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器楽曲B〜ブラームス



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ブラームス/BRAHMS
2つのラプソディー、シューマンの主題による変奏曲、3つの間奏曲、4つの小品
ウラディミール・トロップ(P) 1997年 デジタル録音
コロムビアCOCO-80732 “鮮烈!強靭な打鍵と不屈の意思で築く、確固たるブラームス!”
メジューエワ、リフシッツ等を育てた名教授トロップによる、目の覚めるようなブラームス。全声部が見事な緊張とバランス感覚で統合され、色彩的にくすんだイメージの強いブラームス像を払拭しています。特に、低音に確かな芯を伴う響きを土台とした頑丈な構築の中で、ロマンをふんだんに湧き上がらせるスタイルの徹底ぶりが素晴らしく、最後まで気が抜けません。「ラプソディ」1曲目から、その意地を貫いた強烈な説得力!「間奏曲」第2曲の深い祈りにも似た佇まいも魅力的。「4つのピアノ曲」終曲は圧巻!長年培ってきたロシアン・ピアニズムの圧倒的パワーが全開となっています。

バラード(全4曲)、フランク:前奏曲・コラールとフーガ、リスト:葬送曲、バッハ(ブゾーニ編曲):シャコンヌ
アワダジン・プラット(P) 1993年 デジタル録音
EMI
5550252[EM]
“果てしない瞑想世界へ引き込む、プラットの呪縛力”
ピッツバーグ生まれでイリノイ育ちのプラットのデビュー盤です。独特の風貌と徹底的に渋い選曲から、ただならぬものを感じさせますが、出て来る音楽はその期待以上に素晴らしく、独自の美学に裏打ちされた得も言われぬ美しいタッチと、尋常ならざる作品への没入ぶりには息を呑むほど魅力的です。正に宗教的なオーラを放ちながら、厳かな世界を現出するリストの「葬送曲」から空気が一変!フランクの特にフーガは、聴き手にも相当の忍耐を要求するほどの緊張感を持続させつつ、細部まで血が通った構築を披露。ブラームスともなると、かれの天才的なセンスが完全飛翔!曲にぴったりと寄り添う自分と、曲本来の姿を距離を置いて見据える自分を葛藤させ、その試練を乗り越えた完全無欠の音楽だけが脈々と流れます。最後に置かれた「シャコンヌ」は壮絶!寿命を縮め兼ねない集中力で圧倒し、強音の轟きは神の怒りのようです。

ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ、シューマン:ベートーヴェンの主題による変奏形式の練習曲、ロマンス、
サン・サーンス:白鳥(ゴドフスキー編曲)、ピアノ協奏曲第2番(ビゼー編曲)
ニコライ・ペトロフ(P) 1988年 デジタル録音
英OLYMPIA
OCD-276
廃盤
“空前絶後!ビゼーの知られざる驚愕のピアニズムの更に上を行くプトロフ!!”

露OLYMPIA
MKM-501081
2人の作曲家の個性を合致させた作品で構成されたCD。もうとにかくペトロフのコテコテのロシアン・ピアニズムが大全開で、彼のファンは絶対に必携の一枚です!ブラームスの第1変奏の急速なパッセージの上下行は玉を転がすように軽やかにきらめく一方、第3変奏の殺人鬼のような強打鍵の乱射、第4変奏のラフマニノフ的なむせ返るようなロマンなど、完全に一般的なブラームスのイメージから逸脱していますが、彼の驚異的なピアニズムを味わうには欠かせない演奏です。凶暴な打鍵の嵐に身を投じたい人には、録音が極めて少ないシューマンの「ベートーヴェンの主題による練習曲」もおススメ!第7交響曲第2楽章の主題をベースにした作品ですが、通常のアドレナリン分泌量ではまかない切れない表現の幅!これを聴いたら、どんなピアニストも逃げ出すしかないでしょう。ゴドフスキーの甘味料をふんだんに盛り込んだ「白鳥」に続いて登場するのが、世紀の豪演、第2協奏曲の編曲版!オケ・パートまで含めて全て一台のピアノでこなすという常軌を逸した要求をしているのが、なんとビゼーいうのも驚きですが、ペトロフときたら、これこそ自分のための曲だとと言わんばかりに、決死の大サービスを繰り広げてくれるのですからたまりません!特にオケパートを弾く時のピアノの轟き方は驚天動地と言うしかなく、全身凍りつくこと必至!!録音も極上。

ピアノ・ソナタ第3番、シューマン:幻想小曲集
横山美里(P) 1996年 デジタル録音
十勝
毎日新聞社
KMOCD-0001
“しとやかな容姿からは想像もできない圧倒的な力感と風格!”
ブラームスの冒頭から圧倒されます!全ての音が、そう鳴るしかないという強力な説得力をもって迫る様に、誰もが驚くことでしょう。第1楽章は、強靭に轟く低音の上に、広大な音域を誇る第1主題を凛々しく輝かせる手腕が、日本人のピアニストの感性とは思えないほど。第2楽章の香り高い沈静感も感動的。第3楽章のリズムのうねりも凄い牽引力ですが、しっかり気品を兼ね備えているところがまた泣かせます。シューマンで絶品で、最も衝撃的なのは第7曲“夢のもつれ”!マシンのような指の高速回転の端々から無限にニュアンスが放たれ、静かな中間部から再びテーマに戻るまでの重量感の増減の妙に至っては、巨匠級の技と言っても過言ではありません。全てにおいて完璧なバランスを誇る彼女のピア二ズムにこれ以上磨きがかかったら、一体どんなことになるのでしょう!

ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番*、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番、
クラウディオ・アラウ(P) 1976年プラハの春ライヴ、
1978年エイヴァリ・フィッシャー・ホール・ライヴ*
 以上ステレオ
APR
APRCD-5632
“アラウ絶頂期の精神的高揚力!”
フォルムは終止無骨ながら、ベートーヴェンは初期の作品ならではの颯爽とした息吹きと気力がタッチの隅々に行き渡り、特に後半2つの楽章の絶妙なアゴーギクと呼吸の一体感、確信に満ちてリズムがしっかりと立ち上がる打鍵の魅力は筆舌に尽くしがたいほど。終楽章コーダ直前、一瞬テンポを落とすシーンの幻想性は、頑固なイメージの強いアラウだけ強く印象に残ります。録音もモノラルながらニュアンス豊かで良質。しかし、更に凄いのがブラームス!、アラウの75歳記念演奏会でのライヴ、客席で録音したもののようですが、よく響くホールのベスト・ポジションで録られたと思われるタッチの豊穣なニュアンスがスピーカーから溢れ出します!第1楽章の跳躍の高音の輝きと低音の轟かせ方は、これまたアラウのイメージを一新するほどの威力。第2主題の水の滴るような色彩と濃厚なロマンティシズムもまさにグランド・スタイルの大ヴィルトゥオーゾの技。第2楽章の瞑想的なニュアンスも必聴!辺りの空気が一瞬にして芳しい香りに包まれていることを想像させる求心力の高いピアニズムを堪能できます。3:50からのフレーズが大きな増幅を伴って現出する瞬間は、何という格調の高さ!第3楽章のリズムの壮絶なうねりも、絶頂期のアラウを象徴するもので、音の末端まで熱い芯が漲り、手に汗握ることしきり。精神的持久力は終楽章においても衰えることを知らず、それどころか、左右の声部が最高に凝縮した形でブリリアントに高揚する様を目の当たりにすると、この曲こそピアノ・ソナタの最高峰と讃えたくなります。



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