湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Medici Masters
(イギリス)



英国発のヒストリカルの雄“BBC LEGENDS”、“Royal Opera House Heritage Series”をその傘下に収めたMedcimedia が強力なレーベルを新たに始動。その名もMedici Arts(メディチ・マスターズ)。ケルン放送交響楽団をはじめとする極上ライヴの宝庫WDRのアーカイヴより、蔵出し音源の数々を続々とリリースしています。



※品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
MM-001
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク第2稿)、
R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」*
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO

録音:1954年4月5日、1956年2月27日*、ケルン・WDR フンクハウス、第1 ホール(ライヴ)
1917年から24年にかけてクレンペラーはケルンの音楽監督を務めていますが、戦後ヨーロッパに戻って1950 年代半ばにまたケルン放送響とともに数多くのすばらしい演奏を繰り広げました。ベートーヴェンの第4 番と第5番(AN.2130)でも確かめられるよ うに、この時期のクレンペラーの音楽は引き締まったフォルムが何よりの特徴。ブルックナーは過去に複数のレーベルから出てい た有名な演奏で、のちのフィルハーモニア管との録音と比較しても全体に4 分半ほど短くテンポが速め。併録のドン・ファンも男 性的で剛毅なアプローチが魅力です。オリジナル・マスター・テープを使用。  (Ki)
MM-002
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
交響曲第6番「田園」
エーリヒ・クライバー(指)ケルンRSO

録音:1955年4月4日ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール(ライヴ)
いまとなっては息子カルロスの圧倒的名声に押されがちですが、生前はトスカニーニやクレンペラーらと肩を並べた巨匠エーリヒ・ クライバー(1890-1956)。なかでもベートーヴェンとモーツァルトの演奏では、他をよせつけない絶大な存在感をみせていました。 世を去る前年に行なわれた2 大シンフォニーのライヴは、優れた内容からすでによく知られていたもの。このたびWDR のオリジナル・ マスターからの復刻でこの年代としては驚異的な音質で蘇りました。 (Ki)
MM-003
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲、
モーツァルト:交響曲第33番、
チャイコフスキー
:交響曲第6番「悲愴」
エーリヒ・クライバー(指)ケルンRSO

録音:1956年1月2日、1953年11月23日、1955年3月28日、ケルン・WDR フンクハウス、第1ホール(ライヴ)
巨匠クライバーの至芸が存分に楽しめるアルバム。ユニークなパリ音楽院管との録音(53年・デッカ)でも知られる「悲 愴」はIDIS で出ていたものと同一。機能性抜群の放送オケを得てのライヴは、スタジオ盤とはまた違った内容となっているのも興味 深いところ。初出のオイリアンテ序曲と、折り目正しい高潔なモーツァルトも聴きものです。すべてアーカイヴのオリジナル・マスター を使用。  (Ki)
MM-004
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」
ピアノ協奏曲第19番*
デュポールの主題による9つの変奏曲KV.573#
クララ・ハスキル(P)
オットー・アッカーマン(指)
フェレンツ・フリッチャイ(指)ケルンRSO*

録音:1954年6月11日、1952年5月30日* ケルン・WDR フンクハウス、第1ホール(ライヴ)、1956年9月7日# ブザンソン音楽祭(ライヴ)
ハスキルといえばモーツァルト。ライヴの閃きがたまらない魅力でファンをとりこにして放しません。ここで聴く演奏の数々はあま り有名なものばかりですが、協奏曲はようやくオリジナル・マスターから初めての復刻となります。これまでのものとは音質が著しく 改善されているため大きく印象も異なり、改めて聴きなおす価値大いにアリです。 (Ki)
MM-005
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
ブラームス:交響曲第1番*
マーラー:亡き児を偲ぶ歌*
ジョージ・ロンドン(Bs)
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO

録音:1955年5月28日、1955年10月17日*、ケルン、WDR フンクハウス、第1 ホール(ライヴ) 全てモノラル
巨匠クレンペラーがもっとも意欲が漲っていた時期に行なわれたケルン放送響とのライヴ集。ブラームスはクナッパーツブッシュの 演奏と信じて売られていた(いる=伊ANDROMEDA)もので、ファンの間ではとりわけ有名だったもの。全編をつらぬくガッチリとした造詣がこたえら れない魅力となっています。エグモントも辛口演奏の典型ともいえるきびしさが潔く、この上ない風格。さらに、同じくロンドンを迎 えたNDR響との録音(55年)もある、師マーラー作の「亡き児」。これは“ロンドンの、という以上にまさしくクレンペラーの亡き児”。 クレンペラーが振るとシンフォニックな響きで作品が満たされるから不思議です。 すべてWDR のオリジナル・マスター・テープよりのCD 化で、驚くほど鮮明な音質で聴けるのが何よりのポイントです。 (Ki)
MM-006
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」*
ショパン
:練習曲集#
 変イ長調Op.25-1「牧童」
 ヘ短調Op.25-2 /ヘ長調Op.25-3
 嬰ト短調Op.25-6 /変ニ長調Op.25-8
 変ト長調Op.25-9「蝶々」
 変ト長調Op.10-5「黒鍵」
ヴィルヘルム・バックハウス(P)
ゲオルク・ショルティ(指)ケルンRSO

録音:1956年6月25日ケルン・WDR フンクハウス第1ホール(ライヴ)、1959 年9月24日ボン・ベートーヴェンハレ(ライヴ)*、1953年6月11日ルガーノ(ライヴ)# 
全てモノラル
とんでもなくこれはスゴイ!バックハウスが72歳(1884年3月生まれ)、56年の「皇帝」はまだ43歳で血気盛んなショルティ(同 年ザルツブルク音楽祭にデビュー)との願ってもない顔合わせで、衰え知らずその一歩もゆずらぬやりとりからライヴの醍醐味ここに 尽きるといった感で屈指の聴きもの。バックハウスはこれから3 年後に、イッセルシュテット&ウィーン・フィルとかの有名なデッカ 録音を残すことになりますが、この時期にかくも立派な演奏が繰り広げられていたとは。また、2度目のスタジオ盤全集中の録音と同 じ年にあたるソナタのライヴ。揺るぎない打鍵が圧倒的に素晴らしく、“鍵盤の獅子王”による不滅のベートーヴェン演奏が味わえま す。ショパンを除くすべて、WDR のオリジナル・マスターからの復刻でやはりこの年代としては驚異的な音質で蘇ったことも大きな収 穫です。 (Ki)
MM-007
モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番イ長調KV.464、
ベートーヴェン
:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調Op.127*
アマデウスQ

録音:1956年2月3日、1956年2月2日* ケルン、WDR フンクハウス、第1 ホール(ライヴ) 全てモノラル
1987年ヴィオラのシドロフの死によって、メンバーの交替を経験することなく40年に及ぶ活動の幕を降ろした英国の名門アマデウス・ カルテット。数多くの録音を残した彼らもライヴとなると貴重。ここに収録された内容は、同時期のライヴを収めたANDANTE盤(AN.2160) 中のそれぞれ、モーツァルトがシューベルトの「死と乙女」と、ベートーヴェンがハイドンのハ長調と同日に演奏されたものです。1948年の華々しいウィグモア・ホール・デビューからまだ10年足らず、アーカイヴのオリジナル・マスターによる生々しい音質が、溌剌と してみずみずしい表現をみせる彼らの姿を刻銘に伝えています。 (Ki)
MM-008
イタリア・オペラ序曲集
(1)ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」序曲
(2)「椿姫」第1幕前奏曲
(3)「椿姫」第3幕前奏曲
(4)「運命の力」序曲
(5)「ナブッコ」序曲
(6)「アイーダ」第1幕前奏曲
(7)ベッリーニ:「ノルマ」序曲
(8)「ノルマ」第2幕前奏曲
(9)ロッシーニ:「チェネレントラ(シンデレラ)」序曲
(10)ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」序曲
(11)「ドン・パスクァーレ」序曲
トゥリオ・セラフィン(指)
(1)-(4)RPO
(5)-(7),(9)-(11)フィルハーモニアO
(8)ミラノ・スカラ座O

録音:(1)-(4)1959年2月19日ロンドン、キングズウェイ・ホール、(5)(6)1959 年2月27日、(7)(9)-(11)1961年4月16日ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ、(8)1960年9月5-12日ミラノ・スカラ座(全てステレオ)
2008年に生誕130年と没後40年を同時に向かえたセラフィン(1878 − 1968)。スカラ座をはじめメトなど世界の歌劇場で活躍 し、歌手の力量を引き出す手腕に長けてたいへん信頼の厚かったイタリアの名匠です。こうして彼の独壇場であったイタリア・オペラ からの有名序曲を収めたアルバムを聴き、改めて気付かされるのは無類のセンスのよさ。いきいきと名旋律に生命が吹き込まれ、勢い と流れるようなドラマ作りが見事です。このたびEMI より正規ライセンスを受けてのCD化。今後medici mastersではWDR のアーカイヴ音源発掘と並行して、他社が所有する商業録音から忘れがたい名演奏をもリリースしてゆくとのことです。 (Ki)

MM-009
R・コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」
スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」*、
バラキレフ( カゼッラ編):イスラメイ**
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」#
ユージン・グーセンス(指)
フィルハーモニアO、RPO

録音:1956年2月13日、1956年2月13&14日*、1956年2月8日**、1957年9月26&28日# キングズウェイ・ホール(全てステレオ)
EMI 音源のライセンス復刻。超難曲「春の祭典」の英国初演を手がけたグーセンス(1893-1962)はロンドンに生まれた名指揮者、作 曲家。同名で同じく指揮者であった父も含めて音楽家の家系に生まれた彼は、おもに1950年代にRCA、EMI 最後にEverest(今は亡き長岡 鉄男氏推薦の優秀録音、アンティルの「コロボリー」が有名)へ数多くの録音を行いましたが、現在ではその大半が入手不可のまま。こ のたびすべて初CD化となるロシア・プログラムは、同時代の難解なスコアを自分のものにする天賦の才を持ち合わせていた彼の手腕を如実に示すものです。なかでもカゼッラ編曲のイスラメイ。近代管弦楽法が駆使された華麗なサウンドは、まるでラヴェルを聴いているみたい。リマスタリングも大成功でポール・ベイリーが担当しています。
MM-010
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
 ピアノ協奏曲第27番*
ウェーバー:コンツェルトシュテュック ヘ短調Op.79#
ロベール・カサドシュ(P)
ジョージ・セル(指)
ロマーヌス・フーベルトゥス(指)#
ケルンRSO、

録音:1960年6月27日、1958年9月8日*、1954年3月3日# ケルンWDR フンクハウス、第1ホール(ライヴ)
WDR アーカイヴからの正規音源復刻で完全初出。シックで清潔なスタイルが持ち味のカサドシュによるモーツァルト。奇しくも名手のピアノではこれと同一のカップリングで、第24番をミトロプーロス(56年)、第27番をシューリヒト(61年)という個性派の大物指揮者とのライヴ(ともにウィーン・フィル。ORFEOR.536001)も聴くことができますが、ここでのパートナーはスタジオ盤(61年&62年)と同じくかの“アンサンブルの鬼”セル。このライヴを経てあの不滅の名盤が誕生することになるわけですが、まさに夢の再現とでもいうべき顔合わせから生み出される音楽はあくまで清潔無垢。いまのわたしたちにモーツァルトの理想形を教えてくれます。 (Ki)
MM-011
モーツァルト:交響曲第39番、
 オーボエ協奏曲、4 つのドイツ舞曲、
 交響曲第36番「リンツ」*、
■ボーナストラック
クライバーによる交響曲第39番のリハーサル
ローター・ファーバー(Ob)
エーリヒ・クライバー(指)ケルンRSO
シュトゥットガルトRSO*

録音:1956年1月20日ケルンWDR フンクハウス第1ホール(ライヴ)、1955年12月31日シュトゥットガルト*
●湧々堂推薦盤
巨匠真骨頂のモーツァルトばかりを集めたエーリヒ・クライバー第3弾。デッカ盤でも知られる第39番とドイツ舞曲に加えて、正規初 出となる協奏曲、第36番とリハーサルを含めたすべてが、まるで別物かのような著しく改善された音質で登場します。 ケルン放送響とのライヴは作曲者が生誕200年を迎えた1956年、アニヴァーサリー・イヤーに合わせて巨匠が行なったもの。そして、そ の年を目前に控えたニュー・イヤー・イヴのシュトゥットガルト放送響とのライヴ。いずれもクライバーの芸風の肝、格調の高さとあふ れる愉悦が半世紀の時を経ても色褪せぬ魅力です。36 番をのぞいてWDR アーカイヴからの正規復刻。 (Ki) 

MM-012
プロコフィエフ:交響曲第5番*、
ロッシーニ:「コリントの包囲」序曲#、
ヴィヴァルディ
:シンフォニア ロ短調「聖なる墓に」RV.169、
フランチェスコ・ドゥランテ:弦楽のための協奏曲第5番イ長調、
サリエリ
:歌劇「タラール(またはオルムスの王、アクスル)」序曲
トマス・シッパース(指)
フィルハーモニアO*、LSO#、
アレッサンドロ・スカルラッティO

録音:1957年5月11−14日ロンドン・キングズウェイ・ホール(ステレオ)*、1974年7月30−31日&8月1−28日ロンドン・トゥーティング、オール・セインツ・チャーチ(ステレオ)#、1955年7月ナポリ(モノラル)
EMI の正規ライセンスによる復刻。20世紀が生んだアメリカの名指揮者シッパース(1930−1977)が世を去ってことしで早くも30年。 彼は1950年にメノッティのオペラ「領事」(ブロードウェイで8ヶ月のロングランを記録)を振って一躍スターダムに駆け上がり、1955年 にはスカラ座にデビュー。1959年にはバーンスタインとともにニューヨーク・フィル初のモスクワ公演に同行。1963年にはバイロイトで マイスタージンガーを指揮、1968年にはコヴェントガーデンにもデビュー。1970年、まさにこれからという時期に惜しくも肺ガンで亡く なりました。 短い経歴ゆえ録音そのものも多いとはいえず、すぐに米コロムビアの専属となったためEMI のものはさらにレア。没後100周年記念のス カラ座ライヴ(69年)も記憶に残るロッシーニは既出のスタジオ全曲録音からのもの。ほかはすべて初CD 化となります。おもにオペラで の業績が目立ちますが、レッグ録音のプロコフィエフにおける音楽運びなど非凡な才能のなによりの証しといえるでしょう。 現状ではオペラはまだしもオケがほとんど全滅というさみしい状況のため、これは全力で駆け抜けた彼を偲ぶにまたとないリリースとい えます。リマスタリング担当はポール・ベイリー。 (Ki)
MM-013
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番*
チェイシンズ
:3 つの中国風小品**、
プーランク:トッカータ#、
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ##、
ベートーヴェン
:バガテル ト短調Op.119-1#
シューラ・チェルカスキー(P)
ハロルド・ジャクソン(Tp)*
ヘルベルト・メンゲス(指)フィルハーモニアO

録音: 1954年11月15,16日&1955年4月5日、1954年11月16日* ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ、1956年3月22日**、1956年3月21日#、1955年8月10日## ロンドン・アビー・ロード第3スタジオ
EMI音源の正規ライセンスによる復刻ですべて初CD化。伝説のヴィルトゥオーゾ、ホフマンの直弟子チェルカスキーは19世紀の流れを 汲む異色のピアニスト。 まず、ロシアのふたりによるコンチェルトは絶頂期のもの。録音された54年はプロコが亡くなった翌年、ショスタコもまだ存命中で現役 バリバリの頃。ともに作曲家が生きた同時代音楽の記録としてたいへん興味深いものです。 ホロヴィッツとも親交があったピアニストで作曲家のチェイシンズ(1903−87)。かれもまたホフマンの弟子であったためチャルカスキー とは同門にあたります。これら併録の小品を含めてすべて、同じ演奏をふたつとしない自発性を信条とするところと濃厚なロマンチシズ ムとに、まさに師ゆずりの特徴がよく顕れています。なお、ポール・ベイリーのリマスタリングで音質も格段に向上しているのもポイン ト。 (Ki) 

MM-014
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、
 交響曲第5番「宗教改革」*、
クープラン( ミヨー編):序奏とアレグロOp.220(クープランのクラヴサン組曲「サルタンの妃」断章による)#
ドミトリ・ミトロプーロス(指)ケルンRSO

録音:1960年10月24日、1957年7月19日*、1954年7月16日# ケルンWDR フンクハウス、第1ホール
すべてWDR アーカイヴの正規マスターからの復刻。巨匠ミトロプーロスがケルン放送響を振ったメンデルスゾーンは、かねてよりマニアの間では有名だったもの。メンデルスゾーンは巨匠が好んで取り上げた作曲家で、ニューヨーク・フィルとのスタジオ録音(1952年)のほか、ベルリン・フィルとの世を去る60年のザルツブルク・ライヴ(ORFEOR.488981)における「スコットランド」がこれまでにも知られています。Mediciご自慢の極上の音質でよみがえったことにより、融通無碍なるスタイルとオケの熱い意気込みもかつてないほどリアルに伝わってきます。また、正規初出レパートリーのミヨー編曲作も貴重。なお、ミトロプーロスによる録音はほかにもWDRにシュトラウス、マーラー、ベルリオーズ、ドビュッシーなどが残されており、順次リリースしてゆくとのことです。  (070727 Ki)
現在「殿堂入り」に「スコットランド」の名演として同じミトロプーロスのOrfeo盤を掲載していますが、実はそれ以上に究極を行く超名演がこれなのです!かつてイタリアのレーベルから短期間リリースされたことがありましたが、それが今は入手できないことと、演奏があまりにも感動的であることから、実は「殿堂入り候補」としてリストアップしておきながら、未だにコメントできずにいたのです。それがこうしてまた日の目を見ることになったのですから、これが黙っていられましょうか!ミトロプーロスの演奏には、常人では思いもよらぬ神々しいばかりの閃きを感じるものが少なくないですが、その際たるものがこの録音であると、今でも強く確信しています。特に第3楽章の序奏から主部へ滑り込む呼吸の気の遠くなるような陶酔感(Orefeo盤でもそれは感じ取れますが、この録音の方が更に感動的)は他の録音では絶対に聴かれない魅力で、指揮者がオケに対してそうするように指示を出したとかいう次元の話ではない奇跡的な瞬間なのです!あぁ、思い出しただけでも鳥肌が立ちます!!録音状態も数種あるミトロプーロスの「スコットランド」の中でも最も良好。 【湧々堂】
MM-015
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス アンネリース・クッパー(S)、
ジークリンデ・ワーグナー(A)、
ルドルフ・ショック(T)、
ヨゼフ・グラインドル(Bs)、
ハンス・バッヘム(Org)、
ハンブルク北西ドイツ放送Cho、
ケルン放送Cho、
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO

録音:1955年6月6日ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール(モノラル・ライヴ)
あまりに巨大で格調の高い音楽が聴き手の心をとらえて離さないクレンペラーのベートーヴェン。なかでもミサ・ソレムニスは、ウィーン 響とのVox盤(1951年3月)やフィルハーモニア管とのライヴ(1963年 /Testament)のほか、1965年10月ニュー・フィルとのスタジオ 盤にとどめをさすといわれる究極の一曲。ケルン放送響とのライヴは、以前より複数のレーベルから出ていた有名な演奏でようやく正規リ リースの運びとなりました。WDR のアーカイヴに残されたオリジナル・マスターからトランスファーされた音質は格段に向上しており、とく に合唱のすばらしさを完璧にとらえています。ブルックナーの「ロマンティック」(MM.001)、ブラームスの1番(MM.005)とともに、クレン ペラーが指揮者として心身ともに絶頂にあった時期のかけがえのない記録といえるでしょう。 (Ki)
MM-016
ブルックナー:交響曲第3番(1890年版)
ハイドン:交響曲第86番*
カール・シューリヒト(指)VPO、
シュトゥットガルトRSO*

録音:1965年12月2−4日ウィーン・ムジークフェラインザール(ステレオ)、1954年5月20日シュトゥッガルト(モノラル・ライヴ)*
シューリヒト没後40周年の2007年、medici MASTERS が取り上げるのは晩年EMI に遺したウィーン・フィルとのブルックナー。生涯を通じてブルックナー指揮者として鳴らした巨匠にとって意外なことに第3番だけはこれが唯一の録音にして、コンサートで振った記録も残っていないレパートリー。これまでにも本家EMI から、またPreiser からもCD化されており、演奏についてはいまさら余計な説明を加える必要はありませんが、なんといってもポイントは新リマスタリングでブラッシュアップされ大幅に向上したその音質。まだこの時期ローカル色をとどめた金管になまめかしい弦と、ウィーン・フィル独特の響きがたまらない魅力です。カップリングのハイドンはhanssler の「カール・シューリヒト・コレクション1950 − 1966」(93.140)に、ボーナス盤としてマーラーの「復活」と収録されていたものとおなじ。単独では初の登場となります。第86番は60年フィレンツェ、62年ルツェルンと頻繁に実演で取り上げていて、1961年の北ドイツ放送響との別録音というのも出ていました。ブルックナーはEMI 音源の、ハイドンはSWR アーカイヴよりのそれぞれ正規ライセンスを得ての復刻。  (Ki)
MM-017
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番*、
シューマン:ピアノ協奏曲#、
ドビュッシー
:レントよりおそく、
舞曲(スティリー風のタランテラ)、
ラヴェル
:水の戯れ、
バッハ:パルティータ第1番
ワルター・ギーゼキング(P)、
ヨゼフ・カイルベルト(指)*、
ギュンター・ヴァント(指)#、ケルンRSO

録音:1953年9月14日ケルン・WDR フンクハウス第1ホール(ライヴ)*、1951年1月8日エッセン(ライヴ)#、1948年10月23日ストックホルム・コンサート・ホール (全てモノラル)
MM-018
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
ヴァイオリン協奏曲*
ダヴィド・オイストラフ(Vn)、
パウル・クレツキ(指)フィルハーモニアO、
ストックホルム・フェスティヴァルO*

録音:1960年4月11−12日ロンドン・アビー・ロード・スタジオ(ステレオ)、1955年9月28日スウェーデン・ストックホルム音楽祭(モノラル)*
ポーランド生まれの指揮者&作曲家クレツキによるチャイコフスキー・アルバム。オイストラフ独奏の協奏曲は、名手の数ある同曲録音で はコンヴィチュニー盤(54 年 / PH.05011)とオーマンディ盤(59年)との間に位置するものでこのたび初出。ここでもクレツキのダイナ ミックな指揮のもと、柔に剛にいつもながらの圧倒的な存在感をみせつけます。クレツキの代表的録音とされる「悲愴」はEMI からの正規ラ イセンス復刻。CD化以来20 年以上も廃盤でしたが、このたびリマスタリングの効果が抜群で、とても半世紀近くも前のものとは思えぬクオ リティの高さに驚かされます。 (Ki) 

MM-019
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」*
サー・エイドリアン・ボールト(指)LPO

録音:1977年4月17日&5月10-15日、1974年9月23日&10月* アビー・ロード・スタジオ(共にステレオ)
※原盤:EMI
ライプツィヒ音楽院でニキシュとレーガーに師事した英国の指揮者ボールト。ドイツ音楽を得意とした巨匠による2大名曲は、すみずみまで生気があふれこの上ない風格からはいままでCD化が見送られていたのが不思議としかいいようのない立派な内容。また、両曲ともヴァイ オリン両翼配置によりステレオ感も申し分なく、当時のパーカー&ビショップが携わった屈指の名録音としてアナログ時代よりマニアには知 られていたものです。  (Ki)
80分を超える長時間収録。2曲ともボールトの格調高い芸風が反映された素晴しい演奏です。「田園」はこれが初CD化。第1楽章は墨絵を思わせる、色彩を徹底して抑えた朴訥としたアプーローチが特徴的。第2楽章はさらに情景の視覚的描写を完全に廃した表現で、楽譜をあるががまに再現する手法は朝比奈隆以上。これはボールトの録音の中でもかなり渋い部類に属すると思いきや、第3楽章に入ると音の張りと量感が一気に増します。とは言っても、第4楽章はカラヤンのように音を外に向かってスパークさせるアプローチとは正反対でまさに老練芸の極み!音の威力で圧倒することなく含蓄を十分に湛えた巨木のような音像が繰り広げられます。
一方の「ジュピター」は、かつてRoyal Classsicsから発売されたことがあり、“殿堂入り”候補でありながら入手困難なため、なかなか取り上げずにいたところのCD化!第1楽章は込みに良いテンポ運びがボールトにしてはやや意外。編成は昔ながらの大編成のままのようですが、音楽が大味になることなく、むしろ室内楽的な透明なアンサンブルを繰り広げている点に、この巨匠の深い見識を感じさせます。第2楽章は実にノスタルジック。第3楽章は恰幅の大きな造型と共に歩みを進め、英国紳士らしい佇まいがこの楽章の楽想と絶妙にマッチしています。これだけなら「味わい深い演奏」という域に止まったと思うのですが、“殿堂入り”の決め手となったのが終楽章のあまりの素晴しさ!一言で言ってこれは究極の腹芸!管楽器は常に神々しく主旋律に絡み、弦には張りがあり、演奏に掛ける魂の結晶がそれらの音の隅々から感じられるのです。展開部へ進むと一層その思いを強くし、恣意的な操作を感じさせない自然体の威厳が感動を誘います。提示部も展開部もリピートを敢行しますが、それの何とありがたいことか!極めつけはコーダの築き方!あらゆる声部が渾然一体となり、「ドー・レー・ファー・ミー」の主題を次々に橋渡しするフリッチャやセルなどにみられた声部分析の痕跡は一切感じさせず、まさに宇宙の混沌を象徴するカのような高揚にまで達するのです。そして締めくくり最後の和音はなんと光に満ちた響きでしょう!この終楽章の演奏は、シューベルト「グレート」のそれと共に、ボールトの独墺系録音の中で群を抜く感度作であることは間違いありません。 【湧々堂】
MM-020
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲、
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント*、
ストラヴィンスキー
:バレエ「春の祭典」#
アルテュール・グリュミオー(Vn)
フェレンツ・フリッチャイ(指)ケルンRSO

録音:1951年7月8日ドイツ、レックリングスハウゼン(ルール音楽祭)、1953年5月4日*、1953年10月5日ケルン・WDR フンクハウス第1ホール# (以上、モノラル・ライヴ)
「春の祭典」はスタジオ録音に先行することおよそ半年ほど、いっぽう師直伝のバルトークはスタジオ録音(いずれもオケは当時の手兵ベル リンRIAS 響)ののち1ヶ月以内に行なわれたもので完全初出。ともに白血病を発病する以前、鋭利なリズムとダイナミックなスタイルを色 濃く反映しています。また、グリュミオーとの協奏曲はフリッチャイにとって現状では唯一の録音で正規初出。すべてオリジナル・マスター・ テープ使用により驚異の高音質です。 (Ki)
MM-021
ブルックナー:交響曲第8番 オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO

録音:1957年6月7日ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール(モノラル・ライヴ)
WDR アーカイヴからの復刻。スタジオ盤では大胆なカットも辞さなかったクレンペラーのブル8ですが、ケルン放送響との57年のライヴではノーカットで演奏。にもかかわらず全曲で72分弱と快速テンポを採用、心身ともに壮健だった時期ならではの充実ぶりが聴き取れ ます。正規マスター使用のため、これまでとは比較にならない高音質で味わえるのがなによりのポイントといえるでしょう。 (Ki)
MM-022
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
 組曲「ブラジルの印象」*、
ロッシーニ(レスピーギ編):風変わりな店#
アルチェオ・ガリエラ(指)
フィルハーモニアO

録音:1957年1月22日(ステレオ)、1955年3月18-21日(モノラル)*、 1959年5月28−29日(ステレオ)# 以上、キングズウェイ・ホール
EMI より正規ライセンス復刻。アルチュオ・ガリエラ(1910-1996)は、1950年代初めから60年代にかけてオペラやオーケストラ、コ ンチェルトの伴奏にいたるまで、EMI に膨大なカタログを遺したイタリアの名指揮者。すべて初CD化となるレスピーギとロッシーニは、 ポール・ベイリーのリマスタリングも素晴らしく、めくるめく色彩感がいまによみがえりました。 (Ki)
MM-023
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番*、
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番*、常動曲Op.11、
サン=サーンス
:序奏とロンド・カプリチオーソ、
サラサー
テ:ツィゴイネルワイゼン、
ディーニク
:ホラ・スタッカート
マイケル・レビン(Vn)、
ユージン・グーセンス(指)フィルハーモニアO、
フェリックス・スラットキン(指)ハリウッド・ボウルSO*

録音:1960年5月14日ロンドン・アビー・ロード・第1スタジオ(ステレオ)*、1959年9月10-11日ハリウッド・サミュエル・ゴールドウィン・スタジオ(ステレオ)
EMI の正規ライセンス復刻。事故により36歳の若さで急逝したヴァイオリニスト、マイケル・レビン(1936-1972)。甘美で官能的な 音色はまさに天性のもので、ごく限られた録音がいまも心あるファンの間で大切に聴きつがれています。かれの遺産として真っ先に挙が るツィゴイネルワイゼンほか、このアルバムにはすでにCD化されたものも含まれますが、最新マスタリングで格段に音質が向上しており、 あらためて聴きなおす価値は少なくありません。まさに酔いしれるという形容がピッタリのヴァイオリン演奏。リマスタリングはポール・ ベイリーが担当。 (Ki)
MM-024
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」*、
ピアノ・ソナタ第28番*
フリードリヒ・グルダ(P)、
マリオ・ロッシ(指)ケルンRSO

録音:1957年2月25日ケルン・WDR フンクハウス第1ホール(モノラル・ライヴ)、1957年2月22日ケルン・WDR フンクハウス第2ホール(モノラル・ライヴ)*
すべてWDR アーカイヴからの復刻。鬼才グルダのベートーヴェンでは協奏曲、ソナタともに60 年代に行ったステレオ録音があまりにも有名ですが、ここでは即興性満点のライヴというのがこのうえない魅力。さきごろリリースされた第1&第4協奏曲の5 3年ライヴ(ORFEOR.745071)に共通する、グルダがまだ20代後半、感性のほとばしりが聴けるたいへん貴重な内容です。 (Ki)
MM-025
ファリャ:バレエ「恋は魔術師」組曲*、
 交響的印象「スペインの庭の夜」**、
 歌劇「はかなき人生」〜序奏/第1幕サルーのアリア“笑うものたち万歳!”*、
 バレエ「三角帽子」〜近所の人たちの踊り/粉屋の踊り/終幕の踊り
ブルトン:「アンダルシアの情景」〜ポロ・ジターノ#/サパテアード#
テレサ・ベルガンサ(Ms)*、
ゴンサロ・ソリアーノ(P)**、
アタウルフォ・アルヘンタ(指)
フランス国立放送O、
グラン・オルケスタ・シンフォニカ(大交響楽団)#

録音:1957年2月21日パリ(モノラル・ライヴ)、1956−57年マドリード(ステレオ)#
スペインを代表する指揮者アルヘンタが急逝して2008年でちょうど50年。亡くなる前年パリでのライヴは、地元サルスエラやスペイ ンものに抜群の手腕をみせた彼のきわめつけの演目をそろえた内容となっています。いずれもドキドキさせる魔力をはらんでいますが、な かでも若き日の名花ベルガンサが登場するナンバーはうれしい聴きもの。これらは以前より知られていたものですが、このたびマスタリ ングを担当したトニー・フォークナーにより著しい音質改善が施されています。ボーナスとして収められたスペインの作曲家トマス・ブルトン(1850−1923)のみステレオ。 (Ki)
MM-026
ラヴェル:「ジャンヌの扇」のためのファンファーレ、
フランク
:交響曲ニ短調、
プロコフィエフ
:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」#
ゾフィー・ヴァン・サンテ(Ms)#、
オランダ放送cho#、
レオポルド・ストコフスキー(指)ヒルヴェルスム・オランダ放送PO

録音:1970年8月22日ロッテルダム、ドーレン(全てステレオ)
フランクは、心からの作曲家への奉仕に徹し、精神的な高揚を見事に引き出した異色の感動作として、ストコ嫌いの方にも是非お聴きいただきたい逸品です!特に終楽章で第2楽章の主題が高らかに現われるシーンでテンポを落として朗々と歌い上げ、高らかに精神を高揚させるのは圧巻!いつものスペクタクル演出を感じさせない別人のようなストコがそこには存在するのです。トスカニーニは、ストコフスキーのフランクを嫌っていたようですが、あの「展覧会の絵」のド派手さとは無縁の内面から込み上げる嘘のない音楽に気づかなかったことは、不思議という他ありません。 【湧々堂】
起伏の大きな表現で聴かせるフランクと、持ち前のドラマ作りのうまさが冴え渡るプロコとすべてがファンにはかねてより知られる内容。なにもかもテンションがけた違いで、どんなオケも手中に収めてしまうストコフスキー・マジックが炸裂。ただ、演奏効果を狙う編曲魔ストコフスキーにしては例外的に、ここではすべてストレートな形で演奏されています。プロコフィエフのみ正規初CD化、当日のコンサートを完全な形で収録。このたびヒルヴェルスムのAVRO提供のオリジナル・マスターを使用し、リマスタリング・エンジニアにはCalaのレオポルド・ストコフスキー協会盤でもおなじみのパスカル・バーンを起用。大幅な音質改善が施されています。(Ki)
MM-027
ベートーヴェン:「フィデリオ」序曲*、
シューベルト:交響曲第9番「グレート」、
ベルク:「ヴォツェック」からの3つの断章#
アンネリーズ・クッパー(S)#、
エーリヒ・クライバー(指)ケルンRSO

録音:1956年1月7日*、1953年11月23日ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール(ライヴ)
このうえなく雄渾なる「フィデリオ」序曲はWDRの放送用オペラ全曲録音からのもので、これがクライバー唯一の録音。その血が脈々と息子カルロスにも流れるベルクは、作曲者と親交のあったエーリヒにとって重要なレパートリー。そのさきがけとして1930年代に作品普及に努めました。メインの「グレイト」はかねてより折り紙つきの内容として知られていますが、ここにようやくはじめて本来の姿を伝える高音質でよみがえりました。すべてWDRアーカイヴからの正規復刻。(Ki)
MM-028
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調Op.85、
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104*、
ベートーヴェン
:「魔笛」の主題による12の変奏曲ヘ長調Op.66#
ピエール・フルニエ(Vc)、
ハンス・ロスバウト(指)ケルンRSO、
ジョージ・セル(指)ケルンRSO*、
フランツ・ホレチェク(P)#

録音:1955年3月7日、1962年11月16日以上ケルンWDRフンクハウス第1ホール(ライヴ)*、1957年4月6日ケルン・WDRフンクハウス第2ホール#
●湧々堂推薦盤
完全初出!すべてWDRアーカイヴからの正規音源復刻で完全初出。フルニエのドヴォコンといえば、同年6月、やはり同じセルとの顔合わせによるスタジオ録音がこの名曲にとどめをさすものとして広く知られています。そして、そのスタジオ盤の再現というべき5ヶ月後に行われた注目のライヴも、スタジオ盤の内容から考えておおいに期待が持てるところです。また、これはセルの数少ないライヴ録音としても貴重。名手にとって3種目となるエルガーも、チェリストあがりのウォーレンスタインが指揮を務めたベルリン・フィル盤(66年)とはだいぶ印象のちがう仕上がりに。こちらは現代作品のスペシャリストとしても名を馳せた知匠ロスバウトの指揮に注目。怜悧なアプローチのもと“チェロのプリンス”と呼ばれた節度と気品あるフルニエのソロがいっそう際立ちます。さらに、このほかではケンプとのライヴで知られる「魔笛」変奏曲も、うれしいおまけです。(Ki)
MM-029
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」、
ブラームス
:間奏曲変ロ短調Op.117-2、
シューマン:謝肉祭Op.9、
ショパン
:バラード第1番、練習曲Op.25-5
リスト:ハンガリー狂詩曲第12番、
ヴィラ=ロボス:「赤ちゃんの一族」〜道化人形
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)

録音:1963年4月20日オランダ、ナイメーヘン(モノラル・ライヴ)
WDRアーカイヴによる正規復刻で完全初出。20世紀を代表するピアニスト、ルービンシュタインは自身と母国ポーランドが味わった戦争の痛ましい記憶から、1914年を最後にドイツでは決して演奏することはありませんでした。けれども、ドイツとの国境沿いにあるオランダの古都ナイメーヘンで行われたこのリサイタルには、ドイツからも多くのファンが詰め掛け歴史的に重要な出来事としていまも記憶されています。そのことのみならず、プログラムとしても目を引くのは、ルービンシュタインが‘とても自分には弾けない’と公言してついに商業録音を残さなかった「ショパンのエチュード」がわずか一曲とはいえ、取り上げられていること。かくいう巨匠も同曲だけは特別であったようで、1958年11月ロンドンBBCスタジオでの放送用録音(BBCL.4216)の演奏も残されています。もちろんシューマン、そしてかれに献呈されたアンコールのヴィラ=ロボスまでいずれもわすれがたいものです。(Ki)
MM-030
ブルックナー:交響曲第7番、
ワーグナー
:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲*
オットー・クレンペラー(指)
バイエルンRSO、トリノRAI響*

録音:1956年4月12日ミュンヘン・ヘルクレスザール(ライヴ)、1956年12月17日トリノRAIトリノ・オーディトリアム(ライヴ)*
第4番(MM.001)、第8番(MM.021)につづいて、クレンペラーによるブルックナーがmedici MASTERSに登場します。バイエルン放送響との第7番は現状確認される5種のうちもっとも古く、演奏時間も1960年のフィルハーモニア盤65分に対し、4年前の当演奏は58分と全楽章を通じてかなりの快速テンポを採用しているのがその特徴。アーカイヴのマスターから起こした驚異的な音質はこれまでのリリースで実証ずみですが、このたびも期待を裏切らない出来栄え。さらにこちらも正規初出となるカップリングのワーグナー。巨匠がもっとも充実していたといわれる1954年から1958年までの5年間にはさまれたライヴは、よりオケの条件のよい後年の録音にはない、限られたこの時期ならではの充実ぶりも聴きどころとなっています。ブルックナーがバイエルン放送、ワーグナーがRAIの正規音源からの復刻。 (Ki)
MM-031
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」 マリア・シュターダー(S)、
グレース・ホフマン(Ms)、
ヴァルデマール・クメント(T)、
ハンス・ホッター(Br)、
ケルン放送cho、
オットー・クレンペラー(指)ケルンRSO

録音:1958年1月6日ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール
WDRの正規音源からの復刻。クレンペラーといえばベートーヴェンにとどめを刺すのはまず疑いのないところですが、ケルン放送響とは1954年2月の「エロイカ」、1954年10月の第4番(以上ANDANTE)、1955年5月の第8番(TAHRA)の録音が知られています。正規初CD化となる1958年1月の第9番は、クレンペラー美学の真骨頂ともいえる対位法処理、その雄渾きわまりない造形の打ち出しで、ファンの間ではかねてより高い評価を得ていたものです。ソリストも充実していて、なかでもクメントとホッターは前年に行われたフィルハーモニア管とのスタジオ盤と同一のキャスト。当レーベルにおける一連のリリースで実証済みですが、驚異的な高音質でよみがえったことはなによりの朗報といえるでしょう。   (Ki)
MM-034
アルヘンタ/お国もの作品集
チャピ:「人騒がせな娘」前奏曲*、
ソウトゥリョ
:「キスの言い伝え」前奏曲、
チュエカ:「大通り」序奏、
ルナ
:「ユダヤの子」前奏曲、
ブレトン
:アルハンブラにて、演奏会用ボレロ、
グリーディ
:10のバスクの旋律、
グラナドス:「ゴイェスカス」間奏曲、
アルベニス
:ナバーラ、
トゥリーナ:交響詩「ロシーオの行列」、
 闘牛士の祈り
アタウルフォ・アルヘンタ(指)
グラン・オルケスタ・シンフォニカ(大交響楽団)、
スペイン国立O

録音:1954-1957年マドリード(*のみモノラル)
ファリャ(MM.025)につぐ、スペインの名匠アルヘンタによるお国もの。あふれる生命感と極彩色のサウンドは相変わらずで、このたびはパブロ・ルナ(1880−1942)、トマス・ブレトン(1850−1923)、フェデリコ・チュエカ(1846−1908)など、いずれもサルスエラのナンバーが並んでいるのが目を引きます。Deccaに残したベルリオーズやチャイコフスキーなどの爆演が根強い人気のアルヘンタですが、ここでの作品もまた情熱的な演奏にかけては相通じるものがあります。   (Ki)

MM-037
クレンペラー&ストックホルムPO
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
モーツァルト:交響曲第29番イ長調KV201*
オットー・クレンペラー(指)
ロイヤル・ストックホルムPO
バイエルンRSO*

録音:1958年4月17日ストックホルム・コンサートハウス(ライヴ・ステレオ)、1956年4月15日ミュンヘン、ヘルクレスザール(ライヴ・モノラル)*
かつてない驚異的な高音質でよみがえったことから、いまやmediciMASTERSの大看板となりつつあるクレンペラーのライヴ録音。このたび登場する「エロイカ」は、1947年以来となるロイヤル・ストックホルム・フィルとのライヴ。巨匠が心身ともに充実していた時期のものだけに、あざやかな対位法処理や雄渾な造形の打ち出しといった、クレンペラー美学の真骨頂ともいえる演奏が期待されるところです。なお、ライヴということもあり、スケルツォとフィナーレが速めのほかは、1959年10月のフィルハーモニアとのセッション録音と基本的にテンポ設定は概ね同じとなっています。カップリングのモーツァルトは、既出のブルックナーの第7交響曲(MM.030)と同日におこなわれたもので、「エロイカ」同様に冷静かつバランスのとれたアプローチが特徴といえるでしょう。リマスタリング担当はトニー・フォークナー。 (Ki)


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