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器楽曲F〜フォーレ



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フォーレ/FAURE
主題と変奏、ベートーヴェン:エロイカ主題による変奏曲とフーガ、ブラームス:ヘンデル主題による変奏曲とフーガ、メンデルスゾーン:厳格な変奏曲、ショパン:ピアノ協奏曲第1番、リスト:ピアノ協奏曲第1番、悲愴協奏曲
エリック・ハイドシェック、タニア・ハイドシェック(P)※、
ピエール・デルヴォー(指)コロンヌO
1958年〜1972年
※ブラームス、メンデルスゾーンのみモノラル
EMI
5852222(2CD)
“決して型破りでない、ハイドシェックの内省の深み!”
1枚目のCDは変奏曲のみで構成されており、ハイドシェックの変奏曲というスタイルへの絶妙な適応性を思い知らされるものになっています。中でもフォーレが傑出して感動的!「主題と変奏」は、フランス的な佇まいから脱却し、緻密な構成力が漲る逸品と知られる曲ですが、ハイドシェックはそのような曲の絶対音楽的な厳格さと共に詩情な表情と香りもふんだんに盛り込み、一種の幻想曲風な雰囲気で魅了します。一切小細工を施さずに深い悲しみ一色でテーマを奏で、優しく最初の変奏へ滑りこむその風情に、はやくも涙を禁じ得ません。ほとんどの曲が嬰ハ短調で統一されているので、全体を統合しながらそれぞれの変奏に微妙に異なるニュアンスを持たせるには、ピアニストのセンスが不可欠ですが、彼の無限とも思える陰影を含んだタッチが、その両面を見事に実現させています。第6変奏の極めてシンプルな音符の隙間からこぼれる深みは何に例えたらいいでしょう!ハイドシェックの閃きと格調に満ちた芸術性は、ベートーヴェンでも横溢!まるでビロードに触れるような美しいテクスチュアで一貫しつつ、堅固に構築される最後のフーガでは、彼の天才性を痛感。リストの第1協奏曲も、打鍵の切れ味だけで駆け抜ける表層的な演奏とは全く別次元。真のグランド・スタイルの艶やかさ、語り口の妙は、リストはやはりこうでなければと唸らせる説得力に満ち溢れています。延々と続く長いトリル(3:34など)一つとっても、こんなに音楽的に迫って来ることは滅多にありません。女性的な繊細さをもって奏でられることの多いショパンの協奏曲(第1楽章序奏部短縮版)も、情報量満点の超名演!決して情に溺れず、高貴なニュアンスを常に湛え、デルヴォーとがっぷり四つに組みながら閃き一つで勝負するスリリングな雰囲気は、何物にも代えがたい魅力です。第1楽章第2主題や第2楽章後半の上下行する走句(7:40)など、男の哀愁そのもの!終楽章冒頭主題の符点リズムに自然な華やぎを持たせた演奏としても忘れられません。さらにこの名演に一役買っているデルヴォーの存在にもご注目!その勇壮を極めたスケールと迫力は、ハイドシェック共々スリル満点!ハイドシェックは後年、デルヴォーをただの酔っ払い呼ばわりしているのが笑えますが、少なくともこの録音で聴くふたりのコンビネーションは、これ以上考えられない絶妙です。

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