湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


TELOS
(スイス)


ドイツのレーベルTELOS。総帥のヨアヒム・クリストは優秀なヴィオラ奏者であり、レコード製作者です。ラインナップは当然のことながら弦楽器が中心。そして親交があり深い敬意を払っている大先輩アーティスト、ペーター・リバールのプライヴェート録音のCD化を任されております(品番001,023)。第1集である愛妻マルセル・リバールとのデュオCD(品番001)は、堪らない滋味に満ちた心温まる名演集です。また第2集のマルティヌー作品集(品番023)では、ホーレンシュタインとの競演もあります。またケルン放送響、ウィーンフィルのコンサート・マスターを歴任した名手ヴェセリン・パラシュケヴォフによる最新の名演はモダン楽器による頂点ともいえる有機的な名演(品番007,008,010)。日本を代表するヴィオラの名手マンハイム国立音楽大学教授でもある小林秀子によるヴィオラ名演集(品番004)は、珍しいコダーイ編曲によるバッハ:半音階的幻想曲が聴けることでも希少。(品番006)でブーレーズのソナタを弾くチェンはかつてコンセルトヘボウ管来日公演でソリストとして登場したヴィルトオーゾ、ポリーニ顔負けのテクニックです。巨匠イーゴリ・ジューコフによる待望の再録音スクリャービン「ピアノ・ソナタ全集」は正に極め付けの出来(品番035)。


1CD=(税込)


品番 内容 演奏者
TLS-001(2CD)
レーガー:ピアノ四重奏曲Op.113、133 ミヒャエル・クリスト(P)、
タンフェルド(Vn)、ヨアヒム・クリスト(Va)、
ユン・チャン・チョー(Vc)
TLS-002(2CD)
ペーター・リバールの芸術Vol.1
(プライヴェート録音で聴く名演集)
ナルディーニ:ヴァイオリン・ソナタ、
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.301、
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ、
シブラー:7つのダンス・コンチェルタンテ、
シューマン:幻想小曲集、スメタナ:我が故郷より、
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ、
マルティヌー:3つのアラベスク、
 ヴァイオリン・ソナタ第3番、他小品6曲
ペーター・リバール(Vn)、
マルセル・リバール(P)
モノラル録音
TLS-003
ハイドン:チェロ協奏曲第1,2番 ユン・チャン・チョー(Vc)、
テロス・アンサンブル・ケルン
TLS-004
レーガー:無伴奏ヴィオラのための三つの組曲、
バッハ(コダーイ変):半音階的幻想曲
小林秀子(Va)
TLS-005
ホアキン・ソリアーノ/ピアノ・リサイタル
モンポウ:魔法の歌、他5曲、
ファリャ:ベティカ幻想曲、
ヴィニェス:4つの頌歌
ホアキン・ソリアーノ(P)
TLS-006
ブーレーズ:ノタシオン、ピアノ・ソナタ第3番、
バラケ:ピアノ・ソナタ
パイ・シェン・チェン(P)
TLS-007(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全曲) ヴァセリン・パラシェフコフ(Vn)
TLS-008
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」 ヴァセリン・パラシェフコフ(Vn)、
テロス・アンサンブル・ケルン
TLS-009
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」、
アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番Op.32
チョー・ピアノ・トリオ
TLS-010
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、
 憂鬱なセレナード、ワルツ・スケルツォ
ヴァセリン・パラシェフコフ(Vn)、
エミール・タバコフ(指)ソフィアPO
TLS-011
アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲、
シューベルト(マーラー変):「死と乙女」
エドアルド・シュミーダー(指)イ・パルピティCO
録音:1997年アムステルダム・ライヴ
TLS-012
バッハ:フルートとチェンバロのための五つのソナタ ジャン・ミシェル・タングイー(fl)、クリスチャン・ニキスト(Cemb)
TLS-013
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、
 弦楽のための交響曲第9番
クリスチャン・ルードヴィヒ(Vn)、
フロヴァイン(指)ケルン・シンフォニエッタ
TLS-016
ブラームス:幻想曲op.116、間奏曲op.117、
 ピアノ小品集op.118、119
ウォルフガング・マンツ(P)
TLS-017
アンジェイ・モクリ/ギター・リサイタル
ブロウウェル:キューバ民謡〜「クレオールの田舎者」「足踏み踊り」、
 3つのアプンテス、
ヴィラ=ロボス:ブラジル民謡組曲、
バリオス:ワルツ、マドリガル・ガヴォット、
ヒナステラ:ギター・ソナタOp.47
アンジェイ・モクリ(G)
TLS-018
ニコラウス・フーバー(1939〜):プレゼント
 めまいの力、開始と粉砕 
ケルン放送響のメンバー、
室内楽アンサンブル他
録音:ケルン放送、1990年代
ドイツ前衛音楽第2世代であるフーバーの作品を集めた好企画。トロンボーン・ソロによる曲など、意欲的なものばかり。
TLS-019
エルガー:オルガン作品全集
カンティーク、オルガン・ソナタ第1、2番、
晩課のヴォランタリー、ロッホバロウ、追憶の鐘
ミヒャエル・ガスマン(Org)
TLS-020
テュイレ:ヴァイオリン・ソナタOp.1、
 歌曲「万霊節」(ヴァイオリンのための編曲)、
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタOp.18、
 ヴァイオリンのための編曲集[歌曲「万霊節」、
 4つの情緒のある風景〜「さびしい泉のほとり」、
 歌曲「たそがれの夢」、ばらの騎士ワルツ]
インゴルフ・ターバン(Vn)、
ギッティ・ピルナー(P)  
録音1998年9月
TLS-021
ウェーバー:クラリネット五重奏曲
モーツァルト:クラリネット五重奏曲
ディリク・シュルトハイス(Cl)、
テロス・アンサンブル 
録音:1999年
TLS-023
ペーター・リバールの芸術/エディション2
(マルティヌー名演集)
(1)2つのヴァイオリンの為のデュオ・コンチェルタント、
(2)弦楽四重奏曲op.6、
(3)室内協奏曲
ペーター・リバール(Vn)、
(1)ホーレンシュタイン(指)チューリヒ・トーンハレO、
 クルト・コンツェルマン(Vn)、
(2)ヴィンターハウザーSQ(リーダー:ペーター・リバール)、
(3)ヴェーグラン(指)スイス・ロマンドO、
 マルセル・リバール(P)
TLS-024
ユルグ・バウル(1918〜):ピアノ作品集
格言、ブルレスケ、奇想曲、ヘプタメロン、
即興1960、東プロイセン組曲、ロンド、
古いスタイルによる3つの小品、変奏曲1956
オリヴィエ・ドレシェル(P)
TLS-025
ハイナー・ライツ(1925〜):作品集Vol.1
ヴァイオリンのための12の奇想曲、
チェロのための12の奇想曲
インゴルフ・トゥルバン(Vn)、
ウェン・シン・ヤン(Vc)
TLS-026
ハイナー・ライツ(1925〜):作品集Vol.2
フルートのための12の奇想曲、
ギターのための12の奇想曲
ペーター・ルーカス・グラーフ(fl)、
アンドレイ・モクリー(G)  
録音:1999年
チューリヒ生まれのライツがパガニーニを意識した作品。
TLS-027
ハイナー・ライツ(1925-):作品集Vol. 3
Florianaden−ピアノの為の/気晴らし−2本のフルートの為の/驚愕三重奏曲−ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の/悲歌−ヴィオラとピアノの為の/変奏曲−ヴァイオリンとチェロの為の/5つのピアノ曲/三重奏曲第2番−フルート、ヴィオラ、ギターの為の
マルクス・ベルハイム(P)、アントニー・フリント(Vn)、ペーター・ルーカス・グラーフ(Fl)、 アヒム・クリスト(Va)、クラウス・マルクス(Va)、 アンジェイ・モクリ(G)、 ハイナー・ライツ、ジャン=ミシェル・タンギュイ(Fl)、 インゴルフ・トゥルバン(Vn)、 フランソアーズ・ヴィンダル、ウェン=シン・ヤン(Vc)
ライツはチューリヒで生まれ、ヴァイオリンとピアノを学びました。レーベルからは作品集Vol. 1(ヴァイオリンの為の12の奇想曲、チェロの為の12の奇想曲)、Vol. 2(フルートの為の12の奇想曲、ギターの為の12の奇想曲)が発売されています。
TLS-028
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番(カデンツァ:オイストラフ)、
 ヴァイオリン協奏曲第5番(カデンツァ:ヨアヒム)、
シュニトケ:モーツ・アルト・ア・ラ・ハイドン
スザンナ・グレゴリアン(Vn&指)、
(1)ソフィア・ゾリステン、
(2)(3)フィルハーモニー・デア・ナチオネン 
録音:1999〜2001年
TLS-029
マルティヌー:ヴァイオリンとチェロの二重奏曲第1番&第2番
オネゲル:ヴァイオリンとチェロのためのソナチネ、
シュルホフ:二重奏曲、ドルナー:二重奏曲
クリスチャン・ルードヴィッヒ(Vn)、
ヨハン・ルードヴィッヒ(Vc)
TLS-031
ザ・ワールド・オヴ・ギートルズ(The World of Geatles)
ビートルズ、威風堂々、悲しきワルツ、イパネマの娘、
 他全19トラック
ヴォルフガング・ギュトラー・バス・オーケストラ
ベルリン・フィル12人のチェリスリトに対して、こちらはコントラバス軍団です。ポピュラーな名曲ばかりです。
TLS-032
ディートリヒ・エルドマン(1917b):シロフォン,メタロフォンとギター・マンドリン・オーケストラのための協奏曲
ヴィオラとギター・マンドリン・オーケストラのためのコンチェルティーノ
マンドリンとギターのためのデュエッティーノ
オマール,ヘルデル,シレシウスの詩による3つの歌
ゴセック(1734-1829):交響曲第6番(テヴェス編曲)
デトレフ・テヴェス(指&マンドリン)、
ミュールハイム・ギター・マンドリン・オーケストラ(Mulheimer Zupforchester)、
マルティン・ホフマン(Va)、
パスカル・ポンス(Perc)、
ステファニー・テヴェス(A)、
ダグマール・テヴェス(G)
独特な味わいのあるギター・オーケストラ。エルドマンはヒンデミットに学んだ作曲家で、
親しみやすい作風。
TLS-033
ヴォルフガング・マンツ/協奏的作品集
(1)ヒンデミット:主題と変奏「4つの気質」
(2)ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲
(3)ラデルマッハー(1924b):ピアノ協奏曲第2番
ヴォルフガング・マンツ(P)、
(1)ジョルジュ・オクトール(指)ワロニー王立CO、
(2)ベルンハルト・クレー(指)NDRハノーヴァー放送PO、
(3)ジークフリート・ケーラー(指)ケルンRSO
録音:1994年〜1996年
マンツは、1960年生まれ。アルテ・ノヴァやシャンドス、トロフォン等にも録音があります。
TLS-034
クシェネク:ピアノ作品集
舞踏組曲、五つのピアノ組曲、8のピアノ組曲、
ミニアチュア、11章のピアノ組曲、オーストリアの反響
マルク・レイショフ(p)
現代音楽の祖の一人クシェネクのピアノ作品ばかりを集めた必聴盤。聴きやすいメロディは戦後の作品を中心としているせいか。
TLS-035(3CD)
イーゴリ・ジューコフ・エディションVol.1
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集、幻想曲  
イーゴリ・ジューコフ(P)
録音:1999〜2000 TELOSスタジオ
※ライナー・ノートもジューコフによる
ジューコフはネイガウス門下のロシア正統派にしてスクリャービンの権威です。メロディアに残された最初の全集は名盤として知られています。当再録音は渋い音色は昔のまま、シューマンを思わせる詩情を漂う上にスクリャービン独特の悪魔的な幻想もふんだんに盛り込まれた最高も演奏です。
TLS-036
イーゴリ・ジューコフ・エディションVol.2
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番、
フランク:前奏曲,コラールとフーガ 
イーゴリ・ジューコフ(P)
録音:2000年11月19、20日
ジューコフ・エディション第2弾。名曲中の名曲ブラームスの晦渋で濃厚な風情。そして、フランクはリヒテル以上の重厚さとメロディをぶつ切りにすることも辞さない厳しい探求的姿勢が感動的です。
TLS-040(2CD)
ヨアヒム・ブルーム(1923〜):室内楽作品集
無への祈り(1977)、
フルートのためのモノローグ(1979)、
アニマ・マリス(1985)、ピアノのための「比喩」(1982)
クラリネット五重奏曲(1981)
ウルリヒ・コッホ(Va)、
テレガント(指)南西ドイツCO、
フッケ(ob)、ビルツ(P)、
ミューラー・ホイザー(Br)、
ヘッカー(P)、クライン(cl)、オジム(Vn)、
ギュンター・ルートヴィッヒ(P)、セボン(fl)
TLS-041(2CD)
ヨアヒム・ブルーム(1923〜):オルガン作品集
ソナタ第2番(1970)、第3番(1974)、
第4番(1990)、第5番(1993〜95)  
シュトックマイアー(Org)、ヴィル(S)、
ケロ(Perc)、ガンツ(Org)、
リー・ミョンスー(Ms)
ヨアヒム・ブルームは1923年ドイツ生まれの作曲家でケルン音楽界の重鎮。静謐で示唆に富んだ作風は初めて聴くファンにもよろこばれることでしょう。
TLS-042
シュテファン・リトヴィン・プログラムスVol.1「TRANS…SCRIPTION」
ワーグナー(ビューロー編):「トリスタンとイゾルデ」前奏曲
シェーンベルク:ピアノ組曲Op.11-2
シェーンベルク(エドアルド・ストイアマン編):室内交響曲第1番(世界初録音)
シェーンベルク(ブゾーニ編):ピアノ組曲Op.11-2、
リスト:暗い雲、ベルク:ピアノ・ソナタOp.1、
ワーグナー(リスト編):「トリスタンとイゾルデ」〜「イゾルデの愛の死
シュテファン・リトヴィン(P)
TLS-043
シュテファン・リトヴィン・プログラムスVol.2「PIANO SOSPESO」
リスト:悲しみのゴンドラ第1番、
ノーノ:苦悩に満ちながらも晴朗波 
リスト:悲しみのゴンドラ第2番、
シャリーノ:Perduto in una citta d’acque 
リスト:リヒャルト・ワーグナーの墓へ、
リスト:リヒャルト・ワーグナー=ヴェネチア、
ハウベンシュトック=ラマティ:ノーノの思い出に、
リスト:暗い雲、不運
シュテファン・リトヴィン(P)
TLS-044
シュテファン・リトヴィン・プログラムスVol.3「PIECES DE RESISTANCE」
アイヴズ:1930年代と1940年代の反堕胎主義者 
ショパン:練習曲ハ短調Op.10-12、
リスト:旅人のアルバム「リヨン」、
シュテファン・リトヴィン:切口上「リヨン」、
デッサウ:ゲルニカ、
ヴォルペ:右翼の良き精神、
E.I.カーン:グェラのテンポのシャコンヌ、
シュールホフ:2つの練習曲、
ドビュッシー:英雄の子守唄、
高橋悠治
:光州1980年5月
シュテファン・リトヴィン(P)
TLS-046
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&3番 インゴルフ・トゥルバン(Vn)、
ライオル・シャンバダル(指)ケルンRSO
トゥルバンのTELOSへの2枚目のアルバム。彼はヘッツェル門下のヴァイオリニスト。若くしてチェリビダッケに招かれミュンヘン・フィルのコンサート・マスターを勤めました。

TLS-047
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番&4番 インゴルフ・トゥルバン(Vn)
リオル・シャンバダル(指)WDRケルンRSO
録音:2000年 デジタル
トゥルバンはミュンヘン出身でヘッツェル門下。21歳の時チェリビダッケに招かれてミュンヘン・フィルのコンサート・マスターに就任し、1995年にはシュトゥットガルト国立音楽院の教授に着任。パガニーニの協奏曲第1・3番もを当レーベルに録音しています(TLS 046)。トゥルバンは、1993年にClavesにブルッフの第2番の協奏曲を録音しており、とても丁寧な音楽作りで好感の持てる演奏を行なっていましたが、今一歩聴き手に食い込んでくるものに欠ける印象が拭えませんでした。しかし、このパガニーニはその堅実さと音色の美しさはそのままに、スケール感もテクニックの安定感もまさに磐石となり、並々ならぬ手応えをもたらしてくれます。パガニーニの協奏曲といえば、かつてのグリュミオーのステレオ録音のように危ない橋を渡るようなハラハラ感がかえって味だったものですが、昨今ではスムースに弾きこなして当たり前で、その代わりドキドキさせる瞬間が少なく、非常に分かりやすい旋律の魅力も持て余しているような演奏が多い気がしてなりません。その点でこの演奏は、その旋律美に心から共感していることがビリビリと伝わり、オケと一体となってのパガニーニの音楽の魅力を再認識させるに十分な画期的な名演奏と言ってもよいのではないでしょうか。「第2番」はトゥルバンの細身でしなやかな音色がまず印象的で、感覚的なカッコよさに背を向けた真摯な姿勢に打たれます。「セヴィリアの理髪師」序曲の旋律にそっくりの第2主題の気品の佇まいは必聴!第1楽章カデンツァで、技巧的な面白さ以上に「歌」を徹底的に堪能させてくれる演奏も稀有です。最後のフラジョレットとオケの弦とのブレンド感も美しさの極み。なお、シキノシャンバダールが驚くほど雄弁な語り口とダイナミズムを発揮しているのにも注目ですが、その魅力と共にトゥルバンも一層強い意気込みで臨んで感動的なのが「第4番」。長い第1楽章序奏を飽きさせずにたっぷり堪能させてくれるところから強力な主張を感じさせますが、続いて登場するトゥルバンのソロは、ハリとコシをたっぷりと湛えた響きで飛び込み、急速な上行音型の気迫も素晴らしく、明らかに「第2番」とはアプローチを変えて劇的な側面を突きつけます。パガニーニの曲では、16分音符の軽い下行でフレーズを締めくくるシーンが頻出しますが、8:33のように、呼吸の微妙な溜め共に聴き手の心にキュンと突き刺さるようなニュアンスは、大きく成熟したトゥルバンの音楽性を象徴しています。終楽章後半、金管と呼応し合うフラジョレットのチャーミングな囁きは作り物の表情として響かず、心から聴き手を酔わせる演奏に終止。コーダの急速音型の連続技も、ただ派手に立ち回って「凄みを演出」した演奏とは一線を画す味わいです。これを聴くと、パガニーニの協奏曲をメンデルスゾーンやチャイコフスキーと同列に置きたくなります。 【湧々堂】
TLS-048(2CD)
パガニーニ: ヴァイオリン協奏曲第6番&5番 インゴルフ・トゥルバン(Vn)、
リオル・シャンバダル(指) WDRケルンRSO
録音:2005年1月,5月
協奏曲第1番と第3番(TLS-046)、第2番と第4番(TLS-047)に続く、インゴルフ・トゥルバンによるパガニーニのヴァイオリン協奏曲集。第5番は未完に残された音楽を補筆完成させたもの。第6番はソロパートだけが近年になって発見され、オーケストラ譜が復元された曲です。トゥルバンのヴァイオリンは、大向こう受けする技巧の誇示を避け、丁寧で真摯なもので、同時に切れ味と機知にも富んでいます。カデンツァはトゥルバンの自作を弾いていおり、これも聞きものです。
TLS-050
ウルリヒ・シュトランツ(1946〜):弦楽四重奏曲第1番(1976年)、第2番(1980〜81年)、第3番(1993年)、第4番(1998〜2000年) カザル四重奏団
録音:1997年〜2000年
使用する音符は少ないながら刺激的なサウンドを多用した初期作品から徐々に調性を取り戻しつつある近作まで。現代の弦楽四重奏曲の見本市のような作品集です。
TLS-052(2CD)
ゴドフスキー:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ ホ短調、ジャワ組曲、
3つの小品、パッサカリア
ミハエル・シェーファー(P)
録音:2001年〜02年
一部マニアには熱狂的に支持されているゴドフスキーがたっぷりCD2枚分堪能できます。名作ジャワ組曲はもちろんおよそ1時間に及ぶ大作ピアノ・ソナタも必聴!
TLS-056
ベートーヴェン:三重奏曲ハ長調 Op.87(原曲;管楽三重奏曲)、
コダーイ
:トリチニアからの7つの三重奏曲、
クレム
:3つのチェロの為の組曲、
レーデル:3つのチェロの為のバガテルOp.33、
フォークト:カノン、ストラデッラ:教会のアリア、
テレマン
:トリオ・ソナタ ハ長調
ヴォルフガンク・ベトヒャー(Vc)、
アンスガー・シュナイダー(Vc)、
ウェン=シン・ヤン(Vc)
録音:1999年12月20-22日
チェロだけの三重奏のCDは珍しいですが、音楽的には単なるもの珍しさの勝るものではなく、いずれも極めて高度な曲。リヒャルト・クレムの組曲など、チェリストが三人集まったらぜひとも弾きたくなるような曲だろう。ベルリン・フィルの首席チェリストを長年勤め、ソリストとしも高名なベトヒャー、ベトヒャーの弟子でシュトゥットガルト放送響首席のシュナイダーというドイツ人の二人に、やはりベトヒャーに学びバイエルン放送響の首席チェリストでARTSレーベルに多数録音している台湾系スイス人のウェン=シン・ヤンの三人は、いずれも見事な音色とアンサンブル能力の持ち主。
TLS-060
コルンゴルト:ヴァイオリン・ソナタト長調op. 6、
クルシェネク:ヴァイオリン・ソナタ
クリストフ・シッケダンツ(Vn)、
ベルンハルト・フォグラッシャー(P)
ここに収録されているヴァイオリン・ソナタは二人の作曲家のほとんど知られていない初期の作品です。コルンゴルトは10代の初めから劇場で作品が演奏されて天才作曲家と評判になりましたが、このソナタでは既にその個人的な、歌劇風な傾向の語法が形成されています。クルシェーネクがこのソナタを作曲した頃はまだレーガーの影響下にあり、自身は後に「この作品には良い点は少ししかない」と述べていますが、天才のひらめきが現れています。
TLS-061
バッハ:ピアノ協奏曲第1番ニ短調BWV1052、
ケージ:プリペアード・ピアノと室内管弦楽の為の協奏曲、
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
オレン・シャニ(P)、
ライオル・シャンバダル(指)ブダペストSO
ケージの協奏曲は1951年に作曲され、ピアノ以外の部分は、この時期の特徴である「音響音階(個別音、和音、音群、騒音など、あらかじめ準備形成された音響的素材から成る)」に基づいて作曲されています。シャニは1977年テル・アヴィヴで生まれ、18歳の時イスラエル放送でバッハのゴルトベルク変奏曲を録音しました。1997年以後、ルビン・アカデミー・コンクールなどイスラエル国内のコンクールに入賞しています。2000年ポジタノのマスター・クラスでジョン・オコーナー、スイスのエンゲルベルクのマスター・クラスでアレクシス・ワイセンベルクに師事し、後者では講師と聴衆の熱烈な反応により特別賞を受賞しました。2001年にはスイスのヴェルビエ音楽祭とドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭で演奏しました。
TLS-064
ヨアヒム:ヴァイオリンとピアノの為の3つの小品op.2
クララ・シューマン:ヴァイオリンとピアノの為の3つのロマンスop.22
ヨアヒム:ロマンスハ長調
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番
カタリーナ・シュミッツ(Vn)、
オリヴァー・トリエンドル(P)
TLS-066
モーツァルト:幻想曲集
幻想曲ハ短調KV475、ソナタハ短調KV457、
幻想曲(前奏曲)とフーガハ長調KV394、
前奏曲ハ長調KV284、幻想曲ニ短調KV397、
幻想曲ハ短調KV396
ティニー・ウィルツ(P)
ウィルツは1946年からケルン高等音楽学校で学び、ギュンター・ヴァントの指揮でベートーヴェンの協奏曲第2番を演奏してデビュー。第二次大戦後の新しい音楽の先駆者と見なされていて、アロイス・ツインマーマンのピアノ曲を初演・録音し、ヒンデミットの「4つの気質」をヴァントの指揮で初演しました。

TLS-070(1SACD)
オリヴァー・シュニーダー/ショパン・リサイタル
練習曲Op.10-1、夜想曲Op.48-1、練習曲Op.10-4、
ワルツop64-2、夜想曲op27-2、練習曲Op.25-1、
幻想即興曲、練習曲Op.10-3「別れの曲」、
ワルツOp.64-1「小犬」、練習曲Op.10-5「黒鍵」、
スケルツォ第1番、夜想曲Op.62-2、
練習曲Op.25-11「木枯らし」、練習曲Op.25-12、
マズルカOp.17-4
オリヴァー・シュニーダー(P)
録音:2006年
シュニーダーは1973年スイス生まれ。レオン・フライシャーに学び、数々のコンクール優勝歴を誇るピアニスト。その音楽性の素晴らしさは、サン・サーンスのピアノ協奏曲(入手困難)でも実証済みですが、特にタッチの美しさと、自然体でありながら音楽の揺らぎを瞬時に感じ取る感性は本物であることをこのショパンでは再確認できます。収録曲はただ小品を散りばめたようにも見えますが、民族色を強く反映した作品は最後のマズルカのみ。ポロネーズとバラード1曲も収録しておらず、結果的にアルバム全体のトーンに統一感を持たせているのも見識の表れといえましょう。
1曲目のop10-1から聴き手のハートを鷲づかみ!巧いだけの演奏ならいくらでもありますが、聴き手の意識をグッと引き付ける牽引力と華麗さを兼ね備えた演奏は希少です。特に物怖じせず低音域を磐石に構築しながら上声部を鮮やかな流線型で描ききり、両者を絶妙にブレンドさせてしまう手腕!Op.10-4はリズムの躍動が獣のように血気盛んで、それでいながら音楽の運びに強引さがないのです。Op.10と25の全曲盤リリースを切望せずにはいられません。
夜想曲Op.48-1の1:04からの数秒間の強弱の繊細な入れ替え技、間のセンスは恍惚境に誘い、Op.27-2は中間部の装飾音の扱いに魂が宿っています。夜想曲Op.62-2がムードに流れず、これほど男性的な強固な意志を持って作品の構成美が浮き彫りになった例も少ないでしょう。
通常よく耳にする演奏と香りと居ずまいが異なる最も顕著な例が、あまりにも有名な「別れの曲」と「小犬」。雰囲気に流されないのはシュニーダーのピアニズムの大きな特徴ですが、唯我独尊に過ぎて鼻につくニュアンスなどなく、あくまでも純粋な音楽勝負。「別れの曲」の中間部に差し掛かるところで拍節感をかなり強調していますが、その工夫が直後に続くフレーズの躍動、ニュアンスの陰影に確実に反映されていることに気づかれると思います。「小犬」も、無邪気に駆け回る情景描写などではなく、音楽自体が持つ表現力を十全に出し尽くした演奏として、是非心の底から堪能してください。  【湧々堂】
TLS-071
ハイドン:ピアノとヴァイオリンの為のソナタ集
ニ長調Hob. XVI-24/変ホ長調Hob. XVI-25/
イ長調Hob. XVI-26
ディヴェルティメント変ロ長調Hob. XV-38
ソナタト長調Hob. XV-32
ミヒャエル・ダルチュ(Vn) 、
モニカ・チュルル(P)
ハイドンが初めからピアノとヴァイオリンのために作曲したソナタはト長調Hob. XV-32だけで、これにはピアノ三重奏曲版もあり、この作品とディヴェルティメントはハイドンの作品目録ではピアノ三重奏曲(Hob. XV)に分類されています。あとの3曲はピアノ・ソナタにヴァイオリン・パートを加えた改作です。  ダルチュは1964年ドイツのマイエンで生まれ、ケルン高等音楽学校でヴァイオリンを学び、ケルン大学で教育学博士号を取得しました。その後バロック・ヴァイオリンをモニカ・ハジェットらに師事しました。1993〜96年ケルン大学でヴァイオリンを教えた後、96年にザールブリュッケンの高等音楽学校の音楽教育学教授に就任しました。
TLS-074
ショパン:24の前奏曲op. 28、
バッハ
(ブゾーニ編曲):シャコンヌ、
フランク:前奏曲、コラールとフーガ、他
ルドルフ・ケレル(P)
録音:1998年9月28日のモスクワ・リサイタル
ケレルは1923年グルジア共和国で生まれ、トビリシ音楽院に入学しましたが、第二次大戦勃発により、数学教師に進路変更を余儀なくされましたが、30歳を過ぎてから一念発起し、1961年、なんとモスクワの全ソヴィエト・ピアノ・コンクールで優勝を果たしたのです。モスクワ音楽院にも入学し、フリエールに学んでいます。ショパンの前奏曲集はソビエト時代にも録音しており、それは見事な演奏でした。 
TLS-075
ステファン・リトウィン・プログラムVol.4/「鐘」
ドビュッシー:沈める寺、
ミヒャエル・ギーレン
:鐘のリサイクル〜7つのピアノ小品
ラヴェル:鐘の谷間、リスト:鐘(カリヨン)、
ステファン・リトウィン:鐘〜エドガー・アラン・ポーにもとづくメロドラマと死の舞踏(語りとピアノの為の)
ステファン・リトウィン(P)
録音:2007年
鐘に因んだ近現代のピアノ作品を収録。著名な指揮者ミヒャエル・ギーレンの《鐘のリサイクル》は鐘の音を模したピアノの低音が終始響くなか、高音が時折きらめく。リトウィンは1960年メキシコ・シティ生まれのピアニストで現代作品のスペシャリストとしてドホナーニ、ギーレン、準メルクルらと共演しています。ここでは語りが入ったシアトリカルな自作を披露。
TLS-078
ピアノ三重奏曲集Vol.1
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」Op.70-1
ブラームス:ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op.87
モルゲンシュテルン三重奏団
録音:2007年7月
モルゲンシュテルン三重奏団はエッセン・フォルクヴァング音楽大学の学生達により、2005年に結成された若いピアノ・トリオです。2007年にハイドン・コンクール(ウィーン)で一等賞、メルボルン・コンクールで2等賞、ARD音楽コンクール(ミュンヘン)で2等賞と聴衆賞を一気に獲得し、にわかに注目を集めています。
TLS-083
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
 リトウィンの講義
ステファン・リトウィン(Pと講義)、
ブラッドリー・リュプマン(指)ザールラントRSO
リトウィンは1960年メキシコ・シティで生まれ、メキシコ、アメリカ、スイスでピアノと作曲を学びました。現代音楽も主要なレパートリーとし、多くの作品を初演しています。リトウィンにとって解釈とは音楽的・言語的に意味を明らかにすることで、そのため、リトウィンはレクチャー・リサイタルの形式を好み、たとえば2003年から2004年までベルリンで講義をおこなっています。ここではザールラント放送と協力したシリーズの第1弾として、ベートーヴェンの協奏曲第1番の演奏と40分の講義が収録されました。リトウィンはこの協奏曲の劇的な内容を、革命フランスに対抗した1792年からの第1回対仏大同盟を背景とした「戦線の間の音楽」と解釈しています。
TLS-084(2CD)
シェーンベルクとシューベルト
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番、
 ピアノ・ソナタ第21番、
シェーンベルク:3つのピアノ曲Op.11、
 小さなピアノ曲Op.19
ステファン・リトウィン(P)
録音:録音:2002年、2003年 
1960年メキシコ生まれのピアニスト、リトウィンはドイツで活躍し、現代音楽を主要なレパートリーとし、多くの作品を初演しています。このシリーズはリトウィンの独自の視点でプログラミングされたもので、今回は19世紀、20世紀と異なる時代にウィーンで活躍したシューベルトとシェーンベルクを集めた好企画です。
TLS-102
我が神は汝のそばに〜賛美歌
ガルッピ:ピアノ・ソナタハ長調、
シャルウルフ(1815〜1868ノルウェー):子守歌、即興曲、無言歌、牧歌、
リスト:練習曲Op.1-9、
レイバック(1817〜1891仏):夜想曲、
ラフマニノフ:前奏曲Op.23-4、Op.23-6
パク・チヘ(P)
録音:2000年2月
TLS-105
ヴァレリオ・サニカンドロ:室内楽作品集
私は照射する(2000)〜A.Fl,B.Cl,Vc,Pf(prepared),Perc、
Repercussio(2002)〜Vc,Pf(prepared)、
重点のコバルト(2001/2003)〜Ob,Cl,Va,Vc,、
新しい形(2000)〜Pf、
ルネサンス(2000)〜Vn,Pf(prepared)、
救うためには影で覆いなさい(2002)〜Fl,Cl,Vn,Vc,Pf(prepared)
E-Mex現代音楽アンサンブル
録音:2000-2004年
サニカンドロは、ヨーク・ヘラーとハンス・ツェンダーに師事した作曲家。2002年にはダルムシュタット夏期国際現代音楽講習会でも教鞭をとっています。作風は点描的、静謐さ、突然の音響爆発など、ここ20年くらいのヨーロッパ現代音楽界のトレンドを反映しています。
TLS-106
「イベリアとアメリカの情熱」
グラナドス:ピアノ・ソナタ第1番、他、
アルベニス、ヴィラ=ロボス、ヒナステラの作品
ベアトリース・ベルトルト(P)
録音:2006年2月
ドイツのピアニスト、ベルトルトはロシアと南アメリカの音楽の演奏で国際的な評価を得ていて、定期的に南アメリカで演奏と講義を行っています。ラフマニノフ、グラナドス、クララ・シューマンのドキュメント番組など、ドイツのテレビ番組に数多く出演しています。ヴィラ=ロボスと共に仕事をしたブラジルのピアニスト、ヤラ・ベルネッテとの長年の親交に刺激されて、スペインと南アメリカの作品を録音しました。 
TLS-108(3CD)
ヴォルフガング・リーム:ピアノ作品集1966-2000全曲
ピアノ曲第1番(1970)/3つのピアノ小品(1966-67)
4つのピアノ小品《エレジー》/対談(1999)
ピアノ曲第2番(1971)/5つのピアノ小品(1969)
ピアノ曲第4番(1974)/追加の習作(1992-94)
ピアノ曲第5番《トンボー》(1975)
6つの前奏曲(1967)
レントラー(1979)/もう1枚の紙の上で(2000)
ブラームスの愛のワルツ(1985)
ピアノ曲第6番《バガテル》(1977/78)
ピアノ曲第7番(1980)
ウド・ファルクナー(P)
録音:2004年(スタジオ録音)
500曲を越える多作家として知られるリームの多様な作風をピアノ曲で俯瞰するアルバム。最近もNEOSレーベルよりリームの2枚組のピアノ作品集がリリースされましたが、こちらは3枚組の完全全集版。フォルクナーはワイセンベルクにピアノを、シュトックハウゼンのもとで現代音楽の演奏法を学びました。
TLS-111
ナチスに迫害された作曲家たちの弦楽四重奏「告白」
シュールホフ(1894-1942):弦楽四重奏曲第1番、
ウルマン(1893-1944):弦楽四重奏曲第3番、
アドルフ・ブッシュ
:弦楽四重奏曲楽章ロ短調、
ハインリヒ・カミンスキー
(1886-1946):弦楽四重奏曲へ長調
カザル四重奏団
【ラッヘル・ロジーナ・シュペート、マルクス・フレック(Vn)、ドミニク・フィッシャー(Va)、アンドレアス・フレック(Vc)】
ドイツ人とスイス人によるカザル四重奏団は、10年前の結成以来、あまり演奏されない作品を取り上げてきました。今回録音したのは、ナチスの独裁に苦しまなくてはならなかった作曲家たちの作品です。チェコの作曲家ウルマンは、1942年プラハ北方のテレジエンシュタットに収監され、そこでこの四重奏曲を作曲しました。カミンスキーは宗教合唱曲を多数作曲し、ドイツでのバロック音楽復興に寄与しました。1917年に作曲されたこの四重奏曲にも揺るぎ無い信仰が感じられます。四重奏団を率いたブッシュは相当数の作品を残していて、これは伝統的技法によるヴィルトゥオーソ的な楽章です。チェコのシュールホフの音楽はナチスに退廃芸術の烙印を押され、彼はチェコ合併後逮捕されました。四重奏曲第1番はまだ古典の境界内にあるジャズ的で陽気な作品です。
TLS-114
ベティン・ギュネス(1957〜トルコ):作品集
ギュネス:尊敬、Clanstr(クラリネット協奏曲)、
アリ・エクベル・チチェク&ギュネス:ハイダル・ハイダル、
ギュネス:湾、
セマル・レシット・レイ&ギュネス:私のトルコ、
ギュネス:Babadapiya
ベティン・ギュネス(指、P)トルコCO、
セルチューク・シャヒノール(Cl)
ギュネスは1957年イスタンブールで生まれ、イスタンブールとケルンで学び、ケルンではブラニミール・スローカーに師事。1988年からケルン交響楽団とモンディアル室内弦楽合奏団を指揮しています。西洋の伝統的な音楽と現代トルコの音楽の間に橋をかけようとして、トルコ室内管弦楽団を創設しました。ギュネスは一方では気難しい音楽を書き、一方では聴衆の戸惑いを避けようとしています。
TLS-115
インゴルフ・トゥルバン/ヴァイオリン小品集
パガニーニ
:魔女たちの踊りニ長調op.8
 カンタービレニ長調、
エルネスト・カミッロ・シヴォーリ
(1815-1894):言葉のないロマンス変ホ長調op. 23-1、
パガニーニ
:「モーセの祈り」によるソナタ変ホ短調M.S. 23、
シヴォーリ
:言葉のないロマンス「祈り」変イ長調op. 23-2、
パガニーニ
:ロッシーニの「こんなに胸騒ぎが」による序曲と変奏曲イ長調op. 13、カンタービレとワルツホ長調M.S. 45、
シヴォーリ
:マドリッドの謝肉祭T.M. 37、
パガニーニ:ヴェネツィアの謝肉祭イ長調M.S. 59
インゴルフ・トゥルバン(Vn)、
ヴィルトゥオーシ・ディ・パガニーニ
パガニーニは独特のヴァイオリン演奏技術に関して極度に秘密主義で、弟子はシヴォーリ以外にほとんどいませんでした。シヴォ―リはジェノアで生まれたヴァイオリン奏者・作曲家で、パガニーニと同様、はなばなしい技術で有名でした。リストら当時の作曲家と協力し、編曲も多数行っています。トゥルバンは1964年ミュンヘンで生まれ、1985年から1988年までミュンヘン・フィルのコンサート・マスターを務めた後、ソリストとして世界中で活動しています。60余りのオーケストラと共演し、1995年シュトットガルト国立音楽院教授に就任しました。TLS-072にシヴォーリの狂詩曲変ロ長調op. 25-5を録音しています。なお、パガニーニの作品はこの楽団のヴァイオリン奏者ホルガー・フライによる編曲です。
TLS-124(2CD)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番 ト長調 K.387、
弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421
カザルQ
[ダリア・ザッパ(Vn)、ラッヘル・ロジーナ・シュペート(Vn)、マルクス・フレック(Va)、アンドレアス・フレック(Vc)]
若干のメンバーと担当の変更があったカザル四重奏団の新譜。クリアな音色と、柔らかい弾力の感じられるアンサンブルは、モーツァルトの曲に最適。CD1に2曲の四重奏曲を収録、CD2では、ウルス・フラウヒガーによる「モーツァルトへのアプローチ」という朗読と、第15番が楽章ごとに収録されています。またブックレットには、第15番の楽譜を掲載。
TLS-125
ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(1975-):無伴奏ヴァイオリンの為の「日記」、
無伴奏クラリネットの為のモザイク「おお、星よ」、
フルート,打楽器とピアノの為の「メランコリア1」、
クラリネット協奏曲「創始者」
シュテファン・テンツ(Vn)、
ヴァレンティン・ヴァンデラー(Cl、バセットホルン)、
フィリップ・ラシーヌ(Fl)、
マティアス・ヴュルシュ(Perc)、
オリヴァー・シュナイダー(P)
録音:2003、2005、2006年
スイスで生まれたヘフティは作曲をヴォルフガング・リーム、クラリネットをヴォルフガング・マイアに学び、ジョルジュ・エネスコ・コンクールで1位を受賞しました。指揮者・クラリネット奏者としても活躍しています。「メランコリア1」はサントリー音楽財団サマーフェスティバル2005<Music today 21>で演奏されました。この曲名はデューラーが制作した「メランコリア」と題する一連の銅版画のうち、1514年の「メランコリア1」に由来し、そこには魔方陣が描かれています。「創始者」は5連作の第1作で、管弦楽部分は伝統的手法で作られているのに対して、独奏パートには現代的技法が多数用いられています。
TLS-1002
マーラー歌曲エディション第2集
マーラー:大地の歌
ロバート・ディーン・スミス(T)、
イヴァーン・パレイ(Br)、
シュテファン・マティアス・ラーデマン(P)
ダムラウとパレイによるピアノ伴奏版「子供の魔法の角笛」(全24曲)(TLS1001)に続く第2集。ピアノ伴奏版は1987年に発見され、これはテノール、バリトン、ピアノ用の版の世界初録音です。スミスはカンザス州出身のドラマティック・テノールで、バイロイト音楽祭、東京を含む世界各地でワーグナー、プッチーニ、ヴェルディなどの歌劇に出演し、「大地の歌」をロリン・マゼールやエド・デ・ワールトと共演しています。パレイは1979年ボゴタで生まれ、アルジェンティンに移りました。主にグルック、モーツァルト、ウェーバー、ヴェルディなどのリリック・バリトンの役やドイツ・リートを歌っています。「魔法の角笛」の録音は、その独自の解釈によりマーラー協会の2004年トブラッヒャー特別賞を受賞しました。 
TLS-1006
シューマン:歌曲集「ミルテの花」 Op.25、
シューマン夫妻の手紙の朗読
ディアナ・ダムラウ(S)、イヴァーン・パレイ(Br)、
シュテファン・マティアス・ラーデマン(P)、
マルティナ・ゲデック&ゼバスティアン・コッホ(朗読)
録音:2006年2月
シューマンの「ミルテの花」を、ソプラノのダムラウと、バリトンのパレイが歌っている。ダムラウは、人気急上昇のドイツのソプラノ。ザルツブルク音楽祭に2001年以来毎年出演していることからも、彼女の人気の高さが伺えます。パレイは、アルゼンチン生まれですが、2000年からウィーンに在住してドイツ歌曲も得意とするところ。このCDではさらに、シューマン夫妻の手紙を11通、曲の合間に朗読をしています。
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