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殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Glyndebourne
(イギリス)



グラインドボーン歌劇場の自主制作CD。グラインドボーン歌劇場は、1934年にこけら落としを行ったイギリスの歌劇場。この劇場では、アーカイヴに保存するため、公演を高い技術クオリティで録音してきました。この自主制作レーベルでは、1960年代から現在に至るまでの貴重な録音が、ハイ・クオリティの音質とジャケットで蘇ります。



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品番 内容 演奏者
GFOCD-001(3CD)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 ミレッラ・フレーニ(Sスザンナ)、
エディト・マティス(Msケルビーノ)、
ガブリエレ・バキエ(Br伯爵)、
レイラ・ゲンジェル(S伯爵夫人)、
ユグ・キュエノ(Tドン・バジーリオ)、
ハインツ・ブランケンブルク(Brフィガロ)、
カルロ・カーヴァ(Bsバルトロ)、
ヨハンナ・ペータース(Msマルチェッリーナ)他
シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ(指)
RPO,グラインドボーンcho

録音:1962年
グラインドボーン歌劇場の自主制作CDが登場!グラインドボーン歌劇場は、1934年にこけら落としを行ったイギリスの歌劇場。この劇場では、アーカイヴに保存するため、公演を高い技術クオリティで録音してきました。この自主制作レーベルでは、1960年代から現在に至るまでの貴重な録音が、ハイ・クオリティの音質とジャケットでリリースされます。
グラインドボーン音楽祭は、水準の高いモーツァルトのオペラ上演で定評があります。この1962年の公演では、当時27歳のミレッラ・フレーニ(彼女は前年に「愛の妙薬」でグラインドボーンにデビューし大評判となったばかりでした)と、この翌年に初来日してやはりケルビーノを歌ってセンセーションを巻き起こした24歳のエディト・マティスと、若く才能のある歌手を積極的に起用しているのが流石。さらにバキエ、ゲンジェル、キュエノら実力のある歌手と、名匠ヴァルヴィーゾの指揮によって、非常に充実した「フィガロの結婚」になっています。なお、レーベルからの情報では伯爵夫人役がLevalGencerになっていますが、LeylaGencerの誤りと思われます。  (Ki)
GFOCD-002(2CD)
プロコフィエフ:歌劇「修道院での結婚」 ヴィアチェスラフ・ヴォイナロフスキ(Tドン・ジェローメ)、
アンドレイ・ブレウス(Brフェルディナンド)、
リューボフ・ペトローヴァ(Sルイーザ)、
アレキサンドラ・デュルセネーヴァ(Ms家庭教師)、
ヴェヴォロド・グリブノフ(Tドン・アントニオ)、
ニーノ・スルグラーゼ(Msクララ)、
セルゲイ・アレクサーシン(Bsメンドーサ)、
アラン・オピー(Brドン・カルロス)、
ジョナサン・ヴェイラ(Br修道院長)他、
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO、
グラインドボーンcho

録音:2006年
2006年にグラインドボーン音楽祭で上演され好評を博したプロコフィエフの「修道院での婚約」がCDで登場。舞台はセヴィリア。貴族ドン・ジェローメの娘ルイーザには愛する人がいるが、父は成り金商人と結婚させようとするので、彼女は一芝居打って修道院で結婚を果たす、というような喜劇。2001年にグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任し、この上演の翌年からロンドン・フィルの首席指揮者に就任したユロフスキの生き生きした音楽が、愉快な喜劇を楽しく盛り立てています。 (Ki)
GFOCD-003(3CD)
ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」 ドゥニーズ・デュヴァル(Sメリザンド)、
ハンス・ウィルブリンク(Brペレアス)
、ミシェル・ルー(Brゴロー)、
ヒュース・フークマン(Bsアルケル)、
アンナ・レイノルズ(Msジュヌヴィエーヴ)ほか
ヴィットーリオ・グイ(指)RPO,グラインドボーンcho

録音:1963年夏,グラインドボーン音楽祭でのライヴ録音
たいへん貴重な録音が発掘されました。1963年のグラインドボーン音楽祭で上演された「ペレアスとメリザンド」、これまでLP、CD時代を通して海賊盤でもまったく出回ったことのない録音です。これは、1951年から1963年までこの音楽祭の音楽監督だった巨匠ヴィットーリオ・グイの、音楽監督として最後の年の公演でした。メリザンド役は、プーランクから絶大な信頼を寄せられ、「人の声」や「テレジアスの乳房」など多くの作品を初演したフランスのソプラノ、ドゥニーズ・デュヴァル。ペレアス役のハンス・ウィルブリンクは、サヴァリッシュ時代のミュンヘンで活躍したオランダのバリトン。そして、ゴロー役には、1950年代のフランスのトップ・バリトン、ミシェル・ルーという豪華な配役です。   (Ki)
GFOCD-004(2CD)
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」 アニア・カンペ(Sレオノーレ)、
トルステン・ケルル(Tフローレスタン)、
ピーター・コールマン=ライト(Brドン・ピツァロ)、
ヘンリー・ワディントン(Brドン・フェルナンド)、
ブラインドリー・シェラット(Bsロッコ)、
リサ・マイルン(Sマルツェリーネ)、
アンドルー・ケネディ(Tヤキーノ)、
マーク・エルダー(指)LPO,
グラインドボーンcho

録音:2006年8月,グラインドボーン音楽祭でのライヴ録音
グラインドボーン音楽祭のシリーズ、新刊です!2006年8月に上演された「フィデリオ」は、近年のグラインドボーン音楽祭でも特に好評だったもので、英国の新聞各紙の演奏評は絶賛一色。中でもアニア・カンペのレオノーレは、細身の美声ながらドラマティックな表現力もあって絶品。またテノール殺しのフローレスタンは、新時代のヘルデンテノールとして大活躍のトルステン・ケルル。さらに実力派歌手で周りをしっかり固め、指揮は英国オペラ界の大御所マーク・エルダーという鉄壁の布陣。ライヴの盛り上がりもあって、オペラの醍醐味を味わえる「フィデリオ」です。舞台のカラー写真を多数載せた144ページの豪華ハードカバーブック仕様にCDが収容されています。   (Ki)
GFOCD-005(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」 ルイージ・アルヴァ(Tネモリーノ)
ミレッラ・フレーニ(Sアディーナ)
セスト・ブルスカンティーニ(Brドゥルカマーラ)
エンツォ・ソルデッロ(Brベルコーレ)
エミリー・メール(Sジャンネッタ)
カルロ・フェリーチェ・チラーリオ(指)RPO
グラインドボーンcho

録音:1962年
伝説的なグラインドボーンの上演が初CD化です!1961年、フランコ・ゼッフィレッリ演出で新製作された「愛の妙薬」は大評判を呼び、翌1962年に再演、これはその録音です。この時の「愛の妙薬」は、なんといってもまだ20代だったフレーニの名を一躍知らしめたものとして有名で、ここでの成功を足がかりにフレーニは世界へと羽ばたくことになります。後の大プリマドンナとは違った初々しく瑞々しい声は実に魅力的。ペルー出身の名テノール、アルヴァもこの頃が全盛期。さらにブルスカンティーニ最大の当たり役ドゥルカマーラと、極めて充実したキャストです。これまで海賊盤でも出回ったことのない貴重な録音が、蔵出し音源で初登場です。 (Ki)
GFOCD-006(2CD)
モーツァルト:歌劇「イドメネオ」 リチャード・ルイス(T イドメネオ)
ルチアーノ・パヴァロッティ(T イダマンテ)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S イリア)
エンリケタ・タレス(S エレットラ)
ニールソン・テイラー(Br アルバーチェ)ほか
ジョン・プリッチャード(指)LPO、グライドボーンcho

録音:1964 年
伝説の名演がCD 化です!「イドメネオ」の再評価にはグラインドボーン音楽祭が大きな働きをしています。1951 年にフリッツ・ブッシュ指揮、カール・ エーベルト演出で事実上の英国初演がなされ、1952、1956、1959、1964 年と再演されるほど大評判となりました。またこれを基にした1956 年 のEMI 録音も長らく「イドメネオ」の代表的録音でした。そして最後の再演となった1964 年の上演は、今や伝説と言っても過言ではないほど。当時 28 歳、デビューしてまだ3 年のパヴァロッティがイダマンテを、27 歳目前のヤノヴィッツがイリアという、若き日の大歌手二人が出演、大絶賛された のです。タイトルロールのルイスは、1951 年からイドメネオを担当し、1974 年には映像収録まで残したイドメネオのスペシャリスト。プリッチャード は、日本でこそ有名ではないものの、英国を代表するモーツァルト指揮者として讃えられた人。非常に優れたメンバーが揃っているのは、さすがグライ ンドボーン音楽祭です。もちろん蔵出し音源。なお、同じメンバーで海賊盤として出回っているものの大半は、舞台上演終了後、同年8 月にロンドンで 演奏会上演された時のライヴ録音で、今回登場するグラインドボーンでの舞台上演のライヴ録音はかなり珍しい音源です。 (Ki)
GFOCD-007(3CD)
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」 アナ・マリア・マルティネス(Sルサルカ)
ブランドン・ジョヴァノヴィチ(T王子)
ナターシャ・ジュール(S第1の森の妖精)
バルバラ・セナトー(Ms第2の森の妖精)
エロディ・メシェン(A第3の妖精)
ミーシャ・シェロミャンスキ(Bs水の精)
ラリサ・ディアドコヴァ(Ms魔法使い)
タチアーナ・パヴロフスカヤ(S外国の王女)
ほか
イルジー・ビエロフラーヴェク(指)LPO
グラインドボーン音楽祭cho

録音:2009年8月,グラインドボーン(ライヴ)
好評のグラインドボーン音楽祭レーベル、今回は昨年2009年に新製作され大好評だったドヴォルザークの名作「ルサルカ」が登場。タイトルロールにはこれがグラインドボーン音楽祭デビューだったプエルトリコ出身のソプラノ、マルティネス。暗くしっとりとした彼女の美声がルサルカにピタリで大絶賛されました。王子には今人気急上昇の米国のテノール、ジョヴァノヴィチ。今年メトロポリタン歌劇場に「カルメン」のジョゼで初出演するなど、次世代のテノールとして大きな期待が寄せられている人です。そして指揮はBBC交響楽団の首席指揮者、ビエロフラーヴェク。さすがチェコの名指揮者、ドヴォルザークの魅力をたっぷり引き出しています。この上演は演出(メリー・スティル)も優れていたため、舞台も観客も大いに盛り上がったそうで、劇場を覆う熱気までもが感じられるライヴ録音です。 (Ki)
GFOCD-008(3CD)
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」 アンソニー・ディーン・グリフィー(Tピーター・グライムズ)
ヴィヴィアン・ティアニー(Sエレン・オーフォード)
スーザン・ゴートン(Msおばさん)
カミラ・ティリング(S第一の姪)
リンダ・チュヴァス(S第二の姪)
ジョン・グレアム=ホール(Tボブ・ボウルズ)
スタッフォード・ディーン(Bsスワロー)
ほか
マーク・ウィグルスワース(指)LPO
グラインドボーンcho

録音:2000年
グラインドボーン音楽祭は、20世紀の英国を代表する作曲家ベンジャミン・ブリテンのオペラのうち、「ルクレシアの陵辱」(1946年)と「アルバート・ヘリング」(1948年)が初演された場所です。しかし1948年にブリテンがオールドバラ音楽祭を催すようになってから、ブリテンが亡くなるまでは、彼のオペラの上演が途絶えていました。1980年代からグラインドボーン音楽祭はブリテンのオペラを積極的に取り上げるようになり、今日に至っています。ブリテンの代表作の一つ「ピーター・グライムズ」は、1992年、1994年、2000年と取り上げられ、このCDには2000年の上演がライヴ収録されています。タイトルロールのアンソニー・ディーン・グリフィーは、1970年、米国、ノースカロライナ州のハイポイント生まれのテノール。ピーター・グライムズはグリフィーの当たり役で、2008年にはメトロポリタン歌劇場でも歌い、これは映像収録されほど。ヴィヴィアン・ティアニーは英国のベテランのソプラノ。20世紀オペラを得意にしています。また第一の姪が、今ではすっかり人気ソプラになったカミラ・ティリングだったり、スワローには当時63歳の英国を代表する性格バス、スタッフォード・ディーンが配されていたりと、さすがグラインドボーン音楽祭。マーク・ウィグルスワースは、1964年生まれの英国の指揮者。 (Ki)
GFOCD-009(2CD)
ベッリーニ:歌劇「清教徒」 ジョーン・サザランド(Sエルヴィーラ)
ニコラ・フィラクリディ(Tアルトゥーロ)
エルネスト・ブラン(Brリッカルド)
ジュゼッペ・モデスティ(Bsジョルジョ)
モニカ・シンクレア(Msエンリケッタ)
デイヴィッド・ウォード(Bsグワルティエーロ)
ジョン・ケンティッシュ(Tブルーノ)
ヴォットーリオ・グイ(指)ロイヤルPO
グラインドボーンcho

録音:1960年6月5日,グラインドボーン
2010年10月10日、オーストラリア出身の大プリマドンナ、ジョーン・サザランドが83歳で亡くなりました。このGlyndebourneレーベルから発売される「清教徒」は、奇しくも追悼盤となってしまいました。サザーランドは1959年にコヴェントガーデン王立歌劇場で歌った「ルチア」が大成功を収め、折りしも復活機運の高まっていたドニゼッティ、ベッリーニのオペラ上演の最前線へと躍り出ました。この「ルチア」の翌年にグラインドボーン音楽祭に出演、ベッリーニの「清教徒」を歌いました。英国で「清教徒」が上演されたのは1887年以来実に73年ぶりのこと、またサザランドにとってもエルヴィーラを歌うのはこれが初めて。しかし彼女の軽々と転がるコロラトゥーラ、高い音までムラなく輝かしく響く美声、初々しくひたむきな演技で、公演は大成功に終わりました。この録音で聞けるサザランドは、後に大プリマドンナになったサザランドよりもずっと若々しく素直な歌で、これもまた魅力的です。このグラインドボーンのプロダクションは、歌手もそのままに9月にそのままエジンバラ音楽祭でも上演、サザランドの名声はさらに高まり、1964年にはついに王立歌劇場でも「清教徒」がサザランドのエルヴィーラで上演されました。こうして「清教徒」は、「ルチア」と並んで、1960年代のサザランドを代表するオペラになりました。リッカルドをフランスの偉大なバリトン、エルネスト・ブランが歌って大きな存在感を示しています。アルトゥーロのニコラ・フィラクリディはエジプト生まれのイタリア人テノール。録音が極めて少なく、日本ではほとんど無名ですが、美声かつ情熱的な歌い口のテノール。高い音はあらかた省いているとはいえ、十分素敵なアルトゥーロです。また名脇役として知られたイタリアのバス、ジュゼッペ・モデスティや、広大なレパートリーを誇った英国の名コントラルト、モニカ・シンクレアなど、脇に至るまで優れたキャストが配されています。そしてグラインドボーン音楽祭の中興の祖である音楽監督ヴィットーリオ・グイが、ベッリーニのツボを心得た素晴らしくイタリアンな音楽を引き出しています。初期のサザランドでも特に重要な公演のこのライヴ録音は、海賊盤でも出回った形跡がありません(エジンバラ公演の抜粋が海賊CDになったのみ)。20世紀の偉大な名歌手を偲ぶ貴重な録音をお楽しみください!キオ
GFOCD-010(3CD)
R.シュトラウス:「バラの騎士」 モンセラート・カバリエ(S元帥夫人)
テレサ・ツィリス=ガラ(Msオクタヴィアン)
エディト・マティス(Sゾフィー)
オットー・エーデルマン(Bsオックス男爵)
ジョン・モデノス(Brファーニナル)
アンジェラ・ジェンキンス(Sマリアンネ)
デイヴィッド・ヒューズ(Tヴァルツァッキ)
アンナ・レイノルズ(Msアンニーナ)
ジョン・アンドルー(T歌手)ほか
ジョン・プリッチャード(指)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、グラインドボーン合唱団
録音:1965年5月30日、グラインドボーン
グラインドボーン歌劇場の歴史的録音のシリーズ、新刊は1965年の「バラの騎士」です。驚くべきことに、元帥夫人は大プリマドンナ、カバリエ!実はこれは意外でも何でもなく、カバリエは若い頃、スイスのバーゼル、さらにブレーメンの歌劇場に所属していて、バーゼル時代にはサロメも歌っています。この前月に伝説的なドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」の復活上演を成功に導き、一気にイタリアオペラのプリマドンナとして注目を浴びますが、この頃はまだドイツオペラを頻繁に歌っていました。32歳のカバリエは、歴代の元帥夫人で声の美しさでは一二を争うほど。他のキャストがまた凄い。ゾフィーには、27歳のマティス。ベルリン・ドイツオペラ来日公演のケルビーノが話題となった2年後のことです。オクタヴィアンは、ポーランドの美声メッゾ、ツィリス=ガラ。彼女も30歳という若さ。3役を50歳前後のベテラン歌手が占めることも少なくない「バラの騎士」で、この若い歌手による上演はとても魅力的。その上で、オックス男爵を「極めつけ」のエーデルマンが実に達者に演じ歌っています。英国が誇る名オペラ指揮者、プリッチャードの指揮も見事にツボを突いたもの。音の状態も比較的良好。かつて抜粋が一度海賊LPになったことがあるだけで、全曲はこれが初出。素晴らしい上演を蔵出し音源でお楽しみください!
GFOCD-011(2CD)
ブリテン:歌劇「ねじの回転」 ウィリアム・バードン(Tプロローグ,ピーター・クイント)
カミラ・ティリング(S家庭教師)
ジョアンナ・ソンジ(Sフローラ)
クリストファー・スラッディン(BoySマイルズ)
アン=マリー・オーウェンズ(Msグローズ夫人)
エンマ・ベル(Sジェッセル嬢)
エドワード・ガーディナー(指)LPO

録音:2007年8月、グラインドボーン
グラインドボーン歌劇場で2007年に上演されたブリテンの「ねじの回転」のライヴ録音。ブリテンは室内オペラを好んで取り上げましたが、中でも傑作が「ねじの回転」。ヘンリー・ジェイムズの同名の原作そのものが、人間の心理の内面を掘り下げた傑作と知られており、ブリテンはそこから素晴らしいオペラを生み出しています。この上演では、主人公である家庭教師に、今や大人気のスウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングを起用。鍵となるピーター・クイントには、米国出身で広いレパートリーで活躍するウィリアム・バードン。またジェッセル嬢に、バロック音楽で活躍するエンマ・ベル。実は彼女はシュトラウス以降の近代音楽も得意にしています。エドワード・ガーディナーは、1974年、英国のグロスター生まれの指揮者。2004年から2007年まで、グラインドボーン歌劇場のツアーの音楽監督、2007年からイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督を務め、さらに2011年9月からはバーミンガム市交響楽団の首席客演指揮者に就任予定。今注目されている若手です。 (Ki)
GFOCD-012(2CD)
ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」 ジェレイント・エヴァンズ(Brファルスタッフ)
イルヴァ・リガブエ(Sアリーチェ)
アンナ・マリア・ロータ(Msメグ)
オラリア・ドミンゲス(Msクイックリー夫人)
セスト・ブルスカンティーニ(Brフォード)
マリエッラ・アダーニ(Sナンネッタ)
フアン・オンシナ(Tフェントン)
ユグ・キュエノ(T医師カイウス)
マリオ・カルリン(Tバルドルフォ)
マルコ・ステファノーニ(Bsピストーラ)
ヴィットーリオ・グイ(指)ロイヤルPO

録音:1960年6月
ヴェルディの「ファルスタッフ」はグラインドボーン音楽祭で人気のある演目で、これまで10シーズン上演されています。シェイクスピアを原作としその精神を尊重していてるこの作品は、英国人には格別の愛着があるもののようです。ことに1955年から始まったカール・エーベルト演出のプロダクションは非常に好評で、1957、1958、1960年と再演を重ねました。このCDには最終年の1960年の録音が収録されています。1957年の録音が海賊盤で出回ったことがありますが、この1960年の録音はこれが初出。ウェールズ出身の名バリトン、ジェレイント・エヴァンズは、喜劇役からシリアスな役まで広いレパートリーを誇った歌手でしたが、ことにファルスタッフはエヴァンズの当たり役として知られています。いたって真面目に歌っているのにどこか可笑しくて笑えてくる、実に絶妙な役作り。エヴァンズは後にショルティの指揮で録音していますが、このグラインドボーンでのライヴ録音の方がずっと本領を発揮しています。フォードはこれまた演技達者なセスト・ブルスカンティーニ。イルヴァ・リガブエは極めつけのアリーチェとして一時代を築いたソプラノ。ダウンズ指揮のハイライト、ショルティとバーンスタインの全曲と、3度もアリーチェを録音しているほどです。さらにクイックリー夫人にオラリア・ドミンゲス、フェントンにフアン・オンシナ、カイウスにユグ・キュエノと、実力のある名歌手が並んでいます。特筆すべきはグラインドボーン音楽祭中興の祖、ヴィットーリオ・グイの指揮。中劇場の利を生かし、キビキビとした音楽の中に細部まで丁寧に表現を掘り込んだ、見事なもの。「ファルスタッフ」を好きな人ほど唸らされる音楽でしょう。(Ki)
GFOCD-013(2CD)
ブリテン:歌劇「真夏の夜の夢」 ベジュン・メータ(CTオーベロン)
イリデ・マルティネス(Sタイタニア)
ジャック・モーレン(パック)
ティモシー・ロビンソン(Tライサンダー)
ジャレッド・ホルト(Brディミトリアス)
トーヴェ・ダールベリ(Msハーミア)
ケイト・ロイヤル(Sヘレナ)
イアン・パターソン(Bs-Brシシアス)
ルイーズ・プール(Msヒッポリタ)
ヘンリー・ウォディントン(Bsクィンス)
ジェフリー・モウジズ(Bsスナッグ)
サイモン・カークブライド(Brスターヴリング)
マイケル・スモールウッド(Tフルート)
アラスデア・エリオット(Tスナウト)
マシュー・ローズ(Bsボトム)
イラン・ヴォルコフ(指)LPO
トリニティ少年cho

録音:2006年7、8月、グラインドボーン
グラインドボーン音楽祭エディション、新刊は2006年上演のブリテン「夏の夜の夢」です。この「夏の夜の夢」は1981年に英国の大御所演出家ピーター・ホールによって制作されたもの。原作であるシェイクスピアの「夏の夜の夢」は、ホールが最も得意とした演目で、舞台も映画も極めて高評価。このグラインドボーンでのプロダクションも大評判となり、1984、1989、2001、2006年と再演を重ねてきました。その出来栄えの良さは、CDで音だけ聞いてもよく伝わってきます。観客の良い反応が舞台に反映され、劇場が一体となったこのCDに収録された2006年の上演では、ベジュン・メータの素晴らしいオーベロンを筆頭に、グラインドボーンらしいいいキャストが組まれています。タイタニアのイリデ・マルティネスはコスタリカ出身。ドイツを中心にコロラトゥーラ・ソプラノとして活躍しており、ライサンダーのティモシー・ロビンソンは、コヴェントガーデン王立歌劇場で活躍する英国のテノール。ヘンデル、モーツァルトの他、ブリテンのオペラのテノール役を得意としています。ヘレナは、この翌年に大ブレイクすることになるケイト・ロイヤル。アテネの職人たちも皆実力派。また物語の上で重要度の高いパックを演じた子役、ジャック・モーレンも公演評で絶賛されました。イラン・ヴォルコフは、1976年、イスラエルのテルアヴィヴの生まれ。2003年、26歳にしてBBCスコットランド交響楽団の首席指揮者に就任、2009年の退任後も首席客演指揮者を務めています。現在はアイスランド交響楽団の音楽監督、首席指揮者。今後ますますの活躍が期待されている俊英です。 (Ki)

GFOCD-014(3CD)
ヘンデル:歌劇「テオドーラ」 ドーン・アプショウ(Sテオドラ)
フロード・オルセン(Bsヴァレンス)
デイヴィッド・ダニエルズ(CTディディムス)
リチャード・クロフト(Tセプティミウス)
ロレイン・ハント(Msアイリーン)
マイケル・ハート・デイヴィス(T使者)
ウィリアム・クリスティ(指)
エイジ・オブ・エンライトメントO
グラインドボーン音楽祭cho

録音:1996年5月14、19日、6月1、9、12、15日、グラインドボーン
ラインドボーン音楽祭のシリーズ、新刊はヘンデルの「テオドーラ」です。グラインドボーン音楽祭はたびたびバロックオペラを取り上げている実績があり、ことに近年は大御所ウィリアム・クリスティがエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団を率いての上演がたいへんに好評を博しています。この1996年の「テオドーラ」はその先鞭をつけたものでした。この作品は英語のオラトリオですが、音楽はいたってオペラな作品で、舞台上演も度々行われています。このグラインドボーンの上演では、米国のソプラノ、ドーン・アプショウの透明で切々と歌い上げる美声と、英国のトップ・カウンター・テノール、デイヴィッド・ダニエルズの柔らかな優しい歌が見事に合致して、絶大な効果を挙げています。またミンコフスキとの多くの共演で知られる米国のテノール、リチャード・クロフトや、2006年に癌のため53歳で亡くなったロレイン・ハントが準主役で加わるという贅沢さ(ハントはかつてharmoniamundiUSAの録音ではテオドーラを歌っていました)。それまで道徳的なばかりで劇的効果に乏しい作品と思われていた「テオドーラ」が傑作であることを一気に世に知らしめることになりました。この年の上演はビデオ収録されDVDにもなっていますが、ピーター・セラーズの演出が良くも悪くも刺激的でしたので、落ち着いて音楽を聞くには音楽だけの方が楽しめることでしょう。 (Ki)
GFOCD-015(2CD)
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」 アリス・クート(Ms ヘンゼル)
リディア・トイシャー(S グレーテル)
イルムガルト・フィルスマイアー(S ゲルトルート)
ウィリアム・デイズリー(Br ペーター)
ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケ(T 魔女)
タラ・エロート(S 眠りの精)
イダ・ファルク・ヴィンラント(S 露の精)
ロビン・ティチアーティ(指)LPO
グラインドボーンCho

録音:2010 年7-8月
近年のグラインドボーン音楽祭の上演の中でも最も成功したプロダクションの一つが、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」。2008年の初演が 好評だったことから2010年に再演され、そのライヴ録音が登場です。2010年の指揮者はロビン・ティチアーティ。1983年4月16日生まれですから、 この時まだ27歳。彼は2014年からグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任することが決定したのですが、その時でもまだ30歳。実はティチアーティ はプロとしてのデビューが2004年のグラインドボーン音楽祭ツアー公演での「魔笛」。以来ツアー公演、本公演でグラインドボーン音楽祭に関わり、つ いに音楽監督に抜擢されたのです。ティチアーティはまた2011年12月にやはり「ヘンゼルとグレーテル」でMETにもデビューしています。ティチアーティ は日本では2008年4月にザルツブルク音楽祭制作「フィガロの結婚」公演で指揮したことがあるだけで、CDもまだ数枚しかありません。この「ヘンゼ ルとグレーテル」が初のオペラCD。若く優秀な指揮者に注目する人なら、絶対に逃せません。 ヘンゼルは、英国で大人気のメッゾソプラノ、アリス・クート。男装役を得意としており、2011年秋のバイエルン国立歌劇場来日公演におけるR.シュト ラウス「ナクソス島のアリアドネ」での印象的な作曲家役がまだ記憶に新しいところです。グレーテルはドイツのソプラノ、リディア・トイシャー。バロッ ク声楽作品、ことに宗教曲を得意とするトイシャーの細めの可愛らしい声は娘役にぴったり。父ペーターは、英国の実力派バリトン、ウィリアム・デイズリー。 ゲルトルートのイルムガルト・フィルスマイアーと魔女のヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケは2008年からの引継ぎです。 (Ki)
GFOCD-016(3CD)
ビゼー:歌劇「カルメン」 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms カルメン)
マーカス・ハドック(T ドン・ホセ)
リザ・マイルン(S ミカエラ)
ロラン・ナウリ(Br エスカミーリョ)
メアリー・ヘガーティ(S フラスキータ)
ハンス・フォシェツァング(Br モラレス)
ジョナサン・ベスト(Bs-Br スニガ)
クリスティン・ライス(Ms メルセデス)
クウェンティン・ヘイズ(Br ダンカイロ)
コリン・ジャドソン(T レメンダード)
フランク・ロペス(Br 案内人)
フィリップ・ジョルダン(指)LPO
グラインドボーンCho

録音:2002年7、8月
GLYDEBOURNEレーベルの新刊は、2002年にたいへんな話題となったビゼー「カルメン」です!この年に新制作された「カルメン」は、なんといっ てもスウェーデンの名メッゾソプラノ、フォン・オッターが満を持してカルメンを舞台で歌ったことで評判となりました。透明感のあるフォン・オッターの美 声でカルメンが歌われると、悪女とはまったく異なった、強烈に引き込まれる魅力を持った美女カルメンになり、新鮮な印象を与えました。上演そのもの が、彼女を中心に、グラインドボーン音楽祭の特性を生かして大劇場的な「カルメン」を退け、ビゼーが本来意図した小ぶりなオペラに仕立てたものでした。 レシ(レチタティーヴォ)を採用せず、オリジナル通り曲間を台詞で繋ぐオペラ・コミークの様式に従っていることも、フォン・オッターのカルメンを生か しています。気弱な青年風のマーカス・ハドックのホセ、美声が映えるリザ・マイルンのミカエラ、そして歌、演技ともに抜群のロラン・ナウリのエスカミー リョと、カルメン以外のキャストも揃っています。フィリップ・ジョルダンの密度の濃い音楽も充実したもの。 既に映像が発売されている上演ですが、音楽だけをじっくり楽しみたいならCDの方がよいでしょう。なお映像の収録日は2002年8月17日ですが、こ のCDのデータは2002年7−8月と幅があります。 舞台のカラー写真を多数載せた130ページ超のハードカバーブック仕様。 (Ki)
GFOCD-020(2CD)
エトヴェシュ:歌劇「愛その他の悪霊について」 アリソン・ベル(S シエルヴァ・マリア
ネイサン・ガン(Br カイエターノ・デラウラ神父
マッツ・アルムグレン(Bs ドン・トルビオ
ホセファ・ミランダ(Ms フェリシティ・パーマー
ジーン・リグビー(Ms マルティナ・ラボルデ
マリエッタ・シンプソン(Ms ドミンガ・デ・アドヴィエント
ロバート・ブルベイカー(T ドン・イグナシオ
ジョン・グレアム=ホール(T アブレヌンシオ
ウラディーミル・ユロフスキ(指)LPO
グランドボーンCho

録音:2008 年 8月、グラインドボーン
ペーテル・エトヴェシュのオペラ「愛その他の悪霊」は、2008年8月10日、グラインドボーン音楽祭で初演され、大きな話題を巻き起こしました。原作は、 コロンビアの人気作家でノーベル文学賞受賞者、ガブリエル・ガルシア=マルケス(1928−)の1994年の作「愛その他の悪霊について」。原作の訳 本も出ていますし、映画化もされたので話の内容をご存知の方も多いでしょう。18世紀、スペインによる植民地支配されているコロンビアが舞台。シエ ルヴァ・マリアという美しい娘がある時市場で犬に噛まれてしまう。彼女の父の侯爵ドン・イグナシオは、娘は悪魔に取り憑かれたと思い修道院へ入れて しまう。彼女の救済に送られたデラウラ神父は、シエルヴァを愛するようになってしまう。デラウラ神父は修道院長のホセファに退けられ、修道女たちが シエルヴァの悪魔祓いを始める。やがてシエルヴァは鳩の声を聞いたと歌い息絶える。狂気と愛と幻想が植民地の異国情緒豊かな世界で巻き起こります。 シエルヴァのアリソン・ベルは、タスマニア島生まれのソプラノ。コロラトゥーラソプラノとして活躍しており、バロックオペラからモーツァルト、またJ.シュ トラウスの「こうもり」のアデーレ、オッフェンバックの「ホフマン物語」のオランピアなど、様々な役を手掛けています。高音が頻出するシエルヴァの役 を見事にこなしています。デラウラ神父のネイサン・ガンは、1970年、米国、インディアナ州のサウスベンドの生まれ。中堅の実力派バリトンとして今た くさんの役を歌いこなす人気歌手です。一方、重要な役であるミランダには、大ベテランのフェリシティ・パーマーが配されており、エトヴェシュの音楽を 守り立てています。もちろんウラディーミル・ユロフスキの指揮するロンドン・フィルの演奏は完璧です。 新たな感動が生まれて熱気を巻き起こす瞬間を体験したいなら、興味深い世界初演の録音でしょう。 (Ki)


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