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ウェルナー・マルクス |
| フィルハーモニア・スコシア |
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World Of Classic
BS-1032 |
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| 演奏時間: |
第1楽章 |
15:00 |
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第2楽章 |
13:30 |
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第3楽章 |
5:53 |
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第4楽章 |
12:51 |
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| カップリング/「エフゲニ・オネーギン」〜ワルツ、ポロネーズ |
| “実力派指揮者の闇営業?随所に高いセンスを感じさせる好演!” |
★「World Of Classic」は1990年代初頭のドイツの廉価レーベルで、有名クラシックの名曲集を多数発売していました。演奏者の実体が不明なものばかりですが、どれも演奏技術は水準以上でデジタル録音。中にはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番のカデンツァをジャズで押し切った録音などもあり、珍品マニアにはたまらない魅力がありました。ここでの指揮者マルクスについても、全く素性が分かりませんが、演奏自体は決してスコアを追っただけの取るに足らないものではありません。
第1楽章の第2主題の歌い方はかなり大胆。副次主題も然り。共に、再現部で登場する際は、更にニュアンスを濃密化させているのがニクい!更に驚くのは。再現部347小節〜354小節をカットしていること。同じフレーズを繰り返しているシーンではありますが、前代未聞の処置です。第2楽章のホルン・ソロが、これまた感動的。45小節からの副次旋律直前の全休止の長さは、史上最高かも。この長い無音で緊張感を維持していることだけでも、この指揮者が決して凡庸ではないことは明らか。第3楽章は中間のファゴットがかなり陽性の音楽を聞かせ、それが中間部全体の性格付けとして一貫しているのが新鮮。しかも単純ななノリでやり過ごさずに確実にニュアンスを放とうとする意志が滲んでいるので、自然と求心力が生まれています。終楽章は、提示部直前の55小節でわずかに間を取っるセンスに脱帽。違うステージへ向かう予兆としての確固たる意味を感じさせます。主部以降はフレージングが漫然と響かないように、随所に適切なアクセントを施し、音楽の造形を引き立てているのが印象的。再現部冒頭は、テンポ設定に対する指揮者のセンスが顕著に現れるシーンですが、ここでも独自のアプローチを展開。そこに衒いがないので、素直に自然な流れで音楽が推移するのです。
このように指揮者のセンスはかなり高く、オケの力量も高次元ですが、第1楽章コーダは終楽章後半はオケの量感が不足しているのが実に残念。構成人数が少ないせいかもしれませんが、他に部分で魅力的な部分が多いだけにそれだけが惜しませます。
ちなにに、カップリングの2曲はこの指揮者の実力を更に確信させる名演!「ワルツ」における、リズムの重みに対する確固たる信念と、弦のずり上げポルタメントのなんと自然なこと!【2026年5月・湧々堂】 |
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| 第1楽章のツボ |
| ツボ1 |
テンポは標準的。クラリネットはなかなか情感豊か。ややオンマイク気味の弦がそれをかき消すこともあるが、全体にアグレッシブな表現意欲が感じられて好印象。 |
| ツボ2 |
テンポは標準よりやや速め。リズムの弾みが軽妙だが軽薄にならず、クラリネットとファゴットは完全に一体化して楽想を感じ取っている。 |
| ツボ3 |
スコア通り。 |
| ツボ4 |
スコア通り。 |
| ツボ5 |
所々で音価を伸ばす独特のアゴーギクがセンス満点!特に122〜123小節のそれは秀逸!再現部では、その表現を更に押し広げている。特に第一音の引き伸ばし! |
| ツボ6 |
テンポをここで一段落とす。アニマートはフォルティッシモには達しないが、その低速を維持しながら余韻を持って減衰するさまに、指揮者の並々ならぬ音楽性を感じる。 |
| ツボ7 |
直前でルフト・パウゼを挿入。ピチカートの縦の線は乱れている。 |
| ツボ8 |
テンポを落として素直にしっとりと歌い上げる。 |
| ツボ9 |
インテンポ。16分音符はギリギリ聞き取れる。 |
| 第2楽章のツボ |
| ツボ10 |
冒頭の付点二分音符は拍節感をぼかして、一音ごとに丁寧に刻印するスタイル。ホルンは絶品!低速でダレることなく、ファゴットとの連動も見事。 |
| ツボ11 |
音量で圧倒するのではなく、自然な呼吸の膨らみを伴ったフレージングの力で音楽を推進させる。 |
| ツボ12 |
クラリネットは、9連音がしっかり吹けていない。テンポはそのまま。 |
| ツボ13 |
テンポはほとんど同じ、ピチカートの音はやや痩せ気味だが、その後はリズムもフレーズも感じきった決然とした進行を見せる。 |
| ツボ14 |
量感は乏しいが、緊張感の溜め方は実に堂に入っており、フォルティシシモを音量ではなく熱量で表現した成功例として言えよう。 |
| ツボ15 |
表面的には際立った特徴はないが、純粋な共感が息づいている。 |
| 第3楽章のツボ |
| ツボ16 |
わずかにテンポを落とす。 |
| ツボ17 |
メカニックな推進というより、各声部感でしっかり連携していることを確認しながら進行するような雰囲気が、独特の味わいを生んでいる。 |
| ツボ18 |
音の張り出しは弱いが、美しく一本のラインを形成。 |
| 第4楽章のツボ |
| ツボ19 |
テンポは標準的。何の変哲もないようでいて、フレージングは根底から呼吸をしているのが分かる。 |
| ツボ20 |
ホルンは、オーボエとほぼ同等に共存。 |
| ツボ21 |
ティンパニのクレッシェンドはスコア通りだが、トレモロは不安定。テンポは標準的。 |
| ツボ22 |
アクセントなし。 |
| ツボ23 |
低弦は量感不足しているが、その分木管が美しく浮上。 |
| ツボ24 |
直前までリタルダンドをし続け、ここから主部冒頭のテンポに戻る。 |
| ツボ25 |
鈍い一打。 |
| ツボ26 |
主部冒頭のテンポに戻すのではなく、それより遅いテンポで322小節まで重々しく進行し、323小節からテンポを上げる珍しいパターン。 |
| ツボ27 |
直前で大きくリテヌート。ここから高速に転じる。トランペットの張り出しが弱く全体の量感も乏しい。指揮者が熱いニュアンスを込めているだけに残念。 |
| ツボ28 |
8分音符の音価は引き伸ばしなし。ティンパニは最後のアクセントなし。 |
| ツボ29 |
テンポそのものは標準的。弦は気品あるニュアンスを湛えているが、合いの手を入れるトランペットが聞こえにくい。 |
| ツボ30 |
弦もトランペットも、明確に音を切る。 |
| ツボ31 |
トランペットが遠いので分かりにくいが、改変なしと思われる。 |
| ツボ32 |
トランペットはもう少し張り出しがほしい。ホルンはオンマイクで明瞭に聞こえるが、力感が不足している。 |
| ツボ33 |
モルト・メノ・モッソ以降はイン・テンポで、最後まで不変。ここでもオケの量感不足が残念。 |