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クラシック/評伝・エッセー 【タ行】
高橋悠治/コレクション1970年代
高橋悠治:著 平凡社ライブラリー 税別\1,300
“彼が提起した問題は未だに解決を見ていません!”
1972年から1977年までにか行くメディアに発表してきた26のエッセイをまとめたもの。平仮名を多用した独特の文体で、決してすらすら読める文章ではないですが、音楽の捉え方、作曲家論、音楽と言葉の関係など、彼独自の感性と問題意識を容赦なくぶちまけ、全編「怒り」の連続といった感じですが、決して激高せず、あくまでも知的に論旨を展開させています。今や当たり前のことになってしまいましたが、音楽がメディアに利用されている事実をこの時期にしっかり認識して、今後どう音楽と関わるべきかを探るくだりでは、彼の人並み外れたセンサーの鋭敏さに感心させられ、『オーケストラ改造試案』の中では、退廃以外の何物でもない職業オーケストラのあり方に相当怒っていますが、単に月並みなレパートリーを繰り返すことの無意味さを説くのではなく、各奏者が真に自発性を発揮せざるを得ない状況を作ることこそ先決とし、そのための具体的な案を出し、その案が普通に考えて到底無理であることは十分承知の上でその根拠を徹底的に論じるのには、彼の先見性と本当の音楽への愛情を感じさせます。彼の天才を痛感させる一冊です。
〜本文中の名言〜
・音楽がメディアに利用されている現実を見つめ、新しい技術で抵抗するための手がかりはことばにある。-高橋悠治(35頁)
・この曲は歴史的にこういう位置にあって、ここがおもしろい、と何でも定義づけないと安心できないひとがいる。-高橋悠治(68ページ)※これでは知識の意味を聞いているだけで、音楽自体はその記憶を助ける小道具になってしまう、という文章が続く。全く同感!




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