湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Paladino Music
(オーストリア)


マリア・クリーゲル門下生のチェリスト、マルティン・ルンメル氏が2009年に設立したpaladino media社傘下の独立系レーベルです。ウィーン楽友協会やウィーン国立歌劇場が立ち並ぶケルントナー通りにオフィスを構える同社は、アーティストマネージメントやコンサート企画、ベーレンライター出版の教則本監修など、様々な音楽ビジネスを手掛けており、CDレーベル事業もその一部となります。ルンメル氏自身の演奏だけでなく、ヨーロッパの有望な若手演奏家を積極的に録音しているほか、既発売カタログのリイッシュー等も行っており、非常に注目を集めているレーベルです。


※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
PMR-0001
フローリアン・ファイルマイア/ピアノ・リサイタル
ラフマニノフ:楽興の時Op.16
ヴィラ=ロボス:「赤ちゃんの一族第1組曲「道化人形」
リスト:巡礼の年第2年イタリア〜第7番「ダンテを読んで」
ベートーヴェン:6つのバガテルOp.126-第3番変ホ長調
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.33-第7番変ホ長調
ファイルマイア(1989-):ノットゥル
フローリアン・ファイルマイア(P)

録音:2008年11月13日オーストリアスタジオ・ヴァインベルク
1989年生まれの若きピアニスト、フローリアン・ファイルマイアのデビュー・アルバムです。2011年にドイツ、ヴェルニゲローデにて行われたコンクールで「NeueSterne(新星)賞」を受賞、一躍注目を浴びています。すでにモーツァルテウムOを始めとした数々のオーケストラと共演し、また室内楽の分野でも目覚ましい活躍をしている彼。このデビュー・アルバムでも、その才能の片鱗を伺うことができるでしょう。目覚ましい技巧を誇示するよりは、じっくり音楽を練り上げるタイプのようで、ヴィラ=ロボスなどでは、とても面白い表現を聴くことができます。最後に置かれた自作の「ノットゥルノ」は、少しだけスクリャビンを思わせる神秘的な音楽。いろいろな意味で楽しみな逸材登場です。
PMR-0002(2CD)
トーマス・ダニエル・シュリー(1957-):歌劇「Ich,Hiob〜私、ヨブ」Op.68 ヨブ…クルト・アツェスベルガー(T)
天使…ウルズラ・ランクマイアー(S)
マルティン・ルンメル(Vc)
デヴィッド・オットマー(Tp)
マティアス・シュルツ(Fl)
ヴォルフガンク・ズサー(Fl)
マティアス・エッカルト(Fl)
アンネリーゼ・フックスルガー(Fl)
ヴェロニカ・シュルツ(Vn)

録音:2009年2月
旧約聖書に収められた「ヨブ記」をもとに、苦難に満ちた彼の試練と全能の神への嘆きが描かれた室内オペラ。物語は、ほとんどヨブの一人語りで進められ、シェロのソロと、様々な奏法によるフルートを始めとした楽器群の音色が交錯します。絶望、偶然、全ての人間の経験に焦点を当て、時代を超越した本質を描き出しています。
PMR-0003
D.スカルラッティ:ソナタ集(ギター編:ヴォルフガンク・レンドレ、アルベルト・メルシカ)
ソナタニ短調K.1/L.366/P.57
ソナタニ短調K.34/L.S7/P.15
ソナタイ長調K.74/L.94/P.35
ソナタニ短調K.77/L.168/P.10
ソナタロ短調K.87/L.33/P.43
ソナタト長調K.14/L.387/P.70
ソナタイ短調K.109/L.138/P.290
ソナタト長調K.146/L.349/P.106
ソナタイ長調K.208/L.238/P.315
ソナタヘ短調K.239/L.281/P.56
ソナタイ長調K.322/L.483/P.360
ソナタロ短調K.376/L.34/P.246
ソナタロ短調K.377/L.263/P.245
ソナタホ長調K.380/L.23/P.483
ソナタヘ短調K.466/L.118/P.501
ソナタニ長調K.491/L.164/P.484
アルベルト・メルシカ(G)

録音:2007年4月、ミラノ
1984年イタリア生まれのアルベルト・メルシカはジャンフランコ・ヴォルパートに師事し、カステルフランコ・ヴェネト音楽院で学士号と修士号を取得、“summacumlaude…最優秀”の称号も獲得しています。ここでは彼が幼い頃から親しんできたというスカルラッティ(1685-1757)のソナタを自らの編曲を中心に演奏。類い稀なる技巧と明るい音色が心地よい素晴らしいアルバムとして仕上がっています。
PMR-0004(2CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV1010
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
マルティン・ルンメル(Vc)
チェリストならば、誰しもが演奏したいと憧れる究極の曲集。百人百様の解釈があり、もちろん聴き手の好みも様々でしょう。この演奏は、チェロの可能性の極限を探求するかのようで、ト長調の前奏曲から緊張と興奮に満ちています。この作品に「内省」を求める人よりは、「感情の発露」を楽しみたい人に向いているかもしれません。
PMR-0005(2CD)
ドミトリー・アシュケナージ〜ミュールフィアテル音楽祭ライブ
シューベルト:岩の上の羊飼いOp.129D965
ブラームス:クラリネット三重奏曲イ短調Op.114
ツェムリンスキー:クラリネット三重奏曲ニ短調Op.3
ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-2
モーツァルト:ピアノ三重奏曲変ホ長調「ケーゲルシュタット」K498
モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ長調K581
ドミトリー・アシュケナージ(Cl)
ウルズラ・ランクマイアー(S)
ローランド・クリューガー(P)
マルティン・ルンメル(Vc)
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
マニュエル・ホーファー(Va)
アーツィエス四重奏団
言わずとしれた名ピアニストの息子ドミトリー・アシュケナージ。1969年ニューヨークで生まれ、6歳でピアノを始め、その後クラリネットに転向、1989年のルツェルン音楽祭で一躍脚光を浴びています。「親の七光り」などという言葉は全く必要のない天才で、クラリネットの超絶技巧と、その卓越したリズム感は世界中で賞賛され、古典的作品から現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、どんな曲でも吹きこなす彼、2007年から始まったミュールフィアテル音楽祭では中心的な存在であり、ここでも納得の演奏を聞かせます。
PMR-0006
シューベルト:16のドイツ舞曲Op.33
ドイツ舞曲第1番イ長調/朗読
ドイツ舞曲第2番ニ長調/朗読
ドイツ舞曲第3番変ロ長調/朗読
ドイツ舞曲第4番ト長調/朗読
ドイツ舞曲第5番ロ短調/朗読
ドイツ舞曲第6番変ロ長調/朗読
ドイツ舞曲第7番変ロ長調/朗読
ドイツ舞曲第8番変ホ長調/朗読
ドイツ舞曲第9番ハ長調/朗読
ドイツ舞曲第10番イ短調/朗読
ドイツ舞曲第11番ホ短調/朗読
ドイツ舞曲第12番ハ長調/朗読
ドイツ舞曲第13番ハ長調/朗読
ドイツ舞曲第14番ヘ短調/朗読
ドイツ舞曲第15番ヘ短調/朗読
ドイツ舞曲第16番ヘ長調
レナート・ペールマン(朗読)
ローラント・クリューガー(P)
シューベルトの愛らしいドイツ舞曲と朗読の融合です。ナレーションは1964年生まれの小説家ペールマン自身が担当、ドイツ語の深い響きが堪能できます。
PMR-0007(2CD)
ダーヴィト・ポッパー:チェロのための組曲全集
2台のチェロのための組曲Op.16
マーチのテンポでOp.16a
ワルツ組曲Op.60
チェロとピアノのための組曲Op.69
チェロとピアノのための組曲Op16bis
マーチのテンポでOp.16bis/a
森にてOp.50/レクイエムOp.66
アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)
マルティン・ルンメル(Vc)
ベルティン・クリステルバウアー(Vc)
加藤麻理(P)

録音:2012年12月12-14日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
オーストリア=ハンガリー二重帝国(1848年から1918年にヨーロッパに存在した国家)のチェロ奏者ポッパー(1843-1913)。彼は幼い頃からチェロを学び、20歳の時に最初の演奏旅行を行います。ドイツでハンス・フォン=ビューローに称賛され、1867年にはウィーン宮廷歌劇場Oの首席チェロ奏者に就任します。しかし6年後に退団、以降はソリストとしてヨーロッパ全土で活躍します。1896年からはブダペスト音楽院で後進の指導にあたるなど、教育の分野でも大きな業績を残しました。この2枚組はドイツの2人の名チェリスト、ヒュルスホフとルンメルを中心とした「ポッパー:チェロ作品全集シリーズ」の第1作目にあたるもので、彼の代表作の一つである「組曲」が2ヴァージョン収録されているなど、チェロ好きでなくとも注目してみたいアルバムとなっています。夥しい数の作品を残したポッパーですが、現在ではその一部の曲のみしか演奏されないのは残念ですが、これを機会に、この作曲家の素晴らしさが広まるのではないでしょうか?
PMR-0008
ブルサッティ:詩「メデア」
●使用楽曲
バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番〜アルマンド
無伴奏チェロ組曲第5番〜サラバンド
無伴奏チェロ組曲第2番〜クーラント
無伴奏チェロ組曲第5番〜ジーグ
●詩の朗読:ヤソン…オットー・ブルサッティ(ナレーター)/メデア…エステル・ホロジ(ナレーター)
マルティン・ルンメル(Vc)
オットー・ブルサッティはウィーン生まれの作家&ディレクターです。ウィーン大学で歴史、哲学、音楽学を学び、ウィーンのラジオ番組でクラシック音楽の普及に長らく尽力しています。このアルバムは彼の自作の詩を朗読したものです。男と女が語り合い、そこにバッハの音楽が絡み合い、言葉と音は大気に溶けて行く・・・。言葉がわからなくとも、ひたすらドイツ語の美しい響きを味わうだけでも良いのかもしれません。
PMR-0009
ローランド・クリューガー〜ハノーヴァー・コンサート
シューベルト:16のドイツ舞曲Op.83D783
ヤナーチェク:草陰の小径にて第1集第7番「おやすみなさい」
シューベルト:ワルツト長調D844
バルトーク:戸外でSz81よ
シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番イ短調Op.42D845
ローランド・クリューガー(P)
1973年ドイツ生まれのピアニスト、クリューガーは7歳でピアノを始め、オレグ・マイセンベルク、クリスティアン・ツィマーマン、カール=ハインツ・ケマーリングと言った名手に師事、その後ハノーファー音楽大学でケマーリングのアシスタントを務めます。ソロ・ピアニストとしてだけではなく、室内楽でピアノを受け持つなど幅広い活用をしています。2007年からハノーファー音楽大学で教鞭をとり、後進の指導も行っています。このコンサートは、得意とするシューベルトが中心としたプログラムとなっています。
PMR-0010
ハイペリオン・アンサンブル〜6から7へ
シュルホフ(1894-1924):弦楽六重奏曲(1924)
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(R.レオポルドによる弦楽七重奏編曲版)*
ハイペリオン・アンサンブル
【メンバー:アンネリー・ガール(Vn)
グンデ・イェーヒ=ミッコ(Vn)
フィルミアン・レルマー(Va)
イェルク・シュタインクラウス(Va)
デトレフ・ミエルケ(Vc)
アストリッド・スルツ(Vc)】
マルティン・ハインツ(Cb)*

録音:1997年オーストリアSt・コンラッド・アベルゼー
ハイペリオン・アンサンブルの前作は「5から6へ」。ブルックナーの弦楽五重奏曲とシューベルトの幻想曲の弦楽六重奏版という選曲でした。今アルバムは、そのコンセプトを継承し、楽器が一つずつ増えていることになります。今回取り上げられたのはシュルホフとR.シュトラウス。後期ロマン派から近代へと移り変わる時期に書かれ、また戦争の影を重く引き摺った影のある作品です。シュルホフの作品の方が書かれた時期は早いのですが、曲想はより近代的であり、悲劇性を帯びています。シュトラウスの「メタモルフォーゼン」は第二次世界大戦で破壊されたベルリンを偲びつつ、老境に達した自らの心情を吐露した作品です。本来が23の楽器のために書かれていて、非常に込み入ったスコアになっているのですが、ここではその音響は弦楽七重奏に凝縮され、悲しみも追憶も口数少なく悠然と語られます。
PMR-0011(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集
チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5-2
ヘンデル「ユダ・マカベウス」の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲ト長調WoO45
チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.5-2
モーツァルト「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲Op.66
チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
モーツァルト「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲変ホ長調WoO46
チェロ・ソナタ第4番ハ長調Op.102-1
チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
マルティン・ルンメル(Vc)
ゲルダ・グッテンベルク(P)

録音:2004年10月27日-28日&2006年3月4日-5日、ブルックナーハウス(リンツ、オーストリア)
Paladino Musicレーベルで中心的役割を担うチェリスト、マルティン・ルンメルによるベートーヴェンのチェロのための作品全集です。彼は名チェリスト、ウィリアム・プリースに教えを受け、世界中で活躍し、また教師としても高く評価されています。この2枚組は、ベートーヴェンのチェロ・ソナタと変奏曲を全て網羅するもので、それまではチェロが添え物として扱われてきた「チェロ・ソナタ」の歴史を大きく塗り替えたと言われる、充実した内容を持つベートーヴェンの作品を、ルンメルは悠然と演奏しています。
PMR-0012
ヘルムート・ローグル:チェロ作品全集
ラメントOp.44-りシュライテント
3つの小品Op.5
ヴィンセント・スコットの思い出にOp.9
独奏曲Op.28-イントロダクション
瞑想曲Op.32
ライフ・ラジオ・ラグOp.31-ラジオの前に戻って
チェロ協奏曲「ヴァイオリンへの挑戦」Op.24
マルティン・ルンメル(Vc)
フローリアン・ファイルマイア(P)
アルフレッド・メリヒャー(アコーディオン)
クリストフ・エグナー(P)
アンサンブル・ララ
エーラント・マリア・フロイデンターラー(指)
1994年から2010年に渡って少しずつ録音された、ローグル(1960-)のチェロ作品集です。作曲家のローグルは8歳でピアノを始め、ザルツブルクのモーツァルテウムで学び、平行して経営学も学び、こちらでも博士号を取得しています。その理知的な作風が愛され、ドイツを始めとした各地のオーケストラで彼の作品の演奏が行われています。代表作「チェロ協奏曲」ではピアノも交えた煌めく音色が魅力的。
PMR-0013
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調K563 クリストフ・エーレンフェルナー(Vn)
フィルミアン・レルマー(Va)
マルティン・ルンメル(Vc)
「ジュピター」のほぼ1か月後に作曲された、モーツァルトのこのディヴェルティメントは、音楽的にも演奏技術の面でも高度なものを要求する、とても完成度の高い作品です。初演の際、モーツァルトがヴィオラ・パートを演奏したと伝えられますが、中々凝った奏法が見られ、モーツァルトはピアノやヴァイオリンだけでなく、ヴィオラの名手でもあったようです。親密さと緊張感に溢れた演奏です。
PMR-0014
アルベルト・メシルカ〜ミュールフィアテル音楽祭ライブ
レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリースOp.23
パガニーニ:カンタービレニ長調
ファリャ:スペイン民謡組曲(M.ルンメル編)
ボッケリーニ:ギター五重奏曲第4番ニ長調G448
アルベルト・メシルカ(G)
ヴィンフリート・ラーデマッハー(Vn)
ラファエル・カスプリアン(Vn)
マンフレード・プレッスル(Va)
マルティン・ルンメル(Vc)
イタリアの若きギタリスト、メシルカが演奏するミュールフィアテル音楽祭のライブ録音です。本人の演奏も素晴らしいのですが、共演者たちも、何とも言えない良い味を出しています。ファリャの作品を編曲したのは、おなじみマルティン・ルンメルであり、7曲からなるピアノ曲を元に(ここではセギディーリャ以外の6曲を演奏)、ラテン的な味付けの風味を加えています。
PMR-0015
北ドイツのバロック・オルガン作品集
ブルーンス:前奏曲とフーガト長調-前奏曲
ベーム(1661-1733):パルティータ「ああいかにはかなき、ああいかに虚しき」
バッハ:トッカータト長調BWV916/
ベーム:「天にいますわれらの父よ」
ブクステフーデ:「神よ、あなたをたたえます」BuxWV218
リューベック:前奏曲ホ長調LubWV7
 「いざ来たりませ、世の救い主」LubWV15
バッハ:バビロン川のほとりにBWV653b
ブクステフーデ:前奏曲とフーガ.ニ短調BuxWV140-前奏曲
ジェイムズ・ティブルス(Org)

録音:2010年7月6-8日オーストリアロバート・ブラックウッド・ホール
ニュージーランド生まれのジェイムズ・ティブルスは、オルガニストとしてだけでなく、伴奏者、指揮者として世界中で活躍しています。オークランド大学で教鞭をとり、また古楽研究者としても名高い人です。14歳からオルガンを学びはじめ、チェンバロ、クラヴィコードも演奏し、バロック音楽のアンサンブルにも精通しています。このアルバムでは、バッハバッハと彼の少し前の世代によるオルガン作品について、見識を高めることができるでしょう。
PMR-0016
トマーシェク:ゲーテ歌曲集
リンナOp.58-5/さすらい人の夜の歌Op.58-4
月の寄せてOp.56-4/湖上にて
魔王Op.59-1/トゥーレの王Op.59-2
漁師Op.59-3/野ばらOp.53-1
遠く離れた人へOp.55-1
恋人はそばにOp.53-2/つれない娘Op.54-2
心変わりした娘Op.54-3/良い提案Op.60-2
糸を紡ぐ女Op.55-2/すみれOp.57-1
初めての悲しみOp.56-3
羊飼いの嘆きの歌Op.56-1
ゾルゲOp.57-4/早春
ミニョンの憧れOp.54-1/秘密Op.58-3
たゆみなき愛Op.58-1
イルディコ・ライモンディ(S)
レオポルド・ハーガー(P)
ボヘミアの作曲家・音楽教師であったヤン・ヴァーツラフ・トマーシェク(1774-1850)の「ゲーテの詩による歌曲集」です。彼の弟子であったハンスリックは「ベートーヴェンに匹敵する存在」と崇めるほどに、素晴らしい才能の持ち主でした。ここで聴く歌曲は、タイトルにもおなじみのものが多く、とても興味深く楽しむことができるでしょう。たとえばトラック5の「魔王」などは、あのシューベルトのものと全く違う出来栄えであり、曲の最初は「こんなに楽天的でよいのか?」と思ってしまうかもしれません。こういうのもありです。
PMR-0017
リュエグ:室内楽作品集
路面電車ウィーン〜ブラティスラヴァ
私たちにとって、2つ、3つ、4つ…
農民と妻/冷却運動
ピアノ三重奏曲第1番
無題、しかし愛らしく
カデンツラウブ/ヴェニ、ヴィディ、ヴィチ
イヴについていくつかのこと
ジャスト・アナザー・ラブリーソング
リストの愛の夢(リュエグによるクラリネットとピアノ編)
ユライ・バルトシュ(Tp)
ラディスラフ・ファンゾヴィツ(P)
エルンスト・ヴァイセンシュタイナー(Cb)
フィリプ・フィリップ(ヴィブラフォン)
マティアス・クロンシュタイナー(Fg)
イヴァナ・プロスタソヴァ(Vn)
ミヒャエル・ウィリアムス(Vc)
ヴァシレ・マリアン(Ob)
ドミニク・シュトガー(Tb)
アンドリュー・イェゼク(Va)
トーマス・フレイ(Fl)
ヨリス・レロフス(Cl)
ヨハンナ・グロブナー(P)
1952年、スイス生まれのマティアス・リュエグ(1952-)は現在アメリカで活躍しているミュージシャンです。若い頃にクラシックとジャズ・ピアノを学び、様々な場面で演奏してきました。そんな彼の音楽は、クラシックの影響を受けながらも、極めてユーモラスな表情を持つもので、それはアメリカのビッグバンドの伝統も受け継ぎながら、新しい技法を追求しているのです。このアルバムでもわかる通り、彼は数多くの楽器を駆使して多彩な音を生み出すことが得意で、この夢幻的な音は一度聴くと忘れられません。
PMR-0018(2CD)
シューベルト:「冬の旅」(マルティン・ルンメルによるチェロとピアノ編曲版) ザヴィエ・フッター(ナレーター)
マルティン・ルンメル(Vc)
ノーマン・シェトラー(P)
シューベルトの「冬の旅」は普通にピアノと歌で演奏されるだけでなく、弦楽四重奏でで伴奏されたり、はたまた著しく拡大された室内楽伴奏が付けられたり、最近では無伴奏合唱で歌われたり、と、柔軟に形を変えることでも知られています。ここではチェロが歌を担い、歌詞だけを先に朗読するという趣向が凝らされています。想像力を喚起させる見事な演奏です。
PMR-0019
フンメル:作品集
チェロとピアノのための大ソナタイ長調Op.104
ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調Op.81
フルート,チェロとピアノのためのトリオ「美しきミンカの主題によるアダージョ、変奏曲とロンド」Op.78
クリストファー・ヒンターフーバー(P)
ヴァルター・アウアー(Fl)
マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2012年5月2-3日オーストリア,ケフェルマルクト、シュロス・ヴァインベルク
このレーベルおなじみの3人の名手によるベートーヴェンの同時代の作曲家、フンメル(1778-1837)の作品集です。彼は、少年時代にモーツァルトの家に2年間住みこんでピアノを学んだことや、ベートーヴェンと親交があったことで知られていますが、当時はヨーロッパ最高の作曲家、ピアニストとして讃えられ、シューベルトやチェルニー、メンデルスゾーン、ショパンに影響を与え、また数多くの優秀な弟子を育て上げた、まさに19世紀初頭の巨匠の一人なのです。このアルバムでは彼の3つの作品を取り上げていますが、中でも素晴しいのが3曲目のトリオでしょう。ロシア民謡「美しきミンカ」のメロディに美しい装飾を施した、音による花束は、この時代の趣味の良さを感じさせる名作です。ピアノのヒンターフーバーは、NAXOSレーベルからフェルディナンド・リースの作品を集中的にリリースしている人で、古典派からロマン派へと移り行く時代の音楽を演奏させると右に出る者はいないでしょう。
PMR-0020(2CD)
F・クープラン:オルガン作品全集
《CD1.教区のためのミサ曲》
キリエ/グローリア
オッフェルトリウム
サンクトゥス/ベネディクトゥス
アニュス・デイ/デオ・グラティアス

《CD2.修道院のためのミサ曲》
キリエ/グローリア.オッフェルトリウム
サンクトゥス/エレヴェーション
アニュス・デイ/デオ・グラティアス
ジェイムズ・ティブルス(Org)
エイジ・オブ・ディスカヴァリー・ヴォーカル・アンサンブル
ジェームス・ティブルス(指)

録音:2011年7月4-8日フランスエリゼ・ノートル・ダム・ド・ロゼ=アン=ブリ、2010年12月.2011年6月ニュージーランド・オークランド音楽大学・ミュージック・シアター
クープラン(1668-1733)の「2つのミサ曲よりなるオルガン小品集」は、初期の代表作であり、彼が1685年から1723年までオルガニストとして務めたサン・ジョルヴェ教会のために書かれたものです。この中には2つのミサ曲「教区のための」と「修道院のための」が含まれていて、どちらも小さ目のオルガンでも演奏できるような比較的簡素な筆致で書かれていますが、その多彩な表現力は他に比べるものがないほどの水準の高さを誇っていて、オルガン・ミサの中でも代表的な作品として知られています。この録音では各々の曲の後ろに声楽による聖歌を挿入し、オルガンと声との親密な対話をお楽しみいただけるという趣向が施されています。ニュージーランドの名手、ティブルスによる熟練の演奏です。
PMR-0021
ブルックナー:弦楽五重奏曲ヘ長調WAB112
シューベルト:幻想曲ヘ短調D.940(F.レルマーによる弦楽六重奏編)
ハイペリオン・アンサンブル
ブルックナーの弦楽五重奏曲は、彼の交響曲がぎゅっと詰まったかのような、極めて高い密度を誇る名作です。スケルツォにもアダージョにもブルックナーらしさが漂い、これ1曲聴いただけでお腹いっぱいになるほどです。シューベルトの幻想曲の原曲はピアノの連弾(4手)曲ですが、この弦楽六重奏版の豊かな響きを聴いてしまうと、こちらが原曲?と思えてしまうほどのはまり具合です。ロマン派の作品を得意とするハイペリオン・アンサンブルの演奏です。
PMR-0022
ヘルムート・ローグル:サクソフォンのための作品全集
幻想曲「心配しないで」Op.50
セヴン・アップOp.22
映画音楽「太陽の追跡」Op.34
スウィング・メモリーズOp.47
映画音楽「パンノニア」Op.43
アイン・ツヴァイ・トリオ!Op.53
ペーター・ロースドルファー(Sax)
ダニエラ・ロースドルファー=ケッティ(アルトSax)
マルティン・シュタインコグラー(テナーSax)
マルクス・ホルツァー(バリトンSax)
マルティン・ルンメル(Vc)
ゲルハルト・ホファー(P)

録音:2011年7月15日,2012年4月17-18日オーストリア,ケフェルマルクトシュロス・
ヴァインベルク
オーストリア生まれの作曲家ローグル(1960-)は、幼い頃からピアノを学び、独学で作曲を勉強(なんと、ブルックナーをお手本にしていたとか)し、リンツ音楽院、ザルツブルクで研鑽を積みます。同時にビジネスの基本もじっくりと学び、昼は保険会社のマーケティング責任者として働きながら、このアルバムに収録されているような楽しい作品を数多く書いているのです。彼が務める会社のスローガンは「心配しないで」ですが、その言葉をそのまま使った幻想曲「心配しないで」でのユニーク、かつ伸び伸びした音楽は、このアルバムの全てを象徴しているかのようです。Op.34の「太陽の追跡」は1999年8月11日の皆既月食を祝して(?)作曲されたものです。他にも興味深い曲が盛りだくさん。
PMR-0023
ヴェルフル:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲ハ短調Op.4-3
弦楽四重奏曲ト長調Op.10-4
弦楽四重奏曲ハ長調Op.10-1
モザイクSQ
ウィーン美術史美術館とのコラボレーションから生まれた、歴史的にも価値あるアルバムです。ヴェルフル(1773-1812)はザルツブルクに生まれ、ミヒャエル・ハイドンとレオポルド・モーツァルトに音楽を学び、ピアニストとしても名声を馳せました。「ベートーヴェンのライバル」としても知られ、ピアノで決闘を挑み、引き分けたという逸話もあったりします。作品は、古典派の様式を守った整然としたものですが、時として突如迸る楽想がとても魅力的です。ここで使われているのは、「ウィーンのストラディヴァリ」の異名を持つ1753年生まれのフランツ・ガイセンホーフが制作した楽器で、塗料や楽器の形などに特徴があることで知られる銘器です。この楽器を演奏するのはコンンチェントゥス・ムジクスのメンバーからなるモザイク弦楽四重奏団。200年以上の時を経て奏でられる美しい音色をお楽しみください。詳細なブックレットも興味深いところです。
PMR-0024
ファイルマイア&ファイルマイア/デビュー・レコーディング
ウェーバー:大協奏的二重奏曲Op.48(1816)
プーランク:クラリネット・ソナタ
ジャン・フランセ:主題と変奏(1974)
アントニ・シャホフスキ(1907-1973):クラリネット・ソナタ(1936)
ベンヤミン・ファイルマイア(Cl)
フローリアン・ファイルマイア(P)

録音:2011年12月29-30日オーストリア、ケフェルマルクトシュロス・ヴァインベルク
弱冠21歳、若きクラリネット奏者ベンヤミン・ファイルマイヤのデビュー・アルバムです。リンツのブルックナー管弦楽団とモーツァルト、ウェーバーのクラリネット協奏曲を演奏し絶賛されたのを皮切りに、数多くのコンサート・ホールでオーケストラと共演、着実にその実力を見せつけている期待の若手です。また兄のフローリアン・ファイルマイアは1989年生まれのピアニストで、彼も既に多くのコンクールで受賞歴を持ち、将来を嘱望されている人です。こんな2人の感性とニュアンスの豊かさ、その美しい音色を、このアルバムて存分に味わってみてください。ウェーバーでの煌めく技巧性、プーランクやフランセでのしなやかさ、シャホフスキでの構成力。驚異的な才能です。
PMR-0025
フランツ・クロンマー:クラリネットと管弦楽のための作品集
協奏交響曲Op.70
クラリネット協奏曲Op.36
ドミトリー・アシュケナージ(Cl)
シェフィカ・クトゥルエル(Fl)
カミラ・シャッツ(Vn)
ハワード・グリフィス(指)
ノーザン・シンフォニア

録音:1994年1月UKニューカッスル・アポン・タイン諸聖人教会
ウラディーミル・アシュケナージを父とする1969年生まれのドミトリー・アシュケナージ。現在はそんな「親の七光り」は全く必要のない確固たる経歴を築いています。このアルバムは古典派を代表する管楽器作品の作曲家であるクロンマー(1759-1831)の代表作「クラリネット協奏曲」とフルートとの絡みが見事な「協奏交響曲」の2曲を演奏しています。アシュケナージのクラリネットが素晴らしいのはもちろんですが、ここではフルートを吹くトルコ生まれの女性奏者クトゥルエルの流麗な演奏にも注目です。スイスのレーベル「VDE-GALLO」からゴールデンCD賞を授与され、またアメリカの批評家からも大絶賛されるなど、その卓越した技巧(と美貌)に世界中から関心が寄せられている人です。
PMR-0026
テレマン:独奏ヴィオラのためのファンタジー集
第1番変ホ長調TWV40:14
第2番ハ長調TWV40:15
第3番変ロ長調TWV40:16
第4番ト長調TWV40:17
第5番ニ長調TWV40:18
第6番イ短調TWV40:19
第7番変イ長調TWV40:20
第8番イ長調TWV40:21
第9番ホ短調TWV40:22
第10番ト長調TWV40:23
第11番変ロ長調TWV40:24
第12番ニ短調TWV40:25
フィルミアン・レルマー(Va)

録音:2012年6月25-27日エルミタージュ、テジング・アム・イン
「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー」をヴィオラ用に移調したもの。1735年にハンブルクで出版されています。テレマン(1681-1767)の時代、通奏低音なしの無伴奏作品は比較的珍しいものでしたが、彼はヴァイオリンの他にフルート、ヴィオラ・ダ・ガンバのためにファンタジアを書いており、恐らくこれらは教育用に書かれたと推測され、時には名技を駆使しながらも、基本的には親しみやすい音楽で、バッハの無伴奏のような厳しさはあまり感じられません。3楽章、もしくは4楽章のバロックの組曲のパターンを踏襲しており、どれも緩急取り混ぜた多彩な表情を持っています。ドイツ生まれのヴィオラ奏者、レルマーによるメリハリの効いた演奏です。
PMR-0027
イギリスのギター音楽集
ダウランド:前奏曲
ブリテン:ダウランドによる夜想曲Op.70
レノックス・バークリー:4つのギターのための小品集Op.post
ロバート・フィリップ(1946-):「フラクトゥア」より
グラハム・ヴェタム(1927-2007):チェロとギターのための「セレナード」WW45/5*
グラハム・ヴェタム:ギター・パルティータWW57
マックスウェル・ディヴィス(1934-):ストロムネスよ、さようなら(T.ウォーカー編)
アルベルト・メシルカ(G)
マルティン・ルンメル(Vc)*

録音:2012年5月10,20-22日カステルフランコ・ベネット,テアトロ・アッカデミコ
イギリスの音楽は、早い時期から具体的かつ明確な性格を持っていました。この若きギタリスト、メシルカによる様々な曲を集めたアルバムは、この「上品だけども、ちょっぴり気難しい」国の音楽を見事なまでに理解させてくれる興味深い1枚です。ギタリストならば誰もが一度は演奏するダウランドとブリテンの作品を始め、比較的最近発見されたL.バークリーの小品集やマックスウェル・デイヴィス作品の編曲もの、R.フィリップの愛すべき小品、そしてグラハム・ヴェタムの2つの世界初演作品という、なかなか手強い選曲は、ギター好きを唸らせるに違いありません。
PMR-0028
クララ・シューマンのピアノ
音楽の夜会 Op.6-1:トッカータ
音楽の夜会 Op.6-2:ノットゥルノ
即興曲 ト長調「ウィーンの思い出」Op.9
ピアノ・ソナタ.ト短調
つのロマンス Op.11
4つの束の間の小品 Op.15
3つのロマンス Op.21-1 イ短調
オイゲニーエ・ルッソ(P…Johann Baptist Streicher & Sohn, Wien, 1868, inv.-Nr.SAM 634)
現在、ウィーンの美術史美術館にコレクションされているこのピアノは、1870 年1 月19 日にムジークフェラインの室内楽ホール「ブラームス・ザール」のオープニングで演奏したものです。非常に美しい装飾が施された小ぶりのピアノからは、想像通りの、上品で奥ゆかしく表情豊かな音色が紡ぎ出されます。もちろん選ばれている曲も全て彼女自身の作品。作曲家としても素晴らしい才能を有していた彼女だけあって、どの曲も濃密な情感に満ちた美しく優しい風情を見せてくれます。
PMR-0029
ブゾーニ:クラリネットとピアノのための作品全集
アンダンテ・コン・モートK72
組曲K88/おとぎ話K123
ソロ・ドラマティークK138
ソナタ.ニ長調K138(F.ファイルマイア補筆完成)
セレナードK108
前奏曲K15…世界初録音
小品K162…世界初録音
アンダンティーノK107
ノヴェレッテK116/18.悲歌K286
ベンジャミン・ファイルマイア(Cl)
フローリアン・ファイルマイア(P)

録音:2012年2月28-29日オーストリアケフェルマルクトシュロス・ヴァインベルク
父親が名クラリネット奏者であったブゾーニ(1866-1924)にとって、この楽器はとても近い存在であり、また自身の作曲技法を磨くためのツールとしても役立ったに違いありません。彼のクラリネット作品は、1919年に書かれた「悲歌」以外は、どれもが9歳から14歳頃に書かれたという、まさに神童の所作を表わすものであり、また両親が愛してやまなかったバッハの影響も感じさせる名作となっています。今までにも彼のクラリネット作品の録音はありましたが、このアルバムには2つの世界初録音の作品(失われたとされていたものを図書館から探し出した)と、未完であったソナタの補筆完成版が含まれていることにも注目。意義ある1枚です。

PMR-0030

ウラディーミル&ディミトリ・アシュケナージ〜父と息子
ゲーデ(1817-1890):幻想小曲集Op.43
エシュマン(1826-1882):幻想小曲集Op.9
ライネッケ(1824-1910):幻想小曲集Op.22
ニールセン:幻想的な小品ト短調
シューマン:幻想小曲集Op.73
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)
ウラディーミル・アシュケナージ((P)

録音:2012年9月1-2日.2013年9月5日ライディング,フランツ・リスト・ツェントラム
各々が最高の音楽家として活躍しているにも拘わらず、このような「完全なるデュオ・アルバム」を制作したのが初めて……というアシュケナージ父子。息子ディミトリのお気にいりの“幻想的な”作品の中には珍しいスイス出身の作曲家エシュマンの少品集が含まれるなど、クラリネット・ファンにとっても貴重な1枚です。もちろん父ウラディーミルの滋味あふれるピアノも聴きどころ。親密な空気の中に張り詰める緊張感は、やはり親子といえども、2人の音楽家の対話であることを納得させるものです。
PMR-0031
クリストファー・ヒンターフーバー/オリジナル・デビュー・レコーデイング
バッハ:パルティータ第2番ハ短調BWV826
ハイドン:ピアノ・ソナタ第32番ト短調Hob:XVI44
リスト:スペイン狂詩曲
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14
クリストファー・ヒンターフーバー(P)

録音:1998年11月ウィーン,ヤマハ・コンサートホール
「1998年における最も魅力的なピアノ録音」とドイツの音楽雑誌で大絶賛されたピアニスト、ヒンターフーバーのデビュー録音です。最近ではフィルディナント・リースのピアノ協奏曲全曲録音のシリーズが好評を得ている彼は、クラーゲンフルトに生まれ、数多くのコンクールに入賞。その実力はお墨付きですが、このデビュー録音でも、溢れるようなインスピレーションと見事な技巧を誇示。現在の活躍ぶりを予見させる堂々たる演奏を披露しています。日本にも度々来日、マスタークラスでは的確な指導をすることで知られ、ますます人気が高まること間違いない、まさに「期待の人」です。
PMR-0032
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ミカエル・ツァルカ(クラヴィコード)

録音: 2012 年12 月1.2 日 ドイツ,ベルリン ロキシー・スタジオ
現在、CD のカタログを検索すると、山のように出てくる「ゴルトベルク変奏曲」のアルバム。それだけ演奏したい人が数多く存在する永遠の名曲です。このツァルカの演奏は、まず楽器選びから念が入っています。まず様々な楽器を弾き比べること…ハープシコード、チャンバーオルガン、クラヴィコード、スクエアピアノ、フォルテピアノ、そしてモダンピアノ。最終的に彼が選んだのは2 台の音色の違うクラヴィコードでした。抒情的な音色を持つ1796 年製のChristoph Georg Schiedmayerモデル。そして18 世紀後半のドイツ・スウェーデンモデル。これらを各々の変奏で弾き分け、その絶妙な音と表現力の違いを醸し出すことに成功しています。彼における「ゴルトベルク変奏曲」の解釈は自由で即興的なものであり、この試みもまた、バッハ演奏に新たな方向性をもたらすものと言えるでしょう。
PMR-0033
クラヴィオルガヌムの音楽
モーツァルト:幻想曲ニ短調K397(K385g)
ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー(1736-1809):オルガンのための12の新しい前奏曲から<第4番/第1番/第6番>
フェルディナント・カウアー(1751-1831):鍵盤のための軍楽ソナタ「Vorstellend Die Eroberung Oczakow」よりラルゲット
ベートーヴェン:前奏曲ヘ短調WoO55
 前奏曲Op.39-1
 前奏曲Op.39-2
C.P.E.バッハ:幻想曲ハ短調Wq63.6
モーツァルト:グラスハーモニカのためのアダージョハ長調K356(617a)
ヨーゼフ・プラインドル(1756-1823)ピアノのための幻想曲Op.20からアダージョ
トーマス・シュメクナー(クラヴィオルガヌム=1785年ウィーン,フランツ・クサヴァー・クリストフ製Inv.-Nr.SAM 625)

録音:2004年10月12-15日古楽器博物館
クラヴィオルガヌム”というのは、一段の鍵盤でありながら2種の楽器の音が出る複合鍵盤楽器です。チェンバロ+オルガン、クラヴィコード+オルガン、フォルテ・ピアノ+オルガンなどの組み合わせがあり、16世紀から18世紀に数多く製作されました。この当時、様々な楽器が考案されましたが、その中でもかなりユニークであり、かつ重用されたのですが、いつしか時代とともに衰退してしまったのです。このアルバムは、当時の巨匠たちの作品を通じて、大切に保存されてきたこの楽器の魅力的な音を聴くものです。
PMR-0034
ヤコプ・シュタイナーの楽器
ビーバー:技巧的で楽しい合奏-パルティータ 第6番 ニ長調
ウィリアム・ヤング(1610-1662):ヴィオラ・ダ・ガンバのための小品
ビーバー:バレット
D.ガブリエリ(1659-1690):無伴奏チェロのためのリチェルカーレ 第3 番 ニ長調
D.ガブリエリ:無伴奏チェロのためのリチェルカーレ 第2 番 イ短調
ビーバー:パッサカリア.ト短調
マリア・バーダー=クビツェク(バロックVn)
アニタ・ミッテラー(バロックVn)
クリストフ・コワン(バロックVc)
ゴードン・マレイ(Org)

録音: 2003 年5 月8-12 日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ
ヴォルフルの弦楽四重奏曲集(pmr0023)に続くウィーン美術史美術館とのコラボレーションから生まれたアルバムです。ここでも、これらの楽器を演奏するのはコンンチェントゥス・ムジクスのメンバーからなるモザイク弦楽四重奏団。冒頭のビーバーから華麗でぬくもりのある響きがはじけます。トラック16 のパッサカリアは、あの「ロザリオのソナタ」の最終部分であり、バッハのシャコンヌに匹敵する独奏ヴァイオリンのための名作です。何とも切なく響き渡るヴァイオリンの音色には、思わず背筋がぞくぞくするほどの興奮を感じることでしょう。
PMR-0035(2CD)
ヴィクトル・ウルマン:ピアノ・ソナタ全集
ピアノ・ソナタ第1番Op.10(1936)
ピアノ・ソナタ第2番Op.19(1939)
ピアノ・ソナタ第3番Op.26b(1940)
ピアノ・ソナタ第4番Op.38(1941)
ピアノ・ソナタ第5番「我が青春時代から」Op.45(1943)
ピアノ・ソナタ第6番Op.49a(1943)
ピアノ・ソナタ第7番(1944)
ミハエル・ツァルカ(P)

録音:2014年4月2-4日,5月19-20日,2013年11月19.20日 ストックホルムナイダール・コレクション
チェコスロヴァキアで、ユダヤ系の両親の下に生まれた作曲家ウルマン(1898-1944)。彼は指揮者としても評論家としても素晴らしい才能を持っていましたが、1940年にナチスがプラハに侵攻した際、結局国外に亡命が叶わず、その2年後に強制収容所で命を落とした悲劇の人です。彼の作品のほとんどは焼失してしまいましたが、皮肉にもテレージエンシュタットの収容所で作曲した作品の大多数は残っていて、この7曲あるピアノ・ソナタも5番から7番まではその時代の作品です。彼の作品はベートーヴェンにも似た堅固な形式の中に、現代的な志向が宿ったもので、20世紀のピアノ曲の中でも特異な位置を占め他音楽です。古典作品から現代作品まで幅広いレパートリーを有しているミハエル・ツァルカによる演奏です。
PMR-0036
シェエラザード
ボルトキェヴィチ(1877-1952):「千一夜物語」から5つのメロディOp.37(B.エンゲリによる三重奏編)
リムスキー・コルサコフ:シェエラザードOp.35
ハチャトゥリアン
:クラリネット,ヴァイオリン,ピアノのための三重奏曲
チューリッヒ・アンサンブルファビオ・ディ・チャソーラ(Cl)/カミラ・シャッツ(Vn)/チエン・ピ=チン(Vc)…/ベンヤミン・エンゲリ(P)>

録音:2013年8月1-3日スイスチューリッヒ,スタジオDRS
「チューリッヒ・アンサンブル」は数々の受賞歴を持つ4人のソリストたちによるアンサンブルです。彼らのpaladinoレーベルへのデビュー・アルバムは彼ら自身による編曲で聞くリムスキー・コルサコフの不朽の名作「シェエラザード」を中心としたオリエンタル風のメロディを持つ作品集です。本来は大編成のオーケストラで荘厳に奏されるシェエラザードが、極めて親密に鳴り響きます。ボルトキェヴィッチの作品も元々はバレエ音楽ですが、こちらもコンパクトにまとまりつつも、様々な可能性を秘めた響きが楽しめます。ハチャトゥリアンのクラリネット三重奏曲はオリジナルの形です。
PMR-0037
ジェフスキ:不屈の民による36 の変奏曲
バッハ:イタリア風アリアと変奏 イ短調
クリストファー・ヒンターフーバー(P)

録音:2011年12月11-13日 ライディング フランツ・リスト・ゼントラム
<不屈の民とは>El pueblo unido, jamas sera vencido(団結した国民は決して敗れない) チリのヌエバ・カンシオン(新しい歌)の曲の中でも、最も国際的に知られた歌。1973年6月にセルヒオ・オルテガによって作曲され(作詞はキラバジュン)演奏された直後から多くの音楽家たちが様々なヴァージョンで演奏、革命家として用いられています。 このジェフスキ(1938-)の変奏曲は1975年に作曲されたもので、アメリカ建国200年を記念してケネディ・センターでリサイタルを開いたピアニスト、ウルスラ・オッペンスが友人であったジェフスキに「ベートーヴェンのディアベリと組み合わせるための」変奏曲の作曲を依頼し、それに応じて書かれたのがこの曲というわけです。ご存知の通り、36 の変奏からなる55 分を越える長さを持つ大曲で、ロマン派、現代音楽、ジャズなど様々な手法を駆使した変奏が繰り広げられ、まるでバッハのゴルトベルク変奏曲のように、最後の主題が繰り返されて曲を閉じるというものです。作曲家自身の演奏もよく知られるだけでなく、多くの腕自慢のピアニストたちもこの曲に挑んでいます。ヒンターフーバーは、この曲とバッハの小さな変奏曲を組み合わせることで、ほっとする雰囲気を作り出しながら、時代を超えた「変奏曲の意味」を聴き手に問いかけます。
PMR-0038
モーツァルト・セッションズ
ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 K415
ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K414
教会ソナタ ハ長調 K336(ピアノと管弦楽編)
マルクス・シルマー(P)
ア・ファー・クライ

録音:2012年3月19-21日 ボストン ニュー・イングランド・コンセルヴァトリー ジョルダン・ホール
2007年に設立された17 人の若手演奏家によるアンサンブル「ア・ファー・クライ」。彼らはオーケストラのレパートリーを拡大し、様々な音楽を演奏することで、各々の個性を伸ばすことと革新的な表現の実現を図っています。すでにインターネット上では3 枚のアルバムを公開し、2012年にはヨーロッパ・ツアーも実現。素晴らしい人気を誇っています。このモーツァルトは、ベテランピアニスト、マルク・シルマーをソリストとして雄弁な音楽を奏でています。曲の冒頭からかなり攻撃的な音が聴こえてきますが、これがまた何とも爽快なもので、流麗なピアノとの対比がまことに見事です。また最後におかれたK336 の美しさも特筆もので、若さ漲る2 曲の協奏曲を締めくくるに相応しい逸品と言えるでしょう。選曲も演奏も素晴らしい1 枚です。
PMR-0039
バッハ(再)創造第1集
バッハ:メヌエット第2番ト長調
フーガホ短調BWV855
インヴェンション第6番ホ長調BWV777
フランス組曲第5番-ブーレBWV816
インヴェンション第11番ト短調BWV782
インヴェンション第10番ト長調BWV781
ミュゼット/イギリス組曲第4番-メヌエット
インヴェンション第13番ホ短調BWV784
インヴェンション第1番ハ長調BWV772a
インヴェンション第7番ホ短調BWV778
メヌエット第6番ホ短調
インヴェンション第3番ニ長調BWV774
フランス組曲第6番-アルマンドBWV817
インヴェンション第15番ロ短調BWV786
メヌエット第7番ハ短調
インヴェンション第2番ハ短調BWV773
メヌエット第3番ト短調
インヴェンション第8番ヘ長調BWV779
フランス組曲第2番-エアBWV813
インヴェンション第5番変ホ長調BWV776
インヴェンション第9番ヘ短調BWV780
アリア
インヴェンション第14番変ロ長調BWV785
インヴェンション第4番ニ短調BWV775
イギリス組曲第2番-ジグBWV807
メヌエット第4番ト長調
前奏曲ト長調BWV860
イギリス組曲第3番-ガヴォットBWV808
パルティータ第3番-ファンタジアBWV827
インヴェンション第12番イ長調BWV783※全てエリック・ラムとマルティン・ルンメルによるフルートとチェロのための編曲版
エリック・ラム(Fl)
マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2013年1月24.25日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
これらの曲は、本来バッハの鍵盤曲ですが、このアルバムではどれもがフルートとチェロというユニークな編成で演奏されています。中心となるのは「2声のインヴェンション」ですが、時にはアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖や、組曲、パルティータなどから多彩な曲が選ばれています。バッハの作品の特徴とも言える「対位法」をこの2つの楽器で演奏することは、極めてエキサイティングであり、また新しい響きの創造として、素晴らしい効果を上げるものです。このアルバムのためにpaladinoレーベルの主宰者マルティン・ルンメルは才能溢れる若きフルーティスト、エリック・ラムとアンサンブルを結成し、この魅力的なプロジェクトを完成させました。

PMR-0040
レオポルド・モーツァルトのヴァイオリン
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ.第22 番 イ長調 K305
 ヴァイオリン・ソナタ.第23番ニ長調 K306
 ヴァイオリン・ソナタ.第21番ホ短調 K304
 ヴァイオリン・ソナタ.第3 番変ロ長調 K454
マリア・バーダー=クビツェク(Vn)
リチャード・フラー(P)

録音: 2013 年1 月13-18 日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ
ウィーン美術史美術館とのコラボレーション・アルバム。こちらはモーツァルトの父、レオポルドが所有していたヴァイオリンと、1794 年製のスタインのフォルテピアノの競演です。1778 年に書かれた21 番から23 番の3 つのソナタ、そして1784年に書かれた第40 番(偽作を除くと32 番もしくは33 番ともカウントされる)の良く知られたソナタ。当時のヴァイオリン・ソナタは、どちらかというとヴァイオリン・パートはピアノの添え物的な扱いを受けていたのですが、これらのモーツァルトの作品は、どちらの楽器も同等に扱い、時には寄り添い、時には火花を散らしながら興奮に満ちた音世界を構築していくもので、ここでも素晴らしく、華麗な音の応酬が楽しめます。ヴァイオリンを演奏しているのはマリア・バーダー=クビツェク。モーツァルトをとりわけ愛してやまない意欲的なヴァイオリニストです。
PMR-0041
NX-B05
グラハム・ウェッタム(1927-2007):チェロ作品全集
コンチェルト・ドラマティコ WW73(1999)
チェロのためのロマンス 第1番 WW63/3(1993)
チェロのためのロマンス 第2番 WW75/1(2000)
チェロ・ソナタ WW60(1990/1996)
ヘブライのバラード WW47/3(1999
マルティン・ルンメル (Vc)
シンフォニア・ダ・カメラ
イアン・ホブソン(指)
ウーラストン祝祭O
グラハム・ウェッタム(指)
イングランド、ウィルトシャーの北東に位置するスウィンドンに生まれたウェッタム。正式な音楽教育を受けたことはないにもかかわら ず、30歳になる前に「弦楽器のためのシンフォニエッタ」と「交響曲第1番」がチャールズ・グローヴズが指揮するボーンマス交響楽団 で演奏されたのを始め、数々の作品がイギリス国内のオーケストラで演奏され、一躍優れた作曲家として脚光を浴びました。とりわ けチャールズ・グローヴズはウェッタムの作品を擁護し、1959年の「クラリネット協奏曲」は彼の最も成熟した作品であると賛辞を 贈っています。このアルバムには、チェロのモノローグで始まる「コンチェルト・ドラマティコ」など、ウィーンに拠点を置くチェリスト、マルティ ン・ルンメルが演奏するウェッタム晩年のチェロ作品集が収録されています。

PMR-0042

アントニオ・ソレール:鍵盤のためのソナタ集
ホ短調R106/変ニ長調R23/ニ短調M29
ハ長調「雄鶏」R108/ヘ短調R72
ハ短調R36/ト短調M38/変ニ長調R110
ト長調R31/ニ短調R25/ホ短調R113
ホ長調R34/ニ短調R104/ハ長調R9
ニ短調「エン・モード・ドリコ」R117
第27番ホ短調
クリストファー・ヒンターフーバー(P)

録音:2013年12月21.22日ウィーン、オーストリアコンチェルトハウス,トンツァウバー・スタジオ
アントニオ・ソレール(1729-1783)はカタルーニャ生まれの聖職者&作曲家です。一日のほとんどを祈りと瞑想、農耕に費やすというあまりにも実直な生活を送ったため、生活上のエピソードなどはほとんど残っていません(肖像画すらありません)。そんな彼がなぜ生涯に500曲以上の作品を残したのかは不明ですが、これは彼が師事したといわれるドメニコ・スカルラッティに倣ってのことであるとか、もしくはスペイン国王カルロス3世の王子ドン・ガブリエルのために書かれたなどと言われています。そんなソレールの作品ですが、禁欲的な生活を送ったとは思えないほどに豊かな楽想に満たされた変幻自在なもの。スカルラッティの作品のように、ほとんどが単一楽章で書かれていて、曲毎に違う表情が見え隠れします。じっくり聞いてみたい作曲家です。
PMR-0043
ロマンティック・ヴァイオリン
メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ.ヘ長調
シューマン:3 つのロマンス Op.94
クララ・シューマン:3 つのロマンス Op.22
シューマン/ブラームス/A.ディートリッヒ:F.A.E.ソナタ.
セルジウ・ルカ(Vn)
ブライアン・コネリー(フォルテピアノ)

録音: 2004 年5 月17-20 日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ
歴史的楽器による演奏。ここで演奏しているヴァイオリニスト、セルジウ・ルカはピリオド楽器演奏の先駆者です。彼は惜しくも2010 年にこの世を去りましたが、この2004 年の演奏は彼の音楽性をもれなく伝える貴重なものであり、選ばれた作品も、ドイツ・ロマン派を象徴するものばかり。とりわけ1853 年に作曲されたF.A.E.ソナタは、ロベルト・シューマンと彼の友人ディートリッヒ、そしてブラームスの共作で、当時の気質を存分に映し出した作品として知られていますが、なかなか演奏の機会のない貴重なもので、この演奏は資料としても価値あるものです。フォルテピアノは1840 年シュトライヒャー製を使用。時を超えた響きを楽しんでいただけます。
PMR-0044
ギャップなんて気にするな!
ジョセフ・ホロヴィッツ(1926-):ソナチネ(1981)
マルティヌー:ソナチネ
ミヨー:スカラムーシュ
ガーシュウィン:3つの前奏曲
アンテ・グルギン(1945-):ラプソディ
アルベニス:タンゴ
カルロス・ガルデル(1890-1935):porunacabeza-首の差で
パキート・デリヴェラ(1948-):2つの小品
ベンヤミン・ファイルマイア(Cl)
フローリアン・ファイルマイア(P)

録音:2013年10月30-31日オーストリア、ケフェルマルクトシュロス・ヴァインベルク
2011年、弱冠21歳で素晴らしいデビューアルバムをリリースしたベンヤミン・ファイルマイア。その類い稀なる才能はあらゆる方面で高く評価され、2013/14年度の「バンク・オーストリア・アーティスト」にも選ばれました。そんな彼のデビュー作は、ウェーバーやプーランク、フランセなどのオーソドックスなレパートリーが占めていましたが、今作はちょっぴり冒険的で挑戦的。どの曲も現代のトレンドを占めるジャンルの「前駆体」であり、作曲された当時は極めて前衛的であったものが、いつしかすんなり溶け込んでいるといった曲たちなのです。ジャズやタンゴ、ラグタイムなどが発生した時代を知る由もない彼がこれらを何事もないかのように吹いている姿。確かにタイトル通り「ギャップなんて気にするな」ということでしょうか。
PMR-0045
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ソナタ.ニ長調 D384/ソナタ.イ短調 D385
ソナタ.ト短調 D408/ソナタ(二重奏)イ長調 D574
ボリス・クチャルスキー(Vn)
エリザベス・ホプキンス(P)
ヴァイオリニスト、クチャルスキーはメニューインの弟子であり、ソリスト、教育者としても名高いヴァイオリニストで、2002年からホプキンスとともに演奏活動を行い、高い評価を受けています。このシューベルト(1797-1828)は「まるでたった一人で演奏しているような完璧なアンサンブル」と新聞で評されたもの。確かに2 人が奏でる音楽は柔軟でありながら、全く乱れのない素晴らしいものです。
PMR-0046
シューベルト:幻想曲&ピアノ三重奏曲
幻想曲 ハ長調 Op.159 D934
ピアノ三重奏曲 第1番変ロ長調 Op.99 D898
4.第1楽章:Allegro moderato
即興曲 Op.142 D935〜第2番変イ長調
ボリス・クチャルスキ(Vn)
ペーター・ヴェプケ(Vc)
エリザベート・ホプキンス(P)

録音:2014年7月28-31日
ヴァイオリニスト、クチャルスキーはメニューインの弟子であり、ソリスト、教育者としても名高いヴァイオリニスト で、2002年からホプキンスとともに演奏活動を行い、高い評価を受けています。このアルバムは一連のシュー ベルト録音のひとつ。ピアノ三重奏曲第1番と、晩年の名作「幻想曲」の組み合わせです。一糸乱れぬアン サンブルが聴きどころです。既発録音のヴァイオリン・ソナタ(PMR-45)、ピアノ三重奏曲第2番(PMR-47)も 高い評価を受けています。
PMR-0047
シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調Op.100D929
アルベジョーネ・ソナタイ短調D821(ヴィオラとピアノ版)*
ボリス・クチャルスキー(Vn,Va*)
トーマス・カロッル(Vc)
エリザベート・ホプキンス(P)

録音:2015年7月27-31日オーストリアケフェルマルクト,ヴァインベルク城
ロシア、スロヴァキア、ドイツ、そしてユダヤの血をひき、メニューインの卓越した弟子として知られるヴァイオリニスト、クチャルスキーによるシューベルト(17979-1828)です。前作のソナタ集(PMR-45)ではピアノのホプキンスとおもに完璧なアンサンブルを披露していましたが、今回は晩年の大作「ピアノ三重奏曲第2番」と、ヴァイオリンをヴィオラに持ち替えての「アルペジョーネ・ソナタ」の2曲を悠然と演奏。伸びやかな音色と表現力が聴きものです。
PMR-0048
アレッサンドロ・ポリエッティ:ロシニョーロ
トッカータ/カンツォナ/アルマンド
ドゥブレ1/ドゥブレ2/クーラント/ドゥヴレ
サラバンド/ドゥブレ/ジグ/ドゥブレ
「陛下の時代」によるエア・アルマンドと変奏
ジョイス・リンドルフ(ハープシコード)

録音:1994年4月4-6日USAメリーランド,ブラッドリー・ヒルズ・プレスバイテリアン教会
ジョイス・リンドルフは米国で古楽を中心に活躍している著名な音楽家です。この演奏は、彼女の活動の初期の記録で、あまり録音の多くないアレッサッドロ・ポリエッティ(1600頃-1683)の作品を聴くことができます。ポリエッティはイタリア生まれの作曲家で、ウィーンに渡って宮廷音楽家になった人です。当時としては、珍しい「標題音楽」を手がけた人として知られ、とりわけこの「ロシニョーロ(ナイチンゲール)」は鳥の鳴き声を模倣した旋律が取り入れられた楽しい小品集です。
PMR-0049
プーランク:室内楽作品集
ヴァイオリン・ソナタFP119(1943/1949)
フルート・ソナタFP164(1957)
5の即興曲(1932-1959)から<第1番:ロ短調/第3番:ロ短調/第5番:イ短調/第7番:ハ長調/第8番:イ短調/第10番:ヘ長調>
2台ピアノのためのソナタFP156(1953)
コーリャ・レッシング(Vn)
ヘンリク・ヴィーゼ(Fl)
エヴァ=マリア・メイ(P)
アレクサンダー・ヴィーナンド(P)

録音:2014年8.9月,2015年3.4月
“軽妙洒脱”と称されるプーランクの室内楽作品の中でも、とりわけ美しいフルート・ソナタと、ヴァイオリン・ソナタ、この2曲を中心に、ピアノのための即興曲と、2台ピアノのためのソナタを組み合わせたアルバムです。作曲家自身のピアノ、ジャン=ピエール・ランパルのフルートによって初演された「フルート・ソナタ」は短いながらも、プーランク(1899-1963)の個性が漲る作品であり、20世紀のフルート・ソナタの最高傑作とも言われています。ヴァイオリン・ソナタは彼の友人であったガルシア・ロルカの思い出のために書かれたもので、この曲には軽妙さはあまり感じられず、特にロルカの詩が添えられた第2楽章からは、涙の雨が降り注ぐかのような悲痛な音楽を聴くことができます。それに引き換え、第15番が有名な「即興曲」(ここでは第15番は演奏されていませんが)は、まさにファンタジーの飛翔であり、自由な感性を楽しめます。2人のアメリカ人ピアニストのために書かれた2台ピアノのためのソナタも、彼の代表作と言えるものです。4人の名手による納得の演奏で。

PMR-0050
モーツァルト:(再)創造
歌劇「魔笛」K620から<私は鳥刺し/何と素晴らしい音だろう>
二重奏曲K423/アレグロ.ハ長調
ロンドンの音楽帖からKAnh109b-1(K15a)
メヌエット.ト長調K1(1e)/メヌエット.ヘ長調K2
アレグロ変ロ長調K3/アンダンテ.ヘ長調K6
メヌエットニ長調K7/無題K15hh
無題K33b/二重奏曲変ロ長調K424
歌劇「魔笛」K620から<恋人か女房が/なんと魔法の音は強いことか>
エリック・ラム(Fl)
マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2014年9月24-25日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
以前リリースされた「バッハ(再)創造」(PMR-39)に続くフルーティスト、エリック・ラムの試みはモーツァルトの作品の再構築です。ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏をはじめ、少年モーツァルトが書いたメヌエットなど微笑ましくも見事な作品群、そして、どんな楽器で演奏してもぴったりはまる「魔笛」の名アリアなどが楽しく、そして丁寧に演奏されています。今回もラムとルンメルの息はぴったりであり、モーツァルトの音楽の新しい可能性を示唆しています。
PMR-0051
ブラームス:ハンガリー舞曲集(ハープとピアノ編)全21曲 デュオ・パラクセディス

録音:2013年8月スイス,ビューラッハ,フリューゲルザール
ハープとピアノの組み合わせで聴く斬新なブラームス(183-1897)の「ハンガリー舞曲」。どちらかというと土臭いイメージのあるこの作品をハープで!とは、またなかなか不思議な味わいを求めたものです。「デュオ・パラクセディス」は1996年に創立されたアンサンブルで、もともとバッハの協奏曲を演奏するために組まれたものでした。2009年以来、スイスを拠点に世界で定期的にコンサートを行い、ハープとピアノのためのオリジナル作品をはじめ、独自のアレンジを施した作品を演奏、好評を博しています。またこの楽器の組み合わせのために、現代作曲家たちにも作品を頻繁に委嘱することで、レパートリーの拡充を図っています。
PMR-0052
コープランド:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ/4つのピアノ・ブルース
エル・サロン・メヒコ(L.バーンスタインによるピアノ編)
ロデオ-4つのダンス・エピソード(ピアノ編)
ユージェニー・ルッソ(P)

録音:1995年10月ドイツノイマルクト,ヒストリシャー・ライトシュターデル
アーロン・コープランド(1900-1990)は20世紀アメリカを代表する作曲家の一人です。彼は14歳からピアノを学び始め、21歳のときにはパリに行き、個人的にナディア・ブーランジェの弟子になります。この時代にはジャズ風の音楽に心酔していましたが、3年後に帰国。その後はアメリカの民謡を作品に取り入れながら、自国の音楽を模索していきます。多くの曲は平易な作風で書かれた親しみやすいものが多く、ここに収録されているピアノ曲も、どれもステキな味わいを有しています。中でも知られるのは「エル・サロン・メヒコ」で、これはもともとオーケストラ用の作品ですが、この曲を愛したレナード・バーンスタインがピアノのために編曲し、こちらも人気を博しています。ここでピアノを演奏しているユージェニー・ルッソは、以前クララ・シューマンのピアノ作品集(PMR-28)でつつましやか、かつ情熱に溢れた演奏をしていたピアニストですが、今回では一転、アメリカの風を感じさせる闊達な音楽を聞かせます。
PMR-0056
シュランメルのヴァイオリン
フィリップ:ファールバッハ(ヨハン・シュランメル編):流体ギャロップ
ヨハン・シュランメル(1850-1913):ウィーンのホイリゲ舞曲
J・シュトラウス(ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編):愛の歌(ワルツ)
レオポルト・ケーニヒシュテッター(ヨハン・シュランメル編):アルトレングバッハの思い出(ワルツ)
J・シュトラウス(ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編):よちよち歩きのポルカ
ヨゼフ・ランナー(J・ランナー&G・ドラハネク編):新ウィーン・レントラー
アレクサンダー・カッツェンベルガー(ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編):ハロー・ダ・サン・マ・ムンター
ヨハン・シュランメル:おしゃべり(フランス風ポルカ)/ヨハン・シュムッツァー:シュムッツァー舞曲
ヨゼフ・ランナー:ペストのワルツOp.93
ヨハン・シュランメル:音楽による色彩の戯れ
カール・ミヒャエル・ツィーラー(ヨゼフ・シュランメル(1852-1895)編):ランデヴー(フランス風ポルカ)
フィルハルモニア=シュランメルン・ウィーン<メンバー:マルティン・クービク&アンドレアス・グロスバウアー(ヴァイオリン=1883年頃、ウィーン、カール・ツァッハ製(inv.no. SAM1087&1089))/ハインツ・フロマーダ(コントラギター=20世紀初頭、ウィーン、ヨゼフ・スウォジル製)/ハンネス・モーダー(ハイG・クラリネット=20世紀終盤、ドイツ、ヘルベルト・ヴュルリツァー/フランク・ハマーシュミット製)/ギュンター・ハウマー(ボタン式アコーディオン=1904年、ウィーン、カール・ブドヴィツ製)>

録音:2008年2月28日-3月1日古楽器博物館
シュトラウス王朝が栄えている間、ウィーンの宮廷ではシュランメル兄弟の作品はほとんど流行していませんでした。しかし彼らが主に活動していたのはホイリゲ(ワイン居酒屋)や宿屋であり、ここで大きな人気を博したのです。彼らの演奏時の編成におけるは、2本のヴァイオリン(フィドル)、コントラギター、クラリネット、そして時にはボタン式アコーディオンという変則的なもので、この独特な音色が聴衆を泣かせたのでしょう。このアルバムでは当時使われていた楽器を用いた、まさに「その時代」をそのまま切り取ってきた演奏で、これがまた心を刺激する音楽なのです。
PMR-0057(2CD)
テオドリコ・ペドリーニ:ヴァイオリン・ソナタ全集
ヴァイオリン・ソナタニ長調Op.3-3
ヴァイオリン・ソナタト短調Op.3-2
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.3-9
ヴァイオリン・ソナタハ長調Op.3-7
ヴァイオリン・ソナタハ短調Op.3-10
ァイオリン・ソナタト長調Op.3-11
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.3-8
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.3-5
ヴァイオリン・ソナタハ短調Op.3-4
ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調Op.3-6
ヴァイオリン・ソナタイ長調Op.3-1
ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.3-12
ナンシー・ウィルソン(ヴァイオリン…1659年、ヤコブ・シュタイナー製)
ジョイス・リンドルフ(ハープシコード)

録音:2006年9月11-12日,2008年1月7-8.12日,2012年5月9-10日プリンストン・セオロジカル・セミナリー
イタリアに生まれ、宣教師として清朝の中国・北京に赴き、この地で亡くなったテオドリコ・ペドリーニ(1671-1746)の作品集です。彼が中国に到着したのは1711年、その後9年間はグアテマラ、メキシコ、マニラ、マカイなどを旅し、1746年に亡くなるまで中国名:コ理格として中国の宮廷楽師として仕え、熙帝の3息子の音楽教師でもあったというペドリーニ。多くの音楽作品も残したとされますが、現在ではこのOp.3のヴァイオリン・ソナタが唯一知られているものです。様式はもちろんコレッリ風ですが、独特の東洋風の侘びも感じられるのが面白いところです。アメリカの名手、ナンシー・ウィルソンの演奏で。
PMR-0058(2CD)
シューベルト・(リ)インヴェンションズ
シューベルト:ギター四重奏曲 D96(原曲:W.マティエクカ:ノットゥルノ Op.21)
アルペジオーネ・ソナタ.イ短調 D821(チェロとギター編)
ハンガリーのメロディ D817
ピアノ・ソナタ.第18番 ト長調 D894-第3楽章 メヌエット
アルプスの狩人 D588
水の上で歌う Op.72 D774
遠くへの渇望 Op.71 D770
小川のほとりの若者 D638(第3作)
夜曲 Op.36-2 D372
劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」D797-ロマンス「満月は丘の上に輝き」
羊飼いの嘆きの歌 Op.3-1 D121b
あこがれ Op.105-4 D879
さすらい人の夜の歌 Op.4-3 D224
憂い Op.22-2 D772
死と乙女 Op.7-3 D531
夜の歌 D314
涙の賛美 Op.13-2 D711
冬の旅 Op.89 D911-13「郵便馬車」
白鳥の歌 D957-1「愛の便り」
白鳥の歌 D957-4「セレナード」
白鳥の歌 D957-5「住処」
白鳥の歌 D957-10「漁師の娘」
ウルズラ・ラングマイアー(S)
アルベルト・メシルカ(G)

録音:2014年9月
シューベルトの様々な作品を、ギターを交えた演奏で楽しむ2枚組。モーツァルトを思わせる「ギター四重奏曲」は1918 年に発見されたシューベルトの18歳の時の作品とされていますが、実はシューベルトより少し年上のボヘミアの作曲家マ ティエクカの「ノットゥルノ」をそのまま書き写し、そこにチェロ・パートを付け加えた“編曲”であり、シューベルトがなぜこの形で の編曲を試みたのかはわかっていません。。現代には存在しない楽器「アルペジオーネ」のためのソナタは、通常チェロとピ アノで奏されますが、ここではギターとチェロの二重奏。ピアノ伴奏よりも慎ましい響きが魅力的です。 CD2は歌曲のギター伴奏版。シューベルト自身はギターで作曲をしていたという説もあり(ピアノが買えなかったとも)この 素朴な響きは作品の姿を良く伝えます。イタリアのギタリスト、メシルカが全曲を通じてギターを担当しています。
PMR-0059
1830年代のグラーフ製フォルテピアノで聴くショパン作品集
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35
.24の前奏曲Op.28
ナターリア・レーリング(フォルテピアノ…1828年以降にコンラッド・グラーフ社で製作)

録音:2015年2月23-25日ウィーン美術史美術館
ウィーン美術史美術館との共同制作のシリーズであるこのアルバムは、歴史的な楽器を用いて、その時代の音楽を演奏するというコンセプトに基づいています。今回はショパンの時代に製作されたフォルテピアノが主人公です。古典派とロマン派の過渡期に作られたこのフォルテピアノは、繊細な音色と、おどろくほど多彩な表現力を持った芸術品です。もちろん、この小さな音色は、1000人を越える人員を収容できる現代のホールを満たすことは難しいのですが、小さな部屋での親密な集まりには、最高の効果を齎すことは間違いありません。できることなら、実際に聴いてみたくなる美しい音色です。

PMR-0060
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ:無伴奏フルート曲集(エリック・ラム編)
幻想曲と前奏曲集から8つのカプリースとその他の作品

フランス風に(ヴィヴァーチェ)ニ長調QV3:1.3
幻想曲ニ長調QV3:1.5
アダージョロ短調QV3:1.22
アレグロホ短調
メヌエット・ダ・カーポニ長調
メヌエット・ダ・カーポト長調
幻想曲ト長調QV3:1.9
アルマンドホ短調
サラバンド・ドゥブレ第1-4番ト長調
前奏曲ニ長調QV3:1.7
カプリース第1番ニ短調QV3:1.8
カプリース第2番ホ短調QV3:1.10
カプリース第3番ヘ長調QV3:1.12
カプリース第4番ト長調QV3:1.15
カプリース第5番ト長調QV3:1.17
カプリース第6番ト長調QV3:1.14
カプリース第7番イ短調QV3:1.19
カプリース第8番ロ長調QV3:1.21
メヌエット変ロ長調QV3:1.23
幻想曲(プレスト)ハ長調QV3:1.1
幻想曲ハ長調QV3:1.2
アルマンド.イ短調
メヌエットと変奏第1-10番ホ短調
エリック・ラム(Fl)

録音:2014年11月4-5日オーストリア,ウィーン4トゥーン・スタジオ
アメリカのフルーティスト、エリック・ラムの初のソロ・アルバムは、クヴァンツ(1697-1773)の小品集です。18世紀における優れたフルート演奏家であり、作曲家、そしてフリードリヒ大王にフルートを教えた人として名高いクヴァンツは、およそ200曲のフルートを含む作品を残しましたが、現在それら全てが知られているとは言いがたい状況です。「こんなに素晴らしい作品はもっと聴かれるべきである」というラムの手により、これらの知られざる作品が世に出ることになりました。これらのほとんどはコペンハーゲンの図書館に保存されていたスコアによるもので、ラムは丹念に楽譜を推敲した上で当時のスタイルやテクニックを加味し、完璧に再現したのです。
PMR-0061
オリジナル・クラシックス
ドメニコ・マラカルネ:主題と変奏
フランソワ=アドリアン・ボワエルデュー:ハープとピアノのための二重奏曲第4番 変ホ長調
アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841):アンダンティーノと変奏
ヨーゼフ・ヴェルフル(1773-1812):ハープとピアノのための大二重奏曲 変ロ長調 Op. 37
デュオ・プラセディス〔プラセディス・フーク=リュッティ(Hp)、プラセディス・ジェネヴィエーヴ・フーク(P)〕

録音:2014年8月
ハープとピアノのための貴重なレパートリーを次々と録音している親子アンサンブル、デュオ・プラセディス。本アルバムでは、18世紀から19世紀に活躍した作曲家の作品を集めており、「フランスのモーツァルト」といわれたフランソワ=アドリアン・ボワエルデューや、パガニーニの師として知られるアレッサンドロ・ロッラなどのハープとピアノのためのオリジナル作品を収録しています。
PMR-0062
ファリャ:ピアノ作品全集
夜想曲/マズルカ ハ短調/アンダルシアのセレナータ/カンシオン/ヴァルス・カプリッチョ/小人の行列/セレナータ/演奏会用アレグロ/4つのスペイン小品/ベティカ幻想曲/クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌/ヴォルガの舟歌/ポール・デュカスの墓碑銘
フアン・カルロス・ロドリゲス(P)

録音:2015年2月(スペイン)
数々のバレエ音楽をはじめとした舞台作品の傑作を世に贈り出しスペインを代表する巨匠の一人に数えられるマヌエル・デ・ファリャは、CD1枚に収まるほどわずかな数ではあるものの魅力的なピアノ作品も遺しています。2014年の日本ツアーでも大成功を収めたフアン・カルロス・ロドリゲスはファリャと同じスペイン・カディスの出身。同郷の名手ならではの説得力のある演奏を聴かせます。
PMR-0063
デニス・カム(1942-2018):室内楽作品集
クラリネット・ソナタ
ピアノのための「オントロジー(プレ・ソクラティック・エチュード)」
クラリネット、チェロとピアノのための「ロカヒ」
クラリネットのための「ミックス・ファイヴ(a)」
チェロ・ソナタ
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
ロス・ハーボー(Vc)、
エイミー・タランティーノ=トラフトン(P)

録音:2007年1月、2008年6月&9月(アメリカ)
2018年にこの世を去ったデニス・カムは、オーバリン音楽院やハワイ大学で学んだ他、桐朋学園で入野義朗にも師事したアメリカの現代作曲家です。ホノルルに生まれ育ったカムが自身のルーツへのオマージュとして作曲した「ロカヒ」など5作品を収録。「Lokahi」の「L」は「ALOHA」の「L」であり、ハワイ語で調和、絆、結束といった意味を持ちます。
PMR-0064
ロバート・シュターク(1847-1922):クラリネット協奏曲集
クラリネット協奏曲第2番Op.13
ワルツ・カプリッチョ/ロマンス Op.1
クラリネット協奏曲第3番Op.50
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
ハンブルクSO、デイヴィッド・カーティス(指)

録音:2001年3月6-8日(ハンブルク)
40年近くもの間ヴュルツブルク音楽院で教育に携わったドイツの作曲家、ロバート・シュタークの管弦楽を伴うクラリネット作品集。エチュードや小品などは現在も幅広く演奏されクラリネット奏者にはお馴染みのシュタークですが、協奏曲はほとんど知られていませんでした。ウラディーミル・アシュケナージの息子で世界的クラリネット奏者であるディミトリ・アシュケナージによるこの録音が世界初録音となります。
PMR-0065
ステファン・ヘラー:ピアノのための変奏曲集
ベートーヴェンの主題による21の変奏曲 Op.133
ポーランドの主題による華麗な変奏曲 Op.5
パガニーニの主題による変奏曲 Op.1
ビリアナ・ツィンリコヴァ(P)

録音:2015年9月-10月(オーストリア)
ロマン派の時代に活躍したユダヤ系ハンガリー人作曲家、ステファン・ヘラーのピアノのための変奏曲集。ヘラーは残した作品の大半がピアノ作品で、ピアニストとしても活動しました。ショパンやリスト、ベルリオーズといった同世代の大作曲家とも親交があり、当時のヨーロッパでは名声を博しました。注目すべきはOp.133の変奏曲。ベートーヴェンの「熱情ソナタ」第2楽章の主題に始まり、交響曲のフレーズ、さらにはモーツァルト、ショパン、シューマンなどのモチーフを巧みに織り交ぜた30分を超える大作です。ブルガリア・ソフィア生まれのピアニスト、ビリアナ・ツィンリコヴァによる世界初録音です。
PMR-0066(2CD)
グイド・マンクージ(b.1966):管弦楽作品集
弦楽オーケストラのための組曲「BeAeSeF」
トランペット協奏曲/管弦楽のための協奏曲
古風なスタイルによるギャロップ第3番「Schwiegermuttergalopp」
古風なスタイルによるポルカ第1番「Schrimpssalat」
古風なスタイルによるポルカ第2番「Running Sushi」
古風なスタイルによるワルツ第6番「Kirschbluten」
古風なスタイルによるフランス風ポルカ第5番 「Ganz Neue Pizzicatopolka」
古風なスタイルによるポルカ・シュネル第8番 「Kinderspiel」
古風なスタイルによるポルカ・シュネル第10番 「Tachiniererpolka」
古風なスタイルによるポルカ・シュネル第9番 「Wo der Pfeffer wachst」
祝祭幻想曲「トンシュピール」
ジョー・ホフバウアー(Tp)、
PANヨーロピアン・フィルハーモニア
MAVブダペスト・コンサートO
シェーンブルン祝祭O、
ウィーン・フォルクスオーパーSO、
グイド・マンクージ(指)

録音:2004年1月、2015年3月&4月(ワルシャワ、ブダペスト、ウィーン)
ナポリに生まれたオーストリア系イタリア人指揮者・作曲家のグイド・マンクージによる管弦楽作品を、自身の指揮でたっぷりと楽しめる2枚組のアルバム。音楽一家に生まれたマンクージは、ニーノ・ロータからピアノの手ほどきを受けるなど早くから恵まれた環境で学び、父の死後にウィーンへ移住、ウィーン少年合唱団でソリストを務めました。ウィーン音楽院で歌とファゴットを、ウィーン音楽アカデミーで作曲と指揮を修めると、リッカルド・ムーティやアダム・フィッシャーのアシスタントに就き研鑽を積みました。
PMR-0067
NX-B03
ハネス・ラファゼーダー:室内楽作品集
出発:転換点より-独奏チェロのための(1996)
フィナーレ-フルート、チェロとピアノのための(1998)
ショート・ストーリー-独奏ヴァイオリンのための(1996/1998)
ああ、鳥たちとともに地獄へ-フルートとピアノのための(2011)
コラール:転換点より-独奏チェロのための(1996)
疑問符-フルートとチェロ、ピアノのための(2000/2016)
.幻想曲-独奏フルートのための(1996)
触れる、動く、繋がる-ヴァイオリン、チェロとピアノのための(2005)
結論:転換点より-独奏チェロのための(1996)
エリック・ラム(Fl)
ジュリア・マリー(Vn)
マルティン・ルンメル(Vc)
シュテファン・シュロイッシング(P)

録音:2016年5月8日.23日
1970年オーストリア生まれの作曲家ラファゼーダーは、ウィーンで電気音響音楽とテレコミュニケーション工学を学び、作曲家& マルチメディアのアーティストとして国際的に活動しています。このアルバムでは、20年に渡る彼の室内楽作品を収録。初期の 作品でアルバムタイトルにもなっている「Turning Points=転換点」の3つの楽章を中心に多彩な音楽が収録されています。 チェロを演奏するのはpaladinoレーベルを代表するルンメル。他、ウィーンの名手たちが参加しています。
PMR-0068
プーランク:室内楽作品集 Vol.2
クロード・ジェルヴェーズによる「フランス組曲」FP.80
歌曲集「陽気な歌」FP.42より 第8曲「セレナード」(モーリス・ジャンドロン編曲によるチェロ&ピアノ版)
劇音楽「城への招待」FP.138
笛吹きが廃墟を鎮める FP.14
ヴィラネル FP.74
2つのメロディ FP.162
歌曲集「画家の仕事」FP.161
エヴァ=マリア・メイ(P)、
マルティン・ルンメル(Vc)、
コリンナ・デッシュ(Vn)、
アンドレアス・シャーブラス(Cl)、
アフラム・キム(フルート&ピッコロ)、
ダミアン・ガストル(Br)

録音:2018年1月−2019年7月、ミュンヘン(ドイツ)
オーストリアの「パラディーノ(Paladino)」レーベルが、ドイツのコンサート・ピアニスト、エヴァ=マリア・メイをメイン・アーティストとして起用し進めてきた20世紀フランスのメロディストであり、フランス6人組の1人、フランシス・プーランクの器楽&室内楽シリーズ5作目は「室内楽作品集」の「第2巻」!
メンバーはバイエルン国立歌劇場Oの首席クラリネット奏者アンドレアス・シャーブラスや、英国チェロ界のレジェンド、ウィリアム・プリースの愛弟子であるマルティン・ルンメル、バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループなどで活躍する女流フルーティスト、アフラム・キムなど豪華面々が集結。
一流の演奏家たちの優れたアンサンブルによる、充実のプーランクの室内楽作品集の登場です。

PMR-0069

ロシアのおみやげ
キュイ:3つの小品(1907)<間奏曲/夜想曲/行進曲風に>
チャイコフスキー:ハプサルの思い出Op.2‐第3番「無言歌」(1867)
アレンスキー(1861-1906):組曲第1番ヘ長調Op.15(1884)<ロマンス/ワルツ/ポロネーズ>
ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチナ」‐子守歌(1880)
リムスキー=コルサコフ:組曲「シェエラザード」
※全てデュオ・プラセディスによるハープとピアノ編
デュオ・プラセディス<プラセディス・ハグ=リュッティ(Hp)/プラセディス・ゲネヴィエーヴ・ハグ(P)>

録音:2014年1月14日,2015年1月5日スイスビューラッハ,フリューゲルザール&チューリヒ,DRSスタジオ
ハープとピアノという斬新な組み合わせから紡ぎだされる流麗な音色が魅力。デュオ・プラセディスのpaladinoレーベルへの2枚目のアルバムです。前作(PMR-51)はブラームスのハンガリー舞曲集で、民族色豊かな演奏を聴かせましたが、今回はロシアの小品をバランスよく集めたアルバムです。キュイやチャイコフスキー、ムソルグスキーの小品、アレンスキーの組曲、そしてメインはリムスキー=コルサコフの組曲「シェエラザード」。このセレクトはかなり挑戦的でもあり、魅惑的でもあります。もちろん編曲は彼女たちによるものです。

PMR-0070
ファラドシュ・カラーエフ:管弦楽作品集
ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲(2004) わが母の思い出のために
20年の‐ノスタルジー A.(e)SCH E.DE(e)の思い出のために(2009)<I/II/III/IV>
パトリチア・コパチンスカヤ(Vn)
アゼルバイジャン国立SO
ラウフ・アブリャエフ(指)
ロシア国立シンフォニー・カペラ
ヴァレリー・ポリャンスキ(指)

録音: 2009 年11 月30 日 バーク マゴメフ・アゼルバイジャン国立フィルハーモニック・ホール、2011 年4 月8 日 モスクワ チャイコフスキー音楽院 グレート・ホール
モルドヴァ出身の奇才ヴァイオリニスト、コパチンスカヤの新譜がpaladino レーベルから登場です。古典派、ロマン派から現代音楽までそのレパートリーの幅広さと、独特の解釈で知られる彼女ですが、今回は1943 年、アゼルバイジャン生まれの作曲家ファラドシュ・カラーエフ(1943-)のヴァイオリン協奏曲を演奏しています。作曲家カラ・カラーエフを父に持つファラドシュ・カラーエフは、ポストソビエト時代の主要な作曲家の一人であり、現代作曲家の誰とも似た作風ではありません。一つ一つの作品に様々が概念やイメージを持たせ、その音楽は日々変化を遂げています。このヴァイオリン協奏曲と「ノスタルジー」は共に最近の作品であり、想像を絶した音が炸裂しています。コパチンスカヤもあらゆる特殊奏法を駆使しこの曲に対峙しています。謎の言葉が踊る「ノスタルジー」も不思議なテクスチャーを持つ音楽です。
PMR-0071(2CD)
ジャック・ペジブル:リコーダーソナタ全集
<CD1>
1-4.ソナタ 第13 番 ハ長調
5-13.ソナタ 第19 番 ヘ長調
14-17.ソナタ 第1 番 ニ長調
18-21.ソナタ 第10番 ヘ長調
22-25.ヴァレ・ローヤル 第14 番 イ短調
26-29.ソナタ第11 番 ニ短調
30-33.ソナタ 第18 番 変ロ長調
34-38.ソナタ 第3 番 変ロ長調
39-43.ソナタ 第7 番 ホ短調
44-49.ソナタ 第15 番 ホ短調
<CD2>
1-4.ソナタ 第4番 ニ短調
5-8.ソナタ 第12 番 ヘ長調
9-12.ソナタ 第5 番 ト短調
13-18.ソナタ 第9 番 変ロ長調
19-23.ソナタ 第4 番 ニ短調
24-27.ソナタ 第17 番 ヘ長調
28-32.ソナタ 第8 番 ハ短調
33-37.ソナタ 第2 番 変ホ長調
38-42.組曲 第16 番 イ短調
43.バベル・マニュスクリプトからアルマンド ニ短調
ムジケ・プレジャー・ガーデン(アンサンブル)
ミヒャエル・ヘル(リコーダー)
エヴァ・マリア・ポレルス(ハープシコード)…CD1:1-21.26-29.34-39,CD2:1-4.9-23.28-43
スザンナ・ボルシュ(リコーダー)…CD1:30-33,CD2:24-27
サム・チャプマン(ギター)…CD1:22-25.44-49,(アーチリュート)…CD1:18-21,CD2:5-8,(テオルボ)CD2:38-42
トーマス・プラツグンマー(Vc)…CD1:1-4.26-29.34-38,CD2:13-18.33-27
レベカ・ルソ(バスヴィオール)…CD1:5-13.22-25,CD2:28-32

録音: 2011 年4 月24 日.5 月1-4 日.11 月13-16 日.12 月6-8 日 オーストリア,スティフト・ライン,ヴァイサー・ザール
イングランド宮廷で活躍したフランス出身の演奏家、作曲家ジャック・ペジブル(1656 頃-1721)。イギリスでの活動時期が長かったため、「ジェイムズ・ペザブル」という英語名でもシラ得ています。当時のリコーダー演奏の第1人者であり、その超絶技巧を生かした作品を多く書きました。この2 枚組は彼のリコーダーソナタの全曲を収録したもの。心地よい音色の中からリコーダーの響きが際立って聞こえてきます。リコーダーを演奏しているヘルは、ハープシコードとリコーダーの名手で、ドイツの古楽演奏家のなかでも素晴らしい存在です。

PMR-0072(2CD)

プーランク:子象ババールの物語
小象ババールの物語(ドイツ語)
2台ピアノのためのエレジー(和音の残響のように)
2台ピアノのための「シテール島への船出」
小象ババールの物語(フランス語)
小象ババールの物語(英語)
ピアノのための15の即興曲
2台ピアノのための「仮面舞踏会」によるカプリッチョ
エヴァ=マリア・マイ(P)
アレクサンダー・ヴィーナント(P)
ステファン・ヴィルケニング(ナレーター)
ユリエン・トーレル(ナレーター)
ノーマン・シェトラー(ナレーター)

録音:2016年1月.3月ドイツミュンヘン音楽大学小コンサート・ホール
1940年、友人であるジャン・ド・ブリュノフの絵本「小象ババールの物語(日本でのタイトルは「ぞうのババール」)」を夢中になって読んでいる甥っ子や姪っ子の姿を見て「この物語に音楽をつけてみたらどうだろう」と思ったプーランク(1899-1963)。早速ブリュノフに許諾を取り作曲にとりかかるも(台本はブリュノフが担当)第2次世界大戦のために中断、その間に大きくなってしまった子供たちが催促し、完成したのがこの音楽物語「小象ババールの物語」です。母親を失った小さな象ババールが街に出て、おばあさんに助けてもらい一緒に生活しますが、森が恋しくなったババール。遊びに来た従兄弟(いとこ)たちと森に帰ることに。ちょうど同じ時に象の王様がこの世を去ったため、長老たちは賢いババールを次の王に選定。ステキな奥さんも手に入れたババールが幸せ一杯になったところでお話は終わります。3ヶ国語でのナレーションと、即興曲(第15番:エディット・ピアフ賛も含む)他、楽しいピアノ曲も収録されています。
PMR-0073
バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988 エーリヒ・トラクスラー(ハープシコード…French-Flemish harpsichord after Ruckers (Colmar, 1624) by Keith Hill, 1992)

録音:2013年12月3-4日オーストリアケフェルマルクト,ヴァインベルク城アーネンザール
オーストリアのハープシコード&オルガン奏者、エーリヒ・トラクスラーによる名作「ゴルトベルク変奏曲」の演奏です。彼は1600年から1800年頃までの作品を研究し、この時代の音楽の奏法に熟知しています。世界中の多くのバロックオーケストラと共演し、マスタークラスで後進の指導にもあたっています。この演奏で、彼はバロックの美学をとことん探求し、バッハ(1675-1750)が使ったモティーフから新たな側面を発見し、新しいゴルトベルクを創りだしているのです。
PMR-0074
ジャン・フランセ:クラリネットのための作品集
クラリネット協奏曲(1967-1968)
主題と変奏 (1974)
クラリネット,ヴィオラとピアノのための三重奏曲
ドミトリー・アシュケナージ(Cl)
シンシナティPO
クリストフ=マティアス・ミューラー(指)
イヴォンヌ・ラング(P)
アダ・マイニヒ(Va)
ベルント・グレムザー(P)

録音:1995年5月28日、1992年9月、2016年4月19日
クラリネット奏者ドミトリー・アシュケナージが青年時代から関心を寄せているという、フランスの新古典派主義の作曲家ジ ャン・フランセ(1912-1997)の作品集。フランセの作品は軽妙洒脱で、同時代の作曲家たちのように無調や十二音を重視す ることはなく、常に流麗な響きに彩られています。アシュケナージは作品の持つ特徴を生かし、微妙に移り変わるハーモニー を意識したユーモラスな音色を聴かせます。協奏曲の伴奏を務めるのはシンシナティ・フィルハーモニー・オーケストラ。あ のハンス・ロットの交響曲を1989年に初演したことでも知られる、シンシナティ大学の学生たちによって結成されたオーケ ストラです。このアルバムには1990年代に録音された2曲の他に、2016年の最新録音である「三重奏曲」を収録。アシュ ケナージの“現在”もお聴きいただけます。
PMR-0075(2CD)
ジョージ・アンタイル:ピアノ作品集+Bad Boyof Music(朗読)
〈CD1 英語ナレーション〉
1.花火と世俗のワルツ
2.Bad Boy of Music(ナレーション)
3.ピアノ・ソナタ第4 番「ジャズ・ソナタ」
4.Bad Boy of Music(ナレーション)
5.ソナタ第3 番 「機械の死」
6.Bad Boy of Music(ナレーション)
7-8.ピアノ・ソナタ第2番「飛行機ソナタ」
9.Bad Boy of Music(ナレーション)
10.ラジオのためのソナチネ
11.Bad Boy of Music(ナレーション)
12.リトル・シミー/13.Bad Boy of Music(ナレーション)
14.ゴールデン・バード
15.Bad Boy of Music(ナレーション)
16.ピアノ・ソナタ第4 番-第3 楽章Vivo
※CD2は全て同じ曲で構成されています。ナレーションのみドイツ語です。
ゴットリープ・ヴァリッシュ(P)
クリストファー・ロス(ナレーション)…CD1
カール・マルコヴィックス(ナレーション)…CD2

録音:2015年8月、2016年6月オーストリアウィーントンザウバー・スタジオ…CD2
2016年7月9日…CD1ナレーションのみ
アメリカの作曲家アンタイル(1900-1959)のピアノ曲と、彼の自叙伝「音楽の悪童=BadBoyofMusic」の朗読(抜粋)を組 み合わせたアルバム。CD1は英語、CD2はドイツ語で朗読されている(音楽は同じ)という念の入った2枚組です。もともと ルター派を信仰するドイツ系ユダヤ人の家系に生まれたアンタイルは、最初ピアニストとして活躍しますが、1926年の「バ レエ・メカニック」で前衛音楽家としての名声を確立します。「バレエ・メカニック」でも舞踏家は登場せず、全て機械と打 楽器が演奏する音楽で構成されていますが(後に改訂される)彼のピアノ演奏に対するアプローチはかなり独特で極端な方法 が採られており、初期の作品は全く演奏不能であるほどに複雑でリズミカルな様相を呈しています。
PMR-0076
ブラームス&ブリッジ:ピアノ三重奏曲集
ブラームス:ピアノ三重奏曲ロ長調Op.8(1889年改編版)
フランク・ブリッジ:ピアノ,ヴァイオリン,チェロの   ための幻想曲Op.1(1907)
:ヨー・ヒュンキ(P)
ラファル・ザンブリツキ(Vn)
トーマス・キャロル(Vc)

録音:2007年UKロンドン、イェフディ・メニューイン・リサイタル・ホール,モスクワチャイコフスキー音楽院,大ホール
ブラームスの数ある室内楽曲の中でも、めずらしく初稿と改定稿が存在する「ピアノ三重奏曲第1番」。20歳代に書かれた初稿に比べ、改定稿は格段の熟成度を誇るため、現在ではこちらの版を使って演奏することが通例となっています。このアルバムでも改定稿が使用されており、晩年のブラームス作品の持つ重厚な響きを味わうことができるでしょう。もう一つのブリッジの作品は、無調に傾倒していく以前の1907年頃の作品で、後期ロマン派風の響きを持つ美しい作品です。ピアニスト、作曲家として名高いヨー・ヒュンキを中心としたザンブリツキとキャロルの3人によるアンサンブルは、各々の個性を生かしながらも、密度の濃い演奏を聴かせています。
PMR-0077
リサ・スミルノヴァ〜ライヴ・アット・コンセルトヘボウ
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
リサ・スミルノヴァ(P)

録音:1994年7月5日オランダアムステルダム・コンセルトヘボウライヴ
2015年、突然不思議なメールを受け取ったというベテラン・ピアニスト、リサ・スミルノヴァ。それはオランダの企業から のメールで「以前、あなたがコンセルトヘボウで行った演奏がオランダのラジオ局のアーカイブに録音されており、こちらを リリースしたい」というものでした。およそ20年前の演奏をリリースすることについて、もちろん許可を与えないという選 択もありましたが、彼女はまずベートーヴェンとプロコフィエフの関連性について熟考し、その2つの作品が「人生を叙事 詩的に表現しており、彼女自身の人生においても重要な役割を果たしていることを確認、リリースを決断した」と言います。 この録音は一切編集が加えられておらず、もちろんリハーサルの素材も含まれていない一期一会の熱演の記録。エキサイティ ングな演奏がお楽しみいただけます。
PMR-0078
ブラームス:ホルン三重奏曲・ヴァイオリン・ソナタ
ピアノ,ヴァイオリンとホルンのための三重奏曲変ホ長調Op.40
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.78
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op.108
ボジダラ・クスマノヴァ=ヴラダー(Vn)
ヴォルフガンク・ヴラダー((Hrn)
マグダ・アマラ(P)

録音:2016年3月オーストリアウィーン
ウィーン・フィルハーモニーの奏者たちが使用していることでお馴染みのウィンナホルン(ウィーン式ホルン)は、通常用いら れるフレンチホルンとは若干構造が違い、その音色も独特な響きを持っています。このアルバムはウィーン・フィルのホルン 奏者、ヴォルフガンク・ヴラダーの演奏で、その柔らかく美しい音色を存分に堪能していただけるブラームス(1833-1897) の「ホルン三重奏曲」を中心に、名手クスマノヴァ=ヴラダーが演奏する2曲のヴァイオリン・ソナタを収録。ブラームス 自身の言葉「私は音楽を通して話す」を具現化した素晴らしい演奏です。
PMR-0079
ゴダード:作品集〜三つの翼
弦楽四重奏のための「アラーキ」
弦楽三重奏のための「風と砂と星」
弦楽四重奏のための「三つの翼」
アルキタス・アンサンブル〔デイル・バールトロップ(Vn)、デイヴィッド・ギルハム(Vn)、デイヴィッド・ハーディング(Va)、アリエル・バーンズ(Vc)〕

録音:2017年1月&3月、バンクーバー(カナダ)
カナダのバンクーバーSOの副首席トランペット奏者、アソシエイト・コンポーザーという2つの姿を持つ、コンポーザー=トランぺッター、マーカス・ゴダードの"作曲家"としてのポートレート・アルバム。
カナダのセント・ローレンスSQのために作曲された「アラーキ」は、2011年に西部カナダ音楽賞を受賞した代表作の1つで、これまでにアメリカを中心に100回以上演奏が行われています。
PMR-0080
ハープとピアノの為の歌劇編曲集(プラセディスより愛を込めて)
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
リヒャルト・アイレンベルク(1848-1927):ペテルブルクの橇の旅 Op.57
レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」よりワルツ「舞踏会の妖精たち」(メリー・ウィドウ・ワルツ)
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):オルゴール
サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」よりダゴンの乙女たちの踊り、バッカナール
ゴットシャルク:クリオーリョのバラード(キューバ舞曲) Op.37
デュオ・プラセディス(ハープ&ピアノ)

録音:2014年8月&2015年9月、フリューゲルザール(スイス、ビューラハ)
ハープとピアノの為の貴重なレパートリーを次々と録音している親子アンサンブル、デュオ・プラセディス。7枚目となる本アルバムでは、中産階級のサロンにおける室内楽という、忘れられた過去の伝統を復活させました。ロッシーニ、ニコライ、ウェーバーの序曲に始まり、アイレンベルクやレハールの懐かしい小品、そしてサン=サーンスにゴットシャルクと、ハープとピアノという珍しい編成で聴けるのが嬉しい作品ばかりが並びます。ニコライ・ルビンシテインにピアノを師事し、最晩年のリストにも学んだドイツの名ピアニスト、エミール・フォン・ザウアーの「オルゴール」のキラキラしたサウンドも素敵です。
PMR-0081
トニウムの音楽
トラウトニウム協奏曲 第2番 GeWV168(1952)
電子楽器のための舞踏組曲 GeWV435(1958/1959)
トラウトニウム・ソナタ.GeWV433(1949)
トラウトニウム・ソナタ.GeWV432(1949)
17.バス・ソロ へ長調(ピヒラー編)(1938)
カプリッチョ・トラウトニコ(ピヒラー編)(1935)
ペーター・ピヒラー(ミクスチュア・トラウトニウム)
マンフレート・マンハルト(P)
ヤン・カーレルト(フォルクストラウトニウム)
チュヒンゲ・クレン(ヴォルクストラウトニウム)
【オーケストラのメンバー】
ミリアム・ブリュールマン(Vn)
シャルロッテ・ゼスラー(Va)
ヘルムート・フィーヘルマン(Vc)
シュテファン・バウアー(Cb)
チュヒンゲ・クレン(Cb)
マルクス・バウアー(テノール・ホルン)
ペーター・ピヒラー(Tp&Tb)
ヤン・カーレルト(パーカッション)
マンフレート・マンハルト(指)
1929年にベルリンで発明された電子楽器「トラウトニウム」。フリードリヒ・トラウトヴァインによって開発されたシンセサイザーの祖 先とも言える楽器で、フィルターを調節するつまみと音を出す部分で構成されており、微妙な音程が出せる楽器です。ヒッチコッ クがこの音色を気に入り、映画「鳥」における効果音(鳥の鳴き声も含む)全てを、この楽器に担わせたことで知られていま す。この時に楽器を操作したオスカー・サラが2002年に死去したため、演奏できる人がいなくなってしまったのですが、ドイツの音 楽家ピヒラーがこの楽器に注目、衝撃的な音色が蘇りました。
PMR-0082
グイド・マンクーシ(1966-):ヨハネ受難曲 テレサ・クリューグル(S)、
アンナ=カタリーナ・トナウアー(Ms)、
ダーヴィト・シトカ(T)、ロリン・ウェイ(T)、
マティアス・リーナー(Bs)、
ミヒャエル・ナーグル(Bs)、
コルス・デュプレックス・ウィーン、
ルーイズ・ケージ・パーカッションほか

録音:2016年3月、カルヴァリエンベルク教会(オーストリア、ウィーン)
ウィーン少年choのソプラノ・ソリストを務め、ウィーン音楽学校を卒業後、ウィーン音楽院でファゴットと歌唱を学び、ウィーン音楽大学でエーリヒ・ウルバンナーに作曲を、カール・エスターライヒャーに指揮を師事したイタリアの作曲家グイド・マンクーシ(1966-)。死、不安、愛、超越的な存在に対する偏愛が反映されたマンクーシの「ヨハネ受難曲」は、ヨハネによる福音書をベースに、時代錯誤と思われる箇所についてはテキストを変更しつつ、形式的にはバッハの受難曲を参考にして作曲されています。
PMR-0083(2CD)
セバスチャン・リー(1805-1887):チェロのための練習曲集
チェロのための40のやさしい練習曲 Op.70(第2チェロの伴奏つき)
チェロのための40の旋律的で発展的な練習曲 Op.31
マルティン・ルンメル(Vc)
セバスティアン・ハルトゥング(第2Vc)

録音:2005年9月26日、2016年9月13.14日
セバスチャン・リーは19世紀におけるチェロの優れた教育者。パリのコンセルヴァトワールで30年間以上後進の指導にあたり、優れ た奏者を数多く輩出した人です。リーが書いた2冊の練習曲、Op.31とOp.70はチェロを学ぶ人にとって必携の書。技術の向上だ けでなく、音楽性を養うためにも必要なメソッドが含まれていますが、これまでにまとまった音源はほとんどなく、実際に聞いてみたいと 願う人が多かった作品でもあります。ルンメルの丁寧な演奏は、単なる練習曲としてではなく、聞いても楽しめる曲集に仕上がって います。
PMR-0080
デュオ・プラセディスから愛を込めて
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
アイレンベルク:ペテルブルクの橋の旅Op.57
レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」‐ワルツ「唇は黙っていても」
エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):オルゴール
サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」-第1幕「ダゴン神殿のペリシテの乙女たちの踊り」
 歌劇「サムソンとデリラ」-第3幕「バッカナール」
ゴットシャルク:クリオーリョのバラードOp.37
デュオ・プラセディス(アンサンブル)<プラセディス・フーグ=リュッティ(ハープ)/プラセディス・ジェネヴィエール・フーグ(P)>

録音:2014年8月15日,2015年9月22日スイスビュラーハ,フリューゲルザール・ムジーク・フーグ
ピアニストの娘とハープ奏者の母、この2人によって2009年に結成された「デュオ・プラセディス」。似たような性能を持 つとおもわれがちな2種類の楽器ですが、実は非常に異なっており、この組み合わせからは前代未聞の響きが生まれます。 これまでにブラームスの「ハンガリー舞曲」(PMR0051)、バロック期の作品(PMR0061)、ロシア音楽集(PMR0069)がリ リースされ、どれも好評を博していますが、今作は古典派からロマン派のオペラ序曲、名曲集。冒頭の「ウィリアム・テル序 曲」から意表をつく雄弁なハープの音色が炸裂。母娘ならではの親密な対話です。
PMR-0085(2CD)
ポッパー:チェロ演奏の高等課程への練習曲 Op.73(全40曲) マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2003年&2004年、テロス・スタジオ(ドイツ、ゾーリンゲン)
20世紀イギリスの大チェリスト、ウィリアム・プリースの高弟であり、Paladinoのオーナーとしても大活躍しているオーストリアの名チェリスト、マルティン・ルンメル。教育者としても活動しつつ、チェロの為のエチュードを多数出版・録音しており、チェロ学習者のみならず、一般のリスナーにもそれらの音楽的魅力を伝えています。
史上最も優れたチェリストのひとりであったとされるダーヴィト・ポッパー(1943-1913)の「チェロ演奏の高等課程への練習曲」は、ロマン派のレパートリーの新たな要求や、当時の演奏技術の絶え間ない向上に対応した、最初のチェロの為のエチュード集であると同時に、新進のプロのオーケストラ・ミュージシャンが、ワーグナーの歌劇などで予想される困難に備えるために書かれた作品です。ルンメルは、グリュッツマッハーの「チェロの技術的練習」 Op.38のように何ページものエチュードにありとあらゆる演奏技術を詰め込むのではなく、1つのエチュードの中で1つか2つのテクニックに集中しているのが、この作品の美点であるとしています。(ルンメルの演奏によるポッパーの「10の中級程度の大練習曲」Op.76と「15の旋律・和音のやさしい練習曲」Op.76aは規格番号PMR0084で発売されています。)
PMR-0086
ヨーゼフ・メルク(1795-1852):独奏チェロのための20の練習曲集 Op.11 マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2008年
20世紀イギリスの大チェリスト、ウィリアム・プリースの高弟であり、Paladinoのオーナーとしても大活躍しているオーストリアの名チェリスト、マルティン・ルンメル。教育者としても活動しつつ、チェロの為のエチュードを多数出版・録音しており、チェロ学習者のみならず、一般のリスナーにもそれらの音楽的魅力を伝えています。
1795年にオーストリア・ウィーンで生まれたヨーゼフ・メルクは、ウィーン宮廷歌劇場の首席チェロ奏者やウィーン音楽院の教授を務め、ウィーンの聴衆や辛辣な評論家エドゥアルト・ハンスリックのお気に入りとして活躍したチェロのヴィルトゥオーゾ。シューベルトとは親友の関係にあり、1829年にウィーンを訪れたショパンからは「序奏と華麗なるポロネーズ」を献呈されています。1820年代の作曲と推定されている「無伴奏チェロの為の20の練習曲」は、1806年に出版されたジャン=ルイ・デュポールの「21の練習曲」(PMR0087)の論理の原則を継承した、すべてのチェリストの教育の基準となるべき作品。ルンメルはNaxosレーベルにメルクの「イタリアからの花 Fleurs d'Italie」を録音しており、そちらのアルバムも高い評価を受けています
以前Musicaphonレーベルから発売されていたアルバムの移行盤です。
PMR-0088
ルイーズ・ファランク(1804-1875):ピアノのための変奏曲集
ドニゼッティの歌劇「アンナ・ボレーナ」のカヴァティーナ「Nel veder la tua costanza」による華麗な変奏曲
Op.15(1835)
ロシアの歌による変奏曲 Op.17(1835)
「ガレンベルク伯爵」の主題のよる大変奏曲 Op.25…世界初録音
オンスロウの歌劇「行商人」の二重唱「 C‘ est la fete de village」による変奏曲 Op.10…世界初録音
ビリアーナ・ツィンリコヴァ(P)

録音:2017年9月27-29日
19世紀フランスで、女性として初めてパリ音楽院の教授職に就任したことで知られるルイーズ・ファランク。作曲家としては交 響曲や管弦楽曲、ピアノ曲など約50作品を残しています。このアルバムでは彼女のピアノのための変奏曲を紹介。これらの 作品はリストをはじめとした同世代の作曲家たちのような華麗なテクニックを誇るのではなく、古典派の作風に倣った典雅な 雰囲気の中にフランスのエスプリを効かせた端正な表情を持っています。 ビリアーナ・ツィンリコヴァは1974年にブルガリア、ソフィアで生まれたピアニスト。2001年からはザルツブルク・モーツァルテウム 大学の教授を務めています。
PMR-0089
ウェーバー&ブルッフ:クラリネット、ヴィオラと管弦楽の為の作品集
ウェーバー:クラリネット小協奏曲 Op.26、
 ヴィオラと管弦楽の為の「アンダンテとハンガリー風ロンド」 Op.35
ブルッフ:クラリネット.ヴィオラと弦楽オーケストラの為の「ルーマニアの旋律とスケルツォ」 Op.83(「8つの小品」より、セルゲイ・エフトゥシェンコ編)、
 ヴィオラと管弦楽の為のロマンス Op.85、
 クラリネット,ヴィオラと管弦楽の為の二重協奏曲 Op.88
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
アントン・ホロデンコ(Va)、
ロイヤル・バルテイック祝祭O、
マッツ・リリエフォシュ(指)

録音:1995年6月&8月、スウェーデン王立音楽大学コンサート・ホール(スウェーデン、ストックホルム)
名匠ウラディーミル・アシュケナージの息子で世界的クラリネット奏者であるディミトリ・アシュケナージ参加の、クラリネットとヴィオラの為のロマンティックなコンチェルト・アルバム。初期ロマン派の重要人物、ウェーバーには2つの協奏曲や五重奏などクラリネットの名作がいろいろありますが、Op.26の小協奏曲(コンチェルティーノ)は最初に書かれたもので、短いながらも魅力あふれる作品です。ピアノ伴奏で演奏されることも多いですが、ここではクラリネットと管弦楽によるオリジナル版を聴くことができます。ブルッフの「クラリネットとヴィオラの為の二重協奏曲」は、晩年の作らしい温かみのある感動的なメロディが印象深い作品で、いくつかの主題にスウェーデンの旋律が用いられています。ヴィオラと管弦楽の為のロマンス含め、ブルッフの協奏的作品はもっと演奏されるべきでしょう。
PMR-0090
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードの為のソナタ集
ハープシコードの為のアダージョ BWV968(原曲:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ ハ長調 BWV1005)
ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードの為のソナタ ト長調 BWV1027
ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードの為のソナタ ニ長調 BWV1028
ハープシコードの為のソナタ ニ短調 BWV964(原曲:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ イ短調 BWV1003)
ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードの為のソナタ ト短調 BWV1029
ローラ・ヴォーン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ジェイムズ・ティブルス(ハープシコード)

録音:2017年1月(ニュージーランド、オークランド)
ヴィーラント・クイケンとフィリップ・ピエルロに師事したオーストラリアの古楽シーンを代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ローラ・ヴォーンと、ボブ・ファン・アスペレンに師事したニュージーランドの古楽系鍵盤楽器奏者、ジェイムズ・ティブルスによるバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集。「無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ」からハープシコード用に編曲された2曲も収録しています。抜群の安定感が素晴らしい演奏です。
PMR-0091
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルンとピアノのための五重奏曲 変ホ長調 K.452
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、
ウラディーミル・アシュケナージ(P&指)
チェコPO、
フランツィスカ・ファン・オーイェン(Ob)、
オーティス・クレーバー(Fg)、
マルティン・ルース(Hrn)

録音:2002年3月3日、ドヴォルザーク・ホール(プラハ、チェコ/協奏曲)&2008年9月29日−30日、スイス(五重奏曲)
オーストリアを代表するレーベル、パラディーノ(Paladino)の創立10周年記念国内仕様盤第2弾。巨匠ウラディーミル・アシュケナージと、息子ディミトリ・アシュケナージの豪華共演によるモーツァルト。
クラリネットのための代表作である「クラリネット協奏曲 K.622」に、クラリネットのための名曲アルバムとして通常カップリングされる「クラリネット五重奏曲 K.581」ではなく、父との共演のために「ピアノと管楽のための五重奏曲 K.452」を組み合わせたアルバムです。
指揮&ピアノで巨匠たる堂々とした演奏を魅せてくれるウラディーミル・アシュケナージと、世界的クラリネット奏者として活躍するディミトリ・アシュケナージの親密で充実した音楽が紡がれています。
PMR-0092
束の間の命〜ヘスケス:管弦楽作品集
ノッテッド・タンズ
時と幻滅/3つの瞑想曲「束の間の命」
クリストフ=マティアス・ミュラー(指)
BBCウェールズ・ナショナルO

録音:2017年9月19-20日
イギリス、リヴァプールで生まれた作曲家ケネス・ヘスケス。オペラやダンスなどの舞台作品や、金管バンド のための作品で知られており、2007年から2年間はロイヤル・リヴァプール・POと 協力し、数多くの作品を発表しました。シアトルSOの委嘱作「Knotted Tongues」、古典的な 編成で書かれた「Of Time and Disillusionment」、「Memento Mori(死を記憶せよ)」に基づ く穏やかな「In Ictu Oculi」アルバムに収録された3つの作品は、どれも絵画や彫刻、他様々な芸術 にインスパイアされており、中世の華やかな絵画を思わせる色彩的なオーケストレーションが施されていま す。
PMR-0093(2CD)
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
デネス・ジグモンディ(Vn)

録音:1995年5月
1922年ブダペスト生まれの名ヴァイオリニスト、デネス・ジグモンディ。 このアルバムは彼の生誕95周年を記念し、以前リリースされていたアルバムをリマスタリングしたものです。ジグモンディ自身に とっても、この1995年、70歳代を超えて録音したバッハは強い思い入れがあり、彼の演奏の集大成とも言える“とても重要” な記録です。 演奏では、彼のハンブルク時代の恩人から貸与された1709年製のストラディヴァリウス「Ernst」を使用。艶やかな音色の中 に深みを感じさせる名演です。
PMR-0094
バッハ:リインヴェンション Vol.2
クルターク:メッセージ〜クリスチャン・ズッターへの慰め
バッハ:3声のシンフォニア BWV.787-801 より 第1番〜第7番
クルターク:ドロローソ(悲しそうに)
バッハ:3声のシンフォニア BWV.787-801 より 第8番〜第15番
クルターク:ランボーを読んだ後に
バッハ:「平均律クラヴィーア曲集」より フーガ ニ短調 BWV.875
 前奏曲イ長調 BWV.888、
 フーガ イ長調 BWV.888、
 フーガ嬰ハ長調 BWV.848
クルターク:ピエール・ブーレーズへの短いメッセージ
バッハ:「平均律クラヴィーア曲集」より フーガ ハ短調 BWV.847、
 フーガ変ホ長調 BWV.852、
 フーガ変ロ長調 BWV.866
クルターク:アズ・ヒット
エリック・ラム(Fl)、
エリザベート・クッフェラート(Va)、
マルティン・ルンメル(Vc)

録音:2016年−2018年、ウィーン・コンツェルトハウス・スタジオ4(オーストリア)
ロンドンのチネケ!オーケストラの首席フルート奏者であるエリック・ラムと、ウィリアム・プリース門下のウィーンのチェリスト、マルティン・ルンメルによる、バッハの鍵盤音楽を探求するシリーズ「リインベンション〔(re)inventions〕」シリーズ。
バッハの「3声のシンフォニア」をメインに据えたシリーズの第2集では、テツラフSQのメンバーであり、近現代音楽のスペシャリストとしても名高いエリザベート・クッフェラートをヴィラ奏者として迎えトリオを結成!
フルートを中心とするトリオが奏でる「3声のシンフォニア」などのバッハの音楽の間に時折現れるクルタークの音楽が、相乗以上に印象的なアクセントを生み出しており、独特のポリフォニーの世界観を創り上げています。
PMR-0095
プーランク:ソナタ・ウィズ・ピアノ
ヴァイオリンとピアノの為のバガテル ニ短調 FP60-3、
チェロ・ソナタ FP143、
ホルンとピアノの為のエレジー FP168、
クラリネット・ソナタ FP184、オーボエ・ソナタ FP185
エヴァ=マリア・マイ(P)
コリンナ・デッシュ(Vn)
マルティン・ルンメル(Vc)
ヨハネス・デングラー(Hrn)
ラースロー・クティ(Cl)
ジョルジ・グヴァンツェラーゼ(Ob)

録音:2017年3月1-2日、2017年4月10日
14歳でデビューし、ロシア音楽やショパンを得意とするミュンヘン在住のピアニスト、エヴァ=マリア・マイ。paladinoレーベル への3枚目の「プーランク・アルバム」となる1枚です。すでにヴァイオリン・ソナタやフルート・ソナタ、即興曲全曲と“小象バ バールの物語”を録音している彼女をフィーチャーするアルバムであるため、全ての曲が「ピアノの演奏者側から見たプーラン クのソナタ」と言った位置づけになっています。様々な共演者と軽妙な演奏を繰り広げる彼女のプーランクは、ラヴェル風で もあり、モーツァルト風でもある個性的なスタイルを持っています。
PMR-0096
メンデルスゾーン:クラリネット作品集
クラリネット.バセットホルンとピアノのためのコンチェルトシュテュック 第2番ニ短調 Op.114
無言歌集(R.スタークによるクラリネットとピアノ編)〜ヘ長調 Op.19-1/変ホ長調 Op.53-2/変ロ長調 Op.19-4/変ホ長調 Op.38-1
クラリネット・ソナタ 変ホ長調(1824)
.無言歌集(R.スタークによるクラリネットとピアノ編)〜変ロ長調 Op.62-6/変ロ長調 Op.19-3/変ホ長調 Op.102-2/変イ長調 Op.62-3
クラリネット.バセットホルンとピアノのためのコンチェルトシュテュック 第1番ヘ短調 Op.113
ディミトリー・アシュケナージ(Cl)
ピート・ファーニス(バセットホルン)
カール=アンドレアス・コリー(P)

録音:1994年10月、2017年9月
メンデルスゾーンが1832年から1833年にかけて作曲した2曲のコンチェルトシュテュック。19世紀初頭のドイツで活躍し たクラリネットの名手、ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマンとその息子カールに依頼され、年をまたいだ3週間ほどの短期間で書 かれた作品です(ピアノ伴奏、管弦楽伴奏のどちらで演奏することも可能です)。このアルバムでは本来の形であるクラ リネット、バセットホルン、ピアノ伴奏で演奏されており、作品の持つ親密な雰囲気を丁寧に伝えています。1994年の録 音に、2017年に録音した無言歌を4曲追加。ディミトリー・アシュケナージのクラリネットとピート・ファーニスのバセットホル ン、2人の名手たちの美しい音色を堪能できます。
PMR-0097
ロマン派のヴァイオリンとピアノのための作品集
アルノルト・メンデルスゾーン(1855-1933):ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Op.71
シューマン:オーボエとピアノのための3つのロマンス(ヴァイオリンもしくはクラリネット)Op.94
ゲルンスハイム(1839-1916):序奏とアレグロ・アパッショナート Op.38
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番ニ短調 Op.108
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
ホセ・ガリャルド(P)

録音:2008年10月6-10日
1971年ミュンスター生まれのヴァイオリニスト、フリーデマン・アイヒホルン。2002年よりワイマールの「フランツ・リスト音楽 院」の教授として後進を育てる傍ら、ソリスト、室内楽奏者として世界中で幅広く活躍しています。この2008年に録音 されたアルバムでは、当時ほとんど演奏、録音されることのなかった作曲家、アルノルト・メンデルスゾーン(フェリックス・メ ンデルスゾーンの従兄弟の息子)のヴァイオリン・ソナタの世界初演時の演奏を収録。作品の普及に一役買いました。 このコンサートで一緒に演奏されたシューマン、ブラームス、ゲルンスハイムの作品も同時収録、ロマン派における様々な ヴァイオリン作品を堪能できます。
PMR-0098
プーランク:ピアノ作品集
2台ピアノの為のソナタ FP156、
シテール島への船出(2台ピアノの為のワルツ・ミュゼット)、
「仮面舞踏会」の終曲によるカプリッチョ(2台ピアノの為の)、
2台ピアノの為のエレジー FP175
4手の為のピアノ・ソナタ FP8、
15の即興曲
エヴァ=マリア・メイ(P)、
アレクサンダー・ヴィーナント(P)

録音:2016年、2018年
14歳でデビューし、ロシア音楽やショパンを得意とするミュンヘン在住のピアニスト、エヴァ=マリア・マイによるPaladino レーベルへの4枚目のプーランク・アルバムは2台、4手のためのピアノ作品集。凝った作風による2台ピアノのためのソナタ や、絵画にインスパイアされた「シテール島への船出」を始め、プーランクの代表作の一つ「15の即興曲」全曲を含む1 枚です。プーランクのユーモラスな面とシリアスな面のどちらもが表出された「15の即興曲」は、各々の曲を共演者ヴィー ラントと弾きわけることで、曲の特徴を更に生かす工夫もされています。
PMR-0099
モーツァルト:ディヴェルティメント K563、
ホルン五重奏曲 K407#
クライスラー・トリオ・ウィーン、
ヴォルフガング・ヴラダー(Hrn)#、
ユリア・プルギナ#

録音:2018年4月7日-9日
2017年に結成10周年を迎えたクライスラー・トリオ・ウィーン。シューベルトやブラームスなど、オーストリアの室内楽作品 をレパートリーの中心とし、作品に強い共感を持って演奏する姿勢が高く評価されています。 彼らのデビュー・アルバムとなるこの1枚では、2曲のモーツァルト作品を取り上げており、晩年の傑作「ディヴェルティメント K563」での精緻で集中力溢れる演奏と、1993年からウィーン・POで活躍するホルン奏者ヴォ ルフガンク・ヴラダーと作曲家としても知られるヴィオラ奏者ユリア・プルギナをメンバーに加えた「五重奏曲」では親密でま ろやかな響きによる演奏がお楽しみいただけます。


PMR-0100
PPMR-0100
国内盤仕様
税込定価

ドビュッシー:前奏曲集全2巻 ウラディーミル・アシュケナージ(P)

録音:2017年10月29日、Tonzauber Studio(ウィーン、オーストリア)(第1巻)、1971年11月20日、ニューヨーク市立大学ハンター校(ニューヨーク、アメリカ)(第2巻)
ドビュッシーのアニヴァーサリー・イヤーのために新たに録音された2017年の「前奏曲集第1巻」、そして未発表のままとなっていた秘蔵音源である1971年のライヴ録音「前奏曲第2巻」。
ピアニストとしてのアシュケナージといえばショパンやラフマニノフ、シューベルト、シューマンなどのイメージが強く、ドビュッシーは意外なプログラムというイメージがありますが、流石はアシュケナージ。
46年という長い歳月を経て遂に完成した「前奏曲」の全集は、アシュケナージのピアニストとしての懐の深さを証明する重要なプログラムと言えるでしょう。
PMR-0101(2CD)
ヨハンナ・ゼンフター(1879-1961):ヴァイオリン作品集
ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.32
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.26
2つのヴァイオリンのための組曲 第1番Op.91-1
2つのヴァイオリンのための組曲 第2番Op.91-2
フリードマン・アイヒホルン(Vn)
パウル・リヴィニウス(P)
アレクシア・アイヒホルン(Vn)

録音:2007年1月6-10日
1879年、ドイツ上流階級の家庭に生まれ、フランクフルトで音楽を学んだヨハンナ・ゼンフターの作品集。若い頃から作 曲に勤しんでいた彼女、初期の頃にはシューマンやショパンのような性格的小品を得意としていましたが、1908年から 1910年頃までマックス・レーガーに師事したことで、作風が変化。師の作風を受け継ぐ重厚な作品を次々と発表、生 涯で9曲の交響曲を含む130曲を越える作品を残しました。すぐれたヴァイオリニストであったゼンフターは、とりわけヴァ イオリン作品に力を入れており、彼女自身のコンサートでしばしば自作も披露していたようです。各々の作品の作曲年 代の正確なところはわかりませんが、ヴァイオリン・ソナタは1910年代に書かれ、組曲は1930年代から40年代に書か れたと考えられています。古典的な様式を用いながら、独創的な響きを取り入れたユニークな曲で構成された2つの組 曲からは、彼女の非凡な才能が感じられます。
PMR-0102
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
即興曲 変イ長調 Op.142-2
即興曲 変ロ長調 Op.142-3
シュテファン・シュトロイスニヒ(P)

録音:2017年9月
1985年オーストリア生まれのピアニスト、シュテファン・シュトロイスニヒが熟慮を重ね録音したシューベルトの最後のピアノ・ソナタ!ロンドンの王立音楽大学でイアン・ジョーンズに師事したシュトロイスニヒは、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、ウィーンの楽友協会とコンツェルトハウス、ベルリンのフィルハーモニーなど、欧州各地の重要な舞台で定期的に演奏を行っており、特にシューベルトや20世紀・21世紀の作品の解釈で高い評価を得ています。後進の育成にも力を入れており、グラーツ国立音楽大学で教鞭をとっているほか、日本の桐朋オーケストラ・アカデミーでは客員教授を務めました。
当初、第21番のソナタが内包するシューベルトの宇宙を録音に収めることは可能なのだろうかという疑問や迷いもあったとのことですが、彼が初めてこの作品を聴いた時の、ラドゥ・ルプーの録音のことも思い起こしながら、本盤の制作を決意したそうです。カップリングには、21番との相性を考えた2曲が収録されています。
PMR-0104
エネスコ:チェロとピアノの為の作品全集
チェロ・ソナタ へ短調 Op.26-1(1898)
ノクターンとサルタレッロ(1897)
アレグロ へ短調(ca.1898)
チェロ・ソナタ ハ長調 Op.26-2(1935)
ルドルフ・レオポルト(Vc)、
ラルカ・スティルバト(P)

録音:2020年6月、ベーゼンドルファーピアノ工場(オーストリア、ウィーナー・ノイシュタット)
ルーマニアの天才的な作曲家、ヴァイオリニスト、ピアニストであったジョルジェ・エネスコのチェロとピアノの為の既知の全作品を集めた1枚!チェロはウィーン弦楽六重奏団の創設メンバーであり、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのソロチェリストを務めたルドルフ・レオポルト、ピアノはエネスコのピアノ独奏作品全集の録音を行ったルーマニア出身のラルカ・スティルバトです。ルドルフ・レオポルトは編曲家としても知られており、彼が手掛けたR.シュトラウスの 「メタモルフォーゼン」 の初稿に基づく再構成版(ブージー・アンド・ホークスより出版)は世界中で演奏されています。
エネスコのチェロとピアノの為の作品で興味深いのは、そのすべてにウィーンとの大きなつながりが見られることです。一般的に彼の音楽教育はパリ・コンセルヴァトワールで行われたと考えられていますが、それ以前に彼の両親は7歳のエネスコをウィーンに送り、ウィーン音楽院で学ばせています。第1番のソナタや、ノクターンとサルタレッロ、へ短調のアレグロなどは、16〜17歳のときにパリで作曲したにもかかわらず、まるでウィーンを離れたことがない作曲家の作品のように聞こえます。エネスコはベートーヴェンやブラームスのように、弦楽器ソナタに「ピアノとチェロ/ヴァイオリンの為の」というタイトルをつけ、室内楽におけるピアノの特別な役割を強調していますが、これも自身のピアノに対する愛と、ウィーンでの教育の表れといえるでしょう。
PMR-0106
スカルコッタス:ピアノ協奏曲第3番 AK.18 ダーン・ファンデワル(P)、
ブラットヴェルク、
ヨハネス・カリッケ(指)

録音:2018年2月16日、ヘント(ベルギー)
ユオンやヴァイル、ウアルナッハに作曲を師事し、12音技法を駆使した作品、ギリシャの民族音楽を採り入れた作品など、多彩な作風を繰り広げ、20世紀のギリシャを代表する作曲家としての地位を確固たるものとしたニコス・スカルコッタス(1904−1949)の難曲「ピアノ協奏曲第3番」!
独奏ピアノの木管楽器、打楽器のために作曲されたこの「ピアノ協奏曲第3番」は難解であり複雑に創られた難曲、さらには演奏時間が50分を超えるということもあり、1939年に作曲されながらも、スカルコッタスの生前には初演が行われず、1969年まで待たねばならなかったといういわくつきの作品なのです。
この長大な難曲でソリストを務めるのは、ジェフスキやアイヴズ、ムンマなどの20〜21世紀音楽を得意とするベルギーのピアニスト、ダーン・ファンデワル。ソラブジの「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」を弾き切った世界でも珍しいピアニストの1人であるという事実が、その実力、さらには現代作品への造詣の深さを物語っています。
PMR-0107
ブルクハルト・エグドルフ(1954-):弦楽の為の作品集
2本のヴァイオリンの為の「"Du?!" - "Oh!!"」(2007)/ヴァイオリンとチェロの為の「Groses Miteinander」(2017)/無伴奏ヴァイオリンの為の「Hereingefegt」(2017)/無伴奏ヴィオラの為の「Hymnus」(2020)/無伴奏チェロの為の「Lamento und Epitaph」(2005/2015)/無伴奏ヴァイオリンの為の「Albumblatt」(2020)/ヴァイオリンとチェロの為の「Kleines Miteinander」(2017)/ヴァイオリン、ヴィオラとチェロの為の「Streichereinheit」(2020)
アレクシア・アイヒホルン(Vn)、
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)

アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)

録音:2020年6月、SWRスタジオ(ドイツ、マインツ)
ドイツ・ブレーメン出身の1954年生まれの作曲家、ブルクハルト・エグドルフによるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の作品集。もともと彼は音楽ジャーナリストとしての活動がメインで、1990年から2020年まで放送局Sudwestrundfunk(旧SWR)に勤務し、最初はマインツでレポーター、エディター、プレゼンターを、その後バーデンバーデンのSWR2で音楽エディターを務めていました。次第にそれらの仕事と並行して、学生時代から始めていた作曲にも時間を割くようになったといいます。しかし、彼が作曲家としての道を本格的に歩み始めたのは、ロベルト・ヴィッティンガーとウルリッヒ・ライエンデッカー:に師事してからでした。収録作品の半分は、演奏者アレクシア・アイヒホルンからの提案やリクエストに応えて生まれたものだといいます。フリーデマン・アイヒホルンとアレクサンダー・ヒュルスホフ含め実力派の名手たちによる演奏が素晴らしく、現代音楽ファンならずとも楽しめる1枚です。
PMR-0108(3CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲&オルガン・コラール集
無伴奏チェロ組曲 BWV.1007-1012(全曲)、
9つのオルガン・コラール(BWV 625、731、620、726、618、610、609、727、668a)
ヴァレンティン・エルベン(Vc/ジョバンニ・フランチェスコ・チェロニアート 1725年頃)、ゼバスティアン・エルベン(Org)

録音:2020年6月&7月、聖マリア礼拝堂&ブルックナー・オルガン、聖フローリアン修道院(オーストリア)
1970年の結成当初から解散となった2008年まで、38年間にわたってアルバン・ベルクSQのチェロ奏者を務めたヴァレンティン・エルベン(1945-)のソロ録音が登場!曲はチェリストにとっての聖典、バッハの「無伴奏チェロ組曲」全曲で、録音は2020年、エルベンが75歳の時にブルックナーゆかりのザンクト・フローリアン修道院で行われました。6つの組曲の間(前後)には息子のゼバスティアン・エルベンが弾くオルガン・コラールが収録されており、各組曲をつなぐ架け橋のような効果をもたらしています。室内楽奏者として輝かしい人生を歩んだエルベンの、ソリストとしての記録。力強くも謙虚で、若々しさすら感じさせる演奏にご期待ください。
PMR-0109
ポッパー:チェロとピアノのための作品集 Vol.1
東洋風セレナーデ Op.18(1878)/小ロシアの歌による幻想曲 Op.43(1881)/スペイン舞曲 Op.54(1883-87)/ハンガリー狂詩曲 Op.68(1893)/スコットランド幻想曲 Op.71(1897)/ヴェネツィアの舟歌
マルティン・ルンメル(Vc)、
加藤麻理(P)

録音:2020年9月&2021年4月、ヴァインベルク城(オーストリア、ケーファーマルクト)
20世紀イギリスの大チェリスト、ウィリアム・プリースの高弟であり、Paladinoのオーナーとしても大活躍しているオーストリアの名チェリスト、マルティン・ルンメル。教育者としても活動しつつ、チェロのためのエチュードを多数出版・録音しており、チェロ学習者のみならず、一般のリスナーにもそれらの音楽的魅力を伝えています。特に史上最も優れたチェリストのひとりであったとされるダーヴィト・ポッパー(1943-1913)の作品の約20年に渡る録音は、世界中で称賛されています。
本作にはポッパーの代表作である「ハンガリー狂詩曲」をはじめ、スペイン、スコットランド、ヴェネツィアなど、世界各国の民族音楽の影響を受けた音楽が収録されています。ルンメルの高度なテクニックと暖かみのあるチェロの音色は、ポッパーの演奏と彼の音楽が19世紀末の聴衆に与えたのと変わらぬ効果を生み出しています。ポッパーのあまり知られていない作品(例えば魅力的な「スコットランド幻想曲」)にも、ポッパーの有名曲と同じような価値があることに気づかせてくれる1枚です。
PMR-0111
ヘルムート・ローグル(1960-):管弦楽作品集
ローグル・ポルカ Op.62
シンフォニック・ミニアチュール Op.54
弦楽オーケストラのための音楽 Op.39
交響曲 I Op.66
アントン・ブルックナー私立大学O、
マンフレッド・マイヤーホーファー(指)ほか

録音:2013年〜2021年(オーストリア、リンツ)
母国オーストリアの音楽界には欠かせない存在となっている現代作曲家ヘルムート・ローグル(1960-)の管弦楽作品集。彼の作品には、あらゆる編成の室内楽、様々なソロ作品、子供向けオペラ、そして大規模なアンサンブルのための音楽が含まれています。2020年の還暦を機に作曲した初の交響曲を世界初演・初録音したのは、ローグルの故郷リンツにある有名な音楽大学、アントン・ブルックナー私立大学のオーケストラです。
PMR-0112
クリスティアン・オフェンバウアー(b.1961):ヤンナ・ポリツォイデスのために(2006)*
クラヴィーアシュトゥック2018
ヤンナ・ポリツォイデス(P)、
アンサンブル・ディ・ライエ*、
クリスチャン・ムースピール(指)*

録音:2010年11月&2021年1月(オーストリア、ウィーン)
作曲をフリードリヒ・チェルハに師事したオーストリアの作曲家、音楽理論家のクリスティアン・オフェンバウアー(1961-)は、ギリシャ出身の音楽家を両親に持つオーストリア・グラーツ出身のピアニスト、ヤンナ・ポリツォイデスのために2つの大規模な作品を書きました。オフェンバウアーのインスピレーションに満ちた音楽言語と、ポリツォイデスの繊細かつパワフルな演奏は、聴き手にとっても挑戦的でやりがいのある、喜びに満ちた音楽的発見の旅を約束してくれます。
PMR-0114(2CD)
イザイ:ヴァイオリンとピアノの為の作品集 Vol.1
2つのサロンのマズルカ Op.10(1884)/アンダンテ 変ロ長調 遺作(1885)/マズルカ ロ短調 「遠い過去」 Op.11-3(1893)/子供の夢 Op.14(1894)/ディヴェルティメント イ長調 Op.24(1921)/詩曲第1番「悲劇的詩曲」 Op.12(1895)/詩曲第2番「紡ぎ車に寄す」 Op.13(1921)/詩曲第3番「冬の歌」 Op.15(1902)/詩曲第4番 「恍惚」 Op.21(1921)
デメトリウス・ ポリツォイデス(Vn)
ヤンナ・ポリツォイデス(P)

録音:2002年、2012年、2013年、2015年
ベルギー出身の偉大なヴァイオリニスト=コンポーザー、イザイの初期作品から成熟期の名作までを満遍なく収めた2枚組。ディスク1は作曲年代順、ディスク2は4つの詩曲を番号順に収録し、イザイのスタイルの変遷を描いています。初期作品である2つのマズルカには、師であるヴュータンとヘンリク・ヴィエニャフスキからの強い影響が認められますが、他の作品では成熟したイザイの姿を見ることができます。デメトリウス・ ポリツォイデスとヤンナ・ポリツォイデスはギリシャ出身の音楽家を両親にも持つデュオ。若い頃から非常に多くのコンサートを行っており、音楽祭にも多数出演しています。
PMR-0115
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調 Op.115
カウリー:愛の庭
ディミトリ・アシュケナージ(Cl)、ロビン・シャープ(Vn1)、メヒティルト・ カルコウ(Vn2)、ジェニファー・アンシェル(Va)、グンドゥラ・ライトナー(Vc)

録音2019年6月13日−15日、テアトル・サン・ボネ(ブールジュ、フランス)
ウラディーミル・アシュケナージの息子で、アシュケナージ兄弟の弟にして世界的クラリネット奏者、ディミトリ・アシュケナージが自身の50歳を記念してブラームスの大作、であり自らのお気に入りの作品の1つである「クラリネット五重奏曲」をレコーディング!
アシュケナージは愛着のあるブラームスの「クラリネット五重奏曲」に組み合わせたのは、レバノンの作曲家ホウタフ・カウリー(1967−)の五重奏曲「愛の庭」。カタルーニャのクラリネット奏者、ホアン・エンリク・ルナの委嘱によって作曲され、ルナとブロドスキーSQの共演で2009年4月に初演された作品です。
2つのお気に入りの「クラリネット五重奏曲」でアシュケナージは、王立モネ劇場やウィーン国立歌劇場などでも活躍したチェリスト、グンドゥラ・ライトナーや、サンフランシスコ室内Oのコンサートマスター、ロビン・シャープなど、気心知れた名手たちを共演者として招聘。
アシュケナージ一家の名クラリネッティストが50歳という節目に、味わい深いブラームスを仲間たちと共に披露してくれています。
PMR-0117
ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調 Op.10
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20*
クライスラー・トリオ・ウィーン〔ボジダーラ・クズマノヴァ=ヴラダー(Vn)、アクセル・キルヒャー(Va)、ルイス・ソリタ〕、アンドレアス・ヴィーザー(Cl)*、ミヒャエル・ゾトル(Fg)*、ヴォルフガング・ヴラダー(Hrn)*、ヨーゼフ・ニーダーハンマー(Cb)*

録音:2021年2月
2017年に結成10周年を迎えたクライスラー・トリオ・ウィーン。オーストリアでヴァイオリニスト兼作曲家として活躍したフリッツ・クライスラーに敬意を表して名付けられた彼らも間もなく結成15年を迎えます。ベートーヴェンやブラームスといった古典から、20世紀から21世紀といった現代曲まで幅広いレパートリーを持っている彼らの深化はまだまだ止まることを知りません。精密なアンサンブルを保ちながらもアグレッシブなその演奏は、最初のドホナーニから発揮されています。後半のベートーヴェンの七重奏曲ではウィーン・フィルのホルン奏者ヴォルフガング・ヴラダーを中心に名手たちをゲストに迎え、このアンサンブルの特徴でもある、ゲスト・アーテイストとの見事な融合を果たしつつ、三人の時とはまた違った側面を見せてくれています。これこそ、長年ともに歩んできたクライスラー・トリオ・ウィーンの真骨頂といえる演奏となっています。今後円熟期を迎えるであろうクライスラー・トリオ・ウィーン、目が離せません!
PMR-0118
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第12番(室内楽版)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466(カール・チェルニーによる室内楽版、カデンツァ:ベートーヴェン)
ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(室内楽版)
ピアノと管弦楽のためのロンド K.386(リサ・スミルノヴァによる室内楽版)
リサ・スミルノヴァ(P)、
ベルンハルト・クラバッチュ(Fl)、
ニュー・クラシック・アンサンブル・ウィーン

録音:2017年5月、ゴルデック城 リッターザール(騎士の間)(オーストリア)
ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学の著名なピアノ教育者カール・ハインツ・ケマーリングや、マリア・クルシオ、ロバート・レヴィンらに師事したモーツァルトのエキスパート、リサ・スミルノヴァと、彼女が2007年に設立したニュー・クラシック・アンサンブル・ウィーンによる、室内楽版のモーツァルト:ピアノ協奏曲集!
注目は第20番K.466で、この作品の室内楽版というとフンメルの編曲(P、フルート、ヴァイオリン、チェロ)が有名ですが、ここではカール・チェルニーによるコントラバスが加わった版(P、フルート、2本のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)を採用しています。チェルニーの編曲は非常に良く出来ており、モーツァルトの原曲のエッセンスはそのままに、豊かな倍音と低音を強調したオーケストラ・サウンドを作り出しています。もともと弦楽四重奏での伴奏が可能な第12番 K.414でもコントラバスはチェロ・パートを増強する形で参加し、さらにK.414の終楽章の代替として作曲されたという説のあるK.386を、第2楽章と第3楽章の間に配置して演奏しています。
PMR-0119
アントニオ・ソレール:鍵盤のためのソナタ集(アコーディオンによる演奏)
ソナタ第88番変ニ長調/第62番変ロ長調よりアレグロ・スピリトーソ/第36番 ハ短調/第120番ニ短調/第117番ニ短調/第25番 ニ短調/第47番ハ短調/第45番ト長調/第85番 嬰へ短調/第87番ト短調
シュテファン・フッソング(アコーディオン)

録音:2020年7月(ドイツ、ヴュルツブルク)
ジョン・ケージや尹伊桑などのレコーディングで有名な、現代を代表するアコーディオン奏者シュテファン・フッソングが魅せる、ソレールの世界! 音楽史の本の中で、アントニオ・ソレール神父(1729−1783)について詳しく触れているものはほとんどありませんが、特にスペインの音楽家はソレールの音楽が大好きで、作曲の喜びを解き放つかのような彼のソナタを、大作の合間やアンコールでしばしば取り上げています。フッソングはソレールが意外にも多く作曲している短調の楽曲を中心にセレクトし、アコーディオンのカラフルなサウンドで、万華鏡のような世界を作り上げています。キレのある指捌きと、アコーディオンならではの美しいデュナーミクが見事な演奏です。
PMR-0121(2CD)
スティアストニー:2つのチェロのための作品集
ヨハン・スティアストニー(ca.1764- ca.1826):3つの協奏的二重奏曲 Op.8(第1番ト長調、第2番ハ長調、第3番ヘ長調)/第2チェロを伴うチェロのための2つのソナタ(第1番 ニ長調、第2番変ホ長調)
マルティン・ルンメル(Vc)、アレクサンダー・ヒュルスホフ(Vc)

録音:2021年6月、ヴァインベルク城(オーストリア、ケーファーマルクト)
プラハ出身のチェリスト=コンポーザーであったヨハン・スティアストニー(ca.1764 - ca.1826)は正確な生没年も不明で、一般の音楽愛好家にはほとんど知られていない存在ですが、その作品はすでに1920年代に「当時としてはまったく新しい効果を含んでいる」と評価されています。チェロのためのレパートリー発掘に情熱を傾けている名チェリスト、マルティン・ルンメルとアレクサンダー・ヒュルスホフが進める「スティアストニー・プロジェクト」は、2人のチェリストための真のデュオ・レパートリーを発見する画期的なもの。チェロの演奏家やチェロ愛好家だけでなく、18世紀音楽のコレクターにもぜひ聴いていただきたい1枚です。

マルティン・ルンメルは20世紀イギリスの大チェリスト、ウィリアム・プリースの高弟であり、Paladinoのオーナーとしても大活躍しているオーストリアの名チェリスト。教育者としても活動しつつ、ダーヴィト・ポッパーをはじめとするチェロのためのエチュードを多数出版・録音しており、チェロ学習者のみならず、一般のリスナーにもそれらの音楽的魅力を伝えています。
PMR-0122
ミヒャエル・マウトナー(1959-)&オットー・M・ツィカン(1935-2006):Das Unterosterreichische Liederbuch
ミヒャエル・マウトナー:Gegenstimme(Pとヴァイオリンのための18の変容)
オットー・M・ツィカン:Verborgene Erinnerungen(P、チェロ、ヴィブラフォンのための三重奏曲)
ハインリヒ・シフ(Vc)、
オットー・M・ツィカン(P)、
クルト・プリホダ(ヴィブラフォン)

録音:1975年、1995年5月、2020年9月
20世紀後半のオーストリアを代表する重要な作曲家の一人、オットー・M・ツィカン(1935-2006)と、同じくオーストリア出身で、モーツァルテウム音楽院でゲルハルト・ヴィンベルガーに学び、ルトスワフスキ、デュティユー、ヘンツェらのマスタークラスを修了した作曲家・指揮者、ミヒャエル・マウトナー(1959-)による室内楽作品集。打楽器奏者のクルト・プリホダとツィカン自身のピアノ、そして2016年に亡くなったチェリストのハインリヒ・シフが参加した三重奏曲「Verborgene Erinnerungen(秘められた記憶)」は、今回初リリースとなるORFアーカイブからの貴重な音源です。
PMR-0124
ラートハウス:ヴァイオリンとピアノのための作品集
ヴァイオリン・ソナタ第1番op.14(1925)
ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.27(1927)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.43(1937)
デディケイションとアレグロ Op.64(1949)
マテウシュ・ストシェレツキ(Vn)、
アンジェイ・シュロンザク(P)

録音:2020年11月、クシシュトフ・ペンデレツキ・コンサートホール(ポーランド、ラドム)
フランツ・シュレーカーの愛弟子の一人として知られるオーストリア=ハンガリー帝国出身の天才的な作曲家、カロル・ラートハウス(1895-1954)のヴァイオリンとピアノのための作品集。この編成での作品はわずか5曲しかないとされていますが、どの作品もラートハウスの芸術的遺産の中で非常に重要な部分を占めており、彼の多才ぶりを証明するものとなっています。長年にわたってラートハウスの音楽を研究しているマテウシュ・ストシェレツキとアンジェイ・シュロンザクのデュオが、これらの傑作を洞察に満ちた解釈で演奏しています。


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