湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5


CPO
(ドイツ)


品番末尾F…1枚あたり(税込)
品番末尾M…1枚あたり(税込)
品番末尾B…1枚あたり(税込)
品番末尾S…1枚あたり(税込)



※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者
555003M(2CD)
ドラ・ペヤチェヴィチ:ピアノ作品全集
花の一生-8つのピアノ小曲集Op.19
ソナタ変イ長調Op.57
6つの幻想小曲集Op.17
花吹雪Op.45/2つの夜想曲Op.50
4つのピアノ小品集Op.32a
即興曲ロ長調Op.32b
演奏会用ワルツOp.21/思い出Op.24
ワルツ-カプリスOp.28
子守歌変ロ長調Op.20
ソナタ変ロ短調Op.36
カプリッチョOp.47
2つのピアノスケッチOp.44
.2つの間奏曲Op.38
子守歌ヘ長調Op.2
舟歌Op.4/無言歌ハ長調Op.5
蝶々Op.6/メヌエットOp.7
即興曲Op.9a/無言歌変イ長調Op.10
葬送行進曲Op.14
フモレスケOp.54a/カプリスOp.54b
ナターシャ・ヴェリコヴィッチ(P)
cpoレーベルが力を入れて作品をリリースしている作曲家の一人ドラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)の作品集、こちらがシリーズ最後のアルバムになります。クロアチア屈指の女性作曲家であった彼女の作品は、現在確認されているのが58曲で、その大半をピアノ曲が占めています。彼女の室内楽や歌曲も味わい深いものですが作品の概要を知りたければ、この2枚組を聴いてみるのが一番といえるでしょう。「即興曲」は既に室内楽ヴァージョンがリリースされていますが(777421)ピアノのみで演奏されると、また違った趣きが感じられます。晩年に近づくにつれ、厳しく深い音楽を作って行ったペヤチェヴィチですが、初期の多くのピアノ曲には、まるで匂い立つような艶やかさも感じられます。
555005M
ジンクフォニカー、現代の男声合唱作品を歌う
エンヨット・シュナイダー(1950-):「世界の闇に無垢の炎」コントラテナー,2人のテノール,2人のバス,男声合唱とオルガンのための
アレッサンドロ・カダリオ(1979-):「風の中のばら」男声合唱とパーカッションのための
アレヤンドロ.D.コンソラチオンII(1980-):「ミサ・フィレンツェ」男声合唱とオルガンのための
ジンクフォニカー
台北男声Cho
NiehYen-Hsiang(指)
2014年、日本にも来日した、世界で最も人気の高いヴォーカル・アンサンブル「ジンクフォニカー」と、こちらも素晴らしいアンサンブルで知られる台北男声合唱団のコラボレーションから生まれた「現代の男声合唱作品集」です。現代作品を得意とする台北男声合唱団(TMC)は、すでに3枚の現代作品のCDをリリースしており、これらも高く評価されています。今回はドイツの人気作曲家エンヨット・シュナイダーと、イタリアのカダリオ、フィリピンのアレヤンドロ.D.コンソラチオン2世、この3人の宗教的作品を取り上げ、神秘的かつ、複雑な宗教観を交えた多彩なテキストを存分に聴かせます。斬新な響きも本当に感動的です。
555009B(3CD)
キリル・ペトレンコ〜ベルリン・フィル首席指揮者決定記念!
ヨーゼフ・スーク:交響曲「アスラエル」Op.27
 交響詩「夏のおとぎ話」Op.29
リャードフ:魔法にかけられた湖Op.62
 交響詩「人生の実り」Op.34
 交響詩「冬の夕べの物語」Op.9
ベルリン・コーミッシェ・オーパーO
キリル・ペトレンコ(指)
長期間紛糾を極めたベルリン・フィルハーモニーの次期音楽監督の座を射止めたのは、ロシアの俊英キリル・ペトレンコでした。もちろんこの決定を予測していた人もいたのですが、大方の人にとっては意外であったのは間違いありません。何しろ、この指揮者は録音の数が極めて少なく、どんな演奏をするのかすらもあまり知られていなかったからです。幸いなことに、cpoには彼がベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽総監督を務めていた頃から取り組んでいたヨーゼフ・スク(1874-1935)の管弦楽作品集の3枚の録音があります。今回は、長い間廃盤となっていた交響曲「アスラエル」の復刻も含んだ全録音をお求め安い価格のBOXにいたしました。まずはこれを聞いて2018年を待つのはいかがでしょうか。
555011F
ダリオ・カステッロ:現代的なソナタ・コンチェルターテ第2巻から(1629) ムジカ・フィアタ
ローランド・ウィルソン(指)
バロック時代の初期にヴェネツィアで活躍した作曲家カステッロ(?-1644)。生年、没年とも不明であり、もちろん生涯の詳細も伝えられていません。1630年以降作品が発表された形跡がなく、この年に黒死病で亡くなったという説もありますが、ここら辺もわかっていません。ただ、彼の書いた作品は当時最も先進的であり独創的なものでした。タイトルにある「現代的な」というのは厳格なポリフォニーと、劇的なレチタティーヴォが交互に現れるスタイルに基づくものであり、また伝統的なカンツォーナのテクニックも用いられているためです。この様式はアントニオ・ベルターリやヨハン・ハインリヒ・シュメルツァーに受け継がれ、更に進化していくこととなります。ムジカ・フィアタのオーソドックスな解釈で。
555013F(3CD)
ゴルトマルク:歌劇「シバの女王」 キャロリー・シェメルディ(S)
リー・ジンソク(Bs)/イルマ・ミヘリク(S)/ヌッタポルン・タンマティ(T)/ケヴィン・モレーノ(Br)/カテリーナ・ヘベルコーヴァ(Ms)/キム=リリアン・シュトレーベル(S)/アンドレイ・イヴァン(Bs)他
フライブルク劇場オペラ&エクストラCho
フライブルク音楽大学声楽アンサンブル
フライブルクPO
ファブリース・ボロン(指)
フライブルク・フィルハーモニーと指揮者ファブリース・ボロンのコラボレーションによるオペラ・シリーズの第3弾は、ハ ンガリーのロマン派作曲家ゴルトマルク(1830-1915)の代表作「シバ(サバ)の女王」。当時流行の東洋趣味を取り入れたこの 作品は、1875年にウィーンで初演されると同時に好評を博し、1938年までウィーン国立歌劇場のレパートリーに残り続けた という記録がありますが、現在では上演の機会はほとんどありません。ワーグナー風の重厚な響きを持つ前奏曲やバレエ曲の 一部のみが稀に演奏されるこの歌劇、全曲の登場は喜ばしいものです。
555023
(10CD+DVD)
ブルックナー:交響曲全集
<CD1…777617>1-4.交響曲第0番ニ短調WAB100(1869年第2稿)
<CD2…777617>1-4.交響曲第1番ハ短調WAB101(1866年リンツ第1稿)
<CD3…777735>1-4.交響曲第2番ハ短調WAB102(1877年ハース版)
<CD4…777690>1-4.交響曲第3番ニ短調WAB103(1889年第3稿)
<CD5…777615>1-4.交響曲第4番変ホ長調WAB104(1879/80年第1稿)
<CD6…777616>1-4.交響曲第5番変ロ長調WAB105(1878)
<CD7…777690>1-4.交響曲第6番イ長調WAB106(1881年ノヴァーク版)
<CD8…777615>1-4.交響曲第7番ホ長調WAB107(1881/1883年)
<CD9…777691>1-4.交響曲第8番ハ短調WAB108(1890年)
<CD10…777787>1-3.交響曲第9番ニ短調WAB109(1894年初稿)
<ボーナスDVD>
「ヴェンツァーゴのブルックナー」ローラン・ジャケによるメイキング映像
タピオラ・シンフォニエッタ…CD1.2.6
ノーザン・シンフォニア…CD3
ベルンSO…CD4.7
バーゼルSO…CD5.8
ベルリン・コンチェルト
ハウスO…CD9
マリオ・ヴェンツァーゴ(指)
ブルックナー(1824-1896)の交響曲を演奏する際、必ず問題となるのが「使用する版について」ですが、ヴェンツァーゴはいくつかの異稿版を慎重に精査し、曲によって最もふさわしい版を用い、それだけでなく、オーケストラのサイズまでも、曲に沿って変えるという興味深い試みを行いました。結果、初期の交響曲と晩年の交響曲の響きの違いや、ブルックナーが曲に込めた思いを明らかにすることに成功、このツィクルスが高く評価される要因となったのです。今回、彼がどのような意図を持って、このツィクルスに対峙したのかを克明に描いたドキュメンタリーを収録したDVDも付されており、ヴェンツァーゴの先見の明と洞察力を目の当たりにすることができます。ブルックナー・ファン必携のBOXです。
555025F
ヨハネス・ヘロルト:マタイ受難曲(1594)
テオドーロ・クリニオ:ヨハネの受難より(1595)
アンサンブル・トリアゴナーレ<メンバー:テレサ・ドローヒー=スターバー(S)/テリー・ウェイ(C.T)/ミヒャエル・ゲルツァベク(C.T)/ミヒャエル・パイムガルテン(T)/クリスティアン・パウムガルテ
ン(T)/ウルフリード・スターバー(Bs)>
ミヒャエル・パウムガルテン(指)
このアルバムには2つの「受難曲」が収録されています。ほぼ同じ時期(1594年から1595年)に作曲されたヘロルト(1550頃-1604)の「マタイ」とクリニオ(1548/9-1601)の「ヨハネ」で、これが世界初録音となります。プロテスタントであったヘロルトの「マタイ」はドイツ語で書かれ、カトリックであったクリニオは「ヨハネ」をラテン語で書いています。2人はライバル同士でしたが、曲はどちらも6声のための声楽アンサンブルであり、その作風にはやはり似たものがあります。また「マタイ」はケルンテン州最古の出版された声楽作品としても貴重なものです。16世紀の終わり頃のアルペ・アドリア地方では受難節に多くのこのような受難曲が演奏されていたようです。
555026B02
フランツ・シュミット:五重奏曲 イ長調 ピアノ(左手),クラリネット,弦楽三重奏のための リノス・アンサンブル〈メンバー:コンスタンツェ・アイクホルスト(P)/ヴィンフレート・ラーデマッヒャー(Vn)/マティアス・ブーフホルツ(Va)/マリオ・ブラウマー(Vc)/ライナー・ミューラー・ファン・レクム(Cl)〉

録音:2013 年6 月15-17 日 ケルン、ドイツ放送、室内楽ザール
オーストリアに生まれ、第一次世界大戦で右腕を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタイン。彼は多くの作曲家に「左 手のための作品」を委嘱、その結果生まれた作品は現代でも様々な機会で演奏されています。このフランツ・シュミット (1874-1937)の《五重奏曲》もその一つで、彼は他にも協奏的作品を含め、何曲かの「左手のための作品」をヴィトゲンシ ュタインのために書いています。この《五重奏曲》はシュミットが亡くなる前の年の1936 年に書かれたもので、同じ形態で 書かれたト長調(1926 年)の作品よりも一層細やかなピアノ・パートと、クラリネットを交えた多彩な音色が用いられていま す。またシュミットはこの曲の終楽章に、ヴィトゲンシュタインの師であったヨーゼフ・ラボールが書いた旋律を主題とした 変奏曲を置き、この左手のピアニストへの賛辞としています。
555031B10
テレマン:シャリュモーとサルテリオ
ソナタ.ハ長調TWV41:C1
サルテリオと2台のシャリュモー,通奏低音のためのソナタ.ヘ短調TWV43:f2
ファゴットと通奏低音のためのソナタ.ヘ短調TWV41:f1
ハックブレットと通奏低音のためのソナチネイ長調TWV41:A2
バロッククラリネット,ソプラノシャリュモー,サルテリオと通奏低音のためのトリオソナタヘ短調TWV42:F6
チェンバロ独奏のための序曲TWV32:9
2台のシャリュモーのためのカリヨンTWV40:109
独奏サルテリオのための幻想曲第5番TWV40:18
アルトシャリュモーとテノールシャリュモー,通奏低音のための序曲TWV44:6
2台のソプラノシャリュモーと通奏低音のためのトリオソナタ.ハ長調TWV42:C2
ザルツブルガー・ホフムジーク
ヴォルフガンク・ブルンナー(指)

録音:2012年8月16-19日オーバーエースターライヒクレムゼック・シュロス
ポーランドの宮廷楽長に任命された20代の若きテレマン(1681-1767)は、領主であったプロムニッツ伯爵の好みに合わせ フランス風の作風を研究しつつ、この地の民俗音楽にも強く魅了されたと自伝に記しています。同時に様々な楽器の音色にも 注目し、当時存在した特殊な楽器のための作品を幾つか残しています。このアルバムでは、クラリネットの原型となったシャ リュモーと、長い歴史を持つ弦楽器サルテリオのための作品を中心に収録、あまり耳にする機会のない珍しい音色を楽しむこ とができます。もちろん録音には楽器の調整から音響バランスまで細心の注意が払われたそうで、エキゾチックで繊細な音色 が存分に記録されています。
555034M
カルロ・ファリーナ:コンソート・ミュージックドレスデン1627年舞曲集第3巻より
パヴァーヌ/ガイヤルド/ブランド/マスク/アリエ・フランゼーセ/ヴォルテ/クーラント/シンフォニー
アカデミア・デル・リチェルカーレ
ピエトロ・ブスカ(指)
イタリア、マントヴァ出身の作曲家、カルロ・ファリーナ(1600頃-1639)は、ヴィオラ奏者であった父親から手ほどきを受け、サラモーネ・ロッシに師事。一時期ドレスデンの宮廷でハインリヒ・シュッツとともに働いていたことでも知られています。その後はボンの宮廷を経て、イタリアに戻り、各地で活動、ポーランドやウィーンにも出かけますが、ペストに罹り40歳になる前にこの世を去りました。ヴァイオリンの名手であった彼は、数々の演奏技法を開発し各地に広めたことでも知られています。このコンソート・ミュージック集は、彼がドレスデンに滞在していた時期に出版された5巻の舞曲集の中の第3巻に収録された舞曲集で、各楽器の妙技と洒落た感覚に溢れたユニークな響きを味わえます。
555036(2CD)
NX-D11
レオ・ファル(1873-1925):喜歌劇「イスタンブールのバラ」全3幕 アハメド・ベイ…マティアス・クリンク(T)
コンジャ・ギュル:カメク・パシャの娘…クリスティアーネ・カイザー(S)
フリードリン:粉ひき親方の息子…アンドレアス・ヴィンクラー(T)
ミディリ・ハヌム…マグダレーナ・ヒンタードブラー(S)
ビュル=ビュル…エレオノーラ・ヴァッキ(Ms)
カメク・パシャ閣下…クリストフ・ハルトコップ(Br)
ジャミレ…ハンネ・ウェーバー(A)
ホテルのマネージャー…ミヒャエル・グランチュニヒ(語り)
ハンブルクの粉ひき親方…ヴォルフガンク・クローゼ(Bs)
ウルフ・シルマー(指)
バイエルン放送O&cho

録音:2014年5月9-11日
トルコ人の娘ギュルは、フランス人作家「アンドレ・レイ」が描くヨーロッパの情景に憧れて、手紙をやりとりして います。ある日、彼女は父カメク・パシャからトルコ国務大臣の息子であるアハマド・ペイとの婚約が決まった ことを知らされます。しかし彼女はアンドレ・レイへの思いを断ち切ることができません。結婚式の夜、夫である アハメド・ペイに「私は家族の伝統のためにあなたと結婚しただけだ」と告白したギュルに「アンドレ・レイならス イスにいるはずだ」と教えるアハメド・ペイ。スイスまで出かけたギュルを待っていたのは、なんと夫その人。実は 「アンドレ・レイ」はトルコを改革したいと考えたアハメド・ペイのペンネームだったのです。2人はあらためて愛を 誓い合うのでした。 レオ・ファルは、レハール、カールマン、オスカー・シュトラウスと並ぶほどの人気を博したオペレッタの作曲家でし た。トルコを舞台にしたこの作品、東洋風の旋律とワルツが美しく融合した甘いメロディに満ちています。 1916年にウィーンで初演され大成功を収めましたが、第一次世界大戦による国際情勢の悪化から次第 に忘れられてしまい、現在ではほとんど演奏されることがありません。今回の上演は、名指揮者シルマーの指 揮のもと、芸達者な歌手たちが素晴らしい歌唱を聴かせます。極上の旋律をお楽しみください。
555046F(2CD)
ヨハン・ハインリヒ・ローレ:マタイ受難曲 アナ・マリア・ブルキッチ(S)
クラウディア・エーマン(S)
ソフィー・ハームセン(A)
ドミニク・アリーネ・ビリツァ(A)
ゲオルク・ポプルツ(T)
ヨアヒム・ストレックフス(T)
ティロ・ダールマン(Bs)
ライモンド・スポーギス(Br)
ケルン・アカデミー
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)
ドイツでは良く知られているバロック時代の作曲家J.H.ローレ(1716-1785)。彼はマグデブルクのアルトシュタット・ギウナジウムで30年以上カントール職にあり、当時多大なる名声を得ていました。このアルバムは彼の生誕300年を記念して、「マタイ受難曲」の世界初演を記録したものです。この作品は「マタイの福音書」をルターが翻訳したテキストをエヴァンゲリストたちが歌い、その間にソリストが新たに作られた歌詞によるアリアを歌うという、バッハの作品とは基本的に同じ構成をとっています。しかしバッハとは聖書からの引用部分が違い、ローレは「ペテロの否認」から物語を始めているのが面白いところです。演奏はケルン・アカデミーとヴィレンズによる手馴れたもの。この時代の作品を生き生きと描きだしています。
555059(2CD)
NX-D11
ヨーゼフ・ベーア:喜歌劇《ポーランドの婚礼》 マルティナ・リュピング(S)/ズザンネ・ベルンハルト(S)/フ ローレンス・ルソー(Ms)/ニコライ・シューコフ(T)/ミヒャエ ル・クプファー=ラデツキー(Br)/マティアス・ハウスマン(Br)/ベル ンハルト・シュピングラー(Bs-Br)/フリーデマン・レーリッヒ(Bs)/ア レクサンダー・キエチャル(Bs)他/ゲルトナープラッツ州立劇場cho
ミュン ヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2015年11月21-22日ミュンヘンプリンツレーゲンテン劇場
1908年、現ウクライナ、リヴィウ州近郊の町チョドロウの裕福な銀行家に生まれたベーアは、10代から作曲を初め、音楽 の道を志すのですが、父との約束を守り、リヴィウ大学では法律を専攻、最終試験に合格したとして、音楽と舞台芸術を学ぶ 許可を得ます。彼には素晴らしい楽才があったため、直接ヨーゼフ・マルクスのマスター・クラスに直接入ることが出来、父 も音楽の道に進むことを許し、晴れてウィーンで活動を始めます。まずは作曲家としてウィーンのバレエ団に参加、ツアーで はオーストリアをはじめ、中東まで足を伸ばし見聞を広めました。この時の成果はバレエ「シラーズの王子」として高く評価 されます。そんな彼の第2作に当たるのがこの《ポーランドの婚礼》です。1937年にチューリヒで初演されたこの喜歌劇は 大評判を得て、瞬く間に8言語に翻訳され、ヨーロッパ中で演奏されることとなります。しかし、ユダヤの血を引いていた めベーアはナチスに迫害され、その作品の上演も禁止されてしまいますが、この作品は北欧などで細々と上演され、その名声 を保っていました。ジャズ、民族音楽、レハール風の美しいメロディなど様々な要素が盛り込まれた見事な作品を、ウルフ・ シルマー率いるミュンヘン放送Oと選び抜かれたソリストたちによる演奏で。
555062(8CD)
NX-G11
レーガー:ヴァイオリンとピアノのための作品全集&チェロ・ソナタ全集
〈CD1…999452〉
ヴァイオリン・ソナタ第5番嬰へ短調Op.84(1905)
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.1(1890)
〈CD2…999643〉
ヴァイ オリン・ソナタ第9番ハ短調Op.139(1915)
古風な様式による組曲 Op.93(1906)
3つのコンポジションOp.79d(1904)
〈CD3…999725〉
クラリネット・ソナタ変ロ長調OP.107(作曲家によるヴァイオリン編)(1909)
ヴァイオリン・ソナタ第6番ニ短調Op.103b-1(1909)
小奇想曲ト短調 (1902)/9.ロマンスト短調(1902)
〈CD4…999857〉
ヴァイオリン・ソナタ第 4番ハ長調Op.72(1903)
ヴァイオリン・ソナタ第7番イ長調 Op.103-2(1909)
タランテラト短調(1902頃)
アルバムの小品変ホ長調 (1902頃)
〈CD5…777296〉
ヴァイオリン・ソナタ第8番ホ長調Op.122
組曲Op.103a
〈CD6…777445〉
ヴァイオリン・ソナタ第3番イ長 調Op.41
ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.3
アルバムの小品 Op.87-1
ロマンスホ短調Op.87-2
〈CD7…999394〉
チェロ・ソナタ第 1番ヘ短調Op.5(1892)
チェロ・ソナタ第4番イ短調Op.116(1910)
〈CD8〉
チェロ・ソナタ第3番ヘ長調Op.78(1904)
チェロ・ソナタ第 2番ト短調Op.28(1898)
奇想曲Op.79e(1904)
奇想曲イ短調(1901)
(CD1-6〉
ウルフ・ヴァリン(Vn)
ローラント・ペンティネン(P)


〈CD7-8〉
ライムント・コルップ(Vc)
ルドルフ・マイスター(P)
2016年はレーガー没後100年の記念年ということで様々なアルバムが発売されていますが、こちらはcpoレーベルの2種 のシリーズ、ヴァイオリンとピアノのための作品全集と、チェロ・ソナタ全集を併せてBOX化しました。バッハの伝統を継 承する数多くのオルガン作品で知られるレーガーですが、ヴァイオリン作品ではより自由な作風が用いられており、時には聴 衆や評論家を揶揄するようなフレーズが用いられていたり、また時には敬愛するブルックナーやグリーグの影響も散見される 興味深い書法が見られたりと、レーガーの興味深い一面を知ることができます。一方チェロ・ソナタはブラームスを思わせる 重厚な響きに満ちた美しい曲。作曲年代にはかなりの開きがありますが、どれも落ち着いた雰囲気を持っています。レーガー 作品を積極的に演奏しているヴァリン、コルップの風格ある演奏は、レーガー入門に最適です。
555065
NX-B02
ジャコモ・マイアベーア:宗教合唱作品集
ハレルヤ/詩篇第91番
カンティクエ/パーテル・ノステル
7つの宗教的歌曲/モーツァルトに
ライニッシェ・カントライ
ヘルマン・マックス(指)

録音:2012年10月5-7日ドルマーゲン,聖マルティヌス教会
オペラ作曲家として知られるマイアベーア(1791-1864)の珍しい宗教合唱作品の初録音盤の登場。演奏しているのはドイツ の合唱作品の権威、ヘルマン・マックスとライニッシェ・カントライで、ブックレットもヘルマン・マックス自身によるもの です。ユダヤの血をひきながらも、イタリア歌劇に強く魅了されたマイアベーアは《悪魔のロベール》など多くの歌劇を発表 しましたが、この宗教的な作品は派手さを追求するのではなく、自身の信仰に基づいた真摯な宗教観が反映された、素朴な雰 囲気を備えたものです。ヘルマン・マックスはマイアベーアの手紙を研究した上で、これらの作品を深く考察し、魅力的な演 奏へと反映させています。
555066
NX-B02
ハインリヒ・フィンク:宗教作品集
ミサ・スパー・アヴェ・プレクラーラ
第8旋法のマニフィカート
モテット「聖霊来たり給え」
モテット「おお、主なるイエズス・キリスト」
ドイツ語の歌「Hab's ie getan」
ドイツ語の歌「Ich stund an einem Morgen」
ジョスカン・カペラ
マイノルフ・ブリューザー(指)
15世紀から16世紀にかけて、ポーランドのワルシャワ王国宮廷楽団員を務め、後に楽長に昇進したとされるドイツ生まれ の作曲家、ハインリヒ・フィンク(1444/45-1527)の宗教作品集。彼の出生については、あまり分かっていませんが、作品に 関しては、彼の甥の息子であるヘルマン・フィンクが出版した「PracticaMusica」をはじめとした様々な曲集に掲載されて おり、その足跡を辿ることが可能です。1480年代からその名声が知れ渡り、前述の通りポーランドで活躍、一旦はハンガリ ーの宮廷で職を得るも、またポーランドに戻り、1509年、ヴュルテンベルクのウルリク伯の誘いでシュトゥットガルトに赴 くまでこの地で活動を行います。シュトゥットガルトでも宮廷楽長を務め、ウルリク伯から高額な年俸を受け取ったとされて います。このアンサンブルは1514年に解散され、その後はウィーンに移り、亡くなるまでこの地で活動していました。フィ ンクは数多くの声楽曲を残しましたが、このアルバムでは「聖母マリアの被昇天のための素晴らしきミサ」を中心に、2曲の モテットとマニフィカート、そして2曲の世俗歌曲を聴くことができます。世俗歌曲では彼の知られざる側面を知ることが できるでしょう。
555072
NX-B02
グレン・グールド/ハインリヒ・カミンスキ:弦楽四重奏曲集
グレン・グールド(1932-1982):弦楽四重奏曲 Op.1
ハインリヒ・カミンスキ(1886-1946):ABEGGの名による前奏曲とフーガ
カミンスキ:弦楽四重奏曲 ヘ長調
ミンゲット四重奏団

録音:2016年3月8-9日、2017年1月25-26日
カナダの天才ピアニスト、グレン・グールドとドイツの作曲家ハインリヒ・カミンスキ。 2人の間には共通性がないように見えますが、どちらも我が道を行くことにかけては他に類をみないほどのユニークな 人物です。若きグールドは新ウィーン楽派の作風に傾倒、この1955年に書かれた弦楽四重奏曲もシェーンベル クを思わせる大作で、当時の彼の内面を表現している作品として評価されています。グールドは以降曲を書くこと はほとんどありませんでしたが、ピアノ演奏に大きな喜びを見つけ独自の道を歩んでいきます。 かたやカミンスキはポーランド系ユダヤ人の家庭に生まれ、最初は政治学を学んだものの、やがて音楽の道に転 向。合唱指揮者や作曲教師を務めながら作品を書きますが、政治的信条」¥を理由に職を失い、その後もユダ ヤ系の血統を理由に作品の上演が禁じられたため、ほとんど公の場に姿を現すことはありませんでした。 彼は「作曲は常に精神的な創造行為である」と感じ、常に宇宙の神秘を探求しつづけ、それは自身の作品にも 投影されています。そんな2人の作品をミンゲット四重奏団の演奏で。
555078
NX-B10
レオポルト1世(1640-1705):死者のためのミサ曲(レクイエム) 他
死者のためのミサ曲(レクイエム)
3つのレクツィオ
聖母マリアの7つの悲しみのモテット
ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス(古楽アンサンブル)
マンフレート・コルデス(指)

録音:2016年2月10-12日
第10代神聖ローマ帝国皇帝レオポルト1世。三十年戦争で衰退した領土を受け継ぐも、持ち前の政治力で領 土を拡大、ハプスブルク家の復興の足掛かりを築きました。高度な教育を受け、作曲家としても優れた才能を開 花させた皇帝は、生涯に150曲を超えるイタリア語のアリアを始め、80曲の教会音楽、17曲のバレエ音楽など、 多数の作品を残しました。 このレクイエムが書かれるきっかけとなったのは、彼の最初の妻マルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャ(ドイツ名マルガ レーテ・テレジア・フォン・シュパーニエン)が1673年3月12日にこの世を去ったことで、当時33歳の君主は大きな 悲しみに打ちひしがれました。彼はこの悲痛な思いを音楽で癒すために「Missa pro defunctis 死者のためのミ サ曲」を作曲。16世紀から「苦しく悲しい心情」を表すとされたト短調をベースに書かれた、5声の合唱、3本のト ロンボーンと通奏低音を伴う器楽アンサンブルを要する大規模な作品です。皇帝の作品が18世紀後半になって も演奏され続けたのは、単に君主への敬意だけではなく、完成度の高さゆえであることは間違いないでしょう。ルネ サンスからバロック期の作品を得意とするマンフレート・コルデスが指揮するブレーメン・ヴェーザー=ルネサンスの演 奏で。
555087
NX-B10
エクルンド(1927-1999):交響曲集
交響曲第3番「シンフォニア・ルスティカ」(1967-68)
交響曲第5番「クアドリ」(1978)
交響曲第11番「シンフォニア・ピッコラ」(1995)
ヘルマン・ボイマー(指)
ノールショピングSO
スウェーデン出身の作曲家ハンス・エクルンド(1927-1999)の交響曲集。 1947年から1952年まで、王立音楽院でラーシュ=エリク・ラーションに指導を受け、ベルリンとローマに 留学し作曲家として活動を始めたエクルンド。ダルムシュタット夏季現代音楽講習会で、スウェーデン人と して初めて作品が演奏され注目を集めましたが、最後まで無調を採用することはありませんでした。彼は 生涯に13曲の交響曲を書き、第4番を除く全ての作品にイタリア語のタイトルを付しています。このアル バムには、バルト海周辺の風光明媚な「ゴットランド島」の風景と民謡に触発された豊かな響きをもつ第 3番、破壊的な戦争を主題とし、全体的に暗い雰囲気が支配する、鋭いリズムが特徴的な第5番、「シ ンフォニア・ピッコラ(小さい交響曲)」と題されているものの、実質上、彼の最長の作品の一つであり、恩 師ラーシュ=エリク・ラーションへの追悼の意も込められている第11番、この3つの交響曲が収録されてい ます。
555096
NX-B02
コジェルフ(1747-1818):ピアノ三重奏曲集 第3集
ピアノ三重奏曲 イ長調 P. IX:8
ピアノ三重奏曲 ハ短調 P. IX:11
ピアノ三重奏曲 ヘ長調 P. IX:12
Trio 1790(ピリオド楽器使用)
【メンバー】
アネッテ・ヴェーネルト(Vn)
イモラ・ゴンボス(Vc)
ハラルド・ヘーレン(フォルテピアノ)

録音:ドイツ放送、室内楽ホール
2015年10月18日…3
2016年11月10-12日…1,2
プラハで生まれ、ウィーンで活躍したレオポルト・アントニーン(アントン)・コジェルフ。数多くの作品を残し、 なかでもピアノ三重奏曲は60曲以上が目録に掲載されています。この第3集に収録された3曲は、 1786年から1787年に書かれたもので、最初は楽譜出版業を営んでいたコジェルフ自身によって発表さ れましたが、数か月後にはパリ、ロンドン、マンハイムなどで再印刷されており、コジェルフの当時の人気の 高さが伺えます。 これらはどれも穏やかでリラックスした性格を持ち、心揺さぶられるピアノの妙技も楽しめます。また、ゆった りとした楽章では、フィールドやショパンの夜想曲を思わせるロマンティックな旋律が現れるなど、コジェルフ の先進性も感じられます。古典派盛期の響きを紡ぐTrio1790の流麗な演奏で。
555097
NX-B10
ミシェル=リシャール・ドラランド(1657-1726):ヴェルサイユの噴水

(1) 『ヴェルサイユの噴水』

(2)グラン・ピエス

(3)『アスクレピオスのコンセール』
テレサ・ワキム(ソプラノ・ソロ)
(1) ラトネ…ヴァージニア・ウォーンケン(Ms)
フローレ…モリー・ネッター(S)
アポロン…アーロン・シーハン(T)
セレス…ソフィー・ミショー(Ms)
エンチェラーデ…ジョン・テイラーウォード(Br)
バッカス…ブライアン・ギーブラー(T)
名声…マーゴ・ルード(S)
宴の神、コムス…ジェシー・ブランバーグ(Br)
運河の神…オリヴィエ・ラケル(Br)
(2)(3)テレサ・ワキム(ソプラノ・ソロ)
ヴァージニア・ウォーンケン(メゾ・ソプラノ・ソロ)
ジェイソン・マクストゥーツ(テノール・ソロ)
アーロン・シーハン(テノール・ソロ)
ジェシー・ブランバーグ(バリトン・ソロ)
ジョン・テイラーウォード(バリトン・ソロ)

ボストン古楽音楽祭声楽アンサンブル
ボストン古楽音楽祭チェンバー・アンサンブル
ロバート・ミーリー(コンサートマスター)
ポール・オデット(指)
スティーヴン・スタッブス(指)

録音:2019年1月27日-2月4日
ゼンデザール、ブレーメン
世界中で高く評価されているボストン古楽音楽祭アンサンブル。cpoでは特にフランスものを中心としたバ ロック・オペラの録音で親しまれています。彼らが今回手掛けたのは、フランス・バロックの偉大な作曲家の一 人、ミシェル=リシャール・ドラランド(ド・ラランド)の作品です。 1683年、25歳のドラランドは“太陽王”ルイ14世の宮廷音楽家として召し抱えられると、すぐに王のお気に 入りの一人となり、王女の音楽教師を務めながら、1714年には王室礼拝堂(シャペル・ロワイヤル)の楽 長となって、亡くなるまでその職務にあたりました。彼は宗教的な作品だけでなく、宮廷の行事のための作品 も数多く書き、これらは王族や貴族たちの間で人気を獲得しました。とりわけ『ヴェルサイユの噴水』は、美し く瀟洒な噴水の周りに神々が集まり、素晴らしい庭園の完成を祝うという内容の音楽劇で、この洗練され た作品は王を始めとした宮廷人たちを大いに喜ばせたのです。 『アスクレピオスのコンセール』は1683年5月に初演された劇音楽。アスクレピオスとはギリシャ神話に登場す る名医で、おそらくルイ14世の病気快癒を祝って上演されたと考えられています。「グラン・ピエス」は王が好 んだと言われる技巧的な小品です。
555105F08(5SACD)
ルイ・シュポア:交響曲全集
交響曲第3番ハ短調Op.78
交響曲第10番変ホ長調WoO8
序曲ヘ長調WoO1
交響曲第2番ニ短調Op.49
交響曲第8番ト長調Op.137
序曲ニ長調「深刻なスタイルで」Op.126
交響曲第1番変ホ長調Op.20
交響曲第6番ト長調「歴史的交響曲」Op.116
序曲ハ短調Op.12
交響曲第4番ヘ長調「音の浄化」Op.86
交響曲第5番ハ短調Op.102
歌劇「船乗り」序曲WoO7
交響曲第7番ハ長調「人生の世俗と神聖」Op.121
交響曲第9番ロ長調「四季」Op.143
ワルツ「マリエンバートの思い出」Op.89
ハノーヴァーNDR放送PO
ハワード・グリフィス(指)
19世紀前半に活躍したルイ・シュポア(1784-1859)は、ベートーヴェンの親しい友人として、また優れたヴァイオリニストとして現在その名を知られています。しかし、実は彼は当時、ベートーヴェンを凌ぐほどの「交響曲作家」であり、とりわけ後期の作品はシューマンに影響を与えるなど優れた作風を見せています。当時、ベートーヴェンの9つの作品が至上の音楽として賛美されていた時代、それを越えるためには新たな試みを次々に繰り出す必要があったのでしょう。どの作品も練りに練られた音がふんだんに用いられています。また、彼の交響曲はしばしばタイトルが付けられており、例えば詩人プファイファーの詩からインスパイアされた交響曲第4番「音の浄化」などは、当時としては先進的であった「交響詩」風の作品として仕上がっています。
555106
NX-B02
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):ピアノと弦楽のための作品集
古風なコンチェルティーノ Op. 56…世界初録音- 2つのヴァイオリン、チェロとピアノのために
幻想曲 - ヴァイオリンとピアノのために
抒情的三重奏曲 - ヴァイオリン、チェロとピアノのために
ラプソディア・コンチェルタンテ - チェロとピアノのために
オルランドのための3つの楽章 - ピアノ三重奏のために
オリヴァー・トリンドル(P)
アモリ・コエイトー(Vn)
ヴァネッサ・シゲティ(Vn)
アンドレイ・イオニーツァ(Vc)

録音:2016年2月1-4日
クロアチアを拠点に活動した作曲家ボリス・パパンドプロ。ザグレブの音楽院を卒業後は、オーストリアの「新 ウィーン音楽院 Neues Wiener Konservatorium」(1938年、ドイツのオーストリア併合により廃校)で 作曲と指揮を学びました。400曲を越える数多くの作品は、どれも十二音も含む新古典主義の作風の中 に、クロアチアの民族音楽と、ジャズの要素を融合したユニークなスタイルを持っています。cpoレーベルの4 枚目となるこのアルバムはピアノと弦楽のための作品を集めたもの。世界初録音となる「古風なコンチェル ティーノ」はクロアチアにおける新古典主義の傑作のひとつ。バロック後期から古典派初期の形式に倣った 序奏は活気のあるリズムにのって全体が疾走、最後は短い主題による小さなフーガで締めくくられます。他 にも対照的な表情を持つ3つの楽章で構成された「ラプソディア・コンチェルタンテ」などパパンドプロの見事な 作曲技法が味わえます。
555113
NX-B10
レオポルド1世(1640-1705):宗教曲集
オラトリオ「Il Sagrifizio d’Abramo アブラハムの犠牲」
Miserere per la settimana santa 聖週間のミゼレーレ(4声、オルガンを伴わない)
マンフレ−ト・コルデス(指)
ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス

録音:2016年4月22-24日
神聖ローマ皇帝、レオポルド1世(1640-1705)。三十年戦争で衰退した領土を受け継ぐも、持ち前の 政治力で領土を拡大、ハプスブルク家の大国復興の足掛かりを築いた指導者です。もともとは聖職者に なるはずだったため高度な教育を受けており、作曲家としても優れた才能を開花させた皇帝は、生涯に 150曲を超えるイタリア語のアリアを始め、80曲の教会音楽、17曲のバレエ音楽など、多数の作品を残 しました。このアルバムに収録されている「アブラハムの犠牲」では、愛する息子イサクを神に捧げることに なったアブラハムの苦悩が劇的に描かれています。またイサクがキリストの先駆的存在として扱われている ため、同時代にウィーンで書かれた受難曲の中でも特別な存在として讃えられています。この作品が書か れた時、レオポルド1世はわずか20歳でしたが、彼の熟達した作曲技法が見て取れます。この時期として は珍しくオルガン(通奏低音)を用いず、弦楽器と声楽のみによる「ミゼレーレ」も魅力的です。
555114
NX-B10
ライネッケ(1824-1910):管弦楽作品集 第1集
交響曲第3番ト短調 Op. 227
序曲「マンフレッド王」Op. 93
歌劇「マンフレッド王」第4幕よりロマンス*
歌劇「マンフレッド王」第5幕の前奏曲
交響曲第1番イ長調 Op. 79
勝利の行進曲 Op. 110
ヘンリー・ラウダレス(指揮&Vn*)
ミュンヘン放送O

録音:2014年4月8-11日、2013年3月19-22日、2016年7月22日
ドイツ・ロマン派の作曲家、教育者カール・ライネッケの管弦楽作品集第1集。高名な音楽教育者を父 に持ち、7歳で作曲を始め12歳でピアニストとして公開演奏を行うほど早熟だったライネッケは、85歳とい う長寿を全うする直前まで作曲活動を続け、未出版作品も含めると1000曲以上の作品を書き上げま した。その作風は保守的であり、同時代の評論家たちに酷評されても、「自分を先駆的な天才とみなす 大胆さはなかった」と述べ、作風を変化させることはありませんでした。とはいえ、時代の流れや他の作曲 家たちの作品を念入りに研究したライネッケは、さまざまな技法を自在に操りながら、自身の作法を常に 熟成させていきます。 このアルバムに収録された2曲の交響曲のうち、第1番は1858年、第3番は1895年に作曲されており、 どちらも美しく心に染み入る旋律に満たされています。残念ながら成功作とはならなかった歌劇「マンフ レッド王」もシューマンを思わせる充実した作品。最後に置かれた「勝利の行進曲」は「燃えるような情熱 と祝祭の精神」を持った華やかな小品です。
555156
NX-B10
ラモー:歌劇からの組曲とアリア
歌劇「ピグマリオン」(1748)より
1. 序曲
2. エア「Fatal Amour」(Pigmalion)
3. エア Tres lent - Gavotte gracieuse -Menuet - Gavotte gai - Chaconne vive -Loure - Passepied vif - Rigaudon vif -Sarabande pour la Statue - Tambourin
4. Air gai
5. パントマイム niaise
6. 第2パントマイム tres vive
7. アリエット 「Regne Amour」(Pigmalion)
8. Air pour les Graces, Jeux et Ris
9. ロンド・コントルダンス
歌劇「ダルダニュス」(1739/1744/1760改訂)より
10. 序曲
11. 第1場へのプロローグ:Air pour les [Jeux etles] Plaisirs [et la Jalousie et sa Suite]
12. Air pour les [Jeux et les] Plaisirs
13. 第2場へのプロローグ:Air gracieux [pour lesPeuples de differentes nations]
14. リゴードン
15. 第1幕 第3場:Air vif
16. リゴードン 1と2
17. 第2幕 第1場:Ritournelle vive
18. 第4幕 第1場 [1744]:エア Lieux unestes’ (Dardanus)
19. 第3幕 第3場:Loure
20. Air gai en rondeau
21. メヌエット1と2とロンド
22. タンブーラン 1と2
23. 第4幕 第2場:Sommeil. Rondeau tendreAir tres vif
Calme des sens. Air tendre
Gavotte vive
24. 第4幕 第3場:アリエット「Hatons -nous, courons a la gloire 」(Dardanus)
25. 第5幕 第3場:シャコンヌ
アンドレス J.ダーリン(オート=コントル)
ミヒ・ガイック(指)
オルフェオ・バロックO

録音:2017年4月28-30日
40代になって作曲家としての地位を獲得したラモーは、フランス音楽界の指導的立場となり、歌劇の作 曲に没頭し始めます。彼が書いたフランス語の歌劇はイタリア歌劇愛好家たちから反感を買い、とりわけ 思想家ジャン=ジャック・ルソーによる攻撃は激しく、「ブフォン論争」と呼ばれる諍いが起こりました。しか し、しっかりとした音楽理論に裏打ちされたラモーの作品は、騒動によって評価を落とすことなく、現代でも 最高の名声を享受し続けています。このアルバムにはラモーの2つの代表作から組曲とアリアを収録。闊 達で楽しい舞曲とともに、アリアで美しい声を披露するのは、スウェーデン出身のオートコントル(裏声を使 わずに高音を出すことができるテノール)アンドレス J.ダーリン。フランス・バロック歌劇には欠かせない特別 な声を存分に楽しむことができます。
555161(2CD)
NX-D11
クット・アッテルベリ:歌劇「アラジン」 アラジン…ミヒャエル・ハー(T)
ライラ…ゾーレン・マインゲーネ(S)
ナスレッディン…フランク・ブレース(Bs)
ムルク…オレクザンドル・プシュニアク(Br) 他
ブラウンシュヴァイク州立O&cho
ヨナス・アルバー(指)

録音:2017年ブラウンシュヴァイク州立歌劇場(ドイツ)
日本でも「アラジンと魔法のランプ」として親しまれている『アラジン』は近年ディズニーが映画化するなど古今東西人気を博してきました。アッテルベリは これを素材に「大人が楽しめるメルヘン・オペラ」を作曲。1936年に着手して1941年に完成させました。ストーリーは王女ライラに魅了されたアラジン が魔法のランプの力を得て願いをかなえてゆくというものですが、このオペラ版では冒険活劇よりも主人公二人の間の「愛」が強調されており、アッテル ベリによる音楽は後期ロマン派のスタイルによるもので、東洋趣味は控え目です。 1941年3月にスウェーデン王立歌劇場で初演されて11回上演。同年ドイツ初演も行われ一定の成功を収めましたが、その後は、ここに収録された 2017年のブラウンシュヴァイク州立劇場での上演まで舞台に乗ることはありませんでした。この上演では台本に若干の変更を加え、舞台をソ連時代 の中央アジアに移しています。丁寧かつ熱気を感じさせる歌唱とオーケストラ・サウンドからは蘇演にかける歌手の意気込みが伝わってきます。
555199
NX-B02
ニルス.W.ゲーゼ(1817-1890):室内楽作品集 第5集
幻想的小品 Op.43-クラリネットとピアノのための
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.63
弦楽五重奏曲 ホ短調 Op.8
アンサンブル・ミッドヴェスト

録音:2015年12月12日、2015年12月1日,2016年1月31日、2015年12月17-18日
アンサンブル・ミッドヴェストによるデンマークの作曲家ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼの室内楽作品集。全集を 締めくくる第5集には、弦楽五重奏曲と四重奏曲、クラリネットとピアノのための小品が収録されています。 弦楽五重奏曲は、彼の代表作の一つであるカンタータ「コモラ」と同時期の1845年頃に作曲された堂々た る風格を持つ作品。4つの楽章で構成された古典的な佇まいを持っています。1880年代後半に書かれた 弦楽四重奏曲ニ長調はゲーゼの最後の室内楽作品で、柔らかく美しいハーモニーが特徴的。クラリネットと ピアノのための「幻想的小品」はシューマンを思わせる素朴な旋律に彩られた短い曲集です。

555208
NX-B02
ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク/ヨーゼフ・ヴェルフル:ピアノ・ソナタ集
ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク:ピアノ・ソナタ 変イ長調
  パリへの帰還 C.221
ヨーゼフ・ヴェルフル:ピアノ・ソナタ ホ長調 Op.50Le diable a quatre
ヴェルフル:ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.41 Non plus ultra
ナターシャ・ヴェリコヴィッチ(P)

録音:2017年9月
ウィーン初期古典派作品を得意とするピアニスト、ナターシャ・ヴェリコヴィッチが弾くドゥシェック(ドゥシーク)とヴェルフ ルのピアノ・ソナタ。 ヤン・ラディスラフ・ドゥシェックはボヘミア出身、後にイギリスでキャリアを確立したピアニスト・作曲家。彼は楽器製 造家ジョン・ブロードウッドと親しく、楽器の性能の拡大を試み「ピアノを歌わせた」最初の一人であると言われてい ます。17曲のピアノ協奏曲と35曲ほどのピアノ・ソナタを書きましたが、どれもクレメンティの作品を思わせる古典的 な形式が用いられています。ヨーゼフ・ヴェルフルはザルツブルク出身。L・モーツァルトとM・ハイドン に音楽を学び、ピアニストとして活躍しますが、1799年にベートーヴェンとピアノで「決闘」し、敗北を喫したことで 人気が落ちてしまい、人気が落ちてしまい、パリを経て1805年からロンドンで第2の人生を送ることとなりました。 作品41のソナタは当時考えうる最高難度の技巧を凝らしています。
555209
NX-B10
フランツ・アントン・ディムラー(1753-1827): クラリネット協奏曲集
クラリネット協奏曲 ホ長調(1795)
クラリネット協奏曲 変ロ長調(1796)
クラリネット協奏曲 変ロ長調
ニコラウス・フリードリヒ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝候室内O
ヨハネス・ヴィリッヒ(指)

録音:2018年2月13-16日
世界初録音
マンハイムに宮廷を置いたプファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドール(1724-1799)おかかえの楽団 は、当時最高の楽器の名手たちを集めていただけではなく、彼らが優れた作曲家であったことでも際立って いました。メンバーには宮廷楽長を務めたヨハン・シュターミッツと彼の息子カール、ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグ ラー、クリスティアン・カンナビヒなどが在籍しており、彼らは後に「マンハイム楽派」と呼ばれ一世を風靡しまし た。もちろんメンバーの中には、優れた才能を持っていながらも、名前が忘れられてしまった人もいます。 このアルバムに登場するフランツ・アントン・ディムラーもそんな一人。マンハイムではホルン奏者を務め、後に コントラバスに転向した彼は、存命中は高く評価されミュンヘンでも活躍しましたが、現在ではかろうじて、何 曲かのクラリネット協奏曲の存在がごく一部の専門家に知られるのみ。このアルバムには、今回初録音とな る3曲のクラリネット協奏曲を収録。どれも巧妙に書かれたソロ・パートが特徴で、クラリネットはオーケストラ の伴奏に乗ってあらゆる技巧を披露、楽器の魅力を存分に見せてくれます。今回ソロを務めるのは、ドイツ 出身のニコラウス・フリードリヒ。マンハイム国立劇場Oの首席奏者であり、また現代音楽の紹介に も尽力する名手です。
555210
NX-B10
フランツ・ラハナー(1803-1890):交響曲第6番 他

交響曲第6番ニ長調 Op. 56
ファゴット協奏曲 変ホ長調
スー・チャーファ(Fg)
エヴァーグリーンSO
ゲルノート・シュマルフス(指)

録音:2017年1月3日基隆市カルチャー・センター、台北(台湾)
世界初録音
フランツ・シューベルトの親友であり、エンゲルベルト・フンパーディンクの師として知られるドイツの作曲家、指 揮者フランツ・ラハナー。この「交響曲第6番」は、1837年4月19日にラハナー自身の指揮で初演され、 ミュンヘンのマスコミから"優れた傑作"と大絶賛された作品です。付点音符が印象的な短いモティーフを積 み上げていく第1楽章、コラール風の旋律が美しい第2楽章、第3楽章は沸き立つようなスケルツォ、第1楽 章と同じく付点リズムが多用された快活な終楽章という4つの楽章を持つ古典的な構成でありながら、突 然の転調などユニークな作風が楽しめます。かたや「ファゴット協奏曲」は1824年の作品。ラハナーがウィー ンにいた頃に書かれた恐らく彼の初となるオーケストラ作品で、当時のウィーン国立歌劇場O首席 ファゴット奏者、テオパルド・ヒュールスに捧げられました。今回の世界初録音となる演奏は、エヴァーグリーン SOの首席奏者スー・チャーファによるものです。
555212
NX-B10
テレマン: 管楽の為の序曲集 第2集
序曲(五重奏曲) ニ長調 TWV 44:3
序曲「アルスター序曲」 へ長調 TWV 55 F:11(吹奏楽版)
序曲(五重奏曲) へ長調 TWV 44:9
オルフェオ管楽アンサンブル(古楽器使用)
カリン・ファン・へールデン(指)

録音:2017年11月6-9日
知られざるテレマン作品の発掘に力を入れるcpoレーベル。今作は第1作(555085)に続く管楽の為の 序曲集第2集です。軍楽の為の音楽や、狩猟時の音楽、そして食卓の音楽などのハルモニームジークの 分野でも活躍したテレマンは、この分野に数多くの作品を残しています。なかでも「アルスター序曲」と題され た管弦楽曲の吹奏楽ヴァージョンは、弦楽パート抜きでも素晴らしいサウンドを生み出すことに成功してい ます。アルスターとはハンブルクにある人造湖の名前で、13世紀に水車を回すためにアルスター川をせき止 めて作られました。テレマンのこの曲は、川が流れていた当時ののどかな風景を魅力的な音で表現したも の。サラバンドでは優雅な白鳥の姿が、またカラスとカエルの鳴き交わしやニンフたちの舞いなど様々な情景 が描かれています。鄙びた響きが魅力的なオルフェオ管楽アンサンブルの演奏です。
555225
NX-B02
マルティン・クリスティアン・シュルツェ(18世紀):Trattamento dell’Harmonia 和声の扱い
4つの楽器のためのシンフォニア
アンサンブル・クリンゲクンスト
【メンバー】
ジークリンデ・グレシンガー(トラヴェルソ)
ディミトリス・カラカンタス(バロック・ヴァイオリン)
クリストフ・ウルバネツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
カタジナ・チホン(バロック・チェロ)
マヤ・ミヤトヴィチ(Cemb)

録音:2018年2月4-8日
世界初録音
18世紀に活躍した作曲家シュルツェ。彼に関する伝記情報は、ほとんど伝えられていません。1733年にパ リで出版された彼の「Trattamento dell’Harmonia 和声の扱い」と題されたシンフォニア集の表紙には 「M・C・Schultze・ D・B」と名前が頭文字で記されており、これは国際的な音楽資料収集組織“RISM” によると「ベルリン出身のマルティン・クリスティアン・シュルツェ」の意味とされています。6つのシンフォニアは調 和のとれた形式で書かれているだけではなく、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏には高い技術が求められており、シュ ルツェは優れたガンバ奏者であったと推測されます。ヴァイオリン・パートにも同じように高い技術が要求されて いますが、フルート・パートは比較的易しく書かれており、アマチュア向けに書かれたものと思われます。バロッ ク期の音楽に造詣の深いアンサンブル・クリンゲクンストによる活気に満ちた演奏で。
555226
NX-B02
カミロ・シューマン(1872-1946):クラリネットとピアノのための作品集
クラリネット・ソナタ第1番変ロ長調 Op. 112
セレナード - クラリネットとピアノのために
クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op. 134
ベッティーナ・バイゲルベック(Cl)
ジャネット・ラ=ドゥア(P)

録音:2018年5月5日、10月19日、11月9日、12月7日ハンス・ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン(ドイツ)
1872年、ザクセンの音楽一家に生まれたカミロ・シューマン。幼い頃から楽器演奏に才能を発揮し、17歳 でライプツィヒ芸術学院に入学、作曲をライネッケ、音楽理論をヤーダスゾーン、そしてピアノをツヴィンツァー に学びます。その後、アイゼナハでオルガニストとして活躍、バッハの作品やレーガー作品まで幅広いレ パートリーで聴き手を魅了しました。作曲活動も活発で300以上の作品が記録されていますが、そのほと んどは未出版のままザクセン州立公文書館に保管されています。 このアルバムに収録された2曲のクラリネット・ソナタは2015年にライプツィヒで出版されたもので、20世紀に 作曲されたにもかかわらず、彼の師であるライネッケの伝統を受け継ぐ、釣り合いの取れた形式を保っていま す。5つの楽章で構成された「セレナード」はピアノとクラリネットのための最後の作品で、作曲家晩年の遊び 心を感じさせます。ソリスト、室内楽奏者、そしてクレズマー音楽の奏者として知られるバイゲルベックの演奏 です。
555228(4CD)
NX-G11
シューベルト:交響曲全集と断章集
【CD1】
1. 交響曲第1番ニ長調 D 82
2. 序曲 ニ長調 D 2a(断章)…世界初録音
3. 交響曲 ニ長調 D 2b(断章)…世界初録音
4. 序曲 ニ長調 D 2g(断章)…世界初録音
5. 2つのオーケストラ作品 D 74a…世界初録音
D 71c(断章)…世界初録音
6. 交響曲第2番変ロ長調 D 125
7. オーケストラ作品 D 94a(断章)…世界初録音
【CD2】
1. 交響曲第3番ニ長調 D 200
2. 交響曲第5番変ロ長調 D 485
3. 交響曲第7番ロ短調 「未完成」 D 759
4. 交響曲第7番のスケルツォよりアレグロ(断章)
【CD3】
1. 交響曲第4番ハ短調 「悲劇的」 D 417
2. 交響曲第6番ハ長調 D 589
3. 交響曲 ホ長調 D 729(断章)
【CD4】
1. 交響曲第8番ハ長調 「ザ・グレート」 D 944
オルフェオ・バロックO(古楽器使用)
ミヒ・ガイック(指)

録音:2018年5月2-5日(ライヴ)、2018年5月7-10日、2021年4月25-28日
オルフェオ・バロックOの創立25年記念企画は、新シューベルト全集及びホーエネムスのシューベルティアーデ音楽祭との協力によるシューベル ト交響曲全集&断章集です。もととなっているのは、2018年5月にシューベルティアーデ音楽祭で4日間連続で行われた演奏会のライヴ録音。演奏 会では新シューベルト全集(Neue Schubert-Ausgabe)の研究者ミヒャエル・クーベが作品紹介を行いましたが、CD1 に収められた6曲の断章は クーベによって校訂譜が編集されたもので、これが世界初録音です。 ガイッグとオルフェオ・バロック管は2011年にドイツ・ハルモニア・ムンディにシューベルトの交響曲第5番と序曲集の録音を行っていますが、ここでは更に 一歩進んだ最新の知見に基づくシューベルト演奏をしているものと期待されます。 指揮者のミヒ・ガイックはオーストリア、シェーフリング出身。ザルツブルク・モーツァルテウム大学でヴァイオリンを学び、在学中にニコラウス・アーノンクール から強い影響を受け、イングリッド・セイファートとシギスヴァルト・クイケンからバロック・ヴァイオリンの指導を受けました。1983年にラルパ・フェスタンテ・バ ロックOを創設、1995年まで音楽監督を務めた後、1996年にオーボエ奏者のカリン・ファン・ヘールデンとともにオルフェオ・バロックO を創設。これまでに40作以上のアルバムを録音し、世界中で高く評価されました。
555229(2SACD)
NX-D01
マックス・レーガー:オルガン作品集 第7集
【SACD1】
変奏曲とフーガ Op. 73(1903)
「5つのやさしい前奏曲とフーガ」 Op. 56より第1番、第3番(1903)
【SACD2】
幻想曲とフーガ Op. 29(1898)
「5つのやさしい前奏曲とフーガ」 Op. 56より第2番(1903)
13のコラール前奏曲 Op. 79bより 第1番、第3番、第8番、第9番、第11番(1901-04)
「5つのやさしい前奏曲とフーガ」 Op. 56より第5番(1903)
幻想曲とフーガ Op. 135b(初稿)
ゲルハルト・ヴァインベルガー(Org)
使用楽器
SACD1…シュタインマイヤー - オルガン(1911年製)
キリスト教会、マンハイム(ドイツ)
SACD2…ヤーン - オルガン(1909年製)
Versohnungskirche Dresden-Striesen(ドイツ)
録音
2019年10月15-18日…SACD1
2020年10月13-16日…SACD2
cpoレーベルのバッハ:オルガン作品全集の録音がドイツレコード批評家賞を受賞したオルガニスト、ゲ ルハルト・ヴァインベルガー。現在彼が取り組んでいるのは、レーガーのオルガン作品です。今作にはレーガー 自身が"小規模なオルガン作品"と呼んだ「5つのやさしい前奏曲とフーガ」を中心に、コラール前奏曲と幻 想曲、フーガが収録されており、レーガーの優れた対位法の技法をじっくり味わうことができます。また、今回 の第7集も、これまでと同じくマルチ・チャンネル対応のSACDフォーマットで、オルガンの美しい響きが余すこ となく捉えられており、高音質を楽しむことができる2枚組となっています。ヴァインベルガーは今作でも2種類 のオルガンを使用。楽器の響きの違いも味わえます。 ゲルハルト・ヴァインベルガーは1948年バイエルン生まれ。ミュンヘン音楽大学でオルガンを学び、1971年 にはミュンヘン国際音楽コンクールのオルガン部門で2位入賞を果たしています。その後ケンプテンの聖ロレン ツ大聖堂でコーラスマスターを務めた後、ミュンヘン音楽大学でオルガンと教会音楽の教授を務めた他、 1984年から2003年まではヴュルツブルク音楽大学でも教えています。またヨーロッパ科学芸術アカデミー のメンバーであり、ライプツィヒ新バッハ協会の理事会のメンバーも務めています。
555241(1SACD)
NX-C01
ヴェラチーニ:序曲と協奏曲集 第3集
序曲第5番変ロ長調
ソナタ第6番ホ短調
ソナタ第3番ニ短調
序曲第4番へ長調
ラルテ・デラルコ(ピリオド楽器使用)
フェデリコ・グリエルモ(Vn&指揮)

録音:2018年2月21-23日
フェデリコ・グリエルモが指揮するラルテ・デラルコによるヴェラチーニの序曲と協奏曲集。シリーズの完結編となる 第3集には、1721年に出版された作品番号1に含まれるソナタ第6番と1716年に出版された作品番号なし の曲集に含まれるソナタ第3番を収録。他、2曲の序曲を聴くことができます。序曲の写本はヴェネツィアのベネ デット・マルチェッロ音楽院に所蔵されており、恐らく1716年にヴェネツィアで作曲されたものと考えられています が、作品自体はドレスデンとロンドンで大成功を収めた可能性も指摘されています。
555251
NX-B10
カール・ゴルトマルク(1830-1915):交響詩集 第2集
演奏会用序曲「春に」 Op.36*
交響詩「ズリーニィ」 Op.47
序曲「イタリアにて」 Op.49
歌劇「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」前奏曲
序曲「若き日より」 Op.53
歌劇「冬物語」前奏曲
ファブリース・ボロン(指)
バンベルクSO

録音:2017年5月29日-6月1日*、2019年1月23-26日

※第1集…555160
ハンガリー出身のユダヤ人作曲家ゴルトマルク。ウィーンで学び、一度は故郷に戻るも、再度ウィーンでの活 動を決意、生涯にいくつかの歌劇の他、合唱曲や室内楽を書き上げましたが、交響曲や管弦楽作品の分 野ではそれほど多くの作品を遺すことはありませんでした。代表作の一つに交響曲第1番「田舎の婚礼」が あるものの、1887年に書かれた交響曲第2番はあまり演奏されることはなく、また活動初期の管弦楽作品 のいくつかは紛失しており、現在、ほんの一部が知られるのみという状況です。このアルバムは6曲の管弦楽 作品を収録。1889年作曲の「春に」や1904年の「ズリーニィ」、そして晩年の歌劇「ゲッツ・フォン・ベルリヒ ンゲン」と「冬物語」の前奏曲まで、ハンガリーの民謡風の旋律を随所に用いたドラマティックな作品をファブ リース・ボロンの指揮でお楽しみいただけます。
555253(2SACD)
NX-E07
ブクステフーデ:オルガン作品全集 第1集
【SACD1】
1. 前奏曲 ハ長調 BuxWV 137(前奏曲、フーガとチャコーナ)
2. 今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる BuxWV 208
3. 今ぞ我ら聖霊に願いたてまつる BuxWV 209
4. 今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 213
5. わが愛しき神に BuxWV 179
6. チャコーナ ホ短調 BuxWV 160
7. われらの救い主なるイエス・キリスト BuxWV 198
8. 前奏曲 ト短調 BuxWV 163
9. 汝の御子によりてのみわれ汝に感謝す BuxWV 195
10. 第1旋法のマニフィカト BuxWV 204
11. 第9旋法によるマニフィカト BuxWV 205
12. 前奏曲 ヘ長調 BuxWV 144
13. ああ神よそして主よ BuxWV 177
14. われ汝に感謝す、愛する主よ BuxWV 194
15. 前奏曲 ト長調 BuxWV 147
16. 前奏曲 嬰ヘ短調 BuxWV 146
【SACD2】
1. トッカータ ニ短調 BuxWV 155
2. 平安と歓喜もて われはいく BuxWV 76
3. 前奏曲 ニ短調 BuxWV 140
4. パッサカリア ニ短調 BuxWV 161
5. トッカータ ヘ長調 BuxWV 157
6. 天にまします我らの父よ BuxWV 207
7. カンツォネッタ イ短調 BuxWV 225
8. カンツォネッタ ハ長調 BuxWV 167
9. われらが神は堅き砦 BuxWV 184
10. フーガ ハ長調 BuxWV 174
11. フーガ ト長調 BuxWV 175
12. おお、光よ、祝福されし三位一体 BuxWV 216(断片)
13. 前奏曲 ホ短調 BuxWV 143
14. 人よ、汝幸いに生きんとせば BuxWV 206
15. 前奏曲 ホ長調 BuxWV 141
フリードヘルム・フランメ(Org)
クリストフ=トロイトマン=オルガン(1734-37)

録音:2018年5月10-13日Klosterkirche St. Georg zu Grauhof bei Goslar,ドイツ
「北ドイツ・バロックの作曲家たちのオルガン作品集」で知られるフリードヘルム・フランメによる新しいシリー ズは、デンマーク出身でありながら、リューベックを中心に活躍したブクステフーデの作品集。約40年に渡 りリューベックの聖母マリア教会のオルガニストを務めたブクステフーデは、朝や日曜日の礼拝時での演奏 のほか、前任のトゥンダーが始めた演奏会「夕べの音楽」を拡大し、多くの聴衆たちを喜ばせたことでも知 られています。 彼のオルガン曲はコラール編曲と自由な形式の曲を併せて40曲ほどが遺されており、自由曲の多くは 「冒頭部-第1フーガ-間奏部-第2フーガ-終結部」の5部からなる華麗なもの。このアルバムではDisc1 にコラール前奏曲やコラール変奏曲、Disc2には足鍵盤を用いないパッサカリアやトッカータなどを収録。 フランメは、ブクステフーデの革新的な作風による作品を、これまでのシリーズで用いたシュニットガー・オル ガンではなく、グラウホフのトロイトマン=オルガンで演奏しています。
555266(2CD)
NX-D11
カール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759):歌劇「ポリュドールス」(1726) ハンナ・ツムザンデ(S)
サンタ・カルニーテ(S)
アロン・ハラリ(A)
ミルコ・ルートヴィヒ(T)
ファビアン・クーネン(Bs)
ラルフ・グローベ(Bs)
アンドレアス・ハイネマイヤー(Bs)
イラ・ホックマン(指)
バロックヴェルク・ハンブルク

録音:2018年9月1-3日
ドイツ古典派時代に活躍した作曲家、カール・ハインリヒ・グラウン。1歳年上の兄、ヨハン・ゴットリープ・グ ラウンと共にドレスデンの十字架教会合唱団で歌い音楽の才能を開花させました。その後兄はヴァイオリ ニスト、弟は歌手として名を成し、それぞれドイツ音楽界に大きな足跡を残しています。カールはブラウン シュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公の宮廷音楽家に就任、歌い手としてだけではなく作曲も任され、歌 劇の他数多くのオラトリオを書き上げて高い評価を得ます。そして1735年にはプロイセン王太子フリード リヒの宮廷に歌手として就任。その後は宮廷楽長の地位を得るとともに、歌劇作曲家として不動の地位 を築きました。この歌劇「ポリュドールス」はブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公に仕えていた 1726年から1728年頃に書かれた作品で、貪欲な王、血に飢えた復讐に燃える女王、そして先祖を 軽蔑する王子たちがリアルに描かれた台本に、グラウンは力強く劇的な音楽を付けています。1735年の ハンブルクでの上演以降は全く演奏された記録がなく、今回の蘇演は作品の真価を問う貴重な機会と なります。
555277
NX-B02
ラフ:弦楽四重奏曲第5番、第1番
弦楽四重奏曲第5番ト長調 Op.138
弦楽四重奏曲第1番ニ短調 Op.77
マンハイムSQ

録音:2020年7月16-18日
マンハイムSQによるラフの弦楽四重奏曲集。2003年録音の第1作から足掛け17年を経ての完結 となります。第1番は1855年、ラフ33歳の作品。シンプルな4楽章形式で書かれており、沸き立つようなパッセー ジに彩られた第1楽章、第2楽章、ゆったりとした美しい旋律を持つ第3楽章、急き立てられるかのような終楽章 で構成されています。このアルバム以外にはライプツィヒSQの演奏がリリースされているのみの第5番 は、1867年の作。ワイマールから離れ、ヴィースバーデンに移ったことで作曲家の足掛かりをつけたラフによるこの 作品は、メンデルスゾーンを思わせる伸びやかな旋律で始まり、やはり抒情的な第3楽章を経て快活なワルツのリ ズムを持つ最終楽章で締めくくられます。
555280
NX-B10
オスカー・シュトラウス(1870-1954):ピアノ協奏曲/セレナード 他
ピアノ協奏曲 ロ短調
ライゲン=ワルツ
弦楽オーケストラのためのセレナード Op. 35
トラガント=ワルツ
舞踏音楽『トラガントの王女』のモティーフによる
オリヴァー・トリンドル(P)
エルンスト・タイス(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送PO

録音:2018年3月12-16日SWRスタジオ、カールスルーエ
ユダヤ系の家庭に生まれ、ベルリンでブルッフに作曲を学んだオスカー・シュトラウス。ワルツ全盛だった時 代の中で、敢えて「シュトラウス一家」との混同を避けるために、自らの姓「Strauss」から“s”を一つ取り 除いたとのエピソードが知られています。彼はワルツ作曲家としてよりも、より実入りの良いキャバレーにお ける劇場音楽の仕事を選択し(これはほかならぬヨハン・シュトラウス2世の助言だったとされます)、 1904年に書き上げた最初のオペレッタ「愉快なニーベルンゲン」で大成功を収め、オッフェンバックの後継 者としての地位を築きました。20曲ほどのオペレッタの他、映画音楽やバレエ音楽も書きあげており、この アルバムでは彼の珍しいピアノ協奏曲を始めとした管弦楽作品を聴くことができます。古典的な手法で 書かれた「セレナード」は曲中の「ワルツ」と「行進曲風に」で、後の軽妙なオペレッタを思わせるエレガント な作風が味わえます。またフランツ・リストが提唱した“新しいドイツ”モデルに基づく「ピアノ協奏曲」は彼が ブルッフの生徒であったことが理解できるロマンティックな作品です。3つの楽章は切れ目なく演奏され、リ ストを想起させる大胆な楽想も現れます。オリヴァー・トリンドルの巧みな演奏が知られざる作品の魅力を 引き立てます。
555282
NX-B02
レオポルド・ヴァン・デア・パルス(1884-1966):弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲第1番Op.33
弦楽四重奏曲第2番Op.66
弦楽四重奏曲第3番Op.79「変容」
マリー・シュタイナーの思い出に Op.176
ヴァン・デア・パルスQ

録音:2019年1月8-13日
cpoが注目している作曲家の一人、レオポルド・ヴァン・デア・パルス。オランダ人の父とデンマーク人の母の下 にサンクトペテルスブルクで生まれ、同地で音楽を学びました。その後、ローザンヌを経てにベルリンでグリエール に師事。彼の薦めで作曲した交響曲第1番は1909年にBPOによって初演さ れ大好評を博しました。その交響曲第1番&交響詩集や協奏曲集のCDを出しているcpoが弦楽四重奏 曲の録音を開始。これらの3曲はいずれも手の込んだ作曲法による複雑な作品です。パルスは、人智学や シュタイナー教育で知られる神秘思想家ルドルフ・シュタイナーの影響を受けており、特に弦楽四重奏曲第3 番にはそれが顕著に見られるとされています。4曲目の「マリー・シュタイナーの思い出に」は、シュタイナーの2 番目の妻マリー・フォン・ジーフェルスを偲んで書かれた作品です。 作曲家の孫がチェロを担うヴァン・デア・パルス四重奏団の演奏。
555284
NX-B10
グラウン(1703-1771):カンタータ集
カンタータ『O Dio, Fileno ああ神よ、フィレーノ』
ヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲 イ短調
カンタータ『Gia la sera すでに夕方に』
アマンダ・フォーサイス(S)
オペラ・プリマ(古楽器アンサンブル)
クリスティアーノ・コンタディン(ヴィオラ・ダ・ガンバ&指揮)

録音:2019年1月29-31日
ドイツの作曲家ヨハン・ゴットリープ・グラウンのカンタータとヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲。ヴァイオリンの名手と 知られたグラウンですが、ヴィオラ・ダ・ガンバを弾きこなしたという記録は残っていません。しかし彼はこの楽 器が活躍する作品を27曲も残しており、とりわけ協奏曲では、奏者の技巧に挑戦するかのようなパッ セージが含まれており、グラウンがガンバの演奏技法に習熟し、高い関心を持っていたことをうかがわせま す。このアルバムには、協奏曲の他にヴィオラ・ダ・ガンバの壮大なソロ・パートが現れる2曲のカンタータを 収録。これらは、当時最も名を馳せていたメタスタージオのテキストを用いたイタリア式のソロ・カンタータで あり、歌唱にも高度な技巧が求められています。バロック音楽を得意とするソプラノ、フォーサイスはボスト ン・アーリーミュージック・フェスティバルの常連歌手。オペラ・プリマの創設者コンタディンのヴィオラ・ダ・ガン バとともに美しい旋律を歌い上げ聴き手を魅了します。
555288(2CD)
NX-D11
ミヒャエル・ハイドン(1737-1806):「エンディミオーネ」(1776) ディアーナ…アレクサンドラ・ザモイスカ(S)
ニーチェ…ウルリケ・ホフバウアー(S)
アモール…リディア・トイシャー(S)
エンディミオーネ…ニコラス・スパノス(C.T)
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器使用)
ヴォルフガング・ブルンナー(指)

録音:2018年9月28日-10月2日
Solitar、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学(オーストリア)
世界初録音
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの弟、ミヒャエルによるイタリア語のセレナータ「エンディミオーネ」。実質的にはオペ ラであるこの作品の台本は、ピエトロ・メタスタージオによるもので、ここでは冷徹に純潔を守る月の女神ディ アナが、美しい青年エンディミオーネと恋に落ちたことで生じる悲劇が描かれています。作品は1778年に初 演されるも、その後は忘れられてしまいましたが、ようやく200年以上を経てザルツブルクで蘇演。ザルツブル ク・モーツァルテウム音楽大学出身の歌手を中心とするアンサンブルが絶妙な歌唱を披露、ザルツブルク・ ホーフムジークは18世紀当時の響きを忠実に再現するとともに、指揮者ヴォルフガンク・ブルンナーは、ユー モラスなウィットを備えたチェンバロによる通奏低音でアクセントを加えています。
555291
NX-B10
アンドレア・ガブリエリ(1533-1585):モテット、詩篇とオルガン作品集
1. Deus misereatur nostr 神はわれらを指し示す
2. 第一旋法のトッカータ(オルガン・ソロ)
3. Kyrie eleison あわれみ給え
4. リチェルカーレ・アリオーソ(オルガン・ソロ)
5. Egredimini きたまえ
6. O gloriosa Domina 栄光の支配者よ
7. Sancta Maria 聖なるマリアよ
8. Ave regina 幸いなるかな、女王
9. リチェルカーレ ハ長調(オルガン・ソロ)
10. Iubilate Deo 喜び歌え 神に向かって
11. Sanctus 聖なるかな
12. カンツォン・アリオーサ(オルガン・ソロ)
13. Domine, ne in furore tuo 主よ、あなたの怒りのうちに
14. Deus, qui beatum Marcum 神の祝福
16. Exultate justi 正しき者よ、主によりて喜べ
17. Angelus ad pastores ait 天使は羊飼いに言った
18. Angelus ad pastores 天使は羊飼いに言った(オルガン・ソロ)
19. Domine Deus meus わが神よ、感謝します
20. Benedicam Dominum 主に感謝します
エドゥアルド・ベロッティ(オルガン・ソロ)
ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス
マンフレート・コルデス(指)

録音:2018年11月16-18日
イタリア・ルネサンス期の作曲家・オルガニスト、アンドレア・ガブリエリ。マンフレート・コルデス率いるブレーメ ン・ヴェーザー=ルネサンスは、以前「マドリガーレとカンツォン集」(999642)をリリースしており、その素晴ら しい出来栄えはSWR(南西ドイツ放送)で評論家により「最高に楽しめる、よくできたCD」と評価されていま す。第2作目となる今作にはマドリガーレと詩篇、オルガン作品を収録。今作でも精緻な対位法が使われ た壮麗な声楽作品の素晴らしさはもちろんですが、1566年から亡くなるまでヴェネツィア、サン・マルコ大聖 堂のオルガニストを務めていたガブリエリの本領発揮ともいえるオルガン作品は圧巻の聴きごたえを誇りま す。エドゥアルド・ベロッティは1957年生まれのイタリアのオルガニスト。ルネサンスとバロック作品を得意とする だけではなく、研究者としても知られており、チェンバロとオルガン作品についての比較校訂版を定期的に発 表しています。
555293
NX-B10
エミーリエ・マイヤー(1812-1883):交響曲集
交響曲第1番ハ短調
交響曲第2番ホ短調
レオ・マクフォール(指)
ハノーファー北ドイツ放送PO

録音:2019年2月11-15日
1812年、メクレンブルク=フォアポンメルン州の町フリートランドで薬局を経営する父ヨハンと母ヘンリエッ タのもとに生まれたエミーリエ・マイヤー。早くから音楽の教育を受け、ピアノも演奏しましたが、少女時代 には自身の体調や家庭の問題を抱えていたため、作曲家を志したのは30歳近くになってカール・レーヴェ に師事してからのことでした。しかし、1842年に作品を出版したところ、すぐに評判を呼び、ファニー・メン デルスゾーンやクララ・シューマンと並ぶ優れた女性作曲家として脚光を浴びるようになります。このアルバ ムに収録された2曲の交響曲は1847年に初演されましたが、作曲年代はそれ以前のレーヴェから作曲 を学んでいた時期まで遡ると推測されています。しかし完成度は高く、とりわけ第1番は、古典的な枠の 中に、独創的な和声をしのばせたユニークな作風を持っており、レーヴェの影響から脱したマイヤーならで はの個性が感じられる力作になっています。また「第2番」は更にスケールアップした壮大な作品に仕上っ ています。
555295(3CD)
NX-D11
チマローザ:歌劇「秘密の結婚」 ロビンソン伯爵…レナート・ジローラミ(Bs)
ジェロニモ…ドナート・ディ・ステファノ(Bs)
フィダルマ…ロリアーナ・カステラーノ(Ms)
エリゼッタ…クララ・エク(S)
カロリーナ…ジューリア・セメンツァート(S)
パオリーノ…ヘスス・アルバレス(T)
アカデミア・モンティス・レガリスO(古楽器使用)
アレッサンドロ・デ・マルキ(指)

録音:2016年8月10,12,14,16日(ライヴ)
インスブルック古楽音楽祭(オーストリア)
1791年にレオポルト2世の招きで、アントニオ・サリエリの後任としてウィーンの宮廷楽長となったチマローザ が最初に書き上げた歌劇「秘密の結婚」。裕福な商人ジェロニモの娘カロリーナと恋人でジェロニモの使用 人パオリーノ、カロリーナの姉エリゼッタとロビンソン伯爵、そしてジェロニモの妹でパオリーノに気があるフィダル マ。この登場人物が入り乱れ巻き起こすコミカルな恋愛騒動を描いたこの作品は、1792年の初演時にレ オポルド2世が「Da capo!=もう一度」と叫んだほどの大成功を収めるとともに、現代に至るまで数えきれ ないほどの再演が繰り返されている18世紀のオペラ・ブッファの最高峰の一つです。 この録音は、インスブルック古楽音楽祭40周年の記念公演を収録したもので、イタリア・バロックのオペラと 声楽作品に定評のあるアレッサンドロ・デ・マルキと彼の手兵たちが18世紀の響きを再現するだけではなく、 通常は省略されることの多いアリアやリピート部分も即興的な変奏を加えながら全て演奏することで、オリジ ナルの形を再現しています。歌手たちのコミカルな歌唱も聴きどころです。

555300
NX-B10
テレマン:結婚式のためのセレナータ
結婚式のためのセレナータ「Liebe, was ist schoner als die Liebe 愛、愛よりも美しいものなどない」 TWV 11:26 - ソプラノ、テノール、オーボエと弦楽合奏のために
6つのカンタータより第5カンタータ「Lieben will ich 私は愛したいのに」TWV 20:21 (ハンブルク 1731)- テノール、オーボエ、弦楽合奏と通奏低音のために
カンタータ「Der Weiberorden 女性の地位」TWV 20:49- ソプラノと弦楽のために
ユリア・キルヒナー(S)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
ラ・スタジオーネ・フランクフルト(古楽器使用)
ミヒャエル・シュナイダー(指)

録音:2019年5月10-11日
多作家で知られるテレマンは、ハンブルク市の音楽監督として知名度を誇るだけではなく、その作品が当時 の貴族や富裕層の人々から愛されていたためか「結婚式のための音楽」の作曲家としても大きな需要があ り、「愛」や結婚に関する作品も多く残しました。このアルバムに収録された1曲目のセレナータ(バロック時 代、主として祝賀の行事に演奏された1幕もののオペラを指す)「愛、愛よりも美しいものなどない」は、ソプ ラノとテノールが結婚の有用性について論争するという歌詞に活気に富んだ音楽をつけており、テレマンの全 ての作品の中でもとりわけ独創的で機知に富んだ音楽の一つとされています。他には愛の不可思議さにつ いて自由なテキストで歌うテノールのソロ・カンタータ「私は愛したいのに」と、結婚式の饗宴のための「女性 の地位」も収録。若い花嫁が抱く結婚生活への期待が明るいトーンで歌われます。テレマン演奏のオーソリ ティ、ミヒャエル・シュナイダーとラ・スタジオーネ・フランクフルトのバックで、キルヒナーとポプルッツが見事な歌唱 を聴かせます。
555302(1SACD)
NX-C01
ベートーヴェン
劇場のための音楽集 第3集

劇音楽『エグモント』(付随音楽、完全版)
序曲「コリオラン」 Op. 62
序曲「献堂式」 Op. 124
序曲「命名祝日」 Op.115
ウェリントンの勝利 Op. 91
ラファエラ・リントル(S)
フレデリック・ベーレ(語り…ドイツ語)
カペッラ・アクイレイア
マルクス・ボッシュ(指)

録音:2020年7月23-25日
マルクス・ボッシュが率いるカペッラ・アクイレイアによる「ベートーヴェンの劇場のための音楽集 第3集」。今回 収録されているのは、1809年、ウィーン宮廷劇場の支配人ヨゼフ・ハルトルの依頼を受け、ゲーテの同名 戯曲のために作曲した劇付随音楽『エグモント』です。16世紀に実在したオランダの軍人エグモント(エフモ ント)伯爵を巡る物語に付けられた音楽は、ベートーヴェンの政治的関心とゲーテへの称賛が込められてお り、近年全曲が演奏される機会も増えてきました。全体は、序曲とソプラノ・アリアを含む9曲で構成されて おり、劇の内容はナレーターによって語られます。この台本は、通常、ゲーテの友人フリードリヒ・モセンゲイル とベートーヴェンの友人、フランツ・グリルパルツァーによるものが使われますが、この録音では現代の劇作家 シュテファン・ニースが自由にセリフを追加、より深化した物語が描かれています。アルバムには他3曲の序曲 と、『戦争交響曲』の別名でも知られる「ウェリントンの勝利」も収録。これらの臨場感ある演奏をSACDハイブリッドの高音質盤でお届けいたします。
555304
NX-B02
ゲオルク・シューマン(1866-1952):ピアノ作品集
6つの幻想曲 Op.36(1904)
情緒のある風景 Op.2(1886)
3つの小品 Op.1(1886)
3つの小品 Op.23(1901)
ミヒャエル・ファン・クリュッカー(P)

録音:2017年9月17-20日
ドイツのザクセン州出身の作曲家ゲオルク・シューマン。ライプツィヒ音楽院でピアノと作曲を学び、指揮者と して経験を重ねた後、1907年にベルリンのプロイセン芸術アカデミーに招かれて、ブルッフの後任として作曲 科の教師に就任。1934年から45年まで院長を務めつつ、ベルリン・フィルにソリスト及び指揮者として繰り 返し出演、ベルリン音楽界の大立て者として活躍しました。葬儀の際はベルリン・フィルが演奏したと伝えら れています。現在では主に教育者としての功績が知られているゲオルク・シューマンですが、若い頃にはピア ニストとして才能を発揮、演奏困難な作品を次々と弾きこなすヴィルトゥオーゾとしてヨーロッパツアーをする ほどの名声を得ていました。彼の作風は後期ロマン派に属しており、オーケストラ作品ではワーグナーの強い 影響が感じられますが、ピアノ曲からはショパン、リスト風の優しい響きが聞こえてきます。 ケルン・ピアノ・デュオのメンバーとして知られるミヒャエル・ファン・クリュッカーは、知られざる作品の復興に力を 注ぐピアニスト。ここでも各々の作品の持つ個性を引き立てる巧みな演奏を披露しています。
555306
NX-B02
イェンナー(1865-1920):ピアノ作品集
3つのバラード
主題と変奏/8つの情感
ピアノのための「非軍事」
ソルヴェイグ・ヘンクハウス(P)

録音:2017年4月17日(イースター)
ドイツ北端部シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州に属するジルト島で生まれたグスタフ・イェンナー。独学で 作曲の勉強を始め、その後、ブラームスの師エドゥアルト・マルクスゼンに師事。マルクスゼンの計らいでブ ラームスに面識を持つも、最初、ブラームスはイェンナーの習作を酷評したとされています。しかし面倒見 の良いブラームスはこの若者に目をかけ、ウィーン楽友協会の秘書に取り立てるなど数々の便宜を図った だけでなく、唯一の弟子として迎え入れ、ピアノや作曲を教えました。イェンナーによると、ブラームスが作 品を酷評するのは、若い者を甘やかしてはいけないという教育信条だったそうです。ブラームスの影響があ まりにも強かったためか、イェンナーの作品にも確かにブラームスを思わせる部分がありますが、それでも至 るところに彼独自の表現があり、このアルバムの演奏者ヘンクハウスはその個性を生かすべく作品を深く研 究。中でもイェンナーが関心を抱いていたという民謡の扱いに着目し、作品に溢れる歌心を巧みに表現 しています。
555309(2CD)
NX-D11
ピエトロ・アントニオ・チェスティ(1623-1669): 歌劇「ラ・ドーリ」 ドーリ・・・フランチェスカ・アスチオーティ(A)
トロメオ・・・エメケ・バラート(S)
アルシノーエ・・・フランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリ(S)
オロンテ・・・ルペルト・エンティクナツプ(C.T)
アルタクセルセ・・・フェデリコ・サッキ(Bs)
アルセーテ・・・ブラッドリー・スミス(T)
アルベルト・アレグレッツァ(T)
ピエトロ・ディ・ビアンコ(Bs-Br)
ロッコ・カヴァルッツィ(Bs)
コンスタンティン・デッリ(C.T)
オッタヴィオ・ダントーネ(指)
アカデミア・ビザンチナ

録音:2019年8月22,24,26日インスブルック古楽音楽祭
チェスティの歌劇「ラ・ドーリ、または高貴な奴隷」は、ユーフラテス川沿いのバビロンを舞台にした物語。ニカイア王女 ドーリは幼い時にペルシア王子オロンテと婚約しますが、後に海賊によってエジプトへ連れ去られ、エジプト王女として育 てられます。成長したドーリとオロンテはエジプトで再会するも、オロンテは父王が危篤になりペルシアへ呼び戻され、オロ ンテを追って男装してペルシアに渡ったドーリは盗賊につかまり、奴隷として売られます。その後、数奇な運命とコミカル なドタバタ劇を経てドーリとオロンテは再会。お互いの素性も判明してめでたく結ばれます。1657年にチェスティが奉職 していたインスブルックの宮廷で初演された後、イタリアではメディチ家の結婚式の祝祭のために上演されたほか、各地 で次々と上演され高い人気を誇りました。 このアルバムは2019年、チェスティの没後350年を記念して、作曲家所縁の地インスブルックでの上演記録です。高 度な技巧を駆使したソリストたちの軽やかな歌を始め、17世紀作品の演奏で定評のあるダントーネと、アカデミア・ビザ ンチナのアンサンブルが、忘れられた作品を現代に生き生きとよみがえらせています。
555311(2CD)
NX-D11
シュテルツェル(1690-1749):受難オラトリオ ヴェロニカ・ヴィンター(S)
フランツ・フィッツトゥム(カウンター・テナー)
マルクス・ブルッチャー(T)
マルティン・シッケタンツ(Bs)
ライニッシェ・カントライ
ダス・クライネ・コンツェルト(古楽器使用)
ヘルマン・マックス(指)

録音:2019年6月14-15日
トーマス教会、ライプツィヒ(ドイツ)
ドイツ・バロック期の作曲家シュテルツェルは、ライプツィヒで神学とオルガンを学び、1713年にはイタリアに留 学。当時最先端の音楽様式を採り入れながら、この地で活躍する音楽家たちと親交を結びました。1719 年にはゴータの宮廷礼拝堂楽長に就任、亡くなるまでこの地で数多くの管弦楽作品や宗教曲を生み出し ました。存命当時の人気はとても高く、バッハもシュテルツェルの作品を研究したことで知られています。 このアルバムに収録された受難オラトリオは22の『Reflections』と呼ばれる部分で構成されており、福音 史家はイエスの最後の時を忠実に歌い上げながら、3人の寓意的な人物の視点が絡み合って物語が展 開されていきます。ここでは厳格な聖書のテキストのみではなく、同時代の『ブロッケス受難曲』のように詩的 で自由なテキストも歌われています。また、後年バッハはこの作品のアリア「Dein Kreuz〜」を、自身 の作品カンタータ第200番の一部に転用しています。ドイツ・バロック音楽の名匠、ヘルマン・マックスとダス・ クライネ・コンツェルトによる演奏で。
555315
NX-B10
ナポリ18世紀の驚異〜管弦楽曲と協奏曲集
ドメニコ・サッロ(1679-1744):歌劇「シーロのアキッレ」よりシンフォニア
フィリッポ・コッレ(18世紀):ヴァイオリン、弦楽とチェンバロのための協奏曲 ハ長調
フェデリーゴ・フィオリッロ(1755-1823):ヴァイオリンと室内オーケストラのための協奏曲 変ロ長調
ジェンナーロ・マンナ(1715-1779):室内オーケストラのためのシンフォニア 変ホ長調
ファブリツィオ・ファラスカ(Vn)
ラ・レアル・カペッラ・ディ・ナポリ(古楽器アンサンブル)
イヴァノ・カイアッツァ(指)

録音:2016年9月
18世紀のナポリは当時のナポリ王国の首都として、パリ・ロンドンについでヨーロッパで3番目の大都市でし た。2つの歌劇場、フィオレンティーニ歌劇場とサン・バルトロメオ歌劇場が建設され、カストラートを含む歌手 たちもナポリで訓練を受けるなど、歌劇の一大中心地となっていました。1738年のウィーン条約によりブルボ ン王カルロがナポリを治めることになると、サン・バルトロメオ歌劇場を取り壊し、王好みの豪華なサン・カルロ 劇場が建設されます。サン・カルロ劇場は建物の見事さと高水準の上演によって名所となり、現在でも定期 公演が続けられています。このアルバムには当時活躍していた作曲家たちの優れた管弦楽曲と協奏曲を収 録。サッロの歌劇「シーロのアキッレ」は1737年11月4日のサン・カルロ劇場の?落としの演目で、この時は サッロ自身が指揮を行い大好評を博したということです。 この録音は、ほかならぬサン・カルロ劇場で行われたもの。演奏のラ・レアル・カペッラ・ディ・ナポリは、16世紀 に設立されペルゴレージやポル ポラ、スカルラッティの作品を演奏した団体にちなんでいます。2曲のヴァイオリ ン協奏曲でソロを弾くイタリアのヴァイオリニスト、ファブリツィオ・ファラスカの演奏も聴きものです。
555317
NX-B10
モンテヴェルディと友人たち - 小編成での夕べの祈り
ビアージョ・マリーニ(1613-1648):主よ、早く私を助けに(Salmi 1653) - バスと3つの楽器
ジョヴァンニ・ロヴェッタ(1595-1668):主は言われた(Salmi concertati 1626) - ソプラノ、アルト、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
ダリオ・カステッロ(1602-1631):2人のソプラノとファゴットによる3声のソナタ 第9番  (Libro primo 1621) - ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
モンテヴェルディ:われ主に感謝せん SV194(Messa et salmi 1650) - ソプラノ、テノール、ヴァイオリン、コルネット、オルガン、キタローネ
アレッサンドロ・グランディ(1590?-1630):主よ、わが祈りを聞きたまえ(Ghirlanda sacra 1625) - アルトとキタローネ
ロヴェッタ:幸いなるかな(5声) (Duben Sammlung)- ソプラノ、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
カステッロ:2人のソプラノとファゴットによるソナタ 第8番 (Libro primo 1621)- ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
ジョヴァンニ・リガッティ(1613-1648):ほめたたえよ、しもべたち 5声 (messa e salmi 1640) - ソプラノ、アルト、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
カステッロ:2人のソプラノとファゴットによるソナタ 第3番 (Libro primo 1621) - ヴァイオリン、コルネット、オルガン、キタローネ
モンテヴェルディ:Laudate Dominum 主をほめたたえよ SV 197a (Messa et salmi 1650)- バス、ファゴット、オルガン、キタローネ
モンテヴェルディ:この主の証しびと SV 278b (Selva morale 1641)
- テノール、ヴァイオリン、コルネット、オルガン
ロヴェッタ:マニフィカト(6声) (Salmi concertati 1626)- ソプラノ、アルト、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
リガッティ:幸いなるかな天の女王(Salmi diversi 1646)- ソプラノ、オルガン、キタローネ
ロヴェッタ:聖母マリアのための連祷(4声)
(Motetti concertate 1635) - ソプラノ、アルト、テノール、バス、オルガン、キタローネ
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(S)
アレクサンダー・シュナイダー(A)
ヨハネス・ガウビッツ(T)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
ムジカ・フィクタ(古楽器使用)
ローランド・ウィルソン(指)

録音:2019年9月7-10日
16世紀から17世紀のヴェネツィアで活躍したクラウディオ・モンテヴェルディ。『聖母マリアの夕べの祈り』やサン・マルコ大聖堂のために作曲した音楽は 西洋音楽の歴史において屈指の名作とされています。しかし、彼の作品はサン・マルコ大聖堂のような壮大な空間で奏されただけではなく、各地の宮 廷などの小さな空間でも競って演奏されました。このアルバムは、そのような身近で私的な空間で演奏された晩課を想定して構成されています。 また、この当時活躍していた作曲家はモンテヴェルディ以外にも数多く存在しており、近年の研究で彼らの素晴らしい作品に次々と光が当てられるよ うになりました。ここでは、モンテヴェルディが楽長を務めていたサン・マルコ大聖堂のの若き奏者たち、ビアージョ・マリーニや、ジョヴァンニ・リガッティの作 品と、モンテヴェルディの死後、次期楽長を務めたジョヴァンニ・ロヴェッタ、モンテヴェルディの助手を務めたアレッサンドロ・グランディ、そして大聖堂に関 係があったとされるダリオ・カステッロの作品を併せて紹介。なかにはモンテヴェルディと同じテキストを用いた詩篇なども含まれており、各々の作曲家がお 互いに切磋琢磨しながら生み出した多彩な音楽を味わうことができます。
555321
NX-B02
テレマン:室内協奏曲集 第2集
ヴァイオリン,ホルン,ファゴットと通奏低音のための四重奏曲 ヘ長調 TWV 43:F6
オーボエ,ヴァイオリン,ヴィオラと通奏低音のための協奏曲 ニ長調 TWV 51:D6
フルート,ファゴット,ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための四重奏曲 ハ長調 TWV 43:C2
リコーダー,オーボエ,ヴァイオリンと通奏低音のための四重奏曲 ト長調 TWV 43:G6
フルート,ヴァイオリン,ファゴットと通奏低音のための四重奏曲 ニ長調 TWV 43:D6
フルート,2台のヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための四重奏曲 ト長調 TWV 43:G10
ホルン,2台のヴァイオリンと通奏低音のための四重奏曲 ニ長調 TWV 43:D8
カメラータ・ケルン

録音:2017年12月18-20日ドイツ放送、室内楽ホール
第1集(555131)に続くテレマンの室内協奏曲。第2集でもカメラータ・ケルンが演奏を担当。多種多彩 な楽器が歌い交わす豊かな音色を持つ協奏曲を存分に楽しめます。このアルバムでcpoの「テレマン:管 楽器のための協奏曲」シリーズが完結。また、ミヒャエル・シュナイダーが率いるラ・スタジオーネ・フランクフ ルトが演奏した管弦楽作品集を含めた全16枚の「テレマン:協奏曲全曲」の完結盤にもなります。
555324
NX-B02
パデレフスキ&ストヨフスキ:ヴァイオリン・ソナタ集
パデレフスキ(1860-1941):ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op. 13
ストヨフスキ(1870-1946):ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op. 13
 ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ長調 Op. 37
ピオトル・ブラヴネル(Vn)
ピオトル・サワイチク(P)

録音:2020年2月23-25日
"ポーランドの音楽史の中ではショパンとシマノフスキを繋ぐ重要な作曲家はいなかった"と長い間信じられて いました。しかし近年になって、イグナツィ・パデレフスキと彼の弟子、ジグムント(ジギスモンドとも)・ストヨフス キがその隙間を埋める作曲家として注目を集めています。パデレフスキはポーランド第二共和国の第2代首 相を務めたことでも知られるピアニスト。「パデレフスキのメヌエット」が突出して有名ですが、彼の作品の中に は「後期ロマン派から近代への橋渡し」と評価されるものもあり、このヴァイオリン・ソナタもブルックナーとグリー グを想起させる見事な作品に仕上がっています。またパデレフスキに師事し、彼から強い影響を受けたと語 るストヨフスキのヴァイオリン・ソナタも、ブラームス風でありながら、若い頃に留学したパリの雰囲気も湛えて います。演奏者プラヴネルはポーランド作品を中心に幅広いレパートリーを有するヴァイオリニスト。ピアニス ト、サワイチクとは以前にもポーランドの秘曲アルバムを録音しています。
555325
NX-B02
ヘンデル/ムファット:チェンバロ作品集
ヘンデル:組曲第5番ホ長調 HWV430
 組曲第4番ホ短調 HWV429
ムファット:チャコーナ ト長調(Componimenti musicali 1739)
 組曲第3番ニ長調(Componimenti musicali 1739)
フィローラ・ファーブリ(Cemb)

録音:2019年10月5,6,13日
ブダペスト出身、新進気鋭の鍵盤楽器奏者フィローラ・ファーブリのソロ・デビューアルバム。バルトーク音楽 院でアニコ・ソルテスに師事、ミュンヘン音楽大学では名手クリスティーネ・ショルンスハイムからフォルテピアノを 学ぶとともに、東京藝術大学に短期留学し研鑽を積んだファーブリは、高い技術と音楽性が高く評価され、 室内楽や歌劇の通奏低音奏者として大活躍しています。このアルバムで彼女は、ほぼ同じ時期に生まれ ながら、個人的には遭ったことのない2人の大作曲家、ヘンデルとムファットの作品を演奏。ヘンデルの音楽 を賞賛したムファット、ムファットの音楽から影響を受けたとされるヘンデル。ファーブリは2人の作品の根底に ある共通性を探りながら、各々の音楽を紡ぎだしていきます。
555327(2CD)
NX-D11
ハイドン:歌劇「突然の出会い」 バルゾラ王子アリ:レツィアの恋人…ベルンハルト・ベルヒトルト(T)
ペルシャ王女レツィア:エジプトのスルタンのお気に入り
 …エリザベート・ブロイアー(S)
バルキス:奴隷/レツィアの友人…アンナ・ヴィラーディンク(S)
ダルダネ:奴隷/レツィアの友人…アンナスティーナ・マルム(Ms)
オスミン:アリの従者…マルクス・ミーゼンベルガー(T)
カランドロ…ラファエル・フィンガーロス(Br)
エジプトのスルタン…ミヒャエル・ヴァーグナー(Bs)
オルフェオ・バロックO(古楽器使用)
ミヒ・ガイック(指)

録音:2019年8月5-8日、2020年9月17日
1683年にオスマン帝国の軍隊がウィーンを包囲すると当時の人々は恐怖と混乱に巻き込まれましたが、それ から100年近く後のウィーンではトルコ風(東洋風)の音楽を楽しむことが流行していました。オペラでもグルックの 「メッカ巡礼、思いがけないめぐりあい」(1764年初演)やモーツァルトの「後宮からの誘拐」(1782初演)などは、 こうした流行を汲んでいます。 ハイドンの「突然の出会い」は1775年作曲・初演。エジプトのスルタンの後宮に奴隷として売られてしまったペル シャの王女レツィアを奪還しようとする王子アリの物語です。トルコ風音楽と言うとモーツァルトやベートーヴェンが書 いたトルコ行進曲のような軍楽調のものが思い浮かびそうですが、ここでは宮廷舞踏やスーフィーの儀式で使われ るという音楽が採り入れられています。 古楽器オーケストラと実力派の歌手たちが素晴らしい演奏を披露しています。
555334(2CD)
NX-D11
ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇「カオニアのエネア」2幕 リリア…カルメラ・レミージョ(S)
エネア…フランチェスカ・アショーティ(Ms)
アンドロマカ…チェルソ・アルベロ(T)
エレノ:アンドロマカの妻…ラファエラ・ルピナッチ(Ms)
ニーソ:カオニアの女王…パオラ・ヴァレンティーナ・モリナーリ(S)
エネア・バロックO(ピリオド楽器使用)
ステファノ・モンタナーリ(指)

録音:2019年9月1-5日
世界初録音
2018年にメゾ・ソプラノ歌手フランチェスカ・アショーティによって設立された「エネア・バロックO」。その 素晴らしい演奏により、瞬く間にローマ有数のバロック・アンサンブルとして名を上げました。この世界初録音:となるハッセの「カオニアのエネア」は世俗カンタータの一種である「セレナータ」に属する作品で、声楽家と器 楽グループが主として野外で演奏することの多い、控えめな演出を伴うオペラとカンタータの中間的な存在 だったとされています。1725年に同じくセレナータ「アントニオとクレオパトラ」の上演が成功し、人気者となっ たハッセは次々とオペラやセレナータを作曲。この1727年に初演された「カオニアのエネア」もハッセの人気に 拍車をかけることとなりました。残念な事に、初演後は歴史に埋もれていた作品ですが、モーツァルトを予見 するほどにニュアンスに富んだ旋律と活気に満ちた音楽が魅力的です。
555335(2CD)
NX-D11
イヴァン・ザイツ(1832-1914):歌劇「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキ」 ニコラ・シュビッチ・ズリンスキ…ロベルト・コラール(Br)
エヴァ:ズリンスキの妻…クリスティーナ・コラール(Ms)
イェレナ:夫妻の娘…アンナマリヤ・クネゴ(S)
ロヴロ・ユラニッチ…アリアジェ・ファラスティン(T) 他
ヴィッレ・マトヴェイェフ(指)リエカSO
リエカ歌劇場cho

録音:2018年10月17-22日クロアチア・ナショナル劇場「イヴァン・ザイツ」
全曲版世界初録音
クロアチアの作曲家イヴァン・ザイツ。この歌劇「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキ」は16世紀に実在したクロア チアの将軍ズリンスキが、1566年、小さな部隊を率いてオスマントルコの大部隊と戦い、命をかけてシゲ トヴァールの要塞を守り抜いたという実話を元に書かれています。ロッシーニやヴェルディを思わせるイタリ ア・オペラの伝統と、ウィーンのオペレッタを融合した作風による「英雄物語」を締めくくるのは、クロアチアの 愛国歌としてザイツが10年前に作曲した「ウ・ボイ、ウ・ボイ(突撃!)」。日本でもよく知られる旋律が 壮大な男声合唱に編曲され、高らかに歌われます。「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキ」初の全曲録音となる このアルバムでは、これまでに何度もタイトルロールを歌ってきたロベルト・コラールを始め、優れた歌手を起 用。また物語の1/3を合唱が占めるこの作品での、リエカ歌劇場合唱団の力強いハーモニーが聴きどころ です。
555343
NX-B10
M・ハイドン:ジングシュピール「落穂拾い」 他
ジングシュピール「落穂拾い」 MH493
カンタータ『Ninfe in belli』 MH73
モニカ・マウフ(S)
ヤコブ・ミッタールッツナー(Br)
サシャ・ザラビ(T)
マリアンナ・ヘルツィヒ(S)
クリスティアン・ハーフェル(T)
マリア・ラドゥルナー(S)
ザルツブルク・ホーフムジーク(古楽器オーケストラ&声楽アンサンブル)
ヴォルフガング・ブルンナー(指&Cemb)

録音:2019年9月28-30日
17世紀から19世紀初頭の作品を得意とする指揮者ヴォルフガング・ブルンナーと、1991年に彼が設立した ザルツブルク・ホーフムジーク。彼らは、以前にも管楽のための協奏曲集や、歌劇「夢」「自然の真実」など、ミ ヒャエル・ハイドンの知られざる作品を録音しており、このアルバムでもジングシュピール「落穂拾い」と1765年 のカンタータ『Ninfe in belli』の2作を紹介しています。 「落穂拾い」は1778年にオーストリアのクレムスミュンスター修道院劇場のために書かれたジングシュピール。 落ちていたトウモロコシの種を拾い、盗人と非難された貧しいエミーリエが救われるまでの物語です。モニカ・マ ウフをはじめとした歌手たちの、美しいアンサンブルをお楽しみください。かたや『Ninfe in belli』は、1765年1月19日に、バイエルン公妃ヨーゼファがランバッハ修道院に滞在した際の機会カンタータ。後にミヒャエル・ハ イドンの妻となるソプラノ歌手マリア・マグダレーナ・リップがソロを歌ったと推測される華やかな作品です。ザルツ ブルク・モーツァルテウムとウィーン国立音楽大学で学んだ若手ソプラノ、マリア・ラドゥルナーが見事な歌唱を 聴かせます。
555353(2CD)
NX-D11
グラウプナー(1683-1760):ファゴットを用いたカンタータ集
Hebet eure Augen auf gen Himmel
天国に目を向ける GWV 1102/40
Jauchzet, ihr Himmel, freue dich, Erde
歓呼せよ汝の天国、喜べ大地 GWV 1105/43
Jesu, mein Herr und Gott allein,
イエス、わが主、全ての神 GWV 1109/37
Kehre wieder, du abtrunnige Israel,
戻れ、背教のイスラエル GWV 1125/43
Ach, bleib‘ bei uns, Herr Jesu Christ,
ああ、私たちと一緒にいてください、主イエス・キリストGWV 1129/46
Wir werden ihn sehen, 我らは汝を見る GWV 1169/49
セルジオ・アッツォリーニ(Fg)
モニカ・マウフ(S)
フランツ・フィッツトゥム(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
フロリアン・ヘイエリック(指)
キルヒハイマー・バッハコンソート(古楽器使用)

録音:2020年1月4-5日 ライヴ
18世紀初頭のファゴットは3つか4つのキイを持ったシンプルな楽器でした。18世紀半ばになってようやく6つ のキイを備えた楽器が登場しましたが、それ以前は演奏者のテクニックに依存しないことには、この楽器をア ンサンブルに用いるのは難しかったようです。以前からファゴットの音色を好み、自身の作品で使いたかったグ ラウプナーは、1736年4月、ツェルプストからダルムシュタットにやってきた名ファゴット奏者、ヨハン・クリスティ アン・クロッチと会ったことで、ようやくこの楽器のための作品を書き上げることができたのです。まず何曲かの協 奏曲を書き上げたグラウプナーは、次に教会で彼の腕前を試したいと考え、クロッチと契約を結び、ファゴット の音色に焦点を当てたカンタータを作曲、最終的には1741年までに16曲のカンタータにファゴットを使用 し、革新的な音色で聴衆を魅了しました。このアルバムには6曲を収録。ここでファゴットを演奏しているのは イタリアの奏者セルジオ・アッツォリーニ。バロック期の繊細な造りのファゴットの扱いに長けており、素晴らしい 演奏を披露しています。
555332
NX-B10
復活祭のカンタータ集
ヨハン・フリードリヒ・アグリコラ(1720-1774):Der Gottmensch jauchzt 神のしもべたちは歓声をあげる(復活祭のカンタータ)
ゴットフリート・アウグスト・ホミリウス(1715-1785):Frohlocket und preiset den gottlichen Held
神の英雄を喜ばせ称賛する(復活祭のオラトリオ HoWV I.11)
アグリコラ:Die Auferstehung des Erlosers 救い主の復活
(音楽的な詩)
ハンナ・モリソン(S)
ラーエル・マース(S)
ベサニー・セイモア(S)
エリザベート・ポピエン(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
アンドレ・モルシュ(Bs)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)
ケルン・アカデミー

録音:2019年11月20-23日ドイツ放送、室内楽ホール、ケルン
バロック期の作品を得意とするケルン・アカデミーによるアグリコラとホミリウスの復活祭用カンタータ集。アグリコラは当時 最高の教会音楽家の一人と目されており、プロイセン王フリードリヒ2世の宮廷作曲家を務め、数多くの教会音楽を 作曲しました。このカンタータは1758年の復活祭初日に、ベルリンの聖ペーター教会で演奏された作品です。かたや、 ホミリウスはドレスデンの聖母教会を中心に活躍した作曲家。このカンタータは1767年にドレスデンで演奏された記録 が残っています。これは10部からなる規模の大きな作品で、あまり対位法を用いることのない、古典派初期の様式を 思わせる端正な筆致が魅力的です。アグリコラのEin musikalisches Gedich=音楽的な詩は、自由な伴奏を持 つレチタティーヴォ形式の作品。地震やイエスの復活となどの神秘的な内容が歌われています。
555349
NX-B10
C.P.E.バッハ:マニフィカト/クリスマス・カンタータ 他
マニフィカト Wq215
合唱「Et misericordia 主の憐みは」 (Wq215 第4曲の初稿)
クリスマス・カンタータ「Auf, schicke dich 天は御神の栄光を語り」 Wq249
合唱「Spiega, Ammonia fortunata」 Wq216
ハンナ・ヘアフルトナー(S)
エルヴィラ・ビル(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
マティアス・フィーヴェク(Br)
マルクス・フォルペルト(Br)
ケルン・アカデミー(古楽器アンサンブル)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年11月30日-12月3日、2023年9月18日
1768年から1788年に亡くなるまで、ハンブルクの5つの主要教会の音楽監督を務めたカール・フィリップ・エマヌエ ル・バッハの宗教合唱作品集。このアルバムにはマニフィカトとクリスマス・カンタータを中心とした4作品を収録。マ ニフィカトは1749年にベルリンで作曲された後1779年にハンブルクで改訂されたもので、改訂の際に3本のトラン ペット、2本のホルン、ティンパニが加えられ、祝祭的な輝きが増しています。トラック10にはその第4曲の合唱「Et misericordia」をオリジナルのベルリン版で収録、比較を楽しむことが出来ます。華麗なクリスマス・カンタータは 1775年の作曲。彼はこの作品をとても気に入り、何度も演奏しています。最後に置かれた合唱「Spiega, Ammonia fortunata」はヨーゼフ・マルティン・クラウスが仕えたことで知られるスウェーデンのグスタフ3世がハンブ ルクを訪問した際の祝祭的な作品。C. P. E. バッハはこれを作曲するために12時間しか時間がなかったと自伝 に記していますが、にわかには信じがたいほどの完成度の高い作品です。
555350
NX-B02
フェリックス・ドレーゼケ(1835-1913):弦楽四重奏曲集 第2集
弦楽四重奏曲第3番嬰ハ短調 Op. 66
情景 - ヴァイオリンとピアノのために Op. 69
組曲 - 2つのヴァイオリンのために Op. 86
コンスタンツェQ[エムリーヌ・ピエール(Vn)、エスター・グティエレス・レドンド(Vn)、パトリツィア・メッサーナ(Va)、マリオン・プラテーロ(Vc)]
イリーナ・フリサルディ(P)

録音:2019年3月20-23日
ドイツ初期ロマン派の作曲家ドレーゼケの弦楽四重奏曲第2集。幼い頃から独学で作曲を学んだドレーゼ ケは、音楽のあらゆる形式に興味を抱いていたとされ、8曲の歌劇の他、交響曲や声楽曲、室内楽曲など 多彩なジャンルに作品を残しています。彼が強く魅了されたのはワーグナーの音楽でしたが、自身の作品に 直接引用することはなく、ワーグナーのように新しいアイディアを採り入れていくという表現方法を受け継いで います。中でも、このアルバムに収録された弦楽四重奏曲第3番は、5つの楽章で構成されたベートーヴェ ンを思わせる意欲的な作品で、1911年にはライプツィヒのゲヴァントハウスSQが"リスト生誕 100周年"を祝した演奏会のプログラムにも含まれるなど高い人気を誇りました。他にはヴァイオリンとピアノ のための「情景」とヴァイオリン・デュオによる「組曲」を収録。演奏は第1集と同じく、ザルツブルクを拠点に活 躍する「コンスタンツェ四重奏団」です。
555355
NX-B02
テノール、管楽器と弦楽器のためのアレンジ集
ヘンデルのオラトリオ『ユダ・マカベウス』の主題による12の変奏曲 ト長調
WoO45(A.N.タルクマンによる八重奏編)
アデライーデ Op.46(M.ウッキによるテノールと七重奏編)
遥かなる恋人に Op.98(A.N.タルクマンによるテノールと八重奏編)
七重奏曲 変ホ長調 Op.20
イルケル・アルジャユレク(T)
ルートヴィヒ・チェンバー・プレーヤーズ

録音:2020年1月27-29日
ベートーヴェン作品のアレンジ集。このアルバムには20世紀の編曲家タルクマンとウッキによる「ユダ・マカベ ウスの主題による変奏曲」と2つの歌曲を室内アンサンブル伴奏版にアレンジしたものを収録。本来はピ アノとチェロ、ピアノと歌のための作品ですが、ここではピアノ伴奏とは一味違う新しい響きをお楽しみいた だけます。最後に収録されているのはベートーヴェンの七重奏曲。この曲は後にベートーヴェン自身の手 でピアノ三重奏版へと編曲されていますが、オリジナル版の多彩な響きはとても魅力的です。トルコ出身 のテノール、アルジャユレクの甘く張りのある声も聴きどころです。ルートヴィヒ・チェンバー・プレーヤーズは日 本のヴァイオリニスト、白井圭がコンサート・マスターを務めるアンサンブル。チェロの横坂 源、コントラバス の幣 隆太朗もメンバーに名を連ねています。
555363
NX-B02
アンリ・ベルティーニ(1798-1876):九重奏曲/大三重奏曲
九重奏曲 ニ長調 Op. 107-フルート,オーボエ,ファゴット,ホルン,トランペット,ヴィオラ,チェロ,コントラバスとピアノのために
大三重奏曲 イ長調 Op. 43-ピアノ,ヴァイオリンとチェロのために
リノス・アンサンブル

録音:2020年2月25-28日ドイツ放送、室内楽ホール(ドイツ)
ロンドンでフランス人の両親の元に生まれたアンリ・ベルティーニは生後6か月でパリに移住し、父と兄(ムツィ オ・クレメンティの弟子だった)から音楽の教育を受け、すぐに才能を開花させました。彼の父は12歳のベル ティーニを神童としてイギリス、オランダ、フランダース、ドイツのツアーに連れ出し、各地で熱烈な歓迎を受け たということです。その後パリに戻り、フランツ・リストとコンサートを行う他、ショパンの友人のチェリスト、オー ギュスト・フランショームともコンサートを行っています。当時は、作曲家、教師として広く称賛されましたが、 穏健な作風を持つ保守的な作品は、没後ほとんど演奏の機会を逸してしまいました。このアルバムに収録 された2作品はベルティーニの作品の中でも比較的知られているもので、1825年頃に出版されたピアノ三 重奏曲はシューマンが『新音楽時報』にレビューを書き「流麗なハーモニーを持つ曲」と評価、「香りのよりパ リのフレーズはまるでサテンやシルクのような感触を持つ」と続けました。また1835年に作曲された九重奏曲 は、初演時にベルリオーズが大絶賛し、日刊紙「ル・ジャーナル・デ・デバ」に記事を寄せています。 知られざる作品の復活に力を注ぐリノス・アンサンブルの演奏で。
555336
NX-B10
フランツ・イグナーツ・ベック(1734-1809):歌劇「無人島」 コンスタンス…アナ・マリア・ラビン(S)
ラウレッテ…サマンサ・ガウル(S)
ドルヴァル…セオドア・ブラウン(T)
サンヴィル…ファビアン・ケリー(T)
ラ・スタジオーネ・フランクフルト(古楽器使用)
ミヒャエル・シュナイダー(指)

録音:2019年5月17-18日SWRシュヴェツィンゲン音楽祭(ライヴ)
世界初録音
マンハイム出身のヴァイオリニスト・作曲家フランツ・イツナーツ・ベック。ヨハン・シュターミッツの才能ある弟子 であり、マンハイム楽派を牽引、24曲の交響曲をはじめとした作品を遺しました。また人生の大半をフラン スで過ごし、1761年から1791年までボルドー国立歌劇場の監督を務めるなど広く活躍しましたが、フラン ス革命の余波を受け、晩年は厳しい生活を送りひっそりとこの世を去っています。この歌劇「無人島」は 1779年に作曲されたものの、初演されることはなく、長い間総譜も失われたとされていましたが、近年発見 され、ようやくここに初演されることとなりました。 この作品は、当時大流行していたピエトロ・メタスタージオのイタリア語による台本を用いた軽快な音楽はと ても魅力的。ドイツを中心に活躍するソリストたちと、古典派作品を得意とするミヒャエル・シュナイダーが指 揮するラ・スタジオーネ・フランクフルトが見事な演奏を聴かせます。
555344
NX-B10
カール・シュターミッツ(1745-1801):4つの交響曲集
交響曲 ニ短調 Op. 15/III(KaiS. 24)
交響曲 ト長調 Op. 2/III(KaiS. 3)
交響曲 変ホ長調 Op. 6/II(KaiS. 5)
大田園交響曲 ト長調 「Le Jour Variable - (La Promenade Royale 王宮のプロムナード)」 (KaiS. 32)
ケルン・アカデミー(古楽器使用)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2019年12月6-8日
マンハイム楽派の創始者として知られるヨハン・シュターミッツの長男、カール・シュターミッツは父から教えを受 け、父の死後、1762年からマンハイム宮廷楽団で演奏、その後、パリでヴァイオリニスト、ヴィオラ奏者とし てとして活躍しました。また多感様式やギャラント様式の影響を受けた交響曲と協奏曲をあわせて100曲 以上残し作曲家としても成功。交響曲の形式での更なる新しい道を模索したシュターミッツは、1772年に ヴェルサイユで構想した「大田園交響曲」で素晴らしい表題付きの交響曲を生み出しました。田園のすが すがしい朝から夜、そして狩りの風景を描いたこの作品は当時としてはかなり革新的な雰囲気を備えていま す。以前、ラ・フォル・ジュルネで演奏されて話題となったクネヒトの「自然の音楽による描写」よりも早く書か れたこの曲は、まさしく ベートーヴェンの「田園交響曲」の先取りといえるでしょう。第1楽章の鳥の歌を模し た響きや、第2楽章の嵐の場面、静かな夜の情景を描いた第3楽章、そして最終楽章のホルンの響きに耳を奪われます。
555356
NX-B10
ベルンハルト・ロンベルク(1767-1841):チェロ協奏曲第4番&第6番 他
チェロ協奏曲第4番ホ短調 Op. 7
チェロ協奏曲第6番ヘ長調 Op. 31
ロンド・カプリチョーソ ヘ長調 Op. 69 - チェロと弦楽四重奏のために
ラファエル・ウォルフィッシュ(Vc・指)
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ

録音:2020年3月2-3日、2020年9月19日
ベートーヴェンと同時代にドイツで活躍したチェリスト、ベルンハルト・ロンベルク。彼は同い年の従兄弟アンド レアスとともにヨーロッパを演奏旅行し、1790年にはボンの選帝侯宮廷オーケストラに参加、ベートーヴェン とも出会ったことでも知られています。彼のチェロの腕前は広く知られており、ライプツィヒでは「現在存命中の チェリストの中で最も完成度の高い作曲技術を持っている」と作曲家としても高く評価されています。このア ルバムに収録されている第4番のチェロ協奏曲は、最も愛されているロンベルクの作品であり、やはり名奏者 として知られたフリードリヒ・ドッツァウアーやマックス・ボーラーもこの曲を大切なレパートリーにしていました。ま た1812年にサンクトペテルブルクで初演された第6番も聴衆たちに熱狂的に迎えられ、地元の批評家も 高く評価するなど、多くの人を魅了しました。 今回、これらの曲を演奏するのは名手ラファエル・ウォルフィッシュ。ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズを指揮 しながらチェロも担当、作品を完全に掌握した見事な演奏を聴かせます。
555365(2CD)
NX-D11
ゲオルク・フリードリヒ・カウフマン(1679-1735):宗教作品全集
昇天祭オラトリオ『Rustet euch, ihr Himmelschore』備えよ、天の聖歌隊よ
2. ディアローグ・カンタータ 「O, ich elender Mensch, wer wird mich erlosen」 われは幸うすき者、だれかわれを救わん
【CD2】
1. ペンテコステ初日のカンタータ 「Die Liebe Gottes ist ausgegossen」
2. ペンテコステ初日のカンタータ 「Komm, komm, du freudenvoller Geist」
3. カンタータ 「nverzagt, beklemmtes Herz」
4. マリア訪問の祝日のためのカンタータ「Nicht uns Herr, sondern deinem Namen gib Ehre」
イザベル・シッケタンツ(S)
エリザベート・ミュックシュ(S)
ブリッタ・シュヴァルツ(A)
トビアス・フンガー(T)
クリストフ・プファラー(T)
トビアス・ベルント(Bs)
コレギウム・ヴォカーレ・ライプツィヒ
メルゼブルガー・ホーフムジーク(古楽器使用)
ミヒャエル・シェーンハイト(指)

録音:2022年
ゲオルク・フリードリヒ・カウフマンはドイツ、テューリンゲン州オストラモンドラで生まれた作曲家。その生涯については不明なことが多いのですが、オルガン の名手であり、パッヘルベルの弟子で後継者となったヨハン・ハインリヒ・ブットシュテットに師事した模様です。その後、ザクセンのメルゼブルクで当時大聖 堂のオルガニストを務めていたヨハン・フリードリヒ・アルベルティに師事。アルベルティの退任後は後を継ぎ、メルゼブルクの宮廷音楽家と大聖堂のオルガ ニストとなって、亡くなるまでこの任を務めたとされています。 カウフマンはその職務上、数多くの作品を書いたと考えられますが、現存する作品はごく少なく、宗教的な作品はここに収録されたものがすべて。どれも 当時の流行の様式と作曲技法を採り入れ、声楽と器楽を適切に扱って十分な効果をあげる術を心得ていたことが伝わります。カンタータではレチタ ティーヴォ・アッコンパニャートやオブリガート楽器付きのアリアのように声楽と器楽を巧みに組み合わせた楽曲が多く、また壮麗さを求める場面ではトラン ペットとティンパニを効果的に使っています。
555370
NX-B02
ゲオルク・ドルシェツキー(1745-1819):オーボエ四重奏曲集 第2集
四重奏曲 ニ長調
四重奏曲 ハ長調
四重奏曲 ト短調
四重奏曲 ヘ長調(1.1.1808)
四重奏曲 変ロ長調ーコールアングレのために
四重奏曲 ヘ長調(7.11.1807)
グルンドマン四重奏団(古楽器使用)
(オーボエ&コールアングレ/ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロ)

録音:2020年3月2-6日
「6つのティンパニと管弦楽のための協奏曲」で知られるチェコ出身の作曲家、ティンパニ奏者ゲオルク・ドルシェツ キー。彼はもともとドレスデンで名奏者アントニオ・ベゾッティに学んだオーボエ奏者でしたが、ヘプ(ドイツ名エゲル)の 歩兵連隊に参加し、ウィーン、リンツ、ブランナウに駐留、鼓手として名を上げ、自らの楽団を組織しました。1777 年には軍隊を退役、その後はウィーンで活躍した後ブラチスラヴァに移住、1808年頃からはハンガリーのヨーゼフ大 公の宮廷作曲家となり数多くの作品を書き上げました。その中に含まれる10曲の「オーボエ四重奏曲」はこれまで あまり知られていませんでしたが、どれも洗練された筆致によるオーボエの技巧を活かした素晴らしい作品です。第 1集と同じくグルントマン四重奏団の演奏で。
555372
NX-B10
フリードリヒ・フォン・フロトウ(1812-1883):ピアノ協奏曲集/序曲集
ピアノ協奏曲第1番ハ短調(1830)
ピアノ協奏曲第2番イ短調(1831)
ウィリアム・シェイクスピアによる序曲「冬物語」
Fackeltanz たいまつの踊り(1853)
喜歌劇「未亡人グラパン」- 序曲
歌劇「リューベツァール」 序曲
歌劇「アレッサンドロ・ストラデッラ」 序曲
マティアス・キルシュネライト(P)
ミュンヘン放送O
ウルフ・シルマー(指)

録音:2020年3月2日-5日ミュンヘン BR第1スタジオ(ドイツ)
美しいアリア「夢のように」などを含む歌劇「マルタ」が知られるドイツの作曲家フリードリヒ・フォン・フロトウのピアノ協 奏曲の録音が登場。彼はパリでアントニーン・レイヒャから指導を受けるとともに、当時活躍していたオーベール、マ イアベーア、アレヴィと親交を深め、やがてグノー、オッフェンバックからも影響を受けました。1830年に勃発した七 月革命を避け、一時的にドイツに戻った彼は、フランスのオペラ・コミックのスタイルとドイツ伝統のジングシュピール を融合させた独自の作品を書き上げましたが、多くの批評家たちからは折衷的なスタイルは歓迎されませんでし た。しかし「アレッサンドロ・ストラデッラ」や「マルタ」が成功を収め、評価はうなぎ登りとなり、彼の作品はサンクトペ テルブルクやトリノでも上演されるなど人気を博しました。このアルバムには「アレッサンドロ・ストラデッラ」をはじめとし た序曲の他に、フロトウが18歳から19歳にかけて作曲した珍しい2曲のピアノ協奏曲を収録。当時の流行を反 映した超絶技巧を用いた魅力的な作品です。
555374
NX-B10
ヴォルフェンビュッテル城の音楽集 第5集
ゲオルク・カスパー・シュールマン(1672-1751): カンタータ集

教会奉献カンタータ
「ああ! 喜び叫べ、王の栄光の賛美を歌え」
1720年元日のためのカンタータ
「心の犠牲を取り払いたまえ」
キリスト降誕のためのカンタータ
「見よ、聖処女は身ごもりたもう」
ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス(古楽器使用)
マンフレート・コルデス(指)

録音:2020年1月27-29日
「ヴォルフェンビュッテル城の音楽」シリーズ第5集。ヴォルフェンビュッテル城はニーダーザクセン州にあった神聖 ローマ帝国の領邦国家で、1514年から1568年にこの国を統治したハインリヒ2世は宗教改革に身を投じ た人物として知られています。今作で採り上げられたのはドイツ・バロック期の作曲家ゲオルク・カスパー・ シュールマンのカンタータ。ニーダーザクセンで音楽を学び、歌手としてハンブルク歌劇場で活躍すると同時に 作曲家としても名をあげた人物で、1694年には、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯アントン・ウ ルリヒがヴォルフェンビュッテルに建設したザルツダールム城の完成式典にカンタータを作曲しています。その 後、ウルリヒはシュールマンを自身の宮廷作曲家として迎え入れ、若干の中断はあったものの、およそ50年 に渡ってヴォルフェンビュッテル城に奉職。宮廷音楽界に包括的な影響を及ぼすとともに多彩な作品を書き あげました。 このアルバムに収録されているカンタータ「Nimm das Opfer unsrer Herzen」は、長い間作曲者不詳 とされていましたが、今ではシュールマンの作品であることがわかっており、とりわけ不協和音を含む冒頭のア リアは、シュールマンの他のオペラ・アリアに近い様式を持っています。
555377(2CD)
NX-B10
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954):交響曲第1番ロ短調 ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
ファウジ・ヘイモア(指)

録音:2019年3月6-8日、10月1-4日
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー、スタジオ(ドイツ)
20世紀を代表する指揮者の一人、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。彼は幼い頃から作曲に勤しみ、青年 期の1910年には印象的な『テ・デウム』を自身の指揮で初演、成功を収めたこともあり、マーラーのような 「指揮もする作曲家」を目指していました。しかし指揮者としての活動が忙しくなってしまい、作曲活動は中 断。じっくり作曲に取り組めるようになったのは、1935年に作品の上演が禁止されていたヒンデミットを擁護 したことをきっかけにナチスと対立し、ベルリン・フィル音楽監督をはじめ公職を辞してからでした。 彼の創作 熱は再び高まり、以降、亡くなるまでの20年間に2つのヴァイオリン・ソナタ、ピアノ五重奏曲、ピアノ協奏曲 と3つの記念碑的な交響曲が生まれています。 4つの楽章からなる「交響曲第1番」は1938年から1941年に書かれ、後期ロマン派の流れを汲みブルック ナーの影響を感じさせる長大な作品。1903年に発表した「ラルゴ」という作品が、若書きながらもアイディア の源となっています。しかしこの曲をフルトヴェングラー自身は演奏することなくこの世を去ってしまい、結局 1989年にアルフレート・ヴァルターが録音、公開ではその2年後に同指揮者によって世界初演されたという 経緯を持っています。
555383
NX-B02
フンメル/シューベルト:ピアノ五重奏曲集
フンメル:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op. 87
シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」 D. 667
リベルタリア・アンサンブル【ジーン・レドン(P)、ダヴィッド・カストロ=バルビ(Vn)、ローン・カザル(Va)、アレクサンドル・カストロ=バルビ(Vc)、ミーシャ・コーガン(Cb)】

録音:2020年3月、2019年10月
フンメルの作品は、ウィーン古典派からロマン派への移行期の様式を示しているとされています。彼がピアノ 五重奏曲Op. 87を作曲したのは1802年のこと。シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」の17年前にあたり ます。当時活躍していた音楽評論家のルドルフ・フェルバーはこの作品について「やや好戦的な主題を持つ 第1楽章は力漲る情熱で聴き手を魅了し、歓喜に満ちた最終楽章は華麗な終結部を持つ」と語り、傑 作であると評価しました。最後の3つのピアノ・ソナタをフンメルに献呈しようと考えたほど、彼を敬愛していた シューベルト、この曲と編成を同じくするピアノ五重奏曲「ます」からもフンメルの影響が感じられるかもしれま せん。名チェリスト、アレクサンドル・カストロ=バルビをメンバーに含むリベルタリア・アンサンブルの演奏で。
555385
NX-B02
ロッシーニ:名序曲集
歌劇「イタリアのトルコ人」序曲
歌劇「ひどい誤解」序曲
歌劇「幸運な間違い」序曲
歌劇「絹のはしご」序曲
歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
歌劇「タンクレディ」序曲
歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
歌劇「シジスモンド」序曲
マルク・アンドレーエ(指)
イ・ヴィルトゥオージ・イタリアーニ

録音:2017年11月
ロッシーニのオペラの序曲は、どれも幕が開く前から聴衆を魅了します。オペラ本編で使われるキャッチーな旋 律を織り込みながら、華やかな楽器の掛け合いにより気分を盛り上げ、「ロッシーニ・クレツシェンド」(特定 の楽句を反復しながら音の強さを加え、高音パッセージへと昇り詰めるという独特な書法)を効果的に用 いるという書法からは、ロッシーニのオーケストレーションと和声法の巧みさを窺い知ることができます。このアル バムでは9曲の序曲を、スイスのベテラン指揮者マルク・アンドレーエがイ・ヴィルトゥオージ・イタリアーニを指 揮、熱気と活力溢れる演奏を聴かせます。
555387
NX-B10
テレマン:カンタータ集- 『音楽による神への賛美』より
カンタータ「ての天よ、喜べ」 TWV 1:957
ファンタジー TWV 40:26 - ヴィオラ・ダ・ガンバのために
ファンタジー TWV 40:27 - ヴィオラ・ダ・ガンバのために
カンタータ「 どうか、わが悩みと苦しみを心に留めてください」 TWV 1:583
ファンタジー TWV 40:28 - ヴィオラ・ダ・ガンバのために
ファンタジー TWV 40:29 - ヴィオラ・ダ・ガンバのために
カンタータ「これぞ主が設けられた日なり」 TWV 1:359
ドロテー・ミールズ(S)
ハンナ・ツムザンデ(S)
クラウス・メルテンス(Bs)
ハンブルク・ラーツムジーク(古楽器使用)
ジモーネ・エッケルト(指)

録音:2020年5月8-11日
1744年頃に出版されたテレマンのカンタータ集『音楽による神への賛美』は、彼の出版作品の中でも最高 のものと位置づけられています。いずれも1〜3声の声楽とふたつのオブリガート楽器,通奏低音のみの小 さい編成で書かれており、当時の教会での演奏を容易にするとともに作品の普及にも一役買っていました。 この録音では、ミールズ、ツムザンデ、メルテンスの3人の名歌手を揃え、この室内楽風の凝縮された響きを 持つ親密な書法で書かれたカンタータを見事に再現しました。また曲間に置かれたヴィオラ・ダ・ガンバのた めに書かれた精巧なファンタジーは、カンタータの持つ宗教的な雰囲気を更に深める役割を持ち、まるで一 連の礼拝を聴いているかのように巧妙に配置されています。ハンブルク・ラーツムジークは1991年にヴィオラ 奏者、ジモーネ・エッケルトによって組織されたアンサンブル。16世紀から18世紀の音楽を当時の様式で演 奏し、常に高い評価を受けています。
555388
NX-B10
タルティーニ:ヴィオラ・ダ・ガンバによる協奏曲とソナタ集
協奏曲 ニ長調
合奏協奏曲 ト短調(原曲:ソナタ「悪魔のトリル」)(ジャンルカ・ベルサネッティ編)
協奏曲 イ長調
ソナタ ト短調(レーデンブルク・コレクションより)
ソナタ 変ロ長調(レーデンブルク・コレクションより)
オペラ・プリマ(古楽器使用)
クリスティアーノ・コンタディン(ヴィオラ・ダ・ガンバ&指揮)

録音:2020年7月8-11日
稀代のヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾ、タルティーニの作品をヴィオラ・ダ・ガンバで弾く意欲的な企画が登場。 タルティーニが活躍した時代のイタリアでは、きらびやかなサウンドを持つヴァイオリン属がガンバ属にとって代わ るタイミングでしたが、ここではあえてガンバを主役に据えています。1曲目に収められた協奏曲ニ長調は、タル ティーニの弟子ジュリオ・メネギーニによる筆写譜でソロ楽器が「ヴィオラ」と指定されています。この「ヴィオラ」は 小型のチェロを指していたと推測されますが、当録音のプロデューサーと演奏家は、当時は楽器の呼称が曖 昧だったのを逆手にとってガンバで演奏することを思いつきました。更にタルティーニ自身がソロ楽器を「ヴィオ ラ」と指定したイ長調の協奏曲にも挑戦しています。 2曲のソナタは2015年に発見された「レーデンブルク・コレクション」に収められているもので、ヴァイオリン・ソナ タがガンバ用にアレンジされています。タルティーニの代名詞とも言える「悪魔のソナタ」は、現代作曲家のジャ ンルカ・ベルサネッティがバロックの合奏協奏曲の形式に編曲したもの。ガンバはソロだけでなく、伴奏を含め 様々な役割を担います。ガンバ特有のサウンドの魅力を、オリジナル曲とは違った風味で味わう一枚です。演 奏はガンバ奏者クリスティアーノ・コンタディン率いるアンサンブル"オペラ・プリマ"。テレマンやグラウン作品で高 い評価を得ています。
555396
NX-B10
テレマン:クリスマス・カンタータ 第3集
Was fur ein jauchzendes Gedrange, どのような歓喜の群衆か
アドヴェント第1週のためのカンタータ TVWV 1:1509
Eilt zu, ruft laut, ihr langst verlangten Boten,
急いで、大声で叫べ、待ち望まれた使者たちよ
アドヴェント第1週のためのカンタータ TVWV 1:415
Verirrter Sunder, kehrt, ach, kehret um,
失われた罪人よ、悔い改めよ
クリスマス第2日のためのカンタータ TVWV 1:1469
Da aber die Zeit erfullet war,しかし、時は満たされたので
クリスマス第2日のためのカンタータ TVWV 1:154
ハンナ・ヘルフルトナー(S)
カロラ・ギュンター(A)
ミルコ・ルートヴィヒ(T)
ファビアン・シュトロートマン(T)
ペーター・コーイ(Bs)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)
ケルン・アカデミー(古楽器使用)

録音:2020年7月15-17日ヴッパータール、インマヌエルス教会
世界初録音
テレマンは、フランクフルト・アム・マイン市の音楽監督時代の1717年からハンブルク市の音楽監督を務めた 1765年までの間に、教会暦全ての日曜日のために1700曲以上のカンタータを作曲しました。この「クリス マス・カンタータ」シリーズでは、アドベント期間の4つの日曜日と、クリスマスの3日間のためのおよそ200曲の カンタータの中から厳選した作品を収録。第3集の4作品は全て世界初録音となります。美しい独唱の旋 律と荘厳で華麗な合唱、これを彩る楽器の響きが融合した独創的な作品は、テレマンが世を去って250 年を経ても全く色褪せることがありません。ヴィレンズが指揮するケルン・アカデミーの美しい響きが人々の喜 びを歌い上げます。

555402
NX-B02
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):チェロと通奏低音のためのソナタ集 第1番-第6番
ソナタ第1番イ長調
前奏曲 ニ短調*
ソナタ第2番ニ短調
前奏曲 ハ長調*
ソナタ第3番ハ長調
ソナタ第4番変ロ長調
前奏曲 ヘ長調*
ソナタ第5番ヘ長調
ソナタ第6番イ短調

*…ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750)作曲
クリスティン・フォン・デア・ゴルツ(バロックVc)
アンドレアス・キュッペルス(Cemb)
ヒレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
クリストフ・ダンゲル(バロックVc)
トーマス C. ボイセン(リュート/テオルボ)

録音:2022年1月3-6日
バロック期の作曲家フランチェスコ・ジェミニアーニのチェロと通奏低音のためのソナタ集。作曲家としてはコレッリから ヘンデルの橋渡しを務め、優れたヴァイオリン奏者としてイタリアのみならずロンドンで活躍、チェンバロ奏者として は、ヘンデル作品でジョージ1世に御前演奏を披露するなど、まさに「万能の人」として名を馳せました。このアルバ ムにはチェロを主役とした6つのソナタを収録。ジェミニアーニ自身によって、当時の皇太子であるフレデリック・ルイス に捧げられた作品です。このアルバムではフォン・デア・ゴルツやヒレ・パールら名手がエキサイティングな演奏を繰り 広げるとともに、ところどころにヴァイスの前奏曲が演奏され、次に演奏されるジェミニアーニのソナタへの前奏として の効果を上げています。
555407(2SACD)
NX-E07
ブクステフーデ:オルガン作品全集 第2集
【SACD1】
1. 前奏曲 ハ長調 BuxWV 138
2. Nun komm, der Heiden Heiland いざ来たれ、異教徒の救い主よ BuxWV 211
3. 第1旋法によるマニフィカト BuxWV 203
4. Puer natus in Bethlehem みどり児ベツレヘムに生まれたまえり BuxWV 217
5. 前奏曲 ト短調 BuxWV 149
6. Der Tag, der ist so freudenreich かくも喜びに満てる日 BuxWV 182
7. Gelobet seist du, Jesu Christ イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BuxWV 189
8. Gelobet seist du, Jesu Christ イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BuxWV 188
9. Lobt Gott, ihr Christen allzugleich 神を讃えよキリスト教徒よ BuxWV 202
10. In dulci jubilo 甘き喜びのうちにBuxWV 197
11. 前奏曲 ト長調 BuxWV 162
12. Herr Christ, der einig Gottes Sohn 神のひとり子なる主キリスト BuxWV 191
13. Herr Christ, der einig Gottes Sohn 神のひとり子なる主キリスト BuxWV 192
14. 前奏曲 ニ長調 BuxWV 139
15. Wie schon leuchtet der Morgenstern 暁の星のいと美しきかな BuxWV 223
【SACD2】
1. トッカータ へ長調 BuxWV 156
2. Komm, heiliger Geist, Herre Gott 来たれ精霊、主なる神 BuxWV 199
3. Komm, heiliger Geist, Herre Gott 来たれ精霊、主なる神 BuxWV 200
4. チャコーナ ハ短調 BuxWV 159
5. 前奏曲 ト短調 BuxWV 148
6. Danket dem Herrn 主に感謝せよ BuxWV 181
7. Von Gott will ich nicht lassen われ神より去らじ BuxWV 220
8. Von Gott will ich nicht lassen われ神より去らじ BuxWV 221
9. 前奏曲 イ短調 BuxWV 158
10. Nun lob, mein Seel, den Herren 今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 212
11. Nun lob, mein Seel, den Herren 今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 214
12. Nun lob, mein Seel, den Herren 今ぞわが魂よ主をたたえよ BuxWV 215
13. トッカータ ト長調 BuxWV 165
14. カンツォネッタ ト長調 BuxWV 171
15. 前奏曲 ト短調 BuxWV 150
フリードヘルム・フランメ(Org)
クリストフ=トロイトマン=オルガン
(1734-37製)

録音:2020年7月19-20日、26-28日
「北ドイツ・バロックの作曲家たちのオルガン作品集」で知られるフリードヘルム・フランメによるブクステフーデの オルガン作品全集第2集。デンマーク出身でありながらリューベックを中心に活躍したブクステフーデは、約 40年に渡りリューベックの聖母マリア教会のオルガニストを務め、朝や日曜日の礼拝時でのオルガン演奏の ほか、前任のトゥンダーが始めた演奏会「夕べの音楽」を拡大し、多くの聴衆たちを喜ばせたことでも知られ ています。 ブクステフーデのオルガン曲はコラール編曲と自由な形式の曲を併せて40曲ほどが遺されており、この第2 集のSACD1では前奏曲に組み合わせたコラールの数々を紹介し、SACD2では同じコラールによるいくつ かの異なるヴァージョンが中心に紹介されています。グラウホフのトロイトマン=オルガンの美しい低音の響き が存分に捉えられた高音質の録音も聴きどころです。
555411(2CD)
NX-D11
フェルディナンド・パエール(1771-1839):歌劇「レオノーラ」 レオノーラ…エロノーラ・ベルロッチ(S)
フロレスターノ…パオロ・ファナーレ(T)
ロッコ…レナート・ジローラミ (Br)
マルツェリーナ…マリー・リーズ(S)
ジアッキーノ…ルイジ・デ・ドナート(Bs)
ドン・ピッツァーロ…カルロ・アッレマーノ(T)
ドン・フェルナンド…クレシミル・シュピツェル(T)
インスブルック音楽祭O
アレッサンドロ・デ・マルキ(指)

録音:2020年8月5-11日 インスブルック古楽音楽祭・チロル州立劇場(スイス)
2020年8月、新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミック下、行われたインスブルック古楽音楽祭。 ベートーヴェン生誕250周年を記念して用意された演目は、パエールの「レオノーラ」の演奏会形式上演で した。パエールはベートーヴェンと同世代の1771年生まれのイタリア出身の作曲家。この「レオノーラ」は 1804年の作品で、忠実な妻が不当に投獄された夫を地下牢から救うという筋書きは、ベートーヴェンの 「フィデリオ」と同じであるものの、パエール作品では政治的な要素は薄められ、個人の愛と正直さが称賛さ れています 。また台本はイタリア語であり、この言葉の違いが音楽に表現方法やリズムなどのかなりの違い をもたらしています。構成はハッセやポルポラ、モーツァルトなどの影響を受けたイタリア・オペラの形式に則っ ており、リズミカルなレチタティーヴォやコロラトゥーラを駆使した聞かせどころの多いアリア、カバレッタ、そしてま ろやかな二重奏などが次々と登場します。イタリア・バロック・オペラの指揮で名高いアレッサンドロ・デ・マルキ による精彩に富んだ音楽と、題名役を歌うベロッキの見事にコントロールされた高難度のコロラトゥーラが聴 きどころです。
555415
NX-B10
C.シュターミッツ:クラリネット協奏曲集 第2集
クラリネット協奏曲第1番ヘ長調
クラリネット協奏曲第6番変ホ長調
クラリネット協奏曲第8番変ロ長調
ポール・メイエ(指・クラリネット)
マンハイム・プファルツ選帝候室内O

録音:2020年9月2-5日
ポール・メイエのソロによるカール・シュターミッツのクラリネット協奏曲集。海外の音楽誌で高く評価された第1集 (555053)では指揮者を別に立てていましたが、今作ではメイエ自身が指揮も担当。更なる柔軟な解釈で、 オーケストラとともに、18世紀に最盛期を迎えたマンハイム楽派を代表するシュターミッツの音楽を伸び伸び演奏 しています。今アルバムに収録されているのは協奏曲第1番、第6番、第8番の3曲、とりわけ第1番はシュターミッ ツ作品の中でも最も人気の高い曲です。この録音でも前作と同じく研究者フリードリヒ・カール・カイザーによる比 較校訂版が用いられています。
555421
NX B02
ルドミル・ルジツキ:ヴァイオリン協奏曲 他
ヴァイオリン協奏曲 Op. 70(1944)
2つのメロディ Op. 5? ヴァイオリンとピアノの為の
2つの夜想曲 Op. 30 ? ヴァイオリンとピアノの為の
バレエ「パン・トファルドフスキ」 Op. 45からのトランスクリプション集-ヴァイオリンとピアノの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーラ・ラザール(P)
ミハウ・クレンジレフスキ(P)
ポーランド国立RSOカトヴィツェ
ジグムント・リヒェルト(指)

録音:2001年2月、2010年7月
ポーランドの作曲家・指揮者ルドミル・ルジツキ。カロル・シマノフスキ、グジェゴシュ・フィテルベルクらとともに 「若きポーランド」を組織し、近代ポーランドの音楽文化の活性化に努めた功績で知られました。今では、そ の作品を耳にすることはあまりありませんが、生前の彼は間違いなくモニューシュコに続くポーランドを代表す る歌劇・バレエ作曲家の一人としてみなされていました。なかでも『パン・トファルドフスキ(トファルドフスキ 氏)』は、ポーランド最初の大規模なバレエで、伝説に登場する貴族で錬金術師のトファルドフスキが、悪 魔に魂を売り荒唐無稽な旅を繰り返すという物語。ポーランド民謡を採り入れたわかりやすい旋律が人気 を獲得、ワルシャワだけでも800回以上の上演記録が残っています。器楽作品もいくつか書いており、この アルバムに収録されたヴァイオリン協奏曲は演奏者に高い技巧を要求する作品で、第2楽章まで完結して いるものの、未完成なのが惜しまれます。また『パン・トファルドフスキ』からの旋律を用いたトランスクリプション 集も聴きどころ。ポーランド出身の若き奏者エヴェリナ・ノヴィツカが巧みに弾きこなしています。
555424(2CD)
NX-D11
ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):白鳥の歌 SWV482-494
【CD1】
詩篇119篇 SWV482-489
【CD2】
.詩篇119篇 SWV490-492
詩篇第100篇「全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ」 SWV493
ドイツ語のマニフィカト「わたしの魂は主をあがめ」SWV 494
ラ・カペラ・ドゥカーレ(声楽アンサンブル)
ムジカ・フィアタ(古楽器アンサンブル)
ローランド・ウィルソン(指)

録音:2020年8月31日-9月2日
バッハの100年前に生まれたドイツ初期バロック音楽の巨匠シュッツ。その生涯最後の作品『白鳥の歌』に、この 分野で実績豊富なベテラン、ローランド・ウィルソンによる録音が登場。2度にわたりイタリアで学び、ガブリエリとモン テヴェルディから影響を受けたシュッツが、復合唱やコンチェルトといったルネサンスから初期バロックの諸様式を統 合し、ドイツ語の宗教的テキストと融合させた渾身の作品です。この作品は8声部の二重合唱のうち2声部の楽 譜が逸失しており、ここではウィルソンが復元しています。また器楽は2台のオルガンがあれば演奏可能ですが、 ウィルソンはシュッツ自身が書き遺した言葉やドレスデン宮廷楽団のバス歌手デデキントがシュッツから聞いたという 言葉を参考に器楽パートを補強しており、これにはシュッツの初期の大作『ダヴィデ詩篇曲集』に取り組んだ経験 が参考になったと原盤解説で語っています。合唱は1パート1人の計8名で鮮明なテクスチャーを実現。2つに分か れた合唱にはそれぞれ木管コルネット(ツィンク)とトロンボーン(サクバット)のアンサンブルを重ね、曲によってヴァイオ リンやヴィオラを加えています。また通奏低音は2台のオルガンに加えてドゥルツィアン、キタローネなども加わり、やや もすれば禁欲的に演奏されがちなこの曲集に壮麗な色合いを加えています。初期バロック音楽のファンにとっては 注目の録音です。
555426
NX-B10
テレマン:テレマン:イギリス王、ハノーファー選帝侯ジョージ1世のためのカンタータ集
Bleibe, lieber Konig, leben 留まりたまえ、親愛なる王よ TWV13:21〜バス独唱、2つのトランペット、ティンパニ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のために
Du bleibest dennoch unser Gott 未だ留まれ、われらが神よ TWV13:9b〜ソプラノ、バス独唱、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のために
Lieber Konig, du bist tot TWV4:15〜バス独唱、2つのトランペット、ティンパニ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のために
Gib, das ich mich nicht erhebe TWV1:621
1749年、三位一体後の第23日曜日のためのカンタータ〜ソプラノ独唱、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のために
Grosmachtigster Monarch der Briten ブリテンの最も強力な君主 TWV12:11〜ソプラノ、バス独唱、2つのトランペット、ティンパニ、2つのフルート、2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のために
ハンナ・ツムザンデ(S)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
バロックヴェルク・ハンブルク(古楽器使用)
イラ・ホックマン(指)

録音:2020年10月12-14日
このアルバムには、テレマンの膨大な声楽曲の中から3つの機会カンタータと2つの教会カンタータが収録され ています。作品はどれも、ハノーファー選帝侯からイギリス国王となったジョージ1世のために書かれたもので、 3つの機会カンタータはそれぞれ、王の誕生日、業績を称えるための曲、そして葬儀のためのもの。どの曲も 王を象徴するトランペットが活躍し、君主に対する感謝や悲しみを余すことなく表現しています。 ここで称えられているのは、神聖ローマ帝国のハノーファーで生まれたジョージ(ゲオルク)1世(1660- 1727)。彼の母ゾフィーがイングランド王ジェームズ1世の血を引いていたため、アン王女の崩御に伴いス テュワート朝が断絶すると、54歳でグレートブリテン王国の国王として迎えられ、ハノーヴァー朝の開祖となり 亡くなるまでこの地位にありました。ヘンデルがジョージ1世のために水上の音楽を書いたことでも知られてい ます。テレマンは王を崇拝する人々の思いを素晴らしい音楽として描き出すことに成功しています。
555451(2CD)
NX-D01
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集 第4集
弦楽四重奏曲第2番変ロ長調 B17
弦楽四重奏曲第5番へ短調 B37
三重奏曲 ハ長調 Op. 75 - 2つのヴァイオリンとヴィオラのために
フォーグラーSQ

録音:2019年12月12-13日、18-19日、2020年7月9-10日
フォーグラーSQによるドヴォルザークの弦楽四重奏曲集。第4集には第2番と第5番の四重奏 曲と三重奏曲が収録されています。1870年頃に作曲された第2番は若々しく瑞々しい旋律で彩られた 作品ですが、ドヴォルザークの生前には演奏されることなく、現在でも演奏機会は多くありません。第5番は 伝統的な形式で書かれていますが、全ての楽章がへ短調という珍しい作品でもあります。三重奏曲は4つ の性格的小品で構成された組曲のような作品。スラヴ民謡が多用されており、最終曲の「ラルゲット」は哀 愁に満ちた旋律による変奏曲です。 演奏するフォーグラーSQは1985年、ベルリンのハンス・アイスラー音楽アカデミーの学生たちに よって結成されたアンサンブル。その翌年に開催されたエヴィアンSQコンクールで1位を獲得した ことで、一躍知名度を得て国際的な活躍を始めました。創設以来、メンバーの交代をすることなくハイドン からバルトークまで幅広いレパートリーを演奏、時にはタンゴやポップスまでをも易々と演奏することで知られ ます。
555456(2CD)
NX-D11
1700年前後のコラール・カンタータ集
【CD1】
ブクステフーデ:Nimm von uns,Herr
ヨハン・トプフ(1700頃):Mit Fried und Freud
パッヘルベル:Was Gott tut, das ist wohlgetan
ヨハン・バレンティン・メーダー(1649-1719):Ach Herr, mich armen Sunder
クリーガー(1649-1726):Ein feste Burg ist unser Gott
エマヌエル・ケーゲル(1654-1724):Meinem Jesum lass ich nicht
ヨハン・ザムエル・ヴェルター(1560-1720):Wer nur den lieben Gott
【CD2】
ヴェルター:Jesu, meine Freude
ゲオルク・エスターライヒ(1664-1735):Herr Jesu Christ
クリスティアン・アウグスト・ヤコビ(1688-1725):Komm, heilger Geist
コンラート・ミヒャエル・シュナイダー(1673-1752):Du Friedefurst, Herr Jesu Christ
バッハ:Christ lag in Todes Banden
ラルパ・フェスタンテ(声楽&古楽器アンサンブル)
クリストフ・ヘッセ(指)

録音:2019年2月27-29日、2020年3月3-5日
17世紀後半のドイツで流行したコラール・カンタータ "Per Omnes Versus"の様式による作品を集めた セット。ドイツ・バロックに力を注ぐcpoらしい企画です。この様式によるカンタータではテキストはすべてルター 派コラールの言葉から採られているのが特徴。自由詩等を交えてよりドラマティックな展開を可能にしたカン タータとは一線を画しています。素材が限られるだけに各作曲家の腕が問われるところ。アルバムの最後はこ のジャンルの最後の大輪の花と呼ぶべきバッハのカンタータ第4番「キリストは死の絆につかせたまえり」で結ば れます。
555458
NX-B10
ブクステフーデ:われらがイエスの四肢 Bux WV75
げに彼はわれらの病をにないたもう BuxWV31
歌劇・ムジカ(声楽&古楽器アンサンブル)
グレゴール・メイヤー(指&Org)

録音:2021年1月22-24日
ブクステフーデの受難カンタータを収めた1枚。連作カンタータ「われらがイエスの四肢」はブクステフーデ唯一のラテ ン語詞によるカンタータで、彼の代表作の一つとされるもの。磔刑に処されたイエスの身体の各所に思いを馳せつ つ、瞑想的で神秘的なサウンドが時に驚くほどの不協和音を伴って聴き手の心に強く訴えかけます。併録の「げに 彼はわれらの病をにないたもう」は、より劇的な起伏を持つ作品。歌劇・ムジカは2011年創設、ドイツ初期バ ロックの声楽作品に取り組んでいます。ここではSSATBの5名の歌手にヴァイオリン2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、ヴィオ ローネ、トゥルツィアン、リュートとオルガンが加わり、繊細緻密な演奏を披露しています。
555462
NX-B10
ヴィルヘルム・ベルガー(1861-1911):小協奏曲/交響曲
小協奏曲 イ短調 Op.43a - ピアノとオーケストラの
交響曲 変ロ長調 Op.71
オリヴァー・トリンドル(P)
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクPO
クレメンス・シュルト(指)

録音:2021年3月11-12日、2020年11月2-5日
1861年、ボストンで楽譜店を営んでいたブレーメン出身の父のもとに生まれたヴィルヘルム・ベルガー。翌年 家族でドイツに帰国し、優れた音楽の才能を発揮、14歳で初の公開演奏会を開くとともに、多数の歌曲や ピアノ曲を作曲しました。その後、ベルリン高等音楽院で専門教育を受け、1888年から1903年まではクリ ントヴォルト=シャルヴェンカ音楽院の教員を務める傍ら、ベルリン音楽協会の指揮者を務めるなど、ベルリン 作曲家サークルの中心的存在として活躍しました。 彼の作風はヨハネス・ブラームスに近いものですが、時折挟まれる不協和音や、精緻な対位法の使用など は、彼の次世代であるマックス・レーガーの作曲様式を先取りするものでもあります。49歳という短命にもかか わらず、100作以上の作品を遺し、それらの何曲かは彼の死後も長らく演奏されていましたが、近年では演 奏機会はほとんどありません。これまでに出版された形跡のない小協奏曲 Op.43は、ピアノの妙技を際立 たせるのではなく、ブラームスのピアノ協奏曲のようにピアノをオーケストラの楽器の一つとして扱うことで、作品 全体がポリフォニックで重厚な響きで覆われています。このアルバムでは名手オリヴァー・トリンドルがピアノを担 当、見事な演奏を聴かせます。その10年後に書かれた交響曲はベルガーの代表作です。
555463
NX-B02
チェロとハープの出会い
フランツ・シュトラウス(1822-1905):夜想曲 Op. 7
クライスラー(1875-1962):愛の悲しみ
ベートーヴェン:笛時計のためのアダージョ WoO 33 No. 1
ニコラス・クラフト(1778-1853):ディヴェルティメント
ルイ・シュポア(1784-1859):ソナタ Op. 114 - 魔笛の主題による変奏曲
フォーレ:シシリエンヌ Op. 78
 夢のあとに Op. 7
マルセル・トゥルニエ(1879-1951):夜想曲 Op. 21
ロッシーニ:アレグロ・アジタート
アルフォンス・アッセルマン(1845-1912):コンフィデンス Op. 24
チャールズ・オベルトゥール:オールド・ロビン・グレイ
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ガブリエル・ヴェルダッレ(1847-1915):瞑想曲 Op. 18
サン=サーンス:白鳥
マティアス・ヨハンセン(Vc)
ジルケ・アイヒホルン(Hp)

録音:2020年7月15-17日
チェロとハープが生み出す魅力的な音楽を広めるために、2018年にデュオを結成したチェリスト、マティアス・ ヨハンセンとハープのジルケ・アイヒホルン。19世紀にはフリードリヒ大王がハープ奏者を雇い、自身のフルート や、ヴァイオリニストのベンダ、グラウンと共演させるなど様々な試みを行っただけではなく、革命以前のフラン スでもヴァイオリンとの共演が貴族の間で流行していたため、ヴァイオリンとハープの組み合わせの曲は多いの すが、残念なことにチェロとハープのためのオリジナル曲はあまり残されておりません。そこでヨハンセンとアイヒ ホルンは様々なオーケストラ作品や器楽曲をアレンジし、見事な演奏を披露、聴き手は新しい魅力を体験 することができます。
555466
NX-B02
パウル・ヴラニツキー(1756-1808):弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 ト長調 Op.32No.4
弦楽四重奏曲 ト長調 Op.2No.2
弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.49
アルマヴィーヴァQ(古楽器使用)【Eva Borhi(Vn)、Peter Barczi(Vn)、Werner Saller(Va)、Melanie Beck(Vc)】

録音:2020年7月8-11日
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー。ハイドンの『天地創造』やベートーヴェンの交響曲第1番 を指揮するなど指揮者としても高く評価されました。また彼は1790年代後半のウィーンで最も重要な交響曲作 家とみなされていましたが、その死後に作品が演奏されることはほとんどありませんでした。近年再評価が進み、交 響曲や歌劇などの演奏が増えてきましたが、室内楽の取り組みは遅れており、その分未知の作品との出会いが 期待されています。このアルバムにはヴラニツキーの3つの弦楽四重奏曲を収録。作曲年代は異なりますが、どれ も古典的なスタイルによるバランスの良い音楽で、時には民謡の断片が登場するなど隅々まで工夫が凝らされて います。スイスのアルマヴィーヴァSQによる演奏は作品の魅力を引き立てています。
555467
NX-B10
カール・シュターミッツ(1745-1801):協奏交響曲集
協奏交響曲第9番ハ長調
協奏交響曲第12番変ロ長調
協奏交響曲 ニ長調 Op.2-2
ハンス=ペーター・ホフマン(Vn)
ロベルト・コルン(Vn)
クリストフ・エーベルル(Vc)
ポール・メイエ(Cl)
マンハイム・プファルツ選帝侯室内O
ポール・メイエ(指)

録音:2021年2月18-20日
18世紀ドイツ、プファルツ選帝侯カール4世フィリップ・テオドールの宮廷楽団で活躍した作曲家たちによる"マンハ イム楽派"。この中心人物の一人であったカール・シュターミッツ(マンハイム楽派の創始者とされるヨハンの息子)は 多数の交響曲や協奏曲を残しましたが、バロックの合奏協奏曲に倣った「協奏交響曲」も40曲近く残していま す。これらは少なくとも2人のソリストがオーケストラと対峙するのが特徴で、トゥッティ(総奏)とソロのセクションが並 置されているものの、通常の協奏曲よりはトゥッティの部分が大きな割合を占めています。カール・シュターミッツの 作品はたいてい3楽章で構成されており、ヴァイオリンとチェロが独奏を務めるものが多いのですが、中には7つの楽 器をソロとしている曲もあります。これらのほとんどは1770年代にパリで書かれ、印刷されました。前2作のクラリ ネット協奏曲集(555053、555415)に引き続き、ポール・メイエが2019/20シーズンより首席指揮者を務める マンハイム・プファルツ選帝候室内Oとともに他の独奏者を交え伸びやかな演奏を聴かせます。また協奏 曲第9番では第2楽章のヴァイオリン・ソロ・パートを代替え可能とされているクラリネットで演奏。名技を披露して います。
555469(3CD)
NX-D03
ボリス・パパンドプロ(1906-1991):弦楽四重奏曲全集/ギター四重奏曲/クラリネット五重奏曲
【CD1】
弦楽四重奏曲 第1番Op.7
弦楽四重奏曲 第3番「Folk」 Op.126
弦楽四重奏曲 第5番
【CD2】
弦楽四重奏曲 第2番Op.20
弦楽四重奏曲 第6番
平和と自由の歌が鳴り響く
【CD3】
クラリネット五重奏曲 Op.90
ギター四重奏曲
ダヴォリン・ブロジッチ(Cl)
クレシミール・ベデク(G)
セバスティアン四重奏団

録音:クロアチア
2017年1月
2017年4月
2017年10月
2021年10月
2021年7月
2022年6月
クロアチアの作曲家・指揮者ボリス・パパンドプロの弦楽四重奏曲全集。ザグレブで育ち、ザグレブ音楽院と新ウィーン音楽院で作曲と指揮を学んだパパン ドプロは、指揮活動と並行して生涯に400作を超える作品を残しました。2017年から2022年に録音されたこのセットは、パパンドプロの創造性、作品にお ける民族音楽の影響、社会的リアリズムなど彼の創作活動の変遷をたどれる興味深い室内楽作品集です。 パパンドプロの弦楽四重奏曲は6曲の存在が確認されていますが、第4番は失われているため(2つの楽章のみ現存)、この録音に際し、セバスティアン四重 奏団は1981年に作曲された「A Song of Peace and Freedom Sounded Out 平和と自由の歌が鳴り響く」を演奏。第4番の代替としています。こ の作品はスコアの表紙に「ザグレブ1981のために」と記された、ザグレブで開催された革命と愛国を祝う「第27回ザグレブ・フェスティヴァル」のために書かれた もの。パパンドプロの愛国精神がうかがえる音楽です。他には戦時中に作曲されたクラリネット五重奏曲と、短いながらも凝縮された表現を持つギター四重 奏曲を収録。
555470
NX-B02
ヨハン・マティアス・シュペルガー(1750-1812):弦楽四重奏曲集 Op.1
弦楽四重奏曲 Op.1No.2イ長調
弦楽四重奏曲 Op.1No.3ハ長調
弦楽四重奏曲 Op.1No.1ヘ長調
カンマーアカデミー・ポツダムのメンバー【Peter Rainer(Vn1)、Laura Rajanen(Vn2)、Christoph Starke(Va)、Jan-Peter Kuschel(Vc)】

録音:2021年3月28-31日
ウィーンで学び、メクレンブルク宮廷楽団の首席コントラバス奏者として活躍したヨハン・マティアス・シュペルガー。 作曲家としても数多くの作品を書き上げ、その中には18曲のコントラバス協奏曲をはじめ、40曲以上の交響曲、 合唱曲、器楽曲が含まれています。 cpoはシュペルガーのコントラバス協奏曲集のCDを2枚出していますが、このアルバムでは3つの弦楽四重奏曲を 紹介。どれも古典的なスタイルで書かれている中で、ヴィオラとチェロに重要なパッセージが与えられているのが特 徴。モーツァルトやハイドンを思わせる旋律が溢れており、歌劇「フィガロの結婚」からの旋律が引用されていたり、 当時人気のあったトルコ音楽からの影響を感じさせる響きも用いられています。
555475(2CD)
NX-D11
カール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759):歌劇「アウリスのイフィゲニア」 イフィゲニア…ハンナ・ツムザンデ(S)
ダイダミア…サンタ・カルニーテ(S)
クリュテムネストラ…ジュヌヴィエーヴ・チュミ(Ms)
アナクシメネス…テリー・ウェイ(A)
アキレス/長老…ミルコ・ルートヴィヒ(T)
セルシテス…アンドレアス・ハイネマイヤー(Bs)
アガメムノン/長老…ドミニク・ヴェルナー(Bs)
バロックヴェルク・ハンブルク(古楽器使用)
イラ・ホッフマン(指)

録音:2021年3月11-13日
世界初録音
フリードリヒ2世に重用され、プロイセンの宮廷楽長を務めたカール・ハインリヒ・グラウン。その作品群の録音に熱心に取り組んでいるcpoレーベルから、オペラ 「アウリスのイフィゲニア」の世界初録音が登場。この作品はグラウンが特に高い評価を得ていたイタリア語のオペラ・セリアで、ギリシャ悲劇の一つ、ギリシャ軍 の総大将アガメムノンのためにその娘イフィゲニアがアルテミスへの生贄となる物語を題材としています。 1731年にハンブルクで上演された後、楽譜が散逸して上演機会を失っていましたが、ハンブルク所縁の作品に取り組むバロックヴェルク・ハンブルクとイラ・ ホッフマンにより復活。レチタティーヴォと3曲の合唱等の楽譜は失われたものの、序曲と35曲ものアリアなど残存する素材から再構築し、すぐれた歌手陣に よって充実した音楽を聴くことができます。
555478
NX-B02
アンドレアス・オスヴァルト(1634-1665):ソナタ集
1. ソナタ ト長調4声
2. ソナタ ニ長調3声
3. ソナタ イ短調2声
4. ソナタ ヘ長調3声
5. ソナタ ニ長調3声
6. ソナタ ハ長調3声
7. ヴァイオリンのためのソナタ イ短調
8. ソナタ ニ長調3声
9. ソナタ ト長調2声
10. ソナタ イ短調2声
11. ソナタ ニ長調3声
12. ソナタ もしくはアリア イ長調2声
カペッラ・イェネンシス(古楽器アンサンブル)
(Vn4/ヴィオラ2/ヴィオラ・ダ・ガンバ1/ヴィオローネ1/
サックバット1/ドゥルシアン1/テオルボ&バロックギター1/チェンバ
ロ1)

録音:2021年4月25-27日
ワイマールのオルガニスト、作曲家アンドレアス・オスヴァルトのソナタ集。ワイマールで宮廷オルガニストを務めてい た父の後を継ぎオルガニストとして活動したのち、アイゼナハでもオルガン奏者として活躍。同時期にヴァイオリン、 その他の楽器の名手としても名声を確立しましたが、わずか31歳で世を去りました。現存する作品はあまり多くあ りませんが、1662年に彼の雇い主であるブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公アウグスト2世への誕生日 プレゼントとしてゴータの宮廷音楽家ヤコブ・ルートヴィヒが編纂した「Partiturbuch Ludwig」にオスヴァルトの作 品が17曲収録されており、この写本が貴重な資料となっています。 このアルバムではカペッラ・イェネンシスの奏者たちが世界初録音を含むオスヴァルトの12曲のソナタを演奏。短命 でありながら、才能に恵まれ三十年戦争の復興期にあたるドイツで個性を発揮したオスヴァルトの作品をじっくりと 味わえます。
555479
NX-B10
ヨハン・シュターミッツ(1717-1757):ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ長調
ヴァイオリン協奏曲第3番ヘ長調
ヴァイオリン協奏曲第4番ヘ長調
交響曲 変ホ長調
ダヴィド・カストロ=バルビ(Vn)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内O
ケヴィン・グリフィス(指)

録音:2021年2月10-13日
ボヘミア出身の作曲家・ヴァイオリニスト、ヨハン・シュターミッツのヴァイオリン協奏曲集。 マンハイムの宮廷楽団の首席ヴァイオリニストから宮廷楽長に昇進し、このオーケストラを育て上げるとともに、 当時活躍していた作曲家たちをまとめ「マンハイム楽派の父」として尊敬を集めました。 彼は50作以上の交響曲を書くとともに、ソナタ形式の発展にも尽力。バロック期と古典派の時代の端境期 を埋めるハイドンの先人として活躍、また二人の息子、カールとアントンも優れた作曲家になりました。 そんなヨハン・シュターミッツですが、現代に伝わるヴァイオリン協奏曲はごくわずかです。そのほとんどは主題を はさみながら進行するリトルネッロ形式で書かれた第1楽章を持つヴィヴァルディの協奏曲の形式を模していま す。このアルバムに収録された3曲のなかで、最も技術的に難しいのは第2番の第1楽章で、シュターミッツが 得意とした旋律の幅広い跳躍と重音がたっぷりと織り込まれた華やかな作品です。アルバムには交響曲も1 曲収録されています。
555483
NX-B02
ヨハン・アンドレアス・シュトライヒャー/アンナ・マリア(ナネッテ)・シュトライヒャー:ピアノ曲集
J. A. シュトライヒャー(1761-1833):ロンドー、またはカプリース Op. 1No.1
 La pensee de l‘objet cheri
 ピアノのための7つの変奏曲 Op.2
 4手クラヴサンのための6つの変奏曲
アンナ・マリア(ナネッテ)・シュトライヒャー(1796-1833):Klage uber den fruhen Tod derr Jungfer Ursula Saboma Stage in Augsburg
 ピアノフォルテのための2つの行進曲
 ピアノフォルテのための大ソナタ
クリスティアン・フリードリヒ・ダニエル・シューバルト(1739-1791):私のクラヴィーアに
ザラ・ヴェゲナー(S)
ステファニア・ネオナート(フォルテピアノ)

使用楽器:ナネッテ・シュトライヒャーが1814年にウィーンで製作したオリジナル
ヨハン・アンドレアス・シュトライヒャーが1784年にアウクスブルクで製作したオリジナル

録音:2021年4月26-28日
トラック1を除き、全て世界初録音
古典派からロマン派へと移り行く時代のウィーンで鍵盤楽器とその音楽に大きな影響を与えたのがヨハン・アン ドレアス・シュトライヒャーとアンナ・マリア(ナネッテ)・シュトライヒャーの夫妻。その2人の作品を2人が作った楽 器(シュトゥットガルトにあるヴュルテンベルク歴史博物館所蔵)で演奏した、cpoらしいこだわりの企画です。 シュトライヒャー夫妻はピアノ製造だけでなく、演奏家として活動。アンドレアスはコンサートピアニストとしても 高い評価を獲得し、ナネッテは自宅でサロンを開き若い芸術家たちに活躍の機会を与えました。ここに収録 された作品も、サロンでの繊細で親密な雰囲気が似合いそうな音楽です。シューベルト、シューマン、ショパン などロマン派時代の歴史的鍵盤楽器での録音が数多いトビアス・コッホの演奏で。

555504
NX-B10
グンナル・デ・フルメリ(1908-1987):クラリネット協奏曲、九重奏曲 他
クラリネット協奏曲
9人のための音楽(九重奏曲) Op.75
古風な様式による組曲
ピアノと弦楽オーケストラのためのコンチェルティーノ
トルステン・ヨハンス(Cl)
オリヴァー・トリンドル(P)
中村有人(Vn)
ノルベルト・メルクル(Va)
ウラジーミル・シンケヴィッチ(Vc)
インゴ・ナウラ(Cb)
ベルタ・ベルメホ・モヤ(Ob)
フローリアン・アダム(コールアングレ)
エベルハルト・クノブロッホ(Cl)
ティル・ハイネ(Fg)
マキオ・バッハウアー(Tp)
ミュンヘン放送O
イヴァン・レプシッチ(指)

録音:2021年7月15日、2022年5月2日
スウェーデンの作曲家グンナール・デ・フルメリの作品集。音楽一家に育ったフルメリは、ストックホルム音楽大学で 学び、ウィーンに留学してエミール・フォン・ザウアーに師事、さらにパリに留学してアルフレッド・コルトーに師事。早く からピアニスト兼作曲家として活躍しました。このアルバムには4つの作品を収録。優れたピアニストであったフルメリ らしい華やかなピアノ・パートを持つ「コンチェルティーノ」や、独奏パートが際立つ「クラリネット協奏曲」、様々な楽 器が歌い交わす「9人のための音楽(九重奏曲)」など、どれもフランス印象派の影響を感じさせる優雅で美しい音 楽は、大変聴き応えがあります。 九重奏曲に参加する中村有人はカナダで生まれ、2016年からミュンヘン放送Oの第2ヴァイオリン首席 を務めています。
555505
NX-B02
ブルッフ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ロシアとスウェーデンの民謡による歌と舞曲集 Op.79・・・世界初録音
6つの歌曲(Vnとピアノ編)
Fruhlingslied Op.7, Nr.17
Morgenlied Op.97, Nr.4
Flucht (Die Auswanderer) Op.59, Nr.4
Goldne Brucken Op.15
Serenade Op.49, Nr.4
Hymnus Op.13
スウェーデン舞曲集 Op.63
デュオ・ダウエンハウアー・クーン【アンナ・ゾフィー・ダウエンハウアー(Vn)、ルーカス・マリア・クーン(P)】

録音:2021年7月14-16日
ロマンティックという言葉がふさわしいブルッフの魅力的な旋律をたっぷりと味わえるアルバム。「ロシアとスウェーデンの 民謡による歌と舞曲」全9曲は、オリジナルのヴァイオリンとピアノによる初録音。更に「スウェーデン舞曲集」全16 曲に加え、演奏者がアレンジした6曲の歌曲も収録しています。
555508(4CD)
NX-E05
ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981):交響的作品集全集
【CD1】 777721
交響曲第1番/バレエ組曲
交響的練習曲
クーナウの主題による変奏曲とフーガ
【CD2】 777722
交響曲第2番/リチェルカーレ
マシェラータ
ヴィルヘルムス・ラプソディ
【CD3】 777723
交響曲第3番/協奏交響曲
序曲「シャンテクレール」
【CD4】 777845
交響曲第4番
ラプソディ『リベルタス・ヴェニト』
カプリッチョ/ カンツォーネ
フィオン(ヘルダーラント&オーファーアイセルO)
(旧名称:オランダSO)
ダーヴィッド・ポルセライン(指)

録音:2011年6月28日-7月1日、2012年6月26-27日、2013年2月11-14日、2012年6月25-28日、2013年2月12-13日、2012年6月27-29日
既発売のダーヴィッド・ポルセラインとオランダSO(初出当時)によるヘンリク・アンドリーセンの4枚のアル バムをまとめたBOXの登場! ヘンドリク・アンドリーセンはオランダの作曲家、オルガン奏者。即興演奏の巧みさで知られ、オランダのカトリック 典礼音楽を一新した人でもあります。しかし、実はとても多才な作曲家であり、その作品もオルガン曲だけに留 まらず、ここで聴ける4つの交響曲や管弦楽曲など注目すべきものが数多くあります。ロマン派と前衛の折衷とも いえる作風で、旋律は聴きやすく、生前から管弦楽作品も高い人気を誇っていました。 交響曲第1番は1930年10月1日にエドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のハールレムOによって初演さ れ、その2年後にはアンドリーセン自身が同じオーケストラを指揮して演奏するなど注目を浴びた作品です。コン セルトヘボウ管の創立50周年の記念に書かれた交響曲第2番、1932年に正式にオランダの国歌に認定され たメロディを用いた「ヴィルヘルムス・ラプソディ」、終楽章に輝かしいフーガが置かれたエネルギッシュな交響曲第3 番、そして彼の作品の中で最も知られる交響曲第4番などのほか、1941年に書かれたにもかかわらず、戦争の 暗い気分を払拭するかのように陽気で華麗なラプソディ『リベルタス・ヴェニト』など、アンドリーセンの作曲技法の 集大成ともいえる作品群を楽しめます。 ※フィオンは2019年にオランダSOとアーネム・フィルとの合併で誕生したオーケストラ。ヘルダーラント州と オーバーアイセル州の音楽活動の中心的存在です。
555513
NX-B02
ザムエル・シャイト(1587-1654):Liebliche Krafft-Blumlein
Liebliche Krafft-Blumlein(1635)
aus des Heyligen Geistes Lustgarten abgebrochen
通奏低音を伴う12曲のデュエット
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(S)
ダニエル・ヨハンセン(T)
ザンクトガレン修道院コレギウム・インストゥルメンターレ(古楽器アンサンブル)
ミヒャエル・ヴェルジン(ポジティフオルガン&指揮)

録音:2021年10月4-7日
曲集として世界初録音
ハインリヒ・シュッツ、ヨハン・ヘルマン・シャインとともに「ドイツ・バロックの3大S」と呼ばれるザムエル・シャイト。3 人の中では作品がまとまって録音される機会が少ないので、この 「Liebliche Krafft-Blumlein(愛らしい 小さな花束の意)」 の登場は初期バロック音楽ファンにとって嬉しい企画です。聖書によるテキストを用いた 通奏低音付きの12の二重唱で構成された曲集は、これまでごく一部のみが録音されたものの全曲録音は なく、とても貴重なものとなります。シュッツの歌劇「ダフネ」(555494)やアンドレア・ガブリエリのモテット (555291)を歌ったソプラノ、マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルクと、ルドルフ・ルッツが指揮するバッハのカン タータでおなじみのテノール、ダニエル・ヨハンセンのソロ、オルガニストとしても活躍するミヒャエル・ヴェルジンが 指揮するザンクトガレン修道院コレギウム・インストゥルメンターレの演奏でお聴きください。
555523
NX-B10
ヴァイオリンと室内管弦楽の為の作品集
シモン・ラクス(1901-1983):詩曲- ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
 弦楽の為の交響曲
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996):3つの小品 - ヴァイオリンと室内Oの為の(E. ノヴィツカ編)
エヴェリナ・ノヴィツカ(1982-):カディッシュ1944- ヴァイオリンと室内Oの為の
エヴェリナ・ノヴィツカ(Vn)
ポーランド放送アマデウス室内O
アニエスカ・ドゥチマル(指)
アンナ・ドゥチマル=ムローズ(指)
録音:2012年2月8日、2013年1月18日
シモン・ラクスはフランスで活動したポーランドの作曲家。地元で学びパリに留学、タンスマンと親交を結びました。 1942年にナチス・ドイツによりアウシュヴィッツに送られるも、奇跡的に生き延びパリに帰還。その後も作曲活動を 続け、1967年頃からは作家に転身しました。一方ヴァインベルクは同じくポーランド出身、ロシアで活動しショスタ コーヴィチと親交を結びました。やはり戦争によって苦難の人生を送ったことで知られています。 このアルバムの演奏者エヴェリナ・ノヴィツカも、自身の大叔母が戦争中に辛い経験をしたことを知り、2人の作曲 家に強い親近感を抱くとともに、自身の芸術活動を2人の作品に捧げたいと思うようになったと語ります。 彼女の「カディッシュ1944」は1944年8月に解体されたウッチ・ゲットーの犠牲者たちに捧げる詩篇曲であり、ラ クスの「詩曲」はノヴィツカによるヴァイオリンと室内管弦楽の為の編曲。イザイの伝統を継承するヴァイオリンの技 巧が際立つ作品です。ヴァインベルクの「3つの小品」は16歳の時の作品で、こちらもノヴィツカが編曲を行ってい ます。
555525(2CD)
NX-D11
ヨハン・ハインリヒ・ローレ(1716-1785):ルカ受難曲(1744) 小間使いI…シーリ・ソーンヒル(S)
福音史家…マルクス・シェーファー(T)
ペトロ、テスト、不正を働くもの II…ヒューゴ・ハイマス(T)
イエス…ティロ・ダールマン(Bs-Br)
ピラト、不正を働くもの I、隊長…マティアス・フィーヴェク(A)
エルヴィラ・ビル(Ms)
ケルン・アカデミー(古楽器使用)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)
録音:2022年6月24-27日、8月19日
マグデブルクのアルトシュタット・ギウナジウムで30年以上カントール職を務め、当時絶大な名声を誇っていた ハインリヒ・ローレが1744年の受難節に書いた「ルカ受難曲」。ケルン・アカデミーとヴィレンズは2016年に ローレの「マタイ受難曲」世界初演を行い、アルバムを発表、高く評価されています。この「ルカ受難曲」は、ル カによる福音書の第22章39節から23章の終わりまでを原文として、新しく構成されたテキストを用いたもの で、各セクションはアリアを中心に、レチタティーヴォ、コラール、合唱が配置されています。1744年、ローレ30 歳前の作品ですが、その作曲技法は熟練の域に達しており、18世紀の中部及び、北ドイツで書かれた受 難曲を代表する名作の一つに位置づけられるものです。福音史家はベテラン、マルクス・シェーファーが担当。 他の歌手たちも素晴らしい歌唱を聴かせます。

555582(7LP)
税込定価
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(第0番-第7番)
LP-1. ピアノ協奏曲 第1番ハ長調 Op.15
LP-2. ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調 Op.19
LP-3. ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 Op.37
LP-4. ピアノ協奏曲 第4番ト長調 Op.58
LP-5. ピアノ協奏曲(第7番) ニ長調 Op.61a(原曲: ヴァイオリン協奏曲)
LP-6. ピアノ協奏曲 第5番変ホ長調 Op.73
LP-7-A. ピアノ協奏曲 第0番変ホ長調 WoO4
(オーケストレーション:ヘルマン・デヒャント)
LP-7-B. ロンド 変ロ長調 WoO6
ピアノ協奏曲(第6番) ニ長調(1814/15) H15
(ニコラス・クックによる補筆完成版に基づく)
ミヒャエル・コルスティック(P)
ウィーンRSO
コンスタンティン・トリンクス(指)

録音:2020年12月21-23日
2021年1月4-5、7-8日、3月18-19、21-22日
※180g重量盤
ベートーヴェンのピアノ協奏曲は通常、第1番から第5番までを全集としますが、このコルスティックの全集は、第2番の初稿フィナーレであるロンド変ロ長調 WoO6や、ヴァイオリン協奏曲のピアノ版(このCDでは第7番と表記)に加え、ベートーヴェンが1814年から15年頃に作曲したとされるニ長調の協奏曲断 章(このCDでは第6番と表記)、14歳頃に作曲した変ホ長調の協奏曲までも収録していることが大きな特徴。 若書きの「第0番」変ホ長調 WoO4はオーケストラ・パートが失われてピアノ・パートだけが伝えられています。こ の曲にオーケストレーションを施した例としてはスイスの作曲家ヴィリー・ヘスによるものがありますが、ここではコルス ティックの発案で指揮者・音楽学者のヘルマン・デヒャントに依頼した新たなオーケストレーションを採用。第4番を 参考に、ヘス版に無かったファゴット2本を追加。更に終楽章ではトランペット2本とティンパニを追加して、壮麗な 響き持つ演奏時間約26分の協奏曲となりました。カデンツァはデヒャント作のものを参考にコルスティックが手を加 えています。 ニ長調H15は未完成ながら258小節あり、ベートーヴェンが残した断章の中でも最大規模です。1986年にイギ リスの音楽学者ニコラス・クックが他のスケッチなども参照しつつ独立した楽章として補筆完成させました。ここでは クック版にヘルマン・デヒャントがカデンツァとコーダを加え、更にコルスティックが独自に手を加えた楽譜を演奏してい ます(演奏時間13分57秒)。 本命と言うべき第1番から第5番では、ピアノもオーケストラもピリオド・スタイルを取り入れてペダルやヴィブラートを 控え目にしつつ、モダン楽器らしいシンフォニックなサウンドの魅力もしっかりと表現しています。引き締まったテンポ でドラマティックに展開してゆく速い楽章と、柔らかな響きで旋律をしっとりと歌う緩徐楽章が好対照です。
555533(2CD)
NX-D11
テレマン:最晩年の管弦楽作品集
組曲 ニ長調 TWV55:D21
ディヴェルティメント TWV50:22
組曲 ニ長調 TWV55:D22
シンフォニア・メロディカ TWV50:2
組曲 ニ長調 TWV55:D23
ファンファーレTWV50:44
組曲 ヘ長調 TWV55:F16
ディヴェルティメント TWV50:23
ディヴェルティメント TWV50:21
組曲 ト短調 TWV55:g9
ラ・スタジオーネ・フランクフルト
ミヒャエル・シュナイダー(指)

録音:2014年1月、2018年3月、2018年3月、2016年3月、2021年6月
テレマン作品の第一人者、ミシャエル・シュナイダーとラ・スタジオーネがテレマン最晩年の作品を録音。 1834年にラトヴィアの首都リガの大聖堂付きの音楽家だったゲオルク・ミヒャエル・テレマン(1748-1831)の遺品 から、彼の祖父テレマンの自筆譜や書簡などが発見されました。その中には1760年代に書か れたとみられる9巻にのぼる楽譜があり、このCDの収録曲はそこから採られています。テレマンが得意としていたフラ ンス風序曲のスタイルによる管弦楽組曲やイタリア風のシンフォニアなど、洗練された筆致によるテレマンの「白鳥 の歌」と言うべき作品群です。
555538
NX-B02
ルイーズ・ファランク(1804-1875):室内楽作品集
三重奏曲第2番ニ短調 Op.34- ピアノ、ヴァイオリンとチェロのために(1844)
スイス民謡による協奏的変奏曲 Op.20- ピアノとヴァイオリンのために(1833以前)
三重奏曲第4番ホ短調 Op.45- ピアノ、フルートとチェロのために(1854-56)
ソナタ第1番ハ短調 Op.37- ピアノとヴァイオリンのために(1848)
リノス・アンサンブル

録音:2022年1月24-27日
女性として初めてパリ音楽院ピアノ科の教授を務めるなど、19世紀のパリ音楽界で尊敬を集めたルイーズ・ ファランク。作曲家としても交響曲や室内楽曲などを書き上げ、彼女の夫の手により40作ほどが出版されま したが、死後はほとんど顧みられることはありませんでした。しかし、近年あらためて注目されるようになり、彼 女の作品の演奏機会も増えています。 このアルバムではリノス・アンサンブルが彼女の4つの作品を演奏。どれも優れたピアニストであったファランクらし い、充実したピアノ・パートを持っており、古典派の伝統的形式にロマン派の感情表現を採り入れた美しい 作品です。とりわけ1850年代に書かれた作品45のフルート三重奏曲では、成熟した作曲技法が披露され ており、歌うようなフルートの旋律が存分に生かされています。
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NX-B02
ルビンシテイン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.17-2
弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.17-3
ラインホルトQ【ディートリヒ・ラインホルト(Vn)、トビアス・ハウプト(Vn)、ノルベルト・トゥンツェ(Va)、ドロテー・エルビナー(Vc)】

録音:2020年8月29日、5月1、3、4日
ピアノ曲や交響曲で知られるロシアの作曲家・ピアニスト、ルビンシテイン。彼は10曲の弦楽四重奏 曲を遺しましたが、アルバム収録のこの2曲は1855年に出版されています。バッハとメンデルスゾーンの 伝統を継ぐこの作品は、ライプツィヒを中心に人気を獲得、彼の生前から何度も繰り返し演奏されました。弦 楽四重奏曲Op.47-1と3(777709)と同じく、古典派からロマン派作品を得意とするラインホルト四重奏 団による演奏です。
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NX-B02
シューベルト:歌曲集『美しき水車小屋の娘』 Op.25D795(アンドレアス・N・タルクマンによる歌と器楽アンサンブル編)…世界初録音 クラウス・フローリアン・フォークト(T)
アンサンブル・アハト(Vn2/ヴィオラ/チェロ/コントラバス/クラリネット/ファゴット/ホルン)

録音:2020年6月8-12日
ワーグナー作品で圧倒的な人気と評判を得ているフォークトですが、その華々しいキャリアの割に録音が少ないこと に驚かされます。そのフォークト初のシューベルト歌曲集の録音が登場。しかも3大歌曲集の一つ『美しき水車小 屋の娘 』と来ては、大注目です。持ち前の輝かしい高音を生かした歌唱は、恋に翻弄される若者の世界にぴった り。伴奏のアンサンブル・アハトはその名(Acht=8)の通り8人のアンサンブル。シューベルトの八重奏曲を演奏する ために結成され、30年以上の活動歴があり、この編成のための新作も数多く委嘱・演奏。ここでは1956年生ま れの作曲家タルクマンによる室内アンサンブル版を採用し、揺れ動く若者の心理を色彩豊かに描写してフォークト の歌唱と相乗効果を挙げています。
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NX-B10
フランチェスコ・バルトロメオ・コンティ 他 17〜18世紀の様々なアリア集と器楽曲
フランチェスコ・バルトロメオ・コンティ(1682-1732):ソプラノのためのレチタティーヴィとアリア「Voi dunque ardite ... Scelta idea di nobilta」- カンタータ『Fra queste umrose piante』より
ソプラノのためのアリア「Se mai dal crudo artiglio」- 歌劇「Archelao, re di Cappacia」より
アリア「Non lascio no d'amar」 - 歌劇「Creso」より
バリトンのためのレチタティーヴォ、前奏曲とアリア「Bravo bene」 - 歌劇「Penelope」より
アルトのためのアリア「Volgendo al nido il volo」 - 歌劇「Sesostri」より
ボノンチーニ(1677-1726):ソプラノのためのアリア「Mare irato」- 歌劇「Feraspe」(F.B.コンティのために作曲)
フーガ ヘ短調(2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、テオルボとチェンバロ)
ジュゼッペ・ポルジーレ(1680-1750):歌劇「Dei colli nostr」 序曲 - サルテリオとハープによる
コンティ:ソプラノのためのアリア「Dei colli nostri」- 歌劇「Il trionfo dell'amicizia e dell'amore」より
歌劇「David」 - 前奏曲
序奏とアルトのためのアリア「Cor costante, ed umil」 - 歌劇「Galatea vendicata」より
ボノンチーニ:Sinfonia vaga, e suave - 歌劇「Il trionfo della grazia」より
コンティ:ソプラノのためのアリア「Bramo un core」 - オラトリオ『Il Gioseffo』より
ハナ・ブラジーコヴァー(ソプラノ/バロック・ハープ)
ヴァレル・サバドゥス(C.T)
フランツ・フィッツトゥム(A)
フローリアン・ゲッツ(Br)
ヌオヴォ・アスペット(古楽器オーケストラ)

録音:2022年3月6-9日
イタリア・バロックの作曲家、テオルボ奏者フランチェスコ・バルトロメオ・コンティ。彼は若い頃から撥弦楽器の名手として知られ、1701年、20歳の時にはその 名声を聞きつけたウィーンの宮廷楽団にテオルボ奏者として雇われ、1713年には宮廷作曲家に任命されるなど昇進を重ねながら1726年まで在職しまし た。また、1706年には歌劇作曲家としてもデビュー。1732年に亡くなるまで16の歌劇、9作のオラトリオの他、多数の舞台作品を残し、これらはヘンデルや バッハらにも大きな影響を与えました。このアルバムでは、コンティの作品を中心に、彼と同時代の作曲家ボノンチーニ、ポルジーレの作品を収録。コミカ ルな雰囲気を持つ曲から、歌と楽器の絶妙な対話を聴かせる曲まで、幅広い作品が楽しめます。 ヌオーヴォ・アスペットは、ハイドンが多くの楽曲を書いた楽器バリトンを含む種々の弦楽器と、マンドリンやサルテリオを含む多彩な撥弦楽器にオーボエの前 身シャリュモーにトラヴェルソが加わったアンサンブルで、練達の歌手陣と見事な共演を聞かせます。
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NX-B10
エミーリエ・マイヤー(1812-1883):序曲集/ピアノ協奏曲
序曲 ニ短調
序曲第3番ハ長調
序曲第2番ニ長調
序曲「ファウスト」 ロ短調 Op.46
ピアノ協奏曲 変ロ長調
トビアス・コッホ(フォルテピアノ)
使用楽器…ユリウス・ブリュートナー1859年製
ケルン・アカデミー(古楽器使用)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年4月27-29日
ドイツ初期ロマン派時代の作曲家エミーリエ(エミリーとも)・マイヤー。薬剤師の父を持つ裕福な家庭に生まれ、 幼い頃から音楽教育を受けました。28歳の時に父を失った彼女は生活のために拠点をシュチェチン(現ポーラン ド領)に移し、高名な作曲家レーヴェに教えを請います。以降、作曲に励み、8曲の交響曲や歌劇を含む多くの 作品を生み出しました。 このアルバムには1850年に初演され人気を博した3つの演奏会用序曲と、1880年に作曲された序曲「ファウス ト」、そして彼女の唯一の協奏曲と考えられるピアノ協奏曲を収録。なかでも晩年の作品である序曲「ファウスト」 はソナタ形式を用いながらも、見事なストーリー展開を感じさせ、ベルリンでの初演は大成功を収め、ファニー・メン デルスゾーンやクララ・シューマンと並ぶ優れた女性作曲家としての評価を得ました。また「ピアノ協奏曲 変ロ長 調」は古典派の様式を守った端正な作品。ここでトビアス・コッホはマイヤー存命中の1859年に制作された楽器 を演奏。当時の響きを再現しています。
555560(3CD)
NX-G11
ヘンデル(テレマン再構築):歌劇「インドの王妃クレオフィーダ」 クレオフィーダ…シュザンヌ・ジェローム(S)
ポルス…フローリアン・ゲッツ(Br)
アレッサンドロ…ホルヘ・ナバーロ・コロラド(T)
エリクセナ…ヨハンナ・ポムランツ(S)
ガンダルテス…レアンドロ・マルツィオッテ(C.T)
ティマゲネス…ジュゼップ=ラモン・オリベ(Bs)
イル・グスト・バロッコ(古楽器使用)
イェルク・ハルベック(指揮・チェンバロ)

録音:2020年11月14-16日(ライヴ)
当時、ヘンデルのイタリア語による歌劇は非常に人気が高く、この作品も初演後1年でイギリスからヨーロッパ全土で上演されるようになりました。これを知った テレマンは、激動の人生を送ったアレキサンダー大王と、インド王ポーロと彼の妻クレオフィーダとの絡み合いがハンブルクの聴衆にも理解できるように、メタス タージオ作のイタリア語のレチタティーヴォをクリストフ・ゴットリープ・ヴェントにドイツ語に翻訳させ、物語のヒロインをポーロの妻クレオフィーダに変更、全体を再 構築しました。そのためアリアはヘンデルのオリジナルのまま、イタリア語で歌われています。 演奏は南ドイツの最も重要なバロック・オーケストラのひとつ"イル・グスト・バロッコ"。歌手たちの表現力豊かな歌唱を支え、作品に新たな命を吹き込みまし た。
555570
NX-B02
管楽セレナード集
ラフ:シンフォニエッタ Op.188- 管楽器の為の
グスタフ・シュレック(1849-1918):九重奏のディヴェルティメント Op.40- 管楽器の為の
ザーロモン・ヤーダスゾーン(1831-1902):セレナード Op.104- 管楽器の為の
イエナPOウィンド・アンサンブル
ジモン・ガウデンツ(指)

録音:2021年6月15-19日
ロマン派の3人の作曲家が書いた管楽の為のセレナード集。ラフのシンフォニエッタはフルート、オーボエ、クラリ ネット、ファゴット、ホルン各2本、合計10本の管楽器の為の作品。技巧的なフルート・パートが特徴で、コラー ル「息づくものはすべて、主をたたえよ!」の旋律を用いた第1楽章にはじまり軽快なタランテッラのリズムが支配す る第2楽章、ゆったりとした第3楽章を経て、快活な終楽章で曲を閉じます。グスタフ・シュレックはライプツィヒで活 躍した作曲家。多くの教会音楽で知られますが、この九重奏曲は軽やかな旋律が魅力的です。ヤーダスゾーン の作品はピアノ版、ピアノ連弾版、管楽十重奏版があり、前二者は「組曲」、後者は「セレナード」と銘打たれて います。ここでは「セレナード」版の初録音を聴くことができます。イエナPOウィンド・アンサン ブルの演奏で。
555572
NX-B10
ヒューゴ・カウン(1863-1932):交響的作品集
交響詩「ミネハハ」 Op.43-1
交響詩「ハイアワサ」 Op.43-2
交響曲第3番ホ短調 Op.96
ベルリンRSO
ジョナサン・シュトックハンマー(指)

録音:2022年5月31日-6月3日
ヒューゴ(フーゴ)・カウンは1863年、ベルリン生まれの作曲家。地元で音楽を学んだ後1886年にアメリカ大 陸に渡り、当時ドイツ系のコミュニティがあったミルウォーキーに居を構えました。この地で合唱指揮者、作曲 家として活動するとともに、音楽学校でも教鞭を執り、多くの後進を育てました。1900年初頭にはドイツに 帰国、ベルリンで教職に就きます。その後はベルリンに定住し1912年にはプロイセン芸術アカデミー会員に 任命されました。 このアルバムにはロングフェローが1855年に発表した叙事詩「ハイアワサの歌」から題材をとった2つの交響詩 が収録されています。「ミネハハ」はドヴォルザークの「新世界より」第3楽章のLargoのようにイングリッシュホル ンの旋律で始まりますが、すぐにワーグナー風の半音階的な旋律へと移っていきます。「ハイアワサ」は伝説的 な英雄をネイティヴ・アメリカンの旋律を用いて描いています。交響曲第3番は1913年に作品。1914年に 初演された後人気を博し、プフィッツナーやフルトヴェングラーもこの曲を演奏したとされています。
555576
NX-B10
ウェーバー/クルーセル/ベルク:ファゴット協奏曲集
ウェーバー:ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
クルーセル(1775-1838):ファゴット協奏曲 変ロ長調
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド Op.35
オラヴ・ベルク(1949-):ファゴット協奏曲
ダーグ・イェンセン(ファゴツト)
カンマーアカデミー・ポツダム
ダーグ・イェンセン(指)
グレゴール・ビュール(指)

録音:2023年1月18-20日
オーケストラの低音から中音部を担当するファゴット。独特な音色を持つ楽器のための協奏曲はそれほど多くありま せん。このアルバムには3曲のファゴット協奏曲を収録。1811年、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者を務めてい たG. F. ブラントのために書かれたウェーバーの作品は、第2楽章の美しい旋律が魅力。1829年のクルーセルの 作品はファゴット奏者F. C. プロマイユのために書かれたものです。最後のオラヴ・ベルクの作品はこのアルバムのソリ スト、ダーグ・イェンセンのために書かれた曲で、ブックレットには曲に関する2人の対話(ドイツ語、英語)が掲載され ています。 ダーグ・イェンセンはノルウェー出身の奏者。名だたるオーケストラとの共演経験を持ち、とりわけ水戸室内管弦楽 団、サイトウ・キネン・オーケストラの奏者として日本でもお馴染みです。
555577
NX-B10
クリストフ・グラウプナー(1683-1760):2人のソプラノとバスの為のカンタータ全集
1. Ein jeglicher sei gesinnet GWV1126/21
2. Zerflies‘, mein Herz, in Blut GWV1127/20
3. Nun ist auferstanden GWV1128/21
4. Christ lag in Todesbanden GWV1130/21
5. Du schones Wohnhaus GWV1133/20
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(S)
ハンナ・ツムザンデ(S)
ドミニク・ヴェルナー(Bs)
キルヒハイマー・バッハコンソート(古楽器使用)
フロリアン・ヘイエリック(指)

録音:2022年7月16-17日(ライヴ)
全て世界初録音
ドイツ、ザクセン公国に生まれたグラウプナー。クーナウに学び、ハンブルク歌劇場のチェンバロ奏者を務 めながら(同じ時期にヘンデルがヴァイオリン奏者として在籍していた)、次々と歌劇を作曲していました。 当時はバッハよりも高い評価を受けていたというグラウプナーcpo声楽作品シリーズです。 今作では1720年から21年に作曲された2人のソプラノとバスの為のすべてのカンタータを選曲。この5曲は 聖週間から復活祭後の3度目の日曜日までの教会暦によるもので、グラウプナーが従事していたダルムシュ タット宮廷の歌手たち、とりわけソプラノ歌手の高い能力を存分に駆使した、歌の妙技が盛り込まれていま す。18世紀作品を得意とする2人のソプラノ歌手ヴェルネブルクとツムザンデ、安定の歌唱を聴かせるヴェル ナーによる演奏でお楽しみください。
555578
NX-B02
ハンザ同盟の古都の音楽 第1集
 ヨハン・フィーアダンク (1605-1646):
1. Der Herr Zebaoth ist mit uns
 Ander Theil Geistlicher Concerten,1643
 2人のソプラノ、2人のテノール、管楽、弦楽と通奏低音のために
2. Das ist ein kostlich Ding
 Erster Theil Geistlichen Concerten,1641
 2人のソプラノ、バスと通奏低音のために
3. ソナタ4声
 Ander Theil darinnen … Capricci, Canzoni vnd Sonaten,1641
 2つのヴァイオリン、2つのツィンクと通奏低音のために
 カルパー・モヴィウス(1610-1671):
4. Schaffe in mir, Gott, ein reines Herz
 Triumphus Musicus,1640
 4声部からなる2つの合唱のために
5. Gott ist unser Zuversicht und Starke
 4声部からなる2つの合唱のために
 フィーアダンク
6. カプリッチョ イ短調
 Ander Theil darinnen … Capricci, Canzoni vnd Sonaten,1641
 2つのヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のために
7. ソナタ ニ短調
 2つのツィンク、3つのサクバットと通奏低音のために
 オイハリウス・ホフマン(1540頃-1588):
8-11. Kompositionen fur Stralsunder Honoratioren (XXIIII Cantiones,1577)
 8. Fur Thomas Brandenburg:Doce me, Domine
 9. Fur Heinrich Busch:Cantabo Domino
 10. Fur Joachim Ketel:Vigila super nos
 11. Fur Heinrich Hagemeister:Desine ab ira
12. Ich suchte des Nachts
 Ander Theil Geistlicher Concerten,1643
 5つの声部、2つのヴァイオリンと通奏低音のために
13. ソナタ ニ短調
 Ander Theil darinnen … Capricci, Canzoni vnd Sonaten,1641
 ツィンク、3つのサクバットと通奏低音のために
14. Meine Harfe ist zur Klage worden
 Erster Theil Geistlichen Concerten,1641
 4つの声部と通奏低音のために
 モヴィウス:
15. In dich hab ich gehoffet, Herr
 Hymnodia Sacra,1639
 2人のソプラノ、バスと通奏低音のために
16. Mein Gott, warum hast du mich verlassen?
 2人のソプラノ、バスと通奏低音のために
 フィーアダンク
17. Ich beschwore euch
 Ander Theil Geistlicher Concerten,1643
 ソプラノ、アルト、テノール、5部の弦楽と通奏低音のために
18. Ich freue mich im Herren
 Hochzeitskomposition1643
 4つの声部と弦楽、管楽と通奏低音のために
ヨーロッパ・ハンザ・アンサンブル(古楽器使用)
マンフレート・コルデス(指)

録音:2022年6月7-9日
cpoの新シリーズ「ハンザ同盟の古都の音楽」がスタート。第1集はシュトラールズントです。シュトラールズントは13世紀にハンザ同盟に加入し、14世紀から 15世紀にかけて栄えました。その歴史地区はヴィスマールの歴史地区とセットでUNESCO世界遺産に指定されています。 このアルバムには同地で17世紀に活躍した作曲家たちの器楽曲と宗教的声楽作品が収録されています。声楽も器楽もヴィルトゥオーゾ的な扱いがなさ れ、当時の演奏水準の高さをうかがわせます。ヴァイオリンに加え、サクバット、ツィンクなどが初期バロックに相応しい音彩を添えています。この分野の第一人 者マンフレート・コルデスとヨーロッパ・ハンザ・アンサンブルによる演奏で。
555579
NX-B10
ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792):序曲集
歌劇「カルタゴのアエネアス」 - プロローグの序曲 [VB23]
劇音楽『漁師たち』 - 序曲 [VB40]
劇音楽『オリュンピア』 - 序曲 [VB33]
劇音楽『ソリマン』 - 序曲 [VB22]5'28
歌劇「カルタゴのアエネアス」 - 第5幕へのイントロダクション [VB23]
歌劇「カルタゴのアエネアス」 - 第1幕の序曲 [VB23]
劇音楽『Afventyraren 冒険家』 - 序曲 [VB 32]
グスタフ3世のための葬送カンタータ - 第1部への序奏 [VB42]
グスタフ3世の誕生日のためのカンタータ - 序曲 [VB41]
歌劇「プロセルピナ」 - 序曲 [VB19]
グスタフ3世のための葬送カンタータ - 第2部への序奏 [VB42]
テレジアO(古楽器使用)
クラウディオ・アストロニオ(指)

録音:2019年8月20-23日
スウェーデンで活躍したドイツ生まれの指揮者、作曲家ヨーゼフ・マルティン・クラウス。若い頃からグルックに憧れて いたクラウスは劇音楽を好んでおり、ストックホルムのグスタフ3世の宮廷作曲家となったのちに宮廷のために歌 劇、劇音楽を数多く書き上げました。添えられている序曲は各々の物語の内容を示す大きな役割を果たす魅力 的な音楽です。なかでも、1790年に書かれた歌劇「カルタゴのアエネアス」には、3つの長大で劇的な序曲が書 かれるほどに、クラウスにとって重要な作品でした。アルバムには彼が仕えたグスタフ3世のためのカンタータ用の3曲 の序曲も含まれています。 テレジアOは歴史的考証を踏まえた古典派作品の演奏実践を目的に2012年にEUと共同で創設され たユース・オーケストラで、28歳未満の楽団員で構成されます。CPOでは今後、クラウスの管弦楽作品の全集 録音が予定されています。
555585
NX-B10
オッフェンバック:喜歌劇「ヴァイオリン弾き」
喜歌劇「66」
サンドリーヌ・ブエンディア(S)
ピエール=アントワーヌ・ショミアン(T)
アルマンド・ノゲラ(Br)
ケルン・アカデミー(古楽アンサンブル)
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指)

録音:2022年8月27-29日
1855年、オッフェンバックがパリに設立した歌劇・ブフとオペレッタの公演の為の劇場ブフ・パリジャン座。 劇場は収容300人ほどの小さいものでしたが、パリ万国博覧会の正面入り口の真向かいにあり、多くの人々が 訪れたため、オッフェンバックにも多大な成功をもたらしました。この年の夏に初演されたのが「ヴァイオリン弾き」(副 題「ブルターニュの伝説」)でした。この作品で主役を歌ったホルテンス・シュナイダーは素晴らしい演技で観客を魅 了し大人気となりました。その翌年の1856年7月31日には同じく1幕物の「66」が初演され大成功。こちらも 「ヴァイオリン弾き」と同じく登場人物は3人のみ。小さい規模ながらもチロルの民俗音楽が効果的に用いられた、 ちょっぴり皮肉の効いた楽しい作品です。ちなみにタイトルの「66」とは主人公のフランツが購入した宝くじの番号 のこと。
ケルン・アカデミーによるこの演奏は、19世紀の楽器を用いピリオド奏法によって行われたもので、初演時の雰囲 気が良く伝わります。3人の歌手の巧みな歌唱も魅力的です。
555586(3CD)
NX-G11
カール・ハインリヒ・グラウン(1703-1759):歌劇「シッラ」 シッラ:ローマの独裁者…ベジュン・メータ(C.T)
メテッロ:評議員…ヴァレル・サバドゥス(カンターテナー)
レントゥーロ:評議員…ハーゲン・マツァイト(C.T)
ポストゥミオ:評議員…サミュエル・マリーニョ(S)
オッターヴィア:ポストゥミオの婚約者…エレオノーラ・ベッロッチ(S)
フルヴィア:オッターヴィアの母・・・ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)
クリソゴーノ:奴隷解放者…メルト・スング(T)
コーロ・マギーニ(合唱)
インスブルック音楽祭O(古楽器使用)
アレッサンドロ・デ・マルキ(指)

録音:2022年8月2-9日
世界初録音
古代ローマの政務官で独裁官となったシッラ(ルキウス・コルネリウス・スッラ)の物語。シッラが内戦によって政敵を 倒して恐怖政治を確立した後、突然の退位を発表するまでが、奔放な恋愛模様を絡めて描かれています。この 話は18世紀に人気があったようで、モーツァルトやヘンデルも「シッラ」を題材とした歌劇を書きました。グラウンの作 品ではプロイセン王フリードリヒ2世による台本が注目されます。カウンターテナーのベジュン・メータやヴァレル・サバ ドゥス、男声ソプラノのサミュエル・マリーニョ、ソプラノのロベルタ・インヴェルニッツィと豪華キャストを揃えるところは、さ すが名門音楽祭。アレッサンドロ・デ・マルキが指揮するインスブルック音楽祭Oも輝かしい演奏を聴かせ ます。 ※オリジナルはフランス語台本ですが、ここではGiovanni Pietro Tagliazucchiによるイタリア語台本に基づき、 イタリア語で上演されています。
555594(3CD)
NX-G11
アンリ・デマレ(1661-1741):歌劇「シルセ」 シルセ…ルシール・リシャルド(Ms)
ユリス…アーロン・シーハン(T)
アステリー…テレサ・ワキム(S)
エルフェノール…ジェシー・ブルムバーグ(Br)
アマンダ・フォーサイス(S)
ダグラス・ウィリアムズ(Bs-Br)
ミレイユ・ルベル(Ms)
ジェイムズ・リーズ(T) 他
ボストン古楽音楽祭O(古楽器使用)
ロバート・マーリー(指)
ポール・オデット&スティーヴン・スタッブス(音楽監督)

録音:2022年8月7-19日
アンリ・デマレはルイ14世時代のフランス楽壇で高く評価され、1687年にリュリが世を去るとその後継者の一人と目されました。「シルセ」は1694年の 作品。先輩リュリが打ち立てた抒情悲劇のスタイルでドラマティックかつ格調高く書かれており、色彩豊かなオーケストラも魅力です。当盤と同じく 2022年に録音されたセバスティアン・デラン指揮の盤が最近リリースされるなど、欧米でにわかに注目を集めている模様。 当盤は、ボストン古楽音楽祭とブレーメン放送とcpoの共同制作により、ブレーメンで2週間近くをかけて収録したもの。フランスの中堅メゾ・ソプラノ、 ルシール・リシャルドが題名役を熱唱し、アメリカのテノールでグラミー賞を受賞したアーロン・シーハンらと共演しています。本拠ボストンでは2023年6 月に上演が予定されています。
555596
NX-B02
ロベルト・カーン/ヴァンサン・ダンディ:クラリネット三重奏曲
ロベルト・カーン(1865-1951):クラリネット三重奏曲 ト短調 Op.45
ダンディ:クラリネット三重奏曲 変ロ長調 Op. 29
バワンディ・トリオ【マリオ・ヘーリング(P)、パトリック・ホルッヒ(Cl)、アレクサンドル・カストロ=バルビ(Vc)】

録音:2022年2月18-20日
ハンブルク州立歌劇場とハンブルク・フィルのクラリネット奏者Patrick Hollichを中心に結成されたトリオ 「Bawandi」のデビュー盤。とりあげたのはブラームスに高く評価されたロベルト・カーンと、セザール・フランクの後継 者と目されたヴァンサン・ダンディの2人のクラリネット三重奏曲。名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトに捧げ られ、彼によって演奏されたカーンの三重奏曲、師フランク譲りの循環形式を採り入れたダンディの三重奏曲、どち らも現在ではほとんど演奏される機会がありませんが、今回、若き奏者たちの新たな視点でこれらの作品がよみが えります。
555597
NX-B10
フランツ・クロンマー(1759-1831):2つのクラリネットの為の協奏曲 Op.35
コンチェルティーノ Op.38
パオロ・ベルトラミーニ(Cl)
コッラド・ジュフレディ(Cl)
ブルーノ・グロッシ(Fl)
マルコ・スキアヴォン(Ob)
ロベルト・コヴァルスキ(Vn)
スイス・イタリア語放送O
ハワード・グリフィス(指)

録音:2017年1月30日、2018年11月13-14日
モラヴィア出身、ウィーンで活躍したフランツ・クロンマー(チェコ名フランティシェック・クラマーシュ)は、100曲以上の 弦楽四重奏を含む300作以上の作品を遺しました。彼の作品の詳細な目録がチェコの音楽学者カレル・パドル タによって作成、発表されたのは1997年になってからでしたが、それ以前からクラリネットの為の作品は多くの 人々に愛されてきました。このアルバムに収録された「2つのクラリネットの為の協奏曲」は1803年の作品で、行 進曲風の第1楽章、メランコリックな第2楽章、ロンド形式の終楽章の3楽章で構成。全曲を通じてクラリネットの 妙技が存分に発揮されており、とりわけ第3楽章の軽やかな旋律が魅力的。当時の批評家たちにも絶賛されま した。またクロンマーは多くの管楽器の為のパルティータやセレナードを書いており、この「コンチェルティーノ」もその 流れにあるもので、各奏者の名人芸を際立たせることよりも、調和のとれたアンサンブルを楽しむように書かれてい ます。演奏は各々がソリストとして活躍する名手たち。

555600
NX-B02
エミーリエ・マイヤー(1812-1883):弦楽四重奏曲集 第1集
弦楽四重奏曲 ト長調
弦楽四重奏曲 イ長調
弦楽四重奏曲 ホ短調
コンスタンツェQ

録音:2021年5月25-27日
エミーリエ・マイヤーは北ドイツのメクレンブルクで生まれ、20代後半で作曲家を志しました。彼女は有名なバ ラード作曲家であるカール・レーヴェに師事し、オペラを含む幅広い分野で精力的な作曲活動を行い、当時 としては珍しい、成功を収めた女性作曲家の一人として称えられています。彼女の作品は古典主義の形式 に基づいた作品の中にロマンティックな旋律が組み込まれており、「女性版ベートーヴェン」とも評されたその恵 まれた才能がうかがえます。 cpoレーベルからはこれまでに交響曲4曲、ピアノ四重奏曲、三重奏曲のアルバムが発売され、どれも好評を 博していますが、新たなシリーズでは7曲の弦楽四重奏曲が全曲録音される予定です。第1集には、1858 年までに作曲された3曲を収録。これらの作品を演奏するのは、ザルツブルグモーツァルテウムで学んだ本吉 理路をメンバーとするコンスタンツェ四重奏団です。彼女たちはマイヤーの作品を繊細かつ情感豊かに表現し ています。
555605
NX-B10
テレマン:パスティッチョによるクリスマス・オラトリオ
見よ、私はあなた方に大いなる喜びを告げる TVWV1:1333
喜びを響かせよ、にぎやかなトランペットよ TVWV1:1410
その時、神の愛が示された TVWV1:166
エルサレムに幸いあれ TVWV1:1726
汝ら諸々の民よ、主に持ち来たれ TVWV 1:919
ライニッシェ・カントライのソリストたち
ヴェロニカ・ヴィンター(S)
アンネ・ビーアヴィルト(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
マティアス・フィーヴェーク (Bs)
ダス・クライネ・コンツェルト(古楽器使用)
ヘルマン・マックス(指)

録音:2020年12月20日-21日
バッハのクリスマス・オラトリオBWV248がカンタータ6曲の連作であるように、クリスマスにちなんだテレマンのカンター タ5作をつなぎ合わせることによって「クリスマス・オラトリオ」を構成するという試みです。発案者はライニッシェ・カント ライとダス・クライネ・コンツェルトの指揮者ヘルマン・マックス。ドイツ・バロック音楽の大ベテランならではの楽しいアル バムです。声楽陣は各パート1人、器楽は弦が3/3/2/1/1という室内楽に近い編成で、木管のあたたかな彩りと トランペットの華やいだ響きがクリスマス気分を盛り立てます。
CPO-555606(3CD)
NX-G11
ジークムント・フォン・ハウゼッガー(1872-1948):交響的作品全集

【DISC1】…SACDハイブリッド*
野生交響曲- 大オーケストラと合唱のために
【DISC2】#
アウフクレンゲ(子どもの歌による交響的変奏曲)
交響詩「ディオニュソス幻想曲」
交響詩「鍛冶屋ヴィーラント」
【DISC3】+
交響詩「バルバロッサ」
夜に寄せる3つの賛歌 - バリトンとオーケストラのために
ケルン西ドイツ放送cho*
ケルン西ドイツRSO*
アリ・ラシライネン(指)*
バンベルクSO#
ハンス・クリフトフ・ベーゲマン(Br)
ノールショピングSO+
アントニー・ヘルムス(指)#.+

録音:2005年11月28日、12月2日、2006年1月31日
2013年1月2-4日
2014年4月8-6日
2011年5月30日-6月2日
グラーツに生まれ指揮者として活躍したジークムント・フォン・ハウゼッガーの交響的作品全集。ワーグナーの流れを 汲む半音階的な和声を活かした後期ロマン派風の作品は、当時高く評価されるも、やがて時代の波に乗ること ができず忘れられてしまいました。しかしアリ・ラシライネンが2005-06年に録音した「野生(自然)交響曲」に注目 が集まり、その作品が少しずつ再評価されるようになりました。この3枚組に収録された作品の作曲時期はハウ ゼッガーのほぼ全活動期間にわたり、若々しい「ディオニュソス幻想曲」や最も成功を収めたという「バルバロッサ」 など多彩な作品を聴くことができます。ブルックナー好み、積極的に指揮したというハウゼッガーらしい、どれも規模 が大きくパワフルかつ重厚な響きを持つ作品です。
555610
NX-B02
フランツ・ベンダ(1709-1786):ソナタとカプリッチョ集
ソナタ ハ短調 L3.10-ヴァイオリンと通奏低音のための
カプリッチョ第2番ヘ短調
ソナタ第27番ト長調 L3.86- ヴァイオリンとバスのための
カプリッチョ第27番とメヌエット ニ短調(伝:カール・ヘクー作)
ソナタ第17番イ短調 L3.118-ヴァイオリンとチェロのための
カプリッチョ第35番とアングロワーズ 嬰ヘ短調(伝:カール・ヘクー作)
カプリッチョ第38番とポロネーズ ト長調(伝:カール・ヘクー作)
ソナタ 変ロ長調 L3.125-ヴァイオリンと通奏低音のための
ルードゥス・インストゥルメンタリス
エフゲニー・スヴィリドフ(バロック・ヴァイオリン)-作者不明(北イタリア)1730年頃製作のオリジナル
Stanislav Gres(Cemb)-ミートケ製作のモデルによるブルース・ケネディによるレプリカ
Alexander Scherf(バロック・チェロ)-アンドレア・ カスタニェーリ(パリ)1745年製作のオリジナル
Liza Solovey(テオルボ)-ヤコブ・ファン・デ・ゲースト 1973年製作

録音:2022年12月19-21日
フランツ・ベンダはバロックから古典派をつなぐ世代の作曲家。ヴァイオリンを得意とし、卓越した技巧を持ちながら、 それをひけらかすことはなく、自然な流れの中で人の心を打つ演奏が非常に高く評価されました。このディスクでは 古典派様式に近い均整の取れた低音パート付きソナタと、バロックの幻想曲に近い自由なスタイルの無伴奏のカ プリッチョを収録。ベンダが生きた時代を実感させます。 エフゲニー・スヴィリドフはブルージュの国際古楽コンクールの優勝者。ビー・ロックやイル・ポモ・ドーロといった躍進目 覚ましいオーケストラのコンサートマスターを務める逸材で、ここではヴァイオリンで囁き、語り、歌う、ベンダ音楽の神 髄を聴かせます。
555622(2CD)
NX-D11
ペルゴレージ:歌劇「奥様女中」/歌劇「リヴィエッタとトラコッロ」
【CD1】
歌劇「誇り高き囚人」-シンフォニア
歌劇「奥様女中」-インテルメッツォ 第1部
歌劇「誇り高き囚人」-シンフォニアより Allegro
歌劇「奥様女中」-インテルメッツォ 第2部
【CD2】
歌劇「イル・フラミーニオ」-序曲
歌劇「リヴィエッタとトラコッロ」-インテルメッツォ 第1部
歌劇「リヴィエッタとトラコッロ」-インテルメッツォ 第2部
レオナルド・レーオ(1694-1744):歌劇「Onore vince amore」 - Fa L’Alluorgio Cammenare
「奥様女中」
アマンダ・フォーサイス(S)
クリスティアン・イムラー(Bs-Br)

「リヴィエッタとトラコッロ」
カルロッタ・コロンボ(S)
ジェシー・ブルムバーグ(Br)
ボストン古楽音楽祭室内アンサンブル(古楽器使用)
ポール・オデット&スティーヴン・スタッブス(音楽監督)
ロバート・ミーリー(コンサートマスター)

録音:2023年1月17-25日
16世紀の終わり頃に成立したとされる「歌劇」。もともとはギリシャ悲劇の再来を目指した舞台芸術でしたが、17 世紀になると観客の要求に応え、偉大な英雄劇のはざまにコミカルな要素が組み込まれるようになりました。いつ しか英雄劇はオペラ・セリアとして発展、コミカルな劇は「インテルメッツォ(幕間劇)」として歌劇のストーリーとは別に 演じられ、これらはオペラ・ブッファとして親しまれるようになります。 このアルバムではペルゴレージの代表的なインテルメッツォ2作を、バロックの舞台作品で定評あるポール・オデット &スティーヴン・スタッブスが音楽監督を務めるボストン古楽祭室内アンサンブルの演奏で紹介。演目は「奥様女 中」と「リヴィエッタとトラコッロ」ですが、オデットとスタッブスはここに他のペルゴレージとレーオの作品を組み合わせるこ とで、テンポよい展開を持たせています。2014年に初演、17年に再演されたプロダクションを2023年1月にブレー メンで上演した際にセッションを含めて収録したのが当CD。練り上げられた音楽の流れに乗ってアマンダ・フォーサイ スやクリスティアン・イムラーといったバロック作品を得意とする歌手たちが生彩あふれる歌唱を聴かせます。
555635(3CD)
NX-D03
リスト:『巡礼の年』全曲 他
巡礼の年 第1年 スイス S160/R10
ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
巡礼の年 第2年 イタリア S161/R10b
子守歌 S198/R58
ハンガリーの歴史的肖像 S205/R112- 第7曲 ミハーイ・モショニ
リヒャルト・ワーグナーの墓に S202/R85
悲しみのゴンドラ S200/ R81(第2稿)
葬送前奏曲と葬送行進曲 S206/R83-84
巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162/R10
巡礼の年 第3年 S163/R10
ミヒャエル・コルスティック(P)

録音:2008年8月4-5日、1997年7月30日、2009年8月、2010年7月25、26日
コルスティックは1997年から2008年にかけてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲をOEHMSレーベルに録音しており、それに続けて録音された「巡礼の年」で は、一段と進化・深化した解釈作品によって深い抒情や精神性の表出に成功しています。併録の「ピアノ・ソナタ ロ短調」のドラマティックな演奏や、リスト晩 年の瞑想的な作品も忘れがたい演奏です。
555660
NX-B02
グラジナ・バツェヴィチ:交響的作品全集 第2集
序曲(1943)
交響曲第2番(1951)
管弦楽のための変奏曲(1957)
3楽章の交響的音楽(1965)
ケルンWDRSO
ウカシュ・ボロヴィチ(指)

録音:2023年3月27-30日
cpoレーベルの好評シリーズ、グラジナ・バツェヴィチの交響的作品全集。第2集は新古典派の様式で書かれたダ イナミックな「序曲」で始まり、ヴィトルド・ロヴィツキによって1951年のポーランド音楽祭で初演された、伝統的な4 楽章形式の「交響曲第2番」が続きます。そして色彩豊かな音色を駆使した「管弦楽のための変奏曲」が続き、 最後に置かれた「3楽章の交響的音楽」は、短く攻撃的な第1楽章、曲の中心をなす大規模な密度の濃い第2 楽章、初期のバチェヴィチ作品を思わせるリズミカルな舞曲である第3楽章と、彼女の作風を総括したかのような 充実した音楽で構成されています。第1集と同じく、ウカシュ・ボロヴィチが指揮するケルンWDRSOによるメ リハリの利いた完成度の高い演奏で。

5777632B02
モリーク:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第7番変ロ長調Op.42
弦楽四重奏曲弟8番イ長調Op.44
マンハイムSQ〈アンドレアス・クレヒャー(第1ヴァイオリン)/キム・シンキュン(第2ヴァイオリン)/ニクラス・シュヴァルツ(Va)/アルミン・フロム(Vc)〉

録音:2009年1月20-22日シュトゥットガルトSWR室内楽スタジオ
ファゴットとヴァイオリンを奏する父の下に生まれ、幼い頃から音楽に親しんだというモリーク(モーリック1802-1869)。 6歳でヴァイオリンの公開演奏を行い、高名なヴァイオリニスト、シュポーアからも教えを受けるなど、その才能を着々と伸 ばしていきました。成人してからはアン・デア・ウィーン劇場、ミュンヘン宮廷楽団を経て、23歳の若さでシュトゥットガ ルト宮廷楽長兼コンサートマスターに任命されます。作曲は独学でマスターしたにもかかわらず、その作品の完成度は高く、 ここに収録された2曲の弦楽四重奏曲も、古典派の伝統的な作風に加え、メンデルスゾーン風の洗練された雰囲気を持つ極 めて美しい作品です。これらの作品は彼がイギリスに滞在していた頃に書かれたもので、ヴィクトリア女王を含むイギリスの 聴衆たちを熱狂させたことでも知られています。


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