ冷たい雰囲気を持つ仄暗い第1楽章で始まります。音符たちが踊るような第2楽章、ブラームスらしい対位法を駆使した第3楽章と、見事な手法が際立つものです。それに比べ第2番は、冒頭から溢れる自信が感じられる美しい旋律で始まり、美しい第2楽章と、さざめく心が映し出された不安気な第3楽章を経て、民謡風な優しい終楽章で曲を閉じるという、全体的に余裕が感じられる曲となっています。この2つの曲間を埋めるかのように、ここでの演奏家たちが編曲した5曲の歌曲のチェロとピアノ版が置かれているところが、このアルバムの見事なところでしょう。ブラームスの歌曲は、チェロで演奏することでまた違った美しさが溢れ出すのです。
NAXOS-8.573495(1CD)
ヴィアナ・ダ・モッタ:交響曲「祖国」他
交響曲「祖国」Op.13(1895)
序曲「ドナ・イネス・デ・カストロ」(1886)
ポルトガルの情景Op.15-第3番「デュロのチュラ」(F.デ.フレイタスによる管弦楽編)*
3つの即興曲Op.18-第2番アレグレット(管弦楽版)*
ビートOp.11(A.カッスートによる改訂版)*
ロイヤル・ロヴァプールPO
アルヴァーロ・カッスート(指)

録音:2015年4月7-8日イングランドリヴァプール,フライアリー
*=世界初録音
ポルトガルの海外領土(当時)であったサントメ島に生まれたヴィアナ・ダ・モッタ(1868-1948)は、幼い頃から音楽の才能を発揮し、1875年から1881年までリスボン国立音楽院でピアノと作曲を学びます。その後、1882年にベルリンに留学しシャルヴェンカ兄弟に師事し、1885年からヴァイマールにてフランツ・リストの高弟となります。リストの死後はハンス・フォン・ビューローにも学び、当時の最も著名なピアニストの一人として名声を獲得しました。作曲家としても、ポルトガル音楽界に最初にナショナリズムの作風を取り入れた先駆者として賞賛されましたが、1900年代になって音楽が「現代的」な様相を帯びてくると、自らの作風との不一致を感じたのか、1910年頃には作曲活動を停止してしまいます。しかしながらこのアルバムに収録されている「祖国」を始めとした管弦楽作品は、最近になって人気が高まる傾向にあり、見事なコントラストと重厚な響きからは、まるでリストの交響詩や、一連のワーグナー作品を聴いているような高揚感をも感じさせることでしょう。
NAXOS-8.660336(1CD)
ラヴェル:歌劇「子供と魔法」
マ・メール・ロワ<前奏曲/紡ぎ車の踊りと情景/眠れる森の美女のパヴァーヌ/美女と野獣の対話/パゴダの女王レドロネット/妖精の園>
「子供と魔法」<子供…エレーヌ・エブラー(S)/ママ/とんぼ/中国製のカップ…デルフィーヌ・ガルー(C.A)/羊飼い/猫/リス/父…ジュリー・パスチュロー(Ms)/ティーポット/ちいさなおじいさん/カエル…ジャン・ポール・フシェクール(T)/祖父の時計/猫…マルク・バラール(Br)/アームチェア/木…ニコラス・クルジャル(Bs)/コウモリ/フクロウ/羊飼い…イングリット・ペリューシュ(S)/火/お姫様/ナイチンゲール…アニク・マシス(S)>
ブリテンCho
ジュン・コア・シンフォニケ
リヨン国立歌劇場Cho
リヨン国立O
レナード・スラットキン(指)

録音:2013年1月22-26日、2011年9月フランスリヨン,モーリス・ラヴェル・オーディトリウム
子供たちに最初に観せたいオペラと言ったら何がいいでしょう?「サロメ」とか「トスカ」では人生の理不尽は学べますが、夢がありません。かと言って「フィガロの結婚」や「ルル」ではちょっと早過ぎます。そこでオススメはこのラヴェルの「子供と魔法」です。本来なら実演を観るのが一番のこのオペラ、時計やカエル、ネコ、ティーカップ、イスなど普段なら動かず、しゃべらないものたちが瞬時に命を得て、舞台狭しと動き回り、勉強がイヤになった子供に話しかけてくるのです。ラヴェル(1875-1937)が付けた音楽もまたカラフルで飛び切り幻想的。映像がなくても全く問題ありません。はらはらどきどき興奮の45分をお楽しみください。カップリングはこれまた楽しい「マ・メール・ロワ」組曲。こちらも不思議な世界が展開します。スラットキンの表情豊かな指揮は、魔法のようにステキな音楽を造りだすのです。全く、子供って乱暴で言うことを聞かなくて、そして本当は心の底から優しくて、お母さんの事が大好きで…。
NAXOS-8.501601
(16CD)
レーガー:オルガン作品全集
オルガンのための10の小品Op.69
前奏曲とフーガ嬰ハ短調Op.85-1
前奏曲とフーガト長調Op.85-2
前奏曲とフーガヘ長調Op.85-3
序奏、パッサカリアとフーガホ短調Op.127
9つのオルガン小品Op.129第1番-第7番
30の小コラール前奏曲Op.135a第1番-第10番
B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガOp.46
オルガンのための12の小品Op.59第1番-第6番
幻想曲とフーガニ短調Op.135b
コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」Op.40-1
オルガンのための小品Op.59第7番-第9番
序奏とパッサカリアヘ短調Op.63
オルガンのための小品Op.59第10番-第12番
コラール幻想曲「アレルヤ、神をたたえるは我が魂の歓び」Op.52-3
オルガン・ソナタ第2番ニ短調Op.60
オルガンのための12の小品Op.65第7番-第12番
コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声あり」Op.52-2
コラール幻想曲「人はすべて死すべきものなり」Op.52-1
6つのトリオOp.47
創作主題による変奏曲とフーガOp.73
交響的幻想曲とフーガOp.57/3-9.
オルガンのための7つの小品Op.145
コラール幻想曲「われらが神は堅き砦」Op.27
オルガンのための12の小品Op.80-7
スケルツォ嬰へ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a第11番-第16番
オルガンのための12の小品Op.80-8
ロマンスイ短調
30の小コラール前奏曲Op.135a第17番-第23番
ロマンスイ短調
.30の小コラール前奏曲Op.135a第24番-第30番
前奏曲とフーガ嬰へ短調
奏とパッサカリアニ短調
「国王陛下万歳」による変奏曲とフーガ
オルガンのための12の小品Op.65第1番-第6番
戸を高く上げよ/10.暁の星のいと美しきかな
おお、血と涙にまみれた御頭よ
おお嘆き、おお心の苦しみ
キリストは甦りたまえり
甘き死よ来たれ
コラール幻想曲「主よ、汝の怒りにてわれを罰するなかれ」Op.40-2
前奏曲とフーガホ短調Op.85-4
52のやさしいコラール前奏曲Op.67第39番-第44番
前奏曲とフーガ嬰ト短調
52のやさしいコラール前奏曲Op.67第45番-第52番
コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」Op.30
オルガンのための12の小品Op.80第1番-第6番,第9番-第12番
3のコラール前奏曲Op.79b
オルガン組曲第1番ホ短調「バッハの手法による組曲」Op.16
オルガン組曲第2番ト短調Op.92
幻想曲とフーガハ短調Op.29
12のモノローグOp.63第7番-第12番
オルガン・ソナタ第1番嬰へ短調Op.33
5つのやさしい前奏曲とフーガOp.56第1番-第2番
52のやさしいコラール前奏曲Op.67第1番-第15番
5つのやさしい前奏曲とフーガOp.56第3番-第5番
12のモノローグOp.63第1番-第4番
52のやさしいコラール前奏曲Op.67第16番-第35番
後奏曲ニ短調WoO4第12番
オルガンのための3つの小品Op.7
J.S.バッハ:2声のインヴェンションBWV772-786
(M.レーガー&K.シュトラウベによるオルガン編曲)
52のやさしいコラール前奏曲Op.67第36番-第38番
前奏曲ハ短調WoO8第6番
フーガハ短調WoO4第8番
前奏曲とフーガニ短調WoO4第10番
J.S.バッハ:トッカータとフーガニ短調BWV913(M.レーガー編曲)
ベルナルド・ハース、
ルートガー・ローマン、
ハンス=ユルゲン・カイザー、
ヨーゼフ・スティル、
ステファン・フランク、
マルティン・ヴェルツェル、
エドガー・トラップ、
キルステン・シュトゥルム、
クリスティアン・バルテン、
ヴォルフガンク・リュプザム(以上,Org)

録音:1996年9月ドイツギーンゲン・アン・デア・ブレンツエヴァンゲリカル教会
1999年10月、2002年10月2010年7月2013年6月10-11日ドイツフルダ大聖堂
2001年10月21-22日、2003年7月8-9日、2007年10月24-25日、2008年6月23-25日、2009年7月4-5日、2013年6月4-5日ドイツトリエール大聖堂
2005年10月29-30日ドイツパッサウ大聖堂
2011年9月16-18日ドイツロッテンブルク,聖マルティン大聖堂
2012年8月28-29日ドイツマンハイムキリスト教会
2013年5月13日USAシカゴ大学ロックフェラー教会
2016年に没後100年を迎えるマックス・レーガー(1873-1916)のオルガン作品全集です。12人のオルガニストが、7台の異なる楽器を演奏して完成させたもので、楽器の音色の違いや、表現の違いを楽しむこともできるという素晴らしい16枚組です。J.S.バッハをはじめとするドイツのオルガン曲の伝統を引き継ぎながらも、独自のロマン的な和声と対位法を用いた一連の作品には、まさにドイツ的な堅固さと、技術的な困難さが溢れています。確かにとっつきにくさもありますが、じっくり聴いてみると、オルガンというもののすみずみを知り尽くしていなければ、また楽器に対する愛がなければ書けない作品であることに気が付くのではないでしょうか?学生時代のレーガーが友人とともに、バッハのインベンションをオルガン用に編曲した珍しい作品も興味深いものです。

NAXOSスタンダード 2015年10月発売
NAXOS-8.559742(1CD)
バーンスタイン:交響曲第3番「カディッシュ」他
1-6.ミサ・ブレヴィス(1988)
7-14.交響曲第3番「カディッシュ」(1963年オリジナル版)
15.ひばり(N.Gルー、M.オールソップによる2012年演奏会版)(1955/2008/2012)
クレア・ブルーム(語り)…7-13.15
ケリー・ナシーフ(S)…10.14
パウロ・メストレ(C.T)…2-6.15
メリーランド州立少年Cho…12.14
ワシントンCho…7-10.14
サンパウロ交響Cho…1-6.15
サンパウロSOのメンバー…1.2.4.6-15
ボルティモアSO
マリン・オールソップ(指)

録音:2012年11月29.30日ブラジルサラ・サン・パウロ…1-6.15,2012年9月28-30日メリーランドボルティモア,ジョセフ・マイヤーホフ・シンフォニー・ホール…7-14
20世紀の偉大なる指揮者、作曲家バーンスタイン(1918-1990)。彼の残した録音と作品は、数多くのエピソードとともに永遠に後世に語り継がれていくことでしょう。このアルバムには、声楽を用いた3つの作品が収録されています。1955年「キャンディード」の脚本を書いたリリアン・ヘルマンがバーンスタインにフランスの劇作家ジャン・アヌイの劇「ひばり」の付随音楽を依頼しました。これは祖国愛に燃えるジャンヌ・ダルクを主人公にしたもので、バーンスタインはこの物語に、ボーイソプラノのソロを含む独唱者、ナレーター、合唱、鐘、パーカッションという多彩な響きを齎す音楽をつけたのです。いくつかのトラブルはあったものの、録音までこぎつけたこの「ひばり」ですが、結局はお蔵入りになってしまい、33年という年月を経て、全く新しい「ミサ・ブレヴィス」に作り直されたのです(重要な役割を果たすナレーターは名女優クレア・ブルームが担当しています)。このアルバムでは「ひばり」も聴くことができるので、比較してみてください。交響曲第3番「カディッシュ」はジョン.F.ケネディのレクイエム」として捧げられた問題作で、「聖なるもの」という意味を有しています。とりわけユダヤの人々にとって大切な言葉であり、バーンスタインはこの曲に多くの思いを込めているのです。通常は1977年に改訂された版が演奏されますが、指揮者オールソップはあえて大胆なカットが施される以前のオリジナル版を演奏。そのため語りの部分の比重が高まっています。
NAXOS-8.559766(1CD)
フィリップ・グラス:弦楽四重奏曲第5番、他
1-5.弦楽四重奏曲第5番(1991)
6-13.魔人ドラキュラから「組曲」(1998)
14-17.弦楽六重奏曲(M.ライズマンによる交響曲第3番「ヒーローズ」からの編曲)(1995/2009)
チャン・オドゥイル(Va)…14-17
ゲンマ・ローズフィールド(Vc)…14-17
カードゥッチSQ<マシュー・デントン(Vn)/ミケーレ・フレミング(Vn)/イオイン・シュミット=マーティン(Va)/エンマ・デントン(Vc)>

録音:2013年12月14-15日UKグロースターシャー,ハイナム教会
※6-13…世界初録音
変幻自在でありながらも、幾分、強迫観念的な響きを持つフィリップ・グラス(1937-)の音楽。一度はまると容易には抜け出せないほどの麻薬的な魅力があり、多くの人々がその虜になっています。第1番から第4番の四重奏曲の演奏(NAXOS-8.559636)で高く評価されたカードゥッチ弦楽四重奏団によるこのアルバムでは、伝統的な形式のなかに特有のミニマリズムを内包した「第5番」の四重奏曲と、1931年に製作されたサイレント映画「魔人ドラキュラ」のためにグラスが作曲したサウンド・トラックからの組曲版、そして本来は弦楽合奏のために書かれた「交響曲第3番」をライズマンが六重奏版に編曲したという3つの作品が収録されています。背筋がぞわぞわするような恐怖を覚える「ドラキュラ」のための音楽もそうですが、全体的に美しさが際立つ「交響曲第3番」はミニマル・ミュージックの頂点を極めたものと言えるのではないでしょうか?
NAXOS-8.573140(1CD)
サン=サーンス:交響曲集第3集交響曲ヘ長調「首都ローマ」他
交響曲ヘ長調「首都ローマ」(1856)
交響詩「ヘラクレスの青年時代」
死の舞踏Op.40(1874)
マリカ・フェルツコー(マルメ響コンサート・マスター:ヴァイオリン・ソロ)…6
マルク・スーストロ(指)マルメSO

録音::2013年8月29-30日スウェーデンマルメ・コンサート・ホール
1856年、21歳のサン=サーンス(1835-1921)はへ長調の交響曲を書き上げました。これはボルドー・ソシエテ・サン・セシルが主催したコンクールのための作品です。なぜ「首都ローマ」というタイトルを彼が選択したのかは不明ですが、コンクールのルールが「匿名で応募すること」であり彼はそれを遵守、見事に賞を勝ち得たのです。コンクールを意識して書かれたせいか、かなり堅固な形式を取っていて、最終楽章はまるでブラームスの交響曲第4番を先取りするかのようなパッサカリア風の変奏曲となっていたりと、実験的な要素も垣間見えます。しかしこの作品は彼の生きている間は出版されることなく、またサン=サーンス自身も、次の作品である第2番の方を重要視したせいか、こちらの作品はすっかり影が薄くなってしまったのです。そんな隠れた名作をこの機会に。他には彼の最も有名な作品「死の舞踏」と劇的な内容を持つ「ヘラクレスの青年時代」を収録。
NAXOS-8.573336(1CD)
レオ・ブローウェル:2台のギターのための音楽
トリプティコ-三部作(1958)
ミクロピエサス-ミヨーを讃えて(1957)
ムシカ・インシデンタル・カンペシーナ(1978)
2人で奏するために(1973)
旅人のソナタ(2009)
ブラジル・ギター・デュオ<ジョアン・ルイス/ダグラス・ローラ>

録音:2014年6月3-6日カナダオンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
キューバの作曲家、ギタリスト、レオ・ブローウェル(1939-)の「2台のギターのための作品」を収録した1枚です。時には前衛的な手法をとりながらも、キューバの民俗音楽を上手く取り入れた情熱的な作品は、日本のギタリストたちにも広く愛されています。19世紀、ソルやジュリアーニの時代から「2台のギターが奏でる音楽」の可能性は追求されていて、さまざまな作曲家によってレパートリーの拡大が図られていました。それに伴い、ジュリアン・ブリームやジョン・ウィリアムズを筆頭にした名手たちがこれらを積極的に演奏することで、一層、多彩な作品が生まれてきたのです。このブローウェルの作品も、魅力的なレパートリーの一端を担うもので、まるでオーケストラを聴くかのような音色の豊かさを味わうことができるはずです。ここでは、作品が年代を追って収録されており、終わりに近づくにつれ、その音楽も変幻自在となっていくのです。また「旅人のソナタ」は日本の名手、福田進一が世界初演したことでも知られています。ここで調和のとれたアンサンブルを聴かせる「ブラジル・ギター・デュオ」は2006年の“アーティスト・ギルド国際コンクール”で優勝した実力派。数多くの委嘱作を初演することでも知られています。
NAXOS-8.573473(1CD)
バッハ:イギリス組曲第1番-第3番
イギリス組曲第1番イ長調BWV806<
イギリス組曲第2番イ短調BWV807
イギリス組曲第3番ト短調BWV808
モンテネグロ・ギター・デュオ<ゴラン・クリヴォカピク/ダニエル・セロヴィク>

録音:2014年9月18-21日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖クリソストム教会
※世界初録音
1720年から1730年頃「ある高貴なイギリス人のために書かれた」とされるJ.N.フォルケルの説に基づいてこのタイトルが付けられたと言われるバッハの「イギリス組曲」ですが、中身はどちらかと言うとフランス風、もしくはドイツ風の舞曲が並べられた、高い演奏技術が要求される様式美を持った作品なのです。ハープシコードだけでなく、モダンピアノでも頻繁に演奏されるバッハの最高傑作のひとつですが、このアルバムに収録されているのは、この曲を2台のギターで演奏したというものです。前述の通り、鍵盤で演奏するのもなかなか困難なバッハ作品をギターで演奏するということについては、すでにタルレガの時代あたりから頻繁に行われてきており、それ以降も何人もの名手たちが無伴奏パルティータや無伴奏チェロ組曲、ゴルトベルク変奏曲などをギターに移し替え、素晴らしい成果を上げていることはご存知の通り。このモンテネグロ・ギター・デュオは2台のギターを用いることで、バッハの複雑な音形を完全なものとして表現しているのです。バッハを聞く新しい楽しみを見出してみませんか。
NAXOS-8.578317(1CD)
ベスト・オブ・ティアンワ・ヤン
1.サラサーテ:カルメン幻想曲Op.25-第4楽章
2.サラサーテ:カルメン幻想曲Op.25-第5楽章
3.メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調-第3楽章
4.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第1楽章「妄執」
5.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第2楽章「憂鬱」
6.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第3楽章「影たちの踊り-サラバンド」
7.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27,No.2-第4楽章:「復讐の女神」
8.サラサーテ:モーツァルトの歌劇「魔笛」による演奏会用幻想曲Op.54
9.サラサーテ:バスク奇想曲Op.24
10.サラサーテ:スペイン風アリアOp.18(ヴァイオリンと管弦楽版)
11.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-夏(L.デシャトニコフによるヴァイオリンと弦楽編)
ティアンワ・ヤン楊天堝(Vn)
ナヴァールSO…1-2.8.10
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指)…1-2.8.10
フィンランド・ユヴァスキュラSO…3
パトリック・ガロワ(指)…3
マルクス・ハドゥッラ(P)…9
ナッシュヴィルSO…11
ジャンカルロ・ゲレーロ(指)…11
1987年生まれの若きヴァイオリニスト、ティアンワ・ヤン。中国で生まれ4歳でヴァイオリンを始めた彼女は、すぐさま才能を開花させ、10歳で北京の中央音楽学院に入学を許可されます。13歳でパガニーニのカプリースを録音し、2003年にはヨーロッパでの活動を本格的に始め、ドイツの学術交流サービスからは奨学金を授与されています。それ以降は、もちろん世界中でコンサートを開き、多くのオーケストラとも共演、その才能のひらめきは留まることを知りません。既にNAXOSレーベルから10枚を越えるアルバムをリリース、中でもサラサーテの一連のアルバムは世界中で高い評価を受けています。このアルバムは、そのサラサーテも含めた、彼女自身がお気に入りの曲を選び1枚にまとめたものです。彼女の演奏には深い洞察力と、滴り落ちるような美音があり、また極度に張り詰めた緊張感も備えています。その特色が最も現れているのは、イザイのソナタでしょうか?あまりにも素晴らしい「怒りの日」のモティーフにはただただ聞き入るほかありません。肩の力を抜いたピアソラ、軽やかなメンデルスゾーンも聴きものです。
NAXOS-8.559799(1CD)
クリストファー・ラウズ:ピアノ協奏曲「シーイング」・カビール讃歌集
ピアノ協奏曲「シーイング」(1998)
カビール讃歌集(1998)
タリース・トレヴィーニェ(S)
オリオン・ウェイス(P)
オールバニSO
ディヴィッド・アラン・ミラー(指)

録音:2013年6月2日ニューヨークトロイ,エクスペリメンタル・メディア・アンド・パフォーマンス・アーツ。センター(EMPAC)、2013年2月11日トロイ・セイヴィング・バンク・ミュージック・ホール
※世界初録音
グラミー賞とピューリッツァー賞を獲得、現在アメリカで最も知られる作曲家であるラウズ(1949-)の作品集です。1949年にボルティモアで生まれ、様々なジャンルの音楽を身につけたという彼について、ニューヨーク・タイムズ紙では「周囲の記憶に最も残る音楽を書く人」と紹介していますが、確かにそれは当たっています。1986年から1989年までボルティモア交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンスを務め、現在ではジュリアード音楽院で作曲を教えているというラウズの作品はウィット、ジョーク、神聖な物、ロック、その他たくさんの要素で構成されているのです。ピアノ協奏曲「シーイング」は名手エマニュエル・アックスに捧げられた作品で、“まじめな現代音楽”の中に紛れ込んでいるのは、明らかにシューマンの協奏曲の断片です。彼はシューマンが陥った精神的崩落と、1960年代のロック・グループ「モビー・グレープ」のギタリスト、スキップ・スペンスの錯乱を重ね合わせることで、この曲のアイデアを得たのだそうです。もちろん曲全体には酩酊しているような不思議な雰囲気が漂っています。もう一つの「カビール讃歌集」というのは、名ソプラノ、ドーン・アップショウのために作曲されたもの。偉大なるインドの詩人カビールの詩に感銘を受けたラウズは、1972年に一度この詩を用いた歌曲を書いたそうですが、それは発表されず、この「讃歌集」として昇華させたといいます。難解さが知られるカビールですが、この音楽は美しいものです。
NAXOS-8.571306(1CD)
ビレット・コンチェルト・エディション第6集
モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番ハ長調K415
ピアノ協奏曲第17番ト長調K453
イディル・ビレット(P)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
パトリック・ガロワ(指)

録音:2014年12月17-18日UKロンドンニューサウスゲート,セント・ポール教会
NAXOSが誇る名手イディル・ビレットの最新録音はモーツァルト(1756-1791)の2つのピアノ協奏曲です。今回のバックを務めるのは、古典派作品の解釈で高く評価され、すっかり指揮者としての威厳を身につけたパトリック・ガロワ。彼が振るロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの軽やかな音色をバックに、ビレットが独自の解釈に基づいた旋律を優雅に奏でていきます。最近はこの時代の作品のテンポを速めに取るのが流行ですが、彼女は決して浮き足だつことなく、着実に一つ一つの音を鳴らすことで、モーツァルトの意思を諮っているかのようです。なんとも不思議な味わいのモーツァルト。これはくせになります。
NAXOS-8.572807(1CD)
グラツィナ・バツェヴィチ:弦楽四重奏曲

弦楽四重奏曲第4番(1951)
弦楽四重奏曲第2番(1943
弦楽四重奏曲第5番(1955)
ルトスワフスキSQ<ヤクブ・ヤコヴィッチ(第1ヴァイオリン)/マルシン・マルコヴィッチ(第2ヴァイオリン)/アルトゥール・ロズスミィウォヴィッチ(Va)/マチェイ・ムゥオダフスキ(Vc)>

録音:2012年12月11-17日ポーランドブロツワフ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
最近人気急上昇中のポーランドの女性作曲家、グラツィナ・バツェヴィチ(1909-1969)。このアルバムは彼女の弦楽四重奏曲集の第2集となります(第1集…NAXOS-8.572806)。NAXOSレーベルからは他にも「弦楽のための交響曲」をメインとしたアルバムもリリースされていたりと、数年前に比べると格段に彼女の作品を耳にする機会が増えています。この第2集には第4番、第2番、第5番の3曲の弦楽四重奏曲が収録されていますが、どの曲も前衛的でありながらも、一瞬、驚くほどに美しいメロディが現れるところが印象的でしょう。とりわけ第4番の開始部分はどこか民謡風な懐かしさを持つもので(すぐにかき消されてしまいますが)、その柔和な表情はそのまま第2楽章へと続いていきます。この、あまりにもデリケートすぎて、ちょっとでも力を込めるとすぐに崩壊してしまいそうな繊細な響きこそが彼女の持ち味なのかもしれません。驚くほどに快活な第3楽章はポーランドの民俗舞曲に由来するものです。この作品はベルギーの国際弦楽四重奏コンクールなどで一等を獲得しています。第二次世界大戦中に書かれた第2番の四重奏曲は、悲惨な生活を送る中で書かれた希望に満ちた作品です。第2楽章のアンダンテも第3楽章のアレグロも破綻なく書かれています。しかし1955年の第5番の四重奏曲は、すっかり以前の作風とは決別したかのような、謎めいた深遠な風景に溶け込んでいます。
NAXOS-8.573247(1CD)
メシアン:ミのための詩、他
ミのための詩(1936)第1集
ミのための詩第2集
ヴォカリーズ・エチュード(1935)
天と地の歌(1938)
ブルーン・ヒルディグ・デュオ<ヘトナ・レジツェ・ブルーン(S)/クリストファー・ヒルディグ(P)>

録音:2013年6月7.8.10.11日UKロンドン,全霊教会
メシアン(1908-1992)の1936年から1938年に書かれた一連の歌曲集(ハラウィを除く)は、彼における作曲家活動の初期の作品にもかかわらず、その音楽が目指すものは顕著であり、彼の特徴とも言える「音と色彩の関係」や、官能性がはっきりと現れています。「ミのための詩」は当時の彼の妻クレール・デルボス(1959年に死去)の愛称であった「ミ」に捧げられた歌曲集であり、夫婦愛の歓びと結婚の秘蹟を歌ったもので、この一音ごとに移り変わる色彩的な響きは、メシアンが愛したステンドグラスの光をそのまま写し取ったものでもあります。「ヴォカリーズ・エチュード」はタイトル通り歌詞を持たない小さな曲。パリ国立高等音楽院の声楽曲の練習曲として書かれたものですが、こんな短い曲の中にも(ドビュッシー風でもある)やはりメシアンらしい音の絵が描かれているのには感嘆するのみです。「天と地の歌」は妻への愛だけでなくわが子への愛、そして「死と復活」までもが高らかに歌われるというもの。「ミのための詩」からたった2年でここまで神秘性が増すとは・・・と驚いてしまいます。ブルーン・ヒルディグ・デュオによる美しい演奏で。
NAXOS-8.573337(1CD)
ベートーヴェン:民謡による変奏曲集
民謡による6つの変奏曲Op.105
民謡による10の変奏曲Op.107
パトリック・ガロワ(Fl)
マリア・プリンツ(P)

録音:2014年6月19-21日オーストリアザルツブルク,イルンベルガー財団モーツァルトザール
19世紀の始め、スコットランドの熱心なアマチュア音楽家で出版業を営んでいたジョージ・トムソン(1757-1851)は「自国の民謡を普及するためにはどうしたら良いか」と考えます。そこで閃いたのは、当時ウィーンで活躍している作曲家たちに、民謡を編曲してもらうことでした。彼はスコットランドだけでなく、ヨーロッパ各地の民謡を採集し、ハイドンやプレイエル、そしてベートーヴェン(1770-1827)に編曲を依頼し、それを出版して大もうけを狙ったのです。トムソンがベートーヴェンに最初にコンタクトをとったのは1803年のこと。「アイルランド民謡を使ったソナタを書いて欲しい」という依頼に応えたベートーヴェン、すぐさまそれを仕上げ、トムソンに送ったのです。彼らのコラボレーションから生まれた作品は100作を越え、このアルバムのような「ヴァイオリン、もしくはフルートの伴奏付きのピアノ曲」だけでなく、声楽曲など多岐に渡っています。名フルーティスト、ガロワは当時の演奏法に基づき、このシンプルな曲たちに自由な即興や装飾を加えることで、珠玉の作品へと昇華させています。
NAXOS-8.573340(1CD)
シベリウス:1-17.劇音楽「誰もかれも」Op.83(1916)
2つの荘重な旋律Op.77(ヴァイオリンとオーケストラ編)<第1番:讃歌「わが心の喜び」/第2番:献身「わが心からの」>
イン・メモリアム(葬送行進曲)Op.59(1910)
ピア・パヤラ(S)
トゥオマス・カタヤラ(T)
ニコラス・ゼーデルランド(Bs)
カテドラリス・アボエンシスCho
ミカエラ・パルム(Vn)
レイフ・セーゲルスタム(指)トゥルクPO

録音:2014年2月3-7日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
「誰もかれも」と日本語にしてしまうと馴染みがないのですが、ドイツ語の「Jedermann=イェーダーマン」と聞けば「ああ、あれね」と頷く人も多いのでは?この作品はもともと中世の寓話を1912年にホフマンスタールが戯曲にしたものであり、信仰と善行を主題にした教訓話で、ザルツブルクの夏の音楽祭でも毎年野外上演が行われているという、ヨーロッパの人々には定番となっているお話なのです。フィンランド国立歌劇場は1916年にこの物語のための音楽をシベリウス(1865-1957)に依頼、すぐさま作品が出来上がり、10月にはリハーサル、11月には初演が行われています。その際は大成功を収めたのですが、唯一の失敗は、シベリウスが「組曲」を用意しなかったこと。そのために以降の演奏機会を失ってしまい、忘れ去られてしまったようです。快活な部分もありますが、中心となるのは死神が現れるラルゴの部分でしょう。本当に神秘的な雰囲気を湛えた響きは、後の確固たる神の賛美への音楽への前奏曲でもあります。他には第一次世界大戦時の重苦しい気分を反映した「2つの荘重な旋律」、シベリウス自身の葬儀で演奏された「イン・メモリアム」が収録されています。
NAXOS-8.573342(1CD)
RAWEARTH-ありのままの大地
スティーヴン・マイケル・グレイ(1949-):管楽器と打楽器のための協奏曲(2011)
スーザン・ボッティ(1962-):TerraCruda-ありのままの大地(2011)
ジェス・ラングストン・ターナー(1983-):ルンペルシュティルツヒェン(2010)
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル
グレン・アドシット(指)

録音:2013年12月12日、2012年12月13日…5,2010年4月20日 8USAコネチカット,ハートフォード大学,リンカーン劇場
※世界初録音
吹奏楽-ウィンド・オーケストラ。通常のオーケストラよりも小回りが利くため、野外で演奏したり時には軍事音楽の御用達であったりと、独自の発展と進化を遂げていることはご存知の通りです。現代の作曲家たちも次々と新作を発表、その進化を推進していることは間違いありません。このアルバムには2010年から2011年に作曲された3つの作品が収録されています。全ては世界初演&初録音で、いわば未知の領域の探索とでも呼べるなのです。最初のグレイの「協奏曲」は指揮者アドシットの委嘱作で、アンサンブルの全ての楽器がソリストである「合奏協奏曲」の形をとるもの。奏者たちには高度な技術が要求されます。ボッティの「TerraCruda」はアルバムタイトルでもある「ありのままの大地」の意味であり、自然の持つ側面、攻撃性、そして生物への影響などが思い思いに奏でられます。ターナーの「ルンペルシュティルツヒェン」はおとぎ話からイメージされたもので、金の藁を紡ぐノームと少女の物語が描かれています。なんとも自由なファンタジーです。
NAXOS-8.573373(1CD)
チャールズ・カミレーリ:ピアノ協奏曲「地中海」他
ピアノ協奏曲第1番「地中海」(1948/1978改編)<
弦楽オーケストラとアコーディオンのための協奏曲(1968)
組曲「マルタ」(1946)
シャルレーヌ・ファルギア(P)
フランコ・ボルジャーク(アコーディオン)
ミラン・ヴァウポティッチ(指)マルタPO

録音:2014年7月21-23日マルタヴァレッタ,地中海カンファレンスセンター
地中海に浮かぶ島国マルタ。ここで生まれたカミーレリ(1931-2009)は早くから音楽の才能を示し、アコーディオンとピアノを巧みに弾きこなしました。11歳で作曲をはじめ、マルタの伝統音楽や民謡を取り入れた作品を作り注目を浴びるようになります。18歳でオーストラリアを経てロンドンに移住、映画音楽で知られるマルコム・アーノルドの助手を務めます。その後作曲家として大成した彼は1983年に再びマルタに戻り、この地で生涯を終えることとなります。このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲地中海」は、まさに若書きの作品で、ロマンティックな様式に裏打ちされた強烈な旋律が耳に残ります。タンゴとも違う情熱的な音楽が印象的であり、この作曲家の個性を示すものです。人懐っこい風貌を持つ「アコーディオンのための協奏曲」では、まるでモーツァルトが民族衣装を纏って立っているかのような感覚さえ覚えることでしょう。組曲「マルタ」ではカミーレリの魅力が炸裂します。また、この組曲の中の「ワルツ」は、マルタの首都バレッタの広場で毎日流れているのだそうです。本当に心地よい音楽がここにあります。
NAXOS-8.573401(1CD)
トゥリーナ:ピアノ作品集第11集
マドリードの見本市Op.42
靴屋でOp.71/幻灯Op.101
サーカスOp.68<
組曲「マドリード放送」Op.62
ホルディ・マソ(P)

録音:2014年9月27-28日スペインヤフレ,アウディトリウム
幼い頃にはマドリッドで音楽を学び、やがてパリのスコラ・カントルムに留学。パリのエスプリをたっぷりと体にしみこませてから、またスペインに戻り作曲活動に勤しんだトゥリーナ(1882-1949)の作品には、やはりどことなくフランスの香りが漂うものが多いのです。この第11集でも、それは顕著であり、例えば「マドリードの見本市」や「サーカス」では特徴的なリズムに裏打ちされた明るい世界が広がっています。かっこいいファンファーレ、ぶらんこ、ピエロ・・・なんとも色彩的な音が楽しめます。かと思うと、様々な靴が並ぶ「靴屋」の店頭にいるのは、あの有名なハンス・ザックスです。オシャレに変化した「マイスタージンガー」のテーマに思わずくすっと笑みがこぼれてしまうのではないでしょうか?ごつごつとした靴、華奢な靴、勇ましい靴、あなた好みの靴はありますか?「マドリード放送」もユニークな組曲で、トゥリーナ自身は「ラジオ放送を説明するためのピアノ曲」と表現しています。まだ音声がオンになっていないマイクの前に立つアナウンサーの不安な心を示すプロローグの長いトリルで始まり、3つの場面が表現されていきます。何かが見えてくるような興味深い音楽です。
NAXOS-8.573487(1CD)
期待の新進演奏家/エレン・シュアルプ(ギター)ギター・リサイタル
ツルゲイ・エルデナー(1957-):5つのグロテスク
レオ・ブローウェル(1939-):ソナタ<第1楽章:ファンダンゴとボレロ章:パスクィーニのトッカータ>
エレン・シュアルプ(1987-):雨だれ
メフメト・バイラクタル(1951-):6つのアナトリアの小品
ルイ・オチョア(1959-2014):歴史の小道
スティーブン・ドジソン(1924-2013):パルティータ第1番
エレン・シュアルプ(G)

録音:2015年1月15-16日カナダオンタリオ,聖クリソストム教会
1987年、トルコのアンカラで生まれたエレン・シュアルプのリサイタル・アルバムです。9歳でギターを始めた彼は国際的に名前を知られる名手、アフメット・カンネッチに師事、1998年からは数多くのマスタークラスに参加し研鑽を重ねてきました。コンクール歴は、2011年11月にスペイン、ルナレスで開催されたアンドレス・セゴビア国際ギターコンクールで二位を獲得したのを皮切りに、2014年6月にはドイツのフーベルト・カッペル国際コンクールで二位、そして同年9月にイタリアのミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクールで最優秀賞を獲得しています。このアルバムは、ミケーレ・ピッタルーガのコンクールの優勝記念として製作されたもので、ベネズエラ、キューバ、イギリスの作品を始め、自国の作曲家バイラクタルの作品も含めた多彩な曲が並びます。彼自身の作品も魅力的。しかしながら、ギター1台でこれほどまでに多彩な音色が紡ぎだされるとは・・・。将来が楽しみなギタリストです。
NAXOS-8.573524(1CD)
オルガンとソプラノによる宗教曲集
1.バッハ:御身が共にいるならばBWV508(伝:G.H.シュテルツェル作)/2-3.バッハ:前奏曲とフーガハ長調BWV547
4.グノー:悔悟(おお、神々しい贖罪主よ)
5.フランク:3声のミサ曲Op.12,M.61-天使のパン(パニス・アンジェリクス)
6-8.ナディア・ブーランジェ(1887-1979):オルガンのための3つの小品<前奏曲/小カノン/インプロヴィゼーション>
9.リリー・ブーランジェ(1893-1918):ピエ・イエズス
10.プッチーニ:サルヴェ・レジーナ
11.ヴォルフ(1860-1903):スペイン歌曲集-第3番:いざ、さすらえマリア(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
12.ヴォルフ:スペイン歌曲集-第5番:幼子よ、私をベツレヘムに連れて行って(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
13.ヴォルフ:メーリケ詩集-第28番:祈り(M.レーガーによる声楽とオルガン編)
14-15.レーガー:トッカータとフーガOp.59
16.ヘンデル:聖チェチーリアの祝日のためのオードHWV76-「だが、いったい、どんな技が」
クリスティン・ブルーワー(S)…1.4.5.9.10.12.13.16.
パウル・ジェイコブス(Org)

録音:2013年8月13-15日USAウィスコンシン,ミルウォーキージェズ教会
アメリカで最も知られる音楽家であり、ともにグラミー賞の受賞者でもあるソプラノのブルーワーとオルガニストのジェイコブス。この2人が奏でる美しく荘重な宗教的作品集です。この中で最も広く知られているのは、なんと言ってもフランクの「天使のパン」でしょう。しかし、他の曲はあまり耳にする機会の多くないものばかりであり、なかでもブーランジェ姉妹の作品は独自の美しさを放っています。また、レーガーが編曲したヴォルフの歌曲には、オルガンの名手であったレーガーらしい雄弁なオルガンの響きが満ち溢れています。聴き手に敬虔な気持ちと歓びをもたらす幸せな1枚です。
NAXOS-8.660353(1CD)
フィリドール:歌劇「復讐する女たち」1幕(1775) :マダム・リス…クレール・デボノ(S)
マダム・ラ・プレジデンテ…パスカル・ボーダン(S)
マダム・レク…ブランディーヌ・スタスキーヴィッツ(Ms)
ムッシュ・リス…ジェフリー・トンプソン(T)
ムッシュ・ル・プレジデント…アントニオ・フィグエロア(T)
ムッシュ・レク…アレックス・ドブソン(Br)
オペラ・ラファイエット
ライアン・ブラウン(指)

録音:2014年1月19-20日USAメリーランド大学クラリス・Dekelboumホール
バロックから古典派の知られざるフランス歌劇を取り上げて、これらに新たな命を吹き込むことで知られるアメリカのピリオド楽器アンサンブル「オペラ・ラファイエット」。これまでにもラモー、リュリやモンシニ、ルベルなどの作品を演奏、その中にはいくつもの世界初演も含まれています。今回彼らが取り上げたのは、フィリドール(1726-1795)の歌劇「復讐する女たち」です。浮気性の男に仕返しをする女性というのは、モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」を予見させるもので(モーツァルトはこのフィリドールの作品が初演された時にパリに滞在していた)、フィリドールは男女間のやりとりを、当意即妙なアリアやアンサンブルで表現し、生き生きとした作品に仕立て上げているのです。全体はコンパクトに纏められていて、歌手たちの巧みな歌唱もあり登場人物の描き分けも的確。これは確かに楽しい歌劇です。
NAXOS-8.558097(4CD)
ATOZシンガーズ
■CD1 
1.サン=サーンス:「サムソンとデリラ」Op.47-第2幕あなたの声に我が心は開く
2.ドニゼッティ:「ラ・ファヴォリータ」-第2幕よいか、レオノーラ、そなたの足下に
3.ヴェルディ:「エルナーニ」-第3幕ああ、若かりし頃の:マッティア
4.フロトー:「マルタ」-第2幕夏の名残のバラ
5.プッチーニ:「ラ・ボエーム」-第1幕つめたい手を
6.プッチーニ:「トスカ」-第2幕歌に生き、恋に生き
7.ヴェルディ:「運命の力」-第4幕平和を、平和を、わが神よ!
8.ヴェルディ:「リゴレット」-第1幕あれかこれか
9.リムスキー=コルサコフ:「サドコ」-ヴァリャーグ商人の歌
10.ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」-プロローグ「哀れなる父の胸は」
11.ベッリーニ:「ノルマ」-第2幕ああ、あの子たちを犠牲にしないで
12.ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」-第3幕狂乱の場「苦い涙をそそげ」
13.モーツァルト:「フィガロの結婚」K492-第1幕自分で自分がわからない
14.R・シュトラウス:「アラベラ」Op.79,TrV263-第1幕でもこの人は私に相応しい人ではないわ
15.ヴェルディ:「アイーダ」-第1幕もし私がその戦士であったなら...清きアイーダ
16.ボーイト:「メフィストフェレ」-第3幕マルゲリータの死「いつかの夜、暗い海の底に」
17.グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」-第3幕アリア「エウリディーチェを失って」
18.マーラー:さすらう若人の歌-僕の胸の中には燃える剣が(声楽と管弦楽版)
■CD2 
1.ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」-第3幕おだやかに静かに彼がほほえんで
2.ベートーヴェン:「フィデリオ」Op.72-第1幕アリア「金を持っていなければ幸せになれぬ」
3.ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」-第1幕ああ、遅すぎた…私は心の光
4.シャルパンティエ:「ルイーズ」-第3幕貴方に身を委ねた日から
5.プッチーニ:「マノン・レスコー」-第1幕なんと素晴らしい美人
6.レオンカヴァッロ:「道化師」-第1幕プロローグ「よろしいですか?よろしいですか?」
7.ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」-第2幕いつもの嵐だ
8.モーツァルト:「フィガロの結婚」K492-第2幕愛の神よ
9.ヨハン・シュトラウス2世:「ヴェネツィアの一夜」-第3幕愛すべき女性を眺めるのは
10.ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」-第1幕ある日青空をながめて
11.R・シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」Op.59,TrV227-第1幕時というのは不思議なもの(短縮版)
12.ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」-第2幕イゾルデ!トリスタン!愛する人よ!
13.マスネ:「マノン」-第2幕さあ、やらなきゃ…さようなら、私たちの小さなテーブル
14.バルフェ:「ボヘミアの娘」-第3幕そして君は僕を思い出す:ジョン・マッコーマック(T)
15.マスカーニ:「イリス」-第1幕窓を開けよ:ジョヴァンニ・マルテイネッリ(T)
16.グノー:「ファウスト」-第3幕宝石の歌「なんと美しいこの姿」:ネリー・メルバ(S)
17.ヴェルディ:「仮面舞踏会」-第3幕立て!...おまえこそ心を汚すもの:ロベルト・メッリーリ(Br)
18.ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」-第4幕恋はばら色の翼に乗って:ジンカ・ミラノフ(S)
19.ベートーヴェン:「フィデリオ」Op.72-第1幕レチタティーヴォとアリア「人間の屑!何をしているつもり?」:マルタ・メードル(S)
■CD3 
1.ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」Op.84-アリア「太鼓が鳴ると」:ビルギッテ・ニルソン(S)
2.プッチーニ:「トゥーランドット」-第3幕氷のような姫君の心も:マグダ・オリヴェーロ(S)
3.ヴェルディ:「リゴレット」-第1幕慕わしい人の名は:リナ・パリウギ(S)
4.マーラー:大地の歌-第3曲青春について:ユリウス・パツァーク(T)
5.ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」-第3幕ああ、あなたこそ私の恋人…見よ、恐ろしい火を
6.ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」-第2幕六重唱「じゃまするのは誰だ」
7.ヴェルディ:「エルナーニ」-第1幕エルナーニよ、いっしょに逃げて
8.ワーグナー:「ローエングリン」-第1幕エルザの夢「ひとり寂しく悲しみの日々を」
9.ドリーブ:「ラクメ」-第2幕鐘の歌「あぁ!若いインドの娘はどこへ行ったの?」
10.レハール:「ジュディッタ」-あなたは私の太陽
11.ワーグナー:「タンホイザー」-第2幕おごそかなこの広間よ
12.プッチーニ:「ラ・ボエーム」-第1幕ああ、麗しの乙女
13.ドニゼッティ:「愛の妙薬」-第2幕人知れぬ涙(テイク2)
14.ツェラー:「小鳥売り」-第2幕わたしのアーンルが20歳で
15.モーツァルト:「コジ・ファン・トゥッテ」K588-第1幕岩のように動かずに
16.R・シュトラウス:「ナクソス島のアリアドネ」Op.60,TrV228a-プロローグ「先生、お許し下さい」
17.ドニゼッティ:「ラ・ファヴォリータ」-第3幕 私のフェルナンド
18.モーツァルト:「コジ・ファン・トゥッテ」K588-第1幕愛しい人の愛のそよ風は
19.ロッシーニ:「イタリアのトルコ人」-第1幕喜劇を一つ物にしなければならぬのだが
■CD4 
1.R・シュトラウス:「ばらの騎士」Op.59,TrV227-第2幕気高くも美しき花嫁に
2.ベッリーニ:「ノルマ」-第2幕ノルマよ、ごらんなさい-そこはお譲りになって、どうか-最後の最後の時まで
3.ヴェルディ:「仮面舞踏会」-第1幕あなたの喜びのためには
4.モーツァルト:「フィガロの結婚」K492-第2幕アリエッタ「恋とはどんなものかしら」
5.レハール:「パガニーニ」-第2幕女たちに口づけするのが好きだった
6.ヴェルディ:「アイーダ」-第1幕勝ちて帰れ!
7.トマ:「ミニョン」-第2幕私はティタニア「ポロネーズ」
8.ベルリオーズ:夏の夜Op.7-第2曲ばらの精
9.マスネ:「ウェルテル」-第3幕私の心は、みんなここにある…春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか
10.ヴェルディ:「オテロ」-第2幕無慈悲な神の命ずるままに:ローレンス・ティベット(Br)
11.ヴェルディ:「運命の力」-第3幕生きることは地獄だ、この不幸な者には…おお、あなたは天使の胸に抱かれ
12.ワーグナー:「ローエングリン」-第2幕千里眼の術でもつかうのか!:ヘルマン・ウード(Br)
13.R・シュトラウス:「サロメ」Op.54,TrV215-ああ!お前は自分の口に接吻させようとはしなかった、ヨカナーン!
■CD1 
1.マリアン・アンダーソン(C-A)
2.エットーレ・バスティアニーニ(Br)
3.マッティア:バッティスティーニ(Br)
4.エルナ・ベルガー(S)
5.ユッシ・ビョルリンク(T)
6.マリア・カラス(S)
7.マリア・カニーリァ(S)
8.エンリコ・カルーソー(T)
9.フェオドール・シャリアピン(Bs)
10.ボリス・クリストフ(Bs)
11.ジーナ・チーニャ(S)
12.トーティ・ダル・モンテ(S)
13.スザンヌ・ダンコ(S)
14.R・シュトラウス:「アラベラ」Op.79,TrV263-第1幕でもこの人は私に相応しい人ではないわ:リーザ・デラ・カーザ(S)
15.マリオ・デル・モナコ(T)
16.マファルダ・ファヴェーロ(S)
17.カスリーン・フェリアー(C-A)
18.ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ(Br)


■CD2 
1.キルステン・フラグスタート(S)
2.ゴットロープ・フリック(Bs)
3.アメリタ・ガリ=クルチ(S)
4.メアリー・ガーデン(S)
5.ベニアミーノ・ジーリ(T)
6.ティート・ゴッビ(Br)
7.ハンス・ホッター(Bs-Br)
8.セーナ・ユリナッチ(S)
9.エーリッヒ・クンツ(Br)
10.ラウリ=ヴォルピ(T)
11.ロッテ・レーマン(S)
12.フリーダ・ライダー(S)
13.ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)
14.マッコーマック(T)
15.ジョヴァンニ・マルテイネッリ(T)
16.ネリー・メルバ(S)
17.ロベルト・メッリーリ(Br)
18.ジンカ・ミラノフ(S)
19.マルタ・メードル(S)


■CD3 
1.ビルギッテ・ニルソン(S)
2.マグダ・オリヴェーロ(S)
3.リナ・パリウギ(S)
4.ユリウス・パツァーク(T)
5.アウレリアーノ・ペルティーレ(T)
6.リリー・ポンス(S)
7.ローザ・ポンセル(S)
8.エリザベス・レートベルク(S)
9.マド・ロバン(S)
10ヘルゲ・ロスヴェンゲ(T)
11.レオニー・リザネク(S)
12.ビドゥ・サヤン(S)
13.ティート・スキーパ(T)
14.エリーザベト・シューマン(S)
15.エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
16.イルムガルト・ゼーフリート(S)
17.ジュリエッタ・シミオナート(Ms)
18.レオポルド・シモヌー(T)
19.マリアーノ・スタービレ(Bs)


■CD4 
1.テレサ・スティッヒ=ランダル(S)
2.エベ・スティナーニ(Ms)
3.リッカルド・ストラッチアーリ(Br)
4.コンチ−タ・スペルヴィア(Ms)
5.リチャード・タウバー(T)
6.レナータ・テバルディ(S)
7.ルイザ・テトラッツィーニ(S)
8.マギー・テイト(S)
9.ジョルジュ・ティル(T)
10.ローレンス・ティベット(Br)
11.リチャード・タッカー(T)
12.ヘルマン・ウード(Br)
13.リューバ・ヴェリチュ(S)
現在こそ「オペラ」は声とオーケストラの掛け合い、物語、そして演出の全てを楽しむものですが、20世紀までは、なんと言っても歌手が主役。例え物語が進行していたとしても、アリアの聞かせどころがきたら、指揮者はオーケストラをストップしてでも、歌手がその美声を披露し終えるのを待っていたりしたのでした。そんな時代の歌手たちは、現在よりも更に個性的であり、人々はお気に入りの歌手の歌に心から酔いれしれたのです。この4枚組は、69人の偉大な歌手の歌声が名前のABC順に収録されています。また添付の850ページを越えるブックレットには、300人を越える歌手たちのバイオグラフィと代表的な録音が記されていて(英語のみ)、ファンにとってはまたとない資料にもなっています。やはり人の声は、心からの感動を呼ぶものです。

NAXOSスタンダード 2015年9月発売
NAXOS-8.573259(1CD)
吹奏楽のためのイタリア・オペラ編曲集
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」‐序曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」‐前奏曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」‐間奏曲
ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」の主題によるディヴェルティメント(ファゴットと吹奏楽編)
ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」‐序曲
ミケーレ・マンガーニ(1966-):トスカの主題によるファンタジー
ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」による協奏的幻想曲(オーボエ、ファゴットと吹奏楽編)
ヴェルディ:歌劇「ルイザ・ミラー」‐序曲
※1-5.7-8…M.マンガーニによる編曲
ヨーロピアン・ウィンド・ソロイスツ<メンバー:ダンテ・ミロッツィ(Fl)/サーシャ・デ・リティス(Fl)/パオロ・グラツィア(Ob…トラック7:ソロ)/ジョヴァンニ・パンタローネ(Ob)/アルフォンソ・ジァンカテリーナ(Cl)/アントニオ・ディ・ヴィットーリオ(Cl)/マルコ・パネッラ(Hrn)/アンドレア・カレッタ(Hrn)/アレッサンドロ・モンティチェッリ(Hrn)/パトリック・デ・リティス(Fg…トラック4.7:ソロ)/ヴィンチェンツォ・フェリチオーニ(Fg)/マッシモ・ディ・モイア(Cb)>

録音:2014年2月12-15日イタリアペスカーラ,カティナーノ聖イレーネ教会
「トランスクリプション」=現在では記譜法とされますが、以前はある作品を異なる楽器で演奏できるように編曲する行為そのものを指すことが多かったのです。14世紀頃から頻繁に行われてきたトランスクリプションは、家庭でも音楽を楽しむようになった19世紀に更に盛んに行われるようになります。フランツ・リストが行った「オーケストラ曲=ピアノ曲」は良く知られていますが、同じ時期にはオペラの名旋律を楽器で演奏することも盛んであり、素晴らしい歌を聴いた感動をいち早く自分のものにしたいというアマチュア奏者たちの要望に応え、多くの「オペラの主題」を用いた変奏曲や幻想曲が作曲されたことも忘れてはなりません。このアルバムには、そんな19世紀の良き時代を彷彿させる楽しい作品が収録されています。編曲を施したのは、1966年生まれのミケーレ・マンガーニ。どの曲も、最初からこの形態で書かれていたかのように、ぴったりとはまっています。またトラック6は彼のオリジナル。
NAXOS-8.573301(1CD)
シベリウス:ペレアスとメリザンド他
劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」JS147(1905)
第1幕<第1番:前奏曲第1場Graveelargamente/第2番:第2場Andantinoconmoto/第3番:第4場Adagio>
第2幕<第4番:前奏曲第1場Comodo>
第3幕<第5番:前奏曲第1場Conmoto(manontanto)/第6番:メリザンドの歌第2場「3人の盲目の姉妹たち」/第7番:第4場Andantinopastorale>
第4幕<第8番:前奏曲第1場Allegretto/第9番:第2場速度指定なし>
第5幕<第10番:前奏曲第2場Andante>
ある情景のための音楽(1904)
抒情的ワルツOp.96a(1921)
昔々-田園的風景Op.96b(1919)
騎士風のワルツOp.96c(1921)
ジャコブ・ド・ジュラン氏のモチーフによるロマンティックな小品JS135a(1925)
ピア・パヤラ(S)
サリ・ノルドクヴィスト(Ms)
トゥルクPO
レイフ・セイゲルスタム(指)

録音:2014年1月20-24日,9月8-12日フィンランド、トゥルク・コンサート・ホール
1893年にパリで初演されたメーテルランクの戯曲「ペレアスとメリザンド」。その神秘的な雰囲気に多くの作曲家たちが魅せられ思い思いの曲を書いたことでも知られる名作です。中でも良く知られているのはドビュッシーのオペラであり、シェーンベルクの交響詩でしょう。そして忘れてはいけないのは、フォーレとシベリウス(1865-1957)の劇付随音楽です。比較的穏やかなフォーレの作品に比べると、シベリウスの音楽は起伏に富み、コントラストもはっきりしています。シベリウスがこの劇付随音楽を書いたのは1905年のことで、これは戯曲がヘルシンキで上演されることになり、音楽がシベリウスに委嘱されたからです。当時のシベリウスは交響曲第3番を作曲していましたが、これを中断し、1ヶ月あまりでほとんどの曲を書き上げたのです。作品全体に北欧の雰囲気が漲っているところがいかにもシベリウスらしく、中でも第6番の“メリザンドの歌”は様々な編曲を施されて単独で演奏されることも多い名曲です。他には、後にピアノ曲Op.45-2に編曲された「ある情景のための音楽」、同じく後にピアノ用に編曲した「田園的風景」、その逆にピアノ曲を管弦楽に編曲した2つのワルツが収録されています。
NAXOS-8.573444(1CD)
ベイジル・ポールドゥリス:コナン・ザ・グレート(P.ペルスターによるオルガン編)(1982/2014)
1.アンヴィル・オブ・クローム/2.鋼の謎/運命のライダー/3.フューリーのギフト/4.悲しみの列/痛みの輪/5.ピットの戦い/6.アランティーンの剣/7.神学/文明/8.ワイフィング/9.コナンはヴァレリアを去る/探索/らんちき騒ぎ/14.火葬/15.墳丘の戦い/16.運命の孤児/目覚め
フィリップ・ペルスター(Org)

録音:2014年5月19-20日USAカリフォルニア,クレールモント・ユナイテッド・キリスト教会グラッター=ゲッツ/ロザールス・オルガン
※世界初録音
ロバート・E・ハワードの小説「英雄コナン」シリーズを原作とし、1982年に制作された「コナン・ザ・グレート(原題はConanthe Barbarian)」。アーノルド・シュワルツェネッガーの肉体美を最大限に用いた痛快アクション大作です。監督のジョン・ミリアスは映画の中にオペラの要素を持ち込むという意図があったといい、音楽を書いたポールドゥリス(1945-2006)はそれに応え、力強さ、優しさ、その他の感情を全て音楽で見事に表現したのです。コンピューター・ソフトではなく、オーケストラを用いたこのサウンド・トラックをオルガン版に編曲するのには、大変な苦労が付き纏ったのだそうです。例えば、迫力を増強するために効果的に使われている打楽器群…確かにこれをオルガンに求めるのは難しそうですが、オルガニスト、ペルスターはペダルやグリッサンドを駆使して、文句ない響きを作り上げたのです。
NAXOS-8.555568(1CD)
イベール:レディング牢獄のバラード他
レディング牢獄のバラード(1921)
3つのバレエ曲(めぐりあい)(1921-1922)
妖精の郷(1924)/狂人の歌(1924)
エリザベス朝の組曲(1942)
ダニカ・クブリカ(S)
スロヴァキア・フィルハーモニーCho
スロヴァキア放送SO
アドリアーノ(指)

録音:1993年2月8-13日ブラチスラヴァ,スロヴァキア放送コンサート・ホール
※MARCO POLO8.223508からの移行盤
軽妙洒脱な作風で知られるフランスの作曲家、ジャック・イベール(1890-1962)。このアルバムには、彼の様々な作風に彩られた音楽が並んでいます。彼の最初の交響作品である「レディング牢獄のバラード」は、原作のオスカー・ワイルドの苦悩と狂気が見事に描き出された暗い音楽です。聴衆は驚きを持ってこの作品を迎え入れたのです。しかし、次の「3つのバレエ曲」では雰囲気が一変。カラフルな世界が広がります。印象派風の「妖精の郷」、戦争の恐怖を描いた「狂人の歌」、そしてシェイクスピアの「真夏の夜の夢」の付随音楽である「エリザベス朝の組曲」は新古典主義のスタイルに拠る作品で、ギボンズ、ブル、パーセル、ブロウの旋律を基に、女声合唱とソプラノ・ソロを用いた夢のような音楽が展開されます。ハープが大活躍するのは、彼の娘がすぐれたハープ奏者だったことも関係するのかもしれません。
NAXOS-8.570615(1CD)
ゴードン・シーウェン・チン‐金希文:交響曲第3番「台湾」他
チェロ協奏曲第1番(2006)
交響曲第3番「台湾」(1996)
:ウェン=シン・ヤン(Vc)…
台湾フィルハーモニック
リュー・シャオチャ‐呂紹嘉(指)

録音:2014年1月5-7日台湾台北,ナショナル・コンサート・ホール
世界初録音
台湾を代表する現代作曲家の一人、ゴードン・チン(1957-)の作品集です。以前リリースされた「二重協奏曲」と「ファルモサの四季」(NAXOS-8.570221)でも、響きこそ前衛的でありながら、独特の叙情性を持つ音楽が展開されていましたが、このアルバムに収録された2つの作品も傾向は同じものであり、時として驚くほど美しい部分があったりと、興味の尽きない人であるといえるでしょう。古典的な3楽章形式を持つと見せかけて、実はそれぞれの楽章が結びついているという「チェロ協奏曲」は、各々の楽章にシェイクスピア、パスカル、サミュエル・ジョンソンの文章から取られた言葉が引用され、これらが曲の雰囲気を説明しています。「交響曲第3番」はバンクーバーSOの委嘱作で、台湾の長い歴史を踏まえた史実に基づくタイトルが付けられた楽章からは独創的な香りが漂います。打楽器が躍動する第1楽章、台湾のポピュラー・ソングが効果的に用いられた第2楽章、そしていかなる外界の力にも臆することのない民族性を表現した第3楽章。これらは強い意志を持ち、最後は英雄的な盛り上がりで曲を閉じるのです。
NAXOS-8.570616(1CD)
中国のこだま〜スーザン・チャン:ピアノ・リサイタル
ツォウ・ロン‐周龍(1953-):ピアノベルズ(2012)
ドミン・ラム‐林樂培(1926-):チュウ・ジュン夫人の哀歌Op.12a(1964)
レクシーナ・ルーイ(1949-):ピアノのための音楽(1982)<魔法のベル/チェンジ/遠くの記憶/昔々>
タン・ドゥン‐譚盾(1957-):水彩による8つの思い出(1979)
周龍:モンゴル民謡による変奏曲(1980)
チェン・イ‐陳怡(1953-):北国の情景(2013)
スーザン・チャン(P)

録音:2014年8月17-20日USAオレゴン州ポートランド州立大学,リンカーン・パフォーマンス・ホール
※一部世界初録音
現代中国のピアノ曲…どんな作品を頭に思い浮かべますか?このアルバムには5人の作曲家による多彩な作品が収録されており、想像通りの曲から、意表をつく曲まで、まさに「新鮮な驚き」を得ることができるというものです。ピアノの内部奏法を駆使し、「誰も撞かずとも自然に鳴る鐘」の伝説を音にしたという「ピアノベルズ」は、ラヴェル風の響きを有していますし、モンゴル王に嫁がなくてはいけなくなった若い女性の悲劇を描いた「哀歌」では中国の古いメロディが効果的に使われています。カナダで高く評価されている女性作曲家ルーイの作品は、もともとピアノの練習用に書かれたものですが、各々の曲には独自の物語があります。このアルバムの中で最も有名なのがタン・ドゥンの「水彩による8つの思い出」でしょう。幼い頃の記憶に結びついた8つの曲は、聴き手の感情を強く揺さぶります。最後の2曲は世界初録音。最後の「北国の情景」はスーザン・チャンに捧げられた曲でもあります。
NAXOS-8.571367(1CD)
ジョン・マッケイブ:ピアノ作品集
変奏曲Op.22(1963)
朝の歌(スタディ第4番)(1970)
ガウディ(スタディ第3番)(1970)
5つのバガテル(1964)
モザイク(スタディ第6番)(1980)*
ハイドン変奏曲(1983)*
ジョン・マッケイブ(P)

録音:1998年3月21-28日ロンドンビショップゲイト・ホールBMSより移行盤
※*…世界初録音
先頃、惜しまれつつこの世を去った、作曲家、ピアニスト、ジョン・マッケイブ(1939-2015)。彼は2010年に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を開催して、ピアニストの活動から事実上の引退宣言をしていました。そんなマッケイブのこのアルバムは、1998年に録音された「自作自演集」です。もともとBMS=BritishMusicSociety(マッケイブが会長を務める、イギリスの知られざる作曲家を紹介するために設立されたレーベル)に録音されたアルバムであり、まさにマッケイブを知るための1枚なのです。各々の作品については、聞いていただくのが一番なのですが、かの名ピアニスト、ジョン・オグドンがマッケイブの作品に心酔したことからもわかる通り、超絶技巧を駆使し、また極めて学究的で、細部も考え抜かれた精巧かつ複雑な音楽が展開されているものばかりです。まるで巨大な建造物を思わせるマッケイブの作品、ぜひ体験してみてください。とりわけ演奏時間に30分近くを要する「ハイドン変奏曲」の圧倒的な音の羅列は一度味わったらやめられません。ただし、そのハイドンの主題はかなり変形されているので、探し出すまでに曲が終わってしまうかも知れませんが。
NAXOS-8.571368(1CD)
ジョン・ジュベール:瞬間の時他
失われた時-弦楽のための変奏曲Op.99(1984)
シンフォニエッタOp.38(1962)
瞬間の時‐バリトンと弦楽合奏のための歌曲集Op.110(1987)(詩:D.H.ローレンス)
クリストファー・ハイロンズ(ソロVn)
ピエール・ジュベール(ソロVn)
ポール・アーデン=テイラー(Ob)

アンナ・エヴァンス(Ob)
キース・ルバック(Fg)
クリスティーン・プレドータ(Fg)
スティーブン・ロバーツ(Hrn)
ジェームズ・ブック(Hrn)
ヘンリー・ハーフォード(Br)
イングリッシュ・ストリング・オーケストラ
ウィリアム・ボウトン(指)

録音:1987年4月23-25日イングランドワーウィック大学・アーツ・センター
※BMSより移行盤
ケープタウンで生まれ、奨学金を得てロンドンの王立音楽アカデミーで学んだ作曲家ジュベール(1927-)。イギリスで作曲家、大学講師として名声を高めました。幼い頃の彼は画家を志望していましたが、15歳頃からパフォーマーとして音楽に興味を持ち、いくつかの作品を書き上げたのです。このアルバムに収録された「Tempsperdu-失われた時」はマルセル・プルーストの同名の長編小説に触発されたものですが、この曲を作曲する際には、前述の「若い頃に手がけた弦楽合奏のための2つの曲」をもう一度呼び起こし、新たにサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタからのフレーズを組み合わせ、美しい変奏曲に創り上げたというものです。「シンフォニエッタ」はバーミンガム美術館で開催されたコンサートのために書かれた快活な作品。各々の楽器が活躍します。「瞬間の時」は「チャタレー夫人の恋人」で知られるD.H.ローレンスの詩を元にした歌曲。大学教授の妻であったフリーダと、禁断の恋に陥ったローレンスが、駆け落ちの末に放浪していた時期に書かれた詩は、頽廃的でありながらも、強い意志に貫かれているものです。
NAXOS-8.573357(1CD)
クシシュトフ・メイエル:ピアノ四重奏曲&ピアノ五重奏曲
ピアノ四重奏曲Op.112(2009)*
ピアノ五重奏曲Op.76(1991)
シレジアンSQ
<メンバー:シモン・クシェショヴィエツ(第1ヴァイオリン)/アルカディウシュ・クビサ(第2ヴァイオリン)…2-5/ウーカシュ・シリニツキ(Va)/ピオトル・ヤノシク(Vc)>/ピオトル・サワイチク(P)

録音:2013年9月8-9日、2013年11月3-5日 カトヴィチェ,カロル・シマノフスキ音楽大学・コンサート・ホール
※*=世界初録音
ポーランドの現代作曲家クシシュトフ・メイエル(1943-)は長らくドイツで活動していましたが、現在ではポーランドに戻り、大学で教えながら作曲を続けています。優れたピアニストでもある彼は、交響曲やピアノ・ソナタなど多くの作品を書いていますが、とりわけ室内楽を好んでいるようで、今のところ13曲ある弦楽四重奏曲は全てNAXOSレーベルでCD化されるなど、独自の作風が聴き手の心を掴んでいます。世界初録音である「ピアノ四重奏曲」は、彼の作品では珍しい単一楽章の形式をとるもので、対照的な楽想が現れては消えて行くという面白いものです。1991年の「ピアノ五重奏曲」はブラームスの時代に遡ったかのような形式を持ちながらも、やはり響きは現代的。とは言え、弦だけのアンサンブルよりもまろやかな風味が出ていて、これはこれで面白いものです。一度聴き始めたら、結末が気になってしょうがない音楽とも言えそうです。
NAXOS-8.573406(1CD)
ローマン・ベルゲル:悲愴・エピローグ・ソナタ第3番他
悲愴(2006)
ピアノ・ソナタ第3番「ダ・カメラ」(1971)
アレグロ・フレネティコと回想(2006)
即興曲(2013)
エピローグ(L.v.B.へのオマージュ)
ベルゲル三重奏団<メンバー:ヤン・スラーヴィク(Vc)/ブラニスワフ・ドゥゴビチ(Cl)/ラディスワフ・フランツォヴィツ(P)>

録音:2013年8月29-30日スロヴァキアフロホヴェツ,エンパイア劇場
※世界初録音
チェコとポーランドの国境近くの町、チェシンに生まれたベルゲル(1930-)は、カトヴィツェで音楽を学びましたが、1948年にチェコで勃発したクーデターを逃れ、家族とともにブラチスラバに移ります。この地で作曲家として名声を得た彼は、カトヴィツェに戻ることを希望するのですが、亡命者であった彼には、旅行する権限が与えられませんでした。その後、また情勢が変化し、一度は彼の作品がワルシャワで演奏される機会もあったのですが、ワルシャワ条約機構軍のチェコスロバキア侵攻に抗議した彼は、自身の作品をワルシャワに送ることを拒否、結局は「スロヴァキアの作曲家」として活動していくことになったのです。このアルバムに収録された作品は、彼の個人的な思いが反映されたもので、亡くしてしまった愛妻に捧げられた曲や、自身のために書いた曲など、彼の人生経験が色濃く映し出された印象的な作品を聴く事ができます。
NAXOS-8.573428(1CD)
アンドリュー・スタニランド:トーキング・ダウン・ザ・タイガー(2010)
恐ろしい航海(2013)
フルートvsテープ(2012)
Still Turning‐回転上の静止(2011)
True North‐真の北(2007)
ライアン・スコット(パーカッション)
ロブ・マクドナルド(g
カミュ・ワッツ(Fl)
フランシス・マリー・ウィッティ(Vc)
ウォレス・ハラディ(ソプラノSax)
アンドリュー・スタニランド(電子楽器)

録音:2014年1月19-23日カナダトロント,グレン・グールド・スタジオ
※世界初録音
現在、カナダで最も重要、かつ革新的な作曲家として認知されているアンドリュー・スタニランド(1977-)。このアルバムには、彼の5曲の最近の作品が収録されています。アルバムタイトルでもある「トーキング・ダウン・ザ・タイガー」はパーカッションと電子音楽のための作品で、彼が「トラ」について抱いているイメージ…獰猛さ、美しさ、神秘…これらは全てパーカッションの持つイメージに重なるのだというのです。この曲を作り演奏することで、彼はトラの存在を超越する、いわゆる「言い負かす」状態になるのでしょうか。トラック2の「恐ろしい航海」も数多くの要素を孕んだ曲であり、その中には地球の滅亡のイメージまでもが含まれています。増幅されたギターの響きは美しさよりも畏怖の対象でしょうか。フルートのためのトラック3でも、共演者はテープの音。多種多様な音が通り過ぎていきます。トラック4も地球の自転をモティーフにした曲。地球は恐ろしいほどの速さで回転しているはずなのに、なぜその上のものは静止しているのか…。トラック5は彼が追求する「極点」についての作品。同様のコンセプトによる「至高の歌」(NAXOS-8.573533)もどうぞ。

NAXOSヒストリカル 2015年9月発売
NAXOS-8.111400(1CD)
フリッツ・クライスラー:完全録音集第6集(1924-1925)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲〜第2楽章カンツォネッタ(アンダンテ)(ヴァイオリンとピアノ編)
シュット:スロヴァキアの哀歌(C.フリートベルクによるヴァイオリンとピアノ編)/3.ハイドン:交響曲第96番ニ長調
「奇跡」Hob.I:96-第3楽章メヌエット(C.フリートベルクによるヴァイオリンとピアノ編)
伝承曲:古いフランスのガヴ
ォット(C.フリートベルクによるヴァイオリンとピアノ編)
ポルディーニ:7つのマリオネット-第2番踊る人形(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)/6.グレインジャー:岸辺のモリー(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
コルンゴルト:歌劇「死の都」Op.12-第1幕ピエロの踊り歌(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
マスネ:歌劇「タイス」-第2幕瞑想曲(M.P.マルシックによるヴァイオリンとピアノ編)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第2集Op.72,B.147-第2番ホ短調(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
バローグ:北の哀歌(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
ブランディ:愛しのオーガスティン-古いリフレイン(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
パレデフスキ:演奏会用ユモレスクOp.14-第1曲メヌエット(F.クライスラーによるヴァイオリンと管弦楽編)
ドーズ:メロディイ長調
ハーナート:歌劇「オレンジの花」-第1幕暗闇のキス(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
ヘンデル:歌劇「セルセ(クセルクセス)」HWV40-第1幕アリア「安らぎの木陰…オンブラ・マイ・フ(ラルゴ)」(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
クライスラー:ウィーン奇想曲Op.2
チャイコフスキー:ハプサールの想い出Op.2-第3曲無言歌(F.クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編)
バス:シャンソネット
ラロ:スペイン交響曲Op.21-第2楽章スケルツァンド(アレグロ・モルト)(ヴァイオリンとピアノ編)
キャドマン:キャニオンの伝説Op.68
バローグ:古風なカプリース
フリッツ・クライスラー(Vn)
カール・ラムソン(P)
ビクター・オーケストラ
ロザリオ・ブルドン(指)

録音:1924-1925年
クライスラー(1875-1962)によるビクター・トーキング・マシーン・カンパニーへの録音集の第6集です。これでこのシリーズは完了となります。この録音が行われていた時期のクライスラーと妻ハリエットは素晴らしく充実した生活を送っていました。結婚から22年を経て、ようやく瀟洒な自分の家をベルリンに持ったのです。しかし、迫り来る戦争はこの幸せを10年足らずで奪ってしまいました。美しい家は第二次世界大戦の終わり近くに、連合軍の爆撃に寄って破壊されることとなってしまったのですが、この頃の彼らには、そんな未来は想像もできなかったかのではないでしょうか。そして1938年には戦禍を離れパリに移住することとなるのです。この1925年のセッションでは多くの曲が録音されるも、リリースされなかったものも多かったのですが、ラロの第2楽章のテスト版が残存していました。また未発表であったチャイコフスキーの「カンツォネッタ」も美しい響きに満たされています。

NAXOSスタンダード 2015年8月発売
NAXOS-8.573398(1CD)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第21番(イグナーツ・ラハナーによるピアノ、弦楽四重奏とコントラバスへの編曲)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466<第1楽章:アレグロ(カデンツァ…L.V.ベートーヴェン)/第2楽章:ロマンツェ/第3楽章:アレグロ・アッサイ(カデンツァ…A.ゴールドスタイン)>
ピアノ協奏曲第21番ハ長調K467<第1楽章:アレグロ・マエストーソ(カデンツァ…A.ゴールドスタイン)/第2楽章:アンダンテ/第3楽章:アレグロ・ヴィ
ヴァーチェ・アッサイ(カデンツァ…A.ゴールドスタイン)>
アーロン・ゴールドスタイン(P)
ファイン・アーツSQ
<ラルフ・エヴァンス(第1ヴァイオリン)/エフィム・ボイコ(第2ヴァイオリン)/フアン・ミゲル・ヘルナンデス(Va)/ロベルト・コーエン(Vc)>/レイチェル・カリン(Cb)>

録音:2014年6月24-26日USAニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・
アンド・レターズ
※世界初録音
独奏楽器のための協奏曲は、17世紀の末頃から盛んに書かれるようになり、その多くは作曲家自身が自らを誇示するための手段として用いられ、華やかな技巧が凝らされたスリリングなものとなっていきます。モーツァルト(1756-1791)は、C.P.E.バッハやJ.C.バッハの協奏曲に倣い、ピアノのための協奏曲を27曲(そのうち第1番から第4番までは先人の作品の編曲)遺していますが、そのどれもが自らが演奏するために書かれたものです。しかし、これらの作品を聴くためには演奏会に出かけていくのが必須であった時代、愛好家たちが交響曲や協奏曲などの大掛かりな作品を自宅で楽しむためには、小さな編成に移し変えることが必要でした。もちろんモーツァルトの作品も例外ではなく、彼が活躍していた時代から、様々な作曲家による多くのトランスクリプションが施されてきました。このイグナーツ・ラハナー(1807-1895)による編曲は、弦楽四重奏にコントラバスを加えた、充実した響きを持つものです。この自然な編曲はまさしくモーツァルト自身によるものと言っても過言ではないでしょう。
NAXOS-8.573508(1CD)
イッポリトフ=イヴァノフ:交響曲第1番他
交響曲第1番ホ短調Op.46
トルコの断章Op.62
トルコ行進曲Op.55
シンガポールSO
ヘイ・チョー(指)

録音:1984年1月21日シンガポール,ヴィクトリア・メモリアル・ホール
MARCO POLO 8.220217からの移行盤
イッポリトフ=イヴァノフvの名前を聞くと、ほとんどの人があの野趣溢れる「酋長の行進」を思い起こすことでしょう。あちらは「コーカサスの風景」の第4曲で、サルダール(オスマン帝国の最高司令官)が行進している様子を描いたもので、一度聴いたら、あのエキゾチックなメロディが頭から離れなくなるという代物です。このアルバムには、彼の交響曲第1番と、特徴的な「トルコ風の」音楽の両方が収録されています。ある種のチャイコフスキー的な雰囲気を持つ「交響曲第1番」を聞いてわかる通り、リムスキー=コルサコフに師事した彼の作品は、もともと重厚でロシア的な響きから出発しているのですが、人生の後半期に研究したトルコの民俗音楽に強い関心を持つことで、あの「酋長の行進」や、このアルバムに収録された「トルコの断章」や「トルコ行進曲」のよう独特の音楽が生まれたのでしょう。ここら辺は文句なく楽しめる作品であることは間違いありません。
NAXOS-8.573235(1CD)
リスト:ピアノ曲全集第40集〜マイアベーアの歌劇からのトランスクリプション集
マイアベーアの歌劇「予言者」による挿絵S414/R223
マイアベーアの歌劇「悪魔ロベール」のカヴァティーナS412a
マイアベーアの歌劇「悪魔ロベール」の回想S413/R222
マイアベーアの歌劇「アフリカの女」の挿絵S415/R224
セルジオ・ガッロ(P)

録音:2014年8月5-8日スウェーデンイェテボリ,ニレント・スタジオ
現在では、マイアベーアの作品はほとんど忘れられてしまい、たまに上演されると言うだけで話題になったりするのですが、リストが生きていた時代には、マイアベーア(1791-1864)は人気者であり、その作品も熱狂的に迎えられていました。もちろん一部の有識者たちはマイアベーアの作品の凋落を予言していたという説もありますが・・・。さて、そんなマイアベーアの作品の中の名旋律をリスト(1811-1886)がピアノ用に編曲したのが、このアルバムに収録されている一連の曲です。とは言え、歌劇「予言者」は比較的良く知られており、「スケートをする人々」はフレデリック・アシュトンによるバレエでもお馴染みだったり、「戴冠式行進曲」も耳にする機会が多い曲と言えるでしょう。もちろんピアノで聴くと、違った印象になるかも知れません。ショパンが強い感銘を受けたと言われる「悪魔ロベール」、そして、こちらも全曲を聴く機会がほとんどない「アフリカの女」の3つの作品、このアルバムを聴いたら、やっぱり全曲を聴いてみたくなりますね。素晴らしい演奏をしているスタインウェイ認定ピアニスト、ガッロはロマン派を得意とする人で、このリストでも卓越した技巧を披露しています。
NAXOS-8.559693(1CD)
ゴットシャルク:熱帯の夜〜ピアノ作品集
バンジョー-グロテスクな幻想曲Op.15(1854)
最後の希望-瞑想のレリジュースOp.16(1854)
風刺-カプリースOp.59(1869)
子守歌Op.47(1860)
ブラジル国歌による勝利の大幻想曲Op.69(1869)
夏の夜の夢‐A.トマのオペラによるカプリース・エレガントOp.9(1849)
失われた幻想Op.36(1859-1860)
過ぎし時の反映‐夢Op.28
交響曲第1番「熱帯の夜」(S.メイヤーによるピアノ編)(1858-59/2013)*
スティーヴン・メイヤー(P)

録音:2014年4月14-16日USAニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
*…世界初録音
アメリカ合衆国の「ロマン派時代」に属する作曲家ゴットシャルク(1829-1869)。商人の父を持つ彼は、クレオール人(もともとフランス領ルイジアナへの移住者を先祖に持つ人種で独自の文化を持つ)の街に住み、幼い頃から雑多な文化に触れて育ちました。幼い頃にピアノをはじめ、11歳のときに非公式デビューを果たし、その2年後にヨーロッパへ渡り、パリ音楽院への入学を希望しますが、残念ながら拒否されてしまいます。しかし、その時にベルリオーズやショパンと会い、賛辞を得ています。1853年に帰国し、その後は中南米で活躍、その地の音楽やカリブ海沿岸の民俗音楽をベースにしたリズミカルなピアノ曲を150曲近く作曲しました。情熱的なリズムと、ショパン的とも言える抒情的な旋律の融合が、単なるサロン音楽の粋を越えた上質な作品として、現代の聴き手の耳を捉えて離しません。特にトラック4の子守歌は、これまでゴッドシャルクの音楽におけるイメージ…明るい開放感…を覆すほどのしっとりとしたものです。もちろん、ピアニスト、メイヤーによる「熱帯の夜」のピアノ版は、その開放感と情熱において、全ての人々の期待にしっかり応えています。
NAXOS-8.573117(1CD)
ヴィラ=ロボス:ギターの写本傑作集と失われた作品集第3集
タランテッラ(A.ビッソーリによるギター編)(1911/2010)
12 の練習曲(1928)
「実用の手引き」から民謡編曲集(A.ビッソーリによる器楽編)(1932/2010)<第71 番:Machadinha‐小さな斧/第112 番:Samba-lele‐サンバ・レレ/第15 番:Bela pastora‐羊飼い/第108 番:Rosa amarela‐黄色いばら(第1 稿)/第31 番:Carneirinho, carneirao‐カルネイリンホ,カルネイラオ/第45 番:O cravo‐おお、クラーボ(第1 稿)/第133 番:Vitu‐ヴィツ/第114 番:Senhora Dona Sancha‐セニョーラ・ドンナ・サンチャ(第1 稿)/第87 番:Pai Francisco‐フランシスコ様(第1 稿)/第35 番:O ciranda, o cirandinha‐おお、シランダ、おお、シランディンハ、輪になって踊ろう/第41 番:Constancia‐信心深く/第137 番:Xo! Passarinho‐しーっ!小鳥さん/第55 番:Fui no Itororo‐私はイトローロへ行った(第2 稿)/第90 番:Passaras, nao passaras‐パサラス、ナオ、パサラス>
O papagaio do moleque-少年の凧(1932)
アンドレア・ビッソーリ(ギター)
アンサンブル・シランディンハ…
ミナス・ゲライス・フィルハーモニックO
ァビオ・メケッティ(指)

録音:2014年7月1-5日イタリアアルクナーノ,ヴィラ・カネラ・ディ・サラスコ
,2012年8月10-164日イタリアヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ
2013年5月2日ブラジルミナス・ゲライス,ベロ・ホリゾンテ,パラシオ・ダス・アルテス…28
※1.14-27…世界初録音
NAXOSの人気シリーズ「ヴィラ=ロボスの傑作集と失われた作品集」の第3集となります。このアルバムに収録されているのは「12の練習曲」と「実用の手引き」が中心となります。ヴィラ=ロボスが「12の練習曲」を書くきっかけとなったのは、あの伝説の名ギタリスト、アンドレス・セゴビアと出会ったことでした。セゴビアはヴィラ=ロボスに「練習曲」の作曲を依頼し、1928年に完成したのですが、なぜかヴィラ=ロボスは1953年、大幅な改訂(カット、追加、変更、運指法など)を加えてしまいました。ギタリスト、ビッソーリはこの失われた要素を研究し復元して演奏しています。また子ども向けの教材として書かれた「実用の手引き」はピアノで演奏されることが多いものですが、ここでは民族楽器とギターのアンサンブルでひたすら楽しく演奏されています。そして、壮大な交響的エピソード「少年の凧」がこのアルバムの最後、及びシリーズの最後を恭しく飾ります。少年の揚げる色鮮やかな凧が空気中を旋回しながら、風に乗って舞う姿が見事に捉えられた映画音楽のようなスリリングな作品です。
NAXOS-8.573335(1CD)
カール・ツェルニー:フルートとピアノのための作品集
ロッシーニとベッリーニの名モティーフによる、平易で華やかな3つの協奏風ロンドOp.374
序奏、変奏と終曲ハ長調Op.80
協奏風小ロンドへ長調Op.149
協奏的二重奏曲ト長調Op.129
瀬尾和紀(Fl)、上野真(P)

録音:2014年4月30日-5月2日日本三重県総合文化センター
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして、またベートーヴェンの弟子として輝かしい足跡を残したカール・ツェルニー。しかし現在では「練習曲を書いた人」としてのみ認識されているのは、なんと悲しいことでしょう。このアルバムは、日本が誇る2人の名手、瀬尾氏と上野氏が、「ツェルニー復権」のためにタッグを組みました。彼らはモシェレス作品集(NAXOS-8.573175)でも息のあったアンサンブルを披露していましたが、今回のツェルニーでは一層の親密さと緊張感を伴った極上の演奏を聴かせます。1836年に出版された「ベッリーニとロッシーニのメロディをとことんまで使い尽くし、華麗な作品として創り上げた協奏風ロンド」での独奏フルートの息を飲むようなパッセージと、これを支えるピアノの安定感には驚くばかりです。「序奏、変奏と終曲」は1825年ごろの作品で、シューベルトの「しぼめる花」のメロディを主題としたもので、当時流行していたスタイルである、ゆったりとした序奏と、華麗な変奏曲、そして華やかな終曲がセットになっており、7つの変奏曲にも精緻な技法が施されています。この曲は当時活躍していたフルート奏者フェルディナント・ボーグナーのために書かれています。1827年に出版された「協奏風小ロンド」での技巧提示、「協奏的」と銘打たれた各楽器の密接なやり取りは、そのまま同じ年に出版された「協奏的二重奏曲」に引き継がれ、一層の発展を遂げているのです。
NAXOS-8.573440(1CD)
バロックの時〜アマデウス・ギター・デュオによるバロック作品集
ヘンデル:シャコンヌト長調HWV435(アマデウス・ギター・デュオによる2台のギター編)
ヴィヴァルディ:2台のヴァイオリン、リュートと通奏低音のための協奏曲ニ長調RV93(F.ゲルストマイアーによる2台のギター編)
バッハ=ブゾーニ:シャコンヌBWV1004(U.ストラッケによる2台のギター編)
フランク:前奏曲,フーガと変奏曲Op.18(M.オフィーによる2台のギター編
バッハ:イタリア協奏曲BWV971(H.ケッペルによる2台のギター編)
ハンス・レオ・ヘスラー(1564-1612)=J.S.バッハ:我が心千千に乱れ(F.ゲルストマイアーによる2台のギター編)
アマデウス・ギター・デュオ

録音:2004年6月18-21日ダールゼン復活教会
結成から25年、アマデウス・ギター・デュオは常に「ギター・デュオ」の分野で先進的な役割を果たしてきました。彼らは2台のギターでの演奏だけでなく、オーケストラと共演したり、更にギターの台数を増やしたりと、様々な試みを行い、ギター・アンサンブルの可能性を探求しているのです。このアルバムは「バロック・モーメンツ=バロックの時」と題されていて、ヘンデルやヴィヴァルディ、バッハの名曲を次々をギター2台で聴かせるというものですが、実はもう一ひねりされており、例えばバッハから派生したブゾーニの編曲や、バッハから触発されたフランクのオルガン作品をギター・デュオにアレンジするという試みにもチャレンジ。これがまた心憎いほどにはまっているのがさすがです。元々は独奏ヴァイオリンのための「シャコンヌ」が、ブゾーニによってピアノに置き換えられ、今回、250年を越えた年月を経てギター・デュオに変容している様子も何とも感動的です。
NAXOS-8.573438(1CD)
マルトゥッチ:ピアノ三重奏曲第1番&第2番
ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調Op.62
ピアノ三重奏曲第1番ハ長調Op.59
トリオ・ヴェガ<マルク・パキン(Vn)/オルフィリア・サイス・ヴェガ(Vc)/ドメニコ・コディスポティ(P)>

録音:2014年6月2-4日スペイングラナダ,アウディトリオ・マヌエル・デ・ファリャ
いかにもNAXOSらしいこのアルバムは、19世紀後半のイタリアの作曲家マルトゥッチ(1856-1909)が書いた2曲のピアノ三重奏曲です。当時、ヴェルディなどを初めとしたオペラ作曲家の作品が全盛を誇っていたイタリアにおいて、声を使わない管弦楽曲や、室内楽曲、ピアノ曲などはあまり人気がありませんでした。しかし、一部の作曲家たちはそれに疑問を抱き、純粋な器楽曲を書き続けています。マルトゥッチも、結局生涯に1作も歌劇を作曲することなく(いくつかの優れた声楽曲はあるにしても)、常に目標を器楽曲の作曲に定めていたのです。このピアノ三重奏曲は第1番は1882年、第2番はその翌年の1883年に書かれたもので、まるでブラームスを思わせるような佇まいの中に、確かに先進的な閃きを宿した見事なものです。例えば第2番、この第1楽章の冒頭の屈託のないメロディを聴いていると、一瞬、時代を50年ほど前に遡ってしまった感を受けるのですが、聴いていくうちに、妖しい雰囲気がやってきて、これが何ともいえずに心をかき乱すのです。第2楽章、第3楽章と聴き進めるに従って、面白さ倍増となります。第1番もなかなかの問題作。息の長いメロディの中に潜む不安感と焦燥感がたまりません。ちなみに、第1番はミラノの出版社リコルディから出版されましたが、第2番はライプツィヒの出版社キストナーから出版されたことを考えても、彼の作品がドイツで高く評価されていたことは間違いありません。
NAXOS-8.573367(1CD)
フィリップ・セイントン:白鯨=モビー・ディック(1956)J.モーガン,W.ストロンバーグによる再構築版
メイン・タイトル/海の音楽/クィークェグの登場/鯨のあばら骨と恐怖(賛美歌)/賛美歌(リプライズ)/ドックの情景/ドックの情景(異稿)/船上のイシュメイルのサイン/クィークェグは歌う/出発/見知らぬ人-出発のための準備/ピークォド号の出発-海へ/エイハブ船長の自己紹介/あそこで鯨が潮を吹いているぞ/旅は続く/謝肉祭/海上でのミーティング/見張り台の上で/待つばかり/モビィ・ディック/探索は続く/セント・エルモの灯/エイハブ船長の狂気/偉大なる白鯨/不気味な落ち着き-彼は目覚める/終曲
モスクワ合唱団のメンバー
モスクワSO
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:1997年4月ロシアモスクワ,モスフィルム・スタジオ
※MARCO POLO8.225050からの移行盤
19世紀後半、アメリカの捕鯨船団は世界の海で盛んに鯨を捕らえていました。そんな時代、捕鯨船ピークォド号に乗り込むことになった船乗りイシュメイルは、ピークォド号の船長であるエイハブと出会い、少しずつ彼の狂気に巻き込まれていくことになります。1851年に発表されたハーマン・メルヴィルの長編小説「白鯨」は、その壮大な物語性と、鯨に関する科学的な記述(作者は実際に捕鯨船に乗船し、技術を得ていた)が人気を呼び、たびたび映画化されています。3回目の映画となったのが、この1956年のジョン・ヒューストン監督によるものでした。主演のグレゴリー・ペックの渋い演技は高く評価されましたが、あまりにも原作に忠実だったため、雰囲気が暗く難解になってしまったため、興行的には失敗作の烙印を押されてしまったというから驚きです。このセイントン(1891-1967)によるサウンド・トラックは、海の多彩な表情を鋭く捉えながら、展開する人間ドラマを丁寧に描き出しています。フィンジやハウエルズなどの近代イギリス音楽を愛する人にも満足していただける素晴らしい音楽と言えるでしょう。
NAXOS-8.573375(1CD)
カサブランカス:ピアノ三重奏曲集
三重奏のための楽章/即興曲
.はい、モンサルバーチェさん!
フェデリコ・モンポウのための歌「回想」
3つの俳句
アンコール「アルバムの綴り」
スルバランのための俳句
哀歌「ラモン・バルセのための俳句」
歓喜「ジョルディ・サバールへのオマージュ」
三重奏曲第2番「即興曲」
カム・ウン・レチタティーボ
2つの覚え書き/トリプティコ-三部作
3つの俳句(セカンド・コレクション)
三重奏のための俳句
B3:ブローウェル・トリオ<ジェニー・グエッラ(Vn)/エレーナ・ソラネス(Vc)/カルロス・アペラニス(P)>

録音:2012年7月3-4日スペインバレンシア,パラウ・ド・レ・アーツ「レイナ・ソフィア」
2013年6月22-23日スペインバレンシア,パラウ・ド・ラ・ムジカ
2014年2月10日スペインバレンシア,パラウ・ド・ラ・ムジカ
※世界初録音
現代スペイン、バルセロナを代表する作曲家、ベネット・カサブランカス(1956-)の室内楽作品集です。彼の作品は確かに難解ですが、一方、彼の代表著書は「音楽とユーモア、パロディとアイロニー」というのですから、なんとも「食えない作曲家」であることは間違いありません。彼は数多くの室内楽のための作品を書いていて、そのどれもが細部まで考え抜かれたテクスチャーを持ち、洗練された雰囲気を持っています。このアルバムには、40年に渡る時代の作品が収録されていて、これらはおおよそ3つの時代に分けることができます。もっとも初期の作品である「2つの覚え書き」での凝縮された音の動きの面白さと、彼の関心事である「日本の詩、俳句」のフォームを生かした最近の作品の斬新さ、など、深く分け入ることでカサブランカスの求める世界が見えてくるような気がします。
NAXOS-8.573323(1CD)
フランツ・イグナーツ・ベック:交響曲集Op.2
交響曲ニ長調Op.2,No.1(Callen7)
交響曲ト短調Op.2,No.2(Callen8)
交響曲イ長調Op.2,No.3(Callen9)
交響曲変ホ長調Op.2,No.4(Callen10)
交響曲ニ長調Op.2,No.6(Callen12)
交響曲ト短調Op.2,No.5(Callen11)
サーティーン・ストリングス室内O
ケヴィン・マロン(指)

録音:2014年6月16-18日カナダオタワ,セント・マシューズ・アングリカン教会
ハン・シュターミッツの優れた弟子として若い頃から才能を評価されていたというベック(1734-1809)。しかし、ひょんなことからライバルと決闘しマンハイムからイタリアに逃亡。そこでも一悶着起こし、結果フランスへ逃避。劇場のコンサートマスターに就任し、同時に多くの作品を出版しますが、折悪しく“フランス革命”に巻き込まれ、収入が激減し、ナポレオンに個人的な援助を求めるなど波乱に満ちた生涯を送りました。NAXOSでは彼の作品を集中的にリリースし、この埋もれた才能の発掘に一役買っています。これらの作品は、彼の生涯のように独創的であり、魅力的な旋律に溢れています。
NAXOS-8.573305(1CD)
ルイス・ミラン:エル・マエストロ第1巻
エル-マエストロ(巨匠)と題された独奏ビウエラのための曲集

ファンタジー集<ファンタジア第1番/ファンタジア第2番/ファンタジア第3番/ファンタジア第4番/ファンタジア第5番/ファンタジア第6番/ファンタジア第7番/ファンタジア第8番/ファンタジア第9番>
右手の弦のはじき方のファンタジー集
ファンタジー集<ファンタジア第19番/ファンタジア第20番/ファンタジア第21番/ファンタジア第22番>
6つのパヴァーヌ<パヴァーヌ第1番/パヴァーヌ第2番/パヴァーヌ第3番/パヴァーヌ第4番/パヴァーヌ第5番/パヴァーヌ第6番>
ホセ・アントニオ・エスコバル(ビウエラ・デ・マーノ)

録音:2014年5月1-4日カナダオンタリオ、オーロラオフォード・ホール,グリーン・ルーム
ルイス・ミラン(1500頃-1561頃ルイス・デ・ミランとも)は、スペイン・ルネサンス期のビウエラ奏者、作曲家です。その生涯については不確かなことが多く、バレンシアで活躍し、一時期はポルトガルに行っていたであろうと推測されるのがせいぜいです。その理由の一つに、当時彼がいたバレンシアの宮廷には、少なくとも同じ名前の男性が3人存在したため、混乱をきたしているようです。しかし、彼は当時用いられていたビウエラ・ダ・マーノのための音楽を出版した最初の人物であり、また音楽にテンポを指定した最初の作曲家の一人ともされています。この「エル・マエストロ」は1536年にバレンシアで出版された史上初のビウエラ曲集で、恐らく学習者のために書かれたとされています。なぜなら、曲が段階を追って並べられ、最初は易しく、曲が進むに従って難しくなっていくという形式が取られ、その中にはポリフォニーの練習や、超絶技巧のパッセージなども組み込まれています。NAXOSでは、この「エル・マエストロ」を最初から曲順通りに録音していきます。
NAXOS-8.573533(1CD)
永遠の要素
ブライアン・カレント(1972-):炎の始まり(2012)
アンドリュー・スタニランド(1977-):至点の歌(2011)
マイケル・オエスタール(1968-):センテニアルズ-百年祭(2012)
ジェームズ.K.ライト(1959-):不滅の恋への手紙(2012)*
ジュリー・ナスララ(Ms)*
グリフォン・トリオ<アンナリー・パティパタナクーン(Vn)/ローマン・ボリーズ(Vc)/ジャミー・パーカー(P)>

録音:2014年5月26-28日カナダオンタリオ,トロントグレン・グールド・スタジオ
※世界初録音
カナダの名アンサンブル、グリフォン・トリオは1993年からこれまでに、75作の新作を演奏し、世界中の作曲家から委嘱作を受けています。このアルバム「永遠の要素」はジュノー賞を獲得。演奏もさることながら、アルバムのコンセプトも高く評価されたものです。第1曲目のカレントの「炎の始まり」は作曲家がムスコカ湖のほとりで、湖面に反射する夏の日光を見て想起されたといい、煌く光をピアノが表現し、炎が燃え盛っていく様子が捉えられています。スタニランドの「至点の歌」は永遠に繰り返される季節の節目である「冬至、夏至について」の曲です。この日は特別であり、文化を越えて祝される日でもあります。「百年祭」は3人の文化人の100回目の誕生日について。各々の人々を独自の形で音として表現しています。最後の「不滅の恋への手紙」は良く知られるベートーヴェンの手紙のエピソードにインスパイアされた作品。アンダンテ・ファヴォリの旋律が引用された美しいものです。
NAXOS-8.573064(1CD)
レオナルド・バラダ:ピアノ、管楽器と打楽器のための協奏曲他
クンブレス-バンドのための小交響曲第2番(1971)
ピアノ,管楽器と打楽器のための協奏曲(1973)
チェロと9人の奏者のための協奏曲(1962/1967改編)
ヴィオラ協奏曲(2009-2010)*
10の管楽器のためのソナタ(1979)
エンリケ・グラーフ(P)
デヴィッド・プレモ(Vc)
アシャン・ピライ(Va)
カーネギー・メロン・ウィンド・アンサンブル
<指>デニス・コルウェル/ステファン・ストーリー/トーマス・トンプソン/ジョージ・ヴォスブルー

録音:2010年11月3日、2011年2月9日、2011年2月16日、2011年2月7日、2011年2月3日
*=世界初録音
常に刺激的な作品を供給するバルセロナ生まれの作曲家レオナルド・バラダ(1933-)。このアルバムでは彼が電子音楽に興味を抱いていた1960年代の作品から、2000年代のヴィオラ協奏曲まで、幅広く興味深い作品が網羅されています。「クンブレス」はカーネギー・メロン大学のシンフォニー・バンドによる委嘱作で、バラダがジュリアードの学生だった頃に取り組んでいたトーン・クラスター(色んな音を同時に発する和音のようなもの、音の固まり)の要素も交えた問題作。この曲に敢えて「交響曲」と名づけたバラダの意図も面白いものです。同じくカーネギー・メロン大学の同窓会から委嘱されたユニークな「協奏曲」の冒頭部分は「ピンポン」からヒントを得たもの。「チェロの協奏曲」はカタロニア出身のチェリスト、ガスパール・カサドから委嘱された作品で、新古典派風の要素を持っています。ごく最近の作品である「ヴィオラ協奏曲」はまたもや不可解な音に彩られた作品ですが、根底にはカタロニア民謡が仕込まれているのです。「10の楽器のためのソナタ」も、まるで刑事ドラマのサウンド・トラックのような音の羅列が続きますが、彼自身によれば「ソナタという言葉には音片という意味がある」ということで、やはり一筋縄ではいかない音楽と言えるでしょう。
NAXOS-8.572806(1CD)
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽四重奏曲全集第1集
弦楽四重奏曲第6番(1960)
弦楽四重奏曲第1番(1939)
弦楽四重奏曲第3番(1947)
弦楽四重奏曲第7番(1965
ルトスワフスキSQ<ヤクブ・ジャコヴィツ(第1ヴァイオリン)/マルシン・マルコヴィチ(第2ヴァイオリン)/アルトゥール・ロズスミィウォヴィッチ(Va)/マチェイ・ムゥオダフスキ(Vc)>

録音:2012年11月15-17日、2012年12月11-17日
グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)は国際的に認知された「初のポーランド女性作曲家」であり、最近、その作品への注目がたかまっています。音楽学者エイドリアン・トーマスは、彼女の弦楽四重奏曲を「20世紀のポーランド音楽…もしくは20世紀の音楽作品の中で最も重要な作品群」と評しました。それほどまでに、これらの作品は独創的であり印象的で、どの曲にも見事な対位法、強い感情表現、そして散りばめられた遊び心など、凝縮された思念が込められています。1939年に初演された第1番は、恐らくパリ音楽院時代の作品ですが、そのスコアは失われており、今回演奏で用いたのは1998年に公開されたS.B.ドヴォレツキの複写版です。第2楽章、変奏曲の主題はリトアニア民謡から取られており、彼女の父親の祖国の音楽を彷彿させるものとなっています。新古典派風の第3番も魅力的ですが、第6番、第7番などの後期の作品がとりわけ興味深いものとして印象に残ることでしょう。
NAXOS-8.572838(1CD)
陳怡‐チェン・イ:吹奏楽のための音楽集
KCカプリッチョ(2000)〜管楽アンサンブルと混声合唱のための
チェロとチェンバー・ウィンズのための組曲(2004)
木管五重奏曲(1987)
フェン(1998)
Tu(ウィンド・アンサンブル版)(2002/2004)
カーター・エンヤート(Vc)
ラボック・コラーレのメンバー
テキサス工科大学ウィンド・アンサブル
サラ・マッコイン(指)

録音:2006年10月7日、2006年12月11日
※世界初録音
中国系アメリカ人の作曲家チェン・イ(1953-)のユニークな吹奏楽作品集です。広州市で生まれた彼女は、文化大革命の影響で、充分な西洋文化を学ぶことができませんでした。そこで彼女はこっそりと音楽の勉強を続けながらも、中国の民俗音楽を研究し、この経験がやがて自身の作品の中に「東洋と西洋の融合」として見事に花開くこととなります。このアルバムの中にも、様々な実験的要素が見て取れ、例えば、トラック6の木管五重奏曲は、中国の伝統的な木管楽器でも演奏できるものです。祝祭的なKCカプリッチョは、カンザスシティの150周年記念として作曲されたもので、彼女が好む「声と管楽器の融合」を存分に楽しむことができます。トラック9の「Tu=火」は、2001年の9月11日の悲劇から題材がとられており、自身を犠牲にして市民たちを守る消防士への鎮魂として、また犠牲者とその家族のために、また将来の平和への祈りの気持ちが込められています。そんなチェン・イ。中国人女性として初の北京市中央音楽院から作曲のマスター・オブ・アーツを受けています。

NAXOSスタンダード 2015年7月発売
NAXOS-8.573299(1CD)
シベリウス:序曲イ短調JS144
劇音楽「クオレマ」Op.44JS113
組曲「クリスティアンII世」Op.27
ア・パヤラ(S)
ヴァルテッリ・トリッカ(Br)
レイフ・セイゲルスタム(指)トゥルクPO

録音:2014年2月3-7日フィンランドトゥルク・コンサート・ホール
2015年はシベリウス(1865-1957)生誕150周年にあたります。数多くのシベリウス作品がリリースされますが、このセーゲルスタムによる管弦楽作品集も、選曲の見事さと、確固たる解釈に裏打ちされた演奏は、全てのシベリウスマニアの心を捉えること間違いありません。近代フィンランドの音楽発展に最も寄与した人物であり、その壮大な交響曲と、民俗物語をふんだんに取り入れた管弦楽作品は、現在でも広く愛されています。しかし、まだまだ良く聴かれる曲は一部であり、このアルバムに収録された「クリスティアンII世」すらも、遍く知れ渡っているとはいえないのではないでしょうか?それでも「悲しきワルツ」の原型が含まれる劇音楽「クオレマ(死)」は比較的有名な作品ですが、前述の「悲しきワルツ」の元の形すらも、あまり演奏されることはありません。勇壮なファンファーレで始まる「イ短調序曲」はたった一晩で書き上げられたという言い伝えのある作品(信憑性には乏しい)で、なかなかユーモラスな部分もあったりと、面白い作品です。スウェーデン語に翻訳されたシェークスピア文学が元になった「十二夜」、前述の「クリスティアンII世」と、交響曲では味わえないシベリウスの新しい面を知ることができる素晴らしい1枚です。
NAXOS-8.572879(1CD)
シューマン:ピアノ・デュオのための編曲集第3集
劇音楽「マンフレッド」Op.115-序曲(C.ライネッケによるピアノ連弾編)
劇音楽
「マンフレッド」Op.115-間奏曲(A.ホルンによるピアノ連弾編)
劇音楽「マンフレッド」Op.115-アルプスの魔女の呼び声(A.ホルンによるピアノ連弾編)
交響曲第3番「ライン」(C.ライネッケによるピアノ連弾編)
序曲「ヘルマンとドロテア」Op.136(作曲家自身によるピアノ連弾版)
ゲーテの「ファウスト」からの情景Woo3-序曲(1853)(W.バルギールによるピアノ連弾編)
エッカーレ・ピアノ・デュオ(マリコ・エッカール&フォルカー・エッカール)

録音:2013年10月31日.11月1日ドイツバーデン=ヴュッテムベルクエットリンゲン・シュタートハレ
※世界初録音
当初ドイツのみで販売されていて、ワールドワイドリリースが渇望されていたアルバムです。シューマン(1810-1856)の管弦楽作品を連弾ピアノで演奏するという試みは、ブラームスの同様の作品とも違った世界を表出するものです。とは言え、ブラームスとは違い、彼自身が連弾用に編曲することはあまりなく、ほとんどが彼の弟子であったカール・ライネッケらが編曲したものを監修するというやり方であり、これがまた「第3者の目を通してみたシューマン像」を知ることができるという、とても面白いものになっているのです。もちろんシューマンが同意することが重要なのですが。このアルバムの中では「ヘルマンとドロテア」序曲は珍しくシューマン自身が編曲したもの。内声を重視したシューマンが、どのように管弦楽作品を音の少ない連弾に移し替えているのかに注目して聴いてみてください。なおこの曲の主要テーマは、フランス革命時のお話のためか、"良く知られた"あのメロディが使われています。メインの交響曲第3番は、若干ぎこちなく聞こえる部分もありますが、なかなか素晴らしい作品に仕上がっています。
NAXOS-8.573467(1CD)
アルメニアのピアノ作品集
1-6.コミタス・ヴァダペット(1869-1935):ピアノのための6つの舞曲(1916)
7-10.アレクサンドル・スペンディアリアン(1871-1928):クリミアのスケッチ(1903)<
11.アルノ・ババジャニアン(1921-1983):前奏曲(1947)
 12.メロディ(1973)
 13.ユモレスク(1973)
 14.即興曲「Exprompt」(1936)
 15.ヴァガルシャパト舞曲(1947)/16.ババジャニアン:エレジー(1978)
17-20.エドゥアルド・アブラミアン(1923-1986):24の前奏曲(1948-1972)から<第3番:ホ短調/第6番:嬰ハ短調/第13番:イ長調/第19番:嬰ト短調>
21-23.エデュアルド・バグダサリアン(1922-1987):24の前奏曲(1951-1958)から<第6番:ロ短調/第9番:ホ長調/第24番:ニ短調>
24.ロベルト・アミルカニアン(1939-):肖像画の前で(2009)
25.アミルカニアン:子どものイメージ(2009)
26.春の雫(2009)
ミカエル・ハイラペティヤン(P)

録音:2012年10月20-21日、2012年1月27-28日、2012年10月6-7日 ロシア文化と芸術モスクワ州立大学,グランド・コンサート・ホール

7-10.20.23.24.25.26…世界初録音
最近、何となく注目が高まっているアルメニアの音楽。もちろんハチャトゥリアンは言うまでもなく有名ですが、その後に続く作曲家たちの作品が放つ濃厚な香り(もちろんかなりスパイシー)も多くの聴き手を楽しませているようなのです。このアルバムに収録された6人の作曲家の作品はその筆頭であり、まるでゲームキャラクターのような彼らの特徴的な名前が、そのまま音楽に反映されているのでしょうか?冒頭のコミタスの曲から、背中が何となくゾクゾクしてくること間違いありません。とりわけ静かな人気を誇っているのが、ババジャニアンの一連の作品で、特にトラック16の「エレジー」が醸し出す濃厚な哀愁は、まさに日本の演歌。絡みつくような後を引くメロディはくせになります。
NAXOS-8.573427(1CD)
星々の歌〜イギリスの高声合唱曲集
1.ボブ・チルコット(1955-):星々の歌(2010)
2.ポール・ミーラー(1975-):み恵みあふれ輝く光よ(2007)
3.ホルスト(1874-1934):アヴェ・マリアH49(1900)
4-7.リグ・ヴェーダからの合唱賛歌第3部H99Op.26-3(1905
8.ジェームズ・マクミラン(1959-):Nova! Nova! Avefitex Eva新しい、新しい、雹はイブから(2012)
9.王のための新しい誂え(2012)
10.タリク・オレガン(1978-):彼は鳩を見ていた(2001)
11.オレガン:春期だけ見られる光(2007)
12.アレルヤ、讃美と栄光は(2004)
13.セシリア・マクドウォール(1951-):天の女王(2004/2013)
14.ジョン・タヴァナー(1944-2013):聖ヒルダのイコン(1998)
15.神の母(2001)
16.ミサ・プレヴィス-神の子羊(2005)
17.ジェームズ・ウィトボーン(1963-):祝典アレルヤ(2010)
エレアノール・ターナー(ハープ)…4-7
エリオット・ラウン(P)…2.9.11.17
ウェールズ教会学校Cho
クリストファー・フィンチ(指)

録音:2014年7月8-10日UKコーンウォール,セント・ジェームス・ザ・グレート・パリッシュ教会
※1.8.9.11.12.13.15.16.17…世界初録音
日本ではあまり分類されることのない「高声合唱(uppervoicechoirs)」ですが、スカンジナビア諸国、東欧、アメリカを含む世界の多くの地域ではその美しさと純度の高さ、そして表現力の豊かさによる賞賛されています。これらの曲は基本的に女声合唱(アルトは含まない)によって歌われ聴き手は柔和な光に包まれるような崇高な気分を味わうことができるのです。アルバムの中で最も有名なのはなんと言ってもホルストの「リグ・ヴェーダからの合唱賛歌」で、ハープの音色と純粋な声が綾なす夢のような美しさは、一度聴いただけで必ずや魅了されることでしょう。他の多くの作品は21世紀になってから作られたものですが、これらの複雑で神秘的な音も聴き手の想像力を強く刺激します。難解な作風で知られるタヴァナーやマクミランの音楽でさえ優しい安らぎを運んでくるようです。
NAXOS-8.559781(1CD)
クインシー・ポーター:弦楽四重奏曲第5番-第8番
弦楽四重奏曲第7番(1943)
弦楽四重奏曲第5番(1935)
弦楽四重奏曲第6番(1937)
弦楽四重奏曲第8番(1950)
アイヴスSQ<メンバー:ベッティーナ・ムッスメリ(第1ヴァイオリン)/スーザン・フライアー(第2ヴァイオリン)/ジョディ・レヴィッツ(Va)/ステファン・ハリソン(Vc)>

録音:2008年5月20.23.27.28日,2009年4月5日,2012年5月16日カリフォルニア,ベルヴェデーレ,聖ステファン教会
コネチカット州生まれの作曲家、クインシー・ポーター(1897-1966)は、アメリカの音楽文化を形成し、後進を導くという重大な役割を果たした人です。彼はイェール大学を卒業後、パルに留学しダンディに師事、1921年にアメリカに戻り、ブロッホにも薫陶を受けています。そして同世代の多くのアメリカ人作曲家たちがヒンデミットやストラヴィンスキーに影響を受けたように、彼もまた「新古典主義」の作風を創造の根底に置き、独自の音楽を創り上げていくのです。第1集(NAXOS-8.559305)に収録された30歳代前半の作品に比べ、後半生の弦楽四重奏は、一層「新古典主義的」な味わいを持っていて、第7番や第8番では荒々しいリズムの応酬も見られるなど、とにかく絡み合う音が刺激的な、興味深い音楽を楽しむことができます。その第7番は高名な慈善家、エリザベス・スプラーグ・クーリッジに捧げられています。20世紀前半の多彩な音楽の一つの形がここにあります。
NAXOS-8.570617(1CD)
許舒亞:管弦楽作品集〜インソレーション/クリスタル・サンセット他
インソレーション(1997-2014)
クリスタル・サンセット(1992)
.祖国へのこだま(1993)
ニルヴァーナ(2000)/ユン(2007)
リー・シューイン(S)
チェン・キリアン(Ms)
ウィーンRSO
ゴットフリート・ラブル(指)

録音:2014年8月24.25.27日オーストリアウィーン,オーストリア放送文化会館
※世界初録音
1961年に中国の北東部で生まれた作曲家、許舒亞(1961-)の作品集です。中国の「ニューウェイブ」作曲家であり、彼の作品は世界中で賞を獲得し、広く演奏されています。日本でも以前、サントリー音楽財団が開催したサマーフェスティヴァルで(1999年)彼の作品「虚/実〜12奏者のための」を演奏し、こちらも高い評価を受けています。このアルバムには1990年台から2007年までに書かれた5つの作品が収録されています。「インソレーション-日射量」は中国の古代神話にインスパイアされた作品で、猛暑の日に水を求める英雄の姿が描かれています。自然を征服する困難さと勇気が讃えられています。次の曲も「太陽賛歌」であり、日没時の独特の太陽光線が3つに分かれたオーケストラによって克明に描かれていきます。祖国への郷愁が描かれた「祖国へのこだま」、超越状態を表す「ニルヴァーナ」、民俗的なフレーズが効果的に配された、歌を伴う「ユン」と、多彩で独創的な世界観を味わってみてください。
NAXOS-8.571358(1CD)
ケネス・レイトン:パルティータ/エレジー他、チェロのための室内楽曲全集
パルティータOp.35(1959)
エレジーOp.5(1949)
無伴奏チェロ・ソナタOp.52(1967)
アレルヤ、われらが過越の子羊(1981)
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc)
ラファエル・テッローニ(P)

録音:2009年4月8日、010年2月18日UKストーク・ダバノン,メニューイン・ホール
イギリス近現代音楽作品のリリースについて、他の追随を許さないのもNAXOSの特徴といえましょうか。このケネス・レイトン(1928-1988)の作品集もそんな1枚。作曲家の名前の知名度はさておき、もう一つのイギリスのレーベルCHANDOSとNAXOSが挙って彼の作品を録音しているのです。レイトンはオックスフォードのクィーンズ・カレッジの学生だった20歳のときに、最初の独奏チェロのための作品を書きました。その3楽章からなるヘ短調の作品は、残念ながら現在完全な形では残っていませんが、その雰囲気はOp.5の「エレジー」への受け継がれています。この曲の中には、彼の先達であるレイフ・ヴォーン・ウィリアムズやフィンジ、ハウエルズらの影響が強く反映されています。そのおよそ10年後に書かれた「パルティータ」は躍動的な部分と内省的な部分が交錯する個性的な作品です。1959年の無伴奏チェロ・ソナタは、明らかにJ.S.バッハへのオマージュですが、曲自体からはバッハらしさは微塵も感じられず、荒涼たる世界のみが広がります。彼の2番目の妻のために書かれた「アレルヤ」の神秘的な佇まいも印象的です。
NAXOS-8.571363(3CD)
ソラブジ:ピアノ作品集
《CD1.初期作品集》
1-2.2つの小品<温室で/トッカータ>
3.スペイン幻想曲
4.ワルツ・ファンタジー「J・シュトラウスを讃えて」
5-7.3つのパスティーシュ
8.ア・ラ・ミレ・ド・ソラブジ「月の光に」
《CD2.夜想曲集》
1.香り高い庭/2.ジャミ(夜想曲)
3.グリスタン(ばらの庭)
《CD3.独断的な作品集》
1.オプス・クラヴィチェンバリスティクム-T.序奏-II.前奏曲・コラール
2-4.前奏曲、間奏曲とフーガ
5.ハロルド・ラトランドのための断片
6.小さな幻想
7.より隠された、この問題の残りの部分を探し求める
8.聖ベルトラン・ド・コマンジュ-彼は塔で笑っていた
マイケル・ハーバーマン(P)

録音:1979年6月…CD1:1.2.3.6,CD3:1.5,1980年6月…CD1:5.7,CD2:1,1980年3月5日…CD3:6,1982年…CD2:2ニューヨークペントハウス/1984年…CD1:4,CD3:2.3.4.8オハイオロッキー・リヴァーライヴ収録/1993年10月8日…CD1:8,CD2:3ワシントンD.C.アメリカ・カトリック大学,アメリカ・リスト教会フェスティヴァルライヴ収録/1995年1月22日…CD3:7バルティモアウォルフィールド・ピアノ
※British Music Societyよりの移行盤
独学で作曲とピアノを学んだというソラブジ(1892-1988)の作品は、あまりの個性の強さのためか、聴き手は「ものすごく好きになる」か、もしくは「見てみなかったふりをする」のどちらかのスタンスを取るようです。その理由の一つは作品の長さです。「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」(読むだけでも難しい)は全曲演奏するだけで4〜5時間かかりますし、「交響変奏曲」は9時間近くに及びます。そして楽譜の複雑さにおいても有名で「その譜面を見ているだけでも楽しい」という人が少なからずいます。そんな作品ですから、当然演奏できるピアニストも限られていますが、このハーバーマンは、ソラブジが自作の演奏を認めた数少ない「公認ピアニスト」であり、特にパスティーシュ第3番「子犬のワルツ」は、これまでも、また今後も彼以上に上手く弾ける人はいないだろう。と言われるほどの名演です。あの名曲がこんな姿に…。CD1の初期の作品は、まだまだ形が読み取れますが、CD2.3になると、あまりにも独自性が強く、足を踏み入れることすら躊躇ってしまいますが、これらを笑って聴けるようになると「クラシックおたく上級者」として認定されることは間違いありません。そして、笑って弾けるようになったとしたら…。それはもう新たな扉を開くことになるのでしょう。
NAXOS-8.572165(1CD)
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第3集
弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.2(1814-1915
弦楽四重奏曲第4番Op.22(1921)
アマルSQ
<アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン…第4番,第2ヴァイオリン…第1番)/イゴール・ケラー(第1ヴァイオリン…第1番,第2ヴァイオリン…第4番)/ハンネス・ベルトゼヒ(Va)/ペテル・ソモダーリ(Vc)>

録音:2009年12月6-8日スイスチューリヒ,DRSスイス放送大ホール
優れたヴィオラ奏者でもあったヒンデミット(1895-1963)は、1920年から8年に渡って自らが結成した「アマル弦楽四重奏団」でヴィオラを演奏していました。そのためか、全部で7曲ある弦楽四重奏曲でも、ヴィオラが大活躍し、曲想に深い陰影を与えています。このアルバムで聴ける2曲の四重奏曲は、彼が新古典主義や即物主義の作風を確立する以前の作品で、まだまだ美しいメロディを聞き取ることが可能です。とりわけ第1番は後期ロマン派の雰囲気を継承した調性感たっぷりの耳に優しい音楽です。第4番はかなり先進的で、激しさも抱いています。シリーズを通して素晴らしいヒンデミットを演奏している「アマル弦楽四重奏団」は、ヒンデミット生誕100年を記念して、1995年に創立されたアンサンブル。ヒンデミット作品の優れた解釈に拠って、歴史的な名前を授与されました。
NAXOS-8.572729(1CD)
ボリス・ピゴヴァート:レクイエム「ホロコースト」/夜明けの詩
レクイエム「ホロコースト」(1994-1995)
夜明けの詩(2010)*
アンナ・セローヴァ(Va)
クロアチア放送SO
ニコラ・グエリーニ(指)

録音:2013年10月3-5日クロアチアザグレブ,ヴァトロスラフ・リシンスキ・コンサート・ホール
*=世界初録音
ウクライナで生まれ、モスクワのグネーシン・ロシア音楽大学で学び、現在はイスラエルを拠点に世界中で活動している作曲家ボリス・ピゴヴァート(1953-)。彼は1995年にイスラエルに移住し、この地の市民権を得ています。数多くの特色ある作品を生み出し、中でもいくつかの吹奏楽作品は日本でも知られています。このアルバムに収録されたレクイエム「ホロコースト」は、最初、語り手、ソリスト、合唱、オーケストラという“標準的”な編成の作品として構想されましたが、テキストを使うことで却って音楽の力を損なうことになるのでは…と危惧した彼、結局、人の声を一切排し、オーケストラとソロ・ヴィオラ(人の声に最も近い響き)を用いるのみの作品として書き直したのです。4つの部分にはそれぞれ伝統的なレクイエムのテキストが付されていますが、これが曲の感情を余すことなく表現しています。「永遠の安息を」では深い悲しみ、恐怖と怒りに満ちた「怒りの日」…というように。しかし「涙の日」には例えようのない恐怖と怒りが漂っているのは、多くの涙の中に犠牲者たちの悲鳴が含まれているからだということです。とは言え、「永遠の光」の最後に見られる澄んだ美しさこそ、ピゴヴァートが描きたかったものなのではないでしょうか?2010年の「夜明けの詩」は意図的にロマンチックなスタイルに回帰することで、聴き手の感情を揺り動かしています。
NAXOS-8.573379(1CD)
ソフィア・グバイドゥーリナ:ギター作品全集
1.悔い改め(2008)/2.セレナード(1960)
3.トッカータ(1969頃)*
4.ソット・ヴォーチェ(2010/2013改編)
デイヴィッド・タネンバウム(G)/トーマ・ヴィロトー(第2ギター)…1/パウル・プサラス(第3ギター)…1/ペーター・ウィリック(Vc)…1/マーク・ライト(Cb)…1/マルク・テイコルツ(第2ギター)…4/ジョディ・ラヴィツ(Va)…4/スコット・ピンゲル(コントラバス)…4

録音:カリフォルニアサン・フランシスコ・コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック2010年2月22日ソル・ジョセフ・リサイタル・ホール…1,2014年10月3日オシャー・サロン…4,2014年10月14日オシャー・サロン…2.3
*=世界初録音
自身の作品に「フィボナッチ数列」を用いたり、ロシアの民族楽器や日本の琴など珍しい楽器を用いるなど、その特異性が注目されるタタール自治共和国出身の女性作曲家ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)。このアルバムには彼女による「ギター」全作品が収録されています。と言っても、たった4曲で、その中で独奏作品は2曲のみ。まさにギターの音色を用いた「彼女独自」の世界がどこまでも展開されていきます。最初のトラックの「悔い改め」は3台のギターと、チェロとコントラバスの2台の低弦楽器が醸し出す、絶妙な音世界が魅力です。ここでのギターはまるでハープのように使われたり、また打楽器のように使われたりと、聴き手は既成概念がどんどん崩されていく快感にむせぶことになります。初期の作品「セレナード」は却って異質な世界(普通すぎる?)で、流動的なトッカータも面白いものです。「ソット・ヴォーチェ」も低弦楽器が用いられ、まるでため息のような響きを作り出しています。これは面白いです。
NAXOS-8.573387(1CD)
マルティヌー:歌曲集第3集
1-7.1ページの歌曲集H294(1943)
8-14.2ページの歌曲集H302(1944)
15-21.ニッポナーリ-日本の民謡歌H68a(1912)
22-23.黒人の民俗詩による2つの歌H232bis(1932)
24.3つの小さい歌H34-第1番:わが母(1911)
25.それが思い出の全てH55(1912)
26.ああ、教えてH267bis(1910)
27.青い目の上にH70(1910)
28.ばらH54(1912)
29.夜明けを、ああ、神よH76(1912)
30.3つの小さい歌H34-第2番正しい数(1911)
31.私を結婚させて、おかあさんH53(1912)
32.ハニツカについての歌H80(1912)
イェネ・フロチョーヴァ・ワリンゲローヴァ(Ms)
ジョルジオ・コウクル(P)

録音:2014年7月17日スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
※世界初録音…15-32
チェコの大作曲家マルティヌー(1890-1959)は、あまりにもたくさんの作品を残したためか、まだまだその全貌が知られているとはいえません。最近になってようやく管弦楽曲などのいくつかの作品が知られるようになりましたが、歌曲はまだまだ未知の世界に属しています。NAXOSでは、そんなマルティヌーの歌曲を名手コウクルのピアノとメゾ・ソプラノ、ワリンゲローヴァによって、実際の音にしてお届けいたします。今回の第3集では3つの歌曲集を中心に収録。民謡調のメロディに彩られた、短い中にも深い味わいのある「1ページの歌曲集」と、更に詳細に踏み込んだ「2ページの歌曲集」、そして書記の名作、日本の和歌が詩として用いられているという(日本語をドイツ語にしたものを更にチェコ語にした)「ニッポナーリ」というユニークな作品は、マルティヌーの多彩な面を知るためにも一度は聴いておきたいものです。世界初録音も多数含まれています。
NAXOS-8.573392(2CD)
ベルリン・ガンバ・ブック
《CD1》
前奏曲-高きところでは神にのみ栄光あれ
キリスト、私たちを救って下さるお方は
主イエスは十字架にかかりたもう
かくも喜びに満てる日
讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ
父なる神はわがゲシュレイを
天と地の神よ
私はあなたに感謝します
私はあなたのよさを知っています
私は不幸に耐えたくない
うやうやしい嘆願を望む
あなたの悲しい日
穢れなき神の子羊/わが幸せを
あなたの怒りで私を引き締めないでください
人々は祝福されている
あなたは良き神です
私のような誰かに住む
《CD2》
ああ、わが罪を悲しむ
われらはキリストを賞賛する
あなたの怒りで我らは張り詰めない
イエス、わが喜び
これ全てがわが願い/われらが父よ
主なる神はわれらを保持しない
ああ、われらの生は何ですか
あなたは眠っています
小さな魂は、恐らく何がより良いか
神よ、いつまで続くのですか
神は沈黙し/愛する心、イエス
おお、悲しみ/主に賛美
全ての森は憩えり/わが疲れたまぶた
ディートマー・ベルガー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2014年1月3-5日ドイツケルン,聖アンドレアス教会
※世界初録音
17世紀に編纂された、作曲者不祥の「独奏ヴィオラ・ダ・ガンバのためのコレクション」です。基本的には当時流布していた賛美歌がソースとして用いられており(元ネタが判明できたものはブックレット中に記してあります)時には良く耳にするメロディが聞こえてくることもあります。ほとんどはイニシャルに「J.R」を持つプロイセン在住のアマチュア奏者が、賛美歌を書きとめたのであろうとされ、オルガンで聴くのとはまた違った「コラール変奏曲」が展開されていきます。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ディートマー・ベルガーは、「マンチェスター・ガンバ・ブック」(NAXOS-8.572863-64)でも、その高い洞察力と表現豊かな演奏が評価されている人。
NAXOS-8.573481(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/エカチャイ・ヤラクール/ギター・リサイタル
ヴァイス(1686-1750):組曲第13番ニ長調(E.ヤラクールによるギター編)
.ヨハン・カスパール・メルツ(1806-1856):コンチェルティーノ
レノックス・バークリー(1903-1989):ソナチネOp.52-1
ルイジ・レニャーニ(1790-1877):ファンタジーOp.19
レオ・ブローウェル(1939-):オリシャたちの儀式
プミポン・アドゥンヤデート国王ラーマ9世(1927-):H.M.キング組曲<私の心の光を愛し(F.ハンドによるギター編)/おお、私は言う(A.ヨークによるギター編)/魔の梁(W.カネンジザーによるギター編)>
エカチャイ・ヤラクール(G)

録音:2014年11月12-14日カナダオンタリオ,ニューマーケット聖ジョン・クリソストム教会
GFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギター・コンクールにおける、初のアジア人優勝者となったギタリスト、エカチャイ・ヤラクールのリサイタル・アルバムです。彼は1987年に生まれ、13歳からギターを学び始めました。そして奨学金を得て、マヒドン大学に入学。ここでポール・チェザルツキに学び、学士号を取得します。以降、ザルツブルクのモーツァルテウムでマルコ・タマヨに師事、2003年から2014年まで、世界16カ国以上で演奏しています。このアルバムでは、自身の編曲によるヴァイスの端正なリュート曲から、古典作品、ジャズ風の作品までの音による時間旅行を楽しむことができます。そして注目は、2011年に彼が3人のギタリストに編曲を依頼した「タイ国王の作品」です。国王は優れたサックス奏者であり、ベニー・グッドマンやスタン・ゲッツなど主要なジャズ・アーティストとも共演しているというツワモノ。ジャズ要素あり、タイの民俗音楽要素ありと、なかなか聴き応えのある曲となっています。

NAXOSスタンダード 2015年6月発売
NAXOS-8.573452(1CD)
NBD-47
(BlurayAudio)
プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」Op.20
交響的スケッチ「秋」Op.8(1910/1915改編.1934)
交響曲第3番ハ短調Op.44
サンパウロSO
マリン・オールソップ(指)

録音:2014年3月20日、2014年5月8.10.12日
アルバムのメインとなる「交響曲第3番」は、その前年に完成された歌劇「炎の天使」の素材が用いられています。それは、この歌劇にはあまりにも問題が多かったため演奏会形式で上演されたものの、完全な初演の見通しが立たず、この作品の将来を鑑みたプロコフィエフが、その中の幾つかの主題を基に交響曲として再構築したためです。プロコフィエフはこの交響曲に絶大なる自信を持っていたと言い、確かに刺激的かつ堂々たる作品となっています。「スキタイ組曲」は、もともとバレエ音楽として作曲され、バレエ・リュスのディアギレフにスケッチを提示したところ、上演を拒否されたため、演奏会組曲として書き直されたものです。第2曲目の激しさは必聴です。「秋」は暗い雰囲気を有した作品ですが、タイトルと曲には直接の関係はないのだそうです。あまり演奏されることのないレアな作品です。
NAXOS-8.570611(1CD)
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」他
周龍:太鼓の韻(2003)
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」(2009)
周龍:エンライテンド(2005)
ニュージーランドSO
ダレル・アン(指)

録音:2013年6月4-6日ニュージーランドウェリントン,マイケル・フォーラー・センター
※世界初録音
ピューリッツァー賞を受賞したことでも知られる、中国で最も名声ある作曲家の一人、周龍(1953-)の作品集です。ブリガムヤング大学とシンガポールSOとの共同委託作品である「太鼓の韻」は日本の伝統的な太鼓(Taiguとは中国で太鼓を意味する)の歴史を紐解くものであり、もともと和太鼓の起源は仏教の教義、そして中国の宮廷儀式から生まれた「Taigu」の伝統に遡ることができるということで、ここから雅楽や能楽へ、またコミュニケーションの手段として、様々な形に発展していったのです。しかしながら、中国ではTaiguはほとんど生き残っておらず、唯一、唐王朝の宮廷音楽にその一部の断片が残っているだけだと言われます。この「太鼓の韻」ではそんな古代の芸術様式と、現在のオーケストラアンサンブルに多彩なパーカッション(初演時には日本の太鼓で演奏された)を加えることで、その伝統を振り返ります。広州SOの委託作品である「虎門1839」は陳怡(1953-)との共同作品で、これは1839年に広東省で行われた「アヘン1000トンの公開処分(焼却されたと言われている)」を記念した曲で、4楽章からなる刺激的な音楽です。3曲目のタイトル「エンライテンド」は「悟りを開く」という意味であり、原題世界の闘争と、平和、光と愛を描いた壮大な曲です。
NAXOS-8.572766(1CD)
マリピエロ:英雄の交響曲/ディテュランボスの悲劇他
英雄交響曲(1905)
ディテュランボスの悲劇(1917)
アルメニア(1917)
グロテスク(1918)*
「墓」より(1904)
テッサローニキ州立SO
アモーリ・ドゥ・クルーセル(指)

録音:2012年6月25-30日,7月2-3日ギリシャテッサローニキ,アリストテレス大学コンサートホール
*以外=世界初録音
4曲の世界初録音を含むこのマリピエロ(1882-1973)の作品集は、どれもが興味深い音色に満ち溢れています。ただ、もし彼が現在生きていたとしたら、私たちがこれらの録音を聴く事を防ごうとしたかもしれません。晩年の彼は「初期の作品のほとんどは破壊された」と称し、実際にはそれらを地下室の箱に隠していました(死後に発見)。そんな自己評価の厳しかったこれらの作品ですが、重々しい雰囲気を持つ「英雄交響曲」と「墓より」やアルメニアの旋律をふんだんに用いた「アルメニア」、破壊的な「グロテスク」ちょっとストラヴィンスキー的な味わいもある「ディテュランボスの悲劇」と、創意工夫の見られる面白いものばかりです。最近、復興著しいNAXOS「イタリア近代の音楽集」にまた新たな名演が加わりました。
NAXOS-8.573169(1CD)
フローラン・シュミット:ヴァイオリンとピアノのための作品集
4つの小品Op.25(1901)
スケルツォ・ヴィフOp.59-2(1913)
夜の歌Op.7(1895)
ハベイッセーOp.110*
結合された2つの楽章からなる自由なソナタOp.68(1919)
ベアタ・ハルスカ(Vn)
クラウディオ・シャイクァン(P)

録音:2014年2月18-19日フランススタジオ・ド・ムードン
*=ヴァイオリンとピアノ版、デジタル世界初録音
以前は、なかなか音を聴くことができない作曲家であったフローラン・シュミット(1870-1958それだけマイナーだった)ですが、最近、NAXOSを含めたいくつかのレーベルが競って彼の作品をリリースしたこともあり、ようやく少しずつ、その全貌が明らかになって来たように思います。19世紀から20世紀にかけてピアニスト、作曲家として活躍した彼ですが、前述の通り、まだまだ知られていない作品も多く、今回のヴァイオリン作品集も「しられざる音楽」の部類に入りそうです。彼の室内楽作品は、どれもとても個人的なきっかけにより書かれており、多くが友人に献呈されています。Op.25の「4つの小品」はフォーレの繊細な雰囲気を内包した抒情的な「歌」と「夜想曲」で始まり、色とりどりの世界を駆け巡ります。Op.9のスケルツォはパリ音楽院の教授であり、コロンヌOのコンサート・マスターであったフィルマン・トウシュに捧げられています。また最後に置かれた「自由なソナタ」は彼の最も賞賛された作品の一つであり、第1次世界大戦を体験したばかりの重苦しい気分が反映されたエネルギーと想像力に満たされたものです。どれもシュミットの個人的な独白と、それを彩る音楽が結びついた充実の作品群です。
NAXOS-8.559713(1CD)
ス・チャユ:ジャーニーズ〜室内楽作品集
1.アーバン・スケッチ(2013)
2-4.フアン(2006)
5-7.西遊記(2010)
8-19.12のサイン(2008)
20.スパークル(2011)
21-24.Zhi(2005)
リチャード・モラレス(cl)…1/クランシー・ニューマン(vc)…1/ナタリー・ツー(p)…1/コリン=マリー・オーリアック(hp)…2-4/チオンピ弦楽四重奏団…5-7/チェン・チェ=フン(va)…8-19/サラ・ヒューブナー(tp)…20/ダイアナ・ウェンズリー(tp)…20/ダナ・カレン(hr)…20/ブライアン・サンテロ(tb)…20/ピエリック・フォルンズ(tub)…20/岡浩乃(vn)…21-24/リー・ハンチエン(p)…21-24

録音:2011年3月25日、2011年9月27日、、2011年12月11日フ
※世界初録音
カーティス音楽学校&フィラデルフィア管のメンバーによる刺激的な演奏で聴く、台湾の女性作曲家ス・チャユの作品集です。台湾で生まれ、デューク大学で音楽を学んだ彼女は台湾の起源や伝統を根底に置いた上で、新しいリズムパターンや音色効果を付け加えていくというやり方で曲を構築していて、これが何とも楽しく、また革新的なイメージを与えるのです。第1曲目の「アーバン・スケッチ」で描かれているのは、エネルギッシュなニューヨークの風景です。時にはジャズ風、またラテン風といったリズムに乗って、笛やサイレン、ブレーキ、ドリルなどの様々な音(時には電子も含む)が舞い踊ります。野生動物の生活からインスパイアされたハープ作品「ファン」、誰もが知っている「西遊記」から題材をとった3つの小品、「12のサイン」は、実は十二支を題材にしており、最後の「ぶた」は日本ではイノシシとなるはずです。なかなかユーモラスな音楽です。はじけるような「スパークル」、デューク大学の対位法コースの一環として書かれた「Zhi-志」は十二音を駆使した実験的で複雑な曲。複雑な音の絡み合いが面白い作品です。
NAXOS-8.559775(1CD)
ジョーン・タワー:ストローク(2010)*
ヴァイオリン協奏曲(1991)
チェンバー・ダンス(2006)
チョーリャン・リン(Vn)
ナッシュヴィルSO
ジアンカルロ・ゲレーロ(指)

録音:013年11月21-23日、,2013年10月4-5日
*=世界初録音
アメリカを代表する女性作曲家、ジョーン・タワー(1938-)。彼女はニューヨークのニューロシェルで生まれましたが、9歳の時に家族がラパス、ボリビアに引越したため、少女時代をこの地で過ごしています。この地で過ごした経験は彼女に強い影響を与え、特に打楽器の使い方には独特の感性を見せることとなります。高校生のときにアメリカに戻り、ベニントン・カレッジに入学、その後コロンビア大学で芸術の博士号を取得します。この時期にたくさんの先人たちの音楽の影響を吸収することで、より柔軟なスタイルと作風を構築したのです。彼女は現代音楽を積極的に促進し、自身の作品を発表するために「DACAPOプレーヤーズ」を設立し、多くの作品を演奏し続けています。このアルバムには比較的最近の3つの作品が収録されています。「ストローク」は彼女の弟(病気のために半身不随)に捧げられた曲で、病に対する怒りが込められたという幾分感情的な作品です。ヴァイオリン協奏曲は、名ヴァイオリニスト、エルマー・オリベイラのために書かれた曲で、印象派風の部分とジャズ風の部分が入り混じる面白い作品です。「チェンバー・ダンス」はオルフェウス室内Oの委嘱作で、「指揮者を持たないアンサンブル」として知られる彼らの妙技を存分に生かしたコンパクトな作品です。どの曲も明快な筆致と色彩豊かな響きを持つ、アメリカ現代を代表する名作と言えるでしょう。
NAXOS-8.572697(1CD)
ペンデレツキ:カニフィカト&カディッシュ
マニフィカト(1973-1974)
カディッシュ(2009)
ヴォチェク・ギールラッハ(Bs)
男声ヴォーカル・アンサンブル
オルガ・パシチニュク(S)
アルベルト・ミズラヒ(T)
ダニエル・オルブリヒスキ(ナレーター)
ワルシャワ少年Cho
ワルシャワ・フィルハーモニックCho
ワルシャワ・フィルハーモニック男声Cho
ワルシャワ・フィルハーモニックO
アントニ・ヴィト(指)

録音:2010年10月7-11日ワルシャワポーランド放送ヴィトルト・ルトスフワフスキ・コンサート・スタジオ、2010年10月22-23日ワルシャワ・フィルハーモニック・ホール
これまでのNAXOSにおけるペンデレツキ(1933-)作品集のように、このアルバムも収録された2作品の作曲年代が35年を隔てた「スタイルの違い」を際立たせるものとなっています。1960年代におけるヨーロッパの前衛音楽を代表するトーン・クラスター(全ての音を同時に発する混沌とした響き)がふんだんに用いられた「マニフィカト」は、代表作である「ルカ受難曲」の流れを汲むものですが、この曲が書かれた70年代にはすでにトーン・クラスター自体が若干時代遅れになっていて、ペンデレツキも自身の作風を見直す傾向にあったようです。そして少しずつ「ロマン派」に戻っていったペンデレツキは以降驚くほどに聴きやすい音楽を書くようになって行くのです。2009年に書かれた「カディッシュ」はタイトルが示す通りユダヤの祈りの歌であり、ユダヤ人ゲットー(第2次世界大戦時にユダヤ人が強制的に住まわされた居住区)の解放65周年を記念して書かれた作品で、ここではクラスターなどの刺激的な響きがすっかり影をひそめた緩やかで美しい音楽ばかりが存在しています。
NAXOS-8.573087(1CD)
バッハ:チェンバロ作品集組曲集1.前奏曲とフーガイ長調BWV896
2-6.組曲イ長調BWV832
カプリッチョホ長調「ヨハン・クリストフ・バッハを讃えて」BWV993
幻想曲ト短調BWV917
前奏曲とフーガイ短調BWV895
幻想曲イ短調BWV922
フーガイ短調BWV959
前奏曲ニ短調BWV935
前奏曲ニ長調BWV936
前奏曲ホ長調BWV937
前奏曲ホ短調BWV938
フーガハ長調BWV952
フーガハ短調BWV961
前奏曲ハ長調BWV933
前奏曲ハ短調BWV934
前奏曲とフーガニ短調BWV899
前奏曲とフーガホ短調BWV900
組曲イ短調BWV818
ロンドによる幻想曲ハ短調BW918
組曲変ホ長調BWV819a
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)

録音:2014年2月17-19日フィンランドカルヤー,聖カテリーネ教会
バッハの鍵盤作品は、もともと「精神的なリフレッシュ」をするためのものでした。彼はパルティータの序文にも「愛好人士の心の憂いを晴らし、喜びをもたらさんことを願って」と入れたように、この種の音楽は、指導目的であり、また楽しみのためでもあったのです。もちろんバッハ自身が比類なき鍵盤奏者であったことは疑うべくもなく、それは彼の死後、テレマンがバッハのオルガン演奏について賛辞を送っていたことでも明らかです。そんなバッハ、1703年には音楽の学習を終え、ワイマールの宮廷で最初の仕事に就いています。ここではヴァイオリンを担当していましたが、代役で奏したオルガン演奏が話題となり、そのままアルンシュタットの新しい教会のオルガニストに採用されています。その後、1705年にはアルンシュタットからリューベックまで、およそ500kmの長距離を徒歩で旅行し、ブクステフーデの教えを仰いでいたことでも知られています。このアルバムに収録されている作品のほとんどは、この激動の時代(というか血気盛んな時代)に書かれた「初期の曲」で、晩年のような練りに練られた対位法というよりは、溢れてくるような流麗なフォームで書かれています。いくつかの作品は、組曲として数えたほうがよいのかという議論は尽きませんが、それはとりあえず置いておいて、流麗な若いバッハの姿を垣間見る楽しみに浸ってみたいと思います。ハッキネンの演奏は、多彩な音色を駆使した納得のできるもの。創造性と表現力の限界に挑むような素晴らしい演奏です。
NAXOS-8.573320(1CD)
フロットーレ〜イタリア・ルネッサンスの世俗歌曲集
作者不祥:クリンの生活
ヤコボ・ダ・フォリアーノ(1468-1548):愛しい人よ、私はあなたのために愛を感じる
アドリアン・ウィラエルト(1490-1562):不機嫌な老婆
ミケーレ・ペゼンティ(1600頃-1648頃):彼女は何という?何をする?
作者不詳:泣くために生まれた私の目
ジョアン・アントニオ・ダルツァ(?-1508以降):わが星よ(器楽のみ)
セバスティアーノ・フェスタ(1490-1524):5月の最後の日
バルトロメオ・トロンボンチーノ(1470-1535):ゼフィーロを吹くと天気が良くなる
作者不詳:ふるいにかけておくれ、わが女よ
トロンボンチーノ:来て来て、まぶたを開けて
作者不詳:ああ、私のため息
マルケット・カーラ(1470-1525):わが悲しみでわが顔を浸す
ヴィンツェンツォ・キャピローラ(1474-1548以降):8声のリチェルカーレ(器楽のみ)
フランチェスコ・パタヴィーノ(1478-1556):スペインの騎士
トロンボンチーノ:美しき処女
カーラ:待つべき時はない
ジョヴァン・バッティスタ・ゼッソ(15世紀-16世紀):ある良き愛の朝
ロッシーノ・マントヴァーノ(1505頃活躍-1511):リルム・ビリリルム
リング・アラウンド四重奏団&コンソート

録音:2013年10月17-19日イタリアジェノヴァ,サン・ロレンツォ・ディ・プレマニコ教会
15世紀から16世紀にかけては「中世の終わりとルネンサンスの開花」の時期とされています。当時の社会情勢も流動的であり、コロンブスの「新世界の発見」や、宗教改革などさまざまな事象が起こりました。そんな大きな変動に比べると、音楽的な発展はとても小さなことに見えますが、これがなかなか大切なことであることは間違いありません。アルバムタイトルの「フロットーレ」は「些細なこと=あまり重要ではないもの」を意味する言葉で、単純な歌詞を伴う即興と弦による小さな歌曲の総称でもあります。見かけはとてもシンプルですが、即興的なパッセージと新しい歌の形が盛り込まれたこれらの作品は、確かにこの当時の音楽意義や文化を含めた、様々なことを伝えるものでもあります。使われている言葉のほとんどはナポリの方言ですが、これらは、当時の他の地域の音楽家たちにも強い影響を与えたとされます。ま、難しいことは置いておいて、とにかくこの楽しい歌の数々に耳を傾けてください。当時の人々の生活が鮮やかに目の前に浮かぶこと間違いありません。
NAXOS-8.573338(1CD)
イグナツ・ワーグハルター:管弦楽作品集
歌劇「マンドラゴラ」Op.18-序曲(1914)
歌劇「マンドラゴラ」Op.18-間奏曲(1914)
新世界組曲(アレクサンダー・ウォーカーによる復元版)(1939/2013)
マサリクの平和行進曲(1935)(アレクサンダー・ウォーカーによる復元版)
新ロシア国立SO
アレクサンダー・ウォーカー(指)

録音:2013年11月14-17日モスクワ
※世界初録音
ポーランド、ワルシャワに生まれ、最初はヴァイオリニストとして頭角を現し、ヨーゼフ・ヨアヒムに認められ、彼の援助を受けてベルリン芸術大学に進んだワーグハルター(1881-1949)。指揮者、作曲家として名声を得て、第二次世界大戦までは「最も重要なドイツの作曲家」として評価されるも、様々な理由で歴史から姿を消してしまった彼の作品は、ようやく最近になって復興の兆しが見え始めました。このアルバムには彼がまだ絶頂期にあった1914年に書かれた歌劇「マンドラゴラ」からの2つの曲と、ナチに追われた58歳の彼が、失意のうちにアメリカに到着し、そこで目にしたニューヨークの風景を映し出した「新世界組曲」が収録されています。マキャベリの喜劇に基づいて書かれた「マンドラゴラ」は彼の2作目の歌劇であり、その初演は大成功を収めたのでした。オーケストレーションの巧みさと豪勢な響きは、彼自身の希望の現われであったに違いありません。それに引き換え、「新世界組曲」はアメリカの音楽文化を取り入れた意欲的な作品であり、当時彼が結成した「オーケストラに雇用すらされなかったアフリカ系のミュージシャン」による「アメリカン・ネグロ・オーケストラ」のために書かれています。当時の人種差別の激しさは想像を絶するものであり、彼らはリハーサルすらも許されず、このオーケストラは何とかこの組曲を演奏したものの、財政的問題もあり、その後まもなく解散せざるを得なかったのです。そんな作品を復元したこのアルバムには、様々な思いが詰まっているのではないでしょうか。
NAXOS-8.573369(1CD)
コルンゴルト:ロビン・フッドの冒険(1938)〜ジョン・モーガンによる復元版
1.メイン・タイトル-ミュート・ファンファーレ/2.サー・ガイとロビン・フッド/3.会合/4.宴会/5.ロビン・フッドの外側-ロビン・フッドのエントランス-戦い-ロビン・フッドの追跡-犠牲者/6.ロビン・フッドとリトル・ジョンの出会い-ロビンとリトル・ジョンの戦い-ジョリーの友情/7.誓いと黒い矢/8.魚-ロビン・フッドと修道士タックの戦い/9.新たなコンパニオン/10.サー・ガイの部隊へのロビンの攻撃-攻撃/11.浮気-饗宴-貧しい人々の饗宴-黄金/12.貧しい人々/13.勝ち抜き戦-アーチェリー場への登場-コンテストの準備-ロビンのショット開始-コンテストの終了/14.ロビン・フッドの逮捕/15.法廷-裁判/16.絞首台-ロビン・フッドの飛行/17.愛の情景/18.レディ・マリアンの逮捕/19.ムッシュ:ナイフでの戦い/20.リチャードとロビンの出会い-リチャード・ザ・ライオン・ハート/21.行進/22.ジョン王子/23.戦い-激突-勝利/24.エピローグ/25.エンド・キャスト/26.オリジナル劇場予告編音楽
モスクワSO
ウィリアム・ストロンバーグ(指)

録音:2003年2月モスクワモスフィルム・スタジオ
※MARCO POLO 8.225268の移行盤
いわゆる“ウィーン世紀末”の時代、「早熟の天才」「モーツァルトの再来」ともてはやされた少年コルンゴルト。しかし30歳を過ぎたあたりから、彼がウィーンで名声を得ることは難しくなってしまいました。そんな頃、以前より縁のあったアメリカで始めた映画音楽の仕事が当たったこともあり、ユダヤ系であった彼はアメリカに亡命、ここで本格的な映画音楽の作曲に手を染めることになります。もちろん彼自身は「映画音楽の仕事」をすることに心からの喜びを感じていたのではありません。常に心はウィーンにありました。とは言え、彼のおかげでハリウッドの映画音楽は類を見ないほど壮大で芳醇なものとなったことは間違いありません。この「ロビン・フッドの冒険」はアカデミー賞作曲賞を受賞した代表作であり、彼の名がハリウッド映画史に刻まれることとなった記念碑的な作品でもあります。今回の復刻では、MARCOPOLO盤には含まれていなかった「オリジナル劇場予告編音楽」を収録、一層興味深い1枚となりました。
NAXOS-8.573390(1CD)
リスト:ピアノ曲全集第39集J.S.バッハ作品のトランスクリプション集
幻想曲とフーガト短調(BWV542)S463/R120<幻想曲ト短調/幻想曲ト短調(別ヴァージョン)/フーガト短調>
オルガンのための6つの前奏曲とフーガ(BWV543?548)S462/R119<前奏曲イ短調(BWV543)/フーガイ短調/前奏曲ハ長調(BWV545)/フーガハ長調/前奏曲ハ短調(BWV546)/フーガハ短調/前奏曲ハ長調(BWV547)/フーガハ長調/前奏曲ホ短調(BWV548)/フーガホ短調/前奏曲ロ短調(BWV544)/フーガロ短調>
スザンヌ・フッソン(P)

録音:2014年5月28-30日ジェノヴァスイス・ロマンド放送,スタジオ・エルネスト・アンセルメ
1841年と1842年、ワイマールでコンサートを開いたリスト(1811-1886)は、この地で大切にされていたバッハの作品に注目します。以降たびたびバッハ作品に基づく作品を書いていくことになるリストは、これらを以前のような華やかなパッセージを付け加えたりするのではなく、「バッハの音世界を崩すことなく、忠実にピアノに移し替える」ことに心を注ぎます(もちろんバッハのオルガン作品はもともとスコアが3段になっていて、これを通常のピアノ譜に移し替えるというだけでも困難な仕事であることは間違いないのですが)。リストの思いの中では、バッハへの尊敬と、ピアノ奏法の追求の2つの意味があったのでしょうが、確かにこれらの曲集はピアニストたちにとって大きな遺産となったことは間違いありません。リストと言えば過剰な装飾を思い起こしてしまう聴き手にとっては、まさに安心して聴ける1枚かも知れません。
NAXOS-8.573407(1CD)
エドワード・ジャーマン:ヴァイオリンとピアノのための作品集
思い出(1896)/子守歌(1893)
間奏曲(ヴァイオリンとピアノ版)(1894)/愛の歌(1882)*
子守唄(1883頃)*/ボレロ(1883)
夜想曲(1882)*/アルバムの綴り(1883)*
サルタレッロ(ヴァイオリンとピアノ版)(1889)
無言歌(ヴァイオリンとピアノ版)(1898)
無窮動(常動曲)(1890)
歌とブーレーよりブーレー(ヴァイオリンとピアノ版)(1889頃)
ロメオとジュリエットよりパヴァーヌ(ヴァイオリンとピアノ版)(1895)
牧歌(1895)/妖精の踊り(1883)*
アンドリュー・ロング(Vn)
イアン・バックル(P)

録音:2013年8月10-12日UKマンチェスター大学マーティン・ジャリス・センター・コンサート・ホール
*…世界初録音
シュロップシャー州ホイットチャーチの小さな市場町に生まれたジャーマン(1862-1936)。彼の父は醸造主でありながら、地域の教会オルガニストを務め、彼の母はアマチュアの歌手という音楽的な家庭に育ったため、彼も幼い頃から音楽の才能を現していました。少年時代にはヴァイオリンを奏していましたが、ロンドンの王立音楽院の入学試験の際には、なぜかピアニストとしてエントリーしたという変わり者でもあります。結局はヴァイオリニストとして演奏家の道を歩むとともに、作曲も手がけ、1888年にはロンドンのグローブ・シアターの音楽監督に就任、イギリスのコミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後を継ぐ者として名声を馳せます。彼の喜歌劇の中で最も有名なのは、なんと言っても「トム・ジョーンズ」であり、NAXOSからも全曲盤がリリースされています(8.660270-71)。しかし、彼の本質はやはりヴァイオリンにあったのかもしれません。ここに収録されているのは初期の作品ですが、そのどれもが、単なる「サロン音楽」を越えた心情を持ち、印象的なメロディと独特なスタイルを持っていることには驚くほかありません。今でもイギリスでは多くのファンを持つジャーマン。これを機会に聴いてみませんか?
NAXOS-8.660369(3CD)
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」 ニネッタ・ヴィッラベッラ(ジャンネットの恋人)…マリア・ホセ・モレーノ(S)/ジャンネット・ヴィングラディート(ニネッタの恋人)…ケネス・ターヴァー(T)/ルチーア・ヴィングラディート(ジャンネットの母)…ルイザ・イスラム=アリ・ツァーデ(Ms)/ファブリッツィオ・ヴィングラディート(ジャンネットの父)…ジュリオ・マストロトータロ(Bs)/フェルナンド・ヴィッラベッラ(ニネッタの父で逃亡兵)…ブルーノ・プラティコ(Bs)/ピッポ(ヴィングラディート家の召使いの青年)…マリアーナ・レヴェルスキ(Ms)/イザッコ(行商人)…ステファン・チフォレッリ(T)/アントーニオ…パブロ・カメセッレ(T)/ジョルジョ…マウリツィオ・ロ・ピッコロ(Bs)/代官…ダミア・ウィテリー(Bs)他/ブルノ・クラシカ室内合唱団(合唱指揮・・・パヴェル・コニャレク)/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/アルベルト・ゼッダ(指)/ジアンニ・ファッブリーニ(フォルテピアノ)

録音:2009年7月1.2.4日ドイツヴィウルトバドクアハウスライヴ録音:第21回ヴィルトバート・ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル

NAXOSスタンダード 2015年5月発売
NAXOS-8.573418(1CD)
NBD-43C(BD Audio)
偉大なる喜劇のための序曲集
エロール:歌劇「ザンパ」序曲
ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「スザンナの秘密」序曲
トマ:歌劇「ミニョン」序曲
レズニック:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲
フロトウ:歌劇「マルタ」序曲
オーベール:歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲
ロルツィング:歌劇「皇帝と船大工」序曲
チマローザ:歌劇「秘密の結婚」序曲
アダン:歌劇「私が王なら」序曲
コルネリウス:喜歌劇「バグダッドの理髪師」序曲(F.モトルによる管弦楽編)
ランス・フリーデル(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO

録音:2014年1月14-16日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
(BD Audio) 24-bit, 96 kHz PCM Surround, Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio n 2.0 Stereo - PCM DURATION 79:41
18世紀のイタリアで全盛を誇ったオペラ・ブッファ(滑稽な登場人物による楽しい喜劇)は、パイジェッロやチマローザ、そしてモーツァルトにより完成され、その後、ロッシーニを経てドニゼッティへと引き継がれて行きます。またフランスやドイツでも独自の進化を遂げ、愉快な作品が次々と生まれていきました。しかし19世紀後半には衰退してしまい、現在では一部の作品を除き、ほとんど上演されることもありません。とは言え、これらの序曲は今でも変わらず愛されています。例えばエロールの「ザンパ」序曲は、昔FMのクラシック番組のオープニングテーマとして使われていたので、中間部の軽やかなメロディは広く知られているのではないでしょうか?どの曲も、これから起こる物語を想起させるが如く、ワクワク感に満たされたステキなものばかり。ついついメロディを口ずさんでしまうかもしれません。
NAXOS-8.573139(1CD)
サン=サーンス:交響曲集
交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」Op.78
交響曲イ長調(1850頃)
交響詩「オンファールの糸車」Op.31
カール・アダム・ランドステレム(Org)
マルメSO
マルク・スーストロ(指)

録音:2013年8月26-30日スウェーデン,マルメ・コンサート・ホール
サン=サーンス(1835-1921)が「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と語ったほどに気合の入った交響曲第3番。随所で活躍するオルガンばかりが目立ちますが、実に精緻な管弦楽法と、これまた活躍するピアノの使い方も見事なものです。4楽章形式に見えますが、実は2部に分かれた2つの楽章から出来ています。あの華麗なオルガンの導入で有名な箇所は第4楽章ではなく、第2部の後半なのです。この曲は、彼の友人であったフランツ・リストの影響も垣間見られ、また曲自体も初演直後に亡くなったリストに捧げられてもいます。人気曲たる貫禄に満ちた作品です。それに比べ、「イ長調交響曲」はサン=サーーンス15歳頃の作品で、早熟の天才だった彼とはいえ、まだ独自の個性は開ききっておらず、モーツァルトやシューベルトの香りが漂う、初々しさ満開のチャーミングな曲です。「オンファールの糸車」も前述の通り、フランツ・リストとの交流から生まれた曲で、女王オンファールの下で奴隷として働くヘラクレスの目を通して、美しい女王の姿を音で描いた作品です。スーストロとマルメSOは見通しの良い響きと壮麗な音色を持ち味とした颯爽たるサン=サーンスを表出しています。
NAXOS-8.573451(1CD)
ヴィラ=ロボス:交響曲第12番&バレエ音楽「ウイラプルー」他
バレエ音楽「ウイラプルー」(1917)
交響曲第12番(1957)<
マンドゥ=サララ(1940)*
サンパウロSO
サンパウロ交響Cho&児童Cho

イザーク・カラブチェフスキー(指)

録音:2014年2月28日-3月7日、2014年6月19-21日* ブラジルサラ・サンパウロ
ヴィラ=ロボス(1887-1959)の最後の交響曲である第12番は、彼の70歳の誕生日に完成させたもの。その翌年にワシントン・ナショナルSOによって初演され、大好評を博しました。シュトックハウゼンやカーゲルらが電子音楽やミュージック・コンクレートなどを模索していた時代に、このようなメロディックで壮大な作品は、若干時代遅れの感もありましたが、ロシアなどでは伝統に回帰する試みも起こったりと、この作品が却って当時の作曲家たちの創作意欲を刺激したであろうことも間違いありません。湧き上がるように快活な第1楽章、ワーグナーのトリスタンを思わせる静かで神秘的な第2楽章、短くとも印象的な第3楽章、熱情的で大胆な終楽章と、確かに交響曲の伝統に則りながらも、革新的な味わいを持つ見事な作品です。「魔法の島」という意味を持つ野趣溢れるバレエ音楽「ウイラプルー」、エキサイティングなカンタータ「マンドゥ=サララ」(かなり内容は強烈!)と、この1枚でヴィラ=ロボスの魅力をじっくり味わうことができるでしょう。
NAXOS-8.573408(1CD)
ブライアン:交響曲第6番「悲劇的交響曲」(1948)*
交響曲第28番ハ短調(1967)
交響曲第29番変ホ長調(1967)
交響曲第31番(1楽章の)(1968)*
新ロシア国立SO
アレクサンダー・ウォーカー(指)

録音:2014年5月20-24日モスクワロシア国立テレビ&ラジオ・カンパニーKULTURA第5スタジオ

*以外=世界初録音
最近、ようやくその真価が認められつつある、イギリスの伝説的な作曲家ハヴァーガル・ブライアン。成功とは全く無縁であり、32曲もの交響曲を書き残しながらも、ほとんど認められることはありませんでした。ようやく生涯の終わり近くに第1番「ゴシック」が演奏され、一部の人たちの間で熱烈な支持を受けることとなったのが救いでしょうか。彼がこの世を去ってから、ようやくこの比類なき作品群に光が当たり、演奏や録音の機会も増えてきたのは嬉しい限りです。そんなブライアン、72歳の時にここに収録された「交響曲第6番」を作曲し、その後は素晴らしいスピードでいくつもの交響曲やオペラ、管弦楽作品を書いていきます。もちろん第1番のような巨大さ(長さも編成も史上最大の規模を持つとされます)は望めませんが、それでも同世代のイギリスの作曲家たち/エルガーやホルスト、ディーリアス/と比べると、その作品がどれほど奇妙な味わいを持っているかに気がつくのではないでしょうか。ここには単一楽章の第6番と第31番、そして古典的な趣きを持つ第28番、同じく91歳の時の作品である第29番の4曲が収録されています。全て、汲めども尽きぬ創造のエネルギー漲る怪作です。
NAXOS-8.573105(1CD)
ウィリアム・ペリー:偉大なる無声映画時代の音楽集第2集〜無声映画のヒロインたち
メゾ・ソプラノとオーケストラのための歌組曲
夏の夜想曲/過去からのブラス
世界の心
:ウォリス・ギウンタ(Ms)
ジョン・ブランシー(Br)
ティモシー・ハッチンス(Fl)
ミック・ビルン(オフィクレイド)
マイケル・ケルトック(P/Org)
アイルランド国立SO
ポール・フィリップス(指)

録音:2014年6月11-13日ダブリンナショナル・コンサート・ホール
※一部世界初録音
アメリカの作曲家、ピアニスト、ウィリアム・ペリー(1930-)。彼はニューヨーク市の近代美術館映画部の音楽監督を12年間務め、サイレント映画のためのピアノ伴奏を作り、また100作以上の映画音楽を作曲しました。第1集(NAXOS-8.572567)ではテレビの名シリーズ「サイレント・イヤーズ」が中心に収録されていましたが、今作では更に素晴らしい音を聴くことができます。「無声映画のヒロインたち」では当時の名女優8人をフィーチャーしたもので、それぞれが歌による特徴的な肖像画となっています。溢れんばかりの美メロは心を存分にくすぐります。「過去からのブラス」はオフィグレイドと管弦楽のための協奏曲であり、映画音楽ではありませんが、ペリーがユニークな映画音楽を書くための準備としても役立つものでした。
NAXOS-8.557516(1CD)
ウェーベルン:声楽&室内楽作品集シェーンベルク:室内交響曲(ウェーベルン編)
1-5.「第7の環」による5つの歌曲Op.3(1908-1909)
11-16.弦楽四重奏のための6つのバガテルOp.9(1911)
17-20.4つの歌Op.12(1915-1917)
21-23.3つの歌「道なき道」よりOp.23(1934)<暗い心/天の高みから清らかさが舞い下り/わが主イエスよ>
24-26.3つの歌Op.25(1934)
27-29.弦楽四重奏曲Op.28(1936-1938)
30-32.カンタータ第1番Op.29(1939)
33-37.シェーンベルク(1874-1951):室内交響曲第1番Op.9(A.ウェーベルンによるフルート、クラリネットとピアノ三重奏編)(1906/1923)
トニー・アーノルド(S)…1-10.17-26
クレール・ブース(S)…30-32
ジェイコブ・グリーンバーグ(P)…1-10.17-26
キム・スーユン(Fl)…33-37
チャールズ・ナイディック(Cl)…33-37
レイラ・ジョセフォヴィッツ(Vn)…33-37
フレッド・シェリー(Vc)…11-16.33-37
オリオン・ウェイス(P)…33-37
ロルク・シュルテ(Vn)…11-16
タイ・ムライ(Vn)…11-16
ディヴィッド・フルマー(Va)…11-16
サイモン・ジョリーCho…30-32
フィルハーモニアO…30-32
ロバート・クラフト(指)…30-32

録音:2011年9月28日ニューヨークアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…1-5.17-20,
2011年9月29日ニューヨークアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…6-10.21-23.27-29,
2011年9月30日ニューヨークアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…11-16.21-29,
2008年7月27-30日ロンドンアビーロード第1スタジオ…30-32,
2013年6月10-11日ニューヨークアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…33-37
シェーンベルクやベルクと並ぶ新ウィーン楽派(主に1900年代初頭にかけてウィーンで活躍した作曲家の集団)の中核メンバーであったウェーベルン(1883-1945)。当時最も先鋭的な作風で知られるも、出版された作品はたった31曲と少なく、番号なしの作品を含む全集を作ったとしてもCD6枚に収まってしまうというというから驚きです。その分、各曲の凝縮度は半端なく、どれもが熟考の上に生み出されたものであり、後世の作曲家たちに与えた影響力は本当に強く、現在でも彼の作品は孤高の芸術として高く評価されています。もちろん、当時の最先端を行く音楽ですから、最初はとっつきにくいかもしれません。しかし、例えば優れた数学者が美しい数式を愛するが如く、彼の複雑な音楽も、深く知れば知るほどにその魅力から離れられなくなるものです。時代によって作風を変化させて行った人でもあり、ここに収録されている1910年代の曲と、1930年代の曲を聞き比べてみると、その変容が理解できるかと思います。また、シェーンベルクの「室内交響曲」の編曲版も興味深いものです。この時代の作品の良き理解者ロバート・クラフトの説得力ある演奏で。
NAXOS-8.573441(1CD)
スペインの夜〜ロドリーゴ:ギター協奏曲集
アランフェス協奏曲
4台のギターと管弦楽のための「アンダルシア協奏曲」
2台のギターと管弦楽のための「マドリガル協奏曲」
デイル・カヴァナー(G)
アマデウス・ギター・デュオ&エデン=ステル・ギター・デュオ
アマデウス・ギター・デュオ
インターナショナルPO
ホルスト=ハンス・ヴェッカー(指)

録音:1999年9月25-28日ハノーファートンスタジオ・ファン・ギースト
カナダ出身のデイル・カヴァナーとドイツ出身のトーマス・キルヒホフの2人による「アマデウス・ギター・デュオ」は、1991年にデュオ活動を開始し、世界各国でコンサートを行い、その高度な音楽性と豊かな音色で聴衆を魅了しています。また多数の著名なオーケストラとも共演を重ね、2台ギターのための協奏曲を積極的に紹介しています。このアルバムでは近代スペインの最も重要なギター作曲家であるロドリーゴ(1901-1999)の作品を演奏し、聴き手を幻想的なスペインの夜へと誘います。良く知られたアランフェス協奏曲はもちろん、1767年に作曲された4台のギターを用いる「アンダルシア協奏曲」ではエデン=ステル・ギター・デュオとともに親密で夢幻的な対話を繰り広げます。またその翌年に書かれた「マドリガル協奏曲」はスペインの古い旋律や民謡などがふんだんに盛り込まれた楽しい作品で、様々な味付けを施された小品が並ぶ体裁を取っており、軽やかに吹き抜ける風を思わせる流麗さが魅力的です。ギターの素晴らしさを堪能する1枚といえるでしょう。
NAXOS-8.573437(1CD)
エリザベッタ・ブルーサ:管弦楽作品集第3集
交響曲第1番Op.10(1988-1990)
交響詩「メルリン」Op.20(2004)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO
ダニエル・ルスティオーニ(指)

録音:2014年8月12-13日スコットランドグラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
※世界初録音
1954年ミラノ生まれの女性作曲家、ブルーサ(1954-)の管弦楽作品集の第3集となります。第2集がリリースされてから既に10年以上の年月が経過していますが、その間に彼女の知名度が上がったか?といえば、それは答えに窮する質問であると言えましょうか。第1集、第2集は比較的わかりやすい曲が多かったように思いますが、この盤の中心は「交響曲第1番」であり、これは彼女がミラノ音楽院を卒業してから最初に手がけた大オーケストラのための作品で、基本的なソナタ形式に則りながら、ショスタコーヴィチやウォルトンを想起させる力強い音楽が展開していくというものです。オーケストラの色彩的な響きを存分に活かしながら、苦しみや悲しみの感情を盛り込まれた堂々たる世界が広がっていきます。神話や文学などにも造詣の深い彼女らしい作品である「交響詩メルリン」も聴き所。円卓の騎士物語に登場する魔法使いマーリンを題材にしたこの曲は、伝統的な音楽の形式からは解き放たれ、様々な楽器のセクションとパーカッションの応酬が見事な生き生きとした音楽に仕上がっています。第3集では、オーケストラも指揮者も刷新して、新たな取り組みとなっているところも興味深いです。
NAXOS-8.573349(1CD)
期待の新進演奏家シリーズ/エイヴァン・ユー(P)〜リスト:シューベルト歌曲によるトランスクリプション集
冬の旅S561/R246(抜粋)<第1番:おやすみ/第2番:幻の太陽/第3番:勇気/第4番:郵便馬車/第5番:かじかみ/第8番:辻音楽師/第9番:幻覚/第10番:宿屋>
白鳥の歌S560/R245(抜粋)<第1番:都会/第2番:漁師の娘/第4番:海辺で/第5番:別れ/第6番:遠い国で/第7番:セレナード/第9番:春のあこがれ/第11番:アトラス/第13番:鳩の使い/第14番:戦士の予感>
エイヴァン・ユー(P)

録音:2013年12月3-4日UKモンマスウィアストン・コンサート・ホール
ピアノの魔術師フランツ・リスト(1811-1886)は先人シューベルトの歌曲の持つ詩的な香りと深い思索に特別な愛情を持っていました。それ故、いくつかの歌曲をピアノだけで演奏できるように編曲を施して、リスト自身のコンサートでのプログラムに取り入れたのです。もちろんいくつかの作品は、あまりにも華美になり過ぎていて、原曲が放つ厳しい雰囲気とは程遠いものになっていますが、それはご愛嬌。リストの心を通して見たシューベルトの世界(時には曲の順番を入れ替えても)が美しく再現されています。ここでピアノを演奏しているのは、2012年にシドニー国際ピアノ・コンクールで優勝を果たした香港生まれの若手ピアニスト、エイヴァン・ユー。すでに世界中のオーケストラと共演し、数多くのリサイタルを行い、その実力が高く評価されています。重厚なタッチと繊細な表現力が素晴らしく、一度聴いただけで虜になること間違いなしです。
NAXOS-8.573386(1CD)
金管七重奏のための音楽集第2集〜ヘンデル,パーセル,ラモー,ブロウ作品集
ラモー:歌劇「ダルダニュス」-組曲(S.コックスによる金管七重奏編)
ブロウ(1649-1708):歌劇「ヴィーナスとアドニス」-「仮面劇」(M.ナイトによる金管七重奏編)
パーセル:劇音楽「女房持ちの色男、無分別な物好き」(抜粋)(S.コックスによる金管七重奏編)
ヘンデル:歌劇「リナルド」-組曲(S.コックスによる金管七重奏編)
セプトゥーラ<メンバー:アラン・トーマス(B♭管tp)/サイモン・コックス(B♭管tp)/ヒュー・モーガン(E♭管tp)/ピーター・スミス(tub)/マシュー・ギー(tb)/マシュー・ナイト(tb)/ダン・ウェスト(B-tb)>

録音:2014年5月3-5日ロンドンニューサウスゲート、聖ポール教会
金管アンサンブル「セプトゥーラ」によるシリーズ第2集は、17世紀のバロック・オペラの名曲を中心にセレクトしたものです。この当時の金管楽器は、未だ発展途上であり、ヘンデルの作品にしても楽器の使い方は現在とは全く異なるものと言ってもよいでしょう。当然、ここで演奏している曲は本来の姿と違うかもしれませんが、この試みは極めて興味深いものであり、また楽器の可能性を探るものとして、何より完璧な音楽として仕上がっていることは高く評価できるのではないでしょうか?トラック30は有名な「私を泣かせてください」で、この美しい旋律がどれほどに神々しく奏されているか…を実際に聴いてみてください。この演奏、第1集(NAXOS-8.573314)とは若干のメンバー変更がありますが、そのアンサンブルは全く乱れがありません。とにかくスゴイです。
NAXOS-8.573397(1CD)
ヘンデル:鍵盤楽器のための組曲集第2集〜ハープシコード組曲第1巻第5番-第8番HWV430-433
組曲第5番ホ長調HWV430
組曲第6番嬰へ単調HWV431
組曲第7番ト短調HWV432
組曲第8番ヘ短調HWV433
フィリップ