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器楽曲D



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デュカス/DUKAS
ピアノ・ソナタ、ドビュッシー:ベルガマスク組曲  
アレクサンダー・ヴァウリン(P) 1999年 デジタル録音
CLASSICO
CLASSCD-293
“ユボーの名盤以上に作品の持つ魔性を引き出した驚異のピアニズム!”
アレクサンダー・ヴァウリンは、モスクワ出身。フリエールなどに学んだ後、ウィーンに渡り、バドゥラ・スコダに師事。現在はデンマークに住み、後進の指導にも当たっています。演奏は、「ベルガマスク」を聴く限りでは、厳格かつ強靭といった印象。フランス物となると繊細さを優先するあまり音楽まで小さくしてしまうピアニストもいますが、彼のタッチは常に艶やかで、カロリー価の高い明確な筆致を絶やしません。1曲目から、通常のドビュッシーの淡い色彩とは異なり、内声まで生命が息づき、有名な「月の光」も感覚的な陶酔だけで終わりません。しかしこの「ベルガマスク」はほんの前菜に過ぎません。デュカスでは、真摯な音楽作りに加えて、ドロドロとした情感噴出力が全開となるのです!この曲は、ドビュッシーも賞賛を惜しまなかったデュカス唯一のソナタですが、初めてこの曲に触れる人も、曲そのものが持つ呪縛力に果敢に身を投入してのこの演奏で聴けば、いっぺんに虜になることでしょう。第1楽章で、低音部が執拗にアルペジョ風の伴奏を繰り返す中、右手が独特の跳躍音型を繰り返し、展開部では音楽が激烈に高揚。最後はまた最初の音型が再現され、ソナタ形式の枠ギリギリの中に、デュカスの極限のアイデアが散りばめられていますが、全ての要素をガッチリと連鎖させる手腕が見事。第3楽章の凶暴な打鍵の応酬は、ニコライ・ペトロフも真っ青!刹那的とも言える鋭利なタッチで怒り炸裂です。この8分間のためにヴァウリンはピアニストになったのではと思わせるほどの壮絶な意気込みで、聴く側も言葉を失います。終楽章は、フランツ・リスト的な黒光りの和声と鍵盤の隅々まで使い切って延々と大音響で続くドラマ。しかもその中にさりげなく憧れに満ちた歌心も挿入させるという離れ業は、ヴァウリンくらいのスタミナと精神力がなければ不可能でしょう。この曲の名盤としては、ジャン・ユボー盤が有名で、そのピアニスティックでセンス満点の演奏は、デュカス自身に学んだという権威性以上の魅力を誇っています。しかし、ヴァウリンを一度聴いてしまうと、lタッチの切れ、色彩の使い分け、内面の抉り出し方において、物足りなさは否めなくなってしまいます。「魔法使いの弟子」のあのウィットからは想像もできないこの大作の魅力を大胆にぶちまけた演奏として、これは必聴です!




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