湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



NoMadMusic
(フランス)




※表示価格は、全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
NMMFF-001
フィリップ・エルサン:Ephemeres(かげろう)〜ピアノ独奏のための24の細密画〜芭蕉の俳句に基づく
Steps〜ピアノ独奏のための三部作
ヴァレンティン・ブター ル(P)

録音:2015年6月
デュティユーにその才能を認められたピアニスト、ヴァレンティン・ブタールによるエルサン作品集。エルサンは以前に、蕪村の俳句に基づいてピアノ作 品を書くよう委嘱され(ティエリー・ラヴァッサール)、俳句に興味を持つようになり、芭蕉の俳句に基づいた24の作品を書き上げました。これらの作品 はアリス・アデールに捧げられています。クリスタルのような硬質な響きの作品群で、耳を澄ませて聞き入りたい1枚です。 (Ki)
NMMFF-002
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」op.39
チェロ・ソナタ ト短調 op.19
ユゲ・シャベール(P)
エリサ・ユトー(Vc)

録音:2015年5月
1988年生まれのチェロ奏者エリサ・ユトーと、パリ国立高等音楽院でカバッソらに師事したピアニスト、ユゲ・シャベールによるラフマニノフ作品集。 (Ki)

NMMFF-003(2CD)
バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ(全曲) アナ・ゲッケル(Vn)

録音:2017年 6月
 アナ・ゲッケルは、マルセイユ生まれの22歳。14歳からパリ国立高等音楽院に入学、J-J.カントロフ、スヴェ トリン・ルセフに師事しています。2013年のミュンヘン国際コンクールで、2009年に結成されたトリオ・カレ ニーヌにヴァイオリン奏者として参加して、ファジル・サイのピアノ三重奏作品「Space Jump」を演奏、トリオ の最高位受賞に大きく貢献しました。その演奏は、イザイ弦楽四重奏団や、メナヘム・プレスラーらからも評 価されました。  彼女がソロCDデビューで選んだ演目は、バッハの無伴奏全曲。アンサンブルでも培った聴く力、線と線の 絡み合いが美しい、しなやかに流れるようなバッハとなっています。ゆるぎない一本の線が通った堂々たる演 奏は、彼女が今後世界で大きく活躍していくことを確信させるもの。また何年かしたら彼女のバッハを聴いて みたい! と思ってしまいます。アナ・ゲッケル、注目アーティストの登場です! (Ki)
FF-004(2CD)
ハイドン:エルデーディ四重奏曲
弦楽四重奏曲第75番ト長調Hob.V:75
同第76番ニ短調「五度」Hob.V:76
同第77番ハ長調「皇帝」Hob.V:77
同第78番変ロ長調「日の出」Hob.V:78
同第79番ニ長調「ラルゴ」Hob.V:79
同第80番変ホ長調Hob.V:80
アコスSQ【アレクシス・ゴメス、村上彩(Vn)、カーチャ・ポーリン(Va)、シリエル・ゴラン(Vc)】

録音:2022年/エリック&シルヴィ・ボワッソナ講堂(フレーヌ)
コスSQは2015年結成。村上彩を第2ヴァイオリン奏者とする注目の団体。取り組むレパートリーに応じてさまざまな弓を用いているこだわりを見 せ、子供たちへの弦楽四重奏啓蒙運動にも力を入れています。
デビュー・アルバムはハイドン円熟期の「エルデーディ四重奏曲」。名作「五度」や「日の出」「ラルゴ」や、現在のドイツ国歌の原曲となった「皇帝」など聴き応 え満点な6篇をフレッシュに再現しています。 (Ki)

NMM-001
フランスのヴァイオリン・ソナタ集
シュヴィヤール:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.8
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.13
ジェダルジュ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 Op.12
ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、
アレクサンドル・カントロフ(P/YAMAHA CFX)

録音:2014年11月/フランス
今話題のピアニスト、アレクサンドル・カントロフが17歳のときに父ジャン=ジャック・カントロフと共演した3人の仏作曲家のヴァイオリン・ソナタ集!
ジャン=ジャック・カントロフは言わずと知れた名ヴァイオリニスト。数多の名録音がありますが、やはりフランスものは別格のすばらしさ。ここに収録したカミー ユ・シュヴィヤール(1859-1923)、ガブリエル・フォーレ、アンドレ・ジュダルジュ(1856-1926)という3人の作曲家が書いたソナタを 格調高く演奏します。シュヴィヤールとジュダルジュは録音自体が少ないだけに彼らが録音してくれたことは喜ばしい限り。息の合った父子共演をご堪能ください!
1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主。16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァルソ ヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させました。そして、2019年に開催され た16回チャイコフスキー国際コンクールでフランス人としてはじめて優勝。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を上回る高度 なテクニックを要する難曲をコンクールの場で見事に披露したことでも話題となりました。BISレーベルからリリースが続いており、すべてのディスクで高い評価を 得ております。今後ますますの活躍が期待されております! (Ki)
NMM-011
音楽サロン
(1)マレ:トリオ曲集〜ホ調のパサカイユ (1692)
(2)オトテール:トリオ・ソナタ ロ短調Op.3の3 (1712)
(3) ピエール・ダニカン=フィリドール:2つの高音楽器のための組曲第3番(1717)
(4)ドルネル:トリオ・ソナタ第3番(1713)
(5)マレ:ヴィオール曲集第3巻〜組曲第3番ト長調 (1711)
(6)ドルネル:4声のソナタ
(7)ロベール・ド・ヴィゼ:ヴォドリ・ド・セズネの写本
(8)マレ:トリオ曲集〜苦しみ/ト調のパサカイユ
アンサンブル・レゾナンス

録音:2013年8月21-24日/サン=ローラン教会(ラヴァル=アン=ブリ)
リヨン音楽院の学生により結成されたアンサンブル・レゾナンス。2本のリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボ、チェンバロの5人から成り、17-8世紀の 室内楽をピリオド楽器で奏する貴重な団体です。2014年にリリースされた彼らのデビュー・アルバムで、フランス・バロックの秘宝を美しく再現。オシャレな作品 を荘厳なパサカイユで引き締めています。 (Ki)
NMM-012
美的好奇心〜C.P.E.バッハ室内楽曲集
(1)四重奏曲(トリオ)ニ長調Wq94
(2)無伴奏チェロ・ソナタ(原曲:無伴奏フルート・ソナタ)イ短調Wq.142
(3)四重奏曲(トリオ)イ短調Wq93
(4)フルートとヴァイオリンのための二重奏曲ホ短調Wq.140
(5)四重奏曲ト長調Wq95
ジャン =ピエール・ピネ(トラヴェルソ)、
ファニー・パクー(Vn 、ヴィオラ)、
エティエンヌ・マンゴー(Vc)、
アリーヌ・ジルベライヒ(フォルテピアノ)
C.P.E.バッハの生誕300年を記念して2014年にリリースされたアルバム。4名のフレッシュな音楽家たちによる室内楽で、鍵盤楽 器がチェンバロからフォルテピアノに移行し、弦をハンマーが叩く効果が早くも採り入れられた作風が興味津々。トリオと題されながら4名の奏者を必要とするもの など、後期バロックと初期古典派の入り混じった世界が魅力です。 (Ki)
NMM-018
無伴奏ヴァイオリン作品集
ビーバー(1644-1704):パッサカリア ト短調 C105
トーマス・バルツァー(c.1630-1663):プレリュード ト長調、
 アルマンド ハ短調
テレマン:ファンタジー第3番 ヘ短調 TWV 40-16、
 ファンタジー第1番変ロ長調 TWV 40-14
バッハ:パルティータ第2番ニ短調 BWV 1004
パトリック・コーエン=アケニン(Vn)

録音:2015年1月
パトリック・コーエン=アケニンは、パスカル・アモワイヤル、ミシェル・オークレールらに師事したフランスのヴァイオリン奏者、指揮者。古楽をレパートリー の中心に据え、ヴァイオリン、指揮(レ・フォリ・フランソワーズ主宰、およびリュリのオペラ等の指揮)の両方で活躍しています。 (Ki)
NMM-027(2CD)
ハイドン:弦楽四重奏曲 第44-49番(op.50、Hob.III/ 44-49) ツァイーデSQ

録音:2015年
2009年結成のツァイーデSQ、ハイドンの弦楽四重奏曲op.50の6作品。2012年にヨーゼフ・ハイドン室内音楽コンクールで第1位を獲得しており、 ハイドンに対する思い入れと解釈は並々ならぬものがあります。 (Ki)
NMM-029
オペラ序曲集
ベッリーニ:「カプレーティとモンテッキ」序曲
ドニゼッティ:「ドン・パスクワーレ」序曲、
 「ロベルト・デヴリュー」序曲、
 「パリのウーゴ伯爵」序曲
マイアベーア:「アンジュのマルゲリータ」序曲
メルカダンテ:「アンティオキアのエンマ」序曲
ロッシーニ:「タンクレーディ」序曲、
 「セヴィリアの理髪師」序曲
エンリケ・マッツォーラ(指)、
イル・ド・フランス国立O
イタリア出身、とりわけベル・カント・オペラを愛する指揮者マッツォーラによるオペラ序曲集。有名曲から、演奏機会の少ないメルカダンテらの序曲も含まれ ています。フランスのオーケストラらしい明るいサウンドも魅力の 1 枚。 (Ki)
NMM-038
シェイクスピア歌曲集
カステルヌオーヴォ=テデスコ:シェイクスピア歌曲集Op.24〜第1,11,16,17,20番
)ベルリオーズ:オフェーリアの死Op.18の2
ショーソン:シェイクスピアの歌Op.28(全3曲)
サン=サーンス:オフェーリアの死
ブラームス:5つのオフェーリアの歌WoO22
シューベルト:シルヴィアは誰か告げようD.891
 聴け、ひばりD.889
プーランク:ファンシー
アイヴァー・ガーニー:緑樹の木陰
 オルフェウス
フォーレ:付随音楽「シャイロック」Op.57〜歌
シベリウス:シェイクスピアの「十二夜」による2つの歌Op.60
ヴォルフ:鳥づくしの歌
シューマン:狂人の最後の歌Op.127の5
コルンゴルト:死よ去れOp.29の1
 デズデモーナの歌Op.31の1
 小鳥が歌う時Op.31の4
イザベル・ドゥリュエ(Ms)、
アンヌ・ル・ボゼック(P)

録音:2016年2月/ポワチエ劇場
シェイクスピア文学に基づく音楽は数限りなくありますが、ロマン派以降の大作曲家たちも珠玉の歌曲に挑戦しています。国や作風はさまざまながら、作 曲家の琴線に触れると、いずれも恐ろしいまでに劇的な世界を再現させています。
すべてフランスのメゾソプラノ、イザベル・ドゥリュエのやや暗いメゾの声質がシェイクスピアの世界にぴったり。近年バロック・オペラ等にひっぱりだこの 人気ですが、こうしたロマン派・近代も絶妙な巧さ。オフェーリアそのものの狂乱ぶりを示しています。
NMM-046
メシアン:8つのプレリュード
ドビュッシー:前奏曲集第2巻(全曲)
セリメーヌ・ドーデ(P/YAMAHA)

録音:2017 年 4 月、ウィーン
セメリーヌ・ドーデは1977年エクス=アン=プロヴァンス生まれのピアニスト。マレーシア・フィルと共演、2017年にはハイチ・ピアノ・プロジェク トに招かれるなど、ヨーロッパのみならず世界で活躍しています。これまでにもアンサンブルなどでCDをリリースしておりましたが、このたび本格的なソロ・ アルバムの登場。メシアンの8つの前奏曲は、1929年に作曲された、メシアンの最初の重要なピアノ曲。前奏曲というスタイル、また、各曲につけられ たタイトルはドビュッシーを思わせる部分もありますが、「鳥のカタログ」や「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」などメシアン独特の色彩や光の感覚を 予見させる部分もあります。1913年に完成したドビュッシーの前奏曲集第2巻と組み合わせることにより、メシアンとドビュッシー、それぞれの世界が際だっ て響いてくるようです。
NMM-047
United Colors
フィリップ・ガイス(b.1961):サー・パトリック、ユナイテッド・カラーズ・オブ・サクソフォンズ
ウィル・グレゴリー(b.1959):ハイ・ライフ
トーマス・ドス(b.1966):スポットライト
ジャン=バティスト・ロビン(b.1976):パルス
グレアム・リンチ(b.1957):青白いダンサー
エリプソス四重奏団
ポール=ファティ・ラコンブ(ソプラノSax)、ジュリアン・ブレッヒエ(アルトSax)、
シルヴァン・ジャリ(テナーSax)、ニコラ・エルエ(バリトンSax)

フレデリック・オステル(指)
ナントPO

録音:2017年10月
ナントで生まれたサックス四重奏団、エリプソス四重奏団の15周年記念アルバム。エリック・ル・サージュやエマニュエル・パユらも彼らのアンサンブ ルを絶賛している人気グループです。ブラス、ジャズ、タンゴ、アイルランド音楽・・・様々な音楽のリズムが融合する彼らの音楽。ナント・フィルハーモ ニーとの豪華共演でお楽しみいただけます。 (Ki)
NMM-048
F.クープラン:「趣味の融合」より第8コンセール
クラヴサン曲集第4巻第21組曲より「ラ・クープラン」
趣味の融合第9コンセールより「やさしさ」
諸国の人々~フランス人よりパッサカイユ
クラヴサン曲集第3巻第14組曲より「恋のナイチンゲール」
クラヴサン曲集第3巻第13組曲より「フランスのフォリア、あるいはドミノ」
諸国の人々〜ピエモンテの人々より
王宮のコンセール第3組曲
レ・フォリー・フランソワーズ
ベ アトリス・マ ルタン(Cemb)

パトリック・コーエン=アケニン(指)
録音:2017年11月
F.クープランの作品から、肖像画のような作品を集めた1枚。レ・フォリー・フランソワーズのメンバーが、太陽王の時代のもっとも偉大な作曲家の一 人であるF.クープランに、新たな光を当てています。 (Ki)
NMM-049
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラのためのソナタ全曲
ソナタ(1937年)
ソナタ op.31-4(1923年)
ソナタop.25-1(1922年)
ソナタop.11-5(1919年)
ルース・キリウス(Va)

録音:2016年9月、スイス
ルース・キリウスは、ドイツに生まれ、ウルリヒ・コッホやキム・カシュカシャンに師事したヴィオラ奏者。ツェートマイヤー弦楽四重奏団のヴィオラ奏 者としても知られています。また、これまでにボストン響などでソロ・ヴィオラ奏者を務めたほか、ルツェルン音楽祭などにも定期的に招かれています。ファー ニホー、カーターなどの現代作品から古典、バロックまでを演奏するほか、自身作曲家として、ザルツブルク音楽祭からの委嘱でヴァイオリンとヴィオラ のための協奏曲を作曲してもいます。これまでにECMなどでも録音をしておりましたが、このたびノマド・ミュージックからソロCDの登場となります。 ヒンデミットにとってもっとも重要な楽器がヴィオラでした。ヒンデミットの4つの無伴奏ヴィオラ・ソナタは、ヴァイオリン奏者にとってのバッハの無伴奏ヴァ イオリンパルティータ&ソナタと同様、非常に重要で特別な作品。ルース・キリウスが、ヒンデミットの作品に込められた全てを、炎のように熱く、そして 溢れる抒情と共に奏でています。 (Ki)

NMM-051
ミヨー:バレエ「最愛の女性」(1928)
ストラヴィンスキー:火の鳥(1945年版)
ミヨー:「最愛の女性」終曲(リストの半音階的大ギャロップ)〕
エンリケ・マッツォーラ(指) イル・ド・フランス国立O
レックス・ローソン(ピアノラ)
録音:2016年9月
ミヨーのバレエといえば屋根の上の牛(1919年、コクトー台本)、世界の創造(1923年、サンドラール台本)などが有名ですが、この「最愛の女性」は 1928年にアレクサンドル・ブノワ(ベノワとも。舞台・美術デザイナー。ペトルーシュカの初演時の舞台も手がけた。バレエのブノワ賞もこの人に由来)の台本によっ て作られました。1928年11月に初演されています。バレエのストーリーは、詩人がピアノで即興をしながら過去に出会った女性たちのことを回想し、女性達が次々 と現れては消えていく、というたぐいのものです。音楽はリストやシューベルトのピアノ作品をミヨーが編曲したものによっています。この作品の特徴はピアノラ(プ レイエラ)が用いられることです。詩人役が弾くピアノがピアノラによっていました。ピアノラは、基本的に機械仕掛けの自動再生ピアノですが、ペダルを踏むこと でロールの回転の速度を変えたり、強弱を変えたりすることができるもの。ここでは、ピアノラの世界的名手(ピアノリスト)、レックス・ローソンがここでは普通 のグランドピアノと組み合わせて操作されるピアノラを見事に演奏しています。ボーナス・トラックとして、ミヨーの「最愛の女性」終曲(リストの半音階的大ギャ ロップ)を、ピアノラ協奏曲仕立てにし、さらにピアノラのカデンツァも楽しむことができます。レックス・ローソンの驚異的なピアノリストぶりが炸裂しています。 カップリングの火の鳥の演奏も見事です! (Ki)
NMM-054
トゥリーナ:循環 op.91
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
トマス・グビッチ(b.1957):3つのモーメント
トリオ・タルヴェーグ〔セバスティアン・シュレル(Vn)、エリック=マナ・クトゥリエ(Vc)、ロマン・デシャルム(P)〕

録音:2017年12月
フランスでひっぱりだこのピアノ・トリオ、トリオ・タルヴェーグによる1枚。トゥリーナ(スペイン)、ラヴェル(フランス)、グビッチ(アルゼンチン)という 3名の作曲家の作品のプログラムです。グビッチの作品はタンゴ風なかっこいい楽曲。全体をとおして、名手デシャルムのピアノがアンサンブルを見事に引き締め ています。 (Ki)
NMM-055
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
交響曲第5番ハ短調op.67「運命」
フーガ ハ長調 WoO215 Hess 64
セドリック・ティベルギアン(P)
エンリケ・マッツォーラ(指)
イル・ド・フランス国立O

録音:2017年8,9月
フランスの名手、ティベルギアンのベートーヴェンピアノ協奏曲第1番の登場。ティベルギアンはヴァイオリンのイブラギモヴァとの共演等でしばしば来 日もしており、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集も録音、きわめて高く評価されています。マッツォーラ指揮のイル・ド・フランス国立O とは既に5年ほど共演を重ね、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会も行った上での録音ということで、アンサンブルもバッチリの演奏が展開されて います。ティベルギアンの冴えに冴えたピアノの音色、オーケストラとのぴちぴちとしたアンサンブルは聴きものです。
エンリケ・マッツォーラはイタリアの指揮者。メトロポリタンやシカゴ・リリック・オペラ、ベルリン・ドイツ・オペラ等のオペラ公演も多数(指)さらにオー ケストラもフィルハーオニー管やエイジ・オブ・エンライトゥンメント管等世界の名だたるオーケストラで指揮しています。2018/19シーズンにはベルリン・ ドイツ・オペラの首席客演指揮者を務め、さらに若手のオーケストラの育成にも積極的で、後進の指導にも情熱的にあたっている実力者です。 (Ki)
NMM-056
リゲティ:6つのバガテル
ニールセン:木管五重奏曲 op.43 FS.100
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番op.96「アメリカ」(ダヴィッド・ワルターによる木管五重奏編曲版)
アンサンブル・ウラノス〔マティルド・カルデリーニ(Fl)、フィリベール・ペリン(Ob)、アモリ・ヴィドゥヴィエ(Cl)、ラファエル・アングスター(Fg)、ニコラ・ラメ(Hrn)〕

録音:2018年4月
2014年にクラリネットのアモリ・ヴィドゥヴィエが中心となって結成されたアンサンブル・ウラノス。パリ国立高等音楽院の卒業生で結成され、2017 年リヨン国際室内楽コンクールで第1位、聴衆賞などを受賞しています。管楽五重奏のレパートリーの探求に邁進しているだけでなく、アンゲリッシュ、シャ マユ、ルノー・カプソンらと共演もしており、幅広いレパートリーで聞き手をうならせています。
こちらは彼らの初CD。木管五重奏の重要レパートリーであるリゲティから、ニールセンの傑作、そしてドヴォルザークの「アメリカ」を木管五重奏版に 編曲したもの、という興味深いプログラムです。
NMM-057
カミーユ・ペピン:作品集
Lyrae/Chamber Music
Indra/Luna/Kono-Hana
ラファエル・モロー(Vn)
レア・ヘンニノ(A)、ナターシャ・コルメ=コラール(Vc)、アナエル・トゥレ(Hp)、ティボー・ルプリ(打楽器)、レオ・マルグ(指)、アンサンブル・ポリゴーヌ、
セリア・オネト・ベンサイ(P)ほか

録音:2018年4月
若手作曲家の注目株カミーユ・ペピンの初の作品集CDが登場。長年彼女の自作を演奏している仲間たちによる演奏で、満を持しての登場です。ペピ ンはイギリス文学から日本の版画、神話などに影響を受けています。この盤でも、「Kono-Hana」と題し、日本の桜の花にインスピレーションを受けて作 曲した作品など、ペピン独自の宇宙が広がっています。
NMM-058
アルメニア音楽の魅惑の世界
コミタス:ミニアチュール
サヤト=ノヴァ:Yis qou ghimete chim gidi(あなたの価値がどんなにか)、Ari indz angaj kal(彼女はなんと優雅なことか)、Ashkharhums akh chim qashil(私はこの世界では痛みを感じない)
グサン・シェラム(1857-1938):ジャック・ガンダールの編曲
ルーベン・アルチュニアン(b.1939:Quochari、Berd par
ハチャトゥリアン(ヤシャ・パピアン編):バレエ「スパルタクス」より‘エギナとバッカナリアのヴァリアシオン’、バレエ「ガイーヌ」より‘ヌネのダンス’‘子守歌’‘アイシャの孤独(モノローグ)’‘ウズンダラ’、「仮面舞踏会」より‘ワルツ’
Toumanian Mek
〔ダヴィド・ハルチュニアン(Vn1)、クララ・ジャスシシン(Vn2)、エティエンウ・タヴィティアン(Va)、ジェニファー・ハーディ(Vc)〕
ダン・ガリビアン(声)

録音:2018年7&10月
NMM-059
バルバラのために
Ma plus belle histoire d'amour
Les rapaces / L'aigle noir
Pour Barbara (avant la nuit)
Nantes
Gottingen
Pour Barbara (vers l'aube)
Une petite cantate
Dis ! quand reviendras-tu ?
Pour Barbara (en son jardin)
Quel joli temps
ギョーム・シャシー(P)

録音:2018年11月
幼いころからバルバラに魅了されてきてピアニスト、ギョーム・シャシーによる、バルバラへのオマージュ。バルバラの歌に基づく即興などが収められています。 (Ki)
NMM-060
モーツァルト:歌劇「魔笛」からの抜粋(弦楽四重奏編曲版)
弦楽四重奏曲 ト長調 K.387
ツァイーデSQ〔シャルロッテ・マクレ(Vn)、レスリー・ブーラン・ラウレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)〕
2010年結成のフランスのツァイーデSQによる、モーツァルト作品集。2012年ハイドン国際コンクールで優勝およびすべての副賞を受賞す るなど、実力派です。奏者たちの内部から湧き上がってくるような律動が感じられる、生のエネルギーに満ちた演奏が魅力です。 (Ki)
NMM-061
マーラー:さすらう若人の歌
ブルックナー:4つの管弦楽曲〔1. 行進曲 2.モデラート 3.(アダージョ) 4.アンダンテ・コン・モート〕
マーラー:子供の不思議な角笛
エンリケ・マッツォーラ(指)
イル・ド・フランス国立O
マ ルクス・ヴェルバ(Br)

録音:2018年9月
マッツォーラ率いるイル・ド・フランス国立Oによるドイツ・レパートリー。オーストリア出身の世界的バリトン、マルクス・ヴェルバによる歌曲も魅力です。 (Ki)
NMM-062
“B-Side”
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K136、変ロ長調 K137、ヘ長調 K138
ヘンデル:パッサカリア(組曲ト短調 HWV 432より)
カバレフスキー:「道化師」よりワルツ
モンティ:チャールダーシュ
カメラータ・アルマ・ヴィーヴァ
2019年に結成10周年を迎えたカメラータ・アルマ・ヴィーヴァ(アルマ・ヴィーヴァ=生きた魂)によるアルバム。ガボール・タカーチ=ナジの薫陶を受 けたメンバーたちによって結成されたアンサンブルです。指揮者を置かずに、立って演奏します。練習は演奏にとどまらず、演劇や即興、瞑想など多岐に渡ります。 ヘンデルからローリング・ストーンズまでそのレパートリーも多岐にわたるスリリングなアンサンブルの演奏をおたのしみください! (Ki)
NMM-063
レ・シエクルの首席奏者による金管五重奏
(1)デュカス(バリントン編):「ラ・ペリ」のファンファーレ
(2)エヴァルト:金管五重奏曲第1番Op.5
(3)アントワーヌ・シモン:アンサンブル小品集Op.26(全9曲)
(4)G:セレナード
(5)ドビュッシー(サブーリン編):亜麻色の髪の乙女
レ・シエクル金管五重奏団【ファビアン・ノルベール(C管トランペット、セルマー・グランプリ1930&コルネット、ベッソン1885)、エマニュエル・アルマニー(C管トランペット、セルマー・グランプリ1927&コルネット、ベッソン1885)、マチュー・シーグリスト(ヴァルヴ・ホルン、ラウー=ミルロー1900)、ダミアン・プラド(トロンボーン、クルトワ1872)、シルヴァン・ミノー(チューバ、クエノン1910、オフィクレイド、ローク1837、変ホ管アルト・サクソホルン、A.ザックス)】

録音:2016年12月/アミアン文化センター
金管界では知らぬものなき名作エヴァルトの「金管五重奏曲第1番」。効果的な楽器法とロシアならではの叙情的な旋律美で、弾いても聴いても魅力 的な作品。ついにピリオド楽器による録音が登場しました!それもレ・シエクルの金管セクション・トップ奏者たちによるアンサンブルという気絶しそうに なるほどの組み合わせです。
レ・シエクルは2003年創立、フランス近代作品を初演された当時の響きと奏法で再現する、というポリシーで世界中の注目を浴び、音楽監督のフラ ンソワ・グザヴィエ・ロトとともに日本でも今日もっとも注目されるオーケストラのひとつとなりました。彼らの響きの特徴を左右しているのが管楽器。こ とに金管は今日とは明らかに異なる独特な色彩感に満ちています。
エヴァルトはアレンスキーやグラズノフと同世代で、「金管五重奏曲第1番」は1912年の作。当アルバムの使用楽器は同時代のもので、初演当時の響 きが彷彿されます。またフランス人ながらロシアで活躍したアントワーヌ・シモンは、ロシアで金管の室内楽やソロ曲を創始した草分け的存在。「アンサン ブル小品集Op.26」はバレエ音楽のような楽しい組曲。「G」というイニシャルのみの作曲家はおそらくフランスの作曲家ルイ・ジラールと思われ、19世 紀後半の酒場やダンスホールの雰囲気を醸すのもシエクルのメンバーは心憎いほどの巧さです。
かつて聴いたことのない音色、超絶的な名人芸いずれも満点。金管関係者には超ド級、音楽ファン誰もが注目のアルバムです。 (Ki)
NMM-065
無伴奏合唱曲集
ラヴェル:「妖精の園」(マ・メール・ロワより/ティエリー・マシュエル編)、3つの歌、鐘の谷(クリストゥス・ゴットヴァルト編)
サン=サーンス:夕べのロマンス、並木道の足跡、花々と木々、夜の静けさ
ブリテン:聖セシリア讃、5つの花の歌
R.マリー・シェーファー:ミニワンカ、あるいは水の瞬間
レ・メタボール、
レオ・ワリンスキ(指)

録音:2019年2月
フランスの合唱団レ・メタボールによる新譜。すべて無伴奏合唱です。サン=サーンスの「花々と木々」、「夜の静けさ」はグノーに献呈されている作品(歌詞は グノーによるもの)。ラヴェルの「3つの歌」もラヴェル自身の歌詞によるものです。カナダの作曲家で音楽理論家でもあるマレイ・シェーファーによる「ミニワン カ」、とは北アメリカ原住民の言葉で、水のさまざまな状態を表す言葉。雨が流れ、静かな湖となり、川となり、最後は海にそそぐ様子が歌われます。ほかにラ ヴェルの器楽作品からの合唱編曲版などが並んだプログラムで、メタボールの変幻自在な表現力とテクニックが発揮された1枚となっております。 (Ki)
NMM-066
ダニエル・ダダモ(b.1966):Sur Vestiges(弦楽五重奏のための)
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956
ノエミ・ブタン( チェロ )
ベラ四重奏団

録音:2019年3月
フランスの気鋭の奏者たちが集った1枚。ノエミ・ブタンは14歳でパリ音楽院に入学、気鋭の演奏家としてサーカスの演者と舞台を共にしたり、ジャ ズミュージシャンと共演したりもしています。日本でもパフォーマンスを披露しているチェロ奏者です。ベラ四重奏団はフランスで「おそるべき子供たち」 と称された結成13年を超えるグループ。ベラ・バルトークのベラから名前をとっていることもあって、バルトーク作品はもちろんのこと、中欧の作品にも 積極的に取り組んでいます。ダニエル・ダダモの作品は、彼らの委嘱によるもので、シューベルトの弦楽五重奏と一緒に演奏することを念頭に置いた作品 となっています。ノエミは客席に向かって座り、弦楽四重奏が彼女の後ろに座るという配置で演奏されます。 (Ki)
NMM-067
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
五重奏断章 変ロ長調 KV Anh,91(フランツ・バイヤー補完)
クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
ジュリアン・エルヴェ(Cl)
グスターヴォ・ヒメノ(指)
ロッテルダムPO
ゴルダン・ニコリッチ、ゴラン・グリバイツェヴィチ(Vn)
ロマン・スピツェル(Va)、セリーヌ・フラメン(Vc)

録音:2017年3月、2018年9月
フランス出身のクラリネット奏者ジュリアン・エルヴェによるモーツァルトの登場。彼が首席奏者を務めるオーケストラ、ロッテルダム・フィルが管弦楽 を担当しているとあって、そのあたたかなアンサンブルは格別なものがあります。 カップリングには元LSOのコンサートマスターであるニコリッチら豪華メンバーを迎えての五重奏曲も収録しています。 ジュリアン・エルヴェはフランス出身。パスカル・モラゲスのクラスに学び、2008年からロッテルダム・フィルの首席クラリネット奏者を務めるほか、ソリスト、 室内楽でも活躍しています。楽器はビュッフェ・クランポンを愛奏しています。ヒメノはコンセルトヘボウOで打楽器奏者を務めていましたが2012 年よりヤンソンスのアシスタントとして指揮者としてのキャリアをスタートさせました。その後ハイティンクやアバドのアシスタントも務め、その才能は世界 が広く認めるところです。来日もしており、2020/21のシーズンからはトロントSOの第11代音楽監督としてますます活躍が期待されております。 (Ki)
NMM-068
「1893」
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」op.96
プッチーニ:菊
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10
ヴァレーズ四重奏団

録音:2018年10月
フランスのSQ、ヴァレーズ四重奏団による、「1893年」と題した1枚。文字通り、1893年前後に書かれた作品がプログラムされています。 ヴァレーズ四重奏団はリヨン国立高等音楽院の学生らによって2006年に結成されました。 (Ki)
NMM-069
わが心のリズム〜マリンバのための音楽集
ヴァルバノフ:Introduction/ Son nom est Land/ Tout est bruit, tout est battement, tout est rhtyme…/ Homme bleu/ Cajon de Peru/ Tombak/ Venez danser/ Tel est mon voyage
村松崇継:Land for Marimba Solo
マティアス・シュミット:Ghanaia for Marimba Solo and Percussion
伝承曲(ブルガリアの舞曲)(ヴァルバノフ編)Kopanitza/ Gornodikansko horo
デイヴ・サミュエルズ:Footpath for Solo Marimba
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV 1001より(ヴァルバノフ編)
ジョン・サタス:One Study One Sammary
ジェルジ・ヴァルバノフ(マリンバ)
ソニア・メラー(語り)

録音:2018年、2019年
ヴァルバノフは、幼いころから音楽に親しみ、演奏会でパーカッションと出会い、7歳でブルガリアで最も重要なコンクールで優勝。2005年、ルクセ ンブルクでの国際打楽器コンクールで優勝、アンドレ・ジョリヴェ賞も受賞。2009年よりイル・ド・フランス国立Oの第1ソロ打楽器奏者を務め る奏者です。自身の作品のほか、ドラマや映画音楽などでも活躍する村松崇継の作品、さらにはナレーションも入った注目のプログラムかつこだわりの作 りとなっております。 (Ki)
NMM-070
ベートーヴェン(フィッシャー編):交響曲第6番「田園」(弦楽六重奏版)
シェーンベルク:浄夜Op.4
レ・プレイアード【レティティア・ランジュヴァル、カロリーヌ・フロランヴィユ(Vn)、キャロル・ドファン、マリー・クチンスキ(Va)、ジェニファー・ハーディ、アマリリス・ヤルチク(Vc)】

録音:2018、2019年/アミアン文化センター
ベートーヴェンの作品はバッハと同様にさまざまな楽器のために編曲されていますが、何と交響曲の弦楽六重奏版が登場。それも管楽器や打楽器の印象の 強い「田園」なのが興味津々。
編曲者はベートーヴェンと同時期のミヒャエル・ゴットハルト・フィッシャー(1773-1829)。オルガン音楽の作曲家として知られていますが、「田園」が発表さ れて2年後にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ各2本のための充実した編曲を行いました。第2楽章の小鳥の囀り、第4楽章の落雷、第5楽章冒頭のホルンなど弦 のソロながら物足りなさはなく、むしろベートーヴェンらしさが増しているのが驚き。
演奏するレ・プレイアードはおうし座のすばる星団のフランス名。全員がロトの率いるピリオド楽器オーケストラ「レ・シエクル」のメンバーで、もちろん今回も ピリオド楽器使用。今回は指揮者なしですが、ロトに鍛えられた推進力とリズム感で聴く者の心をとらえて離さない凄みに満ちています。また良く響く楽器とブ レンド感も魅力で、高音質録音があますところなく収めています。
カップリングはシェーンベルクの「浄夜」のオリジナル六重奏版。1902年の作品ですが、ピリオド楽器による演奏は初めてと思われます。ヴィブラート控えめ の奏法が新鮮で、世紀末的濃厚さが宗教的とさえ感じさせる力強く生々しいエネルギーとなって迫ってきます。 (Ki)
NMM-071(2CD)
バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全集
ロ短調BWV1014/イ長調BWV1015
ホ長調BWV1016/ハ短調BWV1017
ヘ短調BWV1018/ト長調BWV1019
ステファニー=マリー・ドガン(Vn)
ヴィオレーヌ・コシャール(Cemb)

録音:2019年4月/セクスタン・スタジオ(マラコフ)
1974年生まれ、ジャック・ゲスタン門下のステファニー=マリー・ドガンは、京都フランス音楽アカデミーの講師として来日もしているヴァイオリスト。 彼女が伴奏付のバッハのヴァイオリン・ソナタ全集に取り組みました。 チェンバロはアンサンブル・アマリリスでも知られるヴィオレーヌ・コシャール。典型的なフレンチ・チェンバロで、独特の洒脱なバッハを披露してくれます。 (Ki)
NMM-072
Post Scriptum/追伸
クライスラー:美しきロスマリン、
 中国の太鼓、愛の喜び、
 シンコペーション、愛の悲しみ
クロール:バンジョーとフィドル
メンデルスゾーン:歌の翼に
モシュコフスキ(サラサーテ編):ギターレ
ラフマニノフ(ハイフェッツ編)):ひなぎく
コルンゴルト:庭の風景
ゴドフスキ(ハイフェッツ編):古きウィーン
アクロン:ヘブライのメロディ
フォスター(ハイフェッツ編):金髪のジェニー
パラディス(デュシュキン編):シチリアーノ
フォーレ:ロマンス op.28
シューマン(ハイフェッツ編):予言の鳥
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しき夕べ
サラサーテ:序奏とタランテラ
マリナ・シシュ(Vn/ジュゼッペ・ガリアーノ、1762年製)、
オーレリアン・ポンティエ(P)

録音:2019年3月
「追伸」と題したアンコール・ピース集。クライスラー、ハイフェッツら往年の大ヴァイオリン奏者たちが手掛けた編曲や作品を中心に収録しています。マリ ナ・シシュは2004年、2005年と連続してヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークにノミネートされた注目奏者。マルセイユ出身で、パリで学んだ後、ウィーン、ミュ ンヘン、ベルリンでケンさんを積んでいます。音楽のほか、ドイツ文学を修め、音楽学(古楽)修士、そして博士号も持っている才媛です。メリハリの効いた音楽 が魅力です。ピアノのオーレリアン・ポンティエは9歳でデビュー、12歳でクリヴィヌに招かれショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏するなど、早くから注目さ れている存在です。
NMM-073
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
コリリアーノ:レッド・バイオリン
アマンダ・ファヴィエ(Vn)
アドリアン・ペルション(指)
リエージュ王立PO

録音:2019年3月/サル・フィルラルモニク(リエージュ)
アマンダ・ファヴィエは1979年生まれのフランスのヴァイオリニスト。ジェラール・プーレ、ジャン=ジャック・カントロフに師事しヨーロッパを中心に活動、 CDも数多くリリースしています。コリリアーノの「レッド・バイオリン」は1998年の映画音楽に基づく協奏作品。ジョシュア・ベルの演奏で知られますが、 アマンダ・ファヴィエの1723年マッテオ・ゴッフリレール製の愛器がまさに赤いヴァイオリンで、彼女のたっての希望で録音されました。 (Ki)
NMM-074
木々の音〜The Sound of Trees
カミーユ・ペピン:木々の音(The Sound of Trees)
ドビュッシー:ラモー讃(映像第1集より〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
ドビュッシー:運動(映像第1集より〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
リリ・ブーランジェ:悲しみの夜(ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
リリ・ブーランジェ:春の朝(ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための〜カミーユ・ペピンによる管弦楽編曲版)
ピカルディO、
アリ・ヴァン・ベーク(指)
ジュリアン・エルヴェ(Cl)、
ヤン・レヴィオノワ(Vc)

録音:2019年10月
ピカルディOのコンポーザー・イン・レジデンスを務めるカミーユ・ペピンによる、クラリネットとチェロのための協奏曲「木々の音」を収めた1枚。こ の作品は、2020年のヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークにノミネートされるなど、フランスで高く評価された作品。ミニマルミュージック的な刻むリズムの上、 クラリネットとチェロが刺激的な対話を繰り広げます。クラリネットを奏でるジュリアン・エルヴェは2006-2013年にはレ・シエクルでソロ・クラリネット奏者 を務め、現在ではロッテルダム室内音楽協会の芸術監督などを務めながら、現代音楽からさまざまな編成の音楽など、幅広く活躍しています。ヤン・レヴィオノ ワは、2019年からエルメスSQのチェロ奏者を務める傍ら、ソリストとしてオーケストラとの共演も多数の実力派です。カップリングはリリ・ブーラ ンジェとドビュッシー。カミーユ・ペピンが彼らの作品を管弦楽版に編曲、作品の世界観はそのままに、よりモダンな風合いに仕上がっております。 (Ki)
NMM-075
フルート・トランスクリプション
ラヴェル(マガリィヤンス編):ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
シューマン(マガリィヤンス編):ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.105
同(ランパル編):3つのロマンスOp.94
ドビュッシー(サマズイユ編):牧神の午後への前奏曲
同(マガリィヤンス&ジュード編):ヴァイオリン・ソナタ
ラクエル・マガリィヤンス(Fl)、
マリー=ジョセフ・ジュード(P)

録音:2019年6月/スタジオRiffx(ブローニュ・ビヤンクール)
1979年ブラジル出身、アラン・マリオン門下の女性フルート奏者ラクエル・マガリィヤンスがフランスのベテラン、マリー=ジョセフ・ジュードとの共演で、ドイ ツ・ロマン派とフランス印象派のトランスクリプション(編)をあつめた最新アルバム。ランパルやサマズイユの名編曲に加え、マガリィヤンス自身も挑戦。マガリィ ヤンス独特な明るく温かみのある音色を通して、シューマン、ラヴェル、ドビュッシー作品に新たな光を当てます。 (Ki)
NMM-076
Messe noire〜黒ミサ
リスト:悲しみのゴンドラ 第2稿 S.200
 灰色の雲 S.199/夜 S.112
 無調のバガテル S.216a
スクリャービン:詩曲第1番、第2番op.71
 ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」op.68
 詩曲-夜想曲 op.61
 5つの前奏曲 op.74
 焔にむかって op.72
セリメーヌ・ドーデ(P)

録音:2019年11月
リスト、スクリャービンそれぞれの晩年の作品を収録した1枚。いずれもミステリアスで神秘的な和声が醸し出すほの暗い 世界という共通点がみられます。ピアニストのセリメーヌ・ドーデはフランス人の父、ハイチ人の母をもつフランス出身のピアニスト。カーネギーホールでデ ビューをかざり、その後も音楽祭などで活躍しています。バッハからメシアンまで、その確かな技術と耳の良さで幅広いレパートリーを体得しています。 (Ki)
NMM-077
ブリテン:「カンティクル集」、他
セレナードOp.31〜プロローグ
カンティクル第1番「愛した者はわがもの」Op.40
グレゴリオ聖歌「博士たちは星を見て」
カンティクル第4番「東方三博士の旅」Op.86
キャロルの祭典Op.28〜間奏曲
カンティクル第5番「聖ナーシサスの死」Op.89
夜の小品
カンティクル第3番「なお雨は降る」Op.55
カンティクル第2番「アブラハムとイサク」Op.51
シリル・デュボワ(T)、
アンヌ・ル・ボゼック(P)
ポール=アントワーヌ・ベノス・ジアン(C.T)、
ウラジーミル・デュボワ(Hrn)、
ポリーヌ・アース(Hp)、
マルク・モイヨン(Br)

録音:2019年1月/イル=ド=フランス国立Oスタジオ(アルフォールヴィル)
ブリテンの全5曲から成るカンティクルは1927年から1974年までの長きにわたり作曲されたもので、彼の相方だったピーター・ピアーズのテノールに より初演されました。それをフランスのテノール、シリル・デュボワが感動的に歌いあげています。デュボワは2014年にリヨン・オペラのBunkamura公 演でオッフェンバックの「ホフマン物語」に出演、芸達者ぶりが注目されました。 (Ki)
NMM-078(2CD)
ハイドン:パリ交響曲(全曲)
交響曲第83番ト短調「雌鶏」
交響曲第86番ニ長調
交響曲第87番イ長調
交響曲第84番変ホ長調
交響曲第85番変ロ長調「王妃」
交響曲第82番ハ長調「熊」
ダグラス・ボイド(指)
パリ室内O

録音:2018、2020/フィルラルモニ・ド・パリ
日本でも名古屋フィルの客演などでおなじみのダグラス・ボイドがハイドンの交響曲に挑戦。ボイドはイギリス出身。オーボエ奏者としてモーリス・ブルグ に師事し、2002年までヨーロッパ室内Oの首席奏者として活躍しました。 彼はオーケストラの団員としてアバドの指揮のもとハイドンの交響曲を多数演奏、録音した経験を生かし、さらに自身の個性も加えたフレッシュな世界を創 造しています。 (Ki)

NMM-079
ルートヴィヒ/ツァイーデ四重奏団&ドルプレール
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」(弦楽五重奏版)
弦楽四重奏曲第3番ニ長調OP.18の3
ツァイーデQ【シャルロット・マクレ、レスリー・ブーラン・ローレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)】、ブリュノ・ドルプレール(Vc)(1)

録音:2019年12月/Riffxスタジオ(ラ・セーヌ・ミュジカル)
これは衝撃的。2009 年結成の女性 4 名から成るツァイーデ四重奏団に、ベルリン・フィルの若き第 1 ソロ・チェロ奏者ブリュノ・ドルプレールを加えた 五重奏でベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」に挑戦。
「クロイツェル・ソナタ」は言うまでもなくヴァイオリンとピアノが火花を散らすボルテージの高い力作。それを弦楽五重奏にしているのは興味津々ですが、 ピアノ・パートを 4 人に振り分けるような単純な編曲ではなく、ヴァイオリンのパートも 5 人に分け、完全な室内楽作品に仕上げています。ヴァイオリンが 奏でるはずのメロディーをチェロが歌うなど、予期せぬ驚き満載です。ベートーヴェンの死後にジムロック社から楽譜が出版されましたが、編曲者名は記さ れてません。
チェロを加えることで音の視野が広がり、低域の深みが倍増。一説にはベートーヴェン自身か弟子のリースによる編曲ではないかとされ、各楽器への効果 的な分配やボルテージの高さ、充実度は驚くべきもので、まるで古典派のロックンロールとでも言うような凄さ。良く知る曲ながら思いがけぬ新しい魅力を 発 見させてくれます。
カップリングは彼の弦楽四重奏曲の実質的に最初の曲である第 3 番。こちらは原曲通り弦楽四重奏で演奏。明朗で平和なこの曲と、デモーニッシュなク ロイツェルを並べることで、ベートーヴェンの表現力の幅広さを証明しています。 (Ki)
NMM-081
オレリアン・デュモン:潮
(1)かけらのたまり
(2)ブリオーヌより〜エミリー・ディッキンソンの詩による
(3)ベーニュ(全4曲)
ピエール・ルーリエ(指)
アンサンブル2e2m
エレーヌ・フォーシェー(S)

録音:2018年3月20日(1)、5月3日(2)、1月16日(3)/マルセル・ランドフスキ講堂(ライヴ)
オレリアン・デュモンは1980年生まれのフランスの作曲家。日本文化に深い興味と愛を抱き、源氏物語に題をとる「垣間見」、黒塚に基づく能オペラ「秘 密の間」などを作曲していますが、トゥール大医学部で音楽療法を学んだ経歴からも、様式ではなく精神的な日本性を見事に表現しています。ここに収めら れたものは日本と関係ないものの、「ブリオーヌによる」ではエレクロニクス、「ベーニュ」では映像作家ジェニファー・ドゥゼネルのヴィデオとのコラボとい う新しいメディアとの可能性を試みています。 (Ki)
NMM-084
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調D.898
ノットゥルノD.897
流れの上でD.943(トリオ・タルヴェーク編)
トリオ・タルヴェーク
【セバスティアン・シュレル(Vn)、エリク=マリア・クテュリエ(Vc)、
ロマン・デシャルム(P)】

録音2020年7月/メッツ・アルセナル
2004年結成のトリオ・タルヴェーク。ピアノ三重奏曲の歴史を網羅するレパートリーに加え、ジャズやロック、電子音楽とまでコラボする柔軟な音楽性が魅力で す。彼らの第2弾はシューベルトに捧げたアルバム。「冬の旅」や後期ピアノ・ソナタと同時期の第1番、彼ら自身の編曲による歌曲「流れの上で」まで歌ごころに 満ちた演奏を楽しめます。 (Ki)
NMM-087
ハイチわが愛〜ハイチ作曲家のピアノ曲
リュドヴィク・ラモート:アルバムのページ第1番
ジャスティン・エリー:山の歌第1番「こだま」
ラモート:ダンサ第4番
エリー:ハイチのメレンゲ第2番
エドモン・サントンジュ:エレジー=メレンゲ
ラモート:ダンサ第1番「ハバネラ」
エリー:ハイチのメレンゲ第4番
ラモート:ブードゥー教のイコン〜ロコ
エリー:山の歌第2番「ノスタルジー」
ラモート:アルバムのページ第2番
エリー:ハイチのメレンゲ第1番
ラモート:ダンサ第3番
ショパン(リスト編 ):春
セリメーヌ・ドーデ(P)

録音:2019年11月/フィラルモニ・ド・パリ
カリブ海イスパニョラ島西半分を占めるハイチ。初めての黒人民主国家となったことで知られますが、ラテンとアフリカが絶妙にまじりあう音楽文化が魅力。
フランスの女性ピアニスト、セリメーヌ・ドーデはエクサンプロヴァンス出身ですが、母がハイチ人でこの国には特別の思い入れを持ち、2017年に同地でピアノ の音楽祭を始めたほど。そのドーデがハイチの作曲家によるピアノ曲を集めたアルバムを実現させました。
リュドヴィク・ラモート(1882-1953)、ジャスティン・エリー(1883-1931)、エドモン・サントンジュ(1861-1907)という19世紀生まれの3名の作品 を12曲選んでいます。いずれもパリで勉強していて、洗練された未知の宝石に驚き。ラモートは「黒いショパン」と称され、繊細極まりないピアノ音楽を創り出し ています。もちろんメレンゲなどアフロ=カリビアンな舞曲や、ブードゥー教の秘儀的なものなど官能的かつ生命力にあふれる曲など多彩。ピアノに興味ある方々は 気に入られること間違いなしのオススメ盤です。
NMM-088
フェルナンド・デュリュック:サクソフォン作品集
パヴァーヌ
サクソフォネスカス(全8曲)
2つの子守歌
サクソフォン的変奏曲
サクソフォニア・ディ・カメラ(全4曲)
サクソフォニー(全3曲)
エリプソス四重奏団【ポール=ファティ・ラコンブ(ソプラノ・サクソフォン)、ジュリアン・ブレシェ(アルト・サクソフォン)、シルヴァン・ジャリ(テノール・サクソフォン)、ニコラ・エルエ(バリトン・サクソフォン)】

録音:2020年7月/シャンピニー=シュル=マルヌ音楽院
フェルナンド・デュリュック(1896-1954)はフランスの女性作曲家。六人組などと同世代ですが、あまり知られていません。パリ音楽院で作曲とオルガンを学び、 夫がトスカニーニ時代のニューヨーク・フィルのコントラバスとサクソフォン奏者となったためアメリカに数年間住み、ガーシュウィンのジャズの洗礼を受けました。
デュリュックは夫のためにサクソフォン曲を量産し、それらはフランソワ・コンベルやマルセル・ミュールといった名手にもとりあげられるようになりました。今日 でも彼女の「サクソフォン・ソナタ嬰ハ調」は、この楽器の重要なレパートリーとなっています。
彼女のサクソフォン曲の多くは未出版でしたが、2020年にようやくビヨドー社から刊行されたため、今後重要なレパートリーとなることは確実と申せましょう。 それらを早速エリプソス四重奏団の妙技で録音。リズムと和声の大胆さでラヴェル、ストラヴィンスキー、ガーシュウィン、ドビュッシーの世界が交差点する独特さ。 新たな世界の発見の喜びに満ちています。kい
NMM-089
天使
ウィリアム・バード:アヴェ・ヴェルム・コルプス
ジョナサン・ハーヴェイ:愛するわが主よ
同:来たれ、聖霊よ
同:平和と光の讃歌
パーセル:主よ、我らの罪を思い出したもうことなかれ
ハーヴェイ:主よ、思い出したもう
パレストリーナ:スターバト・マーテル
ハーヴェイ:受胎告知
同:天使
レオ・ヴァリンスキ(指揮
)レ・メタボール

録音:2019年9月/ロワイモヨン修道院
レオ・ヴァリンスキはポーランド系の姓ながらフランスで生まれ育ち、パリ音楽院でフランソワ=グザヴィエ・ロトに師事した期待の若手指揮者。2010年に創設 した手兵の合唱団レ・メタボールとラヴェル、サン=サーンス、ブリテンの作品を集めたアルバム「妖精の園」(NMM065)でCDデビューしましたが、第2弾はイ ギリスの荘厳な宗教作品の伝統を中心にしています。現代のジョナサン・ハーヴェイ(1939-2012)作品の独特な色彩感が興味津々。録音場所のロワイモヨン修 道院の音響が雰囲気を醸し出しています。 (Ki)
NMM-090
Bach・Reich
(1)バッハ:無伴奏フルートの為のパルティータ イ短調BWV1013
(2)ライヒ:ナゴヤ・マリンバ(1994)(ラランクールによる2本のフルート編)
(3)バッハ:組曲ニ長調(BWV590, 1010, 828, Anh116, 842, 1068からラランクール編)
(4)ライヒ:木片の音楽(1973)(ラランクール編による5人のフルート奏者用)
(5)バッハ:リュートの為のパルティータBWV997(ラランクール編)
(6)ライヒ:ヴァーモント・カウターポイント(1982)
マリオン・ラランクール(トラヴェルソ、フルート、アルト・フルート、ピッコロ)

録音:2015年11月、2018年12月、2019年6月/シテ・ド・ラ・ミュジーク
マリオン・ラランクールはパリ音楽院でソフィー・シェリエに師事したフルート奏者。ソリストとして活躍するかたわら、フランソワ=グザヴィエ・ロト率いるレ・シ エクルの首席奏者を務め、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」やドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」のディスクで彼女の妙技に触れることができます。
このアルバムは大バッハとスティーヴ・ライヒの作品を交互に収めたもので、タイトルはローマ字だと綴りが似ているBach・Reich。ラランクールによれば1枚 のアルバムに一見不釣合いな2人の作曲家をカップリングするのはレ・シエクルのやり方を踏襲したとのこと。
両作曲家の作品には250年の開きがあるものの、あらゆる種類の線を駆使した作曲法で共通したDNAを持つとしています。ラランクール自身の手による編曲 も聴きものです。 (Ki)
NMM-091
トマ・ルルー〜ボーン・トゥ・グルーヴ
トマ・ルルー(ロラン・エルバス編):ストーリーズNO2/マリゴット湾/シューベルティアーデ/ウォーク・アラウンド/ノスタルジック・ソング/リオ・セナリウム/眺めのいい部屋/ヴィラ・マダレナ/アルメニアン・トリビュート/ボーリュー/ボーン・トゥ・グルーヴ
ロラン・エルバス:ルルーランド/ブラジル組曲/歌劇・トリビュート
サム・ファヴロー:バンキー・フローズ
ラミーヌ・ディアーニュ:ンデェ・クムバ/エピローグ
ボーナストラック:ウォーク・アラウンド(別テイク)
トマ・ルルー(チューバ、コーラス)、
ロラン・エルバス(P、キーボード、コーラス)、
ジェローム・ブイゲス(ギター、コーラス)、
ラミーヌ・ディアーニュ(フルート、サクソフォン、ンゴーニ 、ドゥドゥク、カリンバ 、歌 )、
サム・ファヴロー( ベース、コーラス)、
フィリップ・ジャルダン(パーカッション、コーラス)ほか

録音:2020年9月/スタジオ26(アンティーブ)
トマ・ルルーは1987年生まれのフランスのチューバ奏者。マルセイユ歌劇場Oの奏者を務めながらソリストとして世界中をまわるまさに21世紀チュー バ界の期待の星。日本の音楽大学や楽器店でのレクチャーやマスタークラスでもしばしば来日してカリスマ的人気を誇っています。
ルルーはクラシック作品のみならずジャズやポップスにも造詣が深く、このアルバムではジャズ・ミュージシャンとのコラボでオリジナル作品を披露。まるでアル ト・サックスのような甘く咽び泣くチューバのソロが聴きもの。ルルーはチューバのみならずコーラスで歌声も披露。新時代のチューバ・スターの登場です。 (Ki)
NMM-092
メタモルフォシス
フィリップ・グラス:メタモルフォシスT
ラヴェル:鏡〜鐘の谷
カミーユ・ペパン:ナンバー1
ラヴェル:鏡〜蛾
 鏡〜悲しい鳥たち
グラス:メタモルフォシスW
 鏡〜洋上の小舟
グラス:メタモルフォシスU
 メタモルフォシスV
ラヴェル:鏡〜道化師の朝の歌
グラス:メタモルフォシスX
セリア・オヌト・ベンサイド(P)
YAMAHA使用

録音:2020年5月/イル・ド・フランス国立O会館
1992年生まれのフランスの美人ピアニスト、セリア・オヌト・ベンサイドの最新盤。今回はラヴェルの「鏡」全5曲とその精神的子孫であるフィリップ・グラスの 「メタモルフォシス」5曲をちりばめ、1990年生まれの女性作曲家カミーユ・ペパン作品と3つの異なる時代の3名の不可思議な絆を示してくれます。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません。 (Ki)
NMM-094
R・シュトラウス:(デイヴィッド・コープ編):ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらOp.28
フランセ:恋人たちの時間
 木管五重奏曲第1番
プーランク:ピアノと木管の為の六重奏曲
アンサンブル・ウラノス、
ギヨーム・ヴァンサン(P)

録音:2020年8月/イル・ド・フランス国立管会館
アンサンブル・ウラノスはパリ音楽院の学生たちにより2014年に結成された木管五重奏団。ミシンのブランド、シンガー=ポリニャック財団のレジデント・アー チストとなり活動しながら、2017年にリヨン国際室内楽コンクール、2020年カール・ニールセン国際室内楽コンクールでともに最優秀賞を受賞した実力派団体。
今回はR・シュトラウス、フランセ、プーランクの華やかで演奏効果に満ちた作品に挑戦。R・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉 快ないたずら」はデイヴィッド・コープの編曲。アメリカの作曲家兼科学者で、AIによる作曲プログラム「エミー」を開発し、「人工知能が音楽を創る」(音楽之友 社刊)の著作もある奇才で、どのような編曲か興味津々です。 (Ki)
NMM-095
私たちは女(じゃない)
(1)グリーグ:「ペール・ギュント」〜ソルヴェイグの歌(ソルヴェイグ:放置)
(2)グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」〜なんと悲しいひととき(エウリディーチェ:地獄落ち)
(3)ベッリーニ:「夢遊病の女」〜ああ信じられないわ(アミーナ:憑依)
(4)チャイコフスキー:「オルレアンの少女」〜さようなら森よ(ジャンヌ:火刑)
(5)オッフェンバック:「ホフマン物語」〜ホフマンの舟歌(ジュリエッタ:服毒)
(6)ビゼー:「カルメン」〜ハバネラ(カルメン:刺殺)
(7)ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」〜あたしはマリア(マリア:射殺)
(8)ヴェルディ:「群盗」〜前奏曲(アマリア:刺殺)
(9)モーツァルト:「ツァイーデ」〜虎よ、その曲がった爪で(ツァイーデ:死刑)
(10)カヴァッリ:「ジャゾーネ」〜魔法の洞窟から(メデア:子殺し)
(11)モーツァルト:「魔笛」〜復讐の炎は(夜の女王:敗北)
(12)ベッリーニ:「カプレーティとモンテッキ」〜ああいくたびか(ジュリエット:自害)
(13)モーツァルト:「フィガロの結婚」〜なくしてしまった(バルバリーナ:処女喪失)
(14)ヴェルディ:「運命の力」〜前奏曲(レオノーラ:刺殺)
(15)ハイドン:「アルミーダ」〜憎しみ、怒り、侮辱(アルミーダ:捨てられ)
(16)ヘンデル:「アルチ-ナ」〜ああ私の心の人(アルチーナ:裏切り)
(17)ロッシーニ:「マホメット2世」〜天の正義よ(アンナ:自害)
(18)R・シュトラウス:「サロメ」〜7つのヴェールの踊り(サロメ:圧死)
(19)マスネ:「マノン」〜さようなら、私たちの小さなテーブル(マノン:衰弱死)
(20)ヴェルディ:「椿姫」〜さようなら過ぎ去った日々よ(ヴィオレッタ:病気)
(20)ベッリーニ:「ノルマ」〜お願いだから生贄にしないで(ノルマ:火炙り)
(21)サン=サーンス:「サムソンとダリラ」〜前奏曲(ダリラ:圧死)
(22)ヴァイル:「マリー・ギャラント」〜ユーカリ(マリー:射殺)
テオフィル・アレクサンドル(C.T)、
ツァイーデQ

録音:2021年1月、3月/イル・ド・フランス国立O
テオフィル・アレクサンドルは、今年33歳のフランスのカウンターテナー歌手にしてコンテンポラリー・ダンサー。幼時からアイドルだったマリア・カラス風の声と、 ルドルフ・ヌレエフ風な筋骨隆々とした裸を見せたがる肉体美を誇るユニークな音楽家の出現です。
ヘンデルのオペラのオルランド役でマルゴワールに見いだされ、クリスティ、ミンコフスキらと共演して注目されました。ヒゲの似合う精悍さでヒロインを演じる芸 風は今後ブレイクしそうなポテンシャルに満ちています。
ここに収めた23曲はオペラのヒロインが男への苦悩のなか死んでいく様を描いたアリアで、それぞれの死因まで挙げる凝りようです。アレクサンドルはヒロイン が必ずしも女性である必要はないとジェンダーレスなトリビュートを捧げています。甘くせつない気持ちが妖しく光る独特な世界です。
伴奏を務めるのは女性のみで結成されたツァイーデ四重奏団。モデルばりの美女たちがあえて女性を出さずにテオフィル・アレクサンドルと不思議な一体感を見 せています。 (Ki)
NMM-096
アコーディオン版チャイコフスキーノ「四季」
チャイコフスキー(エロディ・スラール&ユーリー・シシキン編):組曲「四季」Op.37a
エロディ・スラール(アコーディオン)

録音:2021年4月/ナンテール音楽館講堂
チャイコフスキーの組曲「四季」は、彼のピアノ曲のなかでもっとも親しまれていますが、何とアコーディオンで挑戦したディスクが登場します。
チャイコフスキーは生来オーケストラ的な感覚を持ち、息の長いメロディ・ラインや様々な楽器の音色を内包しているとされます。またチャイコフスキーはペテル ブルグ音楽院在学中に副科でオルガンを選択するほどオルガン・マニアで、何故この楽器のために作品を残さなかったのか不思議でした。
それゆえオルガン的効果を発揮するアコーディオンはまさにうってつけ。6月「舟歌」や10月「秋の歌」のメロディや和音を、ピアノのように減衰せず指定の長 さまで伸ばすのに目から鱗の衝撃度。さらに11月「トロイカ」や12月「クリスマス」のメルヘン性も高まります。3月「ひばりの歌」の囀りや9月「狩り」のファン ファーレもリアルになり、オリジナルよりも楽しめるとさえ感じます。ロシアのアコーディオン奏者ユーリー・シシキン編曲のものを、当アルバムの奏者スラールが手 を加えています。
エロディ・スラールは1986年生まれ。5歳からアコーディオンを学び、現在フランスでの第一人者となっています。ロトのレ・シエクルのメンバーでもあります。 ロシア製のグーセフ・モデル「ジュピター」のボタン式アコーディオンを用いて表現豊かな世界を作り上げています。 (Ki)
NMM-099
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV 1004
ビーバー:ソナタ第2番、
 パッサカリア(ロザリオ・ソナタ終曲)、
 ソナタ第3番より変奏
フロラン タン・ジノ(Cb)
ファニー・ビ センス(シンセサイザー)
カロリーヌ・ドゥルム(テオルボ )

録音:2021年6月、イル・ド・フランス国立O
日本が世界に誇るコントラバス奏者・池松宏氏も「とんでもない奏者が現れた!」と絶賛するコントラバス奏者が現れました。その名はフロランタン・ジノ。 2015年より、現代音楽を演奏する世界トップの集団、ムジークファブリークのメンバーとして活躍。クルターク、ラッヘンマンといった作曲家たちからの信頼が あついだけでなく、マレのヴィオール作品からバッハ、そして現代音楽までをレパートリーにしているという驚異的な存在です。ここに収録されているバッハのシャ コンヌも、これがコントラバスかと驚かされるような音色と弓さばきで演奏しています。通常このバッハのヴァイオリン・パルティータ第 2番をコントラバスで演 奏する場合、特にシャコンヌでは、バッハが楽譜に書き記したとおりには演奏できない部分がどうしても出てくるのですが、なんとフロランタンはバッハの譜面通 り に 和 音 も 演 奏(調 性 は ト 短 調 で の 演 奏 )し て い る と い う 、超 弩 級 の 内 容 で す 。 さ ら に 、17世 紀 ヴ ァ イ オ リ ン曲 の 至 高 の 難曲 ビ ーバーの ロ ザ リ オ・ソ ナ タ の 終曲 、パ ッ サカリアも収録しておりますが、その深い世界には圧倒されます。興味深いのが、通奏低音としてテオルボのほかシンセサイザーが共演していること。シンセサ イザーを演奏するのは1987年南仏ペルピニャン生まれのファニー・ビセンス。アコーディオン奏者としても活躍し、バロックから現代音楽まで意欲的な活動を 見せ、古楽声楽アンサンブルのレ・クリ・ド・パリと共演したり、フランス初の微分音アコーディオンを奏するなど目が離せない存在で、オリジナルの楽譜の通 りにアコーディオンで「ゴルトベルク変奏曲」を演奏したCDでも話題となりました(PTY 14211110)。テオルボ奏者のカロリーヌ・ドゥルムはコンセール・ス ピリチュエル(ニケ指揮)などで活躍、ブーレーズ指揮によるブーレーズ:The Hammer with No Master(主なき槌)のCD録音にも参加した人物。非常 に鋭い感性の光る三名によるバロック作品、大注目です! (Ki)

NMM-100
変容〜室内楽のR・シュトラウス
もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル(ハーゼンエール編)【五重奏】
「カプリッチョ」から弦楽六重奏曲
13管楽器のためのセレナードOp.7
変容(ルドルフ・レオポルト編)【七重奏】
ル・オフ

録音:2019年11、12月/フィラルモニ・ド・パリ
R・シュトラウスといえば、まず大編成のオーケストラ曲が連想され、人気も高いことは言うまでもありませんが、室内楽は一部を除きあまり顧みられて いない現状です。パリOメンバーによる室内楽グループ「ル・オフ」がその4作品を見事に披露。
歌劇「カプリッチョ」の序奏は登場人物フラマンが作曲したという設定の弦楽六重奏曲で、R・シュトラウスの貴重なオリジナル室内楽曲。晩年のシュトラ ウスならではの自然で透明な世界が満喫できます。また17歳の時の作「13管楽器のためのセレナード」は少年の作とは思えぬ才気に満ち、巨匠ハンス・フォン・ ビューローに認められた記念的作品。
フランツ・ハーゼンエールが五重奏に編曲した「もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル」は腕利きが良く手掛けますが、ル・オフのアンサンブルは驚きの完 璧さ。またルドルフ・レオポルト編の七重奏版「変容」も聴きものです。 (Ki)
NMM-101(2CD)
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
ステファニー =マリー・ドゥガン(Vn )
ジェレミー・ローレル(指)
ル・セルクル・ド・ラルモニー

録音:2021年4月/エクサン=プロヴァンス大劇場
マド・レーベルからバッハのチェンバロ伴奏付ヴァイオリン・ソナタ全集をリリースして注目されたステファニー=マリー・ドゥガン。パリ音楽院でモダン及 びバロック・ヴァイオリンを教え、日本人弟子も多いベテラン。指揮者としてジャン=ギアン・ケラスのアルバム「相棒」にも参加しています。
今回はブラームスの協奏曲に挑戦。たっぷりと歌いこんだ演奏が魅力。バックを務めるのはジェレミー・ローレル指揮ル・セルクル・ド・ラルモニー。18世紀と 19世紀の音楽、特に歌劇を得意とし、シャンゼリゼ劇場でのモーツァルトのシリーズは話題となりました。その組合せよるブラームス。交響曲第1番が若さ溢れ る颯爽とした姿で出現。今後目の離せない逸材と申せましょう。 (Ki)
NMM-102
見えざるもの
ファニー・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲変ホ長調
メンデルスゾーン:カプリッチョOp.81の3
クララ・シューマン:ローベルト・シューマンの主題による変奏曲Op.20
シューマン:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.41
ツァイーデQ【シャルロット・マクレ、レスリー・ブーラン・ローレ(Vn)、サラ・シュナフ(Va)、ジュリエット・サルモナ(Vc)】

録音:2021年2月/Riffxスタジオ
モーツァルトの未完のオペラに名を関したツァイーデ四重奏団。2009年に女性4名で結成、2012年のハイドン国際コンクール優勝など実力とフレッシュな感 性を持つ期待の団体です。
クララ・シューマンとファニー・メンデルスゾーンはともに才能あふれる作曲家でしたが、偉大な親族との絆で知られてきました。ここではクララ&ローベルト、 ファニー&フェリックスの4作品を並べることで彼らの絆、共通の想像力を持つことになる目に見えないつながりを強調しています。 (Ki)
NMM-104(3CD)
ラヴェル:室内楽全集
(1)マ・メール・ロワ(全5曲)
(2)フォーレの名による子守歌
(3)ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
(4)序奏とアレグロ
(5)ヴァイオリン・ソナタ ト長調
(6)ピアノ三重奏曲イ短調
(7)鐘の鳴るなかで
(8)口絵(P5手のための)
(9)スペイン狂詩曲(作曲者によるピアノ4手編)
(10)ツィガーヌ
(11)弦楽四重奏曲ヘ長調
(12)ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
アンサンブル・セザミ【アン=エステル・メドゥーズ(Vn(2)(3)(4)(10)(11)(12))、ナーマン・スルチン(Vn(4)(5)(6)(11)、ピアノ(8))、バルバラ・ギープナー(ヴィオラ(4)(11)、ピアノ(1)(7)(8)(9)(10))、メイタヌ・セバスティアン(Vc(4)(6)(11)(12))、ジュリアン・ル・パープ(P(1)(2)(3)(5)(6)(7)(8)(9))】
アルド・ベアルテン(Fl)、マチュー・ステファヌス(Cl)、プリモル・スルチン(Hp)(以上(4))

録音:2019,2020,2021年イル・ド・フランス国立Oスタジオ
アンサンブル・セザミは2013年結成。弦楽四重奏とピアノという5名のメンバーにより、当初はシューベルト作品を演奏するプロジェクト用に集められました。 その後レパートリーを広げ、フランスを中心に活躍しています。
彼らのデビュー・アルバムはラヴェルの室内楽曲全集。ピアノ・デュオの作品も収められていますが、なんとヴィオラのバルバラ・ギープナーが4篇、5手用の「口 絵」ではさらにヴァイオリンのナーマン・スルチンがピアノの腕前を披露しています。ラインラント=プファルツ州立POのヴィオラ奏者でもあ るギープナーは「ツィガーヌ」のピアノ伴奏まで担っているのが驚き。
多才な若手たちがラヴェルの精緻極まりない音楽を生き生きと再現しています。 (Ki)
NMM-105
希望の歌
黒人霊歌:一緒に歩むのだ、子らよ
メシアン:感謝の行為(ミのための詩)
黒人霊歌:馬を進めよ、主イエス
 深い河
プーランク:手は心の意のまま
黒人霊歌:わが良き主はここで善行をせり
プーランク:平和の祈り
黒人霊歌:誰も知ってはくれない
 全世界は主の御手に
メシアン:首飾り(ミのための詩)
プーランク:音楽家の天使たち
黒人霊歌:マンブリンの言葉を言わなかった
プーランク:ふたりは闇をつくる
黒人霊歌:時には母のない子のように
 福音列車
メシアン:叶えられた祈り(ミのための詩)
黒人霊歌:涙の聖母
 水の中を行きなさい
マリー=ロール・ガルニエ(S)、
セリア・オヌト・ベンサイド(P)

録音:2021年5月/サル・ガヴォー
1991年南米仏領ギアナ生まれの黒人リリックソプラノ、マリー=ロール・ガルニエと、1992年パリ生まれのピアニスト、セリア・オネト・ベンサイドは2011 年以来デュオ活動を行っています。彼女たちのノマド・レーベル第1弾で、彼女たちはプーランクとメシアンのフランス歌曲と黒人霊歌の間の神聖さ、希望、人類が 経験した未曾有の困難についての対話をしようとしています。
もともとフランス歌曲は彼女たちのレパートリーの中心で、プーランクとメシアンも絶妙な表現を繰り広げていますが、どれも宗教感覚の強いもので感動的。そこ に黒人霊歌が織り交ぜられます。
彼女たちは黒人霊歌も大事なレパートリーとしてコンサートで披露してきました。フランス歌曲と非常に遠い音楽のように見えますが、アフリカからアメリカ大陸 に連れてこられた人々が苦しい農作業のなかで歌ったものは、友愛と解放への希望を示してもいます。通常はアカペラで歌われますが、ここでは19-20世紀に正 規の音楽教育を受けたアフリカ系アメリカ人作曲家たちがピアノ伴奏をつけ、クラシック作品とした版を用いています。 (Ki)
NMM-108
もうひとりの自分〜ショパンとモンポウ
(1)モンポウ:前奏曲第1番
(2)同:前奏曲第5番
(3)同:前奏曲第9番
(4)同:モンジュイックの橋
(5)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
(6)モンポウ:「ひそやかな音楽」第15曲「ショピニアーナ」
(7)同:ショパンの主題による変奏曲
(8)同:君の上には花ばかり
セリメーヌ・ドーデ(P)、
マリー=ロール・ガルニエ(S)(8)
ショパンとモンポウは約1世紀の時代差がありますが、ともに「ピアノの詩人」でピアノの魂を心から表現し、楽器と深く結びついた作曲家でした。セリメーヌ・ ドーデがこのふたりの関係性と共通性に注目したアルバムの登場です。
このふたりの作曲家はメロディが魅力ですが、ピアノを歌わせる術を知っていました。モンポウの前奏曲3篇に続き、生前は未出版だった美しい「モンジュイック の橋」が大歓迎。ショパンのピアノ・ソナタ第3番もまるでモンポウの作品のように聴こえます。
後半は両者が類似性を越えてハイブリッド化した2篇。ホ短調の前奏曲を源泉とする「ひそやかな音楽」第15曲、イ長調の前奏曲(某胃腸薬のCM曲)に基づく 「ショパンの主題による変奏曲」で両者がひとつになっています。そして最後は絶美の「君の上には花ばかり」で本当に歌いだします。
セリメーヌ・ドーデは1977年エクサンプロヴァンス生まれのピアニスト。ハイチの血を引き、フランス的な洗練と南国的な熱さが個性的、悪魔的タッチの美しさ と感性が注目されています。 (Ki)
NMM-110
フュージョン〜ライヴ・イン・ドレスデン
(1)バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調BWV1060
(2)同:オルガン協奏曲第4番ハ長調BWV595
(3)同:いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659
(4)ティエリー・エスケシュ:即興第1番
(5)シューマン:「BACH」によるフーガ第5番Op.60
(6)エスケシュ:即興第2番
(7)ヴィヴァルディ(バッハ編):協奏曲第8番イ短調RV522
(8)エスケシュ:オルガンのための3つの詩
(9)ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」〜フーガと神秘
(10)エスケシュ:即興第3番
(11)ピアソラ:フガータ
(12)エスケシュ:タンゴ・ヴィルトゥオーソ
エリプソスQ【ポール=ファティ・ラコンブ(ソプラノ・サクソフォン)、ジュリアン・ブレシェ(アルト・サクソフォン)、シルヴァン・ジャリ(テノール・サクソフォン)、ニコラ・エルエ(バリトン・サクソフォン)】

録音:ドレスデン・フィルハーモニー(ライヴ)
2023年のフォルジュルネ音楽祭にも来日したエクリプス・サクソフォン四重奏団。2004年ナントで結成、2007年FNAPEC国際室内楽コンクールで優勝した実 力派。といっても堅苦しくなく、ジャズやタンゴまでセンス良く手掛け人気急上昇です。
今回はフランスを代表するオルガニスト兼作曲家ティエリー・エスケシュと共演。新しい楽器サクソフォンと楽器の王オルガンが真の対話を見せます。バッハ、 ヴィヴァルディ、ピアソラを素材に即興演奏をミックス。ドレスデンでのライヴで、白熱した演奏を聴かせます。 (Ki)
NMM-111
天上の水〜カミーユ・ペパン作品集
(1)嵐の始まりに(2021)〜管弦楽のための
(2)天上の水(2022) 〜管弦楽のための
(3)暁の前に(2020)〜12人の奏者のための
(4)ラニアケア(天空)(2019) 〜管弦楽のための
(5)ユグドラシルの泉(2018) 〜管弦楽のための
ベン・グラスバーグ(指)リヨン国立O

録音:2022年8月リヨン公会堂
1990年生まれのフランスの女性作曲家カミーユ・ペパンはフランス印象派とアメリカのミニマルミュージックの影響を受け、自然や美術からインスピレーション を得た独特の詩情あふれる作風を示しています。
このアルバムはオーケストラのための新作を集めたもので、いずれも自然現象を題材としています。嵐の前の雷の閃光や夜明け、日没などを独特の感性で描きま す。ベン・グラスバーグ指揮リヨンO初のペパン作品。繊細な響きが光ります。 (Ki)
NMM-113
修道士とならず者
(1)プーランク:世俗カンタータ「雪の夕暮れ」
(2)同:悔悛のための4つのモテット
(3)同:モテット「神をほめたたえよ」
(4)ベルナール・カヴァナ:通常日のミサ曲
レオ・ヴァリンスキ(指)
レ・メタボール、
ムルティラテラール

録音:2022年5月メッツ・アルセナル
「修道士とならず者」とはプーランクが自身の性格の二面性を指した言葉。フランソワ・グザヴィエ・ロトの愛弟子レオ・ヴァリンスキとレ・メタボール5枚目のディ スクは、プーランクとベルナール・カヴァナ(1951-)の合唱作品。
プーランクはエリュアールの詩による世俗カンタータ「雪の夕暮れ」と宗教的な悔悛のための4つのモテット、「神をほめたたえよ」に挑戦。たっぷりとした声量 で表情豊かな響きを堪能させてくれます。
一方カヴァナの「通常日のミサ曲」は器楽アンサンブル「ムルティラテラール」を加え、強烈な音世界を作り上げています。「通常日のミサ曲」は1993-4年の 作で、今回録音に際して改訂が施されました。典礼文を基に作られた歌詞はかなりフザケているうえ、3台のアコーディオン、ポジティフ・オルガン、各種打楽器、 クラリネット、サクソフォン、トランペット、ホルン、チューバがアドリブをはじめカオス状態となります。まさに「ならず者」的な宗教曲で信仰心がなくともオーディ オ的に楽しめます。 (Ki)
NMM-114
マリンコニア
(1)ドビュッシー:チェロ・ソナタ
(2)シベリウス:マリンコニアOp.20
(3)ピアソラ:グラン・タンゴ
(4)ウェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品Op.11
(5)フォーレ:シシリエンヌOp.78
(6)ヤナーチェク:おとぎ話
(7)リスト:悲しみのゴンドラ
(8)バルトーク:ラプソディ第1番
ヤン・レヴィオノワ(Vc)
ギヨーム・ベロム(P)

録音:2022年1月17-19日/サル・コロンヌ
1990年生まれのフランスのチェロ奏者ヤン・レヴィオノワはマルク・コッペイやトルルス・モルクに師事した若手。現在将来を嘱望される最右翼です。2019 年には来日公演も行いました。
このアルバムは有名作曲家のチェロ曲を集めたもので、20世紀に向かう音楽傾向を味わえます。ピアノ・パートが難しいものも多いですが、ギヨーム・ベロンが 切れ味のよい名手ぶりを見せています。 (Ki)
NMM-117
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 シリル・デュボワ(T)、
アンヌ・ル・ボゼク(P)

録音:2021年1月
フランスの新世代を代表するテノール、シリル・デュボワが冬の旅を録音しました。アンサンブル(声、弦楽器、打楽器、ダンスなど)にその活動の重点をおいて いるフランスのピアニスト、アンヌ・ル・ボゼクとの共演。デュボワの清潔感ある声が、却って寒々しい雰囲気を出しているよう。1904年製のベヒシュタインの少 し鄙びたようなピアノの音色が作品の世界を一層盛り上げています。 (Ki)
NMM-119
スパーク・ライト
マリー・ジャエル:ピアノ協奏曲第1番ニ短調
リスト:メフィスト・ワルツ第3番
 ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
セリア・オヌト・ベンサイド(P)、
デボラ・ワルドマン(指)
アヴィニョン=プロヴァンスO

録音:2023年/アヴィニョン
マリー・ジャエル(1846-1925)は近年再評価著しいフランスの女性作曲家。1866年に名ピアニスト、アルフレッド・ジャエルと結婚し、リスト、ブラームス。 サン=サーンスらの知己を得ました。その所産を集めたユニークなアルバム。ジャエルはピアニストとしてリストのピアノ協奏曲第1番をおはことしていました。リス トの「メフィスト・ワルツ第3番」はジャエルに捧げられています。彼女のピアノ協奏曲第1番は1877年頃の作で、フランスの女性が作曲家による最も古いもの とされます。サン=サーンスに献呈されました。
ベンサイドはパリ音楽院でヌーブルジェほかに師事。高度な技巧に加え華があるうえ、独特な美学によるコンセプトが興味深く、今後目が離せません (Ki)


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