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| ラフマニノフ/RACHMANINOV |
![]() BRILLIANT BRL-6214(2CD) |
ピアノ協奏曲全集(第1番*、第2番、第3番#、第4番#)、パガニーニの主題による狂詩曲 |
| ホルヘ・ルイス・プラッツ(P)、エンリケ・バティス(指)メキシコ・シティPO、 ニコライ・ルガンスキー(P)#、イワン・シュピーラー(指)ロシア国立SO#、 ジョン・リル(P)*、尾高忠明(指)BBCウェールズO* |
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| 全てデジタル録音 | |
| “ルイス・プラッツを筆頭に名演ぎっしり!” | |
| まずルイス・プラッツの演奏が、どんなに言葉を尽くしても足りないくらいの名演!全編に溢れる陰影の豊かさとヴィルトゥオジティが常に塊となって迫り、全ての音が感動に直結しているのです。タリアフェロ門下でキューバ出身のプラッツのピア二ズムは、一度聴いたら脳裏を離れません。「第2番」第1楽章で冒頭を淡々と開始したかと思うと、オケが入る直前には地鳴りのように低音を響かせるというこの数秒間のドラマ性!センス満点のアゴーギクを駆使しながら、内容のぎっしり詰った音を芯から轟かせる力量、黒光りの音色美は最後まで途絶えることがありません。またそれを見事受けて立つバティスとLPOの技の見事なこと!第2楽章冒頭のクラリネット・ソロは男の哀愁そのものですし、終楽章コーダの威風に満ちた到達感も他にあまり例を見ません。この曲をただ甘美なだけだと思っている方には特にお聴きいただきたいものです。 リルの「第1番」は、この人らしいストイックなアプローチですが、そのテクニックはルイス・プラッツとはまた違う厳格さと強靭さを兼ね備えたもので、あまり演奏されないこの作品に一級の作品に引き上げており、アシュケナージ等の有名盤以外となるとこれを挙げないわけにはいきません。あのベートーヴェンのソナタ全集で聴かせてくれた確信に満ちた堂々たるピアミズムがここではそのまま踏襲されており、特に甘味料たっぷりのラフマニノフに食傷気味の方にお勧め。深々と詩情にも事欠かず、決してタッチの輪郭をぼかしてごまかすことのない第2楽章の繊細な描き方とリリシズムは、自身で納得しているだけで聴き手に語り掛けてこないというのとは次元が異なる真に迫るニュアンス。尾高の指揮がまた見事。録音も優秀(Nimbus原盤)。ルガンスキーの演奏は、真摯に作品に対峙し、技巧をひけらかすことのない誠実な演奏。第3番終楽章での大きな構えと、とてつもない深い呼吸の持久力にはびっくり!よく吟味されたタッチの美しさも聴きもの。 |
| BMG(melodiya) 74321-24211 |
ピアノ協奏曲第2番、ピアノ協奏曲第3番 |
| ヴィクトール・エレスコ(P)、プロヴァトロフ(指)ソビエト国立SO | |
| ステレオ | |
| “マグルリット・ロンいわく、『私は彼の中にラフマニノフの再来を見る!』” | |
| 1963年のロン・ティボー・コンクール優勝時、老齢のロンが激賞を惜しまなかったというエレスコのラフマニノフは、甘味たっぷりのセンチメンタルさに徹底的に対抗する筋骨隆々型の典型。機関銃のような打鍵は全く容赦なく、弱音のパッセージすら情に流されるそぶりも見せず、その代わりに曲のフォルムが赤裸々に表出されるのですから、とても気軽なBGMとして流せません。伴奏の豪快さも空前絶後!しかし、さすがにこうでもしないと、このピアノとと釣り合いが取れないでしょう。 |
![]() DENON COCO-80787 |
ピアノ協奏曲第2番、 +リスト:ピアノ協奏曲第1番 |
| ミハイル・リツキー(P)、ポンキン(指)モスクワRSO | |
| 録音:1997年(ステレオ・ライヴ) | |
| “ロシアの鬼才、リツキーの初の協奏曲録音!” | |
| リツキーにとってDENONへの通産5枚目のCD。第1楽章冒頭の和音の打ち鳴らし方から、いきなりショッキング!そっと呟くようなピアニッシモで開始し次第にクレッシェンドで重量感を増しながらアルぺジョになだれ込むのが通例ですが、リツキーは域内最初から骨太タッチで2拍目のテヌートも十分に保ちながら悲痛なもがきをあらわにし、その後更に緊張の色を強めて甘美な空気を完全払拭。厳しく切実なドラマの幕開けを告げるのです。第2主題もうわべの美しさとは無縁の凛とした風情を崩しません。コーダーの入りも慎重そのもので、せべてを意味深く鳴らし、決然と締めくくります。第2楽章でも甘さに浸ることはなく、タッチを曖昧にせず、深い呼吸を隅々まで行き渡らせながら、先の見えないこの楽章の浮遊感を見事に表現しています。終楽章は全曲の白眉!あらゆる競合盤の存在を忘れさせる圧倒的なスケール感、オケとの一体感、緻密な構築は最後まで揺らぐことなく、威厳と格調を貫く精神力には唖然とするばかりです。リストも気軽に聴けない独特の凄みを湛えています。各フレーズをその長短に拘わらず最大限に大きく息づかせるので、緊張感に満ちた流れが弛緩することがありません。その良い例が第2楽章の最後、フルートで奏でられる副主題を支える長いトリル。最後の一音までこれほどピアニストの「手」を感じさせる様に鳴り切った例があるでしょうか?さらに、その直後のトライアングルに導かれる主題のとぼけたようなニュアンスも印象的。この柔軟なニュアンスの切り替えこそ、炉着きーの豊かな感性の証し!そうあるべきと感じたものを確信を持ってストレートに音化しているからこそ、今までの重量級の表情も奇異なものに終わらず、絶大な説得力を持つのではないでしょうか?一方、ポンキンの指揮も大きなポイント。豊富な内容量と壮大なスケールを誇るもので、リツキーとは演奏旅行でも共演を重ねて気心が通じているせいか、互いの強烈な個性を引き立て合って絶妙な緊張感を生んでいるのです。まさに協奏曲を聴く醍醐味!なお、本CDのライナーは私が執筆しました。 |
![]() EMI 5856232[cfp] |
ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲 |
| フィリップ・フォウク(P)、ユーリー・テミルカーノフ(指)RPO | |
| 録音:1985年(デジタル) | |
| “全ての音が120%の意味を持って迫る驚愕の名演奏!” | |
| 1985年デジタル録音。これは凄い!ここで表現仕切れていない要素は何ひとつないと断言したいほどパーフェクトです。協奏曲冒頭、オケが加わるまでの間にタッチの深みと強度を克明に増強させて、アルペジョの怒涛のうねりば堰を切ったような溢れ出素までの緊張の高まりにいきなり釘付け!テミルカーノフの指揮も負けじと濃厚なフレーズを披露。フォウクのピアノは、タッチそのものが非情なまでに精巧でありながらフレージングが極めて甘美という離れ技の連続!第2主題では、とてつもない深い呼吸で聴き手を牽引し続けます。5:23からの高音の連打音にもご注目を。彫琢を極めた硬質のタッチの美しさと意味深さは比肩する演奏はめったにありません。6:29からの重量級の思いタッチとテミスカーノフの濃厚な指揮が融合した広大な音像も唖然。第2楽章は高貴なニュアンスが横溢!しっかり前を見据えて耽溺せずに音楽の美しさを余すところなく再現するピアノのみならず、伴奏の特のニュアンスの豊かさはまさに空前鉄後!オケのソロ奏者、ピアノどんな大強音でも音が割れずにクリスタルの艶と輝きを保持しているのですからたまりません!終楽章4:26からはタッチの強靭さ、美しさ、集中力の持続など、まさに敵無し!コーダで性急に湧き上がらず、じっくり足場を固めながら、ロシアの大地を突き抜けて宇宙全体に向けて発するようなパワー噴出力も圧巻!そうなると当然狂詩曲にも期待が膨らみますが、これがまた期待以上の鉄壁の名演奏。とても全てを語りつくせませんが、第8変奏や13変奏などの打鍵の深さ、刃金のような鋭利な切り込みとオケの巨大スケールが渾然一体ぶり、第12変奏であえて弱音のみに頼らず、強弱のコントラストを付けながらむせび泣くフレーズに更に奥行きを与える演奏は前代未聞!有名な第18変奏のフレージングの粘着力、アゴーギクから滲み出る多彩なニュアンスは、このシンプルなメロディから表出しえる極限と言うしかなく、その濃厚な表現が、タッチそのものの気品と集中力によって完全に制御されているので、嫌味になるどころか芸術的な格調を伴って迫るのです。第22変奏以降の驚愕の迫力は、協奏曲と同様にノリに任せることをピアノ、指揮共々戒めながら全ての音を根底から鳴らしきっている分、粉砕力が尋常ではありません!フォウクの破格のヴィツトゥオジティと共にテミルカーノフがその全音楽性を惜しげもなく開放したという点でも絶対に無視できない1枚です。録音も極上! |
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