湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



Evil Penguin Records
(ベルギー)


ベルギーに本拠地を置レーベル。インマゼールのほか、伝説のクラリネット奏者ブイケンス、さらにベルギーを中心に活躍する名手たちの録音など、興味深いラインナップ。


※表示価格は全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは全て1CDです。
品番 内容 演奏者
EPRC-001
(1CD+DVD)
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調op.115 ヴァルテル・ブイケンス(Cl)、
マリータ・コロセク(Vn)、
エリック・ベーテン(Vn)、
テレーゼ=マリー・ギリッセン(Va)、
リュック・デヴェズ(Vc)
ヴァルテル・ブイケンス・アンサンブル

録音:2006年10月
※付録DVDはPAL仕様です。
クラリネットの巨匠、ブイケンスの新録音です。付属DVD(PAL)には、ブイケンスの録音風景のほか、ブーレーズの「ドメーヌ」を初演する時の様子が収められています。
EPRC-002
ブイケンスによるフランセ
ジャン・フランセ:クラリネット協奏曲
オーギュスト・ヴェルベッセル(1919-):クラリネット協奏曲*
マルセル・ポート(1901-1988):クラリネット協奏曲#
ヴァルテル・ブイケンス(Cl)

録音:1974年、1984年*、1979年#
ジャン・フランセの超絶技巧協奏曲は、2009年の日本音楽コンクールの課題曲に指定されるなど、今なおクラリネット奏者にとって重要なレパートリー。ブイケンスの壮年期の録音が甦りました。ポートはデュカスにも師事したことのあるベルギーの作曲家。ブリュッセル音楽院で教授をつとめました。 (Ki)
■ヴァルテル・ブイケンス
ブイケンスは1938年にアントワープ近郊ボルネムに生まれたベルギーを代表する名クラリネット奏者。ブリュッセル王立音楽院に学んだ後、1964年以来ベルギー放送交響楽団(BRT)のソリストとなって活躍した(85年まで)ほか、1968年にはブーレーズの「ドメーヌ」のクラリネット版の初演を行うなど、現代作曲家の多くの作品を紹介し、その第一人者としての名声を確立している。1982年に初来日、伝説の名クラリネット奏者の一人となっています。
EPRC-003
(1CD+DVD)
ブクステフーデ&バッハ

■[ルーアンの大聖堂のオルガンでの演奏]
ブクステフーデ:トッカータヘ長調BuxWV157、
 天にましますわれらの父よBuxWV219、
 アリアBuxWV247、
 シャコンヌホ短調BuxWV160、
 今,我ら聖霊に願い奉るBuxWV208
バッハ:トッカータ、アダージョとフーガBWV564

■[ヴェルチュの教会のオルガンによる演奏]
ブクステフーデ:いざ来れ異邦人の救い主よBuxWV211、
 プレリュードト短調BuxWV148
バッハ:いざ来れ異邦人の救い主よBWV659、
 パッサカリアハ短調BWV582
ベンヤミン=ヨーゼフ・シュテーンス(Org)

※付録DVDはPAL仕様です。
ベルギー生まれのシュテーンスは、ランスのサン=レミ旧大聖堂などでオルガニストを務める実力派。テクニックの上でも解釈の上でも、これ以上ない演奏を聴かせてくれます。 (Ki)
EPRC-004
19世紀の珠玉の室内楽集
メンデルスゾーン:コンチェルトシュトゥックヘ短調op.113
カール・ベールマン:デュオ・コンチェルトop.33
アミルカーレ・ポンキエッリ:イル・コンヴェーニョ
ヴァルテル・ブイケンス(Cl)、
アンヌ・ブイケンス(Cl)、
マリータ・コロセク(Vn)、
エリック・ベーテン(Vn)、
テレーゼ=マリー・ギリッセン(Va)、
ルイス・アンドラーデ(Vc)、
マルク・ローゼンダンス(Cb)

録音:2008年
19世紀に書かれた、2つのクラリネットのための珠玉の室内楽作品集。メンデルスゾーンは、当時のクラリネットのヴィルトゥオーゾであったベールマン親子(父ハインリヒ、息子カール)のためのコンチェルトシュトゥックを作曲しました。カールは、父と共演するためにデュオ・コンチェルトを作曲しました。このディスクでヴァルテルと共演しているアンヌ・ブイケンスは、ヴァルテル・ブイケンスの娘。まさに理想のかたちでの演奏といえるでしょう。 (Ki)
EPRC-006
ヘンデル:フルートと通奏低音のためのソナタ集
ソナタロ短調HWV376
プレリュードホ短調(原曲嬰ヘ短調)HWV570
ソナタホ短調HWV375
プレリュードイ短調(原曲ト短調)HWV573
ソナタイ短調HWV374
ソナタホ短調op.1-1bHWV359b
プレリュードとアレグロト短調HWV574
ナタト長調op.1-5HWV363b
プレリュードロ短調(原曲ニ短調)HWV561
ソナタロ短調op.1-9HWV367b
ヤン・デ・ヴィンネ(バロックFl)
マルコ・テストーリ(バロックVc)
ロレンツォ・ギエルミ(Cemb)

録音:2009年
ヘンデルは、オーボエやリコーダーのためには数多くの作品を書いていますが、フルートのための作品はごくわずか。繊細かつドラマティックな、豊かな表情が魅力の充実した作品が並びます。ヴィンネはベルギー出身のフルート奏者。ギエルミとテストーリというイタリアの名手二人を通奏低音奏者に迎え、緊密なアンサンブルで貴重なヘンデル作品を見事に再現しています。 (Ki)
EPRC-007
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ベンヤミン=ヨーゼフ・シュテーンス(クラヴィコード)

録音:2009年
バッハは、自宅ではクラヴィコードを好んで弾いていたという記録がのこっています。クラヴィコードは楽器自体の構造が単純なため、奏者の意志がダイレクトに音となってあらわれる上、ヴィブラートなどの効果も思いのままに操ることができます。クラヴィコードによるゴルトベルク録音、作品の構築性と親密さ、衝撃性、すべてが新鮮に響きます! (Ki)
EPRC-008(DVD)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」

■ドキュメンタリー「ベートーヴェンの第5交響曲〜再発見」(39’21)
ジョス・ファン・インマゼール(指)
アニマ・エテルナ

収録:2009年9月22日ブリュッセル/コンサート・ノーブル・ダンスルーム
ベートーヴェンが生きていた当時、ロプコヴィッツ伯邸のホールでのプライヴェート・コンサートを再現する試み。観客はワイングラスを片手にゆったりとテーブルに着き、くつろいだ雰囲気の中、インマゼールとアニマ・エテルナがエッジの効いた演奏を展開しています。いつも私たちに新鮮な驚きを与えてくれるインマゼールの指揮姿がバッチリ収められているうえ、様々なオリジナル楽器を演奏する名手たちがアップで映されるという極めて興味深い映像です。ナチュラルホルンもまったく乱れのない気持ちの良い音で、アニマ・エテルナのメンバーのクオリティの高さを実感。ダンスホールということもあって、響きが大変豊か。管楽器の咆哮、ティンパニの轟き、弦楽器の響きもダイレクトに美しく響いています。★ドキュメンタリーもまた興味深いもの。リハーサル風景では、奇妙な声を発して、団員を笑わせるおちゃめなインマゼールも収められています。弦楽器奏者たちがヴィブラートの有無でいかに音質が変わるか実演し、管楽器奏者たちも自分の楽器の特質などについてわかりやすく話しています。インマゼールが団体の歴史について語り、また、団員がインマゼールについて語るのも興味津々。赤いマフラーをまとったインマゼールが、ウィーンのベートーヴェンゆかりの地を訪ね、様々な解説をしながら歩きます。また、冒頭の「運命が戸をたたく」というモティーフは、もともとはベートーヴェンの庭の鳥のさえずりだったというチェルニーの言葉を紹介しているなど、興味深い内容です。映像の最後で、インマゼールが、古楽器を演奏する意義についても語っており、演奏もドキュメンタリーも充実の内容となっています。 (Ki)
EPRC-009
(1CD+DVD)
プーランク:チェロ・ソナタ
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
メシアン:イエスの永遠性への讃歌(世の終わりのための四重奏曲より)
ジャクリーヌ・フォンテイン:6 つの気候

■特典映像DVD(PAL) ;約40分
ドビュッシー:チェロ・ソナタの演奏風景/リハーサル風景
ヤン・パス(Vc)、
ステファノ・ヴィスマラ(P)

録音:2008年9月
ベルギー生まれのチェリスト、ヤン・パス。18 歳という若さでモネ王立歌劇場のソロ・チェリストに任命され、その後シュトゥットガルトやバイエルン 歌劇場でも実力を発揮しています。そんなベテラン、ヤン・パスによるプーランク、ドビュッシーといったセンスが問われる作品のほか、同郷のジャクリーヌ・ フォンテインの作品集。ジャクリーヌ・フォンテインは、キャサリン・ヘプバーンの出演した映画「招かれざる客」の音楽を担当した人物。「6 つの気候」は、 ドビュッシーへのオマージュ的作品でありながら、メシアンの緻密さをも想起させる雰囲気の作品で、このアルバムを締めくくるにふさわしい作品です。 (Ki)
EPRC-010
ハーバート・ハウエルズ:フル・ムーン
パーセル:FROM LOSY BOW’RS
キャンピオン:THE CYPRESS CURTAIN OF THENIGHT
カプスベルガー:第1トッカータ
フェフリー・ブルゴン:この月の美
 通りで泣いている娘よ/オルフェウス
 ララバイ/Xに/夜通しの愛撫
ダウランド:プレリューディウム
 暗闇で考えらせて
 天文学者のなんと哀れなことか
ロリー・ボイル:二つの愛の抒情詩
パーセル:I’ll sail upon the dog star
シューマン:月夜
モーツァルト:ラウラに寄せる夕べの想い
ローレンス・ザゾ(C.T)
野入志津子(Lute)
ヤーコプスのオペラなどでも活躍目覚ましいカウンターテナー、ローレンス・ザゾのソロ・アルバム。ザゾは、声楽には特に厳しいルネ・ヤーコプスから、「同世代でもっとも多才なカウンターテナー」と認められた実力の持ち主。ここでは、リュートと声のみによる演奏で、繊細な表情を聴かせます。ダウランド、パーセルのほか彼らの同世代による、狂気、そして真夜中をテーマとした作品をあつめており、人の心の光と闇を静かに照らす月夜のような、静謐でどこか妖しげな世界を展開しています。リュートを務めるのは、古楽アンサンブル、レ・プレジール・ドゥ・パルナッスのメンバーでもある野入志津子。野入もまたヤーコプス指揮のオペラでの経験も豊富の名人。二人が展開する月夜の世界にじっくりと耳を傾けたい1枚です。 (Ki)
EPRC-011
バッハ一族による作品集
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795):チェンバロ・オブリガートとフルートのための6つソナタ〜ハ長調(1777)
C.P.E.バッハ:チェンバロのための幻想曲ハ長調H291
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)(C.P.E.バッハ作?):チェンバロ・オブリガートとフルートのためのソナタ.ト短調BWV1020 
W.F.バッハ(1710-1784):チェンバロのためのソナタイ短調
C.P.E.バッハ:チェンバロ・オブリガートとフルートのためのソナタ.ハ長調WQ87
ヨハン・セバスティアン・バッハ:プレリュード、フーガとアレグロBWV998
ヨハン・セバスティアン・バッハ(C.P.E.バッハ作?):オブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ変ホ長調BWV1031
ベンヤミン=ヨーゼフ・シュテーンス(クラヴィコード)
ジャック=アントワーヌ・ブレッシュ(Fl)

録音:2011年
大バッハとその息子達による豪作品の共演。バッハ一族の中で、どのように音楽の流れが受け継がれていったのかを網羅している一枚です。繊細ながらも表情とダイナミックさに富んだ楽器、クラヴィコードは、特に18世紀のドイツを中心に人々に愛され、特にバッハが熱烈に支持していたクラヴィコードとバロック・フルートによる演奏です。クラヴィコードは楽器自体の構造が単純なため、奏者の意志がダイレクトに音となってあらわれる上、ヴィブラートなどの効果も得ることができます。当時の文献(クヴァンツやC.P.E.バッハらが残しています)でいう「鍵盤楽器」は、第一にはチェンバロを指しますが、しかし、チェンバロはもちろん、当時の最先端だったフォルテピアノといった楽器は、まだまだ市民の手には届かない高嶺の花でした。当時の人々に最も広く愛されていたクラヴィコードで、これらのフルートと鍵盤楽器のための演奏したこのディスクは、実は当時の人々が耳にしていた音楽の姿なのかもしれません。
ベルギー生まれのシュテーンスは、ランスのサン=レミ旧大聖堂などでオルガニストを務める実力派。テクニックの上でも解釈の上でも、これ以上ない演奏を聴かせてくれます。ブレッシュは、フランスの国立地方音楽院時代にすでにレコーディングで賞を受けており、主にバロック時代の作品を中心に取り組んでいます。数々の著名な音楽祭に招かれるとともに、日本のアンサンブルとも共演を重ね、好評を博しています。 (Ki)

EPRC-012
(2CD+DVD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)

使用楽器:第1 - 5番:Pieter Rombouts, 1710年/第6番:ピッコロ・チェロ(18世紀、製作者不明)
ピッチ:392

録音:2012年6月9-14日/セレンデピトゥス・スタジオ(ベルギー)
DVD収録:オックスフォード、聖マグダレンカレッジ

[ ボーナスDVD]
NTSC/DVD/ 16:9
リージョンフリー
Dolby digital 2.0 & 5.1
字幕:蘭・仏・独(DVD言語:英語)52’
濃厚な感情、力強く魂に響く音色。ウィスペルウェイ、3度目のバッハが登場。今年50歳(1962年9月25日生まれ)、知命をむかえ、過去の2度の録音(1989,90年および1998年)から10年以上の時を経て、ますます充実著しいことを感じさせる録音です。これまでに使用していた楽器とは違う 新しい楽器、さらにピッチも392(バッハのケーテン時代、ケーテン宮廷のピッチ)、いわゆるカンマートーンに合わせたことにより、音の振幅は格段に広 くなり、その音色はより雄弁なものとなっています。さらに、今回の演奏にあたり、バッハ研究家でヴィオール奏者でもあるローレンス・ドレイフュスとジョ ン・ブットからも様々なインスピレーションを得ました。これまでに約1000回この作品を演奏会でとりあげたウィスペルウェイ自身、「かつて経験したこ とのないような領域に入ったように感じる」と語っています。
バッハがチェロ1本のために書いたこの組曲の単旋律には、分解してみればいくつもの声部が内在していますが、それだけではなく、「過去と現在、弾 き手と聴き手、そして何よりもバッハ本人との対話」といった複数の声が存在している、とウィスペルウェイは語ります。舞曲に則って書かれたこの組曲で すが、ウィスペルウェイの演奏は、舞曲を思わせるというよりも、深くたっぷりとした息遣いで、旋律、モティーフの一つ一つを実に生々しく響かせたもの。 濃厚な感情が込められた力演です。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェイだからこ そ達することのできた領域だといえるでしょう。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェ イだからこそ達することのできた高みにある演奏です。
歴史ある聖マグダレンカレッジでの演奏風景や、ドレイフュス、ジョン・ブットのバッハ観などをたっぷりと収録したボーナスDVDも、ウィスペルウェイ という芸術家の横顔を伝えてくれます。 (Ki)
EPRC-013
マーラー:「子供の不思議な角笛」による歌曲全曲
死んだ鼓主/ラインの伝説
たくましい想像力
私は緑の中を楽しく歩いた
別離と忌避/番兵の夜の歌/外へ外へ!
シュトラスブルクの砦に
塔の中の囚人の歌/むだな骨折り
うぬぼれ/不幸なときの慰め
少年鼓手/夏に小鳥はかわり
この世の生活
魚に説教するパドゥヴァの聖アントニウス
いたずらな子をしつけるために
もう会えない/3人の天使がやさしい歌をうたう
だれがこの歌を作ったのだろう
美しいトランペットが鳴り響く所
高い知性への賛美/原光
ディートリヒ・ヘンシェル(Br)
ボリス・ベレゾフスキー(P)

録音:2012年5月22-27日ロッテルダム
子供の不思議な角笛」は、ブレンターノらが収集したドイツの民衆歌謡。マーラーは、この歌詞に基づいた歌曲を多数作曲(歌曲全体の約半数)しており、 これらは歌曲集「若き日の歌」、「子供の魔法の角笛」、「最後の7つの歌」にばらばらに収められています。 ヘンシェルは、マーラーが、自作の「子供の不思議な角笛」による歌曲に統一性をもたせていたかどうかはわからなけれど、これらの底に横たわる共通の ドラマトゥルギーのようなものを発見できるのでは、と考え、「子供の不思議な角笛」の歌曲だけを集めて録音を行いました。「子供の不思議な角笛」の 歌詞自体は一見すると平易ですが、その背後には不気味な闇が広がっています(マーラーの音楽はまさにこの闇に焦点を当てているといえるでしょう)。 詩の内容が戦いであれ、おとぎばなしであれ、愛についてであれ、これらの詩は、すべての幸せは不幸と表裏一体、禍福は糾える縄のごとし、的要素が あります。ベレゾフスキーの懐が深く情景感たっぷりのピアノが、さながらオーケストラのように大きなうねりとなって、ヘンシェルが歌う詩の世界を見事 に増幅させています。 (Ki)
EPRC-014
(1CD+DVD)
ヴォルフ:歌曲集
メーリケ詩集より
 「聖受難週間」、「古い絵に(古画に題す)」、「時は春」、「新しい恋」、「春に」、「眠れる幼子イエス」、「ためいき」、「なぐさめはどこに?」、「祈り」、「ヴァイラの歌」、「思え、おお魂よ」、「眠りに寄す」
スペイン歌曲集より
 「主よ、この地に何が実るのでしょうか」、「愛する者よ、あなたは傷を負った」(オーケストラ編曲:ストラヴィンスキー)

【DVD】
「Irrsal-Forbidden Prayers (狂気の-禁じられた祈祷者たち)」
ディートリヒ・ヘンシェル(Br)
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)
ロイヤル・フランダースPO

録音:2013年6月29,30&7月1日/AMUX、アントワープ(セッション)

DVD: NTSC
(Region ALL)
Dolby digital
2.0 & 5.1/16:9/56’
人にして聖職者のメーリケの強烈で深遠な詩の世界は、ヴォルフの心を強くひきつけました。ヴォルフの重要歌曲のほとんどはメーリケの詩によるもの といえるでしょう。ヘンシェルは、このヴォルフの作品がメーリケの詩の世界を究極のかたちで音楽化しているとし、メーリケ詩集からの作品を中心に選曲、 ヘレヴェッヘの指揮のもと真摯に歌っています。メーリケの詩を、ヴォルフがさらに深いものにした、濃密な音楽の世界が展開されています。同時に、この ヴォルフの歌曲の世界をより深く聴き手に体験してほしいと、気鋭のディレクター、クララ・ポンスと組み、「Irrsal-Forbidden Prayers (狂気の-禁じら れた祈祷者たち)」というタイトルで、官能的、あるいは神秘的な愛、さまざまなかたちの愛の世界をさすらうメーリケの詩の世界を映像で描いています。 (Ki)
EPRC-015
フォーレ:「レクイエム」(1893年稿)
グノー:「アヴェ・ヴェルム」「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」*
エルヴェ・ニケ(指)
ブリュッセル・フィルハーモニックのメンバー
フランダース放送Cho

録音::2014年4月10-12日、2013年6月18-21日*
フォーレのレクイエムは、1888 年から 1900 年の間に 3 つの稿で演奏されました。まず、オリジナルの「マドレーヌ稿」は、1888 年実際の儀式で演 奏されたもので、〔入祭唱とキリエ、サンクトゥス、ピエ・イエス、アニュス・デイ、イン・パラディスムの 5 曲構成/ソプラノ独唱、合唱、ヴィオラ、チェ ロ、コントラバス、ハープ、オルガン〕という構成。2 つ目が、「1893 年稿」は、1888 年版の楽曲に、リベラ・メと奉献唱が追加、バリトン・ソロと管 楽器が加わります(この稿は、ヘレヴェッヘによる録音でも広く知られています (HMG.501292))。そして 3 つ目が、1900 年に演奏されたのが現在一 般的に演奏されるのと同じオーケストラ編成の稿。エルヴェ・ニケは、1893 年の稿を足がかりに演奏を行っています。
研究熱心でありながら柔軟な発想を持つエルヴェ・ニケ。「ピエ・イエス」を、ソプラノ・ソロではなく、合唱のソプラノのユニゾンで演奏しています。 このことついて、ニケは、実際の葬儀での演奏のように非常に個人的な雰囲気を出したかったから、と語ります。「実際のレクイエムは、亡くなった人(あ るいはその家族)の資金で演奏されます。すべての人が、器楽奏者、合唱に加えてソプラノ・ソロを一人雇うことができたとは考えられない」こと、また、「オ ランダ放送合唱団が非常に素晴しいクオリティである」ことも理由として挙げています。この 1893 年稿で追加されたリベラ・メは、稿の通り、バリトン・ ソロで演奏しています。
カップリングは、グノーの宗教作品。グノーというと、アヴェ・マリアと、オペラ「ファウスト」「ロメオとジュリエット」ばかりが有名ですが、彼の本領 は宗教作品に発揮されています。その頂点が、「十字架上のキリストの最後の 7 つの言葉」。1858 年に無伴奏合唱のために書かれ、1866 年に改訂され ました。パレストリーナのように複雑な対位法に則っており、「厳格な様式を貫いても、美しい音楽を書くことは可能だし、人間の情熱の制御不能な激し さを描くこともできる」とグノーは述べています。 【エルヴェ・ニケ(指揮)=プロフィール=】 フランス生まれ。ピアノ、オルガン、合唱指揮を学び、16 歳から古楽を研究。17 歳で指揮法をピエール・カオに師事、1980 年パリ・ オペラ座の合唱 指揮者に就任。1985 年にはモンテカルロ・バレエの開幕に際し、モナコ王女からバレエ作品を委嘱される等、作曲家としても活躍。1987 年ルイ王朝 時代の有名な演奏協会にちなんだオーケストラ「ル・コンセール・スピリテュエル」を創設。当時のレパートリーを現代に蘇らせた彼らは、世界の主要ホール、 音楽祭に招聘されて高い評価を獲得し、日本公演でも大きな話題となりました。チェンバロ、オルガンの名手でもあり、多種多彩な録音を発表、世界中で、 指揮者、器楽奏者として演奏会を開催しています。2009 年、フランスのロマン派音楽センター(ヴェニスのパラッツェット・ブル・ザーネ)設立に携わり、 これがきっかけでフランダース放送合唱団およびブリュッセル・フィルとの関係が始まりました。2011 年よりフランダース放送合唱団の首席指揮者を務め ています。このフォーレを皮切りに、EVIL PENGUIN RECORDS から、ブラームスやデザンクロらのレクイエムやミ佐曲など、5 枚の発売される予定となっ ています。 以下のリンクから、このレクイエムの録音に関するミニ・ドキュメント(言語:英語/日本語字幕なし)がご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=NCnO_HU7tQA  (Ki)
EPRC-0016
シューベルト:冬の旅 ヤン・ファン・エルザッカー(T)
トム・ベギン(P)
EPRC-0017
チャイコフスキー:ロココ主題による変奏曲 op.33(オリジナル版)
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 イ長調 WQ 172
ストラヴィンスキー:イタリア組曲(チェロと弦楽オーケストラによる/B.ウォルフィッシュ編(1979))
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc/ジョヴァンニ・バッティスタ・グァダニーニ(1760))
ジョナサン・モートン(指&Vn)
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
録音:2013 年 1 月15-18 日、ヴィンタートゥール・シュタットハウス(スイス)
独創的な音楽と完璧なテクニックで世界を魅了しているオランダのチェリスト、ピーター・ウィスペルウェイ、バッハの無伴奏チェロ組曲に続くEVIL PENGUIN RECORDSからの第2弾の登場です。C.P.E.バッハのロココ風スタイル、チャイコフスキーの「ロココ」主題、そしてバロック〜ロココ時代 の作品に影響を受けて書かれた「プルチネッラ」に基づくストラヴィンスキーのイタリア組曲、という、「ロココ」という言葉を軸に編まれたプログラムとなっ ています。
チャイコフスキーのオリジナル版を採用した「ロココ変奏曲」は典雅な部分はエレガントに、テンポの速い変奏は非常にアグレッシヴにと、変幻自在に 聴かせます。C.P.E. バッハは、生き生きとしたオーケストラにのって、ウィスペルウェイもパワー全開で演奏しています。ストラヴィンスキーの「イタリア組 曲」はチェロ独奏と弦楽アンサンブル伴奏のための編曲で、この作品のバロック性が強調されたもの。ウィスペルウェイ独特の力強さが際立つ民俗舞曲風 の第3楽章や、超絶技巧のタランテラ、そして終曲の盛り上がりなど、期待を裏切らない出来栄えです。
ジョナサン・モートン(指)は、スコティッシュ・アンサンブルのリーダーで、ロンドン・シンフォニエッタの第1ヴァイオリン奏者。音楽監督、そし てアンサンブルのリーダーとして、英国を中心にヨーロッパで活躍している存在です。 ヴィンタートゥール・ムジークコレギウムは1629年に設立された伝統あるアンサンブル。総勢約50名で結成されています。近年の首席指揮者には、メ スト(1987-1990)、フュルスト・ヤーノシュ(1990-1994)、ハインリヒ・シフ(1995-2001)、ジャック・ファン・ステーン(2002-2008)らがおり、 2009年からはダグラス・ボイドが首席指揮者を務めています。ジャニーヌ・ヤンセンやアンドラーシュ・シフといったソリストをゲストに迎えての演奏会も行っ ている、格式あるアンサンブルです。 (Ki)
EPRC-018
シューベルト:幻想曲ハ長調 D 934
レーガー:3つの無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 op.131c-1よりアダージョ
ブラームス:ソナタ 変ホ長調 op.120-2(原曲:クラリネット・ソナタ第2番の作曲者自身によるヴィオラ編曲版)
レーガー:3つの無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 op.131c-2よりラルゴ
シューベルト:ソナティナ第3番 ト短調 D 408(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc/1760 年ジョヴァンニ・バッティスタ・グァダニーニ、弓/1710 年ロンバウツ・バロック弓)
パオロ・ジャコメッティ(P/モダン・スタインウェイ)

録音:2014年10月、2015年2月/ベルギー、メヘレン、セレンディピトゥス・スタジオ
シューベルトとブラームスの、デュオ(室内楽)をすべて録音(全部で5枚のCDになる予定)するという注目プロジェ クトの第1弾です。シューベルトのファンタジー ハ長調や、シューベルトのソナティナに至っては約20年ぶりの再録音となりますが、名曲クラリネット・ ソナタ第2番のヴィオラ版に基づくものなど、今回新たに収録するものも含みます。ピアニストには長年共演を重ねている名手ジャコメッティを迎え、まさ に万全の態勢で臨んだプロジェクトといえるでしょう。レーガーの無伴奏が挿入されているというのも興味深いところです。ブラームスとシューベルトへの 愛とその作品への深い洞察に満ちており、感情が生々しく伝わってくるよう。ウィスペルウェイの充実ぶりを実感します。 (Ki)
EPRC-019
ブラームス:ドイツ・レクイエム エルヴェ・ニケ(指)
ブリュッセル・フィルハーモニック、
フランダース放送Cho
ローレ・バイノン(S)
タシス・クリストヤニス(Br)
鬼才エルヴェ・ニケが、フランダース放送合唱団を率いてのレクイエム・シリーズ。第2弾はブラームスのドイツ・レクエイムです。ロベルト・シューマ ンの追悼が作曲の動機であったとされるドイツ・レクイエムは、ルターのドイツ語訳聖書を台本にしたオーケストラと合唱、およびソプラノ・バリトンの独 唱による作品です。研究熱心でありながら柔軟な発想を持つエルヴェ・ニケはこの作品でも親密な空気もあわせもった演奏を披露しております。当シリー ズでは既に発売されているフォーレ(EPRC 015)のほかに今後モーツァルト、デザンクロらの作品がリリースされる予定です。 (Ki)

EPRC-020
Lignes claires〜光の線
ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ
 クープランの墓
リパッティ(1917-1950):夜想曲、
 左手のためのソナチネ
ジュリアン・リベール(P)

録音:2013年8月&2015年8月
ベルギーが生んだ俊英ピアニスト、ジュリアン・リベール。ピリスの秘蔵っ子でもあります。「完璧な音楽家。いかなる音楽の瞬間にも、作品への真の理解、 微細なものに対しての知的なアプローチと間違いない本能を統合することができる」とピリスが絶賛するリベールは1987年生まれ。リベールは6歳でピ アノを始め、ピリスとの出会いをきっかけに、世界的に活躍の場を広げることとなりました。 このアルバムでは、ラヴェルとリパッティの作品を収録。二人の天才は完璧主義で非常に自己に対して厳しかったという共通点(光の線)で結ばれている とリベールは語っています。リベールの真摯な音楽性が光る1枚です (Ki)
EPRC-0021
シューベルト&ブラームスデュオ全曲シリーズ第2弾
シューベルト
:「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲 D.802, op.160(原曲:フルートとピアノ)
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 op.38
シューベルト:ソナチネ.イ短調 D.385, op.137-2(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc/J.B. Guadagnini (1760, Parma))
パオロ・ジャコメッティ(P/Steinway & Sons grand model D 598853)

録音:2015年2、8月
力強さと精巧さを兼ね備えたオランダの名チェロ奏者ウィスペルウェイ、新譜の登場。シューベルトとブラームスの、デュオ(室内楽)をすべて録音(全 部で5枚のCDになる予定)するという注目プロジェクトの第2弾です。
「しぼめる花」はもともとフルート作品で、チェロでの録音は世界初。悲しくも美しい旋律はチェロで奏でても実にしっくりきます。シューベルトのソナ チネも、さまようようなハーモニーと転調が印象的で、同時にリリシズム、そしてドラマに満ちた作品ですが、ウィスペルウェイの雄弁な語り口と、ジャコ メッティの精巧なピアノで聴くアンサンブルは実に見事です。ブラームスのソナタは、冒頭からさすがの出来栄え。終楽章のバッハの「フーガの技法」に基 づいたフーガはウィスペルウェイの真骨頂、迫力ある堅固な建造
物が目の前に現れます。ウィスペルウェイの芸術がますます深まっていることに感じ入る1 枚です。 (Ki)
EPRC-0022
ブラームス:ソナタ.イ長調 op.100(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
シューベルト:ソナタ.イ長調 D574、Op.post.162(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
ブラームス:チェロ・ソナタ.ヘ長調 op.99
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
パオロ・ジャコメッティ(P)

録音:2016年4月
力強さと精巧さを兼ね備えたオランダの名チェロ奏者ウィスペルウェイ。シューベルトとブラームスのデュオ(室内楽)の全曲録音プロジェクト、第3 弾の登場です。 ブラームスのチェロ・ソナタop.99とヴァイオリン・ソナタop.100は、ブラームスが最も幸せな時を過ごした1886年夏、トゥーン湖での日々に書か れました。イ長調のヴァイオリン・ソナタop.100はチェロで聴いてもたぐいまれなる名曲であることを実感。ヘ長調のソナタop.99も、アーティキュレー ションやハーモニーが際だたせられた、ウィルペルウェイならではの演奏といえるでしょう。ジャコメッティの精巧かつ重厚なピアノがウィスペルウェイのブ ラームス観をより深いものにしています。シューベルト作品もウィスペルウェイのヴィルトゥオジティとふくよかながらも甘すぎない歌いまわしが絶妙にマッ チした演奏となっています。 (Ki)
EPRC-0023
ボッケリーニ:コンサート・アリア集
Caro padre, a me non dei
Care luci, che regnate
Se non ti moro allato
Misera, dove son! - Ah! non son io che parlo
Deh, respirar lasciatemi
Tu di saper procura
Se d'un amor tiranno
ア マリリス・ディー ル ティエンス(S)
バルト・ネッサンス(指)
カプリオラ・ディ・ジョイア

録音:2016年10月
オペラや古楽シーンで活躍しているアマリリス・ディールティエンスと、彼女が設立したアンサンブル「カプリオラ・ディ・ジョイア」(17世紀およびバロッ クの音楽をレパートリーの中心に据えて活動)によるボッケリーニのコンサート・アリア集。ボッケリーニは自身チェロの大名人であったこと、また、器楽 作品が好きな貴族に仕えていたため、その作品の大部分は器楽作品。声楽作品はまだまだ知られざるもので、このディスクは貴重な1枚といえるでしょう。 1786-97年の間に、ボッケリーニは12のコンサート・アリアをひとつの手稿譜にまとめています。これらが何の機会のために作曲されたかは明らかであ りませんが、すべて当時大人気のリブレッティスト、メタスタージオのテキストに基づいていることなどから、ボッケリーニはこれらをひとまとまりとして考 えていたとされています。複雑さや衒学的な部分はまったくない、美しい旋律を純粋に楽しめる作風で、声楽パートと器楽パートが同等に扱われています。 アマリリス・ディールティエンスの少しコケティッシュなところもある声質が、ボッケリーニの音楽に実に適しています。 (Ki)
EPRC-0024
メンデルスゾーン:モテット&ピアノ三重奏曲
詩篇第2編「なにゆえ、国々は騒ぎ立ち」op.78-1
キリエ・エレイソン MWV B57
いと高きところ神に栄光あれ
ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 op.66
詩篇第43編「神よ、あなたの裁きを望みます」op.78-2
Heilig ist der Gott Zebaoth MWV B57
・全地よ、主にむかって喜ばしき声をあげよ op.69-2
チェロ・ソナタ.ニ長調 op.58より第3楽章アダージョ
エルヴェ・ニケ(指)
フランダース放送cho
ペッカ・クーシスト(Vn)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
アラス デ ー ル・ビ ートソン(P)

録音:2016、2017年
エルヴェ・ニケとウィスペルウェイが紡ぐ、メンデルスゾーンの世界。ニケ指揮によるモテット集と、ウィスペルウェイ参加の室内楽、という組み合わせです。 20歳でバッハの「マタイ受難曲」をバッハの死後初めて演奏したメンデルスゾーン。その生涯にわたって、バッハはメンデルスゾーンにとって重要な作曲家 でした。当アルバムでは、バッハ、および先人たちの影響が様々に見られる宗教声楽作品と、同じくバッハも用いたコラールを作品に織り込んだ室内楽作 品という組み合わせ。モテットはニケ率いる名門フランダース放送合唱団、室内楽は、ウィスペルウェイの盟友、フィンランドのヴァイオリン奏者ペッカ・クー シストと、スコットランドのピアニスト、アラスデール・ビートソンを迎えた豪華布陣です。
ここに収録された宗教作品はすべて無伴奏合唱によるもので、美しい和声と見事な書法による透明感のある世界が魅力。詩篇第2編「なにゆえ、国々 は騒ぎ立ち」op.78-1は二重合唱のための作品で、一連のクリスマス礼拝の音楽として書かれました。バロック時代の語法である、喜びをあらわす付点 のリズムなど、メンデルスゾーンの先人達の作品の研究の成果ともいえる、美しい作品です。
ピアノ三重奏曲第2番は、あのヴァイオリン協奏曲を完成させたのと同時期、そしてオラトリオ「エリア」にとりかかっていた充実した時期に書かれたもの。 終楽章ではバッハがカンタータ第130番(聖ミカエルの祝日のためのカンタータ)でも用いたコラール旋律が聴かれる傑作です。ディスク最後に収録され ているチェロ・ソナタ第2番のアダージョもバッハのヨハネ受難曲のアルトのアリア「成し遂げられた!」の和声進行で始まる美しい楽曲で、全体としてバッ ハへのオマージュ的アルバムともいえるでしょう。 (Ki)
EPRC-0025
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
ピアノ・ソナタ第31番 イ長調 op.110
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
トム・ベギン[P/ジョン・ブロードウッド&サンズ(ロンドン、1817年、シリアル番号7362)のレプリカ(クリス・メーネによる2013年製)]

録音:2016年7月19-21日
1818年、ブロードウッドのピアノがベートーヴェンのもとに届きました。ベートーヴェンはこのピアノを生涯気に入りましたが、晩年ベートーヴェンは 難聴に苦しみました。1820年、ピアノ製作者のアンドレ・シュタインが、地元のブリキ職人の協力を得て、巨大な「Gehoermaschine(聴くための機械、 補聴装置)」を作らせました。このベートーヴェンの装置を再制作し、ベートーヴェンの晩年のソナタを録音するプロジェクトに乗り出したのが、トム・ベギン。 18世紀のピアノ作品を演奏、研究し、書籍も発行しています。トム・ベギンは、ベートーヴェンの会話帳の記述などを元に、協力を得て、ジャケットにあ るような装置を作り出しました。時に倍音などの振動が、装置を通じて奏者の指にまで伝わることもあったといいます。ベートーヴェンの創造の軌跡を追 う貴重な試みです。 (Ki)

EPRC-0027(2CD)
新装再発売
バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲) ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
使用楽器:第1 - 5 番:Pieter Rombouts, 1710 年/第6 番:ピッコロ・チェロ(18 世紀、製作者不明)
ピッチ:392

録音:2012 年6 月9-14 日/セレンデピトゥス・スタジオ(ベルギー)
濃厚な感情、力強く魂に響く音色。ウィスペルウェイ、3 度目のバッハ。過去の2 度の録音(1989,90 年および1998 年) から10 年以上の時を経て、 50歳目前での満を持しての3度目の録音で、ますます充実著しいことを感じさせる内容です。これまでに使用していた楽器とは違う新しい楽器、さらにピッ チも392(バッハのケーテン時代、ケーテン宮廷のピッチ)、いわゆるカンマートーンに合わせたことにより、音の振幅は格段に広くなり、その音色はより 雄弁なものとなっています。さらに、今回の演奏にあたり、バッハ研究家でヴィオール奏者でもあるローレンス・ドレイフュスとジョン・バットからも様々 なインスピレーションを得ました。これまでに約1000 回この作品を演奏会でとりあげたウィスペルウェイ自身、「かつて経験したことのないような領域に 入ったように感じる」と語っています。
バッハがチェロ1 本のために書いたこの組曲の単旋律には、分解してみればいくつもの声部が内在していますが、それだけではなく、「過去と現在、弾 き手と聴き手、そして何よりもバッハ本人との対話」といった複数の声が存在している、とウィスペルウェイは語ります。舞曲に則って書かれたこの組曲で すが、ウィスペルウェイの演奏は、舞曲を思わせるというよりも、深くたっぷりとした息遣いで、旋律、モティーフの一つ一つを実に生々しく響かせたもの。 濃厚な感情が込められた力演です。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェイだからこ そ達することのできた領域だといえるでしょう。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェ イだからこそ達することのできた高みにある演奏です。
※当盤発売に伴い、ボーナスDVDつき旧盤(EPRC.012およびKKC.5246)は廃盤となります。
EPRC-0028
シューベルト:ロンド ロ短調 op.70 D895(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
ブラームス:ソナタ ニ長調 op.78(原曲:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 op.78)
ブラームス:ソナタ ヘ短調 op.120-1(原曲:クラリネット・ソナタ ヘ短調 op.120)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
パオロ・ジャコメッティ(P)

録音:2017年2月15-17日、ライデン
ウィスペルウェイとジャコメッティによる、シューベルトとブラームスのデュオ(ピアノとその他の楽器)の全曲録音プロジェクト、第4弾の登場です。
ウィスペルウェイとジャコメッティによるシューベルトは、どこか鬼気迫るような緊迫感。軽やかでリズミカルなはずの楽章もどこか狂気すら感じさせる 演奏です。終盤の超絶技巧も鮮やか。新しい「ロンド」の登場といえるでしょう。ブラームスのヴァイオリン・ソナタはチェロで演奏するにあたり移調して 演奏されていますが、この作品が持つ世界がまた一段と深くなって響いてくるようです。クラリネット・ソナタも息の長い歌い回しとウィスペルウェイの作 品の本質を突くような音色にはっとさせられる瞬間の連続。ウィスペルウェイの音楽がますます深まり、研ぎ澄まされていることを感じる1枚です。 (Ki)
EPRC-0029
「Lignes Paralleles(平行の線)」
ハイドン:交響曲第49番ヘ短調
ディヌ・リパッティ:古典様式によるピアノ・コンチェルティーノ op.3
モーツァルト:ピアノ協奏曲 変ロ長調 第27番 KV 595
ジュリアン・リベール(P)
レ・メタモルフォーゼス(管弦楽)
ラファエル・ファイユ(指)

録音:2018 年 6月
ベルギーのピアノの神童ジュリアン・リベールによる、「18世紀」を象徴する作品集。モーツァルトのピアノ協奏曲第27番のほか、リパッティの古典スタイル によるピアノ・コンチェルティーノ、そしてハイドンの交響曲「受難」という興味深いプログラムです。 リパッティ(1917-1950)の古典様式によるピアノ・コンチェルティーノは、1936年、まだリパッティが10代で、コルトーの下で学んでいた頃の作品。1938 年にミュンシュの指揮でリパッティ自身のピアノで初演されています。4楽章からなり、ピアノと管弦楽のからみが美しい古典派を思わせる作品です。レ・メタモル フォーゼスは新設のアンサンブルで、彼らの実力を知らしめるハイドンの交響曲第49番も見事です。リパッティ作品での繊細な管弦楽も聞きものです。 (Ki)
EPRC-0030(2CD)
シューベルト&ブラームス:デュオ作品全集 vol.5
[CD1]
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 op.78、
 ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 op.108
[CD2]
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821、
 ソナタ(ソナチネ) op.137-1/ D384
ブラームス:スケルツォ(F.A.E.ソナタより)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc/ガダニーニ1760年)
パオロ・ジャコメッティ(P/スタインウェイ)

録音:2018年5月23-25日&11月27-29日、ライデン
ウィスペルウェイ&ジャコメッティによる、シューベルトとブラームスのデュオ作品を録音するプロジェクト、ついに完結編の登場です!
ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番は原曲はト長調ですが、この作品をチェロで演奏する場合、パウル・クレンゲルによる編曲(ジムロック社 からブラームスの生前に出版)のニ長調に準拠することが多いです。原調のト長調による録音はきわめて珍しく、貴重。ウィスペルウェイ自身大好きだ という第 1 楽章の冒頭から、ウィスペルウェイの愛情のつまった音色に心をわしづかみにされるよう。ジャコメッティとのアンサンブルも素晴らしいも のがあります。アルペジオーネ・ソナタも、ウィスペルウェイの美しい音色とリズムに酔う名演となっています。 (Ki)
EPRC-0034
リメインズ(遺物)
(1)ストラヴィンスキー:イタリア組曲
(2)アウエルバッハ:24の前奏曲〜第2番イ短調/第3番ト長調/第4番ホ短調/第8番嬰ヘ短調/第10番嬰ハ短調/第11番ロ長調/第14番変ホ短調/第15番嬰ハ長調
(3)シューベルト:幻想曲ハ長調D.934
ジョラント・ド・マエヤー(Vn)、
ニコラース・ケンデ(P)

録音:2019年7月19-21日フラジェ、スタジオ1(ブリュッセル)
1984年ブリュッセル生まれの女性ヴァイオリニスト、ジョラント・ド・マエヤーと1981年アントワープ生まれのピアニスト、ニコラース・ケンデは 2003年以来コンビを組み活動していますが、2016年リリースの「クロイツェル・ソナタ」に次ぐ第2弾アルバム「リメインズ(遺物)」が登場。急激に変 化する世界に過去の遺物がどのように刺激を与え、影響を与えているかを作品で描いています。
ストラヴィンスキー、レーラ・アウエルバッハ、シューベルトの3作がとりあげられています。ストラヴィンスキーの「イタリア組曲」はイタリア・バロック の旋律素材に基づくバレエ「プルチネッラ」を、友人のヴァイオリニスト、ドュシュキンの助けでヴァイオリンとピアノの作品に編曲したもの。アウエルバッハ の代表作「24の前奏曲」はバッハからショパン、スクリャービン、ショスタコーヴィチへ続く伝統を今日の感覚で蘇生させたもの。ストラヴィンスキー は革命時にロシアから亡命した最初のひとり、アウエルバッハは旧ソ連から亡命した最後のひとりで、さらにアルエルバッハは身寄りのないアメリカでまず世 話になったのがストラヴィンスキーの息子という深い因縁も含んでいます。どちらも生まれ育ったロシアとの切れぬ縁を感じさせます。
シューベルト最晩年の大作「幻想曲」には初期の歌曲「キスを送らん」に基づく変奏が含まれています。これもシューベルトが人生の最後に、若き日の甘 い遺物をふたたび夢見るようで感慨深いものがあります。マエヤーとケンデのフレッシュな演奏が光ります。 (Ki)
EPRC-0035
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
アントニオ・カルダーラ(1670-1736):キリストの足元のマッダレーナ(マグダレーナ)より
”Per il mar del pianto mio(私の涙の海に)”
”Pompe inutili(価値のない輝き)”
”Voglio piangere(私は泣きたい)”
バルト・ネッサンス(指)
カプリオーラ・ディ・ジョイア
アマリリス・ディールティエンス&クリント・ファン・デン・リンデ

録音:2019年4月18-21日、ベルギー
カプリオーラ・ディ・ジョイアは、指揮者・鍵盤奏者のバルト・ネッサンスと、その妻でソプラノのアマリリス・ディールティエンスが中心となって設立したバロッ ク・アンサンブル。ペルゴレージのスターバト・マーテルは録音も多い名曲ですが、ディールティエンスのまっすぐな声は、思わずはっとさせられる美しさに 満ちています。カルダーラの作品からは、マッダレーナが歌う3篇のアリアを収録。マリア、そしてマグダラのマリアの嘆きが美しく音楽化された音楽史上の 傑作2作が、このうえない透明感で歌われております。 (Ki)
EPRC-0038
モーツァルト:ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 K452
ベートーヴェン:グレトリの歌劇『獅子心王リチャード』のロマンス「燃える情熱」の主題による8つの変奏曲 WoO.72
ベートーヴェン:ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16
アンソニー・ロマニウク(P)
ヴォルフ・アンサンブル
※古楽器使用

録音:2020年8月24-27日
ピアノ、クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルンという珍しい楽器編成で書かれたモーツァルトの五重奏曲 K452は、「これまでに書いた中で最高の作品だと 思っている」と作曲家自身が語ったという名品です。若きベートーヴェンにも大きな影響を与え、同じ編成と調性によるOp.16が生まれました。このアルバムは古 楽器による演奏で、編成からにじみ出る色彩の彩がおおいな魅力となっています。8つの変奏曲 WoO.72はピアノ独奏曲。
EPRC-0039
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
第1番ト短調 BWV1001
第2番イ短調 BWV1003
第3番ハ長調 BWV1005
リナス・ロス(Vn;ストラディヴァリウス「Dancla」、1703年)

録音:2020年9月22-25日、12月20-21日/オクセンハウゼン、ライブラリー・ホール
リナス・ロスは12歳でソナタ第1番のフーガを、15歳で『シャコンヌ』を弾き、17歳で全6曲を演奏しました。それ以来、バッハの無伴奏は彼にとって常に音 楽家として成長し続けるための重要な存在となっています。このたび無伴奏ソナタ3曲をリリース。
バッハ自身がタイトルにイタリア語で『Sei Solo』と綴ったこの無伴奏作品には、「6つのソロ曲」であると同時に「あなたは一人である」という意が込められて います。音楽上の、あるいは楽典的なものを超えたあらゆる要素が一人の演奏家に求められるこの作品に、リナス・ロスが正面から向かい合い録音に踏み切った のはコロナ禍の自粛期間と無関係ではありません。先人の偉大な解釈、原典や当時の弓の研究といった経験値が表現に深みを与えた演奏が展開されています。
EPRC-0048
2つの世界のはざまで 〜フランク:ピアノ作品集
前奏曲,コラールとフーガ FWV21
前奏曲,フーガと変奏曲 FWV30(フリードマン編)
前奏曲,アリアと終曲 FWV23
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 FWV8(コルトー編ピアノ・ソロ版)
ヤニック・ヴァン・デ・ヴェルデ(P)

録音:2022年4月11-14日/ルクセンブルク国立音楽学校
ピアノ曲では『前奏曲、コラールとフーガ』と『前奏曲、アリアと終曲』の2曲が有名なフランク。どちらもベートーヴェンをはじめとしたドイツ書法を採り入れつ つ、ラモー時代から続くフランスの伝統の上に堂々と立つ、革新的で画期的な構成をもった傑作といえます。このCDではさらに、オルガンのための充実作『前奏 曲、フーガと変奏曲』をポーランドの名手イグナーツ・フリードマンがピアノ用に編曲した版と、音楽史上に輝く大名曲『ヴァイオリン・ソナタ』をコルトーがピアノ 独奏用に編曲した貴重な版を併録。ピアノ1台でフランクの音楽をとことん味わえます。 (Ki)
EPRC-0049
色彩の遊戯〜ピアノ三重奏曲集
ドビュッシー:海(サリー・ビーミッシュ編、ピアノ三重奏版)
フリッツ・セリス(1929-):ピアノ三重奏のための1楽章 Op.5
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
トリオ・ハルディ
ピアノ三重奏の編成によるアルバム。このジャンルの最高峰であるラヴェルの三重奏曲に、ドビュッシー『海』のピアノ三重奏版と、ベルギーの作曲家フリッツ・ セレスの作品をカップリング。全編を通してオーケストラに比肩する色彩とニュアンスが追求され、ジャケットを飾るパウル・クレーの鮮やかな絵画と響き合います。
ピアノと弦楽器は対照的なソノリティをもつ楽器であり、各々の色彩を活かした表現こそが、音楽の雄弁さにつながります。その点でラヴェルの書法はすばらし く、ほとんどオーケストラのように響きます。
ドビュッシーの『海』は原曲のもつ華麗な表現力を、見事に小編成に「凝縮」した編曲。音楽のもつ描写性がしっかりと残っています。
フリッツ・セリスの作品は繊細な色彩と力強いリズムが組み合わせれ、独特の推進力を発揮しています。
EPRC-0050
イン・メモリアムI
シューベルト:「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲 D802Op.160(原曲:フルートとピアノ)
ソナタ イ長調 D574Op.post.162(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
ロンド ロ短調 D895Op.70(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
幻想曲 ハ長調 D934(原曲:ヴァイオリンとピアノ)
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
パオロ・ジャコメッティ(P)

録音:2014-2017年
2023年にウィスペルウェイが発表する「イン・メモリアム」シリーズの第1弾。今作は過去にリリースされたシューベルトとブラームスの録音プロジェクトから、 シューベルトの作品を抜粋して再構成したアルバムです。どれも元は別の楽器のために書かれた作品でありながら、チェロの音色にも非常にマッチする美しい名品 ばかり。ウィスペルウェイが厚い信頼を寄せるピアニスト、パオロ・ジャコメッティの伴奏も息ぴったりです。シューベルトの音楽は、音楽愛好家だったウィスペルウェ イの息子にも大きな影響を与えたそうです。
「2022年、60歳の誕生日を迎える半年前に、息子のドリアンが亡くなりました。私も家族もたいへんなショックを受け、毎日が根底から揺らいでいる状態です。 音楽を通して、前向きで建設的な癒しをもたらすことが、私の進むべき道だと思います。」(ピーター・ウィスペルウェイ)
2023年10月頃に「イン・メモリアムII」として、バッハとコダーイのソロからの新録音をリリース予定。 (Ki)
EPRC-0052

KKC-6723
日本語解説付国内盤
税込定価
ドイツ音楽集
(1)バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
(2)テレマン:フルート、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ長調 TWV53:A2(ターフェルムジークより)
(3)バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
(4)テレマン:4声のソナタ第2番ト短調 TWV43:g1(パリ四重奏曲第4番)
(5)ステファン・ヨハネス・ハンケ(1984-):Starfish Rebellion II(ヒトデの反逆II
ヴェリタ・バロック・アンサンブル

録音:(1)2022年6月8日ドイツ、ケーテン城
(2)2022年7月27日ドイツ、ゾンダースハウゼン城
(3)2022年11月16日ドイツ、ラティンゲン、ヴァッサーブルク・ハウス・ツム・ハウス
(4)2022年4月26日ドイツ、ヴォルフスブルク城
(5)2022年12月16日ドイツ、ゾンダースハウゼン城
フルーティストのタヤ・ケーニッヒ=タラセヴィチと、チェリストのバルトロメオ・ダンドロ・マルケージによってパンデミック中に設立された新進古楽アンサンブル 「ヴェリタ・バロック」によるデビュー盤。
バッハとテレマンの作品をゆかりのバロック様式のお城で録音するという贅沢な試みで、それぞれの場所で異なる音響効果が感じられます。演奏がまた魅力的。 構えてしまいがちな名曲を並べていながら、肩肘はらないリラックスした柔軟な語り口。豊かな残響ともきれいに溶け合っています。
最後にアンサンブルのレジデンス・コンポーザーであるSJハンケの委嘱作品を収録。バロック編成のために書かれ、始めこそユニゾンを軸としたトゥッティを思 わせますが、大胆な発想と爽快な疾走感でぐんぐん音楽が前進。各楽器のソロが入り乱れるネオ合奏協奏曲といった趣も。アルバム全体を通して、若い音楽家のあ ざやかな視点に目の醒める思いがする1枚です。 (Ki)
EPRC-0053
クラリネットが主役のウェーバー作品集
クラリネット協奏曲第1番Op.73(カデンツァ:アンドレアス・タルクマン)
歌劇『魔弾の射手』より アリア「静かに、静かに、敬虔な調べよ」(アンドレアス・タルクマン編)
クラリネット協奏曲第2番Op.74
歌劇『シルヴァーナ』の主題による変奏曲 Op.33(ライナー・ショットシュテット編)
ルーラント・ヘンドリックス(Cl)
ミシェル・ティルキン(指)
ライン州立PO
オペラの大家として知られるウェーバーがクラリネットに与えた旋律を、プリマドンナが演じるが如く歌う、というイメージのアルバムです。2つの協奏曲に加え、 自らのオペラの旋律を基にピアノとクラリネットのために書いた変奏曲Op.33と、『魔弾の射手』からの名アリアを、クラリネットとオーケストラの版で聴くことが できます。
ウェーバーは同時代のクラリネットの名手ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847)に感化されて、ここに収録された協奏曲や変奏曲を作曲しました。 楽器そのものが近代化し自由度が高まっていた時期でもあり、その音楽語法は非常に豊かなものとなっています。
ソロを吹くルーラント・ヘンドリックスはベルギー出身の名クラリネット奏者。ベルギー国立Oで長きにわたり首席奏者を務め、2017年からソリストとし て活動しています。 (Ki)
EPRC-0055
サンバ=バッハ
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
ヴィラ=ロボス:Villa Cantilena & Melodia Sentimental
アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):Desafinado / Garota de Ipanema
同:Samba de uma Nota So
マルコス・ヴァーリ(1943-):Samba de Verao
ノエル・ホーザ(1910-1937):Gago Apaixonado
アリ・バホーゾ(1903-1964):Aquarela do Brasil
アシス・ヴァレンテ(1911-1958):Brasil Pandeiro
ヴァルジール・アゼヴェード(1923-1980)/ジャコー・ド・バンドリン(1918-1969):Brasileirinho / Assanhado
ゼキーニャ・ジ・アブレウ(1880-1935):Tico-tico no Fuba
ジョルジ・ベンジョール(1939-):Mas que nada
ピシンギーニャ(1897-1973)&ベネヂート・ラセルダ(1903-1958):Um a zero
リナス・ロス(Vn )
オルケストラ・ヨハン・セバスティアン・リオ

録音:2023年3月24・25・27・28日リオデジャネイロ、セシリア・メイレレス・ホール
ドイツのヴァイオリニスト、リナス・ロスとブラジルのオーケストラによるユニークなプロジェクト。バッハのヴァイオリン協奏曲に始まり、『ブラジル風バッハ』 でもおなじみのヴィラ=ロボスを経て、有名なサンバのメロディをヴァイオリン独奏、弦楽合奏、チェンバロ、ギター、パーカッションの為のアレンジで演奏。ドイツ の作曲家・ブラジルの作曲家・ブラジルの民族音楽と移り変わっていく音の景色をお楽しみください。 (Ki)
EPRC-0056
イン・メモリアムII スコルダトゥーラ・アルバム
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番Op.87より IX.パッサカリア
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)

録音:2022年12月7・9・10日/ベルギー
ウィスペルウェイが亡き息子に捧げる2枚目のアルバム。2022年最新録音です。スコルダトゥーラ(変則調弦)に関連付けられた選曲で、A弦を全音低いGに 変えたバッハの5番と、C・G弦を半音低いH・Gesに変えたコダーイを収録。どちらもチェロのために書かれた輝かしい傑作であり、暗い色調を持ちながらも激 しく、純粋な音楽の力にあふれた作品。最後におかれたブリテンのパッサカリアもまた暗く、しかし力強く、複雑な不協和のなかに屈折した光を照射していくような 音楽です。ウィスペルウェイの演奏は音楽を奥底まで掘り下げた凄まじいもので、技術的な困難さをまったく表に出さず、とてつもない集中力と没入度で弾ききっ ています。どれも再録音となる楽曲ですが、改めてまっさらな状態から挑みかかったような凄味のある演奏がお聴き頂けます。 (Ki)
EPRC-0057
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲集
(1)五重奏曲 へ短調 Op.42-1G348
(2)五重奏曲 ハ長調 Op.46-3G361*
(3)小五重奏曲 ロ短調 Op.42-3G350
(4)五重奏曲 ト短調 Op.42-4G351
カルスキSQ
ラファエル・ファイユ(Vc)

録音:2023年5月15-17日ベルギー、AMUZ
*世界初録音
世界初録音を1曲含むボッケリーニの弦楽五重奏曲集。どれもヴァイオリンとチェロが2パートずつの編成ですが、このCDでは奏者が曲ごとにパートをかえて 演奏しているのが特徴。各曲が別々の命を吹き込まれたかのように響き、いきいきとした個性の違いを感じられます。短調作品の表情の豊かさに驚き。 (Ki)
EPRC-0062(2CD)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) リヌス・ロート(Vn)

録音:2021年9月22日-25日&12月20日-21日、ライブラリー・ホール(オクセンハウゼン、ドイツ)
※使用楽器:ストラディヴァリウス‘Dancla’、1703年
ドイツのヴァイオリニスト、リヌス・ロート(リナス・ロス)によるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲が登場!2つに分けてリリースされていた録音(EPRC0039/EPRC0040)のセット化となります。
ザハール・ブロンやサルヴァトーレ・アッカルドに師事した1977年生まれのリヌス・ロートは、2006年にEMIからリリースしたデビュー・アルバムでECHOクラシック賞の最優秀新人賞を獲得し、2017年にはトーマス・ザンデルリンク指揮のLSOと共演したアルバムで再びECHOクラシック賞に選ばれるなど、同世代でも有数のヴァイオリニストとして活躍しています。主要作品からマイナーな作品まで幅広いレパートリーを持ち、特にミェチスワフ・ヴァインベルクの作品の普及に特別な貢献を果たしていることは国際的にもよく知られています。バッハの無伴奏ソナタ&パルティータは9歳の頃から共に歩んできたといい、2021年のロックダウンの期間を利用してヴァイオリニストにとっての金字塔ともいえるこの最重要作品のレコーディングに臨みました。ロートはこの奇跡的な音楽への強い関心を新たにする機会が、ロックダウン下において精神的な自由への逃避を可能にしてくれたと語っています。


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