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協奏曲B〜バッハ


レーベルと品番、ジャケット写真は管理人が所有しているものに拠っていますので、現役盤と異なる場合があります。



バッハ/J.S.BACH


Novalis
NOV150-017
ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番、2つのヴァイオリンの協奏曲、
オーボエとヴァイオリンのための協奏曲
ドミトリ・シトコヴェツキー(Vn,指)、ホス・ルイス・ガルシア(Vn)、ニール・ブラック(Ob)、ECO
録音:1987年 (デジタル)
“清潔かつ繊細!バッハへ一途な共感を如実に示した名演!”
大仰に構えたバッハではなく、あくまでも自然体で、それでいながらひしひしとバッハの音楽の息づかいが伝わってくる素晴らしい演奏です。シトコヴェツキーは「ゴールドベルク変奏曲」の弦楽アレンジ等でも、並々ならぬバッハの打ち込みを証明していますが、この「第1番」の第2楽章、ソロとオケの対話の美しさ、符点リズムの気品など、心に染みる場面がいくつも存在します。「第2番」の華やいだ雰囲気にも格調が香り、その終楽章は、あのシェリングと双璧とも言える一途な集中力に打たれます。2つのヴァイロリン協奏曲では、ガルシアの音色が繊細な美しさを備えている(Virginレーベルの「タイスの瞑想曲」が絶品!)ので、シトコヴェツキーとのコンビネーションはまさに理想的。ニール・ブラックのオーボエ協奏曲は、さすがにべテレアンの存在感!第2楽章の清明な歌は全く間延びせず、美しいフォルムで一貫。このCD全体に漂う良い意味での温かな雰囲気は、本当に素敵です。

EMI(cfp)
ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番、2つのヴァイオリンの協奏曲、ブランデンブルク協奏曲
ヒュー・ビーン、ケネス・シリトー(Vn)、デイヴィソン(指)ヴィルトゥオージ・オブ・イングランド
録音:ステレオ
“ドイツ風無骨さとは無縁の、心で育まれたバッハ”
極めて地味な演奏ながら、古楽器の鋭利な響きに慣れてしまった耳には、この担任に慈しみを込めたバッハは、単なる懐かしさを超えて、本来の音楽の喜びを呼び覚ましてくれます。特に、フィルハーモニアとイギリス室内管の共演によるヴァイオリン協奏曲は、聴くほどに味わいが増します!


Archipel
ARPCD-0298
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番*、シューマン:チェロ協奏曲#
ヨハンナ・マルツィ(Vn)、マイケル・レビン(Vn)*、モーリス・ジャンドロン(Vc)#、
アンドレ・クリュイタンス(指)NYO、ケルンRSO*、フランス国立O#
録音:1955年11月10日、1957年1月28日*、1952年1月1日#(全てモノラル)
“格調美とリリシズムの絶妙な融合!”
全て初出。中でもマルツィのバッハは、筆舌に尽くしがたい名演!マルツィの表現方法はメンデルスゾーンなどでも、作品と一定の距離を保ちながら充分に音楽内容を自身の体内に浸透させ、気品をもってその音楽の核心部分を表出していますが、そのスタンスをバッハにおいても揺るぎい信念を持って貫いている点に、この人の並外れた音楽センスを痛感せずに入られません。まして女流の奏者で感覚美に傾くことなくバッハを演奏しきった演奏は、めったにないのではないでしょうか。第1楽章の中間部、短調に転じてからの陰影の濃い楽想などは、最も感情を際たたせてすすり泣きたくなる箇所ですが、マルツィは音楽の格調を保ちながら深々とリリシズムを滲ませます。5:25以降のなんと含蓄の豊かなこと!時代の流行に左右されない普遍的な美の有り様を目の当たりにすることができます。第2楽章はヴィブラートの美しさにご注目を。全音域に渡ってよく響かせながらも、心の中のただ一点を見つめるような集中力と精神的の熟成しきった味わいには言葉を失います。終楽章も楽天的な表現とは無縁。あまりも訴えかけてくる要素が多く、胸を締めつけられるほどです。クリュイタンスの指揮も見事で、マルツィの音楽作りを盛り立てながら閃きに満ちた演奏を展開。単なる伴奏の域を超えています。収録されている3曲とも聞きやすい音質なのも嬉しい限りです。

Archipel
ARPCD-0102
ブランデンブルク協奏曲第3番、管弦楽組曲第3番、ヴァイオリン協奏曲第1番
ヘンデル:合奏協奏曲op6 - 5
* 、プフィツナー:「パレストリーナ」第1幕前奏曲#
ウォルフガング・シュナイダーハン(Vn)、E・レーン&U・グレーリンガー(Vn)*、
ハンス・クナッパーツブッシュ(指)VPO、BPO#  
録音:1942年*、1944年
“音楽的情報量が飽和状態!”
巨大編成、スローテンポのブランデルク第3番の大蛇のようなフレージングにビックリ!様式の古さ云々など口にできないほど音楽の溢れ方が尋常ではありません。VPOの張りのある音色も、強靭なアクセントと共に圧倒的な手応えです。管弦楽組曲第3番も同スタイル。「アリア」は古今を通じてこれほど音の深部まで感じきった演奏はないのではないでしょうか。古楽器では体感できない人間の感情にビリビリと響く血肉の通った音楽がここにはあります。イ短調という調性の持つ悲哀感を徹底表出したヴァイオリン協奏曲も感動的。シュナイダーハンはこの曲を晩年まで愛奏し続けましたが、きめ細やかな情感と、様式の融合ぶりが、独特に気品を醸し出しています。普段バロック音楽に縁がない方も、これは聴かなきゃ損です!しかも、音が'40年代とは思えぬ素晴らしさ!

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